衆議院

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第14号 平成19年4月13日(金曜日)

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平成十九年四月十三日(金曜日)

    午前九時三十一分開議

 出席委員

   委員長 佐藤  勉君

   理事 岡本 芳郎君 理事 鈴木 淳司君

   理事 谷  公一君 理事 葉梨 康弘君

   理事 林  幹雄君 理事 武正 公一君

   理事 寺田  学君 理事 谷口 隆義君

      あかま二郎君    井澤 京子君

      石田 真敏君    今井  宏君

      岡部 英明君    鍵田忠兵衛君

      川崎 二郎君    木挽  司君

      実川 幸夫君    関  芳弘君

      田中 良生君    土屋 正忠君

      とかしきなおみ君    土井  亨君

      萩生田光一君    萩原 誠司君

      福田 康夫君    福田 良彦君

      馬渡 龍治君    安住  淳君

      逢坂 誠二君    後藤  斎君

      田嶋  要君    西村智奈美君

      福田 昭夫君    森本 哲生君

      石井 啓一君    谷口 和史君

      笠井  亮君    重野 安正君

      亀井 久興君

    …………………………………

   総務大臣         菅  義偉君

   総務大臣政務官      谷口 和史君

   総務大臣政務官      土屋 正忠君

   政府参考人

   (総務省統計局長)    川崎  茂君

   政府参考人

   (総務省政策統括官)   橋口 典央君

   総務委員会専門員     太田 和宏君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月十三日

 辞任         補欠選任

  橋本  岳君     とかしきなおみ君

  渡部  篤君     馬渡 龍治君

  江田 康幸君     石井 啓一君

  吉井 英勝君     笠井  亮君

同日

 辞任         補欠選任

  とかしきなおみ君   橋本  岳君

  馬渡 龍治君     渡部  篤君

  石井 啓一君     江田 康幸君

  笠井  亮君     吉井 英勝君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 統計法案(内閣提出第三四号)


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     ――――◇―――――

佐藤委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、統計法案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として総務省統計局長川崎茂君及び政策統括官橋口典央君の出席を求め、説明を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

佐藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

佐藤委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。武正公一君。

武正委員 おはようございます。民主党の武正公一です。

 統計法全部改正ということで、逐条審査があってしかるべきぐらいの大変大事な法案という認識で質問に立たせていただきます。

 まず冒頭、昨日の憲法特、それから安保委員会、それぞれ、まずは憲法特については、審議時間五十八時間ということでありますが、やはりもっともっと十分な審議時間を尽くすべきという野党の主張にもかかわらず審議が打ち切られまして、また、大変不正常な中で採決になったこと、甚だ遺憾でございます。

 また、安保委員会は、米軍再編にかかわる法律でありますが、やはり二兆、三兆と言われる大変巨額な支出、しかも海外に米軍基地が移転する、これについて、世界でも初めて、日本が、ホストネーションが海外に移転するその移転先の整備についてお金を負担するという、これも初めての枠組みでもあるにもかかわらず、ほとんど政令で、あるいは日米間の信義でありますので明らかにできないということで、審議も十分尽くされないままの十七時間が経過しての、これは動議による審議打ち切り、強行採決、甚だ遺憾であります。これについては強く抗議をいたす次第であります。

 さて、総務大臣は、昨日の総務委員会、最後の与党の議員の質問時間に総務委員会を退出され憲法特に行かれたわけでございますが、政府提出法案でありますので、大臣は与党の質問であってもきちっとこの委員会で答弁に応じる責任があるということを申し上げると同時に、テレビを見ていると、一体総務大臣は何をあのときに、採決の前にしゃべっていたのか、ほとんど聞き取れなかったのですが、何を言われたのか。ここでもう一度御開陳をいただきたいのと、それから、一体なぜ憲法特で総務大臣がああいった場に登場したのか、これもあわせてお答えをいただきたいと思います。

菅国務大臣 まず、私があそこに行ったのは、国会法に基づいて、議員提案に対して政府としての意見を求められる、そういう形であの委員会に出席をさせていただきました。そして、私は、委員長の指名に対して、政府としては国会における御判断を尊重して適切に対処してまいります、この趣旨を申し述べました。

武正委員 適切に対応していくということですか。もう一度ちょっと言っていただけますか。

菅国務大臣 政府としては国会における御判断を尊重し適切に対処してまいります、こういう趣旨をきのう申し上げました。

武正委員 ようやく何を言ったのかわかったわけでありますが、先ほど触れましたように、総務委員会開会中でありますので、私は、やはりきちっと総務委員会での御対応もあってしかるべきというふうに考えるわけであります。

 それでは、統計法の質疑に入らせていただきます。

 まず大臣の認識を伺いたいんですが、統計というものが先ほど触れましたように大変大事なものであるということは論をまたない。民主主義の根幹でもあるという指摘も既にきのうも本委員会でございましたが、政府の政策遂行に当たって、政府の政策の評価の基準にこれはなろうかというふうに思っております。

 例えば、今国会では格差拡大についての議論がこの間ございまして、いや格差は拡大していない、している、こういうような議論があるわけでもありますし、有効求人倍率、一位と四十七位の県がこの五年間で格差が一・五倍になった、こういったことを某大臣に私も質問をしましたが、いや一位と四十七位の県を比較して何の意味があるんだ、こういうような答えが返ってくる始末であります。

 やはり統計というものが大変大事な政策の評価にかかわる基準になる、基礎になるというふうに考えるのですが、この点についての大臣の認識と、そのためにも真実性、正確性が問われると考えますが、以上二点、御所見を伺います。

菅国務大臣 今の点につきましては、全く武正委員と私も同じ考え方であります。

 公的統計は、国や地方公共団体にとって、政策の事前、事後の評価を行う上で、その合理性だとか客観性を担保するための情報として極めて重要である。公的統計がそうした役割を果たすためには、真実性だとかあるいは正確性が必要不可欠である、こう考えます。

武正委員 真実性、正確性が不可欠であるという認識だということでございます。

 前内閣から新しい内閣に移って、この間、前内閣から、官から民へ、こういったキャッチフレーズ、そしてまた市場化テスト、民間委託、これもこの統計法の制度設計で重要な柱の一つとされているわけですけれども、果たして、今言われた真実性や正確性を官から民へということで担保できるのかどうか、これがやはり問われているというふうに思います。それから、国民、被調査者の理解、例えば官から民へということで、調査主体がこれまでの国の機関もしくはそれに準ずるところから新たに民間委託あるいは市場化テスト、これが被調査者の理解を得られるというふうにお考えなのか。以上二点、御所見を伺います。

菅国務大臣 その点については、十分に配慮させていかなきゃならないというふうに思っています。

 統計の真実性だとかあるいは正確性を確保することは、先ほど申し上げましたけれども極めて重要であって、このことは、統計調査を市場化テストだとかあるいは民間委託を行う場合であっても当然のことであるというふうに思います。

 総務省としては、従来から民間委託を行う場合のガイドラインというものを策定いたしておりますけれども、このガイドラインの改定作業において、民間事業者が適切に選定される方策などを明示することを検討いたしております。

 また、今回の法案において、統計関係業務の委託を受けた者の調査票情報等の適正管理義務及び守秘義務について明記をしまして、守秘義務違反及び不正な目的による統計情報の利用について、それぞれ罰則の対象となることを明確化しているというところであります。これによって民間委託の適正と国民の信頼の確保というものを図ることが可能であるというふうに思います。

武正委員 昨年の国勢調査、これでやはりなかなか調査ができなかったことなどがこの法案が提出される一つの後押しにもなったというふうに理解をするわけですが、国勢調査は、九十八万に区を分けて、八十三万人の調査員がそれぞれ五十世帯ぐらいを担当する。調査ができなかった率が、前回一・七%だったのが今回四・四%にはね上がった。十年ごとには二十二項目、五年ごとには十七項目の簡易調査ということで行っているということですが、昨年の調査あるいはプライバシー保護の観点から封入の検討とか、いろいろなことがこれから検討されようということであります。

 今のお答え、罰則があり、あるいはさまざまな規制を民間事業者にもかけるというようなお話、国民も理解できるんだということなんですけれども、果たしてどうかなというところがやはりあるのは、何といっても、政策評価の基礎になるという意味でも大変大事な真実性、正確性が担保できるかどうかということがあろう。もちろん国民の理解ということだと思います。

 そこで、公的統計調査は通例一定の日時に一斉に実施されるわけですけれども、全国を対象とするので、なかなか一社単独では対応できないのではないだろうかという指摘があります。複数の企業が請け負う場合、一定レベルの統計精度を保とうとすると経費はかえって高くなる、こういうふうな指摘もあるわけですが、この点についてはどのようにお考えでしょうか。

菅国務大臣 公的統計の規模はさまざまでありますけれども、統計局所管の指定統計調査について申し上げさせていただきますと、全国で大規模に実施する調査であり、郵送調査である科学技術研究調査を除き、法定受託事務として地方公共団体を通じて調査を実施させていただいています。

 これらの指定統計調査については、業界団体などからのヒアリング結果などを踏まえて、全国規模で単独の企業が確実にできる実施状況ではありませんが、地域を限定すること等の条件を付せば、調査実施に関する業務を民間業者に委託するということは可能だというふうに考えております。

 このような現状を踏まえまして、所管指定統計調査の民間開放に関しては、地方公共団体ごとに、地域単位での民間開放、そういう方向で検討を進めております。

 いずれにしろ、統計の信頼性を確保しつつ、効率化を実現できるように取り組んでまいりたいと思います。

武正委員 今のお話ですと、地方公共団体ごとに、地域ごとの民間委託というと、一社どころか、数社どころか、それこそ下手をすれば、国勢調査は九十八万区ですから、九十八万社に委託をするところまで広げかねないというような、そんなことも考え得るということだと思いますが、果たして、先ほど来お話ししておりますが、統計の真実性あるいは正確性が担保できるのかどうか。幾ら規制改革三カ年計画であろうとも、あれは前提として今の真実性、正確性が担保できることなどが前提にあるわけですから、やはりこれについては私は慎重な対応が求められるというふうにまず申し上げます。

 もちろん、お手元に資料を理事会のお許しを得てお配りしておりますように、指定統計は五十五もございますので、きのうも質疑でやりとりしておりますように、これからつくられる統計委員会への総務大臣からの諮問で、当然この五十五項目の中での見直し、あるいは百十一項目の承認統計についての精査などを経て、当然重複を避けたり、あくまで国の基幹統計としてやるべしというところと、これはもう一般統計ということでそれこそ民間にこの部分は委託しても構わないな、そういう濃淡をつけていくということがあっての話であって、やはり基幹統計調査についての官から民への委託というのは慎重であるべしというふうに考えるわけであります。

 そこで、前内閣から六年進めてまいった政府の政策、ITジャパン、あるいはe―Japan戦略1、2、そしてまたIT新改革戦略ということで、政府はITということで、総務省はICTということで、やはりこれもコミュニケーションは大変大事だと思って、総務大臣のお気持ちもよくわかるんですが、やはりどうしても政府はITということでありますので、私はどっちかに早く統一した方がいいのかなというふうに思います。

 政府はすべてITという表題を使っていますのであえてITと言いますが、これは、平成十三年、この五年間で世界最先端の電子国家を目指すということを掲げてまいりました政府であります。ただ、この目標の中で、いろいろこれまでの1、2あるいは新戦略を見ても、統計のIT化というところが、なかなか文言が出てこないようにお見受けをするんですが、今回の法案の見直しで、e―Japan1、2あるいはIT新戦略、これとの整合性をどのようにとっておられるのか、お答えいただけますか。

菅国務大臣 実は、私も、何とかICTにまとめたい、一本化した方がいいだろうと思って努力をいたしておりますけれども、力不足でまだITが主流になっておりますけれども、これは将来的なことを考えた場合、Cというものをぜひ入れるように頑張っていきたいと思っていますので、武正委員もぜひ応援をしていただきたいというふうに思います。

