衆議院

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第1号 平成22年10月20日(水曜日)

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本国会召集日(平成二十二年十月一日)(金曜日)(午前零時現在)における本委員は、次のとおりである。

   委員長 鉢呂 吉雄君

   理事 青木  愛君 理事 石森 久嗣君

   理事 内山  晃君 理事 黒田  雄君

   理事 中根 康浩君 理事 加藤 勝信君

   理事 古屋 範子君

      相原 史乃君    大西 健介君

      菊田真紀子君    郡  和子君

      斉藤  進君    園田 康博君

      田名部匡代君    田中美絵子君

      長尾  敬君    長妻  昭君

      仁木 博文君    初鹿 明博君

      樋口 俊一君    福田衣里子君

      藤田 一枝君    牧  義夫君

      三宅 雪子君    水野 智彦君

      宮崎 岳志君    室井 秀子君

      山口 和之君    山崎 摩耶君

      山井 和則君    あべ 俊子君

      鴨下 一郎君    菅原 一秀君

      田村 憲久君    棚橋 泰文君

      谷畑  孝君    長勢 甚遠君

      西村 康稔君    松浪 健太君

      松本  純君    坂口  力君

      高橋千鶴子君    阿部 知子君

      江田 憲司君

    ―――――――――――――

十月一日

 鉢呂吉雄君委員長辞任につき、その補欠として牧義夫君が議院において、委員長に選任された。

平成二十二年十月二十日(水曜日)

    午後一時開議

 出席委員

   委員長 牧  義夫君

   理事 青木  愛君 理事 石毛えい子君

   理事 石森 久嗣君 理事 黒田  雄君

   理事 中根 康浩君 理事 藤田 一枝君

   理事 柚木 道義君 理事 加藤 勝信君

   理事 田村 憲久君 理事 古屋 範子君

      江端 貴子君    大西 健介君

      岡本 充功君    小宮山洋子君

      郡  和子君    斉藤  進君

      田中美絵子君    長尾  敬君

      仁木 博文君    初鹿 明博君

      樋口 俊一君    平山 泰朗君

      福田衣里子君    藤村  修君

      細野 豪志君    三宅 雪子君

      水野 智彦君    宮崎 岳志君

      山口 和之君    山崎 摩耶君

      吉田 統彦君    あべ 俊子君

      鴨下 一郎君    北村 茂男君

      柴山 昌彦君    棚橋 泰文君

      長勢 甚遠君    松浪 健太君

      松本  純君    坂口  力君

      宮本 岳志君    阿部 知子君

      柿澤 未途君

    …………………………………

   厚生労働大臣       細川 律夫君

   厚生労働副大臣      小宮山洋子君

   厚生労働副大臣      藤村  修君

   厚生労働大臣政務官    岡本 充功君

   厚生労働大臣政務官    小林 正夫君

   厚生労働委員会専門員   佐藤  治君

    ―――――――――――――

委員の異動

十月一日

 辞任         補欠選任

  相原 史乃君     石毛えい子君

  内山  晃君     江端 貴子君

  菊田真紀子君     岡本 充功君

  園田 康博君     小宮山洋子君

  田名部匡代君     平山 泰朗君

  長妻  昭君     藤村  修君

  鉢呂 吉雄君     細野 豪志君

  室井 秀子君     柚木 道義君

  山井 和則君     吉田 統彦君

同月二十日

 辞任         補欠選任

  菅原 一秀君     柴山 昌彦君

  谷畑  孝君     北村 茂男君

  高橋千鶴子君     宮本 岳志君

  江田 憲司君     柿澤 未途君

同日

 辞任         補欠選任

  北村 茂男君     谷畑  孝君

  柴山 昌彦君     菅原 一秀君

  宮本 岳志君     高橋千鶴子君

  柿澤 未途君     江田 憲司君

同日

 理事大村秀章君九月三十日委員辞任につき、その補欠として田村憲久君が理事に当選した。

同日

 理事内山晃君同月一日委員辞任につき、その補欠として藤田一枝君が理事に当選した。

同日

 理事石森久嗣君及び黒田雄君同日理事辞任につき、その補欠として石毛えい子君及び柚木道義君が理事に当選した。

    ―――――――――――――

十月一日

 障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律案(馳浩君外四名提出、第百七十三回国会衆法第六号)

