衆議院

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第3号 平成19年12月5日(水曜日)

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平成十九年十二月五日(水曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 佐藤 茂樹君

   理事 伊藤信太郎君 理事 江崎 鐵磨君

   理事 塩谷  立君 理事 鈴木 淳司君

   理事 渡辺 具能君 理事 小宮山洋子君

   理事 牧  義夫君 理事 富田 茂之君

      阿部 俊子君    井脇ノブ子君

      飯島 夕雁君    小川 友一君

      岡下 信子君    加藤 紘一君

      近藤 基彦君    佐藤  錬君

      鈴木 恒夫君    中森ふくよ君

      原田 令嗣君    平口  洋君

      福田 峰之君    二田 孝治君

      保坂  武君    馬渡 龍治君

      松野 博一君    松本 洋平君

      安井潤一郎君    山本ともひろ君

      楠田 大蔵君    田島 一成君

      高井 美穂君    土肥 隆一君

      藤村  修君    松本 大輔君

      笠  浩史君    西  博義君

      石井 郁子君    保坂 展人君

    …………………………………

   文部科学大臣       渡海紀三朗君

   文部科学副大臣      池坊 保子君

   文部科学大臣政務官    原田 令嗣君

   文部科学大臣政務官    保坂  武君

   政府参考人

   (内閣府情報公開・個人情報保護審査会事務局長)  田代 喜啓君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 田部 秀樹君

   政府参考人

   (法務省人権擁護局長)  富田 善範君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房文教施設企画部長)      舌津 一良君

   政府参考人

   (文部科学省生涯学習政策局長)          加茂川幸夫君

   政府参考人

   (文部科学省初等中等教育局長)          金森 越哉君

   政府参考人

   (文部科学省高等教育局長)            清水  潔君

   政府参考人

   (文部科学省高等教育局私学部長)         磯田 文雄君

   政府参考人

   (文部科学省研究開発局長)            藤田 明博君

   政府参考人

   (文部科学省スポーツ・青少年局長)        樋口 修資君

   文部科学委員会専門員   佐久間和夫君

    ―――――――――――――

委員の異動

十二月五日

 辞任         補欠選任

  小川 友一君     松本 洋平君

  藤田 幹雄君     安井潤一郎君

同日

 辞任         補欠選任

  松本 洋平君     小川 友一君

  安井潤一郎君     藤田 幹雄君

    ―――――――――――――

十月二十九日

 高等教育予算増額、私大経常費補助二分の一の早期達成、父母・学生の学費負担軽減を求めることに関する請願(高井美穂君紹介)(第一七五号)

 同(近藤基彦君紹介)(第二二三号)

 同(田島一成君紹介)(第二二四号)

 同(牧義夫君紹介)(第二八〇号)

 父母・学生の負担軽減、私立大学の充実に関する請願(中川泰宏君紹介)(第二〇四号)

 同(穀田恵二君紹介)(第二二五号)

 同(田島一成君紹介)(第二二六号)

十一月二日

 父母・学生の負担軽減、私立大学の充実に関する請願(保坂展人君紹介)(第三七二号)

同月五日

 教育専門職待遇改善、義務教育費国庫負担制度堅持、文教予算の充実に関する請願(松野博一君紹介)(第五二〇号)

 父母・学生の負担軽減、私立大学の充実に関する請願(穀田恵二君紹介)(第五二一号)

 同(中川泰宏君紹介)(第五二二号)

 同(奥村展三君紹介)(第五七七号)

 同(川端達夫君紹介)(第五七八号)

 同(保坂展人君紹介)(第五七九号)

 同(前原誠司君紹介)(第五八〇号)

 同(石井郁子君紹介)(第六二一号)

 同(山井和則君紹介)(第六二二号)

 学費値上げストップ、大学予算増額に関する請願(奥村展三君紹介)(第六一九号)

 すべての子どもに行き届いた教育に関する請願(石井郁子君紹介)(第六二〇号)

十二月四日

 高等教育予算増額、私大経常費補助二分の一の早期達成、父母・学生の学費負担軽減を求めることに関する請願(高井美穂君紹介)(第六七二号)

 同(土肥隆一君紹介)(第六七三号)

 同(石井郁子君紹介)(第七六四号)

 同(小宮山洋子君紹介)(第八〇八号)

 私立学校の保護者負担軽減、教育環境改善のための私学助成充実に関する請願(石崎岳君紹介)(第七六三号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 文部科学行政の基本施策に関する件


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     ――――◇―――――

佐藤委員長 これより会議を開きます。

 文部科学行政の基本施策に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として内閣府情報公開・個人情報保護審査会事務局長田代喜啓君、総務省大臣官房審議官田部秀樹君、法務省人権擁護局長富田善範君、文部科学省大臣官房文教施設企画部長舌津一良君、生涯学習政策局長加茂川幸夫君、初等中等教育局長金森越哉君、高等教育局長清水潔君、高等教育局私学部長磯田文雄君、研究開発局長藤田明博君及びスポーツ・青少年局長樋口修資君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

佐藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

佐藤委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。飯島夕雁さん。

飯島委員 自由民主党の飯島夕雁でございます。

 今回は、貴重な質問の機会をいただき、ありがとうございます。限られた時間ですが、渡海大臣に幾つかお尋ねさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 さて、昨今、子供をめぐる悲惨な事件や事故が後を絶たないことを大変残念に思っています。背景にはいろいろな事情があるのだと思いますが、今改めて、家庭の教育力というか家族力の強化というものが大切になっているのではないかと考えています。文部科学省としても、家庭教育手帳の発行などを通じて、各家庭の子育て支援に力を入れているところであると伺っております。

 中でも、私が関心を持っているのは、早寝早起き朝御飯で、しっかりと子供たちの生活リズムをつくっていこうという昨今の取り組みです。朝御飯を食べずに登校してくる子供がふえ、おなかがすいて、授業時間に注意散漫になったり、学力低下の要因になっているといった指摘もされているところであります。

 子供たちが心身ともに伸びやかに育ち、意欲を持って元気に毎日を過ごすには、家庭での基本的生活習慣ができていることが大切であり、そのためには、毎朝、家で、できる限り家族と一緒に朝御飯を食べて登校する、そんな当たり前のことが今改めて大切だと考えますが、文部科学省として今後どのように取り組んでいくお考えでしょうか。

渡海国務大臣 委員御指摘のように、子供たちが基本的な生活習慣、今、早寝早起き朝御飯というお話がございました、これをしっかりと身につけるということは、もちろん健やかに成長するという面でも、また、学習の向上という意味においても非常に重要なことであるというふうに考えております。いろいろな調査におきましても、御指摘ございました、きっちり朝御飯を食べる習慣ができている子供が正答率が高いというふうなことも言われているわけでございまして、我が省といたしましても、しっかりとこの習慣を身につける、こういったことをしっかりと政策の中で生かしていきたい。

 今お話がございました「早寝早起き朝ごはん」国民運動というものを平成十八年度から推進をいたしておりますし、家庭教育手帳、こういったものも作成をし、また配布をしているところでございます。今後とも、本運動を推進している全国の協議会、「早寝早起き朝ごはん」全国協議会というのがございますが、こういった団体と連携をしながら、全国フォーラムやモデル事業というものを通じて、各家庭に働きかけて、こういった運動を展開していきたい、推進をしていきたいというふうに考えているところでございます。

飯島委員 ありがとうございます。

 こういった国民運動がさらに広まっていくことを期待しております。

 最近の学校給食では、食べるということで、栄養教諭の配置等も考えておりますが、食べるということの大切な学習というものも位置づけられております。そして、学校給食においては、地元の食材を取り入れたり米飯給食を取り入れているケースも多いと伺っています。

 お米は我が国の伝統的な食生活の基本ですし、こうした学校給食での取り組みというのは教育的側面からとても重要だと感じます。文部科学省としての今後の対応をお教えください。

渡海国務大臣 米飯給食というのは、日本人の伝統の食生活、こういったものの根幹でもございますし、食文化といった面でも非常に重要であるというふうに思います。私自身も、どちらかというと御飯派でございまして、子供たちになると少し違っているような気もしますが、そういった意味でも、米飯の正しい食習慣というものを身につけさせるといったことは非常に重要であるというふうに考えておるわけでございます。

 同時に、日本のこれまでの食生活を考えますと、やはり地域のいろいろな意味での食文化というものも米飯給食の中でつくられているということを考えますと、地域のいろいろな、あえて言うなら農業、そういったものを理解する上においても非常に重要だというふうに思っております。

 そこで、文部科学省では、昭和六十年以降、週三回程度を目標として米飯給食というものを推進してきたところでございまして、平成十七年度の調査で、週当たりの平均実施回数は二・九回になっているという調査の結果もございます。

 今後とも、米飯給食推進のために、地場産のお米とか、また地場産の食材を教材として活用した食に関する指導のあり方について調査研究を行うなどといったようなモデル事業を推進したり、教師用の指導の参考資料として食に関する指導の手引や、児童生徒用の食生活学習教材、こういったものを作成いたしまして、これは既に平成十三年から全国の小中学校等に配付をいたしておりますけれども、このような施策を通じて米飯給食の普及啓発というものに取り組んでいきたい、米飯給食の教育的意義というものも考えながらしっかりとこの政策を推進していきたいというふうに考えておるところでございます。

飯島委員 ありがとうございます。

 大臣みずから御飯派ということで、農業についても言及していただいたことに感謝いたします。

 実は、ことしになってから、ただでも低かった我が国の自給率はいよいよ四〇%を切ってしまいました。この主な原因が、日本食の欧米化といいますか、御飯離れで米を食べなくなったことに大きな原因があるというふうにも伺っています。

 穀物を中心としてきた日本食文化が変化した昨今、高血圧や糖尿病、大腸がんなどの新しい疾病にかかる人もふえてきております。また、日本の伝統である水田を初めとする農業、農村地帯の景観は大切な我が国の財産でありまして、また、地球温暖化などが叫ばれている中でも大切な役割を果たしているところでございますが、こうした美しい景観も、当然、国内消費の需要と供給のバランスから守られて存続ができるものと思います。

 そういった中で、子供から大人まであらゆる世代でいま一度米というものの大切さを認識し、食生活の中に積極的に取り入れていく、そういった積み重ねがとても大切なのではないかと私は思っております。学校給食に米飯を取り入れる流れが積極的にできてきていることを大変強く感じながら、朝御飯でも白い御飯とおみそ汁といった日本のよき生活習慣が見直されるように、これはまさに省庁横断的な取り組みでぜひ取り組んでいっていただきたいというふうに、これについての御答弁は結構ですけれども、この機会に私のそんな提案をさせていただきたいと思います。

 さて、続きまして、次に私は、地方選出の国会議員として、また離島、過疎地の教育現場を経験してきた者としての質問をさせていただきます。

 現在、中高一貫教育や教育バウチャー、学校選択制などの議論がされて、試行的に試みられているものもあると伺っておりますが、これらは近隣に複数の学校があってこそできるもので、地方ではなかなか実施できるものではありません。私の地元でも、人口減少とか財政事情などから、公立の高等学校が相次いで廃止になったり、小学校や中学校の統廃合を余儀なくされているケースがたくさん発生しております。

 新しい試みも大切ですが、まずは、義務教育である小学校、中学校の九年間について、都会でも田舎でも、日本じゅうのどこであっても変わりのない、しっかりとした教育が受けられるようにすることこそが大切だと考えます。大臣の考えをお聞かせください。

渡海国務大臣 議員の今お述べになりました御認識は、全くそのとおりだと思います。

 御案内のように、憲法二十六条には、教育を受ける権利、また受けさせる義務、これがしっかりと書かれているわけでございます。この義務教育をしっかりと定着させる。また、これは私の私見でございますが、明治以降の日本の近代化というのは、まさに、全国にあまねく小学校を配置した、この明治の政府の政策というものが日本の近代国家の建設に非常に大きな力を出してきたというふうにも考えておるところでございます。

 義務教育の原則というのは、いつでも、どこでも、だれでもという、ユニバーサルという言葉が最近はよく使われるわけでありますけれども、しっかりと教育機会が実は確保されている、これが大事でございまして、これは、繰り返しになりますが、委員の御指摘どおりだというふうに考えております。

 確かに、今いろいろな議論がございます。選択制、またバウチャー等あるわけでございますけれども、今申し上げましたような原則がきっちりとやはり確保された上でいろいろな議論はなされるべきであろうというのが私の基本認識でございます。

 日本の教育制度の中では、この原則を守るために、まず、当初は二分の一であったものが三位一体の改革で三分の一になっておりますが、しっかりと教職員の数を地方においても確保するということで、三分の一を国庫負担として国の責任を果たす。また、義務教育の無償化、これによって教育負担を平等にするといいますか、なくすといいますか、そういったこと。加えて、いろいろな意味での政策、例えば山間とか僻地とか、こういったところには当然それなりの手当てをして義務教育の水準というものを全国で確保するということが非常に重要であり、これまでもやってまいりましたし、これからもそういったことをしっかりと確保していくように頑張っていきたいというふうに思っておるところでございます。

飯島委員 ありがとうございます。

 統廃合により、小さな子供たちが雪道を何十分もがたがたスクールバスで揺られて通わなければならないというような実態も起きております。ぜひともいろいろ御配慮、御理解をいただければと思います。

 あわせて、今教職員の話がありましたが、今、一部、公立学校の小中教員の人事権を都道府県から市町村に移譲すべきという意見が都市部を中心にあるというふうに伺っていますけれども、僻地や離島を希望する教員は大変少ない中、そうしたことが実現すると、地方での教員の人材確保は大変厳しいものになってしまうと予測されます。日本じゅうのどの地域でも偏ることなく教職員が適正に配置されるよう、これからも地方に目配り、気配りの届く教育行政の遂行をお願いいたします。

 最後に、教職員の増員についてお尋ねしたいと思います。

 例えば主幹教諭一つを例に挙げても、校長先生、副校長先生を補佐しながら授業を行うとか、現場は非常に多忙でございます。これまで質問させていただいたように、昨今、子供を取り巻くさまざまな問題が発生している社会情勢にあって、これまでより、より細やかに、丁寧に、専門性を持って学校の先生が子供としっかり向き合い、きめ細かい学校現場環境が提供できることは、子供にとって何より大切だと思います。