 公的統計に関係する業務及び情報システムについては、電子政府構築計画に基づいて、業務・システム最適化の一つとして今取り組んでいるところであります。

 今回の法案におきましても、このような現在進められております電子政府の取り組みも視野に、第八条及び第二十三条の統計の公表等におけるインターネットの利用、第二十七条の事業所母集団データベースの整備、そして第五十四条の公的統計の所在情報の提供といった新たな規定を置いているところであります。

武正委員 このIT新戦略で、オンライン申請を五〇%以上ということを掲げています。これは法務委員会マターでありますが、法務省の申請が大変低い申請率、これはもういろいろなところで指摘をされるわけであります。こういう電子政府化の取り組み、あるいは報道でも、外務省でしたか、申請が一件当たり大変高額な費用になっているということもありまして、政府の思惑に反してなかなか国民のIT活用による申請というものがうまくいっていない、ミスマッチというものもやはり指摘されているわけです。

 これはまた別の機会に、総務大臣には、ぜひこの五年間の政府の取り組み、IT戦略あるいは電子政府化、これがなぜうまくいかない面があるのか、これについては検証をそろそろしていく時期なのではないのかな。次から次に、1、2、そして新戦略と、矢継ぎ早には出しておられますが、やはり、いま一度立ちどまって、振り返る時期ではないのかなというふうに考えるわけであります。

 今お答えをいただいたわけですが、その中でちょっと出てこなかったのは、先ほどの、例えば国勢調査はやはり封をしてプライバシー保護をすべきではないか、こういうような提案が出ているのと、もう一つ、それこそ電子申告ではありませんが、国勢調査もやはりインターネットでできないのか、こういうような指摘もあるわけですが、今のこの法案の中での条文ではなかったわけです。インターネットを通じて共通のデータベースの利用ということは条文の中にありますけれどもね。これについては総務大臣としてどのように考えられますか。国勢調査ほか、基幹統計調査などでの電子媒体を利用しての申告。

菅国務大臣 まず、今申し上げましたけれども、インターネットを利用するということを今回入れさせていただきました。

 国勢調査の中で、正しい情報かどうかというところの判断をどうするかという一つの問題がありますので、そういうことも含めて私ども検討しなきゃならないなという問題意識を持っております。

武正委員 先ほども触れました八十三万人の統計調査員、やはり六割は自治会の役員さん。いろいろな映像で、自治会の会長さんが十回も訪問しても一回も会えなかったオートロックのマンションのことなども触れておられますが、やはりどうしても今そうしたプライバシー保護の方にいろいろな生活パターンがなっています。その中で、今回、立入調査権など強い権限を与えてはおりますけれども、それこそ政府はこれまでどれだけIT化あるいは電子政府化にお金を投じてきたのか。それがこういったところで生かされないというのは、やはりおかしなものというふうに考えるわけですね。

 ですから、本法案提出に当たって、もっともっと、インターネットでの電子申告についての枠組み、この検討がなされて法案提出に至るべきであったというふうに思うわけであります。今、検討していくということでありますので、ぜひ早急な取り組みと御検討をお願いしたいというふうに思います。

 また、加えて、八十三万人にプラスして十万人の指導員がいるわけなんですけれども、これもほとんど市町村の、地方自治体の公務員の方が兼職をしているということもありまして、例えば、後で触れますけれども、指導員についてもやはりIT系の人材活用がもっともっとあってしかるべきなのかな、それから、調査員についても、そうしたITにかかわる方々、それについて造詣の深い方々の活用などもあってしかるべきなのかなというふうに思います。

 この五、六年、政府が進めてきたこのe―JapanあるいはIT新戦略では、人材の育成ということを掲げておりましたけれども、果たして本当にITにかかわる人材の育成ができたのかどうか、これもぜひ私は検証をすべきだというふうに思っております。

 私が、二〇〇〇年八月三日ですか、初当選の初質問は当時逓信委員会でございまして、郵政大臣に質問したのは、IT関係の人材が一次、二次、三次、四次と大変重層構造にまたがっていて、名前はそのとき申し上げましたが、大手のそうしたデータ関係の会社が受注をしても、それは二次、三次、四次と下請にどんどんどんどん仕事が回される。四次に至っては、本当にそれこそ今ワーキングプアということで、厚労省ですか、ネットカフェ難民とテレビで今取り上げられて、私も非常にショックを覚えていますが、一泊千円、二千円で、ネットカフェで寝泊まりをしている。メールで仕事の注文が入ると、それはIT系の人材であるとコンピューターの方でやる。年収は多くて二百五十万、少ないときは百万台の前半というのがテレビでも流れておりました。実は、そうした上部から下部にわたる重層構造の中で、二十代を中心に大変身を削って今のITを支えている、これを何とかしないと日本のITジャパンはうまくいきませんよと。これは初回の質問で取り上げたんですが、それこそ間もなく七年経ますが、果たしてそれが解決できているのかどうか、これが大変気がかりであるし、ぜひ御検証をいただきたいというふうに思うわけであります。

 そういった意味で、人材、特にIT系の人材の活用がこの統計のそれこそ真実性、正確性も担保するきっかけになるのではないかと思いますが、こうした人材を、指導員も含めて活用するという視点についてはどのようにお考えでしょうか。

菅国務大臣 当然のことであるというふうに思っていますし、そしてまた、これから日本の産業の発展というものを考えた場合も、そうした人材育成というもの、私どももこれは中心になってやっていきたい、また常々そのことを思っております。

武正委員 所管大臣としてぜひ積極的なお取り組みをお願いしたいというふうに思います。

 それでは、お手元の資料三ページをごらんいただきたいんですが、これは、民主党の要求に基づきまして、衆議院総務委員会で可決をされ、そして調査局が全独立行政法人に行ったことしの予備的調査の結果、独立行政法人統計センターからお答えをいただいた調査票の一ページ目でございます。

 これを見ていただくと、所管省庁からの出向数というのがそれこそ毎年ふえております。平成十五年が九十五人、十六年が百三十五人、十七年が百七十七人、十八年が二百二十二人。所管省庁ですから総務省ということで、九百十六人中、総務省から二百二十二人が出向しているというこの数字。

 独立行政法人というのは、もともと特殊法人からの改革ということでつくられているわけですが、私は、非常に今の独立行政法人はあいまいになってしまったなというふうに思っております。昨年も、行革特で、それこそ国家公務員の数を減らすために独立行政法人が使われている、しかしながら、人件費や運営費交付金ということで税金が投入されている、これは結局は、官から民へと言いながら、やはりまやかしじゃないのかと。

 私は、先ほども触れましたように、統計業務などはやはり国がきちっとやるべき一つの業務であって、それを官から民へといってどんどん民間委託していくということは果たしてどうなのかなというふうに思っております。この独立行政法人統計センターも、ことし見直しで、果たして来年度以降、非特定、非国家公務員化していくのかどうかということもこれから論議が夏にかけて行われるようでありますが、私は、何でもかんでも非特定、何でもかんでも非国家公務員は果たしてどうなのかなというふうに思っております。

 そういった意味で、それを明らかに証左するのが、総務省から出向者が年々ふえているということは、結局は、総務省でやらなきゃいけないのに独立行政法人でやらなきゃいけないからその人材を出向させているといったふうに見てとれるわけですけれども、この出向者が毎年総務省からふえていくことについて大臣としてどのように御認識をされますか。

菅国務大臣 この独立行政法人の統計センターでありますけれども、平成十五年三月以前は、総務省の施設等機関であって、総務省統計局と一体的にその人事運用というのがなされていたという歴史があります。

 いわゆる独立行政法人に移行後も、その業務は総務省統計局等の統計調査の製表であることには変わりはなく、統計局等と密接に関連をしていることから、統計センターと人事交流を行っていくということは、総務省職員の専門性向上の面からもこれは有意義である、そういう考え方の中で行われていることであります。

武正委員 総務大臣は独立行政法人も担当する大臣でありますが、独立行政法人にこうやって担当省庁から出向者が毎年ふえていくということについての認識、これを伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。

菅国務大臣 いずれにしろ、所管大臣としての立場からすれば、この統計センターについては、今までそういう歴史があって一体的な運用をしましたけれども、独立行政法人に移行したわけでありますから、そうしたものは専門性を確保するための最低限なもので対応すべきだなというふうに思っています。

武正委員 いや、よくわからないんですが、所管大臣、総務相としてのこの独法に対する意見じゃなくて、独立行政法人全体を所管する総務大臣として、この法人も一つの例でありますが、中央省庁から出向が多いという実態、ましてこうやってふえていく実態、これをどうお考えになるか。

菅国務大臣 本来であれば、この独立行政法人統計センターの場合は、ここでしっかりとした人材を確保することも大事だというふうに思っておりますけれども、今、まだ過渡期という形で、私ども総務省から人が行っているということだというふうに私は思っています。

 いずれにしろ、基本的には、独立行政法人の趣旨に基づいてそれぞれのところでまさに独立して行ってもらう、そういう方向を目指していくのは当然のことだと思います。

武正委員 人材がいないから総務省から出向しているんだというようなお話かと今受けとめたんですけれども、この間も民主党の総務部門にこの独立行政法人の方が説明に来られたんです。五人いらっしゃって、三人は総務省からの出向の方で、一番中心になって説明していただいた総務省の出向の方は、もともと統計の専門の分野にいたわけではないというふうに言っておられましたので、やはり独立行政法人の制度設計そのものが非常にあいまいなものになってしまっているなというふうに私は考えております。

 そもそも、これはイギリスを例にということでつくられたものでありますが、やはり公がやらなきゃいけないことをやっていく機関。あくまでも官でやる、ただしかし、やはりそこに民間の手法とかノウハウを取り入れるべし。ですから、当然トップはやはり公募をして、民間のさまざまなノウハウを持った方を据えて、そして公でやれないことを民間の知恵を使ってなしていく、これがやはり私は独立行政法人の姿だというふうに思っておりますので、私は、国家公務員でもいいと思うんですよ、みんなそれをどんどん定数外にしていく必要はないと思うんですね。まして、統計というものの真実性、正確性からいったら、私は特定でいいというふうに思っていますが、やはりトップについては、今中川さんですか、元総務省のOBでありますが、それこそ民間からそうした理事長などは公募をして、そして民間の手法をもって当たる。だから、今政府は特定から非特定へと進めていますが、私は違うんじゃないかなと。堂々と特定のまま残していい、そのかわりトップは民間の方を公募で据えるべきである。

 昨年、小泉前総理ともやりとりしましたが、当時百十三の独立行政法人のトップを調べますと、政府は五割がいわゆる中央省庁からの再就職だと胸を張るんですが、それでも五割。でも、私が調べますと、文部省に入省されて、国立大学の教授とか学長を経て独法のトップになられた方を合わせますと、八一%がいわゆる中央省庁からの再就職。これはやはりそれこそ何かちぐはぐなんですね。トップをどんどん再就職させて、そして職員は非国家公務員化している、でも、運営費交付金が三兆五千億もつぎ込まれている。こういう中で、真実性、正確性が求められる大事な、政策の評価の基準であるこの統計が本当におろそかなものになっていかないかどうか、大変危惧を抱くところでございます。

 そこで、次に質問を移らせていただきますが、ぜひ後で資料をいただきたいのは、この二百二十二人の出向者がどのぐらいで総務省に戻っていくのか、ぜひ数字を出していただきたいと思います。

 昨年、調べますと、大体二年から三年ぐらいでみんな帰っていくわけですよ。だから、人材がいないからという先ほどのお答えですけれども、できて間もないんだというお話ですけれども、二年や三年で帰っていくというのは、結局は総務省としての人事管理の中の一環でしかないのかなと。しかも、専門的な方が行っているわけでもないという例もあるわけですし。

 ですから、私は、この独立行政法人の制度設計自体の見直しも、それこそ早いものは五年を経て次の中期計画に入っておりますので、ぜひこの点も御検討いただきたい。あわせて、その数字についても御提出をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 さて、先ほど来、法定受託事務ということで、地公体を利用して、活用してこれまでも指定統計などが行われてまいりました。今回の基幹統計調査、指定統計調査から名前が変わりますが、統計法において、地方公共団体の役割、これはどのように位置づけられているのか、お答えをいただきたいと思います。