 国等による障害者就労施設からの物品等の調達の推進等に関する法律案(田村憲久君外六名提出、第百七十三回国会衆法第一二号)

 国民年金及び企業年金等による高齢期における所得の確保を支援するための国民年金法等の一部を改正する法律案(内閣提出、第百七十四回国会閣法第四一号)

 予防接種法及び新型インフルエンザ予防接種による健康被害の救済等に関する特別措置法の一部を改正する法律案(第百七十四回国会内閣提出第五四号、参議院送付)

 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出、第百七十四回国会閣法第六〇号)

同月二十日

 医師・看護師不足など医療の危機打開に関する請願(志位和夫君紹介)(第一七号)

 医療保険一元化に反対し、国保組合の育成・強化を求めることに関する請願(穀田恵二君紹介)(第一八号)

 同(志位和夫君紹介)(第一九号)

 介護労働者の処遇改善を初め介護保険制度の抜本的改善を求めることに関する請願(吉井英勝君紹介)(第二〇号)

 患者負担大幅軽減、後期高齢者医療制度の廃止を求めることに関する請願(石田芳弘君紹介)(第二一号)

 同(初鹿明博君紹介)(第三六号)

 同(吉田統彦君紹介)(第三七号)

 同(城内実君紹介)(第四一号)

 同(磯谷香代子君紹介)(第四九号)

 同(大西健介君紹介)(第五〇号)

 同(大山昌宏君紹介)(第五一号)

 同(吉田統彦君紹介)(第五二号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第六九号)

 同(志位和夫君紹介)(第一一八号)

 国の財源で高過ぎる国民健康保険料の引き下げを求めることに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第二二号)

 後期高齢者医療制度の速やかな廃止を求めることに関する請願(高橋千鶴子君紹介)(第二三号)

 高齢者に負担増と差別医療を強いる後期高齢者医療制度の中止・撤回を求めることに関する請願(佐々木憲昭君紹介)(第二四号)

 同(笠井亮君紹介)(第一三九号)

 国民医療の拡充と建設国保組合の育成・強化を求めることに関する請願(穀田恵二君紹介)(第二五号)

 七十五歳以上の高齢者と子どもの医療費を無料にすることに関する請願(笠井亮君紹介)(第二六号)

 保険でよい歯科医療の実現を求めることに関する請願(塩川鉄也君紹介)(第二七号)

 労働者派遣法の早期抜本改正に関する請願(穀田恵二君紹介)(第二八号)

 建設国保の育成・強化等に関する請願(笠井亮君紹介)(第三四号)

 働くルールの確立を求めることに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第三五号)

 社会保障を充実させ、国民の暮らしを守ることに関する請願(吉井英勝君紹介)(第四六号)

 同(吉泉秀男君紹介)(第四七号)

 同(赤嶺政賢君紹介)(第七〇号)

 同(笠井亮君紹介)(第七一号)

 同(穀田恵二君紹介)(第七二号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第七三号)

 同(志位和夫君紹介)(第七四号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第七五号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第七六号)

 同(宮本岳志君紹介)(第七七号)

 同(吉井英勝君紹介)(第七八号)

 同(石田芳弘君紹介)(第一四〇号)

 同(穀田恵二君紹介)(第一四一号)

 小規模作業所等成人期障害者施策に関する請願(大山昌宏君紹介)(第四八号)

 医療費の窓口負担軽減と医療保険制度への国庫負担の増額を求めることに関する請願(松崎哲久君紹介)(第六八号)

 医療崩壊を食いとめ、患者負担の軽減により安心して医療が受けられることに関する請願(佐々木憲昭君紹介)(第八九号)

 後期高齢者医療制度を速やかに廃止し、高齢者・国民が望む医療制度を目指すことに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第九〇号)

