衆議院

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第20号 平成26年5月30日(金曜日)

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平成二十六年五月三十日(金曜日)

    午後一時一分開議

 出席委員

   委員長 富田 茂之君

   理事 塩谷  立君 理事 鈴木 淳司君

   理事 宮下 一郎君 理事 山際大志郎君

   理事 渡辺 博道君 理事 田嶋  要君

   理事 今井 雅人君 理事 江田 康幸君

      青山 周平君    秋元  司君

      穴見 陽一君    石崎  徹君

      越智 隆雄君    大見  正君

      勝俣 孝明君    黄川田仁志君

      佐々木 紀君    白石  徹君

      菅原 一秀君    田中 良生君

      武村 展英君    辻  清人君

      冨樫 博之君    根本 幸典君

      福田 達夫君    細田 健一君

      宮崎 謙介君    宮崎 政久君

      八木 哲也君    山田 美樹君

      枝野 幸男君    岸本 周平君

      近藤 洋介君    辻元 清美君

      伊東 信久君    木下 智彦君

      丸山 穂高君    國重  徹君

      三谷 英弘君    小池 政就君

      塩川 鉄也君

    …………………………………

   経済産業大臣       茂木 敏充君

   経済産業副大臣      松島みどり君

   経済産業大臣政務官    田中 良生君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 林崎  理君

   政府参考人

   (金融庁総務企画局参事官)            小野  尚君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房審議官)           藤原  誠君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房地域経済産業審議官)     加藤 洋一君

   政府参考人

   (中小企業庁長官)    北川 慎介君

   政府参考人

   (中小企業庁事業環境部長)            松永  明君

   政府参考人

   (株式会社日本政策金融公庫常務取締役)      平松 幹弘君

   経済産業委員会専門員   乾  敏一君

    ―――――――――――――

委員の異動

五月三十日

 辞任         補欠選任

  福田 達夫君     青山 周平君

  宮崎 政久君     黄川田仁志君

同日

 辞任         補欠選任

  青山 周平君     福田 達夫君

  黄川田仁志君     宮崎 政久君

    ―――――――――――――

五月三十日

 直ちに原発ゼロを求めることに関する請願(穀田恵二君紹介)(第一〇八六号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 小規模企業振興基本法案(内閣提出第五一号)

 商工会及び商工会議所による小規模事業者の支援に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第五二号)


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     ――――◇―――――

富田委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、小規模企業振興基本法案及び商工会及び商工会議所による小規模事業者の支援に関する法律の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 両案審査のため、本日、政府参考人として内閣府大臣官房審議官林崎理君、金融庁総務企画局参事官小野尚君、文部科学省大臣官房審議官藤原誠君、経済産業省大臣官房地域経済産業審議官加藤洋一君、中小企業庁長官北川慎介君、中小企業庁事業環境部長松永明君及び株式会社日本政策金融公庫常務取締役平松幹弘君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

富田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

富田委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。福田達夫君。

福田(達)委員 自由民主党、福田達夫でございます。

 委員長そして理事の皆様、本日二十分のお時間をいただきましたことを大変感謝しております。

 経済産業委員会、二回目の質問でございますが、本当にこの経済産業委員会、茂木学校という言葉が大分定着してきた、そのような委員会でございます。大臣の答弁を伺っておりますと、気を抜いて歩いていると、急に高いところに持ち上げられてそのまま落とされるような、そういう感じがしておりますので、きょうは、小規模企業に関することについては並々ならぬ熱意を持っていらっしゃる松島副大臣がいらっしゃったので、主に副大臣の方に御質問させていただきたいと思っております。

 大臣の答弁を聞いていますと本当に勉強になるんですが、足元に及びたいという思いからいろいろ本とか読んでいるんですけれども、先日、久しぶりに私のじいさんの回顧録というのを読み直しておりましたらば、本当に恥ずかしいんですが、選挙に昭和二十六年に出るときに、二つ訴えて出た。一つは農業。当時はまだ農業が国の根幹でありましたので、これはもちろんそうであろうと。もう一個は中小企業政策。この二つを掲げて選挙に出たという話を改めて読み直しました。

 当時は傾斜生産で、大企業をまず大きくする、そのことによって日本を引っ張る力をつくる、このことが大きな幹であったわけですけれども、ただ、それだけでは足りない。やはり地域がそれぞれちゃんと自分の生活の基礎をつくって、大きなエンジンとともに小さなエンジンがいっぱいある、そして足並みをそろえて先進国にもう一遍戻っていこう、そういう考えであったかと思います。

 一方で、六十年後の今を考えますと、過去二十年間、日銀のDIなんかを見ても、どの調査を見ましても、中小企業者がなかなか好況感を得られていない、その状況が二十年間続いてしまっている。ある意味、六十年たった今、もう一遍中小企業政策というものをしっかりと我々は考えるべき時期が来ているというふうに思っております。

 また、今、プライマリーバランス、二〇二〇年にゼロというのを目指しておりますけれども、今その目的のために達成しようとしている、経済成長率三%半ばを継続的に出す。このことは、もちろん、例えば法人税率の引き下げによって、大企業が海外の需要を開くことによって成長を達成する、この側面もあるかと思いますけれども、やはり、もう一方で、国内の九〇%の企業が中小企業、小規模事業者でありますし、また、七割の家計がこの中小企業、小規模事業者によっているということを考えれば、こちらの方もしっかりと育てていく、そして、大きな企業、中小、小さな企業、外に向け、そして中の内需もしっかりと育てていく、この両面が必要だと思っています。

 さらに、この中小企業、地域の企業がしっかり金を稼ぐ力をつけることによって、まさにマクロ政策であるアベノミクスが地域にまで、隅々までたどり着く、そういう結果を出す。それが一番、本当に僕からすると、今のこの国の政策の一丁目一番地ではないかというふうに思っております。

 この基本的な考えのもと、党の中小企業・小規模事業者政策調査会におきましても、昨日総理に提言をお持ちいたしましたが、ローカルアベノミクスということで提言書をまとめました。きょうは、その提言書をまとめる間の議論の過程のことも踏まえて御質問させていただきたいと思います。

 というわけで、まずは、特に小規模企業振興基本法案にかかわることでございますけれども、この基本法案に基づきます今後への意気込み、これをぜひとも、小規模事業者というこの対象になる方々のみならず、その周辺にある方々に対してもわかりやすいメッセージを、まず松島副大臣の方からお願いしたいと思います。

松島副大臣 お答えします。

 今おっしゃいました、福田赳夫先生が最初の選挙、昭和二十四年のときに、農業と並んで中小企業の振興ということを掲げられたということを伺いまして、本当に、きょうは答弁をするに当たり、うれしい気持ちでおります。

 中小企業の定義。一般に、中小企業というのは、これまで日本の経済産業省の定義は、製造業で従業員三百人以下でございました。でも、私自身は、東京の下町の墨田区や荒川区が選挙区なんですが、従業員が三十人、五十人いたら大きな会社、そんなイメージでございまして、ですから、もう少し小さいところにも目を向けたいという思いをずっと持ってまいりまして、今回の法律ができてまいりました。

 今回の小規模の基本法案では、製造業であれば従業員二十人以下の小規模事業者、対象はおおむね従業員二十人以下ということでございます。それを対象として、とりわけ、個人事業主及び従業員がおおむね五人以下の事業者を小企業者という言い方をして、初めてそういう取り上げ方、個人事業主と五人以下の従業員のところという取り上げ方をした次第でございます。これは非常に画期的な法案だと考えております。

 この法案のポイント、そしてこれからやっていかなければならないこと。小規模事業者というのは、世界を目指して羽ばたくという会社もあれば、一方で、自分の住んでいる地域で着実に事業をやっていけばいい、つまり継続が大事なのであって、それでいっぱいだ、それでいいんだというような会社もございます。今度の法案におきましては、成長し発展するという目標だけでなくて、事業の持続的発展というか、事業を持続させるということ、これにも意味合いを置く、重要視する小規模事業者の姿、そういったものを第三条の基本原則に位置づけている次第でございます。

 もう一つといたしまして、これまで起業促進ということを一生懸命言ってまいりました。しかし、現在、経営者が、特に小企業者や個人事業主の経営者というのは高齢になり引退する、そういうような場面を迎えております。そうしたときに、事業を承継するのか、それも、自分の実の子供に承継するのか、それがいなくてほかから探してくるのか、あるいは事業を円満に廃止していくのかという二つの選択肢があると考えます。

 これまでは、行け行けどんどんの、どちらかというと起業の促進ばかり考えてきたわけですが、廃業という、円満な廃業、きれいにやめていける環境をつくるということ、これは、目標、廃業が目標と言ったらおかしいんですけれども、廃業するときに損失をこうむらず、その後の人生も真っ当にやっていけるような環境づくりということ、これもこの法律の中で考えていきたいと思っております。

 政府としては、もう既に、個人保証の問題、中小企業庁と金融庁でルール、ガイドラインをつくりました。中小企業がこれまでお金を借りるときには、個人保証、土地や家を担保にしなきゃいけなかったけれども、これでは一旦何かあったときに全て身ぐるみ剥がされて、それでは安心して仕事ができないということで、今回、会社の経営と個人の暮らしをちゃんと分けているような場合におきましては個人資産を担保にとらないということ、さらに、早期に、追い詰められないで早目に廃業や事業再生を決断した場合には一定の生活費を手元に残すことができる、さらに、華美でない住宅はそこへ住み続けることができる、そういったこともことしの二月から運用を開始いたしております。

 さらに、小規模事業者が、地域の例えば消防団活動や町会の運営、伝統文化の継承など、コミュニティーを支える事業活動を行っているということも積極的に評価する、社会的な存在としての評価ということを取り上げまして、小規模事業者政策、我々、この法律を基本にして、全国津々浦々の小規模事業者が前向きにやっていける、安心して仕事をやっていける、そんな日本をつくっていきたいと考えております。

富田委員長 松島副大臣、福田赳夫元総理の初出馬は昭和二十六年というふうに達夫先生はおっしゃっております。訂正しておいてください。(松島副大臣「二十六年とおっしゃった、ごめんなさい」と呼ぶ)

福田(達)委員 委員長、ありがとうございました。

 ありがとうございます。本当に小規模企業はきめ細やかな目配りが必要だと思いますし、そのことについて現実感を捉えて、今回のことについてしっかり進めていただける、そういうふうな確信が持てる御答弁をいただきました。

 先ほど申し上げました中小企業政策調査会でも話をしておりますと一番困るのが、小規模事業、中小企業というのは非常にきめが細かくて、いろいろな種類があるということとともに、幅が非常に広い。我々は今経産委員会で議論しておりますけれども、中小企業について議論していると、金融だったらば金融庁でありますし、また、同じ中小企業でも、土木屋さん、建築屋さん、運送業、タクシー、この辺は国交省である。また、これからの雇用の受け入れ先と言っている介護、医療は厚労省である。さらにそこに人をある意味送り込む労働政策の意味では厚労省、また、さらにその手前に戻ると文科省と、非常に幅が広いことを考えなければいけない上に、さらには総務省という、地域についてしっかりと考えていただける省にまたがってしまっている。

 今、経産省でも、産業競争力協議会、これを地域別に立ち上げていただいています。また、総務省の方でも、産学金官地域ラウンドテーブルというのもやっている。また、厚労省も地域包括ケアシステムと、各省でいろいろな施策、大きな枠組みとか施策とかいっぱい持っていらっしゃるんですが、やはりこれは、少し統合したところがあった方がいいんじゃないのかな。

 例えば、今回の法案を見ますと、五条二項に、国の関係行政機関が相互に連携を図りながら協力することが記述されておりますけれども、具体的にこれを実際に動かすための構想とか、もしくは考えがあったらばお聞かせください。

松島副大臣 まさに今、福田議員が言われましたように、中小企業庁というのがこの経産省の中にあるわけですけれども、実際に中小企業はそうじゃないところも所管している。

 おっしゃったように、国交省。私、国土交通副大臣をやっておりましたときに、自動車局長にいつも言っていたんです。運送会社とかタクシーとか自動車整備とか、とにかく中小企業ばかり扱っているんだから、中小企業政策ということを頭に置いてほしいというふうに申し上げていたんですが、それ以外に、厚生労働省も、旅館業や飲食業、さらに理容、美容、いろいろなところを抱えている。おっしゃったように、介護の問題、介護とか医療機関の場合は、株式会社じゃない組織の場合があるので、だけれども、それも取り込んで、やはり働く場としては同じですから、そういうことをやっていかなきゃいけない。

 今回、小規模基本法をつくるに当たりまして、経産省、中小企業庁で審議会をやってきました。これらには各関係省庁も加わっていただきましたし、ことしの一月から、課長クラスでは関係省庁の集まり、意見交換をやってきました。それを、できればもう少しレベルを上げて、おっしゃいましたように、例えば大臣の御指示をいただいた上で副大臣クラスがそういうふうに集まるとか。

 今現在なされておりますのは、いろいろな役所が所管している中小企業の年末とか年度末の資金繰りがうまくいくかどうか、こういったときに金融庁が音頭をとって、金融庁だけは大臣が加わる、ほかは副大臣という仕組みをやったり、あるいは官邸でも、そういうお互いの力の合わせ方、そしてまた中小企業政策のいろいろなところへの広げ方、広報の仕方ということもやっておりますが、これを次第にレベルを上げてこういう会合をやっていきたい。

 同時に、経産省、中小企業庁が持っているミラサポというポータルサイトがございます。このミラサポには、これまで、どちらかというと経産省のことだけ中小企業政策を書いてきましたけれども、それに加えて、例えば、厚労省の労働的な、人をふやしたときはこんな補助金があるとか税制がある、そういうことも入れよう、あるいは自治体のことも入れようということを進めて、今つくって、六月ごろには完成させる予定でおります。

福田(達)委員 ありがとうございます。

 何しろ、我々、特に選挙区持ちの政治家というものが一番その地域というものを平たく見ていると思います。課題が見つかって、それが、どういう手が打てるのかということを一番実は肌で感じているのは我々だと思うので、ぜひ、政治クラスの方でそういうことが議論できるような場があるとうれしいなと思います。

 また、我々選挙区を持っている人間は、それをしっかり、これは与野党関係ないと思います、それをしっかりつないでいく。さらに、つないだ上で、つくっていただいている施策というものを教えていただいて、包括的にそこの現場に当てはめていく。このことは我々がしっかりできることなので、ここは行政と立法で、しっかりと足並みをそろえさせていただきたいと思いますので、枠組みの方をよろしくお願い申し上げたいと思います。

 というわけで、二十分、大変早うございまして、あと五分ぐらいですか。いよいよ、ちょっと覚悟を決めて、大臣の方に。

 先ほどもちょっと申し上げましたが、中小企業政策を考えるときに、もう一個、難しいのが、くくりにくいということだと思います。国政というのは、よきにつけあしきにつけ、やはり平均値になりやすい、そういう宿命があると思います。全体が見られるとか、もしくは財政力が大きいだとか、または政治的影響力が大きい、それなりのいろいろな意味があるわけでありますけれども、やはり細かい中小企業、小規模事業者を捉えにくいというのが一方であると思います。

 例えば、産業でありますとか経営規模、または経営力、それからサプライチェーン、あと所在する地域、これも含めていろいろな観点から考えますと、この掛け算でいくと本当に無数にある。

 ずっとこのことを、実は商社の調査部の人間として、どうすれば一番捉えやすいのかと考えておりまして、一つの単純化できる方策としましては、どこからその企業が金を稼いでいるのか、どこから実際に金をもらっているのかという考え方というのが一つあるのかな。

 それで考えていきますと、二つに僕の中では大きく分けられると思っています。一つは、下請構造に入っていて、地域の外からも稼げる会社。もう一個は、極めてその地域の経済というものから稼げる。大きく言うと、前者については製造業、これが当てはまると思います。後者については、いわゆるサービス業。そしてその一番のポイントは何かといいますと、サービス業というものが、特に小規模事業者においては数が多いということがポイントなのかなというふうに思っています。

 前者につきましては、この間、岸本先生がおっしゃっていました中小企業白書、これにもしっかり書かれておりますけれども、中小企業の製造業の価格転嫁、これがなかなかこの二十年間うまくいっていない、そういう問題意識がありまして、ここはまた別に議論を深めたいところであります。

 一方で、中小企業庁でも、コネクターハブ企業の支援とか、また、今、ビッグデータによって何とかこのつながりが見えないかということを検討していただいていることは非常に心強いのでありますけれども、ここはぜひもうちょっと掘り下げたいんですが、きょうの主眼であります小規模事業者でいいますと、やはり、地域をどういうふうに強くするか。その個々の小規模の事業者の経営力をいかに上げるかという点と、それ以外に、地域経済をいかに強くするか、この両面からやっていかないと小規模事業者については答えが出ないというふうに思っています。

