衆議院

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第2号 平成24年4月11日(水曜日)

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平成二十四年四月十一日(水曜日)

   午後三時開会

    ─────────────

 出席委員

  衆議院

   委員長 田中けいしゅう君

   理事 樋高  剛君 理事 馬淵 澄夫君

   理事 松本 剛明君 理事 三日月大造君

   理事 鷲尾英一郎君 理事 逢沢 一郎君

   理事 井上 信治君 理事 井上 義久君

      岡田 康裕君    加藤 公一君

      城島 光力君    仙谷 由人君

      竹田 光明君    樽床 伸二君

      津村 啓介君    手塚 仁雄君

      中野 寛成君    長島 昭久君

      前原 誠司君    三井 辨雄君

      石原 伸晃君    大島 理森君

      谷垣 禎一君    茂木 敏充君

      志位 和夫君    内山  晃君

      渡辺 喜美君

  参議院

   委員長 鈴木 政二君

   理事 佐藤 公治君 理事 広野ただし君

   理事 世耕 弘成君 理事 江口 克彦君

      一川 保夫君    郡司  彰君

      輿石  東君    羽田雄一郎君

      藤原 正司君    増子 輝彦君

      松井 孝治君    伊達 忠一君

      谷川 秀善君    中村 博彦君

      林  芳正君    吉田 博美君

      木庭健太郎君    山口那津男君

      森田  高君

 出席国務大臣

       内閣総理大臣   野田 佳彦君

       国務大臣

       (内閣府特命担当大臣(行政刷新))      岡田 克也君

       総務大臣

       国務大臣

       (内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策、地域主権推進))  川端 達夫君

       法務大臣     小川 敏夫君

       外務大臣臨時代理

       国務大臣

       (内閣官房長官) 藤村  修君

       財務大臣     安住  淳君

       文部科学大臣   平野 博文君

       厚生労働大臣   小宮山洋子君

       農林水産大臣   鹿野 道彦君

       経済産業大臣

       国務大臣

       (内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償支援機構))      枝野 幸男君

       国土交通大臣

       国務大臣     前田 武志君

       環境大臣

       国務大臣

       (内閣府特命担当大臣(原子力行政))     細野 豪志君

       防衛大臣     田中 直紀君

       国務大臣

       (復興大臣)   平野 達男君

       国務大臣

       (国家公安委員会委員長)

       (内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全))        松原  仁君

       国務大臣

       (内閣府特命担当大臣(金融))        自見庄三郎君

       国務大臣

       (内閣府特命担当大臣(経済財政政策、科学技術政策))    古川 元久君

       国務大臣

       (内閣府特命担当大臣(「新しい公共」、防災、少子化対策、男女共同参画))        中川 正春君

 出席政府特別補佐人

       内閣法制局長官  山本 庸幸君

 委員外の出席者

  衆議院事務局

       国家基本政策委員会専門員    金子 穰治君

  参議院事務局

       常任委員会専門員        諸星 輝道君

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  本日の会議に付した案件

国家の基本政策に関する調査


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    ─────────────

   〔鈴木政二君会長席に着く〕

会長(鈴木政二君) ただいまから国家基本政策委員会合同審査会を開会をいたします。

 本日、会長を務めます参議院国家基本政策委員長の鈴木政二でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。(拍手)

 この際、合同審査会における発言に関して申し上げます。

 野党党首及び内閣総理大臣には、申合せの時間内で活発な討議が進められるために、御発言はそれぞれ簡潔にお願いを申し上げます。また、本日、時間表示装置を使用いたします。表示装置は三か所ございます。発言者の持ち時間を示します。持ち時間が終了したときは赤色のランプが点灯しますので、御承知願いたいと存じます。

 なお、委員及び傍聴議員各位におかれましても、不規則発言等、議事の妨げになるような言動は控えていただきますよう、御協力をお願い申し上げます。

 それでは、国家の基本政策に関する調査を議題とし、討議を行います。自由民主党総裁谷垣禎一君。(拍手)

谷垣禎一君 総理、先日、与野党協議を目指して党首会談の御提案がありました。ただ、私は、この党首討論、これこそが国民の前に開かれた最高の議論の場だと、このように考えております。

 今日は、総理にお伺いしたいことは、総理のお覚悟を問いたいと、このように思っているんです。

 先日、総理は、税と社会保障の一体改革について、政治生命を懸ける、命を懸けるとおっしゃいました。私は大変立派なお言葉だと思います。問題は、その総理のこのお言葉に対応する物事の動きがあるかどうかということですね。

 何を申し上げたいかというと、税と社会保障一体改革をおまとめになる中で、民主党の中から多くの役職員が抗議をされて、二十九名の方が辞表を出されました。それから、政府の中からも四名の副大臣あるいは政務官が辞表を出されて閣外に去られました。そういった方々に総理は政治生命を懸けて説得をしておられるのかどうか。

 それからさらに、この間に国民新党亀井代表は、消費税をやることは筋が通らないとおっしゃって去られました。それを機にして、新たに野田総理とあそこにおられる自見大臣というか、国民新党の新たな代表の自見さんとの間で合意書がまとめられました。亀井さんが消費税はおかしいと言って去られた後に新たな合意書を作られるのであれば、そして総理が税と社会保障の一体改革に政治生命を懸けられると言うのであれば、この中にそういった文言があってしかるべきであります。しかし、この中には消費税という言葉は一言もない。

