衆議院

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第35号 平成23年8月10日(水曜日)

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平成二十三年八月十日(水曜日)

    午後一時三十分開議

 出席委員

   委員長 石田 勝之君

   理事 泉  健太君 理事 大串 博志君

   理事 岸本 周平君 理事 古本伸一郎君

   理事 鷲尾英一郎君 理事 竹下  亘君

   理事 山本 幸三君 理事 竹内  譲君

      東  祥三君    網屋 信介君

      五十嵐文彦君    石津 政雄君

      今井 雅人君    江端 貴子君

      小野塚勝俊君    奥野総一郎君

      柿沼 正明君    勝又恒一郎君

      木内 孝胤君    小室 寿明君

      小山 展弘君    近藤 和也君

      菅川  洋君    玉木雄一郎君

      豊田潤多郎君    中塚 一宏君

      中林美恵子君    三村 和也君

      水野 智彦君    皆吉 稲生君

      宮崎 岳志君    向山 好一君

      柳田 和己君    和田 隆志君

      今津  寛君    齋藤  健君

      竹本 直一君    徳田  毅君

      西野あきら君    野田  毅君

      茂木 敏充君    山口 俊一君

      斉藤 鉄夫君    佐々木憲昭君

    …………………………………

   内閣総理大臣       菅  直人君

   財務大臣         野田 佳彦君

   内閣府副大臣       東  祥三君

   財務副大臣        五十嵐文彦君

   厚生労働副大臣      小宮山洋子君

   農林水産副大臣      筒井 信隆君

   内閣府大臣政務官     和田 隆志君

   参考人

   (日本銀行総裁)     白川 方明君

   財務金融委員会専門員   北村 治則君

    ―――――――――――――

委員の異動

八月十日

 辞任         補欠選任

  岡田 康裕君     皆吉 稲生君

  玉木雄一郎君     向山 好一君

  松原  仁君     水野 智彦君

  村田 吉隆君     西野あきら君

同日

 辞任         補欠選任

  水野 智彦君     宮崎 岳志君

  皆吉 稲生君     奥野総一郎君

  向山 好一君     玉木雄一郎君

  西野あきら君     村田 吉隆君

同日

 辞任         補欠選任

  奥野総一郎君     石津 政雄君

  宮崎 岳志君     小室 寿明君

同日

 辞任         補欠選任

  石津 政雄君     岡田 康裕君

  小室 寿明君     松原  仁君

    ―――――――――――――

八月九日

 国税通則法の改悪反対・納税者の権利確立に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第二一八二号)

 消費税の増税に反対し、公正な税制実現を求めることに関する請願(佐々木憲昭君紹介)(第二一八七号)

 消費税の増税反対、食料品など減税に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第二二〇七号)

 同(笠井亮君紹介)(第二二〇八号)

 同(穀田恵二君紹介)(第二二〇九号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第二二一〇号)

 同(志位和夫君紹介)(第二二一一号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第二二一二号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第二二一三号)

 同(宮本岳志君紹介)(第二二一四号)

 同(吉井英勝君紹介)(第二二一五号)

 同(赤嶺政賢君紹介)(第二二二三号)

 同(笠井亮君紹介)(第二二二四号)

 同(穀田恵二君紹介)(第二二二五号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第二二二六号)

 同(志位和夫君紹介)(第二二二七号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第二二二八号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第二二二九号)

 同(宮本岳志君紹介)(第二二三〇号)

 同(吉井英勝君紹介)(第二二三一号)

 同(吉泉秀男君紹介)(第二二五五号)

 消費税増税をやめ、暮らしと経営を守ることに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第二二三六号)

 同(笠井亮君紹介)(第二二三七号)

 同(穀田恵二君紹介)(第二二三八号)

 復興財源を理由にした消費税増税反対に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第二二五三号)

 同(赤嶺政賢君紹介)(第二二八四号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 参考人出頭要求に関する件

 平成二十三年度における公債の発行の特例に関する法律案(内閣提出第一号)


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     ――――◇―――――

石田委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、平成二十三年度における公債の発行の特例に関する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、参考人として日本銀行総裁白川方明君の出席を求め、意見を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

石田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

石田委員長 これより内閣総理大臣出席のもと質疑を行います。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。岸本周平君。

岸本委員 岸本周平でございます。(発言する者あり)ありがとうございます。

 本日は、締めくくり総括の審議の場で質問の機会をいただきまして、委員長初め関係各位にまず感謝を申し上げたいと思います。

 その上で、特例公債法案の審議でありますけれども、実は、昨年も私は質問に立たせていただきました。その際は、当時、菅直人財務大臣に質問をさせていただきましたが、それが二月の二十四日でありました。本日は既に八月十日であります。本法の国会審議がおくれてまいりましたことにつきまして、一国会議員として大変遺憾に思っていることをまず申し上げたいと存じます。

 衆議院と参議院がねじれている現状におきまして、政府が法案を通すために野党への譲歩や説得が必要であり、もちろん、民主主義のプロセスとして、それに時間がかかることは当然であります。しかしながら、新年度が始まって五カ月近くもおくれましたのは一体なぜなのか。私は、政府にも責任があるとともに、私ども立法府の責任も含めて、これは問われなければならないと考えます。

 特例公債法案が審議されてこなかった理由は、もちろん、東日本大震災への対応や政府部内の混乱など、個別にはいろいろあるかと存じますが、しかし、最大の理由は、一般会計の歳出の半分しか税収で手当てできていないという大変厳しい財政状態に対して、私ども国会議員の認識が非常に薄いということではなかったかと思います。

 最初に誤解のないように申し上げますが、私は、決して、今直ちに増税をすべきというような主張をするつもりはありません。しかし、今の日本の財政状況をどう認識し、私ども政治家は何をすべきか。子供や、これから生まれてくる赤ちゃんは、選挙権がありません。政府の意思決定、政策の意思決定には参加できません。私たちは、このような将来世代に安易にツケを回さないような財政の運営に責任があると考えます。

 そこで、まず最初に、特例公債法案の所管大臣である財務大臣にお伺いをいたします。

 野田大臣ほど、この特例公債法の重要性を認識されている方はほかにはおられないと存じますけれども、これまで政府として、この法案の早期審議に向けてどのような御努力をなされてきたのか。法案の取り扱いは、もちろん、私どもハウス、立法府の責任でありますけれども、この提出、審議には政府にも一端の責任があるはずであります。この間しばらく審議さえできなかった状態につきまして、野田大臣の率直なお考えをお伺いいたします。

野田国務大臣 御質問、どうもありがとうございます。

 特例公債法案、まさに予算関連法案でございましたので、本来ならば、予算と一体となって二十二年度内に成立を期していたわけでございますが、委員御指摘のような諸般の事情があって、今日まで採決までに至らない。その原因は、いろいろ御指摘がございましたけれども、私ども政府としても、きちっとした御説明と、あるいは妥協も含めての環境整備において十分努力が足りなかった部分、これは大いに反省をしなければいけないと率直に思っている次第でございます。

 そんな中で、この間、予算の執行管理で、歳入の欠陥が約四割という状況でございましたので、大変ぎりぎりの努力をしてまいりました。これ以上続くならば予算の執行を抑制せざるを得ないというところでございましたけれども、三党の幹事長の皆様あるいは政策責任者の皆様が、汗をかいていただいて、環境整備に御努力をいただいて、きょうの審議になったと思います。心から感謝申し上げたいと思いますし、また、この委員会においても、石田委員長あるいは山本筆頭、古本筆頭を含め、特に野党の皆様の御理解をいただいて、こういう形で審議ができることを、改めて心から御礼を申し上げたいというふうに思います。

岸本委員 それでは、まず最初に、事実の検証から始めたいと存じます。

 財政法は、経常支出を借金で賄うことを原則として禁止しております。特例公債法は、この効力をとめて経常支出を借金で賄うための特別の法律であります。

 そこで、今、私たちは一体どれぐらい借金をしなければならない状態なのか。

 平成二十一年秋に民主党政権が発足してから、私どもは、二回、二十二年度、二十三年度の予算をつくりました。民主党政権はこの間、財政赤字をふやしたのか、減らしたのか。二十一年度決算と比べて、この二年間の財政赤字の変化を教えていただきたい。例えば税収がどれだけふえた、景気対策でこれだけ使った、社会保障費の実質的自然増はこれぐらいであった、そのような内訳もできれば教えていただければと存じます。

野田国務大臣 平成二十一年度における財政赤字は、一般会計ベースでは三十五・二兆円、一般政府ベースでは、IMFの数値でございますけれども、二〇〇九年に四十八・五兆円の赤字となっていたところでございます。

 これと比較しますと、平成二十二年度予算では、一般会計ベースで三十二・六兆円であり、二・六兆円の減少、一般政府ベースではIMFによる二〇一〇年の見通しで四十五・五兆円であり、三・〇兆円の減少。

 平成二十三年度予算では、一般会計ベースで三十二・七兆円であり、二・五兆円の減少、一般政府ベースではIMFによる二〇一一年の見通しで四十七・九兆円であり、〇・六兆円の減少でございます。

 その内訳のお尋ねがございましたが、一般会計ベースの財政赤字の減少について、その要因を分析させていただきますと、平成二十一年度決算から平成二十二年度予算にかけては、社会保障関係費が〇・一兆円の減、公共事業費が二・〇兆円の減、その他歳出が四・〇兆円の減、利払い費が〇・九兆円の増。一方で、税収が〇・九兆円の増、その他収入が三・六兆円の減ということでございます。

 平成二十一年度決算から平成二十三年度予算にかけては、社会保障関係費が二・三兆円の減、公共事業関係費が二・二兆円の減、その他歳出が七・〇兆円の減、利払い費が二・三兆円の増。一方で、税収が二・二兆円の増、その他収入が八・九兆円の減というのが内訳でございます。

岸本委員 今、二年間の推移を御説明いただきましたのは、実は、一度、二年前にさかのぼって議論をしたいからであります。

 ちょうど民主党政権が発足いたしましたとき、菅総理は国家戦略担当大臣をなさっておられました。このときに、実は、財政再建につきましては、極めて重要な取り組みが行われております。予算編成のあり方に関する検討会が設置されました。まさに政権発足直後の二十一年九月二十八日に第一回の会議が開かれる。大変スピーディーに開かれたわけであります。そこで菅総理は、この会議で議論をリードされ、予算編成の見直しの方向を取りまとめられ、閣議決定までこぎつけたわけであります。

 私は昔、大蔵省の主計局にも勤めておりましたけれども、予算編成のあり方そのものを変えるという発想は、官僚機構にはあり得ない発想であります。まさに、政権交代ができたからこそ、この予算編成の見直しができたわけであり、民主党の政治主導のスタートだったわけであります。

 国際比較研究によりますと、予算制度、予算編成の仕組みが非常に大事でありまして、財政赤字の大小に関係することがわかってきております。例えば、意思決定が分散している、集中していない、あるいは財政の透明性が低い、さらには厳しい財政ルールがないというような国ほど財政赤字が大きいということが統計的にも証明されております。つまり、日本の財政赤字が今大きいのは、そういう理由があるからであります。

 そこで、菅総理が当時、国家戦略担当大臣として果敢に財政問題に挑戦されたわけでありますけれども、当時、予算編成のあり方に関する検討会をおつくりになって何を変えようとお考えになったのか、お聞かせ願いたいと思います。

