衆議院

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第8号 平成28年3月23日(水曜日)

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平成二十八年三月二十三日(水曜日)

    午前九時十五分開議

 出席委員

   委員長 渡辺 博道君

   理事 秋葉 賢也君 理事 江渡 聡徳君

   理事 小松  裕君 理事 後藤 茂之君

   理事 白須賀貴樹君 理事 初鹿 明博君

   理事 山尾志桜里君 理事 古屋 範子君

      赤枝 恒雄君    井野 俊郎君

      大串 正樹君    木村 弥生君

      笹川 博義君    新谷 正義君

      田中 英之君    田畑 裕明君

      田村 憲久君    高橋ひなこ君

      谷川 とむ君    中川 俊直君

      永岡 桂子君    長尾  敬君

      丹羽 秀樹君    丹羽 雄哉君

      比嘉奈津美君    福山  守君

      堀内 詔子君    牧原 秀樹君

      松本  純君    三ッ林裕巳君

      村井 英樹君    山下 貴司君

      井坂 信彦君    大西 健介君

      岡本 充功君    郡  和子君

      中島 克仁君    西村智奈美君

      山井 和則君    柚木 道義君

      伊佐 進一君    角田 秀穂君

      中野 洋昌君    高橋千鶴子君

      堀内 照文君    浦野 靖人君

      重徳 和彦君

    …………………………………

   厚生労働大臣       塩崎 恭久君

   厚生労働副大臣      竹内  譲君

   外務大臣政務官      黄川田仁志君

   厚生労働大臣政務官    三ッ林裕巳君

   厚生労働大臣政務官    太田 房江君

   政府参考人

   (総務省政策統括官)   田家  修君

   政府参考人

   (外務省大臣官房参事官) 飯島 俊郎君

   政府参考人

   (外務省大臣官房参事官) 吉田 朋之君

   政府参考人

   (財務省主計局次長)   可部 哲生君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           堀江  裕君

   政府参考人

   (厚生労働省健康局長)  福島 靖正君

   政府参考人

   (防衛省人事教育局長)  深山 延暁君

   厚生労働委員会専門員   中村  実君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月二十三日

 辞任         補欠選任

  永岡 桂子君     笹川 博義君

  村井 英樹君     井野 俊郎君

  郡  和子君     山井 和則君

同日

 辞任         補欠選任

  井野 俊郎君     村井 英樹君

  笹川 博義君     永岡 桂子君

  山井 和則君     郡  和子君

    ―――――――――――――

三月二十二日

 児童扶養手当法の一部を改正する法律案(内閣提出第二六号)

同月二十三日

 社会福祉法等の一部を改正する法律案(第百八十九回国会閣法第六七号)(参議院送付)

同日

 保険でよい歯科医療の実現を求めることに関する請願(宮本岳志君紹介)(第八九七号)

 介護保険制度の改善、介護報酬の引き上げ、介護従事者の確保・処遇改善に関する請願(清水忠史君紹介)(第八九八号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第八九九号)

 同(堀内照文君紹介)(第九〇〇号)

 介護保険制度の改善、介護従事者の処遇改善に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第九三四号)

 同(池内さおり君紹介)(第九三五号)

 同(梅村さえこ君紹介)(第九三六号)

 同(大平喜信君紹介)(第九三七号)

 同(笠井亮君紹介)(第九三八号)

 同(穀田恵二君紹介)(第九三九号)

 同(斉藤和子君紹介)(第九四〇号)

 同(志位和夫君紹介)(第九四一号)

 同(清水忠史君紹介)(第九四二号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第九四三号)

 同(島津幸広君紹介)(第九四四号)

 同(田村貴昭君紹介)(第九四五号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第九四六号)

 同(畑野君枝君紹介)(第九四七号)

 同(畠山和也君紹介)(第九四八号)

 同(藤野保史君紹介)(第九四九号)

 同(堀内照文君紹介)(第九五〇号)

 同(真島省三君紹介)(第九五一号)

 同(宮本岳志君紹介)(第九五二号)

 同(宮本徹君紹介)(第九五三号)

 同(本村伸子君紹介)(第九五四号)

 憲法を生かして安全・安心の医療・介護の実現を求めることに関する請願(塩川鉄也君紹介)(第九九〇号)

 介護報酬の緊急再改定に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第九九一号)

 育児・介護休業法の改正、仕事と生活の両立支援のための基盤整備に関する請願(高橋千鶴子君紹介)(第一〇〇四号)

 憲法二十五条に基づく権利保障としての社会福祉事業を守り拡充することに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第一〇〇五号)

 同(池内さおり君紹介)(第一〇〇六号)

 同(梅村さえこ君紹介)(第一〇〇七号)

 同(大平喜信君紹介)(第一〇〇八号)

 同(笠井亮君紹介)(第一〇〇九号)

 同(穀田恵二君紹介)(第一〇一〇号)

 同(斉藤和子君紹介)(第一〇一一号)

 同(志位和夫君紹介)(第一〇一二号)

 同(清水忠史君紹介)(第一〇一三号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第一〇一四号)

 同(島津幸広君紹介)(第一〇一五号)

 同(田村貴昭君紹介)(第一〇一六号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第一〇一七号)

 同(畑野君枝君紹介)(第一〇一八号)

 同(畠山和也君紹介)(第一〇一九号)

 同(藤野保史君紹介)(第一〇二〇号)

 同(堀内照文君紹介)(第一〇二一号)

 同(真島省三君紹介)(第一〇二二号)

 同(宮本岳志君紹介)(第一〇二三号)

 同(宮本徹君紹介)(第一〇二四号)

 同(本村伸子君紹介)(第一〇二五号)

 新たな患者負担増をやめ、窓口負担の大幅軽減を求めることに関する請願(高橋千鶴子君紹介)(第一〇二六号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 戦傷病者等の妻に対する特別給付金支給法及び戦没者等の妻に対する特別給付金支給法の一部を改正する法律案(内閣提出第一〇号)

 戦没者の遺骨収集の推進に関する法律案(第百八十九回国会衆法第四〇号)(参議院送付)


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     ――――◇―――――

渡辺委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、戦傷病者等の妻に対する特別給付金支給法及び戦没者等の妻に対する特別給付金支給法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として総務省政策統括官田家修君、外務省大臣官房参事官飯島俊郎君、大臣官房参事官吉田朋之君、財務省主計局次長可部哲生君、厚生労働省大臣官房審議官堀江裕君、健康局長福島靖正君、防衛省人事教育局長深山延暁君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

渡辺委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

渡辺委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。村井英樹君。

村井委員 自由民主党の村井英樹です。

 本日は、厚生労働委員会での質疑の機会を与えていただきまして、ありがとうございます。

 戦傷病者等の妻に対する特別給付金支給法及び戦没者等の妻に対する特別給付金支給法の一部を改正する法律案について質問をさせていただきます。

 戦傷病者等の妻に対する特別給付金制度は、昭和四十一年、さきの大戦で障害を負った夫の介助、看護や家庭の維持等のため、長年にわたり大きな負担に耐えてきた戦傷病者等の妻の精神的痛苦に対して、国として特別の慰藉を行う必要があるという趣旨で創設をされました。

 その後、十年ごと、十年ごとというのは、つまり支給に用いられている国債の満期が最終償還を迎えるごとに法改正を行って、支給を継続してきたところでありますが、その点、ことしが、現在償還中の国債が最終償還を迎える年ということで、特別給付金の支給継続には法改正が必要だということであると認識をしておりますが、厚生労働省の方から、改めて今般の改正の趣旨、内容について御説明いただければと存じます。

堀江政府参考人 お答え申し上げます。

 今般の改正は、戦傷病者等の妻に対する特別給付金につきまして、本年、支給の最終年を迎えますことから、国として引き続き戦傷病者等の妻の御労苦に報い、慰藉、いたわりを行うため、特別給付金の支給を継続するための法改正を行うこととし、五年国債を五年ごとに二回交付するものでございます。

 あわせて、これまでの改正と同様に、戦傷病者等の妻として支給を終えたときに、夫たる戦傷病者等の死亡により戦没者等の妻となっている方に、戦没者等の妻としての特別給付金を支給できるよう所要の改正を行うものでございます。

村井委員 ありがとうございます。

 今御説明をいただきましたけれども、今般の改正のポイントの一つに、受給者の高齢化を踏まえて、五年償還の国債を五年ごとに二回交付することになった旨の御説明がございました。

 これは、昨年、同様の法改正が成立をいたしました、戦没者の特別弔慰金制度についても同様の改正がなされたわけでありますが、地元の遺族会なんかで説明をさせていただくと、やはり支給が十年に一回よりも五年に二回の方が、国から忘れられていない感じがしてうれしいといったような声も多数頂戴をしたわけでございます。

 ただ、だからといって、これは毎年支給をしてしまいますと、その都度請求手続が発生をして、事務作業も増加をして、受給者の皆様にとっても重荷ともなってしまうということでございまして、今回、五年償還の国債を二回に分けて交付するという改正、戦傷病者等の妻の皆様方にも喜んでいただけるんだろうと考えるわけでございます。

 ちょっと話がかわるんですけれども、また、この種の特別給付金の議論で常に話題となるのが受給者の数でございます。

 さきの大戦からことしで七十一年目ということでございますが、戦傷病者等の妻の皆様の高齢化も大変に進んでいるわけでございます。

 厚生労働調査室の資料では、今般の改正で給付金の対象者は約三千名となっておりましたが、これまでの対象者数の推移につきまして、大まかで結構ですので教えていただけますでしょうか。

堀江政府参考人 お答え申し上げます。

 戦傷病者等の妻に対する特別給付金の受給者数の推移につきましては、制度が創設されました昭和四十一年の受給者数は約十二万二千人、その後十年ごとの改正時点の受給者数を申し上げますと、昭和五十一年が約十万三千人、昭和六十一年が約八万七千人、平成八年が約六万二千人、平成十八年、前回でございますが、約二万二千人となっておりまして、今般の改正による受給対象者数につきましては、委員御指摘のとおり約三千人と見込んでございます。

村井委員 今御説明ございましたけれども、やはりかなり急激に減っているんですね。制度創設当時が十二万二千人というお話で、その後、十万三千、八万七千、六万、二万で、今回三千人ということでございます。ここに来て急激に対象者の数、戦傷病者等の妻の皆様方が少なくなっておられるということがわかったわけであります。

 卑近な例でありますけれども、うちの両親も戦後生まれなんですけれども、その上の世代、祖父母はもちろん戦争経験者ですけれども、既に亡くなっております。そう考えると、社会全体の中で戦争の記憶というものが徐々に希薄になっているんだろうと思います。

 そういう意味で、対象者数は少なくなっているかもしれませんけれども、国として、また社会全体として、これまでの戦傷病者等の妻の皆様方を初めとする皆様方の御労苦に報いつつ、また不戦の誓いを新たにするという意味でも、この特別給付金制度はこれまで以上に意義深いものになっているんだろうと思います。

 そこで、お願いをいたしたいのは、少なくなっておりますけれども大切なこの受給対象者の皆様方に、着実に周知をしていっていただきたいということであります。

 高齢化が進むと、今までの家ではなくて介護施設だとかサービスつき高齢者住宅等に移転をされるといったような事例も出てくるだろうと推察をされます。そういう中で、しっかり受給対象者の方にこの周知がなされるように、厚生労働省の方で何らかの取り組みを行っているようであれば教えていただければと思います。

堀江政府参考人 お答え申し上げます。

 戦傷病者等の妻の御労苦に報い、慰藉、いたわりを行うという目的を全うするため、対象者の皆様に特別給付金を確実に受給していただくことが極めて重要であるというふうに考えてございます。