 そうした中で、教職員の定数の改善を含む今回の文部科学省の概算要求について、私はとても重要だと考えております。その実現に向けた大臣の決意をお伺いさせてください。

渡海国務大臣 概算要求の内容はよく御存じだというふうに思っております。

 昨年の十二月に教育基本法が改正をされ、ことしの六月にいわゆる教育三法が改正をされました。教育再生に向けてしっかりとした制度づくりを法律で決めたわけでありますから、そのことを担保するための予算を確保していくというのがこの概算要求であるというふうに認識をいたしております。

 今、子供と向き合う時間をできるだけ確保するということは大変重要なことでございまして、私も、就任をいたしましてからいろいろな人の話をお聞きしたり、先日は、実は小学校、都内の小学校でございましたが、それから中高一貫教育をやっている学校へ視察に参りまして、直接現場の先生方ともお話をし、また小学校は、学校運営協議会、ここは学校理事会と呼んでおられますが、つくっているところでございますから、しっかりと父兄の方々ともお話をいたしました。教育の現場が非常に多忙であるということも、その生の声を実は聞いてまいりました。そういったことも踏まえて、概算要求に向けて、この確保を我々はしっかりと今から頑張っていきたい。

 今、いろいろなことが言われておるわけでありますけれども、教育の中における教員の役割、また、今何が求められているかということについてしっかりと議論をして、この確保に努めてまいりたいというふうに思っております。

 御支援をよろしくお願いしたいというふうに思います。

飯島委員 ありがとうございます。大臣の決意、本当に心強く感じました。

 きょう、新聞各紙に、〇六年のOECD調査で、日本の十五歳の学力、全科目で後退という衝撃的な記事がいっぱい載っておりますけれども、こういった側面からも、基礎的な学力の定着それから考える力、こういったものもさらに身につけていくためにはさらなる教育環境の整備が必要かと思います。

 どうか、ぜひ大臣に頑張っていただきまして、日本の宝、子供たちがこれからも安心して健やかに育っていくように、今後ともさまざまな角度から御奮闘いただきたいことをお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

佐藤委員長 以上で飯島夕雁さんの質疑は終了いたしました。

 次に、富田茂之君。

富田委員 公明党の富田茂之でございます。十五分ほどお時間をいただきましたので、質問させていただきたいと思います。

 まず、独立行政法人の整理合理化計画案と日本学生支援機構との関係について大臣にお尋ねしたいと思います。

 先日、行政減量・効率化有識者会議の方から、独立行政法人整理合理化計画の策定に関する指摘事項というのが出されました。我が党にも事務局から説明をいただいたんですが、これまでの議論の経過を全部承知しているわけではありませんけれども、突然、日本学生支援機構が行っている奨学金事業について民間金融機関に任せたらどうだとか、そういった御意見が委員の間に出てきていたと。独法ということで、具体的にこの日本学生支援機構の名前が出ているわけではないんですが、新聞報道等によりますと、どうもそういう考えがあるようだということであります。

 我が公明党、そして特に私自身も、奨学金事業について民間金融機関に任せるということについては非常に懸念を持っております。

 実は、一九九九年の二月、まだ自自公連立政権になる半年前ですけれども、当時の公明党の坂口力政審会長とともに、丹羽雄哉先生や森山眞弓先生、自民党の文教関係あるいは厚生関係をずっと担ってきた先生方と、連日、児童手当の拡充と奨学金の拡充ということについて協議をさせていただきました。

 その中で、当時は本当に不況が長引いて、特に私立の高校に通う学生が授業料が払えなくなって学校をやめなきゃならない、そういった相談が、私どもの党、当時三千三百名の地方議員がいましたけれども、本当に多く寄せられた、その思いを自民党の先生方にも伝えまして、何とか緊急の奨学金制度とかあるいは今まで受給できなかった学生生徒たちにも奨学金が受けられるようにできないものだろうかということで協議をさせていただいて、毎日いろいろな話し合いをさせていただいた。

 特に記憶しているのは、当時は大蔵省も文部省もそんなことできないという一点張りだったんですが、丹羽雄哉先生が、私も地元に帰ったら、富田君が言っているように自分の支援者のお子さんがやはり学校へ行けなくなっている、そういう声を本当に聞いたというふうに言ってくださいまして、自民党の先生方の方から大蔵省や文部省を督励していただいて、新しい奨学金制度をつくろうということになった。

 そういう経過がありますので、この奨学金事業について、無駄だとか、回収率が悪いからというような指摘もありましたけれども、民間に任せればいいんだみたいな議論というのは、ちょっと、これまでの経過もわからない、また何のためにこの奨学金事業を文科省が一生懸命努力していただいて今これだけの規模になってきたか。当時は、有利子、無利子合わせて五十万人弱の学生しか受給できていませんでした。今年度は百十四万人の学生さんが受給できるようになっている。これだけの規模の拡大をしてきた経過を全くわからずに、民間金融機関に任せればいいんだと言うのは甚だ暴論だなというふうに思います。

 民間金融機関に任せれば、当然利益優先という観点が出てきますから、本当に教育的配慮ができるのかどうかというのも疑問ですし、金利は、少なくとも今の学生支援機構がやっているよりは高くなりますよね。学生が返済可能なのか。仮に民間金融機関に任せたとすると、政府保証がつくと思いますので、結局、支払いがされなかった場合は政府からお金が出ていく、税金で最終的に面倒を見なきゃならない。

 そういうことになると、何のために民間に任せるんだというようなことになると思うんですけれども、大臣は、奨学金を民間金融機関に代替させたらどうだというこの有識者会議での意見についてどのようにお考えか。きょうの夕刻、渡辺大臣との大臣折衝があるとも伺っていますので、大臣折衝に向けての決意も含めて、お考えをお聞かせ願えればと思います。

渡海国務大臣 御指摘のように、きょう夕方、渡辺大臣が私どもの方においでになるということになっております。その中でこの話も出るんだろうなというふうに予測をしておるところでございますが、私は、この独法の改革において、時間をとるつもりはありませんが、やはり原則的に、ではなぜそれをやるのかということをしっかり考えていかなきゃいけないと思います。

 この奨学金制度というのは、委員も御指摘のように、やはり教育の機会均等という教育政策そのものなんですね。そのことを考えたときに、もう繰り返しは申し上げませんが、では民間がやって本当にうまくいくのかというふうに考えたときに、そうは思いません。結局は、いろいろな意味で政府が補完をしていかなきゃならないということになるであろうと考えております。

 ですから、今と同じことがやれるのであれば、しかも民間でやった方が、政府がたとえ保証するにしても、今もしくは今よりも安くやれるのであれば、それが担保されるのであれば構わないというふうには思いますが、そんなことはできないだろうと思っておりまして、その辺のところをしっかりと主張させていただいて、そして今の制度がしっかりと守られるということで私は考えていきたいと思っております。

 ただ、改善しなきゃいけないところはやはり改善をするということも必要ではある、そんなふうに考えているところでございます。

富田委員 ぜひ、大臣の方から渡辺大臣にしっかり教えてやっていただきたいというふうに思います。

 もう一つ、この有識者会議の中で、平成二十年の十月に発足する株式会社日本政策金融公庫に任せたらどうだというような議論もされたようであります。

 ただ、これは、これまで、実はこの日本政策金融公庫に統合される予定の国民生活金融公庫で教育資金の貸し付けをしていましたけれども、この教育資金の貸し付けを、民間金融機関とかあるいは日本学生支援機構の奨学金制度で代替されている分についてはやらないんだということで、縮小するという流れができてきたわけですよね。それが行政改革の重要方針できちんと書かれている。

 そういうことをしておきながら今度また日本政策金融公庫に任せたらどうだというのは、何か議論がぐるぐる回っているという感じがして、どうもちょっと有識者会議の皆さんはこれまでの経緯を誤解されているのではないかなというような感じも抱きますので、ぜひその点も含めて、大臣の方から渡辺大臣にお話をいただければと思います。

 もう一つは、今大臣がおっしゃった、改善しなければならない点、ここはやはり奨学金制度にあると思うんですね。当時、自民党の先生方と話をさせていただいたときからも少しずつ問題になっていましたけれども、奨学金を返さない、また返せない方が非常にふえている。有識者会議でも、ここの点からやはり今のままではだめなんじゃないかという議論になったようですので、返還しなきゃならないものを滞納している、この問題について、やはり有効な回収方法をきちんと検討していかなければいけないんだなというふうに思います。

 これまでもいろいろな努力をされていると思うんですね。文科省の方からも御説明いただきましたけれども、返還確保のための抜本的な対策というペーパーをいただいて説明を受けたんですが、一年以上滞納した者に対しては法的措置をとるんだ、あるいは民間を活用した収納、催促、また住所把握を徹底していくというようなことで、いろいろやられている。本当に頑張ってはいるんだなと思うんです。

 先日の新聞報道では、リスク管理債権になっているものを、その人たちが全部返さないとすると二千億を超える。この二千億の数字のとり方というのはちょっと問題があると思うんですけれども、三カ月以上滞納している方はもう今後払わないだろうという前提でやっているようですが、やはりかなりの額になっている。

 そうなると、ここの部分をどう回収していくか。基本的に、奨学金事業というのは、前に借りた学生が就職して、きちんと返して、そのお金が次の学生の原資になっていくということが基本だと思いますので、そこをどうしていくかというのが非常に大事だと思うんですね。

 中央大学の富田俊基先生が日本経済新聞に投稿されていましたけれども、アメリカの方ではそこをかなり徹底している。ちょっと日本と制度が違うので、アメリカの場合には、一つの番号をきちんとみんな国民が持っているのでその番号から追いかけられる、ソーシャル・セキュリティー・ナンバーですか、そういうものがあるので日本とはかなりやり方は違うと思うんですが、例えば、富田先生はこういうふうに言っていました。新規雇用者名簿から滞納者の住所と賃金の情報を得て、賃金から返済額を差し押さえる。これは非常にいい方法ですよね。また納税還付額からローン返済額を相殺できるようにする。確実に回収ができる。

 日本の場合は、それぞれの制度が別個に動いていますので、例えば厚生年金の情報とかをとることはなかなかできない、また個人情報保護の問題もありますのでできないとは思うんですが、やはり基本的には、税金から出ているお金で自分は学生時代にきちんと奨学金をもらって学生活動、勉強ができた、就職したらそれを返さないで済むというのは間違いだと思うんですね。きちんと返していただけるようなそういう回収方法というのもきちんと考えて、そこをきちんと実行していくというのが大事だと思うんですが、そのあたりについては文科省としてはどのようにお考えでしょうか。

渡海国務大臣 先生、既に現状というのを御承知のようでございますから細かくそのことについては申し上げません。いろいろな方法を通じて今努力をしておるところでございます。さらに抜本的な回収方法といいますか、これの検討を今進めておるところでございます。

 確かに、ソーシャル・セキュリティー・ナンバーがあればというような議論もあります。しかし、これは社会保障全般との議論になってくるというふうに思っております。

 一つ、方法としては、これまで主に保証人制度でやっていたものを、債権保証を、機関保証制度というものを今導入しておりますから、できるだけこれをふやしていく努力。低い利率、〇・六幾つだったと思いますが、これも一つの方法であろうと思いますし、それから、やはり大学側にもう少し協力をしてもらわなきゃいけない。こういったことも含めて、幅広くいろいろな方法を、検討するだけではなくて、答えを出して実施をしていく、そういうことが必要であろうと考えております。

富田委員 ぜひ、大臣のリーダーシップをお願いいたします。

 時間ももうありませんので、最後にもう一点お伺いしたいんですが、十月九日の予算委員会で、我が党の赤羽一嘉委員がこの奨学金の問題について大臣にお尋ねをしました。概算要求の段階で、奨学金の選択制、もう二万円ふやす制度を設けたいというような提案がされていることを受けて、その二万円を四年間全部ためた分を入学一時金に振りかえられないかという提案を赤羽議員がされていました。

 私も、予算委員会の後ろの席で聞いていて、なかなかいい提案だなと。今、学生さん、在学費用が約百五十万ぐらい年間かかる、特に入学時が一番大変だということを考えると、入学時にどれだけ公的な支援を受けられるか、親御さんたちもそこに一番関心があるので、赤羽議員の提案はすごくいいと思うんです。

 大臣も検討するというふうにおっしゃっていただいたんですけれども、なかなか難しい。確かに、一時金で出すというのは、その原資をどうするんだという問題もあると思いますし、難しいとは思うんですが、一つ、今ある入学時の貸付金制度、三十万円を、文科省の方では今年度の予算で五万人から六万人にしたいと提案をしていただいています。ここの三十万を拡充するとか、何か方法があると思うんですが、今文科省の中でもし検討しているようでしたら、お答えをいただきたいと思います。

池坊副大臣 富田委員には、いつも奨学金事業に大変御尽力をいただきまして、お話がございましたように、十年前は五十万人だった、今は百十四万人の方が借りられるようになった。来年度から、上限十万だった有利子の奨学金事業を十二万にいたします。それとともに、八・七万人の方が借りられるようにと増員もいたしますし、千十億、これは絶対財務省に認めてほしいと要求しているところです。

 今の入学金の問題は、来年度にはちょっと間に合いませんでしたけれども、検討する余地があると思って、私たちは真摯に受けとめております。

 ただ、三十万、入学金の一時金というのをいたしまして、これを五万人の方にお貸しできるようにいたしました。来年も一万人ふやしているのですが、実は四万七千人しかまだお借りになっていらっしゃらないんですね。ぜひこれをぱんぱんに皆様に貸していただいたら、財務省に大きな顔をして絶対必要だということを言うことができますし、きちんと入学金が払えるようにという赤羽委員そして富田委員の御意思は受けとめて、検討していきたいと思います。

