衆議院

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第4号 平成28年3月18日(金曜日)

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平成二十八年三月十八日(金曜日)

    午前九時三十分開議

 出席委員

   委員長 高木美智代君

   理事 神山 佐市君 理事 佐々木 紀君

   理事 佐藤ゆかり君 理事 田中 良生君

   理事 山際大志郎君 理事 伴野  豊君

   理事 升田世喜男君 理事 富田 茂之君

      青山 周平君    秋本 真利君

      穴見 陽一君    石川 昭政君

      尾身 朝子君    大西 宏幸君

      大見  正君    岡下 昌平君

      梶山 弘志君    塩谷  立君

      関  芳弘君    平  将明君

      武村 展英君    寺田  稔君

      冨樫 博之君    野中  厚君

      福田 達夫君    星野 剛士君

      三原 朝彦君    宮崎 政久君

      八木 哲也君    山口  壯君

      大畠 章宏君    逢坂 誠二君

      落合 貴之君    神山 洋介君

      近藤 洋介君    佐々木隆博君

      篠原  孝君    中根 康浩君

      本村賢太郎君    中野 洋昌君

      藤野 保史君    真島 省三君

      木下 智彦君

    …………………………………

   経済産業大臣       林  幹雄君

   経済産業副大臣      鈴木 淳司君

   経済産業大臣政務官    星野 剛士君

   環境大臣政務官      鬼木  誠君

   会計検査院事務総局第五局長            斎藤信一郎君

   政府参考人

   (外務省大臣官房審議官) 竹若 敬三君

   政府参考人

   (厚生労働省労働基準局安全衛生部長)       加藤 誠実君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           三又 裕生君

   政府参考人

   (経済産業省産業技術環境局長)          井上 宏司君

   政府参考人

   (経済産業省製造産業局長)            糟谷 敏秀君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長)            藤木 俊光君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁電力・ガス事業部長)      多田 明弘君

   政府参考人

   (環境省地球環境局長)  梶原 成元君

   経済産業委員会専門員   木下 一吉君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月十八日

 辞任         補欠選任

  尾身 朝子君     大西 宏幸君

  勝俣 孝明君     秋本 真利君

  田嶋  要君     佐々木隆博君

  本村賢太郎君     神山 洋介君

同日

 辞任         補欠選任

  秋本 真利君     青山 周平君

  大西 宏幸君     尾身 朝子君

  神山 洋介君     本村賢太郎君

  佐々木隆博君     逢坂 誠二君

同日

 辞任         補欠選任

  青山 周平君     勝俣 孝明君

  逢坂 誠二君     田嶋  要君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 会計検査院当局者出頭要求に関する件

 政府参考人出頭要求に関する件

 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構法の一部を改正する法律案(内閣提出第八号)


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     ――――◇―――――

高木委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として外務省大臣官房審議官竹若敬三さん、厚生労働省労働基準局安全衛生部長加藤誠実さん、経済産業省大臣官房審議官三又裕生さん、経済産業省産業技術環境局長井上宏司さん、経済産業省製造産業局長糟谷敏秀さん、資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長藤木俊光さん、資源エネルギー庁電力・ガス事業部長多田明弘さん及び環境省地球環境局長梶原成元さんの出席を求め、説明を聴取し、また、会計検査院事務総局第五局長斎藤信一郎さんの出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

高木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

高木委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。岡下昌平さん。

岡下委員 おはようございます。自由民主党の岡下昌平でございます。

 質問の機会をお与えいただきましたことに、まずもって心より感謝を申し上げたいと思います。

 また、大臣におかれましては、連日の御公務、大変な激務だと伺っております。ぜひ、お体を御自愛いただきながら、経産行政の発展に向けて御尽力賜りますように、若輩者ですけれども、心より応援申し上げております。

 私の方からは、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構法の一部を改正する法律案について質問させていただきたいと思います。

 今回の法改正は、NEDOにおける京都クレジット取得業務が終了するため、NEDO法と特会法からその関連の箇所を削除するというシンプルなものでありますけれども、どのようなプロジェクトで排出量取引を行ってこられたのかということを検証する必要がございます。

 京都議定書における国際取引の実績あるいは内容等について、私も調べさせていただきました。

 まず、排出量の取得方法は二通りございまして、一つ目がCDM、クリーン開発メカニズムという方法、先進国と途上国の企業等が途上国で実施したプロジェクトで得た温室効果ガス削減量を先進国がクレジットできるという制度、二つ目がGIS、グリーン投資スキームという方法でございまして、先進国同士で余剰排出量を売買しまして、その資金を温室効果ガスの排出削減など具体的な環境対策に使用するものでございます。

 国が予算措置した総額は約一千六百億円。内訳を見ますと、CDMは約五百億円、そしてGISは一千百億円となりまして、その実績を見てみますと、二〇〇六年、二〇〇七年はCDMで取得されております。

 二〇〇六年は五百八十六万トン。丸紅が窓口になりまして、インドや中国、メキシコ等から購入されていて、養鶏場の排せつあるいは廃棄物を燃料として発電する、メタンの放出防止などで温室効果ガスを削減していくという事業。一方、イギリスの企業が窓口になっている事業もございまして、これはトウモロコシ発電を行っていたというところでございます。

 二〇〇七年におきましては一千五百十三万トン。これは、同じく丸紅が、中国などで、肥料工場での一酸化二窒素、亜酸化窒素を触媒することによって分解し、温室効果ガスを削減していくといった事業でございます。しかし、中国企業が水力発電を実施したという事案もございました。

 二〇〇八年、二〇〇九年、二〇一〇年はほぼGISで契約締結がなされております。二〇〇八年はウクライナで三千万トン、二〇〇九年はチェコで四千万トン、そしてラトビアで百五十万トンでございます。そして、二〇一〇年はポーランドで四百万トン。

 この流れを見ていますと、前半はCDMで、そして後半はGISという手法で排出量を取引、取得されております。

 なぜ方向転換をされたのかということを調べてみますと、二〇〇八年十一月二十六日、政府の財政制度等審議会の平成二十一年度予算の編成等に関する建議におきまして、次のようなことが述べられております。「政府においても排出量クレジット購入のための財政支出をより効率的・効果的なものにするために最大限の努力を行うべき」と指摘されておりまして、また、CDMにつきましては、価格が上昇しておって、対象国が一部の国々に偏っていることなどが問題視されておりました。

 それに比べて、GISは量も確保できる、そして単価が安い、政府間取引だから企業間に比べまして日本を相手国がまず認識してくれるという利点がございました。また、プロジェクトに我が国企業が関与することによって、高い技術力を提供することでより効果的になるということでGISを推奨されておりました。

 この建議のとおり、二〇〇八年を境にしまして、GISによるいわゆる爆買いが始まります。確かに、これにより京都議定書の第一約束期間の不足分約一億トンの目標は達成されました。

 先ほど申し上げましたけれども、このGISプロジェクトの詳細を見てみますと、ウクライナでは三千万トン購入されておりまして、どのような事業かといいますと、住友商事が窓口になって、警察車両に日本のプリウス千五百六十八台を導入した、あるいは三菱電機などの日本製機器を導入して地下鉄車両の近代化事業を行った、また学校や病院などの公共施設に断熱工事を実施したなどでございます。

 このGIS契約で得られた資金の用途を決定するには、ウクライナ国内外で幾重も審査や決裁を必要として、その交渉というものが非常に難航したとも聞いております。国内の政情不安等によって当初の計画が中止されるといった案件もございまして、契約不履行となって、ウクライナから先日約十億円程度の返金があったとも伺っております。

 チェコの場合を見てみますと、チェコは四千万トン購入されておりまして、プラハやモラビア、シレジア州の住宅の断熱化やヒートポンプ導入などの七万件の環境プロジェクトの中で、約四万件を日本がGIS契約をしておりましたけれども、残念ながら、チェコにおきましては、交付金を支出しているにもかかわらず、日本製品がほとんど使われていないという実態も出てまいりました。

 GISの執行状況は、最終的に国際的監査法人が入ってチェックをされるということでありますけれども、プロジェクトの詳細が非常に国民にとってわかりづらいといった問題点がございます。

 そこでお尋ねを申し上げますけれども、経産省は、このプロジェクトの状況を今日まできっちりと把握をされておられるのか、また、これまでの検証やあるいは総括といったものをしていくべきであると私は考えますけれども、その点をどのようにお考えか、お示しください。

井上政府参考人 お答え申し上げます。

 CDM並びにGISについての経緯は委員御指摘のとおりでございますけれども、そのうちのGIS、グリーン投資スキームにつきまして、どのように進捗状況を把握し検証しているのかというお尋ねでございます。

 GISのもとでの各国で行われます環境プロジェクトの進捗状況につきましては、実施主体でありますNEDOにおきまして、相手国から年次の進捗報告書また最終報告書の提出を受け、相手国側が入札で選ぶ国際的な監査法人による両報告書についての監査を受けて、NEDOも必要に応じて現地の確認も行う形で進捗状況の把握をしておりまして、経済産業省もNEDOを通じて進捗状況の把握をしてきているという状況でございます。

岡下委員 諸外国が相手ということで、さまざまな国内情勢でいろいろな案件が変わってくる場合もありますので、ぜひ、今後とも、検証そして総括といったものを行っていただきたいということをお願いしておきます。

 ここで、CDM方式とGIS方式、先ほども申し上げましたけれども、両者にメリット、デメリットがございます。

 CDM方式でのメリットは、実際にCO2が削減されたことを把握することができる、かつ、国連で認証されたプロジェクトであるということであります。一方、デメリットは、トン当たりの価格、単価が高いということで、平均二千二百七十二円ということです。

 GIS方式のメリットは、大量の排出枠を確保することができる、そしてトン当たりの価格が安い、これは平均すると一千四百五十七円。GISのデメリットは、CO2が減ったかどうか正確にはわからない、そしてプロジェクトの詳細が日本国民にとっても見えにくい。一長一短であります。よって、今後の排出量の取引の考え方というものをしっかりと見直していかなければならないと感じております。

 昨年末、COP21で地球温暖化対策の国際ルール、いわゆるパリ協定が採択されまして、日本は二〇三〇年度に二〇一三年度比二六%を削減する目標を定めております。今後、家庭やオフィスでの照明を初め、全てLEDに切りかえるという対策を進めていくという方針が既に示されております。

 しかし、この二六%削減という目標も原発の再稼働が前提となっております。三月九日の大津地裁で高浜原発の三、四号機の再稼働禁止の仮処分命令が出されたことから、稼働中の三号機は即時停止しております。現状の対策では、二六%を達成するというのは非常に厳しくなっているのではないかと心配しております。

 そんな中、三月九日の自民党の環境部会におきましては、国内の温室効果ガス削減に取り組む地球温暖化対策計画が示されました。この中の記載を見てみますと、「大幅な排出削減は、従来の取組の延長では実現が困難である。」と記載されております。したがって、「国内投資を促し、国際競争力を高め、国民に広く知恵を求めつつ、長期的、戦略的な取組の中で大幅な排出削減を目指し、また、世界全体での削減にも貢献していくこととする。」という記載がございまして、世界全体での削減にも貢献というところは排出量取引のことを指しているものと考えます。

 では、現在、排出量取引がどのようになっているのかというものを調べてみますと、JCMという二国間クレジット制度という仕組みに変わっておりました。

 JCMというものは二国間協定であって、GISとは違いまして、両国の代表者から成る合同委員会において管理運営がなされ、CO2の測定、そして報告、検証をしっかりとやって、温室効果ガスの削減をきっちりとやっていくというものであります。

 現在、我が国のJCMのパートナーは、昨年、タイと協定を結ぶなど、十六カ国に上っておりまして、それぞれの国と六十六件の事業を今行っているところでございます。しかし、これらの事業を展開する中で、JCMについては、現在、温室効果ガス削減目標の積み上げの基礎とはなされていません。

