衆議院

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第3号 平成17年3月9日(水曜日)

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平成十七年三月九日(水曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 河上 覃雄君

   理事 河村 建夫君 理事 櫻田 義孝君

   理事 平井 卓也君 理事 松島みどり君

   理事 鈴木 康友君 理事 細野 豪志君

   理事 吉田  治君 理事 高木 陽介君

      嘉数 知賢君    北川 知克君

      小杉  隆君    佐藤 信二君

      坂本 剛二君    菅  義偉君

      竹本 直一君    谷畑  孝君

      中西 一善君    西銘恒三郎君

      野田  毅君    平田 耕一君

      望月 義夫君    森  英介君

      山口 泰明君    渡辺 博道君

      大畠 章宏君    奥田  建君

      海江田万里君    梶原 康弘君

      菊田まきこ君    近藤 洋介君

      佐藤 公治君    高山 智司君

      中山 義活君    計屋 圭宏君

      原口 一博君    村井 宗明君

      渡辺  周君    江田 康幸君

      塩川 鉄也君

    …………………………………

   議員           近藤 洋介君

   議員           高山 智司君

   経済産業大臣       中川 昭一君

   国務大臣

   (内閣官房長官)     細田 博之君

   経済産業副大臣      小此木八郎君

   経済産業大臣政務官    平田 耕一君

   衆議院法制局第三部長   夜久  仁君

   政府特別補佐人

   (公正取引委員会委員長) 竹島 一彦君

   政府参考人

   (内閣法制局第四部長)  石木 俊治君

   政府参考人

   (公正取引委員会事務総局経済取引局長)      伊東 章二君

   政府参考人

   (公正取引委員会事務総局審査局長)        楢崎 憲安君

   政府参考人

   (金融庁総務企画局審議官)            振角 秀行君

   政府参考人

   (金融庁監督局長)    佐藤 隆文君

   政府参考人

   (金融庁証券取引等監視委員会事務局長)      長尾 和彦君

   政府参考人

   (法務省刑事局長)    大林  宏君

   経済産業委員会専門員   熊谷 得志君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月九日

 辞任         補欠選任

  遠藤 利明君     渡辺 博道君

  村井 宗明君     原口 一博君

同日

 辞任         補欠選任

  渡辺 博道君     遠藤 利明君

  原口 一博君     村井 宗明君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、第百六十一回国会閣法第一九号)

 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案(仙谷由人君外十六名提出、第百六十一回国会衆法第四号)


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     ――――◇―――――

河上委員長 これより会議を開きます。

 第百六十一回国会、内閣提出、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案並びに第百六十一回国会、仙谷由人君外十六名提出、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。

 お諮りいたします。

 両案につきましては、第百六十一回国会におきまして既に趣旨の説明を聴取しておりますので、これを省略いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

河上委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案(第百六十一回国会、内閣提出)

 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案(第百六十一回国会、仙谷由人君外十六名提出)

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

河上委員長 次に、お諮りいたします。

 両案審査のため、本日、政府参考人として公正取引委員会事務総局経済取引局長伊東章二君、公正取引委員会事務総局審査局長楢崎憲安君、金融庁総務企画局審議官振角秀行君、金融庁監督局長佐藤隆文君、金融庁証券取引等監視委員会事務局長長尾和彦君及び法務省刑事局長大林宏君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

河上委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

河上委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。吉田治君。

吉田(治)委員 民主党の吉田治でございます。

 いよいよこの独占禁止法の法案の審議の方も終局の方に向かってきております。きょうは、時間も少ししかございませんので、それぞれ、大臣、公取委員長並びに民主党提案者に基本的認識というものを再確認させていただきたいなと思っております。

 まず、官房長官の方に、この法案、後ほど公取の委員長にもお聞きしたいんですけれども、毎年毎年、アメリカ政府から対日政府要求という要請書が出てきております。過去の要請書を読んでおきますと、アメリカ政府の要請分がほとんどこの今回の条文になってあらわれてきている。私たちは、立法の立場からすると、どうもアメリカの言ったことを立法をしているのかなという嫌いも感じざるを得ないんですけれども、その辺の対日要求というふうなものについて、どういうふうに、これは特にこの競争政策がまず一点。そして、内閣として、かなめとしてそこの部分を受けとめて最大限反映させるのか、いや、それは違うものは違うといってしっかりと返していっているのかというふうな部分、そこをまず、内閣のかなめの官房長官としてお聞かせをいただきたいと思います。

細田国務大臣 日米の間で、両国政府からお互いに規制改革についてあるいは競争政策について注文を出し合うという形をとるようになっておるわけでございます。そこで、日米規制改革及び競争政策イニシアチブと言っているわけでございますが、これは、長い貿易摩擦の歴史等もございまして、オンブズマン制度を、日本の方でも制度をつくったり、いろいろな経緯があるわけでございますが、アメリカからも先方の要望を聞く、そして本当に改めるべきものがあれば改めるというふうな対応をしておるわけでございます。

 もちろん、当然我が国は、日本的なまた土壌、社会の背景というものもございますから、アメリカ的な、今回もいろいろな株の取得などでも見られますように、アメリカではほとんど当たり前のようなことだけれども、日本ではやはりいろいろなことを考えるという土壌が今日の問題を生み出していて、いろいろな議論が行われているんですが、そういう面では、日本側もきちっと、日本の体制、経済の姿、社会の姿というものを背景に考えております。

 したがって、今回の改正も、内容的には、規制を強化しろということが先方から言われていることは、従来から同様に言われていることでございますので、決してそのアメリカの要望に沿って法改正の案をつくったということではございません。

吉田(治)委員 官房長官、今のお話を聞いていて、この法案とは関係ないんですけれども、株の取得の件についてはアメリカでは当たり前だと今発言されましたけれども、これはライブドアとニッポン放送の関係のことについて発言なさったんだと思うんですけれども、どの部分がアメリカでは当たり前のことであって、どの部分が日本的に言ったら際々のことをしているのかと。ライブドアとニッポン放送、それぞれの当事者を見たときに、当たり前ということを見たときには、官房長官というお立場、もしくは細田という一個人のお立場の中で、どちらが是でどちらが非だという発想があると思うんですけれども、その辺はいかがでしょうか。

細田国務大臣 ちょっと余計なことをコメントして申しわけなかったんですが、TOB、テンダーオファーというのは、もう極めてしばしば米国では行われて、それに対する法制、考え方、株主の対応、こういったものが極めてなれておるというようなことで申し上げたにすぎません。したがって、個別の議論、企業グループ内の対応の問題とか、あるいは株を買っていこうというふうな側の対応の問題とかについてコメントしたわけではございません。

 私もかつて政府において資本自由化の問題を担当したことがありまして、そのときも、外資による日本経済の支配だとか、当時でいうと、もう日本IBMに日本が全体をとられるんじゃないかとか、そういう議論がありまして、大きな議論をしたことがあるんですが、余りにも米国の考え、資本主義の考え方、日本的な産業界の考え方が、大分違う点が多いなと思っておったものですからちょっと余計なことを申しましたが、そういうことでございます。

吉田(治)委員 それほど官房長官の認識も出てくる株の取得の問題について、ちょっとこれまた法案に入らないんですけれども、これは経済全般として経済産業大臣に御質問させていただきたいんです。

 一つは、今回の独禁法の改正において、競争というものを強く推し進めていくと。しかし一方では、中身によっては企業の存亡にもかかわる部分もある。これはもう昨年来からの各委員の質疑等によっても明らかになっているんですけれども、まず、経産大臣として、この法案の経済に与える影響というもの、そういうふうなものをどういうふうに認識されているのかということが一点。

 そして、今、官房長官、蛇足だと言われましたけれども、私はあえて、ライブドアを含めた会社法の問題、それから株式取引の問題、これはひとえに、例えば財政金融であるとか法務の問題であるかもしれないけれども、経済産業という極めて国にとっては大事な問題。独占禁止法は経済の憲法であり、その経済を動かす血となり、肉となるものが株式であると思うんですけれども、今回のこの株の問題を含めて、会社のあり方を含めて、自由化がすべて株式取引においていいのかどうか。また、本日も私どもの民主党の部門会議で大学の先生に来ていただいてお話を聞いても、はっきり言ってほとんどの人はわからないんですね、テクニカルになり過ぎて。そうなっていった中で、何か一部の若い人たちだけのものになってしまいはしないかという危惧もあるんですけれども、その二点、大臣として、どういうふうにお考えになられているでしょうか。

中川国務大臣 おはようございます。

 一般論としてということで、個別案件は、今まさに司法の判断でございますので、具体的なことは差し控えさせていただきたいと思いますが、そもそも、吉田委員御指摘のように、今、日本の会社法あるいはまた株式マーケットについて一つの大きな転換点に来ているというふうに考えております。だからこそ、経済産業省の中に企業価値研究会というもので数カ月御議論をいただきまして、今週の月曜日に神田先生を座長とする一つの方向性というものを出していただいたわけでございますけれども。

 やはり、公正かつ自由な企業活動、あるいはまた経済活動というものが何といっても大原則として必要だと思いますし、と同時に、やはりきちっとしたルールというものも当然なければいけないわけでございますので、ルールが不透明であるということでありますならば、来年に向けての、これから御審議いただくであろう会社法の現代化の問題、あるいはまた、一般論として、それ以外にもいろいろなルールの整備というものが必要になってくるのだろうと思います。これはもちろん、アメリカから云々ということではなくて、日本のあるべき姿としてきちっと整備をしていく必要があると思っております。

 そしてまた、御指摘のように、余りにも専門家の皆さん方のプロの論議だけでは、日本経済というものは国民のものであるわけでございますので、普通の国民ができるだけ理解しやすいようなルールづくりというものにも十分配慮をしながら、とはいっても、かなり専門的な部分が入ってくることはある程度やむを得ないとは思いますけれども、やはり、いろいろと、できるだけわかりやすい、一般国民、投資家が参加しやすいようなルールづくりという点にも十分配慮する必要があるというふうに考えております。

吉田(治)委員 企業価値研究会のことについては、大変重要なことであり、また、これはおもしろいことに、この経済産業委員会に法案としてかかるものでもなければ、この委員会において議論ができるかどうかというのは理事会の協議になると思うんですけれども、この辺、また、委員長、取り計らい方をお願いしたいと思うんですけれども。

河上委員長 後刻協議をさせていただきます。

吉田(治)委員 やはり、経済産業委員会としてこういうふうなことができるものを、法案という部分で立法措置というものを私たちもしていかなければならないと思うんですけれども、その辺は、立法措置の必要性等を大臣としてどうお考えになられているか、一言述べていただきたいと思います。

中川国務大臣 こういう株式マーケットあるいはまた企業のあり方というものを考えたときに、今の法制度でもできる部分もあると思いますし、また、やはり不備を補わなければいけない部分もあるのではないかということで、この研究会の御提言というものを出していただいたわけでございますので、これから国会あるいはまた各党でいろいろ御議論をいただきながら、今後どういうふうにしていったら健全なマーケットの育成というものになっていくかということについては、各界の御議論をいろいろと参考にさせていただいて、今後どういうふうにしていったらいいかということを慎重に検討していきたいというふうに考えております。

吉田(治)委員 立法を含めて議論ができることをしていきたいなと思っております。

 公取委員長、おいでになっております。

 先ほど官房長官に対日政府要望のことを御質問させていただきましたけれども、これは、読んでいけば読んでいくほど今回の法改正と一緒だな。よくアメリカも勉強しているんだなと思いまして、たまたまワシントンDC方面に知り合いがおるものですから、いろいろ聞きますと、どうもこれは彼らが考えたのではない、公取のスタッフが考えてアメリカにメモとか内容を渡したのではないかという話が来るんですね。これは、一昔前だったら売国奴と言われたような行動かもしれない。

