衆議院

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第5号 平成17年10月20日(木曜日)

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平成十七年十月二十日(木曜日)

    午後二時三分開議

 出席委員

   委員長 実川 幸夫君

   理事 岡本 芳郎君 理事 佐藤  勉君

   理事 谷  公一君 理事 谷本 龍哉君

   理事 三ッ矢憲生君 理事 後藤  斎君

   理事 渡辺  周君 理事 赤松 正雄君

      あかま二郎君    遠藤 宣彦君

      岡部 英明君    奥野 信亮君

      川条 志嘉君    木挽  司君

      櫻田 義孝君    清水清一朗君

      関  芳弘君    田中 良生君

      土屋 正忠君    中谷  元君

      永岡 桂子君    西田  猛君

      萩生田光一君    萩原 誠司君

      橋本  岳君    平井たくや君

      福田 良彦君    増原 義剛君

      松本  純君    安住  淳君

      逢坂 誠二君    田嶋  要君

      寺田  学君    長安  豊君

      西村智奈美君    福田 昭夫君

      横光 克彦君    吉田  泉君

      桝屋 敬悟君    丸谷 佳織君

      塩川 鉄也君    吉井 英勝君

      重野 安正君    亀井 久興君

    …………………………………

   総務大臣         麻生 太郎君

   総務大臣政務官      増原 義剛君

   総務大臣政務官      松本  純君

   政府特別補佐人

   (人事院総裁)      佐藤 壮郎君

   政府参考人

   (人事院事務総局総括審議官)           出合  均君

   政府参考人

   (人事院事務総局人材局長)            藤野 達夫君

   政府参考人

   (人事院事務総局給与局長)            山野 岳義君

   政府参考人

   (総務省人事・恩給局長) 戸谷 好秀君

   政府参考人

   (総務省行政管理局長)  藤井 昭夫君

   政府参考人

   (総務省自治行政局公務員部長)          小笠原倫明君

   政府参考人

   (財務省主計局次長)   松元  崇君

   政府参考人

   (厚生労働省労働基準局勤労者生活部長)      青木 直幸君

   総務委員会専門員     太田 和宏君

    ―――――――――――――

委員の異動

十月二十日

 辞任         補欠選任

  土屋 正忠君     清水清一朗君

  土井  亨君     遠藤 宣彦君

  永岡 桂子君     川条 志嘉君

  田嶋  要君     長安  豊君

  西村智奈美君     吉田  泉君

  塩川 鉄也君     吉井 英勝君

同日

 辞任         補欠選任

  遠藤 宣彦君     土井  亨君

  川条 志嘉君     永岡 桂子君

  清水清一朗君     土屋 正忠君

  長安  豊君     田嶋  要君

  吉田  泉君     西村智奈美君

  吉井 英勝君     塩川 鉄也君

    ―――――――――――――

十月二十日

 郵便法の一部を改正する法律案(内閣提出第二四号)(参議院送付)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出第一五号)

 特別職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出第一六号)

 国家公務員退職手当法の一部を改正する法律案(内閣提出第一七号)

 公務員制度改革に関する件


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     ――――◇―――――

実川委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案、特別職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案及び国家公務員退職手当法の一部を改正する法律案の各案を一括して議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 各案審査のため、本日、政府参考人として人事院事務総局総括審議官出合均君、事務総局人材局長藤野達夫君、事務総局給与局長山野岳義君、総務省人事・恩給局長戸谷好秀君、行政管理局長藤井昭夫君、自治行政局公務員部長小笠原倫明君、財務省主計局次長松元崇君及び厚生労働省労働基準局勤労者生活部長青木直幸君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

実川委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

実川委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。土屋正忠君。

土屋(正)委員 初めての質問でございますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 本委員会付託の一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案外二法案は、国家公務員約九十六万人のうちの一般職の非現業国家公務員三十万三千人に関するものであります。しかし、他の職種も、根拠法は異なるものの、基本的には人事院勧告制度に準拠しているわけであります。また、地方公務員三百十六万人は、それぞれの自治体の条例によって規定されているのではありますが、いずれも人事院勧告並びにそれを受けた各都道府県人事委員会の勧告によっているので、結果として、本法案の審議は、我が国四百十二万の公務員全体に影響を与える重大な法案である、このように認識をいたしております。このような立場に立って、逐次質問をいたします。

 まず第一の質問は、今回の給与構造の五十年ぶりの抜本的改革は、地場賃金の適正な反映、職務、職責に応じた俸給構造への転換等により、現在の年功型給与構造から抑制型給与構造へと見直すものと聞いております。しかしながら、官民較差が生じないようにする必要があることから、国家公務員全体としての給与水準は変わらない、こういう前提があるわけで、どのような点が抑制的なのか明らかでなく、国民にはわかりにくいわけであります。

 給与構造の見直し等について、新設の地域手当についても、あわせて具体の例で御説明をいただきたいと存じます。

戸谷政府参考人 お答えいたします。

 給与構造の改革、今回の法案でございますが、俸給表につきましては、全国共通に適用されるものを維持するということでございますので、その俸給表につきまして、俸給水準を最も低い地域の水準まで平均で四・八%引き下げる、こういう形になっております。そして、民間賃金水準が高い地域では地域手当を支給する、こういう措置を講ずることとしております。

 また、この平均四・八%の水準引き下げでございますが、中高年齢層につきましては、公務員給与が民間給与を七%程度上回っていることを踏まえ、この四・八をさらに二%程度引き下げる一方、若年層につきましては引き下げを行わない、こういう形で俸給表がつくられております。このような形になりましたので、より年功的な給与上昇を抑制する形になるというふうに考えております。

 この結果でございますが、地域手当が支給されない地域の若年層以外の職員、少し年のいった職員とか、現行の給与水準は東京都特別区では平均的には維持されるんですが、やはりこれも、幹部職員を含む中高年齢層の職員等につきましては給与水準が下がります。

 一方、新たに地域手当が支給されることとなる地域の若年層の職員、あるいは東京都特別区に勤務する若年層の職員等は、新たな地域手当の効果も出てまいりますと、給与水準が上がるということになります。

 以上でございます。

土屋(正)委員 次に、今回の給与構造の改革では、勤務実績の給与への適切な反映を図るために、特別昇給と普通昇給を統合し、勤務成績が適切に反映される昇給制度が導入されるわけであります。

 この前提には、職員を適切に評価するいわゆる勤評の問題があるわけであります。この評価の仕組みはどのようになっているか。また、各省庁によって勤評の制度が異なるとのことでありますが、勤評の実態、公務の特性にかんがみて、成績率に反映できるほど正確に行われているのかどうか。これらについてお答えを求めます。

戸谷政府参考人 お答えいたします。

 現行の勤評ということですが、なかなか公務の特性として成果が数字にあらわれにくい、こういう特性がございまして、勤評につきまして、持ち回り的な運用になってくるとかいろいろ批判がございます。それに基づいて特別昇給あるいは普通昇給を行っておりますので、どうしてもそこの評価がかっちりしないということで、自動昇給とかそういうような指摘をいただいております。

 現在、私どもといたしましては、個々の職員が高い士気を持って職務に精励できるように、新たな人事評価制度、こういうものについて試行に着手したいというふうに考えております。平成十七年度中に試行に着手するという考えを持っております。

 ただ、その制度が定着するには相当まだ時間が必要とされますので、この新たな人事評価制度を構築するまでの間につきましては、現行、各府省において給与決定のための勤務成績の判定というものをやっておりますが、この運用をより的確に行うということを前提として、より的確にこの勤務成績の判定結果を反映し得る昇給制度を導入するという形に今回の法律案はされております。

 この勤務成績の判定でございますが、現在各府省で行われているいろいろな判定手続の明確化を図る、それで運用の実効を上げていきたいというふうに人事院の方も考えております。

 具体的には、人事院におきまして、成績上位者についての判定の尺度、それから標準的な勤務成績に達しないとされる場合の全府省共通の判定基準について検討が今行われておりまして、一部については各府省にも示されておりますが、法律成立後には各府省に人事院からの通知もなされるものと思っております。

 具体的には、今後、例えば昇給の、極めて良好な人についてはどれぐらいのパーセントを出せとか、あるいは良好未満について、懲戒処分を受けたという人についてはその判断基準を別にはっきり人事院の方でも定めるという形で、全省庁の基準の統一も図られるというふうに聞いております。

土屋(正)委員 今の件に関して意見を申し上げておきますが、懲戒処分を受けた者に対することは、これは当たり前のことなんです。問題は、今回の改正は、従来二号俸だったものを八号俸に分けて、刻みを多くすることによって積極的な勤務評定を行っていこう、こういう趣旨があるはずなわけですので、これらについて積極的な活用を要請いたしておきます。

 次に、三番目の質問でありますが、経済諮問会議においては、本年度秋まで、総人件費改革の基本方針を策定すること等により、公的部門の全体の総人件費の抑制に取り組むこととされております。経済諮問会議では、総人件費を対GDP比で半減するといった、非常に大胆なというか、ある程度、こんなことを言うとなんでございますが、むちゃくちゃなというか、こういうことも論議をされているようであります。

 人件費は単価掛ける人数でありますから、例えば、単価の場合にも、人事院勧告制度の維持によらなければ一体何を基準にするのか。また、優秀な人材を確保するという絶対的な要請もあるわけですから、これらについてどのようなお考えか。大臣から御意見をお聞かせいただければと思います。

麻生国務大臣 今、まず後段の方に言われましたGDPに比較して約半減というようなのが、巷間、新聞に載ったことは確かです。しかし同時に、経済財政諮問会議において、会社の車の売上高が減ったから、生産量も落ちて、したがって工員の数を減らしたというならわかる、しかし、財政赤字になった理由は役人の責任か、財政赤字が急激にふえた、税収が減ったのは役人の責任かといえば、それはそう一概にも言えぬのではないか、したがって、それに合わせて役人の給与を減らす、人数を減らすというのはおかしくはないか、日本銀行総裁の意見ですが、そういう意見等々もありましたので、新聞に出たようにストレートに、直ちにあの種の話になっているわけではありません。これをまず最初に、一番大きく見出しとしては躍りましたので、その点をお答えさせていただきます。

 それから公務員の話ですけれども、これまで、小泉内閣、平成十三年度以降になろうと思いますが、約十四万の公務員を非公務員化しておるのと同時に、給与も平均で約五%、給与水準が下がっております。

 同時に、今回の人事院のいわゆる勧告を踏まえました一般職給与法等の改正法案というのが出されて、基本的にこれを採用するということになっておりますけれども、抜本的な改革等が盛り込まれておりますので、それからいきますと、国家公務員ではマイナス約一千五百億円程度になると財務省が試算しております。地方公共団体、いわゆる公務員の方でいきますと、マイナス約六千億ぐらいになるであろう、これは総務省の自治財政局の試算で、総人件費の抑制につながるものというように試算はされております。

 また、今御指摘のありましたように、官民の給与比較というものが、民間の賃金が下がっている、デフレに合わせて等々、いろいろな話が出ておりますけれども、そういったものでこれまでの官民比較というのを人事院がやっておるが、あれが果たして今の時代に合った比較方法か等々については、人事院に対して早急に検討の要ありということで要請をしております。

 さらに、従来の削減目標を、約五年間で一〇%以上の定員合理化計画を策定したというところです。今後、これの純減目標というのを策定しなくてはならぬということです。すなわち、片方は減らしておりますけれども、警察官とか入国管理官とか刑務所の管理等々は需要がふえておりますので、そちらの分の計算ができませんと、減らすといってもこっちはふえる分もありますので、結果的に純減というものを一定数確保するためには、この増の方の話がはっきりわかりませんと減のトータルが出ませんので、そういったことを考えて、今その他いろいろ検討が進んでおるという段階であります。

 最初の御質問の、十年間で何とかというような簡単な話ではとてもあり得ないというので、市長をやって人事にお詳しいと思いますので、この種のことは、そんな見出しだけでできるような簡単な話じゃありません。

土屋(正)委員 今の御答弁を聞いて大変安心をいたしました。リアリティーのある進め方をしなければならないだろう、このように考えております。

 次に、退職手当法についてお伺いいたします。

 今回の退職手当制度の構造面の見直しは、長期勤続者に過度に有利となっていると言われている支給率カーブのフラット化、勤続年数に中立的な形で貢献度を勘案する部分、調整額の創設、在職期間長期化のための算定方式の特例の創設を柱とするものと聞いておりますが、今回の見直しの趣旨と効果について、わかりやすく御説明をお願いいたします。

麻生国務大臣 国家公務員の退職手当制度につきましては、これまでも、わたりの話やら含めて、いろいろ御批判のあったところであります。

 国家公務員の給与制度についても、今回、職務とか職責重視型へ改革が実施されるのに合わせまして、民間企業の退職金制度の見直しというのも結構進んでいるというのはこの十年間ぐらい非常に顕著だと思いますので、そういった状況を考えまして、在職期間中の貢献度というものをもっと的確に反映した方がいいんじゃないか、今までの役所は年功序列に傾斜し過ぎていやしないか、過度に年功序列になり過ぎてはいないか。また、人材が流動化して、ずっといるという方も、同時に退職される方も、いろいろ出たり入ったりする流動化する部分というのはふえます。同時に、勧奨退職等々による天下りの話やら何やらの関係で、いわゆる逆に退職をしないでずっと長期化するということも、これは両方考えないかぬところだと思います。

 その両方に対応できるような退職金制度というのを、構造的な見直しをやらないかぬのじゃないかということで、中途採用者、任期付採用者、中長期勤続自己都合退職者の退職手当額というものを増加させ、勤続年数の長さにかかわらず、短さにかかわらず、役職別の貢献度というもの、その他在職年数を、先ほど八千を二千ずつに四分割というあの話ですけれども、在職年数をきめ細かく勘案できるというようなあの話を、こっちにもある程度きめ細かくやった方がいいのではないか等々の御意見がありまして、在職期間の長期化に伴いいわゆる俸給月額が下がっても退職手当額は大きくは下がらないようにするとか、いろいろな意味で、私どもとしては、人事が複線化してきていることははっきりしていますので、それに対応できるような退職手当制度へと改められるものだというように期待をいたしております。

