衆議院

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第2号 平成17年10月6日(木曜日)

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平成十七年十月六日(木曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 実川 幸夫君

   理事 岡本 芳郎君 理事 佐藤  勉君

   理事 谷  公一君 理事 谷本 龍哉君

   理事 三ッ矢憲生君 理事 後藤  斎君

   理事 渡辺  周君 理事 赤松 正雄君

      あかま二郎君    小野 次郎君

      岡部 英明君    奥野 信亮君

      北川 知克君    木挽  司君

      櫻田 義孝君    関  芳弘君

      田中 良生君    土屋 正忠君

      中谷  元君    永岡 桂子君

      萩生田光一君    萩原 誠司君

      橋本  岳君    平井たくや君

      福田 良彦君    増原 義剛君

      松本  純君    安住  淳君

      逢坂 誠二君    田嶋  要君

      寺田  学君    西村智奈美君

      福田 昭夫君    横光 克彦君

      桝屋 敬悟君    丸谷 佳織君

      塩川 鉄也君    重野 安正君

    …………………………………

   総務大臣         麻生 太郎君

   総務副大臣        今井  宏君

   総務副大臣        山本 公一君

   総務大臣政務官      増原 義剛君

   総務大臣政務官      松本  純君

   総務大臣政務官      山本  保君

   政府特別補佐人

   (人事院総裁)      佐藤 壮郎君

   会計検査院事務総局次長  石野 秀世君

   政府参考人

   (人事院事務総局給与局長)            山野 岳義君

   政府参考人

   (内閣府市場化テスト推進室長)          河  幹夫君

   政府参考人

   (内閣府政策統括官)   榊  正剛君

   政府参考人

   (総務省人事・恩給局長) 戸谷 好秀君

   政府参考人

   (総務省行政管理局長)  藤井 昭夫君

   政府参考人

   (総務省自治行政局選挙部長)           久保 信保君

   政府参考人

   (総務省自治財政局長)  瀧野 欣彌君

   政府参考人

   (総務省政策統括官)   清水 英雄君

   政府参考人

   (消防庁長官)      板倉 敏和君

   政府参考人

   (環境省大臣官房審議官) 寺田 達志君

   総務委員会専門員     太田 和宏君

    ―――――――――――――

委員の異動

十月六日

 辞任         補欠選任

  土井  亨君     小野 次郎君

  西田  猛君     北川 知克君

同日

 辞任         補欠選任

  小野 次郎君     土井  亨君

  北川 知克君     西田  猛君

    ―――――――――――――

十月五日

 電波法及び放送法の一部を改正する法律案(内閣提出第七号)

 一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出第一五号)

 特別職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出第一六号)

 国家公務員退職手当法の一部を改正する法律案(内閣提出第一七号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 会計検査院当局者出頭要求に関する件

 政府参考人出頭要求に関する件

 行政機構及びその運営、公務員の制度及び給与並びに恩給、地方自治及び地方税財政、情報通信及び電波、郵政事業並びに消防に関する件


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     ――――◇―――――

実川委員長 これより会議を開きます。

 行政機構及びその運営に関する件、公務員の制度及び給与並びに恩給に関する件、地方自治及び地方税財政に関する件、情報通信及び電波に関する件、郵政事業に関する件及び消防に関する件について調査を進めます。

 この際、麻生総務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。麻生総務大臣。

麻生国務大臣 総務委員会の審議に先立ち、一言ごあいさつを申し上げさせていただきます。

 今年も自然災害が多発し、最近では、台風十四号により多くの方が犠牲になられました。被害に遭われた方々に対して、心からお見舞いを申し上げます。

 総務省は、御存じのように、国民生活に密着した幅広い行政分野を有しております。

 改革なくして成長なし、民間にできることは民間に、地方にできることは地方にという方針のもと、引き続き構造改革を進めるべく、諸課題に積極的に取り組んでまいります。

 行政改革につきましては、小さくて効率的な政府を実現するため、新たな定員合理化計画に基づき、十七年度からの五年間で一〇%以上の定員合理化を行うことにより、定員の大胆な再配置と一層の純減の確保に取り組みます。

 本年度末には中期目標期間が終了する独立行政法人につきましても、組織形態の見直しや事務事業の整理縮小を進めます。

 国家公務員の給与等につきましては、去る八月の人事院勧告を踏まえ、給与構造の抜本的な改革等を実施するための二法案及び退職手当制度の構造面の見直しを実施するための法律案を今国会に提出したところです。

 また、国家公務員の人事行政につきましても、人事評価の試行に着手するなど、改革の着実な推進に引き続き努力いたします。

 現在、政策評価制度の改善充実に向けた見直しを進めており、年内に政策評価に関する基本方針の改定や新たなガイドラインの策定などを行います。

 行政評価・監視につきましても、現在実施中の鉄道交通の安全対策などを初めとして、国民の安全、安心の確保や、行政の組織、運営の効率化等の観点から、引き続き積極的に実施いたします。

 さらに、行政相談につきましては、本年度末までに政府全体の業務・システム最適化計画を策定することを初め、国民にとってより効果的、効率的なものとなるよう取り組みます。

 市町村合併につきましては、大きく進み、来年三月末には一千八百二十二市町村となる見込みです。しかしながら、合併の進みぐあいは地域ごとに差異があります。このため、本年五月には合併新法に基づく国の指針を告示し、八月末には私が本部長を務める政府の支援本部で新支援プランを決定したところであり、引き続き全国的に市町村合併を推進してまいります。

 国家公務員における給与構造の改革を踏まえ、地方公務員給与についても速やかな見直しを推進します。また、給与制度、運用等における適正化を強力に推進してまいります。

 三位一体の改革につきましては、昨年政府・与党で、平成十八年度までの改革の全体像を決定しております。その中で課題とされていた残りの六千億円規模の国庫補助負担金の改革につきましては、地方六団体が改革案を取りまとめ、去る七月二十日に総理に提出しております。

 政府としてはこの改革案を真摯に受けとめ、今後とも地方と協議を重ねながら、三兆円の税源移譲の実現に向けて、三位一体の改革を確実に実現してまいります。また、平成十九年度以降も地方税財源を充実確保するなど、さらなる地方分権を推進してまいります。

 情報通信、いわゆるICTについては、u―Japan政策により、二〇一〇年に向けてユビキタスネット社会が実現するよう全力で取り組みます。

 ネットワーク整備の面においては、競争環境の整備、次世代ネットワーク基盤の強化、デジタルデバイドの是正等に取り組むとともに、地上デジタル放送の二〇一一年の完全移行に向けた取り組みに全力を挙げます。

 また、電波開放戦略推進のための電波利用料制度の見直し、放送に係る外資規制のための間接出資規制の導入を内容とする法案を提出したところです。あわせて、二十一世紀の新たな価値の創発につながる利活用の高度化や、いわゆる影の問題への対応など、安心、安全な利用環境整備にも全力で取り組みます。

 さらに、研究開発なども積極的に推進し、これに関連し、独立行政法人情報通信研究機構の職員を非公務員化する法案を提出するとともに、世界情報社会サミットへの貢献など国際戦略にも積極的に取り組みます。

 電子政府、電子自治体につきましては、本年度中に、オンライン手続の利用を重点的、計画的に促進するためのアクションプラン及び業務・システムの最適化計画を策定します。

 さらには、オンライン申請の基盤となる公的個人認証サービスをさらに普及させるとともに、利用者が電子署名を行ったことを確認することができる者の範囲を拡大する等の必要があるため、電子署名に係る地方公共団体の認証業務に関する法律の一部改正法案を提出したところでもあります。

 郵政事業については、平成十九年十月の民営化に向け、新会社への円滑な移行を図るため、日本郵政公社の健全経営を引き続き確保するとともに、新規業務の早期実施に向けた準備を進め、国民の皆様に、より質の高いサービスが提供されるよう努めてまいります。

 また、万国郵便条約の締結に伴う郵便法改正法案を提出することとしております。

 今年も自然災害が続発し、また、首都直下型地震等の大規模地震の発生も懸念される中、国民の安心、安全を確保することは、政府の基本的な責務であります。

 今年八月十五日には、消防庁に国民保護・防災部を設置いたしましたが、引き続き体制の充実強化を図るとともに、緊急消防援助隊の増強、特別高度救助隊の全国的配備等により、消防防災体制を強化してまいります。

 統計行政につきましては、人口減少社会の到来を間近に控えた中、この十月一日に実施した国勢調査の結果を迅速に提供すべく、全力を挙げてまいります。また、経済センサスなど産業構造の変化等に対応した統計の整備や、統計法制度の抜本的見直しに取り組んでまいります。

 副大臣及び大臣政務官とともに、全力を尽くしてまいりますので、実川委員長を初め、理事、委員の皆様方の御指導をよろしくお願い申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

実川委員長 次に、去る八月十五日の一般職の職員の給与についての報告及び給与の改定に関する勧告につきまして、人事院から説明を聴取いたします。人事院総裁佐藤壮郎君。

佐藤政府特別補佐人 おはようございます。

 平成十七年人事院勧告につきまして、趣旨説明をさせていただきます。

 人事院は、八月十五日、国会と内閣に対し、公務員の給与に関する報告及び勧告並びに公務員人事管理についての報告を行いました。

 このたび、その内容について御説明申し上げる機会を与えていただき、厚く御礼申し上げます。

 以下、その概要を御説明いたします。

 まず、職員の給与に関する報告及び勧告について申し上げます。

 本年の勧告においては、例年行っている官民の給与比較に基づく給与水準の改定に加えて、給与構造の抜本的な改革を実施することといたしました。

 給与水準の改定については、月例給について、官民の四月時点の給与を正確に調査し、比較した結果、民間企業の賃金改定において、ベースアップを実施する事業所が減少していることなどにより、官民の給与較差は、マイナス千三百八十九円、率でマイナス〇・三六%となることが判明いたしました。

 このため、基本的な給与である俸給について、すべての級の俸給月額をマイナス〇・三%引き下げるとともに、民間の支給実態等を踏まえ、配偶者に係る扶養手当の額を五百円減額して一万三千円とすることとします。なお、民間企業における人事・組織形態の変化に対応できるように、官民比較の方法について、学識経験者の研究会を設けて検討していきます。

 一方、ボーナスについては、民間の支給割合との均衡を図るため、支給月数を〇・〇五月分引き上げることとします。

 続いて、給与構造の改革について御説明いたします。

 公務員給与のあり方については、近年、公務員の給与水準は地域の民間賃金と比較して高いのではないか、また、公務員は勤務実績に関係なく年功的に昇給していくなど民間企業の実態と乖離しているのではないか等の批判が各方面から出されております。

 こうした国民の批判にこたえるため、今回、公務員給与に地場賃金を反映させるための地域間配分の見直し、年功的な給与上昇の抑制と職務、職責に応じた俸給構造への転換及び勤務実績の給与への反映を三つの柱とした給与制度全般にわたる改革を行うこととしました。

 一つ目の公務員給与に地場賃金を反映させるための地域間配分の見直しについての施策としては、地域ごとの民間賃金水準の格差を踏まえ、全国共通に適用される俸給表の水準を平均四・八%引き下げた上で、民間賃金が高い地域には三%から一八%までの地域手当を支給します。さらに、広域にわたる異動を行う職員に対し、三%または六%の広域異動手当を支給します。

 二つ目の年功的な給与上昇の抑制と職務、職責に応じた俸給構造への転換についての施策としては、給与カーブをフラット化することとし、先ほど申し上げた俸給表の水準の平均四・八%の引き下げについては、若年の係員層の俸給水準の引き下げは行わず、中高齢層の俸給水準を七%引き下げます。また、職務の級相互間の水準の重なりを縮減します。これらにより、年功的な給与上昇を抑制するとともに、職務、職責に基づく俸給水準を確保します。

 三つ目の勤務実績の給与への反映についての施策としては、俸給表の号俸を四分割した上で、より勤務実績を反映し得るよう、新たな昇給制度を導入します。また、ボーナスについても、勤務実績による配分を強化します。

 以上の改革のほか、専門スタッフ職俸給表の新設、俸給の特別調整額の定額化及び本府省手当の新設を行います。

 実施時期については、新俸給表は平成十八年四月から実施し、俸給月額が下がる者には経過措置を講じます。また、新たな手当の導入等は、平成二十二年度までの五年間で順次実施します。

 続きまして、公務員人事管理に関する報告について御説明します。

 社会経済情勢の変化の中、公務員人事管理全般について、時代の要請に的確に対応した改革を進めることは引き続き重要な課題であると認識しております。

 本年の報告では、行政の専門家集団を目指してという基本的な考えのもとに、求められる公務員像を示すとともに、多様な有為の人材の確保、能力、実績に基づく人事管理、勤務環境の整備などの観点から、公務員の人事管理に関する主な課題と具体的方向についての考え方を表明いたしました。

 具体的には、経験者採用システムの導入、人事評価制度の整備や分限制度の適切な運用、勤務時間の弾力的運用のための条件整備などが当面の課題であると認識しています。また、留学派遣者が早期退職した場合の留学費用の返還制度や育児、介護を行う常勤職員の短時間勤務制の導入などについては、早急に検討を進め、別途、国会及び内閣に意見の申し出を行う所存です。

 人事院としては、今後とも、人事行政の公正性の確保、労働基本権制約の代償を担う中立第三者機関、専門機関として、引き続きその役割、使命を適切に果たしていくこととします。

 以上、本年の報告及び勧告の概要を御説明申し上げました。

 総務委員会の皆様におかれましては、人事院勧告制度の意義や役割に深い理解を示され、この勧告を速やかに実施していただけるよう衷心よりお願い申し上げる次第でございます。

実川委員長 以上で人事院からの説明は終わりました。

    ―――――――――――――

実川委員長 この際、お諮りいたします。

 各件調査のため、本日、政府参考人として人事院事務総局給与局長山野岳義君、内閣府市場化テスト推進室長河幹夫君、政策統括官榊正剛君、総務省人事・恩給局長戸谷好秀君、行政管理局長藤井昭夫君、自治行政局選挙部長久保信保君、自治財政局長瀧野欣彌君、政策統括官清水英雄君、消防庁長官板倉敏和君及び環境省大臣官房審議官寺田達志君の出席を求め、説明を聴取し、また、会計検査院事務総局次長石野秀世君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

実川委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

実川委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。桝屋敬悟君。

桝屋委員 おはようございます。公明党の桝屋敬悟でございます。

 本来であれば自民党の先生が最初になさるんでしょうが、きょうはお願いをいたしまして、郵政の理事会と重なりましてわがままを言ったこと、御協力をいただいた自民党の皆さんに感謝申し上げたいと思います。ありがとうございます。

 さきの選挙が終わりました。郵政民営化の是非が問われた選挙であったわけであります。今、自分の席からこの質問の席まで歩いてくる距離の長さに思いを新たにしながら、あちらの方が近いんじゃないかと思ったりしたわけでありますけれども、新しい気持ちで再びこの総務委員会、頑張ってまいりたいと思います。

 さきの国会では多くの懸案事項がこの委員会に課せられていたわけでありますが、いかんせん郵政民営化の問題で、なかなかこの委員会、審議ができなかったということもありまして、この特別会における総務委員会の役割は極めて大きいというふうに私自身感じております。公明党も懸命にこの委員会、頑張っていきたいと思っております。

 与党側が大勝利したということもありますが、実は我が党は、さきの国会で総務委員会に所属しておりました二人がともに姿がなくなりまして、喜んでいいのやら、なかなか複雑な思いでおりまして、私もあわやのところで落ちそうになりまして、何とか生き残ったわけでありますが、生き残った者として懸命に議論をさせていただきたい、このように思っておる次第であります。大臣にはもうお会いできないかと思っておりましたけれども、何とかこうやってお会いできたわけでありますから、きょうは、まずは大臣としっかり議論をしたいというふうに思っております。

 郵政民営化改革の次の改革、ポスト郵政改革は何なのかということが実は大きく今クローズアップされております。小泉構造改革の次の作業といたしましては、政府系金融の改革でありますとかあるいは公務員制度改革、三位一体の改革あるいは医療制度の改革、うちの政調会長が言っておりましたけれども、どれをとっても気が遠くなるような困難な課題ばかりだな、こう思っております。

 先ほど大臣の御発言をずっと聞いておりまして、大臣はきょうの御発言の最初に、小さくて効率的な政府の実現のためにまずは行政改革を行うということで、その一番目に行政改革の推進を挙げられているわけであります。大臣の御発言では、そのために公務員の一〇%以上の定員合理化、一層の純減の確保、そして国家公務員の給与体系の改正、人事行政の改革、あるいは政策評価制度の改善とか充実、行政評価・監視の実施など順次挙げておられますが、小さくて効率的な政府の実現のためのこれからの改革はなかなか容易なことではないというふうに私は実は内心思っているわけであります。

 大臣は、これからのまさにポスト郵政改革、次なる改革に向けてどういうふうに認識をされておられるのか、最初に大臣の御認識を伺いたいと思います。どれも本当に困難でありまして、いやいや、そうじゃない、まさに三分の二まで与党はいるんだから、やれば何でもできる、こういうお気持ちかもしれませんが、私は決してそんな易しい話ではないだろう、大変な改革が引き続き行われていくんだろう、こう思っております。

 そうであれば、大臣がもし、大変なあるいは困難な道だという御認識であれば、どこが困難なのか、どうした点が難しい問題なのか、最初、大きな質問で大変恐縮ではございますが、大臣が十一月二日以降も大臣でいらっしゃるかどうか大変気になるところで、ポスト小泉も気になるところでありますが、それはさておきまして、構造改革、次なる改革へ向けての大臣の認識をまず伺いたいと思います。

麻生国務大臣 御存じのように、これまでも累次の行政の改革というのをやらせていただいて、スリム化をやらせていただいて、小泉内閣、当時、スタートのときには八十四万人おりました国家公務員が、今三十三万までという形になっております。その減った分の中には郵政公社の二十六万二千人を入れてでありますから、そういった意味では、独立法人にいたしました国立大学等々いろいろあるんですが、国家公務員というのは大体三十三万人というところまで減ってきております。

 この数は、現実問題として、フランスの公務員の約、地方公務員も含めますと、フランスの公務員千人当たり九十八ですから、日本の場合はそれが約三十五人ぐらい。アメリカが七十四、五ですから、多分アメリカの二分の一。したがって、日本のいわゆる税金で飯を食っている人の数は、特別職を含めまして、世界で、先進国の中で最も低い数字になっております。(発言する者あり)今何か言われましたか、どなたか。その数字が違っているという御意見でございましたら、その数字を示していただかぬと話になりませんので、正式な書類を示していただくとお答えできると思いますが。

