第17号 平成21年5月8日(金曜日)
平成二十一年五月八日(金曜日)午前九時三十分開議
出席委員
委員長 望月 義夫君
理事 奥野 信亮君 理事 菅原 一秀君
理事 中山 泰秀君 理事 福井 照君
理事 山本 公一君 理事 川内 博史君
理事 後藤 斎君 理事 上田 勇君
赤池 誠章君 稲葉 大和君
江崎 鐵磨君 遠藤 宣彦君
小里 泰弘君 大塚 高司君
太田 誠一君 岡部 英明君
鍵田忠兵衛君 亀岡 偉民君
北村 茂男君 佐田玄一郎君
七条 明君 島村 宜伸君
杉田 元司君 長崎幸太郎君
長島 忠美君 西銘恒三郎君
原田 憲治君 平田 耕一君
藤井 勇治君 松本 文明君
盛山 正仁君 吉田六左エ門君
若宮 健嗣君 石川 知裕君
小宮山泰子君 古賀 一成君
高木 義明君 長安 豊君
三日月大造君 森本 哲生君
鷲尾英一郎君 高木 陽介君
谷口 和史君 穀田 恵二君
糸川 正晃君
…………………………………
国土交通大臣 金子 一義君
国土交通副大臣 金子 恭之君
国土交通大臣政務官 谷口 和史君
国土交通大臣政務官 西銘恒三郎君
会計検査院事務総局第五局長 真島 審一君
政府参考人
(内閣官房地域活性化統合事務局次長) 工藤 洋一君
政府参考人
(文部科学省大臣官房審議官) 田中 正朗君
政府参考人
(国土交通省大臣官房長) 増田 優一君
政府参考人
(国土交通省都市・地域整備局長) 加藤 利男君
政府参考人
(国土交通省道路局長) 金井 道夫君
政府参考人
(国土交通省住宅局長) 和泉 洋人君
政府参考人
(運輸安全委員会事務局長) 柚木 浩一君
参考人
(独立行政法人都市再生機構理事長代理) 河崎 広二君
国土交通委員会専門員 石澤 和範君
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委員の異動
五月八日
辞任 補欠選任
佐田玄一郎君 平田 耕一君
亀井 静香君 糸川 正晃君
同日
辞任 補欠選任
平田 耕一君 佐田玄一郎君
糸川 正晃君 亀井 静香君
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五月七日
新たなタクシー制度の確立を求めることに関する請願(阿部知子君紹介)(第二一八五号)
八ッ場ダム事業の見直しと水没予定地域再生のための法整備に関する請願(枝野幸男君紹介)(第二二六五号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
会計検査院当局者出頭要求に関する件
政府参考人出頭要求に関する件
参考人出頭要求に関する件
都市再生特別措置法及び都市開発資金の貸付けに関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第一六号)
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○望月委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、都市再生特別措置法及び都市開発資金の貸付けに関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
この際、お諮りいたします。
本案審査のため、本日、参考人として独立行政法人都市再生機構理事長代理河崎広二君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○望月委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
引き続き、お諮りいたします。
本案審査のため、本日、政府参考人として国土交通省大臣官房長増田優一君、都市・地域整備局長加藤利男君、道路局長金井道夫君、住宅局長和泉洋人君、運輸安全委員会事務局長柚木浩一君、内閣官房地域活性化統合事務局次長工藤洋一君及び文部科学省大臣官房審議官田中正朗君の出席を求め、説明を聴取し、また、会計検査院事務総局第五局長真島審一君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○望月委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
―――――――――――――
○望月委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。石川知裕君。
○石川委員 民主党の石川知裕でございます。
法案に先立って、昨年、平成二十年六月二十三日に、転覆、沈没海難事故に遭った第五十八寿和丸の原因究明についてきょうは御質問させていただきたいと思います。
昨年六月二十三日、千葉県の東方三百三十キロ付近でパラシュートアンカーを入れ漂泊中、船首右舷側より二度の衝撃を受け、右舷側に傾き、転覆、沈没したという事故がありました。四名が死亡確認され、その後、十三名行方不明でありましたけれども、いまだ発見するに至っていない。十七人のとうとい命が犠牲になったわけでございます。