 公取委員長として、そこの部分というのはどう認識されているんですか。そういう情報というのは委員長として手元に入られるんですか。それをわかっていて、こういう法案を出してこられたんでしょうか。その辺はいかがですか。

竹島政府特別補佐人 アメリカが同じことを言っているではないかというお話は前の国会でもいろいろいただいたわけですが、そのときも御答弁申し上げておりますが、今回の改正というのは、時系列から申し上げましても、日本が自発的に改革が必要だということで始めてきたものでございます。

 十四年の三月の規制改革三カ年計画にも、きちんと、現行の措置体系の見直し、公取委の権限の強化について検討をするということで閣議決定されておるわけでございますし、その後の、この経済産業委員会における独禁法の当時の改正のときの附帯決議でも触れられているわけでございまして、アメリカが、先ほど官房長官が触れられました日米規制改革・競争政策イニシアチブで日本に要望をしてきた、その内容が非常に似ているということでございますが、それは、我々が作業を開始し、いろいろな方面と協議をしている後に出てきている話であるということを、時系列からいっても、アメリカが言われたことを言われたようにやっているということでは全然ないということは、ぜひ御理解いただきたいと思います。

 それから、もう二年半ぐらいこの検討作業をやってきておりますが、その間において、日本とアメリカの間には日米独占禁止協力協定というものがございまして、私を含めて定期協議をやっております。日本とEUの間にもそういうものがございます。

 したがいまして、具体的な事案だけではなくて、いろいろな制度改正について、お互い、アメリカではどういうことを考えている、日本はどういうことを考えているということは公の席で言っておりますので、そういう意味で、それは当然の情報交換であるというふうに思っておりまして、何か、こちらが書いたものを向こうに渡して云々という話は一切ございません。

吉田(治)委員 悪意を持って渡す場合と、こういう情報があるよ、こんな考えがあるよという形で渡す場合と、両方あると思うんですね。ですから、委員長のとらえ方からするとそういうふうに見えるだろうし、別のとらえ方から見ると、いや、違うんだと。私たちは余り興味がないんだけれども、せっかく教えてもらったんだから、それに乗らない手はないなと思った、ワシントン方面からそういう話があってもおかしくはないなと。これは平行線になると思うんです。

 ただ、今、協議だとか後でというふうな話の中で、さまざま委員長がこの法案を提出するまでにいろいろなところに働きかけをし、説明に歩かれたと。例えば、去年の今ごろでしたら、日本経団連の独占禁止法のことについて十数年勉強をされてきた大変造詣の深い方と議論をしておったんですけれども、どうも、この法案が提出されそうだという時期になって、これは経団連さんの人事異動ですから私たちがとやかく言う筋合いはないんですけれども、ある日突然、その方が人事異動でいなくなっていった。

 何か、私たちから見ると、不当な圧力と言ったら言い過ぎかもしれないけれども、まさにそういうふうなことを、委員長が回ることによって、是が非でもこの法案を出すためにそういうことまでするのかというふうに受け取られるようなことが、どうもこの一年間、私たちは感じざるを得ない。だから、私どもとしては、この法案については慎重に審議をすべきだということをずっと申し上げてきたわけであります。

 そして、そういう中で、やはりそういう見えない密室でやるのではなくして、スタッフの方が何回私どもの事務所へ来られてもお帰りいただいた、そこのところですよね。何かこそこそしている。白昼堂々とみんなの前でということが、どうもこの法案提出にかかわっては、なかった。まさにこれが、残念なことに、公正取引委員会が、審判だとか、そして、さまざまな事案の調査に入るときのやり方に引いているんじゃないか。

 私はそういう中で、委員長、とりわけ白日のもとで正々、ここを、中にはできない部分もあるのは確かです、もちろん。秘密保持をしなければならないことがありますけれども、私は、今の時代、できる限り情報を公開するであるとか、委員長並びに委員が本当に国民に十分理解が得られるように説明責任を果たさなければならないと。こそこそして、あるスタッフが飛ばされて、気がついたら法案が出てきている。どうも怪しいで、何をしておるんや、秘密警察のようなことをしているんじゃないかという疑念を抱かれるようなことが決してないように、これから先、情報公開であるとか説明責任というものを委員長としてどうお考えなのか、御所見をいただきたいと思います。

竹島政府特別補佐人 まことに厳しい御指摘ですが、私ども、どうしてそういう御指摘をいただくのか、全く腑に落ちないわけでございます。

 情報公開、透明性という意味では、この法案に関しましては、確かに研究会の段階では、自由な意見ということで、議事要旨の発表にとどめましたけれども、それが終わりまして、公正取引委員会としてきちんと検討した上、公正取引委員会のクレジットでもって物事を決めたり発表したときは、すべてオープンにしておりまして、それにつきまして、改正案については二回にわたってパブリックコメントを出して、二百件近いものをいただいている。

 二回にわたってパブリックコメントをするなんということは余り聞いたことがないわけでございまして、それに対して二百近い団体ないしは企業、個人から御意見をいただいている。そういう手続を踏んだ上で、関係の団体とも十分に議論をさせていただきました。

 私は、これ以上の透明性、公開性というものはないぐらいに思っておりまして、決して、ある日突然出してきて、これでお願いしますと言った覚えは全くございません。

吉田(治)委員 この議論はもう一度進めないといけないと思いますけれども、時間なので、委員長、では、我が党に対して何の説明があったんですか。何もしなかったじゃないですか。経団連には毎日のように行って、ねじ伏せて、この立法の場である野党に対しては、民主党に対しては何もしなかったじゃないですか。自民党の広報を見ていくと毎日のようにやっていて、私どもにはちゃんとした説明すらしない。それがずっと続いた結果じゃないですか。この議論はまた続けていきたいと思います。

 もう時間ですので、最後、きょうの質問は、総括的な、全体を通じてということですので、きょうは提出者を代表して高山議員がおいでになられております。改めてこの法案の与党案との違い、並びに、国民の皆さんそしてさまざまな業界、企業経営の皆さん方にとって民主党の案としてアピールすべき点、アピールといってはよくないですね、ぜひとも御理解していただきたい点があると思いますので、その辺、御所見を述べていただきたいと思います。

高山議員 吉田議員の御質問にお答えいたします。

 今回のこの我々の民主党の法案は、正々堂々と国会というこのオープンな場所で議論しようということで、対案として出させていただいたものであります。

 理念といたしましては、経済社会における公正かつ自由な競争の実現に向けて、経済憲法とも言われる独占禁止法の機能を高めていくことが重要である、このような認識に基づきまして三点、課徴金と刑事罰の併用による制度のゆがみの是正、透明で適正な手続の確立、そして官製談合に対します抑止力の強化、このような三点を主眼にいたしまして、対案として出させていただきました。

 さらに詳しく説明させていただきますと、まず、課徴金と刑事罰の併用によるゆがみということに関しましては、課徴金について、行政上の制裁であるという性格を明確にするために、行政制裁金というふうに名前も改めました。そして、行政制裁金につきましては、繰り返し違反行為を行う事業者に対しましては最大二〇%の算定率を適用すると。また、法令遵守体制重視ということで、法令遵守体制を有する違反事業者に対しましては、行政制裁金を最大三〇%減額する措置も盛り込んでおります。また、行政制裁金と罰金刑が併科される場合におきましては、行政制裁金の額から罰金額の相当額の全額を控除する措置を規定させていただいております。

 そしてまた、透明で適正な手続の確立のために、まず、審判員の定員を五名から二十名としまして、この審判官の過半数は法曹資格を有する、弁護士資格を有する者でなければならないというふうにいたしました。また、行政制裁金の減免事由の調査に係る事務を行わせるために、政令で定める定数の行政制裁金減免調査官というものを置きまして、そのまた過半数も法曹資格を有する弁護士で占めようというふうに規定させていただきました。

 そして、決定的な違いでございますけれども、官製談合に対する抑止力の強化ということで、入札談合等関与行為に係る事実の申告を行った違反事業者に対しまして、行政制裁金の二〇%を減額する措置を入れました。また、この法律の施行後一年以内に、国等の職員が入札談合等に関与する行為、いわゆる官製談合のあり方についての検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずる検討条項を規定したという点が政府案との大きな違いでございます。

吉田(治)委員 時間ですので終わりますけれども、要するに、官は強し、民は弱しというのが政府案だなということが大変理解できました。

 以上です。

河上委員長 次に、近藤洋介君。

近藤(洋)委員 民主党の近藤洋介でございます。

 本日は独占禁止法改正の質疑でございますが、政府案、そして私たち民主党も、それぞれの独禁法改正案を国会に提出しているわけであります。四半世紀ぶりの改正でありますから、さきの臨時国会、そしてこの通常国会でも引き続ききっちりとした議論が行われている、大変正しいことだと思っておるわけであります。法改正でありますから、もちろん法律の内容も大事なことなわけでありますけれども、法制度と同じように重要なのが、その運用を担う公正取引委員会、政府のあり方であろうし、質であろうかと思っております。

 言うまでもなく、独禁法の目的は、公正な取引を促し、市場を活用して国民生活を豊かにするということが目的でありますけれども、本日は、具体的な事案をもとに、公正取引委員会が本当の意味での市場の番人として活動しているのか否かという点をただしていきたいと思っております。

 具体的な事案と申し上げましたが、実は、先ほど吉田委員の方からも指摘がございましたが、連日、新聞やテレビをにぎわせておりますライブドアとニッポン放送及びフジサンケイグループをめぐる一連の動き、これにつきまして伺っていきたいと思います。

 この問題は、我が国のメディアコンテンツ産業の行方を大きく占う試金石でもあると思っております。また同時に、マーケットといいますか、株式市場のあり方について、これは既に政府の中で現在議論されていると聞いておりますが、証券取引法、さらには新しい会社法の制定議論にも大きな影響を与えておるということを聞いておりますが、同時に、この事案が、だんだん話が大きくなるにつれて、私は、メディア産業における競争政策といいますか、すなわち独占禁止法上の観点からも無視できない動きが出てきたのではないかと思っております。

 具体的に伺います。記者会見で、これは二月の記者会見だと思うんですが、ニッポン放送の社長は、ライブドアの傘下にニッポン放送がなった場合、フジサンケイグループから取引を停止される、そういうおそれがある、このことを発言しております。また、フジサンケイグループの幹部の方々も、ニッポン放送がライブドアの傘下になった場合は取引をしないということを公言しております。

 このことがニッポン放送の企業価値を下げるということの論拠となっているわけでございますが、このことは、翻ってみますと、独占禁止法上の「不公正な取引方法」、これは公正取引委員会当局が昭和五十七年に告示で出していますが、その具体例の中の「排他条件付取引」、「不当に、相手方が競争者と取引しないことを条件として当該相手方と取引し、競争者の取引の機会を減少させるおそれがあること。」であるとか、共同ボイコットであるとか、そうした不公正な取引に抵触する可能性もあるのではないかと考えております。

 こうした問題、このフジサンケイグループのとっている行動、さらには、これはグループだけではなくて、取引関係のある下請といいますか、制作会社だとかそういった問題にも波及するかと思うわけでありますが、競争政策という観点から、独占禁止法上の観点から、この動きをどのようにとらえていらっしゃるのか、官房長官の御見識、御所見を伺いたいと思っておりますが、官房長官にまず最初に伺いたいと思います。