 同(笠井亮君紹介)(第九一号)

 同(穀田恵二君紹介)(第九二号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第九三号)

 同(志位和夫君紹介)(第九四号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第九五号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第九六号)

 同(宮本岳志君紹介)(第九七号)

 同(吉井英勝君紹介)(第九八号)

 最低保障年金制度の実現と無年金・低年金者に緊急措置を求めることに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第九九号)

 同(笠井亮君紹介)(第一〇〇号)

 同(穀田恵二君紹介)(第一〇一号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第一〇二号)

 同(志位和夫君紹介)(第一〇三号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第一〇四号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第一〇五号)

 同(宮本岳志君紹介)(第一〇六号)

 同(吉井英勝君紹介)(第一〇七号)

 子宮頸がん予防ワクチン接種の公費助成を求めることに関する請願(高橋千鶴子君紹介)(第一〇八号)

 生活保護の老齢加算復活に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第一〇九号)

 同(笠井亮君紹介)(第一一〇号)

 同(穀田恵二君紹介)(第一一一号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第一一二号)

 同(志位和夫君紹介)(第一一三号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第一一四号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第一一五号)

 同(宮本岳志君紹介)(第一一六号)

 同(吉井英勝君紹介)(第一一七号)

 後期高齢者医療制度の廃止など国民の暮らしを守ることに関する請願(吉井英勝君紹介)(第一三五号)

 中小業者とその家族の健康を守る対策に関する請願(高橋千鶴子君紹介)(第一三六号)

 同(宮本岳志君紹介)(第一三七号)

 同(吉井英勝君紹介)(第一三八号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 理事の辞任及び補欠選任

 国政調査承認要求に関する件


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     ――――◇―――――

牧委員長 これより会議を開きます。

 この際、一言ごあいさつを申し上げます。

 このたび、厚生労働委員長に就任いたしました牧義夫でございます。

 本委員会は、年金、医療、介護、福祉、雇用・労働問題など、国民生活に密接に関連した課題を所管しております。

 我が国を取り巻く社会経済情勢が急速に変化する中、国民が安心して暮らせる社会を実現するためには、本委員会の果たすべき役割は極めて重大であり、委員長就任に当たり、改めてその責任の重さを痛感いたしております。

 ここに委員各位の御指導と御協力をいただき、公正かつ円満な委員会運営に努めてまいりたいと存じます。

 どうぞよろしくお願い申し上げます。(拍手)

     ――――◇―――――

牧委員長 理事辞任の件についてお諮りいたします。

 理事石森久嗣君及び黒田雄君から、理事辞任の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

牧委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 引き続き、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。

 ただいまの理事辞任及び委員の異動に伴い、現在理事が四名欠員となっております。その補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

牧委員長 御異議なしと認めます。

 それでは、理事に

      石毛えい子君    藤田 一枝君

      柚木 道義君 及び 田村 憲久君

を指名いたします。

     ――――◇―――――

牧委員長 次に、国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。

 厚生労働関係の基本施策に関する事項

 社会保障制度、医療、公衆衛生、社会福祉及び人口問題に関する事項

 労使関係、労働基準及び雇用・失業対策に関する事項

以上の各事項について、その実情を調査し、対策を樹立するため、小委員会の設置、関係各方面からの説明聴取及び資料の要求等の方法により、本会期中調査を進めたいと存じます。

 つきましては、衆議院規則第九十四条により、議長の承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

牧委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

     ――――◇―――――

牧委員長 この際、細川厚生労働大臣、藤村厚生労働副大臣、小宮山厚生労働副大臣、岡本厚生労働大臣政務官及び小林厚生労働大臣政務官から、それぞれ発言を求められておりますので、順次これを許します。細川厚生労働大臣。

