衆議院

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第17号 平成23年8月3日(水曜日)

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平成二十三年八月三日(水曜日)

    午前十時四十四分開議

 出席委員

   委員長 田中けいしゅう君

   理事 石関 貴史君 理事 北神 圭朗君

   理事 楠田 大蔵君 理事 後藤  斎君

   理事 近藤 洋介君 理事 谷畑  孝君

   理事 西村 康稔君 理事 佐藤 茂樹君

      石森 久嗣君    緒方林太郎君

      川口  博君    川島智太郎君

      木村たけつか君    櫛渕 万里君

      熊田 篤嗣君    斉木 武志君

      斎藤やすのり君    柴橋 正直君

      白石 洋一君    杉本かずみ君

      空本 誠喜君    平  智之君

      高松 和夫君    中山 義活君

      橋本  勉君    花咲 宏基君

      山本 剛正君    吉田おさむ君

      梶山 弘志君    近藤三津枝君

      高市 早苗君    橘 慶一郎君

      西野あきら君    額賀福志郎君

      望月 義夫君    稲津  久君

      吉井 英勝君    山内 康一君

    …………………………………

   経済産業大臣       海江田万里君

   国土交通副大臣      三井 辨雄君

   環境副大臣        近藤 昭一君

   経済産業大臣政務官    中山 義活君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁長官) 細野 哲弘君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長)            安井 正也君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁原子力安全・保安院長)     寺坂 信昭君

   経済産業委員会専門員   綱井 幸裕君

    ―――――――――――――

委員の異動

八月三日

 辞任         補欠選任

  石森 久嗣君     空本 誠喜君

同日

 辞任         補欠選任

  空本 誠喜君     室井 秀子君

同日

 辞任         補欠選任

  室井 秀子君     磯谷香代子君

同日

 辞任         補欠選任

  磯谷香代子君     石森 久嗣君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 連合審査会開会申入れに関する件

 政府参考人出頭要求に関する件

 電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法案(内閣提出第五一号)

 電気事業法及びガス事業法の一部を改正する法律案(内閣提出第五二号)


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     ――――◇―――――

田中委員長 これより会議を開きます。

 この際、連合審査会開会申入れに関する件についてお諮りいたします。

 財政及び金融に関する件、特に円高問題等について、財務金融委員会に対し連合審査会の開会を申し入れたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田中委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 なお、本連合審査会は、本日午後一時三十分から第十六委員室において開会いたしますので、御了承願います。

     ――――◇―――――

田中委員長 内閣提出、電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法案並びに電気事業法及びガス事業法の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 両案審査のため、本日、政府参考人として資源エネルギー庁長官細野哲弘君、資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長安井正也君及び資源エネルギー庁原子力安全・保安院長寺坂信昭君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田中委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

田中委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。高市早苗さん。

高市委員 おはようございます。自民党の高市早苗でございます。

 きょう、貴重な質問時間をいただきました同僚委員の皆様に、まずは感謝を申し上げます。

 それでは、再生可能エネルギーに関する質疑に入ります前に、菅内閣の短期的なエネルギー政策、特に供給対策の方針について確認をさせていただきます。

 といいますのは、やはりここ数カ月、菅総理大臣の発言を聞いておりますと、もう国民の皆様も何が本当なのかよくわからなくなっている、こんな思いを持つわけでございます。

 特に、五月に浜岡原発を停止されて、それも、科学技術的な根拠、なぜ浜岡だけをとめるのかという根拠について明確な説明がなかった。

 でも、その後、六月には、官邸で行われました自然エネルギーに関する総理・国民オープン対話では、菅総理は、「今すべての原発を停止するということを決して申し上げているのではなくて、浜岡はある意味で例外的な措置」また、「ほかについては、きちんと安全性が確認されたものは稼働していく」「すべての原子炉をとめるということも余りにも経済に対する影響も多いものですから、」こういった発言をなさっていました。

 ところが、七月十三日の記者会見では、脱原発依存というものを表明され、それがことしの話なのか十年後の話なのか二十年後の話なのか、よくわけがわかりませんでした。

 そんな中、ここに来て、七月二十九日に政府のエネルギー・環境会議が決定した「当面のエネルギー需給安定策」というもの、これを拝読してみますと、「安全性が確認された原子力発電所の再起動を進める。」と明記されておりました。

 海江田大臣に伺います。

 この「安全性が確認された原子力発電所の再起動を進める。」というのは、原子力発電に関する菅内閣の方針と理解していいのでしょうか。それとも、菅総理がまた、エネルギー・環境会議の議長である玄葉大臣の個人的な考え方だとかいってひっくり返す程度の提言書だと考えた方がいいのでしょうか。位置づけについて伺います。

海江田国務大臣 高市委員にお答えをいたします。

 七月二十九日のエネルギー・環境会議でございますが、これは菅内閣、政府としての考え方だと考えていただくのがよろしいかと思います。

 私もこの会議の中に入っておりまして、そこで全体で確認をいたしました。当初は、保安院の確認でいいという法律の決まりもございましたけれども、さらなる安全あるいは安心の確保のために、ヨーロッパのストレステストを参考にしました新たな安全評価を導入して、そしてこの新たな安全評価の結果につきましても、これは七月の二十二日でございますけれども、保安院から各原子力発電所の事業者に対してこうした安全評価をやるようにということで指示をいたしましたが、その報告が上がってまいりましたら、まず、私どもの保安院がそれに対する確認を行い、そしてその後、今度は原子力安全委員会が、私どもがやりましたその妥当性についてさらなる確認をして、その確認が得られればその原子炉については再稼働がかなうかと、こういうことでございます。

高市委員 今ストレステストにも触れられましたので、これはちょっと通告をし損ねた質問なんですけれども、IAEAの天野事務局長にお目にかかりました。その折に、ストレステストの結果、その評価についてIAEAも参加するようなお話があったんですけれども、そのIAEAがまたさらに評価するというようなことは要件にはなりませんね。

海江田国務大臣 私も、天野事務局長がお見えになりましたとき、お目にかかって意見交換をさせていただきましたが、その意味では、私どもがこのIAEAの、特に欧州の事業者が行っておりますストレステストを参考にした安全評価というものをやらせていただくということで、そういう情報を提供しましたら、今後とも情報交換をしていこうということでございますから、IAEAが何かそれに対して評価を下して、それが再稼働の条件になるということではございません。

高市委員 IAEAと当然情報交換もしながら、知見も活用しながら進めてはいただきたいんですけれども、要件かどうかということの確認のみでございます。くれぐれも安全対策についてはよろしくお願いをいたします。

 きょう、大変お忙しい中、環境副大臣に来ていただきました。三月の経済産業委員会で、私は、環境省や外務省にも来ていただきまして、廃家電を扱う悪質な業者による消費者トラブルですとか、また、廃家電スクラップの違法輸出によってアジア諸国におきまして廃液ですとか重金属による環境汚染を引き起こしている、そういうケースについて質疑を行いました。その際には、廃棄物処理法ですとかバーゼル条約違反と思われる事例を紹介したのです。

 最近、関係者、特に専門家から聞いている話なんですが、東日本大震災の災害廃棄物の中で、クーラーなどの有価物が現地の業者の手によって京都府ですとか滋賀県の方にまで流れ込んできていて、それらの廃家電から放射性物質が検出されたという話を聞いております。また、三月に指摘しましたように、これらがまたやみルートで海外に流出する可能性もかなり高いと思います。放射性物質汚染の点から国際問題になるんじゃないかという懸念の声も伺ってまいりました。

 副大臣、放射性物質に汚染された廃家電が日本国内で広域に出回りつつあるという現状について把握しておられますでしょうか。

    〔委員長退席、楠田委員長代理着席〕

近藤副大臣 お答えをさせていただきます。

 高市委員におかれましては、今御自身からも御言及ありましたように、三月にも御質問いただきまして、家電リサイクルの適正運用について大変に大きな御関心、お取り組みをいただいていることに感謝申し上げたいと思います。

 今御質問のあった点でありますけれども、屋内に置かれていた家電については、高い濃度で放射性物質を含むことは想定しにくい、こういうふうに考えています。ただ、もちろんそうした危険性というか可能性はあるわけでありますから、環境省といたしましても、廃家電の不正な流通がないように、引き続きしっかりと廃棄物処理法の適切な運用に努めてまいりたいと思っております。

 もちろん、この問題につきましては関係の業界においても注意をしておりまして、ストックヤードに持ち込まれた際にメーカーが自主的に放射線測定を行うなどしており、これまでにおきましては特段の問題が生じているとは聞いておりません。ただ、いずれにいたしましても、放射性物質に汚染されたおそれのある廃家電の処理法については、環境省が開催している災害廃棄物安全評価検討会において検討を行っていく、こういうこととしております。

 以上です。

高市委員 私が特に心配しておりますのは、適法な状態でストックヤードに行って処理されるものではなくて、違法業者によるものの中に、放射性物質についての検査もせずにそのまま流れてしまうとか違法輸出をされてしまう、そういったケースでございますので、ぜひとも一度調査をしていただいて、違法業者の取り締まり、対応などにつきましても、十分な対策をとっていただきますようにお願いしたいんですけれども、この点、いかがでしょうか。

近藤副大臣 大変に御懸念のことであると思います。放射性物質、このことについては、ある種の風評も含めて大変に懸念をしております。そういう意味では、そうしたものの搬出、あるいは処理場に対する搬入、こうしたところでしっかりとチェックをしてまいりたいと思います。

 以上です。

高市委員 ありがとうございます。

 環境副大臣、お忙しいかと思いますので、もう御退室ください。ありがとうございました。

 それでは、再生可能エネルギー買い取り法案につきまして質問させていただきます。

 附則の第七条で、RPS法は廃止されることとなっております。既存の発電設備の運転に著しい影響が生じないように、附則の第八条には経過措置が規定されているんですが、その書きぶりが「当分の間、なおその効力を有する。」ということになっておりまして、私は、このようなあいまいな書きぶりでは困る事業者さんも多いんではないかと思いますので、当分というのが一年程度なのか、十年程度なのか、二十年程度なのか、具体的に御答弁をお願いいたします。

細野政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のように、本制度、今御審議中でございますけれども、成立を前提にしまして、RPS法は廃止をするということになります。

 今、RPS法のもとで再生可能エネルギーを供給してもらっているいわゆる既往の設備というものにつきましては、このRPS法が廃止をされたことによって予期せぬ採算性の悪化等に遭わないようにということで、「当分の間」という表現で一定の期間の経過措置を設けさせていただいております。

 この期間でございますが、これを「当分の間」といたしましたのは、今申し上げました既往の、あるいは既設の設備というのは、投資額にしても、それまでの設置期間等、さまざまでございますので、多くのものが実際に不利益をこうむらないようにするというのが趣旨でございますけれども、経過措置がなくなっても、予期せぬ、投資回収ができないなどということがないように、それまでの期間を一概に設定することが難しかったということに起因するものでございます。

 ただ、趣旨がそういうことでございますので、当然のことでございますが、これらの発電設備の投資回収の期間、これは一般的に十五年から二十年ぐらいと見込んでおります。したがいまして、省令で最終的には手当てをいたしますけれども、この経過措置の期間を今申し上げました投資回収に必要な期間に準ずることで措置をしていきたいと思っております。

高市委員 それでは、十五年から二十年という期間、これを念頭にということで確認をさせていただきました。ありがとうございます。

 次に、自民党でここのところずっと、風力、地熱、太陽光、バイオマスなど再生可能エネルギーによる発電を行っておられる事業者の方々、また関係団体、研究者の方々からのヒアリングというのをかなり精力的に続けてまいりました。ほぼ毎日のように開催をしてやっております。

 その中で、各事業者団体からたびたび指摘があったことなんですけれども、自民党政権下でもかなり再生可能エネルギーの活用、普及を促進するための政策、予算措置を行っておりましたけれども、これらの予算の中で、政権交代後に民主党が実施されました事業仕分けによって削減対象となってしまったものがあって、それが開発や普及の停滞の原因になっている、これが複数の団体からの御指摘でございました。例えば、小水力発電や地熱発電に取り組んでおられる方々から、中小水力・地熱発電開発費等補助金の予算、これがなくなってしまった、別の形の予算で代替しているんだけれども、結果的には大きな減額になってしまって困っておられるというお話でございました。

 特に地熱、風力、水力などについては、事前のポテンシャル調査、これにも大変お金がかかります。また、地元住民との交渉、設備の設置、発電に至るまでのリードタイムも長いし、コストもかかるということで、まず、大臣は、民主党の事業仕分けの結果が適切だったと考えるのかどうか。さらに、今後、このような再生エネルギーの活用、普及ということを考えたら、初期の段階での費用、こういったところに十分な予算措置を考えておられるのかどうか。

 以上、お願いいたします。

海江田国務大臣 まず、民主党の事業仕分けということでございますが、今御指摘の、中小の水力あるいは地熱の発電のこれまでの補助金が減額になったということは、これは実は、華々しくテレビの中継などもありました事業仕分けとは別途、省内で、やはりそれぞれの省が自主的に事業仕分けをやらなければいけないんじゃないだろうかというところで決まった中身でございます。

 省内での議論でございますから、今まさに御審議をいただいております再生可能エネルギーの買い取り法の問題も念頭にありましたから、やはり、まずこれから、この再生エネルギーの買い取り法案の中に各種の補助というものを収れんしていこうという議論があったということを私は聞いておりまして、今の時点での方向性としては、この再生可能エネルギーの特措法の中で、そうしたしっかりとした、これはもちろん、今御指摘のありました中小の水力あるいは地熱などについても当然買い取りの対象になるわけですから、これでやっていただきたい。