 ただ、これはいろいろやってみたら、長い間のあれですから、さわってみたらなかなかそんな簡単なものじゃないのかもしれません。私どもは、こういったものは、組合やら何やら、いろいろきちんとさらに細目を詰めないかぬところも出てくるんだろうと思っております。

土屋(正)委員 時間が足りなくなりましたので、一つ質問を飛ばしまして、最後に質問をさせていただきます。

 最後に、公務員の再任制という提案を申し上げたいと存じますが、大臣に御意見をお聞かせいただきたいと存じます。

 私、市長としての経験の中から、地方公務員の実態には残念ながら問題のある職員も多いわけであります。これは国家公務員も同様じゃないかなと思うわけであります。

 いわゆるだめ職員の対応として懲戒処分と分限があるわけですが、懲戒処分は当然一定の懲戒事由があるわけで、これは別にしても、分限を活用することになるんですけれども、現行の分限処分では、単なるサボっているとか、上司の言うことを聞かないとか、熱心に仕事をやらない程度では、実際にその活用ができないんですね。最近では、鳥取県の片山知事がかなり詰めて三人ぐらい分限にしたようでありますが、実際になかなか難しい。とりわけ大世帯になればなるほど難しい、組合もありますしね。

 そういうことがあって、例えば、十年ごとに職員を再任する、そういう制度をつくって、十年たって、どうもこの人は平均値以下でかなりひどい、こういう場合には再任しない。裁判官なんかで一部やっているわけでございますが、こういう制度を将来にわたってお考えできないかどうか。

 それから最後に、武蔵野市の事例で恐縮ですが、職員削減等について申し上げておきたいと存じます。

 私ども、直近の五年間で、千二百五十人の職員を千百五十人、約百人減らしました。かなりのパーセンテージであります。こういうことができたのは、実は、減らしても、一方ではどんどんどんどん、例えばいじめ対策とかいろいろ仕事がふえるわけですから、児童虐待だとか、あるいは高齢者対策だとか。これをどうするかということで、実は中高年の活用を徹底してやりました。

 開かれた市役所というテーマにして、やわらかい市役所、開かれた市役所。つまり、中高年、退職金も入れて年金も入れて一千万プレーヤーを百人切って、そのかわり二百五十万から三百万プレーヤーを三百人雇用した。役所を開いて行政経費をへずると同時に、どんどんそういう力を活用した。

 今度、団塊の世代がそろそろリタイアする時代ですから、積極的にこういう力を今後とも行政に生かしていく、こういう方向を大いに活用したらいかがかという提案をさせていただきたいと存じます。

麻生国務大臣 後の方の、十年ごとに切っちゃうというところはなかなか難しいかなという感じはしますので、国会議員も三年に一遍ぐらいありますので、公務員も十年に一遍ぐらいいいじゃないかという感じがしないわけでもありませんけれども。やはりこっちの方は、ちょっと会社に奉職して、何となく終身雇用がやっと今、大分変わってきたところの段階で、今さらにその段階までいけるかということに関しては、ちょっと土屋先生、そこのところには自信がありません。

 ただ、今の後の方の部分につきましては、これは結構民間では既にいろいろやっておりまして、そこをうまく使った企業は実はもうけておる、はっきりしています。

 定年何歳で切ってやっても、ある会社の運転手さん採用試験というので、三十七歳の人と十キロマラソンをして先に帰ってきた人だけ採用するとやって、三十七歳より先に帰ってきた六十歳以上の人が、驚くなかれ、三十八人。そんな雇えないから一週間後に来てくださいと、一歳下げて三十六歳の人とやったんですが、やはり二十八人先に帰ってきちゃったものですから、二十八人全部雇って、給料半分、出勤日半分というのでやったんですけれども、全然欠席はしないし、車は整備はいいしというので、おかげでえらくもうかっている企業は現実にあります。

 そういった意味では、管理職やら何やら務めた人たちが定年になって退職された後も、それまでの実績ははっきりしていますし、志も、矜持としても高いものがあるのであれば、それはいろいろな雇用形態の方法としては十分に考えられる一つの方法だと、私もその意見に、ちょっとそれは柔軟に考えてみないかぬところだと思います。

土屋(正)委員 大変貴重な御答弁をありがとうございました。もしや大臣が関係する会社かなと思ったりいたしております。

 きょうはどうもありがとうございました。

実川委員長 次に、渡辺周君。

渡辺(周)委員 民主党の渡辺でございます。

 前回の一般質問に続きまして、きょうは、この法案に対する私の考え方、短い時間でありますが、ここで述べさせていただきたいと思います。

 まず、今回の法案についてでございますけれども、給与構造の改革、もう一つはいわゆる人事院勧告に基づく給与の引き下げ、二本立てにして出てまいりました。

 ここで一つ、この後の委員からも質問が出ることと思いますけれども、やはりここで非常に腑に落ちない点が一点ございます。それは何かといいますと、いわゆる地域の手当でございます。この地域の手当、民間賃金水準が高い地域では地域間調整を図るための手当を支給すると。

 まずここで、本当に地域によってどれぐらい高いのか、あるいは高くないのか。そもそもその根拠を、どこのデータを、どの調査をもとにして出してきたのか、その点について、まず人事院にお尋ねをしたいと思います。

山野政府参考人 御指摘のように、地域手当を導入する前提といたしまして、各地域の給与格差というものがどのくらいあるかというのが問題になるわけでございます。

 これにつきましてはいろいろな考え方がございますけれども、私どもでは、やはり似た者同士を比較すると申しますか、似た職種だとか似た働き方をする者同士を比較するという、いわゆるラスパイレス比較が一番妥当だというふうに考えております。

 それで、国家公務員と各地域の地場の企業の人たちの賃金をラスパイレス比較する場合に、国家公務員は全国に散らばっているものですから、最小の単位としてもやはりブロックぐらいにまとめませんと、サンプル数が出てまいりません。そこで私どもでは、ブロックごとに分けまして、そしてブロックごとの地域差というものを比較したわけでございます。ですから、このやり方は、人事院が独自にブロック別のラスパイレス比較をやってこの格差を出したということでございます。

渡辺(周)委員 では、これは人事院がお調べになったデータをもとにやったと。例えば、この間の委員会でも申し上げましたけれども、国税庁の調査がございますね、あるいは厚生労働省の賃金センサス、賃金構造基本統計調査、例えばこういうものではなくて、人事院がやったということで判断してよろしいですか。

山野政府参考人 正確に申しますと、私どもでは例年、人事院勧告をやるために、人事院と各都道府県の人事委員会の御協力を得まして、全国八千数カ所の事業所の調査をしておるわけでございます。その数字を使って私どもが算出したということでございます。

渡辺(周)委員 前回の委員会でも申し上げました。ですから、そのいわゆる八千四百カ所の調査というものが、何度も言うようですけれども、もともとのその数字の根拠となっているのが、同じことはもう時間もないから申し上げませんけれども、結果的には大手の事業所を対象にしているではないか、大手の企業を対象にしているではないか。つまり、そこを比較して高いんだということになれば、例えば東京二十三区をとってみましても、東京丸の内にあるオフィスと、そうでない本当に中小零細の企業、例えば製造業の現場なんかに行きますと、非常にまだ厳しい状況にある。例えばそういうところでも、同じ二十三区でも違うんですね。

 ですから、これは本当に、もう東京都議会でもかなりこの問題、東京都の職員の例えば給与の決め方についても、東京都民の平均所得と全然違うじゃないかというようなことも、地方議会でも、地方議会と言っていいかどうか、例えばそういう問題視というのはもう出ています。

 当然、国の方でも、何度も言うようですけれども、これはやはり私たちは、昭和三十九年、まさに私が三歳のときでございまして、もう四十年前のときから続いているこのあり方というのが果たして本当に現在の状況を反映しているかどうか。そこの点からしても、私たちは、地域間格差を埋めると言われているこの手当の決め方についても、本当にどこまで調査をされているのかということについては、私自身は非常にとり方に対して不満があるわけでございます。

 一つ、今申し上げましたから言いますけれども、人事院のデータをもとにして国家公務員の平均給与を出しますと大体六百二十九万五千円だ。そして、国税庁の出します民間の平均給与ですと四百三十九万円、これは先般発表されていました、一番直近の数字でございます。そして、厚生労働省の賃金センサス、これは賃金に関する統計としては最も規模の大きい調査、七万事業所、百四十万人をサンプルにして、常用労働者五人以上九人以下という民営の事業所からもデータをとっている。それを見ますと、その場合は、大体二〇〇四年で、高卒以上だけを考えて割り出しますと、およそ四百五十九万七千円だ。

 つまり、厚生労働省の調査では四百五十九万七千円、国税庁の調査では約四百三十九万円。ところが、大手の企業だけを対象にしております人事院の調査を見ると六百二十九万五千円。もう百七十万円から百九十万円ぐらいの官民の違いがあるんです。この同じ国の機関がとっている統計調査を、対象を広げるだけでこれだけ違うんですよ。

 ですから、私たちは、今回のこの国家公務員法一部改正案の中で、残念ながら付託をされず、ここで対案という形では提案をすることができませんでしたけれども、まさに今申し上げましたように、給与勧告の基礎となる調査、これについては、やはりあまねく、できるだけ多くの国民の理解と納得が得られるような形でやるべきではないかということを法案にしまして、我々は、付託されませんでしたけれども、法律案として提案をしたところでございます。

 その点について、先般、政府の方から人事院に対して、有識者による研究会、検討会を立ち上げろということで、これから人選に入るというような御答弁がございました。

 そこで伺いますけれども、これはある意味では、政府からの、内閣からの中立性という意味において、それが人事院に対する政治的圧力だとおっしゃる方も中にはいらっしゃいますけれども、だったらばこそ、逆に、立法の中でこういう調査をできるだけ国民の実態、情勢に適応する形でやるべきじゃないかということで書き込んだ方が、私は、決して政治介入ではなくて、立法のもとで行われることだということで、そちらの方が私自身は正当な根拠だと思っているわけでございます。その点について、私どもは、この国家公務員法の第二十八条に第三項をつけ加える形で法案を提出させていただいたわけでございます。

 さて、もう一つお尋ねをしたいと思います。

 いわゆる給与構造改革の中で出てまいりますけれども、この間、最後に人事院総裁が、今後、手当の導入をさらに平成二十二年までの五年間で順次実施するというようなことをおっしゃいましたけれども、本府省手当の新設ということをこの間おっしゃられました。私は、先般、会計検査院の会計実地検査というのは、本来の職務を行う者に対して特殊勤務という形で手当が出るのはおかしくないかということを申し上げました。これを見ますと、また本府省手当というのが新設される。

 本府省手当というのは一体どういうものなのか、どういうイメージでおっしゃられているのか、改めてここで質問させていただきたいと思います。

山野政府参考人 本府省手当の趣旨でございますけれども、本省の職務におきましては、国会対応業務とか、あるいは予算関連業務、法案作成関連業務などが大きなウエートを占めておりまして、本府省職務の特殊性、困難性が指摘されているところでございます。

 また、こうした業務を担う実動部隊であります課長補佐以下の職員につきましては、本省で直接採用された職員に加えまして、地方機関の優秀な職員を積極的に登用することによって確保しているわけでございますけれども、近年、各府省から必要な人材の本府省への確保が困難になっているという声が高まっているところでございます。

 私どもといたしましては、こうした事情を考慮いたしまして、実はこれまでも本省の課長補佐につきましては特別調整額八%としていわゆる本省手当というのが出ているわけでございますけれども、この課長補佐に出ております本省手当を、今回、新たに係長及び係員にも広げるという趣旨で設けたわけでございます。

渡辺(周)委員 今答弁された中に、本府省の職員の方々の、国会対応、法案作成、予算作成の特殊性、困難性にかんがみというようなことを言われました。しかし、考えてみると、ここにいらっしゃる方々はみんな同じことを思われていると思いますけれども、国会対応とか法案作成とか予算作成というのはまさに皆さん方の当たり前のお仕事じゃないのかなと言わざるを得ないんですね。これが特殊性だとか困難性だと言ったら、では一体、通常は何が特殊でなくて何が困難でないのか、これは逆に見つける方が難しいです。

 ですから、そこに新たに本府省手当の新設ということが書かれておりますけれども、そうしますと、結果的には、基本給は下がっていくけれども、残念ながら、残念ながらといいますか、また新たな手当が新設をされて、そこで結局はバランスをとるんじゃないのかなというふうに判断せざるを得ないんですね。

 民主党の方では、国会職員の手当を全部見直すべきじゃないかということで今いろいろ調査をしておりますが、例えば、国会職員の特別手当というのが再来年度、平成十九年度で廃止されます。ちなみに、来年度で、十八年度は最後の年のようですけれども、二億一千万円の予算を計上されている。

 これは来年が最後だそうでございますけれども、平成十九年度廃止が決まっているこの国会特別手当については、昭和二十二年に国会職員の給与規程ということで議長が決定をした。国会開会中において、勤労の強度が著しく厳しい場合支給。当時は乱闘国会とかあって合理性があったのではないか。ところが、もう各党の当然いろいろな意見の中で、国会議員と会うとある意味では危険で、ある意味では国会で仕事をするということは言ってしまえば非常にストレスのたまる仕事だということでこういう特別手当があったんですよ。しかし、国会の職員が国会議員に会うことは当然の仕事ですから、確かにそれは乱闘に巻き込まれて少々おけがされた方もいるかもしれませんが、それはそれで、例えば保険を出すとか、何か見舞金を出すとか、できる話なんです。

 つまり、こういう時代にもう合わなくなったような手当なんというのは逆に言えば削っていこう、なくしていこうということを言っているところで、正直言って、これからまた手当が新設される。しかも、本府省手当の新設というもの自体が、さらにこれは広げられるということに対して、非常にこれから我々は注視をしていかなければならないわけでございます。

 ですので、先ほど申し上げました、会計検査院に関連しまして、会計検査院の職員のまさに先ほど言われたような特殊性だとか困難性にかんがみて実地検査手当というのが出ているんだということはおかしいと先日の質問でも申し上げました。ですから、私どもの提案の中には、こうした特殊勤務手当のようなものは常に見直しをしていくべきだということを法案にも書きました。どなたからも異論のない、まさに我々は国家公務員法の改正案を出したわけであります。