菅国務大臣 先ほども申し上げましたけれども、全国的な観点から実施する基幹統計調査の円滑また効率的な実施のためには、地方公共団体に対して調査業務の委託をしてその協力を得ながら行う、このことは極めて私は大事なことであるというふうに思います。また、当該事務を遂行する中で当該地方公共団体自身の統計が整備をされている、こういう側面もあるというふうに思います。

 そこで、今回のこの改正でありますけれども、現行法と同様に、基幹統計調査に関する事務の一部については地方公共団体に委託できる仕組みを設けているところであります。今後も、地方公共団体におきまして、この基幹統計調査の実施において重要な役割を果たしていくことを期待していきたいと思います。

武正委員 昨日も質問がありましたように、地方分権改革の流れの中での地公体の統計調査のあり方、今言った法定受託事務についてしっかりとサポートもしていくんだということがありましたが、やはり地方公共団体も、それこそ政策評価の指針としてこの統計の正確性、真実性が求められるわけでありますし、それこそ分権時代でありますから、それぞれがそれぞれのアイデアに基づいていろいろと個性豊かな政策が政府としても期待をされているわけでありますが、ただ、やはりそれはきちっと評価を伴うわけですので、地公体の今言った法定受託事務以外の独自の統計調査に対するしっかりとした国としての支援、あるいは、それこそ分権ですかね、こういったところも求められるわけです。

 もちろん、その中で、行政機関の情報を活用できるようにということは当然地公体にとっても有益なものであろうということで本法案が出ておりますけれども、ただしかし、後で指摘をしますように、目的外利用へどういう形で透明性を担保するのか。当然被調査者への目的説明からは目的外利用になっていくわけですので、この点はやはり留意が必要だということを申し上げておきます。

 そこで、統計調査を行う独立行政法人等ということで、届出独立行政法人等、これは日本銀行を想定しているのか。そうであればなぜ日本銀行と書かないのか。今後、届出独立行政法人が、百十三からいろいろ統合で減りまして本年一月九日現在百四の独立行政法人や特殊法人や認可法人などに拡大していくことを想定しているのであるのか、これもお答えをいただきたいと思います。

菅国務大臣 届け出を行うべき独立行政法人等については、基幹統計調査の実施に影響を及ぼし得る統計調査を事前に把握し、また調整を行うために、その業務の内容その他の事情を勘案して大規模な統計調査を行うことが想定されるものとして政令で定めること、そうされておりますけれども、現在のところ、日本銀行を対象とする、このように想定をいたしております。

 これは、日本銀行がこれまでも届出統計調査の実施主体として全国企業短期経済観測調査等の重要かつ大規模な統計調査を行ってきたことから、今後も基幹統計調査に匹敵する大規模な統計調査を行うことが想定されているためであります。

 また、日本銀行以外の独立行政法人等が基幹統計調査に匹敵する大規模の統計調査を実施する可能性も否定できないことから、届出独立行政法人等を日本銀行のみに限定することなく、届け出を要するか否かの判断を可能としておいた方がいいだろう、そういう判断の上に立って「等」とさせていただきました。

武正委員 拡大の余地を残しているということだと思います。

 そこで、昨日来、この司令塔について同僚委員からも質問がございました。総務省統計局、内閣府経済社会総合研究所国民経済計算部、そしてまた今度内閣府に置かれる統計委員会、このうちどこが司令塔なんですかというような質問に対して、大臣の方は、全部司令塔なんだけれども特に統計委員会が大事なんだよ、こういうような御趣旨の答弁があったと思うので、次の質問に移りたいと思うんです。

 私は、なぜ内閣府に置くのかなと。総務省はこれまで、それこそ統計の総合調整、各省庁に横ぐしを入れるような、そんな役割も旧総務庁からも担ってこられております。統計委員会の前身の審議会も総務省に置かれていたということでありますので、私は、やはり総務省に置くべきではないのかなというふうに思うわけです。

 統計委員会が内閣府に置かれてしまうと、これからこの総務委員会で統計委員会に関しての質問ができるものとできないものが出てくる。これは、地方分権改革推進委員会に関する質問を菅総務大臣兼地方分権改革担当大臣にしようとしても、この総務委員会では答えられないんだ、だから内閣府の副大臣を呼んで地方分権改革推進委員会について聞かなきゃいけない、こんなおかしなことがまかり通っていると言われております。

 私は、やはりそういうのはあってはおかしいと思いますので、ぜひこれは、与党の皆さんと協議をして、今国会で、それについては国会がきちっと審議をできる、立法府としての権能を果たすべき、そうした形にしていかなきゃいけないというふうに思っております。

 今の点、なぜ内閣府に統計委員会を置き、総務省に置かないのか。また、その次の質問もあわせて聞きますが、統計委員会に置かれる職員数というのは一体何人ぐらいで、そのうち兼職が何人ぐらいで、そうはいっても、やはり総務省から人材を当然出向するのか、先ほどの内閣府からも出向するのか、それこそ出向の方は何人ぐらいなのか。これからだというお話もあろうかと思いますが、当然、法案提出ですし、司令塔の中枢的な機能を占める統計委員会、それを補佐する事務局機能、その職員数もあわせてお答えをいただきたいと思います。

菅国務大臣 まず最初に、なぜ内閣府に置くのかということでありますけれども、統計委員会というのは、総務大臣からの諮問事項のみを受けていた統計審議会とは異なって、国民経済計算の作成基準を内閣総理大臣から、公的統計の基本計画や基幹統計の指定等を総務大臣からと、二つの府省庁にまたがるということであります。

 また、匿名データの作成については、統計調査を実施する各省大臣からの諮問を受けて統計委員会が審査を行い、各省大臣に答申をする、こういうことになっております。これについては、個人情報保護の観点から、より中立公正な判断が求められており、現に大規模な統計調査を実施しており、審査を受ける立場にある総務省よりも、そのような立場にない内閣府に審査を行う場を置くことが順当じゃないかなということであります。

 さらに、統計委員会は、法律の施行に関して、内閣総理大臣、総務大臣、または関係各行政機関の長に対して意見を述べることができるというふうにされております。その場合、その多くは統計制度を所管する総務大臣に対するものになる、こう考えますので、より中立公正性を確保していくという観点から、総務省よりも、そのような立場にない内閣府に置くことが適当であるというふうに思いました。

 このようなことから、統計委員会は、総務省でなく内閣府に置くことにさせていただいたところであります。

 さらに、職員の数でありますけれども、事務局を置くこととはしておらず、関係機関からの併任で対応する、こういうことを想定しますけれども、具体的な人数というのは現在決めておりませんけれども、当然、総務省だとかあるいは内閣府だとか、そういうところからこの事務局体制というのはつくっていくというふうに思います。

武正委員 司令塔機能の統計委員会なんだと言うにしては、まだ人数もわからないし、しかも兼任だと。中立公正の観点からという意味では、やはり独立性も担保できていないのかなというふうに大変心配になります。

 私は、諮問するから内閣府だというようなことではなくて、やはり総務省が堂々と、おれたちがこれまでも国の統計調査の中枢で頑張ってきたんだ、そういう自負を持ってやられるべきであって、民間委託だといって民間に任せたりしないで、本当に、政策判断、評価の大変大事なお役をやっていただいているんだ、そういう観点から、それこそ中枢機能である司令塔機能をやはりぜひ総務省に、独立した形であっても、総務省の所管ということで、あるいは総務省にかかわって置くべきだというふうに思います。

 そこで、中立公正と言われたわけなんですが、私は、そうであれば、いわゆる国家行政組織法第三条の委員会にすべきなのではないのかなと。三条委員会になりますと、これは当然、職員数などももっともっとふやせますし、それこそ総務大臣に対して、あるいは関連の大臣に対しても、この条文でも担保されておりますような、きちっと勧告する、こういったことがもっと強い立場で物が言えるわけですので、三条委員会にすべきだというふうに思います。

 この点はどうでしょうか。

菅国務大臣 統計委員会は、総務省に置かれている審議会等である統計審議会を発展的に改組して、内閣府に設置をすることにさせていただいています。

 これは、我が国の統計行政については、各行政機関の長がそれぞれ権限を持って遂行してきている分散型の構成を今日までもとってきていますし、このことを生かしながら、統計委員会が、諮問機関としての中立公正な第三者的立場から意見を述べる構成とすることが適当である、こういうふうに考えたところであります。

 内閣全体で責任を持って統計行政を推進する観点からは、統計委員会を三条委員会とするのではなくて、八条機関の統計委員会を司令塔の中核に据えることによって、統計委員会と内閣府、総務省が一体となって司令塔機能を十二分に発揮することができることになるというふうに考えております。

武正委員 分散型のこれまでのメリットもあったでしょう。ただ、デメリットもあるゆえに、今回の全面的な法改正になったというふうに理解をしますし、司令塔機能ということで統計委員会を上げておられるのであれば、それをしっかりとサポートするためにもやはり三条委員会であってしかるべき、しかも、サポートするのが実質上総務省であれば、総務省にかかわって三条委員会という形で置いたらどうかなというふうに私は思います。

 そこで、先ほど触れましたように、当委員会で統計委員会について我々委員が質問した場合、答えられるもの、答えられないもの、これを具体例を幾つか挙げていただきたいんです。あわせて、地方分権改革推進委員会についても同様でありまして、以上二点、お答えをいただけますでしょうか。

菅国務大臣 まず統計委員会でありますけれども、総務委員会で答弁できないものでありますが、国会の場でどのような事項について質問するかというのは、各議員の自由な判断であります。統計委員会は内閣府に置かれる機関であり、例えば統計委員会の委員の任命行為に関する質問等については、やはり内閣府で答える、こういう形になろうかというふうに思います。

 地方分権担当大臣として総務委員会で答弁できるもの、できないものということでありますが、私、総務大臣としては、これまでも推進してきております地方分権の推進に係る事項だとか地方自治制度に係る事項等について担当いたしております。

 一方で、昨年の十二月十五日付で地方分権改革担当の内閣府特命担当大臣に兼務を命ぜられ、地方分権改革推進法に基づいて内閣府に設置されている地方分権改革推進委員会に係る事項や地方分権改革推進計画の作成等、これから三年の時限で推進する地方分権改革について担当することになっております。

 地方分権改革担当はあくまで内閣府の特命担当大臣であることから、国会でお決めいただき、地方分権改革推進法に基づいて内閣府に設置されている地方分権改革推進委員会に係る事項や地方分権改革推進計画の作成等について、総務委員会で答弁しないことということになっております。

 総務委員会において、引き続き、総務大臣として、国の各省庁の施策や運営について地方自治に影響を及ぼす場合に意見を述べることを初めとする地方分権の推進に係る事項、地方自治制度に係る事項等については担当し、答弁は私がしていいというふうに思っています。

 いずれにしろ、国と地方の役割分担を徹底して、権限、財源を地方にゆだねる、こうしたことに地方自治の責任の確立のために取り組んでいきたいと思いますけれども、国会で決めていただいた部分だけという形であります。

武正委員 統計委員会について、その内容を答えられないというお話も今伺いましたが、あわせて、地方分権改革推進計画について答えられないというのは、甚だおかしいなと思うんですね。これから、政府が最重要課題として決められて、推進本部も総理大臣が本部長でやるんだ、一丁目一番地である、こういう意気込みだというふうに伺うわけなんですね。それが、これだけ分権の推進法を論議してまいりましたこの総務委員会でその計画について聞けないんだと。それで、これはまた内閣委員会ですかと。何でも内閣府で、何でも内閣委員会、これはやはりおかしいですよね。

 平成十三年の一月六日の省庁再編以来、内閣府は確かに頭一歩出た省庁として、それは総合調整をやるという法的な制度設計かもしれませんが、本当に内閣府が、あるいは内閣官房がそれを果たしているのか。結局、みんなそれぞれ省庁から出向された人材でやっているだけじゃないのかということもあって、推進計画もこの委員会で質問できないということで、それで、国会がお決めになったからというようなお答えでしたけれども、果たしてどうなのかなというふうに思うんです。これはやはりおかしいと思うんですが、どうでしょうか、総務大臣。