 いずれにいたしましても、国家公務員の低減をやっていくに当たりまして、難しい問題は、公務員に対する需要の変化というのが起きているんだと思うんです。少なくとも、傍ら、国民の関心事の一番というものに治安という問題が上がっております。安全、安心というのが上がっておりますが、この安心、安全ということを考えますと、単純な話、警察官の増員ということになって、警察官一人当たりに県民五百五十人が全国平均、一番悪いところで多分埼玉県の七百六十人だと思いますが、こういったところでは犯罪発生率が高い。極めて単純にその数字が出てきておりますので、そういった意味では、警察官の増員というものはやらねばならぬということで、三年計画で一万人増員をさせていただき、なお足りないということで一万人増員。

 捕まえられた方々のうち約四割は外国人という現在の実態を見ますと、捕まえても入れるところがないというほど刑務所も込んでおりますので、そういったところの需要は間違いなく今までとは違った意味の需要がふえておりますので、そちらの方はふやさないかぬという傍らで減らすという数字を出さないかぬわけなんで、そういった意味では、私どもとしては、この純減の確保というところが、いわゆるどれだけ傍らに需要があるのかというところは正確につかんでおりませんので、減らすのはこれだけ減らしても、傍ら純増の方がふえますと、トータルでは、純増とは言いませんまでも、純減とはなかなかいきにくいという状況でもあります。

 そういった意味では、大胆な発想をやらないと、これはとてもじゃないけれども、今までのように一律何%と口では言うけれども、なかなか難しいというのが実態であろうと思いますので、いろいろな意味で、大胆な配置がえ等々を考えないと今回のいわゆるスリム化という話は極めて難しい。これは人が人を動かす話でありますので、数字の話と少し違いますので、極めて難しい問題だ、基本的にはそう認識いたしております。

桝屋委員 今大臣がおっしゃった、八十四万の国家公務員の数が今定員管理は三十三万だ、この話は私も選挙中随分地域の方に申し上げたわけであります。今も声がありましたように、いや、それは違うんじゃないの、本当にそれだけ首切ったのかというような大変な誤解があったりいたしまして、私は、その差額はほとんど中二階にぶら下がっているんだ、したがって、改革のこの勢いをとめるとこれは大変なことになる、後戻りはできませんよというようなことを随分申し上げたわけでありますけれども。

 一つは、十分そこは国民の皆さんにも理解をいただかなきゃならないだろうと思っておりますが、大臣今おっしゃったように、ここから先、実は公務員の定員管理、公務員の人数の問題一つにしても大変困難な作業だ、こういう認識をお示しいただきました。全く同感であります。この三十三万という数字をこれからどうするか、もちろんその周辺も含めてでありますけれども、私は本当に簡単な話ではないだろう、こう思っております。

 それに加えて、骨太二〇〇五では、公務員の頭数のみならず総人件費改革という、小泉改革では総人件費でどうするか、こういうことまで言われているわけでありますから、この困難さはさらに二重の困難さを私は伴うのだろう、こう思っております。

 きょうのこの限られた時間、まさに公務員の人数の問題について議論を進めたいと思っておりますが、今私の理解では、経済財政諮問会議等で随分議論をされて、十一月の頭ぐらいにこれからの公務員の純減目標も含めた基本指針を政府としておつくりになるんだろう、その上で、具体的にそれをどう実行するかということを、今度は我々与党も、あるいは各府省とも協議をしながら具体的な計画を練り上げなきゃならぬ、こういう段階かというふうに思っているんですが、今からつくられるその目標がどの程度のレベルなのか、小さくて効率的な政府という言葉は、それは言葉としてはわかるのでありますが、じゃどの程度のレベル、イメージなのかということであります。

 報道によりますと、例えば総人件費改革のその目標として今議論されているのは、牛尾さんあたりが、対GDP比で半減するとか、あるいは公務員の数を、純減目標を今後五%にするとか、こうした数字がもう出ているわけでありますが、これからの目標設定は多分今からだと思います。その目標設定をするに当たっての考え方、どの程度のレベルを大臣はイメージされておられるのか、我々にももしお聞かせいただけるのであればお聞かせいただきたい、このように思います。

麻生国務大臣 民間議員から出されました過日のペーパーによりますと、いわゆる半減ということが書いてあったんですが、その半減の定義が、人数の半減なのか総人件費の半減なのか、GDPという極めて変動のある話でもありますので、そういった意味では、十年先の人件費を幾らにするなどというのはこれは、人事院といういわゆる労働基本権の代替措置があるわけですから、その人事院を無視したようなことをなかなか書けるような話でもありませんので、これは、目標としてはわかりやすい、目標として半減とかいう言葉は受けのいい言葉ではあるかもしれませんけれども、現実問題としてはなかなか言うはやすし行うは難しいというところだと思います。

 いずれにしても、純減というのはおのずと限界があると思っておりますが、今のままの事業をただただ減らして半分にしようというのは、人件費と人間だけ減らして仕事はそのままということは、行政サービスが低下するかサボタージュするか手を抜くか、何らかの形じゃない限りはそれは物理的にはできないということだろうと存じます。したがって、今やっている業務は果たして政府で、公務員でやらねばならぬ仕事かという、その仕事の内容の整理をしないといかぬということなんだと思います。

 例えば、職業安定所は厚労省の役人じゃなきゃだめかとかいろいろあろうと思いますが、地方公務員の場合は指定管理者制度という制度をつくりましたから、いろいろな形で既にこれまで地方公務員がやっておりました部分をいわゆるアウトソーシングしている部分もありますし、いろいろな形で政府として、例えばイギリスみたいに刑務所の看守はPFIで民間でやる、そうすると法務省の役人は減らせますから、そういったような事務の見直し、事業の見直しというのをやって、その上で定員の再配置みたいなことを考えない限りはできないのであって、それを役人にやれというのは無理です、おのれの仕事は必要のない仕事だということを認める役人などいるはずがありませんから。

 したがって、それは必要ないんだということを決めるのは政治の責任だと思います。それは結構な騒ぎになりますので、そんな簡単にいける話ではないと思いますが、できるところからやっていかぬと間に合う話ではない、そんなように理解をいたしております。

桝屋委員 ありがとうございます。

 きょう私が議論したかった結論部分まで、全部大臣に言っていただきましたので、もうこれで質問を終わってもいいような感じがいたしますが、認識は全く共有いたします。

 昨今のこの報道ぶりを見ておりまして、経済財政諮問会議の議論は随分乱暴な議論だな、こう私も感じておりまして、それだけに、総人件費改革というのは大変難しい。ただ、どの程度のレベルをイメージされておられるのか伺いたかったのでありますが、そこはなかなかきょうこの場でということは難しいんでしょう。

 一つだけ確認をしたいんですが、これは総人件費改革ということで目標設定をされるのかどうか、その中に純減目標が明確に入ってくるのかどうか、国家公務員の純減目標というのは明らかにされるのかどうか、その点だけ、御予定を聞かせていただきたいと思います。

麻生国務大臣 純減目標を設定するためには、基本的には、どの仕事を減らしていいというのを決めないとなかなか純減目標というのはできませんし、この種の数字は、一回、五なら五、六なら六という数字が出ますと、それがひとり歩きする世界でもありますので、これは〇・一でも下がれば後退という話になりますので、そういった意味では、なかなか純減の目標値を入れるのは難しいと思います。

 私どもとしては、できる限り、この仕事をやめて、ここで三千人余るとか、こっちで何人余るとかいう形のもので純減目標というものは策定したいと思っておりますけれども、それがどれぐらいになるかと言われると、これはこれから詰めていかねばならぬところだと思いますので、ちょっと数値を今この場で言える段階ではございません。

桝屋委員 それは、数値はそうなんですが、私が確認したかったのは、純減目標というものを具体的に、これから政府が基本方針としておつくりになるときに、その目標が入る、つくられるというふうに理解をさせていただきました。それだけに、この目標のつくり方というのは、私は大変な作業だろうと思います。十一月二日、内閣改造があって本当に大丈夫かな、こう私は心配をしているのであります。

 もう一つ、今の大臣の答弁を聞きながら思ったのでありますが、今回の選挙、郵政民営化の是非が問われたというふうに申し上げましたが、至るところで、小泉総理、全国を回って、郵政の事業は公務員でなければ本当にできないのか、これがまさにコピーのごとく全国に広がったわけでありまして、小さくて効率的な政府を目指す、その一つの言葉として、公務員でなければできないのか、このまさに総理の言葉、これが随分多くの国民の心をつかんだというのは事実だろうと思います。

 そういう意味では、国民の皆さんが、今回、連立与党に信任を与えていただいたということは、与えられた我々としては、相当本気になって、わかりやすい形で目標設定をしなきゃならぬだろう。今の議論が乱暴だとは私申し上げましたが、それぐらいのつもりで、それぐらいのレベルで目標設定をしないと、恐らく国民の皆さんは理解されないんじゃないか、そこを期待しているんじゃないかと私は思っているわけであります。それだけに、今からおつくりになる基本方針は大変策定そのものが難しい作業だな、こう思っておるわけでありまして、何を言いたいかというと、相当高いレベルの目標設定をせざるを得ないだろう、こう思っております。

 そういたしますと、先般、既に閣議決定をされました新たな定員合理化計画の概要でありますが、今後、十八年から二十一年までの四年間で、各府省の合理化目標が設定をされた、十六年度末の定員に対して一〇%ですから、合わせて三万三千二百三十人という数字が閣議決定をされたわけで、各府省ごとの数字は申し上げませんが、これは、昨年の行革の一連の作業の中で、与党からも強く申し入れをいたしまして、改めてこの定員の合理化計画がつくられたわけであります。

 さて、この数字が、先ほど言った、今回の選挙を通じて多くの国民の皆さんからいただいた信任あるいは声からすると、果たしてこれでいいのかどうか、いささか私自身も心配になるわけでありまして、とりわけ、この定員の合理化計画、この削減計画が、今後のまさに国家公務員の純減を確保するための財源になるわけでありまして、これ以上の原資はないわけでありまして、これがまさに財源、パイになるわけでありまして、このパイが、本当にこれでいいのかなという気もするわけであります。マスコミには、既に、この一〇%であると純減は二%ぐらいしか確保できないんじゃないか、それで果たして今の方向性に合致するのか、それで十分なのか、こういう報道もあるわけであります。

 二つ伺いたいと思うんですが、この定員の合理化計画というものはこれでいいのかどうか、あるいは、今後の目標、先ほど言った、十一月頭に基本指針がつくられる、その目標に沿って、まさにこの財源になります、パイになります部分、改めて見直すということが場合によってはあり得るのかどうか、その辺の展望をお聞かせいただきたいと思います。

麻生国務大臣 今回の定員合理化計画では、五年間で一〇%という定員合理化を行うことになっているんですが、いわゆる事務のICT化というのが急速な勢いで進んで、バックオフィス等々においては大幅に人件費を減らせる、また、例えば大阪府では、給与、出張旅費、ボーナス等々の給与計算につきましては、すべてアウトソーシングすることによって何十億かの経費を節減しておる例もありますので、いろいろな意味で業務の効率化を図り得ることは確かだろうと思っております。技術の進歩、通信情報技術の進歩のおかげだと思っております。

 しかし、それにしても、今、地方公務員においては、一定の定年退職が出てくることになろうと思いますが、地方公務員の方は、再来年から、いわゆる団塊の世代が一斉に定年を迎えるところが出てまいりまして、その数がかなり多い地方が多いものですから、その意味では、ある程度の、百退職したら五十というような形でのやり方はあろうと思いますけれども、国家公務員の場合は、そのような形になっておりませんので、そこはなかなか難しい。

 また、いわゆる勧奨退職とか自己都合退職とかいうようなことに依存しなければとても達成できないというようなことになりますので、これは極めて厳しい目標設置になるというような感じもいたしております。そのためには、やはりこれは、先ほど申し上げましたように、事業とか事務の見直しというのをやって、これはもうやらなくていいという数字にしないと、なかなか合理化計画というのは達成できるということにはならぬと思います。

 過日出しました計画を見直すことを今の段階で考えているかと言われれば、現段階では考えているわけではございません。進展度合いを見た上で考え直さないかぬときもあろうかとは存じます。

桝屋委員 時間もありませんから、今までの大臣の答弁、定員合理化計画については、あれを達成することすら大変ですよ、あれを実現することがまずは大変だ、こういう御認識だろうと思います。ただ、全体の見直しをする必要があれば、それはそれで考えなきゃならぬ、こういうお答えであったかと思うのです。

 一番私が申し上げたいことは、今の定員合理化計画を実行することも大変、その手法として、総務省、大臣のもとでは行政評価ということもずっとやられてきております。ただ、もう結論から言いますと、やはり役人の手によって、大臣もさっきおっしゃったけれども、役人みずからがその事業を点検して、そして見直しをするということはなかなか困難でして、これからの定員の合理化については、毎年毎年の積み上げ方式でいく限り、絶対にこの計画を達成することすら大変だろう、私はこう思っておりまして、思い切った事務事業の廃止をしないと、これから先の高い目標、国民が期待されているようなレベルを確保するのは恐らく困難だろう。

 行政の手によって行政評価を行う、もちろん行政評価は随分この三年間拡充をしてきた、今改めてガイドラインの見直しも行われておりますが、それはそれで営々としてやっていかなきゃいけませんが、それらの目標が、単にその仕事をどこがやるかという役割分担みたいなものじゃなくて、そもそもこの世の中でこの事業は要るのかどうか、もうやめてしまった方がいいというような大胆な見直しをしない限り、これから先の、私は、地方公務員は別ではありますが、国家公務員については大胆な見直しはできないのではないか、こう思っております。

 そのために、さっき大臣が、それはまさに政治の役割だ、政治がリーダーシップを持ってここから先はやらなきゃいかぬ、こう言われたんだけれども、今大臣のもとでおやりになっている行政評価、市場化テスト等もありますけれども、そうした今まで積み上げてきた手法でどこまでやれるかということ。私は限界があると思っておりまして、特に事業の廃止、これはもうやめるという大胆な前提を置いて、本当に必要かどうかという見直し、私ども公明党は、本会議でもあるいは予算委員会でも事業の仕分け作戦というようなことを言っておりますが、趣旨は、今までの行政評価や皆さん方が一生懸命やってこられた行政評価などと違うところは、やめるために、まずは事業を廃止するというそのために思い切った見直しをするということが最大のテーマであります。

 行政評価やさまざまな作業をお役所にお任せをしますと、どうしてもやめるための検討ということにならないわけでありまして、お役所がやる行政評価というのはそんなに劇的な変化は望めない。私は、そこはやはり政治がリーダーシップを持って、思い切って政治の意思を働かせないと、これから先のポスト郵政改革の次の改革は無理なんじゃないかということを申し上げたいわけでありますが、我が党の提案も含めて、大臣、最後にもう一回、与党の中で、十分それは与党の声も聞きながら政府として取り組んでいくというようなことをおっしゃっていただきたいと思います。

麻生国務大臣 今桝屋先生おっしゃるとおりに、これは現実問題として、これまでの経緯、いきさつを査定する側の役所の方は皆わかっておりますので、なかなか難しいんだと思います。

 ただ、この行政評価法は施行後約三年たつんですが、その間に、総事業費ベースで百二十三事業が廃止、約二・四兆円のいわゆる予算がこれで削減されるというようなことにはなっております。これは行政評価の制度として、農林水産統計業務等々の例を見ましても、七調査は廃止等々ということになっておりますので、いろいろな意味で形としては進んでおるとは思うんですけれども、ただ、おっしゃるように、その程度のペースではまだ足らぬのだと思っております、この目標を達成するためには。

 そうすると、先ほど申し上げましたように、刑務所を例に引きましたけれども、例えば、職業安定所は厚生労働省がやらないかぬのかとか、農林統計ももっと統計業務をアウトソーシングしたらいいのではないか等々は、既に宮内委員会の方からその数字なり具体の名前がざあっと挙がってきているところでもあります、市場化テスト、いろいろな表現になっておりますけれども。

 いずれにしても、そういったものはすべからく、行政の今やっております業務は本当に民間でやれないものか、国家公務員、地方公務員でなければできないものかというようなことにつきまして、地方の方が指定管理者というのをやっておるのと同じような形でできないかとか、民間に丸々渡せないかとか、何らの業務とこの業務と一緒にできないかとか、いろいろな形のアイデアというのは確かに政治の決断を要するところだろうと思いますので、今言われましたように、この目標を達成するためには政治決断が極めて大きい要素になっておる、私どももそう思っております。

桝屋委員 以上で終わりますが、十一月の大きな目標と、それから実行計画をつくる上では、大変な困難な作業が伴うと私は思います。したがって、今の大臣のお話ではありませんが、もう一つ、事業をやめるというその選択肢をしっかり我々政治が持って見直しをしなきゃいかぬということを申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

実川委員長 次に、谷公一君。

谷委員 自由民主党の谷公一であります。

 このたび、新しく理事に選任されまして、また委員会の皆さんにいろいろお世話になりますが、よろしくお願いしたいと思います。

 三点について質問して、少し議論を深めさせていただきたいと思います。

 一つは、今桝屋先生も質問されました行政改革について、地方自治体における行政改革の取り組みについてということが第一点です。第二点目に、今後の地方財政の見通しについてということであります。最後に三つ目に、減災のためのいわゆる災害弱者対策について。この三点についてお尋ねをしたいというふうに思います。

 最初に、行政改革の取り組みであります。今、桝屋先生がさまざまな点で質問されたわけでございますけれども、私も、やや重複するところもあるかと思いますけれども、別の、違う視点からも質問を続けさせていただきたいと思います。

 まず、合併についてであります。

 今回、平成の大合併によりまして、全国三千二百あるいは三百を数えた市町村の数が、来年三月には一千八百二十二になるとのことであります。

 実は、私の選挙区は兵庫五区でございますけれども、大変広い選挙区で、兵庫県は十二の小選挙区があるわけでございますが、人口でいうと兵庫県の約八%、しかし面積は四〇%を占めておりまして、大阪のベッドタウンの三田市から日本海まで、丹波、但馬まで、北側すべてを抱えておるわけであります。小選挙区施行当時、平成八年当時は三十一の市町村、二つの市と二十九の町でございましたが、現在では九つ、六つの市と三つの町に再編された、三分の一弱になったということであります。特に、町は、二十九あった町がわずか三町になったということであります。

 そうしたら、合併についていろいろな議論はあろうかと思いますけれども、一つはやはり、合併による財政効果といいますか合理化効果というのも相当あろうかというふうに思います。全国ベースで一体どれぐらいあるのか、あるいは、これからそういったこともきちんと検証していかれるのかどうかということについて、まず大臣にお尋ねをしたいと思います。