 では、今後どのようにパリ協定に反映をしていかれようとしているのか。あわせて、クレジットのカウントのルールづくり、これも非常に重要な課題となってまいります。そのルールづくりもどのように対応されていかれようとしているのか。ぜひお聞かせをいただきたいと思います。

星野大臣政務官 岡下委員にお答えいたします。

 我が国は、昨年七月に策定をしました約束草案におきまして、二〇三〇年度に二〇一三年度比で二六%の温室効果ガスを削減するという目標を定めたところでございます。

 二国間クレジット制度、いわゆるJCMでございますけれども、削減目標の積み上げの基礎とはしておりませんが、我が国として、JCMの構築を通じて、すぐれたエネルギー・環境技術を普及させ、途上国における排出削減に貢献をしていくということでございます。

 また、私も、COP21におきまして、我が国のすぐれたエネルギー・環境技術の強みを生かして、COP21後も見据えた温暖化解決に向けた議論をリードするため、JCMパートナー国のハイレベルが一堂に会した会合等に出席をいたしまして、関係国と精力的な議論を行ったところでございます。

 これらの関係国との議論を通じまして、合意をされたパリ協定において、JCMを含めた市場メカニズムの活用が位置づけられました。

 我が国としては、今後、国連で議論をされる市場メカニズムに関する詳細ルールづくりにおきまして、JCMの実施を通じて得た経験や知識の共有を通じて貢献をさせていただきたい、このように考えております。

岡下委員 ぜひ、この取り組みを加速化させていただいて、頑張っていただきたいと思っております。

 私は、排出量取引というものは、国際貢献や、日本企業が海外進出できるきっかけとなるという観点から、決して否定すべきものとは思っておりませんが、ただ、温暖化対策でやるべきことはもっと国内にもあると思うんです。

 例えば、照明や空調などを設備単位で補助する中小企業等の省エネ・生産性革命投資促進事業が三月二十二日、そろそろ公募がスタートいたします。そのほかにも、二十八年度予算が成立すれば、工場やオフィスの設備更新、改修の補助、エネルギー使用合理化等事業者支援補助金がスタートいたします。どちらも非常に人気がありますけれども、特に中小企業向けというものは大変な人気でございます。ぜひ国内にもっと目を向けていただいて、日本企業や地域が元気になるような温暖化対策というものを講じていっていただきたいと心よりお願い申し上げる次第でございます。

 今後、地球温暖化対策計画は、パブコメを経て、五月の伊勢志摩サミットで公表されると伺っておりますので、私も今後とも注視してまいりたいと考えておりますけれども、ぜひ実効性のあるものにしていただきますように、そして国内にもっと目を向けていただきますように、かたがたお願いを申し上げ、私の質問を終えさせていただきます。

 どうもありがとうございました。

高木委員長 次に、大畠章宏さん。

大畠委員 おはようございます。民主党の大畠章宏でございます。

 きょうは、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構法の一部を改正する法律案について質問させていただきます。

 先ほども御質問がございましたけれども、最近、日本においては、大変自然災害が多発しておりまして、私の出身の茨城県でも、昨年九月には鬼怒川が氾濫をし、大変な被害が発生をいたしました。当時のことをちょっと思い起こしてみますと、この関東・東北豪雨による鬼怒川の氾濫で、全壊が七十五棟、半壊が三千八百五十一棟、床上浸水が三千百四十七棟、床下が八千九百九十八棟、現在でも避難生活を余儀なくされている市民の方もおられます。

 おととしには、広島で集中豪雨というものがありましたし、さらにその前には、山口、島根、岩手でも集中豪雨がありました。

 私の経験でも、これらの水害というのは、どうも異常と思われるような降水というのが背景にあるのではないか、これも地球温暖化の影響の一環ではないかという感じがいたします。

 世界に目を転ずると、昨年でありますが、インド、パキスタンでの熱波、さらにはアメリカのカリフォルニアの干ばつ、それからインド、メキシコ、ヨーロッパでの異常降雨、各地で異常気象によるものと思われるような災害が出ています。

 したがって、今回のこの法案でございますが、大変大事な法案でありまして、どうやって地球全体でこの異常気象を防いでいくか、こういうことを目的とした法案でございました。

 今回の法案の改正というものをいろいろ伺っておりますと、おおよそ京都議定書に基づく対策が日本としては終了した、そして平成二十八年三月三十一日に廃止期限というのを迎えるので、この規定を削除するだけです、こういう説明を受けましたが、大体そういうことでいいのかどうか、最初にお伺いしたいと思います。

林国務大臣 大畠先生御指摘のとおりの改正内容でございます。法案審議でございますので、少し説明をさせていただければと存じます。

 我が国は、京都議定書におきまして、二〇〇八年度から二〇一二年度までの五年間の温室効果ガス排出量を基準年度比で六%削減することが国際的義務として課されました。

 この六%目標を達成するため、省エネあるいは新エネ対策などを積み上げただけでは四・四%の削減にとどまったわけでございまして、不足分の一・六%分については、京都議定書に基づきまして、政府が海外の排出枠を買い取る、いわゆる京都クレジットを取得して対応することとしたわけでございます。そして、NEDO法を改正して、政府がNEDOにこの業務を委託することといたしました。

 この法改正の際、将来の国際的枠組みにおける京都クレジットに関する対応が明確ではなかったことなどから、平成二十八年三月三十一日までに廃止する旨を規定しておりました。

 政府としては、京都メカニズムを活用して、不足分の一・六%に相当する約一億トンのクレジットを購入いたしまして、これらを含めて二〇〇八年度から二〇一二年度における京都議定書の目標を達成したところでございます。

 今般、この三月末で廃止期限を迎えるとともに、我が国は京都議定書の目標を達成いたしまして、NEDOが京都クレジットの取得を継続する必要がなくなったことなどから、関連規定を削除するということにしているところでございます。

大畠委員 今、大臣から、今回の背景についてもお話をいただきました。

 言ってみますと、やることをきちっとやったよ、したがって規定を削除する、こういうことで、経済産業省もたくさんの法律を出しておりますが、いつも、出すときはいいんだけれども、結果はどうだったのかというのがなかなかわからなくて、また次のものを出すという傾向がありましたけれども、これについては、きちっと起承転結という意味での法案の提出だと受けとめております。

 ただ、これはやりましたよというのだけれども、まだ異常気象は続いている、こういうことですから、これからもまだまだやらなけりゃならない、こういう受けとめ方をしております。

 そこで、前半のところはそうなんですが、後半の部分、いわゆる二〇一三年から二〇二〇年にかけて、現在、日本の国としてもやっていること、あるいは世界でもやっていることがありますが、この後半の部分は今どういう状況にあるのか、これについてお伺いしたいと思います。

井上政府参考人 お答え申し上げます。

 京都議定書の第二約束期間、二〇一三年度から二〇二〇年度でございますけれども、これには日本は参加をしておりませんけれども、二〇一〇年の気候変動枠組み条約締約国会議におきまして採択をされました、いわゆるカンクン合意に基づきまして、各国が自主的に二〇二〇年度までの排出削減目標を提出するというこの合意に基づきまして、日本といたしましても、自主的に二〇二〇年までの温室効果ガスの削減目標について提出をしているということでございます。

 具体的には、二〇一三年の十一月に、原発による削減効果を含めずに、二〇〇五年度比で二〇二〇年度に三・八%削減するという目標を国連に登録しております。

 その後、現時点までの進捗状況でございますけれども、着実に省エネが進んでいるということで、二〇一四年度の最終エネルギー消費を見ますと、二〇〇五年度比で一三%減ということになっているということ、また再生可能エネルギーの導入拡大、さらに火力発電の効率化といったような対策によって電力の排出原単位の改善が進んでいるということで、目標達成に向けた取り組みが着実に進んでいるというふうに考えております。

 また、ほかの国の取り組みについても御質問いただきましたけれども、他の国におきましても、このカンクン合意を踏まえまして、百一の国、地域が自主的に二〇二〇年度までの削減目標を提出しております。

 これは、世界全体の温室効果ガス排出量の約八割を占める国が自主的に提出をしておりまして、この中には、先進国だけではなくて、途上国ももちろん含まれておりまして、それぞれの国がそれぞれ出した自主的な削減目標に向けて着実に取り組みを進められているというふうに承知をしております。

大畠委員 現状についてはわかりました。

 そこで、実は京都議定書を制定したときに残念なこともございました。アメリカが参加していない、あるいは途中でカナダが離脱するという状況で、世界最大と言ってもいいCO2の排出国は中国、アメリカでございまして、そういう意味では、この大きな排出量の国が参加していないのは、やはり地球全体としては非常に問題でありました。

 そこで、昨年の末にCOP21という国際会議が開かれまして、パリ議定書まではいかなかったんですが、パリ条約という、法的な拘束力は持たないよというちょっと軽目なものでありますが、締結されました。これには中国、アメリカ、カナダも参加している、このように伺っておりますが、ここら辺、パリ条約が締結されたということはどういう意義があるのか、これについてお伺いしたいと思います。

鬼木大臣政務官 パリ条約、またパリ協定と言われておりますが、パリ協定の意義についてお尋ねをいただきました。

 パリ協定は、世界の百九十六カ国が参加する、世界じゅうの国々が参加した枠組みでございまして、これからの、二〇二〇年以降の地球の温暖化に向けた世界規模の枠組みがつくられたということで、大変意義深いものだと思います。

 全ての国が参加する、公平で実効性のある枠組みをつくるということで、我が国もその合意に向けて懸命に取り組みを続けてきたところでございます。

 以上です。

大畠委員 条約じゃなくて、協定というのが正しい名称のようでありますから、パリ協定というお話がありましたので、パリ協定と言わせていただきます。

 とにかく、アメリカが加わり、中国が加わり、多くの国々が参加をして地球全体の温暖化を防止しよう、こういうことが取り決められたというのは前進だと私は思います。鬼木政務官からも今お話がありましたが、日本の環境省も、日本だけの環境省じゃなくて、アジア全体の環境省とか地球全体の環境省ぐらいの意気込みで取り組まないと、自然災害は少なくなりませんから、ぜひ鬼木政務官においても頑張っていただいて、心を広く持って大いに頑張っていただきたいと存じます。

 そこで、次は大臣にお伺いしたいんですが、そのためには、日本国内という狭い地域で、日本の技術者も頑張っていろいろな技術開発もしました。特に火力発電所なんかも、超超臨界の火力発電所はガス発電に比べてCO2は倍ぐらい出しますが、非常に抑えた形になっていますし、日本で国内の技術を結集して、環境技術といいますか、そういうものを大いに世界に生かすことが結局は地球全体の温暖化の防止につながるのではないか、そう私は考えるわけでありますが、経済産業大臣として、日本における環境技術というんですか、そういうものをどういう形で世界展開し、まさに世界のリーダーシップを発揮しながらの展開をしていくのか、そこら辺の方針といいますか、現状考えていることをお伺いしたいと思います。

林国務大臣 地球温暖化対策の抜本的解決のためには、国内の削減に取り組むのはもちろんでありますけれども、今先生御指摘のように、日本が持つ技術あるいは資金あるいは経験をフルに活用して途上国で排出削減を進めること、これは非常に大事なことだ、こう考えます。

 この観点から、昨年末のCOP21では、安倍総理から、新しい貢献策として、「美しい星への行動二・〇」、ACE二・〇を発表したわけでございます。

 その内容は、我が国は、途上国に対し、二〇二〇年までに、現在の一・三倍、官民合わせて年間約一兆三千億円の防災対策や省エネ導入といった気候変動対策への支援を実施する、これが一点でございます。また、気候変動対策と経済成長を両立させる鍵となる水素関連技術や次世代蓄電池といった革新的技術の開発を強化するというものでございます。

 その技術開発につきましては、現在、経産省も協力いたしまして、政府の総合科学技術・イノベーション会議でエネルギー・環境イノベーション戦略を策定中でございます。二〇五〇年を見据えまして、抜本的な排出削減に資する革新的技術を特定し支援することとしておるところでございます。