 こういうことを拝見しますと、政治生命を懸けるとおっしゃるけれども、つまり、我々にいろいろお問いかけがあります、お呼びかけがあります、その前に連立の中をきちっとまとめる、こういうことがあって初めて総理のお覚悟がうかがわれてくると思うんですが、いかがでしょうか。

内閣総理大臣(野田佳彦君) まず、社会保障と税の一体改革は、これは待ったなしの改革だというふうに思っております。先般、法案を提出をいたしましたので、その成立を全力を尽くして目指していく、これは重大な決意を持って臨んでいくということは、これは変わりはありません。

 その上で、民主党内においては、一昨年の秋から検討本部を設けて成案を作り、そして素案をまとめ、そして大綱として閣議決定をして、そして法案提出をしたわけでありまして、丁寧な議論を積み重ねてきたというふうに思います。引き続き、多くの皆様に御理解をいただけるような丁寧な説明は続けていきたいというふうに思います。

 今お尋ねの四月六日に締結をした国民新党との連立の合意書についてでございますが、確かに消費税という文言は特出しには書いてございません。でも、そこにお示しをしている、第二項のところの幅広い意味での社会保障の改革の中に位置付けているというふうに思います。

 だとすると、じゃ、自見大臣が、じゃ、ほかのメンバーがこの議論に参加をしないのかというと、決してそうではないと思います。三月三十日に税制改正の抜本改革法案は閣議決定をいたしました。そのときに自見大臣は署名をされています。その後の会見の後、会見のときにですね、連立与党の一員として、内閣の一員として署名をしたとおっしゃっております。ということは、あえて消費税という言葉を書かなくても、その方が、その方が新たな国民新党の代表になられたわけでございますので、谷垣総裁の御心配、御懸念というのは無用だというふうに思います。

谷垣禎一君 まあ、それだけの覚悟を示されるのならば、総理のそのお覚悟が総理の体の中から体臭となって、殺気となってにじみ出てこなきゃいけないと私は思いますよ。だけど、ここに消費税という言葉もないということは果たしてどうなのかと私は思うんです。

 それで、それで、要するにですよ、なかなか足下が掌握できていないということは既にいろんな弊害も出てきているんです。

 前回の党首討論のとき、二月二十六日です、私は、最高裁判所から一票の格差が違憲だと指摘されている、何をおいてもこれは解決しなきゃならないということを問題提起いたしました。総理もこれを受け止められまして、まずこれを解決すると、この場で明言されました。しかし、その後、この与野党の協議機関の座長をしておられる、あそこに座っておられますが、樽床御党の幹事長代行ですよ、何とおっしゃったか。総理の私的意見であると、こうおっしゃった。私は怒り心頭に発しましたよ。この場で総理と議論したことが、そして総理がおっしゃったことが個人的な見解だと、こういうことなら党首討論なんてやってられない、私はこのように思いました。

 そこで、報道によりますと、昨日、総理は樽床座長に指示をされたということであります。どういう指示をされたんでしょうか。

内閣総理大臣(野田佳彦君) 先般の党首討論で、谷垣総裁との討論の中でですね、一票の格差が生じていることが違憲である、しかも違法にもなりました、この状態を一日も早く脱却しなければいけない、様々な政治改革の課題がありますが、それは最優先で急がなければいけないという認識は一致をいたしました。この思いは私も変わりませんし、今御指摘をいただいた樽床代行もこの思いは全く同じでございます。

 その上で、一票の格差是正と定数削減と選挙制度改革を、これセットで結論を出そうというのが今与野党の協議の状況でございますので、樽床代行におかれましては、各政党それぞれの思いを具体的にお聞きしながらのヒアリングを行ってまいりました。そのヒアリングを踏まえて、この四月中には成案を得るように樽床代行に指示をしたということでございます。

 是非、この際、お願いをしたいんですが、私どもは与党をまとめることに責任を持ちます。是非、谷垣総裁におかれましては、野党全部というと、これはちょっとたくさん政党があります、せめて選挙協力や国会で連携をしている公明党さんとはしっかりすり合わせる、そこの責任は是非持っていただきたいというふうに思います。

 加えてですが、この政治改革の関連で申し上げさせていただきますと、一票の格差是正と定数削減と選挙制度改革、これ大事なんですけれども、国民の求めているのは身を切る改革です。定数削減を我々はやらなければいけないと思っています。その定数の削減と国会関係の人件費というのは、定数と歳費の問題があるんです。この議員歳費については、先般、公明党さんから二割削減という御提言が党首討論で出ました。私どもはそれを前向きに受け止めるという返事をしました。前向きに受け止めた結果、年間三百万円議員歳費削減をする、向こう二年間それを実現するということを党内で意見集約をして、議運で提案をさせていただいております。そして、公明党さんは賛成と聞いております。残念ながら、この四月から実施しようと思ったんですが、自民党の態度が未定だ、決まっていないということを聞きました。

 是非、五月から実現をするためにも、総裁のリーダーシップの下で衆参の自民党において議員歳費削減、これを是非まとめていただきたいと思いますが、ここで明言できるでしょうか。

