衆議院

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第6号 平成23年12月1日(木曜日)

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平成二十三年十二月一日(木曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 原口 一博君

   理事 稲見 哲男君 理事 内山  晃君

   理事 逢坂 誠二君 理事 野木  実君

   理事 皆吉 稲生君 理事 石田 真敏君

   理事 坂本 哲志君 理事 西  博義君

      小原  舞君    大泉ひろこ君

      大西 孝典君    奥野総一郎君

      黄川田 徹君    桑原  功君

      小室 寿明君    後藤 祐一君

      白石 洋一君    杉本かずみ君

      高井 崇志君    永江 孝子君

      長島 一由君    福田 昭夫君

      松崎 公昭君    山田 良司君

      湯原 俊二君    吉川 政重君

      和嶋 未希君    加藤 紘一君

      川崎 二郎君    菅  義偉君

      橘 慶一郎君    中谷  元君

      長島 忠美君    平井たくや君

      森山  裕君    稲津  久君

      塩川 鉄也君    重野 安正君

      柿澤 未途君

    …………………………………

   総務大臣         川端 達夫君

   総務副大臣        黄川田 徹君

   総務副大臣        松崎 公昭君

   財務副大臣        五十嵐文彦君

   厚生労働副大臣      牧  義夫君

   内閣府大臣政務官     郡  和子君

   総務大臣政務官      福田 昭夫君

   政府参考人

   (総務省人事・恩給局長) 田中 順一君

   政府参考人

   (総務省自治行政局長)  久元 喜造君

   政府参考人

   (総務省自治行政局選挙部長)           田口 尚文君

   政府参考人

   (中小企業庁次長)    宮川  正君

   政府参考人

   (国土交通省鉄道局次長) 田村明比古君

   総務委員会専門員     阿部  進君

    ―――――――――――――

委員の異動

十二月一日

 辞任         補欠選任

  谷  公一君     長島 忠美君

同日

 辞任         補欠選任

  長島 忠美君     谷  公一君

    ―――――――――――――

十一月二十九日

 軽油引取税の免税措置の恒久化実現に関する請願(谷公一君紹介)(第一九六号)

 同(吉泉秀男君紹介)(第一九七号)

 同(西博義君紹介)(第二〇五号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第二五七号)

 同(高橋英行君紹介)(第二七四号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出第一一号)


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     ――――◇―――――

原口委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、地方税法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として総務省人事・恩給局長田中順一君、自治行政局長久元喜造君、自治行政局選挙部長田口尚文君、中小企業庁次長宮川正君及び国土交通省鉄道局次長田村明比古君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

原口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

原口委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。橘慶一郎君。

橘(慶)委員 おはようございます。三たびまた質問の機会を与えていただいておりまして、まことにありがとうございます。

 きょうから師走、十二月に入りまして、万葉集で始めるわけですが、だんだん寒くなってまいりました。きょうは気温が十二度ほど下がるということで、前回は時雨でしたがきょうは霜にしまして、カモにしまして、巻一、六十四番、志貴皇子が難波の津で奈良の都を思って詠んだ歌を詠ませていただいて、始めさせていただきます。

  葦辺行く鴨の羽交ひに霜降りて寒き夕は大和し思ほゆ

 それでは、きょうもまたよろしくお願いいたします。(拍手)

 最初に、地方税法の改正案に入る前に、前回ちょっと話題になっておりました周波数オークションについてのことをもう一度確認させていただきたい、総務省の方針を確認させていただきたいと思います。

 過日、行政刷新会議の提言型政策仕分けにおきまして、今春の電波法改正では導入しないこととなっております九百メガヘルツ帯の周波数オークションを実施してはどうか、こういう提言がなされたわけであります。

 総務大臣として、この会議の提言についてどう考え、どう対処されるのか、ここで明確に方針をお示しいただきたいと思います。

川端国務大臣 おはようございます。よろしくお願いします。

 今回の行政刷新会議の指摘、全体として中長期的な政策課題についての提言を行うということでございまして、将来を展望した提言という意味では、その趣旨を最大限尊重していくという立場に基本的には立っております。

 ただ、今御指摘の七百、九百メガヘルツ帯の三・九世代携帯電話への割り当てについては、一つは、五月にこの委員会含めて電波法を改正していただき、そして附帯決議もいただいた上で、法にのっとって現在手続を進めている過程にございます。

 加えて、急増するトラフィックに対応するための周波数割り当ては急務でありまして、関連の業界もこの前提に立って準備を進めているところでありますので、総務省としては、既定の方針どおり、本年五月に成立した改正電波法に基づき、スケジュールに沿って粛々と手続を進めてまいりたいと考えております。

 以上です。

橘(慶)委員 はい、しかと承りました。

 提言型政策仕分けということで、この総務委員会所管の内容においては例えば地方財政あたりもテーマにはされたわけであります。ただ、やはり地方財政ということであれば、委員の皆様方御承知のように、大変この問題は多岐にわたって、この委員会でもなかなか、言ってみれば長い間もんでもんでもんで結論を出していかなきゃいけない、そういう思いをお互い共有しているわけであります。

 そんな意味では、提言型政策仕分けになじむものもあるでしょうし、三十分、一時間という時間の中、あるいは一時間半という時間の中ではなかなかなじまないものもあるかと思います。このあたりはこれから、今トライアルされたということでありますので、またテーマなどの選定についてはもう少し小分けにされるとか、ぜひそこはいろいろお考えをいただきたい、このように思うわけであります。

 それでは、地方税法の一部を改正する法律案についての質疑に入らせていただきます。

 これは、今回の大震災の大変甚大な被害、被災地の置かれている厳しい現状ということにかんがみまして、既に設けられている特例措置等をまた平成二十四年度等に向けて延伸を図っていくという内容でありますから、基本的には賛同するものであるわけです。

 そういう前提の中で、幾つか気になる部分、あるいは明らかにさせていただきたい部分、そしてあわせてこの機会に、この大震災後の対応における、特に総務省関係のさまざまなとられた施策についてのフォローということも含めてきょうは質問をさせていただきたい、このように思います。

 そこで、まず最初に、被災者の皆様方にとっては大変大事な手当てをするということでありますが、当然、手当てをするということは、税を徴収する地方自治体側にすれば、税の減収ということに立ち至るわけであります。

 通例の大きな制度改正等では、大体、減収額、増減収のいろいろな見積もりを出しながら制度の改正をやっていくということでありますが、もちろん、きょうの改正案についてはそういう趣旨のものではないとは思います。

 しかし、そうはいっても、やはり自治体の減収額というものがもしおおよそわかるのであれば、それは明らかにした方がいいと思います。おおよその見積もりが出ておれば、ここでお答えをいただきたいと思います。

福田大臣政務官 お答えをいたします。

 今回の減収見込み額でありますが、地方税独自分及び国税の特例措置による影響分も合わせて、平年度ベースで、固定資産税、都市計画税二百六十億円程度、地方法人二税百四十億円程度、合わせて四百億円程度と見込んでおります。

橘(慶)委員 全国的な意味での地方税の税収から見ればそんなに大きいウエートでは当然ないわけですが、しかし、被災自治体にとってはやはり大きいウエートを占めるものであろう、このように思うわけであります。

 こういった地方税の減免に係る自治体の減収額については、これまでも地方債の特例措置等、手当てが講じられてきているわけであります。

 そこで、今回の地方税法の改正に基づく、今福田政務官からお答えのありましたおおよその減収額、こういったものに対する手当てはどのように行うことになっているのか、確認をさせてください。

福田大臣政務官 お答えをいたします。

 先生御承知のとおり、東日本大震災に対処するための地方税法の改正による被災団体の地方税の減収分については、地震、津波対策の第一弾及び原子力災害対策の第二弾の減収分を当初においては地方債により措置することといたしておりましたが、第三次補正予算において、今回の復興支援対策、第三弾の減収分も含めて、地方債により措置するのではなく、震災復興特別交付税の増額により対応することとしたところでございます。

 したがいまして、これらの地方税法の改正による地方税の減収分については、震災復興特別交付税によりその全額を措置することといたしております。

 なお、今回の法案では、被災自治体の復旧復興に係る特例とは別に、津波防災地域づくりに関する法律の制定に伴う固定資産税の特例も定めておりますが、これによる減収は、全国の地方自治体を対象として今後の津波被害の対策を強化することを目的とした特例による減収であることから、震災復興特別交付税の対象ではなく、普通交付税の算定においてその減収分を反映することにより適切に財政措置をすることといたしております。

橘(慶)委員 復興特別交付税での対応ということであります。

 そこで、被災地の自治体をめぐる今の状況なんですが、過日来、地価の動向というものも発表になっているわけであります。これを見ますと、通常の地価の動きとは違う動きで、被災地域においては最大一八・二%の地価の大幅な下落。私、報道できのうちょっと見ておりましたら、黄川田副大臣の陸前高田あたりでは住宅地で一六%、こういう話も出ておったわけであります。

 そうなりますと、今、二分の一減額ということでの固定資産税の減収ということがあって、それは復興特別交付税で手当てをされるわけでありますが、それに加えて、こういった地価の大幅な下落による減収ということもまた起こってくるわけであります。

 そこで、こういった、通例では考えられない、通常の地価の動きとは違う、言ってみれば大震災があったからこそ出てくる動き、そういう地価の動きに対する減収の手当てということについては国はどのようにお考えになっているのか、伺います。

福田大臣政務官 お答えをいたします。

 地価の下落等による固定資産税の減収につきましては、普通交付税の算定上、先生御承知のとおり、基準財政収入額が減少することにより適切に財政措置をされるということになります。

 具体的には、固定資産税の基準財政収入額について、土地及び家屋に係る分については当該年度の平均価格及び面積などの課税客体の数量を、償却資産については当該年度の当初調定額などを用いて算定することにより各地方団体の実態が反映される、そういう仕組みとなっているところでございます。

橘(慶)委員 そうなりますと、今回の地方税法の改正に伴う、先ほど四百億と見積もられたものについては特交ということで、そういう枠があって手当てするわけですが、今ほど福田政務官の御答弁でいけば、そういった地価の下落等による減収については、当然来年になって課税客体が決まる、課税額が決まる、そして基準財政収入額が決まる。そうすると、来年の七月交付の中で、普通交付税の中から基準財政収入額と基準財政需要額の差ということで交付税として措置される、こういうことになるんだと思います。

 そうなりますと、論理的には、今、地方財政計画を年内に決めて予算編成された、その際にはある意味でそこはわかっていないということにもなるわけで、要するに、オール・ジャパンで全国的に決めた普通交付税の中からそれを措置するということになりますと、言ってみれば予期せぬ措置をしなきゃいけなくなるんじゃないか、このように心配をするわけであります。

 最終的なお答えはまたいただくとして、まずは、そうすると、来年に入ってから算定して、七月交付という段階でそういった今の措置をする、こういうことでよろしいんですよね。

福田大臣政務官 お答えをいたします。

 基本的にはそういうことになるかと思います。

橘(慶)委員 それがいいかどうかということを若干気にしているわけであります。全国的な交付税の額からすれば、それはウエート的には微々たるものになるかもしれません。しかし、一面、これは普通の地価の動きとは違って、その地価が下落していること自体ある意味で、大震災の影響ということであれば、被災によるものという見方もできないわけではありません。

 そこで、本当に普通交付税がいいのか、やはりそういうものは復興特交の枠の中で措置すべきなのかについて、最終的には大臣にお答えをいただくということなんですが、先に福田政務官からもお答えをいただいてしまったので、ちょっと質問としてはすれ違うかもしれませんけれども、今回の地方税法の一部を改正する法律案におきましては、被災地域の被災された方々に対する特別措置とあわせて、今ほど政務官もお答えになられましたように、津波防災地域づくりに関する法律の制定に伴う、今度は被災地域を超えて全国的に、全国で津波防災をされる自治体における固定資産税の特例もこの地方税法の一部を改正する法律案に実は規定をされているわけであります。

