衆議院

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第8号 平成20年12月9日(火曜日)

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平成二十年十二月九日(火曜日)

    午前九時一分開議

 出席委員

   委員長 田村 憲久君

   理事 上川 陽子君 理事 鴨下 一郎君

   理事 後藤 茂之君 理事 西川 京子君

   理事 三ッ林隆志君 理事 山田 正彦君

   理事 山井 和則君 理事 桝屋 敬悟君

      赤池 誠章君    新井 悦二君

      井澤 京子君    井上 信治君

      遠藤 宣彦君    大野 松茂君

      金子善次郎君    川条 志嘉君

      木原 誠二君    木村 義雄君

      清水鴻一郎君    杉村 太蔵君

      高鳥 修一君    谷畑  孝君

      とかしきなおみ君   戸井田とおる君

      冨岡  勉君    西本 勝子君

      萩原 誠司君    林   潤君

      福岡 資麿君    矢野 隆司君

      内山  晃君    菊田真紀子君

      郡  和子君    鈴木 克昌君

      園田 康博君    長妻  昭君

      細川 律夫君    三井 辨雄君

      柚木 道義君    古屋 範子君

      高橋千鶴子君    阿部 知子君

      糸川 正晃君

    …………………………………

   厚生労働大臣政務官    金子善次郎君

   厚生労働大臣政務官   戸井田とおる君

   参考人

   (社会福祉法人日本身体障害者団体連合会常務理事・事務局長)        森  祐司君

   参考人

   (DPI日本会議・難病をもつ人の地域自立生活を確立する会代表)   山本  創君

   参考人

   (社団法人日本経済団体連合会労政第二本部労働基準グループ長)       輪島  忍君

   参考人

   (町田市障がい者就労・生活支援センターらいむセンター長)         天野 貴彦君

   参考人

   (社会福祉法人光友会相談役)           五十嵐光雄君

   厚生労働委員会専門員   榊原 志俊君

    ―――――――――――――

委員の異動

十二月九日

 辞任         補欠選任

  長崎幸太郎君     矢野 隆司君

  岡本 充功君     鈴木 克昌君

同日

 辞任         補欠選任

  矢野 隆司君     長崎幸太郎君

  鈴木 克昌君     岡本 充功君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、第百六十九回国会閣法第六九号)


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     ――――◇―――――

田村委員長 これより会議を開きます。

 第百六十九回国会、内閣提出、障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。

 本日は、本案審査のため、参考人として、社会福祉法人日本身体障害者団体連合会常務理事・事務局長森祐司君、DPI日本会議・難病をもつ人の地域自立生活を確立する会代表山本創君、社団法人日本経済団体連合会労政第二本部労働基準グループ長輪島忍君、町田市障がい者就労・生活支援センターらいむセンター長天野貴彦君、社会福祉法人光友会相談役五十嵐光雄君、以上五名の方々に御出席をいただいております。

 この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。

 本日は、御多用中にもかかわらず本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただき、審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。

 次に、議事の順序について申し上げます。

 最初に、参考人の方々から御意見をそれぞれ十五分以内でお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。

 なお、発言する際は委員長の許可を受けることになっております。また、参考人は委員に対して質疑することができないことになっておりますので、あらかじめ御承知おき願いたいと存じます。

 それでは、まず森参考人にお願いいたします。

森参考人 日本身体障害者団体連合会の森祐司と申します。

 私たちは、今回の障害者雇用促進法の改正に向けた労働政策審議会障害者雇用分科会や、それに先立つ研究会、多様な雇用形態などに対応する障害者雇用率制度のあり方、中小企業における障害者の雇用の促進、福祉、教育などとの連携による障害者の就労支援での議論に参画してまいりましたので、その立場から意見を申し上げます。

 委員の皆様のお手元に要旨をお配りしてございますが、これに基づきつつ、私の考えを述べさせていただきます。

 我が国における障害者の雇用義務制度は、昭和五十一年に創設されて以来、雇用納付金制度と相まって、障害者雇用の促進と雇用の安定に一定の成果を上げているのではないかと思っております。実際、全体的な企業の雇用率は、平成二十年には一・五九%と、平成十六年の一・四六%から徐々にではありますが改善されてきていると思います。

 一方、近年、かつて障害者雇用の大きな担い手でございました中小企業の実雇用率は低迷が続いており、改善がおくれている状況にあります。言うまでもなく、雇用義務を負っておる中小企業、すなわち労働者が五十六人以上の企業でございますが、地域の有力な企業でありますし、住みなれた地域からの通勤の容易さなどを考えますと、障害者にとって中小企業における障害者雇用の拡大が極めて重要であります。

 また、現行制度では、雇用義務制度は一週間の所定労働時間が三十時間以上のフルタイムの労働者が対象であります。つまり、その企業にフルタイムの労働者が何人いて、それに対してフルタイムの障害者を一・八%雇用しているかどうかというものであります。一方、週所定労働時間が二十時間以上三十時間未満である短時間労働につきましては、障害の特性や程度によりフルタイムで働くことは難しいが短時間労働ならば可能といったケースなどもあります。このニーズも高いものであります。また、いわゆる福祉的就労から一般雇用に移行するに当たりまして、まずは無理をしないで済む範囲内で働くという意味で、段階的な就業形態としても有効なものであると考えます。

 今回の障害者雇用促進法の改正案におきましては、昭和五十一年の制度創設以来、雇用納付金制度の適用が暫定的に猶予されてきました労働者三百人以下の中小企業につきまして段階的に制度の適用対象とすること、また、短時間労働も雇用義務制度の対象として追加することなどが盛り込まれております。

 これらの改正事項は、障害者の就労意欲の高まりにこたえ、働く意欲や能力のある障害者の雇用を一層促進するために大変重要なものであることから、日身連といたしましては本改正を支持するものであります。

 第一に、中小企業に対する障害者雇用納付金制度の適用につきましては、近年、中小企業の実雇用率が低迷している状況にかんがみて、障害者雇用に対する企業の理解や、助成金や予算措置を通じた雇用支援策を充実させることも重要ではありますが、それらのみでは障害者の雇用の場を確保、拡大していくことには限界があるように思います。

 このため、納付金制度の適用対象を拡大し、中小企業でも取り組みがおくれている企業からは雇用納付金を徴収する一方で、頑張っている、障害者雇用を進めている企業については雇用調整金を支給するという形にすることが必要だと考えます。

 昨今、経済状況が厳しくなっておりますが、障害者雇用に取り組む中小企業への支援も同時に行っていただきながら、基本的にはすべての企業において障害者雇用への取り組みが行われるよう、ぜひとも本改正を実現していただきたいと思います。

 第二に、先ほども申し上げましたように、今回の改正におきましては、一週間の労働時間が二十時間以上三十時間未満の短時間労働者も障害者雇用義務制度の対象とすることが盛り込まれておりますが、このような短時間労働者もカウントしていくことが必要であろうと思います。

 もちろん、本人がフルタイムで働くことを希望しているのに短時間労働に切りかえさせられるといったことはあってはならないことでありますので、行政がしっかり監視する、チェックしていくことが不可欠であると思います。しっかりとした対応をお願いしたいと考えております。

 第三に、障害者雇用と福祉、教育などとの連携でございます。

 特別支援学校や普通学級に在籍する障害児や、就労移行支援事業などを利用した障害者など、教育や福祉から一般雇用への移行を希望する障害者は今後増加することが見込まれますので、雇用、福祉、教育などが連携を密にして就労支援を効果的に進めていく必要があります。

 そのためには、まず基本的な部分といたしまして、ハローワークが国の第一線の労働行政機関として、障害者に対する職業相談、職業紹介に責任を持って取り組んでいただくことが必要であり、地域における就労支援の中核として、福祉施設や特別支援学校など及び他の就労支援を行う機関との連携を十分に図っていくことが必要であると思います。

 その上で、その他の機関といたしまして、まず各都道府県にございます地域障害者職業センターにおいて、みずから実施する障害者への支援を充実させるとともに、地域の他の就労支援を行う機関、そこには就労移行支援事業だけでなく学校なども入りますが、これらに対しましてノウハウを与える、就労支援の実力をつけさせていくことが必要であると思います。

 また、就職するだけでなく、障害者にとって、就職後の継続的な支援が非常に重要であります。障害者就業・生活支援センターは、仕事と生活面、両方の支援を行う機関として設置されておりますが、まだ約二百カ所であり、全障害保健福祉圏域約四百カ所への設置を計画的かつ早急に進めていく必要があると思います。

 第四に、障害者権利条約の締結に向けた対応について申し上げます。

 この条約は、障害者の権利及び尊厳を保護、促進するための総合的な国際条約であり、私たちも大きな関心を持っております。労働分野においては、すべての雇用に関する事項につきまして、障害を理由とする差別の禁止や職場における合理的配慮の提供といったことを求めております。審議会でも取り上げられましたが、合理的配慮という我が国のこれまでの法令にもない新しい概念であり、別途じっくり整理する必要があるということで今回の改正には盛り込まれておりませんが、今後、条約の批准、締結という段階に向けて、しっかりと検討していく必要があると思います。

 本条約につきましては、既に超党派の議員連盟が発足しており、私たちも日本障害フォーラム、JDFに参加し、条約の批准に向けて連携して活動しております。また、本年四月から、厚生労働省にも労働・雇用分野における対応のあり方に関する研究会が設けられ、私も委員として参加しておりますが、さまざまな障害者団体からヒアリングを行いつつ検討が進められております。

 検討の結果、必要な制度改正を行いましても、実際に制度がきちんと機能し、障害のある方が職場で障害のない方と同じように働けるようになることが重要でありますので、引き続き、障害当事者、団体の意見を聞きながら、制度検討を進めていただくようお願いいたします。

 最後に、繰り返しになりますが、今回の改正、特に中小企業について雇用納付金制度の対象となることにつきましては、まさに三十数年越しの改正になるわけでございますが、このような厳しい経済情勢ではございますが、障害者雇用の場、障害者雇用の機会を拡大するものとして必要なものと考えておりますので、ぜひ早期の実現をお願いいたします。

 以上でございます。ありがとうございました。(拍手)

田村委員長 森参考人、ありがとうございました。

 次に、山本参考人にお願いいたします。

山本参考人 DPI日本会議所属、難病をもつ人の地域自立生活を確立する会代表の山本です。

 私は、私自身が重症筋無力症という難病の当事者です。本日は、一難病の当事者としても発言をさせていただきたいと思います。

 最初に、委員長にお願いがございます。きょうは、利尿作用が大変強い薬等を飲みながらの参加になっておりますので、途中でトイレ休憩等をとらせていただいたり、あとは、座っての発言等をさせていただく合理的配慮をお願いしたいと思いますが、よろしいでしょうか。

田村委員長 どうぞ。

山本参考人 ありがとうございます。では、座って発言させていただきます。

 本日は、資料を用意させていただきました。障害者の権利条約にむけてと表題のあるこちらの資料を御参照ください。

 まず最初に、国連で採択された障害者の権利条約におきましては、いよいよ日本でも国内履行、批准を視野に入れた取り組みが必要になっております。障害者の雇用の促進等に関する法律についての審議ではございますが、ぜひとも、単にこの法律や障害者自立支援法、障害者基本法等の一部改正で終わらせることなく、障害者の就労施策全般に関する議論が必要です。

 障害者が一人の働く権利ある主体者として、福祉と雇用の縦割りを解消して、障害者の尊厳ある労働を確立していく抜本的な見直しが必要です。権利を新たにつくって付与するのではなく、他のものとの平等を基礎とした障害者差別禁止法、車の両輪であるべき障害者総合福祉サービス法等も見据えた議論を、政策立案から当事者の参加が保障された場で、国会でもぜひ継続して審議の場を持っていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

 障害者自立支援法では、障害者がもっと働ける社会にといううたい文句を掲げております。障害者がお金を稼いでそのお金で生計を立てていく、それも確かに一つの自立です。しかし、私たちは、どんな障害、どんな重度の障害があっても、自分に関する生活は自分の選んだ地域で自分で決めることができる、自分を律する、自律も含めたもっと広い意味での自立の概念を使ってきました。手に職をつけることは確かに大切です。しかし、財政抑制の中で行われた改革で、障害は自己責任で本人の自己努力で克服するもの、訓練主義の強調、一般企業で働くことイコールメジャーリーグ論的な就労観、成果主義的な報酬体系の組みかえばかりが強調され過ぎてはいないでしょうか。自立と孤立は違います。

 もっと働ける社会というのであれば、企業や社会、労働の環境側も変わり、多様性あるさまざまな障害者を社会に包み込み、インクルージョンしながら、障害があってもなくてもともに働いていける環境をつくっていくことも大切です。一部の人たちしか生きていけない社会は逆にもろくて弱い社会です。私たち当事者と支援者は、一九九〇年代から、一人一人に合わせたサポートを行い、障害者が一人の働く権利ある主体者として認め合った上で多様性等を尊重する就労支援を展開してきました。障害者権利条約をてこに、訓練主義、成果主義的労働を強調する施策から、人間らしい権利が保障された就労、必要な支援を受けながらの就労へ向けて大きく方針を転換して、ともに一歩を踏み出していただきたいと思っております。

 次に、DPI日本会議が提出した要望書に沿って何点か指摘させていただきます。

 三ページをごらんください。まず最初に1の(1)です。障害者の定義を見直し、重度障害における法定雇用率上のダブルカウントを廃止してください。身体障害者等級一級の中でも、人工呼吸器をつけた寝たきりの人から下肢障害のみの人も含めてさまざまです。そもそも身体上の障害と就労上の障害はギャップがあります。この問題は最後にも詳しく触れさせていただきます。

 権利ある一人の障害者を、最低賃金から除外したり、ダブルカウントして半人前のように扱う制度自体、問題です。雇用を促進するためには、こうした現在の制度的不備の解消や法的権利規定を整備した上でのきめ細やかな合理的配慮、賃金補てんをしながらの働き方などが必要です。同一労働、同一賃金の原則は障害者においても同じです。