谷垣禎一君 まず、今、一体でとおっしゃいましたけれども、この前のときの野田総理の御議論は、まず一票の格差をやって、そうして、それを案をまとめてからその次にきちっと一体の改革をやろうという御提言であったはずです。そうして、樽床座長からは私案が出てくるというけど、待てど暮らせど出てこないのが現状じゃないですか。そして、さっき、今、違憲だけじゃなしに違法状態になったとおっしゃった。二月二十六日から今日まで延々と総理は指示をお出しにならなかったということも私は重要だと思いますよ。そして、私は、歳費の話も、それは受けて立ちますよ。しかし、しかしですよ、物事の軽重からいえば、憲法違反を指摘されているこの問題にいつまでも結論が出せないでいて、果たしてそういった問題に結論がきちっとまとめられるとは私は思いませんよ。まず、やはり憲法違反の問題に結論を出していく。

 それから、もう一つ申し上げたい。野党をまとめろとおっしゃった。野党もいろんな意見がありますよ。野党をまとめるのが野党の責任だなんというのは、私はのしを付けてお返ししたい。与党がそれだけの覚悟をしてお取りまとめにこれは駆けずり回らなきゃ駄目なんですよ。そういう議論は私は野党ぼけの議論だと思います。

 それで、実は党首会談、お求めになりました。私は、党首会談、必要なときはやったらいいと思っています。ただ、問題は、もし今の樽床さんのお話でも、なかなか前回党首討論でおっしゃった党首のお考えがストレートに出てこないんですよ、与野党協議でも。

 もし、もしですよ、総理が党内を掌握されて、そうして総理のお考えが、覚悟が党内に浸透していくのであれば、今のこの税と社会保障の一体改革にせよ、ほかの問題にせよ、どういうふうにして、どういう場で議論を重ね、どういうふうにして処理していこうか、国会が処理しなければならない案件も様々です、そういった具体的な提案が、あるいは輿石幹事長なのか、あるいは国対委員長城島さんなのか、私は具体的な提案が出てくると思うんですよ。ちっともそういうのが出てこない。それで、そういうのが何にも具体的な、国会をどう運んでいくか、国会の場で議論していくか、提案がない中で私と野田総理が会談をしても、私はこれは余り意味がないと思うんですよ。

 是非、是非、今後の後半の国会の審議に関して、そうして総理が政治生命を懸けるこの税と社会保障の一体改革に関して、幹事長ないし国対委員長から具体的な御提案を出していただきたい。いかがでしょうか。

内閣総理大臣(野田佳彦君) 当然のことながら、法案として提出をしたわけでございますから、きちっと審議をしていただかなければいけないと思います。その枠組みをどうするか、どういう委員会立てをするのか、当然具体的に幹事長、国対委員長のレベルから御提起をさせていただきたいというふうに思います。

 その上で、その上でなんですが、なぜ党首会談を求めたかというと、もちろんそういう段取りの話も大事であります。大事でありますけれども、これまで我々が素案をまとめたときに、まずそれを閣議決定することが与野党協議の前提のようにお話がございました。それは乗り越えました。その後は、法案を提出しろというお話がございました。法案を提出をしました。法案を提出をし、予算も成立をしたわけでございますから、一体改革も含めて重要課題についてトップ同士で胸襟を開いて議論をしたいというのが党首会談の趣旨なんです。

 もちろん、党首討論はやります。御要請があればいつでもやりたいと思いますが、それとは別に、例えばこの党首討論なんて三十分じゃないですか。そうじゃなくて、もっと胸襟を開いて、問題意識を共有する部分は私はかなりあるんではないかと思っているんです。それを国家国民のためにやっていこうということでございますので、党首の会談もこれからも引き続きお願いをしていきたいというふうに思いますけれども、その点についてはお受けいただけるでしょうか。

谷垣禎一君 私は、今、野田総理からいろんなお話がございました。こういう法律が出てきたわけですから、まず第一義は、国会の中でがっぷり四つに組んで議論をするということが私は第一だと思います。私どもはずっとその基本的な考え方で、早くまとめて早く国会に出してくれということを言ってきたわけであります。それは、またそういう議論の中でいろんな論点が煮詰まって、私と野田総理がお話をしなければならないこともあるだろうと思います。それは必ずしも私は否定しているわけではありませんが、まず国会の中で、国民の目にはっきりした場で議論をしていくということが先行すべきではないかと、私はこのように思っております。

 そして、もう一つここで確認しておきたいことがあるんです。それは、御党の中でいろんな議論が聞こえてまいります。なかなか御党の中で、先ほど申し上げたように反対の方もたくさんいらっしゃる。そういう中で、審議が早く進めると、採決にまで至ると党の中がまとまらないおそれがある、だから審議はゆっくりしようというような議論が聞こえてくるんです。

 今、具体的な御提案がなかなかなかったということも、実は私はそういうことがあるんじゃないかと危惧をしていたわけです。総理は政治生命を懸けるとおっしゃるけど、それを進めていくモメントが失われているんじゃないか、これが私の心配でございます。

 昨日、総理は、今国会会期の中で成立を期すことが責任を果たす最低の条件だと、基本中の基本だとおっしゃった。それならば伺いますが、六月二十一日までがこの会期ですね、六月二十一日までの会期内に結論を出す、こういうお覚悟だと承ってよろしいですね。

