衆議院

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第2号 平成27年6月17日(水曜日)

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平成二十七年六月十七日(水曜日)

   午後三時開会

    ─────────────

 出席委員

  衆議院

   委員長 逢沢 一郎君

   理事 江崎 鐵磨君 理事 小此木八郎君

   理事 田中 和徳君 理事 野田 聖子君

   理事 馳   浩君 理事 安住  淳君

   理事 柿沢 未途君 理事 井上 義久君

      稲田 朋美君    岸  信夫君

      熊田 裕通君    高村 正彦君

      佐藤  勉君    塩谷  立君

      高木  毅君    棚橋 泰文君

      谷垣 禎一君    二階 俊博君

      細田 博之君    御法川信英君

      茂木 敏充君    枝野 幸男君

      岡田 克也君    高木 義明君

      松野 頼久君    漆原 良夫君

      志位 和夫君    園田 博之君

      玉城デニー君

  参議院

   委員長 小川 勝也君

   理事 鶴保 庸介君 理事 松山 政司君

   理事 林 久美子君 理事 儀間 光男君

      青木 一彦君    岩井 茂樹君

     北川イッセイ君    小泉 昭男君

      高階恵美子君    二之湯 智君

      長谷川 岳君    宮本 周司君

      郡司  彰君    榛葉賀津也君

      羽田雄一郎君    西田 実仁君

      山口那津男君    山下 芳生君

      浜田 和幸君

 出席国務大臣

       内閣総理大臣   安倍 晋三君

       財務大臣

       国務大臣

       (内閣府特命担当大臣(金融))        麻生 太郎君

       総務大臣     高市 早苗君

       法務大臣     上川 陽子君

       外務大臣     岸田 文雄君

       文部科学大臣

       国務大臣     下村 博文君

       厚生労働大臣   塩崎 恭久君

       農林水産大臣   林  芳正君

       経済産業大臣

       国務大臣

       (内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構))  宮沢 洋一君

       国土交通大臣

       国務大臣     太田 昭宏君

       環境大臣

       国務大臣

       (内閣府特命担当大臣(原子力防災))     望月 義夫君

       防衛大臣

       国務大臣     中谷  元君

       国務大臣

       (内閣官房長官) 菅  義偉君

       国務大臣

       (復興大臣)   竹下  亘君

       国務大臣

       (国家公安委員会委員長)

       (内閣府特命担当大臣(防災))        山谷えり子君

       国務大臣

       (内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策、消費者及び食品安全、科学技術政策、宇宙政策))        山口 俊一君

       国務大臣

       (内閣府特命担当大臣(経済財政政策))    甘利  明君

       国務大臣

       (内閣府特命担当大臣(規制改革、少子化対策、男女共同参画))       有村 治子君

       国務大臣

       (内閣府特命担当大臣(国家戦略特別区域))  石破  茂君

 出席政府特別補佐人

       内閣法制局長官  横畠 裕介君

 委員外の出席者

  衆議院事務局

       国家基本政策委員会専門員    木下 一吉君

  参議院事務局

       常任委員会専門員        工藤 政行君

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  本日の会議に付した案件

国家の基本政策に関する調査


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    ─────────────

   〔小川勝也君会長席に着く〕

会長(小川勝也君) ただいまから国家基本政策委員会合同審査会を開会いたします。

 この際、一言御挨拶申し上げます。

 参議院国家基本政策委員長の小川勝也でございます。

 衆議院の逢沢一郎委員長とともに、衆参両院の皆様方の御協力を賜りまして、その職責を全うしたいと存じますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。(拍手)

 この際、合同審査会における発言に関して申し上げます。

 野党党首及び内閣総理大臣には、申合せの時間内で活発な討議が進められるために、御発言はそれぞれ簡潔にされるようお願いいたします。また、本日は時間表示装置を使用いたします。表示装置は発言者の持ち時間を示します。持ち時間が終了したときに表示がゼロとなり、赤色のランプが点灯しますので、御承知願います。

 なお、委員及び傍聴議員各位におかれましても、不規則発言等、議事の妨げとなるような言動は厳に控えていただきますよう、御協力をお願いいたします。

 それでは、国家の基本政策に関する調査を議題とし、討議を行います。民主党代表岡田克也君。(拍手)

岡田克也君 総理、今日は、集団的自衛権の問題を中心に議論をしたいと考えております。

 ただ、それに先立って、一言、参議院の選挙制度について申し上げたいと思います。

 総理、これは何とかしませんか。最高裁は既に違憲状態であるという判決を出しています。各党が協力してそれを何とかしなければ、来年の参議院選挙で、その後、最高裁が違憲無効、その判決を出す可能性は私はかなり高いんじゃないかと思っているんです。十八歳以上の人たちが初めて投票してそれが違憲無効になる、やはりこれは政治の責任でしっかりと対応しなければいけない問題だと私は思います。

 民主党は、二倍以内で、かつ定数を削減する具体案を既に提案しています。先般、公明党も二倍以内の具体的な考え方をお示しになりました。かなり共通しているんです。ですから、あとは、総理、自民党なんです。自民党がしっかりここは、リーダーシップを取っていただいて、そしておまとめいただくことを心から期待しておきたいと思います。これは通告してありませんから、答弁は特に求めません。もし必要があれば、後からお述べください。