 例えば、制度的不備の例でいいますと、就労の際に必要な介助制度も、管轄されている行政ごとで分断され、非常に利用しにくいものとなっています。職場での介助制度は自立支援法と違い、雇用主への援助メニューで別制度となっており、期限も区切られています。延長措置をとっていただきましたが、障害がなくなるわけでもありませんから、恒久的な制度をぜひともお願いしたいと思っております。

 トイレや食事介助など、仕事中でも必要な介助はありますが、障害者自立支援法の介助は利用できません。しかし一方で、通勤は自立支援法の地域生活支援事業です。自治体の判断でできることにはなっていますが、限られた予算の中で丸投げされてほとんど実施している自治体がなく、通勤における介助の空白が生じています。

 このような縦割り行政で分断されている現状は、一人の障害者が働く際に必要な介助といった視点から、自立支援法の個別給付でも柔軟に対応できるように検討していただきたいと思います。

 次に、1の(4)です。本日は、資料二として障害者権利条約で日本政府代表顧問を務めた東俊裕氏の資料、「わが国における「合理的配慮」のあり方について(論点整理)」をつけておりますので、合理的配慮の詳細につきましてはこちらをごらんください。

 障害者の権利条約第二条では、合理的配慮をしないことは差別であると明記されました。しかし、日本では公務部門でさえ、障害者採用試験の際に必要な点字試験の実施や手話通訳の配置等の合理的配慮の提供を放棄したり、自力通勤、介助者なしの職務遂行ができるかどうかを挙げている自治体すら多く存在しています。

 一般の企業を含め、こうした現状においては、必要な職務を遂行するための合理的配慮を企業側だけに求めるのではなく、障害者権利条約第四条一項(e)で指摘するように、国の支援も含めて適切な措置をとる必要があります。

 次に、2の(1)です。

 非正規雇用は格差社会の温床ともなっていることを踏まえ、従来の正規雇用を原則としてください。これは、障害があってもなくても同じです。また、昨今の急激な景気悪化を受けて、社会的弱い立場に置かれている病気を持つ人とか障害者の人が真っ先に雇用が打ち切られることがないように、セーフティーネットの整備、緊急の対策をぜひともお願いいたします。景気悪化による雇用対策は待ったなしの状態です。

 次に、(2)、(3)です。

 短時間労働の法定雇用率への算入に当たっては、本人が希望することを前提としてください。

 短時間労働は、精神障害者や私たちのような難病者にとって、長時間労働が難しい障害者にとっては確かに有効です。しかし、正規雇用者が短時間労働へ身分移行される、障害者自身の意向を無視して実施されることがないように十分に注意する必要があります。また、そのようなことが起こらない仕組み、是正できる制度、体制が必要です。

 障害者の権利条約第二十七条では、「障害者が自由に選択し、又は承諾する労働によって生計を立てる機会を有する権利を含む。」とされています。当該障害者が、希望する働き方として自己選択及び自己決定したときのみ対象とすることとしてください。

 4には、福祉的就労の場から費用負担を求めることはおかしい問題等、その他つけていますが、要望書に列記しておりますので、御参照いただければと思います。

 次に、私自身の難病等にかかわる問題です。

 就労上の障害者の認定の問題について、最後の十五ページ、十六ページに資料三をつけておりますので、こちらをごらんください。

 例えば、腎臓障害があり、軽作業を超える作業の回避が必要である人は、身体障害者手帳の対象となり、就労施策は利用できますが、同じように社会的制限が認められていても、肝臓障害の人は障害手帳の対象とならないために就労施策が使えません。同じように、HIVで疾患が認められ、軽作業を超える作業の回避が必要である人は障害手帳がとれますが、同じような社会的制限がある難病の人は手帳の対象とならないために制度が利用できません。

 どちらも支援を必要としている同じ人間です。臓器や疾病別で認定項目に不備のある身体障害者手帳を入り口の要件としないで、必要な福祉を利用できるようにしてください。

 二番目です。就労における独自の障害の認定方法の開発は急務となっています。

 障害者の権利条約では、障害は環境との関係において見ていくこと、社会生活上の参加制限に着目し、一部の障害者を排除してはならないとしています。そもそも、就労上の障害と現在の障害認定である身体機能やIQ上の障害とでは大きなギャップがあります。

 障害者の権利条約の批准も見据え、昭和二十年代にできた身体障害者福祉法の障害認定基準のみで対象を規定するのはもうやめにして、就労上の障害認定方法を新たにつくっていく必要があります。早急に結論を得て、制度化するような取り組みを国会で決議していただきたいと思います。

 若くして難病を発症して、一生この難病や障害を持ちながら最後まで生活を続ける仲間がいます。若年の難病者たちは、十年以上も研究だけが続けられ、待ち続けています。さらに検討だけが続き、放置されることがないようにしてください。

 就労上の障害認定ができるまでの間は、暫定的な救済措置を講じてください。肝臓障害や難病等の原因となる機能障害が認められ、社会参加上の制約が現在の身体障害者福祉法上の活動制限と同程度と認められる場合は、障害者手帳を持っていると同等とみなして、特定求職者雇用開発助成金や法定雇用率等の対象としてください。

 このような同等とみなし対象とする制度は、公営住宅法施行規則第二十四条の一号でも既に運用されております。ぜひとも、救済措置を講じることの今国会での議決、今国会での解決をお願いしたいと思っております。

 入院中、同部屋であった多発性硬化症の仲間は、退院後、障害と同等とみなす市の独自施策を活用しながら、公的機関で発生する仕事を、仕事を求む障害者とともに、透明性のある公募方式で仕事を分配するシステムをみずからつくり出して、働く機会をつくり上げようとしていました。今は体調を悪化させ自宅療養をしていますが、できるところから、少しずつ、何度でもやり直そうとしています。初めは孤立し、空想しているだけでした。しかし、必要な支援を少しでも活用できたことで可能性が広がり、ともに働く人と人とのつながりも広がり、事業がどんどん実現していきました。新たな支援をすればいっときの支出は出ますが、長期的な効果を見れば、こういった可能性を広げる支援こそ充実させるべきではないでしょうか。

 障害や難病は、だれでもなり得る可能性があります。しかし、今の障害者福祉は限定的な手帳制度で、入り口規制があり、穴だらけで、十分なセーフティーネット機能を果たしておりません。EU諸国でもこのような入り口規制をしている国は見当たりません。雇用制度と障害者自立支援法、年金制度の間も、稼働能力の減退等を加味していないために、ぽっかりと穴があいています。

 まだまだ支援を必要としている多くの障害や難病の仲間が地域で孤立しています。こういった人たちを含め、新たな制度をつくっていくことが必要です。ぜひとも、このような社会保障費は、一律に抑えていくのではなく、新規の事業を積極的につくっていく、大胆に充実させていく、お金の使い道を変える、皆さんの政治的判断が今こそ必要です。

 諸外国と比べても、日本の障害の範囲は大変狭く、障害福祉に関連する日本の予算も、先進諸国の中でも極めて低水準です。障害者予算の対GDP比でも、イギリスの四分の一、あのアメリカと比べても二分の一程度でしかありません。

 何とぞ、障害者全体のパイを広げていく取り組みを皆さんとともにできればと思っております。御理解、御協力のほど、よろしくお願いいたします。

 以上です。(拍手)

田村委員長 山本参考人、ありがとうございました。

 次に、輪島参考人にお願いいたします。

輪島参考人 おはようございます。御紹介をいただきました日本経団連の輪島と申します。

 本日は、障害者雇用促進法の改正に向けて、私が労働政策審議会障害者雇用分科会の委員としてこれまで審議に参加をしてまいりましたので、その立場から発言をさせていただきたいというふうに思っております。

 まず、全体の今度の法律改正の意義でございますけれども、短時間労働者が雇用義務の基礎になるというようなこと、中小企業への納付金制度の適用というような改正点がございまして、全体的には、企業にとっては大変厳しい側面があるというふうに認識をしております。

 ただ、しかしながら、今回の改正に向けた検討に当たって、中小企業も含めて、企業側として、今後積極的に障害者雇用に取り組むという認識は必要なのではないかというふうに考えているところでございます。

 一方、企業側も、事業経営とそれから障害者雇用という社会的責任、貢献ということについて、今後さらに両立を深めていかなくてはならないということでございまして、さまざまな支援策を含めて、実際に企業にとって障害者雇用の障壁となっているものを取り除いていただきまして、障害者の雇用ができる限り進むように御尽力をいただきたいというふうに思っているところでございます。

 具体的には、今度の法改正について三点申し述べたいと思います。

 障害者雇用の短時間労働への対応ということでございますが、審議会でも、障害者団体それぞれすべての団体から短時間労働に対するニーズというものが表明をされております。そういう点からいうと、この短時間労働への対応というのは非常に重要なのではないかというふうに考えております。

 その際に、現行の短時間労働の重度身体障害者及び重度知的障害者や精神障害者の特例というのがございますので、そういうものもあわせて、障害者雇用率及び実雇用率の算定に当たって、この短時間労働について〇・五というふうにカウントをするというのは適切な判断なのではないかというふうに思っております。

 ただし、いわゆる短時間労働者をたくさん雇用している既存の業種、業態がございます。例えばチェーンストアであるとか外食産業であるとか卸、小売業というようなところは既に短時間労働者がたくさんおります。そういった業態が今度の短時間労働の算定の基礎に入ることによって、実際には今やっている実雇用率を大きく下げてしまうということがございます。

 あるスーパーでは、現在では二・〇%という雇用率を誇っておりますけれども、今度の制度が入ることによって、実際には一・七に下がってしまうという事例がございます。一・八でとどまるのであれば何とかありますが、一・七という未達成状況になってしまうというのは大変混乱が予想されるのではないかというふうに思っておりますので、そういう意味におきましては、今回の法律改正について十分な準備期間を持って、または周知期間を持って施行していただきたいというふうに思っているところでございます。

 二点目は、中小企業における雇用支援策と経済的負担の調整でございますが、雇用支援策ということで、中小企業、中堅企業、障害者の雇用になじんでいない企業が非常に多いというのが実態なのではないかというふうに思っております。

 そういった観点で、経済的負担の調整をする前には、やはり十分な雇用支援策をしていただく必要があるのではないか。雇用のマッチングに対する支援、障害者雇用の経験の少ない中小企業に対するきめ細かな対応というようなものが必要なのではないか。また、今回の中には、複数の中小企業が事業協同組合等を活用して共同で障害者雇用をする仕組みというようなものも提案をされております。そういったものも十分活用していただいた上で、納付金の対象を二百人、さらには百一人にまで拡大するということについてはやむを得ないのではないかというふうに思っているところでございます。

 三点目は、企業グループにおける障害者雇用の促進でございます。

 企業グループの中には、業種、業態によって、労働環境、職務内容などの違いによって、障害者の就労しやすい会社、そうでない会社というのがございます。子会社の業務内容に応じて雇用し、グループ全体で障害者雇用を促進するということが期待されるわけでございまして、今回の企業グループ全体での雇用率の算定ということについては非常に大きな期待を持っているところでございます。

 それから、私の方から資料をお届けさせていただいておりますので、若干、簡単に御説明をさせていただきたいと思います。

 一ページおめくりをいただきますと、雇用の推移でございますが、これは先生方、十分御理解をいただいている点だと思いますが、直近の実雇用率一・五九、昨年の雇用率が一・五五でございまして、現在では三十二万六千人が雇用されている。昨年から比べますと二・三万人ふえているということでございます。ここ数年、一年間に約二万人ずつ雇用がふえているという趨勢でございます。

 次のページ、三ページ目は、企業規模別のものでございます。

 次のページ、四ページ目でございますが、ここに課題があるのではないかというふうに私どもは認識をしております。

 この表は、障害者不足数の階級別の法定雇用率未達成企業数でございますが、全体で、左の上にありますように四万二百三十九社が五十六人以上の企業規模で未達成状況ということでございます。

 ただ、不足数を見てみますと、一人不足、二人不足というところがございます。一人不足企業は二万四千七百九十二社、二人不足企業は八千七百六十八社ということでございます。つまり、全体の四万社の中で二万四千社は一人不足企業、全体の六一%でございます。二人不足企業を合わせますと、八三%が一人ないし二人不足企業ということになります。そうしますと、職場において一人ないし二人を受け入れる仕組みというものを確立しないと、企業側としてはなかなか受け入れる環境にならないということでございます。

 そういう意味では、現在行われておりますトライアル雇用だとかジョブコーチ制度だとか、そういうようなものを活用して職場に十分なじむような仕組みというようなものを一つ一つ、つまり二万四千社すべてに行う必要があるということでございまして、一社一社ずつ開拓をしていかなくてはならないというのは、これから大変大きな課題があるのではないかと思っております。

 また、次のページ、五ページ目でございますが、全体に、実雇用率と一・八%の差は左側にございますように約八万人でございます。つまり、一・八%の法定雇用率を達成するためには全体では八万人の雇用が必要だ。未達成企業四万社でございますから、平均的に言うと一社が二人ずつ採用すれば一・八%は達成できるという計算上のものでございます。

 ただ、右側からどのように就職をしているのかということになりますと、平成十八年度で、ハローワークからは四万三千九百八十七件、学校からは三千百四十八人、福祉施設からは二千人ということで、平成十八年度では大体四万九千人の方が就職をしている。

 ただし、実雇用率の推移、二ページ目で見ていただきましたように二万人しか上がっていないということは、離職が二万人ないし二万五千人ぐらいあるということでございます。ですから、ハローワークは一生懸命就職についてはサポートしているわけですけれども、むしろ離職をどうやって抑えていくのかというようなことも次の課題になるのではないかというふうに思っているところでございます。

 最後に、六ページ目でございますが、これから知的障害者、精神障害者の雇用を促進していくという観点に立ちますと、労働の分野と福祉の分野、雇用の分野と福祉の分野がさらに連携をしていかなくてはならないというふうに思っております。特に、真ん中に書きましたトライアル雇用、委託訓練、ジョブコーチ事業、それから各種助成金で行われております職リハ事業というものをさらに充実をしていっていただきたいというふうに思っているところでございます。