 そうなったときに、少し技術的な質問になりますけれども、審議の都合とか法案作成上は同一の方が便利だというのはわかるんですが、本来それは同一の法律ということがなじむのかどうか。

 もう一つ言うと、これは非常にかたい、技術的なことを申し上げます。どちらかというと事務方の皆さんへの話になるかもしれませんが、この法律に三行の理由というのが出てくるわけです。理由には、「東日本大震災の被災者等の負担の軽減及び東日本大震災からの復興に向けた取組の推進を図るため、」こういうふうに書いてあるわけであります。

 私は、非常にこだわったことを言いますが、ここに津波防災対策もやはり書いておくべきではないか、そういうたてつけが正しいのではないか。ちょっと技術的なところに踏み込んだ質問をいたしますが、いかがでございましょうか。答弁がございましたら、お願いいたします。

福田大臣政務官 お答えをいたします。

 復興基本方針の中に、全国的な津波対策についても対応、措置すること、そのように記載をされておりますので、それらを踏まえて対応することとしたわけでございます。

橘(慶)委員 復興という文言の中に津波防災地域ということも含んでいるという基本方針である、そこはそれで理解をしているわけですが、また技術論に戻りますけれども、復興基本方針というのは内閣のお定めになった方針である、これは国会で審議をする法案である。そうなりますと、復興という文字の中に津波防災地域が入っているということについては、内閣の中ではそうなんですが、必ずしも法文上それは明確ではないという気がするわけです。別にそれで賛否がどうとか、そういうことは申しません。ただ、三行の理由を四行にされてもよかったんじゃないかということなんです。やはり法律のたてつけということについてはぜひ慎重に御検討いただきたい、このように思うということを一言申し上げておきたいと思います。

 なお、国税の方がそういう津波防災地域の特例が多分ないんだろうと思います。国税と連動して地方税も改正するものですから、前回もそういう国税、地方税連動の話はやっていますけれども、しかし、総務省は総務省として、やはりそこは総務省の考えで進められていいんじゃないか、こういうことを申し上げておきたいと思います。

 そこで、自治体の減収分についての普通交付税での手当て。私が先ほど申し上げたように、震災ということからかんがみれば、復興特交でもいいような気がするわけですが、大臣、これはいかがなものでしょうか、お考えをお示しください。

川端国務大臣 お答えいたします。

 前段の部分で、震災復興の部分に津波の分も入れた方がいいんじゃないかという御指摘ですが、考え方としてはいろいろあるというふうに思います。被災地に限定した復興特別交付税を配付するという部分においては、津波等々によって固定資産税を減免した部分にはそれで手当てをしようと。ただ、津波対策ということで全国的にいろいろやる部分は切り分けたという考え方であること、もう十分御存じであろうと思いますが、ということで我々としては整理をいたしました。

 ですから、全国的なことを含めて言いますと、そういう固定資産の評価価額が下がったということにおいての部分はいわゆる基準財政収入額が減るという部分での、仕組みとしてはそれで手当てをするということでありますが、交付税の総額がしっかり確保されることというのが大前提でありますので、これを前年度と遜色ない状況でしっかり手当てすることに我々としては最大努力する中で、御迷惑のかからない仕組みをきっちり維持できるようにということで臨んでおります。

 同時に、とはいえ、財政運営上いろいろな状況が自治体によっては生じると思いますので、それはきめ細かくまた見ていくことで、御迷惑がかからないことはしっかりと対応してまいりたいというふうに思っております。

橘(慶)委員 ありがとうございます。

 交付税の総額については前回の質疑でお答えもいただいていますが、ぜひ確保に努めていただく、より地方財政が安定するようにお願いしたいと思いますし、今御答弁がありましたように、また復興特交というものは、二十三年度で終わるわけではなくて、これは繰り越して二十四年度以降もあるわけですから、きょうは、提言、提案として、そういった部分の手当ても場合によっては復興特交の枠の中でということもお考えになったらどうか、これは提案ということで申し添えておきたいと思います。

 それでは次に、少し技術的なところへ入ってまいります。

 所得税との連動におきまして、個人住民税等においても雑損控除等に係る災害関連支出の対象期間を、これは政令事項だそうですけれども、災害がやんだ日から一年以内となっていたものを、災害がやんだ日から一年超三年以内ということで、三年間に延長されると伺っております。この延長の趣旨、どういう目的であるかについて確認をさせてください。

黄川田副大臣 お答えいたします。

 まずもって、災害によって生じた土砂その他の障害物を除去するための費用や住宅、家財等の原状回復及び損壊防止等のための支出のうち、災害のやんだ日の翌日から一年以内にしたものは、災害関連支出として雑損控除等の対象とされておったところであります。

 そこで、東日本大震災のような大規模な災害、こういうことが発生しました場合においては、当然、一年以内で完了するということはちょっと想定できないものでありますので、この雑損控除等に係る災害関連支出の対象期間については、大規模な災害の場合、その他やむを得ない事情がある場合には三年に延長する、こういうふうな取り組みをしたわけであります。

橘(慶)委員 今回の大震災は、地震、津波、原子力発電所の事故ということで、三つの災害が連動しております。今おっしゃったように、なかなか一年以内に取り壊しとかそういう費用が全部出ることではないということで、当然そうだろうと思います。

 そこで、地震と津波については、今も御苦労されていますが、災害がやんだ日という意味では、やんだ日にはもうなってしまっているということになるかと思います。しかし、原子力発電所については、避難をされている方にとっては災害がやんだということにはまだならないんだろうと思います。

 この点、災害がやんだ日というものの解釈、特に、原子力発電所の事故によりまして今避難されている方々についてどういう適用をお考えになっているのか、災害がやんだ日というのはどういうことになるのか、この解釈を確認させてください。

黄川田副大臣 お答えいたします。

 まずもって、災害のやんだ日ということでありますけれども、これは、客観的に見て、税務上の申告、納付等の行為をするに差し支えないと認められる程度の状態に復した日とされておりまして、個人のさまざまな事情でありますとかを総合的に勘案して判断するものとされておるところであります。

 そこで、原発避難地域における災害のやんだ日についてでありますけれども、これも、さまざまな事情を総合的に判断してということでありますが、例えばでありますけれども、警戒区域については立入禁止ということになっておりますので、こういう部分であれば、税務上の申告、納付等の行為をするのに差し支えないと認められる程度の状態に復しているとは言いがたいという判断ができるのではないかと思っております。

 いずれ、所得税の方と連動してということでありますので、さまざまな、他の被災地との比較でありますとか、一つ一つ丁寧に判断していかなきゃいけない、こう思っております。

橘(慶)委員 ありがとうございます。

 むしろ税務署さんなり自治体の徴税される方の判断ということで、もちろんその運用についての基準は、技術的助言なり統一的な通達は当然されるということになるんだろうと思いますが、そんな意味では、今副大臣がおっしゃったように、ぜひそこは、できるだけ実情に応じて温かい配慮がなされるような措置を望むものであります。よろしくお願いしたいと思います。

 次は、総務省さん、あるいは復興本部にも一部かかわりますが、とられている施策なり対策について幾つかお伺いをしていきたいと思います。

 まず、被災された方々の現状ということで、いわゆる避難の状況ということについては、ここのところずっと、二週間ごとに更新してデータを提供されているわけであります。

 この東日本大震災の発災以来、さまざまなことがその時点時点で問題になったわけであります。避難所がなかなか解消されないとか、原子力発電所の状態がどうなっているのかとか、あるいは東京電力の賠償、仮払いがどうなっているのかとかマスコミ等の報道、いろいろなことがやはり心配の種になっていたわけであります。

 そういった意味で、私は、こういった形で適時的確にこういうデータを提供されていくということは、情報公開の視点からも、人心を安定させるためにも大変いいことではないか、このように評価をしているものであります。

 そこで、十一月十七日付、復興対策本部の最新の資料で見ますと、避難所にいらっしゃる方が七百七十七人、旅館、ホテルにいらっしゃる方が七百十人、親族、知人宅に一万七千三百四人、あと、かなり大きい数字は仮設住宅等の住宅に入っておられるということであります。

 特に、あと一カ月で年の瀬ということにもなってまいります。郡政務官が来ていらっしゃいますが、避難所のデータで見ますと、宮城県があと少し残っているというような形でしょうか。福島県も残っておりますね。大きな数字は埼玉県にあるわけで、これはまた違った、原発からの避難ということだと思いますが、この年の瀬に向けて、どういう見通しであるのか、どういうふうに進めていかれるのか、この辺の見解を郡政務官にお伺いいたします。

郡大臣政務官 お答えいたします。

 避難所におられる方々、六月二日現在では四万一千人の方々がいらっしゃったわけですけれども、順次この数が減少してございます。十一月十七日現在、お話しになられましたように、六都県八市町村において九カ所の避難所が開設されておりまして、七百七十七人の方々が避難されております。現在、避難者を受け入れている地方公共団体や避難元の地方公共団体が、避難所におられる方々の個別の事情や御意向に配慮しながら、仮設住宅や民間賃貸住宅また公営住宅への移転というのを進めさせていただいております。

 避難所はできるだけ早く解消すべきだというふうに考えておりますけれども、同時にまた、避難されている方々の個別の事情にも十分に配慮していく必要があるんだろうと考えています。

 それから、旅館、ホテル等で生活している避難者についても着実に減少しておりまして、十一月十七日現在では、御指摘のとおり七百十人でございます。

 今後についてですけれども、山形、茨城、東京などでは二十三年度末までに閉鎖の見込みというふうに伺っております。

橘(慶)委員 ありがとうございました。

 続きまして、今度は総務省さんの施策で、これは私どももかかわっているわけですが、八月に原発災害による避難住民の皆さんに対する事務処理の特例法というものが、ことしの法律第九十八号ということで制定を見ているわけであります。これは、避難住民の事務を例えば避難先のところでする、それからまた住所移転者協議会なるものを設置してはどうか、こういう一つの枠組みをつくる、そういう法律を、内閣の提案によりまして、私どもも審議をし、制定したわけであります。

 その後三、四カ月ということでありますが、その後の事務の推移、あるいは住所移転者協議会というものはどうなっているのか、ここをお答えいただきたいと思います。

久元政府参考人 いわゆる原発避難者特例法についてでありますけれども、ことしの八月十二日に公布、施行されました。その後、八月十九日に必要な省令の公布を行っておりまして、九月十六日に福島県内の十三の市町村を指定しております。さらに、十一月十五日に、避難先団体において処理すべき十の法律二百十九の特例事務の告示を行っております。

 この特例事務といたしましては、要介護認定、保育所への入所、予防接種など現物給付に係るサービスを中心に、避難元団体では実施が困難なものを告示しております。

 実際にこの行政サービスを避難先で行えるようになるのは来年の一月を予定しておりまして、この間に指定市町村、福島県におきましては、避難者に関する情報を相手方に伝達したり、必要な事務を行っていただくための準備作業を行うことが必要になりますので、そういう事務を今急いでいるということでございます。

 住所移転者協議会は、転出をされた住民の方とのきずなを維持するための制度として創設したものでありますけれども、現在、この協議会を設けたところはありません。今後、この協議会の活用を含め、さまざまなきずなを維持するための取り組みが行われることを御期待申し上げているところでございます。

橘(慶)委員 ありがとうございました。

 いろいろな制度を手当てしていこうということで工夫するわけですけれども、どうしてもその制度を適用するまでに時間がかかる。一月になりますと多分、今のあの原子力発電所の状況いかんですけれども、かなりまた区域の見直し等が行われると対象の方は結構戻ってしまうというようなことで、そのころから始まっていくということにもなりかねないという部分。

 私は決してこの法律が云々ということではなくて、こういったいろいろな経験を積みながら、大震災というのは二度とない方がいいわけですけれども、これから将来、また言ってみれば経験として、将来の糧として、制度がどういうふうに使われたのかは確認をいただいて、また次のときに生かしていくということが大事だ、このように思うわけであります。