 そこで考えると、やはり、今回、国がしっかりとこの基本法案をつくって、そして基本計画もつくるということでありますけれども、ぜひともこれは地域の方々に主体性、すなわちオーナーシップを持っていただいた上で、自分たちがビジョンを持ち、そしてそのビジョンに基づいて今の課題に対してしっかり答えを出していく、このことをいかに国政の側から力をつけさせてあげるか、応援するか、このことが非常に重要ではないかというふうに私は思っています。

 今回の法案でも、八条、九条で関係者へ協力は求めているんですけれども、なかなか地方分権の流れの中で命令をすることはできない。その中で、しかし、どうやって地方の関係者、やはり、主に地方公共団体、そしてもう一個は地域金融だと思います、この二つをいかに巻き込んで本気にさせていくのか、そのことをどうすればいいかということについて。

 もう一つ。その流れの中で、国と地方の役割分担、このデマケをどういうふうにするのか、どれくらいの力関係でもってこれから小規模事業に対しての施策をやっていくのかということについて、ちょっと、非常に大きな話になりますけれども、ぜひ大臣からお教えいただきたいと思います。

茂木国務大臣 福田委員の御地元群馬県、私は隣の栃木県でありまして、群馬県は戦後四人の総理大臣を輩出しております。残念ながら栃木県は一人も出ておりませんが。そのうちの二人がおじい様の福田赳夫先生、そしてお父様の福田康夫先生ということで、私も福田康夫総理のときに大臣を務めさせていただきましたが、大臣の呼び込み、福田達夫当時の総理秘書官からお電話をいただいた、明確に記憶に残っているところであります。

 おっしゃいますように、地域の小規模事業者、かなりの数、確かに製造業もありますが、サービス産業等々が中心でありまして、まさに、地域が発達することによってそういった小規模事業者も発達する、さらには、小規模事業者が発達すれば地域全体も底上げをする、こういう両方の側面を持っているということでありまして、両面から対策を立てていかなければいけないと思っております。

 国としては、基本的に、大きな方針を打ち出す、今回初めて、小規模企業振興基本計画、こういったものを策定することになりました。しかし、それぞれの地域には特性があるわけでありまして、具体的な施策の企画等々につきましては地方公共団体を中心に進めていく、こういったスキームをとりたいと思っております。そして、両者の連携、さらに申し上げると、商工会議所や商工会、そして地域の金融機関との連携によりまして、面的な支援の体制、こういったものをしっかりつくっていくことが必要だと考えております。

 福田赳夫元総理が初当選されたのが昭和二十六年、その十二年後、三十八年、オリンピックの前の年に中小企業基本法が成立をいたしました。今回は、五十一年ぶり、経産省にとっては戦後二本目となります基本法の提出ということでありまして、この中小企業振興基本法、早急に成立をしまして、地域の中小企業者に対しても明るいメッセージをお届けしたい、このように考えております。

福田(達)委員 ありがとうございました。

 この件がこの国にとって本当に大事なものだということを確認しまして、私の質問を終わります。大変ありがとうございました。

富田委員長 次に、江田康幸君。

江田(康)委員 公明党の江田康幸でございます。

 本日は、小規模事業者の方々が待ち望んでいた小規模基本法、そしてまた支援法の成立を図る審議でございます。先ほどございましたように、茂木大臣は、数々の重要法案に尽力をしていただいてきております。心から敬意を表する次第でございます。その分、きょうは、松島副大臣、また田中政務官を中心にお話をさせていただきたいと思っております。

 まず冒頭に、大臣に一つ、この小規模基本法並びに支援法を成立するに当たって、今の中小企業並びに小規模事業者の置かれた状況について、この認識を先にお伺いさせていただきたいと思います。

 我々自公政権の経済対策、アベノミクスが功を奏して、景気は大きく好転し、景気回復の波は、大企業にとどまらず、徐々に地方や中小企業まで広がり始めたように思います。一方で、しかし、円安による原材料費の高騰、さらには四月からの消費税の増税等による厳しい状況に置かれているのが中小企業であり、小規模事業者であり、地方でございます。

 こういった中小企業、小規模事業者の現状について、まず大臣の御認識をお伺いさせていただきたい。

茂木国務大臣 経済産業省が実施をいたしました、全国の中小企業、小規模事業者二万社を対象としました調査によりますと、一―三月期の全産業の業況認識、これは、現在の調査方式を採用した一九九四年以来最も高い水準でありまして、景気回復の実感は、少しずつでありますが、中小企業や地方経済に波及をし始めていると考えております。

 また、事業者の認識として、仕入れ単価が上昇してきている中でも採算は改善傾向にあり、中小企業の価格転嫁は一定程度行われている、このように見てとれます。

 しかしながら、為替レートの変化に伴います原材料、燃料の仕入れ価格の上昇分を十分販売価格に転嫁できていない、こういった指摘があることも認識をいたしております。

 また、四―六月期につきましては、全産業の業況認識の見通しは、やはり反動減等もありまして大幅な減少となっておりまして、実際に、経済団体の調査等でも、消費税の引き上げによります反動減の影響が見られるところであります。

 政府といたしましては、原材料や燃料費の価格転嫁が適切に行われるように、下請代金の減額や買いたたきなど違反行為を行っていると見られる事業者に対して、下請代金法に基づきます立入検査、そして改善指導によりまして、価格転嫁の監視、取り締まりを行っております。平成二十五年度の実績でありますが、立入検査が実に千七十五件、改善指導九百九十件。今後とも、厳正な取り締まりを行っていきたいと思っております。

 もう一つ、やはり資金繰り対策が極めて重要である、このように考えておりまして、原材料、エネルギーコスト等の高騰の影響を受けます中小企業、小規模事業者に対して、政府系金融機関によりますセーフティーネット貸し付け等をさらに充実させるなど、積極的に取り組んでいるところであります。

 また、ことしの二月から運用を開始いたしました経営者保証に関するガイドライン、これは、これまで個人保証に依存してきた従来の融資慣行を根本から改める画期的な内容でありまして、金融庁とも連携をしつつ、融資現場の対応を目に見える形で変えてまいりたい、このように考えております。

江田(康)委員 今大臣からも申していただきましたが、中小・小規模事業者の置かれた状況に対して、価格転嫁対策また資金繰り支援という万全な対応をとられながら、しかし、そういうような状況にあっても、確かに現実に厳しいのはやはり小規模事業者の方々であろうかと、地域を回っていて思います。

 今般、小規模企業基本法を提出するに至ったその背景として、今おっしゃっていただいた足元の状況に加えて、構造的な問題、とりわけ人口減少、少子高齢化の問題があると伺っております。中でも、小規模事業者にとって最大の課題の一つが、経営者の高齢化の問題、また事業承継の問題でございます。

 これについてお聞きをさせていただきたいのでございますが、中小企業白書にもあるとおり、廃業を決断した理由として、経営者の高齢化、健康問題を挙げる方が半数おられる。そういうような中で、事業承継については、全国展開している事業引継ぎ支援センターの活用等によって後継者不在の企業と創業希望者のマッチングを強化していくこと、事業承継を円滑に行える、こういう環境づくりを強力に進めるべきと考えますけれども、松島副大臣、今後の取り組み方針を伺います。

松島副大臣 まさに江田委員がおっしゃいますとおりに、高度成長期に仕事を始めたような方々が高齢になって、もう後継ぎがいないと。後継ぎがいないといってやめられてしまったのでは、従業員が路頭に迷ったり、あるいは、せっかくの技術力、ブランドというものがなくなってしまう。そこで、いろいろなマッチングが必要になってくると思います。

 その前提といたしまして、事業承継税制を昨年度から、今までと違って拡充して、これまでは親族がバトンタッチする場合が対象だったわけですけれども、来年一月からは、親族以外の第三者に譲るときでも納税を猶予する、そういう対象とすることにもいたしました。使いやすくなってくると思います。

 そして、委員がおっしゃいましたように、事業引継ぎ支援センターというのを、ことし四月には秋田、広島、沖縄、昨年も三カ所設置しておりまして、現在十三カ所に展開しています。全国四十七都道府県に窓口があって、そこからさらにその十三カ所のところに引継ぎセンターを設けているわけです。

 これは、例えば東京で後継者を求めている人の後継者にふさわしい人が、あるいは手を挙げたい方が、例えば委員のお地元の熊本にいらっしゃるかもしれない。そういうことがありますので、全国的なデータベース、中小企業基盤整備機構におきまして、全国から寄せられる案件をデータベース化して、こういう人に継いでもらいたいという方と、新しく業を起こす、特に、起業、創業するんだけれども、こういう条件の会社があったら自分は始めたいというところをマッチングしていく、そのことを始めていく。

 そして、後継者になりそうな人たち、創業希望者たちの後継者バンクにつきましては、静岡の事業引継ぎ支援センターがことしの四月から先行的に開始しておりまして、中小企業庁としては、全国にもこの取り組みを展開、広げていきたいと考えております。

江田(康)委員 この事業承継の問題は、経済成長、我が国の経済に大きな影響を及ぼす。本来ならば経済社会の中で有効に活用されるべきこういうような資産まで廃業とともになくなって、我が国経済の基礎体力まで奪われる、こういうようなところにもつながるわけで、今、松島副大臣がおっしゃった、経産省として、事業引継ぎセンターを全国十三カ所、また、全国三百カ所の創業スクール等々も連携してその取り組みを進めるということでございます。マッチングがいかにできるか、そこが大変重要かと思っておりますので、喫緊の課題として力強く取り組んでいただきたいとお願いするわけでございます。

 先ほど、大臣から、個人保証ガイドラインについて、その重要性についてはございましたので、これについて一言。

 やはり個人保証の問題が事業承継においてはネックとなってきているということが大きくございます。今回の経営者保証のガイドラインで、大臣から力強い答弁をいただきました。個人保証に依存してきた従来の融資慣行を改善していく、こういうような力強い取り組みの決意をいただいたわけですが、これが実効力あるものになるようにしていかなければならないわけでございまして、具体的にどのようにこのガイドラインの実効性を高めていくか、それについて改めてお伺いします。

松島副大臣 おっしゃるように、この二月にスタートさせました、個人保証に頼らない、そして、いざというときでも、華美でない自宅は自分の手元に残すことができる、そして当面の生活費として二百万から四百数十万円、年齢によっても違いますけれども、手元に残せる、そういうものでございます。

 これを世の中に知らしめていかなければいけないということで、一つは、私もいろいろなところで申し上げているんですが、銀行、支店には金融庁から通達が来ているので、今、保証を入れている場合は契約を切りかえていただく、そういうこともアピールをしてまいっております。これはやはり、金融庁との連携も必要なものですから、金融庁からもそういうことをやっていただいている。

 そして、実は、三月というのは自殺が多いということで自殺防止月間ですが、ことし三月末に、私が発案したんですけれども、中小企業経営者に向けた政府広報、政府広報という小さい欄で、「会社の借金で命を捨てないで」という形で、相談窓口も含めた意味で、これは全国の主要五紙、そしてブロック三紙、地方六十二紙に掲載いたしまして、政府広報を載せて、経営難に直面している中小企業、小規模事業者の皆さんの電話相談も金融庁及び中小企業庁で受け付けたものでございます。これについて理解を深めていきたい。

 さらに、民間だけでなしに政府系金融機関、商工中金や日本政策金融公庫、こういったところにおきまして、経営者の個人保証を免除したり、猶予したりする特例制度を実施しています。これはちょうど民間の企業でのガイドラインが変わったことしの二月から三月末までの二カ月間では、政府系金融機関に合計六千五百九十一件、三千三百三十六億円、この個人保証免除、猶予の貸し出しが実績を上げているわけで、民間から移行している部分もあるのではないかと考えております。

 金融庁も、監督指針とか金融検査マニュアルというのを改正してくれておりますので、今後、金融機関の取り組み状況を適切にフォローし、経産省としても、駆け込み一一〇番みたいな形にして、借金がもとで命を絶つようなことがないように断固やっていきたいと思います。

江田(康)委員 ありがとうございます。

 これから、残り時間で、創業、経営支援というところの重要性について確認をしていきたいと思うわけでございます。

 今回の基本法案の大きな柱として、支援体制の整備がうたわれているところでございます。小規模事業者はただでさえ経営資源が少ない方々でありますから、地域ぐるみで支援していく、そういう体制を整備するというのは私も大変同感でございます。

 公明党の経産部会でも、何度もこれは取り上げておりますけれども、静岡県の富士市の産業支援センター、エフビズを訪問してまいりました。その際に小出センター長が、中小企業に対する支援策はほぼ出そろっているけれども、成果があらわれていない最大の要因というのは人材だ、成果の出せる支援者の人材不足にあるということも指摘しておられた。このような具体的な成果を出す支援機関を全国に整備していくことこそ、小規模事業者が持続的に発展するための最も重要な方策であると考えます。

 今年度から始められたよろず支援拠点、これは大変重要だと思っておりますが、成果を出すことを最重点にしているということでございますので、小規模事業者に対して、成果を出せる、実効力のある経営支援を、このよろず支援拠点を中心にどのように行っていくか、改めて田中政務官にお伺いをいたします。

田中大臣政務官 お答えいたします。

 まず、中小企業庁では、本年度より、中小企業、小規模事業者のさまざまな経営相談に対応するよろず支援拠点を各都道府県に整備してまいります。まず、六月二日に四十拠点を開設します。そして、残り七拠点についても順次開設予定であります。

 本拠点でありますけれども、委員御指摘あったように、エフビズ等の事例も参考にしながら、経営課題を抱える事業者に対して先進的あるいは総合的なアドバイス、また、どこに相談すればいいのかわからない、こういう事業者も多いものですから、ワンストップサービス、こうしたものを提供して、きめ細かく支援をしていきたいと考えております。

 なお、全国各地のよろず支援拠点でありますけれども、やはり、すぐれた資質を有するコーディネーターを配置する、これが何よりも重要であります。その人選に当たっては、地域ブロック毎に幅広く公募も行いました。すぐれた能力、実績を有する、そういう人材を今選定したところでございます。またさらに、各地のよろず支援拠点の全国本部というものも設置しまして、各拠点のコーディネーターの能力向上のための研修、こうしたものも行ってまいります。

 このように、各地のよろず支援拠点を全国本部である中小企業基盤整備機構が支えながら、質の高い効果的な支援策を提供できるように、今後とも取り組んでまいりたいと思います。

江田(康)委員 ありがとうございます。

 このよろず支援拠点というのは、今もおっしゃったように、全国本部を司令塔としながら各県に一カ所でございますが、全国津々浦々まできめ細かい支援をするためには、商工会や商工会議所の役割がまた一つ大きいと思っております。

 先日の参考人質疑で、板橋区の企業活性化センターの中嶋センター長からさまざまお話をお伺いしたところでございます。ここは、地域に根差した支援機関として、特に厳しい状況に陥っている事業者に対して、一緒になって計画書を作成したり、金融機関にも同行していくという、事業者に寄り添った支援を行っている、そういうところで有名なわけでございますが、こういう支援の重要性が指摘されたところでございます。

 今般、この小規模事業者支援法によりまして、これまで商工会、商工会議所の皆さん方は記帳や税務の指導を行ってきたわけですけれども、より踏み込んだ経営発達の支援を行うことが求められているわけでございます。

 先ほども申しましたように、真に小規模事業者に寄り添った支援を行うためには、商工会や商工会議所自身の支援能力の向上、とりわけ、小規模事業者と最初の接点を持つ経営指導員のスキルアップ、こういうことが大変重要であると思っておりますが、具体的にどのように政府として取り組んでいくのか、お伺いをさせていただきます。

田中大臣政務官 具体的には、まず、小規模事業者支援法改正案におきましては、小規模事業者の持続的な発展を支援する計画、すなわち経営発達支援計画を策定した場合に経産大臣が認定する仕組みを導入したということであります。

 具体的には、各地域の事情を踏まえつつ、商工会等が計画に基づいて以下二点を支援するということを予定しております。

 個々の小規模事業者向けの支援として、売り上げの増加ですとか収益の改善、また持続的な経営のためのビジネスプラン、こうしたものの作成の助言ですとかフォローアップをしていくということであります。また、二点目には、市町村等と連携しながら、まず小規模事業者の事業機会の拡大に観光誘致、あるいは地域全体のブランド化に商談会や展示会、こうしたものも開催をする。こうしたものを踏まえて、商工会等の支援能力も向上させていきたいということであります。

 それと、やはり一番重要なのは、そこの指導員、アドバイザーのスキルアップということであります。今年度より、年間千七百人の経営指導員に対しまして、小規模事業者の特性に応じた販路拡大ですとか事業機会の拡大のための支援ノウハウを習得してもらうための支援も行ってまいります。