菅内閣総理大臣 今、お話を聞きながら当時のことを思い出しておりました。

 二〇〇九年の衆議院選挙の前にイギリスに少し視察に行った折に、イギリスの予算制度の中で幾つか私の印象に残ったものがありました。例えば、予算を編成するに当たって、財務大臣はもちろんですが、必ずしもたくさんの予算を使わない幾つかの省の大臣が担当して、いわば閣僚委員会をつくって、そして予算の骨格の編成に当たるといったようなこと、あるいは複数年度にわたる予算が編成されているといったような問題など、イギリスの制度を見ておりまして、政権交代になったときに私が国家戦略室担当になりましたので、今御指摘のありました予算編成のあり方に関する検討会を早速設けたところであります。

 そして、その中で進めたのは、まさに政治主導によって縦割り行政の弊害を排して、行政の根幹である予算編成のあり方そのものを変えていくことを意図いたしました。

 具体的には、国家戦略室を中心にまず予算編成の基本方針を策定し、閣僚委員会で大局的な方針を示して縦割りを排除するなど、トップダウン型の予算編成。また第二は、複数年度を視野に入れた中期財政フレームの策定。第三には、事業仕分けに代表されるような予算編成、執行過程の抜本的な透明化、可視化などの改革案であります。これらを二十一年十月に閣議決定いたしました。

 こうした改革は、私が、国家戦略担当大臣、そしてその後、財務大臣、そして総理という形にポストがかわりましたけれども、これまで取り組んでまいりまして一歩一歩実現させてきたものである、このように認識いたしております。

岸本委員 今御説明いただいたとおり、予算検討会では、わずか一カ月というスピードで予算編成の見直し方針をまとめておられます。

 今、総理も触れられましたが、論点整理というのがありまして、四つの柱で改革の方向性が出されております。一つは、複数年度を視野に入れたトップダウン型の予算編成、二つは、予算編成や執行プロセスの透明化、見える化、そして三つ目は、年度末になって予算を使い切ろうとするなどの執行の無駄の排除、そして最後は、国民への説明責任を果たすために政策達成目標を明示する制度をつくる、このような柱であります。

 問題は、今、総理は一歩一歩とおっしゃいましたけれども、本当にこれらの柱がどこまで実現してきているのか、これは大変大きな問題であります。もちろん改革はそう簡単なことではありませんけれども、これらの四つの柱が、今、二年たってどれだけ実現されているのか。

 野田大臣も当時は財務副大臣としてこの検討会議に参加されていたと聞いております。予算を預かる財務大臣として、現在まで二年間のこの進捗状況について御意見をお聞かせください。

野田国務大臣 ただいま総理がお話をされ、御説明をされました四つの改革の柱でございますけれども、まず第一の柱の、複数年度を視野に入れたトップダウン型の予算編成については、国家戦略室主体で予算編成に関する閣僚委員会が開催をされ、予算編成の基本方針を策定するようになったことと、中期財政フレームやあるいは財政運営戦略といった財政健全化の道筋を定めながら毎年予算編成をするという仕組みをつくったことでございます。

 二つ目の柱である、予算編成、執行プロセスの抜本的な透明化、可視化については、概算要求書等の公開、事業仕分けの全面公開を実施させていただきました。

 三番目の柱である、年度末の使い切り等、無駄な予算執行の排除については、繰り越し手続の改善等のほか、各府省に予算監視、効率化チームを設置といった形で、予算編成プロセスの改革を一歩一歩進めてきているものと承知をしていますが、率直に言いますと、第四の柱である、政策達成目標明示制度の導入により国民に対する成果を重視というところは、現段階ではまだ未実施ということでございます。

岸本委員 今、財務大臣としては優等生的な模範答弁をちょうだいしたわけでありますけれども、実は、その予算閣僚委員会というものが当初できましたときのイメージは、総理もおっしゃいましたけれども、イギリスとかオーストラリアの英語圏では、少人数の閣僚で委員会をつくって予算の配分を決めるわけであります。予算要求のシーリングとか、こういう官僚主導の、五%削減とか同一の基準でやるようなものは、これは政治主導とは言いません。まさに閣僚の間で、では、厚生労働大臣、あなたのところは自然増以外に一割カットしてくれ、国土交通大臣は二割カットしてくれと、総枠を大臣同士で決めて、それで予算要求をする。予算制約があるからこそ、事業の優先度がつくわけであります。その意味で、私は、まだまだ予算閣僚委員会が十二分に機能しているとは思いません。ぜひ、二十四年度予算編成では、真の意味の予算閣僚委員会を機能させていただきたいと思います。

 そこで、諸外国の財政再建の成功事例について少し触れてみたいと思います。

 実は、九〇年代は、OECD諸国も相当財政が悪くなりまして、財政再建の努力をされたわけであります。その後、二〇〇〇年代に入りまして、ほぼOECD諸国は平均的に黒字に達するという成功をしております。ただ、その後、大変厳しい状況が続き、特にリーマン・ショック以降は、ほとんどの国で赤字になっております。特に、ユーロ経済圏、アメリカ、まさに今の状況が大変な財政の厳しい状況になっているわけであります。

 日本ももちろん人ごとではないわけでありますが、一方で、データを見ますと、オーストラリアやニュージーランド、カナダなど、小さな国ではありますけれども、借金を返し終わっている国あるいは本当に赤字を減らした国がございます。

 そこで、これらの国をいろいろと調べてみますと、予算のつくり方ももちろん違います。予算編成の仕方も、まさに検討会がやろうとしていたようなことを実際にやっておられます。

 もう一つは、実は政治的なリーダーシップという意味で、非常におもしろい現象がございます。

 例えば、スウェーデンでは、財政危機に陥った後、一九九四年に誕生した政権では、財務大臣を務めたヨーラン・ペーション氏が財政改革をした後、九六年に総理大臣になって十年間、厳しい財政運営をいたしました。オーストラリアでは、八〇年代に財政再建を行ったポール・キーティング財務大臣が、九一年から五年間、総理大臣としてリーダーシップを発揮されております。また、カナダでも、九〇年代前半に財務大臣で財政再建をされたポール・マーティン氏が二〇〇三年から総理大臣をやっています。

 つまり、財務大臣が総理になっている国はことごとく財政再建が成功しているということが、海外の例ではありますけれども、ございます。

 日本はどうか。自民党時代は、私も何人かお仕えしましたが、当時、大蔵大臣から総理大臣になる方が結構多かったんです。例えば、竹下登元総理も、大蔵大臣から総理になって、消費税を導入されたわけであります。最後は橋本大臣であります。そして、直近、財務大臣から総理になられたのは菅総理でございます。

 そこで、菅総理はこれまで、財務大臣のときはもとよりでありますが、増税の前に鼻血が出なくなるまで予算の効率化をするとおっしゃっていたはずです。残念ながら、最近、菅総理から鼻血が出なくなるまでという言葉をなかなかお聞きする機会がないわけでありますけれども、特に、財政のうち社会保障関係費は予算の大宗を占め、本当にこれは切り詰めていかなければいけない予算であります。

 そこで、総理、無駄の削減、予算の効率化について、現時点でのお考えをお聞かせ願いたいと思います。

菅内閣総理大臣 私が財務大臣時代に、増税ということを考える前には鼻血が出なくなるまでの予算の効率化をすべきだということを申し上げたという、基本的にその考え方は今も変わっているわけではありません。まずは、無駄の削減、予算の効率化については、これまでも事業仕分けによる無駄の削減や特別会計の剰余金等の活用など最大限行ってまいりましたし、また、歳出歳入両面にわたって最大限取り組んできたところであります。

 その上で、社会保障と税の一体改革は、国民が安心して生活できる社会基盤を整備するという普遍的な課題にこたえるための政策であり、高齢化の進行等、社会経済情勢の変化や我が国の厳しい財政事情にかんがみれば、このことは先送りができない重大な課題だと思っております。

 いずれにせよ、先ほど申し上げましたように、無駄なものを削減し、効率的に予算を組んで、本当にそういった面での鼻血が出なくなるまでの不断の努力を引き続き取り組んでいくことは当然であります。そのために、今後とも全力で取り組んでまいりたいと考えております。

岸本委員 実は、これまで日本の財政再建の試み、これは、バブル期に税の増収が非常に出てきたとき以外はことごとく失敗しております。理由はいろいろありますけれども、景気の動向を勘案したルールづくりができなかったからであります。

 小泉元総理のときも歳出歳入一体改革が行われましたが、このときもきちんとした景気の動向を勘案した枠組みはつくることができなかったわけで、景気が悪化するとすぐに目標が破綻するということを繰り返してきたわけであります。

 諸外国ではどうしているか。一つは、財政責任法というものをつくっています。これは、実は自民党が財政責任法を提案されております。私は、中身は今後詰めていくにしても、このアイデアは政府・与党も十二分に真摯に勉強する必要があると考えております。

 最初に財政責任法を入れたのはニュージーランドなんです、九四年です。それ以降、ニュージーランド政府はずっと黒字であります。内容的には、政府が目標を決めます、そして半年ごとに検証して発表をしていく。もちろん、景気が悪くなると景気対策を打ってもいいんですが、そのときには、いつ、どのタイミングでもとの路線に戻るのかということを総理大臣が発表します。しかも、その手段は増税なのか歳出削減なのかも言わなければ景気対策が打てない、これが財政責任法であります。

 そこで、衆参ねじれている国会情勢では、本当に与野党が一緒にいろいろ話し合いをしていかなければなりません。これまで、今回のこの審議もそうですけれども、いろいろな努力はあったと思います。

 そこで、総理にお聞きしたいのでありますが、この自民党も提案されている財政責任法につきまして、導入を検討すべきだと存じますが、いかがでしょうか。

菅内閣総理大臣 御指摘のとおり、我が国の財政は極めて厳しい状況にありまして、財政健全化は、我が国経済全体への国際社会からの信認を得る上でも避けることのできない課題だと考えております。

 この財政責任法に関しましては、自由民主党の方でこの法律の導入を主張されていて、私どもも大変注目をし、また学ぶところが多いと考えております。

 これまで、内閣としては、昨年の閣議決定において、財政運営戦略という形で、二〇一五年度までに基礎的財政収支の赤字を対GDP比二〇一〇年度の水準から半減させ、二〇二〇年度までには黒字化するとの財政健全化目標を掲げているところであります。こういった目標を法律という形で位置づけるということも、十分検討に値すると思っております。

 なお、この目標は、各国の財政健全化が課題となりました昨年のG20トロント・サミットにおいて対外的にも説明をし、内外の信認を維持するためにも当該目標を達成することが重要であり、これとほぼ同じ内容を野党自民党の方でも法律の形にされておりますので、ぜひとも協力し合って、こうした国際公約ともなっている健全化目標の達成に向けて取り組みを進めてまいりたい、こう考えております。

岸本委員 やはり私たちは、謙虚に諸外国の制度も学び、取り入れていく必要があると思います。ニュージーランドやオーストラリアは小さな国でありますけれども、財政再建という意味では手本になる立派な国であります。

 例えばニュージーランドでは、政府部門でも、すべての会計を発生主義でやっております。ですから、日本のように、財務省が会計上の操作によって財政赤字を多く見せたり小さく見せたりすることはできないんです。非常に透明性があるんです。

 日本はまだまだ透明性は、先進国では最低なんです。私が言っているんですから正しいんです、これは。信じてください。日本の財務省の透明性というのは本当に低いんですよ。これを我々国会議員が、政治主導でやはりやっていかなきゃいけないと思います。