細田国務大臣 政府といたしましては、経済活性化、そして新しい資本家といいますか、昔はやはり大企業系列、大資本、そういったところにお金があって、かつそういうところが経済を動かしていくというところから、全く新しい企業が次々にバブル崩壊後出てきて、また、IT化の時代において大きなお金を持っている人も出てくる。そこに大きなまた、取引、株の取得等、今回のような動きが出てくるわけでございまして、新しい日本経済における動きだと承知しておりますから、こういったことに適切に日本社会全体が対応していくことが必要である、そのことがまた、経済の活性化やいわゆる新規参入、産業の流動化や、いろいろな面で必要だと私は考えておるわけでございます。

 ただ、おっしゃいましたように、独禁法上、あるいはこれがどういう法律上の問題点を有するのか、外資の話も含めまして、証券取引法もあるし、独禁法もあるし、そしてまた、今回はメディアの問題でございますから、報道、表現の自由というものとも絡んでまいりますので、どのように考えていくべきかという点は今後の大きな課題であり、国会でも御議論いただきたいと思います。

 ただ、独禁法上、公取委員長からもお答えになると思いますが、今我々が勉強している限り、それが明らかに法律違反であるというようには専門家からは聞いておりません。むしろ、ほかの法制度の問題ではないかというふうに聞いております。

近藤(洋)委員 では、もう少し具体的に、委員長の方にこの案件のことを伺っていきたいと思っております。

 繰り返しになりますが、フジサンケイグループが共同歩調をとって、ニッポン放送が仮にライブドアになった場合には取引をしない、ポニーキャニオンもしない、さらには、ヤクルトスワローズも二〇%の株を持たれていますから、ヤクルトスワローズが取引をしないということは、すなわちニッポン放送に対してプロ野球の放送をしないということを申し伝えるということになるわけです。そういった行動が動く。

 さらには、グループ以外の制作会社等にこういった動きが波及していった場合は、独占禁止法上の不公正な取引に当たるんでしょうか当たらないんでしょうか。

竹島政府特別補佐人 現在までのところ、我々が承知している限りでは、本件はニッポン放送の経営の主導権をどちらがとるかということをめぐって競われているということでございまして、ニッポン放送がやっております放送業界とかその他の関連の市場において、その競争を制限するというような効果が発生しているとは思っておりません。

 独占禁止法というのは、相対の取引、これは下請の場合なんかは別でございますが、そうじゃない場合には、その市場において実質的に競争制限効果をもたらすような行為をしているかどうかということでございまして、カルテルとか談合がその典型でございますけれども、本件はそういうケースではないわけでございまして、グループ内企業として仮に取引をしませんよということをお決めになっても、取引の自由という大原則のもとで、今のラジオ放送なりその他の市場において実質的な制限が新たに加わるというものではないと考えておりますので、現段階で独禁法の議論をするということにはなじまないというふうに考えております。

 しかしながら、今御指摘のように、系列とか何かを飛び越えまして、その業界全体である一社に対して取引を共同してボイコットする、これは立派に独占禁止法の問題が出てくるということでございます。

近藤(洋)委員 もう一度伺っていきたいと思います。

 まず、この放送業界、メディア業界というのは、必ずしも参入が自由なマーケットではないですね。免許行政でありますから、ある程度範囲が決まっている業界であります。しかも、キー局というのはそう何百社もあるわけではありません。数えられるだけのマーケットであります。ラジオ放送もそうであります。しかも、今、ラジオとテレビ、さらにはインターネットも含めて、この世界というのは非常に融合しているわけですから、一つの単位の市場として見ることができるかと思っておりますが、その中での取引制限が行われようと、事実、グループ内でまず行われている。

 グループ内のことは身内のことだから独禁法の範疇でないという御見解でありましたが、果たしてそうでしょうか。これだけ大きなグループに入れるか入れないかという話でありますから、マーケットと考えてみても非常に大きな新規参入の案件ではないかと認識しております。これをまずもう一度ただしていきたい。

 さらには、確認ですが、それもグループ系列外に広がってきたら、これは独占禁止法上の不公正な取引の疑念を持たれる案件であるということでよろしいんですね。

竹島政府特別補佐人 グループ内というのは、まさに資本的、人的関係があるからグループ内なのでございまして、そこはまさに同じような方向性を持って経営をしておられる。それが一つのグループとして歩調を合わせるということは、ほかにもグループがあるという日本の経済の現状を考えたときに、競争がそのためになくなってしまうというのであれば当然問題でございますが、少なくとも現下の、今のフジとニッポン放送、ライブドアのやっておられることに関しては、そのマーケットが、フジ側の言っておるということによって競争が実質的に制限されるという効果は生んでいないと私どもは見ていますから、そういう限りにおいて問題にしない、するのは難しいのではないかとまず申し上げました。

 それから、それとは別に、関係のないグループ外の企業、例えば同業者が集まって、それがまさに共同で合意のもとにボイコットをするという行為に及んだ場合には、当然これは独禁法上の問題が出てくるということでございます。

近藤(洋)委員 では、グループ外の話をしていきたいと思っています。

 ヤクルトスワローズはフジサンケイグループの二〇%を取得されている関連会社でありますけれども、ここがプロ野球の放送をニッポン放送にしないと申し出ているという話が既に伝わってきています、もしライブドアの傘下になったらですね。そういう話が私の調査で既に伝わってきているわけですが、この動きがさらに波及して、要するに、プロ野球の試合というのは二試合、三試合各社やるわけですから、これは読売ジャイアンツであり中日ドラゴンズであり、各球団がある程度この動きに対して歩調を合わせているという情報も伝わってきているんです。

 これはもう一度きっちり取材というか整理をしなきゃいけないと思っておりますが、こういう動きがもし広がってきた場合、これは、プロ野球が全部ニッポン放送に対して放映しないという圧力を今既に内部ではかけられていて、ニッポン放送経営陣も大変焦っているという話を聞きますが、もしこれが事実だとしたら、公正取引委員会はまさに共同ボイコットの案件だと認識して調査をされますか。

竹島政府特別補佐人 そういう事実関係について私は承知しておりませんが、近藤委員のおっしゃるようなことであれば、プロ野球の球団がそろって、ライブドア傘下に入った場合のニッポン放送に放送権を与えないということを決めるとすれば、それは独禁法上の問題が出てくると私は思います。

近藤(洋)委員 ぜひ注意深く見守っていただきたいと思います。

 とりわけ公正取引委員会は、前回のプロ野球参入問題のときにも、私は事務局の方から聞きましたが、プロ野球機構に対して意見は聞いたという、どういう状況か調べられたという話は聞いておりますが、調べるだけで具体的に、私は、あの前回のプロ野球参入問題というのも実は独禁法上の問題があったのではないか。当初の十二球団が十一球団に減る、そして、その十一球団に減るのをプロ野球機構はよしとして参入規制を、そのときの当事者も実はライブドアでありましたが、かけたわけですね。事実上、参入しなくていいということをやっていったわけです。

 結果として、あれはファンの動きだとかプロ野球選手会の動きが広がって、十二球団を維持するという形になりましたけれども、私は、明らかにあれは参入規制だと、当初プロ野球球団側が行ったことは。ぜひ委員長、コミッショナーが公取の委員長だということで遠慮されていることはないと思っておりますので、そこは毅然とした態度でといいますか、きっちり公正な態度で見ていただかなければいけないと思っておりますが、ぜひこの点は指摘しておきたいと思っております。

 ただ、どうも、大事な問題なのでもう一つ突っ込んでいきたいと思うんですが、私はこの問題が極めて重要だと思うのは、産業としても映像メディア産業というのは大事な産業だと私は思っておるわけであります。放送、通信、情報、またさらには映画制作から始まって、いわゆるコンテンツ産業というものでありますけれども、まず最初に経産省に、このコンテンツ産業というのを産業政策上今どういうふうに位置づけていて、どのように引っ張っていこうと、どれだけ我が国にとって大事な産業なのか、それとも大した産業でないのか、どちらなのか、位置づけを、まず認識を伺いたいと思います。

中川国務大臣 日本にとって、コンテンツ産業というのは極めて重要な戦略産業分野だという位置づけをとっております。去年のあの新産業創造戦略の中の先端的な産業、四つの分野の一つとしてコンテンツ産業というものを位置づけているわけでございますので、そういう意味で、今、近藤委員御指摘のように、映画、アニメ、テレビ、あるいはまた漫画等々、いろいろあるわけでありまして、これは世界的なニーズも大変高いわけでございますので、そういう意味で、日本としては今後ますますこのコンテンツ産業の育成に努力をしていきたい。

 その上で、先ほどから御議論を伺っておりまして、特に放送との関係においては、御指摘のように、一部の放送事業者といわゆる下請関係にあることによって健全なコンテンツ産業の育成に阻害が生じるということになったとするならば、我々の産業政策としてもこれは注意深く見守っていかなければならないというふうに考えております。

近藤(洋)委員 大臣おっしゃったとおり、コンテンツ産業は極めて重要だと思うんですね。現在十二兆円ということでございますけれども、この比率というのがGDP比にしてみると、アメリカと比べれば、GDPの比率はアメリカは五%以上、日本は十一、二兆円というけれどもGDP比で二、三%ということで、非常に差がついてしまっているという現状がある。

 これは経済産業省も、中川レポートと言っては怒られるんでしょうか、新産業創造戦略の中で七つの分野の中の一つにきちっと位置づけているんですね、大事な産業だと。これは私もそう思います。まさに映画なり映像というのは最高のセールスマンだと思いますし、国としても非常に大事な産業だと思っておるわけですが、その大事な産業の中で非常に不公正な取引がやや横行しているというか、非常に広がってしまっているという現実、大臣もおっしゃいました。そういった状況になっているわけですね。

 この点については、これは公正取引委員会の内部資料、内部資料ではございません、公表されていると思います報告書、デジタルコンテンツと競争政策に関する研究会というのが平成十五年三月に取りまとめられていて、その中に、下請の問題であるとか、さらには、制作会社が放送キー局に対して非常に立場が弱い、関連会社が非常に立場が弱い、著作権、著作物についても非常に立場が弱い、この点は独占禁止法上の数々の問題点がある、競争政策上の問題点があるから改善しなければいけないというのを公正取引委員会みずからが調べて書いている。

 恐らく、これをつくるに当たっては、経済産業省もそれなりの御協力というか、共同歩調でつくられたと僕は思うんですね。そういう認識があるわけでありますから、今回の問題、例えばフジサンケイグループのあの行動形態というか、やや、キー局がこうだと言えば全部言うことを聞くというようなあの言いぶりというのは、僕は、こういう業界の中身、体質に起因しているのではないかという気がしてならないんです。

 こういう点から、どうでしょう中川大臣、競争促進という観点から、私は、何も堀江さんが好きとか嫌いとかそういう問題では全くなくて、競争政策上の問題として聞いておりますが、産業を健全に発展させるためにも、こうした放送メディア業界の問題点について改善をするという取り組み、経済産業省としての取り組みはないんでしょうか。

中川国務大臣 この問題は、先ほどからお話ありますように司法的な問題になっているわけでございますので、司法当局の御判断をお待ちするということになると思いますけれども、先ほどお話ありましたように、公正取引の観点から仮に問題があるとするならば公正取引委員会、あるいはまた私どもの方でもいろいろな対応ができる分野もございますので、あくまでもコンテンツについての公正取引という観点について、これは司法の話とはちょっと違う、近藤委員のお言葉をかりればもっと重要な問題として認識をとらえられているということにつきましては、仮にそういうことがあったとするならば、そういうことは日本の産業政策の根幹にかかわる問題として我々としても注意深く見守って、そして必要があれば何らかの対策をとっていくことも必要なのではないかというふうに考えております。