 戦傷病者等の妻に対する特別給付金は、ほとんどの対象者が継続の受給者である、それから、新規対象者につきましても、戦傷病者等である夫が恩給法の増加恩給や戦傷病者戦没者遺族等援護法の障害年金等を受けているということから、今回の法案が成立し、施行され次第、厚生労働省におきまして、恩給法を所管します総務省の協力を得ながら受給対象者を把握いたしまして、五月中にも個別の案内を行うこととしてございます。

 この個別案内におきましては、請求者の負担軽減を図るため、請求書類の記載事項のうち国で確認できる事項を、請求者の氏名ですとか住所ですとか生年月日等でございますけれども、あらかじめ印字した請求書類を同封する予定でございます。

 さらに、個別案内を送付後、請求がしばらくない方に対しましては、都道府県や市町村と連携して個別に連絡をとるなど、きめ細かな請求案内に努めてまいりたい、このように考えてございます。

村井委員 ありがとうございます。

 今お話あったとおり、受給者の皆様方にしっかりと通知が行くように、総務省だとか関係自治体としっかり連絡をとっていただきたいと思いますし、また負担軽減ということもぜひ積極的に進めていただければと思います。

 残った時間で、本日の予定表にも記載がございますが、戦没者の遺骨収集の推進に関する法律案について、少しだけ質問をさせていただきます。

 戦没者の遺骨収集については、昨年夏に硫黄島に委員会視察に行かれたり、既に質疑も行われております。また、最近では、先週土曜日の十九日に、硫黄島の現地では、日米合同の戦没者慰霊追悼式が行われて、四百名が参列をしたといったような報道もなされておりましたけれども、私の方から伺いたいのは一点だけでございまして、先ほどの給付金の話にも共通をするわけでありますけれども、さきの大戦を経験された皆様方の高齢化は著しく進展をしています。しかし、いまだになお多くの、約百十三万柱とも言われる御遺骨の収集が行われていないわけでございます。さまざま、海外、諸外国のそれぞれの事情等もございますので、なかなか一筋縄にはいかないんだろうと思いますが、やはり一刻も早く収集作業の進展を進めなくてはならない。

 その意味で、今般の法律案では、平成三十六年度までを取り組みの集中実施期間としているわけでありますけれども、政府として、今後の遺骨収集の取り組み方針を教えていただければと存じます。

竹内副大臣 お答えいたします。

 これまで厚生労働省としては、一柱でも多くの御遺骨を収容し、また、御遺族にお返しすべく遺骨収集帰還事業に取り組んできたところでございますが、戦後七十年を経まして、御遺族や戦友が高齢化し、当時の状況を知る方々が少なくなりまして、遺骨に関する情報が減少してきておるところでございます。また、現地情勢などの事情によりまして、埋葬地の調査に相手国政府の協力が必要な場合がふえてきているといった状況にあります。

 これらを踏まえまして、法案に規定されている集中実施期間におきましては、まず、民間団体の独自のネットワークを生かした遺骨の所在地等の情報収集を拡充するということがまず第一。二つ目に、諸外国の国立公文書館等が保有する埋葬地等に関する資料調査を強化したいと考えております。そして三点目に、海外における遺骨収集帰還事業が円滑に進むよう、外務省を通じまして相手国政府と交渉を行いまして、事業実施の環境整備に努めてまいりたいと考えておりまして、しっかりと推進をしてまいりたいと考えております。

 いずれにいたしましても、今回の議員立法は、遺骨収集を国の責務として明確に位置づけ、さらに加速させるための法案と認識をしておりまして、厚生労働省といたしましても、法案の趣旨を踏まえ、取り組みを一層強化してまいりたいと考えております。

村井委員 ありがとうございます。

 今お答えをいただきましたけれども、やはり、戦後七十一年がたって、遺骨の情報が減少しているといったようなこと、さらには、相手国政府の協力も得なければならないといったような課題があるわけでありますけれども、お答えいただいたとおり、民間団体のネットワークを利用したり、国立公文書館等の資料調査を実施していただいたり、また、外務省との連携も進めていただく中で、ぜひこの遺骨収集についても、厚生労働省がリーダーシップをとって、加速的に進めていただければと考えております。

 そろそろ時間が来ておりますので、質問の方はそろそろ終わりにしたいと思いますが、何より我々戦後世代の政治家が大切にしなければならないことは、この国の現在の繁栄というものが、先人の皆様方の犠牲と御努力の上に成り立っているということにしっかり日々思いをはせながら、このすばらしい国と地域を次世代に引き継いでいく、そのために日々精進していくということであるということを改めて申し添えさせていただきまして、本日の戦傷病者等の妻に対する特別給付金支給法及び戦没者等の妻に対する特別給付金支給法の一部を改正する法律案並びに戦没者の遺骨収集の推進に関する法律案に対する質問とさせていただきます。

 御清聴ありがとうございました。終わります。

渡辺委員長 次に、角田秀穂君。

角田委員 公明党の角田秀穂でございます。

 本日は、この委員会で質問の機会を与えていただきまして、心より感謝を申し上げます。

 それでは、戦傷病者等の妻に対する特別給付金支給法及び戦没者等の妻に対する特別給付金支給法の一部を改正する法律案について、何点か質問をさせていただきたいと思います。

 この法律案では、特別給付金支給の対象となる、戦争で障害を受けた夫の介護、看護さらには日常生活の維持などのために払ってきた精神的な苦痛を慰藉する目的での特別給付金の受給者の状況について、初めにお伺いをしたいと思います。

 先ほども経緯について説明がございましたが、この法律が制定をされました当初、昭和四十一年の支給件数が約十二万二千人、前回改正の平成十八年にはこれが約二万二千人、そして、引き続き向こう十年間給付金を支給する今回の改正による対象者は約三千人とのことでありますが、対象者の方々の平均年齢、また、最高齢の方はお幾つになられるのか、さらには年少の方はお幾つぐらいなのか、それぞれ受給者の状況についてお伺いをしたいと思います。

堀江政府参考人 お答え申し上げます。

 今回の改正による受給対象者数については、委員御指摘のとおり、約三千人と見込んでございます。

 これらの対象者につきまして、現時点で把握しているところでは、平均年齢は八十七歳、最高年齢は百一歳、最低年齢は、一番若い方でございますけれども、五十七歳というふうに見込んでございます。

角田委員 これまで、特別給付金の支給は、十年償還の国債を一回交付してきたものを、今回の改正案では五年償還国債を二回交付に改めるとしております。

 この理由について、改めて確認をさせていただきたいと思います。

堀江政府参考人 昨年法改正を行っていただきました戦没者等の遺族に対する特別弔慰金につきまして、それまで十年国債を一回お渡しする方式を改めまして、御遺族に弔慰をあらわす機会をふやすため、五年国債を五年ごとに二回交付することといたしました。

 また、この法案審議の際、参議院厚生労働委員会の附帯決議におきまして、受給者の国債を相続した方が特別弔慰金の趣旨に照らして真に国が弔慰の意を表すべき者とは必ずしも限らないという御指摘をいただいたものでございます。

 このようなことを踏まえまして、戦傷病者等の妻に対する特別給付金につきましても、同様に、受給者の高齢化を踏まえますとともに、戦傷病者等の妻の御労苦に報い、慰藉、いたわりを行うという本制度の目的により的確に応えられるようにするために、五年国債を五年ごとに二回交付することとさせていただいてございます。

角田委員 今回、特別給付金の国債の支給を二回に分ける理由として、本人のことを国は忘れていないというあかしとしての慰藉の気持ちを示す機会をふやすというのが一つあって、また、支給後に御本人が亡くなった場合、他の財産と同様に相続をされるということは、残りの償還期間が長いほどこの制度の趣旨に鑑みて適切ではない、こうしたことが主な理由ということでしたけれども、一方で、この支給を二回に分けるということで、二十八年度に申請をして、さらに五年後に同様の申請をしなければならないという、ある意味では手間が加わってくるということになろうかと思います。

 先ほども受給者の御年齢と状況をお伺いいたしましたけれども、戦後七十年の歳月が流れ、御高齢となっている対象者の方々に、今回の変更の内容も含めて、申請漏れが起こらないよう丁寧な周知というものが一層求められてくると思います。

 特に二回目の支給に当たっては、一回目の特別給付金を支給した方に対して確実に御案内をするとともに、その間に新たに対象になられた方々にも漏れがないように、対応をしっかりとこの点もやっていく必要があると思います。

 そうしたこととあわせまして、もう一つには、申請手続の簡素化、そうしたこともやはりこれからさらに考えていかなければいけない課題だろうと思います。

 そこで、申請手続について一点お伺いをしたいと思います。

 特別給付金の支給を受けるには、大抵は、居住しているところの市区町村担当窓口に書面で申請を行うということになろうと思いますが、平成二十八年度の受け付け分から、戦傷病者等の妻に対する特別給付金請求書にマイナンバーの記載も求められるようになります。

 支給を受ける側としてはこれも申請の手間がふえてしまうことになりますけれども、支給を受ける側にとってどのようなメリットがあるのか、確認をさせていただきたいと思います。

堀江政府参考人 お答え申し上げます。

 対象者の方に確実に受給していただけるようにする、またそのための御案内をするというのは、一回目の交付、二回目の交付に共通したものでございます。

 マイナンバー法の施行でございますけれども、お話しいただきましたように、本年一月から個人番号の利用が開始されたものでございまして、同法の施行に伴いまして、戦傷病者等の妻に対する特別給付金につきましても、請求書にマイナンバーを記載いただくことになります。

 支給を受ける方のメリットとしては、例えば、請求を受けた地方自治体において、マイナンバーの提供を受けておくことによりまして、受給者である請求者が転居をしてしまった場合の移動の情報を迅速に把握することができるようになりますので、例えばでございますけれども、実際に国債がお渡しできるという状態になったときに、今はこの自治体にはお住まいではないわけですけれども、移っていただいたところの自治体にお住まいの申請者の方に御連絡をするというようなことが容易になってくるわけでございまして、確実な支給につながりますので、そういうことできめ細かな行政サービスの推進につながるというふうに考えてございます。

角田委員 この特別給付金の申請手続は、居住地の市区町村で受け付けた後に、都道府県を経由して、戦没者が除籍をされた都道府県からさらに厚労省、財務省、日銀と、数多くの機関を経て進められていくということになります。

 こうしたことからも、申請から交付国債が手元に渡るまでかなりの期間を要しているようでございますけれども、受給者の置かれた状況も踏まえて、手続の簡素化、それに加えて支給までの期間の短縮の努力も、これをしっかりまたやっていっていただきたいということを要望させていただきたいと思います。

 続きまして、戦没者の遺骨収集に関して何点かお伺いをさせていただきたいと思います。

 戦後七十年が経過をし、戦没者の御遺族の高齢化も進行している一方で、いまだ多くの戦没者の御遺骨の収集が行われていない状況であり、時々刻々と変わっていく環境の中で、遺骨の収集はまさに時間との闘いと言えます。

 公明党といたしましても、一昨年から、戦没者遺骨収集帰還事業推進プロジェクトチームを立ち上げ、戦没者の遺骨収集の加速化を目指してきたこともありまして、最大で六十万柱とも見込まれる収容可能な御遺骨の遺骨収集事業が今後集中的に進むことを切に望むものであります。

 遺骨収集推進の法案に規定された集中期間において遺骨収集が確実に実施されるためには、何よりも正確な情報の把握が重要であろうと考えます。

 このことについては、附帯決議においても、「戦没者の遺骨収集や情報収集に当たっては、相手国の国民感情にも十分配慮した上で、関係国の政府等の理解と協力を得て実施すること。また、現地の事情に精通し、幅広い情報網を有する民間団体等との連携を強化し、支援すること。」ともされているところでございますが、民間との連携も含めた情報収集の進め方について、政府の考えをお伺いしたいと思います。