 最後に、オーストラリアの例も非常に参考になります。

 オーストラリアではなぜ財政再建が成功したのか。これもやはり総理大臣が、みずから財政再建の必要性、財政規律の重要性を繰り返し国民に説明したわけであります。もちろん改革は痛みを伴うわけでありますけれども、その必要性を一国の総理大臣が、徹底的に情報公開をして、国民に説明をしていくということ。それから、オーストラリアでも、政党それから労働組合、企業など、いろいろな関係者を集めてサミットを開きました。そこでも総理大臣みずからが乗り込んで情報公開をし、利害調整をしたわけであります。

 さらに、予算閣僚委員会と私は申し上げましたけれども、オーストラリアでは歳出検討委員会といいまして、非常に少数の閣僚で委員会をつくって、トップダウンで歳出削減を決めていきました。最初は、所管の大臣、要求官庁の大臣も官僚も反対しました。しかし、総理大臣が本気で、トップダウンで歳出削減をするということがわかってまいりますと、ついに官僚たちも抵抗をやめたわけであります。まさに政治主導で財政再建が行われた非常にいい例であります。

 そこで、日本でも、先ほど私、申し上げましたが、ぜひ予算閣僚委員会中心の、政治主導のプロセスに予算編成を組みかえていくべきであろうと考えております。

 これから二十四年度の予算編成が始まろうとしております。野田財務大臣、ぜひ政治主導の、トップダウンの予算編成を行っていただけるかどうか、総理大臣になったおつもりで、お覚悟をお聞きしたいと思います。

野田国務大臣 今の一定の前提は別といたしまして、私も、委員のお話を聞いていて、九四年に私はニュージーランドに、当時の細川総理に随行して、その改革を勉強しに行ったことがありました。改めてそのことを思い返しながら、そういう原点を改めて確認させていただきましたことをありがたいというふうに思います。

 まさに来年度の予算編成は、本当に正念場の予算編成だと思っております。

 これまでも努力をしながら、例えば、元気な日本復活枠とか、つくりながらやってまいりましたけれども、政治主導で、まさに予算関連の閣僚委員会で、まさにちょうちょうはっしの議論をしながら明確な方針を示すような、そういう予算編成のあり方になるように、その編成の、財務大臣としてはそのメンバーでございますので、積極的にかかわっていきたいというふうに思います。

岸本委員 まさに、二十四年度予算編成の作業がおくれております。本当であれば、もう八月の中旬でありますから、いわゆる予算要求の下ごしらえができて、八月末に各省庁が予算要求をしなければいけないはずでありますけれども、いろいろな状況もありまして、恐らく一カ月ぐらいは延びるということになろうと思います。

 しかも、第三次補正予算もその間につくらなければなりません。十月、十一月、十二月、三カ月で膨大な作業をこなしていかなければならないわけであります。

 今、景気の大変な状況の中で、まさか越年編成はできません。したがいまして、ぜひ予算要求の段階で、現在の内閣の皆さんにお願いしたいのは、従来、官僚主導、財務省でやっていたシーリングのようなこそくなやり方ではなくて、まさに主要閣僚の間で、総理大臣と財務大臣と国家戦略担当大臣が、めり張りをつけて、予算要求段階で各省庁の予算の枠を決めるような、西欧型の、ヨーロッパのような予算編成過程にしていただくことをお願い申し上げまして、また私どもも努力することをお誓い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

石田委員長 次に、野田毅君。

野田(毅)委員 今、岸本委員の質問を聞きながら、なかなかいい質問をしていましたね。特に、財政健全化責任法。

 少し補足して言えば、我が党がこれを提案したのは昨年の通常国会、参議院で提出しました。昨年の秋は衆議院で提出しました。ことしは参議院で提出しています。残念ながら、その重要性をここまで御承知であるならば、どうして積極的に与党の皆さんも政府も前に進める努力をしなかったんだろうかなと。これから、どうせおやめになる総理ですから、今後努力しますということは聞いても仕方がないので、その辺は、これから先はいろいろ追及することは控えたいと思います。

 ただ、野田大臣、今言ったように、野田さんというのはいい人が多いんだけれども、今度の雑誌に政権構想というか、書いておられるので、意欲はおありなんでしょう。したがって、どういうポストにおつきになるかは別として、これからの日本国のかじ取りなり、特に財政経済運営等については引き続いて責任を持つお立場ですから、改めて現段階における大臣としての、財政健全化責任法、我が党が提案をいたしておりますこの法案について、今まで以上に、本当に、政治生命をかけてまでということは、最近言葉が軽くなっていますから言いませんけれども、ともかく真剣に、リーダーとして引っ張っていくんだ、民主党の皆さんを引っ張っていくんだという、まずはその覚悟のほどを、冒頭、おっしゃってください。

野田国務大臣 きょう出た雑誌で「わが政権構想」という表題がついて、私もびっくりしているんですけれども、当面の基本的な問題についての考え方をまとめたつもりでした。ただ、タイトルばかりは、編集権が雑誌社にあるものですから、ちょっと跳びはねた感じだと思います。

 お尋ねの、まさに財政再建に向けての覚悟の問題でありますけれども、震災発災後、震災から本当に日本が立ち上がってほしいという思いを国際社会も持っていることは事実ですが、一方で、きちっと財政規律を守る国なのかどうかということも、これはシビアに注目をしていることです。そのことをもってすると、やはり必死に財政健全化の取り組みを行っていかなければいけないと思います。避けて通れない道でもあろうというふうに思います。苦しい道でありますけれども、そのことをしっかり国民にお訴えをしながら実現をする。

 財政運営戦略に基本的な中長期の道筋は定めていますけれども、御党がまとめられた財政健全化責任法も、これは問題意識は同じでございますし、中身を見るとかなり合意可能なところがあると思います。これからは、まさに国難という、こういう時期でありますので、与野党が真摯に議論して向き合って、ともにこの国のために、では財政再建どうするかという知恵を出すという意味では、まさに財政健全化責任法についても、虚心坦懐に私どももこれから議論をさせていただきたいというふうに思います。

野田(毅)委員 この問題は、現在、株式市場なりあるいは為替市場なり、大変混乱ぎみになっておるわけですが、これは決して金融分野のみならず、基本的にはアメリカもヨーロッパも、まさに財政健全化というか、これが最大のテーマになっているんだ。この時期に、本当にどういうことを各国ともやろうとするのか。歳出削減だけで本当にいけるのか。そのことは、結果として景気を悪くして、もっと経済悪化から財政悪化になるんじゃないかという懸念もある。

 そういう中で、金融だけを緩めてしまうということになると、これがまた金融分野でいろいろな問題を引き起こしてしまっているという、金融緩和だけでいくのがいいのかどうか、このジレンマの中でのたうち回っているというのが現実ですね。

 そこで、せっかく日銀総裁にもお見えいただいているので、順序が逆になったんだけれども、最後の方でと思ったんだけれども、やはりこの問題は、けさほどのニュースで、アメリカでも二〇一三年の半ばぐらいまではゼロ金利を続けるんだよということを言ったので、結果として、アメリカの株式市況はそれを好感して、アメリカの株価が持ち直している。しかし、日本はなかなかそうはいっていないんですね、多少持ち直しているかもしれないが。

 結果として、アメリカがそれだけでいいのか、では、日本は何もしないで、今の円高と株式市況の低迷、こういった中で本当に大丈夫なんだろうか、多くの関係者が非常に心配をしていますね。

 したがって、まず、日銀総裁から、当面のこういった金融あるいは株式、為替、こういった市場の動向を見ながら、日本は金融政策としてどういう対応をしようとしているのか。場合によっては果断な決断をしなければならないタイミングも私はあると思うんですけれども、もちろん金融政策だけで動けるわけじゃない。そのときは通貨の問題を含めて財政当局なりとも連携しながらやってもらわなければいけませんが、まず、少し総括的でありますが、総裁から、どういうスタンスで今おられるのか、お聞きをしたいと思います。

白川参考人 お答えいたします。

 各国の中央銀行は定期的に金融政策を議論する場を持っておりますけれども、日本銀行は、先週、もともとは木、金、二日間の予定で決定会合を予定しておりました。FRBにつきましては、今週火曜日ということで定例の会合を持っておったわけでございますけれども、日本銀行は、先週、木、金の予定の決定会合を一日短縮しまして決定会合の決定を発表いたしまして、金融緩和を一段と強化するということを決定いたしました。

 内容につきましては、既に御案内と思いますけれども、いわゆる資産買い入れ等の基金を思い切って十兆円増額しまして、これを五十兆円程度にすることを決定いたしました。

 この決定の背後にある考えでございますけれども、これは野田先生と同じ問題意識でございますけれども、海外経済の不確実性が高まっていることや、あるいは、それに端を発します為替、金融資本市場の変動によって日本の景気が下振れるリスクにより留意すべき情勢になっているという我々なりの強い問題意識を受けたものでございます。

 今回の金融緩和の決定に当たりましては、当然のことではございますけれども、アメリカの経済の動向を含めまして、先行きのさまざまなリスク要因を前もって幅広く点検いたしました。

 先生御指摘のFRBでございますけれども、昨日のFOMCの声明文の中でこういうふうに言っております。現下の経済情勢を踏まえると、今のところ、少なくとも二〇一三年半ばまでは、例外的に低いゼロから〇・二五%という政策金利を維持することが正当化される可能性が高い旨を表明しております。

 日本銀行は、昨年の十月にいわゆる包括緩和というものを導入いたしましたけれども、その際に、現在の実質的なゼロ金利政策を、物価の安定が展望できる情勢になったと判断するまで継続することを明らかにしております。その意味で、今回FRBが発表した対応というのは、日本銀行が既に行っている対応に非常に近いなという印象を持っております。

 いずれにしましても、日本銀行は日本銀行として、現在の日本の経済の状況を踏まえて適切に対応していきたいというふうに思っております。

 私どもとしましては、先週打ち出しました強力な金融緩和効果が実現していく、発揮していくことを大いに期待しておりますけれども、いずれにせよ、先行きの経済、物価動向については、予断を持たずに丹念に点検してまいりたいというふうに思っております。

野田(毅)委員 大分これは山本君の意見に似てきたんじゃないの。インフレ目標的なこともやるんだよという話に近づいているということなんでしょうね。

 それから、これは少し話がそれるんですが、今、世界共通の課題は、各国とも財政再建というのが大きなテーマになっている。その中で一つ違和感があるのは、法人税減税なんですよ。我が国でも法人税減税を非常に強く求められておりますし、まさに国内の雇用の空洞化を防ぐためにも、それに対して何らかの答えをしていかなきゃならぬという共通の思いがあるんです。

 ただ、これは、率直に言って、法人税率の絶対水準が重いからそういうことなのか、むしろ絶対水準よりも相対的な関係、特に中国、韓国、アジアの税率が余りにも低いということが結果として海外流出を生んでしまっているのではないかという、まさに法人税率の相対的関係なんですね。

 であれば、世界各国が法人税率の引き下げ競争ばかりやるようなことをしないで、もう少しIMFなりG20なりなんなりで、そういったことをお互い、そういうマイナスの方の努力ばかりするんじゃなくて、世界全体が、どうせ中国だって財政健全化がもうすぐ目前の問題になりますよ。そういった共通の課題があるわけだから、そういったところで日本がリーダーシップをとって、無駄な法人税の引き下げ競争ばかりをやらないようにしようじゃないかというぐらいの発信をおやりになったらどうですかとかねがね思っているんですけれども、これは何も通告していませんが、野田大臣、あなたの政治的感覚でいかがですか。

野田国務大臣 先生御指摘のとおり、法人実効税率を五%引き下げるという内容の修正税制改正法案、これはまだ三党合意を踏まえての三次の復興予算のときに議論することになっていますけれども、こういう大事なテーマがありますが、おっしゃるとおり、中国や韓国に比べると、相対的にはこれはちょっとまだ勝負にならないレベルです。