その後、いろいろな説が報道から流れました。東京新聞では一面に大きく、潜水艦が衝突かということも報道をされました。また、パラシュートアンカーによって何らかの力が加わって転覆したのではないかだとか、または三角波、大きなうねりの波が右舷側に当たって、それによって沈没したのではないかということがいろいろ報道されましたけれども、いまだ原因究明には至っておりません。
きょう、資料をお配りいたしております。平成十八年から平成二十年の海難事故、これは海上保安庁が認知したものということで、十八年、十九年、二十年と、それぞれ、大体毎年二千五百件ぐらい海難事故というものを、海上保安庁が認知したものということで資料をいただきました。
その中で、平成二十年の「その他」というところ、下の脚注に書いてありますが、「原因別の「その他」は、ほとんどが原因不明の事案であり、次の様な海難事例があります。」一つは「乗組員、船舶が行方不明となり原因が不明なもの。」一つは「外国船舶の海難で原因の究明に至らなかったもの。」もう一つは「火災、転覆等により船舶が沈没し、原因が不明なもの。」とあります。その三十三件の内訳を今度お取り寄せいたしましたところ、本当に全く原因がわからないというのは、この第五十八寿和丸のみではないか。
また、参議院でも同じような質疑がされておりました。ことしの三月、参議院で質疑されたわけでありますけれども、その後、運輸安全委員会にお尋ねをしたいんですけれども、事故発生から約十カ月経過をいたしました。生存者からの聞き取り調査が終了して、科学的解析を行っていると。この間お越しをいただいたときには、どういうふうに波が起こって、またどういう状態で転覆をしたのかということを、シミュレーションを行っているということでありました。
現在、まだ報告書は提出をされていないということでありましたけれども、大体いつごろになるのかということをお答えいただきたいと思います。
〔委員長退席、菅原委員長代理着席〕
○柚木政府参考人 お答えいたします。
お答えに先立ちまして、この事故で亡くなられた十七名の方の御冥福を心からお祈りしたいと思います。
今お尋ねの、どのくらいの見込みかということにつきましては、今先生から御指摘のありましたような解析ということを現在行っておりまして、それの結果を得て、それを踏まえた全体の事故の姿というものをどう考えるかということになりますので、もうしばらく時間をいただきたいというふうに思っております。
○石川委員 今回のこの事件、理由が、原因が今全くわからないままということであり、運輸安全委員会で鋭意調査をしているということで、今お答えいただいたのは、まだ調査中、まだ時間がかかるということだと思うんですけれども、昨年来ずっと、御遺族の方々または県の漁船組合やいわき市の市議会等、多くの方々が今回の原因究明に対して陳情を行っております。
その中で、潜水調査を行ってほしいということが再三依頼をされているわけでありますけれども、平成二十年七月二十三日の東京新聞の報道では、深海潜水調査船による調査が必要と判断、非公式に海洋研究開発機構に打診とあります。海洋研究開発機構にお尋ねをしましたところ、正式な依頼は、このときはまだ運輸安全委員会は発足をしておりませんから、理事所の方から依頼が来ていないということでありました。
その後、平成二十年九月二日には福島県の漁連と県漁船保険組合が国に原因究明を求める要望書を提出、深海潜水調査船による調査も要望ということがあります。そして、ことしの一月に、金子国土交通大臣あてに原因究明を求める要望書というものが、十四万人の署名を添えて出されたわけであります。
運輸安全委員会にお尋ねをしますけれども、九月二日、要望書を提出された時点で海洋研究開発機構の方には調査の依頼はされたんでしょうか。
○柚木政府参考人 お答えいたします。
九月二日の要望の時点、あるいはその後も含めてでございますけれども、関係の機関に対する要請というのは行っておりません。
○石川委員 再度お尋ねをしますけれども、三月十一日の参議院予算委員会で、岩城参議院議員の質問に対して政府参考人が潜水調査の難しさを説明されておりますけれども、その後も海洋開発機構へ調査は一切、打診も含めて依頼をしていないということの確認でよろしいでしょうか。
○柚木政府参考人 今先生がおっしゃいましたように、その岩城先生の御質問を経た後も、私どもからは依頼はしておりません。
○石川委員 昨年、この運輸安全委員会が発足をしたのは、従来よりも事故の原因究明をさらに掘り下げて行っていくためということでこの運輸安全委員会が発足をしたものと思っております。遺族側もこの原因究明に向けて、十四万人の署名というのは大変重い署名の数だと思うわけでありますけれども、何度も委員会やまたは地元からの要望がありながら、この海洋研究開発機構への調査依頼を行っていない、現時点でもまだ行っていないということであります。
今回、きょうの資料の三ページ目、これは運輸安全委員会設置法をコピーしてきたものでありますけれども、ここの一番右の方、「第二十二条 委員会は、事故等調査を行うため必要があると認めるときは、国土交通大臣に対し、事故等についての事実の調査又は物件の収集の援助その他の必要な援助を求めることができる。」ということになっております。
