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第1号 平成15年2月25日(火曜日)

会議録本文へ
本国会召集日(平成十五年一月二十日)(月曜日)(午前零時現在)における本委員は、次のとおりである。
   委員長 坂井 隆憲君
   理事 熊代 昭彦君 理事 長勢 甚遠君
   理事 野田 聖子君 理事 宮腰 光寛君
   理事 釘宮  磐君 理事 山井 和則君
   理事 福島  豊君 理事 武山百合子君
      岡下 信子君    奥谷  通君
      後藤田正純君    佐藤  勉君
      田村 憲久君    竹下  亘君
      棚橋 泰文君    西川 京子君
      平井 卓也君    松島みどり君
      三ッ林隆志君    宮澤 洋一君
      森  英介君    谷津 義男君
      山本 幸三君    吉田 幸弘君
      吉野 正芳君    渡辺 具能君
      家西  悟君    大石 正光君
      大島  敦君    加藤 公一君
      鍵田 節哉君    五島 正規君
      城島 正光君    三井 辨雄君
      水島 広子君    江田 康幸君
      桝屋 敬悟君    佐藤 公治君
      小沢 和秋君    山口 富男君
      阿部 知子君    中川 智子君
      山谷えり子君    川田 悦子君
平成十五年二月二十五日(火曜日)
    午後零時十一分開議
 出席委員
   委員長 坂井 隆憲君
   理事 長勢 甚遠君 理事 野田 聖子君
   理事 宮腰 光寛君 理事 鍵田 節哉君
   理事 山井 和則君 理事 福島  豊君
   理事 武山百合子君
      岡下 信子君    金子 恭之君
      後藤田正純君    田村 憲久君
      竹下  亘君    棚橋 泰文君
      西川 京子君    平井 卓也君
      松島みどり君    松野 博一君
      三ッ林隆志君    宮澤 洋一君
      森  英介君    谷津 義男君
      山本 幸三君    吉田 幸弘君
      吉野 正芳君    渡辺 具能君
      渡辺 博道君    家西  悟君
      大石 正光君    大島  敦君
      加藤 公一君    五島 正規君
      城島 正光君    藤村  修君
      三井 辨雄君    水島 広子君
      江田 康幸君    桝屋 敬悟君
      佐藤 公治君    小沢 和秋君
      山口 富男君    阿部 知子君
      金子 哲夫君    山谷えり子君
      川田 悦子君
    …………………………………
   厚生労働大臣       坂口  力君
   厚生労働副大臣      鴨下 一郎君
   厚生労働副大臣      木村 義雄君
   厚生労働大臣政務官    渡辺 具能君
   厚生労働大臣政務官    森田 次夫君
   政府参考人
   (厚生労働省医政局長)  篠崎 英夫君
   政府参考人
   (厚生労働省職業安定局高
   齢・障害者雇用対策部長) 太田 俊明君
   政府参考人
   (厚生労働省社会・援護局
   障害保健福祉部長)    上田  茂君
   厚生労働委員会専門員   宮武 太郎君
    ―――――――――――――
委員の異動
一月二十日
 辞任         補欠選任
  中川 智子君     金子 哲夫君
二月二十五日
 辞任         補欠選任
  奥谷  通君     渡辺 博道君
  松島みどり君     松野 博一君
  釘宮  磐君     藤村  修君
同日
 辞任         補欠選任
  松野 博一君     松島みどり君
  渡辺 博道君     金子 恭之君
  藤村  修君     釘宮  磐君
同日
 辞任         補欠選任
  金子 恭之君     奥谷  通君
同日
 理事釘宮磐君同日理事辞任につき、その補欠として鍵田節哉君が理事に当選した。
    ―――――――――――――
一月二十日
 医療法の一部を改正する法律案(今野東君外十二名提出、第百五十一回国会衆法第五五号)
 ゆとりのある生活の実現に資するための長期休暇制度の創設及び年次有給休暇の取得の促進に関する法律案(枝野幸男君外五名提出、第百五十四回国会衆法第四七号)
二月三日
 あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律第十九条に、はり師、きゅう師の規定を加える改正に関する請願(牧野聖修君紹介)(第四号)
 医療改悪の実施と社会保障の改悪反対、充実に関する請願(小沢和秋君紹介)(第五号)
 同(春名直章君紹介)(第六号)
 同(山口富男君紹介)(第七号)
 同(吉井英勝君紹介)(第八号)
 同(塩川鉄也君紹介)(第一四九号)
 社会保障の拡充、将来への安心と生活の安定に関する請願(大森猛君紹介)(第九号)
 同(志位和夫君紹介)(第一〇号)
 同(瀬古由起子君紹介)(第一一号)
 同(都築譲君紹介)(第一二号)
 同(土肥隆一君紹介)(第一三号)
 同(伴野豊君紹介)(第一四号)
 同(牧義夫君紹介)(第一五号)
 同(矢島恒夫君紹介)(第一六号)
 同(赤松広隆君紹介)(第四四号)
 同(大出彰君紹介)(第四五号)
 同(大野松茂君紹介)(第四六号)
 同(木下厚君紹介)(第四七号)
 同(塩川鉄也君紹介)(第四八号)
 同(砂田圭佑君紹介)(第四九号)
 同(中林よし子君紹介)(第五〇号)
 同(春名直章君紹介)(第五一号)
 同(平井卓也君紹介)(第五二号)
 同(平野博文君紹介)(第五三号)
 同(細川律夫君紹介)(第五四号)
 同(矢島恒夫君紹介)(第五五号)
 同(五十嵐文彦君紹介)(第六〇号)
 同(宇田川芳雄君紹介)(第六一号)
 同(大島令子君紹介)(第六二号)
 同(岡下信子君紹介)(第六三号)
 同(川田悦子君紹介)(第六四号)
 同(島聡君紹介)(第六五号)
 同(玉置一弥君紹介)(第六六号)
 同(中山太郎君紹介)(第六七号)
 同(根本匠君紹介)(第六八号)
 同(肥田美代子君紹介)(第六九号)
 同(細川律夫君紹介)(第七〇号)
 同(堀込征雄君紹介)(第七一号)
 同(牧野隆守君紹介)(第七二号)
 同(松本剛明君紹介)(第七三号)
 同(三塚博君紹介)(第七四号)
 同(山口俊一君紹介)(第七五号)
 同(山元勉君紹介)(第七六号)
 同(若松謙維君紹介)(第七七号)
 同(五十嵐文彦君紹介)(第一一〇号)
 同(木島日出夫君紹介)(第一一一号)
 同(穀田恵二君紹介)(第一一二号)
 同(近藤昭一君紹介)(第一一三号)
 同(左藤章君紹介)(第一一四号)
 同(佐田玄一郎君紹介)(第一一五号)
 同(佐藤観樹君紹介)(第一一六号)
 同(高橋一郎君紹介)(第一一七号)
 同(中馬弘毅君紹介)(第一一八号)
 同(渡海紀三朗君紹介)(第一一九号)
 同(根本匠君紹介)(第一二〇号)
 同(日野市朗君紹介)(第一二一号)
 同(松本善明君紹介)(第一二二号)
 同(三ッ林隆志君紹介)(第一二三号)
 同(村田吉隆君紹介)(第一二四号)
 同(森田一君紹介)(第一二五号)
 同(矢島恒夫君紹介)(第一二六号)
 同(今川正美君紹介)(第一五〇号)
 同(大島敦君紹介)(第一五一号)
 同(塩川鉄也君紹介)(第一五二号)
 同(高橋嘉信君紹介)(第一五三号)
 同(達増拓也君紹介)(第一五四号)
 同(前原誠司君紹介)(第一五五号)
 同(松宮勲君紹介)(第一五六号)
 同(山口泰明君紹介)(第一五七号)
 医療改悪の実施中止、年金・生活保護基準などの切り下げ反対に関する請願(小沢和秋君紹介)(第四二号)
 介護保険と国民健康保険の改善、医療保険の改悪中止に関する請願(山口富男君紹介)(第四三号)
 あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律第十九条の改正に関する請願(堀込征雄君紹介)(第五九号)
 医療改悪実施と社会保障の改悪反対、充実に関する請願(松本善明君紹介)(第八三号)
 公的年金制度を改革し最低保障年金制度の創設に関する請願(山口富男君紹介)(第八四号)
 物価スライドによる年金引き下げ反対、最低保障年金制度の創設に関する請願(小沢和秋君紹介)(第八五号)
 保育・学童保育予算の大幅増額に関する請願(阿部知子君紹介)(第八六号)
 同(赤嶺政賢君紹介)(第八七号)
 同(石井郁子君紹介)(第八八号)
 同(小沢和秋君紹介)(第八九号)
 同(大島令子君紹介)(第九〇号)
 同(大幡基夫君紹介)(第九一号)
 同(大森猛君紹介)(第九二号)
 同(川田悦子君紹介)(第九三号)
 同(木島日出夫君紹介)(第九四号)
 同(児玉健次君紹介)(第九五号)
 同(穀田恵二君紹介)(第九六号)
 同(佐々木憲昭君紹介)(第九七号)
 同(志位和夫君紹介)(第九八号)
 同(塩川鉄也君紹介)(第九九号)
 同(瀬古由起子君紹介)(第一〇〇号)
 同(中林よし子君紹介)(第一〇一号)
 同(原陽子君紹介)(第一〇二号)
 同(春名直章君紹介)(第一〇三号)
 同(不破哲三君紹介)(第一〇四号)
 同(藤木洋子君紹介)(第一〇五号)
 同(松本善明君紹介)(第一〇六号)
 同(矢島恒夫君紹介)(第一〇七号)
 同(山口富男君紹介)(第一〇八号)
 同(吉井英勝君紹介)(第一〇九号)
 同(大島敦君紹介)(第一五八号)
 同(穀田恵二君紹介)(第一五九号)
 同(瀬古由起子君紹介)(第一六〇号)
 同(中林よし子君紹介)(第一六一号)
 同(山口富男君紹介)(第一六二号)
 同(山井和則君紹介)(第一六三号)
同月十四日
 社会保障の拡充、将来への安心と生活の安定に関する請願(小野晋也君紹介)(第一六八号)
 同(大島敦君紹介)(第一六九号)
 同(木村太郎君紹介)(第一七〇号)
 同(黄川田徹君紹介)(第一七一号)
 同(今野東君紹介)(第一七二号)
 同(佐藤敬夫君紹介)(第一七三号)
 同(末松義規君紹介)(第一七四号)
 同(谷畑孝君紹介)(第一七五号)