富田委員 実は、赤羽さんも私も財務副大臣を経験しておりますので、財務省に、しっかり予算編成の中で意見を言っていきたいと思います。

 ありがとうございました。

佐藤委員長 以上で富田茂之君の質疑は終了いたしました。

 次に、笠浩史君。

笠委員 おはようございます。

 渡海大臣とは、当委員会で初めて質問をさせていただきます。民主党の笠浩史でございます。

 大臣とは、昨年も、海外の文化遺産の保護に関する国際的な協力の推進を図っていくための法律等々の作成等でも、これまでも御一緒に党派を超えて仕事をさせていただいたこともございます。人づくりあっての国づくりでございますので、またしっかりとリーダーシップを発揮して頑張っていただきたいと思います。

 きょう、この後、教員の確保等々について、学力調査についてもお伺いをしたいと思うんですが、ちょっとそれに先立ちまして、昨日、OECDの調査結果、今回も、二〇〇〇年、二〇〇三年に続いて、各分野ともに日本の一つの調査結果というものが非常に低下の傾向が続いているということで、大変これはゆゆしき事態だと私は考えております。

 大臣、今回の結果、率直に、どう受けとめられているのか、また、どういう対策をまずは優先してやらなければいけないのか、その点についてお伺いをさせていただきたいと思います。

渡海国務大臣 率直な印象として、やはり順位が下がったというのは残念だな、これが率直な印象でございます。

 ただ、全体をよく見てみなきゃいけないという点が一点と、それから、OECDのPISAの調査というのは、御案内のように中身が少しわからないところがありまして、実はきのう、グリア事務総長が来られまして、日本の分析といいますか、そういうものもお聞きをいたしました。一番気になったのは、成績もありますけれども、実は科学に対する子供の関心が非常に低いということを指摘もされまして、そういうこともしっかりとこれから考えていかなきゃいけない。

 ただ、二〇〇三年の結果、二〇〇六年の結果を考えますと、二〇〇三年のときに、下がったということで大変社会的な問題になったわけでありますが、それを受けて、実は二〇〇五年に改善のプログラム等もつくっておるわけですが、これは実施時期が二〇〇六年でございますから、そこはちょっと余り一概に、まだ結果は出ていないんだろうな。

 今、中教審で、教育課程部会で実は新しい指導要領の議論もしていただいておりまして、パブリックコメントも、七日までですか、求めているところでございますが、一月には取りまとめていただく。その中で指摘をされている議論も、大体同じようなといいますか、傾向は同じと言っていいと思います。そんなことを受けて、新しい指導要領というものをしっかりとつくっていきたいと思っております。

 きょう一部報道が報道していたようでございますが、私は、指導要領は、決まればできるだけ速やかに、やれるところからやれということを実は申し上げております。今回の結果も踏まえて、どこからやるか、またどこがやれるかということをしっかりとスピーディーに検討していきたい、そういうふうに考えております。

笠委員 私も、この指導要領の改訂に向けての作業が今始まっているわけですが、やはりできるところはもう前倒ししてでもやっていかなければ、これはさらに時間がかかっていくということで、今やってすぐ効果が出るわけではございませんので、その点は、今大臣がおっしゃったような方針のもと頑張っていただきたいと思います。

 この指導要領に関して言いますと、当然、今回の調査対象となった高校一年生というのは、ちょうどいわゆるゆとり世代、授業の時間が削られた、あるいは教科書の量が減った。このゆとりの意味についてはきょうは議論させていただきませんけれども、そうした反省を踏まえて、今回、授業量が主に理数系を中心に一割程度ふやされていくというようなことで検討されていると伺っております。

 ただ、では授業の時間をふやせばいいのかといえば、もう大臣御存じのように、一応このPISAの調査では世界一を続けているフィンランドなんかでは、日本より授業の時間は少ないわけですね。一人一人の児童生徒に対してのよりきめの細かい対応、あるいは少人数学級等々の方式、こういう施策を進めていくためには、やはり教師の、先生の数、あるいは質、これを何としても総がかりで、これはもう国会を挙げて取り組んでいかなきゃならないと思っています。

 先ほど、冒頭の自民党議員の委員の質問でも大臣答えられておりましたけれども、先般、我が党の小宮山委員からも、十月二十四日でしたか、この委員会の中で、少々決意が、まだまだちょっと感じられないと。もう少し力強く、もう迫っておりますので、当然ながら、概算要求で、三年間でおよそ二万一千人を増員していくんだということを要求されていますけれども、大臣、これは実現できるんでしょうか。その点を、お答えを明確にいただきたいと思います。

渡海国務大臣 この定数の改善の問題、なかんずく教師が子供と向き合う時間をふやさなきゃいけないということは、何度も当委員会でも予算委員会でもお答えをしてきたところでございます。

 できるんでしょうかということでありますが、やるんです。とにかく頑張るんです。そのために今我々は最大限の努力をさせていただいている。とにかくこぶしを振り上げて頑張ると言えばよいのではなくて、内に秘めたる闘志というのもありますから、これから年末に向けてしっかりと頑張っていきたいというふうに思っております。

笠委員 この点については、昨年の教育基本法の議論、あるいは本年の通常国会における教育三法案の、私もずっとその委員会での議論に参加しましたけれども、当時の伊吹文部科学大臣も、応援してくれと。我々は、むしろもう本当に与党以上に、それ以上の気持ちで、やはりこれは進めていかなきゃならぬということで、まさに国会が、ねじれとはいえ、本当に一体となって要求していくことができるので、その点については応援をさせていただきたいと思います。

 また、今回我が党が、先日、教員の数をしっかりと拡充させていかなければならないということで、十一月末に、問題になっている行革推進法の五十五条の三項そして五十六条の三項、いわゆる児童生徒の数の減少以上に学校の先生の数を減らしていく条項、あるいは公立学校職員の人材確保法の廃止を含めた見直し等を行う条項でございますけれども、これはやはり削除しなきゃいかぬと、これもずっと教育三法案のときから我が党は主張しているわけです。

 ぜひ、こういう私どもの法案についてもまた大臣の方でも検討をいただいて、与野党を超えてこの取り組みというものを進めていきたいと思いますけれども、大臣の御所見をいただきたいと思います。

渡海国務大臣 民主党さんがこの法律を出されたということについては、もちろん私も承知をいたしております。

 ただ、この五十五条の三項だったと思いますが、ここをどうするかという問題について、今実は、これは見直しをさせるとかここをこうするとかいうことについて即座にお答えをするという状況には正直ありません。これはやはり政府として全体として決めなきゃいけないことでありますから、私の一存で、今ここで、これは結構だ、廃止をしましょうと言うわけにはいかないということも御理解をいただき、なおその上で、我々は、先ほど申し上げましたように、しっかりと我々の主張というものをこれから展開していく。

 昨年の教育基本法の改正、またことしの教育三法の改正、これはいろいろな議論があったわけでありますが、このことは、実は、行革法でこの五十五条の三項が決められた以降の、新しい、いわゆる教育再生に関する条項でありますから、その点をしっかりと我々は踏まえてこの問題に対応していきたいというふうに考えております。

笠委員 二万千人の増員とあわせて、このことも、閣僚懇等々の中でも、ぜひ、大臣が総理にもハッパをかけて、財務大臣とは闘って、しっかりとかち得ていただきたいと思います。

 そして、次のテーマに移らせていただきますが、二〇〇三年のPISAの調査結果を受けて、当時、読解力の極端な低下など、学力低下という問題が、先ほど大臣おっしゃったように、大きな検討課題になりました。その一連の中で、全国学力調査というものをやる必要があるんじゃないかということで、本年、昭和三十九年以来、実に四十三年ぶりに行われた、四月二十四日に。

 私は、まず申し上げておきますけれども、当時、ちょうど国会に出てまいりまして、当時の中山文部科学大臣に対しても、やはりしっかりと全国の学力調査というものはやるべきであるという立場で質問もさせていただきました。今回の調査を受けて、ちょっと、その私ですら幾つかの疑問がわいてくるわけです。

 これは、準備期間も含めて七十七億円という巨額の税金を投じて行った一大事業でございますし、来年度も予定どおり続けていくということで、既にその作業も始まっているとお伺いしております。

 今回のこの学力調査を受けて、問題の傾向とか、あるいはこうこうこういうふうな状況が見られるとか、そういうことはもう重々承知しているんですけれども、この調査の概要あるいは実際の運用等々の中での反省点、あるいは次回へ向けて改善をしていかなければならないと大臣が思っておられるところがございましたら、その点をまずお伺いいたしたいと思います。

渡海国務大臣 今回の調査の中で、国それから都道府県・市町村教育委員会並びに学校、それぞれがこの調査をどういうふうに活用するか、これは時間をとりますから、笠委員も既に御承知だと思います、そういう目的を果たすためにも、実は私は、この調査が終わりましてから、もっと結果が早く出せないかということを指示いたしております。ある程度は仕方がない部分があるわけでございますが、来年の試験においては、ある程度準備をしている部分もございますから、できるだけ早い時期に結果が出せるように努力をしろということを既に指示させていただいております。

 同時に、例えば質問肢のようなものは、検討委員会を立ち上げたわけでありますけれども、この年末までに、どういう質問肢をやった方がいい回答、いい回答というのは、データとしていい回答が得られるのか、また正確な答えが得られるのか、そういったことも含めて実は検討していただく委員会を立ち上げまして、十日でした、一回目、もう早速開いていただいて、そしてその後、また全体的な活用の仕方等について、これは少し時間がかかりますが、しっかりと検討していただいて、改善を図るべきところがあれば改善を図るという点があろうかと思います。

 また、現場から寄せられているいろいろな意見等も参考にしながら、いましばらく時間をいただいて検討させていただきたいというふうに思っております。

笠委員 私も、地元の学校、あるいは学校の校長さん、あるいは先生方、あるいは教育委員会等々、先般十月二十四日に公表されました後、いろいろな方とこのお話をしても、実は非常に関心が薄いんですね。それは、もう四月から半年もたっているんですよ。そして、特に今は、中学三年生、皆さんほとんどの方が受験されます。そんなころに、忘れたころにぽんと結果が来て、それで、先般も大臣もこの衆参の委員会の中でもおっしゃっているけれども、もちろん、全体的な傾向をつかむことと同時に、やはり一人一人の児童生徒に対してそれを生かしていく、きめの細かい対応をしていくためにやはり活用したいんだということもおっしゃっているけれども、これは生の声として、こんな時期に三年生あるいは小学校六年生の結果をもらったって、もうそんな余裕はないと。

 ですから、私は実は、今大臣おっしゃっていましたけれども、中学三年生、小学校六年生のままで、四月にやるんだったら、少なくとも夏休み前ぐらいにはもう結果がきちっと手元に届いていく、そして、夏休みの、準備期間も含めて、やはり学校総ぐるみで、それをもし生かしていける部分があるんであれば生かしていくというふうにしなければ意味がないと思うんです、そこまでのお金を使って。私、そういう評価が出てくると思いますよ。全体の傾向だけをつかむんだったら、何も全員やる必要はないじゃないか、もう抽出でいいじゃないかという議論だって出てきかねないんですね。多分、大臣にもそういう声がたくさん届いていると思います。

 そこで、きょうお手元にお配りをさせていただいております資料に、これは文科省の方でつくっていただいたものでございますけれども、今回、四月の二十四日、この十九年度調査、一番左の欄が予定ですね。十九年度、真ん中の欄が実績です。そしてさらには、もう二十年度の委託する業者も含めて決まっております。もう実施計画もできております。

 これを見たときに、問題は、この十九年度調査の実績で、NTTデータが今回中学校の部分を委託されたわけですけれども、実に、この左の、小学校を担当したベネッセと比べていただければわかるんですけれども、当初、九月には必ず公表する、データも提供するといったものが、一カ月ぐらいおくれてしまったわけです。これは、採点作業なんですね、採点作業が本当に、二カ月近く中学の方が時間がかかっているわけです。

 この原因というものについてお答えをいただきたいと思います。

金森政府参考人 お答えを申し上げます。

 本年度の全国学力・学習状況調査につきましては、四月二十四日に実施をいたしました後、中学校調査の記述式問題などに関する採点作業におきまして、採点の質や運用体制について問題が生じておりましたことから、文部科学省におきましては、ことしの五月中旬に、採点作業を委託しておりましたNTTデータに対して指摘を行った上、その立て直しなどの指示を行ったところでございます。これに従いまして、NTTデータにおきましては、採点基準に基づく具体的な解答の当てはめについて見直しを行った上で、既に採点を行った解答用紙につきましても採点のやり直しを行ったところでございます。

 また、その後、さらに採点を行った解答用紙について誤った点も見受けられましたことから、六月下旬にはNTTデータに対して採点作業の是正の指示を行いまして、その後、この指示に従い、NTTデータにおいて採点の再点検を行い、私ども文部科学省におきましても採点結果の最終チェックを行って、採点作業が終了したものでございます。

 このように、特に中学校の調査の採点作業が予定していたスケジュールから大幅におくれたことから、最終的には十月二十四日の公表、提供となったものでございます。

笠委員 これは、十九年度、準備経費だけでも十八億円、NTTデータでも九億円近いお金をかけて、これまで、文科省も含めてしっかりとそういったことについては間違いがないように、ずっと時間もお金もかけてきているんですよ。

 今、経緯だけが説明ありましたけれども、私も伺いました。

 しかし、一方でベネッセは、六月末の予定のところを七月上旬、五日には採点を終えているわけですよ。ベネッセというのは自分のところでノウハウを持っている。

 今、局長、原因じゃないじゃないですか。こうしました、ああしましたと言うだけで、何に一番問題があったんですか。要するに、NTTデータが悪いということをおっしゃっているのはよくわかった。しかし、その何を改善しなければ、同じようなことが起こりますよ、これ。来年の内田洋行だって一緒ですからね。特別なノウハウ持っていないですよ。だから、次回は、来年は絶対そういうことがないために、改善していかないといけないんですよ。

