衆議院

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第8号 平成26年3月18日(火曜日)

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平成二十六年三月十八日(火曜日)

    午前九時一分開議

 出席委員

   委員長 高木 陽介君

   理事 石田 真敏君 理事 土屋 正忠君

   理事 西銘恒三郎君 理事 橋本  岳君

   理事 山口 泰明君 理事 原口 一博君

   理事 三宅  博君 理事 桝屋 敬悟君

      井上 貴博君    伊藤 忠彦君

      今枝宗一郎君    大岡 敏孝君

      大塚 高司君    大西 英男君

      門山 宏哲君    川崎 二郎君

      木内  均君    小林 史明君

      島田 佳和君    瀬戸 隆一君

      田所 嘉徳君    中谷  元君

      中村 裕之君    長坂 康正君

      福井  照君    松本 文明君

      山口 俊一君    奥野総一郎君

      黄川田 徹君    近藤 昭一君

      福田 昭夫君    上西小百合君

      新原 秀人君    中田  宏君

      馬場 伸幸君    百瀬 智之君

      濱村  進君    佐藤 正夫君

      塩川 鉄也君

    …………………………………

   総務大臣         新藤 義孝君

   総務副大臣        関口 昌一君

   総務大臣政務官      伊藤 忠彦君

   総務大臣政務官      松本 文明君

   国土交通大臣政務官    坂井  学君

   政府参考人

   (総務省自治財政局長)  佐藤 文俊君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房審議官)           羽尾 一郎君

   政府参考人

   (国土交通省道路局次長) 谷脇  暁君

   政府参考人

   (国土交通省航空局次長) 甲斐 正彰君

   政府参考人

   (国土交通省航空局航空ネットワーク部長)     奥田 哲也君

   総務委員会専門員     阿部  進君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月十八日

 辞任         補欠選任

  上杉 光弘君     大塚 高司君

  清水 誠一君     大岡 敏孝君

  湯川 一行君     島田 佳和君

  浅尾慶一郎君     佐藤 正夫君

同日

 辞任         補欠選任

  大岡 敏孝君     清水 誠一君

  大塚 高司君     上杉 光弘君

  島田 佳和君     湯川 一行君

  佐藤 正夫君     浅尾慶一郎君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 成田国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第一二号)


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     ――――◇―――――

高木委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、成田国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として総務省自治財政局長佐藤文俊君、国土交通省大臣官房審議官羽尾一郎君、道路局次長谷脇暁君、航空局次長甲斐正彰君及び航空局航空ネットワーク部長奥田哲也君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

高木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

高木委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。奥野総一郎君。

奥野(総)委員 おはようございます。民主党の奥野総一郎でございます。

 私は、地元は千葉でございまして、成田は隣の選挙区になりまして、ほぼ地元ということでございます。そうした観点から、地元の要望を踏まえて質問をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。

 まず、総務省に伺いたいんですが、今回、この期限をさらに五年間延長するということでありますが、その理由、積み残しの事業があるということ、そして新規事業も盛り込まれるということのようでありますが、この新規事業については、その追加する目的とか効果、そういうことも含めて伺いたい。また、新規事業が本当にこの五年の期間内で終わるのかということもあわせて伺いたいと思います。

関口副大臣 先生の御地元ということでございますけれども、五年間延長の理由でございます。

 成田財特法は、もう御案内のとおり、二十六年三月で失効することとなっておりまして、道路整備等の一部の事業が期限内に完了できない見込みであります。

 また、二十六年度の年間の空港の発着枠、現行二十七万回でありますが、これを三十万回に拡充することなどに伴って、成田空港の周辺地域における道路整備をさらに促進する必要があるということであります。

 このような状況に鑑みまして、引き続き、空港の周辺地域における公共施設等の計画的な整備を進めるために、この法律の有効期限を五年間延長して、国の財政上の特別措置を講じていく必要がある、こうした観点から、五年間延長する理由になったわけであります。

 さらに、新たな事業を追加する理由ということでありますが、千葉県の要望によりますと、年間の発着枠の拡充などに伴って、航空旅客や貨物の増加による空港周辺道路の一層の整備を進める必要があることから、新規事業として、国道一カ所、県道三カ所、さらに市町村道三カ所が見込まれているところであります。

 期限内に完成するのかどうかということでありますが、法延長後に行われる継続事業及び新規事業については、延長後の期限であります平成三十年までには完了する予定でありまして、この成田空港がつくられる経緯というのは、もう地元で十分御承知のあることでありますが、唯一陸上の空港ということで、地域の方々に大変な御協力をいただいた中での取り組みであるということであります。

 以上であります。

奥野(総)委員 今、期限内に終わるということであります。終わらない場合はまた延長という話も出てこようかと思いますが、これは財源の問題もありますので、地元ということを除けば、やはりきちっとその都度その都度、事業内容を見直していくべきだと私は思います。

