衆議院

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第23号 平成15年7月10日(木曜日)

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平成十五年七月十日(木曜日)
    午前九時一分開議
 出席委員
   委員長 遠藤 武彦君
   理事 荒井 広幸君 理事 佐藤  勉君
   理事 林  幹雄君 理事 八代 英太君
   理事 武正 公一君 理事 桝屋 敬悟君
   理事 黄川田 徹君
      浅野 勝人君    荒巻 隆三君
      伊藤信太郎君    岩崎 忠夫君
      岩永 峯一君    上川 陽子君
      川崎 二郎君    近藤 基彦君
      左藤  章君    阪上 善秀君
      滝   実君    谷  洋一君
      谷本 龍哉君    平林 鴻三君
      宮路 和明君    山口 泰明君
     吉田六左エ門君    荒井  聰君
      伊藤 忠治君    石毛えい子君
      大出  彰君    玄葉光一郎君
      島   聡君    手塚 仁雄君
      中沢 健次君    松崎 公昭君
      佐藤 茂樹君    山名 靖英君
      山岡 賢次君    藤木 洋子君
      矢島 恒夫君    重野 安正君
      横光 克彦君    金子善次郎君
    …………………………………
   総務大臣         片山虎之助君
   総務副大臣        加藤 紀文君
   総務大臣政務官      岩永 峯一君
   総務大臣政務官     吉田六左エ門君
   政府参考人
   (公正取引委員会事務総局
   経済取引局長)      伊東 章二君
   政府参考人
   (総務省総合通信基盤局長
   )            有冨寛一郎君
   総務委員会専門員     大久保 晄君
    ―――――――――――――
委員の異動
七月十日
 辞任         補欠選任
  伊藤信太郎君     荒巻 隆三君
  佐田玄一郎君     山口 泰明君
  谷  洋一君     阪上 善秀君
  野中 広務君     近藤 基彦君
  平林 鴻三君     岩崎 忠夫君
  中沢 健次君     石毛えい子君
  春名 直章君     藤木 洋子君
同日
 辞任         補欠選任
  荒巻 隆三君     伊藤信太郎君
  岩崎 忠夫君     平林 鴻三君
  近藤 基彦君     野中 広務君
  阪上 善秀君     谷  洋一君
  山口 泰明君     佐田玄一郎君
  石毛えい子君     中沢 健次君
  藤木 洋子君     春名 直章君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 電気通信事業法及び日本電信電話株式会社等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第一一一号)(参議院送付)
 行政書士法の一部を改正する法律案起草の件


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     ――――◇―――――
遠藤委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、参議院送付、電気通信事業法及び日本電信電話株式会社等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として総務省総合通信基盤局長有冨寛一郎君及び公正取引委員会事務総局経済取引局長伊東章二君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
遠藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
遠藤委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。伊藤忠治君。
伊藤(忠)委員 民主党の伊藤忠治でございます。
 時間が三十分でございますので、その中で、数点の問題について、ポイントを絞りながら質問させていただきたいと思います。
 今日の我が国の情報通信の進展状況でございますが、ITU、国際電気通信連合の報告によれば、日本の情報通信は、料金の安いこともナンバーワン、スピードが速いことも世界でナンバーワン、このように評価をしていることは御承知のとおりでございます。
 e―Japan計画によれば、超高速の加入者一千万、これは二〇〇五年までの目標でございますが、さらに高速の加入者は三千万、これを実現するために総力を挙げて頑張ろうと、こういうe―Japan計画を策定されていることも御承知のとおりでございます。この達成目標に向かって関係者が努力をいたしました結果、IP・ブロードの加入者は一千万を大きく上回る今日の状況でございます。ADSL七百万、CATV二百万、非常に進展目まぐるしいと言えると思うんです。
 さらに、これから高度情報化を本物にするためには、何といっても光ファイバー網の構築、すなわちFTTH化が本番を迎える今日の状況だと私は位置づけておりますし、そういう考え方で政策も制度も進めていかなければいけないと思っているわけでございます。
 具体的には、指定電気通信設備規制について申し上げたいと思いますが、この事前規制措置は、一九七九年の組織改編のときに、メタル回線にかかっている規制をそのまま光回線にも適用したわけでございます。すなわち、都道府県別にエリアを区切りまして、それぞれのエリア内における占有率が五〇%以上シェアを持っているというNTTに対して規制がかかったわけでございます。これをそのまま光ファイバーに適用することには無理があるんじゃないでしょうか。回線状況、敷設状況の経過を見ましても、FTTHに持っていこうとしますと、き線点からの回線の張りぐあい、構造そのものを見ましたときに、ちょっと無理がある、私は実態的にもそう思っております。
 固定電話網の場合は、都市部から山間僻地まであまねく公平にサービスを提供するという義務が課せられまして、全国ネットが今日張られているわけであります。これは当然の話で、国有化時代から経過をしておりますから、固定電話というのは各家庭に行き渡るようにネットを張らなければいけないという義務がNTTには課せられまして、その後、公社から民間になり、民間から再編成になって持ち株方式で今日に至っているわけでございます。言いかえれば、全国ネットが張られております固定電話網というのは、国民生活のライフライン、言うならばユニバーサルサービスの役割を果たしていると思っております。そういう性格でございます。
 ところが、これから本格化しようという光の場合は全く違いまして、この固定電話の基本サービスの上に、高度情報化社会のニーズにこたえて、これから本格的にFTTHの加入者の拡大を図ろうとするものでございます。したがいまして、当然のことながら、FTTHのニーズは、都市部の場合でも、例えば東京を例にとりましょうか、汐留だとかああいうビジネスエリアがありますが、このエリアと、集合住宅が密集しているエリアと、そうでない、郊外というんでしょうか、その他のエリアによって、ニーズに格差が出ることは当然の話でございます。事業者も、ニーズの高いエリアに回線を集中させまして、そのことによって競争は活発になっていくわけでございます。
 第一種事業者と呼ばせてもらいましょうか、この方がはっきりしますので。第一種事業者も複数ございますから、NTTもやればNCCの第一種事業者もそこに集中しまして、ニーズ獲得のために、FTTHを敷くために活発な市場競争が行われます。これはまた、政府としても我々としても望むところでございまして、そういうものがなければ光の世界は発展しないわけですよね。
 そうすると、とりわけビジネスエリアには集中しますから、当然、そのビジネスエリアにおけるシェアというのは均衡する場合が出てくるんじゃないでしょうか。だから、シェアの基準設定は、従来は固定電話網を前提にしていますから都道府県別にやっていたんですが、光の場合は、都道府県内においても市場のシェアがエリア別に変化していくわけでありまして、FTTHの加入者回線と加入者数など、市場の実勢把握を正確に、科学的にというか合理的に行う必要性が当然出てくる、私は実態を見ましたときにそう思うわけでございます。今後の課題は、そういうシェアの把握が必要だと思っているわけです。
 したがって、現在の規制措置がメタル用のものであって抽象的な基準になっていることは、皆さん御承知のとおりです。これらの問題点にも着目されまして、市場競争の進展を踏まえながら、この設備規制、役務規制もそうなんですが、見直しについて当然検討していくという姿勢がなければ、e―Japan計画で何ぼ二年先に一千万加入を言ってみたって、現実には三十万ですか、NTTプラスNCCの敷きましたFTTHの総加入者数がわずか三十万なんですよ。これは当面五十万に行くよう努力されているわけですけれども、たかだかその程度なんですよ。二年先には一千万という目標を掲げているんですが、それに到達をさせようとしますと、規制というものも、今言いました市場の進展状況を正確に把握をして、それの見直しをかけていかないと実際に不可能なんじゃないでしょうか。
 とりわけ、汐留を例にとりますと、これはシェアがかなり均衡しますね。そうしますと、どういうことになるか。Nも四〇%。とりわけこれからは、Nに競合して参入されるのは僕は電力だと思いますよ。これは大臣御承知だと思う。電力だと思う。電力は非常に心強いですよね、そういう基盤設備をお持ちですから。電力がそれに競合するんじゃないでしょうか。そうすると、四〇%、四〇%というシェアなんか、当然これは起こり得るわけです。そのときに、五〇%を超えておりませんから、Nの指定電気通信設備規制は外れますよね。民間には規制はかかりませんからね。そうすると、どうですか、オール相対取引の状況になるんじゃないでしょうか。そういう矛盾だって出るわけですよ。
 そういうことを念頭に置いて、現在の指定電気通信規制といいますのは、固定電話網にかけてきてそのままスライドさせていますから、これに問題がある、矛盾が必ず起きるというふうに私は心配をしておりますので、この点について、いやいや、もうそのままいくんや、未来永劫そのままいくんや、市場がどれだけ進展しようがお構いなしというような考え方によもや総務省も立っておられないと思いますから、まあ一番詳しいのは局長さんですから、有冨局長、どうですか、ちょっと答弁してください。
有冨政府参考人 今先生御指摘のありました指定電気通信設備の制度の趣旨でございますけれども、現在の制度におきましては、他事業者、今でいいますとNCCとよく言われますけれども、その事業者がサービスを提供するために、その設備をどうしても利用しなければサービスができないというような観点で、いわゆる不可欠設備と呼んでおりますけれども、そういう不可欠かどうかという観点でこの指定設備の対象というものを決定しているというのがこれまでの対応でございます。
 光ファイバーについても、今先生いろいろ御議論ございましたけれども、これはあくまでも他事業者がサービスを提供するという上で不可欠性があるという観点でメタル回線とは差異はないというふうに考えられまして、これは情報通信審議会等でも十分議論をした上でございますけれども、指定の対象としてきているということでございます。
 この光ファイバーの敷設という観点で、他の事業者もそれなりに対応してきているというふうに承知をしておりますけれども、現時点でいいますと、現実に利用されている加入者回線という観点から見ますと、仮に光ファイバーだけで計算いたしましても、NTT東西のシェアはすべての都道府県で五〇%を超えておりますし、全国平均では八〇%というような数字もございます。
 実際に、光ファイバー網を指定したことによって多くの事業者による新たなサービスの提供が可能となりまして、先ほど先生言われましたような、我が国がブロードバンドにおいても、世界で一番安い、一番速いというような状況も出てきておるわけでございまして、これは現行制度が有効に機能しているということではないかというふうに把握をしております。
 そして、光ファイバーを用いたサービスが、ADSLが急速に伸びたことと同様に、一層高度な情報通信市場の拡大に寄与するものというふうに考えておりまして、現時点で直ちに今の制度を見直すという考えはございません。
 なお、先生からビジネスエリア云々という御指摘がございました。電気通信事業法におきましては、全国の区域を分けて電気通信役務の利用状況及び都道府県の区域を勘案して総務省令で定める区域ごとに指定を行うということとされております。現状におきましては、ネットワークがおおむね都道府県を単位として形成されているということでございますので、省令におきましては、都道府県を区域と指定しているということでございます。
 ただ、今先生いろいろ問題点の御指摘がありましたけれども、行政といたしましては、他事業者による光ファイバーの敷設の現状がどうなっているのか、あるいは、どういった地域で、どういうような敷設状況にあるのか、競争状況にあるのか、なぜ敷設できないのか等々につきまして、必要に応じて調査を行って、先生御指摘のように、市場の実勢というものは十分把握をしていきたい、そのように努めていきたいというふうに思っております。
伊藤(忠)委員 直ちにこれを廃止せいとか見直せとか、そんなことは言っていないんですよ。そのまま来ているけれども、これは無理がありますねと。だから、今私が申し上げましたような観点も含めて、実勢に合ったように、規制はかけるというのが基本ですからね、おたくは。だから、その規制が、殺してしまうような規制なのか、促進するような規制なのか、規制のあり方が問題なんですから、そういう立場で、市場が進展する、そういう状況を踏まえて検討していってほしいと言っているわけです。
 これは合うんじゃないですか。もう時間がありませんから、余りお互いにこれで議論したって次に移れませんので。それはいいんでしょう。その点を確認したいと思います。
有冨政府参考人 あくまでも、我が国の情報通信市場、これが円滑、活性化する、拡大をするという観点でのいろいろな規制のあり方を考えていくというのがスタンスでございます。
伊藤(忠)委員 次は、接続料金の見直しについてお伺いをしたいと思いますが、これは片山総務大臣に御答弁を期待しておるわけです。
 現在の長期増分費用方式につきましては、これは既に決まっておりますが、平成十七年度以降は全面的に見直すということになっているわけで、なぜ見直すことになったのか。
 それは、アメリカでも事業者間に抵抗が強くて一部でしか実施されていないということは、日米交渉でも実態はわかりました。有冨局長なんか、当時はあなた、外交交渉に出られたじゃないですか、一番のそれのスタッフとして。状況は私も知っているわけで、皆、随分苦労されたんです。日米交渉で、これはもう皆さん御承知のとおり、詰め腹を切らされたんです、結局は。この表現が当たっているかどうかというのはあれとしましても、結局やられたわけです、正直言って。沖縄サミットでやられたわけです。ああ、八代先生みえますものな。八代先生は随分委員会でも、私も日本の大臣である、絶対そういう交渉は不平等にやられるということはありませんと、私の質問に対して見えを張っていただいたわけですが、今でも私は信用していますが、そういう経過があるんです。これは極めて問題だったわけです。
 それで、LRIC方式というのは、結局、仮想網で算定方式を決めているわけですね。だから、現実に投下した資本を回収できないという構造的な問題点があるわけです。これも審議会でも議論になりまして、委員会でも議論になりました。これは九七年の再編成のときにわかっていましたから、随分私もその議論に参加させていただいたわけです。
 加えて、これは事業を取り巻く環境が随分変わりました、それ以降。固定電話網がだんだん減少していく、トラフィックが落ちる、IP通信が拡大をする、これが主に特徴だと思うんですが、それに加えて、これからはCATVが、これは、私の三重県なんかは全世帯数の八五%なんですよ。これがもう張られておるわけですよ。都市部では結構ありますよ。これからは関東から東北の方へ向いてどんどん広がると思います。それがIP電話をやるんですよ。もう今販売をやっています。そうすると、固定電話なんかは飾りで置いたみたいなものですよ。使えません、本当に。そうでしょう。そういうことになっちゃうわけですよ、これは。これはいかんともしがたい。我々が賛成だ反対だとそんなことを言ったって、超えてやっているわけですから、どうにもならぬわけです。また、それを奨励していますよね、政府としても。これが実態なんです。もう取り巻く環境ががらっとやはり変わってきているわけですよね。
 では、そういう新たな変化した環境下において一体どうなのかということも考えなきゃいかぬということで、農業がそうじゃないですか。土壌を本当にいたわるというか維持するというか、肥やしをやって耕して土壌をしっかりしたものにしなければ立派な作物はできませんよね。花園もそうですよね。花園もそうじゃないですか。ただ花を咲かせるだけで種をまいたって、いい花は咲きませんよね。これはもう、農業に限らず、物事はやはりそれが基本だと思っているんです。
 だから、本当に立派なネットワークを維持発展させようと思えば、そういう肥やしをしっかりやる、面倒を見ていくということがなければ、クリームスキミングだけを、奨励をするわけじゃないんですが、業者はそこに入ってきますから、それがどんどんどんどん利用するだけで、だれが基本的なネットワークを維持するのかという努力が、努力をしたいけれども、その条件をつくらなかったら、これは農業と一緒でございます。とれる作物というのはやせ細って、場合によっては田畑が荒れてとれなくなるということにもなるわけでございますから。