 ということは、やはり国際会議等で、通貨安競争を回避しようという議論はあります。だけれども、法人税をむやみやたらに引き下げ競争をするということも、本当にそれでいいのか。それぞれ財政再建の取り組みが必要なときに、そういう観点からの議論はあってしかるべきだと思いますので、大変有力な御提起として受けとめさせていただきたいというふうに思います。

野田(毅)委員 しっかり頑張ってください。

 そこで、この特例公債法案なんですが、大分難渋をして、ようやくきょう、委員会における出口という段階に入りました。

 これは私どもは、もともと、自民党政権時代であっても、残念ながら赤字国債を出さざるを得ない現在の財政状況であります。特に予算の四割を超えるシェアを占める赤字国債ですから、やはり本来なら、できるだけ予算とともに通すというのが本筋だと思うんですね。

 だけれども、なぜこういうことで我々がこの法案の問題意識があるかということについては、これは謙虚に与党・政府の方も考えてもらいたい。それは、少なくとも発行権限そのものは大事なんだけれども、では発行の規模、発行の額が適正なのかどうか。発行権限があれば幾らでもいいのかというと、そうではないんだと。少なくとも四条国債とは違う扱い、これはおわかりのはずですね。

 建設国債は財政法の中で、ただし書きではあるけれども、議決の範囲の中で発行可能であるということまで書いてある。だけれども、赤字国債は例外としても認められていない、だから特例債ということで特別立法を毎年やっているんだというこの財政規律の原点を忘れちゃいけませんね。

 であれば、極力この特例債の発行額は最小限にとどめる努力をするのが当たり前の話ですね、これは。その点は、野田大臣、同意できますね。

野田国務大臣 財政法上のたてつけについては先生の御指摘のとおりでございまして、建設国債は基本的には法律上認められている。赤字国債については、特例的に改めて法律を出すことによって国会で議決を得て、そして初めて使える、そういうたてつけになっております。

野田(毅)委員 ですから、古い話ですけれども、最初にこの赤字国債を本格的に出すようになったのはサミットのころからですね、最初のランブイエ。やはり世界全体がオイルショックでのたうち回る、そのときに日独が機関車論で、西側世界がソ連圏に負けないようにするには、何としても西側諸国の中で機関車論で景気をよくしなきゃいけない、そこであえて赤字国債を発行して景気刺激策をやったわけですね。

 これを何とか早く健全化しなきゃならぬというので、発行したときの大蔵大臣が大平さんですね。だから、総理になられたときに、これを一般消費税ということによって健全化しよう、こういう流れ。残念ながら、その後、随分時間がかかりました。

 だから、最初にこれを発行したときの発行条件は、借りかえなし、十年で償還する、これが原点です。だけれども、その後、残念ながら消費税は難航しました。結果として、建設国債と同じように、六十年まで、借りかえ、借りかえしてやっているという今日がある。

 そういう経緯を思っても、やはり赤字国債の発行枠は極力抑えなきゃいけない。

 ただ、そういう中で、皆さんがいろいろおっしゃったけれども、民主党政権になって、私が持っている数字は、さっき岸本さんがおっしゃったのとちょっと違う。国債残高の内訳、これは、今世紀最初、二〇〇〇年の残高、三百六十八兆です。今年度予算で、これは当初ですが、来年三月末にいくと六百六十八兆になる、普通国債ですが。つまり、この十年ほどで三百兆残高がふえている。

 その中で、自公政権時代、三百兆の中で、二〇〇〇年から二〇〇九年までにふえた残高は二百二十七兆、十年間近くで二百二十七兆です。民主党政権になって、二〇一〇年、二〇一一年でふえた額が二年間で七十三兆であります。多いですね。その中で、総額はさることながら、問題は四条公債と特例債の割合。四条国債のふえ方は、二年間で八兆円です。特例債のふえ方が、残高が六十五兆円ふえているんですよ、民主党政権になって。ここに問題がある。

 だから、我々は、この特例債の法案を扱うについて、どこに原因があるんだということになると、ああやはり、財源の裏づけをしない、四Kに代表されるいわゆるばらまきだ。皆さんはばらまきではないとおっしゃるけれども、財源の裏づけが明確でない。最初は、借金もふやさない、増税もしない、既存の歳出の削減をやって、無駄な経費を減らして、埋蔵金を出してやるんだと言ってきたけれども、残念ながら現実はそうはなっていない。だから、その点については、明確に総括をした上で対応しなければいけませんよ。このことを我々はこの前からずっと言い続けてきた。ここに問題がある。

 難航しておりましたけれども、結局、この問題について三党合意が成立をいたしました。我々は、内容についてはまだまだ不十分なところがあるけれども、先ほど来議論をしておりますが、現在の世界経済におけるさまざまな市場の動向などを考えますと、このことが決していい影響を与えることはない。しかも、この国会は八月末で閉じる。

 そうなってくると、やはりこれは何らかの形で、我々もあえて、そこは一〇〇%の主張を通すことはできないかもしれぬが、与党・政府の方も反省をしてもらって、そして必要な見直しをやってもらって、必要な歳出削減も今度の予算で、第三次補正ではやってもらうということで、少なくとも一歩前に出て、日本の経済に対して、あるいは国際社会における日本の経済運営について信認をしっかりとしなければいけないということで、きょうこういう運びになってきた、こういうことであります。

 この確認事項を一々読み上げることはいたしませんが、それぞれごらんになったと思いますが、これは三党幹事長名での確認事項でありますが、少なくともこれは総理も当然ごらんをいただいた上でゴーサインを出した、こういうことだと思うんですが、この点はいかがですか。

菅内閣総理大臣 いろいろな議論の経緯を幹事長からお聞きをいたしておりました。

 そして、最終的にこうしたものでまとまったという段階で、私は長崎に行っておりましたので帰ってきたときにお話を伺い、私としても、大変努力をいただき、また野党の皆さんにも大変御協力をいただいたということで、岡田幹事長に対して私から御苦労さまでした、ありがとうございましたということを申し上げ、内容的にも了承いたしたところであります。

野田(毅)委員 野田大臣ももちろん同じだと思いますが、改めて、重ねて確認をしたいと思います。

野田国務大臣 今回、こういう形で特例公債法案が、本当に長い間懸案でございましたけれども、こうやって締めくくりの総括の質疑ができるということは、委員長初めそれぞれの理事の先生方の本当に御努力もありましたけれども、その環境整備を、三党の幹事長がいろいろなものを乗り越えながら合意をしていただいたということが大変大きかったというふうに思います。

 その内容についてはしっかりと受けとめて、これから適切に対応させていただきたいというふうに思います。

野田(毅)委員 この内容について、子ども手当の問題も大体ほぼ話がついていると思うんですが、いわゆる四Kの中の農業の問題はちょっと後ほど、きょうは副大臣が見えていますから詰めてみたいと思っています。

 ただ、その前に、これでともかくお盆前にこの法案が衆議院を通過する。参議院の国対委員長同士、与野党でお話をされて、報道では出ておりますが、夏、八月の最終週前にこれがどうやら参議院でも通過をするという大体ほぼ合意に近いものが出た。ということであれば、政策論は別として、政局論の世界の中で、菅総理は、我々とは関係ないんです、それは民主党の中でお話しになったことですから、自分の退任三条件と。それは、第二次補正が通ることであり、それからこの特例債の法案が通ることであり、もう一つは、自分の顔を見たくなければ再生可能エネルギー法案を通せ、こう言って三条件をお出しになった。

 我々は、別段そのことがあるから審議を進めたとか進めないとかということじゃなくて、あくまで政策が合えば通す、菅さんがおやめになるか続けられるのかは、それは政局論ですが、我々はあくまで政策の筋を通して対応するということでやってきて、きょうに至っておるわけです。

 いずれにしても、もう結論は、政策のそれぞれ修正をしたりいろいろな形で歩み寄りができて、八月の最終週前に通るということであれば、菅さん自身が民主党の皆さんにお話しになった退陣三条件が整ってしまうわけですね、これは菅さんにとってはいいことか悪いことかわかりませんけれども。それを前提として既に今は動いていると思います。

 なお、こんなことは御承知ですが、もう報道で公になっていますよね、岡田幹事長も、思うんじゃなくて、おやめになりますと断言しておられるわけです。そういった中ですから、私はあえてこの機会に、菅総理みずからわかりやすい言葉でお話しいただきたい。

 ただ、気になるのは、私が今まで言ってきたことは責任を持ちますという言葉は言っているんだけれども、菅総理が言ってきた中に辞任とかやめるという言葉は一つもないんですよ。若い世代に責任を引き継ぎたいしか言っていないんだ。だけれども、これはいつ引き継ぐのか。条件が整ってすぐなのか、いや、まだまだ一年先なのか、わからない。何かアメリカの国連総会に行こうなんという話まで出ているわけだから、民主党の皆さん、気になるでしょう。いいんですか、これで。

 だから、民主党の皆さんにかわって、あるいは国民にかわって、私からこの委員会の場で、いつ、つまりこの三条件が整ったそのタイミング、つまり八月中に総理自身がみずからお引きになるという意思表示を、まだ通っていないから今は言う必要はないですよ。だけれども、そのタイミング、通ったらその時点で自分は身を引くということは、もうそろそろ明確にされないと困るじゃないか。でないと、アメリカだって困っちゃっているんですよ。いつおやめになるのかわからない人と、どうして長期的な日米関係を構築できますか。私も日中関係をやっている、中国も困っていますよ。どうされるんでしょうか。

 そういう意味では、全く今は対外的には政治空白なんですよ。このことに思いをいたせば、ここはやはり明確に意思を表示されることが、菅総理自身の本当に大事な大事な政治責任の一つだと私は思うんですが、この点について、いかがお答えになりますか。

菅内閣総理大臣 御心配といいますか、いろいろなことを考えての御指摘、ありがとうございます。

 今、野田委員御本人から言っていただきましたように、党の代議士会で申し上げ、また、その後、よく三つの条件という言い方をされますけれども、私として一つのめどが立つということについて、その三点についての予算や法案が成立したところが一つのめどがついたときだと判断するということも、この間、申し上げてまいりました。

 おかげさまで、きょう、この委員会で公債特例法の採決ということになり、また再生エネルギーについても、この国会中には結論を出していただける状況だと私も認識をいたしております。

 条件という表現がいいかどうかは別として、そういうものがきちっと成立したときには、速やかに次の段階に移る準備に入らなければならない。これは党内でいえば代表選ということになりますし、また、それで新しい代表が決まれば、そのときには私自身が内閣総理大臣として身を処すことが当然必要になる、そういう段階に入っていくということを認識いたしております。

野田(毅)委員 大変よかったと思います。みんなもやもやでよくないですよ。本当に、アメリカはみんな困っちゃっているんですよ、大事なテーマが。日本抜きで決めていくということになれば、日本も困っちゃうから。

 そういう意味で、今までいろいろなことがありました。だから、私はもう菅さんの悪口を言うのはやめます。ですから、あとは、今のようなお気持ちをしっかりと実践に移してもらう。

 実は、きょう、もし違う答弁だったら、楢崎弥之助さんのこの文章を読もうかと思っていたんですよ。念のため、これはごらんになりましたか、七月二十日付。いい文章ですよ。真情があふれているし、本当に菅総理のことを思って書いておられると私は思います。嫌みで書いている話じゃないと思うんですね。

 私は、これは菅さんに相当影響を与えたんじゃないかと思うんだけれども、それは私が勝手に思っているのかもしれませんが。長年の同志、先輩である方のお話というのは、やはりしかと受けとめられて、今の御発言かな、そんな思いをしたところでございます。