 一方で、この法律は、今お話がございましたように、過去の経緯もございます。地元に大変な犠牲を強いてきた。成田で大変な闘争を経て今の成田空港があるわけでありますから、そのおわびの意味も一つあるでしょうし、また、実際、この法律によって周辺のインフラ整備が進んだことも事実だというふうに思います。ですから、これまでのところ、私は、この法律については評価をしていきたいと思います。

 一方で、これからも続ける以上は、今ございましたように、三十万回化というのもございます、成田がより発展するということを考えていかなければならない。そうしないと、これまでの犠牲を強いてきたところ、あるいはこれまで多額の税金をつぎ込んできたところが結局無駄になってしまう。より有効活用できるように、今回も国道の四車線化等が入っていますけれども、これが生きるように、やはり成田の位置づけをしっかり考えていかなければならないと思うんですね。

 今、日本は、首都圏の空港枠が、今度、羽田が四十五万回化で大体七十五万回の発着枠になる。これは大体パリの空域と同じ規模であります。ニューヨークとかロンドンは大体百万回、こういうふうに言われておりますね。東京オリンピックもあることですから、百万回を目指して、やはり日本の経済の活性化には努力していかなければならないと思います。そのためにやはり成田はまだまだ必要だと私は思うんですね。

 羽田はやはり拡張性に問題があります。海上空港ですから膨大なコストがかかるわけですね、もう一本滑走路を引こうとすると。やはり成田の強みは、陸上空港でありますけれども周辺に土地があるということ、これをうまく活用して、成田の方が将来拡張性があるということ、そこがメリットだと私は思います。

 一方で、地元の方も大分変わってきておりまして、成田空港をもっと発展させていこうと。例えば、成田市は国家戦略特区に手を挙げています。きょうは問いませんけれども、これはぜひ認めていただきたいですね。医療ツーリズムということで、成田に病院をつくって、世界から来てもらおうということを計画しております。

 また、今話がありましたが、三十万回化、これはなかなかできなかったんですね。地元の騒音問題があって、なかなか発着枠を広げようという動きにはならなかったんですけれども、三十万回化ということにかじを切った。羽田との競争、これは我が政権のときに、いろいろ物議を醸しましたけれども、羽田国際化ということをやった。一つの成果だったと私は思っております。

 しかし、一方で、やはり羽田の方が有利な面もあるわけですね。首都圏に近い、東京に近いということで、最近は羽田ばかり脚光を浴びて、この春も三万回、羽田の発着枠がふえるわけでありますが、成田から羽田に国際線を乗りかえるという動きも出てきております。地元はやはりそこが非常に不安でありまして、ガチンコで競争すれば、羽田に国際空港を奪われてしまうんじゃないか、成田が衰退するんじゃないか、こういう不安もあるわけであります。

 そこで、伺いたいのでありますが、羽田と成田の役割分担、私は、全体百万回化を目指して、それぞれ発展させていくべきだと思いますけれども、政府としてどのようにお考えでありましょうか。

奥田政府参考人 お答え申し上げます。

 成田空港と羽田空港につきましては、両空港の特性を最大限生かし、首都圏空港としての機能を最大化するということを目指しております。

 具体的には、成田空港につきましては、その強みであります国際航空ネットワーク機能を拡充し、国際ハブ空港としての機能強化を図るとともに、国内線との乗り継ぎ機能も強化してまいります。

 一方、羽田空港は、国内航空ネットワークの基幹空港としての機能を果たしつつ、国際線については、昼間時間帯は高需要・ビジネス路線を中心に活用するとともに、成田空港の離着陸が制限されている深夜早朝時間帯に対応し、両空港の役割分担を図っております。

 今後、首都圏の航空需要は国際線を中心に増大が見込まれております。このため、今後の首都圏空港の機能強化につきまして、学者、専門家で構成する小委員会を交通政策審議会航空分科会に設けまして、首都圏空港の機能強化に関する技術的な選択肢の洗い出しを行っているところでございます。

 成田空港は、今後、国際線相互間の乗り継ぎ、LCCや貨物便の受け入れなど、羽田空港では対応できない機能を果たすことが期待されております。そのため、小委員会の検討結果を踏まえ、成田、羽田両空港がともに発展し得るような役割分担のあり方について、関係者と議論をしてまいりたいと考えております。

奥野(総)委員 今お話ございましたけれども、やはり、成田の方が周りに土地もあって、倉庫もつくりやすい、貨物の乗り継ぎにも使える。あるいは、今言ったLCCのターミナルも、今建設をしていただいております。そこを成田の強みとしつつ、国の方も御支援いただきたいと思います。

 一方で、先ほど申し上げましたように、成田の弱みというのは、やはり東京から少し遠いということなんですね。ですから、相互に発展させるためには、その弱みを逆に成田については補っていかなければならないと思うわけですが、そうすると、アクセスを向上させなければならないということになります。

 成田と都心とのアクセスを改善すべきということで伺いたいんですが、鉄道の都心直結線の話がございます、成田から都心に直結して乗り入れていこうと。都心直結線の計画について伺いたい。