 局長、端的にお答えください。何が一番問題だったんですか。

金森政府参考人 お答えを申し上げます。

 平成十九年度の中学校調査における採点作業の問題点でございますけれども、一つは、採点者は人材派遣会社を通じて採用いたしましたために、不適切な採点者を採点業務から外すなどの対応が不十分であったということが一つございます。それからもう一つは、採点者への採点基準の徹底が不十分で、誤った採点をする割合が高く、採点結果の点検のために採点終了後約二カ月の期間を要した、こういったことが大きな課題であったと考えております。

笠委員 そんなものはもう当初からわかっている話で、そのための教育体制、リーダー制とかいろいろとっておったわけじゃないですか、今回もチームに分けて。伺っているところでは、計算が余り得意ではないような人材を採用したとか、漢字が余り書けないような人たちを採用したとか、そういうことを伺いましたよ。もってのほかでしょう、そんなものは。

 ですから、では来年度調査で、今度内田洋行さんという業者をもう選んでおられます。そして、今回この業者を選定するに当たって、その点の、まあ私はそんなに詳しくないですけれども、内田洋行さんが例えば自分のところでこういう全国的な学力テストをしたとか、そういうことを、私は余りイメージわかないんですけれども、もしそういう実績がある会社だったらそう言っていただければいいんですけれども、同じようなことが起こらないために、文科省として内田洋行に対して、この業者を選定するに当たってどういう課題を、この選定に当たってハードルをきちっと設けていったのか、業者選定に今回の反省が生かされているのか、その点を端的にお答えください。

金森政府参考人 お答えを申し上げます。

 平成十九年度の委託業者の選定につきましては、公募により民間業者に企画書の提出を求め、企画競争を行い、外部の有識者から構成される審査委員会でヒアリング審査などを行った上で選定をいたしました。

 二十年度の調査の準備事業に係る委託業者の選定につきましては、十九年度の経験や反省を踏まえ、さらなる改善をいたすことといたしまして、具体的には、国において詳細かつ具体的な仕様を示して、価格とともに、それらの仕様を確実かつ円滑に実施するための技術等について総合的に評価する総合評価方式による一般競争入札を導入したところでございます。これらについて、外部の有識者から構成される審査委員会による審査を経て業者を選定したところでございます。

笠委員 私、十九年度のNTTデータの事業計画、そして二十年度の、今度の内田洋行の事業計画書を昨日いただきました。事業計画にほとんど反映されていないですよ、何も。まあせいぜい、NTTデータは人材派遣の会社に人集めを丸投げした、そして、内田洋行についてはそれを直接採用するんだ、それで直接採用するときに、今度は大卒に限るにしたんだ、そしてNTTデータのときには高卒もいた、そういう説明を受けています。

 しかし、学歴じゃないですよ。だって、それはほとんどの人が素人ですよ。だから、きちっとした人を集めれば、しっかりとその運用あるいは研修、これを五日を一週間に延ばしましたなんて、もうそんなことは要らないから、本当にこの計画でできるという自信はありますか。一カ月も納期がおくれるというのは、これは民間の会社だったら違約金をもらわないといけない話ですよ。今度、内田洋行とはそういう契約を結んでいますか。その点をお答えください。

金森政府参考人 お答えを申し上げます。

 正確な結果を確実に提供するために、採点、集計や配送などの作業にある程度の期間を要することはございますけれども、来年度の調査におきましては、採点者は基本的には直接雇用といたしまして、採点結果データに照らして、優良な採点者に対する昇給によるモチベーション維持や、不適切な採点者を外すなどの対応をとること、それから、採点作業開始前の初期の段階で、実際の答案に照らした採点基準の調整を行いますとともに、事前採点の実施など、採点者の十分な採点習熟期間、これを設定いたしまして、設定基準の徹底を図ること、また、採点作業当初から、一般採点者と採点監督者による二回の採点の実施や、抽出による採点の正確性の確認を行うことなどといたしておりまして、これらの取り組みにより、必要な採点の正確性を確保し、各教育委員会や学校に対して、正確な調査結果を確実に、またできるだけ早く提供していけるものと考えているところでございます。

笠委員 本当にできるのかという疑問が残ります。

 そこで大臣、私、ぜひお願いしたいんですが、今回、私この問題点を指摘し、文科省の方といろいろなお話をさせていただいたときに、要は、総括がなされていないんですよ、この作業実施に当たっての。これは、今、内田洋行と文科省と一緒に来年に向けていろいろな作業が始まっているんですね。ですから、今回の反省点をしっかりと、普通であればこれは事故報告みたいなものですよ、その報告書を作成していただいて、それに対してどういう改善をしていくのかということをぜひ早急に取りまとめを指示していただきたいと思います。よろしくお願いします。

渡海国務大臣 委員のおっしゃることは私も大いに参考にさせていただきたいというように思っておりますから、この件に関して、しっかりと、これは私の責任において、来年の学力調査、いっぱいお金を使うわけですから、これがちゃんとやれるようにするためにどういうようにするかということを検討させていただきたい。また、そのことについてまとまれば、まとまればというのはちょっと失礼かもしれませんが、まとまり次第、御報告を申し上げたいというふうに思います。

笠委員 それともう一点。

 今回の経過の中で、実は、これは私も現場の方から、九月に結果が出るということで、教育委員会の方でもいろいろな準備をしていたところが多いんですね。しかし、文科省からいつまでたっても、これは少なくとも九月に入ったころには、もっと大幅におくれると、採点段階でここまで時間がかかっているわけですよ。そういったことを、やはりこの十月中下旬になるんだということの通知が全くなされていないんですね。非常に戸惑っておられた。あるいは、いつになったら来るんだろう。

 これはちょっと、私は、逆に言うと、さあやるぞと、公表の仕方はこうだと、しかし、言ったとおりにきちっとデータが来ないというのは、これは大変な問題なので、やはりこういうときは、文科省はちゃんと教育委員会を通じて現場に対してしっかりとした連絡をやるべきだと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。(金森政府参考人「委員長」と呼ぶ)いや、大臣でいいです。あなたはいいです。大臣、大臣、そのことを……。いやいや、だから、きちっとそういうふうにしてください。

金森政府参考人 事実関係だけお答えさせていただきます。

 全国学力・学習状況調査の結果の公表につきましては九月中の公表を目指しておりましたが、九月中旬の段階で、作業の進捗状況から見て九月中の調査結果の公表、提供は難しい状況にある、十月にずれ込む可能性が高いということなどにつきましては、文部科学省から都道府県・指定都市教育委員会に対して連絡をしたところでございます。また、都道府県教育委員会の担当者を集めた事務連絡会や指導事務主管部課長会議などにおきましても、文部科学省から、調査結果の公表、提供時期がおくれた理由を説明いたしますとともに、当初の予定がずれ込んだことにつきましては私から率直におわびも申し上げたところでございます。

渡海国務大臣 委員のおっしゃるとおりだと思います。

 ただ、今、私は事実関係ということを局長に命じましたが、多分、都道府県までは行っているんですね。ところが、そこから先の連絡が行っていないというケースは、ほかのケースなんかでも実は、まだわずか二カ月半ぐらいでございますが、よくありまして、もちろん、そういう場合にはしっかりと、そういう連絡はちゃんとやらせるようにしたいというふうに思います。

笠委員 時間が参りましたのでこれで終わりたいと思いますが、九月の中旬や下旬ですよ、今の、連絡が行っているのは。そうじゃなくて、この八月の末でわかっているんだから、なるべく早くそういう状況を伝えていく。

 そして、あわせて、その後また作業等々いろいろとおくれているんですよ。普通は、途中でおくれが生じたら、それを期限に間に合わせるためにどういう形で対策を打っていくかという作業をするのが当たり前の話なんです。

 ですから、そういう点でしっかりと、これだけのお金を使って学力調査をやっているんだという責任を持って、来年は、間違いなくきちっとした形で、少しでも前倒しできるぐらいでやっていただきたいと思います。

 質問を終わらせていただきます。

佐藤委員長 以上で笠浩史君の質疑は終了いたしました。

 次に、高井美穂さん。

高井委員 民主党の高井美穂です。

 渡海大臣と初めての質疑となります。どうぞよろしくお願いいたします。

 私は、障害を持つ子供への支援ということと、あと、科学技術に関する契約についてという、大きく二点に分けて御質問を申し上げたいと思っております。どうぞよろしくお願いをいたします。

 まず、国連の障害者権利条約の批准に向けて準備中というふうに伺っております。障害者自立支援法等施行後、障害児童の御家庭、障害児童自身にも大変混乱があるというふうに私は認識しておりまして、きょうの報道でも、障害者自立支援法そのものに対してさまざまな検討が加えられているということをお聞きしました。それに加えてまた、障害児童への教育面での支援を今後どういうふうにしていくか、お聞きしたいと思います。

 まず、根本的なお考えとして、先般の小宮山議員と大臣とのやりとりの中で、インクルーシブ・エデュケーショナル・システムというもの自身がまだひとつはっきりしないというような御答弁が大臣からもございました。つまり、政府は、今までの小坂元文部大臣それから伊吹前文部大臣も、このインクルーシブな教育という方向に向けては変わらず進んでいくというような趣旨の御答弁だったと思いますけれども、それは全くその認識でよろしいですね。

渡海国務大臣 どうも私の言葉足らずだったようでして、その方向は変わっておりません。

 私は、これは弁解ではございませんが、ただ、インクルーシブ・エデュケーショナル・システムというのがどうも、各国でどういうふうに受け取られているかということがまだ余り確定していないようだという単なる事実関係を述べたわけでございまして、一般的には、障害のない児童に通常提供される教育の場に障害のある児童を組み入れる、こういう解釈であろうというふうに今考えておりまして、そういう意味では、目指している方向は何ら後退もしておりませんし、我々もその方向で頑張っていきたいというふうに考えております。

高井委員 分け隔てる教育、原則分離というのではなくて、できるだけ分け隔てなく、一緒に、ともに育っていこうという趣旨で進んでいかれるということでいいんだというふうに認識をいたしました。

 そして、これまでの特殊教育という名前から特別支援教育というふうに名前が変わって、より一人一人に力点を置いて、障害のある児童の自立や社会参加への主体的な取り組みを支援するという方向に、方向というか、よりその点を重視するという制度や理念に変わってきたということですけれども、このインクルーシブ教育の上で、今後、盲・聾・養護学校という名前の学校は減らしていくという方向にあるのか、それとも、新設の要望がある地区もあるというふうに思うんですけれども、今後ふやしていくのか。

 私は、分離教育でいくのか、インクルーシブでいくのか、一緒に行くようにいくのかというのは、ある意味で二律背反のようなところがあり、ニーズがあるところにきちんと行けるようにするという、両方の面の機能を包括していくというのは大変難しいことだと思うんです。かつ、盲・聾・養護学校というのは確かに今なおニーズは高いと思います。この点、減らしていくということではなくて、必要ならば増設していく、また改築していくなどという意思はあるのかどうか、お伺いしたいと思います。

金森政府参考人 お答えを申し上げます。

 児童生徒の障害の重複化に対応した適切な教育を行うために、昨年六月、学校教育法を改正いたしまして、従来の盲・聾・養護学校の制度から、障害種別を超えた特別支援学校制度への転換を図り、ことしの四月から実施をされているところでございます。

 これは、学校の設置者がそれぞれの地域の実情に応じて特別支援学校の教育の対象とする障害種別を判断することができるよう、弾力的な制度としたものでございまして、特別支援学校の設置をどうするかという個別具体のことにつきましては、今回の制度改正の趣旨を踏まえ、各自治体がその状況に応じ適切に御判断いただくものと考えております。

高井委員 では、自治体につくりたいという意思があれば積極的にそれは推進していくということでよろしいですね。

金森政府参考人 お答えを申し上げます。

 先ほどお答えいたしたとおり、各自治体がその状況に応じ適切に判断していただくというふうに考えてございます。

高井委員 では、自治体がよしつくりたいということになると、予算措置もやはりあるわけですから、補助率、補助の仕組みというふうになっておりますので、設置自体は多分、新設だと国が半分、都道府県が半分ということになるでしょうし、また、改修になると多少補助率が違うということもお聞きしておりますけれども、予算措置があるわけですから、では、手を挙げたところを全部本当にやってくれるのかというと、恐らく実態はやはりそうではないんだろうと思います。

 今のおっしゃり方だと、では、地元から、よし、ことしつくりたいということになると、そこはオーケーだというふうに聞こえてしまうんですけれども、予算でございまして、古今、大変厳しい情勢に教育予算がなっているということは多分すべての文部科学関係の議員の皆様が感じておられて、だからこそ私たちも、より教育の充実を、予算の充実をということを求め続けておりますので、ぜひその点もできるだけ配慮していただいて、より自治体の方を促していただきたいと思います。

 具体的な事例をまた申し上げたいと思うんですけれども、先ほど初等中等局長からも回答があったとおり、どの学校に障害を持った子供が通いたいか、まず一番先に、やはり子供自身と保護者の意思を何よりも尊重していただきたいというふうに思います。

 今までの制度でも、入学通知を送るか送らないかは基本的に教育委員会が決めるというか、そこの中にある、就学指導委員会という名や、都道府県によって委員会は名前がいろいろ違うようですけれども、そこが検討をして入学通知を送るかどうか決めるということになってきているようですが、できるだけ選択肢を、基本的にその地区に住む児童には全部入学通知を送り、その上で相談をするというふうに、まず原則分離ではなくて、原則全員に送って、かつ、例えば盲、聾、養に行きたいとかほかの学校に行きたいという要望があれば聞いていくというふうに、インクルーシブな方向に転換していっていただきたいということを申し上げたいと思います。

 つまり、今は、原則分離というか別々というふうな形で、市町村教育委員会が特別な事情がありと認める場合にのみ普通学級でもよいということになっていると思います。インクルーシブ教育とさっき大臣が言われた教育の方向を目指していくのであるならば、原則、小中学校の入学通知は、障害のあるなしにかかわらず、まずすべての児童、保護者に送って、かつ、保護者の申し出があれば特別支援学校また学級への就学措置を行うというふうに、原則と例外を逆転させていっていただきたいというふうに思うんですね。この点はいかがでしょうか。