内閣総理大臣(野田佳彦君) 当然のことながら、これ、一体改革の関連する法案のみならず、政府として提出をさせていただいている法案については会期の中で議論をして、そして成案を得ると、成立を期すというのが政府の基本的な姿勢でございますし、特に重要と位置付けている一体改革法案については、私はこれまで何度も言ってきたとおりでございます。その姿勢は変わりません。

 いや、だからこそ、円満な国会運営ももちろん必要です。だけれども、この大事なテーマについては、トップ同士の腹合わせというのは絶対必要だと思っているんです。だから、やらさせていただきたいと。

 少なくとも、次の総選挙に向けての自民党のマニフェストの原案を拝見をさせていただきました。そこには消費税一〇%と書いてございます。そして、それは、消費税を含む税制の抜本改革、行政財政改革を推進し持続可能な安定した財政と社会保障制度を確立する、実現すると書いてありました。これ、全く問題意識は同じなんです。そのために、いろいろとそれぞれのセクションにお任せする部分はありますが、トップ同士で議論をし、理解できるところはどこなのか、できないところはどこなのかということを突っ込んだ議論を是非させていただきたいんです。

 これまでは、谷垣総裁は、自分たちは土俵に上がっていると、早く土俵に上がってこいとおっしゃったじゃありませんか。我々は土俵に上がったのに何でまだ待ったをするんですか。おかしいと思います。

谷垣禎一君 今のお言葉は野田総理にお返しをします。待ったなんかしておりませんよ。まず議論をするのは、国会の場できちっと議論することが私は先決だと思います。先ほどから何回も申し上げているように、私と野田総理がそれは議論をしなければならないこともあるでしょう。しかし、国会の場できちっと議論をしていくのが先じゃありませんか。その具体的な日程も具体的なやり方も示さないでおいて、待ったをしていると言うのは無礼千万。私は、このお言葉はのしを付けて野田総理にお返しをしたいと思います。

 それで、今、野田総理がおっしゃいましたように、おっしゃいましたように、消費税については、根本の問題意識は、恐らく、これから国会審議でやっていかなきゃなりませんが、根本の問題意識は私と野田総理と共通している面があると思います。しかし、問題は、税と社会保障の一体改革と、こういうふうに言ってこられたはずでございます。これは一体になっていませんね。私は、やっぱりそこを曖昧にして先送りされていたら国民の理解は得られないと思いますよ。

 全ての国民に一人当たり七万円の最低保障年金を贈ると、こういうことを含めた新年金、来年お出しになると言っておられますね。しかし、実際この前、試算で問題になったように、これをやりますと国民にとっては負担増とそれから給付減、これは私は到底国民の理解を得られると思えませんし、私どもが考えているよりも、この最低保障年金だけで六%かそのぐらいの消費税上乗せが必要でしょう。私は、本当のところ、野田総理はもうこれはできないと腹の中で思っておられるんじゃないかと思うんです。

 それから、後期高齢者、これは廃止して新しい制度をつくるということですが、実際問題、御党の中でもほとんど議論が進んでいない、こういうふうに思います。

 一体そういうものをどうなさるのか。そうしなければ、税と社会保障の一体改革とおっしゃるけれども、ちっとも姿が見えてこない。これでは私は、看板に偽りありで、これはできないと思いますが、一体そこらはどうなさるおつもりですか。

内閣総理大臣(野田佳彦君) 御指摘をいただいた一体改革、まさに社会保障と税が一体になっているかどうかというお尋ねでございますけれども、三月三十日に、いわゆる閣議決定したときには社会保障の全体像と工程表についても閣議決定をしています。したがって、その方針に基づいて着実に社会保障を実施をしていくということは全体像でありますので、これは大綱のころから変わっておりません。

 その上で、私どもは、新しい年金制度については来年法案を提出をする、後期高齢者医療制度廃止については今国会中に法案を提出をする、もうその工程に基づいて着実に進んでいきたいというふうに思いますが、特に後期高齢者医療制度については、前提となるのは国民健康保険の安定化、基盤強化でございました。その法案については今般成立をさせていただきました。それを踏まえて、次の段階の後期高齢者の廃止に向けて、これ関係者いろいろございますが、そういう御理解を得られるような努力をしながら法案提出に向けて努力をしていきたいというふうに考えておりますが、それ以外の部分については、既に、今回の税制改正法案を提出前に法案提出したものもあります。そして、この税と一緒に閣議決定をして法案提出したものがあります。やや遅れるのが、これは被用者年金の一元化でありますが、今週中に法案を提出をさせていただきたいと思いますので、これは一体で御議論できるんではないでしょうか。

 少なくとも、少なくともですよ、先ほど触れさせていただきました、いわゆる次の総選挙に向けてのマニフェストの原案では、御党も、低年金、無年金の対策であるとか、あるいは国民健康保険、これは国民皆保険を維持をしながら配分の見直しと書いてあったんですかね、そういう考え方であるとか、あるいは少子化対策であるとか、生活保護どうするかとか、問題点としては共有できるものはいっぱいあると思いますので、是非、だから一体として御議論をいただきたいというふうに思っております。

