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第1号 平成23年2月23日(水曜日)

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本国会召集日(平成二十三年一月二十四日)(月曜日)(午前零時現在)における本委員は、次のとおりである。

   委員長 牧  義夫君

   理事 青木  愛君 理事 石毛えい子君

   理事 中根 康浩君 理事 藤田 一枝君

   理事 柚木 道義君 理事 加藤 勝信君

   理事 田村 憲久君 理事 古屋 範子君

      石森 久嗣君    江端 貴子君

      大西 健介君    岡本 充功君

      黒田  雄君    小宮山洋子君

      郡  和子君    斉藤  進君

      田中美絵子君    長尾  敬君

      仁木 博文君    初鹿 明博君

      樋口 俊一君    平山 泰朗君

      福田衣里子君    藤村  修君

      細野 豪志君    三宅 雪子君

      水野 智彦君    宮崎 岳志君

      山口 和之君    山崎 摩耶君

      吉田 統彦君    あべ 俊子君

      鴨下 一郎君    菅原 一秀君

      棚橋 泰文君    谷畑  孝君

      長勢 甚遠君    西村 康稔君

      松浪 健太君    松本  純君

      坂口  力君    高橋千鶴子君

      阿部 知子君    江田 憲司君

平成二十三年二月二十三日(水曜日)

    午後零時十六分開議

 出席委員

   委員長 牧  義夫君

   理事 青木  愛君 理事 石毛えい子君

   理事 郡  和子君 理事 中根 康浩君

   理事 藤田 一枝君 理事 柚木 道義君

   理事 渡辺  周君 理事 加藤 勝信君

   理事 田村 憲久君 理事 古屋 範子君

      石森 久嗣君    稲富 修二君

      大西 健介君    岡本 充功君

      工藤 仁美君    小宮山洋子君

      斉藤  進君    田中美絵子君

      竹田 光明君    玉木 朝子君

      長尾  敬君    仁木 博文君

      初鹿 明博君    樋口 俊一君

      平山 泰朗君    福田衣里子君

      三宅 雪子君    宮崎 岳志君

      山口 和之君    山崎 摩耶君

      吉田 統彦君    あべ 俊子君

      鴨下 一郎君    菅原 一秀君

      棚橋 泰文君    谷畑  孝君

      長勢 甚遠君    西村 康稔君

      松浪 健太君    松本  純君

      坂口  力君    高橋千鶴子君

      阿部 知子君    柿澤 未途君

    …………………………………

   厚生労働大臣       細川 律夫君

   厚生労働副大臣      小宮山洋子君

   厚生労働副大臣      大塚 耕平君

   厚生労働大臣政務官    岡本 充功君

   厚生労働大臣政務官    小林 正夫君

   厚生労働委員会専門員   佐藤  治君

    ―――――――――――――

委員の異動

一月二十四日

 辞任         補欠選任

  江端 貴子君     稲富 修二君

  黒田  雄君     工藤 仁美君

  藤村  修君     竹田 光明君

  細野 豪志君     玉木 朝子君

  水野 智彦君     渡辺  周君

二月二十三日

 辞任         補欠選任

  江田 憲司君     柿澤 未途君

同日

 辞任         補欠選任

  柿澤 未途君     江田 憲司君

同日

 理事青木愛君及び石毛えい子君同日理事辞任につき、その補欠として郡和子君及び渡辺周君が理事に当選した。

    ―――――――――――――

一月二十四日

 障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律案(馳浩君外四名提出、第百七十三回国会衆法第六号)

 国等による障害者就労施設からの物品等の調達の推進等に関する法律案(田村憲久君外五名提出、第百七十三回国会衆法第一二号)

 予防接種法及び新型インフルエンザ予防接種による健康被害の救済等に関する特別措置法の一部を改正する法律案(第百七十四回国会内閣提出第五四号、参議院送付)

 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出、第百七十四回国会閣法第六〇号)

二月十六日

 後期高齢者医療制度の速やかな廃止を求めることに関する請願(吉井英勝君紹介)(第一七号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第六〇号)

 七十五歳以上の高齢者と子どもの医療費を無料にすることに関する請願(穀田恵二君紹介)(第一八号)

 労働者派遣法抜本改正を求めることに関する請願(宮本岳志君紹介)(第一九号)

 患者・利用者負担を大幅に軽減し、いつでも安心して受けられる医療・介護の実現に関する請願(服部良一君紹介)(第三九号)

