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第6号 平成14年4月3日(水曜日)

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平成十四年四月三日(水曜日)
    午前九時三十一分開議
 出席委員
   委員長 久保 哲司君
   理事 木村 隆秀君 理事 実川 幸夫君
   理事 橘 康太郎君 理事 林  幹雄君
   理事 古賀 一成君 理事 細川 律夫君
   理事 赤羽 一嘉君 理事 一川 保夫君
      赤城 徳彦君    小里 貞利君
      倉田 雅年君    小西  理君
      菅  義偉君    田中 和徳君
      高木  毅君    高橋 一郎君
      竹下  亘君    谷田 武彦君
      中馬 弘毅君    中本 太衛君
      林 省之介君    福井  照君
      堀之内久男君    松宮  勲君
      松本 和那君    森田 健作君
      山本 明彦君    吉川 貴盛君
      阿久津幸彦君    井上 和雄君
      大谷 信盛君    今田 保典君
      樽床 伸二君    津川 祥吾君
      中村 哲治君    永井 英慈君
      伴野  豊君    平岡 秀夫君
      細野 豪志君    高木 陽介君
      山岡 賢次君    大幡 基夫君
      瀬古由起子君    原  陽子君
      日森 文尋君    西川太一郎君
    …………………………………
   国土交通大臣       扇  千景君
   国土交通副大臣      月原 茂皓君
   国土交通大臣政務官    菅  義偉君
   国土交通大臣政務官    高木 陽介君
   政府参考人
   (警察庁長官官房審議官) 堀内 文隆君
   政府参考人
   (国土交通省河川局長)  竹村公太郎君
   政府参考人
   (国土交通省海事局長)  安富 正文君
   政府参考人
   (国土交通省港湾局長)  川島  毅君
   国土交通委員会専門員   福田 秀文君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月一日
 辞任         補欠選任
  日森 文尋君     原  陽子君
同月三日
 辞任         補欠選任
  菱田 嘉明君     小西  理君
  松岡 利勝君     林 省之介君
  松野 博一君     山本 明彦君
  津川 祥吾君     中村 哲治君
  前原 誠司君     細野 豪志君
  保坂 展人君     日森 文尋君
  二階 俊博君     西川太一郎君
同日
 辞任         補欠選任
  小西  理君     竹下  亘君
  林 省之介君     松岡 利勝君
  山本 明彦君     松野 博一君
  中村 哲治君     津川 祥吾君
  細野 豪志君     前原 誠司君
  日森 文尋君     保坂 展人君
  西川太一郎君     二階 俊博君
同日
 辞任         補欠選任
  竹下  亘君     菱田 嘉明君
    ―――――――――――――
四月二日
 船舶職員法の一部を改正する法律案(内閣提出第二五号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 船舶職員法の一部を改正する法律案(内閣提出第二五号)



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     ――――◇―――――
久保委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、船舶職員法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 趣旨の説明を聴取いたします。国土交通大臣扇千景君。
    ―――――――――――――
 船舶職員法の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
扇国務大臣 おはようございます。
 ただいま議題となりました船舶職員法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明を申し上げます。
 近年における国民の水上レジャー活動に対する関心の高まりや余暇活動の多様化に伴い、水上オートバイなど手軽に楽しむことができるさまざまな小型船舶が増加し、幅広い層の人々が手軽に参加するなど、小型船舶を利用した水上レジャー活動はますます活発化しております。こうした中、小型船舶操縦士の免許保有者は、毎年約九万人のペースで増加し、平成十二年度末で約二百七十万人に達しています。このため、小型船舶の安全を確保しつつ、制度の簡素合理化を図ることが強く求められています。
 他方、小型船舶による海難は増加傾向にあり、平成十二年度には二千三百件を超えるとともに、死傷者も約七百人に達しています。このため、早急に小型船舶の安全対策の充実を図ることが求められております。
 このような状況を踏まえ、小型船舶にかかわる利用者ニーズの変化に的確にこたえるとともに、小型船舶の航行の安全を一層図るため、この法律案を提出することとした次第です。
 次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。
 第一に、小型船舶の船長を小型船舶操縦者と位置づけ、船舶職員の資格制度から小型船舶操縦者の資格制度を分離することとし、法律名、目的等について所要の改正を行うこととしております。
 第二に、小型船舶操縦者が受けなければならない小型船舶操縦士の免許の資格区分について、一級、二級及び特殊小型船舶操縦士の三つの区分に再編成するとともに、小型船舶操縦士の試験について、安全に配慮しつつ、できる限り簡素なものとすることとしています。
 第三に、小型船舶操縦者が遵守すべき事項として、危険操縦の禁止、酒酔い操縦の禁止等を明確化するとともに、遵守事項の違反者に対する再教育講習の制度を設けることとしているほか、所要の改正を行うことといたしております。
 以上が、この法律案を提案する理由でございます。
 この法律案が速やかに成立いたしますよう、御審議をよろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。
久保委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
久保委員長 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として国土交通省河川局長竹村公太郎君、海事局長安富正文君、港湾局長川島毅君及び警察庁長官官房審議官堀内文隆君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
久保委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
久保委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。倉田雅年君。
倉田委員 おはようございます。自由民主党の倉田雅年でございます。よろしくお願いいたします。
 本日は、船舶職員法の改正ということがテーマとなっておりますけれども、海でのレジャーというお話の前に、まず、日本人と海との関係、こういうことを少し考えてみたいと思うわけでございます。
 日本は四面を海に取り囲まれておりまして、そのことからも日本人が海と親しむということは当然のことでございますけれども、日本人の成り立ちという、太古にさかのぼってちょっと考えてみましても、日本人は、大陸から朝鮮半島を渡ってきた人々とか、あるいは北の方の、シベリア方面から北海道、あるいは東北の方へと入ってきた人々、それから、いわゆる海人族と歴史的に言われている人たちがいるわけですが、この人たちは東南アジアとかあるいは南中国、こちらの方面から黒潮に乗るなどして日本へと渡ってきた、こう言われているわけでございます。
 また一方、歴史的に見ましても、日本人と海の関係というのは非常に深いものがございます。例えばの話、私は静岡県の生まれでございますので少し関心があるんですけれども、沼津という地がございますが、そこでかごかきをしていた人、大名のかごを担いでいた人ですね、山田長政という人物を大臣は御存じだと思うんですが、静岡市内なんかにも碑があるわけでございます。この人などは、一六一〇年ころですか、家光が島原の乱なんかに手をやきまして鎖国をしてしまう前ですが、その少し前、このころ、タイ、今の名前はタイですが、昔はシャムといいましたけれども、そこのアユタヤなんかで非常に活躍したわけでございます。日本人町というのがございまして、そこで日本人の義勇隊というようなものをつくりまして、タイの、当時のシャムの王朝の興亡にも非常にかかわったりして、大活躍をした。ただし、本業は今で言うと貿易商ですが、そんな人がいるわけでございますけれども、要するに、鎖国前の日本人というのは海を渡って行ったり来たりしておったという例でございます。
 そんなことから、日本人が海を好んで海へと出ていく、そして海と親しむ、こういうのは、いわば海洋性といいますか、海洋性という言葉が的確かどうかわかりませんけれども、日本人にそんなものがもともとあるんじゃないか、こんなことを思うわけでございます。
 そうした意味で、レジャーというものが今盛んになってくるということ、振り返ってみれば、民族的にも歴史的にも当然のことではないかと思っておりますけれども、大臣、こんな点についていかがお考えでございましょうか。
扇国務大臣 今、倉田議員がお話しになりましたように、日本は、古来四方が海に囲まれておりますので、あらゆる面で、メリット、デメリット両方あったと思います。
 議員は静岡のお話をなさいましたけれども、私は、個人的なことを言って失礼ですけれども、神戸生まれ、神戸育ち、海を見ながら育ちまして、扇千景の扇というのも、神戸の港のことを扇の港、扇港と申します。神戸生まれ、神戸育ちですので扇という名前がございまして、個人的なことで大変恐縮ですけれども、そういう意味では、毎日海を見ながら育ちましたし、また歴史的にも、須磨で源平の合戦がございまして、那須与一というのも須磨でございます。
 私は、まさに海を見ながら育ったのでございますけれども、残念ながら、今のレジャーの皆さん方がレジャーボートで海を楽しむという場所が少なくなってまいりました。また、海洋汚染等々の問題で、いわゆる砂浜というのも少なくなりましたし、あるところではテトラポッドだらけの海らしくない海といいますか、何か自然と境界線をつくってしまって、そしてみんなが素直に海と親しむという場所がだんだん少なくなってきたような気がします。
 そういう意味では、限られた場所で限られた船が行き交うというようなことで、レジャー同士がレジャーにならなくなって事故が起きる、そういうことが頻繁に起きてまいりました。また週休二日というようなことで、この時期、きのうのような真夏日になりますと、早速海のレジャーなんということもあるというふうに思います。
 ただ、限られた場所で、そして数多くのレジャーボートが行き交うことが、ただ普通に海を楽しむ人に危害が及ぶというようなことがあってはならないという意味で、昔のような穏やかな、そしてレジャーボートも少なかった、安全な、安心な海に親しむという機会がだんだん少なくなってくることが私は大変残念だなと思っております。
 海を見ながら育ったつもりが、今は海も埋め立てられて、神戸港の扇の形も扇形じゃなくなってしまいまして、私の名前も変えなきゃいけないかなと思うような、そういう埋め立て状況でございますので、どこまでが自然でどこまでが人工的であるかということは、我々は二十一世紀を迎えて考えなければいけない、そういうふうに考えております。
倉田委員 ありがとうございました。大臣もそういえば確かに神戸の方のお住まいで、私も、今のお話を聞いていまして、少年時代を懐かしく思い出したような次第でございまして、ありがとうございました。
 ところで、戦後、高度成長という時期を日本人が経まして、生活が豊かになるにつれまして、提案理由にもございましたとおり、国民のレクリエーションの活動の一環として、小型船舶の隻数も大分ふえてきた。現在約八十二万隻。それから、その中で小型船舶の操縦者の免許保有者が約二百七十万人、こういうぐあいに伺っておりますけれども、レジャー活動がますます盛んになってきている。
 私は、先ほど申しましたように、民族的、歴史的にも日本人が海と親しむのは当然だと言いましたけれども、プレジャーボートによるレジャー活動というのは、これからの我が国の、我々の暮らしのあり方、こういう面からいいましても、自然と触れ合う、こういうことから、社会的にも文化的にも大変重要な意義を有していると思いますけれども、大臣も同じようなお考えだと思いますが、いかがでしょうか。
扇国務大臣 まさにおっしゃるとおりで、先ほども私が申しましたように、本当に日本は海に囲まれておりますので、しかも七割は山という、山と海を両方楽しめるという、他の国には見られない、海のない国もありますので、そういう意味では大変恵まれた環境にあるといえばあるんですけれども、その恵まれた環境をいかに保全し、なおかつそれを保ち得るかという、私たちはその海と山というものに大きくかかわる国土交通省でございますので、今おっしゃったように、小さいころから海に親しみ、また山の背景で風をよけていただきながら安心して海で遊べる、そういう環境というものはどのように保持するかということも大きな問題でございますし、また、人口が密集し、なおかつ日々の仕事でごみを出します。そういうものをいかにきれいに処理し、海を汚さないか、そういうことも私たち二十一世紀の課題として大いに勉強し、そして皆さんの御意見をいただきながら、自然を保ち、自然に直接触れる機会というものを日本人から取り上げないように私たちは気をつけていきたいと思っております。
倉田委員 ありがとうございました。
 大臣がおっしゃるように、国土交通省が一生懸命、日本人の環境といいますか、海と山を大事にする、こういうことをお考えいただいているのは大変ありがたいと思うわけでございます。
 また、プレジャーボートの利用が活発になってきているということは、もう一つの観点から見ますと、マリーナ等を拠点とした地域の活性化とか、あるいは関連産業、小型船舶の建造はもとよりでございますが、釣りなどの関係の産業もございます。そういったものの振興にもつながることが期待されているわけでございます。
 ところが、これまで、港湾ということになりますと、どうしても物流機能、こちらの方に重点が置かれてきたような感じがいたします。すなわち、産業振興としての港湾関係、こういうことに力が入れてこられたんじゃないかと思うんですけれども、現在の社会経済状況にかんがみますと、レジャー船の活発化といいますか活用がふえてきた、このことが消費需要の増大につながるといいますか、大きいか小さいかはちょっと私にもわかりませんが、そういった内需拡大という観点からも考えてもいいんではないか、こんなことを考えるわけでございますが、経済効果というような面からお考えになったことがございますでしょうか。国土交通省にちょっと聞いてみましたら、まだそんな統計はできていないんだとおっしゃっておりましたけれども、そうした観点からもプレジャー船の振興というものは考えていいんじゃないかと思うわけでございますが、いかがでございましょうか。