谷垣禎一君 まあいろいろおっしゃいましたけれどね、工程表とおっしゃるのは、これはマニフェストにも付いておりました。マニフェストに付いているということは、もうマニフェストの主要部分ががたがたになっているわけでしょう。工程表があるというだけでは、私は、ああ、そうかと、そこまで考えておられるのかとは到底言えないんです。

 結局、今総理がおっしゃったことは、詰めていきますとマニフェストの問題点にぶち当たるんですよ。マニフェストの壁にぶち当たるんです。つまり、マニフェストをできもしないけど守ろうという方たちと、それから憶面もなくマニフェストと違うことをやろうという方がぶつかり合っているからいつまでたっても方向性が出ないというのが今の政権の問題じゃないか。私は、失礼ながら、それを憂えているんです。今、結局、決まらない政治だとかいろんなことが言われますけれども、その根源になっているのは、そのマニフェストの清算がないからだと思いますよ。私は、やっぱりマニフェストのけじめを付けていくということでないとこれは物事が進まないんじゃないかと私は思っております。

 今、総理の足下でいろんな液状化が起こっているのは全てそれに起因すると私は思います。せめてマニフェストの問題点をしっかり反省し、撤回してけじめを付けていく、それでなければ、私はうその片棒を担いで増税に賛成するわけにはいかないということは明確に申し上げておきます。

内閣総理大臣(野田佳彦君) うその片棒を担いで税の話は賛成できないという、それはおかしいんじゃありませんか。

 私どものマニフェストで実現したものとまだ実現できていないものはあります。これは事実であります。したがって、総選挙の暁には、お約束したことは何だったのか、できなかったことは何なのか、それはなぜだったのか、あるいは、記入していなかったけれども言ったこと、やったことは何なのか含めて、これは、やっぱり選挙というのは一つは業績投票という、そういう側面がありますから、それは率直に総括をしながら、選挙の暁にはそれは打ち出していきたいというふうに思います。

 思いますけれども、だから、民主党の約束が云々どうのじゃなくて、本当に国家国民のために……(発言する者あり)いや、だから、私ども言ったことは責任を持って総括をして、選挙の前には打ち出すと申し上げたじゃないですか。だとするならば、そういう問題は、だって御党だってあったはずじゃないですか。郵政民営化、バラ色になると言って、そうなったんでしょうか。郵政、今、改革、また違う方向で進んでいるじゃないですか。幼児教育の無償化、二〇〇五年に書いて、四年間やらなかったじゃないですか。またマニフェストに出てきたじゃないですか。そんなことをお互いに言い合っていても、これは政治は前進しませんよ。

 私は、社会保障と税の一体改革はまさに避けて通れないテーマと、待ったなしだということを言いました。ここは是非問題意識は共有していただきたいんです。是非その議論を進めさせていただきたいというふうに思います。

谷垣禎一君 待ったなしだという問題意識は共有いたします。

 ただ、いずれにせよ、このままで総理が議論を進めていかれれば、いつも御党の中には百人ぐらいの反対派がいるわけじゃないですか。造反予備軍がいるわけですよ。このまま採決すれば、これは否決されてしまいますよ。だから私はけじめが必要だと申し上げているんですが、もし、もしそれができなければ、総理は政治生命を懸けるとおっしゃった、その場合には、内閣総辞職をされるか、あるいは解散して国民に信を問う、総理のお覚悟はそういうことだと理解してよろしゅうございますね。

内閣総理大臣(野田佳彦君) 政治生命を懸けるというお話はいたしました。これは私も政治家として重たい言葉だと思っています。強く自覚をしています。だけど、それが通らなかったらどうする云々ということを解釈するというのは変じゃありませんか。それは余りにも、お互いトップ同士ですが、やぼじゃありませんか。

 重たい決意である、これは是非理解してください。重たい決意の結果どうする、いろんなシミュレーションはありますよ、そんなことをたらればで議論することは私は不毛だというふうに思います。重たい決意であることは間違いございません。その思いを共有していただきたいと思います。

谷垣禎一君 こういう厳しい局面で内閣総理大臣が政治生命を懸けるとおっしゃったということは、できなかったら総辞職をするか解散して国民に信を問う、これが日本語というものであります。

 それで、今日は実は外交についてもいろいろ議論をしたかった。ちょうど今日は韓国の総選挙でもありますね。

 二つだけ申し上げます。

 要するに、鳩山さんがイランに行かれた。これは、アメリカも反対したけれども、イランには早速利用されていますね。二元外交というそしりもあります。鳩山さんは、これは普天間で日本外交を大きく傷つけた。今回また日本外交の信頼性を傷つけたと思います。御党の外交の最高顧問です。これからも最高顧問として活動を続けていただくという態度を総理はお取りになるんですか。

 それからもう一つ、ミサイルの問題。これは米中韓と協力して何としてもとどめなければなりません。総理もこれは頑張っていただきたいと私は思います。ただ、田中防衛大臣、今まで国会の議論を聞いておりましても、私はきちっとこの問題に対応することができるとは思いません。一体どうなさるおつもりですか。

内閣総理大臣(野田佳彦君) まず、鳩山元総理でございますが、今回のイラン訪問は、政府の要請、党の要請で行かれたわけではなくて、個人の判断として行かれました。そのことによって何が起こったかということでございますけれども、私は、基本的には国際社会の取組あるいは政府の基本姿勢を踏まえて対応されたというふうに思っております。

