衆議院

メインへスキップ



第5号 平成26年2月28日(金曜日)

会議録本文へ
平成二十六年二月二十八日(金曜日)

    午後一時三十二分開議

 出席委員

   委員長 林田  彪君

   理事 伊東 良孝君 理事 越智 隆雄君

   理事 菅原 一秀君 理事 寺田  稔君

   理事 御法川信英君 理事 古本伸一郎君

   理事 桜内 文城君 理事 竹内  譲君

      安藤  裕君    小倉 將信君

      小田原 潔君    鬼木  誠君

      神田 憲次君    小島 敏文君

      小林 鷹之君    島田 佳和君

      田野瀬太道君    竹下  亘君

      竹本 直一君    中山 展宏君

      葉梨 康弘君    藤井比早之君

      牧島かれん君    松本 洋平君

      三ッ林裕巳君    山田 賢司君

      安住  淳君    武正 公一君

      前原 誠司君    鷲尾英一郎君

      坂元 大輔君    田沼 隆志君

      三木 圭恵君    山之内 毅君

      上田  勇君    岡本 三成君

      大熊 利昭君    佐々木憲昭君

      鈴木 克昌君

    …………………………………

   財務大臣

   国務大臣

   (金融担当)       麻生 太郎君

   財務副大臣        古川 禎久君

   財務大臣政務官      葉梨 康弘君

   財務金融委員会専門員   北村 治則君

    ―――――――――――――

委員の異動

二月二十八日

 辞任         補欠選任

  金田 勝年君     三ッ林裕巳君

  田畑  毅君     島田 佳和君

同日

 辞任         補欠選任

  島田 佳和君     田畑  毅君

  三ッ林裕巳君     金田 勝年君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 所得税法等の一部を改正する法律案(内閣提出第七号)

 地方法人税法案(内閣提出第八号)


このページのトップに戻る

     ――――◇―――――

林田委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、所得税法等の一部を改正する法律案及びこれに対する古本伸一郎君外一名提出の修正案、地方法人税法案の両案及び修正案を議題といたします。

 越智隆雄君。

越智委員 動議を提出いたします。

 両案及び修正案に対する質疑は終局されることを望みます。

林田委員長 ただいまの越智隆雄君の動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

林田委員長 起立多数。よって、両案及び修正案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

林田委員長 この際、内閣提出、所得税法等の一部を改正する法律案に対する修正案について、国会法第五十七条の三の規定により、内閣において御意見があればお述べいただきたいと存じます。財務大臣麻生太郎君。

麻生国務大臣 この修正案につきましては、政府としては反対であります。

    ―――――――――――――

林田委員長 これより両案及び修正案を一括して討論に入ります。

 討論の申し出がありますので、順次これを許します。寺田稔君。

寺田委員 私は、自由民主党及び公明党を代表いたしまして、内閣提出の所得税法等の一部を改正する法律案及び地方法人税法案に賛成し、民主党提出の所得税法等の一部を改正する法律案に対する修正案に対し反対の討論を行うものであります。

 まず、内閣提出の両法案は、デフレの脱却、経済再生に向けて、企業収益を拡大し、それを設備投資、研究開発、さらに賃上げに回し、所得の拡大、消費の拡大を通じ、さらなる経済成長を導くための措置を講ずるとともに、税制抜本改革を実施するため、給与所得控除の上限の引き下げ、地方法人課税の偏在是正や自動車重量税のグリーン化について所要の措置を講ずるものであり、ぜひとも必要なものであると考えます。

 続いて、民主党の修正案について申し上げます。

 第一に、修正案では、給与所得控除の見直しに関する規定を削除することといたしております。

 給与所得控除については、税制抜本改革法において見直しが喫緊の課題とされていたものであり、今般、高所得者層を対象とした控除水準の是正を行うものでありますことから、当該規定の削除には反対であります。

 第二に、修正案では、復興特別法人税の前倒し廃止の規定を削除することといたしております。

 復興特別法人税の廃止は、復興財源をしっかりと確保した上で、収益の拡大、成長を促し、さらに賃金上昇につなげるきっかけとするために決定した措置であるため、当該規定の削除には反対であります。

 第三に、修正案では、自動車重量税の当分の間税率の廃止などの措置を講ずることを附則に規定いたしております。

 これらの措置に関しましては、税制抜本改革法において前提とされ規定をされております安定的な財源の確保について、何ら方策が盛り込まれていないなどの問題があります。また、修正案に示されている他の附則案についても、さまざまな問題があるものと承知をいたしております。