海洋研究開発機構は文部科学省の所管ではありますけれども、この深海潜水調査について、国土交通大臣の方に、必要な援助というものを運輸安全委員会の方からお求めになられていますでしょうか。
○柚木政府参考人 お答えいたします。
この二十二条の規定に基づく援助の要請というのは、私どもからいたす場合には、やはり、それなりの調査の効果というものが期待できる、そういったときにお願いするということになろうかと思います。
今の時点で、なかなか、潜水調査の物理的な技術的な難しさ、あるいは、万が一やった結果船が発見されたとしても、現実的には深海底ということで船そのものが壊れている、あるいは、今回漁網を大量に積んでおりますけれども、漁網がこういう場合には往々にしてかぶさっているとか、いろいろな状況がありまして、船舶の事故の原因の究明に直接結びつくかどうかというところ、そこのところをしっかり見るということが必要だろうと思いますし、一方で、今進めております原因の解明の中でどういった原因についての見通しが立つかどうか、そういったことを総合的に勘案していくんだろうというふうに思っております。
そういうことで、現時点において機構の方にはお願いをしていないという状況でございます。
○石川委員 今の事務局長のお話ですけれども、打診もしていない、依頼もしていない中で、運輸安全委員会の中だけで、結局、漁網があったりして潜水調査を行ったとしても危険ではないかとか、または、きちんと撮影されるかどうかもわからないままやってしまってはどうなのかということであるんだろうと思いますけれども、依頼も打診もしない中で判断をされているということになるんだと思います。
これは、海洋研究開発機構に私も二度ほど、海洋研究開発機構自体は一度ですけれども、文部科学省を通じてお越しをいただいて、いろいろお話を聞かせていただきました。
幾つか潜水調査艇があって、「しんかい六五〇〇」またはディープトウ、その他、海洋研究開発機構、JAMSTECに所属をしている潜水調査船、また、ハイパードルフィン、「かいこう七〇〇〇2」というものも、幾つかあるということで御説明をいただきました。
一つ一つの機器をお聞きすると、確かに、深海調査というものの非常に技術的な難しさ。テレビや映画で想像していた、マンボウみたいな機械がぐっと行ってパシャパシャッと写真を撮れるものかなと私は最初思っていたんですけれども、ずっと、五千メートル、六千メートルと潜ると、有人ではこの六千五百というのが一番深くまで潜れるということでありましたけれども、小さな窓が三つしかなくて視界も非常に不安定だという説明を受けました。
しかしながら、「かいこう七〇〇〇2」やディープトウについては、海洋調査、その前の事前調査を行えば可能なのではないかというお話もいただきました。ただ、そのためには、きちんと十分な準備期間も必要だということでありました。
海洋研究開発機構の所管の文部省にお尋ねをしたいんですけれども、もし運輸安全委員会からお尋ねがあった場合に、潜水調査が可能かどうかということをお答えいただきたいと思います。
○田中政府参考人 寿和丸の調査についてでございますけれども、まず、技術的に可能であるかどうかという点でございますが、これは、当該海域における海底の状態、例えば平たんであるか、あるいは起伏が多いか、一般的に言いますと、起伏が多いと調査は困難であるということになります。あるいは、海流がどうか、早いか遅いか。そういった状況が、実際の調査に適切な状況であるかどうかといった条件を考慮する必要がございます。
したがいまして、現時点ではそういうデータも持ち合わせてございませんので、技術的に可能であるかどうかということについては何とも申し上げることができないということでございます。
○石川委員 現時点では、海流の調査等いろいろなことを考慮しないと技術的に可能かどうかわからないということですから、不可能ではないということですよね。
ナホトカ号の沈没部調査についてということで、海洋科学技術センターがこの調査結果というものを出しております。ナホトカ号の沈没部調査について、当時の調査結果を見てみますと、一月の頭に、一月二日に沈没をした後、一月十七日から二十四日に一週間調査準備をして、その後、一月二十三日から二月二十四日、大体一カ月間にわたって調査ができたということが、沈没部調査の結果ということで海洋科学技術センターから出されております。
今回のこの海域というのは、五千八百メートルぐらいあるのではないかということで、大変深い海域なので技術的には少し困難なのではないかということが再三言われていたわけでありますけれども、このナホトカ号のときには、調査海域は水深が大体二千五百メートルということでありました。この二千五百メートルというのも大変深い海域だったと思います。今回のはその倍以上の海域で、機器も、まだ五千八百メートルのところまで行って調査をするには十分なものがそろっているかどうかわからないということはよくわかるのであります。
再度お尋ねをいたします。
