衆議院

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第24号 平成19年6月8日(金曜日)

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平成十九年六月八日(金曜日)

    午前九時一分開議

 出席委員

   委員長 塩谷  立君

   理事 後藤 茂之君 理事 中野 正志君

   理事 西銘恒三郎君 理事 葉梨 康弘君

   理事 山本 公一君 理事 伴野  豊君

   理事 三日月大造君 理事 高木 陽介君

      赤池 誠章君    石田 真敏君

      上野賢一郎君    遠藤 宣彦君

      小川 友一君    小里 泰弘君

      大塚 高司君    鍵田忠兵衛君

      梶山 弘志君    亀岡 偉民君

      北村 茂男君    桜井 郁三君

      島村 宜伸君    杉田 元司君

      鈴木 淳司君    薗浦健太郎君

      徳田  毅君    長崎幸太郎君

      長島 忠美君    原田 憲治君

      松浪 健太君    松本 文明君

      宮澤 洋一君    盛山 正仁君

      吉田六左エ門君    若宮 健嗣君

      泉  健太君    小宮山泰子君

      古賀 一成君    下条 みつ君

      土肥 隆一君    仲野 博子君

      長安  豊君    森本 哲生君

      鷲尾英一郎君    伊藤  渉君

      福島  豊君    穀田 恵二君

      糸川 正晃君

    …………………………………

   国土交通大臣       冬柴 鐵三君

   国土交通副大臣      望月 義夫君

   厚生労働大臣政務官    松野 博一君

   国土交通大臣政務官    梶山 弘志君

   国土交通大臣政務官   吉田六左エ門君

   政府参考人

   (警察庁長官官房審議官) 野村  守君

   政府参考人

   (警察庁生活安全局長)  片桐  裕君

   政府参考人

   (警察庁刑事局組織犯罪対策部長)         米田  壯君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           森山  寛君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房長) 竹歳  誠君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房総合観光政策審議官)     柴田 耕介君

   政府参考人

   (国土交通省土地・水資源局水資源部長)      棚橋 通雄君

   政府参考人

   (国土交通省道路局長)  宮田 年耕君

   政府参考人

   (国土交通省住宅局長)  榊  正剛君

   政府参考人

   (国土交通省鉄道局長)  平田憲一郎君

   政府参考人

   (国土交通省自動車交通局長)           岩崎 貞二君

   国土交通委員会専門員   亀井 為幸君

    ―――――――――――――

委員の異動

六月八日

 辞任         補欠選任

  亀岡 偉民君     小川 友一君

  坂本 剛二君     松浪 健太君

  盛山 正仁君     上野賢一郎君

  黄川田 徹君     森本 哲生君

  小宮山泰子君     仲野 博子君

  赤羽 一嘉君     福島  豊君

  亀井 静香君     糸川 正晃君

同日

 辞任         補欠選任

  上野賢一郎君     盛山 正仁君

  小川 友一君     亀岡 偉民君

  松浪 健太君     坂本 剛二君

  仲野 博子君     小宮山泰子君

  森本 哲生君     黄川田 徹君

  福島  豊君     赤羽 一嘉君

  糸川 正晃君     亀井 静香君

    ―――――――――――――

六月五日

 国民の安全・安心の願いにこたえる公共事業を求めることに関する請願(西村智奈美君紹介)(第一三八六号)

 同(萩原誠司君紹介)(第一三八七号)

 同(松木謙公君紹介)(第一三八八号)

 同(阿部知子君紹介)(第一四〇二号)

 同(岩國哲人君紹介)(第一四〇三号)

 同(後藤斎君紹介)(第一四〇四号)

 同(重野安正君紹介)(第一四〇五号)

 同(日森文尋君紹介)(第一四〇六号)

 同(森本哲生君紹介)(第一四〇七号)

 名瀬測候所の気象台への格上げと沖永良部測候所の継続を求めることに関する請願(徳田毅君紹介)(第一三八九号)

 気象事業の整備拡充に関する請願(菊田真紀子君紹介)(第一三九七号)

 同(徳田毅君紹介)(第一三九八号)

 同(林田彪君紹介)(第一三九九号)

 同(日森文尋君紹介)(第一四〇〇号)

 同(松本龍君紹介)(第一四〇一号)

同月七日

 国民の安全・安心の願いにこたえる公共事業を求めることに関する請願(近藤洋介君紹介)(第一四七三号)

 同(武正公一君紹介)(第一四七四号)

 同(松本龍君紹介)(第一四七五号)

 同(亀井静香君紹介)(第一五六二号)

 同(川内博史君紹介)(第一五六三号)

 同(高井美穂君紹介)(第一五六四号)

 同(平岡秀夫君紹介)(第一五六五号)

 気象事業の整備拡充に関する請願(小平忠正君紹介)(第一四七六号)

 同(穀田恵二君紹介)(第一四七七号)

 同(土肥隆一君紹介)(第一四七八号)

 同(三日月大造君紹介)(第一四七九号)

 同(亀井静香君紹介)(第一五六六号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 国土交通行政の基本施策に関する件

 住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律案起草の件

 住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する件


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     ――――◇―――――

塩谷委員長 これより会議を開きます。

 国土交通行政の基本施策に関する件について調査を進めます。

 本件調査のため、本日、政府参考人として国土交通省大臣官房長竹歳誠君、大臣官房総合観光政策審議官柴田耕介君、土地・水資源局水資源部長棚橋通雄君、道路局長宮田年耕君、住宅局長榊正剛君、鉄道局長平田憲一郎君、自動車交通局長岩崎貞二君、警察庁長官官房審議官野村守君、警察庁生活安全局長片桐裕君、警察庁刑事局組織犯罪対策部長米田壯君及び厚生労働省大臣官房審議官森山寛君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

塩谷委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

塩谷委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。伊藤渉君。

伊藤(渉)委員 公明党の伊藤渉です。おはようございます。

 早速質問に入らせていただきたいと思います。

 昨年の六月、公布そして施行となりました住生活基本法でございますけれども、この目的には、国民の住生活の安定の確保及び向上の促進に関する施策について、基本理念を定め、及び国等の責務を明らかにするとともに、住生活基本計画その他の基本となる事項を定めることにより、当該施策を総合的かつ計画的に推進し、もって国民生活の安定向上と社会福祉の増進を図るとともに、国民経済の健全な発展に寄与すること、こうございます。この基本理念として、低額所得者、高齢者、そしてお子さんを育成される家庭その他住宅の確保に特に配慮を要する者の居住の安定の確保、こういったことが規定をされております。

 早速質問でございますけれども、通告で二つに分かれておりますが、一番目と二番目、一緒にお聞きをしたいと思います。

 ここで言う「配慮を要する者」のうち、高齢者世帯の将来推計について、現在そして予測可能な将来、どのような状況になるのか、まずこの点についてお伺いをするとともに、その中で、いわゆる独居老人あるいは高齢者のみの御夫婦、こういった世帯はどの程度になるのか、この点について住宅局長にお伺いをいたします。

榊政府参考人 現在、世帯主が六十五歳以上であります高齢者の世帯数でございますけれども、直近の二〇〇五年の国勢調査によりますと、全国で千三百五十万世帯ということで、全世帯の二七%を占めております。

 高齢者世帯数の将来推計ですが、十年後の二〇一五年には、全国で千七百六十万世帯ということで約三五%、二十年後の二〇二五年では、全国で千八百四十万世帯ということで全世帯の三七%になるという推計をいたしております。

 それから、高齢単身者世帯あるいは高齢夫婦のみの世帯ということですが、平成十七年で申し上げますと、二〇〇五年の国勢調査ですと、全国で千三百五十五万世帯のうち単身世帯が三百九十万世帯、高齢夫婦のみの世帯が四百八十万世帯ということになっておりまして、それぞれ全世帯の八%、一〇%という形になっております。

 高齢者世帯の中で単身もしくは高齢者夫婦のみの世帯の割合は、そこでいきますと三〇%、三五%という形になっておりますので、現状で三分の二が一人または二人の世帯、こういうことになっております。

 それから、将来推計でございますけれども、単身者世帯の場合は、二〇二五年ベースで見ますと、六百八十万世帯ということで全世帯の一四%、高齢者二人世帯が六百十万世帯で全世帯の一二%というふうに推計をいたしておりまして、その六百八十万、六百十万という世帯でいきますと、高齢者世帯全体に占める割合はそれぞれ三七%、三三%でございますので、高齢者世帯の中で一人もしくは二人の世帯が合計で七〇%になるというふうに推計をいたしておるところでございます。

伊藤(渉)委員 今細かい数字を御教示いただいたところでございますが、二十年後にはほとんど、全世帯数の三分の一程度が高齢者世帯になり、その七割程度が単身あるいは御夫婦のみの世帯になるというような数字を今教えていただきました。

 そもそも、こうした高齢者単身での入居、あるいは高齢者夫婦のみの世帯は入居を拒否されてしまう場合があるということも地元ではお伺いをするわけですが、この点についての国土交通省の現状認識及び対策についてお伺いをいたします。

榊政府参考人 財団法人日本賃貸住宅管理協会が昨年の四月にアンケート調査を行っておりまして、そこで、大家さんの中で、単身の高齢者については八・四%、二人の高齢者、夫婦ですが、高齢者のみの世帯については七・一%の経営者が入居制限を行っているということになります。さらに、高齢者に限らず入居制限全体では一五・八%というような形で、高齢者が円滑に賃貸住宅に入居できる環境の整備が重要な課題だというふうに思っているところでございます。

 私どもとしては、平成十三年に高齢者の居住の安定確保に関する法律というのを制定いたしまして、高齢者の入居を受け入れることについての民間賃貸住宅に関する情報提供ですとか、バリアフリー化されました民間賃貸住宅に整備費並びに家賃の減額助成を行う高齢者向け優良賃貸住宅の供給、こういったことをやってきているところでございます。

 さらに、大家さんが高齢者の入居の受け入れを拒否するといいますか、そういうことになりますのは、家賃の支払いといったようなことについてトラブルの発生といった不安を感じているということがございますので、実は、昨年度から、あんしん賃貸支援事業というのを創設いたしております。公共団体、NPO、社会福祉法人ですとか、不動産関係団体といったような方々が連携をして受け皿整備をしていただきまして、高齢者を初めといたしまして障害者や子育て世帯を対象に、入居を受け入れることとしていますような民間賃貸住宅に関する情報の提供といったようなことに取り組んでいるところでございます。

 現在、十八年度は八団体で始めたんですけれども、今年度から約四十の地方公共団体がこういったような支援事業の創設を検討したいというふうな要望が来ておりますので、それにも的確に対応していきたいというふうに思っておるところでございます。

伊藤(渉)委員 ありがとうございます。

 高齢者、特に、私、地元名古屋でも、単身の方また高齢者の御夫婦だけでこうした公的賃貸住宅にお住まいの方を見ておりますと、ふだんの生活の中で、一つは、バリアフリーという問題が影響が大きいといいますか、この言葉が聞かれて久しいわけですけれども、まだまだこうした公的賃貸住宅でバリアフリーがきちっと整備をされている状況というのが全体的に広がっていないという印象を受けるわけでございます。

 そこで、住生活基本計画では、高齢者が居住する住宅でのバリアフリー化の目標数値として、また共同住宅ストックの共用部のユニバーサルデザイン化の目標として、平成二十七年、ここまでで二五%、こういうふうに掲げていらっしゃいますけれども、現状と当面の将来予測についてお伺いをいたします。

榊政府参考人 平成十五年に行いました住宅・土地統計調査という形で見ますと、六十五歳以上の高齢者の居住する住宅のうち、二カ所以上の手すりの設置、屋内の段差解消、車いすで通行可能な廊下幅の確保、これを我々三点セットと呼んでおりますが、この三点セットのすべてに該当するバリアフリー化された住宅というのは六・七%にとどまっております。それから、共同住宅のうち、道路から各住戸の玄関まで車いすとかベビーカーで通行可能な住宅ストックの比率というものでまいりますと、それは一〇%になっているということでございます。

 このような現状を踏まえまして、住生活基本計画の方では、新築住宅についてはバリアフリー化の状況は進むだろうということを思っておるわけですが、既存ストックにつきましてもバリアフリー改修を促進したいということで、ことし税制をつくったということもございまして、平成二十七年に高齢者が居住する住宅のバリアフリー化率を二五%まで引き上げようということを目標といたしております。

 それから、共同住宅の共用部分のユニバーサルデザイン化につきましても、マンションという形ですのでなかなか既存住宅の改修というのは困難な面もあるんですが、この指標でも同様に二五%まで引き上げたいということで、目標の達成に向けて努力をいたしたいと思っておるところでございます。

伊藤(渉)委員 特に、既存の物件のバリアフリー化の難しさというのを私は十分承知しているつもりでございますけれども、お年寄りがふえることは紛れもない事実でございますので、しっかりと努力を重ねていただきたいと思います。

 また、厚生労働省の方は、療養病床、こういったものの再編に伴って、療養病床のうち医療の必要性の低い、三十八万床と聞いていますが、そのうちの二十三万床については、病院ではなく、在宅や居住系のサービス、あるいは老健施設等へ転換していくという方針を示されております。当然、省庁間で協議をしながらおのおの施策を進めていると思いますけれども、これもやはり将来に対しての不安の声、昔と違ってお年寄りだけで住む世帯というのがふえていますので、将来どういったところで生活をすることになるのかというような不安の声を地元では聞くわけでございます。

 公営住宅や優良賃貸住宅においては、こうした将来を見据えまして、簡単な介護サービスも可能とする、個人の費用負担も含めて、老健や特養、こういったところのレベルまでいかないものの、簡単な介護が可能となるような住宅のニーズというものが高まってきていると私は認識をしているわけですけれども、国土交通省のお考え、そして現段階で何らかの取り組みがあれば、お伺いをいたします。

榊政府参考人 実は、要介護の認定を受けた高齢者の方の数ですが、平成十二年で二百十八万人おられましたが、昨年の四月末現在ですと四百三十五万人という形で、ほぼ倍増いたしております。今後の高齢化の動向を踏まえますと、介護を必要とされる高齢者の方がさらに増加していくというふうに現状認識をいたしておりまして、先生御指摘のように、住みなれた自宅だとか地域で介護を受けたいと希望する方がこれからたくさん出てこられるだろうというふうに思っております。

 私どもとしても、そういったような、高齢者が安心して自立した生活を送るために、住宅のバリアフリー化を先ほど申し上げましたような形でどんどん進めていくと同時に、福祉行政と連携した緊急時対応等の見守り機能などソフト面でのサポートというものが重要だというふうに思っております。

 まず、公共賃貸住宅で申し上げますと、福祉施策と連携いたしまして、大規模な公営住宅、団地の建てかえといったようなときには、デイサービスセンターなど福祉施設の併設をまず原則化、原則的に福祉施設を併設するんだということをやっておりまして、平成十八年度末現在で、社会福祉施設の併設は、五百七十六ぐらいの施設が既に立地をいたしております。

 それから、高齢者等の生活特性に配慮いたしましてバリアフリー化されました公共賃貸住宅とライフサポートアドバイザーによる日常生活支援のサービスの提供といったような形で、これはシルバーハウジングの供給というふうに私ども呼んでおりますが、これも平成十八年度末現在で、八百二十一団地、約二万二千戸について、そういったようなライフサポートアドバイザーができる、こういったような取り組みをやってきております。

 それから、昨年度から、民間の賃貸住宅でも、厚生労働省と連携をいたしまして、高齢者専用賃貸住宅といったようなものでございますが、それにつきましては介護保険制度の特定施設の対象というふうにいたしまして、高齢者専用賃貸住宅なんだけれども介護保険の対象になるといったようなことでやっております。

 それから、先ほど申し上げましたあんしん賃貸支援事業でございますけれども、地元それからNPO、社会福祉法人、不動産関係団体、こういったような連携をして、いわば入り口といいますか、賃貸住宅に入るとき、それから入った後のケアの仕方、そういったことも協議会の中でまとめてやっていくというようなことで、これが十九年度四十の公共団体が新たに検討を開始していただけるという状況になっておりますので、この方向で進めていきたいというふうに思っているところでございます。

伊藤(渉)委員 質問時間があと五分ということですので、少し順番を飛ばしていきます。障害をお持ちの方への住宅政策、あるいは子育て中の御家庭への住宅政策についてもお伺いしようと思いましたが、そこは少し飛ばさせていただいて、通告で言うところの七番をお伺いします。

 住生活基本法、この審議の中でも明らかになっておるわけでございますが、既に住宅のストック数が総世帯数を上回っていると承知をしております。平成五年には空き家率が一〇%を超えたとのデータもございます。その上で、今我が国が抱えている住宅事情、これは質の向上といいますか、多様なニーズに、需要にこたえるという、ある意味で非常にレベルの高いものになってきているのではないかと私は認識をしております。

 こうした中で、依然として、都市部では公的賃貸住宅、特に公営住宅への入居の希望は非常に多いというふうに聞いておりますけれども、入居の応募の倍率、こういったものがどの程度なのか。全国平均、東京圏、名古屋圏、ここに限定して、その数値及びここ数年の増減の傾向について御教示をお願いいたします。

榊政府参考人 まず、全国平均で申し上げますと、十五年度が九・四、十六年度が九・七、十七年度が九・九倍という形で推移いたしております。東京圏で申し上げますと、同様に、二〇・一、二一・三、二二・四。名古屋圏で申し上げますと、五・八、六・五、六・八倍。年々増加している傾向がございます。

伊藤(渉)委員 ありがとうございます。

 その中で、いわゆる公営住宅の収入制限というのがあるわけですが、その制限を超えている方も幾人かお住まいになられているというようなお話も聞くわけでございます。その点についてもお伺いする予定でございましたが、これも飛ばさせていただいて、通告で言う九番に入っていきます。

 本来、公営住宅に入ることができる方々、こうした方がなかなか入居できていない、また、収入で見れば公営住宅の入居対象者には該当しない、もう少し上の収入分位の方が現実には入居をしているという状況も散見されるわけでございます。こうした状況は当然のことながら改善を図らなければならないことは国土交通省としても承知をされ、既に取り組みは開始をされていると承知をしているわけでございます。

 一方で、幾ら収入超過者とはいえ、いわゆる収入分位で見れば、一番下の方から二五%程度が公営住宅の収入範囲というふうに承知をしておりますが、これをわずかに上回る程度の方が大半でございまして、ただ、とにかく収入が超えたから出て行けというわけにはいかないんじゃないかと私は考えております。