近藤(洋)委員 ぜひそのような方向で、このライブドア問題に広がるフジサンケイグループの動きというのは、こういった体質に起因するものだと私は考えているんですね。認識はある部分では共有できたのかなと思っておりますので、産業政策の観点からぜひ公正取引委員会とも連携をとっていただきたいと思うわけであります。

 この点について、実際の当局である公正取引委員会はこういった業界の体質について今後是正を求めていくということをぜひしていっていただきたいと思うわけですが、いかがでしょうか。

竹島政府特別補佐人 御指摘の研究会の報告も踏まえまして私どもは下請法の改正をお願いしたわけでございまして、その大きな柱は、番組制作等も含めたいわゆる役務取引に下請法を適用するという大きな改正をさせていただいて、昨年の四月一日から施行しているわけでございますので、テレビ会社と番組制作会社の間、またその下請、これが製造業と同じように下請関係があるという場合には、きちんと下請法を適用する。したがって、一方的な価格の引き下げでありますとか、契約に文書をつくらないとか、書類を残さないとか、こういうことはすべて、製造業でそうであるように、こういうコンテンツ業界も下請の立場にある方々を保護するために、これは全部下請法違反になりますので、厳正に対処してきているつもりでございます。

 もう既に一年を経過しようとしております。これからもそういうことで、御指摘のとおり、コンテンツ産業の育成、その中におけるベンチャー的な企業もきちんと活躍するためには、親に対して今の下請法をきちんと守っていただくことがビジネス環境としては大事であるということは御指摘のとおりでございますので、これからもきちんと対処していきたいと思っております。

近藤(洋)委員 確認でございますが、きっちり対処するという話でございましたから、そうすると、今回のフジサンケイグループが、これは仮定の話ですが、仮にライブドアがニッポン放送の傘下になった場合、その関連取引企業に対して、グループじゃないですよ、制作会社であるとか、イベント会社であるとか、広告会社であるとか、もっと小さな会社もあるかもしれませんが、そういったところに対してやや優越的地位を乱用してその取引を排除するということは、これは独占禁止法そもそもの問題になるというお話もございましたけれども、下請法の観点からもそういうことがないように、業界全体をきっちり見ていくことだということでよろしゅうございますね。

竹島政府特別補佐人 下請法は、親子の関係ではなくて、あくまでも独立した下請事業者と親の関係を取り締まる、そういう関係にあれば、当然それはきちんと適応するということでございます。

 今、るる委員がおっしゃっているニッポン放送がどういうふうになるかというのはわかりませんので、それで取引関係がどうなるかということはわかりませんので、それが下請法の対象になるのかならないか、およそ下請の関係じゃないという世界かもしれませんし、それは具体的な事態が定まってから考えさせていただきたいと思います。

近藤(洋)委員 また伺っていきますが、次に、ちょっと見方を変えて、これは確認事項でございますけれども、今回のニッポン放送及びライブドアの問題というのは、マーケット、マーケットといっても証券市場ですけれども、証券市場に私は大変大きな影響を与えているんだなと認識しておるわけであります。

 政府は証取法の改正案を出される、法案を今検討中という報道がされておりましたが、この内容についてはちょっと時間がないので割愛させていただきますし、財務金融委員会等でしっかり、慎重に議論がなされるものだろうと認識しておりますが、きょうは金融庁の方からも来られていますので、ちょっと確認であります。

 今回、私、これはメディアでも指摘はされていますけれども、有識者からも指摘をされていますが、ニッポン放送はフジテレビを引受先とした新株予約権の発行を決議したわけですね。これについて今裁判で事案が争われているわけでありますけれども、取締役というか役員が株主を選ぶ大型増資ということですから、これはなかなか、御案内のとおり商法違反の疑いがあるということなわけです。こういうことが余り乱発をされると、証券市場に対しても決していい影響を与えないと私は思うんです。

 この証券市場の改革については、フリー、フェア、グローバルという前、橋本内閣のときに掲げたあの方針で基本的にはいっているはずだと私は期待しているわけですけれども、こういったいろいろ対抗措置とかをとらなきゃいけない、そういった制度はそろえなければいけないという問題は私は認識しておりますけれども、大原則ですね。資本市場というか日本の株式市場の大原則として、投資家というか参入を促す、日本のマーケットに企業に入ってもらう、投資してもらうという基本姿勢は、金融庁というのは変わらないんでしょうねというその大原則をまず確認しておきたいと思うんです。いかがでしょうか。

振角政府参考人 お答えさせていただきたいと思います。

 個別事案については、まさしく先生がおっしゃっているように、今仮処分申し立てにより司法による判断にゆだねられていることから、コメントすることは差し控えさせていただきたいと思います。ただし、一般論として言えば、株式等の第三者割り当てに際しまして既存の株主の権利を保護する制度としては、有利発行規制や著しく不公正な方法による新株発行の差しとめといった商法上の制度が存在すると我々も理解しておるところでございます。

 いずれにしましても、先生が御指摘になりましたように、我々としましては、証券市場の信頼性を確保するためには、市場の公正性、透明性が保たれることが極めて重要だというふうに考えておりまして、金融庁としても、こういう観点から商法を所管する法務省とも十分な連携をとりながら、今後よく見守っていきたいというふうに思っておる所存でございます。(発言する者あり)

近藤(洋)委員 今声も出ましたが、まさにこのルールづくりはやや遅きに失したなという気がするわけであります。

 この点はさまざまな部分で指摘をしなければいけないと思っているわけでありますが、改めて、今回二十四日にこの事案の、私が懸念しているのは、裁判の結果がどうなるかわかりません、わかりませんが、もし新株発行が、それは司法はきっちり判断されると思うんですけれども、日本市場のアナウンス効果として、もしこのフジテレビの動きが認められて、それなりに司法が合理的に判断してもし仮に認められた、それはそれでいいでしょう。だけれども、今、政府が行っているというか、与党の内部でちょっと横ぶれしているのかなと思うんですけれども、ライブドアけしからぬ論というのも相当声高に言われるわけですね。やや感情的な議論が日本の世の中でいろいろ出てきて、そして裁判ではあの新株予約権が認められたとなると、私が海外の投資家だったら、これは恐ろしくて日本の市場は投資できないなという声が広がるのを若干恐れているということなわけであります。

 ですから、少なくとも当局は、フリーで透明なんだという姿勢は、そして外資というか、その市場を受け入れるんだ、株主のために制度をつくるんだというこの基軸は、言うまでもないですが揺るがせないでいただきたい、基本軸に置いていただきたいということであります。

 さて、この問題は、資本市場の話にとどまらず、先ほど来指摘していますように、メディア産業といいますか、その帰趨にかかわる問題、さらには競争政策上独占禁止法の問題もあるということを官房長官に私は指摘をしてまいりました。お時間お忙しいところ御出席いただきましたので、重ねてぜひ伺っていきたいわけであります。

 重要な問題だと思うんですね、この案件というのは。これは個別事案ということでは済まされない部分、構造的な問題がいろいろ出てきてしまった、問題を提起している問題だと思っているわけでございます。

 そこで、かねてからこの問題で指摘していますが、公正取引委員会からも、きっちり注視し、事案によっては対処する、場合によっては調査もしていくという姿勢はこの場で確認できましたが、ただ、改めて官房長官に伺います。

 私は、このライブドアとニッポン放送、フジサンケイグループの話というのは、日本のいわゆる映像メディア産業にとって極めて重要、かつ、独占禁止法とそれを担う公正取引委員会のかなえの軽重が問われると思うんですね。

 なぜかといえば、いわゆる独禁法上の適用除外になっている分野というのがございます。御案内のとおり六分野、書籍、新聞、雑誌、CD、レコード、テープ、この六つですね。全部映像メディア産業ですよ。コンテンツ産業です、全部が。すなわち、コンテンツ産業を公正取引委員会は独占禁止法適用除外の範囲にしているんですね。

 適用除外というのは、御案内のとおり、いろいろなくなってきました。最後に残ったこの六分野です。その理由は、私が解釈するに、伝統や文化や日本の歴史を守る上で、この分野はきっちりそういう再販価格というのを維持する中ではぐくんでいこうという社会的な必要性があるという判断で、こうした判断をしている。

 私は元新聞記者ですから、マスコミにいた人間です。新聞の適用除外がどうかは、これはコメントするのを避けますが、しかし、六分野を維持してきているというのは、私は一定の合理的な理由はあると思っています。だとすれば、保護している産業であれば、なお公正取引委員会はその業に対して厳しいチェックの目を向けなければいけないと思っているんです。

 メディアを批判する人はいません、はっきり申し上げて。これをできるのは、メディアに対して厳しいメスを入れられるのは公正取引委員会だけだと僕は思っています、この六分野があるから。だからこそ、フジサンケイグループのこの動きとか今回の映像メディアの問題を、公正取引委員会は普通の案件よりも厳しくチェックする責任があると僕は思っているんです、この六分野があるがゆえに。いかがでしょうか、官房長官。

細田国務大臣 御指摘は傾聴に値する御意見だと存じております。

 私は、そもそもこの問題は、まず株式というのは、確かに、資産運用で配当を得たり利益をふやしたり株価の上昇を目指すという考え方もありますけれども、経営に一言言いたいと一株持って株主総会に出る人もいますし、それから、大量の株を取得して経営に参画して自分の思うところを実現したいという人もありますし、経営者と株主というのはお互いによく話し合って、そしてまた、新しい観点の指摘があればそれに耳を傾けて会社を改革する、これが本来の筋だと思うんですね。

 今のやりとりは多少、経緯からいって、ぎすぎすして、あいつの言うことは全く耳を傾けるに値しないとかけしからぬとか、そういうやりとり、非常に低次元のところにまだとどまっておりますが、私は、先ほど議員がおっしゃったように、新しい時代を迎えて、放送産業、メディア産業、コンテンツ産業、皆変わらなきゃならない。そのときに、日本のそういう産業がややおくれておる面がございますので、それを、こういうことをきっかけに自己革新を行ういいチャンスじゃないかなとさえ思うわけでございます。

 ただ、問題は、政府がこういったことに介入をしまして、あなたはこうすべきじゃないか、ああすべきじゃないかと言うのはやはり控えるべきであって、私は、報道の自由、表現の自由というのがございますから、こういったことをきっかけに、どういうふうにこの問題がおさまるかということは別にして、産業ということをさっきおっしゃいましたが、産業が今後どうあるべきかということを当事者によく、真剣に考えていただきたいという思いでいっぱいでございます。

 ただ、独禁法の問題は、確かに、いろいろな法規制が行われてない中で独禁法というのはこういういろいろな個別にも着目しているんだから、独禁法の立場で何らかの介入をしていかなきゃならないんじゃないかということについては、より深く考えていくべきでありますし、産業によって特に強くこの分野で規制しなければならないというような考えは、なかなか憲法上もとりにくいんじゃないかなという直観がいたしますが、ただ、議員がおっしゃった、基本的に、今のやりとりにおいて、ちょっと産業の将来にとっても必ずしもハッピーでないようなやりとりがあるなということはよく実感しております。

近藤(洋)委員 官房長官、大先輩に恐縮なんですが、私は別に介入ということではないと思っているんですね。きっちり動きを把握するべきではないか、公正取引委員会はその動きをウオッチする必要があるのではないかと。