 ただ、今委員御指摘のありましたように、例えば地熱など、これは世界的に見ましても日本は大変なポテンシャルのあるところでございます。そして、その開発には初期投資、お金がかかります。それから水力も、日本では大変ポテンシャルの高いエネルギー源だと思っておりますので、まずこの法律を通していただいた後で、やはりそういったしかるべき、この法律とは、買い取り制度とはまた別のところで、必要な補助はこれからしっかりしていきたい、そう考えております。

高市委員 ぜひお願いします。

 買い取りと初期の投資というのは別の意味があると思うんですね。特に、ポテンシャルを調査するに当たって、水力でしたら、全国的なポテンシャルというのは国土地理院の情報でも得られるんですけれども、地域単位で、流量ですとか、本当にきめ細かなポテンシャルの情報を得るというのは、今、全く予算が措置されておりませんので、地域単位で十分な調査ができるような予算措置についても、ぜひとも御検討をいただきたいと思っております。

 それからまた、ある再生可能エネルギー発電事業者団体からのお話なんですけれども、NEDOの職員の中で、例えば地熱や水力担当の職員の数が激減してしまって、経験や専門知識を持つ相談相手がいなくなってしまった、大変困っているということも伺いました。これも、事業仕分けで血祭りに上げられることを恐れてNEDOが再生可能エネルギー導入補助事業を手放したということが影響しているやに仄聞しているんですけれども、多くの再生可能エネルギーの関係事業者というのはこれまでNEDOの導入補助事業を活用してきましたし、そしてまた、きめ細やかなアドバイスというのは、これは発電の方法によりまして課題も違ってまいります。

 NEDOの人員体制の増強をするということ、それからまた、十分な実績、ノウハウを持ったNEDOがこの導入事業を行っていくということも必要なんじゃないかなと私は感じるんですけれども、いかがでしょうか。

海江田国務大臣 今委員御指摘のありましたNEDO、これは新エネルギー・産業技術総合開発機構ということでございますが、委員からのお尋ねがございましたので、私も、この間の、まず全体の定員を調べてみましたら、平成二十一年の六月の時点で、NEDO全体で九百六十七名おりました。それが、平成二十三年の七月の段階で八百六十八名ですから、二年の間におよそ百名が減っているということでございます。

 これは、言うまでもございません、独立行政法人改革の中で、業務の効率化あるいは研究開発マネジメント機能の強化ということで、こういう形で、総定員と申しますか、全体の数を減らしたわけでございます。

 ただ、新エネルギーの開発ということで申し上げますと、新エネルギー部というものがございますけれども、ここは、平成二十一年の六月で五十五名、それが平成二十三年の七月で五十四名ということですから、そこの部分については人数的に減っているということはないと思います。

 この法律が通りまして、あるいは、やはり今回の三月十一日の原子力発電所の事故を契機に、もちろん従来からも新エネルギーの開発ということは大変大きな意味を持っていたわけでございますが、その持つ意味合いがさらに大きくなったわけでございますから、その研究開発を実態的に支えていきますのはまさにこのNEDOでございますので、この機能を最大限生かすように考えております。

高市委員 よくわかりました。

 それでは、太陽光発電について幾つか伺いたいんです。

 民主党政権では今後一千万戸に太陽光発電パネルを設置されるという方針と理解しておりますので、国民が安心して、それから余り高いコストじゃなく設置が進められるように、ぜひともこの辺の御配慮をいただきたいんですけれども、地元の奈良県の方々から、個人住宅への太陽光発電パネル設置に関するトラブルですとか不安について相談を受けております。

 このパネルの設置に携わる方々は、メーカーで研修を受けて、メーカーからライセンスを得て設置をしておられると承知しているんですけれども、中には、住宅の構造に余りお詳しくなくて、ちょっとそこにつけちゃだめだろうというような構造上弱いところに平気でつけていってしまったり、あとは、台風その他で破損をする、これも正しい設置工事がなされていないことが原因だったり、こういったトラブルが割と起きてきているということを伺っております。

 消費者にとって太陽光発電パネルというのは大変高い買い物でございますので、設置業者の資質の向上というのは物すごく大事で、私は、余りメーカー任せにするのではなくて、何か公的な認定制度を新設するとか、方法はいろいろあるのかもしれませんが、この資質向上対策を打っていただきたいんですけれども、大臣のお考えを伺います。

中山大臣政務官 私の方がこれを専門にやっていましたので、ちょっとお話をさせていただきたいと思います。

 屋根は当然、家屋の一部でございまして、家屋に知識がないと、えらいことになって、施工はしたけれども後で雨漏りがするとか、いろいろなことがあってはいけません。ですから、一般的に言えば、大工さんであるとか建築業者であるとか、またはとび職さんであれば家屋のことはよくわかっている。しかしながら、先ほど言いましたように、パネルを売った業者がよく建築技術もわからないでやるという危険性は確かにあります。

 そこで、専門業者とかそれから建築業者で今、ガイドラインを二十二年のうちにつくりました。そして二十四年に、太陽光発電システム施工士という、認定したそういう資格をしっかりつくろうと思っております。その予算措置もいたしておりまして、先生の言われるように、しっかりとした教育をして、そして屋根に上らせる、こういうことだというふうに思います。

高市委員 ありがとうございました。その作業を進めていただいているのでしたら安心でございます。

 それと、太陽光発電パネルの販売をする方々の中には、消費者に対しまして、パネルを設置したら、余剰電力の買い取り制度があって、設置費用というのは早期に回収できますよ、このようなことを説明しながら販売されているという話を伺います。ところが、実際に設置してみますと、天候のかげんもあるんでしょうし、期待したような発電量がなくて、売電などとてもできない状況だ、だまされたというような苦情も聞いておるんですね。

 これは、販売事業者の説明の方法ですとか、それからまた、政府の方でも、何年で元が取れるというような説明をされていますね、こういった広報の仕方に問題があるんじゃないかなと思うんですけれども、今後どのような改善措置をとられるかも含めて、大臣のお考えを伺います。

細野政府参考人 お答えを申し上げます。

 御指摘のとおり、これはきちっと設置して、きちっとワークして、入れた人が所期の目的をそれなりに満足できることが望ましいわけでございまして、いわゆるセールストークみたいな話で過大な売電なんかを吹聴するということは、あってはいけないことだと思います。

 したがいまして、今政務官から申し上げました技術的なところをきっちりやらせるということのほかに、販売等におきましても、これは関係の事業者団体がございますので、そういったところには、具体的な事例も含めまして周知徹底をした上で、しっかりとした指導をしていきたいと思っております。

高市委員 ぜひお願いします。

 あと、奈良県では黄砂が、中国から飛んでくる砂ですね、結構多い時期がありまして、この黄砂が太陽光パネルに張りつきますと、発電量というのは激減してしまうんだそうです。このパネルから砂を取り除く作業というのは素人ではとてもできませんので、ここでまたメンテナンス費用が発生することになるんですね。

 平均的な住宅用の太陽光発電パネルについて、こういう黄砂の被害ですとか台風などによる破損というようなことも含めて考えると、メンテナンスにかかる費用というのは一年当たり幾らぐらいになっているのか、情報があったら教えてください。

細野政府参考人 お答えを申し上げます。

 黄砂でありますとか、あるいは、何といいますか、火山の爆発のときにいろいろ降ってくるとか、こういう事例は全くないわけではありませんし、当然、それを除去するための費用はかかると思います。

 一般的には、表面の処理その他では、設備上メンテナンスが余りかからないようにという工夫は最大限しておりますけれども、そういう意味では、メンテナンスといいますか、長く使っているときにかかる費用としての一番大きなものは、いわゆるパワーコンディショナーといいますけれども、直流で発電して、最後は家の中あるいは売電する場合でも交流に直すわけですけれども、これを変換する装置がございまして、これが多分、十年ぐらいで交換をしなくちゃいけないということになると思います。これが多分、まとまった費用としては一番大きいと思います。

 この費用でございますが、商品差もありますけれども、大体二十万円ぐらいでございます。したがって、十年で一回交換するということになりますと、ちょっと単純な、乱暴な計算かもしれませんけれども、年間当たりこれで二万円程度。

 今おっしゃいました、若干の飛来物を除去する、これはやり方にもよりますが、はっきりとした根拠は今手元にございませんけれども、今申し上げましたあれでいいますと、その固定費的な二万円、プラス数千円程度の、失礼しました、年間に直すと数百円から数千円の費用が加算されるのではないかと推測されます。

    〔楠田委員長代理退席、委員長着席〕

高市委員 もう少しちゃんと調査をしていただきたいんですね。黄砂はしょっちゅうなんですよ。そんな、年間に直して数百円とかいうレベルじゃないと思っております。

 また、販売される方も、そういったランニングコスト、メンテナンスにかかるお金なども含めて、少し消費者に親切に説明をしていただけますように、さっきの質問とあわせまして、ぜひとも改善をお願いしたいと思います。

 それから、私たち国会議員が説明を受けておりましたのは、例えば麻生内閣のころでしたら、私が受けた説明では、太陽光発電パネルを設置したら大体十五年で元を取れますという説明を受けていたんですね。最近は、性能もよくなったようで、十二年から十三年で元を取れますというような説明のようなんですが、この元を取れるという年数の中には、メンテナンス費用ですとか、あと廃棄のときにかかるお金とか、そういったことも入っているんでしょうか。

中山大臣政務官 これは恐らく余剰買い取りの方の、普通の家屋の場合だと思います。家屋の場合は、自分で一定量を家でも使いますし、それから今のメンテナンスの件も、四十円以上の買い取り価格でございますので、計算上は、当然、メンテやそういうものも入った上で、十五年ぐらいで計算をしているはずです。メーカーによって、初期投資は若干違うかもしれません。でも、大体この買い取り価格というのはそういう面で考えているわけでございまして、これは結果的には、電気料が上がって電気代で負担するか、または税金で負担しなきゃならないわけで、適正な金額を適正な計算によってつくっております。

高市委員 では、メンテ費用も入れているということですね。ただし、余剰電力の買い取りをしてもらえるほど発電できなかった場合には、それらは全部消費者がかぶってしまうということになって、元を取るのはなかなか時間のかかる話かと思います。

 太陽光発電以外の発電方法についても、メンテナンス費用を考えた支援というのは当然必要になってくるんじゃないかと思います。

 小水力発電では、大体五年に一回ぐらいプロペラが傷んでしまうことで、発電機の修繕とか更新費用、こういったものも見込まなきゃいけないし、あと、集中豪雨で水路も傷むようなんですね。ですから、水路の補修費用というのも必要だと。メンテ費が大体、年間にしますと、初期の設備設置費用の五%ぐらいかかっちゃっているということでございます。

 また、風力発電では、鋼材など材料費が高騰しておりますから、消耗品とか交換部品、この辺のコストも上昇をいたしております。

 この買い取り法案において買い取り価格というのを考える場合に、発電設備の設置費用のほかに、今申し上げましたようなメンテナンス費用、こういったものも加味してお考えになりますでしょうか。

中山大臣政務官 太陽光に限らず、例えば風車の場合でも、今は大体大きなものが多いので五億円ぐらいかかるそうで、そのメンテも約三億円ぐらいかかるとも言われております。

 そういうものも計算した上でやはり買い取り価格を決めていくということでございますので、ただ、雷だとか突然の、何回も一つのところに落ちたとか、いろいろなそういうケースもあろうかとは思いますが、形としては、法律にもある程度規定をされて、メンテナンスも含めて買い取り価格がつくられているということで、法律案の中にも入っております。

高市委員 それで、太陽光発電パネル、一千万戸に設置していくということになると非常に多くの国民がこれを利用することになるんですけれども、もう今から、耐用年数が経過した後の廃棄のときのことも考えておかなきゃいけないんだろうなと思うんですね。

 小型風力発電機の耐用年数、これをメーカーさんに伺いますと、大体二十年ということでした。小水力発電機の耐用年数、これもおおむね二十年ということだったんですが、御家庭用の太陽光発電パネルの耐用年数というのは、おおむね何年でしょうか。

細野政府参考人 お答えを申し上げます。

 いろいろな種類がございますけれども、一般的に、現在、家庭用のパネル、住宅に載っておりますもの、これは大体二十年程度はもつというふうに理解しております。

高市委員 では、どの発電方法でも大体二十年ぐらいで廃棄をしなきゃいけない時期が来るということですが、先ほど触れました廃家電、エアコンですとかテレビ、冷蔵庫、洗濯機などの場合には、家電リサイクル法にのっとりまして、収集する、運搬する、それから再商品化、リサイクルをする、それから、事業者の役割分担ですとか、その費用をだれが負担するか、こういった流れが決まっているわけでございます。

 太陽光発電パネルとか小型の風力発電機とか小水力発電機、こういったものの廃棄に関しましては、どのような法体系の中でこれからやっていくのかということが一つポイントになると思いますので、伺いたいと思います。

 それから、さっきちょっと御答弁をいただけなかったんですが、廃棄の費用というのは、平均的な家庭用の太陽光発電パネルについておおむね幾らぐらいかかるのか。

 三点目に、廃棄費用に関する補助というものを考えるのか、それとも全額、設置した人の負担になってしまうのか。

 以上三点、お願いいたします。

中山大臣政務官 廃棄についての資料とか、そういうものはまだ今のところはありません。

 ただ、建築物の廃棄と同じようなものであるとか、または、今、廃棄物処理法に基づき処理するという形でございまして、家電のように家電リサイクル法等の法律はまだありません。

 私たちは、その中に入っているものがどういう、カドミウムというようなものが入っているやにもアメリカの製品の中で聞いているので、ここは慎重に議論をして、必ず責任を持ってやれるようにいたします。