 同(吉井英勝君紹介)(第六一号)

 患者・利用者負担を大幅に軽減し、いつでも安心して受けられる医療・介護の実現を求めることに関する請願(古本伸一郎君紹介)(第四〇号)

 同(吉田統彦君紹介)(第四一号)

 同(滝実君紹介)(第八一号)

 難病、長期慢性疾患、小児慢性疾患の総合対策を求めることに関する請願(河井克行君紹介)(第四二号)

 後期高齢者医療制度を廃止し、最低保障年金制度の創設を求めることに関する請願(高橋千鶴子君紹介)(第五〇号)

 じん肺とアスベスト被害根絶を求めることに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第五一号)

 同(笠井亮君紹介)(第五二号)

 同(穀田恵二君紹介)(第五三号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第五四号)

 同(志位和夫君紹介)(第五五号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第五六号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第五七号)

 同(宮本岳志君紹介)(第五八号)

 同(吉井英勝君紹介)(第五九号)

 同(重野安正君紹介)(第六六号)

 同(中島隆利君紹介)(第八二号)

 後期高齢者医療制度即時廃止、安心の医療を求めることに関する請願(塩川鉄也君紹介)(第七九号)

 同(赤嶺政賢君紹介)(第一三八号)

 同(笠井亮君紹介)(第一三九号)

 同(穀田恵二君紹介)(第一四〇号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第一四一号)

 同(志位和夫君紹介)(第一四二号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第一四三号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第一四四号)

 同(宮本岳志君紹介)(第一四五号)

 同(吉井英勝君紹介)(第一四六号)

 社会保障を充実させ、国民の暮らしを守ることに関する請願(吉井英勝君紹介)(第八〇号)

 同(吉井英勝君紹介)(第九六号)

 パーキンソン病患者・家族の治療療養生活の質的向上の総合対策に関する請願(玉木朝子君紹介)(第一〇二号)

 後期高齢者医療制度を速やかに廃止し、高齢者・国民が望む医療制度を目指すことに関する請願(高橋千鶴子君紹介)(第一二八号)

 社会保障としての国保制度の確立を求めることに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第一二九号)

 同(笠井亮君紹介)(第一三〇号)

 同(穀田恵二君紹介)(第一三一号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第一三二号)

 同(志位和夫君紹介)(第一三三号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第一三四号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第一三五号)

 同(宮本岳志君紹介)(第一三六号)

 同(吉井英勝君紹介)(第一三七号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 理事の辞任及び補欠選任

 国政調査承認要求に関する件

 厚生労働関係の基本施策に関する件


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     ――――◇―――――

牧委員長 これより会議を開きます。

 理事辞任の件についてお諮りいたします。

 理事青木愛君及び石毛えい子君から、理事辞任の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

牧委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 引き続き、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。

 ただいまの理事辞任に伴う補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

牧委員長 御異議なしと認めます。

 それでは、理事に

      郡  和子君 及び 渡辺  周君

を指名いたします。

     ――――◇―――――

牧委員長 次に、国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。

 厚生労働関係の基本施策に関する事項

 社会保障制度、医療、公衆衛生、社会福祉及び人口問題に関する事項

 労使関係、労働基準及び雇用・失業対策に関する事項

以上の各事項について、その実情を調査し、対策を樹立するため、小委員会の設置、関係各方面からの説明聴取及び資料の要求等の方法により、本会期中調査を進めたいと存じます。

 つきましては、衆議院規則第九十四条により、議長の承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

牧委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

     ――――◇―――――

牧委員長 厚生労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。

 この際、厚生労働大臣から所信を聴取いたします。細川厚生労働大臣。

細川国務大臣 厚生労働委員会開催に当たって、私の所信を申し述べます。

 一昨年の九月以降、副大臣そして大臣として厚生労働行政に携わってまいりましたが、改めて実感していることがあります。それは、厚生労働行政は、生まれてから亡くなるまでの、人の一生に深くかかわる行政であるということであります。

 このため、国民の安心した生活を実現できるよう、厚生労働行政の当面する諸課題の解決に向け、先頭に立って取り組んでまいりますので、委員長、委員各位を初め、皆様の御理解と御協力をお願い申し上げます。

 国民が安心して暮らせる社会保障制度の構築は、菅総理大臣が掲げる最小不幸社会の実現のために必要不可欠なものであります。制度が想定した社会経済状況が大きく変化した今、社会保障の安定強化のための制度改革が求められています。