 それからもう一つ、圏央道、これは今、大栄のインターの建設がおくれています。圏央道がつながれば、より北関東あるいは千葉の南の方からも成田へのアクセスがよくなるわけでありますが、この整備を急ぐべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。

羽尾政府参考人 お答えさせていただきます。

 経済のグローバル化が進むとともに、アジア地域の経済が成長する中、東京がアジアの拠点として発展していくためには、都心と我が国の玄関口であります成田空港、羽田空港とのアクセスの改善というのは非常に重要であると認識しております。

 そのため、国土交通省では、都営浅草線の押上駅から泉岳寺駅の間を大深度地下を利用した鉄道新線で結び、東京の丸の内側で新駅をつくる都心直結線の調査検討を進めているところでございます。都心直結線が実現いたしませば、都心と国際空港との間のアクセスは、成田空港へは三十六分、羽田空港へは十八分と現在よりも大幅に改善され、首都圏の国際競争力の強化に大きく資するものと考えております。

 都心直結線につきましては、今年度、ボーリングによる地質調査等を行ってきたところでございますが、今後は、さらに、事業化に向けて、建設計画の具体化や事業採算性の検討を進めてまいりたいというふうに考えております。

谷脇政府参考人 圏央道についてでございますけれども、圏央道は、首都圏の慢性的な渋滞の緩和に大きな役割を果たしますとともに、既に、沿線に工場でございますとか物流施設が数多く立地し始めております。また、埼玉県とか神奈川県から都心を通らずに成田空港へのアクセスを確保するルートということでも非常に重要な道路であるというふうに考えております。

 今御指摘のございました大栄ジャンクションから松尾横芝インターチェンジの間につきましては、平成二十年に都市計画決定をしたところでございまして、ことしの一月に用地買収に着手をいたしました。今、用地買収に入ったところでございまして、まだ進捗していないということで、現時点で具体的な開通時期をお示しできる状況にはございませんけれども、引き続き、関係自治体の御協力をいただきながら、早期整備に向けて全力で取り組んでまいります。

奥野(総)委員 こういうところにこそきちんとお金を使っていただきたいと思うんですね。公共事業を全国というよりは、やはり効果のありそうなところにきちんとやることが、私は成長戦略につながると思います。ぜひここは前倒しをお願いしたいんですが、あわせて、成田の三本目の滑走路という話がございます。

 今、新聞紙上を見ると、羽田に五本目の滑走路をつくろうということが大きく取り上げられていますけれども、実現性を考えたとき、コストを考えたときに、アクセスをきちんと整備すれば、成田の三本目の方が、地元の合意さえ得られれば、コストパフォーマンスは高いと思うんですね。用地の問題もありますし、周りの土地の発展性を考えれば、成田の三本目の滑走路の方が実現性は高いと思うんです。

 我が党の方でも、私、成田空港ハブ化推進議連の事務局長を党の方でやっておりますけれども、昨年、そこで提言を国交省の方にさせていただきまして、三本目の滑走路ということで提言を持っていかせていただきました。また、地元の方からもそういう要望が出始めています。これは従来ならなかなか難しかった話でありますけれども、成田の側もそういう機運が出てきているわけであります。

 三本目の滑走路も含めて、成田空港のさらなる発展ということについて、機能強化に向けてどのように取り組んでいくのかを伺いたいと思います。

奥田政府参考人 先ほども御答弁申し上げましたけれども、首都圏空港の機能強化につきましては、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック、さらにはその先を見据え、特段の制約を設けず、あらゆる角度から技術的な選択肢について検討しているところでございます。

 具体的には、交通政策審議会に小委員会を設け、技術的な選択肢を洗い出しておりますが、この検討の中で、滑走路の増設につきましても御議論いただいているところでございます。

 小委員会において技術的な選択肢が取りまとめられた後、関係者との議論の場を設け、具体的な方策について合意形成を図っていく予定でございますが、先ほども申し上げましたように、成田空港及び羽田空港については、両空港の強みを最大限生かして、首都圏空港としての機能を最大化することを目指してまいりたいというふうに考えております。

奥野(総)委員 冒頭に申し上げましたけれども、この法案をさらに継続する以上は、やはり既存のインフラが有効に生きるように、またさらに今回投資するお金が生きるように、成田の発展を考えていただかなければならないと思います。

 そのためには、きちんと位置づけをして、アクセスの問題、あるいは空港自体のインフラ整備の問題について総合的に御判断いただきたいと思うんですが、きょうは政務官がお見えでございますけれども、国交省として、オリンピックもございます、前倒ししてオリンピックに向けてぜひお願いしたいんですが、いかがでしょうか。

坂井大臣政務官 委員御指摘のように、首都圏空港、そして成田空港の機能強化は大変重要だと思っております。

 しかしながら、今、国土交通政策審議会の小委員会のもとで選択肢の洗い出しということを政府参考人の方からもお話がありましたが、今いろいろな洗い出しをしていただいているところでございまして、中には中長期に時間のかかるものもございますし、中には二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックに間に合わせてやるべきだというものもあろうかと思います。

