衆議院

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第1号 平成25年4月17日(水曜日)

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平成二十五年四月十七日(水曜日)

   午後三時開会

    ─────────────

 委員氏名

  衆議院

   委員長 山本 公一君

   理事 あかま二郎君 理事 江崎 鐵磨君

   理事 上川 陽子君 理事 佐藤  勉君

   理事 三原 朝彦君 理事 松原  仁君

   理事 松野 頼久君 理事 井上 義久君

      石破  茂君    越智 隆雄君

      鴨下 一郎君    河村 建夫君

      高村 正彦君    櫻田 義孝君

      高市 早苗君    高木  毅君

      棚橋 泰文君    二階 俊博君

      野田 聖子君    浜田 靖一君

      細田 博之君    海江田万里君

      細野 豪志君    石原慎太郎君

      藤井 孝男君    渡辺 喜美君

      鈴木 克昌君    阿部 寿一君

      中村喜四郎君

  参議院

   委員長 鈴木 政二君

   理事 藤原 正司君 理事 関口 昌一君

   理事 高階恵美子君 理事 江口 克彦君

      池口 修次君    一川 保夫君

      金子 洋一君    郡司  彰君

      輿石  東君    芝  博一君

      福山 哲郎君    前田 武志君

      磯崎 仁彦君    世耕 弘成君

      中村 博彦君    溝手 顕正君

      木庭健太郎君    山口那津男君

      広野ただし君

    ─────────────

 出席委員

  衆議院

   委員長 山本 公一君

   理事 あかま二郎君 理事 江崎 鐵磨君

   理事 上川 陽子君 理事 佐藤  勉君

   理事 三原 朝彦君 理事 松原  仁君

   理事 松野 頼久君 理事 井上 義久君

      石破  茂君    越智 隆雄君

      鴨下 一郎君    河村 建夫君

      高村 正彦君    櫻田 義孝君

      高市 早苗君    高木  毅君

      棚橋 泰文君    二階 俊博君

      野田 聖子君    浜田 靖一君

      細田 博之君    海江田万里君

      細野 豪志君    石原慎太郎君

      藤井 孝男君    渡辺 喜美君

      鈴木 克昌君    阿部 寿一君

      中村喜四郎君

  参議院

   委員長 鈴木 政二君

   理事 藤原 正司君 理事 関口 昌一君

   理事 高階恵美子君 理事 江口 克彦君

      池口 修次君    一川 保夫君

      金子 洋一君    郡司  彰君

      輿石  東君    芝  博一君

      福山 哲郎君    前田 武志君

      磯崎 仁彦君    世耕 弘成君

      溝手 顕正君    木庭健太郎君

      山口那津男君    広野ただし君

 出席国務大臣

       内閣総理大臣   安倍 晋三君

       財務大臣

       国務大臣

       (内閣府特命担当大臣(金融))        麻生 太郎君

       総務大臣

       国務大臣

       (内閣府特命担当大臣(地方分権改革))    新藤 義孝君

       法務大臣     谷垣 禎一君

       外務大臣     岸田 文雄君

       文部科学大臣   下村 博文君

       厚生労働大臣   田村 憲久君

       農林水産大臣   林  芳正君

       経済産業大臣

       国務大臣

       (内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償支援機構))      茂木 敏充君

       国土交通大臣   太田 昭宏君

       環境大臣

       国務大臣

       (内閣府特命担当大臣(原子力防災))     石原 伸晃君

       防衛大臣     小野寺五典君

       国務大臣

       (内閣官房長官) 菅  義偉君

       国務大臣

       (復興大臣)   根本  匠君

       国務大臣

       (国家公安委員会委員長)

       (内閣府特命担当大臣(防災))        古屋 圭司君

       国務大臣

       (内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策、科学技術政策、宇宙政策))    山本 一太君

       国務大臣

       (内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全、少子化対策、男女共同参画))  森 まさこ君

       国務大臣

       (内閣府特命担当大臣(経済財政政策))    甘利  明君

       国務大臣

       (内閣府特命担当大臣(規制改革))      稲田 朋美君

 出席政府特別補佐人

       内閣法制局長官  山本 庸幸君

 委員外の出席者

  衆議院事務局

       国家基本政策委員会専門員    齋藤久爾之君

  参議院事務局

       常任委員会専門員        諸星 輝道君

    ─────────────

  本日の会議に付した案件

国家の基本政策に関する調査


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    ─────────────

   〔鈴木政二君会長席に着く〕

会長(鈴木政二君) ただいまから国家基本政策委員会合同審査会を開会いたします。

 この際、一言御挨拶を申し上げます。

 参議院国家基本政策委員長の鈴木政二でございます。

 衆議院の山本公一委員長とともに、衆参両院の皆様方の御協力をいただき、その職責を全うしたいと考えております。どうぞよろしくお願い申し上げます。(拍手)

 この際、合同審査会における発言に関して申し上げます。

 野党党首及び内閣総理大臣には、申合せの時間内で活発な討議が進められるために、御発言はそれぞれ簡潔にされるようお願い申し上げます。また、本日は時間表示装置を使用いたします。四方にございます。表示装置は発言者の持ち時間を示します。持ち時間が終了したときは赤色のランプが点灯しますので、御承知願いたいと存じます。

