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第3号 平成14年12月13日(金曜日)

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平成十四年十二月十三日(金曜日)
    午後一時十二分開議
 出席小委員
   小委員長 佐田玄一郎君
      佐藤 静雄君    原田 義昭君
      岸田 文雄君    下村 博文君
      高木 義明君    上田 清司君
      西  博義君    都築  譲君
    …………………………………
   議院運営委員       児玉 健次君
   議院運営委員       日森 文尋君
   議院運営委員       小池百合子君
   事務総長         谷  福丸君
   庶務部長         土田喜代治君
   庶務部副部長       斉藤 信春君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 衆議院新議員会館建設の件


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     ――――◇―――――
佐田小委員長 これより庶務小委員会を開会いたします。
 本日は、衆議院新議員会館建設の件について、この問題に限り御協議願うことといたします。
 新議員会館建設計画の見直し案に関し、各党には鋭意検討方をお願いしているところでありますけれども、これまでの新議員会館の建設に向けての協議経緯につきましては、お手元に配付した資料のとおりであります。
 改めて、総理官邸との関係を勘案して、現建設計画の高層一棟案と中・低層二棟案について基本的な方向づけの御協議を願いたいと存じます。
 これより各党から順次御発言を求めます。
 それでは、まず、自民党の方からよろしくお願いします。
佐藤(静)小委員 今までの経過をずっと見てみますと、それぞれ、全党一致で予算をつけて基本計画をやってきたわけであります。私は、今せっかくここまで来た以上、きょう決めてしまうのが一番いいのだと思います。この間からの意見を聞いていますと、F1が一番いいだろうという意見も非常に多いわけですから、F1に決めていただいて、そして予算の協議に入れるようにしていただきたい、こういうふうに思います。
佐田小委員長 今ちょっと順番が違いましたけれども、先般、資料を出せるものは全部出せというお話がありましたので、できる限りのところをまとめさせていただきましたので、御意見をいただく前に、ちょっとこの資料の概略を説明してください。
谷事務総長 では、細かいことはまた部長の方から説明してもらいますが、まず、「衆議院新議員会館建設に向けての主な経過」ということでございます。
 実際に話が具体化したのは昭和六十年の四月からでございますけれども、動き出したのは、ここに平成三年の十月二十四日とございますが、官邸を建てかえるということで用地交換等に応じたということで、それにつれて衆議院も、これは当時はまだ宿舎も含めてでございますが、建てかえたらどうかという議論が始まりました。一方で、平成二年十一月七日に国会移転の決議もありますし、平成三年八月五日に特別委員会もできました。そういうことを踏まえて、平成四年に新議員会館等建設に関する協議会、これは事実上、議運の理事の皆さんでございます。
 それで、平成六年の十一月と書いていますのは、そのときに、これは主に宿舎でございますが、防衛庁が移転するということでございましたので、あそこの用地と、それから九段とか高輪とか赤坂の宿舎を集約しまして、その費用で議員会館を建てたらどうだ、そういう基本構想を立てたのですが、これは先生方と財政当局が、まず国会移転との整合性がとれないということで御理解が得られませんでした。
 それからずっと一段落でございましたが、平成十年になりまして、大蔵の方も、官邸の方が着々と進んできましたので、議員会館も、国会移転のことはさはさりながら、要するに老朽化しているので建てかえるのには少し御理解をいただいた。
 それから、実際には、平成十一年の予算それから十二年、そこに書いてございますが、大きな予算で基本的に進められたのは、平成十二年のトップ会談におきます平成十三年度予算から、具体的に新議員会館を建てるということの実施に予算上は入ってまいりました。
