衆議院

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第13号 平成16年4月20日(火曜日)

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平成十六年四月二十日(火曜日)

    午前九時四分開議

 出席委員

   委員長 衛藤 晟一君

   理事 鴨下 一郎君 理事 北川 知克君

   理事 長勢 甚遠君 理事 宮澤 洋一君

   理事 城島 正光君 理事 三井 辨雄君

   理事 山井 和則君 理事 福島  豊君

      井上 信治君    石崎  岳君

      加藤 勝信君    木村  勉君

      木村 義雄君    左藤  章君

      菅原 一秀君    竹本 直一君

      棚橋 泰文君    中西 一善君

      中山 泰秀君    能勢 和子君

      原田 令嗣君    平田 耕一君

      福井  照君    三ッ林隆志君

      三原 朝彦君    吉野 正芳君

      青木  愛君    泉  房穂君

      内山  晃君    大島  敦君

      小宮山泰子君    五島 正規君

      園田 康博君    中根 康浩君

      永田 寿康君    橋本 清仁君

      樋高  剛君    藤田 一枝君

      増子 輝彦君    水島 広子君

      古屋 範子君    桝屋 敬悟君

      山口 富男君    阿部 知子君

    …………………………………

   厚生労働大臣       坂口  力君

   厚生労働副大臣      森  英介君

   厚生労働大臣政務官    竹本 直一君

   経済産業大臣政務官    菅  義偉君

   政府参考人

   (厚生労働省医政局長)  岩尾總一郎君

   政府参考人

   (厚生労働省保険局長)  辻  哲夫君

   参考人

   (中央社会保険医療協議会会長)  星野 進保君

   参考人

   (日本労働組合総連合会会長)  笹森  清君

   参考人

   (健康保険組合連合会会長)  千葉 一男君

   参考人

   (厚生労働事務次官)   大塚 義治君

   厚生労働委員会専門員   宮武 太郎君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月二十日

 辞任         補欠選任

  古川 元久君     永田 寿康君

同日

 辞任         補欠選任

  永田 寿康君     古川 元久君

    ―――――――――――――

四月二十日

 あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律第十九条の改正に関する請願(奥田建君紹介)(第一六二六号)

 同(玉置一弥君紹介)(第一六三六号)

 同(原田令嗣君紹介)(第一六三七号)

 同(二田孝治君紹介)(第一六三八号)

 同(増田敏男君紹介)(第一六五四号)

 同(山井和則君紹介)(第一六五五号)

 同(筒井信隆君紹介)(第一六七七号)

 同(前原誠司君紹介)(第一六七八号)

 同(村井仁君紹介)(第一六七九号)

 同(田端正広君紹介)(第一七三〇号)

 同(葉梨康弘君紹介)(第一七三一号)

 同(松宮勲君紹介)(第一七三二号)

 同(柳澤伯夫君紹介)(第一七三三号)

 同(笠浩史君紹介)(第一七三四号)

 同(赤城徳彦君紹介)(第一七六六号)

 同(梶山弘志君紹介)(第一七六七号)

 同(北村誠吾君紹介)(第一七六八号)

 同(斉藤鉄夫君紹介)(第一七六九号)

 同(津川祥吾君紹介)(第一七七〇号)

 同(伊吹文明君紹介)(第一七七六号)

 臓器移植の普及に関する請願(河村たかし君紹介)(第一六二七号)

 同(松宮勲君紹介)(第一七四〇号)

 同(水島広子君紹介)(第一七四一号)

 パーキンソン病患者・家族の療養生活の質向上に関する請願(岩崎忠夫君紹介)(第一六二八号)

 JR被保険者の厚生年金保険料率格差是正に関する請願(奥田建君紹介)(第一六二九号)

 同(鉢呂吉雄君紹介)(第一六三九号)

 同(藤田幸久君紹介)(第一六五六号)

 同(山井和則君紹介)(第一六五七号)

 同(水島広子君紹介)(第一七四二号)

 腎疾患総合対策の早期確立に関する請願(尾身幸次君紹介)(第一六三〇号)

 同(田中和徳君紹介)(第一六三一号)

 同(中川秀直君紹介)(第一六三二号)

 同(山口俊一君紹介)(第一六三三号)

 同(甘利明君紹介)(第一六四三号)

 同(内山晃君紹介)(第一六四四号)

 同(大島敦君紹介)(第一六四五号)

 同(小林興起君紹介)(第一六四六号)

 同(斉藤鉄夫君紹介)(第一六四七号)

 同(鉢呂吉雄君紹介)(第一六四八号)

 同(渡部恒三君紹介)(第一六四九号)

 同(岩屋毅君紹介)(第一六六一号)

 同(大島理森君紹介)(第一六六二号)

 同(木村太郎君紹介)(第一六六三号)

 同(谷公一君紹介)(第一六六四号)

 同(村井宗明君紹介)(第一六六五号)

 同(山井和則君紹介)(第一六六六号)

 同(古賀誠君紹介)(第一六八二号)

 同(筒井信隆君紹介)(第一六八三号)

 同(村上誠一郎君紹介)(第一六八四号)

 同(穀田恵二君紹介)(第一七四五号)

 同(谷川弥一君紹介)(第一七四六号)

 同(松宮勲君紹介)(第一七四七号)

 同(吉井英勝君紹介)(第一七四八号)

 同(吉良州司君紹介)(第一七七一号)

 同(金田誠一君紹介)(第一七七八号)

 同(八代英太君紹介)(第一七七九号)

 公的年金制度の拡充等に関する請願(山本喜代宏君紹介)(第一六三四号)

 同(山本喜代宏君紹介)(第一六五〇号)

 同(山本喜代宏君紹介)(第一六六七号)

 同(照屋寛徳君紹介)(第一六八五号)

 同(山本喜代宏君紹介)(第一六八六号)

 同(横光克彦君紹介)(第一七四九号)

 同(土井たか子君紹介)(第一七七二号)

 マッサージ診療報酬の適正な引き上げに関する請願(内山晃君紹介)(第一六四〇号)

 同(山井和則君紹介)(第一六五八号)

 同(水島広子君紹介)(第一七四三号)

 同(山口富男君紹介)(第一七四四号)

 失業対策と季節労働者対策の拡充に関する請願(鳩山由紀夫君紹介)(第一六四一号)

 同(小平忠正君紹介)(第一六五九号)

 同(金田誠一君紹介)(第一七七七号)

 子供の人身売買を処罰するために必要な児童福祉法改正案の成立に関する請願(福島豊君紹介)(第一六四二号)

 同(山井和則君紹介)(第一六六〇号)

 介護・福祉・医療制度の拡充、障害者・家族の費用負担の軽減等に関する請願(城島正光君紹介)(第一六七五号)

 同(増子輝彦君紹介)(第一六七六号)

 同(水島広子君紹介)(第一七五〇号)

 児童養護施設の改善等に関する請願(谷本龍哉君紹介)(第一六八〇号)

 年金・医療・介護等の社会保障制度確立に関する請願(照屋寛徳君紹介)(第一六八一号)

 医療費負担軽減に関する請願(佐々木憲昭君紹介)(第一七一八号)

 年金改革法案の廃案と最低保障年金制度の創設に関する請願(高橋千鶴子君紹介)(第一七一九号)

 同(山口富男君紹介)(第一七二〇号)

 年金制度の改悪反対に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第一七二一号)

 最低保障年金制度創設等に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第一七二二号)

 同(石井郁子君紹介)(第一七二三号)

 同(穀田恵二君紹介)(第一七二四号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第一七二五号)

 同(志位和夫君紹介)(第一七二六号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第一七二七号)

 同(吉井英勝君紹介)(第一七二八号)

 社会保障制度拡充等に関する請願(高橋千鶴子君紹介)(第一七二九号)

 医療・年金制度の大改悪反対に関する請願(山口富男君紹介)(第一七三五号)

 青年の雇用に関する請願(吉井英勝君紹介)(第一七三六号)

 保育・学童保育施策に関する請願(水島広子君紹介)(第一七三七号)

 だれもが安心できる年金制度への拡充に関する請願(高橋千鶴子君紹介)(第一七三八号)

 無認可保育所への公的助成等に関する請願(水島広子君紹介)(第一七三九号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 厚生労働関係の基本施策に関する件(日歯連及び中医協問題)


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     ――――◇―――――

衛藤委員長 これより会議を開きます。

 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。

 厚生労働関係の基本施策に関する件、特に日歯連及び中医協問題について調査のため、本日、参考人として、中央社会保険医療協議会会長星野進保君、日本労働組合総連合会会長笹森清君、健康保険組合連合会会長千葉一男君、厚生労働事務次官大塚義治君、四名の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

衛藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

     ――――◇―――――

衛藤委員長 厚生労働関係の基本施策に関する件、特に日歯連及び中医協問題について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として厚生労働省医政局長岩尾總一郎君、保険局長辻哲夫君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

衛藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

衛藤委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。石崎岳君。

石崎委員 おはようございます。自由民主党の石崎岳でございます。

 本日は大変静かな環境で審議ができるということをうれしく思っております。先週の金曜日のあの騒ぎは一体何だったのかなというふうに思いますが、衛藤委員長、お体の方は大丈夫ですか。

 過ちは改むるにはばかることなかれと申しますが、国会は言論の府として審議に徹するということが我々の使命だということを再認識したいというふうに思います。

 さて、本日は、先週発覚いたしました中医協をめぐる贈収賄事件についての集中審議ということでございます。私も党の場で医療の問題について日ごろ議論に参画をさせていただいておりますが、中医協というのは権威を持って我々に対していろいろな決定をする、そういう場であると認識をしておりましたが、その場において贈収賄事件が発覚した。支払い側と診療側がぐるになっていたという疑いが持たれているということでありますから、裁判でいいますと、弁護側と検察側がぐるになっていた、そんなようなことで、これは一中医協という問題のみならず、日本の医療というものに対する信頼を大きく傷つけた事件であるというふうに認識をしております。

 そういった意味で、捜査が始まったばかりでございますから、捜査の推移を見なければわからない点というのは多々ございますが、こういう国会の集中審議の場で、我々の責任としても明らかにしなければならないことが多々あるというふうに思っております。

 きょうは、参考人の方々、本当に御苦労さまでございます。ありがとうございます。これから順次質問をさせていただきたいと思います。なるべく全員の方に、基本的なことについてお尋ねを申し上げたいと思っております。

 まず、健保連の千葉会長にお尋ねを申し上げたいと思います。

 健保連の推薦委員として、下村前委員、副会長が中医協に委員として参加をしていた。しかも、下村副会長は厚生省のOBである。社会保険庁長官、あるいは中医協の事務局の役割を果たす保険局長でもあった。しかも、中医協委員としての在任が十年になんなんとする長期に及んでいた。そういう状況にかんがみて、いろいろな批判がもう既に出ておりますが、なぜに厚生省OB、しかも中医協の事務局役を果たしていた方が、十年弱にも及ぶ長期にわたってそういう委員の役割を果たしていたのか、これは一つ大変疑問に思うところでございます。

 ですから、千葉会長には、まず、今回の事件についての推薦団体としての受けとめ方、それから、下村委員を十年余にわたって委員として派遣をしていた、出していた、その点についての基本的な認識をお尋ねしたいと思います。

千葉参考人 健保連の会長の千葉でございます。

 ただいまの御質問にお答えしたいと思います。

 今お話がありましたように、長年にわたって当会の副会長でありました下村さんが収賄容疑で逮捕されました。私にとっては、にわかには信じがたいといいますか、非常に驚きでございました。

 今回の件で、健保連としては、健保組合に加入しております皆様の不信を招き、また国民の皆様には疑念を生じさせたことに対して、深くまずもっておわび申し上げなきゃいけないなというように思っておるわけであります。

 それから、現時点では本人は容疑を否定していると聞いておりますが、いまだ事実関係が確認されていない状態でございますけれども、健保連としては逮捕という事実をやはり重く受けとめて対処してまいりたいというように思っておる次第であります。当面は、捜査の状況を見守りながら、健保連としても調査組織を設置し事実解明に努めていくとともに、今後は、今まで以上に厳格かつ透明性のある組織運営を行いまして、信頼の回復に努めていかなければならないというように考えている次第であります。

 それから、御質問の二つ目でございますが、確かに長期にわたり、また下村さん自体、長らく厚生省にお勤めになった厚生省OBでございます。健保連の副会長に就任いたしましたのは九四年の二月でございますから、約十年間その職をしているという状態でございます。中医協の委員は同年の四月からでございますので、昨年の十月で辞任いたしましたけれども、これも約十年間務めていただいております。

 御承知の方もおられると思いますが、厚生省において長年保険行政に携わってきた経験だけでなく、社会保障全体にかかわる卓越した見識とリーダーシップを持っているというように私は認めておる人物でございます。常に医療保険改革の議論をリードしてきておりまして、健保連としても、中医協の支払い側委員としても不可欠の人材であったと認識しておるわけであります。また、極めて専門的な知識を有しておりまして、医療保険改革、診療報酬改定の議論におきましても、一般的には医療分野の専門的な議論においては対処が難しい診療側に対しても、常に緊張感を持ってといいますか、対峙して、いろいろ意見を対等な形で闘わし得るというような貴重な存在であったんじゃないかなというように思っている次第であります。

 そういう意味で、得がたい人物であったといまだに思っておるわけでありまして、支払い側としては非常に適任な人物であったんではないかなというように思っておる次第であります。

 以上でございます。

石崎委員 そういう人材であったから長きにわたって就任をしていたという御発言でございますが、権不十年、長いことによってまた問題も発生する、そういう危険性が発生をする、そういうことではないかというふうに思います。

 それでは、もう一つの推薦団体でございます連合笹森会長にお尋ねをいたしたいと思います。

 連合というのは、ナショナルセンターとして労働者の利益を守るということが一つの目的ではないかなというふうに思いますが、今回の事件においては、支払い側委員として逆に診療側と情を通じていた、そういうことで、支払い側あるいは労働者の信頼を裏切る行為ではないかというふうに思います。

 連合のことで厚生労働省に聞きましたら、厚生労働省関係の審議会でも、このようにかなりの数の委員が連合推薦で委員としてノミネートされている。これは、制度的に連合から出すということが決まっているわけではないわけでありますが、ナショナルセンターとしてある意味で連合を信頼して、組織を信頼して委員を出していただいている。その委員がこのような不祥事を起こしたということで、これは国民に対する、あるいは労働者に対する大変な背信行為であると私は認識をしておりますが、今回の事件についての会長としてのお考え、それから、今回の加藤委員をどのような基準で、どういう御判断で委員として推薦をされたのか、その点についてお聞かせ願いたいと思います。

笹森参考人 連合の笹森でございます。

 今、石崎委員の方から御質問のあった内容について、考え方を申し述べたいと思います。

 まず、連合の加藤勝敏前副会長が今回収賄容疑で逮捕されたことにつきまして、まことに遺憾なことでありまして、委員として選出をした連合の責任として、心からおわびを申し上げたいと思います。この場をかりておわびをいたします。大変申しわけないことをいたしました。

 その上で、今御指摘のありましたように、労働者を代表する、それも国民、支払い側、加入者を代表する労働組合の役員の立場での委員、これに対して収賄の容疑がかけられたということにつきましては、国民の皆様、さらには働く多くの仲間、組合員に大変な迷惑をかけ、中医協に対する信頼、信用を失墜させてしまったことに、これも重ねておわびを申し上げたいというふうに思っております。

 連合としては、審議会、これは部会、分科会あるいは審議会に準ずるような各委員会等々を含めまして、延べにして二百十六名の委員を出させていただいておりますが、この事件が起こった後、緊急の三役会そして中央執行委員会を開きまして、いま一度、おのおのがみずからを省みて、襟を正し、任に当たるために、今後、連合選出の審議会の委員に対しては徹底を図った上で、このようなことを二度と起こさないように、これから全力を尽くしていきたいということをまず申し上げておきたいと思うんです。

 その上で、容疑が事実であるとするならば、支払い側の代表という役割、立場から見まして、国民、加入者の負託にこたえ得ないどころか、その期待を裏切ったということは否めない事実であります。さらに、連合の立場からしても、診療報酬の引き下げについて長年強く求め続けてきた連合の方針も踏みにじられたものでありまして、委員として推薦をした連合、さらには連合会長の立場として、まことに残念だというふうに思っております。

石崎委員 続きまして、中医協星野会長にお尋ねを申し上げたいと思います。

 今回は、その中医協の存在、中医協の権威、あり方、そのものについて今大変な疑問が呈されているというふうに思います。

 今回、新聞報道等で、かかりつけ歯科医の初診料の問題についていろいろ議論があり、それをめぐっての贈収賄というような報道がなされております。私も、加藤委員や下村委員が、このかかりつけ歯科医の初診料の問題について小委員会あるいは総会の場で発言しているその議事録を読ませていただきました。

 例えば、加藤委員は、初診料、もう少し範囲を広くするということが必要ではないかと発言をしたり、下村委員は、かかりつけ歯科医の要件をもうちょっと緩和したいということだな、平井委員は、そうです、お願いします。このようなやりとりが平成十三年七月二十五日の診療報酬基本問題小委員会でなされている、こういった議事録を読ませていただきましたが、会長として、この問題について、そういうやりとりに不自然な点、違和感、何か流れがそれによって変わったというような認識を持たれたかどうか。あるいは、全体として、例えばこのかかりつけ歯科医の初診料問題について、この議論の後に、当初想定をされていた結論と違う方向に結論が導かれたということがあるかどうか。その点について、会長としてしっかりとしたお考えをお示しいただきたいと思います。

星野参考人 中医協の会長の星野でございます。ただいまの先生の御質問にお答え申し上げます。

 一言で申しまして、全くそういう事態を、私、感じなかったわけでございます。

 かかりつけ医の議論をやりましたのはたしか七月の時点だったと思いますが、そのとき当然私が座長をしておりましたから、そのやりとりもかなりよく覚えているつもりでございますが、中医協の中で特定の利益誘導をしようということを、これはちょっと詳しく説明しますと、通常、我々、一号側というのを支払い側と言っております。支払い側を一号側。診療側を二号側と言っておりますが、一号側が、これは支払い側でございますから、診療側に故意に有利になるような発言をするというのはほとんどないわけですね。通常の議論でも、そういう議論は常に、むしろ診療報酬の適正化、効率化という観点で一号側は議論を進められますし、立てられます。医療側は、医療がよりよく、また自分たちの側から見て適正であるような診療報酬設定というものを主張する。これはそれぞれのお立場でございますから当然だと思いますが、したがいまして、一号側の委員が特に二号側に有利になるような発言を故意にされるということになりますと、恐らく居合わせた二十名の委員がすべてそれは非常に奇異に感じるものでございます。まして、司会者としての私にとって、ふだんから、それぞれの委員の発言傾向と申しますか、発言の仕方や何かをかなり心得ているつもりでございますので、その方々がどういう発言をするかということについて、奇異な感じを持ったかどうかという御質問の趣旨でございましたが、私は全く持ちませんでした。