 なお、委員及び傍聴議員各位におかれましても、不規則発言等、議事の妨げになるような言動は厳に控えていただきますよう、御協力をお願いいたします。

 それでは、国家の基本政策に関する調査を議題とし、討議を行います。民主党代表海江田万里君。(拍手)

海江田万里君 民主党の代表の海江田万里であります。今日はどうぞよろしくお願い申し上げます。

 まず最初に、昨日ボストンで起きました卑劣な爆弾テロ、犠牲になられた三人の方の御遺族に心から哀悼の意を表しますとともに、多くの方が負傷されました。この方々にもお見舞いを申し上げたいと思います。私どもは無辜の市民を狙ったこうした卑劣なテロ行為は断じて許すものでないということを、これ改めて申し上げておきます。

 さて、その上で、安倍総理にお尋ねをいたします。

 安倍総理の経済政策、世間ではアベノミクスと言われて、期待に働きかけをするということがアベノミクスのかなり中心的な一つの目標だろうと思いますが、確かに、期待に働きかけをするということでは、例えば株式市場は株価が上がっております。あるいは為替の市場、ここでも円が円安に向かっています。こうしたことは評価されると思いますけれども、ただ、日銀の総裁、せんだって金融緩和をやりましたけれども、この金融緩和は異次元の緩和であると。これまでの金融緩和と一線を画した大変大胆な緩和でございます。

 言ってみると、大変な劇薬を日本の国は飲んだということになろうかと思いますが、当然やはりそこには副作用、あるいは落とし穴と言った方がいいかもしれません。しかし、こうした副作用があると私は思うわけでございますが、安倍総理は、アベノミクスの副作用、中でも金融緩和の副作用、どういうものがあるとお考えでしょうか。

内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、私からも昨日の爆弾テロ事件について一言申し上げたいと思います。

 昨日のボストン・マラソンにおけるテロ事件で尊い命を失われた方々に対しまして改めて御冥福をお祈りをし、そして負傷された皆様に対してお見舞いを申し上げたいと思います。日本としては断じてこうした無辜の人々に対するテロは許さないということは申し上げておきたいと思いますし、日本国内においてこうしたテロが発生しないように万全を尽くしていくということを申し上げておきたいと思います。

 そこで、今、海江田党首からお話がございました、安倍政権で進めております経済財政金融政策についての話でございます。

 確かに、政策というのは、何か新しいことを進めていく上においては、特にそれは未知の領域である場合は様々なリスクもあるのは事実であります。しかし、昨年の今ごろはどうだったかといえば、経済は長引く低迷の中でまさに閉塞感に満ちあふれていたわけであります。製造業においては、いよいよもう日本から出ていって海外に製造の拠点を移そう、この傾向は加速こそすれ反転に転じることはない、恐らく政治が変わってもその傾向は変わらないだろう、多くの国民の皆さんはそう思っておられたんだろうと、私はそう思うわけであります。

 しかし、だからこそ私は、だからこそ私は昨年の自民党の総裁選挙に立候補いたしました。今進めている経済政策によって何も変わることはない、そう批判されました。リスクしかない、株式市場も為替もぴくりともしないよ、そういう批判もありました。しかし、今まさに円高は是正され、そして株式市場もあれから約五割株価は高くなっているわけであります。

 そこで、それは株を持っている人しか関係ないと言う人がいるかもしれませんが、年金の運用は三か月間で約五兆円上昇をしているわけであります。そこのところをしっかりと踏まえなければいけない。あるいはまた、あの東北の大震災に対する復興費を捻出するためにJTの株式の売却益を充てることに決まっておりましたが、五千億だった、民主党政権時代は五千億でありましたが、今は九千七百億になった。株価の上昇によって四千七百億円、皆さん、東北の復興のために使えるお金が増えたんです。

 そして、私たちは、この道を通るしかデフレから脱却できる道はない、こう考えております。

 ただ、もちろん財政の健全化、しっかりと見ていく必要があります。そして、もちろん同時に、これは、インフレ目標を掲げている中において、物価が上昇していく中で賃金の上昇がそれに追い付くか追い付かないか、それは今、海江田党首が指摘された点であります。

 しかし、そうしたことばっかりを考えていて、手をこまねいていて、皆さん、十四年間デフレから脱却できなかったんですよ。その間、五十兆円、国民の富は失われたではありませんか。何もしなければリスクはないと思っていたら大間違いであって、逆に、リスクだらけの中で、閉塞感の中に、今、悩んでいたあの状況を変えることが私はできたと思います。日本を覆っていたどんよりとした空気が、これ変わったんですよ。このことはまず認めていただきたいと思います。

海江田万里君 今総理がお話をしたこと、私にお答えになった部分は本当に僅か、まあ十五秒か二十秒ぐらいでございました。

 前段のお話というのは私も承知しております。ですから、最初、冒頭に私の方から、期待に働きかけをして、それが株価や為替の市場では一定の成果を収めたと、客観的に評価を申し上げたわけであります。