 中長期でやるものもしっかりと計画に入れながら、また、二〇二〇年に間に合わせるべきものに関しましては、可能な限りそれを実現するべく最大限の努力をしていきたい、このように思っております。

奥野(総)委員 ぜひお願いをいたします。

 それからもう一つ、羽田の拡張に伴って、千葉県では騒音問題が起きています。これについてちょっと最後に伺いたいんです。

 本来なら東京都の上空を通って羽田に着陸する、あるいは神奈川の方から着陸するべきものですが、成田空域の問題、また東京都は上空を飛ばせないということをしておりまして、全部千葉県で引き受けております。千葉市の上空を通って全て羽田の方に、これは夏場、南風のときは全て千葉市の上空を通って、旋回して羽田に着陸する、こういうふうになっておりまして、羽田の滑走路の増設に伴って、騒音問題が、苦情がたくさん出てきております。

 今、国交省の方で、高度の引き上げというのをお願いしていますが、南ルートについては引き上げになったと思っていますが、北ルートの引き上げ、北海道、東北地方から来る北ルートの引き上げについて、これはどうなっているでしょうか。この三月にもと伺っていますが、実行されているんでしょうか。

奥田政府参考人 お尋ねの南風好天時におけます北側進入ルートの高度引き上げ試行の運用につきましては、かねてより御要望がございまして、昨年十一月には、羽田再拡張事業に関する千葉県・市町村連絡協議会から文書での御要望もいただいたところでございます。

 国土交通省といたしましては、このような要望を受け、作業の前倒しに努めまして、今月末の国際線の増枠を待たず、今月六日から試行運用を開始することを、先般、協議会に対しても回答させていただき、現在、試行運用を開始しておるということでございます。

奥野(総)委員 試行が始まったということで理解をさせていただきます。

 最後、ちょっと大臣に伺いたかったのですが、時間がなくなってしまいましたので、これで終わりたいと思います。ぜひよろしくお願いいたします。

高木委員長 次に、新原秀人君。

新原委員 ありがとうございます。日本維新の会の新原秀人でございます。

 本日は、国庫補助負担率のかさ上げ、つまり補助金行政ということを続けることの妥当性ということについて質疑したいと思います。

 かねてより、日本維新の会は、補助金行政からの脱却という理念を掲げておりまして、国と地方の関係について、補助金を原則廃止して、使途を定めない、つまり交付税化することについて我々は求めておりますけれども、そういった方向について今後どのようにお考えか、まず総務大臣にお聞きします。

新藤国務大臣 この国庫補助負担金につきましては、平成二十一年であります、地方分権改革推進委員会の第四次勧告において、地方自治体の事務として同化、定着、定型化しているものを原則廃止し、一般財源である地方交付税等による財源措置にかえていくべきとされていることを踏まえて、その整理合理化を行って、地方自治体の自由度の拡大に努める必要がある、このように考えております。

新原委員 ありがとうございます。

 やはり、道州制といいますか地方分権という意味からも、そういった方向で、地方にそういった自由度といいますか選択権を与えていただきたいと我々は求めております。

 そういった中で、これは資料一にもありますけれども、平成元年十二月二十九日の閣議決定で、「補助率について、答申の指摘に沿って、これまでの見直し成果等を踏まえつつ、体系化、簡素化の観点を含め総合的見直しを推進する。」との決定がなされております。

 この総合的見直しの対象として今回の法案は当たらないかといいますと、結局、延長、延長、延長と来ております。後でも質問させていただきますけれども、延長だけでは、逆に、五年じゃなくて十年、十五年と決めて、この間にやるという意味でのいわゆる期限も決めなければ、結局はだらだらとやってしまう、そう言っているうちに、発着枠の拡大等で新規事業も出てくるということで、これはどんどん継続的に新しい事業が出てきては延長されているということですね。

 だから、そういった意味の総合的見直しを何らか行われているのか、その点は、今回の法案についてはどのようにお考えなんですか。

関口副大臣 まず、御質問いただきました、平成元年の十二月の閣議決定で、補助率についての答申の指摘に沿って、これまでの見直し成果等を踏まえつつ、体系的、また簡素化の観点を含め総合的な見直しを推進するという決定がされたけれども、今回の法案はこれに当たるのかどうかという御質問であるかと思います。

 国庫補助率については、平成六十年度以降、厳しい財政状況を踏まえて暫定的に引き下げていたところでありますが、御指摘の閣議決定等を踏まえ、国と地方の機能分担、費用分担のあり方を勘案しつつ、総合的な見直しを行いまして、その内容を盛り込んだ国の補助金等の整理及び合理化等に関する法律案が提出され、平成五年の三月に成立をいたしまして、翌四月に施行されたところであります。

 その際、地域特例については、暫定措置のもとにおける基本補助率等に対するかさ上げ幅を維持することを基本として見直しの上、恒久化措置を講じることとされました。これに基づき、この成田財特法を含む地域特例法についても所要の見直しが行われて、現在に至っているというのが現状であります。