細川国務大臣 このたび厚生労働大臣を拝命いたしました細川律夫でございます。

 厚生労働行政の当面する諸課題の解決に向け、先頭に立って取り組んでまいりますので、委員長、委員各位を初め、国民の皆様の御理解と御協力をお願い申し上げます。

 私は、この一年間、長妻前厚生労働大臣のもとで副大臣を務め、大臣を支えながら厚生労働行政に携わってまいりました。厚生労働行政は、国民の皆さんの生活に密着している大変重要な分野であります。今般、大臣という職務につきまして、改めて身の引き締まる思いでございます。

 現在、少子高齢化が進行しております。雇用情勢も大変厳しい状況にあります。そういう中で、厚生労働行政は、子育て支援、年金、医療、介護など持続可能な社会保障の構築、雇用問題など、多くの課題を抱えております。こうした諸課題の解決に全力を傾けてまいる所存でございます。

 現下の雇用失業情勢は、八月の完全失業率が五・一%、有効求人倍率が〇・五四倍となっており、持ち直しの動きが見られるものの、依然として厳しい状況にあると認識をしております。

 経済成長は政府の重要な政策課題の一つであり、そのかなめは雇用であります。新成長戦略や新成長戦略実現に向けた三段構えの経済対策、円高・デフレ対応のための緊急総合経済対策に基づき、雇用・人材分野における各般の取り組みを戦略的に実施してまいります。

 まず、新卒者対策として、卒業後三年以内の既卒者を雇用する事業主に対する奨励金の創設やジョブサポーターの倍増等に取り組むほか、介護を初めとした成長分野における雇用機会の創出等を図る重点分野雇用創造事業の拡充等について、予備費を活用して取り組んでおります。

 今後、新卒者、若年者対策の一層の強化、雇用調整助成金の不正受給防止対策の強化と要件緩和、雇用創造や人材育成のさらなる推進に取り組むこととしております。

 こうしたさまざまな政策を総動員し、厳しい雇用失業情勢の改善に全力で取り組んでまいります。

 また、雇用保険を受給できない方々に対し、無料の職業訓練と訓練期間中の生活給付を行う緊急人材育成支援事業を行ってまいりましたが、平成二十三年度に恒久的な制度として求職者支援制度を創設すべく取り組んでまいります。

 最低賃金の引き上げにつきましては、本年六月の雇用戦略対話において、二〇二〇年までの目標として、できる限り早期に全国最低八百円を確保し、景気状況に配慮しつつ、全国平均千円を目指すことが合意されました。今後とも、労使関係者との調整を行いつつ、この目標の実現に向けた取り組みを進めてまいります。

 このほか、働く方の安全の確保に取り組むとともに、雇用保険の機能強化、受動喫煙防止対策の強化、有期労働契約のあり方につきましては、労働政策審議会において議論を進めてまいります。

 派遣労働者の雇用の安定や派遣事業の適正化のための労働者派遣法改正案につきましては、継続審議となっておりますので、早期の成立をお願いいたします。

 経済成長、財政健全化と並び、社会保障改革を一体的に実現することも、この政権の重要政策課題であります。

 とりわけ、人口減少社会となっている我が国においては、人類史上かつてないスピードで少子高齢社会に突入しており、経済成長を維持するとともに、増大する社会保障のニーズにもこたえることが必要であり、両者をいかに両立させていくかという戦略が重要です。

 従来、社会保障はコストとしてとらえられがちでしたが、この分野は大きな成長と雇用の創出が期待されます。新成長戦略においても、高い成長と雇用創出が見込める医療・介護・健康関連産業を日本の成長牽引産業として明確に位置づけ、ライフイノベーションによる健康大国戦略を打ち出しました。今後、成長戦略の工程表に沿って、しっかりと取り組んでまいります。

 また、こうした需要にこたえ、限られた資源を必要な分野に集中的に投入することにより社会保障の機能強化を行うことは、人々が地域で働き続け、高齢になっても暮らし続けられる社会を構築することにつながります。

 さらに、後代に負担のツケ回しをしないための持続可能な社会保障の構築や社会保障の機能強化のために必要となる安定的な財源をどのように確保するか、また、社会保障の基盤となる番号制度をどう整備するかといったことも、あわせて議論する必要があります。