 続きまして、福島県議会議員選挙が十一月二十日に避難が継続する中で行われたわけで、選挙の事務を施行された自治体の皆さん、また投票行動ということで大変御苦労された避難されている方々は本当に御苦労さまであったと思うんですが、投票率も思ったよりは結構いい数字が出たような話も聞きますし、ここについては、実際実務をされて特段問題はなかったか、あるいは、通常以上に当然経費がかかったと思いますが、その経費についての手当てはどうなるのか、確認をさせてください。

田口政府参考人 お答え申し上げます。

 東日本大震災に伴います地方選挙の期日特例法によりまして五十七団体の選挙が延期されましたが、御指摘の十一月二十日の福島県議会議員選挙等の実施をもちまして、延期全団体で選挙の執行が終了したところでございます。

 福島県におきましては、多くの有権者の方々が全国に避難をされている状況の中で、有権者の居所把握あるいは選挙の情報周知、投開票事務等々につきまして、各選管におけるさまざまな工夫、努力によりまして、また全国の各地の選管からの支援を受けまして、選挙の管理執行につきましては大きな問題なく実施できたと聞いているところでございます。

 ただ、今般の選挙でございますが、大震災という特殊な状況下で行われた選挙でございましたことから、大臣からの指示も受けまして、今後、関係選管とも協力しながら、全国に避難されていらっしゃいます有権者の方々あるいは候補者の方々の御意見も伺いながら、課題の検証を行ってまいりたいと考えております。

 また、被災地域における選挙の実施のために追加的に要した経費につきましては、例えば避難先の有権者の不在者投票の郵送経費、あるいは期日前投票所を増設した際に伴います選挙人のチェックシステムの整備に要する経費等々につきましては、特別交付税によりまして財政措置を講じてまいりたいと考えてございます。

橘(慶)委員 検証と財政措置については、またよろしくお願いいたします。

 そして、前回の質問で、自治体からの被災地への応援職員の近況につきましてはお伺いしたわけですが、国の方からも、国の職員の方々の被災自治体への派遣をいろいろ進めてこられたわけであります。この派遣状況について、ここで確認をさせてください。

田中政府参考人 お尋ねの点につきまして、私ども人事・恩給局で十一月二十一日現在で把握しているところで申し上げます。

 二百二十一人の国家公務員が被災自治体へ派遣をされておりまして、支援業務に携わっております。三月十一日からの延べ人数で申し上げますと、六万三千六百人程度ということであります。

 以上でございます。

橘(慶)委員 ありがとうございます。

 職員の派遣の内容は、多分、発災以降のいろいろな自治体の状況に応じて変化をしてきているものと思っております。いっときは、瓦れき処理のための申請を環境省に上げる、こういったことに非常に手間取った時期もあって、そういった方々の応援ということもあったかと思います。

 これからということを展望いたしますと、今ちょうど復興特別委員会の方で復興特区関連の法案も審議されているところでありますが、きょうの税の特例にも関連するわけですが、税の特例のある部分は、この復興特区の計画が策定され、認定されないと発動されない部分もあるわけであります。

 そうなってまいりますと、これから被災地においては、やはり復興特区関連の計画策定業務というのが非常に重大になってくると思います。この中にはもちろん、次に質問します復興産業集積区域などを決めて雇用あるいは産業の立地を守るという内容もありますし、また一面、権利者の方々の同意を得ながら土地の利用形態を再編していくという、言ってみればかなり力仕事になるような、住民の皆さんの意向をいろいろ確認してプランニングしなきゃいけないような事務も出てくるわけであります。

 そこで、これから被災地のニーズというものがどういうふうになっていくと見ておられるのか、それにどのような手当てをされようとしているのか、これは復興本部の方からお答えをいただきたいと思います。

郡大臣政務官 おっしゃられるように、三次補正も成立をいたしました。そして、お願いしております特区法を活用した各種の事業がスタートしていくということに当たっては、技術職の方々、さまざまな専門職員の方々がこれまで以上に必要になってくるという認識は共有しているものでございます。

 これまでも人的支援については、今お話がございましたけれども、これからも必要となる事業に精通した人材につきましては、関係省庁や県とも連携をさせていただきながら、被災市町村で生じる人的なニーズを把握させていただく取り組みを進めているところでございます。

 今後も、被災市町村におきまして必要な体制が構築できるように、これまでの派遣システム、またさらなる活用、とにかく全力で支援してまいりたいと考えております。

橘(慶)委員 これからは、復興特区の認定がどれくらいのスピードでできるかということがやはり課題になると思います。そうしないと、よく言う、仏つくって魂入れずということになるわけでありまして、ここは、今審議中ですけれども、これから多分できるであろう復興庁それから復興局、復興支所、そういったところのスタッフの方々も活用されて、ぜひ早く次のステップに行けるように努力をお願いするものであります。

 そこで、復興特区関係の税の特例についてお伺いをいたします。

 法人税との連動で、法人住民税及び法人事業税においても、今申し上げた復興特区で設けられる復興産業集積区域内に新規立地促進税制が導入されるわけであります。区域はそれで決まるわけですけれども、対象となる法人ですが、当該地域の雇用機会の確保に寄与する事業を行う者として当該地方公共団体の指定を受ける必要がある、このようなたてつけになっているわけであります。

 そこで、この具体的な要件をどのようにお考えになっているのか、伺います。

郡大臣政務官 今お話しいただきました復興産業集積区域に新規に立地をする企業に対しての税制の優遇、特例措置でございますけれども、被災地における投資それから雇用を促進するという観点でこのような制度を講ずることとしたものでございます。新設企業については、立ち上げ当初から経営がなかなか安定しないというふうなことも考えられることから、五年間の無税というふうな大胆な措置を講じさせていただきました。

 この措置につきましては、新設企業に、東日本大震災により雇用に著しい影響を受けた地域において活発な事業活動を行っていただくことを確保していただき、当該地域に特例の効果を十分に生じさせるため、一定額以上の投資を行うこと、そして一定数以上の被災者を雇用していただき一定額以上の給与を支給していただくことなど、対象となる法人の要件を定めさせていただいたところでございます。

橘(慶)委員 余り続けてお聞きしたくないんですが、一定額ということであれば、ある意味で何も答えていただかなかったのと一緒かなと思ったりするんですが、投資一定額それから雇用一定数、何かそこはある程度数字は固めておられるんですか、まだこれからなんですか。

郡大臣政務官 詳しく申し上げないで、申しわけありませんでした。

 次の要件を満たす法人ということで、幾つか挙げさせていただいております。復興産業集積区域を規定する復興推進計画の認定の日以後に設立をされること、それからまた、被災者の雇用をお願いしたいということでしたけれども、被災者を五人以上雇用していただき、給与等支給額の総額が一千万円以上であること、認定復興推進計画に記載された事業のみを行う法人であること、復興産業集積区域内に本店を置いているということ、積み立てを行う事業年度において復興産業集積区域外に事業所等を保有しないということ、また、指定を受けた事業年度に事業のために取得をした機械それからまた建物などの取得価額が三億円以上であること、中小企業等は三千万円以上であることというふうに定めさせていただいております。

橘(慶)委員 やはり議事録に残しておきたいものですから。どうもありがとうございました。

 それでは次に、被災地における、経済産業省さんで所管されている中小企業等グループ施設等復旧整備補助事業、いわゆるグループ補助金であります。

 これは、逆に言うとこの制度が非常に喜ばれたといいますか、非常に需要が多くて、これまで二次にわたって五県で六十六グループに二百七十五億円の国費が交付されているわけですが、さらに今回、三次補正を待たずに予備費で一千二百四十九億円というものを追加されたわけであります。今度は、青森から茨城までの五県に千葉県を加え、六県で十一月八日まで募集をされたわけであります。

 そこで、これの執行状況及び今後の展開方針について確認をいたします。

宮川政府参考人 お答え申し上げます。

 今委員御指摘のように、中小企業グループ補助金でございますけれども、一次補正に伴います一次公募、二次補正に伴います二次公募、これを合わせまして国費で二百七十五億円、県費も入れますので、これを合わせますと四百十三億円を既に交付しております。合計で六十六グループ、七百十八の事業者について支援を行ってまいりました。

 さらに、予備費でございますけれども、御指摘のように一千二百四十九億円を確保いたしまして、既に三次募集をしたところでございます。現在、この補助金の募集は既に締め切っておりまして、交付決定に向けて審査、手続を行っているところでございます。

 この予備費につきましては、被災された各県の御要望を踏まえつつ措置したものでございまして、まずはこれをしっかりと活用し、支援を実施してまいりたいと思っております。

 なお、今後の展望でございますけれども、その上で、被災の状況から、復旧復興に着手するのに時間の要するような案件への対応、さらなる予算措置が必要な場合もあり得るというふうに私どもは認識をしておりまして、そうしたものに対応すべく、現在、平成二十四年度予算で五百億円の要求をさせていただいているところでございます。

橘(慶)委員 ぜひこれは、やはり被災地の早期の立ち直りということにもなりますし、また二重ローン対策にもなりますし、被災地の実情に合わせてまた二十四年度以降も手当てをしてあげていただきたいと思います。

 時間がだんだん迫ってまいりましたので、中小企業庁さんへの質問は一つ割愛させていただいて、国交省からおいでいただいておりますので、こちらの質問をさせていただきます。

 被災した鉄道施設、三陸鉄道の問題とかいろいろあるわけですが、きょうは、この中で特に物流関係、いわゆる貨物関係の鉄道のお話を確認させていただきたいと思います。

 国の災害復旧事業費補助の支給を受けて取得または改良した代替償却資産については、今回の地方税法の特例によりまして、固定資産税等の減免措置が、十年度分、課税価格が三分の二にされる、こういうことで規定されております。

 そこで、この対象となるとされております、要は災害復旧事業費補助を受けて復旧していくJR貨物及び各地の臨海鉄道の復旧状況について、鉄道局長にお伺いをいたします。

田村政府参考人 お答え申し上げます。

 今般の東日本大震災によりまして、JR貨物それから各臨海鉄道の路線につきましても非常に大きな被害が生じたわけでございますけれども、六月に八戸臨海鉄道それから鹿島臨海鉄道、それから十月には岩手開発鉄道が全線で運転を再開いたしました。それから、仙台臨海鉄道、福島臨海鉄道につきましても一部の区間を除いて運転が再開されているなど、着実に復旧が進んでいるところでございます。

 残る運休中の区間というのは、JR貨物の石巻港線、それから先ほど申し上げました仙台と福島の臨海鉄道の一部区間でございますけれども、これらにつきましても復旧作業が進められておりまして、具体的な運転再開時期につきましては、荷主企業の復旧状況などを踏まえまして決定されることになりますけれども、遅くとも二十四年度中にはすべての復旧工事が完了するという見通しでございます。

 以上でございます。

橘(慶)委員 となりますと、二十四年度で一応物流の体系としてはもう一度再構築される、こういうことだと思います。

 この鉄道貨物輸送につきましては、当初、大震災の際に燃料が、ガソリン、軽油、そういうものが不足した際に、いわゆる燃料列車ということで、横浜から新潟を経由して郡山あるいは盛岡ターミナルまで、陸上のオイルターミナルまで貨物輸送された、そういうこともありました。リダンダンシーの観点からも、ぜひよろしくお願いしたいと思うわけであります。

 もう一つ、地上デジタル放送への完全移行の問題を一応ここで確認させていただきたいと思います。

 東北三県は、こういう実情にかんがみまして、明年三月三十一日のアナログ停波ということで今作業を進めておられるというふうに聞いております。やはり心配になるのは原発からの避難区域でありまして、では、戻られたそのときからすぐデジタルでテレビが視聴できることになるかどうかというところがちょっと気になるわけであります。