 実は、このやりとりをするに当たって、公正取引委員会の方々と何度か議論させていただいたんです。残念ながら、余り勉強しているとは言いがたかったというのが感想であります。せっかくこういう報告書も出しているにもかかわらず勉強も余りしていなかったのではないかなという感想、これは私の印象でございますから、いや、当局はしていると言うかもしれませんが、どこまで本気なのかということもございますし、もう理由は説明いたしませんが、そういう形で適用除外で守っているのであれば、なおのこと厳しい対応をしなければつるんでいるのではないかという疑いを持たれるのではないですか、きっちりした監視をすべきではないですかという点での指摘でございます。ぜひそれを踏まえていただければなと思っているところでございます。

 官房長官、お忙しいところ、きょうは本当にどうもありがとうございます。お時間だということを聞いておりますので。

 なお、中川大臣、経産相に伺うんですが、繰り返しになりますが、まさにこうした部分について、経済産業省の立場は、今度経済産業省の中でも、吉田委員が先ほど提案されましたけれども、この敵対的買収についての研究会、報告を受けて我々も委員会で議論していきたいという話をしておるので、その件についてはまたその場に譲ることにして、改めて、今の議論を聞いて、経済産業省として、「新産業創造戦略」にもちゃんと書いているんですよね、独占禁止法の運用が重要だと。コンテンツ産業を育成するに当たっては独占禁止法の厳格な運用が重要であるということをきっちり書いているわけです、ここに産業政策として。書いているのであれば、やはりこういう事案についても経済産業省はある程度、公正取引委員会が動き出すとそれはきな臭くなる部分もあるかもしれませんが、経済産業省として注目して動く分については私はそう大きな問題はないのではないかと思うんですけれども、どうでしょうか。もう一度、姿勢といいますか考え方を伺いたいんです。

中川国務大臣 コンテンツというのは、ある意味では非常に幅広い概念でありますし、またある意味では、先ほどアメリカの話もされましたけれども、世界じゅうで今急速に競争が激化している分野でもございますので、何としても、日本の持っている人材あるいはまたいわゆるストック、こういうものを生かしてさらに新たなコンテンツを世界に発信していきたい。その部分で、例えば先ほど独禁法の話がありましたけれども、例えば著作権の問題であるとか、いろいろな新しい法制度も整備をしていかなければいけないんだろうと思っております。

 そういう中で、戦略レポートの中でも、二〇一〇年には十七兆円規模のマーケットにしたいというふうに考えておりますが、まさしくコンテンツでございますから、知恵を絞った人が報われるような産業として育成をしていきたいなというふうに思っておりますので、下請の問題とか、あるいはまた取引関係の不公正によるいろいろな問題等々、あるいはまた海外との関係において不適切な取引がないように、これからも、最終的なとりでは独禁法になるのかもしれませんし、また著作権法等々、いろいろあるんだろうと思いますけれども、私も、海外のいろいろな方々とお会いをするときには、コンテンツを含めた知的財産権の重要性というものを各国の皆さん方に御理解をいただきながら、健全なコンテンツ産業の発展、そしてまた、行く行くは世界に向かっていいコンテンツが供給できるようにさらに一層努力していきたいというふうに考えております。

近藤(洋)委員 私は、日本のプロ野球とこのメディア産業というのは、ある意味ではパラレルだと思っています。メジャーリーグは世界水準で、アメリカのコンテンツ産業を初めとするメディア産業というのは、やはりこれだけの世界水準になっている。日本の、残念ながら私も昔いたお世話になった世界、一部かかっている舞台ですけれども、残念なわけですけれども、ここは大変やはりまだまだ問題があるし、古い商慣習も残っているし、実は非常に旧態依然とした体質を残していると考えております。

 私は、この問題を公正取引委員会がやらずして何の公正取引委員会だという気すらしているわけであります。インテルを摘発、それはいいでしょう。これはこれで立派で、どんどんやられていいというふうに思いますけれども、この問題をきっちり認識しているのが、公正取引委員会が現状を把握して調査をするということは、私は極めて重要だと思っています。これは公正取引委員会にあえて指摘をしておきたいと思っているわけでございます。

 大臣、どうもお忙しいところありがとうございました。御都合だということで聞いておるので。もし副大臣がいらっしゃればちょっとまたあれなんですが、ありがとうございました。

 公正取引委員会の体制の問題なんですが、体質の問題について最後指摘をしていきたいと思っています。

 個別案件でありますが、公正取引委員会が昨年の六月三十日に、有線ブロードネットワークス社に対して緊急停止命令処分を行っております。有線ブロードの取引が極めて問題だということで、その取引といいますか営業に対して緊急停止命令という極めて異例の措置を、六月三十日、この有線ブロードという会社は有線放送の会社だというふうに聞いておりますが、その会社に対して緊急停止命令を行った。これが、実はお昼の十二時に記者発表しています。なぜ十二時に記者発表したのか。なぜか、その理由だけを、まず公正取引委員会、教えてください。

楢崎政府参考人 御説明いたします。

 御指摘のとおり、有線ブロードに対しまして緊急停止命令を裁判所に申し立てたわけでございますけれども、まず第一点、緊急停止命令が裁判所に受理されるかどうかが不透明な状況にあったということ。それと、仮に受理されれば、そういった情報というのは外部から察知される可能性があり、報道される可能性もあるわけでございますけれども、正確な情報を受理後速やかに公表することが重要であるというふうに考えて、十二時に新聞発表したわけでございます。

 なお、この点につきましては、当該緊急停止命令の申し立てを行ったこと、そして十二時に記者発表を行う旨は、関係の当事者に連絡の上で記者発表を行っているところでございます。

近藤(洋)委員 済みません、そのままで。

 裁判所は十二時じゃないと受け付けてくれないんですか。三時以降は受け付けてくれなかったんですか。

楢崎政府参考人 我々として、さまざまな状況の中で、当日一番早く、可能な限り緊急停止命令を行う、そして処理をするといったことが必要だというふうに考えたわけでございます、まさに緊急停止命令というのはできるだけ早くやった方がいいわけでございますので。

近藤(洋)委員 こういった重大な行政行為を昼のひなたに発表するという、この感覚といいますか、この姿勢は私は大問題だと思うんですね。

 御存じかどうか、この日、有線ブロードの株価はストップ安になっています、後場から。売りまくられて、ストップ安になっているんですよ。そうしたマーケットに対する影響というのはどこまで考えられたんですか。通常、金融庁でもどんな役所でも、その会社、上場会社に対する大きな影響を与える発表というのは、場が閉まってから、三時以降というのが常識です。もっと言えば、金曜日の午後というのが常識です。昼のひなたに発表している。

 マーケットに対する影響といいますか、この影響についてどのように分析し、考えられていたのか。委員長、ちょっと伺いたいんですが、ストップ安になったというこの事実をどのように受けとめますか。

竹島政府特別補佐人 御指摘のように、これは緊急停止命令が六月の三十日、確かに株価は下がりました。しかし、五月の二十日に立入検査をしたことが報じられまして、このときはストップ安だったということなんですが、いずれにしても細かいことはいいんですけれども、私どもも、大事な情報をすぐ、なるべく早く公開するという話と、それから株式市場にどういう影響があるかということ、これは両立しないわけですね。両立するようなことをやっていますと、その間に、心配し過ぎかもしれませんが、私はそうじゃないと思いますが、その情報が何らかの形で漏れた場合にはインサイダー取引にもなる話でございまして、したがいまして、こういう情報というのは適時適切に出すというのが大原則だと思っております。

 いずれにしましても、その情報を握って時間を調整するというのは、より危険だというふうに私は思っております。

近藤(洋)委員 まさにそのとおり、インサイダー取引の危険があるんですよね。

 まず第一点指摘したいのは、有線ブロードバンドは、調べましたら、この日、業績の上方修正を発表しているんですよ。上方修正を記者発表している。上方修正と株式分割も発表しているんです。であれば、普通は上がるんですよ。ところが、この発表が十二時にどおんとあったがゆえにストップ安ということなんです、大変マーケットには影響を与えている、翌日、反発して上がっているんですけれども。僕は、マーケットに対しても大変な影響を与えたと思うんです、この公取の発表は。NHKのニュースでも、後で調べたら、昼のニュースでどんと入っているようですし、各社夕刊でどんと入れていますから、速報で流れますから、大変な影響を与えたと思うんです。

 そこでお伺いしたい。握っているとインサイダー取引の話があるというんですけれども、まさに、早く発表してこれだけ株価に影響を与えていて、有線の関係者にはたしか十時ごろ通告しているはずなんですが、新聞報道によると。これは大変、インサイダー取引の可能性があるならば、通常ならば後場、相場が閉まってから発表する、相場が閉まった後に申し立てて発表するというのが本来のあるべき姿です。ほかの金融、ほかの当局はみんなそうやっているんです。にもかかわらず、公正取引委員会の情報管理は極めておかしい。

 それを傍証する事例がございます。公正取引委員会に、過去、立入検査がいつ入ったのか、そしてその発表はどうだったのか、その報道状況はどうだったのかという資料を出してもらいました。この点について、公正取引委員会さんは大変まじめに資料を出していただいたことはありがたいんですが、ほとんどの事例が、去年とおととし、昼間のニュースというか、夕刊で報じられているんですね。立入検査というのは公表しないという話を聞いています、立入検査をしたこと自体は。ところが、大体みんな九時ぐらいに入って、昼の、夕刊では各社出ているんですよ。夕刊で出ているということは、一時半の速報に流れるから、マーケットに影響するんです。発表しないといいながらも、ずるずるその日のうちにニュースが流れて、立入検査のニュースが流れているという現実ですね。

 こういう情報管理の甘さというか、私は、余り考えたくないけれども、取材記者は一生懸命取材しているでしょう、だからその取材活動は僕はいいと思うんですが、もしかしたら公正取引委員会が意図的にリークしている部分もあるんじゃないか、社会的な制裁を与えようとしている部分もあるんじゃないか、そういう疑いを持たれかねないような報道のされ方です。

 もし、夕刊の時間帯を、マーケットに影響を与えないようにという細心の注意を払うのであれば、立入検査は十五時にやるべきだと思うんですね。十五時にやったらどうですか。そうやって、可及的速やかに立入検査に入ったという情報管理を徹底すべきなんですが、そういうノーズロの、立入検査入りましたというニュースがばあんと入る、その結果、株価に影響するわけですよ。株価に影響する。まだ結審もわかっていない、検査の段階でそういうことになっている。これから公正取引委員会が権限を持つわけです、大変な権限を持つ、にもかかわらず、こういう情報管理の甘さ、そしてそういう体制では、とても権限を持たせることはできない、極めて私は不安になるんです。

 いかがでしょうか、公正取引委員長、インサイダー取引の問題にもかかわってくる、この情報のリークの仕方はインサイダー取引の懸念を持たれますよ。

竹島政府特別補佐人 審査局のやっている仕事に関する情報というのは、当然のことながら、今るる御指摘のありましたような影響を及ぼす情報である場合が多いものですから、情報管理については厳格にやっております。

 さはさりながら、立入調査、本来公正取引委員会が発表もしていないものがマスコミに出るではないかという御指摘でございますが、これが今のマスコミの現実でございまして、私どもとしては大変遺憾な事態だと思っておりますが、そういう現実がある。

 それで、これをどうしていけばいいのか。おっしゃるように三時から立ち入りするというのがいいのであればそのようにいたしますが、恐らく相手先企業にとっては大変迷惑な話。そういうこともるる総合的に考えますと、やはり大事なことは、やるべき検査なり調査は厳正にやる、その結果が出たらそれは迅速に公表するということが一番大事だ。確かに、いろいろリークとか、リークはしておりませんけれども、いずれにしても、推測も含めて情報が流れてしまうという事態は、私どもとしては大変困っているというのが実情でございます。