もし調査を行ってほしいと依頼が来た場合に、調べる。きのうお聞きをしましたら、それぞれ、ディープトウだとかそのほかの「しんかい六五〇〇」だとかには担当の母船というものがついていて、その母船の日程にもよるということでありました。海域を完全に短い海域の中で特定するのは困難だということでありましたけれども、ある程度当たりをつけるにはどれぐらい調査の日数というものはかかるんでしょうか。
○田中政府参考人 先ほど申し上げましたように、まだこの海域がどういう状況かということを詳細に承知しておりませんので、一般論として申し上げたいと思います。
一般的に、六千メーター級の深海にございますような、こういう沈船を調査するということになりますと、まず最初に、「かいれい」といった船舶に搭載されておりますマルチナロービーム音響測深機といったような機器を使いまして、事故現場海域の詳細な海底図を作成する、これに大体一日から二日かかります。
その上で、ディープトウ、これは六千メーター級の深海曳航ソナーシステムでございますが、あるいは「かいこう七〇〇〇」のランチャーなどの曳航体に搭載いたしましたソナーを用いまして、通常の海底地形とは異なる物体、いわゆる人工物があるかどうかといったような調査を行います。これは、週単位から月単位かかる。これはまさに、海底における船体の状況によるということでございます。
その上で、もし人工物などの存在する可能性が判明したという場合には、「かいこう七〇〇〇」などの無人探査機に搭載されましたテレビカメラを用いて撮影を行ってみるということになります。
ただ、申し上げましたように、六千メーター級の深海調査でございますので、さまざまな障害が考えられます。例えば、先ほど申し上げた曳航体のソナーといったものによる人工物等の調査につきましては、海底の地形が複雑である、例えば起伏が多いといった場合には、ソナーから発信された音波から人工物の検出はなかなか困難であるというようなこともございますし、また、曳航体を用いた調査につきましては、海底の起伏が激しい場合には曳航体が衝突する可能性もあるということで、なかなか困難な場合もあるということは御承知おきいただければと思っております。
以上でございます。
○石川委員 技術的に全く不可能だということであれば、これはもう多額の予算をつぎ込んでも仕方ないということになるのかもしれないですけれども、この第五十八寿和丸の沈没事故については、二点の観点から私はやはりやるべきではないかと思うのが、一つは、平成二十年、二千五百件海難事故がある中で、重大海難事故に指定されたのは、「あたご」とこの第五十八寿和丸の件。運輸安全委員会が発足をして、原因究明を行うべきだという中で、非常に重要な海難事故であったということ。そしてもう一つは、二千五百件海難事故がある中で、原因が全くわからない。特に、不明の三十三件の内訳を見ても、いろいろな諸説が分かれてわからないというのがもう一つの理由でございます。
そうした中、先ほどから運輸安全委員会に二回お尋ねをしておりますけれども、なぜ依頼もしないのか、打診もしないのかというのが、私にはわからないんですね。遺族の方々にとってみても、いや、これだけ科学が進んだ技術においても、五千八百メートルも下まで行って調べるというのは技術的には不可能だ、できないんだという説明をされるのであれば、まだわかります。
しかしながら、去年の七月二十三日に打診かという報道が出た、その後もしていない。九月二日に潜水調査という要望が地元の方から出ても、それもまだ打診もしていない。三月十一日には与党の議員の方から参議院で質問があったようでありますけれども、それでもまだ打診も正式な依頼もしていない。もう十カ月にわたるのに依頼も打診もしていないというのは、私には非常に不可解なんです。
再度お尋ねをしたいんですけれども、海洋研究開発機構では、全く不可能だとは言っていません。調査船の母船を出して、ソナーの探索、地質調査をした後であれば、潜っていって、それでも危険だという判断になれば、それは揚げてこざるを得ないでしょうけれども、まず依頼や打診をしないと海洋研究開発機構でも調べようがないわけです。
運輸安全委員会としては、この資料の三ページ、「報告書等」、二十五条の三、「委員会は、事故等調査を終える前においても、事故等が発生した日から一年以内に事故等調査を終えることが困難であると見込まれる等の事由により必要があると認めるときは、事故等調査の経過について、国土交通大臣に報告するとともに、公表するものとする。」となっております。
あと二カ月で事故発生から一年が経過をするわけでありますけれども、遺族の感情はあるけれども恐らく無理だろうという運輸安全委員会の判断で、海洋研究開発機構に依頼をしないまま、そのまま、報告書の作成もしくは大臣に途中経過の報告となるのかどうか、再度お尋ねをしたいと思います。
○柚木政府参考人 お答えいたします。
先ほど、JAMSTECに対して私どもが何もやっていないじゃないかという御指摘がございました。依頼ということで先生がおっしゃられましたので、私どもの方からは正式な依頼というのは当然まだしていないわけですけれども、私どもとしては、潜水調査というのが今どういう技術的なレベルにあって、どういうことができるのかというようなことでの知見を得るために、お話はいろいろと伺ってはおります。