 さて、存立危機事態、集団的自衛権の行使について、二、三基本的な質問をしたいと思います。

 この問題、憲法学者や、あるいは弁護士連合会とか、あるいは自民党のOBの方々、私も先般、山崎拓さんと議論する機会がありましたが、非常に懸念している、違憲であるという声が強いわけですね。私も強い懸念を持っています。

 そこで、幾つか御質問したいと思うんですが、なぜこの集団的自衛権の限定行使が必要になったか、そのことを政府は説明されて、論理は変わらない、しかし現状が変わったんだ、我が国を取り巻く安全保障環境が根本的に変容したんだと、こういう説明をしておられます。私はこの説明が正しいとは思いませんが、仮にこの考え方に立ったとして、我が国を取り巻く安全保障環境が根本的に変容したから集団的自衛権の行使が必要になった、その議論をそのまま受け取るとして、じゃ、総理が一番いつも集団的自衛権の行使が必要だといって挙げられるホルムズ海峡の武力行使、つまり機雷の掃海ですね、ホルムズ海峡においてどのような安全保障環境の根本的変容があったのか、お答えください。

内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、お答えをさせていただく前に、こんなことは本当は申し上げたくないんですが、先週の金曜日の厚生労働委員会の質疑におきまして、渡辺委員長が入室することを物理的に、物理的にということは暴力を使ってということでありますが、入室をさせないように阻止をした、これはまさに言論の府である委員会での議論を抹殺するものであり、私は極めて恥ずかしい行為であると思います。言論の府である委員会なんですから、議論をしましょうよ。反対があるのであれば、堂々と委員会に出てきて反対の論陣を張ればいいではないですか。我々もそれに対して反論をしていく、そのことによって議論は深まっていくんです。

 ああした暴力によって、結果として渡辺さんは負傷をしてしまいました。こうしたことは、民主党の代表として、二度とやらないということを約束をしていただきたい。こうした行為を肯定する発言が大幹部から出るということ自体が私は大変残念なことと言わざるを得ない、こう思うわけであります。そこで、岡田さんの発言の際、是非そのことについて述べていただきたいと思います。

 そこで、集団的自衛権の行使について、典型例として私はホルムズ海峡を挙げているわけではありません。ホルムズ海峡は、海外で言わば派兵をすることについての、この例外としての例として私は述べているわけであります。

 私が主に述べている集団的自衛権の行使については、例えば公海上で、朝鮮半島で有事が起こった際、警戒監視に当たる米軍の艦船が攻撃をされても、それを守らなくてもいいのかということであります。必要な自衛の措置とは何か、必要最小限度に何が当てはまるかどうか、我々は常に、常にそのことを考え尽くさなければならないわけであります。

 その上において、外国の領土や領海、領空に行っての武力行使ということであれば、それは何が可能性としてあるかということでありましたから、一般に海外派兵は禁じられているという原則を述べた後、ホルムズ海峡における機雷が敷設をされて、その機雷を排除する場合においては、受動的、限定的であるから三要件に当てはまることもあり得ると、こう申し上げているわけであります。

 安全保障環境の変化については、まさにどの国も一国のみで自国の安全を守ることはできないという中において、国際社会がより協力をしなければいけないという状況の中にあるということであります。(発言する者あり)

 済みません、少し、委員長、ちょっと注意をしてください。静かな環境の中で、たくさんやってきて、本当にそれは残念なことであります。(発言する者あり)

会長(小川勝也君) 御静粛に願います。

内閣総理大臣(安倍晋三君) 私が大きな声で話さなければいけないという状況を是非変えていただきたいと、こう思うところでございます。安住委員からも指示をしていただいていることは大変有り難いと思います。

 そこで申し上げますと、まさにどの国も一国のみで自国の安全を守り得る時代ではなくなった。サイバー攻撃もあります。その中で、世界が協力をしなければいけない中において、日本も日本の役割を果たしていかなければいけない時代になっているということを申し上げているわけであります。(発言する者あり)

会長(小川勝也君) 会場の皆さんに申し上げます。御静粛に願います。

 安倍総理におかれましても、問いに簡潔にお答えを願いたいと存じます。

岡田克也君 まず、総理が最初におっしゃった点ですね、公正な議会の運営、それがきちんと確保できるかどうかが問題なんですよ。強行採決をしないという約束をしてくれますか。そういったことをせずにこちらだけ責められても、それは困ります。

 そこで、総理……(発言する者あり)

会長(小川勝也君) 御静粛に願います。

岡田克也君 私の質問に全くお答えになっていないんですね。ホルムズ海峡の件で、安全保障環境の根本的な変容というのは一体何なんだと聞いているんですよ。

 ホルムズ海峡のこの具体例は、私が二月の代表質問で具体的な集団的自衛権の限定行使の例を挙げてくださいと言ったときに総理が最初に挙げられたのがこの例ですよ。総理は、二つのうちの一つとしてこのホルムズ海峡を挙げられたわけですから、安全保障環境の変容、一体何があったのか、明確にお答えください。