 この辺の入念なお取り組みはされているものと思いますが、問題は生じないのか一応ここで確認を、松崎副大臣からお願いいたします。

松崎副大臣 お答えいたします。

 この地デジ対策では、約十年間かかって、特に国民の皆さんの御協力で七月には三県以外はほぼ終わったわけでありますが、この三県は、お話しのとおり、来年の三月三十一日を目標に立てております。

 そして、この被災地三県では、約二百十万世帯が対象でありました。もちろん三月十一日までは続けていたわけでありますが、そこで少しとまりました。その後、徐々に、新たな難視地区とか、共同アンテナの対策が必要だ、そういうところを中心にしながら今日までやっておりまして、八月末で約三万世帯が残っておりました。現在では七千六百世帯まで減少しておりまして、一応、予定どおり原則として年内にその対策を終了するという見通しでございます。

 現在は、被災世帯への地デジチューナーの無償給付、あるいは巡回の相談コーナー、これは十一月で千五百件ございました。そういったことをしっかりやりながら、デジサポも動かしながらきめ細かくやっております。自治体や放送事業者などの関係者の協力で、着実に進むということを明言させていただきます。

 ありがとうございます。

橘(慶)委員 どうか、最後までよろしくお願いいたします。

 福田政務官、済みませんでした。最後の質問は割愛になりました。

 ぜひ、被災地対策をよろしくお願いし、災害時相互応援協定を応援いただくことをお願いし、十二月一日になりましたので、十二月十日の私どもの賞与をすべて人事院勧告を反映しない形でもらっちゃうというのがいいのか悪いのか、これは深刻に私は思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。

 それでは、終わります。

原口委員長 次に、稲津久君。

稲津委員 おはようございます。公明党の稲津でございます。

 地方税法の一部を改正する法律案、きょうはその質疑をさせていただきますけれども、順次、通告に従って質問をいたします。

 まず最初は、地方税収の減少への対処ということでお伺いをしたいと思っています。

 これはもう言うまでもありませんけれども、被災された自治体の税収というのは、一つは今回の被災対応としての税の減免措置、それから個人並びに法人の所得減、こういったことによって大幅な税収減が予想される。

 そこで、いろいろ調べてみた中で、例えば、これは報道ベースですけれども、一つは、岩手、宮城、福島三県それから仙台市の平成二十三年度の税収は、震災前の今年度の税収見通しから大体一割ないし三割ぐらい下回る、こういう報道がありました。

 それから、県債の発行の方はどうかというと、これは御存じかと思いますけれども、岩手、宮城、福島三県で、今年度末の県債の発行残高についても当初予算の想定に比べて二千億円以上ふえる、こういう状況であるというふうに承知しております。

 それからさらに、県税の課税の確定額も、これは九月末の時点ですけれども、被災者の個人県民税それから自動車税、こういったものの減免で、例えば岩手県ですと前年同期比の約一〇%減。宮城県も、ここはすごいですね、三二%減。それから、福島県が一一%減。

 さらに、仙台市の二十三年度の市税の当初予想からどうなるかというと、一三%ぐらい減、こういう状況であるということ。それから、気仙沼市は、非常に厳しい状況ですね、市税の当初見込みというのが六十五億円から三十億円に落ち込む、こういう見通しで、中でも固定資産税が十六億円減少する、これは予想ですけれども、そういう状況です。

 結局、例えば津波の被害が大きかったところは自治体の固定資産税の減収というのは大きいことは当然なんですけれども、いずれにしても、こういった被災自治体における今年度の税収の見通しというのを、今私は自分なりに調べたものをお話しさせていただきましたけれども、総務省としてどのように把握をされているのか、この点をまず第一番目に聞かせていただきたいと思います。

黄川田副大臣 お答えいたします。

 現在、総務省として、被災した地方公共団体に限らず、すべての地方公共団体の九月末現在の地方税の徴収実績を調査しておるところであります。

 震災により甚大な被害を受けた地域におきましては、震災対応のための業務に人手を割かざるを得ないなどさまざまな理由によりまして、税の徴収状況の集計ができていない地方公共団体もあります。岩手、宮城、福島における九月末現在の地方税収は、委員のお話もありましたけれども、県分、市町村分を合わせて、前年同月比、前年の九月と比較しましてマイナス二四・一%、金額にして一千六百七十六億円の減となっておるところであります。

 この徴収状況には、地方税法の改正に伴う減収や、あるいはまた条例に基づく減免による減収もありますけれども、経済活動の停滞等の影響による減収も含まれておるものと思っております。

 総務省としましても、今後とも、被災した地方公共団体の事務負担も考慮しながら、地方税収の状況の把握に努めていきたいと思っております。

 それから、委員御指摘のとおり、津波浸水地域は、個別市町村、税の免除といいますか、さまざまあって、歳入確保に四苦八苦しているのは現実であります。

 以上であります。

稲津委員 今御答弁いただいて、三県の地方税の税収は前年同月比で二四%ぐらい下がっているというお話でありました。大変な状況だと思います。

 今年度がそういう状況で、では、これが平成二十四年度、次年度どうかというと、これもやはり相当深刻だろう。例えば、これは私が調べた範囲ですけれども、宮城県では、今年度の当初に比べて平成二十四年度では大体三百億円ぐらい減るんじゃないか、こういう見通しも出ているというふうに聞いております。

 今御答弁にもありましたけれども、結局、税の減免措置だけじゃなくて、消費低迷とかいろいろなものが絡んでくる。そういうことで、後ほどの質問にも関連してきますけれども、いずれにしても、さらに減収額が大きくなってくる可能性もあるということで、ここはぜひ、国として十分な対応を求めていきたいというふうに思っております。

 そこで、次に、今回の法改正によって減収する地方負担分の措置ということで伺っておきたいと思うんです。

 まず、平成二十三年度の第三次補正予算の中で震災復興特別交付税というのが出てまいりまして、これによって、いわゆる復興事業の地方負担分、それから被災者支援の税の減免による地方税の減収分に対しての交付がされることになったわけですけれども、今回の地方税法の一部改正案にはこの減収分も入っているのかということ、これは簡潔にお答えいただきたいと思うんです。私は、まず、地方財政への影響ということで考えていくと非常に大事なことですので、この点、改めてお聞きしたいと思います。

川端国務大臣 地方の財政、特に被災地域において極めて深刻な事態であることは御指摘のとおりであります。

 そういう意味で、第一弾として地震、津波対策、それから第二段として原子力災害対策ということの減収分を当初は地方債で補てんするという制度でございましたけれども、このたび通していただきました第三次補正予算において、今回の復興支援対策の減収分も含めて、地方債で措置するのではなくて、震災復興特別交付税の増額で対応するということにいたしました。

 したがいまして、これらの地方税法の改正による地方税の減収分については、震災復興特別交付税によりその全額を措置することといたしております。

稲津委員 地方税の減収分に対する措置ということは明確になったということなんですけれども、その上で、地方の負担分が本当に全くないのかということについては、細かく見ていくとやはりあるというふうに私は思っているんです。すべての減収分が今回の地方交付税の措置で補てんされるのかどうかということなんです。地方が負担しなければならないものが全くないのかということなんです。ここは、どこがどうなるかというのはまだこれからですけれども、非常に懸念するところです。

 そこで、お伺いしたいのですけれども、いわゆる減免措置によらない減収分が地方財政にどのような影響を与えるのか、それに対して総務省としてはどのような対処方針を持っているのか、この点についてもお示しいただきたいと思います。

川端国務大臣 地方の税収が減るということは、ダイレクトに地方財政に深刻な影響を与えることは事実でございますし、来年の税収に関しては、東日本大震災の影響、被災地に限らず、全国的にそういう部分の影響と同時に、海外の金融状況あるいは景気動向を含めて、急激な円高、そういうふうな経済環境が極めて厳しいという意味では、景気が下振れしていくことも考えられるという意味では、国税、地方税ともに予断を許さない状況にあるというのが基本的な認識でございます。

 平成二十四年度の地方財政計画の策定に当たっては、このような税収の動向を踏まえつつ、平成二十四年―二十六年度の中期財政フレームに沿って、社会保障費の自然増に対応する地方財源の確保を含めて、まずは、地方の安定的な財政運営に必要となる地方の一般財源総額については、平成二十三年度地方財政計画の水準を実質的に下回らないように確保することといたしたいというふうに考えております。

 とりわけ地方交付税については、平成二十四年度予算の概算要求組み替え基準において、東日本大震災からの復旧復興事業に係る地方負担分について歳出の大枠とは別枠で増額されるということになっておりますので、この東日本大震災対応分にあわせて、被災団体以外についてもその財政運営に支障が生じないよう、例年の財政需要に対応する平成二十四年度の地方交付税総額について、所要額の確保に全力を尽くしてまいりたいと思っております。

稲津委員 全くここのところは、今御答弁いただいて、私なりにも理解はしているんですけれども、結局、被災三県を初めとするこういった地域についてのいわゆる税収減ということもあるんですけれども、もう一方では、その被災三県の被災者の方々を受け入れている県もあり、それから、当然、今回の震災でさまざまなダメージを受けている自治体もあるわけですね。ですから、そういう意味では、今お話のあった、一般財源をしっかり確保していくという話、ぜひそこは丁寧にやっていただきたいということを要望させていただきます。

 次は、減税策の拡充の是非ということをお伺いいたしたいと思っています。

 今回の減税策というのは、阪神・淡路大震災と比較をしていったときに、例えば個人住民税における住宅取得時に係るいわゆる住宅ローンの控除の特例とか、固定資産税、都市計画税の課税免除の対象拡大、それから不動産取得税の非課税措置、かなりの部分で拡充をされている。

 一方で、県や市町村によっては、独自の減免措置をしているというのもございます。先ほども副大臣の御答弁の中にあったかと思いますけれども、私も見てみますと、例えば宮城県では、法人の県民税それから事業税、個人事業税、不動産取得税、軽油引取税、それから自動車税の五種類の税の減免を行っているということ。それから、これは、日本税理士会連合会からの税制改正要望の中に、いわゆるふるさと納税についても、五千円の控除額についてはやめて、むしろ全額控除されるべきだ、こういう要望も出ていました。

 こういった点を踏まえて、お伺いしたいのは、今後さらなる減免措置が必要とされるのかどうか、この点をぜひ大臣にお伺いしたいと思います。

川端国務大臣 東日本大震災の被災者の負担軽減あるいは復興に向けた取り組みを推進するためにということで、地方税については、今回の対応を含めて三回目になります、三度の法律改正を皆さんにお願いし、今、三回目の分をやろうとしているわけであります。

 これまでの対応については、関係府省の要望はもとより、被災団体、例えば七月には、福島県や原子力被災地域の市町村との意見交換を含めて、きめ細かくいろいろな御要望を伺ってまいりました。

 御指摘のように単独でやっていただいている部分もありますが、それぞれ地域の特性を生かした部分もありますが、全体的にやっていただきたいという要望に関しては、最大限取り組む形で今回の法律改正をお願いしているところでありますので、今御指摘の御要望はいろいろありますけれども、現時点においては、一定の部分は対応できているというふうには思っております。

 ただ、御案内のとおり、原子力関係の部分を中心にして、当然その他の被災も含めて、やはり新たな事態というのは、今想定していないけれども、いろいろなことでのニーズは出てくる可能性はあるというふうに思っております。

 そういう意味では、その状況を踏まえながら、復興の状況とか原子力災害の収束の状況等を踏まえて、被災団体あるいは関係省庁との連携をより一層深めて、さらなる措置を講じる必要が生じた場合には適切に対応するように臨んでまいりたいというふうに思っております。

    〔委員長退席、内山委員長代理着席〕

稲津委員 まさにそのとおりだと思うんですね。震災はまだ終わっていない。とりわけ福島の原発については、今後どうなっていくのか、まだまだ懸念される要素はいっぱいあります。