 これまでも少子高齢社会の日本モデルについて検討を進めてまいりましたが、今こそ、医療、年金、介護、子育て、雇用などの不安をなくし、安心して暮らせる社会保障制度を構築しなければなりません。我が国がかつての輝きを取り戻し、成長し続ける日本として復活するための最大かつ共通の課題である社会保障について、政府一体となって改革を進めてまいります。

 子供と子育てを応援する社会を構築することが重要な課題であります。このため、まず、社会全体で一人一人の子供の育ちを支援する子ども手当については、平成二十三年度以降、財源を確保しつつ、現行の月額一万三千円からの上積みを目指してまいります。

 そして、保育所待機児童の解消に向けては、ことし一月に政府において策定した子ども・子育てビジョンに基づき、子育て支援のサービス基盤の抜本的拡充を図ります。

 また、幼保一体化を含めた子ども・子育て支援のための包括的、一元的な制度の構築につきましては、ことし六月に決定した子ども・子育て新システムの基本制度案要綱に基づき、今後、来年の通常国会への法案提出に向け、内閣府等と検討を進めてまいります。

 児童虐待によって子供が命を失うという痛ましい事件が続いております。児童虐待によって子供の命が失われることがないよう、児童虐待防止対策を強化するとともに、虐待を受けた子供等への支援に努めてまいります。

 妊婦健診につきましては、来年度も公費助成を継続できるようにすることに加え、HTLV1対策として、妊婦健診に抗体検査を追加することなどの取り組みを行うことといたしております。

 さらに、子供の育ちを支援するためには、働き方の見直しも必要であります。仕事と生活の調和の実現に向けて、改正育児・介護休業法の着実な施行に加え、企業における両立支援の取り組みの促進、労働者が性別にかかわりなくその能力を十分に発揮できるような環境の整備、多様な働き方に応じた公正な待遇の確保に取り組んでまいります。

 国民だれもが真に安心できる年金制度の構築が喫緊の課題であります。

 新たな年金制度の創設につきましては、総理を議長とする新年金制度に関する検討会において、本年六月に新年金制度の基本原則を取りまとめました。党派を超えて国民的な議論を行い、平成二十五年の法案提出を目指してまいります。

 また、基礎年金国庫負担割合の二分の一につきましては、年金制度の持続可能性を確保するために必要不可欠なものと考え、平成二十三年度予算編成過程において二分の一維持のための財源確保を図ってまいります。

 現行年金制度の改善への取り組みについては、無年金となる方の発生を予防するとともに、高齢者の年金額を充実させる観点から、国民年金保険料をさかのぼって納められる期間を二年から十年に延長することや、企業年金制度の改善などを内容とする年金確保支援法案を提出しているところであり、早期の成立をお願いいたします。

 年金記録問題への対応につきましては、国家プロジェクトとして、平成二十二年度、二十三年度の二年間に集中的に取り組み、平成二十五年度までの四年間にできる限りの取り組みを進めてまいります。

 紙台帳等とコンピューター記録の突き合わせにつきましては、本年十月以降、検索システムを用いた作業を順次開始しており、平成二十五年度までに全件の突き合わせを実施してまいります。

 また、年金通帳に関しましては、まずは、インターネットでの記録確認をより使いやすいものとし、自宅でパソコンが使えない方でも市役所や郵便局などで確認できるようにしてまいります。その上で、年金通帳の形式や設計内容について国民的な調査を実施し、内容を確定させた上で、年金通帳を実現してまいります。

 高齢者の介護・福祉施策につきましては、高齢者が住みなれた地域で安心して暮らし続けることができるようにすることが重要であります。このため、地域包括ケアシステムの構築を進めるとともに、介護職員の処遇改善に引き続き取り組むために、介護保険制度の見直しについて、年末までに成案を得た上で、来年の通常国会に法案を提出できるよう、具体的な検討を進めてまいります。

 介護サービスの充実については、認知症高齢者グループホーム等の防災対策、二十四時間地域巡回・随時訪問サービスなど介護サービスの充実や地域の日常的な支え合い活動の体制づくりを進めることとしています。