竹内副大臣 お答えいたします。

 戦後七十年を経て、御遺族や戦友が高齢化され、当時の状況を知る方々が少なくなり、御遺骨に関する情報が減少をしてきているところでございます。

 このため、平成十八年度からは、御遺骨に関する情報につきまして、現地における情報収集及び現地調査を行う海外未送還遺骨情報収集事業を、国から個別の民間団体に地域ごとに委託して実施してきたところでございます。

 去る三月四日には、民間団体の御尽力によりまして、ミャンマーの少数民族地域からの御遺骨の帰還が実現をしたところでございますが、平成二十八年度には、ミャンマー等も海外未送還遺骨情報収集事業の実施地域に加える予定でございます。

 遺骨収集推進法案が成立した暁には、このような御遺骨に関する情報収集事業を指定法人に委託して、より機動的に実施させることで、遺骨収集を加速してまいりたいと考えております。

角田委員 遺骨収集のために必要な情報の収集や遺骨収集帰還事業を、厚生労働大臣が指定する法人、指定法人に実施をさせるということが予定をされておりますが、この指定法人が適正に業務を行っているのかどうか、この監督はどのように行うのか、体制も含めてお伺いをしたいと思います。

堀江政府参考人 今般の遺骨収集推進法案第十条におきまして、指定法人につきまして、戦没者の遺骨収集に関する活動を行うことを目的とする一般社団法人または一般財団法人からの申請によりまして、情報収集や遺骨収集帰還に関する業務を適正かつ確実に行うことができると認められるものとして、厚生労働大臣が、全国を通じて一個に限り指定することができることとされてございます。

 法案では、指定法人では、毎事業年度、事業計画書、収支予算書、そして事業年度後に事業報告書、収支決算書を提出するものとされておりまして、また、厚生労働省は、必要な限度におきまして、業務や財産に関する報告や資料の提出を求め、事務所への立ち入り、業務や財産の状況、帳簿、書類等の検査、関係者への質問ができることとされております。ここまでが法律に書いてあることでございます。

 厚生労働省におきましては、これに加えまして、法律が成立した場合には、第三者機関として有識者会議を設置いたしまして、指定法人の業務、会計、運営等につきまして意見及び助言を得ることで指定法人の業務の適正を確保してまいりたい、このように考えてございます。

角田委員 最後の質問になりますけれども、できる限り多くの遺骨の身元を特定して、遺族に引き渡せるようにするために、戦没者の遺骨から抽出したDNA情報のデータベース化も検討をされているということですけれども、現状の検討状況についてお伺いをしたいと思います。

堀江政府参考人 厚生労働省では、平成十五年三月に取りまとめられました戦没者遺骨のDNA鑑定に関する検討会の報告書を踏まえ、平成十五年度からDNA鑑定を二千百五十五件実施してございまして、平成二十八年二月末現在、千三十七柱の身元が判明してございます。

 戦後七十年を経過いたしまして、戦没者の御遺骨の身元特定に向けてさらなる取り組みを行っていく必要があるということから、個体性のある御遺骨から、具体的には歯でございますが、DNAのデータを抽出することが可能な場合は、全てデータベース化して、関係する御遺族との照合に向けて検討することとしております。

角田委員 以上で終わります。

 ありがとうございました。

渡辺委員長 この際、暫時休憩いたします。

    午前九時四十五分休憩

     ――――◇―――――

    午後三時四十五分開議

渡辺委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。岡本充功君。

岡本(充)委員 きょうは、戦傷病者等の妻に対する特別給付金支給法及び戦没者等の妻に対する特別給付金支給法の一部を改正する法律案ということで質疑に立たせていただきますが、まずもって、厚生労働省がその設置法上援護の対象としている方というのはどういった方であるのか、きのう大分議論をしました。

 私が質問することで正しいかどうかお答えをまずいただきたいんですが、第二次世界大戦で亡くなった方までの方、それ以前、つまり第一次世界大戦も、もっと言えば日露戦争であっても、そういった戦争で亡くなった方も含めて厚生労働省は援護をする、こういった理解でよろしいですか。

太田大臣政務官 お答え申し上げます。

 戦傷病者等というふうに法案で言っておりますのは、公務上または勤務に関連して受傷し、けがをし、または疾病にかかり、これにより障害の状態となった恩給法の増加恩給等の受給者及び戦傷病者戦没者遺族等援護法の障害年金等の受給者でございます。

 これは、具体的に申し上げますと、受傷や疾病の期間は、御指摘のあったとおり、一つは、軍人の場合は、満州事変、昭和六年九月十八日以後、そして、軍属、準軍属の場合は、日華事変、昭和十二年七月七日以後、原則として、降伏文書に調印し、形式的に戦闘状態が終わった昭和二十年九月二日までが主な期間でございます。

岡本(充)委員 私が聞いているのは、厚生労働省設置法上は、第一次世界大戦であれ日露戦争であれ、今の厚生労働省において援護の対象ですね、これについて答えてもらいたいんです。

太田大臣政務官 設置法に基づいた御発言かと思います。

 私どもといたしましては、設置法の書きぶりは書きぶりとして、これは設置法でございます。それ以上に、今申し上げました法律に基づいて決められたことが私どもの業務であると認識しております。

堀江政府参考人 補足させていただきます。

 厚生労働省は、戦傷病者、戦没者の遺族の援護に関する事務を所掌しているわけでございますけれども、その経緯といたしましては、昭和二十一年に厚生省の外局として設けられた引揚援護院、その後継組織であります引揚援護庁において、終戦に伴う引揚援護が実施されていた中で、昭和二十七年四月に戦傷病者戦没者遺族等援護法が、いわゆる援護法でございますけれども、制定された際に、引揚援護庁の所掌事務として、戦傷病者、戦没者遺族の援護に関する事務が追加されたものでございます。

 委員御指摘の援護法の対象というのは、軍人の場合はその就職以後、昭和二十年九月二日まで、軍属、準軍属の場合には日華事変以後、昭和二十年九月二日までに、公務上または勤務に関連して受傷し、罹病された方、またはこれにより死亡された方の遺族というふうにされている、こういうふうに理解してございます。

岡本(充)委員 違う。私が聞きたいのは、援護法じゃなくて、厚生労働省として援護の対象はどなたなんですかと聞いているんです。ちゃんと答えてもらわないと次の質問に行けないんですよ。これはきのうも大分議論して、もう答えが出ているんですから。

 第二次世界大戦以前の、第一次世界大戦であれ日露戦争であれ、そこで援護が必要になった方についても当然引き継いでいる、それでいいんですね。

堀江政府参考人 軍人につきましては、始期はございません。軍属、準軍属につきましては、先ほどから申し上げております日華事変以降ということになります。

岡本(充)委員 であれば、なぜ今回のこの法律では対象者を絞ったのか、それについてお答えいただきたいと思います。

堀江政府参考人 お答え申し上げます。

 今回の法律につきましては、さきの大戦の被災者ということで対象としてございます。

 今回の給付金につきましては、さきの大戦におきます戦傷病者、戦没者の遺族に対しまして、国としての特別の慰藉、弔慰をあらわすために、昭和三十年代後半から昭和四十一年に制定されたものでございまして、経緯といたしまして、さきの大戦の戦傷病者の妻等の遺族の立場は、それ以前の戦役による戦傷病者や戦没者等の妻等の遺族の場合と事情を異にし、その援護に欠けるところがあったさきの大戦後の特別の事情も勘案いたしまして、特に慰藉や弔慰を示す必要があると考えられたために、さきの大戦の戦傷病者や戦没者の妻等の遺族に限り、特別給付金等の対象としたものでございます。

岡本(充)委員 事情は何かと聞いているんです。そこを絞った政策的な目的は何だったのか、どういう事情なのか、それをはっきりさせてください。

堀江政府参考人 さきの大戦におきまして、その事情としては、一つは、戦争が終わりまして、敗戦いたしまして、陸軍、海軍というものもなくなって、それに対する弔慰を示す仕組みがなくなった、こういうことだと思います。

岡本(充)委員 組織がなくなって、弔慰を示すものがなくなったから、国債でお金を出すという仕組みをつくったんだ、こういう理屈であるとすると、これはある意味、これまでのいわゆる恩給法の世界に上乗せをする、二階建ての制度をつくった、その理由が、それを所掌するところがなくなったから、こういう理屈だ、こういうふうに今言われました。

 だとすると、私は、ちょっと解せないところがある。

 今この時点で、報道されていますように、二十九日から施行される新たな安保法制で、戦死者が出た場合、この場合は一体誰がその援護をするのか。その援護をする省庁もないわけでありますから、当然のことながら厚生労働省でいいということでしょうか。

 一義的には、防衛省が公務員のいわゆる遺族共済等をもとにしたお金の支給や、賞じゅつ金などでお金の支給があるということは承知をしていますが、今お話をしているような二階建て部分という意味では、これも厚生労働省がやるということでよろしいんでしょうか。

堀江政府参考人 先ほども申しましたような所掌事務の経緯に基づきますと、戦傷病者あるいは戦没者あるいはその遺族という者につきましては、さきの大戦の終結までのものと認識してございます。

岡本(充)委員 それで、三ページにつけたんです。厚生労働省設置法の第四条の百四には、縛りがないんですよ。「戦傷病者、戦没者遺族、未帰還者留守家族及びこれらに類する者の援護に関すること。」としか書いていない。

 ちょっと前に戻ってもらうと、二ページですね、この昔の法律に、やはり「戦傷病者、戦没者遺族等の援護に関する事務を行うこと」ということで、昭和二十七年にできた法律、戦傷病者戦没者遺族等援護法にはこうした附則、もしくは二条の規定があるわけでありますが、ここにも縛りはないわけでありまして、これを第二次世界大戦に限ると読むのはなかなか難しい。

 したがって、先ほど、縛りがない、第一次世界大戦であれ日露戦争であれ、始まり、始期はないんだ、こういう話をされました。一方で、どこに終期があるということが書いてあるのかということを私は問いたい。

 したがって、終わりがここですよということを明文化した条文がないにもかかわらず、しかも、現行もない。ここも、設置法にさきの大戦によるということが書いてあれば話はわかりますけれども、ここにやはりそうした文言がない以上は、どこで終期を読めるのか、明確にお答えをいただきたいと思います。

太田大臣政務官 先ほど来申し上げておりますとおり、所掌事務の改正経緯に鑑みると、厚生労働省設置法の戦傷病者、戦没者遺族の定義は、戦傷病者戦没者遺族等援護法と同様、さきの大戦の終結までの戦傷病者、戦没者遺族であると認識をいたしております。

 このため、殉職自衛官というお話でございますが、その家族の援護については、厚生労働省設置法の戦傷病者、戦没者遺族の援護に基づき検討することは想定されていないと考えております。

岡本(充)委員 いやいや、二ページを見てください。二十七年の援護法、ここにも縛りはないんですよ。縛りはない。

 では、ちょっと防衛省に来てもらっています。

 防衛省、いいんですか、では、援護は防衛省でやるということで。

深山政府参考人 現行法制のもとにおきましては、援護というと非常に広くなると思いますけれども、例えば、弔慰を表するということに関しましては、先生御指摘の賞じゅつ金とパイロットに関する特別弔慰金という制度を設けております。こうした制度と、あるいは補償ということに関しましては、先ほど御指摘もありましたように、補償制度を持っております。

 我々といたしましては、万が一、殉職した隊員が出た場合には、こうした制度を活用しまして、補償及び弔慰をあらわすということになろうかと思います。

岡本(充)委員 弔慰を示すことは、それは弔慰を示されるんだと思います。援護を誰がするのかという話をしているんです。

 援護は不必要だと大臣はお考えですか。大臣、御答弁いただきたいと思います。内閣の一員として、援護は不必要ですか。

塩崎国務大臣 今防衛省からも答弁がありましたけれども、当然のことながら、今説明があった手だてなどは、御家族のことを考えた上での制度ということも含めて定められているものだろうというふうに思います。