菅国務大臣 正直な話、私も違和感は感じるところはあります。私がここに総務大臣として出席していて、そして地方分権のことについて副大臣が来て答弁をしていることを見まして、これはやはりおかしいなと私は思いました。

 しかし、これについては国会で皆さんで整理されていることでありますから、私どもはそのルールに従ってしか答弁できないわけでありますので、そのことについてはそれぞれ各党会派で十分協議をしていただいて、例えば私が総務大臣で出席しているときは、地方分権のところは私とすれば答えたい気持ちが非常に多かったんですけれども、しかし、これは国会の皆さんで決めたことでありますから、私は、その辺のことについては十分意見交換して、そういう決定をしていただきたいな。そういうふうにすれば、私は喜んで答弁させていただきたいと思います。

武正委員 各党各会派でということでありますので、与党の皆さん、これは国会で立法府としてきちっとやはり対応していかなきゃいけないという、今総務大臣からの投げかけでありますので、総務委員会として、委員長、ぜひお取り組みをお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

佐藤委員長 理事会で協議をさせていただきます。

武正委員 ぜひよろしくお願いいたします。

 質問を用意してきたんですが、まだ半分ぐらいしか終わっておりません。そのぐらい、やはりこの統計法というのは、議論を重ねれば重ねるほど奥の深い法案である、大変重要な法案であるという認識であるということをぜひ御理解いただきたいと思います。

 事業所母集団データベース、これも大変いい法案だとは思うんですが、これはやはり事業所としてのデータベースがひとり歩きしていきかねないわけですね。いわゆる目的外利用でいろいろなところが利用できるわけですから。こういったところに対してどういう形で慎重な取り扱い、運用の透明性を担保するのか。これは指摘をしておきます。

 そのほか、情報公開についてもやはりきちっと地公体も含めて行っていくべきだろう、一般統計も地公体の統計も。公表義務がないという今の二十三条、二十四条について、公表すべきであろうというふうに考えますし、二十九条から三十一条までの公的統計作成のための目的外利用にも、やはり必要性や効果などの説明、明示をきちっと担保すべきであろう。これも指摘にとどめておきます。

 また、お手元に、資料では一番最後に、患者調査の調査票をお配りしております。これはオーダーメード集計ということで、今回出ております三十四条でありますが、私は、この患者調査三年に一回を利用して、この調査票で一番下の「救急の状況」で救急外来を受診したというところに項目があるものと、上から二番目で、患者さんの住所が病院と別な都道府県にお住まいになられたというところをクロスして、いわゆる県外からの搬送率というのを厚労省に出していただいております。

 つまり、受診をしている病院で患者調査を三年に一回やっているんですが、県外からどのぐらい搬送しているかというのが、要は総務省、消防庁に聞いてもわからないわけですね。それは受診側の病院、厚労省が持っているということで、この患者調査を分析してくれということで、いわゆる県外搬送がやはり高くなっている率。大臣は神奈川県でありますが、とりわけ、我が埼玉県は県外搬送率は全国平均の三倍ですよ。やはり東京都に隣接しておりますので。

 ということは、厚労省の医療計画は都道府県ごとでありますが、特に救急医療などはやはりブロック単位で、広域でやるべしという論拠は、ここから導き出されるわけなんですね。

 そういった意味で、オーダーメード集計というのは大事だというふうに思いますが、国会がこういったオーダーメード集計をお願いしていった場合に、手数料を払わないとお願いができないのかというふうになっていくと困りますので、やはり国会からの要請についてはきちっと、オーダーメード集計についても、分析についても御対応いただきたいということもお願いしておきます。

 そこで、最後の残された時間で独立行政法人に移らせていただきますが、資料の四ページ目をごらんいただきたいと思います。

 この独立行政法人統計センター、平成十七年度における支出件数七十七件中、随意契約三十九件、これが予備的調査で明らかになっております。それで、この資料四ページ目の一番下、財団法人日本統計協会が、随意契約で統計広報展示室の管理運営業務を八百四十万円で受けておられます。統計資料館の管理運営業務を六百三十万円で受けておられます。これはやはりこの財団でなければ管理運営できないものなのかどうか。

 それから、上を見ていただきますと、独法には総務省から、先ほど触れた中川さん、鈴木さん、川口さんが再就職をされていますが、独法から他の法人への再就職は、今言いました日本統計協会に加え、財団法人統計情報研究開発センターに再就職をされております。それぞれ、両財団の過半数が総務省あるいは独法からの再就職ということであります。

 それぞれ、随意契約の見直し、再就職の見直しということを行っていく必要があるというふうに考えますけれども、どのようにお考えになりますか。お答えをいただきたいと思います。

菅国務大臣 まず、独立行政法人統計センターの随意契約三十九のうち、財団法人日本統計協会に関するものは二件で、いずれも統計関係の広報施設の管理運営業務であることであって、これは、効果的な広報を行うために、統計に関して十分な専門知識を有する団体を選定したものであるということであります。

 本件については、調達の競争性及び透明性を確保する観点から、統計センターにおいては、十八年度以降、一般競争入札に切りかえたと承知しております。

 また、財団法人日本統計協会、財団法人統計情報センターに、総務省の出向の役員でありますけれども、日本統計協会においては七名総務省出身、統計情報研究センターにおいては八名が総務省出身であります。

 いずれにしろ、指導監督基準が平成十八年八月に改正をされて、所管する官庁の出身者の数は理事のうち三分の一以下とすることになっておりますが、当該財団は、基準に認められている経過措置の期間、二十年の八月まででありますけれども、この基準に適合するように是正をしたい、こう考えております。

 また、統計センターでは、調達の競争性と透明性を確保する観点から、国の取り組みに準じて、平成十八年度から随意契約について積極的に見直しを行っている、このように承知をいたしております。

 さらに、総務省の所管する公益法人への職員の再就職については、現在進められております公務員制度改革に関する議論に基づき適切に対処していきたい、こう思います。

武正委員 ですから、そもそも統計をどこまで官がやるべきなのか。官から民へということを繕う余り、独法そして公益法人という形でやらざるを得ないという面ももしあるとすれば、やはりこの点も含めて見直しが必要なのかな。ただ、いずれにせよ、こうした中で、不透明なお金の流れあるいは契約は正さなければならないということを申し上げます。

 最後に、一番最後の質問、ちょっとお答えをいただきたいんですが、ことし二月二十二日付、当委員会、寺田委員の質問で、「国会議員から問い合わせがあった場合でも、一つのメモも残していませんか。」と、伊吹文部大臣の事務所費についての問い合わせでございます。これについて、「ないということを私報告を受けていますから。」というふうに大臣は答えておられますが、聞くところによりますと、国会議員からの、あるいは国会議員の秘書もしくは国会議員の事務所から、それぞれの役所に対してさまざまな問い合わせがあった場合には、それをきちっとメモとして残すようにということが、閣議で官房長官もしくは大臣から口頭報告ということであると伺っているんです。そうであればやはり、伊吹さんがちゃんと問い合わせをしている、あるいは秘書、事務所が問い合わせをしているというふうに言っているわけですから、そうすると総務省にそうしたメモがあるのではないかというふうに思うんですが、この点について、改めて御見解を伺います。

菅国務大臣 今の武正委員の御指摘というのは、平成十四年七月十六日の閣僚懇談会申し合わせとの関係であるというふうに思います。

 この申し合わせにおいては、「国会議員又はその秘書から、個別の行政執行に関する要請、働きかけであって、政府の方針と著しく異なる等のため、施策の推進における公正中立性が確保されないおそれがあり、対応が極めて困難なものについては、大臣等に報告するもの」こうされており、さらに、「大臣等に報告するものについては、日時・経過、内容等、当該案件の処理経過を記録し、大臣等の確認を経た上で保存する。」こういうことになっております。

 収支報告書の記載方法についてお問い合わせの件は、個別の行政執行に関する要請や働きかけとは異なるもの、こういうふうに考えておりまして、私どもとしては、個々の日常的な問い合わせについては記録はとっていない、このように実は申し上げたところであります。

武正委員 いずれにせよ、透明性を確保するべきであるということだと思いますし、与党も法改正を検討中ということでございますので、早急なる与党としての法案の提出をお願いしたいということを質問として指摘して、終わらせていただきます。

 どうもありがとうございました。

佐藤委員長 次に、田嶋要君。

田嶋(要)委員 民主党の田嶋要です。引き続き、統計法の質問をさせていただきます。

 この統計法は、六十年ぶりとかいう改正のようでございます。実際、成立したのが憲法が公布された直後ということで、こういう化石のような法律があるんだな、それを六十年ぶりに改正するということで、何かそういう、何十年ぶりの改正というのが本当に多いなという印象を受けるわけなのでございます。

 今回、かなり抜本的な改革ということを感じますが、統計というのは、確かに民主主義の基本、間違っていれば幾らでも国を誤る。統計が国の社会経済をあらわす鏡であり、かつ同時に、これからどういう方向に政策をとるべきかという羅針盤であるという指摘は、本当にそのとおりだなというふうに私も思うわけであります。

 それで、私もかつて一時期国際機関におったわけでございますが、特に途上国に関しての統計というのは、見ても余り信用できないというようなことをよく言うわけですね。実際、日本の場合にも、そもそも現行法ができた出発点として、そんなようなことがGHQからも指摘がされたというようなことが書いてあります。

 その後、信頼度は上がったにせよ、過去十年、いろいろなところで不安視する声も高まってきたというふうな印象を私も受けますし、時々、本当にこの数字は正しいのかみたいな記事を私自身も読んだようなことがあります。一方、地域の統計、市町村あるいは都道府県の統計に関しても、例えば観光統計なんというのを、千葉県でももちろんございますが、本当にそういう数字が正しいかというような議論も読んだことがございます。

 そこで、冒頭に質問させていただきたいのは、六十年ぶりというか、六十年して初めて、こういった疑問視、不安視がされながらもようやく改正されたということに関しまして、大臣、今大臣になられてそんなに時間がたっていないわけで、大臣の御担当でやられるわけですが、どういうふうに評価をされますか、この六十年間のノーアクションというものに関して。

菅国務大臣 安倍内閣は、戦後レジームからの脱却ということをうたっています。そういう中で、憲法だとかあるいは教育基本法、まさに六十年前前後につくられた法律を抜本的に見直ししよう、ある意味でそういう内閣であるというふうに私は思っています。

 ただ、これまで六十年間、基本的なことを変えられないで、部分的には時代の流れの中で改正をしてきた部分というのはあるわけでありますけれども、やはりもうこれだけ少子高齢化、国際化の時代ですから、根本から見直しをして改正する必要というのは当然のことだというふうに思いますし、そういう意味で、本来であればもっと早くその基本的な部分についても、時代の流れ、そして時代の先見ですか、そうしたものを見ながら変えていくべきだったというふうに思います。

 ただ、いずれにしろ、今回こうして、六十年ぶりとはいえ、この改正案を今審議できることに対して、私は、一つの大きな意義があると思います。

田嶋(要)委員 意義はあると思います。ただ、憲法と比較をしても、まさに今憲法もそういう段階にあるわけでございますが、法律でございますから、もっと機動的に改正をしないと、まさに今回、基本計画をつくる中で、五年ごとの見直しというようなことを入れられておりますけれども、もっとそのときそのときの社会情勢の変化に応じた改正が本来必要であったんだろうというふうに思います。

 それで、今回、一つの決断といたしましては、他の先進国では集中型の国が多いということで、主な国の中でアメリカ一カ国は分散型だ、そういう中で、これまで分散型のさまざまな欠点が指摘されながらも、六十年たった今回の抜本的見直しの中で、今回も集中型には移行せずに分散型でいくという大きな決断をされたわけでございます。私は、それは大変大きいし、恐らく、今回そういう決断をしたということは、これから六十年間変わらないだろうというふうに思うわけでございますが、その決断は、どうしてされたんですか、大臣。