 以上の観点からするならば、実際費用が見られていない現在のLRIC方式では問題があるから、そういう実際費用を加味した算定方式に見直していただきたいし、見直すべきであると私は考えているわけですが、国家百年の大計を語るときに、日本国の基本的なネットワークをまずしっかり守るためにそういう措置が必要だということを訴えたいわけですが、大臣、どうでございましょう。
片山国務大臣 この問題はいろいろ経緯がございまして、特に長期増分費用方式採用についてはいろいろな経緯があったと私も承知いたしております。
 それで、これは十二年度に導入しまして、十二年度、十三、十四とやって、それから、十五、十六もこの方式でいこう、こういうことにいたしておりますが、十七年度からどうするか。まさに、伊藤委員が言われましたように、環境はかなり変わっていますよね。トラフィックが大幅に減少して、したがって、その投資も抑制ですよね、いずれにせよ。そうなると、ある程度投資が継続するという前提に長期増分費用方式がありますからね。それは全然前提が崩れているという議論も成り立つ、私はこういうふうに思います。
 そこで、来年度からどうやるかにつきましては、関係者の意見も十分聞きながら総合的に検討いたしたいと思いますけれども、今委員が言われましたように、実際費用方式というんですか、これだと現実追随みたいになっちゃって、投資額の回収はできますけれども、それじゃ、プラスというのか、努力とか効率だとかということがちょっとわきに追いやられるような感じもありますので、お話はお話と承りまして、十分な検討の上適正な結論を出してまいりたい、こういうふうに思っております。
伊藤(忠)委員 大臣、ありがとうございます。
 そういう考え方でお願いしたいのですが、実際費用方式に戻せ、そんなこと言ってないんです。実際の費用、投資したコストが回収できるような要素もそこに入れてもらわないといかぬなということを私は言っているわけですから、その点は意見は一致するんじゃないでしょうか。その点をぜひともひとつお願いをいたしたいと思います。
 これとも関連するのですが、三番目に質問をいたしますが、ユニバーサルサービスなんです。これは不幸なことでございますが、現行制度は実際に機能していないんですね。
 あのユニバーサルサービスの基金制度をつくるときに、法案が出まして、私は事前に随分と説明を受けたんですが、法案の文言を読んでいる限りは、なかなかもっともらしい表現だったわけです。だから、それはいいことだ、別に意見を挟む問題もないわなというので、当時、私も賛成しました。積極的に、それはいいことだと思って賛成したんです。ところが、具体的にはこれは政令で決められているわけですよね。それで出てきたのが相殺方式でございまして、つくった仏は立派な仏だったんですが、魂の入れ方を間違ったものですから、実際にこれは運用されていないんです。これはいかがなものかと思いますね。
 このように変化が激しく、高度情報化がどんどん進展をする状況でございますので、実効性あるものに見直していただかないと、何のためにこのファンドをつくったのかという思いが消えませんので、私たちとしては、党として政策をこれから、今も持っておりますが、検討したいと思っておりますが、総合的な見地に立った具体的な見解を私たちは持っておりますし、検討して出したいとも思っておりますが、そういう観点から、今の現行制度が実際運用可能なように見直しを検討するということについて、どうでしょうか。局長さん、お答えください。
有冨政府参考人 ユニバーサルサービス基金でございますけれども、これは地域通信市場、とりわけ都市部等の採算地域において競争が進展をする、そうしますと、例えばNTT東西のように特定の事業者のみにみずからの負担でユニバーサルサービスの提供を義務づけるというようなことを続けることは競争上問題があるということで導入された経緯がございます。
 現時点で、先生御指摘のように、基金は稼働しておりません。おりませんけれども、これは今後、地域通信市場における競争の進展に伴いまして、NTT東西各社のコスト負担だけではユニバーサルサービスを維持することが困難となった段階でこの基金は稼働するものというふうに考えております。ですから、まだそういう状況にはないというようなことだろうと思っております。
 先生御指摘のように、この制度の詳細というものは省令で規定をされております。この省令の中で、制度施行後二年を目途にして必要な見直しを行うというような規定を設けておりまして、今後の競争の進展状況、そして制度の運用状況等を踏まえた上で、適切に見直しを行ってまいりたいというふうに考えております。
伊藤(忠)委員 二年ということがございまして、省令でこれの見直しという御答弁がありましたけれども、僕らは、やはり法律できちっとなるべく詳しく書くべきだという立場なんですよね。ところが、法律に出てきましたのは非常に骨太というか抽象的でございまして、全く意味がなかった。実際に省令に盛り込まれたら、相殺方式で機能できないようになっているわけです。だから事業者も申請しないというようなことなので、これは実際運用ができないようなことなんです。相殺方式をとることも私たちは異議がございまして、これはベンチマーク方式だってあるし、積み上げ方式だってあるわけですからね。
 だから、その辺を含めて、また、このユニバーサルというものも、どういうユニバーサルをどういう場合に適用するかということだって、状況がかなり変わっておりますから、そういうことを含めてひとつ検討をお願いしたいということでございます。
 最後になりますが、これは遠藤委員長に対する私のお願いでございます。
 国会改革の見直しのときに与野党協議がございまして、遠藤委員長は、たしか事務局長として先頭に立って改革に着手されたわけですね。私もちょうど野党の代表で出ておりまして、クエスチョンタイムもそれでつくり上げたわけですよね。思い出深いわけです。クエスチョンタイムはそこでできたんです。ところが、現状を変えるということは随分党内にも意見がありまして、サインして帰ったらぼろくそに言われたことも私は覚えております。しかし、これは、やってみたら、定着するのには時間がかかったと思うのです。そのときにも、国会、委員会の審議のあり方も随分議論しました、逐条審議も必要だろう、小委員会方式も必要だろうということを。島さんも出ていましたから、もうよく知っているんです。
 そこで、委員長にお願いでございますが、今後の高度情報化社会はどのように進展していくんだろうかという情勢把握なり認識の問題だとか、あるいはe―Japan計画がやられておりますけれども、これらの中長期の課題はどうなるだとか、あるいは情報通信なり放送を含めた制度、政策問題についてフリーに議論をする、この中に小委員会をつくってフリーに議論をする。だから、仮称でございますが、情報通信問題小委員会というものをつくっていただいて、そこでお互いに議論などをやっていくというのが日ごろあればと。何か一般質問のときだけに限っていろいろな議論をやるということだけでは、意外とこれは専門性もございまして、そういうのでは難しい、こなせないというふうにずっと前から私は言い続けているわけです。
 遠藤委員長は改革派の先頭でございますので、ぜひともこれは、ああ、なかなか合うなということだと思いますので、だれかがやらなければこういう新たなことはできないんですよ。だから、遠藤委員長が座ってみえる間に、私は、これはもう最後の機会になるかもわかりませんが、お願いをしたいと思っておるんですが、どうでしょうか。気は合うでしょう。どうですか。
遠藤委員長 伊藤委員の御趣旨のほど、よく御理解できます。したがいまして、理事会の検討課題に値すると私は思います。ですから、御党の理事を通して、理事会の協議事項となるよう手順を踏まれてはいかがかと思います。
伊藤(忠)委員 ありがとうございました。
 終わります。
遠藤委員長 次に、島聡君。
島委員 今お話がありましたように、確かに、委員長と伊藤先生と私と、国会改革の議論を委員長とともにさせていただいたことがあることを今思い出しながら聞いておりました。
 我が党は、多様な、活発な議論を政策については行っております。ですから、いろいろな議論がございます。
 今、マニフェストという話がありますけれども、マニフェストというのは、選挙のときにこういう議論を出す、そういう政策論を出す、そしてその上でその間実行していくということでありますけれども、IT政策に関しましても政策は出しています。参議院選挙のときにも出しています。私は当時、政調の副会長でありましたし、その後、次の内閣のIT総括副大臣、そして次の内閣の総務大臣、現在は党の総務局長でちょっと政策とは離れていますが、その間にずっと政策をやっていました。
 今、多様な議論は認めますが、我が党の政策は、「競争政策を推進」、特に今議論になっております光ファイバーに関しましては、こうなっています。参議院の選挙公約です。「光ファイバー等の電気通信設備を有する総ての事業者に対し、公正なルールの下、他事業者への適正な価額での設備開放の徹底を図ります。」というのが我が党の参議院選挙の公約となっております。その公約があって、そのほかにも「第一種・第二種規制等も廃止し、」というのもありますから、今回の法律、その意味では我が党も前向きに考えているところでございまして、これが、今おっしゃったように、国際電気通信連合の調べでも日本のブロードバンドの安さと速さは世界一になったということでありますので、我が党の政策はその意味では相当貢献したんじゃないかというふうに思っておる次第でございます。
 時間がありませんので総務大臣にお聞きしますが、失われた十年よりもこれから残された五年が大事だと思っています。小泉内閣で唯一成功しているのが、このいわゆるe―Japanの戦略。つまり、ブロードバンドだけでもすごくふえていますでしょう。これだけは成功している。これを突破口にして日本を復活させなきゃいけないと私は思っています。
 それは、今申し上げたように、ADSLの爆発的な普及というのは、メタル回線のオープン化、公正な開放形態が維持されたこと、競争の中で低価格化、高度化の実現がされていった、そういうことだと私は思っているんです。
 加入者系回線数で見たNTT東西のシェアは、先ほどもありましたが、全国平均で九四%、光ファイバーについてのみ計算しても全国平均で八〇%。ということは、私は、この時点で光ファイバーを指定設備から外すのは時期尚早であると考えております。というのは、今せっかく伸びているこの分野、残された五年が大事ですから、ですから時期尚早と考えていますが、大臣のお考えはいかがでしょうか。
片山国務大臣 今島委員言われましたように、e―Japan戦略をつくって着々とその実現に努めておりますので、御承知のように、見直しをこの前やりまして、利活用をさらに拡大する、これを大きな目標にするということと、日本型のIT社会というものを世界に発信していこう、こういうことを決めておりますので、ぜひよろしくお願いいたしたいと思います。
 そこで、この指定設備の問題ですが、現行制度では、ほかの事業者がサービスを提供するために当該施設を利用することは不可欠かどうか、不可欠性というんですけれども、これを指定の要件にいたしております。これについては、メタルだけでなく、光ファイバーも同じ考え方なんですよ。不可欠かどうか、不可欠性を観点に物を考えていく、こういうことでございまして、これは審議会での御議論もいただきましたし、パブリックコメントにもかけまして、確定した我々の解釈、運用でございますので、今のような状況の中で、この指定設備については継続していきたい。その指定設備を続けていくことによって、今島委員言われたように、大きな効用が出ている、私はこういうふうに思っておりますので、さらに継続することによって電気通信市場の拡大と活性化を図りたい、こう思っております。
    〔委員長退席、佐藤(勉)委員長代理着席〕
島委員 我が党は多様な議論は認めますがということは何度も言っています。ただ、党の選挙公約はそうなっているという前提で質問をします。
 参議院総務委員会の審議の中で、加入者回線数でシェアを算出するという現在の総務省の運用は法律違反ではないかという主張、質問がありました。法律違反というのだったら、立法府に身を置く者としてきちんとしなくちゃいけないので、本当にそうなのか、それを確認したいと思います。
有冨政府参考人 五月二十二日の参議院総務委員会での質問の御趣旨でございますが、これは電気通信事業法第三十八条の二におきまして、「第一種電気通信事業者が設置するものであつて、」というような規定がございます。これをもとにして、利用されているか否かにかかわらず、敷設されているものでシェアを算定すべきとの趣旨ではなかったかというふうに理解をしております。直接議論があったわけではございませんので、私どもの推測でございますけれども、そういうふうに理解をしております。
 ただ、この事業法の第三十八条の二では、「その一端が利用者の電気通信設備と接続される伝送路設備のうち」ということで、利用者の設備と接続されるということがまず大きな条件になっておりますので、私どもといたしましては、利用者が実際に利用している回線でシェアを算定することを意味しているというふうに受けとめておるところでございます。
島委員 同じく参議院総務委員会の附帯決議、これも党内ではいろいろな議論があったわけでありますが、その中で「光ファイバー網の構築が複数の事業者による競争環境下でなされている」という記述があります。
 質問は、総務省としては競争環境下にあるということをどのような基準で考えているかということであります。いろいろな考え方があると思います。
 私、ざっくり思いますのが、要するに、よく総延長距離なんというのがあります、特に電力系は多いという話をよくされますけれども。委員の皆さんにも聞いてもらいたいんですが、電力系の光ファイバーというのは、山の中に送電線なんか走っているでしょう、あの長いのも入っているんですよ、距離に。それで比較するのはどうも変だなと私つくづく思っています。それから、芯線数というのも、これは聞いたら、芯線数のデータはないというんだけれども、芯線というのは光ファイバーの線ですけれども、相当違いがあるというふうに思っています。
 競争環境下にあるということをどういう基準で考えているのか。今言った総延長距離、芯線数、そういう基準を、今とっていないと思いますが、どういうことでやっているのかということをお聞かせいただきたいと思います。
有冨政府参考人 先般の附帯決議にもございましたけれども、光ファイバーの敷設、これはNTT東西だけでなくて複数の事業者も始めているというようなことは承知をしておりますけれども、先ほどから申し上げておりますが、この指定電気通信設備制度というのは、他事業者がサービスを提供するために当該設備を利用することが不可欠な状況にあるかどうかというようなことが大きな観点であるということでございます。
 先ほどから申し上げておりますように、実際に利用していなければシェアとして算定することは適当ではないというのがまず大きな基本でございます。
 そして、今先生御指摘のような、光ファイバーの総延長距離で見てはどうだとか、あるいは芯線数で見てはどうだとかいうような御指摘がございます。
 まず、光ファイバーの総延長距離の観点でございますけれども、現実の事業者のネットワークを見ますと、その構成はさまざまでございます。例えば、局舎と加入者宅との距離、これはいろいろ違います。それを全部単純に足し合わせて総延長距離ということでその不可欠性を判断するというものはいかがかなというふうに、まず思っております。
 それから、芯線数でございますけれども、光ファイバーとかいうようなものを見ますと、たとえ一回線でありましても複数の芯線を利用する場合もございます。例えば芯線を二回線で一つというのがございますので、回線数で見た方が市場のシェアというものをより正確に把握することができるというような観点で取り組んでおります。
 したがって、私どもとしましては、基準としては、実際に利用されている加入者回線数、これをこれからも指定の基準とさせていただきたい、このように考えているところでございます。
島委員 今度は大臣に。
 光ファイバー論争というのは、要するに、e―Japan戦略、いわゆる高速通信網が三千万世帯、超高速が一千万とか、そういう基盤はある程度できたということですよね。まだかもしれませんが、徐々に、相当、ある程度できた。さあ、次の第二ステップだということで、e―Japan戦略2というのができてきているんですよ。
 これは、すごく大事な話だと私は思うんです。選択と集中じゃないですが、日本経済復興のために、ブレークスルーする分野をどこか一つつくらないと本当にだめだと思っているんですよね。特に、今度のe―Japan戦略を見ていたら、元気、安心、感動、便利ですか、医療、食、生活とかの七つの分野、これからもっと大変なんでしょうけれどもね。
 日本経済、日本のシステムが競争力を失っているというのは、やはり工業社会システムから情報社会システムに移るときに随分なっているんですよ。きちんとできていないことがまだいろいろ多いんです。私が今回の問題で、光ファイバー、本当に取り入れたのはそこなんですよ。今はもう数百社が光ファイバーを利用して、今、不可欠設備と言われましたけれども、いわゆるボトルネックがある中でやっている。
 現在、数百社が利用しているこの光ファイバーが自由に利用できなくなった場合、つまり、前の指定電気通信設備、平成九年に指定されたそうですが、その前はいろいろな面倒くさいことがあったと聞いています、私も。それがなくなったからこれは自由に発展したんですよ。だから、e―Japan戦略2というのを本当に実際にしていくためには、ベンチャー企業を初め、イノベーション、技術革新というのは必要なんですから、それをしていくためには、こういう光ファイバーというものをきちんと今のままに開放していくという形にしていかないと、あるいは指定電気通信設備から外れた場合には、e―Japan戦略ということ自身の目標の達成は困難になると私は考えています。大臣、どう思われますか。
片山国務大臣 言われましたように、インフラの整備はかなり速いスピードでできている、私はこういうふうに思いますね。
 だから、先ほども申し上げましたが、このインフラをどうやってうまく活用していくか、日本経済にこれをどういう推進力としてうまく使っていくかということがこれからの課題である、こういうふうに思っております。