 また、我が国の技術を活用して、相手国でCO2削減プロジェクトなどを推進いたしまして、これによる削減量の一部を我が国の削減分とする、いわゆるJCM、二国間クレジット制度を着実に進めております。現在、十六カ国との間で既に制度を開始しておりまして、今またフィリピンとの間でも制度開始の署名に向けて最終的な調整を進めているところでございます。

 さらに、二〇一四年から、エネルギー・環境分野のイノベーションの促進に向けまして、世界の産学官が集まって議論する国際会議、ICEFを毎年我が国で開催しているところでございまして、引き続き、こうした場を活用いたしまして、革新的技術による温暖化対策の重要性を世界に発信してまいります。

大畠委員 今大臣からお話がありましたが、日本国内の諸先輩方が築き上げた技術を大いに活用して地球温暖化防止に寄与するように、特にそういう心でぜひ対応していただきたいと存じます。

 今の大臣のお話を伺っていまして、ちょうど十年ほど前、私はスウェーデンに参りましたが、そのスウェーデンの国会議員から次のような話を聞いたことを思い起こしました。

 ポーランドという国がありまして、そこに石炭火力発電所があるんですが、古い火力発電所で、CO2が大量に出るような発電所もあった。そこで、その煙といいますか、その流れがスウェーデンの方に来るので、スウェーデンの国の税金を使ってポーランドの国の火力発電所に脱硫装置をつけることを決めた、こういう話もございました。

 ヨーロッパはヨーロッパで、そういうお互いの国同士で協力をし始めているんですが、日本としては、最大の排出国と言っていい中国にどういう形でアプローチしていくのか。これはお金がかかる話でありますが、やはり乾いた雑巾をさらに絞るということよりも、水分を含んだ雑巾をぎゅっと絞った方が地球環境全体にいいわけでありまして、ちょうど大臣も、日中韓の大臣会合とか何かも開かれるでありましょうから、そういうときに、日中韓は連携して、アジア全体のCO2の削減をするためにお互いに協力していこう、こういう話し合いも必要だと思いますが、これについて大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

林国務大臣 ただいま大畠先生から、大変前向きな日中韓におけるこういう取り組みを進めたらどうかという提言がございました。

 もちろん、この場を活用したり、あるいは、日中、日韓、そういった関係閣僚会議もございますので、そういう場も活用して、前向きに取り組んでまいりたいというふうに思っております。

大畠委員 日中韓というのはアジアの核ですから、その三カ国がしっかり協力体制をつくれば、アジア全体の平和にも大きな影響を与えますので、ぜひそういう点での御活躍を祈念したいと思います。

 そこで、環境問題には非常に優しいと言われている太陽光発電施設、これは非常に大きな勢いで今拡大し始めているんですが、どうも地域住民とのトラブルが発生しておりまして、地域住民から見ると太陽光のパネルを見ると嫌になってしまうというような、太陽光パネルは悪いことではないんですが、どうもやり方に問題があってそういう雰囲気が生まれておりまして、これは非常に残念なことなんです。

 実は皆さんのお手元にも、地域の要望書、これは高鈴台団地自治会の佐藤会長という方がまとめたものでありますが、団地の裏側の方に山がありました。突然チラシが入りまして、あしたから造成工事を行って太陽光パネルの発電施設をつくりますというチラシがどっと入って、みんなびっくりしたわけなんですね。そうしたら、次の日から重機が入って、だあっと山の木が押し倒されて谷の方に投げ捨てられ、三日間ぐらいでもう造成は終わっちゃったそうなんですが、住民の方は唖然として、あっけにとられていたわけなんです。

 それで、この方、佐藤さんも技術者なんですが、いろいろ調べてみたら、法律にはひっかからない。〇・九八ヘクタールというものですから、一ヘクタール以上でありますと許認可対象なんですが、〇・九八ヘクタールというと許認可は要らない。いろいろ調べたんだけれども、どこの法令にも条例にもひっかからない、こういうことでした。

 背景は、山を持っていてもお金にならない、片方では、お金があるんだけれどもマイナス金利だということで、どうしたらいいかというと、それをつなぐ業者の方があらわれて、山を持っている方は土地を提供しませんか、お金を持っている方は太陽光発電施設をつくりませんか、そうすると収益がありますよというので、どうもそういう傾向が強くなって、結局は工事は進められております。業者の方も非常にやわらかい対応で、住民の方の話を聞きながら、できるだけそういうふうにしますということで今進んでおります。

 ただ、これは山梨県でも同じようなことがありまして、山梨県ではガイドラインを県として創設いたしました。それから、茨城県でも、県議会でこの問題が取り上げられて、筑波山もその対象になっていたわけですが、やはり県としても、開発条例といいますか、できるだけ住民の理解を得るように説明することとか、それから自治体も関与することとか、幾つかそういうガイドラインを設けることが必要だろうということで、山梨県を手本にして、茨城県でもガイドラインをつくることになりました。

 私は、少なくとも、周辺の地域住民に対する説明責任といいますか、できるだけ話を聞きながら進めるということですとか、環境に配慮するとか、景観にも配慮するとか、あるいは地元の市役所と話をしながらトラブルにならないようにするとか、経済産業省としても、全国各地で行われている太陽光発電施設の事業者に対する何らかの指導が必要だと思うんですが、この件についてお伺いしたいと思います。

藤木政府参考人 お答え申し上げます。

 今、大畠委員御指摘のように、太陽光パネルは大変急速な勢いで導入が進んでおります。その一方で、これまでなかった施設ということで、地域住民とのトラブルが生じている例がございます。

 今御案内がございましたけれども、例えば森林法や自然公園法などの土地利用規制に関する法令を遵守しているのかどうかとか、あるいは景観への影響が懸念されるもの、さらには防災上あるいは安全性の問題は大丈夫だろうかといったような懸念が地域の中で上がっているといったような実例が出てきているわけでございます。

 こういったさまざまなトラブル、土地利用規制であったり景観問題などさまざまございまして、これらに関しまして、これも御紹介がございましたように、それぞれ地域の課題に対応した形で、例えば山梨県あるいは茨城県といったような形で対応が進められているといったような状況でございます。私どもも、太陽光をこれから推進していくに当たって、こういった地域との共生というのは大変重要なテーマであるというふうに思っております。

 そのため、一つは、私ども、自治体が工事着工前の早い段階から事業者がどういうところにパネルを設置しようとしているのかということが、情報がわかるように、早い段階で、固定価格買い取り制度において保有している認定情報を自治体に提供するということを進めているところでございます。

 また、今国会に提出しております再エネ特措法の改正案では、土地利用等の他法令に違反して、円滑かつ確実な事業の実施が困難な場合には、改善命令、改善指導というのが行える仕組みとしているところでございます。

 こうした仕組みを通じまして、自治体と国、それぞれ情報を共有しながら、それぞれ必要な指導、改善を求めていくといったような取り組みが必要だというふうに思っておりまして、これからも自治体とよく情報交換をしながら、国として、必要な対応をとってまいりたいというふうに考えております。

大畠委員 今お話しのように、太陽光発電の施設あるいは太陽光発電を大いに利用しようということは非常に大事なんですね。大事なんだけれども、かなりの勢いで拡大しているものですから、住民とのトラブルが発生している。こういうことでは、中間の自治体が個別対応はしておりますが、国としても最低限の、こういうことは考えなさいよ、常識でいえば、施設をつくる地域の住民の方と話し合って、できるだけ理解を得るような努力はしなさいとか、そのくらいは、やはり国としても環境を整えることが私は必要なんだと思うんです。

 これを放っておきますと、太陽光発電が悪者みたいになってしまっても困りますから、ここら辺はきちっと国としても、今お話がありましたが、一つの方針というものを示して、住民との無用なトラブルが発生しないように対策をお願いしたいと考えております。

 この住民の方も、太陽光発電というのが、「再生可能エネルギーの活用は地球温暖化対策として推進すべき事業であり、太陽光発電事業に対して反対するものではありませんが、」「森林伐採や環境破壊、景観破壊、歴史的文化遺産の破壊などを起こさないよう慎重に」、こういう話であります。

 ここら辺は、やはり所管の官庁としてもそういうメッセージを出すべきだと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

林国務大臣 先生御指摘のようなトラブルがないように、我々もいろいろと目くばせをしながら、そういったことも含めて検討していきたいと思っております。

大畠委員 もう一つ、きょうは通称NEDO法の改正案というものですが、このお膝元の産総研に私は先日行ってきたんですが、東日本大震災の地震でかなり外構が壊れたりして、一生懸命手当てをしていただきましたが、何分にも四十年前につくった建物で、配水管とか水道管ですとかいろいろなものが老朽化して、雨漏れが起きているというのです。非常にいい仕事をしているんですよ、この産総研は。しかし、環境が悪くなってきてしまいまして、建物の補修とかなんかの予算がなかなか十分ではないので遅々として進んでいないんですという話を研究者の方から聞いたものですから、やはり所管の経済産業省としてもきちっとしなきゃならないと思います。

 これは経済産業省の所管だと思うんですが、これについてはどういう対策をとっておられるのかを伺います。

井上政府参考人 委員御指摘のつくば市内にあります産総研の建物でございますけれども、前身の工業技術院の研究所群がつくば市に移転をいたしました一九七〇年代の末から一九八〇年ごろにかけた建物が多くて、御指摘のように、施設設備で現在も使われているものについては老朽化が見られるところでございます。

 これまで、産総研の施設設備につきましては、産総研に移行して以降、年平均で約五十億円規模で老朽化対策というのは行ってきているところでございますけれども、なお一部の施設については老朽化が見られるということでございます。

 産総研が機能を発揮していくための研究活動等を支障なく行えるように、老朽化した施設設備につきましては、今後とも計画的な改修に努めてまいりたいと考えております。

大畠委員 時間が参りましたのでこれで終わりますが、ぜひ林大臣には、先ほどのお話のように、地球温暖化防止のまさに旗振り役として、大いに日本国が活躍していただきますよう祈念して、質問を終わります。

 ありがとうございました。

高木委員長 次に、伴野豊さん。

伴野委員 民主党の伴野豊でございます。

 本日はこうした質問の機会をいただきましたこと、高木委員長を初め各理事、委員の皆さん方に心から感謝を申し上げたいと思います。

 また、個人的なことかもしれませんが、民主党として、多分、私自身も質問させていただく最後の機会になろうかと思いますので、いろいろな感慨も思いながら、前へ進めるような質問をしていきたいなと思っておりますので、大臣各位におかれましては、政治家としてさまざまな御尽力をいただいているところでございますが、政治家同士としての議論を深めさせていただければ、そうした機会になればと思っております。

 まず冒頭、けさほどとんでもないニュースが入ってまいりました。かの国、昨今、挑発的行為とも言える行為が続いているわけでございますが、直接の大臣の御担当ではないかもしれませんが、経済制裁を初め、これは我が国にとって本当に重要な事柄でございますので、今政府としてお持ちの情報を、まずこの委員会に御報告という意味で、けさほど起こったことに対して御報告いただけませんでしょうか。

林国務大臣 北朝鮮は、本日五時五十四分ごろ、一発の弾道ミサイルを日本海に向けて発射したと判断されます。弾道ミサイルは日本海海上に落下したものと推定されております。

 現在までのところ、被害等の報告は確認されていないと承知しております。

 総理から、安全確認や迅速な情報提供などの指示がなされておりまして、政府として対応しているところでございます。

 今回の北朝鮮による弾道ミサイルの発射は、航空機や船舶の安全確保の観点から極めて問題になる行為でありまして、累次の国連安保理決議に違反するものでありまして、大変遺憾であります。

 我が国政府としては、引き続き北朝鮮に挑発行動の自制を求めるとともに、アメリカ、韓国等と緊密に連携をしながら対処してまいります。

 経済産業省といたしましても、関係省庁と連携しながら、制裁措置を厳格に実施してまいります。

伴野委員 御報告ありがとうございます。

 その上で、経産省さんとして今緊急に御検討される事柄は何かあるのか、あるいは、こうした案件は与野党を超えて喫緊の課題でございますので、今のお考えをお聞かせいただければと思います。