高市委員 廃棄費用等は今のところはわからない。また、その負担のあり方、それについて今御答弁がありませんでした。

中山大臣政務官 この法律がこれから施行されるわけで、できてから十年、十五年はまだと思っておりましたので、まず、この法案が成立して、できるということ、それから今度は廃棄のこともしっかりやっていきたいというふうに思っております。

高市委員 必ずしも、ことしから二十年後に必要になるということじゃございません。例えば、もう来年に、天災に遭って壊れちゃった、廃棄物が出るということは可能性としては十分にありますので、できるだけ早く、再生可能エネルギー関係の発電機についてもその廃棄のルールと費用負担のあり方を御検討いただきまして、国民が安心して再生可能エネルギーを活用できるように、対応づくりをお願いいたします。ぜひ、よろしくお願いいたします。

 それでは、国土交通副大臣、長いこと座っていていただきまして済みません、お話をしたいと思うんですが、自民党では、四月に、まず第一次補正予算で措置するべき電力需給対策というものと、それからまた法的な課題、再生可能エネルギーを活用するために、また電力需給対策を有効に進めるために必要な法的な課題をまとめた提言書、これを政府の電力需給対策本部にお持ちをいたしました。

 これは当時、本部長である枝野官房長官にお渡ししたいと言ったんですが、ちょっと官房長官はお目にかかれないということで、本部長代理の海江田大臣が丁寧に話を聞いて受け取っていただきました。

 また、六月には、第二次補正予算で対応するべき電力需給対策、また再生可能エネルギーの普及対策、これも持ち込ませていただきました。真摯に対応してくださった海江田大臣には心から感謝を申し上げます。

 その中で、まず、法的課題で四月にお願いをしていた件について国土交通副大臣にお伺いをします。

 この中で、河川法の改善というのを私たちは求めておりました。河川管理者以外の者が河川の流水を使用する際には、河川法に基づいて河川管理者の許可を得なければならないんですけれども、この河川からの取水というものを必要とするのは、再生可能エネルギーでいいますと、主に小水力発電それから地熱発電の事業者でございます。ところが、お話を聞いてみますと、特に一級河川からの取水については、許可を受けることが大変難しい。再生可能エネルギーの導入計画を断念する自治体も出てきてしまっているというお話でございました。

 副大臣、河川法第一条の「目的」というのは、治水、利水、環境となっておりますけれども、ここにエネルギー利用というようなものを加えていただくようなことが検討できないかどうかということが一点。それから、小水力発電なんかを見ますと、取水してその水を使ってしまうというよりは、また流れるわけですから、一時的な利用ですよね。だから、河川法の中で何か別枠の規定を設けるというようなことは可能なのかどうか。

 以上二点、お伺いします。

三井副大臣 大変いい御質問をありがとうございます。

 今先生から御質問ございましたように、まず、再生可能なエネルギーという観点から、やはり国土交通省といたしましても、小水力発電の普及拡大はぜひとも重要だということも私たち認識しております。

 それと、河川法の改正につきましても、これは私たちもこれまで議論しているところでございますので、またしっかりと省内で取り組んでまいりたいと思っております。

 それで、今お話ございましたように、河川から取水した農業用水利用の小水力発電でございますけれども、平成十七年の三月に、許可申請に必要な河川法ですとかあるいは環境法ですとか、そういう流量について調査あるいは書類を不要とするということを決めて、手続の簡素化を行いました。そしてまた、本年の三月に、農業用水の許可権者とその用水を利用した小水力発電の許可権者とが、知事と国土交通大臣に分かれまして、手続の迅速化の観点から、地域により近い知事が両方を許可するということができますように政令改正したところでございます。

 また、今国会で成立いたしました総合特別区域法におきましては、特に、地域の活性化総合特別区域で小水力発電を行う場合には、国土交通大臣の許可と経済産業大臣の都道府県知事への意見の聴取ということを不要にするということを決めさせていただきました。また、水利使用許可に係ります標準処理期間、通常、水利の使用許可によりますが、相当程度短い期間で決めることができたと思っております。

 先生からもお話ございましたように、許可手続の簡素化をして、よりこれから広報活動をしながら周知徹底していきたい、こういうぐあいに考えているところでございます。

高市委員 済みません、三問に分けていたのですが、まだ伺っていないことも全部答えていただきまして、でも、ありがとうございました。

 平成十七年、自民党政権のときに、確かに手続の簡素化というものはしたんですけれども、ただ、その後、再生可能エネルギー事業者が一生懸命全国で取り組もうというような現在に至って、おっしゃるような状況ではないと理解をいたしております。

 きのうも実は、小水力発電にかかわっていらっしゃる全国各地の事業者また団体の方々から、一番お困りの点は何ですかということでお話をずっと伺っていたんですよ。そうすると、やはり手続に時間がかかる、大変だということ、それから取水許可がなかなか得られないということ、これはもう明確に御意見としてございました。

 ですから、先ほど、その河川法の改正についても前向きに検討してくださるというようなお答えでございましたけれども、ぜひともその作業を急いでください。一条の「目的」の変更ですとか、発電に関する利用については別枠のルールを考えるとか、こういったことをやってください。もしも国土交通省がすぐやられないんでしたら議員立法で出させていただきますので、ぜひとも急いでいただきたいと思います。

 それから、取水量についても、手続はかなり楽になったというようなお答えだったんですけれども、例えば渇水期は、小水力発電というのはもうほとんど発電できないんですね。それで、物すごく水の多い時期に存分にそれを活用して発電したいと思っても、やはり取水量の変更というのがうまくできないので、みすみす大事なエネルギー源を逃しているという御指摘も、きのうの時点でもございましたので、ぜひともしっかりと、その改善した点を運用していただくことと、十分に関係者への広報を行っていただきたいと思っております。

 国土交通副大臣は大変お忙しいと聞いておりますので、もう随分時間が経過しちゃいましたが、どうか御退席ください。ありがとうございました。

 せっかく今水力発電の話をいたしましたので、これは海江田大臣にお願いなんです。きょう、農水の副大臣にも実は来ていただこうかなと思ったんですが、余り各役所から呼んじゃうと申しわけないので、海江田大臣が政府の中でいろいろ各省と調整されますときにぜひ発言をいただきたいんですけれども、いかに発電機のコストを下げていくか、地域で利用しやすくするかという点。

 これは発電機器などを所管する立場としてお考えいただきたいんですが、小水力発電でしたら、例えば、用水路をつくる時点で最初から落差を一・五メートルに統一して、同じ規格の水車を設置できるように、もともとの用水路の設計をそんなふうにしていけばかなりコストが下がるんじゃないか、その用水路に合わせていろいろな機械を用意するよりはうんといいんじゃないかという意見もあるので、ぜひとも、経済産業省、農水省、協力し合いながら、これから新規の用水路をつくるときの改善など、よろしくお願いをいたします。

 何かそういったことで御意見があれば、お願いします。

海江田国務大臣 私も水力の発電には大変関心を持っております。私の名前が海と、江は川でございますから、最近水分も大分多いようでございますので。

 ただ、水力の場合は、先ほど委員御指摘のありました渇水期の問題がやはり一つございますね。あと、大きな川などでしたら漁業権の問題とか、やはりそういうことにも配慮しなければいけないということですが、今特に委員が力を入れておられる、あるいはいろいろなそういう形で事業をこれからやろうと考えておられる方々、特に小水力の場合は、最初からの設計と申しますか、開発と申しますか、これがまさに大変重要だというふうに思っておりますので、なるべく早く、そうした小水力についても、政府は力を入れるんだ、国として力を入れるんだということを発信いたしますと、そういう方々がやりやすくなるんではないだろうか、そのように考えております。

高市委員 ありがとうございます。

 さっきちょっと触れた話ですが、自民党から二回に分けて特に予算措置についての申し入れを行ったんですけれども、四月に、一次補正予算でこの夏の電力需給対策に向けて措置してほしいという対策を申し入れました。あのときは、業務用では自家発電設備の導入補助の拡充、これは大きな金額をお願いしました。また、太陽光発電・蓄電池、LED、ガス空調の導入補助、それから、家庭用では家庭用太陽熱利用システムの導入補助、期間限定のエコポイント制度導入による省エネ機器の普及、合計で九百八十億円分を要求いたしました。

 ところが、菅内閣の一次補正予算では、このような即効性のある政策というのはほとんど盛り込まれず、一つは関東と東北圏内に限定した自家発電設備の導入補助、それから電力融通プランの策定、節電広報と節電専門家派遣という、合計百七十八億円だけだったんですね。これには大いに私たちは不満だったんですけれども、しかし、補正を早く通さなければ瓦れきの処理などもおくれますので、涙をのんで本会議場で私も賛成をしたんです。

 今申し上げた中で、学校や業務用ビル、工場などに七月末までに太陽光発電・蓄電池を設置する場合に導入補助を行うという政策を書きまして、三万キロワット分に相当する百五十億円分の予算措置を要求いたしました。これは自民党政権下で実施していた政策ですけれども、事業仕分けによって平成二十二年度で終了いたしております。

 そもそも、なぜこの事業が廃止されたのかということ、それから、第一次補正予算でも第二次補正予算でもこれが採用されなかった理由というのは何でしょうか。

海江田国務大臣 第一次補正予算、それから第二次補正予算ともに、まず一つは、大変大きな財政上の制約があったということは、これは御理解をいただかなければいけないということ。それから、それと同時に、そうした財政上の制約がある中で、まず被災地域の復旧、復興というところはまだその手前の段階でございますが、復旧に直ちに役立つ項目に絞ろうということ。

 本当に、二度にわたって陳情にお越しいただきまして、そのほとんどがまだ具体化していないということでありますが、これから第三次補正もあろうかと思います。これはこれまでと違いまして、かなり規模も大きくなるかと思いますので、そうした第三次の補正。あるいは、来年度の予算の中で、特にエネルギーの関係というのは、少し息の長い対策、一つ方向を決めましたら、それに沿ったしっかりとした毎年毎年の対策をやらなければいけないわけでございますから、そういう意味では、年度の予算などでも手当てをしていきたい、こう考えております。

高市委員 息の長い政策といいましても、この間、エネルギー・環境会議の「当面のエネルギー需給安定策」を拝読しましたけれども、関西電力の供給予備率がことしの冬にはマイナス八・四%、来年の夏にはマイナス一九・三%。この夏どころの節電では対応できない数字が明記されておりました。四国電力も、ことしの冬はマイナス三・三%、来年の夏がマイナス一一・三%ですよ。ですから、これはもう、みんなが暑いのを我慢して、また冬に寒いのを我慢して個人個人が対応してもどうにもならないぐらいの数字です。

 特に関西電力、四国電力管内が深刻なのは、原子力比率が大変高いということが一つの理由だと思うんです。だから第三次補正で手当てをしていただける可能性もあるということですけれども、第三次補正自体がいつになるかよくわからない。産業の空洞化など、大変心配な状態も起こっている。

 こういう中で、息の長い政策というよりは、まず短期的にやれることを片っ端からやっていく。一つはそれは景気対策にもなるし、税収などが上がってきますと、またそれで被災地の復興に振り向けられるお金もふえてきますので、余りのんびり構えずにやっていただきたいと思います。先ほど申し上げた件も、ぜひとも三次補正には盛り込んでいただきたいと思います。

 同じく四月の時点で、家庭用太陽熱利用システムの設置促進、この導入補助ということで一万キロワット分の十億円、これも要求いたしました。これも事業仕分けで二十二年度で終了した事業なんですけれども、今のように検査済みの原発も動かないような状況でしたら、導入補助と余剰電力の買い取り制度の併用といったものにも一定の効果が期待できると思うんですけれども、第一次補正予算でも第二次補正予算でも採用されなかった、この理由は何でしょうか。

海江田国務大臣 先ほども申し上げましたけれども、補正、特に第一次と第二次では、新たな国債の発行というものは控えるという大きな方向性がございました。本当の意味での、特に復旧復興ということでいうと、これはやはり国債の発行もやむを得ないかなというふうに思っておりますが、第一次、第二次の中で、そうした財政上の制約と、それから、本当に緊急に必要な復旧のための費用にその限られた財源の予算の額を使うということになって、その意味では、もちろん新しいエネルギーの問題は大変大事なことではございますが、優先順位をつけていく中で、残念ながら今回は盛り込まれなかったということでございます。

高市委員 一方で、内閣が盛り込んだものの中で、余り有効に使われていないんじゃないかと思うものもあります。

 広報なんですけれども、五月十三日に経産省が出しました「夏期の電力需給対策について」の中に、家庭の節電対策メニューというのがありますね。例えば六十三ページに掲載されております中に、エアコンの使い方がございました。「除湿運転やエアコンの頻繁なオンオフは電力の増加になるので注意しましょう。」という情報は、結構有益な情報だと思うんですね。

 私も実は知らなかったんです。冷房にするより除湿運転の方が電気代は安くなるのかなと思って長年除湿運転を活用しておりましたし、エアコンはもったいないと思って結構頻繁に消したり、また暑くなったらつけたりしていたんですね。だから、これはなかなかいい話だと思って、地元に帰ったときに、何かちょっとした会合で耳寄り情報というようなことでお伝えしたんですが、ほとんどだれも知らなくて、ええっ、除湿運転の方が電力を使うのとか、まめに消した方がいいんじゃないの、そういう話だったのです。

 広報予算に一次補正では力を入れられたんですが、案外、余り十分に広報できていないんじゃないかと思うんですが、この計上された節電広報費というのはどのような広報物に使われて、どのように配布されて、どの程度の人数の国民に広報が行き渡ったんでしょうか。もしおわかりでしたら、お願いします。