菅国務大臣 今日まで日本は分散型で進んできている、そのよさというものをやはり十分に生かしていく必要があるというふうに私は思いまして、しかし弊害も出てきているわけでありますから、そういう中でも、分散型ではあるけれども、司令塔というものをつくって改正しよう、そういうことであります。

田嶋(要)委員 どういう仕組みにせよ、いろいろメリット、デメリットはあるわけでございますから、それは一つの判断であるというふうに私も思います。

 そこで重要になってくるのが、今まさにおっしゃった、分散型のデメリットをどのように小さくできるかという、工夫としての司令塔機能ということになってくるわけでございます。そうすると、統計委員会ということで、昨日も御答弁を聞いていて意外な感じが私もしました。

 それでお伺いいたしますが、今おっしゃった、分散型を補完するために重要な司令塔機能に求められる最も重要なあるいは中核的な機能、それはどのようなものだというふうにお考えですか。改めてお伺いします。

菅国務大臣 まず、公的統計の整備に関する基本的な計画の案の作成や個別統計の作成に関する調整といった企画立案・調整機能、まずここが非常に大事なことだというふうに私は思います。また、国民経済計算などの包括的な勘定体系の整備や政府横断的、共通的な統計の作成といった基本的な統計の整備機能、さらに、各府省が行う統計調査の共通の母集団情報の整備、提供や研究開発といった統計の基盤整備機能が必要であると考えており、中でも企画立案・調整機能が最も重要である。

 いずれにしろ、今私はいろいろ申し上げましたけれども、分散型で日本は今日までそれなりの実績を設けてきた。しかし、分散型であるがゆえに、この企画立案とか調整というのはなかなか行われてきていなかった。分散型のデメリット、分散型のメリット、そういうことを考える中で、企画立案、そして基本的な統計の整備機能、または基盤整備機能、こういうことを私どもは司令塔に求めていきたいと思っています。

田嶋(要)委員 一番重要なものは、企画立案・調整機能だということだと思います。

 それで、今のこの現行法下の我が国の統計に関する仕組みですけれども、今おっしゃった政府横断的な総合調整権を有しているのはどこの組織ですか。

菅国務大臣 統計法を所管して、統計及び統計制度の発達及び改善に関する基本的事項の企画及び立案に関することを所掌事務としているのは、私ども総務省であります。

田嶋(要)委員 そうすると、今の二つの御答弁を聞いていますと、これも重複にはなりますが、やはり自然な流れとして、今総務省が行っている企画立案・調整機能、そこを充実拡大するのが、まさに先ほどおっしゃった分散型の欠点を補うための中核機能の強化拡充の自然な方向だというふうなことは、私もほかの我が党の委員の意見と同じでございます。

 そこで、そういう選択をされなかったわけでございますが、この法案の中で、統計委員会を総務省ではなくして内閣府に置くわけでございます。それが司令塔の中核になっていくということでございますが、内閣府に置く方が総務省に置くよりもすぐれているという点はどういうところにございますか。

菅国務大臣 例えば匿名データの作成については、統計調査を実施する各省大臣から諮問を受けて統計委員会が審査を行い、各省大臣に答申をすることになっております。また、これについて、個人情報保護の観点から、より中立公正な判断を求められるために、現に大規模な統計調査を実施しており、審査を受ける立場にある総務省よりも、そのような立場にない内閣府に審査を行う場、いわゆる統計委員会を置くことが適当であるというふうに思います。

 さらに、統計委員会は、法律の施行に関し、内閣総理大臣、総務大臣または関係各行政機関の長に対して意見を述べることができるとされておりまして、その場合、その多くは、統計制度を所管する総務大臣に対するものとなると私ども考えておりますので、より中立公正を確保する観点から、総務省よりも、そのような立場にない内閣府に置く方が適当であるというふうに思っています。

 このようなことから、統計委員会は、総務省でなく内閣府に置くことにさせていただきました。

田嶋(要)委員 聞いておりますと、分散型の統計の仕組みを補う上での集中司令塔が、司令塔も分散をしているような感じがして、分散の上にもう一個分散した司令塔がある印象をやはり免れないと私は思うんですね。

 それをもう少し裏づける中身が法案にはしっかり書いてありまして、昨日も指摘されましたけれども、これは全員が非常勤なわけですよ。だから、普通は、こういうものは何となくアドバイザリーボードというような位置づけの印象を受けるわけでございます。

 もう一つ質問いたしますけれども、司令塔の役割として、この司令塔が統計に関しいろいろ考えることというのは、短期的な視点に立つ課題が多いんですか、それとも中長期的な視点に立つ課題が多いんですか。どちらですか、大臣。

菅国務大臣 私は両方だというふうに思っています。

田嶋(要)委員 どちらがより重要だということは、お考えはございませんか。

菅国務大臣 どちらがと言われると、私はやはり中長期的なのかなというふうに思いますけれども、短期的なものについても、計画等をつくったり、そういうことの中でこれもやはり大事だというふうに思います。

田嶋(要)委員 中長期的だと私も思います。それはやはり、五年のスパンで今回も考えられているという部分も含めてです。

 しかしながら、そういった中長期的な視点に立つべき、各府省の作成する統計全体を見渡して統計体系の整備を総合的、計画的に進めていくと言われているこの司令塔が、任期二年の非常勤の方々によって構成されるわけですね。任期二年ですよ。これは延長可能ですけれども。これはどう見ても、いわゆる短期的なアウトプットを期待されるアメリカの経営陣じゃないんですけれども、任期二年ですよ、任期二年。これではやはり司令塔としての役割を果たすためのスペックとしてちょっと問題があるんじゃないかなと私も思うわけです。

 その二年という点と、それから非常勤であるという点に関して、大臣、もちろん前からこの点も御存じですよね。いいんですか、こんなことで。

菅国務大臣 その司令塔機能については、関係する行政組織が分け持っているものであり、統計委員会は、基本計画の案の調査審議だとか、法の施行状況の報告を受けた意見具申など、専門的、中立的な立場から調査審議を行うことにより、統計整備の司令塔機能の中核をなす組織、そういう位置づけをさせていただいています。

 この委員会の性格から二年とされておりますけれども、再任は当然妨げられないというふうに私も思っております。

田嶋(要)委員 そうですけれども、それは私も申し上げたとおりですが、しかし、原則的に任期二年と非常勤ということを法律に書き込んでいることが、中核の役割としては大変弱いものになっている。

 私の感じた印象は、総務省はむしろその方が都合がいいというふうに実はお考えになっているのかなと。要するに、名目的には司令塔の最もコアの部分がこの委員会ということですけれども、実質的にはそうなっていない法律の書きぶりになっていることが、最終的には内閣府とそういうふうに折り合った落としどころになったのかなというふうな、そういう印象を受けるわけですね。大臣、もう一度、その辺はどうなんですか、本当のところは。

 分散型の選択をしたということは、もうこれは引き返せない道だと思うんですね。六十年ぶりの改正で、ほかの多くの先進国のような集中型にした方がいいという意見もいろいろある中で、もう一度分散型を選んだ。ほかでやっているのはアメリカだけだという中で分散型を選んだ。その欠点を補うために今回ここを強化するんですけれども、この強化する中心のボディーがまた分散をしておるわけですね。これは国民にとって大変な不利益を及ぼしかねないと私は思うんですが、大丈夫ですか、そこの判断は。

菅国務大臣 私、先ほど申し上げましたけれども、分散型の日本の今日までの歴史、そしてその中のデメリット、メリットがあるわけでありますから、そのデメリットを解消するために、こういう形で内閣府に置くことにさせていただいたわけです。

 例えば、私自身、総務省の所管として、今問題になっていますけれども、公務員の再就職の問題があります。私どもが所管をして、ほかの省庁にいろいろな聞き取り調査をしても、全部横並びでありますから、なかなか簡単にいかない部分というのは私は日常思っています。あるいは、きのうも行政評価についてのいろいろな議論がありましたけれども、これも私どもが所管で、全力を尽くしていますけれども、それよりもこの統計というのは各府省にそれぞれ今までの歴史がありますから、そういう意味で、統合する中で、私どもよりも内閣府に置いた方がいいのかなというふうに、正直言って私自身も思ったところであります。

 やはり人選が大事だというふうに私は思っていますので、しっかりした人を選んで、その委員会の機能というものの中で充実させていきたいと思います。

田嶋(要)委員 今、行政評価という言葉が出ましたけれども、私、この間も行政評価の質問をさせていただきまして、まさにその点も心配しておるわけでございます。評価した結果を、次のプラン・ドゥー・シー・アクションのアクションまでいくようにちゃんと役割を果たしている、私はそういう御答弁をいただいたと理解していますから、総務省の方に、横並びだといっても、それによって今おっしゃったような懸念があるというのは、評価の話と今回の話、何か全然言っていることが違うような気がします。

菅国務大臣 そういうふうにおとりいただいたのは、私の答弁がおかしかったと思います。それは、私どもは、行ったものについてはもちろん、どういう結果でどうかというものをやりますけれども、ただ、全体を見渡した場合に、政策評価というのはその部分だけですからね、それぞれの省庁の。ですから、そこに限界があるということも私は常々実は思っておるところでありますので、そのことは御理解いただきたいと思います。

田嶋(要)委員 私は大変懸念しておるわけでございます。

 もう一つ、統計委員会の役割ということで、昨日は、受け身的なものばかりではありませんということで五十五条の能動的な役割ということを指摘されたわけでございます。今武正委員からございました三条委員会の点ともこれは関係するわけでございますけれども、これは、いずれ能動でも受け身でも、結局は意見するだけです。その意見というのは必ず採用されるんですか。

菅国務大臣 一般論として、審議会等は、行政に民意を反映させ、あるいは専門的知識を導入する機関であって、政府としては、審議会等に調査審議をお願いしている以上、その結果提出された答申等を尊重すべきことは当然であるというふうに思っています。

 統計委員会においてもこの点は同様であって、総務省としては、統計委員会において中立的、公正的な審議が行われるよう十分サポートをするとともに、その結果出された意見に対しては、私どもは最大限尊重しなきゃならないと思っています。

田嶋(要)委員 あえて司令塔という言葉、表現を使われておるわけで、司令塔というとラグビーを思い出すわけですけれども、ラグビーの司令塔で、司令塔があっちへ走れと言ったのに、意見として聞きおいて違うところへ走ったら、全然ゲームにならないわけですね。だから、これは本当に、司令塔という役割を果たすためには、ちゃんと司令塔が決めたことに従って統計の仕組みが全省庁をまたがって動いていくかということなんですけれども、全くそうならないと私は懸念をいたしております。そのことを申し上げます。

 それで、分散型を維持した一つの根拠は、アメリカがそうしているからだというふうなこともあるんだろうと私は思うんですが、ある記事によりますと、一元化されていないアメリカでも、国民経済計算を作成する経済分析局と一次統計調査を行うセンサス局はともに商務省に所属し、連邦政府の統計調査予算の四分の一以上が配分されている、こういうことがあるわけでございます。

 だから、集中型か分散型かということだけじゃなくて、アメリカの分散型と日本の分散型はかなり違うんじゃないかという感じも私はしておるわけでございます。今回、アメリカの分散型のあり方を十分調べる時間はちょっとなかったわけでございますが、冒頭申し上げました、分散型を補う上でのヘッドクオーターがまたそこで分散してしまって、権限が分散してしまって、非常勤の二年周期の方々ばかりということは大変おかしいというふうに、改めて強調させていただきます。

 関連でございますけれども、第六条、具体的に、先ほどアメリカの方でもありました国民経済計算ですが、これは条文を読みますと、そこだけ主語が総理大臣になっておるわけですね、総務大臣じゃなくて。これはなぜですか。

橋口政府参考人 お答え申し上げます。

 本法案では、統計調査以外の方法により作成されます基幹統計、これは加工統計でして、国民経済計算がまさにそうでございますが、そういう基幹統計につきましては、報告者負担を考慮する必要がないということのために、作成方法につきましてあらかじめ総務大臣の承認を受けることを必要としておりません。