 同(牧野聖修君紹介)(第一七六号)
 同(山口泰明君紹介)(第一七七号)
 同(井上和雄君紹介)(第一八五号)
 同(石井一君紹介)(第一八六号)
 同(石原健太郎君紹介)(第一八七号)
 同(棚橋泰文君紹介)(第一八八号)
 同(古屋圭司君紹介)(第一八九号)
 同(松本龍君紹介)(第一九〇号)
 同(大野功統君紹介)(第一九三号)
 同(海江田万里君紹介)(第一九四号)
 同(仙谷由人君紹介)(第一九五号)
 同(土井たか子君紹介)(第一九六号)
 同(仲村正治君紹介)(第一九七号)
 同(楢崎欣弥君紹介)(第一九八号)
 同(宮下創平君紹介)(第一九九号)
 同(山口俊一君紹介)(第二〇〇号)
 同(山本公一君紹介)(第二〇一号)
 同(上田勇君紹介)(第二一八号)
 同(大谷信盛君紹介)(第二一九号)
 同(今田保典君紹介)(第二二〇号)
 同(鈴木淑夫君紹介)(第二二一号)
 同(仙谷由人君紹介)(第二二二号)
 同(高木義明君紹介)(第二二三号)
 同(樽床伸二君紹介)(第二二四号)
 同(近岡理一郎君紹介)(第二二五号)
 同(東門美津子君紹介)(第二二六号)
 同(蓮実進君紹介)(第二二七号)
 同(日森文尋君紹介)(第二二八号)
 同(松浪健太君紹介)(第二二九号)
 同(宮下創平君紹介)(第二三〇号)
 同(宮本一三君紹介)(第二三一号)
 同(山口富男君紹介)(第二三二号)
 同(渡辺喜美君紹介)(第二三三号)
 同(池田元久君紹介)(第二五九号)
 同(宇田川芳雄君紹介)(第二六〇号)
 同(柿澤弘治君紹介)(第二六一号)
 同(亀井善之君紹介)(第二六二号)
 同(小林憲司君紹介)(第二六三号)
 同(佐藤謙一郎君紹介)(第二六四号)
 同(齋藤淳君紹介)(第二六五号)
 同(城島正光君紹介)(第二六六号)
 同(手塚仁雄君紹介)(第二六七号)
 同(日森文尋君紹介)(第二六八号)
 同(藤村修君紹介)(第二六九号)
 同(山岡賢次君紹介)(第二七〇号)
 同(池田元久君紹介)(第二七八号)
 同(石毛えい子君紹介)(第二七九号)
 同(尾身幸次君紹介)(第二八〇号)
 同(奥谷通君紹介)(第二八一号)
 同(鍵田節哉君紹介)(第二八二号)
 同(佐藤勉君紹介)(第二八三号)
 同(鮫島宗明君紹介)(第二八四号)
 同(志位和夫君紹介)(第二八五号)
 同(塩川正十郎君紹介)(第二八六号)
 同(末松義規君紹介)(第二八七号)
 同(田中慶秋君紹介)(第二八八号)
 同(中津川博郷君紹介)(第二八九号)
 同(永田寿康君紹介)(第二九〇号)
 同(野田佳彦君紹介)(第二九一号)
 同(山花郁夫君紹介)(第二九二号)
 同(赤松正雄君紹介)(第三〇七号)
 同(石毛えい子君紹介)(第三〇八号)
 同(宇田川芳雄君紹介)(第三〇九号)
 同(遠藤武彦君紹介)(第三一〇号)
 同(鎌田さゆり君紹介)(第三一一号)
 同(川田悦子君紹介)(第三一二号)
 同(自見庄三郎君紹介)(第三一三号)
 同(鈴木淑夫君紹介)(第三一四号)
 同(永田寿康君紹介)(第三一五号)
 同(野田佳彦君紹介)(第三一六号)
 同(橋本龍太郎君紹介)(第三一七号)
 保育・学童保育予算の大幅増額に関する請願(小沢和秋君紹介)(第一七八号)
 同(土井たか子君紹介)(第二〇二号)
 パーキンソン病患者・家族の療養生活の質向上に関する請願(棚橋泰文君紹介)(第一八四号)
 医療改悪の実施凍結、見直しに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第二一一号)
 同(中林よし子君紹介)(第二九三号)
 乳幼児医療費無料制度の創設に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第二一二号)
 同(瀬古由起子君紹介)(第三二五号)
 医療改悪の実施と社会保障の改悪反対、充実に関する請願(小沢和秋君紹介)(第二一三号)
 同(志位和夫君紹介)(第二一四号)
 同(春名直章君紹介)(第二一五号)
 同(不破哲三君紹介)(第二一六号)
 同(藤木洋子君紹介)(第二一七号)
 同(赤嶺政賢君紹介)(第三〇一号)
 同(小沢和秋君紹介)(第三〇二号)
 同(大森猛君紹介)(第三〇三号)
 同(木島日出夫君紹介)(第三〇四号)
 同(塩川鉄也君紹介)(第三〇五号)
 同(矢島恒夫君紹介)(第三〇六号)
 医療改悪実施と社会保障の改悪反対、充実に関する請願(木島日出夫君紹介)(第二三四号)
 同(児玉健次君紹介)(第二三五号)
 同(佐々木憲昭君紹介)(第二三六号)
 同(中林よし子君紹介)(第二三七号)
 同(松本善明君紹介)(第二三八号)
 同(矢島恒夫君紹介)(第二三九号)
 同(佐々木憲昭君紹介)(第三一八号)
 同(瀬古由起子君紹介)(第三一九号)
 同(中林よし子君紹介)(第三二〇号)
 同(春名直章君紹介)(第三二一号)
 同(藤木洋子君紹介)(第三二二号)
 同(吉井英勝君紹介)(第三二三号)
 物価スライドによる年金引き下げ反対、最低保障年金制度の創設に関する請願(瀬古由起子君紹介)(第二四〇号)
 同(矢島恒夫君紹介)(第三二四号)
 健保三割負担・高齢者窓口負担の大幅引き上げ中止に関する請願(首藤信彦君紹介)(第二五八号)
同月二十一日
 支援費制度移行に際して視覚障害者の負担軽減並びに援助強化に関する請願(野中広務君紹介)(第三三七号)
 社会保障の拡充、将来への安心と生活の安定に関する請願(安住淳君紹介)(第三三八号)
 同(石毛えい子君紹介)(第三三九号)
 同(北川れん子君紹介)(第三四〇号)
 同(中津川博郷君紹介)(第三四一号)
 同(水野賢一君紹介)(第三四二号)
 同(伊藤達也君紹介)(第三六四号)
 同(熊代昭彦君紹介)(第三六五号)
 同(阪上善秀君紹介)(第三六六号)
 同(中西績介君紹介)(第三六七号)
 同(不破哲三君紹介)(第三六八号)
 同(横光克彦君紹介)(第三六九号)
 同(吉田公一君紹介)(第三七〇号)
 同(石井郁子君紹介)(第三九八号)
 同(大幡基夫君紹介)(第三九九号)
 同(大森猛君紹介)(第四〇〇号)
 同(小林守君紹介)(第四〇一号)
 同(穀田恵二君紹介)(第四〇二号)
 同(重野安正君紹介)(第四〇三号)
 同(西田司君紹介)(第四〇四号)
 同(松沢成文君紹介)(第四〇五号)
 同(吉井英勝君紹介)(第四〇六号)
 同(吉田公一君紹介)(第四〇七号)
 同(赤嶺政賢君紹介)(第四二一号)
 同(小沢和秋君紹介)(第四二二号)
 同(小林守君紹介)(第四二三号)
 同(児玉健次君紹介)(第四二四号)
 同(佐々木憲昭君紹介)(第四二五号)
 同(城島正光君紹介)(第四二六号)
 同(手塚仁雄君紹介)(第四二七号)
 同(楢崎欣弥君紹介)(第四二八号)
 同(藤木洋子君紹介)(第四二九号)
 同(山口富男君紹介)(第四三〇号)
 同(山口わか子君紹介)(第四三一号)
 同(吉田公一君紹介)(第四三二号)
 同(岩國哲人君紹介)(第四五七号)
 同(植田至紀君紹介)(第四五八号)
 同(小渕優子君紹介)(第四五九号)
 同(柿澤弘治君紹介)(第四六〇号)
 同(手塚仁雄君紹介)(第四六一号)
 同(岩屋毅君紹介)(第四七四号)
 同(鹿野道彦君紹介)(第四七五号)
 同(菅野哲雄君紹介)(第四七六号)
 同(竹本直一君紹介)(第四七七号)
 同(手塚仁雄君紹介)(第四七八号)
 同(藤木洋子君紹介)(第四七九号)
 同(水島広子君紹介)(第四八〇号)
 同(吉田公一君紹介)(第四八一号)
 保育・学童保育予算の大幅増額に関する請願(北川れん子君紹介)(第三四三号)
 同(児玉健次君紹介)(第三七六号)
 同(水島広子君紹介)(第四八五号)
 医療改悪の実施と社会保障の改悪反対、充実に関する請願(不破哲三君紹介)(第三六三号)
 同(穀田恵二君紹介)(第三九七号)
 同(山口わか子君紹介)(第四二〇号)
 同(石井郁子君紹介)(第四七〇号)
 同(小沢和秋君紹介)(第四七一号)
 同(大幡基夫君紹介)(第四七二号)
 同(山口富男君紹介)(第四七三号)
 医療改悪実施と社会保障の改悪反対、充実に関する請願(志位和夫君紹介)(第三七一号)
 同(瀬古由起子君紹介)(第三七二号)
 同(春名直章君紹介)(第三七三号)
 同(木島日出夫君紹介)(第四三三号)
 物価スライドによる年金引き下げ反対、最低保障年金制度の創設に関する請願(小沢和秋君紹介)(第三七四号)
 同(山口富男君紹介)(第三七五号)
 同(中林よし子君紹介)(第四八二号)
 同(不破哲三君紹介)(第四八三号)
 同(松本善明君紹介)(第四八四号)
 公的年金引き下げ反対に関する請願(金田誠一君紹介)(第三九六号)
 乳幼児医療費無料制度の創設に関する請願(穀田恵二君紹介)(第四〇八号)
 パートタイム労働法の実効ある改正に関する請願(石井郁子君紹介)(第四四九号)
 同(小沢和秋君紹介)(第四五〇号)
 同(大森猛君紹介)(第四五一号)
 同(塩川鉄也君紹介)(第四五二号)
 同(瀬古由起子君紹介)(第四五三号)
 同(中林よし子君紹介)(第四五四号)
 同(藤木洋子君紹介)(第四五五号)
 同(松本善明君紹介)(第四五六号)
 医療改悪の実施凍結、見直しに関する請願(志位和夫君紹介)(第四八六号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 理事の辞任及び補欠選任
 国政調査承認要求に関する件
 政府参考人出頭要求に関する件
 厚生労働関係の基本施策に関する件


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     ――――◇―――――
坂井委員長 これより会議を開きます。
 理事辞任の件についてお諮りいたします。
 理事釘宮磐君から、理事辞任の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
坂井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 引き続き、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。