細野政府参考人 お答えを申し上げます。

 ちょっと今手持ちの資料がございませんが、特に関東、東北からいろいろ節電をお願いいたしました。かなり多額の広報費を確保したことも事実でございます。

 その内訳でございますけれども、まず、テレビとかあるいは新聞等のメディアを通じた広報、これに係るもの、それから、あと中小企業、小口の需要家に対する巡回指導その他、こういったものをやっております。それから、特に学校に、これは数十万部のオーダーで、今おっしゃったような話も含めた、いろいろな節電のアイデアを入れたわかりやすいパンフレットを配りました。あと、これはいろいろ各需要者が工夫をしていただいたアイデアなんかも寄せていただいて、これをインターネットあるいはホームページなんかで紹介をするというようなこともさせていただいております。

 そういった工夫をする中で、しかし、できるだけ効率的な利用をしたいということで全体の節約にも意を用いながら、運用をさせていただいております。

高市委員 わかりました。

 それでは、六月にお持ちした第二次補正予算に関する提言なんですが、これはちょっと私どもは規模を大きくしました。急がなきゃいけない電力需給対策のほかに、再生可能エネルギー、どうせやるんだったら早い時期からしっかりと予算措置をとっていこうということで、合計四千二百億円分の対策案をお持ちしてしまったんですが、菅内閣が決定した二次補正ではゼロ円ということで、大変がっかりいたしました。

 先ほど来、事情は伺いましたし、また三次補正で対応していただけると了解はしているんですが、この入れ込んだ中に、一次補正でも二次補正でも提言した内容なんですが、御家庭用のエアコン、冷蔵庫、あとLED照明の購入を対象にいたしました、なおかつ被災地への支援を加味した期間限定エコポイント制度、この導入を入れたんです。この政策と、あとガス空調の導入補助というものも入れ込んであって、両方とも採用はされなかったんですが、今後、三次補正に向けてこの二つが入る可能性はありますでしょうか。

海江田国務大臣 今、三次補正の具体的な中身、もちろんまだこれはイメージできていないわけですから、入る、入らないということは明確には申し上げられませんが、エコポイントのお話は確かにあのとき承りまして、しっかり覚えております。

 その場合、エコポイントは大変経済効果もあったということで、特に、被災県、被災地域に対してエコポイントを導入するということは、被災地域の経済の活性化にも役立つのではないだろうかというふうに考えておりますが、やはりエコポイントの一番の問題というのは、事務費がかかるということがございまして、結果的に、前回のエコポイントで事務費が一件当たりたしか七百円ですか、かかったと記憶をしております。

 そうしますと、例えばLEDの電球一つ買って、ではエコポイントということになりますと、これはなかなか費用対効果の関係で難しいのかなと。ただ、ある程度まとまったものについて、ある程度金額的に値の張るものについて、しかも節電効果の大きいものについては、これは費用対効果の面からいってもそれなりの効果が上がるのではないだろうかというふうに思っております。

 これは今、検討課題で、いろいろなところから、政府の中でいろいろなメリット、デメリット、デメリットというのは主に経費がかかるということでございますが、そこを多角的に検討しているところでございます。

 あと、コジェネについては、これは一生懸命やっていかなければいけないと思っております。

高市委員 よろしくお願いいたします。

 最後の質問になりますけれども、先ほど関西電力管内のかなり深刻な状況をお話しいたしました。関西電力の発電電力量比率というのを見ますと、小数点以下を四捨五入したら合計一〇一%になっちゃうんですけれども、おおむね、原子力が四四%、火力が四六%、水力が一〇%、新エネルギー一%、こういう比率なんですね。

 そうしますと、来年の夏の相当深刻な状況に向けて、現実問題として、火力についても、古い火力発電所をさらに動かすといったら二、三年かかると聞いておりますし、あと揚水の高水位運転も、もうやっちゃっている。それから、自家発電からの受電についても、もうほとんどの自家発電事業者と交渉しちゃった上での数字だと。要は、電力供給力の増強の伸び代がほとんどない状況にあるんですね。

 例えば、関西電力管内に限定してということで伺うんですけれども、来年の春夏に向けて、具体的にどのような電源構成比で電力供給力を確保できると考えておられるのかということ。それから、総理が浜岡原発をとめるときに、中部電力管内の電力需給バランスに大きな支障が生じないように、政府としても最大限の対策を講じてまいりますとおっしゃったんですよ。

田中委員長 高市さん、時間が来ておりますので。

高市委員 済みません。

 これも、具体的にどのような最大限の対策を行われたのか。

 以上、簡潔にお願いいたします。

海江田国務大臣 まず、後ろの浜岡のお話から、ちょっと時間が限られていますので手短にお話をいたします。

 やはり浜岡の場合、中部電力で、今お話のありました関西電力はまさに四四%原子力依存でございますが、中部電力は原子力の依存度が一三%ぐらいだったということで、当然のことながら、それにかわるエネルギー、これは当面化石エネルギーということになりますが、それを調達するに当たっていろいろな形で政府も後押しをしましょうというようなこと。それから、各種のやはり新規の資金の需要も必要になってまいりますから、そういうときの後押しもいたしましょうというようなことを念頭に置きまして、私もいささかそうしたお手伝いをしたつもりでございます。

 関西電力でございますが、まさに原子力の依存度が四四%ということに代表されますように、大変厳しい状況でございます。それから火力も、委員まさにおっしゃったとおりに、なかなかこれは、古くなっていたものを急遽立ち上げたものもございますように、安定性ということでいうと、やはりこれもおぼつかないところがございます。

 ですから、来年の春になりますと、これは今のまま定期検査に入っているものが再稼働しないということになりますと、まさに、これは関西だけじゃありませんが、とりわけ関西電力の管内でございますが、大変な状況になりますので、それはやはり安全性をしっかりと確認させた上で、そして地元の皆さんの御理解をいただいた上で、再稼働できる原子力の発電所は再稼働していきたい、こう考えております。

高市委員 どうもありがとうございました。

田中委員長 次に、佐藤茂樹君。

佐藤(茂)委員 公明党の佐藤茂樹でございます。

 質問に入ります前に、先ほど理事会でも問題にしたんですけれども、けさの毎日新聞の四面にこのような記事がございました。「民主党の斎藤勁国対委員長代理は二日の党国対会合後「(修正協議が)まとまる、まとまらないにかかわらず、五日に(衆院経済産業)委員会で採決する」との考えを記者団に説明した。」と。

 これが事実なら、本当に許しがたい発言でありまして、当委員会のメンバーを全く愚弄する、そういう発言であって、この委員会は今まで、与党の皆さんも、また我々野党も、本当に時間をかけて、初めて導入するこの再生可能エネルギー法案を本当にいいものにしよう、そういう前向きな質問を、また大臣もそういう意味からの建設的な答弁をしていただいた、私はそのように認識しております。

 それにもかかわらず、これからいよいよ修正協議が始まっていこうかというときに、まとまる、まとまらないにかかわらず、委員会で五日に採決するなどという、こういう本当に現場を無視した、全く愚弄した、おまえら、もう勝手に、どうでもいいんだ、日程を決めたらそこで強行採決するんだというような、そういう発言というのは全く許しがたい。

 委員長、ぜひこれはもう厳重に抗議していただきたいし、国対委員長代理の言われたような強行採決は全くしないんだ、そういうことをぜひお約束していただきたいと思いますが、まず、答弁を求めたい。

田中委員長 今、佐藤委員から御指摘の件については、厳重に国対の方に注意をさせていただき、厳に慎むようにしておきたいと思っております。

佐藤(茂)委員 ぜひその結果を理事会等でもしっかりと、どうなったのかということについては結果を御報告いただきたいと思います。

 そこで、質問に入らせていただきたいと思うんです。

 海江田大臣、月曜日、火曜日と、私も参議院の復興特で一緒に答弁席に座らせていただきましたけれども、きょうは質問をさせていただくんですが、きょう、この経済産業委員会も今週は初めて行われるということでありまして、先週来少し気にかかることで、本題の再生可能エネルギーの法案に入ります前に若干大臣の見解を伺っておきたいのは、先週の七月二十九日の金曜日に、経済産業省原子力安全・保安院が電力各社に国主催の原発シンポジウムでいわゆるやらせ質問を依頼していた疑いが新たに発覚いたしました。原発を監督したり規制したりする、そういう機関が推進の立場から業界に工作を働きかけていたとするならば、言語道断ですし、原子力行政の信頼を大きく傷つける行為だと私は言わざるを得ないと思うんですね。

 海江田大臣は、すぐ直後に、緊急に記者会見されて、弁護士などでつくる第三者委員会を今週にも設置して、八月中をめどに調査を終える方針を表明したと報道されておりますけれども、改めて、初めての経済産業委員会でございますので、このやらせ質問疑惑について、どのように受けとめて、また、どういう調査をして、どういう対応と再発防止策を打たれる考えなのか、大臣の所見を伺っておきたいと思います。

海江田国務大臣 佐藤委員にお答えをいたします。

 確かに先週の末に、これは最初のきっかけというのは、もう御案内だろうと思いますが、九州電力のいわゆるやらせ事件でございますので、過去にさかのぼって、そうしたやらせがなかったかどうか、働きかけですね、これがなかったかどうか、全部の電力会社について調べてくださいということを言いまして、全国調べた結果、今御指摘のようなケースが、保安院に関係してまいりますのは二件でございますが、中部電力と四国電力ということで、それぞれ二〇〇七年と二〇〇六年だったと記憶をしておりますが、二件あったということでございます。

 これが報道のとおりであれば、まさにこれから調べるわけでございますが、規制当局が事業者に対してそういう依頼を行ったということであれば、これは本当に許しがたいことでありますので、まず、そういうことが事実かどうかということで、新聞の紙上には一部そういう働きかけをやった方の名前も出ておりますが、今私が経産省の中で手当てを講じておりますのは、一つは、まず資料を、これは保安院が、これまでの資料をすべて官房の方に集めてくださいということでありまして、やはりこの資料というものの保全はまずとらなければいけないことでございますので、資料の保全を行ったということ。

 それからもう一つは、経産省の中で聞き取りをするのはどうかという意見もございましたけれども、それをやりますと、かえって何かまた口裏合わせというようなことにもとられかねません。もちろんそんなことがあってはいけないわけでありますが、ですから、その意味では第三者の方々、法律の専門家が中心になりまして、名前ももう大体上がってきておりますが、きのう、きょうとずっと国会で答弁をしなきゃいけない立場でございましたので、最終的なゴーサインはまだ私は出しておりませんが、できたらきょうじゅうにでも、きょうかあしたになりますか、ゴーサインを出して、その第三者委員会の方に、厳正にこれは調べて事実を明らかにしていただきたい、こう考えております。

佐藤(茂)委員 本当にこの問題というのは、原子力行政に対する国民の信頼を根底から覆すような、そういう大きな問題になっていくことは間違いないと私は思っているんですね。

 ぜひ、やはり身内に優しいとかそういう気持ちは全部排して、本当に徹底的にうみを出すつもりで、第三者委員会に全面的に権限を与えて、調査権限も与えて、事実関係はどうだったのか、そしてそれに基づいて厳正な処罰を大臣としてきちっとやる、そういう心構えを見せていただきたいと思うんですけれども、簡単で結構ですので、そういう思いがあるのかどうか、御答弁いただきたいと思います。

海江田国務大臣 うみを出し切りたいと思っております。

佐藤(茂)委員 その報道にも関連してですけれども、けさの朝刊の二紙、具体的には朝日新聞と日本経済新聞に、この問題にも関連してでしょうけれども、政府が検討している原子力行政組織の再編案というのが報道されております。朝日は、見出しで「環境省に原発規制庁 菅政権検討 保安院・安全委統合」、安全委員会ですね、原子力安全委員会統合と。日本経済新聞は、「環境省に「原子力安全庁」 政府検討 保安院・安全委を統合」と、同様の内容の記事が載っております。

 それは要するに、経済産業省にある、今回問題になりました原子力安全・保安院を経済産業省から切り離して、そして内閣府の原子力安全委員会と合わせて、環境省に移行させて、原子力規制行政を担う庁を新設する方向で近く公表するんだ、そういう内容の趣旨が両紙に出ていたわけでございます。

 海江田大臣にぜひお伺いしたいのは、これはどうも、内容を最後まで読んでいくと、細野大臣が何か任されて試案を公表するというような内容になっているんですけれども、海江田大臣は、この原子力行政の見直し案、再編案、御存じだったんでしょうか。あるいはまた、このような組織の再編案について、今所管されている大臣としてどのように受けとめておられるのか、大臣の見解を伺いたいと思います。

海江田国務大臣 私は、かなり早い段階から当委員会でも、保安院は経産省から切り離しをすべきだということを言ってまいりました。

 それから、私が出かけましたIAEAの会議でも、これはIAEAがもう三年、四年ぐらい前に指摘をした事項でありますので、IAEAの加盟の皆様方にも、これから規制当局つまり保安院を経産省から切り離すということは申し上げてきましたので、その意味では、保安院を経済産業省から切り離して、そして新たなしっかりとした規制の組織をつくらなければいけないということについては全くそのとおりでありまして、そして今、経産省の中でも議論をしております。

 それから、新たに今度細野さんが原子力の事故の対応の大臣にもなりましたので、その意味では細野さんとも意見の交換はやっております。ただ、まだその方向性といいますか、青写真というような書き方がございますが、その青写真の発表というのはもう少し時間がかかるのではないだろうか、こういう認識でおります。