ただ、依頼するということになりますと、私どもから、こういうことをやってくれということになってまいりますので、そこは一つ、一歩進むということになりますので、私どもの段階で今はどういうことができるのかということでお話を伺っているという状況にはございます。
それから、私どもの方で正式な依頼をなぜしないかということに関して、先ほどの若干繰り返しになりますけれども、大変深い海域だということで、先ほど文部科学省の方がおっしゃられたように、一〇〇%不可能かという、そこのところは確かにあろうかと思います。可能性がある、実際に船が見つかる、撮影ができるという可能性は皆無ではないと思います。ただ一方で、先ほどもちょっと申しましたように、五千八百メートルという深さというのは本当に非常な深さでございまして……(発言する者あり)はい。済みません。端的に申します。
そういった、実際に原因の究明に至るような材料が得られるかどうかという見通しについても一緒に考えながら考えていかなければいけないというふうに思っております。
以上でございます。
○石川委員 より原因究明を図るために運輸安全委員会が設置されたわけでありますけれども、時間も大分経過してきたので、最後に国土交通大臣にお尋ねします。
おおむね一年をめどにと。運輸安全委員会のホームページを拝見すると、調査中というのがずらっと並んでいるんですね。昨年の四月に起きた日光丸の事故も、これは一年経過をしているわけでありますけれども、まだ調査中ということで、大臣への報告はまだできていないということであります。いずれされるんでしょうけれども。
この第五十八寿和丸について、二十五条では一年以内にということを書いてありますので、この間に、ことしの六月二十三日までの間に、報告書はまだ作成できないということで、調査経過について報告、公表ということで大臣のところに来られたときに、潜水調査を行うよう要請をするつもりがあるのかどうか、大臣にお答えをいただきたいと思います。
○金子国務大臣 私のところにも、十四万人の方の署名とともに、船主あるいは御遺族の方々が調査の要請においでになられました。改めて、第五十八寿和丸転覆事故、亡くなられました十七名の方々の御冥福をお祈り申し上げます。
一方で、この運輸安全委員会、これは独立した調査機関であります。専門的な知見を有し、今、科学的、客観的な観点から調査をされておると聞いておりまして、どのような手法で調査を行うかという点も含めて、これは同委員会で判断をする問題であります。
いずれにしましても、私は、運輸安全委員会に対しまして、原因解明に向けた努力を引き続き要請していきたいと思っておりますし、専門的な見地から、できるだけ早く調査の報告が得られるように期待をしておるところであります。
○石川委員 いえ、私がお尋ねをしたのは一点だけ、経過が報告をされたときに、できるだけお願いしたいということでありましたけれども、潜水調査について依頼をするおつもりがあるかどうかという一点についてだけお尋ねをしたのであります。そのことについてお答えをいただきたいと思います。
○金子国務大臣 これはあくまでも、独立した調査機関であります運輸安全委員会がどういう判断をするかということでありますから、その判断を伺った上でまた私も反応いたしますけれども、しかし、第一義的には、もとより、専門的な同委員会の判断というのが、当然でありますけれども、尊重されるべきものだと思っております。
○石川委員 六月二十三日ですから、一周忌にあともう二カ月弱ということになります。御遺族の方々からすると、原因究明のための努力をやはりしてほしいということでありますので、その努力について、まず知見を有しているし、またそれなりにお話は聞いているということでありましたけれども、正式な依頼となると大変だということで、今事務局長の方からお話がありました。
ぜひ、運輸安全委員会の方については、原因究明に、ほとんどの方が、やはり潜水調査をする以外にないのではないかということの意見が多数を占めておりますので、どうか鋭意努力していただきたいとお願いを申し上げて、質問を終わりたいと思います。
ありがとうございました。
○菅原委員長代理 次に、小宮山泰子君。
○小宮山(泰)委員 民主党の小宮山泰子でございます。
都市再生特別措置法及び都市開発資金の貸付けに関する法律の一部を改正する法律案についての質問をさせていただきます。
まずもって、その前に、本当に新型インフルエンザにおいては、恐らく港湾、水際の、早く食いとめるということで多くの職員の方が頑張っていらっしゃるということに敬意を表し、また、そのためには国土交通省も最大限の努力をしていただきたいと思っております。
これは通告しておりませんけれども、ぜひ大臣の御決意と意気込みも聞かせていただければと思います。
〔菅原委員長代理退席、奥野委員長代理着席〕
○金子国務大臣 今、これについては、対策本部をつくりまして、政府全体として取り組ませていただいております。
幸いにして、現在までのところ、水際作戦、今成功はしておると思っておりまして、こういう対策について、国土交通省、また私、担当大臣としても、これが広がっていかないような対策というのを引き続き、さらに必要なことがあれば、さらに手段をとるようにしてまいりたいと思っております。