 それから、かかりつけ医の初診料の話でございますが、十四年の改定の前、十二年の改定のときに新設されたものでございまして、その後、このかかりつけ医を利用されるお医者さんがなかなか少なくて、進まないんじゃないかというような問題点を診療側の方からお伺いしたこともございますが、いずれにしましても、新しい制度をどうやって進めていったらいいかということで、診療側も熱心だったと思いますし、また、それを、どういう問題があるかといったようなことをきちんと伺うのも中医協の場でございますので、その場において一号側からもいろいろな質問はされたと思います。

 そういう経緯をたどっておりますので、結論的に申し上げますと、今先生が御指摘あるいは御質問なされたような、審議過程で何らかの異様なことを感じたかということにつきましては、感じませんでした。

 それから第二番目に、そのことによって結果が最初意図した方向からかなり曲がったのではないか、そういう事実はあったのかどうかという御質問でございますが、むしろ、十二年の改定以降、その実施について、新しく設定した制度でございますので、できるだけ円滑に運営されるという観点で、一号、二号、それから公益側も議論を続けていったわけでございまして、特定の段階で特定の方向に曲がったということは私は全くなかったというふうに信じております。

 以上でございます。

石崎委員 ありがとうございます。

 物事が、政策が決まっていく過程というのは、中医協という場でも、表の議論、平場の議論、議事録に残る部分と、残らない水面下の部分というのが常にあろうかと思います。

 大塚事務次官にお尋ねをしたいと思います。

 大塚事務次官は、当時は保険局長ということで、事務方の責任者をされていたということでありますが、今、星野会長にもお聞きをいたしましたが、今疑惑が持たれている点について、オープンな、議事録が残っている部分のやりとり以外の部分で事務当局に何か働きかけがあったかどうか、あるいは、その一つの結論を形成する過程の中でそういう力学が働いていたかどうかということを、正直に、率直に、お尋ねをしたいと思います。

大塚参考人 ただいまお話がございましたように、私は当時の保険局長で、いわば事務方の責任者でございました。したがいまして、今回の事件、極めて大きな衝撃を持って受けとめておるわけでございます。

 御質問の点でございますが、ただいま星野会長から御答弁がございましたけれども、私も事務方の責任者として、当時、不自然なやりとりがあった、あるいは特別な働きかけがあったという記憶は、一切ございません。

 一言つけ加えさせていただきますと、当時は十四年度の医療保険制度改革、あるいは診療報酬につきましても、全体の見直しということで、大変動きの激しい時期でございました。したがいまして、正直に申し上げますと、本件についての詳細な記憶というのは必ずしもあるわけではございませんけれども、一方で、当時、日本歯科医師会がかかりつけ歯科医の初診料の見直しというのを極めて強く御主張されておったという記憶はございます。

 私どもとしては、中医協という公開の正規の審議会で御議論をいただいて結論を得なければならない案件だという認識はございましたけれども、お話にもございましたような、非公式な、特別な不明朗な働きかけがあったというような記憶は一切ございません。

石崎委員 今、星野会長、大塚次官ともども、今疑惑として指摘されているような部分が、当時の議事運営の過程の中で、あるいは役所に対する働きかけという部分において、特別なことはなかったと。しかし、今疑惑が持たれているような金品のやりとりがあった疑いが持たれている、そういうトータルの状況の中で捜査の推移を見守るというところがこれからの課題、動きになってくるんだろうというふうに思います。

 この前新聞報道でちょっと目にした部分で、確認だけさせていただきたいんですが、健保連の千葉会長にちょっと確認をさせていただきたいんですが、過日の新聞報道において、現在、健保連の推薦委員となっている対馬常務さんが、団体から接待を受けていたということを御自分から明らかにしているという報道を読ませていただきましたが、これは事実でしょうか。あるいは、どの団体から接待を受けていたのかということを、事実関係をお伺いしたいと思います。

千葉参考人 新聞にも報道されましたので、私といたしましても対馬常務に確認をいたしましたところ、本人は、中医協の支払い側の委員と食事をしながら打ち合わせを行ったという意識でございまして、日医あるいは日歯の要するに診療側の委員とは全くそのようなことはなかったとのことであります。今回の事案のように問題にされることがないと理解しております。

 いずれにしても、今後とも健保連推薦委員としては、中医協において透明性の高い議論が求められているという自覚を持ちまして、健保連の組合に加入している皆さんあるいは国民の皆さんの信頼を失うことのないよう、常々留意していかなければならないと認識している次第でございます。

 お答えは、そういうことで、支払い側の委員との会合を持ったということでございます。

石崎委員 そういう状況の中で、最後、坂口大臣にお尋ねを申し上げたいと思います。

 今回の事件、中医協のあり方のみならず、日本の医療、そういったものに対する国民の不信というものを大変高めた、そういう大きな事件でございます。

 私も経験がありますが、診療報酬というのは物すごいテクニカルな難しい問題、電話帳というふうによく言いますけれども、なかなか素人にはわかりづらい、厚労省の官僚の方々と議論しても、官僚の方々もよくわからない部分があるという話をしばしばお聞きします。

 そういった問題を扱う場ということになりますと、なかなか一般の委員の方々がそういう細部のテクニカルな難しい問題についてまで全部目を通すということが難しいのではないか。勢い、経験のある、知識のある、そういう方々に権限や発言権が集中をして、その一部の方々によって中医協の議論というものが引っ張られていく、そういう傾向が今回の不祥事の過程の中で浮かび上がってきたのではないか、そんな懸念を持っております。

 そういったことで、今回、大変な国民の不信を買った、そして問題が浮き出てきた、そういうことについて、大臣として、中医協のあり方、中医協における議論のあり方、あるいは日本の医療を検討する場というものがどういう形がいいのかということについて、事件から何日かたちましたので、大臣としての基本的な考え方、今後の方向性についてお尋ねをしたいと思います。

坂口国務大臣 まず、この中医協の委員が贈収賄容疑ということで逮捕されるという事態に立ち至りまして、まことに残念なことでございますし、その内容につきましては、事実関係につきましては現在取り調べが進んでいるところでございますからお任せをする以外にないわけでございますけれども、しかし、中医協が疑いを持たれたというその事実、そのことが国民に対して大きな不信を招いたということだけは間違いのない事実でございまして、厚生労働大臣として国民の皆さん方に深くおわびを申し上げなければならないというふうに思っている次第でございます。

 今回のこのことに関しましては、保険局の保険局長を中心にいたしまして、省内におきましても全容解明を今急いでいるところでございます。当時の関係者をそれぞれ呼びまして、そして、当時どういうことであったかということの解明を今続けている最中でございまして、きょう、そのすべてをここでお話を申し上げることはまだできない状況でございますが、かなり当時の皆さん方からの意見を集約しているところでございます。

 もう一つは、この信頼回復をするためにどうするのかということでございます。

 一つの問題は、先ほどもお触れをいただきましたように、この診療報酬というのはまことに複雑な状態になっておりまして、御指摘のように電話帳にも匹敵するような厚いものになっておりまして、よほどの専門家でなければその内容がわからないということになっております。

 したがいまして、もう少しこの診療報酬の体系を基本的に見直して、そしてわかりやすいものにする。これは、診療側だけではなくて、患者の皆さん方にもよく説明をして理解をしていただけるような内容にしなければならないというふうに思っているところでございます。

 先日もお答えを申し上げましたが、その基本となるところ、その基本を明確にするということが最も大事でございまして、何を基本にしてこの診療報酬体系が成り立っているのかということを明らかにしていくという作業を現在進めさせていただいているところでございます。

 それを進める一方におきまして、中医協のあり方につきましても、今回の事件が個人の問題なのか、それとも組織の問題なのかということはあるというふうに思いますけれども、そうしたことも念頭に置きながら、しかし、中医協も長く続いてまいりましたので、もし制度疲労を起こしているということであるならば、やはり改革を行わなければならないというふうに思っているところでございます。

 具体的にどうするかということにつきましては、今後皆さん方とよく御相談を申し上げていかなければなりませんので、今具体的にその内容をここで私の考えとして申し上げることはでき得ませんけれども、これから皆さん方の御意見を聞きながら、ひとつ改革すべきところは改革をしていきたい、そういう決意をしているところでございます。

石崎委員 時間がなくなりました。

 年金の問題も議論しておりますが、年金の保険料が年金の支払い以外に、六兆円になんなんとするお金が使われているということについても国民は大変な不信を抱いております。医療も、窓口負担がふえたということについて大変な負担感を国民が抱いている。そういう中にあって、それを決定する過程の中に大変不明朗な部分があったということについて、これは国民の不信をより高める、つまり、国民がその負担をするということの動機において、それを国家に対して協力したくなくなる、そういう大変な問題をはらむ問題でありますので、各方面において、この不祥事を機に、より正常な方向に改革を進めるように希望して、質問を終わります。

衛藤委員長 三原朝彦君。

三原委員 おはようございます。

 本当に久しぶりで質問するわけでありまして、何か、今から十七年前に戻ったような気分もしないわけではありませんけれども。

 今度の贈収賄事件、ああいうたぐいのものが起こるたびに思い出すことがあるんです。それは、今、私の横に座っている福島県出身の吉野先生にもお聞きしたんだけれども、全部はちょっと思い出せないなということだった。二本松藩に戒石銘碑というのがありまして、我々がいただいておる禄というのは民のものであるぞ、それをゆめゆめ忘れるべからず、ちゃんと、そのためにこそ、おまえたちは真っ当な道を歩んで役人として人生を送らなきゃならないぞという戒石銘碑というのがありますよね。藩主の丹羽氏がその藩の藩儒である学者さんに頼んで書いてもらって、それが連々と今日まで続いているんだそうであります。それを思い出したりしました。

 中医協の選ばれた委員の人は、一般職の公務員ということになりますから、それは、ただただ外野でああだこうだと言っている、批評、評論するのと違いまして、みずからが国民の払ったお金をどのように使うかという決定権も持った人でありますので、拳々服膺ということなんだと思います。そしてまた、私は、今起こったことに関しては、もう司直の手にゆだねられておりますから、それを明白にしてもらいたいし、そして私がただこいねがわくばというのは、二度と再び同じようなことが起こらないように、このことを願わずにはいられないわけであります。

 今、石崎委員が言われたようなことに重複しますけれども、星野会長、今度の事件に対して、まずはどのような印象を、驚天動地だということは当然でしょうけれども、どのような印象を持たれたか、なおかつ、会長として、もちろん星野会長は保険制度の公正維持のために腐心されてきたことは当然だと思いますけれども、この点に関して、御自身、これまで会長としての職責を歩んでこられて、どのようなことにまた留意され、腐心されてこられたか、その点、ちょっとお聞きしたいと思います。

星野参考人 お答え申し上げます。

 冒頭、三原先生が言われましたように、本当に、私どものような公共の仕事を命ぜられている者は、常に民が背にいるということを考えなければいけないんだと思うんです。

 しかも、中医協というのは、独占的に、お医者さんあるいは医療、薬等につきましての値段を決めるところなのでございます。公式の参加者は二十名ですね。ですから、証券取引所でございますと、それぞれ皆さんが出入りして、その中で大勢の方がやっていくからああやって何とかバランスがとれるわけでありますが、我々の中医協というのは、選ばれた二十人の人間が、一億二千万の国民の健康をよりよくし、しかもなるたけ経費がかからないようにというための医療費を、正確に言いますと診療報酬でございますが、を決めるという役割を担っているわけでありますので、先生が御指摘のように、公務員並みの扱いということはもちろんのことでありますが、より倫理的じゃなきゃ務まらないだろうと思うんですね。それがあって初めて、一人一人の委員が国民の信頼を得ることによって初めて、この協議会というものは成り立つんだろうと思うのであります。

 そういう意味では、今回の事件は、逮捕という事実を見ますと、やはり一生懸命になって中医協にお尽くしいただいております各委員の皆様方の信頼を裏切ることでありますので、私としても大変遺憾だと思いますし、それ以上に、これも今先生が御指摘のように、国民からの中医協というものの信頼が失われますと、我が国が世界でも誇ります健康につきましての国民皆保険という医療システムそのものに対する信頼を国民から失ってしまう、その環の一番のかなめにあるのがまさに中医協でお預かりしております診療報酬の決定問題だと思っているわけでありまして、そういう意味では、今回の事件はまことに国民に対して申しわけなく、しかも残念だと思っておるわけであります。

 しからば、どのような方向でおまえは運営をしているかということでございますが、もちろん中医協という場は、先生には釈迦に説法でございますが、一号側、二号側という、支払い側と診療をする側と両方、ある意味では、市場でいいますと売り買いの両者がいるわけで、その間で、戦後、二十年代にできた中医協というのは、ずうっと一号、二号側のある意味では議論を重ねまして、お互いに何とか納得できるところで診療報酬を決めてくるというのが一番現実的な場面の一つでございます。

 私は、私というよりは、現在中医協に参加していただいております二十名の委員がほぼ合意していることだと思いますが、我々のやっていることは、確かに、お医者さんもなりわいが成り立たなければいけませんし、それから社会保険をお預かりしております各保険団体が財政で破綻するとか、そうなっては全部元も子もない話でございますので、お互いの事情をとことん議論し合って、お互いにすり合いのすり合い、すり合った後にどこでおさまるかということを求めていくような審議が行われることが第一だと思います。

 第二は、しかしながら何を目標に我々はすり合いをしているのかということでありますが、これは、当然のことでございますが患者第一であります。患者第一でありますと同時に、やはり医療の進歩というのも必要でありますし、それから、全体としても国民に負担を極力かけない、こういう目標が共通の目標としてなければなりません。したがいまして、こういう目標について、自分たちのそれぞれのせっぱ詰まった、こういう経済情勢でございますから、せっぱ詰まった状況の中で、自分で精いっぱいできる範囲で努力していただく。それで、すり合った後に、初めて診療報酬が決まっていく、こういう方向をお定めいただくことが中医協各委員の根底にあるべき精神だというふうに思いまして、そのようなことをお願いし、また、私もそれが実現するように運営をしてきたつもりでございます。

 おかげさまで、ことしの診療報酬改定は、坂口大臣が毅然とした態度で、すべて中医協にお任せするからやってくれ、こう言われましたので、実にすがすがしい診療報酬決定ができ上がったと、私、内心大変喜んでおるわけでございますが、今の御質問から外れますが、そういう気持ちでずっとやってきておる次第でございます。

三原委員 坂口大臣に質問をさせていただきたいと思いますけれども、中医協の任命というのは、厚生労働大臣が責任を持って行うことになっています。もちろんその前に、任命以前に各関係団体の推薦を得ることが求められておりますし、そのときに、推薦された人材については、今回も推薦された人たちを時の大臣が任命してやられたので、その人たちが不祥事を起こしちゃったというのですけれども、任命するに当たって、候補者の人品骨柄、何らかの審査のたぐいが行われておるのでしょうか。もしそうならどういう基準で、よし、この人は任命にということになるんでしょう。そしてまた、これまでに、推薦されたけれども、この人はどうもよろしからざる、そういうような拒否といいますか、そういうことがあったんでしょうか。どうでしょう。

坂口国務大臣 御承知のように、中医協の委員の任命につきましては、社会保険医療協議会法という法律がございまして、この法律にのっとりまして、支払い側委員及び診療側委員というのが、「各関係団体の推薦によるものとする。」こう定められているわけでございます。したがいまして、各団体から適正な手続を経て推薦をされる方でございまして、適任の方を推薦していただいているわけでございますので、その方について、厚生労働大臣として特段の審査は行っていないというのが現実でございます。私が就任しましてからもそうした経験はございませんし、過去のこともお聞きをしてみましたけれども、過去にもそういうことはなかった。それぞれの団体の御推薦というものを最大限尊重してきているということでございます。

 ただ、公益委員の方、四名ございまして、公益的な立場に立っていただいている、星野会長さんもその一人でございますが、支払い側及び診療側の双方の調整の労をとっていただかなければならないわけでございますので、学識経験者、そして国会同意を得て決定をしているところでございますので、そうした能力をお持ちの皆さん方にお願いを申し上げているということでございます。

 したがって、御質問にありましたように、推薦をしていただいた方についてどういうふうにしたといったような経験は現在までもないということでございます。

三原委員 推薦を受けたら、役所、大臣としてはそれを信頼してやるということになりますと、やっぱり推薦する側がそれに対して一二〇%の責任を持って人材を送り出すということになるわけであります。その点は、大いに推薦する側に留意していただかねばならないと私は思います。

 ところで、今度収賄の被疑者になっておる一人は、かつての厚生省の元役人の人でございますけれども、役人経験者というのは、このごろとみに天下り問題というようなことがいろいろありますけれども、これはもちろん支払い側からの推薦ということでなった、この人はなったんですけれども、中医協の委員に役人経験者の人がなることと今回の事件との発生に何らかの反省すべき点はあるのかどうか。ついつい安易に、そういう役人の人が経験深いからというようなことで送られてくるというようなこと、その点が何か今回のことに因果関係あるのかどうか。

 そういうふうに一般国民は思いがちでありますけれども、その点について、何か大臣として、これから先はもう役人の人はならないようにしたらいいですよというようなこととか、そういうたぐいのこととか、何かそういうお考えはありますか。

坂口国務大臣 先ほども申しましたとおり、これは各種団体の御推薦をいただいて決定をしていただいているということでございますが、下村さんにつきましては、確かに旧厚生省のOBであることはもう御承知のとおりでございまして、長い間、厚生労働省で勤められた、いわゆる保険行政と申しますか、診療報酬等につきまして精通した人であることだけは間違いのない事実でございます。非常に精通しておみえになったということもあって、これは、健保連の方の代表として推薦を受けられたということは、それは言えるのではないかというふうに思っておりますが、推薦を受けて、そして我々の方に提出をしていただいたわけでございますので、我々はそれをお受けしてきたということでございます。

 OBであるがゆえに今回のようなことが起こったということでは私はないと思うんですが、しかし、OBであるということは、役所側の意見というものをよく理解をしているということにはつながるだろうと思うんです。その辺のところで、役所側が推薦をする公益委員等の中に役所からのOBの人たちを入れるということは、これはやっぱりよくないと私は思います。そこは気をつけていかなきゃいけないし、これからもそういうことがあってはならないというふうに思っております。ただ、一号側、二号側の中で御推薦をいただくときに、そういうOBの人が入ってくることを拒否するということも、なかなかこれは難しいことではないかというふうに思っております。

 今後、委員の任命のあり方も含めまして、この中医協のあり方というものについて一度考え直す時期に来ているということになれば、これは、そうした任命のあり方も含めて今後考えていかなければならないというふうに思っている次第でございます。