 それで、次に移りたいと思うんですけれども、筒井副大臣にお越しいただいて、財金委員会で農業問題を言うのはちょっとどうかという気がしたんですが、ただ、この確認事項の中に、四Kのうちの一つに、戸別所得補償方式ということも見直し検討のテーマの一つになっている。したがって、来年度予算を決めていく前に、この内容についてもその効果なりを吟味して、どういうやり方をするかということについて検討対象に上がっているわけですね。

 そこで、我々、実はこの問題は二つあるんですよ。一つは、この戸別所得補償方式ということが、結果として、中身は大分変わっているんですよ。最初に公約で打ち出されたときと、今現在二年にわたって実践に移してきてやっている中身は、自民党が言ってきた中身にだんだん近づいているんだ。その点は悪いことじゃないですよ、でないと日本の農業のお先は真っ暗になりますから。そういう意味では悪くはないんだけれども、この政策の中身そのものが、一つ問題がある。

 この中で、固定価格でいくものと、それから変動価格でいくものと二段重ねになっているということを初め、実際の運用に当たって実は問題になっているなというのが一つあるんです。しかも、そこへ、米の先物の取引を認めるようになった。

 今、どんなことが起きているかというと、東北地方の、あの原発事故の影響を受けて、米どころ東北の方の価格が下がっている。西の方の価格は上がっているんですよ。そういった中で、全国一律の固定価格で大丈夫なんですか。東西格差が現に発生しているんじゃないですか。これは、この先物取引について、よほど慎重な対応をしてもらわなきゃいけないし、そもそも、この固定価格というものは廃止すべきだというのが我が党の考え方なんですよ。

 それを押しつけようとは思いませんが、私は、筒井副大臣はよく農政のことがおわかりだから、問題点がおわかりであれば、もう意地を張らないで、お互い歩み寄って、すばらしい農政ができるように協力していけばいいと思うんだけれども、まずこの点についてちょっとお伺いしたいです。

筒井副大臣 野田先生には釈迦に説法でございますが、農業経営は全国平均で恒常的に赤字経営でございます。赤字だから、当然、若者もなかなか参入してきてくれない、それで高齢化になって耕作放棄地がふえる、こういう状況になっているわけでございます。

 この所得補償制度によって生産費と農家の販売価格との差額を補てんする、こういう仕組みをつくったわけでございまして、その生産費までは何とか補てんをして、赤字経営から何とか脱却して持続的な経営をやっていただきたい、こういう観点から所得補償制度を導入したわけでございまして、その中に、今先生がおっしゃった固定払い部分と変動払い部分、二つがあるという形でございます。

 ただ、これも先生御承知のとおりでございますが、民主党が野党時代には、マニフェストにはその変動払い部分というのは出しておりませんでした。それがプラスされたわけでございます。

 モデル事業として去年やったときから、ことし本格的な実施を始めたわけでございますが、ここでもいろいろな検証をして見直しをしてきたわけでございます。規模加算を新たに設定したりしたわけでございまして、やはり、こういう政策効果を検証しながら見直しを不断に図っていく、これは必要なことだというふうに思います。

 そして、今、自民党との関係も言われましたが、自民党が法案として出されました多面的機能交付金法案という、勝手な読み方かもしれませんが、そういう法案も基本的な理念としては私も一致しているというふうに思っております。

 そして、当時、この所得補償制度、やはり法案化、法制度化してきちんと継続的にやった方がいいから、お互いに譲るべきところは譲って一緒の法案として出しませんかという提案は、私の方からもさせていただきました。しかし、当時からほぼ四Kの一つだということで、それは拒否をされたわけでございます。

 今先生がおっしゃった変動払い部分、今後どういうふうにしていくか。今、米の試験上場も始まりましたから、この価格形成等々も一つの参考資料として今後検討していかなければならないというふうに思います。

 それから、今、全国平均で行っているところが問題ではないかと言われました。全国平均で支給しているわけでございますが、これは、一般的に言えば、コスト削減に努力した農家はその分きちんともうけが上がるようになっている、そして、販売価格を全国平均よりも上げる努力をした農家はその分利益が上がるような仕組みになっていますから、それらの努力にインセンティブを与えているわけでございます。そういう意味で、これはばらまきではないというふうに、一つの理由としては言えると思います。

 ただ、先生がおっしゃった、各地域で大きな、それぞれの格差が生じないようにしなければならない。これも今、産地資金の創設という形で各地域間の不公平を排除するという仕組みも新たにつけたわけでございまして、今後、本当に未曾有の大震災、未曾有の被害の中で、さらに地域間の点も検討をして、見直しが必要ならば見直しを図っていかなければいけないだろうというふうに考えているところでございます。

野田(毅)委員 丁寧な御答弁、恐縮でしたが、もう一つ、我が党が今の多面的機能法案のほかに既に国会に提案しておりますのが、担い手総合支援法案を出しているわけです。恐らく中身についてはそう大きな隔たりはないのではないか。したがって、この辺も来年度予算編成の中においてしっかりと話し合いができていくのではないか、そう私は思っております。

 そういう点で、お互い、言ったから最初のことにこだわるんじゃなくて、内容においていいものができるのなら、それはそれで修正をしてお互いが歩み寄っていく、それは結構なことだと思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。

 それからもう一つ、この問題で若干御指摘しておきたいのは、内容はそういうことなんですが、もう一つの問題は、やはり赤字国債か建設国債かの話があって、結局、財源をどこから調達したかというと、農業予算の中でやりくりしているんだ。その結果、コンクリートから人へということ、言葉がよかったので、土地改良だとか基盤整備のものを削っちゃって、そしてそっちへ回している。

 これはすなわち、土地改良だとか、あるいは、私の地元なんかもそうなんですが、特に施設園芸や何かは湛水したらどうにもならぬのですよ。したがって、湛水を排除するためには、機場が大分古くなっているから、早くこれを更新してやらないとどうにもならない。その排水機場を更新する、これも実は土地改良の予算なんだ。六割ばさっと削っちゃっているんですよ。そして、ばらまいちゃった、こういうことなんですよ。

 だったら、これから地域で担い手でやっていこうという人たちは、本当に経営基盤そのものがおかしくなっちゃうという問題が実はあるんですよ。

 そういう意味で、私が計算すると、平成二十一年度というと麻生内閣のころの最後ですが、トータルで予算額が農水関係で二兆四千、そのうち四条国債、つまり基盤整備関係が約一兆一千億ぐらいあった。昨年、二十二年度は七千四百、二十三年が七千二百だ。そのかわりに、それ以外の一般経費がどんとふえている。つまり、二年前に比べて、結果として建設国債対象が合計三千八百減っているかわりに、総額そのものはほとんど変わらぬわけですから、赤字国債がその分だけ見返りでふえているというんです。

 つまり、さっき冒頭にお話ししましたけれども、それだけ赤字国債、特例債の積み上がりがふえているんですよということだけは頭に置いておかないと、コンクリートから人へとやっていれば、建設国債から赤字国債に積みかえになるわけだから。そういう問題があるんだよということだけは意識しておいてもらわなければいけませんね。

 こういうことなんですが、この点は、四条債と特例債の関係について、野田大臣、どうですか。やはり問題だねと思うでしょう。特例債ばかりふやして本当にいいんですか。これは教育関係でも、学校の耐震化の予算をもっとふやさなきゃいけないのに、ほかに回して高校無償化にやっちゃったり、いろいろなことに行っちゃったねという話もあるわけですよね。

野田国務大臣 半分わかるんですね。半分わかるというのは、財政法上の法律のたてつけの理屈でいうと先生の御指摘のとおりであって、財政規律で考えると、それはやはり法律上認められている建設国債と、そうじゃない特例的な赤字国債の違いは、それは財政規律、法律上はそう見えます。

 ただ、国民一般からすると、建設国債も赤字国債も借金は借金でありますので、どちらもそれぞれ余りふえることは望ましくないという意味では、国民一般はそう受けとめているのではないでしょうか。

野田(毅)委員 税と社会保障一体改革ということなんですが、この問題、六月三十日に、これは閣議決定じゃないんですね、お決めになったのは。政府・与党社会保障改革検討本部決定、何かよくわからないんですよ。通常は、議院内閣制ですから、閣議決定する前に、我が党であれば、党として決める、党として決めたものを閣議で政府として決める。これが政府・与党一体の政策決定です。ところが、これはまだ閣議決定になっていないんですよね。

 この辺はどうですか。総理よりかは野田大臣に。

野田国務大臣 御指摘のとおり、六月三十日でございますが、社会保障・税一体改革成案については、政府・与党社会保障改革検討本部において決定をさせていただきまして、これをもって政府・与党の基本的な考え方を示したものであるというふうに承知をしています。

 この成案については、野田先生御指摘のとおり、閣議決定はしていませんけれども、閣議報告を行ったところでございまして、その際も、各党各会派に改革のための協議を提案し、参加を呼びかけることについて了解を、この閣議報告をした際に得ているところでございます。閣議決定については、こうした各党との協議を経た上で行うこととさせていただきたいというふうに考えております。

野田(毅)委員 これからどういう中身が固まっていくかによって、また閣議決定という段階に行くんでしょうね。

 ただ、これは非常に難しいテーマでありますが、先ほど岸本さんが言っていましたね、つまり覚悟のほどが要るんですよ。さっき大平さんの話をしましたが、中曽根さんのときも、五十七年に総理になられたときには、やはりその思いがあったんですよ。だけれども、その前にやるべきことが行財政改革なんだ、これをやらない限りは国民の理解が得られない。それから三公社の民営化、五現業、当時は国鉄、健保、それから食管、米、三K赤字だった。これは大変血のにじむようなことでしたよね。そして、在任五年の間は、まだまだ物価は五パーぐらいは上がっていた時代ですが、一般歳出は伸びゼロに抑えた。国家公務員も十万人、在任中に減らしているんだ。相当なことをあの方はおやりになって、そして最後に、いよいよ満を持して売上税に着手をした。

 だけれども、着手するときの選挙のときにいろいろ言って、公約違反だということになった。私はそばにおって、最後、年明けてでありましたけれども、国会が空転する中で、日比谷公会堂で決起集会を開いて、自分はどうなってもいい、だからこの売上税は通してほしい、声涙下る演説をして、国民に直接訴えていましたよ。だけれども、残念ながら、理解されなくて、売上税は没になりました。

 そして、その思いを竹下さんがお継ぎになった。恐らく、なって早々の大変な重荷ですから、できれば少しは総理としていい思いをしたかったに違いないが、これが自分の宿命だということで、あえてあの方は、それが使命だと定めて、欣然として責任をお果たしになった。

 私は、そういうありさまを見ながら、先輩の方々の中でいえば、岸さんが、安保条約にすべてをかけて、自分はやめるから通してくれと、最後にそこまでやった。それぐらい大事な、国民がまだまだ十分理解がいかないテーマについて、本気でやろうと思うのなら、本当に身を賭して、身を捨てて対処するという、この覚悟がなきゃいけないんですよ。

 私は、菅総理のためには残念だったんだけれども、本当は、昨年、参議院選挙で負けた、あったでしょう。だけれども、そのチャンスはあったんです。

 それは、民主党の代表選挙で、あの代表選挙の時点で、国民に向かって、民主党の国会議員に向かって、この消費税の問題はどうしてもやり遂げなきゃならぬのだ、これを一点集中でいいからやるべきだ。それは、一野党の党首を選ぶ選挙じゃないんですから、日本国総理を選ぶ代表選なんですから、あのときにそのことを正面に掲げて、そして勝利しておられたら、今日のような民主党内のざわめきは随分違ったんじゃないか、あるいは国民の意識も全く違っているんじゃないか。私は、そのことが、他党のことながら、残念に思って見ていました。