 しかし、これから、やはりまさにそのリスクと申しますか、あるいは副作用と申しますか、これが出つつあるということ。今総理は、いみじくも物価の問題、申し上げました。物価上がり始めましたね。

 私も今、全国を回っております。行脚をしております。せんだっては、ちょうど今、山口で参議院の補欠選挙がありますから、総理のふるさとの山口にも行ってまいりました。

 そこで年金生活の方が何とおっしゃっていたか。もう既に食料品、一部に上がり始めています。小麦粉がそうです、パンがそうです。それから食用油もこれは当然上がっていますね。トイレットペーパー、ティッシュペーパー、それからそれこそ本当に、ラップというんですか、ああいうもの、プラスチック製品でありますとか。やっぱり毎日毎日お買物をする中で、その意味では物価がもう既に上がり始めて、そしてこの方は年金生活の方ですから、この方は実は十月から年金が減っていくということを知らなかったんです。ですから、私はその方には、十月からこれは残念ながらと。私どももその法律にもちろん賛成をしておりますから、これはその責任を負うものでありますが、こういうふうにですね、これは事実でありますから。ただそのときは、ただそのときは今のような急激な二%の物価上昇ということは考えておりませんでしたから。ごく短期の間にですね。

 ですから、私どももそういうことを説明をする中で、ただ、今のこの安倍政権には、そうしたやはり生活者に対する、まあ気配りと申しますか、そういう人の訴えをしっかりと聞こうとする立場があるかどうか。そういう立場があれば、私が先ほどその副作用についてはどうなんですかと、何を心配しておられるんですかというお尋ねをしたときに、長々と御自分の功績、それを訴えるべきではないと思いますが、いかがでしょうか。

 重ねてお聞きをいたします。そうした物価が上がったときに、例えば年金生活者はどうすればいいんですか。

内閣総理大臣(安倍晋三君) 海江田さん、この党首討論というのは、私と海江田さんが二人っきりでやっているんではないんです。国民の前で、私たちの主張はどちらが正しいかを今国民の皆さんにお見せをしているわけでありますから、お互いが理解をしていればいいということではなくて、分かりやすくいかに議論できるか、これを今私たちがここで競っていると言ってもいいんだろうと、このように思います。

 そこで、年金についてでございますが、デフレが続いていけば、年金は物価にスライドしますから年金を減らさなければいけない。だから今度、二・五%、何回かに、何年かに分けて減らしていくことになります。しかし他方、物価が上がっていけば、物価スライドしますから年金は上がっていくわけであります。

 そして、先ほど年金について、年金財政が大切ですね、年金財政が大切だからこそ運用はプラスにならなければいけない。民主党政権時代、私はこれを言うのはやめておこうかと思ったんですが、昨年の、一二年の前半は一・五兆円マイナスの運用なんですよ。マイナスの運用が続いていけば、年金自体が、これは信頼を失っていく危険性があります。

 そこで、今様々な物価の上昇のお話をされました。そこで、今私たちがやっている経済政策について、では一般の皆さんはどう感じておられるか。今、海江田さんは感じでおっしゃった。ですから、私はファクトで申し上げたいと思います。

 それは、例えばタクシーの運転手さんとか商店主、一番景気の状況を敏感に感じられる皆さんの、街角の景気ウオッチャーの皆さんの指数、これは昨年の十一月に比べて四三%上昇しました。景気が良くなると。これは皆さん、この指数を取って最も高い数字であります。そして、小規模事業者、中小企業者、この皆さんの景況感も、四月―六月、二十年間では最も高い数値を示している。(発言する者あり)

 今、後ろから年金の話をしろと言った。そういう皆さんは年金のことを全く分かっていないと言える。年金を支えているのは勤労者の保険料と税金です。これがなければ、できもしない皆さんのように給付を約束したって、年金を払い続けることはできないんですよ。だからこそ、私たちは今の経済政策を進めて、今の経済政策を進めて我々はまさにデフレから脱却をさせる、こういう道を取りました。

 生活者といえば、例えばパートタイマーの皆さん、パートタイマーの皆さんの時給はずっと一定して下がり続けてきました。しかし、私たちがこの政策を進めてきた現在、どうなっているか。一時間十七円、一か月で二千円ではありますが、初めてプラスに転じたんですよ。そして、皆さん、この三か月間だけで私たちは四万人の雇用を生み出すことができました。これは皆さん、残念ながら皆さん三年三か月やって全くできなかったことを私たちは今やっているんです。そして、このように景気が上昇して、賃金が上がって、そのことによって初めて、皆さん、年金の保険料収入は上がっていくし、そしてさらに今、年金財政、年金運用もプラスになっていくんだということは申し上げておきたいと思います。

海江田万里君 まず、安倍総理に申し上げますが、先ほど、冒頭の委員長の発言がありました。持ち時間も限られておりますから、そこは簡潔にということでありますから、簡潔に、しかもこの放送を聞いていらっしゃる方々にも分かるようにお話をいただくのが、それがやはり一つの技術であろうかと思いますので、余り一人で、私は途中で余り手を挙げたり発言を遮ることはいたしませんが、お一人で、一人長い長広舌の演説を打たれては困るわけであります。