 では、公的賃貸住宅の中で、中堅所得層を対象としているものにこれまで特定優良賃貸住宅というものがあるわけでございますが、ここもなかなかうまくニーズとマッチングしていないといいますか、空き家が目立つといった声も聞くわけでございます。こうした特定優良賃貸住宅の空き家の発生理由及びこれに対する対策についてはどのように考えていらっしゃるのか、お伺いをいたします。

榊政府参考人 実は、特定優良賃貸住宅制度というのは、委員御指摘のように中堅ファミリー世帯向けということで始めました。平成五年に創設されたんですが、実は、バブルが崩壊いたしまして、民間家賃が下がるということがございました。それに対して、当初、この特優賃制度は、傾斜家賃で何年かたつと家賃が上がるみたいな仕組みをとっておりまして、そうしますと、家賃の逆転現象が起きまして、民間の方が安いという状況が出てまいりまして、一年以上の空き家が七%近く生じている、こういったような状況になりました。

 それで、私どもとしては、せっかくのストックでございますので有効活用しようということで、傾斜家賃を前提といったような仕組みをフラット化するといったような仕組みにするとか、それから、空き家の特優賃について、借り上げ公営という形で、公営住宅として借り上げちゃうといったような仕組みですとか、それから、弾力入居と言っておりますが、一定期間空き家になった場合には収入基準みたいなものは弾力的にやるということで、配慮入居者制度といったようなものをつくってやってきたということでございますけれども、それよりもむしろ、中堅ファミリー層ということではなくて、中堅の中のもう少し下の層をねらいまして、今年度からは地域優良賃貸住宅制度というような形で、高齢者向けとこの特優賃というのを統合して運用したいという方向で制度を切りかえたいというふうに思っておるところでございます。

 現在ある長期間空き家になっている住戸につきましても、市場家賃を踏まえて弾力的な見直しができるように努力をしてほしいということで、地方住宅供給公社等にお願いをしたいというふうに思っているところでございます。

伊藤(渉)委員 時間になりましたので、最後に大臣にお伺いをして質問を終わります。

 公的賃貸住宅制度、こうしたものをフルに活用しながら、民間にも御協力をいただいて、きめ細かな住宅政策の実現、いわば住宅のセーフティーネットを重層的に構築していくことが極めて重要であると私は考えておりますけれども、大臣の御所見をお伺いして、私の質問を終わります。

冬柴国務大臣 高齢者や障害者、子育て中の人、あるいはドメスティック・バイオレンスというようなことで住居を失った人に対して安定的に住居を確保する、特にそれに対して配慮を必要とする人たち、そういう世帯は公営住宅に優先入居をいただくというようなこともやってまいりました。

 今年度、平成十九年度の予算を認めていただきましたけれども、その中で、民間の賃貸住宅事業者の方でそういうものに協力をしてあげようという人たちに対して、その建設費とかそういうものについて我々が補助をさせていただくという、地域優良賃貸住宅制度というものを発足させております。そういうものを活用しながら、特に配慮を要する世帯に対して優先入居ができるようなことを施策として行うところでございます。

 また、先ほど来局長からの答弁がありますけれども、そのようなものに対する情報というものを提供するために、あんしん賃貸支援事業というようなものも行っておりまして、どういうところにどういう条件でということを気軽に聞いていただける、情報が入手できるという施策をしています。

 それからもう一つは、冒頭、伊藤委員からお話がありましたように、高齢者のみ、単身あるいは御夫婦が民間の賃貸に申し込みをいたしましても、悲しいことですけれども、入居抑制といいますか、賃貸借をお断りするということがあるわけです。やはりその理由は、本当に賃料を払ってもらえるだろうかという心配と、もしその方が亡くなったときに、賃貸借終了に伴う原状回復、もとどおりに直すということが本当に行ってもらえるんだろうかという御心配があるようです。したがいまして、その部分について政府が保証するというような制度、家賃債務保証制度というものも行っておりますが、今回、そういうものについても拡充をして行っているところでございます。

 したがいまして、特に配慮が必要な方々の居住の安定の確保について、しっかりと頑張っていきたいというふうに思っております。

伊藤(渉)委員 ありがとうございました。

 私としても、さらなる安心、安全の住宅政策の実現に向けて、しっかりと応援をさせていただきたいと思います。

 以上で質問を終わります。

塩谷委員長 小宮山泰子君。

小宮山(泰)委員 おはようございます。民主党の小宮山泰子でございます。

 私も住生活基本法を昨年質問させていただきましたけれども、やはり多くの方が、先般、県内でありました総会に行った際に、そういう公営住宅に入っていらっしゃる方、日本が高度成長期で、首都圏に移動されてきて、そして日本の高度成長期を支えた皆様が、今、四十年たち、非常に高齢化をしている。その中において、建てかえの問題なんかにおいては、先ほども委員からありましたけれども、非常に高級感ある公営というのでしょうか建物に変わり、なかなか住みづらくなっているという意味においては、これから収入がなくなっていく、また年金生活、それも必ずしも高くない、そういった中において、非常に将来について、老後を心配されている方がたくさんいらっしゃいます。

 この点に関しては、やはり国がしっかりと、日本を支えてくださった皆様方に対し、そして障害を持っていたり、また社会的なハンディを持っている方々に対しては、優しく、そして安心して日本人として日本に暮らし続けられる環境をつくらなければいけないんだということを思います。

 その点に関しまして、私自身も非常に憂えているところでもあります。恐らく大臣もその思いは一緒だと思いますので、通告はありませんけれども、簡単に御意見を聞かせていただければと思います。

冬柴国務大臣 我が国に居住しておられる方については、それが国内外問わず、配慮を要する人については入居できるように、差別扱いを受けないようにすることが必要である、そのように思います。

小宮山(泰)委員 ありがとうございます。

 ぜひ、そういった思いの中で、きちんとこの政策ができるような、多くの意味で総合的な中で国土交通政策というものを担っていただきたいと思いますし、私たちもそれができるようにしっかりと監視をし、そして提案もしていかなければいけないと思います。

 そこで、本日なんですけれども、国土交通省が約一千億円の税金を投入して建設した全国十四カ所にわたります地下駐車場でありながら国庫には現在のところ一円も収入が入ってこないという、非常に私にとっては不思議な仕組みの問題を取り上げさせていただきたいと思います。

 また、この問題の中にも、国土交通省から独立行政法人への天下りや、独立行政法人、天下り先の随意契約率が限りなく一〇〇%に近い問題や、落札率一〇〇%の例というのが多々ございます。こういった中においては、無駄遣いをすると、本当に苦しんでいる方や将来に不安をお持ちの方に対しての施策もできなくなると思いますので、この点、やはり国民の疑念がわかないように、招くことのないようにしなければいけないと思っております。

 まず、国土交通省所管の独立行政法人への天下り、随意契約また落札率が一〇〇%ということに関しての問題について質問させていただきます。

 民主党の要請におきまして、総務委員会命令で行われました予備的調査について、平成十七年度の契約実績等に関して、関係の独立行政法人側で記入され集計されたことし三月の結果報告データを使い、その中から質問させていただきます。

 政府は、政府契約でも、独立行政法人の契約について一般競争入札を原則とし、随意契約を例外扱いとし、随意契約を減らすように取り組んでおりますけれども、実際それがきちんと進んでいるのかというのは疑問に感じます。

 まず、独立行政法人都市再生機構ですけれども、理事長は国土交通省事務次官、そのほか国土交通省からの役人がおりまして、さらに多くの役員が関連企業、関連公益法人に天下るという図式が鮮明になっております。これは数々の委員会や、また今までも随分出ていることではあります。

 平成八年から平成十七年の四十九人の都市機構役員の資料がございますけれども、そのうち、国土交通省が把握している分だけでも十九人が国土交通省から都市機構に再就職しております。都市機構職員の再就職先への支出件数合計は千八百五十九件、そのうち随意契約が千八百四十九件ですから、十件を除いてすべて随意契約、割合としたら九九・五%ということになります。また、独立行政法人から再就職天下り先との契約のうち、限りなく一〇〇%近くが随意契約でありますし、天下り、わたりと言われる関係も鮮明に、明らかになっていると思います。これが国土交通省所管の都市機構の現実だと思います。

 大臣、まず最初に、このような天下りとかわたりが都市機構の契約関係に与えている影響について、所見を伺わせていただきます。

冬柴国務大臣 機構の関連会社につきましては、平成七年に閣議決定されました特殊法人整理合理化計画や平成十五年の都市再生機構法案に対する国土交通委員会の附帯決議の趣旨を踏まえまして、民間にできることは民間にゆだねるという基本的な考え方に基づきまして、民間事業者のノウハウの蓄積の状況を踏まえつつ、機構の賃貸住宅管理等の業務との関連性、一体性や、コスト縮減の可能性について検証した上で、居住者のサービスの低下を招かないよう配慮しつつ、民間企業の活用について検討をしてまいったつもりでございます。

 その態様は、賃貸住宅の大・中規模の補修工事、それから実施設計、測量業務等、あるいは現地窓口案内というようなものにつきましては、それぞれ他にお任せをする、いわゆる一般競争入札でやっていただくということにしたわけでございますけれども、現在、なお、賃貸住宅管理上の二十四時間緊急事故対応等の住民サービス、あるいは民間事業者には委託できない企画や判断を伴う機構業務の代行補完的な業務である権利者、地方公共団体等との折衝、あるいは民間誘導等の前提となる計画策定等調査、設計に係る地方公共団体との協議などは、重点的には、これは随意契約で行わなければならないということで、現在も随意契約で行っているというのが実態でございます。

小宮山(泰)委員 実態は確かに大臣のおっしゃるとおりではあります。しかし、本当にそのままでいいのかという思いをしております。必ずしも、この団体さん、一括して受けているところでありますけれども、ここが本当にやるべきことなんだろうか、これはやはり見直すべきじゃないでしょうか。

 実際、入札等が入らない形でやっておりますので、入ればまたとれるんじゃないかという、そんなようなこともありますし、ほかの団体ではありますけれども、この天下り先、一般競争になった途端にその事業から撤退するというようなある厚生労働省所管の財団もありました。こういったいろいろな例を考えてみると、この仕組みというのはもう一回見直していく、やはり地域にもっとおろしていくことや、一括でできることを見直すべきだと思います。

 次に行かせていただきますけれども、また、国土交通省に関連のございます独立行政法人水資源機構の国交省からの天下り、さらには、機構から関連法人のわたりも多い独立行政法人であります。

 一般競争入札がここもほとんどありません。二千三百四十六件の支出件数、わずか十二件が一般競争入札。つまり、割合でいえば一%もないということですから、随意契約と指名競争入札がほとんどという形で、こういう形でやっているわけですから、いろいろな問題が出てくるのも当然かなという思いがいたします。

 また、別の観点でいいますけれども、これはかなり専門性があるという御説明を私自身受けました。この形ではなく、では一般競争入札なら本当にいいのかといえば、予定価格と落札価格が千円単位までぴったりと合致して落札率一〇〇%という例も多く見受けられます。こういうことが重なって、結果、談合の温床となったり、国民の疑念を招いていくということになっていくんだ、そういう構造ができ上がっているんじゃないかと思います。

 例えば、独立行政法人土木研究所。役員は理事長が旧建設省からの横滑り。平成十八年二月、物品調達では四百八十八万一千円、落札率一〇〇%。同年四月、二百九十四万円、落札率一〇〇%。同月、二百九十九万二千円、落札率一〇〇%。また同じ月、二千七百八十三万九千円、落札率一〇〇%。また同じ月に、土木等コンサルタント業務が九百八十二万八千円、落札率一〇〇%などなど。このほかにも、所管でいえば、独立行政法人北海道開発土木研究所、交通安全環境研究所、海上技術安全研究所、港湾空港技術研究所、航空大学校、鉄道建設・運輸施設整備支援機構、自動車事故対策機構、都市再生機構、海上災害防止センターなどなど、所管の独立行政法人にこのような同じような例というものが広範に及んであらわれております。

 大臣、ぜひ、落札率一〇〇%、これは千円単位まで合わせるのはなかなかできることではないと思うんですが、こういったことが重なってあちらこちらにあるから無駄遣いされるんじゃないか、天下りということでこういったところに役員が行っているから、省から再就職されているから、談合というか、またそういった不正な無駄遣いができているのではないかということは、考えるのは当たり前だと思います。その点に関して、大臣の御所見をお伺いします。

冬柴国務大臣 ちょっと今読み上げられたものを見ているんですが、これは特殊な機械の、メーカーがほとんど一社か二社というものについての入札なんです。それで、応札する人も一人しかいない場合もあり、そしてそれは、例えば今挙げられたもので、ジャスト研究所というところの二百九十四万円がジャスト一〇〇%だというのは、これは汎用型全波形取り込みデジタル超音波探傷装置、これなんですね。ですから、それをつくるメーカーが物すごく少なくて、この二百九十四万円というのが我々としては予定価格だという見積もりも、そういう会社のカタログを取り集めて、そしてそれをもって予定価格にしているわけで、入札する人も少ないから、その価格で来るわけですから一〇〇%になったということで、ほかも、先ほど二番目に言われたのはNOx濃度測定装置、それから三つ目は地震計、四つ目は衛星及び空中写真画像解析ソフト等々でございまして、一〇〇%だから何か談合だとか、それはちょっと、この事案はそうは言えない。今挙げられた事案は、私はそのように思います。

小宮山(泰)委員 今大臣が答弁されました事案、ある意味こういうところは非常に競争がない、しづらいところであります。逆に、そこにわざわざ一般競争をかけるということ自体どうなのか。また、そういった特殊なものでなくても、それが全国組織だからとか、そういう形で随意契約に現実にはなっています。中身をしっかり見ないと、本当の意味で、随意でよかったのか、一般競争入札しなくても、私は、きちんとした提案であり、その必要がないということであるならば、それは間違っていることではないと思います。

 しかし、特殊な技術であるからこそ業者が限られるわけですから、落札率一〇〇%に近くなるのは当たり前のことだと思います。それと引きかえに、随意契約の中を見ていけば、別にここに必ずしもしなくても、同じ業種、民間でたくさんやっているところがある。それがわざわざ、天下っているような、再就職しているところに出していく、この構造や決め方というものが疑惑を招くし、また談合とかいろいろな数々の事件につながっていったんだと思います。

 そこで、大臣にもお伺いしたいと思うんですけれども、今話したのと同じようなことでありますが、独立行政法人緑資源機構は、官製談合の指摘を受けてから、入札制度等改革委員会を設置しております。国土交通省もそういう意味ではよそごとではないとは思いますが、国交省関係の水門官製談合事件に関して、ことし三月八日に、再発防止に取り組むと大臣談話、コメントが発表され、また同日、国交省からは「入札談合の防止について」、入札談合防止対策検討委員会からは、当面の入札談合の防止策についてという改善の方向が示されました。

 この中には、大臣もコメントの中で、「一日も早く国民の信頼を回復できるよう、最大限の努力をしてまいります」、また最後の方でありますけれども、「入札契約に関する不正行為の防止、綱紀保持の徹底に向け、全力を尽くすことをお誓い申し上げたい」と。本当にその思いだとは思いますので、ぜひ伺わせていただきたいと思います。

 これは三月であります。もう間もなく三カ月ほどたつことになりますが、この後どういった動きになられたのか。大臣に再度、入札制度を抜本的に改革していく御決意に変わりないのか、またこの改革の方向性と現状について、簡単にお願いいたします。

冬柴国務大臣 そこに書かれたとおりでございまして、私は、一般入札というものをもっともっとやらなければならないということで、ことしからは、一億円以上、直轄の発注事業については全部一般入札にすることにいたしております。

 ただ、随意契約でなければならないようなものもあります。例えば、著作権とかそういう工業所有権が絡んでいてほかの人がつくれないというようなものについてはやむを得ないと思うわけであります。それからまた、文化財保護法に基づく埋蔵文化財の調査とか、そういうものについては随意契約をせざるを得ないんです。しかし、それ以外のものについては、一億円以上は全部ことしは一般入札にいたしております。それからまた、来年からはこれを六千万まで引き下げる予定でございます。

小宮山(泰)委員 国民はやはり税金で非常に苦しい中でもあります。ぜひ、この点に関しては、国交省もしっかりと目を光らせていただきたいと思います。

 天下りの関連というものは、省庁があって、地方局であったりとか、またその関連の業界団体が絡んでいたりと、非常に複雑でもあります。そして、その業界団体のさらに下のところ、いろいろな各社が絡むということで、非常に複雑になっていますので、この点の実態の解明というのもさらに進めていただき、同じような組織、制度というものはやはり注意をしていかなければいけないし、もっと本当の意味で民間が自由に動けるようにすること、これにも力を尽くしていただきたいと思います。

 それでは、以前から私ずっと、まちづくり三法のときに、渋滞を解消するということでつくられてきました地下駐車場について調べさせていただいております。この点に関しましては、経済産業委員会と国交委員会の連合審査のときや、また、この地下駐車場の運営管理につきましては昨年の行政改革特別委員会でも質問をさせていただいております。道路局長からの答弁もいただいたのですが、なかなか全部が納得できるものでもございませんでした。この点に関して質問をさせていただきます。

 国土交通省所管の財団法人駐車場整備推進機構は、駐車場の整備に関する調査研究のほか、国が国道などの地下に建設した全国十四の地下駐車場の管理運営を行っております。この全国十四カ所、赤坂であったり伊勢佐木であったり、水戸、四日市、桜橋、広島のシャレオ駐車場とか松山市など、いろいろなところにございます。

 まず基本的なことを伺いますが、国が建設したものでありますけれども、建設費用の合計はお幾らになりますか。

宮田政府参考人 機構が管理します十四地下駐車場の建設費でございますが、国土交通省が約一千億円、機構の方が約四十億円ということでございます。

小宮山(泰)委員 これは、国が約一千億かけ、財団の方がちょっといろいろな空調であったり施設ということで一部を負担しているという形になります。だからこそお金が入ってこないんだという説明を受けました。

 大臣、参議院本会議に行かれるということでありますので、本当は最後に聞こうと思っていたんですが、この財団自体ができた年が平成五年であります。正直、ここは建設事務次官がずっといらっしゃいますし、歴代非常勤の会長においては、トヨタであったりとか、非常に日本の大手自動車メーカーの方が会長として非常勤で入っていらっしゃったり、また国交省、警察庁、建設省とか運輸省とか、非常に天下り、最終官職はそういったことで出されております。平成三年に道路法が改正されて、道路管理者が駐車場を建設することを可能にした。そして、この財団が平成五年に設立されて、建設省事務次官が天下っていたという構図になっているようにも読み取れます。