扇国務大臣 今お話にございますように、国民のレジャーに対する広がりというものが最近とみに多くなっております。で、各方面に広がっておりますので、特に、危険性を伴うものということで、それぞれの良識と、そしてそれぞれの嗜好によって、私はある程度自由に広がっていくものと思っております。
 あらゆる面に伸びておりますので、プレジャーボート一つだけなぜとったのかという御疑問もあろうと思いますけれども、それは今お話しになりましたように、具体的な数字を申しますと、とにかくプレジャーボートの保有台数、これが、総隻で、平成二年に三十三万隻ございました。ところが、平成十二年には四十七万隻と、十年間で約一・五倍に増加したんですね。なおかつ、免許保有者数が、平成二年には百八十万人だったものが、今の、十年後の平成十二年には二百七十一万人に達するという。そういう意味では、まさにこの十年間で保有者数も一・五倍に達しているということで、いかに多くの皆さんがレジャーボートを身近に感じ、なおかつ気軽に手を出せるということで楽しんでいただいているというのがおわかりになろうと思います。
 経済効果につきましては、こういう数字を見ただけで計算すれば簡単に出るんですけれども、それだけではなくて、レジャーというのは、心身のいやしということに関しては、経済効果をお金ではかれない、私は大きなレジャーであると思っております。
 こういう保有隻の倍増とか、あるいは免許者の、一・五倍の取得者とか、そういう意味では、数では数字が出ておりますけれども、他方、これを喜んでばかりはいられませんで、海難とか事故によって、平成十二年では約七百人の多くの死傷者が出ているということを考えますときに、これは何としても法改正して、死傷者を出し、また加害者もそれによって傷つくというのであればレジャーがレジャーでなくなるという、大事な過渡期に来ているということで法改正をさせていただいたというようなことで、経済効果もさることながら、私は、レジャーが本当にレジャーとして、心身ともにいやす、そしてまた、身近に、手近に、そして近いところでレジャーとして楽しめるという、その基本を今回は改正させていただこうということでございますので、経済効果以上のものがあると存じております。
倉田委員 ありがとうございました。
 大臣とお話ししていると大変楽しいのですけれども、少し具体的な問題に入らせていただきます。
 船舶の免許者が全部で三百万人だそうでございます。そのうちの二百七十万人が、今おっしゃったように小型船舶の操縦者だ、こういうような実態を踏まえて今回の改正がなされたのだと思います。御説明の中に出てきている部分もありますけれども、そうした実情を踏まえまして、今回の改正は、利用者のニーズにもこたえる、こういったような観点があると思うんです。
 具体的に言いまして、お話にあったように、今までの一級から五級という細分化された区分から簡略化して三区分にする、こんなことでございますけれども、利用者にとってのメリットというのは、その簡素化ということと考えてよろしいのでしょうか、お教え願います。
安富政府参考人 今、資格区分の再編成の利用者に対する効果ということについてのお尋ねがございました。
 先生がおっしゃったように、今まで五区分と細分化されていましたものを大くくりで三区分という形にします。この効果でございますが、まず、その三区分のうちの一つが、水上オートバイの専用免許化ということでございます。
 この水上オートバイの利用者については、従来、モーターボートと全く同じ資格を要求しておりましたけれども、水上オートバイが非常に特殊性を有しているということから、この専用の資格区分を設けることによりまして、水上オートバイの安全確保に必要な知識あるいは能力等を重点的に習得すればそれで足りるということになりますので、従来、モーターボートの免許を一々取らなきゃいけなかったという点で利用者の負担軽減ということになりますし、また、安全性の一層の向上が図られるというふうに考えております。
 また、水上オートバイ以外の一般の小型船舶につきましても、従来は、トン数とそれから航行区域で区分されておりましたけれども、これを今回は、航行区域で五海里を境として新一級とそれから新二級というふうに分けて、大くくりに区分するということにしております。そういう意味で、利用者にとって非常にわかりやすくなるということと、ある程度船舶の大きさを限定した制度を設けるということによりまして、ニーズにも対応した資格制度になり得るのではないかというふうに考えております。
倉田委員 わかりました。
 まだいろいろ細かい点もお聞きしたいんですけれども、今回の法案に先行した形で、平成九年には河川法の改正ということが行われましたし、それから、平成十二年の三月でございましたか、港湾法が改正されました。それからさらに、昨年は小型船舶登録法、こんなものが改正されまして、これらはいずれも船舶の不法係留に対処した形ではないかと思うわけでございますが、今回の法案は、これらとの関係と申しますか、プレジャーボート対策全体との中でどのような位置づけになるんでしょうか。どなたかお答え願えればと思います。
安富政府参考人 プレジャーボートをめぐる問題については、先ほど先生から話がございましたように、放置艇の問題、あるいは今回出しております小型船舶の操縦士の資格の問題、さらにはリサイクル問題と、いろいろ広範囲にわたっております。
 この中で、我々としては、国民のレクリエーション活動に対する関心が非常に高まっているということから、先ほど大臣の方からもありましたように、隻数もそれから資格受有者も非常にふえている、そういうことから、国土交通省では、全体として、今申しましたいろいろな社会的課題に対応していかなきゃいけないというふうに考えております。
 その中で、やはり一つは、プレジャーボートの航行安全あるいは放置艇問題といったような、こういう社会的な課題をどうやって解決していくか、このための利用適正化ということをまず考えなきゃいけないだろう。それからもう一つは、そうはいいながらも、臨海部における施設の整備であるとか、青少年に対する海事教育の推進といった利用促進ということも考えなきゃいけない。このいわゆる利用適正化と利用促進という二つの両輪をあわせて進めていかなきゃいけないということで、総合的な対策を現在進めているところでございます。
 そういう中で、港湾法改正あるいは河川法改正、こういう一環、あるいはさらに小型船舶の登録法の改正というようなこともやらせていただきまして、その中で、これからこういういろいろな課題に、広範囲に、我々国土交通省として総合的に取り組んでいきたいというふうに考えております。
倉田委員 ありがとうございました。
 まだまだいろいろな問題がございますが、時間が来てしまいました。
 最後に一つ、水上オートバイのことにつきまして、琵琶湖などで排ガスの問題も出ているんじゃないか。つまり、水上オートバイが発進するときに、最初は海の中へと排ガスを出す、少しして浮き上がると空中へと出す。水質の面からも、あるいは空気の汚染という面からも、そういう面もあるのではないかと思いますけれども、そうしたことも含めて対策にあるんでしょうね。その点だけ、最後にお聞きをしたい。
安富政府参考人 先生御指摘のように、水上オートバイは、いわゆる停止中は、アイドリング中は排ガスを水中に出してしまうということになりまして、走行中は外に出るわけですけれども、そういうことから、特に河川なんかのいわゆる取水口付近でこういう状態になりますと、相当その河川の水質に影響を与えるのではないかということが言われております。
 そういう意味で、我々の方でも、琵琶湖であるとかあるいは淀川などの水上オートバイの利用が盛んな水域で水質調査を実施しております。この結果、排出ガスに起因する有機性の化合物が、いろいろ水質調査をした結果でございますが、現在のところ、環境基準以下であることが確認されてはおります。
 しかしながら、環境負荷低減という観点からは、やはりこの低減を図っていかなきゃいけないということで、我々としては、水上オートバイの製造メーカーに対しまして、環境低負荷型のエンジン搭載の水上オートバイの開発を指導したり、あるいは、河川の取水口付近での走行を禁止するといったような走行ルールの導入を進めているところでございます。
 この結果、既に二〇〇一年モデルから、排出ガス中の有機性化合物を低減した機種が発売されております。これは従来モデルより約四分の一の削減が図られているというようなことでございまして、そういうことをさらに進めてまいりたいと思いますし、また、淀川などで、走行ルールについても、例えばアイドリングを制限するといったような走行ルールが規定されておりまして、こういう形でのエンジンの開発や走行ルールの普及をさらに推進していきたいというふうに考えております。
倉田委員 ありがとうございました。
 時間が参りましたので、終わらせていただきます。
久保委員長 細川律夫君。
細川委員 民主党の細川律夫でございます。
 今回船舶職員法の改正案が提出をされまして、酒酔い操縦の禁止などが規定をされるということは、これは一歩前進ということで評価をしたいと思います。
 実は、この問題で、私はこれまで二回質問をさせていただいております。
 一回目は平成十年のときでございました。この船舶職員法が改正をされる。平成十年のときの改正では、五級小型船舶操縦士の資格が追加されるということでございましたので、そうしますと資格者の数がふえる、操縦者の数もふえる、そうしますと海難事故が増加をするであろう、こういうことが当然予測をされましたので、そのとき私はこういう質問をいたしました。
 実は今、プレジャーボートに乗って酒を飲んで酔っぱらって運転をしても、取り締まりがなされることはない、法的規制がない、これらについて、ぜひやらなければいけないと思うけれども、そのような法的整備をどういうふうにされていこうと考えているのかということを、当時、審議のときに質問をいたしました。
 これに対しては、当時の担当局長でありました土橋政府委員の方からはこういうお答えが参りました。今後のプレジャーボートの事故原因の動向も見きわめた上で、どのような方策が適切であるかを検討してまいりたいと思います、こういうようなのんびりした答弁がなされたわけでございます。
 当時から、私の調査では、アメリカの各州などほとんどのマリンスポーツ先進国では酒酔い操縦などの禁止規定がありましたのに、政府はこれをずっと放置していたところでございました。この平成十年の、資格制度がふえて当然操縦者がふえることが予想されたときにこのことをきちんと検討していたならば、そのときに酒酔い運転なんとかの禁止を検討していたならば、この間の海難事故というものは少しでも減らすことができたのではないかということで、私自身は残念に思っていたところでございます。
 そして二回目は、昨年の三月にもまた質問をさせていただきました。私が予想していたとおり海難事故が大変急速に増加をしている、したがって法的整備を早くしなければいけないんじゃないかということを、扇大臣に必要性を訴えたわけでありました。このときは、大臣の方から検討の必要ということのお答えがございまして、そのことが今回のこの改正につながっているんだというふうに思いますけれども、しかし、事故がふえてから腰を上げるという体質がうかがえまして、私としては大変残念にも思うところでございます。
 そしてまた、私が質問した後も、プレジャーボートによる事故というのが大変また頻繁に起こってまいりました。新聞等でも報道されているようなことでも、例えば昨年の四月の十五日には、川崎港でボート同士の衝突で一人が亡くなり、二人が負傷した。あるいはまた七月の二十六日には、新潟の方で昭和大橋にプレジャーボートが激突をしていた。これは酒を飲んだ後のようでありますけれども、このときも五人が重軽傷を負う。あるいはまた、七月の二十九日には北海道の小樽の方で、水泳をしていた者が水上バイクによって接触されて負傷し、水上バイクは逃走するとか、あるいはまた八月の十三日には、神奈川の葉山沖で水上バイク同士の衝突で一人が亡くなり、一人が負傷するとか、こういう事故が頻繁に起こったところでございます。
 特に若者の無謀運転による事故が多いというふうにも私の方は理解いたしておりますけれども、規制緩和の時代とはいっても、やはり安全の問題というのは、単に自己責任にゆだねるというものでもありませんし、やはり国際的な標準からいたしましても、日本もおくれをとらないようにきちっと規制をしていくことが政府の責任だというふうにも思います。
 そこで、大臣にお聞きをいたしますけれども、これまでずっとこの委員会の場でも主張してまいりました。今回、酒酔い運転などの規制についてこういう法案が出たことは一歩前進ということで評価はいたしますけれども、しかし、余りにもちょっと遅いのではないか、指摘をしたらもっと早くこういうものには対応すべきではなかったかというふうに思いますけれども、その点について、大臣、どのようにお考えでしょうか。
扇国務大臣 細川議員から、昨年三月の三十日、私に対して例の御質問がございました。私が、免許取得時、免許更新時のそういうものは改めてどういうものが必要かということを検討する必要を大いに感じております、検討してまいりますとお答えをいたしました。
 ただ、レジャーというものに、どこまでどのように規制をすべきかということ、特に、シーマンシップ、海の男の規律といいますか心意気といいますか、このごろは海の男だけではなくて女もございますけれども、いわゆるシーマンシップ、海を愛する人は、規律を守られて本当に自分たちのレジャーを楽しむというそのシーマンシップ魂というものがあると私は信じておりますし、今もその思いは変わっておりません。
 けれども、今現実に、細川議員がおっしゃいますように、多くの事例が出てきたり、また事故件数が多くなったりという現状を見ますときに、私が昨年先生とお約束いたしましたように、何らかの方策を検討してまいりたいと申しまして、以後検討してまいりまして、今回、酒酔い操縦の禁止、それへの対応を確実にしていくということに踏み切ったわけでございます。
 小型の船舶操縦士の免許制度につきましては、現在の制度ができてからもう三十年経過いたしておりますので、この三十年間の世の中の変わりよう、また多くの国民のレジャーへの嗜好の変化等々を考えますときには、これはただシーマンシップを信じるだけでは、もはや遅きに失すると。今お言葉のようでございますので、私たちも今回、逆に、それを規制させていただいて安全を図ろうということに踏み切ったわけでございますので、水上レジャーを安全、健全に楽しんでいただくためにはこれを守っていただきたいということで、あえて踏み切ったということで、今後も御指導賜りたいと存じます。
細川委員 私は先ほど、今回の改正案は一歩前進だということで評価したいというふうに述べました。全面的に評価ということではないのは、私がどうも疑問に思いますのは、果たして今度の改正案でその実効が伴うのかどうか、実効性の問題があるというふうに思います。
 そこで、この点についてお伺いをしたいというふうに思います。
 酒酔い操縦などの禁止ができましたことは、これは前進ではあると思いますが、しかし、陸上の自動車交通の免許制度、あるいは行政処分、刑事処分との体系から比べますと、大変軽過ぎるというのが私の印象でございます。
 大臣の方からはシーマンシップのことに触れられて、それを信じているというふうにもおっしゃいました。しかし、そのシーマンシップが守られない、だからこそ事故が起こるわけでありますから、自動車交通と同じようにしろとは申しませんけれども、しかし、少なくとも、そういう事故が起きないような運転をするような、抑止力が伴う制度、あるいは、例えば罰金や反則金制度というようなものが考えられるわけなんです。しかし、今回の改正では、事故が起こったときには免許の停止などの処分を下すということでは、これは改正前と変わらずに、単に私は講習の制度が加わっただけだというふうにしか理解できないわけでございます。