○小宮山(泰)委員 ぜひ、対策はもちろん大切だと思います。ちょっと先ほど速報が入っておりましたので、後ほどぜひ確認をしていただければと思います。
それでは、法案の審議の方に入らせていただきます。
本法案は、都市の再生を一層推進するため、地域住民、企業等が主体となったまちづくり事業、活動を推進するため、新たな無利子貸付制度や協定制度を創設するとともに、まちづくり交付金による支援の充実を図ることを目的としています。
その中で、今回の法案の中で一番わかりやすいのは、やはり歩行者ネットワーク協定について盛り込まれていることだと思います。本法案の第四章第四節及び第五章第五節の関係でもあります。
ペデストリアンデッキや地下通路、歩行者専用道路が整備されている場合に、歩行者の利便性及び安全性の向上のための経路の整備または管理に関する協定、つまり歩行者ネットワーク協定を締結することができるとありますが、これについて、基本的ではございますけれども、協定が締結される可能性のある地域の数、どのぐらいを国交省が把握されているのか、件数も含めて、ぜひ、まずお聞かせください。
○加藤政府参考人 お答え申し上げます。
お尋ねの歩行者ネットワーク協定についてでございますが、この締結が可能となる地域は、全国で、都市再生緊急整備地域、これは六十五地域が政令指定されております。その地域と、都市再生整備計画の区域、これは全国で七百四十八市町村、千二百七十六地区ございます。ここが対象の候補地になるわけでございます。
こういう対象候補地の中で、具体的にどのくらいの地区で協定が締結されるかというお尋ねであろうかと思います。
これは先生御案内のように、本協定自体は地権者が全員で合意をするということが要件とされておりますものですから、現段階では確定した数は申し上げられないところでございますが、私どものところには、現在、十程度の地区から、こういう協定制度ができるのであればぜひ活用してみたいということで、相談を受けているところでございます。
○小宮山(泰)委員 今までにはない形でもございますし、また、目的としては、地域の住民の方や利用される方には大変有効でもあるし、その適用というのは、ある意味、非常に使いやすい法律と言われるものなんだと思います。
そして、これが目的どおりに十分使用されるというのが本来とられていいかと思うんですが、一つだけ懸念となりますのは、歩行者ネットワーク協定締結後、区域内の土地所有者となった者にも効力があるということが本改正の目的の柱となっていると思いますけれども、ファンド等の所有となった場合への備えについて、目的に対して十分な内容となっているのか、この点が私の懸念でもあります。
例えば、土地の分筆をして関係者の数をふやすとか、簡易な手続で協定に参加できる協定区域隣接地として定められた土地を利用して、同様に関係者の数をふやすことができるのではないか、それによって、過半数を握った土地所有者等が意図的に協定を廃止することを画策するということが可能なのではないかという懸念がございます。
この点にどういった対策をとられるのか、また対応がとられるのか、その点をお聞かせください。
○加藤政府参考人 お答えを申し上げます。
この協定を当初結んで、意図的に協定を廃止しようという可能性についてのお尋ねであろうと思います。
先ほど申し上げましたように、そもそも、この協定自体は地権者の全員合意に基づいて成立するものです。そういう意味では、この協定は、地権者のいわば善意ですね、善意を前提としているものでございますので、もともと、みずから廃止しようということは想定しづらいということが言えようかと思います。
仮に意図的に廃止しようといたしましても、これは先ほど先生お話がございましたように、分筆等々が必要になってまいります。そういたしますと、土地の測量をしないといけないとか、あるいは登録免許税等の経済的な負担も生ずることになりますし、あわせて、お尋ねの協定区域隣接地制度についてでございますが、協定区域隣接地とするかどうかといったことについても、締結者全員の合意が必要ということになっておりますので、こうしたこと等々をあわせて考えると、御指摘のような事態が生じることは余り想定はいたしておりません。
しかし、いずれにいたしましても、一たん皆さんの善意で結ばれた協定が有効に継続して機能を発揮していただくということが、私どもとしても大変必要であり、重要なことだと考えておりますので、これについては、今後、まちづくり会社さんとか民間ディベロッパー、行政等の実務担当者の方々に本制度の目的と内容について十分周知をすることを通じまして、この協定の所期の目的が達成されるよう、努力を重ねてまいりたいというふうに考えております。
○小宮山(泰)委員 ぜひ努力を重ねていただきたいと思いますし、また、こういった、逆手にとってするようなことを阻止もしていただきたい。それは、市町村の地域に対しての思いであったり、そういった許可を出す権限を持った方々への周知徹底もしていかなければならないんだと思います。
まちづくりというのは、今まで、区域の用途の指定であったりとかいろいろなところから、今回の法律でいえば、都市再生ということで考えていくならば、新たな局面に今入ってきているんだと思います。
