衆議院

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第7号 平成17年11月29日(火曜日)

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平成十七年十一月二十九日(火曜日)

    午後一時三十分開議

 出席委員

   委員長 林  幹雄君

   理事 衛藤征士郎君 理事 中野 正志君

   理事 望月 義夫君 理事 吉田六左エ門君

   理事 渡辺 具能君 理事 長妻  昭君

   理事 三日月大造君 理事 高木 陽介君

      石田 真敏君    遠藤 宣彦君

      小里 泰弘君    越智 隆雄君

      大塚 高司君    鍵田忠兵衛君

      金子善次郎君    亀岡 偉民君

      北村 茂男君    後藤 茂之君

      坂本 剛二君    島村 宜伸君

      杉田 元司君    鈴木 淳司君

      薗浦健太郎君    田村 憲久君

      冨岡  勉君    長島 忠美君

      西銘恒三郎君    葉梨 康弘君

      細田 博之君    松本  純君

      松本 文明君    盛山 正仁君

      矢野 隆司君    若宮 健嗣君

      金田 誠一君    小宮山泰子君

      下条 みつ君    高木 義明君

      土肥 隆一君    長安  豊君

      鉢呂 吉雄君    馬淵 澄夫君

      森本 哲生君    伊藤  渉君

      佐藤 茂樹君    穀田 恵二君

      日森 文尋君    亀井 久興君

    …………………………………

   国土交通大臣政務官    石田 真敏君

   国土交通大臣政務官    後藤 茂之君

   参考人

   (木村建設株式会社代表取締役)          木村 盛好君

   参考人

   (木村建設株式会社東京支店専務取締役支店長)   篠塚  明君

   参考人

   (株式会社シノケン代表取締役社長)        篠原 英明君

   参考人

   (株式会社ヒューザー代表取締役)         小嶋  進君

   参考人

   (イーホームズ株式会社代表取締役)        藤田 東吾君

   参考人

   (平塚市都市政策部長)  渡辺 貞雄君

   国土交通委員会専門員   亀井 為幸君

    ―――――――――――――

委員の異動

十一月二日

 辞任         補欠選任

  河本 三郎君     後藤 茂之君

  高木  毅君     塩谷  立君

  山口 泰明君     今津  寛君

  赤羽 一嘉君     遠藤 乙彦君

同月二十四日

 辞任         補欠選任

  伊藤 達也君     田村 憲久君

  今津  寛君     若宮 健嗣君

  塩谷  立君     坂本 剛二君

  寺田  稔君     薗浦健太郎君

  萩山 教嚴君     島村 宜伸君

  村上誠一郎君     吉田六左エ門君

  村田 吉隆君     細田 博之君

  遠藤 乙彦君     高木 陽介君

同月二十九日

 辞任         補欠選任

  金子善次郎君     矢野 隆司君

  坂本 剛二君     冨岡  勉君

  薗浦健太郎君     松本  純君

  古賀 一成君     馬淵 澄夫君

  亀井 静香君     亀井 久興君

同日

 辞任         補欠選任

  冨岡  勉君     越智 隆雄君

  松本  純君     薗浦健太郎君

  矢野 隆司君     金子善次郎君

  馬淵 澄夫君     古賀 一成君

  亀井 久興君     亀井 静香君

同日

 辞任         補欠選任

  越智 隆雄君     坂本 剛二君

同日

 理事山口泰明君及び赤羽一嘉君同月二日委員辞任につき、その補欠として吉田六左エ門君及び高木陽介君が理事に当選した。

同日

 理事萩山教嚴君同月二十四日委員辞任につき、その補欠として中野正志君が理事に当選した。

    ―――――――――――――

十一月一日

 一、国土交通行政の基本施策に関する件

 二、国土計画、土地及び水資源に関する件

 三、都市計画、建築及び地域整備に関する件

 四、河川、道路、港湾及び住宅に関する件

 五、陸運、海運、航空及び観光に関する件

 六、北海道開発に関する件

 七、気象及び海上保安に関する件

の閉会中審査を本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 理事の補欠選任

 国土交通行政の基本施策に関する件(建築物の構造計算書偽装問題)


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     ――――◇―――――

林委員長 これより会議を開きます。

 理事の補欠選任についてお諮りいたします。

 委員の異動に伴い、現在理事が三名欠員となっております。その補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

林委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 それでは、理事に

      中野 正志君   吉田六左エ門君

   及び 高木 陽介君

を指名いたします。

     ――――◇―――――

林委員長 国土交通行政の基本施策に関する件、特に建築物の構造計算書偽装問題について調査を進めます。

 本日は、参考人として、木村建設株式会社代表取締役木村盛好君、木村建設株式会社東京支店専務取締役支店長篠塚明君、株式会社シノケン代表取締役社長篠原英明君、株式会社ヒューザー代表取締役小嶋進君、イーホームズ株式会社代表取締役藤田東吾君及び平塚市都市政策部長渡辺貞雄君、以上六名の方々に御出席をいただいております。

 この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。

 本日は、御多用のところ本委員会に御出席いただきまして、まことにありがとうございます。よろしくお願いをいたします。

 なお、念のため参考人の方々に申し上げますが、御発言の際にはその都度委員長の許可を得て御発言くださるようお願い申し上げます。また、参考人は委員に対し質疑をすることができないことになっておりますので、あらかじめ御了承願います。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。吉田六左エ門君。

吉田(六)委員 このたび、日本全国を震撼させ、そして多くの善良な人たちを不安に導き、特にまた、実際に問題のマンションに住む人たちにとっては、あすからの生活の基盤がなくなる、どうしたものだろう、こんな大変な問題に対して参考人を招致した中で質問をする機会を授かりましたこと、何よりありがたく感謝をしながら質問をさせていただきます。

 私は吉田六左エ門と申します。そして、新潟市が選挙区であります第一選挙区から、というよりも当選させていただいてきました。早稲田大学理工学部建築科に学びまして、松井源吾教授、そして云々という中で勉強させていただき、おかげさまで一級建築士という立場で今は国会議員におります。そんな立場から、目に余ること、あるいは今起こっていることに率直に質問をさせていただきたい、このように思っています。

 木村盛好さん、はい、わかった。篠塚明さん、はい。あと二人は立礼をいただいたので確認できています。そして藤田東吾さん、それから渡辺貞雄政策部長さん、はい。ありがとうございます。

 まず冒頭ですけれども、国民みんなが今どんな思いでいるか。何でこんなことが起きるんだろうということですよ。何でこんなことが起きるんだろう。降ってわいたような話ですから。そして、私は、日々報道される様子、情報を聞かせていただきながら、随分この根は深いな、そんなふうに感じています。

 そして、きょう見せてもらってきました、午前中、船橋そして茅場町のホテルですね。問題が露見したものについて、パンフレットはこのように立派です。それから、少なくもその道で飯を食った私としましては、躯体もとてもよくできています、いわゆる見た目ですよ。ただ、この中に決められただけの鉄筋量がないのか、強度が一に対して〇・二六とか、どうにもならない、建っているだけがやっと。こんな建物だとは、だれもが想像でき得ませんよ。そして、このホテルなどはかわいそうに営業をやめた。こうした状況がリストに書き切れないほどある、全国。これはすべて皆さんのかかわりなんですよ。

 まず、私は木村さんに、具体的には、これにかかわる経緯、京王さんからどなたの紹介で、どういう経緯でこれを請け負うことになったのか、そして、あのでたらめな構造はだれの指図でやったのかというあたり、言えれば聞かせてもらいたいし、言わなければそのまま座っていていただいて結構。

木村参考人 初めてこういうところに立ちまして非常に上がっていますけれども、テレビでは何回も拝見したことがありますけれども、多々間違いがあるかもしれませんけれども、よろしくお願いします。

 その件につきましては、恐れ入りますが、東京支店長の篠塚の方にかわって答えていただきたいと思います。まことに勝手申し上げますけれども、よろしくお願いします。

篠塚参考人 京王プレッソインに関しましては、私どもはその以前に数棟建てさせていただきまして、設計施工になったのは今回初めてということで、経緯につきましては、以前からのおつき合いということで京王電鉄様より発注いただきました。

 構造に関しては、私どもの方から姉歯建築士の方に依頼しました。言われているように、改ざん、偽造等は全く指図した覚えはございませんし、通常の設計依頼という範囲で考えておりました。

吉田(六)委員 その件に関して、もう一つだけ。

 木村建設さん、十分な実績とそれから技術力とスタッフを抱えた会社ですよね。皆さんの現場で働く技術屋さん、あるいはそれを管理する現場責任者さん、これらから、どうもこの設計はおかしいというようなアピールはなかったですか。

篠塚参考人 十分なスタッフはそろっておりますけれども、構造に関しましては、やはり構造計算の担当、設計事務所の方に依頼をかけますので、それを信頼し、認可がおりたものと判断して施工をやっておりますものですから、現場サイドの私どもは、ふぐあいがあるということは考えてもおりませんでした。

吉田(六)委員 その程度の答弁を私は予測していました。鉄筋屋の坊やだって、これだけの規模の建物がこの鉄筋でいいんだろうか、はてなと思いますよ。簡単でしょう。建物の規模に対して、握り勘定だって、何分トンにしたらこれでトータル何百トンの鉄筋工事になるのか。下請を決めるときに当たり前の話じゃないですか、おやじさん、これ、半分もありませんよというアピールが。あるいは、言いつけるときにもはやそれがわからなければ、技術屋だなぞ言えませんよ。

 でも、そういう技術屋らをそれなりに木村さんのところではちゃんと抱えておられるんでしょう。でなければ、今の法律の中であなたの会社の規模の事業はできません。どうですか。

木村参考人 私たちの商売は、家をつくることですね。それは、私たちが一番大事にしている確認申請を申請しまして、これでオーケーだというお墨つきをもらって仕事をしているわけでございます。そしてまた、現場の方では、そのお墨つきの図面どおりできるかということをチェックしながら、基礎からずっと配筋検査を受けながらやっているわけでございます。

 今言われましたとおり、参考になるとはわからないと思いますけれども、現場は一級建築施工管理技士というのが管理しています。そこまで疑うこともなかったし、図面どおりやるというのが使命と思っていますから、ほかにもあるかもしれませんけれども……(吉田(六)委員「わかった、わかった。よし、わかった。座って」と呼ぶ)はい。

吉田(六)委員 私たちが一番大事なのは、家をつくることじゃないんですよ。家をつくることによって人の生命と財産を守るということですよ。そこに住む者の暮らしを守るということですよ。

 私は、今あなたの対応で一番気に入らぬのは、冒頭あいさつのときに、大変日本国じゅうに御心配かけて申しわけなかったという陳謝の言葉一つない。このことが、この人から物なぞ聞いたところでろくな返事は返ってこないな、そんな思いになりました。私の思いのたけですから、きちっとあなたにそのことを伝えておきます。

 これからまだぼろぼろと、その調子ですと欠陥建築物がこぼれ出してどうにもならなくなるような心配がしてなりません。善意には善意、物づくりには物づくりの魂と精神があるはずですよ。それをどこへやってしまったのかな、そんな思いがいたします。

 次に、シノケンの篠原さん、そしてヒューザーの小嶋さん、これ、私が二つ一緒に今お名前を呼んだのは、大小はともかくディベロッパーでしょう。皆さんは、建築士とか、あるいはアーキテクトと呼ばれるような資格の立場ですか。でなくて、そうしたものとは関係なく、ビジネスをよくする企業家なのか。そこのところを一つずつ聞かせてください。

篠原参考人 シノケンの篠原といいます。

 このたびは、私どもの販売に関しまして、物件に関しまして、多くの皆様方に御心配並びに御迷惑をおかけしたことを、この場をおかりしまして改めておわび申し上げます。

 ただいまの先生の御質問に対してお答えさせていただきたいと思います。

 私は、今から十五年前に会社を仲間四人と福岡でつくりまして、この東京の地に二〇〇一年に出てまいりました。その際、本当にお取引先の関係がまだまだ当時なかった関係から、当時おつき合いがあった木村さんにお願いをして、工事をさせていただいたという経緯がございます。

 したがいまして、私自身は本当に何も建設に関する資格等はございません。ですから、どちらかといえば、販売、経営の方の仕事を主にさせていただいておるというふうに認識しております。

 以上です。

小嶋参考人 株式会社ヒューザーの社長の小嶋進でございます。

 まず初めに、このような形で、私どもが販売いたしましたマンションによりまして、御入居いただいているお客様あるいはその近隣の皆様方に関しまして、生命の危機にさらされるというとんでもない事態を結果的に私どもが引き起こしたことに関しまして、おわびのしようもなく、まことに申しわけございません。まず最初に謝らせていただきます。本当に申しわけございません。

 私どもの立場は、設計を外注し、そして確認をいただき、そして施工を発注するというディベロッパーでございまして、建築士等の資格者は五、六名おりますけれども、基本的には自社でできないというレベルでございますので、お金を払って外注しているという立場でございます。

 以上でございます。

吉田(六)委員 よくわかりました。実際にディベロッパーという立場、役割、これは、一切の計画から実施まで、そして販売まですべてをやるということなんですよ。この責任の大きさを私は感じてもらいたい。

 それで、このペーパーにもありますとおり、イーホームズという、藤田さんのところで確認申請をされて、すべてそのグループで始末がされている。今、国民の一番関心事は、なぜにこんなことが起きたんだろうと。

 ディベロッパーが、こうした構造を弱めてまでも、建築だからおわかりでしょう、安くしろと言われたとき一番最初に何をしますか。化粧、意匠から、あるいはアプローチのホワイエのタイルをやめて塗り物にさせてもらおうか、こんなこと。あるいはサッシだとかガラスだとか衛生陶具だとか、あるいは水洗の金具だとか、いろいろなものにチェックをしながら、少しでも、一円でも、一銭でも安くならないか。あとは企業努力という名のもとに随分といろいろな努力をされるわけですよ。そのタクト振りでしょう。これが、絶対にやってはならないスケルトンにまで手をつける、構造にまで手をつける。このことは私は許しがたいんですよ。

 ディベロッパーという組織、ここに姉歯設計が全部介在しているわけですね。それで構造計算の改ざん。

 私の推測で悪いですけれども、まずこの計画をしたときに、土地は幾ら、建物は幾ら、近隣対策は幾ら、諸経費は幾ら、何は幾ら、何は幾ら、ここから幾ら抜こうかという、まずその銭勘定が先だったのではないかと思うんですよ。そして、それで押し込んでいくから、やってはならない構造にまで手をつけなければならなかったということが透けて見えるんだ、このプロジェクトから。

 そして、とうとうイーホームズ、国から認可された確認申請を行う大事な機関でしょう。そして、これは、阪神大震災のときに、余りにも確認申請その他の煩多、そうしたことから、今小泉総理の言われる、民でできるものは民にという先取りですよ。私は、このことによってそうしたシステムがまたもとへ戻るようなことがあってはならないと。これから制度の中身についての点検もやっていこうと思っていますけれども。