 だけれども、その反省の上に立って、野田さんも皆さんも、これから、次の政権ができて、やはり避けて通れない税制改革、この問題はだれが考えたってやらなきゃいけないわけだから、それを強引に力ずくで数でやればいいという話じゃなくて、やはり切々と国民に、入っていって、訴えていって、そして理解を求めて引っ張っていくという、その姿が必要なのではないかと思うんだけれども、野田さん、政権構想を出したんだから、どうですか、その腹はありますか。

野田国務大臣 大平先生を含めて、過去の事例も御紹介いただきました。私も、辻井喬さんの本などを読んでいると、まさに覚悟と段取りが必要だなというふうに思います。

 そして、野田先生御指摘のとおり、これはどういう内閣でも避けて通れないテーマであります。しっかりとその必要性を国民にお訴えするということ、今も苦しい時代でありますけれども、将来世代をもっとおもんぱかった政治を実現しなければいけないというふうに思います。

 覚悟と段取りを持ってチャレンジをさせていただきたいというふうに思います。

菅内閣総理大臣 かつてから同様のアドバイスもいただいておりましたが、御指摘をいただきました。

 一年前の六月の参議院選挙のことも思い起こしながらお聞きをいたしておりました。私の中に幾つかの反省と幾つかの私自身の不十分さを感じているわけですが、こんな席でこういうことを申し上げるのは恐縮ですが、大変重要な課題だけに、余り前のめりになり過ぎても、国民の皆さんに十分な理解が得られないこともある。昨年の六月の参議院のときの私の姿勢を反省すれば、私なりに、財務大臣を経験した中で、重要性を感じ、特にこの財金委員会での議論などで、私自身がやらなければと思う思いがやや空回りをして、前のめりになったのかなということを感じております。

 また、先ほど、社会保障と税の一体改革についての御指摘もありましたけれども、一年前取り組んだときには、そうした幅広い議論を十分にしていない中で、自民党が出された一〇%について参考にするという言い方をしたことが、やはり国民の皆さんに十分理解をいただけることにはならなかった。

 一年かけた議論の中で、社会保障のこれからのあり方を徹底的に議論した上で、それを持続可能にするためにはどうするか。まさにこういった課題を、次の世代の皆さんが、前のめりにはならないけれども腹にしっかりと据えて取り組んでいただきたいということも、私も同様に思っているところであります。

野田(毅)委員 時間が参りましたので終わりますけれども、きょう、本当に菅総理ももっと早くからこういう調子でおやりになると、僕はもっとたくさんの成果が上がったんじゃないかという気がして、その点は残念なんですけれども。

 今の消費税の問題なんですが、私は自分のことで言うわけじゃないんですが、やはりあの売上税のころ、あのころは中選挙区でしたけれども、私の地元の公園で一万人の反対集会がつくられて、中曽根康弘、野田毅がわら人形をつくられて、それで、好きなだけたたいてくださいと。最後は燃やされたんですよ。それはきつかったですよ。だけれども、歯を食いしばってやって、消費税ができたときには、あの山中さんも、あの方が廊下を上を向いて歩いたんですよ、涙が出ないように。

 それは我々、やはりそれだけ人生をかけて、政治生命をかけてやってきているんですよ。だてや酔狂でこんな議論をしているんじゃないんですよ、今まで。私も大平さんのころから走ってきていますから。それだけに、この消費税の議論をつまみ食い的に扱われるということには非常に違和感があるんだ。

 日本の将来を本当に決めていくのは、これしかないことは皆わかっているんだ。わかっているなら、お互い腹を据えてやる。これは与党、野党関係ない話だと私は思いますので、あえて、これから民主党の中で代表選が行われる中で、テーマの一つにこの問題が、多分、賛成だの反対だのでまたごちゃごちゃになって、その結果、日本の政治が意思決定ができない状況にならないように、ぜひきょうは、民主党の皆さん、肝に銘じて対応してもらいたいな、そのことを先輩としてお願いして、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。

石田委員長 次に、竹内譲君。

竹内委員 公明党の竹内譲です。

 この特例公債法案につきましても、七カ月という長い期間を経て、ようやく総括質疑と採決を迎えたことを私自身は大変喜ばしく思っております。

 また、菅総理とも、財務大臣でいらっしゃったころから、さまざまな委員会におきまして何度か激しい議論もさせていただいたこともありまして、これで質問するのも最後になるかと思うと残念な気もいたしますけれども。

 先ほど、野田先生が大変重要なことを質問されていまして、改めて確認をさせていただきたいんですが、一定のめどがつけば退任の三条件がそろうと。それは三条件であって、第二次補正予算とそれから今回の特例公債法案、そして再生エネルギー法案だと。この三法案が成立すれば速やかに次の段階に入るというふうにおっしゃったというふうにお聞きしたんですが、それは総理を退任されるという理解でよろしいですか。

菅内閣総理大臣 先ほども申し上げましたように、六月の二日に、一定のめどがついたら若い方に責任を譲りたいということを申し上げ、今指摘をされた三つの課題、法案なり予算が成立したことをもって、私として一定のめどがついたという認識をするということも申し上げてまいりました。

 その段階で、次の段階に入るというのは、まずは党の代表選を速やかに行うということを含めて、新しい代表が選ばれたときには、私の総理という職務を辞する、そして新たな総理を選んでいただく、そういう段階に入っていくということを申し上げました。

竹内委員 非常に明確に理解できました。

 そこで、野田大臣にお伺いしたいんですが、一部の情報によれば、この特例公債法案が成立すれば野田財務大臣は辞任するというお話が聞こえておりますけれども、それはそういうことでよろしいんでしょうか。

野田国務大臣 根も葉もありません。

 多分、それは、ある一部の報道で出て、私もびっくりしましたけれども、ここの衆議院の財務金融委員会で、自民党の齋藤健さんから、特例公債を通すために首を差し出す覚悟はあるのかと言われたときに、私は、もちろん自分の首を出してそれが通ればいいという思いも込めて、覚悟のお話をさせていただきました。思わず高目の直球にちょっと手を出したんですけれども。

 特例公債が今回、三党幹事長も含めて環境整備をしていただいて、こういう形で円滑な御審議をいただいて、それでやめるというのは、これは違います。あり得ない話であって、通したいという思いで言った前の言葉が、今度、通った後にやめるというのは、これはもう思いじゃなくて何かの思惑ですから、そういうことは全く考えておりません。

竹内委員 そこで、政治姿勢について、きょうは事前に通告もしておりますのでお聞きいたします。

 民主党代表選に立候補するという決意には変わりありませんね。

野田国務大臣 文章に書いてあるとおりであって、日本の政治をよくするために、時期が来れば先頭に立つ覚悟があるということでございましたので、時期はまだ、いつだかわかりません。

竹内委員 政策の話は、もう顔を見るのがお互い嫌なぐらい質問してきましたので、きょうは総括ですから、野田大臣の政治姿勢につきまして少しお聞きしておきたいんです。

 本日発売の文芸春秋にこの論文が記載されているんですよね。これは、改めてこういうのを出そうと思うと、大体、打ち合わせも含めて相当の日時が必要だと思うんですよね。ということは、かなり前から総理の退任を含めて予想していたということですか。これはいつごろ書かれたんですか。

野田国務大臣 さっきもどなたかの御質問の中でお答えしましたけれども、タイトルはちょっと走っていると思います。私は、そのタイトルは困るということを編集者に申し上げました。当面の課題で今我々が取り組まなければいけないこと、やらなければいけないこと、注意しなければいけないことを整理して書かせていただきました。

 書き始めたのは、ほんの二、三週間前、三週間ぐらい前からだったというふうに思います。短期間で書いています。

竹内委員 何でこんなことを聞くかというと、私、以前もこの財務金融委員会で、立候補する決意はありますかということを聞いたことがありましたので。そのときには、全くそんな気はない、その職務に専念するのみだというふうにお答えになっていたものですから、不誠実だなというふうに私は感じた次第です。

 というのは、これだけのものが出るというのは、政権構想ですから、隣にいらっしゃる菅総理の内閣の一員でありますから、書くということは、やはり財務大臣を辞職してから書く、発表するというのが、これは筋ですよね、内閣の一員としては。私は筋論を言っているんですよ、道理を言っているんですね。そのように思いませんか。

野田国務大臣 今、もうこういう形で特例公債法の御審議をいただいていますし、為替を含めて大変厳しい状況です。復旧復興で一生懸命日本が立ち上がろうとしているときに、新たに経済危機という大津波が寄せてこようとしているときに、私は、その職責を果たすことが今の自分の基本的な使命だと思いますし、菅内閣の一員として財務を担当している以上、それが一番の使命であります。

 したがって、軽々に何か立候補する等々の発言をすること自体が、多分おかしいというふうに私は思っています。

竹内委員 わかりました。

 ですから、文芸春秋には、これはけしからぬと言わないとだめですね。全然趣旨と違うものが出されたというふうに、間違いであるというふうに言わないといけないですね。

 そこで、菅総理にお聞きしようと思っていたんですが、もうステージが移りつつあると思いますので、次の、野田大臣に引き続き幾つか御質問をさせていただきたいというふうに思います。

 結果として、今回、子ども手当も見直しということになったわけですね。三党合意等がありまして、本来であれば五・四兆円の子ども手当財源を捻出して二万六千円支給する、こういうことでありましたけれども、これが事実上、法的にもそうですけれども、児童手当法の改正ということになって、当初の二万六千円から大幅にさまざまなものが変更された。

 政権交代前は、民主党政権が実現すれば政治主導が貫徹されて、財政の無駄を省き、予算を組み替えることで子ども手当などの財源は簡単に出てくる、こういうふうにおっしゃっていたわけでありますけれども、残念ながら、今回の合意では、少なくとも子ども手当等を初め財源は出てこなかったというふうにこれは認識されるわけです。

 なぜ財源は出てこなかったのか。この点につきましてはどのように認識されていますか。

野田国務大臣 マニフェストでは、これをやりますというものと財源と、二つのカラーの中でつくらせていただいておりましたけれども、これは、四年間で十六・八兆円の財源を確保するということをマニフェストに記載させていただきました。その中で、例えば租税特別措置の見直しであるとか、あるいは埋蔵金、いわゆる税外収入の確保等々については、私は一定の実績があったというふうに思います。

 一方で、具体的に歳出を削減したり組み替えたりするというところは、私も副大臣のころから含めて六回予算編成をしてまいりましたが、なかなかそう簡単ではなかったところがありました。そうはいいながらも、ただいま御指摘のあった子ども手当も含めまして、三・六兆円は、歳出削減と税制改正等によって、しっかりと恒久財源をつくりながら対応させていただきました。

 それ自体は、本来ならばさらに引き続き努力をしなければいけなかった部分でありますけれども、前もこの財金委員会でもお話ししたとおり、震災という大きな変化があって、政策の優先順位を変えていかざるを得ない、そういうこともありまして、今回、三党の幹事長レベルでの合意で結論が出たわけでございますので、そのことをしっかり受けとめて対応していきたいというふうに思います。

竹内委員 ここは大事な点でありまして、東日本大震災は理由にならないと思うんですよね。もともと、無駄を省いて予算を組み替えれば、政治主導で閣僚委員会で集まってやるんだ、これは菅総理もさまざまなところでおっしゃっていましたし、論文でも発表されていますし、そうすれば出てくるんだ、これが今までと全然違うんだということを豪語されていたわけですから。