 ただし、国民経済計算は、法律上特に基幹統計として位置づけている極めて重要な統計であるということでございますので、統計委員会の意見を聞いて作成基準をあらかじめ作成、公表し、これを踏まえて作成に当たるということが統計の信頼性の観点から極めて重要であるということでございます。

 このようなことから、統計調査以外の方法により作成されます他の基幹統計とは異なりまして、この国民経済計算につきましては、作成主体たる内閣総理大臣があらかじめ作成する基準につきまして統計委員会にお諮りする、こういうことでございます。

田嶋(要)委員 これは、ここだけ総理大臣が出てくるのは私は大変不思議な感じがするわけですね。これは総理大臣じゃなくて、ここも総務大臣に一本化することはできないんですかね。私、ここはやはり歴史を引きずっていると思うんですね。もともと、この国民経済計算に関しては内閣府がやってきたわけで、だからここに総理大臣というふうに残っているにすぎないんじゃないかな。

 結局、結論的に言えば、今回のこの分散型を補う上でのヘッドクオーター機能のありようを見ると、やはり日本のこれまでの歴史を引きずって、今のこの時点でこれからの統計ということを考えたときに、国民の利益にとって何が一番いいかという視点よりも、むしろこれまでのいきさつを大変重要視して、内閣府と総務省の方で落としどころを探った結果がこういう組織のあり方になっているんじゃないかなという印象を大変強く受けるわけですが、もう一度、大臣、その点は御心配はございませんか。

菅国務大臣 今日までそれぞれの役所で分散型の統計をやってきましたから、重複を避けたりその基礎的な調整、先ほど調整・企画機能のお話をさせていただきましたけれども、そういうことを考えたときに、司令塔機能としてやはり内閣府に置いた方が、より今日までの日本の分散型のメリットというものをこれからの統計に役立てることができるんじゃないかなというふうに私は思います。

田嶋(要)委員 では、これからの状況を見てみましょうという感じですね。

 それで、次の質問に移ります。

 人員に関する話をちょっとさせていただきたいんですが、この十年指摘された大きな問題点の一つが農林統計への偏りだったと私は理解をしております。

 まず最初に、この農林統計が全体の人員の三分の二ぐらいいたというようなことをいろいろ指摘されておりながら、これまでそれは是正されなかったわけでございますが、法律を変えないと是正はできなかったんでしょうか。

菅国務大臣 農林統計については、総人件費改革の対応の中で、職員による調査を原則として廃止するなど、全面的なアウトソーシングを導入することを通じて大幅な定員の合理化に取り組んできているところであります。例えば、平成十七年度末四千百三十二人の定員を二十二年度までに千九百人純減を行うこととしているところであり、既に十八年度、十九年度でも六百七十二人の定員合理化を実施してきました。

 ですから、法ということも、定員の管理の中でこの純減をしてきたということであります。

田嶋(要)委員 私のお伺いしているのは、この十年ずっとその問題は指摘されておるわけですね。それは当たり前だと思います。第一次産業の比率というのは今、GDP比で本当に数%。それこそ、何十年も前から第二次産業、工業だサービス産業だなんてことをずっと言われているわけですね。そういう長い長い中で産業構造がまるっきり変わってしまっているのにもかかわらず、いまだに統計に関してはそんな多くの人が農林統計に張りついているということを歴代のどなたも、問題視して変えようとなさらなかったのか、それは今の法律の枠組みでは変えられなかったのかということを聞いたわけですが、大臣は、変えられたということですか。では、それは単なる不作為ですか。

菅国務大臣 今の法律というのはこの統計の法律かどうか、そこのところはよくわかりませんでしたけれども、要は、定員については、私ども総務省で所管をします定員管理の中でこれを削減することは可能でありますので、私は、私が大臣に就任してからは特にめり張り以上のものをつけるという形のことを指示して、たしか、十八、十九年度で六百七十人の純減をまずさせたということであります。

 ですから、法律ではなくて、国家公務員の定員管理の中でこれは幾らでもできる話であります。

田嶋(要)委員 だから、現在の統計法の問題じゃなくて、定員管理の問題だということですね。幾らでもできる、でも一度もされなかった、そういうことですね。だから、今日までずっと問題があるということなんです。

菅国務大臣 確かに、委員の言われるように、スピード感がなかったということは、私はそのことは認めざるを得ないというふうに思います。ただ、今の時点で半分ぐらいになってくるということであります。

田嶋(要)委員 ようやく最近そういうふうに動きが出始めているのは承知をしておりますけれども、ちょっと、全然信じられないスローな感じがしますね。先ほど申し上げましたように、私が本当に三十年前、子供のころに第二次産業、第三次産業なんて話を聞いているような、日本はもう過去数十年にわたってそういう社会に大きく変貌したわけですね。何か、一度用意してしまった枠組みを全く動かせないというか、縦割り行政の弊害なんでしょうか、ちょっと、本当に信じられないことが今でも起きているなという感じがございます。

 それで、統計法と関係ないんだという話でございましたけれども、では、今回の抜本的な法改正ができて、それでヘッドクオーター機能が強化されるわけですが、今後はこういうことは起きないのか。例えば、将来、第四次産業みたいなものが大きくなっていって、今と全く産業構造が変わったというときに、非常に小さくなってしまった第二次産業や第三次産業に相変わらず統計のすごい人員が張りついているというようなことが、今後は起きないんですか、今回のこの法律改正によって。どうですか、大臣。

菅国務大臣 それは当然やはり、私は、時代のそうした流れに対応して、機動的に対応すべきだというふうに思います。

 ただ、ここまでなぜこんなに問題になったのか、私も実は、大臣になってその経過というものを調べてみました。これはやはり、公務員の一つの権利ですか、あるいは組合との問題、さまざまな問題があってという形でありましたけれども、ここに来てようやく、時間はかかりましたけれども、そうしたことができるようになったということで、現在半分になってきているということであります。

 さらに、こうした経験を踏まえて、これからのそうした時代に機能できるものをしっかりとつくっていきたいと思います。

田嶋(要)委員 時代の変化に機動的に対応すべきだというべき論は、多分、現行法の六十年前からあったにはあったと思うんですよね。でも、結局だれもできなかったということが最近まであったわけです。私の質問は、今回、法律を、統計法を抜本的に変えていくわけですけれども、この統計法の中に、今おっしゃったべき論が実際に実現することを担保できるような、何らかのメカニズムが組み込まれていますかという質問です。いかがですか。

菅国務大臣 そういう中で申し上げれば、例えば公的統計の整備に関する基本的な計画の案の調査審議において、個別統計の新設、改廃の議論がなされれば、これに従って、統計に従事する人員についても議論が及ぶことが当然のことになっていくというふうに思っています。

田嶋(要)委員 それは閣議決定ですよね。だから、その議論の中で、それぞれの所管省庁の大臣といろいろ話し合いをする中で、例えば、現代に引きかえれば、何で第三次産業にいまだにそんなに多くの統計官がいるんだ、それはもう半分にしようとかそういうことも含めて、それこそ司令塔としてそういうことを提案して、もちろん、最終的には合議で全会一致ということでしょうけれども、閣議決定をすることによって、今後は、偏った、あるいは時代に対応できていない人の配置ということは起きないという理解でいいですね。

菅国務大臣 先ほど来申し上げていますけれども、司令塔の役割としての大事なものは基本計画の作成という話を先ほど申し上げました。そういう中で、個別統計が新設あるいは改廃ということも、その計画の中で議論がされて結果が出れば、当然それは、改廃されたものであれば人員はそこについては要らなくなる、縮小する、当然そういうことになるというふうに考えていますから、そういう仕組みは今回は内蔵されている、こう思います。

田嶋(要)委員 ぜひ期待したいと思います。

 それで、先ほどの農林統計の削減でございますが、ちょっと具体的にお伺いしますけれども、一方で、サービス産業あるいは経済以外の、文化や生活に関する統計が我が国は充実していないという現状が指摘をされておるわけです。一方で、そういう三分の二の人材が農林統計におったわけでございますが、今回、その削減に際しまして、削減された農林統計関係の人材は、そういった不足をしているほかの統計の分野の人材へと優先的に配置転換をされた、あるいはされるのでしょうか。いかがでしょうか。

橋口政府参考人 お答えいたします。

 先ほどの、大臣から答弁がありました、純減に取り組んでいるということでございますけれども、その中で、配置転換となった方々、これは約四百五十人いらっしゃいます。このうち、農林統計部門から他府省の統計部門へと配置転換になられた方々が、その四百五十人のうち三人というふうに承知しております。

田嶋(要)委員 そうすると、四百五十人のうち三人が同じ統計分野に動いた、ということは、残りの四百四十七人は、何か刑務所とかそういうところにお仕事として行ったということですか。

橋口政府参考人 お答えいたします。

 おっしゃるとおりでございまして、四百五十人のうち三人が他府省の統計部門に行かれた、その以外の方々は、多くは税務部門とか法務省の矯正部門とか国交省とか、そういうところだというふうに承知しております。

田嶋(要)委員 先ほど武正委員の方からも御指摘ありました、私も同席して一緒に聞いていましたが、独立行政法人の一番メーンで話された方が、私、統計の仕事は初めてなんですと。

 人事異動というのが当然あるわけなんで、そういうケースはもちろんあると思うんですが、今聞いていても、四百五十人中三人だけが、自分のそれまで蓄積した統計のノウハウ、スキル、経験を生かせる分野に異動したわけで、もちろんそういうことは民間の企業でもあるとは思うんですが、しかし、日本の統計ということで一つよくいろいろな人が指摘をしているのは、知識というか、スキルの面でも、質の面でももっとアップするべきだと、ボリュームと同時に質の面も指摘される方が多い。

 例えば、博士課程、PhDを持った方がアメリカなんかの統計の分野には必ず大勢おる。何となくそれは、私も海外経験が割と長くて、そういうことは確かにあるんだろうなと。海外なんかへ行くと、そういう分野にはPhDの方がぞろぞろぞろぞろいる状況があって、日本は、どちらかというと、これまでゼネラリストの養成というようなことがメーンな感じがするわけです。

 そこで、今お話をお伺いしていまして、特に専門性が高いような印象を受ける統計業務でございますが、こういう分野に携わる人員というのは、今、分散型でございますから、各省におるわけですけれども、現在、スペシャリストとしては養成されているんでしょうか。

菅国務大臣 正確で確実な統計を整備するに当たっては、当然、専門性を兼ね備えた職員というのは、私は大事だというふうに思っています。

 各府省においても、統計職員の育成方針だとかあるいは研修計画を策定するなど、可能な範囲で、業務に必要な専門的知識を持った専門家、そうした人たちを育成するように努めているというふうに思っています。

 また、統計研修所においては、国家公務員、地方公務員及び政府関係機関の職員を対象に、統計の基礎理論だとか実務だとか、そうしたものの専門的な研修も、今日までも行われていることであります。

田嶋(要)委員 総務省の統計局の陣容が何人いて、その中で統計学を実際に学んでこられた方がどのぐらいいるのか、それから、統計業務に携わる人員の人事異動の平均的な期間をお教えいただきたいと思います。

橋口政府参考人 お答え申し上げます。

 具体的な数については、今のところ持ち合わせてございません。

川崎政府参考人 お答え申し上げます。

 私ども、お尋ねの趣旨が、事前に伺っておったところは、統計業務に携わる人員の人事異動の平均的な期間というふうに受けとめておりましたので、特定の部局というふうに受けとめておりませんでした。ただ、全体として申し上げれば、一般の国家公務員と同様、おおよそ二、三年が平均となっているものかと思います。

 国のほかに、都道府県の統計主管課というのがございますけれども、そちらの職員の方は、おおよそ、約半数が経験年数二年未満で、約二割が三年以上となっております。

 それから、学歴の方はなかなかとりにくいところがございますが、我が国は、先生御存じのとおり、欧米と違いまして統計学科というものが大学の方にございませんので、そういう意味では統計学科出身の者というものはおりませんが、かなり、私ども総務省統計局の中では、いわゆる理系の出身者は多いということでございます。

