衆議院

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第2号 平成18年10月18日(水曜日)

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平成十八年十月十八日(水曜日)

    午後一時開議

 出席委員

   委員長 桝屋 敬悟君

   理事 鈴木 恒夫君 理事 田野瀬良太郎君

   理事 西村 明宏君 理事 平田 耕一君

   理事 松浪健四郎君 理事 藤村  修君

   理事 笠  浩史君 理事 遠藤 乙彦君

      阿部 俊子君    秋葉 賢也君

      井澤 京子君    井脇ノブ子君

      江崎 鐵磨君    小川 友一君

      小渕 優子君    越智 隆雄君

      小島 敏男君    柴山 昌彦君

      鈴木 俊一君    西本 勝子君

      馳   浩君    平口  洋君

      藤井 勇治君    藤田 幹雄君

      馬渡 龍治君   山本ともひろ君

      田島 一成君    高井 美穂君

      津村 啓介君    野田 佳彦君

      牧  義夫君    松本 大輔君

      横山 北斗君    西  博義君

      石井 郁子君    保坂 展人君

    …………………………………

   文部科学大臣       伊吹 文明君

   文部科学副大臣      池坊 保子君

   文部科学副大臣      遠藤 利明君

   文部科学大臣政務官    小渕 優子君

   文部科学大臣政務官    水落 敏栄君

   文部科学委員会専門員   井上 茂男君

    ―――――――――――――

委員の異動

十月十八日

 辞任         補欠選任

  加藤 紘一君     井澤 京子君

  佐藤  錬君     越智 隆雄君

  二田 孝治君     藤井 勇治君

  松本 剛明君     津村 啓介君

同日

 辞任         補欠選任

  井澤 京子君     加藤 紘一君

  越智 隆雄君     佐藤  錬君

  藤井 勇治君     二田 孝治君

  津村 啓介君     松本 剛明君

    ―――――――――――――

十月十六日

 学費値上げストップ、大学予算増額に関する請願(高橋千鶴子君紹介)(第九七号)

は本委員会に付託された。


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     ――――◇―――――

桝屋委員長 これより会議を開きます。

 この際、伊吹文部科学大臣、池坊文部科学副大臣、遠藤文部科学副大臣、小渕文部科学大臣政務官及び水落文部科学大臣政務官から、それぞれ発言を求められておりますので、順次これを許します。伊吹文部科学大臣。

伊吹国務大臣 委員長のお許しをいただきまして、第百六十五回国会におきまして各般の課題を御審議いただくに当たり、御参考のため、所信の一端を述べ、一言ごあいさつを申し上げます。

 私は、このたびの安倍内閣の発足で文部科学大臣を務めることになりました。内閣の最重要課題の一つである教育改革を初め、科学技術・学術、スポーツ、文化芸術の振興のための諸施策の推進に力を尽くしてまいりますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。

 人材こそが国家発展の基礎であり、日本が豊かで、未来に向かって成長する活力を持ち続ける国であるためには、豊かな個性と創造性を備え、心温かくたくましい人材が必要となります。これまでも、累代の内閣のもとで、人間力向上を目指した教育の努力が続けられ、我々は、戦後の豊かな経済社会、安心な生活の実現など、一定の成果をおさめてまいりました。

 しかし、最近では、子供が犠牲となり、また加害者となる信じがたい事件の発生など、社会全体の規範意識の低下、家族や地域についての価値観の変化などのため、かつて考えられなかった社会秩序の混乱や、温かく優しく共生する雰囲気が崩壊しつつあります。このような中で、安倍内閣は「美しい国、日本」の実現を目指し、教育再生を最重要課題の一つに掲げております。

 申すまでもなく、社会は一人一人の人間から成り立っております。安倍内閣が目指す美しい国を実現するためには、活力と優しさに満ちあふれ、自由と規律の精神を大事にする人間を育てていかねばなりません。そのために私は、これまで進められてきた心豊かで創造性に富んだ有為な人材をはぐくむという、いわば万国共通の普遍的な教育の理念に加え、恥と共生の文化など、日本が大切にしてきた伝統的社会規範の価値をもう一度見直すことが大切であると考えております。