 私からは以上でございます。ありがとうございました。(拍手)

田村委員長 輪島参考人、ありがとうございました。

 次に、天野参考人にお願いいたします。

天野参考人 おはようございます。

 御紹介いただきました町田市障がい者就労・生活支援センターらいむの天野と申します。私の方は、障害者の就労支援、現場の立場から意見を述べさせていただきます。

 町田市障がい者就労・生活支援センターらいむは、東京都の要綱に基づき、町田市が設置主体となり、社会福祉法人ウィズ町田が事業委託を受けて運営している事業です。雇用促進法に基づき障害者就業・生活支援センターの制度がありますが、東京都の就労支援センターは、国制度と目的を同じく、より身近な地域において障害者の就職を支援するとともに、障害者が安心して長く働き続けられるよう就労面と生活面の支援を一体的に提供しようとするもので、現在、都内四十区市に設置されております。

 「らいむ」の事業は、平成十六年度から実施しております。事業対象者は一般企業で働くことを希望する障害のある人で、障害の種別や手帳の有無は問わずすべての障害者を受け入れております。

 就労支援の一般的な流れとしては、お手元の表に示したような流れになっておりますが、障害者一人一人のニーズに対応した個別支援が中心となるため、支援の進め方や内容も対象者に応じて変わってきます。就労支援とあわせて、就労生活を支えていくための生活支援を行っています。生活支援の内容は多岐にわたっております。

 就労、生活支援ともに、私ども「らいむ」単独ですべての課題に対応していくことは困難です。そのため、地域のさまざまな機関と連携をとり、地域の中で就労、生活支援のネットワークを築き、支援を行っています。

 障害者の就労や生活を、例えば、「らいむ」という一つの機関が点で支えることにはおのずと限界があります。地域の中にあるさまざまな機関が連携と役割分担のネットワークを築き、面で支えること、障害のある人にとってはより多くのサポーターがいることが最も大切です。法律や制度の制定に当たっては、障害者を中心に置いたネットワークをどう築き上げていくかという視点が不可欠であると考えます。

 「らいむ」の利用登録者数は現在四百七十三名です。障害別の内訳では、身体七十一名、知的百六十五名、精神二百九名、その他二十八名となっています。身体に比べて知的や精神の比率が高いことからは、知的や精神の人たちが、身体の人と比べて、就労に関してはより多くの困難を抱え、そのため、より多くの支援を必要としていることが言えます。

 そのほかには、発達障害や高次脳機能障害、てんかんの人などが含まれています。障害者自立支援法では、身体、知的、精神の三障害の一元化が目指されましたが、発達障害や高次脳機能障害などの人たちは、依然として法の対象外に置かれたまま、就労に関しても、知的や精神の人よりもさらに困難を抱え、多くの支援を必要としています。

 これまでに、「らいむ」の支援を受けて延べ百四十名の方が新規に一般就労しています。百四十名のうち現在も就労継続中の人は八十一名で、全体の職場定着率は約六割となっています。障害別に定着率を見ると、精神とその他がこの六割を大きく下回っています。

 平成十八年の四月以降、精神障害者も雇用率に算定されることになりましたが、依然として雇用義務の対象になっていないこと、また、疲れやすい、調子の波があるといった病気や障害の特性がなかなか理解してもらえず、職場内で孤独感や不安に陥りやすいといったことが離職の大きな原因として考えられます。

 平成二十年五月、障害者権利条約が発効し、我が国でも批准に向けての検討が進められています。この条約の中核をなすのが合理的配慮という考え方です。これは、障害のある人が、就労を含めた社会参加を図るための必要かつ適当な変更や調整を社会の側が行わなければならないとするものです。

 将来的には、障害者差別禁止法や障害者総合福祉法といった法制度の整備が強く望まれますが、少なくとも、現行の雇用割り当て制度の中においても、精神障害や発達障害などすべての障害者を雇用対象の義務とし、一人一人異なる病気や障害の特性に合理的配慮をした雇用環境をつくり出していくことが課題であると考えます。

 「らいむ」の支援を受けて一般就労した百四十名のうち四十五名は、授産施設などの福祉的就労から一般就労に移行した人です。特に昨年、十九年度には二十二名が移行しています。この背景には、平成十八年に障害者自立支援法が施行され、就労支援がその大きな柱として掲げられたことがあります。

 法の施行以前の授産施設から一般就労への移行率がわずか一、二%で、本来は企業で働く力を持った障害のある人までも、ずっと施設の中に囲い込んでいたという状態が改善されてきていることについては、一定の評価ができます。

 しかし、自立支援法では、働くことができる場合には訓練を、それが困難な場合には介護をという二者択一の事業体系となっています。訓練か介護か、雇用か福祉かという二分的な枠組みではなく、障害者一人一人のニーズや障害状況に応じて、働くことへの支援と福祉的な支援の双方が適切に提供される対角線的な仕組みづくりが必要です。

 また、自立支援法の施行により応益負担が導入されたことで、障害者やその家族に過度な負担を強いるようになったことは周知のとおりです。応益負担とあわせて報酬が日額払いとなったことで、私たち事業者も大幅な減収の危機にさらされ、不安な日々を過ごしています。

 先日、NHKの番組で、私どもウィズ町田が経営する就労移行支援事業所、美空が紹介されました。美空は、平成十八年十一月に就労継続支援A型事業所、スワンとの多機能型事業所として開設しました。

 美空では、「らいむ」との連携のもとに、これまでに十名の障害者を一般就労に移行させてきました。障害者が自分の夢を実現し一般就労することは、私たち支援者にとっても大変うれしいことです。ところが、事業の目的を果たせた喜びに浸っている間もなく厳しい現実を突きつけられました。利用者が就職した時点で、それまでその利用者に対して支払われていた報酬が一円も入ってこなくなってしまいました。複数の利用者が続けて就職した翌月には収入が半減してしまうこともありました。報酬の日額払いによる影響です。

 また、就労系事業では、一定数以上の一般就労を実現した場合、事業所に対して翌年の報酬が加算されます。しかし、応益負担の制度の中では、この加算は、一般就労できずに取り残された利用者や新規の利用者が負担する仕組みになっています。

 就労継続支援A型で実施しているスワンは、地域最低賃金を支給しています。報酬単価は全国一律であるにもかかわらず、最低賃金は都道府県ごとに定められ、東京の最低賃金は全国で一番高い金額となっています。今後、段階的に最低賃金が引き上げられていく中で、どこまで自助努力で頑張り切れるのかという強い不安があります。

 また、スワンの利用者は、雇用契約と利用契約の二つの契約を交わしています。雇用の場であるにもかかわらず利用料を負担しなければならないという矛盾に対する声が利用者から多数上がっています。

 平成二十年六月一日現在の障害者の雇用状況についての報告が、先月、厚生労働省より発表されました。表題には「公的機関、民間企業の障害者雇用は着実に進展」と大きくうたわれていますが、果たして実際の状況はいかがなものでしょうか。

 最後に、この報告に関連して参考人の意見を述べます。

 第一に、都道府県教育委員会のうち法定雇用率を達成している機関が、四十七機関中わずか四機関にすぎないということです。

 本来、民間に率先垂範して法定雇用率を達成する立場にあることに加え、障害者理解や差別の防止のための教育を担うべき機関において長年にわたりこうした未達成の状況が続いていることは、決して看過できません。教育委員会の職員で大きな割合を占める教員において障害者雇用を積極的に図っていくこと、そのために必要な環境整備を十分に行うことが必要であると考えます。

 第二は、民間企業の法定雇用率の達成状況に関することです。

 全体の実雇用率は、対前年比で〇・〇四ポイント上昇して一・五九%となりました。しかし、一番の問題は、昭和五十一年に義務雇用制度が開始されて以来、三十年以上、一度として法定雇用率を達成したことがないという事実にあります。我が国の民間企業における現在の法定雇用率は一・八%であり、これは、同じ雇用割り当て制度を行っているフランスやドイツの数字と比べてはるかに低く、お隣の韓国にも及びません。

 実雇用率一・五九%という数字は、法定雇用率の対象となる企業に勤める障害者数を算定基礎となる労働者数で割ったものですが、この障害者数は実際に企業で雇用されている障害者数とは違っています。重度の身体と重度の知的障害者については、法律上、一人を二人に相当するものとしてダブルカウントがなされています。もしダブルカウントをしなければ、実際の雇用率は一・一八%に落ちてしまいます。昭和五十二年の実雇用率が一・〇九%ですから、障害者の雇用が着実に進展しているとはとても言えません。

 「らいむ」の登録者もお世話になっているユニクロさんのように、一店舗に必ず一名の障害のある人を雇用する、障害のある人を雇用することで店舗全体のお客様サービスの質が向上するという高い企業理念を掲げ、積極的に障害者雇用に取り組んでいる企業がある一方で、雇用率を達成している企業の割合はいまだ過半数にも達していません。障害者を雇用するよりも納付金を支払った方が安上がりと考えている企業がたくさんあるのです。

 また、報告では、企業規模別に見て、中小企業の実雇用率の低さを指摘しています。今回の改正法案でも、納付金制度の適用対象を百一人以上規模まで拡大することが上がっています。しかし、資本力のある大企業が特例子会社制度などを活用して障害者雇用を進めているのと同様の手法をとることは、資本力の弱い中小企業にとって、ましてやこの不況下では極めて困難です。一方で、より就労に困難を抱えている精神障害者については、大企業以上に中小企業が積極的に雇用しているという実態もあります。

 今後の障害者雇用促進法の改正に当たっては、精神障害者はもとより、発達障害者など法の外に置かれているすべての障害者を雇用義務の対象とし、法定雇用率を早急に引き上げること、中小企業が積極的に障害者雇用に取り組めるよう、助成金等の制度をより下に厚くすることとあわせて、制度の利用が図られるよう周知していくこと、納付金の金額については、納付金を支払った方が安上がりといった間違った論理がまかり通ることのないよう、特に大企業においては地域最低賃金とリンクさせる、そういったことも考えていただきたい。

 障害に起因するあらゆる差別をなくし、義務だから雇用するのではなく、雇用しないことは恥ずべきことといったノーマライゼーションの考え方をすべての公的機関、民間企業が共有し、実行する土壌づくりを期待します。

 また、障害者の就労、生活を面で支えるためのネットワークづくりとして、また福祉行政と雇用行政の連携を強化していく上でも、雇用促進法に基づく障害者就業・生活支援センターについては、障害福祉圏域を単位とするのではなく、ハローワーク管内に一カ所の整備を図ることが有効ではないかと考えております。

 以上で私の意見陳述を終えます。ありがとうございます。(拍手)

田村委員長 天野参考人、ありがとうございました。

 次に、五十嵐参考人にお願いいたします。

五十嵐参考人 私は、きょう、特にレジュメは用意してありません。

 戦後の障害者関連の法令を見ますと、一九四九年の身体障害者福祉法から始まって、六〇年の知的障害者、精神薄弱者とそのころは言っていましたが、知的障害者福祉法、さらに、そのときに身体障害者雇用促進法ができたんですね。だから、そこから計算しますと、もう既に五十年たっているわけですね。五十年たって、少しは動きがありますけれども、遅々として動かない。

 それは、基本は人というものをとらえるとらえ方の違い。つまり、社会的責任とか義務とかというのじゃなくて、本当に我が子が一人一人の障害者となったらどうかという、自分のことに振り返って一人一人の行政マンが、あるいは企業が、労働者が考えたときに、人としての尊厳をいかに大事に見るか。そこから出発しませんと、小手先のことを幾ら繰り返しても問題は解決しないのではないかと思います。

 私も、かつて、デンマーク、オランダ、イギリス等、全国の療護施設の施設長と一緒に視察してまいりましたけれども、余りのカルチャーショックで、いろいろと矢継ぎ早に質問も出したんですが、物を言えなくなってしまった。多分議員の皆さんは、よくそのあたりは御存じだと思いますが。

 そして、国の税の制度を含めて負担と給付の関係が日本とは違うといえばそれだけのことですが、そういう高負担・高福祉の制度が確立されるということは、基本的には人に対する哲学の違いであろうと思うんです。そこからとらえませんと、幾ら小手先のことをやっても解決しないのではないかというふうに基本的には思います。

 私も、かつて、三十年ぐらい前から雇用運動もやってきました。最初の段階では行政も企業もほとんど振り向きませんでしたが、その後のいろいろな情勢の変化から少しずつは解決していきますけれども、それも、うるさく言われるからという、運動に対する反応にしかすぎない、心からそうしなければならないという実感は持っていただけないというふうに思います。

 基本的な解決は、やはり統合教育の問題があると思うんです。つまり、障害者を知らずして成長し行政マンになる、あるいは経営者になる、労働者になるという人が圧倒的に多いわけです。したがって、知らずしてそうなった者が、外の世界の問題として障害者対策を考えるということになってしまうわけですから、基本的には教育の仕組みから変えなければならないし、そして、人権の問題を基本的に考えていくということになると思います。

 具体的な対策としては、重度障害者を一人雇えば二人分に換算するというようなことから今回の、三十時間未満であれば〇・五人に見るという、そうしたこそくな、人間を〇・五人に見たり二人に見たりというようなことをやっている限りは基本的な解決にはならない。例えば身体障害者の場合でいえば、視覚、聴覚、肢体、内部、それぞれ人数も違いますし、ただ、既成の労働の場になじむかなじまないかの違いはあったとしても、それぞれの事情を勘案し、そして、知的障害、精神障害、さらには最近の諸課題について考慮して、重度障害とそうでない人、それから障害別、これを雇用の義務の範囲内に一定の割合で張りつける、そのことによって日の当たらない分野を解決すると同時に、ともどもに働くことの喜びが享受できるんじゃないかというふうに思います。

 きょうのところは、具体的な問題よりも基本的な人間のとらえ方、労働というものを単純に市場経済の中で売り買いするような問題よりも、もっと基本的なところに視点を置いて、そして、基本的な解決策を考えていただくことから今後の障害者の雇用問題解決の道を見出し得るのではないかということをお願いして、終わりたいと思います。