 今お話しのように、平成九年に指定電気通信設備制度を導入したんですね。これによって光ファイバーを含むボトルネック設備のオープン化をやりましたので、言われたような、NTT東西の光ファイバーを用いて多くの新規事業者がいろいろなサービスをやった、この競争の結果が、一番速く、一番安く、こういうことになったんだ、こう思いますね。
 ただしかし、それは公正なルールで、国民が納得できるルールのもとでやっていく、こういうことでございますので、今我々が用いた基準で今後ともこの制度は維持していきたいと思いますけれども、状況が大きく変わってくる、こういうことになりますと、そういう観点ではまた議論が当然あり得るだろう、こう思っておりますが、当面は我々はこの制度を維持していきたい、それによって、先ほども言いましたが、電気通信市場の拡大と活性化を図っていきたい、こういうふうに思っております。
島委員 極めて重要な、本当に重要な観点だと思います。
 限定された時間で日本経済を復興させるときに、それでもう、今そんなことに一生懸命いろいろな企業がイノベーションを起こしてやろうとしているときに、ある日突然、自分たちが使っていた道路が急に私道になって、料金を取られるような道路になっちゃうとか、そんなようなことがあると活性化が減少しますので、十分慎重にやっていただきたいと思っております。
 今、伊藤委員もIP電話等の話をされました。いろいろなことが変わってきています。
 私たちの政党というのは結党五理念というのがありましてね、民主党というのは。私もその結党理念の基本政策をつくるメンバーの一人でありました、一回生では私一人でしたけれども。そのときに、今でも覚えているのが、消費者、納税者、生活者の政党になるべきだというのが私たちの理念でありました。だから、消費者サイドに立って物事を考えなくちゃいけないというのが私の思いであります。
 消費者の方々と今お話ししていますと、基本料金についてよく聞かれるんです。基本料金というのは一体どうなっているんだということをよく聞かれます。ちょっと聞きましたら、昭和六十年に千五百五十円であって、平成七年に千七百五十円に引き上げられたと。いろいろなものが、電話料金、インターネット料金もどんどん下がっていくのに、基本料金というのはなかなか引き下げられませんね、どうしてですかというふうに聞かれます。私が言っているのは、要するに、これが独占だとそういうふうになる典型例なんですという説明をしています。それは私の説明の仕方でありますが。
 この基本料問題についてはどのように考えておられますか。
有冨政府参考人 先生御指摘のとおり、NTT東西の電話サービスの基本料、これは、その収支が大幅な赤字であったということで、平成七年に料金を改定して、それ以降料金は据え置かれているというのが現状でございます。
 まず、この理由でございますが、平成七年度以降、よくよく見ますと、一つには、携帯電話の普及等に伴う電話加入数の減少ということがございまして、基本料収入が減っている。したがって、その限りにおいて、収支が非常に厳しいということで今日に至っているというふうに受けとめております。
 ただ、先生御指摘のように、消費者団体から、継続的な物価下落の中で基本料は高どまりしているのではないかというような御意見が寄せられておりますし、この三月の情報通信審議会の答申におきましても、基本料等の扱いについて、抜本的な再検討を行うべきではないかというような要請も受けております。
 これらを受けまして、総務省におきましても、この六月でございますが、学識経験者や消費者団体及び関係事業者を交えた勉強会を立ち上げました。そして、基本料等の扱いについて検討を開始したばかりでございますけれども、現行基本料の費用構造、これは非常に重要な点だと思いますので、まず、この基本料の費用構造等の検討を行いまして、基本料がいかにあるべきかというような議論を行っていきたい、このように考えているところでございます。
島委員 基本料はNTTさんの重要な収入の要素であることはよく承知しておりますので、いろいろな意味で慎重な議論が必要だと思うんです。
 大臣、大臣はITにもお詳しくなられたと思いますが、IP電話というのがあるんですよね。IP電話というのは、音声をパケットにして送るんですよ、ばあっと。電力系のIP電話ぐらいですと、ファイバー・ツー・ザ・ホームサービスの月額料金プラス基本料ですと数百円ぐらいです。
 皆さん、もうすぐ選挙が近いので、電話をたくさん使われると思いますのでお話ししますと、皆さんの後援会全部にIP電話をつくってもらいます、業者は一緒なんですが。そうすると、会員間の電話は無料になることが多いんです。
 私の事務所でも、地元事務所とそれから東京事務所へかけると相当の電話料金になりますが、私の事務所の地元事務所と東京事務所がそういうIP電話でつながりますと、当然、会員同士ですから、ほとんど無料になります。ぜひやってみていただければいいと思いますが、これはそういうことなんです、わかりやすく言いますと。
 ですから、今までの、いわゆる電話をかけて時間がかかるとどれだけ高くなるとか、そういうビジネスモデルが崩れちゃうんで、そういう意味では、確かに、NTTという国の大事な、国といいますか、今までの電電公社時代からのものを、そういう経営資源はどうするかということは本当に総務委員会できちんと議論をする必要があるとは私は思います。そこまで時代は進んでいます。
 ぜひ私もやろうと思っているんです。自分の後援会にIP電話をざっとやって、同じ会員になってもらうと相当のコスト削減になりますから。相当の本数をかけられるでしょう、もうすぐ選挙が近いと言われていますから。お金のかからない政治にも役に立つIP電話、そういう話であります。
 それで、総務大臣とは個人情報の話もよくさせていただきました。そうですね、個人情報保護法の話も随分。
 こんな話もよく聞きます。利用者が引っ越しをすると、電話の移転手続とあわせてNTT東西さんからBフレッツサービスなどの営業がよく来る。圧倒的な顧客情報を持つNTT東西がその情報を営業に用いることというのは、今公正と言われましたけれども、本当に、公正競争、個人情報保護の観点から、一体どうなのか。
 恐らくNTTさんは、恐らくというより、まず間違いなくNTTさんは膨大な個人情報を持っていますから、事業者、対象者でしょう。それがこれだけの人が移転しますよということをほかの人に流したら、完全に個人情報保護法違反になるはずです。そうですね。
 この問題について、公正競争、個人情報保護の観点から考えた場合、総務大臣、どのようにお考えになりますか。
有冨政府参考人 NTT東西の関係でございますが、これはボトルネック設備を有しているということで、相当の市場支配力を持っている。したがって、その営業活動につきましては、公正競争の確保という観点から、一つには、ほかの電気通信事業者の電気通信設備との接続の業務に関して知り得た情報を目的外に利用することは禁止をする、二つ目は、NTT再編成により分離されたNTTコミュニケーションズとの一体的な営業は禁止をする、三つ目は、地域電気通信業務等以外の新たな業務に進出した場合、地域電気通信業務等と当該業務との間で営業面でのファイアウオールを確保するといった措置を講じてきているところでございます。
 御指摘の、電話の移転手続とあわせてNTT東西の提供する地域電気通信業務の営業活動を行うということは、今申しましたいずれにも該当しないということでございまして、公正競争確保の観点からいいますと、直ちに問題があると言えないものだというふうに認識をしております。
 また、個人情報の取り扱いについてでございますが、電気通信事業における個人情報保護に関するガイドライン、これにおきまして、電気通信事業者は収集した個人情報を収集目的の達成に必要な範囲に限って利用することができる、このようにされております。
 この収集目的の達成に必要な範囲とは何かということでございますが、現在提供している電気通信サービスに直接必要な場合のみならず、それと関連を有する事項も含まれるということでございますので、御質問の事例が、ガイドラインに照らしましても、直ちに問題があるとは言えないのではないかというふうに考えておるところでございます。
片山国務大臣 この国会でおかげさまで個人情報保護法を成立させていただきましたが、この法律におきますと、個人情報取扱事業者は、個人情報の取り扱いに当たり、利用目的を特定するようにと、こうなっていますね。
 そこで、この利用目的の範囲なんですね。これは具体的にどういうふうに特定するか、こういうことでございますが、これは事柄によってなかなか簡単にはいかない、こういうことがあると思いますけれども、私どもの方で現在、電気通信事業分野におけるプライバシー情報に関する懇談会、こういうものをつくっておりまして、そこで少し議論してもらおうかと。
 いずれにせよ、電気通信事業における個人情報保護については、特別の法律をつくるかつくらないか、そういうことの検討もしなきゃいけませんし、つくるとした場合はどうするのか、つくらないとした場合はどうやるのか、こういうことを含めて、そこでいろいろ議論していただいておりますので、そういう中で、この利用目的の特定化、具体化、これも一定の方向づけをしてまいりたいと思っております。
島委員 今、接続料算定方式の見直しについて伊藤委員からのお話もありました。参議院の総務委員会の附帯決議の中で「実際費用を十分に配慮した」というのがあります。何度も言いますが、多様な議論は認めますが、これは党の手続をきちんと踏んでもらわないと困るというふうに私は思っておりますけれども。
 この実際費用を十分に配慮した接続料の算定方式、現在の長期増分費用方式から実際費用方式に移行した場合、いわゆる先ほどからおっしゃっている公正性及び透明性、私ども民主党の前回衆議院選挙のキャッチフレーズは、すべての人に公正であるためにというものだったのです。公正性、透明性というのを重視する政党であり、そういう政策をつくっています。
 それで、長期増分費用方式から実際費用方式に移行した場合、かなり接続料算定がNTT東西の依存度が高まって、公正性、透明性という観点から問題がある。また、そもそもこの長期増分費用方式というのは、いわゆるNTT東西の投資における非効率性というのを排除する、そういう目的もある、それが排除できなくなるのではないか、そういうふうに私は思っています。
 その辺についてどう考えていますか。
    〔佐藤(勉)委員長代理退席、委員長着席〕
有冨政府参考人 今の接続料の問題でございますが、指定電気通信設備制度、これが導入された平成九年以降、これをずっと見てみますと、やはり諸外国と比べても接続料が極めて高い水準にあったということで、随分議論になりました。
 その中で、この制度の趣旨でございますが、これは独占的な地域通信網の非効率性を排除しなきゃならないというのがまず一つございます。それから、算定においての透明性というものを確保しなきゃならないというのが二つ目でございまして、そういう観点で平成十二年度から長期増分費用方式が導入されたということでございまして、先ほどから大臣等も御答弁を申し上げておりますが、この成果は非常に大きなものがあるというふうに考えております。
 ただ、現在の固定電話事業におきましてどうであるかということでございますが、一つには、既存の電話網に対する投資が抑制をされてきつつあります。それから、トラフィックも大幅に減少しているということもございます。したがって、この平成十七年度から、こういった環境の変化に対応した新しい接続料の算定に当たっての見直しが要るのではないかというようなことでございまして、私どもとしては、こういった状況変化に即した方式を検討していきたいと思ってはおります。
 ただ、今申しましたように、その場合においても、一つには、NTT東西の非効率性が排除された適正な原価の算定というのは重要な要素である、それから、NTT東西以外の事業者に対しましても公平性、透明性というものがちゃんと担保されていることが必要であるということでございまして、そういった観点で関係事業者等の意見も十分聞きまして検討を進めてまいりたい、このように思っております。
島委員 つまり、公正、透明であることがまず第一でありますし、非効率を排除するというのは必要だと思います。
 例えば、大臣、ISDNというのを御存じだと思いますね。あれは本当に投資としてよかったのかなと思うのですよ。
 例えば、物すごく具体的なことを言います。皆さん、議員会館に公衆電話があります。第一議員会館に公衆電話があります。見てください。ぱっと開くと公衆電話があって、その公衆電話のところにISDNのジャックが入っていますよ。私は、議員会館のところで公衆電話からISDNにジャックをつないでやっている議員を見たことがありません。
 そういうようなことがいろいろあるのです。民間ならいろいろな意味でそういうことはきちんと責任も問われますし、いろいろな観点から検討がされるはずです。そういうことがあるということであります。
 大臣、質問通告しなくて恐縮でありますが、一問だけお聞きしたいことがあります。まだ三分ほど残っています。郵政民営化です。
 小泉首相が、自民党は私が総裁になる前の二〇〇一年三月の党大会で民営化はいけないと決めていた、郵政公社の法案が通るときも自民党は今後一切民営化の議論を行わないとしていたが、私は郵政公社は民営化への一里塚だと言っている、反発するのを承知でやっているんだから郵政民営化は必ず公約に盛り込むと首相がおっしゃっているのですが、ということは、これは首相が言っているのですから、内閣の一員である片山総務大臣は、もうそれにつきまして検討を始められますか。
片山国務大臣 この問題は、御承知のように、長い経緯がありまして、公社法を去年通していただくときも、ちょうど今ごろの時期でございますが、衆参で大変な議論をされた問題ですね。総理はもともと郵政民営化論者でございまして、そういう持論はいささかも変わっていないんだろう、こう思いますし、国会での議論で、まず公社化をやる、その後については、総理直属の懇談会が三案を出していますよね、それについては国民的議論の中で方向づけをしていく、こういうことで一致しておりますから、今回総裁選に当たって、総理が再度総裁に出るという上での御自身の公約としてそういうことを言われることは十分あり得るし、大変結構なことではないかと私は思っております。
島委員 党の総裁であり総理ですから、その辺の人格をどういうふうに分けられるかというのは不思議なものがありますが、内閣の一員であらせられますので、やらないと不一致になると思いますから、きょうは時間がありませんのでこれで終わりますが、十分検討してください。
 終わります。
遠藤委員長 次に、黄川田徹君。
黄川田委員 自由党の黄川田徹であります。
 まず、新しい競争政策のあり方についてであります。
 最近、総務省は、ことし五月末ですか、ブロードバンド通信サービスの利用状況を公表いたしました。それによりますと、初めて一千万件の大台を突破いたしまして、前年同期比二・三倍の約一千四十八万件、世帯普及率二一・五%に達したわけであります。情報通信技術が急速に発展、普及する中で、ITを活用した新しい多彩なサービスが登場してきまして、国民生活に深く浸透している、それが実態だと思っております。
 そこで、今回は、昨年八月の情報通信審議会の最終答申等を踏まえまして、この電気通信事業分野の新たな競争政策についてお尋ねしていきたいと思います。
 さて、この平成十二年十二月の同審議会の第一次答申では、新たな競争制度の導入後、二年を経過しても十分な競争の進展が見られず、所期の目的が達成されていない場合には、NTTグループの経営形態について、完全資本分離を含め、抜本的な見直しが必要であるとしておりました。そしてまた、規制改革推進三カ年計画でも同様な趣旨が明記されていたと私は思っております。
 そこで、二年前、電気通信事業法の改正の折、大臣は、競争環境の実現状況によっては、二年を待たずに検討するし、二年後のこともあると答弁していたと私は記憶しております。ちょうど二年が経過した現在、大臣は、この最終答申を受けまして、新しい競争政策、どのように御認識されておりますか。その所見を求めておきたいと思います。
片山国務大臣 これは黄川田委員が言われましたように、規制改革推進三カ年計画でも書きましたし、当委員会でも大変な御議論をいただいた。公正な競争を促進するための施策をやるんだけれども、十分競争が進まなければ速やかに抜本的な見直しを行う、こういうことでございます。
 一昨年の電気通信事業法の改正によりまして、新しい競争政策を導入いたしました。この二年間で、きょうも御議論いただいておりますが、ネットワークのオープン化を推進し、ADSLサービスについては世界で最も低廉な料金水準になっている。また、一般家庭向けの光アクセスサービスもオープン化によって進んでまいりまして、これまた料金も大変安くなっている。特にブロードバンドについて言えば、ITUが言いますように、最も速いスピードで最も安い、こういうことでございまして、これはこの二年の競争政策推進の成果だろう、私はこう思っております。
 御承知のように、紛争が起こった場合には紛争処理委員会で処理する、こういうことに平成十三年十一月よりなりまして、ここでいろいろな紛争についても適正に処理されており、これも競争政策が有効に機能しているものと考えております。
 このような現状を踏まえますれば、現段階で直ちにNTTのあり方に関し、抜本的な見直しを行わなければならない状況には至っていないと考えております。
 もちろん、IP化等の技術革新が進展する中で、競争状況を適切に把握しながら競争政策のあり方を不断に検討していくことは今後とも重要であると考えておりまして、そのための努力は続けたい、こういうふうに思っております。
黄川田委員 ブロードバンドも含め、一歩も二歩もおくれていた日本でありますけれども、今では、世界でも最も速く、そして最も低廉な価格で提供できるようになったという現実がありますが、また一方、公正取引委員会でも、政府規制等と競争政策に関する研究会を設けまして、昨年十一月に「電気通信分野の制度改革及び競争政策の在り方」として答申がなされておるわけであります。