 ただいまの理事辞任に伴う補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
坂井委員長 御異議なしと認めます。
 それでは、理事に鍵田節哉君を指名いたします。
     ――――◇―――――
坂井委員長 次に、国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。
 厚生労働関係の基本施策に関する事項
 社会保障制度、医療、公衆衛生、社会福祉及び人口問題に関する事項
 労使関係、労働基準及び雇用・失業対策に関する事項
以上の各事項について、その実情を調査し、対策を樹立するため、小委員会の設置、関係各方面からの説明聴取及び資料の要求等の方法により、本会期中調査を進めたいと存じます。
 つきましては、衆議院規則第九十四条により、議長の承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
坂井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
     ――――◇―――――
坂井委員長 厚生労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。
 この際、厚生労働大臣から所信を聴取いたします。坂口厚生労働大臣。
坂口国務大臣 厚生労働委員会の御審議に先立ちまして、厚生労働行政についての所信を申し述べ、委員各位を初め、国民の皆様の御理解と御協力をお願い申し上げます。
 現下の雇用失業情勢は、完全失業率が過去最高水準に並ぶなど大変厳しい状況にあり、今後不良債権処理の加速による雇用への影響も懸念されるところです。昨年末、雇用問題に関する政労使合意を取りまとめましたが、雇用問題は政労使が一体となって取り組むべき喫緊の課題であります。
 厚生労働省としましては、平成十四年度補正予算に盛り込まれた、不良債権処理に伴い生じる離職者の再就職支援、緊急地域雇用創出特別交付金制度の拡充、キャリアコンサルティングの充実などの施策に全力で取り組み、雇用対策に万全を期してまいります。内定率が過去最低である新規高卒者等厳しい雇用環境にある若年者についても、就職未内定者へのきめ細かな就職支援や学校等と連携した職業体験機会の促進等、総合的な対策を展開してまいります。
 厳しい雇用失業情勢や働き方の多様化等に対応するため、雇用に関する制度改革も喫緊の課題です。将来にわたり雇用のセーフティーネットとしての安定的な運営を確保するため、雇用保険法等の改正法案を提出したところであり、一日も早い成立をお願い申し上げます。また、労働力需給の迅速、円滑、的確な結合を促進すべく、職業紹介事業や労働者派遣事業の見直しを内容とする法案や、有期労働契約の見直し、解雇ルールの明記等を内容とする労働基準法の改正法案を今国会に提出いたします。
 なお、駐留軍関係離職者や漁業離職者の再就職促進の措置を継続する等のための法案も今国会に提出したところであり、一日も早い成立をお願いいたします。
 私は、中長期的な展望に立った雇用政策として、労働生産性を高め、労働時間を短くして国民がバランスがとれた生活のできる雇用重視型社会を目指しております。このため、労働時間については、政府目標である年間千八百時間の達成に向け、いわゆるサービス残業の是正を初め、所定外労働の削減等に重点的に取り組んでまいります。
 また、昨年末の多様な働き方とワークシェアリングに関する政労使合意を踏まえ、現実にワークシェアリングの導入が進むよう、その普及促進策に積極的に取り組んでまいります。さらに、今後のパートタイム労働対策についても、正社員との均衡処遇のあり方等の検討を進め、早急に結論を得て実施に移してまいります。
 急速な少子高齢化が進展する中で、国民の安心と生活の安定を支える社会保障制度につきましては、将来にわたり持続可能で安定的なものとして維持していくため、国民の皆様の理解と協力を得ながら、引き続き、必要な制度改革に全力で取り組んでいく必要があります。
 とりわけ、公的年金は、高齢期の生活の基本部分を支えるかけがえのない役割を担っており、こうした役割を持続的に果たせるよう、長期的に安定した制度を確立する必要があります。昨年末に次期制度改革の骨格に関する方向性と論点を取りまとめましたが、今後は、これをもとに、国民的な御議論をいただきながら、給付と負担のあり方とそれらの調整方法、保険料引き上げの凍結解除や基礎年金国庫負担割合の二分の一への引き上げなどの課題に取り組んでまいります。あわせて、保険料収納対策の徹底や、年金個人情報の提供の充実などに努めてまいります。なお、年金等の額について、平成十四年の消費者物価指数の下落分のみの改定を行うための法案を提出したところであり、一日も早い成立をお願いいたします。
 医療制度につきましては、国民皆保険を守り、将来にわたり良質で効率的な医療を国民が享受できるよう、昨年、健康保険法等の改正を行ったところですが、さらなる改革のため、医療保険制度の体系のあり方、診療報酬体系の見直し等の基本方針や、医療提供体制の改革ビジョンを、それぞれ今年度中に策定いたします。また、政府管掌健康保険についても、事業運営の効率化や被保険者証のカードによる一人一枚化を進めてまいります。
 あわせて、昨年成立した健康増進法に基づく基本方針の策定等健康づくりの取り組みや、小児を含めた救急医療体制の整備等の取り組みも進めてまいります。
 介護保険につきましては、三年ごとに市町村の事業計画の見直しを行うこととしており、現在、各市町村において、本年四月からの新たな事業運営に向けた準備を進めております。国としましても市町村の介護保険の安定的な運営を確保するための措置を講ずるとともに、在宅重視、自立支援の観点を踏まえた介護報酬の見直しを行うなど、介護サービスの質の向上や基盤整備に取り組んでまいります。
 急速な少子化の進展は、今後の我が国の社会経済、特に世代間扶養を基本とする社会保障制度に重大な影響を与えるものであり、国の基本政策としてその流れを変えるためのもう一段の取り組みを強力に進める必要があります。
 このため、まず、昨年策定した少子化対策プラスワンを発展させた政府としての取り組み方針を早急に取りまとめるとともに、国、地方公共団体、企業が一体となった子育て支援策を推進するため、次世代育成支援対策推進法案及び児童福祉法改正法案を今国会に提出することといたしております。
 また、放課後児童クラブや子育て家庭のつどいの広場の整備等地域における子育て支援の充実、男性を含めた働き方の見直しなどの課題にも積極的に取り組み、待機児童ゼロ作戦などの推進とも相まって、家庭や地域における子育て機能の再生を目指してまいります。
 国民の生命と健康を守るため、最新の科学的知見に基づき、HIV感染事件等の経験も心に刻み、最大限の努力を重ねていく必要があります。
 食品の安全につきましては、BSE等を契機にした国民の不安や不信を払拭するため、現在、食品安全委員会の設置や食品安全基本法の制定等、政府全体で取り組みを進めております。リスク管理を担う厚生労働省においては、食品の安全性の確保を通じて国民の健康の保護を図るため、食品衛生法の抜本改正など関連法案を提出したところであり、一日も早い成立をお願いいたします。
 医薬品、医療機器等につきましては、昨年、薬事制度、血液制度を抜本的に見直したところであり、その円滑な施行に取り組んでまいります。また、昨年策定した医薬品産業ビジョンを着実に推進し、医療機器に関する産業ビジョンも早急に策定いたします。
 障害者施策につきましては、昨年末に策定された新しい障害者基本計画及びその重点施策実施五カ年計画を着実に推進いたします。また、本年四月から始まる障害者福祉サービスに係る支援費制度が、利用者の立場に立ったものとなるよう、その円滑な施行に取り組んでまいります。
 また、精神保健・医療・福祉対策につきまして省を挙げて推進するとともに、難病対策や肝炎対策についても総合的な取り組みを進めてまいります。
 援護行政につきましては、戦没者の遺骨収集や慰霊事業、中国残留邦人等に対する支援の充実などに努めてまいります。また、戦没者の妻及び父母に対する特別給付金を来年度以降も継続して支給するための法案を提出したところであり、一日も早い成立をお願いいたします。
 なお、国立病院・療養所を初め、前国会で成立した独立行政法人関連法律を踏まえ、諸準備を適切に進めるとともに、公益法人改革の一環として、検査機関、研修等の指定制度を登録制度に変更するための法案を今国会に提出いたします。
 厚生労働行政には、このほかにも多くの課題が山積しております。私は、これら諸課題の解決に向けて全力を尽くしてまいりますので、委員長を初め、皆様方の一層の御理解と御協力を賜りますよう、よろしくお願いを申し上げます。
 ありがとうございました。(拍手)
坂井委員長 次に、平成十五年度厚生労働省関係予算の概要について説明を聴取いたします。木村厚生労働副大臣。
木村副大臣 厚生労働副大臣の木村でございます。委員長を初め委員各位の御理解と御協力を得ながら、鴨下副大臣、渡辺、森田両政務官とともに坂口大臣を支え、厚生労働行政の推進に尽くしてまいりますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 それでは、お手元の資料に基づきまして、平成十五年度厚生労働省関係予算案の概要について御説明申し上げます。
 まず、平成十五年度厚生労働省所管一般会計予算の規模は、総額十九兆三千七百八十七億円、対前年度七千百三億円、三・八%の増加となっております。
 次に、予算の主要事項について御説明申し上げます。
 第一は、一ページから六ページにかけての、次世代の育成を支援する少子化対策の推進です。少子化の流れを変え、次世代の育成を支援するため、昨年九月に少子化対策プラスワンを策定し、子育て家庭を社会全体で支援するとともに、地域における子育て支援体制や保育サービスの充実、働き方の多様化に対応した改革など、各種施策を総合的に推進してまいります。
 さらに、児童虐待防止対策を推進するとともに、増大する母子家庭等についても、子育て支援や就労支援等を充実してまいります。