 ありがとうございました。(拍手)

田村委員長 五十嵐参考人、ありがとうございました。

 以上で参考人の方々の御意見の開陳は終わりました。

    ―――――――――――――

田村委員長 これより質疑に入ります。

 まず、参考人に対する質疑を行います。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。林潤君。

林(潤)委員 自由民主党の林潤であります。

 本日は、参考人の方々には貴重なる意見を陳述いただきまして、まことにありがとうございます。

 本日は、障害者雇用促進法の改正案ということで質問をさせていただきますけれども、今、国を挙げて、福祉から雇用へということで五カ年の計画を立てて、公的扶助を受けるだれもが自立に向けた支援を受けられるような整備を目指していると聞いております。

 今、天野参考人からもお話がありまして、その話の中で、必ずしも福祉か雇用かというような二者択一ではないということは私も十分に理解をさせていただきました。そんな中でも、軽度な方、就労をしっかりできる方についてはやはりできる限り就労をしてもらうということが、もちろん本人の適性に応じてだとは思いますけれども、私は、それが障害を持っている方にとっても生き生きと生きていく一番の方法ではないかと思っております。

 今回、福祉施設から一般就労への移行者数というのは現在二千人ぐらいはいるわけですけれども、それを三年後、平成二十三年度までに九千人に拡大をさせていきたいということを聞いております。

 その中で、一方、私が聞いた話で、地元から、知的障害の息子さんを持つ父親の方から一つ相談を受けたことがありました。それはどういうものかといいますと、地元の福祉施設のことで、言葉は悪いんですけれども、囲い込みの事案というのがございました。

 こうした授産施設へ行ったらしいんですけれども、勤勉に働いて、職場の評判もよくて、親子そろって特例子会社の方に就職を希望しておりました。しかし、その施設の責任者の方がそういった希望を受け付けないで、父親が再三にわたって談判をしたんですけれども、なかなか聞き入れてもらえなかった。市の担当者ともこういったことを相談して解決を図ったんですけれども、その施設の責任者とつながっておりまして、なかなか伝わらない。そうした形で、結果として特例子会社へ移るのに八年もかかってしまったというふうに聞いておりまして、本当に涙ながらに訴えていたということであります。

 こういった囲い込みは、恐らく報酬を確保していくという目的もあるんでしょうけれども、障害者を一般就労に向かわせないということにつながるわけでありまして、当然、企業に雇用されて一定の給料をもらったり、あるいは最低賃金だとしても、障害者年金と組み合わせて、それによってできる限り自立に近い生活をしていって、生き生き暮らしていくのが一番いいと思います。しかし、こんな囲い込みのような出られない状況があっては、障害者が一般就労を達成することはできないと思います。

 ここで、五人の参考人の方全員に簡潔にお答えいただきたいと思っているんですけれども、こうした囲い込みに近いような状況をもちろん私は打破すべきだと思っております。これに対する考え方と、そして、どのようにすれば一般就労がもっと進んでいくかということをお答え願えればと思います。

森参考人 お答えいたします。

 福祉施設から一般就労に行くについて、いわゆる施設経営者が反対にちょっと邪魔しているというようなお話じゃないかなと思っております。

 実際問題といたしまして、今までの福祉の関係あるいは労働との関係でございますが、学校から卒業する場合におきまして、福祉事務所に行くかあるいはハローワークに行くか、これでずっと決まっていたんですね。したがいまして、賃金等につきましても、昔でいえば授産施設でございますが、授産施設は大変低いという形でございました。そして、その中でも、一人でも賃金を上げようということになりますと、就労能力の高い人というのは意外と貴重な価値があるわけです。したがって、その方が出ていってしまうと大変賃金が低くなってしまう。そういう仕組みがあったのは事実でございます。

 したがいまして、今回は、自立支援法を施行されることによって、その一つのポイントといたしまして、いわゆる福祉と教育と労働との連携の強化というのがうたわれているわけでございます。したがって、新しい制度といたしまして就労移行支援事業というのが出てきております。それと、いわゆる工賃倍増計画ともあわせて考えますと、先ほど先生からお話しになったとおり、福祉施設から一般就労への移行という仕組みもつくってきております。そういう面からいいますと、これからはある程度明るくなってくるんだろうと思いますが、まだ実は多くの人が、重い人たちが残るということでございます。

 したがいまして、一般就労のことも大変力を入れることは必要でございますし、その反面、どうしても働けない人についての日中活動の場というのも、両方でやっていただかなければいけないんじゃないか、私はこう思っております。

 これから我々も障害者団体として一生懸命就労の成績が上がるようにしたいと思っておりますが、特に行政につきましては、連携をとりながら、福祉と教育と労働が力を合わせて、皆さんがよかったなという制度にしていただければ幸いと思っております。

 以上でございます。

田村委員長 林委員、全員の参考人の皆さんからですか。

林(潤)委員 そうですね、ちょっと時間がありませんので絞って、では、天野参考人にそのことをお願いいたします。

天野参考人 施設に囲い込まれて八年間という事例を聞いて、非常にびっくりしました。ただ、そういう事例はこれまで本当にたくさんあると思うんですね。

 ただ、今、森さんの方からもありましたけれども、今すごく変わってきているところです。私どものところでも、例えば同じ作業所に通っている方が一人「らいむ」の支援を通じて就労されると、その方に影響されるような形で、次は自分が、次は自分がということで頑張られるような例もあります。そういった面で、福祉施設の側も、やはりこれから一般就労というところにかなり考え方が変わってきている部分があります。

 ただ一方で、やはり一般就労がその人の課題でないという方もいらっしゃいますので、これはもう恐らく障害者団体どこに聞いていただいても同じだと思うんですが、やはりその人に合った活動、一般就労が必要な人には一般就労を推し進めていく支援、あと、障害の重い方には日中活動を充実させていくための場、そういったものが必要ではないかなというように思っています。

 先ほども少しお話ししましたけれども、就労を進めていくところで、例えば就労移行支援事業所、これは一般就労に二年の期限内に送り出していくということが目的になっているわけなんですが、本当に、送り出してしまうと、すぐ次の人が補充できるというふうな形ではないんですね。そうすると、目的を達成すればするほど自分たちの首を絞めているような活動になっていますので、そういったところは、今回、雇用促進法の改正のところですが、自立支援法のところもあわせて検討していただければなというふうに思っております。

 以上です。

林(潤)委員 ありがとうございます。

 本当に、重い人が残ったり、そうしたニーズに合わせて、必ずしも一般就労が課題ではないということもわかりましたので、それと一緒に、施設の事情というのもあります。やはり私たちも、そういった法律を組み合わせて、現場の要望にしっかり合わせてつくっていかなければいけないと実感をいたしました。

 次に、特例子会社のことについてお伺いしたいんですけれども、私も障害者施設の方を地元で幾つも見てまいりました。きょう質問することを志願いたしましたのも、特例子会社を幾つか見たり授産施設を見学したり、そういったことから、非常に議員として自分にテーマを持つようになってまいりました。

 授産施設を地元で見たときに、今でも光景に非常に残っているのは、一たん一般就労をされた方が授産施設にまた戻ってしまった例があるんです。そこで自信を失ってしまって、もう自暴自棄になっている。中に入ると、エレベーターに座り込んでしまって、よだれを垂らしながら、エレベーターが上下にずっと動いているような状態で、もうやけになっているわけなんですね。一回は職場に溶け込もうとして一生懸命頑張ったんですけれども、やはりその職場は健常者ばかりの職場で、障害者にとってそんなに理解のあるような、ノウハウがあるようなところでもなかったわけなんです。

 それと、一方で、私の地元にファンケルスマイルという会社があります。ファンケルという健康食品の会社の特例子会社なんですけれども、そこに行ったときは、もう目の輝きから顔の表情からして、働いている方々がまるで違うというふうに実感をいたしました。はかりも当初読めなかった子が、何年も訓練していったら、それをしっかりと習得していく。人によってはフォークリフトの免許まで持ったりとかして、生き生き働いている。

 その子たちと私も歓談をしまして、将来何をしたいの、どうしたいのと言ったら、目を輝かせながら、結婚したい、ひとり暮らしがしたい、そういう話をしておりました。確かに、最低賃金と障害者年金を合わせれば恐らく二十万円前後になるんじゃないかと思います。こうしたお金があれば本当にそういったことも夢じゃないというふうに思いまして、まさにそれは健常者とほとんど変わらないような生活ができると、私は本当に特例子会社には希望を持ちました。

 この対照的なことを二つ比べてみますと、今回の改正案は、中小企業が共同で事業協同組合をつくった場合に、出資の事業主がまとめて雇用率を算定する仕組みが導入されるというふうになっておりますけれども、これも特例子会社のよい環境、前例を踏まえたものじゃないかと思っております。

 ここでちょっと森参考人にお伺いしたいんですけれども、こうした、企業における障害者雇用を進めて、また障害者が働きやすい環境で働くという観点からも、特例子会社、一層活用を図るべきだと思っておりますが、そのお考えについてお聞かせください。

森参考人 お答えいたします。

 特例子会社の制度につきましては、御案内のとおり、障害者にとってのメリットと、また事業主にとってのメリットがあろうかと思います。

 障害者のメリットといたしましては、いわゆる特例子会社の設立によりまして、雇用の機会の拡大が図られること、そしてまた障害者に配慮された職場環境、これで個々の能力を発揮する機会が確保できるのではないかということでございます。

 また、事業主につきましては、一番問題であります障害者の特性に配慮した仕事の確保、あるいは職場環境の整備が容易になる、そして、その障害者の能力を十分引き出すことができるということでございまして、これは、大きく言いますと、職場での合理的配慮が非常にやりやすくなってくるのではないかと思っております。

 また、特例子会社は大分ふえてきておると思います。十五年の百二十九カ所が、二十年では二百四十二と聞いております。

 このように、個々の事業主が障害者を雇用するのが原則ではございますが、一方において、特例子会社制度は、障害者、事業主双方にメリットがあり、事業主が障害者雇用を進めるための選択肢として有効であるのではないかと考えられます。今後とも、活用を図って、障害者雇用が進められることを期待いたしたいと思っております。

 以上でございます。

林(潤)委員 ありがとうございます。

 こうした特例子会社の中に、私も一つ思うことがございました。確かに、身体や知的といった障害者が就労していくということは、歴史が幾らか長いと思います。しかし、今、障害者手帳を持っているのが恐らく六百五十万人ぐらいでしょうか、そういうような中で、半数近く占めているのは精神の障害の方ですね。その精神の障害の方が、できる限りニーズに合った形で就労を進められるようにならないか、そんなことも私は思っておりましたところ、これも私の地元なんですけれども、富士ソフト企画という会社がありまして、これはIT関連企業の特例子会社です。精神障害の方のこういった一般就労が非常に進んでいるところでありまして、コンピューターソフトをつくっているところですから、たった一時間しか働かなくても、その一時間ごとに十分間ちゃんと休憩をとったり、カウンセリングをしたりとか、むしろ健常者より集中力が続いたりとかしている部分もありますので、そういうところで非常にクリエーティブな能力を発揮できるというふうなところを私も見てまいりました。

 そこで、平成十八年度からは精神障害者も雇用率に算定することが可能になってきたわけですけれども、まだまだ精神障害者の就労というのは進んでいないと私は認識しています。富士ソフト企画みたいなこうしたモデルは非常に参考になるかと思うんですけれども、輪島参考人にお伺いいたします。

 精神障害者の雇用を一層図っていくべきだと考えますけれども、そうした方策も含めて、御意見をお聞かせください。

輪島参考人 確かに、精神障害者の雇用というのは難しい面があるのではないかというふうに思っております。既に、雇用義務の対象にすべきということで議論があって、今のところ、雇用していれば雇用率のカウントになるという制度で運用されているということでございます。もう少し障害の中をよく検討していく必要があるのではないかというふうに思っております。

 特に、精神障害につきましては、三障害、統合失調、躁うつ、てんかんということでございますけれども、まず、統合失調症につきましては、そういう意味では、服薬の管理をしっかりして、それから職業準備性を整えるということになると、それなりに就労については可能性が高いのではないかというふうに思っております。その点で、ハローワークでの求職登録とか相談窓口へお越しになる方も多くなっているというふうに聞いておりますので、これから統合失調については、そういうところをきめ細かく対応していくことが必要ではないかというふうに思っております。

 企業の中には、課題としては、躁うつの精神障害というものをどういうふうにするのかというのが大きな課題ではないかというふうに思っています。そういう意味で、統合失調の方はこれから就職をされる方ということでございますけれども、躁うつにつきましては、既に企業で雇用している方が課題になるというふうに整理ができるのではないかというふうに思っております。

 そうしますと、まず予防の観点、それから、もし障害を得るということになればしっかり治す、その中で職場復帰をする、再発を防止する、そういうようなステージごとの細かい施策が必要になってくるのではないか。そういう意味で、躁うつについての企業側での雇用管理のノウハウというような意味合いでは、まだまだなかなか対応が難しいのではないかな、課題が多いのではないかなというふうに思っております。

 てんかんにつきましては、これもかなり服薬の管理でコントロールができるというふうに聞いておりますので、そういう意味では、例えば、職場において、服薬をしているというようなことを職場の上長が知っているとかいうような、雇用管理上多少配慮をした上で受け入れを促進していくというようなことがあると思いますが、そこでいわゆるプライバシーとの関係等々について少し難しい点があるのかなというふうにも思っております。

 いずれにいたしましても、精神障害全体ということも重要でございますけれども、個別の障害種別にきめ細かく今後対応していく必要があるのではないかというふうに思っているところでございます。

 以上でございます。

    〔委員長退席、上川委員長代理着席〕

林(潤)委員 ありがとうございます。

 躁うつに統合失調症、やはりステージごとにきめ細かい施策が必要だというふうにおっしゃられたことを強く認識いたしました。また、こうしたことは、現場、そして大企業、家族、施設、それが一体となって、意見を出し合ってよりよい方向に進めなくてはいけないと思いますので、こうしたことを踏まえて、しっかりと改正案についての審議に臨んでいきたいと思います。