 障害のある方の支援につきましては、障害者自立支援法を廃止し、制度の谷間のない支援の提供、個々のニーズに基づいた地域生活支援体系の整備等を内容とする障害者総合福祉法の制定に向け、障害当事者等の御意見を十分に伺いながら、平成二十四年の通常国会への法案提出、平成二十五年八月までの施行を目指し、検討を進めてまいります。

 自殺やうつ病による社会的損失は一年間で約二・七兆円と推計されており、だれもが安心して生きられる温かい社会をつくっていく観点からも、自殺やうつ病への対策に取り組んでいく必要があります。精神障害者への訪問による支援であるアウトリーチの充実や、面接を通じて治療を行う認知行動療法の普及、向精神薬の過量服薬への取り組み等、精神保健医療体制の充実に取り組み、また、職場におけるメンタルヘルスの対策についても充実を図ってまいります。

 生活保護制度につきましては、その保護率が昭和四十年代前半と同程度まで上昇しております。このため、受給者に対する自立支援を推進するとともに、生活保護に至る前の第二のセーフティーネットとして、住まいを失った離職者等に対し家賃を補助する住宅手当や生活費等を貸し付ける総合支援資金貸付について、着実に推進してまいります。

 また、ホームレスになるおそれのある方等に対しては、民間団体等との協力連携のもと、地域生活への復帰や路上化の予防のための支援を行います。

 だれもが安心して良質な医療サービスを受けられるようにすることは、社会保障改革の大きな目標であります。

 後期高齢者医療制度にかわる新たな制度のあり方につきましては、私が主宰する高齢者医療制度改革会議で検討を進めています。今後、年末までに具体的な成案を得た上で、来年の通常国会に法案を提出できるよう、具体的な検討をさらに進めてまいります。

 また、地域の医師不足問題など、医療が直面する課題に対応するとともに、地域で安心して暮らすことができる医療提供体制の構築に取り組んでまいります。

 がん対策につきましては、がん患者の方々の声を踏まえつつ、がんに対する適切な医療提供体制やがん検診を受けやすい体制の整備など、その拡充を図ってまいります。また、薬害肝炎の反省に立ち、健康被害の再発の防止に取り組むとともに、肝炎総合対策を推進し、肝炎対策基本指針の策定に取り組んでまいります。

 臓器移植につきましては、改正臓器移植法に基づき、移植医療を適正に実施するため、コーディネーターの増員等あっせん体制の整備を進めてまいります。

 新型インフルエンザA、H1N1対策につきましては、再流行の可能性も踏まえ、引き続きワクチン接種等を実施してまいります。

 また、今回の経験等を踏まえ、高病原性の鳥由来新型インフルエンザ対策の再構築を図ってまいります。なお、ワクチン接種等の対応に万全を期すための予防接種法等改正案が継続審議となっておりますので、早期の成立をお願いいたします。

 予防接種制度につきましては、対象疾病やワクチンの範囲、評価・検討組織のあり方等について、厚生科学審議会予防接種部会における議論等を踏まえつつ、見直しを検討してまいります。また、地方自治体における子宮頸がん、Hib、小児用肺炎球菌ワクチンの接種事業に対する支援策を講じてまいります。

 さらに、自然災害やテロ、新興感染症などの健康危機に対しても、国民の生命や健康を守るため、万全を尽くしてまいります。

 昨今、食の安全に対する国民の関心はますます高くなっております。食品の安全性の確保につきましては、輸入食品の監視体制を強化するとともに、問題事案の発生時には、関係行政機関と連携しつつ迅速な対応をするなど、国民の健康の保護を図るために全力を尽くしてまいります。

 このほか、戦没者の遺骨帰還事業や慰霊事業、戦傷病者、戦没者遺族等に対する支援、中国残留邦人に対する支援策もきめ細やかに実施をしてまいります。

 以上の取り組みに加え、厚生労働省改革を進めていくことも重要な課題であります。私のもとでも引き続き、省内事業仕分けや組織目標に沿った人事評価、国民の皆様の声を踏まえた業務・制度の改善、わかりやすい情報発信等の取り組みを進めていくことにより、国民の皆様に信頼される厚生労働行政を目指してまいります。