三原委員 連合の笹森会長にちょっと質問させていただきたい。

 連合から中医協の委員に推薦した人物が今回やはり収賄の被疑者ということになっておるわけでございますけれども、推薦した団体の責任者、長として、今回の事件をどのようにお考えか、まずそのことをお尋ねしたいと思います。

笹森参考人 先ほども石崎委員の御質問にお答えをいたしましたとおり、委員として選出をした連合の責任として、大変な迷惑をかけ、中医協に対する信頼心を失墜させたこと、極めて遺憾であり、残念なことだし、申しわけないというふうに思っております。

三原委員 何か、マスコミあたりの批評を見ていますと、支払い側は、これから先は専門的な、診療報酬に関してわかるような人を独自に育成することも、これから先こういうことが起こらない一つの答えになるんじゃないか、問題解決の一つじゃないかというようなことを、何かしらに書いてあるのを私見ましたけれども、もう起こったことは、最初に申し上げましたように、ちゃんともう司直の手に渡っているわけですから、これから先、国民の信頼を損なうことのないようにするためには、専門性のある人を養成するというようなことも一つの答えかもしれませんけれども、笹森会長は、今後、では、二度とこういうことが起こらないようにするためにはどうすべき、前向きな建議としてはどういうことをお考えでしょうか、お尋ねしたいと思います。

笹森参考人 今御指摘の専門性の問題でありますが、労働団体、戦後約六十年の歴史を持っております。この中で、審議会委員制度ができてから、五十年を超す委員の派遣、労働四団体時代からの歴史がございます。この中で、連合が結成をされてからちょうど丸十五年目になりますが、四団体時代のいろいろな経験も含めまして、連合のプロパー職員の中には、それぞれの専門分野に精通をした職員を育成してあります。

 しかしながら、委員の選出に当たりまして、専門性を持った各審議会にそういったプロパー職員の派遣というようなことを申請した場合に、なかなかこれが役所の方で認めていただけないというのが今までの経過になっております。どちらかというと、ナショナルセンターの三役レベル、さらには産別の三役レベル、場合によっては単組の三役というような方々に依頼が行くというようなことで、そういったようなことでの差しかえが要請をされますと、連合としては、最終的に、日本最大のナショナルセンターの役割としてすべての審議会に委員を派遣したいという意向を持っておりますし、その実績を今まで十分に積み重ねてきたというふうに認識をしておりますので、委員については、差しかえの中で最終的な確認をいただくというような形になっていることをまず申し上げておきたいと思うんです。

 その上で、先ほど申し上げましたように、延べにして二百十六名の審議会あるいは準ずる委員というのを出しておりまして、私も複数の審議会の委員を兼ねておりますが、それぞれその任務を全うするために、どういうような立場、役割を十分に認識しながらその責任を果たしていくのかということについては、念頭から離れたことはございません。二百十六名のうち、今回の件で不心得な対応をした者が出たことによって、すべての委員がそういったものに対して該当しているんではないかということについては、私の立場からも、そんなことはないというふうにまず申し上げさせていただきたいと思うんです。

 今後の対応につきましては、先ほど星野会長の方にも御質問があった中にも含まれておりますけれども、公務員としての役割、責任というものについてであります。これにつきましては、一般職の公務員として、言ってみれば非常勤の職員という扱いになることでありますが、国公法第二条の国家公務員であるということについては、私どもから選出をしております審議会の委員は、すべてこれは理解をし、承知をしている、その役割に基づいてその責任を果たそうというふうに思っております。

 しかしながら、今回の件で、弁護士との接見による本人の言葉では、いろいろなそういう事実経過の積み重ねについては、あったことについて認めましたけれども、わいろあるいは請託をされたという認識がなかったというふうに伝わっております。そういうことでありますと、先ほど申し上げたように、国家公務員の立場と責任というものと、そういったものを受けるということに対する危機的なそういう受けとめ方ということについては、危機意識、あるいはそういったものに対する切実性というものが感じられなかったというのが受けとめられるのではないかというふうに反省をしなければならないというふうに思っております。

 したがって、連合としては、この件が起こった以降、今招集をかけておりますが、四月の二十八日にすべての審議会委員を招集いたしまして、任務と役割とその責任、さらには公務員倫理規程に基づくいろいろな制約とその対応の問題等々について再徹底を行いまして、以降二度と起こらないという対応を万全にしたいというふうに思っております。

三原委員 今公務員の倫理法のことにもちょっと触れられましたけれども、まあ、我々もそうですよね、我々政治家も特別の公務員でもありますから、みずから拳拳服膺、常に自分の生きざま、歩き方というものを、歩んできた道、それから行くべき道を踏みしめて、責任を持ちながら行かなきゃならないというのはそれは当然のことでありまして、この今回の中医協の委員になられた方も、こうやって選ばれた人であるという、そのプライドを持って私は職責を全うしなければならないと思っております。

 私は常に思うんですね。その職業が求める倫理観みたいなのがあるんですね。ある職業ではかなりルーズでもいい、しかし、ある職業になると、それはもう本当にかた苦しいような時を送らなきゃいけないかもしれないけれども、しかし、みずからそれを選んだのならそれは仕方ないことで、その職業にいる間はその職業に求められる生きざま、倫理観というものをやる、そうでない人は初めからそういうことを求めない、これが私は大切なんだと思います。

 ところで、星野会長、今中医協の委員というのは、そうやって倫理観、常識を持たなきゃいけないと同時に専門的知識もないとなかなか点数も決められない、こういうことを聞きますけれども、公正を旨とし、なおかつそういう専門性は持たなきゃいけない、大変なことだと思いますよね。では、そういう人材を、短期間の間に、選ばれた人の中で、頑張ってねとこうやってリードしていかなきゃならないと思うんですが、それに対する会長としてのいかなる、倫理観もありながら専門性も持った、そして国民に信頼される会を維持していくための考え、どうすればそういうことにより近い完全な形ができるかどうか、何か自分でこう思うというようなことがおありになるんでしょうか。

星野参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のように、大変難しいテーマだと思います。ただ、私のように、全く素人でございますが、一つは門前の小僧というのもあろうかと思いますが、だんだんと二号側のお医者さんの話を聞いているうちに、こういう問題かなとか、あるいは薬の専門家の意見を聞いているうちに、薬価専門部会とかそういう部会もありますし、それから専門委員会というのがありまして、難しい高度先進医療につきまして、今度は、放射線の照射はこういう仕掛けでやったらいいとか、そういうことも日々私などは勉強させていただいておりますが、それでも、先生の言われるように、説明してくれた人に核心を突いた質問をできるほどおまえは成長しているかと言われると、多分成長していないと思うんですね。

 そこで、中医協としましては、いろいろな専門家のお手助けをいただきまして、薬価については薬価専門部会とか、あるいは医療につきましては医療についての調査専門部会でありますとか、そういうものを設けさせていただきまして、本委員会の二十名の委員会をサポートしてもらう委員会を幾つかつくっておりまして、そういう専門ごとに御検討いただいたことを、それぞれ時に応じましてヒアリングするというようなことをしております。

 いろいろ考えてみますと、多分、国政についての正しい方向を、きょうここに御列席の国会議員の皆様方が大勢いらっしゃって、それで御判断いただくというのは偉大な常識なんだろうというふうに思っているわけであります。当然、専門知識につきましては専門の人からよく聞く耳を持つということではないか。その上で、こうやって先生方が国政を運営されるのと、私ども全く同じなのかなと。

 それぞれ出身が違え、私でしたら経済屋なんですが、経済屋としての目から見て、今この場、要するに中医協という場の中で、場内で議論されていることというのは、一体何が本当の問題なのか、つまり、そのときの視点だけ過たなければ、つまり、患者にとって本当に得なのか損なのか、こんなに一遍に患者に負担をさせていいのかどうかとか、あるいは、先進医療というけれどもそんな高い医療を自由診療にしちゃっていいのかどうかとか、そういうことは我々素人でも判断可能なんじゃないか、つまり、自分の気持ちが澄んでいれば。澄んでいないといろいろなことが起こるかもしれませんが、澄んでいる限りは多分判断可能だし、極端に言うと、かえって専門家でないことの方が、むしろ広くそういうことが判断できるんじゃないだろうか。

 幸いなことに、二十名の我々の委員というのはそれぞれの違った経験をお持ちの方が集まっておられます。お医者さんの中でも、内科の専門家もいれば外科の専門家もいらっしゃいますし、そういうことで、それぞれ違った経験を持った方で、私は、偉大な常識を持った方々ですから、そういう方々が集まっていることの判断というのは、やはり尊重すべきものじゃないかというふうに思っていますが、先生の御質問に直に答えるとすれば、我々に足りないもの、専門性というのをどう補うかというのは、まさに申し上げましたように、いろいろな部会あるいは特別の専門委員会というものをつくりまして、そこでいろいろお助けいただくということと、できるだけ事務方の協力を得て資料を収集させていただく、それを見せていただくというようなことをやっていくということが我々を支えているものではないかというふうに思っております。

三原委員 質疑をきょう聞きましたけれども、星野会長さんが言った偉大なる常識というのは、これはいつのときにも私は必要なことだと思うんですね。それは、僕らだって、いろいろ得意分野を議員の人は持っていますけれども、だからといってオールマイティーなことはあり得ないわけでありまして、その中で、自分の主義主張に基づいて、考えに基づいて、この場合は右がいい左がいいと、こうやってやるわけなんですよね。そこのところに、今おっしゃった偉大な常識というものが基礎にあるんじゃないか、私も同感だと思います。

 最後になりますけれども、実は私は、週末はもちろん地元に帰って、今ここの委員会では年金問題でかんかんがくがくやっていますから、先週あたりは押し合いへし合いみたいなのもありましたけれども。

 それで、私自身は、パーフェクトな制度がない以上は、お互いに年金は続けるならば、私は私の党の考え方を地元に帰って一生懸命で説明するんですけれども、それ以前のところでこのような問題が起こったりしますと、地元で、みずからの生きざまからちゃんとしないと、三原さん、我々国民に対して何か言を言っても空疎に聞こえる、まず隗より始めよということもあるでしょうなんて言って私はしかられまして、それに関しては、これは私自身にも強く言われていることだ、そんな気持ちで、こうやって、週が明けて再び上京してきたようなことでもあります。

 何とか我々は、このありがたい医療保険というものがあるおかげで世界で一番長寿国にもなりましたから、これが再び一〇〇%の信頼を国民からかち得て、そうして、制度として続けられるように私自身もこいねがって、質問を終わらせていただきたいと思います。

衛藤委員長 福島豊君。

福島委員 公明党の福島豊でございます。

 本日は、星野会長を初めといたします参考人の皆様方には、御多用のところ、集中質疑ということでこの委員会に御出席をいただきまして、まずもって感謝申し上げる次第であります。

 私ども公明党も、今回の事件につきましては、国民の大切な保険料をもって賄われている医療保険の給付が金銭によってゆがめられたのではないかというような大変大きな事件でありまして、まことに遺憾なことである、事実とすればまことに遺憾である、そのように思っているわけであります。

 今回の事件の事実関係については、現在取り調べ中でございますので、具体的な事柄について申し上げることは差し控えようと思っております。しかしながら、今回の事件が、国民の医療保険というものに対しての信頼を大きく損なったということは事実であろうと思いますので、これからこの信頼をどう回復していくのか、そしてまた、中医協がその場になったわけでありますけれども、国民から見て、中医協での意思決定のプロセスというものがなかなかよくわかりにくい、こういうものもどう変えていくのか、ここのところが最も大切ではないかというふうに私は思っております。

 今まで御答弁されましたことと重ならないように伺わせていただきたいと思っております。

 中医協の改革ということについては、今までもいろいろなことが提案をされてきたわけであります。そしてまた、今回の事件が発覚しましてからも、各紙の社説等におきましては、こう改革すべきであると、さまざまな意見が提出をされております。

 具体的には、幾つか検討すべき項目が私はあるだろうというふうに思っております。

 一つは、委員会構成のあり方をどう見直すのか、とりわけ公益委員の員数をどうするのか。これはかねてからも指摘のあったことでありますし、そしてまた、構成する委員の代表する団体等につきましても、例えば患者の代表を入れた方がいいんではないか、こういう意見もありますし、そしてまた、職種につきましても、パラメディカルの代表を入れた方がいいんではないか、こういう意見もあるわけであります。

 そしてまた二つ目は、先ほどもありましたけれども、中医協の委員は公務員でありますけれども、当然そこには一定の規定があるわけでございますが、その意識がやはり薄いんではないか、こういう指摘があるわけであります。こうした公務員としての倫理を保つためにはどうしたらいいのか、さらには任期の問題もこれはあるだろうというふうに思っております。

 そしてまた三つ目には、この中医協の議論というのはなかなかわかりにくいというのは、非常に専門的であるからであります。例えば、何点の点数にするのか。この何点というのを知らない国民も多々おるというふうに私は思います。私も医者でございましたけれども、医者の立場でもなかなかよくわかりにくい、これが実態であろうというふうに私は思っております。

 そしてまた、そうした専門的な判断をするときに、先ほど星野会長からお話ございましたけれども、専門部会というようなものを設置して、そして、そこで専門家の御意見というものを踏まえて進めていく。私は、ここで大切なことは、この医療行為がなぜこの点数になるのか、そしてまた、なぜ引き上げられるのか。これはもちろん支払い側と診療側の交渉でありますから、そこには政治的な背景もあるわけであります。ただしかし、そこには客観的な事実というものがなければいけない。なぜこのような点数になるのか、一体コストはどういうものであるのか。

 そして、これはその折々に検討するということもございますけれども、私は、中医協の一つの組織として継続的に、例えば医療技術専門委員会のようなものをきちっとつくって、そしてデータベースをちゃんとつくっている、そして、点数が変わったときに、なぜ変わったのかということが国民の目から見て透明性がある、よくわかる、なるほど、これはこういうことで変わったんだなということがわかりやすいような仕組みもつくるべきであろうというふうに思っております。

 そしてまた、診療報酬のあり方について、今、基本的なあり方を見直すという作業が続いておりますけれども、こうした細かなことを避けるためにも、包括化ということは一つの方向でありますし、それはこの基本方針の中でも示されているというふうに思っております。

 そしてまた、さらには、国会が一定の関与をすべきではないかというような意見もあります。これはなかなか難しいところがあるわけでございますけれども、例えば、診療報酬の改定を行って、それが事後的にどういう変化をもたらしたのか、決算的な関与というようなことも恐らくあり得るのではないか。三十兆の規模のお金でございますから、一国の予算に匹敵するようなお金をどう配分するのかという問題でありますから、これも大変大切なところだというふうに私は思っております。

 こうしたことを含めて、関係者の意見もよく踏まえながら、中医協はこういうふうに変わりましたということを国民の前に示すことが信頼を回復する大変大切な道筋ではないかと私は思っておりますけれども、この点について、まず坂口厚生労働大臣の御意見をお聞きしたいと思います。

坂口国務大臣 中医協のあり方につきましては、今日までいろいろの御意見があったことを私もよく承知をいたしております。

 幸か不幸か、ちょうどこういうことがありましたときでございますから、一つの考えどきと申しますか、今までからありましたものを整理して、そして改革すべきは改革する、そういう一つの時期だというふうにとらえることもできるというふうに思っております。

 先ほど委員が御指摘になりました中で、医療技術評価専門委員会の創設ということをおっしゃいました。あるいはまた、診療報酬改定の事後評価とその公表ということを言われました。これは確かに、言われてみれば、そこは欠けていたところと申しますか、今までは、決めることは決めましたけれども、その結果がどうなったかということに対する評価、あるいはまたそれに対する対応というのは少し欠けていたところでございます。そこは御指摘のとおりかなというふうに私も思った次第でございまして、今後の改革をしていく中の一つの柱ではないかというふうに感じた次第でございます。

福島委員 先ほど星野会長からは御発言がありました。私も、会長の御発言に同感するところ、多々あります。細かいところは専門家に任せて、大局的な常識的な判断をしていく、そういうことではないかと思います。

 重ねての御質問は避けさせていただきまして、先ほどよりこの点についてはまだ発言のありません千葉参考人に、支払い側としてどういうふうに考えておられるか、お聞きをいたしたいと思います。

    〔委員長退席、宮澤委員長代理着席〕

千葉参考人 現在の中医協の構成でございます、支払い側委員、あるいは診療側委員に公益委員、この三方構成というのは極めて妥当な構成の仕方ではないかというように考えている次第であります。しかも、すべて議論が公開されておりますし、議事録も公開されておる。したがいまして、限度はありますけれども、すべて、当面その中で議論が行われて、ただ、専門的なことが多いものですから、議事録を見ても、素人ではなかなかわかりにくい議論がございます。ですから、やはりもう少し中医協の結論に対する説明責任といいますか、そういうものがわかりやすくなればいいなというようには思っておりますけれども、委員の構成あるいは議論の仕方、それについては、私は、現状で十分役割を達成できるのではないかなというように考えている次第であります。

 もう一つ、さらに、今回の事件の反省ということを踏まえて言いますと、先ほども言いましたように、医療自体がわかりにくいということも一つあるんですけれども、やはり国民がわかるように説明責任をもう少しはっきりさせるべきではないだろうか。そういうことがやはり医療の、医療関係の結論の公正妥当といいますか、を国民に示すもとになるんじゃないかなというように思いますので、そういうことをさらに検討いただきたいなというように思っている次第でございます。

 以上でございます。

福島委員 最終的な決定の場というのはある意味で政治判断の場でありますから、なかなかそれぞれのお立場で、今の中医協のあり方というのがバランスがとれているという御意見だろうというふうに思いますけれども、ただ、一方で、国民に対してどう説明責任を果たすのかということを考えた場合には、先ほども大臣がお話ありましたけれども、なぜこの点数をいじくるのかということについて、客観的なデータがなければ説明ができませんので、そういうものをしっかりとつくらなければいけない。そしてまた、そのことがどうであったかということを、国民にまた説明できるような、そういう仕組みというのは、決定の場は決定の場として、もう一つしっかりと土台としてなければいかぬのだろう、私はそのように思っております。

 そしてまた、引き続きまして笹森参考人にも、この点については、中医協というものをどうすべきかということについてお考えをお聞きしたいと思います。

笹森参考人 各省庁で多くの審議会が持たれておりますが、この中医協というのは、そういう他の審議会と比べると性格あるいは役割がかなり違うというふうに思っています。そういう意味では、今、福島委員の方から提言のありました、六つの内容になると思いますが、この改革をぜひ、国会の場でもあるいは委員会の場でも、この実現に向けて努力をするべきではないかというふうにまず申し上げておきたいと思います。