 その点につきまして、これからこの問題については議論をさらに進めてまいりたいと思いますけれども、ぜひ人事院におかれましては、本給、基本給は下げたんだけれども、俸給は下げた、だけれども、結局、手当が幾つもできてきて、最終的には手当でバランスをとっているんじゃないかというふうにもうほとんどの国民は見るわけであります。ぜひ、その点については我々も厳しく追及していますので、その点についての御覚悟をいただきたいなというふうに思うわけでございます。

 もう数分になってしまいました。こんなことならもっと時間をとっておけばよかったと思うんですけれども、私の持ち時間はあと四分ほどになりました。

 総務大臣にお尋ねをしたいというふうに思いますけれども、総務大臣のお考えをお聞かせいただきたいのは、先般人事院から出されました、留学費用の返還についての法案を来年度つくるべきだというような意見の具申、申し出がございました。それについて、国外留学はもちろんのこと、国内の留学もある。一体どれぐらいの費用がかかっているものなのかということを伺いながら、人事院にも伺いたいのは、果たしてすべて留学をさせる必要というのがあるのかどうなのか。

 ある官庁出身の同僚議員に聞きましたら、同期二十三人中、二十二人が国外留学をして、一人だけ国内留学、東京大学に留学している。留学というんでしょうか、内留している。そういうことで、果たしてこの制度というのが本当にそれでいいのかどうかということをぜひ両者から御答弁いただきたいと思います。

 また、当然、国内留学あるいは国外留学をする中には独立行政法人の職員等も含まれていると考えますけれども、こうしたところまで当然対象を広げてお考えなのかどうか。その点についてお伺いをしたいと思います。

麻生国務大臣 たしか前回、渡辺先生の中で、返還をしようと思ったら、国会議員になっておる、だから、それを返還しようとすると、国会議員としては寄附行為になる、だから返せないんだと……(渡辺(周)委員「それは永田先生の話だ」と呼ぶ)民主党のことを自分で言われるんだから間違いないでしょう。私はもうそれは調べてすぐわかりましたけれども、法律的にはそうなっておるんですね、確かに。だから、それは一概に非難はできないんだと思いました、そのときは。

 今のお話ですけれども、海外に留学する必要があるのかというと、例えば、自治省と言われた時代の人たちは、海外に留学する何の必要があるのだと言われたものだそうです。自治省の職員で海外の留学は、最初にやったのが今の次官の林省吾だそうです、調べてみましたら。

 今、実はどんなことになっておるかというと、自治省のような超ドメスティックな役所なんですけれども、私どもに今、いろいろな海外からお見えになる方というのは、電波とかITとかいう方と思っていたのですが……(渡辺(周)委員「その話は前回聞きました」と呼ぶ)実は、多いんです。

 ですから、その意味では、海外でいろいろな人と一緒に働く、生活するというのは、私は、いい機会を提供し、なるべく若いうちにそういうのを一回やらせた方がいいというのは、基本的にそう思って、それを後の仕事に役立ててもらいたいな、基本的にはそう考えております。

佐藤政府特別補佐人 まず、海外留学の意義についてでございますけれども、これは渡辺委員も御経験なさったと思いますけれども、やはり留学のメリットというのは、勉学の内容もともかく、各国から来た仲間たちと競い合って、異なる価値観の中で生活するということで、例えば、日本のいわゆるドメスティックスタンダードというのはグローバルスタンダードと非常に違っているということとか、あるいは真の国際性というのはどういうことなのかということをやはり肌で感じて、そういう意味で国際感覚というのを身につけることができるというのが大きなメリットだと思います。

 これからの行政にとってそういう国際性なり国際感覚というのを身につけた人材が必要であるということは、これは委員もお認めになるというふうに思います。したがいまして……(渡辺(周)委員「どれぐらいの費用を使っていて、国内留学の場合も適用されるんですか」と呼ぶ)

 国外留学の場合は、給与を除いて、一人約千三百万円かかっております。平成十六年度の予算で、たしか十六億円程度の予算を使っております。

 それでよろしゅうございますか。

渡辺(周)委員 いや、私は別に全部否定しているわけじゃないですよ。民間企業だって、当然優秀な社員に対する海外の留学の制度はありますからね。それはやはりある程度将来性を見込んでいる人間。だから、全員が全員行く必要があるんですかということについて申し上げたんです。そして、その中で当然、優秀な人間を選抜して行かせることはいいと思う。

 もう一つ、さっき答弁漏れで、伺いたかったのは、結局、国内に留学する人間もそうだということでいいんですね。つまり、五年以内にやめた場合には、それは返せということですね。

藤野政府参考人 ただいま御指摘いただきました国内留学につきましても、今回の意見の申し出で、費用償還の対象とすべきものとして意見を申し出させていただいております。

 それから、先ほどの御質問の中で独立行政法人の職員についての言及がございましたが、独立行政法人の中の特定独法と言われているものの職員は一般職でございますけれども、意見の申し出の対象外となっておりますので、形式的には意見の申し出の対象としておりません。ただ、私どもとしましては、意見の申し出を受けられた政府におかれて、独立行政法人の特殊性、そうしたものも勘案して、この申し出の趣旨と独立行政法人の特殊性等を勘案して、検討していただくことを期待しているわけでございます。

渡辺(周)委員 時間が来たので、終わります。

実川委員長 次に、逢坂誠二君。

逢坂委員 麻生大臣、きょうもまたよろしくお願いいたします。意義のあるやりとりをしたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

 私、公務員制度改革でありますとか公務員の給与の構造を変えていくということは、今の日本の状況を見ると、非常に大事なことだというふうに思っております。ぜひともやり遂げなければならない。私も現場で首長を務めておりまして、職員団体や職員とガチンコで対峙しながら、対峙というよりも対決しながらいろいろやってきたんですが、なかなか難しい問題だなというふうに思っております。しかし、これからは首長から国会議員という立場を変えまして、職員団体や職員に迎合することなく、また職員団体と特にがっちりと正面からぶつかり合いながら、この改革を進めてまいりたいと思っておりますので、また大臣からもいろいろな部分で御示唆をいただければなと思っております。

 きょうは、大きく三つのお話を聞きたいと思っております。一つは今回の法案に載ってございます地域手当の関係、それからもう一つが勤務実績を反映させるということ、それからもう一つが公務員制度改革ということについて、大きく三つを聞きたいと思っております。持ち時間が限られておりますけれども、効率よくいきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 まず第一点目でございますけれども、今回導入をされるという地域手当でございますけれども、これの意義、意味合い、特にこのメリット、デメリット、懸念されるようなことについて、大臣の御所見をまずお聞かせください。

麻生国務大臣 御存じのように、平成十八年度から実施を予定しておりますこの給与構造の改革ということなんですが、背景は、公務員、特に地方公務員の給与がその地域の民間賃金と比較して高過ぎやしないかという批判。もう一つは、先ほども渡辺先生の御質問でしたか、どこかに出ていましたが、土屋先生でしたかの御質問のところにありましたとおり、いわゆる年功に偏り過ぎていやせぬか、そういった指摘が多く出ました。

 そこで、いわゆる地場賃金というもの、ニセコならニセコの地場賃金というものを反映させるために地域間の配分の見直しをせないかぬのじゃないかということが一点。それから、年功的な給与の上昇、何年いたら決まって上がって、ぽんぽんと上がっていくというのを、職務とか職責に応じたようないわゆる俸給構造へ改革するということ、それから勤務実績というものを給与へもっと反映させるべきではないかということで、これによって、結果として、そっちの方がやる気が出てくるということになれば、私どもとしては、総人件費の削減にもつながるでしょうし、いろいろになろうと思います。

 ただ、デメリットは何かと言われると、これは、今までそういうつもりの全然なかったところで二十年、三十年いる人に、ある日突然能力給よと言われても、まず対応できるであろうかというと、なかなかそこは難しいかなという感じがしますので、私どもとしては、そこのところになれるまでの時間は結構なものがかかるかなという感じが率直に、もとそういった立場にいましたので、相手側に立てば、そこのところは、給与のやり方を変えるというのは結構なショックみたいなものが、カルチャーショックとは言いませんけれども、そういったものが出てくるであろうと予想しております。

逢坂委員 今、勤務実績の反映の方までちょっと御答弁をいただいたかなというふうに思いますが、まず地域手当について議論したいわけです。

 地域手当、地場の賃金実績、実態の反映、公務員と乖離があるというところを埋めたいんだという話でございましたけれども、公務員の仕事というのをどう見るかということ、これは非常に重要だと思うんですね。

 いわゆる公務、公共の仕事でありますけれども、地域の経済が好況だからといって、公務員の給料がそれに連動してどんどんどんどん上がればいいという性格のものではないだろうというふうに思うわけですね。また、逆のケースもある。地域の経済がレベルがちょっとよろしくない、低いからといって、では公務員の給料も下げてしまって、公務というものをやっていいかどうか。やはり公務というものは、ある一定の質というものを保たざるを得ない、保つことが重要だ。そういう観点からいいますと、今回のこの地域手当の導入ということはどうなのかな、ちょっとおかしいのでないかなという声も随分ある。

 それとあわせて、公務というものに対する考え方をお聞かせいただきたいと思います。

麻生国務大臣 よく官と民という話が出ますけれども、やはり官と民との間に公というのがあるんだ、いわゆるパブリックサーバントという意味でのパブリックというものが、そこに中間があるんだ、私、その点は多分、逢坂先生と同じなんだと思います。

 確かにおっしゃるとおりに、その地域、同じ人口八万なら八万の町が隣にあっても、片方には大手の企業がある、そこそこの企業がある、片方は全然ないということになりますと、そちらの給与というのに合わせますと、こっちが低くてこっちは高く出る。その局地、局地でとれば、必ずそうなります。そうなると、結果として、こっちの市職の方の給与は高くて、同じ市の、こっちの市職の方が安いというのはどうしてと言われて、どうしてぐらいで済んでいるうちはいいですけれども、こっちに勤める人がいなくなって、こっちに全部移って、こっちに勤めたいというような話になるなどなど、いろいろ弊害が出てくるところは考えておかないかぬ、私どもは、行政をする立場におきましては、そういうことを考える。

 当然、人事院ではそれをお考えになるんだと思いますので、地方公務員を預かります総務省としては、その地域差というのは一概にはなかなか言えないという点を考えるべきだという逢坂先生の御指摘は正しいと思います。

逢坂委員 この地域手当の導入をしたいという方たちの気持ちもわからなくもないんですけれども、今この日本の社会の中で、中央集権から分権型社会へしていこうというときに、この地域手当のような考え方を導入するということは、もしかしたら少し語弊があるかもしれませんが、東京を頂点とする賃金のヒエラルキーというものを公務員社会にもたらすのではないかということですね。

 今の日本経済の現状を見ますと、どう考えてみても、やはり東京がきっと頂点、あるいは東京以外のところもあるかもしれませんが、いずれにしても、どこか頂点をつくって、それに連なる階層社会というものをつくっていくことになるのではないかという懸念を持つわけですが、このあたりについてはいかがかということ。

 あわせまして、今回のこの地域手当の導入というのが、分権型社会というものを考えたときに、地域格差を助長していく、地域格差拡大社会へ日本を持っていくのではないかというふうに思うわけですが、今回のこの給与構造を導入することによって将来どんな日本になるというふうにお考えでしょうか。

 二点、要するに、ヒエラルキーができるのではないかということと、こういう給与の考え方を持つことで日本の将来というのはどんな社会になるかというあたり、御所見をお伺いいたします。

麻生国務大臣 一点目の点につきましては、これはいわゆる俸給表、あの俸給表というものに関しては、これは今御指摘を受けたようなところもあり得るということで、この俸給表については全国共通ということにして、いわゆる激変緩和、そういったようなものができにくいようにしたというのは、ちょっとそこのところはぜひ頭に入れておいていただければと存じます。

 もう一点は、やはり均衡ある国土の発展というのは、多分昭和三十年代、四十年代の言葉だったんだろうと存じます。そのころは、電話もなかなか直通では通じないし、テレビも難視聴、いろいろあったし、下水道もとか、いろいろ地域間格差がかなり激しかった。社会的基盤としてのインフラストラクチャーというものからいけばそういう時代だったと思いますが、今は、ニセコはどれぐらい都会になったか、昔のニセコしか知らぬので、余り変なことを言っているとしかられちゃいそうですが、私みたいな元炭鉱町でも、一応電話は直通になり、いろいろなものが、下水道は完備されてきています。そうなってくると、余り基本的なところでそんな差はない。一応コンビニもあるし何もあるしということだから、そうなってくると、住民の意識としては、特色ある地域の発展ということに多分なってきているんだと思うんですね。

 またそれが、ちょっと変な例を引くようで恐縮ですけれども、八戸駅という駅を見られたらわかると思いますが、失礼ですけれども、東京駅よりはるかに見てくれのいい駅だ。これは青森の人がいないからあれで言っているんですけれども、本当にびっくりするような建物で、私、初めて行ったとき、一番青森に似つかわしくない建物はこれだと言って、えらく票を減らしたと、応援に来てもらった人はえらい迷惑したんだと思いますが、私はそう言ったんですが、多分、十五年か二十年すると、あれが普通になるんですよ。

 私は多分、昭和三十九年、新幹線ができたときは、東京も名古屋も京都もみんな外壁は同じですから、あのころはみんな同じ、東京と同じがよかったんだと思うんですけれども、今は別のものという意識になってきているというのであって、地方分権というのがある程度、分権一括法になり、それを裏づける財政のあれがきちんと、地方税というのがくっついていくことになっていくと、地域というのはいろいろな意味で、ここはニセコの方がいいけれどもこっちは富良野の方がいいとか、いろいろな地域で、住民もそれを見て、今ホームページでみんな見られますから、そういった形で特色ある地域というものが出てくる時代になるんじゃないかなというのが私の見た感じです。