 いずれにしましても、こうしたさまざまな取り組みを行って、商工会、商工会議所自体の支援能力の向上、また指導員のスキルアップを図ってまいりたいと思います。

江田(康)委員 最後になりましたが、小規模事業者は地域の経済や雇用を支える極めて重要な存在であります。これまで政策の光がこういうところに当たってこなかったと思っておられる方も多いわけでありますが、今回、そこに光を当てた小規模基本法の制定でございます。

 大臣に最後にと思いましたが、時間が来ておりますので、どうか、この小規模基本法の制定、並びに、小規模事業者の皆さんがわかりやすく、それを生かしていけるように、力強いメッセージを出していただきたいと申し上げて、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

富田委員長 次に、辻元清美君。

辻元委員 民主党の辻元清美です。

 本日は、小規模企業振興基本法案及び商工会及び商工会議所による小規模事業者の支援法の改正案について質問させていただきます。

 私自身、実家は小さな商売をしておりました。私が生まれたときは洋服屋だったんですが、大阪の船場などでやっていました。事業がうまくいかなくなって、その後、クリーニングの取り次ぎをやったり、そして、小さなうどん屋さんなど飲食店もやってまいりました。

 私の父の父、私の祖父は戦死いたしまして、ですから、父は、生活が苦しい中で、奈良県の山奥から大阪に、中学を出てすぐでっち奉公に行きました。根っからの商売人。昔は、中学を出て、いわゆるでっち奉公に行って、体で商売を覚える。ですから、何回商売に失敗しても、また借金してやると言うんですよ。もうええから、どこか働きに行って、毎月給料を振り込んでくれる家になりたいねんと私は子供のときに思いました。それでも、商売にチャレンジする。

 この間、日本商工会議所や、それから全国商工会連合会、そして中小企業同友会など、さまざまな皆さんのヒアリング、また、参考人での御意見も聴取いたしまして、総合しますと、御要望が幾つかありましたけれども、皆さん、最大の課題は資金繰りと。資金調達、確保の支援をしてほしいというのがトップに挙がっておりました。これはよくわかります。私も、小さいときに、盆、正月はないんですね。暮れになったら資金繰り、借金取りが来るかもしれない。だから、家族で正月に遊びに行ったということは一回もなかったんじゃないかと思われます。

 二つ目に多かったのは、思い切った販路の開拓の支援。これは、小さい洋服屋や飲食店は、大きな専門店が来ると負けてしまって、なかなか特徴を持っていろいろな販路を開発できない。これも骨身にしみております。

 そして、三つ目、税、社会保障に関する負担感の軽減。やはり、社会保障の負担がありますので人を雇えない、それが悪循環になってしまう。また、自営業者は国民年金しかないということで、将来不安も非常に高い。うちもそうでした。今も親はぶうぶう言うてます。

 そして、事業承継の支援。結局、うちも七十過ぎて、そこまで店を頑張ったんです、飲食店。やはり、近所に大きなチェーン店のような飲食店が来て潰れてしまったということなんです。

 ですから、今回のこの法案というのは私も骨身にしみておりまして、私は商売人党をつくりたいぐらいの気持ちで国会に来たわけです。いつも思うのは、小さな商店が元気にならない限り日本の再生はない、これは信念なんですね。

 先日、参考人の方がこういう発言をされたんですね。これは、中小企業同友会の国吉参考人、シンク・スモール・ファースト、これはEUで言われている政策で、事業や政策をつくっていくときに、小さなことをまず最初に考えて、大きな方の支援をしましょう。このとおりだと思うんです。

 まず、ちょっと事実関係を確認してから質問に移りたいんですが、調べてみますと、調査室の資料によりますと、企業数全体は三百八十六万者、このうち中小企業は三百八十五万者、九九・七%、これはよく言われます。この中小企業のうち小規模企業は三百三十四万者、中小企業のうちの八七%を占めます。さらに、五人以下の小企業者が三百一万者を占めるんです。ということは、五人以下の、自営業も含める小さなお商売が、全体の七八%、大企業とか全部入れて。

 ということは、それこそシンク・スモール・ファーストで、小さな事業をしている人たちの支援を考えていくこと、ここに光を当てた基本法、遅過ぎるぐらいだったんじゃないかと私は思っております。

 そこで、大臣にまずお伺いしたいと思うんですが、「中小企業基本法の基本理念にのっとり、」と入っているわけですが、中小企業といえば、これは三億円以下とか五千万円以下、また、従業員数も三百人以下とか五十人以下。一方、小規模事業は全く違いまして二十人以下、または、二、三人の商店街の店なども小事業者に入ります。おのずと、中小企業の対策と、例えば小さな五人以下の小企業者の対策は違ってくると思うんです。

 まず最初にお聞きしたいのは、中小企業基本法、そしてこれは二つ目の基本法ですが、これは、中小企業基本法の下にあるわけでもなく、並立で、ちゃんと違う性質の基本法として、関連はありますが、位置づけられているのかどうか。そしてさらに、中小企業対策と、この小規模の小企業者対策は、同じようなメニューではないはずなんです。どこに違いがあるのか。中小企業というところを小規模企業と書きかえて上書きするだけじゃだめなんです。どこに違いがある政策を打ち出していこうとされているのか、この点をまずお伺いしたいと思います。

茂木国務大臣 お話を伺っておりますと、辻元先生の御家族もさまざまなビジネスに取り組んでこられた。そして先生御自身も、商売人党をつくりたいと。今、国会でも新党の話が出ている中で、また先生もおつくりになるのか、こんなことも思ったところでありますけれども。

 昨年の通常国会におきましては、中小企業の成長発展を支援するという基本理念は維持しつつも、小規模企業の意義づけなどをより明確にするために行いました中小企業基本法の改正を含めた、小規模企業にも焦点を当てた八本の関連法案を一括で改正します小規模企業活性化法を成立させたところであります。

 今回の基本法は、これをさらに一歩進めまして、小規模企業固有の課題を洗い出した上で、小規模企業の振興に関する施策について総合的かつ計画的に、また関係者が一丸となって取り組む体系をつくり上げる、こういう観点から提出をしたものであります。

 これまでの中小企業基本法は、中小企業の成長発展を一つの考え方にしておりました。もちろんこの考え方は維持をいたしますけれども、多くの小規模事業者にとりましては、成長発展だけではなくて、現下の厳しい経営環境の中で、事業を維持する、雇用を維持すること、また、技術を伝承していく、こういったこと自体も重要でありまして、事業の持続的な発展を新たな基本原則として位置づけることとしたところであります。

 具体的な政策立案の指針として、中小企業基本法にはない基本計画を策定し、そしてそれの国会への報告、そして、毎年、進捗管理、こういったことを行う旨定めたものでありまして、中小企業基本法と全く方向性が違うかといいますと、そんなことはありません。ただ、より小規模企業に焦点を当て、そこの中でも、事業の持続的な発展のための具体的な方向性を打ち出したのが今回の法案だと思っておりまして、昭和三十八年に中小企業基本法を制定して以来、五十一年ぶりの基本法ということでありまして、小規模企業関係の団体の皆さんの期待も大変大きい。成立によりまして、国として、また地方や関係者も挙げて、小規模企業そして小企業を応援していく、こういう明確なメッセージを打ち出していきたいと思っております。

 ダーウィンは進化論の中で、生き残っていく生物は、最も大きなものでも最も強いものでもなく、一番環境に対応できるもの、このように語っております。小規模企業者が事業環境の変化にしっかりと対応できるよう、国としても全面的な支援をしてまいりたいと考えております。

辻元委員 中小企業の対策と同じ方向を向いているのはそうなんですけれども、小規模また小企業者の対策はちょっと別の、切り離すことではないんですけれども、別のものであるというぐらいの姿勢で、やはり細かい施策が必要になると思いますので、取り組んでいただきたいと思います。

 大企業はほっておいてもええというわけじゃないんです。私も日本航空が潰れそうなときの担当で、ほんまにしんどい思いをしました。大企業も非常に大変なんですけれども、小さいところ、先ほど申し上げましたように七八%が小さな事業者ですので、そこは別物であるというぐらいで取り組んでいただきたいと思うんです。

 そんな中で、小規模企業や小企業者は、お商売という面だけではなくて、社会的な役割も非常に担ってくださっています。

 これは、先日、全国商工会連合会の石沢参考人がこういうことをおっしゃいました。小規模企業は我が国の経済発展の原動力であります、加えまして、自営業者が多いわけでありますので、防災や消防団活動、あるいは高齢者支援、また祭りなどの伝統文化、地域社会の担い手であります、小規模企業の振興と地域の発展は表裏一体であります。このとおりだと思うんです。委員の皆さんの御地元でもそうだと思います。

 私は大阪の高槻市と島本町というところが選挙区なんですが、例えば高槻まつりという大きな夏の祭りは、商工会議所やJCを初め、商工者が担っておりますし、この五月のゴールデンウイークにも、たった数人の自営業の、カフェをやっている若い人たちが中心になりまして高槻ジャズストリートというのを十数年前に企画をして、三十五万人の町に二日間で十五万人、外からもお客さんが来てくれるというような大きなイベントに育ち、そういうイベントをやることによって、町が生き返る、そしてまたお金を使っていただける。

 この五月の十六日には、地元に古い野見神社という神社がありまして、京都に近いですので、古い能舞台があるんです、これをずっと保存してきたんです、高槻商工会議所の皆さんがそこで薪能を、それも、うちの高槻市の能を守ろう、伝統芸術を守ろうという市民団体と一緒になって、薪能をその古い能舞台で、商工会議所が中心になって行いました。

 多くの市民の皆さんが来てくれる、そうすると、またそれが商店街の活性化につながるというような取り組みや、それから、同じくこの高槻商工会議所が、障害者雇用ということで、高槻市と障害者団体と商工会議所が一緒になりまして、障害者の雇用をどう持続可能に、自分たちの町でつくり出していくか。これは私もいろいろな会に参加して一緒に取り組みをしているわけですが、そういう意味におきまして、社会の担い手。

 そして、先日、民間のシンクタンクが衝撃的な発表をいたしました。人口の減少と東京圏への集中がこのまま続けば、日本の半数の市町村で行政サービスの維持が困難になって、自治体が消えるという推計が出た。これの解決策として、処方箋は、少子化対策の充実と、もう一つ、地方中核都市の重点的整備と町のにぎわいを取り戻す。私は、こういう大きな意味での、社会的な意味だけではなく、今の日本が直面している危機を救うのも、この小規模事業者、小企業者、ここの、今回の基本法にかかっている。松島副大臣が、そうだと。そして、女性の活躍にかかっていると実は思っておるわけですね。

 そこで、個々の事業とか企業への支援だけではなく、総合的に、観光の施策、商店街の再生、まちづくり、それから公共交通の整備、地域ブランドの再生。面的と先ほどおっしゃいましたが、総合的な施策が必要だと思うんです。この総合的な施策は、どこでどういうようにつくっていこうとされているんでしょうか。

松島副大臣 辻元委員と本当に思いが一緒で、握手したいような気持ちでございます。

 おっしゃるように、お祭りにしても、そして地域の子供たちにボランティアで太鼓を教えたり、剣道を教えたり、あるいは消防団の担い手も、自営業者と言われる、小規模事業よりも、むしろ個人事業主や五人以下の小企業者、こういう方々が中心になっていると思います。

 今回の法律におきまして、七条に、私も画期的だと思う条文がございます。一部はしょって言いますけれども、地方公共団体は、小規模企業が地域社会の形成に貢献していることについて、地域住民の理解を深めるように努めなければならない。経済産業省のこういう法律で、地域社会というような、社会の形成に役立つ、こういうような言葉、文言というのは今までほとんどなかったと思います。そういう位置づけにこれをしているわけであります。

 と同時に、それを含むもっと大きな連携という意味におきましては、今回の国会で中心市街地活性化法の改正をやりました。これと同時に、これに当たるものを国交省では町の中心部に、経産省の場合は商業施設を設けて、商店街なんかの話でしたけれども、国交省ですと、住民が中心部に住みやすいように、さらに交通体系もそうしよう、そういうような法律を一緒につくることによって人の集まりというものをしやすくするというようなことも今回の国会でやっている次第でございます。

 このように、やはり会社を会社としてだけ捉える、会社という、会社と地域が別にあるんじゃなくて、その中にある位置づけというものをしっかりと捉える、これがこの法律だと思っております。

辻元委員 先ほど公共交通と申し上げまして、私、国交省で働いていたときに、公共交通の充実ということで、交通政策基本法、前の国会でやっと成立させていただいたんですが、そういうトータルな施策が必要だと。そのときに、省庁間の連携というのが非常に重要になってきます。中小企業基本法のときもその問題が出されて、そして私たちも、政権のときに、中小企業憲章を制定するということで、中小企業施策のときもさんざん省庁間の連携を言いました。

 この中小企業憲章の中にも、これは理念や考え方を初めて整理したということで、今、民間の各種団体の皆さんも、この中小企業憲章を国会決議にしてほしいという御要望や運動もありまして、私も国会決議になるように努力はしていきたいと思っているんですが、この中にも、「関係省庁の連携は、起業・転業・新事業展開への支援策の有効性を高める。中小企業庁を始め、関係省庁が、これまで以上に一体性を強めて、産業、雇用、社会保障、教育、金融、財政、税制など総合的に中小企業政策を進める。」とあるんですね。

 ところが、中小企業の対策にしても、小規模事業よりも先にこちらがあったわけですけれども、いろいろ点検していくと、例えば、製造業や商店街は経産省や中小企業庁、食品産業や水産加工業などは農林水産省、建設業や貨物自動車運送業などは国交省、そして理容・美容業やクリーニング業や福祉関係は厚労省というように、やはり、先行していたはずの中小企業対策もまだまだばらばら感があるんですね。

 今、経産省の中に、中小企業や小規模事業に対して、省庁縦割りではなくトータルに、しっかりとした施策を打ち出そうという会議があるのは存じ上げておりますけれども、特に小規模企業などに関しては、先ほど申し上げました、地域の崩壊ということを食いとめる、これは国家危機対応の一環だと私は思うんですね。このままほっておくと、少子高齢化の中で都市と地方の格差が広がり、後で災害のことも申し上げますが、国家危機対応の一環というぐらいの重要な位置づけで、小規模企業等の対策を、省庁を横断して議論し、施策をつくっていくような、それこそ総理直轄の専門の会議ぐらいつくった方がいいんじゃないかと私は思うんですが、いかがでしょうか。

茂木国務大臣 考え方としては、どういう組織をつくるかは別にしまして、委員のおっしゃるとおりだと思っておりまして、縦割りで、なかなか小規模企業対策ができない。

 先ほど申し上げたように、地域を面として捉えて、そこの中で、中小企業政策から交通ネットワークの話から、さらには地域自治体も巻き込むわけでありますから、総務省、そして自治体本人、さらには金融庁の地域金融、全体として取り組むような体系というものをきちんと整えてまいりたい、こんなふうに思っております。

 まさに地域のコミュニティーをどういうふうに維持していくかということが極めて重要でありまして、先ほど、御地元の神社の薪能について、地域の商工会の方々等々が運営にかかわっておられると。神社は、もともと、ルソーの社会契約論を中江兆民が訳すときに、ソサエティーという言葉がなかなか訳せないということで、神社の社で会う、社で会うというところから、日本のコミュニティー、ソサエティーというのはできているわけでありまして、こういった、地域を中心に省庁のネットワークをしっかりとつくっていきたいと思っております。

辻元委員 ソサエティーと。後でソーシャルの話はしたいと思いますので、またそのときにはいろいろ議論させていただきたいんですが。

 今、私が国家危機対応と申し上げたのは、大げさで言っているつもりではないんですね。

 先日の参考人の方のお話をまた一つ御紹介して政府の見解を伺いたいんですが、自治体との連携も、国だけではできなくて、むしろ細かく、自治体がしっかりせないかぬということで、今回責務が入れられているということは評価できると思うんですが、絵に描いた餅にしてはいけないということで、その自治体に対して国がどういうサインを送るか、これもとても大事だと思うんです。

 これも、先日の参考人の方がこういう御発言をされました。東日本大震災のとき、行政が地元の企業の実情をよく把握しているところは、生活必需品の在庫をどこが緊急放出できるのか、また復旧工事も地元企業にどれだけこなせる実力があるのか、即座に行政が判断できた。この参考人の方の御提言は、行政に、地元企業の実情を総合的、具体的に把握する責務を明確化すべきというのが御提案だったんです、水曜日の参考人のお話をいただいた折に。