 それによりますと、NTTグループ各社による自由な活動を認めるのとあわせて、競争を一層促進する観点からは、NTTドコモが有効な競争単位になるよう持ち株会社による出資の比率の引き下げを行うとともに、公正取引委員会としても公正競争を確保するためにNTTグループ各社による競争状況を注視していく必要があるとしておるわけであります。
 そこで、NTTグループの経営形態等のあり方を含めまして、電気通信分野の競争政策のあり方について、公正取引委員会の基本的な考え方を求めておきたいと思います。
    〔委員長退席、佐藤(勉)委員長代理着席〕
伊東政府参考人 お答えいたします。
 電気通信分野の競争政策のあり方についてということでございますが、公正取引委員会といたしましては、より一層競争を促進し、技術革新と自由な創意工夫の発揮を促していくことが同分野の健全な発展あるいは国民の利便性向上につながるというふうに考えておるところでございます。
 そのような基本的な認識のもとで、まず規制のあり方といたしましては、技術の変化が非常に著しい分野ということもございまして、事前規制というものは必要最小限のものとし、できるだけ事後規制を基本とすべきであるということのほか、NTTグループの経営形態のあり方につきましては、NTTグループ各社間でより一層競争が促進されることが重要であるというふうに考えております。
 さらに、独占禁止法の運用につきましては、引き続き電気通信分野における迅速かつ積極的な事件処理に努めるとともに、独占禁止法上の考え方の明確化を図ることなどによりまして、公正かつ自由な競争を阻害するおそれのある行為の排除等、未然防止を図り、電気通信事業分野における競争環境の整備に努めていくことが重要であると考えておるところでございます。
黄川田委員 それぞれ、公正な競争環境の育成に関する見解をお聞きいたしましたけれども、それを踏まえまして、前回も尋ねましたけれども、大臣に改めて、NTTの自主的実施計画の実施状況についてお尋ねいたしたいと思います。
 すなわち、総務省は、NTTに電気通信市場の競争促進のための自主的実施計画の作成あるいは公表を求め、その進捗状況につき報告を求めることといたしておりましたが、NTTからは総務省に対してどのような報告が行われたのでしょうか。そしてまた、総務省として今後どのように対応していくのか、大臣の見解を求めておきたいと思います。
    〔佐藤(勉)委員長代理退席、委員長着席〕
片山国務大臣 今お話しの、NTTの自主的実施計画は、これも平成十三年三月の規制改革推進三カ年計画において、こういうことをNTTに期待したい、これが始まりでございまして、私どもの方でもそのことをNTTに言いまして、これを受けて平成十三年十月にNTTがその自主的な計画の作成、公表を行ったものでございます。その際、総務省としては、一年後を目途にその進捗状況を報告してくれ、こういうことをお願いしておりまして、昨年の十月にNTTから進捗報告を受けたところであります。
 その内容は、NTT東西の地域網の開放については、光ファイバーの増設計画の開示など、この実施計画に盛り込んだ事項等について、他事業者からの要望等を踏まえて実際実行しているということが一つ。それから、NTTグループ内の相互競争の実現につきましては、NTT持ち株会社とNTTコム、コミュニケーションズ、あるいはNTTドコモの取締役兼任は解消するということが一つ。それから、出資比率の引き下げについては、株式市況が大変低迷いたしておりますから、現時点において大幅な出資比率の引き下げは検討することは困難である、これは引き続いて検討させてほしいということ。また、NTT東西の経営の効率化については、平成十四年の五月に御承知のような業務の抜本的なアウトソーシングをやった、そういう構造改革を進めている。こういう報告であります。
 そこで、これを受けまして、総務省としては、さらにNTTに対しまして、取り組みが進んでいるものについては引き続き進めてほしいということが一つ。進んでいない出資比率引き下げ等の問題については、株式市況の動向を見ながら、条件が整えば引き下げてもらいたい、こういう要請を行ったところでございます。
 総務省としては、この実施計画の策定状況に照らしまして、電気通信市場の競争の進展状況をできるだけ的確に分析、評価するとともに、今後とも、場合によっては必要な措置についてNTTに申し入れてまいりたい、こういうふうに考えております。
黄川田委員 公益事業の産業政策として、個別事業者の競争政策の促進と、また一方、ユニバーサルサービスの公益性の維持との兼ね合い、これは本当に難しい問題だと思っております。しかしながら、いずれ、日本はパソコンによるインターネット革命では米国におくれ、そしてまたブロードバンド革命では韓国に先を越されました。そしてまた、モバイル革命では技術的に優位に立ちましたが、輸出市場ではフィンランドあるいは韓国などに大きく水をあけられている。それもまたどんどん巻き返しはしておるわけなのでありますけれども、やはりe―Japan戦略でさらに競争力を強化する、これが一番大事だと思っておりますので、よろしくお願いいたしたいと思っております。
 それでは、具体的に電気通信事業の個別的分野について質問していきたいと思います。
 まず、指定電気通信設備制度のあり方についてであります。
 加入者系光ファイバーを活用することによってさまざまな通信サービスが競って展開されまして、その結果、通信産業が発展するとともに、利用者の利便が飛躍的に向上することが期待されるわけであります。そしてまた、他の事業者がサービスを提供するために接続することが不可欠な設備が指定電気通信設備に指定されておるところであります。この指定電気通信設備を有する通信事業者には、接続料あるいは利用条件、申し込み手続等を定めた接続約款を作成することがこれまた義務づけられておるところであります。
 NTTの加入者系の光ファイバーのき線点までの整備状況は、先ほど来お話しのとおり、既に全国平均で八〇%を超えておりまして、今後は主にき線点から加入者宅まで延ばせばよいだけになっている上に、NTTは加入者宅までの電柱であるとかあるいはまた管路を有しておりまして、最も光ファイバーの敷設を推進しやすい立場にあるわけであります。
 しかしながら、もしNTTが主張するとおりに加入者系光ファイバーを指定電気通信設備から外すようなことになれば、現実問題としてNTTの光ファイバーとしか接続できない通信事業者が、ボトルネック設備を有するNTTと接続について直接協議することになるわけであります。合理的な条件で合意できることはなかなか期待はできないのではないかと思っておりますし、場合によっては拒否される場合もあるのではないかとも思っております。このような状況になれば、我が国のFTTH、ファイバー・ツー・ザ・ホームですか、この進展は間違いなくおくれることになりまして、ひいては利用者の利便を著しく妨げる、こういうことになるのではないかと思っております。
 したがって、光ファイバーは現時点では指定電気通信設備のままとしまして、どの通信事業者であってもNTTに定められた手続で接続を申し込めば定められた料金で容易に加入者系光ファイバーに接続してもらえる、そういう環境とすべきでありまして、そのような環境があってこそ、多くの通信事業者間の競争が活発になり、さらにはサービスが安く提供されるようになり、ひいては消費者の、利用者の利便が向上される、そう思うわけでありますけれども、このことについて、改めて総務省に見解を求めておきたいと思います。
有冨政府参考人 先ほどからるる御答弁申し上げておりますけれども、指定電気通信設備制度、これはいわゆるボトルネック性に着目をして平成九年に導入されたものでございまして、その具体的内容は、指定電気通信設備に関しまして、まず接続料、それから接続の条件、申し込み手続、そして接続に必要な情報、こういったことに関しまして、接続約款を作成し、それを公表する義務、こういう形になっております。そして、この接続約款の制定あるいは変更につきましては総務大臣の認可を要するというふうになっておりますが、要は、これらの項目が適切かつ公正であるかということを担保するためのものでございます。
 現行制度におきましては、光ファイバー網につきまして指定の対象となっておりますけれども、先生御指摘のとおり、料金とかあるいは手続が約款に規定されているということによって他事業者における予見性が非常に高くなるということが一つございますし、実際に、光ファイバーを指定したことによりまして、多くの事業者による新たなサービスの提供が可能となっております。したがって、現行制度は有効に機能しているというふうに受けとめております。さらに、光ファイバーを用いたサービスが、ADSLと同様、一層高度な情報通信市場の拡大に大いに寄与するということも期待をしておるところでございます。
 したがいまして、NTT東西のメタルと光ファイバーを合わせた加入者回線のシェアが都道府県単位で五〇%を超えている限りにおいて、この市場の拡大に資するよう、引き続き指定制度というものを継続していきたい、このように考えております。
黄川田委員 それでは、ちょっと具体的な話をさせていただきたいと思います。
 通信事業者がNTT加入者光ファイバーを借りる手続にいかに時間を要するか、具体的に実例を紹介してみたいと思います。
 新築マンションに某通信事業者がNTT接続約款に基づいて光ファイバーの借用申請をしたところ、多数の物件を平均いたしまして、調査申請に二十五日、NTT局内側の工事に三十八日、加入者側工事に五十二日、合計約百十五日、四カ月近くも要しておるとのことであります。この通信事業者の申請手続は、単に所要日数のみではなく、そのための書類作成あるいはマンパワーコスト、これも多大なものであります。また一方、NTT東西は、Bフレッツは六営業日開通という広告チラシを流しておるわけであります。
 そこで、質問であります。
 通信事業者は、NTTに対して加入者光ファイバーを早く引いてもらいたいというのが第一の要望でありますけれども、せめてNTTにはBフレッツ開通までの時間優位性を営業トークとして使うことはやめてほしい、これも強く要望しておるわけであります。この点につきまして公正取引委員会の見解はいかがでしょうか。そしてまた、特にどのように指導していく所存か、お尋ねいたします。
伊東政府参考人 お答えいたします。
 御指摘のようなNTT東西によります営業トークあるいはチラシにつきましては、それが虚偽ということであればともかく、そうでなければそれをやめさせるというのは難しいのかなということでございます。
 ただ、その背景にある問題に関連いたしまして、電気通信事業ガイドラインにおきましては、市場において相対的に高いシェアを有する電気通信事業者が自己の競争事業者に対して加入者回線網との接続を行う場合に、接続手続の期間等につきまして競争事業者を自己に比べて不利にさせるような取り扱いをすることによりまして競争事業者の新規参入を阻止したりその事業活動を困難にさせることは独禁法上問題となるというふうにされておるところでございます。
 公正取引委員会としましては、そうした独占禁止法に違反する具体的な行為に係る情報に接した場合には、迅速、厳正に対処することとしているところでございます。
黄川田委員 それでは、法案の一種、二種の事業区分関係についてお尋ねしていきたいと思います。
 電気通信市場における現状でありますけれども、その変化の激しさは、さまざま委員からお話しになったとおりであります。
 そしてまた、先日公表されました情報通信白書によりますと、我が国のインターネット利用人口は、平成十四年末、既に六千九百四十二万人、前年比二四・一%増となっておりまして、今や国民の二人に一人はインターネットを利用している、そういう実態であります。そしてまた、平成十四年度末でありますけれども、携帯電話の契約数も七千五百六十六万契約、電気通信サービスの利用が国民生活や企業活動に急速に普及、浸透、そしてまた我が国の経済活動には欠かせない、そういう基盤であります。さらには、先ほど来お話がありましたとおりの、IP電話あるいはまた無線LANといった新たなサービスも次々登場しております。
 このような大きな市場環境の変化の中で、今回の改正案でありますけれども、この電気通信事業法の制定当時からの枠組みでありました一種、二種の事業区分を廃止し、そして一種事業者に係る許可制の廃止やサービス提供の原則自由化、料金、契約約款に対する規制の原則撤廃を図るなど、一層の市場の活性化を図るための規制緩和策を盛り込んでおる法案だと思っております。
 今回、どのような目的でどのような改正を行ったのか、また、この改正によりどのような効果がもたらされることになるのか、基本的なことでありますが、改めて総務省にお尋ねいたします。
加藤副大臣 まず、今回の改正の目的でありますが、今委員のお話にもありましたように、我が国の電気通信事業分野におきましては、インターネットの急速な普及というものを背景にいたしまして、ネットワークのIP化やブロードバンド化が進展してまいりまして、お話しのとおり、市場環境が変化してまいりました。
 そして、これまたお話ありましたように、そういった状況の中で、まず電気通信回線設備の有無に着目いたしました一種、二種の事業区分を廃止する、そして一種事業者に係る参入の許可制の廃止、また料金、契約約款規制の原則廃止によるサービス提供の原則自由化ということ等を行うことによりまして、電気通信事業法の制度全体について規制の合理化を図り、電気通信市場の活性化を図ることを目的としております。
 さらに、この改正の効果でありますが、まず、各事業者にとってより柔軟に事業展開やサービス提供を行うことが可能になります。それによりまして、事業者の創意工夫と活発な競争を通じて、料金の低廉化やサービスの高度化、多様化が進んでまいりますし、一般消費者や企業ユーザーなど、利用者にそのメリットが還元される。それによって、ITを活用した我が国の構造改革、経済の再活性化に大きな効果があると期待しております。
 他方、ユニバーサルサービス、ネットワークの安全・信頼性、重要通信の確保、また利用者保護のためのルール整備を行うことといたしまして、制度全体として我が国の利用者利便の増進を図ろうということであります。
黄川田委員 そしてまた、今回の改正の中で、今副大臣お話しのとおりでありますけれども、料金、契約約款の規制を原則廃止しまして、そしてサービス提供の原則自由化を図ることとしておりますけれども、これは電気通信事業分野でサービスベースでの競争が進展してきたというふうなことに対応したものと私は理解しております。
 しかしながら、この競争の進展状況は、サービスによってさまざまでありまして、競争が余り進んでおらず、他の事業者によって代替的なサービスが十分に提供されていないようなサービスについては、利用者利益の保護のために、料金等のサービス提供条件の適正化を確保する必要があると思っております。
 以上の観点から、今回の改正案では、ボトルネック設備を設置するNTT東西については、指定電気通信役務について保障契約約款の事前届け出義務を課しまして、利用者から求められた場合にはその約款に定められた提供条件でサービスを提供しなければならない、そう理解しております。
 そこで質問でありますけれども、この指定電気通信役務は、どのように決められ、どのようなサービスが該当することになるのか、その決定に当たっては市場の競争状況についてどのように勘案するのか、あわせて総務省の見解を求めておきたいと思います。
有冨政府参考人 お尋ねの指定電気通信役務でございますけれども、これはボトルネック設備である第一種指定電気通信設備を用いて提供する電気通信役務のうち、まず一つは、他の電気通信事業者によってこれにかわるべき電気通信役務が十分提供されないことその他の事情を勘案して、二つ目は、適正な料金その他の提供条件に基づく提供を保障することにより利用者の利益を保護するために特に必要があると認められるものという観点で、具体的には総務省令で定めるということとしております。
 現時点では、具体的に何だろうかということでございますが、これは電話あるいはISDN等を想定しておりますけれども、具体的に指定電気通信役務の対象を決定するに当たりましては、一つには、当該電気通信役務のシェアあるいは料金の水準、競争事業者の状況等の要素を勘案いたしまして総合的に判断することが必要となるであろうというふうに考えております。
 なお、その決定に当たりましては、パブリックコメントを通じた一般からの意見募集、あるいは情報通信審議会への諮問手続などを通じまして、透明かつ公正な形で対応していきたい、このように思っております。
黄川田委員 次に、携帯電話の電話番号についてちょっとお尋ねいたしたいと思っております。
 事業者間の競争の一層の促進を図るためには、利用者が、さまざまな電気通信サービスの中から、みずからが必要とするサービスを容易に選択できる環境が整備される、これが大前提だと思っております。ところが、現状では、利用者が携帯電話の事業者を変更する場合には、電話番号を変更しなければならないということになります。この電話番号の変更は、利用者にとっては、関係者に連絡しなければならないなど、さまざまな手間を要するわけであります。そこで、利用者が事業者を自由に選択することを逆に妨げる要因の一つになっているのではないかと思っております。ごらんのとおりの携帯電話の普及でありますので、事業者間の競争を一層促進しまして、そして利用者利益の確保の観点から、この解決策の検討が必要ではないかと思っております。
 そこで質問でありますけれども、携帯電話の利用者が事業者を変更しても電話番号がそのまま使えるようにするための方策、すなわち番号ポータビリティーを導入することについて、新聞記事にもさまざま載っておりますけれども、総務省はどのような検討を行っているか、お尋ねいたしたいと思います。
有冨政府参考人 番号ポータビリティーの問題でございますが、総務省におきましては、携帯電話につきまして、利用者の利便性の向上、そして事業者間の競争環境の整備という観点から、利用者が携帯電話事業者を変更しても同じ電話番号を引き続き使用できるようにするという、番号ポータビリティーの導入の可否につきまして検討を行っているところでございまして、具体的には、この平成十四年六月からでございますが、電気通信事業者それからメーカーから成る勉強会を開催いたしまして、実現方式や必要な費用の試算等について技術的な調査を行っております。