渡海国務大臣 委員も御承知かと思いますが、本年度より政令の改正が行われております。学校教育法施行令十八条の二というところで、細かい途中のあれは飛ばしますが、市町村の教育委員会は、「その保護者及び教育学、医学、心理学その他の障害のある児童生徒等の就学に関する専門的知識を有する者の意見を聴くものとする。」要するに、保護者ということがしっかりと入りました。これは、文部科学省といたしましても、やはり決定をする際に保護者または児童生徒本人の理解が十分得られるように努めなければいけないということで、ここは政令でしっかりと書いたわけであります。

 そのやり方として、先にこうでどうのこうのという、今高井委員からのお話もあったわけでございますが、しっかりとそういった地域の実情なり保護者の意見を聞いた上で最終的には決定をするということになっておりまして、十分そういった保護者の意見というのは反映をされる。これはちゃんと義務として書いてあるわけでございますから、そういうふうにお考えをいただきたいというふうに思います。

高井委員 そのように制度改正したということも伺っていますし、先ほどのお話だと、技術的というか手順的には全くもってそのとおりだと思うんですけれども、どの保護者に聞くか、どの子供をその対象にするかをまず教育委員会の側が決めるわけですよね。そうではなくて、やはりまず基本的にみんな通常学級への通知を送る、それで、私は養護学校に行きたいという方には、保護者に申し出てもらうというふうに、これはかなり、理念の部分でもそうやっていただきたいというふうに思うんですね。

 つまり、何が違うかと申しますと、やはり保護者が、まず相談をくれるということになると、ああ、私は本当は通常学級に行かせたいと思っているけれども向こうから先に言ってきてしまった、だから検討をして、やはりこっちの方がいいんじゃないかというふうに、もともと分離でいこうというふうに、どうしても、通常学級に行かせたいと思っている親でもそっちの方に促されてしまうのではないか。それは意識的なバリアフリーも含めて、やはり基本的に、まず原則全部の児童に通知をする、その後できちんと保護者からの要望を聞くというふうな制度に変えていただけるようまた検討もしていただければというふうに思っています。

 よく保護者、専門家の意見を聞き、保護者の方の意見を何よりも尊重するという形に施行令が変わったのも承知の上ですけれども、よりもう一歩進める、インクルーシブ教育という理念を根底に置くということで、原則と例外を逆転していただきたいという要望でございますので、これは申し上げることにとどめたいというふうに思っています。

 そして、今資料としてお配りをしていると思うんですけれども、実は、私の地元徳島県なんですけれども、特別支援学校の設置年度という資料をお配りいたしました。

 そして、特別支援学校に行きたいという子供には、できるだけ住んでいるところから近いところへ行けるようにしていただきたいというふうに思っています。特に、小中学校は地元の学校の特殊学校に、近いところへ行けたとしても、やはり高校になると学習内容が高度化し、特別支援学校に行く必要が出てくる子供も多いわけでございます。

 地図を見ていただければわかると思うんですけれども、徳島県内、吉野川が横に横断しておりまして、約百キロ近い距離があるんです。ちょうどこの真ん中の地区、県西の中央部というふうにいうんですけれども、一番端っこにある、昔池田高校で有名だった池田のところから、もう一つの、例えば知的養護学校であるならば、約八十キロ離れているんですね。県中西部にも結構たくさんの子供が在席をしているようなんですけれども、今約百三十人ぐらい、障害児学級、養護学校に義務教育の段階でおられます。その方たちがいざ高等学校に行くということになると、この県西の池田の方の、約四十キロから五十キロ離れたところへ通うか、もしくは市内へ向かって約四十キロから五十キロ離れたところに通う、もしくは、もうそれが通えないということであるならば寮の生活などをしているという実態がございます。

 せっかく保育園や小中学校と地域の学校に通って、地域の皆さんに支えられて、まさにインクルーシブという理念でみんなで学校へ行ってきたのに、高等学校から急に切り離される、これは、子供にとっても、単身で寮に住むということは負担が大きいと思いますし、かつ保護者にとっても、例えば送り迎え、それから、送り迎えじゃなくても、バスなども、全部拾っていくとなるとまさに二時間ぐらいかかってしまいますので、措置、支援もなかなか得られないということで、大変困っておられるというか、要望が地元から昔からございます。

 ぜひ、親や子供に対して負担がかからないように、障害を持って生まれた児童は自分の責任ではありません。貧しい家に生まれたり、障害を持って生まれたというのは、子供自身の責任では全くないわけでございますから、できるだけ本人たちには負担がかからないように、保護者の負担にもならないように、ぜひ増設を検討していただきたいと思いますし、この点、先ほどおっしゃったとおり、まさに市町村の判断でなされるということでございますが、国の方からも、補助率を上げるとか、できるだけ、一刻も早く、地域の学校に通えるように検討していただきたい、御支援をいただきたいということを申し上げたいと思います。

 感想があれば一言お願いします。

渡海国務大臣 委員もよく御存じのようでございまして、学校教育法にこれもしっかりと、七十四条、「必要な特別支援学校を設置しなければならない。」という設置義務が課せられておりますから、これは特別支援学校の場合は設置者は都道府県ですね、しっかりとやはり対応をしてもらわなければいけないというふうに考えております。

 ただ、都道府県が設置をするに関して何らかのインセンティブが働くとかというのも、一つの政策ということもあろうかと思います。今後またそういったことも検討していきたいというふうに思います。

 もう一点は、今進んでおりますのは、できるだけ分校とか空き校舎、そういったものを使って運用するということも全国的にもかなり進んできておりまして、そういったことも含めて、一義的には都道府県であろうというふうに思いますが、この法律の趣旨がしっかりと守られるように我々も適切な助言なりまた指導もしてまいりたいというふうに思っております。

高井委員 ありがとうございます。

 ちょうど県議会の方でも、高校再編の動向を踏まえて、この有効活用を視野に入れて検討していきたいというふうな答弁が議会で教育長からもあったようなので、その点も私もぜひ注目していきたいというふうに思うんです。

 日本も批准しております子どもの権利条約、これでは、障害児の特別な支援はできるだけ無償として、子供に適した援助が確保されなければならないという趣旨があります。大臣も御承知のとおりだと思います。ぜひ、それを踏まえて、障害児童への支援を一刻も早くお願いしたいというふうに思いますし、この点からも、私は、障害者自立支援法というのは反していると思うんですね。応益負担ということで、子供にまで負担を強いる。これはまさにこの子どもの権利条約に反している。この点も、ぜひ、文部科学大臣、子供を所管する大臣として、厚生省の方にも言っていただきたいと思いますし、これから私たちも厚生労働委員会でも議論を進めてまいりますけれども、今まで民主党は見直しの法案をずっと出し続けておりますので、ぜひ一緒に御協力をいただきたいというふうに思っています。

 次に、科学技術に関する契約についての問題についてお聞きしたいと思います。

 今、新テロ特措法、参議院の方で議論されておりますけれども、山田洋行社、同社のホームページから拝見をいたしますと、宇宙科学分野にも進出しておりまして、宇宙開発という先端技術の粋を集めた分野において、常に世界じゅうから情報を収集しているというふうなことがホームページに書かれております。そして、文部科学省とも幾つかの契約があるということでございます。

 私が質問主意書を先般出させていただきまして、十一月二十二日、文部科学省と山田洋行社の契約等に関する質問主意書という主意書の中に、平成十三年以降十九年までの間、文部科学省所管の特殊法人、独立行政法人が、山田洋行、日本ミライズ社と随意契約した事業及び金額を示されたいということでお聞きしたところ、十一月三十日付の答弁書の中には、文科省と同省所管の特殊法人と山田洋行との契約に特段の問題は確認されなかったというふうにしています。

 この点は間違いないでしょうか。そして、調査はいつからいつまで行われて、いつ終了したのか。回答はいつ得られたのか。山田洋行以外の随意契約についても調査をしたのかどうか。教えていただきたいと思います。

藤田政府参考人 御説明申し上げます。

 宇宙航空研究開発機構からの報告によりますと、御指摘の山田洋行と、平成十三年、十四年度は宇宙開発事業団、十五年度以降は宇宙航空研究開発機構との間で随意契約を締結しているところでございますが、これらにつきましては、国際宇宙ステーションの搭載機器の構成部品や人工衛星のロケットからの分離に際して使用いたします部品の調達等を行ったものでございます。

 この調達等に当たりまして、宇宙航空研究開発機構等の求めます技術仕様に見合う部品の製造等を行うことが可能な企業が海外の特定の企業でございまして、たまたま山田洋行がその海外企業の国内の代理店になっているということで随意契約を行ったものというふうに宇宙航空研究開発機構から報告を受けたところでございます。

 そういう事情がございましたので、私どもとして、当該随意契約を締結したことの妥当性について問題はなかったというふうに考えた次第でございます。

 それから、それ以外の会社との関係については、特段の調査を現時点では行っておりません。

高井委員 これはまさに防衛省の今回の問題の構図と一緒で、兵器や部品や宇宙関係部品というのは本当に特注品でありますので、さっきおっしゃったように独占、代理店との随意契約で、一般的な商取引の競争原理が働かない。ということは、逆に言い値で買い続けざるを得ないという状態になりがちで、それが大きな問題に大変なっているというのが防衛省の事件であると思います。

 かつて、一九九八年に、防衛庁調達本部での背任事件がございました。NECの元役員が逮捕されているという事件ですが、この際には、防衛庁調達実施本部の装備品の納入をめぐって本部長と副本部長という方が結託をして、調達価格を水増し請求した、それを過払い認定をして、各社のそれのまた返納に際しても返納額を恣意的に減額した、その見返りに天下りを要求したというふうな事件でありまして、これが政官業癒着の構図の問題のスタートで、本部長が逮捕に至ったケースであります。もう御承知だと思いますが。これにより、当時の額賀防衛庁長官はこの事件を機に辞任されるということになったと思うんです。

 このときには、文部科学省は、NECが、宇宙開発事業団、NASDAとの受注でも過大請求を行っていたということがわかっているわけですね。そのときにも、これを機に適正に調べていくというふうなことを、文部科学省、当時は科学技術庁ですね、調べていくというふうなことでありましたけれども、またこのような、全くもって同じ構図の事件が、もともとは防衛省ですが、あちらで起こり、そして文部科学省の方でも、やはり、この事件を機にその後しっかりと調査をしているのかどうか、よほどのチェックをかけないといけないけれども、今まで九八年からやってきた調査が現在でもちゃんと機能しているのかどうか、私は大変疑問に思いました。

 そのほかの随意契約は一切余り調査していないという御回答でもございましたし、防衛省の動向を見守るだけではなく、やはり文科省としても、これは、まさに同じ問題点を抱えておりますので、しっかりとやっていただきたいと思いますが、大臣の御認識はいかがでしょうか。

藤田政府参考人 委員から今御指摘ございました水増し請求の関係についての、山田洋行との契約関係についての調査の状況でございますけれども、御指摘の、山田洋行と防衛省との契約の中で水増し請求、インボイスの改ざん等があったというふうなことが最近の新聞報道でございました。それを受けまして、現在、宇宙航空研究開発機構におきまして、インボイスの改ざんがなかったのかどうか、今調査を行っているところでございます。

 宇宙航空研究開発機構によりますと、当然のことながら、輸出元の海外の企業に確認をとっていかなきゃいけないということがございますので、必ずしもいつまでということではございませんけれども、できる限り速やかに調査を終えるべく、現在、作業を進めているというところでございます。

渡海国務大臣 事実関係につきましては、今担当局長よりお答えをしたとおりでございます。

 当然、こういうことがあってはならない。しかも、以前一度、水増し請求ということは起こっているわけでありますから。

 そこで、大事なことは、とにかく調査をすることも大事でありますから、今再度それはやっております。まだちょっと、海外のことですから時間がかかっておりますが。同時に、やはり再発防止をどういうふうにやっていくのかということだと思います。

 随意契約の場合に、では価格をどう見るかというのは、私は実は昔建築の設計をやっておりまして、物の見積もりというのは随意契約になると確かに難しいんですね、これが正しいかどうかというのは。しかし、やはり随意契約にせざるを得ないものというのはあるわけでございまして、そういうときにしっかりと、わからないように水増し請求していないかとか、こういうことをどうやってチェックするかということです。

 このNECの事件を受けまして、当時の宇宙開発事業団、今は宇宙航空研究開発機構でございますが、さまざまな再発防止策は一応講じております。これは、工場の原価計算のシステムと例えば本社の経理のシステムがちゃんとつながっているかとか、関係資料の保存とかはちゃんと義務づけておりますし、細かくは御説明申し上げませんけれども、そういったことをやっております。

 しかし、やった上でありますけれども、今回このような山田洋行、先ほどは内田洋行でございましたが、こういうのが出てきたわけでございますから、きっちりと調べなきゃいけないということで、今調べておりまして、結果が出次第、御報告をさせていただきたいというふうに思っております。

高井委員 同じような問題がこうやって防衛省で九八年も起こり、また談合事件が起こりと繰り返されている。これは、何よりも、私たちというか国民の税金ですので、本当に心して取り組んでいただきたいというふうに思っています。

 いろいろな仕組み上きちんと随意契約にしなけりゃいけないという理由も私もよくわかるつもりですし、だからこそ、もっと、何度かそういうチェックする仕組みを働かせる、また、業者の選定等に当たって、やはりちゃんとした企業であるかどうかとかもきちんと見る目を持ってやっていただければというふうに思っています。

 いつまでたってもこういう事件、こういうことが起こると、本当に、国民の皆さんに負担を強いるような法案を出している政府の側としてもやはり信頼を失うということになりますし、一円たりともやはり税金を無駄に使わないということをきちんとやっていただかないと、私たちはまだ無駄に税金があるんだというふうに言っていろいろなところを調べておりますし、こういうところも本当に、今の防衛省の問題が、水増し請求の額を正確に私はまだ承知しておりませんけれども、一円を削って生活している国民の目から考えれば、大変な、二度も三度も起こるとは何ということだというふうに思って当然だと思いますし、これを今度こそきちんとしていただかないと、まさに防衛という大事な、日本の国家国民の安全を守るところに対する信頼は今ほぼ地に落ちているような状態だと思います。