内閣総理大臣(安倍晋三君) 前回の質問において、岡田さんは、外国の領土、領海で行使をする集団的自衛権ということについて質問をされましたから、それは、私はホルムズ海峡の例を挙げたわけでありますし、ホルムズ海峡しか念頭にないということで申し上げたわけであります。

 私たちの説明においては、まず最初に説明をしていることは、まさに先ほど申し上げましたように、公海上で日本の警戒のために警戒監視に当たっている米艦が攻撃をされても、この米艦を防護しなくてもいいのかということであります。

 まさにこれは、岡田さん、私は岡田さんにお伺いをしたいと思います。

 この米艦に対して、米艦に対して……(発言する者あり)

会長(小川勝也君) 御静粛に願います。

内閣総理大臣(安倍晋三君) その米艦を守らなくていいのかどうかということであります。

 それは、必要最小限度の範囲内にとどまらないのか、あるいは集団的自衛権という言葉が使われているから駄目なのか、あるいはまた党内をまとめられないから駄目なのかということについてお伺いをしたいと思います。

 その上において、ホルムズ海峡についての御質問がありました。

 先ほどお答えをいたしましたように、これ全体として、まさに国際社会全体としての変化を私は申し上げているわけでありまして、国際社会全体の変化の中において、ホルムズ海峡の中における機雷の掃海について、これ当然、この掃海を日本が、ではほかの国々にお任せします、しかし、あそこから通ってくる、その掃海によって日本に到達することが可能になった石油は使わさせていただきましょう。八割はあそこを、日本の石油は八割、あの海峡を通ってくるんです。ガスも多くが通ってくる。(発言する者あり)確かに、昔からであります。でも、お互いに助け合わなければ、より助け合わなければならない時代になって、自分たちの安全のために、自分たちがその能力を使わなくていいのかどうかということ。

 我々は、立法府、政治家の一員として、そこから逃げては駄目なんですよ。そこに皆さん向き合って考えていく、そのことがまさに今私は求められていると思います。

岡田克也君 総理、お答えは全くなかったわけですね。

 そして、我々が議論をしているのは存立危機事態ですよ。我が国自身の存立が揺らぎ、国民の権利が根底から覆される、そういう事態について議論しているんですから。ほかの国を助けなきゃいけないって、そういう話じゃないんですよ、これは。この存立危機事態について議論するのであれば。

 さて、総理は、朝鮮半島有事の話をされました。私はこう考えているんです。朝鮮半島有事があれば、まず政府として考えなければならないことは何か。それは、例えば韓国にいる数万人の日本人を無事に日本に移動させること、これが最大の政府が責任を持ってやらなければいけないことでしょう。官民の総力を挙げた協力、必要だと思います。そして、それを守るために、海上自衛隊もそして海上保安庁も出る。海上自衛隊は、それは海上警備行動という、あるいはそれに近い概念で守らせる。そういう形で不測の事態を防ぐということがまず先じゃないですか。

 この朝鮮半島有事のときに、(発言する者あり)船を守ると言っているんですよ。民間の船を守ると言っているんだ。朝鮮半島有事のときに、まずは、これは重要影響事態ですよね、重要影響事態だ。まあ、我々の言葉で言えば周辺事態ですけれども、新しい法律では重要影響事態です。

 そこで総理にお聞きしたいんだが、総理は存立危機事態だと、だから自衛隊出すんだとおっしゃる。重要影響事態にプラスアルファしてどういうことが加われば存立危機事態になるんですか。そのことをまず明確にお答えください。

内閣総理大臣(安倍晋三君) 残念ながら、岡田さんは、私の問いに二つ答えられなかった。

 一つは、委員会で暴力を振るっていいのかどうか。事実上、岡田さんは暴力を肯定する発言をされた。私は大変驚いたわけであります。

 もう一点は、公海上において米軍の艦船が、朝鮮半島で有事があった、そのときに攻撃をされても、その米艦を救助しなくてもいいのかどうかということを申し上げているわけであります。

 この党首討論というのは、お互いに議論をし合うんですから、私も質問をします、岡田さんも答える、そうやってこの党首討論をより実のあるものにしていこうではありませんか。ただ一方的に質問をするのであれば、これは予算委員会と変わりがありませんから、そこはお互いに見識を示し合おうではありませんか。

 その上でお答えをいたします。その上においてお答えをいたしますと、言わば存立事態と重要影響事態であります。

 これは、重要影響事態は、まさに我が国事態に発展をしていく、あるいは存立事態に発展していくということも十分にあり得るわけであります。存立事態、重要影響事態というのは、そのまま放置をしておけば我が国に対する武力攻撃に発展する可能性のある事態のことを、これ重要影響事態、我が国の平和と安全に重大な影響のある事態でございます。そして、それはまさにそうなる可能性がある場合においては、我々は武力行使と一体化しない後方支援をするわけでございます、これは法律に書いてあることでございますが。しかし、その際、日本が武力行使を行う、日本が武力行使を行うのは、まさに我が国に対する武力行使が起こったこと、あるいは我が国と密接に関係のある国に対して武力攻撃が発生して、そのことによって国の存立が脅かされ、我が国の国民の生命、自由、そして幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険になったときにこれは行うわけであります。