 本日は、どうもありがとうございました。

上川委員長代理 次に、桝屋敬悟さん。

桝屋委員 五人の参考人の皆さん、ありがとうございました。公明党の桝屋敬悟でございます。本日は、貴重な御提言、御意見をちょうだいしたと思っております。

 早速、重ねてのお尋ねをさせていただきたいと思っております。

 一点目は、障害者雇用に関する我が国の立法の姿、立法のあり方について、いささか大きい話でありますが、森参考人と天野参考人にまず伺ってみたいと思います。

 先ほどから御説明、御提言がありましたように、我が国は、雇用促進法が昭和三十五年に制定をされまして作業が始まり、話がありました五十一年の義務化と雇用納付金制度、こうしたただいまの体制ができ上がったわけでありますが、自立支援法をやってみて本当に感じるのは、いかに就労支援ということを言いましても、むしろ我が国の社会全体、受け入れる側が障害者の皆さん方を考えなきゃならぬ。しかしながら、それは、納付金を払えば障害者雇用に参画しているというような錯覚を地域社会に与えているというふうに思うわけでありまして、ここの価値観を大きく変えなきゃいかぬと私も思っておる一人であります。

 そういう意味では、今回は一定の改正でありますが、今後、障害者雇用に関する我が国の立法のありようとしてどういう方向を目指すべきか。今日でも達成している企業は半数にも満たないわけでありまして、きょう、雇用率引き上げという話もありましたが、とてもとてもそういう状況でないわけでありまして、今後どういう方向を目指すべきなのか。ちょっと大きい話でありますが、御意見があれば簡潔に御説明いただきたいと思います。

森参考人 お答えいたします。

 先生がお話しになったとおり、日本におきましては、三十五年に雇用促進法ができまして、五十一年に義務化になって納付制度が入りました。今、権利条約の中で合理的配慮という問題が大変大きな問題になっておりますが、日本におきましてはそういう概念がないということでございますが、私自身は、この制度は実は、いわゆる障害者を雇用するための一つの手段でもありますし、見方によりまして、合理的配慮という形になっていっているんじゃないか。それをこれからは基本的にもう少し、一つ一つ調べてよく検討しなきゃいけないと思っております。

 もう御案内のとおり、今の時代は、言うまでもございませんが、権利条約の、やはり障害者も人間としての尊厳を尊重するということが基本でございます。そうすると、地域で皆さんと同じように生活するということが重要ではないか。そういう面におきますと、自立支援法もそういう方向に出ているんです。

 ただ、在宅で生活するならば、もちろん衣食住がなければできません。それと同時に、私が先ほどお話しいたしましたが、どうしても就労ができない人たちがたくさんおるわけでございます。したがいまして、就労の面と同時に所得保障というものを考えていただかなければ、これは在宅で新しい生活ができない。そして、そういうことで障害者一人一人が地域で生きるということは、やはり共生社会の実現ということだと思います。

 実は、障害者自立支援法の中には、障害者一人一人の自立ということ、社会参加ということ、一方において、皆さんと同時に社会で、地域でみんな普通に当たり前に生活できるという共生社会の実現というのが一つの大きな柱になっているんです。それをいたく感じて、これを立派に進めていけば、これからは就労の方も進んでいくんじゃないかなと思っております。

 施設だけにいるということはやはり幸せなことではないというように思っておりますが、どうしても施設にいなきゃいけないという人もおるかと思います。そういう面では、いわゆる障害者の尊厳ということを考えながらいろいろな対策をしていただければ幸いと思います。

 以上でございます。

天野参考人 簡潔にということなので、本当に簡潔なんですが、我が国の障害者雇用制度のあり方ということで、この雇用割り当て制度でいつまでもやっていていいのかなというのが私はやはり正直思うところです。本当に差別禁止法みたいなものの中で障害者が働くということを考えていかなくちゃだめなのかなと思っております。

 特に、自立支援法という法律も、戦後五十年続いていた措置の制度が支援費に変わり、それでまた今度、自立支援の制度に変わったわけなんですね。それで、措置の制度も五十年やって見直して変わっているわけですから、今回の雇用の制度についても、大きく転換していくというふうなことも今後考えていく必要があるのではないかなと思います。

 以上です。

桝屋委員 ありがとうございます。

 私も、この雇用促進法、とりわけ義務化、法定雇用率あたりは、そうしたものに基づいて納付金を納めるというような仕組みはなくなっていいんじゃないか、必要ない時代が来なきゃいかぬなと思っているわけであります。

 そこで、輪島参考人にお伺いしたいのでありますが、今回の改正の一つの特徴は中小企業者に対することでございまして、お話もございましたけれども、いわゆる短時間労働への対応なども含めて、私は、中小企業者の皆さんの役割というのは極めて大きいと。女性が出産、育児を経て働き続けるというデータをとりますと、中小企業の皆さん方のデータというのは大企業に比べて非常にいいんですね。それはやはりさまざまな配慮ができるということでありまして、地域の中でという観点も踏まえて、私は、中小企業者の役割というのは障害者の雇用を考えたときに極めて大きいと。しかしながら、最近それがずっと減っている、こういうトレンドにありまして、今回、そういうことで非常に重要な法改正だと思っているのであります。

 先ほどのお話の中に、中小企業者の皆さんは障害者の雇用という観点ではなじんでいないというお話もあって、それだけに支援策が必要だ、こう言われたのでありますが、今後進めるに当たって、幾つかの例示もいただきましたけれども、とりわけ支援を進めるということでは、具体的にもう少し御主張をお述べいただきたいと思います。

輪島参考人 ありがとうございます。

 今般、政府・与党において取りまとめられました補正予算がございます。それから、生活対策ですね。その中には、中小企業が障害者を雇用した場合の助成金の拡充、それから、中小企業が初めて障害者を雇用した場合の助成金の創設、こういうものが位置づけられております。こういうものは多分、これからの支援策ということについては大変効果がある政策なのではないかというふうに思っております。

 先ほども見ていただきましたように、雇用率は一・八%でございますから、百人の会社で一・八人雇用すればいい。一・八人ということはございませんので、一人で割り戻しますと、五十六人の会社になりますと初めて一人雇用しなければならないという仕組みでございます。百十二人になると二人雇用しなければならないということで、一人ないし二人雇用するということになると、職場に一人受け入れるということになります。

 そうなりますと、べったり仕事を教える人が横に必要になったり、それから、何の仕事をしてもらったらいいのか、そういうことがなかなかわかりにくい、取っつきにくいという意味合いで、先ほど、雇用になじんでいないというふうに申し上げたわけですけれども、そういったところを、先ほど申しました助成制度、助成金の拡充や助成金の創設というようなことで一つ一つ解決をしていっていただきたいというふうに思っているところでございます。

 以上でございます。

桝屋委員 それから、先ほどから話が出ておりますけれども、雇用政策と福祉政策のマッチングの問題であります。

 これはもう一回森参考人にお伺いしたいのでありますが、厚生労働省が立ち上がってやっと厚生と労働が一緒になったのでありますけれども、障害者の雇用という観点からしてもなかなか、うまくいっているようでいっていない、進んではいると私は思っているんですが、現場ではさまざまな問題がある。

 自立支援法によって新たな仕組みも設けられまして、既存の障害者職業センターあるいは障害者雇用支援センターに加えて、地域の障害者就業・生活支援センター、先ほど二百カ所という話もございました。これを四百カ所へという、こんなお話もあったわけでありますが、先ほどの議論の中では、ハローワークを核としてしっかり進めてもらわなきゃならぬ、こんな御発言もどなたかからあったように覚えております。

 ただ、本当に率直に、こんな機能、いろいろつくりましたけれども、うまく動いているのかどうか。私は、まさにまだ過程だろうというふうに思っているんですが、現場の状況をごらんになってどのように認識をしておられるのか、森参考人に改めて伺いたいと思います。

森参考人 お答えいたします。

 雇用と福祉という形で、これは対立するものではないという形で我々は従来から主張しておりました。それで、厚生労働省の中に労働と厚生が一本になったんだから、全体を一本として見てもらいたい、これが我々の考えでございます。

 そういう形で、具体的には、厚労省内では、福祉と教育、特に福祉と労働との打ち合わせは盛んに今行われております。これが現場の方に行けばいいと思っております。一方において、例えば自立支援法でも、見直すものは大分見直していただいておりますが、先ほどから出ておりますが、実は就労移行するところで、例えば訓練するところですね、旧労働関係では手当が出る、一方において利用料を取る、そういう格差がまだあるんです。これはやはり、もう少し一本化の問題として考えてもらいたい。

 したがって、厚生労働省が一本になった以上は、同じようなものは同じ目線で、高い方の目線に引き上げてもらいたい、こう思っております。こういうことによってこの就労問題が進む、こう思っておりますので、よろしくお願いいたしたいと思います。

 以上でございます。

桝屋委員 それでは、DPIの山本参考人にお伺いしたいと思うのであります。

 先ほどからるる御意見をお述べいただいたのでありますが、例えば、訓練中心という考え方、そうではなくて援助つき雇用制度が必要なんだ、効率的な訓練という成果主義だけでは困るんだ、こういうお話もいただいたわけであります。

 私、自立支援法施行以来の現場をずっと眺めているのでありますが、そうはいいましても、現場の通所施設などでは、知的障害者などが、先ほど天野参考人からも御紹介いただきましたけれども、現場ではかなり、一般就労へ移行するという努力もあるいは具体的な事例も出てきているわけであります。

 私は、先ほど雇用政策と福祉政策の連携ということを申し上げましたけれども、ある意味では、現場ではそのような方向が、自立支援法施行以来、遅々とはしておりますけれども進んでいるのではないか。私は、この流れを定着させなきゃならぬと思っているわけでありますが、山本参考人の御意見を伺いたいと思います。

 それから、山本参考人にはもう一点。先ほどの難病に対する御意見、御要請はしっかり我々立法府として受けとめたいと思っているわけでありますが、やはり難病の皆さんとかいろいろな方々、きょうも話が出ましたが、障害者が就労現場に合わせるのではなくて、就労現場が障害者に合わせてもらわなきゃならぬというふうに思うわけでありまして、これは簡単なことではないわけであります。

 本当に、それぞれの障害あるいは障害の程度に応じて能力を発揮できるような職場環境というものをどうつくり上げていくのか。それは何も手帳を持った限られた人の問題ではなくて、障害者全般の問題でありますけれども、そうしたことを考えるときに、トライアル雇用とかジョブコーチとかいろいろやっても、その障害者に応じた就労環境をつくるというのはなかなか困難だと思っているわけであります。

 そういう意味では、テレワークとか最近の新しい技術を使った就労環境をつくり上げるということもできるんじゃないかと私は思っているんですが、そんなお考えもあわせてお聞きしたいと思っております。

山本参考人 座ってで申しわけございません。よろしくお願いします。

 御質問ありがとうございます。

 訓練等がかなり有効に機能して一般企業へ進んでいるというお話を最初にいただきました。確かに、そういった面で一般就労へつながっている成果は出ていると思います。

 ただ、一方で、例えば精神障害者の方だと特にそうなんですが、本当に一歩外に出ることから今始めなければいけない方々もいらっしゃいます。その人は、まずは福祉的就労の場とかに通って、一日そこに足を向けて出勤する、それだけでも大切な社会参加の一つなんです。

 そういった人たちが、余りにも成果主義的な一般就労に向かう作業をしなければいけない、こういうメニューをこなさなければいけないということを余りにも強要され過ぎて、かえって社会参加の一歩を踏み出すことができなくなったという例もお聞きしておりますので、やはり障害者は一人一人違いますので、そういったニーズに応じたきめ細やかな対策をぜひともお願いしたいと思っております。

 もう一点、就労の在宅ワーク等を含めた御提案でしたけれども、先ほど事例でちょっと紹介させていただきました私の仲間でやっていた難病の方は、在宅でコンピューター支援をしながら、障害者の人が家でも就労できる環境をつくっていくということをやっていらっしゃいました。

 そうしますと、そういった在宅就労を組み合わせることで、難病の人は、通勤でもう体力を使い果たして職場で働くのも大変な方々がいらっしゃいます。そういった方々にまずは在宅就労でもそういった機会を与えていただいて、働く環境を整えていくということは非常に有効な手段だと思っておりますので、そういった環境整備も含めた方向をぜひとも検討いただきたいと思います。

 以上です。

桝屋委員 一分ほど時間があります。五十嵐参考人に最後にお伺いしたいんですが、視覚障害者の就労について、昔はみんな鍼灸、マッサージみたいな世界でありましたけれども、最近の視覚障害者の皆さん方の就労あるいは就労環境ということではどんなことをお考えになっているのか、一言だけお述べいただきたいと思います。

五十嵐参考人 視覚障害者については、昔から、はり、きゅう、マッサージに限定されているイメージもありますけれども、当事者からすれば、本当は限定されたくないという思いがたくさんあるんですね。ただ、社会的な情勢、いろいろなことを考えてそうせざるを得ないというのが相当数あります。

 しかし、戦後、おもしろいことに、おもしろいと言っては変ですが、昭和で数えると、十年、二十年、三十年と十年刻みで、その比率で晴眼者がふえてきています。だから、今、昭和でいえば八十三年ですけれども、八〇%は晴眼者です。圧倒的に数が違うんですね。機動力が違う。

 それにさらに、介護保険以降、特養で機能訓練士として雇う一つの動きがあって、東京都下でも二百数十名働いていたんですが、その後、その単価が下がったり諸般の事情からそれが百数十名に下がってしまっているんです。

 だから、既に就職している人も減ってきている、自由に開業しようとしても健常者が圧倒的に多いという中で今非常に困った状態で、私ども、二十一日には山梨で講演を頼まれているんですが、その対策として、ついでで申しわけないんですけれども、先ほど言い落としたことで、一割しか生産性がなければ九割は公的に保障して、管理福祉の生活保護ではなくてあくまでも働く。働くことは、働く実力に応じてその結果を企業が支払えばいいので、あとは公的に保障して、当たり前の市民として、国障年のときに言われたような、同世代の市民と同等の生活をということが収入の面でも保障される、そういう仕組みが早く基本的な解決策としてあってほしいと思います。