 大臣は、文部科学委員会の所管でございますから、この宇宙開発技術に関しても、一般の競争原理が働かない分、ぜひしっかりとやっていただきたいというふうに思います。

 時間が参りましたので終わります。ありがとうございました。

佐藤委員長 以上で高井美穂さんの質疑は終了いたしました。

 次に、楠田大蔵君。

楠田委員 民主党の楠田大蔵でございます。文部科学委員会では初めての質問でございますので、よろしくお願いいたします。

 本日は、いじめによる自殺の問題に関して質問をさせていただきたいと思います。

 まず、昨年ですが、滝川市の小学生のいじめ自殺の被害者がいじめを示唆する遺書を残していたことが発覚した事件や、これは私の地元でもあるんですが、筑前町の森啓祐君がいじめにより自殺した事件など、センセーショナルな事件が昨秋起こりました。しかし、そうした事件が起こっていながら、報道などによる限り、少なくとも七件ものいじめによる自殺がその後さらに起こっているわけであります。

 こうした悲劇が繰り返される事態に対して、まず、大臣がいかなる認識をお持ちであるか、お聞かせください。

渡海国務大臣 このようなことが起こるというのは、本当に残念なことであり、悲しいことだというふうに思っております。

 自分に振り返って、我々の子供のころはどうだったのかなということもよく考えるわけでありますが、ある意味のいじめっ子というのはいたと思うんですけれども、こんなことにはなかなかならなかったというふうに思っております。

 いじめは、いつでも、どこでも起こり得る可能性があるというふうに今認識をしておりますし、また、あってはならないことであるというふうに思っております。

 我々としては、やはり、そういうことが起こらないようにどういうふうに学校の教育現場で対処していくかということが大事であろうというふうに思っておりまして、まず、やはり早く発見をする。そして、残念ながらそういうことが起こっているということがわかったときには早急に対応をしていく。それも、学校、そして父兄、教育委員会、連携をよくとりながら、しっかりとした対応をしていくということが大事であろうと思います。二十四時間の電話相談の体制とか、スクールカウンセラーとか、具体的な施策もありますが、何においても、現場でしっかり常に子供の状況を把握するということが一番いじめを防ぐということになろうと思い、先生が生徒と接する時間、これもそういう意味でも大事だというふうに常に申し上げているところでございます。

楠田委員 いろいろるるお話しいただきましたが、さまざま複合要因が考えられると思いますが、その大きな要因の一つに、こうした事件の事実に対して真摯に向き合うという姿勢がやはり今なお実践されていないということが考えられるのではないかと私自身思っております。

 こうした問題意識から、実際に愛するお子様を失った遺族の方々が悲しみを乗り越えて事実を知るべく行動されている、そうした方々もおられるわけですが、その中で、ことし十月十六日に渡海大臣あてに、学校事件・事故・いじめについて親の知る権利を求める会の小森世話人という世話人名による質問書が提出をされていると思いますが、これについて、まず、大臣が認識しておられるか。また、これからの対応、つまりは、答弁書がいつまでにでき上がるのか、どういう方法で提示されるのか、また、都合四十一問の質問がなされているわけでありますが、それがすべてに逐次回答される形式になるのか等々、今の時点でお聞かせをいただければと思います。

渡海国務大臣 十月の十六日ですか、おいでをいただきまして、池坊副大臣が実は対応していただいております。そして、今何問とおっしゃいましたか、質問の量は非常に多かったですね。そういう御質問が出されたということも、報告を聞いております。それに対してどういうふうに回答するかということを今検討させていただいておりまして、できるだけ早急にお答えはさせていただかなきゃいけないということで考えております。

 ただ、質問数が非常に多いし、これは大事な問題でございますから、簡単にこれでいいということではないと思いますので、少し時間がかかっているということは御理解をいただきたい。ただ、できるだけ早急にお返事は差し上げたいというふうに思っております。

楠田委員 その内容を私ももちろん見させていただいておりますが、先ほど早期発見、早期対応という話も大臣自身からされましたが、基本的に、情報共有を図ってもらいたいという内容が主なところであります。しかも、本年五月二十五日に一度要望書を提出されて、それに対する回答が極めて概括的なものであったために、再度一問一答形式でこれを提出しておられるわけでありますから、できるだけ速やかに、また、一問一問に真摯に向き合うという姿勢で回答されることを強く要望させていただきたいと思います。

 そうした中で、地元の森君の事件に関しては、既に一年余りたっておりますが、まだまだもちろんその問題は続いておりまして、文部科学省管轄の対応とは別に、法務省管轄の問題として、地方法務局、福岡法務局でありますが、ここの人権侵犯事件調査というものが行われまして、ことし五月に、人権侵犯を認めて、説示という措置が当時の校長と一年時の担任に出されたわけであります。

 この措置の決定理由も知ることができればさらに何かしら真実に近づけるかもしれないという思いで、遺族は、九月に行政機関個人情報保護法に基づきまして資料の開示請求をし、そして、先月十三日、その一部、ごく一部が部分開示されたところでありました。しかし、ほとんどは黒塗りであるという状況でありまして、やはり真実を知りたいとの思いで、つい先日の十一月三十日に法務大臣あてに審査請求書を提出されたわけであります。

 本日は、法務省の方にもお越しいただいておりますので、法務省の認識と、現時点でのさらなる開示への判断、そしてこれからの対応方針について、お答えをお願いします。

富田政府参考人 御指摘の事案に関する人権侵犯事件記録につきましては部分開示の決定がされておりますが、その理由としましては、第一に、法務省の人権擁護機関が行う調査は、関係者の協力を得て行う任意の調査でございます。関係者から聴取した事実や提供を受けた資料を他の者に明らかにしてしまうと、今後、関係者からの調査協力を得るのが困難となり、今後の事務の適正な遂行に支障のおそれがあるということが一つの理由であります。また、第二には、当機関内部における協議、検討の過程において出された意見、評価が開示されると、職員らが率直な意見交換等を行うことが困難となり、事務の適正な遂行に支障が生じるおそれがある、これらの理由から部分開示の決定がされたものでございます。

 法務局が行った不開示決定または部分開示決定につきましては、法務大臣に審査請求がされた場合には、内閣府の諮問機関である情報公開・個人情報保護審査会に諮問し、同審査会の答申を踏まえた上で裁決を行うことになりますので、本件についても、同審査会の答申を参考にして、改めて検討することとしたいと考えております。

楠田委員 そうしたお答え自身は福岡法務局からも提示をされておりましたので、それを受けまして、また先ほどの話で、内部情報であるので職員間の意見交換がしにくくなる、また、そうした当事者の話等が入っているので関係者の協力が得られにくくなるという話が主であると認識をしております。しかし、その中でも、この法律の中で原則開示が法定をされているわけでありますし、個人を特定させないようにすれば部分的な開示をすることも可能ではないかという思いも私はいたしております。

 また、少年法の審判と比べることもなかなか難しいとは思いますけれども、判断過程そのものを公開するというのは、それは裁判過程でも難しいわけでありますが、意思形成過程の事実に関する部分というのは、実際の事実として開示をしてもいいのではないか、そうした思いもいたすわけでありますが、これに対して、もう一度見解をいただけますでしょうか。

富田政府参考人 人権侵犯事件調査処理手続と少年審判手続との違いが問題になると思いますが、私どもの認識では、少年審判手続は、刑事事件として立件された少年に保護処分を付す家庭裁判所の司法手続でございます。その前提となる刑事手続は、強制捜査も可能でございます。また、少年法には、被害者に対する開示の規定も特に規定があるかと思います。

 これに対して、法務省の人権擁護機関が行う人権侵犯事件調査処理手続は、行政手続でございまして、人権侵害による被害者に対して法律的な助言をするなどの援助をし、被害者と加害者との関係を調整したり、また、人権侵害の事実が認められる場合には説示等の啓発的手法により人権侵害による被害者を救済するものでございます。したがって、人権侵害の事実を調査する場合にも、専ら任意の調査によるものでございます。

 そのように、人権侵犯事件の処理手続というのは、専ら任意的手法により人権侵害事案の解決を図る行政手続でございますので、関係者の協力というのも全く任意の手続で、あなたから聞いたものは絶対ほかには漏らしません、そういう約束をして聴取しているものですから、その点についても御理解いただければと考えております。

楠田委員 もちろん、これから諮問をされて答申をするという流れでありますから、そうした法務省側の意見と客観的な意見がこれから議論されると思っております。

 そうした中で、本日、内閣府情報公開・個人情報保護審査会の事務局長にもお越しをいただいておりますので、私が先ほど申しました意見の観点からも、ぜひ前向きな答申を強く求めてまいりたいと思いますが、これからの流れについても少し確認をさせていただきたいと思います。

 諮問をするということは今の答弁でも得られたわけでありますが、諮問に至るまでの日数、また、諮問してから答申までの日数や会議内容、回数、また、答申が出てから裁決までの日数、これらを通算するとどれぐらいかかるものであるか、また、一年間の諮問件数の中で、いじめ自殺に関するものの数がどれほど含まれており、そして、結果として開示内容をより広範にするべきだという判断をしている割合がどれほどあるか、こうした点について教えていただければと思います。

田部政府参考人 行政機関個人情報保護法に基づきます、開示決定等に対する不服申し立てから一連の日数でございますけれども、まず、不服申し立てを受けてから審査会への諮問の期間、これは九十日以内が大体八割弱となってございます。また、答申を受けてから裁決、決定に至る期間、これは六十日以内が大体九〇%となってございます。全体を通じまして、不服申し立てから裁決、決定に要した期間、これは半年以内が約六割弱というふうになってございます。

楠田委員 それに加えて、先ほど答弁漏れもあったと思いますが、実際に、この開示内容をより広範にするべきだと判断した割合等、それはお答えいただけますか。

田代政府参考人 平成十八年度におきます情報公開・個人情報保護審査会の答申のうちですが、個人情報保護の関係の事件は約六十件答申を出してございます。そのうち、諮問庁の判断は妥当でないというふうにしたものが一部妥当でないというものを含めまして十六件、二六・七%、それから、諮問庁の判断は妥当であるというものが四十四件、七三・三%という数字になってございます。

 それから、いじめに関する答申等はどのくらいあるかという御質問でございましたが、当審査会が個人情報保護事件に関する答申をやっておりますのは、平成十七年四月から現在まで百九十一件となってございます。それで、いじめに関する答申については、その有無を調べてみたところでございますが、該当するものは見当たらないという状況でございました。

楠田委員 そうした答申の中で、今の時点でも四分の一余りが、開示をさらにするべきだというものであるわけでありますから、先ほどのお話等々、任意調査という話もありましたけれども、事の内容にかんがみ、ぜひそうした前向きな答申をいただきたいと思います。

 時間も限られておりますので、以上、他省庁にも質問をしてまいりましたが、やはりいじめによる自殺という問題は、そうしたさまざまな要素が絡みまして、もちろん心の問題だけではなくて人権の問題、そうしたものにも絡んでくる。そうしたあらゆる要素について、親御さんというものは、少しでもその真実に近づきたい、それこそが我が子へのせめてもの罪滅ぼしと思っておられるのではないかと思います。やはりすべては事実を知ることから始まるのではないか。学校で起きた事実を知る権利を親御さんに保障することから、いじめ自殺を実質的に防ぐことが可能になってくるという思いがございます。

 最初に聞きましたように、こうした事件が起こった後も後を絶たないわけでありますから、そうした観点から、大臣の見解をお聞かせいただけますでしょうか。

渡海国務大臣 いじめの問題に関して常に我々が申し上げておりますのは、やはり関係者が情報を共有するということであります。

 委員おっしゃるように、知る権利を保障するというのは、これはいじめに限らず、この知る権利と、いわゆる守らなければいけない情報というのは、常に出てくるわけでございます。学校現場において、我々は、これはもう昨年の十月十九日に、いじめの問題への取り組みの徹底ということで、学校のみで解決することに固執しないで、把握した場合には速やかに保護者と教育委員会に報告し、適切な連携を図ること、また、保護者等からの訴えを受けた場合も、まず謙虚に耳を傾け、その上で関係者全員で取り組む姿勢、こういうものが重要であるということを申し上げておりますし、常にそのことについては指導しておるところでございます。

 ですから、この情報を共有するということは大変大事なことだというふうに考えておりますが、その知る権利を保障する、今も法務省からも、また内閣府からも御答弁を求められたわけでありますけれども、これは多分に、これには別に矛盾しないというふうには思っておりますけれども、保障するというのは何をどういうふうに保障するのかということについていえば、それは非常に、別の法律的な問題というものもあろうかなというのが率直な印象でございます。

 ただ、我々は、冒頭申し上げましたように、情報を共有するということをこれからも強く指導してまいりたいというふうに思っております。

楠田委員 もちろんそうした指導は長年続けられてきたわけですが、それでも実効性が上がっていないということが現実だと思っておりますので、我が方は学校協議会の設置等を訴えてきたわけでありますから、隠ぺい体質をなくすことで、それこそ日本自体がもっと未来志向になるという観点から対応を考えていただきたいと切に要望して、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

佐藤委員長 以上で楠田大蔵君の質疑は終了いたしました。

 次に、石井郁子さん。

石井(郁)委員 日本共産党の石井郁子です。

 まず、沖縄集団自決に関する教科書検定問題でお聞きをします。

 昨年、日本史の教科書執筆者に対して検定意見が通知されましたけれども、その際、文部科学省の教科書調査官が、最新の成果と言っていい林博史先生の「沖縄戦と民衆」を見ても軍の命令があったというような記述はないと述べて、日本軍の強制を削除させる根拠にしたということを複数の教科書の執筆者が公にされているわけですね。まず、このことは事実でございますか。

金森政府参考人 お答えを申し上げます。

 平成十八年度教科書検定におけます日本史教科書への検定意見につきましては、沖縄における集団自決に関し、最近の著書等で軍の命令の有無が明確ではないという内容の記述があること等を総合的に勘案いたしまして、検定意見が付されたものでございます。