 そこで、お聞きをいたしますけれども、この酒酔い操縦の禁止規定の具体的な条項、あるいは再教育講習受講に至る基準というものについては、これは省令に委任をされている、こういうことになっておりますけれども、行政処分というようなものはどういうような場合に行われるのか。そしてもう一つ、免許の取り消しあるいは停止のほかに、罰金とかあるいは反則金などの制度は考慮されないのかどうなのか、この点についてお伺いをいたします。
月原副大臣 今のお話、端的にお答えいたします。
 罰金や反則金の制度は、今この法案では考えておりません。しかし、今お話しのように、酒酔い運転とか、そのほか、軽い方では、救命胴衣をつけておるとか、そういうようなものは省令によって、それぞれの重みをつけて、行政処分、それから教育、そういうもののランクをつけていきたい、これから検討を始めているところであります。それで、さらに、陸上と同じように、事故が起これば、法律家である先生はもう御承知のように、業務上過失、そういうものの刑法は当然使われるわけであります。
 ですから、問題は、先生のおっしゃっておる、どうやってウエートを置いて教育を受けらすのか、あるいは免許を停止さすのか、これは、今申し上げたように省令で段階をつけてやっていきたい、そしてさらに、今後の検討課題としては、実態を見ながら今の罰則の話を検討していきたい、こう考えておるところであります。以上です。
細川委員 どういう場合に免許の取り消し、停止になるのか。今回の法案では、講習を受ければこれはいいわけですから、取り消しにならないわけですよね。一体どういう場合になるのか。事故を起こしたら、これまでも免許の取り消しとかそういうことになっていますから、これはもう変わらないわけです。だから、一体どういう場合に今回の改正で免許の取り消しとかあるいは停止になるのかということをお伺いしたわけなのですけれども、後でまた質問があるかと思いますので、私はちょっと先に進ませていただきたいと思います。私としては、ぜひ、この法律の禁止規定を担保するためには、罰金とか反則金、これをやらないと実効性がないのではないかというふうに思っておりますから、ひとつよろしくお願いしたいと思います。
 それで、問題は、酒酔い操縦とかあるいは乱暴な操縦などは禁止をされるわけですね、では、どういうふうにそれを守らせるのか、どういうふうにして酒酔い運転が行われないように守らせていくのか。これは一体、そういうところの担保というものはどういうところでとっているのか、その点について、国土交通省、警察庁の双方にお聞きをいたしたいと思います。
安富政府参考人 まず、どういう形でこういう危険操縦あるいは酒酔い運転といったものについての規制を守らせるかということですが、これは具体的にやはりいろいろな形で取り締まりをしていく必要があると思っています。そのために、我々としては、今国会で提出しております国土交通省設置法の一部改正で地方組織の再編を行いまして、地方運輸局の方に海上安全環境部という新たな部署を設置して、そういういわゆる海上における各種の安全対策の実施体制の充実を図ろうということでやっておるわけでございます。
 ただ、そうは申しましても、限られた人員の中でどうやってこの取り締まりをしていくかというのは非常に難しゅうございますので、我々としては、海上保安官あるいは警察官といったようなところの協力も得ながら、相互に連携して適切な取り締まりをやっていきたいというふうに考えております。
 それからもう一つは、やはり取り締まりをやるについても限られた人員の中でやるわけでございますから、海上保安官、警察官といった関係機関と連携しながら、例えば、レジャーシーズンにおける重点水域での安全パトロールとか安全キャンペーンといったようなことを効果的、計画的にやっていく必要があるかな、こう考えております。
 それからもう一つは、単に取り締まりだけではなくて、やはり危険操縦、酒酔い操縦というものが禁止されたんだ、規制されたんだということの周知徹底を図るということが必要でございますので、そういう意味でのPR、さらには、免許時それから再講習時のいわゆる教育といったようなことで、この規制の徹底を図っていきたいというふうに考えております。
堀内政府参考人 警察では、全国に配備された警察用船舶等を活用してパトロールや各種犯罪の取り締まり等を行い、水上における安全確保等に努めてきたところであります。法改正後は、それらの活動を行う中で、違反事実の通知制度を活用するなど、法改正の趣旨を踏まえた活動を行ってまいりたいと考えております。
細川委員 今お聞きをした限りでは、非常に抽象的で、果たしてこの禁止規定の趣旨が行き渡り、実効性があるようになるかどうか、ちょっと私は疑問に思います。
 例えば、海水浴場で有名な江の島でプレジャーボートが乱暴な操縦をしているというようなときに、一体だれがどういうふうにしてそういうものを取り締まるのか。例えば、では海上について、警察の方からの管轄からいきますと、そもそも海の上ですから警察の方には管轄権がないのではないかというふうに思いますし、では海上保安庁の方でそれを取り締まるということは果たして現実的にどうなのか。国土交通省の職員が取り締まるといったって、向こうは乱暴者ですし、スピードで逃げられるとかいうようになったら、簡単にはいかないと思うのですけれどもね。だから、やはりこれは、実効性を保つには罰金とかそういうやはりある程度のきちっと制度をつくって、そしてそれに対してきちっと取り締まりができるというような制度をつくらないと、私は、実効性がないのではないかということで、心配でございます。
 後々そういうことも検討されるということでございますから、それに期待をしたいと思いますが、一応時間が参りましたので、私の方の質問は終わります。ありがとうございました。
久保委員長 阿久津幸彦君。
阿久津委員 民主党の阿久津幸彦でございます。
 ただいま、同僚の細川議員と、冒頭、扇大臣との議論、大変興味深く拝見しておりました。といいますのは、シーマンシップについてどのように考えるのか、そして、このシーマンシップという考え方において、この法案をどのように運用していくのか、そういった根本に通ずるような議論があったというふうに感じているからでございます。
 そこで、まず初めに、この法案の基本的な考え方にも影響を与えるであろうシーマンシップについて少し確認をさせていただきたいと思うのです。
 海上には、御存じのとおり、シーマンシップという世界の共通認識が存在しております。海上での安全義務はすべて船長のマナーにゆだねるとする自己責任原則に基づく考え方だというふうに思うんですけれども、ただ、このシーマンシップという言葉が、非常に幅の広い言葉であり、また、使う者によっていいように、自己責任原則だったら何でもやっていいんだろうというふうに使われてしまうこともございますので、先ほどの細川議員の単に自己責任原則の問題で安全の問題を考えてもらっては困るという指摘、私もよく理解できるんです。
 そこで、まず、シーマンシップとは何なのか、今回の法改正においてシーマンシップの精神はどのように反映されているのか、扇大臣にお伺いしたいと思います。
扇国務大臣 きょうは最初から、倉田議員も、そして今の細川議員もいろいろなお話がございました。
 シーマンシップというのは、幅広いと思いますけれども、端的に言えば、私は、海を愛する精神だと思います。そういう海を愛する精神を持っていない人をシーマンとは言えない、これが一番端的な言い方であろうと思います。
 ある意味では、海は優しいですけれども、母のような偉大な大きさを持っていますけれども、一たびきばをむけば大変恐ろしいという、その両面を海は持っていると思います。海に出ていく皆さん方、シーマンシップを持って海を愛していらっしゃるんでしょうけれども、その厳しい海の環境というものを認識した上で、船舶をみずからの責任で安全に航行させるために身につけるべき技術であるとか、あるいは心構えや精神、そういうものを備えていなければ、私は、シーマンシップを備えた操縦者とも言えない、操縦士とも言えない、そういうつもりでおりますので、幅は広いですけれども、究極のところは、海を愛する精神を持ち得る男あるいは女、私はそう思っております。
阿久津委員 海を愛する男あるいは女というふうに表現されておられました。我が党でも、うっかりシーマンシップ、男のロマンだとかと言うと時々ちょっと問題がありますので、何というんですか、シーパーソンシップというんですか、その辺、配慮しながら使わせていただきたいと思うんですが、この精神、先ほどの扇大臣のお話でよく理解したつもりでございます。
 そして、実は、今回の法案について、私もいろいろな海を愛する人々にいろいろな話を伺ったんです。そうしましたら、やはり海は何が起こるかわからないんだから、自己責任原則のもとできちんとしたマナーでやっていくんだから、余りむやみやたらな規制は設けないでくれという意見も随分聞かせていただきました。
 その中で、この法案は、めり張りがきいたというんでしょうか、必要最低限のところに重点的に規制をかけながら、自主性を尊重した上で、例えば、身の安全を自分で守れない子供に救命胴衣をつけさせる等した点は高く評価したいと私は考えております。
 次に、資格体系の見直しについて伺いたいと思うんですけれども、船舶職員と小型船舶操縦者を今回の法案は分離しているわけです。その分離した理由についてまずお伺いしたいと思うんです。それから、その免許制度の主な違いは何なのか、さらに、今回、小型船舶に二十トン以上の大型プレジャーボートを加えていると思うんですけれども、その理由は何なのか、お答えいただきたいと思います。
安富政府参考人 まず、いわゆる資格制度の分離の件でございますが、従来船舶職員という形で言われている言葉、これは、船長とか機関長など複数の有資格者によって組織的に操船される大型の業務用船舶を主に念頭に置いた言葉でございます。
 現行の船舶職員法では、これの中で、いわゆる小型の船舶についても、同じように法律上、船舶職員と位置づけてきたわけでございますけれども、しかしながら、実際問題として、有資格者一名で運航可能な小型船舶の船長をあらわす用語としては必ずしも適切ではないということで、また、特に、小型船舶の多数を占めるプレジャーボートの利用者にとっては、職員という意識は多分ないと思います。そういう意味で、非常に用語として違和感があるということから、今回の改正に合わせまして、船舶職員とそれから小型船舶操縦者というのを分離しまして、資格体系を分けて整理したというものでございます。
 また、その具体的な免許制度の違いは何かということでございますが、船舶職員については、基本的に、航海あるいは機関、通信という三分野に大きく分かれまして、船舶、特に大型船を運航する場合には、船長、機関長の二名以上の乗り組みを義務づけることにしております。
 一方、今回の小型船舶操縦士の資格制度は、基本的に有資格者一名で操縦するということを前提として、その一名の有資格者が航海と機関の双方の技能を求められているという点が大きな違いではないかと思います。
 さらに、二十トン以上の大型プレジャーボートについても今回適用を広げておりますけれども、大型プレジャーボートについては、特に輸入艇なんかにおきまして、二十トン未満のプレジャーボートと基本的にそう大差はないという船型がふえてきております。特に、これは一人で操縦することが可能な施設とか設備を備えているということでございますので、こういう大型プレジャーボートについても、いわゆる小型船舶の範囲内でこの小型船舶操縦士の資格で操縦できるように措置することが非常に現実的ではないかということで範囲を広げたものでございます。
阿久津委員 私は、プロとアマを基本的に分離したという点、評価したいと思っております。
 それから、四角四面に制度を適用するのではなくて、二十トン以上の大型プレジャーボート、確かにこれは、実際に乗ってみると、ハイテクを完備していて、オートマチック自動車というとちょっと表現が適切でないかもしれないんですけれども、何でも一人でできるようになっているものでございます。それを小型船舶操縦士免許で運転できるようにしたという点、これもよろしいんではないかというふうに考えております。
 そこで、資格区分についてもお伺いをしたいと思うんですけれども、今回、新一級と新二級という形で、今まで五つあった資格区分を、昭和四十九年以来大幅に見直されたと思うんです。この新一級と新二級に資格を区分した考え方及びその試験内容の違いについてお答えいただきたいと思います。
安富政府参考人 先生御指摘のように、現在の資格区分は一級から五級までの五区分ということで細分化されておりました。この考え方は、いわゆる航行区域とそれから船舶の大きさという二つの基準によって資格を区分しておりましたために、利用者にとって非常に複雑でわかりづらいという問題がございました。
 そこで、これを簡素化するという観点から、まず、航行区域を基準として二区分に大くくりする。これで、いわゆる学科試験の面では多少違いがございます、これは後でまた申しますが。その上で、利用する船舶のトン数に応じた限定免許という形をとることによって利用者のニーズにも細かく対応できるのではないかということで今回改正したものでございます。
 具体的に、新一級と新二級の試験内容の違いでございますが、航行区域によって必要となる技能の違いということでございます。
 特に、新一級については、いわゆる五海里以上離れるということから、陸上を視認することができない、陸上から遠く離れた区域を航行するということで、比較的高度な航法知識とか機関関係の知識というものが必要になります。一方、新二級については、基本的に五海里以内ということでございますので、陸岸が視認可能な沿岸付近を航行するという前提がございます。したがって、基礎的な航法知識や機関知識といったような点で、いわゆる知識の中身に高度な面と軽微な面というのがあるというふうに考えております。
阿久津委員 私は、今回の法改正の中で一番気になった点は、新一級と二級という形で資格区分をして、その大前提として船舶職員と小型船舶操縦者という形でプロとアマを分けたところの中で、例えば遊漁船などの小型旅客船、旅客を扱う方々の免許も小型船舶操縦者試験の中に入っているんですね。
 この点についてちょっとお伺いをしたいと思うんですけれども、小型旅客船等の旅客扱いをする免許について、営業免許とするべきだとする意見もあったと思うんですけれども、小型船舶操縦者免許に含めた理由は何でしょうか。また、小型旅客船の安全対策にこの法案でどう取り組むのか、お答えいただきたいと思います。
安富政府参考人 自動車の免許では、いわゆるプロとアマという形で明確に試験区分が分けられておりますけれども、小型船舶、今回我々が法改正を検討するに当たって、営業免許とすべきという考え方もございましたけれども、やはり船舶の安全航行についての航法とか機関などに関する必要な知識、技能というものは、一般の小型船舶も旅客を扱う小型船舶も基本的には同じではないかということで、旅客を扱う小型船舶を操縦するのに必要な免許については、引き続き小型船舶操縦者免許に含めるというのがいいのではないかということで今回改正しておるわけでございます。