 私がじかに小嶋社長に聞きたいのは、なぜにこのことが起きるんですか、どなたがこのリードをしたんですか、これについて短く明確に返事をしてください。

小嶋参考人 まず、今の先生の御意見に関しまして、御意見としては承っておきますけれども、どうしても理解のできないところが一つございます。

 私どもディベロッパーがとうとうスケルトンまで手をつけて、要はコストダウンを図ったというか、そういった御指摘のようでございますが、これに関しましては、私どもは、数社に見積もりを出して、その中で御指名しているだけでございまして、設備が幾ら、意匠が幾ら、スケルトンが幾らなどということは考えたこともございません。まず一つ、これだけは申し上げておきます。

 それから、今回のあらまし、なぜこのようなことが起こったかということに関しまして、私なりに皆様方に一つだけ御説明申し上げておきたいことがございます。

 それは、正常な考えじゃない方の、間違ったあるいは偽造の正しくない計算書がつくられたということがまず原因の一つ。正常じゃない方の計算書でございます。それから、これを取り巻く設計事務所あるいは都道府県の各特定行政庁の主事を初めとしまして、イーホームズあるいはその他の民間の確認検査機関も含めまして、これを知らずして許可を出してしまった。そして、まさかにこの確認済証というだれもが疑ったことのない神聖なる公文書に対しまして、私どもは全くこれを疑うということもなく着工しただけでございます。

 ですから、一人の、言うならば正常じゃない方のものを周りで、当然、私どもはそれをどんなに、例えばコストダウン努力、圧力あるいは経済設計ということで各設計の先生方にお願いしたとしましても、それらは、とりもなおさず建築確認というきっちりと安全性を絶対的に担保している公的な確認通知書によって、私どもは働いてきて、適法に確認を得、適法に検査済みを得、適法に中間検査を得て、適法に販売したものでございます。

 以上でございます。

吉田(六)委員 今、具体的には名前を出さずに、ある一人のという言い方をしましたけれども、設計事務所のあるいは構造屋さんのそうした業務をやる立場、一級建築士なんですよ。日本の耐震構造、これと、歴史的に大変な地震列島の中で多くの被害、死傷者、負傷者を出して、その中で構築されてきた世界にも冠たる耐震構造なんですよ。これをよくする者が構造事務所の所長です、構造事務所のスタッフです。この人たちが不心得でやるなぞ、全国に三十万といる一級建築士のメンツにかけても、そんなことを軽々に了承することはできませんし、何か特別な、外的なパワーなり条件なりあって、もしやったとしたならば、それをやらなければならなかった、このように思うんです。

 と同時に、何度もこのリストを出しますけれども、だれが見たってディベロッパーでしょう、総責任者ですよ。ディベロッパーの主が自分でやることですから、そしてそこには利益追求ということも大きくかかわるわけですよ。

 こうした中で、ある者、あたかもこれが、構造計算の責任を持った一級建築士事務所というような言い方をされますけれども、このことについて、イーホームズの藤田さん、おたくが受けたんですよね、確認申請を。そして、資料、入力そして出力、これらを正確に確認されたわけでしょう。それが、どうしようもない、四分の一以下の強度しかなかったというんですから、これについて御説明ください。

藤田参考人 イーホームズの藤田東吾といいます。会社の代表をしております。

 まず冒頭に、今回、私どもは、第一通報者としてこの事件を公表いたしました。現在、危険な建築物に住んでいる住民の方、またホテルの利用者の方の不安や御心痛を思うと、本当につらく、苦しいところであります。遺憾の念を感じざるを得ません。また、確認検査業務に携わる一員として、非常に無念な思いでございます。これは、日本の建築行政、特定行政庁の皆様、また指定確認検査員で働いている皆が思っておることであります。

 私どもが行っている確認検査業務は適法なものであると信じております。また、きょう御質問があれば、その点について御答弁させていただきたいと思います。

 国交省の発表から、マスコミ報道等でかなりバイアスのかかった報道がされてきたと思っております。建築基準法における問題点が例外規定の中で話が進められ、我々は原則規定の中で確認を行ってきておったわけですけれども、このような事態になっているというふうに思います。

 そもそも、建築基準法第一条において、この基準は、国民の命、財産、そして健康の保護を図ることをもって公共の福祉に資する、これが建築に携わる者の倫理規定なのです。(吉田(六)委員「そんなものを聞こうと思っていないんだよ。おれが聞いたことに答えろよ」と呼ぶ)はい。

 私どもが行う仕事は、建築基準法第六条に定められておりますとおり、建築主が建築計画における建築基準の適合性を持ったものとしての建築確認申請書の確認をするものであります。六条、法律においては、二十一日の間でそれを確認しなければいけないということになっております。

 私どもの確認検査本部に、確認検査に携わる者は、確認検査補助員が約八十九名、まあ九十名、確認検査員が三十名、百二十名の体制でやっております。この三十名の確認検査員のほとんどが建築行政の出身であります。建築行政において、課長、係長、部長クラスで、優秀な建築確認を実際に長年にわたって行ってきた方たちであります。また、民間出身の方は、それなりの建築施工会社、ハウスメーカー、また設計事務所等でやってきております。(発言する者あり)

林委員長 参考人は端的にお答えください。

藤田参考人 わかりました。

 見逃したということは、結果的に見逃してしまったと言われる点については大変申しわけありません。(発言する者あり)

 確認検査業務においては、二十一日以内に適合であるものは確認しなければいけないというそもそも法律があるわけです。その二十一日の中で確認をしなければいけない建築要件というのは、さまざま多岐にわたるものであります。

 そして今回、構造計算図書の偽造というものの一々一々を明記、計算するようにという明文化の規定がないわけであります。(発言する者あり)いや、当社は適法に業務を行っておると信じております。また、今回の偽造を見抜けなかったのは、当社だけではなく、多くの行政、またほかの民間機関でも同じであります。

 吉田先生が初めに皆様に言った、ほかの方に言ったように、グループという言葉をおっしゃいましたけれども、それは断じて違います。私は、イーホームズは、この大臣指定の機関で唯一の独立系の機関であります。他機関の約半分は財団法人、その他の機関は資本系列にのっとってやっておる会社であります。当社だからこそ、この事件を公表できたんです。公表の圧力があったにもかかわらず……(発言する者あり)当たり前のことです。私どもは、みなし公務員として、不法行為を、私どもは建築基準法上みなし公務員なんです。(発言する者あり)

林委員長 質問に答えてください。

藤田参考人 はい。

 公表を差し控えるように初めの圧力という点では、こちらに座っていらっしゃる小嶋社長の方から、十月二十七日においてありました。

 他機関やほかの行政でもずっと見抜けなかった、当機関だけの問題ではない、だから国交省に届けを行ったわけであります。

 その前々日の十月二十五日にヒューザーの常務、設計担当の常務、あと、スペースワンの方二人、社長さんと取締役の方、それと姉歯さんが見えて、私は同席しませんでしたけれども、その場で偽造の事実を認識させたのです。

 当社の内部監査においては、十月二十日において会社内部では認識しました。

 一回下がるのですか。

林委員長 藤田参考人、お引き取りください。

藤田参考人 わかりました。

吉田(六)委員 大変な今の話なんですけれども、圧力、そしてそれは、姉歯そして小嶋、お二人で会社へ来られて圧力をかけたということですか。答弁。

林委員長 答弁席で、藤田参考人。

藤田参考人 圧力が行われたのは、十月二十七日に、私どもの会社から三名、私を含め三名が、ヒューザー本社、東京の駅前にございます、あのパシフィックのビルの三十一、そちらの方に出向きまして、意匠にかかわった設計事務所の四名の社長の方、それと姉歯さん、それとヒューザー側で小嶋社長ほか二名の方、三名の方、計十一名の方で、この偽造の件について対策、そして、いかにして公表するかという……(吉田(六)委員「対策をした」と呼ぶ)対策をするためですね、対策をする。

 対策というのは、どのような形で対策をする、つまり、こういう違法建築物、御存じだと思いますけれども、違法建築物においては、私どもではなくて、特定行政庁の方において行政指導等の指導がされるわけであります。また、住民の安全確保のためにも、そのような勧告、退去命令等も行政の方でできるわけであります。ですから、できるだけ早急に公表しようと。

 また、私ども以外の他機関やほかの行政でもおろしてきたというのであれば、それを速急に調べて公表しなければ、今現実にどれだけの方が危険な建築物に住んでいるのかわからないわけです。そこが一番大事なことだと思いました。

吉田(六)委員 十月二十七日、まずやぶの中の話と私は受けとめます。もはやこの時点がどういう時点なのかという日にちを繰ってみてもらいたいと思うんです。ですから、これはこの席でなくて、あるとき必ず、どうしてそういう会議をしなければならなくなるところまで立ち至ったのかというようなことも含めて明々となされるはずでありますから。

 ただ私は、イーホームズの責任、あなたのところから確認という判こがついた書類が出たから工事が始まったんですよ。こうしたことに対して、全国、あなたの会社には大変大勢の方が行政をスピンアウトして、新しいそういうシステムに建築の知識と技術を生かしていこうというて希望を持って出られた方、たくさんいると思うんですよ。こういうものに巻き込まれなければならない、あるいはこれに大きく関与しているというようなことがあっては、これからの制度再点検の中で今の言葉は大きな意味を持つものだろう、そのように思っています。

 時間が迫っていますから、いま一度小嶋さんに伺いますけれども、新聞報道によりますと、一〇六%で買い戻す、それが、寝て起きると今度は一〇三%、そして引っ越し費用は持てない、あるいはまた話の中で三方一両損にしてくれ、こんな話も漏れ伺っています。

 これだけのビッグプロジェクトとそれから社会に対する責任ある立場の者が、猫の目どころか、寝て起きるごとに物が変わる、言うことが変わる。そして新聞で随分と話題にされていましたけれども、住宅ローンを難儀してこれからどう自分たちの生活をつくっていこうかという人たちと重畳的な責任分担をする、いわゆる連帯保証をしよう、連帯責任だというようなことも、余りにも、いきさつはともかく、行われたことに対する責任者としてはお考えが少し、責任という部分での裏づけが足りないのではないかな、こんなふうに思いますけれども、短い答弁をください。

小嶋参考人 ただいまの先生の御質問に関しましては、私も本当に心から反省するところがございます。

 基本的に、国交省の二十五日には退去命令を出すという方針を受けまして、私が全責任をとるのは当然でございまして、これは、例えば無過失であっても一〇〇%の瑕疵担保責任を負っている売り主の身分でございます。

 考え方といたしましては、引き渡しして終わったのではなくて、そこから十年間、何か瑕疵があれば契約を結んだところまで戻って、これを解約を受けるかあるいは買い戻しをするのか、もし軽微なものであれば補修とか修補で済まされるものもあるかもしれませんが、今回のものは補修等では対応できるレベルではございません。

 そういった意味で、二十五日に、とにかく私が一人で法律行為としてできます中で、お客様方にとりまして最もお立場を守るという意味で、私どもにとにかくすべての責任が及ぶような形で、買い戻し契約をさせていただくような形で発表させていただきました。

 詳しくは、また後でお時間のあるときにと思います。

吉田(六)委員 時間でありますので、言葉を残して終わりますけれども、また機会を得てと思っております。

 大変ありがとうございました。

林委員長 長妻昭君。

長妻委員 民主党の長妻昭でございます。

 まず、本委員会で姉歯建築士、姉歯さんをお呼びしておりましたけれども、先週の金曜日の午後の時点では出席をされるということで、我々も真相解明、きちっとできるのではないのかということで期待をしていたわけでございますが、昨日の夜の十八時十五分ごろ、電話によって、衆議院の事務局とのやりとりで、森田さん自殺報道の件から怖くて外出できない状態だ、このような状態ではお答えできない、精神的に落ちついたら日を改めて出頭します、こういうようなお話がございました。

 私どもも全力でお呼びを引き続きしたいというふうに考えておりますので、委員長の方もお取り計らいをいただきたいと思います。

林委員長 理事会で協議します。

長妻委員 そして、今回の件でございますが、私もおとつい、問題になったマンション、お話を聞きにお邪魔をいたしました。九階でございまして、その方はサラリーマンの方で、お子さんが小さい。五千万円かけて、当然ローンで購入されたということでございまして、そこのマンションに住んでおられる方は夜も眠れない方もおられます。せっかく人生最大の買い物をしたのに、それがめちゃくちゃにされた。怒りと、そして逆に、地震になったらどうなんだ、恐怖で寝られない日々を過ごしておられる方もたくさんいらっしゃいます。

 そして、きょう午前中、視察に行ってまいりましたけれども、こういうマンション、デラックスなカタログがございますが、まだ建設の途中でございますけれども、今でもばかでかい看板がありまして、百平米超、四千二百六十万円より、販売の看板がまだ掲げてある。どういう神経しているんだ。

 このカタログを見ますと、「建物の耐久性にも優れ、親から子へ。そして、子から孫へとマンションを継承することができます。」これは信じますよ、みんな。ディベロッパーを信じて買ったんですよ。それが、今聞いておりますと、責任は自分にない、あなたが悪い、彼が悪い、そういう議論ばかりが先行しているように私は感じて、日本人として情けないという気持ちがございます。

 ここでお一人ずつ、改めて御自身に、人のことは後から聞きます、御自身に責任があるのかないのか、あるとすればどんな責任なのか、簡潔に、木村社長からお一人ずつお答えください。

木村参考人 先ほどはどうも失礼いたしました。

 法律的に責任があるかどうかということでございますが、まだお国の方でどういうふうに定めるかわかりませんので、判断つかぬでおります。どうぞお許しくださいませ。

篠原参考人 篠原です。私自身の責任について述べさせていただきたいと思います。

 私自身のかかわりました都内の五棟のマンションにて、そのような偽造のあったマンションを結果的につくってしまったということに関しましては、本当に大きな責任を感じております。したがいまして、私自身、その責任というか、そういうことを見抜けなかったかと言われますと、事業者として、そういうものが建ってしまった以上は、そういうチャンスは一つ二つ、一回二回は当然あったと思います。ただ、それを見逃してしまったということに関しましては、本当に深く反省しております。

 したがいまして、私自身は、本件に関しましては、誠心誠意を持って、関係の御迷惑になった方々に関しましては、できる範囲で補償の方をやらせていただき、代金返還というところをもって誠意を努めてまいりたいというふうに考えております。

小嶋参考人 小嶋でございます。

 ただいまの先生の御意見に関しましては、まず、私どもは、全く違法性がないという立場ではありましても、すべての責任を負っております。瑕疵担保責任という、十年間にも及ぶ超長期にまたがって、すべてこのプロジェクトに対して責任を負っている立場でございます。そういった意味では、今後の対処方法も含めましてすべて私の責任で解決していきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。

 まことに申しわけございません。

藤田参考人 私は、確認検査業務を行う、建築行政に携わる一員として、このような偽造事件が、当機関だけではなく、行政、他機関でも発覚してしまったという点において、道義的に申しわけありませんと思います。申しわけありませんでした。