 まさに三要件に当てはまるかどうかが全てであり、この三要件に当てはまったときには日本は武力行使を行うわけであります。それは、その時々にまさに適切に判断をしていくことになるわけであります。これはまさに、その中において、これはもしかしたら重なっているかもしれないではないか、これはまさにそのことによって切れ目のない対応が可能になっていくわけであります。

 事態をどのように判断をしていくかには、それぞれの法律によって、事態を判断する、まさに判断する材料が、基本的な考え方が決まっているわけでありますから、武力行使をする際には三要件、そして重要影響事態には重要影響事態のための要件を満たすかどうかという判断をすることになるわけであります。

岡田克也君 総理、私の質問に全然答えていただいていないんですが、重要影響事態があって、そこで自衛隊も警察行動はやっている、海上保安庁もいる、そういう中でプラスアルファ何が加わったら存立危機事態になるんですかと。総理が言ったのは、法律の定義をそのまま読んだだけじゃないですか。

 総理が実際に事態の認定をし、そして防衛出動をするんです。存立危機事態になれば防衛出動になるんです。武力行使になるんです。だから、それは具体的にどういうことなんですか。朝鮮半島有事のその例で、どういうときに存立危機事態、総理は認定されるんですかということを私はお聞きしているわけです。お答えください。

内閣総理大臣(安倍晋三君) 同時に、先ほど岡田さんも私が質問した二つには全くお答えにならない。これは恐らく、もしかしたら岡田さんは私は答えられないのかなとも思うわけでありますが、是非答えていただきたいと思います。

 これは基本的な問題ですよ。民主党の集団的自衛権の行使に対する基本的なスタンスなんですよ。皆さんはよく憲法違反だ、憲法違反だということは言うけれども、民主党として憲法違反だというふうに考えているかどうかということについても是非お伺いをしたい。こうした問いかけに対しても全くお答えをされていないわけであります。

 そして、個別の事態に対する判断というのは、その状況において、その状況においてですね……(発言する者あり)済みません、ちょっと委員長、少し注意してください。

会長(小川勝也君) 御静粛に願います。

内閣総理大臣(安倍晋三君) やっぱり、皆さん、ルールはしっかりと守っていこうではありませんか。私が自分でしゃべっている声が聞こえないほどのやじは是非やめていただきたいと、このように思います。それは岡田代表も指示されていますから、皆さん、静かにしていただきたいと思います。

 そこで、そこで……(発言する者あり)

会長(小川勝也君) 御静粛にお願いいたします。

内閣総理大臣(安倍晋三君) よろしいでしょうか。そこで、まさにどういう事態になるかということは、その事態が起こって様々な状況を判断をしなければいけません。今、あらかじめ、こうした、こうしてこうした事態があるということを今ここで申し上げるということはいかがなものかと思うわけであります。つまり、そうならなければ、言わば、そうならなければ、我々は武力行使をしないということがこれは明らかになってくるわけでございます。

 そこで、その上で申し上げれば、言わば、朝鮮半島で有事が起こる中において米艦の艦船がその対応に当たっていく、これが重要影響事態に当たれば、我々は後方支援を行えます。その中において、某国が、東京を火の海にする、発言をどんどんエスカレートさせていく、様々な状況が、日本に対してミサイル攻撃をするかもしれないという状況が発生してくる。その中において、米艦の艦船、あるいはその米艦の艦船がミサイル防衛に関わる艦船であった場合、それを攻撃するということは、その攻撃された艦船を守らないということについては、これはやはり三要件に当たる可能性があるわけであります。

 しかし、そういうことをケース、ケースで私がここで述べていくということは、まさに日本はどういうことを考えているのか、どういうことでなければ武力を行使をしないのかという政策的な中身をさらすことにもなりますから、これは国際的にも、そんなことを一々全て述べている海外のリーダーというのはほとんどいないということは申し上げておきたいと思います。(発言する者あり)

会長(小川勝也君) 傍聴の方は静粛に願います。そして、御発言は簡潔に願います。

岡田克也君 今の総理の御答弁をお聞きして、だからやはり憲法違反なんだと私は思いました。

 つまり、何が憲法に合致し、何が違反するのかということが法律できちんと決められていなきゃいけないんですよ。ところが、総理は今いろいろ言われました。今までの政府の答弁はこうなんですね。事態の個別具体的な状況に即して、主に攻撃国の意思、能力、事態の発生場所、その規模、態様、推移などの要素を総合的に考慮し、我が国に戦禍が及ぶ蓋然性、国民が被ることになる犠牲の深刻性、重大性などから客観的、合理的に判断すると。何も言っていないに等しいんですよ。

 これは……(発言する者あり)

会長(小川勝也君) 御静粛にお願いいたします。

岡田克也君 これは、時の内閣に、武力行使するしない、憲法違反になるならないの判断を丸投げしているのと一緒なんですよ。白紙委任なんですよ。そんな国はどこにもありませんよ。これは立憲国家にならないんですよ、これでは。だから、私は反対しているんですよ。今の総理の答弁がもう明確にそのことを物語っているじゃないですか。