 ただ、実際問題として、遊漁船であるとか小型旅客船といったものについて、実際に運航する場合には、当然、不特定多数の第三者を旅客として扱うということになるわけですから、本法案については、その安全対策をやはりちゃんとしなきゃいけないということで、小型旅客船等の小型船舶操縦者になろうとする者に対しては、いわゆる人命救助等に関する知識とか技術といったような内容を講習という形で義務づけようということで、これをちゃんと受けることによって、小型旅客船のいわゆる業務用としての自覚をちゃんと持ってもらうという形で安全対策を講じていきたいというふうに考えております。
阿久津委員 私は、今のお話を伺いましたけれども、この講習については相当厳しくやっていただきたいと思うんです。これは、シーマンシップに基づいて、自己責任原則、自分で注意しながら海を楽しむといういわゆるプレジャーボートの精神と、全くの素人のお客さんが船に乗せてもらって、そこである意味では船長さん、場合によったら船頭さんを信じて楽しむというのは、明らかにこれは違うんだと思うんです。もちろん今、安全講習の中で救助ほかいろいろな義務が課されていると思うんですけれども、この点、かなり厳しくいろいろなことを教えていただいた上で、この法案に場合によって不備が出てきたらまた改めるような心持ちでもいていただきたいというふうに思っております。私はこの法案の中で一番心配なのはこの点でございます。
 次に、今回、本法案の中で、安全義務について法律の中でしっかりと明確化しているというふうに思うんですけれども、遵守事項に新たに酒酔い操縦等の禁止が設けられております。細川議員の厳しい御指摘の後だとちょっと言いにくいんですけれども、海を楽しむ人たちからすれば、これは外洋に出たときという意味だと思うんですけれども、いや、ビールの一杯も飲めないのかという質問は多く受けまして、それで、今回の法案をつくるにおいても、担当者の方々は大変、その辺の整合性をどういうふうに持たせるのか苦労されたと思うんですけれども、この遵守事項に新たに加えられた酒酔い操縦等の禁止について、その内容についてちょっと確認させていただきたいと思います。
安富政府参考人 小型船舶を操縦するに当たりまして、安全確保のために適切な判断能力を確保するということは当然のことでございます。そういうことから、本法案においては、小型船舶操縦者が遵守すべき必要最小限の事項として、飲酒等により正常な判断ができない状態、いわゆる酒酔い状態での操縦を禁止するということにしております。
 ただ、この具体的な判断というのはなかなか難しい点がございます。我々としては、具体的には、例えば酒に酔うことによって会話に対する反応が鈍くなるとか、あるいは体がふらつくとか、あるいは正常な判断能力、知覚機能、運動機能が低下した状態で操縦するということを禁止するということで、道路交通法上では酒気帯びという状態がございますが、その程度もいろいろございますけれども、やはり、適切な判断能力を失うほどの酒酔いというものを我々としては操縦禁止という形で対応していきたいというふうに考えております。
阿久津委員 いわゆる国際基準での酒酔い運転禁止だというふうに私は理解させていただきました。
 それで、その運用においてなんですけれども、私は、水上オートバイというのは小型船舶の中でもかなり特殊なもので、本当に気軽に参加できるレジャーだと思っているんです。走行するところも本当に近海というか湾内というか、ボートや人が行き来している、海水浴客もいるようなところを水上オートバイは走りますので、この水上オートバイについては、運用面においては少し厳しくこの酒酔いについても運用してもらってよろしいんじゃないかなというふうに考えております。
 そこで、今出ました水上オートバイについてなんですけれども、この水上オートバイの操縦について、海では、船長が免許を持っていれば、ハンドルを船長の監督のもと、責任のもとで免許を持っていない方が握ることができるというふうに理解しているんですけれども、水上オートバイの操縦について、安全対策上、有資格者、免許を持っている方に限定すべきだというふうに私は考えているんですけれども、この点、いかがでしょうか。
 また、今後の課題として、水上オートバイの騒音対策、先ほどもちょっとお答えいただいたと思うんですが、騒音対策をどのように検討されているのか、その点についてもお答えいただきたいと思います。
安富政府参考人 まず第一点目の水上オートバイの操縦でございますが、本法案においては、有資格者による適切な指揮監督のもとであれば無資格者が操縦することも可能な、いわゆる船長免許という制度は一応基本的には維持することにしております。ただ、小型船舶の航行の安全を確保する上で必要な場合に限り有資格者みずからが操縦しなければならないということを規定しておりますが、この中には御指摘の水上オートバイも入れるということで現在考えております。
 この水上オートバイの操縦につきましては、構造上、後部座席から有資格者が適切に指揮監督を行うということが、できないことはないんですが、かなり難しいという面がございます。また、一般の小型船舶よりもかなりスピードが出るということで運動性能が非常に高いということから、とっさの判断というのはなかなか難しい点もございますので、そういうことからしますと、水上オートバイについては、やはりしっかりした有資格者が乗って、直接ハンドルで、自分でやる、操縦するということに限る必要があるというふうに考えております。
 もう一つ、水上オートバイの騒音対策の面でございますが、水上オートバイの騒音については結構社会問題化しております。そのために、平成九年に我々は実態把握のための調査を実施いたしまして、その結果を踏まえまして、水上オートバイ製造事業者に対して騒音削減のための技術開発の指導を行ってまいりました。
 この指導に基づきまして、製造事業者の方で平成十年に自主規制を策定いたしまして、水上オートバイの機器の発生音を、現在七十九デシベルほどございますが、これは電話のベルとか電車の車内程度の騒音でございますが、これを二〇〇四年のモデルで、日常の騒音領域外とされております七十四デシベルまでに段階的に低減していこうという自主規制を現在設けております。我々としても、この規制を的確に指導していきたいというふうに考えております。
 ただ、もう一つは、やはりこの騒音の問題は、単にいわゆるハードの問題だけじゃなくて、利用の仕方にも大きく関係してまいりますので、利用者に対しても適正な利用方法、例えば余り民家があるところで走行しないとか、そういう利用方法の周知、啓蒙を図っていく、あるいはマナーの徹底といったようなことも含めて、ソフト面での対策についても、免許取得時等の講習あるいは再講習といったときに取り組んでいきたいというふうに考えております。
阿久津委員 私、今回の制度改正で水上オートバイの免許取得者はかなりふえるんじゃないかというふうに思っています。
 それで、何も目のかたきにするわけではないんですけれども、私の唯一の趣味が海釣りなんですね。それで、妻と、子供も連れて、三浦半島の金田湾の辺で、手こぎボートを浮かべまして、それでシロギスとかキスとか釣って、時にはマゴチみたいなこんな大きい魚もかかったりして楽しんでいるわけなんですけれども、せっかくのんびりしたいと思って海に出て釣りしていると、水上オートバイが爆走してきて、子供も乗っていますから、冷や冷やするぐらい近くを通ったりするんです。
 先ほど局長御指摘のとおり、私も、騒音はハードだけの問題ではないと思っております。マナーをしっかり守って運航してもらえれば、この水上オートバイというのはマリンレジャーへの入り口として非常におもしろい道具、スポーツだと考えておりますので、水上オートバイの健全な発展のためにも、ぜひ指導の方、そして違反者に対する再講習、この辺、徹底していただきたいというふうに思っております。
 次に、係留の、保管の問題について話を移らせていただきたいと思うんですが、まず初めに、プレジャーボートの現在の総数、それから放置艇の実数、ボートパーク、要するにプレジャーボートの駐車場ですね、ボートパークの総数、係留保管料は、保管のお金ですね、係留保管料は現時点でそれぞれどの程度であるのか、お答えいただきたいと思います。
川島政府参考人 プレジャーボートの総数等についてお答えいたします。
 まず、プレジャーボートの総数でございますが、水上オートバイを除きまして、平成十三年三月末現在で約三十六万五千隻となっております。
 次に、放置艇でございます。平成八年度に港湾区域、河川区域及び漁港区域を対象としまして関係省庁が共同で実施をしましたプレジャーボート全国実態調査、これによりますと、全国の水際線近傍で約二十万八千隻のプレジャーボートが確認されております。このうち放置艇は約六六%に当たります約十三万八千隻でございました。
 また、ボートパークの総数についてでございます。ボートパークと申しますのは、港湾における既存の静穏水域、これを活用しまして、放置艇収容のための簡易な係留あるいは保管施設を提供する事業として平成九年度から実施してきておるものでございます。これ以前にも、放置艇収容を目的として実施しましたプレジャーボートスポット整備事業というのがございます。これらによる整備を含めまして、平成十四年三月末現在で全国で四十五カ所が供用されております。
 それから最後に、係留保管料金でございます。これにつきましては、提供されるサービス水準あるいは施設整備に要する費用等によりまして大きな幅がございますが、二十五フィート級、約七・五メートルでございますか、で申し上げますと、マリーナでは年間約二十万円から百五十万円程度となっております。一方、ボートパーク等では年間約三万円から二十万円程度となっております。
阿久津委員 ちょっと聞き逃してしまったのかもしれないんですけれども、ボートパークに泊まれる船の数というのはお答えいただけますでしょうか、総数ですね。
川島政府参考人 ボートパークとプレジャーボートスポット合わせまして、収容能力で約五千三百隻でございます。
阿久津委員 私は、今回の法案改正で、マリンレジャーというものがかなり身近になって、そして免許の資格区分なんかも整備されておりますので、マリンレジャーに参加したいという人々の数はふえていくと思うんですね。
 その中で、一番の問題が、やはり、プレジャーボート、買ったはいいけれども泊めるところがないんだというお話です。私は、実際にやむなく放置艇にしてしまっている方の声というものをちょっと聞いてみたんですけれども、自分たちも今までやってきたからといって放置艇のままにしておきたいわけではないと言うんですね。いわゆる青空駐車と同じですからボートを傷つけられることもあるし、河川なんかに泊めている方なんでしょうか、ちゃんとしたボートを収容する保管施設があればそこを使いたいと言うんです。
 ただ、まず一番の問題が、その数が少ないこと。特に関東近県では著しく少ないようです。それから、保管料が高過ぎる。先ほど、二十五フィートで、一番高い場合、年間百五十万円というふうな数字が聞かれましたけれども、私の聞いているところだともっと高いものもやはりあるみたいですね。そうすると、せっかくマリンレジャー、海洋スポーツを身近なものにしようとしても、泊める場所がないためにプレジャーボートを買って楽しむことができない方がふえてしまっているというふうに思うんです。
 長年、放置艇や受け皿となる施設整備の必要性が叫ばれてきたにもかかわらず、なかなか整備することができなかった。その反省も踏まえ、今度、前向きな答弁もいただきたいんですが、係留保管能力の向上に向けてどのような取り組みをされるのか、扇大臣の方からお答えいただきたいと思います。
扇国務大臣 今るるお話ございましたように、御存じのとおり平成八年の調査では、先ほども申しましたけれども、プレジャーボートの総数が約三十三万六千隻、それが平成八年でございます。それが、約十三万八千隻の放置艇があるということで確認されているんですけれども、大きな社会問題になっているというのは、今阿久津議員がおっしゃったとおりでございます。
 この係留保管能力を向上するというのは、本当に今重要な、また当面の課題としては皆さんお困りのところも多々あろうと思います。そういう意味で、私たちはこうした認識で、私たち国土交通省としましても、何としても放置艇の収容のための簡易な係留とかあるいは保管施設、それを提供しようということで、今お話しのボートパークの整備事業というもの、補助を行っております。この補助率は大体三分の一ということで推進しておりますけれども、民間事業者によりますマリーナ等の整備を推進するために、これは財政投融資の制度あるいはPFI制度、民間の活力ですね、そういうものを利用していきたいということで、スキームの充実を図っております。
 本年の、十四年度の私たちの新たな対策としましても、これまでの水面の係留主体の施設整備に加えまして、これからは比較的安易に整備が可能な陸上保管主体、陸上に、駐艇場といいますか、それをしていきたい、ボートパークは陸上でもしていきたいというふうに、施設の整備についても、ボートパークの整備事業を対象としてこの補助事業をしている、補助をするということを決めておりますので、今後も私たちは、この放置艇の問題の解消を図るために、ボートパークやマリーナの整備を一層推進して係留と保管能力を向上し、海だけではなくて陸にも広げていこうというふうに考えております。
阿久津委員 海だけではなく陸へも広げていこうという点なんですが、実はこれ、私、利用者の話を聞いたことがあるんですけれども、陸といっても、今、近い意味の陸をおっしゃったと思うんですけれども、海から近い陸の部分でも、ボートパークというか、ボートの駐車場を整備するのはなかなか難しいようで、私が伺ったときは、陸揚げしてボートをとめてある場所まで、大きな倉庫か何かのところに行くらしいんですけれども、それこそ三十分ぐらいかかるようなケースもあったと聞いていて、やはりそれはなかなか使い勝手が悪くてという話も聞いているんですね。
 それから、先ほどPFIの制度も使いながらという話、私は大変結構だというふうに思っております。大臣何度もおっしゃるように、旧運輸省と旧建設省が合併した国土交通省でございますから、旧建設省の持っているPFIのノウハウも十分に使って、このようなパーク整備事業はPFIを使いやすい事業だというふうに思いますので、ぜひその辺の知恵も使っていただいて、ふやしていただきたい。
 それから、補助の問題を先ほどお答えいただいたんですけれども、私は、ちょっと乱暴な議論で、個人的な意見で言えば、今まで漁船については船をとめる場所を、漁協に参加していれば原則的にすべてただで国が提供してきたというわけなんですけれども、生活をかけて、命をかけて魚とって我々に食を提供している漁船の方と、片や遊びでやるマリンレジャーにどれだけ援助するのかというのは、差があって当たり前じゃないかと、これはもうよくわかるんです。ただ、二十一世紀、これから将来のことを考えると、先ほど一番冒頭でお話しされた自民党の先生の質問の中でもありましたけれども、私は、広い意味で、このマリンレジャーを十分に発展させるということは、景気対策も含めて、地域振興も含めて、大変大きな意義があると思っているんです。
 その大きな観点からいえば、お金の使い方として、国土交通省は、何も公共事業とか、あるいは漁協関係の整備だけが仕事じゃないですから、レジャーという新しい分野へももっともっと目を向けていただいて、今ももちろん目を向けていらっしゃると思うんですけれども、積極的に資金も投入していくという道を開いていただいてもいいと思っているんです。