そこで、先週、ゴールデンウイーク中に、私の家の近くにおきまして、まちづくりセミナーというのがあって、かなりいろいろな意見も出ました。こういったまちづくり関係をやっていらっしゃる行政の方もいれば、そういった関係の教授の方、外国の方、地域住民の方など、多くの方が参加されておりまして、その中でよく出てきたのが、やはり都市再生とかいろいろな法案があって、いろいろな制度があるけれども、なかなかこれが見分けがつきづらい、区別がしづらいということも言われておりました。
法律としてもありますけれども、また、地域活性化統合本部ですか、ありますが、この中でも、都市再生、地域再生、地方再生、地域活性化、こんな言葉があちらこちらにありまして、実際には、例えば中心市街地活性化法もそうですけれども、稚内から石垣までと、非常に過疎のところも中心市街の人口集積したところもすべて入る。この点に関して見分けがつかないというのは、恐らく、多くの一般の方々がまちづくりに参加していくときには混乱をするのではないかという思いもしております。
この点はどのように区別されているのか、使い分けていらっしゃるのか、お聞かせください。
○工藤政府参考人 お答えを申し上げます。
まず、都市再生と地域再生でございますが、これは、それぞれ法律に規定された用語でございます。
都市再生につきましては、平成十四年の都市再生特別措置法の一条にございますように、「都市機能の高度化及び都市の居住環境の向上」を都市の再生というふうに規定をしておりまして、私どもも、その意味で使用しております。
また、地域再生につきましては、平成十七年の地域再生法の一条にございますように、「地域経済の活性化、地域における雇用機会の創出その他の地域の活力の再生」を地域再生というふうに規定しておるところでございます。
また、地域活性化につきましては、法律上規定されたものはございませんけれども、都市と地方とを含む我が国の各地域を元気にして活性化していくという点で都市再生や地域再生を包含する概念でございまして、当事務局の組織名称にも用いられているところでございます。
それから、地方再生という言葉でございますけれども、基本的には地域活性化と共通概念であるというふうに認識しておりますが、この地方再生という表現には、地方と都市の、特に大都市との格差拡大という状況を背景としました政策目的を明確化した上で、特に、我が国の地方部に大都市よりも重点を置くという意図で使う場合もあるというふうに御理解いただければと思っております。
政府といたしましては、平成十九年の十月に、地域活性化に関する都市再生、構造改革特区、地域再生及び中心市街地活性化の四本部を、会合を一つの地域活性化統合本部会合に統合いたしまして、地域活性化に一元的に取り組んでいるところでございまして、今後とも、地方と都市ともに支え合いながら、効果的な地域活性化の実が上がるよう取り組んでいきたいと思っております。
○小宮山(泰)委員 統合本部に今集約されていらっしゃるということ、活性化につなげるということ、この使い分けというのは法律上の違いであるということでありまして、実際には、その住んでいる住人や、そこで活性化をするという意味においては、ある意味、こちらの概念であったりとか、この辺をもう少し統合された方がいいのではないかという思いもしますが、ちなみに、地域活性化統合本部の開催状況をお聞かせいただけますか。
○工藤政府参考人 一昨年の十月にこの事務局ができ、四本部が統合されまして以降、平成十九年の十月九日の第一回を皮切りに、これまでに六回ほど開催をされております。
以上でございます。
○小宮山(泰)委員 当然熱心にされていらっしゃるというような、統合してやっていらっしゃるということでありますから、その会議は大体どのぐらいの所要時間を大抵は使って、全六回ですけれども、その点もお聞かせください。
○工藤政府参考人 本部会合自体は、朝の閣議の前後に、二十分から三十分ほどの時間帯で行っております。
○小宮山(泰)委員 いや、二十分から三十分というのはないですよね。それはちょっと後で訂正していただきたい。私がいただいた資料、大体、第一回、第二回は二十分の会合ですけれども、第三回、第五回は十五分間、第六回は各省持ち回りになっています、この四月にやったのは。三十分もやっていないんですよ。それでもってやっていらっしゃると言うのも、その前の段階で役所の中でやっていらっしゃるんでしょうけれども、この点はちょっと、誇大広告するようなことはやめていただきたいと思います。
この点に関しては、やはり地域の活性化をどんどんしていかなきゃいけないという意味で、この本部というものの役割というのは、ある意味旗振りかもしれないし、実効性があるかどうかもまだ検証もできていないとは思いますけれども、そういった意味では、誇大広告しちゃいけないんですよ。それはぜひちゃんと訂正もしていただきたいと思うんですけれども。
○工藤政府参考人 お答えを申し上げます。