 第二は、七ページから九ページにかけての、国民の健康を守るための食品安全対策の整備です。食品衛生法の抜本改正等により、新たな食品の安全確保の仕組みを構築するため、残留農薬基準の整備、食品添加物の安全性確認の徹底、輸入食品や健康食品などの安全確保対策を推進するとともに、食品の安全性確保に係る研究を充実し、国民の健康を守るための食品安全対策を整備してまいります。
 第三は、十ページから十三ページにかけての、新たな挑戦や再挑戦がしやすい労働市場の実現です。現下の厳しい雇用失業情勢及び不良債権処理の加速する過程における影響に対応し、早期再就職及び雇用機会の創出を進めるとともに、新たな挑戦や再挑戦がしやすい労働市場の実現に向け、官民による労働力需給調整機能の強化などを進め、円滑な労働移動の支援を強化してまいります。また、地域の課題にこたえる地域雇用開発の促進など、良好な雇用機会の創出、確保等を図ってまいります。なお、雇用保険については、制度の安定的な運営を図るため、基本手当の見直しなど、給付と負担の両面からの見直しを行い、雇用のセーフティーネットの整備を図ってまいります。
 第四は、十四ページから十六ページにかけての、人間力の向上を目指した人材育成の推進です。次代の日本を支える若年者の総合的な雇用・能力開発対策の推進、経済社会の変化や技術革新に機動的に対応できる能力開発システムの構築など、人間力の向上を目指した人材育成を推進してまいります。
 第五は、十七ページから十八ページにかけての、多様な働き方を可能とする労働環境の整備です。多様で柔軟な働き方を可能とする環境を整備するとともに、労働者の安全、健康の確保などだれもが安心して働ける環境づくりを推進してまいります。
 第六は、十九ページから二十二ページにかけての、活力があり、安心できる高齢社会の実現です。急速に高齢化が進展する中、健康づくり施策を推進し、六十五歳までの雇用の確保や中高年齢者の再就職を促進するとともに、介護サービス基盤の整備、介護サービスの質の向上等への支援を行います。なお、介護報酬につきましては、賃金、物価の動向等を踏まえ、見直しを行います。また、国民年金等については、保険料を負担する現役世代との均衡にかんがみ、高齢者等の生活に配慮しつつ、特例として平成十四年の消費者物価の下落分であるマイナス〇・九%のみによる年金額の改定を行うこととしております。
 第七は、二十三ページから二十六ページにかけての、障害者の自立、社会参加の推進と良質な福祉サービスの提供です。
 障害者基本計画重点施策実施五カ年計画(新障害者プラン)の実施を軸として、雇用と福祉の連携等による障害者雇用の推進や平成十五年度から実施される支援費制度の円滑な施行等を推進してまいります。また、ホームレスの自立の支援等に関する施策を一層推進するとともに、良質な福祉サービスを提供するための体制整備を進めてまいります。なお、生活保護については、平成十五年度の政府経済見通しの民間最終消費支出の動向を基礎とし、国民全体の消費水準との均衡を図るための生活扶助基準等の改定を行うとともに、引き続き、その趣旨に沿って適正な運用を図ってまいります。
 第八は、二十七ページから三十ページにかけての、質の高い医療の確保等のための施策の推進です。総合的な医療安全対策、医療のIT化等を着実に進めるとともに、医療従事者の確保と資質の向上を図るなど、医療提供体制の整備を図ってまいります。
 第九は、三十一ページから三十二ページにかけての、科学技術の振興及び産業の国際競争力の強化です。先端医療を実現するとともに、医薬品、医療機器等の産業活性化を推進してまいります。
 あわせて、三十三ページから三十五ページですが、世界保健機関や国際労働機関等の国際活動の支援、戦傷病者、戦没者遺族や中国残留邦人などの援護対策、生活衛生関係営業の振興、原爆被爆者対策など、諸施策を推進してまいります。
 以上、主な内容について御説明しましたが、お手元の資料のうち、特別会計予算案の概要につきましては、説明を省略させていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 ありがとうございました。(拍手)
坂井委員長 以上で大臣の所信表明並びに平成十五年度厚生労働省関係予算の概要についての説明は終わりました。
 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時三十一分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時一分開議
坂井委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 この際、お諮りいたします。
 厚生労働関係の基本施策に関する件調査のため、本日、政府参考人として厚生労働省医政局長篠崎英夫君、職業安定局高齢・障害者雇用対策部長太田俊明君及び社会・援護局障害保健福祉部長上田茂君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
坂井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
坂井委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。吉野正芳君。
吉野委員 応援ありがとうございます。自由民主党の吉野正芳でございます。出身は福島県でございます。東京の電力をつくっている原発十基を持っているところが私の出身でございますので、原発の理解に御理解を賜りたいと思います。
 それでは、質問をさせていただきます。障害者雇用について質問をしたいと思います。
 まず、ことしの四月から、今まで措置という制度であった制度がこれから契約という制度へ切りかわります。まさに措置から契約でございまして、私は、この制度は本当にすばらしい制度といいますか、すばらしい物の考え方だなというふうに思います。
 すなわち、障害者を一人の人間としてきちんと認めたということなんです。人権を認めたということ、ここに、この契約という制度へ変えた大きな意味がある、私はそのように理解をしております。今まで措置でございましたから、行政の命によって保護してやる、どうにかしてやる、こういう与えるという観点から、同等の立場で、契約をして、障害者がきちんとした基本的人権を持ちそれを行使できる、そういう物の考え方に切りかわったということは本当にすばらしいことで、大変うれしく思うものでございます。
 その中で、今まで施設にいた方々がこれから地域へ出ていく、脱施設化という福祉の大きな流れがございます。その脱施設化、すなわち地域へ入っていくわけですから、まず一番必要なのは住まいです。自分たちが住む住まいをきちんと確保せねばならない。と同時に、そこで日常生活を営む上で仕事をやはりやっていくというのが、これまた大きな一つの柱になろうかと思っています。
 私も、学校を出て初めて仕事をして、そして初任給をもらったときに、働くということのすばらしさ、喜びと同時に、一人の人間としての自信といいますか、いわゆる人権を持った一人の人間としてという、そういうことを実感したわけでございます。
 仕事をするということは、それでお金を稼ぐということは、一人の人間としての自立を体験できる、大きな実感を体験できることだと思います。そういう意味で、職を求める、仕事に就職できるという、これは、障害者のことについては、自立を目指す、ノーマライゼーションについては、なくてはならない大きな役割を私たち行政、政治も担っているのかな、このように思っているところです。
 それで、障害者の雇用問題を大臣はどういう視点から考えていくのか、まずお尋ねをしたいと思います。
坂口国務大臣 障害者雇用につきまして大変御理解をいただいて、感謝申し上げたいと思います。
 ことしの四月から新しい制度になるわけでございますが、いずれにいたしましても、今お話ございましたように、やはり障害者の皆さん方も健常者と同じように職を持っていただく、そして同じように働いていただくということが何よりも大事なことだというふうに思っている次第でございます。
 経営者の皆さん方の会合に出席しましたときにも必ず、障害者の皆さん方にもぜひひとつ働く場を与えていただきたいということをお願いいたしておりますし、また、多くの障害者を雇っていただいておりますような企業がさまざまな生産をしておみえになります場合等につきましては、その生産品をできるだけ、公も含めて、そこの製品を使っていただくようにぜひお願いをしたいというふうなことをお願いしているところでございます。
 しかし、こういう状況でございますので、非常に厳しい環境にあることもよく承知をいたしておりますが、それだけに、やはりこの皆さん方の立場に立って雇用の促進に努めなければならない、決意を新たにしているところでございます。
吉野委員 過日、私は福島県いわき市なんですけれども、そこの地元で、いわき地区障害者就労支援セミナーという会が催されまして、約百五、六十人の方々、これは企業と施設とそして障害者自身の方々からつくっている職親会という、そこが主催なんですけれども、そこのセミナーに私も参加をさせていただきました。
 そこでの意見の中で、重度の障害を持った方と軽度の障害を持った方との差があるのかという議論がありました。体験の中で、重度の障害を持った方も軽度の障害の方も、仕事の内容については全く見分けがつかないという声が大半でございました。
 そして、今度できたジョブコーチについて、大変感謝の気持ちでいっぱいの声がございました。今までは就職するまでしか支援ができなかった。就職してしまえば、もうそこでその後のフォローができなかった。ところが、今度のこのジョブコーチという制度であれば、就職してからも、その仕事でなれるか仕事を覚えるまで、そしてどこに問題があるのか、そういう点までフォローができるので、このジョブコーチ制度というのは本当にすごい、いい制度だというふうにお褒めの言葉をいただきましたので、これからこのジョブコーチの施策をもっともっと大きく広めていくべきではないのかなと思うんですけれども、いかがでしょうか。
坂口国務大臣 今お話しいただきましたジョブコーチ、日本語で言いますとやや難しくて、職場適応援助者、こう言うんだそうでございますが、ジョブコーチと言った方が何となく言いやすいし、親しみもあるように思います。