 本当に申しわけないと思うのは、現在そのような危険な建築物に住んでいらっしゃる住民の方だと思います。その方たちに改めて深くおわび申し上げます。申しわけありませんでした。

渡辺参考人 平塚市都市政策部長、渡辺でございます。

 ただいまの御質問に対しまして、私の方から一言おわびを申し上げたいと思います。

 行政というのは、当然市民の皆さん方の生命財産を守るということを第一に守っております。この特定行政庁としての建築確認許可を与えたこと、また不正が見抜けなかったことに対しまして、私ども職員、一生懸命やっているんですが、その中での確認ができなかったことは非常に残念でありますし、見落としたことに対しまして深く市民の皆さんにもおわびを申し上げ、同様の方々にも、不安と不信を与えたことに対しまして、本当に深くおわびを申し上げたいというふうに考えております。

 ありがとうございました。

長妻委員 今国民の皆様の多くの不安というのは、これは氷山の一角なのではないのかと、今回の件が。ですから、そういう意味でも真相を本当に明らかにしていただきたい、勇気を持って本当のことをお話しいただきたい、そして、住民、そして周辺にお住まいの方、居住者、しっかりと補償していただきたいというのが皆さんの願いだと思うんです。

 具体的に聞いてまいります。

 東京支店長、木村建設の方にお伺いしますが、姉歯さんに対して、一平方メートル当たりの鉄筋をあと二十キロぐらい減らしてください、こういうふうに指示されたことはありますか。

篠塚参考人 そのようなことは言っておりません。

長妻委員 これは、姉歯事務所に対しても、鉄筋を減らせというようなたぐいの話というのは、あるいは設計事務所に対しても言われておられませんか。

篠塚参考人 そのようなことを言ったかもしれませんけれども、しかし、当然、法令遵守の中の、範囲内で減らせということ、ということで認識しております。

長妻委員 何キロというような、このぐらい、何キログラム減らしてくれというお話もございましたか。

篠塚参考人 具体的な数字はなかったと思います。

長妻委員 例えば、姉歯事務所や設計事務所等に、建築費を坪単価四十万円以下にしろとか何十万円ぐらいでおさめろとか、そんな話はされましたか。

篠塚参考人 設計の段階では坪単価というのは私たちも余り判断しておりませんので、その辺は言ったことはありません。

長妻委員 今お話ございましたけれども、結局、建築主から、当然、コストダウンの圧力というのはしょっちゅうかかると。それは、合法的な範囲内で安く上げてくれ、こういうことは私もあると思います。ただ、それがお互い暗黙の中で、非合法も含めてそういう要請があったとすれば、これは問題だと思いますけれども。

 社長、鉄筋を減らせ、こういうようなことというのはよく言われることなんですか。

木村参考人 そういうことは全くありません。

 また、たびたび皆さん方に失礼なことばかりいたしまして申しわけありませんが、どうぞお許しくださいと思います。どうもどうも済みませんでした。

長妻委員 私も、木村社長の御自身のことを書いた本を読ませていただきました。「木村イズム「現場力」で勝つ!」こういう本でございます。これは二〇〇五年の八月に出版をされておる本でございまして、当然これは御存じだと思いますけれども、木村社長のことを書いた本でございます。

 この本は御存じでございますか。

木村参考人 その本は知っています。

長妻委員 これは木村社長御本人が書かれたのではなくて、ある方が木村社長の会社のことをずっと書いている本でございます。

 その中で木村社長へのインタビューがございますが、百七ページを見ますと、「土木、建築の分野を網羅的に見てきた木村は、計算すればどこでどれだけのコスト削減が可能か、図面の中から拾い出し、鉄筋の数を洗い出して指示する。」これは木村さんの発言のように書いてありますけれども、「「鉄筋屋さんにこうしろと数字を示すと一割は確実に削減できる。一〇〇〇トンで一〇〇トン分が浮く仕事です。一億円なら一〇〇〇万円くらいが節約できる」 理屈がわかっていて、なおかつコスト圧縮に積極的だから可能なことである。」ということで、これは褒めた形で書いてあるんですが、先ほど全くそういうことはありませんと言われましたけれども、これが重要な仕事だと言われているんじゃないんですか。

木村参考人 その本に書いてあることは、私が四十年前、現場を指揮したとき、私が残業して、鉄筋の図面に基づいて、鉄筋の量を、自分で加工図まで書いて、努力をしたらそうなるということを、四十年前に経験したことを、それを本に書いているわけでございます。今現在はそういうことは全くやっていません。

長妻委員 一割自動的に削れるような、そういう記述でしたので私は申し上げたんですが、それもこの本は、出版はことしの八月でございますので、本当に社長、これは正直に、現場の方からいろいろ報告も上がってくると思いますが、鉄筋の数、これは施工しているときに少な過ぎるんじゃないのか、こういうことは本当に全くつゆ知らなかったんですか、本当に。

木村参考人 今現在は全く現場のことは関知していませんので、そういう鉄筋のことは全くわかりません。

長妻委員 ヒューザーさんのホームページでは、姉歯という設計事務所は木村建設から紹介されたということで、下河辺建築設計事務所、森田設計、スペースワン、エスエスエー建築等に姉歯さんを木村建設が紹介したと言っているんですが、これは事実でございますか。

木村参考人 そのことに関しましては、全く私、知りません。

長妻委員 支店長はどうですか。

篠塚参考人 積極的には紹介しておりませんけれども、問い合わせ等はあったかと思います。

長妻委員 これは、そこで鉄筋の話というのが具体的に出て、仕事を次、外す。例えば広島市の設計会社が、これは構造計算するところですけれども、コストが高いから姉歯にかえた、こういうようなことはありますか。

篠塚参考人 私の方から言ったことはありません。

長妻委員 鉄筋を減らせというのが、姉歯さんの話によると圧力がかかっているというような話もございますので、これが恒常的に行われ、いろいろな多くのほかの分野でも同じようなことがあるのかどうか、これはきちっと解明しなきゃいけないと思っておりますが、社長、みずからこの中で言われているので、本当にもっと正直にお話をいただきたいと思うんです。

 ヒューザーにお尋ねをいたしますけれども、まだ公表していない分のマンションで、小嶋社長、あと何件ぐらい、可能性として問題物件というのは出るというような観測なんですか。

小嶋参考人 昨日、住民からの要求によりまして、入居者の方々から私どものマンションはどうなっているのかということで、一応いろいろ、私どもの方も構造事務所にいろいろ相談申し上げておりまして、きのう、新たに二件、やはり適合していない、構造的には必要な耐力を有していないという報告が二件参りました。

 そのほかに、この姉歯絡みのものがあと十二件、基本的にはありますので、そのすべてになるのか、あるいはその中で問題ないものがあるのか、調査中でございます。

長妻委員 やはり住民の方の関心事は補償の件でございまして、そういう意味では、ヒューザーさんが一〇六%で買い戻すという話がありましたが、これは条文を読むと、債務というのが仮にヒューザーが払えなくなった場合は住民が払わなきゃいけないということで、買い戻しとはちょっと表現がほど遠いことでございますが、しかし、それにしても、資金的なめどが本当に立っているのかどうか。そして、昨日夜の社長の説明では、やはり一〇三%にしよう、こんなような話も出たというふうに聞いておりますけれども、これは大丈夫なんですか。

小嶋参考人 小嶋でございます。

 一〇六%の買い戻し金額は同じでございますが、当初、六%で、迷惑料その他で引っ越し代とかに充てていただきたいと思っておったんですが、きのうの時点で、特定行政庁の建築主事からいただいたものも、やはり同じように偽造絡みのもので二棟建っておった、そういう事態を踏まえまして、これは、私どもが、今七棟入居しているものに加えまして、これから十数棟出てくるかもしれないという、それに対しまして、六%ずつ契約金等でお支払いすると足りなくなるおそれがないわけでもないということで、とりあえず半分の三%にしていただきました。

長妻委員 これはきちっと、住民の方にもこういうふうに十一月二十六日付の文書で、一〇六%というふうに書いて、契約もしましょうというふうに書いているのが、それが今は一〇三%、そしてこの前も、ころころ、結構社長の発言が変わっているというふうに私印象を受けますので、きちっとした、きちっとした最終的な、社長が本当に実現可能でできるような案をぜひ早急にお示しいただきたいということをお願いします。

 もう一つは、伊藤公介元国土庁長官と一緒に国土交通省建築指導課長に会ったということでございますが、これは、社長お一人で行かれなくて、何で伊藤代議士に頼んだのでございますか。

小嶋参考人 伊藤先生の御記憶違いか、報道の間違いかはわかりませんけれども、私は、行政の課長様にお会いするのに、何も代議士の先生にお願いしなければ会えないなどと思っておりませんで、全くお願いしたことはございません。

 ただ、このように、大変私どもの手だけでは解決できない問題が発生した時点で、どのような対処方法があり得るのか、一応相談を申し上げたことはございます。しかしながら、報道されておりますように、私の方から、小川課長さんにお会いさせていただいてほしいと頼んでお会いしたことはございません。

 ただ、何か、どこか何かのディベロッパーかどうかわかりませんが、小嶋社長のこの前困っていたこともこんなのと同じと言うから、ああ、そのとおりでございますと言ったら、それじゃ、今から建設省の方に行くんだけれども、時間があるのなら来れると言うから、それで、はい、それじゃ私も参りますということで同席させていただいたわけでございまして、私からこのように伊藤先生にお願いをいわゆる申し上げるということではございません。

 それで、私がそのときに、小川課長さん方に、国交省の方々にお願いしたことは、とにかく国の責任と権限で何としてもこれを対処していただきたいと。一民間企業ではいきなりこんなことを、三、四年前からさかのぼって全部ひっくり返されて、百何十億みたいな解約にもし応ずるとすると、そんなつぶれるかもしれない危険家屋に、どんな銀行だって金を出してくれるはずもございませんし、何とか国の責任と権限で対処していただきたいということをお願いしたわけでございます。

長妻委員 小嶋社長、そのときに、公表をするのは慎重の上にも慎重にやってほしいというような話もされたわけですか。

小嶋参考人 それは当然お願いいたしました。

 まずは、この改ざん、偽造がどの程度のひどいものなのか、私ども口頭でしかまだいただいておりませんでした。ですから、どの程度、八割方、九割方はあるのか、それとも半分もないのか。危険度は大したことないのか、それとも相当危険なものなのか。あるいは、耐震補強、免震あるいは制震、いずれによっても、補修あるいはそういった補強、できないのか、建てかえなけりゃならないのか。何にもわからない段階でお客様方に公表されて、そしてこれは、お客様方から私どもの方に、どのように対処するんですかと問われたときに、全く答えようがありません。

 そういうところで、万が一にも軽々に、人様の財産になってしまったものを、私どもの手に負えないところに行ってしまっている物件を、これはだめだ、これはだめだとかというふうに公表されましても困るということは申し上げました。

長妻委員 これは設計部門等に、鉄筋の数等も含めた、姉歯さんの設計事務所あるいはほかの設計事務所にコストダウンの圧力というのは、社長の方から何かありましたか。

小嶋参考人 まず、コストダウンということに関してですけれども、基本的にコストダウンの努力と経済設計は正しいことであって、それらをどのように追求しても、法的担保として確認済みという合格ラインがきっちり機能していれば何の問題もないことでございます。

 ですから、反対に私が、御質問できないということではございますけれども、そのような圧力をかけたことはもちろん毛頭ございませんが、いいですか、それでは、コストダウン、そして経済設計が悪いということであれば、不経済設計をしろ、コストアップをしろということが正しいんですか。

長妻委員 私はそんなこと聞いておりません。聴聞会で姉歯さんが、圧力がかかったと。それは違法な圧力なんですよ、姉歯さんの発言では。だから私は聞いているわけです。

 それで、シノケンさんにも聞きますけれども、このイーホームズというのは、これは通しやすいところということが何かあったんですか、うわさは。

篠原参考人 私どもはディベロッパーでして、本件の改ざん事件に関しましては、設計部分と施工の部分を木村建設さんにお願いしておりまして、木村さんの方からイーホームズさんを指名されて出されておったという経緯の関係上、イーホームズさんのことはよく存じていなかったです。

長妻委員 そして、先ほどちょっと看過できない御発言がイーホームズの方からあったんですが、その公表するなとの圧力が十月二十七日にかかったというお話、ヒューザーの小嶋社長からというお話ありましたけれども、具体的にどんな言葉があったんですか。

藤田参考人 まず冒頭で、先ほども言ったように、他の機関や行政で見抜けなかったものを公表して、その正義を貫いて何の意味があるんだ、もしそれでも公表するのであれば、徹底的にたたくというふうに言われました。(長妻委員「だれに」と呼ぶ)小嶋社長に言われました、ヒューザーの本社にて。(発言する者あり)まあ、はい、そのように言われました。(長妻委員「あとは」と呼ぶ)報道されている内容で、私の方でメールを打った文があったので、そこに書いてあるんですけれども……(長妻委員「これは社長自身が聞いたわけですか」と呼ぶ)私が直接聞きました。

 私の方は公表もするべきだということを言ったところ、公表して何の意味があるんだと。まあ、そうですね、私は百二十億の売り上げで二十億の利益がある、どんな弁護士を使ってでもたたく、徹底的に、イーホームズだけが見抜けなかった、ほかの行政や他機関でも同じだったにもかかわらず、イーホームズだけが見抜けなかったと言ってたたくというふうに言われたんです。

長妻委員 小嶋社長、いかがですか。

小嶋参考人 ただいまの藤田社長の話と、相当程度ニュアンスの違うところがございます。

 私の方は、公表するなと申したのではございません。公表するまでに相当程度お調べする時間が必要であるということをまず申し上げました。

 それから、たたくという言葉は全く違いまして、追及させていただく、なぜこのように、三年も四年も前からでたらめな確認業務を行っておきながら、多大な迷惑になる今回この事態を引き起こしたその責任、おわびの一言もないままに、口頭で、入居しているお客様のものまであるらしいということで公表すると言われましても、それは私どもにとりましては対応のしようがございません、とりあえず。そういった意味で、基本的にはそのような無責任なことをいきなりやってもらっては困るという意味で申し上げました。これは、イーホームズだけをたたくというのではなくて、そのようなあってはならない確認検査業務が行われたとしたならば徹底的にそれは追及させていただきますということを申し上げました。

長妻委員 ぜひ、皆様におかれましては、この入居者あるいは周辺住民の方が大変夜も眠れないということで心配でございますので、誠意を持って補償をしていただきたい。そして、我々政治の役割としても、これは氷山の一角ではないかということがございますので、今後も追及をして、そして、全国、御心配のところを、本当にサンプル調査でもして、本当にこれが氷山の一角なのかどうか、事実を解明して皆さんに安心をいただくということが我々の役割であるということも心得ておりますので、ぜひ事実解明に今後御協力をいただきたい、そして補償もきちっとやっていただきたいということもお願いします。