 その上で、委員会構成の見直しでありますが、三者構成になっておりますけれども、ここの部分が、支払い側が三団体、それにまた別な要素の中で市町村だとか社会保険庁とかいう部分を入れますと複数の団体になりますね。労働側の位置取りというのは、この中でのウエートは三名ですから、全体的にはそれほど小さくもなければ大きくもないというようなことになっています。

 一般市民、あるいは保険納付者、納税者の立場からどうなのかという観点をもう少し入れた場合に、労働側だけでその部分がカバー、今までしてきているし、できているとは思うんですが、もう少し強めた方がいいのではないかというようなことも含めて、患者代表というのはどうかなというふうにも思いますが、職種だとかそういうことも含めた強化というのは必要になってくるだろうというふうに思います。

 それから、公務員の倫理規程の、意識の問題をどう保つかということですが、これは、昔の委員選定の場合には、そういった注意書きみたいなペーパーが一枚たしかついてきたと思う、任命書の中に。最近、どうもそれが、私は古い委員ですから、新しく任命されても前の経過があるんで送ってこないのかもしれませんが、その辺がどうなっているのかということについて、もしそれがないとすると、それぞれがそういう意識については持ち合わせていても、そのことを強く意識するかどうかという部分については、少し薄いのかなという感じがいたしております。

 それから、専門委員会の創設でありますが、この委員会ではここが一番ポイントになってくると思うんです。正直申し上げて、今回の私どもの前副会長が逮捕された以降、議事録について、ある部分についてだけですが目を通させてもらいました。専門的過ぎてわかりません。かなり夜を徹して読んだんですけれども、難しい。ということになれば、一般の人はもっと理解ができないということになると思うので、ここについては、他の審議会でも部会なり分科会なり専門委員会的なものが設置をされておりますが、もっと詰めた専門的な論議をするというような委員の選出とその委員会の創設、これはぜひ必要だろうというふうに思います。

 それから、診療報酬の部分は、包括化の推進、これは先ほど大臣もお答えになっておりましたけれども、そういう方向が必要ではないか。問題は、国会の一定の関与の問題でありますね。政治決着というような言葉もお使いになられましたけれども、そのこととは別に、今、予算を立て、方針をつくり、そしてそのことがどう実行されたかという最終的な結論段階での評価あるいはそのチェックというのが非常に薄いのではないかというふうに思っておりまして、特にこれについては、国民が負担をし、その利益を受けるという部分の中からいえば、プロセスも含め、そしてその最終決着も含めて、明確にさせるということについての強化をしていくというのは必要があるかというふうに考えております。

福島委員 本日のこの委員会には日本歯科医師会の代表の方はお越しになっておられないわけでございますけれども、今回のような事件が起こった後に、中医協の持ち方といいますか、どのように責任を明確にするのか、ここのところも国民から問われるところだろうというふうに思うんです。

 特に、贈賄側の容疑者でありますところの日本歯科医師会の代表の方々が、今までと変わらぬように中医協に御出席なさるのか。ここのところはどういう御理解をいただけるのか。私は、ただ、中医協での決定というのは、関係者が関与しませんとこれは意味をなさないものでありますから、大変難しいわけであります。一定期間の出席の自粛といったようなことも考えられるのかという気もしないではないんですけれども、これとてもなかなか難しい。そこのところをどう考えるべきなのか。

 これは、所管しております厚生労働省の保険局長にお聞きをいたしたいと思います。

辻政府参考人 まず、中医協の今の性格でございますけれども、加入者が保険料を支払う、そして傷病にかかりましたときには医療が提供されるという保険制度でございますので、保険料を負担する側である保険者、被保険者及び事業主の代表者、そして医療を提供する側である医師、歯科医師、薬剤師の代表者、そして、この両方に対して公益委員の調整のもとで協議をし、合意を得るための場、こういった形に位置づけられております。

 このような制度の趣旨に体しますれば、まず、今回逮捕された日本歯科医師会推薦の委員の方々につきましては、中医協の円滑な審議の進行に支障を生じさせないよう委員の交代を求める方針でございますが、そもそも、日本歯科医師会の委員の中医協への参加を自粛していただくということにつきましては、現在申しましたような趣旨から、診療報酬に係る審議を歯科医師を代表する委員なくして行うということになりますので難しいのではないか、こう思わざるを得ないわけでございますが、何らかのルールが検討できないかということに関しまして、今回、日本歯科医師会側の委員につきましては、金品の供与の事実について認められたというようなことが伝えられております。このような刑法に触れるような事態に対応するシステムをつくるということをどのように受けとめたらよいのかというふうに私ども思うわけでございますが、捜査の動向も見守りながら、今回の事件の解明を急ぐ中で、中医協の運営のあり方を検討し、あわせて、御指摘のような何らかのルールが考えられないのかということも含めまして、検討させていただきたいと考えております。

福島委員 要するに、公務員としての責任は当然問われるわけでありますけれども、こうした問題に対して、中医協というシステム自体に何らかのペナルティーを与えるような仕組みを持たせるというようなことが、それは意思決定からずっと排除するとかなんとかという、そういう話では全くないわけでありますけれども、そのことが再発予防ということを真剣に考えるときには私は必要なんではないか。

 ただ、今政府参考人から答弁ございましたように、なかなか難しい問題もありますので、そこのところはよく勘案した上で御検討をしていただければというふうに私は思っております。そのことが、国民に対しての一つの答えということにまたつながっていくんだろうというふうにも思います。

 また一方で、支払い側の問題でありますけれども、いずれにしましても、事実関係がどうなのかという、こういう話が非常に大切であるというふうに思います。

 これは、先ほど千葉参考人からお話ございましたけれども、調査委員会を設置される、こういう話でありました。事実関係が確認された場合にどう責任をとるのか、このことも国民は見ていると思いますし、そしてまた笹森参考人にも、謝罪の言葉があったわけでございますけれども、どのような形でこの責任を果たすのか、責任をとるのか、このことは必ずセットになって聞かれる話であるわけであります。

 仮定の段階で、なかなか、容疑の段階で申し上げることはできない、こういう話もあろうかというふうに思いますけれども、率直なところのお考えを千葉参考人、そしてまた笹森参考人にお聞きいたしたいと思います。

千葉参考人 先ほども申し上げましたが、当会にとりまして、副会長の逮捕というこの事実は、やはり重く受けとめなきゃいけないなと思っておるところでございます。そういう意味で、いろいろと、容疑を認めているわけではございません、真相がはっきりしたわけではございませんけれども、疑惑を持たせたことに対して、当会としては、国民の皆様におわびを申し上げなきゃならないということが第一でございます。

 それから、第二の点につきましては、現在いろいろ事実が解明中でございますが、疑わしきことでも出るようであれば、非常に、私どもにとって下村副会長というのはまことに得がたい人物だと私は思っておるわけでございますし、従来も随分功績のあった人だと思っておるわけでございますけれども、やはり厳しい処置をとらざるを得ないかなというふうに考えているところでございます。

 現状はそういうような考え方でございますが、しかし、これからのことにつきましては、先ほども言いましたように、やはり各人の自覚ということが一番大切なことだと思いますので、そういう自覚を持って各委員になっていただくというように、推薦に当たってはそういうことを一層明らかにといいますか、していくつもりでございますし、また、もとになります健保連合会の運営自体についても、より透明性のある運営をしていきたい、そういうことがやはりそのことにつながっていくだろうというように思っておる次第でございます。

 こういうことでございますので、よろしくお願い申します。

笹森参考人 中医協を初め、各審議会の公平性、公正、さらには中立性、透明性、これに対して重大な不信そして疑念を抱かせたこと、そして信頼を失墜させたことについては、私は弁明のしようがないというふうに思っております。

 その上で、この事件に対しては、このような事件を起こした委員を派遣したことに対する責任の問題でありますが、まず、個人に対しては、連合として、逮捕された翌日、緊急三役会あるいは中央執行委員会を開催いたしまして、解任の手続をとりました。本人を解任すればいいのか、それで済むのかという話でありますが、組織的な、最終的なけじめのとり方をどうするか、これについては、現在、司直の手にその裁きの判断がゆだねられておりますので、その推移を見守りながらというのが中央執行委員会の確認になっておりますが、六月の段階で中央委員会が行われます。そこで、統制委員会等の規約上に照らし合わせて、個人的なもの、組織的なものの取り扱いをどうするかということを決定したいというふうに思っております。

 そして、これは先ほども申し上げたんですが、二百人を超す、連合から派遣をしている審議会の委員については、これは皆まじめに、真剣に、そして自己の業務を犠牲にしても、それぞれの与えられた審議会の中での任務、役割を果たしているという部分でありまして、これがもっと誤解のない、そして疑念の挟みようもない、さらにはそういった間違いが起こらないという部分については、先ほど申し上げた公務員倫理の再徹底ということ以上に、当然、通常の社会人としてあってはならないこと、そういった問題の善悪のけじめの判断、これについても、人間の資質としてどう高めていくかということについても、十分に徹底をしていきたいというふうに思っております。

福島委員 本日の委員会の議題は、もう一つは、中医協と同時に、日歯連の問題であるわけであります。本日も新聞各紙がさまざまな報道をいたしております。

 私は、もちろん、日本歯科医師会、そしてまたその政治活動を担う場としての連盟、こうした専門職の集団でございますけれども、医療の問題というのは政治と深くかかわっているわけでありまして、さまざまな政治活動を行うというのは当然のことであるというふうに思うわけであります。

 しかしながら、そうした政治活動を行うに当たって、やはり一定のルールというものがなければその団体そのものの信頼を損なってしまう。そしてまた、今回の贈収賄の事件のきっかけになりました見直しの話でありますけれども、これは、私も現場の歯科医師の先生方からお話をお聞きしますと、制度はつくったものの、やはり大変使いづらい制度であるという御指摘は多々お聞きをいたしておりました。そういう意味で、政策的に妥当性のある話であったとしても、このようなことが発覚をすれば、政策的な妥当性のない話を無理やりねじ曲げたんではないかという話になってしまうわけであります。ですから、おのずと政治活動というものについては、一定のルール、そしてまた公正さ、そしてまた国民にとってオープンにして差し支えのない公正さ、こういったものが当然求められるんだろうというふうに私は思っております。

 そういう意味で、これは政治団体のことである、こういう話にもなるわけでありますけれども、日本歯科医師会とそしてまた連盟と、これは全く別個の存在というわけではありません。そういう意味では、所管官庁として、日本歯科医師会に対して、こうした一連の経緯というものを踏まえて、適切な指導をされるべきであるというふうに私は考えておりますけれども、この点についてお考えをお聞きしたいと思います。

岩尾政府参考人 公益法人の活動と、政治活動に関する寄附を行う団体の活動とは峻別が図られるべきでありまして、両者の活動が一体であるかのような誤解を与える行為は望ましくないと考えております。

 私ども、平成十三年に各都道府県に文書を出しまして、このような公益法人と政治活動の団体の活動が一体であるかのような誤解を与える事例がある場合には改善指導を依頼いたしました。その通知では、歯科関係で八つの府県から不適切事例の回答があったところでございますが、その後も、機会あるごとにこの歯科医師会に対しましては指導をしてまいりました。地方につきましても、先月の三月十五日に、全国主管課長会議の席上で、このような歯科医師会も含めて、公益法人と政治団体との峻別について連絡をしたところでございますけれども、なお問題のケースもあるという御指摘をいただいておりますので、現在、調査、指導を行うべく準備を進めているところでございます。

福島委員 残余の質問を通告いたしておりましたが、質問時間の終了が参りましたので、終わりにさせていただきたいと思います。

 引き続き、関係各位の皆様方には、国民の信頼を回復するための努力を重ねていただきますように要請をさせていただきまして、終わりといたします。ありがとうございました。

宮澤委員長代理 次に、永田寿康君。

永田委員 民主党の永田寿康でございます。

 まず冒頭、この委員会の運び等々につきまして、二、三、指摘をしたいと思います。

 委員長及び与党の理事、そして与党の議員諸君には、国会は一体だれのためのものなのかということを、いま一度見詰め直していただきたいと思います。

 国会は、私は率直に申し上げて、野党のためにあるものだと思っています。国会は、もちろん、議席が与党と野党、また多数と少数派で分かれていますから、多数によって運営がなされていく傾向が強いのは否定はいたしません。しかし、多数派による、多数決による横暴でありとあらゆる議会運営が決定していってよいのであれば、そうなのであれば、最初にまず総選挙をやって、議席の数が確定して、首班指名をやったら、あとは国会など開かずに全部与党と内閣で決めてくれ、そういう話になっちゃうわけです。

宮澤委員長代理 永田君に申し上げます。質疑は議題の範囲内でお願いいたします。

永田委員 しかし、憲法では、国会の存在というものを規定しております。それはなぜかというと、少数派の意見を聞いて、それを十分に尊重することによって初めて民主主義というものは成り立つんだということを憲法が見ているからであります。ですから、議会運営においては、やはり少数派の意見も十分にそんたくをしていただきたいというふうにお願いをしたいと思います。

宮澤委員長代理 永田君に再び申し上げます。議題の範囲内でお願いをいたします。再び申し上げます。

永田委員 加えて、今回の事件については、二つの支払い側と受け取り側の構図が明確になっていることを指摘したいと思います。つまり、診療報酬の支払い側と受け取り側、この支払い側と受け取り側の問題が今回のテーマの重要な部分でありますが、もう一つ、わいろの受け取り側と支払い側、この問題もあるはずです。

 しかし、与党だけで単独で決定された今回の委員会の運びの中で、どのような参考人が呼ばれているかといえば、受け取り側だけであります。支払い側については一切参考人を招致するそぶりを見せず、また、きょうの私の前に行われた三人の与党議員の質問を見ていても、受け取り側の改革、つまり中医協の改革には言及することはあっても、支払い側、つまり日歯連の改革に言及をする質問はほとんどありませんでした。これは極めて偏った意見であるということを私から一つ申し上げたい。

 それからさらに、先日、新聞でも報道をされましたが、この厚生労働委員会のメンバーでもあります佐藤議員、この議員が官僚に対してかかりつけ初診料の問題について働きかけをしたという報道もなされています。

 しかし、このことを、疑惑を隠そうと思ったのかどうか、先日の金曜日のこの国会の委員会室のすぐわきで起こった摩擦の中では、佐藤議員が我が党の宝である小宮山議員を暴力的に投げ飛ばすという事件まで起こって、本人は、小宮山議員はけがをして、きょうは委員会に出てこられないと請暇願まで出されているというありさまであります。

 このような、みずからの疑惑を隠すために腕力まで振るうこの与党議員の姿勢に対して怒りを感じていることを、まず私から指摘を申し上げまして、質問を始めたいと思います。

 以前の予算委員会での質問に続きまして、経済産業省からお越しいただいていると思いますので、その後の展開を御説明いただきたいと思いますが、いわゆるイメラボをめぐるルートの、この疑惑の解明について、あるいは再発防止策の策定につきまして、経済産業省の方で第三者委員会をつくられて作業されているということですが、どのようなメンバーが選定されて、今までどのような議論がなされているのか、そして今後の活動の見通しにつきまして、御説明をいただきたいと思います。

    〔宮澤委員長代理退席、委員長着席〕

菅大臣政務官 お答えをいたします。

 今御指摘をいただきました点につきましては、去る二月二十五日の衆議院の予算委員会で、私ども大臣から答弁をいたしましたように、この事業の執行のあり方調査検討委員会を設置しまして、三月の十一、三月の三十一、そして三回目を四月九日と、今日まで三回にわたって委員会を開いております。委員会のメンバーは、前の会計検査院事務総長の深田先生を座長といたしまして、公認会計士や大学教授など五人の構成で成り立っております。

 それぞれの委員会の内容でありますけれども、下請事業者の業務分担、さらに事業組成過程における各事業者参加の経緯などについて、いろいろな質疑がありました。これについて詳細な調査が必要である、こういう御指摘をいただいておりまして、こうした委員からの指摘を踏まえ、鋭意調査が今続けられておるところであります。それが今日までの状況であります。

永田委員 これは、結論はいつごろ出されて、それが制度化されて実現するのはいつごろの見込みなんでしょうか。

菅大臣政務官 具体的な日取りはまだ未定でありますけれども、できる限り早い時期に方向性を出していきたい、こう考えております。

永田委員 補助金を使って行われている事業の信頼を回復するために、ぜひ、よい仕事をしていただきたいとお願いをしたいと思います。

 きょうの質問はほとんど厚生労働省にかかわるものですから、政務官、もしお仕事があるようでしたら、どうぞ御退室ください。

 さて、厚生労働大臣、大変なことになりました。私が今国会の始まりから予算委員会で数度にわたり指摘をしてきた日本歯科医師連盟の政界工作が、こんな形でついに逮捕者まで出す、しかもそれが、日本歯科医師会と歯科医師連盟を兼務する会長、そしてその会計を預かる常務理事の逮捕によって世に明らかになったということを考えますと、これはどえらい事態だと思います。

 大臣、これはぜひ、逃げたり隠したりすることなく、まず真っ正面から事件そのものを受けとめて、国民の信頼を回復するために全力を尽くす、しかもその仕事はできる限りオープンに行うということをここで約束をしていただきたいんですが、大臣の意気込み、いかがですか。

坂口国務大臣 今、永田議員が御指摘になりましたとおり、この事件は、事件の推移は別にいたしまして、こういう疑惑がかかりましたことは大変大きな問題でございます。全容を解明しなければいけないというふうに思いますし、その内容につきましては、これはオープンにして、国民の皆さん方に御理解をいただくようにしなければいけない、そういうふうに私も思っております。

永田委員 しかし、大臣、私ちょっと気になることがあるんです。先ほどの与党議員に対する答弁の中で、今回の事件の原因はどこにあるのかということを問われたときに、診療報酬体系が複雑過ぎるとか、あるいは、中医協のあり方が制度疲労につながるような問題を抱えているのではないか、あるいは、下村委員が役人出身であったから事件が起こったとは思わないというような答弁もありました。

 果たして、大臣、今の時点で、これは事件の全容を解明するにはしばらく手間も時間もかかるでしょうから、必ずしもここで正しい意見ばかり述べられるとは限らないと思いますけれども、今の時点で、大臣がお考えになっているこの事件の原因、どこに改善を要するポイントが隠されているとお考えなのか、ぜひ御答弁をいただきたいと思います。

坂口国務大臣 先ほど与党側の御質問に対しましては、いろいろの質問の角度がございましたから、その角度に対してお答えを申し上げたところでございます。

 どんな制度でありましても、それを行う人の質というものが問われることは当然でございます。したがいまして、今回の問題は、その行っていただく方の質と、それから組織のあり方、やはり両面考えていかなければならないというふうに私は思っている次第でございます。