 今お話しいただきましたように、ただ職を紹介する、あるいはどういう職が一番適しているかというようなことのお話をするというだけではなくて、その職につきました後につきましても、よく指導をすると申しますか、その後のことにつきましても相談に乗るといったようなことが、この職の大変いい面だというふうに思っております。
 十四年度でスタートをいたしまして、全国で七百七十六人つくったわけでございます。ことしも若干ふやして八百八十二人にしているわけでございますが、百人ばかりでございますから、本当はもう少しふやせるといいんだというふうに思っておりますが、これも予算がありまして、限界のある話でございますから、そう多くをすることもできなくて申しわけないというふうに思っておりますけれども、今後、やはりこういう立場の人たちをできる限りふやしていって、そして障害者の皆さん方の雇用に結びつくように、そして、職場についていただくだけではなくて、その後のことにつきましても御相談に乗れるようにぜひしていきたいと思っているところでございます。
吉野委員 まさに、障害の程度に応じて、その人、人、それぞれ持っている個性をどう見抜くか、どう個性を見抜いてそれに合う仕事を見つけていくか。そして、仕事もその個性に合わせた仕事という形で、その障害者の持っている個性をきちんと見抜かないとなかなかうまくいかないのが現実でございますので、そういう意味でも、このジョブコーチ制度というのは本当にすばらしい制度ですので、大臣の力で財務省とかけ合っていただくことをお願い申し上げます。
 雇用率なんですけれども、役所の関係は二・一%、学校の教育委員会は二・〇%、一般の企業は一・八%という法定雇用率がございます。今、企業の方は、今度の改正で、特例子会社以外にも、自分のグループ会社でも雇用率の算定にカウントできるということで、すばらしいことなんですけれども、いわゆる役所の関係、雇用率を割っているところもあるんです。その辺を当局としてはどのようにとらえて、どういう対応をしていくのか、お聞かせ願いたいと思います。
太田政府参考人 今先生から御指摘いただきましたように、公的機関の場合の法定雇用率は二・一%でございます。全体、全国平均いたしますと、国の機関が二・一四%、それから都道府県の機関が二・四六%、それから市町村の機関が二・四四%ということでございます。
 全体、そういう形でクリアをしておりますけれども、一部にはやはり未達成のところがございますので、そういうところには、法律に基づきまして、身体障害者あるいは知的障害者の採用計画をつくっていただきまして、その実施状況を御報告いただくことになっております。
 それでも不十分な場合には、いろいろ指導した上で、当該計画の適正実施勧告を行う、そういうような措置をとっているところでございまして、今後とも、法定雇用率を達成しない機関に対しましては、適切な指導を行って、雇用率達成に努めてまいりたいというふうに考えております。
吉野委員 一般の企業、これは三百一人以上の大会社なんですけれども、いわゆる納付金制度、雇用率未達成の場合には納付金制度という形で一人五万円いただいているわけなんですけれども、もう思い切って、なかなか言うことを聞かない役所にはそういう制度も取り入れてはいかがかなと思うんですけれども、いかがでしょうか。
太田政府参考人 今の納付金制度は、例えば民間企業の場合には、雇っているところと雇っていないところと経済的な負担の差が出るということで、経済的な負担の調整の仕組みということでやっておりますので、役所の場合には必ずしも経済的負担の調整というのがそのまま適用にならないという面がありますので、現在適用がないわけでございますけれども、いずれにいたしましても、法定雇用率未達成のところには厳正な指導をやってまいりたいと考えております。
吉野委員 民間の方は罰則をとって、行政の方はとらないということでは大変でございますので、強い御指導をお願いしたいと思います。
 この間のそのセミナーでこういう声も出ました。特に知的障害者なんですけれども、いわゆる年をとってくるとかなり身体的な部分も衰え、能力も衰えてしまう。こういう知的障害における加齢者の方々に対しての就労支援という形は何か特別なものでもあるのかどうか、どういうことをやっているのか、お願いしたいと思います。
太田政府参考人 今先生からお話のございました知的障害者の方々、加齢に伴って身体機能が低下するのではないかとか、あるいは作業能力が低下するのではないかということにつきましては、これは調査報告によりますと、個人差がかなりあるということで、一概にみんながみんな下がるというわけではございませんけれども、一方で、例えば一部の事業所からはかなり深刻な問題が出てきているということで、配置転換でございますとか、仕事の内容の変更等によって対応しているというような調査報告もございます。
 私ども、こういう問題を踏まえまして、特にそういう知的障害者の加齢に伴う能力の低下などに対応いたしまして、例えば事業主の方が作業工程の変更等を行う、それに伴って作業環境の改善等を行う、それにお金がかかるというような場合には、納付金制度の中で助成金を支給して支援するというようなこと、あるいは、先ほどお話ししたジョブコーチ、配置転換等によりまして新たな業務を行うような場合には、ジョブコーチなどを配置いたしまして支援をしていきたいということでございます。
 全体としまして、やはり今先生からお話ししたように、加齢によって身体機能の変化もあるということもございますので、そういうことも含めまして、きめ細かな雇用支援を図ってまいりたいと考えております。
吉野委員 企業の法定雇用率をもっともっと達成させるために、今回グループ化という制度を考えたと思うんですけれども、私は、もっとそれ以上に、例えば、小規模授産所に会社、企業は仕事を発注するわけですから、そういう小規模授産所等々、授産施設等とある一定の取引をしている企業であれば、それは何らかの法定雇用率に算入をすべき制度をつくるべきだと思うんですけれども、これがもしできますれば、今この不景気でなかなか仕事が来ないという授産施設の方々にとっても、企業にとっても、ある一定の効果が望めると私は思うんです。その辺はいかがでしょうか。
太田政府参考人 今先生からお話ありましたように、授産施設等に対しまして一定の発注をすることによって、雇用率にカウントすべきではないかというような御議論がございます。一方で今度、外注という形で、みずからの雇用責任を伴わない形で障害者の雇用義務の軽減等を認めることが障害者の本当の職業の安定に資するかどうか、必ずしもそうではないのではないかというような議論もございまして、賛否両論実はございまして、先生の御指摘も踏まえて、さらに十分な検討を行うことが必要ではないかと考えております。
 ただ、今お話ございましたように、経済情勢が厳しい中で、授産施設等における授産活動も大変厳しい状況にあるということはまさに御指摘のとおりでございます。このため、私ども、例えば幾つかの自治体におきましては、既に授産施設等に対しまして、官公需の発注機関におきまして優先的な取り扱いを実施しているというようなところがございます。私どもとしましては、こういう具体例なども実際に提示しまして、各自治体に対しまして、授産施設等の安定的な活動のために、物品購入等、官公需の発注におきましては、授産施設等におきまして特段の配慮をお願いするように要請しているところでございまして、引き続き努力を重ねてまいりたいと考えております。
吉野委員 まさに今の優先的な発注というのはすごくいいことだと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 次に、精神障害者なんですけれども、雇用率の算定の中には入っていないんです、精神障害者。ですから、実は私の会社も二名ばかり精神障害者を雇用した経験があるんですけれども、服薬、薬をきちんと飲んでいれば何ら問題ないわけでありまして、特に手帳保持者だけでも、あしたからやる気になればやれるわけでありますので、ぜひ精神障害者を雇用率カウントに入れるようにお願いしたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
太田政府参考人 今お話のございました精神障害者の雇用率の適用の問題でございますけれども、昨年御審議いただきました障害者雇用促進法の改正法案の中でも随分御議論いただきまして、その附帯決議の中で、「雇用支援策の展開を図り、関係者の理解を得るとともに、人権に配慮した対象者の把握・確認方法の確立等の課題を早期に解決し、実施されるよう努めること。」という形で御指摘をいただいているところでございます。
 今、こういう御指摘を踏まえまして、精神障害者の雇用の促進等に関する研究会を設けまして、これらの課題の検討を行っているところでございます。
 まず、精神障害者の雇用率適用に当たりましては、この研究会で、人権に配慮した対象者の把握・確認方法の確立等について検討していただくとともに、当事者団体でございますとか医療関係者、あるいは事業主団体等の関係者の理解、コンセンサスを得ていくことが必要ではないかと考えております。
 私どもとしましては、来年夏の取りまとめを目途としておりますが、御指摘いただいた点も踏まえまして、できるだけ早期の検討をお願いしていきたいと考えております。
吉野委員 来年夏に研究会の一つの考え方というのを出すそうなんですけれども、ことしの夏だってこれから来るわけでありますので、せめて手帳保持者だけは、きちんと確認できるわけでありますし、雇用した場合、手帳で確認をしていろいろ助成金を出すわけでありますから、雇用率カウントはすぐできると思いますので、なるべく早く手帳保持者だけでもできるようにお願いをしたいと思います。
 私たちの町にこういうグループがいます。障害者自身が障害者のために仕事をするというグループがあるんです。これはNPO法人を取りましたけれども、エンジョイという名前なんですけれども、障害者自身が、障害者のいろいろなニーズ、日常のいろいろな仕事をお手伝いしていく、そしてそれについてきちんと料金をもらう、その料金でそのNPO法人を運営していくという、まさに障害者自身が障害者のために働くというグループがおりますけれども、こういうグループをもっともっと育てていくべきではないのかなと思いますから、どういう国の対応があるのか、どういう対応をしているのか、お聞かせ願いたいと思います。