 当然、今御答弁がありましたように、各被災自治体等の御意見を十分聞いていただきたいということ、それから、今回の震災復興のために大変汗をかいていらっしゃる支援団体等の意見も十分聞いて、ぜひとも今後の対応についても御検討いただきたいと思います。

 次は、減免措置の周知ということで伺っておきたいと思います。

 仙台国税局が発表した所得税の減免、還付の状況ということで、これは報道ですけれども、見ますと、十月末時点で、岩手、宮城、福島の三県の被災者の所得税の減免措置、還付を受けた件数はどのくらいかというと、大体五割程度にとどまっているという話なんです。

 私は、国税の周知も大変だと思うんですけれども、地方税についても、制度の周知、きめ細やかな相談体制、総務省としてもバックアップをぜひしていただきたいと思っていますけれども、今後どのような対策を講じていこうという考えがあるのか、この点についてもお聞かせいただきたいと思います。

川端国務大臣 いろいろいい制度をやっても周知がされないと効果が薄くなるということは、御指摘のとおりであります。

 過去二回法改正をやりまして、今回も今お願いしているところでありますけれども、一つは、税制上はこういう中身でございますということと、あるいは、住民の皆さんに、私はそういうことが適用されるんだろうかという相談をしていただくというのと、二つの側面があるのではないかというふうに思いますので、そういう部分で、地方団体の皆さんに使っていただく参考文例ということで、広報用の文例を幾つか用意いたしました。こういう形で周知していただく、あるいはこういう形で相談をしていただくのはいかがかという周知用の参考文例を、今までも二回御通知いたしました。それから、そのときにいろいろ御質問も当然住民の方から出てくるということで、QアンドAとして考え方を周知するということ。この両面にわたって、税務行政が円滑に進んで、かつ情報が徹底され、相談にも十分対応できるということの取り組みを進めてきました。

 今回の法律も、成立させていただくならば、直ちにその対応をして、きめ細かく御相談に応じるとともに、サービス提供を行っていきたいというふうに思っております。

稲津委員 今のことに関しては、私もとりたててその上で何かという気持ちはありませんけれども、いずれにしても、しっかりバックアップしていただきたいということを改めて要望させていただきます。

 次は、被災事業者用の仮設施設の整備事業の非課税措置ということについて伺いたいと思います。

 今回、この事業が立ち上がっておりまして、例えば貸し工場、貸し店舗に対して、この事業を使った場合に不動産の取得税、固定資産税等を非課税にするという措置であります。

 これは中小企業庁にお聞かせいただきたいんですけれども、今回のこの事業の趣旨と予算措置、現状における仮施設の施設整備の進捗状況について、簡潔にお答えいただければと思います。

宮川政府参考人 お答え申し上げます。

 被災地におきまして中小企業の方々が事業を早期に再開するために、中小企業基盤整備機構が、市町村の要請を受けまして仮設工場、仮設店舗などを整備いたします。市町村を通じまして原則無償でこれを貸し出す事業を行っておりまして、この施設は、市町村に無償で貸し出すとともに、原則一年以内に市町村に無償譲渡するということでございます。

 予算でございますけれども、一次補正で十億円、二次補正で二百十五億円、三次補正で四十九億円ということで、合計二百七十四億円を措置しております。

 それから進捗状況でございますけれども、十一月二十五日現在におきまして、六県四十七市町村から三百九十九カ所の整備要望を受けておりまして、このうち二百五十八カ所、床面積で申し上げますと延べ床十二万平米につきましては、既に市町村と施設整備に関する基本契約を締結しております。このうち百二十カ所、延べ床面積にいたしますと約五万平米になりますけれども、これについては既に竣工しているところでございます。

稲津委員 今の御答弁の中にもありましたけれども、この事業については、仮設の施設を整備した後は、一年を期限にして、一年後、市町村に無償譲渡するんだというお話がありました。このことは、私なりにこの問題を整理していったときに、いろいろな課題があるのかなということも感じているんです。例えば、入居する事業者が仮に新たな土地あるいは物件を用意してそこから出ていかれたとき、では、そこの仮施設等はどう取り扱うのかということなんですね。

 市町村に無償譲渡というわけですから、これは売却とか、あるいはまたさらにどこかに無償譲渡することができるかどうかということが、まず一つ聞かせていただきたいことなんです。私が今まで承知している範囲ではそれはできないのかなと思うんですけれども、この点はどうでしょうか。

宮川政府参考人 お答え申し上げます。

 施設整備を行いますに際しまして、中小機構の方は、市町村と事業に関する基本事項を約した基本契約を締結しております。

 この基本契約におきましては、市町村に施設を原則一年以内に譲渡した後であっても、引き続き被災事業者のための仮設施設として用いることを求めております。具体的には、完成後五年以内につきましては企業への譲渡を制限しております。できるだけ公的な形で使用してもらうということを担保しております。

 また、五年経過後は、中小機構に対して報告を求めた上で、地域の経済及び産業の復興の観点から市町村が合理的かつ適正と判断する者への譲渡は認めているところでございます。

稲津委員 今お話を聞いていますと、五年間は仮設の施設として使えるように契約を結ぶという話なんですけれども、果たして五年そこにいるかどうかということですよね。

 その建物、施設というのは、プレハブ型のものであって、用途はかなり限られてくるだろうと思うんですね。決してこの事業を否定しているわけじゃないんですよ。否定しているわけじゃないんですけれども、しかし、そこから出ていかれたときに、結局その施設は残るわけですね。その施設は自治体が無償譲渡でもらっているわけですから、自治体がそれをどう使うかということになってくるんですけれども、相当限られてくるだろう。先ほど、最初の答弁で三百九十九施設と言いましたかが今あるということで、これもまだふえていく可能性がある。

 私が思うには、例えば売却もできなければ譲渡もできないとなって自治体でそれをずっと持っているとは考えにくいので、では、取り壊しするんですか、取り壊しの費用をどうするんですか。それから、例えば借り上げている土地なんかの場合は、更地にして返すとか、そこでまた自治体の費用が発生してくる。

 私は、こういうことを考えていったときに、この事業を、決して否定はしないんですけれども、よりいいものにするためには、ここは一定の期限を決めて、やはり国がある程度のフォローアップをしていく、責任を持っていくということも必要じゃないかと思っていますので、この点は意見として言わせていただきたいと思います。

 最後になりますけれども、被災自治体の税収確保についての取り組みということについてお伺いしたいと思います。

 結局、今申し上げましたように、この仮施設というのは、あくまでも自治体側の持ち物になりますので、入居事業者に対しては固定資産税とか都市計画税がかかることはないので、これはこれでいいんです。ただ、もう一方で、一番大事なことは、やはり被災なされた事業所も、早くこの仮施設を使って体力をつけていただいて、そしてまた必要な用地あるいは施設を入手されて、そこでさらに事業運営をしていただく。そのことによって、固定資産税、都市計画税などを今度は自治体の方にお渡しできる。すると、自治体の方もそこでまた財政力がついてくる。だから、ここのところは、本当に車の両輪のような話になってくると思うんです。

 私は、そういう状況の中で、復興の中では、先ほど一番最初の方でも少し自分なりの懸念を申し上げたんですけれども、財政が本当に悪化しないのかということを非常に懸念をしています。

 総務省として引き続きどう対処していくのか、ぜひ総務大臣にこのことを御答弁いただいて、質問を終わりたいと思います。

川端国務大臣 先生御指摘のように、まさに復興に向けては、仮から本の姿に戻って、みずから税金がしっかり払えるという状況になっていただくのが一番大前提であります。

 ただ、現時点においては、まだ復旧復興、要するにスタートを切ったところでありまして、いろいろ財政需要が出る。そういう部分の復旧復興に関しては実質的に地方の負担をゼロにするということでの手当てをさせていただいたということでありますが、これからやっていく中で、なおまた新たな事態で復興に関してさらなる需要が出てくることは当然想定をされることだというふうには思っております。

 そういう意味では、集中復興期間中にこういう事業に係る地方負担が新たに生じるということが起こった場合には、震災復興特別交付税の別枠で増額を図って、被災団体について同様の措置をとるということでしっかり支えてまいりたいというふうに思っております。

 あわせて、基金もつくらせていただきました。そういう部分で、少なくとも復旧復興に関しては、御負担がかからない形で、そして最大限きめ細かくやっていただくことが、復興の中で体力がついて自力で頑張れるという体制へのより早い道筋だと思いますので、しっかりと対応してまいりたいと思います。

稲津委員 終わります。

内山委員長代理 次に、塩川鉄也君。

塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。

 被災者への課税免除等を行います地方税法一部改正案については賛成であります。

 きょうは、関連して避難者の支援策について質問をいたします。

 復興対策本部は、十一月二十四日に全国の避難者等の数について、約三十三万人と公表をいたしました。これまで、被災三県の避難者数については、仮設住宅等への入居戸数しか把握をされず、入居者数は明らかになっておりませんでした。六月以来、正確な避難者数の把握を求めてきましたので、今回の発表は一定の前進があったと評価をしております。

 その上で、この多数に上る避難者支援を求める立場から質問をいたします。

 避難者数については、災害救助法を所管している厚生労働省が正確に把握をしていると承知しております。そこで、厚生労働省にお尋ねいたしますが、いわゆる仮設住宅の入居戸数、入居者数が何人で、民間の借り上げ住宅の入居戸数、入居者数が何人で、URや公営住宅、国家公務員宿舎などの公的住宅の入居戸数、入居者数が何人になっているのかについて、まずお答えください。

牧副大臣 お答え申し上げます。

 十一月二十八日時点でありますけれども、応急仮設住宅四万七千九十四戸に十一万五千百七十三人が入居、民間賃貸住宅六万三千七百四十六戸に十七万一千五百十一人が入居、公務員住宅、公営住宅等の公的住宅五千百九十六戸に一万四千九百三十五人が入居されているとの報告を受けております。

塩川委員 今お答えいただきました数は、災害救助法に基づく応急仮設住宅として扱われている避難者入居住宅に限定されているものであります。ですから、例えば、応急仮設住宅となっていないのに避難者が入居している施設として雇用促進住宅がありますけれども、この雇用促進住宅への入居者数などは含まれておりません。

 時間の関係で、答弁は求めませんが、私の方でしゃべりますけれども、雇用促進住宅の入居戸数が五千百二十八戸、入居者数は一万五千五百二十三人、十月三十一日現在ということで承知をしております。応急仮設住宅扱いとなっていないUR賃貸住宅や公営住宅なども含めると、公的住宅への避難者数は三万人を超えることになると思います。

 公的住宅については応急仮設住宅扱いとすることを求めるとともに、雇用促進住宅やUR賃貸住宅については、その入居の避難者について、自治体との連携を強めながら国が責任を持って対応すべきであります。

 整理しますと、仮設住宅への入居者数が十一万人を超える、公的住宅への入居者数は三万人を超える。それ以上に多いのが民間借り上げ住宅の入居者で、十七万人を超える数となっております。仮設住宅、公的住宅の入居者へのきめ細かい支援を行うとともに、居住場所が散在をする形になる民間借り上げ住宅の入居者を視野に入れた取り組みが必要であります。

 そこで、民間借り上げ住宅の数の多いのが仙台市であります。重ねて厚生労働省にお尋ねしますが、仙台市における仮設住宅と民間借り上げ住宅と公的住宅のそれぞれの入居戸数及び入居者数がわかれば教えてください。

    〔内山委員長代理退席、委員長着席〕

牧副大臣 仙台市に限ったお話でありますけれども、建設された応急仮設住宅が千四百七十九戸、三千二十八人が入居をいたしております。十一月二十八日現在ですね、先ほどと同じ。それから、民間賃貸住宅八千百四十七戸に二万四百四十二人が入居、公務員住宅、公営住宅等の公的住宅五百二戸、千百八十五人が入居されているとの報告を受けております。

塩川委員 今、御答弁ありましたように、入居後の避難世帯というのが一万戸を超えるのが仙台市であります。仙台市内においては、民間借り上げの住宅が八千戸余りという話でありました。

