衆議院

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第9号 平成21年3月31日(火曜日)

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平成二十一年三月三十一日(火曜日)

    午後二時三十二分開議

 出席委員

   委員長 望月 義夫君

   理事 奥野 信亮君 理事 菅原 一秀君

   理事 中山 泰秀君 理事 福井  照君

   理事 山本 公一君 理事 川内 博史君

   理事 後藤  斎君 理事 上田  勇君

      赤池 誠章君    稲葉 大和君

      江崎 鐵磨君    遠藤 宣彦君

      小里 泰弘君    大塚 高司君

      太田 誠一君    岡部 英明君

      鍵田忠兵衛君    亀岡 偉民君

      北村 茂男君    佐田玄一郎君

      島村 宜伸君    杉田 元司君

      長島 忠美君    西銘恒三郎君

      原田 憲治君    藤井 勇治君

      松本 文明君    盛山 正仁君

      吉田六左エ門君    若宮 健嗣君

      石川 知裕君    小宮山泰子君

      古賀 一成君    高木 義明君

      長安  豊君    古本伸一郎君

      馬淵 澄夫君    三日月大造君

      森本 哲生君    鷲尾英一郎君

      高木 陽介君    谷口 和史君

      穀田 恵二君    糸川 正晃君

    …………………………………

   国土交通大臣       金子 一義君

   国土交通副大臣      金子 恭之君

   国土交通大臣政務官    谷口 和史君

   国土交通大臣政務官    西銘恒三郎君

   政府参考人

   (財務省大臣官房審議官) 田中 一穂君

   政府参考人

   (財務省大臣官房審議官) 道盛大志郎君

   政府参考人

   (財務省主計局次長)   香川 俊介君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房長) 増田 優一君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房技術審議官)         関  克己君

   政府参考人

   (国土交通省道路局長)  金井 道夫君

   政府参考人

   (国土交通省鉄道局長)  北村 隆志君

   政府参考人

   (国土交通省自動車交通局長)           本田  勝君

   国土交通委員会専門員   石澤 和範君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月三十一日

 辞任         補欠選任

  石川 知裕君     馬淵 澄夫君

  長安  豊君     古本伸一郎君

  亀井 静香君     糸川 正晃君

同日

 辞任         補欠選任

  古本伸一郎君     長安  豊君

  馬淵 澄夫君     石川 知裕君

  糸川 正晃君     亀井 静香君

    ―――――――――――――

三月三十一日

 新たなタクシー制度の確立を求めることに関する請願(岡本充功君紹介)(第一一四七号)

 同(辻元清美君紹介)(第一一四八号)

 同(土肥隆一君紹介)(第一一四九号)

 同(三日月大造君紹介)(第一一五〇号)

 同(横光克彦君紹介)(第一一五一号)

 同(赤松広隆君紹介)(第一一六三号)

 同(川端達夫君紹介)(第一一六四号)

 同(北神圭朗君紹介)(第一一六五号)

 同(田名部匡代君紹介)(第一一六六号)

 同(松本剛明君紹介)(第一一六七号)

 同(重野安正君紹介)(第一一八一号)

 同(園田康博君紹介)(第一一八二号)

 同(柚木道義君紹介)(第一二〇〇号)

 同(近藤昭一君紹介)(第一二二九号)

 同(古川元久君紹介)(第一二三〇号)

 建設不況打開と資材高騰への緊急対策に関する請願(和田隆志君紹介)(第一一六二号)

 同(古川元久君紹介)(第一二二八号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 道路整備事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出第八号)


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     ――――◇―――――

望月委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、道路整備事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として国土交通省大臣官房長増田優一君、大臣官房技術審議官関克己君、道路局長金井道夫君、鉄道局長北村隆志君、自動車交通局長本田勝君、財務省大臣官房審議官田中一穂君、財務省大臣官房審議官道盛大志郎君及び財務省主計局次長香川俊介君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

望月委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

望月委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。馬淵澄夫君。

馬淵委員 民主党の馬淵でございます。

 本委員会におきまして、この法案審査の中で二度目の質疑の機会をいただきました。大変感謝しております。

 早速、お尋ねをさせていただきます。

 まず、さきの予算委員会で、私は、平成二十一年度予算、その中での直轄道路等の新たな需要推計に基づく新たな費用便益分析、これを行うべきではないかということで、点検についてお尋ねさせていただきました。そこでは、金子国土交通大臣、きょうお見えでございますが、大臣からは、「平成二十一年度の予算執行に当たりましては、高規格幹線道路及び直轄国道のすべてについて新たな需要推計に基づく費用便益の点検を年度内に行う予定であります。」と御答弁をいただきました。

 本日は年度末でございます。この点検結果ということについて、まず冒頭、事務的にお答えを事務方からお願いいたします。私が指摘をさせていただきましたが、二十一年度の予算執行に当たっての直轄国道について、この点検結果について端的に御答弁をいただけますでしょうか。

金井政府参考人 お答えいたします。

 今御指摘いただきましたBバイCの直轄事業に関する総点検を行いまして、BバイCが一以下の事業、十八事業ございました。これについては、とりあえず予算の執行を保留させていただきまして、再評価を行って、コスト縮減その他の方策を検討した上でまた新たな方針を出すということで、とりあえず予算を留保させていただいたところでございます。

馬淵委員 これは、平成二十一年度の予算執行に当たっての直轄国道すべてというのは、総事業数、済みません、これは数字だけで結構です。総事業数は何事業、そのうちの十八事業と今お答えいただきました。総事業数についてはお答えいただけますか。

金井政府参考人 恐縮でございます。直轄国道と高速会社の分とございますけれども、直轄国道で合わせて五百七十四カ所、それから高速会社で四十三カ所、合わせて六百十七カ所、これについて公表させていただいたところでございます。

馬淵委員 直轄五百七十四、高速道が四十三、合わせて六百十七事業、これをすべて一斉に点検いただいたということであります。その中で十八事業がBバイCが一以下となるために、これについては事業執行を当面見合わせることとされたという御答弁を今いただきました。

 予算執行が停止されるということでありますが、まず、今お手元に、これも私、昼間の記者会見だということで、つい先ほど、慌ててこれをいただきまして、資料として何とかお配りできまして、私も今見るところでございますが、「事業執行を当面見合わせること」となっております。

 このように予算の支出が停止されるということ、これは具体的にどのような形になるかということ。きょうは財務省にお越しいただいておりますので、事業を当面見合わせる、執行をとめるということでありますが、これは具体的には予算の支出をどういう扱いにするということでしょうか。財務省、お答えいただけますでしょうか。

香川政府参考人 例年、予算の執行に当たりましては、例えば、災害の状況を踏まえた対応、これは維持修繕費をとっておかなきゃいけないというふうなことがございます。あるいは、気象状況を踏まえた対応、これは除雪費の関係で幾らか備えておくというようなことで、当初予算の一部を留保しまして、その後の状況を踏まえて年度途中で機動的に執行するということをやっております。

 今回、BバイCが一以下となったものにつきましても、当面事業執行を見合わせるということで、今後その中身について再検討するということで、すぐには執行しないということでございます。

馬淵委員 財務省側としては、これは財務省の方で実施計画の承認ということで予算執行されるわけでありますが、実施計画の承認そのものを行わないということでよろしゅうございますか。

香川政府参考人 実施計画に組んでいないということでございます。

馬淵委員 六百十七事業のうちの十八事業については実施計画を組んでいない、したがいまして、これは予算執行を留保するということでございます。

 さて、この十八事業でありますが、これは全事業の一覧が出ておりまして、そこから十八事業ということで、お手元には、これも先ほど慌てて整理させていただきましたが、張りつけておりますので、私の事務所での作成でございますが、国交省が午後に提示されたもの、十八事業でございます。これをごらんいただきますと、事業主体、各地方整備局、そして事業名、実施箇所、延長、全体事業、計画交通量、BバイCと出ておりますが、一を切ったということで、恐らく、一・〇とありますのは、これは小数点のとり方によって一・〇となっているのかというふうに推測されます。

 そこでお尋ねをしますが、この十八事業、今、これは全体事業ということで、済みません、ここには単位が載っておりませんが、慌ててコピーをしましたので載せておりませんが、延長というところは、これはキロメートル、道路の延長、距離でございます。そして、全体事業というのが、これが事業費、億円です。上から、北海道、一般国道二百三十号、これは四十八億円、全体事業費でございますね。そして、右の計画交通量というのは、一日に何台走るかということで、台・パー・デーですね。一日当たり、一番上の道路であれば、二千七百台。これがBバイCが一・〇という数字でありますが、小数点のとり方で一・〇という表記のようですが、これは実際には一・〇を切っている、こういう理解でよろしいかと思います。

 さて、そこでお尋ねいたします。これも通告済みでございますが、まず、平成二十一年度執行予定の予算、この十八事業については総額で幾らになるんでしょうか。数字だけで結構です。

金井政府参考人 お答えいたします。

 十八事業でございますが、その十八事業の全体事業費ということであれば約五千八百億円ということでございます。

 当年度の事業費ということでございますと、原則として支出をとめさせていただいておりますけれども、例えば地権者と調整済みの用地買収であるとか、あるいは工事国債、多年度にまたがって工事を発注している場合の義務額その他がございますので、そういうものとして、やむを得ない支出として約六十億円を二十一年度にとりあえず計上させていただいているところでございます。

馬淵委員 予算がついていないので、六十億円というのは支払わなければならない、支払いを約束したものであるということですから、今のお話は単純に、現状において平成二十一年度予算として支払わざるを得ないものが六十億円であって、十八事業すべての、平成二十一年度、もし予算として執行されるとすれば、その総額というのはこの数字ではありませんよね。

 それについては、再度お尋ねさせていただきますが、平成二十一年度、この六十億はあくまで支出される部分でありますが、今回、事業をとめられました。当然、事業をとめるまでにはその準備をされておられるわけですから、平成二十一年度、十八事業を予算化しようとした金額は幾らなんでしょうか。

金井政府参考人 確定した数字ではございませんが、検討段階では予算額約百三十億円程度を想定しておりました。

馬淵委員 もちろん確定でないことは重々承知しております。平成二十一年度執行予定であった百三十億円の道路事業が、当面これを見合わせる、すなわち凍結された、こういう理解でよろしいかと思います。