 このような認識に立ち、まず、教育基本法案の早期成立のため、立法府の御協力を得たいと存じます。

 現行の教育基本法は、制定以来、半世紀が経過し、東西冷戦の終結、長寿社会の到来、共生、地球環境の保全など、我が国をめぐる状況が大きく変化する中で、道徳心や自律心、公共の精神、国際社会の平和と発展への寄与などを一層重視することが求められております。教育の根本を定める教育基本法を改正し、これらの新しい時代に求められていく教育理念を明確にした上で、国民の理解を得ながら、社会全体で教育改革を着実に進め、我が国の未来を切り開く教育を推進してまいりたいと存じます。

 それを受けて、安倍内閣の目指す公教育の再生に取り組みます。

 すべての子供たちに必要最低限の学力と日本人としての規範意識を身につける機会を保障するため、基礎的、基本的な知識、技能の確実な定着とみずから学び考える力の育成を目指して、学習指導要領全体の見直し、習熟度別少人数指導など個人個人に応じた指導の充実、国語力の育成や理数教育の充実など、総合的な学力向上に取り組みます。

 これに加え、規範意識を高め、豊かな人間性と社会性を育成することを目指し、道徳教育の充実、奉仕・体験活動や読書活動の推進、キャリア教育、職業教育の推進を図りたいと存じます。また、相談体制の充実などにより、いじめを初めとした問題行動や不登校等に適切に対処してまいります。さらに、健やかな身体の育成のため、子供の体力の向上や食育の推進を図ります。

 改革を推進する上では、保護者や地域住民の意向、評価も大切にしながら、各学校や地域が創意工夫を凝らし、学校同士が切磋琢磨して教育を充実させることが重要であり、教育の成果を検証し、その結果を踏まえて絶えず改善を図ることが必要です。そのためには、全国学力・学習状況調査を来年四月に実施するほか、保護者や地域住民の評価や、客観的、専門的な観点から行う第三者評価を含めた学校評価の導入など、学校評価のさらなる定着、推進に向けた取り組みを進めたいと存じます。また、教員評価の一層の推進や教員免許更新制の導入により、教員に対する信頼が確立されるよう努めるとともに、体系的な研修の充実、優秀教員の表彰、能力、実績に見合っためり張りのある教員給与体系の検討などを進め、教師の質の向上に積極的に取り組みます。

 引き続き、教育委員会制度の改革を推進するほか、ICT環境の整備など充実した教育を支える環境の整備、特別支援教育の充実を図ります。加えて、認定こども園制度の活用促進や、骨太の方針を踏まえた保護者負担の軽減策の充実など幼児教育の振興を図りたいと存じます。

 加えて、安全、安心な学校づくりを進め、学校施設の耐震化の一層の促進などに取り組むとともに、学校や通学路の安全を確保するため、学校安全ボランティアへの参加などを通じた国民全体の積極的な御協力をいただきながら、子ども安心プロジェクトを着実に推進してまいります。また、青少年の健全な育成に向けて有害環境対策に取り組むなど、地域、家庭などが一体となって、地域ぐるみで子供の成長を見守る環境の整備を進めます。さらに、厚生労働省と連携をして総合的な放課後対策事業を実施する放課後子どもプランの創設に向けた取り組みや、「早寝早起き朝ごはん」国民運動の全国展開などを進め、地域、家庭の教育力の向上を図ります。

 次に、我が国の成長の源となるイノベーションや、それを支える人材育成について申し上げます。

 知の拠点である大学については、世界的に卓越した教育研究の拠点形成など、国際競争力に富む個性豊かな大学づくりを目指し、国公私立大学を通じた競い合いを通じて、各大学の改革への取り組みを支援してまいりたいと存じます。また、第三者評価制度など高等教育の質の保証に向けて積極的に取り組むとともに、国立大学の教育研究の活性化の促進、私立学校の一層の振興、健全性を確保した奨学金事業の充実等に努めます。