 以上です。

林委員長 馬淵澄夫君。

馬淵委員 民主党の馬淵澄夫でございます。

 きょうは、大変社会的な問題となっておりますこの構造強度の偽装問題、参考人の皆さんにお出ましをいただいて、国会で事実を明らかにしていただく。ぜひ、きょう皆様方には、誠意を持って端的に事実をお述べいただきたいというふうに思っております。

 また、報道の中では、再三の責任のなすり合いのようなことが繰り返されております。私は、今回の問題については、二点大きなポイントがあると思っております。

 一つは、このような構造強度の偽装問題がこうして行政も含めたさまざまなところで発覚をしているこの状況の中では、今、今日ある建築基準法における検査の仕組みそのもの、制度そのものに、極めて重要な問題がそこに潜んでいるのではないかという一点。さらには、不幸にして今回の倒壊のおそれのあるマンションにお住まいの住民の方々、こうした方々に我々国がどういう形で関与し、セーフティーネットを張っていかねばならないか。この二つの課題がございます。

 この課題を整理するためには、まず事実を明らかにしていかねばなりません。皆さんがそれぞれのお立場で報道各社で話されてきたことは存じ上げております。しかし、きょうは、ぜひとも事実を明らかにするという観点でお答えをいただきたいというふうに思っております。

 その意味で、私は、本日は、まず最初にこの問題を公開されたといいますか、通報された、第一発見者という形でこの問題をお話しされましたイーホームズの藤田社長を中心に、事実関係の確認をさせていただきたいというふうに思います。

 まず最初に、建築確認検査という業務を民間の検査機関として行ってこられた、そのイーホームズさんが、構造計算書が偽造されたものであるということを最初に発見したのはいつのことでしょうか。お答えください、藤田社長。

藤田参考人 社内の内部監査において発見した、認識したという前提の上で、私に報告が上がったのが十月二十日です。そういう意味では、会社としては十月二十日に認識をしたということです。

馬淵委員 社内の内部監査によって十月二十日にそれを見つけられたということでありますが、この内部監査というのは日常されていることですか、藤田社長。

藤田参考人 内部監査というのは、会社の経営方針が各セクションにおいて方針どおり執行されているかを内部的に監査するという仕組みでございます。これについては、ことしの四月から定期的にやってまいりました。意匠部門、構造部門、設備部門等の審査部門のほかにも、経理部門、また業務管理部門等のチェックをするということでございます。

馬淵委員 定期的に四月からやっておられるという中で、今回、構造の偽装問題というものがどういう形で発見されたんでしょうか。そこについてもう少し詳しくお聞かせください。

藤田参考人 内部監査を行う場合は、対象とする問題、例えば意匠の問題、構造の問題、今回は構造の問題だったわけですけれども、幾つかの構造審査をやっておる物件についてサンプリングをします。今回は五件をサンプリングしたわけです。

 では、このサンプリングがどのように行われたかというのは、内部監査の、内部監査室の方で判断しております。具体的に言いますと、無作為に抽出する場合もございますし、情報が外から入ってくる場合がございます。

 本件偽造が発覚した情報のソースという点では、外部からの情報提供があったということを後日聞いております。

馬淵委員 今のお答えは、無作為のサンプリングではなく、外部からの情報によってその五件を抽出してチェックを行われたということでしょうか。そして、それはどういう外部からの情報だったんですか。お答えいただけますか。

藤田参考人 偽造の物件については、ヒューザーさんの北千住の物件が一件、サンプリングをしました。ほかの四件についてのサンプリングのルートについては、特にまだ聞いておりません。

 このヒューザーさんの北千住の物件については、ある構造設計の方がいまして、守秘義務がございます、個人情報保護法に基づきますので個人の方のお名前は出せませんけれども、ある構造設計の方が、今から約一年ほど前に、ほかの審査を行うある会社において、姉歯さんが行った物件で偽造を認識していた、その件については一年前に隠ぺいされたということだったと聞いております。近ごろイーホームズさんの方でも姉歯さんの物件を数物件、審査をおろしておるようなので気をつけられたし、そのような情報提供があったというふうに聞いております。

 そういう情報提供があった上で、当社の内部監査室の方で具体的にその一件をサンプリングし、構造の担当と内容をチェックしていった過程で発見した、そういうふうに聞いております。

馬淵委員 今、五件のうち一件が外部情報によるものだ、それは、お名前はおっしゃっていただけませんでしたが、設計会社あるいはその情報を持っている方々が一年前にある検査機関で偽造を見た、そしてそれを隠ぺいした、それが姉歯さんなので気をつけられたし、こういう情報が来たというお話と承りましたが、つまり、一年前に既にこういった状況が業界の中では散見されていた、こういうことでしょうか。お答えください。

藤田参考人 私が知る限りにおいて、このような状況、事態が散見されるということは決してありません。建築業界に携わるほとんどの者が善良な技術者であります。このようなことが行われるのは心の犯罪だと思っております。

 制度上の問題、制度上の不備があるという点については本省及び立法府のもとで議論されることでありますので、私は建築に携わる者として、大きな仕事なんです、一つ一つの仕事が。そのためには、信頼関係を前提にしなければできません。信頼関係が、資格制度であったり、人間と人間との……(馬淵委員「まだです。認識については結構ですから」と呼ぶ)はい、済みません。

馬淵委員 一年ほど前に隠ぺいしたという、その検査機関というのはどちらなんですか。お答えいただけますか。

藤田参考人 私自身がその情報を確認したわけではないです、聞いた話です。本人が後日来たんです。今から約一週間ほど前に来まして、実は、社長さんは知っていたんですか、この情報は、ということで聞きました。

 その機関の名前は、民間の最大手の機関でありますが、名前を言うことがその会社の不名誉になるかどうかわかりませんけれども、日本ERIという会社です。日本ERIさんの方は、本日の時点で十六件の偽造があったという公表をされております。

 この偽造が簡単に見抜けると皆さん……(馬淵委員「いいです、わかりました」と呼ぶ)よろしいですか。

馬淵委員 また今一つ新しいことをお聞かせいただきました。

 一年前に日本ERIさんが、これは藤田参考人が間接的に聞いた情報だという前提でありますが、そのようなことを、直接その情報をいただいた方がかかわって、そしてそれを、姉歯さんの物件だということだったが隠ぺいをされた、気をつけられたしということだと今確認ができました。

 そして、それを受けて、藤田参考人、社長が、その偽装が十月二十日の内部監査で明らかになった、その段階でどういう御指示を出されましたか。端的にお答えください。

藤田参考人 もし偽造が意図的に人為的に行われるのであれば、一番利益を得るのであるディベロッパーさんがであろうということで、ヒューザーさんの物件、うちで申請を受け付けた物件すべてにおいて同様な審査を、偽造の可能性の有無についての調査をするように指示を出しました。

馬淵委員 そのヒューザーさん、偽造があるならば最も利益を得られるであろうとお考えになられたディベロッパーのヒューザーさんの物件を徹底的に調べろ、こういう御指示を出されたということでありますが、その結果はいかがでしたか。端的にお答えください。

藤田参考人 結果として、二十件の物件のうち十一件が偽造の可能性を判定しました、偽造の有無と可能性を。

馬淵委員 社長の指示で、参考人の指示で二十件の物件を洗って、そのうち十一件が偽装の可能性があるということになった。これは十月の二十日の段階なんでしょうか。この指示を出されたのは二十日でよろしいんですか。二十日でよろしいんですね。

 さて、次に、こうした状況をつかまれて、どのように対応されましたか、藤田参考人。

藤田参考人 まず、当社の危機管理室の真霜より、ヒューザーの会社に電話を入れました。十月二十二日と聞いております。

馬淵委員 ヒューザーさんに連絡を入れてどのような、今のお話では十一件見つかったということですが、それでお話をされてどういう御返答がありましたか。

藤田参考人 十月二十二日に電話を入れた時点ではまだ調査中でしたので、全十一件が偽造ということではなくて、まず北千住の物件です。北千住の物件について偽造があるということで電話をしたわけです。その電話をしたと。(馬淵委員「その反応は」と呼ぶ)そのときはヒューザーさんの方は会社が休みでしたので、何かよく伝わらなかったというふうに聞いております。その後、二十五日に来社されたしということで、週が明けてからこちらの会社に来ていただいたんです。

馬淵委員 十月の二十二日というのは、これは土曜日ですね。会社が休みで伝わらなかったということでしょうか。もう一度確認させていただきます。

 二十二日の段階で、イーホームズからヒューザー社に対して情報をお伝えされた。伝わらなかったかもしれないとおっしゃいましたが、その辺はどうですか。相手にちゃんと伝えたんですか。確認させてください。

藤田参考人 偽造されているのであれば、現在着工中の北千住の物件は早急に工事をとめなければいけないということです。ですから、十月二十二日に電話をした内容は、その電話に出た相手に対して、工事をとめる必要があると。(馬淵委員「どなたですか、相手は」と呼ぶ)相手の名前は、私はちょっと聞いておりません。

馬淵委員 十月二十日に内部監査で見つけられた。そして二十二日には、ヒューザー社には工事をとめなければならないということを連絡されている。それ以外に、この二十二日の段階で御連絡をされていることはありますか。端的にお答えください。

藤田参考人 この時点では、ヒューザーさんの方に伝えただけです。

馬淵委員 では、少し違う話をお聞きします。

 国土交通省が立入検査ということをされておられます。そして、国土交通省の説明では、第三回の立入検査というのを十月の二十四日に行われたというお話を聞いております。

 さて、この十月二十四日の立入検査、どういう状況の検査だったのか、そして、その検査については藤田参考人が何かお感じになられたことがあったのか、あるいは、三回目の検査ということですから、過去二回の検査と比較して何か違ったことはなかったのか、この三点をお答えいただけますか。

藤田参考人 十月二十四日は月曜日でした。月曜日は毎朝、午前中は経営会議を行っておるわけですけれども、午前九時半ころに電話をいただきました。国土交通省の高木係長、企画係長の方ですけれども、これから立入検査を行うということで準備されたしということで、その三十分後、十時に立入検査がありました。

 例年ですと一週間、二週間前に監査に入るという日は連絡が来るんですけれども、ちょうど今から三年前に他機関で業務停止になった事件がございまして、そのときは一斉に立入検査を大臣指定の機関に入っております。だから、そのときと同じ状況です。

馬淵委員 三十分後に急に来られたということで、いわゆる緊急の立入検査だということだと思います。何か変わった状態はありませんでしたかということについてはお答えいただけませんでしたが。

 さて、その検査がありました。そして、先ほど来、十月の二十五日にヒューザー社、姉歯建築士、スペースワン、これは設計事務所ですか、三者がイーホームズさんに来られた。これは、至急打ち合わせの必要があるということで、二十二日に連絡をとった上で二十五日に来社されたということでありますが、そのときに、この構造の偽装問題についてお話をされた段階でどういう反応がありましたか。これも端的にお答えください。

藤田参考人 十月二十五日は私は同席しておりませんけれども、その事実を三名に、先方に伝えたところ、姉歯さんは偽造を認めたということであります。それで、他機関でも同様に出してきたというような話があったと聞いております。(馬淵委員「それだけですか。他の方の反応は」と呼ぶ)姉歯さんが偽造を認めた上で、物件が、ヒューザー、スペースワンという設計事務所の方だったんですけれども、大変激しく怒ったというふうに聞いております。

馬淵委員 十月二十五日の段階で、イーホームズ社に集まったヒューザー社、そしてスペースワン、姉歯建築士、このそれぞれの代表の三方が偽装を確認し、かつ、他機関においても姉歯さんがそれを行っているということを確認した。イーホームズ以外の民間確認検査機関にもそれを出しているということを確認された。それを聞いたスペースワン設計事務所の井上さんという方が大変怒られたという状況だということですね。

 さて、大変な状況が起きているということは、この段階で既に三者の方は御理解をされているはずです。先ほど小嶋社長は、これから調べなければならないとお話しされましたが、現実にこの段階で既に姉歯さんが認め、そして、それに対して設計士は怒っている、あるいは検査機関は大変な状況であるということを発信されている。これは、三者の方々が集まった段階で、二十五日にはこの問題の大きさというのが十分認識されていなければおかしいと思います。

 さて、その上で、国土交通省、これは重要なポイントになりますが、国交省にはどういう形で、その次の段階ですが、連絡をされましたか。藤田参考人、お願いします。

藤田参考人 翌日の十月二十六日に、私の方から国交省の指導係長あてに、社名、ヒューザーさんの社名、あと物件名等は伏せた上で、構造計算図書の偽造事件という非常に重要な事態が発生した、法的には特定行政庁に通知するのが義務でございますので、特定行政庁に通知する前に一度打ち合わせをお願いしたいというメールを打ちました。

馬淵委員 十月二十六日の段階で、国土交通省の担当の方に、社名と物件名は伏せて、特定行政庁、この北千住の物件でありますと東京都になるんですか、区単位になるんですか、東京都になるんですかね、そこに本来ならば伝えるべきかもしれないが、それよりも前に、監督権限のある国土交通省にお伝えをしたい、このようにメールを送られた。それに対しての国土交通省の御返事はどういうことでしたか。

藤田参考人 恐らく問題の内容がメールだけでは伝わらなかったと思うのでありますが、申請者と当社との間での問題ではないかということで、そちらで解決されたし、そのような返事がありました。

 ただし、危機管理室の人間の方から、件数、その時点で認識していた着工中の物件、三件ございます、北千住のものを含めて、それとあと二月末に竣工する予定だった船橋の物件、この四件については、四件あるということは電話で報告を入れたというふうに聞いております。

馬淵委員 藤田参考人が二十五日に事の確認をした上で、その問題についてメールで国交省に連絡をした。理解をされていなかったかもしれないと今お話しされましたが、建築指導、確認検査の指導をする立場のお役所が理解をされていないということが果たしてあったのかというのが私はちょっとわからないんですが、それに対しては、そちらで、そちらの貴社の問題であるとの認識だということで終わったということですが、それは、もう国土交通省としては、さらにそこで詰めていく必要がないということなんでしょうか。もう少し具体的に、どういう御返事があったか、御記憶があればお伝えください。

藤田参考人 私がそもそもメールを打ったのは、十月二十六日に、小嶋社長の方から会社に、すごいけんまくで、会社に来て説明をしろと担当者にあったからです。やはり、一抹の不安を覚えざるを得なかったわけです。しかし、二十七日に行かざるを得なかった、重要な問題であり。現在入居済みの物件においても偽造の可能性があるという状況であったわけです。ですから、非常に大きな問題であったというふうに考えております。(馬淵委員「国土交通からどういう御返事があったんですか、具体的に」と呼ぶ)

 そういうことですので、事件の概要についてお伝えしたところ、課内で検討した結果、そちらで解決されたし、そのような内容だったと思います。

馬淵委員 課内で検討した結果、そちらで解決されたし、つまり、報告する必要はないとお答えがあったということですか。藤田参考人。

藤田参考人 大臣認定のプログラムの改ざんというのは非常に複雑な問題であります。ですから、恐らく理解されなかったんだと思います。そのような改ざんがまずあり得ない、そういうような認識だったと思います。