 なお、こうした税制改正を執行する税務の現場では、高水準で推移する申告件数、滞納税額、経済取引の高度化による調査事務、徴収事務の複雑化などによる事務量増大が顕著であります。

 こうした状況下、委員会の質疑でも触れられておりましたとおり、公正かつ適正な課税及び徴収の実現を図り、歳入を確保するため、定員の確保を含め、処遇の改善等に特段の努力を払うことも必要と思料いたします。

 以上、内閣提出の両法律案に賛成、民主党提出の修正案に反対の立場を表明いたしまして、私の討論を終わります。(拍手)

林田委員長 次に、田沼隆志君。

田沼委員 日本維新の会の田沼隆志です。

 討論に先駆けまして、本日の一方的な委員会立て及び一連の強行的な審議・採決日程に対し強く抗議をいたします。昨年は九・五時間の審議でしたが、本年は法案二つに対し九時間の審議にとどまり、また、以下に述べるような諸問題もあるにもかかわらず、それを打ち切っての強行的な運営に強く抗議をいたします。

 それでは、ただいま議題となりました所得税法等の一部を改正する法律案並びに地方法人税法案に反対の立場で討論を行います。また、民主党提出の修正案にも反対をいたします。

 以下、理由について述べます。

 第一に、法人税改革が全く踏み込み不足であります。

 自民党は参院選公約でも法人税の大胆な引き下げを明記し、また、安倍総理もダボスで国際相場に照らして競争的なものにすると国際公約をしているにもかかわらず、今回の税制改正では完全に先送りされており、全く容認できません。

 中でも、課税ベース拡大の議論に不可避である、租税特別措置の抜本的な整理統合や欠損金繰越控除制度の見直し、社会福祉法人や宗教法人への適正課税など、議論すべき重要なテーマがほとんど未着手あるいは極めて遅く、怠慢と言わざるを得ません。よって、反対いたします。

 第二に、所得税改正が場当たり的と感じてなりません。

 高所得者への控除額上限引き下げは、取りやすいところから取ると安易な税負担を求めており、各世代にわたっての所得再分配のあるべき姿を描いた上での改正とはとても言えません。そもそも、安倍政権発足後、この控除見直しは全く議論もされておらず、全体像に欠けた、議論不十分の改正と言わざるを得ません。

 消費税も増税され、国民負担がふえる中、他の税目もしっかりと議論をし、国民に納得のいく改正としなければなりません。よって、反対いたします。

 第三に、地方法人税が創設されますけれども、これは地方税を国税にするもので、地方分権の原則に逆行しており、到底賛成できません。

 この税は直接地方交付税特会に入ると言いますけれども、依然として、交付税制度の存続、中央集権的制度を前提としており、我が党の理念である地方の自立、そのための消費税地方税化と地方共有税創設とは全く相入れません。ゆえに、反対いたします。

 以上、我々日本維新の会は責任野党として建設的に議論を闘わせたいと考えておりますが、法案の内容に多くの問題や疑義が残る上、加えて横暴な委員会運営に改めて強い懸念を申し上げ、日本維新の会を代表しての反対討論といたします。(拍手)

林田委員長 次に、佐々木憲昭君。

佐々木(憲)委員 討論に先立ち、与党と委員長の強引な運営にまず抗議をしておきたいと思います。

 所得税法等改正案及び地方法人税法案の二法案に反対の討論を行います。

 所得税法等改正案に反対する理由は、研究開発減税などの民間投資活性化税制が、労働者の賃金や消費拡大につながらず、大企業優遇税制を一層拡大させ、法人税収を空洞化させるからであります。

 バブル崩壊後に三七・五%であった法人税率は現在二八・〇五%にまで軽減されたにもかかわらず、民間平均給与は、一九九七年の四百六十七万円をピークに、二〇一二年の四百八万円まで、五十九万円も減っております。法人税減税を拡大する政策に根拠がないことは明白であります。

 復興特別法人税の前倒し廃止や大企業の交際費非課税化などの一兆円を超える企業減税も、本末転倒であります。来年度予算の歳入案は、税目の中で消費税収入が最大となりました。

 国民を苦しめ、中小零細業者を破綻に追い込む消費税増税は中止し、企業優遇税制のこれ以上の拡大はやめるべきであります。

 本法案には、中小企業向け減税なども含まれていますが、以上の点を総合的に判断し、反対いたします。

 次に、地方法人税法案に反対する理由を述べます。

 本法案は、消費税増税に伴う地方消費税の増収によって拡大する地方自治体間の税収格差を法人住民税等の見直しで是正するために、地方法人税を新たに創設するものであります。