 御指摘をいただいたことは、IAEAはダブルスタンダードというお話が報道では出ました。イラン大統領府のホームページにも出ましたけれども、それは明確に鳩山元総理は否定をされましたし、そのことに在京のイラン大使館からはおわびがございましたし、イラン大統領府のホームページもペルシャ語も英語も削除をされたということでございますので、基本的には基本ラインを踏まえて対応していただいたものというふうに考えております。

 田中大臣についてのお話でございますが、御指摘のとおり、十二日から十六日に、これはいわゆる人工衛星と称するミサイルの発射予告がございます。あしたからでございますが、田中大臣においては、緊張感を持って、迎撃の問題も含めまして、しっかりと職責を果たしていただけるものと確信をしている次第でありますし、これは田中大臣だけではなくて、政府を挙げて、国民のまさに安全、財産、生命を守るために全力を尽くしていきたいと考えております。(拍手)

会長(鈴木政二君) 最後になります。最後に、谷垣総裁。

谷垣禎一君 大分、鳩山さんに対する考え方なんかは、総理と私とは違いますね。

 それから、今日、午前中、前田国土交通大臣、今選挙中の問題について、ある手紙を出されたことをお認めになりました。これもけじめを付けていただきたい。

 そして、最後に、総理は不退転の決意で税と社会保障の一体改革に当たっていただきたいと思います。そして、それは成就しなければ退陣ないしは国民に信を問う覚悟があってこそ道は開けていくということを重ねて申し上げて、終わります。(拍手)

会長(鈴木政二君) 以上で谷垣禎一君の発言は終了いたしました。

 次に、公明党代表山口那津男君。(拍手)

山口那津男君 公明党代表の山口那津男です。

 総理は、消費税増税法案を既に国会に提出されました。ならば、審議の方針を早く政府・与党で決断をして、そして国会に示してください。今日ただいままで、いまだに与党側からはどういう順序でどう審議をするか全く相談がないのは一体どうしたことですか。それを踏まえて三点伺いたいと思います。

 総理は、早期成立を図ると、こうおっしゃいました。しかし、与党の中には、五月の連休明けから審議入りすればいいじゃないかと、そういう声すら伝えられております。しかし、総理が早期成立をおっしゃるならば、四月中に審議入りをさせると、そういうリーダーシップを示されたらどうですか。

 もう一つ。総理は、政府・与党一体で成立を図ると、こうおっしゃいました。しかし、与党民主党の中には反対論がいまだにくすぶっているじゃないですか。こういう人たちをまとめて、先送りを絶対にしないと、そういう意気込みで審議を進める覚悟はあるんですか。

 三点目。総理は、政治生命を懸けて今国会中に成立を図ると、こうもおっしゃいました。極めて重い言葉だと思います。政治生命を懸けて今国会中成立できなければ、それは総理の政治生命がなくなるという意味でありますから、否決をされるか又は採決できずに会期末を迎えることになれば、総理としては政治生命を否定されるということになりますから、しかるべき決断をすると、こういう御覚悟がおありですね。そのことを明確にお述べいただきたいと思います。

内閣総理大臣(野田佳彦君) まず、国会の運びを含めてまだ具体的な提案がないという御指摘がございました。私としては、党首会談、山口代表ともやって、粗ごなしの議論をした上でその辺の各論の話をしたいと思っておりましたけれども、これはいつ受けていただくかまだ分からないものですから、当然、これは国対レベルを含めて、あるいは幹事長レベルも含めまして、きちっと審議の仕方について御提起をさせていきたいというふうに思います。これはお約束をさせていただきたいというふうに思います。

 二つ目は、これはいつから議論かと。これは別に五月の連休の後から議論をすると決めたということは一度もございません。今申し上げたような委員会の運びであるとかを含めての環境整備ができたならば、あるいはいろんな法案の審議の順番等々、これは与野党でしっかりとある程度議論ができた後には、環境整備をした後には、当然審議に入っていきたいというふうに考えております。

 それから、最後の決意の部分でございます。

 これはもう、政治生命を懸けてと申し上げています。これは自分でも重たい決意を表した言葉だと思っております。自分としての、政治家としての集大成の思いを込めてこの表現をさせていただきました。それは、そういう覚悟であるということは是非御理解をいただきたいというふうに思っております。

山口那津男君 重たい決意で臨むということでありますから、与党の中の抵抗は相当強いと思いますよ、その民主党執行部をしっかり束ねて、そして今の総理の決意をきちんと結果として表すようにしっかり努力をしていただきたいと思います。我々は我々の立場で堂々と論議をしてまいりたいと思います。

 さて、その上で、総理は、前回の党首討論、二月末でありました。私はそのときに、社会保障と税の一体改革と言いながら、この一体性は総崩れであるということを指摘しました。すなわち、社会保障の全体像が示されていないんです。年金の抜本改革をやると言いながら、いまだに具体案が示されないじゃないですか。それで何を議論しようというんですか。