 もう一つ、もう時間もなくなってきましたので、一度予算委員会で議論したことなんですが、徴兵制の問題ですね。

 将来、徴兵制がしかれるんじゃないかという議論がある。総理は、いや、それは憲法からいってあり得ないんだと言われる。そこは、私は質問しました。いや、総理はそうでしょうと。しかし、総理御自身、集団的自衛権の行使という今まで歴代内閣が認めてこなかったことを、国会での議論もなく、国民の理解もなく、内閣の判断だけで閣議決定した。将来の総理大臣が、徴兵制は憲法に合致していると判断して閣議決定する、そのリスクを私は考えたときに、総理のやったことは罪が重いと思うんですよ。反省ありませんか。

内閣総理大臣(安倍晋三君) いまだに、私が問いかけた質問に岡田さんが答えられない。まさに、民主党は、この平和安全法制に対して対案も、あるいは現実に対する国民の生命やあるいは国の安全に対して責任感がないと私は断じざるを得ない。そうでないのであれば、私の問いかけに答えていただきたいと思います。

 また、委員会運営について、暴力を肯定するのかしないかについてもお答えをいただいていない、そのように思います。

 そして、先ほど、憲法と今度の平和安全法制についてのお話がございました。まさに、この平和安全法制については、昭和四十七年の政府の見解の基本的な法理の上に立ってつくり上げられたものであります。法律の中において、どれを超えたら憲法違反だということを法律に書く必要はないわけでありまして、まさに法律そのものが憲法の範囲内にあるからこそ、この法律として私たちは提出をさせていただいているわけであります。

 言わば、昭和四十七年のこの法理というのは、これは、昭和三十四年の砂川判決の中において、我が国は九条によって主権国家として固有の自衛権を否定するものではないということを前提として、我が国が国の平和と安全を維持し、国の存立を全うするために必要な自衛の措置をとり得ることは、国家固有の権能の行使として当然のことと言わなければならない。この法理によってその後の解釈をしていく。その後の解釈をしていくのは、まさに、政府として四十七年に解釈を行ったあの解釈の段階においては、まさに国際状況の中で集団的自衛権の行使は必要最小限度を超えると、こう考えたわけであります。

会長(小川勝也君) 簡潔にお願いいたします。

内閣総理大臣(安倍晋三君) しかし、先ほど申し上げました砂川判決で出た必要な自衛の措置とはどこまで含まれるんだということを、私たちは常に国際状況を見ながら判断をしなければいけないんです。国際状況に目をつぶって国民の命を守るという責任を放棄をしてはならないと思います。

 そして、その上で、今、徴兵制について質問がございましたが、これはもう何回も申し上げておりますように、憲法が禁じるところの苦役に当たる、これはもう明快であるわけでございます。

 そして、今回の解釈の変更につきましては、昨年五月十五日の私の記者会見以来、私たちは、約三百人の議員からこの問題について質問を受けてお答えをさせていただいたわけでございます。私たちは、この正当性、合法性については完全に確信を持っているところでございます。

会長(小川勝也君) 簡潔に願います。

内閣総理大臣(安倍晋三君) そして、まさに、最後に、岡田党首には私の問いには最後には答えていただきたい、そのことをお願いをしたいと思います。

岡田克也君 個別的自衛権の場合には、これははっきりしているんですよ。我が国に対する武力攻撃とは、我が国の領土、領海、領空に対する組織的、計画的な武力の行使であると、これは明確ですよ。しかし、この存立危機事態のときは、今言ったような抽象的な話で、これはどうにでも解釈できるんですよ。だから私は、もっと法律で明確にできないのか、これじゃとても憲法に合致しているとは言えない、違憲だということを言っているわけです。

 そして、今、徴兵制の解釈について言われましたね。私も、徴兵制は苦役の禁止に合致するからこれはできないというふうに思いますよ。だけど、閣僚の中にも多分そうじゃないという意見の方もいらっしゃいますよね、私、確認しましたけどね。つまり、将来の総理大臣が出てきて、総理と同じように、国会での議論、いや、七月一日まではいろいろ議論しましたよ、私も。五回も六回も議論した。しかし、あなたは、まだ議論中だから答えられないと何回も言ったじゃないですか。七月一日から何回議論できているんですか。

 そして、次の総理が、新しい総理が出てきて、いや、徴兵制は憲法に合致している、閣議決定したらどうなるんですか。そういうリスクもあなたはちゃんと考えてもらいたいんですよ。

 もう時間になりましたが、是非、続きは特別委員会でやりましょう。私は、こういう状況でこの政府の考え方を認めるわけにはいかない。

 そして、民主党は、領海警備法を提案しています。そして、周辺事態法も中身を充実させることを提案しています。個別的自衛権も使えます。周辺事態についてはそれで十分対応できるというのが私たちの意見で、集団的自衛権は要らないんです。(拍手)

会長(小川勝也君) 以上で岡田克也君の発言は終了いたしました。

 一言申し上げます。

 委員及び傍聴議員各位におかれましては、不規則発言等、議事の妨げとなるような言動は厳に控えていただきますよう、御協力をお願い申し上げます。

 次に、維新の党代表松野頼久君。(拍手)