 その意味で、まず、人の問題をどう選考していくかといったことが一点ございますし、それから、その人たちが働く場が国民の側から見てどういう場であるか。余りにも専門性なら専門性が非常に高い、その専門性の高いということはやむを得ないですけれども、そのことを国民の皆さん方に理解をしていただけるような努力をどうこれからしていくかということが、今後の課題であるというふうに思っております。

 その非常に難しい内容のことを特定の人でやっていただくというところに端は発している、そこをやはり国民の皆さん方に理解をしていただくようにしていかなければいけない、そういうふうに思っている次第でございます。

永田委員 委員会のメンバーの質、人的質ですね、それから組織のあり方、そして専門性が高過ぎること、主にこの三点を挙げられたと思うんですけれども、私は、大臣が今のこの事件の原因をこの三点にしか求めないというのであれば、これは、出てきた改革プランも国民の理解を到底得られるものではないのではないのかなと思っています。

 きのう、たまたま夜のニュースで見ておりましたら、少年、男の子が、道端で知り合ったおじさんに誘惑されて、援助交際もどきのことをやったという事件が流れておりました。本当に破廉恥な事件だというふうに思います。しかし、援助交際、男の子か女の子かにかかわらず、今日本では大変な問題になっておるわけですが、この問題の最大の原因は、お金を渡してみだらなことをやろうとする大人がいるということなんですよ。これは、援助交際の問題を扱っている人、どこでも、口をそろえて言うことですよ。

 贈収賄も同じなんです。もらう側の倫理だけではどうにもならないんですね。払う側がいつもいつも誘惑をしているわけですよ。払う側の改革にも当然メスを入れていかなければならない。

 大臣、今の答弁の中で、どこに問題が隠されているんですかというふうに聞いたところ、わいろの支払い側の問題について言及をしなかったのはなぜなんですか。

坂口国務大臣 先ほど申し上げましたように、これは非常に専門性の高いところで、しかも、特定の皆さん方にそこで議論をしていただかなければならない。これはもう性格上、私はそこはやむを得ない一面だというふうに思いますが、そういう現在の状況の中で起こったことであります。

 したがいまして、起こったことというのは、そこに支払い側があり、そして、それを受け取った側が、これは事実とすれば、あるということでございますので、そうしたことが起こるというその環境、そこをもう少し透明性の高い、国民の皆さん方から見ていただいて、そこが理解できるようにしていかなければならないということを私は総括的に申し上げているわけでございます。

永田委員 援助交際の事件に巻き込まれた子供たちがいたとしますね。大臣、これは私、大変な困ったことになりましたよと親御さんから相談されたとしますよ。そのとき、いや、お子さんの倫理観が低いからいけないんです、そういうふうに言うんですか。それはやはりおかしいでしょう。変なおじさんが誘惑するのも社会的問題としてどうにかしていかなきゃならないと考えるのが、政治家の仕事じゃないですか。

 それは同じなんですよ。歌舞伎町で少年をねらってたむろしている変なおじさんと同じような人が、やはり歯科医師連盟の幹部、ごく数人かもしれない。歯医者さんは一般的には非常に倫理観の高い人です。いい人たちなんです。私も千葉県の地元では、水戸さんという大変人間的にも魅力のあるお医者さんにかかっておりますから。その一人一人の歯医者さんが倫理観が欠如しているとは私は思いませんけれども、しかし、一たび歯科医師連盟というグループに入ると、極めて不透明で、しかも金権体質丸出しの恐るべき政治活動をやっていくわけですね。

 そういうことを考えると、大臣、連盟の改革に言及しないというのはおかしな話だと思うんですけれども、もう一回だけ聞きますから、そこに対する問題意識を御答弁ください。

坂口国務大臣 変なおじさんに問題があるということを言われましたけれども、それは倫理観がないんですよ、その人は。

 だから、私が申し上げているのは、双方あわせまして倫理観が欠如しているということを申し上げているわけでありまして、そこは個の問題。しかし、個だけではなくて、それを受け入れる背景の、その組織そのものについてもこの際に考えなければならないときに来ている、こういうことを申し上げているわけであります。

 これから、そうしたことをもとにして私は改革に乗り出していかなければならないというふうに思っておりますし、そのためには、今回起こりましたことの内容について詳細に、やはり現実を直視していかないといけない。その現実の問題の把握について、今、省内におきましてもひとつ真剣に、ここは当時にさかのぼりまして調査を行わせている、こういうことでございます。

永田委員 大臣、大変丁寧な御答弁ありがとうございます。しかし、きょう、実は大変多岐にわたる、広範囲にわたる質問をしなければならないので、もう少し簡潔に、内容だけ御答弁いただければいいなというふうに御希望を申し上げたいと思います。

 さて、今、個の問題というふうにおっしゃいました。そして、双方、つまり双方の組織の問題というふうに言葉が出ましたから、それは、つまり、歯科医師連盟の側の組織の問題というふうに私は受けとめさせていただきましたが、今回の事件は、これは歯科医師連盟の問題に着目をしたときに、個人的犯罪だと思われますか、それとも組織的な犯罪だと思われますか、大臣。

坂口国務大臣 今、一号側、二号側という話がございましたけれども、その中で今回問題になっておりますのは歯科医師会の方でございます。したがいまして、会長以下皆さん方が逮捕をされるという事態に立ち至りました以上、これはやはり組織全体の問題であるというふうに思っております。もちろん、中医協の立場から見れば、これは一人一人の個々の問題ではございますけれども、そこを代表しておみえになる皆さん方の立場からすれば、それはやはり全体の問題、こういうふうに思っております。

永田委員 実は、たび重なる予算委員会の質問から今までの間で、大臣が日歯連、今、歯科医師会とおっしゃいましたけれども、この外部の組織に対して問題だというふうに発言をされたのは初めてであります。

 実は今回の贈収賄というのは、お金の出どころが日歯連のお金なので、大臣が今歯科医師会とおっしゃいましたが、本質的には日歯連の問題だというふうに考えるのが正しいということを指摘いたしまして、一たびこの日歯連の問題から離れて、中医協の問題に入っていきたいと思います。日歯連の問題はまた後に触れることになると思います。

 さて、この診療報酬改定プロセスに介入をして起こった贈収賄事件でありますが、今回の逮捕というのは非常に注目すべき点があります。それは、中医協という協議会の中で発言をすることがそのメンバーの職務権限であって、もちろんみなし公務員になっている方でありますから、この発言をするという請託を受けて実際に発言をし、その見返りとして報酬を受け取ったのであれば、これは贈収賄に当たるということで逮捕されたということであります。

 しかし、日歯連がかかりつけ診療報酬の適用要件を緩和したいという希望を常々持っていたということは、これはるる聞いておりますけれども、その思いを実現する上で、協議会で発言するだけでは、本当は事は足りないはずなんですね。実際に政策に反映させなければならない。協議会で発言をした後、実は二段階のステップを踏まなければなりません。それは、協議会の答申にまず本件発言の内容が盛り込まれること、そして、盛り込まれた後、実際に政策として決定されて、これが各歯医者さんのところに通知をされるという二段階のプロセスを正確に踏んでいなければなりません。そこに日歯連が関心を示さなかったとはとても思えない。

 ですから、この下村委員が発言をした後、答申にまとめられるところで、下村委員が働きかけをしたのではないかというふうに考えるのがやはり妥当だというふうに思っておりますが、星野会長、ぜひ、下村委員が発言をした後、答申をまとめるまでの間に、これに対してどのような働きかけをしたのか、あるいはされなかったのか、会長の御認識をお伺いしたいと思います。

星野参考人 お答え申し上げます。

 私の記憶している限り、全くそのような形跡があったとは思えません。

永田委員 実際の答申に出てくる、電話帳の中には、下村委員の発言に沿った改定が盛り込まれているわけですね。あれが盛り込まれた原因というのは、つまり、発言をしただけではなくて、それがきちっと答申に反映されたのはなぜなんですか。

星野参考人 お答え申し上げます。

 先ほどもちょっと御説明申し上げましたが、あの問題は、平成十二年の改定以降、その実施過程で、ふぐあいといいますか、条件がなかなか厳しかったものですからなかなか進まないので、その条件を少し緩めたらどうだろうか、そのこと自体は患者さんにとっていいことですから、ですから、条件を緩めたらどうかという流れがあったわけですね。

 それで、先ほども申し上げましたが、七月の段階で歯科医側の方から、こういう問題についてぜひ今回の改定に、つまり十四年改定でございますが、盛り込んでほしいということを、これは歯科医だけじゃなくて、ほかのお医者さんの方も大体六月、七月ぐらいに、今度の改定ではどういう問題があるかということをお互いにリストアップしていく段階でありますので、その中でそういう御議論を提起されたわけでありまして、だから、それの反応、あるいはそれに対する応答という格好で、下村委員あるいは加藤委員の御返答があったんだと思うんです。

 その後、それじゃ、詰めて、それがずっと継続していったかということでございますが、それは当然、年末になりまして議論が詰まっていくわけですが、流れとしては、なるほど条件緩和をすればもうちょっと普及度が高まるかなということは、恐らく委員全体がやはりそういう雰囲気になっていたと思うのでありまして、そういう意味では、下村委員あるいは加藤委員が、私は議事録等を読んでも、あるいはそのときに居合わせた者として、先ほどもお答え申し上げましたように、何ら変なことは感じなかったのでございますが、つらつら議事録を何回読んでみても、そういうことはどうもなかったんじゃないかな、大変言葉は悪いのでありますが、何で空弾のためにやったのかねという気がしているくらいでございます。

永田委員 議事録を読んでも下村委員の発言はああいうふうになっている。実は、議事録に載っていない部分でも議論があって、今会長がおっしゃったように、全体の流れができている。つまり、適用要件を緩和することは患者の利益にもなることだという認識がだんだん広まっていったという話がありますが、しかし、真っ当に考えてみると、必ずしもそうでもないんですね。というのは、果たして、かかりつけ診療という言葉を知っている患者さんが、世の中にどれほどいるでしょうか。制度としてユーザー側がほとんど認識していないんですね。

 例えば、レントゲンを撮って説明したとか、そういうようなことを患者さんがされたら、ああ、この先生はいい先生だな、親切な人だなと思うかもしれないけれども、それによって支払いがふえているということは全く気づかないわけですよ。

 そういう意味でいうと、ちゃんと説明をするというサービスを提供する、そのことの対価としてある程度のお金を支払うというのは、それは確かに正しいことかもしれないけれども、適用要件を緩和する、つまり、説明のやり方を多少はしょってもいいという適用要件の緩和をしているわけですね。これは患者の利益にはならないわけですね。

 やはり、当初、普通の診療は一千八百円で、かかりつけ診療は二千七百円という単価が設定された背景には、きちっとした説明をしてほしいという思いがあったはずなんですよ。それは、行政側にもあったと思うし、患者側の思いもあったと思います。でも、それをないがしろにして、適用要件を緩和して、その他それに準ずるもので説明してもよいというふうにしたのであれば、これは、患者の利益をむしろ損なっているというふうに考えるのが普通だと思うんですが、どうしてそれが患者の利益になるという認識が深まっていったのか。

 会長、もう一度、会議の外で起こったことなどについて御説明いただきたいと思います。

星野参考人 お答え申し上げます。

 当初の十二年段階で導入するときの条件が、例えば、私も本当の専門家じゃないので不十分なことを言うかもしれませんがお許しください、ちゃんと歯型の石こうをとるとか、きちんとしたレントゲン、それから過去の歯の病気の経歴だとか、そういうのをきちんとそろえなければかかりつけ医者にはならない、こういう条件があるわけですね。

 そうすると、例えば、本当に私のような歯がだんだんなくなってくるんだと、石こうで固めたものでもって診ていただいたらありがたいんですけれども、本当に若い子なんかでそれがそのまますぐ説明になるのかどうか、あるいはもっとほかの方法でもできるんじゃないかということが議論されてまいりまして、それが十三年の十四年改定の準備段階で起こった議論だと思います。

 そのときに、もうちょっと条件を緩和した方が、実際には患者さんにも利益がありますし、それから、ある意味では、こちらのお医者さんに行って、向こうのお医者さんに行ってということの重複投資と申しますか、そういうことも助かるんじゃないかとか、いろいろな議論が当時ありまして、いずれにしましても、緩和をすることによって患者利益がふえるだろうということが、大体みんなの合意になったということの経緯を私は覚えております。

永田委員 政策の決定に関して、考え方が全然あさっての方向を向いていたんだということが明らかになったと思います。

 かかりつけの歯医者さんを持った方が有利だよということを、例えば国民に説得をして、国民がああそうかもしれないなといってかかりつけ診療の制度の中に入ってくる、こういう考え方じゃだめなんですよ。

 そうじゃなくて、かかりつけ医師、別に初診料とかの差をつけずに、特にほかの要は一見さんの患者さんと全然違わない、だけれども、とにかく普通の診療をしていて、そういう環境の中で、患者さんが繰り返し繰り返し同じところに行くことによってメリットを感じられるような、そういう医療をすることによって、自然とかかりつけ医師というものが生まれてくるという環境を整えるのが、僕は政策の正しい方向だと思っています。

 政治家は、よく有権者に向かって、私のことを支持してくださいと言うんですよ。違うんです。自分が支持されるような人間にならなきゃいけないんです。これは努力の方向性が違うんですよ。私のことを愛してくださいとお願いをするのと、自分がみんなから愛されるような人間になるというのは、努力の方向性が違うんですね。外向きの努力と内向きの努力なんですよ。

 だから、歯医者さんの方が一人の患者さんの情報をちゃんと蓄積して、なるほど、連続して同じところにかかると大きなメリットがあるんだなということを感じられるような、内向きの努力をしなければならないんです。ぜひ、そのことを念頭に置いて、今後、かかりつけ診療について制度をつくっていっていただきたいと思います。

 次に、メンバー構成の話に移りたいと思います。

 笹森会長、きょうはお忙しい中お越しいただきまして、ありがとうございます。

 中医協では、支払い側と受け取り側のバランスに配慮してメンバー構成を決めています。そして、みなし公務員の規制をかけるなど、公平、公正、中立、そして公開を旨とした協議会運営をしているわけですが、支払い側の意見を代弁する、特に働く人たちの意見を代弁する委員を送り出している連合側としては、このメンバー構成は適当なものというふうにお考えでしょうか。率直な意見をおっしゃっていただきたいと思います。

笹森参考人 先ほども福島委員の方にもお答えをした部分と重なりますが、働く側の立場、これは船員の部分も入れますと三人おりますが、純粋的には二名というような形になります。

 この数が全体の二十名の中で多いか少ないかという問題ですが、私は、やはり納付者、納税者の立場からいうと、人数が少ないというふうにまず感じています。

 それから、メンバー構成の部分でありますが、公、それから診療、支払いというふうに分かれている部分、これは、毎回の論議の中でどうしても平行線になるという部分になったときに、両論併記になったときの扱いがどちらの方に軍配が上がっているかということについては、これは支払い側の方がいつも不利益をこうむっているんじゃないかなと。

 そういう意味では、メンバー設定と人数の問題も含めて、どう強化をするとか、再編成をするとか、このことが必要ではないかというふうに思います。

永田委員 星野会長、そのような両論併記になったときの扱いについて、必ずしも理解が得られていないということはぜひ御理解をいただいた上で、協議会の運営に当たっていただきたいと思います。

 加えて、笹森会長、重ねてお伺いをいたしますが、中医協は基本的には外部からの介入を許さない組織だというふうに考えています。診療報酬の決定プロセスを見ても、まず、総額自体は政治家が決める、予算の現場で決める。一方で、予算の総枠が決まったら、実際にその予算の総枠を実現するために単価をどういうふうにいじっていくかということは、中医協の中で議論をされる。そこには政治家の介入は基本的には許されていませんし、政治家以外にも外部の介入は基本的には許されないような組織運営になっているはずなんですけれども、そういう組織運営になっているのが建前なんですが、実は、本音で見てみると、必ずしもそうではない。

 どこか中医協の外で決まっていることが多い、あるいは中医協で決まりそうだったことが突然ひっくり返ってしまったような、そういう事件を目の当たりにしたようなことがもしもありましたら、率直な意見をお伺いしたいと思います。

 これは歯科医の診療報酬に限らず、例えば、医師の関係、お医者さんの診療報酬なんかのことについても、当然連合はそのメンバーを出しているわけですから、そういうことについて言及されても構わないというふうに思いますが、ぜひお願いします。

笹森参考人 今の永田委員の御質問でありますが、先ほどの各委員との質疑の中で、中医協の星野会長の方から、場外での論議という発言があったと思います。それから、福島委員の方から、最終決定、政治判断というような表現もとられたと思うんですが、今まで私どもが関与しております各委員会の中で、特に中医協における診療報酬の改定の問題は極めて複雑性がありまして、委員会論議の中だけで決まっていたのかどうかということについては、やや疑問を感じております。

 それは、この問題に直接関係をするわけではありませんが、中医協の中の審議の過去の経過を見て特徴的なことを一つだけ申し上げますと、支払い側と診療側が全く対立をした、中医協の開催すら断念せざるを得なかったという経過をたどった過去の委員会があります。そのときに、診療側のある団体の代表が、審議会の中で、支払い側に対して、これ以上やってもらちが明かないというような表現の後に、別な場でやるという表現をとりました。この別な場というのがどういうことなのかということであります。

 私どもは、その場所に直接入ったことがありません。と申しますのは、政治折衝的なことが行われている中で、診療側とのいろいろな調整を行い、最終的には支払い側の方も、経営者団体とそれから健保連がこの協議の中に入っていったという経過がありますけれども、労働側の代表はこの中から除外をされていたという経過もあります。

 したがって、つまびらかには私どもは把握をしておりませんが、そういう場所でいろいろな問題が、いわゆる場外で決まっていくというような経過も感じ取られているということについて、申し上げておきます。

永田委員 星野会長、これは大変なことですよ。連合の会長の立場にある方の発言ですから、これは一個人の発言とは僕はとらえてほしくないんですね。やはり、働く者の代表であり、本当に国民の物すごく大きなメンバーを抱える人の代表ですから、その立場の方が国会の場で発言されて、百年残る議事録に記録されたわけですから、これは重大なことですよ。

 それで、どうもこの協議会の運営方法について、不透明だと。本当は議事録は公開されているから透明なはずなんですけれども、不透明だという印象を持たれている方というのは、実は関係者の中に決して少なくないんですね。

 私もかたく口どめをされていますから取材源を明らかにするわけにはいきませんが、しかし、元メンバーの方で、やはり協議会の中で、十五分話をしたら突然中断して、今まで言い合っていた人が外に出ていって二時間ぐらいどこかで話して、また帰ってきて、何か今度は仲よくなっている、では議事録再開してくださいと言って、それで仲よくなった部分だけが議事録に残るみたいな、どこをとって、どこを捨てて、どういうバーターをしたのかということがさっぱり議事録に残らない、そういう不満を持っている元メンバーもいるんですよ。