 その上で、ファクトで申し上げますが、私どもは、昨年の秋から実は日本経済は、これは上昇基調に向かっているわけです。十月から十二月の時点からこれは、GDPはプラスに転じています。それから、もちろん私どもの三年三か月の間に失業率も増えました。それから、為替の市場でも、昨年の九月が一番円高のピークでありまして、そこから徐々に円安に向かっていったんです。

 ただ、私どもは、異次元の金融緩和のような、これは日銀の独立性もあります、それからもちろん国債の暴落のリスクもあります。そうしたことをもろもろ考えて、マイルドに、徐々に徐々にやはりこの景気の回復ということを考えていったということは事実でありますから、これは事実として申し上げておきます。

 そして、今賃金がこれから上がっていくということでありますけれども、じゃ、いつごろになったら賃金が上がるんですか。とりわけ、大企業だけでなしに、中小企業で働いている方々、あるいはパートの方々でも、単に時給がいっとき上がるだけじゃなくて持続的に上がっていくと、そういうトータルに国民が実感をできる、国民が実感をできる、ああ良かったなと、安倍政権になって良かったなということが事実において、収入において実感できるのは、じゃ、いつなんですか。

内閣総理大臣(安倍晋三君) 私が総裁に就任をいたしましたのは九月でございまして、その段階で私は経済政策についてお話をさせていただきました。マーケットの皆さんは恐らく、民主党は総選挙で敗れて自民党が選挙に勝つ、これはある既定事実になっておりましたから、その段階で反応したのであろう、これはもう事実上確定している見方であるということは申し上げておきたいと思います。

 そこで、先ほど時給についても十七円上がったということは申し上げた。ただ、まだ安倍政権できて四か月でありますから、継続的に上がっていくかどうかはこれからであります。しかし、先ほども申し上げましたが、中小企業、小規模事業者の皆様も四月―六月良くなるだろうという予測をしていて、この数値においても過去最高であります。

 そして、それはじゃ期待だけなのかといえば、そんなことはありません。例えば百貨店の売上げは急増しています。自動車もそうです。そして、住宅着工件数も十万件増えているんです。自動車、住宅、裾野の広い産業において売上げが増えていけば利益が上がっていきます。そして、それがしっかりと従業員、勤労者にちゃんと均てんするように我々も経済界にお願いをしている。そして、先ほど申し上げましたように、多くの企業でそれに呼応してもらっています。最初にローソンが値上げをしたときに、一社しか上がっていないではないかと野党の皆さんに随分やじを飛ばされました。しかし、今どうでしょうか。多くの企業がこれに呼応しているではありませんか。

 では、例えば観光はどうでしょうか。観光は、皆さん、昨年の今の時期に比べて、中国人を除けば、三三%も海外からやってくる観光客の数は増えているんですよ。そして、その人たちは皆さん消費をします。これは全く皆さんのときには動かなかったことなんですよ。

 まさに政治が決断すれば、金融政策においても大きく変わります。財政政策においても変わり、そして、これからいよいよ、私たちが進めていく成長戦略、様々な分野において成長戦略を進めていくことによってしっかりと日本は力強い成長軌道に乗っていく、その中において賃金が上昇していく。

 先ほど海江田さんは、様々な輸入品が上がっているということをおっしゃった。しかし、これからいわゆる大体半年掛けて、為替の影響において、最初は輸入品、次はいよいよ輸出が変わっていく。輸出において、経常収益も間違いなく今年度は大体四・六兆円プラスになります、再来年度は八兆円経常収支はプラスになるということを申し上げておきたい。そして、それは間違いなく賃金に変わっていくんだということは申し上げておきたいと思います。

 海江田さんも丁寧に答えていただいて結構ですから、お互いに丁寧に答えていかないと、国民の皆様には、これは経済の話ですから分かりにくいんだということは申し上げておきたいと思います。

海江田万里君 丁寧に私もお話をしているつもりでありますが、安倍総理のは冗長であります、これは。

 それから、いいですか、物価が上がるということ、まあインフレになるということ、ただ、この物価が上がるということについても、やっぱり賃金の上昇に結び付く物価上昇と、それから今進んでいる物価上昇、これはコストプッシュインフレと言いますけれども、先ほど挙げたトイレットペーパーにしろ油にしろ、これは全て輸入物価が上がることによってやむなくされている物価上昇なんですよ。これは、残念ながら賃金の上昇あるいは雇用の拡大につながっていかないわけですよ、これは。そのことを私は指摘をしております。それから、多くの国民の皆様方も、そのことを分かっているから物価上昇に対してやはり危機感を募らせているということ、このことは是非御理解をいただかなければいけないというふうに思っております。

 事実、二〇〇五年から二〇〇七年にかけて円安でございました、これは。百十円から百十五円ぐらいでしたかね、そのくらいの円安水準でありました。企業は収益が上がりました。ただ、そのとき本当に賃金は上がりましたか、雇用は拡大をしましたか。まさにそのときにリストラがますます進んで、そして賃金がどんどんどんどんカットをされていったわけであります。今回もそういうふうにならないという保証がないわけでありますから、私は、是非そういう問題意識を総理に持っていただきたいということを先ほどからお話をしているわけであります。