 この民間借り上げ住宅などの避難者支援に取り組んでいる仙台市及び仙台市社会福祉協議会に実情をお聞きいたしました。借り上げ住宅約八千戸のうち、二千世帯は石巻市あるいは福島県内からの原発事故の避難者の方だ、仙台市以外からの民間借り上げでの入居の方が二千世帯を超えるという話でした。

 このような借り上げ民間賃貸住宅を対象にして、仙台市の社会福祉協議会は、厚生労働省の「絆」再生事業を活用して、避難者の見守り活動、巡回相談を行う計画ということです。民間借り上げ住宅の場合に、今回の大震災被災の大きな特徴として、避難者の広域性、点在性ということがあり、しかも被災者の姿が見えない状況にあるという認識だ、ここに巡回相談や情報提供や必要な行政機関とのつながりをつくる取り組みをしたいとお話をしておられました。

 プレハブ仮設や公的住宅等への避難世帯については、NPO団体に委託をして、お願いしているそうであります。民間借り上げ住宅への避難世帯については、社会福祉協議会として取り組むという整理だそうです。

 そういう意味でも、プレハブあるいは公的住宅というのはある程度まとまってあるわけですけれども、そうすると、民間借り上げの場合とどうしても情報格差が生まれるというのが実態ということですし、特に市外から仙台市に避難をしている方などについてはなおさら情報が届かない。ですから、避難元の自治体の方では暖房器具が提供されると聞いているんだけれども、仙台市にいるものだからそういう話が届かないんだということなども訴えがあるそうであります。

 そこで、厚生労働省にお尋ねいたしますが、一万戸のうち二千戸が仙台市の外の被災者、被災自治体の避難者の方ということで、情報格差も非常に大きいという話もあります。こういったことについてどういうふうに対応するのか、その点について、国としての対応方、御答弁いただきたいと思います。

牧副大臣 おっしゃるとおり、特に民間借り上げの方は点在しているわけでありますから、情報が十分に行き届かなかったり、あるいは孤立をしてしまったりという懸念ももちろんあるわけです。

 そんな中で、被災された方々の孤立防止や日常生活上の支援を行うための巡回訪問活動や集会所等を活用したサロン活動等の支援を行っているところであります。被災地などの地域できずなやつながりを再構築して、高齢者、障害者や生活に困窮している方々などの生活を支えるため、社会福祉協議会等が行う巡回訪問による住民ニーズの把握や見守り等の支援を行う事業を創出いたしたところであります。

 御指摘のように、第三次補正において、きずな、つながりの再構築に、基金を積み増ししているところであります。社会福祉協議会において支援を行う人材を確保して、活動の支援にこれからも資するものと考えているところであります。

塩川委員 三次補正で「絆」再生事業について四十億円上積みをする、これは被災地対応ということで措置されたと承知をしておりますが、仙台市の方でお聞きしますと、この「絆」再生事業で仙台市社会福祉協議会で確保した予算は四千万円だというお話でした。四十億円の一%、被災の規模からいってどうかなとも思いますけれども、この額ですと、生活支援相談員のような方の数を確保するということが基本になります。二十五人を計画して、現在二十三名を採用しているということなんですが、課題としては、やはり生活支援相談員の配置と予算の増額だということを訴えておられます。

 プレハブの仮設と公的住宅についてはNPO団体にお願いをしているわけですけれども、そのNPO団体では、おおむね百世帯に対して三名ぐらいが望ましいということでの人員の確保を要請しているそうであります。そういった数で民間借り上げ住宅に対応するとなれば、八千戸ですから二百四十人、つまり今の予定している二十五人の十倍ぐらいいないととても間に合わない。しかも、仮設住宅はまとまってありますけれども、民間借り上げは広範囲に散在している立地ですから、もっといなければ実際には回らないんじゃないのかというのが現場の率直な声であります。

 こういう点について、厚生労働省として、こういった民間借り上げ住宅の避難世帯数に見合うような生活支援相談員の配置、支援体制、そういったための財政措置をしっかり行うことが求められていると思うんですが、この点についてぜひお答えいただきたいということ。

 あわせて、郡和子大臣政務官は、仙台市も御地元でもありますし、こういった事情についても承知をされておられることと思います。被災者の姿が見えない状況にあるこの民間借り上げ住宅の避難者支援について、ぜひ一言御答弁いただけないでしょうか。

牧副大臣 必ずしも十分ではないというお話は、お気持ちはすごくよくわかります。だからこそ、四十億円の積み増しをさせていただいたところでございます。

 仙台市で四千万円というお話でありましたけれども、二十三年度で五千二百五十万円、生活支援相談員がトータルで三十名程度というふうに聞いております。

 今後一層中身を充実させなければと思っておりますけれども、例えば、小学校単位での地域におけるいろいろな世話役の方、あるいは社協の方ともより一層緊密に連携をとっていくことも肝要ではないかと思っております。

郡大臣政務官 厚労省の施策をしっかりと後押しできるように、また応援をしてまいりたいというふうに思っています。

塩川委員 現状、非常に不十分だということでありますので、しっかりとした対応を求めたいということです。

 次に、今回、被災三県について避難者数が発表されたわけであります。岩手、宮城、福島ですね。平野復興担当大臣も、被災三県については、入居戸数のみ把握し、人数までは把握していませんでした、私どもも人数の把握の必要性は感じておりましたと本会議でも答弁をしておられます。そういう点で、今回の避難者数の把握というのは、今言った民間借り上げ住宅の入居者の方が見えてくるという出発点としても非常に重要だということであります。そうであるならば、被災三県に限らず、避難者の把握に努めるべきだと考えます。

 そこで、お尋ねしますが、被災三県以外の被災県、例えば首都圏でも液状化の被害ですとか宅地の地盤被害による避難者の方々がいらっしゃいます。そこで、首都圏、茨城県と栃木県と千葉県と埼玉県のそれぞれの県民の避難者数について、国は把握をしておられるでしょうか。

郡大臣政務官 お尋ねの四県に避難をされている方々の数ですけれども、避難者の数等は全国の各地方公共団体の協力を得て把握に努めているところでございますが、十一月十七日現在で、茨城県がおよそ三千人、それから栃木県がおよそ二千七百人、埼玉県がおよそ四千九百人、千葉県がおよそ三千七百人というふうになっております。

 これらのうちで、岩手、宮城、福島、いわゆる被災三県から避難をされている方を除いた数ですけれども、茨城県が三十人、栃木県が二人、埼玉県が十人、千葉県はゼロでございます。これらの今申し上げた数値がそのまま、それぞれの県にお住まいの方であったのではないかと推察されるところです。

塩川委員 今お話ありましたように、つかんでいないんですよ。

 例えば千葉県などでも、県民の避難者数を百二十一人という発表はしているんですけれども、民間ですとかURに入居している方の数というのは、千葉県としても県民の避難者を把握していないんですね。茨城県に問い合わせをしても、県民の避難者数を把握していない。栃木県に聞いても、県としては把握をしていない。埼玉県も把握をしていないという状況なんです。

 避難者の方はいらっしゃるんですよ。栃木県でも、那須烏山市でも宅地地盤被害のところがありますから。そういった方々は、仮設住宅に入居している人もいるし、それ以外に、親戚宅を頼っているとか民間アパートを借りている方なんかもいらっしゃるんですね。そういった方の数というのが入ってこないんですよ。そうなると、しっかりとした支援策が届かないんじゃないのか、こういうことが強く懸念されるんです。

 これはやはり国として、岩手、宮城、福島での避難者数の把握ということで取り組んでこられたわけですから、その三県以外の被災県におけるそれぞれの県民の避難者数についてもしっかりと把握をするということにぜひ取り組んでいただきたいんですが、その点はいかがでしょうか。

郡大臣政務官 今御指摘をいただきました問題につきまして、私どもも、それぞれの県に対して、把握をしているのか否かを含めて確認をとってまいりたいと思います。

塩川委員 それは出発点になりますので。

 災害救助法に基づく応急仮設住宅が対応していないところも結構あるんですよね。埼玉県の久喜市でも、液状化被害で避難しておられる方がいるんですけれども、そういった世帯に対しては、災害救助法が適用されないということが前提となって、応急仮設住宅、民間借り上げ住宅が適用されていません。市による三万円の補助だけなんですよ。こういったところも視野に入れた対策こそ必要だということを重ねて申し上げておくものであります。

 最後に、原発事故避難者への支援策について、総務省にお尋ねをいたします。

 原発事故による避難者は十万人を大きく超えるものであり、この間、原発避難者特例法も制定をしたところであります。指定市町村は福島第一原発立地周辺の十三自治体で、その中にいわき市も含まれております。

 そこで、総務省に数字の確認ですけれども、いわき市との関係で、いわき市内への避難者数が何人で、いわき市民の避難者数は何人で、いわき市民の住所移転者数は何人か、この点についてお答えください。

久元政府参考人 お答え申し上げます。

 いわき市から提供された情報によりますと、いわき市以外の指定市町村からいわき市内への避難者の数は、十一月七日現在で約二万一千人。いわき市から市外への避難者で住民票を移していない方の数は、十一月十八日現在で約八千人。最後に、震災の発生から十月末までにいわき市外に住民票を移した転出者の方の数は約一万人というふうに聞いております。

塩川委員 いわき市自身、三十万人を超える大きな都市ではありますけれども、しかし、その周辺自治体から受け入れている方の数が二万人を超える。また、いわき市民の方で、市外に避難をした、あるいは住所を移された方が、合わせると二万人近くになるということで、大変多くの方々が移動しているという状況がここに見てとれるわけであります。

 お話をお聞きしましたら、いわき市としても、指定市町村としては全国四十七都道府県に避難住民がいると同時に、避難先団体としては他のすべての市町村から避難住民を受け入れているなど、その対応については困難をきわめている状況にあると訴えておられます。

 いわき市の担当者の方に実情をお聞きしたところ、この原発避難者特例法に基づく業務を進めようというとき、幾つか課題があるんだということをおっしゃっておられました。

 例えば、業務量の見通しが立たないというわけです。特に、介護ですとか障害者福祉、認定の作業などもある。こういったことについて、福祉関係の業務の量が見通せないということを訴えておられます。それとの関係で、情報提供がどうしても限られる、ないということもあって、業務の提供に支障が出かねないということもお話がありました。あと、やはり受け入れている人数もふえる傾向にあるんだというわけなんです。というのは、双葉八カ町村などを初めとして、中通りあるいは会津に避難をしていた方々が、冬が迫ってきて、やはりできれば同じ浜通りに戻りたいということで、いわき市に戻れないかと願う避難者の方々がおられるという状況にあります。

 そういう点で、やはりこういった実態のいわき市に対して、この原発避難者特例法も踏まえて、国としてどのような支援を行っていくのか。このことについて、大臣にお尋ねをいたします。

川端国務大臣 今御指摘の原発避難者特例法は、八月十二日に公布、施行、九月十六日にいわき市を含めた市町村の指定ということで、約一カ月かけました。ということは、こういう法の趣旨に基づいて、いわき市さんとしてはどういう実情にあるのかと。今おっしゃったように、両方ありますというのを踏まえて、この指定の市として中身はこういうことでやっていただけるかどうかということを含めて御相談をした中で、指定をさせていただきました。

 それが九月で、十一月十五日に、処理すべき特例事務の告示を行った。これも、今おっしゃったような介護認定とかいろいろなことも、具体的にどういうことが発生するのかということも踏まえて、きめ細かく、関係府省及び市町村と相談して指定させていただいたということで、この間には、いろいろな事務の調整含めて結構時間をかけて行って、その後、運用としては一月ということに決めました。

 これは、十一月に選挙がありました。それぞれの市町村においては、これが終わってからでないとちょっと事務的になかなかしっかりできないということなので、確かにこの中の手当ての検討がおくれてきていることは事実だというふうに思います。