 御指摘の林氏の著書「沖縄戦と民衆」は、沖縄戦における集団自決に関する最近の著書等の一つであると承知しておりますが、今回の検定意見は審議会の各委員がそれぞれの知見により審議した結果に基づくものでございまして、検定意見を付すに当たって各委員がどのような著書を参考にしたかについてお示しすることは困難であると考えております。

石井(郁)委員 林先生の著書を引き合いに出して日本軍の強制を削除させる根拠にしたということは事実かどうかということについては、明確な御答弁はありませんでした。そのことは確認しておきたいというふうに思います。

 これは極めて重大な問題をはらんでいまして、先日、文部科学省初等中等教育局の教科書課が、沖縄戦における集団自決に関する学説状況などについてということを専門家に依頼されたわけですね。それに対して林先生の意見が述べられましたが、その意見が公表されました。私も読みましたけれども、そこではこのように書いてあるんですね。「沖縄戦における「集団自決」が、日本軍の強制と誘導によって起きたこと、日本軍の存在が決定的であったことは、沖縄戦研究の共通認識であると断言してよい」「私が著書の結論でまとめたように「日本軍による強制と誘導によるもの」であるということなのです。」と。

 そう述べた上で、「沖縄戦と民衆」という林教授のこの著書ですけれども、今回の検定意見の根拠となったことについて、「これらの叙述を書き換えさせる根拠になぜ私の著書が利用されるのか、とても理解できません。研究の全体の結論を無視して、そのなかのある一文のみを持ってきたとしか考えられません。これは検定意見を作成した者が、常識的な日本語の読解力もないか、きわめて悪意を持って歪曲したものか、どちらか以外には考えられません。」そして、「教科用図書検定調査審議会が、私の著書を歪曲して、このような検定意見をつけたとすれば、貴審議会の重大な歪曲、悪用に対して、厳重に抗議したいと思います。検定意見を通達する際に、私の著書のみを根拠に挙げて、叙述を変えさせた以上、」これは先ほどの答弁で、ちょっといろいろほかにもあったということがありましたが、しかし主要な根拠だったことは間違いありません。「叙述を変えさせた以上、貴審議会は、はっきりとその理由を説明するべきです。私の著書を悪用しながら一切の説明も弁明もせずに、私に意見を求めるのは、非礼極まりないと言うべきでしょう。」と。これはなかなか本当にここまで言い切るというのは大変なことだというふうに思うんですね。

 この「沖縄戦と民衆」という本ですけれども、明らかにここでは、「強要された住民の「集団自決」」という、ちゃんと見出しまで立っているわけですよね。そして、結論の部分では、「「集団自決」は文字どおりの「自決」ではなく、日本軍による強制と誘導によるものであることは、「集団自決」が起きなかったところと比較したとき、いっそう明確」だということをちゃんと書いてあります。

 どうでしょう。私は、こういう林先生の意見に対して、文部科学大臣としての釈明が今必要ではないかと思いますが、お答えいただきたいと思います。

渡海国務大臣 まさに今委員が読み上げられましたように、検定意見というのは、最近の著書、学術的、専門的に書かれた最近の図書を総合的に審議会が判断をされてつくられたものでありまして、林先生のこの図書もそのうちの一つであることは間違いありませんけれども、それのみによって判断をされたということではないというふうに私は理解をしております。

石井(郁)委員 しかし、それが主要な根拠にされたことは確かなんですよ。だって、最初の討議では教科書調査官がそう述べたということで、聞いた方がはっきりおっしゃっているわけですから、これを取り上げられたと。それで、その著者は、これは自分の著書の歪曲ではないのかという意見を上げられるのは当然でしょう。それは、いろいろな著書の、最近の研究成果の一つということでくくるわけにいきません、もう特定されているんですから。大臣、そういう答弁では、私は到底納得できません。いかがですか。

渡海国務大臣 先生が納得されるかどうかは別にいたしまして、審査会はさまざまな著書を参考にされてそういう見解を出された、検定をつけられたわけでありますから、林先生がそういうことをホームページに載せておられるということは、私は承知をいたしております。しかし、それのみをもって検定が行われたということではないということは御理解をいただきたいというふうに思います。

石井(郁)委員 林先生は、同じ意見書でこのように言っておられるんですね、教科書執筆者への検定意見を通知された、その際に。だから、著書は特定されているわけですよ、研究の成果というのは何点かというのは。今それを全部挙げる時間が私はありませんけれども、林先生の著書を一つの根拠として挙げたということは事実でしょう。だから、私の著書を根拠に日本軍の強制を削除させたことは、著書の内容を歪曲したと。これは、強制がなかったという根拠に使われたというのは、そうでしょう。歪曲をもとにした検定意見そのものが、だったら根拠のない、間違ったものになるということではありませんか。こういう歪曲によって根拠づけられた検定意見というのは撤回するしかありません。これは林先生の結論でもあるわけです。いかがですか。

渡海国務大臣 先ほど語学力というお話がありましたが、林先生の著述の中にも、ある部分にはそういう意見も書いてあるわけですね。全体的に、いろいろなことを総合的に、審査会で専門家がそれを参考に判断をされてつけられた結果でありますから、そのことのみをもって判断基準にしたということではないというふうに私は報告を受けておりまして、そういうふうに御理解をいただきたいというふうに思います。

石井(郁)委員 私はずっと事実を挙げてお示しいたしました。確かに、明示的にあったとか、ある隊長がしたかどうかという部分については、ちょっとありますけれども、全体としてこれは強要されたものだったというのが先生の結論なんです。その結論が、何で強要はなかった、強制はなかったということに使われるんですか。それはおかしいでしょう。大臣、そう思いませんか。

渡海国務大臣 何度も申し上げていますように、これは今までの議論の中でも何度も申し上げました。教科書検定というのは、専門家の先生方が、いわゆる自分の知見なり、そのときの学術的な意見というものを総合的に判断して行われるものでありますから、その先生方がそういうふうにいろいろな資料から判断をされて、あのような検定がなされたということであろうというふうに考えております。

石井(郁)委員 今回の問題というのは本当にたくさんの問題をはらんでおりまして、だから、今国会の冒頭からでも、予算委員会を初めいろいろ議論になったところですよね。

 それで、私は、今日では、こういう強制がなかったという、削除の根拠にした検定意見、削除を強要した検定意見というのはやはり根拠のないものだったということは、もう研究者の間では自明なことになっているわけですね。だから、この検定意見というのは撤回すべきだというふうに思いますし、そうしない限り、本当にこの重大な歴史的な事実が歪曲されることになるわけですね。

 だから、ぜひ検定審議会に諮って、やはり審議会としてきちっとこういう沖縄戦の集団自決に関する誤った検定意見を撤回するということに踏み出すべきだということを私は申し上げて、きょうはもう、あとこれ以上なかなか詰まらないようですから、終わりにしておきたいというふうに思います。

 もう一つの問題は学力テスト問題なんですけれども、全国学力テストの結果が十月二十四日に公表されました。

 ある新聞は社説でこう書いたんですね。「これほど大がかりなテストをした成果が、この程度のことなのか。」「ほかの調査ですでにわかっていた傾向が大半ではないか。」「今回の費用は七十七億円にのぼった。来年度の準備も始まっているというが、もうやめた方がいい。同じ予算なら、教員を増やすことなどに有効に使うべきだ。」ということでしたけれども、私も全く同感であります。

 改めて伺いますけれども、これは全国一斉、つまり悉皆調査を行った意味はどういうことだったんでしょうか。

金森政府参考人 お答えを申し上げます。

 今回の全国学力・学習状況調査の目的、ねらいでございますけれども、第一に、国が全国的な義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から、各地域における児童生徒の学力・学習状況をきめ細かく把握、分析することにより教育及び教育施策の成果と課題を検証し、その改善を図ること、第二に、各教育委員会、学校などが、全国的な状況との関係においてみずからの教育及び教育施策の成果と課題を把握し、その改善を図るとともに、そのような取り組みを通じて教育に関する継続的な検証改善サイクルを確立すること、第三に、各学校が各児童生徒の学力や学習状況を把握し、児童生徒への教育指導や学習状況の改善等に役立てることであると考えております。

 これらの目的やねらいを達成するためには、全国の教育委員会、学校が参加し、対象学年の児童生徒が同一の問題で調査を受けることが必要であると考えられますため、全児童生徒を対象に悉皆で調査したものでございます。

石井(郁)委員 この結果の公表ということについても、当委員会でも私も質問しましたし、大変議論にもなって、結局、各県レベルで公表になりましたが、これでもやはり序列化、競争教育につながるものだという点では大きな問題をはらんでいます。

 きょうは、今述べられた意義のうちの、個々の子供の学力の指導につながる、個々の子供の学力を上げていくんだという問題について尋ねたいと思うんですけれども、子供たちにはこのような個人票というのが返されているんですね。文科省からいただきましたけれども、これが個人票です。結果、マル・バツということがわかるわけですし、平均、全国の正答率というのも書いてあります。

 この個人票というのが一人一人の生徒に返されたのはいつでしょうか。これは大臣は御存じですか。

金森政府参考人 お答えを申し上げます。

 児童生徒一人一人に提供する個人票につきましては、公表日当日、十月二十四日に到着するよう各学校に送付したところでございます。この個人票を児童生徒に渡すタイミングや方法につきましては、それぞれの学校の事情や教育的な配慮のもと、児童生徒に対して適切に指導を行うことができるよう、各学校に判断をゆだねているところでございます。

 具体的には、個人票の提供後すぐに児童生徒に渡した学校もあれば、十分な分析や指導を行った後に渡すこととしている学校など、さまざまであると聞いております。

石井(郁)委員 まだ個人票を返されていない学校もあるんですね。これは広島市から聞いたところでは、十一月末がめどになっていると。だから、七カ月たっているんですよ、試験してから。七カ月たっている。これってどういう意味があるんだろうかという問題が一点。

 それから、児童生徒一人一人にちゃんと正確な採点で返されているんだろうか。これが極めて怪しいんですよ。一人一人にきちんと返されているということを断言できますか。これは端的にお答えください。

金森政府参考人 文部科学省におきましては、各学校における調査結果の分析、検証や教育指導の実施、改善の取り組みに役立つように、五月に調査問題のねらいや学習指導に当たっての参考事項などを示した解説資料を各学校に配布いたしますとともに、十月に設問ごとに分析結果や指導改善のポイントなどを示した調査結果の概要を公表したところでございます。また、各学校におきまして、個人票を初めとする各児童生徒の調査結果を適切に活用しながら具体的な指導内容や指導方法の改善に向けた取り組みを行うよう、十月に初等中等教育局長通知を発出したところでございます。

 学校の中には、十分な分析や指導を行った上で、十二月に通知表とともに個人票を返すこととしているところもあると聞いておりますが、引き続き、全国学力・学習状況調査の結果が十分活用されるよう、周知徹底に努めてまいりたいと存じます。

石井(郁)委員 質問の趣旨がわからなかったようですけれども。

 各学校に文科省がどのように通知しているか、これを活用してくださいと言っているかということはあるでしょう。ただ、現場はどんなことになっているのか。ちゃんと個人に採点表は渡っているんですか。これはもしかしたらつかんでいないんじゃありませんか。

 私が聞いたところでは、本当に驚くようなことをいろいろ伺っているんですね。

 ある学校は、三十七人のクラスなのに三十八枚返ってきている。CD―ROMを見ながら一枚一枚点検を行わなきゃいけなかった。結局、一人に二枚返ってきた。だから、個人に返すのに相当時間がかかっているんですよ。

 大阪のある学校は、いつも上位にいる子供が十四問中半分の正解だった。いつも上位ですよ。十四問中半分しかなかった。だから逆に、下位の子供が、記述式の試験にもかかわらず十四問中ほとんどの問いでできていた。こういうことはあるかもしれませんけれども、担任にとってはこれはとても納得いかない点数だったと。

 それから、答案用紙のコピーが今回返っていないんですよ。手元にはない。全部返送していますから。コピーで残したところもあるかもしれないけれども、それはきちっと徹底していませんから、ほとんどないんですよ。学校にも子供にも答案用紙がない。それでどうやってこれは突き合わせることができるのかという問題があります。

 ある学校で、担任が個人票を渡したところ、でき過ぎていて私の答案ではないという子供が出てきた。担任は、そのときはできたんだよと言うしかしようがなかったということもあります。

 それから、テストの結果を子供に返そうとしましたけれども、欠席者に点数がついていた。結果がずれている。今申し上げたように、余りにもずれている、こういうことに担任が気づいて、とても返せない。

 大変でしょう、これ。一人一人の子供の指導に役立てると言いながら、これは役立てようがないじゃありませんか。どうですか。

 だから、マル・バツだけでこういう結果票を返しても、これはどう使うんですか。これで、親だって何がわかるんですか。どうですか。個人の学力など伸ばしようがないものじゃありませんか。ちょっと大臣、いかがですか、聞かせてください。

渡海国務大臣 現場でそういうことが今生じているというのは、申しわけありませんが、私は少なくとも今初めて聞きましたので、もう少しいろいろと現場の状況をつかんだ上で責任のあるお答えをしたいというふうに思っております。

石井(郁)委員 ですから、先ほどの局長の答弁のように、文科省はこういうことをやっていますやっていますというペーパーだけ出されるけれども、現場でどんな混乱が起きているんですか、何が起きているんですか、そこをつかむのが文科省の仕事じゃないですか。そんな、形だけの仕事をやってもらいたくないということを思います。

 それから、もう一点。今回のテストの結果が公表された日の新聞を見て、私は驚きました。皆さん大新聞はこぞって、このテスト結果を書きながら、下は受験の案内でしたよ、こんなに大きな。これはどうですか。やはり、テスト勉強をしなさい、塾に行きなさいと。こういうことだったんです。これは二紙です。こういうことになっているんですよ。非常に重大な社会問題になっているじゃありませんか。