 責務を法案に明確化するというところまでいかないまでも、例えば通達であったり、さまざまな、政府から、こういうことは最低限ぜひやってほしいと。地方分権の時代ですけれども、ある程度の、先ほど申し上げました、災害時などの国家危機対応という観点も非常に、コミュニティーを守る、小さなお商売をされている皆さんの力というのは大事ですので、政府の方から、通達であったり、しっかりと実態把握をしてもらうようにというようなことを明確にした方がいいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

田中大臣政務官 まず、小規模事業者の振興には、地方公共団体の積極的な取り組み、これは委員御指摘のとおり不可欠なものであります。

 その中で、本法案においては、地方分権をやはり尊重しつつ、地方公共団体に対して、各地域において小規模企業振興施策を講ずることを求めることとなっております。国から地方公共団体に当然働きかけてまいりたいと思います。

 具体的には、地方公共団体に対しまして、それぞれの地域の特性に応じた施策を企画立案し、実施することを責務とするとしております。具体的な方策については自治体の判断となりますが、委員御指摘のように、地元の小規模事業者の実態調査も一つの有効な取り組みであろうと思います。しっかりと検討していきたいと思っております。

辻元委員 責務の中身ですよね。有効な施策をつくる際には、まず実態、体温をはかったり、血圧をはかったりということですので、ぜひその点は政府でも御検討いただいて、自治体の方に連携してもらうように、政府からもしっかり伝えていただきたいなと思います。

 次に、もう一つ、参考人の方の言葉で残っているのが、企業は人なりという言葉が出てまいりました。人材育成ということです。

 そこで、まず、地域の連携の中核として、今回は商工会、商工会議所の支援ということもありますが、一番悩んでいるのが、どこも人材不足なんですね。補助金も減っているということもあるかと思いますが、この商工会議所等の人材の確保や、それからコンサルティング機能、中小企業診断士のような人たちの育成など、どのように今後さらに力を入れていくのか、お聞かせください。

田中大臣政務官 中小企業診断士でありますが、これは中小企業支援法に基づいているものでありまして、四月現在で二万二千五百四十四名が登録をされております。民間のコンサルタントですとか公的支援機関、あるいは企業などで活躍をしているものであります。

 事業者の支援の施策の実施においても、専門家派遣事業に関しまして、新事業の展開ですとか商品開発、こうしたものに対して各種の経営課題に係る助言、こういうことが行われるように積極的に活躍していただくということであります。

 また、特に小規模事業者では、補助金情報の的確な把握ですとか申請書類の作成が難しいという声も多々あります。そのために、本年四月より、中小企業診断士等を小規模事業者の補助金申請のサポートを行うために派遣する事業、こうしたものも開始しております。

 いずれにしましても、こうした中小企業診断士を積極的に活用しながら、きめ細かい支援策に取り組んでまいりたいと思っております。

辻元委員 今、中小企業診断士のお話を中心にお答えいただいたんですが、商工会や商工会議所の人材不足も含めて、診断士とそれぞれ行きつ戻りつで、いろいろ相互に関連をしてくる話ですけれども、人材不足解消、それと、それにも関係してきますけれども、先日、参考人の方がこういうこともおっしゃっていたんですね。

 これは、中小企業同友会の、徳島の事例を出されました。コンサルタントの事業をしたりいろいろな、商工会議所なんかから、巡回で伴走型の支援をしていく、その人材も必要だけれども、事業を継承する、地元に若い人が残ってもらうというようなことをやはり誘導していく施策も非常に重要だと。

 その中で、こういう事例を御紹介されました。

 一年前に同友会、徳島県、県教育委員会の三者が連携協定を結び、若い人材が地元に残る取り組みを進めている、ことしの春に県で採用された小中高の教員の職場実地研修を今度夏休みに行う、企業四十社が参加、先生向けのカリキュラムを組み、新任教員に中小企業の職場体験をしていただくと。まず先生からということで、若者の進路指導とかさまざまなことで地域のよさを先生に理解してもらって、そしてそこから教育に生かしていく。

 文科省の方にもきょう来ていただいているんですが、文科省でもこのような取り組みを御存じであったか、また、経産省などと連携をしてどういう取り組みをしているのか、確認させてください。

藤原政府参考人 お答え申し上げます。

 先生の御指摘のとおり、学校の先生が、例えば徳島県のように、地元企業と連携した研修を通じて地域産業などへの理解を深めることは、児童生徒に、地域の一員として働くことの喜びや厳しさ、それから地元企業の魅力などを伝える上で極めて重要な取り組みであるというふうに考えております。

 各都道府県の教育委員会などにおきましては、初任者研修、十年経験者研修など、それぞれの経験年数段階に応じた研修におきまして、地元の中小企業での見学あるいは就業体験を行うといった、教員が地元企業について実地に学ぶ研修を実施するとともに、教員を地元企業などに一カ月以上の期間派遣する長期社会体験研修といったものを実施しているわけでございます。

 このような教員研修の実施に当たりましては、当然のことながら、教職員定数の加配といった措置を活用することも可能でございまして、文部科学省といたしましては、経済産業省ともよく御相談しながら、今後とも、各都道府県における地元企業との連携の取り組みを促していきたいというふうに考えております。

辻元委員 今、文科省の取り組みを一部紹介いただいたんですけれども、学校教育だけではなくて、先ほどの私の地元の事例ですと、高槻ジャズストリートというのは、二千人の市民ボランティアが支えているんです。

 一年かけて実行委員会を、次、誰を呼んで、どういう企画にしようか。その中には、本当に若い中学生や高校生のボランティア、そういう活動をしながら、商工者と一緒にまちづくりをしていく。

 そして、自分の町で自分たちも仕事をつくっていこうということで、まちづくり株式会社というのをつくって、この町を盛り上げていこうというような仕事に発展していったりという事例もありまして、子供のときであったり、そういう小さなときの体験が、自分の町を好きになって、そして新しい仕事づくりをしていこうということにつながっていきますので、この点もトータルに。

 資金繰りの支援も大事なんですが、人づくりといえばコンサルタント事業のようなことができる人を育てるだけではなくて、広く教育の場から、そしてボランティアの活動なども推進していく中で、まちづくり、そして小さな企業を応援していくというように、トータルに。

 ですから、先ほど申し上げた、省庁横断の、やはり課題を解決していく、そういう本当に国家的なプロジェクトの、横串を刺した対策が必要ではないかと申し上げているんですね。

 そんな中で、今ボランティアと申し上げたんですが、私はかつてピースボートというNGOを運営しておりまして、三十年ぐらい前にたった四人で市民運動的に始めたんですが、私は商売人でしたから、もうからなあかんと。もうかるというのは、自分がもうけるんじゃないんです。持続可能に、やはり経済的に維持していく。当時はソーシャルビジネスとかコミュニティービジネスという言葉はなかったんですが、やはりそれで食べていって、そして社会の問題を解決していく、ヨーロッパやアメリカではそういうソーシャルビジネスが三十年前もかなりございました。そういうことを目指してやってきて、今は世界一周とかもやって、世界一周の客船のシェアでは多分日本一に今なっていると思うんですが、私は実際、今はもう組織から離れていますけれども。

 そんな中で、先日参考人の方からもこういう指摘がございまして、地域経済活性化、地域コミュニティーを維持するために今必要なのは、地域の問題解決型のビジネス、コミュニティービジネス、ソーシャルビジネス、この問題解決型ビジネスへの支援が必要というような御紹介がございました。

 私、初当選は十八年前なんですけれども、しぶといほどNPO法をつくろうということで、当時、NPOとかというと、何じゃいということで余り御理解なく。しかし、当時は茂木大臣とも御一緒に、自社さ政権でございまして、私も自民党と政権を組んでいたことも実はあるんですが、自社さでこのNPO法の与党案というものをまとめまして、成立させていただいて、今、NPOは四万八千七百三十五法人、これは一月末ですけれども、そして有給の常勤職員は平均四人、非常勤が平均六人、そして事業規模、支出では一法人平均三千五百二十七万円というぐらい育ってきているんです。単純計算しますと、四十四万人ぐらいの雇用を創出して、そして事業規模は一兆五千六百億円の市場というぐらいに育ってきているんですね。

 参考人の方が、ソーシャルビジネス、コミュニティービジネス。これは新しい分野としてこれから伸びていくと思うんです。これは、「就職人気ナンバーワン! 世界を救う米国のスーパーNPO」と。アメリカなんかですと、NPOに就職したいという人が、就職の自分の希望先ナンバーワン、ナンバーツーであったりというぐらい、社会性を持ったそういうビジネス、やりがいもあるし、ぜひやってみたいという若者は今ふえております。

 さて、そこでお聞きするんですが、小規模事業の主体、小企業者の主体に自営業とか各種法人は入っておりますが、このNPO法人はその中に入っているんでしょうか。

北川政府参考人 お答えいたします。

 現在、中小企業基本法を初め中小企業政策体系におきましては、原則として、営利を目的とする法人、事業者、これを対象にしておりますので、そういった意味ではNPO法人は入っておりません。ただ、現行の支援策の中でも、中小企業、小規模事業者の方の振興に資するNPO法人につきましては施策の対象に含まれてございます。

 今後、事業の実態あるいは雇用の実態、こういったものを見て検討していくべき課題だと考えております。

辻元委員 営利ということに着目しまして、これはNPO法をつくるときも、富田委員長もそのとき中心的な役割を果たしていただいたんですが、利益を分配しないということだけで、ほかは関係ないんですよね。

 ですから、定義はあるわけですが、これから伸びていくビジネスとして、例えば、皆さんの御地元にもあるかと思います、配食サービスなども、十五、六年前に数人の女性が始めた配食サービスが、百人近くの雇用者を擁する大きな高齢者の配食サービスに成長したり、フェアトレードというので、さまざまな、途上国のコーヒーなどを輸入して、また、最近はジュエリーも、ダイヤモンドなど、買いたたいてではなくて適正価格で途上国からダイヤモンドなどを輸入して、とてもすてきなデザインで、そしてそれをネット販売などで、かなりこれは販路が新しく開拓されておりまして、そういう意味では利益も生み出しているとか、さまざまなビジネスが出てきております。

 そこでお伺いしたいんですが、今は入っていないということなんですが、ここが宙に浮いちゃっているんです、ソーシャルビジネスの部分が。ここを経産省的に、または後で金融庁にも時間があったらお伺いしたいんですが、金融でお金がどれだけ貸せるのかとか。しかし、育ってきていることは事実なんです。ここは、私は未来に向けての非常に大きな可能性を秘めているんじゃないかと思っております。

 そこでお伺いしたいんですが、今、民間の団体の推計、市場規模一兆五千六百億円ぐらい、これは民間で試算しているんですが、このソーシャルビジネス、また、地域の小さな、被災地なんかでも、コミュニティービジネス、地域の被災者の皆さんが手づくりでさまざまなものをつくったり、地域の海産物を加工して、それをネットなどで小さなコミュニティービジネスとして始めている。

 先ほど申し上げました、例えばうちのうどん屋は個人事業主なんですが、うちのうどん屋なんかよりずっとでかいのがいっぱいあるわけですよ。うちは銀行にお金を貸してちょうだい言うたら貸してくれるけれども、もっと大きいNPOはなかなか借りられない。これでは、実情とえらいそごがあるのではないか。

 そこで、今、政府として、このソーシャルビジネス、経産省にソーシャルビジネス推進研究会というのがかつてあったんですが、実態把握などは今とまっているようなんですね。NPO等は内閣府が所管しておりますけれども、例えば、法人格別の経済規模、どれぐらいの経済規模になっているかとか、雇用者数は一体どれぐらいあるのかとか、それから雇用者の年齢はどういう年齢で構成されているのかとか、まずこの実態を調査すべきだと思うんですが、いかがでしょうか。

林崎政府参考人 お答え申し上げます。

 私ども内閣府の方では、今るるお話があった地域の課題解決あるいは地域活性化の上で、NPO、ちょっと切り口は違いますけれども、ソーシャルビジネスといったものは非常に重要な役割を果たしていると認識しておりまして、これらの活動の広がりを後押しすることが重要だ、こういうことで、昨年の四月から、共助社会づくり懇談会というのを大臣のもとに設置いたしまして、NPO等による地域のきずなを生かした共助の活動を推進するための、いろいろな必要な政策課題の分析とか、あるいは支援策の検討を行ってきているところでございます。

 そういった中で、本年度は、今お話ありましたソーシャルビジネスに的を絞ったということではないんですけれども、NPO法人を含めたソーシャルビジネス事業実施者の市場規模なども把握することを目的として、共助社会づくりの担い手の活動規模基礎調査を行うこととしているところでございまして、こういった調査結果などを踏まえながら、引き続き共助社会づくりを進めていきたい、こう考えているところでございます。

辻元委員 その際に、事業を拡大していく、例えば、よく出されるNPO法人フローレンスなどは、病児保育ということから始めまして、物すごく大きな事業規模になっているんですが、資金調達なんですね。

 きのう、ちょっとある会がありまして、今、休眠預金活用推進議連というのもやっておりまして、そこで出た話なんですが、例えば、あいちコミュニティ財団というのがありまして、この財団でまず立ち上がりの資金をちょっと支援する。そして、ビジネスなどが育ってきたら、次は、コミュニティ・ユース・バンク、NPOバンクというのも今出てきておりまして、ここが融資をする。そして、事業が軌道に乗り出したら地域の金融機関を紹介するというようなことで、自分たちで資金調達のNPOのバンクまでつくってやっているんですが、なかなか最初から地域の金融機関がお金を貸してくれない。

 そこでお聞きしたいんですが、まず、信用保証制度についてお聞きします。

 この信用保証制度は中小企業や小規模事業者にとってはとても頼りになるものなんですが、こういうコミュニティービジネス、その担い手の大半がNPOなんですが、これが対象になっているのか。なっていない場合は、今後、基準を設けて対象にしていくような方向に変えていった方がいいと思うんですが、いかがでしょうか。

北川政府参考人 信用保証の対象となっているかというお尋ねでございます。

 現在の信用保証制度につきましては、原則として、NPO法人一般は支援対象となってございません。一部、産業競争力法に基づきます、創業支援を行うNPO法人、あるいは認定支援機関として経済産業大臣の認定を受けたNPO法人、こういったものについては例外的に支援対象としてございます。

 今後、これからどうするかということでございますけれども、事業実態におきましてどのようなことをされておられるか、あるいは既存のNPO法人に対する施策とのバランス、あるいは一般社団法人といったものとのバランス等も踏まえながら、NPO法人の資金繰りの実態も踏まえまして、事実の確認などを行って、検討を行ってまいりたいと考えております。

辻元委員 もう一つ、資金の融資等について伺いたいんです。

 日本政策金融公庫などが幾つかの支援をしていると聞いているんですが、例えばNPOバンクなどと共同で融資をするとか、さらに金融公庫も踏み込んでいくというような施策をしていただきたいと思っているんですが、いかがでしょうか。

平松政府参考人 お答えいたします。

 先ほど、NPOバンクの話が出ましたけれども、日本政策金融公庫におきましては、市民が出資した資金でNPO等に融資するNPOバンク、こちらと連携いたしましてソーシャルビジネスの担い手の支援に取り組んでおります。

 具体的には、NPOバンクと日本公庫が協調融資を行うということで、ソーシャルビジネスの担い手に対して、資金調達の円滑化、そして経営の安定化ということを支援していこうというふうにしております。

 今後も、NPOバンクとの連携を深めていくということで、地方公共団体やNPO支援組織を含めた支援のネットワークを広げまして、NPO法人を初めとするソーシャルビジネスの担い手を支援してまいる所存でございます。

辻元委員 経産省も、これは内閣府が今NPO等の担当になっておりますけれども、さらに本腰を入れていただいて、ソーシャルビジネスの分野を強力に進めていただきたいと思います。

 最後に大臣にお伺いします。

 私は、きょう、小規模事業者、小規模企業及び小企業者、小さな商い、この部分がトータルにやはり国家的危機を救う鍵になると思うし、そしてさらに、ダーウィンの進化論、先ほどおっしゃいましたけれども、変われるものが生き残っていく。

 そういう意味では、問題解決型ビジネス、ソーシャルビジネスは、日本を変えながら、問題を解決しながら地域のコミュニティーを再生し、そして商売、市場も拡大していくということで、非常に大きな可能性があると思います。

 この国家的危機を救う意味でも、ソーシャルビジネスの振興や、そして、多面的な機能を持つ小さな商いを総合的に、トータルに応援していく。経産省としてさらに力を入れていただきたいということを、一言決意を最後に聞いて終わります。特に、ソーシャルビジネス。