佐藤(茂)委員 新聞報道では、例えば日本経済新聞には「五日に試案として公表する。」と。ここまで実は日本経済新聞は断言しているんですよ。だから、もう少し時間がかかるというような今の海江田大臣の御答弁とはちょっとずれがあるんじゃないのかな、そのように思うんです。

 要は、経産省として、こういう再編の議論にきちっと大臣として加わらせてもらっているのか、それとも全く除外されているのか、そこはどうなんですか、大臣。御答弁いただきたいと思います。

海江田国務大臣 これは私どももしっかりとやらなければいけないことだというふうに考えておりますから、何か私が、保安院をいつまでも経産省の中にとどめておきたいということでは全くありませんので、百八十度違いますので。

 ただ、やはり私は、この新しくできる組織が本当にしっかりとした機能を果たせる、そこに行く人たちも本当に、よし、改めてやるぞ、しっかりとした規制当局となって原子力の安全確保のために頑張るぞ、こういう士気を持っていっていただかなければならないと思いますから、そういう意味では、保安院のみんな、頑張ってくれということは言っております。ただ、切り離すということについては全く異存がありませんので、これは先ほどもお話をしましたけれども、細野大臣ともこれまでにも協議をしてきたところでございます。

佐藤(茂)委員 大臣も言われましたところで私も全く同じなのは、もともと原発を規制する原子力安全・保安院と原発を推進する資源エネルギー庁が同居していて、要するにアクセルとブレーキが一緒の省内にあるというこのこと自体、やはり当然、本来もっと前に、この事故が起きる前に検討されるべきことだったんだと思うんですけれども、この事故をきっかけに、そこは切り離すべきだと私も思います。

 ただ、それが本当に環境省でいいのかどうかも含めて、ここはやはりしっかりと議論をされるべきだ、そこでは大いに経済産業大臣としての見解もしっかりと主張してもらいたいな、そのことだけお訴えをしておきたいと思います。

 それで、本題の再生可能エネルギーに入りたいと思うんですが、私は、本当にこの再生可能エネルギー、冒頭申し上げましたように、この議論が非常に大事だと思っているんです。

 それは、スペインのエルナンデス・エネルギー長官が我々に、委員長以下我々が行きましたときに言われたのは、この制度は最初の一歩をどう踏み出すかが重要であり、それが制度の将来にもかかわってくるだろうと。我々がおった最初の話の一言目がそれだったんですね。要するに、話のもとでそういうように強調された。まさに、スペインもいろいろ苦労して今再生可能エネルギーを推進しているんですけれども、そういう経験を踏まえた大事な発言だと私は思っているんです。ですから、最初の一歩を踏み出すのにふさわしい、やはりそういう日本の制度にしてから導入することが非常に大事である、そういう観点で申し上げたいと私は思うんです。

 それで、ドイツに行きましたときにはどう言われたかというと、大事なことは、フィード・イン・タリフ、FITの価格をどう設定するかだ、これがやはり一にも二にも大事なんだ、そういうことを複数の人が言われておりました。ですから、買い取り価格、買い取り期間の設定のあり方というものをやはりきちっと最初に議論しておかないと、後々大変なことになる。ほかにもいろいろあります。五つから六つ、きちっと議論し、修正しなきゃいけないポイントが私はあると思っているんですけれども、しかし、一番大事なのはこの買い取り価格と買い取り期間の設定のあり方ですね。

 まず、基本的なことでお聞きしますが、この法律案では、調達価格及び調達期間ということで、第三条に条文で規定されております。条文を読んでいただくよりも、ここで書いてあることは、要は調達価格を、まず、調達価格の設定については、今の閣法、政府案ではどのようにして行われるのか、簡単に御答弁いただきたいと思います。

中山大臣政務官 スペインの例を出してお話しになりましたけれども、買い取り価格が高ければ、それだけインセンティブが引けるわけです。しかし、本当に客観的にこれが効率よく動いたと前提をとって、それで費用というのはどのくらいかかるか、この部分は非常に透明性が必要で、パブリックコメントなんかも必要だというふうに思うんですね。

 それと同時に、一年に一回ぐらい、やはり初めのうちは見直しをしなければいけないんじゃないか。これは、特にここには国会が関与するということは書いてありませんが、当然こういう委員会で毎年議論をする、こういう前提が必要なんじゃないでしょうか。

佐藤(茂)委員 いや、だから、政務官はちょっと私の次の質問にもう勝手に答弁された。

 要は、第三条に書かれている、今の閣法で言うこの価格の決め方というのは、調達価格になっていますが一般的には買い取り価格ですわ、これはどうなっているんですかということを簡潔に御答弁いただきたい、そういう質問です。

中山大臣政務官 効率よく動いたという前提で、どのくらい費用がかかるかということがまず大事なんです。ここは、はっきり、いつも、明確に、だれでもわかる透明性が必要だということを申し上げているわけでございまして、この金額を間違えるとスペインのようになる可能性もある。先生方の視察によって、スペインの実態もよくわかりました。そういうことのないように、しっかりやっていきたいと思っております。

佐藤(茂)委員 だから、そういう外の、周りの話はいいんですよ。

 第三条でいろいろ、これははっきり言うたら、八項まで条文はあるけれども、それをまとめて言ったら、この政府案ではどういう価格の決め方をされるんですか。どういう仕組みで価格を決めるんですか。そのことをまず、基本的なことですから、ここからスタートしたいので、そのことを答弁いただいたら結構なんです。そのことについて、ずばっとお答えください。

海江田国務大臣 先ほど中山政務官も答弁申し上げましたけれども、電気の供給が効率的に行われるという前提を置いておりますけれども、その場合の必要な費用などの客観的なデータを基礎としてまず集めます。そして、これを、エネルギーの審議会でございますが、ここで議論いただくわけでございます。その際、調達価格等の妥当性についてパブリックコメントも必ずやるということを予定しておりまして、そしてこの審議会の意見をいただいて、私どもの方で、経産大臣の名前で、それに対して、こういう価格でございますよということを言わせていただく。

 やはり、審議会が絡むということ、それからパブリックコメントということ、これが大変大きなポイントになろうかと思います。

佐藤(茂)委員 ようやく欲しい答弁をいただきました。

 要は、今はそういう形で政府内で、五項にもありますが、総合資源エネルギー調査会の意見を聞いた上で経済産業大臣がお決めになる。そのときに、ここの条文には書いていないけれども、今海江田大臣が言われた、パブコメもしっかりとやりますよ、そういう形でやるんですね。

 ただ、問題は、私どもはヨーロッパに学ばせていただいて、やはり、ヨーロッパの再生可能エネルギーの歴史というのはいいことも悪いこともあったんでしょうけれども、それを経て、今うまくいっている国のことはしっかりと我々は経験知として学ばないといけないんだろう、そのように思うんです。

 そこで、先週もある参考人が言われていましたけれども、ドイツのことを大分強調されておりましたが、ドイツでは、再生可能エネルギー法に買い取り価格を明記しております。要は、国会の関与のもとで買い取り価格を決定しているというのが今のドイツの、ずっと歩んできた歴史でこういう形にしているわけですね。

 私どもが行きましたときに、日本の電事連に当たるドイツの、ミュラー事務総長という方が、女性の方ですけれども、この方は、政府の官房副長官まで経験された上で、今その事務総長というのをされているんです。この人が我々に言ったのは、再生可能エネルギーの推進には社会的コンセンサスを醸成しなければいけないんだ、そのためには議会の役割は極めて重要だ、そういうように強調されていたことが私は印象に残っているんです。

 だから、後進国の日本も、やはりそういう二十年の歴史がある先進国の経験知を学んで生かすべきだと私は思うんですけれども、本法案では、この閣法では、先ほどありましたように、買い取り価格の設定に国会の関与、関与というてもいろいろあります、法の中にぴちっと定めて、法律の最初のときに国会の決議をするというやり方もあるし、また、価格を決めたときに、国会の事前かあるいは事後の承認をしっかりと得る、そういう国会承認という形もあります。さらに、その違う段階では、例えば国会報告ということもあります。いずれにしろ、今回の政府案には全く、そういう国会の関与というものがこの法案の原案には全く入れられておりません。

 なぜ国会の関与というものを入れなかったのか、理由を明確に述べていただきたいと思います。

海江田国務大臣 佐藤委員御指摘のように、確かに今回の買い取り価格というのは、国会の関与、広義の意味での関与というものは法律のところには書いてございません。

 今、私からお話をしたようなプロセスを経て決まることになるわけでございますが、これは、税法などは、もちろん言うまでもありませんが、法律そのものに税率を書くということでございますが、これは一番厳しいやり方かなというふうに思います。こちらのこの法律案では、買い取り価格、それから、イコールではございませんけれども、これは当然サーチャージという形になって国民の負担になってこようかと思います。ですから、私は、前回も佐藤委員に御議論いただきましたけれども、佐藤委員のお話を聞いていて、まさに、単に事業者が買い取るだけじゃなくて、国民の負担につながってくることだから国会の何らかの形の関与が必要なんじゃないだろうか、そういう趣旨だというふうに受けとめております。

 その上で、確かにスタートが大事なんですが、私どもとしましては、やはり今度の買い取り価格自体、これは毎年度、毎年変わっていく可能性がありますよと。もちろん、最初の金額でよければ、それがずっとそのままでもいいわけでございますが、先ほどの答弁の中で抜け落ちておりましたけれども、毎年度、これは当該年度の開始前に買い取り価格というものを決めるよということでございますから、これはある程度変わることを予見しているといいますか、そういう規定だろうというふうに私は考えております。

 変わることを予見しているということは、どうして変わることを予見しているのかなというふうに私なりに考えてみますと、これは制度のまさに立ち上げの時期でございますから、やはりトライ・アンド・エラーもあろうかなと。佐藤委員も見てこられたスペインの例あるいはドイツの例、日本よりはるかに先を行っている国々でありますが、そこもやはりこの買い取り価格のところはいろいろな問題がございますというふうに私は聞いております。

 そういうことも踏まえて考えますと、やはりここは、最初の数年と申しますか、特に立ち上げの時期というのは余り固定的に決めませんで、少し柔軟にやらせていただきたいということが、こうした毎年毎年見直しをしますよということの背景にあったんじゃないだろうか。毎年毎年の見直しですから、その場合は、余り法律そのものに幾らでということを書き込むのは適さないのではないだろうか。こういう流れで、御提案している中身になったということでございます。

佐藤(茂)委員 今、大臣もお認めになりましたように、先週も参考人が、特に学者の先生、有識者の先生お二人が言われていたのは、買い取りに要した費用がサーチャージとして電気料金に上乗せされる以上、これは税的な側面、租税的要素というのを持つんだということを、四人のうち二人の参考人が言われておりました。

 だから、このことを考えたときに、そういう租税的要素を持つものを、一応調査会の意見は聞いたとはいえ、役所の中に白紙委任する、こういうあり方自体、やはり根本的に考え直さなければいけないんだろう、私はそのように思うんですね。

 だから、本当に審議会の意見を聞いただけの決定で、あとは一応パブコメという手続を経ただけで、それで、なおかつ変わる頻度も多いからそのまま役所に決めさせてくださいという、それだけの素通りということで果たしていいのかと。そういうように一年ごとに変更したとしても、やはり国民の代表たる国会に例えば少なくとも報告するとか、そういう手続というのは当然経ていって、それで国民的コンセンサスを、特に、最初のうち変化させる可能性があるのなら、その変化をさせたことについてもやはり国民の理解を得るということをしっかりやっていく、そういう手続というものを考える必要があるのではないかと私は思うんですけれども、大臣はどのように考えられますか。

海江田国務大臣 私どもは、先ほどもお答え申し上げましたけれども、最終的には経産大臣が決める。しかし、その前に審議会を入れて、そしてそこで情報はすべて明らかにしていく。当然、審議会も公開になろうかと思います。それから、パブリックコメントも通じるということでありますので、その意味では、そこでいろいろな広範な消費者の皆様方の御意見も聞けることは聞ける、担保されていると思っておりますので、審議会、そして経産大臣が決めるということが、イコール何か透明性を欠くということにはならないかと思います。

 最大限の透明性の確保のために努力をしなければいけないということは言うまでもないことでありますが、その上で国会の関与ということをおっしゃっているんだろうと思いますが、そこは、まだこの議論は始まったばかりでございますので、よく議論を積み重ねていく中から、もちろん、私どもだけじゃなくて、与党の委員も先生の意見にはしっかりと耳をそばだてているはずでございますから、そうした中でいい方向が出ればと思っております。

佐藤(茂)委員 それでもう一つは、審議会という形式、今までも、これは別に民主党さんの時代だけじゃなくて我々自公政権のときもそういうやり方をやってきたんですけれども、冒頭申し上げましたように、今、やはり役所に対する信頼というのは残念ながら落ちています。

 原子力安全・保安院だけじゃなくて経済産業省自体が、我々も、それに関係する委員会にいながら、やはり、ああいうやらせの問題なんかを通じて、これは原子力安全・保安院だけじゃなくて経済産業省自体の信頼も揺らいでいる、そういう意識にならないといけないと思うんです。

 その省が選んだ、そういうメンバーで構成された審議会で大事なことを決めていくということについては、我々は、我々というか、省として、やはりそこは本当に謙虚にならないといけないと思うんですね。だから、それを本当に、ただ手続でパブコメをやりましたからそれで決めましたという形で通すんじゃなくて、もう一ランク、国民の代表、あるいはそういう国民的コンセンサスを得るための努力というのはやはり必要ではないのか、そういうことだけはちょっとお訴えをさせていただきます。