 国交省は、国有財産にかかわる契約関係についても、所管の独立行政法人の契約関係についても、透明性を高める必要があると思いますが、この点に関して、大臣、御意見を伺ってよろしいでしょうか。

冬柴国務大臣 委員御指摘の十四の地下駐車場につきましては、建設あるいは維持管理に関する国の負担を軽減するということも一つの目的で、国と財団が契約を締結いたしまして、そして国は駐車空間である本体工事をやる、そして財団の方はみずからの負担で空調設備や中央監視施設あるいは機械、装置等の整備を行うということで、駐車場の管理運営を担当するということであります。

 その協定につきましては、公共駐車場の性格から、国が全額出していれば全部ただにしなきゃならないわけですけれども、そうすると、周辺の駐車場の駐車料金とのバランスが崩れます。そういう意味で、適切な料金水準を設定しなければならないということが一つ決められています。二番目は、公共駐車場にふさわしい水準、サービスのレベルを確保していかなければならないということを合意しています。三つ目には、仮に将来、余剰金、利益が発生した場合にも、公益的な事業に還元されるべきであるというようなことを合意して、そして財団に管理というものを行わせているわけでありまして、今後も、一層の透明性、公平性の確保に努めていかなければならないと思っております。

小宮山(泰)委員 時間があれですので、大臣、もう一つ伺います。

 大阪市の例で言えば、外郭団体に委託して、ちゃんと駐車場収入を得ている例もあります。ここの財団がどれだけ人件費を出しているか、そういった経費のこともありますが、また借金をつくっているということもありますけれども、九百五十五億円も国の費用が入っている、そして、この財団自体が借り入れている、多くのところがまた天下り先となっている、財団法人道路開発振興センターから一番多くの借り入れをしているということを考えますと、これはいつまでたっても戻る仕組みがないんですよ。公益のものに戻すと言うけれども、結局、それでまた、パーキングアワードとか調査研究とか、いろいろなことをやっているんですね。

 それであるならば、国にやはり一部でもきちんと戻してもらう、案分で、駐車場料金が入っているならば、戻すということも必要だと思うんですが、そういったことも検討することはあるでしょうか。大臣、それだけお聞かせください。

冬柴国務大臣 経理の一層の透明性を確保するようにいたしまして、もし余剰金があれば、先ほども申しましたけれども、財団に留保されるということではなしに、公益的な事業に還元をしなければならないというふうに約束していますし、そういう問題についても、皆さん方にわかるように透明性を確保したいというふうに思います。

小宮山(泰)委員 時間ですので、公益的というのが、財団が考える公益ではなく、国民にとっての公益、場合によっては国庫へしっかり戻すということもぜひ御検討いただきたいと思います。ありがとうございました。

 大臣が参議院本会議に行かれるので、私の質問はまだです。まだもうちょっと、約五分近くありますので、時間ぎりぎりまで質問させていただきたいと思います。

 先ほど局長の方からありましたけれども、九百五十五億円の建設費、また財団は四十三億円前後ぐらいを出しているということがありました。

 具体的な数字で聞いていきたいと思いますが、では、この駐車場から上がってくる駐車料金の収入総額は、過去三年間、平均どのぐらいあったか、教えてください。

宮田政府参考人 十四駐車場の収入合計額は、平成十六年から十八年までの三カ年で十一億から十二億という数字でございます。

小宮山(泰)委員 そのうち、財団に入ったのは幾らで、国庫に入ったのは幾らでしょうか。

宮田政府参考人 今は収入のお話をしましたが、支出もございます。当然、管理にかかる費用もございまして、これも平成十六年から十八年までで十億から十二億ということで、年度によって違いますが、収支差は数百万から五千万という状況でございます。

 大臣が答弁申し上げましたが、そもそも駐車場を国がつくっておりますのは、これは対価を求めて駐車場をつくったわけではございません。周辺の民間駐車場の経営を圧迫しないために課金が要るだろうということで、駐車場機構の方に整備管理をお願いしているということでございます。

小宮山(泰)委員 基本的に国には戻ってこないということは、再三伝えさせていただいたとおりだと思います。

 しかし、今答弁がありましたけれども、民間業者を圧迫しないと言いますが、公益的なことだから高くは取れない、しかし、周りの民間より高くすることもない、これはすごく矛盾があるんですよ。

 私、伊勢佐木町の駐車場を見に行きました。周りじゅう駐車場だらけ、焼き肉屋さんから有名どころの時間貸しのところから何十台とあって、祭日の昼間に行かせていただいたのですけれども、かなりあいていました。逆に言えば、こうやって公共駐車場があるからこそ、民間はそれよりも高く上げられないということになれば、繁華街のそばでもありますから、ある意味、民業圧迫をしてしまう。だけれども、民業圧迫はできないけれども、公共だから高くは取れないという、非常に矛盾した制度でもあります。

 そこで、伺っていきたいと思います。昨年も質問させていただいたんですが、財団に駐車料金の徴収が任されていると答弁がありましたけれども、この答弁では国交省と財団の関係が委託関係というふうに聞こえますけれども、いかがでしょうか、委託関係なんですか。

宮田政府参考人 委託関係ではございません。財団は、国との間の兼用工作物協定に基づいてやっております。

小宮山(泰)委員 時間がなくなってしまったのであれですけれども、これはおかしいんですね。共有という形をとっていて、財団の方にお金は行く、国の方には戻らない。そして、設備があって、負債があるから返すから、戻せないと、再三言われております。

 そして、共有にした部分ということで、いろいろ調べてもらいました。河川であったりとか、地下駐車場もありますが、大体は公、要するに、地方公共団体と国、関東地方局だったりとか、そういったところとの共有部分はあります。しかし、今のところ、私、財団とのというのは見つけることができておりません。

 こうやって考えてみても、本来であれば、国の部分が九百五十五億円対四十五億円ということを考えれば、これも国にもしっかり戻していくべきなんじゃないでしょうか。こういうことを積み重ねるから、日本の財政赤字はふえ続けるんだと思います。

 そして、国土交通省においては、この協定、静岡県の問題とかも、きちんとやっているところもありますので、今後、この協定を見直すつもりはあるのか、そして財団のこのやり方というのを見直す気はあるのか。そして何よりも、最初に言いましたけれども、本当に苦しんで、将来に不安を持って暮らしている年金生活者のことから考えれば、この天下りの皆様方、かなりの額の収入を、千五百万ぐらいという計算が出ますけれども、取っています。これはしっかりと、もっと給料を減らして、戻すような努力だって、経営努力するべきなんじゃないかと思うんです。

 この点、見直すことを指導するつもりがあるのか、お伺いいたします。

宮田政府参考人 平成三年、五年、財団ができたのは五年でございますが、このときの社会問題は違法駐車でございました。そもそも違法駐車が起きるのは、路外駐車場が非常に少ないということで、緊急に路外の駐車場をつくる、しかも、国道の地下があいているではないかということで、スタートしたわけであります。

 そもそもそういう状況でありますから、本来であれば、国が無償で駐車スペースを提供するというのが本義でありますが、先ほどから答弁申し上げておりますように、周辺の民間の駐車場事業者を圧迫しないために課金をしているという状況でございます。

 大臣が答弁申し上げましたが、一層の透明性、公平性の確保に努めてまいりたいと思います。

小宮山(泰)委員 これは結局、早急につくらなきゃいけないということで、法律までつくって、財団までつくって、国費は流れるという仕組みでもあります。明らかに、こういったことをやっているから無駄遣いもなくならないし、そして、早急につくらなきゃいけないという要望において将来展望のないままにつくったという、ある意味、失敗の一つでもあるかと私は考えております。

 これからもこの点をしっかりと調べてまいりますことを伝えさせていただきまして、質問を終了いたします。ありがとうございました。

塩谷委員長 葉梨康弘君。

葉梨委員 おはようございます。自由民主党の葉梨康弘です。

 ちょうど大臣が参議院に行かれている時間を利用してというか、ちょっとギャラリーも少ないようですけれども、質問をさせていただきたいと思います。

 きょうは、都市鉄道について、特に地元の関係もございまして、鉄道局長といろいろ議論をさせていただきたいというふうに思うんです。

 私も、実はこの国土交通委員会、三年以上連続して在籍をさせていただいておるんですが、去年までは結構質問の回数もあったんですけれども、さきの国会から私は理事になりまして、この通常国会では初めて質問をさせていただきます。

 ただ、理事ですから、ずっと席に座って、出席率は比較的いい方であるはずなんですけれども、五月十一日の午前中は、理事会、委員会と私は休んでしまいました。ただ、ずる休みをしたわけではございませんで、私はきょうも、六時三十四分の取手発、常磐線、千代田線を乗り継いで東京に通ってきたんですけれども、当日は大風が吹きまして、電車がとまっちゃったんですね。

 それで、私は北松戸の駅でおろされて、運休になっちゃいまして、二時間、北松戸の駅でずっと立ちん坊で待っていたものですから、午後には、憲法調査特別委員会で、NHKのテレビ中継も入って、答弁席に立たなきゃいかぬということで、何とか午後には間に合ったんですけれども、午前中は空振りになってしまいました。

 そこで、そのとき聞いたんですけれども、取手の駅でいろいろな情報が入っていればよくわかったんですが、ばたばたしていたところなんですけれども、並行していますつくばエクスプレス、あちらの方は動いていたというようなお話も聞いています。ですから、鉄道会社の間で情報をしっかり共有して利用者に提供する、やはりそういったような仕組みも私は必要じゃないかなというふうに思いますけれども、このような取り組みについての現在の状況と、それから国土交通省のお考えについて伺いたいと思います。

平田政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のとおり、天候、それから事故、故障などによりまして輸送障害が発生した場合におきましては、鉄道利用者の皆様に対しまして迅速に情報を提供するということは大変重要なことであると考えております。そのため、各鉄道事業者においては、自社線内において発生した輸送障害の状況でありますとか代替輸送の状況につきまして、車内、駅構内の放送でありますとか駅における掲示、場合によってはマスメディアを通じまして情報提供を行っているところでございます。

 御指摘の常磐線とつくばエクスプレスの場合のように、他社の路線におきまして輸送障害が発生した場合におきましては、両者で締結をされました協定に基づきまして振りかえ輸送を行っているところでございます。これにつきましては、両方の会社の輸送の指令間で情報を共有いたしまして、利用者に対しましては、車内放送、駅構内放送、掲示モニターなどを用いて情報提供を行っているところでございます。

 委員御指摘のとおり、自社線に限らず、相互直通運転を行っているところでありますとか振りかえ輸送時の他社線をも含めました列車の運行に関する情報を利用者に提供していくということは、大変重要な事柄と私ども国土交通省も認識しております。

 そのため、十八年度におきましては、私ども国土交通省も、首都圏のJR及び大手民鉄会社、公営事業者などとともに、首都圏におきます輸送障害発生時の鉄道利用者に対します情報の提供のあり方について検討を行ってきたところでございます。

 これを受けまして、提供すべき情報の内容は一体どういうものであるべきか、さらには、情報提供の方法、タイミングなどについて統一的な考え方をまとめまして、既に各鉄道の事業者が策定しているマニュアルがございますが、このマニュアルの改善に取り組むよう要請したところでございます。

 今後とも、鉄道利用者にとって迅速でわかりやすい情報をより丁寧なおかつ詳細に提供するよう、鉄道事業者に対して指導していきたいと考えております。

葉梨委員 ぜひともその点、お願いしたいと思います。

 時間が二十分しかございませんので、次は要望のみにとどめたいというふうに思います。

 私が通っております常磐線、実は、取手から東京に来るまでに、利根川、江戸川、中川、荒川と、四つの一級河川を渡ってまいります。それで、私は、強風が吹いたときに電車を走らせろということを申し上げているわけではございません。やはり羽越線の事故もあります。ですから、安心、安全というのは非常に大事なことではあるんですけれども、輸送障害というのは非常に我々にとってもやはり大きな問題です。ですから、そういったような鉄橋の風防対策、あとは、余りこの場で御紹介するのもなんですけれども、人身事故によって相当輸送障害が起きるというようなこともございます。

 そこで、東京のメトロなんかは、ああいったさくを設けて人身事故対策もやっているわけですけれども、そういった駅のバリアフリー化、あるいは速達性の向上、これについては鉄道局も相当今まで取り組まれてこられたということは私も承知しておりますが、そういった輸送障害対策についてもぜひとも力を入れていただきたいなということを御要望申し上げたいと思います。

 そして、その常磐線のことで、ちょっと地元のことで恐縮なんですけれども、実は常磐線というのは上野でとまっております。茨城県民にしてみたら、やはりそれが東京駅まで行ってほしいというのが大変な悲願でございます。

 宇都宮線あるいは東北線、それから高崎線、こちらも上野でとまってはいるんですけれども、快速という意味では大宮からの京浜東北線もございますし、また、特急という意味では新幹線もある。

 ひとり常磐線だけが、上野で特急もとまってしまうし、快速もとまってしまうし、また普通電車もとまってしまうということで、東京駅に何とか乗り入れをしたい。それから、東海道新幹線にも真っすぐにつながるような形になってほしい、東海道線にも真っすぐつながるような形になってほしいということで、JRの方では東北縦貫線という構想で、計画では平成二十一年ということで、常磐線の東京駅乗り入れ、これに力を入れているというようなことも伺っておるんですけれども、環境アセスの関係だとかでなかなか現実のものにまだなっていないんです。そこら辺の現在の状況と、また、国交省からの御指導の状況についてお聞かせいただきたいと思います。

平田政府参考人 ただいま委員御指摘のとおり、現在上野どまりとなっておりますJRの常磐線、東北線、高崎線を東京まで延伸して東海道本線との直通化を可能といたします東北縦貫線構想につきましては、平成十二年の運輸政策審議会答申第十八号におきまして、平成二十七年までに開業することが適当である路線として位置づけられているところでございます。

 この構想の具体化につきましては、JR東日本において検討が進められてまいりまして、平成十四年三月にその計画概要が公表されているところでございます。

 現在の進捗状況についてでございますが、JR東日本におきまして、東京都の条例に基づきます環境影響評価の手続を進めておりますが、本年の四月にJR東日本が環境影響評価書案に係ります見解書を東京都知事に提出いたしまして、五月に都知事がこれを公示、縦覧を行ったところでございます。

 したがいまして、環境影響評価手続の終了後になりますが、JR東日本においては線路を増設する工事を行うこととなりますので、鉄道事業法に基づく事業基本計画の変更、線路の増設に係る変更及び鉄道施設の変更、工事計画に係る変更についての手続を経て、工事に着手をして、おおむね五年間で工事を完了させる計画ということでございます。

 いずれにいたしましても、国土交通省といたしましては、今後、環境アセスの手続が終了しまして、JR東日本の方から鉄道事業法に基づきます事業基本計画でありますとか鉄道施設の変更に係ります申請がなされた場合においては、適切に対処してまいりたいと考えております。

葉梨委員 なかなか国交省は次のことについてはお答えはしづらいと思いますので、御要望だけにしておきたいと思います。そういった環境アセスができて、あそこは神田の駅のところで四階建てになるものですから、周りの住民が反対しているというようなことも聞いてはおるんですけれども、それが何とか線路ができて、東京駅まで行ったところ、今おっしゃられたとおり、高崎線、東北線の宇都宮線それから常磐線、三つの線が東京駅まで入るんですけれども、我が茨城県民からしてみますと、三分の一だとちょっとまずいんですね。

 というのは、東北線は新幹線がある、高崎線も新幹線がある、上越線です。向こうは新幹線があるんだけれども、うちは特急しかないということで、特急もカウントされて三分の一ずつ東京駅まで入るということになると、茨城県は大変不利な立場に置かれてしまうんじゃないかというような懸念を大変持っておりますので、頭の中に入れて、またいろいろと御指導をしていただけたらありがたいなというふうに思っています。

 もう一つ、今運政審答申の十八号という話がございましたけれども、つくばエクスプレス、これが一昨年開業をいたしまして、今順調にといいますか、沿線の開発も相当進んでおるわけでございます。つくばと秋葉原の間を四十五分で結ぶ、私の選挙区においても守谷という駅を持っているわけなんですけれども、そういう路線。鉄道関係では首都圏最後の大規模プロジェクトじゃないかというふうに言われております。

 そして、沿線の開発についても、宅鉄法ですね、宅地と鉄道の一体的な開発、そういうことで、いろいろな形での張りつきといいますか、住宅の張りつきが行われているわけですが、やはり一つの、運政審答申の十八号という意味で、秋葉原から東京駅までつくばエクスプレスを延ばすということは非常に効果があるんじゃないかというような答申をいただきまして、これがまた、つくばエクスプレスの会社、さらには我が茨城県民にとっても悲願というようなことになっているわけです。

 そして、先般、この春ですけれども、運政審答申十八号のフォローアップ調査というのを国土交通省でやられたというお話を伺っております。

 それによりますと、無利子貸付制度では、東京駅での乗りかえ利便性を向上させた場合、東京延伸なしの場合よりもつくばエクスプレス会社の収支が好転した、あるいは利便増進制度、これはスキームが二つありますので、利便増進制度では、東京駅での乗りかえ利便性を向上させた場合に、累積資金収支黒字転換が三十年以内になったということで、我々にとってみたら、この東京駅延伸というのは比較的ペイをするというような形の調査をいただいて、非常にありがたいなというふうに思うわけです。

 このようなつくばエクスプレスの東京駅延伸に向けて、国土交通省としても積極的に取り組んでいただきたいということをお願い申し上げたいと思うんですけれども、国土交通省の取り組みについてお伺いをいたしたいと思います。

平田政府参考人 ただいま委員の御指摘のように、つくばエクスプレスの秋葉原からつくば間の現状をちょっと申し上げさせていただきますが、平成十七年八月の開業以降、その利用は順調に推移をしてきてございます。平成十八年度の一日当たりの輸送人員は十九・五万人と、十八年度の目標でありました十五・五万人を上回る結果となりまして、その後も輸送人員は順調に増加しておりまして、十九年四月の実績では一日当たりの輸送人員は約二十三万人となっているところでございます。

 このように、輸送人員につきましては、まずは順調な滑り出しということではございますが、現在、開業後まだ一年九カ月が過ぎたばかりのところでございますので、さらに慎重にその動向を見きわめる必要があると考えているところでございます。