近藤(洋)委員 本当に困っているんでしょうかね。

 そうだとすると、平成十六年度立入検査件数二十八回のうち、昼間に報道されているのが十六件、そして朝刊のみが三件、夕刊のみが一件ですから、要するに、二十八件の立入検査回数のうち、十回は報道もされなかった件。だけれども、残りは全部昼間に報道されているんですよ、夕刊帯に。ほとんど全部昼間に報道されているんです。遺憾ですとか残念ですとかおかしいなんというレベルの話じゃないです。すべてマーケットの場があいているときに報道されている。この事実をきっちり受けとめて改善策を講じないと、私は報道の自由は守るべきだと思う、報道はすべきだ、それは。ただ、この数字を見る限り、明らかに情報管理がおかしいのではないかと思わざるを得ません。こうしたマーケット。

 そしてもう一点言えば、委員長、お言葉ですが、入られる方が十五時に入られるのは迷惑だとおっしゃいましたけれども、検査ということだけで大きく報道されて、その結果については残念ながら小さな記事でしか出てこない。先ほど来、日本の株主に対する、僕は経営陣を擁護するわけでは全くないんです、そういうことで株価が変動してしまう、それに対して迷惑を受ける株主に対してどうなんですか、こういう問題もあるのではないんですか。会社がどうのとかというのが守る法益でしょうか。もっと言えば、経営陣だって昼間ノーズロで新聞報道をされて、テレビ、ラジオでも流れてという情報管理体制の方がよっぽど迷惑ではないか、この点は大変重要な問題だと指摘しておきます。

 いずれにしろ、私どもの民主党案も公正取引委員会の機能を強化するという中身を入れています。政府案もそうです。公正取引委員会の機能を強化する、権限が強化するという法案です、私ども民主党案も。だからこそ公正取引委員会にはしっかりした情報管理体制、そして執行体制を求めているということでございますし、現状ではなかなかそうしたことにはほど遠いのではないかということを指摘いたしまして、質問を終わります。

    ―――――――――――――

河上委員長 この際、お諮りいたします。

 両案審査のため、本日、政府参考人として内閣法制局第四部長石木俊治君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

河上委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

河上委員長 次に、原口一博君。

原口委員 民主党の原口一博でございます。

 公取並びに提案者に対して、独禁法の改正、私たちはルールにおける競争が競争の本質だと思っています。かつて、水泳で鈴木大地さんがバサロ泳法というのを生み出して、そして金メダルをおとりになりました。そのときに、世界はルールを変えました。バサロで潜っている時間を限ったわけです。日本の若者が金メダルをとる、そしてルールが変わる。これは経済や金融の世界も同じであります。

 一九八〇年代、日本の銀行は世界の十大銀行の中で大きな活躍をしていました。そこで何が起こったか。新たな規制が、薄利多売をしている日本の銀行に対してBIS規制という規制を入れられた、そして自己資本比率の八%。この経済産業委員会でも何回も御議論があっていますが、貸し渋り、BISでいわゆる貸し出しリスクを一〇〇に置いて国債の保有リスクをゼロに置くのであれば、貸し渋りがふえるのは当たり前なんです。その当たり前のことをルールとして受け入れてきて、そして国民や経済に塗炭の苦しみを味わわせることを唯々諾々としてそのルールの中でやってきた。それがこれまでの古い政治なんです。

 私たちは、経済司法の大改革をやることによって日本の経済の力を根本から立ち直らせたい、そして、公正なルールの中で頑張っている人たちがその果実を得る、ぬえのような談合社会を根本から変えたい、その思いでこの法律案を出させていただきました。幾つも公取案との違いがあります。それを明らかにしていきたいと思います。

 きょうは金融庁からもお見えでございますので、まず金融庁に伺いますが、有価証券報告書の虚偽記載という問題がありました。私は、さっき公取委員長のお話を聞いていて、一日にして三分の一もの株が、一人の人間によって、しかも瞬時に時間外で変わるというものが独禁法の対象じゃないなんという御答弁があるということは、やはり日本の今の経済の動きに対していかに鈍感であるか、古い経済の認識の中で政府案が出されているということを示しているというふうに思います。強く批判をしておきます。

 証券取引法の中で、今金融庁は虚偽記載について課徴金を課すということを検討されていると聞いていますが、金融庁、いかがでしょうか。

振角政府参考人 お答えいたしたいと思います。

 金融庁におきましては、西武、コクド問題以降いろいろな検討をしておるところでございまして、その中におきまして、金融審議会において今後の対応策として、今既に発行市場あるいはインサイダー取引については課徴金を入れる法案が成立しておりまして、この四月からそれが施行されるという状況でございますけれども、継続開示についてはまだ課徴金制度がないということで、そこについて早急に対応すべきだというような議論をいただいておりまして、現在、いろいろ検討しているところでございます。

原口委員 経済の公正の基本となる有価証券報告書、これが虚偽記載であったら根本が変わるんですよ。それぞれの会社に対するいわゆる公開された情報で判断する基準そのものが崩れるわけで、私はここに課徴金というか行政制裁を加えていくということはとても大事なことだと思います。

 ただ、先日、私同じ質問をしたときに、内閣法制局は、課徴金を虚偽記載について入れるということについてはかなり問題がある、それはなぜか、いわゆる不当利得の算定というものが非常に難しいからであるというふうに言われました。今そこのところが最大の論点になっているわけです。

 法制局に伺いますが、課徴金の性格、独禁法における課徴金の法的性格は何ですか。そして、課徴金の算定、これはどのように行われていますか。

石木政府参考人 お答えいたします。

 課徴金の法的性格、独禁法の課徴金でございますが、カルテル、入札談合等の違反行為防止という行政目的を達成するために、行政庁が違反事業者等に対しまして金銭的不利益を課すというものでございます。そのように理解しております。

原口委員 不当利得の剥奪でしょう。つまり、今お話しになったさまざまな独禁法上の違反行為、これに対して、そこで得た不当利得を剥奪するんだ、そういう意味があるんじゃないですか、いかがですか。

石木政府参考人 今回、独禁法の改正案を提出しておりますけれども、その中で課徴金の算定率を引き上げる内容を盛り込んでおります。これまでカルテル、入札談合等の違反行為が後を絶たなかったということで課徴金の引き上げを検討しまして、過去の違反事例について、これは公正取引委員会の方で不当利得を、推計ではございますが実証的にやった、そうすると、ほとんどの事例で少なくとも八%程度はいわゆる不当な利得と考えられるものが存在するというふうなことが考えられたということであります。それで、違反行為防止のためには、この不当利得相当額を多少超えて金銭を徴収する必要があるのではないかという御提案でございました。

 この点について、不当な利得と計算されるものに上乗せする金額というものを考えますときに、他の法令の例などを勘案しますと、不正な利得の四〇%増し程度のものは例があるということでございまして、その範囲内のものならば許されるのではないか。許されるのではないかというのは、課徴金というのはいわば強制的に国民から金銭を取り上げるという趣旨のものでございますので、刑事手続以外の手続でやるものでございますので、おのずとしかるべき限度はあろうということからでございます。

    〔委員長退席、高木(陽)委員長代理着席〕

原口委員 私たちのこの日本の国の独禁法は、戦後アメリカの反トラスト法を母法として制定されて以来、その時々の国内外の経済情勢に大きく動かされて、ある意味では接ぎ木的にできてきているんです。そのためにぬえのような構造を持っている。ぬえのような構造を持っているために、私たち民主党は、自由な経済主体は保護の対象でもなければ制裁の対象でもない、権利の主体である、そこの権利を保障することが、私たちの日本の経済社会が今までの護送船団、指導行政というものから大きく抜け出すその一番の柱であるというふうに考えています。

 そこで、もともと我が国では、制裁は刑事罰則によって行われるものという固定観念が強くて、そして憲法の二重処罰の禁止の規定もあって、制裁であるということを正面から認めるということをずっと議論を避けてきているんです。そのために、市場の公正性、そして、いわゆる悪魔の取り分と言われる官製談合やさまざまなカルテルで奪われている国民の利益、これを担保することができなかったということで、真正面からそこを見据えた法改正が必要であるということを指摘しておきます。

 さて、そこで具体的な事案について尋ねていきたいと思います。

 きょうは法務省もお見えでございますが、新潟市が発注する建設工事の入札参加業者に対する告発が行われ、そして法務省の刑事局、検察の方で、新潟市が発注する建設工事の入札参加業者に対してさまざまな処分が行われたと聞いていますが、この事件の概要は何ですか。そして、平成十六年の新潟市職員らによる、これは偽計入札妨害罪による事案だというふうに思いますが、法務省、事件の概要と告発の概要、これをお答えください。

大林政府参考人 お答え申し上げます。

 お尋ねの事件の概要は、平成十四年一月から同十五年八月までの間に行われた新潟市発注に係る下水道工事九件の指名競争入札に関し、新潟市都市整備局下水道部下水道建設課長ら四名が、指名業者に各工事の予定価格に近接する金額で落札させることを企て、同課長らにおいて、各工事の指名業者の役職員らに対し、各工事の予定価格算定の基礎となる設計金額を教示し、当該業者に予定価格に近接した金額で各工事を入札させて落札させ、もって偽計を用いて公の入札の公正を害すべき行為をしたというものでございまして、起訴された人数は、新潟市職員四名及び業者の役員ら七名の合計十一名と承知しております。

原口委員 同事件について公取に伺いますが、今の刑事局長がお話しになりました法務省の処分、さまざまな行為の中で、公取委からの告発はされていますか、事実について伺います。

楢崎政府参考人 お答えいたします。

 独占禁止法上の違反行為、犯罪があったと思料する場合には公正取引委員会が告発をするというふうなスキームになっているわけでございますけれども、本件につきましては、告発を相当とする十分な証拠が得られなかったということで、告発は行っておりません。

原口委員 本当にそうでしょうか。

 中央省庁再編基本法やさまざまな行政改革の中で、政策評価、それぞれの機関が行っている政策について、その効果について国民に明らかにして、そしてそれを国民が評価をするあるいは国会が評価をする、こういう制度ができているわけですが、今私たちが公取に望んでいることは、中立の行政委員会として、どうしてここまでぬえのような談合社会ができ上がってきたのか。そして、この事案は、市の職員がもう日常の業務として営々として、営々としてという言い方は皮肉を込めた言い方ですが、当たり前のようにやってきた。当たり前のようにやってきたことがどうしてチェックができないのか。公取委に今回さまざまな権限が、私たちの案でも付与されています。付与されているからには、今までのパフォーマンスについての総括が必要だと思います。今まで自分たちはどうだったのかという総括が必要だと思います。

 そのことについて、委員長、今までの公取の、犯則調査権がないとかいろいろな法制度上の問題はあったかもわからない。しかし、それにしても、専属告発権も含めてあるいは団体訴権も含めて、本当にこのままでいいと考えていらっしゃるのか。いや、だめだと思うから皆さんも法改正をここで出しておられるけれども、しかし現実に、これから検証していきますが、今回の法改正で、この後皆さんは勧告をして審判手続に入っておられるけれども、その中身を見ても、現実にはそこでも、さまざまなざるが生まれている。これまでの公取のパフォーマンスについてどのように総括をされているのか、委員長から明確にお答えをいただいておきたいと思います。

竹島政府特別補佐人 独占禁止法は、昭和二十二年に制定されて大変長い歴史を持っておりますが、率直に申し上げまして、終戦後からいわゆる高度成長期に至るその期間というのは、独占禁止法についての理解が深まるどころか、むしろそうじゃないような、公正取引委員会の立場から申し上げますと大変厳しい時代が続いておった。国民の間にも独禁法を守ろうというコンプライアンス意識が欠けていたと申し上げざるを得ないと思います。そういうしっぽがまだまだ残っているということでございまして、それが今回の改正の大きな理由の一つでございますけれども、その間の公正取引委員会のパフォーマンスという意味では、これはまさに外部の方々にその評価をしていただかなきゃなりませんけれども、やはり本来の姿からすれば不十分であったというのが、現在の委員長としての私の印象でございます。