逢坂委員 格差ではなくて特色だというようなことかと受け取らせていただきました。

 次に、今回の給与法の改正の中にある勤務実績の反映ということについてお聞きをしたいんです。

 全国の、国、地方を問わず、公務員というのは、やはり自分のやった仕事を適正に評価してもらいたいと多くの人が思っているはずであります。私も、職員の働きを見ていて、頑張った人には頑張ったなりの、そうでない人にはそれなりのというようなことをやるのはやはり妥当だろうなというふうに思うわけですが、ただ、評価というものが簡単にうまくいくのかどうか、ここが非常に大きなポイントなわけであります。

 そこで、まず一点、これは大臣でなくても結構なんですけれども、今回導入しようとしている勤務実績の反映の仕組みですけれども、現在の勤務評定制度とどのように手法上変えようとしているのか、ちょっとそこをお聞かせ願いたいと思います。

戸谷政府参考人 お答えいたします。

 一点、私どもの方で現在、新しい評価制度というのを勉強しておりまして、これの試行を年度内にもやりたいというふうに思っております。これは今、民間の方でもいろいろな新しい評価がございまして、コンサルも入れて勉強してやっているんです。

 ただ、それには間に合わないし、それから、現行の勤務評定制度というものの限界というのは、いろいろな、今先生御指摘があったところはあるんですが、その上で、人事院として、今、勤務成績の判定手続の明確化ということで、成績上位者についての判定の尺度とか、成績上位者はこれぐらいつけなさいとか、そういうものをまず決める。あるいは、先ほどございました、標準的な勤務成績に達しないとされる場合の全府省共通の判定基準、こういうものは今後人事院から示されるということで、これに沿って各府省それぞれ判定をしておりますので、その上で動かしていくという形で給与の方は当分動かせという形になります。

逢坂委員 今の話を聞くと、結局決まっていないということだと思いますね。上位者の範囲をどれぐらいにするのかとか、勤務成績がある一定程度に達しない者をどうするのかということをこれからやりたいということでありますから、まだ具体的には決まっていないということだというふうに感じます。

 今度は大臣の方へお聞きしたいんですが、勤務評定であれ勤務実績であれ、全国の自治体の例を見ると、自治体レベルでありますけれども、なかなかうまくいっていないというのは、大臣も多分御承知のとおりだと思うんです。

 そこで、国家公務員の勤務評定制度、それぞれ霞が関は縦割りでおやりになっているということで、私も資料をいただきましたが、これはうまく動いているというふうにお考えですか、大臣。

麻生国務大臣 それはそこそこうまくいっていると言わざるを得ぬ立場にいるんですが。

 逢坂さん、勤務評定というのは、会社の場合ですと、売上高が幾らだからどうたらということは言えるんですが、役所の場合は、与えられた職種で全然能力があっても生かせない場合、どうするんだという話が一つ。

 もう一つは、いわゆる上級職、一年ぐらいでぼんぼん転勤していく。傍ら、そこに行った人たちは、国土交通省九州地方何とか局遠賀川河川事務所、私の選挙区だから少々悪く言っても大丈夫と思いますが、余り柄のいいところじゃないんですが、そこにいきなり上級職の人がぽんとおりてきて、勤務評定を一年でやってみろと言われてできますかねと言われたら、私はすごく大変だと思いますね、私がその立場になったら、何百人いるんですから。そこにずっと土着のがいるわけです。それを相手に、これは1、2というのはどうやってつけられるかというのは、現実問題としては結構しんどくなっていて、そこに昔からいる人でいいのがいればいいですよ、そうじゃないのがいて、ちょっと所長さんと呼ばれて、これと言って、結果的に見てみたら、全部高いところに硬直化する可能性というのは否定できない。

 これは、この話をやり始めたとき、一番最初にそういうことを申し上げた記憶がありますので、今でもそれはそう思いますけれども、現実の問題としては、これは非常に大変な話であるという認識だけはしております。

逢坂委員 御認識をいただいているということで、安堵するような、困ったような。

 そういう御認識であるならば、そういう状況の中で、しかも、先ほどの人事院の方からの答弁によれば、これから試行をしてやるんだと。それで、試行してちゃんとできるまでは今までの勤務評定を使うんだということになりますと、若干論理矛盾があるのかなと。職場の混乱を来すとか、職員間の不平不満が出てしまう。せっかくこの制度を導入しても、運用初年度から形骸化するおそれがあるかもしれない。場合によっては、混乱が起こるか、混乱させないためには形骸化してしまうのではないかという気がするんですが、このあたりいかがですか。余り聞かない方がいいですか。それでは、答弁をよろしくお願いします。

麻生国務大臣 これは総務省に聞かれるより人事院に聞いていただかなきゃいかぬところなんだと思いますけれども、その種のことがないように頑張らないかぬところだと思います。そういうものが十分にあり得るといって認識しておいてかかるのと、このとおりやればいいんだと思うほど簡単に思ってかかられたらえらいことになりますので、そういった認識を十分にさせた上でこういったものに臨むように指導しなきゃいかぬものだと存じます。

逢坂委員 実は、今の話は確かに人事院に聞くべきことなんですが、次の話にちょっとつながるものですから。

 人事院勧告というのは、国家公務員の給与制度の改正というのは、当然、これまでの例を見ると、地方公務員にもそれを、必ずしも全部ぴったりやるわけではないけれども、ほとんど準用していくような形で動いてきた。事実上、旧自治省も総務省も、全国の都道府県、市町村に対して、人事院勧告と、国の制度と市町村独自の制度のずれみたいなものをよく調査して、場合によっては、これは国の制度からなぜ離れているんですかというような話をよくやっていたわけですね。

 したがいまして、今回の勤務実績の給与への反映というのは、いずれは全国の自治体へ行くことになるんだろうと思うわけですね。その段階で、今、国レベルで随分これは導入について不安があるよということではありますけれども、やはり混乱のない、納得できる運用というものを全国の自治体でもしなきゃいけない。その点、今度は総務省の果たす役割は非常に大きいと思うのです。

 この点、総務省の果たす役割として、全国の市町村、都道府県に行った場合に、どのように指導なり導きをしていくのかということをお聞かせください。

麻生国務大臣 これはもう、かかって、そこの行政体をあずかっておられる首長さんの意識、能力、また組合との関係等々がきちんとしているところとしていないところと、同じルールを当てはめても随分差がつくと思いますね、不満がたまりますから。

 そういった意味では、ある程度ここからやってもらうというのは、やはり先行的に、あの市みたいにというようなのが出てくるのが一番現実的だなという感じは、自分の選挙区であそこだけやらせちゃだめだなとわかりますものね、私も。だから、そういった意味では、ここだったらというようなところからやらせる以外手がないかなと。正直、具体的なことを申し上げれば、そうだと思います。やはりあそこで成功したらうちもやるというのじゃないと、今までずっとやってきたものをぽっというのは、人間は特に保守的ですから、なかなか難しい上に、ましてや役所に入って何十年という人がいきなりあしたから能力主義よなんて言われたって、それはなかなかそんな簡単にはいかないだろうというのが、現実問題としてそうだと思います。

 したがって、対応の仕方というのは、よほど現実的に対応しなきゃいかぬというのはよく御存じのとおりなので、そこらのところは、私ども総務省としては、ここみたいに成功したという例はどんどん取り上げて、同じようなサイズの市、似たような町には、ぜひこういった例というのが、きめ細かく指導するというぐらいの手間暇をかけないかぬのではないか、そんな感じがしております。

逢坂委員 どうもありがとうございました。

 機械的に適用して制度を形骸化するのではなくて、今大臣がおっしゃられたように、モデル事例なども含めて、段階的に現実に合った形で制度が定着していけばというふうに私も思っております。

 次に、公務員制度改革でございますけれども、冒頭にも申し上げましたとおり、やはり日本が今、新しい時代に向かってこの難局を乗り越えていくために、公務員制度の改革というのはぜひやらなきゃいけないというのは、私自身も強い認識でございます。

 さまざまな観点が公務員制度改革にはあるわけですが、きょうは、現行の人事院勧告制度とあわせて、公務員への労働基本権の付与、これは釈迦に説法ですから、私がしゃべるまでもない、ILOがいろいろ言っているわけですが、この点について、大臣としてはどのようにお考えでしょうか。

 現状の人事院勧告制度が労働基本権の代償を十分果たしているのか、あるいはまた、ILOの言うとおり、やはり労働基本権を付与すべき方向へ今後いくべきだというようなあたりについての御所見をお伺いいたします。

麻生国務大臣 公務員である以上は、ある程度の制約みたいなものがあるというのは、職務の公共性とか特殊性というのを考えると、ある程度の制約は避けて通れないんだと思うんです。

 傍ら、生存権の保障とか労働三権とか、いろいろな表現はありますけれども、そういったものからいくと、その労働基本権の制約に見合う、いわゆるある程度の代替措置、代償措置というので、人事院というものはかれこれ五十数年ずっとあるんですけれども、これが設けられていきますので、今回、国家公務員に関しましても、私ども、例えば総務省でおととい、今回は何回しましたか、大臣と職員組合の組合長との交渉というのは、ことしに入って、おとといが最後でしたか、やらせていただきましたけれども、そういった形での交渉やら何やら含めて、結構接点を努めてやらないといけないところなんだと思うんです。

 そういった意味では、ある程度の話し合いをして、意思の疎通というのをうまくやる努力がないと、これはなかなか、こんなでかいところですから、とても難しいというのが正直なところなんです。

 ただ、そういったものをやって、今いろいろな考え方があって、スト権以外はいいじゃないかとか、団体交渉権とか協約締結権ぐらいはいいじゃないかとか、いろいろお話があるのは確かです。消防署と警察だけ除けばあとはどうでもいいとか、いろいろ御意見があることは確かですけれども、まだちょっと正直言って、今それを直ちに、おまえどうだと言われて、簡単に、やってもいいんじゃないですかと言えるほど、これはなかなか、長いこれまでの経緯がありますので、そんな簡単な話ではいかないので、いわゆる役所言葉で言えば、これはやはり慎重にちょっと検討せないかぬなという言葉になりますでしょうね。

逢坂委員 慎重であっても、世界の趨勢あるいは今の現状を見ると、やはり労使が納得し合える制度というものの構築は多分必要なのかなというふうに私は思っているところです。特に、先ほどの勤務評価のようなことがこれから入ってきますと、それなしに一方的に評価をされるとなると、これはまたたまったものではないというふうに思っておりますので、またこの点については日を改めて議論の機会があればと思っております。

 そこで、今回の公務員制度改革でありますとか給与のことについて、実は、小泉内閣においては経済財政諮問会議というのが非常にある種大きな、公務員制度だけじゃなくて、各部門において、小泉内閣の仕事において経済財政諮問会議の役割というのが大きくなっているという認識を私は持っています。

 ただ、経済財政諮問会議は、どちらかといえば、公務とか公共とかという観点よりも、これも言葉はもしかしたら悪いかもしれませんが、営利、私企業的なるお金の高低といいましょうか、そういう部分に随分焦点が、価値判断の基準があるような印象も持っているわけですね。

 そこで、この経済財政諮問会議で公務員制度とか公務員給与のことについて言及するのであれば、公務員の代表の話を聞くとか、公務員団体と少しヒアリングをするとか、そういうきめの細かさというのが必要なんじゃないかなと思うんですが、この点いかがでしょうか。

麻生国務大臣 これは経済財政諮問会議の運営の話なので、竹中大臣の担当なんだとは思いますが、基本的に、今、日本の国家とか政府に問われているのは、いわゆる郵政公社だとか政府系金融機関とかなんとかいろいろなことを言いますけれども、一言で言えば、行政コスト削減に尽きるんだと思うんですね。その中に人件費も入っていますでしょうし、いわゆる特別会計も入っているでしょうし、特殊法人も入っているでしょうし、一言で言えば、行政コストの削減が目標なんだと思うんです。それに合わせてどういう手段を講じるかという話なんだと存じます。その中に、郵政公社のときもいろいろ財政諮問会議で話が出ましたから、全逓とか全郵政の話を全然聞かないでこの種の話をするのは全く経営の現場をわかっておらぬという話を申し上げて、私の方はさせていただきましたけれども。

 いろいろな形で、今言われましたように、労働組合の話を聞くというのはとても大事なところで、これは今、三位一体で、地方六団体を、代表、知事会、市長会、全部お見えいただいて、財政諮問会議で何回かというような、そういった配慮というのは、いよいよになった場合においては一つのアイデアとして、考え方として、手法として考えておかしくないんじゃないか、私、個人的にはそんなことは思います。

逢坂委員 私の主張は、どちらかというと、公務員の代表的なる人の話を聞いて、その意見をうのみにせよということではなくて、やはり物を決めていくプロセスの正統性というんでしょうか、レジティマシーというような意味でも、やはり関係者の意見をきちんと聞いた中で決められるべきだろうと思っております。もちろん所管は竹中大臣ではありますけれども、事公務員に関することですから、麻生大臣にも頑張っていただきたいというふうに思います。

 きょうの最後でございますけれども、きょうこの話をするのは三回目なんですが、公務員制度改革というのは、やはり私は、とにかく重要な問題だろう。これが今、日本の構造改革を語る上で避けて通れない。ここにやはりいろいろな国民の不信があり、言葉は悪いけれども伏魔殿のような部分もあるのだろうと思っていますが、この問題をしっかり議論、検討するために、特別委員会のようなものをこの衆議院の場に設置できるというようなこと、これらを検討することの是非について大臣の御所見を伺って、きょうの私の質問を終わりたいと思います。

 これは、やはりがっちりやらないと、小手先だけでやってもうまくいかないんじゃないかというふうに思うんですね。そのあたりいかがでしょうか。

麻生国務大臣 これは、明治四年、廃藩置県をやって、三百大名を、明治政府にし、中央集権をつくり上げて、結果として日清、日露の戦争にも勝てた。間違いない、大成功した手段だったと思います。

 戦後、官僚主導、業界協調という体制をつくり上げて、敗戦後十年したら、もはや戦後ではない、三十年したら、もう自主規制なんというぐらい、ばあっと追いついてここまで来たというのは、間違いなく制度として、この官僚制度を含めて当たった制度だったと思いますが、やはり八〇年代ぐらいから何となく、そこそこを達したから地方分権にという流れだったんだと思うんですね、あのとき。私どもは、そこのところは、なかなか成功した制度をやめるというのは難しいものですから、し損なったというのが歴史だと思います。