 それで、ただいま委員の方から御指摘がありました、つくばエクスプレスの東京延伸に関する調査結果の概要でございますが、昨年度、本計画が位置づけられている運政審の十八号答申のフォローアップ調査の一環のケーススタディーといたしまして調査を実施したところでございます。

 その調査結果のポイントにつきましては、具体的にちょっと申し上げますと、まず、東京延伸については、現在のTX、つくばエクスプレス会社が目標といたします一日二十七万人の輸送人員を確保して、その経営を安定させることが大前提となります。次に、その上で、延伸事業の採算性を高めるために有効となります東京駅における他の鉄道路線への乗りかえ利便性の向上方策、例えば、自由通路の整備を行っていくとか、ホーム位置の検討などによります乗りかえの利便性向上方策について検討する必要があります。

 これらの検討を行った上で、延伸計画の事業スキームでありますとか、資金調達のあり方について、さらなる検討を行うことが必要であるという調査結果になってございます。

 したがいまして、本計画を実現させるためには、まずは、沿線の開発などによりまして目標とする輸送人員を確保していく、会社の経営を安定させるということが大前提でありますが、その上で、この私どもが行いました調査結果を踏まえつつ、地元の関係者などにおいて議論を深めていただいて、合意形成をしていただくことが肝要ではないかと考えております。

 国土交通省といたしましても、こういった状況を踏まえつつ、必要な助言、検討を行ってまいりたいと考えております。

葉梨委員 そこら辺を、ぜひ積極的な助言と検討と御相談に乗っていただくように強く要望を申し上げたいと思います。

 時間の関係もありますので、ちょっと二点、つくばエクスプレスの関係と、それから速達性の向上について、御要望を申し上げておきたいと思います。

 一つは、TXも順調に伸びているといっても、お金がなかったものですから、あそこはプラットホームが六両編成のものでしかないんですね、八両の計画を六両に削っちゃったものですから。ところが、ラッシュ時は相当込んでしまいますので、喫緊の課題として、東京駅への乗り入れももちろん悲願なんですけれども、六両を八両のホームにするような、そういうような形での対策というのもまた御相談に乗っていただきたいというのが一つ。

 それから、TXの関係だけではなくて、JR、それからほかの民鉄の関係もあるんですけれども、実は乗り継ぎのダイヤですね。速達性の向上というのはずっと国交省がいろいろとやられているのはわかるんですけれども、今非常に高齢者がふえておりまして、いろいろな話を聞きますと、ダイヤなんかで、非常に短くて乗り継ぎがうまくいかないと。ですから、やはり高齢者の利便性というのも考えた形でのダイヤの組み方、そういったことについても、速達性の向上とあわせて御配慮をいただけたらありがたいなということを御要望申し上げておきます。

 最後に一点ですけれども、きょうはちょっと地元のことでお聞きしたんですが、大臣が戻られておりますが、別に大臣にお聞きというよりは局長でよろしいんですが、大臣、私の会合に一度来られたときに、大変お褒めの言葉をいただきました。私が鉄道で通勤していると。

 鉄道というのは大変環境に優しい、CO2の削減という意味でも大変環境に優しいものであるということで、これはどんどんPRをしていかなきゃいけない。自民党で今、農林、国交、経産、それから環境、四部会で実務者会議をやっている。とにかくCO2の削減のために、いろいろなPRも、あるいはいろいろな事業もやっていこうということをやっているわけですけれども、この鉄道が大変環境に優しいものだということを、ぜひ積極的にPRしていただきたいということを御要望かたがた、その取り組みについてお聞かせ願いたいというふうに思います。局長で結構です。

平田政府参考人 委員御指摘のとおり、鉄道はCO2の排出原単位がマイカーの約九分の一であるということなど、地球環境に極めて優しい交通機関でありまして、これを踏まえ、平成十七年に閣議決定されました京都議定書の目標達成計画の中におきましても、鉄道を含みます公共交通機関の利用促進について、重要な政策の一つとして位置づけられているところでございます。

 したがいまして、こういう利用促進を効果的に進めていく上で、鉄道を利用することが地球温暖化の防止に大いに役立つということを広く国民各層に理解していただくことが重要であると考えておりまして、このような観点から、国土交通省といたしましては、環境省でありますとか鉄道事業者と密接に連携をとりながら、広報活動を積極的に展開しているところでございます。

 具体的な活動事例を申し上げ……(葉梨委員「交代の時間ですから。頑張ってください」と呼ぶ)

 では、一生懸命やらせていただきます。

葉梨委員 以上で私の質問を終わりますが、一生懸命お願いをいたします。ありがとうございました。

塩谷委員長 松浪健太君。

松浪(健太)委員 自由民主党の松浪健太であります。

 私は委員ではございませんけれども、本日は、正直者がばかを見る、こういうことがあってはならないというやむにやまれぬ思いで出張してまいりました。どうぞよろしくお願いを申し上げます。

 さて、私が本日課題といたしますのは、道路運送車両法の施行規則等の関係規則の一部改正であります。簡単に言えば、オートバイや車の騒音に対する規制であります。これについて、私は国土交通省さんと非常にお話しさせていただきましたけれども、本当に現場がわかっているのか、首をかしげざるを得ないわけであります。

 今回、省令改正でありますから、本来であれば、こうした国会をほとんど通らない、我々議員の目には触れないことが多くございます。しかし、ちょっとした数値の違いが、日本の、特にきょうは二輪車のことを議題といたしますけれども、オートバイの文化、ユーザー、そして、こうしたマフラーをつくっていらっしゃる方というのは中小企業なんですが、本当に、自主規制をしいて、芸術的なものを日本の技術力でつくっている、そういう中小企業を根こそぎ、業界を壊滅させかねない、そんな危険をはらんでいるわけであります。

 改正の背景として、パブリックコメントでは、「自動車等の消音器を交換すること等により、大きな騒音や人が不快と感じる騒音をまき散らす自動車が後を絶たない状況にあり、大きな社会問題となっています。このような状況を踏まえ、」云々とあるわけでありますけれども、今回の省令改正、実に騒音の苦情が多いからという理由で行われるわけでありますけれども、規制をするのであれば、やはり苦情の内訳、現状をどのように把握しておられるのか、国土交通省に伺います。

岩崎政府参考人 騒音の苦情でございますけれども、私ども国土交通省にホットラインステーションというのを設けております。私ども国土交通省全般の行政について、いろいろ国民の方から寄せられる苦情を、ホットラインステーションということでまとめておるところでございます。

 十八年の四月から十月までの事例でございますが、自動車に関する意見が四百四十八件ございましたけれども、そのうち、やはり騒音に関する意見が三百三十一件で相当数でございました。ただし、これは車種別に、四輪なのか二輪なのかという区別まで分析しているわけではございません。

 それから、そのほかにも、幾つかの機関で騒音に関するいろいろなアンケートなり苦情なりを調査しております。

 一つは、独立行政法人の交通安全環境研究所が行った平成十五年一月の調査でございますけれども、二輪車の騒音がうるさいと答えた方が、主要道路沿線の住民でございますけれども、四五%を占めておりました。

 それから、財団法人の日本自動車研究所で行った調査でございますけれども、七二%の方が、これは改造二輪車、四輪車、普通の二輪車といった区別をした調査でございますが、改造二輪車がうるさいと答えておられるデータがございます。ただし、この調査で、何が改造二輪車か普通の二輪車かという区別はそれぞれの住民の方の主観でございますので、必ずしも本当の改造二輪車かどうかという確認をしておるわけではございません。

 こうしたことで、繰り返しになりますけれども、交通安全環境研究所なり自動車研究所の報告のデータでは、やはりバイクについて騒音がうるさいというかなりの苦情が寄せられているというのが実情であると判断しております。

松浪(健太)委員 今お話がありましたように、マフラーの改造でもいろいろな種類があるわけです。暴走族やらビッグスクーター、種類があるわけですけれども、今長々とおっしゃいましたけれども、結局、どういう対象を規制すればいいかというのを全く把握していないというのが、現在の騒音の状況であります。

 次に、取り締まっている側の警察庁から、本当に端的でいいので、どういう騒音の現状があるのか、傾向、マフラーの改造の方法なども含めて教えていただきたいと思います。

野村政府参考人 お答え申し上げます。

 二輪車の騒音関係の違反取り締まりにつきましては、車種別に、十八年中の件数と構成率を端的に申し上げます。

 大型二輪車は百六件で二・九%、普通二輪車が千五百四十四件で四二・九%、軽二輪車が千百七十一件で三二・五%、原動機付自転車が七百八十一件で二一・七%となっております。

松浪(健太)委員 ありがとうございました。

 警察庁さんに言わせますと、非常に暴走族が多い。また、いわゆる二百五十cc以下のものが多いという傾向が私はあると思います。私も、十三のときからオートバイの雑誌を買い始めまして、そして、長い間バイクのことを見てきております。新聞記者時代もオートバイ関連の記事も書いたりいたしました。

 最近のトレンドというものには自負を持っておりますけれども、オートバイ業界の方、そして私も一致した意見は、最近のトレンドというのは、やはり大まかには、走っていれば一番うるさいのは暴走族なんです。本当に、マフラーをとったり切ったり、もうどうしようもない。そして、四百ccで走っていても車検も受けていない、そういうものがまず第一に問題になります。これは圧倒的な数です。

 その次は何か。今、ちまたで多く見られますのは、いわゆるビッグスクーターですね。大きなスクーターです。でも、大きなスクーターといっても、そのほとんどは二百五十cc以下なんですね。ですから、二百五十cc以下で車検もないから、ある程度大きなマフラーをつけていても、車検のときに近接騒音をはかることがないので、では気楽につけられると。私も学生時代そうでしたから、よくわかりますよ。ですから、本来取り締まるのは、そういう車検がかかっていないところということであります。

 そして、さらに今深刻なのは、こうした違反、コピー商品ですね。私も最近これを見てびっくりしたんですけれども、業者さんのところに送られてきます。原付とかについては、マフラー一本三千二百円。ノーマルマフラーと同じような形をして、中身を抜いて、それはパワーも音も出ます。

 そういう粗悪品が問題を起こしているのであって、本当に自主規制をやってきたところに型式認定とかそういうところで規制をかけて、本末転倒というか、これは全く見ている方向が違うんじゃないですか。規制をそこにかけていって、そして業界にダメージを与えて、何らこれはいいところがないと思います。つまり、違反のターゲットとする場所が全く違うんですよ。

 これについて、まず副大臣、どのようにお考えになっているのか伺います。

望月副大臣 先ほどお話がありましたように、大変、我々も夜寝ていてそうなんですけれども、どこかで暴走族の音が鳴りますと近所の子供が起きたり、そういった意味では、国民の皆さんから、暴走族を何とかしてもらいたい、そういう苦情が非常に多くて、やはりこれは緊急の課題だと我々は思っております。

 今回の改正につきましては、加速走行騒音基準の適用範囲の拡大、マフラー認証制度の創設、こういったものが主なことではございますけれども、やはり、悪貨が良貨を駆逐するといいますか、先生が今おっしゃったように、そういうようないいかげんなものが売られて、そしてまじめにやってきた会社がかえってだめになってしまう。それから、ライダー、我々の知り合いの、我々、中年と言われることになってきたんですけれども、そういうライダーが、本当にオートバイを愛して、そして、そういったものを楽しみながら走っている。そういう皆さんが暴走族の仲間のように言われる。これは本当に我々の名誉を汚すことで、大変遺憾だというような話を我々は聞きます。

 そういったことを考えると、ある程度こういったところで規制をしながら、また様子をそういったことで見ながら、本当のところが一体どういうものかというものを、幾つか手を打っていかなければ、このままでは国民の皆さん、黙っちゃいられないよ、そういうコールが非常に多いということもぜひひとつ御理解いただく中で、しかしながら、そういうまじめな業者の皆さん、それからそういったライダーの皆さんとよく打ち合わせをしながら、この法律を運用していきたいなというふうに思っております。

松浪(健太)委員 今おっしゃった悪貨が良貨を駆逐することは、これは本当にあってはならないことであります。

 そして、ここからが本題であります。

 今回は省令改正で装置型式指定をマフラーにも導入するということであります。こうすると、今まさに副大臣おっしゃった加速走行の問題であります。

 私、きょう、こちらに資料を付させていただきました。これを見ていただくといいかと思います。

 これはどういうことかといいますと、簡単に言えば、一番下の段の丸のついている部分を見ていただきたいんですね。これは車両検査協会という公的な権威を持つ機関の調べでありますけれども、これは中古車に普通にノーマルマフラーをつけた状態で走らせて、七十三を超えたら違反なんですよ。丸がついた分、七十三を全部超えているわけですよ。

 正確な認証機関というのは、今埼玉県熊谷に一つあるだけなんですね。ですから、そこではISO路面といって本当に、ほかのアスファルトに比べて静かな路面で走れるわけですね。そういうところがない状態でアフターパーツのメーカーが開発をするとどういうことになるのか。

 次のページを見ていただきたいんです。これはJMCAといいまして、マフラーをつくっている業界が十七年前からちゃんと自主規制の基準を引いてやっている、そうした非常に良心的な会がしっかりと、デイトナのコースですからISO路面じゃないですけれども、そこでとったらどういうデータになるかということなんです。これを見ていただいたら、丸がついている部分ですが、中古車に普通に新品のノーマルマフラーを取りつけて、七十三を超えなかったのはフォルツァだけですよ。ほかは全部これだけ超えてしまうということなんですね。

 ここで思い起こしていただきたいのが、これはつまり、町じゅうを走っている、ノーマルマフラーをつけた普通のオートバイですよ。これをはかって、これだけの基準が高まってくる。

 つまり、七十三をクリアしようと思えば、メーカーが本当に、オートバイは、車と違って、エンジンもむき出しだ、チェーンの音も拾う、カウルの音も拾う、タイヤでも大きく違ってくる、そういう特性があるんです。それにこの加速騒音の七十三というのをやるというのは、私、聞いたんですけれども、普通の認証工場でもこれをクリアするようなチューニングは無理だというんですよ。本当に一流メーカーが、決まった標準の中で、本当にぎりぎりまで、ぎりぎりの状態をつくり出してやっとクリアできる、そんな状況にあるわけであります。つまり、今回の型式指定も非現実的だと私は言わざるを得ないと思うわけであります。

 そこで、先ほど申し上げたように、こうした違反をやっているものは本当に車検制度の外にある部分なんですけれども、現実性というものについて、即効性もなければ効果も少ないと私は思うんですけれども、国土交通省、端的にそれについて伺います。

岩崎政府参考人 先生御指摘のとおり、いわゆる車検外の二百五十cc以下でも、こうした交換マフラーをつけて騒音を出している事案も多いと思いますが、車検対象になっております四百cc以上でも、交換マフラーをつけて暴走族が走っているという実態も多いわけでございますから、今回の規制ですべて一〇〇%が対応できるわけではないとは思っておりますけれども、少なくとも四百cc以上の車の騒音については適用は可能だと思っておりますので、こういう制度は有効だろうと思っております。

 それから、今おっしゃいました使用過程車にマフラーをつけると、新車につける場合と違って騒音の程度が悪化するという傾向は我々も認識しております。我々、試験するときには、やはり一つの基準、一つのルールでやらなきゃいけませんので、基本的に新車でつけた状態でテストをしてもらうのが一番いいと思っておりますし、また、申請者の負担も考慮しまして、新車相当に整備された使用過程車も使っていただくということを可能とする方向で検討したいと思っています。

 ただ、繰り返しになりますが、使用過程車につけると悪化するという傾向はありますので、それをどういう形で改善していったらいいかというのは我々なりの知見も持っておりますので、そういうのを公開するとともに、マフラー業界でも、業界全体で新車を買っていただく、あるいはチューニングしていただくということが必要か、このように思っておるところでございます。

松浪(健太)委員 先ほどから私が言っていることをちょっと御理解いただいていないと思うんですけれども、四百cc以上で改造マフラーをつけているのもあるということですけれども、それは本当に違法にバッフルを抜いたりグラスウールを抜いたり、そういう改造をしているものが非常に大きい音であって、普通にやっている、JMCAのそういう基準に合っているものが問題を起こしているのかどうかという認識について、皆さん、余りに薄いと思いますよ。

 私も、担当者の方に何回も来ていただきましたけれども、皆さん、そういう車種についての認識とかそういう知識が全くない。本当に皆、バイクも乗らないから、どういうものかわからない、七十三デシベルも聞いたことがない。ほとんど音がしないレベルですよ。そういうことを、しっかり現場の声を聞いて、現場を勉強してやっていただかないと、これが本当に中小企業者の皆さんの職を奪ったら、皆さん、違反マフラーをつくり出しますよ。モラルハザードが起きるんですよ。だから、そういうことをしっかりと認識していただきたいと思うわけであります。

 また、今回の問題につきましては、輸入車、逆輸入車のアフターマフラーについてもこれを入れるというんですけれども、ヨーロッパの基準をクリアしているものが、国内で果たしてそれは今問題になっていますか。問題になっていませんよ。

 私ら、担当の方に聞いたんですよ、問題になっていないものをつけるんですかと。いや、日本と同じようなものですから、日本の基準に合ったものにつけかえるんですと。〇・五や一デシベルちょっと上回りましたということでノーマルのマフラーをノーマルにつけかえる。ナンセンスですね。はっきり言って、それは貿易障壁ですよ。まあ、貿易というか逆輸入車、並行輸入車ですけれどもね。

 それであれば、暫定的でもヨーロッパの基準とこれを一緒にすることがヨーロッパとのオートバイの円滑なやりとり等をやるにはいいんじゃないですか。そういうことで、ヨーロッパの規制に適合しているもの、そんなノーマルをノーマルにつけかえるなんてばかなことしないで、それはちゃんと認めたらどうなんですか、国土交通省。

岩崎政府参考人 私どもの独立行政法人交通安全環境研究所は、平成十五年と十七年に外国のいわゆる二輪の並行輸入車について調査をいたしました。九車種やりましたけれども、そのうちの八車種、ヨーロッパ製については三車種でございますが、そのうちの三車種とも新車時の加速走行騒音基準を十デシベル程度上回ったという実態が把握されております。こうしたことから、こうしたものについても改めてやはり日本の基準でチェックしていくということが必要だと思っております。