上田政府参考人 障害者施策を進めていく上で、障害者本人の取り組みを支援していくことは重要であるというふうに考えております。また、昨年十二月に策定されました新しい障害者基本計画におきましても、障害者団体や本人活動の支援が取り上げられているところでございます。
 このため、厚生労働省におきましては、各都道府県に設置し、障害者の自立生活と社会参加を推進するための事業を行っております障害者社会参加推進センター、こういったセンターへの助成を通じまして、障害者自身の団体活動に対する情報提供等に努めるとともに、また、市町村等への助成を通じまして、精神障害者等の当事者の活動に対する支援を行っているところであります。
 また、民間の創意工夫を生かした社会福祉を振興するための事業に対して支援を行っております社会福祉・医療事業団の高齢者・障害者福祉基金によりまして、地域的な活動を行っているNPOにも助成が行われているところでございます。
 今後とも、障害者自身の取り組みを支援し、障害者の社会参加の推進に努めてまいりたいというふうに考えております。
吉野委員 障害者自身によるそういう仕事でございますので、大きく育てていってくれるようにお願いをしたいと思います。
 今この閉塞状況の日本の国は、いろいろ小泉改革を実行して、明るい日本ができるわけであります。近い将来は必ずやそうなろうかと思います。しかし、近い将来、人口がいなくなっては、幾らいろいろな閉塞感を覆っている諸課題が解決されても、人口が少なくなっては、これは何にもできないわけであります。
 先ほどの木村副大臣の御説明の中にも、次世代育成支援法、支援策という形で、次世代をきちんと育成していかねばならない、そういうお話がございました。私も、将来のいわゆる労働力確保という意味からしても、我々現役世代、子育て世代の労働力を第一労働市場とすれば、それなりに今すべての法制度が整っています。では、第二労働市場、これはやはり、高齢者の労働力を第二労働市場、子育てが終わって、賃金の安い労働力としていいわけです。でも、いろいろな知恵を持っています。この第二労働市場、今は生きがいのためにとかそういう観点から高齢者労働というものをとらえていますけれども、そうではなくて、現役労働力という形での第二労働市場としての整備もこれからだと思います。
 その第三の労働市場に、私は障害者の労働力というものがあると思っています。ある人は、もう外国人を入れてしまえばいいんだという形で考えておりますけれども、そうではなくて、やはり私たち日本の国をつくるのは日本人でありますから、個々の日本人の力を出すためにも、第三の労働市場、いわゆる障害者の労働市場というものを今からきちんと見据えて、どういう形にしていくかという設計をしていかねばならないかと思うんですけれども、大臣の御意見はいかがでしょうか。
坂口国務大臣 今お話しいただきましたように、これから労働力人口がだんだんと減少に転じてまいります。私の記憶に間違いなければ、二〇〇五年ぐらいに一番ピークになって、そして、その後二〇一〇年には、多分二〇〇五年と二〇一〇年では七十万ぐらい労働力人口が減ると思うんですね。かなりな急ピッチで、これから先本当に、秋の日のつるべ落としと申しますか、とんとんとんと減っていく可能性がございまして、労働力人口が非常に少なくなってくる時期がもうすぐそこまで来ているというふうに言っても過言ではないというふうに思っております。
 そうした中で、女性、それから高齢者、そして今お話しいただきました障害者の皆さん方にもやはり働く場を広げていって、そして皆さん方に働いていただくということがより重要になってくるというふうに思っております。
 とりわけ障害者の問題につきましては、今までいろいろやってまいりましたけれども、今御指摘になりました精神障害者の問題等は、まだ緒についたところと申しますか、いよいよこれからというところでございまして、ここは少しジャンプぐらいして、身体障害者の皆さんと同じように精神障害者の皆さん方も働いていただけるようにしないとやはりいけないというふうに私も思っております。
 ここをどのように前進させることができるか。これはもう考えている時期は過ぎて、実行に移す時期だというふうに考えている一人でありまして、大変貴重な御意見をいただきましたので、それに従いまして我々も努力したいと思っております。
    〔委員長退席、宮腰委員長代理着席〕
吉野委員 最後に、今IT化の時代でありまして、今まで仕事につけなかった障害者であっても、このIT技術を駆使すれば仕事ができる、そういう時代になってまいりました。ITと障害者の雇用問題、これを本当にいっぱい予算を使って、お金を出して研究していけば、障害者の雇用ももっともっとふえるかと思います。その点についてお伺いをしたいと思います。
太田政府参考人 今先生から御指摘ございましたように、近年のITの進展によりまして、多様な働き方の可能性が広がってきておりまして、例えば、従来でしたら通勤に支障があって働けなかったという重度障害者の方も、雇用あるいは在宅での就業が可能となってきているような状況が出てきております。
 こういう状況を踏まえまして、私ども今年度から、在宅での就業を希望する障害者等に対する相談、情報提供等の支援を行う事業、これは支援機関などを活用しながらこういう事業も実施しているところでございます。それからもう一つは、昨年の夏から、障害者の在宅就業に関する研究会を開催いたしまして、在宅障害者の雇用、就業等の機会拡大に向けた施策も検討しているところでございます。
 今後とも、御指摘ございましたように、ITを活用した多様な就業形態を視野に入れながら、障害者の雇用、就業機会の拡大に努めてまいりたいと考えております。
吉野委員 いろいろ頑張ってくれることをお願い申し上げまして、質問を終わります。ありがとうございました。
宮腰委員長代理 次に、福島豊君。
福島委員 大臣、両副大臣、大変に御苦労さまでございます。本日から厚生労働委員会の審議がスタートするわけでございまして、この通常国会、何とぞよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 まず初めに、私は、少子化対策についてお尋ねをいたしたいと思います。
 先ほど、大臣の所信の中には、急速な少子化の進展は、今後の我が国の社会経済、特に世代間扶養を基本とする社会保障制度に重大な影響を与えるものであり、国の基本政策としてその流れを変えるためのもう一段の取り組みを強力に進める必要がある、このような御指摘がございました。
 先般、衆議院の代表質問におきまして、自民党の山崎幹事長からも大変大切な御指摘があったというふうに私は思っております。それは、子育てについても、ゼロ作戦からさらに踏み込み、ばらばらになっている育児支援施策、児童手当、出産育児一時金、保育所への助成、育休手当などを財源も含めて統合し、強力な次世代支援システムとなるよう検討すべきと考える、このような山崎幹事長の御指摘があったわけでございます。
 私ども公明党も、昨年の重点政策の中で、子供保険のような社会保険方式の導入について検討すべきであるということを掲げさせていただきました。
 さまざまな育児対策というものを総合化する、そしてまた、その規模の拡大というものを図っていく、こういう本格的な検討にそろそろ入るべきではないか、そのような思いがするわけでございますが、この点について、厚生労働大臣の御見解をお聞きしたいと思います。
坂口国務大臣 お話しいただきましたように、少子化対策をこれからどう進めていくかという非常に大事な時期に来たというふうに思っております。
 今お話ありましたように、今までの少子化対策、例えば児童手当にいたしましても、あるいは税制上の児童に対する優遇措置にいたしましても、かなり、あることはあるわけでございますけれども、重複しておるところもございますし、まとまっていないことも正直言って事実だというふうに思っております。
 ことし一年をかけまして、年金のどうあるべきかという将来像につきまして考えていただき、そして、ことしの末にはその結論を得たいというふうに思っているところでございます。その中におきましても、少子化対策というものをやはり考えていかなければならないんだろう。年金の骨格をどうするかという問題と、それから女性に対する年金の問題と少子化対策というものとは、組み合わせてセットでやはり考えていかなきゃならないんだろうというふうに思いますが、それと今までの少子化対策とをどう位置づけていくのかということが非常に大事になってくるというふうに思います。
 したがいまして、この年金の問題もことしいっぱいで決着をつけていかなければならないわけでございますから、それまでに少子化の問題もあわせてこれは決着をつけていくという方向でないと、また将来に禍根を残すことになってしまうのではないかというふうに思っております。
 ですから、その辺のところを整理して、小児保険という形がいいのか、あるいは小児年金という呼び名がいいのか、あるいはまた、現在までの児童手当との関係をどうするのかといったようなことを整理しなければなりません。その期間は、余り長く考えておるゆとりはないので、ことしじゅうにやはりそれは決着をつける、そういうタイムスケジュールの中で結論を出さなければならない問題だというふうに私は思っている次第でございます。
福島委員 先般出版されました本の中で、国立社会保障・人口問題研究所の社会保障基礎理論研究部長の府川さんという方が「少子化と社会保険」という論文を書かれております。その中では、高齢者にかかわる社会的コストと、そしてまた家族、子供にかかわる社会的コスト、こういったものの先進諸国における状況というものが取りまとめられたものがございます。それを見て、私は本日指摘したいのは、日本における高齢者にかかわる社会的コストと、そしてまた家族、育児にかかわる社会的コスト、大きな差があるということでございます。
 例えば、これはフランスですと、GDPに占める比率が、高齢者に関しては一六・九%、そして子供、家族に関しては二・八%と、大体六倍の差でございます。しかしながら、一方で日本ではどうかといいますと、高齢者に関しては一一%、家族、子供に関しては〇・四%と、若干年度の違いもございますけれども、何とこれは二十七・五対一と、大変大きな開きがあるわけでございます。