 それで、十三年のトップ会談では、そこに書いてございます「民間資金等活用事業調査経費」と「新議員会館整備に関するPFI手法の適用の検討」ということで、それは別紙につけてございますが、それで検討した結果、PFIで、従来型の予算と比較しますと二・五%ぐらい安い、そういうことで、これはPFIを適用できるということで、ことしの七月三十一日の庶務小委員会で、平成十五年度は、PFI手法により整備する方向のもとに、いわゆる基本計画策定費、施設実施設計費、それからPFI業務支援委託費を要求しているところです。これはいわゆる概算要求にしたのですが、トップ会談、いわゆる各省の大臣折衝と同じですが、十二月のトップ会談の事項として残って、それで今御協議をいただいている、こういう状況でございます。
佐田小委員長 それと、この書類にあります、今経過を説明させていただきましたけれども、先般、自由党の方からお話が出ておりましたヘリコプターの問題であるとか、その辺の説明をちょっとしてください。
斉藤参事 それでは、別添の四という資料になります。それから、その後ろでございますけれども、もう一枚、A3の、会館の配置図とヘリコプターの経路を書いた一枚紙が入っているかと思いますが、それをごらんいただきたいと思います。
 ここでは、官邸の前庭のヘリポートでございますけれども、別添四の資料の文章にございますように、ヘリコプターの経路設定に当たりましては、横風時の運航を確保するということで、できるだけ九十度以上の広がりをとれるように二方向の進入路が必要だということで、図面の方に、九十度の角度を持ちまして二つの経路が書いてあると思います。こういう形にとれれば理想形だということでございますが、その周辺の建物の高さですとか位置等を勘案しながら決定をしていくということでございます。
 一番のところに、約百メートルの高さでは、飛行態勢をとる最初の地点でまず視界が遮られてしまうということでございまして、当然のことながら、内側へ入り込んでくる、つまり九十度を切るような角度で入ってこざるを得ないということになります。
 高さを約六十五メーターまで下げることによりまして死角が緩和されるということで、経路設定の自由度が広がりまして、九十度に近い経路が可能になるということでございます。
 それから、通信障害に関しましては問題がないということで聞いております。
 それから、三番のところにビル風の問題がございますが、詳細な影響は、ある程度諸元が決まってからということになりますが、建物の高さを下げることによりましてビル風の複雑さが緩和されるということでございます。経路設定の自由度が増すことによりまして障害の回避が可能になるであろうということで、官邸の方からの意見を聞いております。
 以上でございます。
佐田小委員長 それと、事務局の方からほかに報告するような事項はありますか。これは参考に述べておきたいというのはありますか。
斉藤参事 特にございません。A4の資料をお読みいただければと思います。
佐田小委員長 わかりました。
 そういうことで、先般も出ておりましたいろいろな危惧であるとかそういうことを、できる限り、経緯も含めましてまとめて書類にさせていただいたわけであります。これを踏まえまして、懇談並びに意見をいただきたいと思います。
 それでは、引き続きまして、民主党さんの方からお願いします。
高木(義)小委員 これまで言ってきましたように、この会館建設については、今の議員の活動を充実する、また、その後に政策秘書等の導入、あるいは耐震設計、IT時代への機能充実という意味において、今の会館は手狭だ、したがってこれを改善するという意味で、平成十一年、十二年においては約八千万円、そして平成十三年、十四年には調査経費として、合わせて約四億円の経費が投入されたということは、私どもも合意をしております。
 ただ、どうしても解せないのは、四億円もかけて基本設計をしてきて、少なくとも前国会まではそういうことで進んでおったものが、ここに来て、官邸から、その高層案では不都合だという話が出てきた。官邸の一声ということになるのですが、これはこれで事実は事実として、四億円もの基本設計をやっておる中で、そこの隣に何があって、そして周辺状況がどうであって、どんな仕事があって、だれが住んで、どういう都市形態かというものを含めて調査をする、そのことがまさに基本設計、その中で高層があるのじゃないかということでここまで来たわけですが、私は、何だという気持ちが強いわけです。
 加えて、私どもとしましては、こういう世情の中で、非常に経済状況も厳しい。特に、ここに来て、きのうきょうの新聞を見ましても、たばことかあるいは発泡酒とか、まさに大衆増税という話も出てきておる中で、即建設という話にはならないのではないか。
 また、これまでも言ってまいりましたけれども、近々与野党の国対委員長会談が開かれて、国会移転特別委員会のことについて、どういう形態がいいのかということについても話されるということでもありますし、国会移転そのものがこういう状況にあるときに、きょうのこの日には私たちとしては決めることはできない。
 なお、これは我が党の党内事情でございますが、きょう正式に新たな国対委員長体制ができますことも、これは主な理由ではございませんけれども、そういう事情も御参酌をいただきたい。