桝屋委員 どうもありがとうございました。

 以上で終わります。

上川委員長代理 次に、園田康博さん。

園田(康)委員 民主党の園田康博でございます。

 きょうは、それぞれの参考人のお立場、当事者の方、あるいは経営者の方、そしてサポートをする方という形で、それぞれのお立場で御指導をいただいたことに、まずは私も心から感謝を申し上げたいというふうに思っております。

 同時に、この法案の審議に際しまして、こういう形で皆様方に御意見をちょうだいしたことは、また今後の障害者施策全般の中で生かしてまいりたいというふうに思っておりますので、さらなる御指導を賜りますことを、まず冒頭、お願いさせていただきたいと思います。

 まず最初に、森参考人にお伺いを申し上げたいと思っております。

 この障害者施策を今日まで導いていく中では、恐らく大変な御苦労があったというふうに私自身も受けとめさせていただいております。いわばまだ道半ばの部分があり、そして、ここからさらに大きく進行していかなければならない、そういう分野が多々あろうかというふうに思っております。また、先ほどお話がありました福祉と雇用、そういった部分の、さらなる総合的な施策を推進していかなければならないんだという御決意があったというふうに私も受けとめさせていただきました。

 その中で、今回の障害者雇用促進法もしかりでありますし、また自立支援法でもそうでありましたけれども、やはり障害の範囲というものがまだまだ限定をされてしまっているというのが、私はどうも、まだまだ我が国の施策の中で不十分な点ではないのか。そしてまた、権利条約が来年、あるいは批准に向けてのさらなる活動をこれからしっかりとやっておかなければならないというふうに私も考えているわけでありますけれども、そういった中で、やはり障害の範囲をさらに広げていく、そして、その中で総合的な施策を推進していくということは大変重要な、これから私ども立法府としても行っていかなければならないものではないのかというふうに考えておるわけでございますけれども、その観点。

 そしてまたもう一つ、きょうは日身連というお立場でありますけれども、JDF、日本障害フォーラムの幹事ということもあろうかと存じます。もし、そのJDFの議論の中でも、今回のこの雇用促進法に係る、先ほど山本参考人からも少しお話が出ておりましたけれども、就労上の障害認定という考え方の意見が、どういう形でJDFの中でもお話があったのか、ちょっと参考までに、まず冒頭、お聞かせをいただければなというふうに思います。

森参考人 お答え申し上げます。

 まず、基本的に言いまして、障害者が本当に地域の中で生き生きと生きていける社会の実現を、大変私自身は求めております。

 そこで、具体的に言いますと、障害者の人たちが生活保護を受けなくても生きていける、そういう社会になっていただけないかなと思っております。したがいまして、そういう中では障害の範囲というものもやはり大きな問題になっておろうと思います。

 現在、障害者の問題につきまして、自立支援法の見直しが今行われるわけでございまして、社会保障審議会の障害者部会でこの範囲もやっております。これは自立支援法の中でも障害の範囲を検討することになっておりますので、その辺も期待するところでございます。

 また、就労の問題でございますが、現在の障害者の、例えば程度の問題等は、いわゆる身体障害者につきましては身体障害者福祉法の別表で定められている。実は、この問題は大変難しいと思うんですが、就労の程度といいますか、これとはちょっと違うだろう、やはり就労のところから検討していく必要があるんじゃないかな、これは大変難しいかなと思います。

 といいますのは、例えば車いすの方々が勤める場合に、動くような仕事というのは非常に苦手か知りませんが、事務の仕事は大変得意なところがあろうかと思います。一般の人と同じだと思うんですね。そうすると、その人はもういわゆるハンディがないのです。そういうように、それは環境等の問題だと思うんですね。

 ですから、一人一人によって実は大変、労働と福祉との、ちょっとその辺も同じものでいいのかという問題がやはり出てくる。恐らく先生もそういうところを御指摘なんだと思うのです。そうすると、その人がどういう職につくかということによってまた違ってしまうということがあります。そういう面で大変難しい問題があるんだと私は思っておりますが、その辺も含めて、いわゆる合理的配慮というものが大きな問題になっておりますから、これは慎重に検討していただければと思っております。

 この問題については、いわゆるJDFの立場からというお話が出ましたが、基本的には、現在、政府とJDFとの定期的な勉強会といいますか打合会をやっております。もちろん、先ほど私も御説明しましたけれども、超党派の議員連盟との関係、三者一体になってやっているわけでございまして、世界に恥じない、障害者の権利条約で見直しができて、本当に各法律、あるいは基本においては差別禁止法という形のものが必要になってくるかなと思っておりまして、その場合において障害者基本法との関係はどうなるんだろうかな、こう大きく把握しております。

 私自身は、障害者権利条約、あるいは障害者の問題、特に雇用の問題については、合理的配慮というものが非常に大きなウエートになってくるだろう。なぜならば、言うまでもございませんが、合理的配慮をやらない場合は差別ですよ、こういう話なんですね。ですから、その辺のところは慎重に、ある面では大胆に検討していくべきだろうと思っております。

 以上でございます。

園田(康)委員 ありがとうございます。

 やはり今後の慎重な審議の中でしっかりと、確立に向けて、私も頑張らせていただきたいと思っております。

 そこで、山本参考人にお伺いを再度させていただきたいのです。

 確認の意味も含めて御質問をさせていただきたいんですが、今、森参考人からもお話がありましたとおり、しっかりとした理念を掲げて、これからこの雇用の場も、合理的配慮も含めてしっかりとしたものをつくり上げていかなければならない。ただ、今回の法改正の中では残念ながら、難病も含めてでありますけれども、対象にはなっていない状況がまだ残ってしまっているというものがございます。

 そこで、先ほど山本参考人からも御指摘があったように、臓器の別でその対象にならない部分がどうしても残ってしまった場合に、それを是正といいますか、さらに拡大をして対象にしていく。これは当然ながら、これからも考えていかなければならない議題でありますけれども、しかしながら、それまでの間、それが実際に法改正を見て、今まで十数年間研究に研究を続けてやってきたんだけれども、なかなか今回の対象にもなっていないという状況からすれば、しっかりとした対象になるまでの間、いわば運用上の改正によってそれができ得る形の緊急措置というか暫定措置という考え方を御提示していただいたんだろうなというふうに思っているわけでございますけれども、どういう形の具体的な考え方があるのかというところを、少しその点を教えていただきたい。

 それからまた、そういう形で暫定的な措置を行うということになると、あるいは対象まで広げるということになると、どうしても、例えばいっときの風邪を引いて寝込んでしまった、それで就労ができないという状況との区別がつかないのではないかというような、いわば逆指摘も考えられるわけでございますけれども、その点についての御見解はどのようにお考えでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。

    〔上川委員長代理退席、委員長着席〕

山本参考人 御質問ありがとうございます。

 きょう私は資料を用意しておりまして、その最後のページ、十六ページの方を御参照いただきたいと思います。これは、腎臓病やHIVで、既に障害認定で使われている社会参加上の制約がどういうふうにあるかという基準です。

 例えば、先ほど出した肝臓や難病の方は、主治医がそういった障害があるということをまず診断して、次に、既に障害の認定を行っている指定医等いますから、そういった方々がここに書いてあるような同等の社会参加制約が認められるというような診断書がもし出せた場合、これは障害が同等であるとみなして、制度の対象とみなすということができるのではないでしょうか。ぜひとも御検討いただきたいと思います。

 もう一点、治る風邪との区別の問題が出ましたけれども、今、障害認定の制度においても既に、一年から五年、症状に変動がある場合は期限を切って認定するというようなことも柔軟に運用されております。こういったことを活用すれば、そういった風邪等との区別はつくのではないかと思っております。

 大切なのは、社会参加上の制約は、ずっと継続して大変な状況にあるということを確認する作業がやはり必要だと思います。そういった視点でぜひともお願いしたいと思っております。

園田(康)委員 ありがとうございます。

 こういった指標が既に確立されているというところを、さらにこれを拡大していくという、運用上でも何とか対応できないのかなと、私も今参考にさせていただきましたので、今後、これも含めて審議に役立てていきたいと思っております。

 それからあともう一点、山本参考人と、さらに輪島参考人、天野参考人にも、ダブルカウントについてお伺いをしたいと思っております。

 この制度が導入される際には、やはり企業側の大変な理解と協力というものが不可欠な制度であったというふうに私は思っております。そうでなければ障害を持つ方々の就労促進というものが、なかなか、その社会状況の中では理解をされていなかった時代でございますので、そういった点では、企業の協力というものを仰ぎながらこういったダブルカウント制度というものが、その導入当時はあったんだろうというふうに私は思っております。

 ただ、これから先を考えていくと、先ほど来出ておりますように、国連の権利条約、あるいは一人一人の障害を持つ方、あるいは持たない方、そういうユニバーサルな社会を我々はこれから目指していかなければいけないんだというところからすれば、やはりこういうダブルカウント制度というものは今後見直されてしかるべきではないかなというふうに私は受けとめております。

 そういった点では、山本参考人からは先ほど、廃止を求めるという強い御決意があったわけでありますけれども、そうなると、やはり企業側の協力といいますか理解というものが不可欠になってくるわけでございまして、どうしても、先ほど少し話があった、軽度の方を就労ができるというような形へと誘導されてしまうのかなという懸念は、私は実はまだ現段階では持っておりますので、すぐさまということになるかどうか、あるいは、それをどのように持っていったらいいのかということで何か御示唆があれば、それぞれ山本参考人、輪島参考人、そして天野参考人からも御意見をちょうだいしたいと思います。

山本参考人 ありがとうございます。

 どんな重度の障害があっても、本当に職場で当たり前に就労できている現状がございます。例えば、自立生活センターというものを私たちの会員の中でも運営している方々はたくさんいますが、そういった場でも、必要な介助とか必要な制度を整えることによって、十分、どんなに重度の障害があっても働けるんだということは確認していただきたいと思います。

 あわせて、例えば、一人一人に合わせた合理的配慮をきめ細やかにしていくことによって、こういったダブルカウントを外したとしてもちゃんと対応できるんではないか。また、この合理的配慮を単に企業と当事者だけの問題に限定しないで、例えば、先ほど出ました介助の問題だとか情報保障の問題、こういったものについては、国がちゃんと制度的にもバックアップすることによって、企業に余り負担をかけないで、社会全体で連帯して支援していくという視点も必要だと思います。

 さらに、滋賀県等では既に行われているんですが、賃金を補てんしながらの働き方ということを今行っております。今は生活保護のような所得制限があって、全部資産を吐き出してようやくそういったものを使えるような状況ですが、これについては資産要件をもうちょっと緩和して、そういった賃金を補てんしながらの働き方ということが整備できれば、ダブルカウント等の問題も解消できるんではないかなと思っております。

 以上です。

輪島参考人 御質問ありがとうございます。

 先生御指摘のとおり、ダブルカウントにつきましては、重度障害者の雇用が立ちおくれているということで、一九七七年にあの制度が入ったというふうに私どもも認識をしております。その当時の雇用が一万五千人程度ということでございまして、現在では八万四千人ということで、重度障害者の方の雇用というのは一定程度進んでいるというふうにも思っております。

 それから、特に特例子会社の中では重度障害の方が中心に活躍している会社が多いというような観点で、そういう意味で、今のところ、ダブルカウントをどういうふうにするのかということで議論があるのはよく承知はしておるつもりですけれども、この時点で企業側の雇用管理というようなことを考えると、ダブルカウント自身を廃止するかどうかというような点について踏み込んだ議論ということになりますと、私どもの立場からすると時期尚早なのではないかなというふうに思っているところでございます。

 ただ、先ほど御指摘があったように、職業上の障害認定、判定と、それから現在の障害認定についてのギャップというのがあるということも事実だろうというふうに認識しているところでございます。

 ただ、もう一つ私どもとしては気になっているのは、前回の障害者雇用促進法の改正につきまして、参議院で附帯決議がついております。

 二項めに、「視覚障害者等就職の困難な障害者の雇用を促進するため、障害の重さの程度区分が職業生活上の困難さを配慮したものとなるよう障害者雇用率制度の見直しを行うとともに、」という附帯決議がついておりまして、その当時は、今もそうですけれども、視覚障害の方については職業上はかなり難しいというような観点から、この記述は、トリプルカウントというようなものも視野に入れて制度改正、見直しを行うというような附帯決議がついているというふうにも私どもも理解しておりますので、その点、どのようにこれから議論を進めていくのかというのは課題があるのではないかというふうに思っているところでございます。

 以上でございます。

天野参考人 お答えいたします。

 基本的に、私は、ダブルカウントというのは必要ないというふうに思っております。

 これまでのところでは過渡的に必要であった部分もあるかと思うんですね、特に重度の方を雇用促進していくという意味で。しかし、これは精神の方のハーフカウントと合わせて、やはり人を半人前に見ているというふうなところに基づいていると思うんです。そういう意味ではやはり、本来はこれはない方がいいだろう。

 特に、先ほども意見のところで申し上げましたけれども、確かに一・五九%、民間の企業の実雇用率がある。だけれども、これはダブルカウントを含んでいるものなんですね。では、実際にダブルカウントしなければどうかというと、それこそ昭和五十一、二年の雇用率とほとんど変わらない、何も進んでいないわけなんですね。だから、何か見かけ上のところでうまく、数字のマジックみたいな意味合いが強いのかなと思っております。

 あと、重度の知的障害の方もこのダブルカウントの対象になるんですが、私ども支援機関の方に、非常にある面、障害者雇用に手なれた企業の方なんかは、重度判定をとってくれないかというような依頼が実際に来たりするんですね。療育手帳の重度とは違って、この職業上の重度判定は、地域職業センターの方に依頼して判定を受けるわけなんですけれども、比較的とりやすいんですね。東京都の手帳でいうと、愛の手帳、四度、軽度に当たるわけなんですけれども、こういった方でも重度判定をとれちゃうんですね。