 今、改めてこれということになったときに、意識も余り変わっていないんだと思うんです、我々国会議員も含めて。大体、地方公務員の方が学歴が高いなんということを知っている人は、国会議員で余りいません。地方公務員の方が学歴が高いんですよ。平均年齢も高い。だから、給与が高くても別におかしくないんですよ。だから、そういう学歴構成になっているという実態をわかっておられる国会議員というのは、自民党なんか、ええっと言って、みんな言われますけれども、とんでもない、現実問題として、それが現実ですから。

 そういった意味では、ぜひ私どもとしては、地方でできるところは地方にさせるというためには、どうしても、させてみないと、現実なかなかできないんですね。理屈だけで、本を読んでわかるんだったら、みんなシングルプレーヤーのゴルファーになりますよ。現実問題、ならないんだから、現実、させるということがすごく大事なんだと思うので、私どもは地方に任せてみればいいじゃないかと言うんですけれども、何となくそこのところが、お互い、不信とは言わぬけれども、大丈夫かなというのは必ずあります。

 私どもは、そういった意識というのを、やはりさせていくというのは、まずはさせてみて、いろいろやってみて、これはいいんじゃないかなという現実が出てきたところで、今言ったような話がもう少し出てくるかなとは思いますが、今はとにかく、もう三兆円渡すだけでこれだけ大騒ぎになりましたので。

 そういった意味では、今おっしゃった点は一つの考え方として、特別にこの委員会という御意見が出ましたけれども、全省庁、とにかく、今回の残り六千億の税源については実質ゼロ回答ですから、それが現実の今の現状を見たときに、そう簡単には、大臣方含めてなかなか難しい問題だというのが、担当しています者としてはよくわかるところなので、今の話は、提案としては今の段階でわかりますけれども、現実問題として、それで委員会をして、何も生まないことになりはせぬかなという感じもします。

逢坂委員 ちょっと答弁漏れだったような感じがしますので。答弁漏れといいますのは、私が話したのは、公務員制度改革における衆議院においての特別委員会がつくれないかというような質問だったんですが。

麻生国務大臣 それはちょっと私の一存でなかなかできないので、これは御党やら自民党やらいろいろ、国対やら何やら国会の中でしていただかぬと、私一人でこれだけ特別委員会立てろというわけになかなかいかぬので……(逢坂委員「気持ちとしては前向きなのかどうかというのは。やはりがっちり議論しなきゃいけないんじゃないかというような」と呼ぶ)

 そうですね、どんな問題が起きるかなと思うと、ちょっと今この場でぱっと返事がなかなかしにくいところですけれども、いろいろな意味で、公務員の話というのは他省庁が全部に突っ込みになりますので、他省庁の人事権にぽっと手が入るような話ですから、これはなかなか、ほかの委員会としてもちょっと待てということになりはせぬかなという感じだけはします。

逢坂委員 誠実な答弁、本当にありがとうございました。また次回も期待しております。

 ありがとうございます。

実川委員長 次に、福田昭夫君。

福田(昭)委員 民主党の福田でございます。私は、麻生大臣に栃木県知事時代、よくも悪くも大変お世話になりました。心から感謝を申し上げます。

 本日は、さきに通告をいたしました質問項目につきまして、若干さらに詰めて質問をさせていただきますので、ぜひ簡潔な御答弁をお願いいたします。

 まず、公務員の総人件費の改革についてでありますけれども、これは既に御案内のとおり、財政諮問会議などでは、まさに大幅な政府の債務超過の解消のためのプライマリーバランスの改善に早急に取り組む必要がある、そういう観点から総人件費を改革するんだ、こういう話になっているようでございますが、そうした中での今回の一般職の給与法の改定ということでございます。人事院勧告制度については、私どもの渡辺、また今の逢坂両委員がお話をしたようでございますので省略をさせていただきまして、今回の五十年ぶりの給与の構造改革、そのことについてちょっとお話をさせていただきます。

 総務省の資料によりますと、そのポイントが幾つか書いてございますけれども、しかし、そのねらいは、やはり何といっても、先ほどの話のように給与水準を大幅にカットする、ダウンさせるということだと思っております。その財政的な効果は、先ほど麻生大臣から既に答弁がありましたが、完全措置終了後でございますけれども、国の方が一千五百億円程度、そして地方が義務教育国庫負担制度負担金を除けばマイナス五千三百億円程度という試算がなされているところでございます。財政的には効果が非常に大きい。しかし、この質問に対する答えは結構でございますが、私は、この結果、地方経済に対する影響は非常に大きなものがあると思っております。

 そうした中で、もう一つ心配をしなくちゃならないのは、公務員の士気が下がらないかどうか。公務員の士気、モラール、これが下がらないかどうか、そういう心配がございます。このことについて、麻生大臣の御所見をお伺いできればと思います。

    〔委員長退席、谷本委員長代理着席〕

麻生国務大臣 給与が下がったから、急にモラールが下がるとも思いませんけれども、同じ仕事をして何でおれだけこんなに給料が下がるのかというのは、やはり労務管理をする立場からいいますと、最も気を配らないかぬところだと存じます。加えて、そこらのところをよほど気をつけておきませんと、人件費というのは、総額ウン十兆円に上ります国家予算の中で占める比率からいったら、一割とか極めて限られておるものですから。

 そういった意味でいきますと、今福田先生がおっしゃるように、給与の話をよくよく考えた場合に、この十年の間、やはり物価の下落に伴っていわゆる可処分所得はふえたんだと思うんですね、同じ給与でも。可処分所得はふえておりますので、その分だけある程度給与を下げる。昭和七年か、高橋是清内閣以来初めてのデフレーションというのを日本はやっておりますので、物価が下落した経験というのは、いわゆる戦後の役人じゃその種の経験はゼロですから。そういった意味では、今回給与が五%下がった、退職金が八・何%下がった、この四年間でですよ。そういったものを考えますときに、やはり生活実感としてよほどきっちりしたものを伝えておかないと、そこらのところは、今言われたように、労働意欲の減退につながるという危険性は常に心しておかなきゃならぬところだ、私もそう思います。

福田(昭)委員 次に、特別職の給与法の改正でございます。

 今回、特別職も一般職に準じて引き下げがあるわけでございますけれども、具体的に、内閣総理大臣あるいは国務大臣の給与が、現行に比べて、完全実施される平成二十二年にはどれぐらい上がるのか下がるのか、その辺をお答えいただければありがたいと思います。

戸谷政府参考人 今回お出ししております特別職給与法におきまして、特別職幹部公務員の給与でございますが、事務次官、局長といった人事院勧告の対象である一般職の指定職職員に準じて改定を行っております。

 平成十七年度給与改定分については、〇・三%の引き下げ。

 また、平成十八年度からの給与構造改革につきましては、俸給に調整手当または地域手当を加えた給与ということで考えてまいりますと、現任者、ずっと法改正後もいらっしゃる方につきましては、平成二十二年三月まで現在の額と同額ということにしています。

 それから、十八年度以降、新年度以降の任命された方につきましては、十八年度は五・九%の減額。以後、人事院の規則で地域手当が一八%まで上がってまいりますので、これらの方々はほとんど東京でございますので、これにつきましては、平成二十二年にはいずれの場合も一・七%の減額という形になります。

 それから、現在の閣僚につきましては、閣僚申し合わせに基づきまして月九万五百円の給与返納、これは別途給与返納という形が行われております。

 以上でございます。

福田(昭)委員 そうすると、やはり東京にいるせいもあるんでしょうけれども、特別職の、特に政治家である内閣総理大臣あるいは国務大臣等は一般職に比べると減額が非常に少ない、こう言ってもよろしいですね。

戸谷政府参考人 返納はちょっと別にいたしますと、一・七%減額というのは、東京にいる中高年齢者は、大体最終の方は皆さんそれぐらいの額になる。指定職も七%減額で、地域手当で戻りますので一・七%減額ということで、同じでございます。

福田(昭)委員 それでは次に、退職手当法の一部改正についてお話をさせていただきます。

 こちらの方は、昭和二十八年の制度創設以来五十三年ぶりの抜本的な改革だということでございます。総務省の資料によりますと、そのねらいは複雑化する人事に十分対応する退職手当制度を創設することだというふうにありますけれども、この点については、今回の肝心な総人件費改革の視点が給与ほど見られていない、含まれていないと考えておりますが、その理由はどこにあるのか、お伺いをしたいと思います。

 また、あわせて、今回の改定に当たってなぜ官民比較の調査をやらなかったのか、お伺いをいたします。

戸谷政府参考人 お答えいたします。

 私ども、今回の見直しでは退職手当制度の構造面の見直しを行うということで、退職手当の水準の見直しは入れてございません。したがいまして、改正後の退職手当額の総額が現行制度のもとでの総額の範囲内ということで考えております。

 また、見直しの結果、長期勤続者の退職手当の水準につきましては一%程度引き下げる。中期の方について上がるということに対して、長期の方については一%程度は引き下がるということで、現行より少し抑制型の退職手当構造というふうに考えております。

 それから、職員の士気でございますが、いろんなお考えがあるかと思いますけれども、長期の勤続、功労に対する報償としての性格は維持しつつ、在職期間中の貢献度もより的確に反映できる制度へと改めるということにしておりますので、勤務意欲の向上にも役立つものではないかというふうに考えております。

 それから、民間の調査でございますが、これにつきましては、平成十五年通常国会で、平成十三年調査の結果に基づきまして退職手当の水準を引き下げる法案を可決いただいております。これによりまして、その後給与も下がりましたので、一般職員で考えてみますと、八・四%減となっております。

 調査の時期がまた迫っておりますので、私どもとしては、来年度にまた調査できるような準備を進めたいというふうに考えております。

福田(昭)委員 そうしますと、今回の改定は、給与の方は平成十五、十六、十七と三カ年の人事院の官民比較調査に基づいて給与の大幅な改定が行われた。しかし、退職手当については今回行われなかったので、来年それを実施して、もし官民較差があればまた引き下げがある、このように理解してよろしいでしょうか。

戸谷政府参考人 お答えいたします。

 退職手当の算定の基礎は給与が大きいものでございますから、給与が下がりますと退職手当も並行して下がるということです。ただ、ある程度の期間をもって民間の方の動きを調べるということでございまして、退職手当、民間の方も制度はそんなには早くは動かないんですが、ある一定期間ということで、来年度、私どもとしては調査を実施して、その結果を見てまたいろいろ必要があれば考えることはあるかもしれないというふうに考えております。

福田(昭)委員 今回はきっとタイミングが合わなかったんだと思うんですが、平成十二年六月の国家公務員退職手当制度懇談会の報告書によると、退職手当の見直しをするに当たっては、何としてもこの官民比較調査をやる、それが望ましい、こういう報告があったにもかかわらず今回やらなかったというのは、タイミングが合わなかった、この際、ぜひとも給与改定に合わせて一緒にやってしまおう、そういう意図がどうも見えるような気がいたしますが、このことについて麻生大臣は御承知でしたか。

麻生国務大臣 今回これが出てきましたのは、財政諮問会議等々において、いわゆる行政コストの削減という言葉をさっき申し上げましたけれども、その一環として、公務員の給与が民間の下落幅に比べて高いのではないか、先ほどいろいろ御意見がありましたけれども。私どもの方からいいますと、現業部門も全部突っ込んだ財務省の指標と私どもの指標とは大分違うような気がいたします。

 いずれにいたしましても、そういったものを含めてやらないかぬということは、この四年半で退職金で八・四%、給与で約五%、公務員の給与は下がっているんですけれども、加えて、今の事情というのは、地域の格差がもっとあるんじゃないかという御意見が非常に地方から出たというのがその背景で、給与に特に集中したというので、退職金につきましては、これはちょっと、景気によって退職金というのはかなり差が出ますので、取り急ぎ給与ということで、時間的に確かに間に合わなかったといえば、時間的にかなり追われたことは確かだと存じます。

福田(昭)委員 私ども、公務員が給与が下がってさらに退職手当も下がるということを望んでいるわけではありません。ただ、政府として、思想の一貫性といいますか、考え方の一貫性というのはあってもいいんじゃないか、そういう御指摘でございます。

 次に、地方公務員の給与及び退職手当並びに地方公共団体への影響についてお尋ねをさせていただきます。

 まず、地方公務員でございます。

 まず、今回の給与の抜本的な構造改革についてでございますけれども、私は、ほとんどの都道府県、市町村、多分悲鳴を上げていると思っております。昨日の日経新聞の夕刊でございましたけれども、各都道府県の人事委員会が給与勧告をしたことが報道されておりました。ほとんどの都道府県の人事委勧告が、当然、国に準じてマイナスの勧告をしているわけでございます。一般的には、先ほど申し上げましたが、財源ベースでは、地方ベースでは大変な効果があるということでございますけれども、本当に公務員の士気が下がるんではないかとか、あるいは、まだ交付税が減るんではないか、こういう心配をしているかと思います。

 そこで、今回のこの給与改定に伴って、交付税が地方にどんな形で減額されるのか、その辺の見込みも立っていればぜひお答えをいただければありがたいと思います。

    〔谷本委員長代理退席、委員長着席〕

麻生国務大臣 地方公共団体においていわゆるどのような影響があるか。地場の企業に対する賃金等々、栃木市に限らず、その市役所の賃金というのは結構いろいろなところに影響を与えるところでもあります。人件費の削減効果というものをマクロで計算した場合に、普通会計ベースで約六千億、それから一般財源ベースで五千三百億円ぐらいということになりますが、これを十八年度から大体五年間ぐらいで順次実行してまいりますので、いわゆる地財計画というのは御存じのとおりですので、それの給与関係というものにその影響を段階的に、ある程度上へ上がっていたのが逆に下がっていくことになるんだと思いますが、段階的に織り込んでいくことになるんだと思っています。

 したがって、地財計画の歳出を抑制する一つの要素になることは確かだと存じます。しかし、この給与にかかわります削減というのは、今言われましたように、士気にかかわるとか、その地域の消費、経済にいろいろ影響するところだと思いますので、私どもとしては、いわゆる給与の削減をイコールそのまま交付税の削減につなげるつもりはありません。直ちにそれを直結させるつもりはありません。