 そして、第三の矢の成長戦略でありますけれども、これは出そう出そうでまだまだ出てきていない。実は、ですから、安倍総理は今はまだ第二の矢しかないわけです、二本の矢しかないわけですよ。しかも、その第三の矢の成長戦略でありますが、私どもが聞くところによれば、これは産業競争力会議などでいろんな議論が行われていますが、その会議録を見ますと、例えば今の日本の人材は過剰在庫だというような表現まであるわけですよ、これは。つまり、雇用をこれからどんどんどんどん、規制をしていこう、雇用を守っていくという法律のこの立て付けを、どんどんどんどん規制を緩和をしていこう、あるいは規制を取り払っていこうと、こういう動きがあるということについて総理はいかがお考えか。

 よもや成長戦略の第三の矢の中に、そうした雇用の規制を大幅に緩和をする、それこそ本当に企業が人材を首を切ってしまう金銭的な解決の方法もありますが、そういうことを許すおつもりでしょうかどうでしょうか、お尋ねをいたします。

内閣総理大臣(安倍晋三君) まず雇用については、我々はまず雇用をつくっていきます。事実、私たちはこのたった三か月間で四万人の雇用をつくりました。今、第三の矢を発射をしていない、射込んでいないとおっしゃった。でも、たった三か月間で、一本、二本かもしれないけど、それだけで既に四万人つくったんです。皆さんが三年三か月間できなかったことを三か月間で私たちはやっているんです。これからはもっともっと増やしていく。そして、繰り返しになりますが、パートの皆さんの時給も上昇に転じました。

 そこで、問題は雇用、どうしていくか、第三の矢においてどうしていくかということでありますが、まずは成長産業があります。成長産業は新しい人材を欲しがっている。成熟した産業においてはだんだん売上増は見込めないという中において、そこの産業にいる皆さんが成長産業に移りたいと思ってもなかなか大変です。しかし、しっかりとジョブトレーニングできるようにする、流動性をもう少し働く皆さんの立場に立って考えていく、そういう機会をつくっていきます。そして、それを支援をしていく。失業なき言わば雇用の流動性を私たちは確保していきたいと思います。

 そして、もちろんお金で、金銭で自由に解雇ができる、そんなことは全くやろうとは考えていないということは申し上げておきたいと思います。

 そして、最後にここで一つ、時間がなくなってきましたから申し上げておきたいことは、今裁判所において、違憲状態、一票の格差を指摘されています。昨年のこの党首討論において、当時の野田総理は、優先順位を考えましょう、優先順位を考えましょうと言って、この場において、〇増五減を、定数の削減を優先する、そう約束しましたね。そして、十一月の私と野田さんの党首会談において、そこで、安倍さん、やりましょうと言ったのは野田さんですよ。私はそれに答えて、〇増五減やりますよ、抜本改革、定数削減もやりますよと答えた。そして、皆さん、この場で政治は動いたんですよ。

 海江田さん、この場で政治を動かそうじゃありませんか。国民の声は、一票の格差是正を進めよ、この声に私たちは立法府の一員としてこたえていく責任があるんですよ。海江田さん、やろうじゃありませんか。

海江田万里君 安倍総理が、当時は安倍自民党総裁でございますけれども、この約束というのは定数削減のまさに約束ですよ、〇増五減だけじゃありませんで。しかも、これは、いいですか、消費税の増税に対して、国民の間に、消費税の増税だけでいいんですか、身を切る努力はしないんですかという話になったわけですから、まさにそこは定数削減が一番大きな約束だということ、そして違憲判決というのはその後出てきた話であります。

 〇増五減だけではまた違憲の状況になってしまうということが明白である以上、これは定数の削減、安倍総理、定数の削減をやるとここでもう一回おっしゃってください。この国会の間にやるということをおっしゃってください。どうぞ。

会長(鈴木政二君) 時間が参りました。

 以上で海江田万里君の発言は終了いたしました。

 次に……(発言する者あり)御静粛に願います、御静粛に願います。

 次に、日本維新の会代表石原慎太郎君。(拍手)

石原慎太郎君 来る四月二十八日に、総理が主唱されたようで、主権回復の日というのを天皇陛下の御来臨を仰いで行われるそうですけれども、大変結構なことと思いますが、私から言わせると、今更という感じがしないでもない。

 新しい政治家の諸君というのは敗戦後の占領軍による屈辱的な戦後史というものを詳細をみんな知らないと思いますし、その象徴の憲法というものを私たちこれから参議院でも議題にしようと思いますけれども、自民党の友党の公明党の党首は、これはいまだにこれを国民的なイシューとは思わないという発言をされているようですが、昨日の新聞にも非常にこの問題についてはリラクタントな発言をされていましたが、私は、この問題を乗り越えない限りはこの国は本当に再生しないと思いますよ。自民党も再生しないと思いますよ。私、あえて忠告しますけど、必ず公明党はあなた方の足手まといになりますな。(発言する者あり)いや、本当のことを言っているんだ。君ら反省しろよ。

 このところのまさに気違いに刃物の体を成している北朝鮮の去就を見ますと、私たちやっぱり憲法というものを本気で考えなくちゃいけないという実感を国民全体が持つに至ったと思いますね。これ、本当にある意味じゃ好機だと思いますけれども。