新原委員 ありがとうございます。

 そういった意味で、今の財政状態からいいまして、そういった努力を続けていただきたいと思います。

 今回のかさ上げ見込み額は、新規と継続を合わせて約十八億円となる見込みでありますけれども、こういったように何度も延長を重ねているんですけれども、今回も五年で終わる見込みということで、結局、計画がどんどんどんどん延長しております。この金額について、先ほどのように、圧縮努力等についてどのようなことが具体的にされ、実際五年間で終わる見込みで本当にやるのか、その点についてお聞きしたいと思います。

関口副大臣 その前に、先ほどの答弁で、私、平成六十年と申し上げましたけれども、昭和六十年ということで訂正をさせていただければと思います。

 今御指摘をいただきましたとおり、成田空港については、これまでも、地元の理解のもと、我が国を代表する国際拠点空港として発展してきており、成田財特法についても、空港整備に伴う状況の変化を踏まえ、周辺の公共施設についても引き続き整備を行う必要が認められ、これまで六回にわたって延長してきたところであります。

 整備計画について、先生は、延長して、しっかり精査しないと、それが無駄と言うとおかしいんですが、しっかり精査できているのかどうかということであるかと思いますが、成田財特法第二条に基づいて、千葉県知事が案を作成して総務大臣に提出して、計画案の提出を受けた総務大臣が主務大臣と協議して決定することとされておりますが、この手続の中で、個々の事業の必要性等を勘案しつつ、かさ上げ事業の精査に努めているところでありまして、整備計画についてはしっかりと対応させていただいているというのが現状であります。

新原委員 ありがとうございます。

 そういった意味で、成田という空港、関西を例に挙げますと、大阪空港を廃止ということが一度決まったんですけれども、結局、廃止することになれば、それまで、出ていけ出ていけ、空港は廃止せいというふうな意見だったのが、急に変わりまして、大阪空港延長という話に地元が変わってきた。そういった雰囲気が成田にもあるような感じはいたします。

 それはそれでいいと思うので、ただ、せっかく税金を使ってつくったインフラといいますか空港なので、これは絶対に、今後これを無駄にすることの方がやはりだめだと思いますので、そういった活用をしていかなあかんと思います。

 となると、関西では、要望として、私は神戸ですので、神戸空港も含めた三空港一体を我々は望んでおりますけれども、関空と伊丹はもう一体運用されることになりましたので、そういった意味で、今後、羽田そして成田、これは一体運用といいますか、それぞれある程度ライバル的なところはあると思うんですけれども、もうライバルという意識は捨てて、今、羽田の方で発着枠をふやそうとしていますので、どういった意味で税金をどのように使うのが、首都圏の空港が発着枠をふやす等についても一番いいのか、そういったことを考えていっていただきたいと思います。やはりそういった意味での税金の使い方ということが必要だと思います。

 と考えると、今度発着枠が三十万回になりましたけれども、今度、千葉、成田の人については、もちろん滑走路をもう一つふやしてほしいという要望も、先ほども奥野委員からもありましたように、羽田も求めておるというふうなことで、そういった今後の成田の整備計画について、これは担当が違うかもしれませんけれども、大臣としてはどのようにお考えになっておりますか。

 このかさ上げ措置といいますか、どのような形で、そういった質問しかできませんので、補助金としては、補助率のかさ上げ措置については、できるだけ早く解消して、一体空港の中でできるだけ減らしていくべきじゃないかと考えているんですけれども、その点については、大臣、どのようにお考えでしょうか。

新藤国務大臣 この法が延長された後の周辺公共施設の整備というものは、空港周辺の地域整備計画に基づいて進められるということになります。

 千葉県の要望であれば、今回おくれているものが継続事業で、県道で三カ所、町道一カ所及び下水道二カ所ということで、このおくれているものについて、延長して対処させてもらいたいというのが一つです。もう一つは、新規として、国道一カ所、県道三カ所及び市町村道三カ所、こういったものが、新たな発着枠の拡大を見越して、必要な整備として出てきている。

 したがって、成田空港の拡張、それから整備、そして周辺整備計画、こういったものの一環の中で、この制度を使って、趣旨としては法をつくったときと同じ趣旨で整備が行われるものですから、それについてはかさ上げの延長もしていく、こういうことになるわけであります。

 いずれも、現状の事業は、この法改正後の期限である平成三十年度末に完了する予定である、こういうことで今回の計画が組まれているわけであります。

 しかしながら、今委員もおっしゃいました、私も、また国会議員であればみんな同じ考えだと思いますけれども、今この日本の空港行政、これは諸外国に比べてどういう状態になっているのか。例えば、韓国の仁川ですとかシンガポールですとか、そういった、私どもよりもはるかに小さな規模の国においても、我々のこの空港をしのぐ、そういった国際旅客また貨物の取り扱いをやっているところがございます。これは世界経済の中の一環として、日本のそういう空港というものをどう位置づけるかという観点も必要だと思います。