 また、独立行政法人に係る改革を推進するため、独立行政法人雇用・能力開発機構を廃止し、独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構に職業能力開発業務を移管すること等を内容とする法律案を提出いたしましたので、速やかな成立をお願いいたします。

 以上、御説明申し上げてまいりましたが、厚生労働行政には、このほかにも多くの課題が山積をいたしております。

 委員長を初め委員の皆様におかれましては、提出法案の速やかな成立を初め一層の御理解と御協力を賜りますよう、よろしくお願いを申し上げます。(拍手)

牧委員長 次に、藤村厚生労働副大臣。

藤村副大臣 このたび厚生労働副大臣を拝命いたしました藤村修でございます。

 私は、昨年からことし五月まで、本委員会、衆議院厚生労働委員長を務めておりまして、厚生労働行政というものの、本当に国民生活に幅広く、そしてそれぞれに深く関係しているということを痛感してまいりました。

 かつては揺りかごから墓場までと言われましたが、今や受精卵から遺骨収集までという大変広い範囲の行政を担う、そんな仕事に、牧義夫委員長を初め委員各位の御協力をいただきながら、そして細川大臣を支え、小宮山副大臣、岡本大臣政務官、小林大臣政務官とともに取り組んでまいりますことをお誓い申し上げまして、ごあいさつといたします。

 どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)

牧委員長 次に、小宮山厚生労働副大臣。

小宮山副大臣 このたび厚生労働副大臣を拝命いたしました小宮山洋子でございます。

 私は、子育て支援と労働を主に担当することになっております。

 私自身が、メディアで仕事をしながら三人の男の子を、育児休業もゼロ歳児保育もない中で、常に別々の保育園に子供を預けながら仕事をしてまいりましたので、今懸案になっている就学前の子供の居場所づくりを初め、子供、子育ての応援政策については、ぜひこれは党派を超えて皆様のお力もいただいてしっかりつくっていきたいと思っております。

 また、厚生省と労働省が一緒になってから、どうも労働についての審議時間が少なくなっているのかなという気もいたしますが、今、若い方の非正規の問題やワーク・ライフ・バランスなど、働き方を見直すことは大きな課題だと思っておりますので、ぜひ、牧委員長、そして委員の皆様方の御協力をいただきながら、細川大臣を支えて、藤村副大臣、岡本政務官、小林政務官とともに、よいチームワークで取り組んでいきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。(拍手)

牧委員長 次に、岡本厚生労働大臣政務官。

岡本大臣政務官 このたび厚生労働大臣政務官に就任いたしました岡本充功でございます。

 当委員会におきまして、牧委員長を初め委員の皆様方の御指導をお願いしたいと思います。

 私は、幅広い厚生労働行政の中でも、医療、年金、介護、福祉、そして社会援護事業に加えて食の安全といった分野を担当させていただきます。

 藤村修副大臣、また小宮山洋子副大臣、そして小林正夫大臣政務官とともに細川律夫大臣をお支えして、国民の皆様方に真にためになる厚生労働行政実現のために全力で頑張ってまいりたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)

牧委員長 最後に、小林厚生労働大臣政務官。

小林大臣政務官 このたび厚生労働大臣政務官を仰せつかりました参議院議員の小林正夫です。

 私は、労働と子育てを中心に仕事をするように大臣から御指示をいただきました。

 参議院の厚生労働委員会の委員として今日までいろいろ発言をさせていただきました。その経験を生かし、今度は政務官という立場で厚生労働行政にしっかり取り組んでいきたいと思います。

 牧義夫委員長を初めとして厚生労働委員の皆様に御協力をいただくとともに、細川律夫大臣を支え、藤村副大臣、小宮山副大臣、それと岡本政務官、一緒になって頑張っていきたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。(拍手)

牧委員長 次回は、来る二十二日金曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後一時二十六分散会


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