 先生がおっしゃるように、ダイレクトに援護というのが必要かどうかということであれば、広い意味では、それは、御家族、御遺族のことを考えるということは当然必要なことだろうと思います。

岡本(充)委員 であれば、一体これは誰がやるのかということをはっきりさせておかなきゃいけないんですよ。

 これは、防衛省も違うと言う、厚労省も違うと言う。厚労省は違うと言えないと私は思いますよ。これをぎりぎりやり出せば、何で設置法に書いてない、援護法だってこれは書いてないんですよ、さきの大戦に限るとは。したがって、戦没者が出れば、当然、援護を行うのは厚生労働省の所掌ではないかと私は思いますよ。

 しかし、百歩譲ってそうじゃないとしても、誰もやらないという、援護は必要ないという立場に立たないと内閣の一員として言われるのであれば、一体これは誰が援護を行うのかはっきりさせるべきではないかと思うわけでありますが、大臣、いかがですか。

塩崎国務大臣 今申し上げたように、殉職自衛官の家族、御遺族ですね、に対する援護が必要であるということは、広い意味で、先ほども申し上げたとおり、私も必要であろうと思いますし、それは、国のために命をささげたということでありますから、内閣として、そういう気持ちを持つのは当然のことだろうと思います。

 一方で、厚生労働省設置法の中での戦傷病者、戦没者遺族の援護に基づいて検討するということは、先ほど来、太田政務官からも御説明申し上げておりますように、殉職自衛官の家族の援護ということについては想定をされてはいないんじゃないかなというふうに思いますが、広い意味でどうすべきかということは、先生の御意見に耳を傾けていくことも私は大変大事なことだというふうに思います。

岡本(充)委員 そう言っていただくなら、それは誰がやるのかということをやはり考えていくべきだと思います。一体どのくらいお金がかかるのかも含めて、費用の面でもやはり検討していく必要があるんじゃないかと私は思いますよ。

 特に、今回ちょっと通告をしている範囲でお聞きをしますけれども、戦傷病者の妻に対する特別給付金ほか、援護行政でこれまで支払ってきた金額、それぞれ幾らになりますか。

太田大臣政務官 お答え申し上げます。

 戦傷病者戦没者遺族等援護法に基づきます援護年金については、制度が創設をされました昭和二十七年からこれまでの支給総額は約三兆九千億円でございます。

 戦傷病者や戦没者の妻等に対しこれまで支給した特別給付金等の総額は約三兆四千三百億円でございまして、その内訳は、戦没者等の妻に対する特別給付金については、制度が創設をされた昭和三十八年からこれまでの支給総額は約一兆六千億円、それから、戦傷病者等の妻に対する特別給付金については、制度が創設をされた昭和四十一年からこれまでの支給総額は約一千百億円、そして、戦没者の父母等に対する特別給付金については、制度が創設された昭和四十二年からこれまでの支給総額は約二百億円、四番目に、戦没者等の遺族に対する特別弔慰金、これは四十年から、創設以来、支給総額は約一兆七千億円、このようになっております。

岡本(充)委員 それは、当時、物価がいろいろ違ってきますけれども、公務員の給与見合いでいうと、およそ何倍ということになりますか。

竹内副大臣 お答えいたします。

 御指摘の一人当たりの支給額につきまして、単純平均をいたしますと、戦傷病者妻法が制定された昭和四十一年については、援護年金、障害年金、遺族年金等ですが、これが年約七万円、各種特別給付金等が約一万円でございます。また、国家公務員給与につきましては、当時の国家公務員の初任給、行政職俸給表(一)上級甲月額二万三千三百円の十二カ月分として、年約二十八万円でございます。

 また、改正ごとの支給額につきましても申し上げたいと思いますが、基本的に同様の仮定とした場合に、昭和五十一年は、援護年金が約五十二万円、各種特別給付金等が約三万円、当時の国家公務員給与が約百三万円でございます。

 昭和六十一年では、援護年金が約百四十万円、各種特別給付金等が約五万円、国家公務員給与が約百四十六万円でございました。

 平成八年につきましては、援護年金が約二百万円、各種特別給付金等が約六万円、当時の国家公務員給与が約二百十八万円でございます。

 最後に、平成十八年は、援護年金が約二百万円、各種特別給付金等が約六万円、国家公務員給与が約二百十五万円ということでございます。

 直近の平成二十六年の支給額につきましては、援護年金が約二百万円、各種特別給付金等が約五万円、国家公務員給与が約二百二十万円でございます。

岡本(充)委員 それが一体、先ほどの、積み上げた六兆円のお金が国家公務員の給与にすると何カ月分に相当するのか、こういうふうに聞いているわけでありまして、どのぐらいに相当されるんですか。

堀江政府参考人 今の、平成二十六年の支給額で、援護年金が二百万円で、国家公務員の給与が約二百二十万円ということでございますから、国家公務員の初任給の給与より少し少ないぐらいという……

岡本(充)委員 違う、違う。先ほどの六兆円というお金はトータルで何カ月分に当たるんですか、こう聞いているんです。(発言する者あり)

渡辺委員長 とめてください。

    〔速記中止〕

渡辺委員長 速記を起こしてください。

 堀江大臣官房審議官。

堀江政府参考人 今計算はしておりますけれども、厳密にその形で御通告ではなかったものですから、今計算の準備がございませんで、今即答することは困難かと思います。

 要するに、前提を間違えたりするといけませんので、不正確なお答えはできませんので、後ほどお届けいたします。

岡本(充)委員 私、総務省には実は正式に通告していないので、厚労省にはそうやって、何カ月分に当たるんだという話は聞いたんですよ。総務省の担当の方も、今、後ろの方に見えますけれども、一緒にその場に見えて、恩給についてはその計算ができていないので、きょう厚労省に、それを何カ月分と言ってもらった後に、総務省には同様の計算をしてくださいというお願いをしようと思っていたところでありまして、これが出ないと、その次、恩給が何カ月分だという話にならないんです。

 ですから、御答弁いただきたいと思っています。

田家政府参考人 お答えいたします。

 旧軍人の方々に対する恩給につきましては、昭和二十八年に制定されました恩給法の一部を改正する法律によりまして、戦前と同種の給付を行うものとして復活しておりますが、それ以降、これまでの支給総額は約五十一兆二千億円となっております。

 今御指摘の過去の支給額、それぞれの年代の支給額が今の貨幣価値に基づけば幾らになるのだというふうな御質問かと思いますけれども、厳密に仮定を置きまして計算すれば、それは計算は可能かと思いますが、そこら辺の仮定の仕方とかをお聞きしながら計算をして、御報告を後ほどさせていただきたいというふうに思います。

岡本(充)委員 大臣、これは、後ろで今一生懸命計算していただいているんですけれども、いいですよ。では、後でちゃんと教えてください。そこは、きちっと何カ月分だということを後でちゃんとお届けいただければというふうに思います。

 次に行きます。

 それで、厳密に、どれだけお金がかかって、今お話をしている一階建て部分、私が勝手に一階建て部分と呼んでいるんですけれども、今は国家公務員でもそれぞれ国家公務員の共済からお金が出る、こういう仕組みになっていると承知をしています。

 きょうは財務省にも来ていただいております。

 現状、自衛隊員が亡くなられた場合に出るお金、他の国家公務員と同様だというふうに理解をしておりますけれども、きょうは財務省の方から説明をしていただきたいと思いますが、一体幾らお金が出ることになるのか、そしてまた、財務省としては、来年度予算で一体何人ぐらい出るというふうに予想をしておられるのかということについてお答えをいただければと思います。

可部政府参考人 お答えいたします。

 ただいま御指摘がございましたように、国家公務員が公務による病気または負傷によりまして死亡された場合、その御遺族に対しまして、通常の遺族厚生年金などのほかに、公務遺族年金が支給されることとなっております。

 公務遺族年金の支給額、こちらは、組合員期間、すなわち勤続年数、あるいは標準報酬月額などによって異なりますけれども、最低保障額といたしまして、年間で、百三万七千百円から遺族厚生年金で支給される額を控除した金額、こちらが支給されることになっております。

 なお、来年度予算で何人で計上しているかというのは、大変恐縮ですけれども、ちょっと事前にお尋ねがなかったものですから、今数字を持ち合わせてございません。

岡本(充)委員 現に亡くなって、そしてお支払いをされるということになった場合は、すごく幅があるんですよね。非常に大きな金額の幅がある。だから、なかなか予算立てが難しいんだと思います。

 私は、こうしたいわゆる国家公務員として出るお金以外に援護をしていくということをどうしていくかということで、先ほど大臣にお話をいただきましたけれども、ぜひ検討をしていただいて、どこでやるかということは考えるべきことなんじゃないか。施行されました、実際に自衛隊員が亡くなりました、そしてまた、これを何と呼ぶかというのも私は非常に議論があるところだと思っています。

 現政権において、我が国では戦死者は出ないというふうに考えているのか、もしくは、戦争というのはこの地球上では国連憲章上あり得ない、こう考えているのか、そこについての解釈、外務省に来ていただいておりますので、お答えいただきたいと思います。

黄川田大臣政務官 戦争の定義についてでございますが、国連憲章のもとでは、第五十一条に規定する自衛権、または第七章のもとでの安保理の決定に基づくいわゆる集団安全保障措置を除けば、武力の行使は原則として禁止されており、伝統的に国際紛争を解決する合法的手段として認められていた戦争は、原則として認められなくなっております。

 他方、それにもかかわらず武力紛争が発生した場合、武力紛争の当事国は、その国連憲章上の合法いかんにかかわらず、武力紛争における犠牲者の保護や戦闘の方法及び手段の規制について定めるジュネーブ諸条約等の国際人道法を遵守しなければならないとされております。

 ジュネーブ諸条約共通第二条においても、委員お配りの資料にも書いてありますとおり、「平時に実施すべき規定の外、この条約は、二以上の締約国の間に生ずるすべての宣言された戦争又はその他の武力紛争の場合について、当該締約国の一が戦争状態を承認するとしないとを問わず、適用する。」と規定され、この趣旨が明らかにされております。

 お尋ねの関連で申し上げれば、現実に武力紛争が発生し、それにより犠牲者が発生したことがあることは否定できず、国際人道法は、そのような場合に適用し得る犠牲者の保護や戦闘の方法及び手段の規制について定めているということでございます。

岡本(充)委員 最初の話に戻るんですけれども、大臣、我が国の政府の大臣として、戦死者、戦没者は発生していない、戦後、第二次世界大戦後、日本においては発生していない、こういう認識でしょうか、ちょっとお伺いしたいんですけれども。

塩崎国務大臣 戦後、日本が戦争に関与したという事実は……(岡本(充)委員「いや、世界じゅうでですよ」と呼ぶ)もう一回。

渡辺委員長 もう一度。

岡本(充)委員 大臣、申しわけない、もう一回聞きます。

 世界じゅうで、さまざまなところで、私は、戦争が起こり、そして戦死者が出ていると理解をしていますけれども、今の外務省の説明は、ややもすると、ちょっと一つ抜けているのは、個別的自衛権の行使について政務官は触れませんでしたけれども、個別的自衛権の行使も、国連憲章の五十一条上、皆さんにお配りをしている四ページにあるように、これは固有の権利として害されないというふうに書かれています。

 したがって、そういう意味で、世界各国で起こっている武力紛争によって戦死者、戦没者、戦傷病者が出ているんじゃないかというふうに理解をしていますが、大臣、その点についてはいかがですか。

塩崎国務大臣 条約の解釈などは、私ども厚労省の責務ではないというふうに思いますので、答えは差し控えた方がよろしいかというふうに思います。通告もございませんでしたし。