 それで、買い取り価格と買い取り期間については、経済産業省令で定める再生可能エネルギー発電設備の区分ごとに定めなければならない、こういうように三条の中に書いてあるんですが、現時点でどのような区分を想定されておられるのか、御答弁いただきたいと思います。

中山大臣政務官 これは、現時点では、住宅等で用いられる太陽光発電設備や小型風力発電設備、これが一つ。二番目が、その他の太陽光発電設備、例えばメガソーラーや工場等に設置されるもの。それから三番目が、上記以外の再生可能エネルギー発電設備です。こういうことになっております。

佐藤(茂)委員 私は、聞きたかったのは、こういうことまで含めて、本来、新たに総合資源エネルギー調査会の意見を聞いて決められるんじゃないのか、そう思っておったんです。しかし、その意見を聞く前からある程度そういう想定が決まっていること自体、はっきり言うと、もう役所が実質そういう価格の設定とか区分とかを決めていて、一応形式として審議会の意見を聞きますという形式になるんじゃないのかな、今御意見を聞いて、そういう懸念をするわけです。

 なぜそういうことまで、ゼロから調査会に聞こうとされないんですか。最初に何でそういう想定をされておるのか、まず御答弁いただきたいと思います。

中山大臣政務官 これから審議会や何かにそういうことを聞いていこうと。

 それと、私どもは、先生方の大変すばらしい修正案が出るやに期待をいたしておりまして、そういうところにもそういうものが盛り込まれているのかなと私は思っておりますので、いろいろ期待をいたしております。

佐藤(茂)委員 ですから、要するに、私が言いたいのは、条文上は「総合資源エネルギー調査会の意見を聴かなければならない。」となっておるんですけれども、枠組みから今ほとんど役所でできておるんですよ。できて、その調査会というのは、ある意味でいったら、形式だけ意見を聞いた、そういう形で通そうというのが、今あえて言ったのは、ちょっとひとつ聞いてみたのはそういうことなんです。大体もう絵柄ができておって、その上で、一応手続的に調査会の意見も聞きましたよ、それでこの制度を進めよう、そういうことはやはりやめなければいけない。私は、それが今までの役所の悪いところだったのであって、そこはゼロからしっかりと議論をしてつくり上げていくんだということをぜひお願いしたいと思うんです。

 それは枝葉の話でいいんですが、ドイツでは、少なくとも、一つはエネルギー種別、二つ目は設備容量別、三つ目は設備稼働年別にきめ細やかな価格設定が行われているんです。日本の買い取り価格の設定は、制度開始時においてどのように定めることを想定されているのか。これは別に想定しているからといって怒りませんから、今の考えをお聞かせ願いたいと思います。

中山大臣政務官 今お話しのように、想定でございますので。

 ドイツでは、まずエネルギーの種別、設備容量別、設置稼働年別にきめ細かな価格設定が行われているが、日本の買い取り価格の設定は制度開始時においてどのように定めることをやっていくのか、こういうことですよね。ですから、今の先生の質問そのものが、ある意味では想定の範囲ということですね。ですから、これから審議会、パブコメ、そういうところでしっかりやっていきたい、このように思っているわけでございます。

佐藤(茂)委員 要するに、ドイツのようにきめ細やかな設定をされるのか、それとも、さっき言われた住宅用と住宅以外、太陽光と太陽光以外、こういう大きな、大ざっぱな分け方で終わるということなのか、そこだけはっきりさせてください。そうじゃなくて、きめ細やかな価格設定を考えますよということなのか。どういうことを想定されるのか、お聞かせいただきたいと思います。

海江田国務大臣 これは前にも少し議論をしたと思うんですが、やはり基本的な考え方は、今回はできるだけ多くの国民にといいますか、電力の使用をされる消費者の方々に広く薄く負担をしてもらおうということ。

 今お話のありましたエネルギー源ごとの価格の設定の仕方、あるいはもう一つ、私はこれまでの議論の中で、なるほど、そういう考え方もあるんだなと思いましたのは、やはり地域別でございます。売る一方で、買う方の負担が少ない、そういう負担とそれから売るアンバランスの問題とか、いろいろな問題がありますが、ここはまずとにかく新しい制度をスタートしてみるということでございますから、その新しい制度をスタートするに当たって、できるだけ多くの方に、私は、これは決して甘いあめ玉ではなしに、むしろ苦い薬だけれども、とにかくこれを飲んでいただいて、そして将来の自然エネルギー、再生可能エネルギーの導入に国民理解をいただこうというその最初の一歩でございますので、基本的には、余り細かな事情というものを勘案しないで価格を決めた。しかし、これまでの制度も引きずっておりますので、そういうところには配慮をしなければいけないという考え方でございます。

佐藤(茂)委員 大臣の思いはわかりましたけれども、それで具体的にもうちょっと聞くと、要するに、ヨーロッパ各国とも、太陽光と風力と水力と地熱とバイオマス、今日本で対象になるこういうものについて、それぞれ価格設定が違うんですね。そういうことを今回の日本の制度でもされようとするのか、いや、そうじゃありません、太陽光だけは非常にコストが、太陽光は高くしますけれども、ほかは十把一からげで一緒の価格設定にしますよ、そういうことなのか、そこはまだ決まっていませんということなのか、簡潔に御答弁いただきたいと思います。

海江田国務大臣 先ほどのより少し詳しくお話をさせていただきます。

 太陽光発電と太陽光発電以外に分けるということは御理解いただけたと思いますが、太陽光発電の買い取り価格については、十キロワット未満の住宅用の設備による電力につきましては、今年度の買い取り価格がキロワットアワー当たり四十二円でありますが、来年度は、これは恐らく、想定でございますが、キロワットアワー当たり三十円台後半に下がるのではないだろうかというふうに想定をしております。

 このことからもわかりますように、やはり太陽光発電の場合は、システムの普及によって価格はだんだん下がっていくということがございますので、そこで、ある程度時間軸をとりながら、住宅用以外の設備については、今言ったような価格の動きを参考にして、それとプラス、事業用の設備としての特殊性、こういうものを勘案して決めよう、考えようということでございます。

 それから、太陽光以外については、大体、標準的な再生可能エネルギー発電設備の新規導入が経済的に立ち行くということ。あともう一つは、国際的な標準というんですか、これも為替の動きによって随分変わってまいりますけれども、ただ、ある程度、やはり国際的な水準も見ながらということで考えておりますので、これはキロワットアワー当たり十五円とか二十円とか、そんなような金額をこれまでに御答弁申し上げたこともあろうかと思います。

佐藤(茂)委員 だから、十円から十五円でいいんですけれども、太陽光以外を全部同じ価格設定にするのか、やはり諸外国のように、微妙にそれぞれ変えているんですね、そういう価格の設定をされるのか、どちらなんですか。

海江田国務大臣 先ほどもお話を申し上げましたが、最初はやはり大きな区分でということでございまして、さっき大体その理由はお話をいたしましたけれども、あともう一つつけ加えるとすると、やはりなるべくサーチャージの負担、消費者の皆様方の負担を小さくしたいという思いがございます。そうなりますと、そこからどうしても、やはり今現在、まだ高いエネルギー源もございますので、だけれども、そういうところもぜひ進めていただかなければいけないわけですから、その意味でいうと、なるべく広く薄くという形になっております。

佐藤(茂)委員 大臣、要するに、太陽光以外は全部同じ価格ですよということなのか、いや、それぞれに価格設定しますということなのか、どっちなのかということだけ答弁いただきたい。

海江田国務大臣 それは、太陽光以外は一律ということでございます。

佐藤(茂)委員 私は、その考えはまたちょっと議論の対象になろうかと思うんですね。その是非についてはまた議論させていただきたいんです。

 それで、もう一つ質問しようと思いましたが、時間でございます。この後、委員会もありますので、続きはまだこれから、先ほども議論は始まったばかりだと大臣がおっしゃいましたので、しっかりと議論させていただくことを約束いたしまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

田中委員長 次に、吉井英勝君。

吉井委員 日本共産党の吉井英勝です。

 再生可能エネルギー固定価格買い取り法案では、電力会社が買い取りに要した費用を電気使用者に請求することができる、こういうことにしているわけですが、電気代に上乗せして徴収される賦課金の上限について、海江田大臣は、〇・五円を上限とするという表明をしておられます。

 公共料金でもある電気料金の際限のない上乗せということになりますと、これは一般家庭にも産業界への影響も大きいわけですから、悪影響を抑制するという観点からのものだろうというふうに思うわけです。

 一方、この上限設定に対して、市民団体などからは、賦課金に上限を設定することは、再生可能エネルギーの買い取り量にも枠をはめることになるのではないかという懸念の声もあります。

 我が党は、再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度については、ちょうど二年前にこの委員会でも、非化石エネルギー法案が提案されたときに、非化石の中から原発は除くこととか、それから、すべての再生可能エネルギーについて買い取りを行うという修正案を提案いたしました。

 これまでもそういう立場で積極的に取り組んでまいりましたが、今回も、やはり再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度の爆発的普及を考えながら、そのことによってコストも引き下げるし、そしてコストを単に電気料金に上乗せしない、そういう方向で、法案をどのようにいいものにしていくかということを考えていかなきゃいけないというふうに考えているものです。

 最初は政府参考人の方に伺っておきますが、再生可能エネルギーの固定価格の買い取り額の想定、初年度、二年後、五年後、十年後、どういうふうになっていくかという年度別の推移と、ピーク時には幾らになるということを想定しているのか、最初に伺います。

安井政府参考人 お答え申し上げます。

 私どもの想定でございますけれども、まず、この買い取り総額、一年目からだんだん増加をしてまいりまして、一番高くなるのは、今抜本的見直しの年度として考えております二〇二〇年度が一番高くなると思ってございまして、その時点で、最大の約四千九百億円程度になろうかと考えてございます。

 そして、各年度、先ほど一年度、二年度、五年度というふうにおっしゃいましたが、これらの総額でございますけれども、一年度、初年度目は施行時期によりまして実はかなりのずれが出ますので、その辺はちょっと御容赦をいただいて、年度当初に投入される、制度が施行されるということと、それから価格の低下についてはかなり大胆な仮定を置いた上での見込みの数字ということで申し上げさせていただきますと、一年目で約千四百億円程度、二年目で約千八百億円程度、五年目ぐらいで大体三千四百億円、最後の年は、今申し上げた四千九百億円程度になろうかと存じます。

 なお、一年目と二年目の数字につきましては、現行の余剰買い取り制度との重複関係がございまして、それを含めた形で今数字を申し上げましたことを申し添えさせていただきます。

吉井委員 そういう重複の問題もある時期があるんですけれども、ピーク時で四千九百億円ですから、これが〇・五円・パー・キロワット時という根拠になっているかと思うんです。

 そもそも賦課金というのは、この額は、十二条二項により、経産大臣が告示する納付金単価として決まるものですね。納付金単価というのは、電気事業者がどれぐらい再生可能エネルギーを買い取るのか、電力販売量がどれだけかを予測して試算した交付金、その額に費用負担調整機関の事務費分を足したものを販売電力量で割ったものとなってくる、こういうふうに理解していいと思うんですが、念のために確認しておきます。

安井政府参考人 お答え申し上げます。

 ただいまおっしゃったとおりでございます。

吉井委員 次に、もう一つ確認しておきたいんですが、電気事業者は、集めた賦課金から消費税分を差し引いて費用負担調整機関に納付する、電気事業者が支払った納付金から費用負担調整機関は事務経費を差し引いて、その残りを電気事業者に交付する交付金の原資とする、こういうお金の流れになってくると思うんですが、これも確認しておきます。

安井政府参考人 年度間におけるタイミングの問題が若干あろうかとは思いますけれども、基本的なお考え方としてはそういうことでございます。

吉井委員 つまり、政府案でも、賦課金イコール納付金イコール交付金というのは、完全にイコールじゃないわけなんですよ。想定しているのは、消費税分や事務経費などで、しかし、三者の間にそう大きな違いがないものとして設計されているものですね。同額であることを求めているものではもともとないわけです。

 だから、逆に言えば、つまり工夫次第で、再生可能エネルギーの爆発的普及を図りながら価格転嫁を抑えるという道も考えていくことはできるのではないか。方法はこの後また触れますが、その考える道というのはあるのではないかと思うんですが、これも政府参考人に伺っておきます。

安井政府参考人 制度設計でございますので、さまざまな考え方はあろうかとは存じますけれども、今、私どもの案の中では、買い取りに要する費用は賦課金を原資として充てさせていただくという考え方になってございます。

吉井委員 次に、資源エネルギー庁の方に伺っておきたいんですが、一九七四年につくられた電源開発促進税というのは、制度ができた当初は〇・〇八五円ですね。最高のときは八三年当時の〇・四四五円・パー・キロワット時。現在、二〇〇七年以降で〇・三七五円・パー・キロワット時ということですが、東京電力の標準世帯で一カ月の電気使用量と電源開発促進税の負担額というのは今幾らになっていますか。

    〔委員長退席、北神委員長代理着席〕

細野政府参考人 お答えを申し上げます。

 税率は、今おっしゃったとおりでございます。

 それで、東京電力、いわゆる標準家庭における負担額でございますけれども、これは大体月額六千五百円か六百円ぐらいでございます。先ほどの単価に、大体標準家庭三百キロワットと考えますと、そのうち電促税によるものは約百十二円程度と計算されます。

吉井委員 これはちょっと電力会社によって若干ばらつきがありますから、今は平均値でおっしゃったので、東京電力ですと、一応負担額は百八円ということになろうかと思います。東京電力の場合は、二百九十キロワット時、一カ月ですね、標準世帯で考えているから、そういうふうになるかと思うんです。