 昨年十二月、今後の改革に係る基本方針を示した「社会保障改革の推進について」が閣議決定されました。内閣としては、本年六月までに、全世代対応型、未来への投資、支援型サービス給付の重視、包括的な支援、安定財源の確保という五つの基本原則を具体化する社会保障改革案の全体像を取りまとめることとしております。

 このため、昨年末には、厚生労働省内に社会保障検討本部を立ち上げたところであります。今後、検討本部で、医療・介護、年金、就労促進、貧困・格差、子ども・子育て支援といった分野について、本年四月中を目途に、改革の方向性や具体策を取りまとめてまいりたいと考えております。

 社会保障改革を推進するに当たっては、社会保障・税一体改革担当大臣を初め、関係者とよく連携しながら、政府一体となって取り組んでまいります。

 子供と子育てを応援する社会を構築することは、喫緊の重要課題であります。

 社会全体で一人一人の子供の育ちを支援するため、三歳未満の子供については月額二万円の、その他の子供については月額一万三千円の子ども手当を支給する法律案を提出いたしました。

 保育所待機児童の解消に向けては、子ども・子育てビジョンに基づく取り組みを全力で進めるとともに、待機児童解消に先進的に取り組む自治体を支援してまいります。

 また、幼保一体化を含めた子ども・子育て支援のための包括的、一元的な制度の構築につきましても、内閣府等と検討を進め、法律案の早期提出を目指してまいります。

 これらにあわせて、仕事と生活の調和の実現のため、働き方の見直しにも引き続き取り組んでまいります。

 児童虐待によって子供が命を失うという痛ましい事件が続いております。児童虐待防止対策を強化し、虐待を受けた子供等への支援に努めるとともに、児童の権利利益を擁護する観点から、親権に係る制度を見直す法律案を法務省と共同で今国会に提出してまいります。

 国民の皆様から、年金制度の改革について大きな期待をいただいております。今後、新たな年金制度について、平成二十五年の法案提出に向けて具体的な制度設計の検討を進めるとともに、現行制度の改善についても検討し、国民的な合意形成を図った上で、実現を目指してまいります。

 また、年金制度の持続可能性の確保のため、平成二十三年度以降も基礎年金の国庫負担割合二分の一を維持すべく、関連法案を提出したところであります。

 年金記録問題に対しては、紙台帳とコンピューター記録の突き合わせ、ねんきんネットの充実、年金通帳に関する調査の実施などの取り組みを進めてまいります。

 現下の雇用失業情勢は、持ち直しの動きが広がりつつありますが、依然として厳しい状況にあります。特に、大学の新卒者の就職内定率は、昨年十二月現在で六八・八%と過去最低となっています。

 現在、予備費や平成二十二年度補正予算に盛り込まれた雇用対策を切れ目なく実施しているところであり、平成二十三年度も引き続き、雇用をつなぐ、つくる、守る政策に万全を期すことにより、厳しい雇用失業情勢の改善に全力で取り組んでまいります。

 まず、新卒者対策としましては、新卒応援ハローワークの設置やジョブサポーターの増員配置、卒業後三年以内の既卒者を採用した企業への奨励金の創設等を行っており、この二月からは奨励金の対象を未内定者にも拡充しました。ジョブサポーターにより、昨年九月から本年一月末までで約二万五千人が就職するなど成果が出てきております。今後とも、一人でも多くの方が就職できるよう、労働局、ハローワークが総力を挙げて支援してまいります。

 雇用保険を受給できない方に対するセーフティーネットとして、無料の職業訓練と、訓練中の生活を支援し、訓練受講を容易にするための給付を行う求職者支援制度の平成二十三年度の創設に向け、法律案を提出したところです。

 さらに、雇用保険につきまして、労働者の生活の安定、再就職の促進等を図るため、基本手当の引き上げ、再就職手当の充実、失業等給付に係る保険料率の引き下げ等を内容とする改正法案を提出したところであります。

 最低賃金につきましては、全国最低八百円、全国平均千円の目標の実現に向け、中小企業への支援を行うとともに、労使関係者との調整を図りつつ、取り組んでまいります。

 労働災害の防止に全力を挙げるとともに、職場のメンタルヘルス対策の強化、受動喫煙による健康障害防止等を図るため、関連法案の提出に向けた準備を進めてまいります。また、有期労働契約のあり方について議論を進めてまいります。