麻生国務大臣 市町村合併というのは、約一千四百少々進んだことによりまして、当然のこととして、まず、人件費からいきましても、首長と言われる特別職が減っておりますし、三役、収入役、助役等々も減っております。また、組織の簡素合理化等々によって一般職員が減少しておりますし、また、公共施設というものが効率よく配分されることによりまして経常経費というのも下がることになるんですが、具体的には、今回の市町村合併によりまして、平成十五年と比べて三役は約三千六百人減っております、市町村議員が一万七千六百人減っております。これによりまして、約一千二百億円の給与、報酬が減少すると推定をされております。

 具体的な事例としては、西東京、西東京というのはどこだかわからぬ方がほとんどなんだと思いますが、東京の中に西東京市というのがありまして、昔は田無とか保谷とかいうところが合併してできた市が西東京市というんですが、ここで、合併後十年間で約百九十億円の経費削減効果と西東京市は試算しております。また、北陸、富山の方に行きますと、合併後十年間で約百七十五億円の人件費削減というのを見込んでおります。

 私ども総務省としては、今言われましたように、全国でどれくらいかということにつきましては、市町村合併した結果、まだそういう指数を出していないところもございますので、私どもとしては、この財政的な効果につきましては、まだ正確な全体数はつかめておりませんので、全部がわかりました段階で御報告申し上げたいと存じます。

谷委員 議員なり三役に絞って見れば千二百億ということですが、これから全体像がわかれば、ぜひそれらについて検証していただいて、公表していただきたいというふうに思います。

 次に、行革に絡んで、実はことしの二月九日、私は、衆議院の予算委員会の一般質問で、麻生大臣の方に大阪市の職員厚遇問題について質問をさせていただいたわけであります。残念ながら、何の理由でしたか、民主党の議員の方が欠席されていたかと思うんですけれども、要は、こういう余りにもひどいことが今までなされてきた、それは当局の責任でもあり、議会の責任でもあり、あるいは組合についても大変問題があるという立場から、こういうことをやっていては地方分権というのは進まない、かえってブレーキをかけるという立場から質問をさせていただいたわけであります。

 それでは、その後、総務省の指導により全国的にどういうような是正がなされて、どういう効果があったのか、それを総務省の方にお尋ねしたいと思います。

麻生国務大臣 二月九日の衆議院の、大阪市職員の厚遇問題という御質問がありましたが、これは、昨年の初めから、全国三千あります市町村に特殊勤務手当等々の問題についての全質問を総務省としていたしております。集計が終わりましたのが四月、分析が終わりましたのが七月ぐらいだったと記憶していますが、それをどう扱うかということをいろいろ考えて、最終的に十二月に公表という形をとっております。

 その結果、大阪市は、いわゆる住民自治だという表現がいいんだと思いますが、民主主義が成熟しているというべきか、大阪市では大問題になりまして、この種の話が一斉に外に出ることになりました。

 内容は、団体によります不適正な給与、特殊勤務手当、歩いて帰ってきたら徒歩手当とか、全国的に有名になった手当が、これは大阪市に限らず愛知県にもありましたし、いろいろなところにもあったところなんですが、そういった制度の運用や、職員に対する過剰な福利厚生というので、スーツの支給とかいろいろ例が出たところでもありますので、そういった意味では、住民の信頼が損なわれたというところが最大の問題だった、私どもはそう思っております。

 こういった状況を踏まえまして、総務省としては、今年の三月に地方公共団体に対して新しい地方行革指針を示しておりまして、特殊勤務手当、そういったものを含めて、福利厚生事業の点検、見直し、その実施状況の公表を要請したところであります。

 総務省としては、これは今後フォローアップしてまいりますが、本年度中に、すべての手当の状況やら団体間の比較、同じ規模の市とこちらの市を比較する等々の給与情報等を公表できる、そういったシステムを整備してまいりたいと思っております。これをやりますと、自分の市はどの程度かというのは、一般の、職員以外の方々がアクセスできることになろうと思いますので、そのように考えております。

 なお、大阪市に関して御質問がありましたが、平成十七年度の予算におきましては、いわゆる企業職員に対する業務手当の特殊勤務手当を廃止することによりまして約四十九億円が削減されておりますし、退職者に対する給付金事業の廃止などの福利事業の見直しによって約百十七億円というものが是正されておりまして、いろいろな意味で大きな効果があったと思っております。

 また、大阪市では、四月には市政改革本部を置いて、給与を含めまして市政運営のあり方全般を大胆に見直すとしておられまして、私どもとしては、その実効ある取り組みというものに期待をしているところでありますし、必要に応じて助言等々は行ってまいりたいと考えております。

谷委員 大阪市で、今の大臣の答弁によりますと、十七年度で、いわゆる手当あるいは福利厚生制度で百六十六億円ですか、四十九億と百十七億ですから百六十六億円もの見直しというか削減をしたということは、それだけ何をしていたのかと思わざるを得ないというふうに思うんです。引き続いて、きちんとした指導なり目配りというのをお願いしたいというふうに思います。

 さて一方、そういうふうに考えていくと、私は、大阪市の問題について、いろいろ自民党内で議論をしたり、あるいはそういうプロジェクトチームという中でいろいろな実態、職員の給与の実態などを見て、改めてびっくりしたことがあるんですけれども、大阪市のバスの運転手の年収、最高年収が一千三百万円だと。一千三百万円で、うち時間外と特殊勤務手当で約四百二十万円。ということは、毎月三十五万円ほど、時間外と特殊勤務手当だけでも毎月三十五万円になっていたということであります。

 そういう数字を見ると、郵政公社も民営化されることがほぼ決まるという今の時代に、地方公営企業という自治体が経営するような企業は今のままで果たしていいのかどうか。以前はともかく、今日、成長というよりも成熟の時代に、上下水道であるとか工業用水道であるとか交通事業、これは地下鉄とかバスですけれども、電気、ガス、病院事業、これは地方自治体が経営しなければならないのか、官でなければならない仕事なのか。あるいは、先ほどの桝屋先生の言葉ではないんですけれども、あるいは小泉総理の言葉でも言われていましたが、公務員でなければできない仕事なのかという、基本に立ち返らざるを得ないというふうに思うんです。地方公営企業法という法律がたしか昭和二十七年にできましたが、そもそもそういう法律が今の時代に必要なのかどうかという問題意識であります。

 これは、先ほど大臣の答弁にありましたように、事務方というよりも政治家としての麻生大臣に、こういうことについて、地方公営企業の今後のあり方というか、そういう仕組みが今の時代に本当に必要なのかどうかということも含めて、お考えをお伺いしたいと思います。

麻生国務大臣 一九〇一年、官営八幡製鉄所を福岡県に時の明治政府がつくっておりますが、それ以後、いろいろな官営企業は、鉄はもちろんのこと、その他いろいろなものを逐次民営化していったのが、ずっと歴史だと存じます。

 そういった中にあって、今もう一回、これだけ生活水準が上がり、地域間格差がかつてに比べれば減って、電話でもテレビでもほぼ皆直通で、そのままボタンを押せば見られるという、地域間格差がなくなり、いろいろな意味で交通網も発達しという状況になってまいりますと、昔とは違ったものに意識も変わってくるし、むしろ田舎に行きたいという方の需要もかつてでは考えられず、みやびたところとひなびたところ、圧倒的にみやびたところが強いというのが日本だったとは存じますけれども、傍らそういったところを選ぶ方の心理もふえてきておりますので、そういった状況で、物すごく、まず生活水準の向上、経済力の向上に伴って、国民の意識も随分変わったというのが非常に大きいと思っております。

 今言われましたように、ガス、電気等々、いずれもこれは、かつて国営が次第に民営化されていき、電気も民営化されたものが、逆にこれは、旧電力法で、昭和二十七年、電力法で合併することになるんですが、その他いろいろ事業によって紆余曲折がこれまでの中にあったと思いますが、今これだけ出てくると、事業というものは、民間でやった方がより効果のいいものは民間に、民間でできるかといえばできないことはないんですが、どちらの方が、受ける側の住民としてのサービスはこちらの方がより安く、よりよくなるから民営化なのであって、より悪くなったのでは民営化しない方がいいですから。

 そういった意味では、より安くなるためには、これは競争があるからだと思うんです。競争があるがゆえに、結果としてサービスが向上していくという結果なのであって、電信電話も、かつて東京―大阪、一通話約三百八十円だったかな。今、IP電話を使ったら東京―大阪八円ぐらいでいくと思いますけれども、これはいずれも、いろいろな規制を緩和し、電信電話公社がNTTに変わっていった歴史だと思います。やはり競争がそういうことをさせていき、技術の進歩がそういうことをさせていったんだと思います。

 今やはり、先生のところで、兵庫県の中でも、このところガス事業を民間に委託しておられるところは、先生の選挙区にも二つ三つたしかあったと思いますが、そういったようなところを含めまして、皆見直すというような方向になってきて、受ける側の市民の方も、民間の方が市よりより安くより効率がいいとなれば、確実に民の方も、そちらの方がよしということになるんだと思いますので、民の方もそれを受ける以上は経営責任を伴うという意識がきちんとしておりさえすれば、私どもとしては、そういった形で官の負担を削減する、結果としては税金が安い方向に行けるという方向の方が正しい、私自身は基本的にそう思っております。

谷委員 確かに、大臣言われましたように、ガス事業を委託ではなくて民間に売却したんです。売却して、もう既に官でなくなっている。そういう流れから見るならば、これからの時代、やはり行政は質のいいサービスをよりスピーディーにより安く、それができなければとにかく民間に頼む、そういう時代ではないかというふうに思います。またこの点については引き続き、我々も、私も、自民党も勉強して、また新たな政策を必要があれば提言するようにさせていただきたいというふうに思います。

 次に、今後の財政見通しであります。瀧野財政局長にお尋ねいたします。

 ことしの骨太二〇〇五で、地財計画の計画と決算の乖離の是正を図るため、次のように記述されていました。「おおむね今後一年以内を目途に、経済財政諮問会議において解消に向けての選択肢、方法等について、議論し、整理する。」議論し、整理する、こういうことでございますが、現在の進捗状況と今後の見通しについてお尋ねしたいと思います。

瀧野政府参考人 地方財政計画におきます決算との乖離の問題でございますけれども、最近のこの乖離の状況を見てみますと、投資単独事業の決算額が計画額を一般財源ベースで約二兆六千億程度下回っております一方、経常的経費の決算額が逆に計画額を一般財源ベースで約二兆九千億程度上回っている、こういう乖離が生じているわけでございます。

 これにつきましては、投資的経費の計上だけを是正すべきだという議論もございますけれども、こういった乖離の原因が、地方公共団体におきますハードからソフトへという政策の転換、こういうことの結果であるというふうに考えておりまして、我々といたしましては、この計画と決算の、投資と経常について、一体的に是正すべきだという考え方を持っておるわけでございます。

 こういった考え方で、十七年度の地財計画策定の段階におきまして、投資的経費を減額する一方、経常的経費につきまして増額するということで、一般財源ベースで三千五百億円の一体的な是正に着手したところでございます。

 こういったことを受けまして、ただいま先生から御指摘ありましたように、今後の道行きを議論するんだ、こういうことになっておるわけでございますが、ちょうど去る四日に、経済財政諮問会議におきまして三位一体改革の議論がスタートをしまして、ことしの年末までにはきちんとした方向性を出す、こういうことでございますので、我々といたしましても、そういった中で、総務省としての先ほど申し上げました一体的な是正という方針のもとで対応してまいりたいというふうに考えております。

谷委員 もう少し具体的な答弁を実はいただきたかったわけでございますけれども、そうしたら、そういう乖離、地方財政計画の計画と決算の乖離の解消に向けていろいろ議論し、整理するということでございますけれども、そのことと、前々から懸案となっております、地方財政の予見可能性を向上させ、地方自治体が経営努力を発揮できるようにする中期財政ビジョン、これとの関連というのか、では中期財政ビジョンはいつぐらいに作成しようというふうに考えておられるのか、お尋ねしたいと思います。

瀧野政府参考人 お尋ねの中期地方財政ビジョンでございますけれども、地方公共団体が財政運営をしていく場合の予見可能性を高めるという意味で、これに取り組んでいこうというものでございます。

 その際に、決算と計画との乖離の関係で申しますと、やはりきちんとした地方財政計画を前提とした上で地方財政ビジョンをつくっていきたいというふうに考えておりますので、こういった決算と計画との乖離につきましてきちんとした解消のめどを立てた上で、中期財政ビジョンをつくっていきたいというふうに考えております。

 一方、中期財政ビジョンをつくります場合には、国のいろいろな施策と関連いたします。公共事業の方法でありますとか、あるいは社会保障についての方向性、こういったものと密接に関連してまいりますので、そういったことについても十分方向性を見きわめる必要がある。

 それから、現在、先ほども地方団体の行革についての議論がございましたけれども、地方団体におきまして、現在、新行革指針に基づきまして、集中改革プランというのを今年度中につくるということで取り組んでいただいております。

 そういった地方団体の全体としての行革の方向性というようなものも取り込んだような形にしてもいきたいというふうに考えておりまして、幾つか中期地方財政ビジョンをつくる上での前提条件があるわけでございますので、そういったことを十分踏まえた上で、地方団体が財政運営をしていく上で指針となりますように、適切な時期にこれをつくってまいりたいというふうに考えております。

谷委員 地方自治体の市長なり町長さんは来年度はそれほど心配していないかもわからないです、十八年度は交付税の総額を一般財源ベースで確保するということを国、政府として決めていますから。ただ、その後どうなるんだろう。そして、そもそも、毎年度七兆円を超えるような通常収支不足の状況がこのままでいいはずはないという問題意識も持っていますし、そういう意味で、国と連動していることはわかりますけれども、できる限り早く、通常収支の不足がいつの時点に解消するかというめど、それから、そういう目標のもとに数年間の中期のビジョンというのを示していただくよう要望したいと思います。

 最後の三番目の質問でございます。減災のための災害弱者対策についてです。

 昨年は、台風がたくさん、十個も上陸し、新潟県中越地震もありました。ことしに入って、先日も台風十四号により九州を中心に大きな被害を受けたところでございます。

 ところで、最近、高齢者とか障害者などの地域における、どういう人がどこに何人ほどいるか、そういう把握が、防災部局あるいは町内会、自主防災組織の方がきちんと知ろうにも、個人情報の壁ということがあり、なかなか進んでいないということが新聞においても出ておりました。

 国の内閣府は、この三月に、集中豪雨時などにおける情報伝達それから高齢者などの避難支援についての指針をまとめて、消防庁との連名で全国自治体に通知しているところでございますが、こういう個人情報の壁に阻まれてなかなか把握が進んでいないという現状をどうとらえて、どういう方策で関係者が把握できるような仕組みをつくり上げようとされているのか、榊政策統括官にお尋ねします。

榊政府参考人 先生御指摘のように、昨年来、一連の風水害になる前にも地震というのが起きまして、その対応を私どもとして反省いたしますと、その避難支援対策につきましては、要援護者に関する情報の収集、共有というのが余り進んでいない、具体の避難支援計画の体制というのが足が地についていないというところがございまして、これが一つの大きな課題だろうということで、実は昨年から、勉強しようということで、消防庁も入っていただき関係の方も入っていただきまして、その原因を見てみますと、やはり防災関係部局と福祉関係部局の連携が不十分だということと、個人情報に対する意識の高まりというのがありまして、なかなかそういう情報がきちっと把握できていない、こういうことがございました。したがいまして、有識者から成る検討会を立ち上げまして、これに対する取り組み指針ということで、ガイドラインを本年の三月、まとめたわけでございます。

 その中では、災害時の要援護者の情報の共有に関する課題ということでございますので、この要援護者情報をどうやってくみ上げるかということでございますが、同意方式とか手挙げ方式とか共有情報方式、こういった三つの方式を組み合わせながら、平時から市町村、救援機関、避難支援者という間でそういったような要援護者情報を共有していくことが必要であるということとしまして、具体の市町村の取り組み事例も紹介いたしまして、そして、その内容につきまして、消防庁と一緒にガイドラインを市町村に対して通知いたしたところでございます。本検討会の検討成果もこのたび防災基本計画に盛り込みまして、市町村を中心にした取り組みの促進に努めているところでございます。

 さらに、要援護者の情報がうまくとれたということにつきまして、次は、その収集、共有に関して具体にどう活用していけるかということが重要であるということでございますので、九月から、有識者から成ります災害時要援護者の避難対策に関する検討会というのを別途立ち上げまして、関係機関の連携方策についても検討を進めているところでございます。

 これら取り組みを進めながら、市町村を中心とした要援護者の把握、そして避難支援対策の促進を図ってまいりたいというふうに考えているところでございます。

谷委員 今答弁があったわけですけれども、実際、現場というか市町村で大変これが難しい。私の選挙区の豊岡でも、昨年、台風二十三号で大変な被害を受けて、小泉総理にも来ていただいたほどでございますけれども、隣の京都の舞鶴でもそういう現状を把握していなかったという状況がございます。

 最後に、直接防災を担当している消防庁長官の、今質問をさせていただいたことへの取り組みと、あわせて、そういう災害弱者への情報伝達手段の今後の指導についてお尋ねしたいと思います。

板倉政府参考人 災害時の要援護者の避難を支援する方策についてのお尋ねでございます。

 今、政府といたしましては、先ほど御答弁があったとおりいろいろとやっておりまして、市町村に対しまして避難支援プランを早急に整備するように要請をしておりますけれども、ただ要請するだけではということもございまして、まず、本年度は、全国十団体のモデル地域を指定させていただいて、実際に整備していただいた取り組みの状況ですとか成果を検証しながら、実践的、効果的な支援プラン作成の情報を全国に提供していきたいというふうに考えております。

 御指摘の要援護者情報の共有の問題につきましては、おっしゃいますように、個人情報保護の問題ですとか援護者や支援者の理解の促進など大変難しい問題があることも事実でございますけれども、福祉関係者と消防関係者が連携をいたしまして要援護者の理解を得ながら取り組んでいる団体や、市の個人情報保護条例との整合性を図りながら福祉部門の情報を消防防災部局と共有している団体、こういうのも現実にございますので、そういう先進的な取り組みもよく地方団体の方に周知いたしながら、今後一層取り組んでまいりたいと考えております。

谷委員 以上で終わります。ありがとうございました。

実川委員長 次に、渡辺周君。

渡辺(周)委員 民主党の渡辺周でございます。

 皆さんまだお席に着いていないようですので、冒頭、ちょっと自分の考えをお伝えしたいと思います。

 私も、国会へ出てくる前は、県議会、地方議会に五年半ほど籍を置きました。その間、地方議員として、中央とのかかわり、国の各省庁とのいろいろなかかわりを見てまいりました。そんな中で、これからこの総務委員会というところに籍を置きまして、まさに地方にできることは地方にとおっしゃられたような立場で、地方議会に身を置いた者として、これから地方分権の推進等、きょうはその点については触れませんけれども、議論を深めてまいりたいと思うんです。