 今まで、旧建設省と旧運輸省が合併して、一番積極的にPRされてこられたのは扇大臣だと思うんですね。この係留の問題も、以前、同僚の大谷議員が大変詳しい質問をさせていただいて、大谷議員からは、旧建設省管轄のガソリン税を、ボートだってガソリンを使っているんだからこっちにぶち込めという話もありまして、私は、うんと将来の検討課題としてはそういうこともあっていいのかもしれないと思っているんですけれども、いろいろな知恵を出していただいて、また、思い切った踏ん切りもつけていただいて、このボートパークの整備には特に力を入れていただきたい。放置艇をなくすためにも、マリンレジャー発展のためにも、地域振興のためにも、力を入れていただくことを強くお願いさせていただきたいというふうに思っております。
扇国務大臣 放置艇の引き起こす問題というのが多岐にわたっているのは御存じのとおりでございます。
 例えば、係留場所が私物化したり、あるいは利権化したりという問題もございます。また、船舶航行の支障になるということも大きな問題ですし、洪水とか高潮時に、流水の阻害がある、それをだれが責任を持つかということで、これは放置艇の大きな問題になっておりますし、それが流れてしまったことによってまた事故が起こる、こういうこともございます。あるいは、安全管理が不十分だということで事故が起こったり避難をできなかったり、また、漁業者とのトラブルが起こったり、そういうことも現在ございますし、また、何よりも景観、見た目が悪い。
 何のための海なのかということもございますので、そういう意味では、今おっしゃいましたように、あらゆるところで整備していくというのは当然なことですけれども、ボートパークの場合も、今申しましたような補助金も出しております。また、大きな目で見ますと、民間のマリーナ、これもPFIでございますけれども、民間のマリーナへの支援というものもしておりますので、これも大きな問題になってくるだろうと思います。
 また、民間のマリーナへの支援の制度の概要というものも、既に御存じだろうと思いますけれども、大きな問題としては、PFI、公共サービスの提供に基づくマリーナへの支援ということで低利融資をしております。そして、対象施設も多岐にわたっておりまして、ボートヤードだとかクラブハウス、あらゆる面を対象施設としておりますし、融資比率も五〇%というふうなことで、政策金利ということで、これも一・七%というものをとっております。また、特別土地保有税の非課税措置ということも行っております。
 そういう意味で、あらゆることをしておりますけれども、今おっしゃったように、いい場所でいいマリーナなりボートパークをつくるということであれば、これもある意味では地域の公共事業の一つとして我々も援助していくというふうなこともあります。ただ公共工事が悪いというような観念からではできないことになりますので、その辺も、いい公共事業と、そしてむだをなくすという点でも、災害を防止するという意味でも、これも一つの大きな公共工事の課題として、今後も対処していきたいと私は思っております。
阿久津委員 最後に、済みません、一点だけ環境とのかかわりについて質問させていただきたいんです。
 FRP廃船の処理及びリサイクル技術の開発について、今後の見通し、先ほどお答えも若干いただいておりますので、簡単に一言お答えいただきたいと思います。
扇国務大臣 だんだん製品がよくなるといいますか、今FRPとおっしゃいましたけれども、繊維強化プラスチックということで、なかなか処理しにくいということもございますけれども、これも、小さく、十五センチメートル角程度に砕いた後、廃棄物処理場で埋め立て等によって処理していくという方法をとっております。
 今後は、この破壊が容易でないというFRPの船体というものに関しましても、二十一世紀、どうしていくかということで、セメントの原材料として再利用する技術の開発、そういうものを今国土交通省としてもいたしております。ただただ軽量でそして丈夫だというだけでは後のことが困りますので、十五年度までに必要となる技術を確立しようというふうに今研究を進めているところでございます。
阿久津委員 どうもありがとうございます。
 最後に、一九七九年だったと思うんですけれども、イギリスの南部で、アドミラルズカップというファストネットレースが行われまして、実はこのレース、大変な惨事で、十五名の方が亡くなって、二十三艇が沈没して、オランダの駆逐艦や英国海軍まで出動して捜査をしたという大変な事故につながってしまったんです。この追悼式のときに、英国老紳士の主催者が、この事故の原因を問われて一言話したときに、それはシーマンシップの欠如だと言うんです。
 このシーマンシップの欠如というのは、ただ精神だけを言ったものではなくて、先ほど扇大臣もおっしゃったとおり、海は一たびきばをむくとどういうふうに荒れるかわからないという中で、英語の本当のシーマンシップの意味は、経験に基づいたしっかりとした技術、腕なんだと言うんですね。気象、海象がどんな状況になっても、必ず港に戻ってこられるしっかりとした腕を磨かなければならないなと思うんです。この試験とか資格の規定をどんなに厳しく確かなものにしたとしても、それは単なる入り口にすぎないと思っております。
 これから、経験を含めてしっかりとした技術指導を続けていきながら、シーマンシップの精神をしっかりと持った海の男たち、女たちをつくっていただきたいなということを切にお願いしまして、質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
久保委員長 一川保夫君。
一川委員 自由党の一川保夫でございます。
 国土交通省がこのたび提案されておる法案、これは五本目だとは思いますけれども、この法律、今の時代の背景に即しての改正だと思います。
 先ほど来、いろいろなお話を聞いておりまして、私も質問しようと思った事項と大分重複いたしておりますので、それは重複するというか、皆さんそこが大事だと思って質問されておるわけでございますので、私も確認の意味で、若干重複すると思いますけれども質問させていただいて、できるだけ簡潔にやりたいと思いますのでよろしくお願いしたいと思うんです。
 先ほど来の質疑の中でお話を聞かせていただいておるように、国民のレジャーに対するニーズが非常に多様化してきているという中で、こういった海洋レクリエーションなり水上レジャーというものが最近非常に活発になってきたという一つの現象がございます。
 片や、小型船舶の免許を保有する方が、これまでも相当のペースでもって増加してきておるわけで、現状二百七十万人ですか、大変な数だと思いますけれども、今回のこの法律改正でさらに増加していく可能性というのは非常にあるんではないかなというふうに思います。そういう小型船舶の愛好者が非常にふえてきている、また船舶そのものも増加してきているという中で、今ほどもいろいろと議論されていますように、では、そういう利用環境が十分整っているかなということを考えてみたときに、まだまだ不十分じゃないかなというふうに思います。
 国土交通省、かねてからいろいろと議論が出ていますように、多くのいろいろな所掌事務を抱える中で、旧建設省、旧運輸省を中心とした新しい役所としてこれからいろいろな行政に積極的に対応されると思います。そこで、扇大臣も特に強調されていますように、そういった旧四省庁の業務をできるだけ連携をとって国民のいろいろなニーズにこたえていきたいというような発言が非常に目立っておりますし、我々も、新しい官庁としてそういったところに大いに期待するわけでございます。
 特に、今回のこの小型船舶にかかわるようなこういう問題というのは、当然ながら、こういう船舶に関係するいろいろな業務をつかさどっている部門は当然でございますけれども、先ほど言いましたように、こういう船舶の利用に関するいろいろな環境を整えるという意味では、例えば河川行政だとか、それから港湾行政、それから当然ながら、先ほどの駐車場等の問題も出てくれば、そこに至る道路の行政なり、またその地域の駐車場の問題も含めて道路行政もかかわってくるわけです。また、こういうことが一つのインパクトとなってのいろいろな観光資源にもなるわけでございますので、観光行政にも当然かかわってまいりますし、また、いろいろな海事関係のそういう業務も当然ながら関係するわけでございます。また、海上保安庁の業務ともいろいろな面では連携しなきゃならぬケースも場合によってはあるかもしれない。
 そういうことを考えますと、国土交通省が関係しておるいろいろなお仕事が、こういう小型船舶にかかわるような行政について非常に各部門が関係しているような気がするわけですね。
 そこで、大臣に御所見をお伺いするわけですけれども、こういう法律改正、小さな法律といえば小さな法律かもしれませんけれども、こういうものをきっかけにして、国土交通省という役所が国民の期待にこたえてしっかりとした総合行政を展開するために、先ほど話題になっていますような例えば係留に関するような課題とか、あるいは船舶のそういったトラブルの解消の問題、安全性の問題、いろいろと課題がたくさんあるわけですけれども、大臣として、こういうレジャーの多様化に対してどういう基本的な態度で臨まれるのか、そのあたりのお考えを確認のためお聞きしたい、そのように思います。
扇国務大臣 一川議員がお尋ねのように、昨今、レジャーブームといいますか、ゆとりができてきたのか、あらゆる点でレジャーの範囲が広がってきております。
 そういう意味で、今回は特に、このプレジャーボートをめぐる諸問題が大変事件が多くなっておりますので、我々は、これをシーマンシップだけに頼っていたのではいけないということで、改めて、小型船舶の係留保管施設の整備とか、あるいは廃船処理等、今もお話をしておりましたけれども、プレジャーボートをめぐります諸課題につきまして、今一川議員がおっしゃいましたように、国土交通省は、河川局、海事局、港湾局、海上保安庁等、あらゆる部局にわたっておりますので、適切なあるいは適正な行政の推進を確保しようということで、省全体として統一的に、かつ総合的な取り組みが今や不可欠となったということで、これは平成十三年五月に、昨年でございますけれども、総合政策局長を長といたしまして、そして総合政策局の次長を議長といたしまして、プレジャーボート総合施策推進連絡会議を設置いたしました。
 そこで省内で関係の意思統一を図りたいということで、問題意識を、まず一つ、いわゆる放置艇問題、二つ目には安全問題への対応とか、あるいは、三つ目にはプレジャーボートの利用拡充等、政策が多岐にわたっているということで、まさに一川議員がおっしゃいました国土交通省、これは四省庁統合したからできるということの一つの例でございますけれども、私は、法案が小さいとか大きいとかというよりも、今の時流に、今の世情に即した対応の仕方で対処しなければならないという意味で、国土交通省、四省庁統合の、象徴的というのはオーバーですけれども、一つの私は大きな例であろうと思っておりますので、そういう対処の仕方をして、会をつくって意思統一を図って会議にかけているというところでございます。
一川委員 今ほど大臣のこの法律に対する問題意識、全体の背景等も踏まえての発言だと思いますけれども、私も基本的には賛成でございますし、各省庁いろいろな、多少なりともかかわった省庁もございますけれども、やはり基本的には国土交通省の抱える管轄の中で相当対応できる部門でございますので、省内いろいろと連携を密にして、しっかりとした対応をしていただきたい、そのように思います。
 そこで、ちょっと具体的なお話を、これは担当局長さんでも結構ですけれどもお答え願いたいわけです。
 私もこういったプレジャーボートを中心としたいろいろな水上レジャー的なものを愛好するグループの方々からもいろいろとお話を聞かせていただきましたけれども、先ほど来話題になっていますように、非常に免許の保有者がふえている一方で、片やいろいろなトラブルもあることは現実でございますし、そういうことに対する地域住民のこういう愛好者に対する批判的な意見も確かにあることはあります。
 しかし、直接この利用者の皆さん方は相当、そういういろいろな問題点、課題に対して、自分たちみずからいろいろな面で勉強をしながら、マナーの向上なり、いかにして地域住民とうまく融合しながらこういった新しいレジャーに向けていろいろな方々のそういう御要望にこたえるかということでは、そういった組織自体もいろいろな勉強をされているような気がいたします。
 そこで、これまで、特に係留問題として、河川水域、河川敷、それから公共水域的なものも含めた活用というのが一つの課題になってきているというふうに思っております。
 これは、ちょっとお聞きすると、東京都とかあるいは静岡県等で、条例等に基づいてのいろいろなルールの中で、暫定係留というようなことを十年間に限って認めてきているというような制度もあるように聞いております。暫定という言葉がついている以上暫定的な対応だと思いますけれども、しかし、現実、こういった相当の小型船舶が増加してきておる中で、いろいろな課題を抱えておるということを考えれば、従来の、これまで取り組んできた制度そのものももうちょっと見直しをかけて、しっかりとした対応をすべきだなというふうに思います。
 特に、そういう利用される方々とお互いに共存するというような考え方の中で、積極的な対応をしていかないと、ますます問題が大きくなるのではないかなという感じもいたしますので、そのあたり、現状の対策も含めた御説明をひとつよろしくお願いしたいと思います。
竹村政府参考人 河川行政でも、健全な水面空間の利用に供するということで、さまざまな対策をやっておりますが、特に恒久的な係留施設、恒久的な係留施設と申しますのは、船だまりだとか護岸、水門等をつけて、大きな洪水、高潮、津波が来ても、目いっぱい川に水が流れても安全なように船が係留されている施設でございますが、この恒久施設につきましては、インフラは私どもの河川事業、上物は地方公共団体ということで整備しております。現在、全国で十カ所できております。整備中のものが七カ所、合わせて四千七百隻が対象になっておりますが、これをつくるまでには大変予算と時間がかかります。
 そのために、今、委員御質問の、暫定的に係留させておこうということで、暫定的な係留施設もつくってございます。現在、その暫定的な係留施設と申しますのは、川の中にくい等を設けまして、安全なところで係留するわけでございますが、川に大きな洪水または津波等が来るときは、その船はどいていただかなけりゃいけないというような空間でございます。そういう制約がございますが、現在十三年度まで、暫定係留施設は全国で百三十カ所、対象隻数は五千七百隻のキャパシティーを既に整備済みでございまして、これからも、そういう場所があれば、地域の方々と協力しながら整備していきたいと考えてございます。
一川委員 ぜひ、こういう問題、それぞれの地域のいろいろな課題の中で、積極的な対応をお願いしたいと思います。
 特に、先ほど来話題に出ますように、例えば港湾計画とかあるいは河川計画なるものの見直しの段階で、こういうプレジャーボート等の係留の問題についてもそういった計画の中でしっかりとした位置づけをしていく時代かなという感じもいたしますので、そのあたりの問題についても、各行政、地方公共団体との連携を密にされて、国土交通省としての指導をよろしくお願いしたい、そのように思っております。
 そこで次に、これもちょっと大臣の御見解をお伺いするわけですけれども、先ほど来の話題のように、マリンスポーツと称するようなものが近年非常に愛好され、ふえてきておるということでございます。
 私も、昨年、ある愛好しておる方々からちょっと声をかけられて、そういうものを見る機会がございました。それは、モーターボートの競技をやっているのと、それから水上スキーをやっているのを見たわけでございますけれども、何か、印象としまして、そういうものに取り組んでいる若者というのは、すごく常日ごろの練習と訓練を重ねて、相当しっかりとしたスポーツとして位置づけをしようと思って一生懸命取り組んでいるというふうな、すばらしいものだなというふうに思いました。