岡本(充)委員 確かに、通告はしていません。

 それで、私は聞きたい。

 戦没者のところにまた戻るわけですけれども、戦没者というのは一体誰を指すのかといったときに、戦死をした者という理解であるとすれば、これは当然、戦死をした者というものがいるのかいないのかということについて厚生労働大臣にその見解を問うている、こういうことでありまして、ジュネーブ条約の解釈を聞いているわけではありません。

塩崎国務大臣 先ほど何度か太田政務官などから答弁申し上げたように、援護の対象になる戦争は昭和二十年九月たしか二日までのことでございますので、その後の問題については、私どもとしては対象ではないというふうに思っているところでございます。

岡本(充)委員 対象ではないという話をされますけれども、先ほどからお話をしているように、議論をすると、厚生労働省は、戦争で亡くなった人はいないと言わんばかりの立場をとられるし、外務省においては、先ほどのこうした条約の解釈上、戦争で死ぬ人は現にいる、こういう理解だと。

 それでいいですよね、政務官、もう一回確認です。第二次世界大戦以降も、戦争で死んでいる、いわゆる戦死者はいる。

黄川田大臣政務官 先ほど申したとおり、戦争という定義については先ほど申したとおりでございますが、武力紛争により犠牲者が発生したということは否定できないということでございます。

岡本(充)委員 それは、武力紛争というのはいろいろあるんですよ、武力の紛争ですから。

 ぎりぎり言ったら、もうそういう話になるかと思ってつけたんですけれども、国連憲章では、第二条の四項で、全て加盟国はと書いて、いわゆる戦争について慎まなければならないとする一方で、五十一条で個別的な自衛権の行使は害されないとしているわけでありますから、加盟国でない国が加盟国に対して攻撃をしてきて、個別的な自衛権を行使して、ここは安全保障の議論をするところじゃないんです、本当は戦死者が出るかどうかだけを聞きたいのに、こんな議論をしなきゃいけないのは本当に残念なんですけれども、これははっきりさせていただきたい、戦死者が現に世界で出ているのかどうか。

 今お話をしているように、加盟国でない国が攻撃をしてきて、個別的自衛権で自衛をする国があった場合、我が国だって当然自衛しますよ、そのときに死んだ人は戦死者と呼ばないんですか、呼ぶんですか。では、それをはっきりしてください。

 我が国にどこかの国が攻めてきた、国連に加盟していない国だ、それが攻めてきたとき、我が国は個別的自衛権で守った、残念ながら死者が出た。それは戦死者と呼ばないんですか、武力行使による死者と呼ぶんですか。そこをはっきりさせていただけませんか。(発言する者あり)事務方は答えないと言っていたよ。答えないから登録すると言っていた。

吉田政府参考人 先ほど黄川田政務官が申し上げましたのは、国際連合憲章のもとにおきましては、伝統的に国際紛争を解決する合法的手段として認められた戦争は、原則としてもう違法化されているということでございます。それを現在は、国連憲章上、武力の行使あるいは武力の紛争というふうに称しております。

 したがいまして、国際的に、国際法上の用語として問われれば、そのような伝統的な意味での戦争、違法化された戦争と誤解されかねないような言葉を用いて戦争かどうかということは云々すべきではないと考えますので、それに基づきまして、戦死者かどうかということについて外務省としてお答えする立場にはないということでございます。

岡本(充)委員 委員長、サポートするために登録だけさせてくださいという話で、答弁をするという話じゃなかったんですよ。政治家に対して、こういう方を戦死者と称するのかどうかということを答弁してくださいと言っているのにもかかわらず、事前の話と違う形で答弁をされるというのは、私は約束違反だと思いますよ。そういう意味では、しっかり、私は、これはかなりの時間をかけて事務方と議論をして、通告をしている話であります。

 もう一度聞きます。

 私の定義に対して、政務官、こういった方を戦死者と呼ぶんですか、呼ばないんですか。

黄川田大臣政務官 我が国は国際社会のコミュニティーの一員でありまして、外務省といたしましては、国際法にのっとって戦死者かどうかということをお話ししなければならないと考えております。

 そういった意味では、先ほどお話ししたとおり、戦争ということは国際法上否定されているということでございますので、武力紛争が発生し、それにより犠牲者が発生したということ、このことは否定できないということに尽きます。

岡本(充)委員 どこで、国際法上、戦争を否定しているんですか。はっきり答えてください。どこに書いてあるんですか。

黄川田大臣政務官 国連憲章のもとの五十一条に規定する自衛権、または第七章のもとでの安保理決定に基づくいわゆる集団安全保障を除けば、武力の行使は原則禁止とされております。(岡本(充)委員「どこに書いてあるんですか。書いてないじゃないか。何条」と呼ぶ)そう解釈できます。

 伝統的に国際紛争を解決する合法手段として認められた戦争は、原則として認められなくなっていると解釈しております。

渡辺委員長 岡本君、既に申し合わせの時間が経過しております。質疑を終局してください。

岡本(充)委員 ちゃんと条文に基づいた答弁をしてもらわないと困ります。残念ながら、答弁をはぐらかしているとしか言いようがありません。

 極めて不誠実な答弁に対して抗議をして、質問を終わります。

渡辺委員長 次に、初鹿明博君。

初鹿委員 維新の党の初鹿明博です。

 私も戦傷病者の妻に対する特別給付金について質問をさせていただきます。

 この給付金の支給をする趣旨としては、さきの大戦で障害を負った夫の介助、看護や家庭維持のために、長年にわたり大きな負担に耐えてきた戦傷病者等の妻の精神的苦痛に対して、国として特別な慰藉を行うためにお金が給付をされるということで法律ができ上がっているわけですけれども、それを十年の国債という形で交付するということで、去年改正をしました戦没者の遺族に対する特別弔慰金と同じようなスキームで配られているわけなんですが、そのときも私はちょっと疑問に思ったことが一つありまして、今回も同じなんです。

 それはどういうことかといいますと、これは国債という形態をとっているために、相続ができるわけですね。その相続をしていく相続人、これは例えばお子さんだとかで、戦争によってけがをしたお父さんが帰ってきて、苦しい生活をともに暮らしていた、そういう相続人に対してこの国債が相続をされるのはあり得るのかなと思うんですが、もう戦後七十年以上たってくると、お子さんじゃなくてお孫さんだとか、場合によっては奥さんの兄弟だとか、全く生活を一緒にしてきたこともないような方に国債が相続をされていくことになるわけですね。

 そうすると、もともとの法律の趣旨の、さきの大戦で、夫の介助をしたり看護をしたり、家庭維持のために大きな負担を耐えてきたという、それに対する慰藉という意味合いからかなりかけ離れてしまうんじゃないかというのを私は非常に感じているんです。

 先ほど午前中のどなたかの答弁でも答えておりましたが、去年の戦没者の遺族に対する特別弔慰金の法案に対しては、参議院の厚生労働委員会で附帯決議がついていて、受給者の国債を相続した者が特別弔慰金の趣旨に照らして真に国が弔慰の意をあらわすべき者とは必ずしも限らないこと等に鑑み、戦後八十周年に向けて、弔慰をあらわす方策として検討を行いという附帯決議がついているわけですね。

 これと同じように、私も、今回の法案については、同じように国債で発行していくというやり方が必ずしももう適切ではなくなってきているんじゃないかというふうに思っております。

 そこで、まずお伺いさせていただきますけれども、記名国債が発行されているわけですが、今回の改正の前の十年間で、記名された本人ではなくて相続人に償還をされている件数は何件あるのか、お答えいただけますか。

竹内副大臣 お答えいたします。

 先生御指摘のとおり、記名国債の交付により今回の特別給付金は行われておりますが、受給者が国債を受領後、償還の終了前に死亡した場合には、これも先生の御指摘のとおり、民法の規定に基づきまして、受給者の相続人に相続されることになります。

 その場合、当該相続人が国債の記名変更手続を行うとされておるわけでありますが、国債の記名変更手続につきましては日本銀行において御対応をいただいておりまして、この記名変更の件数につきまして、日本銀行では集計を行っていないということから、把握していないと伺っております。

初鹿委員 今、議場の皆さん、聞いていただいたと思いますけれども、本人じゃなく相続人に支払われている件数自体を把握もしていないということなんですよ。しかも、国債だから、日本銀行がやっていることだから、厚労省はそのことも全く把握をしていないということなんですよね。これって本当にいいんですかということを私は非常に問いたいと思います。

 人数がどんどん減ってきていますということは、皆さん、午前中も答弁されているわけですよね。十年前は二万数千人だったのが、今回は三千人になりました。一万九千人減っている、お亡くなりになっているわけですが、では、そのお亡くなりになった方々の国債が、記名変更をされて相続人に支払われたのか、それともそのまま誰にも支払われないままになっているのか、そして相続された方がどういう方なのか、それも把握をしていない、これで本当にいいんですか。

 当然、記名変更しているのを把握していないということは、記名変更して相続人が受け取っている、その受け取っている相続人が子供なのか孫なのか兄弟なのか誰なのか、わかっていないわけですよね。副大臣、わかっていないんですよね。

    〔委員長退席、秋葉委員長代理着席〕

竹内副大臣 お答えいたします。

 記名変更手続を行う際は、日本銀行で、亡くなられた受給者と相続人の戸籍上の関係が証明できる戸籍書類の提出を求めまして、個々に確認を行っておるということでございますが、その続柄につきましては集計していないと伺っております。

初鹿委員 だから、当然、厚生労働省も把握をしていないということですよね。

 これはちょっと冷静になって考えていただきたいんですけれども、戦傷病者の奥さんが、これは国債をもらって、一年ごとに十万円ずつ償還をしてもらうわけですが、その奥さんが亡くなったときに、では、相続人というのはどういう人がいるんですかといったときに、子供がいない場合はその奥さんの兄弟が相続人になるわけですよね。兄弟なんて、この戦傷病者の方とは全く関係ないんじゃないですか。関係ないですよね、生活も一緒にしたことがないし。そういう人のところにこの国債が相続をされてしまうということは、私は余り適切ではない、本当に、この法律の趣旨には全然かなっていないんじゃないかと思うんですが、副大臣、その点はどのようにお考えなんでしょうか。

竹内副大臣 先生御指摘のとおり、受給者の国債を相続した者が真に国が慰藉の意を表すべき者とは必ずしも限らないという趣旨は、私どもも共有をしております。

 このようなことを踏まえまして、今回の戦傷病者等の妻に対する特別給付金につきまして、昨年の特別弔慰金と同様に、受給者の高齢化を踏まえるとともに、戦傷病者等の妻の御労苦に報い、慰藉、いたわりを行うという本制度の目的に鑑みまして、五年国債を五年ごとに二回交付するということにしたものでございます。

初鹿委員 今回、五年ごとに二回に分けたということで、できる限り、余り関係ない人に相続されないようにしようという趣旨で書いたんだということは、これはちょっと考えてくれたのかなとは思うんですけれども、でも、やはり国債という形をとっている限り、相続されていってしまうんですよ。

 ですから、私が提案をしたいのは、もういっそのこと、国債ではなくて、現金を毎年十万円支払う方が、きちんと本当に慰藉しなきゃいけない人の手元に渡るんだと思うんですよ。国債だから、これは相続というものが発生するわけですよね、国債だから。現金で渡すようにすれば、相続は発生しないですよね。副大臣、そうですよね。

竹内副大臣 国債であろうが現金であろうが、亡くなられた時点で残っておれば、それは相続の対象になるというふうに思います。

 そこで、私どもとしては、先生、今回の国債でございますけれども、やはり国債でお渡ししてきたというこれまでの経緯もございますし、また、なれ親しんでいただいているという経緯もございまして、そういうことで、今回、国債での支払いというものを継続しておるわけでございます。