 ですから、通常の申請の審査ミス等の問題であればそちらで解決されたしという御返事だったんだと思います。

馬淵委員 重ねてお伺いします。

 報告する必要はないという御返事はありませんでしたか。

藤田参考人 そちらで、申請者と当社で、イーホームズの間で解決されたしということは、報告する必要はない、そのようなニュアンスの内容だったかもしれません。

馬淵委員 そして、今藤田参考人、社長の方から話にありましたように、二十七日にヒューザー社においてこの問題について関係者が集まられたということですね。それは、先ほどのお話では、全く藤田参考人と小嶋参考人、お二人の、御両名の発言は食い違っております。片や公表をするな、公表を差し控えろと厳しくその隠ぺいを指示されたとお話しされ、片やそんなことは言っていないんだ、それはある意味では追及なんだ、しっかりと調べろと言ったんだと。これは全く食い違っています。

 その場にいる者は、ここにはお二方しかいらっしゃいません。ですから、事の真相というのは全くわからないわけでありますが、この二十七日の段階で集まった方々が、それぞれイーホームズやヒューザー社や、あるいは姉歯さんも含め集まった方々がようやく認識を一にした。この認識を一にした段階で、先ほどの話ではどうも理解が足らないようだというお話でありました国土交通省には二十七日の段階で御連絡はされたんでしょうか。藤田参考人、お答えください。

藤田参考人 二十七日は、ヒューザーで十一時から約三時間近くに及ぶ会議でした。その後、戻りまして、本省の企画係長の方に、これは明らかな偽造であり、意図的なものであり、当機関だけの問題ではなく、他機関や行政でも同様な物件が出されている、そのようなことですので至急打ち合わせをさせていただきたいと。公表する前に、公表すること自体が大きな社会問題になるということはもう十分認識しておりましたので、その前の段階で国交省と、本省と打ち合わせをさせていただきたいというお願いをしました。

馬淵委員 今のお話を総合しますと、二十六日の段階でメールを送って、ニュアンスというふうにおっしゃいましたが、国土交通省は、理解をしなかったのかわからないが、必要がない、そういうニュアンスで、そして、それについてはそちらで解決してくださいとお話しされた。そして、二十七日には全員が集まって大変な問題であるということを改めて確認をして、その上で藤田参考人、社長は、国土交通省に対して、これは他機関にも出してきた大変な問題だということを連絡された。そして、二十八日に国土交通省に行かれたということでよろしいですか。それを端的にイエスかノーかでお答えください。

藤田参考人 二十七日にお電話させていただいて、二十八日に行きました。イエスです。

馬淵委員 私は、これも大変な問題がどうも潜んでいるような気がいたします。

 さて、もう時間も余りありませんので、この話の流れの中では、木村建設さんはここには登場されてこられません。当然ながら、木村建設さんは、設計施工の中で、設計は姉歯さん、そして検査はイーホームズさん、あるいは行政の監督の方、そしてつくる側であるわけですから、その細かいところ、この打ち合わせの中には、段階には入ってこられなかったということでありますが、木村建設さんにお伺いをしたい。

 きょうの週刊朝日に一部報道がございました。木村建設さんが、実は、先ほど同僚議員の質問にもありましたが、こうした構造上の問題が発生するようなさまざまな、鉄筋を間引くとか、こうしたことについて深くかかわってこられた、実はその後ろにはある黒幕がいるという報道がなされました。そして、この黒幕の方というのが、名前が伏せられておりますが、木村建設さんの入っているビルのオーナー、経営コンサルタントの方だ。そして、その方の略称がここに載っております。

 お尋ねします、社長。この木村建設の東京支店が入居しているビルにある経営コンサルタント会社はどちらで、そこの代表の方というのはどういう方ですか、お答えください。

木村参考人 もう一年以上会っていません。それは知りません。一年以上会ったことはありません。(馬淵委員「いや、お名前を言ってください」と呼ぶ)ああ、木村建設の木村盛好と申します。どうも失礼いたしました。(馬淵委員「違う違う。相手のことですよ。お尋ねしたじゃないですか、今。聞いていないんですか」と呼ぶ)総合経営研究所。(馬淵委員「の何という方ですか」と呼ぶ)内河健という人は、一年半以上会っていません。

馬淵委員 総合経営研究所の内河健さんという方、この方が木村建設の指南役だという報道が一部になされています。今私は名前が伏せてあるというふうにお伝えをしましたが、今木村社長の口からは、すっとお名前が出ました。

 さて、木村社長、この方と二十年前にお会いになられたということは事実でしょうか。これも端的にお答えいただいて、私の時間、もう終わりですので、端的にお答えください。事実でしょうか。二十年前に交通事故に遭われたときにかかわったということは事実でしょうか。

木村参考人 はい、お会いしたことはあります。

馬淵委員 はい、ありがとうございます。

 この事件、この問題に関しては、複数の方々が非常にややこしく錯綜した構図となっております。今後しっかりとした事実関係を明らかにし、さらなる我々国民の目線の中で事実の解明を行うことを皆さん方にお伝えさせていただき、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。

林委員長 三日月大造君。

三日月委員 民主党の三日月大造です。

 同僚議員に引き続きまして、参考人で御出席いただいた方々に質問をさせていただきます。

 いずれにいたしましても、寝られない日々を過ごされている住民の方々を一日も早く救済していくために、また、どっちに向いてマンションが倒れてくるかわからないということで不安におののいていらっしゃる近隣住民の方々を救うために、同時に、確認検査業務とはこんないいかげんだったのかという日本の建築行政の根幹を揺るがしかねないこの事態を、しっかりと問題の本質を探っていくために、同僚議員に引き続き質問をさせていただきます。どうやって偽造が行われてきたのか、また、いかに見逃されてきたのかという観点から質問をさせていただきます。

 まず冒頭、こうやって大事な国民的な問題を真相究明して対策を講じていこうというときに、事もあろうか、与党の対策本部の本部長をお務めの自民党の武部幹事長は、悪者捜しに終始するとマンション業界はつぶれ景気がおかしくなるというようなことをおっしゃっているんですね。住民の方々の家はつぶれても、マンション業界はつぶれちゃいけないんでしょうか。とんでもない話です。

 こうやってきょうは国土交通委員の皆様方の視察と参考人質疑、あすは委員会での質疑が行われますが、どうか委員長、委員長名で、まず武部幹事長のこの御認識をしっかりと正していただくための抗議を私は申し入れたいと思いますが、よろしくお願いいたします。

林委員長 後日、理事会で協議します。

三日月委員 まず、これはしっかりと政治の責任を果たすためにお取り計らいをよろしくお願いいたします。

 それでは、まず小嶋参考人にお伺いをいたします。

 今ずっとるるやりとりを伺っていまして、私は、小嶋参考人は五つの圧力を今いろいろなところにかけられているというふうに思います。

 一つ目は、マンションを買われた住民の方々に対してです。一体どうされるおつもりなんですか。公的資金を入れて一年で建てかえます、いやいや、資金がないので買い戻しできません、銀行に債権放棄を頼んでほしい、購入金額の一〇六%で買い戻します、いやいや、もう数時間たったら、一〇三%に引き下げたい、引っ越し代、礼金、家賃、手数料も負担しません、年内に倒産するかもしれませんと。一体、住んでいる人たちはだれを信じてだれに交渉すればいいんですか。まず、このあたり、現時点での対応方針を明確に、自分がそこに住んでいる住民になった気持ちでお答えください。

小嶋参考人 小嶋でございます。

 二転三転しておりまして、まことに申しわけございません。

 まずもちまして、耐震でどうなのか、あるいは免震でどうなのか、あるいは現在お願いしておりますのが制震診断でどうなのか。ありとあらゆる手だてで、我が子供と同じであります、私の地に落ちたとはいえグランドステージとセントレジアス、この物件を、やはりだめだ、欠陥があったからといって絶対に取り壊さなければならないのかどうか、そういった意味でいろいろ調査申し上げておりまして、まだまだ時間がかかる状況にございます。そういった意味で、まずはこの技術的な問題と、コスト的、予算的な問題も含めまして、まだまだ解決には時間がかかるのがまず一つでございます。

 それに対しまして、御指摘のとおり、一番大切なものは生命の安全をどのように確保するかということでございまして、これには、私ども、とりあえずホテル等の費用の負担、そして賃貸住宅に関しましても費用の負担を申し上げるという形での対応をいろいろ協議してまいりました。

 しかしながら、今月の二十五日、私たちは国交省の通達によって選択肢のすべてを断たれました。それは何かといいますと、危険家屋につき退去を勧告するという一文でございます。こうなりますと、私ども不動産業者、ディベロッパーにとりましては、対応するものが、はっきり申し上げますと、構造的な欠陥がありまして使えないという、そういった瑕疵が明確に国家によって発表されたわけでございます。これを受けまして、私の方は、すべての対応をとにかく検討する余地がなくなりまして、業者として、不動産業として、自分が、まずは自分の力で法律行為ができる最大限のことは、お客様方に対して何ができるのかということを夜通し考えまして、そして住宅ローン債権つき重畳的債務引き受け型の売買契約を思いついたのでございます。

 それは、無理なことを申し上げまして、販売したマンションは全部で百二十億弱、そして着工中のものが船橋と海神で約三十億で、百五十億ございます。それに対しまして、自己資金は、内部留保は三十億しかございません。ですから、一度に解約に応じるといいましても、物理的に金銭的にこれはできません。

 それで、私が、時間的にお客様方に何とか法律行為としてできる範囲内といたしましては、今の住宅ローンを重畳的に私どもが引き受けまして、そして、頭金の分に関しましては、何とかこの二月の十五日までに全区分所有者からの売買契約買い戻しが行われれば、ここで一つの物件としての価値が出てまいります。そして、そこに耐震、制震、免震等による、例えば国交省の認定の得られるものがあれば、ここで担保価値が出てくる。そこでエクイティーを集めて、そしてお客様方にお返しする財源ができるであろうと考えました。

    〔委員長退席、中野(正)委員長代理着席〕

三日月委員 今おっしゃったことは、住民の方々が、資産がなくなりローンはそのままという最悪のパターンなんですよ。よくまあそんな、一晩で思いつきって、そんな思いつきで対策を講じるのはやめてくださいよ。

 それともう一つ、二つ目の圧力は政治に対してです。伊藤公介代議士、お願いしていないのに来てみないかと言われた。本当ですか。伊藤代議士にもぜひここに来ていただいて、そのあたりのことをきちんと解明しなければなりません。

 ヒューザーさんは、これは平成十六年、伊藤代議士の政治資金パーティー、百万円御購入をなさって、そして毎年十六万円の寄附金、政治献金をなさっています。そういう日ごろのお金の結びつきで、まあこういうときはひとつ頼みますわという小嶋社長からのお願いがあったんでしょう。いかがなんですか。

小嶋参考人 小嶋でございます。

 まずもちまして、私、伊藤先生に対しまして何をお願いしたかというと、このようなとんでもない欠陥住宅が結果的に合法的にできてしまうような事態に対しまして、何としても正していただきたいとお願いはいたしました。それ以外のお願いは基本的にはございません。

三日月委員 三つ目の圧力は、今資料をお配りしていますけれども、資料の七ページ、これは国土交通省の構造計算書偽造問題対策連絡協議会第三回の添付資料です。ここで、「設計者・施工者に対する報告徴収」、それぞれ今どのようなことになっているのか、また、早急に対策をとるようにということ等々について指示をし、報告を求めている文書です。これは国交省のホームページに出されているものです。

 これを見てください。「ヒューザーから勝手に動くなという指示」「ヒューザーから勝手に動くなという指示」「ヒューザーから勝手に動くなという指示」、何ですか、これ。一体事実がどこにあり、どこに問題があり、耐震強度の面でどれだけの偽りがあったのかということについて一日も早く、一刻も早くつかまなければいけないのに、何ですか、これは。

小嶋参考人 国交省もいいかげんにしてほしいですね、全く。だって、この京王プレッソイン茅場町なんか、これは私たちの物件じゃないですよ。

三日月委員 ヒューザーさんがこの施工者に対して、設計者に対して、勝手に動くなという指示をしていると、国交省がそれを聴取し、報告しているんじゃないんですか。国交省いいかげんにしてくれ、勝手に動くなという指示を出す方がいいかげんにしてほしいですよ。

 それともう一つ、四つ目の圧力はイーホームズさんに対してです。今の十月二十七日の、事実がわかって、改ざんがわかって、それを公表しようというその指定検査機関を呼び出すんですか、建築主が。そうやって、確認検査業務をやる機関は、建築主に呼び出されて公表を待てと言われる機関なんですか。一体どんな権限でそんなことをされるんですか。

中野(正)委員長代理 小嶋参考人。

 なお、参考人、感情で答弁をなさらないようにお願いします。

小嶋参考人 はい、かしこまりました。

 私の方は、イーホームズが民間の会社の同じ社長の立場ということで理解しておりましたので、間違った方が謝りに来るべきじゃないのかということで、当社に来ていただきたいということをお願い申し上げました。

三日月委員 その時点でどっちが誤りなのかということがわからない段階で呼び出すという、ここにこそ検査確認をやる機関と建築、施工、設計をやる機関との力関係があって、だから、こういう改ざんだとか偽造というものがまかり通るシステムになっているんじゃないんですか。まさに今おっしゃった、間違った方が謝りに来る、まだこの時点でわからないじゃないですか、どっちが間違いか。

 そして、五つ目の圧力は姉歯さんに対してです。姉歯建築士さんに対して、いろいろと報道されていますけれども、小嶋さんは、ヒューザーさんは、姉歯さんに対してどのような圧力、どのような御関係でいらっしゃったのか、簡潔にお答えをいただきたいと思います。

小嶋参考人 私どもの方から圧力をかけたことは全くございません。

 私どもの発注先は設計事務所でございまして、基本的にはその先の下請業者でございます。そちらの方に圧力をかけて、手を抜いて偽造しろだとか、そしてそれを私どもが発注者としてお金を払う、このような構図はどう考えても整合性がないと思っております。

三日月委員 そんなときだけ発注者で設計事務所を介していますと言って、そして、イーホームズさんが偽造がある、改ざんがあると言ったときには、みずからしゃしゃり出てその検査機関を呼び出して、おかしいじゃないか、公表をとめろと。やはり矛盾していますよ。

 そして、もう一点。きょう視察に行かせていただきましたこの船橋のマンション。ここの看板、先ほど長妻委員が言われました、いまだに、百平米、ぜひ買ってくださいみたいなことが書いてあります。ここに、総合監修として有限会社共信企画という会社名があるんです。総合監修として有限会社共信企画。これは、どこのどういう会社ですか。何をやっているんですか、総合監修というのは。電話しました。だれも出られません。一体何をやる会社なんですか、これは。

小嶋参考人 済みません、キョウシンキカクというんですか。どのような字を書くんですか。

三日月委員 共に信じる企画です。

小嶋参考人 恐らく、土地、船橋を仲介していただいた設計事務所サイドの、仲介業者サイドの方の設計者かと思われますが、私の方は全然存じ上げておりません。

三日月委員 販売をしているマンションの総合監修をやっている会社を全く知らないという、おかしいじゃないですか。何かここに来て、どんどんどんどん言われていることとやられていることが食い違い、そして、いかにみずからがつくることを発注し売られているマンションに対して責任を持っていらっしゃらないかということがどんどん明らかになってきます。