 ですから、小沢さんも含めて、二十兆円ぐらいはたちどころに出てくるんだ、こういうふうにおっしゃっていたわけですから、それが出てこなかったということはやはり反省すべき点があるんじゃないのか、見通しが甘かったのじゃないかな、こういうふうに思うんですよ。

 それはきちんと、民主党政権として国民に対して、やはりこれは至らない点があったということは認めて謝罪すべきだと思いますが、いかがですか。

野田国務大臣 十六・八兆円の部分を全額確保できる見通しがこれから例えば立つのかというと、それは率直に言って、委員御指摘のとおり、大変困難だというふうに思いますので、そのことについてはやはりおわびをしなければいけないと思います。

 ただ、満願成就の形ではできないかもしれないけれども、それぞれのマニフェストの中身については、ばらまきという御指摘がありますけれども、私どもはそれぞれ理念があったというふうに思います。その理念を踏んまえて、野党との協議に真摯に向かいながら、ぎりぎりのいわゆる妥協案というのを求め続けていくしかないというふうに思っております。

竹内委員 書かれた政権構想にも、いいことは書いてあるんですね。「国会は野党のためにある」というふうにもおっしゃっていますし、「案件にもよりますが、与党が歩み寄ることが、一段と重要になる」と。それから、「私は党内での議論を尽くし、マニフェストも聖域なく見直すべきと考えます。」「なぜ実現できなかったのか。事実を誤魔化さず明らかにし、その上で批判を甘受します。」このように正々堂々と書かれていますから、そのようにしていただきたいというふうに思います。

 付言ながら、この政治主導、むしろ、これは私の考えですけれども、本当に今回実現できたのは、このねじれ国会だったのではないかなというふうに思っているんですよ。

 残念ながら、菅総理のおっしゃっていた政治主導というのは、閣内の不統一、ばらばら、あるいは政府と与党との一体化がなされていない等々で、なかなか貫徹されなかったと思うんですね、少なくともこの二年を見る限りは。

 しかし、大変な、この国会では、立法府ではねじれ国会でありましたけれども、野党の我々が単純な二元対立に陥ることなく、割合、国家国民のために知恵を出してきたと思うんですよ、はっきり申し上げて。大変な中を何とかここまで合意に至ることができた、こういうのが本当の政治主導じゃないかなというふうに私は思っているんです。

 そのようなことで、あと時間もそんなにあるわけではありませんけれども、野田財務大臣としては、この政治主導というのはどのようなものであるべきだというふうにお考えですか。

野田国務大臣 竹内委員御指摘のように、今回のこの特例公債法案もそうでありますけれども、最近の事例を見ると、仮払い法案とかあるいは瓦れき処理の法案、これが、与野党が本当にいい議論をして修正協議をしながら政治を前進させるという成果が、だんだん私は出てきているというふうに思います。これは、委員と私は全く同感であります。

 もう一つ、政治主導の私なりの解釈なんですけれども、以前、同僚議員で岩国哲人さんという方がいらっしゃいました。残念ながら、昨年の参議院選挙は自民党を応援したみたいなんですけれども、そこは残念なんですが、岩国さんの言葉で、今、私、印象に残っているのは、役人というのは役に立つ人であるべきである、役所は役に立つところじゃなきゃいけない。役に立つ人、役に立つところにするために政治主導というのがあるんだろうという意味では、私は、まさに今の官僚機構、役所を存分にフル活用していって、今、厳しい、困難な時期でございますので、彼らもしっかりフル活用できるようにすることが、政治の主導の、まさにマネジメントの基本ではないかなというふうに思います。

竹内委員 これで最後というか結びにいたしますが、総理、きょうで在任四百三十日になると思うんですけれども、この一年余りの総理としての活動をどのように総括しておられるか、最後にお聞きして、質問を終わりたいと思います。

菅内閣総理大臣 機会を与えていただいて、大変ありがとうございます。

 私は、内閣ができたときから、内閣としてやるべきことがやれているか、やれていないかということを自分なりにしっかりと見ていこうと考えてまいりました。当初は、二十年来の、先送りになった社会保障と税といったような課題を大きく取り上げてまいりました。その後、三月十一日の大震災からは、復旧復興、さらには原発事故の収束に全力を挙げてまいりました。

 見方はいろいろで、野党の皆さんからは、非常に遅いとかいろいろなことを言われたことはよく承知をしておりますが、私は、復旧復興について、内閣、さらには与野党を超えて、多くの議員が積極的に、力をフルに発揮していただいて、進むべきことは着実に進んでいる、このように見てまいりました。

 そして、加えて、原子力事故については、当初は、本当にどこまで拡大をするかわからないという大変背筋が寒くなるような、凍るような時期もありましたけれども、七月十九日のステップワンの終了の一つの時点を迎えて、これ以上の、既に放出した放射性物質による被害はいろいろ新たに出ておりますが、本質的に、新たな放出が原子炉から出て被害が拡大するということはなくなって、収束の方向に向かっている、このように理解をいたしております。

 これからの原子力行政のあり方、エネルギー政策など、課題が大きいことはもちろんでありますが、私としては、この一年間、私の内閣として、それぞれの政務三役の皆さんを中心に、そして与野党を超えての御協力があって、やるべきことは進めてきたし、進んできた、このように認識をいたしております。

竹内委員 以上で終わります。ありがとうございました。

石田委員長 次に、佐々木憲昭君。

佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。

 今回、民主、自民、公明三党の合意があったということで、急遽、特例公債法案の締めくくり総括質疑をやることになったわけであります。三党合意を見ますと、子ども手当を廃止し、児童手当に戻すこと、高校無償化などの見直しを行うこと、こういうことで一致したということでありますが、国民生活の基本にかかわるこういう問題を、三党だけのいわば密室協議ということで、結論を国会に押しつけるというやり方は、国会の運営上、全体をないがしろにするものだと言わざるを得ません。初めにこの点を厳しく指摘しておきたいと思います。

 そこで、菅総理にお聞きをしたいと思いますが、民主党が総選挙の目玉政策として掲げて、曲がりなりにも実施してきた子ども手当が廃止されるということになったわけです。このことについて、一部のマスコミは、民主党が白旗を掲げた、こういうふうに報道しております。民主党代表でもある総理、どのような感想をお持ちでしょうか。

菅内閣総理大臣 私は、子ども手当のもともとの考え方、日本の社会保障は比較的高齢者に手厚く進んできたわけでありますが、子供も社会がしっかりと支え、育てる、そのための大きな施策として子ども手当を提案させていただいてきたと考えております。

 今、廃止という言葉を使われましたけれども、私は、子ども手当について、まず初年度について一万三千円の子ども手当法案を成立させていただき、二年目に関して、この一連の経緯の中で、十月までの、年度内の当面の問題と、来年度においては児童手当の改正という形でつないでいくということではありますけれども、私たちが申し上げた子ども手当そのものが全くゼロに戻って、以前の児童手当に戻るということではありませんで、私の理解では、子ども手当の内容は、当初申し上げたとおりには残念ながら実現できておりませんけれども、相当程度はその次の段階にも生かされてくる、このように理解をいたしております。

佐々木(憲)委員 廃止という言葉について、そうではないというような意味をおっしゃいました。

 自民党の石原幹事長は、八月四日の記者会見でこう言っているんです。子ども手当を廃止して二十四年度から児童手当にするという案について三党間で合意ができたと。

 公明党の石井政調会長は、八月七日付の公明新聞で、「現行の「子ども手当」を二〇一二年度から廃止し、自公政権時代の「児童手当」をベースにして拡充する方向になりました。」というふうに言っております。

 子ども手当を廃止するということははっきりしているんじゃありませんか、総理。

小宮山副大臣 今行っております子ども手当は事実上廃止ということかと思いますけれども、私どもの、子供を社会全体で支援する、子供の育ちを支援するという、その基本的な考え方は変わっておりません。

 今ある恒久制度が、児童手当の法律が恒久制度なので、それに乗せる形で、両方の意見をあわせて新しい手当をつくっていこう、そういうことだと考えております。

佐々木(憲)委員 では、子ども手当と児童手当の本質的な違い、総理にお答えいただきたいんですが、これはどのようにお考えですか。

菅内閣総理大臣 まず、本質的という前に、先ほども小宮山さんからもありましたけれども、具体的に言いますと、もともとの児童手当は、これはもうよく御承知だと思いますが、ある水準があるわけですけれども、給付水準でいえば、三歳未満においては、児童手当では一万円であったのが、今回の合意では一万五千円になっております。また、中学生については、児童手当は支給の対象になっておりませんでしたけれども、今回の合意でも一万円の支給が確保されることになっております。

 そういった意味で、私どもが提案をした子ども手当というものが、内容的には来年度からもきちっと、全部ではないにしても相当程度は生かされてくる、このように考えております。

 今、本質的なことについて言われましたけれども、いろいろな見方、考え方はありますが、私が理解をしておりますのは、先ほど申し上げたように、子供を育てていくということについても、これは、社会がその責任を両親と分かち合うという立場で、子供たちの健やかな育ちを社会的にも責任を持っていくということである、こう理解しております。

佐々木(憲)委員 私は本質的な違いは何かというふうにお聞きをしたんですが、どうも明確な答えがないようで、お配りした資料を見ていただきたいんです。

 これは、民主党の前回の総選挙のときのマニフェストであります。「民主党は、すべての子どもたちに教育のチャンスをつくります。 社会全体で子育てする国にします。」こういうふうに書いてあります。

 二枚目を見ていただきますと、これは、民主党がつくった二〇〇七年十二月二十六日付の「現行の児童手当と民主党の子ども手当の比較」、こういう表であります。

 これによりますと、児童手当は、家庭における生活の安定に寄与することとされ、所得制限があるわけですね。これに対して子ども手当は、社会全体で子供の育ちを支えるものであって、所得制限をなくし、すべての子供に支給する、こういうものであります。

 基本的な違いは、こういうところにあるんじゃありませんか。

小宮山副大臣 民主党のそもそもの考え方としては、先ほど申し上げたように、子供は社会全体で支援をする。両親が、家族が育てるのはもちろんですが、社会全体で支援をする。子供の育ちを支援するということを目的に書いておりました。

 自公政権で行われた児童手当は、家計というか、生活の安定をということがございました。

 それで、今回、その児童手当の法律に乗せて新しくつくるということなので、そこは、これからどういう形でやっていくかは、今度また、来年度、正式に恒久的な法律をつくるときの話し合いだと思っております。

 それから、所得制限につきましては、私どもはかけないという方針だったんですけれども、これにつきましても、自公政権のときは、所得制限をかけたところには何もありませんでしたが、今回の合意では、所得制限をかけた世帯に対しましても、税制上あるいは財政上の措置をとる。ですから、財政上の一定額を支給するか、あるいは税制上の税額控除などを行うということで、そういう意味では、すべての子供に手当を支給するという私どもの考え方は維持をされているというふうに思っております。

佐々木(憲)委員 それは違うと思うんですね。

 この文書を見ていただければ明確なので、児童手当は、家庭における生活の安定を目的として、年齢や出生順位により金額が異なるものであると書いているじゃありませんか。しかし、子ども手当は、すべての子供を社会全体で支え、手当を支給するものである、出生順位にかかわらず、皆同額の手当額にいたします、こうなっているわけですね。

 今回合意された内容はどうかといいますと、まず、所得制限を入れた。これは「所得制限」と明確に書いているじゃありませんか。年齢や出生順位によって金額が異なっておりますね。