 しかし、現実、それを行っている水域というのは、非常に肩身の狭いような位置づけの中で、割と水域としてはスペースが一応あるわけですけれども、何となく公的に認知されないような形でやっているというような状況でございます。それを楽しんでいる人たち、スポーツに取り組んでいる人たちは、もちろんそれなりのやりがいを持ってやっていると思いますけれども、逆にまたそれを見る人、観客も相当楽しんでいるという感じを受けました。
 そうしますと、見る人のことを考えたそういう条件整備といいますか、環境整備というものも、今取り組んでおられる、例えば親水事業だとかといったウオーターフロント的なプロジェクトの中でも、やはりこういうマリンスポーツ的なもののことも考えたような整備のあり方というのがあってよろしいのではないかなという感じを受けました。
 これは、それぞれの地域の特性もございますし、地形条件も全然違いますから、一律的な対応はできないと思いますけれども、基本的にはやはりこういう若者が楽しんでいるマリンスポーツというものに対する環境整備についてもしっかりとした対応をしていただきたいなというのが私の要望ですけれども、大臣の基本的なお考えをお伺いしたいと思います。
扇国務大臣 今一川議員がおっしゃいましたように、私は、マリンスポーツにかかわっている青少年を見ることは本当に明るい気持ちになりますし、ああ、本当にスポーツを愛する若者はもっとふえてほしいなという気持ちを正直に持っております。
 けれども、現段階で、レクリエーションということでマリンスポーツが伸びてきたというのはわかるのですけれども、プレジャーボートの保有隻数、これは先ほども申しましたけれども、今から十年前には三十三万隻という保有隻数が、今では四十七万隻と、この十年間で一・五倍にも達しているということで、必ずしも楽しむだけではなくて、限られたところでこれだけふえておりますので事故が発生し得る、それを防止しなきゃいけない。
 また、今一川議員がおっしゃいましたように、見る方の楽しみ、ああ、いいものを見たなと思って、私なんか、いい景色だなと思って、それによってストレス解消ができるなんということも思っていますけれども、見ている方も施設がないということで、いわゆるマリンスポーツの安全性を図るとともに、その施設の充実ということが大きな課題になっておりますので、私どもは、そういう観点から、この施設の充実ということも含めて、一つには、国民が海に親しむために、マリーナの施設の整備、これを重要なことだと思っております。
 また二つ目には、保険とか安全指導、そういうものをどうしていくかということで、安全管理の適正化というものを二つ目に大きな任務と思っております。
 また三つ目には、プレジャーボートで安全でゆとりのある海上旅行を楽しんでいただこうということで、改めて必要な推奨ルートの設定を決めてしまうということで、安心してしていただく。そして安全情報の提供をする。また、海道の旅ということで、これはマリンロードという構想ですけれども、プレジャーボートの行く道をモデル地区をつくりまして、こういうことで楽しめますよというようなマリンロードというものも構想として持っております。
 そしてまた、四つ目には、関係団体を通じて、青少年に対します海事教育の推進あるいはプレジャーボートの体験機会の拡大、こういうものも努力しようということで、あらゆる面で、今後本当に、レジャーとして、健全なスポーツとしてこれを発展させていく、それには施設の充実と訓練も大事であるということを、両並びで指導していきたいと思っております。
一川委員 私が予定した質問で、先ほどちょっと触れましたように、もう既に質疑が大分ございましたので、以下省略をしてこれで終わらせていただきますけれども、基本的にはこういった小型船舶にかかわるいろいろな問題、課題ということ、それから新しいスポーツへの若者のチャレンジということをいろいろと考えてみた場合には、従来のいろいろな制度、仕組みというものを、もう一回見直しをかけて、新しい発想でそういったいろいろなニーズに対して対応していただきたいと思いますし、先ほど大臣もちょっと触れておりましたように、こういった問題点を余り先送りしちゃいますと、見た目に地域の景観が非常に壊れてしまう、また水質が汚染される、いろいろな面で環境が破壊されるということにもつながりますし、また、若者がいろいろな非行に走る、そういった危険性にもつながるところもございますので、しっかりとした対応をお願いしまして、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
久保委員長 瀬古由起子さん。
瀬古委員 日本共産党の瀬古由起子でございます。
 プレジャーボートの活動が国民に普及して、その保有隻数も増加している。それに伴って、小型船舶操縦士の免許保有者もふえております。それだけに、プレジャーボートをめぐる社会的課題が顕在化して、プレジャーボートによる海難事故件数の急増、それと放置艇問題、沈廃船問題などが発生しております。
 これらの社会問題を解決する上で、今回の改正は、私としても一定の意味があり、賛成できるものだと考えております。しかし、問題点や不十分なところもございますので、若干今までの質問者と重なる部分もありますけれども、質問をさせていただきたいと思います。
 まず第一なんですけれども、プレジャーボートの利用者のすそ野がますます拡大している中で、先ほどからもお話がありますように、マナーやシーマンシップ、シーウーマンシップといいますか、必ずしもこういうものに習熟していない利用者がふえているわけですね。その中で、衝突や座礁、それから水上バイクが遊泳者と接触する海難事故がふえております。
 法案では、危険な操縦の禁止、酒酔い操縦の禁止、子供、水上オートバイについての救命胴衣等の着用、ふくそう水域における水上オートバイについての有資格者による自己操縦などの一定の規制措置を置いたという点では、事故増加の中では理解はできます。しかし、ユーザーの中には、シーマンシップ、シーウーマンシップといいますか、これに基づく自己責任の原則にやはり反するのではないかという意見も少なからずあるというふうに聞いております。
 規則も一定必要だけれども、やはりユーザーの自己責任、マナーの徹底を同時に行わないと事故は防げないというふうに思うんですけれども、この点どのように考えていらっしゃるでしょうか。
安富政府参考人 先生の方から今御指摘ありましたように、本来であれば、プレジャーということで、いわゆるプレジャーボートというレジャーの振興を図るということで考えますと、自己責任、シーマンシップとかマナーということでやるべきではないかという意見もございます。ただ、残念ながら、昨今のプレジャーボートの利用者の中には、経験が浅くて十分なシーマンシップを身につけていないという方が少なくないという実態がございます。
 こういうことがございますので、先ほども先生の方から御指摘ありましたように、小型船舶による海難事故が非常に増加傾向にあるということも踏まえまして、これまでマナーとかシーマンシップとされていたもののうちで、危険操縦とか酒酔い操縦の禁止といった必要最低限のものを遵守事項として法律上明確に位置づけるということで、これを免許取得時とかあるいは更新の講習時に教育指導によって徹底していきたいというふうに考えております。
 ただ、こういう危険操縦、酒酔い操縦だけではやはり十分ではございませんので、再度、こういう規制に違反した場合に、再教育の講習という制度も設けまして、これを義務づけることによりまして、これら遵守事項も含めまして、海の基本的なルールというものを改めて徹底させ、必要なマナーやシーマンシップというものも再教育講習の中で教えていくといいますか、実施していくということで現在考えております。
瀬古委員 必要最小限の問題として、教育など充実するということになると思います。
 そこで、放置艇の問題なんですが、これは他の船舶の通航の障害、それから洪水、高潮時における流れの阻害、艇の流出による災害の発生の原因にもなってまいります。放置艇の受け皿となる保管施設の整備は、先ほどからも指摘されておりますけれども、全くおくれております。現在プレジャーボートの保有隻数が四十七万隻、水上オートバイを除いても三十七万隻ぐらいあるわけです。
 それで、今係留保管施設がどれだけあるかといいますと、これは平成八年の省庁合同調査による係留保管施設の収容能力なんですが、六万四千隻しかないんですね。その後若干ふえているとは思うんですけれども、ともかく、三十七万隻に対して六万とか七万隻しかない、圧倒的に足りないわけですね。その係留施設はいろいろやっているけれども追いつかないという実態がある。一方ではどんどんプレジャーボートがふえているという実情があるんですね。
 そうすると、このまま何らかの対応をやらなければ、今までの延長線上だけで考えていたのでは、放置艇をどんどんふやすことになっていくんじゃないかというふうに大変心配しています。その点どのような解決方法を考えていらっしゃるでしょうか。
    〔委員長退席、赤羽委員長代理着席〕
川島政府参考人 放置艇問題に関しまして、係留保管能力の向上に向けた取り組みについてお尋ねがあったところでございます。
 放置艇問題の解消のためには、係留保管能力の向上を図るということが極めて重要な課題だというふうに認識をしております。
 具体的には、先ほど来ございましたようなボートパーク整備事業、これを推進していく、また民間事業者によるマリーナ等の整備を推進するために財政投融資の制度あるいはPFI制度、こういうスキームの充実に努めておるところでございますが、こういうことで係留保管能力の向上に取り組んでいくことが必要かと考えております。
 しかしながら、放置艇の受け皿としての恒久的なこれらの手法によります収容施設の整備には相当の期間を要するというのも事実でございます。これらの整備が進むまでの間、船舶航行の安全等の確保あるいは周辺環境の保全上支障を及ぼさない、そういった範囲内におきまして暫定的な係留を認めるということによりまして、秩序ある小型船の係留保管を推進するように港湾管理者等と御相談をして、現在対策を進めていただいておるところでございます。
 こういう措置を総合的に講ずることによりまして、放置艇問題の解消に努力してまいりたいというふうに考えております。
瀬古委員 それなりの一定の努力はされているんですが、ともかく五倍も六倍も施設の収容能力と比べてどんどんふえていくという状態なんですね。ですから、その点でも今までの延長線ではない取り組みがやはり必要だというふうに思います。
 そこで私は聞きたいんですけれども、静岡県の沼津市の牛臥ヨットハーバーの問題について、大臣にこれはお聞きしたいと思うんですが、ここが今、閉鎖されるということになっているんですね。これは、沼津市がこの地域を公園として整備するということから、東興不動産、一応民間事業者がヨットハーバーを売却する、こういうところから発生したものなんです。
 それで、全国でも、民間企業がどんどん会員を募集しているという例もあるわけですが、そういう民間企業が、会員を募集しながら、一方ではユーザーの了解をとることなく一方的に閉鎖する、こういうことになりますと、実際には小型船舶はもう行き場がなくなって、結果として放置艇をふやすことにつながりかねない。私は、企業の社会的責任という点では、大変問題があるというふうに思うんです。
 先ほど局長のお話でも、民間事業者による整備というふうに言われたんですが、やはり会員なんかを募集した以上はきちんと事業者が責任を持つということをやらなければ、そういう点では、無責任な体制がますますふえていくんじゃないか。その点で、大臣はどのようにお考えになるでしょうか。やはりこういう民間事業者が責任を持つということについても何らかの対応が必要だというふうに思うんですが、その点でのお考え、いかがでしょうか。
扇国務大臣 特定の、沼津市にあります民間ヨットハーバーの御質問でございますけれども、このヨットハーバー、私も今この表を見ております、地図も見ておりますけれども、この東急の牛臥のヨットハーバー、契約者数というのを聞きましたら、全部で百六十五隻保管されているということでございまして、これが平成十五年三月末に閉鎖するという意向が伝えられたと私も伺いました。
 先ほどからも御審議いただいておりますように、もともと係留場所が足りないという現実を見ますときに、これが閉鎖するということで、このヨットハーバーを経営する企業に関しましては、ユーザーとの間で、現在保管されております艇につきまして話し合いが行われているというふうに聞いておりますので、少なくとも問題の解決が図られるものであると私は思っておりますけれども、また、地元から保管場所についての確保ということで具体的な御要望とか御相談があれば、我々としては前向きに対処していきたいと思っております。現在まではまだ、地元からは私たちの方に御相談は現段階ではございません。
瀬古委員 ぜひ話し合いによる解決をやれるようにしていただきたいと思いますけれども、少なくとも一般的に、こういう企業が会員を募集してやる場合は、会員だけふやせばいいというわけじゃないと思うんですよ。やはりそこに係留施設などをきちんと確保した上で事業をやるというのは、一般的に言っても私は当然だと思うんですね。
 そういう点で、こういう企業の無責任なやり方ということについては、一定きちんと責任をとってもらわなきゃならないというふうに一般論としては思うんですが、その点、大臣、いかがですか。
扇国務大臣 先ほどからるる数字を挙げて、現在のレジャーボート、マリンスポーツ等々に関しての、係留場所がないというのがもう大問題でございますけれども、これを規制してというと、例えば車のように、車庫証明がなければ車のあれができないというふうに、これは、証明書をとるということになるともう大騒動が起こるわけでございまして、現段階ではまだそこまで行っておりませんけれども、先ほどから、レジャーシップということでいろいろな話がございました。
 そういう意味では、私は、改めてそれぞれの皆さん方が、まず自分が購入したときにどうするかという、その安全性と確実性というものもぜひ考えながら、ただ楽しむだけのためにという自己本位ではなくて、総合レジャーとしての位置づけと、そして認識と、そういうものをぜひ持っていただいて、まさにレジャーの華となるような施策というものも指導しながらやっていきたいと思っております。
瀬古委員 私の聞いたのは、もちろんユーザーが自分たちのその艇をどう確保するかということは当然なんですが、マリーナなどで会員を募集して企業がやる場合は、当然そういう係留地も、施設も十分確保してやらなければ、その業者を信頼してやったのに、突然閉鎖になるなどということはあってはならない、そういう点での企業の責任というのはあるんじゃないですかというのをお聞きしたんですが。
扇国務大臣 それは当然なことでありまして、これはマリンレジャーだけではございませんで、今世間で話題になっておりますゴルフ場だとかあらゆる施設、民間でみんなやっていますけれども、みんな経営が苦しいということで、破産状態になっているところもたくさんございます。
 ただ会員を募集するというだけではいけないというのはもう当然のことですけれども、会員を募集して、もしそれがだめになったときにはどうするという、その契約事項自身がきちんとしているべきだと私は思いますので、そういう意味では、おっしゃるとおりでございますけれども、民間をそれぞれ指導するという立場ではございませんけれども、民民の問題ですけれども、これは通常、社会的には、そういうことはあってはならないというのは当然のことでございます。