 こういうような、透明なふりをした不透明なこの運営方法について、会長はどのようにお考えでしょうか。星野会長、お願いします。

星野参考人 御答弁申し上げます。

 今御指摘の点、多分誤解があるんじゃないかなと私は思います。

 中医協の場、私は場と申しておるんですが、場の中の議論というのは、議員御指摘のとおり、議事録にも残っておりますし、それから、現在公開制ですから、後ろにジャーナリストの専門家だとか、あるいは多分NPOの方々だとか、中医協の場は多分七十人から八十人ぐらいの方が後ろでじっと見ておられるわけでございますので、場でどういうことがあるかということは、よくそこはごらんになられておられるだろう。

 ただ、先生が言われるように、そこであったことを国民一般にどうやって広報しているかとか、そこまでくると、議事録にとどまっているという意味では、広報が足りない部分があるかもしれません。しかしながら、中医協の場そのものの公開性、それからそこで議論していることというのは、ある意味では全く裸であります。

 それから、議員が言われました、ある瞬間中医協が中断してというのは、こういう場合でございます。

 つまり、一号側と二号側が意見が甚だしくまだすり寄ってこない場合に、一号側と二号側を公益委員側が呼びまして、公益委員と一号側、公益委員と二号側という格好で、その調整、なぜあなたたちはここのところをもうちょっと融通、お互いに妥協し合わないのかとか、そういうことをやります。それをやった後に、ある程度近寄ってまいりますと、もう一回全体の会議を開くというようなことをやっておるわけであります。

 その中で、例えば一号側と二号側がひそかに会ってお互いにすり合わせるということについては、少なくとも中医協の場の中ではあり得ないことでありまして、あるとすれば、公益委員側が両者の意見をすり合わさせるためにそれぞれに御議論を承るという会があって、外側から見ると、何か知らないけれどもその間休憩になっておりまして、開いてみると何かうまい方向へ動いちゃったなというときは、逆に言うと、我々公益委員側が実に説得力があったということに尽きてしまうのじゃないかというふうに思っております。

永田委員 けさほど大臣も答弁されていたとおり、元社会保険庁の長官という超大物高級官僚の出身の方がメンバーに含まれているということについて問題はないのかというような質問に対して、大臣は、OBだからといって何か議論がゆがむことはないというようなお話をされておりましたが、しかし、私それはちょっと違うと思うんですね。

 というのは、社会保険庁長官を経験して、その後九年にもわたり委員を務めてきた方でありますから、やはり役所の職員に対する無言の圧力というか年次の圧力というか、そういうものは働かないと考える方がややおめでたいのではないのかなというふうに思います。私も役人をやっておりましたけれども、一年年次が違ったら大変なことですよ。ましてや、下村委員は七十数歳ですよね。そうすると、実際の担当課長だと、もう二十歳以上の開きがあるんだというふうに思います。

 これほど年齢の開きがある、年次の開きがある、そして元長官だということも考えると、各委員の発言はそれぞれ等しい価値を持っているんだというふうに建前では言っていても、やはりどこか事務局が、答申を作成するときに、下村委員の発言は特別重く取り計らわなければならないというような潜在的な意識が働いたとしても不自然ではないというか、むしろ、それが働かなかったら役人としてやっていけませんよ。

 どうしてこういう強力な年次の圧力を備えた人をおめでたくもこのメンバーに任命したのか、大臣、そこのところに対する考え方を教えてください。

坂口国務大臣 きょうももう既に御質問をいただきました皆さん方に対しましてお答えをしましたとおり、これはそれぞれの団体の推薦制になっている、これはもう法律で定められている、その推薦していただいた人は任命する、こういうことに今までもなってきたようでございます。そうしたことは、これは私は、その団体がそういうふうにお決めいただいたんですから、それを尊重しなきゃならないというふうに思います。

 ただ、OBであることだけは間違いのない事実でございまして、OBの方の意見というのは、時には厚生労働省にとりましては目の上のたんこぶになることもあるわけであります。この人に言われて困るなということもそれはあるわけでありますから、決して厚生労働省にとって、それは立場がもう違うわけでありますから、いいことばかりではなかったというふうに私は理解をいたしております。

永田委員 ゆゆしき発言ですよ。推薦をされたら、推薦母体の意見を尊重して任命するのが正しいことだとおっしゃいましたけれども、人事権はどこにあるんですか。任命権者は大臣じゃないですか。推薦した者を自動的に任命するなんて、大臣の判断はどこにあるんですか。人事権をそんなふうにないがしろに考えられては困るんですよ。

 やはり、この人は適当な人かどうか、推薦母体の意見も聞きながら、しかし、これは協議会の事務方によからぬ圧力をかける可能性がある、あるいは、事務方が協議会のメンバーの意見を取り扱うときに、重いのと軽いの、でこぼこが出てきちゃう可能性がある、それはまずいからこの推薦はお断りをしようというような英知を働かせることによって、初めて公平な議会運営というのができるんじゃないですか。

 大臣、それはやはり一回発言を撤回してください。任命権者は大臣であり、そして、推薦はどういうふうにあるかもしれないけれども、その善悪の判断、任命することの善悪の判断は必ず大臣がやるんだ、そのことを明確にここで発言してください。

坂口国務大臣 それは、推薦を受けてそれに対して任命するわけでありますから、推薦をいただいた人を責任持って大臣は任命をする、そういうことでございます。

永田委員 推薦と任命の間に、選別、判断というプロセスは入らないんですか。任命権者、大臣にお願いします。

辻政府参考人 法律上の問題もございますので、答弁をお許しいただきたいと思います。

 法律によって、推薦により厚生労働大臣が任命することとなっておりますが、いわゆる欠格事由というのがこれについてはございません。通常のいろいろな審議会の委員では欠格事由があって、それを審査するということがございますが、これについては、推薦により任命するという法律関係になっております。

永田委員 違うんですよ。推薦は必要条件であって十分条件ではないんでしょう。推薦してこない人をいきなり任命することはないけれども、だから、推薦は必要条件なんだけれども十分条件ではないというのが本来の法律の立て方じゃないですか。余りくだらないことに時間を使いたくないのでこれぐらいにしておきますけれども、ぜひそこのところは分けて考えていただきたいなというふうに思っております。

 ところで、今回の贈収賄事件というのは、かかりつけ初診料という普通の初診料とは違う制度をつくった、つくった後に、その適用要件が余りにも厳し過ぎるのでちょっとそれを緩和しよう、緩和して適用しやすくしようというような気持ちを持った日本歯科医師連盟の幹部の方々が、中医協のメンバーの方々にお金を払って、そういうような政策が実現するように発言してくださいというお願いをしたという話です。

 では、実際、このかかりつけ診療の要件が緩和されて、どれぐらいかかりつけ診療がふえて、どれぐらい診療費がふえたのか、厚生労働省で試算をされていると思いますけれども、御説明をお願いします。

辻政府参考人 まずもちまして、かかりつけ歯科医初診料の見直しが行われた平成十四年度の改定による歯科初診料等の推移、これは、初診料は歯科初診料とかかりつけ歯科医初診料いずれかになっておりますので、これを合わせて計算しなければ推移が見えませんので、これを社会医療診療行為別調査によって推計いたしますと、十二年度が千五百二十億円、十三年度が千五百四十億円、十四年度が千八百二十億円でございます。

 一方におきまして、歯科診療報酬全体がどうなっているかということも大きなポイントと存じます。まず、これにつきまして、十四年の診療報酬改定は、技術料マイナス一・三、薬剤費マイナス一・四、合計マイナス二・七の引き下げというのが基本骨格でございますが、医療費の実績は歯科につきましてどうかということを見ますと、十四年度の一日当たり医療費は、診療報酬改定前に比べましてマイナス三・四%ということで、全体としては相当大幅に減っております。

永田委員 試算はゆうべ厚生労働省から紙で出していただきましたので、これに書いてある数字をもう少し突っ込んで説明をしたいんです。

 平成十三年度に歯科初診料、普通の、今までの制度同様の歯科初診料を利用した患者さんは、一年間に七千二百万件というふうに書いてあります。一方で、かかりつけ歯科医初診料は七百六十万件にすぎませんでした。ほぼ十対一ですね。平成十四年度、つまりかかりつけ初診料の適用要件が緩和された後は、何と歯科初診料が四千百七十万件に激減をし、そしてかかりつけ歯科医初診料は三千九百七十万件に、実に五倍増であります。五・二二倍。七百六十万件が三千九百七十万件に激増したんです。

 その結果、このかかりつけ歯科医初診料という名目で歯医者さんの手元に渡った医療費の総額は、単価を掛けるだけですけれども、平成十三年度、改定前は二百十億円でありました。平成十四年度、一千七十億円、五・二二倍でありますね。八百六十億円の増加ということになっています。

 このことについて、大臣、どういうふうに思われますか、この数字を見て。

坂口国務大臣 これは、もとを正しますと、医科と歯科の初診料の違いに端を発しているわけであります。この委員会においても、それはおかしい、一緒にすべきだという御発言がございました。これは野党の方から複数回にわたって出ているわけであります。

 ですから、全体としても、国会におきましても、医科と歯科との初診料の差があるのはおかしい、もう少し歯科の方を医科に近づけるべきだ、こういう発言でございまして、そうしたいろいろの御意見が国会の中にもあり、あるいはまた審議会におきましても、いわゆる中医協におきましてもそういう御議論があったということでございましょう。

 そうした中でこれは決定されたことだというふうに私は理解をいたしておりますが、局長が申しましたとおり、全体の額でいきますと、これは大変大きな切り込みをした年でありまして、私は随分しかられました。こんなにマイナス改定をした厚生労働大臣は初めてであるということで、おしかりを受けましたけれども、しかし、そうした中で、一方のところを上げれば他のところで下げる。歯科は歯科として、上げるところがあれば一方でそれは下げる。合計で見て一・三%これは下げる、こういうふうになっている。医科は医科の方でそういうふうにしているということでございますから、プラスの面があったところもあるし、マイナスの面があったところも存在する、こういうことでございます。

永田委員 違うんですよ。この集中審議は何のためにやっているかといったら、贈収賄事件の全容を解明するためにやっているんでしょう。別に、歯科と医科の制度を近づけるべきだとか、単価の改定がどうだとか、全体としてはマイナスになっているとか、そんなことは中医協でやればいいんですよ。

 国会でやるべきは、このかかりつけ歯科医初診料の適用要件を緩和するという請託を日歯連から受けた中医協のメンバーが発言をして制度が実現されることによって、歯科医師業界に莫大な金が流れた、その見返りとして金を受け取っている人がいるということが問題なんです。

 だから、歯科医師と医師の制度をくっつけるべきだとかそんなことは、ここできょう議論するべきことじゃないんですよ。

 大臣、最近、社会保険料のむだ遣い、これは年金の問題もありますけれども、莫大なむだ遣いが連日報道されているので、ついに新しい数字の単位ができてしまったぐらいなんですよ。これはローマ字でGPというんです。一GP、二GPというんです。これはグリーンピアの略なんですよ。グリーンピアは十三件で総額三千八百億円の赤字を出しましたから、一GPは約二百九十二億円というふうに計算されています。

 今回のかかりつけ歯科初診料の制度が緩和されたことによって、八百六十億円の増加が実現した。かかりつけ歯科初診料として流れたお金が八百六十億円前年に対して増加したということは、二・九四GP、毎年毎年垂れ流しているということですよ。グリーンピア二・九四件分が毎年毎年使われているということなんです。

 この体質、社会保険庁の体質というか業界の体質、どのようにお感じになるのか、国民に対してわかりやすく、納得いただけるような説明をお願いしたいと思います。

坂口国務大臣 御質問があったから私はお答えをしたまでであります。

 全体の問題とすれば、歯科医師の方は、そうしたことで、全体で一・三%マイナスにしたわけです、この年に。かかりつけ初診料ですか、それが若干緩和されたということになれば、他の分野で今度は切り落としたわけでありまして、歯科全体の必要額としてはマイナスの一・三%になっているということでございますから、部分的に見てここが上がった下がったということは、それは御指摘のとおり私はあるだろうというふうに思いますけれども、全体で見ればこれは下がっている、下げたということでございます。先ほど局長が言いましたように、全体として三・四%と言いましたか、それは初めの予想を超えて大きなマイナスになっているということだけは事実だというふうに思います。

永田委員 考え方が根っこから違うんじゃないですか。

 やはりこれは、どこをふやしたらどこが減るとか、それで結果として三・四%も減らした、おれたちは頑張ったんだというような話をするかもしれないけれども、その議論には患者の意見は全く取り入れられていないんです。患者不在のところで、単に、ここをふやしてここを減らして、あとはでき上がったメニューとでき上がった値段を患者に対して食えというふうに押しつけているようなものですよ。患者が果たしてこういう制度改正でありがたいと思っているのかどうかという視点は、今の議論では全く見えてこない。

 実際、かかりつけ初診料、あるいはかかりつけ初診、診療というこの制度をつくって、患者がどれほどありがたいと思っているのか、具体的にお話をいただきたいと思います。

辻政府参考人 まずもちまして、この制度の趣旨について御説明させていただきたいと思います。

 基本的に、かかりつけ医の初診料の定義でございますけれども、まず最初に治療計画を文書で出す、そして、その治療計画を出しますときに、御本人のいわば口腔内の様子について個別具体に説明をする、そして、御本人の納得を得、長期的に御本人の協力を得ながらよい診療をするという意味での手順が相当、今までそのようなことは、治療計画書の交付もございませんでしたし、丁寧に入っておりまして、そのような意味で、サービスの内容の向上というものにつきまして点数がついているものというふうに認識いたしております。

永田委員 だから、そんな答弁を求めているんじゃなくて、実際に、ああ、かかりつけ診療という制度ができて、私はそれを利用して、ちょっと値段は高いけれども大変うれしく思いますというような声が患者から寄せられているのかどうかということなんですよ。あるいは、最初に歯医者さんにかかったときに、今までは全然説明がなくて不安だったけれども、何か最近は丁寧になったから私はとてもうれしく思いますというような話がどれぐらい寄せられているのかという話なんですよ。費用対効果分析というんですよ、そういうのを。

 これほど、八百六十億円、二・九GPもの金を使って維持している制度を、果たして国民にどれほどありがたがられているのかということを検証する作業が不可欠じゃないですか。そこのところの作業はどうなっているんですか。

辻政府参考人 まず、患者さんに有益かどうかということに関しまして、今の診療報酬に関する基本方針といいますか、中医協の議論は、患者本位ということで、その患者本位というためには情報提供が必要であると。どの診療科に限らず、情報提供に関係する診療報酬はむしろ改善されているという傾向になっておりまして、これもそのようなものと理解いたします。

 ただ、確かに評価がどうかということは、これまで、歯科に限らず全体に中医協自身で御議論されておりまして、その評価をどう評価するかということにつきましては、大変、医療費そのものの影響が予想どおりであるかどうか、そして効果が出ているか、調査方法そのものもなかなか議論をいたさなければなりませんし、それから、調査方法そのものも中医協の場合は中医協で合意されなければ行わないというのが慣例でございまして、そのような点、これからの課題と存じておりますが、十分事務局としても検討させていただきたいと思います。

永田委員 いや、別に、中医協は制度の改正を議論するところですから、中医協の議論のために調査をするんじゃなくて、中医協で決定して、政策に反映されて、実際に実行されてもう二年にもなろうとするその制度、これが一体どれほど患者にありがたがられているのか、そして治療成績がどれぐらい上がっているのかということを検証するのは、これは当たり前のことじゃないですか。何でそれをやらないんですか。検討じゃ済まないですよ、これは。それをやるという約束をぜひしてください。

辻政府参考人 非常に多くの診療報酬改定項目につきましてこのような議論がありまして、そのような中で限られた体制で調査を行うということでございますので、率直に申しまして、私ども、先ほどから申しますように、診療報酬改定につきましては、中医協の場という大変大きな枠組みの中で、私どもは事務局を務めさせていただくという立場もございますので、その点もよく考慮いたしまして、検討をいたしたいと思います。

永田委員 ところで、先ほど冒頭に、佐藤勉議員のニュースが新聞に報道されているということを紹介して一言申し上げましたけれども、これは、かかりつけ診療についてやはり同じように働きかけをしたのではないか、特に当時は厚生労働政務官の立場にあったというふうに報道されておりますけれども、このことについて、省内調査はどうなっているんですか。大臣、お願いします。

辻政府参考人 大臣の御指示によりまして、省内の調査を私どもの方で行っております。

 御指摘の佐藤政務官の関係、報道を受けまして、直ちに当時の担当者に事実確認を行ったところ、平成十三年十一月三十日ごろ、歯科問題全般について、担当局が当時の政務官から説明を求められ説明した、この説明は厚生労働行政全般について行われる説明の一つとして行われたものであり、説明の際に政務官から特段の指示ないし働きかけはなかったし、その後の説明も求められたことはないとの記憶であるということでございました。

永田委員 しかし、元社会保険庁長官の方が協議会に入っていれば、事務方の担当課長などはすさまじいプレッシャーを受けるということを考えると、明確な指示を出さなくても、政務官が担当の部局の職員と話をしたらすさまじい圧力を感じるのは、これは役人の習性としては当然でありまして、議論をすること自体がおかしいとは僕は言いませんけれども、やはりかなり怪しいなというような印象はあるので、ぜひ引き続き調査をしてください。

 そして、大臣、今回の事件というのは、協議会方式の政策決定がどうやら余り中立にいかないんじゃないか、そういう印象を僕は持っています。つまり、本来ならば、こういう協議会、第三者から構成される諮問機関というものは、公平、公正、独立に議論をして、公益のための結論を出すというのが本来の趣旨であろうとは思いますけれども、しかし、議事録を公開してまで中立性を確保しようとしているのに、なかなかこれがうまくいかない。実際に介入を招いたわけですね。

 こういう審議会形式による政策決定がもう信頼できないものになっているんじゃないかというふうに国民は思っているわけですけれども、審議会というのは無数にありますから、各役所に何十とあるわけですから、それら全体の信頼性をここでどうやって回復していくかという観点から、御答弁をいただきたいと思います。

坂口国務大臣 与野党の議員というのは国民の負託を受けて出てきているわけでありますから、国会においてさまざまなことが決定をされていくということは、私は政治の大前提だというふうに思っております。したがいまして、たくさん審議会をつくって、そして国会の議論よりもその審議会の意見を中心にして進めていくというやり方は、これは物によってはまずいというふうに私は思っています。ですから、何でもかんでも審議会で意見を聞いてということにするのは、これはぐあいが悪かろうというふうに私も思っております。