 済みません、これは昨日、報道には数字がぼんと出たんですが、昨日の朝刊ですけれども、こちらは、朝日新聞の方には、約六百件のうち十八件凍結ということで、〇九年度予算に盛り込まれた四百億円の執行をやめる、このように書いてあります。また、事業費総額約五千億円でありますが、今のお話ですと、全体事業五千八百億円、平成二十一年度予算は百三十億円でございまして、この四百億円というのは違うんでしょうか。ちょっと、これはイエス、ノーでも結構ですから御答弁を。

金井政府参考人 私どもが検討した数字は、先ほども申し上げましたとおり約百三十億円と承知をいたしております。

馬淵委員 もう一点、これも昨日通告済みでございますが、今、全体事業ということで、総事業五千八百億円、十八事業についてということでありました。残事業、これも複数年度にわたって工事が進められておりますから、それが平成二十一年度においては点検という形で当面凍結ということでありますが、では残事業、残る事業の全体の総額というのは十八事業合わせて幾らになるんでしょうか。

金井政府参考人 概数でございますが、約二千八百億円程度を想定いたしております。

馬淵委員 残事業、五千八百億円のうち二千八百億円、これから投じられる、この十八事業の整備のために、平成二十一年度執行予定であった予算が百三十億円程度。しかしながら、これに対してはBバイCのチェックを行って、これは一を切るということから凍結とされた、こういうことだと理解をいたします。

 さて、このように予算の支出は、財務省の方からもありました、これは予算化されていないので、当然、実施計画も組まれていないから承認ということにもならないんだということでありました。

 この点検ということについてお尋ねをしますが、今回、六百十七事業については点検結果、こう国交省さんの方は発表されております。これはいわゆる事業評価とは違うんでしょうか。局長で結構です、お答えいただけますか。

金井政府参考人 前からお答え申し上げていますとおり、今回、交通量であるとか事業評価のやり方を総合的に見直しをさせていただいたということで、とりあえず、まず直轄の全事業についてBバイCの点検を行いまして、その点検結果を算定させていただいて発表させていただいたというのが今の段階でございます。

 今後でございますが、BバイCが一を割るような事業につきましては再評価を行いまして、場合によったらコスト縮減というようなことの対応も含めて専門家の意見を聞いて、今後の事業の執行の方針をまた改めて定めさせていただく、このようなことになるのではないかと思っております。

馬淵委員 今の御答弁の中で、新たな事業推計云々とおっしゃいましたが、私がお尋ねをしたかったのは、いわゆる事業評価、国交省所管の公共事業の再評価実施要領、この実施要領に基づいたものではないということですかというお尋ねなんですが、局長、それでよろしゅうございますか。

金井政府参考人 委員御承知のとおり、再評価が必要なもの、もしくは新規事業で必要なものについては、要領に基づいて評価をさせていただいております。

 今回は、先ほども申し上げましたとおり、大幅に交通量、BバイCの算定の方法が変わったということで、とりあえず全事業について点検をさせていただいた、そのように考えております。

馬淵委員 これも私は予算委員会でも指摘をさせていただきましたが、新規着工時、新規採択時のときに評価を行った後十年間は、いわゆる、今申し上げた公共事業実施要領に基づく再事業評価というのはなされない、十年間はノーチェックなんですね。それを今回は点検という形で行ったということでありますが、再度お尋ねさせていただきます。

 実施要領に基づく再評価ではないんだということでありますが、実施要領には、いわゆる社会情勢の変化ということもその条件としては定められています。確認ですが、今回のこの点検は、実施要領の中で定められている社会情勢の変化ということにはならないんでしょうか。いかがですか。

金井政府参考人 社会状況の変化につきましては、例えば整備局でいいますと、それぞれ事業評価監視委員会で先生方に御議論をいただきまして、いろいろ状況が、例えばネットワークが変わった、周辺の土地利用が変わった、そのような状況を踏まえて、必要があれば今までもやらせていただいているところでございます。それらの評価を今回全部一遍に行うということはなかなか時間的に余裕がありませんので、何回もお答え申し上げておりますとおり、とりあえず点検をさせていただいて問題点を摘出して、まず問題が大きいものについて再評価を行っていこう、このようなスタンスで臨ませていただければと思っております。

馬淵委員 これは、私は実施要領そのものを見直すべきではないかということは指摘をさせていただきました。

 なぜこのことをしつこく申し上げるかというと、実施要領には、その事業評価の結果に対して、再評価に対して事業評価監視委員会のチェックがかかるんですね。今のお話の、任意の点検なんです。これは国交省さんに私は何度もお尋ねしましたが、六百十七事業はどういうことをされるんですかということを伺いますと、実施要領に基づいて行われるのは、これはつまり十年後です。ちょうど十年たったものについては実施要領に基づいた再評価だが、それ以外は任意の点検だと。任意の点検ということになりますと、これはいわゆる再評価の監視委員会のチェックがかからないんですね。このチェックがかからないこと自体が私は問題ではないかというふうに思っております。

 今のお話では、こうした形で進めてきたということでありますが、そこで再度、この残事業、先ほど数字をいただきました。二千八百億ほどあるということでありますが、今回の点検は、これを見ますと、全体事業で点検を行っている、評価を行っているということでありますが、なぜこれは全体事業で評価をされているんでしょうか。

 お手元の資料2の一覧表は、抜粋をした表でありますが、全体事業の事業費が載っております。全体事業でBバイCをチェックされて、十八事業が一・〇を切る、一・〇未満だということで今回は凍結されたわけでありますが、全体事業で評価されているのはなぜなんでしょうか。お答えいただけますか。

金井政府参考人 今回は、BバイCの点検については、先生御指摘のとおり全体事業費でやらせていただいております。理由は、当然、御承知のとおり、例えば再評価については、全体事業費でやる場合、それから残事業費でやる場合、いろいろなケースがあり得ると思っておりますが、とりあえずの点検でございますので、需要予測であるとか評価の手法を変えたことに伴いまして、全体の事業を、わかりやすくその効果を説明するという観点から、とりあえず全体事業費でBバイCを出させていただいて点検をさせていただいたということでございます。

馬淵委員 とりあえずの点検、あるいは時間がなかったというようなことなのかもしれませんね。

 きのう、私の方でレクでも確認をさせていただいたんですが、なぜこれは全体事業で行うのかということをお尋ねしたところ、非常に厳しい、ここはこのように述べています。なぜ今回、全体事業のBバイCのみで評価しているのかという質問に対しては、今回の点検では、作業期間が限られている中で、事業の透明性確保、説明責任の達成を図る観点から事業全体の投資効率性で評価したもの、こういうふうに述べられておりますし、今の局長答弁もそれに近いものかもしれません。

 お手元の資料3をごらんいただきたいと思いますが、お手元の資料、お配りをしました資料3でございます。

 これが公共事業評価の費用便益分析に関する技術指針と呼ばれるものであります。これは共通編と呼ばれるものであります。平成二十年六月、国土交通省が取りまとめたもので、その三十二ページがこのお配りしたページでございます。

 「再評価結果の取り扱い」に対してということで、ここに「表2―8 再評価における費用便益分析の評価結果の投資効率性の観点からの取扱い」とあります。ここを見ますと、この四角囲み、アンダーラインを引いておりますが、事業全体の投資効率性が基準値未満、この場合どうなるかということですが、残事業の投資効率性が基準値以上であれば、「基本的に継続とするが、事業内容の見直し等を行う」と書いています。

 つまり、国土交通省は、この平成二十年六月に取りまとめている技術指針では、BバイCの全体事業が一・〇を下回っても残事業が一・〇を超えていれば基本的には継続するという指針を持っておられます。しかし、今回に関しては、全体事業が一を切る、基準値未満というところで継続というのをとめられているわけでありますが、ここはなぜこの技術指針と違う判断をなさっておられるんでしょうか。済みません、これをちょっと御説明いただきたいと思います。

関政府参考人 お答えいたします。

 まず、先生御指摘の再評価に当たってでございますが、国土交通省所管の公共事業の再評価につきましては、御指摘の公共事業評価の費用便益分析に関する技術指針、これに基づきまして費用便益分析を実施する場合におきましては、原則として、残事業の投資効率性に関する分析結果と、それから事業全体の投資効率性、この分析結果の両者を用いて評価を実施することとしております。これは、いわゆる再評価、評価を行う場合の基本的な考え方でございます。

馬淵委員 私がお尋ねしているのは、このように指針に書いてあるんだけれども、今回は、全体事業がBバイCが一を切った、それで継続ではなくてこれは凍結しているじゃないですか。技術指針では、全体事業が一を切っていても残事業が一以上であればこれは継続なんですよね。今回はこの指針とは違う方法で事業の凍結を決定されていますよね。私がお尋ねしたいのはそこの一点なんですよ。なぜそのようにされたのか。では、局長。

金井政府参考人 先ほどもお答え申し上げたとおり、今回、交通需要予測であるとか事業評価であるとか、そういったものに対応した新しい評価をするということで、とりあえず時間がない中で点検を全事業についてやらせていただきました。その際、やはり全体の事業の評価をわかりやすく説明するという観点から、全体事業費をまず使って、その数値でとりあえず対応させていただいたということでございます。

 今後、BバイCが一を切った事業を特に再評価をやっていくわけでございますけれども、その際は、やはりいろいろ専門家の意見も聞きまして、今御指摘がありました全体事業費それから残事業費、いろいろな指標がありますので、そういったものを使って適切に判断をしていく必要があるかなというふうに考えております。

馬淵委員 私は、時間がなかったとか、そういった理由も理解はできますよ。

 ただ、私がここで、これはひょっとしたら問題にならないかなと懸念するのは、今回は事業全体で一を切っている、すなわち、投資効率としてこれは経済性がないという判断です。そこでとめたということでありますが、一方で、残事業の投資効率性が一以上であれば今までは継続としていたんですね。

 道路問題については非常に厳しい国民の目がある中で、全体事業が一を切っているんだから、残りの事業は一以上になったとしても、これはちょっと見直そうということでとめたということでありますが、これが、国民の監視がうせていく中で、今度は、いや、マニュアルどおり、指針どおりやりましたというような形にならないかということを私は非常に懸念するわけです。