松浪(健太)委員 アフターパーツについては、それで新車と同じように、これまた開発の面で非常に問題があることは皆さん、おわかりいただいたと思うんですよ。ヨーロッパの基準とはかり方が違うわけですよ。これを一緒にしたらどうなんですか。それか、業界が崩壊の可能性があるんだったら、暫定的にでもヨーロッパ基準というものを入れても問題はないのではないかと私は思うんですけれども、暫定的にでもヨーロッパの方法で日本のアフターマーケットをやるという考え、国土交通省、それはどうですか。

岩崎政府参考人 先生御指摘のとおり、こうした安全とか環境に関する基準、自動車、バイクも含めて国際商品ですから、できるだけ基準を一緒にしていこうということで、私どもの方も、国連の中のフォーラムがございますので、そういうことで基準の統一化、基準調和と言っておりますけれども、そういうことについて努力をしているところでございます。

 ただ、今回問題となっております騒音の問題あるいは排ガスの問題等を含めまして、それぞれの国の走行実態あるいは交通環境において基準が違っているのは現に違っておるところでございます。試験方法も違っております。だから、欧州の基準に適合するからといって、暫定的にといえども直ちに日本の騒音基準に適合するものとして取り扱うことは不適切だと思っております。

 繰り返しになりますが、ただ、調和に向けては頑張っていきたいと思っております。

松浪(健太)委員 論理的に私の言っていることを理解いただければいいと思うんですけれども、皆さん、何%ぐらいの部分を違反として今回ので即効性があるのかとか、そういう検証が全くされていないわけであります。そして、今回の改正というのは非常に拙速であります。業界の方に周知してから、そしてまた加速走行騒音、これは新車のときのノーマルマフラーにつける分だけを、ほかの逆輸入車とか、そうしたアフターパーツにいきなりその基準をやっていくというのは、業界はとてもじゃないけれどもこのスピードでは対応ができないということは、この資料からも明らかなんです。

 そういうことで、まさに大臣も先ほどからこれを、普通の百人の方がギャラリーでいらっしゃったら、九十五人の方は、私の言うてるとおりやな、これは拙速やなということはおわかりいただけると思います。しかも、これは即効性がないばかりか効果も非常に低いということを言わざるを得ないわけであります。ですから、ヨーロッパの基準、そういうおつもりがあるんでしたら、暫定的にでもそれを激変緩和措置で入れていただくとかいうことをしないと、本当に中小企業の方、正直者がまさにばかを見るということが起きてくるわけであります。

 大臣におかれましては、このことを今御理解いただけたと思いますけれども、まさに政治判断で、この省令の部分、しっかりと対応いただきたいと思います。また、ヨーロッパと同じ加速走行の基準を導入すれば今後非常にスムーズなやりとりができるわけでありますから、これについて大臣の見解を伺いたいと思います。

冬柴国務大臣 なかなか説得力ある話ですけれども、交通事情というのはその国その国によって違うわけでありまして、そしてまた、日本のように非常に密集した家屋の中に高速道路があったり、あるいは高速道路ができていないために家の隅まで自動車が入ってきたりする、そういうような状態を考えたときに、多くの人が自動車の騒音について悩まされている、これはどの車種とかということではなしに、自動車騒音について悩まされているということは事実だと思います。

 その中で、基準をどう決めるかということは、それぞれの国の自動車の走行の実態とか、あるいは交通環境とか居住環境とか、そういうようなものを総合考慮して、そして、これは国土交通省が決めますけれども、それぞれの専門委員会の議に諮って、そして、そういうものの答申を受けて定めていくわけでありますから、その点については御理解をいただきたいと思います。

 ただ、そういう際に業界とかの意見を十分聞かなければならない、その点はそのとおりだと思います。しかしながら、国それぞれに基準というものは決められるものでありますから、できれば、輸入された車であっても、これはやはり我が方の基準に適合するようにしていただきたいというのが私の意見でございます。

松浪(健太)委員 まさにおっしゃるように、国によって密集した場所とかは違うと思いますけれども、パリと東京でどれほど違うのか、私は具体的なそういう違いを見せていただきたいと思います。

 また、国土交通省自身がバイクのトレンドすら今知らずに、そして、どの部分が問題になっているのかを全く検証もせずに、担当者もそのことを全く知らないということにおいて、私は国土交通省に日本の事情はヨーロッパと違いますと言う資格は全くないと思うことを付しまして、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。

塩谷委員長 泉健太君。

泉委員 民主党の泉健太です。

 きょうは、政府の住宅政策ということについてお伺いをさせていただきたいと思います。

 昨年の六月に住生活基本法が成立をいたしました。そして九月には基本計画もでき、ようやく日本の住宅も量から質へという転換の時期を迎えていると思います。

 しかしながら、そういう中で、住宅というのは、そのときつくったからすぐ利用されて、そして新製品に取ってかわるというものではなく、使用期間が長いものでありますので、この住生活基本法成立以前につくられた住宅、これはまだまだ当然ながらたくさんあるという中で、いかにして日本の住環境全体を底上げしていくかということが非常に大切かというふうに思います。特に、私も地元が京都でありますけれども、やはり本州の都市部、この大都市圏を中心とした、特に民間の賃貸住宅の質については大変低い水準に置かれているということをまず大臣に御認識をいただきたいというふうに思います。

 そういった中で、今回、こうして住生活基本法ができ、そして基本計画ができ、そしてまた、一般質疑の後段になりますが、私も公明党の伊藤渉議員と再三再四すり合わせ、打ち合わせをさせていただきながら、今、議員立法において住宅セーフティーネット法案というものが徐々にできつつあるという状況であります。

 そういった中で、政府に対して私たちは、先日の特定住宅の瑕疵担保の法案の質疑の際にも、民主党の要求として、やはり賃貸住宅の市場をしっかりと活性化させていくべきじゃないかということをお話しさせていただきました。今回の政府の新たな住宅政策ということに対しての、いわゆる賃貸住宅市場の健全な発展ということについて、大臣の御所見をまずいただければと思います。

    〔委員長退席、西銘委員長代理着席〕

冬柴国務大臣 住宅の確保に特に配慮を要する方々、すなわち高齢者とか障害者とか、あるいは子供を育てていられる方々、中には外国人もありますし、そういう人たちについて、セーフティーネットとしての住宅を円滑に供給しなきゃならないという発想のもとに、いろいろ議員立法に勉強を重ねていらっしゃっているということについては、本当に敬意を表するところでございます。私どもも、住生活基本法の中でもはっきり申し上げているとおり、そのような住宅の質の向上ということを今後はやっていかなきゃならないという立場であることは間違いありません。

 また、政府におきましても、戦後間もない昭和二十六年に制定された公営住宅法に基づきまして、低額所得者の居住の安定に対して二百十九万戸にも及ぶ住宅を提供してきたことも事実でございます。また、そういう公営住宅を提供するに当たりまして、先ほど申しましたように、特に配慮を必要とする人たちに優先して入っていただこうという特段の配慮も行ってきたつもりでございます。

 また、公営住宅の供給には限度がありますので、いわゆる賃貸住宅業者という人たちの力もおかりして、そういう人たちが高齢者の方々に対しても円滑に住宅を供給していただけるように、我々としては地域優良賃貸住宅制度等も考案をして、ことしの予算ではその手当てもしてきたところでございます。

 そういうことで、高齢者向けには特に今までも、平成十三年度に高齢者向けの優良賃貸住宅制度というものを創設しまして、これまでにも二万三千戸というものを供給してきたところでございまして、今後も我々は、新しい住生活基本法等の精神に基づきまして、そういう弱者の方と申しますかにも十分に配慮された政策をとっていかなければならないというふうに思っております。

泉委員 近年、この住宅確保要配慮者ということについて随分とクローズアップをされるようになりました。住生活基本法の第六条ですとか十四条においても、居住の安定の確保ですとか住宅供給の促進というものが書き込まれたわけですが、前提として私が思いますのは、自分の生活環境において、いわゆる要配慮者、そういった立場に立つことを望んでいる方は基本的にはだれもおられないというふうに思います。皆さん望むべくしてそうなったのではなくして、やはりそういう状況に置かれてしまったということがあると思う。

 その意味では、今回、私たちはこの要配慮者に対する住宅の確保に取り組んでいくわけですが、要配慮者がふえるような社会、こういったこともやはり改めていかなければならない、可能な限り社会全体を安定させて、そしてまた、かつ自立できるような仕組みをつくっていかなきゃならないというふうに思っております。

 その意味でいいますと、近年、こうして住宅確保要配慮者に対する施策ということが出てきた背景に、地域間格差であるとか所得の格差というものの存在がやはり横たわっているのではないかというふうに私は思うわけですが、大臣、いかがでしょうか。

冬柴国務大臣 確かにそういうこともありますけれども、大きくはやはり少子高齢社会への傾斜。今、世界では男女ともに長寿世界一というのが日本の社会でございますし、先ほど来も議論がありましたように、独居の老人とか、あるいはお二人とも六十五歳以上の高齢の世帯というのが非常に多くなっているわけです。そういう方は、地方にいられる方は、案外、独居の方が百平方メートル以上の家に住んでいられるという場合だってあるわけです。しかしながら、都心で夫婦と子供二人というような世帯が非常に狭隘な賃貸住宅に入っていられる方も非常に多いわけです。

 したがいまして、一律には言えませんけれども、少子高齢というものが進んできているということが非常にその中でも大きい地位を占めるのではないか。

 したがいまして、我々としても、要配慮者の中の筆頭に高齢者という人たちを据えて、そういう人たちに例えば賃貸住宅、公営住宅を割り振ればいいわけですけれども限りがあります。したがいまして、賃貸住宅に入っていただくについても、それを拒絶されないように賃料を我々が保証するとか、原状回復義務を保証するとかいうような手だても講じながら、そういう人たちに配慮をしているつもりでございます。

泉委員 大臣に実態をぜひお伝えしたいと思いましてきょうは数字も持ってきたわけですが、例えば、日本の中の子育て世帯というものは千二百三十八万世帯あるわけです。そのうちの一六・八%の世帯が、いわゆる国が定めている最低居住水準というものがございますけれども、その面積の基準に満たないところで生活をしているという実態ですね。高齢者の世帯においては一二・八%の方々が同じくこの最低居住水準、この最低限の面積の水準すら満たしていないという現状に今この日本があるということ、これをぜひやはり知っていただきたいというふうに思います。

 そして、私も今民間の賃貸の住宅に住んでおりますが、その民間の賃貸の住宅の一戸当たりの平均床面積というのは四十四平方メートル、これまた諸外国に比べると大変狭い状況になっております。もちろん、文化も歴史も背景もいろいろあるでしょう。そして、ワンルームという、日本が一時期ウサギ小屋とも言われた、やゆもされたワンルームの物件が多数存在をしているということも、この平均値にあらわれてきてしまっております。

 そういったことで、住宅の質の改善ということについては、業者側の努力はもちろんのこと、市民の側の感覚、消費者の側の感覚ももちろん向上させていかなきゃならない、そういうふうには思いますが、特に、一戸建て、持ち家ということに関して言えばある程度の面積はあるけれども、やはり民間の賃貸の住宅については非常に面積が小さいという状況にあるということをぜひ御認識いただきたいというふうに思います。

 そういった意味で、賃貸住宅全体の中の二割ほど、約三百五十万戸が公的の賃貸住宅という状況でありまして、この公的賃貸住宅、これは公営住宅やURの物件も含めてでありますけれども、こういったものの役割は非常に大きいというふうに思っております。そういった意味で、少し幾つか質問をさせていただきたいと思います。

 今回、国土交通省、私は率直に言って大変前向きに取り組みをされているなというふうな実感を持っております。問題点も、平成十八年八月に出された公的賃貸住宅制度等のあり方に関する建議という中にも率直に現在の問題点を書かれているなというふうに思いますし、それに対して真摯に取り組みを進められているという状況かと思います。

 その中で、例えば公営住宅の入居に関しては、やはりある程度住宅に困窮する低額所得者に対して低廉な家賃の賃貸住宅を供給するという原則、目的がございまして、しかしながら、一方でその公営住宅に居住されている方の収入超過者、これが全体の八・二%ある。要は、公営住宅に住んでいてそれなりに収入がある方というのが八・二%、約一割ほどあるということで、そういった意味で、先ほど大臣がおっしゃられたように、そもそもの公営、公的の賃貸住宅に関して言えば、やはりある程度ターゲットをもう一回定め直しをする必要があるのではないかというふうに思うわけです。

 政府参考人の方で結構ですが、収入超過者に対する対策はどのようなものを今考えられているのか、お聞かせいただきたいと思います。

榊政府参考人 収入超過者の方については、市場家賃を原則といたしておりますので、何年かの経過措置の間に市場家賃にすりつくという形で、いわば家賃が上がることによって出ていっていただくと言うとちょっと語弊があるかもしれませんけれども、退去を促して、本当に必要な方にまた入っていただくというふうな仕組みになっておるところでございます。

泉委員 確かにそこに住まれている方の生活環境をすぐ変えるわけにはいきませんから、今言ったような経過措置の中でということでありますけれども、ぜひこの取り組みも進めていただきたいというふうに思います。

 そして、先ほどもお話をしましたが、やはり私が気になるのは、最低居住面積水準と誘導居住水準、この二つであります。

 今、例えば平成十八年の基本計画の中では、また最低居住水準というものが少し上がりました。これまでは、若年の単身者であれば十八平方メートル、そして一般の単身者であれば二十五平方メートル、そこからは二人世帯、三人世帯、四人世帯とどんどん面積が広がっていくわけですが、これも参考人の方にちょっと確認をしたいんですが、ここに定められている水準というものは、これはすべて、トイレやキッチンやそういったスペースも含めての数字だということでよろしいでしょうね。

榊政府参考人 委員御指摘のとおりです。

泉委員 そうしますと、大臣、ちょっと見えにくいかもしれないんですが、きょう、代表的なよくある都市部の物件の資料を少し持ってまいりました。

 本当は資料でお配りをすればよかったんですが、例えば私が学生時代に住んでいたような、私は和室でしたが、洋室六畳で、玄関、キッチンがあって、六畳のみの一部屋のタイプですね。いわゆるワンルームマンションと言われるものですが、ユニットバスがついている。これは十六平方メートルですね。

 ですから、恐らく、私は学生時代、京都で学生生活を送っていましたけれども、多くの学生はいわゆる若年単身の水準すら満たせていない家に、いわゆる六畳のワンルームというと聞こえは標準のような聞こえ方をするわけですが、実はこれは水準を下回っているというものなんだというふうに思います。

 例えば、もう一件、洋室十一畳というものがあります。バルコニーがあって、物入れがあって、ユニットバスがあって、本当に簡単なキッチンがあるというものですが、これも全体の専有面積でいうと二十二・六平方メートルということで、一般の単身者が住むには、実は洋室十一畳と書いてあっても水準以下なんだというような実態をぜひ知っていただきたいと思います。

 もちろん、洋室六畳だったらいいじゃないか、洋室十一畳だったら十分じゃないかというふうに思われるかもしれませんが、まだまだ広くこうした形で一般的に水準に満たない物件というものが多数存在している。しかも、これは決して古い物件ではないんですね。そう古くもない物件でもこういったものがあるという状況を知っていただきたいと思います。

 もう一度参考人に確認ですが、この最低居住水準というのは、例えばこの水準、これは必ず守らなければならないという基準であるのか、それとも、目標値というか、物件をつくられるときに目安とされているものなのか、どちらなんでしょうか。

榊政府参考人 最低居住水準ということでございますので、健康で文化的な住生活を営む基礎として、最低この居住水準は守ってほしいという水準ということで決めさせていただいております。

泉委員 健康で文化的な生活といえば憲法二十五条に当たるわけですが、まさか物件が憲法違反かどうかということは言いませんが、今守ってほしいというふうにおっしゃられましたが、これは罰則も含めて何かそういった措置がとられるような仕組みにはなっているんでしょうか。

榊政府参考人 罰則をもってそういうことをするのではなくて、現にその水準以下のものがあるので、政府として何とか解消すべく努力をする、いわばそういう基準としてつくっておるものでございます。

泉委員 その意味では、大臣、先ほど私が言いましたように、やはり民間の賃貸住宅の質が非常に低い。厳しい市場原理の中で、これまでは余り消費者サイドに民間賃貸住宅というものは立っていなかった歴史があるのかもしれません。

 そういった意味で、政府がせっかく水準を定めているにもかかわらず、私も実は学生時代、こんな水準があるなんて知りませんでした。でも、これが健康で文化的な生活を営む最低限な水準であれば、ぜひ広く広報していただきたい。広く広報することによって、消費者の啓発になりますし、また事業者の啓発にもやはりなると思うんですね。

 ひいては、政府が政策の中でも、例えばチェックアップを行ったり、国土交通省も、PDCA、そういったものに随分と取り組んでおられますけれども、そういったチェックアップあるいは政策レビュー、こういった中でも、例えば誘導居住水準の達成値を高めていく、あるいは、昨年からは最低居住水準の、十八年度でいうとたしか未達成の物件が全体で四・六%という数字だったと思いますが、それをゼロにしていくという目標を立てられているわけですね。

 であるならば、ぜひこの最低居住水準、誘導居住水準というものを何らかの形で国民の皆さんにもお伝えをいただく手だてをとっていただきたいというふうに思いますが、御答弁をお願いしたいと思います。

榊政府参考人 実は、住生活基本計画をつくる際にも、パブリックインボルブメントというような形で国民に対して広く意見を募集して、実はこういうものなんだよということを広く周知してきたつもりでございますけれども、都道府県ベースでも同じようにこういった住生活計画をつくっていくということになりますので、そういった機会を通じながら、委員御指摘のような、この最低居住水準の早期解消なり、誘導居住水準はこんなものだ、二十七年には五〇%を目標にしているんだよというようなことを周知してまいりたいというふうに考えております。

泉委員 そういったことで周知がなされれば、建てかえも進み、また、市場も動くということでの経済効果もあると思います。ぜひともそういった取り組みもお願いをしたいと思います。

 もう一つ、高優賃、特優賃に関して、この最低水準ということに絡めてなんですが、高優賃はたしか二十五平方メートルが最低水準だったと記憶をしておりますが、ちょっと確認ですが、それでよろしいでしょうか。

榊政府参考人 いわゆるマンション形式みたいな共同住宅、共有部分があるようなものについては十八平米でございますが、それ以外のものについては二十五平米という、最低居住水準のベースで申し上げますとそういうことになるということでございます。