 また、生涯学習のための環境を整備し、だれでも再チャレンジができる社会の構築のため、社会人の学び直しの機会の充実や、フリーター、ニート対策としての、自立し挑戦できる若者の育成に取り組むとともに、環境教育、人権教育の充実などに努めます。

 我が国の成長の源となるイノベーションの創出のためには、科学技術・学術の振興が不可欠であります。この知をめぐる大競争の時代にあって、大学や研究機関、地域や民間の能力が最大限に発揮され、最先端の研究開発が行われるよう、めり張りをつけた科学技術政策を実施してまいりたいと存じます。まず、世界を牽引する優秀な人材を育成、確保し、その能力を発揮する環境を整備いたします。また、独創的、先端的な基礎研究の推進、国立大学等の教育研究施設の整備充実、科学研究費補助金などの競争的資金の拡充、大学発ベンチャーの育成、世界最高水準の研究拠点の整備を図りたいと考えております。加えて、イノベーションの創出を目指した産学官連携の強化や知的クラスターの創成等に積極的に取り組みます。

 また、ライフサイエンス、情報通信、環境、ナノテクノロジー・材料、原子力、宇宙・航空、地震・防災、南極・海洋等の各分野の研究開発についても、国際競争を勝ち抜くために不可欠なものや、社会、国民のニーズに迅速に対応すべきもの等を中心に、戦略的に取り組みたいと考えております。安倍内閣が目指す世界一安全な国、日本の復活に貢献し、安全、安心な社会を実現するための科学技術を推進してまいります。

 先般、H2Aロケットは、四機連続の打ち上げ成功により、世界水準を超える九割の成功率を達成いたしました。これら宇宙輸送システムを初め、海洋地球観測探査システム、高速増殖炉サイクル技術など国家の総合的な安全保障に密接に関連する分野の技術開発や、世界最高性能の次世代スーパーコンピューターやX線自由電子レーザーの開発など、国家基幹技術の研究開発を促進いたします。また、ITER計画など国際プロジェクトを積極的に推進してまいりたいと存じます。

 スポーツの振興につきましては、国民のだれもが身近にスポーツに親しめる社会の実現や、国民に大きな感動を与えるトップレベルの競技者の育成などに取り組んでまいります。また、二〇一六年オリンピック競技大会の東京招致が実現できるよう、東京都や関係団体と協力してまいりたいと存じます。

 我が国の顔となる文化芸術を創造し、世界に発信していくため、文化芸術創造プランや「日本文化の魅力」発見・発信プランを推進してまいります。また、子供が我が国の伝統文化に触れる機会や文化芸術体験活動の充実、地域文化の振興、世界遺産登録の推進など、文化財の保存、活用や国際協力を推進してまいります。さらに、技術の進展などの時代の変化に対応した著作権制度の整備等の施策を推進するとともに、国語の正しい理解が進むよう努めてまいります。また、文化芸術の振興に関する基本的な方針について、今年度中に適切な見直しを行いたいと存じます。

 このほか、留学生交流の推進など各分野における国際交流、国際協力の積極的な推進や、行政改革の着実な定着などの課題に対処してまいります。

 私といたしましては、内閣の最重要課題である教育の再生やイノベーション創出を初め、文部科学行政全般にわたり微力を尽くし、最大限の努力をいたしたいと存じますので、委員長を初め委員の先生方には今後とも御指導、御鞭撻を賜りますようよろしくお願いを申し上げまして、ごあいさつといたします。

 ありがとうございました。(拍手)