茂木国務大臣 いわゆる社会的な課題、地域の課題を解決する、おっしゃるように、NPOを初めとしたソーシャルビジネスとしてやっていくというやり方があると思います。

 一方で、収益法人、これは先ほども小規模事業が地域の担い手であると。かつては旦那衆というのがいたわけですね。この旦那衆というのは、もともと、サンスクリット語、梵語でダーナ、お布施をするということでありますから、もうかった利益の中からそういった社会的な事業をやる。

 いろいろなアプローチはある、そんなふうに思っておりまして、今後、経済産業省でも、中小企業政策の中で、こういった、例えばNPOだったりとかソーシャルビジネス、どこまで対象とし得るか、そのための研究会を来月にも立ち上げ、検討を進めてまいりたいと考えております。

辻元委員 しっかりやっていただくことを要望いたしまして、終わります。ありがとうございました。

富田委員長 次に、伊東信久君。

伊東(信)委員 日本維新の会の伊東信久です。

 五月二十日の衆議院本会議の質疑に引き続きまして、小規模企業基本法案と小規模企業の支援に関する法案、この二法案について質問させていただきます。

 まず、経営者保証に関するガイドラインについてお尋ねしたいんです。

 これは登壇のときにもお尋ねしたことなんですけれども、法人経営者の保証能力基準に関するガイドラインでは、法人と個人が明確に分離される場合などには個人保証を求めないとあります。しかしながら、小企業者、おおむね五人以下の企業において法人と個人の明確な分離をすることは極めて困難というのは、これは世間一般的にもそうであるかなと思われると思うんです。

 判断基準をお答え願えますかという質問に対して、法人の事業に必要な資産は個人所有でなく、法人において適正な会計基準を用いた信頼性の高い財務諸表の作成を行うことと規定されている、そういうお答えをいただいたわけなんですけれども、お答えを伺ったときに、ちょっと具体性に欠けているなと思いまして。小企業の事業主の方にとって、具体性をやはり今回の法案についても、いろいろ仮定はあると思うんですけれども、求められると思いますので、この質問に対しての、具体的な基準内容をもう少し突っ込んでお答えください。

北川政府参考人 お答えいたします。

 本年二月から運用を開始いたしました経営者保証に関するガイドラインでございます。これは、個人保証依存というものから脱却するということが狙いでございます。

 一方で、中小企業、小規模事業者に経営者保証を必要としないで融資ができるようにしていくためには、金融機関が、法人事業のみの事業の実態、そして資産状況を見て融資判断できる状況をつくり出すということが必要でございます。

 このため、ガイドラインの具体的なところはどうなっているのかという御指摘でございますけれども、まず、経営者個人による法人の事業用資産の所有、これを解消する、分けてもらうということ、それから一方で、法人から経営者への貸し付けというようなお金の流れを防止するということでございます。

 もっと具体的に申し上げますと、法人の資産と個人の資産、あるいは、法人の経理、経営者個人の家計、これを分離するということで、一つ目は、まず資産の分離でございますけれども、事業活動に必要な本社、工場、あるいは自動車、営業車、こういった資産は、経営者の個人所有ではなく、明らかに法人の所有とするということ。それから、商店などの場合、自宅が店舗を兼ねていることもございますけれども、こういった場合には、法人が経営者に適切な賃料を払うということで、しっかりと経理を分けるということ。

 あるいは、経理、家計の分離につきまして、事業上の必要がない場合には、法人から経営者への貸し付けを行わないこと。あるいは、さらに細かくなりますけれども、個人として消費した飲食代、こういったものの費用について、法人側で経理処理はしないというふうなことなどでございます。

 これはそれぞれ、ケース・バイ・ケースでもっと細かくなっていくと思うんですけれども、このような対応を確保、継続する手段といたしましては、今般つくっていただきました中小企業の会計に関する基本要領、こういった小規模事業者でも使えるような適正な会計基準を用いまして、信頼性の高い財務諸表の作成あるいは債権者に対する情報の定期的な報告、こういうことを求めております。

 こういったことによりまして、金融庁と連携しつつ、ガイドラインの実効性確保、そしてまた、小規模事業者の方にもわかりやすい周知を図ってまいりたい、かように考えてございます。

伊東(信)委員 ガイドラインというのは、ガイドラインでありますから、プリントアウトした印字もしくは文字によって、これはこう、これはこうということで分けられると思います。

 しかしながら、例えば、これから企業を始める小規模企業の方にとって、個人と法人と分けることとなっていれば、そのガイドラインどおりにうまいこといくとは思うんですけれども、例えば、現在も、個人保証しているところ、先ほどのお話にもありましたけれども、自宅の場合だったら家賃ということで片づくとは思いますけれども、個人が例えば友人なり親戚に借りたお金を回しているなど、さまざまな複雑な事例が出てくると思うんですね。

 その場合の政府の指導において、もう少し何か具体的に施策なり対策を練ってはいないのでしょうか。

北川政府参考人 委員御指摘の、これからもっと詳細ないろいろなケースが出てくるだろうということでございます。

 これにつきましては、私どもといたしましても準備をしていきたいと思いますが、実際、現場でいろいろな、判例とは申しませんが、いろいろな例が出てくると思います。最近、金融専門誌で出る例を捉えますと、例えば、地方で五百平米ある自宅がありました、これをどうしますかということになりまして、地方の実態、そして経営者御本人の誠実なお人柄、こういったものを確認の上で、では、その自宅は残しておこうというような事例も出てきております。

 こういった具体的な事例の積み重ねが出てくると、一つの例になりまして、それを私どもといたしましても収集の上、先ほど申し上げましたとおり、金融庁と連携して、周知を図り、現場で困らないようにしていきたい、このように考えております。

伊東(信)委員 現実、この法案に関して、私も前向きには考えておりますので、文句をつけるというか、何かしら逆行するような方向には持っていきたくないわけなんですけれども、ただ、融資側の方の、これを法人に見るの、これを個人に見るのとなった場合、混乱も起こるかもしれないので、その辺の融資側の方の指導もきっちりとしていただかないと、この法案自体の推進にならないと思いますので、そのあたり、よろしくお願いします。

 ということで、融資の話になりまして、小企業はおおむね五人ということなんですけれども、二十人以下の小規模事業者になりますと、ここから経営改善して再スタートしようとする会社、もしくは創業間もない会社の融資に関してですけれども、やはり返済というのは大変だと思います。

 再三申し上げていますけれども、私自身は医療法人もやっていますけれども、実家は呉服屋で、呉服の方はやはり厳しいというのが現状でございまして、では、経営改善で再スタートということも考えるわけですね。ただ、その際、多くの心斎橋の商店街の呉服屋は、心斎橋商店街、大阪なんですけれども、そこの地価の高さで、再スタートというのがなかなかできなかったり、その場合、やはり返済もかなりの重荷になったわけなんですね。

 本会議の質疑におきまして、据置期間を適切に設定しているというお答えだったんですけれども、元本の返済の猶予、このことを前も申し上げたんですけれども、モラトリアムを含めて、より踏み込んだ企業への負担軽減策というのはお持ちでしょうか。

茂木国務大臣 質問にお答えする前に、先ほどの、個人保証を求めない新しいガイドラインの話でありますけれども、確かに、個々の事例によって、個人の資産と法人の資産を明確に切り分ける、これはやはり事例の積み重ねになってくるんだと思います。小ガニの甲羅より大魚の骨、こういうふうに言うわけでありまして、まずは大きな枠組みをつくって、そこの中で事例を重ねながら具体的に動かしていく、こういったことが大切ではないかな、こんなふうに考えております。

 その上で、先日の本会議でも御質問いただきました小規模事業者の経営改善資金融資制度でありますが、これは、主に日々の事業活動に必要な小口の資金を提供する、こういうものであることから、据置期間は二年以内とする一方で、その他の措置もございますということで、例えばセーフティーネット貸し付けで申し上げると、事業が正常化するまでにもう少し時間がかかるということで、据置期間三年以内とさせていただいております。

 さらに、例えば、経営改善に取り組んでいる事業者であったりとか、創業後間もない事業者については、業績が安定するまでかなり長期間要するというケースもありまして、この場合には、七年から十五年の据置期間中は金利のみの返済として、貸付期間終了時に元本を一括で返済する、こういう特別な枠組みを日本政策金融公庫の融資制度の一つとして用意しているところであります。

 この融資制度につきましては、業績に応じた金利が適用されるなど、中小企業金融メニューの中で特殊なものではありますが、特に抜本的な経営改善、再生に取り組む事業者や、リスクがかなり高い創業などの新規事業に挑戦する事業者に利用されている、このように認識をいたしております。

伊東(信)委員 ありがとうございます。

 元本に関する猶予のお話をいただいて、なかなか手厚い施策だと思います。

 ただ、質問していてこう言うのもなんなんですけれども、ちょっと手厚過ぎる場合、例えば七年は適当だと思うんですけれども、十五年に及ぶと、かなりその中で時代の変化もありますし、企業自体が元本を返さないというのもどうかなと思うところもあるんですね。

 先ほど小ガニの甲羅の話をしていただいたんですけれども、カニの甲羅というのはキチン質からできまして、それを使って人工の皮膚をつくってやけどとかに使うんですね。それが昨今、アレルギーの話から、細胞培養とかの話になって製品化されているわけです。それをいろいろなところで、ベンチャー企業でやっていく。そういうようなイノベーションを常々考えている企業というのは、こういった措置はすごくありがたいと思うんですけれども、こういった猶予期間の間、やはり、会計上、数字しか見ないわけなんですけれども、こういったイノベーションに関するその企業の努力とかをチェックするような、そういったことも、この負担軽減策の中に何か盛り込まれているようなことはないでしょうか。

北川政府参考人 お答え申し上げます。

 事業の中身を見ているのかということでございます。

 先ほど大臣から御説明申し上げました特別な融資制度でございますけれども、これはまさに事業の中身によりまして、七年から、あるいは最長で十五年ということでございます。

 しかも、そのプロセスにおきまして、特殊な貸し出し方法でございますので、さまざまな事業がうまく進んでいるか、これについて非常に定期的に話をお伺いして、そしてまた、うまくいっていないというような場合には、公庫がみずから経営指導に当たって相談していく、こういう体制をとって進めてございます。

伊東(信)委員 ちょっと細部にわたるので、ここまでにしますけれども、定期的にというのはどれぐらいの期間を想定されていますか。

北川政府参考人 これは、大変頻度を上げてやってございまして、具体的に申し上げると、四半期に一度、業況報告を求めて事業を見ていくということでございます。

伊東(信)委員 ありがとうございます。了解いたしました。

 以前、経産委員会において御質問させていただきましたし、本会議においても御質問させていただいた内容なんですけれども、政府として、ITにおけるイノベーション、これを推進していると。ウィンドウズXPのサポート、もう大分前のようですけれども、まだ一カ月ちょっとしかたっていないんですね、四月九日なので。四月九日の時点でも六百万台稼働している。医療仲間は割とXPの交換をしていますけれども、やはり小規模事業者にとって、入れかえコストに関して悩まれています。入れかえないことに関してのデメリットもいまいちよくわかっていない、そういった事業者もございます。

 しかしながら、やはりコンピューターを初めとする事務所の環境向上なくして企業自体の改善も進められない部分もあるわけなんですけれども、コンピューターを初めとした事務所環境の向上に対して、具体的なサポート案というのをお聞きしたいわけです。

 日本政策金融公庫による融資とか税制上の措置を実施しているというお答えをいただいたんですけれども、まず、それだけで十分だと御認識なのか、また、いつまでの措置なのか、もしくはほかの具体的なサポート案をお持ちなのか、お答えいただければ。

北川政府参考人 御指摘のITについて、そのサポートをどうするかという点でございます。ウィンドウズXPのサポートということもございます。

 これにつきましては、まず、融資、税制、どのようなものがあるのかということでございますけれども、まず、IT投資の促進の支援ということで、日本政策金融公庫の融資制度でございますIT活用促進資金、これを少なくとも、予算制度でございますけれども、今年度末まで措置をしてございますし、一方で、有力と考えております税制上の措置でございます少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例、ちょっと長うございますけれども、一台三十万円、全体で三百万円まで、こういったものについては全額損金算入できるという特例でございます。これは租税特別措置の措置でございますので、来年度まで、二年ごとの適用となってございます。

 それから、ウィンドウズXPからの移行を初めといたしまして、私どもといたしましては、セキュリティー対策というのが非常に重要だと考えてございますので、独立行政法人情報処理推進機構におきまして、このようなセキュリティー相談窓口をつくってございます。そこでさまざまな相談に応じたりしてございます。

 あと、中小企業、小規模事業者ということでございますれば、ポータルサイト、ミラサポ、これを設置してございまして、そこでもさまざまな相談、派遣ということを行うようにしてございます。

 できるだけ小規模事業者の実態に即しまして、きめ細かく応援していきたいと考えております。

伊東(信)委員 実際、地元の商店街の方とかにお聞きしますと、その窓口自体が、どこに聞いたらいいのかわからない、出入りする業者の意見をそのまま聞いたりとか、直近なところでは、税理士の先生に聞いて、税理士の先生がまだその環境を変えていない、例えば、ウィンドウズXPがまだ大丈夫言うたら、それをそのまま聞いて変えていないとか、そういった現状もあるわけなんですね。融資のことも含めて、そういったことを聞く窓口へのアクセスがいまいちよくないというようなこともお聞きするんですね。

 商工会議所の機能的なところにおいて、チラシを配ったり通信を配ったりするけれども、予算面であったりとか人的な問題があって、それが頻繁でなかったりとか、中に、ITの環境が悪いのにITを見るといってもなかなか難しい話でありまして、そのあたり、今おっしゃったような情報をどこにアクセスしたらいいのだという、そういった問題に直面している事業者の方もおられるんですけれども、そのあたりはどうですか。

北川政府参考人 お答えいたします。

 普及啓発ということでございます。

 おっしゃるとおり、IT環境が整っていない方になかなかうまく伝えるのはどうかということで、私ども、先ほどミラサポでやっていると申し上げましたけれども、これ以外にも、各種イベントを何度もやっておりますとともに、もっと具体的にいきますと、家電量販店あるいは金融機関、あるいは警察、こういったところと協力いたしまして、ポスターを張るなど、さまざまな周知をお願いしております。

 もちろんこれだけで十分とは言えないかもしれませんが、努力してまいりたいと思います。

伊東(信)委員 わかりました。

 今、私がIT環境が悪いという話をさせていただいた中に、例えば大阪においても幾つかの市で調査をかけたところ、今の事業主の方が六十を超えてはる、町工場の集まっている東大阪市とかもそうなんですけれども。大阪市立大学の本多哲夫教授のレポートのお話を本会議でもさせていただいたと思うんですけれども、そういった、事業主が高齢化していく、そして自分の後継ぎがいない、なかなか継承者がいないという問題もあるわけですね。工場同士が支え合うというのも、仲間同士が支え合うネットワークづくりというのも大事ですし、ものづくりに関心を持つ若い世代を育てる公的支援も必要だと思います。

 全てに対して手厚く、全ての層の方に、枠を超えた、女性の方もそうですし、若い世代だけでもだめです、シニア層も戦力化が要ると思うんです。いわゆるスクラップ・アンド・ビルドも大事なんですけれども、工場同士が支え合うネットワークづくりとか、若い世代を支える公的支援も必要で、女性も必要、若い世代の人、シニア層も必要と、こういった満遍なく手厚いサポートが必要なんです。

 経産省としては、今の町工場とかの危機的状況に関して、何か具体的な策というのはございますでしょうか。

茂木国務大臣 先生御指摘の東大阪は、ハードロックのようなすばらしい会社もありますが、恐らく大田区と並んで、中小企業、小規模事業者の集積の双璧ということになってくると思います。

 例えば、今、大田区でも、下町ボブスレー、こういった形で、それぞれ違った技術を持っている企業が一つのボブスレーに挑戦をする、こういった取り組みも行っているところであります。

 やはり、工場同士のネットワークづくり、こういうことは極めて重要だと考えておりまして、ものづくり中小企業、小規模事業者が、大学であったりとか公的な試験研究機関等と連携して行う研究開発計画を対象に、いわゆるサポーティングインダストリー支援事業を通じて支援を行ってきております。予算で申し上げますと、平成二十六年度の予算で百二十六億円、こういう額になってまいります。

 同時に、若者そして女性、こういうのが新たな戦力としてそういった職場に入っていくということは極めて重要でありまして、そのためのさまざまな支援策というのも用意しながら、新陳代謝、こういったものを進めていきたいと思っております。

 地球の歴史を見ても、六億年前のカンブリア紀、ここでオゾン層が生まれることによりまして、御案内のとおり、生物の多様化が進むということでありまして、二億年から一億五千万年前に恐竜が闊歩するわけでありますけれども、その後、隕石がぶつかりまして、氷河期を迎えて、その後、我々哺乳類の時代になる。