泉委員 これは、単身者という意味ですか、それとも人数に関係なく二十五平方メートルということですか。

榊政府参考人 基本的には人数には関係ないということでございます。

 ちなみに、中高年齢者の単身の最低居住水準は、住戸専用面積で二十五平米ということを原則としてやっているということでございます。

泉委員 そこがちょっと不思議だったんですけれども、単身者については二十五平方メートルということで、私もそれは理解をしたわけですが、高優賃の最低基準が二十五平方メートルということだけが書いてあって、例えば、御夫婦で住まれた場合は、それでも最低水準は同じく二十五平方メートルなのか、それとも、普通の二人世帯でいけば、最低居住水準というのは基本計画の中では三十平方メートルなんですね。

 これはどういった理解をすればよろしいんでしょうか。

榊政府参考人 高優賃ということでございますので、お一人で住まわれる方とかお二人で入られる方がいるというので、いわば何人そういう方がおられるかというのがきっちり確定していれば二十五平米のものと三十平米のものと分けてつくれるんですが、大体こんなものだろうというようなことで、二十五平米分、三十平米分、もうちょっと大きな分と、こうやってつくってまいりますのでどうしても、例えば二人の方が二十五平米に入るというようなことが出ているのかもしれません。

 ただ、考え方としては、ちゃんと一人、二人と分けて、そのパターン分けで整理をしているということでございます。

泉委員 大臣、今の実態、わかりますか。

 実は、数字上の話でありますが、今可能性を指摘されたように、我々普通の日本人であれば、日本人であればというかこの国に住む人間であれば、一人世帯で最低でも二十五平方メートルの水準というものが国土交通省で唱えられている、そして二人世帯であれば三十平方メートルというものが唱えられているにもかかわらず、もちろん学生でも同棲で住まわれているケースもあるかもしれませんが、まさに高齢者の方が、高優賃という特に高齢者のためにつくられた住宅において、その最低水準というものが二十五平方メートルとしか定められていない結果、御夫婦で二十五平方メートルという世帯に住んでいる可能性もこれはあるわけですね。

 私は、大臣は福祉にも大変関心の高い方だというふうに思っておりますので、ここはやはり何らか一度調査をしてもよいのではないかというふうに思っております。先ほどまだ調べたことがないというお話もありましたので、ぜひとも、この高優賃における、例えばこういった最低水準の二十五平方メートルで住まれている方々の中での世帯の人数、これを何らかお調べいただけないかと思いますが、いかがでしょうか。

榊政府参考人 実は、住宅・土地統計調査というのを五年ごとに全国的に実施するということになっておりまして、そのベースで申し上げますと、二〇〇三年に実はその調査を実施いたしまして、次は二〇〇八年ということになっております。二〇〇三年の調査結果が出ている段階でございまして、そういったような二〇〇三年のものを詳細にまた分析をいたしまして委員にお示しをしたいというふうに思っておるところでございます。

泉委員 時間が迫ってまいりましたが、きょうは警察の片桐生活安全局長と米田刑事局組織犯罪対策部長にもお越しいただいております。

 きょうお越しいただいたのは、二点質問がございまして、まず一つ目です。

 ちょっと幾つか飛ばして恐縮ですが、団地において、URの団地にしろ、公営住宅の団地にしろ、やはりこれからの時代は、先進的な事例として幾つも今、医療施設ですとか介護施設あるいは子育て施設をそこに併設をするという取り組みが活発に進んでおるというふうに思います。

 そこで、確認なんですが、私の地元からも、ニュータウンというのは三十年ぐらいたつと随分と古くなってくるし、そして人の流動化も進んでくるし、何かしら環境的に、例えば不法投棄のごみの問題とか、悪化をしていく傾向があるということの話もございまして、派出所をこういったところに併設をできないのかというような御意見もございました。

 国土交通省にまず確認をしたいのですが、これまで、公的賃貸住宅の団地内において警察の関連施設が所在するケースというのはございますでしょうか。

榊政府参考人 委員のお尋ねがありまして急遽調べさせていただきましたので、正確な数字かどうかわかりませんが、まず東京都営住宅が二十二団地、それから大阪府営団地が十一団地という形の報告が来ておりまして、こういったような形で、公営住宅団地におきまして、敷地内に交番等が設置されている事例があるというふうに聞いておるところでございます。

泉委員 警察の方も、そのことについての数字が何かあれば教えていただきたいと思いますが、いかがですか。

片桐政府参考人 突然のお尋ねで、私、数は集計しておりませんが、ただ、団地内にそういった交番が設置されている例というのはあると承知しております。

泉委員 きのうの段階での質問通告、そしてまた、調査が伴いますので、すぐにとは申しませんが、恐らく団地の敷地内に派出所、交番があるのかなというふうに思います。場合によってはですが、使い勝手がいいかどうかは確かにわかりませんが、一階部分にそういった派出所が来るケースというのも今後あり得るかもしれませんし、今回、住宅セーフティーネット法案の調整の中で、医療、介護、子育ての施設についてはこういった併設ということも話をしてきたわけですが、私も、警察の交番がこういった団地内にも存在をするというお話を初めてお伺いしました。

 ただ、都営なり府営ということで確認をされているということでありますので、今後、例えばURの団地といったところについても、場合によってはそういった連携をとっていただくこともあっていいんじゃないのかというふうに思っておりますので、そういったことの検討もぜひともお願いをしたいというふうに思います。

 そして、もう一問ですが、公的賃貸住宅における暴力団の排除の件であります。

 これも国土交通省と警察がともにお調べをされていましたけれども、私は、やはりこれは何とか立法化できないかというふうに思っております。

 幾つかの自治体で条例としてはできているけれども、居住の自由等含めて、憲法上の壁もなかなか高いというふうにおっしゃられております。何とかそれを乗り越えて、暴力団あるいは暴力団員がこういった公営住宅に居住をするということについては、多くの住民に不安をもたらすと考えておりまして、例えば、厚生労働省の取り組みなんかでいいますと、実は、生活保護については、暴力団員については一切その申請を却下するという取り組みが既に進んでおります。

 そういった意味から考えても、健康で文化的な最低限の生活を保障する、その生活保護でもこういった形で事実上の規制ができているということを考えれば、何らか、この公的賃貸住宅における暴力団の入居規制を行えないかというふうに思いますが、現在の国土交通省と警察の御認識をいただきたいと思います。

冬柴国務大臣 公営住宅における不法行為、最近も大変ショッキングな事件がありました。そういうことで、そういう問題についても調査をいたしまして、六月一日、公営住宅の事業主体に対しまして、公営住宅における暴力団排除に係るガイドラインというものを発出いたしました。

 その内容は、公営住宅の入居者等の生活の安全と平穏を確保するために、新規入居申込者について、その人が暴力団員だということがわかれば、入居収入基準を満たしているということが判断できない、収入が、暴力団の場合、源泉徴収票を持ってこいと言ったってなかなか出ないと思うんですね。そういう観点から、入居決定をしない、入居させないということですね。

 それから、既存の入居者についても、その人が暴力団員であるということが判明した場合には、先ほどと同じ発想でございますが、市場家賃を払ってくださいということで、もしそれを払ってもらえないのであれば、これは賃料不払いということで退去を求めることができます。

 こういうことで、暴力団に関する情報提供とか、あるいは、そういうことをする職員も怖いと思うんですが、暴行防止等のために必要な支援を依頼するなど、全国の警察との連携を図っているところでございます。

 ただ、先ほどもおっしゃいましたけれども、これを法律で禁止するということは、憲法二十五条、生存権を実現するための制度であるために、暴力団という人的な属性によって全国一律に排除するということが法的に適当かどうかは大変難しい問題で、現在では消極的な判断をいたしているところでございます。

 今後につきましては、この六月一日に発出したガイドラインを踏まえまして、全国の事業主体において、警察との連携体制の整備を初めとして暴力団排除に向かって立ち向かっていただきたい、そのように期待しているところでございます。

米田政府参考人 私どもの方も、国土交通省に合わせまして、六月一日に各都道府県警察に通達をしております。

 議員も御案内のように、これはそれぞれの公営住宅の設置主体である自治体が直接には対応いたしますので、警察からは、それぞれの自治体との連携体制を構築し、そして情報提供あるいは保護対策支援等をとるようにということをしております。

 制度につきましては、これは国土交通省の所管の問題でありますので私からはコメントはいたしませんけれども、今回始まりましたこの仕組みを最大限有効に活用して暴力団排除に努めてまいるとともに、もちろん、実務上改善すべき点があれば改善して、効果を上げてまいりたいと考えております。

泉委員 警察と国土交通省、ぜひ連携をとっていただきまして、そしてまた、恐らくというか、あってはいけないことですが、場合によっては、あの町田の立てこもり事件のようなことが、そういった家賃をめぐるトラブルの中で出てくるかもしれないということで、近隣住民の安全対策と、特に警察の方には、やはりそういったことに対応する部隊の訓練の充実をぜひお図りいただきたいということをお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。

 どうもありがとうございました。

西銘委員長代理 三日月大造君。

三日月委員 民主党の三日月です。

 私も、同僚議員に引き続き、一般質疑、きょうは特に、自動車交通の安全問題、社会的規制のあり方について質問をさせていただきます。

 十枚物の資料をお配りいたしました。これを使いながら質問をしたいと思うんです。

 まず、二月に起こりました、あずみ野観光バス、いわゆる都市間ツアーバスの事故です。過労運転の問題が大変指摘されまして、この委員会でも、伴野委員の指摘に基づいて、大臣も、新宿を初め、実態はどうなっているのかという視察に行っていただきました。三月十三日、その視察に行っていただいた内容報告をいただいております。また、その後行われた貸し切りバス事業者に対する重点監査の結果、先般プレスで発表された内容もいただいております。この点について、まず確認をさせていただきたいと思うんです。

 お手元の資料の九ページ、十ページ。この九ページが、三月十三日、大臣も東京でごらんになった、全国街頭調査の結果です。そして十ページ目に、それを受けた、貸し切りバス事業者に対する重点監査の結果一覧です。

 私は、ここで二つのことを指摘させていただきたいと思うんです。

 まず一つは、この十ページに見られますように、報道でも指摘されておりますが、やはりツアーバス事業者の法令違反が極めて多い、八割を超える事業者で法令違反がある。特に、過労防止義務違反、ここについての違反がやはり多く、運行指示書についてもきちんと備えつけられていない事業者も多く見受けられたということがあります。この点についてどのように評価をなさっているのかということと、その前段にあります三月十三日の全国街頭調査、これはこれで、私は速やかな視察の努力を多としたいと思うんですが、しかし、せっかく行っていただいたのに、何か未確認というところがやたらと多いんですね。特に八番目、九番目、貸し切りバス事業者名の表示でありますとか、貸し切りの表示があるかないかぐらいは、せっかく行ったんだから、せっかく見たんだから、ちゃんと確認してほしかったなと思うんです。

 この二点について、大臣及び担当局長から答弁を求めます。

岩崎政府参考人 まず、重点監査の結果でございますが、先生の御指摘、この表にあるとおりの結果でございます。私どもの方も、特にこのツアーバスの法令違反、これについては、大変多かったというのは遺憾に思っております。何らかの対策を考えていかなきゃいけない、このように改めて感じた次第でございます。

 それから二点目の、全国の街頭調査結果でございますけれども、確かに未確認のものが多いというのは事実でございます。これは、その発着拠点におきまして、通常のいわゆる立入検査という形ではなくて、任意で街頭の調査で行ったものですから、少しバスをとめてとかそういうことをしないで、バスの運行を妨げない範囲内で我々確認できるところを確認していったということでございます。特に、表示の関係で未確認が多く出ておりますけれども、繰り返しになりますが、到着から発車までの間隔が極めて短くて車両全体をチェックすることが困難であったとか、つまらない話でございますけれども、歩道の垣根が障害になって中が見にくかったとか、そんなことでございます。

 こうしたものを、街頭調査の結果だけではなくて、今後、監査などを含めて、きっちりいろいろなことは見ていきたいと思っているところでございます。

三日月委員 これらの監査の結果を受けて、六月六日、おととい、貸し切りバスのあり方についての検討会を立ち上げられて、第一回の検討も行われているように聞いているんですが、この実態調査というものがそれらの基礎となると思うんです。

 そして、今局長おっしゃいました、これからこの調査だけではなくて監査も含めてその内容を検討の際に生かしていくんだという趣旨の御答弁がありましたが、しかし、私は、この全国街頭調査の見方が、何か一事が万事を示しているように思えてならないんです。もちろん、任意の調査だからバスをとめてまでできなかったというのはあるのかもしれません。しかし、表示義務はあるわけで、表示されているか否かぐらい、行ったときに見られない調査をするような運輸支局の皆様方、調査に対する考え方で、果たして日ごろの監査もきちんと徹底して行っていただけているのかどうかということに、私は疑問を抱かざるを得ません。

 具体的にいろいろとお伺いをいたしますが、都市間ツアーバスの安全性に対する評価というのはいろいろあると思うんです。これから検討会の中で個別具体的に検討をなさっていくと思うので、ぜひその際にこれは盛り込んでいただきたいという観点から申し上げます。

 例えば、区域外営業、区域外運行。貸し切りバスの営業区域内からお客様を運ぶ、もしくはそこまでお客様を運んでくるという取り決めがあり、そのことによって安全性を確保しているという面があると思うんですけれども、しかし、実態は、営業所のあるところから例えば東京、新宿までバスをほとんど回送状態で運んできて、新宿でお客様を乗せて、そして近畿地方に向けてバスを走らせていることがあるという、このこと。

 また、もう一つ、乗り合いバス事業者との競争条件ですね。運行系統だとか運行時刻だとか、停留所をどう設置するんだということについて、いわゆる事業計画であるとか運行計画を認可または届け出によって認めていくというのが乗り合いバス事業のあり方だと思うんですけれども、しかし、今回問題になっています貸し切りバス事業者による都市間ツアーバスは、これらの事業計画だとか運行計画の提出が義務づけられていません。したがって、既存の乗り合いバス事業者との競争条件という面で著しく公正さを欠く部分もあるんじゃないかということ。

 この二点について、まず大臣、御見解を。

冬柴国務大臣 今回の実態調査は、この国土交通委員会において、あずみ野観光バスの事故を契機としまして、いろいろな御提言をいただきました。その中で、早速にも、新宿西口へ行けば貸し切りバスの実態がわかるんじゃないかという御提案がありまして、すぐ行ったわけです。そしてまた、そこで驚くべき状態も私も見ました。したがって、これは四月いっぱいかけて、そして四月を貸し切りバスの調査期間と定めて、やろうということで、不完全ながらこういう報告ができるようになったわけで、これは、ここの審議というものでいただいた知恵というものが結実しつつあるかなと思っています。

 その調査の結果、こういうことがわかってきて、今お尋ねの、貸し切りバスと乗り合い事業によるバスとの違いとか、そしてその競合ぐあいとか、私もあのときに見ましたけれども、大阪まで四千九百円というのはとんでもない値段だなと私は思いましたけれども、若い人たちがいっぱい乗っていました。

 ですから、そういう問題をもっときめ細かく調べる必要があるというところから、六月六日に、これにはバスの事業者、旅行業の団体、こういう人も入れないと契約関係が非常に問題だと思います、それから貸し切りバスの事業者、それから旅行業者を構成員とする検討会を、貸切バスに関する安全等対策検討会という名前をつけまして、発足させたわけです。

 したがいまして、この過程で、もっとこの部分を調査しなきゃならないということも提案されるかわかりませんけれども、とりあえずは、今提出をいたしました資料等を基礎として、今お尋ねのような点も問題があることは私どももよくわかっておりますので、どうあるべきなのか、これを検討して、早く結論を得て、それなりの対応策をとりたい、このように思っています。

    〔西銘委員長代理退席、委員長着席〕

岩崎政府参考人 具体的に一点、御指摘ございました営業区域の問題でございます。

 御案内のとおり、貸し切りバス事業者は、その営業区域から別の地点へ運ぶ、別の地点から営業区域へ帰ってくるという運行は認めておりますが、営業区域を外れたところを発着地として運行することについては禁止をしております。

 これまで、この営業区域の考え方が、例えて申しますと、茨城県にあるバス事業者の方が、添乗員を乗せて東京まで来る、東京でお客さんを乗せて例えば大阪に行く、大阪からまた東京に帰ってきて、お客さんをおろして、茨城県の方に添乗員だけを乗せて帰っていくというような形態があります。そうすると、この添乗員がお客さんなのかどうかということで疑義がございました。そうしたものも、運転手以外を運んでいるんだから営業区域外、違反ではないか、こんなことで疑義がございましたけれども、そういうものはだめですよということも通達も出してはっきりさせたところでございますが、なお、その徹底なり、より手法をどうしていくかというのは勉強させていただきたいと思います。

 それから、高速の乗り合いバスとツアーバス、これについての競争条件のお話がございました。特に、安全面については原則下がってはいけない、こう思っておりまして、その点については、今大臣も申し上げました委員会の中でも勉強していきたい、このように思っております。

 ただ、先生おっしゃいました事業計画と運行計画をどうしていくかということは我々課題だと思っておりますが、例えば、路線バスですと運行計画がはっきりしておりますが、一般の貸し切りバスというのは、その日その日どこに行くかわからないという形態でございますので、運行計画というような形で出してもらうのがいいのか、事業計画という形で出してもらうのがいいのか、あるいはツアーバスだけ何か特別な規制をするのがいいのか、いろいろ課題がございますので、そうしたものを含めて勉強していきたいと思っております。

三日月委員 そもそも、乗り合いと貸し切りという、その区分けそのもののあり方についても議論をすべきだと思います。ぜひ、通達を出すだけではなくて、先ほどの区域外運行のことも含めて、実態がどうなっているのかという調査をきちんとしていただきたいということ。

 さらに、安全性を損なうことがないようにとおっしゃいましたが、重点監査からも見られるように、安全性を損なうことにつながりかねない違反状況がこれだけたくさん、八割以上もあるわけですから、やはりこの点を重く受けとめて、対策について万全を期していただきたい、しっかりと検討していただきたいと思います。

 今おっしゃった検討会は、構成メンバーも見ましたけれども、例えば、バス協会の皆さん、旅行業協会の皆さん、そしてその中にある主要な会社の方々も入っていらっしゃいますが、今話題になっているこの都市間ツアーバスというのは、そういった協会に所属をしない、大手ではなくて、非常に小さいけれども市場のすき間をねらって入ってこられているような事業者もあるわけで、ぜひ、その実態調査、ヒアリングの際にはそういう事業者の状況がわかる調査、検討、議論をしていただきたいということを申し上げておきたいと思います。