 また、大綱にはしっかり一体性を書いてあります、工程表も作りました、そうおっしゃいますけど、これは単なる内閣の手控えみたいなものなんですよ。大綱のとおり、工程表のとおり物事が一体的にでき上がるという国会の合意をつくるのか。しかし、それをつくる保証が何にもないじゃないですか。中身はばらばらに国会に出していきます、そう総理は答弁されたじゃないですか。説得力がありませんね。そして、現にいろいろな法案がばらばらに出されてきておりまして、それを国会でどう議論するのか、いまだに方針も定まっていません。一体的に国会で議論されると、こういう見通しがいまだに立っていないということなんです。

 さて、そこで、簡潔に二つ伺います。

 この抜本改革、具体案を示されるのか、それとも取り下げるのか。あるいは、後期高齢者医療制度を廃止して見直すと言っているけれども、いまだに提案の見通しが立たない、これを一体どうするのか。

 さらに、もう一つ。消費税を一四年に八%、一五年に一〇%、上げると、ここだけは明確に書いてありますけれども、しかし、消費税の逆進性というもう一つの特徴、つまり所得の低い人ほど負担が重いと、これをどう克服するのか、その対応が具体的ではないんです。給付付き税額控除をやる、あるいは複数税率を採用する、いろんな考え方があるでしょう。しかし、具体的な案が何も示されずに、増税の数字や時期だけが突出しているんですよ。これでは国民の皆さんは納得した理解はできないのではないでしょうか。さらには、その間に簡易な給付措置をとる、こういうことも言っていますが、財源をどうするのか、具体的にどの範囲にどういう措置をとるのか、これすらいまだに明確にはなっておりません。

 こんなことで一体的な議論ができるはずはないじゃないですか。そういうことが続くのであれば、これは社会保障置き去りの増税先行法案だと言わざるを得ません。総理、この点をどう考えるんですか。

内閣総理大臣(野田佳彦君) まず、社会保障の中で私どもが考えている新しい年金制度、これ、先ほど谷垣総裁にも御答弁させていただきましたけれども、来年に法案を提出をする、そのために制度設計の詰めをこれからやっていくということでございます。これは前からずっと工程表でお示しをしているところでございます。

 そのほかの問題については、全て一緒に法案提出ではなかったんですが、事前に出したものと、税法と一緒に出したものと、若干遅れますけど今週出すものありまして、基本的には一体的に議論ができる環境は整えることができるというふうに思っておりますので、是非これは御審議に応じていただきたいと思いますし、これは例えば、私ども、新しい年金制度は最低保障年金という一つのゴールを持っていますけれども、最低保障機能強化等については御党ともこれは問題意識は一緒だと思いますので、これは一体で議論ができるだろうというふうに思っております。

 それから、二つ目は何でしたっけね。(発言する者あり)あっ、逆進性。逆進性、これ大事な観点だというふうに思います。

 私どもで考えているのは、今、複数税率というお話もちょっと御指摘の中では今ありましたけれども、複数税率というのは標準税率が相当高い場合に出てくるケースであって、どういう形で分けるのかとか事業者の負担であるとか等々で考えると、今回は複数税率は考えずに、御指摘のあったとおり、これは給付付き税額控除にしたいと思っているんです。その前提となるのは、番号制度を導入し、本格実施し、定着をした暁に給付付き税額控除を行って低所得者対策にすると。それまでの暫定的な措置として簡素な給付措置というものを考えているというのが現状でございます。

 あと、もう余り、二分しかないので、逆に私も一点だけお尋ねしたいんです。

 というのは、社会保障の改革でいつもいい御提言をいただいてまいりました。私ども、これを受け止めてまいりました。

 じゃ、社会保障を支える安定財源をどう御党は考えていらっしゃるのか。財政健全化どうするのか。これ、二十一年の所得税法の百四条、附則を一緒に作ったということは、消費税の引上げ、念頭にあると思いますし、今回自民党がマニフェストの原案で一〇%と明記をされています。当然のことながら選挙協力などもされるんでありましょうから、この点については認識が自民党と一緒なのかどうか、お尋ねをさせていただきたいというふうに思います。

山口那津男君 我々は二〇一〇年に社会保障や福祉のビジョンを出しました。我々の考え方は、この社会保障の安心感を導くためにしっかりその中身とその方向性を明らかにせよと。その上で、所要の財源がどれぐらい必要になるか。それは、行政改革も必要でしょう、あるいは自然増収を図る経済対策も必要でしょう、さらには消費税も含む税制全体の抜本改革をやろうと、こういう方針は既に明らかにしております。消費税だけを上げろなんということは一度も言ったことはありませんし、消費税を否定することもいたしておりません。その点は誤解なくお願いしたいと思います。

 さて、時間もありませんから、今ガソリンの値段が七週連続で上がっているんですよ。元の原油の価格が上がっているからです。これで石油製品の原材料あるいは製品も値上がりするという見込みです。また、運送業界も悲鳴を上げています。こういうことをほったらかしておいたら大変です。被災地は特に、この被災者の生活、仮設の人の送り迎え、あるいは、全国的に訪問介護や訪問看護、こういった出張サービス、これにもコストが膨らみます。しかし、サービスの料金は法定されて動きません。こういう中で全国から悲鳴が上がりつつあるんですよ。

 政府は何の対応もしていません。関係閣僚会議を開くとか、あるいは国際的な働きかけをして備蓄を取り崩すとか、あるいは国際資本移動を規制するとか、いろんなことが考えられるでしょう。それを早急に政府として取り組むべきだと、このことを、総理のお考えを伺って、私の質問を終わります。