林国務大臣 伴野委員御案内のとおりですが、経産省としては、平成十八年に輸入を、平成二十一年に輸出をそれぞれ禁止しておりまして、平成二十二年以降、輸出入額はゼロとなっております。

 北朝鮮制裁につきましては、政府の一員として、関係省庁と連携しながら、この制裁措置を厳格に実施してまいりたいと思っております。

伴野委員 刻々といろいろな情報も入ってくるところだと思いますので、ぜひ大臣におかれましては、情報をタイムリーにおとりいただいて、しかるべきタイミングで当委員会にも御報告いただけることがあれば御報告いただきたいと思いますし、また、何か対応方で、これはもう与野党ないと思いますので、委員会として対応すべきことがあれば、お申しつけいただければよろしいかと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

 では、きょうの法案に入らせていただきたいと思います。

 NEDO法の改正案に対する質疑ということで、先ほど来から、お二人の委員、岡下委員、大畠先生からもいろいろ御質問がありましたので、ダブらないように簡潔に質問をしていきたいと思いますので、御答弁の方も簡潔にお答えいただければありがたいと思います。

 御案内のように、京都議定書に基づくさまざまな対応、これの一つの区切りがつくということで、平成二十八年三月三十一日が廃止期限ということでございますので、それに対応するためにこの法案の改正があると認識しております。

 その中で、一つは京都クレジット取得業務の廃止があった、それから、特別会計に関する法律において、NEDOが行う京都クレジット取得業務をエネルギー対策特別会計の対象とする規定等を削除するというようなことで、今後はそれにあわせてNEDOさんの組織のお話も若干あるのか、あるいは人事配置が若干あるのかもしれませんが、そうしたことを行うための改正というふうに心得ております。

 そうした中で、やはり先ほど来からも質問の中にありましたように、京都議定書に基づく京都クレジットのさまざまな業務、プロジェクト、これに対して、ここへ来て、やはりきちっと評価、分析して次に生かしていただく。かなりのいわゆる国のお金も入っているわけでございますから、私は報告義務もあると思いますし、先ほど来、今後の地球環境対策にも生かすべく対応をとられるということでございますので、ここは一度、ある面時間をかけてでも結構なので、評価をするということが非常に重要なのではないかなと思っております。

 その上で、さまざまな角度から物差しを当てていきたいと思うんですが、まず、わかりやすいというところで、会計検査院さんがNEDOにおやりになった、京都クレジットの取得業務についてどういう評価をされているのかをお聞かせください。

斎藤会計検査院当局者 お答え申し上げます。

 会計検査院は、会計検査院法第二十二条第五号に基づいて、国が資本金の二分の一以上を出資しております国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構、NEDOの会計を検査しております。

 NEDOが実施している京都議定書に基づくクレジット取得関連業務につきましては、十八年度から二十六年度までに実施された約千六百億円を対象に検査を実施してきたところでございまして、二十四年にはNEDO欧州事務所の実地検査を行うとともに、ウクライナにおいて現地調査を行いました。

 これまで、クレジット取得関連業務について検査報告に掲記した事項はありませんが、NEDO全般に係る過去五年間における指摘を申し上げますと、研究事業で取得した資産等について、不当事項二件、処置済み事項四件の計六件の報告を行っているところでございます。

伴野委員 特に、会計検査院として特筆されることはなかったという解釈でよろしゅうございますか。

斎藤会計検査院当局者 そのとおりでございます。

伴野委員 その点は評価させていただきたいと思います。

 しかしながら、いろいろ細部にわたって見てみますと、先ほど来からウクライナのお話やチェコのお話、御案内のように、京都メカニズムというのは、共同実施のJI、クリーン開発メカニズムのCDM、国際排出量取引のET、先ほど来から爆買いという表現もされておりましたが、GISのお話もあって、それぞれ個別にプロジェクトがあるわけでございますが、それらについて本当にどうであったのかというのは、これは非常にじっくり本当は分析していかなければいけない、評価分析をしていかなければいけない。

 相手国があることでございますので、いわゆるBバイCというものが本当にできるかどうかというのはありますけれども、できたらビフォー・アンド・アフター、場合によってはプロジェクトのウイズ、ウイズアウトというぐらいはきっちり、できるだけ第三者機関的なところで評価、記録をされていくべきではないかなと思っているわけでございます。

 特に、先ほど来、CDMなんかは国連の評価が入るということで、若干そのことに関しては評価すべきところはあるのかもしれませんが、そうした中で、経産省さんの職員の方、きょうも何か四時ぐらいまで、私が申し上げた国連の評価の和訳をしていただいたみたいで、明け方まで御努力いただいたことに改めて感謝をしておきたいと思いますが、本来、そういうものがもっと公開されるべきだと思うんですね。

 特に、京都議定書の六条に規約されている共同実施のJIなんというのは、空気を買ってきたという表現をする方もいないわけではない。確かに、京都という名前が入ったということで、地球温暖化を今後考える上で、多分永遠に京都というところが、いろいろな課題も持っていますけれども、先進国だけであったとか、先ほど大畠先生が指摘されたように、アメリカ、カナダは本当に、中国も参加していたのかというようなこともありますけれども、最初の一歩として一つの仕組みをつくっていったということは評価されるべきだと私は思います。

 ただ一方で、メンツを買ったと言っては失礼かもしれませんが、そのメンツのために相当国益を、あるいは税金を使ったということもないわけではないと思いますので、ですから、ここは一旦冷静に、そのときの状況をよく鑑みながら、各プロジェクトごとに私は評価していくことが今重要ではないかなと。

 幾つか、その和訳していただいたものを見せていただきました。自分の感覚を申し上げて、思いつきで恐縮ですが、多分、それなりの大学のマスター論文の対象ぐらいの、対応としては、十分分析対象としてなり得るのではないかなというふうに私自身は見せていただきました。

 ですから、お金をかけないやり方というのはあると思いますので、情報公開さえすれば、その情報に基づいて、今申し上げたように、修士論文を書きたい、あるいは博士論文を書きたいという人がしっかり分析を逆にしてくれますので、ぜひ今後、情報公開も含めて、まず経産省さんがNEDOさんのおやりになった各プロジェクトについてもう少し詳細に分析、検討をしていただきたいなと。

 御管轄の独法という評価で、京都クレジットの部分が四点、Aがついたというところに対して、大臣査定ではまだまだ甘いといってBにされたという話も伺っていますが、このあたり、大臣、お考えがありましたらお聞かせください。

林国務大臣 評価結果の公表についてでありますけれども、NEDOは、ウクライナ、チェコなど先進国から約八千万トンの京都クレジットを取得いたしまして、途上国のプロジェクトからは二千万トンを取得したわけでございます。

 先進国の余剰排出枠を購入するスキームを活用した取得分は、相手国から毎年の進捗報告書や最終報告書の提出、あるいは国際的な監査法人による両報告書の監査を受けた上で、適宜ホームページで公表をしております。

 途上国で排出削減プロジェクトを実施するスキームを活用した取得分は、国連の専門機関がプロジェクトごとに排出削減量を確認した上で、同プロジェクトの情報を国連のホームページで公表しております。

 いずれにしても、これまで実施してきたものについては、プロジェクトの確定作業が終了した後、その成果を評価するとともに、順次、結果をわかりやすい形で広く公表するようにしていきたいと存じます。

伴野委員 大臣がおっしゃるように、ちょっときつい言い方をすれば、一応評価はされているようには思いますが、私自身、幾つか読ませていただくと、相手国もあり、また金額のお話もありますので、なかなか全部公開するというわけにもいかない部分があることも承知しているつもりですが、もう少し詳細な分析と情報公開に徹していただいた方が、いい案件もたくさんあるんですよね、自信を持って、やってきたことに対して公開すべきだし、国際貢献したことに対してもっと自信を持つべきだと思います。

 ただ一方で、うまくいかなかったことは、要するに、後輩たちに教えるためにも、こういうことがあった、ああいうことがあって、こういうことでできなかったということは、逆に正直に明らかにした方が、いい仕事というのは生きていくと私は思いますので、ぜひ詳細な分析と情報公開、いま一度、御決意みたいなことをお聞かせいただきたいと思います。

林国務大臣 報告書に関しましては、NEDOのホームページを通じて公表をしていくということに今取り組んでいるわけでありまして、できれば、ことしの四月ごろからそういったことをやれればということで、今鋭意取り組んでいるところでございます。

伴野委員 そうした中で、これは京都議定書、京都クレジットの成果の一つだと思いますが、先ほど来からも質問が出ていますけれども、今後の地球温暖化対策の一つの手法として、二国間クレジットのお話が出てくるわけでございますが、今後どうしていくのか、NEDOさんがどうかかわっていくか、先ほどお話があったように、千六百億というこの規模で何かおやりになるのか、具体的な方法等をいろいろお考えになっているところかもしれません。

 ちょうど今、地球温暖化対策計画というのが、この間、三月十五日に公開されて、これから具体的に詳細について、内閣官房を初め環境省、経済産業省の審議を経ながら、細部にわたって具体案がつくられていくんだろうと思います。

 私は、ぜひこの連携をしっかりとっていただいて、さらには、きょうもちょっとお呼びしていますが、外務省さんも加わって、対外的な外交戦略をあわせ持って、一つ一つのプロジェクトが、その国あるいは地球環境に貢献するだけではなく、最終的には国益にかなうような形で一つのサイクルを描けるようなことにするためにも、各省庁でポイントを置きたいところ、重点を置きたいこと、やりたいことというのはそれぞれあるから、予算もそれぞれつけるのかもしれませんが、できたらどこかで、これは内閣官房の仕事かもしれませんが、ダブりとか、ふたをあけてみたらどこかに偏っていたとか、横の連携ができていないがために同じようなことを本当にすぐ近くでやっていたというようなことがないようにしていただくためにも、できるだけ連携をとっていただきたいと思いますし、これもきちっと外交戦略の一つとして位置づけていただいて、外務省にももっと加わってきていただきたいなと思うわけです。

 きょうは外務省の担当局もお呼びしていると思いますが、そういった御提案に対して、何かあればどうぞ。

竹若政府参考人 お答え申し上げます。

 御質問の二国間クレジット制度、JCMでございますが、外務省、経済産業省、環境省等の関係省庁が緊密に連携して取り組んでまいっております。

 こういった連携のもとで、これまで日本は、十六カ国と二国間クレジット制度、JCMを結んでおり、省エネ機器や太陽光発電システムの導入など、八件のJCMプロジェクトが登録、実施されております。

 また、御指摘の昨年のCOP21でございますが、パリ協定におきまして、我が国が提案しましたJCMを含む市場メカニズムの活用が位置づけられているところでございます。

 引き続き、関係省庁で緊密に連携いたしまして、戦略的にJCMを活用いたしまして、温室効果ガス排出削減に取り組んでまいる所存でございます。

伴野委員 言うまでもなく、大使館をお持ちの外務省でありますから、一番現地のことを日常的に把握していてもらわなければ困る外務省さんでございますので、ぜひぜひ日常的な情報を各省庁にもできるだけ情報提供していただいて、先ほど申し上げたように、他国に対しては、相手国に対しては、日本がオール・ジャパンで来ているというところをぜひ見せていただいた方が私は最終的に国益にかなうのではないかと思いますので、各省庁の縦割りを超えた対応をしていっていただきたいなと思います。

 そうした中で、経産省さんはNEDOを通して二国間クレジットを多分おやりになる、後でちょっと大臣からお聞かせいただきますが。環境省さんとしては、どういう仕組みで、どういうことをお考えになっているんですか。どうぞ。

梶原政府参考人 お答え申し上げます。

 先生御指摘のとおり、今オール・ジャパンでやってございます。現在、十六カ国と協定を結んでやっておるところでございますが、一カ国一カ国ごとに、両省庁の代表から成ります合同委員会をつくりまして、一つ一つの事業の技術的な内容、例えば削減量をどういう形でカウントしていくのかといったようなことを手づくりで議論しております。