    〔高木(陽)委員長代理退席、委員長着席〕

原口委員 委員長としては踏み込んだ総括をされたと思います。法制度上、あるいは私たちの案の中にあるように、審判のところでデュープロセスをしっかりと確保して、それを担保する経済司法の厚みも足りないんですね。

 私は、ここで法務省に要請をしておきたいと思いますが、独禁法の話は、何も公取だけの話ではないですね。経済司法の中でルールを裁かなきゃいけない。ルールを裁くところが弱ければ、多くの人たちが泣き寝入りをするんです。官製談合という、どこかわけのわからない外に天の声を発する人間がいて、そこに逆らったらもうその中から、その後の日々の糧を失うという人たちがたくさんいるんです。そこに対して司法がどのような見解を持ち、努力をするか。

 私たちは、この法案の中には書き込めなかったけれども、審判手続についても、公取が勧告をし、そして審判をするこのやり方についても、そこのプロセスはできるだけ短くして、早い段階で司法に持っていくべきだ。そのためには経済司法の厚みが必要なんです。法務省のイニシアチブが必要なんです。法務省としての、きょう大臣を本当は呼べばよかったんですが、本会議ということで呼べませんでした。法務省としての見解をただしておきたいと思います。

大林政府参考人 独占禁止法所定の審判手続のあり方につきましては、今回の改正法案の附則において、「政府は、この法律の施行後二年以内に、新法の施行の状況、社会経済情勢の変化等を勘案し、」「審判手続の在り方等について検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。」とされているところでございます。法務省としても、政府の一員としてこの検討に協力していきたい、こういうふうに考えております。

原口委員 いや、協力ではなくて主導するぐらいの心構えがなければ、この審判のところは、経済司法のところへはなかなか行かないですよ。

 結果、この経済産業委員会でも何回も議論されていますけれども、不当廉売。不当廉売は違法でしょう。不当廉売はもうありとあらゆるところにあるけれども、何の取り締まりもない。さっき近藤委員がライブドアの話をしましたが、私は、市場という意味では物すごく問題があると思いますよ。三分の一もの株が瞬時に変われば、しかも市場外でやられて、市場の一般の投資家の手の届かないところで、一万分の一にも分割されてやられれば、何が起こるか明らかじゃないですか。一般の投資家は利益を失うんですよ。市場はゆがむんですよ。その市場のゆがみを監視するのが、証券の世界では証券等監視委員会であり、経済の世界では公取じゃないですか。

 しかし、私たちの案では、公取は独立、中立の委員会だけれども、公取の説明責任をしっかりと果たして、国会の中でのコントロールがなければこれは危ないと思っているんです。そこが政府案と私たちの案の大きな違いなんです。なぜか。埼玉土曜会事件の反省が本当に生かされているのかと私たちは疑問に思っているからです。

 現に、今回皆さんは検察と裁判官とが合わさったような大きな力を持ちます。しかし、皆さんが私たちの法案にしてやったことは何ですか。民主党の案は経団連の案だ、民主党の案はおくれた案だと。中立公正の委員会が政治化してしまえば、そこに何が起こるのか。中立公正の委員会がある政治的意図を持てば、そこで公正が本当に担保されるのか。

 公取の委員長に再度ただしておきますが、当該職員はどう処分されましたか。そして、どのように総括をされましたか。

 私たちの民主党案の中には、コンプライアンスというものがあります。疑いをかけられた企業はみずからその疑いを晴らし、そして法令遵守についてさまざまな規定をしておく、その度合いに応じてリーニエンシーを認めるという考え方です。企業に対してコンプライアンスを求めている者が、その中立公正な、しかも大きな権限を持つ組織が、どのような処分なり総括をされましたか。公取委員長に伺います。

竹島政府特別補佐人 今いろいろおっしゃった中の、どの部分についてどういう処分をすべきかということは、ちょっと私、今理解できなかったんですが、よろしいですか。

原口委員 何が理解できないですか。あなたが謝りに来たじゃないですか。冗談じゃないですよ。不適切な行為があった、不適切な行為についてどのような処分をし、そして、なぜそういう行為が行われたか、ぜひ明らかにしてくださいということをあなたに申し上げていました。どのところかわからないなんて答えをそれこそ尊敬する竹島委員長からいただくとは、私は不思議でたまらない。当たり前の話じゃないですか。

竹島政府特別補佐人 それはこういう公の委員会で私が申し上げる話かどうか、ちょっとちゅうちょをいたしますが、先生重ねてのお話でございますので。

 これは、先生初め民主党の先生方と、いろいろ御説明しているそのプロセスの一つとして、あるハプニングがあったということは事実でございまして、そのことについて、御迷惑をおかけし、不愉快な思いをお持ちになられたことに対しておわびを申し上げたということでございまして、公の席で対外的に何かやったわけではございませんので、私はそのように申し上げたんです。

原口委員 全く、竹島委員長、昔財務省にいらしたんですかね、そのころと今、違うんですよ。私たちはレクも、国会議員は国会議員会館でやったレクも全部情報開示の対象なんですよ。外務省の不祥事がありました。あのときになぜああいうメモが出てきたのか。あのメモも開示の対象なんですよ。私たちは公人です。公の、国民の皆さんから税金をいただいて、負託をいただいて活動をしている。そこに対して公正取引委員会がやったことは、どこが私的なことですか。今のような答弁では私は納得はいかない。そんな認識ですか。

 外務省は、さまざまな政治家の、あのときは政治家対外務省だった、その圧力について公開しましたよ。そして、園部さんという方をトップにして、なぜこんなことが起こったのかという総括をなさいましたよ。皆さんは、それだけ大きな権限を持ちながら、今みたいな認識なんですね。驚きました。これはまた別の機会に徹底的に議論をしてみたいと思います。

 先ほどの新潟事件に戻りますが、告発協議会、これは行われたんですか。告発協議会の有無についてお尋ねいたします。

楢崎政府参考人 告発問題協議会は、告発を適正かつ円滑に行うために、具体的な問題点等について検察当局と意見交換をする場でございます。したがいまして、公正取引委員会の方で告発が困難だというふうな判断をした場合において、告発問題協議会の開催をするといったことは通常ございませんし、新潟の事件におきましても開催していないわけでございます。

原口委員 告発問題協議会というのはそういうことでいいんでしょうか。本来は、先ほどから何で法務省と皆さんに聞いているかというと、ここも不幸な歴史があるんですよ。お互いがそれこそバレーボールのお見合いのようにお見合ったこともある、やり過ぎてお互いが引いたこともある。だからそれを何とかしよう、このままじゃだめだということで告発協議会ができたんじゃないんですか。いかがですか。

楢崎政府参考人 告発問題協議会につきましては、公正取引委員会として、悪質な事案、そして行政処分では適正な法執行が担保できないというふうな場合に、そういった案件につきましては積極的に刑事告発をして独占禁止法の抑止力を高めていこうという観点から、平成二年に刑事告発に関する方針というものを定めたわけでございますけれども、その告発を適正かつ円滑に行うために、個別事件における具体的な問題点等について検察当局と意見交換をするという観点から、この協議会が設けられたものでございます。

原口委員 手元に資料を持っていますが、平成三年の一月十日、「告発問題協議会の設置等について 公正取引委員会」という資料がございます。「同協議会は、検察当局側が最高検察庁財政経済係検事以下の検事、公正取引委員会側が審査部長以下の担当官で構成され、同法違反事件を告発するに当たり、その円滑・適正を期するため、当該個別事件に係る具体的問題点等について意見・情報の交換を行うものである。」とされているわけです。実際に意見、情報の交換はしていないんじゃないですか。検察が公取に入ったんじゃないですか。

 そうすると、皆さんに犯則調査権を付与されたら、犯則調査権が公取委に認められた場合、この告発問題協議会というのはどうするんですか。性格が変わってくるんじゃないですか。

楢崎政府参考人 お答えいたします。

 告発問題協議会は、独占禁止法上の犯罪があると思料する場合に、それを適正、円滑に行うために協議会を開催するものでございます。

 先ほど新潟の件で、告発していないじゃないかということでございますけれども、新潟の事件は、検察当局におかれまして刑法上の偽計入札妨害罪として捜査された案件でございまして、その件につきましても、それは独占禁止法上の告発とは別の問題でございます。

原口委員 緊張しないで質問に答えてほしいんですが、皆さんに、今回、民主党案も政府案も犯則調査権が来ますね。そのとき、今のままの形ですかということを聞いているんです。

竹島政府特別補佐人 犯則調査権限を付与され、かつリーニエンシー制度が認められますと、私どもは、より個別事件の解明に当たって立証能力が高まると思っております。

 したがいまして、刑事告発に必要な立証水準をクリアしやすくなるという意味では大変大きな意味があると思っておりますので、ぜひそういうふうに活発に刑事告発をやっていきたい。したがって、個別案件がふえてくるということが当然予想されますので、告発問題協議会もより頻繁に行われることになるだろう、こう思っております。

原口委員 今回の新潟市が発注する建設工事の入札業者に対しては勧告を行われていますね。どういう勧告ですか。

楢崎政府参考人 三件、土木工事推進工法というものと開削工法、そして建築、たしか平成十一年度以降新潟市が発注するそういった三つの分野につきまして、地元業者あるいは全国のゼネコン業者が一定のルールのもとに受注予定者を決めて、これを受注予定者が受注できるようにしようという合意のもとにそういった行為を行ってきたといったことを、そういう包括的なルールに基づく談合行為といったものを排除の対象として勧告をしたものでございます。

原口委員 それで、結果は、新潟市のいわゆる中小の事業者、この事業者は本当に多くの責めを負ったわけです。それに対して、大手のいわゆるゼネコンと言われるところ、この皆さんからいただいた、その後不服申し立てやそれに基づく審判が開始されて、これを見て、やはり相当矛盾があるなと私は思いました。

 事業者の中には、会社分割によって建設事業に関する営業を承継した事業者というのも報告をされています。つまり、会社法制あるいは資本の規制改革が物すごい勢いで進んでいるために、こことセットで議論をしていかないと、本当の意味で、私たちは、仮に皆さんの課徴金制度、私たちの行政制裁金ですけれども、それを重くしたところで実効性がどこまで担保できるだろうか、そういったことについても慎重な議論が必要だと思っています。

 金融庁に伺いますが、私は先ほどのライブドアの議論の中でもつくづく感じるのは、実際に自分の経済活動で得た利益でなくて、さまざまな株を分割し、そしてその株を特殊な金融の手法を使うことによって何百倍、何千倍、何万倍にもする。果たしてこれは、日本経済が予定をしている、あるいは日本経済が本当にそういうものを中心としていく、金融のあるべき姿なんだろうかと私は思っています。

 独禁法では、従来、持ち株会社を規制していました。規制をしていた理由は何ですか。

竹島政府特別補佐人 純粋持ち株会社が禁止されていた大きな理由は、戦前の日本における財閥、これが重要な分野を、言ってみると支配した、それで数々の弊害があった、こういうことを二度と生じさせないようにというのが一番大きな理由でございました。