 もう一つ、大臣の御答弁の中にありましたが、旅行業との関係ですね。これを抜きにこの都市間ツアーバスの問題を浮き彫りにすることはできないと思うんです。しかし、残念ながら、全国街頭調査においても、また重点監査においても、その部分について調査が不十分であるように私は思えてなりません。

 例えば、予約サイトを運営する会社、旅行会社、貸し切りバス会社が、旅行業法十二条の観点から、種々ある取り決めに従って事業が行われているかどうかの点検、監督体制のあり方についてどのようにお考えでしょうか。

柴田政府参考人 お答え申し上げます。

 貸し切り契約の一方の当事者でございます旅行業者、これに対する調査の必要性ということでございますが、ツアーバスに関しましては、自動車交通局の要請を受けまして、昨年の六月三十日に、旅行者保護の徹底を図る観点から、道路運送法等の関連法令に違反する行為を貸し切りバス事業者に対して強いるような行為を行わないこと、また募集広告等々に関して旅行業法の規定を遵守することといった文書を、旅行業協会等を通じまして、旅行会社に発しているところでございます。

 特に、ツアーバスに着目した形で旅行業者に対して調査を行うことにつきましては、バス事業者に対する調査、監査、こういったものの検討結果を踏まえまして検討したいというふうに考えてございますが、一方、旅行業法に基づきます監査の際には、旅行業法の規定を遵守しているかどうかについてしっかりとチェックをしてまいりたいというふうに考えております。

 なお、ことしのこの六月に自動車交通局で立ち上げられました貸切バスに関する安全等対策検討会においては、旅行業者も参画しておりまして、バス事業者等に対するヒアリングを行う方向ということになっておりますから、その状況も見ましてやっていきたいというふうに考えております。

三日月委員 当然、これから検討結果を踏まえて、貸し切りバス事業者と旅行業者との関係、さらに明らかになる部分もあるのでしょうから、それを踏まえて、調査すべきところは調査するということだったと思うんですけれども、大体これまでの御報告なりを聞いていると、事務連絡を出しました、旅行業協会に通達しましたということだけなので、その結果どうなっているかということの調査が、私は、旅行業関係、まだまだ不十分だと思うんです。ぜひこのあたり徹底をしていただきたいと思います。

 それでは、資料に基づきまして、各論はこれぐらいにして、総論のことを議論したいと思うんですけれども、この一ページ目、二ページ目、三ページ目、これは、国土交通省及び警察庁で把握されているデータに基づいて、乗り合いバス、貸し切りバス、タクシー、トラック、事業者数がどうなっているのか、車両数がどうなっているのか、輸送人員、輸送量がどんな推移になっているのか、また事故件数がどうなっているのか、被害者がどうなっているのかということについて、まとめさせていただきました。これをごらんになって、どう思われるのかということ。

 あと、本来、私は競争を否定しません、規制緩和も必要な分野もたくさんあるでしょう。しかし、その影響について、これぐらいのデータは、数字としてはあったのかもしれませんが、トレンドとして議員なりが確認できる状況に国土交通省もしておくべきだと思うんですけれども、この点についての御見解、評価をまずお伺いしたい。

岩崎政府参考人 先生御指摘のとおり、この輸送人員、事故件数等々、各モード別に見てまいりますと、やはり事故件数がどちらかというと右肩上がりになっている。業種によって違いますけれども、特に乗り合いバスとかタクシーなどでは、輸送人員が下がっていく中、事故件数はふえている。それが三ページにもございますとおり、全体、交通事故は少しずつよくなっているところでございますけれども、特に事業用自動車につきましては高どまりをしておりまして、死者数もなかなか減っていかないということについて、我々も大変問題だと認識をしております。

 大臣がいつもお答えさせていただいておりますけれども、規制緩和と輸送需要の低迷とかいろいろ相まったところでございますけれども、規制緩和をして、いい面もございましたけれども、こうした事故が現にふえているあるいは高どまりしているということは問題であろうと思っておりまして、そうした社会的規制については、我々もきっちりやっていかなきゃいけないと思っております。

 それから、先生御指摘の、こうしたデータを先生方にもちゃんとお話しすべきだということにつきましては、今後そのやり方等を検討させていただきたいと思っております。

三日月委員 ぜひ大臣には政治家として御見解を求めたいと思うんですが、そろそろこの影響を真摯に検討するべきじゃないかと思うんです。さらっと、事故件数は高どまり、ふえています、右肩上がりです、死者数も減りませんとおっしゃいましたが、そのしわ寄せが、やはり現場で働く方々に対する過重な労働、そしてそのことを我慢して働き過ぎるが余り起こしてしまう事故、その被害者のところに行ってしまっていると思うんですね。

 国土交通省だけに限らず、警察や厚生労働省も含めて、一度、特に事業用自動車の労働実態や業務実態について検討をし、社会的規制のあり方について見直しをしていく、強化をしていく、この検討をするべきだとお考えになられませんか。

冬柴国務大臣 まさにそこが、今一番大事なところだと思います。

 ただ、十四年二月に規制緩和が行われたんですけれども、そのときに、同時に、行き過ぎた場合についてのブレーキといいますか、調整措置というものもその法律の中には組み込まれてあります。したがいまして、それをいつどのように、規制緩和という大きな流れは、後戻りしたりすることは国民のコンセンサスは得られないと思うんですけれども、しかしながら、行き過ぎたというふうに思われる部分について、調整措置というものをとれるようにしなければならないと思います。

 現行法では、やはり規制緩和ということ、大きな流れがあったがゆえに、これが物すごく、調整措置については厳格な要件になってしまって、なかなか発動できにくいような実態がございます。したがいまして、私はこれをもう少し弾力的にできるような措置をとりたいと思います。

 今まで、沖縄で、タクシーについてはそのような調整措置がとられたわけでありまして、新規参入を許さず、あるいは増車を許さずということで、数年の間に改善をされたという顕著な例もあります。

 したがいまして、今、つくっていただいたこの表を、我々の提供したものをわかりやすくしていただいたわけですけれども、これを見ても、ここはやはり考えなきゃならないというふうに思っております。

三日月委員 ちなみにお伺いいたしますが、厚生労働省関係、国交省関係、それぞれ事業用自動車の過労運転の状況をどのように把握されていますか。まず、厚労省。

松野大臣政務官 自動車運転者の労働実態につきましては、例えば賃金構造基本統計調査によりますと、平成十八年のトラック運転者の年間総実労働時間は二千五百六十八時間となっております。全産業の労働者と比べて三百九十六時間長いという状況でございます。過労運転につながる長時間労働の実態が認められるというふうに認識をしております。

 このため、厚生労働省においては、労働基準法に加えまして、自動車運転者の労働時間等の改善のための基準によります、拘束時間、休息時間、運転時間等の基準を設け、自動車運転者を使用する事業者に対して重点的に監督指導を行っているところであります。

 引き続き、国土交通省と連携も図りつつ、的確な監督指導に努めてまいります。

三日月委員 今、紋切り型の御答弁をいただきましたが、ちなみに、国交省と連携をして進めていらっしゃる自動車関係の労働関係法令の遵守状況、改善基準告示の遵守状況はどうなっているんですか、厚労省。

松野大臣政務官 労働基準監督機関におきまして、自動車運転者に係る法定労働条件の履行確保を図るために実施をいたしました平成十七年の監督指導件数は、四千二百三十四件でございます。その結果認められた労働基準関係法令違反の件数は三千三百十六件であり、改善基準告示の違反件数は二千二百五十八件であります。

 自動車運転者を使用する事業場につきましては、労働基準関係法令の違反率は全産業に比べて一二ポイント高いという状況でございますが、自動車運転者については、主に事業場外で労働が行われること、また道路事情に影響を受けやすいことなどから、労働時間の管理が難しい状況にあると認識をしております。

 厚生労働省としては、自動車運転者の法定労働条件の履行確保を図るために、指導の実施に努めてまいりたいと考えております。

三日月委員 次の答弁からちょっとずつ心を込めていただければと思うんですが、例えば、今おっしゃっていただいたような数字は私の資料の七ページ、八ページにあるんです。今はパーセントでおっしゃいませんでしたけれども、労働基準関係法令違反は七七%、七八%なんです。十五年、十六年、十七年。そして、改善基準告示、いわゆる自動車を運転される労働者に課される労働時間ですとか拘束時間、運転時間の違反は、五五、五四、五三。半分以上が違反なんですね。この数字をごらんになって、これはきついやろ、やり過ぎやろとお思いになられませんか。全然改善されていないんですね、この六年間。ずっと違反がふえているんですよ。

 私は、このあたりに対する御見解とかをぜひお聞きしたいんです。さっきの数字の部分は、省庁の役人の方に聞けば出てきますし、私も持っています。しかし、政治家として、厚生労働、特に労働分野の監督をされるお立場として、これはやはりやり過ぎだ、ここに是正が必要だという心のこもった答弁があってしかるべきだと私は思うんです。ぜひ答弁を求めます。

 そして、国交省にもお尋ねしたいと思うんですけれども、四ページ、五ページ、トラック運転者の過労運転防止ということで、自動車運送事業に係る交通事故要因分析検討会というのが行われていて、そこの中の資料だということでいただきました。

 トラック運転者の過労運転について、例えば、競争が激化していて、しわ寄せとして一部の事業者が就労条件を悪化させているのではないか。採算が悪化して、安全確保よりも利益重視となってしまっている事業者がいるのではないか。これもさらっと書かれていますけれども、その上にある、特に四ページの五行目ですね、「トラックの調査事例四十三件について、改善基準告示の基準の遵守状況を確認したところ、適合が十七件、不適合が十六件、不十分が七件、不明が三件であり、」これは何ですか、不明というのは。

 厚生労働省で毎年やっている、改善基準告示に対する監査があるじゃないですか。その状況を、例えば六ページにあるような形で毎年報告されているわけですから、交通事故要因分析検討会で出されるのであるならば、やはりもう少しその辺の調査結果の共有化が図られてもいいんじゃないですか。このあたり、両省から答弁を求めます。

岩崎政府参考人 私どもも過労運転による事故がふえていることは大変心配をしております。監査等々の機会でできるだけ指導するようにしておりますし、今後とも重点的にやっていきたいと思っております。

 それとあわせて、過労運転がなぜ起こるのか、どういうときに問題なのかといった分析も深めていきたいと思っております。先生がきょう提出いただいた六ページの資料もその一端ではございますけれども、今先生御指摘のとおり、必ずしも十分でない面がございます。そうしたことは反省しつつ、過労運転がなくなるような、それを少し、現象面だけではなくて、掘り下げたような形での分析ができないか、今後勉強してまいりたいと思っております。

松野大臣政務官 委員御指摘のとおり、労働基準法の関係法令違反の数値でありますとか改善基準告示の違反件数が下がっていないという状況は、御指摘のとおりであります。

 これは、理由としては、もう既に委員御承知のとおりでありますが、先ほど申し上げましたとおり、事業場外の労働の問題ですとか道路状況もありますし、また、この業界の特性として、荷待ちの時間また客待ちの時間等々で、他の業界とは違った労働条件の中で行われているということもございます。また、労働問題以外にも、産業構造全体の下請、孫請というような関係の中で、下請、孫請に過酷な労働条件が強いられているという側面があるということもあると思いますし、現状の要求されているサービスの中で、二十四時間サービス等々に対応せざるを得ないというような流通関係の特性もあると思います。総合的な問題点が、今委員御指摘の、なかなか改善に結びつかないというところに来ているんだろうというふうに思います。

 いずれにしても、安全確保を第一に考えて今後とも対応していかなければなりません。事は人命にかかわることでありますし、また、個々の労働者によりましても、労働条件等にかかわる、これは労働基準法で基準がされている問題でありますから、これが改善されるよう、引き続き努力を続けてまいります。

三日月委員 国交省も厚労省も、不十分ながら監査の体制を補強されて、監査事業者数をふやされていたり、それぞれの現場では御尽力いただいていることは承知をしているつもりです。そして、今松野政務官がおっしゃったように、この業界、市場からの要請でありますとか産業構造の特徴、荷待ち、客待ちの多さ、それもあることも承知をしています。

 ただ、これは、あずみ野観光の事故の後、報道で出た資料ですから、事実関係も含めて確認をしたいんですけれども、あずみ野観光バスに対しては、労基署が監査に入り、立入調査をし、是正勧告を発出されているんですね。ところが、報道のコメントで載っていますけれども、勧告を無視するか、一たん改善した後、再び過重労働を始めた可能性が高いということが出ているんです。

 それで私は、昨日、これから監視を強めていきたい、監督指導をちゃんとしていくとおっしゃいましたが、監督指導のあり方がどうなっているんですか、例えば是正勧告を出される、その後、事業者からこういうことを改善するということについてどういう文書が出されてきているんですか、その後のフォローをどうされているんですかということについて確認を求めたんです。

 出てきた資料、何ですか、これは。私は、個人情報のことがあるから黒塗りでもいいと言ったんです。関係するところは黒塗りでもいいから、それでも、現実、違反があった事業者がどのような指摘をされ、それをどのように改善されているかということが確認したいと。例えばあずみ野観光バスでも、指導はしたけれども守れていない事例があるじゃないかということで求めたんですが、結局出てきたのは、厚労省の皆さんがちゃらちゃらっと書かれた、いわゆるひな形だけだったんですね。

 私は、このあたり、是正指導の不十分性、監督、監査はやっているけれども、その後のフォローの不足が今あるのではないかなと思うんです。

 大臣、ぜひ、このあたり、厚生労働省としっかりと連携をして、一度、自動車交通の労働者の労働実態をもう少し精緻に把握していただいて、せっかくある検討会できちんとこのあたり分析をしていただいて、対策につなげていくという前向きな御答弁をいただけませんか。

冬柴国務大臣 このような運送事業におきまして事故が起こるということは、我々は、人の命を預かっている、特に人を運ぶという旅客という運送、タクシーもそうですけれども、そういうところで事故が起こるということは許されないわけで、我々は、安全、安心が最大限の問題であり、そして次いで、乗客の利便性の向上、この二つなんですね。

 そうしますと、今起こっていることはどうかといいますと、先ほども厚生労働省の方からも報告がありましたけれども、すごい長時間、普通の全体の平均的なものを二百時間も超える労働をしていらっしゃる、そして、所得はまた全国平均よりぐっと下がったところで、本当に生活保護世帯よりも低い年収しかない、そういうようなことが起こっているわけです。

 なぜ起こるのか。これは二つあると思いますね。一つは、非常に自動車の数がふえた、これが一つあると思います。競争ですね。それからもう一つは、自家用乗用車に乗って、公共交通、タクシーもそれを含めて考えれば、物すごく減り方が大きいんですね。お客さんが減るわけですね。

 そういう中にあって、これをどう改善すべきか。私は、先ほど言ったように、ふえ過ぎている部分については、何とか歯どめがかかる措置はとれないのかということが一つ。それからもう一つは、それでも労働者に分け前が行くのかどうか、いろいろ疑問もあるんですけれども、今タクシーの料金の値上げ申請が相次いでいるわけですね。これについて、いろいろ手続がありますけれども、私はやはり、それが運転手にきちっと還元されるということを確認できるような方法でそれを進めていきたいというふうに思っております。

三日月委員 時間が来たのでこれで終わりますけれども、過当競争は進んでいる。私の資料でもあるように、ずっと事業者なり車両数が、この間、乗り合いバス以外はふえているんですね。

 市場淘汰が進まない理由が二つあると私は思うんです。一つは、消費者にその情報がきちんと伝えられていないということ。そして、社会的規制、その後のフォローも含めて、対応がとられていない、この二つだと思うんです。社会的規制という面でいくと、さっきも労働時間の話がありましたが、運転労働者に対する労働法制、労働時間法制をやはりきちんと整備する時期に来ているんじゃないかと思うんですね。改善基準告示のような告示で、しかも守られていなくても、そのことの是正措置がきちんととられていないような形で社会的規制を行っていくのではなくて、やはりきちんと法制化していくということも検討されてしかるべきだと私は思うんです。

 ぜひ、この考えも含めて今後の検討に生かしていただくことを要請して、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。

塩谷委員長 穀田恵二君。

穀田委員 住宅セーフティーネット法案に関連して、少しお聞きしたいと思います。

 住生活基本計画が、全国計画ですね、二〇〇六年九月十九日に閣議決定され、そのもとで都道府県計画が二〇〇七年三月までにほぼ策定されました。これは二〇〇六年度から一五年度までの十年間の計画です。

 この計画の策定過程で、住宅困窮者に対する住宅セーフティーネットの確保に関連して、「住生活の分野において憲法第二十五条の趣旨が具体化されるよう、」という文言が追加されました。

 私は、住生活基本法の審議の際にも、居住の権利という思想や考え方にこだわりました。その際にも、一九五〇年に制定された公営住宅法の目的には、「健康で文化的な生活を営むに足りる住宅を整備し、」中略しますが、国民生活の安定と福祉に寄与とあることも紹介し、憲法の精神がとても大切だということをるる議論したことを覚えています。このような規定が大変重要なことだと私は考えています。

 大事なことなので、大臣に、この盛り込まれた経過と、「憲法第二十五条の趣旨が具体化されるよう、」という意味合いについて最初にお聞きしたいと思います。

冬柴国務大臣 住生活基本法六条に、今御指摘がありましたように、「住宅が国民の健康で文化的な生活にとって不可欠な基盤であることにかんがみ、」というふうに定められております。国民の住生活の安定、向上のための基本理念として、低額所得者等の住宅の確保に特に配慮を要する者の居住の安定の確保を図ることを規定しているわけであります。

 また、住生活基本法に基づいて、昨年九月に住生活基本計画、全国計画を閣議決定いたしました。その計画の策定に当たりましては、国民の皆様の御意見を反映させるためにパブリックコメントを実施いたしましたが、その際にいただいた御意見を踏まえまして、策定の趣旨を明らかにした「はじめに」の部分において、住宅分野において憲法第二十五条の趣旨が具体化されるよう、公平かつ的確な住宅セーフティーネットの確保を図っていくことが求められるというふうに明記を、パブリックコメントでいただいた御意見を踏まえて、そのような規定をしたところでございます。

穀田委員 パブリックコメントはとても大事だと私は思うんですね。もちろん、住生活基本法の議論の際に、考え方、今住生活を基本として推し進める上で何が大事かということで、参考人の質疑の中でも出された問題でありました。したがって、私は、そこについて随分こだわったわけです。