松野頼久君 維新の党の代表の松野頼久でございます。

 総理、今の岡田さんとの議論を聞いていて、本当に分かりづらい。多分、テレビを見ている多くの国民の皆さんは、この議論の中身が一体どうなのかということはよくお分かりにならないと思いますよ。

 実際に、この六月に入ってから直近の世論調査の数字。安倍内閣は法案の内容について十分説明しているかとの問いに、思うと答えた人は一二・五%なんですよ。思わないと答えた人は何と七八・七%。八割の方が説明は不十分だというふうに答えているんですね。

 要は、きちっと正面から、我々野党の議員に答えているのではなくて、テレビを見ている国民の皆さんに、どういうこれから我が国が安全保障上の国になって、我々国民としてどういう覚悟をしなければいけない、どういうリスクがこれから出てくるのかも分からない、こういうことを私はしっかり正面から御説明になるべきだというふうに思います。

 それで、総理はこの四月の二十九日、アメリカでこのようなスピーチをされました。日本は、世界の平和と安定のためにこれまで以上の責任を果たしていく、そのために必要な法案の成立をこの夏までに必ず実現します、このように米国議会でスピーチされました。

 その後、日本に帰ってきて、五月の十四日の記者会見では、日本が武力行使をするのは日本国民を守るため、これは日本とアメリカの共通の認識でと、このようにおっしゃっているんですね。

 要は、海外では、これまで以上に日本は国際貢献をするために新しい法整備をすると言い、日本国内では、日本人の命を守るためだけ武力行使をするかのようなニュアンスでおっしゃる。

 私は、今回のこの安保法制がかみ合わないのは、これが最大の理由じゃないかと思うんですね。要は、ダブルスタンダードに見えるんですよ。これが、今行われている議論の中で、国民がよく分からない、このようにおっしゃっている最大の理由ではないかと思います。

 そして、我々は、今、党内で我々の案というものを出していくつもりです。十一本の法律を二本にまとめた今回の政府案に、修正協議に応じるつもりは全くありません。我々は独自案を提出をし、これは憲法の枠内ぎりぎり、自衛権の範囲ぎりぎりの中でできることは一体何なのかということを考えて作る案です。どうか、その案に賛成をしていただけるならば、その案を通していただきたい、このような対応をしていくつもりであります。

 そしてもう一つ。今、安保の特別委員会で五十時間の審議がされています。しかし、まだ十一本の法律、五十時間しかしていない状況ですね。

 そして、これも直近の世論調査ですが、安保法案を今国会で成立させるべきか、この問いに対して、賛成の方は一九・四%、反対を唱えている人が六三・七%。六割以上の方が今国会で焦ってこの法案を成立させるべきではないと、十分に理解もできていない、このように答えているわけです。

 そこで、総理に伺います。

 来週の二十四日にはもう今国会会期末です。まず、この会期末を延長されるのか。延長されるならば、どれぐらいの幅で延長されて、どれぐらいの審議時間を確保されるおつもりがあるのか。それとも、一回国会を閉じて、秋の臨時国会からもう一度やり直すのか。このことと、もう一つ、アメリカのスピーチ、このニュアンスと日本の国内でおっしゃっているこのニュアンスの違い、この二点についてお伺いしたいと思います。

内閣総理大臣(安倍晋三君) 大変いい質問をしていただいたと思っております。

 つまり、この平和安全法案の中においては、集団的自衛権に伴う武力の行使を行うものと、武力の行使を行わずに国際社会の平和と安全を守るために日本が協力をするための法律があります。また、PKO活動において、より日本が大きな役割を果たしていくための法律もあります。

 アメリカで演説をしたことは、まさにこうしたことも含めて私がお話をさせていただいているわけであります。PKO活動の言わば幅が広がっていく、自衛隊の皆さんが、より、今までもそうした活動をするべきだと考えながらできなかった活動もできるようになっていく。これは法律を読んでいただければよくお分かりがいただけるだろうと、このように思うわけでありまして、そのことを申し上げたわけであります。

 そして、集団的自衛権に関わることについては、まさに三要件があるわけでありまして、我が国が武力攻撃を受けた場合、そして我が国と密接に関係のある国に対する武力攻撃があった、そのことによって我が国、これは我が国ですから、アメリカではありません、我が国の存立が脅かされ、国民、これ日本国民です、国民の生命や自由や幸福追求の権利が根底から覆される明白なおそれがあること。そしてさらには、国の存立を全うしというのは、日本の存立を全うしということであります。そして、国民を守る、日本国民を守るために他に適当な手段がない、つまり外交手段を幾ら使ってもこれはもう難しいというときに限られるわけであります。

 この二つの条件から見れば、これは我が国のための武力行使であるということは明白ではありませんか。このことは十分に米国にも説明をしているわけであります。三条件からいって、まさにこれは、基本的に我が国の存立を守り、国民を守るための武力の行使であるということは明らかであるということは申し上げておきたい、そのことは明白であります。