 やはり哺乳類が生き残れた。これは恐らく、恐竜と比べて体が比較的小さかった、同時に、恐竜から守るために、卵生、卵ではなくて、胎生、体の中で子供を育てるということがあったと思いますが、同時に、集団として連携をしながら生活をする、こういう形態も極めて大きかったのではないかな、こんなふうに考えております。

伊東(信)委員 ありがとうございます。

 最後におっしゃっていただいた、その集団として生活するというのが、やはりセレクション、自然淘汰の中で重要なキーワードだということは、私も、生物学として非常に共感するところでございます。

 カンブリア紀のときに、海中の中で最大だったアノマロカリスというエビは、大体、最大と言われても、このテーブルよりも大きくなかったらしいんですね。それが、だんだんだんだん、身を守るためにでっかくなったけれども、最終的に、小さい、集団的な集まりに負けてしまったということです。

 ちょっと時間もなくなってきたので、最後に一問だけ。

 商店街が生き残り策のためにいろいろな、以前は、各商店街が連携するバルであったりとか、町全体を使う町コンとかというのをしていましたけれども、最近、うちの地元でも、岡崎市から講師を招いて、町ゼミというのをやっています。町ゼミというのは、収支を考えないで、そこの町におおむね五人ぐらいのお客さんを呼んで、そこの店主が何かしら生活に役立つ豆知識を言うわけですね。例えば時計屋の店主の方が、その方が趣味としている家庭菜園の話をするとか、商売に結びつけない、だけれどもお客さんを呼ぶ。

 例えば、十人いれば三人しか来ない、十分の三のところを十分の六に上げるとか、そういうパーセンテージを上げるんじゃなくて、そうやってファンをふやすことによって、三十人にすれば九人になるやないかということで、パイをふやす、こういった、町ゼミというようなことを今地元では勉強しているところなんですね。

 地域商店街活性化事業や商店街まちづくり事業、こういったことに関して、今後の支援策の見通しというのを最後にお答えいただければと思います。

北川政府参考人 商店街活性化についてでございます。

 これは補正予算ということで、にぎわい事業と呼んでいますが、地域商店街活性化事業、これはイベント事業の支援ということで、これまで千九百五十件を採択してございます。委員の御地元でも九件採択しております。また一方で、まちづくり事業、これも補正事業でございますが、これも安心、安全な生活環境を守るための商店街施設の整備を支援してございまして、これまで千五百五十一件採択してございます。御地元でも八件採択いたしてございます。この事業につきましては公募中でございます。しっかりとやってまいりたいと思います。

 また、当初予算、二十六年度通常予算でございますが、これにつきましても、地域商業自立促進事業ということで、新陳代謝の促進、あるいは、もっと言えば中長期的な構造問題の解決を図る取り組みを支援したいと考えてございまして、このような手だてを用いまして商店街の持続的発展を支援してまいりたいと考えております。

伊東(信)委員 ありがとうございます。時間ですので、終わります。

富田委員長 次に、丸山穂高君。

丸山委員 維新の会の丸山穂高でございます。

 私からも、引き続きまして、両法案につきまして質疑させていただきたいと思います。

 今、このシーズンはちょうど総会シーズンでございまして、いろいろな各総会に、大臣、副大臣、政務官の皆さん、委員の皆さんもおいでになられていると思いますけれども、まさに今、商工会も商工会議所も総会のシーズンでございます。私も地元の商工会さんにお呼びいただいて、では、せっかく来ていただいたんだから、何かお話をぜひしていただければみたいな形でお話をいただくことも結構あります。

 そこで、では、せっかくなので、経産省さんで今やろうとされているものを御説明させていただきたいなという形で、特に商工会さんが御興味を示されるのが、やはり今回の法案、まさしく自分の組織が関係するところなので、お話を聞かせてくれというお話をいただくんです。

 一方で、おつくりになった資料や、自分自身もそれを踏まえて御説明させていただく中でよくお話を伺うのは、特に、うちの地元も田舎なもので、これをメーンで例えば法律を追っていらっしゃるわけでもありませんし、そういった意味で、御理解いただくために御説明するのが非常に難しいところはあるんです。

 一方で、では、それで何が変わるのかという部分に関して、いつも何か変えてくださるんだけれども非常にわかりにくいという話は、先ほど来、委員の先生からいろいろお話がありましたけれども、やはり共通して聞かれるところなんです。

 まず最初にお伺いしたいのは、特に今回の、商工会及び商工会議所による小規模事業者の支援に関する法律の一部を改正する法律案の方になるとは思うんですけれども、こちらの方によって商工会さんや商工会議所さんがどのように変わって、それによってどうよくなるのか、そのあたりにつきまして御答弁いただければと思います。

    〔委員長退席、鈴木(淳)委員長代理着席〕

松島副大臣 おっしゃいますように、今回、小規模企業がよくなるようにというのがメーンでこの法律があり、そして、小規模企業がよくなるために商工会や商工会議所に頑張ってもらおうというわけでございます。

 既にやっていることとしても、例えば、先ほど申し上げました、小規模事業者が事業を継続していくための、上限五十万円、三分の二の補助金があります。これも、商工会や商工会議所の方に審査をお願いしています。

 そういうふうに小規模企業について詳しくなっていただきつつあるわけですけれども、これまでえてして、商工会、商工会議所の役割というのは、全国どこでも同じようなこと、つまりマル経融資のあっせんだとか、それから記帳指導とか税務指導、全国同じような感じでやってきた。これからやはり地域によって、製造業が盛んなところ、そうじゃない農産加工のところもあれば、企業城下町のところも、企業城下町の親玉が元気なところと、そうでなくなって新たなところを見つけなきゃいけないのと、いろいろあります。

 ですから、商工会、商工会議所に、自分たちの組織が新しく小規模事業を支援していくために何ができるかということで、経営発達支援計画というのをつくってもらう。これをつくってもらって、ここはいいなということがありますと、経済産業大臣が認定をし、そうすると、周りからも、あそこのように頑張れということになってくるかと思っております。

 さらに、もう一つ申し上げますと、これまでと違って、商工会や商工会議所にも他の機関と連携してもらおう。他の機関と申しますのは、自治体、都道府県や市区町村であったり、あるいは金融機関、地銀、信金などと組んでもらう。それから、さっき言いましたような、地域にある大企業や中規模企業と商工会、商工会議所が連携することによって、小さな会社、小規模事業に対してもお客様を結びつけやすくなったり、つまり、そこだけでの仕事じゃなしに、周りを巻き込む、そういう連携をしていただく。

 さらに、連携しましたら、先ほど来、例えばNPOとか一般社団法人、一般財団法人などが信用保証を受けられるのかというような質問も既に出ているんですけれども、地場産業や観光を振興するためのNPOや一般社団法人、一般財団法人と商工会、商工会議所が連携した場合には、連携先がイベントの開催などでお金がかかるとき、これは中小企業のためにやっていただいているからということで、これらも民間金融機関からお金を調達することができるように信用保証の対象にする、そういったこともやって、商工会、商工会議所の周りとの連携も進めていただくことになります。

丸山委員 今のお話で非常に重要というかおもしろいなと思ったのが、各商工会さん、商工会議所さんの独自性を重視するとおっしゃったか、出してきていただきたいとおっしゃったか、とにかく、その独自性の部分が、今私の中でひっかかるところがあったんです。

 計画認定は義務ではなかったと思うんですが、計画を出される場合に独自性が重要だ、その場合には通りやすいという認識でいいんですか。

松島副大臣 一つのポイントにはなっていくと思います。

 そして、独自性とともに、商工会や商工会議所が、自分が持っている人材の中で、その体制として、金融支援をするグループとか人材、そしてまたマッチング、地元の企業が海外へ出ていくための、いろいろなところを巻き込む、そういうのが得意な人材を、こういう部門をつくるとか、そういう意味でのそれぞれの個性、地域による個性もあるし、商工会といったら、特に小さいですから、そんなに人材はいないかもしれないけれども、その人たちをどういうふうに振り向けてやっていけるか、そういう特性が必要かと思います。

丸山委員 今、くしくも、次にお話ししようと思った、具体的に何を受けられるかという部分も少し詳細にお話しいただいて、特にお金の部分とか支援の部分をいろいろ御説明いただいたんですけれども、その点は今お答えいただいたので、二問目は少し省略ぎみでお伺いしたいんです。

 これは、書くときも、計画をおつくりになるときも、やはり商工会さんにとってみれば、温度もありますし、恐らく人材にも差があって、待っていましたと書けるところはあるんですけれども、一方で、場所によっては、どう書けばいいのかというのを横の商工会さんに結局お聞きになって、悪く言うと似たようなものが出てきてしまったり、政府側としては、もう少し、意図していたもの、こんな新しいものが出てきたり、意欲性のあるものが出てきたらいいと思ってやっているのに、独自性が薄れてしまったり、ある意味、義務的とまでは言いませんけれども、周りも出しているからというので出されてしまうと、政府として意図するところじゃないと思うんです。

 計画認定を受けるためのバックアップの部分について、済みません、ここはちょっと質問の部分とは重ならないんですけれども、事務方で答えられる範囲で構いませんので、この辺の、出す場合に独自性をお出しになるという話だったので、その独自性を維持するために多分フォローが不可欠だと思うんですけれども、中小企業庁さんも含めて、どのような計画認定を、書いていただくためのフォローみたいなところについてお伺いしようと思うんですけれども。

北川政府参考人 お答えいたします。

 今回の法律改正全体の趣旨でございますが、地域のことはまず地域で考えてお決めいただきたい、それを政策として応援していこう、こういう趣旨でございます。

 今回の支援法におきましても、商工会、商工会議所のそれぞれの単会でいろいろ考えていただいて、ただ、その中で、委員おっしゃった、限界があるのではないか、単会によってはそこまでできないのではないかというのがございます。

 それにつきましては、まず横の単会同士の連携というのを期待してございますし、さらに言えば、県連、県のレベルで独自性を考えていただくということでございます。そういったことをもちまして地域の独自性というものを追求していただければ、このように考えております。

丸山委員 ありがとうございます。

 今非常に勉強させていただいたのは、商工会さん同士の連携によって、商工会さんの独自性というよりは地域での独自性もあり得るということですから、そのあたり、横並びにならないような御努力を政府の方でもしていただきたいんです。

 そういった意味で、先ほど伊東委員よりお話もあったところですが、やはり地元の商工会さんの話もしくは会員の企業さんの話を聞いていても、手続の話で、非常に煩雑でわかりにくい、そして申請しにくいんだというお声をどこへ行ってもお伺いして、いや、そんなことないんですよ、例えば、先ほどお話しいただいた、こんな紙があってというのも、地元にお持ちして、地元の商工会でも、会員企業さんのところへ行ってきますので、興味がある方がいたらすぐ言ってくださいと申し上げています。

 一方で、先ほどのお話もありましたけれども、ネット上もミラサポをやっていらっしゃるのも存じ上げているんですが、例えばミラサポだと、ネットにアクセスされるというのは、ワンクッションあるので、経営者の方が恐らく、興味を持っている方、できる方は別にして、やはりそこがまずワンクッションで、壁があるというのは容易に予想できるところです。

 また、この紙も、できる限り使っていただく方がいた方がいいと思って地元を回っていましても、細かいなと。具体的に挙げますと、問い合わせ先もかなり分かれていまして、例えば一個目の「ものづくり・商業・サービス業を支援します」というところであれば、一、三は創業・技術課さんにお問い合わせで、二は金融課さんにお問い合わせ。

 私も役所の所掌があるのは存じ上げていますし、直接つないだ方が課としては通じやすいというのはわかってはいるんですけれども、かける側の方からしたら、何でこんなに分かれているねんというのがやはり率直な部分でございまして、できれば、ワンクッション置いてでも何か一個にされて、そこからすぐにつなげるような形にした方がいいんじゃないかなと私は思っているところなんです。

 それだけじゃなくて、改善の提案なんですけれども、例えば、経営者の方で、若い方はいいんですけれども、年配の方もいて、ちょっと字が多いなとか、聞いていると、先ほどの手続の煩雑さの部分、わかりにくいという部分はやはりどこへ行っても聞くところなんですけれども、このあたり、先ほど少しお答えにもなっておりましたが、具体的に今お話もさせていただいたので、それを踏まえてもう少しお伺いしたいと思います。

松島副大臣 丸山委員おっしゃるように、私も地元で、申請を出すのが大変だとか、自分は書けないから、コンサルタントに頼んだら、何割お金を取られたとか、いろいろなことを言われます。中小企業の審議会の中でもそういう話が出ました。

 一つは、平成二十五年度補正予算事業から、中小企業、小規模事業者のための補助金、これは、申請書類を原則三枚以内におさめるようにいたしました。とはいえ、やはり国民の税金を使っているわけですから、そうやって申請して、受けて、それから実際どうだったかと結果を書いたり、それなりの仕事、そこはやってもらわざるを得ないことになります。

 それと、おっしゃるとおり、ミラサポと言われても、私なんかも自分より年配の方々に説明しても、何だそれはと、パソコンも見ない、ネットも見ないということになります。ですから、やはり文章で書いた方が。文章はある程度、一つずつは少ないんですけれども、書いていくとこういうことになってしまいまして、私も経産省の事務方に一つ指示しておりますのは、世の中の人がよく見る市報とか、私のところでいえば区報ですよね、市報とか町報、あれは、例えば休日勤務医の一覧があったりして、結構見ますから、ああいうところに、自治体に特に関係があるような部分だけでも、中小企業のこれを載せてもらえればどうだろうかと思って、それは各経済産業局を通じて自治体の方にもお願いをしているところでございます。

 ついでに、ミラサポについて申しますと、ミラサポを見てもらうと、ほかの役所、先ほど来出ています厚生労働省とか国土交通省、それからいろいろな役所、さらに自治体の、受ける側は、国の制度であれ、都道府県でも市役所の制度でもいいわけですから、六月になりましたらそれも一緒に見られるようになる。ただ、いかんせん、確かにミラサポというのが接近しにくいという方々には、ぜひ、やはり自治体などで印刷して配っていただければ、そんなふうに思っております。

丸山委員 前向きな御提案を役所内でされているということで、非常に安心したところなんですけれども、やはり改善をどんどん進めていく必要が、いずれにしろ、どんな政策もあると思うんです。

 これもどんどんよくなっていらっしゃるんですけれども、一方で、お声が出たのは真摯にお聞きいただいて改善していただく中で、先ほどおっしゃった、まずアクセスをふやしていくために、ミラサポも一つのもちろん手ですし、くしくも副大臣がおっしゃった市報というのは非常にすばらしいと思いますので、ぜひやっていただきたいです。

 少し御質問させていただいたのは、そのアクセスの部分もどんどんやっていただきたいんですけれども、一方で、アクセスした後の、これを見た方も、わかりにくいとか細かいとか、問い合わせ先がわからないとかという部分も改善が恐らく徐々に必要だと思いますので、このあたりもぜひ、一番中小企業さんの声を聞いているのは、やはり政治家がよく回っています。もちろん役所の方も聞いているのはわかっていますけれども、そういった意味で、そういう具体的な御指示をよりやっていただけますようお願い申し上げます。

 少し話が最後変わっていくんですが、やはりずっと気になっていることがありまして、私も東京の選出ではございませんので、そうした中で、東京とほかの地域のギャップの話はどこへ行っても伺います。ただ、数値を聞くと、いつもこの委員会でもお話を聞かせていただいている中で、数値では東京以外の各地も景気回復が見られるんだという御答弁をいただいています。

 確かに、数値を拝見するとそうなんですけれども、一方で、実際には、声として、いや、全然じゃないか、東京ばかりじゃないかという、ある意味統計的ではない、論理的ではないのかもしれませんけれども、お声があるのは事実だと思いますし、委員の先生方も恐らく地元でお聞きになることだと思いますけれども、このあたりのギャップについて、政府としてどのように考えていらっしゃるのか、また、どうすればこの辺のギャップが埋まっていくのかも含めまして、お答えできる範囲で構いませんが、お答えいただきたいと思います。

茂木国務大臣 委員、冒頭御指摘のように、今、地域でもさまざまな団体の総会も行われておりますし、ちょうど春の叙勲の祝賀会のシーズンでありまして、きょうも、この後四時から全国商工会連合会の石沢会長の叙勲の祝賀会が予定をされているところでありますけれども、いろいろな席に出まして私も感じるんですけれども、全体の雰囲気は明るくなってきています。