 この会合につきましては、外務省、経済産業省とともに環境省も加わりまして、我が国の側ではオール・ジャパンで、また、パートナー国も関係省庁そろって出てきていただいてやっておる、そういう形で、手づくりで顔の見える形でやらせていただいているところでございます。

 そして、この事業を支援するために、日本の技術等を使いながらしっかりと世界に貢献できるように、事業を育て、そして実施をしていくという観点で、FS事業でありますとか、あるいは環境に非常にいい部分、ちょっとお高くなる部分があるわけでございますが、そこの支援もやらせていただいているところでございます。

 この事業に当たりましては、例えば経済産業省と環境省の間で役割分担をしながら、事前にしっかりと調整をしながら事業を進めているということでございます。

伴野委員 環境省さんは環境省さんで、この二国間クレジット制度を使っていろいろなプロジェクトもお考えだと。今、予算規模的には、一年間にどれぐらいの予算規模で考えていらっしゃるんですか。

梶原政府参考人 事業としてさまざまな形の予算を組んでおりますけれども、全体として、ちょっと今手元に数字がないんですが、五、六十億程度をかけてやっていると思っております。今、数字を調べて、また時間があればお答えしたいと思います。

伴野委員 きのう聞いた数字と若干違いますので、よくお調べいただいて、また御報告ください。

 それぐらいの規模でおやりになるということで、経産省さんとは違う視点でおやりになる部分もあるのかもしれませんが、そのあたりはよく連携をとっていただいて、先ほど申し上げたダブりとか無駄のない対応をしていただければと思います。できたら相乗効果を上げていただくようなことになっていただければいいかと思います。外務省の対応、環境省の対応、こういうことでございます。

 ここへ来て、では、二国間クレジット制度を活用して、NEDOを多分お使いになるんだと思いますが、経産省さんの今後の取り組み方はどうあるのか、大臣からお答えください。

林国務大臣 もう既に先生から御指摘のとおりでありますが、我が国の技術と経験を活用して、二国間クレジット制度、JCMを世界に先駆けて独自に構築したものでございます。

 NEDOとしては、エネルギー・環境技術の知見、経験を活用して、JCMプロジェクトの形成に向けて取り組んでいるところでございます。例えば、ベトナムの国営病院二カ所におきまして、各病院に約五百台の省エネ型空調設備と、それを統合運転する全体システムを導入するJCMプロジェクトを統括しておるところでございます。

 そういったことから、経産省としては、引き続き、外務省、環境省とも連携しつつ、NEDOを活用して、我が国のすぐれたエネルギー・環境技術を国際社会に広めていく、そのためにもJCMを推進していきたいと思っております。

伴野委員 もし予算規模で今大体お考えでしたら、ちょっと教えていただけるとありがたいんですが、それは事務方でも結構です。

井上政府参考人 JCMに関連をします予算の、平成二十八年度の、今提出をさせていただいております予算案でございますけれども、経済産業省の関係では約三十億、それから環境省につきましては、私ども承知している範囲では、約百三十億円というふうに承知をしております。

伴野委員 大丈夫ですか。

 日本の呼び水になるように活用していただければありがたいかなと思いますが……

高木委員長 伴野先生、今、修正の希望がありました。

伴野委員 修正ですか。はい、お願いします。

井上政府参考人 大変失礼いたしました。

 両省合計した数字が百三十億程度でございまして、経済産業省が約三十億、環境省が約百億円ということでございます。

伴野委員 厳しくも気配りのあるレクをしたつもりでいますので、役者がちゃんと答えていただかないと次へ行けないですから、数字等は正確によろしくお願いいたします。

 では、限られた時間でございますが、最後に、林大臣の大臣としての思いを、政治家としての矜持といいますか、覚悟といいますか、姿勢というものをお聞かせいただければありがたいかなと。

 大臣におかれましては、最初、私が初当選をしたときに運輸委員会でもお世話になりました。その後、御案内のように、国土交通副大臣もおやりになり、また国土交通委員会の委員長もおやりになる。この経歴というのは結構似ていまして、大臣、私は外務副大臣を途中でやりましたけれども、そうすると私もいつか……(発言する者あり)いやいや、そういうことではありませんが、その都度、大先輩として御高配をいただいてきたという中で、やはり経産大臣というのは誰彼もやれる立場ではないと思います。

 そうした中で、大臣のホームページを改めて拝見しましたら、一意専心ということが最初に出てまいりました。私なりにその一意専心という言葉を考えますれば、それは、他に心を動かされず、ひたすら一つのことに心を集中することだというふうに私自身は認識をしております。

 そうした中で、いろいろな課題を経産大臣はお持ちでございますので、いろいろなことをやらなければいけない、時間的にも体力的にもきつい中でおやりになっているということは理解するんですけれども、やはりこれが御自身の大臣のときにやっておきたいというか、林メカニズムでもないですけれども、そういうものを、私、後輩としては、ぜひやり遂げていただければいいかなと思っている一人でございます。

 そうした中で、先般も近藤委員から御質問の中に使われました、東海道新幹線を御利用いただいている先生方なら、今月号のウェッジをごらんになられて、そこに沢さんのいわゆる遺稿ともいうべき、後輩たちへの遺言状とも私はとらせていただきましたが、非常に簡潔にまとめられて、途中途中、胸をつかれるといいますか打たれるといいますか、思わず目頭がというような部分もなかったわけではございません。

 大臣も、多分きっと何度も読み返していただいたのではないかと思いますので、この論文の御感想とともに、いま一度御決意をお聞かせいただければありがたいなと思います。

林国務大臣 私の一意専心は、単純に一生懸命事に当たるということでございます。

 今の私の職務というか使命というのは、まず、福島第一原発の廃炉・汚染水対策とそれから福島の復興、これが最重要課題の一つだろうというふうに思っておりますのと、今、安倍内閣が新三本の矢を打ち出しておりまして、その一本の矢の強い経済をつくるというのが経産省あるいは経産大臣に課せられた一つの大きな責務であり、使命であろうというふうに理解をしております。

 そのために、IoTなどの先端技術を駆使したロボットやら、そういった産業においてもしっかり進めていきたいし、また、逆に、中小企業が我が国経済を現実には背負っているわけでありますから、この中小企業を、赤字体質だと言われていますけれども、しっかり元気にさせるということも大きな仕事だろうというふうに思っております。そこにまた、対外的にも、TPPあり、いろいろと経済連携協定がございます。

 そういったものも含めて、強い経済をつくっていくというのが何よりも課せられた使命だろうというふうに理解していまして、そういった意味では、一意専心しっかりと取り組んでいくという決意で臨んでいるところでございます。

 お尋ねの沢昭裕さんの論文の件でございますけれども、私は残念ながら生前お目にかかったことはなかったんですけれども、沢さんは、やはり原子力政策の重要性を常に発信しておりまして、我が党の国会議員も随分お話を聞いておるというふうに耳にしているところでございまして、言ってみれば、原子力政策の重要性と今後のあるべき姿を提言されているのではないかというふうに理解しております。

 私も、そういったものをしっかりと捉えながら、沢さんだけではありませんけれども、さまざまな意見を聞きながら、原子力政策は進めていきたい、こう思っております。

 福島原発事故から、言ってみれば、原子力発電が停止しておりまして、よく、原発がなくたって停電がないんだから大丈夫じゃないか、こう言われる方もいるのは耳にしています。しかし、今、知ってのとおり、火力発電でこれを賄っているわけでございまして、今まで運転を予定していなかった火力発電まで稼働して、フル運転をしているわけでございます。言ってみれば、依存度が、火力に九割も依存しているというような形で、しかもこういう状況ですから価格もどんどん上がっていて、家庭でも二五%アップ……

高木委員長 大臣、時間が参っておりますので、御協力を。

林国務大臣 そうですか。

 そういうことで、今、CO2も随分排出されておりまして、そういうことから、やはり安定供給の確保、あるいは電力コストの引き下げ、あるいはCO2の抑制というのを実現するためには、やはり原発をゼロにすることはできないし、また、依存度はできる限り低減させて、その安全性を高めて進めていくということが大事だろうというふうに理解しております。

 安全がまず第一でありまして、そういったことを国民の皆様にまず理解をしていただくということを国が率先して進めていくことが大事だろうというふうに思っているところでございます。

伴野委員 終了いたします。ありがとうございました。

高木委員長 次に、升田世喜男さん。

升田委員 民主・維新・無所属クラブの升田世喜男であります。

 いわゆるNEDO法に対して何点か質疑をしてまいりたいと思いますが、その前に、北朝鮮が行ったこのたびの許しがたいあの暴挙に対しまして、我が国を代表する国会議員の一人として抗議の意を表しておきたいとまず思います。

 安全で安心な暮らしをしたい、こう思うのは、我が国のみならず、全世界が望むことだと私は思います。最近、想像を超える災害が起きるのも、実は、地球温暖化に伴う異常気象、そして、その原因はCO2の排出、こう言われておるわけでありまして、平和を守る、環境を守る、どちらもこれは大事だろう、こう思います。その結果、子供の未来が守られていく、私はこんな捉え方をいたしております。

 そのことを申し上げさせていただいて、まず第一点目として、経済産業省として、NEDOの京都クレジット取得業務運営についてどのような評価をいたしているのか、お伺いをいたします。

三又政府参考人 お答えをいたします。

 政府は、京都議定書目標達成計画に基づきまして、NEDOを通じて、排出削減一・六%分に相当します約一億トンの京都クレジットを取得いたしました。

 省エネ対策や再生可能エネルギー導入対策などの国内対策だけでは京都議定書の目標達成が困難であったことから、こうしたNEDOによる京都クレジット取得の取り組みが不可欠であったというふうに評価をしております。

 また、例えば、発展途上国における工場の省エネやバイオマスの利用など、海外における排出削減プロジェクトが京都クレジットを通じて促進されましたことから、世界全体の地球温暖化対策としても意義があったと考えております。

 さらに、排出削減プロジェクトの中で、日本の省エネ型製品の導入なども行われましたことから、我が国のエネルギー・環境技術の普及にも一定の効果があったと考えております。

升田委員 重ねてお伺いしたいなと思うことは、NEDOのこれまでの発展途上国に対する取り組み状況について、再度また詳しくお伺いしたいと思います。

星野大臣政務官 お答えいたします。

 我が国は、日本の技術を活用して相手国でCO2削減プロジェクトなどを推進し、それによる削減量の一部を我が国の削減分とする二国間クレジット制度、JCMを世界に先駆けて独自に構築をいたしました。

 既に、インドネシア、ベトナム、サウジアラビア、チリなど十六カ国との間で制度を開始しているところでございます。

 NEDOにおいては、JCMプロジェクト形成を支援し、これまで、具体的には、NEDOのJCM実証事業として十件を採択しております。そのうち一件の、ベトナム国における国営病院における省エネ・環境改善によるグリーンホスピタル促進事業については、事業者がJCMプロジェクトとして事業を進めております。

 引き続き、経済産業省としては、NEDOを通じてJCMプロジェクト形成を支援し、世界の排出削減に貢献をしてまいりたいと考えております。

升田委員 今、るる御答弁ありましたけれども、そのことを行って、現地、途上国、現場では、どんな反応というか、どんな感想あるいは動き等々あるんでしょうか。

星野大臣政務官 お答えいたします。

 途上国政府にとっては、自国における温室効果ガスの削減プロジェクトの初期投資がNEDOの実証事業を通じて支援されることは大きなメリットであると評価されているものと承知しております。

升田委員 ぜひ、NEDOが行ったことあるいは我が国の思いというのが発展途上国にも伝わりまして、今後はみずからその国が自発的に行うんだということ、これが一番あるべき姿だな、こう思いますので、その点はしっかりと押さえておいてほしいなと思います。