 通常、全体事業が一未満となっても残事業が一以上となる可能性というのは非常に高いんですよ。私、予算委員会の中でもさまざまなBバイCの計算をいたしましたが、要は、途中で、全体事業が一未満になっている状況でも、残事業が、結局ネットワークが完成するということで便益が高く出るということからこれが一以上になるという場面、そういった路線が出てくる。

 だから、そういう意味で、私自身は、この指針を今後取り扱うのであれば、今回なさった判断というのは、この指針をもう一度見直すというところまで踏み込まなければならないのではないかと思いますし、逆に、いや、そうではない、この指針を踏襲するんだということであれば、その踏襲した判断をすべきであって、その都度その都度、都合のいいように指針を取り扱われてしまっては、厳格な、公正な判断というのができなくなってしまう。その意味で、私は、この指針あるいは実施要領も含めてきちっと見直すべきではないかということは、これは予算委員会のときからお話をしてまいりました。

 金子大臣、申しわけありません、今技術的なことということではありましたが、このように、指針の取り扱いやあるいは実施要領の取り扱いも含めて、恣意的にならないようにこれは進めるべきではないかということの指摘を私はしているつもりなんですが、大臣、いかがですか、今の私と局長のお話を聞いていただきました上で。

金子国務大臣 馬淵委員のおっしゃることもごもっともだと思います。恣意的な運用にならないようにしていかなければいけないということは、まさにそうだと思います。

 扱いとしては、一以下になったものについて再評価を、今回は点検でやりましたけれども、今、凍結しました。それについては再評価をやる。再評価をやるときに、やはり全体事業で一を切ったわけでありますから、今度は、国交省の今の運用としては、全体事業で一を切る。それは残事業で一を超えるからだけではなくて、やはりもっと経費を節減できる部分は節減をして、経費を削減していこう。あるいは、ルート変更が必要であればそれをしていこうという気持ち、そういうことをやっていきたいという気持ち。つまり、無駄な事業をやりたくない、この気持ちのあらわれでありますので、この点はそういう方向でいいんだと思います。

 ただ、それでもって、今度は、残事業の評価というのもあわせて、事業評価委員会に当然でありますけれども提出をされます。そういう中で、少しでも、全体事業がやはり一を切っていたんだから少し見直していこうねということであるならば、それは結果としてはプラスに働いていくことだと思います。ただ、冒頭に申し上げましたように、恣意的に運用されないようにしていくという意味は大事だと思いますものですから、そのことはちょっと承って、どういうふうに考えていくのかは検討したいと思います。

馬淵委員 私は何度も、指針の見直しあるいは実施要領の見直し、これを大臣には明言していただきたいと思っておるんですが、承ったというふうに言っていただいていますので、きょうはこれ以上申し上げませんが、でも、今重要なことをおっしゃっていただきました。要は、コスト縮減をしていくということについては、これは明確に今取り組みをされるということであります。

 そこで、この六百十七事業について、十八事業が凍結されるということであります。そして、これはBバイCが一を切っているわけですから、とめる。しかしながら、とめるのが目的ではないはずです。ネットワークの構築も含めて、道路整備というものが重要であることは私も異議を申し上げません。

 そこで、この場合、BバイCが一を上回るような計画はどうするべきかとなりますと、当然ながら、これはベネフィットは今回の見直しでふえないわけですから、コストの部分を下げる以外にありません。コスト縮減をしていくわけですね。コスト縮減をしていくということは、少なくとも平成二十一年度当初予算の予算よりも、先ほど約百三十億とおっしゃいましたが、百三十億を下回る予算がつけられなければ、この十八事業については実行は不可能です。

 百三十億を下回る予算がついたとすれば、ではそこで、百三十億がどれぐらい下がるのかわかりません、しかし、下がった、その余った金額、お金、何億かわかりませんが、これについてはどのような取り扱いになるんでしょうか。これは財務省の方からお答えいただけますか。

香川政府参考人 BバイCが一以下ということで当面事業執行を見合わせています事業について、コスト縮減など事業内容の見直しを行った結果、例えばBバイCが一以上になれば執行することになるでしょうし、その事業に使えない場合でも、ほかの実施している事業の進捗状況によっては、そちらに使うこともございます。しかし、それらを全部使い切るということではございませんで、そういうこと以外のものにつきましては、最終的に、執行がなされずに不用ということになることもあり得ると考えております。

馬淵委員 今、局次長からは大変重要な御答弁をいただきました。

 つまり、BバイCを見直して凍結した、そしてこれを、事業をとめるのではなくてコスト縮減なんだということであれば、コストが下がるわけですから、百三十億よりも下がった部分については、これは余る。余ったお金はどうするのか。

 一つは、他の事業に振り向けるというのがあるというお話でした。これもわからなくはありません。必要な事業であれば進めて後年度負担を軽減させるということも、これは一つの施策として私は理解できます。

 しかし一方で、この余ったお金について、いや、何でもかんでも突っ込めばいいという話じゃない、もともと当初予算としてはその道路を整備するために予定されていたわけですから。となりますと、予定されていた予算が不用となる、この可能性も今指摘をしていただきました。

 重要なのはここなんですよ。まさに予算委員会で私が申し上げてきたのは、本当に必要な道路か否かをしっかりと点検したときに、余ったお金は不用、すなわち、不用となるということは、これは予算そのものを減額して、また別のお金、社会保障かあるいはわかりません、それこそ別の、今国民生活に必要な分野に振り向けることが可能なんです。

 今我々が、厳しい予算の中で、真に必要な道路か否か、あるいはさまざまな事業を含めて公共事業に対して厳しい目を向けていく。そこで問われているのは、他の事業に振り向ければいいという話じゃないはずです。今、財務省からは、これは不用となる、そういったこともあり得る、このように述べられました。

 そこで大臣にお尋ねしますが、この十八事業の中で、BバイCを一以上に変えていく、コストを下げていく、余ったお金が不用となる可能性も今財務省の方は指摘をされました。大臣、こうした、本来は、コストを見直して余ったお金を余分なところに振り向けるということがないように、本当に必要なところに振り向けるということで、これらは予算そのものを削減していくということも非常に重要ではないかと思われますが、大臣、これはいかがでしょうか。大臣、どのようにお考えでしょうか。いや、大臣でしょう。これはやはり大臣の御答弁じゃないでしょうか。これは政治家の判断だと思いますよ。

金井政府参考人 今後、先生御指摘のとおり、再評価をいたしまして、どこまでコスト縮減できるのか、その辺について詳細に検討いたしまして、それに基づいて、関係機関とも御相談をして予算措置をどうするのか、必ずしも来年度予算の縮減ということではなくて、全体コストの縮減ということでございますので、来年度予算がそれを踏まえてどうなるかということも踏まえて、十分適切に対応していきたいというふうに考えております。

馬淵委員 大臣、今局長は、適切に踏まえて検討していきたいというのは、これは何をやるか、よくわからないんですよ。少なくとも、予算委員会の中の審議というのを思い出していただきたいんですね。

 厳しい財政状況の中で、本当に必要な分野にお金を振り向けるということを国民は望んでいるわけですから、それについて、我々はコスト削減、コスト縮減ということを考えていこう。そこで、道路予算について、私は、平成二十年度予算の既に執行した部分についても、BバイCが下がるんだから、これについては、閣議決定、昨年の五月十三日、「厳格に反映する。」ということで進めていたにもかかわらず、もう五月十三日の段階で支出担当官が支出行為をやっていますよ、これは閣議決定違反じゃないですかと指摘させていただいたのが、あの二月四日の予算委員会の質疑です。そのときに私は、みずからの試算で、平成二十年度執行分の予算の中でもBバイCが一を切ってしまっているものがありますよと、五十六路線区間を提示いたしました。

 今回、十八事業、平成二十一年度事業として点検いただいた。自主的に点検されたというよりも、私はむしろ、言われるから点検したというニュアンスが多分にあるのではないかということを国交省の皆さん方から聞いていると感じるんですけれども、それは横に置いておきますよ。少なくとも、私が指摘した五十六路線区間の中で今回凍結の十八事業が入っていますよ。私はこういうことを言ってきたんですよ。

 予算を本当に適正に使っているかどうかをみずからがしっかりと見直して、その部分、下げられれば下げたでこれは不用額として計上するならば予算をしっかりと減額すること、政府の中で評価されることじゃないですか。大臣、違いますか。これは政府の中で、無駄なものを削って予算を余らせることができた、不用額をつくる。予算を分捕るのが大臣の仕事じゃないはずですよ。少なくとも、国民にとって必要な分野にお金を振り向けることが国会の機能なわけですから。

 大臣、これは私は、先ほどのあの局長の答弁は、官僚の方々の御答弁というのは、これは仕方がないと思います、責任者ではないわけですから。しかし、大臣は責任者でいらっしゃる。大臣は、こうした不用額に計上できるような、予算を余らせるような形でコスト縮減ができた場合は予算を削減すべきだというぐらいに踏み込んでもいいんじゃないんでしょうかね。大臣、いかがですか。

金子国務大臣 こういう事業評価、点検をやって、そしてBバイCが一を切るものについては再評価をしてコスト縮減をしていくという、この機能というのがまさに大事であると思っておりまして、一つ一つの無駄な道路はつくらないという原点に立った行動を今とっておるわけでありまして、ここのところの枠組みは、予算の執行の上でも大事に守ってまいりたいと思っております。

馬淵委員 大臣、全然わからないです、今の御答弁は。申しわけないけれども。

 私が申し上げているのは、BバイCを点検し直したんですよ。今まで国土交通省はこれをやっていなかったんです。少なくとも十年間は、実施要領に定められて、再評価の十年後までは一切点検なんかなしでそのまま予算がついていったんですよ。それを指摘して、昨年私が指摘をした中期計画の見直し、需要推計の新たな算出、これで今回は全事業について平成二十一年度やるとおっしゃった。大臣、やるとおっしゃったんです。そして、大臣、やられて、十八事業は凍結なんですよ。

 凍結して、これは一以上にするにはコスト縮減しか手がない。ここで便益をふやすなんていったら、これは捏造になりますからね。コスト縮減しかないんですよ。コスト縮減でつくった不用額というのは、まさに予算の削減効果じゃないですか。不用額は、予算を削ったということは、返上なんですよ。違いますか、大臣。お答えください。

金井政府参考人 御指摘のとおり、今回いろいろ再評価をやらせていただいて、今後の事業の方針について、コスト縮減も含めていろいろ大幅な見直しをさせていただくことになると思います。