桝屋委員長 次に、池坊文部科学副大臣。

池坊副大臣 副大臣の池坊保子でございます。

 私は、政治家になりまして十年、愚直に、ひたむきに、文部科学委員会に属し、教育、文化、芸術、スポーツ、科学技術の進展に力をかしてまいりました。

 二十一世紀を担う子供たちがひとみ輝かせて生きていくためには、公教育のしっかりとした知識のもと、徳育、体力が不可欠であると信じております。また、国民一人一人が充実し、幸福感を感じながら生きていくためには、文化、芸術、スポーツ、生涯学習がなければなりません。また、科学技術の振興こそが、この国際社会の中で日本が伍していくための大きな力になっていくと信じております。

 政治、文化、医学、経済、すべて人間がやっていくのです。人づくりこそがこれからのすばらしい社会を、日本を、世界を築いていくと私はかたくかたく信じております。

 委員の皆様方は、私にとってかけがえなく大切なお仲間でございます。皆様方の御英知をいただきながら、誤りなき判断のもとで、私に与えられました職務を使命と責任を持って果たしていきたいと思っておりますので、どうぞお支えいただきますよう心よりお願いいたします。(拍手)

桝屋委員長 次に、遠藤文部科学副大臣。

遠藤副大臣 このたび望んで文部科学副大臣に就任させていただきました遠藤利明です。

 戦後、教育とそれに基づく科学技術がこの日本を世界に存在たらしめる要因になったことは、皆さん疑いのない事実であると思います。

 しかし、最近、体力、学力あるいは少年に関する犯罪など多くの課題があるわけでありますし、そうしたことを、伊吹大臣そして池坊副大臣、あるいは政務官の皆さんと一緒になって取り組んでいきたいと思っております。

 とりわけ、私が担当いたします科学技術・学術、ちょうどことしから第三期の科学技術基本計画がスタートいたしましたし、何よりも日本の大きな力はこの科学技術ですから、国際化社会の中でしっかりこの振興を果たしていきたい。ロケットあるいはナノ、ライフサイエンス、いろいろな角度から皆さんのお力添えをいただきたいと思っております。

 そして、スポーツでありますが、先ほど申し上げましたように、朝礼で子供がばたばた倒れるなんということはかつて想像もできなかったわけでありますし、あれだけスポーツ少年団等が振興されている中で、何かやはり問題があるんだろう。そういう意味でも、子供の体力向上、そして私たち国民に夢と感動を与えてくれる源でもありますこのスポーツの振興に、積極的に取り組んでいきたいと思っております。

 委員長初め、どうか、各委員の皆さんから激励をいただきまして、一緒になって、心たくましい豊かな日本の子供たちの育成と教育に努めていきたいと思っておりますので、なお一層の御支援をお願い申し上げまして、ごあいさつにさせていただきます。よろしくお願いします。(拍手)

桝屋委員長 次に、小渕文部科学大臣政務官。

小渕大臣政務官 このたび文部科学大臣政務官を拝命いたしました小渕優子でございます。

 私は、大臣政務官として、これからの日本の未来を担う子供たちのために、心豊かな、そして個性豊かな人間を育てる教育改革の推進、そして何よりも文化芸術の振興に誠心誠意取り組んでまいりたいと思っております。

 大臣そして副大臣とともに文部科学行政の推進に力を尽くしてまいりますので、委員長初め委員の皆様方の御指導、御鞭撻をいただけますように、どうぞよろしくお願い申し上げます。(拍手)

桝屋委員長 それでは最後に、水落文部科学大臣政務官。

水落大臣政務官 このたび文部科学大臣政務官を拝命いたしました参議院議員の水落敏栄でございます。

 私は、政務官として、国民に夢と希望を与え、明るく豊かで活力ある社会を構築するために、科学技術・学術の振興やスポーツの振興に誠心誠意取り組んでまいります。

 大臣、副大臣とともに文部科学行政の推進に力を尽くしてまいる所存でございますので、委員長初め委員の先生方の御指導と御鞭撻を賜りますよう、よろしくお願いを申し上げまして、ごあいさつといたします。

 ありがとうございます。(拍手)

桝屋委員長 次回は、来る二十日金曜日午前九時十分理事会、午前九時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後一時十九分散会


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