 ただ、一般的に、もうかっている企業というのは、そんなにもうかっていると言わないんですね。いや、ぼつぼつでんねんとか、こういう話でありまして、なかなか難しいところはあるんですけれども、もう一つは、やはり業種によって、また規模によってかなり業況感は違うというところがあると思います。自動車、さらにはその関連産業というのはかなり業況はいいわけでありますけれども、繊維等、まだ厳しい産業もある。

 そして、今回、小規模企業振興基本法を制定させていただきたい。これもやはり、こういった小規模企業の方がまだ景気回復の実感を得ていない、こういうところに基本的な問題認識があるからでありますけれども、今後、経済産業省として、地域経済を牽引できる戦略産業の育成として、市町村であったりとか県境の枠を超えて、コアとなる中核企業を育成していく。

 同時に、全国に一万四千と言われております地域の資源、それは農業であったり環境であったり、さまざまなものがあるわけでありますが、それを活用したビジネスを促進して、裾野を拡大するため、消費者の嗜好に敏感な小売事業者やネット事業者と連携した商品、サービスの開発を支援していく。そして、時期によってさまざまな支援策、違ってまいりますので、創業の時期、第二の創業の時期、それぞれの状況に応じた支援策をトータルで講じることによりまして、景気回復の実感を一日も早く、全国津々浦々に届けてまいりたいと考えております。

丸山委員 しっかりやっていただけますようお願い申し上げまして、私、丸山穂高の質疑を終えさせていただきます。よろしくお願いします。

 ありがとうございました。

鈴木(淳)委員長代理 次に、三谷英弘君。

三谷委員 みんなの党の三谷英弘です。

 本日は、十五分間時間をいただいておりますので、小規模企業振興基本法を含め、しっかり質問させていただきたいというふうに思います。

 ふだんから、この経済産業委員会はいわゆる茂木学校と、先ほども福田委員からお話がありましたけれども、中国語、論語から、ギリシャ語、きょうはサンスクリット語まで、全世界、広く教えていただく、本当に貴重な経験をさせていただいておりますし、私は、以前質問させていただいたときには、消費税の転嫁対策のポスターをいただいたわけでございますけれども、きょうは、光栄にも米倉涼子さん、間違えました、松島副大臣がいらっしゃっておりますので、しっかりと質問をさせていただこうと思っております。

 それでは、中身に移らせていただきます。

 まず、今回の小規模企業振興基本法案、昨年も小規模企業に関する活性化法というものが通っております。その前をさかのぼっていきますと、中小企業憲章が通り、平成十一年だったと思いますけれども、中小企業基本法の大規模改正があるというところでございます。本当に、次から次へとさまざまな施策が打たれているというのは、そのとおりだろうというふうに思っております。

 その中で、今回、小規模企業振興基本法というものを通される、そして、商工会及び商工会議所による小規模事業者の支援に関する法律の改正法というものを通される。今までの法律とどこが違うのかということについて、わかりやすく教えていただければというふうに思います。

茂木国務大臣 私がお答えしていいのかどうか、ちょっと迷うところもあるんですけれども。

 昭和三十八年に中小企業基本法を成立させていただきましたが、これは、我が国三百八十五万の中小企業全体を捉えて政策を実施していく、その上で、中小企業政策にとって憲法ともなるべきものでありまして、平成十一年に大改正を行いました。

 当時、私、通産の政務次官で、答弁に何度も立ったわけでありますけれども、中小企業を我が国経済の発展と活力の源泉と位置づけた上で、中小企業政策の目的、それまではずっと大企業との格差の是正が中心であったわけですけれども、その格差の是正から中小企業の多様で活力ある成長発展へと転換をして、現在も基本的にこの考え方、このもとで中小企業政策を展開しているわけであります。

 今回、国会の方に御審議をお願いしております小規模企業振興基本法案、これは、中小企業基本法の大きな理念は維持しつつ、その枠組みの中で、中小企業基本法には記載のない小規模企業の事業の持続的な発展、こういう理念を、小規模企業の振興に当たっての基本原則、こういった形で定めると同時に、具体的な政策立案の指針として、中小企業基本法には規定のございません基本計画を策定し、その国会への報告や毎年の進捗管理を行う、こういったことを定めているわけであります。

 中小企業基本法は、昭和三十八年から平成十一年の大改正を経て現在に至っている。多様な中小企業、こういったものを振興していきながら、特にそこの中でも小規模企業に光を当てて、それを、単純に成長だけではなくて事業をしっかりと維持していく、雇用であったりとか技術を維持していく、こういったところにも新しい価値観を生み出す、こういった法律の体系をつくったところであります。

    〔鈴木(淳)委員長代理退席、委員長着席〕

三谷委員 ありがとうございます。

 いわゆる先日お経読みをいただいたというところの中身につきましても、今、全国で三百八十五万の中小企業、中でもその九割を占める小規模事業者、単純計算すると三百万余りという形になるかと思いますけれども、そういったいわゆる小企業、小規模企業に対して光を当ててしっかりと施策を打っていかれるということで、本当に今、こういう施策というのは極めて重要ではないかというふうに考えているところでございます。

 続いて質問させていただきますけれども、いわゆる中小企業憲章というものがあります。

 これは、二〇一〇年だったかと思いますけれども、閣議決定をされたというところでございます。政権交代前のことであるかとは思いますけれども、しかしながら、この中小企業憲章に書かれている中身ということが、日本の経済というものの中で非常に重要な意味を占めているのではないか、そのように考えさせていただいているところでございます。

 中小企業憲章を閣議決定した後の政府の対策、そして本法案との関係も含めてお答えいただければと思います。

田中大臣政務官 中小企業憲章でありますが、平成二十二年に閣議決定されたものであります。これは、中小企業が社会の主役というふうに位置づけられておりまして、基本理念ですとか行動指針、こうしたものが定められたものであります。

 こうした憲章の趣旨を踏まえて立ち上げられたのが“ちいさな企業”未来会議でありまして、これを現政権においても引き継いで、“ちいさな企業”成長本部として今も開催しているところでございます。昨年六月に行動計画を取りまとめましたが、その後も引き続き会議を継続いたしまして、今フォローアップを実施しております。

 そうしたものを受けて、昨年成立した産業競争力強化法においては、地域における創業支援体制を整備いたしました。また、中小企業の海外展開を支援するために、現地支援プラットフォームというものも今整備しているところであります。

 さらに、昨年の通常国会では小規模企業活性化法が成立いたしました。これをさらに一歩進める観点から、新たな支援体制を構築するための小規模企業振興基本法が今回国会に提出されて、今審議されているところであります。

 本基本法におきましては、憲章の行動指針の趣旨を十分に踏まえながら、基本方針における地域経済の活性化に資する事業活動の推進ですとか、また支援体制の整備、基本計画の策定など、こうしたものを規定しております。

 今後とも、この中小企業憲章の趣旨を踏まえながら、さまざまな施策を着実に実施していきたいと考えております。

三谷委員 ありがとうございました。

 最近は、いわゆるアベノミクスというものが非常に功を奏しておりまして、いろいろな方に話を聞くと、大分景気は上向いている、そういう状況が続いているのではないかというふうに考えておりますけれども、もちろん、これは中心の方から地方の方へというようなことでございます。私の地元は東京の目黒区、世田谷区というところで、そういう意味では、そういったことが早目に実感されている、そういう方々がもしかしたら多いのかもしれません。

 しかしながら、そういう状況下でもなおかつ、やはりまだまだ景気が悪いというふうに訴えられる、そういった中小企業者の方は少なくありません。そういう方が本当に今苦しまれているということで、三谷先生、ちょっと困っているんだよというふうに言われても、弁護士時代だったら、お金をもらっていろいろなことができたんですけれども、今の状況で何か相談されても、何か具体的にやることはできないんです。

 しかしながら、そういう場合に、どういったところを頼ったらいいんだよということをぜひとも教えてあげたいなというふうには思っていますし、何か経営が困った、特に資金繰りを含めて行き詰まったときには、誰かに聞くというよりも、むしろ、ここに聞けば何とかしてくれるかもしれない、そういうものがあった方がいいんじゃないかというふうに考えているところでございます。

 もちろん、こんなことは、私が思うまでもなく、各地方自治体ですとか政府もお考えになっていらっしゃるかと思います。この局面において、どこに相談に行けばいいかわからないということに対するさまざまな施策をとられているかと思いますので、それについてお答えいただければと思います。

茂木国務大臣 さまざまな窓口があるかと思うんですが、恐らく、地域の中小企業、小規模事業者の経営者の方にとっては、その地域の商工会議所であったりとか、また商工会、そういったものが、会員になっているケースも多いですし、一番相談しやすいと思います。

 同時に、現在、認定支援機関、この中には金融機関等々も加わっておりまして、これが今月の九日現在で全国で二万一千を超えておりますが、こういったところに経営課題の御相談をいただければと思っております。

 経営課題がかなり複雑化している、こういったことも事実でありますし、本当にどこに行ったらいいかわからない、こういう方もいらっしゃるということで、このたび全国四十七の都道府県に、よろず支援拠点を設置することにいたしました。

 六月二日に全国四十カ所、六月の末までには全ての都道府県にこれを設置させていただきまして、ワンストップでさまざまな相談を受けて、もしこれだったら、こちらに相談したらいいですよ、こういう御紹介を申し上げたり、この拠点自身が相談に乗る、そういったことも含めて、できる限り窓口の統一した相談体制をとってまいりたいと考えております。

 同時に、先生のような若い世代の方でいいますと、ネットを駆使されるということでありますから、中小企業庁のポータルサイト、ミラサポも、相当私はよくなったと思います、使いやすくなったと思っておりますので、そういったものも活用していただけるとありがたいと思っております。

三谷委員 ありがとうございます。

 二つあるかと思いますが、よろず支援拠点というものがこれから随時開設されていくということでございますが、どうしても、よろず支援拠点ができたよということ自体を御存じない方もまだまだ、まだまだというか、できたとしても、それを知ることがなかなか難しい方も少なくないんだろうと思います。

 それに対する広報というものをぜひともしっかりと進めていただきたいというふうに思っておりますけれども、具体的にどのような手段でそれを広報されようとしているのか、お答えいただければというふうに思います。

松島副大臣 よろず支援拠点は、わかっている人はわかっているけれども、大体の人がわからないというものだと思います。

 これは、さっき申し上げましたよろず支援拠点もそうですが、補助金など中小企業支援政策の情報です、これについて、さっきも申し上げましたミラサポというのが一つあります。

 経済産業省、中小企業庁のホームページを見ていただくと、いろいろなことが結構書いてあります。これを見るタイプと見ないタイプがあって、はっきり言って、うまく見ている方はいろいろな補助金を一つの会社が受けていたり、これもちょっとまずいとは思うんですが、そういう実情がございます。

 このミラサポの中で、今、経済産業省の、今は小規模事業の話をしていますけれども、中小企業政策だけでなくて、ほかのことも見ることができる。特に、このミラサポに登録をしていただきますと、今ですと、相手の方、ミラサポからメールが来て、直近でおもしろいなと思いましたのは、これは資源エネルギー庁の補助事業なんですけれども、業務用のエアコンや冷凍冷蔵設備の更新で補助金がもらえるとかいうのが書いてあって、これは、三百万円以上の投資をしたら補助金として三分の一もらえるというものなんですけれども、ミラサポを見てもらうとしばしばそういうのが出てくる。というわけで、弁護士でなくなられても、ぜひ周りの方々にそういう宣伝をしていただいて、わかるようにしていただければなと思っております。

 そして、ここも、六月からは、経産省だけでなしに厚労省の、特に旧労働省の方では、何歳以上の人を雇ったら幾ら補助金を上げるとか、そういうことがありますから、それもミラサポを見ると一緒に載っているという状況にいたします。

 さらに、自治体、東京都や、そちらの目黒区や世田谷区も、それを見ますと、恐らく中小企業の方が、目黒の方がいい政策だとか、世田谷がいいとか、中小企業政策だったら私の墨田区のところがいいとか、そういうことまでわかって、では、声を上げようとか、ほかのところにもこういう注文を出そうとか、いろいろなことが出てくると思いますので、御利用いただければと思っております。

 ミラサポは、そういった補助金なんかの一方的な情報だけでなしに、中小企業が自分の課題として、先輩の経営者や専門家と情報交換したり、あるいは、外国の見本市へ行く、自分一人で行けない、いろいろなグループを組んで行くというようなときの、マッチングの、経産省のそういう事業などもそこに出てまいりますので、ぜひぜひ周りの方々にお勧めいただければと思っております。

三谷委員 ありがとうございました。

 本当に、これから広報というものが非常に重要になってくるのではないかというふうに思っております。一人でも多くの方にそういったものを知っていただいて、困っている人に手を差し伸べていただくということをぜひとも進めていただければというふうに考えています。

 茂木教室の茂木先生、そして米倉涼子、間違えました、松島副大臣、本日はどうもありがとうございました。

富田委員長 次に、小池政就君。

小池(政)委員 結いの党の小池政就でございます。

 前回、うちは小規模政党だという話をしたら、急に中規模政党になりそうな、そういう動きが出てきたところでありますけれども、冷静にきょうはしっかり議論をさせていただきたいと思います。

 きょうは、十五分という短い時間でありますけれども、政府が小規模の事業の対策をやるということでもありますから、やはり実効性でありますとか、また、そこに恐らく留意しなくてはいけない課題、副作用ということもあるかと思われますので、そういう観点から少し質問、確認をさせていただきたいと思います。

 参考人の方にお話を聞いていた中で、少し気にかかった点がありました。それは、中小企業政策がそのまま小規模の事業に対しても有効になるとは限らないということであります。

 先ほどの大臣の答弁で、中小企業基本政策、基本法についての大体の概要とその流れというのはお聞かせいただいたところでありますが、平成十一年の中小企業法の抜本改正の意義、また影響についてお伺いさせていただけますでしょうか。

茂木国務大臣 昨年、産業競争力強化法を成立させていただきましたが、そこの中で、過当競争の是正を進める、そういった意味から企業の再編を促すということでありますが、政界でもそういった動きがあるようでありまして、慶賀の至りであります。

 平成十一年の中小企業基本法の抜本改正、先ほど申し上げましたように、そのとき私は通産の政務次官でありましたが、中小企業を我が国経済の発展と活力の源泉と位置づけた上で、中小企業政策の目的を、それまでの格差の是正というものから、中小企業の多様で活力ある成長発展へと転換をいたしまして、その後、中小企業の創業支援、経営革新等のさまざまな施策を講じてきたところであります。実際に、中小企業一社当たりの売上高であったりとか、自己資本比率は、二〇〇〇年以降一定の改善の兆しが見られております。

 また、新たな中小企業基本法において、付加価値の向上に向けた取り組みとして経営革新制度、こういったものも位置づけられたわけでありますけれども、この制度は五万四千件を超える認定実績がございまして、このように、中小企業基本法のもとで一定の成果が生まれていると考えております。

小池(政)委員 その後、中小企業においては、企業数や従業員数というのが大幅に減少していったところでありまして、また、この抜本改正によって、これはちょっと難しいところだと思うんですが、やはり財政面での制約ということもある中で、特に発展性に着目した、そこに集中したということで、小規模サイドからしてみれば、自分たちが置いていかれるんじゃないかという不安を持ったりということで、石沢参考人からは、小規模振興事業というのはむしろ後退したんじゃないかという話が出たところであります。

 ここで本当に難しいのは、やはり成長発展ということも大事である一方で、今回出しているのは、持続的発展ということもうたっているところであります。

 リソースが本当に潤沢にあればいいんですが、今でもやはり財政面での制約というのはそこに残っているところでありまして、当時も、抜本改正によって、例えば小規模企業部の廃止でありますとか、また、一般財源化されたということから小規模の方には影響が出たという中で、今回も、では今度、小規模事業の基本法というものを出して、それに対して光を当てていったところで何かまた影響が、今度は中規模の企業の方に影響も出てしまうんじゃないかという危惧がされるところでございます。

 この成長発展と事業の継続また持続、ここら辺、どうやってバランスをとっていかれるつもりでしょうか。

茂木国務大臣 二者択一というよりも、成長発展を目指すような企業、恐らくそういった企業の中には、域外のマーケット等々も事業の対象としてかなり広く事業展開をしていく、こういったことが想定をされます。その一方で、事業の持続的な発展ということでは、域内等を中心にしながら雇用を守り、そして技術を守る、こういった企業が中心になってくるのではないかな。

 中小企業基本法、平成十一年に改正をしましたときには、言ってみると、悪平等と言ったら変ですけれども、何しろ格差があるんだから、その格差を是正しなさい、こういう発想から、それぞれ中小企業にはいいところがあるんだ、それぞれのよさを伸ばしなさい、こういう方向にまず変えさせていただきました。例えば二〇〇三年から二〇一二年の十年間で、一社当たりの売り上げ、これは三億六千六百万円から四億五千五百万円、大きくなってきております。