 これは、消費税増税と一体のものであり、消費税を地方財政の主要財源として整備、定着させるものであります。また、法人住民税の法人税割を地方間の税収の水平調整のために一部国税化し、地方交付税として配分することとしていますが、地方公共団体間の財政力格差の是正は、国、地方間の税源配分を是正し、地方税財源を拡充していく中で行われるべきものであります。

 なお、民主党提案の修正案については、復興特別法人税の前倒し廃止を削除するなど賛同できるものも一部含まれておりますが、全体として消費税増税を前提とした対策となっており、賛成できません。

 以上であります。

林田委員長 次に、鈴木克昌君。

鈴木(克)委員 討論に先立ち、野党全会派が慎重審議を求めて反対をしているにもかかわらず、職権で強行に決定されたことに対して、まず厳重に抗議をさせていただきたいと思います。今後は、野党側に十分配慮した委員会運営が行われることを強く望みます。

 それでは、ただいま議題となりました所得税法等の一部を改正する法律案及び同修正案に対し、反対の討論を行います。

 まず、所得税法等の一部を改正する法律案に反対する最大の理由は、震災復興のための復興特別法人税の前倒し廃止案が盛り込まれていることであります。

 これまでの質疑においては、被災地の方々の十分な理解を得ることができたのか、賃金の上昇が確実に担保できているかなどについてただしてまいりましたが、残念ながら、明確な答弁を得ることはできませんでした。

 間もなく、東日本大震災から三年を迎えようとしております。まさに未曽有の国難に直面し、私たちは、被災地域における社会経済の再生、生活の再建と活力ある日本の再生のため、復旧復興に全力で取り組んでまいりました。復興特別法人税の創設もその取り組みの一つであったはずであります。

 「復旧・復興のための財源については、次の世代に負担を先送りすることなく、今を生きる世代全体で連帯し負担を分かち合うことを基本とする。」とした復興の基本方針のもと、与野党が協力して創設したものであったはずであります。

 三年間という短期の課税期間のうち残り一年というわずかな期間を、なぜ廃止しなければならないのでしょうか。震災からの復興は政府・与党の最優先の課題と位置づけておきながら、なぜ廃止なのでありましょうか。

 今このときも、被災地の方々は、復興に向け、懸命な努力を続けられております。こうした方々に対し、確実な担保もない賃上げを理由に、廃止しますという無責任なことを我が党は申し上げることはできません。

 また、本改正案では、中小企業投資促進税制の拡充等も盛り込まれておりますが、厳しい中小企業の現状を踏まえれば、十分とは言えません。

 次に、民主党提出の修正案につきましては、復興特別法人税の前倒し廃止案を削除するという点では評価できるものでありますが、消費増税を前提とした規定が盛り込まれていることから、我が党としては反対をいたします。

 なお、地方法人税法案につきましては、地方財源の偏在性是正への寄与という観点からは一定の評価ができるものであり、賛成いたします。

 以上で討論とさせていただきます。

林田委員長 これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

林田委員長 これより採決に入ります。

 初めに、所得税法等の一部を改正する法律案及びこれに対する修正案について採決いたします。

 まず、古本伸一郎君外一名提出の修正案について採決いたします。

 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

林田委員長 起立少数。よって、本修正案は否決されました。

 次に、原案について採決いたします。

 原案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

林田委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

林田委員長 この際、ただいま議決いたしました本案に対し、菅原一秀君外二名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者から趣旨の説明を求めます。竹内譲君。

竹内委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表いたしまして、案文を朗読し、趣旨の説明といたします。

    所得税法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)

  政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。

  高水準で推移する申告件数及び滞納税額、経済取引の国際化・広域化・高度情報化による調査・徴収事務等の複雑化に加え、近年の国税通則法の改正、社会保障・税一体改革に伴う税制改正への対応などによる事務量の増大に鑑み、適正かつ公平な課税及び徴収の実現を図り、歳入を確保するため、定員の確保、国税職員の職務の困難性・特殊性を適正に評価した給与水準の確保など処遇の改善、機構の充実及び職場環境の整備に特段の努力を払うこと。

以上であります。

 何とぞ御賛同を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

林田委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

林田委員長 起立多数。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。

 この際、本附帯決議に対し、政府から発言を求められておりますので、これを許します。財務大臣麻生太郎君。

麻生国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても、御趣旨に沿って配意してまいりたいと存じます。

    ―――――――――――――

林田委員長 次に、地方法人税法案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

林田委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました両法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

林田委員長 起立多数。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

林田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後一時四十九分散会


このページのトップに戻る
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.