 このほか、国の労働政策全般にわたる基本方針も本年六月までに取りまとめたいと考えております。

 高齢者の介護・福祉政策につきましては、高齢者が住みなれた地域で安心して暮らし続けることができるよう、地域包括ケアシステムの構築を進めてまいります。このため、定期巡回・随時対応型のサービスの創設、財政安定化基金の取り崩しや介護職員等によるたんの吸引の実施等の所要の措置を講ずるため、介護保険法等の一部を改正する法律案を今国会に提出いたします。

 障害のある方の支援につきましては、制度の谷間のない支援の提供等を内容とする障害者総合福祉法の制定に向け、平成二十四年の通常国会への法案提出を目指し、検討を進めてまいります。

 また、さきの臨時国会で障害者等の地域生活を支援するための議員立法が成立いたしましたが、その円滑な施行にも努めてまいります。

 生活保護における保護率が、昭和四十年代前半と同程度まで上昇をしております。このため、受給者に対する自立支援の推進や不正受給の防止等生活保護制度の見直しを検討してまいります。

 だれもが良質な医療サービスを受けられるようにすることは、国民の安心の実現に直結する重要課題であります。

 後期高齢者医療制度にかわる新たな制度につきましては、高齢者医療制度改革会議の最終取りまとめを踏まえ、関連法案の提出に向けて関係各方面との調整を進めてまいります。

 また、地域の医師不足問題に対し、来年度予算案において病院の医師確保の支援を行う地域医療支援センターの設置を促進するなど、地域で安心して暮らすことができる医療提供体制の構築に取り組んでまいります。

 このほか、HTLV1総合対策に基づく取り組みを初め、難病、がん、肝炎などさまざまな疾病を抱える方々への支援策に引き続き力を入れてまいります。

 なお、B型肝炎訴訟におきましては、一月十一日に札幌地方裁判所から示された裁判所の見解を受け入れたところであり、今後、国民の御理解を得られるような全体解決に向けて、引き続き最大限の努力をしてまいります。

 国民の生命や健康を守るため、新型インフルエンザ対策を初めとする健康危機管理対策や食品の安全性の確保等について万全を尽くしてまいります。

 このほか、援護行政につきましては、戦没者の遺骨帰還事業や慰霊事業を初めとして、きめ細やかに実施してまいります。また、平成十五年四月以降に新たに戦傷病者等の妻になった方々などに対し、その特別な労苦に報いるため、特別給付金を支給するための法律案を提出したところでございます。

 本年四月に第十五回ILOアジア太平洋地域会合が京都市で開催されます。本会合は、ディーセントワーク、すなわち、働きがいのある人間らしい仕事を達成するため、今後のアジア地域における活動の方向を決定する重要なものであり、開催国として国際貢献できるよう努めてまいります。

 派遣労働者の雇用の安定や派遣事業の適正化のための労働者派遣法改正案、独立行政法人雇用・能力開発機構法を廃止する法律案、国民年金保険料をさかのぼって納められる期間の延長などを内容とする年金確保支援法案、ワクチン接種等の対応に万全を期すための予防接種法等改正案につきましては、継続審議となっておりますので、早期の成立をお願いいたします。

 以上、御説明申し上げましたが、これらのほかにも、厚生労働行政には多くの課題が山積をしております。

 委員長を初め委員の皆様方におかれましては、提出法案や継続審議となっている法案の速やかな成立を初め、一層の御理解と御協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。(拍手)

牧委員長 次に、平成二十三年度厚生労働省関係予算の概要について説明を聴取いたします。小宮山厚生労働副大臣。

小宮山副大臣 厚生労働副大臣の小宮山でございます。

 大塚副大臣、岡本政務官、小林政務官とともに細川大臣を支え、牧委員長を初め委員の皆様の御協力もいただきながら厚生労働行政に力を尽くしてまいりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 それでは、お手元の資料に基づいて、平成二十三年度厚生労働省関係予算案の概要について説明いたします。

 まず、平成二十三年度厚生労働省所管一般会計の予算規模は、総額は二十八兆九千六百三十八億円、対前年度一兆四千七十七億円、五・一%の増加となっています。

 以下、主要施策について説明いたします。

 第一は、五ページから九ページにかけての、安心して子供を産み育てることのできる環境の整備です。これからの社会を担う子供の育ちを社会全体で支援するため、子育てに関する支援策を充実させるなど、総合的な子ども・子育て支援を推進していきます。