原口委員 それでは、今その財閥はどうなっていますか。それを解禁した理由は、純粋持ち株会社の設立を解禁した理由は何ですか。

竹島政府特別補佐人 これはやはり経済の国際化、国境を越えて、特に大企業は競争しなければならない。それから、それぞれ欧米においても経営のモデルというものが変わってきた、かつ独禁当局の物の考え方も変わってきた。ただ大きければ即悪という考え方、そういう考え方はとられずに、大きいものが悪いことをした場合に、要するに行為規制をするという考え方に大きく変わってきたという背景のもとで、日本の企業の国際競争力を高めるためには、やはり欧米で効果を上げている持ち株会社というものも解禁すべきである、こういう御議論がありまして改正したわけでございますが、いわゆる一般集中規制は残して、それに該当しないようなものについては解禁をするということを、たしか平成九年に法律改正をさせていただいたわけでございます。

原口委員 そこでとどまっているんですよ。今何が行われているかというと、日本は親子上場が頻繁に行われている。ここで起こっていることが、コングロマリットディスカウントというか、今委員長がおっしゃったように、でかけりゃ悪いというわけじゃない、でかいというだけで悪いというわけではない。だけれども、コングロマリットディスカウントというのは何かというと、個々の相場の価値を足したものが時価総額と一致しないということが起こっているわけです。

 今回のライブドアの話もそうですが、結局、本当は価値が十あるものを八で買って、そして分割して売り抜く。このコングロマリットディスカウント、日本の四メガ銀行なんというのもある意味ではこういうものだと言う人がいますけれども、でかいけれどもそれぞれの中で反駁している、でかいけれども共通のルールが持てない、でかいけれどもそれぞれの価値を高くすることができないところは、敵対的買収のえじきになってしまう。

 そこで何が必要かというと、会社を分割して、スピンオフして、選択と集中で株式交換、スワップをしていく、この仕組みが、ルールが必要なんです。ところが、日本においては、市場の市民権というものが非常に確立をされていない。

 私たちは、百五十九通常国会で消費者基本法というのを、委員長、議員提案で成立させていただきました。自由民主党の岸田さん、それから公明党の大口さん、私が提案者になりました。これは何かというと、消費者の権利を八つ明定して、消費者は権利の主体であって保護の対象ではない、その権利の主体の消費者のさまざまな権利を保障するのが中央政府や市場の責務であるという法律なんです。ところが、独禁法の一番根幹であるこの株のところで親子上場が横行して、株式の市民権といったものがないために、一般の投資家はここからはじき出されてしまっているんです。その意識をぜひ委員長、持っていただきたいんです。

 今のような状況の中で親子上場をそのまま認めてしまえば、私は、このことこそ独禁法が中心として議論していかなきゃいけない問題だ。二重計上の問題があります。子の株式と親の株式と両方上場して、ダブルカウントしている。親の会社と子の会社がそれぞれ利益が相反する場合もある。逆に言うと、今回の事例のように、少ない株式で大きな株式の会社を支配することもできる。これでは、市場の公正は、そして投資家や消費者や国民の利益は守れないんです。

 基本的な認識を委員長に伺っておきたいと思います。

竹島政府特別補佐人 独占禁止法で親子の上場問題をどうこうするということについては、私はちょっと十分に理解ができない。

 御提案の問題点はわかりますけれども、それを解決する場は独占禁止法ではないんではないか、別な、金融関係なり商法関係の世界なんではないかなと思いますが、独禁法上は、子供が上場しているいないにかかわらず、競争を制限するかしないかの場合には、親子であればこれは同一主体というふうにみなしますので、そういう意味ではもちろん親子は関係ありますが、その子供が上場しているか非上場か、これは我々は区別する必要がないというふうに思っております。

原口委員 本当に議論がかみ合わないんですけれども、上場するというのは、マーケットで判断をしてもらうということなんですよ。判断をしてもらう根拠がゆがんでいたら、判断が間違う、そして、そのツケは結果的には国民の方へ行ってしまうという認識を持ってくださいということを申し上げているんです。

 現に、TOPIX、私は驚きました、年金基金もTOPIX運用しているじゃないですか。TOPIXで、こここそ独禁法のことじゃないですが少し触れると、年金基金がTOPIX運用しているために、TOPIXが二重計上で膨れ上がっていたら、現実にそれがしぼんだときに何が起こるかというのは、私たちはもう想像にかたくない現実でございます。

 私はここで何を竹島委員長に申し上げたかったかというと、金融は金融、経済は経済、証券は証券、そういう世界をもう超えてきている。むしろ逆に言うと、資本によるさまざまな支配といったものが、新しい金融、社会の中で起こってきて、そこに対して有効な手段を持たないと、国民を守れない、国益を守れない、自由な経済を守れないということを申し上げたかったわけでございます。ぜひ研究をしてみてください。

 さて、民主党の提案者に伺います。不当廉売に対してであります。

 公取は、不当廉売に対して警告をするにとどまるなど、私たちからするとこれで本当にいいのかなという対応をされています。不当廉売について、民主党としてどのようにこれから対処していくのか、基本的な考え方について伺います。

近藤(洋)議員 原口委員の御質問にお答えいたします。

 不当廉売を初めとする不公正な取引方法というのは、とりわけ中小企業に対する影響が大変大きな問題であり、我が国の雇用の八割と技術を支えている中小企業に対して致命的な影響、不利益を与えている大変重要な問題であると認識しております。その上に立って、この不当廉売や差別対価について、過去二十年間を見ても、一件の審決もされていないという状況に現在あるわけでございまして、これは大変な問題だということで、我々もこの法改正を進める上で議論を進めてまいりました。

 そのため、私どもとしては、不当廉売を初めとする不公正な取引方法に対する抑止力を強化していくことが重要であるという前提に立ちまして、具体的には、不公正な取引方法を行政制裁金の対象とすること、さらには、その不公正な取引を行ったこと自体に刑事罰を科すことなどを真剣に検討してまいりました。残念ながら、今国会のこの法改正にはその点が盛り込めなかったわけでございますが、極めて重要な認識だと思っておりますので、二年後といいますか、独占禁止法、現在党内でこれから議論を進めます新たな改正案の中にきっちり位置づけていきたいと考えているところでございます。

原口委員 公正な市場と消費者の利益を守る、それから経済主体を守るためには、この不当廉売の規定というのは必須だと思います。しっかりと議論をして、法律の中に盛り込めるように強く要望をしておきます。

 それから、提出者に対してですが、政府案に盛り込まれている審判手続の改正、私はここのところはかなり問題だと思うんです。まさに有無を言わせぬ、デュープロセスの要請を犠牲にしたこのやり方は、結果として何をもたらすか。金融庁にはちょっと耳が痛いかもわかりませんが、皆さんは護送船団行政をやめる、事後チェックだと言っているけれども、現実にはどうなっているか。金融庁の方ばかりを見て、そして恐れおののきながら経済主体が活動をやっているとしたら、それは私たちが本来目指すものではないわけです。

 私は、この独禁法、よく自由民主党の皆さんがこの案を出されたなと思うんです。皆さんは経済主体を守ることを党是とされてきたんじゃないでしょうか。自由な経済活動を守ること、そこは私たち民主党は中心としているんです。

 政府案に盛り込まれている審判手続の改正について、提案者の評価を伺っておきたいと思います。

高山議員 原口委員の質問にお答えいたします。

 まず政府案の方ですけれども、政府案では、排除命令、そして課徴金命令を違反業者に対して出すこととしておりまして、またこの両命令を同時に出すことも可能というふうになっております。そして、その後不服のある事業者は、改正後の新たな審判手続で争うこととされておりますけれども、その間もこの命令の効力は維持されるというふうになっております。

 課徴金を課すためには、むしろ刑事手続に倣って適正手続を確立することが重要だというふうに我々民主党の方は考えておりますけれども、政府案では、現行の事前審判手続より迅速な処理手続を優先する余り、適正手続、デュープロセスの要請が随分犠牲になっているのではないかというような印象があると思います。

原口委員 ですから、私たちのように、従来の課徴金を行政制裁金と改めて、行政上の制裁としての性格をきっちり出すべきなんです。また屋上屋を重ねて、そして結果、そのデュープロセスがうまくいかなければ、ごねたところが強い、あるいはそれこそ大きくて力を持っている人たちだけが逃げて、現実にはそれこそ公取の今の体力に合ったところだけが摘発をされる、告発をされるということでは、とても公正な市場というのは、私たちの競争環境というのは保てない、そのように思います。ぜひ、与党の皆さんもここのところで踏ん張らなきゃいかぬと私は思いますよ。

 さっきの新潟の官製談合を見てみても、私たちは一方で議員立法で品質管理法というのを議論しています。さまざまなたくみの技術が、ただただ価格による入札だと、新しい技術が未来に継承されない、あるいは開発の意欲、モチベーションが失われる、結果として悪かろう安かろう、そしてその負担は国民に行ってしまう。これではだめだということで品質管理法というのを議員立法で用意をして、今与野党で協議をしています。しかし、この品質管理法はもろ刃のやいばで、まさにコンサルタントのところをきっちりオープンにして説明責任を発注者に強く負わせないと、官製談合のアリバイ法になってしまう、その危険さえ含んでいる法律でありますので、理念法とはいえども、私たちは注視をしていきたいというふうに思っています。

 そこで、官製談合への取り組みというのは、政府案ではほとんど見られないわけです。特定の電気会社の入札事件も、結果はあれはどうだったのか。中央省庁の発注者にその問題があるんです。中央省庁の発注者は逃げて、そしてその受注者だけが追いまくられるという官至上主義、官僚社会主義こそ私たちは打ち破っていかなきゃいかぬというふうに思っています。

 民主党案は、この点では政府案とは全く趣を異にしていますが、民主党がこの点について検討条項を設けた意義とねらい、今後、私はこれだけでも十分だとは思っていません。内部告発制度についても、告発を逆に抑制するような法律案が昨年通ってしまって、結果としては臭い物にふたということになってしまうと国民が損するんです。七百兆にも及ぶ今の国債、経済のリスクは国債の暴落リスクですよ。ここのところにきっちりとメスを入れる、その決意と中身を伺っておきたいと思います。提案者。

近藤(洋)議員 お答えいたします。

 官製談合の防止、撤廃というのは、私ども民主党独禁法改正案の目玉、柱の一つであります。六十兆円を超える公共調達に対してメスを入れることが喫緊の課題だという認識に立ちまして、官製談合情報を提供した事業者に対しては措置減免の制度を新たに盛り込みました。と同時に、別法として官製談合防止法の一年以内の施行ということを盛り込んでいるところでございます。既に党内では、官製談合防止法の中に発注者側に対して罰則規定を盛り込むこと、さらには唆し罪というものを盛り込むこと、このことも検討しています。この点については、自民党の中でも、独禁法調査会の中で、官製談合防止法を見直すということを文言で入れているやに聞いておりますので、ぜひ、議員立法で、しっかりと与野党で議論させていただきたいと思っているところでございます。

原口委員 最後に、委員長並びに理事にお願いをいたします。

 先ほどの竹島委員長が私どもに対して不適切な言動をされた問題について、それは公の場でどうこうする話ではないんだと。私は、処分とそして総括を求めました。それに対して、それは私的に謝っているから終わりだと思えるような答弁をされたことは甚だ遺憾であり、この理事会でも議論をされていることじゃないですか。委員会やあるいは理事会といったものを、あるいは国会というものを軽視する発言だと思います。明確に、理事会でお願いをしたいと思いますが、この答弁について精査をして、そして、このようなことでは絶対にならない、委員会としての姿勢を打ち出していただくように求めて、質疑を終えます。いいですか、委員長、理事会で。

河上委員長 後刻理事会で協議をいたします。

 次回は、来る十一日金曜日午前九時理事会、午前九時十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前十一時四分散会


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