 いずれにいたしましても、地財計画というのを今からつくることになるんですけれども、地方団体の財政運営というものをよく見た上でやらぬとこれは支障が生じることになりますので、そういったことのないよう、いわゆる交付税等々必要な財源措置というのはきめ細かに対応していかねばならぬものだと思います。

福田(昭)委員 今、麻生大臣から、給与の削減額を即そのまま交付税の減額に当てない、こういうありがたい話をいただきましたが、これは今までの算定の仕方ですと見事に響いてくるわけであります。ですから、これは総務省、ぜひとも、大臣の意向を受けて、算定の基準をしっかりと今回人件費について変えるようにぜひお願いしたいと思いますが、もし答弁できる方がいたらひとつ答弁をしていただきたいと思います。

麻生国務大臣 大臣の話を信用しないで役人の話を信用するというふざけた話をしてもらうと、ちょっと一言言わないかぬことになりますので。

 基本的には、今申し上げたような、今までの例を引けば、確かに福田先生のおっしゃるとおりに反映するんですよ。だから、そこのところは、今回の場合はちょっと今までの例とは少し特殊な形だと思いますので、この交付税というものの、財源確保が一番大きなところだとは存じますけれども、今申し上げたような形で、来月になったら、首になったから、あとは知らないよなんと言うつもりはありませんので、きちんと対応していかねばならぬと思っております。

福田(昭)委員 大変申しわけありませんでした。大臣を疑ってしまいましたけれども、しかし、信用できそうでございますので、地方の皆さん、ぜひ安心をしていただきたいと思います。

 それでは、次に、退職手当の地方公務員への影響でございますけれども、国家公務員には退職手当の今回の改正の中には調整額を加える、こういう規定があるわけでございますが、このたびの国家公務員の退職手当の改正に当たって、地方公務員には準則を示す、こういう形になっているようでございますが、その準則の中に、地方公務員の退職手当にも調整手当が加わるような準則を示すのかどうか、その辺についてお伺いをしたいと思います。

麻生国務大臣 今お話にありました、国の退職手当制度に準じたものにするようにせいという要請というものは、これは従来より総務省の方からしているところでもありますので、今御指摘がありましたように、調整額を含めまして準じたものにするようにということで、基本的には従来の姿勢でやってまいりたいと思っております。

福田(昭)委員 ありがとうございました。この地方公務員の退職手当の調整額につきましても国家公務員に準じた措置ができるようになるということでございますので、これも確認をさせていただきました。

 次に、国家公務員の定員管理についてお伺いをしたいと思います。

 まず、先ほども話がございましたが、さきに行われた十月の六日の総務委員会、それから翌十月の七日に行われました郵政特別委員会における麻生大臣と小泉総理大臣、竹中大臣の国家公務員の数が違っているんですけれども、本当の国家公務員の数は何人なのか、まずお伺いをしたいと思います。

麻生国務大臣 どこまで入れるかで、大分、公務員のあれがちょっと違いますので。

 小泉総理は九十六万人と言われたというのを私も記憶しているんですが、あれは正確に言いますと、私は多分三十三万と言ったと思うんですが、それは、公務員のいわゆる、総務省の定員管理をやっております対象者がこの辺に、霞が関周辺に約四万前後、地方に、いわゆる関東地方建設局とかああいったところに出ておりますのを含めますと約三十三万人というので三十三万。今多分三十三万二千だと存じます。

 総理の言われたものの中には、郵政公社の数が二十六万、九十六万と言われたときには、あのときは多分二十七万一千人いたと思います。自衛官が約二十五万、それから特定独立行政法人が七万一千、そして国会、裁判所、人事院、会計検査院等々が三万二千ということになりますと、九十四万九千、約九十五万になる。あのとき九十六万と言われたのは、郵政公社の一万人がまだあるころの数字ですから、それで一万違っているという数字だと思います。

 平成十七年三月三十一日現在の数字で申し上げますと、総務委員会で申した、私どもの総務省が定員管理を担当しています部分から申し上げれば三十三万二千人、その他、郵政、自衛官、全部つけますと九十六万という数字になります。

福田(昭)委員 そこで、私がちょっと問題にしたいのは、確かに麻生大臣が管轄している公務員、三十三万だと思うんですね。しかし、内閣総理大臣が言うのと総務大臣が言うのと郵政担当大臣が言うのと、たった一日違いでですよ、十月六日、ここで麻生大臣が三十三万と言って、翌日の郵政特別委員会では、まさに郵政公社の職員は国家公務員だ、こう小泉総理と竹中大臣が言っているわけですね。

 同じこの国会議事堂の中で、政府、しかも同じ内閣の一員が全く別な国家公務員の数で議論をしているということが私にとっては信じられない実は話でございます。これでは、本当に国家公務員の定員管理ができるのかできないのか、非常に疑問に思うところでございます。

 そこで、先日、これも十月の四日閣議決定をされた「平成十八年度以降の定員管理について」ということでございますが、そこに、平成十七年から二十一年までの五年間で一〇%以上削減をするということが書かれているようでございます。これは本当に削減が可能なのかどうか、私はそういう疑問があるわけでございますが、その辺、麻生大臣の御所見をお伺いできればというふうに思っております。

麻生国務大臣 これは、福田先生、純減じゃなくて片道の話、片道というのは削減する方で増ゼロという計算で話をしていただかぬと。

 あの話は多分数字だけぱっと出たような感じがいたしますけれども、片道の話で言わせていただくと、御存じのように、これまで大学を独立法人にいたしましたりいろいろな形で約三十三万二千まで数は減ってきているんだと思っておりますが、これを一層削減していくという要があるんだと思います。今徹底的な見直しを必要としていると思っておりますが、これから先やっていくときには、ただただ数を減らせという話じゃ、私は、一律何とかというのはヒラメの目みたいな話で、一律各省一局ずつ減らせとか、一%ずつ減らせ、毎年なんという話は、とにかくいいかげんな話になりかねぬと思います。

 私どもが財政諮問会議で申し上げているのは、要るもの要らないものを決めようと。例えばイギリスの場合は、刑務所の管理は民間だ、だから、法務省から刑務所の監視を外せ、そして民間のPFIにしてくれ、そうすればそれだけでどんと減らせるとか、それから、駐車違反を取り締まるのは全部警察官をやめて別のにしてくれ、それでもいいとか、いろいろな形で、職種をきちっとしなくちゃいかぬということで、今、社会保険事務所等々いろいろ話題になっておるところを、アウトソーシングします、何とかしますというその整理をしていかないと、ただただ今のまま、先ほど最も御心配されたように、仕事は今のままで人数を減らして給与を減らしたら、公務員はやる気がなくなるかサボタージュするか手抜きをするかどれかですよ。

 そういったことは最も愚かな人事管理だと思いますので、この仕事は民間にしてもらうから要らないということをした上で、大胆な再配置とか配置転換とかいうことをやっていかない限りは、なかなかできないんだということを私ども申し上げて、それができる前提で今申し上げたような数字を目標としては掲げる、何というのか、わかりやすい目標というので先ほどのような数字が出てきたというのが背景と御理解いただければと存じます。

福田(昭)委員 それでは、時間がなくなってきたんですが、あと二点だけ御質問いたします。

 そうした今麻生大臣の観点から申し上げますと、一つは、今回の定員管理の見直しに当たっては、地方支分部局の事務事業の徹底的な、抜本的な見直しを行う、こうありますけれども、この地方支分部局の徹底的な、抜本的な見直しに当たっては、私は、事業の廃止はもちろんでございますけれども、ぜひとも、この際、地方に事務事業を移管する、地方に任せられるものは地方に任せちゃう、つまり、都道府県や市町村に任せちゃう、そういう観点からの見直しが必要だと思っております。

 そのことについての御所見と、それからもう一つ、国家公務員を減らすに当たって大事なポイントは、ほかの諸外国と比べてそれほど実は多くはない、どんな比べ方をしても、日本の公務員の数は実は多くはないという視点が全く抜けちゃっておる、要するに、人件費を削減しよう、そういう視点ばかりが先に行っちゃっている、このことを私は憂えているわけでございますが、その辺も含めて御所見をお願いしたいと思います。

麻生国務大臣 地方支分部局に関しましては、隣のニセコが一番わかりやすいと思いますが、北海道開発局というものは、九千人ぐらいいるかと思いますけれども、これは別に道州制だったら北海道に全部というのは悪くないではないかというのは、もう三年ぐらい前に、当時、自民党の政調会長をしているときにその話が出たことがあるぐらいです。

 こういったところをやっていくときに、それを受け取る地方側が難しいところで、自分のところの職員を切るか、入ってくる人を要らないと言うか、そこのところは丸々人数は要らなくなりますので、どういうぐあいにオーバーラップするところを、机を二つ並べてどうするという話を、具体的な問題としては考えないかぬところなんだと思うんです。

 そういった意味では、道州制の問題を含めて、確かに、今おっしゃったように、地方支分部局は今回削減をするに当たっては、どうしても地方に移管してさせるべきものだと私自身もそう思います。

 二つ目の御指摘の点は、これは私どももずっと申し上げておるんですが、こういったところで御質問をいただいたのは大変ありがたいんです。人口千人当たりの公的部門と言われるところに働いている職員数というのは、海外の場合は軍人、警察官、消防官、全部含めまして、フランスの九十六・三人、日本は三十五人なんです。イギリスが七十三人、アメリカが八十人、そういう形になっておりまして、日本は断然低いことだけはこれはもうはっきりしております。

 いろいろな意味で、そこらのところは誇ってしかるべき数字なのであって、多い多いと言うけれども、実は、外国、先進国に比べれば圧倒的に少ないことはもうはっきりしている、私どももそう思ってこれを申し上げますし、地方と国と比べて、例えば栃木市なり富良野であろうとニセコであろうと、そういったところの方がこの四年半の間に減らした歳出の比率と、国が減らした歳出の比率からいったら、それはもう圧倒的に地方の方が高い、地方の方が努力していることははっきりしている。

 ただ、先生、難しいのは、おまえのところはそうかもしらぬけれども隣の町を見ろといって比較されると、これがもう極端に、ラスパイレスで片っ方は一〇〇超えているところを片っ方は七〇台なんという違いが出てきますので、ここのところは、今後、総務省としては、おたくと同じような人口十万の町で、おたくはこうですけれどもこんなところもあるんですよ、あんなところもあるんですよという声が、これは地方の住民から出てくるというのが成熟した、開かれた民主主義社会なんだ、私は今回の大阪市なんかは最たるものかと思いますが、そんな感じがしております。

 いずれにしても、少ないことは確かだと思いますので、その上で、かつ、という話だと存じます。

福田(昭)委員 ありがとうございました。

 それでは、時間が参りましたので二点要望して、私の質問を終わりにさせていただきます。

 一つは、今回の給与、退職手当の改正は、それぞれ五十年、五十三年ぶりの、しかも給与を大幅にダウンさせるという大改革であります。それにもかかわらず、労組との十分な話し合いが行われないまま法案の提出に至ったこと、大変遺憾に思っております。

 そこで、故後藤田副総理が言われたように、国家財政は実質破綻先であり、このままでは国家財政がもたない、小泉内閣が率先して給与を下げ、公務員諸君、国のため、ぜひとも協力してくれないかとなぜ頭を下げないのか、これからでも遅くはないと思います。労働基本権の付与を含めて、真の公務員制度の改革に向けて労使が十分に話し合うことを要望させていただきます。

 二つ目でありますが、政府が本気で財政再建に取り組む気があるのか大変疑っております。十一月に示される公務員の総人件費を初めとする各種の基本方針がどのように示されるのか、注目をいたしております。少なくとも、来年度の予算編成に当たっては、安易に増税に頼らずに、歳出削減を基本として、財政の健全化の指標であるプライマリーバランスの黒字化の年次目標を明確に定めることを要望したいと思っています。今の、現在の政府が決めております、二〇一〇年代の早い時期に黒字化を達成する、そのようなあいまいな表現では決して私は黒字化は達成できないと思っております。

 したがって、この際、圧倒的多数の与党となった現在でございます、小泉内閣でございますから、ぜひともこれは明確な目標年次を定めて、しっかりと黒字化できるような予算編成をされることを要望いたしまして、私の質問を終わります。

 大変ありがとうございました。

実川委員長 次に、吉井英勝君。

吉井委員 日本共産党の吉井英勝です。

 私は、最初に国家公務員退職手当法関連から質問をしていきたいと思います。

 政府参考人にまず伺います。国民の皆さんの批判は、一回の退職金が高額であるのに加えて天下った先でも退職金をもらうという、いわゆる高級官僚の渡り鳥問題、ここにあります。一昨年の退職手当法の見直しの際に役員出向という制度を導入しましたが、この役員出向という制度は、政令で定める独立行政法人等への出向という形を認めることによって退職手当の支給なしでの関連団体への勤務を認めるもので、天下りのたびに退職金を手に入れているというこの批判にこたえたものですね。これは、ちょうど二〇〇三年四月のこの法案の審議のときにも、当時の片山総務大臣も、退職金を二重取りさせないようにということが今回の改正の一つの趣旨なんだ、こういう答弁をしております。

 そうであるならば、本来もっと役員出向という形がとられてもよいと思うのですが、公表されている幹部職員の再就職状況を見ると、その事例は非常に少ないんですね。なぜ少ないのかをまず政府参考人の方に伺います。

戸谷政府参考人 お答えいたします。

 政府として、いわゆる天下りの弊害を是正し、公務員が志を持って行政に専念できる環境を整備するため、平成十四年十二月の閣僚懇談会申し合わせに基づきまして、早期退職慣行の是正に取り組んでおります。

 役員出向につきましては、先生おっしゃいました、一つは職務経験の多様化や早期退職慣行の是正に資するとともに、短期の在職期間で高額の退職金を支払っているのではないか、こういう御批判にこたえるために、平成十五年六月から運用しております。

 出向数でございますが、どうしても役員出向は行く先が理事クラスということでございますので、退職者数に比べると大きいものにはなかなかならないのでございますが、実績値で見ますと百人は超えておりまして、私どもとしてはかなりの数が行っているのではないかと思っておりますし、在職期間の長期化、これに寄与していると考えておるところでございます。