瀬古委員 ユーザーが自己責任で放置艇、沈廃船にならないように努力するということは当然ですけれども、やはりそういう業者の責任というのも大変大事だと思っています。
 メーカーだとか販売事業者の責任という場合も、とりわけ、危険な沈廃船問題の解決については大事だというふうに私は思っています。昨年六月に当委員会で、船をつくったメーカー、それから販売事業者の責任という点で、マリーナの整備、安価な保管施設、それから、放置自動車のように処理費用の一部を業界団体も負担して処理を義務づける、こういう制度なども検討が必要だということで私は提案したんですが、その後、どのような検討がなされているでしょうか。
    〔赤羽委員長代理退席、委員長着席〕
安富政府参考人 FRP船の廃船処理、特にレジャーボートについて、FRPが多いわけでございますが、この廃船処理については、一つは、FRPが非常に強靱であって破壊することが容易でない、それから他の廃棄物なんかと比較しましても大型であって輸送が非常に困難であるとか、あるいは、そういうことも原因でございますが、そもそも廃船費用が非常に高いといったことが大きな問題でございまして、そのために廃船あるいは不法投棄というような形になっているというふうに考えております。
 したがいまして、我々としては、こういう廃船になるようなものが出ないようにするためには、やはりリサイクルのシステムをつくっていかなきゃいけないということで、現在、平成十二年度から、一つは技術的な問題でございますが、経済的に低廉にできるようなリサイクルシステムの技術的な開発、これは先ほど大臣からもありましたように、セメント等の原材料にできるような形にどう細かく粉砕し解体していくかという技術的な処理の方法、これについて検討を進めておりまして、これを平成十五年までに確立したいというふうに考えております。
 それからもう一つは、やはり社会的なシステムといいますか経済的なシステムとして、リサイクルをどういう形で、どういうルートでやるかというシステムでございますが、これについては、平成十七年度までにFRP船のリサイクルシステムの運用という形で実施できるように、それを目標として、現在いろいろ準備を、準備といいますか、検討しております。
 このために、当然のことながら、製造者といいますか、メーカー、販売業者、さらには地方公共団体、あるいは利用者自身といったような、それぞれの役割分担をどういうふうに組み立てていくのかということを、これからそれぞれ関係者と調整していかなきゃいけないと思いますが、その中で当然、製造者等に対しても一定の役割分担というものをどう位置づけるかということで、十分検討していきたいというふうに考えております。
瀬古委員 少なくとも、当面する危険な沈廃船の処理の問題、これはこれから十五年までいろいろ、どういうリサイクルができるかというのを研究なさるのはいいんですけれども、当面すぐ解決しなきゃならない処理の問題がありますよね。こういう問題などは、私は、自治体だけに負担をかぶせるんじゃなくて、当然メーカーや事業者についても、当面、緊急の対策、処理の責任があるんじゃないかというふうに思うんですけれども、その点、いかがですか。
安富政府参考人 現在、不法投棄船を含むプレジャーボートのいわゆる廃船の処理につきましては、廃棄物の処理及び清掃に関する法律が適用されるということになりますので、基本的には所有者あるいは自治体により行われるということになっております。
 したがいまして、所有者が明確であれば、これは当然その責任をとってもらえばいいわけですが、所有者が明確でない場合に、現在のところは地方自治体により処理するということでございまして、それはメーカーという形では直ちにはなかなか難しい点があるんではないか。いろいろな形で廃船処理についての協力をメーカーに仰ぐという点はございますけれども、責任という形でメーカーの責任を問うのは現段階では非常に難しいということで、先ほども言いましたように、一つのリサイクルシステムという中でどう製造者の責任をとってもらうかということをこれから検討すべき問題だというふうに考えております。
瀬古委員 持ち主がわかっている場合は、当然本人がやるということなんですが、私が提案したのは、自動車などは、実際、持ち主がわからない場合は、業界も一定の負担をしてその処理に当たっているわけですよ、いつまでもその放置自動車をほっておくわけにいかないので。そういう点で、何か業界に遠慮なさっているというか、はっきり物を言わないというか、こういうものについてもやはり業者にきちんと物を言わなきゃならないと思うんですね。
 それから、処理のやり方、今後のリサイクルをどうするかという問題でも、一方では、まだ今のところはリサイクルできないものをどんどんつくっている。そういう点では、やはりきちんとリサイクルができるようなものを今からちゃんと業者に指導してやらせるということをもっと国土交通省としては責任を持ってやらなければ私はいかぬと思うんですけれども、その点いかがですか。
安富政府参考人 今先生御指摘のように、いわゆるリサイクルができるような船舶自身を開発していかなきゃいけないということはおっしゃるとおりだと思います。そういう意味で、我々としては、リサイクルあるいはリユースという形ができるような船舶の技術的な可能性といったことについて、例えば具体的には、現在のFRP船の組み合わせ構造であるとか、交換容易な艤装取りつけ方法はどういうことになるのかといったような技術的な開発をしております。
 ただ、一方では、民間においても、リユース技術の開発ということとあわせて、例えば部品等についても、熱可塑性のプラスチックであるとか、あるいはステンレス等、リサイクルが可能な部品への転換を図っておりますので、そういうことを今後も積極的にやるように指導していきたいというふうに考えています。
瀬古委員 以上、終わります。
久保委員長 日森文尋君。
日森委員 社民党の日森文尋でございます。
 議事進行に協力するために、簡潔に質問させていただきたいと思います。若干重複があるかもしれませんが、お許しをいただきたいと思います。
 この改正案の趣旨には賛成ですが、幾つか質問をしたいと思います。
 現行法の名称に小型船舶操縦者を別途加えるという改正案になっておりますが、その選択肢として、小型船舶操縦免許、これだけを切り離すこともできたのではないか、こんなふうに思っております。そうすれば、改正案のように随分長い戒名の法律の名前ではなくて、もう少しコンパクトな、スリムな、わかりやすい法律になったんじゃないかという気がしているんです。プレジャーボートの増加などが今度の法改正の要因であるわけですから、その需要にも対応できるし、小型船舶操縦者だけを対象とするすっきりした法案になったのではないか、そんな思いがあるんですが、これについて最初にお聞きをしたいと思います。
安富政府参考人 先生御指摘のような案、いわゆる別法にするというのは、立法論としては一つの選択肢として当然あり得ると思います。しかしながら、現在、この船舶職員法という中で小型船舶操縦者の免許を扱っていたということは、実は海技免許、いわゆる大型船舶用の海技免許と小型船舶操縦士免許、ともに目的としては船舶の航行の安全を図るための運航者の資格というものを定めるという法目的が同じであるということ、また、それから、運航の方式としても、今回多少の例外はございますが、いわゆる船長免許ということを基本としているということから、同じ法律的な思想を持っているということからこれを同一の法律として扱った方がいいんではないかということで提案させていただいているわけでございます。
 ただ、その際にも、法律案の中で、従来の船舶職員という枠からはやはり外した方が合理的であるということで、船舶職員と小型船舶操縦者というものを二つに分けて体系的な整理を行ったというものでございます。
日森委員 続いて、車の運転免許の取得では、道路交通法も勉強しなければいけないし、当然免許を取るときにこれらも含まれているわけです。最初に、海での交通ルールあるいは船舶操縦者が遵守すべき法律にはどんな法律があるのか、ちょっと教えていただきたいということ。
 それから、道路交通法でいえば、守るべき道路交通法の中に運転免許に関する規定が書き込まれている陸上交通の場合と、海では、守るべき法律と操縦免許が別個の法律になっているような感じがしているんです。その辺の理由についてもお聞かせをいただきたいと思います。
 それからまた、今後、海でも陸上と同じように交通ルールと免許を一本化するというような考え方があるのかどうか、お聞きをしたいと思います。
安富政府参考人 まず、船舶操縦者が遵守すべき法律、海上交通ルールとしての法律は、海上衝突予防法、海上交通安全法、それから港則法という、この三つの法律がございます。
 それで、海上衝突予防法等の海上交通法規でございますが、基本的に海上衝突予防法というものが、いわゆる海上交通ルールとしての一般法でございまして、この下に海上交通安全法、港則法という特別法があるという関係になっております。海上交通安全法は東京湾等の特定の湾内にかかわる航行ルールを定める、それから港則法は出入港の多い港の中にかかわる特別の航行ルールを定めるということになっております。
 それで、この海上衝突予防法でございますが、実は、国際的な海上交通の一般的な条約であります国際衝突予防規則、COLREGと呼んでおりますが、これに対応して、海上における船舶相互の衝突を予防するための航行ルールを定めた国際的なルールでございます。これをベースにして海上衝突予防法ができ上がっているわけでございます。これは海洋が対象でございまして、湖川を対象としておりません。
 それから、一方、船舶職員法の操縦免許についてでございますが、これも国際条約がございまして、船長等の資格について、船員の訓練及び資格証明並びに当直の基準に関する国際条約、STCW条約と呼んでおりますが、これが定められておりまして、条約上も、航行ルールの条約、いわゆる海上交通のルールを定めた海上交通ルールの条約と船舶職員についての資格等を定めた条約とが別体系になっておりまして、これを、歴史的な経緯というか、そういうことから、我が国の法律の中でもそういうふうな形で引いてきていることから、海上交通法規と操縦免許が別の法律になっているというふうに考えております。
 将来、両者を一本化するという考えがあるかというお尋ねですが、そういう条約上のいろいろな関係があって、歴史的な経緯等も踏まえて、実態に即してなされている法律でございますので、現在のところ、現段階では一本化するということは考えておりません。
日森委員 はい、わかりました。
 三点目に、小型船舶操縦者の資格試験を簡素化するということになりますが、それにしても、最低限のルールだけは理解しておかなければならないと思うんです。その試験のときに、免許を与えるときに、当然そういう基本的なルールについては試験問題になると思うんです。
 大臣、私は実は車の免許を持っていますけれども、船舶の免許は持っていません。大臣は車の免許、お持ちですけれども――車、ないですか。じゃ船舶もないですね。(扇国務大臣「車は持っています」と呼ぶ)車は持っていますね。まあ、ここでやりとりしてもあれですが。私もこれからもしかしたら船舶免許を取るかもしれないということもございますので、その基本的な最低限のルールについて、当然試験の中に出されていると思うんですが、一般常識であるとか運航だとか、そういう法規について、どんなような問題が基本的にあるのか、ちょっと参考のためにお聞かせをいただきたいと思います。
安富政府参考人 小型船舶操縦士の学科試験についての試験問題というのは、具体的にはなかなか答えにくいんですが、項目として挙げますと、これはもちろん一級とか五級でそれぞれ違いますが、一般的に申しますと、海についての一般常識、これは例えば出航前の点検であるとか準備、同乗者に対する注意を行えとかそういう意味の一般常識、それから船舶概要、これは船舶の種類とか船舶の設備といったようなものについての概要、それから航海、これは航路標識であるとか、水路の図誌の見方であるとか、自船の位置の測定方法をどうするかとか、それから運用、これはまさに操縦のやり方、それから事故の防止あるいは事故が発生したときの処置の仕方、それから機関関係ということでは、内燃機関の構造あるいは点検整備のやり方、燃料等の問題、それから法規ということで、先ほど言いました海上衝突予防法、海上交通安全法あるいは船舶職員法等について、試験を行うということでございます。
 ただ、先ほども言いましたようにこれは一般的なことでございまして、いわゆる小型操縦士免許の、例えば現在の五級という一番簡単なやつですと、先ほども言いました中で、例えば一般常識、それから運航、これは操船とか事故の防止、事故発生時の処置ですが、こういう問題、それから法規、これは海上衝突予防法、船舶職員法等についての試験を行うという形で、段階的になされているということでございます。
日森委員 ありがとうございました。
 現行の受験手数料が一万二千円、私も何か五級が取れるという自信が生まれましたので、ぜひ今の答弁はしっかり受けとめてまいりたいと思います。
 四点目に、自動車運転免許証は、その更新時に交通安全教育というのが行われています、ビデオを見たりいろいろあるわけですが。小型船舶免許では、五年ごとにこれも免許の更新が行われるわけですが、安全教育がどのように行われているのか、ちょっとお聞きをしておきたいと思います。
 プレジャーボートの事故は、資料によっても人為的な要因が八〇%というふうに言われていますし、操縦者の自己責任で事故がないようにするということと同時に、モラルを高めて周りの方々に迷惑がかからないように当然していかなければならないというふうに思っているんです。そういう意味も含めて、安全教育等について、どのように徹底されていこうとしているのかお伺いをしたいと思います。
安富政府参考人 小型船舶操縦者に対する免許更新時の安全教育の内容でございますが、基本的に、海難の防止とかあるいはトラブルに対する対処方法などに関する事項であるとか、先生御指摘のようなマナーの励行に関する事項、あるいは、その法令改正等がございましたら最新の法令等に関する情報提供など、そういうものについて講習の教本をつくっております。これを配布して、先ほど言いましたこういう事項について解説し啓蒙を図るということと、あわせて、実際の海難事例等を例えばビデオ等で放映するなどしまして、そういう事故の悲惨さ等も説明して、海難防止に尽力してもらうというようなことを安全教育としてやっております。
 こういうことで、免許更新時にこういう安全教育をやっておりますが、特にプレジャーボートの場合には、普通の運転免許と違いましてなかなか利用機会が少ない方も多いわけでございますので、定期的に船舶の航行の安全に関する再確認をするということで、この免許更新時における安全教育というのは非常に重要でかつ有効であると考えておりますので、この安全教育の内容については、今後ともより充実を図っていきたいというふうに考えております。
日森委員 最後になりますが、これはもう皆さん御指摘されたことなので重複になりますけれども、そのプレジャーボートなどの係留施設の問題、これは大きな問題に今後なっていくと思います。それぞれ実態について若干お聞かせいただきたいのと、これまで、これからの方針についても、国土交通省の一定の方向性をお聞きいたしました。