 その際、もし予算が削減されれば、さっき財務省の方から御答弁があったとおり、いろいろなやり方があると思います。他の事業に振り向けるというのも一つの方策でありますし、不用額にするということもあろうかと思っております。その辺も、全体をどうするかについて、再評価の結果を踏まえて、関係機関とも相談をしながら対応したい、お答え申し上げたとおりでございます。

馬淵委員 私は、そうやってどっちでもいいような、どっちに転んでも問題ないような答弁をされて、結局、最後ふたをあけてみたら、来年の三月また同じように、予算委員会が終わって、平成二十一年度予算執行の状況を見たら、何のことはない、不用額なんか一円も出てきていない、要はほかの事業に全部使いました、そんな状況になりはしないかということを申し上げているんですよ。だから、大臣に私はお尋ねしているんです。

 厳しい財政状況で、税の使われ方を国民が見ているわけですよ、注目しているんです。とりわけこの問題については、わかりやすい話に、何とか国民の皆さん方に伝えて、BバイC一以上か未満かという数字で見てわかりやすいところに置きかえることができて、ようやく国民の皆さん方の関心が高まってきたと私は思っています。

 これは重要ですよ。この場面で、不用額として予算をきっちりと削減した成果を問えるじゃないですか、金子大臣。あなたが国交大臣として予算を削ることによって国民の評価を得られるという第一歩を踏み出せますよ。いかがですか。これは不用額として出していくんだという決意をお持ちいただけないんでしょうか。いかがでしょうか。

金子国務大臣 そこはもう全く意見が異なります。私は、国交大臣として、国民あるいは地方に本当に必要な道路はつくる、無駄な道路はつくらない、そのことは大事にしながらやっていきたい。

 ですから、今、馬淵委員がミクロの議論をされていますけれども、一本一本の議論をしていますけれども、マクロとして、全体として必要な道路はつくる、そういう中で必要な道路に振りかえるということも関係機関と相談をし、そしてきちんと再評価をするということを再三申し上げているわけであります。

馬淵委員 これはミクロの話だと私は思っていませんよ。全体事業の、これは道路事業という大きな、国交省の中でも予算権限のある中で、そもそも、根本、需要推計というところから始まって、中期計画の見直しを求め、さらには平成二十年度予算執行分に対して、もうBバイCが一を切っているものに対しても道路をつくってしまったんじゃないかということを指摘しながら、平成二十一年度予算の中で全事業について点検していただくような形にやっと来たんだ。しかも、その全事業の点検については再評価の実施要領に基づいていない部分もあるので、これまた恣意的に使われないかなというのを私は冒頭から指摘してきたわけですよ。

 技術指針に書いてあることと違うやり方をして、ほとぼりが冷めたら、いや、後はもう指針のとおりやっておりますなんということにならぬように、ならば、指針を変えなさい、実施要領を見直してください、こういうふうに申し上げてきた。それについては、ナシのつぶて、余りお答えいただいていません。

 だから、私は、再度、これを繰り返し、さらにこれから進めていく皆さん方の作業の中で、BバイC一以上にするにはコストを下げるしかない、コストを下げればその分はお金が浮いてくる、この浮いたお金をほかの事業に振り向けるなどということがもちろんあるかもしれないが、これは私もちゃんと言いましたよ、理解はできますと。しかし、本来ならば、そこで不用額として計上されるものも出てくれば、これは予算の削減という新たな方向性に踏み出すこともできるじゃないですか、このように申し上げているんですよ。

 国民の皆さん方が望んでいるのは、私はそういった方向ではないかという気がいたしますよ。だから、金子大臣だっておっしゃっているじゃないですか、無駄なものはつくらない、必要なものはつくる。結構ですよ、それで。

 でも、こうやって新たな見直しをしたときに、今まで私が指摘しなかったら、この十八事業は出てこなかったですよ。昨年の予算委員会の中で、福田総理に迫って、中期計画を出し直せと私は申し上げましたけれども、あの三月二十七日の記者会見、五月十三日の閣議決定がなければ、こういう事業の凍結なんか起こり得なかったんです。

 この事業の凍結は、私は意味があると思っているのは、再度コストの見直しが図られるということなんです。この十八事業、沿線の、沿道の方々、不便をかけている方々に対して、私は、道路が要らないなんて一言も申し上げていません。コストを下げて、本来必要な道路として整備の仕方を改めるべきだ、このように申し上げているわけです。そして、減額された部分については不用額として、予算削減という新たな方向に踏み出せるではないですか、こう申し上げているんですよ。

 大臣は、それに対しては、全く自分とは考えが違うと。では、大臣のお考えは何ですか。今までどおり予算をどんどんつけていって、不用などころか、とにかく振り向けりゃいいんだということになりはしないですか。もう一度、大臣、政治家としてお答えいただけませんか。

金子国務大臣 無駄な道路はつくらないという原則に立って、一つ一つについて再評価をしながら、今事業を進めさせていただいている。それが、今度の十八件についてBバイCが一を切るから再評価しよう、予算の執行を留保するということにまさに来ているわけであります。それが再評価されて、そして事業評価委員会にかけられていく。そういう中で、必要な道路というのをきちっと確保していきたいというのが私の思いであります。

 したがいまして、この十八の道路だけじゃなくて、ほかにも必要な道路というのは幾らでもあるわけでありますから、これは、国交省及び財務省もあるでしょう、関係省庁と協議しながら進めていきたい。無駄な道路はつくらない、しかし必要な道路はつくる、この原則に立って進めていきたいと思っております。

馬淵委員 もう時間も余りありませんので、これ以上申しませんが、大臣、なぜ見直しをしているかということについて真摯に受けとめられるべきですよ。見直しをしているのは、これは本当に余分なお金が出ていってしまうことのないようにということで、不用額が出れば、民間あるいは世の中で経済効果ということを考えれば、それを新たに必要な分野へ振り向けることでより活性化が図られるのであれば、評価されるべきことです。

 今のお話を伺っていると、来年もまた同じように確認をしなきゃならぬですが、ふたをあけてみれば、何のことはない、またすべてどこかに消えている、道路事業として使われていたということで、全く見直しの意味がないというようなことにならないように、これはしっかりと監視をしていきたいというふうに思います。

 この問題について一点だけ最後に、これは局長からまたお答えいただきたいんですけれども、残事業についてやっていないということでありましたが、この残事業、事業主体であります地方整備局、ここでは、今後当然これは取りまとめていくというか見ていかねばならないことですので、事業主体の地方整備局が残事業のBバイC、これは今後計算をして、そしてそれを示していくのかどうか。これについて御答弁をお願いします。

金井政府参考人 先生御指摘のとおりでございます。再評価を行います際には、全体事業費もしくは残事業費、両方を使ったBバイCを出させていただいて、専門の委員に議論をしていただいて、その事業の効果を確認するということが必要であると思っております。

馬淵委員 では、そこまで言っていただきましたので、これについてもう一点だけ。

 それはいつまでぐらいになりますか。

金井政府参考人 例えば整備局でいいますと、事業評価監視委員会、大体、四半期に一度やっておりますので、次に間に合わせるように努めたいというふうに考えております。

馬淵委員 四半期に一度ということですから、年度末に一回やられたとすれば、三カ月後ということだと承りました。またそのときには確認をさせていただきたいと思います。

 残りの時間を、前回の質疑のおさらいのところで使いたいと思います。

 予定していただいた鉄道局長、申しわけございませんが、もう時間が多分そちらまで回りません。お待ちいただいているのであれば、もう離席していただいて結構でございます。申しわけございません。大変恐縮でございます。

 前回、私が道路局長にお尋ねをしたのは、高速道路、これの十割引き試算の件についてでございました。十割引き試算については、国総研がこれを検討段階ということで行っていたということでありました。

 そして、この十割引きというのが極めて効果が高い。そして、二十八日からスタートしたETC利用の普通車、上限千円というこの高速道路割引施策、これは三割引きに該当する。

 十割引きの効果というのが絶大であるということについて前回いろいろ質問させていただいたんですが、その中で、金井道路局長は、私が、いわゆる費用便益分析マニュアルに基づくその費用便益分析の結果、便益が二兆七千億円、二兆六千七百億円、また一方で、消費者余剰アプローチと呼ばれる手法においては七兆八千億円、このような絶大な効果が出ているということに対して、局長は、この七・八という数値については、このように述べられたんですね。「一般的な専門の先生方にお聞きをした限りでは、これは数値としては、少なくとも七・八の数値については少し過大なのではないかという評価をいただいている」、このように答弁をされました。

 私も聞いていて、ちょっとうんと思ったんですが、そのときは時間もなかったので、それ以上確認ができなかったんですが、「一般的な専門の先生方にお聞きをした限り」と書いてある。この一般的な専門の先生方というのはどういう方なんでしょうか。これは端的にお答えください。

金井政府参考人 私どもも、事業評価するときに、かなり専門の分野でございますので、御承知のとおり、委員会を設けまして、経済初めいろいろな分野の専門の先生に入っていただいておりますので、そういった委員会の先生方に御意見を賜っているということでございます。

馬淵委員 局長は、前回、この七・八兆円という消費者余剰アプローチの便益に対して質問したときに、こういう答弁をいただいたんですが、一般的な専門の先生方にお聞きをして、こういうふうに言っておられたんですが、その前には、「その評価については、少しまた専門家の意見も聞いてみたいと思っておりますが、」と言われているんですね。

 この専門家の意見と一般的な専門の先生方というのは、どう違うんですか。

金井政府参考人 済みません、言葉足らずのところがあると思いますので。

 一般的なというのは、多分、専門家の先生にかかって言ったつもりはございません。いろいろ当方の委員会に入っていただいております専門の先生方に、評価の妥当性であるとか、そういったものを常に議論しながら御指導いただくということは必要であると思っております。

馬淵委員 では、確認ですけれども、専門家の意見も聞いてみたいと。これから聞いてみたいと思っている専門家の先生というのも、それから、既にもう聞いている専門家の先生というのも、これは同じ先生方をイメージされているんですか。そういうことですか。

金井政府参考人 御承知のとおり、BバイCの算定といいますか、その辺のいわゆる学術的な考え方であるとか、例えば便益がどこに帰着するかとか、それから、その帰着した便益が重複していないか、そういったことについては、学識経験者の方々の間でも必ずしも完全な統一が図られているわけではないと認識しております。