 といいますのは、地方からどれだけの議員や関係団体の長らが国の各省庁に陳情に来たのか。それが地元の熱意であるということで、私も、さかのぼりますと、いろいろな省庁のウナギの寝床のこんな細い通路をバス二台ぐらいで陳情団が来まして、百人ぐらいの人が役所の先頭で行く、ずるずると陳情する。我々が住んでいる地域の、それはたしか海岸に面した堤防の修復の話でございました。

 そのときに、前の方の方が、役所の方ですけれども、たくさん資料を持って、いっぱい撮った写真を持って、積んでいくんです。とにかくきょうはこれだけの人が来ましたと言いまして、一列に並んで全員ぞろぞろ行って、最後の方なんか前でだれと話しているか何もわからないですね。とにかくぐるぐると回って、そのたびに地元の特産のお茶やらうなぎパイやらを置いて、陳情とはこういうものかと思ったりもしたんです。

 言っちゃ悪いですけれども、担当の方が、一体この人たちはどこの人だろうかと。まず、私たちが来たのは静岡県の沼津市でございますと言って、沼津市の場所から始めるんですね。きょうの陳情は、ここにございますといっぱい撮ってきた写真とこんな膨大な資料を出して、とにかくよろしくお願いしますと要望書を出して、ここまでやらなかったら予算というのはつかないものなのかということを本当に思ったんです。

 それは堤防の緊急の改修事業だったと思いますけれども、目の前にあることに対してお願いをするのに、わざわざ何で五十人もの人間が、あるいは百人もの人間が新幹線とバスに乗り分けて、東京駅からバスに乗せられて役所に来なきゃいかぬのか、目の前にあることを我々がなぜできないのか、まさにそんな思いを何度かしてきたわけでございます。

 ぜひこれからこうしたことにつきましても議論を進めてまいりたいと思いますが、きょうは、総務委員会の民主党としての冒頭での質問ということで、かなり幅広になるかと思いますけれども、私どもの考え方を含めながら質問させていただきたいと思います。

 三番目になりますと、幾つかもう同じような質問が与党の側から出ております。そこで、まず最初にお尋ねを申し上げますけれども、先ほど総務大臣が最初に発言されました中で、改革なくして成長なし、民間にできることは民間に、地方にできることは地方にという方針を初めに申されました。私どもは、もう一つは、行革なくして増税なし、このことについてやはり強い姿勢をこれから政治家は持っていかなければいけない。これは、同じ大きな政治テーマになります、この日本の歳出削減、歳出構造をどう変えていくのかということについて、まずはお尋ねをしたいわけであります。

 これまでのこういうところのいわゆる質疑でありますと、あるいは政治家の発言というのは、何をします、何々をつくります、何々をやりますだった。ところが今は、何をやめるか。先ほど与党の質問にもありましたけれども、何を減らしていくかということに非常に変わってきたなということが、やはり今、日本を取り巻いているさまざまな財政状況の中で考えたときに、もう政治家がそうしたリップサービスをできなくなってきた。であるからして、まず、みずからのことも含めて、いかにメスを入れていくかということにこれからの議論は終始していくんだろうと思います。

 さて、そこで、先ほど行政改革の推進の中で定員合理化計画のお話がありました。私どもは、連日のように報道されます公務員の削減、先ほども与党の方からお話がありましたけれども、いわゆる合理化計画の中で、二〇〇九年度までに、三十三万二千人の行政機関の職員を本年度を含めて三万三千二百三十人削減する、そうしたことが連日報道される。そうすると、五年間で三万三千人の削減と、でかい見出しで一面に出ますね。そうすると、えらい大胆ななたを振るうなというふうに思いますけれども、ずっと読んでいくと、しかし結局、増員分を含めれば大体こうなりそうだと。例えば本年度の場合は、結局、本年度の増員分を含めると、結果としての純減は、増員と差し引けば七百二十八人という数字になっている。何だということになるわけであります。

 先ほどから議論がされておりますけれども、私どもは、これは政治主導で、まさにこれからこの国家の公務員のあり方というものを議論していかなければなりません。

 大臣がある報道機関のインタビューの中で答えていらっしゃいますけれども、減らすべきところは減らさなきゃいけない、まず役所がやる仕事の分野を決めなければいけないとおっしゃっています。そこでお尋ねしたいんですけれども、一つは、どの分野なら民間に任せることができるのか、あるいは、では民間でできないこととは何なのか、まず、どういうお考えを持っているかということ。

 そしてもう一つは、この純減ということに関して、先ほどの質問と重複するかもしれませんけれども、やはり目標数値を決めてやっていかなかったら、削減数だけが言われるけれども、実質は総枠の中で変わっていないんじゃないかということになるわけであります。

 その点について、まず冒頭、麻生総務大臣のお考えを聞かせていただきたいと思います。

麻生国務大臣 渡辺先生、やはり警察官、人のうちの中に入ってくる税務署、民間でやられたらやはり信用せぬと思いますけれどもね。だから、やはりそういった、消防職員等々を含めまして、民間よりは公務員でないと、人が入ってくることに関してはなかなか信用されない世界というのがありますので、そういったところは、徴税とかいろいろな安心や安全等々は、かなりな部分公務員というものに負うところが大きいのではないか、私は基本的にはそう思います。

 最終決定をするというところも結構大事なところだと思いますけれども、やはり、その他、行政でやっている事業というのは、水道を含めまして、かなりな部分民間に委託できないことはないのではないかと思います。

 ただ、地方でやります場合に、よく大阪市ばかりが例に出ますが、うまくきっちりやっている、任せても大丈夫な市というのと、あれがやっているんじゃ危ないだろうなというのはあるんですよ。私ども、いっぱいお見えになる方がいらっしゃいますから、ニセコなら大丈夫だけれどもその隣は大丈夫かとか、いろいろありますでしょう。

 だから、そういった意味ではなかなか難しいところではあるんですけれども、私は、基本的には、人は任せない限りは育たぬものだ、私自身はそう思っていますので、やらせてみてだめなら、それはそんなやつを選んだ市民が悪い。悪いけれども、その分は、おたくはその市長を取りかえてくるか何かしない限りは、それはそっちが悪いのであって、こっちの責任じゃありませんよというのでいかないと、いつまでたっても最後は国がというような話ではいかぬのではないか、基本的にはそういうぐあいに思っております。

渡辺(周)委員 国民のさまざまなアンケート、意識調査を見ますと、例えば、今おっしゃった治安だとか安心、安全ということについては年々悪化してきて、非常に不安を覚えている方が多くなってきた。そういう中では、まさに公がやらなければいけないことでは、まさに私どももそうだと思っているんです。

 特に、非常に複雑な犯罪なんかが起きてくると、やはり警察官をもっと増員しろ、あるいは災害対策のときなんかになりますと、レスキューのような、例えば消防庁職員なんかをもっと、新潟県で活躍されたような、東京消防庁のあのレスキュー隊の活躍は非常に記憶に新しいんですけれども、例えばああいう人たちをもっとふやして、もっと給料を出したらいいじゃないか、自分の命にかえてやっているような人たちにはもっと待遇をよくして、もっとたくさんふやしてもいいじゃないか、こういう意見もあります。まさにそういうことは、我々は、やはり最低限の安全、安心、治安という面についてはやらなければいけないと思います。

 ただ、一般の行政の仕事の中に、もう民間からも既に提示されていますけれども、例えば統計をとる分野だとか、あるいは何か調査をする分野なんというところは、もうこれは民間に本当に任せていいんじゃないだろうか、どうして公務員が税金をもらってやらなければいけないんだろうかという分野はたくさんあるわけであります。これは中央もそうですし、地方もそうなんです。ですから、そこのところは、これは我々、もう与党、野党関係なく、やはり何が民間にできるのかということをこれから考えていかなきゃならないんだろうなと思っています。それについては後で後藤議員さんが触れられるようですので、私はこの辺にさせていただきます。

 今度は、定員の大胆な再配置という言葉が行政改革の推進のところに出てきました。そうした中で、そして一層の純減の確保に取り組みますというふうにあるんですが、ぜひ、先ほどちょっとお答えいただけなかったので重ねてお尋ねしますが、定員の大胆な再配置とはいかなる意味で、そして今後、純減を確保するために、関係省庁の抵抗は大変強いと思うんです。

 先ほど申し上げましたけれども、この分野を減らしてこの分野を減らす、ではその退職した部分を補充するかといったら、いや、そこはこれぐらいは絶対必要だ、そうしないととても組織として成り立たないというところもある。あるいは別のところでは、例えば警察であるとか刑務官であるとか、例えば刑務所の職員なんかですと、もうとてもじゃないけれども大変だからふやしてくれと。そこのところのめり張りをどうつけるかということで、各省庁の言っていることは、まさに先ほど大臣おっしゃったように、すべて正論、正当性があると思うんです。そこをどうやって政治がさばくのかというところについては、この純減の確保という点についてはどうお考えか。先ほどちょっとお答えいただけなかったので、定員の大胆な再配置とあわせて、もう一度御答弁いただきたいと思います。

麻生国務大臣 定員の大胆な再配置というのを一言で言えば、減らすべきところは減らす、ふやすべきところはふやす、簡単に言えば、めり張りをつけるということなんだと思いますが、なかなか難しい理由は、米の検査官が食糧庁の関係から大量に出たからといって、それをいきなり税務署員に回せるかと言われると、なかなかさようなわけにはいかないんだと思うんです。そういった意味ではなかなか簡単にはいかないんだと思いますが、私どもとしては、基本的に、そこの部分については退職者の定員補充はやらない、まずそういったところはきちんと、常識的なところはきちんとやっていかないかぬところだと思います。

 傍ら、ふやさないかぬというところで、今警察官と言われましたけれども、これは渡辺先生、結構効果が上がっておりまして、この四年間で一万三千五百人制服の警官がふえているんですが、結果として、新宿歌舞伎町に行かれる年じゃないかな、行かれるとわかると思いますが、もうこの三年間でさま変わりしていますでしょう、新宿歌舞伎町。渋谷も同じく変わっていますよ。やはり警察官が制服を着て歩いているだけで、予防効果というのはがたんと上がって犯罪率が下がるということになりますので、そういった意味では、そこそこの効果は上がってきていると思っております。

 私どもとしては、今よく言われますように、安心、安全とか徴税とか治安とか、いろいろな部分に関しましては今後ともふやしていかないかぬのですが、だれが決めるかといったら、それは役人には無理です。これは最終的には政治という部分でのリーダーシップでやっていく以外に手がないと思っておりますので、そこのところは、何々委員会なり会議なり、いろいろなやり方はあるんだとは思いますけれども、最終的に決めたところは実行する、それ以外に手がありませんので、これまでも社会保険庁に手がついてみたり、食糧庁に手がついてみたり、いろいろな形でこれまでもやってきておりますので、かなりな抵抗があったことは確かですけれども、やはり世論というものもそれを押していることは確かですから、そういったものを含めて、最終的には政治決断が要るものだと思っております。

渡辺(周)委員 私ども民主党も、今般の衆議院選挙で、国家公務員の定員を減らすこと、それから人件費を減らすこと、それによって三年間で二割人件費を削減するということをマニフェストにうたいました。このことを受けて、我々もいろいろと、ではどこを削れるだろうか、後ほど質問を人事院にもしたいと思っておりますけれども、では給与というものをどうするかということも含めて、我々もまさに政府のスピードを超えるぐらいの速さでぜひ提案をしていきたいなというふうに思っております。

 そこで、重ねてちょっと御質問ですけれども、私どもの党にも後藤さんを初め大変優秀な官僚御出身の方がいます。そういう方々がこれまでの座をなげうって政治の世界でやる。また、そういう方々が内部にいらっしゃったから、官庁の世界、官僚の世界をよく知っている方もいらっしゃいます。

 こんな御指摘もあります。インナーソーシングという制度、つまり、機動性や戦略性の必要な分野への人材投入のために、他省庁から大挙してあるところへ、ほかの省庁に移行したらどうだというふうにすることができる、こういうことをもっと考えていくべきじゃないか。かつて、橋本龍太郎行政改革担当大臣がこのことについてどこかの記者クラブか何かで講演されて、検討を始めたいと言いましたけれども、その後一体どうなったのかな。

 これは、やはり我が党の官庁出身の人間に聞きますと、例えば、予算編成期は物すごい忙しいんだけれども、予算が終わると急に仕事が若干なくなる人がいる。あるときは物すごい忙しいんだけれども、そうでないときはそうでない。しかし、よそへ行くと、えらい忙しくて大変だという人もいるから、手伝いに行ってやりたいということも実はあるというんですね。そういうことについて今検討されているかどうか、例えばそれは今いかがになっているのか、あるいは大臣はどうお考えなのか。

 その点について、この行革についてあわせて伺いますけれども、こうした、定員を減らす、あるいはこれから給料を減らしていく、人件費を減らしていく中で、その人材をいかに効率的に活用していくか。それによって新たな人材の補充というものを合理化できるのではないかというふうに考えますが、その点についてはどうお考えか。

麻生国務大臣 確かに主計局というところは、言われましたように、十二月末にかけて間違いなく超多忙をきわめるところだと思いますけれども、概算要求の時期とか、時期によって季節労務者みたいなところがあることは確かです。私もそれはそう思いますけれども。そうしたら、ほかの時期はそう暇かねというと、これまた結構いろいろなことがありますので、そこのところは、いろいろな意味で、人材を活用するというのは省内でそれなりに結構機動的にやっていかれるべきものだと思っております。

 いずれにしても、今言われたような課題に対応するために、先ほど言われました、橋本内閣のときに内閣官房と内閣府というものをつくって、その中にかなり、必要なところを各府省庁から人を集めて今やっておりますことは確かでして、郵政に限らず、私どもの総務省だけでも、情報セキュリティー関係のあれが、とにかくハッカーやら何やらに対応するためには断固つくらないかぬということで、そういった役人を持っておりますのはいわゆる旧郵政省ということで人は出しますし、また情報通信技術担当ということでこれまた内閣官房に室がありますので、そこにもIT担当の技術屋を出したり、そういったところをしておりますので、結構いろいろやっている、人を出しておるということだと思ってもおります。

 また、いわゆる幼稚園と保育園なんというのは、これは不毛の争いをかれこれ何十年とやっておりますので、このところに関しましても、厚労省の保育課長と文科省の幼児教育課長の交換というのをやりましたし、私どもも、経産省の商務情報政策局と私どもの間とは審議官を交換して、両方ともかなりなカルチャーショックを受けて帰ってきましたけれども、いいことだ、私自身はそう思っております。

 そういった意味で、こういった人材配置をいろいろやってきていると思っておりますけれども、引き続きこういったようなことは積極的にやった方がいい、私自身はそう思っております。

 いろいろな意味で、その役所にいると、やはりその役所の色が、私も総務省なんというとおよそ縁のない役所だったんですが、ここに来て二年したら、この人は総務庁上がり、これは郵政省上がりと大体顔を見たらわかるようになりましたから。やはり顔が、本人は意識していなくても、二十年も三十年もその役所にいて、ずっとそこにいれば、その顔の色、態度、雰囲気というのは出てくるんだと思っております。

 そういった意味で、いろいろな意味で、他省庁に出向するというのは私はいいことだと思って、全体的に国家観も出てくる、見やすくなってくるんじゃないか、私自身はそう思っております。

渡辺(周)委員 ぜひそれを総務大臣のリーダーシップで、本当にいろいろこれから人材の効率的な活用、そしてまた、できるだけ新たな補充をしなくて済むような、ぜひ合理化も含めてお考えいただきたいし、またそれについては我々も御提言を申し上げたいというふうに思っております。

 さて、ちょっと時間も半分ほど過ぎましたので急いでいきますが、今、人件費のことに私どもも触れました。今、総人件費の削減という中で、いわゆる定員法の枠外のところに対しても人件費を見直していかなければならない。

 例えば、独立行政法人なんですけれども、御存じのとおりに、独立行政法人は自立的な業務運営を行うことを基本とする制度である、このようにうたわれておりまして、各法人がそれぞれ国家公務員や民間企業の給与、法人の業績等を考慮しつつ支給基準を決めるということで、御存じのとおりに運営の自主性というものがうたわれているわけですけれども、実はこの運営の自主性がじゃまして、はっきり言いますけれども、非常に独立行政法人の人件費というのは高いんですね。

 これは平成十六年度ですけれども、ラスパイレス指数で見ますと、対国家公務員ラスパイレス指数で、事務・技術職員が一〇七・一、研究職員が一〇三・二、医師が一一三・二、看護師だけが九八・五、高等専門学校の教員が一〇二・一。そして、常勤役員の年間報酬というのが、法人の長で平均千八百三十九万六千円、理事一人当たり千五百九十六万三千円、監事一人当たり千四百六万四千円。こういう、国家公務員に比べても、実は特に給与で非常に高い給与水準である。それで、退職金もちょっと披瀝しますと、退職手当が、消防研究所理事長が三年在籍で千二百十四万一千円、教員研修センター理事長が三年三カ月在籍で一千二十三万三千円というふうになっております。

 これは、総務省の政策評価・独立行政法人評価委員会あるいは各府省の評価委員会が今後評価を行って、ここでも、大臣先ほど述べられたように、組織形態の見直しや事務事業の整理縮小を進めますというふうにおっしゃっているわけですけれども、この実態、給与が高い、人件費が高い。国家公務員の定数には入っていないけれども、実は、御存じのとおり、一般会計と特別会計から一兆七千億円の運営交付金というのがここに当然使われている。総額で、おおよそですけれども、トータルで一兆二千億円、実はこの独立行政法人の人件費がかかっているわけです。ここをどうするか。これを見直さなかったら、これは、国家全体の歳出として、広義の意味での国家のいわゆる歳出削減に向けてできないだろう。

 そこのところを我々はこれからも問題視していきますけれども、先ほどお話がありました組織形態の見直しや事務事業の整理縮小という中で、この人件費の抑制をどう考えるか。それからまた、天下り比率が高いから結果的にこういう高いものになるという事実をどう是正するか。そして、ここにあります見直しあるいは整理縮小というところが、統合だとか吸収ではなくて、完全廃止や民営化ということも含んでお考えになって今進んでいるのかどうか。その点についてお尋ねをしたいと思います。

麻生国務大臣 今御指摘のありました点の中で、独立行政法人の話が基本なんですが、昨年だけ見ますと、三十二独立行政法人を二十二法人に編成という形で縮小、それから二十五法人のうち約八千三百人の役職員は非公務員化等々のものは間違いなく進んでいるんだと思いますし、また、骨太の二〇〇五の中において、独立法人についても公的部門全体の人件費抑制の対象として、公的部門の総人件費抑制については、今後、経済財政諮問会議で検討されるということにされております。