 そうすると、そういう方がダブルカウントで入ってしまうと、結局その分、本当に重度の方がはじかれていくというような形になると思いますから、やはり将来的なところでは、このダブルカウントということはやめるべきだというふうに思います。

 以上です。

園田(康)委員 ありがとうございました。

 もう時間が来てしまいましたので、五十嵐参考人には先ほど、いわばインクルーシブ的な、統合的な考え方をこれからもっともっと普遍的にやっていく必要があるんだというお話をいただきました。私も、その教育あるいは観念を、しっかりともう一度立て直していかなければいけないのかなというふうに考えておるところでございますので、そういった点では、権利条約の批准も含めて、しっかりと、私たちがすべての普遍的な考え方を共有できるような環境をつくってまいりたいというふうに思っておりますので、どうぞ、またそれぞれの参考人の皆様方には御指導いただきますことをお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

田村委員長 次に、高橋千鶴子君。

高橋委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 本日は、五人の参考人の皆さん、大変貴重な御意見をいただきました。ありがとうございました。また、五人の方がそれぞれさまざまな角度から発言をしてくださることによって、今後の障害者施策の課題がよく見えてきたのではないか、このように感じております。

 時間が限られておりますので、早速質問させていただきます。

 初めに、森参考人に伺います。

 御意見にありました四つの角度からの提言、いずれもうなずけるものだったと思います。伺いたいのは、森参考人の所属している日身連は障害者の権利擁護の活動をされており、その中で職業自立相談員、これを事務局に設置して相談業務に応じているということを伺っております。そういう相談業務の内容とか取り組みの特徴とか、こういう相談が非常に多いんだとか、そういうことをぜひ、短いですけれども、簡潔に御紹介いただければありがたいなと思います。

 それと、先ほどの園田委員の質問にも少し重なるかもしれませんけれども、障害者権利条約を具体化するに当たって、よく言われている障害者差別禁止法のような新たな法体系が必要であるという立場でよろしいのか。そこでの取り組みの決意といいましょうか、そういうことを伺いたいと思います。

森参考人 どうもありがとうございました。

 職業相談員、非常勤でございますが、我々の方といたしましても設置しております。電話相談が大体多いのでございますが、意外と単純な相談が多いんですね。というのは、就職したいんですが、どこへ行ったらいいんだろうかというような問題、あるいは、実は職場内のトラブルがあるという問題で、どこで解決したらいいかというようなこともあるように承っております。

 次に、権利条約の問題でございますが、日本の障害者行政は、昭和二十四年に身障法ができた、そして四十年の半ばに重度の人たちの問題が出てきて、全員就学という問題も出てきておりました。それと重度の人たちのために、あるいは障害者の目線という形で、身体障害者相談員あるいは知的障害者相談員という形の問題も出てきておりました。

 それで、決定的に変わったのが、やはり国際障害者年ではないかなと思います。その前から、ノーマライゼーションという動きが日本には四十年半ばにあったわけですね。その一方において、いわゆるコロニー問題というのがありまして、実はこれは相反するものなんですね。そういう問題で、日本の国では相反するものがどっと来たという形で、施設問題も大きな問題になってきたということです。それと同時に、障害者の人たちが外へ出て運動するようになりました。そういう面で相当揺れ動いたわけでございますが、その国際障害者年でノーマライゼーションという考え方が完全に入ってきました。これは考え方によって大分違うと思うんですけれども、私は、その時点で今までと変わった考え方が出たのだろうと思っております。

 今まではどういうことかといいますと、いわゆるリハビリテーションという考え方です。それは主役が専門家だったんですね。専門家の、できたものに従って障害者が社会復帰していくという形だったんですが、ノーマライゼーションという場合にがらりと変わって、主役は障害者ですよ、こういう話になってきて、それをサポートするのが専門員ですという形です。したがって、大きな流れが変わったのは、もう御案内のとおりでございます。

 自立支援法なり障害者基本法、障害者基本法も前は心身障害者対策基本法だったわけですが、これも平成五年に変わりました。次に十六年も変わりました。十六年のときには、いわゆる差別してはいけないという規定が中へ入りました。今度は、そういう面でいえば大きなチャンスであると思います。差別というのが前面に出てきておりますし、また裁判規範という問題が、これがキーになると思うんですね。

 そういう面で、我々障害者団体は、その辺を中心にいたしまして取り組んでいかなければならない。チャンスだと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

高橋委員 ありがとうございます。ぜひチャンスを生かして、いい形にしていきたいと思います。

 次に、山本参考人に伺いたいと思います。

 冒頭述べられた、一般企業はメジャーリーグ的な就労観、この指摘は非常に衝撃的といいましょうか、自分の問題意識にフィットするものであったと思います。合理的配慮とは何か、あるいは就労上の障害認定方法を新たにつくれという御提言、細かく提言をいただきましたので、非常に重要であり、また、形にできるように頑張っていきたいというふうに思っております。

 参考人に伺いたいのは、難病をもつ人の地域自立生活を確立する会の会長として、実態調査なども取り組んでおられますので、ぜひその中身を簡潔に御紹介いただいて、課題を御紹介いただければと思います。

山本参考人 ありがとうございます。

 私たち、千人の方を対象にアンケート調査を行ったという経緯がございます。そのときに一番衝撃的な中身だったのは、本人の所得に限った場合、約六割の方がいわゆる百五十万以下の所得だったということです。当然、主婦の方も含まれていますので、そういった傾向が若干出たのかもしれませんが、やはり本人の稼働能力の減退ということを加味すると、六割の方が百五十万以下という厳しい状況にあるということは、何とかしなければいけないという思いを、そのデータを見て改めて思いました。

 例えば、就労でどういったことに困っていますかという声を聞いたところに回答があったのは、ハローワークに就職の相談に行ったら、病名を出しただけで、いや、あなたは難病だからちょっと制度の対象にならないね、申しわけないがということで、そこで窓口を閉ざされることもあったという報告があります。また、病名を出しただけで、面接すら受けることができなかったというような厳しい声も聞かれたりしております。

 やはりこういったことを放置しないで、ぜひとも一歩、国会で解決していくという道筋を立てていただきたいと思います。

 以上です。

高橋委員 ありがとうございました。

 本当はもっと紹介する中身があったんだと思いますけれども、こうした貴重な実態を受けて、難病の皆さんも、今回、障害者自立支援法の見直しの中でぜひ検討に入れていただく、また、提起をされていた障害認定方法の問題についても前進が図られるように、ぜひ頑張っていきたいと思っております。

 次に、天野参考人に伺いたいと思います。

 先ほど、森参考人の最初の意見陳述の中に、障害者就業・生活支援センターが大変少ない、ふやすべきだという指摘がございました。天野参考人に紹介いただいた「らいむ」の実践は、文字どおりセンターの具体的な意義、役割を紹介いただいて、非常に貴重だったと思っております。また、山本参考人が指摘をした一般就労と福祉就労の縦割りの問題など、二分的ではなく対角線的な仕組みというふうにやるべきだという図をかいての提起がございまして、これも非常にわかりやすい、なるほどと思って受けとめさせていただきました。

 そこでまず、「らいむ」が就労支援を行うに当たって一番苦心されていることは何か、伺いたいと思います。

天野参考人 ありがとうございます。

 「らいむ」の支援に当たって一番苦労しているということなんですが、「らいむ」自体、四百七十名を超える方がいらっしゃる。そうすると、その方たちが持っている願い、望みというのも四百七十ある。そうすると、個別支援が中心ですから、その方に合わせた本当にさまざまな支援を行っていかなくちゃだめだ。就労支援のところで特に重要なのは、障害を持っている方を就労させた段階で終わりではないんですね。むしろ、就職後、いかに長く安心して働いていただけるかという定着支援のところが重要になってきます。

 私どもの方に、御本人あるいは職場から、いつSOSが入ってくるかわからない状態なんですね。実際に、今、サービス業の関係なんかでは土曜、日曜に営業されているのが当たり前ですから、一週間を通していろいろなところから入ってくる。だから我々は休みもないような状態で動いている。実際にそういうSOSが入ってきた時点ではもう手おくれというような場合も結構あるんですね。そういった面で、本来、職場訪問等、本当は定期的にしっかり回らせていただきたいんですけれども、何分にも人的体制が弱くて、そういったことができない。

 就労支援センターというのは、就労移行支援事業所から一般就労した方、あるいは特別支援学校を卒業して一般就労した方、そういった方がどんどん入ってくるんですが、就労支援センターから押し出していくというか、出口がないんですね。そういった面でパンクしてしまうような状況になりがちです。そういったことにならないようにするために、やはり、定着支援等を初めとする就労支援を支える人的体制のところをしっかりしていかなくちゃだめだな、特にジョブコーチの養成等というようなお話はほかの方からもたくさん出ていたと思うんですが、そういったところをぜひしっかりやっていただきたいなと思うところです。

 あと、私どもの「らいむ」は、東京都の自治体の制度でやっているわけなんですね。先ほど、国制度の就業・生活支援センターの話もさせていただきましたけれども、この国制度のセンターは非常に広域でやっております。私のおります町田市にはこの就業センターがなくて、同じ福祉圏域の中の八王子市につい最近できたんですね。ただ、そのセンターさんが今範囲としている自治体、五市あるんですが、八王子、町田、日野、稲城、多摩という五市なんですが、この五市を集めると、人口だけで百二十万ぐらいになってしまうんです。この就業・生活支援センターだけではやはりどうしても見られない。

 そういった面では、自治体制度、東京がやっているような、自治体、市町村にやはり一つ就労支援センター的なものができないと、なかなか実際には就労支援というのは進まない。特に、就労移行支援事業所にしても、就労継続支援事業所にしても、基本的には自治体単位の事業ですね。そうしたときに、就労支援を支えるセンターも、基本的にはやはり自治体、市町村単位で必要なのではないかなというように思っております。

 以上です。

高橋委員 ありがとうございます。

 今の最後の部分をもう少し詳しく教えていただければと思うんです。要するに、市町村単位に一つこうしたセンターが必要である、国制度のセンターもまたふやす必要があるという意味だと思うんですけれども、例えばハローワーク管内に一カ所というふうな感じで。その点、どのようにお考えか伺いたいと思います。

天野参考人 ありがとうございます。

 まず都道府県単位の地域障害者職業センターが、上下という関係じゃないですけれども、上に来ると思うんですね。その下に国制度の障害者就業・生活支援センター、さらに、もっとより身近なということで、できれば区市町村単位の就労支援センター、そういったネットワークができればいいんじゃないかなというような意味での御提案です。

 以上です。

高橋委員 ありがとうございます。

 ネットワークをさらに広げて連携していくことが必要であるという指摘かと思います。その点ではまだまだ不足をしているのだろうということで、頑張っていきたいなと思います。

 次に、輪島参考人に伺いたいと思います。

 輪島参考人が、地方公務員月報という雑誌の四月号の中で、法改正について触れている文章がございましたけれども、障害のない従業員の担当してきた職務を障害者に置きかえるという発想ではなく、障害者を受け入れられる職務を社内において発掘するという視点から雇用計画を策定する必要があると述べられているわけです。

 そうすると、一般の方と障害のある方も対等にというふうな議論、そこのバリアを除いていくというのが必要ではないかという視点が先ほど来議論されていると思うんですけれども、こちらは、企業の方で、これだったら障害者にというふうな話になる。そうすると、これはいつまでもミスマッチですよというふうな形になって、なかなか前進をしないのではないかと思うわけであります。

 それで、例えば障害者の権利条約二十七条には、他の者との平等を基礎として障害のある者の労働の権利を認める、募集、採用、雇用の条件、雇用の継続、昇進などの面で障害に基づく差別を禁止しているわけです。

 経団連は、こうした権利条約、当然日本も批准をし、国内法整備が必要とされているわけですけれども、こういう部分をどのように受けとめ、取り組んでいくのか伺いたいと思います。

輪島参考人 ありがとうございます。

 今の点は、権利条約についてどのように考えるのかということを申せばよろしいんでしょうか。

高橋委員 失礼しました。

 今私が読み上げた権利条約の差別の禁止という観点からいっても、いかがなものかなということを、率直に私の感想を述べさせていただきました。その点で、経団連としてはどのように取り組むのかということです。

輪島参考人 職場で取り組むという意味でよろしいのですか。(高橋委員「はい」と呼ぶ)

 職場の工夫というのはさまざまにあると思います。例えば、ある会社では、五千人の規模のグループ企業の名刺を知的障害の方が一人で入力をして、印刷をして、配付をするというようなことをしています。ただ、知的障害の方なので漢字が実はよく読めないというところで、人事の方でどういうふうに工夫をしているのかというと、ジンジというふうには読めないのですけれども、例えば「人」、それから「事」ということで、ヒトと読めてコトと読めればパソコンでは入力ができるというような事例がございます。

 そういう意味で、先ほど御指摘の点の、障害を持った方を受け入れるについて、そういう基本的な発想の転換をしないと職場では受け入れることが難しいのではないかという趣旨で申し上げたつもりでございます。御理解をいただければと思います。

 以上でございます。

高橋委員 その上で、例えば、先ほどグループ企業の問題、チェーンストアの問題などが指摘をされて、そうすると法定雇用率が下がるおそれがありますというふうな指摘がございましたけれども、同じ輪島参考人の論文の中で、逆に、特例子会社に集中をして、親会社が雇用の責任を緩められるのでは問題であるという指摘もあったと思います。

 それは非常に大事な指摘ではないかということと、ほかの参考人からも出されていたように、短時間労働が本人の希望の場合のみであるということの指摘の徹底なども非常に大事になってくると思うんですけれども、その点で御意見を伺いたいと思います。

輪島参考人 ありがとうございます。

 短時間労働につきましては、考え方としては、三十時間から四十時間ですと一カウントになりますけれども、例えばフルタイムではなかなか難しいという人方、特に精神障害とか、障害特性に合わせて対応していくという観点からすると、その中間的な位置づけとして、二十時間から三十時間について〇・五カウントにしてはどうかというのが今回の見直しのポイントかなというふうにも思っております。そういう点で、フルタイムに移行する一つの手段として短時間労働というのを位置づけるということも重要なのではないかというふうに思っています。