 その結果、いずれの方式も、実現に当たりましては多額の費用を要するということが明らかになりつつあるわけでございますが、これらの費用は利用者料金に反映されるということにもつながります。この額でございますが、NTT東西それから携帯事業者の合計でいいますと、おおむね一千から一千五百億円程度かかる、こういうような試算がございます。
 十四年度の電気通信サービスモニターにアンケート調査をいたしました結果でございますが、手数料等を負担しても同じ番号を使いたいという率が二八・八%ございました。それから、費用の額にも左右されるためどちらとも言えないというのが四九・一%ございました。それから、費用がかかるくらいなら番号が変わってもよいというのが二二・一%ございました。
 こういったようなことを踏まえまして、今後、電気通信事業者と意思疎通を図りながら、必要な費用の削減の可能性について検討する、あわせまして、利用者のニーズをさらに詳細に把握していくという考えでございます。その結果を踏まえまして、携帯電話における番号ポータビリティーの導入のあり方について検討していきたい、このように考えております。
黄川田委員 利用者からのアンケート調査の結果も出たようでありますので、引き続き、さらなる検討をお願いいたしたいと思っております。
 それでは次に、固定電話であります。我が国の国土、これは山間、離島も多いわけでありまして、また、社会経済生活においては過疎化の進行あるいは高齢化の進展、さまざまそれにかかわる課題が山積しているわけであります。このような中にあっても、インターネットあるいはまた携帯電話が急速に普及する、また一方、固定電話、これはお年寄りの方々を含め、国民生活にとって大変基礎的な通信手段である、これは変わらないわけであります。
 このように重要な固定電話でありますけれども、NTT東西に対してユニバーサルサービスの提供義務が課されておりますが、両社の経営状況は厳しいものがありまして、ユニバーサルサービスとしての電話の円滑な提供の確保にも影響が出てくるのではないかとも思っております。
 そこで、固定電話の円滑な提供の確保、維持について、そしてまた、最近公衆電話もどんどん減っておるわけでありますけれども、つい五月の二十六日ですか、三陸南地震によりまして、それぞれ安否の確認ということで電話のやりとりがありまして、それが通じない通じる、いろいろなことがありました。公衆電話は比較的そういう災害等に対してはきっちりと対応できるというような通信手段になっておりますので、ぜひとも残してほしい等々さまざまな意見がありますが、その点、ちょっとお聞きいたしたいと思います。
加藤副大臣 まず、固定電話の方でありますが、委員御指摘のとおりに、電話サービスの提供につきましては、日本電信電話株式会社法第三条に基づきまして、NTTの責務といたしまして、あまねく日本全国における適切、公平かつ安定的な提供の確保を課しております。これを受けまして、NTT東西は各社のコスト負担でサービスの提供を確保しているのが現状でございます。
 しかし、今後、事業者間の競争の進展に伴いまして、NTT東西の採算地域から不採算地域への地域間補てんのみではその提供を維持することが困難になると見込まれますことから、先ほどもお話ありましたユニバーサルサービス基金制度が昨年具体化されたところであります。これによりまして固定電話は、ユニバーサルサービス制度の対象として安定的な提供は担保されると考えております。
 次に、公衆電話でございますが、NTT東西におきまして、第一種公衆電話と第二種公衆電話の設置基準を設けまして提供されているところであります。具体的に申しますと、第一種公衆電話は、市街地においておおむね五百メートル四方に一台、その他の地域におきましてはおおむね一キロメートル四方に一台、また第二種の公衆電話は、利用が多く見込まれる場所に設置するという基準に基づいて提供されておるところであります。
 こういった中で、第二種公衆電話は、公衆電話事業の収支が悪化していること、また、お話ありました携帯電話の普及等により、設置台数が減少しております。しかし、戸外における最低限の通信手段としての第一種公衆電話は、ユニバーサルサービスの対象として、基準に基づき、その安定的な提供は担保されているものであります。
 総務省といたしましては、引き続き、国民生活に必要不可欠なサービスの安定的な提供を確保するために、固定電話や公衆電話を対象とするユニバーサルサービス制度について、今後の運用状況を踏まえた上で適切に見直してまいりたいと考えております。
黄川田委員 残り時間があと五分になってしまいましたので、固定電話の基本料については、通告しておりましたけれども、島委員さんから質問がありましたのでこれは割愛させていただきます。
 いずれ、今春、NTTの接続料を平均五%引き上げる、これが認可された際に、情報通信審議会ですか、これから基本料と接続料の関係を整理しておくべきだという課題も指摘されておりますので、基本料の引き下げが可能かどうかは別にいたしましても、基本料についてはさまざま検討する必要があると思っておりますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
 それでは、最後の質問になりますが、今回のNTT法の改正は、昨年十一月の当委員会における、NTT東西の接続料に関して、ユニバーサルサービスの観点から、東西均一料金を維持する附帯決議を踏まえまして、接続料に関し、NTT東がNTT西に対して金銭交付を行う措置であると思っております。
 平成九年、NTT再編成のとき、NTT西は離島が多く、かつ東京圏を抱えていない等、東西間で経営の効率性に差があったことから、NTT東はNTT西の経営安定化を図るために、設立から三年間、利益処分としてNTT西に金銭を交付することができるものとし、その間にNTT西は経営の効率化を進めることとしたわけであります。しかしながら、今回の改正は、金銭交付を行うこととする強い義務規定であります。
 そもそも、再編時に東西地域会社の地域割りの弊害を引きずっている面も強いわけでありますけれども、水道料金は別にいたしまして、電気、ガス等の公益事業でありますが、これらは地域により一〇%程度のばらつきがあるのも事実であります。このユニバーサルサービス、これをどのようにすればよいのか、また均一性をどのように保てばいいのか、疑問がさまざま残るわけでありますけれども、NTTも完全民営化されてからほぼ二十年にもなるわけであります。
 そこで、質問であります。NTT東西は、県間通信も許可されていることでもあり、民間企業並みに合理化をさらに図るとともに、新規事業の開発をするなど、その中で何とか利益を取り込む、そういう自助努力をまずすべきではないかと思っております。少なくとも、ある期間を置いて様子を見てから接続料の東西格差の一定部分を補うようにするなど、こういうふうに改めることも必要ではないのかと思っておりますが、今回の交付期間、交付金額はどのようなものであるのか、総務省の見解を最後にお尋ねいたします。
有冨政府参考人 御指摘のとおりでありまして、NTT東西におきましても、合理化あるいは新規事業の開拓といった経営努力は当然に行うべきものというふうに考えております。
 ただ、ちょっと接続料について申し上げますけれども、電話の役務に関する接続料について、これは電気通信事業法の規定に基づきまして、独占的な地域網の非効率性を排除して、合理化要素を加味した長期増分費用方式により算定された原価を実績に基づくトラフィックで除すことにより算定するということでございまして、望ましい自助努力は既に実は織り込み済みというものでございます。それが長期増分費用方式というものの持つ性格であることについて御理解を賜りたいというふうに思います。
 それから、接続料の水準でございますが、これは、昨年十一月の衆参総務委員会の決議を受けまして、ユニバーサルサービスである電話の料金につきまして全国均一を確保するという観点で、この二年間、平成十五年度と十六年度の二年間につきまして引き続き均一をするというようなことでございます。
 このための措置でございますが、NTT東日本におきましては、長期増分費用に基づき算定される原価を上回る接続料収入が得られる、NTT西日本につきましては、原価を下回る接続料しか得られなくなるというようなことでございます。これを是正するという観点で今回法的な措置をお願いしているものでございますけれども、額につきましては、現段階で確定したものではございませんけれども、NTTの試算によりますと、平成十五年度分で二百数十億円となるというようなことでございます。
黄川田委員 規制緩和が進めば、今度は消費者とのトラブル等が発生するかもしれません。そういうためにも、電気通信サービスにおける消費者行政、これの充実にも努めてもらうことをお願い申し上げまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。
遠藤委員長 次に、矢島恒夫君。
矢島委員 日本共産党の矢島恒夫でございます。
 私はまず、提案されておりますNTT法の改正に関して最初に質問していきたいと思います。
 NTTの東西分割が審議されました九七年、私はその審議の中で、分割して、それぞれのコストに基づいて料金を決めれば、西日本は離島が多い、いろいろな構造的コスト、こういう要因から、ユニバーサルサービスである電話料金に格差が出るという点を挙げながら、東西分割を批判しました。政府は、分割によって発生するNTT西日本の赤字問題、これに対処するために、三年間に限って、NTT東日本からNTT西日本への交付金制度、こういうものを決めたわけであります。
 その三年が経過したわけです。そこで、政府の計画でいけば、NTT西日本は、NTT東日本から補てんを受けずに、みずからのコストに基づいていよいよ料金を設定する時期が到来したということになると思うんです。そして、電話料金の土台となっています接続料金、これも東西のコストに基づいて計算された。ところが、今回提出された法案は、コストに基づいて東西別々に計算されたにもかかわらず、実際は東西均一料金としたために発生するところの西日本の減収分、これを東日本が補てんするという制度を導入する、そのためのものであると思います。三年間に限定した、東から西へ補てんする制度を事実上延長するというものだろうと思います。
 そこで、総務省にお聞きします。
 まず、東西の接続料金、これを長期増分費用方式のコストに基づいて計算した場合に、いわゆるGC接続、加入者交換機接続、それからZC接続、中継交換機接続、それから端末回線、それぞれの東西料金格差がどれくらいになるのか、お答えいただきたいと思います。
有冨政府参考人 平成十四年九月の情報通信審議会の答申時の値でございますけれども、GC接続に関しましては、三分当たりでございますが、東日本が三・五九円、西日本が四・七五円でございます。それからZC接続でございますが、これも三分当たりでございますが、東日本が四・五七円、西日本が五・九五円でございます。それから端末回線、端末回線の伝送機能の部分でございますが、これは一回線、月当たりでございますけれども、東日本が千二百五円、西日本が千二百五十三円でございます。
 GC接続、ZC接続につきまして格差おおむね三割程度、それから、端末回線につきましては約四%というような数字がございます。
矢島委員 接続料金の中心的なものは、やはりGC接続及びZC接続だと思います。そこで、今答弁いただいたように、おおよそ三〇%ぐらいの格差があるということ。
 そこで情報通信審議会の答申を見ますと、「GC接続コストについては、NTT西日本は小規模局が多いことから局設置RT〜加入者交換機の伝送路が、また、ZC接続コストでは、地理的条件から離島を多く有しているため、料金水準で見た格差は拡大している。」こんなふうに答申は述べていると思います。
 要するに、NTTを東西に分割したときにいろいろ指摘しましたように、東西間の格差の構造的要因、これによっての格差、先ほどのお話では約三〇%存在するということであります。東西に分割した趣旨からいえば、NTT東西は、それぞれのコストに基づいて料金設定をするはずであった。今回、その本来の趣旨に反して、接続料金を均一にする法案を提出してきた。なぜこういう法案を提出してきたんですか。
有冨政府参考人 NTT東西の電話の役務に関する接続料でございますが、これは昨年十一月の衆参総務委員会の御決議を受けまして、それから情報通信審議会でも、省令案につきましてパブリックコメント等を求めまして、ユニバーサルサービスであります電話の料金は全国均一を確保するというようなことがございます。したがって、そういうものを実現する観点で、平成十五年度及び平成十六年度の二カ年度について、引き続き均一とするということにしているものでございます。
 これを実現するためには、一つには、NTT東日本におきましては、長期増分費用方式に基づいて算定された原価を上回る接続料収入を得ることになります。他方、NTT西日本におきましては、原価を下回る接続料収入しか得られなくなるという状況が発生をいたします。したがって、今回お願いをしております交付金制度は、このような原価と接続料収入の乖離を是正するということが一つと、それから競争政策上必要であるという、二つの観点でお願いをしているというものでございます。
矢島委員 NTT東西のコスト差に基づいて料金を設定すると、分割を推進してきた政府から見ても、ユニバーサルサービスであるNTTの電話料金に容認することができないような格差が生じる、こういうことから、この法案のような接続料金を均一にするという法案が出たんだと思うんです。
 そこで大臣に一つお聞きしたいんですが、こうしたNTT東西のコスト差、これは分割の論議をしたときからもちろん予想されていた問題だと思います。そしてその格差を埋めるために三年間経営努力をする、これが経過したわけであります。もっともNTT東西のコスト差というのは、先ほども申しましたように、地理的条件などの構造的なものですから、経営努力の範囲をそもそも超えているものだということも言えるわけです。
 そこで、ユニバーサルサービスに容認できない料金差が生じてしまっているNTT分割、そもそも根本から失敗しているんだということを今回の結果は示していると私たちは思うんですが、大臣、これについての御感想を。
片山国務大臣 それは、NTTの今の仕組みについては国会でも大議論していただきまして、今の持ち株会社方式にしたわけでありますし、地域会社を東西に分けたというのは、東西で競争しろということですね。切磋琢磨、競争で、少々の格差があってもしようがない、本来はそういうことなんですね。だから今回も、これは考え方なんですけれども、当面かなりな差が出るというのは、これは困るんだという意見が大分ありましたですね。
 それで、基本的には、衆参の総務委員会で附帯決議をしていただいたものですから、我々は国会第一でございますので、国会の附帯決議は最大限尊重する、こういうことでございまして、いろいろな意見があったわけです、省内にも。そこで、当面は一緒にしよう、そういうことでパブリックコメントにもかけまして、そういうことの方がいいという意見が多かったような状況を私は聞いております。
 そういうことで、今回こういうことに、過渡的にというのか、させていただいたわけでありますが、本来は東は東、西は西でいくことが正しいのではなかろうか。そういうことで、これは一時的な、過渡的な措置としてお考えいただくべきではなかろうか、私はこう思っております。
矢島委員 私たちは、分割そのものがどうだったのかということを十分考えなきゃいけない。今大臣が、東西格差は仕方がないんだというお考えも述べられましたけれども、そういうことから、ユニバーサルサービスとして容認できない格差、三〇%前後、こういうものを生じてしまったというところは、やはり分割そのものが重大な問題を持っているんじゃないかということを指摘したわけです。
 情報通信審議会の接続料金問題に関する昨年の九月の答申ですけれども、そこには、電話料金がユニバーサルサービスであり、約三〇%という格差は認められないという、「社会政策的配慮が実現できることは確かだとしても、NTT東日本及びNTT西日本は別会社であるという事実を前提にすれば、特定負担金制度が終了して以降、なお、長期増分費用方式によるコストを算定したにも拘わらず、その適用を見送ることを正当化することは困難と考えられる。」政府の方針に忠実に競争原理を進めてきた、あるいは審議してきた情報通信審議会ですら東西別料金というものを提言しているわけです。
 そこで、今回の法案が提出された最大の理由は、まさにその社会政策的配慮を実現する、このためである、答申にもそのとおりだと思います。このことによって、情報通信審議会がこれを否定する最大の根拠であった東西別会社という制度を、この答申の言葉は事実上否定することになっているんだ。そこで、今回の法案はまさにこのNTT東西分割の政策の破綻を認めるにほかならないと私は思います。
 今回の改正案のようなつじつま合わせ、こういうようなものではなくて、破綻した東西分割という枠組み、これを根本から考え直すという点で進めるべきだということを指摘しておきたいと思います。
 次の質問に入ります。接続料金問題です。いわゆる長期増分費用方式についてお尋ねしたいわけです。
 接続料金を下げるために導入されたのが長期増分費用方式だった、こう思います。現在、新聞報道によりますと、新電電五社がNTT接続料金値上げ認可取り消しを求めて総務省を提訴するというような見出しを見ました。
 そもそもこの長期増分費用方式というのは、これが審議されたときに、また答申にも出されておりますが、「現時点で利用可能な最も低廉で効率的な設備と技術を前提として、現在の需要を賄うネットワークを構築した場合の費用を算定するもの」、こうなっているわけです。電気通信技術というのは、まさに日進月歩、むしろ秒進分歩といったような大変な技術革新の世界であります。パソコンを見ますと、三年もすれば性能は何百倍にもなる、コストは何百分の一だ、こういう世界であります。