 そういった形で、この問題はいろいろな意味で話題になっていくところだと思っておりますので、今御指摘がありましたように、いろいろな意味で、この点につきましては、経済財政諮問会議はもちろんのこと、その他、私どもの部門においても検討させていただかねばならぬところだと思っております。

渡辺(周)委員 非公務員化の話、あるいは、縮小したと言いますけれども、結果的に統合したんですね。統合したことによって正直生き延びている。あるいは、結局は、公務員という身分ではないけれども、私が申し上げたように、運営交付金という形で結果的には公金、税金が入って、そこで、自主的な運営の中で、非常にわかりにくい中で人件費が使われている。

 ここのところの、だから高過ぎる給与が出てきて、実は、独立性を言いながら、自主性を言いながら、ここもやはり当然のことながら壁があって、ここの人件費もメスを入れなかったら、これは公務員の人件費削減のことだけクローズアップされていますけれども、ここの点についても、これはやはり一兆二千億円の人件費が使われている、ここをどうするか。実際、これが本当に時代に合ったものなのかどうなのかということも含めて、これをやっていかなきゃいけない。これは、我々ももちろんこれからかかわってやっていくわけですけれども、ぜひその点についても、これから将来の議論を深めたいと思います。

 ちょっと予定した質問が多過ぎて時間がなくなってまいりましたので、独立行政法人の中身についてはまた改めての機会にやりたいと思います。

 さて、先ほど特殊勤務手当の話がございました。総務省の方では地方の実態を調査されて公表されました。それはまさしくそのとおりであります。

 私も、百八十億もの金が、大阪市役所の職員、市営地下鉄の運転手さんがプラットホームに地下鉄をとめると特殊勤務だといって手当が出ていた、こんなばかな話があるのか。民間だったらとても信じられない。民間のバス会社の運転手さんに聞いたところ、あなた方はバス停にバスをとめたら手当が出ますかと言ったら、そんなもの出るわけない、それが仕事だと。当たり前なんです。こういうまさにお手盛りみたいなことがあっちこっちであって、昔は公費天国だとか役人天国なんという言葉があった。もうそろそろ死語だろうと思ったら、冗談じゃない、あっちこっちに出るわ出るわ、こんなのがいっぱいあるわけであります。

 だから、総務省が特殊勤務手当の実態調査をやったというのは大変いいことだ。それによって、わからないやみの実態が浮き彫りになってきた。納税者が、身近なところで何だ、うちの市役所の連中はこんないい思いをしていたのかということがわかったわけですね。

 国家公務員というのは目が届かない。地方公務員というのは、大体近所にだれか住んでいたり、しょっちゅう何か手続に行ったりして、前を通ったり行ったりするからよくわかる。そうすると、納税者の意識が変われば、そういうことを議員さんやら行政の担当者なりに当然言うようになります。それによってかなり是正されてくるんだろう。ある意味では納税者全員がオンブズマンみたいになってくるわけでありますから、私は非常にいい傾向だというふうに思っています。その点につきましては、先ほど谷さんがおっしゃったことと全く同感でございます。もっと見直すべきだというのが私の考えであります。

 そこで、では、国の方の特殊勤務手当というのはどうなっているんだろうかということで、私もちょっと調べました。大変たくさん特殊勤務手当があって、国会図書館に行って調べてくれと言ったら、いっぱい出してくれました。これだけ実は特殊勤務手当というのがあって、これは細かい字ですから非常に読みづらいんですけれども、どこにどれだけの特殊勤務手当というのが使われているかということをちょっと一覧表につくっていただいたんです。

 その中で、きょうは一つだけ、会計検査院に来ていただいていますけれども、会計検査院に、実はこういう手当が、昭和四十九年から設けられた制度のようですけれども、特殊勤務手当の中に会計実地検査手当というのがあるそうです。今年度は予算ベースでおよそ五千六百十五万円、平成十六年度の決算ベースで五千百四十二万、十五年度は約五千四十三万。今、日本全体の人件費を含めた削減をする中で、額としては、大きいか少ないかといえば、もちろん大きくない数字になりますけれども、ただしかし、五千万という金額がこの会計実地検査手当に使われている。

 これは一体どういうことなのかと会計検査院に聞きました。そうしたら、会計検査院法に基づいて他省庁なんかに実地検査に行く、そのときに月々やった仕事によって手当が出るんだと。しかし、それは本来の業務じゃないかと私なんかは思うんです。

 というのは、会計検査院の方が行くというのは、これは憲法にも認められた仕事でもあるんですね、当然国の。そこになぜ手当が本来業務をやって出るんだろうかということで、どうしても納得いかないものですから、きょうは来ていただいたんですけれども、これは一体どのようになっているのか、その点についてお尋ねをさせていただきたいと思います。

石野会計検査院当局者 今お話しの会計実地検査手当でございますけれども、これは特殊勤務手当の一つでございます。特殊勤務手当は、御案内のとおり、著しく特殊な勤務で、給与上特別の考慮が必要と認められるものに支給されるとなっております。この実地検査手当は、今お話しのとおり、実地検査に参りました、その従事日数に応じて支給されるというものでございます。

 その対象となりますこの会計実地検査といいますのは、内閣から独立した財政監督機関としての会計検査院がその職責を果たす上で非常に重要な業務であるというふうに思います。そして、これを実施する調査官等は、極めて高度のモラルを求められるという状況のもとで、常に厳正、公平の立場を堅持しつつ、真実の究明に終始しなければなりません。その遂行には困難性や精神的緊張性を伴うことから、著しく特殊な勤務であるというふうに考えておりまして、こういったことから、給与上特別の考慮を必要とするものとして認めていただいているものと承知しております。

渡辺(周)委員 特殊勤務手当というのは定義がございまして、著しく不快なことであるとか非常に困難を要するようなことだと思うんですけれども、高いモラルが要求されるのは当然、当たり前のことでございまして、だからこそ会計検査院というのは行政から独立した地位にあるわけでございます。なぜそれが特殊勤務手当の対象になっているのか。恐らく、ここにいらっしゃる委員の皆さん方、聞いていて納得した方はだれもいないと思うんですよ。これはこれ以上、きょうはもう来ていただいて、恐らく説明するのも大変に心苦しい思いで実は答弁されたんじゃないかと思うんです。

 ぜひこれは、人事院の総裁、きょう来ていらっしゃいますから伺いたいんですが、例えば、今話にあったような、では、この会計実地検査手当、これは本来の業務ですよねと我々は思わざるを得ないですよ。にもかかわらず手当が出る。五千万という金額は決して小さな数字じゃない。こういうことも含めて、国の方も特殊勤務手当がいっぱいあるんです。

 もう例を挙げるまでもないですけれども、一般公務員のみならず、例えば自衛官の方もいらっしゃいます。これは全部まだ調べたわけじゃありません。例えば夜間の業務手当なんというのもあります。では、夜間に業務をする人と超過勤務をする人と一体どこで線引きするのか、そういうこともありますね。航空手当といって、海上保安庁の方が航空機に乗ると手当が出るとか、あるいは、自衛官の方が、管制業務手当といって、その資格を持っている人が管制業務をやると管制業務手当というのが出るとか、どう考えてもこれは本来の仕事じゃないか。だからこそ、あなた方は俸給表でも違う形で、俸給表が何種類もあって、一般の行政職より高いところで給料をもらっているじゃないかというふうに思うわけです。

 ところが、ここに特殊勤務手当というのがございます。これをやはりかなり見直さなきゃいけないことになるんじゃないかと私は思いますけれども、いかがですか。もちろん見直しを毎年されているのはわかっていますけれども、今の話を聞いて、どうですか。かなり国でも見直すべき部分があると私は思いますけれども。

佐藤政府特別補佐人 特殊勤務手当、疑念を持たれるのもある意味では当然だと思いますけれども、ぜひ御理解いただきたいのは、例えば、会計検査院の職員というのは行政職(一)の俸給表で処遇をしております。行政職(一)の俸給表というのは、主に一般行政職、例えば霞が関で働いている公務員の人たちのための俸給表でございますけれども、そういう中で、会計検査院の職員の方々がやっておられる特に現地での検査の場合、これはやはり、不正を見逃さない、あるいは説明に矛盾があったらとことん追及する、そういういわば検事や警察の尋問に似たような非常に厳しい緊張感の中で仕事をやっていただかなければならない。そういう意味で、一般の行政職とはやはり違う、格段の勉強なり緊張感なり、そういうものが必要ではないかということで、特殊勤務手当を支給しているわけでございます。

 それから、航空管制官でございますけれども、これは専門行政職という俸給表の中で処遇をしております。ほかの専門行政職の俸給表の中で処遇している職種としては、例えば、植物防疫官あるいは家畜防疫官、それから特許庁の特許審査官がございます。やはり航空管制官というのは、一瞬の判断の誤りあるいは油断というものが何百人の人命にかかわるわけでございますので、ほかの職種の方に比べれば格段の緊張感というのが要求されるのではないかと思います。そういう意味で、航空管制官にも航空管制官業務についている場合には特殊勤務手当をお支払いしている、そういう事情でございます。

渡辺(周)委員 聞いていて非常に違和感があるんですね。だからこそ、その仕事を使命感を持ってやっていらっしゃる。その人たちが、本来の業務だ、だれもが社会常識的に考えれば、それがあなた方の仕事なんですよねというところで、特殊勤務手当、特殊にもらうことが、これはどう考えてもわかりにくいんですね。

 この問題、もう時間がありませんから、まだやりたいところですが、また機会を改めていつでもやりますけれども、きょうのこの質疑を聞いていた皆さん方の中には、納得がいかないなという方が多分大勢いらっしゃると思うのです。ですから、この特殊勤務手当というものを、トータルの額では五十八億円ぐらいなんですけれども、ぜひこの問題はみんな考えていかなきゃならないものです、本体の業務と特殊勤務と思われている手当を。ぜひこの点について、我々もこれから精査をしながら一つ一つまた機会を改めて訴えたいと思います。

 さて、もう時間がありませんので、もう一回人事院に伺いたいわけでございますけれども、我々は、官民の給与較差、これは公務員の給与が高い。それは、毎年行っている八千四百ぐらいの百人以上の企業を対象にした調査手法によって、いわゆる大手企業と言われる企業あるいは大手の事業所の平均給与から割り出されている。だとすれば、日本の民間平均給与、これをやはり一つのベースにして比較することもあっていいんじゃないかということを我々今検討して、私どもの代表や幹部も代表質問等で主張しているわけであります。

 そこで、財務省等の要請を受けて、人事院では有識者研究会というのを設置して検討するということでありますけれども、現状どうなっているのか、いつまでに結論を出されるのか、その点についてお答えいただけますか。

佐藤政府特別補佐人 官民比較方法に関する有識者の研究会、この研究会の中では、今人事院では、民間の正規職員を対象にして、公務員と同じような職種の正規従業員について、例えば役職段階あるいは年齢、学歴等の給与決定要素を参考にして比較をしているわけでございます。ただ、御承知のように、今民間企業では、人事管理の方式とか組織とか、非常に急激に変化しております。例えば、部下がほとんどいないスタッフ職がふえているとか、年俸制をとっているとかございますので、今やっているそういう比較の方法が果たして適切であるかどうかということを検討していただきたいと思っております。

 いつ立ち上げるのかということでございますけれども、当初は担当局長の私的な研究会という形で小ぢんまりとやりたいと思っていたんですが、政府から強い要請もございますので、もう少し本格的に基本的な問題から検討していただきたいということで、有識者の方々の人選のやり直しも行っておりますので、やや予定がおくれぎみでございますけれども、十月いっぱいということをめどにして、できるだけ早く立ち上げたいというふうに思っております。(渡辺(周)委員「結論はいつ出すんですか」と呼ぶ)

 結論についても、これは研究会の議論の進み方次第でございまして、結論によっては技術的な検証を行わなければいけないということで、今この場でいつからこれを人事院勧告の中に入れられるかということはちょっとお答えできないんですが、いずれにせよ、できるものから来年の人事院勧告の中に入れて調査を行いたいというふうに思っております。

渡辺(周)委員 ぜひその点については早くに結論を出していただきたいと思うのです。結局、研究会が立ち上がったが、ずっと何年も続くことがないように、何カ月も何年も続くことがないように、ぜひ結論を急いでいただきたいと思います。

 もう時間がありません。終わるところでございますので、最後に総務大臣にお尋ねをします。

 市町村が合併をして、過疎の町が過疎債を受ける、いわゆる今の特例法でいきますと、特例債より多い過疎債を受け取る。例えば釧路市なんかが今度誕生すると、新釧路市では十九万、二十万近い人口がありながら実は過疎債を発行できる、こういう現状がある。これが一部報道され、指摘されました。それが一点。それについて今後どうされるか、お答えを一つ。

 それから、この市町村合併と国勢調査を受けて、これは我々の身分にかかわることでありますけれども、特別の事情に基づいて、選挙区の画定審議会の中にある特別の事情を考えれば、選挙区の見直しというのはこれに当てはまるのかどうか。選挙区の見直しですね。これが当てはまるということが、いわゆる市町村合併そして国勢調査の結果次第ではあるのかどうか、これを最後にお考えを伺いたいと思います。

麻生国務大臣 過疎債の件につきましては、これは、平成十二年の国勢調査の人口がその前の、昭和四十年の国勢調査より減少している等々のところは、一定の要件を満たすという場合には、御存じのように、過疎地域自立促進特別措置法というので、今、通称過疎法というので定めるところによって、過疎地域とみなすことになっておりますのはもう御存じのとおりなので、今回さらにそれが進む可能性、差がつく可能性というのは、おとといでしたか、十月一日でやった、あれからどうなるか、少しまたいろいろ出てくるところだと思います。

 いずれにいたしましても、これは、前回はこういった過疎法を適用するということは国会で全会一致で決まっておりますので、これは議法みたいな形で決まっていますので、議法とはいいませんが、そういった形で決まっていますので、今のまま過疎法の趣旨にのっとって厳格に運用されるものだと思っております。

 もう一つの選挙区の話は、例えば、今ここにいないけれども、寺田さんの右隣に座っている西村智奈美先生のところは、今度、新潟は北陸で最初の政令都市ということに近々なる予定なんですけれども、あそこは選挙区が一つの市で四つか五つぐらいあるでしょう。だから、そういった意味では、ちょっと正直言って、市は五つの選挙管理委員会をやるというのは結構しんどいと思いますね、あそこは。

 そういった具体的な例が今後出てくると思いますので、来年の三月三十一日で最終的に一千八百二十二か二十一になるか、まだ最終的なところじゃありませんけれども、そういったようなところは、一応でき上がったところぐらいで、来年また一千を超えるほどの合併なんというのはそれはありませんから、そういった意味では、そこそこいっております段階で、これは選挙区画定審議会できっちり一回やってもらわないとだめですよという話は、既に選挙区画定審議会の方で勉強してみますというところなんですが、まだ最終的に決まっておりませんので、まだそこまでは至っておりませんが、その話はいたしております。

渡辺(周)委員 終わります。

実川委員長 次に、後藤斎君。

後藤(斎)委員 民主党の後藤斎でございます。

 二年ぶりなもので、済みません、手順を間違えました。冒頭おわびを申し上げます。

 大臣、今までの議論を聞いていながら、大臣の所信の中にも触れられているように、いろいろこの四年間、小泉総理になられてから、改革なくして成長なし、民間にできることは民間に、地方にできることは地方にというこの趣旨は私も理解ができますし、そうであるべきだというふうに思っています。ただ、いろいろな意味で、地方が今までやってきたことが、仕事量からいえば、国から地方へということであれば仕事量がふえる。民間にできることは民間にということで、効率的な政府ないし自治体のあり方ということで、民間の方に、民間活力ということで、いろいろな意味で、仕事の新しい創造であるとか、いろいろな地域経済と自治体との連携が上手にいかなければ、よく言われるように、地方切り捨てではないかというふうな御批判もあるのも事実だと思っています。

 私も久しぶりに国内総支出に占める地方財政のウエートというのを見ると、かなりやはり大きいわけですよね。今まで五百兆の国内総支出と言われているものは、この五年以上変わらない数字で推移をしています。一方で、政府部門と言われている国、地方も含めた予算の執行の総額が百十五兆円ということで、二三%ほど政府支出が占めている。そういうふうなことを考えると、余りに過度な、目標が定まらない中で地方財政を効率化、効率化ということだけでやっていいのかというのが一つあると思うんですね。

 その点について、地方自治全体を見守っている総務大臣が、確かに三つの大きな柱というのは正しいと思いますが、その地域という部分にどういう形で配慮していくかということもやはりこれからの目標として考えていかなければいけないと思うんですが、冒頭その点についてお尋ねをしたいと思います。

    〔委員長退席、佐藤(勉)委員長代理着席〕

麻生国務大臣 御指摘のありましたように、いわゆるGDP、国内総生産の中に占める地方の財政の支出割合というのは約一二%、一二・何%だとたしか記憶しますけれども、そういったもので約一割以上の影響力があることは確かだと思っております。

 そこで、今言われておりますのは、これは全体として今回町村合併が進んだ結果、これは山梨もいろいろな形で進んでいますけれども、日本全体で人口十万人以上の市に住んでいる人口が、総人口一億二千七百万のうち六四%に達しております。五万人以上だと八一%ぐらいに、来年の三月三十一日、一千八百二十二でいきますとそういう数字になります。したがって、日本人の約八割の方が人口五万以上の市に住んでいるという前提なんです。だから、町と村というのは面積は七十何%なんですけれども、あれでいきますと、極めて大きな部分はいわゆる市、都市住民・生活者というところで占められているという、物すごく大きな人口のあれがこの何年間で起きておるというのがまず非常に大きなことの一つだと思います。

 そこで、私ども総務省としては、例えば、よく例に引きますけれども、八丈島の南七十五キロにあります青ケ島という島が、これは東京都下なんですけれども、ここが日本で一番小さな行政区で百九十八人おられる。ここにも郵便局があれば役場もあるんですが、そういうところにいる方にかかります行政経費というのは、ほかの都市に比べて四倍も何倍も高いということになります。そういうところにかかる行政経費を、人口密度の高いところの人の納めている税金でそこらの税金のなさをカバーしているという現実というものが日本における現実なんですけれども、私ども、これはよくよく国全体のことを考えないと、そういったところに人が住んでもらっているおかげで少なくとも竹島みたいな話にならぬことも確かなんですから、そういったことも考えて国というものは運営されないかぬものだ、基本的に、地方全体を預かる者としてはそう思っております。