 この五つの圧力を早急に省みられて、一刻も早く、テレビに出られて強弁するのもいいですけれども、住民の方々の方を向いた対策をとっていただくことを要望したいと思います。

 次に、木村建設さんにお伺いをいたします。姉歯さんとの関係は、姉歯建築士さんとの関係は、いつからどのような形で始まったんですか。お取引はいつから始まったんですか。

篠塚参考人 姉歯建築設計との取引のスタートは、平成八年に、ある物件で、ある鉄骨業者の紹介で知り合って、その後、構造計算を依頼するという取引関係にあります。

三日月委員 そのころは鉄骨だった。その後、鉄筋建物についても構造計算を依頼するようになり、そして、できるだけ安く、もっと安くという圧力をかけられるに至ったんですか。

篠塚参考人 姉歯との関係は、鉄骨、鉄筋関係なく、構造計算という分野でありますので、構造計算という感覚で打ち合わせはやっております。で、圧力をかけたという認識は全くありません。

三日月委員 鉄筋を減らしてくれという話は、木村建設さんの方からしたんですか、しなかったんですか。

篠塚参考人 先ほどもお話ししましたように、そのようなことを言ったかもしれません。しかし、当然、法令遵守の中の、法令を守る範囲でという趣旨で打ち合わせはやっております。

    〔中野(正)委員長代理退席、委員長着席〕

三日月委員 結果的に法令が守られてなかったんですよ。施工されたり一部設計をされたりした建物に対して、鉄筋減らしてくれ、法は守っていてくれよ。守ってなかったんですよ。この責任をどのようにお感じなんですか。

 しかも、事実確認をさせていただくんですが、姉歯建築設計事務所に対して架空の請求書の発行を依頼してお金を還流させていた、東京支店長のところに。このリベートを要求していたことは事実ですか。

篠塚参考人 リベートではありません。架空の請求書を要求したということはありますけれども、リベートとしての感覚はありません。

三日月委員 何のために架空の請求書を姉歯建築士さんに対して求めるんですか。

篠塚参考人 会社に対しては大変申しわけないことなんですけれども、私の営業経費という形で、捻出する形をとりました。

三日月委員 どんな権限で、構造計算をする方に、架空の請求書をよこせ、自分の営業経費だと。それをリベートというんでしょう。

 社長、今の点、いかがですか。社長に。

木村参考人 今の件については全く知りません。

三日月委員 知らないことも問題ですし、今こうやって問われて、知りませんとだけ答えて座られる。社長、組織のトップとして、そのようなお金のやりとり、架空の請求書を求めて、営業経費としてお金を還流させていた、そういう人が東京支店長だったということに対して、しかも、これが、構造計算書の改ざん、偽造を行っていた建築士との関係だったということについてどのようにお考えなんですか。

木村参考人 すべて東京支店の方に委任していますので、全く知りませんです。

三日月委員 今テレビをごらんの方々も、何を言っているんだと。

 どういうおつもりなんですか。ぜひ、これについては引き続き。こんなもので済まされるわけはありません。もう一度、東京支店長、お答えください。

篠塚参考人 今、当社の社長が申しましたように、私の責任でこの件に関してはやっておりましたので、本社としては一切関知しておりません。

 お金の方は、私の方が主導して、姉歯設計士に回して、バックさせてもらうという形でやっております。

三日月委員 いつから、幾ら、お金のやりとりをされていたんですか。

篠塚参考人 期間的には一、二年だと思います。金額、回数は、ちょっと記憶がはっきりしておりません。今、調べ中です。

三日月委員 大体でも結構です。お答えください。

篠塚参考人 まだ調べがしておりませんので、わかりません。

三日月委員 早急に調べていただいて、この委員会に報告をいただくことを求めます。

林委員長 理事会にて。

三日月委員 あと、こうやって構造的にいろいろと偽造された、この改ざんがなぜ検査機関において見過ごされたかという観点から聞きたいと思うんです。

 きょう午前中、テレビで藤田参考人は、インタビューで、まだまだあるんです、姉歯さんのものだけじゃないんです、まだまだありますよという趣旨の御発言をされていました。この真意を聞きたいと思いますし、これはなぜ見抜けなかったんですか。

 そして、この構造計算書、私も資料でつけさせていただいていますけれども、一枚目と二枚目、これは、姉歯建築士さんの方で使われていたスーパービルドというソフトの構造計算書。特に私も専門じゃありませんけれども、この上に出てくる大臣の認定番号と、そして性能評価年月日、性能評価番号ですか、これが通しであれば図書は省略できる。しかしながら、いろいろな操作をしてこういうものが出てこなかった場合は、図書を添付して計算過程も全部調べていかなくちゃいけない。こんなことは恐らく指定検査機関であれば常識だと思うんです。しかしながら、これ、四ページを見てください。「大臣認定番号が出力されなければ図書省略できないこと」ということを十一月五日付でこの構造審査基準に追記されているんです。

 では、これまで一体どうされていたんですか。これまで出てきた構造計算書は、こういう図書省略しちゃいけないのにしているものも見過ごし、そのままずっとオーケー、オーケー、オーケーを出していたんですか。

藤田参考人 まず、構造計算書の審査は、原則、構造計算書を全部添付するということなのです。その場合に、大臣認定プログラムを使用した場合に、一貫計算という方法と個別計算という二つの方法がございます。一貫計算をした場合には、ヘッダーに印字がされてオーケーが出た、その場合に図書省略ができる、そういう例外の規定でございます。

 当社においては、計算書を全部添付しておりますので、この例外規定である図書省略制度というのは今回の偽造の物件については一切ないんです。ですから、今回の偽造の発表が、記者会見が本省であったときに、大臣認定プログラムの大臣認定書の写しがないと。これは記者のレクチャーか、記者の方の報道ですから、次官の方がどのように発表したか、私直接聞いていませんので存じ上げないので、その報道の内容が、認定書がない、利用者証明書を同等と考えてよいのか、そういう解釈論に入っていったわけです。

 そもそも、私どもは、この大臣認定プログラムを用いた場合の図書省略制度を使うというのは、申請者が自由にやるわけですけれども、今回九十八件、立入検査があったときにも二%、二件だったんです、たった二件。そのときには図書省略制度が有効に使われていると。その他の場合は構造計算書がついているということです。

 つまり、構造計算書が皆さんどういうものか御存じないと思いますから、今回の三千平米、四千平米ぐらいのマンションですと、このような構造計算図書がつくわけです。このうち、一貫計算で大臣認定書がついていた場合に、ここの部分、これだけが図書省略ができるという、これは例外規定なんです。だけれども、通常これが全部来るというのが、一般的というか、当社で申請を受けている物件においても約九八%がそういうものだということです。木造の場合は、このような形の計算書でございます。

 このうちどこを検査するかというのは、これはまず、建築基準法施行規則一条の三における確認検査図書の様式の要件なんです。どういうものを用意しなさいよと。

 だから、図書省略制度の話にいくと、本件偽造事件においては一切図書省略制度は使われていませんので、全く議論と違うんですね。ですから報道の方が、何か違う話で、どんどん当社の審査ミス、審査ミスとうたっていったのは非常に複雑な気持ちでした。

三日月委員 ありがとうございます。膨大な資料ですし、非常に構造的に難しいんですけれども、時間もあれですので最後にいたしますけれども。

 今回の姉歯さんのことについてはわかりました。図書省略されるものがほとんどなかったと。では、それ以外に、この五ページにあるんですけれども、国交省の立入検査のときに、九十八件、姉歯さん以外のものが検査されて、そのうちいろいろ省かれて八十九件について、この構造審査の状況を事情聴取された。聞けば、この八十九件、図書省略じゃない八十九件、ですから、いろいろその膨大な資料を全部つけなくちゃいけないという、この審査をやるのに、「詳細な審査については実質的に行われていなかったと考えられる。」と。

 要は、そんなもの図書省略してませんで、全部検査してまっせと言わんばかりの御発言だったんですが、国交省の立入検査でちゃんと検査してへんやないかと指摘されているじゃないですか。このあたり、いかがですか。

藤田参考人 そのパラグラフにおいては、まず、適正な審査を行っていたという各検査員の回答をしておるわけです。その中で、適正な審査を行っているが、大臣認定プログラムであり、建築士が利用しているということから、不正行為という、そういう主観的な意味での想定をしなかったということで、「入力チェック等を除く計算過程の詳細な審査については実質的に行われていなかった」と。

 つまり、もしこれが明らかに偽造事件という前提であれば、再計算を前提にやるということです。ですから、今回、私どもが発見してから約一カ月たってようやくほかの行政でも発見できてきたわけです。それだけ難しいんです、発見するのは。(発言する者あり)制度上の問題……(発言する者あり)いや、開き直ってなどいるわけではないです。

 簡単に見るということではなくて、構造計算書の間でも応力計算結果であるとか断面計算とか、法定で、大臣の方で業務規程を認可されておるわけです。構造計算だけでもかなりな多岐にわたっての検査要件がございます。この中では発見できなかったという点では、制度上の問題においては本省の主導のもとで改善していかざるを得ないというふうに思っております。

 ただし、同様に、当機関だけではなく、他行政等発見できなかったものを、通常見ないようなところまで見た結果、発見できて公表できたという点では、どうかその点だけは御理解いただきたいと思います。それは民間開放の一つの成果だと私自身は自負を持っております。

 よろしくお願いします。

三日月委員 まだまだあると思いますので、ぜひ真相解明に御協力をいただきたいということを申し上げて、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。

林委員長 高木陽介君。

高木(陽)委員 公明党の高木陽介でございます。

 この参考人質疑において、これは、被害者である住民の方々だけではなくて、今マンションに住んでおられる方、国民全体が本当に注視をしている、そういう委員会の質疑であると思います。

 今回の問題に関しまして、重要なポイントとして二つ。

 一つは、まず第一義的には、今現在その問題のマンションに住んでおられる方々、その方々の補償の問題。そしてまた、震度五強で崩れてしまう、今地震があるかもしれない、こういう状況の中で本当に不安で夜も眠れない。公明党としても、すぐに対策本部をつくって、先週の二十四日に東向島のマンションの現地に訪れて、住民の代表とも話を伺いました。昨日も江東区の住民の代表にお話をお伺いする機会もありました。そういった中で、きょうお集まりの方々、ヒューザーはある意味でいうと建築主ということで住民の方との接点は持っていますけれども、大半の方々は、今苦しんでいる住民の方々がどんな思いでいるのか、そういうことをまずは思い描いていただきたいと思います。その上で、その補償、さらには安全確保の問題。

 二つ目として見れば、今回の事案というものが、この原因究明ということで参考人の方々に来ていただいております。その上で、これは個別的な問題なのか、一建築士、さらにはそれを審査した確認検査機関、さらにはその発注者または施工者、そういう方々だけの問題なのか。それとも、それが構造的な問題なのか。多くの方々は、この問題に関して、これは、自分のマンションは大丈夫なのか、こういう不安を本当に持っている。だからこそ、この委員会でできる限りその問題点というものを明らかにしなければならない。

 この問題が発覚してから、それぞれのお立場でメディアに登場してお話をしたり、インタビューを受けたりされる方々もいました。しかし、こうやって一堂に会して一つの問題を解明していく、こういうことは今までなかったということで、メディアの方も注目をして、今テレビの方も生中継もやっておりますし、また多くの方々もこの場面を見ていると思います。そういった観点から、まず、今苦しんでいる方々の、その住民の方々のことを思い描きながら御答弁をお願いしたいと思います。

 その上で、まず、時間も限られておりますので端的にお答えいただきたいと思いますが、先ほどから質問がありました姉歯建築士と木村建設とのつながりの問題、いつからということで、平成八年というふうに言われました。さらに、その後、きょう姉歯さんが来ていただければ、その違いというものがはっきりして、どちらが本当の話を言っているかということが明らかになると思ったんですが、姉歯さんが、二十四日、聴聞を国土交通省で受けました。そのときに、木村建設から圧力を受けたということを明確に述べている。

 さらに、その明確に述べていることに対して、先ほどから、篠塚支店長の御答弁によりますと、そのようなことを言ったかもしれないと。言ったかもしれない、ここがはっきりしないんですね。法令遵守の中でやってくれと言ったけれども、それを法律を犯してまでやれとは、そういうような圧力はかけていない。これはどうなんですか。

篠塚参考人 あくまでも、すべての条項に、法令を守るというお互いの暗黙の了解はあったと思って、その中で会話は進めております。

高木(陽)委員 姉歯さんは、その聴聞のときにも言われている中で、一つは、まず鉄筋の数を減らす、さらに減らせと言われたときに、これ以上減らすと、安全、いわゆる建築基準法上でこれはできませんというふうに言った。しかし、それを言ってきたと言っている。そういうふうに言ったことはないわけですね。

篠塚参考人 そのようなことを聞いた覚えはありませんし、姉歯先生の方はこの分野では権威でありましたので、すべてを信用しておりました。

高木(陽)委員 ということは、姉歯さんが言われたこと、聴聞で述べたこと、また、それで報道されておりますけれども、それは認識されていると思うんです。つまり、姉歯さんがうそを言っているということですね、うそを。今の話を聞くと、いわゆる篠塚さん、支店長がうそをついているのか、姉歯さんがうそをついているのか、どっちかなんですよ。どうなんですか、その点は。

篠塚参考人 姉歯さんの件はわかりませんけれども、私はうそをついておりません。

高木(陽)委員 ちょっと待って。何で姉歯さんの方はわからないの。姉歯さんは圧力をかけられたと言っているんですよ。法令を犯してでも鉄筋を減らせと言われた、そういうふうに言っているわけですよ。ということと、それを聞いていない、そんなことは言っていないという、つまり、姉歯さんがうそをついたということでいいんですね。

篠塚参考人 繰り返しになりますけれども、姉歯の件はわかりません。

 それと、法令を犯せと言うことは絶対ありません。

高木(陽)委員 いわゆる、ここのところはまさに責任問題になると思うんです。今までの皆さん方の答弁や、メディアだとかいろいろなところで発言されているのを見ると、いかにこの問題で自分のところが責任をとらないようにしようか、いかに逃げるか、こういうふうに動いている、または発言しているとしか思えないんですよね。今このテレビ中継を見ている多くの方々もそういうふうに思っているわけですよ。

 でも、一番大切なことは、先ほど冒頭に申し上げました、今マンションに住まわれていて、そしていつ崩れるかわからない、こういう不安にとらわれながら、こういう方々から見れば、いわゆるだれの責任という以上に、まずはつくったあなた方が、または販売したあなた方が、設計をしたあなた方が、検査をしたあなた方が、これがしっかりと責任をとっていくということがまず第一義的には大切だと思うんです。