 次に長官に伺っておきたいのは、東京電力の再処理費用の負担金が幾らなのか、高レベル、低レベル放射性廃棄物処理費の負担金が幾らなのか、廃炉解体費の負担分は幾らなのか、これはそれぞれ標準世帯で一カ月幾ら負担していることになっているのか、これを伺います。

細野政府参考人 お答えを申し上げます。

 電力会社ごとに違うというのはおっしゃるとおりでございます。

 恐縮でございますが、九社の平均でちょっと手元の資料をつくってしまいましたので、それでお答えをさせていただきたいと思いますが、月額における負担額ということで試算をさせていただきますと、使用済み燃料の再処理ということで月額六十六円、高レベル放射性廃棄物処分費ということで二十二円、それから、いわゆる廃炉といいますか、原子力発電施設の解体費という名目でございますけれども十九円、単純に足しますと百七円になります。

吉井委員 要するに、九社では、電促税で百十二円負担している上に、原発の場合ですと、再処理から廃炉解体に至るまでの一世帯の、平均世帯ですけれども、負担金というのは、そちらの方では百七円かかっている。これ、合わせますと二百十九円ということになってきますね。それだけ電気料金の中に原発関係のいわば賦課金というべきものが入っているというふうに見ることができると思うんですが、それはそのとおりですね。

細野政府参考人 お答えを申し上げます。

 先ほど申し上げた趣旨では、おっしゃるとおりだと思います。

吉井委員 次に伺っておきたいのは、電源開発促進税を原資とする原発立地地域への交付金の中で、原発関係に使われている金額は幾らになってきますか。

細野政府参考人 お答えを申し上げます。

 ちょっとどういうタームで比較するかによりますけれども、例えば最近三年間の交付金というものが、これも前々回の御議論のときにも申し上げましたけれども、電源立地交付金が大体二兆四千億でございます。そのうち、原発の比率というのは、中の費目を見ますと、過去三年間で大体八一%でございます。したがいまして、その比率を掛けますと、二兆四千億のうち一兆九千三百億円というのが原発の関係の金額でございます。

吉井委員 これは、累積の交付金二兆四千八百億円から、水力発電施設関係、これは大体今、千百八十三億円、四・八%使っていますから、率としては今より少し多くて、九五%が大体原発関連ではないかと思うわけです。

 次に、電源開発促進税から原発立地交付金を除いたものの中で、原発関連に使っている金額というのは幾らになりますか。

細野政府参考人 お答えを申し上げます。

 原発の税収のお話でございますけれども、経済産業省分、それからいわゆる旧科技庁分も含めた文部科学省分もございます。原子力委員会の方で、いわゆる原子力関係予算というのを取りまとめておられます。これを、今おっしゃいましたように、累積額というのを四十九年から単純に足し込みますと、八兆一千三百八十億円というふうになります。

 ただし、原子力委員会の取りまとめの原子力関係費というものの中には、例えば交付金の中に水力とか火力のものもまじった格好で計算をされておりますので、全体として過大に出るという傾向があることは御理解いただきたいと思います。

吉井委員 いずれにしても、非常に大きなものが原発関係には使われてきたわけですが、主たる税金、電源開発促進税という形で、これは実際には総括原価の中に入っていて、電気料金として現在既に私たち国民は徴収されている、これは間違いありませんね。

細野政府参考人 お答えを申し上げます。

 総括原価といいますのは、いわゆる実際のランニングコストというものに、あとは、一定の計算に基づきまして、長期の投資を賄えるようなものを足し込む、それは利潤率と言っておりますけれども、これを加えることによって定めているのが総括原価方式でございます。

 したがいまして、ランニングコストの中にいわゆる税金部分というものは当然入ります。

吉井委員 ですから、電源開発促進税もこの総括原価に入っているんです。電気料金で国民は負担しているわけです。

 先ほどの再処理費の負担その他も、これは東京電力の総括原価表の方に皆書いてありますからね。先ほどの合計額からいきますと、電源開発促進税とあわせて、一キロワット時当たり〇・七三円という負担を既にしている。ですから、今度の買い取りで上限枠〇・五円というよりもかなり多くのもの、大きなものを既に国民は負担しているんだということをやはりきちんと見ておくことが大事じゃないかというふうに思うわけです。

 それで、次に、再生可能エネルギーの爆発的普及ということを考えたときに、爆発的に普及するということは、コストも安くなるわけですよ。そして、原発に頼らなくてもやっていける、そういうエネルギー構成へと転換していくことになっていくわけですが、この再生可能エネルギーの普及のためには、現在総括原価の中に入っている電源開発促進税など、やはりこういう方向に使い道を切りかえていくということが大事じゃないかと思うんですが、伺っておきます。

海江田国務大臣 これは、その意味では、電促税も使い道が既に法律によって決まっているわけでございまして、そして、今エネ庁長官からお話がありましたけれども、そういう形で現に使われているということでございますから、これを一挙に新たなエネルギーを、新エネルギーと申しますか自然エネルギーですね、再生可能なエネルギーを拡大するためにすぐに切りかえるということは、これはなかなかできないことだと考えております。

吉井委員 先ほども言いましたように、一キロワット時当たり、東電でいいますと〇・七五円。つまり、大臣の考えていらっしゃる〇・五円よりももう既にたくさん取っているわけですよ。

 問題は、これらの電促税その他のものについて、年間にすれば電促税で三千五百億円ですから、さっきの安井部長の答弁を聞いておりましても、ピーク時は少し超えますけれども、かなり進んだ段階でも、この電促税だけで見ても同じぐらいの金額でとどまるというときがあるわけです。

 電促税の三分の一は、大体原発立地自治体への交付金で使われております。残りは研究開発などに使われているんですが、電促税というのは原発の立地促進が大きな目的であったわけですね。しかし、福島第一原発事故を受けて、そういう状況でなくなってきたというのは事実であって、この法律の目的は何かといえば、原発、水力、地熱の設置や運転の円滑化等と、「等」が入っているんですね。ですから、これは法目的の「等」というところで再生可能エネルギーを読み込むということをするのか、あるいは、きちんと法目的に再生可能エネルギーというのを入れれば、それは電源開発促進、再生可能エネルギーという新しい電源開発を促進しようというわけですから、きちんとした目的になってまいりますし、さらに目的から原発を外すということも可能になってくると思うんですが、大臣、このことについてはやはり検討を行うということは大事だと思うんですが、検討は必要なんじゃないですか。

    〔北神委員長代理退席、委員長着席〕

海江田国務大臣 これは一つの考え方だろうと思いますが、その〇・七五円というものが、〇・五円、中でおさまるから、全部これはその中で、〇・七五の中でいいじゃないかという議論にはならないと私は思うんですね。むしろ、やはりこの〇・七五円、それぞれに負担していただいております皆様方のお金というのは、先ほどもお話がございました、これは原発の立地地域だけではございませんが、そこを中心に使われていて、そして現にそれがそういう地域の貴重な財源になっているということもございます。そういうことも考えなければいけないということでございます。

 それからもう一つは、今委員が、東京電力の場合の電気料金の中で、そういう形で大体幾らぐらいになるという計算をいただきましたけれども、これは一種の間接税でありますので、なかなか意識が希薄になっているんですね。もちろん、よく見ればそれはわかるわけでありますけれども。私どもは、今回の、新たな再生可能エネルギーをふやそう、そのために皆様方に負担をしていただこうということは、まさに、サーチャージという形で上に乗せることによって、それぞれの方々が直接的に負担感をわかって、だけれども、負担感があるけれども、やはりそれでも再生可能エネルギーをふやしていかなければいけないということを感じていただくということでございます。

 それで、もちろんその負担感というのはできるだけ小さなものにしていかなければいけないということで、いろいろな観点から、いろいろな角度から御議論いただきましたけれども、太陽光以外は全国一律という形でやらせていただいておりますので、委員の御意見、最初のときからずっと同じような主張をされていて、それは確かに一つの御意見であろうというふうに思っておりますが、それによって、今私どもが国会で御審議をお願いしておりますこの法律の中身を今直ちに変えなければいけないということにはならないと思っております。

吉井委員 私、法律をいじくる方の話じゃなくて、まずそれを考えていかなきゃいけないんじゃないか、検討をしていくことが大事じゃないかということをお話ししているんです。

 それで、今おっしゃったんですが、私、自分の電気料金を払っている分を持ってきたんです。実は、太陽光促進付加金だけは、ことしの三月まではゼロだったのが、四月から別枠で入っているんですよ。しかし、総括原価の部分は一切明細がないんです。明細がなくて、ですから、電源開発促進税をこの料金表の中で幾ら支払っているのか、そして廃炉コストで幾ら払っているのか、何にも載っていないんですよ。電気代というのは、総括原価という名のブラックボックスに置かれている。私は、これはやはりきちんとするべきじゃないか。

 東京電力の現行の供給約款というのは二〇〇八年九月に改定されたものですが、この改定では、基本料金、三十アンペアが七百八十円から八百十九円に、従量料金は、一段階目、百二十キロワット時までが十五円二十九銭から十七円八十七銭に、二段階目は、百二十を超え三百キロワットアワーまでが二十円四銭から二十二円八十六銭に、三段階目は、二十一円二十五銭から二十四円十三銭に変更されたんですが、燃料費調整額のもととなる基準燃料価格というのを見てみると、二万七千四百円から四万二千七百円に大幅に引き上げられたわけです。

 電気事業法では、電気料金を引き上げる場合は経産大臣認可の手続を要しているんですね。大臣が認可する際には、公聴会を開いて広く国民の意見を聞くと規定しているんです。基本料金、従量料金、基準燃料価格、いずれも引き上げられたわけですが、この改定をそういう大臣認可の手続で認可したのかどうかを伺っておきたいと思います。

海江田国務大臣 これからの話でありますか、過去の話でありますか。そこのところがちょっと……。

細野政府参考人 お答えを申し上げます。

 今、細かい数字をおっしゃいました。

 いわゆる電気料金の値上げそのものは認可でございます。これは明確でございます。ただ、今おっしゃった中で、最近の個々の項目の変化の中で特に燃料費にかかわるところ、ここはいわゆる燃料費調整制度というのがございまして、全体のコストの各エネルギー別の比率が変わらない範囲であれば、為替とかあるいは輸入価格の上昇については、定期的にこれを反映する仕組みがございます。その範囲内においては自動的に反映をいたしますので、先ほど冒頭に申し上げました認可という手続はとりません。

吉井委員 そうなんですね。ですから、本来、公共料金なんですから、ちゃんと公聴会を開いて、ブラックボックスになっている総括原価の中身を全部明らかにさせて、それが適正かどうか、サーチャージの問題にしても、実際にどのように変動しているのかを明らかにして決めないと、ブラックボックスのままで、届け出のままで済ませるというのは、やはりこれは大きな問題をこれまで持ってきたと思うんです。

 この問題を二〇〇八年十二月三日の経産委員会でも質問したときに、九八年二月の改定料金で認可して以来、ずっと届け出のままですと。ですから、総括原価の中身は国民の前に示されない、メスが入らないという状態が続いてきているんです。

 一方、RPS法による再生可能エネルギー買い取りコストは、これは他社購入電源として、これまでから総括原価に入っていたんです。実際には示されていないんですが、要するに入っていたんですよ。発電コストとして電気代から徴収されてきたわけです。

 新法による買い取りコストは、総括原価に入らないで、外出しなんですね。新法による買い取りコストを、総括原価に入っている原発関連の税とか負担金の組みかえなどで、例えば電源開発促進税にしても、立地交付金を渡すところで、再生可能エネルギーを爆発的に普及する事業だったら使えるようにするとか、そういうふうにすれば、その地域のエネルギーの原発依存からの転換にしても、地域経済そのものが原発依存の構造に随分なってしまっておりますから、その転換で新しい地域経済を起こすということにつながってくるわけですね。

 ですから、私はこの機会に、この法と直接結びつけて言うわけじゃありませんけれども、総括原価そのものをやはり見直さなければならないじゃないか、このことを大臣に伺っておきたいと思います。

海江田国務大臣 先ほど委員から、その二十年間、その意味ではブラックボックスの中であったというお話がありましたが、やはりこれは基本的に電気料金が下がっていったからということでありますので、下がる場合はこれは届け出制ということ。ただ、このブラックボックスの中がもっと明らかになっておれば、これはその下がり方というのはもっと大幅であったのではないだろうかという思いはございます。

 今度は、種々の事情を考えて、そして、もちろん上がり方というのは最大限抑えなければいけないことはもう言うまでもないことでありますが、しかし、電気料金が上がるという場合は、これは本当にまさに、先ほどお話のありましたブラックボックスの中をしっかりとあけて、光を当てて、そして本当に無駄がないのかということを、やはりこれは経産大臣の責任として明らかにしなければならないと思っております。

吉井委員 総括原価に直接かかわらないようであっても、この中の電源開発促進税の振り分け方とか、そこを工夫することによって、実はこの法律にかかわってもくるんです。要するに、再生可能エネルギーの固定価格買い取り分を一般の電気利用者に転嫁しなくてもやっていける道というものを考えていくことができるわけですから、今そういうことに力を尽くすべきだ、このことを申し上げまして、質問を終わりたいと思います。

田中委員長 以上で吉井君の質問は終了いたしました。

 次に、山内康一君。

山内委員 みんなの党の山内康一です。

 海江田大臣にお尋ねをします。

 この再生可能エネルギーの推進に当たっては、私は、環境省との連携、あるいは環境省の関与のあり方というのは非常に重要ではないかと思っております。経産省だけで再生可能エネルギー政策を推進すると、どうしても経済の観点ばかりが先に立ってしまうおそれがあるんじゃないかと思います。あるいは、今回の原発事故のように、経産省だけでやっているとどうしてもチェックが甘くなってしまう、原子力村という言葉がありますが、そういうなれ合いになってしまうおそれもあるかと思います。そういった意味では、環境省をうまく再生可能エネルギー政策に組み込んでいくことが必要だと思います。