 そこで、二〇〇〇年のモデルよりも二〇〇三年のモデルによって計算された接続料金が値上がりするというのでは、そもそも長期増分費用方式の概念に矛盾するんじゃないかと思うんですが、これについてはどういうお考えですか。
有冨政府参考人 長期増分費用方式の導入、この目的でございますが、これは、あくまでもNTT東西の非効率性を排除して適正な原価の算定を行うということと、それから算定方法につきましても、NTT東西以外の事業者にとって透明性、検証性が確保されるというようなことで、先生お尋ねの二〇〇〇年モデルでは接続料が大幅に引き下がったということがございます。
 今回のモデルの見直しでございますが、モデル作成当時の長期増分費用モデル研究会報告書、それから平成十二年二月の情報通信審議会答申で指摘された見直し事項等、これを踏まえまして、公募によりまして参加をいたしました国内外の電気通信事業者の協力も得まして実施をしたものでございまして、議論の透明性も確保しながら進めたということでございます。
 接続料は、適正なコストをトラフィックで割るということによって算定されるという基本的なスキームがございます。したがって、分子であるコストは見直しによりまして若干減りましたけれども、分母となります通信トラフィックが大幅に減少するというような外生的な要因もございまして、結果として単位コストである接続料の一部が上昇するということになったものでございます。
 適正な原価を算定するという観点での長期増分費用方式の導入の目的は十分に達成されているというように考えております。
矢島委員 私が質問したのは、十分に達成されているかどうかという問題じゃないんですよ。
 二〇〇〇年のモデル、それから二〇〇三年のモデルを見ますと、そもそも長期増分費用方式というのが導入されたその根本的な精神は、一番安い、そして高度の技術、それを基本に計算していこうということでやったわけですよ。だから、透明性を確保したことがどうとか、あるいはトラフィックがどうだとか、そういう問題について私はお聞きしたんじゃないんです。今回の料金値上げの主因の一つである、先ほど答弁の中で言われたトラフィックの減少、これはそもそも長期増分費用方式と関係ないんですよ。ネットワーク全体の費用の計算方法がどんなものであっても、トラフィックが減少すれば単価は上昇するわけですから。
 しかも、今回のモデルで主要なコスト削減要因となっているのは、答申も指摘しておりますけれども、設備の経済的耐用年数の見直しによる減価償却費の軽減である。企業会計原則の世界では、費用計算の継続性のために経済的耐用年数などの変更は大体通常行われないわけですよ。そこで、二〇〇〇年のモデルと二〇〇三年のモデルの総コストを比較するのであれば、二〇〇三年モデルも二〇〇〇年モデルと同じ経済的耐用年数で減価償却しないと正確な比較にはならない。
 そこで、お尋ねすることは、まず、接続料金で回収するべき年間のネットワーク総費用、これが二〇〇〇年モデルでは幾らで、二〇〇三年のモデルでは幾らか、このことをお答えいただきたい。
有冨政府参考人 まず、二〇〇〇年モデルでございますけれども、端末系の交換機能、中継系の交換機能、中継系の伝送機能、これを足し合わせまして約八千億円でございます。それから、二〇〇三年モデル、これも同様の機能を足し合わせますと七千九百四十六億円というふうになっております。
矢島委員 八千億円と七千九百四十六億円、ほとんど同じだということが言えると思います。なぜそうなったか。その主要な原因を見てみますと、耐用年数の見直し、つまり減価償却の軽減というところにあると思うんです。
 そこで、正確に比較するという意味から、二〇〇三年のモデルを二〇〇〇年モデルの経済耐用年数で計算したネットワーク総費用、これはどれくらいになりますか。
有冨政府参考人 これは、おおむね一兆円程度になります。二〇〇三年モデルの総費用が七千九百四十六億円でございまして、約二千億円の増加という形になっております。
矢島委員 約一兆円ということです。
 二〇〇三年モデルは、会計上の操作でどうにか、先ほど局長が答えたように、二〇〇〇年モデル並みの総費用となったわけです。もしそれをしなければ、つまり、操作をしなければ、耐用年数の見直しをしなければ、三年経過して安くなるはずであった二〇〇三年モデルの総コストが、二〇〇〇年モデルの総コストより高くなった。これは、先ほど約一兆円という数字が出てまいりましたが、明白であります。両方とも大体八千億円であるわけですが、それが約一兆円というわけですから。
 そこで、大臣、現時点で最も効率的で安価なネットワークを構築したときのコストを計算する長期増分費用方式、これで二〇〇三年のモデルの方が二〇〇〇年モデルより本質的に高くなる、こういうのでは新電電が納得できない、提訴するかどうかは別として、そういう事態になってくるのも私は当然であると思うんです。二〇〇三年モデルが二〇〇〇年モデルより高くなるというのでは、それは、そもそも長期増分費用方式に基づく料金とは言えないと私は思うんです。
 そこで、大臣、こういうものに基づいて出された接続料金、これを認可したわけですが、そこの問題についてお考えを聞きたい。
片山国務大臣 委員が言われるように、長期増分費用方式でいくと、だんだんと下がっていくということですよね。そういうことが一種の前提にあるんですね。ただ、大変な環境変化、これも委員十分御承知だと思いますけれども、そこで、この環境変化の中でどう考えるかということなんで、そこが難しいんですね。
 本来のあり方からいうと下がっていくべきだと私も思いますよ。ただ、しかし、これだけの環境変化の中でどう考えるか、こういうことなものですから、今回はこういうことにやらせていただきましたけれども、十七年度以降どう考えるか、これから関係者の意見も十分聞きながらやってまいりたい、こういうふうに思っております。
 なかなかある意味ではつらいところでございますけれども、そこはぜひ御理解を賜りたいと思います。
矢島委員 私たちは、そもそもこの長期増分費用方式というものについて、机上で、机の上でつくり上げたプランというのでいろいろ問題があるということを指摘しながら反対いたしました。新電電も、こういう状況で、今まで長期増分費用方式に賛成、当時していたわけですが、問題ありという声を上げたわけですね。
 この二〇〇三年モデルは、先ほど来言っていますように、現時点で最も効率的で安価なネットワークを構築するという長期増分費用方式、これに基づくモデルでありながら、三年前のモデルより高価になる、この長期増分費用方式の定義自身に矛盾するものになってしまっている。ですから、いわゆる長期増分費用方式そのものが大変な今、救いようのないといいますか、破綻に直面している、こう言わざるを得ないと私は思うわけです。
 そこで、なぜこんな事態か考えてみました。
 つまり、今回のモデルを見ますと、最大の問題は、これを推進していこうという人たちから見ても、長期増分費用方式の欠陥、こういうものが明らかになったということもありますが、同時に、電話料金の土台となっているNTTの接続料金がなぜ国際的にも高いのか、その最も本質的な理由、これを明らかにすることが必要だし、明らかになってきたと思うんです。それは何かといえば、NTTは、ネットワークの主要な設備を法定耐用年数で減価償却しております。
 それぞれ、デジタル交換機、メタリックケーブル、それから光ケーブル、それから管路、法定耐用年数は何年になっていますか、これは。
有冨政府参考人 今先生の御指摘の設備について順次申し上げますが、デジタル交換機が六年、メタルケーブルが十三年、光ケーブルが十年、管路が二十七年、これが現在の法定耐用年数でございます。
矢島委員 局長にもう一つお聞きしたいんです。
 長期増分費用モデル研究会、そこが、これらの設備が、今答弁されたような耐用年数になっているけれども、実際にはもっと長く使われていると。そこで、経済的耐用年数といいますか、これを改定せよということで研究会が出しました。それはそれぞれ何年になっていますか。
有冨政府参考人 関係する設備の経済的な耐用年数でございますが、デジタル交換機が十七・七年、メタルケーブルにつきましては、架空ケーブルで十九・五年、地下ケーブルで二十五年、光ケーブルにつきましては、架空ケーブルで二十・三年、地下ケーブルで二十五・九年、管路が五十二・二年というようなことでございます。
矢島委員 今お答えいただいたように、どの部分を見ましても、実際に使っている年数の約半分の年数で減価償却しているという事実がはっきりしたわけであります。
 アメリカではどうかというので、ちょっと調べてみました。そうしましたら、交換機については十六年、メタリックケーブル二十一年、光ケーブルで二十五年、管路で五十六年、機械用建物でいきますと四十六・九年、こういうような数字が出ております。このアメリカの耐用年数というのを見ますと、これは大体、NTTが実際に使っている年数とほぼ同じ年数で償却しております。
 アメリカでは、建物の耐用年数四十六・九年と言いましたが、NTTは二十一年から二十二年と、こちらも大体半分になっていますね。NTTの設備の実際耐用年数、これも、つまり実際に使っている年は、アメリカやあるいはイギリスの耐用年数とほぼ同じになっている。これを、実際にはそうなのに、会計上は半分の耐用年数しかないものとして計算しているわけですね。
 そこで、局長、ちょっとお尋ねしますが、耐用年数、いわゆる法定耐用年数での減価償却費、これは、実際に使っている耐用年数での減価償却費、これらの、交換機その他については大体何倍ぐらいになるんでしょうか。
有冨政府参考人 お答えいたします。
 まず、償却対象の資産額は同一ということを前提で置かせていただきますけれども、その上で、法定耐用年数を使用した場合と、いわゆる実際のといいますか、私どもでいいますと、経済的な耐用年数を使用した場合と、こういったものを比較いたしますと、デジタル交換機が二・九五倍、それからメタルケーブルでいいますと、架空ケーブルで一・五倍、地下ケーブルで一・九倍、光ケーブルで見ますと、架空ケーブルで二・〇倍、地下ケーブルで二・六倍、管路が一・九倍、このようになります。
矢島委員 NTTのネットワーク設備の実際上の耐用年数と比べて、会計上の耐用年数、今答弁いただいたように、おおよそ半分である。
 そこで、十年で償却するものを半分の五年で償却した、そうすると減価償却費は当然二倍になるわけですけれども、今答弁いただいたように、それぞれ二・九五倍から一・五倍の間ぐらい、平均しますと二倍前後、これくらいの減価償却費の違いが出てきているわけですね。NTTのネットワークは、実際の耐用年数の大体半分の年数で償却している。現実にも、また諸外国との比較でも、大体二倍の減価償却の水増しと言わざるを得ないような状況になっている。
 先ほどの総務省の試算でも、実際に使っている耐用年数で計算されたところの二〇〇三年のモデル、それから法定耐用年数を採用している二〇〇〇年のモデル、耐用年数で計算すると、大体総コストが一・数倍、二倍近くということになる。
 そこで、このことが、この耐用年数の水増しといいますか、耐用年数を縮めながら減価償却費を水増ししていく、総コストでいいますと約三〇%程度になりますか、ここに、私は、諸外国に比べて接続料金が高い根本的な要因があるのではないかと思うわけですが、このことについては総務省、どんなふうに考えていますか。
有冨政府参考人 耐用年数等につきましては、これも今先生いろいろ御指摘ございましたけれども、法定耐用年数あるいは経済的耐用年数、これをどういうふうに扱うかということで随分議論がございまして、私どもといたしましては、ここは経済的な耐用年数ということを採用するということで取り組んできております。
 したがって、これはあくまでも、いわゆる水増しといいましょうか、効率的なシステムを構築するという観点で見ると、実際に使っている経済的な耐用年数の方が望ましい、こういうスタンスでございますので、私どもとしては、そういったものを踏まえながら接続料の算定をしたということでございます。
矢島委員 耐用年数の短縮によって減価償却費が水増しされるということが、まさに接続料金の拡大の最大の要因だと私は思うわけです。
 そこで、あと、時間がなくなりましたので、このNTTネットワークの減価償却が、現実にも、諸外国との比較でも半分の期間で行われている。それから、その結果として、諸外国の基準と比べて年間の減価償却費が約二倍になっている。その結果、総コストでいえば三割ぐらい高くなっている。こう推定されるわけですけれども、長期増分費用方式、先ほど来言っておりますように、その意味するところからしても、また、「独占的な地域通信網の非効率性を排除したコスト算定の一手法」だという答申の言葉からしても、非常に重要な問題を抱えていると思います。
 そこで、当然のことかもしれませんが、確かめておきたいんですが、諸外国との比較で耐用年数を約半分として計算することによって、これと比べてNTTの減価償却費が二倍となっている。このことは、NTTが地域網を独占しているということと何か関係ありますか、全然関係ないですか。どうですか。どんなふうに考えますか。
    〔委員長退席、佐藤(勉)委員長代理着席〕
有冨政府参考人 あくまでもこれはNTTに接続をする事業者が支払うべきコストは幾らであるかということでございますので、実際は独占的な立場にございますので、その料金そのものが市場価格としては機能しない。したがって、望ましい価格として、いわゆる長期増分費用方式という形で、効率的な経営と、それから一番安いであろうと思われる設備等で適正なコストでやるということでございますので、独占的であるかどうかということとは直接にはリンクしないのではないかというふうに思います。
矢島委員 無関係であることは当然のことだと思います。耐用年数を改めれば、電話料金の土台となっているNTTネットワークのコストは安くなってくる、これは当然であります。
 ところで、これも確かめておくわけですが、NTT東西の競争、こういう競争によってこのコストは削減できる性質のものかどうか、この点についてはどういうふうにお考えですか。
有冨政府参考人 設備競争が競争的に行われて、それで、いわゆるリアルコスト、実際費用方式ということであればいろいろなことが言えるのかもしれませんけれども、今現在におきますとそういうものではない。したがって、あくまでも競争的ではないということを前提にして、効率的かどうかということの検証をするという意味でも、いわゆる長期増分費用方式を導入しておりますので、ちょっとそういう面で、今の方式で東西云々というのは当たらないんではないかと思いますが。
矢島委員 確かにお答えのとおりです。競争の関係、東西分割によってどうかこうかということは無関係だ。そういうことによって減価償却費の水増し計上というのが改まらないことは確かです。
 そこで、東西分割によってNTTネットワークのコストが諸外国に比べて割高な根本原因、ここへメスを入れなきゃいけないんです。ところが、東西分割の理念を徹底すればユニバーサルサービスというのは危機的状況になっていく。私が重大問題として指摘しなければならないのは、この誤ったコスト論に従って誤ったコスト削減策がとられたことだということです。NTTが、我々は、無法、脱法の行為だ、こう言っておりますが、十一万人リストラを強行した。その口実の一つが接続料金引き下げだったんです。
 しかし、接続料金が高かったのは、まさに、今までずっと私と局長といろいろやってまいりましたが、この耐用年数の問題、水増し償却の問題なんです。このことを、耐用年数がこうだということはもう昔からわかっていることなんですが、知っていながら、ここに重大な問題があるということを知りながら、リストラをどんどん強行してくる。NTTの責任も重大ですけれども、これを知っていながら後押ししてきた総務省の責任も私は重大だと思うんです。
 今回の一連の法改正が電気通信事業の抜本的な改革であるならば、電気通信事業の中心にあるところのNTTの規制体制に対して、今回のような小手先の対応じゃなくて、これまでの政策の失敗を総括した、その上に立った抜本的な改革が求められる、このことを私は強く指摘しておきたいと思います。
 以上で質問を終わります。
佐藤(勉)委員長代理 次に、横光克彦君。
横光委員 社民党の横光克彦でございます。質問をさせていただきます。
 電気通信業界の技術革新、これはもう御案内のように、目覚ましいものがあるわけでございます。正直言って、利用者の方がついていくのが精いっぱいだというような実態でもあろうかと思います。通信のブロードバンド化や、それに連動いたしましたインターネットプロトコル、IP系サービスなどの普及が急速に進んでいるわけでございますが、そういった中で、総務省としては、今回、十八年ぶりに電気通信事業法の改正案をまとめられたわけでございます。
 その趣旨は、規制緩和による新規参入の促進と市場の活性化を促す、これがねらいであろうと思っております。確かに今回の法改正によって規制緩和が進められるわけですが、これにより、事業者のサービスの多様化、あるいはビジネスチャンスの拡大、さらには迅速な柔軟な事業展開、こういったことが可能になるわけでございます。急速な環境変化に対応する意味からもこれは必要でしょう。
 しかし、規制緩和は、最終的にはやはり、国民にどのような恩恵をもたらすか、どのようなプラスになるか、ここに行き着くことだと思うんですね。今回の規制緩和を中心とした法改正、これが国民にどのようなメリットをもたらすかということをまずお聞きいたしたいと思います。
片山国務大臣 今、横光委員言われましたように、今回の改正は、昨今のIP化あるいはブロードバンド化といった市場環境の変化を踏まえてどういう規制改革をやるか、こういうことでございまして、この規制改革によりまして、事業者の方は、これまで以上に柔軟な事業展開やサービス提供が行える。こうなりますと、創意工夫と活発な競争をやるわけですから、料金の引き下げあるいはサービスの高度化、多様化、こういうことが利用者にとっては期待される、こういうふうに思います。