会長(鈴木政二君) 時間がありません。簡潔にお答えを願いたい。

内閣総理大臣(野田佳彦君) 早急に取り組みたいと思います。(拍手)

山口那津男君 しっかり取り組んでいただきたいと思います。

 終わります。(拍手)

会長(鈴木政二君) 以上で山口那津男君の発言は終了いたしました。

 次に、みんなの党代表渡辺喜美君。(拍手)

渡辺喜美君 みんなの党代表渡辺喜美であります。

 参議院選挙後、この党首討論、非常に異常な運営がなされてまいりました。今回初めてこうして正常化をされた、大変結構なことであります。

 みんなの党は、本日、首相公選法案を提出をいたします。五年で六人の総理ですよ、野田総理は。これが国民の政治不信を買っているんです。もう、一年交代の総理は野田総理で終わりにしましょう。早いこと衆議院を解散して、そして次の総選挙では首相公選を実現しましょう。憲法改正なしにこれはできます。

 総理はよく、自分は一度も自民党に入ったことはないということを自慢されておられます。でも、今の議論を聞いていますと、総理が今やろうとしていることは、私が三年前に見捨てた自民党と全く同じことをやろうとしていますよ。ほとんど変わりがない。何かさっきから手続論みたいなことばっかりじゃないですか、二人とも。本当にそういう談合、八百長相撲を見せられているようなものだ。恥ずかしいと思いませんか、これ。

 結局、多くの国民が今総理に不信感を持っているのは、増税の前にやるべきことをやっていない、これに尽きるんですよ。例えば、官僚を使いこなす前に官僚を選べ、これ鉄則です。でも、官僚との闘い、逃げまくっているじゃありませんか。シロアリ退治が必要だと言ったのは誰なんですか。天下りは解禁じゃありませんか。

 それだけじゃないでしょう。みんなの党は、こういう……(発言する者あり)質問、質問の前にですね、こういう身を切る改革を徹底してやってまいります。

 そして、増税、消費税増税で社会保障を守ると、こうおっしゃっていますが、いいですか、消費税というのは安定財源です。これは地方の財源にふさわしいんですよ、地方の財源。消費税を地方の財源にするというのは、みんなの党が結党以来言ってきたことです、これは。結局、民主党は、地域主権といいながら、こういう肝心要の、どつぼにはまった、地域主権改革やろうとしていない。いかがですか。

内閣総理大臣(野田佳彦君) 一番最後の御指摘ですね。消費税は地方に移管しろという御主張なんです。

 そこで、私ちょっと疑問に思ったんですけれども、じゃ、消費税を地方に移管することによって、年金も医療も介護も子育ても地方にお任せするということをおっしゃりたいんですか。年金なんかできませんよ、そんなこと。(発言する者あり)じゃないんですか。じゃないとすると、消費税を地方に移管する、だけれども社会保障の根幹は国がやらなければいけないということでしょう。そうすると、消費税を除いちゃっていると、結局、じゃ現役世代の所得税とか保険料で社会保障をやろうという話じゃないですか。それが今問題なんじゃないですか、世代間の公平という視点から。

 しかも、今の御提起というのは、地方交付税はその分なくすということが入っているはずですよね。地方交付税なくすなんてことは、富裕自治体はそれはのむかもしれないけれども、地方交付税の財源調整機能というのは大事です。多くの首長さんはそんなの反対じゃないでしょうか。

 是非、反論をお聞かせいただきたいと思います。

渡辺喜美君 消費税十兆円ですね、国の取り分は。そのほかに酒税とか揮発油税とかいろんな間接税があるんですよ。こういうものを……(発言する者あり)いやいや、そうじゃないですよ。こういうものを全部まとめたら十七・五兆円ぐらいになりますよ。そういうものは地方に全部差し上げたらどうですか。財政調整をやるななんて一言も言っていませんよ。財政調整を国がやっているから中央集権になるんでしょう。地域で話し合って決めたらいいじゃありませんか。そんな仕組みは幾らでもできますよ。そういうことをやろうとしないのが、まさに民主党政権ができ損ないの自民党政権と同じだと言っているんです。

 そういうことがあの原発問題についても言えます、原発。四大臣で判断基準を作ったと言われていますが……

会長(鈴木政二君) 渡辺代表、渡辺代表、渡辺代表、渡辺代表、時間が経過をしております。簡潔にお願いをいたします。

渡辺喜美君 その馬淵さんだって、二日間で泥縄で作ったもので無責任極まりないと言っていますよ。こんな、こんなことをですね、国民、安心、安全につながるんですか。原発再稼働、大飯原発に関しても、三・一一の教訓が全く分かっていない。

会長(鈴木政二君) 最後に、時間が超過しております、野田総理。

内閣総理大臣(野田佳彦君) これ、自民党の枠で御質問されているんでしょう。でき損ないの自民党とか、それちょっと表現おかしいですよ。

 大体御議論が、私は、荒唐無稽のアジテーションですよ、今のお話は、と思いました。(拍手)

会長(鈴木政二君) 以上で渡辺喜美君の発言は終了いたしました。

 本日の合同審査会はこれにて散会をいたします。

   午後三時四十九分散会


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