 これは、従来、こうした家族、そしてまた子育て支援ということが企業福祉に大部分負ってきたというような日本の社会保障制度の歴史的な問題もあるわけでございまして、こうした大きな差というものをどう改めていくのか。
 昨年、私どもは、重点政策の中で、現在の育児にかかわる社会的な費用、これを倍増させるべきであるということを申し上げました。先ほど、包括的な制度をつくるべきであるというふうに申し上げましたのも、こうした大がかりなといいますか本格的な拡充を図るためには、システムそのものを見直すということが必要であろう、そのように考えるからにほかなりません。
 現在のこうした子育てにかかわる費用は一兆四千百億円、これは十五年度の予算案ベースだとそういうことになります。これを少なくとも三兆円ぐらいの規模に拡大するというぐらいの本格的な取り組みを構想すべきではないか、私はそのような思いがするわけでございますが、お金の問題でございますので、なかなかいい答弁はないと思いますけれども、厚生労働省の考えをお聞きしたいと思います。
坂口国務大臣 今、個々の社会保障の問題をやりますと同時に、トータルで社会保障というものを今後どう進めていくかという話もスタートさせているところでございます。
 その中で、今までの社会保障の割り振り、そんなに全体としてどんどん社会保障費をふやしていけるという環境にないわけでございますから、その中でどのように割り振るか、どのように効率的な配分をするかということになってくるんだろうというふうに思います。
 今お話ございましたとおり、高齢者関係予算と育児関連予算とを比較いたしましても、基礎年金とか老人医療、介護等に要します高齢者関係の予算は大体十・四兆円でございます。それに対しまして、医療の給付を除きます児童、家庭関係の予算は先ほど御指摘ありました一・四兆円でございますから、予算の中におきましてもこうしたかなり大きな差があることは事実でございます。
 こうした高齢者と小児の問題をあわせてこれから考えていかなければならないわけでございますので、そうした全体の雇用保険のあり方、これは総論としてどうするかというところもにらみながら、中の対比も考え直していくということが必要になってくる時期ではないかというふうに私も思っております。
福島委員 社会保障の中身を見直す必要があるという御指摘がございまして、私も全く同感でございます。
 そしてまた、先日、経済財政諮問会議で社会保障制度改革の検討に入ったということが報道されておりました。小泉総理大臣から、社会保障制度を改革する重要な機会であるということで、六月に取りまとめられる予定であります経済財政運営と構造改革に関する基本方針に反映をさせるという流れがあるわけでございます。
 これは、社会保障全般にわたっての将来の姿を示すという意味では大変大きな影響を持つものではないかというふうに私は思っております。したがって、こうした経済財政諮問会議の流れということを踏まえて、また、小泉総理のスタンスというものを踏まえて、厚生労働省としてはどのような考え方というものをその間にまとめていくのか。
 社会保障審議会で、先般から、制度横断的な課題についての検討が始まっておりますけれども、その検討も、こうした流れを見据えながら、できる限り早く取りまとめる必要があるのではないか。
 そしてまた、先日の年金部会では、将来の社会保険料の水準というものが、二〇二五年には三四・七%、三五%近くなるという試算も示されておりました。これをそのまま認めるのかどうか、そういう負担というものは耐えられるのかどうか、こういったことも当然考えなければならない課題でございます。
 こうした点について、厚生労働省としてどのようにこの十五年取り組んでいくのか、お考えをお聞きしたいと思います。
坂口国務大臣 社会保障審議会におきましても、今お話しいただきましたように、横断的な議論を始めていただいたところでございまして、早くここでの議論を進めていただきたいというふうに私も思っております。
 経済財政諮問会議も、大枠の問題として社会保障の問題、早くやろう、こういうことでございますが、やはり、社会保障審議会等で議論をしていただいているものと、それから経済財政諮問会議で出る意見との間には、若干距離のあることも率直に言ってございます。
 私は、やはり、社会保障の専門の皆さん方がこうあるべきだということをまずお示しいただいて、それを参考にしながら厚生労働省あるいは政府としてどうしていくかということを考えることを少し先行させたいと思っております。そうでないと、今まで我々が考えておりましたこととは若干違う方向に行く可能性もなきにしもあらずという思いを私はいたしておりまして、そういう意味で、早くこちらの議論を進めたいというふうに思っております。
福島委員 今大臣、御指摘がありましたように、経済財政諮問会議の力点は、私は、日本経済を二十一世紀においてどうやって安定して成長させていくのかというところに力点があるんだろうと思います。ということは、逆に言うと、社会保障の負担というものをできるだけ軽くしなければならないという方向に進んでいくのではないか、そういう懸念もありますので、厚生労働省としては、社会保障制度というものを国民の安心の基盤としてどのように維持していくのかという観点で作業を進めていただきたいと思います。
 そして最後に、先日、朝日新聞で麻酔医の問題が出ておりました。二月十八日の記事ですが、麻酔医の常勤は半数のみである、かけ持ち手術もあると。なかなか麻酔医が足りないという指摘があったわけでございます。
 これは、臨床研修制度が義務化されてスタートするときには大変大切な課題となると思いますし、そしてまた、私が麻酔科のある教授の方と先日お話をしたときに、こんな指摘がありました。なかなか麻酔科に人気が集まらない、どうしてかというと、麻酔科になった場合に、病院で麻酔をかけるという仕事ですから、それをずっと続けていって、将来的に自分がどういうポストにつけるのかということがおのずと限定されてくる、そういう中で、できれば麻酔科を希望する者が多くなるように、診療所、特にペインクリニックのような、開業して、そして自分の将来を展望するような道を考えていただく必要があるという御指摘もありました。
 標榜科の問題はなかなか難しい問題もあるというふうに私は思いますけれども、こうした医師のライフコースというものを考える上においても大変大切なことではないかと思っております。
 この麻酔科の実態がどうなっているのか、本当に不足していないのかどうか、そしてまた、ペインクリニックというものを標榜科とすることによって麻酔科を志望する医師というものを確保していく、こういう点についてまとめて御答弁いただければと思います。
篠崎政府参考人 先生御指摘のことでございますが、従来から麻酔科の標榜医につきましては不足しているというふうに言われていることは承知をいたしております。
 ただ、厚生労働省の医師・歯科医師・薬剤師調査によりますと、医療施設に勤務している麻酔科の医者の数は、例えば平成八年から十二年の四年間で一四%ほどは増加をしているというところもございます。こういうようなことから、地域別の麻酔科医の偏在、そういう実態があるのではないかと考えておりまして、そういう実態を把握した上で、こういう結果を踏まえまして、文部科学省あるいは大学附属病院関係者などとその是正に向けて協議をしてまいりたいと考えております。
 もう一点の御質問でございますけれども、ペインクリニックのことにつきましては、先ほども先生もおっしゃいましたようになかなか難しい問題がございまして、平成八年の審議会では、ペインクリニックという標榜科については保留ということになっておるわけでございますが、ただ一方、昨年の四月からでございますけれども、広告規制が大幅に緩和をされることになりまして、専門医の広告ということが可能となったわけでございます。
 つきましては、そういう関係学会などでペインクリニックの専門医制度というものが存在するものであれば、所定の手続を経て、従来からの麻酔科の標榜、麻酔科はもう標榜科になっておるわけでございますので、その標榜に加えて、ペインクリニック専門医というようなことが広告することが可能になるのではないか、このように考えているわけでございます。
福島委員 以上で終わります。ありがとうございました。
宮腰委員長代理 次に、山谷えり子君。
山谷委員 保守新党、山谷えり子でございます。
 大臣は、所信表明の中で、雇用問題への取り組みをおっしゃいました。今、雇用の創出は何より大きな問題でございます。昨日、二月二十四日、予算委員会の席で大臣は、失業対策、改善策を問われまして、積極的にやっていきたい、例えば地方自治体、商工会議所等を取り込んでいくというふうに言われたわけでございますけれども、ぜひ観光に目を向けていただきたいというふうに考えます。
 政府は、観光立国という形で力を注いでいこうということでございます。また、保守新党も観光立国推進本部というのを設置いたしました。
 日本人の年間海外旅行者約千六百万人、我が国を訪れる外国人はというと約五百万人でございます。ブラジルの次の三十五位で、G7最下位、韓国よりも少なくて、アジアで九位という順位でございます。
 政府の方は、二〇一〇年までにその二倍、一千万人ぐらい日本に訪れてほしいと、ビジット・ジャパン計画をつくっておりますけれども、観光産業は、国内需要が二十数兆円、経済効果は五十兆円に及んでいるという二十一世紀の基幹産業であるわけでございまして、先進国では十人に一人が何らかの形で観光産業に職場を得ている。日本は、観光関連産業を含めると現在三百九十万人働いております。ちなみに、アメリカでは、関連産業を含めますと千八百万人働いている。
 日本の場合、観光立国という形で政策を進めていけば、新規雇用二百万人が見込めるわけでございます。現在、失業者三百五十万人のうち七五%の二百五十万人が高卒以下。観光産業ですと、老若男女、さまざまな方たちがさまざまな形で働けるようになる。離職者の再就職の受け皿にも非常に力を持つものでありますし、また、観光というのは、中国の易経では「国の光を観る」と。その地域で生活する人々自身が最高の観光資源ということで、地域社会の再生、また日本再生の大変な切り札になるというふうにも考えておりますが、坂口厚生労働大臣、観光立国政策あるいはこの形の中での雇用面での取り組み策への何かお考えがございましたら、お聞かせいただきたいと思います。