吉井委員 皆さんの方から資料もいただいているんですが、「再就職状況の公表について」という総括表をずっと出していらっしゃいますが、これは、要するに各府省課長・企画官相当職以上で退職した職員の、八月十五日までに退職された人のその年度の十二月一日までの再就職状況ですね。退職者合計が、二〇〇二年が千二百七十三人、二〇〇三年が千二百八十五人、二〇〇四年が千二百六十八人。要するに、全然変わっていないわけですね。毎年千二百人以上の方が退職という状況、役員出向というのはその形を変えるものになっていないわけですね。

 現状を役員出向というのは変えているようには思えないんです。この点、政府参考人、これはこのとおりだと思うんですが、どうなんですか。

戸谷政府参考人 役員出向で各独立行政法人等の役員になっておられます国家公務員につきましては、再就職状況の公表の中では外数でございますので、再就職状況としては、そこは一たん退職金をいただいて再就職された数を出しております。

 現在のところ、先ほど申し上げましたように、百人以上の方がこの形で独立行政法人に勤務するということで、全体として、ある意味、退職年齢を遅くするということには効果が出ているのではないかというふうに考えております。

吉井委員 いや、そうじゃないでしょう。役員出向するというのは、また戻ることが前提なんですよ。再就職の議論というのは、一度退職して退職金を払って、そして天下りをしていって、おっしゃったようなところにしても、そこでまた退職したときには退職金をもらうからいわゆる高級官僚の二重取り、三重取りの渡り鳥問題なんですね。

 そうおっしゃるんだったら、先に伺っておきますが、役員出向は戻ることが前提なんですから、出向した人で戻った方の数というのは今どうなっているんですか。

戸谷政府参考人 現時点におきましては、私ども具体的な状況については把握しておりませんが、平成十五年六月に官房長と申し合わせを行いまして、「法人における職務経験を公務に活かすことを目的の一つとするものであることから、退職出向させる職員の選任に当たっては、国への復帰を前提とする」ということで出向いただいております。

 まだ状況は把握しておりませんが、各省においてこの申し合わせ等に基づき適切な運用というものに努力されているというふうに考えております。

吉井委員 片山大臣も言われたように、要するに二重取りさせないというのが役員出向だということでやったんですが、要するに数字を調べていないんですね。これはきちんと調べて、やはりきちんと公表しないことには、役員出向という制度をつくったんだけれども、しかし余り効果が出ていない、一体それはなぜなのかということを考える上でも、何の根拠も資料もないわけですから、そこはきちんと調べて公表されますね。

戸谷政府参考人 お答えいたします。

 まず、復帰後の状況その他につきましては、制度運用開始後三年が経過しておりますし、早期退職慣行是正のフォローアップの観点から、私どもとしても、どのような把握ができるか、これについて検討してまいる所存でございます。

 それから、退職者の数というところになりますと、やはり行って戻っても、またどこかの時点で退職されますので、そこのところは少しずつ遅くなるという形で出てくるのではないかというふうに考えております。

吉井委員 そんなことはわかっているんですよ。出向して戻る人もおれば、出向したんだけれども退職する人だって当然いるわけですね。

 だから、それをきちんとつかまないことには、役員出向の形をつくって、高級官僚の二重取り問題、渡り鳥問題をなくそうということで片山大臣も言われて、二年前の法律改正のときにはそれをやったわけですね。やったんだけれども、やっただけでさっぱり何にもつかんでいない。これでは私は意味がないと思うんですね。

 そこで、大臣に伺っておきますが、一番新しい退職公務員等の状況によると、国から独立行政法人等へ役員出向している人が百十四人なんですが、その前年の調査の数字が十二人なんですね。それからだけ見れば、何か大きく伸びたような感じですね。だけれども、この中身は、ふえた要因は、国立大学の独立法人化の結果であって、必ずしもこれは、退職金を何度でも手にできるこのシステムにメスが入っての話じゃないんですね。

 ですから、実際、各府省課長・企画官相当職以上で退職した職員の再就職状況というのは、先ほどいただいている資料で私出しましたけれども、これを見ても、退職者の合計数というのはこの三年間、大体千二百人台で変わっていなくて、それで先ほどもお話がありましたように、この役員出向の方が、これも百人ぐらいで余り変わっていないんですが、実際に、形は最初はそうだったんだけれども、また戻ってきたのかどうかとか、何にもつかめていないというのが現実の姿であります。

 そこで、役員出向が国立大学の独法化でふえてはおるんですが、独立行政法人への再就職も四年前は実は九人だったんです。一昨年、これは七十六人と大幅にふえているんですが、役員出向制度を導入したけれども、現実の再就職状況にはほとんど、渡り鳥問題なんかの解決には無力に近いというのが現状だというのが総務省の方からいただいている資料で出ているわけです。

 ですから、何度でも退職金を受け取るというこの仕組み、渡り鳥問題に大臣としてどうメスを入れていかれるか、ここを伺っておきたいと思います。

麻生国務大臣 今、渡り鳥に限らず、特殊法人等の退職金が高過ぎるんじゃないかという御批判等々、もう強いものがあるということはよく承知をしております。

 その批判にこたえるべく、一連の話が出てくるんですが、まず国家公務員出身者の割合、特殊法人に出る割合を、ほとんど十人のうち八人とか九人が昔は普通だったんですが、だめ、半分以下ということで、これはたしか二分の一になったと思います。出身者の比率を間違いなく半分にしろと。

 それから、いわゆる特殊法人等への退職公務員の再就職状況については公表せいということで、今公表したのが一つと、もう一つは、退職金が高過ぎるじゃないかという点に関しましては、百分の三十六を百分の十二・五に、とにかく月額三十六から十二・五に引き下げたんだと思います。

 いずれにしても、これは御批判のあるところでもありますが、今物すごく難しい話であります、正直なところを申し上げて。勧奨退職の話やら何やらとひっかかってくるところでもあります。勧奨退職をせずにずっと置いておいて上がるのも問題ですし、また給料をある程度フラット化させないかぬとか、いろいろな難しい現実問題はあろうとは存じますけれども、この種の批判というもの、こういったような話をまた言われないように、きちんと対応していくような努力なり配慮というのは当然せねばならぬものだと存じます。

吉井委員 高級官僚の退職金が高いという問題と、天下っていったところの退職金が高い、今大臣おっしゃったとおりなんです。だから、それがあるから役員出向の仕組みを設けて、出向してまた戻るということにしておけば高い退職金の二重取りはないということでもともと考えてきたわけですね。それが、現実はそうはなっていないものですから。今、これからいろいろ努力するということですが、それをやはりきちっとやっていかないと、国民の皆さんの批判にこたえるような改革というものになっていかないというふうに思います。

 次に、一般職給与法にかかわって伺います。

 先日、甲府地裁の判決で、社会保険庁職員が過労自殺したのは社会保険庁が安全配慮義務を怠ったためだとして、国に損害賠償を命じる判決が下りました。国家公務員の過労死や過労自殺で判決は初めてでありますが、この過労自殺の土台には長時間残業がやはりあったわけですね。

 麻生大臣に最初に伺っておきます。この過労死・自殺のような過労の根底にある公務員の長時間残業の是正、これをやはりきちっと進めていくべきだと思うんですが、この点を最初に大臣に伺っておきます。

麻生国務大臣 超過勤務手当等々、これは超過勤務の時間が一千時間とか、ちょっと普通の民間では考えられないような話というのはよくあります。最近は、昔ほどはなくなったとは思いますけれども、私が当選したころは、とにかく三日徹夜とか、我々バッジ族も似たようなものでしたから、そういった、今から比べればかなり激しい時代があったので、あのころと比べますと少しは変わってきたとは思います。

 いずれにしても、各省庁の官房長が、たしか国家公務員の労働時間短縮対策というのを運営協議会を開いて決めて、いろいろ取り組みをやってきて、いわゆる見直しというのを行わないと、現実余り減っておらぬではないかということで、幹部職員によりますいわゆるコスト意識を持った話というものをしないといけないんだということで、勤務時間の管理を図る等の観点を新たに盛り込んだ対策を立てろということで、一昨年の九月にできたんだと思います。

 いずれにいたしましても、これは、何となく長く頑張っていればいかにも働いたような感じのするところは、それは人間としてわからぬわけじゃありませんけれども、不必要な部分もいっぱいあろうかと存じますので、そういった意味に関しましては、適切な勤務時間の管理というものは、これは今後とも大切なものなのであって、過労死というのは、ちょっと正直、職務に忠実であったがために亡くなったなんというのはかなり悲惨な話でもありますので、そういったことのないように、これは管理に努めねばならぬものだと考えております。

吉井委員 霞が関の中央府省二十二の労働組合で構成されております霞が関国家公務員労働組合共闘会議が、働いている皆さん、国家公務員の一割に当たる四千百三十八名の方からアンケート調査をやった結果が先日発表されておりますので私は見ましたが、過労死の危険ラインとされる月平均八十時間以上の超過勤務が組合員等のとうとい命を奪いかねないという危機的状況にあることが浮き彫りになったということを述べて、実は、休日出勤ありという回答が五五・五%、休日出勤に対する手当等の有無で、何もなしが四六・五%、残業手当も代休もないという答えが約半数なんですね。

 実は、厚労省の方が二〇〇一年四月六日に出した通達では、長時間残業の規制とかサービス残業の是正ですね。民間ではただ働き代、サービス残業についてはきちんと、企業によっては何億あるいは何十億という形で支払うぐらい、お金も払うし長時間残業についてはきちんと是正するとやっていっているわけですね。国がこの通達を出しながら、国の方がきちんといかない、過労死・自殺が出てくるというのは異常なことですから、これは大臣、一言でいいですから、やはり、先ほどもおっしゃいましたけれども、これは本当に是正していくという考えというものをお聞かせいただきたいと思います。

麻生国務大臣 無給で働かせる、結果的にはそういうことになっておるという点の御指摘なんだと思います。それは労働基本権のいろいろな問題にもひっかかるところでもありますし、その他の法律にひっかかりかねぬ話だと思います。この間、郵政公社のときに似たようなことがあったと記憶しますけれども、あれも是正をすることに昨年させていただいたりしておりますので、今言われましたように、一番大事なところだと存じますので、対処してまいりたいと存じます。

吉井委員 次に、地方の賃金と経済にかかわって伺っておきたいのは、今回の給与構造改革というのは、政府の説明によると、国の方では、本俸四・八%削減と、調整手当を廃止して、それを原資にして地域手当新設や管理職手当の増額を図るというものですが、一方、地方の方は削減は国準拠ということなんです。それで、手当は国とは違う。だから、地方は六千億円の削減ということになってまいります。

 地方の方は、本来、国の人事院に相当するもので人事委員会なり公平委員会なりで官民比較で勧告して給与水準を決めてきたわけですが、国準拠の押しつけということでやっていきますと、地方で六千億削減ということはそれぞれ下がっていくわけですが、民間賃金をさらに引き下げるという要因にもなってくる、そうすると、官民で賃金引き下げの悪循環に踏み込んでしまうことになっていきますね。

 地方公務員賃金を六千億削減ということになると、これは、今は地域経済が大変ですが、要するに、GDPの六割を占めているのが個人消費ですが、この個人消費がさらに落ち込んでいく、それはまた地域経済にとっても影響は非常に重大ですし、地域経済にマイナスとなれば地方税収もまた落ち込むわけですね。

 ですから、官民ともに賃金を下げる悪循環と地域経済も落ち込んでいくという悪循環に陥らせるようなことになっちゃあかんと思うんですね。ここのところを大臣として、この問題について今どういうふうに考えていらっしゃるかということを伺っておきたいと思います。

麻生国務大臣 一つは、吉井先生も御存じのように、この六千億というのは、いきなり来年から六千億という話じゃありませんで、これは五年間かけて段階的にやってまいりますので、約一千二百億ずつぐらいの話なんだと存じます。五百兆の中に占める一千二百億の話で、影響がゼロとは申しませんけれども、基本的には考えておかねばならぬ大事なところだと思います。

 特に、余りうまくいっていない地域というのが多いことは事実でもありますので、いろいろな意味で、見直し等々につきましては地域差があるという前提を忘れるなということなんだと存じますので、そこのところは十分に考えておかねばならぬところだと存じます。

吉井委員 いずれにしても、賃金もそれから地域経済も悪循環に落ち込んでいくような、こういうやり方は絶対にやるべきじゃないということを申し上げまして、質問を終わります。

実川委員長 次に、重野安正君。

重野委員 質問も最後になります。他の議員の質問と重複する部分がもしかしてあるかもしれませんが、それについてはお許しをいただきたいと思います。

 本年六月二十一日の経済財政運営と構造改革に関する基本方針二〇〇五におきまして、「公務員の総人件費削減について、国・地方ともに定員の「純減目標」などの明確な目標を掲げて強力に取り組む。」このようになっております。

 そういう諮問会議の意見と今回の勧告の中心となっております給与構造の改革と称するものの実体、これはかなり乖離があるのではないかと思うのです。

 俸給表の切り下げによって生まれた給与費の原資、それを使って例えば地域手当を導入したりする。既存制度の運用改善が基本になっているのではないかというふうに私は理解をするのでありますが、経済財政諮問会議の方針と整合性はどういうふうになるのか、大臣、お聞かせください。

麻生国務大臣 今回決定をした公務員給与の取り扱い方針に関しましては、いわゆる公務員の給与体系の見直しということを要請いたしました骨太方針二〇〇五にこたえたものでして、したがいまして、財政諮問会議の総人件費抑制の考えに沿った考え方なのではないか、基本的にはまずそう思っております。

 御記憶かと思いますけれども、諮問会議において、本年秋までに総人件費改革の基本指針を策定するということで、総人件費の抑制ということに取り組むことにされておりますが、本年度の人事院勧告の取り扱いにつきましても、この諮問会議においての議論を考慮しつつ、人事院勧告制度尊重の基本姿勢のもと、国政全般との関連について十分議論を尽くした上で、去る九月二十八日、人事院勧告どおりという決定を行うことにしたというのが背景でもあります。