 きょうは、十分というのはこれほど早いんですね、あと三分ほどしかないということなので、あと二点ほどあったんですけれども、これはまたの機会があるかどうかはわかりませんが……(発言する者あり)あるか。ここで本当は、中小企業対策ということで、大企業ばかりやっている、あるいは中小企業は経済的にも苦しいのでなかなか難しいのではないかな、この辺もお伺いしたいと思ったんですが、またこれは別の機会ということにさせていただきたいと思います。

 林大臣の方に、私が今述べたことをぜひ実践していただきたいなということが一つございまして、先ほど大畠先生の方から乾いた布を絞るのは大変だということであって、全く私もそう思うんですが、まだまだ我が国の中ではやれることが残っている、それは国民の理解と協力だと私は思うんです。

 県会議員のときに、ドイツの方に環境問題で研修をさせていただきました。そのときに、私は、大感動といいますか、大感銘を受けたことがございます。それは、我々県会議員五人で行ったんですが、研修内容よりも、待っていた運転手の態度なんです。

 バスを借りてきました、二十人乗りの。すごく暑い日でした。我々は三時間ぐらいそこにいました。帰ってきたら、運転手は、車で、クーラーもつけないで、窓をあけて、ドアをあけて、ハンカチではなくてタオルでこうやって拭いて待っていたんです。いわゆるエンジンをかけない、CO2を出さないというのを国民一人がみずから実践していたんですね。

 それに感銘してお伺いをしましたところ、ドイツでは、例えば何かの式典あるいは建物ができたという場合、我が日本では、運転手は車の中で、例えば大臣さんでも委員長さんでも、待っているわけでありますが、向こうは、ホールとか待合室があったら、車でなくてその待合室で、そこは冷房も暖房もあるわけですから、そこで待っていただくという取り組みをしているんですね。そのことで少しでもCO2を減らしていこうということであります。

 私は感動いたしましたよ、このドイツの姿勢に。大臣、どうでしょうか。みずから、これからは運転手さんに、ここはちゃんとフロアがあるから、そこで待ってね、車の中よりも快適ですよと。そういう態度をまず我々政治行政のリーダー的な人が見せることで、これは国民に理解と共有と協力が進むと思うんです。

 この地球温暖化対策というのは、国としてよりも、一人一人の理解と協力がなければ進んでいかない、そういう面もあろうと思いますので、大臣、いかがでしょうか、実践していただけないですか。

林国務大臣 先生御指摘のとおりだと思います。やはり一人一人がその意識を持って対応していくというのが非常に大事だろう。一つ一つの積み重ねが大変大きなものになるということもございますので、そういったことを心がけながら、やはり国民一人一人に、省エネに対して呼びかけていく、意識を持ってもらうということも非常に大事だと思っておりますので、それを心がけて対応していきたいと思っています。

 また、今後、二十年間で石油危機後に達成した水準並みとなるエネルギー効率三五%改善という特に野心的な目標を掲げまして、徹底して進めることにしておりますので、また国民の皆さんの協力をいただきながら取り組んでまいりたいと思っております。

 よろしくお願いいたします。

升田委員 時間が参りました。

 環境を守るということは、未来を確かなことにするということであります。

 以上でもって終わります。

高木委員長 次に、落合貴之さん。

落合委員 維新の党、落合貴之でございます。

 民主・維新・無所属クラブの時間の範囲内で質問させていただきます。

 本日は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構法の一部を改正する法律案についてということで、本法案は、京都議定書の温室効果ガス排出削減目標を達成したため、同機構の京都クレジット取得に係る規定等を削除するものでございます。

 そこで、まず質問ですが、政府の京都メカニズムを活用したクレジット取得業務につきまして、なぜこの機構、つまりNEDOが委託を受けるようになったのでしょうか。

星野大臣政務官 お答えいたします。

 我が国が京都議定書によって課された温室効果ガスの排出削減義務を達成するためには、国内対策だけでは不足が見込まれ、海外の排出枠を買い取る、いわゆる京都クレジットを取得して対応することといたしました。

 この京都クレジットの取得に際しては、エネルギー・環境技術に関する知見とプロジェクトの管理等の経験、能力等を有する公的な事業主体が行う必要がございました。

 NEDOは、従来より、省エネ、新エネに関する知見、経験を生かして、環境プロジェクトに関する実現可能性調査や途上国における人材育成支援を行ってきておりまして、エネルギー・環境分野の知見、経験があった上、多数のエネルギー・環境関連プロジェクトのマネジメントを行っておりまして、これらの分野の事業の管理能力を有していたことから、政府がNEDOに京都クレジット取得業務を委託することとしたものであります。

 なお、民間事業者については、みずから個別の環境プロジェクトを実施していたり、京都クレジットの転売やコンサルタント事業をしていることから、委託先としては利益相反の観点から適切ではないと判断をいたしました。

 以上でございます。

落合委員 公的な立場であり、しかも知見、経験があるということでNEDOが選ばれたということでございました。

 そこで、この十年間のお金の出入りについて伺いたいんですが、NEDOに対する京都クレジットに係る予算措置というのは合計幾らで、そして実際に使った経費は十年間で計幾らなんでしょうか。

井上政府参考人 お答え申し上げます。

 京都クレジットの取得業務に関連をいたしまして平成十八年度から講じました予算額の累計は、千六百九十九億円でございます。

 これに対しまして、執行額、これは国からNEDOに支払った額でございますけれども、これにつきましては累計で千六百二億円でございます。

落合委員 先ほどの会計検査院の答弁でも、特に今までの検査では指摘することはなかったというような話ですが、これを調べてみますと、NEDOの京都クレジットに係る予算というのは、一つが一般会計からお金が出るもの、それからもう一つはエネルギー対策特別会計のエネルギー需給勘定から出るものの二つがあって、一般会計から出たものはNEDOの一般勘定に、特別会計から出たものはNEDOのエネルギー需給勘定に入れるということになっています。

 今、予算が約千七百億円ついて、約千六百億円使ったということで、残りの百億円というのはどこに行ったんでしょうか。

井上政府参考人 予算額と執行額の差分の約百億円についてでございますけれども、執行額の方は、NEDOが京都クレジットを取得する際に、お金を払う相手方から請求があって、NEDOが払うときに初めてその額を国からNEDOに支払いをしておりますので、約百億円につきましては、そのまま国庫に残っているということでございます。

落合委員 実際の金額のみしか国庫から出ていないということなので、差額は、一般会計の分は一般会計に残って、特別会計の分は特別会計に残っているということでよろしいですね。

井上政府参考人 ちょっと通告がございませんでしたが、基本的にはそういうことだと思います。

落合委員 最初にNEDOになぜ頼んだのかというふうに伺ったんですが、いろいろな業務が全部NEDOにぼんぼんくっつけられていて、勘定も分けられていて、しかも、入ってくる予算も、こっちは特別会計からで、こっちは一般会計からということで、私も一般会計、特別会計、それからNEDOの会計を一通りざっと見たんですが、非常にわかりにくい流れでございました。

 しかし、先ほど会計検査院が、今までは会計については指摘していないということでしたので、全部調べた上で指摘するような事項はなかったんだと思いますが、しかし、NEDOの会計がわかりにくいという部分は改善の余地があるのではないか。特別会計、一般会計ともに国民から預かっているお金ですので、そこは指摘をさせていただきたいと思います。

 今回、NEDOが十年間で九千七百四十九万トンのクレジット、CO2の排出権を取得したとのことですが、このクレジットと実際のCO2の量というのはイコールと考えていいものなんでしょうか。

井上政府参考人 NEDOを通じて取得いたしました京都クレジットにつきましては、二つのタイプのものがございます。

 一つは、いわゆるCDMと呼んでおります、途上国において行われたプロジェクトによる削減分を日本の削減分としてカウントする仕組みでございますけれども、これにつきましては、国連の関係の機関によりまして、各プロジェクトごとに削減量としてどれだけカウントできるかということも含めてチェックがなされておりますので、この取得に使いました約二千万トンは、削減量としても約二千万ということでございます。

 他方、先進国から余剰排出枠を買ってくることにつきましては、国際的にはただ余剰枠を買ってくるだけということでありますので、それ自身は、約八千万トンのクレジットは取得したということでございますけれども、それの対価を使って相手方の先進国の中で行われた各プロジェクトによってどれだけ削減されたのかということにつきましては、個々のプロジェクトについて日本政府としてもNEDOを通じてフォローしておりますけれども、これ自身の削減量の全体像は、現在まだその確定作業を行っているウクライナもございますので、今網羅的にこれだけということは申し上げられませんけれども、これにつきましても、この業務終了次第、整理をいたしまして公開をさせていただきたいと考えております。

落合委員 今答弁いただきましたが、クレジットの取得、取引は二つに分けられる。

 一つ目が、先進国の余剰排出枠を買います、これが国際排出量取引である。今回、一億トンのうち、八割の八千万トンはこれでやりました。

 もう一つは、CDMとおっしゃいましたが、クリーン開発メカニズムで、途上国にCO2削減のための資金や技術を提供して削減量を買い取るということで、こっちの方が数字としては正確ですということでした。今回は、これは二割に当たる約二千万トンの量である。

 これから、こういった取引はどんどん広まっていくとは思います。それから、パリ協定も結ばれましたので、こういったことを我が国はまたこれからも続けていくんだと思いますが、やはり私は、二つ目のCDM、クリーン開発メカニズムの方を中心に国際間取引は行っていかなければならないのではないかなというふうに思います。

 一つ目の余剰排出枠を買う方は、いわば金融商品のようになってしまっておりまして、価格も変動しますし、マーケットができてしまっている。いわばバーチャルな部分が大きいですので、これは、個別の事業に投資をして、技術提供をして、実際にCO2を削減させていく、それから、我が国は省エネ技術がすぐれているわけですから、その技術を広めていくこともできるという点で、今回は初めてのことでしたので八割は余剰排出枠を買い取る方に量が行ってしまいましたけれども、今回二割しかなかった途上国向けの方にやはり力を注いでいくようにしなければならないと思います。

 事例を調べましたが、公用車をハイブリッド車にかえることですとか、それから省エネのエアコンを導入したりですとか、日本の企業の技術が使われていますので、ぜひこちらの仕組みを活用されることを私としても要望させていただきたいと思います。

 それを踏まえまして、二〇二〇年以降の地球温暖化対策の国際的な枠組みであるパリ協定が昨年末に採択をされました。これは、京都議定書と違って、途上国も入っています、中国も入っています、そしてアメリカも入っています。目標は自分たちで決めるということが違いではありますが、我が国は、二〇一三年度比マイナス二六%の目標ということで、これに向けてまた国際間取引を行うものだと思いますが、今回行った国際間取引、今挙げた二つを中心に我が国は臨んでいくのでしょうか、ほかにも国際間取引の選択肢、新しい選択肢というものは出していくのでしょうか。

林国務大臣 京都議定書のもとで我が国が活用してきた京都メカニズムにつきましては、既に我が国の目標の対象期間は終了しておりまして、昨年のCOP21で採択されましたパリ協定のもとでは、これを活用するということは想定しておりません。

 他方、我が国は、ちょっと繰り返しになりますけれども、日本の技術と経験を生かして相手国でCO2削減プロジェクトなどを推進いたしまして、それによる削減量の一部を我が国の削減分とする、いわゆるJCM、二国間クレジット制度でございますが、これを世界に先駆けて独自に構築したわけであります。

 既に、インドネシア、ベトナム、サウジアラビア、チリなど十六カ国との間で制度を開始しているところでございますし、今、加えまして、フィリピンとの間でも、制度開始の署名に向けて最終的な調整を進めているところでございます。既に八件のJCMプロジェクトを実施しております。

 パリ協定では、このJCMを含む市場メカニズムの活用が位置づけられておりまして、今後とも、このJCMを着実に推進しまして、世界全体の排出削減に貢献していきたい、このように思っています。