 したがいまして、この問題を議論しているときに、いろいろなお立場の先生方に、いろいろなお立場がございますが、いろいろ聞いてみて、正しい方向を見出していく、そういうつもりで述べたつもりでございますが、若干、言葉足らずのところはあろうかと思います。

馬淵委員 お手元の資料、4をごらんいただきたいと思うんですが、これは、国交省が再三、いや、これは検討段階云々というふうにおっしゃっておられます、研究の一助とかいうふうにおっしゃっていますが、私がいつも示しています高速道路料金割引社会実験効果推計調査検討業務、これは随意契約でなされています。その随意契約の理由を示した書面でございます。

 ここにアンダーラインを引いておりますが、高速料金割引社会実験の効果計測を実施できる能力が必要であることから、審査を行って、そして、業務実施条件を満たしている唯一の業者であり、本業務を実施する上で必要な能力が十分に備わっていることが確認されたとして、これは六千万円かけて随意契約しているんですね。ところが、この結果に対して局長は、過大だ、専門家の先生に聞いてみたいというふうにおっしゃっているんですが、これは随意契約でやっているんですよ。

 この随意契約、これはもう皆さん方はよく御存じでありますが、随意契約でできる条件というのは限られます。これについては、いわゆる競争に適していない。どういうことかというと、これは予決令の中にありますが、競争に適していないというのは、その専門能力を、極めて高い知見、能力を持った方だから、そこに随意で契約をする、施すということなんですよ。

 あたかも、前回の委員会質疑の答弁をお聞きしていますと、国交省としては、これは出ているけれども、十分にこの数値というのは疑義があるんだと言っているように聞こえて仕方がないんです。そうではありませんよ。随意契約で専門能力を審査した結果、こちらの計量計画研究所に専門家として発注しているんです。そして、その専門家として発注された国総研の報告書の中に、消費者余剰アプローチも含めて七兆八千億円の便益が出ているということが、十割引きの数値で出ています。別に十割引きの数値じゃなくても、これは正本であります三割引き、五割引きにおいても同様に記述されています。

 お尋ねしたいんですが、このように随意契約をされた専門の、ここに書いてあるとおり、これは唯一ですよ、唯一の業者である、そちらが出してきた報告書に対して、いや、これは数値が過大だ、疑義があるんだと。これはおかしくないですか。矛盾しませんか。

金井政府参考人 お答えいたします。

 この契約は、これも先生御承知のとおり、会計法上の随意契約でございますが、手続としては簡易公募型プロポーザル方式というものを採用いたしておりまして、いろいろな方々から手を挙げていただいて、技術提案書、いいものを選ぶというようなやり方でやらせていただいております。

 したがって、いろいろな会社が参加可能な契約形態であったということは、ぜひ御理解をいただきたいと思います。文書の書き方として、最終的には唯一の業者ということになっておりますが、いろいろな方が手を挙げることが可能である契約方式であったということは御理解をいただきたいと思います。

 それからもう一点、数値の問題でございますが、私が申し上げましたのは、例えば私どもが今料金の引き下げをいろいろやっておりますが、そういう効果をはじくときに、その料金引き下げ分の消費者余剰といいますか、それを通常の効果と足し合わせることは、通常は控えさせていただいているという意味でお答えを申し上げたと理解をいたしております。

 これはなぜかと申しますと、通常、その料金の引き下げ分はだれかが負担しなければいけない。今回は、財政投融資の方、金利変動準備金から五千億いただいているわけでございますけれども、だれかが負担しなければいけないので、日本全国、全部押しなべて足した場合には、その効果は打ち消し合って普通ゼロになるというのが普通の先生方の見解でございますので、私どもはそのようなやり方をさせていただいているということでございます。もちろん、先生御指摘のとおり、いろいろな御意見もあります、いろいろなやり方もありますので、その辺について、今後とも、いろいろ専門家の方の意見を聞きながらやっていきたいというふうに申し上げたつもりでございます。

馬淵委員 前回の質疑のときにもそういった答弁をいただきましたが、消費者余剰アプローチ、今、相殺されるというふうにおっしゃいましたが、確かに費用便益分析のところでは完全に相殺です。ただ、この消費者余剰アプローチの場合には、では、すべて相殺かといえば、私は、そうではない、当然ながら考慮しなければならない部分というのは出てくるというふうに思っております。今、ここではそのことについて細かく議論いたしませんが、専門家の意見も聞いてということでありますので。

 では、そこで一点お尋ねしておきますが、こうしたものに対しての正式な見解というのは、これはもう既にこういった報告書があるわけです。今後もさまざまな検討をされていかれると思いますが、正式な政府の見解といいますか、国交省としては便益に対してどのように考えるかということを、これは出されるということでよろしいんでしょうか。いかがですか。

金井政府参考人 先ほども申し上げましたとおり、委員会を設置いたしまして、今回のBバイCの計算の仕方もそこで御議論いただいたものをまとめておりますので、その委員会で先生方の御意見を拝聴して、まとめるものはまとめたいと思っております。

馬淵委員 前回の質疑でさまざまな指摘をさせていただく中で、金子大臣も、もちろん効果そのものについては異論はないということも御指摘をいただきました。

 もう時間もありませんから、せっかくですのでお配りした資料をごらんいただきたいと思いますけれども、5の資料では、これも国総研の資料でございます、三便益、先ほど申し上げたように二兆六千七百億の便益が出ているこの数値の中で、例えば年間の事故減少便益は、現行の、押しなべて三割引き、上限千円ですと、これは便益が三百億円。丸囲みしているのが〇・三です。無料化になりますと、高速道路に車がどんどん転換されていきますので、これが一・五、一千五百億。これだけの便益がある。

 これは何を意味しているかというと、すなわち、交通事故が減少するわけでありますから、いわゆる交通事故の減少ということに対して、ここに、今まで一般道の並行道などをつくってきた事業、二兆円ほどの事業をかけてきたものについても、これが大幅に削減されるといった効果も期待できるはずです。

 このように考えると、七兆八千億という数字、私はこれは大変大きな数字だと思いますけれども、一つ一つ見ていっても効果というものが十分に検証される状況でありますので、今後も、こうした道路の問題について、先ほど委員会で委員会でとおっしゃっていますが、これは当委員会ということで理解させていただきますけれども、皆さん方の前で議論に資するような形で御提示いただくことをお願い申し上げて、私の質疑を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

望月委員長 次に、古本伸一郎君。

古本委員 民主党の古本伸一郎でございます。

 大臣におかれましては、連日の御対応、お疲れさまでございます。また、同僚、先輩委員におかれましては、質問の機会を与えていただきまして、ありがとうございました。

 ところで、大臣、定額給付金が今いろいろと配られ始めたわけでありますが、例えば大臣のお地元の実感として、この給付金が入ったおかげで何か財布が随分助かった、こういう感じがありますか。

    〔委員長退席、中山(泰)委員長代理着席〕

金子国務大臣 まだ給付されていないんです。

古本委員 ありがとうございます。

 仮に、給付されるわけでありますから、評判はどうですか。

金子国務大臣 私が伺っている範囲であえて申し上げれば、楽しみにしている方もおられる、あるいは、楽しみにしておられる方をそれなりに私の周りでは感じるということであります。

古本委員 ちょっと何か苦しそうな感じがしましたけれども。方もおられるということですけれども、そうじゃない人もいますか。

金子国務大臣 苦しくも何ともない。私が接せられるのは後援会の方で、国民、市民全部ではありませんからという意味で申し上げたんです。

古本委員 きょう、委員長のお許しをいただいて資料を配付させていただきました。

 資料の五をごらんいただきたいと思うんですが、これは少しデータの時点が古いんですけれども、国交省の方で今アップされている資料であります。

 平成十八年三月末現在の都道府県別、世帯比別自動車保有台数ということでありますけれども、例えば大臣のお地元の岐阜でいけば、全国四位、世帯平均で一・七台持っておられますね。全国一が福井県で一・七六台。他方、一番保有台数が少ないのは東京都。これは恐らく、公共交通機関が充実いたしておりますので、こういうことになるのではなかろうかと推察をいたします。

 さて、大臣のお地元の実感をお聞かせいただきたいんですが、車が好きでしようがないという自動車マニアの方は別として、恐らく、大体普通の方は、学校や病院や仕事に行くために必要に迫られて車に乗っているような感じがいたしますが、大臣の周りはどういう雰囲気でしょうか。

金子国務大臣 多くの方はそういうことで保有されていると思います。

古本委員 ただいま議題となっておりますいわゆる財源特例法の、今回、改正案ということでありますが、考えてみれば、諸先生方御案内のとおり、念のため資料をおつけいたしておきましたが、資料の六、七をごらんいただきたいと思います。

 これは、昭和二十八年、田中角栄君外二十九名提出の議員立法の当時の提出の資料でございます。道路整備費の財源等に関する臨時措置法案ということでございます。第一条、目的、「この法律は、道路法に規定する道路のほ装その他の改築及び修繕を促進して道路の整備を図り、もつて自動車交通の安全の保持とその能率の増進とに寄与することを目的とする。」要は、道路をつくるために財源を取り込んだということであります。

 後に、いろいろな学説、あるいは田中角栄先生御本人も述懐されておるように記憶いたしておりますけれども、当時は、恐らく、戦後の焼け野原の日本、まだ舗装もされていない土煙が立つ道路、全国津々浦々、道路のネットワークをつくるんだ。やがて我が国にもモータリゼーションが訪れたときに、本当に便利な暮らしを、まさに大臣のお地元を初めとする中山間地域、あるいは半島、島嶼、さまざまな不便なところがありますね。そういうところに舗装道路をネットワークでつなぐんだ、そういう思いからこの法律ができたんだと思うんです。

 当時は、多くの国民は、道路が欲しいという人よりも、おなかいっぱいの御飯を食べたい、あるいは乳飲み子を抱えておられるお母さんであれば、この子が無事に育つために何とか粉ミルクが欲しい、あるいは病気になればペニシリンが欲しい、そういう時代に、国民世論はさておいて、将来必ず道路が必要になるときが来るから財源を取り込ませてくださいといって取り込んだのが、この財源特例法案なんです。