 ただ、競争が激化すると、競争激化の余り利用者にしわ寄せが来るようなことがあってはいけませんので、この法律改正の中には、例えば、ユニバーサルサービスに係る約款規制だとか、サービス提供に係る重要事項の説明の義務、苦情処理義務、こういった利用者保護のルールも中にあわせて決めておりまして、制度全体として我が国の利用者利便の増進を図ることができるのではないか、こういうふうに考えております。
横光委員 確かに、サービスの多様化あるいは料金の値下げ等、国民利用者にとってもプラスになるものがあろうかと思いますが、それと同時に、今言われたように、技術革新が進めば進むほどいろいろな不正あるいは苦情というものがこれはどうしてもつきまとうわけで、そういったことの対応について、私、ちょっとお尋ねしたいと思うんです。
 まず、ブロードバンド時代における電気通信分野の規制のあり方として、今回、規制緩和、一歩進めましたが、今回の改正で果たして十分と考えておられるのか、それとも、今いろいろ言われたように、事業者のためにも国民のためにもさらなる改正が必要である、このように思われているのか、お聞かせいただきたいと思います。
有冨政府参考人 今、大臣が答弁されましたように、市場の変化が非常に激しいということに対して、今回精いっぱい制度の見直しをして御提案を申し上げているということでございますが、当然これからも、市場の変化、あるいは競争環境の変化、技術革新等々の変化が多々あろうと思いますので、そういったことにも対応しながら、制度全体は不断に見直す必要があるというふうに思っております。
横光委員 わかりました。
 今回の改正、一番中心は、いわゆる一種、二種の事業区分の廃止でございます。この二種電気事業者、これはこれまでも登録、届け出制だった、つまり、もともと規制は厳しくなかったわけですね。要するに、事業区分の廃止の恩恵といいますか、プラスになるのは第一種電気事業者になろうかと思いますが、第二種電気事業者にとって今回の事業区分を廃止するメリットはどこにあるかをお聞かせいただきたいと思います。
有冨政府参考人 先生御指摘のように、今、参入の面で見ますと登録と届け出ということでございますので、今回についても、これは届け出ということになりますので、基本的に大きな変わりはないということではございます。
 ただ、現行制度におきますと、一部でも自分みずからが電気通信回線設備を設置したいということになりますと、実際には第一種電気通信事業の許可を受ける必要があるというふうになるわけでございます。そういう面でいいますと、二種事業者がみずから電気通信回線設備を設置することが認められないという観点では大きな制約があったというふうに思います。
 今回、この事業区分の廃止ということによりまして、これは現行の二種事業者でありましても、光ファイバーや無線アクセス回線といった電気通信回線設備をみずからの判断で設置するということができるようになりますので、二種事業者にとりましても、ネットワークの構築あるいはビジネスの展開上も大きなメリットが生じるということが一つございます。
 それからもう一つございますが、今般、第一種電気通信事業者に対します契約約款規制、これが原則として廃止をされます。そのことによりまして、二種電気通信事業者は、一種電気通信事業者と一層自由に相対契約を結ぶことができるようになります。そのことによって、回線の利用という面では、二種事業者のネットワーク構築の柔軟性が非常に大きく高まる、このようなメリットがあるというふうに思っております。
 このように、二種につきましても相当のメリットが出ているというふうに私どもは考えているところでございます。
横光委員 今、二種のメリットの中で、約款等の事前届け出義務の廃止によっていわゆる相対契約が結ばれるようになる。確かにそうなりますね。
 しかし、これも、言ってみれば、結局のところ、大手の事業者と大口の利用者、いわゆる企業ユーザー、こういったところがさらに相対契約によって大口の割引制度等の恩恵を受けるようなこともありましょう。しかし、一般の利用者はこのことによって何のメリットがあるかちょっとわからないんですが、そこのところはいかがですか。
    〔佐藤(勉)委員長代理退席、委員長着席〕
有冨政府参考人 電気通信事業の分野でございますけれども、多数の新規参入というようなものがございますし、それから競争ルールにつきましても、公正競争という観点でのルールの整備を行ってきておりまして、市場は大変活発になってきているというふうに受けとめております。
 そういった意味でいいますと、各利用者が、市場原理の中で動く多くの事業者の多種多様なサービスの中からみずからに適したサービスを選択できる、あるいは適切な条件で提供を受けられるというような環境は整備をされるのではないかというふうに認識をしております。
 したがって、競争が進展した分野におきましては、料金あるいは契約約款の届け出義務が廃止となりまして、事業者のより柔軟かつ機動的なサービスの提供や料金設定が可能となるということで競争が一層進展をする、その結果、一般利用者も含めた利用者が料金の低廉化やサービスの高度化、多様化といった恩恵を享受できるというふうになると思います。
 ただ、先生御指摘のように、一般利用者と電気通信事業者との間で、その情報とかあるいは交渉力とかという観点で見ますと大きな格差がございます。したがって、こういう点につきまして何らかの手当てが必要であるという観点で、一般利用者が料金あるいは提供条件というものを十分理解して、みずから必要な適切なサービスを選択できるようにするという観点で、電気通信事業者等が、これは代理店も含みますけれども、契約締結の際に料金や提供条件について必要な説明をするということを義務づけるというような形にしてございます。
 さらに、交渉力等の格差に対応するということで、仮に事業者が特定の利用者を不当に優遇するあるいは冷遇する、こういった場合におきましては、そういった利用者の利益を阻害している、こういう場合には、これは総務省としては、業務改善命令を行うということ等によりまして是正を求めるということが可能でございまして、利用者の利益というものについては十分配慮をしたつもりでございます。
横光委員 今、競争の中でいろいろなサービスが展開され、そしてまた、利用者がそれを選択できるメリットもあるということでございましたが、料金・サービス規制を緩和して、そして事業者間の競争を促す中で、強引な勧誘やあるいは契約時の説明不足によるトラブル、これが現実でも後を絶たないわけですね。
 改正案で、公益事業法において初めて、料金などの取り決め、約款が原則的にはなくなるわけでございます。つまり、ユーザーは事業者と直接向き合う必要性が出てくる。ここのところでプラスの面もマイナスの面も出てくるでしょう。つまり、利用者の自己責任がベースで果たして大丈夫かという心配も出てくるわけですね。現行の厳しい法制下のもとですらトラブルが多発しておるわけでございます。事前規制から事後チェックへの転換を強調する余り、問題が起きてからというふうに対応を先送りするようなことはないんでしょうか。
有冨政府参考人 いわば規制緩和によりまして、電気通信事業者の方の競争によります多様なサービスとかあるいは料金の低廉化とかというものを期待しておりまして、利用者の方がよくよくそれを比較できるというのが一番大事でございまして、先ほど先生、今でもいろいろ問題があるという御指摘もありましたけれども、そういったことも踏まえて、利用者保護ルールというものを今回改めて法定化したということで対応しているつもりでございます。
横光委員 また後で、ちょっとそういった利用者のいろいろな苦情問題についてお尋ねしたいんですが、この緩和の中に第一種電気事業の許可制の廃止、いわゆる設備の設置区域及び規模による登録制または届け出制への移行ということがございます。
 電気通信事業への参入の際、電気通信回線設備の規模及び設置する区域の範囲、これまでは設置のあるなしに着目していたわけですが、こういった規模及び設置する区域の範囲が総務省令で定める基準を超えない場合については大臣への届け出としている。この総務省令で決める基準というのは一体何でしょうか。
有冨政府参考人 今御指摘のあった課題でございますが、今回の改正案では、電気通信回線設備の規模、それから電気通信回線設備を設置する区域の範囲、これは総務省令で定めるというようなことでございます。
 これは、現時点において、例えて言いますと、設置する線路の亘長の総延長、これが例えば百キロメートルといったような一定の距離以下であることとか、あるいは電気通信回線設備を設置する区域あるいは区間が一の市町村の区域にとどまるものであるとか、こういったことのいずれかに該当する場合には届け出で足りるのではないかというようなことを想定しております。
 しかしながら、具体的には、事業の実態を踏まえまして、今後、パブリックコメント等を経た上で、総務省令において規定をするというようなことでございまして、こういった電気通信事業分野そのものは非常に変化が激しいということで柔軟に対応するという観点で、総務省令で規定をしたいというふうに考えておるところでございます。
横光委員 今、インフラ部分で見れば、設置区域及び電気通信回線設備の規模という基準についてちょっと説明ございましたが、いわゆる登録制または届け出制、この区分というのは、総務省令で決めるというより、これまで法律で決められていたわけですから、この基準については法律により定める必要があろうかと思うんですが、その点はいかがですか。
有冨政府参考人 先ほどちょっと申し上げましたけれども、電気通信事業分野、これは技術革新が激しい、あるいは市場環境の変化も激しい、それから新規参入とか各事業者の事業内容の変更等、事業環境が急激に変化をするというようなことでございまして、事業の実態を踏まえながら、適切な基準というものを機動的に設定をしたい、その方が各事業者の柔軟なビジネス展開がより可能であろうという観点で、この基準につきましては総務省令で定めることといたしたい、このように思っているものでございます。
横光委員 それでは、休廃止の許可制の廃止、これも届け出制への移行となります。
 電気通信事業者が休廃止をしようとする場合、これは、これから競争がさらに激しくなれば、突然事業を打ち切るというような業者も恐らくたくさん出てくるだろう。アメリカでは、実際、非常にふえて、このことがいわゆる料金にまで影響しているというようなことが起きているという話もございますし、こういった休廃止をしようとする場合、事前通知が必要である。利用者への事前の周知期間、あしたやめるといったって、これは事前は事前ですが、いわゆる事前通知にはならない、こういった周知期間はどの程度が妥当であると考えているのか。これも省令で決めるんですね。
有冨政府参考人 先生御指摘のように、競争が激しくなりますと、一部の企業は市場から退出あるいはサービスを休止する、廃止をするというようなことが十分に想定をされます。そうしますと、突然にしてサービスの停止ということで、利用者は非常に不測の被害をこうむるということが想定されます。
 したがって、今先生御指摘のように、他の事業者のサービスに円滑に移行することができるというような制度的な担保が必要であろう、時間的余裕は必要であろうということで、この周知期間について総務省令で定めるというようなことで考えております。
 ちなみに、どのぐらいの期間かということ、まだこれは、これからパブコメ等を開きながら検討していかなきゃならぬと思っていますけれども、アメリカの中には、州際のノンドミナントキャリアで三十一日であるとか、あるいは韓国でありますと、我が国の二種に相当する事業者でありますとおおむね三十日前だとかというようなこともありますので、こういったことも念頭に置きながら対応していきたいというふうには思っております。
横光委員 こういった事業をやめる業者は恐らくふえると思いますし、そういった意味で、利用者への事前通知というのは非常に大事であろうかと思っております。またさらに、利用者に確実に周知することが重要と考えておりますが、その周知方法、いろいろな方法があろうかと思います。電子メールとかいろいろあろうかと思いますが、どのようなことをお考えなんでしょうか、周知方法は。
有冨政府参考人 お尋ねの周知方法でございますけれども、先生今言われましたように、利用者に対して確実に周知されるということが極めて重要なものでございます。
 そういった観点からいいますと、郵便であるとかあるいは信書便であるとかというようなものが非常に有効ではあろうと思いますし、あるいは電子メールであるというようなものも有効であろうとは思います。ただ、いろいろな技術革新がございますので、例えばホームページなんかでも、利用者がちゃんとみずから利用する際に確認できるというようなわかりやすい表示というものもこれは有効であろうというふうに思っておりまして、こういった、あくまでも利用者がきちんと確実に周知、周知といいますか、理解できる、認識できるという方法であれば、いろいろなものがまだ考えられるだろうというふうに思っております。
 この周知方法につきましても、実は総務省令で定めるというふうにお願いをしておりまして、パブコメ等、関係方面の意見も聞きながら、あるいは利用者利益と事業者負担との均衡、こういったものも観点に入れながら、よくよく検討していきたい、このように思っております。
横光委員 この周知期間また周知方法、これは利用者にとって、混乱を来さない意味で非常に重要でございますので、十分なる対応をしていただきたいと思います。
 電気通信事業者が事業を廃止する場合、「利用者の利益に及ぼす影響が比較的少ないもの」、これは利用者への周知義務を除外しておりますね。「利用者の利益に及ぼす影響が比較的少ないもの」、これは一体どういうことなんですか。これは主観的なものでしょう。事業者にとっては影響が少ないかもしれぬけれども、利用者にとっては非常に大きいかもしれない。どのように判別するのか、ここのところを具体的に御説明いただきたいと思います。
有冨政府参考人 御質問の、利用者の利益に及ぼす影響が比較的少ない電気通信事業の休廃止の具体的な内容につきましては、これは総務省令で定めるということにしておりますけれども、現時点で、例えて言いますと、不特定の利用者間の通話を接続して会話の場を提供する、いわゆるツーショットダイヤルというようなものがございます。こういったサービスでございますが、これは利用者の利用形態、これが単発的なものでございます、一回限りというような感じのものでございますし、そういう面でいうと、継続的な利用というものは想定されていないというようなものでございます。
 それから、あわせまして、周知させるべき対象となる、つまり、どうしても利用者は知らなきゃならないという、利用者の特定もなかなか難しいというものがあって、それから、実態としても、周知させないという形であった場合であっても、利用者がこうむる不利益というものが想定しがたいというようなこと、それから、他の事業者に移行するための時間的な余裕を確保する必要もないというようなもの、こういった点から、事業の休廃止に関する事前周知義務というものを課す必要性は乏しいというようなものでございます。
 こういった事例を申し上げましたけれども、こういう観点で、今後、広く関係者の意見も聞きながら、電気通信事業の休廃止によって利用者が不測の不利益をこうむることのないように検討していきたい、このように思っております。
横光委員 「影響が比較的少ないもの」というふうになっておりますが、少しでも影響があれば、やはり私は除外すべきじゃないという気がしているわけですね。これがやはり利用者への十分なる対応だという気がしてならないわけでございます。
 今回の改正で、休止あるいは廃止に際して、利用者への周知は事前の義務になる、ところが、役所への届け出は事後でよいとなる、これで果たしてどれだけ実効性があるかということでございます。私は、これまで以上に苦情がふえるのではないかという気がしてならないんですね。ましてや、第二種事業者は非常に数が多い。先ほどから言っておりますように、簡単に開業できます、また簡単にやめることもできます。派手な宣伝をして利用者を募るが、休止、廃止も簡単なわけで、本当に総務省当局としては、この実態を、利用者数すら把握していないんじゃないかというような現実でもあるわけで、今後どういう体制で苦情に対処して利用者の権利を守っていくのか、非常に私は重要だと思っているんです。
 今度の法改正で苦情は減ると約束できるんですか。いかがですか。
有冨政府参考人 これからの状況でございますので、こういった競争が激しくなればなるほど、いろいろな形の市場での利用者との関係、苦情等もあるいは多くなるであろうかというふうには想定はしておりますけれども、ただ、そういったことも想定されるがゆえに、事前の説明義務とか周知義務とか、あるいは退出の際の法律的に担保した措置というものを考えているわけでございますので、仮にこういう苦情等があったとしても、そこはこのルールにのっとって対応せざるを得ないのかなというふうに思っております。
横光委員 事前に利用者に周知せずに休廃業した電気通信事業者に対して、改正案では何らかのペナルティーを科しているんでしょうか。
有冨政府参考人 事業の休廃止について、先ほどから申し上げておりますけれども、周知義務というものをかけるということでございますが、その違反があった場合、これは直接の罰則は科されません。例えば、事業の一部を廃止した場合とか、あるいは事業の一部または全部を休止した場合とか、こういったことに関しまして、違反を犯した事業者が電気通信事業者としてなお存続しているというような場合におきましては、次回以降には同様の違反をしないように、休廃止について例えば事前に総務大臣への報告を求めるなどして、業務改善命令を出すということは可能でございます。
 その上で、当該事業者が命令に違反をして再度周知義務違反を犯したという場合につきましては罰則が科されるというふうになっております。
 ただ、倒産等によりまして事業者が既に消滅してしまっているというような場合については、業務改善命令等による対処は困難でございます。こういったケースにつきましては、利用者が損害をこうむった場合、これは一般の民事ルールである民法等の規定に基づいて損害賠償義務というものが課されるのではないかというふうに考えておるところでございます。