 とにかく日本に敵意を持っている北朝鮮にしろ中国にしろシナにしろ、こういった国が持っているミサイルの数というものと比較しますと、本当に空恐ろしい感じがするんです。

 このミサイル時代の戦術、戦略ということを考えますと、私たち維新の会はあえてその組替え動議を出しまして、改正案を出して、防衛費をもうちょっと増加をすべきだという提案をしましたが、これやっぱり過去の戦争、最近の戦争を見ても、第三次中東戦争でイスラエルが圧倒的に勝ったと。あれはやっぱりガブリエルという彼ら自身が開発した非常に優秀なシップ・ツー・シップ、シップ・ツー・エアーのミサイルの効果を証した。この間のフォークランド紛争でも、エグゾセというフランス製のシップ・ツー・シップのミサイルというものが大きな効果を上げて事を決めたと。

 こういったものを考えますと、これ本気で防衛費というものを増勢して、増加をさせてミサイルというものの防御網というものをきちっとつくり直さないと、この国は本当にいつどんな形で壊滅していくか分からないという気がするんですけど、総理、それ、いかがお考えですか。

内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま石原代表から重要な指摘をいただいたと思います。

 日本は、この十年間……

会長(鈴木政二君) 石原代表、お座りください。

内閣総理大臣(安倍晋三君) どうぞ、お座りください。

 日本は、十年間ずっと防衛費を削減をしてまいりました。これは、言わば財政再建、健全化のために一律で削減をしてきたわけでございますが、かつての第一次安倍政権のときにも防衛費を削減をしました。この点は、私はかつての反省すべき点だったと思っております。

 防衛費は、他の省庁の経費と同じように国内を見て一律に削減するものではなくて、そのときの安全保障環境を見て考えなければいけないと、このように思います。その中において、例えば中国の防衛費は数年間で四倍になっております。二十四年間で三十倍以上増強されているわけであります。

 つまり、東アジアの安全保障環境のバランスが崩れようとしている中において、そのバランスが崩れることによって言わば不安定化が進み、日本に危機が訪れるかもしれない。これを防ぐためにはやはりバランスを取っていく必要があるんだろうと思います。

 その上において、日本は米国と同盟関係にありますから、日米同盟関係のきずなをしっかりと強化をしていくことと同時に、日本自体も防衛努力を進めていくべきであろうと。その観点から、二十五年度予算においては十一年ぶりに防衛費を増強したところであります。

石原慎太郎君 現憲法にはいろんな盲点があります。これは本当に随所を大幅に改革していく必要があると思いますけれども。

 憲法の改正というと、改正条項の九十何条だけじゃなしに、日本の防衛に関係する、安危に関連する九条の問題というものを皆さんフォーカスされますけれども、実は日本の国を大きくゆがめている会計制度というものに私は非常に盲点があると思うんですが、これを実は規制しているのが同じ九の九十条ですね。

 この九十条というのは非常におかしな法律でして、これはなぜか明治憲法以来変わっていない。これは、九十条で、内閣は、会計検査院の検査を経た歳入歳出の決算を、翌年度開会の常会において国会に提出するのを常例とし、その審議を受け議決を経なければならない。これはとってもおかしな私は規定だと思いますね。

 会計検査院というのは、そのつまり顔ぶれを見ても、役人が役人調べてろくな指摘ができるわけない。これはざるで水をすくうみたいなシステムでして、こういうものを変えない限り、中央官僚は結局国家の予算というものを勝手気ままに使って、非常におかしな間違いがあるにしても、なかなかそれを指摘する機会が出てこない。私も何度か閣僚をしたときに、特に環境問題を扱っているときに決算委員会に呼び出されまして、三年前の水俣問題についての決裁について、私、よく分かりませんと言ったら、分からぬで済むかと。分かるわけない、内閣が三回も替わっているんですから。

 これやっぱり、要するに、会計検査院がどういう報告を出すか知りませんが、それはやはりきちっとした会計制度にのっとって議院が、要するに国会においてこれ決議、議決するということにしませんと、本当に野方図に予算が乱費されて、現況を見ても、特別会計というのはやぶの中で全く手が届かないじゃないですか。

 こういったものをやっぱり直さないと、中央官僚が財政というのを左右することでの高官支配というのは直ってこないし、私はそういう体質にうんざりして自民党を十八年前に辞めたんですけど。

 これは、やっぱり九十条というものを本質的に考え直す、こういうことをやっぱり本気に今度の内閣で考えていただきたい。私たちは日本の会計制度を変えるための法律を提案しますけれども、これに伴って、やっぱりこの九十条についてやっぱりもっと合理的に、きちっとした結果の出るような、ざるで水をすくうようなこういう手続というものはやっぱり私は変えないと、財政というものは健全化されてこないし、余計な支出が進んで全く国民が無駄をかぶるということになりかねないと思いますよ。

 もう一つ、更に申し上げたいのはTPPの問題でありますけど、ここに私、妙なものを持ってきました。(資料提示)