 そういう部分で、一月からということで、いよいよ本格的な、今いろいろな検討作業をしていただいているのが、十二月、今月がピークになるというふうに思いますので、いろいろな御事情はまた我々もきめ細かく聞きながら、できる限りの御相談とサポートはしてまいりたいというふうに思っております。

塩川委員 実情をお伝えしましたので、ぜひしっかりとした対応方をお願いし、質問を終わります。

原口委員長 次に、重野安正君。

重野委員 社会民主党の重野安正です。

 十五分という限られた時間ですので、答弁も単純明快にわかりやすく、よろしくお願いいたします。

 まず、通常国会で既に、地方税の減免などを行う法案が成立をいたしました。今回の法案でも、新たな措置に加え、多くが通常国会で成立した法案の中身が継続されることになるんですが、そこで確認しておきたいんです。通常国会での法案成立後、この税制上の特例措置によってどの程度の税の減免が行われたのかということが一つ。また、申請のボリュームでありますが、想定に対してどの程度の申請が行われたのか。その二点。

黄川田副大臣 お答えいたします。

 まずもって、平成二十三年度の固定資産税に係る津波被災区域及び原子力災害避難区域の課税免除措置についてでありますけれども、この津波被災区域課税免除の対象区域を指定した団体あるいはまた指定予定の団体は二十五団体となっております。そしてまた、原子力災害避難区域課税免除の対象区域を指定した団体または指定予定の団体は、これは十三団体となっております。

 そこで、本課税免除措置に係る平成二十三年度分の減収見込み額は、最大で我々は五百億円程度を見込んでおるわけでありますけれども、実際の減収額につきましては、一部市町村ではいまだ課税事務手続が落ちつきを取り戻していないことなどから、現段階においては、より具体的に把握することはちょっと困難となっております。

 しかしながら、実際の減収額につきましては、震災復興特別交付税の算定に用いなければいけませんので、年度末までにはしっかりと的確に把握しなければならない、こう思っております。

重野委員 これは課税する原点でありますので、そこ辺は速やかに努めてもらいたいと思います。

 次に、固定資産税の基準となる評価額について、二〇一一年度の固定資産税の評価額の基準年度は震災前の二〇〇九年度であります。しかし、その後、津波と原発事故が発生をし、基準年度における評価額と大きな乖離が発生をするわけです。

 国税庁は、十一月一日に、今回の震災による路線価の調整率を発表しております。最大で八割減、福島原発事故での警戒区域などは評価が不能ということで、相続税、贈与税の申告額をゼロとみなしてもよいとの方針を示しています。

 全額免除となった地域は評価額の変動の影響は受けませんが、免除とならなかった地域では評価額が影響してくる。評価額についての今年度の扱いはどのようになるのか、お聞かせいただきたい。

黄川田副大臣 重野委員御案内のとおり、固定資産税の課税客体である土地家屋については、地方税法上、基準年度の価格を三年間据え置く、こういうことになっております。そこで、東日本大震災による地価下落等は、基本的に来年度、二十四年度の評価がえにおいて反映されることとなります。

 したがいまして、この平成二十三年度の価格は据え置かれることとなりますが、実際の課税に当たっては、各市町村において、地方税法第三百六十七条、条例等に基づき、土地家屋や被災者の状況に応じまして減免を行っておるもの、こう思っております。

重野委員 次に、固定資産税の評価がえについて聞いておきたい。

 二〇一二年度は評価がえの年に当たるんですね。この新しい評価額は今年一月一日が基準となっている。しかし、その後発生した東日本大震災と原発事故で、評価額に大きな変動が生まれております。

 引き続き二〇一二年度も課税免除となる地域は直接影響いたしませんが、そうでない地域、また激変緩和として二分の一減額とする地域などはこの評価額の影響を受けることになる。そこで、来年度の評価がえはどのような形で行われることになるのか、お聞かせいただきたい。

黄川田副大臣 来年度の評価がえでありますけれども、現在、全市町村において、課税となるすべての土地家屋について、総務大臣の定める固定資産評価基準に基づき評価がえの作業を行っておりまして、東日本大震災の被災市町村にあっても同様の作業を行っておるところであります。

 総務省といたしましても、被災市町村の事務負担、これを軽減させなきゃいけないということで、被災市町村と十分に意見を交換した上で、簡易な評価方法によりまして、震災による地価下落や家屋の損耗の程度を評価に反映できるよう、固定資産評価基準の運用について、参考となるガイドラインを通知したところであります。

 このガイドラインを参考としながら各自治体は評価がえの作業を進めていくもの、こう思っております。

重野委員 この種の問題については、国の認識と自治体あるいは現場の受けとめ方等々が往々にして、ずれが生ずることが間々あるんですね。やはり今回のようなこういう大変な事態が発生をしたという中においては、より精密に、より配慮し、より目線を同じにして決めていくように、特に、現場に対する指導とか、そこ辺は十分配慮していただきたい、このように思います。

 次に、十月二十七日に開かれた当委員会で大臣は、義務教育費国庫負担金あるいは地財計画の算定基準等々で、これを地方に強制的に促すというものではないということが政府の統一した見解と答弁されました。

 これは、給与特例法案を地方へ波及させないということだと私は理解をしているわけでありますが、そこで、二〇一二年度の地方財政計画における算定に当たっては、今回の給与の臨時特例法案、七・八%削減は反映させないというふうに受けとめていいか。それが一つ。

 その場合に、人事院勧告は出ているわけでありますが、基準はどうなるのか。算定の基準は現在の給与法に基づくものとするというふうに私は思うのでありますが、そういうことでいいのかどうか。答弁願います。

川端国務大臣 先生御案内のとおり、地方公務員の給与については、地方公務員法の趣旨に沿って、それぞれの地方公共団体で、議会での御審議を経て条例で定められるという仕組みになっております。

 したがいまして、今もお触れいただきましたけれども、総務省としては、今回提出をさせていただいております国家公務員の給与引き下げと同様の引き下げを地方公共団体に対して要請することや、地方交付税の減額により強制することは考えていない、これは答弁したとおりでございます。地方財政計画の策定に当たっても、同様の引き下げを反映することも考えてはいません。

 一方、地方公務員法では、公務員の給与は、生計費、国の職員の給与、他の地方公共団体の職員の給与、民間事業の従事者の給与、その他の事情を考慮して定めなければならないものとされております。

 そういう意味で、地方財政計画における地方公務員の給与関係経費については、平成二十二年度までは人事院勧告を基本とした算定というのを行ってきたところでありますけれども、先ほど紹介しました趣旨に沿うということで、平成二十三年度からは、それぞれの地域の民間給与水準の反映をより重視する観点から、人事委員会勧告を基本とした積算を行うということにしたところでございまして、平成二十四年度以降についても同様の考え方で対処したいというふうに考えております。

重野委員 これは、今から現場において、いろいろな立場立場での議論が行われます。しかし、今大臣が言ったように、一番最後に言ったことについてはいろいろな議論があるところでありますが、それを除く部分については、そうだというふうに私も理解をいたします。

 次に、仕分けについて大臣に聞きます。

 先週、提言型政策仕分けが行われました。月曜日には、地方財政、地域主権型の地方税財政のあり方が議論されました。その中で、問題があると思うんですね。例えば、提言では、地方交付税の国への過度の依存を断つべき、交付税の総額を抑制すべきなど、地方交付税を減らすべしという話になっているわけです。

 こうした提言を読むと、私は、非常に問題ありと言わなければなりません。つまり、この提言は、地域主権という名をかりた、単なる交付税の削減ではないのか。この点について、総務大臣の見解を聞いておきたい。

川端国務大臣 先般の、地域主権型の地方税財政のあり方をテーマとしたいわゆる提言型政策仕分けにお触れをいただきました。

 この中においては、国と地方の財政の関係性については、国への依存、国による支配から脱却し、地方の一層の自立を可能とするような仕組みとすべき、もう一つは、地方の税収確保策については、課税自主権を充実強化し、課税自主権の発揮できる地方税目を充実させるべき、さらには、地方交付税制度のあり方については、地方財政計画の抜本的見直しを進めつつ、地方交付税算定の簡素化、透明化等の見直しを進めるべき等の提言がされました。

 地方の自立性を促進していくということは、方向性としては極めて正しい方向であります。そのためには、できるだけ地方交付税に依存することなく、自主的な、みずからの財源である地方税において財政を行うということが理想であることも言うまでもないというふうに思っております。

 しかし一方で、国、地方ともに大幅な財源不足を抱えているという財政状況でございます。そして、地方税収についてはいろいろな、この場でも御議論があったことでありますけれども、地域間格差とか、年度間とかも含めた偏在というのも大きな課題としていつも議論になります。それから、課税自主権の活用にも実質的には一定の限界があるということも事実でございます。

 そういう意味で、地方財政がこのような課題を抱える中にあって、地方交付税は、全国の地方団体が標準的な行政サービスをしっかり行っていただくという部分での制度的担保の財源でございます。大変大事な役割を担っていただいておりますので、私たちとしては、まずは、来年度予算においてはその所要額を一定必ず確保するというのが一番大きな仕事であろうというふうに思っておりますし、今いただいた御提言も参考にしながら、地域主権型のいわゆる地方税財政のあり方についてはさらに検討を進めてまいりたいというふうに思っております。

重野委員 最後に、地方交付税法六条三の二項。つまり、財源不足に陥ったときには、制度の改正、地方交付税法六条三の二項に書いているように、率の変更を行うということがこの法律に定められているわけです。ところが、この間、それを扱うことなくひたすら借金を重ねて、今や、九四年度以降、七十兆円もの財源不足が発生しているという現実があるわけです。

 したがって、私は、もはやそういうふうに臨財債などを発行して財源を集めるというのではなくて、本来の趣旨に立ち返って、交付税法六条の三の二項に基づく法定率の引き上げを求める、そのことを総務省としては強く財務当局に求めていく。そして、やっていい法律があるにもかかわらずそれを使わないという異常な姿を、ここでやはり踏ん切りをつけて、きちっと法律で定められているとおりに求めていく、そういう決意が求められているのではないかと思うんですが、総務大臣。

川端国務大臣 先生言われるように、もう地方財政が恒常的に財政赤字、巨額の財源不足が続いているという中で、六条の三第二項に基づいて交付税率の引き上げで対処するのが一番理想的な形であることは事実だというふうに思います。ただ、財源がないという中で、一般会計からの特例加算あるいは地方団体側の臨時財政対策債の発行ということで今まで賄ってきたというのが現実でございます。

 何らかの形でこの地方財政の収支不足を手当てしなければならないというときに、交付税だけで足りないから二つの仕組みでカバーをするということで、結果的に両方ともに七十兆円程度ずつのある種の負債を抱えているのが現実でございます。今先生御指摘のような御議論と同時に、一方では、先般の仕分けの提案とかで、特例加算をやっていることで何か一般会計に大変負担をかけているような御議論は、これもちょっと不毛の議論ではないのかなというふうに私は思っております。

 そういう意味では、どちらが負担するかというよりも、要するに、国、地方を含めたプライマリーバランスをどう健全化していくのかという一番本質的なところを抜きにして、どこが持つのかという押しつけ合いの議論では何も前に進まないというふうに思っておりますので、国の財政状況、地方財政における財源不足の状況を踏まえて、我々としては交付税率の引き上げを粘り強く主張してまいりたいと思っております。二十四年度の概算要求においても交付税率の引き上げを要求しているところでございます。

重野委員 以上で終わります。

原口委員長 次に、柿澤未途君。

柿澤委員 みんなの党の柿澤未途でございます。時間も押しておりますので、スピーディーに進めたいと思います。

 まず、雑損控除についてお伺いをいたしたいと思います。

 五十嵐副大臣、大変御多忙な中、御出席をいただきまして、ありがとうございます。

 所得税法は、七十二条において、居住者またはその者と生計を一にする配偶者その他の親族で政令で定めるものの有する資産について、災害、盗難、もしくは横領による損失が生じた場合、その損失相当金額の一定部分を、居住者の総所得、退職所得、または山林所得の金額から控除する、こういうふうに雑損控除を定めております。