佐田小委員長 それでは引き続きまして、公明党さん、お願いします。
西小委員 先ほど高木先生が前段おっしゃられた感想は、私も同感でございます。
 加えて、この議論を続けていくに当たって思うのですけれども、だんだんと資料が出てきて、官邸が何を言っているか、それに対してどういう見解でという、ヘリコプターの件も出てきましたけれども、余りにも我々に提示される情報がお粗末過ぎる。口頭でこの話が出てきたのか。我々は人がいいものですから、一生懸命に考えて、見学までしましたけれども、本当に、きちっとした理由があらかじめ提示されて、こういう地図までつけてということがそもそもあってしかるべきだったのではないかというふうな感想を今ここに至って持ちました。
 本来は、やはり官邸のしかるべき人がこの場に来てきちっとした説明をするというところから始まるのが当然だろうなという感じを今に至って持った。そんなことを言ってもしようがないのですけれども。
 ですから、設計変更に関する件については、すべて、費用ももちろんのことですけれども、これは官邸が責めを負うべきであると私は基本的には思っておりますので、委員長、今、当然取りまとめをされるのだろうと思いますが、その旨をきちっと委員長から官邸の方にお伝えいただきたい、こう思います。
 その前提の上で、今我々にとって与えられた選択肢は、現状のままで、過去の議運の場で決められたことそのままでいくのか、また、官邸の提示されたことを了として何らかの変更をするのかということが迫られているということです。
 そういうことも考えまして、私は、F1でいくのが妥当ではないか。党内でも首脳部に対してそういうことを相談の上で、うちとしてはそういう方向で行ったらどうかということを決めさせていただいております。
佐田小委員長 では、自由党さん。
都築小委員 いろいろな経緯があるのだろうと思いますが、結論から言えば、一棟で衆議院議員全員を収容するような会館を建てて、もし万一ということを考えたときに、少しでも分散されるF1方式の方がいいのかなという考え方を持っておりますが、今高木筆頭が言われたように、四億も調査や基本設計にかけてきて、今回、官邸の一声でというのはどうか、あるいは厳しい経済状況の中で果たして百億の増額はどうか、あるいはまた国会移転特の今回の話はどうか、こんなことを考えると、民主党さんの問題提起されたことがクリアになるまでもう少し議論を続けていただきたい、こんなふうに思います。
佐田小委員長 では、共産党さん。
児玉委員 私たちは、これまで一貫して、国会移転についてきちんとした方向が出てでなければ国民の理解が得られないという問題と、そして、もう一つ大きな懸案になっているPFIの採用の有無について、これは議会活動そのものだから適当ではないというふうに述べてきました。
 国会移転についての動きというのは、そういつまでもずるずるいくとは思えないので、そういう点でいえば、当面、この議論は凍結するのが適当だろう、こう考えます。
佐田小委員長 では、社民党さん、どうぞ。
日森委員 私どもも、一応代議士会等を通じて一定の結論は持っておるのですが、しかし、高木筆頭以下言われたように、クリアしなきゃならない問題がある。
 これは前から言っていますけれども、国会等移転の問題との整合性、これはあくまでも中途半端にしてはならない課題だと思っていますし、特に、十二年から二年間たって、経済情勢がますます悪化をしている問題、しかも千三百億円という膨大なお金を使って建設をするということ、それからPFIについては慎重にということをずっと言ってまいりましたけれども、それらも含めて、少し調査活動みたいなものをさらに続けるべきではないのかというふうに思います。
佐田小委員長 それでは、保守党さん、どうぞ。
小池委員 前回も既に結論的なことを申し上げたわけで、F1案というのが、いろいろな条件の中で現実的であろうというふうに考えております。
 ただ、百億多くかかるというのを、単に機械的にあれもこれもということではじき出すような安易な形ではなく、コスト削減、かつ強固で効率的という条件を出したいと思っております。
 以上です。
佐田小委員長 これより懇談に入ります。
    〔午後一時三十分懇談に入る〕
    〔午後一時五十八分懇談を終わる〕
佐田小委員長 これにて懇談を閉じます。
 それでは、そういうことで、いずれにいたしましても、来週早々に決定をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 本日は、これにて散会いたします。
    午後一時五十九分散会


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