田嶋(要)委員 今おっしゃいました、二年ですね。そういうふうに私もきのうもお伺いしまして、これは、先ほど申しましたとおり、役所の世界だけじゃなくて日本の企業でもゼネラリストとして育てていく傾向が強いわけでございますが、それでも、昨今、平均二年から三年の方に長期化する傾向があるというふうに理解をいたしております。それはそうだろうなと。かなりいろいろ複雑化した社会の中で専門性を少し高めていかないといけない。

 それは、特に日本の外に出るとそういうことを即実感して、例えばファイナンスの世界なんかを見ていても、アメリカなんかだと、政府の中心的なメンバーが、民間の投資銀行の幹部から入り、またそれは戻るというような、いわゆるリボルビングドアみたいなこともよくあるわけですが、同じ職種でずっとやっていくという傾向が強いわけですね。それは、恐らく、日本とか例外的な国を除いたら、まさに就職という、就職そのものをやっている社会が多くて、日本のように就社という、その職場に自分がずっと働き続けるというような傾向は余りないからだと思うんですが、事統計業務に関しては、いろいろなところで、そこが弱点である、要するに専門性が低い。おっしゃったように統計学が日本にない、それだったら、海外でもいいし、日本の大学で統計の学部を始める必要もあるかもしれない。

 いずれにしても、今の制度の中では、ほかの公務員と同じように二年周期で人事異動をしてしまって、先ほど武正委員が言われたとおり、独法の説明を一番中心でやってくださっている方も、実は私は統計の仕事は初めてなんですと、これでは、六十年ぶりに大改正を、法律を変えても、人、物、金という意味ではなかなか寒い感じがするわけですね。そういったところをやはりこれからもっともっと強化していかなきゃいけないと思います。

 先ほどのように、四百五十人、農林統計で余っても、せっかく同じスキルを持っているのに三人しか同じ統計分野では人事異動ができないということ。統計に関してはもう少し、まずはほかの制度と切り離してでも何か例外的なルールを検討するとかしていかないと、これは本当にますます差ができてしまうんじゃないかなという感じがします、ほかの先進国と比べても。いかがですか、大臣、そういう危機感をお持ちいただけましたか。

菅国務大臣 まず、日本そのものが、統計学というのですか、そういうものが国全体として、これは大学においても非常におくれているのは確かだというように思います。

 ただ、採用に当たっては、数学だとか統計学に近い方を採用させていただいていることもこれは事実であります。先ほど私申し上げましたけれども、専門分野の人を育成する仕組みはつくっていますけれども、今御指摘のように、もっともっと専門的な人がいていいというふうに私も思います。

 農林統計の、四百五十人のうち三人ということでありますけれども、これは、実は配置転換なんかで非常に苦労したのは、やはり、どうしても地域を離れたくないという方が大部分でありまして、そうしたこともあったということも御理解をいただければありがたいと思います。

田嶋(要)委員 了解いたしました。それではぜひ、人員の質、量ともにやはり大変重要になってくるだろうというふうに思いますので、さらなる御検討をお願いしたいと思います。

 続きまして、残された時間で統計調査に関してお伺いしたいわけでございますが、基幹統計調査の承認基準というのがございまして、第十条の三号でございますが、これを一般統計調査の方の承認基準と比較いたしますと若干の違いを感じるわけでございます。

 国民に負担をなるべくかけないというのが調査では大変重要になってくると思います。そういう観点からいたしますと、基幹統計調査の場合にも、その基幹統計調査官だけの重複チェックじゃ不十分じゃないかなと私は思うわけでございまして、それは、基幹であろうが一般であろうが国民に負担をかけるのは同じでございますから、その事前のスクリーニングをするときのハードルも同じ高さにそろえるべき、つまり一般統計に平仄を合わせるべきではないかな、私はそういうふうに考えますが、いかがでしょうか。

橋口政府参考人 お答えいたします。

 基幹統計調査の場合には「他の基幹統計調査との間の重複が合理的」というふうにされ、それから、それ以外の一般統計調査の場合には「行政機関が行う他の統計調査との間の重複」についての承認ということになっている点を御指摘なさったんだろうと思います。

 調査相互間の調整をいたします場合に、基幹統計調査について他の調査と調整をする場合は、常に基幹統計調査が一般統計調査、他の調査に優先するわけでございます。したがいまして、御指摘のような、承認基準を合わせる必要はない、こういうふうに考えているところでございます。

田嶋(要)委員 そうですか。

 もう一つだけお伺いいたします。時間の関係ですので、立入検査に関してもう一つお伺いします。

 立入検査をこういうふうに法律で入れていまして、これは現行法と基本的には同じ規定で、罰則規定に関して若干変えたりしておるわけでございますが、どういった場合に立入検査の可能性があるかということで、先日もオートロックの問題とかがございました。

 見方を変えて、これからやっていく統計調査に関しまして、調査をする場合には、全数調査である場合とそうではない場合があると思います。全数調査によらない基幹統計調査の場合に、立入調査権というのは行使するお考えはございますか、大臣。

橋口政府参考人 お答え申し上げます。

 全数調査か抽出調査であるか否かにかかわらず、基幹統計調査の重要性というものは変わらないわけでございます。したがいまして、調査対象者の回答を集計して初めて精度の高い統計が作成できるわけでございますので、全数調査によらない基幹統計調査につきましても立入検査等を行うことはあり得るということでございます。

田嶋(要)委員 国勢調査、前回、二〇〇五年に大分苦労したわけでございますけれども、その国勢調査の場合、もちろん全数調査でございますが、未回収率というのはどのぐらいだったんでしょうか。

川崎政府参考人 お答え申し上げます。

 平成十七年の国勢調査では、調査票が提出されなかった世帯は約二百十万世帯でございまして、世帯全体の約四・四%となっております。

 なお、これらの世帯につきましては別途聞き取り調査を実施しておりまして、これによりまして基本的な人口ですとかあるいは世帯数というものは正確に把握をしているというところでございます。

田嶋(要)委員 時間が来ました。

 これからますます国民がそういう調査に関してはいろいろアレルギーを持つんじゃないかなと思うので、罰則規定に関しても、本当にこういうものがあった方がいいのかなという懸念も、それこそNHKの罰則規定じゃないですけれども、私は若干そういう心配もあるわけでございます。

 いずれにしても、やはり最大の懸念は、ヘッドクオーターがヘッドクオーターとして機能できないんじゃないかな。実質的には名を捨てて実をとっている総務大臣でございますので、総務大臣のところでしっかりやっていただくことによって、分散型の欠点を補いつつ、本当に国民から信頼される、そして国民にとって利便性の高い統計、そして国民になるべく負担をかけない統計というのをぜひ実現していただきたい。

 この六十年ぶりの、初めての法律改正に期待をしたいというふうに思っております。ありがとうございました。

佐藤委員長 次に、重野安正君。

重野委員 社会民主党の重野安正です。

 いつも私の質問は一番最後になります。先にやった方の内容と私のただす内容が時には重複することがありますけれども、それはひとつ御理解をいただいて、答弁は要領よくやっていただきたい。どうも私は、質問を準備して半分ぐらいで大体終わってしまうので、大変申しわけないと思いますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、本法律案の趣旨、目的、あるいは強調される重要性という点について、まず最初にお伺いいたします。

菅国務大臣 今回の法案というのは、社会経済情勢の変化、あるいはまた国民のニーズに柔軟に対応できるようにこういった統計の整備を進めたい、そういう考え方であります。

 具体的には、まず公的統計の整備に関する基本計画というものを策定することです。そして、対象者の秘密を保護し、統計データの利用促進に関する措置を講じることです。さらに、基本計画の案などの法律の定める事項について、専門的かつ中立公正な調査審議を行う統計委員会を内閣府に置くこと、このことが今回の改正の主な内容であります。

 これによって、社会的基盤である公的統計の体系的かつ効率的な整備と有効な活用が図られることになる、このように考えております。

重野委員 それでは、具体的な質問に入ってまいります。

 まず、この改正案、これは二〇〇四年の経済財政運営と構造改革に関する基本方針、その中で「統計制度を充実させる。」こういうふうに明記されております。そこが出発点になっているようであります。これに基づきまして、統計制度改革委員会、いわゆる第一次吉川委員会が内閣府に設けられる。二〇〇五、二〇〇六のいわゆる骨太方針の中で具体化されまして、第二次吉川委員会の報告、こういう経過をたどっております。一方、総務省に設けられました統計法制度に関する研究会報告、これと相まって今審議している法案になった、こういうふうに承知しております。

 重要法案ではありますけれども、これをさかのぼっていきますと、四年間時間が経過しております。求められる統計制度改革という課題に対していささか悠長だったなというふうな印象を持つのでありますが、それについての大臣の感想をお聞かせください。

橋口政府参考人 お答えいたします。

 検討されてきた端緒から法案となるまでの時間がかかり過ぎるという御指摘でございましたけれども、その経緯につきましては、今委員から御紹介のあったとおりでございます。骨太の方針二〇〇四を受けまして平成十六年十一月の委員会、あるいは骨太二〇〇五を受けた十七年九月の委員会、そして骨太二〇〇六で「統計法制度を抜本的に改革するための法律案を次期通常国会に提出する」とされたわけでございますけれども、このように、今回の法案というものは、専門家の方々によります精力的な御議論の結果を受けまして立案したものでございます。

 そういうことでございますので、御提案までに必要以上に時間を要したというふうには私どもでは受けとめていないということでございます。

重野委員 そこで、この法案の具体的な内容について聞いていきたいと思うんですが、まず一口で言えば、行政のための統計から社会基盤としての統計へと、これが本改正案のポイントである、このように思いますし、強調されております。これはやはり、統計制度の理念の根本的な転換を意味する、そういう意味では画期的なものだというふうに思うんです。

 一九四七年にこの法律が制定されて以来、大規模な改正は今回が初めてでありまして、その間、問題点はそれぞれ指摘をされていたはずでありますが、そこで、これまでに行政評価の対象として統計が取り上げられたことがあるかどうか、それが一つです。であるとするならば、その中でどのような問題が指摘をされ、いかなる評価がなされてきたか、まずその点についてお聞かせください。

橋口政府参考人 お答えいたします。

 これまでには、統計制度が総務省行政評価局が行います行政評価・監視の対象となったことはございません。ただ、平成十三年の行政機関が行う政策の評価に関する法律に基づきまして、平成十四年度から、私どももみずから行う政策評価という中で評価を実施してきているところでございます。これは自己評価ということでございます。

 平成十八年六月に行いました直近の評価におきましては、社会経済の変化に対応し、国民生活の向上に役立つ統計の体系的な整備、提供を図るという目標達成に向けて成果が上がっているとしつつも、統計整備に関する司令塔機能の強化等のため、統計法制度の抜本的見直しに向けた取り組みを継続すること、統計調査の市場化テスト、民間開放の実施に向けた取り組みを推進すること、統計行政に関する指針である「統計行政の新たな展開方向」の推進を継続することなどを今後の課題として挙げているところでございます。

重野委員 その部分でありますけれども、二〇〇六年度の実績評価を読みますと、本改正に必ずしも直結しない部分もありますけれども、今答弁にもありました有効性あるいは効率性という視点でどういうふうに評価されているかというと、統計調査の円滑かつ効率的な実施に関する取り組みの成果が上がっており、総務省の取り組みは統計の体系的整備、提供を図る上で有効である、こういうふうに有効性において評価されております。また、効率性の評価においても、統計調査に関する審査・調整、統計調査の実施体制の確保等のための取り組みを総務省においてやること、これは統計の体系的整備を図る上で効率的である、このように評価をしています。

 そうすると、こういう評価があるのになぜ本案なのかと、率直にそのような思いを持つわけですが、その点に対してどのように考えておられるか。

橋口政府参考人 お答えいたします。

 今御指摘ありましたように、私どもの実績評価書におきましては、総務省の取り組みについて、一定の成果は上がっていると評価しているところでございます。ただ、その一方で、より一層有効かつ効率的に統計の体系的整備等を図る観点から、既存の統計法制度を前提とした運用面での対応のみならず、統計法制度の見直しに向けた取り組みが必要であるとしているところでございます。