 きょうはあえて環境省は呼んでいませんけれども、大臣として、どういう形で環境省と経産省がうまく連携をし、あるいは調整していく仕組みがつくれるとお考えでしょうか。

海江田国務大臣 先ほども、答弁席に近藤環境副大臣が座って、そして委員からの質問に答弁をしておりました。そのことに象徴されるように、やはりこの問題というのは、まさに委員御指摘のように、環境省との連携が大変必要だと思っております。

 具体的にお話をしますと、買い取り価格や買い取り期間は告示で定めますから、その告示を定める際でありますとか、あるいは、バイオマス発電の認定に関する基準を策定する必要もあろうかと思いますから、そうしたバイオマス発電の認定に関する基準を策定する際に、あらかじめ経産省から環境省に連絡調整ということが必要になってこようかと思います。

 それからまた、この法案が成立をいたしまして、そして、やはり国民の皆様に、片方で負担をお願いする、あるいは省エネに対する努力をお願いする、あるいは再生可能エネルギーの利用に関してお願いをするというような、周知徹底、PR活動というのも必要かと思いますから、これも環境省と連携をしてやっていきたい、そのように考えております。

山内委員 ぜひ、組織づくり、制度づくりの早い時期から環境省と連携をとって、いい制度をつくっていただきたいと思います。

 次に、いわゆる埋蔵電力について質問させていただきます。

 一時期、菅総理も埋蔵電力に興味を持たれた時期がありましたが、その後、経産省の調査によると、思ったほど多くないという意見もあれば、まだ多少あるんじゃないかとか、いろいろな意見がありますが、その後どういう状況になっておりますでしょうか。仮に、多い少ないは別として、埋蔵電力と言われるものがあるんだったら、それをもっと活用しやすい、フル活用できる体制をつくるべきだと思いますが、経産省の対応についてお尋ねします。

海江田国務大臣 いわゆる埋蔵電力でございますけれども、まず、私ども、電気事業法に基づいて届け出されております出力一千キロワット以上の自家発電の設備容量は、全国で約五千四百万キロワットございます。

 実は、今回、そうした埋蔵電力がどのくらいあるのかという議論がありましたので、今お話をしたような条件で、事業者がおよそ三千百余りございますので、これに全部アンケート調査、聞き取り調査を行いました。これは七月でございます。きのう、その作業に携わった人間から直接話を聞きました。大変な作業でありましたけれども、ほとんど徹夜に近い作業をやったということでございますが、この三千百余りの事業者に対してしっかりと調査を行ったということでございます。

 設備容量ベースで八九%の回答がございました。残念ながら一一%は回答がなかったわけでございますが、それらに対して最大限回答を得られるような努力をしたということでございまして、その回答の中で、余剰があり電気事業者に売電が可能であるとする回答は、合計で百十四万キロワットでございました。これで回答率が八九%ですから、一〇〇%にしますと百二十八万キロワットが売電可能と推計をしたわけでございます。

 この百二十八万キロワットという数字を聞きますと、皆様方の中には、六月の時点で百六十二万キロワットという数字も発表しておりますので、減ったんじゃないか、こういうふうにお考えの方がいらっしゃるかと思います。確かに六月の時点では百六十二万キロワットでございましたけれども、やはり今、電力の供給が大変逼迫をしておりますので、このうち、実際にもう既に売却をしてしまった、あるいは、やはり夏に入りましたので自家消費というものも行ったということでございますので、その意味では減っていて構わないわけでございます。

 ちなみに、売電済みのものと今後売電可能なものの合計は、六月調査時点で四百十九万キロワットでございましたが、今回は四百五十二万キロワットでございますから、その意味では、こちらの方がまさに埋蔵していたものを掘り出した、こういうふうにお考えいただければいいのではないだろうかと思います。

山内委員 四百五十二万キロワット、これも決して小さな数字ではないと思いますね。これをいかにして活用して表に出せるか、ぜひ具体的な施策を、せっかくあるものはうまく活用できるように、ぜひ表に出すための方策を考えていただきたいと思います。

 次の質問に移ります。

 電力料金の決め方ですけれども、総括原価方式ということで、いろいろな指摘、批判もあるわけですけれども、総括原価方式によってコスト意識が薄くなってしまっているという批判もあります。

 ずっとやってきた制度ですけれども、これにかわる電力料金の設定の方法を考えるべき時期に来ているんじゃないかと思いますが、そういった検討は省内でこれまでされたことはあるんでしょうか、あるいは、幾つか代替案とかあるんでしょうか、お尋ねします。

細野政府参考人 お答えを申し上げます。

 総括原価方式につきましては先ほど吉井委員の質問にもございましたので、重複は省かせていただきますけれども、ランニングコストにしかるべき利潤を加えて料金を設定する、これが総括原価方式でございます。

 先ほど来の議論に即して申し上げますと、値上げの際には、しっかりとした認可をするということで、厳格な査定をすることになっておりますけれども、やはり、なるべく競争の要素がふえた方がいいだろう、あるいは間接的な、他の電力会社のビヘービアも倣ってもらった方がいいということで、これまでも、平成八年に、俗称ヤードスティック方式といいますけれども、言ってみれば電力事業におけるトップランナー方式みたいなものを入れて、それにかなうものとかなわないものでは差をつけて査定をしてきているところでございます。

 それから、御案内のように、いわゆる電力料金の自由化というのはこれまで何回も行われてきておりまして、その成果はしかるべく出てきていると思います。一番最近の議論、これは、累次いろいろな議論をしております。かなり自由化が進んできたということで、今、五十キロワット以下の家庭部門を中心としたところが自由化の対象になっていないわけでございますけれども、そこを自由化するかどうかという話もいたしました。一番最近は、二十年度にそういう議論をいたしました。

 その際には、需要家にとってどれだけ選択肢が開放されているかということで、本当にそれを自由化したときに家庭部門にとってメリットがあるだろうかというようなことも議論いたしました。いろいろほかにも議論がございましたけれども、その段階では、ここまで自由化の範囲を広げる必要はないだろうという結論でございます。

 ただ、今、先生御案内のとおり、いろいろな要素が電力システムあるいは電力料金に絡む話としては出てきております。したがいまして、エネルギー・環境会議等においてもいろいろ指摘がなされておりますけれども、今後、電力料金システム全体の議論をこれからする中で、さまざまな要素は加味した上で議論を引き続きやっていきたいと思っております。

山内委員 引き続きやっていくということですが、我々みんなの党は基本的には自由化の方向なんですけれども、なるべく透明度の高い料金の決め方をぜひ早目に、よりよい方向に変えていっていただきたいと思います。

 続きまして、送電の託送料金についてお伺いします。

 特定規模電気事業者、PPSのような発電業者をふやしていくためには、送電コストを引き下げていくということが必要になってくると思います。電気の託送料金が非常に高いということが指摘されております。少なくともPPSの業者から見ると高いという意見があります。

 託送料金がなぜ高いのか。あるいは、高くないとおっしゃるのであれば、その積算根拠をもっと透明度を高くして、納得してもらえるものにしていかなくてはいけないと思いますが、託送料金の高いという指摘について、政府の御見解をお聞きします。

細野政府参考人 お答えを申し上げます。

 託送料金は、当然これは料金規制の対象でございますので、今回の法案で脚光を浴びておりますいわゆる新規参入者がネットワークを使った場合に、ネットワークを供給している電力会社と不公平があってはいけないということで、これについては、料金の設定に当たっては公平な扱いにしてございます。

 それから、中身でございますけれども、これは省令が定まっておりまして、ネットワークにかかわるものとネットワーク以外の部分、つまり営業部門とか発電部門、こういったものは項目別に中身の費用を全部示しております、開示しております。それをごらんいただくと、大体の感じがわかると思います。

 それで、御指摘の、託送料金が新規の参入者にとって、PPSの方々にとって高いんじゃないか、こういう議論は我々の耳にも入ってきております。もう釈迦に説法みたいなところがありますけれども、電気は発電量と需要量が同時同量でなくちゃいけないということでございますので、これは当然のことながら、新規参入をする方にも守っていただかなくちゃいけないルールでございます。

 仮に、PPSなんかで参入をされる方の自分の発電所がトラブったりなんかする場合に、その場合には不足が生じますので、その不足分はネットワークを提供している電力会社が補てんをするというか、かわりに供給するということになりますので、その際に適用される料金、これは俗にインバランス料金というような名前がついているようでございますが、こういうものがございまして、新規の参入者の立場から見て、これがやはりちょっと高いなというふうな声になってくるんだろうと思います。

 こういう声は承知をしておりますので、今後、多様な事業者ができるだけたくさん参入をしていただいて、全体のネットワーク利用の中の公平性をどうやって担保していくか、どうやったらうまく公平であるとともに下がっていくかということを議論する中で考えていきたいと思っております。

山内委員 続きまして、消費電力の見える化について。

 家庭の消費者なんかが、電気を自分の家でどれぐらいつくっているんだろうということが、よく、リアルタイムでわかれば、節電しようという気にもなるかもしれませんし、ちょっと使い過ぎているなと思ったらコンセントを抜こうとか、そういうインセンティブになると思うんですね。

 消費電力を見えるようにすることを電力会社に義務づける、ルールとしてやらせる、そういったことが必要ではないかと思いますが、政府の御見解をお尋ねします。

細野政府参考人 お答えを申し上げます。

 節電をお願いしているような状況のもとで、需要者がみずからの消費量がわかる、見える化を図るということは非常に重要な観点でございまして、御指摘のように、スマートメーターなんかを活用していくというのは、ピークカットにしましてもピークシフトにしましても、非常に大きな手段になると思います。

 それで、こういう効用といいますか位置づけについては、かなり広くその認識が共有されていると思います。先般のエネルギー・環境会議で取りまとめました当面の需給安定化対策の中でもこの点は特に言及がなされておりまして、これまで導入の目標があったわけでございますが、これを相当前倒ししようということで、はっきり書いてございます。

 これを義務づけをするか、あるいはいろいろな支援策等々でやるか、これはいろいろ方法論の問題だろうと思います。全体として前倒しをし、見える化を図るという方向性についてはコンセンサスがあると思いますので、そのスピードと程度につきましていろいろ議論をさせていただきまして、その中で制度的な対応がどうしても必要だということであれば、それは一つの選択肢として認識をしております。

山内委員 スマートメーター、結構お値段が高いというふうに聞きますので、普及していけば数がふえてコストも下がるかもしれませんので、なるべく早く多くのスマートメーターを普及できるような方法を、できれば我々は義務化がいいと思いますが、どんな形であれ、普及する方法をぜひ早目に考えていただきたいと思います。

 続きまして、送電と発電の分離について。

 これまでこの委員会でもずっと議論がありましたが、菅総理は、発送電の分離も議論すべき段階にあると認識しているとおっしゃっております。どこで議論するか、だれが議論するのか。これから議論を進めていくということはもう総理もおっしゃっているんですけれども、どういう形で議論を進めていくことになるのか、大臣のお考えをお聞きします。

海江田国務大臣 もちろん経済産業省の中でも議論は進めてまいりますが、今、政府全体としてエネルギー・環境会議という会議体がございまして、ここには私も参加をしておりますので、こうした場で議論をしていくということはよろしかろうと思います。ただ、もちろんこれは政府の中の話でありまして、党の中でも議論していただく。エネルギーのPTですか、ございますし、私は、これは全国民的な議論が必要かと思いますので、やはりいろいろなところでいろいろな意見を闘わせていただくのがよろしいかなと思っております。

山内委員 先ほどから、ほかの質問に関しても、これから議論するとかこれから検討するというお答えが結構多いんですけれども、ぜひ、その議論のプロセスを透明度の高いものにして、そして、業界の関係者とか利害関係者だけじゃなくて広く市民の声も生かせるような、そういう開かれた場で議論することをお願いしたいと思います。

 続きまして、そろそろ時間なので最後の質問になるかと思いますが、バイオマス発電についてお尋ねをしたいと思います。

 今回の法案審議でも、太陽光発電と風力が非常にメーンで議論されてきておりますが、バイオマス発電というのも力を入れていくべきだと思います。そのときに、農水省との連携。農林水産省とのすみ分けとか、あるいは業界がちょっと微妙に違ったりするのかもしれませんけれども、そういった意味では、先ほどの環境省の議論もそうですが、さっき水路の発電に関して農水省と連携という話もありましたが、どういった形で今後農水省と連携をし、そして、場合によっては農家の所得向上に役立つ形でバイオマス発電が普及するような政策を経産省としても推進していくことが必要だと思うんですけれども、政府のお考えをお聞きします。

中山大臣政務官 バイオマス推進会議というのを農水省でやっておりまして、政務官クラスで集まって話をいたしております。

 太陽光、風力と違って、バイオマスの場合は木材であるとか原料があるわけでございまして、そういうコストみたいなものも話したり、または、リサイクルとの関係で、何でもそのバイオマスで燃して電力にするというだけではなくて、リサイクル業者に対しても気を使おうじゃないか、こんなことまで話し合っておるところでございます。

 そういう面では、農水省とはしっかり連絡をとって、今委員が言ったような観点を含めて、これから農水省と連携をとってやっていきたいと思っております。

山内委員 以上で質問を終わります。ありがとうございました。

田中委員長 以上で山内君の質疑は終了いたしました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後一時十八分散会


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