 そのことを申し上げておいて、そして武力の行使と、あるいは武力の行使以外で様々な日本が協力をしていくということについて、これは分けて考えていただきたいということは申し上げておきたい。そういう質問をしていただきましたから、これからまた更に説明をさせていただきたいと、このように思います。(発言する者あり)

会長(小川勝也君) 御静粛に願います。

内閣総理大臣(安倍晋三君) そして、もう一問……

会長(小川勝也君) 総理は簡潔にお願いいたします。

内閣総理大臣(安倍晋三君) じゃ、もう一問は答えなくてもよろしいですか。もう一問ですね、もう一問、答えた方がいいですね。

 もう一問についてお答えをさせていただきますと、それはまさに今、国会を開いている最中でありますから、きっちりと、きっちりと国会の中で審議が深まっていくことを政府としては期待したいと、このように考えております。

松野頼久君 総理は明確だとおっしゃいますけれども、審議をして、審議をすればするほど、結局、世論調査の数字で内閣の説明が十分していないという方の方が増えていくんですよ。要は、答弁されればされるほどよく分からなくなってくる。是非、そこはしっかりと国民の皆さんに分かるような説明を是非していただきたい、このことをお願いをいたします。

 十一分しかありませんから、次の話題に行きます。

 さっき岡田さんが参議院の選挙制度改革、このことを聞かれて、お答えになりませんでした。あれ聞いて、私は違う年金をやろうかなと思いましたが、お答えになりませんでしたので、私もこれ聞きたいと思います。

 ちょうど、最高裁、二〇一三年の参議院選挙について、一票の格差四・七七が違憲だというのと同時に、違憲の問題が生じる不平等の状態を解消するために、一部の選挙区の定数を増減させるだけではなくて、都道府県単位の選挙区を改めるなど、現行の仕組み自体を見直す立法措置が必要、要は合区も必要である、こういうことを言っているんですね。

 そういう中で、この間、報道を見ていましたらば、自民党の当該の議員が官邸に行って、合区に反対である、そして、それによって自民党の憲法草案の中には参議院選挙は都道府県単位を維持することが明記をされたというじゃないですか。まさにこれは自分たちの身分を守るために憲法草案の中に入れ込んだと言われても仕方がないんじゃないですか。

 我々は身を切る改革を訴えています。できれば憲法を改正して、衆議院・参議院一院制というものを唱えていますけれども、これではまさに身を守る改革なんじゃないですか。確かに、与党になれば、いろんな議員の数が増えて一つ一つの選挙区を合区をしたりということは難しいことは分かります。でも、それは自分たちの党利党略ではなくて、しっかりこの最高裁で示された内容に関して応えていくことが私は必要だと思います。

 この最高裁の判決について伺いたいのと同時に、来年の参議院選挙は必ず新しい制度の下で、最高裁の判決も含まれたような状態で、しっかりとした選挙制度の中で次の参議院選挙を実施するのかどうか、このことを伺いたいと思います。

内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、最高裁の判決については当然真摯に受け止めなければならないわけでありまして、立法府においては立法府の責任を果たしていくということは当然のことであろうと思います。

 その上において、来年の参議院の選挙に間に合わせるべく最大限努力をしていく。私も自由民主党の総裁として最大限努力をしていかなければいけない。その意味において、党に対して取りまとめの指示をしているところでございます。

 その上において、維新の党において取りまとめ、四党の合意案を作られたということでございますが、こうしたことにおいて四党のそれぞれの党を取りまとめる御努力をされたということは敬意を表したい、また傾聴に値すると、このように思っているところでございます。

 その上で申し上げれば、憲法改正の議論について、県からはやはり、これは別に身を守ろうということではなくて、県からはやはり一人の代表を出すべきだという考え方の下に若い議員の諸君が提案をされたということでありますから、そのことに対する誤解を招くような発言はおやめいただきたいと、このように思います。

会長(小川勝也君) 松野代表、簡潔に願います。

松野頼久君 是非、国民の皆さんは、自分たち国会議員がどれだけ身を切る覚悟でこれを行うか、これを見ていますので、どうかしっかりやろうじゃありませんか。

 ありがとうございました。(拍手)

会長(小川勝也君) 以上で松野頼久君の発言は終了いたしました。

 次に、日本共産党幹部会委員長志位和夫君。(拍手)

志位和夫君 政府提出の安保法案に対して、さきの憲法審査会で三名の全ての憲法学者から憲法違反との批判が述べられました。集団的自衛権行使が憲法違反との批判とともに、武力行使をしている米軍等への軍事支援、いわゆる後方支援について、武力行使と一体化しないから憲法違反ではないとする政府の主張に対しても、三名全員から、憲法に違反する、違反するおそれが極めて高くなるとの批判が寄せられました。小林節慶応大学名誉教授は、僕は一体化そのものだと思うんですと、つまり、兵たんなしに戦闘というのはできませんからと述べました。こうして、いわゆる武力行使との一体化論は安保法案の違憲性の最大の焦点の一つとなっております。