横光委員 今、業務改善命令を出せるということでございますが、それだけで利用者保護のルールの実効性が保たれるかどうか非常に危惧をしております。今、裁判の件もおっしゃいましたが、やはり裁判所で、民事裁判で訴えるというものであれば、簡便な方法を早急に検討すべきじゃないか、このように考えております。
 このように電気通信事業に対する苦情、これは非常に激増しておるんですね。総務省の調査でも、平成九年度千七百二十四件が、平成十三年度は一万三千五百八十一件、五年間で約八倍にもふえている。平成十二年度、十三年度だけで見ても倍増しているわけですね。改正案ではしっかりと、電気通信事業者は苦情及び問い合わせについては適切かつ迅速に処理しなければならない、このようになっております。
 苦情・相談件数がこのように激増している原因、これは総務省としてはどこにあるとお考えなんですか。
有冨政府参考人 先生御指摘のとおり、平成十三年度で見ますと、総務省の電気通信消費者相談センター、ここに寄せられました苦情・相談件数が七千三百八十三件でございまして、平成十二年度の件数四千七百四十一件と比べますと大幅に増加をしております。
 この具体的な内容について分析をいたしましたけれども、内容的に見ますと、ADSLの申し込みをしたのになかなか開通をしない、解約したいのに高額の違約金を請求された、迷惑メールが大量に送られてくる、ワン切りで夜も眠れない、こういったようなことがあったわけでございます。
 こういったことに対して、総務省としましては、相談窓口とかあるいは国民生活センターとも連携をしまして、かつ、電気通信事業者とも連携をしまして対策を講じて、必要な場合においては法律の整備を行うというようなことで考えてきているところでございます。
横光委員 かつて、迷惑メールあるいはワン切り、すさまじい被害が増発しまして、結局、法整備いたしましたね。このことによってトラブルは非常に減少傾向にあると聞いております。このように、まず事業者に対処させて、問題が深刻化してきたときにやっと法改正という、その前の対応というものをやはりしっかりと考えないと同じことの繰り返しになろうかと思います。
 例えば、個別のことでちょっとお聞きしますが、新聞で報道されましたあの東広島市のインターネット接続業者、一方的に料金を三倍に値上げをして、利用者からの問い合わせに対しては事業者は一切応じない、そして東広島市役所に多数の苦情や相談が寄せられている、この問題について総務省は何らかの対応をいたしましたか。
有冨政府参考人 お尋ねの件でございますが、この値上げに関しまして、利用者からの苦情申告を受けました。そして、中国総合通信局におきまして、その事業者から、六月十日でございますが、事情を聴取いたしました。
 その際、周知期間を設けずに、突然、大幅な値上げを行うということについては、利用者に対して十分な説明がない、問題ではないかという考えのもとで、このような信義則に反する取り扱いは行わないように要請をいたしました。事業者はこれに応じまして、十分な周知期間を設けるべく、料金値上げを十月に延期をしたというふうに聞いております。
横光委員 こういった悪質な業者もおるわけでございます。
 改正案では、苦情、問い合わせに係る迅速処理義務を電気通信事業者にのみ課しておりますね。これは、総務省の資料によりますと、携帯電話の契約代理店の営業にかかわる苦情や相談の件数は、五年前に比べて五倍以上にふえている。つまり、電気通信事業者の前に契約代理店に苦情は行くわけですね。こういった事情を認識していながら、なぜ契約代理店には迅速処理義務を課さなかったのか。
 提供条件の説明には契約代理店は入っている、ところが、苦情処理には入っていない。ここはなぜなんですか。そういった被害を受けた人が一番行くところはそこなんですね。最初に販売店に行くわけですから、そのあたりで、しかも契約代理店というのは、すぐ、本来の事業者にいろいろな情報あるいは改善を求めたりすることができるわけですので、ここへのいわゆる処理義務を課さなかったのはどういうわけなんでしょうか。
有冨政府参考人 実際のトラブルの内容、これを見てみますと、契約締結時にあるのか、あるいは契約締結後にあるのかというような観点で見てまいりますと、契約締結の場合は、電気通信事業者自身が行うだけでなくて、代理店において行われるケースというものが非常に多く見られるものでございます。したがって、電気通信事業者及び契約代理店の双方について、契約時における提供条件の説明というものを義務づけております。
 ただ、契約締結後でございますけれども、これにつきまして、このサービスの内容に係る苦情とか問い合わせに関しましては、実際にサービスを行っております、提供しております電気通信事業者自身が対応しなければ問題の解決が図られないというのが実態でございます。したがって、電気通信事業者に対しまして、苦情を迅速かつ適切に処理すべきという義務を課しているということでございます。
横光委員 たとえ処理義務の規定がなくても、この法律の施行までに、契約代理店等に対して、苦情、問い合わせに対して誠実に対応するよう私は指導すべきだと思っております。
 次に、NTTの公衆電話あるいは固定電話、さらにはユニバーサルサービス等の問題についてお尋ねしたいんですが、NTT法によって、国民生活に不可欠な電話の役務のあまねく日本全国における適切かつ安定的な提供の確保を義務づけられているわけですね。しかし、携帯電話等の普及によって公衆電話の収益は減少している。おのずと公衆電話の設置台数も減少している。しかし、携帯を持たないお年寄りなどが外出した際に、街角などで、前にあったところに公衆電話がなくなっている。これは、都市、農村を問わず、こういった現実が起きて、大きなハンディとなっているんですね。
 とりわけ大規模災害時、こういった非常災害時には、固定電話や携帯電話、発信規制の対象となりますね。ですから、この前の宮城沖地震でも、やはりかなりかかりにくかったというような状況が起きている。しかし、公衆電話は優先電話取り扱いとなって、発信規制の対象になっていないわけでございますので、こういったときに大変な効力を発揮する。もちろん災害が来てほしくないわけですが、災害は忘れたころやってくるわけでございますので、そういった意味からも、公衆電話の意味、大切な通信手段だ。
 これは、防災を担当する内閣府なども、大地震などの災害時の公衆電話の有用性を認めているわけでございますので、この設置台数の減少という現実に対して総務省はどのようにお考えか、お聞かせください。
有冨政府参考人 公衆電話の状況等でございますけれども、今のNTT東西におきましては、一カ月の平均の利用金額が四千円未満の公衆電話につきましては削減という対応をしておりまして、先生御指摘のように、近年、公衆電話の設置台数は減少しているという状況にございます。
 これに関してでございますが、利用頻度の低い公衆電話の撤去、これは公衆電話事業の収支が悪化していること、先ほど先生も言われましたけれども、携帯電話の普及等もあるということで公衆電話の利用が減少しておりまして、こういった点にかんがみれば、やむを得ないものではないかというふうに認識はしております。
 ただ、公衆電話の利便性というものも十分認識をしておりますが、この撤去に当たりましては、関係の方々に十分な説明を行って、同意を得ながら撤去している、こういうことで取り組みをお願いしておりますし、NTT東西もそういうふうにやっているというふうに受けとめておりますけれども、総務省といたしましても、利用者の理解は十分得て対応するようにということで、引き続き努力をしていきたいというふうに思っております。
横光委員 この公衆電話もそうですが、固定電話もやはり、新規設備投資の凍結によって、固定電話網の機能を維持することが難しいようなことが将来起こりかねない。この固定も公衆電話も、ユニバーサルサービスであることを考えれば私は重大な問題だと思うんです。
 ユニバーサルサービスを、義務を課せられているんです。しかし現実には、利用者減あるいはそういった設備投資の凍結等によって減少している。となると、ユニバーサルサービスは確保されていないということになる。それを補うのが、いわゆるいろいろな方法、今回の接続料の問題にもつながるわけですが、やはりそこにはユニバーサルサービス基金というものがあるわけですね。
 これは要するに、ユニバーサルサービスの提供に伴う赤字補てんとして導入された制度なわけでしょう。今言われたように、確かに利用者が少ないと赤字になりますよ。そういったことを補てんするためにユニバーサルサービス基金というのはあるわけでございますので、この活用というものをどのようにお考えなのか、お聞かせいただきたいと思います。
片山国務大臣 今、横光委員御指摘のように、ユニバーサル基金制度というのがありまして、これは活用していきたい、こう思っておりますが、これは東西それぞれの業務区域内における不採算地域をカバーする、こういう趣旨のものでございまして、その趣旨に従って運用してまいりたい。接続料の均一の場合等についてお考えならば、これは適用がない、こういうことであります。
横光委員 接続料の値上げ、いわゆる東から西へ交付するという措置を講じたわけですが、これはいわゆる東西のサービスエリア、条件不利地域、こういったことを考えますと、今後も東西の格差は生じることが予想されるわけですね。そうしますと、やはりまたこの接続料の問題につながっていく。でなくて、やはり、そういった赤字を補てんする場合には基金というものがある。しかし、この基金制度は、いわゆる合算制度、相殺制度から、それぞれの地域ごとに計算をして、そして公平に各社が負担をするという、そういった運用改善をして活用すべきだと私は思う。
 現に、総務大臣のおひざ元の情報通信審議会の答申でも、「東西均一の接続料については、IP電話の普及等により加入電話サービスの社会的位置付けが変化することも予想されることから、このような環境変化を踏まえ、ユニバーサルサービス基金等との関係について更に整理を行い、」平成十七年度以降、今年度、来年度はもうこういうふうに決まっていますので、十七年度以降この活用をするように、基金の活用を早急に検討するべき、審議会もこういうふうに言っているわけですので、ぜひともこの問題に対応していただきたいと思います。
 最後に、ちょっと一言お尋ねいたしますが、NTT東西の地域会社が保有する光ファイバー、この光ファイバーをめぐり業界が揺れております。
 NTTの競争力を制限して通信料金を下げるだけでは通信産業の発展につながらない、こういった認識も広がっております。かといって、NTTに対する規制を緩め過ぎると独占状態になりかねない、そういった声もある。しかし、光ファイバーは、今後のブロードバンド、高速大容量通信時代の主力回線となるわけでございますので、そういった意味から、ブロードバンド時代の競争政策を、総務省としてはどちらにウエートを置いていくのか、この競争政策をちょっと御説明いただきたいと思います。
有冨政府参考人 大変難しい問題ではありますけれども、今、光ファイバーの議論はいろいろございますけれども、これは、光ファイバーという意味でのNTTとNCCとの関係を規律する、いわば設備規制の部分、もう一つは、電気通信事業者と利用者との関係を規律する部分、この二つに分けて私ども整理をしておりまして、現時点では、NTTとNCCとの関係については、今のオープンネットワーク政策というものを引き続き維持していくというスタンスでございます。
 ただ、それだけですと、NTTも、契約約款等で縛られているならば柔軟な対応もできないということで、今回お願いしておりますけれども、利用者に対する約款規制、これを大幅に緩和しております。したがって、NTTも十分にこの規制緩和によるメリットを受けられる。したがって、NTTとNCCとの間でしっかりユーザーとの関係で競争をしていただきたい、そのように考えておるところでございます。
横光委員 終わります。
遠藤委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
遠藤委員長 これより討論に入ります。
 討論の申し出がありますので、これを許します。矢島恒夫君。
矢島委員 私は、日本共産党を代表して、政府提出の電気通信事業法及び日本電信電話株式会社等に関する法律の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。
 本法案が提出されるに至った背景には、急速なIT技術の発展やインターネットの普及によって、電話事業を基本に第一種と第二種と区分して規制する現行の電気通信事業法の枠組みが、現実の電気通信事業の現状にそぐわなくなったことがあります。世界の最先端を行く携帯電話サービス、ADSLやIP電話などの最新のブロードバンドサービスの発展や普及は目覚ましいものがあります。その中で、いわゆる固定電話は、ユニバーサルサービスとして日本の情報通信サービスの土台となっているだけでなく、そのネットワークなしには携帯電話やADSLのサービスも成り立たないという、まさに日本の情報通信の基盤であります。
 政府、総務省は、このネットワークを維持し、ユニバーサルサービスを提供するNTTを東西に分割するなどの競争政策を推進してきました。
 しかし、この分割は、ユニバーサルサービスに容認できない東西格差を生み出し、始まったIP電話などとの競争は、基盤である固定電話ネットワークを無秩序に侵食しており、競争の激化によって基盤のネットワーク料金が反対に上昇するという事態に至っております。
 現状が求めているのは、第一種、第二種の廃止など、競争万能哲学に基づく電気通信事業法の改革ではなく、日本の情報通信サービスを総合的に発展させていく規制枠組みであります。そのためにも、不合理な現行のNTTの分割体制を再編し、NTTが、ユニバーサルサービスだけでなく、ネットワークを合理的に提供できるようにすることです。
 今回の電気通信事業法及びNTT法の改正に反対の第一の理由は、破綻したこれまでの競争万能政策を踏襲しており、小手先の手直しで、抜本的電気通信事業規制の改革になっていないだけでなく、改革も方向違いであるということです。
 第二の理由は、相対契約の解禁などによって、公共性の高い電気通信事業の利用者の間における不公平が一層拡大するおそれがあるからであります。また、参入・退出規制の大幅緩和は、通信事業者の倒産や売却などによる個人情報の大量流出という危険を大きくするものであります。
 最後に、電気通信事業の現状が求めているのは、破綻したこれまでの競争政策を抜本的に見直し、電気通信サービスを総合的に発展させる枠組みを構築すること、インターネットなど電気通信サービスの発展に対応した消費者保護や個人情報保護などの新たな規律をつくることであるということを指摘し、私の討論を終わります。(拍手)
遠藤委員長 これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
遠藤委員長 これより採決に入ります。
 電気通信事業法及び日本電信電話株式会社等に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
遠藤委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
遠藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
     ――――◇―――――
遠藤委員長 次に、地方自治及び地方税財政に関する件について調査を進めます。
 行政書士法の一部を改正する法律案起草の件について議事を進めます。
 本件につきましては、先般来理事会等において御協議を願ってまいりましたが、お手元に配付いたしておりますとおりの起草案を得た次第であります。
 この際、私から、本起草案の趣旨及び内容について御説明を申し上げます。
 まず、本起草案の趣旨について申し上げます。
 行政書士は、依頼を受けて、官公署に提出する書類を作成すること等を業務とし、国民の利便性の向上等に多大な貢献をしてまいりました。
 しかしながら、今日、行政書士を取り巻く環境は、高度情報化社会の進展を初めとして、大きく急激に変化してきており、行政書士の業務に対する国民のニーズも多様化するとともに、国民の利便性のさらなる向上が求められております。
 このため、複雑・多様化する社会情勢に的確に対応し、行政書士の業務遂行能力の強化と規律の向上を図り、行政書士及びその業務に対する国民からの一層の理解と信頼を確保する見地から、本起草案を提出した次第であります。
 次に、その主な内容について申し上げます。
 第一に、行政書士のみを社員とする行政書士法人を設立することができることとしております。
 第二に、行政書士は、所属する行政書士会及び日本行政書士会連合会が実施する研修を受け、その資質の向上を図るよう努めなければならないものとすることとしております。
 第三に、国民一般からの懲戒処分請求制度の創設、懲戒処分の公報による公告等を行うこととしております。
 なお、この法律は、平成十六年八月一日から施行することとしております。
 以上が、本起草案の趣旨及び内容であります。
    ―――――――――――――
 行政書士法の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
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遠藤委員長 お諮りいたします。
 行政書士法の一部を改正する法律案起草の件につきましては、お手元に配付の案を委員会の成案と決定し、これを委員会提出の法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
遠藤委員長 起立総員。よって、そのように決しました。
 なお、本法律案提出の手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
遠藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時八分散会


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