 ですから、成田と羽田、首都圏が一体となった運用の中で日本のそういう航空行政の機能強化をしなければならないというのは、国是だと思います。ですから、その中で必要な計画がさらに出てくれば、それに対しての対応というものはしていかなければならないと思いますし、国家戦略特区のこともございます。それから、何よりもオリンピック、パラリンピックという六年後の節目もあります。

 ですから、そういったものを見据えながら、我々は、国力を強化するためにも、ここは物流の拠点としての基幹でありますから、こういったものについてはしっかりと検討を加えながら、必要な措置は講じていくべきだ。委員が言うように、もちろん無駄や、意味のないものをつくるつもりは毛頭ないし、それはあってはならないことでありますが、一方で、国際競争の中で日本の航空行政というものも考える、この双方の視点が必要ではないかと考えます。

新原委員 ありがとうございます。

 まさに、そのように国際的な空港は必要だと思うんですけれども、ただ一つ懸念がありまして、羽田―大阪というのは、リニアができると非常に便数なり乗客は減ると思うんですよね。

 だから、将来的に見据えて、羽田の国内枠はかなり大阪は減っていくと思いますので、そういった意味で、やはり成田と羽田と一体的に、言ってみたら、二つで、新しい滑走路をどちらかにつくらないと本当にだめなのか。もしつくるぐらいなら、早くリニアをつくって、結局、飛んでくる枠を減らせば、それによって新しい滑走路も要らなくなりますので、そういったことも、今後、いわゆる補助率ということの総務省的な考え的にそういった意見も言っていただいて、そういった意味で、この首都圏の空港行政についても、羽田と成田、両方ともウイン・ウインで頑張って応援していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 本日はありがとうございました。

高木委員長 次に、佐藤正夫君。

佐藤(正)委員 おはようございます。みんなの党の佐藤正夫です。

 きょうが一番拍手が多かったような気がします。ありがとうございます。

 成田財特法、今回でもう七回目ということで、今も民主党、維新の会、それぞれ質問を聞いていましたけれども、大体よく似通ったような質問になろうかと思います。私もそうなると思いますが、その前に、この財特法については我々みんなの党は賛成ということをまず明言させていただいて、指摘するところは指摘をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。

 これまでの国会の中での審議をずっと聞いていますと、財特法はいつまで続くんだろうかというような視点が大体多かったと思います。

 そういう中で、平成元年に閣議決定で、補助率のかさ上げ等特例措置について総合的な見直しを行うというふうになっておるわけでありますが、まず、総合的な見直しというのはどういうことをやられたのか、今、現政権においてどう考えられているのか、お尋ねしたいと思います。

関口副大臣 新原委員の答弁と重なる部分があるかと思いますが、御了承いただければと思います。

 昭和六十年度以降、厳しい財政状況を踏まえて、国庫補助率は暫定的に引き下げてまいりました。閣議決定等を踏まえて、国と地方の役割分担、機能分担、費用分担のあり方を勘案しつつ、総合的な見直しを行ってまいりまして、その内容を盛り込んだのが国の補助金等の整理及び合理化等に関する法律案で、提出されまして、平成五年三月に成立し、翌四月に施行されたところであります。

 どんなふうな形で変わってきたのかということであります。地域特例について、成田財特法も含めて所要の見直しを行ってきたということでございますが、これはどのような見直しを行ったかということであるかと思いますけれども、公共事業の補助率等については、直轄事業に係るものを基本は三分の二として、補助事業に係るものは二分の一を基本として見直すということが大きな柱になっております。

佐藤(正)委員 卵が先か鶏が先かというような話になるのは、先ほど総務大臣が言われたように、私も、例えば仁川が建設されるときにも見に行ってきましたけれども、早いんですよね、早くて、大型で、そして安くて。ですから、アジアの物流拠点は日本じゃできないんじゃないかということを常々感じておりました。福岡でも、九州で一つの大きな国際空港を集約してつくろうというようなこともありましたけれども、日本という国は地域を大事にするということもありまして、なかなかかじ取りが難しいのも現実であります。しかし、世界戦略から考えると、やはりそこは国策として決断をしなきゃならないことが実は緊要だと私は思います。

 そこで大事なのは、地方とどういう合い議をするかということでありますが、今回の成田財特法にしても、結果的に、県知事さんが市町村さんの意見を聞いて、整備事業をこういうのをやりたい、そして総務大臣にお出しをして、そして主務大臣と一緒に協議をする。しかし、空港というのは、実は大きな視点からいうと、私が先ほど申し上げた、総務大臣が言われたように、国策なんですよね。国がやはりある程度のものを示さないといけないということが大事なんです。

 ですから、成田財特法でこうやってかさ上げをやっていくことが延々と続くことが本当にいいのかどうなのか。やはり、もうそろそろ国として成田空港の方向性を明確にきちっとして、こういう地域をつくるということがないと、その都度、やはり時代は変化しますから、いろいろなことが出てくると思うんですね。そうすると、またこれをずっと延長していく。なかなか、これはエンドレスじゃないかと思いますね。先が見えない、本当に、イタチごっこと言ったら失礼ですが、難しい判断だろうと思います。