 私は、さきの本会議での代表質問で、政府が後方支援と呼んでいる活動は、国際的には、兵たん、ロジスティクスと呼ばれる活動であること、兵たんが武力行使と一体不可分であり、軍事攻撃の格好の目標とされることは、これは世界の常識であり、軍事の常識であることを指摘し、政府の言う武力行使と一体でない後方支援など世界ではおよそ通用するものではないとただしました。それに対して総理は、世界で通用しないといった御指摘は当たりませんと答弁されました。政府の主張は世界で通用すると答弁されたのであります。

 そこで伺います。他国の武力行使と一体でない後方支援ならば武力の行使とみなされないという国際法上の概念が存在するのか否か、端的にお答えください。国際法上の概念です。

内閣総理大臣(安倍晋三君) 一体化論については、これは国際法上の観点から議論していることではなくて、憲法との関係において概念を整理したものであります。それはもう委員長も御承知のとおりでありまして、憲法の言わば禁止する武力の行使に当たらないという言わば後方支援、一体化しない後方支援というものを憲法との関係の概念で申し上げているわけでありまして、国際法との関係ではないわけであります。

志位和夫君 今総理は、国際法上の概念ではないというような答弁をおっしゃりました。

 更に明確に聞いていきたいと思うんです。

 この問題で政府は明確な答弁をしております。例えば、一九九九年二月の衆議院外務委員会で当時の外務省東郷条約局長は次のような答弁をしております。

 武力行使との一体化、これは、我が国が自ら直接武力行使をしていないとしても、個々の具体的状況によっては我が国も武力行使をしたとの法的評価を受ける場合があり得るとする考え方でございますが、自衛のための必要最小限の範囲を超える武力の行使を禁じている日本国憲法との関係で用いられている概念でございます。したがいまして、国際法上はこのような武力行使との一体化という確立した概念が存在するわけではございません、武力行使との一体化の英訳についても確定したものがあるわけではないわけでございますと。

 国際法上は概念そのものが存在しない、英訳すら確定したものがない。総理は私に対して、世界で通用しないといった御指摘は当たらないと答弁されたんですね。しかし、武力行使と一体でない後方支援という議論こそ世界で通用しない議論じゃありませんか、いかがですか。世界で通用しないとお認めください。

内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど私はまさに、国際法上の概念ではなくて、憲法との関係で一体化しないという話について申し上げたわけでありますから、東郷局長もその考え方と同じ答弁をされているわけでございます。

 そこで、志位委員長と私がこの世界の常識等々について議論したということは、必ず兵たんは狙われるという議論の中において、必ず言わば戦闘に巻き込まれるという議論の中において質問があったわけでございますから、私は、そうではなくて、兵たんというのは極めて重要であり、言わば兵たんにおいていろんな物資を届けるわけでありますから、そこがもちろん脆弱性があるわけでありまして、だからこそ安全な場所を選んで、そして、その届ける物資が奪われてしまってはまさにこれは大変なことになるわけでありますから、だからこそ我々はそうはならない場所を選んで後方支援をしていくということについてお話をさせていただいたわけでございます。(発言する者あり)

会長(小川勝也君) 御静粛に願います。

志位和夫君 兵たんは安全な場所を選んで行うとおっしゃいましたけど、兵たんは軍事攻撃の格好の標的になる、軍事の常識です。そして、自衛隊が兵たんをやっている場所が戦場になるんですよ。

 私が聞いた質問にお答えになっていない。世界で通用しない議論だと、一体化論というのは。お認めください。いかがですか。

内閣総理大臣(安倍晋三君) つまり、この一体化論というのは、これはもう従来から答弁をしているように、憲法との関係において一体化論を我々は取っているということは申し上げているとおりでありまして、国際法上それが、一体化論というのが通るということを私は申し上げたことは一回もないわけでございます。

 その中において、この言わば後方支援をどのように実施をするかということについて、これは必ず戦闘に巻き込まれるわけではない。必ず戦争に巻き込まれるという御議論がございましたから、そうではなくて、我々はむしろこうした物資を届ける場所、大切な業務ではありますが、大切な物資を届けるからこそ安全な場所で相手方に渡す、これが今や私は常識ではないかと、このように申し上げたわけでございます。

志位和夫君 国際法上は概念そのものがないということについて総理は否定できませんでした。これは世界で通用しない議論なんです。

 総理の諮問機関である安保法制懇に参加したただ一人の憲法学者である西修氏は、武力行使との一体化論について、不明確性、非現実性、非論理性、非国際性、無責任性という五点において基本的な問題があると批判し、さきの外務省の答弁を引用して、政府自身が国際的には説明できないと告白していると指摘しております。

 自衛隊の活動地域を世界的規模に拡大し、地球の裏側までの派兵を可能にしながら、武力行使と一体化しないなどという世界のどこにも通用しない議論を盾に、自衛隊が行う後方支援はあくまで武力の行使に当たらない、憲法違反ではないなどという詭弁を言い募ることは断じて許されるものではありません。

 憲法九条に違反する戦争立法を……

会長(小川勝也君) 簡潔にお願いいたします。

志位和夫君 即時廃案にすることを強く求めて、終わります。(拍手)

会長(小川勝也君) 以上で志位和夫君の発言は終了いたしました。

 本日の合同審査会はこれにて散会いたします。

   午後三時四十九分散会


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