 ここには、非常にお目に留まりにくいと思います、小さな小さなこのステッカーが張ってあります、ここに。これは、遺伝子組換え農産物に関して、やっぱりカスタマーが、これに対して危惧を抱く人がいると思いますから、この製品は改良型の要するに食べ物ですということを明示するためにこういうステッカーを作って、日本で最大の要するに消費地である首都圏ですね、東京を中心にした埼玉、神奈川、千葉県で三千万近いカスタマーがいるわけですから、これを張らせることにしたんです。

 ところが、仄聞しますと、事前の交渉の中でアメリカがこれを嫌って、とにかく日本で販売するアメリカ製のDNA改良型の要するに食品からこのステッカーを外せと言っているそうだ。これは私は論外な話で、こんなことを許したら国民は激怒しますよ。

 とにかくこの問題についてはいろんな問題があって、賛否両論ある。例えば、イギリス人のこの問題に関与した専門機関のアーパド・パズタイという実は博士がこの問題に大変危惧を抱いて、はっきりコメントを出していますけれども、とにかくこれを食べさせたモルモット、ラットは非常に健康に障害を起こすと。前がん細胞が増殖の可能性が高まって、脳や肝臓や睾丸が萎縮し縮小して、一部には肝萎縮も見られ、生殖能力が落ちると。私はどちらを選ぶかといったら、絶対に遺伝子組換えの食品は取らない、私はやっぱり国民をモルモット化するのは好まないということを発言をしている。

 こういう事態がありながら、アメリカはやっぱり売ろうかなということで、日本がカスタマーの、国民の、消費者の健康を守ろうと思ってやったこのステッカーを外せといって、これは論外な話で、これは、こんなものを許容したら、この政府は消費者全体を敵にすることになりますよ。

 これは厳に総理から厳命して、交渉当事者にこの問題だけははっきり日本側の主張を通させてもらいたい。こんなものを野方図に許したら、TPPもあったものじゃない。人を殺してでも物を売ればいいという、そんな国家のエゴが通るわけがない。これは私はとても大事な問題で、是非これを忘れないで、とにかく厳命して、こういうことで絶対一歩も譲らないという、そういう交渉を続けていただきたい。

 これは、私はある意味でこのTPPの問題の非常に象徴的な問題になると思います。これ、やっぱり国民の安全、健康というものをいかに守るかということを放棄した、これは、そういう政府というのは国益を放棄したと同じことになると思いますから、これはひとつ強くこれを念頭に置いて頑張っていただきたい。

 それで、もう一つ加えて申しますが、尖閣の実効支配というのは、よく言いますけれども、具体的にどういう形で今の政府はあの尖閣諸島を実効支配しているんですか、具体的に。

内閣総理大臣(安倍晋三君) まず初めに、食品の安全、消費者の健康、これはまさに最大の国益でありますから、もう既に交渉当事者に対してこの点については絶対に譲ることはできないということについて厳命はいたしております。

 そして、尖閣についてでございますが、この尖閣については、もう歴史的にもあるいは国際法的にも日本の固有の領土であることは疑いのないことでございますが、実効支配ということについては、我々、あの日本の領海そして接続水域において、海上保安庁の船が日本の実効支配を守るためにしっかりと二十四時間の体制でそこに存在をして、日本の言わば支配、実効支配、有効な支配を確立をしていると、このように思います。

石原慎太郎君 私がアメリカのヘリテージ財団でのアドレスで、東京都が思い余ってこの島を買うつもりがあるということを言ったときに、瞬間的に十五億円近い拠金というものが全国から寄せられました。

 これはいろんなエピソードがありまして、中には、手紙も添えられていて、私たちは家族三人で貧しい生活をしておりますけれども、せめて志として一人当たり一万円の拠金をしたいと、こういう手紙が添えられて、私は本当に涙が出た。それから、東北のやっぱり田舎のかなり老齢な婦人から、私は未亡人で今後のためにささやかな貯金をしていますけども、もう亭主も亡くなったんで、日本のことが心配ですから、これかなりな十万円単位の拠金をしてくださった。ところが、東京都が指定している東京のメーンバンクのみずほ銀行は私の村にはございません、ですから、拠金をするためにみずほ銀行のある隣の町に一時間バスに乗って行ってとにかく納金しましたと。こういう人もいるんですよ。

 で、私は急遽、それを聞いて、要するに郵便貯金に口座を開いてですね……

会長(鈴木政二君) お話し中ですけれども、石原代表、時間が過ぎておりますので、おまとめをください。

石原慎太郎君 はい。

 ひとつこれを念頭に置いて、やっぱり、人を置くなり、何らかの政府が金を出してその一つのインフラというものをあの島に造っていただきたい。それを示さない限り、あの島は本当に手付かずのまま放置されているので、シナが勝手なことを言うでしょう、それに付け込んで。私は、これはやっぱりある形で、とにかくこの島を日本が責任を持って、政府が責任を持って守るんだということを国民に示すということがやっぱり私は安倍内閣にとって大事な大事な一つのレーゾンデートルになると思いますよ。ひとつとにかくはっきりした形でこれを国民に示していただきたい、それを熱願いたします。

 終わります。ありがとうございました。(拍手)