 そこで、大臣、もうあと少ししかありませんけれども、財特法は今必要であるということは先ほど我々は申し上げましたけれども、これは別に置いて、大臣からもう一つお聞きをしたいのは、国策としての空港行政をどのように大臣は今後、通知していませんが、先ほどの答弁を聞いていますと、大臣とはその辺の議論ができるんだろうと思っておりますので、総務大臣として、この成田も含めて日本の航空行政、エリアは別かもしれませんが、お考えを聞かせていただきたい。

 それと、もう一つだけ。やはり空港というのは、私は間違ってきた点が多々あると思うんです。それは、地方の小さな空港を地方の要望によってつくってきたんですね。結果的にそれが地方の足かせになっているということも現実としてあります。

 私が台湾に行ったときのことですが、台湾の方々から言われたのは、何で日本はあんないっぱいちっちゃな空港があるんだと。台湾から見ると日本国は一個であって、簡単に言えば、羽田とか成田だとか関空だとか、そういった基幹の空港をもっと大型化すべきじゃないかというようなことも指摘をされたことがあります。

 いろいろな意味で大臣の考えを聞かせていただいて、質問を終わりたいと思います。

新藤国務大臣 私の所管外でありますが、しかし、閣僚として、また、その前に一国会議員として、やはり、日本の、これからどうやって国を成長させていくかという中において、国際物流の拠点をきちんと形成しておくというのは、これは死活的重要事項だと思います。

 まず第一にやるべきは、世界の航空行政に対して我が国がどういう状態にあるかということを、全員、なるべく国民の皆さんにもっと認識してもらうようにした方がいいのではないかと思うんですね。

 それは、航空行政だけではなくてそのほかもそうなんですが、今まで日本は、国内である程度のことができちゃうんですよ。ですから、ガラパゴス化と言われるものが代表的でありますが、いろいろな業界も、国内で勝負をすれば生き抜いてこられた。しかし、今、世界はどんどん変わっていて、私たちの国も変わらざるを得なくなっていて、これからはいかにワールドワイドにこの国の力を生かしていくかということになるわけです。それは、まず、自分たちの客観的位置、それから自分たちの国の課題というものを知るべきだと思うんです。

 ですから、空港行政は地方に、地域の地方自治にも大きく絡みますから、これを、国策だからといって、地方の意向ではなく国が直轄でやればいいとは私は思っておりません。だけれども、何のためにやるのかということがきちんとしっかりすれば、それをあとは、国の役割、地方の役割をそれぞれ果たしていただいて、当然のごとく事業は進む。

 空港の規模や取り扱いの件数は、何を目標として設定すべきかということが、私たちの、少なくとも今までの設定をはるかに超える世界の物流の動きがあるのに、我々はそこに、他国に少しおくれをとっている状態だということであります。

 一方で、日本の安全性や効率性というものは、これは決して捨てたものではありません。ですから、まだまだたくさん我々はチャンスを持っているというふうに思いますから、これから新たにつくる交通計画の中で、全国を、飛行機、航空路と鉄道網と道路網、これをどうリンクさせるかというのはもう少し視野を変えたらどうなのかな。今、成田と東京でとか、大阪と関空といいますけれども、そもそも一つに考えたらもっと有機的な連携ができるんじゃないかとか、いろいろな策があるのではないか。

 これは全くの私見でありますけれども、いずれにしても、そういう大きな視点と、そしてそれを地方と共有するということで、私は行政を進めていくべきだと思っています。

 かさ上げ措置は、決して無駄なものを特別にやっているわけではなくて、趣旨そのものは、空港を整備する際に、国のために自治体も貢献していただくのだから、特別にプラスかさ上げをしようということですから、私は、必要なものはきちんとつければいい、このように思っております。

 何よりも、今我々は、これは待ったなしの問題として取り組まなければいけない国の足腰の問題でありますから、しっかりと政府全体で対応していきたい、このように考えております。

佐藤(正)委員 終わります。

高木委員長 次に、塩川鉄也君。

塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。

 成田財特法改正案は、成田国際空港の離着陸回数の増大などにより周辺地域のインフラ整備が必要となっていることから、五年間延長するものであり、我が党も賛成であります。

 今回は、首都圏空域の問題を取り上げます。

 国交省は、成田空港を含む首都圏空港のさらなる機能強化に関する検討を行う検討会を立ち上げております。

 資料を配付させていただきましたが、その資料の一枚目に、見ていただくと、首都圏の航空需要予測が書いてあります。

 下の方を見ていただくと、航空需要予測のポイントが書かれておりますが、アンダーラインの部分を読み上げますと、「今後とも、首都圏空港の航空需要全体(国際・国内の合計)は増加傾向。」「特に、国際線需要は大幅に増加。」「概ね二〇二〇年代前半には、首都圏空港の航空需要全体は、現在計画中の空港容量(七十四・七万回)の限界に達する見込み。」としております。