 第二は、十ページから十一ページにかけての、信頼できる年金制度に向けてです。公的年金制度は国民の老後の安定した生活を支えるセーフティーネットであり、安心、納得できる年金制度の構築に向け、基礎年金国庫負担二分の一を維持するとともに、年金制度改革への取り組みを進めていきます。

 また、年金記録問題については、国家プロジェクトとして、平成二十二年度に引き続き、解決に向けた集中的な取り組みを進めていきます。

 第三は、十二ページから二十一ページにかけての、厳しい経済環境下における雇用、生活安定の確保です。現在の雇用情勢は依然として厳しい状況にあり、ハローワークの職業紹介、雇用保険、雇用管理指導等の充実強化に加え、求職者支援制度の創設など積極的な就労・生活支援対策、非正規労働者の正社員化の推進、職業能力開発の充実強化を図っていきます。

 また、若者、女性、高齢者、障害者等の就業を実現することや地域対策等、ニーズに応じたきめ細かな支援策を実施し、雇用の量の拡大を図っていきます。

 第四は、二十二ページから二十四ページにかけての、質の高い医療サービスの安定的な提供です。各医療保険制度に関する必要な経費を確保し、国民皆保険制度を堅持していきます。

 また、医師等の人材確保対策、救急医療、周産期医療の体制整備、革新的な医薬品、医療機器の開発促進等を通じ、質の高い医療サービスを安定的に提供していきます。

 第五は、二十五ページから三十一ページにかけての、健康で安全な生活の確保です。働き盛り世代へのがん予防対策を強化するなど、がん対策を総合的かつ計画的に推進するとともに、肝炎治療や肝炎ウイルス検査を促進するなど肝炎対策を推進していきます。

 また、難病などの各種疾病対策、移植対策や生活習慣病対策を推進するとともに、新型インフルエンザ等感染症対策や健康危機管理対策の強化、医薬品、医療機器の安全対策の推進等を図っていきます。

 さらに、国民の健康被害防止のために、輸入食品の安全対策、残留農薬、食品汚染物質、容器包装等の安全性の確保など食品安全対策を推進していきます。

 第六は、三十二ページから三十四ページにかけての、良質な介護サービスの確保です。高齢者が要介護状態になっても住みなれた地域で安心して過ごすことができる環境を整備するため、地域包括ケアを推進するとともに、安定的な介護保険制度運営の確保や地域の介護基盤整備等を通じて、安心で質の高いサービスの確保を図っていきます。

 第七は、三十五ページから四十ページにかけての、障害者支援の総合的な推進です。障害があっても当たり前に地域で暮らし、地域の一員としてともに生活できる社会を実現するため、良質な障害福祉サービスの確保や地域生活支援事業の着実な実施、精神障害者や発達障害者等への支援施策の推進等を図っていきます。

 第八は、四十一ページから四十四ページにかけての、安心して働くことのできる環境整備です。国民が未来に対し希望を持って安心して働くことができる社会の実現のため、最低賃金の引き上げ、ワーク・ライフ・バランスの推進、労働者の心身の健康確保のための対策等を実施していきます。

 第九は、四十五ページから四十七ページにかけての、暮らしの安心確保です。被保護者の自立支援に向けた生活保護制度の適正な実施、住居、生活相談などが一体となった貧困・困窮者への支援、住宅手当の支給や自殺・うつ病対策の推進等により暮らしの安心を確保していきます。

 以上のほか、世界保健機関や国際労働機関等を通じた国際協力の推進、外国人労働問題等への適切な対応、戦傷病者、戦没者遺族、中国残留邦人の援護、原爆被爆者対策等の諸施策を推進していきます。

 以上、主な内容について説明いたしました。お手元の資料のうち、一般会計予算案の主要経費別内訳及び特別会計予算案の概要につきましては、説明を省略させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)

牧委員長 以上で大臣の所信表明並びに平成二十三年度厚生労働省関係予算の概要についての説明は終わりました。

 この際、大塚厚生労働副大臣から発言を求められておりますので、これを許します。大塚厚生労働副大臣。

大塚副大臣 一月十八日付で、藤村前副大臣の後任として着任いたしました大塚耕平でございます。

 厚生労働行政に対する職責を果たすために、委員長、理事、委員の皆様方の御指導のもと、小宮山副大臣、岡本政務官、小林政務官ともども、細川大臣をお支えして仕事をさせていただきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)

牧委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時三十八分散会


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