初鹿委員 恐らく、最初にスタートしたときは、一遍に百万円の国債を渡しますと。この百万円という金額にインパクトもあったし、やはりそこにすごく弔慰を示していたり、慰藉の気持ちが込められているということだったんだと思うんですよ。

 ただ、戦後七十年たって、高齢化もしてきていますし、状況は大分変わっているんだということをやはりちょっと考えないといけないんだと思います。

 ちょっと次に、今度は、国債が手渡されて、では、本当に現金にかわっているのかということをお伺いしますけれども、実は、結構国債が未償還になっているんですよね。償還されていない金額が、きのう聞きましたら結構あるんです。

 例えば、二回前の平成八年度に配られた特別給付金の国債は幾ら未償還になっていて、そして、その割合が何%になっているのか、お答えください。

竹内副大臣 平成八年は、未償還額が十億三千万程度でございまして、未償還割合は、発行累計額に対する割合でございますが、二・九%でございます。

    〔秋葉委員長代理退席、委員長着席〕

初鹿委員 二・九%なんですが、十億円未償還なんですよ。十億円ですよ。平成十八年、この前の直近でいうと、いただいたデータだと、まだ二年分が償還に達していないところなんですが、その二年分を合わせると三十四億になるんですね。これは償還に当たればもう少し行くんですけれども、多分、同じく十億円ぐらいが未償還になるということなんですが、未償還になっている、償還をされていない理由はどのようなものだとお考えになっているか、また把握をしているのか、お伺いいたします。

竹内副大臣 お答えします。

 未償還となっている理由につきましては、必ずしも正確な理由を把握しているわけではございませんが、財務省理財局作成の資料によりますと、先生御指摘のとおり、最近のものであれば、未償還の割合がやや高くなっております。

 これは、受給者が亡くなり、遺族が未償還の国債に気づかない場合や、受給者が償還を忘れている場合など、さまざまな要因が考えられると思っております。

初鹿委員 これは冷静に考えていただきたいんですけれども、もう平均年齢が九十歳近いわけですよね。多くの人は、自宅じゃなく施設だったり、また、自分で歩いて出かけて、これは金融機関に償還に行くんですよね、郵便局とか、そういうところに自分の足で行けなくなっているんじゃないかと思うんですよ。もしかしたら、それが一番の原因かもしれないなと私は感じたりするんですよ。となると、やはり国債というやり方はどうなのかなと思うんですが、いかがでしょうか。そういう理由だと考えられませんか。

竹内副大臣 お答えいたします。

 先生の御指摘のとおり、確実に受給していただくことが極めて重要であると考えております。

 このため、法施行後、厚生労働省におきまして、総務省の協力を得ながら受給対象者を把握して、個別案内を行うというようにしております。

 それから、平成二十三年からは、国におきましても、個別案内を送付後三年の請求期限がございますが、その三年の請求期限の間際になっても請求のない方に対しては、都道府県や市区町村と連携して個別に請求を促す連絡を行っておりまして、今回の改正においても同様の対応を行うなど、きめ細かな請求案内に努めていきたいと考えております。

初鹿委員 今のお話は国債をもらうまでの話で、もらった後の話を私はしているんですよ。国債をもらいました、紙をもらいました、安心しましたじゃないんですよ。もらったときは元気でも、その後、認知症になっちゃうこともあるじゃないですか。あと、やはり年配の方だと、一年ごとに償還しなきゃいけないというのは忘れちゃうこともあると思うんですよ。償還期限が来たら、その都度その都度きちんと連絡はされているんですか。どうなんですか。償還期限が来て、毎年その都度、償還期限が来ましたよという連絡はされているんですか。いかがですか。

竹内副大臣 まず、何点かお答えいたします。

 受給者に対し、毎年の償還期限が到来していることについて特別な御連絡は行っておりませんが、受給者にお渡しする記名国債には、受給者のお名前のほか、額面や国債の種別とあわせて毎年の償還開始日が印字されておりまして、国債支給に合わせて、こうした特別給付金の仕組みにつきまして、自治体窓口で書面を交付してお知らせをしているということがまず第一点でございます。

 それから、もう一点お答えをしなければならないのは、お支払いする場合、場所がゆうちょ銀行の店舗または郵便局の場合は、受給者の御希望に応じ、受給者の指定した口座に自動振り込みすることができるようになっております。高齢者の方々の負担が少なくなるように、この取り扱いについて広く周知してまいりたいと考えております。

初鹿委員 自動振り込みをできるようになっていると言いますが、では、自動割り込みの手続をしている方の割合はどれぐらいなんですか。

竹内副大臣 お答えします。

 第八回及び第九回特別弔慰金の口座自動振り込み者数は約三十四万件でございまして、これは裁定件数の約二六%と現在なっております。

初鹿委員 大体四分の一の方は振り込みになっているけれども、四分の三の方は、そうじゃなくて、自分で多分窓口に行って現金にかえているだろうという、そういう想定になっているわけですよね。

 だったら、最初から全員に現金を振り込めばいいんじゃないですか。国債の証書を印刷するのだってお金がかかるわけですから、この印刷代と振り込み手数料と変わらないような気がするんですけれども、どうしても国債にこだわらなければいけない理由をもう一回ちょっと説明していただけますか。

竹内副大臣 これまで御指摘もございまして、受給者の皆さんに償還金を確実に受給していただくことが重要でありますが、先生おっしゃったように、やはり、これまで国債という形のあるもので支給して毎年償還を受けていただくという仕組みは昭和四十一年の創設以来五十年間継続をしておりまして、御高齢になられた受給者にとっては、なれ親しんだ仕組みとなっております。

 このため、今般の特別給付金におきましても、これまでと同様、国債の交付という方法により行うこととした次第でございます。

初鹿委員 五十年続けてきたからこの後も続けるということではないと思うんですよ。やはり対象者が高齢になっている、自分でなかなか金融機関などにも行けない人も多くなっている、そういうことも考えると、私は、本来だったら、もう今回から国債で支給するのはやめた方がいいんじゃないかというふうに思うんです。払うなと言っているんじゃないですよ。ちゃんと本人の手元にきちんと払われるようにしましょうということを言っているんですよ。それが国として慰藉をするという気持ちじゃないかと思うんですよ。

 気持ちはあるけれども、紙を渡して、そこで現金にならないで終わっていますよというのは、ちょっと余りにも情けないというか、責任をちゃんと果たしていない、慰藉の気持ちが本当にあるのかどうかと疑いたくなるような気持ちに私はなるんです。

 最後、時間になりましたから大臣にお伺いしますけれども、本当にきちんと慰藉の気持ちを示すなら、ちゃんと手元に現金となって入るように徹底をしてほしいんですよ。やはり請求のたびに通知をするとか、償還忘れがありませんかとか、そういうことを、三千人になって、対象者が少なくなっているわけですから、できない話じゃないと思うんですよ。市町村とかと連携して、ぜひきちんと本人の手元に渡るようにしていただきたいと思いますが、最後、大臣、御見解をお伺いいたします。

渡辺委員長 既に持ち時間が経過しております。大臣、簡潔にお願いいたします。

塩崎国務大臣 はい。

 お気持ちはよくわかるところでありますが、私も、もともと金融の出身でありまして、確実にという気持ちはよくわかります。私もそう思いがちではありましたが、やはりお受け取りになられる方々と一度お話をなさったらいいと思います。こういう形がいいというお話だったので、今回もこういう形にさせていただいた。

 あとは、どう確実にやるか。ゆうちょ銀行等々ありますから、それは、御指摘のとおり私どもも努力しているところでありますので、引き続き努力をしたい、こう思います。

初鹿委員 ぜひきちんと手元に届くようにしていただきたいとお願いして、質問を終わります。

 ありがとうございます。

渡辺委員長 次に、井坂信彦君。

井坂委員 井坂信彦です。

 戦傷病者の妻に対する特別給付金に関して、十五分ですけれども、質疑をいたします。

 先ほどの議論は、実は去年私も同じようなやりとりをさせていただいておりまして、確かに、結局そのときの答弁というのは、政府は、記名国債、国債そのものが対象者の手に渡ったときが気持ちを伝えたということなんだと、決して、現金化というところは、そこは求めていないということの答弁だったというふうに思います。ですから、政府の立場を是とするならば、まさにこの記名国債をなるべく早く渡すということが大事で、それが本法案の目的である、いたわりの気持ちをあらわすということになろうかと思います。

 本日は、先ほどは国債を受け取ってから現金化の話でしたけれども、そうじゃなくて、国債を受け取るまでの間の話を議論したいと思います。

 これは、戦没者あるいは戦傷病者の妻が特別給付金を請求してから政府が記名国債を実際に妻に渡すまでに余り時間がかかり過ぎると、今対象者の方が極めて高齢化をしている中で、請求したけれども記名国債を受け取る前に亡くなってしまうという方は少なからず出てくるというふうに思います。

 そこで、まずお伺いしますが、この特別給付金について、請求から記名国債を受け取るまでの期間は大体何カ月ぐらいでしょうか。

堀江政府参考人 お答え申し上げます。

 戦傷病者等の妻に対する特別給付金の支給手続につきましては、受給対象者がお住まいの市区町村で請求を行い、戦傷病者等の退職当時の本籍地都道府県等において裁定が行われてございます。裁定結果は厚生労働省に報告され、厚生労働省から財務省に国債の発行請求を行い、国債は日銀から市区町村を通じて請求者に交付される、こういう手続になってございます。

 このように、市区町村、都道府県、厚生労働省、財務省、日銀、日本銀行代理店を経由することから、平成十八年の支給においての実績でございますけれども、請求から国債交付まで約八カ月の期間を要しております。

井坂委員 八カ月もかかるということなんですが、実は、去年、戦没者遺族、ほぼ同じような仕組みなんですが、そこでお聞きしたときは五、六カ月というふうに伺っております。戦没者遺族の特別弔慰金は、遺族かどうか、また、兄弟姉妹の中で誰が優先順位があるのか、同順位の方がいた場合は同意書をとったりとか、いろいろ手続があって五、六カ月かかるというふうに伺っていたんですが、今回の特別給付金は、それに比べれば対象者も少なく、また、妻という明確な基準があるのに、なぜ八カ月かかるんでしょうか。

堀江政府参考人 特別弔慰金を自治体の方に実施していただいておりまして、特別弔慰金の方は昨年成立させていただいて、その裁定の促進というのはいろいろな形でお願いしております。

 自治体において、同じ担当のところで、特別弔慰金の担当者がこれをまた対応したりするというような重なりがございますと、どちらを先に優先するかというようなことで、やや事務の重複といいますか、おくれが出ることがあるというようなことを聞いてございます。

井坂委員 ちょっと本当かなという気がするんですけれども、要は、自治体で、たまたま同じ担当者が去年決めた特別弔慰金と今回の特別給付金を担当した場合に、自治体の担当者が判断して特別給付金を後回しにするから平均八カ月かかるということなんでしょうか。ちょっとにわかには信じがたいのと、それで本当に全国そういうことが起こっているのかという気はいたします。

 実は去年お聞きしたことでもあるので、フォローアップの質問をさせていただきたいと思うんですが、去年も、日本遺族会から事務手続のスピードアップの要望が出されていたということで、この戦没者遺族の弔慰金の方でも同じようなことをお聞きした際に、大臣、こういうふうに答弁をされました。事務処理期間をどうやって短縮化してこの弔慰を、気持ちを受け取っていただくかということが大事なので、御指摘のように、ここのところを短くしていくということは大変大事で、あらゆる手を使って短縮化に努力をしていかなければいけないと大臣は答弁をされております。

 そこで、ちょっとフォローアップでお伺いしますが、去年決めて、現在交付中の戦没者遺族に対する特別弔慰金、これは、請求から記名国債を渡すまでの事務処理期間を短縮するために、どのような工夫をつけ加えられましたでしょうか。