 私どもとしては、総人件費の削減ということに関しましては、これはトータルとしては行政コストの削減につながっていくことでもありますので、民間賃金の状況等々を精密に、精緻をもって反映させる必要があるのではないかということで、政府として、人事院に対して、いわゆるこういったものを、民間給与との官民較差等々、いろいろ批判が起きているところでもあるのでぜひ検討してもらいたいと要請をしたというのが経緯でありまして、したがって、今回そごを来しておるというようなことではないのではないかと思っております。

重野委員 もう一度聞きますけれども、給与の原資の余りをもって地域手当の導入などを図る、それから、俸給表の引き下げについては現在の給与を保障する、それが今回の措置の前提となっているのではないでしょうか。そうであれば、その効果、つまり、国ベースでいう一千五百億円は直ちに負担減とはならないのではないか、この効果が生ずるのは新制度が完全に実施される平成二十三年度、こういうふうになっております。

 そこで、これが完全に実施されるまでの各年度において給与の余りがどのように生まれてくるのか、それが一つ。

 二つ目に、そしてそれが新たな制度の導入やこれまでの制度の運用改善に幾ら使われるのか、財務省はどのように見積もっておられますか。

松元政府参考人 お答えいたします。

 千五百億円という効果が今後五年間でどのような形で出てくるかということでございますが、この千五百億円という効果につきましては、十七年度の職員の実態に基づきまして、改革が即時完全に実施された場合の国の総人件費、これの削減効果ということで試算させていただいておるというものでございます。

 したがいまして、実際の人件費の削減効果というものは、十七年度以降の人員構成などの変動の影響を受けるということになりますので、各年度幾らになるかということについては試算をいたしておらないところでございます。

重野委員 トータル、今答弁では試算をしていないという。しかし、公務員の立場から見れば、この勧告が完全に実施をされて制度の運用がスタートすると、間違いなく公務員のある部分はこの影響を受けるわけですね。国の方針に従ってマイナスをこうむらなければならぬという部分も間違いなく出てくる。そういう人の立場から見ると、その集まったものが一体どういうふうに国に貢献しているのかというのがわからぬのでは、私はいささか問題があるんじゃないか。そういう私のとらえ方に対し、次長、それは間違いですよと言えますか。いや、わかるけれども、しかし、積み上げがなかなか難しいと言うんですか、そのどちらなんですか。

松元政府参考人 お答えいたします。

 この影響額試算につきましては、人事院で勧告されました給与構造の改革においてというものにおきまして、地域手当とかあるいは広域異動手当などの新しい手当の導入、こういったものも勧告されておるわけでございまして、そういったものも盛り込んだ形で五年間で千五百億円程度という削減額になるという改革の全体の影響を試算させていただいたということでございまして、各年度どれぐらいになるかということにつきましては、繰り返しになりますが、今後の職種等がどうなっていくか、そういったことがわからない時点ではお示しできないということでございます。

重野委員 ここで聞いてもこれはもう堂々めぐりのような感じがいたしますので、次長、この後、ひとつそこら辺、いろいろな形で試算をやってもらって、私の方にその返事をいただきたいと思います。そういうことで次に進みます。

 これまでの答弁を聞いても、今回の給与構造の抜本的改革と称する内容なり、あるいは意義づけについてなかなかわかりません。結局、問題は、なぜ全国一律に四・八%下げなければならないのか、それがどうして国ベースで一千五百億、自治体で六千億、重複分を差し引いて合計六千八百億円となるのか、この数字に至る根拠を私は知りたいんです。経済財政諮問会議の公務員の人件費抑制に先走って、まあ、ちょっとうがった見方をしますと、数字合わせをしたのではないのかな、こういうふうな感じを私は持ちます。

 人事院はいささか小泉内閣の公務員抑制策方針に先走りし過ぎているのではないのかな、こういうふうな感じを持つんですが、総裁の見解を賜りたい。

佐藤政府特別補佐人 なぜ一律にマイナス四・八%ということで俸給表の引き下げを行わなきゃならないかという御質問だと思いますけれども、現在、御承知のように、全国平均値を使って俸給表を設定しているわけでございます。したがいまして、民間賃金の低い地域の住民の方にとってはその地域で勤務している公務員の給与が非常に高いということになるわけで、そういう御批判が非常に強いわけでございます。

 そういう御批判にこたえる方法としては幾つかございます。例えば、地域ごとに別の俸給表をつくるという考え方もあるわけでございますけれども、私どもといたしましては、やはり公務の一体性というものを確保するためには、全国一律の俸給表ということは維持していきたいというふうに考えております。

 したがいまして、俸給表全体を一たん一番民間賃金の低い地域、これはブロック単位でございますけれども、そこに一たん下げてしまう、それがマイナス四・八%でございます、その上で民間賃金の高い都市部を中心とした地域については地域手当という形でこれを調整したい、そういう考えでございます。

重野委員 そこで、勤務実績の給与への反映という視点で聞きますが、今回、特別昇給にかかわる一号俸を四分割して、勤務成績が反映される昇給制度を導入する、このようにしております。

 人事院の段階表では、極めて良好、特に良好、良好、やや良好、良好でない、こういうふうに区分されておるんですが、問題は、普通昇給の半額になるやや良好、こういう評価をされるやや良好の人は普通昇給の半額の昇給になるんですね。そういう評価をされる者が今回のこの措置をどのように受けとめるのかなという点であります。

 このランクに評価された方はマイナス評価となるわけでありまして、これは従来の評価と変わるものではないと言えるのかどうか、それが一つ。このような評価を受ける職員の士気にいかなる影響をもたらすか検討されたのか。具体的にひとつ、総裁、お答えください。

山野政府参考人 御案内のように、現在の普通昇給につきましては、一生懸命働いた人もそうでない人も一律に処遇されているのではないかという強い批判があるわけでございます。こうした批判に正面からこたえる必要がありますので、勤務実績に基づく昇給制度の確立は先延ばしすることの許されない課題というふうに認識しているわけでございます。

 それで、御質問の標準未満の昇給区分についての考え方でございますが、実は現行制度におきましても、懲戒処分を受けた場合、欠勤あるいは病気休暇などで一定期間勤務しなかった場合には昇給が抑制される仕組みになっております。これは昇給延伸という形で、現行制度でもそういう仕組みがございます。

 ただ、今回の見直しでは、現在のこうしたいわゆる昇給抑制措置が、今申し上げましたように、懲戒処分とか欠勤など極めて限定的でありますので、これを見直すことといたしまして、例えば勤務成績が良好でないことを示す客観的な事実がある場合などを昇給抑制事由に追加することについて、今後関係者等と検討していくということにしておるわけでございます。

 こうした取り組みは、職員の昇給はその者の勤務成績に応じて行うという現行法の趣旨を徹底するものだというふうに考えております。

 それから、二番目の士気の関係の問題でございますが、新たな昇給制度におきましては、標準を超える昇給区分に係る昇給号俸を抑制する、今までの特別昇給の半分のものをつくりますが、標準を超える昇給区分に分布する者の割合を、現在は特別昇給の一五%の枠しかございませんでしたけれども、今回は広く薄くということもございまして、一般職員層の場合では一五%から二五%に拡大したわけでございます。

 これによりまして、努力をすれば従来の昇給制度よりもより多くの人が報われる仕組みとなっておりますので、そういった点で、職員の士気といった点に相応の配慮をしているところでございます。

重野委員 現行制度でもこの特別昇給制度というのはあるんですよね。あるんだけれども、しかし、実際にそれが運用されがたい、運用するには非常にいろいろな問題が惹起してくる、そういう今ある困難性というものを超える決定打というのは、この制度の中であるんですかね。何をもって、いや、今まで以上にそれが実行できるんだ、こういうふうに言うんですか。

山野政府参考人 具体的な中身につきましては今後詰めたいとは思っておりますが、例えば、現在の昇給抑制制度では、先ほど申し上げましたように懲戒処分を受けた場合とか欠勤等がある場合だけでございます。

 ただ、制度の建前は、勤務成績が良好でないと各省の長が認める場合には昇給延伸できることになっているわけですけれども、具体的な基準がない。それで、私どもでは、例えば訓告等の矯正措置を受けた場合、あらかじめ各省庁でいろいろな内規等によって決めておりますけれども、例えばそういう処分を受けた者は現行では昇給延伸等できないことになっておりますので、そういったできる限り客観的な指導等を受けた場合には給与抑制措置を行う、そういったことを今後検討していきたいというふうに考えているわけでございます。

重野委員 くどいようですけれども、今言うように、だれが見ても明らかに、そういうペナルティーと申しますか、それを受けてしかるべきだというケースは、ケースとしてわかりますよ。しかし、それ以外の、この制度がスタートした場合に、それだけじゃカバーできないでしょう。問題はそこですよ。人のすることだから、まあ運不運があるわいな、そんなことじゃ、これは済みませんからね。そこのところがやはり明確にならないと、私はこの制度というのは問題ありと言わなければならぬ。これは今後とも詰めていかなければならぬ問題だろうと思います。

 もう時間もありませんが、次に、人事院の公務員制度に関する報告、これは平成十七年八月十五日でありますが、その中で、実力、実績に基づく人事管理の土台として、客観的で公正性や透明性が高く、実効性ある人事評価制度の整備が必要、こういうふうに書いております。また、今後の行政改革方針、平成十六年十二月二十四日ですが、これでは、平成十七年度中に本府省を対象とした試行に着手するとしている。

 そういう段階でこのような評価制度の導入をなぜそんなに急いでしなければならぬのかということと、評価制度においても、人事院は人事院存立の基盤をみずから危うくしているんじゃないか、こういうふうな思いを私は持つんですが、まずその点について、総裁の見解。

 また、今指摘したように、問題のある評価を拙速に導入するのではなくて、行革方針に言う十分な試行を踏まえて行うべきではないか。これについては、総務大臣、見解をお示しください。

佐藤政府特別補佐人 今局長からお答えしたように、民間で非常に厳しい成績主義をとっている中で、公務員の場合は毎年自然に給料が上がっていくんじゃないかという国民の批判は非常に強いわけでございます。これはやはりきっちりと真正面から受けとめて、公務員の給与制度に対しての国民の信頼というのを確保する必要がある、先延ばしは許されないというのが私たちの基本的な考え方でございます。

 したがいまして、これも先ほど局長からお答えいたしましたけれども、現在の制度の中で許される範囲内で、可能な限り成績主義というものを一歩進めたい、推進したいというのが私の気持ちでございます。本格的な新たな評価制度が導入されれば、その評価の基準というのは当然その新しい評価制度を使うということになると思います。

重野委員 時間が来ましたから終わりますけれども、民間が置かれている状況というのは、決して、客観的に見ても、正しい状況にない部分というのが相当にありますね。それを是認して、そこに合わせて公務員の給与を下げていくということは、国全体から見たら、私はいい循環にならないと思うんです。その点を指摘して、私の質問を終わります。

実川委員長 これにて各案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

実川委員長 これより各案を一括して討論に入ります。

 討論の申し出がありますので、これを許します。吉井英勝君。

吉井委員 私は、日本共産党を代表して、一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案などに反対する討論を行います。

 初めに、一般職職員の給与法改正案についてです。

 反対の第一の理由は、本来、人事院は公務員の労働基本権制約の代償措置機関としての役割を果たすことが求められています。ところが、人事院は、この間、その役割を忘れたかのように、官民較差を理由に連続して公務員給与の引き下げを勧告してきました。法案はその人事院勧告に沿ったものでありますが、その内容は、小泉内閣の公務員の総人件費削減という政策方針に沿った五十年ぶりの改悪であり、認められません。

 第二の理由は、この給与改定により、来年度から一律引き下げを地方自治体に求めると、六千億円もの給与削減につながりますが、公務員給与の引き下げは、民間企業の給与のさらなる引き下げ圧力につながり、官民合わせて賃金引き下げの悪循環を進めるものです。そのことが社会全体の所得水準を引き下げ、消費の落ち込み、景気悪化を招くこととなるものであります。

 第三の理由は、給与の減額分を四月にさかのぼって期末手当から減額することです。これは、民間の労使関係でも確立している、具体的に発生した賃金請求権を事後に締結された労働協約や事後に変更された就業規則により変更することは許されないとする不利益不遡及の原則を覆すもので、容認できません。

 また、国家公務員退職手当法の一部を改正する法律案は、平均四・八%、最大七%の俸給水準の引き下げを図る一般職給与法の改正を前提としたもので、内容的にも、新たに調整額という制度を新設することによって退職金の格差を一層拡大することとなるものであり、容認できません。

 以上で反対討論を終わります。

実川委員長 これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

実川委員長 これより採決に入ります。

 まず、一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

実川委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

 次に、特別職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

実川委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

 次に、国家公務員退職手当法の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

実川委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました各法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

実川委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

     ――――◇―――――

実川委員長 次に、公務員の制度及び給与並びに恩給に関する件について調査を進めます。

 この際、谷公一君外三名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党及び社会民主党・市民連合の四会派共同提案による公務員制度改革に関する件について決議すべしとの動議が提出されております。

 提出者から趣旨の説明を求めます。後藤斎君。

後藤(斎)委員 後藤斎でございます。

 ただいま議題となりました決議案について、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。

 案文の朗読により趣旨の説明にかえさせていただきます。

    公務員制度改革に関する件(案)

  政府は、公務員制度改革が喫緊の課題となっていることにかんがみ、次の事項について配慮すべきである。

 一 公務員制度改革を検討するにあたっては、労働基本権の在り方も含め、職員団体等の意見を十分聴取し、理解を得るよう最大限努力すること。

 二 公務員総人件費の規模の見直しを検討するにあたっては、財政的見地のみならず、地方分権の推進や少子高齢化の進展などの情勢変化に対応した国・地方の公共サービスの適切な役割分担、公務労働の適切な配置について広く国民的議論を行うよう努めること。

  右決議する。

以上であります。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。

実川委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

実川委員長 起立多数。よって、本動議のとおり公務員制度改革に関する件を本委員会の決議とするに決しました。

 この際、総務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。麻生総務大臣。

麻生国務大臣 ただいまの決議につきましては、その御趣旨に沿い、努力をしてまいりたいと存じます。

実川委員長 お諮りいたします。

 ただいまの決議についての議長に対する報告及び関係当局への参考送付の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

実川委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 次回は、明二十一日金曜日午後一時十分理事会、午後一時二十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後四時四十三分散会


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