 明らかに子ども手当の理念を放棄し、自民・公明政権時代の児童手当に戻したということははっきりしているんじゃありませんか。総理、どうですか。

小宮山副大臣 確かに、マニフェストでお約束したとおりには今行われていないということは、震災復興の財源が要ることなども含めて、実行できないところについてはおわびを申し上げないといけないと思いますが、もとのままの制度に戻すということではなくて、先ほど申し上げたように、所得制限をかける世帯にも一定程度の手当てをするということも内容としては合意をしているところでございます。

 今回合意をしたのは、「児童手当法に所要の改正を行うことを基本とする。」、改正を行うわけですから、その中に私どもが申し上げた子ども手当の考え方も盛り込んだ形で、しっかりとこれから来年度に向けて各党でまたお話し合いが進むものと思っております。

佐々木(憲)委員 それは全く違うと思うんです。

 自民党の石破政調会長は、八月四日の記者会見でこう言っているんですよ。理念は間違いなく変わった、法目的を読めば、児童手当の方は家庭、家計の安定に寄与するということがあって、家計、家庭ということが法目的の中に入っている、そうすれば、理念が変わったということ、どう民主党が言おうとも間違いのないことだ、それは断言をする、こう言っているんです。

 総理に聞きますけれども、この石破政調会長が言っていることは間違いである、こういうことなんでしょうか。

小宮山副大臣 各党いろいろな御意見がある中で真摯に御協議をいただいて、今回の合意ができたと思っております。ですから、これから、来年度の恒久法につきましては、三党でまたそれぞれのところで話し合いをして合意をしていくということでございますので、今、その子ども手当の理念がすべて変わったということではないということを申し上げたいと思います。

佐々木(憲)委員 これは三党間でばらばらでありまして、民主党の理解と自民、公明の理解が全く違う。それで合意した、これは驚くべき事態であります。

 しかも、この合意というのは、国民にとってもマイナスなんですよ。何でかというと、我々は、保育園が足りない、待機児童がたくさんいる、そういう中で、保育所整備、こういうものを現物給付できちっとやるべきだ、それから、現物給付だけではなく現金給付も必要であろう、両方バランスをとって総合的に子育て支援に取り組む、こういうことが必要だという主張をしてきたわけですね。

 今回の協議、内容について聞きますけれども、野田大臣、子育て支援をどうするのかという基本的なそもそもの議論というのは、どのようにやられたんでしょうか。その内容を、もしあったら報告をしていただきたい。

小宮山副大臣 今回の協議の中で具体的にどのような議論があったかは承知をしておりませんけれども、政権としましては、おっしゃったように現金と現物の給付のバランスをとりながらやるということは最初から総合的に子供政策として掲げておりまして、今も、子ども・子育てビジョンにのっとって現物の部分の拡充に努めておりますし、基本的な考え方をしっかりとつくり上げました子ども・子育て新システム、この中でも、現物のところにしっかり力を入れていくということはやっております。

 そして、今回の合意の中でも、地方公共団体が自由に使える交付金というものも五百億用意してございますので、現在は安心こども基金で補正を積んでやっておりますけれども、しっかりとした財源も確保した上で、当然、現物と現金のバランスということは、地方とも協議をしながら、しっかりと両方ともに充実するようにやっていきたいと考えております。

佐々木(憲)委員 民主党政権はまともにこの問題に対応しておりません。いろいろなことを口で言っても、現実にはどんどん後退しているじゃありませんか。

 子供に対する支援を総合的にどうするかという議論はあったのかというのが私の質問なんですよ。

 三党の協議の中で何が行われていたんですか。保育所をつくるという話はありましたか。一回もありませんね。だから、そういうことについて、今、何の報告もできないじゃありませんか。ですから、私は非常にこれは問題だと。つまり、公債特例法案を何とか通したい、そういう余りに、いわば子ども手当を取引材料に使って、もてあそんだようなものですよ。これはもう本当にどうにもならない、こういうやり方は。

 三党合意で、現行の子ども手当の支給額一万三千円が一万円に減額される世帯が生まれるわけですが、こういう多くの子育て世帯に実質負担増を押しつけるということになるんじゃありませんか。これまでと比べて予算は幾ら節約されるということなんでしょうか。野田大臣にお聞きしたいと思います。

小宮山副大臣 今回の合意の中で、二・二から二・三兆円の財源ということで合意をしております。これまでの自公政権の行っておりました児童手当は一兆円でございました。もともと、一万三千円ですべての子供に同額やっていたときには二・七兆円でしたので、四千億から五千億の財源がここから出ると考えております。

 これは、震災復興にもお金が要るということなので、やむを得ずそのようにやっているということです。

佐々木(憲)委員 結局、今の答弁でも明らかなように、支給額については、いろいろな、新しい、児童手当に似たような、そういう支給額に組みかえて、そして結果としては、予算全体を削減する、所得制限も入れる、子供の数に応じて金額も変える、出生順位によって変える。もうこれは完全に子ども手当を児童手当に変えるということなんです、実態は。しかも、受け取る方からいうと、今まで一万三千円もらっていたにもかかわらず一万円に減る、そういう世帯がかなり出てくるということになるわけです。

 そういうことは、民主党が掲げた子ども手当の理念を完全に放棄して、いわば自民党、公明党の軍門に下るようなものでありまして、そんなやり方が果たして、マニフェストを国民に契約として掲げた民主党のやり方なんでしょうか。私は、これは国民に対して裏切り行為にならざるを得ない、これは本当によく考えてもらいたい。

 私は、この公債特例法案がそういう取引の上で合意されて、強行というか、事実上強行されるわね、そういうことで、子供の問題をもてあそんで、結局、政治がそれを政局に利用し、そして三党だけで合意をして国会に押しつけて通す、そのやり方自体に問題があるし、内容的にも今言ったように大幅な後退を招き、国民に約束したことを、いわば公約違反、こういう形にならざるを得ない、この点は非常に重大な問題だというふうに思っております。

 しかも、これで公債特例法が通る、再生エネルギー法案が通る、そうすると条件がそろうから総理はもうやめるんだ。一体これで、国民に対して何が残るんでしょうか。菅総理、どのように思いますか。

菅内閣総理大臣 まず、子ども手当と児童手当は、今御議論いただきましたけれども、子供の育ちを支援するという面では共通する面があるわけでありまして、そういう中で、三党でいろいろと協議をしてこうした形に、それぞれの妥協という部分も含めて、なったということであります。

 私は、この公債特例法を今回こうして採決していただけるわけでありますが、このことがさらにおくれますと、国民の生活、さらには日本経済にマイナスの影響を与えることになると心配をしておりましたので、そういった点で、いろいろな問題点はありますけれども、これが多くの野党の賛成もいただいて成立をするということは、今、日本が置かれた状況の中では極めて重要な大きな意味がある、このように考えております。

佐々木(憲)委員 やり方も内容も我々としては納得できない、反対であるということを申し上げまして、質問を終わります。

石田委員長 これにて内閣総理大臣出席のもとの質疑は終了いたしました。

 総理大臣は御退席いただいて結構でございます。

 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

石田委員長 この際、本案に対し、古本伸一郎君外二名から、民主党・無所属クラブ、自由民主党・無所属の会及び公明党の共同提案による修正案が提出されております。

 提出者から趣旨の説明を求めます。山本幸三君。

    ―――――――――――――

 平成二十三年度における公債の発行の特例に関する法律案に対する修正案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

山本(幸)委員 ただいま議題となりました平成二十三年度における公債の発行の特例に関する法律案に対する修正案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。

 本修正案は、昨日、民主党、自由民主党及び公明党三党の間においてなされた「子ども手当等の見直しによる歳出の削減について、平成二十三年度補正予算において減額措置することを、特例公債を発行可能とするための法案の附則に明記する」旨の合意を踏まえ、本法律案の附則に、政府は、子ども手当の支給等の見直しによる歳出の削減について、平成二十三年度の補正予算において必要な措置を講ずるものとする規定を加えるものであります。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

石田委員長 これにて修正案の趣旨の説明は終わりました。

    ―――――――――――――

石田委員長 これより原案及び修正案を一括して討論に入ります。

 討論の申し出がありますので、これを許します。佐々木憲昭君。

佐々木(憲)委員 私は、日本共産党を代表して、特例公債法案に対し反対の討論を行います。

 もともと本法案は、今年度予算の財源を確保するためのものであり、予算案と一体のものであります。

 日本共産党が今年度の予算案に反対した理由は、大企業の内部留保が二百五十兆円にまで膨れ上がっているのに、さらに大企業、大資産家に減税などの大盤振る舞いを行おうとしているからであり、その一方で、医療、介護、年金、福祉などの社会保障分野で、総じて抑制と後退の方向に踏み出しているからであります。

 このような予算を支えるため過去最大規模の赤字国債を発行するということに、道理はありません。

 しかも、今度の三党合意は、特例公債法案を通すために、国民生活関連予算をさらに削減するものとなっているのであります。子ども手当の廃止はその典型です。子育てにかかわる大問題を三党だけで協議し、結論を国会に押しつけるやり方自体、国会の民主的運営をないがしろにするものと言わざるを得ません。

 政府・民主党は、三党協議の中でマニフェストの目玉政策を次々と放棄し、マスコミも、民主党が白旗を掲げたと報道しました。

 民主党の岡田幹事長は、子ども手当について、理念は変わっていないなどと述べていますが、何の反論にもなっておりません。

 もともと、民主党の説明によれば、児童手当は、家庭における生活の安定に寄与するとされ、所得制限がありました。また、年齢や出生順位により金額が異なっていました。これに対して、子ども手当は、社会全体で子供の育ちを支えるものであり、所得制限をなくし、すべての子供に同額の手当を支給するものであります。

 合意内容を見れば、子ども手当を放棄し児童手当に戻したことは明らかではありませんか。しかも、現行の子ども手当の支給額一万三千円が一万円に減額される世帯が生まれ、少なくない子育て世帯に実質負担増を押しつけることになるのであります。

 日本共産党は、保育園整備などの現物給付と現金給付のバランスをとって、総合的に子育て支援に取り組むよう主張してきました。この議論こそやるべきであります。ところが、三党協議で子育て支援をどう総合的に進めるのかという議論をした形跡が全くありません。子ども手当を公債特例法案の取引材料に使って、もてあそんだだけであります。

 自民、公明両党は、民主党に対して、一つ譲れば二つ譲れと言い、二つ譲れば三つ譲れと言って、マニフェストの完全放棄を迫ってきたわけです。我々から見ても、民主党のマニフェストには無駄な部分もあります。しかし、子ども手当や高校授業料無償化などの生活関連政策も含まれております。これらが後退することは、容認できるものではありません。

 岡田幹事長は、前回の総選挙の際、民主党のマニフェストは魂の結晶だと言っていたのであります。民主党に問いたい。「国民の生活が第一。」という理念はどこに行ったのでしょうか。政策のすり合わせで自公政権時代に戻ったら、その魂を売り渡したとしか言いようがないではありませんか。

 なお、三党提案の修正案については、子ども手当の部分を補正予算で削減するものであり、賛成できません。

 以上で、反対討論とします。

石田委員長 これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

石田委員長 これより採決に入ります。

 平成二十三年度における公債の発行の特例に関する法律案及びこれに対する修正案について採決いたします。

 まず、古本伸一郎君外二名提出の修正案について採決いたします。

 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

石田委員長 起立多数。よって、本修正案は可決いたしました。

 次に、ただいま可決いたしました修正部分を除く原案について採決いたします。

 これに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

石田委員長 起立多数。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。

 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました本法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

石田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

石田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後三時三十八分散会


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