会長(鈴木政二君) 以上で石原慎太郎君の発言は終了いたしました。

 次に、みんなの党代表渡辺喜美君。(拍手)

渡辺喜美君 みんなの党、渡辺喜美でございます。

 安倍総理が抵抗をはねのけて決断をされておられること、大変高く評価をいたします。例えば、TPP交渉参加、民主党政権の時代にはできなかったことですよ。自民党、党内恐らく相当の抵抗があったでしょう。そういうものをはねのけて交渉参加を決断をされた、大したものだと思いますよ。また、長年にわたってデフレが続いてきた。日銀理論という大変おかしな理論がまかり通っていたんです。そういうものをオセロゲームでがらっとひっくり返した。だから、株価が上がっているんです。だから、期待感が高まっているんですよ。

 これは、まさにみんなの党が長年言ってきたことであります。まあ、政策の世界は知的所有権がありませんから、幾らでもパクっていただいて結構なんです。結局、誰がやるか、誰と組むかではなく、何をやるか。これがみんなの党の一番大切にしていることであります。

 物価安定目標というのは、私が自民党時代から言ってまいりました。二年で二%の物価安定目標を達成をする、恐らくこれがうまくいった場合には、お給料は三%から四%間違いなく上がりますよ、これは。これはまさに民主党ではできなかったことなんです。

 そして、こういうことを達成をする、そのための私は問題点をこの前も御指摘を申し上げました。それは、消費税増税という問題ですよ。二年たたないうちに、一年半ばで消費税が三%上がっちゃったら、強制的に物価が二%上げられてしまう。そのときにお給料が本当に上がっているんですかという問題なんです。ですから、こういうことは、今年の四月―六月の経済指標を見て決めるなんて、そんなまやかしに乗っちゃ駄目ですよ、総理。四―六の経済指標で来年の一年間なんか判断できるわけがないじゃありませんか。

 そもそも、消費増税って安倍内閣が決めたんですか。そうじゃないでしょう。民主党政権が決めた話なのであって、当時、安倍総裁にまだなっていなかったかもしれませんけれども、安倍晋三議員がこういう民主党と自民党と結託をして消費増税をしようなんていうことに心から賛成していたとは到底思えないんですよ。

 是非、まあ正直、正直、安倍内閣は長期政権になるかもしれない。私もそう予感を持っています。でも、でも、消費増税、これをやってしまうと、その時点でアウトになる可能性もありますよ。総理、いかがですか。本音の議論をやろうじゃありませんか。

内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、ここが政治の難しいところでありまして、一方では、ちゃんと消費税を上げていくべきだ、それによって日本の国の信認は勝ち取ることができる、一方においては、渡辺代表のような考え方もあるわけであります。

 私も渡辺代表の懸念はよく分かります。かつて、消費税を三%から五%に上げた後、景気が腰折れをしました。もちろん、アジアの経済危機という問題等々が、金融危機という問題がありましたが。ですから、税率を上げて税収が減っては元も子もないということでございますから、四月、五月、六月、この景況と総合的な判断をして決めたい。

 昨年、確かに私は、その段階では、あの法案が成立をした段階では総裁ではありませんし、ややうらぶれた一議員ではありましたが、しかし賛成票を投じたのは事実でありますから大きな責任があると。あの法律にのっとって、しかし附則十八条もありますから、その中においてしっかりと判断をしていきたいと思います。

渡辺喜美君 安倍総理が非常に安全運転を心掛けておられる雰囲気はよく分かります。

 私も第一次安倍内閣で公務員制度改革担当大臣をやらさせてもらいました。あのころの安倍総理はすごい迫力がありましたよ。それは、今までやったことのない、つまり、日本の官僚制度、まあ身分制ですよ。この身分制を民間並みの信賞必罰に持っていこう、そういう方向性を持って一番難しい問題から取り組まれた。それは天下り規制ですよ。あのときの法案、現役時代は実力主義、再就職をするときも実力主義でいこう、それが各省天下りあっせんの全面禁止という安倍第一次内閣の国家公務員法改正法案です。

 そして、その延長線で、自民党が野党になったときに、まさに公務員の身分制をやめてしまおう、まず幹部公務員からやめよう、任期付採用にしよう、事務次官なんか要らないよ、そういう法案を自民党とみんなの党で共同提案したじゃありませんか。なぜ、この法案を安倍内閣、御採用いただけないんでしょうか。これをやったらすごいことになりますよ。いかがでしょう。

内閣総理大臣(安倍晋三君) 第一次安倍内閣において渡辺さんを大臣に起用する、これは勇気が要ることでありましたが、党内の様々な議論を乗り越えて渡辺さんに大臣をお願いして、見事に私は期待にこたえてくれたと思います。

 そして、みんなの党と野党時代の自民党で成案を作った。これも踏まえて、今までのずっと累次行ってきた公務員制度改革の様々な状況を検討しながら、また御党とも協力をしてこの公務員制度改革、進めていきたいと、このように決意をいたしております。(拍手)

会長(鈴木政二君) 以上で渡辺喜美君の発言は終了いたしました。

 本日の合同審査会はこれにて散会いたします。

   午後三時五十分散会


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