 その者と生計を一にする配偶者その他の親族で政令で定めるものということについては、所得税基本通達七十二―四において、生計を一にする親族であるかどうかは「それぞれ次に掲げる日の現況により判定する。」ということになっておりまして、資産そのものについて生じた損失について居住者が雑損控除の適用を受けようとする場合は「当該損失が生じた日」、こういうことになっているわけです。ここについてお伺いをしたいというふうに思うんです。

 当該損失が生じた日、こういうことを基準時点とすることの何が問題かということであります。

 通常、生計を一にする親族、扶養親族の場合は、扶養親族に該当するかどうかというのは十二月三十一日時点の現況によるわけです。例えば十二月三十一日生まれの赤ちゃんがいたとして、十二月三十一日時点の現況ということになっていますから、その年の扶養親族に一年分当たるということにみなされるわけですね。ところが、親の雑損控除を例えば子供や配偶者が引き継ぐ、こういう場合では、十二月三十一日の現況ではなくて、先ほど申し上げたような、当該損失が生じた日の現況で判断してください、こういうことになっているのがこの所得税基本通達七十二―四の規定なわけです。

 つまりは、今回、震災が三月十一日十四時四十六分に発生をしました。この震災で被災をして、家も財産も失って、ことしの収入がゼロになった方がいらっしゃるとする。しかし、ことしの一月一日から三月十一日の地震発生までの間、子供の世話にならないで自立して事業を営んでいたという場合、仮にその後、震災避難で例えば子供のところに逃げて、子供と生計を一にすることになったとしても、三月十一日の震災発生前の時点で生計を一にする親族になっていなかったということで、この子供は雑損控除の適用の対象とならない、こういう問題があります。

 地震で資力を喪失して、三月十一日の地震発生後から子供の援助によって生計を立てて、これで十二月三十一日現在の総所得金額が三十八万円以下であれば扶養親族にはその年分該当するわけですけれども、扶養親族には該当しても、雑損控除を引き継ぐことのできる生計を一にする親族には該当しないということになる。

 今回、この雑損控除についても、例えば繰越期間が、控除し切れない場合は三年から五年に延長される、こういう特例的な見直しが行われています。そのことはそのことで評価をしたいと思います。しかし、資力を喪失して今後の収入も当分期待をできないという被災した年老いた親御さんにとって、本人がこの延長の適用を受けたとしても、それほど意味があるものというふうには思えません。

 であるならば、独立している子供の援助を受けて、収入のない親御さん、こういう方々の雑損控除を子供に引き継がせて、子供が税金の還付を受けて、その金額を被災した親御さんの生活に充てる、こういうことができるようにすべきではないかというふうに思います。

 要するに、今回の震災被災者に関しては、生計を一にする親族であるかどうかという基準時点を三月十一日時点の現況というものに置くのではなくて、通常の扶養親族に該当するかどうかの判断の基準日である十二月三十一日、こういうことにすることが、私は、被災者あるいは被災した世帯、生計を一にする親族というのを含めて、こうした方々の生活の再建また復興に資することになるのではないかというふうに思います。

 こうした御指摘を知人の税理士さんから受けました。この点についてぜひお取り組みをいただきたいというふうに思いますが、御見解をお願いいたします。

五十嵐副大臣 ありがとうございます。

 今いみじくも柿澤先生御自身がおっしゃいましたように、雑損控除というのは、災害とか盗難に遭って、担税力、税を担う力が減殺される、減るということに対する調整措置としてそもそも存在するものでございますから、それは、盗難なり災害なりに遭ったそのときの状況から判断をされるということだと思います。

 ですから、生計を別にしていればそれぞれに担税力があったわけですから、被災をされた方が担税力があったものが減殺された、その分を調整しましょうということですので、その後、御一緒になるということであれば、被災に遭っていない方に雑損控除を差し上げるということになってしまいます。税の考え方からいって、雑損控除の本来的な意味を失わせるということになってしまいますので、それは難しいことだと思います。

 ただ、そのほかにさまざまな特例措置を被災者のためには今回設けておりますので、第一弾、第二弾をあわせてお考えいただければ、かなり手厚い税制上の措置が施されている、そうお考えいただきたいと思います。

柿澤委員 未曾有の規模の甚大な被害が生じていて、そして生活に苦しんでいる、こういう方々が多数生まれている。これは、被災者本人に限らず、その被災者を受け入れたそれこそ生計を一にする親族、こうした方々にもその影響は及んでいるんだと思います。

 同じ生計の中で暮らしている方々に向けてしっかりと手当てを施して、その上で今後の生活の基盤をしっかりとつくってもらう、こういうことに資する制度としてこれができているわけですので、結果として、今おっしゃられたように、所得税基本通達の基本的なラインを守って柔軟な対応がとられないというのは、今回の震災の規模ないし被災者の数、こういうことを考えると妥当ではないのではないかというふうに思います。

 また、この議論を聞いていて、そうかなというふうに思った方もいらっしゃるのではないかと思いますので、ぜひ今後もお取り組みを、検討をお願いしたいというふうに思います。

 残る時間が少なくなってしまいましたので、先ほど出た固定資産税評価額の評価がえに関する質問は送らせていただいて、もう一つ固定資産税についてお伺いしたいと思います。五十嵐副大臣、ありがとうございました。

 どうも政府税調で、平成二十四年度の固定資産税評価がえに伴う特例制度の見直しとして、新築住宅の税額を一定期間二分の一とする新築特例から賃貸住宅を除外して自己居住用に限定する、こういう案を総務省が示したというふうに聞きます。また、住宅用地の課税標準額を評価額の六分の一に引き下げている住宅用地特例についても、住宅用地の規模に応じて四分の一、二分の一に引き上げる、こういう見直し案も提示をしているということであります。

 現在の国内の景気状況、また住宅着工件数が経済動向を占う重要な指標であること、さらに、被災地における住生活の再建を自己居住だろうが賃貸だろうが進めていかなければいけない、こういうときであることを考えれば、こうした固定資産税の課税強化策をこのタイミングで打ち出すというのは、住宅着工、住宅需要を冷やして、そして景気にも悪影響を与えるのではないかと思います。

 新築住宅の固定資産税の減額措置というのは、特にこれは被災地においても極めて重要なところがあると思いますので、今後も続けるべきではないかというふうに考えますが、総務省はなぜこういう提案をしたのか、見解を伺いたいと思います。

福田大臣政務官 お答えをいたします。

 新築住宅に関する固定資産税の減額措置については、住宅が不足していた戦後間もないころに創設された特例であるため、賃貸用の住宅、マンションなど、あらゆる新築住宅が特例の適用対象となっております。

 一方、例えばでありますが、所得税、住民税の住宅ローン特別控除など、他税目における主な新築住宅取得促進税制は、適用対象を自己居住用の住宅に限定しているところでございます。

 また、来年度、平成二十四年度、評価がえがありまして、固定資産税そのものが約五千億円強の減額となるということから、こうした見直しによって三千億円程度、ある程度の固定資産税を確保し、二千億円ぐらいは減収になる予定でございますが、そうした事情を踏まえて、総務省からは、十一月八日の政府税制調査会において、本減額措置を自己居住用の住宅に限定するなどの見直し案を提案したところでございます。

 現在、この見直し案について、政府税制調査会でしっかり議論していただいているところであり、今後、適切な結論を得てまいりたいと考えております。

柿澤委員 先ほどの雑損控除のこともそうですけれども、私たちが第一に考えなければいけないのは被災者であり、また国民のことだというふうに思います。そして、現状においてこんな状況であるわけですので、このような、まさに住まいに係る、新築住宅に係る課税強化策を行っていくというのが本当に適切な時期であるかどうか、私は疑問に思えてなりません。

 税制中立を図ろう図ろうとするばかりに、結果的に景気に悪影響を及ぼし、そして国民にしわ寄せを及ぼしている。まさにこれは、官僚主導で物を考える典型的なケースではないかというふうに思えてなりません。

 最後に、いわゆる大阪都構想に関連してお伺いをしたいと思います。

 みんなの党では、大阪都構想の実現に係る議員立法案の検討を既に進めておりますが、一方、大阪以外の政令指定都市でも府県との関係のあり方は課題になっていて、例えば横浜市は、都構想とは別の大都市制度というものを提唱しています。これは、横浜市がいわば神奈川県から分離独立して、基礎自治体と広域自治体、府県の機能をあわせ持つ、こういうイメージのものだと思います。

 これらの動きは、大阪、横浜にとどまらず、また、個別の動きに対してばらばらと状況対応すべきものではないと私は思います。この際、府県と市の再編に関する一般法がある意味では必要になってくるのではないかというふうに思います。それについてお伺いしたいのが一つ。

 もう一つは、野田総理は国会で、大阪都構想について具体的に検討する、こういう答弁をされているようでありますけれども、自治制度を担当するのは総務大臣でありますから、総務大臣に野田総理から具体的な検討指示というものはあったのかどうかお伺いをして、終わりたいと思います。

川端国務大臣 二問、お問いでございますが、後段から答弁させていただきます。

 十一月二十九日の参議院の財政金融委員会で、大阪都構想について総理が発言されたことは承知をしております。

 要約をいたしますと、大阪都構想と先日の選挙結果の受けとめについてというお問いだったようでありますが、一つは、一定の民意として受けとめたい、それから、今後、この都構想についての大阪の中での議論に注視しつつ、具体的に示される中身について検討する必要があることを発言されたというふうに私は理解しております。

 現時点において、大阪都構想について、具体的内容についての国への御提起等々はございません。

 そういう意味での詳細は承知をいたしておりませんが、今お触れいただきましたように、後半のことも含めての答弁でございますが、横浜市なんかが特別自治市構想、まさに、神奈川県から独立して、税金も含めて全部やってしまうというふうな構想も提起がされているのも含めて、地方の都市、特に大都市制度がいろいろな意味で課題を抱え、問題提起をされているということの状況にあるというふうに思っております。

 それで、総理の諮問機関として第三十次の地方制度調査会が動いておりますが、ここにおいては既に、地方自治法の改正の御議論の次に何をするかということの中の諮問としては、地方議会のあり方、大都市問題についての諮問もしてあります。ここにおいて、戦後、指定都市制度については、昭和三十一年の制度開始ですから五十年以上、ほとんど抜本的な改正を加えられていないということも視野に入れながら、これからの大都市のあり方、今提起されているいろいろな、大阪あるいは横浜の問題を含めて幅広く審議もしていただけると期待をしておりますし、そういうようなものも見ながら、我々なりに検討してまいりたいというふうに思っております。

柿澤委員 質問に必ずしもお答えいただいていないんですけれども、野田総理から直接的な指示は現時点では受けていないということでよろしいか。それと、大都市制度について抜本的な検討を加えるということをおっしゃったということで、確認ですが、よろしいか。お伺いいたします。

川端国務大臣 大都市制度においていろいろな課題が提起されているし、今度の選挙も含めてのそれぞれの自治体からの提起もございますが、そういうことを含めていろいろな課題があることは認識をしておりますので、第三十次地方制度調査会においては、総理から既に大都市制度のあり方についても諮問をしているところでありますから、そこにおいてしっかり議論をしていただきたいと思っているということでございます。

 総理からは、直接この問題で私に、今回の選挙を踏まえてということはございません。

原口委員長 柿澤君、もう質疑時間が過ぎております。

柿澤委員 はい。

 スケジュール観の問題として、やはり、選挙結果を受けて形だけリアクションをして、結局たなざらしになってしまいました、こういうわけにはいかないですよということは申し上げて、質問を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

原口委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

原口委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。

 地方税法の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

原口委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

原口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

原口委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前十一時十四分散会


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