    〔宮腰委員長代理退席、委員長着席〕
坂口国務大臣 お話しいただきましたように、観光問題というのは、日本にとりまして大変大きい問題だというふうに私は思っております。
 というのは、今までいわゆる二次産業が中心でございましたけれども、この二次産業のところが非常に今厳しい状況になってきているわけでございますから、その中で多くの皆さんが三次産業にポジションを移していただかなければなりません。そういたしますと、その中でやはり観光というのは非常に大きなウエートを占めてくるというふうに思っております。
 問題は、なぜ日本に多くの人が来てくれないかということなんだろうというふうに思います。
 これは経済白書の中に書いてあった数字でございますから間違いはないというふうに思いますが、日本の人が外国へ行って使いますお金は一人二十万、外国の人が日本に来て使ってくれるお金は一人八万円と書いてございましたが、そういうふうに、人数も少ないし、使います金も少ないというのが現状でございます。
 観光といえども、労働生産性を上げて、できるだけよりよい観光をより安い値段で提供するということがやはり日本にとって大事なことだというふうに思うわけでございますが、そうしたことも考えながら、この観光の問題、取り上げていかなければいけないんだろうというふうに思っております。
 各地域がそれぞれ知恵を絞っていただいて、そして、ぜひそこには行きたいというふうに皆さんが思っていただくような観光産業というものを確立していかなければならないというふうに考えておりますし、これは厚生労働省だけではいきませんので、他の省庁とも連携を密にいたしまして、そして、ここが積極的に進んでいきますように努力したいと思っております。
山谷委員 地方自治体、商工会議所等々、さまざまなほかの業界に、何が困っているか、ネックになっているかというようなことを聞いて、規制緩和あるいは特区プランの中に入れられることもあるかもしれません、そのような具体的な取り組みはどのようにお考えになっていらっしゃいますでしょうか。
坂口国務大臣 観光だけに関して言えば、なかなかまだそこまで進んでいないというのが現状でございますけれども、しかし、これはそれぞれの地域に根差した取り組みをやはりしていかなければいけないと思います。
 予算委員会でもお話をさせていただきましたとおり、これは、地方自治体、それから商工会議所、あるいはまた労働組合、あるいはまた経営家の皆さん方、そうしたトータルで、それぞれの地域で何があるかということを考えていただく以外に方法がないわけでございますので、いわゆる地域のネットワークというものをつくるということがまず大事。厚生労働省が中央から流す雇用政策だけでは、これはもう行き詰まってしまうというふうに思っておりまして、地域ごとのネットワークを確立していく、そのことが今最も重要なことだというふうに思っている次第でございます。そうした考え方に基づきましてやりたいと思います。
山谷委員 先進国で本当に観光国と言われているところは、ネットワーク化のために政府がそれなりに支援策をつくっているわけでございまして、ぜひそのような具体的なフレームワークをまずつくって、ネットワーク化がスピードアップしていくようにお計らいいただきたいというふうに思います。
 次に、先ほど大臣は、さまざまな省庁との連携というふうにおっしゃいましたけれども、例えば人材育成が大事なわけですけれども、日本の場合は、観光大学というのは、立教は観光学部がございますけれども、観光大学といったものが、本格的なものはないわけでございまして、本当に、アメリカなんかだと、ミシガン、フロリダ、コーネルなど、さまざまな観光大学があって、もう何十万人という人材育成ができていて、ミドルマネジメントの幅が広いわけでございますし、その辺の人材育成の面も、ぜひ何か積極策がありましたら御意見をお伺いしたいと思います。
坂口国務大臣 なかなかそこまで頭が回っておりませんで、大変大事な御指摘でございますから、文部科学省と早速連携をとりまして、そうしたことの方向性も一遍検討するようにしたいと思います。
山谷委員 本当に日本は、サービス産業が七割を占めております。だれかの休みがだれかの雇用を保障するというような面もございます。
 二〇〇一年、日本企業の有休取得率は四八・四%、これはだんだん下がってきているんですね。それは、リストラとかサービス残業等々ございまして、大変厳しい社会情勢ということもあって、有給休暇取得なんというのは本当に遠い世界の話になってしまったというような労働者もいるというふうに思います。
 しかしながら、有休取得率を上げて、旅をしてもらう、心と体の健康を取り戻して地域社会、家族の再生につなげていく、こういう日本のあるべき姿の中で、働き方、ゆとりのあり方、一つの考え方のもとに政策を進めていかなければいけないというふうに思っておりますけれども、有休取得率のアップ策として何かよいアイデアあるいはリーダーシップのとり方、お考えでございますでしょうか。
鴨下副大臣 ただいまお話がありましたように、有休の取得率は、十三年で四八・四%ということで、決してよろしい成績ではないのかもわかりません。そういう意味で、長期休暇をとるということは、労働時間の短縮、それから勤労者のリフレッシュやゆとりある生活の実現ということで、大変意義深いことでありますので、一つは、我が省としては、地域の中にそういうムードをつくっていくという意味でのシンポジウムだとか、それから長期休暇制度の導入マニュアルをつくってもらう、こういうようなことの推進、それから、長期休暇の普及促進のために、例えば先進的にやってくださっているような企業に対しての助成だとか、それから中小企業団体が行う取り組みへの助成、こういうようなことで、できるだけ多くの方々が長期休暇、さらに年次有給休暇をとりやすいような雰囲気をつくっていこう、こういうようなことを推進しているところであります。
山谷委員 鴨下副大臣は医師でもいらっしゃいますし、とりわけストレスの専門家でもいらっしゃいますので、ぜひその辺の取り組みに期待したいというふうに思います。
 続きまして、先日、連合が全国一斉相談ダイヤルを行いましたけれども、不払い残業、賃金未払い、退職強要、すさまじい現実、悲鳴の声が上がっております。タイムカードを撤去あるいはタイムカードを押させてから残業させるなどという例もございますし、非常に深刻な状況になっております。
 また、去る二月三日に都内の特別養護老人ホームの理事長がサービス残業による労働基準法違反で逮捕されております。サービス残業で経営者が逮捕されるのは極めて異例のことだというふうに思いますが、働き方に応じた適正な労働条件確保という意味で、こうしたサービス残業に対してきちんとした取り組みをしていかねばならないわけでございますが、厚労省では、サービス残業の実態をどのように把握、認識なさって、そしてまた、その解消に向けてどう取り組んでいこうというふうにお考えでございましょうか。
坂口国務大臣 大変残念なことでございますが、現在の経済情勢も影響してというふうに思いますけれども、多くの方々からサービス残業に対する御指摘があることは事実でございます。
 平成十三年の四月から平成十四年の九月までの一年六カ月の間に監督指導をいたしました状況を見ましても、未払いになっています割り増し賃金につきまして、是正指導の結果、百万円以上を支払いました企業数は六百十三企業、当該割り増し賃金を受け取った労働者数は七万一千三百二十二名、こういうふうになっておりまして、割り増し賃金の合計額は約八十一億円に上っております。これは指導したところだけの話でございますし、御指摘をいただいたところにこれは限定されるわけでございますが、まだまだこのほかにそうしたところがあるんだろうということを危惧いたしております。
 いずれにいたしましても、サービス残業という形で、多くの皆さん方がせっかく労働をされますのにそれに対応できていないということは、これは明らかに法律違反でございますので、取り締まりというようなことよりも、まずそういうことがやはりあってはならないということの趣旨徹底というものが大事かというふうに思っている次第でございます。
山谷委員 労働基準法三十七条違反であるということを本当に啓蒙活動で徹底化していただきまして、世論の喚起ということを重点的に考えていただきたいと思います。
 連合の方では、労働基準監督署のあり方、名前を言いなさいとか、あるいは名前を言ったためにやめさせられた人もいるので怖いとか、電話相談をしても冷たかったとか、さまざまな現場での声がありますので、そうした現場の声を含めながら、厚生労働大臣にはリーダーシップをとっていただきたいというふうに思います。このような啓蒙活動をこれからどのようになさっていこうとお考えでございますか。
坂口国務大臣 いろいろの御指摘があって、厚生労働省の出先のところにも御相談をいただくケースが非常にふえていることは事実でございます。それは、必ずそれに対応させていただくようにいたしております。非常に悪質と思われるところにつきましては立ち入りをいたしまして、そして徹底的な調査をやらせていただいている。
 中には、これは厚生労働省だけではなくて、検察ともタイアップをして調べをさせていただいているというところも最近ございます。やはりそうしたことも含めながらこれは当たっていかないと、ただ単に指導するということだけではなくならない側面のあることも事実でございます。厳しくやる一方、また平素から多くの経営者の皆さん方に、あるべき姿ということもよく考えていただくようにしていかないといけない、そんなふうに思っております。
山谷委員 ぜひ強い取り組みをお願いしたいと思います。
 以上でございます。ありがとうございました。
坂井委員長 次回は、明二十六日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後二時一分散会


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