 そういう点から、その偽装についてそういうふうな圧力をかけていないというふうに言いますけれども、先ほどリベートの件がありましたね、リベートの件が。社長は知らないと言っていた。社長は知らないと言った。しかしながら、このリベート、これは姉歯さん以外にも、ほかにも、いわゆる関係した、例えばそのほかにも木村建設は設計をいろいろとやっているでしょう、または頼んでいるところもあるでしょう。そういうところとやっていたんですか、支店長は。

篠塚参考人 全くありません。姉歯さんを信用してこういうことをお願いしたという事実はありますけれども、ほかではありません。

高木(陽)委員 つまり、姉歯さんにだけ仮領収書を要求した、こういうことでいいわけですね。

篠塚参考人 あくまでもリベートという認識では全くありませんけれども、信用した関係でそういうことをお願いしました。

高木(陽)委員 時間が限られているので、木村さんだけ聞くわけにはいかないので、続いてイーホームズさんにもお伺いしたいと思うんですね。

 先ほど馬淵委員の方からのずっと質問の中で、内部監査で発覚をした、そこからのすうっと経緯をお話しされましたね。十月の下旬のあたりですね。それで、二十六日に国交省に連絡をメールで入れたと。先ほどの答弁の中にもあったと思うんです。ここをちょっと確認したいのは、国交省では最初、構造計算書、かなり偽装されて、それがあらゆるところに展開されている、そういう認識がなかったんじゃないかなみたいなニュアンスで言われたと思うんですが、その点、もう一度確認したいと思います。

藤田参考人 二十六日においては当機関だけで発見したということがまず一つの事実です。その前日の二十五日に姉歯さんたちが来社したときに、他の行政や民間機関でも同じように出しているという話は、それは間接的に聞いていたわけです。ですから、次の二十七日に行ったときは、小嶋社長から直接、他機関や行政でもずっと出してきた、同様に出してきたということがあったので、より具体的な、もう名前を出した上で電話をかけたのが二十七日です。本省の企画係長あてにその概要を、私がその時点で知る限りの概要を全部お伝えしました。

高木(陽)委員 つまり、メールで言うとなかなか概要全体がわからない。そして、その後、小嶋社長たちと会うことによって、拡散しているなという認識の中で、電話でしっかり連絡をして国交省も認識を持った、こういうことでよろしいですね。

藤田参考人 事件の概要はお伝えしたんですが、大臣認定プログラムの改ざんというそのこと自体の事実がどうも、なかなか難しく、認識されていなかったのではないかというふうに思っております。それから、やはり、どういうところがどうなっているのかとか、いろいろと説明させていただいて、技官等、時間がかかる中で改ざんの事実等を国交省連携のもとで暴いていったというふうに認識しております。十一月の十日ぐらい、中旬ぐらいまでにかけてそういう過程が内部的に行われていったと思っております。

高木(陽)委員 イーホームズさんは先ほどからの御答弁の中で、なかなか難しい構造計算の審査である、そういった中で法令どおりまたは指示どおりやってきた、それで見抜けない、これは構造的な問題がある、こういうような認識を持っているように考えられるんですけれども、その点はどうでしょうか。

藤田参考人 法律が求める範囲というのがまずあると思っております、法律の仕事をする上において。一から百まで構造設計のプロが計算してきたものを再計算してやるというボリューム的なことは、量的に現実に不可能であります。法律は前提として不可能を求めているというふうには認識しておりませんので、必要な要件について、審査協議会、連絡協議会等で行政、他機関と情報を共有した中で、必要なチェックポイントについては的確に、適切に審査をしてきたというふうに私は認識しております。

 確かに、それでも見抜けなかった巧妙な偽造であったわけであります。当機関だけではなく、他機関、行政でも見抜けなかったという意味では、結果として大変申しわけないことだと思っております。そういう意味では、この事件を契機に、本省主導のもとで制度改正、立法府のもとでそういうことが適切に行われることによって、二度とこのような事件が起きないようにぜひ先生の皆様方にはよろしくお願いしたいと思います。

高木(陽)委員 この構造計算書の複雑な問題、専門家の方々たちも含めて、そういった点は検証していかなければいけないと思うんです。

 その上で、今度はヒューザーの小嶋社長にお伺いしたいと思いますが、先ほども出てまいりました住民の補償の問題ですね。とにかく、一番、きょういらっしゃっているメンバーの中でテレビに登場しているのが多いのは小嶋社長でありますから、あらゆる場面で発言をする。しかし、毎日毎日その言っていることが変わっているというのが住民に対する不安をさらにあおっているということなんです。

 例えば、これは、住民の方々にいろいろなペーパーで建築主としてお渡しされている。例えば、引っ越しのことについても言われたり、一〇〇%瑕疵担保責任を負っているのですべて当社の責任で対応すると。内容は、耐震補強もしくは建てかえ、引っ越し費用の負担、建てかえ期間中の家賃の負担。これは十一月二十三日付。二十五日には財務内容について述べられていて、二十六日には一〇六%の問題を出す。しかし、昨日一〇三%、こういった話も出てまいりました。

 さあ、現実問題、ヒューザーさんの体力、財務体力として、これが本当にできるのかどうか。できないから一生懸命動いているんだろうなとは思うんですけれども、その点、いわゆる誠心誠意住民に説明する必要があると思うんですね。ここら辺のところを、はったりじゃなくて、一〇六%やりますよ、そうしたら住民は喜びますよ。

 しかし、その提案を見ると、住民の方々も感じているのは、例えば、そこで権利書を渡した、その段階で計画倒産されるんじゃないかと。木村さんのところもいわゆる破産をされた、これも計画倒産なんじゃないかと多くの人たちが思っているんです。その点、計画倒産されるという疑惑さえ持たれているヒューザーさん、これからどうでしょうか。

小嶋参考人 二転三転いたしておりまして、これは全くもって私の不徳といたすところでございまして、全く言いわけのしようもございません。本当に申しわけございません。

 計画倒産とのお話でございますが、私どもの方といたしましては、現在、事業停止状態に陥っております。大変厳しい状況ではございますけれども、何としても、売り主としての瑕疵担保責任を守るべく、履行するべく、たとえ事業停止状態になっておりましても、皆様方の安全と、すべてが解決つきますまで、絶対に破産させずに売り主としての使命を全うしていく所存でございますので、何とぞ皆様方のお力添えを賜りたいと思います。

高木(陽)委員 これも仄聞するところによりますと、例えば、なかなか資金繰り、先ほど内部留保が三十億、こういう話もありましたけれども、そういった中で、三十億でもしっかり持っていれば、いざというときにそれを何とかしながらやるということもありますけれども、これも関連会社に資産をどんどん移しかえ始めているんじゃないか、こういった指摘もされているんですね。

 住民の方々は、そういう話を聞くだけでも、これも不安になる。まさに、持っている資産を関連会社、でも法人として別ですから、いわゆる責任はなくなるわけですから、それで倒産された場合には、せめて三十億あれば何とか管財人が入っていろいろとそれを分けましょうという話の中で、それさえもなくなってしまうんじゃないかという不安を抱いているんです。この点についてどうでしょう。

小嶋参考人 まず、どのような状況になりましても、売り主といたしまして、まずは買い主の皆様方にこの瑕疵担保責任という、無過失であってもすべてを負うという立場をきっちりとお守り申し上げていきたいと思っておりますので、ぶっ倒れるにしても前向きにきっちりと倒れてまいる覚悟でございます。

高木(陽)委員 前向きに倒れると。倒れてもらっちゃ住民は困っちゃうんで、倒れないようにして、そこで踏ん張ってもらいたいと思うんです。

 もう時間も参りましたので、最後に申し上げておきたいことは、きょうはシノケンさんとあと平塚市の方にもちょっとお話を聞く機会がなかった。平塚市の方は逆に行政ですから、ここは、まさに先ほど指摘もありました構造的な問題なのか、いわゆる法改正をしなければいけない問題なのか、この点も含めて、また機会あるときにお伺いもしたいと思います。

 これも冒頭から申し上げておりますように、先ほどヒューザーの小嶋社長の言われた瑕疵担保責任がある。まさに、品確法で法律が変わって、十年間、売り主が責任を持つんだと。そういった部分でいえば、第一義的にはある。しかし、その売ったグループですよ、これが皆さん方が計画的に連携をしてやったかどうか、これはまだ今回の委員会だけではわかりません。わからないけれども、やはり、かかわったその業者として、皆さん全部責任があるんですよ。木村建設だってある。イーホームズだって、いろいろと言い分はあるでしょう。しかし、チェックを見逃したということはある。もっと言えば、その点について、売ったという責任も、篠原さんも含めて、またヒューザーも含めて、ある。

 さあ、そういったところで、これは、本当に住民の方々に対して誠心誠意やっていく。もちろん、私たちこの国会の場として政治ができること、応援できること、住民の方々、まずは住民の方ですよ。その方々にどれだけ応援できるかということを今後委員会でしっかりとやっていかなければいけないと思いますが、私たちはもう関係ないと、特に木村さんですね。破産宣告してずっといなくなっちゃった、この一週間。なかなか連絡がとれない。だから、そういうことをすればするほど、さらに計画的にやったんじゃないかと思われているんです。そういった点もしっかりと説明責任を果たすということ、これを申し上げまして、質問を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

林委員長 穀田恵二君。

穀田委員 日本共産党の穀田恵二です。

 今回の耐震強度偽造事件で、出席している参考人についてはそれぞれの立場で今回の問題の責任がある、このことは明確に指摘しておきたいと思うんです。その上で、今回の事件は、建築物の耐震強度という、まさに居住者とさらには周辺住民の安全、生命にかかわる問題であって、なぜ偽装が起こり検査の見落としが起こったのか、その真相解明のために、具体的事実について聞きたいと思うんです。

 まず、木村建設に聞きます。

 東京支店長は先ほど、鉄筋を減らせ、大枠としてこれは認めた。姉歯以外にも要求したことがありますか。

篠塚参考人 済みません、ちょっと意味が……。聞こえなかったものですから。

穀田委員 あなたは、鉄筋を減らせ、こうこうこうこう何ぼ減らせとは言っていないかもしれないけれども、全体として減らしなさいと要求をしたと。そういう要求を姉歯以外の事務所にしたことはありますか。

篠塚参考人 構造計算事務所には、大体、話すときには同じような状況を話します。

穀田委員 そうすると、断られたことがある。そういうことについて言えば、大体話をしたと。

 オーケーをした事務所は、姉歯以外にありますか。

篠塚参考人 それなりに努力してくるところが大多数だと思います。

穀田委員 そういうことを言っているのではなくて、減らしなさいと言ったことに対して。

 それじゃ、聞きますよ。例えば、報道では、木村建設の子会社、平成設計が、北九州市のホテル建設設計に絡んで、最初に構造計算を請け負った広島市の設計会社に対してもう少し経済設計をしてほしいと求め、断られた、この事実はありますか。

篠塚参考人 私の方では認識しておりません。

穀田委員 社長、どうですか。

木村参考人 私の方でも、全くそのことについては知りませんです。

穀田委員 知らないじゃ済まないんですよ。東京支店長が知らないというのは、それは東京のことが範疇で知らないかしれないけれども、広島市で起こった事実について、では、あなたは管轄内なんですか、外なんですか、一言。

木村参考人 それは全くわかりません、現場に行くことはほとんどないですから。

穀田委員 それでは、全くそういう問題について責任を負っていないという意味ですね。

 それでは、聞きます。支店長は、キックバック要求は、先ほど言ったように、姉歯を信頼しているから言っているというふうに言っていましたけれども、では、彼は何でうんとうなずいたんですか。どう考えていますか。

篠塚参考人 済みません、ちょっと。うんというのは……。

穀田委員 わかったということですよ。いいですよ、もう。

 要求に対して断れない関係にあったということですね。そういうことですね。

篠塚参考人 信用していましたので、断られないと思っていました。

穀田委員 あなたは信用と言う。相手はどう言っているか。自分のところの仕事の四割を占めている大口の発注者であって、それは断れないということでしたね。そういう理解でいいですね。

篠塚参考人 姉歯のことはわかりません。

穀田委員 そういうことです。

 次に、イーホームズに聞きます。

 国土交通省は二十四日に検査に入ったというふうにあなたはおっしゃいました。二十一日にも検査に入っていますか。

藤田参考人 今のは十月の二十四日でよろしいですね。二十一日というのは十月の二十一日のことですか。十月二十一日に検査は入っておりません。

穀田委員 報道では十月二十一日に入っていると書いていましたので。それでは、十月二十四日に入ったと。

 先ほどの報告では、緊急異例だったと。まず、二つ答えてください。今までと違って、通常は事前に報告がある、しかし、今回の場合には九時半に電話があって緊急異例だった、特別だったということですよね。

 その場合の目的を何というふうに国土交通省は言いましたか、正確にお答えください。

藤田参考人 国土交通大臣の命による立入検査ということだけで、目的については何もおっしゃいませんでした。

 先ほど申しましたけれども、三年前に他機関で業務停止、違法なものがあったときには、立入検査が緊急にあったんです。ですから、今回もそのような状況が他機関でもあるのかなということで知っている機関に電話等をしたら、どうやら当機関だけであったということで、そういう意味では粛々と立入検査を受けたということです、当日。

穀田委員 それでは、その検査を受けて、検査を行った国土交通省はどういう指摘とどういう指導を行いましたか。

藤田参考人 十月二十四日の立入検査は、本省の建築指導課と住宅生産課による二つの立入検査があったわけです。いずれも、帳簿の内容、台帳の整備についての状況をかなりチェックされました。

 やはり誤記とか転記漏れ等がございまして、建築指導課の方からは、今後注意するようにと。確認書等も書いたんですけれども、その後特に何も御指導は出ていないです。住宅生産課においては、一週間以内の間に本省の方に出向きまして、今後は帳簿の方をしっかり作成するようにということです。ですから、誤記やそのような誤謬等がないように注意しなさいというのを課長名でいただきました。

穀田委員 つまり、国土交通省は、立入検査に入ってこの問題を見抜けなかった、いわば耐震強度偽造問題については全く見抜けなかったという事実があった、それは当然だ、そういうことだったですね。耐震強度偽造問題については、国土交通省はこの立入検査では発見できなかったという事実は残っていると。

 それから二つ目に、それはそうでいいんですけれども、確認しておきたいんですが、では、社長は少なくとも、一連の報道で見ますと、十月六日ぐらいから自分のところの内部検査を、監査を始めているという記事がありました。そして、正確に言いますと、二十日に内部監査でわかったと。そうすると、一刻を争う重大事態のもとで、監査に入ったのが仮に二十四日としますと、数日間その間はあったわけですよね、当然期間は。そうすると、その問題について、立入検査に入った国土交通省に対して事実を伝えることはできたはずだ。それを伝えなかったのはなぜですか。

藤田参考人 十月二十四日に立入検査に入られたときに、口頭で言ったかどうかの記憶がちょっと定かではないんですが、あくまでもヒューザーの事件の本質を内部的にはわかったと。ですが、先方を呼んで事実を確認しないと報告を上げられませんので。そもそも、報告する義務は各特定行政庁にあるんです。特定行政庁と申請者に対してあるんです、私ども、法的には。ですから、翌二十五日に、関係事業者さんを呼びまして、事実を確認した。その上で、二十六日に報告をさせていただいたんです。