塩崎国務大臣 現在交付中の特別弔慰金でございますけれども、事務処理期間を短縮するために、これは、担当する方々は各都道府県の職員でございまして、職員にスピードアップをしていただく、事務処理が早くなるような、そういうことを研修を通じて行っているわけでございまして、その中で、事務処理に当たっての留意点とか、あるいは審査事務に資するような事例研究等の説明を行って、裁定の促進を図ってまいっております。

 累次にわたって研修会を開催しておりまして、ただいまそれが作業中ということでございまして、申し上げたように、請求者に一日も早く国債をお渡しできるようにということで、都道府県あるいは市区町村と連携をしておるわけであります。

 二月末現在で、戦没者等の遺族に対する特別弔慰金の請求については、約五十六万件、受け付けはいただいておりまして、そのうち、裁定を終えたのが約二十四万件となっておりまして、財務省に国債の発行を請求しておるところでございまして、引き続き、都道府県の職員がスピーディーな処理をしていただくことをお願いしたいと思っております。

井坂委員 去年お願いをしまして、もともと五、六カ月でされていた戦没者遺族の弔慰金の方は、さらなる短縮を今回目指して研修等を行っておられるということでありました。

 大臣、ちょっと重ねてお伺いしたいんですが、現状、きょう議論している戦傷病者の妻への特別給付金、これは八カ月かかっているということでありますが、前回と同様に、これも、既にことし行っておられるような工夫も重ねて、大幅に短縮していただきたいし、できるというふうに思いますが、まず、その御決意をいただきたいと思います。

塩崎国務大臣 おっしゃるように、戦後もう七十年余りたっているわけでありますから、御高齢になられている、そのことを考えれば、八カ月は少し長いな、私もそういうふうに思いますので、スピードアップする手だてを尽くしてまいりたいというふうに思います。

井坂委員 続きまして、請求から受け取るまでの間のもう一つの問題点、時効失権についてお伺いをいたします。

 先ほどは、国債を受け取ったけれども、それを現金化しない、さまざまな理由で現金化しないという方の問題が議論されましたが、私が今からするのは、そもそも請求をし忘れたという方、それで時効になってしまって権利を失ってしまった、時効失権ということであります。

 今回の特別給付金では、時効失権というのは、前回、何件あったんでしょうか。

堀江政府参考人 お答え申し上げます。

 厚生労働省で推計しました受給権者総数から実際に請求、可決された方の人数を差し引いた数で申し上げますと、平成八年の改正分のときには千二百件あったものが、平成十八年の改正分では約五百件、それから平成二十三年の改正ではゼロ件、こういうふうになってございます。

 ただ、一点ございまして、これは、権利がありながら請求を行わなかったという方と、基準日の以前で、例えば三月三十一日に亡くなってしまったというようなことで請求権を失った方というのが若干まじっている、こういうようなことでございまして、厳密な意味での件数とはなってございません。

井坂委員 ありがとうございます。

 時効失権の件数も把握しておられて、しかも、それをさまざまな工夫で減らしてきておられるということかと思います。

 実は、この問題も、昨年、同じ議論をしまして、ただ、戦没者遺族の特別弔慰金、昨年の場合は、そもそも、今おっしゃったような時効失権が何件あるかということを何度お聞きしても、わからない、しかも、測定をしていない、こういうお答えに終わったわけであります。

 ちょっとフォローアップでお伺いをしたいのは、当時しつこくお聞きをして、最終的に答弁では、実務的にどうなっているのかを確認した上で、何が可能なのかということを考えてみたいというふうに大臣が答弁をされています。

 そこで、お伺いをいたしますが、その後一年たって、この特別弔慰金の方の時効失権というものは、まずは件数の把握ぐらいはできたんでしょうか。

堀江政府参考人 昨年の質疑につきましては認識しているところでございますけれども、やはり、個々の戦没者ごとに、例えば、どの人が対象者になるかというようなことにつきましての、その受給権を有する遺族がいたかどうかも含めまして、厚生労働省として、一律に把握できるものではないということから、時効失権者数を算出することは難しいという状況は変わってございません。

井坂委員 これは、一応、昨年の議事録を見ていただければ、いろいろなやり方で、こういうやり方でわかるんじゃないですか、この辺から見れば大体わかるんじゃないですかということを幾つか提案しておりますけれども、そういったことも含めて、ちゃんと可能性を検討していただいたんでしょうか。

堀江政府参考人 特別弔慰金の支給対象遺族につきまして、戦没者等の配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹のみならず、戦没者等と一年以上の生計を有するその他の三親等まで含まれるということでございまして、支給対象となる可能性がある者にめいだとか、おいですとか、おじまで入るというようなことで、広いことから、なかなか難しいという状況でございます。

井坂委員 例えば、前回、この特別弔慰金について、受給者の方が亡くなると次の順位の方を探さなければいけない、次の順位の方がそれに気づかずに請求をしなかった、時効で失権をしてしまう、こういうパターンが多いということから、受給者が亡くなったということを把握して、次の優先順位者の時効失権を予防する取り組みについても求めたわけであります。

 これに対しても、大臣の答弁では、弔慰をあらわすという目的が果たせるかどうかという問題なので、技術的にも、総務省や郵便局の協力も含めて、一体何が本当にできるかということを考えてみたいというふうに答弁をいただいております。

 大臣にお伺いいたしますが、去年の特別弔慰金の方ですけれども、受給者が亡くなったということを把握して、そして、次の優先順位者の時効失権を予防する、こういう取り組みは進めていただきましたでしょうか。

塩崎国務大臣 昨年の特別弔慰金の法案審議の際に、井坂委員の方から、都道府県あるいは郵便局が把握をしている情報に基づいた時効失権対策について、やるべしということを提案いただいたわけであります。

 改めて検討いたしてまいりましたが、次の優先順位者の把握に当たっては、直近の親族関係等の情報が必要でありますが、当該情報の把握は、なかなかこれは簡単ではなく、直接的な取り組みには至っていないという状況でございます。

 しかしながら、対象者の皆さん方に請求期間内に確実に請求していただくということが重要であるわけでありますので、次の優先順位者が時効失権しないように何ができるのかは、有効な対策を引き続き検討していかなければならないという状況でございます。

井坂委員 ありがとうございます。

 引き続き、さまざまな御提案も申し上げますし、答弁いただいたことに関してはフォローアップの質疑もさせていただきますので、検討していただくと言ったことはきちんと検討していただきますようにお願いを申し上げて、本日の質疑を終わります。

 ありがとうございました。

渡辺委員長 次に、堀内照文君。

堀内(照)委員 日本共産党の堀内照文です。

 本日議題となっております戦傷病者の妻に対する特別給付金支給法等の改正は、三十万円の十年償還国債の交付から、十五万、五年償還の国債を二回に分けて交付するなどの内容となっております。受給者の高齢化に伴い、国として特別の慰藉を行うために配慮をするという改正で、賛成できるものだと考えております。

 この法案の対象である戦傷病者の妻、また戦没者の妻や遺族に対する給付金、弔慰金、こういう制度は幾つかあるわけですが、その審議で問題になってきたのが、今もありました時効失権の問題です。

 この間、これらについて、総務省の協力も得ながら、個別に郵送するですとか、あらかじめわかっている事項は印字の上で請求書を同封して郵送するなど、対策がとられているものと認識をしております。

 現状と課題についてちょっとお聞きしようと思ったんですけれども、もう質疑で出されておりますので、私からは、失効することがないよう引き続き努力をいただくとともに、万が一にも失効した際の救済がやはり必要だと思います。それから、給付のあり方も課題があるというのは、今も浮き彫りになったと思います。

 そういう点でも、制度の趣旨が貫かれるような対策がやはり必要だということを指摘しておきたいと思っております。

 きょうは、原爆症認定行政について、被爆者援護について質問したいと思っております。

 被爆者の平均年齢は八十歳を超えました。戦後七十年以上、大変な苦難の道を歩まされてきた被爆者の方々が、国の原爆症認定行政によって大変苦しめられております。

 この認定行政が被爆の実態に見合ったものではないと、二〇〇三年以降、全国十七カ所、三百六人の被爆者が原告となって、原爆症認定集団訴訟が闘われました。被爆者が、九〇%を超える勝訴判決をかち取り、二〇〇九年八月六日に、当時の麻生総理大臣が、日本原水爆被害者団体協議会、被団協と、「今後、訴訟の場で争う必要のないよう、」とする確認書を締結しました。きょう、資料でお配りをさせていただきました。同時に、内閣官房長官の談話も、司法判断を厳粛に受けとめるという内容で出されております。

 厚生労働大臣は、この定期協議が課されているわけですが、その場にまさに当事者として出席をする立場であります。この八・六合意は守るべきものだという認識があるのか、それから、内閣官房長官のこの談話と同じ立場であるのか、この二点、お伺いしたいと思います。

塩崎国務大臣 御指摘の確認書におきまして、当時の集団訴訟の早期解決、そして、今後、訴訟の場で争う必要のないように、定期協議の場を通じて解決を図るということを確認しておりまして、これを守るべく努力をする姿勢には、私も変わりはございません。

堀内(照)委員 ところが、この後も裁判所の判断基準を無視した原爆症認定却下が相次いで、今、ノーモア・ヒバクシャ訴訟というのが闘われております。

 提訴者が百二十人、現在の原告は七十四人で、地裁判決での原告勝訴は、自庁取り消しの二十二人を含む四十七人、八九・六%の勝訴率です。その多くが判決として確定をしております。

 二〇一三年末に、国は、原爆症認定基準を新しい基準に見直しました。これは資料二枚目につけておきました。それでもなお、司法では、国の申請却下を覆し、認定すべしという判断が下されております。司法と行政との乖離は一向に埋まりません。

 大臣にお伺いしたいんですが、この新しい基準、機能しているとお考えでしょうか。

塩崎国務大臣 原爆症認定制度につきましては、原爆症認定制度の在り方に関する検討会、ここで、三年間、合計二十六回にわたって議論を行っていただきました。その結果、平成二十五年十二月に基準の見直しを行ったところでございます。

 この検討会の報告書において、「裁判では個別の事情に基づいて判断が行われるのに対し、行政認定においては同様の状況なら同様の結論といった公平な判断が求められることから、」「乖離を完全に解消することは難しい」とされておるわけでございます。

 一方で、「こうした限界を踏まえつつも、司法判断と行政認定の乖離をできる限り縮めていく努力が重要」ともされておりまして、非がん疾病の認定基準を明確化するように提言されたことも踏まえて、放射線被曝による健康影響が必ずしも明らかではない範囲まで基準を拡大したところでございます。

 この基準見直し前後の認定件数を見ますと、非がん疾病の認定件数は、見直し前、平成二十四年度と平成二十五年度の認定件数が四十三件であったのに対して、見直し後の二年弱で二百六十件と、四十三件から二百六十件へと大幅に増加をしたところでございます。

堀内(照)委員 いろいろ検討会のことも言われましたが、今大臣も言われたように、検討会の中でも、乖離を縮める努力が重要だと言われているわけでありますし、それから、今ありましたけれども、この間の被爆者の運動の中で要件が拡大したわけですから、ある程度ふえるのは当然なんです。

 しかし、新基準以降、昨年九月までの認定件数と却下件数の割合を見ますと、がん疾病では、認定が四分の三、却下が四分の一であるのに対して、非がん疾病では、認定は三分の一にしかすぎず、却下は依然三分の二に上っております。

 新基準があたかも何か成果が出ているかのように今言われましたけれども、それをはかる物差しは、単にふえたかどうかではなくて、本来認定されるべき人が認定されているかどうか、ここをやはりしっかり見るべきだと思うんです。