 今回この囲いを取るということでありますけれども、これから我が国における道路は一般財源からつくる、こういうことでよろしいでしょうか、大臣。

金子国務大臣 道路特定財源を廃止するという法案をまさにこの委員会で御審議いただいておりますので、これからの道路は一般財源からということであります。

古本委員 そういたしますと、資料の八、九、そして十を順番にごらんいただきたいと思うのですが、これは、昨年のちょうどこの季節、暫定税率を廃止すべきではなかろうかと主張した私どもと、いや、暫定税率は道路をつくるために必要なのであるとずっと皆様がおっしゃっておられた中で、恐らく国会答弁が一番説得力があると思いますので、二、三、見繕ってまいりました。

 まず、資料の八、当委員会で内閣総理大臣福田さんがお答えになっておられます。「政府案では、受益と負担の考え方を踏まえまして、暫定税率を維持した上で真に必要な道路整備を行う、」途中省略しまして、「道路特定財源をすべて一般財源にするということになりますれば、これはユーザーの負担ですからね。その課税の根拠が失われるということになります、」こう言っておられるんですけれども、このときの福田総理の答弁はうそだったんですか。

田中政府参考人 お答えいたします。

 福田前総理の道路財源に関する答弁に関しまして今御質問のありました件について、三月十三日の衆議院本会議におきまして御質問がございました。

 これに対して、財務大臣臨時代理、今の官房長官がお答えになりましたけれども、今回の暫定税率も含めました税率のあり方についての考え方は今後の抜本改革時に検討するということ、それまでの間は、地球温暖化問題への国際的な取り組み、あるいは地方の道路整備の必要性、国、地方の厳しい財政状況等を踏まえて現行の税率水準を維持するということを御説明した上で、なお、お尋ねの福田前総理の答弁につきましては、揮発油税等について完全に一般財源化した場合には、その使途が制度的に道路整備に特定されているということに着目した上で、それをもって暫定税率の御負担をお願いするということは困難になるという状況認識を述べられたものだという答弁をなさっております。

 その答弁を行われた上で、その上で、福田前総理は、その後、二十一年度からの一般財源化という方針のもとで、例えば環境問題への国際的な取り組みといった観点を踏まえて、現行の税率水準の維持が必要だというお考えを繰り返し述べられているという内容の答弁を官房長官の方からさせていただいております。

古本委員 大臣、きょうは大臣と話すために国交委員会へ来ていますので。後ほど財務省の出番があればいいですけれども。

 要は、この委員会のメンバーでいらっしゃる与党の先生方、みんな受益と負担だとおっしゃっていたんですよ。だから、暫定税率を維持する最大の根拠は、道路をつくるんですから皆様御負担してくださいと言っていたんです。それは偽りだったんですかと聞いていますので、大臣、あなたの政治家としてのセンスでお答えください。偽りだったんですか。

金子国務大臣 税制の議論でありますので財務金融委員会で、第一義的に、私が答弁するというのはミスリードしかねない話ではあります。

 ただ、先ほど来答弁しておりますとおり、麻生総理も、揮発油税の暫定税率も含めた税率のあり方は、今後の税制抜本改革時に検討することとしておりますが、それまでの間、地球温暖化問題への国際的な取り組み、国、地方の厳しい財政状況などを踏まえ、現行の税率水準を維持することといたしております、したがって、道路特定財源の一般財源化によって暫定税率の根拠が失われるとは考えておりません、こういう答弁を二月二日に参議院の本会議場でもされておられます。

 それから、このもう一つ前でありますが、一般財源化に伴いまして自動車関係諸税あるいは暫定税率についてどうするかというのは、当然でありますが、与党で大いなる議論がございました。そして、政府・与党の合意といたしまして、自動車関係諸税は、「今後の税制抜本改革時に検討することとし、」「現行の税率水準を原則維持する。ただし、納税者の理解、景気及び環境対策という観点から、自動車関係諸税の負担を時限的に軽減する。」ということも盛り込みまして、今般、暫定税率を維持させていただき、先日、国会で税率については既に決議をさせていただいたところであります。

古本委員 わざわざ国交委員会に来ておりますのは、実は、資料の四をごらんいただきたいと思うのですが、先ほどの保有台数で見て、自動車重量税、取得税、それから自動車税、これは少し総務省の所管の部分も入っていますけれども、財務省の方で取りまとめていただきました。ちょっと枠外に手書きで書いておりますのは私の方で試算をした数字ですので、正式にはこの枠の中の数字をごらんいただきたいのですが。

 一番負担をしておられる都道府県でいきますと、栃木県は、一世帯当たり七万九千二百六十三円、一年間で自動車の税金を払っておられます。そして、一番少ない東京都では、二万九千三百四十二円、一世帯で払っておられます。そして、大臣のお地元では、七万五千七百円、一世帯で平均で負担をなさっておられます。

 枠外に書いておりますのは、ガソリン税を、財務省はどうしても計算できないということでありましたので、JAFでもどこでも聞けばわかりますけれども、単純に、平均的な自動車の一年間の走行距離から消費量を試算いたしますと、大体千リッター。千リッターを平均しますと、月量が、従量でいいまして、大体八十リッターぐらいなんです。ですから、大臣が自分で車のガソリンを入れることがあるかどうかはよく知りませんけれども、八十リッターということは満タンで大体二回ですよ。だから、月二回満タンにするというと、地方で暮らしておられる人の平均か、それ以下のイメージだと思います。

 この千リッターで計算いたしますと、今、ガソリン税プラス地方道路譲与税を足しますと、リッター五十三円八十銭。これを掛け合わせますと、大臣、いいですか、合計で、例えば栃木県の場合ですと、保有台数が世帯当たり平均で一・六八二台ですので、約九万円になります。そして、大臣のお地元の岐阜県で、保有台数から平均いたしますと、月に二回満タンにする方だけで、二回どころじゃないと思いますよ、今度ぜひ後援会の幹部に聞いていただければいいと思いますが、約九万円ちょっとなんですね。したがいまして、ガソリン税プラス、大臣のお地元の岐阜県では七万五千七百円、合わせますと約十六万八千円になります。一世帯平均で約十七万円。大臣、いいですか、大臣のお地元で十七万円です。

 今回、定額給付金一万二千円ということでありますけれども、一回こっきりですね。これは全く消費につながらないとは私は思いません。ある程度の効果は恐らくあるのでしょう。しかしながら、先生方ごらんをいただいているように、地方ほど、必要に迫られ、病院に行くために、学校に行くために、子供の塾の送り迎えのために、お母さん方もお父さん方も、みんな車に乗らないと暮らしていけないんです。そして、そのために皆様方がネットワークの話を今議論なさっているんです。

 道路をつくっても、上を走っていく車が高過ぎで保有ができなくなっちゃったら、これは本末転倒以外の何物でもありません。その意味で、この十七万円にも上る税の負担を、一世帯平均ですから、本当に持っておられる世帯ではもっとあります。ちなみに、千八百ccクラスの車で、一年間で一台十五万円です。二台持っておられたら三十万ですよ。これを負担されておられます。

 ですから、大臣、この方々は、道路をつくるとおっしゃるものだから、受益と負担の論理に基づいて、この二倍の暫定税率に甘んじてお支払いをされているんです。全国七千万台の自動車のユーザーは、大臣が思っているほどお財布は楽じゃありませんよ。

 改めてお尋ねをいたします。国交大臣に税金のことを聞いてくれるなよという雰囲気もございましたので、念のため補足いたしますが、資料の九をごらんいただければと思います。

 当時、当委員会の担当大臣でいらした冬柴国交大臣が、この暫定税率の廃止に当たっては、累次にわたり、受益と負担ということからお述べになっておられます。読み上げます。

 「暫定税率を廃止する。これは、受益と負担ということが比較的明確なガソリンの消費と道路というものをとらえて、そして、その道路の投資というのは非常に大きなお金がかかりますが、それを負担していただくという関係は非常に明確で、」さらに、「その受益と負担というのが比較的明確なものを、例えば免許証を持っていないとか、あるいは持っているけれども運転はしないというような人に道路の建設費、」「その非常に巨額の財源というものを一般国民に求めるということになろうかと思いますが、それでいいのかどうかという問題がそこにあろうかと思います。」などなど、受益と負担ということを御旗に、与党の先生方は暫定税率を維持する大義にしてきたんですよ。

 そして、今、一般財源化するとおっしゃっているんです。これは論理矛盾以外の何物でもないんです。納税者に対する裏切りなんです。

 そこで、大臣に聞いているんです。お地元の岐阜県では、世帯平均で十七万円なんです。本当に車を持っておられる世帯でいえば、二十万、三十万負担されています。年収三百万、四百万の御家庭で、お母さんがパートに出て、そして車を持たないと子供が送迎できない、お父さんも仕事場に行けない、そして二台、三台持っておられる人にこれだけ負担させておいて、それをどうして、東京の丸ノ内線に乗っている、車に関係のない、地下鉄で通勤している人の医療費に回せるんですか。暫定税率を維持していたら、この論理が成り立たないんですよ。

 一般財源化するなら暫定税率を廃止するべきだと私ども民主党は主張しています。改めて答弁を求めます。

    〔中山(泰)委員長代理退席、委員長着席〕

金子国務大臣 宮崎県も岐阜県も、地方に行けば、皆さん負担が重くなっちゃうんです。だからこそ、地方に必要な道路はつくろうと。都会は、保有世帯、保有台数が少ないですよ。だから、地方といえども必要な道路はきちっとつくっていこうと、これまで我々は進めてきたところであります。そこに対する御理解は随分いただいたような感じをいただきました。

 ただ、今おっしゃったようなことについて、先ほども御答弁をさせていただきましたが、そういう議論を踏まえた上でなお、この暫定税率については、地球温暖化の国際的な取り組みがある、地方と国の厳しい財政状況もある、したがって、現行の税率水準を原則維持させていただこう、関係税制の暫定税率分も含めた税率のあり方については、今後の税制抜本改革時に検討しようということで、そこは、先ほど来繰り返しになりますから申し上げませんけれども、麻生総理も衆議院の本会議できちんと答弁されております。

 福田前総理についても、再三、二十一年度から一般財源化という方針のもと、例えば環境問題への国際的な取り組みといった観点を踏まえ、現行の税率水準の維持が必要との考えを繰り返し述べておられるところであります。