 ただ、その中で、先方の小嶋社長よりこちらに来いと言われたので、これは堂々と行って確かめようと。そういうことで二十七日に、さっき、呼ばれたというふうにどなたかおっしゃっていましたけれども、呼ばれたんではなくて、こちらから乗り込んでたださなければいけないという意識だったんです。社長にちゃんと伝わっているのかな、この事件の重大さが、そういう気持ちで行ったんです。(発言する者あり)

林委員長 参考人に注意します。不規則発言を控えてください。

穀田委員 地方自治体に報告したり関係の役所に報告する、それは、建物を建築確認として違反だということで取り壊したり、そういうことを、確認を取り消すという意味で必要なことは、地方自治体に対して報告する義務はあります。そういう権限は持っています。

 しかし、問題は、既に建っているものもあるわけです。それは、そういう関係ではなくて、命にかかわる問題として起こっている事態です。したがって、地方自治体や国交省に対して、その確認にかかわる問題として言うのではなくて、そういう耐震強度が偽造されていて命が危ないという問題があるということについては言えたはずなんです。それは、建築確認にかかわる、そういう行政上の手続に関する問題ではなくて、命にかかわる問題について少なくとも言う権限はあったし、言う機会はあったと思いませんか。どうですか。

藤田参考人 私どもが内部監査で発見した事実は、偽造の有無の可能性なんです。それがどの程度低減されているかというのはわからないんです、実際のところ。報道では、すぐに簡単に見抜ける、簡単な差しかえじゃないかというふうに報道されておりますけれども、実際、この事件が発覚して各行政庁に連絡が行ったのはもう十月の末の段階です。それから各行政庁でも調べた結果、ようやく一カ月たって、平塚市の発表からだんだんと出てきた。それだけ複雑で難しいのです。

 つまり、私どもが認識したのは、偽造がどれだけ危険なのかというよりも、偽造の有無、偽造があったということなんです。だから、それがどれだけかを本省のもとで調査していかないとわからないわけです。具体的には、本省の方と調整した上で十一月の十日から一挙にかけてやっていったんですが、ようやくこの問題の複雑さというか、そういったことが理解されていった。その中で、大臣認定プログラムだけじゃなくてその取り扱い等の問題も、それもあったというふうに私としては理解しています。

 問題が複雑だったので、そのとき、人命に直接かかわるというよりは、どれだけのものかわからなかったんです。だから、先方に事実を確認したら、やはり意図的に人為的に行われていた。だからこそ本省に行ったわけです、二十八日に。もう重要なことですよ、当機関だけで起きている問題ではなくて、他機関、行政でも起きていますよと。そういうことであれば、私どもの力では何ともなりませんので、本省の方に報告をさせていただいたということです。

穀田委員 複雑で多岐にわたってそれ自身が非常にわかりにくい問題だというのは、これは当然です。問題は、その疑問を持ったときにいち早く言えるかどうかということを私は提起しているわけです。

 そこで、あなた方は建築確認を行うのは当然の仕事なんですけれども、建築基準法にのっとって安全かどうかをチェックする仕事、大事な部門です。国交省がさらに十一月二十四日、二十五日の両日に立入検査を行っています。その際にはこういう指摘があります。昨年十一月以降に建築確認を出した十階建て以上のマンションやビル計五百棟のうち、九十八棟を抽出して再点検したところ、建築基準法どおりだったと確認できたのは二棟しかなかった、残る九十六棟については、構造計算書に記された計算過程を詳細に審査する必要があったが、あなたの会社は、計算過程の最初の部分以外については十分な審査をしていなかった、国交省令で必要な認定書が添付されていないにもかかわらず独断で検査を省略していた物件もあった、これは事実ですね。

藤田参考人 二十四日、二十五日において行われた立入検査の結果、審査内容のチェックについて確認書、最終的に確認書にするんです、主観的、客観的な意見のやり合いの中でやりますので。横浜支店における確認書にのみそれは記載されておりますが、そこではチェックされていたという合意になっております。

 先ほど言いましたけれども、この九十八件のうちの二件というのは、図書省略制度が行われているというものです。それ以外のものについては計算図書が添付されていて、チェックはされていたということになっております。横浜支店の確認検査……(穀田委員「それはいいです。もうわかったから」と呼ぶ)よろしいですか。

穀田委員 最後に、ヒューザー社に聞きたいと思うんです。

 先ほども不規則発言がありましたけれども、あなたは、販売コストを下げるためには安い建設費用の木村建設を使う、そして建築確認の早いイーホームズを使って、そうやってやってきたんですよ。だから、その責任は極めて重大だと言わなければなりません。

 そこで、一つ聞きたいんですけれども、まず、あなたは、今度の事件の問題で、慎重にだとか公表をおくらせるという話をいろいろしています。しかし、人命にかかわる問題で、まず一刻も早く明らかにして、公表をして、関係省庁と連絡をとったり、すべてのところへ連絡をとったりするのが当たり前ではありませんか。その点について簡単にお答えください。

小嶋参考人 全くそのとおりであると認識しております。

穀田委員 にもかかわらず、あなたは、先ほどのお話し合いで、十月の二十七日、関係者が集まって話し合いをし、対策会議を行った際に、三年間見過ごしてきたのだから公表をおくらすことができるはずだといった発言をしたのは事実ですね。

小嶋参考人 事実とは違います。

 三、四年も見過ごしてきている物件というのが何なのか、どこのどんな物件なのかも、口頭でございますので、こちらとしてはそのようないいかげんなことは絶対やってはならない。そして、そのような、聞いたならば驚天動地となるようなことに対して、全く予備知識も何もなくていきなり公表などということはとんでもない、お客様方にとっても大問題であって、それはとにかく事実確認をさせていただく時間はないのかという意味でございます。

穀田委員 それは違いますよ。少なくとも三年間見過ごしてきたんだからという話は、当然そういう論理にはなりません。

 それから、じゃ、もう一つ聞きましょう。あなたはこの問題について、天災地震にて倒壊したとき調査し発覚したことにしたい、お願いごとです、役所もその方がよいのではないか、全員同罪ですというふうに語ったと記されていますが、まずこの点については、じゃ、傍証から聞きましょう。イーホームズさん、こういう発言があったことは事実ですね。

藤田参考人 そのとおりです。事実です。

穀田委員 では、小嶋さん。

小嶋参考人 これは全くひどい捏造でございまして、私の方が申し上げたことは、阪神大震災によって六千人以上の方が亡くなり、そして二十万棟以上の家屋が倒壊し、四十万世帯以上がなくなったんです。これはすべて非耐震だったのですかということになるわけでして、それぞれがいずれも耐震構造での確認だったはずのものが、なぜこのように倒れてしまったのか、そこを追及するということがどうなのかという問題で、私どもとしましては、これを地震があってから調査した方がいいなどということは全く申し上げてございません。

穀田委員 今の阪神大震災の件について言うならば、全然論理は通らないわけですよ。だから、少なくとも今度の事実を公表するということについておくらせる、さらには、少なくとも今の発覚したときにやったらいいじゃないかというのは全然違う話なんですよ。ですから、そういう発言をしたというのは、今までの脈絡からいえば、それはイーホームズ社が言っているのが確かだと思うんです。

 ほかの方に、必要だったら確認する必要があると思うんです。イーホームズ社は、ほかの方に聞いても大丈夫だという自信はありますよね。お答えください。

藤田参考人 もちろんそのとおりです。

穀田委員 終わります。

林委員長 日森文尋君。

日森委員 社民党の日森文尋でございます。

 それぞれ各委員から発言ありましたが、命と財産にかかわる重要な問題です。私からも、きょう出席されたすべての皆さんがきっちりと責任を自覚されて、そして対応されるよう、最初に要望しておきたいと思います。

 私、時間が限られていますので、検査機関に限って、参考人、イーホームズさんだけで大変申しわけないんですが、限って質問させていただきたいと思います。

 その前に、最初に、十月の二十七日、ヒューザーの小嶋社長からいろいろ御提起というか不規則発言というか、先ほどもございましたが、ありました。その小嶋社長のお話というか発言を聞いてどんな感想を持たれたか、まず最初にそれをお聞きしたいと思うんです。

藤田参考人 建築は、人の命や財産に直接的に影響する大変なものなのです。そういう意味では、この仕事に携わる人間として、あり得ない、ひどい言葉だと思いました。

日森委員 大変な圧力であるとも感じたのではないかと思いますが、それは私の方のあれですから。

 それで、最初に、民間の検査機関として業務を行っているわけですが、業務を進めていく上での、仕事を受注する場合の一番大事なポイントというのは一体どうお考えなんでしょうか。例えば、費用であるとか丁寧な審査をするための審査時間であるとか、さまざまあると思うんですが、どういう哲学でおやりになっているか、ちょっとお聞かせいただきたい。

藤田参考人 一番大切なものは、指定機関として公正中立な第三者機関であるということだと思います。そのために、弊社においては独立系の機関として、唯一の独立系の機関として存在しております。

 次に大切なことは、情報提供をどのようにして行うかということです。(発言する者あり)いや、いません。いません、それは。

 私は、法律が改正する前から、住宅というか建築物のリスク情報を提供するというビジネスを立ち上げたんです。つまり、情報産業という意味で立ち上げたんです。二十一世紀の住環境を向上させるためにどうやってリスク情報を提供するか。その中で法律が改正されましたので、指定機関として仕事をしているということであります。

 そういう意味では、今回、こういう情報を知った以上は、公表を差し控えろという圧力に対しては、公表を差し控えるということ自体が社員への裏切りにもなりますし、会社のミッションを失うと考えて公表に至ったわけです。

日森委員 専門家によると、イーホームズさんも含めて、現在の民間検査機関には実は検査能力が乏しいのではないかという厳しい指摘をされる方もいらっしゃいます。しかも、今回、姉歯さんは、おたくの検査機関は甘いのだという、いわばそういう評価があって、だからイーホームズさんに今度の検査をお願いしたという話になっていますが、こういうことに関してどんな感想をお持ちですか。

藤田参考人 平成十年の法改正以前には、確認検査業務はすべて一〇〇%特定行政庁、役所でやっておったわけです。このときに役所の方は、まちづくりの意識を持って、しかし、つくり手という経験のない中で審査をしてきたわけです。民間開放によって、まちづくりという意識の高い審査業務に精通した方と、民間で、つくり手側でいた立場の人たちが一緒になって新しい技術となってやってきたわけです。ですから、今回、偽造を発見したのも、当社には、先ほどいただいた資料の中にもありましたけれども、構造ソフト関係の優秀なプログラマーが社内におりますので、そういった経緯が発覚の、発見できたというふうに思っております。

 その次ですけれども、簡単かという点においてですけれども、私どもは適正に審査業務を行っておりますので、今回の一連の報道等を背景に非常にやゆされておると思っております。しかし、そのようなことは絶対ないと自負しております。

日森委員 みなし公務員として守秘義務も当然あるわけで、しかし、実際には営利がなければやっていけないわけで。ちょっと比較表をいただきました。行政が審査をする場合とイーホームズさんがやる場合、イーホームズさんの方がずっと高いですよね、全部言っている時間はございませんが。こういうことになると、かなり数を受けて、なるべく短い時間でこれを審査するということが一つ命題になっているんじゃないかという思いがあるんですよ。そういうことが実は今度の偽造事件を見過ごしてしまった一つの大きな要因になっていないのかどうなのか。

 ほかの検査機関も当然あるんだとおっしゃっています。行政の側にも同じことを聞きたいんですが、法改正があったときに、行政は人手が少ない、時間もかかるし、もっとスピードアップをして、しかも国際的な審査基準といいますか、それに合わせていくために民間の検査機関について認めていこうという話になっていたと思うんですね。

 そういうふうに考えていくと、実はイーホームズさんの方では、それだけじゃないんですが、民間の方はどうも、収支といいますか、それから効率化ということが中心になっているんではないかということが一つと、それから、行政の側も見過ごしていますけれども、これは、民間ができたために、実は体制が十分その後整備されてこなかったということも言えるんではないかと思うんですが、その点について、イーホームズさんとそれから平塚の部長さん、お願いしたいと思うんです。

藤田参考人 我々は、建築基準に建築計画が適合している場合には、七日もしくは二十一日以内、大きいものは二十一日以内におろさなければいけないという法律があるわけです。その意味では、二十一日以内にできるだけ早くおろそうという経営努力、全員でですね、どのような体制で審査をやればいいかということはやっております。

 もちろん、その中で必要な是正指導等があれば、中には一カ月、一カ月半かかるものも当然ございます。そういう意味では、いたずらに早ければよいわけではなくて、やはり重要なのは正確な審査だというふうに常に社員一同言っております。

渡辺参考人 民間の確認検査機関ができたことで、我々の方が、特定行政庁の方がどういうことを主眼と置かなきゃいけないか、その辺の体制のことについてお尋ねでございます。

 現在、確認申請が民間に提出された場合にも、指定確認検査機関からのいろいろな法的、都市計画上の問題、これは例えば敷地の接道要件等、あるいは各種問い合わせ等が各民間の方からございます。必要に応じて現場調査を行っているということでございます。

 ですから、一向に、件数が減ったから事務量が減ったということではございませんので、そのほかにも、中間検査の拡充、そして違反防止対策の強化、そういうものも取り組んでおりますので、体制としては、今までどおり体制を整えながら守っているというようなことでございます。

日森委員 民間の検査機関に業務を委託してもよろしいですよという法律ができたときに、行政側は、それでは違法建築というものを徹底して取り締まろうという仕事にシフトしていこうということになったと思うんですね。実は、今度の事件もそれが十分にできていない、できていなかったと。当然そういう反省はお持ちだと思うんですが、これがないと、実際、民間に検査業務をゆだねた意味がないわけですよ。

 そこら辺について、もう一度、参考人、どんなふうにお考えでしょうか。

渡辺参考人 ここ数年、平塚市も検査件数は大体全体で二千件ほどあるんですが、ちなみに、十四年度が約八対二で平塚市、特定行政庁。十五年度が五対五。十六年度、昨年は三対七というぐあいで、七割が民間に移っております。

 そういう関係から、その減った分をいろいろな部分で行政としての役割、これを大事にして反映させていきたいということで今鋭意頑張っているところでございます。

 以上でございます。

日森委員 決意表明はお聞きをしましたが、時間がなくなりました。

 制度の問題、もう一度改めて考えていかないと再発するということだと思います。という意味で、ぜひ委員会でも積極的なこれからの審議も続けていただきたいということをお願いして、終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

林委員長 これにて参考人に対する質疑は終了いたしました。

 この際、参考人の方々に一言申し上げます。

 本日は、本委員会にて御答弁をいただきまして、まことにありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く厚く御礼を申し上げます。ありがとうございました。

 次回は、明三十日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後四時三十一分散会


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