落合委員 大体、認識は同じであるというふうに思いました。

 先ほど伴野理事が所見を聞いていましたけれども……

高木委員長 申し合わせの時間が参りましたので、御協力願います。

落合委員 はい。

 このCO2の削減と、それからエネルギーの問題を考えるに当たって、大臣は、原発がCO2を排出しないので、これは重要だというふうにおっしゃっていましたが、去年のエネルギーミックスを見ますと、やはり省エネ対策もかなり力を入れています。ぜひ、ここら辺も次回以降質問させていただければと思います。

 本日は、ありがとうございました。

高木委員長 次に、真島省三さん。

真島委員 日本共産党の真島省三です。

 本法案は、京都議定書第一約束期間の終了及び日本の京都メカニズムクレジット取り扱いの調整期間終了により、NEDOの当該業務関係規定を削除するというものであり、我が党は、反対するものではありません。

 本日は、温室効果ガス削減について若干質問いたします。

 日本政府の二〇年以降の削減目標は、原発事故で火力発電がふえた一三年度を基準に三〇年度に二六%削減というもので、これでは、五〇年度に一三年度比八〇%削減というみずからの長期目標さえも達成できるのか、非常に整合性がないと思うんです。

 日本が世界第五位の温室効果ガス排出大国として国際的責任を果たしていくためには、日本の温室効果ガス排出量の八割を占めている産業界が鍵を握っていると思います。電力と鉄鋼が日本の排出量全体に占める割合、そして、電力、鉄鋼、化学、窯業、紙パルプ、石油製品・石炭製品の六業種が排出量全体に占める割合を御紹介ください。

井上政府参考人 ただいま委員からお尋ねのございましたような区分での業種別の排出量のデータがそろっておりますのは、国立環境研究所が公表をしております温室効果ガスの目録と称する資料でございます。この中身は、我が国の温室効果ガスのおよそ九割を占める、エネルギー起源のCO2についての、直近時点では二〇一三年度の排出量の数字がございますので、これに基づいてお話をさせていただきたいと思います。

 直接の排出量、すなわち、電力や石油製品等を生産する段階でのCO2の排出について見ますと、電力と鉄鋼の二業種を合わせたCO2の排出量が日本全体の排出量に占める割合は約五割、この二業種に、先ほどお尋ねのありました化学、窯業、紙パルプ、石油製品・石炭製品製造業の四業種を加えました六業種で見ますと、これらの業種が日本全体のエネルギー起源CO2排出量に占める割合は約七割でございます。

真島委員 それでは、電力業界は、京都議定書の第一約束期間である〇八年から一二年に自主目標を達成しているでしょうか。

多田政府参考人 お答え申し上げます。

 電力業界では、京都議定書の第一約束期間におけます排出削減の自主目標といたしまして、この期間の五カ年平均の排出原単位を一九九〇年度比で二割削減するという目標、具体的な数字といたしましては、一キロワットアワー当たりの排出量を〇・三四キログラムに抑えるという目標を立てておりました。その上で、さまざまな努力に取り組みまして、さらには、二億七千万トン、海外から京都クレジットを購入する、こういった取り組みも行ってきたところでございます。

 その結果、震災直前の二〇一〇年度には、この目標〇・三四に対しまして〇・三五、こういう水準にまで抑えて、五カ年平均の目標達成に向けて着実に成果が出ていたところでございます。

 しかしながら、御案内のとおり、二〇一一年の三月に東日本大震災を契機とした原発の停止、こういった影響がございまして、CO2の排出係数はその後大幅に増加をいたしまして、第一約束期間、御質問のございました〇八年から一二年、ここにおけますクレジットを反映した後のCO2排出係数は〇・四〇六ということでございまして、結果的に自主目標を達成できなかった、このような状況になってございます。

真島委員 大震災と原発事故で達成できなかったということなんですけれども、私は、原発事故を言いわけにできないと思うんですね。

 福島の事故の前までは石炭も原発もふやしてきたわけです。事故の後も、原発再稼働で、今、再生可能エネルギーの接続が特に九州などでは阻害されています。そして、火力発電所の排出量の半分を占める石炭火力をどんどんふやしているわけですね。

 電力業界は、販売電力の一キロワット時当たりの温暖化ガス排出量を三〇年度に一三年度比三五%削減するという自主目標を今出していますけれども、この自主目標も本当に当てにならないと私は思います。

 政府として、電力や鉄鋼を初めとした産業界との間でぜひ公的削減目標を締結していただきたい、そして、産業界が本気でその目標に責任を持って頑張るように後押しをしていただきたいということを申し上げたいと思います。

 次に、日本の鉄鋼業界、温室効果ガスの削減でも頑張っていただきたいんですけれども、残る時間、最近多発しております労災死亡事故の問題についてお聞きしたいと思います。

 まず、ちょっと質問順を通告から変えますけれども、最初に、大臣の基本認識を聞きたいんです。

 きょうお配りしています配付資料のグラフ、これは労働災害死亡事故の推移です。八〇年代前半は年間三十人を超えていましたが、その後、減少傾向にありますが一進一退。この間、厚労省や経産省は、鉄鋼業界に繰り返し安全衛生対策を要請し、そしてガイドラインや指針も繰り返し出してきました。それなのに、なぜ一進一退の状況が続いているのか。さらには、ことしは近年類を見ないような事態になっているというのはなぜなんでしょうか。

林国務大臣 ことしに入って立て続けに死亡事故が発生したことはまことに遺憾でございます。亡くなられた方々の御冥福をお祈りするとともに、こうしたことが繰り返されることがないよう対策を徹底してまいりたいと存じます。

 経産省としては、昨年六月には、鉄鋼業におきまして事故防止に向けて各社が取り組むべき課題として、下請企業と一体の安全活動の推進や危険感度の向上など、「十三の取組」をまとめまして、事業者による対応を促してきたところでございます。

 また、本年に入りまして立て続けに死亡事故が発生したことを受けまして、二月には指導文書を発出しました。まず、従業員が立ち入る全ての場所の安全性の確認、そして、製鉄所構内で従事する、下請会社を含む従業員への安全教育の徹底を図るよう要請したところでございます。

 このように、従来より踏み込んだ取り組みを開始はしておりますけれども、御指摘のように事故が続いていることは事実でございまして、現在、厚生労働省と連携いたしまして、業界に対して安全管理と老朽設備についての自主点検を求めております。そしてまた、そのフォローアップをしっかりと行いまして、結果を分析して、さらなる効果的な対策を検討してまいりたいと存じます。

真島委員 ぜひ労災死亡事故を根絶するために建設的に議論もしていきたいと思いますけれども、まずお聞きしたいのは、元方事業者の安全衛生管理義務についてです。

 確認ですけれども、製鉄所では、原料、生産、加工、出荷の作業工程が区分されて、そこに重複した請負会社が混在して入り、そして一貫した生産の工程になっております。業務委託を請負会社に外注するに当たっても、製鉄所に元方事業者として安全衛生の管理義務があると思うんですけれども、この点はいかがでしょうか。

加藤政府参考人 お答えいたします。

 個別事業場の安全衛生法の適用についてはお答えを差し控えさせていただきますが、製造業の事業場で、一の場所において行う事業の仕事の一部を関係請負人に請け負わせるものにつきましては、労働安全衛生法第三十条の二に基づきまして、元方事業者として、労働災害を防止するため、関係請負人に対する連絡調整等、必要な措置の実施が義務づけられております。

真島委員 ありがとうございます。

 福岡県労働基準協会連合会発行の「労働基準ふくおか」第百七十号に福岡県内の昨年の死亡災害発生事例三十一件の概要が載っておりますけれども、その中で、昨年十一月十五日に、新日鉄住金八幡製鉄所構内において、請負会社の二十三歳の労働者が排滓鍋の中に転落をし、大やけどを負って死亡した労働災害を紹介しております。こういうふうに紹介しています。

 被災者は、詰所にたまっていた一般ごみを二輪車に乗せて脱硫場まで運び、約三百五十度のスラグが入った鍋に投入して燃やすため、操作室にいる同僚へ要請してこの鍋を移動させ、その後、被災者から操作室の同僚に助けてと連絡があり、駆けつけたところ、鍋の近くの通話器の横で倒れていた被災者が発見されたもの。

 この被災者は大やけどをして四日後に亡くなっておりますけれども、八幡製鉄所の二〇一五年十一月「安全統計」というのを拝見いたしましたが、昨年十二月九日現在で、無災害継続日数が全所で三百日、社員が四百十八日、協力会社が三百日継続しているということになっているんですね。あしたでこの被災者が亡くなって四カ月になりますけれども、八幡製鉄所では、業務委託の請負会社の社員が亡くなったということをいまだに災害統計に反映しておりません。

 資料の下に、ここ二年余の鉄鋼業界の労災死亡事故の事例を御紹介しておりますけれども、実に、亡くなった方のうち協力社員は、一四年が十五人中十一人、一五年が十一人中九人、そしてことしが五人中三人。ほとんど協力会社の社員の方が亡くなっているんですね。

 厚生労働省の「製造業における元方事業者による総合的な安全衛生管理のための指針」というのがありますが、この中でも、近年、業務請負が増加し、これを背景とした労働災害が多発している、また、関係請負人の労働災害の発生率は元方事業者のものと比較しても高いところであるとして、元方事業者による関係請負人も含めた事業場全体にわたる安全衛生管理の確立を求めております。

 お伺いしますけれども、新日鉄住金八幡製鉄所は、被災者が請負会社の社員であっても、事業所全体の安全衛生管理の義務を負う元方事業者として、災害事実やその原因と災害防止対策について全社的に広報した方がいいと思うんですけれども、いかがでしょうか。

加藤政府参考人 お答えいたします。

 労働安全衛生法第三十条の二の措置が円滑に実施されるために、厚生労働省では、「製造業における元方事業者による総合的な安全衛生管理のための指針」を定めて、同指針に基づく措置を講じるよう指導を行っているところでございます。

 この指針の中では、元方事業者に対して、関係請負人との協議を行う場を設置、運営することを求めておりまして、その協議事項の一つとして、労働災害の原因及び再発防止対策を示しております。さらに、協議結果の労働者への周知につきましても規定しておりまして、事業場内で発生した災害事実でありますとか、その原因及び再発防止対策について、関係請負人を含め事業場内全体で広く共有すべく指導しているところでございます。

真島委員 請負会社の社員だから、亡くなったことはと。だから、製鉄所の入り口に看板があるんです、無災害記録日数何日と。ずっと継続しているんです。だから、これはちょっとやはりさすがに正すように、事故をなくしていくためにも、共有するためにもぜひ物を言っていただきたいというふうにお願いしておきます。

 先ほど大臣からも御紹介ありました、経産省が六月に発表した、事故防止に向けた、「望ましい十三の取組」というのがあるんですが、その中で、ひとり作業におけるリスクを低減するということで御提案があります。そして、今、製鉄でも、請負会社の中でも、個人がもっと注意しなさい、個人の注意が足りないんだということが非常に強調されているんですね、こういう事故を受けて。

 しかし同時に、今製鉄の構内でどうなっているかというと、非常に若い労働者がいますが、もちろん経験不足、請負で働いている人も含めて。一方で、ベテランの方の事故も結構起きているんですね、これはなれなんですよね。経験不足となれという両面で事故が起きておりまして、やはり人間というのはどんなに注意をしてもミスをするものだと。だから、ミスがあっても、事故を防止する、あるいは重篤な事態にならないようにする、そういう設備対応というのもこの取組で強調されているというふうに思うんです。

 私は、昨年十一月十五日の事故現場にも、例えば見守りカメラとか、あるいは労働者が危険な区域に入ったら警告するような安全装置などがあれば防げたんじゃないかなと思うんですけれども、こういう点での御見解はどうでしょうか。