古本委員 ちょっと議論がかみ合わなくて、多分、大臣も一番わかっていらっしゃると思うんですね。

 岐阜の地元で、本当にみんな車に乗っていないと暮らせないんですよ。道路の端っこに、この道路はガソリン税でできていますという看板が出ていますよ。それを見るたびに、みんな合点がいっていたんですよ。

 では、大臣、この看板、全部引っこ抜くんですね。この道路はガソリン税でできていますという、これは抜きますね。大臣、今約束してください。

金井政府参考人 今まで、特定財源ということで、受益と負担の関係を現地でも説明させていただきました。今後、一般財源ということでありますので、やはり納税者の理解を得て必要な道路整備を進めるというスタンスで進めさせていただければと思います。

古本委員 看板の話は象徴的なことで大臣に申し上げておりまして、やはりあの看板を見るたびにドライバーの皆さんは、これはこういうことでおれの納めた税は道路になったんだなというところで納得性があったわけですよ。それをしなくなると今おっしゃっていますね。

 それで、資料の十一をごらんいただきたいんですが、もともと暫定税率を導入なさったときの議論を少し整理したいと思うんです。

 これは福田前総理の御尊父の答弁なんですけれども、衆議院の大蔵委員会であります。「自動車関係諸税の税率の引き上げであります。 すなわち、資源の節約、消費の抑制、道路財源の充実等の観点から、」以下、記載のとおり、いわゆる約二倍の暫定税率を揮発油税と自動車重量税にかけるということになっているんですね。

 ところが、暫定税率を維持するのは地球環境と財源確保のためというふうに今大臣おっしゃいましたけれども、どこに財源確保という理由が入っているんですか。そして、地球環境も、今まさに温室効果ガスということで盛り上がってきて後づけで言っている話でありまして、やはり、当時、道路財源の充実等の観点というのは大事だったんだと思うんですよ。

 さらに、忘れられないのが、見逃せないのが、消費の抑制。これは何と、自動車重量税あるいは取得税も暫定税率に入っておりますが、当時は、コンビナートからガソリンが枯渇してしまって、例のトイレットペーパーのパニックになったときでありますから、車が売れてもらったら困ったんですよ。だから、販売を抑制するために、自動車の販売も、ガソリンの販売も、消費もすべて抑制するために、抑止的に暫定税率が入っている要素が当時は強かったんです。並びに道路建設目的なんですよ。

 だから、少なくとも、暫定税率の理由のうちの半分は今消えてなくなってしまっているならば、引き続き負担をいただくというのは、暫定税率分はなかなか論理が通らないと思うんですね。

 それで、もう一つ参考に紹介しておきたいと思うんですが、実は、大臣、これは十三番、こういう税があったんですね。明治四年、太政官布告令で出ているんですけれども、自転車荷車税という税があったんです。これは何かといいますと……(発言する者あり)そうです、鑑札なんです。今やじをいただきましたが。当時は、明治四年に自転車、リヤカー等々を買うことができた人は豊かだったんですよ。そういう理由からこの荷車税が始まったんです。

 これは法制局に、当時の自治庁長官が昭和三十三年に、この自転車荷車税を廃止する際の趣旨説明をちょっと読んでみたいと思うんです。

 「自転車荷車税は、自転車及び荷車の所有事実に担税力を見出して課税する物件税でありますが、道路損傷負担金的性格をもあわせ有し、」「きわめて普遍性に富んでいる税であったのであります。」ここからが大事なんです。「しかしながら、最近における社会経済の進展及び自動車利用の発達に伴い、原動機付自転車以外の自転車及び荷車に対する課税は著しく大衆課税的な性格を帯びるとともに、」つまり、明治四年の太政官布告令のときは、自転車を買うことができた人なんてもう本当に金持ちだったんです。担税力を求めたんです。

 他方、大臣、今、岐阜の、本当に大臣のお地元の多くの有権者が、高級品と思って車に乗っておられる方と、生活必需品と思って乗っておられる方でいえば、冒頭、大臣の言をいただいたとおり、本当に生活に必要だから乗っておられると思うんですよ。

 つまり、自動車重量税のたぐいは、もう既に、その人が担税力があるからという課税なのか、道路を損壊するという可能性をかんがみまして、受益者負担という概念での応益負担なのか、改めてこの議論をしなきゃいけないときにもう来ているんです。つまり、税の逆進性が出てきているわけであります。

 これは、車が重たい、あるいはエンジンの排気量がある、そういう自重が重たいということでこれまで課税をしてきたんですけれども、実は、車庫に置いているだけでも自動車重量税というのはかかるんです。欧米ではもう既に、電子タコグラフを初め、本当に走った距離に応じる課税やら、大型にしか課税しないという、ドイツやフランスはもう始まっているんです。車庫に置いていてもかかる自動車重量税というのは、果たして、応益負担であるならば、ここで徴税した税はやはり道路に使わなきゃ筋が通らないんです。いいですか。

 ところが、応能負担というのであれば、余りに、今や岐阜県のお地元でも世帯平均で一・七台、本当に持っておられる世帯でいえば恐らく二台以上あるでしょう。この皆様方に応能負担として担税力を求めることができるんだろうかという議論にすべてふたをしたまま、大臣、暫定税率を維持しているんです。

 改めて大臣にお尋ねいたします。当委員会で、累次にわたり、受益と負担の論理から暫定税率を維持させていただきたい、大臣の先輩大臣がお答えになっておられますけれども、改めて、この受益と負担の原則に反する今回の財源特例法のこういう外し方について、御意見があれば最後に承りたいと思います。

金子国務大臣 だからこそ、私の地元のことをわざわざ言っていただきましたけれども、その期待にこたえるためにも、きちっとした道路整備をしていきたい。道路一般財源化とはいえ、必要な道路はつくっていきたい。地方は、そういう意味では、私の地元だけでなくて、ほかの地区も同じ。

 そうして、今、応益、応能の負担の話は、これは、福田元大蔵大臣の昭和四十六年五月の衆議院の大蔵委員会でのお話が今出ましたけれども、一方で、福田前総理は、先ほど紹介しましたように、二十一年度から一般財源化という方針のもと、環境問題への国際的な取り組みといった観点を踏まえて、現行税率水準の維持が必要との考え方を繰り返してお述べになっております。

 そういう意味では、担税力のあり方は問題でありますので、納税者の理解を得ていくということは、これは我々にとって大事な、大変必要なことだと思っておりますし、そういう理解が得られるようにしていきたいし、そのことを今度の国会で問うているわけであります。

古本委員 大臣、最後にしたかったんですけれども、私は、道路をつくるという御旗を自民党の道路を愛する先生方がおろさないならば、暫定税率を取られても理論的にやむを得ないなという面はありますよと言っているんです。その御旗をおろしているのに税を二倍取り続けるのは、納税者の裏切りだと言っているんです。だから、そこは誤解なきようにお願いします。

 さらに、せっかくきょうはずっと自交局も来ていたので、委員長、申しわけないです、最後に一問だけ許してください。国交委員会に呼んでいただけるのはありがたいことでありますので、一問だけ。

 大臣、今、自賠責保険というのがありますね。これは、御案内のとおり二年間で約二万円、さきの自動車の税金に加えて自動車損害賠償責任保険がかかっています。この自賠責保険、実は、大臣が先ほど来おっしゃっている財務省に五千六百億円貸し付けて、返ってきていないんですよ。これは自賠責特会から財務省に貸し付けて、返ってきておりません。これをどこにいつ返す御決意でいらっしゃるのか。

 これは、受益と負担の論理からいえば、自動車ドライバーが納めた自賠責保険料ですよ。その保険料を財務省に今五千六百億円貸し付けて、返ってきておりません。御決意をお聞かせください。

金子国務大臣 古本委員と初めて意見が一致しました。

 国土交通省として、原則として二十三年度までに繰り戻すとしました大臣間の覚書に従いまして、繰り戻しが行われるよう財務省と協議してまいりたいと思っています。

古本委員 ありがとうございました。

望月委員長 次に、川内博史君。

川内委員 川内でございます。

 道路ということで、私は、まず、道路関係の公益法人の改革がどのくらい進んだのかということを、きょうはお尋ねさせていただこうというふうに思います。

 先日の参議院の予算委員会で、我が党の福山哲郎議員が質問をいたしました。国家公務員再就職者が出身省庁から五代以上続いている独立行政法人、特殊法人、あるいは公益法人は何法人、何ポストありますかと聞いたところ、総務省の方から、本年三月九日時点で各府省において確認された件数は合計で九十五法人、ポスト数で百四ポストとなっておりますというふうに御答弁がございました。

 そこで、お尋ねをいたします。

 国土交通省において三月九日時点で総務省に報告をされたこの調査では、国土交通省所管の独立行政法人、特殊法人、そして公益法人で、国土交通省出身者が五代以上続いて会長、理事長、専務理事についている法人は何法人、何ポストだったのか。また、うち道路局所管のものでは何法人、何ポストであったのか。教えていただきたいと思います。

増田政府参考人 お答え申し上げます。

 今御指摘がありました三月九日に総務省が取りまとめた中で、私どもの法人で理事長、会長、専務理事についているものにつきましては、十ポスト、十法人でございます。

 ただ、後でお尋ねありました道路五十法人という、ちょっと資料を手元に持っておりませんので、整理をさせていただきたいと思います。

川内委員 この三月九日に総務省に報告をした、五代以上国土交通省出身者が会長、理事長、専務理事についている独立行政法人、特殊法人、そして公益法人は、十法人、十ポストであるということでございます。

 昨年、道路特定財源から支出を受けている五十の法人が、道路関係公益法人として、道路局でも公益法人改革の俎上に上げられて議論をされているわけでございますけれども、まず、この三月九日の総務省への報告の中で道路関係公益法人は、私が見るところ、三月九日時点では、建設電気技術協会、一法人、一ポストである。一法人、一ポストだということでよろしいですか。

増田政府参考人 お答えいたします。

 大変失礼いたしました。御指摘のように、先ほどお答えいたしました十ポスト、十法人のうち、道路関係の五十法人が一ポスト、一法人含まれております。

川内委員 それで、私は、この三月九日の資料を見て、そんなわけないでしょう、道路関係公益法人五十法人あって、五代以上続いているのが一法人、一ポストしかない、そんなわけはない、もっとあるだろうと思って、実は人事課の方にこの五十の公益法人について、まず、理事長、会長、専務理事、常務理事、その他の常勤理事の役員の五代分のリストをつくっていただきました。これでございます。(金子国務大臣「資料は配られているの」と呼ぶ)いや、配っていませんよ。そんな簡単には配りません。一生懸命つくられたものを私も大事に温めているわけですから。