 ただ、そういったいわゆる中小企業の中でも比較的多いところだけではなくて、本当に地域の経済とか雇用を支えているのはかなり従業員数も少ない小規模企業であるから、それに光を当てたような基本法を今回つくる、そして、そこの中には、事業の持続的な発展、こういう新しい理念を明示させていただいた形でありまして、どちらの道を政策的に転換したというよりも、両方のオプションが選べるような状況をつくった、このように御理解いただければと思っております。

小池(政)委員 おっしゃるように、どっちか二者択一ということではなくて、両方大事でありますけれども、決してやはり、リソースは限られているということと、また、結果としてどっちかに偏って、例えば依存体質をつくり上げてしまうとか、そういうことがないような留意というものが必要かと思っております。

 また、今回、商工会、商工会議所による取り組みの強化という形の法律が出ておりますが、これについて少しお伺いさせていただきたいと思います。

 今回、事業計画を策定して、それを経産大臣が認定するということになっているわけでございますが、ちょっと参考人の方に事実確認だけお伺いさせていただきたいと思います。

 法律の方で、第五条のところで事業計画の話があるんですが、これは、事業ごとに、もしくは小規模の企業ごとにこのような計画というものが策定されて、それが大臣の認定を受ける、そういうことになるんでしょうか。もしくは、商工会、商工会議所というのが何か基本計画みたいなものを出して、それを各企業に当てはめる。どういうイメージなんでしょうか。

松永政府参考人 お答え申し上げます。

 小規模支援法の第五条でございますけれども、これは、商工会、商工会議所に、小規模事業者の経営資源の内容、財務内容その他経営状況の分析ですとか、経営発達支援計画、経営を改善するような計画、これをつくっていただきまして、それを経済産業相の方で認可させていただく、こういった形を考えておるところでございます。

小池(政)委員 その経営発達計画の対象なんですけれども、それは何か、相談を受けた事業、企業ごとにそういう発達計画をつくられるのかということと、ついでに、そういう制度というのは今までなかったんですか。受けて、相談に乗った後、では、どうやってそれを改善していこうか、そういう計画とかというのは今までつくられていなかったんでしょうか。

松永政府参考人 お答え申し上げます。

 第五条の経営発達支援計画自体は、商工会、商工会議所が実際に企業の方々に支援をしていくに当たっての計画をつくっていただくということでございまして、全体として商工会、商工会議所がどのような形で経営の指導をしていくのか、こういったことの計画をつくっていただくということでございまして、それに応じまして、個々の事業者は、その認定を受けた商工会、商工会議所に対して相談をしていただく、こういった形のスタイルを考えているところでございます。

 これまでも、商工会、商工会議所の中で経営発達の支援のための計画、連携計画ですとか、そういうものをつくったことはございます。

小池(政)委員 ことはございますということなんですが、多分、これは本当に、今までからやっていなくてはいけないことだとは思うんです。

 質問は、大臣にお聞かせいただきたいんですが、その計画というのはもちろん、当然必要なわけでありますが、それが果たしてどうやって実行されたかという検証も必要なところでございます。

 これも参考人にちょっと話を聞いたんですが、やはり、実績ということを出されるときに、相談センターとか、商工会、商工会議所というのは相談件数というのをよく出してくれるわけでございますが、果たしてそれがどうなったかというのは非常にわからないところでございまして、恐らく中でも、なかなか検証というものがしっかりなされていないんじゃないか。石沢参考人も、これからしっかりそれを検討していくということを言われていたところでございます。

 今回、経産大臣がそれを認定されるということでございますから、当然経産省としても、それに対する評価基準でありますとか検証基準というものがあるかと思いますし、また、そういうものを、ガイドラインというような形でも結構ですけれども、商工会、商工会議所に対しても示していくことが必要ではないかと思うんですが、いかがでしょうか。

茂木国務大臣 先ほどの質問から、あわせてお答えをするような形になるかもしれません。

 経営発達支援計画につきましては、私の方で認定をするということになるわけですけれども、この認定をするに当たりましては、支援の具体的な内容はもちろんでありますが、支援する事業者数、一体これは何社やるんだ、こういう目標も記載することといたしております。

 それによりまして、経営発達支援計画に基づきます商工会、商工会議所の支援事業の実施状況、こういう内容のことを何社に対してやるということを言っているのが実際できているかということについて、ヒアリング、さらには現地調査等々も行うことが可能になりまして、そういったフォローアップを行っていきたいと思っております。

 そこで、仮に支援事業が適切に実施されていないと認められる場合には、小規模事業者支援法の第二十二条に基づきます報告徴収によりまして、その原因を明らかにするとともに、商工会、商工会議所に対して支援事業の改善を促していくことを想定いたしております。

 さらに、報告徴収をしても支援事業の改善が見られない場合には、同法第六条に基づきます認定の取り消し、こういうことを行わずにやれれば一番いいわけでありますけれども、そういったことも含めて、厳正に対処していきたい、緊張感を持った対応をとってまいりたいと考えております。

小池(政)委員 ぜひお願いしたいと思います。

 そのような形を進めていかないと実効力が上がらないと思いますし、また、そもそも商工会、商工会議所に対する相談というのが、アンケートを見ても全体の一割ぐらいしか相談されていないということでございますから、ますます遠のいてしまうというような危惧もあるところでございますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。

 時間になりましたので、また来週確認させていただきたいと思います。ありがとうございました。

富田委員長 次に、塩川鉄也君。

塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。

 小規模企業振興基本法案について質問をいたします。

 大臣にお尋ねしますが、今回、小規模企業、小規模事業者が果たす役割、意義、これについてどのように位置づけられているのか。その点について、基本の点でお尋ねしたいと思います。

茂木国務大臣 全国三百八十五万の中小企業、そこの中でも、その九割を占めます小規模事業者は、地域の経済、そして雇用を支える極めて重要な役割を担っていると思っております。

 また、先ほど来、るる答弁をさせていただいておりますけれども、地域のコミュニティー、地域の社会を維持し発展させていく意味でも、その構成員として極めて重要な役割を担っている、こんなふうに考えておりまして、こういった地域の小規模事業者の発展、それから地域の活性化、これは表裏一体の取り組みである、このようにも考えております。

塩川委員 中小企業の果たすべき役割、そういう中でも小規模企業の果たすべき役割があるということで、今回改めて位置づけもし、そういった点で、今回の法改正で、中小企業基本法の基本理念である成長発展のみならず、技術やノウハウの向上、安定的な雇用の維持等を含む事業の持続的発展を位置づけた。

 そういう点では、小規模企業、小規模事業者の事業の持続的な発展ということを位置づけたことの意義について御説明いただけないでしょうか。

茂木国務大臣 中小企業基本法においては、今御指摘のように、成長発展、こういったことも引き続き理念として定められておりまして、例えば上場を目指すベンチャー企業、これは成長発展を目指す典型的なケースだと思っております。

 その一方で、地方の現状、こういったものを見てみますと、人口が減少する中で、商店街や町工場に代表されるような小規模事業者を取り巻きます環境は厳しくなってきておりまして、現在の事業であったりとか雇用を維持するだけでも大変な努力が必要である。こういった観点から、こういった中小企業の方々が直面する課題、これを正面から支援していきたい、こういう考え方のもとで、成長発展のみならず、事業の持続的な発展、これを新たに小規模企業の振興の基本原則として位置づけたところであります。

 本基本法を通じて、地域経済の発展、そして国民生活の向上に貢献している中小企業の方々をしっかりと支援していきたい、そんなふうに考えております。

 なお、ここで申し上げます事業の持続的な発展とは、事業規模や売り上げの拡大に限らず、技術であったりとかノウハウ等の維持向上、また、顧客との信頼関係を生かした付加価値の向上、さらに、安定的な雇用の維持といった、事業の充実を図ろうとするさまざまな取り組みも含む概念である、このように考えております。

塩川委員 そういう点では、いわば事業を継続、雇用を維持する、そのこと自身が困難な中で、それをしっかりと支える小規模企業に光を当てていく、そういう点での積極的な役割があると承知をしております。

 こういった小規模企業の事業の持続的発展という位置づけというのは、現行の中小基本法にはなかったわけであります。一九九九年の中小企業基本法改正によって、中小企業政策の基本理念というのが、大企業と中小企業の二重構造を前提とした企業間の格差是正から、活力ある中小企業の成長支援へと転換をしたわけであります。

 この点で、先日の参考人質疑でも、石沢全国連会長は、平成十一年の中小企業基本法の改正後は、中小企業の中でも比較的大きな中規模企業に焦点が当てられがちだったと述べており、地域で地道に事業を継続している多くの小規模企業に焦点が当たっていなかった、こういう趣旨でお述べになっておられました。また、こういった中で、したがって補助金や施策もどちらかというと小規模企業向きではなかった、加えて、平成十三年には、それまで中小企業庁にありました小規模企業部が廃止になってしまったというふうに述べております。

 この小規模企業部というのは、今はどうなっちゃったんでしょうか。

北川政府参考人 お答えいたします。

 中小企業庁の小規模企業部、これは昭和四十九年に設置されておりまして、そこには小規模企業政策課そして小売商業課の二課がございました。

 小規模企業部は平成十三年の省庁再編時に廃止されましたが、小規模企業政策課の担っていた業務のほとんどは現在の経営支援部経営支援課に引き継がれております。一部、小規模共済等に関します部分は事業環境部の企画課に引き継がれてございます。

 それから、小売商業課の担っておりました業務につきましては、現在、経営支援部商業課に、そしてまた、一部、事業調整に関する部分につきましては事業環境部取引課へそれぞれ移管されております。

 それで、今回、基本法の議論もございますけれども、小規模事業取り組み強化ということでございまして、平成二十六年度中に小規模企業支援課というのを新設を予定しております。

塩川委員 今まで小規模企業部という名前を冠した担当部があったわけですけれども、それが平成十三年になくなって、今言ったように、経営支援部の経営支援課とか商業課とかどことか、要するに、それぞれに業務そのものは引き継がれたということなんだけれども、小規模企業そのものの名前が残っているというのは、経営支援部経営支援課小規模企業参事官室という状況になったわけです。

 ですから、やはり、全国連を初めとした小規模企業者の方々にすれば、小規模企業と銘打った役所そのものが小さくなったというふうに受けとめられても仕方がないような状況でもあったわけで、私は、それが施策の面でも、個々には分担して仕事が引き継がれているといっても、小規模企業に着目をした政策をつくるという点では後退になったんじゃないかということは率直に思わざるを得ないんですが、大臣はその点、いかがですか。

茂木国務大臣 恐らく、産業という観点でいうと、その時々の状況によりまして、かつて通産省の時代には繊維局であったりとか重工業局、こういう局もあったわけでありますけれども、当然、今はそれが製造局とか変わってきているわけであります。

 一方、中小企業施策のように、ある意味、横展開をして機能的にさまざまな支援をするもの、これは、単純に名前だけによって、言ってみますと支援機能が強くなった、弱くなった、こういうことにはならない、そのように思っております。

 ただ、平成十一年の改正、先ほども申し上げたように、二重構造、格差の是正ということから、ある意味、中小企業の持っているポテンシャルに注目をして支援を行っていくということにしましたが、それ以降の状況、確かに改善をしている中小企業もありますけれども、さらに、地域において小規模企業が大変厳しい状況にあるという中で、それに光を当てた施策が必要であるということで、昨年、八本の関連法案を一括して小規模企業活性化法、こういった形で制定をさせていただきまして、今回は、政策全体の枠組み、そして体制をつくる、こういった観点から振興基本法をつくらせていただいた。

 やはり、事業者の皆さんに正しいメッセージを送るということは極めて重要でありまして、今回の基本法案は、商工会、商工会議所を初め小規模企業の経営者の皆さんの期待も極めて大きいわけでありまして、ぜひ、御審議の上、できるだけ早く成立を願い、そして、明確な正しいメッセージを全国の中小企業、小規模事業者の皆さんにお送りできればと思っております。

塩川委員 小規模企業部がなくなって、今回、小規模企業の名を冠した課をつくるというところになっているわけですから、そういう点でいえば組織の問題というのは大きいわけで、そういう点でも、我々として、こういった小規模企業の支援がやはり十分行われていなかったという反省というのが今回の中に含まれていると理解をしております。

 あわせて、やはり大企業と中小企業の格差というのは現にあるわけですから、そういった格差是正を脇に置いて、成長発展、そういう企業の支援というふうにかじを切りかえた中小企業基本法のもとに小規模企業振興基本法が置かれている、追加的な位置づけとなっているということについては、この点はやはり留意をする必要があると率直に思っております。

 あわせて、今回、小規模企業の中から、さらに小企業者に着目をするということが取り上げられております。小規模企業者の多数を占める従業員五人以下の小企業者を取り上げていることについて、小企業者というのはどういうものか、小企業者に着目した理由は何なのかについて御説明をいただけますか。

北川政府参考人 お答えいたします。

 今般、法案の第二条におきまして、従業員五名以下の事業者を小企業者として定義いたしました。

 小企業者というのは、イメージで申し上げれば、ものづくりを支えておられる町工場、みずからの技術を生かして活躍する職人の方、一人親方ですとか、あるいは、一人でお店あるいはオフィスを借りてやっている、創業している方、こういったさまざまな方がいらっしゃると思います。

 特に、こういった小さな規模でやっておられる事業者の方は、基本的に個人の技能、経験、これをもとに多様な事業を営んでおられるという点で我が国経済の重要な担い手であると思ってございますけれども、一方で、企業としての組織体制といいますか、規模が小さいということでございますので、環境変化に脆弱な面もあろうかと考えております。

 このような観点から、小企業者に対しまして、政府としても特別な考慮を払う必要があると判断いたしまして、本法案の第三条の基本原則におきまして、個人事業者を初めとする小企業者が、自己の知識及び技能を活用して多様な事業を創出する旨を明記いたしました。

 また、第四条におきましては、小企業者が経営資源を有効に活用して事業を運営できるよう考慮されるべき、こういった旨を規定しているところでございます。

塩川委員 わかりました。

 こういった小企業者は、実際、従業員五人以下というと、家族経営的なものも当然多くを占めるわけであります。中小企業憲章の基本理念においても、「小規模企業の多くは家族経営形態を採り、地域社会の安定をもたらす。」と、小規模企業の多くを占める小企業、そういう中での家族経営の役割というのを評価しておるわけです。

 大臣はこの家族経営が果たす役割についてどのように評価をされておられるのか、お聞かせいただけないでしょうか。

茂木国務大臣 二〇二〇年に、再び東京オリンピック・パラリンピックが日本にやってくるわけでありますけれども、前回が一九六四年。その当時を映しております「ALWAYS 三丁目の夕日」は、本編、続編、そして六四年版と三つあるわけでありますけれども、ずっと家族経営なわけですね。鈴木オートという会社、あそこは、奥さんの薬師丸ひろ子と、六ちゃんという役の堀北真希の三人で、ようやくシリーズの三回目になって若い男の子が出てきて、四人という形でありますけれども。

 二〇一四年の中小企業白書によりますと、おおむね、あんなイメージの、従業員五人以下の小規模事業者のうち、個人事業者は六六%、うち、個人やその家族が事業に参加している、いわゆる家族経営の形態をとる個人事業者は六三%を占めております。

 このような個人事業者は、個人の技能や経験をもとに多様な事業を営んでいる点で我が国経済の重要な担い手である一方、企業としての組織体制は整っていないために、環境変化に脆弱な面もあります。このため、このような個人事業者を含む小企業者に対して、政府としても特別の配慮が要る、そのように判断をしたところでありまして、こうした考え方のもとで、本基本法案の第三条の基本原則におきまして、個人事業者を初めとする小企業者が自己の知識及び技能を活用して多様な事業を創出すると位置づけを明記したところであります。

 なお、鈴木オート、あの堀北真希は親戚ではないんですけれども、東京のお父さん、お母さんと呼ばれておりまして、あれが家族経営に当たるのかどうかというのは、なかなか判断の難しいところであります。

塩川委員 そういう意味でも、日本の経済社会を支えてきた、家族経営を中心とした小企業者の役割というのを位置づけるということが本当に重要で、全国商工団体連合会、全商連が日本版小企業憲章というのを発表しておりまして、小企業政策の根本的転換を求め、小企業、家族経営の役割を正当に評価して、その経営環境を改善する政策方向を示しております。こういうのもぜひ大いに参考にしていただきたいと思います。

 時間がなくなりましたので終わりますが、小規模企業の持続的発展を進めるのであれば、大きな負担となる消費税増税については、これはやめるべきだということをきょうは申し上げて、ここで終わりにいたします。

富田委員長 次回は、来る六月四日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後四時一分散会


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