 そこで、それらが具体化されている内容、ではどういうことかということについて次にお聞きしたいと思うんです。

 住宅セーフティーネットに関して、私は、肝心かなめな点は、公営住宅がどうなるかという問題をポイントにすべきじゃないかという意見を持っています。

 まず、全国計画では、公営住宅の供給目標量について、都道府県計画で「居住の安定の確保を図るべき世帯に対し必要な住宅供給を行う観点から設定すること。」としています。内訳も、新規の建設、買い取りの戸数、建てかえによる建てかえ後の戸数、民間住宅等の借り上げ戸数、既存公営住宅の空き家募集の戸数と、具体的に示しています。この合計戸数を供給の目標量とするように規定をしています。

 「居住の安定の確保を図るべき世帯」とは何を意味し、その数はどの程度なのか、答えてほしいと思います。

榊政府参考人 住生活基本計画の目標量の設定の考え方で、「居住の安定の確保を図るべき世帯」とは、市場において自力で適正な水準の住宅を適正な負担で確保することが困難と見込まれ、公的な支援により居住の安定の確保を図るべき世帯のことでございます。

 都道府県の区域内におきまして、多様な住宅困窮者の居住の状況なり民間賃貸住宅の需給、家賃等の市場の状況等の住宅事情を分析して、これを踏まえまして、この世帯数を的確に把握するということにいたしております。

 各都道府県において見積もりました、公的な支援により居住の安定の確保を図るべき世帯の数というのが、都道府県計画について、四十六都道府県ベースで申し上げますと、百二十一万一千四百八十九世帯という形になっております。

穀田委員 今、必要な供給数ということも言っているわけですけれども、「居住の安定の確保を図るべき世帯」というのは、自力では困難だということで、もともと考え方の根本はそこにあるわけですね。そうすると、必要な供給数というのは、少なくとも今述べた入居要件を満たす応募世帯がすべて入居できる戸数でなければならないはずだ。

 実は、今お話のあった入居資格者のうち、八期までやった五カ年計画によれば、当時の建設計画の目標では百七十六万が不足しており、入れかえが百万近くあるから、七十六万が必要とされた、これが当時、四年前でしたか、住生活の問題、住宅問題について議論をしたときの住宅局の局長の説明でありました。

 そうすると、数が極めて少ないということになると思うんですね。結局のところ、必要供給数が目標量に反映されるような規定がないというところが私は最大の問題だと思うんです。

 では、各都道府県の計画に記載された公営住宅の供給の目標量について、全国の合計は幾らか、そして、うち新規の建設、買い取りの戸数、建てかえによる建てかえ後の戸数、民間住宅等の借り上げ戸数、既存公営住宅の空き家募集の戸数はそれぞれ幾らか、お答えいただきたいと思うんです。

榊政府参考人 これも四十六都道府県ベースになって恐縮でございますけれども、既に供給目標量を同意したという都道府県に限っての四十六でございます。

 都道府県計画に定める公営住宅の供給の目標量は百十二万七百三戸になっております。それから、新規の建設戸数でございますけれども、これが一万二千三百六十二戸、買い取り戸数が千五百九十二戸、建てかえによる建てかえ後の戸数が十九万八千五百十八戸、民間住宅の借り上げ戸数が七千六百六十六戸、既存公営住宅の空き家募集の戸数は九十万四千二百六十九戸となっております。

穀田委員 そうすると、皆さん数を聞いてなかなかわからぬと思うんですけれども、要するに、結局純増でふえるのは四万五千七百四十七戸だというふうに見てよろしいですね。

榊政府参考人 用途廃止があるので正確に見ようとするとまた別ですが、先生の御議論の趣旨からいけば、おっしゃるとおり四万五千七百四十七戸になると思います。

穀田委員 別に私の数字じゃないんです。要するに、新規の建設と買い取りの戸数と建てかえと借り上げを足せば、四万五千七百四十七になるわけなんですよ。だから、何も私の数字じゃなくて、あなたが言った数字からいえばそうなんだと。何か私が独自の数字を書いているように言われたらあきまへん。あなたの数字を足したらこうなると言っているだけです。そこで何を言いたいかというと、新規の純増戸数というのは、わかりやすく言えば四万五千ぐらいしかないよということなんですよ。そこがポイントなんですよ。

 では、公営住宅の集中する東京や大阪についてはどうなっているか。これも、供給の目標量、そして新規建設など新たにふえる数、それから、既存公営住宅の空き家募集の戸数を東京と大阪それぞれについて言ってください。

榊政府参考人 まず、東京都でございますけれども、公営住宅の供給目標量が十一万三千戸になっております。このうち、既存公営住宅の空き家募集の戸数が八万一千七百十戸でございます。新規の入居者向けに供給する戸数が千百五十二戸となっております。

 次に、大阪府でございますけれども、公営住宅の供給目標量が十二万六千戸でございます。このうち、既存公営住宅の空き家募集の戸数が九万三千七百七十八戸、それから、新規の入居者向けに供給する戸数が三千九百十四戸となっております。

穀田委員 では次に、全国と東京、大阪の公営住宅の直近の空き家募集と応募数はどうなっているか。

榊政府参考人 平成十七年度が直近でございますのでその数字で申し上げますと、全国で、公営住宅の募集戸数が九万六千三十戸、それに対しまして、応募世帯数が九十四万九千六百七十五、倍率にして九・九倍。東京都で申しますと、募集戸数が七千二十九戸、応募世帯数二十二万五千九百二十七、倍率で三十二・一倍。大阪府では、七千三百五十三戸の募集戸数に対しまして、応募世帯数が十一万五千五百八十五世帯となっており、倍率十五・七倍という形になっております。

穀田委員 全国も東京も大阪も、供給目標、例えば、東京の場合は十一万、大阪の場合は十二万、それの八割は空き家募集なんですね。結局、既存の空き家募集戸数で八割は賄えるという供給量でしかないわけですね。

 なぜこんなことをお聞きしたかということを言いますと、応募の状況の倍率というのは全国で十倍あるんですね。これでいきますと、毎年、十世帯応募して九世帯が入居できないという現状になる。また、東京なんかの場合について言えば三十倍、大阪の場合は十五・七倍ということで、全く足りないということになるわけですね。

 だから、少なくとも、全国でいいますと、空き家募集の十倍が不足しているわけだから、供給目標量は、単純に考えて、若干の差し引きはそれはあるでしょう、事前に言っておきますと、あなた方は、募集の場合は年に二回やっているし、二回応募している人もいるんだ、そう言われるのはわかっているので、それは言わぬで結構ですから。しかし、そのままでも供給目標量は十倍なければおかしいわけですね。それがわずか一・二倍程度。それでは毎年の募集は今のままだということにしかならないわけですね。

 しかも、東京の場合を今例にとりまして質問しました答えを見ますと、実際に公営住宅を必要としている応募者数、応募世帯は約九十五万近くあるわけですね。九十五万の応募者数がいて、十年かけても半分しか埋まらない。

 こういう計画で公営住宅を必要とする方々に供給が満たされると言えるのか、この問題について見解をお聞きしたいと思います。

榊政府参考人 委員の御指摘もありますが、応募世帯数に同じ者が重複されているという可能性もございまして、世帯数と供給量を単純に比較できないというところがあるんですが、委員御指摘のように、大都市圏を中心に相当の応募倍数になっているということは事実でございます。

 各都道府県が設定しております公営住宅の供給目標量でございますけれども、地域の住宅事情なり財政状況等を勘案いたしまして、先ほど申し上げました、市場において自力では適正な水準の住宅を適正な負担で確保することが困難と見込まれ、公的な支援が必要だという意味で居住の安定の確保を図るべき世帯の数を把握する、それに対して必要な目標を設定しているということでございます。

 例えば東京都でございますけれども、住宅統計調査等の統計調査等を活用いたしまして、計画期間内に民営借家に居住する収入分位が二五%以下の世帯で、現に最低居住水準未満の住宅に居住している方が実は八万二千世帯ございまして、これを公的な支援により居住の安定を図るべき世帯というふうに東京都の方では考えている。

 これに対して、新規の入居者向けの供給公営住宅が八万三千戸、それから公営住宅以外の公的賃貸住宅の活用戸数を八千戸と見積もりまして、合わせて九万一千戸を公的な支援によって居住の安定を図るべき世帯向けの供給というふうに見込んでいるところでございます。

 そういったような形で、東京都の場合は、新規の入居者向けに供給する戸数が八万三千戸、それから建てかえの際の従前居住者向けが三万戸ありますので、新規という意味では八万三千プラス三万で十一万三千戸、こんなような形になっておるところでございます。

穀田委員 数字をいろいろ言って、だから私は最初に聞いたんですよ。新規の純増は幾らかと聞いているんですね。

 結局、建てかえ、空き家募集ということで、既存のものを出て行ってもらう形をどんどん推し進めて、また、当然、お亡くなりになったりその他含めて自然減もある。こういうものを計算してやって机上の数字が出ているんですよ。

 だから、私、前もちょうど言ったわけですね、この問題は大変になるよと。そうすると、今の現実は、私が当時、四年前に言っていたことの方が正しかったということなんですね。だから、榊局長は五年後も局長をやっているかどうか知りませんけれども、そういう現実が、私が正しかったかそちらが正しかったかというのは歴史が絶対判断しますよ。

 私が言っているのは、新規の建設はこれほどない、だから結局その倍数は埋めることができないということだけははっきりしている、問題はそういう応募倍率が十倍から三十倍ある現状に対して一刻も早く打開することが前提なんだ、そこにこそセーフティーネットということが必要なんじゃないのかと。そういう意味でいいますと、東京などは四・六%、二十件に一件しか供給されない現状でセーフティーネットといって、網がこんなに広がって、どんどん落ちこぼれていって、どないするのやということを私は言っているんです。

 だから、数字を述べて、皆さんはどっちの数字が正しいかということは余りわからぬとは思うのだけれども、肝心かなめの問題は、新規はそんなにつくらないということ、応募の倍率は毎年三十倍以上になっている、仮に一人で二件やったとしても十五倍という数字があるということ、それに見合った数字はできないということ、これだけは厳然たる事実なんです。だから、セーフティーネットといった場合、そこを広げるということ抜きにはだめなんじゃないかということを私は言っているわけです。

 そこの見解を少し大臣に。

冬柴国務大臣 住生活基本計画におきまして策定したものは、配慮を要する人の世帯、そして、それが十年の間には入っていただけるような数字というものがやはり基礎になっていると思います。

 競争倍率は確かに熾烈で、東京なんか三十倍近くになる。しかしながら、これは一年に二回申し込んでいる人もあるわけで、特に高齢者の場合は四回やっているわけです。したがって、その人数と必要とする世帯の人数は必ずしも一致しないというふうに思うわけでございます。

 各地域におきまして、そのような住宅事情というものを各都道府県で詳細に計算した上で、その人たちが少なくとも十年以内にはきちっと入っていただけるような建設計画を立てるということでやっておりますので、歴史的に見て委員の方が正しかったかどうかというようなことは別にしまして、我々としましては、この立てた方針に基づいてきっちり履行していきたいというふうに思います。

穀田委員 〇三年度までにも、全国の公営住宅応募者数は百万世帯を超えているんですね。それで、九九年から五年間、やはり三十万世帯もふえているわけですよ。そのふえ方の数字の、例えば二回応募しているとか四回応募しているとか、それはいろいろあるでしょう。だって、当時だってそういうことだったんですよ。だから、一方で応募者数はふえているんだが建設の供給増はほとんどなくて、九七年度に二十一万戸あった募集戸数も、二〇〇〇年度には約十万戸に減少しているんですよ。その現実をやはり見ていただきたい。

 私は、格差と貧困という問題が、認識はいろいろ違ったとしても、それがふえているということは事実だと思うんです。したがって、そのもとで住宅困窮者は増大していると何度も指摘してきたんです。住宅確保要配慮者という観点で見た場合、低額所得者、被災者、高齢者、障害者、DV被害者、子育て家庭と言っているわけですね。そういう方々にとっては公営住宅を必要とするそういう度合いが広がるということを見なくてはならないと思っています。

 したがって、都道府県の計画がこうした変化に十分考慮して立てられているのかどうか、国交省としても精査して、不十分だったらきちんとした計画にするよう指導すべきである、このことを述べて、また、五年後にはそういう事態が立証されるであろう、したがって、今、本当に公営住宅の建設こそが求められているということを改めて述べて、終わります。

     ――――◇―――――

塩谷委員長 引き続き、国土交通行政の基本施策に関する件について調査を進めます。

 住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律案起草の件について議事を進めます。

 本件につきましては、理事会等での御協議を願い、お手元に配付してありますとおりの草案が作成されました。

 本起草案の趣旨及び内容につきまして、委員長から御説明申し上げます。

 昨年六月に公布された住生活基本法の第六条において、「住宅の確保に特に配慮を要する者の居住の安定の確保」が住宅政策の基本理念の一つとして位置づけられたところであります。

 高齢者、障害者、子育て世帯等に対する賃貸住宅の供給の現状については、狭小な賃貸住宅に居住する子育て世帯が数多く存在すること、バリアフリー化された良質な賃貸住宅ストックの割合が低いこと、民間賃貸住宅において入居制限が少なからず行われていることなど、多くの課題が依然として存在しているところであります。

 このため、公営住宅の供給だけでなく、民間事業者等による良質な賃貸住宅の整備への助成や、民間賃貸住宅への円滑な入居を促進するための措置等を講ずることにより、重層的かつ柔軟な住宅セーフティーネットを構築し、高齢者、障害者、子育て世帯等の住宅の確保に特に配慮を要する者の居住の安定の確保を図る必要があります。

 本起草案は、こうした認識に基づき、住生活基本法の基本理念にのっとり、住宅の確保に特に配慮を要する者に対する賃貸住宅の供給の促進に関し、基本方針の策定等の施策の基本となる事項等を定めようとするものであります。

 その主な内容は次のとおりであります。

 第一に、国土交通大臣は、住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する基本方針を定めなければならないこととしております。

 第二に、国及び地方公共団体は、公営住宅、独立行政法人都市再生機構が整備する賃貸住宅等の公的賃貸住宅の適切な供給の促進に関し必要な施策を講ずるよう努めなければならないこととするとともに、公的賃貸住宅の管理者は、入居者の選考に当たり、住宅確保要配慮者の居住の安定に配慮するよう努めなければならないこととしております。

 第三に、国及び地方公共団体は、住宅確保要配慮者の民間賃貸住宅への円滑な入居の促進に関し必要な施策を講ずるよう努めなければならないこととするとともに、民間賃貸住宅を賃貸する事業を行う者は、これに協力するよう努めなければならないこととしております。

 第四に、地方公共団体は、基本方針に即して、地域住宅計画に、住宅確保要配慮者に係る公的賃貸住宅の整備及び管理に関する事項等を記載するよう努めなければならないこととしております。

 第五に、地方公共団体、宅地建物取引業者、住宅確保要配慮者に対し居住に係る支援を行う団体等は、住宅確保要配慮者の民間賃貸住宅への円滑な入居の促進に関し必要な措置について協議するため、居住支援協議会を組織することができることとしております。

 以上が、本起草案の趣旨及び主な内容であります。

    ―――――――――――――

 住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

塩谷委員長 これより採決いたします。

 住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律案起草の件につきましては、お手元に配付してあります草案を本委員会の成案とし、これを委員会提出の法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

塩谷委員長 起立総員。よって、そのように決しました。

 なお、ただいま決定いたしました本法律案の提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

塩谷委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

塩谷委員長 この際、中野正志君外四名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、日本共産党及び国民新党・そうぞう・無所属の会の五会派共同提案による住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する件について決議すべしとの動議が提出されております。

 提出者より趣旨の説明を聴取いたします。高木陽介君。

高木(陽)委員 ただいま議題となりました住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する件につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。

 なお、お手元に配付してあります案文の朗読をもって趣旨の説明にかえることといたします。

    住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する件(案)

  政府は、住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律の施行に当たっては、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。

 一 地方公共団体が地域の実情を踏まえて弾力的かつ効果的に住宅セーフティネットを構築できるよう、DV(ドメスティック・バイオレンス)被害者をはじめとして多様な住宅確保要配慮者の範囲設定の在り方、施策の進め方等に関しきめ細かに基本方針に位置付けるよう努めること。

 二 公営住宅を補完する公的賃貸住宅制度の再編により新たに創設される地域優良賃貸住宅制度について、住宅確保要配慮者の賃貸住宅に対する需要に的確に対応した公的賃貸住宅の供給が行われるよう、制度の適切な運用の促進に努めること。

 三 公的賃貸住宅の入居者により当該住宅が適切に維持されるよう、公的賃貸住宅の管理者を通じて入居者のモラルに関する啓発に努めること。

 四 住宅確保要配慮者に対するきめ細かな援助を実現するため、賃貸住宅の供給の促進に関する施策と福祉に関する施策の適切な連携により、医療施設、介護施設、子育て支援施設等の整備促進などが図られるよう、公的賃貸住宅団地内の敷地、施設等の有効活用の推進を含め必要な支援に努めること。

 五 本法において定められた独立行政法人都市再生機構の本来の役割を十分認識し、その組織体制等不断の見直しを行うとともに、同機構の管理する賃貸住宅について、住宅確保要配慮者の居住の安定を図る観点から入居者負担や入居者選考に係る適切な配慮を行い、住宅セーフティネットとしての役割の充実に努めること。

 六 住宅確保要配慮者が円滑に民間賃貸住宅に入居できるよう、行政及び様々な主体が参加し必要な協議を行う場である居住支援協議会について、その設立や活動への支援、運営の公平性の確保及び情報公開の徹底等の運営の透明性の確保への支援に努めること。

 七 公営住宅の入居者等の生活の安全と平穏を確保するため、公営住宅における暴力団排除に向けた措置を、関係行政機関との連携により早急かつ効果的に講じること。

  右決議する。

以上であります。

 委員各位の御賛同をよろしくお願い申し上げます。

塩谷委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

塩谷委員長 起立総員。よって、本件は本委員会の決議とするに決しました。

 この際、ただいまの決議につきまして、冬柴国土交通大臣から発言を求められておりますので、これを許します。国土交通大臣冬柴鐵三君。

冬柴国務大臣 ただいまの御決議につきましては、その御趣旨を十分尊重させていただき、住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に努力してまいる所存であります。

 ありがとうございました。

塩谷委員長 お諮りいたします。

 ただいまの決議についての議長に対する報告及び関係当局への参考送付の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

塩谷委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 次回は、来る十三日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時二十六分散会


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