 この調査の結果について伺いますけれども、道路関係五十の公益法人で、会長、理事長、専務理事、常務理事、そして常勤理事の範疇に入るポストの総数をまず教えていただきたいと思います。

増田政府参考人 お答えいたします。

 道路関係五十法人における会長、理事長、専務理事、常務理事、常勤理事のポストの合計は、二百五ポストでございます。

川内委員 その二百五ポストのうち、私にいただいたこの資料は三月三十日の日付が打ってありますが、三月三十日現在で国土交通省出身者が占めるポストの数は、二百五ポストのうち幾つでしょうか。

増田政府参考人 お答えいたします。

 ちょっと時点がずれていることをお許しいただきまして、二十四日の時点でお答え申し上げますが、二百五ポストのうち、国交省のOB、これは旧四省庁のOBも含めてでございますが、百十九ポスト、法人数で四十六法人でございます。

川内委員 それでは、それらのうち、五代続けて国土交通省出身者が会長、理事長、専務理事、常務理事、常勤理事についているポストは何法人、何ポストあったのかということを教えていただきたいと思います。

増田政府参考人 お答えいたします。

 先ほど申し上げた数のうち、五代連続してついているものでございますが、五十九ポスト、三十一法人でございます。

川内委員 続けてお聞きしますが、五代続けて、もしくはポスト創設以来、そのポストがつくられて以来、要するに、ずっと国交省出身者が続いています、さかのぼっても五代まではないんだけれども、三代なり四代なり、そのポストがつくられてからずっと国土交通省出身者がついているポストは、何ポスト、何法人あるのかということを教えていただきたいと思います。

増田政府参考人 お答えいたします。

 御指摘のポスト数、法人数は、四十四ポスト、二十八法人でございます。先ほどの五代連続しているものと合計いたしますと、法人は若干重なりますので整理しますと、百三ポスト、四十四法人と相なるわけでございます。

川内委員 ちょっと整理しますね、大臣。

 現在、道路関係公益法人五十法人のうち国土交通出身者が占めているポストは、百十九ポスト、四十六法人である。そのうち五代以上国交省出身者が占めているのは、三十一法人、五十九ポスト。ポスト創設以来、国交省出身者だけがそのポストを占めていますよというのが、二十八法人、四十四ポスト。トータルすると、五代以上か、もしくはポストがつくられて以来、国交省出身者がそのポストを占めていますというのが、百三ポスト、四十四法人ということですね。

 それでは、もう一点、この総務省が取りまとめた報告の観点でお聞きいたしますが、会長、理事長、専務理事、この三ポストだけで五代さかのぼった場合に、何法人、何ポストになるのかということを教えていただきたいと思います。

増田政府参考人 お答えいたします。

 二十八ポスト、二十八法人となります。

川内委員 そうすると、総務省に提出したときは、道路関係公益法人は一法人、一ポストだけだったけれども、よくよく調べてみたら、二十八法人、二十八ポスト。総務省の調査でいうと、二十八法人、二十八ポスト。さらに、それを常務理事、それから常勤理事まで広げると、数字がこんがらがりますけれども、百三ポスト、四十四法人ということで、要するに、国交省のポストになっているポストがいっぱいあるということなわけですよ。大臣、そういうことですよ。要するに、そういうことですわな、整理すると、わかりやすく言うと。

 では、これをどうしていきますか、どう改革していきますかということが問題になるわけで、これらのうち、あっせんがあったもの、要するに、国交省が関与して再就職していただきましたよというのがどのくらいあったのかということを教えていただきたいと思います。

増田政府参考人 職員の再就職関係でございますが、これはたびたび御答弁させていただいていますが、在職中に培った知識、経験を退職後も生かす、そういうことが社会的に有用な場合があるということで行われているわけでございますが、今先生お尋ねの、今の全数を対象にあっせんの有無ということにつきましては、私どもとしては現時点では把握をいたしておりません。

川内委員 政府の方でも再就職等監視委員会あるいは官民人材交流センターというような組織を設けて、これから国家公務員の再就職については、私どもからすれば全く不十分だと思うが、政府としても取り組みますよという姿勢をお示しになられていらっしゃるわけであります。

 しかし、大事なのは、実態がどうなのかということをまず知る、現実を知るということが大事だというふうに思うわけでございます。

 そこで、大臣にお尋ねをいたします。今御報告があった、道路関係公益法人五十法人のうち、五代続けて、もしくはそのポストができて以来ずっと国交省関係者が占めていますというポストが、百三ポスト、四十四法人あるということでございますけれども、その百三ポストについて、どういう経緯で再就職をするに至ったのかということを、道路関係公益法人の業務、組織形態の見直しという紙もできているわけですが、再就職についても見直さなきゃいけないんでしょうから、どういう経緯で再就職に至ったのかということを調査する、聞いてみるということが必要かというふうに思いますが、大臣としての方針を教えていただきたいと思います。

金子国務大臣 今度、国家公務員法というものが改正されまして、再就職あっせんについてきちんとした法案が提出をされます。

 それで、ただ、従来ですと、やはり再就職活動につきまして、在職中に培った知識、経験を生かすことが、なお社会的にも有用だということと、それから、企業から、どういう仕事が欲しいとか、どういう人が欲しいとかいう、いわば情報ですよね、こういうのは今は何だよとなるけれども、昔にさかのぼってとなると、では本当にそのときにそうだったのかという、少し感覚の違いはあるんだろうと思います。

 そういう意味で、今の百三ポストについて個別の事情をすべて把握するのは困難ではないのかな。ただ、私の伺っている限りでは、押しつけ的なあっせんというものはなかったものと認識してはおります。

川内委員 霞が関の官僚の皆さんに言わせれば、押しつけ的なあっせんなどは皆無である、これはもう当然そうおっしゃられるというふうに思うんですね。

 ところが、では、どうすれば国民の皆さんから大変に御批判の強い公務員の再就職の問題についてある一定の解決を見出せるかということを考えると、やはり再就職に至った事情あるいは過程というものを具体的にお聞きして、ああ、なるほどね、やはり出身の役所の例えば大臣官房からあっせんがあったんですねとか、あるいは出身の局であっせんがあったんですねとか、あるいはもう全然そういうものとは関係なく、友達同士で、役所の先輩後輩で、おまえ来いみたいな形であったんですねとか、それぞれいろいろなパターンが考えられると思うんです。

 ある幾つかの類型にカテゴリーを分けて、では何が問題なのか、どれを規制するのかということを次に議論するということになっていかないと、結局、再就職がいいとか悪いとか、あるいは押しつけ的あっせんがあるとかないとか、議論していてもなかなか問題の解決に至らないのではないかという問題意識を持っているんです。

 大臣はきょうはちょっとそこまでは踏み込んでいただけないようなので、あしたまた。

 百三ポストというのは、大臣、過去にさかのぼってと言っているんじゃないんですよ。今もその百三ポストについては国交省出身者が占めているわけですから、今現在いらっしゃるその方に、あなた、何でそこに行ったの、どういう経緯だったのと聞けば、いや、私はこれこれこういう経緯です、それはみんな答えるわけですから。そうすると、その百三ポストについて、ああ、なるほどねということがまずわかる。それが再就職の問題を解決する上ではまず最初にやるべきことじゃないでしょうかということを申し上げているんですけれども、どうでしょうか。

金子国務大臣 先ほどちょっとお話を伺っていて、五代にさかのぼってというお話でありましたので、これはすべての経緯を、個別の事情を把握することは、年齢的、時間的な、期間的な問題もありますから難しいということでありました。

 ただ、確かに、昨年四月に道路関係五十法人について、改革本部におきまして、役員の数の削減ですとか給与の引き下げ、それから法人形態の見直し、これは川内委員よく御存じのとおりでありますが、業務、組織形態の見直しを今全面的にやっている最中であります、三法人については解散、廃止まで含んでおりますけれども。

 そういう意味で、さまざまな改革に今取り組んでおりますものですから、そういう改革の中で必要があれば調査をしてみたいと思います。

川内委員 必要があれば調査をしてみたい、何か微妙な答弁なんですけれども、私は必要だというふうに思いますので、また議論をさせていただこうと思います。

 それでは、この道路関係公益法人五十法人の業務、組織形態の見直しで、これは事務的に事務方からどんどん答弁いただきたいんですが、公益法人として行う必要性が低下した業務を実施する法人の解散、廃止で三法人、平成二十年度に法人で方針を決定と、平成二十年度がもう終わろうとしているわけですが、方針がどの場でどのように決定されたのかということをまず教えてください。

金井政府参考人 決定もしくは了承を得た内容でございますが、駐車場整備推進機構は、ことしの三月の理事会で、平成二十一年度中の解散、清算完了に向けた準備を進める。それから同じく、道路開発振興センターは、昨年の六月の理事会で、二十一年度より新規事業を停止して、債権債務の処理を行った上で、平成二十二年度中に解散する。それから道路経済研究所につきましては、ことし三月の理事会で、平成二十一年度の夏ごろの解散、秋ごろの清算完了に向けた準備を進めるということを決定、了承されたというふうに聞いております。

川内委員 二番の、業務をスリム化した上で統合を行う法人、四法人出ております。これも平成二十年度に各法人で方針を決定というふうに出ておりますが、ちなみに、これは理事会で方針決定すれば総会の議を経なくてもいいんですか。そこだけちょっと確認をした上で、教えてください。

金井政府参考人 基本的な方針でございますので、理事会で決定するということでよろしいかと思っております。

 なお、さきに御質問がありました海洋架橋・橋梁調査会、それから道路保全技術センターについては、それぞれ、ことし三月の理事会で、統合の基本方針を決定したというふうに承っております。それから、道路環境研究所と道路空間高度化機構、これにつきましても、三月の理事会で、こちらは合併の基本方針を決定した、そのように承っております。

川内委員 何か委員長がにらんでいるので、もう終わりにしますけれども、では、あしたまた続きはやらせていただきます。きょうはこの辺にしておきます。

望月委員長 次回は、明四月一日水曜日午後零時五十分理事会、午後一時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後四時三十一分散会


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