 それで、大臣、結局、塾産業や塾にこの学力テスト結果、甘い汁を与えているし、一方では学校に新たな負担をかぶせている。もう時間が来ましたので、私も、始まる前のときに、この学力テストをするときにベネッセのことを申し上げましたけれども、この実施機関のベネッセが、教育委員会を通じて学校にまたこれを配布しているんです、この結果が終わった後に。ぐんぐん子供が伸びる、こういう教材を使ってくださいと配布しているんです。どうですか、こういうやり方。

 もう時間がありませんので結論だけ申しますけれども、これは十二月二十八日当社必着です。だから、テストに便乗していわば受託機関が営業しているという問題になっています。こうなりますと、結局、受験産業と文科省が結託をしている、癒着をしていると言われても仕方がないんじゃありませんか。

 私はもう結論を言いますけれども、ですから、学力の向上につながらないし、来年、再来年と、膨大な予算をつけて、これだけ結果の公表がおくれているものをやろうとしているわけですけれども、もう一斉はやめるべきだ、抽出で結構だということを私は強く申し上げて、きょうはもう時間がありませんので、終わりにしたいと思います。

佐藤委員長 以上で石井郁子さんの質疑は終了いたしました。

 次に、保坂展人君。

保坂(展)委員 社民党の保坂展人です。

 きょうは、冒頭で、ちょっと私学の経営の状態について簡単に聞きたいと思います。宮崎県にある私立学校の宮崎学園というところについてであります。

 昨日、担当課の方から財務状況のヒアリングを受けました。バランスシートを見ると、固定資産の百五億のうち有形固定資産を除く大半、三十八億四千万円、こういうかなりの費用が有価証券による運用ということで報告を受けました。

 国からの私学助成も受け入れて経営されているこういった学校法人の有価証券による運用に当たっては、どのような考え方で行われるのが望ましいと考えているのか、私学部長から答弁をしてください。

磯田政府参考人 お答え申し上げます。

 学校法人が有価証券によって資産運用することを規制する法令等はございませんが、委員御指摘のように、学校法人は学生生徒等の納付金、寄附金、または国民の税金から成る補助金を主たる財源として運営されておりますので、資産の運用に当たりましては、教育研究活動に支障を来さないよう配慮することが望まれております。とりわけ、元本が保証されない株式等で資産運用することにつきましては、そのリスク等を十分に考慮して慎重な対応がなされる必要がある、このように考えております。

保坂(展)委員 私のところに来た情報によると、宮崎と羽田の間を結んでいるスカイネットアジア航空という航空会社が平成十四年から就航しましたが、どこもそうですが、なかなか経営が苦しくて、累積赤字が十六億、そこに県が八億出すというような形で、地元ぐるみというのですか、各自治体はみんな使いましょうよ、支援しましょうというような呼びかけが盛んにされたということなんですが、学校法人宮崎学園名義で、金額は二百万円から三百万円と聞いているんですが、購入をされているということで、これはなかなかリスクの高い運用なのかなと思いますけれども、そこいら辺のところをもうちょっと調べてみていただけないかということで、再度お願いします。

磯田政府参考人 学校法人宮崎学園の資産運用につきましての御指摘でございますが、教育研究活動に支障を来さないような配慮がなされているか、あるいはリスクの観点につきまして、確認をさせていただきます。

保坂(展)委員 そういう意味では、理事会とか、あるいは学費を払っている父母、国や県にも、補助金、私学助成など含めて、財務状態をきちっと開示することが必要だろうと思います。

 あともう一点なんですが、平成六年に宮崎国際大学という大学を開校されて、英語で全部授業をやるということだそうですけれども、百五十人の定員が百人に縮んでいる。なかなか定員が満たされたことはないと聞いているんですが、大学部門の累積赤字、及び、入学はしたものの中退していくお子さんの近年の数など、わかったら教えてください。

磯田政府参考人 学園に確認いたしましたところ、宮崎国際大学の帰属収支差額につきましては、平成十四年から十八年度までの五年間は連続でマイナスになっておりまして、その累計額は約二億三百万円でござます。また、退学者数につきましては、過去五年間の総数が五十九名というところでございます。

保坂(展)委員 これは、私の方も勉強して、ぜひ私学の独自性を尊重しながら、経営状況とかいうものが、私学の存在はやはり社会の資産ですから、しっかりしていけるように、いろいろな意味でチェックをしていくという仕組みについて私も考えていきたいと思います。

 そこで、渡海大臣に、教科書、沖縄戦の記述をめぐる問題について、これからちょっと議論をさせていただきたいと思います。

 いろいろな資料に当たっていきますと、これは一九九一年、今から十六年前でしょうか、教科書検定で、日本書籍の教科書に、暉峻淑子さんという埼玉大学の名誉教授の方の書かれた、かなり売れた本なんですが、「豊かさとは何か」、こういう本から引用したコラムについて、検定意見がついたということがあったようです。その検定意見は、事実関係に誤りがある、生活保護行政に対する見方が一面的であるという意見であった。こういう検定意見を受けて、同日本書籍では、一部書きかえたりということが間に合わないということで、そのコラムを全面的に削除して、他のものと入れかえたということが、九二年の六月の、当時の文部省の記者レクで明らかになりました。

 そこで、そもそも日本書籍の教科書に暉峻さんの「豊かさとは何か」から書かれていたコラムの内容ですが、無理に生活保護を辞退させられて、福祉事務所に抗議の手紙を残して自殺をされてしまったというようなことについて、検定意見がついたということなんですね。

 この暉峻さんは、これがなぜ検定意見がついたのか皆目わからなかったということで、幾つか努力をされて、これは、当時は文教委員会でしょうかね、国会でも議論をされたようです。その結果、これは八八年の厚生省の社会局長の答弁に基づいた検定意見だったということがわかったようです。この答弁は、遺書は迷惑をかけたことのおわびとお世話になったことへの謝意に尽きており、直接の死因は冠状動脈硬化症による病死と推定されるというものであったわけですね。

 これは相当長い経過をたどるんですが、時間がなくなってしまいますので、暉峻さん自身がいろいろな方に会ったり、あるいは文部省に出向いたりしながら、やはりそこでも一たん検定意見がついたものは変えられないんだというやりとりはあったようなんですね。

 最後に、九六年七月に、当時の菅直人厚生大臣が、この答弁はやはり誤っていたということを認めて謝罪をする。翌日に奥田文部大臣も、検定の誤り、つまり、検定をした論拠が当時の厚生省の局長答弁、その局長答弁がどうも事実ではないということを当時の菅大臣が認めて、そして奥田文部大臣も、これは検定も誤っていたというふうに謝罪をされた。そして、これも初めてのことらしいんですが、暉峻淑子さんのところに文部省教科書課長名で検定の誤りを認めたということの文書が届いて、この後も訂正申請なんですね、訂正申請で、九七年版でようやくそのコラムが復活をしていったという出来事があったようです。

 渡海大臣、この経緯を聞いて、どのような感想を持たれますか。

渡海国務大臣 当時は、菅厚生大臣とすれば、さきがけのときだと思いますね。

 事実としてはっきりといわゆる誤った、菅さんが謝って誤っていたということが確定をしたということですね。これはやはり、事実がはっきりしたということでありますからそういった流れになったんだろうなというふうに今聞かせていただきました。そういう意味では、今回のケースについては、いろいろな事実についていろいろな意見がある中で、今専門家の先生方にお願いをして検定をしていただいている、意見を聞いているという段階でございますから、そういう意味では、ちょっと違うのかなというふうな印象を持たせていただきました。

保坂(展)委員 初中局長にぜひ短く答えていただきたいんですが、時間がないもので。

 この暉峻淑子さんの場合、厚生省の局長答弁が間違っていたということで内容が変わっていくわけですが、この場合、執筆者、つまり暉峻淑子さんと教科書会社に責められるべき何か責任があったでしょうか。一言で答えてください。

佐藤委員長 金森初等中等教育局長。

 簡潔にお願いします。

金森政府参考人 お答えを申し上げます。

 教科書会社や暉峻淑子氏に責任があったのかというお尋ねでございますけれども、このケースにつきましては、当時の検定の根拠となった資料が、後になって間違いを含むものであったことが判明したという事案でございますので、教科書会社や暉峻淑子さんにその時点で何か誤りがあったというケースではないと存じます。

保坂(展)委員 簡潔に答弁していただきましたが、大臣にちょっと申し上げたいのは、少なくとも九一年、当時の政治の舞台の中で、このことは沖縄戦の問題とちょっと違いますけれども、一たん局長答弁があって、それで検定があって、それでつくられてしまうと、なかなかてこでも動かない、そういうことを乗り越えて、そういう検定意見も、ここは変えられる。今局長が言ったように、過失というか落ち度はないわけですね。にもかかわらず、その当時、やはり訂正申請をするという形で、この問題は、コラムが復活しているわけですね。

 要するに、検定意見が誤ってつけられる場合はあるんですよ、今はっきりしたように。誤ってつけられたときの手続が、過失のない、落ち度のない執筆者側の、あるいは教科書会社からの訂正申請しかないという仕組みはやはり考え直すべきだったんじゃないか。今その問題にまた直面しているわけですけれども、その点についていかがですか。

渡海国務大臣 個人的な見解でございますが、制度の問題というのは常に議論があっていいんだろうと思います。しかし、制度がある以上、それが法律なり、施行規則なり、運用規則なりで決まっている以上、やはりそれにしっかりと従ってこの検定制度というものをやっていくということでなければならないというふうに思います。

 これでよろしいですか、答えとしては。

保坂(展)委員 いや、その制度を我々政治の場で、まあ検定意見も間違うことはあるわけですよ、間違ったときに、その検定意見を変えたり、あるいは訂正したり、そもそもなくしたりという手続が今はないというわけでしょう。だから、その制度そのものはずっと固定的なものではないはずだし、矛盾が出てきたのであれば考え直すべきじゃないですかということなんですね。その点はいかがですか。

渡海国務大臣 私は、これまでも言ってまいりましたけれども、制度上で何か変えなきゃいけない部分があるかということは今後の課題であろうというふうに常に言ってまいりましたし、もう答えておりますから、それで答えになっているというふうに思いますが。

保坂(展)委員 恐らく、渡海大臣は何度もこの問題で答弁に立たれて、渡海大臣としての整理、つまり、制度全体の問題と今回の問題と切り分けて考えられていると思うんですね。これから制度を変えようという問題は今回の問題の後の問題ですから、今回の沖縄戦の記述問題については、訂正申請がされて、審議会での議論が始まっている。その審議会での議論を事後的にオープンにする、こんな議論だった、そこの一番核心のところはこういう結論でしたということはやはり社会に示すべきではないかというふうに思いますし、また、渡海大臣が、この時期に文部科学大臣としてこの難しい局面の中で教科書検定と向き合って、この沖縄戦という歴史的事実とも向き合って、最後に結論が出たときに何らかの見解を示されるべきではないかと思うんですね。いかがでしょうか。

渡海国務大臣 そのような必要はあろうかと考えております。

 ただ、一つ、審議会の中身の話は、委員の方々の意見というものも尊重して、ある意味、先生方にも御同意をいただけるという前提のもとで、できるだけ透明度を上げて、今回の問題を最終的に私自身も説明をするというか、そういった必要があろうかなというふうに考えておるところでございます。

保坂(展)委員 恐らく渡海大臣ともこの点については共有できると思うんです。

 前回の質疑で、私が渡嘉敷島に行ってお話を聞いた方は、九十代の方とか、かなり高齢の方ばかりでした。この沖縄戦の問題というのは、今回よっぽどしっかりきちっとやっておかないと、また五年後、十年後再燃するおそれもある。しかし、十年後この問題が起きたらどうだろうか。少なくても生存者の方はほとんど、今の、何人も会えるという状態とはもうがらりと変わっているに違いない。

 としたら、渡海大臣の、今回の審議会での議論を明らかにするということと、沖縄戦記述問題の訂正申請を受けた後の、文部科学大臣としての最後の見解は、ぜひ歴史の風雪に耐えるものにしていただきたいし、内外から見て、なるほど、こういうふうにしっかり骨格を固めてしっかりしたものになったと言えるものにしていただきたいんですね。

 そういう意味では、幾つかの重要な節目のときに総理談話あるいは官房長官談話が出ておりますけれども、それに匹敵するものにぜひしていただきたいというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。

渡海国務大臣 まだ結果が出ておりませんから、今の段階で予見を持って答えることは控えさせていただきたいというふうに思いますが、この問題を今まで就任以来扱ってきた私としては、そういう責任があるのだというふうに考えているところでございます。

保坂(展)委員 恐らく、渡海大臣だけが受けとめてきたのではなくて、福田総理自身が、重く受けとめたい、こう国会の場でおっしゃってきたわけですから、内閣一体として重く受けとめた結果こうでしたということを、少なくても歴史に残すような内容で残していただきたいということで、やはり沖縄の検定意見というものが、検定制度の見直しもこれからしなければいけないけれども、今回の問題についての、五年後、十年後に再燃しない一つの区切りは必要なんじゃないかということをもう一度伺って、終わります。

渡海国務大臣 そのように私も努力をさせていただきたいというふうに思います。

 まあ、総理がどう考えられるかというのは総理の判断でございますから。ただ、今こういう状況の中で、総理も、重く受けとめるということをしっかりとお答えになったということは、総理の中にもそれなりのお考えがあるのではないかなというふうには思います。ただ、談話を出されるかどうのこうのということは、それは総理御自身が決められることであろうというふうに思います。

保坂(展)委員 建築の専門家である渡海大臣ですから、建物の中軸となる揺るぎのない、まあ、柱ですね、ということについて、多方面から風が吹いて、これからいろいろな天気もあるでしょう、未来も予測はなかなかつきかねますけれども、少なくても沖縄でこれだけの人が声を上げたということについて、福田内閣あるいは渡海文部科学大臣がこのように受けとめたということを、ぜひ、作業をしっかりしていただきたいということを求めまして、終わりたいと思います。

佐藤委員長 以上で保坂展人君の質疑は終了いたしました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前十一時三十八分散会


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