 一方、空港の容量にはさまざまな制約要因があります。その一つが、米軍が航空機の進入管制を行っている横田空域であります。

 資料の二枚目をごらんいただきますと、この検討会の資料として、上の方には飛行経路が挙げられております。真ん中に羽田、成田の空域がありますが、東側に百里空域、西側に横田空域が存在をしております。

 国交省にお尋ねをいたしますが、ここにありますように、検討会において、空港の容量の制約要因として横田空域が取り上げられておりますが、その理由は何でしょうか。

甲斐政府参考人 お答えいたします。

 技術検討小委員会におきましては、今後予想されます首都圏空港の需要増大に対応するため、現在、技術的観点を含めまして、あらゆる角度から検討を進めているところでございます。

 その中で、首都圏空港のさらなる容量の拡大に対応するため、羽田空港の飛行経路の設定の仕方につきましても検討を行っているところでございます。その観点から、横田空域との関係、また環境への対応など、これらについては重要な考慮事項として認識をしているというところでございます。

塩川委員 この検討会の議論の中でも、委員の発言として、議事要旨の中にも、飛行ルートを変更する際に、横田空域の存在による高度制限が影響すると思われるため、将来的には横田空域の見直しに関して米国との調整が必要となる、このように述べております。

 横田空域は、今後の航空需要拡大の際の障害となっております。航空需要の拡大とともに空の危険も増している現状にあります。

 エアラインの労働組合の航空連合の産業政策提言二〇一一―二〇一二では、このように述べております。

 日本の航空管制は、民間空域は国土交通省、自衛隊空域は自衛隊、米軍空域は米軍がそれぞれ別々に担当しているため、極めて複雑なものとなっています。そのため、国土交通省管轄の管制機関と米軍の管制機関との間の情報伝達が煩雑であるばかりか、計器飛行方式で飛行する民間機と、有視界飛行方式で飛行することの多い自衛隊機、米軍機が狭い空域に多数混在することから、危険性が指摘されています。関東地方は、羽田、成田の二大民間空港と米軍の横田、厚木基地、自衛隊の百里飛行場など空港が混在しており、世界でも有数の混雑空域となっていますと、航空の専門家からの指摘もあります。

 横田空域の存在が、過密、危険な空域の大きな要因となっております。国土交通省に求めますが、このような過密、危険な空域の原因となっている横田空域は、全面返還を求めるべきではありませんか。

甲斐政府参考人 お答えいたします。

 横田空域につきましては、国の取り組みといたしまして、平成十八年十月に、当時進めておりました羽田空港の再拡張事業に合わせまして、大幅な空域の削減に関しまして日米間で合意いたしました。平成二十年の九月から、これら削減された空域に係ります管制権限が日本側に移管されたところでございます。

 この結果、羽田空港から出発する航空機に対する管制の容量が拡大いたしまして、また、飛行経路の短縮化も図られたところであります。

 当面の羽田空港の交通容量を処理するには十分なものとなったところではございますが、今後の横田空域のさらなる返還につきましては、先ほどの技術検討小委員会での検討状況も踏まえまして、引き続き、関係省庁と協力しながら検討してまいりたいと思っております。

 以上です。

塩川委員 日本の空の航空機の交通整理を行う航空管制は、いまだに米軍が握っている場所がある。それが、西の方でいえば岩国の進入管制空域であり、この首都上空にあります横田の進入管制空域となっております。

 首都圏上空では、民間機を含めて航空機の出入りを米軍が管理する空域が、この二枚目の地図の下、左側にありますように、新潟県から伊豆半島まで広範囲に広がっているわけであります。

 米軍横田空域は、首都圏の空の過密化を招き、航空機の安全確保にも支障を来しているだけではありません。恒常的な群馬上空の米軍機の低空飛行訓練の被害をもたらし、これは厚木に来る空母の艦載機が群馬上空で低空飛行で騒音被害をまき散らしているわけですけれども、また、横田に所属をする米軍のC130の編隊飛行訓練が首都圏全域でも行われているわけであります。

 首都に外国軍基地があること自体が異常であります。横田空域の返還を強く求めるべきでありますし、このような戦後続く米軍特権こそ撤廃をすべきだ。

 大臣にお尋ねしますが、日本の首都の上空を外国軍が航空管制をしている、主権が回復されていない事態がいまだに続いていることを異常だと思いませんか。

新藤国務大臣 外国との交渉につきましては、外務省そして官邸がおやりになっているわけでありまして、それはつかさつかさできちっとした国としての交渉をすべきだ、このように考えております。

 あわせて、首都圏空港のさらなる容量の拡大方策、この検討の際に、羽田空港の飛行経路の設定、これは非常に重要な考慮事項だと先ほど国交省からもお話がありました。まさに重要な観点でありますから、きちんとした検討が必要ではないか、このように考えております。

塩川委員 寂しい答弁ではありましたが、改めて米軍横田基地の全面返還を強く求めて、質問を終わります。

高木委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

高木委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。

 成田国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

高木委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

高木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

高木委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前九時五十三分散会


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