 それについても改めてお聞きをしたいと思うんですが、例えば海岸なども、本当に自然に配慮したり、歴史や風土に養われてきた美しい白浜、青松の海岸づくりを行うとか、国土交通省は大変立派な方針を持っていらっしゃいますので、そういうことと、それから、自然、安全と絡めて考えると、当然、その係留施設なんかもきちんと配慮をしていかなければならないような時期に来ているのではないかというふうに思っているんです。そんな意味で、今後の展望というか方針を改めてお聞きしたいと思います。
川島政府参考人 放置艇問題の解消を図るために、係留保管能力の向上を図るということは極めて重要な課題だというふうに認識しております。
 港湾におきましては、海洋性レクリエーションの拠点となります公共マリーナの整備、あるいは、既存の静穏水域などを活用した、放置艇収容のための簡易な係留保管施設を提供するボートパーク整備事業、これらを実施してきておりまして、平成十四年三月末現在で、公共マリーナ、ボートパーク等は全国で百四十七カ所が供用されております。収容能力は合計で約三万隻となっております。
 また、河川におきましては、不法係留船対策として、治水、利水等の影響のない範囲で、公共団体、第三セクター等の公的主体が保管施設を整備しようとする場合に、河川利用推進事業として、護岸、水門、船だまり等の河川管理施設となる部分を河川管理者が実施するということによって支援をしております。これまで荒川、菊川等十カ所、平成十四年三月末で、収容能力で約二千隻でございます。これが整備されております。現在、太田川、都田川等七カ所で事業中でございます。
 国土交通省としましては、今後とも放置艇問題の解消を図るため、これらの事業の一層の推進によりまして、係留保管能力の向上に積極的に取り組んでいくことにしております。
日森委員 ありがとうございました。
 この問題も、各委員が指摘されたように大変重要な問題ですので、ぜひ積極的に取り組んでいただくように御要望申し上げまして、五分間貸しをつくって終わりたいと思います。ありがとうございました。
久保委員長 西川太一郎君。
西川(太)委員 私は与党でありますから、もっとたくさん議事進行に協力したいと思っております。そのためにも答弁を簡略にお願いいたしたい。
 私は、質問を七問用意しましたけれども、まずこれを圧縮して、できるだけ短くしたいと思っております。そのために通告、レクで御相談したのと順番は変わりますが、よろしいでしょうか。
 まず、私は、今度のプレジャーボート、友人たちにもこういう分野で楽しみを享受しているのが大勢いまして、大変期待をされていまして、息子や友人にそういう資格を取らせたい、簡略化してくれて大変ありがたい、こういう意見がございます。三十年を経過して、さまざまなニーズが出ているとは思うのでございますけれども、今般の法改正の中で、利用者ニーズというものに絞って議論するならば、制度の簡素合理化についてはどういう措置を講じようとしているのか、これは大事な点でございますので、伺いたいと思います。
扇国務大臣 西川議員がおっしゃいましたように、少なくとも、資格制度を簡素化する、これは大事なことだと思っておりますけれども、今までの区分では、一級から五級、五区分に分かれておりましたけれども、今回はこれを、一級、二級と水上オートバイの三区分、簡潔明瞭にいたしました。
 そして、水上オートバイの専用免許も設けることによりまして、水上オートバイに特化しましたあらゆる知識、能力を重点的かつ効率的に習得してもらうということで、試験の内容につきましても、御存じのとおり、機関理論に関する知識等を簡素化しまして、そして、余り沖へ出ませんので、天体観測による位置の確認の技術等も排除させていただいておりますので、そういう意味では、安全に関する実質的な問題だけということで、大変簡素化させていただきました。
西川(太)委員 制度を簡素合理化する一方で、安全対策というものももちろん充実しなければならない、こう思うわけであります。今般、免許取得者が最低限守るべき事項を明確化したというのは、ただいまの大臣の御答弁でも理解ができるわけで、大変結構だ、こういうふうに思っております。
 しかし、海の安全というものは、シーマンシップという言葉がプレジャーボートを初め海を愛する人たちの中で言われているわけでありますけれども、これまでシーマンシップに期待してきたことを考えますと、その担保措置というものは余り厳し過ぎるとかえってレジャーという点を阻害してしまう。
 担保措置の内容、考え方、海事局長、どういうふうに考えておられるか、簡略に御答弁願います。
安富政府参考人 御指摘のとおり、今回、法律上明確化する遵守事項は最小限のものを定めたということでございますが、それにしても、これを具体的にどう担保するかということでございます。
 我々としては、この遵守事項の担保のためには、やはり一罰百戒的な罰則ではなくて、再教育講習の受講を義務づけるというような形で、教育的な形のものがいいのではないかということで考えております。
 これは、再発を防止して安全意識の向上を図る観点から、初心に返って海のルールを身につけてもらう教育的措置というものが効果的だという考え方に基づくものでございまして、この再教育講習を受講した者については免許停止等の行政処分を免除あるいは軽減するというような形で、この海のルールを身につけていただきたいというようなことで考えております。
西川(太)委員 次に、バリアフリー社会というのは陸ばかりでもないと私は思うのでありまして、例えば障害をお持ちの方でも、海を身近に感じる、楽しむということは大変重要だろうと思います。二百七十万人もこの分野に、いわゆる小型船舶の免許取得者はいらっしゃるわけでありまして、これからこの分野を広げていこうということになれば、いわゆる身体障害者の方々にも門戸を開いていく必要がある、こういうふうに思うわけであります。
 それは、国土交通省が広く主張しておられるバリアフリー社会の実現のためにも重要なことだと思うんですが、こういうことについてどんな取り組みをされているのか、お聞きをしたいと思います。
月原副大臣 身体障害者の方々にもこういうことのニーズが広まっております。そこで、昨年の十一月に職員法を改正いたしました。そして、実質的な運動能力に着目するということ、例えば、両足に障害があって車いすの方々は絶対的な条件としてはだめだったんですが、今申し上げたように、実質に着目してそういう方々にも開放するということ、あるいは補助設備を活用することによって目的を達すること、こういうようなことを改正いたしました。
 現に、この見直しによって免許を得られた方が本年三月末時点で十七人合格され、車いすの方も既に二人が免許を得られている。新聞記事にもありますが、「レジャーの場が海上にも広がった」という、大変に喜んでおられて、我々も進めていきたい、こう考えております。
 以上です。
西川(太)委員 実は、私の、東京の下町は、御案内のとおり隅田川初めたくさん川があります。問題は、不法係留といいますか、ときにはそのまま船を捨てていってしまう人もいる、こういうことで、自治体としては非常にこの問題についても困っておられるという実態がございます。
 こうした点について、いわゆる放置艇、そういうものの対策が必要だ、こう思うのでありますが、係留保管場所の整備、こういうものについては国交省はどう考えておられるか、港湾局長にお尋ねしたい。
川島政府参考人 係留保管場所の整備への取り組みでございます。
 大きな社会問題となっております放置艇問題の解消を図るため、係留保管能力の向上を図るということは極めて重要な課題と認識しております。
 こういう認識のもとに、国土交通省におきましては、これまで、港湾における既存の静穏水域を活用して放置艇収容のための簡易な係留保管施設等を提供するボートパーク整備事業を推進してきているとともに、民間事業者によるマリーナ等の整備を推進するため、財政投融資制度やPFI制度などの支援スキームの充実を図るなど、係留保管能力の向上に取り組んできているところでございます。
 また、平成十四年度からは、これまでの水面係留主体の施設整備に加えまして、比較的安価に整備が可能な陸上保管主体の施設整備についても、ボートパーク整備事業の対象としたところでございます。
 国土交通省としては、今後とも放置艇問題の解消を図るため、ボートパークあるいはマリーナの整備を一層推進し、係留保管能力の向上に積極的に取り組んでまいります。
西川(太)委員 海事局長に伺いたいんですけれども、実は、自動車リサイクル法ももうじき審議に供せられると思います。家電リサイクル法もございました。いわゆるプレジャーボートといえども、そうした環境という観点から、リサイクル、リユースまたはリデュースというんですね、三R、できるだけごみにならないような素材でつくっていく、処理しやすいようなものにしていく、こういうことが大事だろうと思うんですが、プレジャーボートはいわゆるFRPでつくられているわけですね、御案内のとおり。これは非常に廃船の際の処理が難しくて、しかもそれだけに処理の経費も高い、こういうことから、不心得な者がこれを処分しないで放置して逃げちゃう、こういうケースが不法投棄の一因になっているということは御案内だと思います。
 そこで、循環型経済社会の構築という観点から、このFRP船のリサイクルやリユース、リデュースを問題にせざるを得ない、積極的に取り組むべきだ、こう思うのでありますが、御見解を聞かせていただきたいと思います。
安富政府参考人 先生御指摘のように、自動車、家電についてリサイクルのシステムが検討されて、確立しておりますが、このFRP船についても、我々としても何とかリサイクルシステムを確立したいということで、平成十二年度から、FRP船を解体、粉砕してセメントの原材料として再利用する技術の研究開発を実施しておりまして、十五年度までには技術の確立に向けた実証実験も行っていきたいというふうに考えております。
 また同時に、できるだけ低廉な費用でリサイクルする仕組みを社会システムとして構築するために、いろいろな事情を考えながら、関係者の役割分担とか費用負担の方法とかいうことについて、関係者との検討、調整を実施していくということで考えております。
 これらをやることによって、何とか平成十七年度までにFRP船のリサイクルシステムの運用を開始したいということで、現在目標として進めております。
 また、リユースに関しましては、そもそもFRP船が船体が一体成形で製造されているということがあって、部分的な交換が困難という状態でございますが、今後、船体の劣化、損傷箇所のみを取りかえ可能とするようなリユース可能なFRP船を実現するために、平成十二年度から十四年度までにリユース技術の研究開発を進めておりまして、十四年度にこの技術を確立したいということで現在進めております。
西川(太)委員 最後の質問に入りたい、こう思うのでありますが、一括して大臣にお尋ねをしたいと思います。
 平成八年に海の日が祝日化されて、国民は海の大切さというものの認識を深めておられるわけでありますけれども、この海の日というものをとらえてプレジャーボートを生かしたさまざまなイベントを開催するということも私は意味があるのかな、こう思うのですが、この点について国交省の御見解を伺うことと、それから、実はこの間、下田から清水まで、私はテクノスーパーライナーに静岡県知事と御一緒に乗せていただいたのでありますけれども、これは超高速船、いわゆるプレジャーボートとはもちろん違うわけでございますけれども、海事行政の中にこれからこういうものをもっと多様化して、そして大いに海の楽しみ、それから海の利便性、こういうものを国民が享受していく必要があるのじゃないか。
 私ども東京都選出の議員としては、このTSLの第一船を小笠原航路に投入を目指していただいている、こういう御準備も進んでいるやに聞いております。かつて小笠原島に視察に行くなんというときは、船の中で一泊しなければいけない、まだ飛行場がありませんし、そんなことで、こういう高速船を活用することによって離島の皆さんに対してもいろいろな意味で私はプラスになる、こう思っておりまして、直接この法案には関係ありませんけれども、これについての大臣のお取り組みを伺って私の質問を終わりたい、こういうふうに思います。よろしくお願いいたします。
扇国務大臣 今お話ございましたように、平成八年七月の二十日に、国民の祝日として海の日が認められました。それ以来、あらゆるところで海の日の祭典というものを行っておりますし、また国土交通省も、毎年七月の二十日から三十一日まで、これは海の旬間ということで、その間は海の行事を全国でいたしております。また、具体的には、主要な港湾都市を一カ所選定いたしまして、そこで海の祭典というものを毎年開催しております。それは、ヨットレースだとかいろいろなイベントを行っておりますけれども、ボート天国でございますとか、プレジャーボートの利用というものも含めて行っております。
 また、与党三党の御尽力によりまして、国民の祝日とする法案が制定されましてからも、昨年からは、海の日が七月の第三月曜日となるようにということで、これによって海の日が三連休化されました。それによって大きな経済効果、また、海に親しむという国民の新たな海に囲まれた日本人ということの認識も深まっておりますので、あらゆる面でこれからもこの海の日というものを利用しながら祭典をし、国民により認識をしていただきたいというふうに思っております。
 また一方、今テクノスーパーライナーのお話がございました。昨年、私も、一月でございましたけれども、小笠原まで参りました。そのときに、小笠原の皆さんがおっしゃるのです、今東京から、御存じのとおり二十六時間かかりますと。けれども、このテクノスーパーライナーを利用しますと十六時間で行ける、飛行場というものも、なかなか小笠原の飛行場の設置が前へ進みませんので、せめてこのテクノスーパーライナーを小笠原に持ってきてほしいという御要望もございまして、これは近日中に設立されることになっておりますけれども、このテクノスーパーライナーを建造、保有しております運航事業者に対しまして、これは新会社の設立準備を進めていらっしゃいますので、私たちは、これも第一船の建造を開始し、平成十六年度にはこれが就航できるようにというふうに指導してまいって、また、その予定が確実になっておりますので、御期待いただきたいと思っております。
 また、この新会社につきましては、テクノスーパーライナーの第一船の保有管理にとどまらず、第二船以降も事業化をしていくというふうにおっしゃっておりますので、私たちはそれを楽しみに、小笠原も近いところで、十六時間で行ける、そういうことで、より海の利用と、そして日本人が海のレジャーに安心をもって、しかも近距離でできる、そういうレジャー産業の発展を祈って、私たちも安全性の確保には重々留意しながら見守って育てていきたいと思っております。
西川(太)委員 終わります。ありがとうございました。
久保委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
久保委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 船舶職員法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
久保委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
久保委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
久保委員長 次回は、来る五日金曜日午後一時五十分理事会、午後二時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時十六分散会


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