 したがいまして、合理化とかいろいろな形での合併効果とかいろいろなことを期待していることも確かですけれども、地方により権限が移譲され、税金が移譲されることによって、同じ金を使って国が直轄でやるよりよほどうまくいく例というのは、地方に幾らも見られるところでもありますので、私どもは、地方というものを経営するという感覚というものがより必要な時代になってくると思います。地方というものを考えるときに、優秀な行政経営者、市経営者、そういった方々のいる町とそうでない町との差がついてくるんだと思います。同じ金を使っても非常にうまくやっておられるところというのがあるような気がしますので、私どもは、そこらのところはよく見ながら、全体として、おっしゃるようなところは私どもも同じようなことを感じるところがありますので、対応してまいらねばならぬところだと思っております。

後藤(斎)委員 今大臣におっしゃっていただいたことは、どんな形でこれから国と地方の関係を整理していくか、これは事業ということでですね。

 先ほどの大臣の所信にもありますように、国から地方へといったとき、官から民へといったときに、この大きな仕分けというのが、やはり、この四年間で毎年毎年いろいろな検証をしながら、ようやくその事業の仕分けというのが体系的に整理されつつあるのかなと。本当であれば、官から民へといったときに、民でやる仕事、そして官で引き続きやる仕事、大臣がおっしゃったように治安とか防災とかいうものがどうしてもというものかもしれませんが、今現実、国も地方もたくさんの公務員の方が実際仕事をされている。確かに、国から地方へ、また官から民へといった二つの題目を並行的に今推進しようとしていますから、将来に対する不安というのが実際働く人にあるというのもこれは事実だと思うんです。もう人事院総裁はお帰りになられましたが、採用という面でも、確かに、政治家と役人をたたいていれば、大変、メディアの皆さんもそこに収れんをしてたたきやすいということはあるし、そして、実際に非効率な部分、合理化をされなければいけない部分がたくさんあるのも事実です。

 しかし、大きな枠組みとして、国と地方の事業のあり方、そして官から民へという事業のあり方をどんな形で今までこの四年間、小泉さんがなられて、まあ大臣は二年ということですが、これから体系的にもっと進めるにしても、ある程度の大枠がもうなければいけない時期に来ていると思うんですが、その点についてはいかがでしょうか。

麻生国務大臣 まことに格調の高い質問なんで格調高く返事をせないかぬところなんでしょうけれども、基本的には、今言われたのは、もうまことに、枠組みとしてどういう枠組みをというところは、壊した後、建てる家がわからぬと壊す方もなかなか心配で壊せないというところがありますので、すごく大事なところだと私どもも思っております。

 やはり基本的には、先ほどの御質問の中にもあっておりましたように、やはり国でやらなければならぬ公務的なものというのは、それは防衛とか安全とか消防とか警察とかいろいろあるんだとは思いますけれども、やはり普通の方々が身近に見る行政というのは役場ですよ。中央官庁までのこのこ出ていく、例えば山梨県の寒村から出てこられていきなり大蔵省にちょっと陳情なんという人はいませんから、普通は。だから、そういったようなことはないんだと思うんですね。だから、そういった意味で、直接見るのはやはりよくて山梨県の県庁までですよ。私はそう思いますね。普通は甲府市の市役所に行くか役場に行くかまでが限度なんだと思うんですね。

 そういった身近な行政というのは、やはりこれは、できる限りその種の対応に対して、いや、それはどうしても国でないとできないとか国道の話ならともかくも、普通の話は、地方できちんとそこで決裁がおろせるという形にしないといかぬ。

 これは地方分権一括法というのが平成十二年に通ってこの方、その流れでずっと来て、最終的にそれに財政の裏づけをつけるというのが去年の最大の私は問題だったんだと思うんですが、おかげさまでそういう方向に、四面楚歌の中でとにかく通りましたから、そういったところで一応形としてスタートしておりますので、来年以降もこの流れというのをどのような形でやっていくか。

 例えば、地方と国のいわゆる税の比率は六対四、昔はもっとひどかったんですけれども、六対四を少なくとも五対五まで、一対一までにしようとか、権限は、国で勝手につくっておいて後のメンテナンスは県でやれとか、そういった話は幾らでもありますから、そういった話はちょっと待てという話で、いろいろこれまでとは、やり方、方法は考えていかないかぬところなんであって、これは多分与野党ほぼそんなに意見の差はないところだと思いますので、ぜひ後藤先生、そういった話は具体的な話を含めてこうだというような話を私ども聞かせていただくと参考になります。

 長いこと、私も二年も役所にいると、だんだんだんだん頭が洗脳されつつあるのかもしれませんので、注意してぜひよろしくお願い申し上げます。

後藤(斎)委員 大臣、今ちょっと一点抜けていたのか、わざとその次の質問にとっておいてくれたのかわかりませんが、官から民へという一つの大きな流れがある。これは、国も地方も仕事量を民間に移していく、効率的でかつ合理的という言葉が入るのかもしれませんが、そういう政府のあり方を国、地方で目指す、これも大賛成であります。

 ただ、このときに、先ほどもちょっと御指摘をさせていただいたように、今までであれば、先ほど大臣もおっしゃったように、基本的に自分たちのみずからの仕事をもう要らねえと言う役所も職員ももちろんいるわけがなかった。それを、市場化テストという言葉が正しいのか公共サービス効率化法という言葉が正しいのか、テストということじゃなくて、効率的なということで後者の公共サービス効率化法という、まだ法案にはもちろんなっていませんが、この部分の本格導入を早急にし、そして、今まで誇りと自信を持ってやっていた官の方が、やはりもっとコストの削減ができるということであれば、例えば民間の方が、先ほど御指摘のあった統計業務に参入をしても、そこでコスト論だけでいくのかどうかこれからまた詰めていくんでしょうけれども、やはりその公共サービス効率化法というものが、今は民間の方からの意見をもらってそれをポジリストで載せるというお話を聞いているんですが、その法律がこれからどういうふうに制定をされ、そして今どんな対象が、これは大体で結構ですから、載せられようとしているのか、見通しも含めてお尋ねをしたいと思います。

河政府参考人 今委員御指摘の市場化テストという言葉をこれまで通称として用いておりますけれども、現在官が行っている公共サービスの提供につきまして、官と民とが対等の立場で競争入札を実施して、価格と質の両面でよりすぐれた主体が落札してその公共サービスを提供していこうという制度を考えているわけでございますが、まさに民でできるものは民でというものを具体化しようとするものでございます。

 この六月の骨太の方針でも、今委員お話ございましたけれども、公共サービス効率化法、括弧市場化テスト法という言葉になっておりますが、法案を平成十七年度中に、具体的には次期通常国会ということでございますが、提出するべく速やかに準備するということが閣議決定されておりまして、これを受けまして、規制改革・民間開放推進会議の提言ということで先月の二十七日に骨子がまとめられております。

 また、その後開かれました閣議後の閣僚懇談会におきましても、小泉総理から、市場化テストについて積極的に取り組むようにという御指示をいただいておるところでございます。そのようなことでございますので、総理はお役所仕事改革法という言葉の方がわかりいいのではないかという御指摘をくださっておりますけれども、次期の通常国会に提出するべく今準備を加速しているところでございます。

 なお、今地方公共団体との関係での御議論があったわけでございますけれども、この市場化テスト法あるいは公共サービス効率化法というものにつきましては、この三月の閣議決定以降、まさに先進的な地方公共団体が自発的に市場化テストを導入、実施しようとされる場合に、例えば規制の世界で阻害する法令というのがある場合がございまして、このようなものでは導入が円滑にできないというケースも、まさに自発的になさろうとする場合に導入が円滑にできないというケースもあるわけでございますので、このような阻害する法令がもしある場合には、これらの特例措置、所要の措置を総務省とも御相談の上でこの法案の中にどう入れていくかというのを検討してまいりたいというのが今の状況でございます。

後藤(斎)委員 大臣、今まで、平成十五年に指定管理者制度が地方自治法を改正してできて、二年ほどたってかなり今進んでいる。それは出資法人だけに限定されていた仕事を民間の方も参入ができるという趣旨だというふうに理解をしていますし、今お尋ねをした公共サービス効率化法についても、もう少し幅広に、もっと網羅的に、他の指定管理者やPFI事業者というものをまとめて、やはり横断的ということで非常に仕事の幅も官民で競い合う部分が広がってくると思うのです。

 先ほど室長からもお答えをいただいた点でもあるのですが、まだ、やはり民間事業者から何の仕事がいいかと、得意な分野を民間の方から手挙げ方式でやるのも確かに正しいと思うのですが、アメリカでは市場化テスト法、効率化法に類するものは、むしろ官の側から、お役所側から、この点については競い合ってもいいということで、みずからがその事業の球出しをしているという法体系だというふうに聞いております。

 私は、これからまだ詰める時間があるということであれば、やはり幅広にその仕事を、あるいは法律の中に別表か何かで書き込むのでしょうけれども、やはり書き込まないと、結局限定された仕事でということで、先ほど大臣が、谷さんへの答弁だと思いますが、ガス事業であるとかバスであるとか、いろいろこれから民間でどんどん競わせなければいけないものもあるという御答弁をされたと思うのですが、それが官みずからがやはりやるような姿勢でないと、なかなかこれだけの、これから公務員制度全体も国、地方を問わず大改革をしていく、そのときの姿勢としてやはりお役所の方々もそういうふうに意識づけをしていくことが望ましいと思うのです。

 そして、地方自治体の事業というのは基本的にはまだこの効率化法には多分入らないというふうに私は今理解をしておるのですが、競争阻害的にならないように法的な手当てをするという答弁でありましたが、そこも含めて大臣、やはりこの公共サービス効率化法というのが、本来の多分公務員改革や官から民へという大きな流れで一番のベースである、同じ品質であればより安いもの、そして同じ価格であればよりサービスが高いものという本来のあり方に合致した、まさになるべく急いで成立をある意味ではさせ、官みずからも、そして民間事業者もやはり競い合うという形に早急にしていくべきだと私は思うんです。

 時間もないようですが、最後に大臣にお尋ねをしたいと思います。

    〔佐藤(勉)委員長代理退席、委員長着席〕

麻生国務大臣 御指摘のように、民でできるものは民にと言うとえらくわかりやすいんですが、正確な日本語で言ってもらわぬと、これはいざ法律になるとさようなわけにはいかないので、民間でやった方がいいものは民間でと言うのが正確なんだと思うんですが、小泉さんにかかると、そこはPC、プロセスカットでぱあんと飛んで、民でできるものは民にという話になっちゃうんですが、民でやった方が悪いものもありますから。正直申し上げて、独占企業なんというのは最たるものですから。これは、競争が起きているから初めてよりよいものができ上がるという大前提ですから、官でやったら競争がない、民でやっても競争がなかったら意味がありませんので。

 そういった意味では、今いわゆるサービス効率化という話があっておりましたけれども、こちらでやった方がいいというのは、官も官で自分でやった方が本当にいいというのであれば、それはそれなりのやり方をやろうとしているところもありますから、私はいいことで、あなた、役人やったのが間違いで、もともと民間にいればもっともうかったのにねと言った役人がいますけれども、そういったことをやろうとしている地方公務員というのは結構おります。

 私は、そういった人がやる気が出せるようにして、私はやめさせてもらいたい、私はこれに出向させてくださいなんというのがある団体では一人二人おりますので、そういうのが出てくる土壌というか意識改革はすごく大事なところだと思いますので、その方向は方向として正しいんだと存じます。

後藤(斎)委員 以上で終わります。ありがとうございます。

実川委員長 次に、逢坂誠二君。

逢坂委員 民主党の逢坂誠二と申します。民主党の逢坂誠二と言うよりも、先ほど大臣の話にも出ましたけれども、八月二十九日まで北海道のニセコ町長をやっておりましたので、ニセコ町長の逢坂誠二ですと言う方がまだ板についているわけですが、いずれにいたしましても初心者でございますので、実川委員長初め理事の皆様、委員の皆様、そして大臣を初め政府関係者の皆様には、いろいろ粗相もあるかもしれませんが、お世話になりますけれども、よろしくお願いいたします。

 さてそこで、実は私、二十二年間自治体の現場におりまして、そのうちの半分、十一年間、首長、町長をやっておりました。その中で、いつもいつも悩ましいことがございまして、どうも国の政策と地方の現場との乖離がある。国の皆さんはよかれと思っていろいろな政策をやってくださるんだけれども、それが地方の現場へ来ると、どうも実態に合わないものがたくさんあるわけであります。

 たまたま私の手元にこんな本がございました。「国の常識は地方の非常識」、これはPHP研究所から去年の夏に出版された本でありますね。「国の常識は地方の非常識」「志ある首長三十九人が本音で語る」という本であります。腰巻を見ますと、これは私が言っているんじゃない、腰巻に書いてあるんです、腰巻には「名ばかりの「地方分権」 まやかしの「三位一体改革」 理念なき「平成の大合併」……」と書いてあるわけですね。執筆者を見ましたら、これが霞が関出身の知事さんでありますとか、あるいは私のような市町村長だった方なんかが書いているということで、こういう現実があるということをまず一つ我々は十分に押さえておく必要があると思います。

 私が今回衆議院議員になろうと決意をしたのも、国の政策と地方の実態との乖離、これをやはりがっちりと埋めていく必要があるんだろう、それが日本の国家全体にとって非常に重要なことだろうというふうに思うわけですね。

 そこで、なぜ私が自治にこだわるかということであります。もうこれは言わずもがなのことでありますけれども、例えばイギリスの政治家で有名なブライスというのがおります。ブライスは、地方自治は民主主義の源泉であるだけでなく学校だということを言っている方、これは重要な、有名な発言ですから、御存じの方も多いと思います。それから一方、ブライスより三十年ぐらい前、フランスにトクヴィルという方がおりましたが、トクヴィルは、民主主義とは自治の問題であり、もし人々に自分たちの町や会社、さまざまな職業団体、大学等を自分たち自身で治めていける能力があれば、国家レベルでも同じようにうまくやっていける可能性はもっと高まるというようなことを言っているわけですね。

 したがいまして、市町村の問題を話し合うということは国家全体にとって極めて重要なことなんだ、それは町や村の取るに足らないことではないんだという認識を持つことが私は重要ではないかなというふうに思っております。

 そこで、我が日本国憲法でありますけれども、第八章、九十二条から自治の規定があるわけですが、その中に地方自治の本旨ということが書いてございます。本旨、それは何かということですが、住民自治と団体自治だということがよく言われるわけです。私は、この住民自治と団体自治をつき動かす原動力は一体何なのかということをよく考えるわけであります。それは、実は地域への愛着でありますとか地域への誇りといったようなものが住民自治、団体自治をぐっとつき動かしていく非常に大きなエネルギーになっているのではないかな、そんな認識を持っております。

 そこで、大臣にまず一点お尋ねをしたいのでありますけれども、民主主義と自治の関係についてどのように思われるかということ。それからもう一つ、私が言った、これは私の言葉なんですが、自治の三要素というふうに私は呼んでいるんですが、住民自治と団体自治、そしてその自治をつき動かす地域への愛着といったようなもの、この考え方についてどう思われるか。簡単で結構ですので、御所見をまずお伺いしたいと思います。

麻生国務大臣 総務省というところは超ドメスティックな役所というイメージを私自身は行くまで持っていたんですが、このところ、やたら外国人の客が多い。たまたまこっちが英語に不自由しないものだから、やたらめたらと外務省もこっちへ送り込んでくるんでしょうけれども。

 習いに来ている人たちのほとんどというのは、この間、リビアのカダフィの息子とか、ロシアの何とかの大統領とか、みんな来る理由は、地方自治がないんですよ。旧社会主義国には地方自治がありませんから。中近東にもありませんから。もちろん、地方税の取り方もわからなければ、地方税法もなければ、地方自治法も法律自体がありませんから。そこで、ミスター麻生、それを丸々。私ども役所の方も、そういう需要があるなどという前提で役所はできておりませんから、それを英文に直してアラビア語に直したものなんというものが存在しておりませんので。

 実は日本に習いに来る人たちの多くというのは、地方自治、地方税法、そういった部門の人が習いに来るほど、結構この国というのは、御存じのように北から南まで、小さな国という意識がありますが、実は気候の差でいけば、とにかく田植えの時期が四、五カ月違う国ですから、そういった意味では縦には結構大きな国。その国の中にあって、やはり地域というのはすごい格差があると、私は九州ですし、そちらは北海道ですし、思っておられるんだと思うんですね。ましてや日本海側と太平洋側とは、これまた全然気候も違えば意識も違う。

 そういった中であったものを、まとめてばあんと明治の御維新のときに、廃藩置県を明治四年にやりましてこの方中央集権。多分昭和十六年、戦争になって国家総動員法の始まるあの前後ぐらいに、さらにぼおんと中央集権。戦後も官僚主導、業界協調という形でこの国というのはうまくやってきたんだと思うんです。

 しかし、経済が成長して何となく生活水準も上がってくると、三種の神器とか三Cぐらいで国民の満足をというわけにはいかなくなってきて、それぞれみんななってくると、やはりそれぞれの地域にいる人、その現場にいる人の方が、能力さえあればよりうまくやれる、同じ十億でももっとうまくやれるというのが出てくるという前提で物を考えないと、中央官僚の方が地方官僚より絶対優秀であるという思い込みは錯覚もしくは誤解だと思います。地方の方で、見識も高く、そういったやる気のある人は実はいっぱいいますので、そういった人たちがうまく伸びるようにした方がより国としては効率がいいし、地方住民の幸せにもつながると思います。

 そういった意味では、つき動かす情熱と最後に言われましたけれども、やはりお祭りなんかを見ていても、つくづくそういう感じがするんです。やはりそういったものがわあっと出てくるお祭りというようなものは、これはどう考えても、今、新興住宅地はお祭りがないというので、どうやって祭りをつくるかというのが新しくできたニュータウンというところで結構実は深刻な、地域をまとめるための一つのノウハウとしてお祭りおこしというのをやろうとしているんですが、もともと歴史がありませんから祭りがないんです。そういったところが、皆それぞれ悩んでおられる実態等々を見るにつけ、やはりその地域に愛着を持って、毎年あのお祭りのためには会社を休んでも帰らないかぬというお祭りを持っている地方というのは何だかんだ結束力がかたい。

 仙台に、安住さんがどれぐらい七夕に帰っているか知りませんけれども、少なくとも私どもは、博多に近い者はやはり七月のときにはどうしても山笠には帰らないかぬといってみんな帰るわけです。うんもすんもなく、とにかく帰らないかぬということになって、別に帰ったからどうということはないんですが、何となく帰らないかぬということになっておるというようなものがやはり地方自治の原点であり、それが労働意欲をかき立てるものだ、私もそれはそう思います。

逢坂委員 私が言ったトクヴィルやブライスの話、あるいは自治の原動力みたいなことについては御理解をいただけたというふうに思うわけですが、自治というものを強くするために、現在、国では平成の大合併というものを進めているというふうに私も理解をいたします。先ほど自民党の谷先生からも行政改革というようなニュアンスで合併の問題を取り上げられましたが、そういう側面もあると同時に、自治をいかにしっかりするかという観点で合併が行われているんだろうと私は理解をしているところであります。