 委員もお役人をしておみえになったわけでありますから、お役人の立場というのはよく御理解いただいているだろうと思いますけれども、お役人の立場からすれば、審議会というものを一つつくって、そこへできるだけ自分たちの意見も聞いてもらってと、そういうことにそれはなりがちになりますし、また、あったとしてもそれは不思議でないというふうに思いますが、そういうことだけで政治が動いてはいけない、やはり国会という場で議論すべきものは議論をしていかなきゃならないというふうに全体で私も思っているところでございます。

 ですから、できる限り国会の議論の場にそれは提供できるような形にしていくことが望ましいというふうに思っている次第でございます。

永田委員 ところで、日本歯科医師連盟の体質について、最後に話を移したいと思いますけれども、やはり、さきの予算委員会でも私が指摘をしてきたとおり、大変古臭い体質の政治団体なんですよ。これに対して、大臣は、公益法人たる日本歯科医師会と政治団体である日本歯科医師連盟は別物であるから、自分は日本歯科医師連盟の行動あるいは体質について一々言及する筋合いはないというような立場をとられていましたけれども、しかし、そうやって政治団体日本歯科医師連盟の活動を放置しておいた結果が、このような今回の中立公正を旨とする委員会への介入ではなかったかというふうに思っています。

 大臣、これは、この連盟の活動に対して厚生労働省が全く口出しをしないというのは、僕はちょっと問題ではないかというふうに思っているんですけれども、大臣の今のお気持ちをお聞かせください。

坂口国務大臣 歯科医師会といいます場合には、医師会と同じでありまして、これは、我々がしっかり話し合いをし、そしてその団体の行方というものをよく我々も見ていかなければいけないというふうに思っておりますが、御指摘のように、歯科医師連盟の場合には、これは我々の範囲外のことにはなるんですね。

 ただ、歯科医師会と歯科医師連盟とが、人も同じだ、場所も同じだ、通帳も同じだというのではぐあいが悪い。そういうことがあってはいけないというので、我々も、そこは明確に区別をすべきだということを言っているところでございますし、言ってまいりましたけれども、なおかつまだ一緒のところがあるという御指摘もございますので、そこははっきりと区別をしていただくように、再度これは申し入れをしたい。

 歯科医師会を地方の場合にはそれぞれの都道府県が所轄をしているものですから、若干、私たちが直接にその地方の団体についても言うということはなかなか難しい側面もありますけれども、これは、都道府県に対しましても、そういうことをしっかりお願いしていきたいというふうに思っております。

 それで、歯科医師会の今回のこのいろいろの状況を見ましたときに、範囲外のことではありますけれども、しかし、歯科医師会であれ歯科医師連盟であれ、これは、医師会あるいは医師連盟と同じように、国民から最も信頼されなければならない立場の人たちでございます。したがいまして、その努力は両団体ともにしっかりとやはりやっていただいて、自分たちの置かれている立場、国民から信頼をされなければやっていけない立場なんだということをよくわきまえてほしいということを、私は要望として今思っているところでございます。

永田委員 事務所が歯科医師会と連盟で同じところにあるとか、あるいは、お金を同じ一つの銀行口座で管理しているとか、そういうことがけしからぬのは当たり前であって、そういうようなことを改善してくださいという要望を、大臣、今までなされてきたということはさきの予算委員会の答弁でも出ていましたけれども、しかし、それだけで済まないのは明らかであります。

 やはり、国民の信頼を回復するためには、実態的な部分で、きちんとこれは別の行動をしているんだ、そして、歯科医師連盟も至極真っ当な政治活動だけに限定をして行っているんだということを国民がしっかり感じるぐらいにならなければいけません。先ほど申したとおり、信頼を回復するということは、信頼をしてくださいというお願いをするだけではなくて、自分が信頼されるような存在になる、自己改革をしなきゃいけないということなんですよ。だから、自己改革を促すような要請を大臣の方からぜひしていただきたいと思います。

 大臣、これは、歯科医師連盟は本当にどえらい組織なんですよ。大臣は、例えば、今まで政治資金に関して、一枚で二億円の領収証というのを見たことがありますか。

坂口国務大臣 二億円も二千万も見たことはございません。そういうものを見たことはございませんが、先ほど申しましたとおり、これは確かに大きな団体であり、信頼を受けるべき立場にある団体でございますから、それにふさわしい行動をしてもらいたい。これはもう心から念願する次第でございます。

永田委員 ここに二億円の領収証があるわけですけれどもね、御期待のとおり。日本歯科医師連盟が国民政治協会に寄附をした平成十三年六月二十六日、二億円、番号が一一四四三。驚くべき金権体質ですよ。平成十三年一月十二日、日本歯科医師連盟が中原爽中央後援会に対して出した領収証、八千万円。一枚ですよ。民主党だってこんなことやらないですよ、貧乏だから。一枚の領収証で一人の議員に八千万円出すなんてことは、民主党だってできないんですよ。私だって、一年間に民主党からもらっている政党助成金は一千万ですよ。

 果たして、これほどの金権体質を持った組織と真っ当につき合っていくことができるのかということを、ぜひ大臣、お考えいただきたいんですよ。やはり、金銭感覚がおかしいというか、政治を金で曲げていこうという姿勢がありありと見える組織なんですね。もちろん、歯科医師会は立派な組織であるはずです。実際いいこともたくさんやっています。そして、その歯科医師会のねらいを実現するためにどこかで政治的な活動をしなきゃいけないこともある、しかし社団法人は政治活動が禁止されている、だから連盟という別組織をつくらなければならないことも、僕は一定の理解はできます。

 しかし、問題なのは、いいことをやっている人たちが同時に悪いこともやっているから、だから、この組織をなくしてしまえと言えないんですよ。なくすことは僕はいいことだとは思いません。だけれども、これは、性根を据えてこの金権体質を断ち切ってくださいというふうに言わないと、まともにおつき合いできないじゃないですか。

 実際、日本歯科医師会の会長と連盟の会長は兼務をされていたんです。その方が例えば厚生労働省の職員や国会議員と接触をしているときに、今は歯科医師会の立場で接触をしているのか、連盟の立場で接触をしているのか、よくわからないじゃないですか。それが峻別できないんですよ。だから、歯科医師会の顔をして近寄ってきて、勉強会と称して料亭に引きずり込んで、そこで連盟の金庫から持ってきた金を渡すようなことになるんですよ。

 これは絶対分けなきゃいけない。そして、この金権体質を改めなきゃいけない。そうじゃないと、一生懸命まじめに仕事をして、会費を納めている歯科医師の方々がかわいそうです。一人一人の会員がかわいそうなんですよ。そこにリーダーシップを発揮しないと、ここで大臣が、それは政治団体の話だからうちはあずかり知らぬことですと言ってしまったら、総務省だって、それはうちは所管はしていますけれども、形式的な審査だけしているだけで捜査権はありませんみたいなことになっちゃうんですよ。具体的事例を挙げて、犯罪につながるようなことがあったら告発してくださいという話になっちゃうんですね。

 しかし、日本歯科医師連盟の政治資金収支報告書を見てみると、中には、今回の贈収賄の原資となったと言われるお車代という費目の支出が実にたくさん出てくる。お中元、お歳暮ですよ。そして、料亭での飲み食いにも、多数回にわたって、そして多額の金額が計上されている。こんなこと、トップが政治家だったら絶対に許されないようなお金の使い方なんですよ。極めて前近代的だ。

 だから、そこは体質改善を促すように、ぜひ大臣、やってもらわなきゃいけない。そして、国民からの信頼を回復するまでの間は、ぜひ、現職の大臣、副大臣、政務官、そして委員長及びそういう公職を退いて間もない方々は業界団体から金をもらわない、そういうルールをつくるべきである。そうすることによって、国民の信頼は少しでも回復するかもしれないと私は思っている。

 大臣、きょうはおいでになりませんけれども、佐藤勉議員は、現職の政務官だったときに請託をして、そしてお金を受け取ったというふうに報じられているんですよ。これが事実だとしたら、これを放置しておくような大臣のもとでは絶対に医療行政の信頼は回復できない。だから、ぜひそのルールをつくってほしい。

 もう一つ、今回は、医療費の診療報酬の体系について大きな大きな疑問を国民から持たれる事件につながりました。政府・与党は、昨年来、昨年の選挙の後ぐらいから、介護と年金と医療を三位一体のパッケージとして改革する案を出すんだと言ってきた。ということは、診療報酬体系が揺らいでしまったら、年金も揺るがざるを得ないんです。これは連動している話なんですね。

 だから、神崎代表は、今回の贈収賄事件は年金審議とは切り離して考えるべきだという意見を表明していますけれども、それは絶対ならないんだ、これは一体のものとして議論していかなきゃいけないんだ、年金審議への影響は当たり前のことだ、影響はなきゃおかしいというふうに私から申し上げ、最後、大臣からの答弁は、公職者及びそれを退いた直後の方々はお金をもらわないというルールをつくるべきだという私の意見に対して大臣のお考えを求めて、私からの質問としたいと思います。ありがとうございました。

坂口国務大臣 これは私一人にかかわる話ではございませんから、よく検討させていただきます。

永田委員 これで終わります。

衛藤委員長 山口富男君。

山口(富)委員 日本共産党の山口富男です。

 厚生労働大臣の諮問機関である中医協を舞台にした今回の診療報酬改定をめぐる贈収賄事件ですけれども、これは、公益委員を除きまして十六名中四名が逮捕される、そのうち三人が現職です、こういう前代未聞の事態になっております。私は、これは、今後の展開によってはより広い規模の問題、事件になっていくというふうに思います。

 まず、星野参考人にお尋ねしますけれども、今回明らかになった事態について、中医協の会長としてどういう受けとめをなさっていらっしゃるのか、示していただきたい。

星野参考人 御答弁申し上げます。

 先ほど来申し上げておりますように、逮捕という報道を聞いたとき、本当に青天のへきれきといいますか、びっくりいたしました。

 同時に、この中医協という場は、国民の健康に関してお値段を決める場所でございますので、その影響は大変大きいということはもう言うまでもないわけでございまして、そういう意味では、まず第一番目に、私と同様、一生懸命中医協の運営に努力されてきた真剣な各委員に対する裏切り行為だということで、大変遺憾に思うわけであります。

 同時に、その影響が、社会保険としての診療報酬体系につきまして、国民の疑念を生ませるという結果になっていることを特に残念に思う次第でありまして、私どもとしましても、これからより一層の信頼回復のために努力をしていかなければならないなというような気持ちで現在いるところでございます。

山口(富)委員 今、星野会長は委員への裏切り行為だというふうに発言されましたが、それは国民への裏切り行為だったというふうに思うんです。

 それで、私、今回発覚した中医協を舞台にした事件ですけれども、問題は中医協の内部にとどまらないと。なぜなら、逮捕されました日本歯科医師会会長の臼田貞夫氏、この方の一連のものを読んでみますと、さまざまな問題について発言しております。

 例えば、ある大学の同窓会報に書きました歯科界、お医者さんですけれども、「歯科界の諸問題」という論文があります。私は、これはてっきり歯科の、歯医者の話を書いてあると思いましたら、見出しだけ紹介します。「医療界と政局」「政治家の使命」、言っている中身は何かというと、日歯の理事会というのは、政治家に対して、政治家の圧力がきちんと加わるように仕事をしなさいという議論をやっているんです。

 その中で、例えばこういうくだりがあります。「国会議員という立場なら当然のことながらあらゆる資料を入手することは出来る、それはそれでよいがその報告だけで責任をはたしていない。」では、どうしたら責任を果たしたのか。政治力を発揮すべきだというんです。例えば、歯科医師の需給問題を具体的な例に挙げて、参議院の井上裕議員の名前も挙げてこういうふうに言っています。「文部大臣の経験のある井上参議院議員が積極的に取組んでいる。この需給問題の解決は、井上議員の政治力に期待」すると。

 こういうことを読みますと、大臣、厚生労働行政の所管の責任者として、一社団法人の利益を議員の政治力で確保しろ、こういう発言、どう思われますか。これはあからさまな形で行政に対して政治的圧力をかけろという発言そのものじゃありませんか。

坂口国務大臣 各種団体がいろいろのことをお考えになるのはその団体の自由でございますけれども、国会あるいはまた国会議員というのは、国民全体の利益を考えなければならないところであります。一部の人たちだけに偏ったことを考えてはいけないわけでありますから、そのことを我々はよく認識をしなければならないし、また、あらゆる団体の皆さん方も、この国会というところはすべての皆さんのことを考えなければならないところだということをよく理解していただくように、我々も努めなきゃならないし、また皆さん方も御努力をいただかなければならない、そう思います。

山口(富)委員 どうも、これは問題を具体的に考えないと、大臣も答弁に困るようですから、もう少し具体的に行きたいんですけれども。

 この日本歯科医師会、いわゆる日歯、これが出している日歯広報という会報があります。これを丹念に読んでまいりますと、歯科の診療報酬をめぐって、二〇〇〇年に自民党の医療基本問題調査会の中に小委員会が設置されたことがわかります。その名前は、少子高齢社会歯科診療報酬等に関する小委員会、こういいます。

 この広報は月三回出ているんですけれども、毎回その小委員会がどういう内容であったかがかなり詳しく、詳細に書かれております。ここでは、例えば「この小委員会は、平成十二年度の」、二〇〇〇年ですが、「歯科診療報酬改定をめぐる政治折衝の攻防の過程で構想が生まれたもので、今回実現の運びとなった。」こういうふうに書かれています。そして、会報では「「二・五%の改定幅の中で、日歯の意見を十分に踏まえて対応する」と確約した。」と報じられている。

 しかも、ここで積極的に発言したとされている議員の名前が記録されているんですね。どういう方か。木村義雄氏、自見庄三郎氏、伊吹文明氏、鈴木俊一氏の各衆議院議員、それから参議院では、井上裕氏、大島慶久氏が名前が挙がっております。きょう理事会で了承を得ましたから、後で配付資料をごらんいただきたいんですが、今私が申し上げた議員の方には、全部、政治献金が渡っております。

 そしてしかも、二〇〇〇年一月二十七日にこの小委員会は初会合を開いているんですけれども、そこには厚生労働省も出席している。だれが出席したのか。近藤保険局長、辻審議官、先ほどから何回も答弁されている現保険局長ですよ。あなた、参加したでしょう、辻さん、小委員会に。答弁はいい。参加していますね。――会報によれば参加していますから。そのほか、保険局医療課長、同企画課長、健康政策局総務課長、歯科保健課長、ずらりそろっている。

 坂口厚生大臣は、こうした一連の事実について承知していたんですか。

坂口国務大臣 二〇〇〇年の話であったとすれば、私はまだ大臣になっておりませんし、それは存じておりません。

山口(富)委員 今回の事件というのは、二〇〇〇年から二〇〇一年にかけての一連の歯科診療の報酬をめぐる問題として起きておりますから、これはきちんと私は調べていただきたい。

 しかも、この小委員会には、二〇〇〇年十月十九日、日本歯科医師会も呼ばれております。それもこの会報の中に大きく記録されております。

 この中で、ここの日歯から出席した臼田会長らはこういうふうに言っているんです。「かかりつけ歯科医初診料の問題点について詳しく知っておられることに驚くとともに、その打開策について助言をいただいたことに深い感銘を受けた。」一体どういう助言を受けたのか、私は知る立場にありませんけれども、しかし、事実として申し上げれば、この日、小委員会に日歯側から出席した五人のうち、三人が今回逮捕されています。

 私は、今回の贈収賄事件をめぐっては、これが表に出たのは中医協のルートですけれども、臼田氏の一連の発言からいけば、必ず政界ルートがある、そういうふうに考えるのが当然のことだと思うんです。

 それで、この日歯の政治団体である日本歯科医師連盟、日歯連、これは言うまでもなく自民党の最大のスポンサーとされる政治団体です。私はきょうここに、日歯連の収支報告書を、二〇〇〇年から二〇〇二年まで三年分持ってまいりました。

 これは東京都の選管にも届けられている公にされているものなんですけれども、きょうは配付資料で、理事会の了解を得まして、皆さんに一枚資料を配付させていただいております。日歯連から自民党の今申し上げました少子高齢社会歯科診療報酬等に関する小委員会、この委員には多少の出入りがあるようですけれども、この方々に渡された政治献金が一体幾らあったのか、合計四百万以上の方だけ一覧表にしたものです。

 これを見ますと、二〇〇〇年から二〇〇二年、三年間の合計ですが、井上裕氏が四千七百万、木村義雄氏が一千九百万、丹羽雄哉氏が一千七百三十万。大体皆さん、このぐらいのクラスになりますと、私たちの国会議員の年間歳費に匹敵するような政治献金。とても国民の普通の感覚でしたら、これが真っ当な金かどうかという疑問がわくぐらいの非常に巨額なものです。そして、これに続いて大島氏が一千万。以下、名前を読み上げませんけれども、資料に明記されてあるとおりです。

 そして、私、調べてみまして、大変このお金の動きで不可解に感じたんですけれども、その一人は、この小委員会のメンバーで、小委員会の委員長を務められた丹羽雄哉氏への政治献金なんです。例えば二〇〇一年でいいますと、二〇〇一年十二月十五日という全く同じ日に、別々の団体に、二つの政治団体に二百万円と百五十万円がそれぞれ寄附されています。それからまた翌年も、ほとんど同じ日に三百万、二百万という額で別々の団体に寄附される、こういうことが続いております。

 しかも、もう一つ、この小委員会の事務局長を務めていた大島氏の場合は、配付した資料をごらんになりましたら一目瞭然のように、何と二〇〇一年だけ、二〇〇〇年ゼロ、二〇〇二年ゼロなんですが、この小委員会が活動していた二〇〇一年だけに一千万という政治献金を受けている。

 これは、私はどう見ても不可解な政治のお金の流れだと思うんですが、坂口大臣はこの点、そういうふうに思われませんか。

坂口国務大臣 私がもらったわけではありませんから、私がとやかく言う話ではないというふうに思いますけれども、正規にそれがきちっとされているかどうかということだと思うんですね。そこに載っているということは、皆さんがもらった政治献金につきましてはちゃんと報告をしておみえになる、手続をしておみえになるということではないかというふうに思います。

山口(富)委員 いや、これが政治資金規正法にかかわって正規かどうかというのは、これから調べなきゃいけないんです。なぜかといいますと、私が今挙げた数字は、贈った側の日歯連の側の資料なんです。一体、政治家の皆さんがそれをきちんと届けられているかどうかは、これは全く別の問題なんです。

 ですから、私が聞いていますのは、一方で歯科医師の診療報酬改定が大変大きな問題になっている。そして小委員会をつくり、そこには厚生労働省の、はっきり言いまして関係部局のメンバーがみんなそろって出席している。そして議員には、小委員会の個々のメンバーにはかなり多額の政治献金が渡っている。こういうところに不明朗な姿があるという認識をお持ちかどうかという点を大臣にお尋ねしているんです。