 こういうことでございますので、施策の有効性、効率性等に課題がある、やはり見直しが必要ということでございますので、こういうことも受けて、本法案はこのような諸課題を踏まえて立案が行われたものというふうに理解しております。

重野委員 今指摘をしましたように、そのような評価をしながら、今答弁もありましたけれども、統計整備に関する司令塔機能強化等のため統計法制度を見直すこととされております。

 最初に、総務省のこの間の審査あるいは調整あるいは実施体制、その結果が、先ほど来言うように、有効性、効率性という点での評価につながっている、にもかかわらずこれを出すということは、結論から言いますと、吉川報告の先取り、こういうふうに見られなくもない。つまり、総務省の守備範囲をしっかり確保するぞ、そういう意思のあらわれがこういう形になってあらわれたという見方は、これはうがった見方なのかどうなのか。この点について、大臣はどのように考えていますか。

菅国務大臣 うがった見方であることは間違いないというふうに思います。

 御指摘のこの実績の評価というのは、前年度における当省の業務の実績について評価を行ったものであり、今回の法案の方向性に関しては何らかの意図を持ったものではないというふうに思っています。

 なお、この実績評価書は、統計制度改革検討委員会報告及び統計法制度に関する研究会報告書の公表とほぼ同時期の平成十八年の六月に取りまとめたものでありまして、その後の十八年七月に閣議決定された骨太方針二〇〇六においては、統計整備の司令塔機能の中核をなす組織として統計委員会を内閣府に置くこと、統計法制度を抜本的に改革するための法律案を次期通常国会に提出すること、そういうことが規定をされておりまして、これを受けて、具体的な立案作業に入り、今回法案として提出をしたものでありますので、ぜひ御理解をいただきたいと思います。

重野委員 二〇〇六年のいわゆるこの骨太方針では、統計整備の司令塔機能の中核をなす組織を内閣府に置くといたしまして、同組織は、基本計画の調査審議や内閣総理大臣などへの建議等を行う統計委員会として設置する方向で検討する、二〇〇六の骨太の中ではそのように書かれております。この司令塔なる言葉は、本案の提案理由においても冒頭使われております、この統計法案の一つのキーワードと思われます。

 そこで聞きますが、このいわゆる二〇〇五年及び二〇〇六年の骨太方針、特に二〇〇六年で明示された司令塔なるこの言葉の意味、具体的内容は何なのかという点についてお聞かせください。

橋口政府参考人 お答えいたします。

 統計整備の司令塔の意味ということでございますけれども、統計整備の司令塔とは、統計制度改革検討委員会報告におきまして、政府部内の組織であって、企画立案・調整機能、基本的な統計の整備機能、統計の基盤整備機能、こういった機能をあわせ持つ、いわば分散型の統計機構における中核となる統計組織を念頭に置く、こういうふうにされているわけでございます。私どももこのような意味でとらえているということでございます。

重野委員 今言いましたように、この三点、企画立案・調整、基本的な統計の整備機能、統計の基盤整備機能、これが司令塔なるものの具体的な内容、意味だ、こういうふうに申されました。

 問題は、この司令塔と統計委員会との関係なんですね。この点に関しては、いわゆる第二次吉川委員会報告で司令塔の果たすべき役割というのが列挙されております。集約して四点にわたり列挙されているわけですが、この吉川委員会で重要性を指摘した司令塔と、本案の第五章で定める統計委員会、この関係を明らかにしていただきたい。

菅国務大臣 この統計制度改革検討委員会報告において司令塔機能と位置づけられた企画立案・調整機能、基本的な統計の整備機能、また統計の基盤整備機能を担う組織というのは、総務省の統計基準担当政策統括官と統計局、さらに、内閣府の経済社会総合研究所、これらの機関が所掌事務を遂行するに当たっては第三者的な立場から意見を述べる役割を担う統計委員会であります。

 特に、統計委員会というのは、専門的、中立的な立場から、基本計画案の調査審議や法律の施行状況に関する意見具申などを行うことなどによって司令塔的機能の中核的な機能を担う、こんなふうに考えております。

重野委員 それでは、この統計委員会は、先ほど指摘をしました吉川委員会の司令塔の果たすべき役割、その内容と統計委員会というのがどういう形でつながる、つながるというか重なるのか。吉川委員会報告では、この司令塔について、統計行政の中核として責任を持って以下の役割を果たすことが適当といたしまして、先ほど四項目と言いましたけれども、四つの役割というのを明記しているんですね。ところが、それがこの本案ではどうなっているのかと見れば、肝心の公的統計の整備に関する基本的計画において、「総務大臣は、統計委員会の意見を聴いて、」とされ、公的統計の整備に関する基本的な計画の案の作成という、最も重要な企画・調整機能というのは見る限り無視されているんじゃないか、そのことが前の質問につながるのでありますが、一体、統計委員会というものの存在というか地位というか、そういうものはどうなっておるのか、こういう疑問を持たざるを得ないんですね。

 そこで、この吉川委員会報告の中では、そういうきちっとした統計委員会の司令塔としての役割というものが明示されていたんだけれども、しかし、いよいよこの法案の中でそれが具体的にどう法案化されているかというと、そこに私はやはり乖離があるという認識を持つわけですね。したがって、この間の検討内容がどういうプロセスを経て、そしてこの法案に表現されている内容になっていったのかという点について、説明をお願いします。

橋口政府参考人 お答えいたします。

 統計制度改革検討委員会報告におきましては、企画立案・調整機能、基本的な統計の整備機能、統計の基盤整備機能、この三つを司令塔機能と位置づけており、これらが相まって統計整備を推進することの提言がされているところでございます。

 これを受けまして、骨太の方針二〇〇六におきまして、これらの司令塔機能の中核をなす組織として統計委員会の設置を検討するというふうにされたということでございます。

 今回の法案はこれらを踏まえまして立案したものということでございまして、ほぼこの吉川レポートの御趣旨を踏まえたものというふうに考えております。

重野委員 という答弁でありますが、私の認識は、この吉川委員会報告の片りんをうかがい知るとすれば、五十五条第三項の意見具申、委員会は意見具申ができるということになっております。

 私は、これとても、先ほど来指摘をしております、役割や機能を満たすと吉川委員会報告の中で位置づけられた統計委員会の役割や機能を文字どおり満たすものと言えるのか、極めて不十分ではないのか、こういう解釈をするのでありますが、それについて、どうですか。

菅国務大臣 先ほど申し上げましたけれども、統計委員会は、企画立案・調整機能の一環としての基本計画案の作成など、総務大臣等の関係大臣からの諮問を受けて調査審議を行うことというふうになっております。

 このほか、今委員から御指摘がありましたけれども、法案第五十五条の規定によって、総務大臣から本法の施行状況の報告を受けたときは、内閣総理大臣、総務大臣及び各省大臣に対して意見を述べることができるとされております。この意見は、報告以降はいつでも述べることができるようになっておりまして、その内容についても、基本計画の実施状況も含めた法律の施行全般について幅広くという形になっております。

 このように、統計委員会は、司令塔機能の中核をなす組織としてふさわしい、そういう権限がある、このように考えております。

重野委員 この検討委員会について、もう一点、問題点があります。

 本案の執行は総務大臣にゆだねられているにもかかわらず、統計委員会は内閣府に設けられている。これは、どのような考え方によって、こういう仕分けというのか、張りつけができたのか。その点については、いかがですか。

菅国務大臣 統計委員会は、総務大臣からの諮問事項のみを受けていた統計審議会とは異なっておりまして、国民経済計算の作成基準を内閣総理大臣から、公的統計の基本計画や基幹統計の指定等を総務大臣からと、二府省にまたがって諮問を受けることになっております。

 また、匿名データの作成については、統計調査を実施する各省大臣から諮問を受けて統計委員会が審査を行い、各省大臣に答申をするという設計になっています。これについては、個人情報保護の観点からも、より中立公正な判断が求められるため、現に大規模な統計調査を実施しており、その審査を受ける立場にある総務省よりも、その立場にない内閣府に審査を行う場を置くことが適当ではないかなと考えたところであります。

 さらに、この委員会は、法律の施行に関し、内閣総理大臣、総務大臣または関係行政機関の長に対して意見を述べることとされております。その場合、その多くは統計制度を所管する総務大臣に対するものに多分なるだろうというふうに思っておりますので、より中立公正性を確保する観点からは、やはり、総務省よりも、そのような立場にない内閣府に置くことが適当であるように思っておりまして、総務省でなく内閣府に置いたということは、そのような理由からであります。

重野委員 私は、今の説明は納得できないのであります。統計委員会の位置づけにかかわってくる問題でもありますし、異なる府省にまたがるということ、そのことが、今後の統計行政の、いうところの有効性、効率性、こういう点の確保という視点からいかがなものかという問題意識を持つわけです。

 統計委員会をあくまでも司令塔機能の本丸と言うんなら、私は、一本化すべきだというふうに思います。

 その点について、大臣、いかがですか。

菅国務大臣 私ども総務省は、中央省庁改革の際に、内閣及び内閣総理大臣を補佐、支援する体制を強化する役割を担うものとされておりまして、行政の基本的な制度の管理及び運営を通じた行政の総合的かつ効率的な実施の確保等を任務として設置をされたものであります。

 統計制度は行政の基本的な制度の一つであることから、先般の中央省庁等改革の趣旨を踏まえれば、統計制度の企画立案事務及びこれを担う組織は引き続き総務省に置くことが適当ではないかなというふうに考えたところであります。

重野委員 その部分については一致いたしませんが、もう時間も来ましたので、甚だ不十分でありますけれども、以上で私の質問を終わります。

佐藤委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

佐藤委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。

 統計法案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

佐藤委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

佐藤委員長 この際、ただいま議決いたしました法律案に対し、岡本芳郎君外四名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、社会民主党・市民連合及び国民新党・無所属の会の五会派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者から趣旨の説明を求めます。岡本芳郎君。

岡本(芳)委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。

 案文の朗読により趣旨の説明にかえさせていただきます。

    統計法案に対する附帯決議(案)

  政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。

 一 国勢調査については、引き続き精度の高いデータが得られるよう、国民意識や社会経済情勢の変化、情報通信関連技術の進展等を踏まえ、調査方法の見直しを進めるとともに、国勢調査の目的及び重要性について国民への周知を徹底すること。

 二 公的統計に係る統計調査の実施に当たっては、あくまでその正確性、信頼性が確保されることを前提に、行政機関相互の密接な連携を図り、地方公共団体や独立行政法人等とも協力しながら、慎重な取り扱いと運用の透明性を確保しつつ、行政記録や情報通信技術の活用を図ること等により、調査対象者の負担の軽減に努力すること。

 三 オーダーメード集計や匿名データの提供を通じた統計データの利用促進に当たっては、データ処理の委託の相手方における厳正な対応を確保することを含め、個人情報が本人の意図に反して利用されることのないよう、調査票情報等の適正管理と秘密の保護に万全を期すること。

 四 公的統計の民間開放については、市場化テストの結果を踏まえ、公的統計に係る国民の信頼の確保や民間における人材育成など統計作成能力の向上、行政の整理合理化等多角的な観点から、独立行政法人統計センターの組織、業務等のあり方を含め、総合的に検討を進めること。

 五 本法案においては、統計に関する司令塔機能が複数の組織に分立していることに鑑み、統計委員会の組織の充実、十分な権限発揮等により、真の司令塔機能を確立すること。

 六 地方公共団体による統計調査に係る総務大臣への届出規定の運用に際しては、地方分権の推進を尊重し、地方公共団体の自主性を損なうことのないようにすること。

以上であります。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

佐藤委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

佐藤委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。

 この際、総務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。菅総務大臣。

菅国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。

    ―――――――――――――

佐藤委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

佐藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

佐藤委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前十一時五十一分散会


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