 来年の三月に全国の市町村が千八百二十二になるということでありますけれども、どうもまだ十分ではないということで、ことしの四月から合併新法が五年の時限でスタートした。その中で、都道府県に対して、構想を策定せよということを言っているわけですね。ところが、共同通信のアンケート結果、四日の日にやったアンケート結果だそうでありますけれども、これを見ますと、この合併の構想を策定すると言っているのは北海道、山形、熊本など二十三道府県、全都道府県の約半数にとどまっているという結果なんですね。それから逆に、その構想を策定する予定はないんだというところが大分など十四県に上っているということなわけですね。これは共同通信の調査であります。

 これを見ると、合併そのものが、まずこれは大臣十分御承知のとおり西高東低、西日本の方が進んで、東日本、特に北海道なんかは全然進んでいない、それから四十七都道府県でも随分温度差がある。合併そのものが随分まだら模様になっているという実態を多分大臣も憂慮しているんだと思うんですが、この原因というのはどのようにお考えでしょうか。

麻生国務大臣 これは、逢坂先生、原因は地域によってすごく違う。自分のところは二市八町、合併して一市にする予定だったんですけれども、結果的には二市一町となりました。一町だけどうして落ちたかといったら、あのやろうが市長ではおもしろくないから、それだけです。あの市長がやめたらおれたちも合併する、そういう感情論なんです。

 この種の感情はさっきのお祭りを動かすモチベーションと同じで、無視できないんですよね。旧郡、昔の郡というのも厳然と、郡を越えて合併しようという方が今の都市計画からいったって、隣の郡とこの郡の端っこ同士をくっつけて市をつなげばいい、まとめていく、こっちがよっぽどいいだろうとだれが考えてもそう思うんですが、あの郡のやつとは一緒になりたくないと。それだけでうまくいかない。その中に小さな川が流れている、その一つを隔てて昔から郡が違うというようなところがある。そういったのが幾つも私どものところへお見えになりますので、そういったところがやはり今回は間に合わなかった。

 それから、余りにも貧しくて、嫁に行きたいけれどももらい手がないという町も正直ありました。別にあなたを見て言っているわけじゃないから心配しないで大丈夫です。たまたま顔がそっちに向いただけで。そういう話をしているんじゃありません。(発言する者あり)ぎりぎりセーフ。

 だから、そういったところも実はいっぱいありまして、それで知事さんがみんな正直困ってしまったわけです。そのぐあいの悪いところを抱えないかぬものですから。そこで知事さんに、ちょっとあなた、もうちょっと勧告してやったらどうというのが法律をつくれと言われた大きな背景なんです。これはやたらうまく進んだところもありますけれども、全然、東京は一つしかできませんでしたし、神奈川県はたしかゼロだったと思いますけれども、そういったところはみんな内容が、財政が豊かとか、理由がみんなそれぞれ違うものですから何とも言えないんです。

 私どもとしては、こういった形でしゃにむに、これを強引に政府がやらせるというようなものではないんじゃないか、地方自治だと言っているんだから、せめて知事にやってもらって、そういうのを後押しはしましょう、しかし強制をもってやらせるなんというのは、それはどう考えたって筋として違うんじゃないかということを申し上げているので、基本的には今言われたような方向で、様子を見ておかなければわかりませんけれども、ちょっと今後、様子を見ながらさらに進めないかぬところも幾つか出てくるだろうとは思います。

逢坂委員 今の大臣の冒頭の答弁で、地域ごとにそれぞれ状況が違うんだということをお話しされましたけれども、私も全く同感であります。それは、地理的にも、経済的にも、財政的にも、歴史的にも、かつまた人的にも条件が全く違うところが全国にはたくさんあるわけですから、そこに対して一律の合併政策というのはやはり難があるだろうというのは大臣の御見解のとおりでございます。

 そこでなんですが、とはいうものの、このままほっておいて日本の自治というものが強くなるかどうかなんですね。例えば、行財政改革という観点からいってもこれは何らかの手を打たなければいけないだろうというふうにも思いますし、自治本来そのものを強くするためにもやはり新たな方策というものが必要なのではないかなと思っています。

 そこで、今、全国の自治体では、例えば連合自治体構想でありますとか、単なる足し算による合併ではない手法というものをいろいろと検討するようになってきているんですが、今後の自治のあり方として、単なる足し算ではない合併の選択肢というものを検討することの是非について、大臣、どうお考えでしょうか。

麻生国務大臣 この法律をつくるときにも、北海道はたしか苫小牧だったかな、どこかあの周辺からその話が出たと記憶をしますけれども、これは今回のときには間に合いませんでしたけれども、いろいろな形で、合併した形で、結果として地方自治の内容がよくなる、また地域の関係もその方がより効率がいいとか、みんなが納得しやすいとかいうこともあろうかと思いますので、検討するに値するものの一つだと思っております。

逢坂委員 検討するに値するという話をしていただきました。大変ありがたく思います。

 実は、私、町長の時代に総務省へ日参をいたしまして、この問題についていろいろ話をしたんですが、もちろん職員によって差はあるんですが、そんなものは取るに足らないというような職員も中にはおりまして、今の大臣の発言を聞いて非常に意を強くしたところであります。ありがとうございます。

 次、交付税の問題です。十七年度の交付税の夏の算定結果がもう既に出ておりますが、現在、二千三百九十五市町村中百三十八団体がことしの場合不交付団体ということになっているようですね。全体の五・八%であります。とすれば、比率からいえば、やはり交付税というのは全国の自治体にとって極めて重要なものであるというふうに言えるかと思います。

 一方で、誤った交付税認識がございまして、地方のできの悪い息子に親が仕送りしているかのごとくに言っている人がいるわけですが、総務省の皆さんはそれは全然違うんだということをおっしゃっていただいている。特に、平成四年の宮澤総理が参議院の本会議で発言した中で、交付税というのは地方固有の財源であるというような発言をされている。これは有名な、総務省の方がよくお使いになるペーパーですので、この御認識は多分大臣も持っておられるのだというふうに思います。

 ではありますけれども、現在の交付税額というのは予算として足りているのかどうかという点について、大臣、どのようにお考えでしょうか。私は、赤字地方債まで発行しているぐらいですから足りていないのだろうというふうに思うのですが、そのあたりの御見解、いかがでしょうか。

麻生国務大臣 これまた行政体によって差があることは御存じのとおりなんですが、今十一・七兆円が足りないとか、よく言う話のほとんどは、もともと地方交付税、ほとんどチャラでいっていたバブル前後の時代、あの時代はそこそこだったのが、どうして急激にわあっとなったかといえば、それは何といったって、国の政策に合わせて、あのデフレ不況という名の不況の約十年間の前半に、国で出した景気対策に地方はつき合いたくもなかったんだけれども、強引につき合わされた結果のツケが今回っているんですよ。その差が約五兆以上あると思いますね。五・七兆ぐらいだか七・五兆だか忘れましたけれども、それぐらいあることは確かです。

 だから、そういった意味では、かなりな部分はそういったものが今まさに回ってきているときに、これであなた、もともとつき合っておいて、いざ返却のときになったら払わないって、そんなふざけた話があるかというのが、多分地方側から見た言い分なんだ、私はそう思っております。

 しかし、それを除きましても、まだ基本的には地方で足りていない部分というのは、かなり景気が悪いために地方税の税収の絶対量が下がっておりますので、住民税を含めまして、そういったところをもう少しやらぬといかぬので、やはりその点からいきますと、地方対国の税率が今度フラット化して一律一〇%にする部分で幾つかカバーできたり、今後いろいろな形でさらに地方税の税率を、国とのあれが今六対四ぐらいの部分を五対五ぐらいまで持っていくことによってそこが埋まってくるとか、いろいろな形で地方の税というものを交付税に頼らずいけるような形にしていくというのは、私は流れとしては正しいと思いますけれども。

逢坂委員 持ち時間もなくなりましたのでこれで最後にいたしますが、今総務大臣の御認識を伺って、私は大変意を強くいたしました。交付税はやはり足りていないところもあるだろうということでありますね。

 ところがなんですね、先日の予算委員会の冒頭で、小泉総理がこんな話をしました。切るべきものは、一番最初に社会保障費というのを言いましたけれども、三番目に地方交付税というのを挙げているんですね。総務大臣は交付税は足りていないというふうにおっしゃっているんだけれども、総理は交付税は切るという話をしているわけですね。これは私はいかがなものかなというふうに思っております。

 それから、今全国の自治体の関係者、これは先ほどの自民党の谷先生の御質疑の中にもございましたけれども、十九年度の予算を物すごく心配しているわけですね。自治体の財政担当者は、十九年度予算の編成にはかかわりたくないというふうに言っている方が非常に多いわけであります。

 それから、今回永田町へ参りまして、過去の総務委員会の議事録を見せていただきましたところ、何と麻生大臣もおっしゃっているんですね。これは去年の三月二日の総務委員会で、十六年の三月の総務委員会ですから、三年後のことをどうなるかと言われると、そのころ私も総務大臣なんかやっていないように願いたいと思っていますけれどもと発言をされているわけですね。同じような気持ちを全国の自治体の関係者が持っているわけであります。

 そこで最後に、この交付税制度というのは極めて重要で、これは削るというよりも、いかに制度をしっかりとしたものにするかが私は重要だと思っております。そこで、財政当局なども含めて、これから総務大臣としてこの制度をがっちりと守るという決意のほどを聞かせていただいて、私の質疑を終わりたいと思います。

麻生国務大臣 町村合併が進んでいろいろな形で地方の財政基盤が強くなっていったとしても、地域間格差は今後とも全く解消することはありません。差がある程度出るのはやむを得ないところだと思いますので、それをある程度調整する意味での地方交付税という制度はなくせないものだということははっきりしております。それがお答えなんだと思います。

 やりたくないなというのは、この役所に来まして、まあこんなに忙しいところをやらされたことがありませんものですから、あのころは留任する予定も全くなかったので、早くやめさせてくれないかなというのが正直な気持ちだったので、十九年度にこだわって言っているわけではございません。

逢坂委員 以上で質疑を終わります。どうもありがとうございます。

実川委員長 次に、重野安正君。

重野委員 社民党の重野安正です。

 あすは郵政特が開かれる予定になっております。そこで、郵政民営化をめぐって多面的な議論が行われるわけでありますが、私がきょうは総務大臣にあえて郵便局の問題について質問するというのは、いわゆるこの地方という、自治体を含めて地方に責任を持つ大臣である、そういうお立場というものをしっかり踏まえて、この問題について大臣としての考えがあるんだろうというふうに思いますので、あえてきょうこの問題を取り上げさせていただきました。

 まず質問の第一でありますが、今全国二万四千七百の郵便局がございます。この郵政民営化の法案が通過をするといたしますと、この二万四千七百という局は一体どうなるのか、これが議論の出発点でありますが、まずその点についてお聞かせください。

麻生国務大臣 今、重野先生御指摘のありました二万四千六百七十八、全国に郵便局というのがございます。その郵便局が今後維持されるのかということに対して、基本的には維持されます。もうそれは明確に法律でそうなっておりますので答えられるんですが、今の法律でも、昨年三十七減っております、おととしも三十七減っております、そのもう一つ前が二十一減っております。だから、この三年間で見ましても、八十近くの郵便局が実際は減っております、今の法律でも。

 今回、町村合併が進みますと、一町に一つということになりますと、本来の法律でいきますと、えらいところに一つということになりかねません。そういった意味では、利便からいきましたら、移動する距離が非常に遠いことになりかねませんので、そういったことも考えて、基本的には今ありますものが、それは無人の村落になったりする例もございますので、絶対ないかと言われれば、人がいないところには置いてもしようがないということにもなろうかと思いますし、また、いろいろな意味で、今度は東京都心の中には郵便局が物すごいたくさんございますので、そういったのは、果たしてそれを置いておく必要があるか等々の経営の面からは別の面が出てくるだろうとは思いますが、いわゆるよく言われます過疎地において金融サービスというものが全く受けられなくなって、田舎、過疎、山間では人が住めなくなるではないかというようなことがないように配慮せねばならぬというのは当然のことだと思っております。

重野委員 それでは伺いますけれども、現行の日本郵政公社法第二十条には、「郵便局をあまねく全国に設置しなければならない。」このように定めております。

 今の大臣の答弁を聞きますと、この新しい会社がスタートする場合も、今の大臣の答弁に照らして考えますと、この公社法第二十条、それは文字どおりそのまま郵便局株式会社法に引き継がれるべきではなかったのかというふうに思うわけです。しかし、御案内のように条文は変わっております。その点は大臣、どのようにお考えですか。

麻生国務大臣 旧法で、日本郵政公社法第二十条で「郵便局をあまねく全国に設置しなければならない。」、民営化後のいわゆる郵便局株式会社法によりますれば、同じく「総務省令で定めるところにより、あまねく全国において利用されることを旨として」という言葉に変わっておるところが違うんだ、なぜ同じではないのかということの御指摘なんだと存じますが、別に意図的にそうしたわけでもないんであって、郵便局のネットワークを維持することは担保しなくちゃいかぬというところが一番の問題だと思っておりますので、私どもとしては、「あまねく全国において利用されることを旨として」と書いてありますように、やはりこれは郵便局のネットワークの維持より利用者の利便の方が一番の問題ですから、その利便の点を重視して全国設置義務というものを規定しているんだというように御理解いただければと存じます。

 郵便局があって、金融サービスがなくなるとか保険のサービスがなくなるとか、よく話をされる方がいらっしゃいますけれども、そんなことはない。基本的には、そこしかほかに方法がありません、農協もなくなった、そういったところでは恩給の受け取りやら何やらは郵便局以外に金融システム、サービスというものがありませんので、そういったところはきちんと維持されないと、いわゆる利便に供さないということになろうと思いますので、きちんとそういったものは対応していくことになります。

 ただ、今ありましたように絶対かと言われると、私どもこれは物すごく心配しておりますのは、正確に言いますと今から十二年後の話ですから、今よりさらに人口はどんどん減るということは覚悟せないかぬところだと思うんですね。そういったときになると、一店も減らすなとかいう御意見は自民党の中にも随分ありましたけれども、それは、失礼ですけれども、人口がどんどん減っていくということになりますと、そこらのところは、過疎地はさらに過疎化が進むという前提で考えますと、それで一回法律で決められるといかにもということになろうかと思いますので、今申し上げたような形の表現になったと御理解いただければと存じます。

重野委員 今、大臣の後段の部分は、それはそういうふうになるんだろうなということは予見できますね。

 法律の条文ですから、私は、今大臣が言うようなことであるのならば、「設置しなければならない。」を、「全国において利用されることを旨として郵便局を設置」というふうに、その文言、文章を変えるというところはやはり納得できないんですね。そういうことが予想されるからと。法律というのは、私はそうじゃないんじゃないかなというような感じがするんですよね。法律があって、その法律に照らしてどうなんだという議論が始まるのであって、それが転倒しているのではないかな、こういうふうな感じがするんです。

 だから、やはり一番懸念されるのはそこのところですね。冒頭に言いましたように、今ある局がすべて将来ともに残る、そういう保証は私はできないと思いますね。それは集落が消えればもうすべてが消えるわけですから、そういうことはあり得るんです。あり得るんですけれども、しかし、新しい郵政会社がスタートするときに、民間会社になるわけですから、やはり法律できちっとその義務あるいは縛りというものはかけておかないと、その先は公はあずかり知らないことになる、こうなるおそれがあるわけですから、そこのところを考えると、この文章がこのように変わったという点について私は大変懸念を持つんです。

 そこら辺をもう一度お聞かせください。

麻生国務大臣 御懸念の点はわからぬわけではございませんけれども、今の法律でも減っておりますから。今の法律でも、去年三十七、おととしも三十七、その前は二十一。今の法律でも減っておるという現状でございますので、そういった意味では、この法律が変わったから減ったとかいうのではなくて、今現状でも減っているという状況を考えますと、基本的に両方とも、国民の利便に支障が生じないようにするためというのを目的として、郵便局のネットワークというものは維持するということを担保しようとしているのが本来の目的ですね。

 これは書き方はいろいろ随分出たので、郵政公社側からも、今ですら減っているのに、一店も減らすなというような話を言われても、それは幾ら何でもという御意見が出ましたものですから、このような書き方にさせていただいたという背景です。

重野委員 くどいようですけれども、公社法の定める「あまねく」、これは文字どおり「全国に設置」というところにかかっている「あまねく」ですね。会社法で言う「あまねく」というのは「利用されることを旨として」というところにかかっている。だから、今大臣が言う点と、やはりこの文言に秘められたというか、その意図というものは私は違うんじゃないか、こういうふうにとらざるを得ないんですね。

 そこら辺の違いがあるという点については、大臣、どのようにお考えでしょうか。

麻生国務大臣 郵便局は、御存じのように今回は、公社と違いまして会社が四つに分かれる形になります。いわゆる郵便ネットワークをやります、窓口をやります、表向き私たちが言いますいわゆる郵便局というものが、仮に特定郵便局というものが、郵便配達業務というのは、これはUPUによって決められた万国郵便条約に基づいて必ずあります。そういったようなものだけが残って、いわゆる別会社になりました金融とか保険とかいう業務をやらない可能性がある。それでは本来の行政サービスが落ちることになりかねない。だから、それらのサービスもこの郵便局と言われる別会社できちんとやってくれるということをいかに担保させるかというところが、サービスというところをえらく強調することになった背景でありまして、基本的には、今言われたように、今は三つ一緒ですから別に郵便局があればどうということはないんですけれども、そうじゃなくなったときのことを考えて、会社の社長同士で意見が合わなかったりいろいろすると話が込み入りますので、このような書き方をさせていただいたというのが背景です。

重野委員 私はなぜそこにこだわるかというと、私は大分県ですが、これはもう御多分に漏れず、私の選挙区なんというのはもうほとんど過疎法に言うところの過疎地域ですね。高齢化が進み、人口減、集落機能というものが年を追って減退している、そういう現状を私はずっと日常見ているわけですね。今の大臣の答弁で思いますと、結局、個々の郵便局の経営がやはり成り立たない、そのときに、会社の判断がまず一義的にあるでしょう、しかし同時に、その地域の方々のそこに存する郵便局に対する期待感、そういう思いというものもあるわけですね。

 さて、そのときに、法律の縛りが、私に言わせればこれは非常に緩やかになっていると思うんですね。だから、結局この法律が、その地域の、そこに住む住民の郵便局に対する期待を結果として裏切る、期待にこたえることができない、こういう結果に道を開くのではないか、このように私は懸念するわけです。ですからその部分にこだわるんですけれども、もう一度、大臣、そこら辺を答弁してください。