 新たな基準は、積極的に認定する範囲として、がんなどについては爆心地から三・五キロメートルでの被爆を認めているのに対し、心筋梗塞や甲状腺機能低下症、慢性肝炎、肝硬変は二キロ、白内障は一・五キロと格段に厳しくなっています。そして、それらに該当しない場合は総合的に判断するというんですが、被爆の克明な証明を求め、少しでも条件を満たさないとされると却下されてしまう、これが今のやり方だと言わなければなりません。

 ですから、異議申し立ても後を絶ちません。

 新基準前の二〇一三年と、その後の一四年、一五年、一五年は九月までだと思うんですが、異議申し立ての件数はどうなっているでしょうか。

福島政府参考人 お答えいたします。

 お尋ねの、原爆症認定を申請されたけれども却下となりまして、その決定を不服として異議申し立てをされた件数でございますが、平成二十五年度、二〇一三年度が六十三件、平成二十六年度が六十九件、平成二十七年度が九月末までで五十八件となっております。

堀内(照)委員 前が六十三件、その後、六十九件と。ことしは半年で五十八件ですから、ふえているんですね。積極認定というけれども、実際には線引き、事実上の切り捨てになっているからではないでしょうか。

 二〇一四年三月の熊本地裁で原告勝訴の判決となった方は、爆心地から二キロの自宅で、生後八カ月のときに被爆をされました。法廷では、被爆当時の様子を語ろうにも、多くを語らなかった父母のかわりにいろいろ教えてくれた六歳上の姉の記憶が頼りだったと。

 四十歳を過ぎたころから、肝機能障害や脳梗塞などを発症する。その後も、心筋梗塞、糖尿病、バセドー病、甲状腺機能低下症など、次々発症する。たばこも酒もやらない。病気は被爆したからだ、こう思って申請をしましたが、却下をされました。新基準でもこれが認められませんでした。司法判断でやっと認定されました。なのに、国は控訴したんです。

 国は、当時八カ月だった人に、これ以上被爆の因果関係を証明せよというんでしょうか。この間、国は十人を超える原告を控訴しております。

 大臣に伺いたいんです。こうまでしてなぜ控訴を続けるんでしょうか。

塩崎国務大臣 原爆症認定に関する訴訟につきましては、被爆者の方々が高齢化をしているというこの現状は、これはもう揺るぎない事実でございます。これは踏まえなければいけない。できる限り救済するという観点もそのとおりであって、私どももその観点に立って、それぞれの判決内容を慎重に検討して、新しい審査の方針と矛盾しないという判断ができるものについては控訴をせずに地裁判決を受け入れるというふうな基本スタンスでまいっておるわけでございます。

 他方で、健康被害が放射線によってもたらされたと判断できるかの基準である放射線起因性、あるいは、現に医療を必要とするかの基準であります要医療性に関して、例えばこの認定基準に比べて被爆距離が遠い場合など、現在の科学的知見等に照らして、認めることが困難な事案については控訴をすることとしております。直近の二件の高裁判決では、放射線起因性に関して、いずれも国が逆転勝訴をしているわけでございます。

 いずれにしても、厚生労働省としては、被爆者の平均年齢が八十歳を超えて高齢化をしている現状を踏まえれば、現在の認定基準において一日でも早く認定がなされるように審査の迅速化を図ることとしておりまして、原則六カ月以内で審査を行うように努めてまいりたいというふうに思っているところでございます。

堀内(照)委員 結局、距離で線引きをして控訴しているということになるじゃありませんか。七十年も前の幼少期の記憶を頼りに、病気が放射線起因であるということを立証せよと迫ること自体、私はひどい話だと思うんですね。

 多くの被爆者にとって、放射能の影響を証明することは、加齢による記憶の減退、証人も含めた証拠の散逸など、ますます困難になっているわけであります。そういう被爆者に訴訟を強い、立証責任を負わすことは、非人道的だと私は言わなければならないと思うんです。

 地裁で勝訴しながら国から控訴された方は、十四歳のとき、爆心地付近で四日間瓦れきの撤去の作業に従事をし、帰宅後猛烈な下痢が二カ月余り続いた後、髪や眉毛が抜け落ちた。後に肝臓がんなども患いましたが、それでも認定申請は却下だったと。却下の理由は示されませんでしたが、恐らくということで、この方は、投下後約百時間以内の入市でなかったからだろう、官僚の勝手な線引きは許せない、こう語っていたわけであります。以来六年もの歳月を費やしてやっと地裁で勝訴したのに、国が控訴をしたことで認定を受けられませんでした。

 今、大臣、逆転もあるんだとおっしゃいましたけれども、この方も本当に不当な判決だと私は思うんですね。この方は、地裁で勝訴をかち取って喜んだ後、国が控訴した中で、落胆する中、間もなく入院し、帰らぬ人となりました。

 私もこの問題でいろいろ相談を受ける中で、国は被爆者が死ぬのを待っているのか、そういう声があるわけです。私は国の責任は本当に重大だと思うんです。

 八・六合意では、訴訟を終結させ、今後、訴訟の場で争う必要のないよう、定期協議の場を通じて解決を図ると。官房長官の談話では、「国の原爆症認定行政について厳しい司法判断が示されたことについて、国としてこれを厳粛に受け止め、この間、裁判が長期化し、被爆者の高齢化、病気の深刻化などによる被爆者の方々の筆舌に尽くしがたい苦しみや、集団訴訟に込められた原告の皆さんの心情に思いを致し、これを陳謝いたします。この視点を踏まえ、この度、集団訴訟の早期解決を図ることとしたものであります。」こう述べているんですね。

 しかし、これはやはり全くやっていることが逆じゃないかと私は言わなければならないと思うんです。高齢の被爆者を訴訟に追い込むことはあってはなりません。

 十三歳のときに長崎で入市被爆をした神戸の方、裁判当時は八十一歳の女性なんですが、裁判で国側代理人から、入市した日付が被爆者手帳の記載と違うということを指摘される中で、出発する日付をカレンダーで確認したのかとか、長崎の町へどの交通機関を使うつもりだったのかとか、爆心地の状況をわかって向かったのかとか、罹災証明をとっていなかったのかと。子供だった私にわかるはずありません、こう答えるしかなかったというんですが、被爆直後の混乱した状況を考えればおよそ発することができないような執拗な尋問に、この女性は、こんな性悪な質問はない、もう帰りたい、ここまで口にしたというんです。

 裁判となったら、国側代理人からの尋問が、被爆者の証言には虚偽はないのかと、戦後七十年以上、被爆によるさまざまな苦難を強いられてきた高齢の被爆者を一層傷つけるものになっているわけです。

 そうした被爆者の、今、放射線起因性と言われました、それを立証させる国のやり方、被爆者に立証させるやり方を司法は何度も断罪をしているわけです。今後、高齢化で、一層立証は困難になります。だからこそ私は、政治の決断が必要なんだと思うんです。

 今の認定行政では、基準を設けることで、どうしても切り捨てが生まれてしまう。司法と行政の乖離も解決しない。現行の認定行政では私は解決できないと思います。だから、被団協は、現行の認定行政をやめようと提言を発表しております。全ての被爆者に現行の健康管理手当相当の被爆者手当を支給し、疾患について、段階的に手当の加算を行うことを提案している。段階的支給により、現行の手当より減る人も生まれるかもしれませんけれども、今の認定行政のこのような切り捨ては変えようという思い切った提案なんです。

 認定行政を見直す必要があると私は思うわけですが、大臣、いかがでしょうか。

塩崎国務大臣 平成二十五年十二月の原爆症認定制度の基準の見直しは、先ほど申し上げたとおり、幅広い分野の専門家あるいは被団協の代表の方々にも御参画をいただいて、原爆症認定制度の在り方に関する検討会において、三年間、二十六回にわたって議論をしていただいた上で結論をいただいた、こういうことで、大変重たいものだと理解をしております。

 現行の基準は、検討会の報告にございますように、司法判断と行政の乖離を埋める努力として、そしてまた、放射線と健康被害に関して科学には不確かな部分があることを踏まえて、放射線被曝による健康影響が必ずしも明らかでない範囲を含めて設定をされたものでございます。また、見直しの結果、認定疾病における非がん疾病の割合も増加をしているところでございます。

 先ほど申し上げたように、裁判で逆転勝訴を国がするというようなこともまだございまして、基本は今申し上げたとおりでございますので、引き続き、この認定行政の公正公平な、そしてスピードを上げた対応をしてまいりたいというふうに思います。

堀内(照)委員 確定した判決は、国が負けたものしかないわけですよ。それは余り理由として言わない方がいいと思いますよ。

 私、被団協の提言の中にある一節、これをぜひ聞いていただきたい。「被爆者は原爆の地獄を体験し、全ての被爆者が何らかの放射線被害を受けています。そのために心と身体に深い傷を負って生き抜いてきました。子どもを産み育てるという人として自然なことにさえ恐れおののき、就職、結婚など人生の節目での差別など計り知れない苦しみと不安から解放されることなく生きてこざるをえなかったのです。そして今もなお、子や孫に健康問題が生じると「被爆のせいではないか」と、わが身を責めているのです。」

 何らかの放射線被害を受けているわけです。それを、どこまでどう放射線量を受けたのかと、幼少期の、七十年以上前の記憶を呼び起こして立証させる、こんなことは、私はやはり間違っていると思うんです。

 少なくとも、真摯にこの司法の判断と向き合って、定期協議の場で被爆者団体と話し合う。今、定期協議をやるということになっているんですけれども、被団協と原告団、弁護団の統一要求書の中では、定期協議、原則概算要求前の毎年七月に行うということと、この認定制度の抜本的な改善のために、事務レベルでだと思うんですが、事務方あるいは政務官ないし副大臣との定期協議の場を要望されていると思うんですが、これはぜひ具体化すべきじゃありませんか。

渡辺委員長 既に持ち時間が経過しております。質疑は終了してください。

 簡潔に答弁をお願いいたします。

塩崎国務大臣 被団協の皆様方との協議につきましては、これまでも国会用務等の動向も見ながら行ってきておりまして、昨年一月十五日に開催したところでございます。

 その後も、毎年春と秋に厚生労働省の事務方が被団協と定期的に面会をしております。各種要望をお伺いしているところでございますけれども、いずれにしても、国会の状況、それから前回の大臣協議からの状況の変化なども見て、次回の開催時期としていつが適当か、事務方に被団協の皆様方と相談をさせたいというふうに思います。

堀内(照)委員 被爆者はもう待てない、この一言だけ言って終わります。

 ありがとうございました。

渡辺委員長 以上で本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

渡辺委員長 これより討論に入るのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。

 内閣提出、戦傷病者等の妻に対する特別給付金支給法及び戦没者等の妻に対する特別給付金支給法の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

渡辺委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

渡辺委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

     ――――◇―――――

渡辺委員長 次に、第百八十九回国会、本院提出、参議院送付、戦没者の遺骨収集の推進に関する法律案を議題といたします。

 本案は、前国会で本院において議決の上参議院に送付したものを、参議院において継続審査に付し、今国会におきまして、施行期日を「平成二十七年十月一日」から「平成二十八年四月一日」に改めるとともに、これにあわせて、戦没者の遺骨収集の推進に関する施策を集中的に実施する期間を「平成二十七年度以降十箇年間」から「平成二十八年度から平成三十六年度までの間」に改める修正を行って本院に送付されたものであります。

 したがいまして、その趣旨は既に十分御承知のことと存じますので、この際、趣旨の説明を省略いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

渡辺委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

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 戦没者の遺骨収集の推進に関する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

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渡辺委員長 本案につきましては、質疑、討論ともに申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。

 第百八十九回国会、本院提出、参議院送付、戦没者の遺骨収集の推進に関する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

渡辺委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

渡辺委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

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    〔報告書は附録に掲載〕

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渡辺委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後五時二十四分散会


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