 また、障害特性によっては非常に、就業能力の劣化ということも指摘をされております。そういう意味で、フルタイムから短時間労働に移行して、その後、福祉の方の施設にソフトランディングしていくという一助にも短時間労働の位置づけというのはなり得るのではないかというのが審議会での議論であったのかなというふうに理解をしております。

 以上でございます。

高橋委員 ありがとうございました。

 残念ながら時間が来てしまいまして、五十嵐参考人に伺うことができませんでした。もっともっと参考人の皆さんに伺いたいことがあったんですけれども、残念ですが、これで終わりたいと思います。

 本当にきょうはありがとうございました。

田村委員長 次に、阿部知子君。

阿部(知)委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。

 本日は、五人の参考人の皆様から意見を聞くこうした日を設定していただいて、委員長初め、与野党の理事の皆さんにも心からお礼申し上げます。

 時代は今、ちょうど金融危機、それも百年にあるかないかの大変な情勢だという中にあって、雇用労働問題は、非正規労働の皆さんやあるいは障害のある皆さんから真っ先に首を切られる、私どもが論じている雇用促進法とは真っ逆さの状況、雇用が安定しない、確保されないという現実の中で本日の委員会が持たれております。

 一方また、障害者の側から運動を積み重ねてきた皆さんから見れば、日本における障害者の権利条約の批准という、これも非常に大きなエポックメーキングな出来事となるであろうさまざまな諸権利の、当然の権利の確保ということに向けて、日本国もこれの批准を何が何でも準備しなければならない、二つの時代のせめぎ合いの中で私はきょうの委員会があるように思います。

 そうした観点から、まず五十嵐参考人にお伺いしたいと思います。

 五十嵐さんのお話はある意味では大変に難しく、労働市場原理に当てはめるのではなくと言われました。これはだれしも、普通に働く者もそうですが、自分の労働が単なるこまとして、あるいは使い捨てのようにされたくはないというのは障害のある方でもない方でも同じところだと思います。

 ところが、この三十年来、五十嵐さんがさまざまにかかわってきた障害のある方の雇用の促進ということにおいても、きっと五十嵐さんはいろいろな思いを持っておられるゆえに、今のような言い方をされたのかなと思います。もともと横浜の盲学校の先生でいらして、この障害者雇用のさまざまな義務が課せられた翌年ですか、御自身で地域作業所を開かれた。それから三十年あると思います。

 長年の障害者雇用のあり方、そしてその中で、逆に最も今なさねばならないことが何であるのかという点について、もう一度、少しわかりやすくお願いをしたいと思います。

五十嵐参考人 まさに地域作業所から出発して、現在はいろいろなことをやっていますけれども、その中で就労にかかわるものとしては、今でいえば身体障害関係と知的障害関係の就労事業ですが、これは御存じのとおり、就労移行型とそれから継続就労でA、B、あと訓練型ということになっていきます。

 今、就労移行型についてはできるだけ、本当に本人の願いがかなうようにということで努力しているわけですが、継続就労の場合、先ほどもお話があったように、移行型がどんどん減っていくと生産性が落ちていってしまって運営にも支障を来すし、また、今のカウントの方式で日割り計算ですと、安定した職員を雇用していると、障害者が休んでしまったら、その分人件費をどうするんだという問題になる。まして、移行型じゃなくて継続型がだんだん多くなってきますとそういう傾向が強くなってくるので、基本的には、そういう就労事業からいえば日割り計算の、職員の不安定性というのは一日も早く解消してもらわないと、もう既につぶれていく就労事業があるくらいですから、そこは基本的に考えていただきたい。

 先ほどから申し上げている、もう遠くからいえば、私が運動しているときは旧労働省ですけれども、に行って障害者の雇用問題をやっても、八割以上の生産性がない限り労働省の対象ではないというふうに言われてきたんですね。その後にデンマークのショックを受けた。

 デンマークの場合は、言うまでもなく、本人の所得は就労できればそれで、できない人は当たり前のこととして、当時でいうと一万一千クローネですけれども、二十二万。それに重度の障害者で介護を必要とする人は、介護の度合いを評価して、私が行ったところは四人。そうすると、本人の二十二万、それからヘルパーを四人雇い入れるのにまた八十万。つまり、一人に対して百二万をかける。もう本当にびっくりしてしまったんですね。それからあと、一人で働けない人も在宅雇用ならばというので市役所から仕事を持ってきて、在宅雇用で就労の部分はカバーして、しかし介護が必要な部分は、やはり四人必要なんだから八十万。本人の所得とさらにプラスして八十万。

 これは、日本ではとてもできないことですけれども、要はそのことよりも、そういうふうにしても、とにかく一人の人として社会的存在で認めてそれをサポートするという、このあたりがどうしても日本においてはなじまないし、また具体的に展開しない。

 けれども、先ほど申し上げたとおり、一割しか生産性がないと見れば、一割は企業が当然支払うけれども、あとの九割は公的で、しかも管理福祉の生活保護でなくて、れっきとして一市民として生活できる、この仕組みは何とか実現してもらわないと、いつもかけ声だけで終わってしまうというむなしさが残ります。

阿部(知)委員 今の五十嵐さんの御指摘は、山本参考人もおっしゃった賃金の補てん制度と同時に、山本参考人の御指摘の、昭和二十年代にできた身体障害者福祉法での障害認定から、その人の稼働能力に着眼して、足らざる部分の賃金補てんを国が行うという根幹発想になってくると思いますが、そうした理解でよろしいのか。

 山本参考人は、ぜひここで決議を、いわゆる就労上の障害認定方法の確立ということについて決議をと書かれていますので、私もこれは非常に重要と思いますし、しかし同時に、賃金補てん制度がないと、おまえは半人前、おまえは三分の一と、また差別の手段にもなってまいりますから、そのあたりをもう一度ちょっと教えてください。

山本参考人 ありがとうございます。

 賃金補てん制度なんですけれども、今、特に、例えば障害年金の障害厚生年金については一級、二級、三級とあって、三級については稼働能力の減退を加味しながら支給決定できるものなんですが、ただ、これは一般就労していることが前提で、そのときに障害が発生したときには適用されます。しかし、生まれながらにして障害を持っていたり、二十前に障害を持っている方、これは障害基礎年金になりますので、一級、二級しかございません。三級相当がないために、稼働能力が加味されないまま、所得保障の補てんする仕組みがありません。

 こういった一般企業で働いていて障害を持ってきた方も、その傷病手当が外れた瞬間に、後は生活保護になるまでずっと何もない空白、制度のはざまが今生じている状態です。やはりそういったものをちゃんと補っていくような稼働能力の減退を加味した所得保障制度を、本当に今必死になってそこを補って整備していかないと、どんどん格差は広がるし、貧困問題は広がっていくんじゃないかなと思います。

 今の日本の制度は生活保護に過重に負担がいくようなシステムになっていますので、そこの間を補うような賃金補てんの制度をぜひとも、障害も含めて、ほかの貧困問題を抱えている方々もいらっしゃいますから、そういったところまで含めた課題提起をぜひお願いできないかと思っております。

 以上です。

阿部(知)委員 私も冒頭申しましたように、障害者の権利条約の二十七条では、明確に今、労働が障害者にとっての権利である、そういう一文があるわけです。これを現実の私どもの社会に定着させていくためにも、ぜひ、今参考人のおっしゃってくださった賃金補てん制度というのを、また議会の課題としても私も取り上げていきたいと思います。

 天野参考人にお伺いいたします。

 先ほどの五十嵐参考人のお話にもございましたが、いわゆる障害のある方もない方も一緒に暮らしていける社会のためには、教育の問題がやはり一番根幹にあるだろうと。我が国における障害者の権利条約の批准に際しても、教育分野における障害の問題の扱いということが非常にまだまだ未整備であるというところから批准もおくれているやに伺っているのですが、天野参考人の指摘の中に、教員の中に障害者の採用が教育委員会を含めて少ないと。

 ここは、法定雇用率の達成はもちろんのこと、よりもっと積極的に、そこは次の世代を生んでいく価値観の創造の場でありますから、そうした御提案なのかなと思いますが、そこでさらに御意見があればお願いいたします。

天野参考人 ありがとうございます。

 まさに、御指摘いただいたものと同じ趣旨で提案をさせていただきました。

 教育委員会、四十七都道府県のうち四機関。これも、ことしになって奈良と和歌山が加わって四になった。そうすると、四十三の残りの部分でまだ雇用率のところが達成されていない。これはやはり非常におかしなことだと思うんですね。

 理由では、教員のところの採用が進んでいないというふうなことも言われていますから、そういった面では、教員に障害を持った方が採用される、そのことでやはり生徒さんが感じることがいっぱいあると思うんですね。そこから障害者理解というところをやっていかないと、雇用の問題にしろ何にしろ、解決していかないんじゃないかなというふうに思います。

 以上です。

阿部(知)委員 引き続いて、輪島参考人にお伺いいたします。

 きょういろいろ御意見を賜りまして、私はもっと初歩的にぜひ伺いたいと思うのですが、障害者にとって、もちろん権利としての就労の場が拡大していくということは当然なのですが、それが企業にとってどう受けとめられているか。端的に言うと、非常に負担感が強い、お荷物だ、あるいは義務だとされるだけでは、恐らくこの問題は、我が国の労働のあり方にいい影響を及ぼさないんだろうと私は思うんです。経団連等々のお話の中で、例えば、障害のある方に就労参加していただけてこういう点がよかったというふうな発見とか学びとか、そういうことはどう語られているのか。

 それからもう一つは、きょういただきました資料の中で本当にいい指摘だなと思わせていただいたのは、途中で離職されていく方が半数以上なんだろうと思います。その原因は何であるのか、企業側から見た分析はどうであるのか。もちろん、派遣切りより先に障害者切りをしているというような、企業のそうしたやり方ではないところにも恐らく問題が、企業側にとっても解決してほしいというような問題があれば、それは政治の課題にもなってまいりますので、この離職状況が半数以上ということは、一体、何からもう少し改善していけるのかということのお考えをお述べいただきたいと思います。

輪島参考人 ありがとうございます。

 企業全体からいいますと、障害をお持ちの方、障害者の雇用の促進というのは、これを推進していくということはやっていかなくてはならないというふうな理解、そういうノーマライゼーションの観点から促進をしていくという方向性については否定をするものではないというふうに思っております。そういう意味で、特に最近の障害者雇用率の改善というのはそういうものも相まって、着実に進んでいるのではないかというふうに思っております。

 具体的には、例えば、知的障害の方を本社のメールサービスでお使いになっている会社があります。本社部門で一万人の非常に大きな事業所でありますけれども、そこに毎日一万通以上のメールが朝晩届く。知的障害の方の障害特性ですけれども、毎朝、非常に元気におはようございます、おはようございますと言ってメールを各部署に配っていく。たまたまある日、その会社のトップの人が、あの元気にメールサービスをしているのはどこのセクションの人なのかという話になって、知的障害の人にメールサービスをやってもらっているというような話があって、社長さんがびっくりした。

 私どももそうですけれども、朝行けば、何となくおはようございます、そういうような感じで職場に入るわけですけれども、そういうような職場の雰囲気を大きく変える力があるというようなことも、少しずつ理解が進んできているのではないかなというふうに思っているところでございます。

 それから二点目、離職の点について御指摘がございました。

 実は、私どももよくわからないのです。構造的に、これは十八年度の雇用状況報告から積み上げてみて、多分離職になっていないと、要はつじつまが合わないわけでありますので、その点でいうと、ハローワークでの就職から、多分一番大きいのは、四万四千件ぐらいがハローワークでありますから、例えば三カ月で離職しているのか、一年で離職しているのか、それから五年、十年働いている人が離職していて中が循環しているのか、そういったものも精査をしてみないとよくわからないのではないかなというふうに思っております。

 それで、障害者雇用分科会の中では、そういうようなものも将来的には検討してほしいというような議論があったというふうに承知をしております。

 以上でございます。

阿部(知)委員 ただいまの御指摘の点は、本当にぜひ、その実態の把握と精査が必要なものと思いますので、また国会の中でもいろいろに、そうした要求というものも出していければなと思います。

 最後に、森参考人にお伺いいたします。

 参考人がおまとめの中に、このたび、短時間労働者の雇用義務対象への追加ということを一点評価された上で、逆に、フルタイムから短時間労働に、本人が希望していないのに切りかえさせられることのないよう防止するための措置を講ずるべきと。これはとても重要なところだと思うんですね。

 例えば、特例子会社も使い方によっては、ある障害の方だけを集めて、本人の希望ではなくそちらに配転させられているというような状況も多々聞くわけです。でも、制度はもろ刃の剣のようなものを持っていまして、本来はフルタイム働きたい、だけれどもいろいろな事情でパートタイマーにされてしまう。それは雇用労働関係で雇用主の方が強いわけですから、ここを歯どめするものの担保は、具体的にどうしていけばいいとお考えでありましょうか。もし提案等々ございましたら、よろしくお願いします。

森参考人 お答えいたします。

 私は、障害者問題の一番のキーは、今のところは自己選択と自己決定だと思うんです。そういう形からいって、やはり障害者が反対するものを押しつけるというのは逆行するものだと私は思っておりますし、障害者のためによくあれという制度が反対に利用されるというのは、断じて排除しなきゃならないんじゃないかと思います。

 そのためには、やはりハローワークだとか行政機関の方でかちっとした指導をしていただくのが最善じゃないかな、こう思っております。

 以上です。

阿部(知)委員 ありがとうございます。

 雇用問題に限らず、これは山本参考人の御指摘にもありましたが、紛争解決のための障害者側に立った機関が極めて少ない中で、私は、このパートの採用というのは大変大きな懸念をいたすものでございます。

 以上をもって質問を終わらせていただきます。

田村委員長 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。

 この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。

 参考人の方々には、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただき、まことにありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。

 次回は、明十日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前十一時四十三分散会


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