糟谷政府参考人 委員御指摘のように、人に全部責任を負わせる、人に全部かぶせるということでは十分な事故防止対策はできないというふうに考えております。

 その観点から、昨年六月に定めました「十三の取組」においても、設備的対策の推進ということを一つ盛り込んで、取り組むようにということを促してきたわけでございます。

 昨年十一月十五日の事故を受けましても、事故を起こした会社が、労働基準監督署と相談しつつ、再発防止策を取りまとめております。

 具体的には、不要物、一般ごみの処理方法を、排滓鍋には捨てず、不要物置き場、ごみ置き場に捨てるということを作業指示書に明確化し、周知徹底をするということですとか、不要物置き場を増設するということですとか、加えまして、安全柵の高さを引き上げる、高くするということ、また、施錠を実施して、事故を起こした危険設備に接近ができないようにするというような設備面での対策をとっております。加えまして、管理者による安全パトロールを一日一回から三回にふやすとともに、見守りカメラも現場に二台設置いたしました。

 こういった対策を通じて、フェールセーフ、フールプルーフを含めた設備面での対策も講じているということであります。

 さらに、事故が起きたところだけではなくて、ちゃんとリスクアセスメントをして横展開をするようにということを、このたびの事故の多発を受けて改めて呼びかけをしておるところでございます。

真島委員 資料の下で紹介していますけれども、近年、請負会社の労働者がひとり作業中に死亡するという事故がふえております。きょう紹介した事例のように、元方事業者がそれを災害統計に加えないとか、あるいは請負事業者も、先ほど言ったように労働者の自己責任なんだみたいなことを言ってみたりということで、やはり全社的に事故の原因、対策を共有するというのが大事だと思うんです。

 ここに書いている資料は、経産省、厚労省にお願いして、公開されているものをまとめたものなんですけれども、ただ、この中に、今おっしゃっていただいたような、事故がどういう原因で起きて、どういう対策が現場で実際にとられたのかというのは公開されていないんですね。

 私は、一つ一つの事故の原因がどういうもので、再発防止策はどうとられたのか、経産省や厚労省がどういう要請や指導をして、それによってどうなったのか、そこまで、フォローアップの内容までぜひ公開していただくのが大事なんじゃないか、安全の社会的な機運をつくる上でもと思うんですけれども、最後に、大臣、いかがでしょうか。

林国務大臣 鉄鋼各社はこれまで、社内や、あるいは企業間、下請企業などと情報を共有して意見交換を行うなどしてきておりまして、安全管理上の問題点の抽出や対策の改善に努めているものというふうに認識しております。

 しかしながら、今真島議員御指摘のように、事故情報を一般に公表することはさまざまな御意見や評価をいただくよい機会になるのではないかというふうに思います。

 経産省としては、今後、鉄鋼業界に協力を求めながら、労働災害や再発防止策に関する情報公開のあり方について検討してまいりたいと思います。

真島委員 時間が来ましたので、終わります。

 どうもありがとうございました。

高木委員長 次に、木下智彦さん。

木下委員 おおさか維新の会、木下智彦でございます。

 本日もお時間をいただきまして、ありがとうございます。

 きょう、朝から聞いておりましたら、地球環境のお話、それから京都議定書の話、ほとんどの委員の方々が質問されていたので、本件についてほとんど網羅されているのかなと思います。

 きょう、そういう意味で違った話をしたいなと思っておりまして、そもそものNEDOのあり方というのですか、そういったところをちょっとお話しいただきたいなと思っています。

 というのは、今回の法案、私どもの党内でもお話しして、いろいろ国民の方々の声も聞いていると、やはりどうしても、NEDOのやっていること、実際の事業のパフォーマンスはどうなんだろうというふうなことがいろいろと言われている。

 先ほどもありましたけれども、その関連でいうと、産総研なんかもこれからロボットの開発などに予算を相当突っ込んでいくんだというふうなお話をされていますので、そういったところを、事業それからそのパフォーマンスという部分について少し掘り下げていきたいなと思うんです。

 その中で、いろいろとNEDOの事業を見ていたんですね。そうしたら、一つあったのが、研究開発型ベンチャー支援プラットフォーム事業。起業家の候補、ベンチャー企業を立ち上げたいと思うような人たち、スタートアップイノベーターというふうに言われているようですけれども、これの募集をして、そこにいろいろな補助をしていく、そういう事業があったんですけれども、これの概要をなるべくちょっと短目にお願いします。

 きょうは何とか短く終わりたいと思っておりますので、よろしくお願いします。

井上政府参考人 御指摘の事業でございますけれども、企業や大学に眠る革新的な技術シーズをもとに研究開発型ベンチャーを起こすことを目指す起業家候補の方を公募によって採択し、その活動を資金面のみならず経営面も含めてきめ細かく支援することを目的としている事業でございます。

木下委員 ありがとうございます。そうなんですね。

 さっと言っていただいたので私が逆に補足しますけれども、その起業家の人たち、起業しようとする人たちに、年間で一人最大六百五十万円、掛ける三で一チーム、それから毎年千五百万円の活動費、これを保障してあげようというふうな形で、そうやることによってベンチャーの起業を後押ししてやろうということです。

 二十六年の秋ぐらいから始まって、二年たつところだと思いますけれども、当初は二年間そのプログラムをやるというふうに言っていたのが一年間になる、それからもう一つは、その資格を見るときに、審査するときに、外部のベンチャーキャピタル等々の出資が二百万円以上あることということだったんですけれども、二年目からそれもなくなったというふうな話を聞いています。

 それで、たまたまこの件について、この事業をやり出すといったときに、夏野剛さん、慶応大学の特別招聘教授の方なんですけれども、この方がこれについてコメントされているんです。私、実はその夏野剛さんのもとでかばん持ちみたいなことを数年しておりまして、非常に懇意にしておりまして、その辺のお話を聞いていたんです。

 そうしたら、何を言っているかというと、彼ももともとベンチャーを立ち上げようとして失敗した、そういう彼の経験からいうと、そもそも、年収を保障される、六百五十万円も遊び金があって、そんな覚悟で起業してもうまくいくわけないよというような話、今の生活が守られた上で起業するというのは社内ベンチャー制度などではよくあるけれども、しかし成功事例というのはほとんどない、彼はこういう意見なんですね。起業にはそれなりに大変な労力や覚悟が必要、その覚悟がないままに起業しても成功確率は絶対低くなるんだ、当たり前のことだけれども、それを国ぐるみで生易しい甘々ベンチャーを支援するなんというのはもってのほかだ、こういうふうに言われているんです。

 余りどんどん言っても話があれなんで、まずちょっと一つだけお聞かせいただきたいんですけれども、もともと二年間やると言っていたのを一年にしたのはなぜなのかというのと、それから、外部出資、ベンチャーキャピタルでそれなりの出資の審査があって、そういった筋のいいところをやろうと思っていたんだと思うんですけれども、二年目からそういう出資条件もなくなったということなんですけれども、これはどうしてなんですか。

井上政府参考人 お答え申し上げます。

 まず一点目の、第二回の公募からは支援期間を二年から一年に短縮した理由でございますけれども、第一回の公募で採択をした事業を実施していく過程で検討を行いました結果、支援期間をあらかじめ二年とするよりは、起業家候補の方におかれてよりスピード感を持って事業化を進めてもらいたいということで、第二回の公募から、支援期間を一年間と短縮したものでございます。

 それから二点目の、第三者の出資を受けることを要件としていたものを外した点でございますけれども、これはスタートアップ段階の事業でありまして、最初から特定の第三者から出資を受けることを要件としますと、当該出資者の株式の持ち分割合が高くなるということで、迅速な意思決定あるいはその後のいろいろな選択肢からの資金調達に支障を及ぼすおそれがあるということ、それから、この第三者出資については、ある意味事業面の目ききの機能を期待していたところがあるわけですけれども、第一回の公募以降、第二回の公募に至るまでの間に、NEDOと、それからNEDOが公募で選任をいたしました専門家の体制が整ってきたということで、第二回の公募からは、第三者からの出資の意向確認という要件を外させていただいたということでございます。

木下委員 大体はわかったんですけれども、夏野さんはもう一つ言っているんですね。政府がつくる第三者の審査というふうに言われていましたけれども、政府がつくる委員会みたいなものという感じで言われていますけれども、絶対だまされるに決まっているじゃないですかというふうに言われていて、その第三者というのは誰なんだろうと思って私調べてみたんですよ。そうしたら、そこのメンバーに実は私の前職のときの後輩が入っていまして、余り大きなことを言えないなと思ったんですけれども、そうはいいながら、そういうことも可能性はある。

 夏野さんが言われたのは、夏野さんの話で私もそれに共感したので言わせていただくんですけれども、もしも支援策をつくるとするんだったら、そうじゃなくて、起業して失敗してからの方がもっとつらいんだ、収入はない、借金はある、キャリアに対する自信がなくなっちゃう、もう俺はだめ人間かもしれない、この先どうやって生きていこう、そういったところにこそセーフティーネットとしてこういうお金を政府として援助していくのはありなんじゃないかというふうに言っていらっしゃるんですね。

 そうはいいながら、それを深く掘り下げていくとどうなるかというと、どうやってそこを選別しながらお金をやるんだろうと。それこそ、ゾンビ企業とよく言われていますけれども、そういったところに生き残りをさせてしまうようなことをしていては新陳代謝が生まれないというところなので、そこもまた目ききが必要になってくるのかなというふうに思っていました。ただ、一考かなと。

 それからもう一つ、彼の言葉ですけれども、くだらないベンチャーキャピタルとかが、うまくいかない場合に個人の社長に株を買い戻させるような契約を違法にするべきだと。要は、ベンチャーキャピタルがそういうベンチャー、起業家にお金を出しますといったときに、契約で、もしうまくいかなかったら、そのベンチャーキャピタルが持っている株を、もともとの取得額、もしくは何割か割引したものかもしれませんけれども、それで買い戻せというような契約をする場合があるんだ、そういうことこそ規制をするべきだ、そうやってやらないと、こんなのは実際のベンチャーキャピタルじゃないじゃんというふうに言っているんですね。

 そういったところをうまく整備していくことこそが本当にベンチャー企業を後押ししていくことになるのではないか、そういうふうな感じのことを言われておりました。

 そもそも、ベンチャーをやった人たちからしても、こういうことというのは何なんだよと思うんですけれども、逆に、私なんかはサラリーマンをやっていて思うんですけれども、サラリーマンとしても、何だ、こんなことをしてできるんだったら、最初から、会社で新入社員で働かなくても、大学を卒業した時点で企画書を書いてうまくやったら、言っちゃ悪いですけれども、うまく政府それから審査する人をだまくらかせれば、一年目から六百五十万と事業資金千五百万を取れるんじゃないかというふうな、そんなことになっちゃう。

 だから、そういうふうなことをやるんじゃなくて、本当にベンチャー企業に対してどういうことをしなきゃいけないのかということをもう少し掘り下げてやってほしいというような感じのことを言われておりましたし、私もそういうことを感じています。

 もうきょうは終わりたいと思いますので、大臣に、ぜひ、そういう観点でこの事業、NEDOのそもそものところといいながら、NEDOのやっている関連事業ですけれども、こういうことも含めてしっかりと監視をしていっていただいて、よりよいものにしていただきたいと思いますので、それを要望しまして、最後に一言、これはよく言われるんですけれども、一言と言って一言で終わっちゃうんですけれども、ぜひよろしくお願いします。

林国務大臣 木下先生御指摘のそういうベンチャーが出ないように、あらゆるベンチャーを云々じゃなくて、今、研究開発型ベンチャーに力を入れておりまして、研究開発だけじゃありませんで、どちらかというと事業化に重点を置いていくということで、迅速な事業化を図るという観点から、支援の期間とか公募条件などの改善を図っているところでございます。

 これから先、そういった意味で、産業化とかあるいは社会普及に向けた技術の実証あるいは標準化、こういったものをさらに強化していきたいなというふうに思っておりまして、できれば、我が国のイノベーションシステムの強化に貢献していくというようなベンチャーにしたいなと思っておりますので、また御支援をよろしくお願いいたします。

木下委員 たくさん話していただきまして、ありがとうございました。

 以上で終わります。

高木委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

高木委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。

 内閣提出、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構法の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

高木委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

高木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

高木委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前十一時四十八分散会


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