坂口国務大臣 いろいろの委員会、これは議員の間でできていると思いますが、その場に出まして、役所が現状について報告をしなければならないことは、当然のことながらあり得るというふうに思います。これからもあるでしょう。しかし、そこは、現在の状況というものをきちっとそこでお伝えをするということが役所の役割でありまして、それに徹するということにしてほしいというふうに今も言っているところでございます。

 かかりつけ医の初診料の話は、先ほども申しましたとおり、国会でも議論になっているんですよ。発言されたのは共産党の議員の方なんですよ。複数回にわたって発言になっておりますし……(山口(富)委員「その人はお金もらっていませんよ」と呼ぶ)いや、それは発言の話、内容の話。私がなりましてからも一度御発言をいただいて、私がお答えをしている。だから、そうした問題は、全般に国会の中においても議論になっていたことだということを私は申し上げているわけであります。

山口(富)委員 でしたら大臣、それは問題がある場合に国会で討論するのは当たり前のことです。私たちもこの問題を堂々と討論してまいりました。しかし、仮に、政治家の働きかけによって、いわば、政治献金を受けておりますから、診療報酬が不適切に設定されたというような事態があった場合に、厚生労働行政の所管をしている大臣として、どういう対応を、どういう態度をとるおつもりなのか、その点は示していただきたい。

坂口国務大臣 御主張になっていることがよくわかりませんけれども、したがいまして、先ほどから出ておりますように、かかりつけ初診料の話は、与党だけではなくて野党の中からもそういう話があって、そして、改革をしなきゃならないということに全体の意見として集約されていたのではないか。そこは、中医協にも私はそうした議論というのはやはり影響を与えるのではないかというふうに思っております。

 決してこれは国会だけではなくて、その他のいろいろの団体の御意見もお聞きをしなければならないというふうに思うわけでございます。

山口(富)委員 私はさまざまな問題で坂口大臣と質疑をしてまいりましたが、今の答弁は、これはひどいと思いますね。私が聞いたのは、これにお金が絡んだ場合に行政の責任者としてどうするのかと。聞いている趣旨がわからないというのは、それは私に対するひどい発言だと思いますよ。それは取り消していただきたい。

 しかも、私が先ほど小委員会の設置の話をいたしましたが、この自民党の、名前が長いんですね、少子高齢社会歯科診療報酬等に関する小委員会、これが設置されたのが二〇〇〇年一月二十七日です。そして、この同じ日に何と日歯連は五千万円の政治献金をやっている。全く同じ日に。そしてそれから、日を置かずに次から次へと政治献金ですよ。日付と額だけ挙げてみます。二月十五日五千万、二月二十九日五千万、三月三日五千万、これが実態なんですよ。

 こういう流れがあるから私は繰り返し大臣に答弁を求めているわけで、政治的なこういう献金を受けての、仮に政治、行政のねじ曲げがあったらこれは絶対許されないということだけは、大臣、確認してください。

坂口国務大臣 いや、先ほどの御意見は、十分にどういう御趣旨かということをわからなかったから、私はわかりにくいということを申し上げたわけでありまして、どんな団体であれ、いわゆる政治献金というものとそして政策決定というものが完全に一致をしているということになれば、それは問題だというふうに私も思うわけでありまして、お互いにそうしたことのないように気をつけなければいけないということだと思います。

山口(富)委員 私は、この問題では、日本歯科医師連盟の政治献金の動きを見ましても、問題の全面的な解明のためには、小委員会の当時の委員長であった丹羽雄哉氏、それから事務局長であった大島氏から、参考人として意見を聞く必要があると。歯科医師会と。このことを委員長に、理事会で参考人招致について協議していただきたい、そのことを求めたいと思います。

衛藤委員長 ただいまの件につきましては、理事会にて協議をいたします。

山口(富)委員 時間が参りましたので、これで終了します。

衛藤委員長 阿部知子君。

阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。

 冒頭、まず、本日の委員会が、ここに掲げられております日歯連及び中医協問題ということを論ずるには、余りにも参考人の選定のされ方が偏りがあると思います。日歯連及び中医協の、日歯連の方は歯科医師会の附属する医師連盟ですし、中医協の方は、医療提供サイドとして日本医師会や日本歯科医師会などがあり、ここの場にもぜひともやはり日本歯科医師会の方にお出ましいただかないと、この中医協問題の改革を語るにしても、極めて私は不十分だし、真実が浮かんでこないと思います。

 今、山口委員の方から委員長に、今後さらに参考人をお呼びいただいて、きっちり国民の疑惑にこたえる、このことは、強いて言えば、本当に私たちの日々の国民の医療費の問題でもあり、また年金問題にも波及するという、ここでやっていることが本来の信頼を得られるかどうかの極めて重要な事態ですので、ほんのこれだけの参考人招致でお茶を濁すことのないよう、まず冒頭、委員長に強くお願い申し上げます。

 そして、私の質疑に入らせていただきますが、今、皆様のお手元に配らせていただきましたのは、本日、厚生労働省のホームページを開きましたところにございます「中央社会保険医療協議会委員名簿」というものでございます。

 大塚局長にお伺いしたいと思います。

 国民にとっては、きょう、例えば厚生労働省のホームページにアクセスいたしますと、ここに既に贈収賄の疑惑の逮捕ということをされました加藤氏、平井氏、誉田氏、そのまま、何の変更もないままホームページ記載がございます。

 先ほど大塚局長は、支払い側も医療提供側も、各委員はそのおのおのの団体の推挙によるものであるから、その推挙を受けて人を選定しておるとおっしゃいました。そして、問題がある方の交代をお願いしているということでありましたが、私は、そうしたやり方では国民不在。

 本当にこれは、国民的疑惑が抱かれた中で、特に一号、二号については、各団体がおのおの推挙してこられます。それで、推挙してこられた方が逮捕されているという事態にあって、結局、国民サイドに立って厚生行政をつかさどる厚生省が、今もって、きょう段階でこういうホームページのしざまであるということ、余りにも私は、第三者的、国民の側に立っていない、事態の受けとめ方が甘いと思われますが、大塚局長はこの日本歯科医師会に二人の委員の交代ということをどのように強く求められたでしょうか。

辻政府参考人 私ども、先ほど申しましたように、逮捕されました方につきましては、関係審議会の運営が支障なく行えますように異動していただく、変更していただくということを要請する方針であるということでございます。

 ただ、ちょっと言葉が荒いのでございますけれども、懲戒といいましょうか、やめていただくということをやるときには、事案の、いわば容疑の確定が要るということと理解しておりまして、私どもは自発的にやめていただくということがまず必要と思いまして、私ども、それぞれの審議会の委員につきまして、それぞれの推薦元につきまして、辞職をしていただくように内々既にお伝えしているところでございます。

阿部委員 それは相手側から、みずから辞職するというのではなくて、例えば公益委員に関しては、問題のある行動があったときは、私たちが国会で任命し、そして罷免という手続をとるわけです。事こうした業界団体にかかわることになると、途端に厚生省側は、お願いしてやめていただくと。

 これは、疑義が発覚した段階で既にやはりきちんとそこは身を引かせるべきなんです、引いていただくべきなんじゃなくて。それくらい大きな、国民医療費の本当に大もとにかかわる問題なわけです。もちろんこの法律、昭和二十五年にできた法律でしょうか、社会保険医療協議会の法律上には確かに何の記載もございません。しかし、これだけ国民の関心事になったことについて、ひたすらお願い、辞退要求みたいなことでは、厚生労働省として、国民の命を預かり厚生行政に責任をとる省庁の役割が果たせないと思います。

 私は、やはりここが任命権者の大臣の責任と思いますので、大臣の御見解をお聞かせください。

坂口国務大臣 先ほど答弁いたしましたとおり、メンバーの変更を求めているところでございます。

阿部委員 これは特にこうした公の発表されているもの、きょうもこれは現段階でございます。二十日の朝あけたものでございます。本当にそのまま何の、自分たちの主体的な総括もなく、厚生労働省は出しているわけです。大臣は今、求めていかれますとおっしゃいましたが、迅速を旨としていただきたい。既に逮捕という事態が生じてから数日時間も流れておりますし、この間の遅い対応ということが、極めて厚生労働省のこの問題に対する危機管理のなさだと私は思います。

 そして、皆さんのお手元にお配りいたしましたように、この中央社会保険医療協議会委員は、八人のいわゆる支払い側の委員、それから八人の医療提供側の委員、そして公益を代表する委員は、このたびお一方きっと交代なさるということで三名でございまして、あと専門委員九名となっておりますが、坂口厚生労働大臣にお尋ね申し上げます。

 今、司法制度改革の中で、例えば裁判のような過程にも、多くの国民参加、裁判官と同じ数の国民参加をさせていこう、してもらおう、そのことによってよりオープンで私たちの実感に近い司法のありようができるのではないかということで改革が進んでおると思います。

 私は、医療問題もしかりだと思います。医療を受けるのは、おのおの一人一人の個人でございます。そこにあって、この一号、二号と言われる委員のおのおのに生じた不祥事、このことについて、実は国民は全くらち外、あえて言えば三人の公益委員の方がおいでですが、やはり国民の感覚に近く、例えば歯科の初診料のことでもそうです、もっともっと国民、患者団体の参加を私はこの機をきっかけに検討していただくべきだと思います。

 実はこれも、先ほど他の委員の御質疑の中で、大臣が、この中医協のあり方について、きちんと考えなければいけないという御発言ではありましたが、その主なる方向性、私は、密室の審議と言われて、それに、たまたま傍聴ができても、その場で国民の声を出す人たちがいなければ、やはり最後の最後は、国民が願う医療の形とは違う形で、医療のお金の点数、一点幾らが計算されていくと思います。しかし、それはこれからの少子高齢化の医療にとって不幸でございますから、大臣が大幅に、いわゆる患者さん、市民団体、さまざまな民間人をもっともっと積極的に入れていくという方向性を持ってのお考えをお持ちいただくようにお願いしたいですが、いかがでしょうか。

坂口国務大臣 中医協のあり方につきましては、いろいろの御意見が多分あるんだろうというふうに思っております。こういう機会でございますから、ひとつどういうふうに今後していくか、きょうはいろいろの提言もございましたから、そうしたことも参考にしながらしていきたいというふうに思いますが、いずれにいたしましても、非常に専門的なことを議論する場所でございますから、そうした専門性の全くない方をそこに多く入れるということも、これもまた問題でございます。

 それから、公益委員の皆さん方の人数につきましても、いろいろ御意見のあるところでございます。今後の問題として、よく会長さんの御意見も私は拝聴したいというふうに思っておりますが、現在は、この一号側と二号側との間の合意ができなければ前へ進まない、いわゆる多数決で決めるという形にはなっていないわけであります。公益委員の皆さん方には、その調停役をやっていただいているということでございまして、その調停役をやっていただく人数として現在が適切かどうかということはあり得るだろうというふうに私も思っております。

 公益委員としてのメンバーにどういう人を選ぶべきかということにつきましても議論はいろいろあるというふうに思いますが、そうしたことも含めて、今後のあり方、どうしていくかということをよく皆さんとお話し合いをしていきたいというふうに思っております。

阿部委員 私どもはこれまでも、いろいろな審議会に患者、市民サイドの代表を入れるべきであると。それは、大臣がおっしゃられたように、そのことの専門家であるかないかという考え方は、これは恐らく私と大臣が異なる点かと思いますが、患者さんたちは、自分たちの体のこと、あるいは病気のことは本当に御自身で勉強されますし、よく御存じだと私は思います。それから、今後は、そうした患者さん自身が自分の身体や病や治療についてもっともっと知って発言していくという流れに医療をやっていかないと、とてもとても担えるものではないと思っておりますので、その点については、私はもう一度大臣によく御検討いただきたいと思います。

 引き続いて大臣に御答弁をお願いしたいですが、実は今回、贈賄、贈った側で逮捕されました臼田歯科医師会長は、厚生省の設けます医道審議会の審議会委員でございます。現在も医道審議会の審議会委員であると思います。

 医道審議会というのは、大臣もよく御承知のように、倫理的あるいは医療の技術上、例えば医療ミスを起こしてしまった等々の問題で、医師が医師としての資格を欠いているような場合に、医道審にかけ、医道にもとるとして処罰する委員会ですが、その医道審議会の委員として臼田さんがおられました。はっきり言えば、捕まえる側の警察に本人が、何か事件を起こした人がいたと同じ構造をとってございます。

 少なくとも、この医道審議会の委員から即刻おやめいただく、このことを大臣の英断でやっていただきたい。そうでないと、国民にとって、数多い医療被害、問題を起こした医師の処罰、だれが処罰しているのと見たら、ああ、あの逮捕された人ということになってしまいますので、一点目、大臣の御決意をお願いいたします。

坂口国務大臣 事件の全容は、これは司直の手に今ゆだねられているところでございますから、その推移を見る以外にないわけでございますが、臼田会長の場合には、たとえそれが疑いであったとしても、この審議会に籍を置いていただくことは適当でないと私は思っております。おかわりをいただく決意でおります。

阿部委員 もう一つ、同じくその医道審議会で、一昨年の十二月に、医師及び歯科医師に対する行政処分の考え方という通達が出されております。この中で「贈収賄」という一項目がございまして、贈収賄は、もともと歯科医師としての業務に直接かかわる事犯ではないが、やはり信頼感を喪失せしめることから行政処分の対象とすることになっております。「特に医師としての地位や立場を利用した事犯など」、これは日本歯科医師会の会長としての立場の利用ですから、「医師としての地位や立場を利用した事犯など悪質と認められる事案は、重めの処分とする。」とございます。

 処分とは何か。例えば、青戸病院で患者さんを腹腔鏡の手術で死なせてしまった医師は、刑事処分が出る前に既にこの処分にかかり、今、医業停止を受けております。

 さっきの大臣の御答弁では、臼田さんについては、これから実際がどうなるかわからない。その後の判断となさるのか、それとも、やはり医道審議会というものが極めて厳しく医師の品格や行いをきっちり正すというその原点に立つのであれば、行政処分としての医師の資格の停止を求めたいと思いますが、いかがでしょうか。

岩尾政府参考人 容疑が事実であるとすればまことに遺憾でございますので、現在、検察が捜査中であると聞いておりますので、事実関係が明らかになるのを待って対応したいと思っております。

 歯科医師免許の取り消しや歯科医業の停止などの歯科医師法上の行政処分の対象となるか否かは、この事実関係が明らかになった段階で、歯科医師法の規定に従い、処分事由に該当するか否かを精査した上で医道審議会の意見を聞くことになっているということです。

阿部委員 私がわざわざ今読み上げましたこと、並びに青戸病院の事例、あるいは埼玉医大の事例、刑事処分が下っていないのです、まだ。しかし、医師として処分を受けました。

 私は、医道審議会という場の重要性、そして今回のような贈収賄に対しての、例えば疑惑とされた段階でも医業停止がふさわしいと思います。なぜそのように逃げて、判断を後送りにして、国民の求める、この私たちの医療の、本当に、お金のかかり方、そしてオープンな、透明なものにしてほしい、そうした国民の声に対して、あなたの今おっしゃったのは、処分はこの判決、判断がされてからという答弁でした。何度も申しますが、青戸の医師だってまだ判決なんておりていないんです。でも、医業は停止されたんです。これが医道審議会の判断なんです、一つの物事の。

 申しわけないけれども、私は大臣に伺いたいので、坂口大臣お願いします。

坂口国務大臣 これは、歯科医師法でございますけれども、その第七条の二項に、その前に四条がありまして、「歯科医師が第四条各号のいずれかに該当し、又は歯科医師としての品位を損するような行為のあつたときは、厚生労働大臣は、その免許を取り消し、又は期間を定めて歯科医業の停止を命ずることができる。」こういうことになっておりまして、いずれにしましても、これは医道審にかけて医道審で決定をしてもらわなければならないことでございますから、そういう経過はとらなければならないということでございます。

阿部委員 何度も申しますが、医道審のあり方自身も、これで本当に国民は、ええ、そんな、本当にそういう人がメンバーになっていたのかと思っているやさきでございます。そうした背景ということを踏まえて、きっちりした対処をしていただきたいと思います。

 あと多少のお時間があるので、申しわけありませんが、千葉健保連合会長に伺いますが、下村副会長は、現在の中医協の委員以外に何か厚生労働省の審議会の委員をお引き受けでいらっしゃいましょうか。

千葉参考人 現在、社会保障審議会の臨時委員をやっております。

阿部委員 そうしましたら、先ほど、千葉会長のいろいろな御答弁の中では、嫌疑が明らかにクロとわかってからというふうなお話でしたが、やはり国民はそれを求めておりません。会長たちのみずからの御判断で、辞任なりなんなりを検討していただきたい。

 それから、笹森会長にも、これは御答弁がいただけないかもしれませんが、実は連合の加藤副会長は、金品は授受したが、わいろ性についての自覚がなかったというふうに報道されています。私はこのことの方が重要なのではないかと思います。もらったけれどもわいろじゃなかった。例えば、五十万円もらった、何なんだと、もし、そういう自覚がない委員が労働者代表として、他の二百十六名お送りだということですので、これから検討なさいますときに、やはり、本当に何が問題であるのか。

 実は私は、病院の院長をやっておりましたが、ミカン一個もらわないというのを診療のモットーにした病院に勤めておりました。その言葉に代表されるのは、やはり、いただいたものにはそれだけの何かの見返りを考えなくてはいけないという場に自分がいるんだという自覚でございますので、もし加藤元副会長にわいろ性の自覚がないというようなことであれば、今回の二百十六人の方にいろいろ御指導いただくときに、そのあたりもきちんとわきまえた御指導をお願いしたいと思います。

笹森参考人 先ほど申し上げたのは、弁護士が接見をしたときの断片的な話の伝わり方ですので、正確にはわかりません。ただ、本人としては、請託を受けた記憶がない、したがって、わいろというふうには考えたことがない、こういう言い方のようです。

 しかし、連合としては、逮捕された翌日の十五日、緊急の三役会議を開き、中執で本人のすべての労働運動としての役職を解任いたしました。そして、その日から翌朝にかけまして、厚生労働省の方に各委員の辞任の手続をとらせていただいています。

 加藤はこのほかに本審の方は環境審議会の委員も務めておりましたが、これも辞任の手続を連合としてはとっております。

阿部委員 業界団体にあっては、それくらいの自己規律で臨んでいただきたいですし、厚生労働省も、もっときちんと自覚をした上で国民の側に立つ行政をお願い申し上げて、あと、委員長には、先ほど要求の参考人招致をさらに進めていただきますようお願い申し上げて、質問を終わります。

衛藤委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時三十一分散会


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