麻生国務大臣 先生、郵便配達をする会社は、これは特殊会社として確実に残るわけです。そこはよろしゅうございますよね、これは法律で書いてありますから。

 例えば、大分の青の洞門なら青の洞門の支店で、郵便局の支店がそこにあるわけですが、そこに郵便局は残りますが、金融、保険は採算が合わないということで、それを閉める可能性があるのではないかということになっておりますが、いわゆる郵便配達株式会社と郵便貯金株式会社との間の契約は本社の一括契約ですから、したがって、そこの会社が赤だ、黒だという話は、その一つの郵便局と個別に契約しているわけじゃありませんので、一体で経営をしておりますので、そこの部分が仮に赤になったとしても、別府の郵便局の黒字とか、大分市郵便局の黒字で、それは国全体としては、今でも郵便局は約二百数十億の黒になっております。

 今後、さらに合理化されたり、メールで減っていったりするでしょうけれども、逆にゆうパック等々の分は確実にふえておりますので。二%しか減っておらぬと言うけれども、現実は信書便は五%減っております。そういったものをゆうパックとかいろいろなものでカバーして、今二%のマイナスになっておりますが、これが自由化されることになりますので、さらにいろいろな部門に郵便配達の会社も出ていくことになりますし、窓口ももちろんのことですから。

 そういった意味では、今言われましたように、そこの会社、青の洞門郵便局が仮に赤になったとしても、その分は基本的に他の黒で補える、全体の会社で一つのあれですから、勘定で。それでもまだ赤だと。ちょっと正直、私は、元経営者からいくと、そんなことはないと思っているんですが、そうだと言われる方もいっぱいおられましたものですから、一兆円、そのときのために予備に別にという話があそこに出てきたということになったという背景でございますので、基本的には一つの支店と個別契約をしているのではないというところが一番なかなか御理解いただきにくいところなんだ、私どもはそう思っております。

重野委員 もう一つ、今度の会社法、郵便局の設置の問題について、郵便局を設置するということ、例えばAという郵便局を置くということ、これは省令に移した、法律じゃなくて省令ですね。

 例えば、我々がこれについて、これは法律に抵触するのじゃないか、そういう話はもうできなくなる、省令というものは我々の関与する部分、あるいは国会が具体的に関与する、そういうふうなことができなくなるんじゃないか。つまり、公社あるいはその会社が会社の判断でどんどん事が進められるという仕組みになっていくのではないか、法律じゃなくて省令ということは、そういうふうな懸念を持つわけです。つまり、すべて会社に白紙委任する、そういうことになるのではないか、我々が関与する部分というのが非常に薄くなっていくのではないか、こういう懸念を持つんですが、その点についてはどのように。

麻生国務大臣 重野先生御存じのように、これは今の公社法でも、設置基準は省令で決まっております、法律で決められているわけではございませんので。したがいまして、今と基本的には変わらないという点が第一点。

 もう一点は、政府と与党の合意を受けて、設置基準に基づく郵便局の設置状況については、三年ごとに、見直しの際、遅滞なく国会へ報告されることになるということに定めております。今の郵政公社法はそんなことも定めておりませんので、国会の関与という点につきましては、今度の法律の方がより国会の関与が強くなっておると思っております。

重野委員 いずれにしても、そう時間はありません。ありませんが、いずれにしても、総務省、この郵政公社が会社になろうが総務省のかかわりというのは非常に大きいわけですから、そこのところは今私が指摘をした懸念が減ぜられるような方向で努力していただきたい、そのことを申し上げまして、質問を終わります。

実川委員長 次に、塩川鉄也君。

塩川委員 日本共産党の塩川鉄也でございます。

 引き続いて総務委員会を担当させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

 大臣、冒頭の発言でも自然災害の多発というようなことをおっしゃいました。宮崎県などへの大きな被害などもありました。この問題につきまして、昨年も大変自然災害が多発した中で、八月の国会で、私、新潟県三条市における豪雨災害のことを取り上げまして、あの際に、自治体が避難勧告を出したのが住民の方に十分届かなかったのではないか、防災無線などが実際には大雨で聞こえない、機能しない、そういった中で、地元の声としても、テレビやラジオなどでこういった避難勧告などを適宜的確に流してもらえるような、そういうスキームを考えてもらいたいという声を御紹介して、ぜひともテレビ、ラジオでの情報提供の活用方法を検討、研究すべきではないかということを申し上げました。

 これを踏まえて、総務省としてどういうことを取り組んでこられたのかを、最初に担当の方からお答えいただきたいと思います。避難勧告等の情報伝達に関して、地方自治体と放送事業者との連携強化を中心に、どういうことを取り組んでこられたのか、お答えください。

板倉政府参考人 消防庁におきましては、昨年の風水害対策の教訓を踏まえまして、情報通信政策局、省内、同じ総務省でございますので、情報通信政策局などとも連携をいたしまして、本年の五月に、全都道府県に対しまして、出水期前に市町村及び放送機関と検討会、連絡会を開催いたしまして、特に、災害時における連絡方法、避難勧告等の連絡内容についてあらかじめ申し合わせをすること、また、関係機関の防災連絡責任者を定めたリストを作成し共有することなどによりまして、放送事業者と連携した避難勧告などの伝達体制を確立するように要請をいたしました。

 なお、本通知を受けまして、既に実施していた団体を除きます多くの団体で放送事業者との連絡会を開催いたしておりますほか、今後、検討会の開催を予定しているという団体もございまして、地方団体と放送事業者との連携は着実に進んでいるというふうに理解をしております。

 私どもといたしましては、今後とも、放送事業者との連携の一層の推進及びさまざまな媒体を活用した情報伝達の整備によりまして、避難勧告などの情報が速やかに住民に伝達されるように、地方団体に対してより適切に指導してまいりたいと考えております。

清水政府参考人 消防庁長官の方から県主催の方の連絡会のお話がございまして、前後いたしましたが、NHK及び地上系の一般放送事業者、これはテレビ、それからラジオ、地域性のあるというところからFM中心でございますけれども、この百九十三社に対しまして、これらの検討会に積極的に参画するよう要請を行いまして、多くの団体がそれに参加をしていただいたところでございます。

 昨年御指摘のありました三条市につきましても、ことし六月の豪雨がございました。そのときにも、新潟県におきましては連絡会が既に開催されておりまして、三条市から放送事業者の方に直接避難準備情報が発令された折にその旨の伝達がございまして、NHKですとか各種放送事業者六社、NHK及び民放六社から、現実的にはテロップ及びアナウンス、これによって放送されたと聞いているところでございます。

塩川委員 現実に起こっている災害の危険性について、行政が判断した際に、それが一刻も早く伝達をされる、そういう点では大いに努力をいただきたい、そういう中でのお話をいただきました。今後の取り組みについても、さらに一層そういう点での連携強化などを深めていただきたい。

 麻生大臣の決意についても一言お聞かせいただけますでしょうか。

麻生国務大臣 過日開かれました中央防災会議でも、首都直下型地震等々いろいろな研究が今進んでおります中で、私ども総務省として、消防庁以外に、例えば今、ICTの技術が進みますと、高齢者が寝ておられるときでも、切ったテレビを起動させて、いわゆるデジタル技術によって起動させて、山津波ですとか鉄砲水ですということを、寝ている人が起きるぐらい大きな音をぼんと出せる。それによって、避難してくださいということが、いわゆる双方向ができますので、できる技術というのが、二〇一一年から基本的にできることになりますので、そういうのが一つ。

 それから、もっと簡単な方法で、ちょっとここにおられる方はお若いので、同じ年齢は一人しかいらっしゃいませんので、空襲警報というのを記憶しておられる世代というのはいらっしゃらぬのだと思いますが、あれぐらいわかりやすいものはありません。したがって、うおんとあの音が鳴ると、これは今どき空襲と思う人はいませんから、山津波か、どこからか弾道弾ミサイルが飛んできたか、そういったような形で、Jアラートというもので、全国いろいろなところで、防災のいわゆるスピーカーというのが立っているところはいっぱいありますけれども、そういったもので、基本的に、これが鳴ったら洪水、何とか、そういった緊急事態発生というようなものをきちんと整備するというのは一番手っ取り早く、二〇一一年まで待っておられませんので、そういった方法が一番わかりやすいのではないかというようなことを考えております。

塩川委員 放送事業者の自主性というのはありますから、自然災害についてはこれを要請することができる。これは、国防、有事の話というのはまた別な話ですので、我々としてはこの点については問題ありと当然思っておりますし、放送事業者の自主的な判断というのは当然入るんだということは改めて申し上げて、自然災害についての積極的な情報伝達について大いに取り組んでいただきたい、このことを重ねて申し上げておくものであります。

 その上で、もう一点お伺いしたいのが、アスベスト対策の問題であります。

 これは、政府として、連絡会などを設けて、石綿による健康被害の救済のための基金の創設を検討するということが挙げられております。石綿による健康被害に関係する事業者に費用負担を求めるとともに、公費負担のあり方についても検討する、こういうことが出されているそうであります。

 そこで、最初に、環境省にこのスキームについて簡単にお伺いしたいと思うんですが、健康被害の方の救済のための給付金の財源について、どのような検討を行おうとしているのか、その点について簡潔にお答えください。

寺田政府参考人 アスベストに関係いたします健康被害の救済の問題につきましては、ただいま先生御指摘のとおり、関係閣僚会議を開催いたしまして、検討を進めておるところでございます。先月二十九日に関係閣僚会議におきまして、石綿による健康被害の救済に関する基本的枠組みというものを取りまとめたところでございます。

 御質問の救済の財源ということでございますけれども、これは、基本的には原因者が負担をするということが基本になると考えておりますけれども、一方、アスベストによります健康被害につきましては、アスベストによる健康被害というのが潜伏期間が非常に長い、平均で三十何年にも及ぶということでございますので、実は、暴露に係る特定が非常に困難であるという特性がございます。したがいまして、原因者を完全に特定した上で負担を徹底するということが難しい、こういうことから、先ほど申しました基本的枠組みにおきましては、広い意味での原因者、すなわち石綿による健康被害に関係する事業者に負担を求めるとともに、公費負担のあり方を検討する必要があるとされたところでございます。

 今後、国と地方団体との分担あるいは事業者の範囲等につきまして、スピード感を持って検討を進めまして、次期通常国会のできるだけ早い時期に法案を提出したいと考えているところでございます。

塩川委員 そこで、麻生大臣にお伺いしたいんですけれども、石綿の被害、アスベストの被害について、原因者負担が原則だ、企業がこの費用を負担するというのが基本だと考えます。その上で、公費負担の問題について、私は、国の行政としての不作為の問題、国の行政責任というのは大いに問われるべきだ、しかし、自治体に負担を求めるというのはどうなのか、自治体に負担を求めるというのは筋違いじゃないか、このように思いますけれども、麻生大臣はどのようにお考えでしょうか。

麻生国務大臣 地方団体としては、いわゆる健康相談の窓口の開設とか、除去をするとか、既にやっております。いつまで待っても答えが出てこないんじゃ話になりませんから、学校やら何やらのものにつきましては、実態調査をやって除去してみたり、いろいろな形で、中小企業にそれを取りはがすということに関しては資金の貸し付け等々の支援の取り組みを始めておりますので、これは多額の負担になり得るという可能性があろうと思っております。そういった意味で、ただ、地方団体の場合はこれを規制する主体的な立場にはおりませんので、そういった意味では、ただ、多額な負担が生じるという可能性はあり得ると思っております。

 いずれにいたしましても、これは、ただただ地方にその負担だけを押しつけるというようなことではいかがなものかという御指摘はまことにそうだと思っておりますので、こういった問題について、他省庁等々とよく詰めながら検討させていただきたいと思っております。

塩川委員 私の地元の埼玉で羽生市というところに、曙ブレーキ工業と言われる、ブレーキパッドなど自動車の部品では最大手の部類に入る企業があります。ここで、周辺住民にアスベストの健康被害が広がっていた。かつて労働省も把握をしていたのに、その時点で問題にしなかったということがこの間大きく報道されて、地域の住民の方が大変不安に感じておられます。

 そこでは、この曙ブレーキ工業が、元従業員の方の健康診断を行うのとあわせて、心配な方については周辺住民の方も健康診断を受けてもらいましょう。その健康診断の費用をこの曙ブレーキ工業の企業負担で行うということなども行われているわけであります。

 ですから、今言われているように、自治体に求める、例えばそういう企業があったから、その所在自治体に負担を求めるということは筋が通らない話だと思うわけですね。ですから、羽生市でも、一部こういう報道がされたときには、そんなのはおかしいと大変怒っておられるということもお聞きしました。

 重ねてお伺いしますけれども、アスベストの製造加工工場があるとか、あるいはアスベストの健康被害者の方がいらっしゃる、そういう所在する自治体にそれを理由に負担を求める、自治体に費用負担をさせるというのは理屈が通らない。この点では大臣も同じお考えではないかなと思うんですが、その点いかがでしょうか。

麻生国務大臣 例えば電気製品で、ドライヤーのところについております白いあれは多分全部アスベストです。そういうものだと思っておりますので、そういった意味では、製品というものに関しましても同じように被害というものは起こり得るので、これは非常にすそ野の広い話でありますので、石綿、アスベストそのものだけをつくっているところが問題というのではないのではないかという御意見は正しいと思います。

塩川委員 アスベストの製造工場がある、あるいは被害の住民がいる、そこに所在しているからという理由だけで自治体に費用負担を求めるというのは筋が通らないという点では、そういうことでよろしいですか。もう一度。

麻生国務大臣 今申し上げたことをもう一回言うんですか。おっしゃるとおりというのも、おっしゃるとおりと言うほど人もよくないので、もう一回長々と説明を申し上げますから、よく聞いてください。

 基本的には、アスベストを使って製品をつくっている工場からもアスベスト被害というものが起こり得る可能性があります。アスベストそのものをつくっているところと、条件においては、アスベストをつくるという点においては同じ、使用されているというところも同じですので、こちらだけに責任があってこちらにはないというようなことはおかしいのではないかという御意見に関しては賛成ですと申し上げました。

塩川委員 そういう意味では、所在する自治体にも負担を求めるということをお考えだと。その点については否定をされなかったという話で、これは極めて重大だと考えます。

 朝日新聞のコラムなどでも、国や自治体の負担の行き過ぎは問題だ、こうした公費は国民や地域住民の税金であり、結局、負担を広く薄く国民に負わせることになる、これではアスベストを使用して被害を広げた企業は逃げ得になってしまう。こういう意見もあるように、国の行政責任は明らかにされなければいけない、この点ははっきり申し上げたいと思うんですけれども、その上で、地方自治体に費用負担を求めるというのは筋違いだ、これはやはり国民的な声だと考えます。安易な公費負担によって、私は、企業責任があいまいにされてはいけないと考えます。

 そこで申し上げたいんですが、先ほど、埼玉県羽生市の曙ブレーキ工業の例を紹介しましたけれども、例えば、熊本県宇城市、旧松橋町の事例で、ここにアスベストの鉱山がありました。アスベストの製品製造工場もあって、その周辺で健康被害が広がっているということが問題となっております。

 厚生労働省が行っています石綿に関する健康管理等専門家会議、この九月二十八日の会合で、熊本県旧松橋町における取り組みが紹介をされています。

 この会議文書では、松橋地区には明治時代よりアスベスト鉱山及び工場があり、昭和四十五年ごろまで操業していた、昭和六十三年の検診において、受診者三百五十七名のうち百四十八名、割合でいうと四一・五%の方に石綿吸引の証拠である胸膜肥厚斑が認められた、これらの原因として、鉱山及び工場からの低濃度アスベスト環境暴露が考えられると経過を紹介しています。これは、旧松橋町の住民の方の九・五%、ほぼ一割に当たる方にこのアスベストの影響があらわれているということが取り上げられています。

 ですから、旧松橋町では取り組みを行ってまいりまして、すべての住民を対象にした健康診査、精密検査でCT検査の実施を行う、登録台帳の作成等、健康管理システムの構築などを行ってきました。そういう点での費用負担を自治体は負ってきているわけですね。精密検査を行う場合には、県と市の全額負担でその検査が行われているわけです。

 行政の不作為としての国の責任も問われますけれども、何よりもこのアスベスト鉱山及び石綿製造企業による企業責任が問われるんじゃないですか。住民の健康診断にかかる費用について、自治体にすべて負担を負わせるのではなくて、企業の社会的な責任として費用負担も考えるべきじゃないか。

 麻生大臣、この点についてぜひお伺いしたい。

麻生国務大臣 地方にさらなる負担を求めるということに関しては、慎重に考慮すべきだと思っております。

塩川委員 企業負担について、こういう事例についてはどうお考えですか。

 旧松橋町で、アスベスト鉱山があって、アスベスト製造工場もあって、住民の一割の方にアスベストの影響が見られる。こういう事態について、地元自治体が多額の負担をしている。当然、住民の福祉向上の立場からは、自治体の取り組みとしてはわかりますけれども、しかし、そういった企業の負担についても、曙ブレーキ工業をよしとするわけじゃないですけれども、そういったこともあるわけですから、そういった企業の負担を求めていくということも筋ではないかと思うんですけれども、その点いかがでしょうか。

麻生国務大臣 個別の具体的な例に関して、全然事情がわかりませんので、安易なお答えは差し控えさせていただきます。

塩川委員 個別の具体的な事例だからこそお聞きしているんですけれども、この石綿製造企業というのは、麻生石綿加工株式会社、麻生セメントの一〇〇%の子会社です。これがアスベスト鉱山を所有していて、一九七〇年まで操業しておりました。麻生ボードの商品名で建設資材の製造もしていました。七〇年までの操業ですから、ちょうど麻生大臣が麻生セメントの副社長のころ。その後、社長を務めておられるわけですけれども。

 改めて聞くんですが、当時の経営者としても、まさに個別の、当事者としての麻生太郎氏、政治家としても、こういった地元自治体の負担について、関係企業がふさわしい費用負担をする、そういうことを求めていくという考えはございませんか。

麻生国務大臣 済みません、二十五年前、全然記憶が正直確かじゃありませんので、何とも答えようがないというのが正直なところです。

塩川委員 それで通る話ではないと思います。

 時間が参りましたから終わりますけれども、この隣の小川町、今は同じ宇城市ですけれども、実際に中皮腫で亡くなっている方も生まれています。そういう点では、アスベスト鉱山及び製造工場の影響というのは顕著に認められるわけで、こういった健康被害についてもしっかり把握して対策をとることが必要だ。そういう点でも、解散した石綿工場の経営者でもあった麻生大臣としても、こういったことについてきちっとした姿勢を求められる、安易な公費負担により企業責任をあいまいにしてはいけない、このことを申し上げて、質問を終わります。

実川委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時二十四分散会


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