本部会合でございますので、本部長は内閣総理大臣、以下、国土交通大臣、官房長官、全大臣の出席を仰がなければ開催できないわけでございまして、本部会合に上げる案件は多々ございますが、それぞれが、各省庁が事務的に詰め、また所管の大臣に上げた上で合意をとるという手続を踏んでおりますので、時間の長い短いにかかわらず、やることはやっているというふうに認識しております。
○小宮山(泰)委員 やることはやっているというあれですけれども、正直申し上げまして、結局、報告事項が大変多くて、実際、幾つかの質疑もされていらっしゃるようですけれども、段取りにない質疑というのは、議事録上一回ぐらいしか実際にはないということもあります。
ところで、この統合された四つの本部で、国土交通大臣御自身は、何の役職か、どれに入っていらっしゃるか、ぱっと思い出せますか。尋ねていらっしゃいますが。
○金子国務大臣 これは、総理が本部長、私は副本部長という立場であります。
○小宮山(泰)委員 四つの本部と言いましたけれども、全部、皆さん、大臣方、入っていらっしゃって、都市再生本部と中心市街地活性化本部の方は、今大臣おっしゃったとおり、入っていらっしゃいます。あとの二つはほかの方ですので、そういう意味では、非常に、こうやって、担当している大臣でもぱっと自分がどの本部、恐らくたくさんいろいろな役職がついていてわかりづらいんだとは思いますけれども、ぜひ、都市再生本部、また中心市街地活性化本部の長でもありますので、この点に関しては、やはり大臣もぱっと答えられるような、また、そういったところで発言されるような、そういった統合を本当の意味でやっていただきたいと思います。
それでは、まちづくり交付金を用いた事業の実施後の評価について伺っていきたいと思います。
まちづくり交付金は、三年から五年までの事業計画に対して交付されるということで、平成二十一年度の予算においても、事業費五千九百四億円、国費二千三百三十二億円が予算計上もされております。
やはり、こういった巨額の予算、きのうも予算委員会の方での質疑、母子加算とかそういったものが削られる中で、これだけ多くの額を計上し、使用できるようにしているということも考えると、一円でも、納める方にしてみれば、これだけの景気状況の中で、本当に苦しい中で、地域の活性化のために血税を使うということ、その重さの認識をしていただきたいと思いますし、また、その中において、では、どれが本当に有効だったのか、それとも、やはりこの点は見直してもいいんじゃないかという、その点もぜひ考えなければいけないところに来ているかと思います。
その点で、まちづくり交付金の実際の評価というものはどのようにされているのか、また、かさ上げされる要件を満たしているかどうかの判断、これは、今回、四〇%から上限四五%にかさ上げし、都市拠点の形成、中心市街地活性化、歴史まちづくり、環境・交通まちづくりというような観点からされるようでもありますが、この点、どのような評価を今後していくのか、その点についてお聞かせください。
○加藤政府参考人 お答え申し上げます。
まず、まちづくり交付金の評価についてでございますが、まちづくり交付金は、地域の自主性に基づいた都市再生への取り組みを推進するため、従来の補助金のような個別施設に関する事前の審査は詳細に行わない、そのかわりに、事後評価に重点を移した制度となっております。
具体的な事後評価の方法といたしましては、事業完了年度におきまして、市町村みずからがまちづくりの目標の達成状況等を評価いたしまして、この結果を踏まえた課題への対応策を検討することとなってございます。
これまでに事後評価を実施いたしました四百二十六地区の結果を申し上げたいと思います。
この四百二十六地区に事前に設定されました数値目標、これは指標でいいますと千五百八の数値目標が設定されておりましたが、そのうち約七割の目標が達成されているということでございまして、その意味からすれば順調に都市再生の成果を上げていると考えられますけれども、今後とも、適切な事後評価の実施及び評価結果を取りまとめた上で、優良事例の紹介等を通じまして、より効果的なまちづくりが推進されるように努めてまいりたいというふうに考えております。
また、あわせて、まちづくり交付金の交付率の上限が四〇から四五にかさ上げされる場合の考え方はどうかというお尋ねだったと思いますが、この五%引き上げにつきましては、国が特に施策として推進する必要がある、都市再生緊急整備地域ですとか中心市街地活性化基本計画の認定を受けた地区などにおきまして作成されました都市再生整備計画のうち、事業内容が施策目標の達成に資するもの、こういうものにつきまして交付率の上限を引き上げることとしております。
当然のことながら、この引き上げが適用される地区につきましても、同じように数値目標等を掲げまして事後評価が適正に行われることになるわけでございまして、その事後評価を受けた形でそれぞれの地域に対応した課題への対応策を検討していただくということで変わりはございません。
○小宮山(泰)委員 提出された計画に基づいての評価ということになりますので、この点に関してはまたいろいろな研究も必要なのではないかという思いをしております。
特に、私は県会議員をさせていただいた経験からも、ひもつきとかお伺いを立てなかったら予算がとれない状況というのは、ある意味、自主性とかそういったもの、可能性というのは、こうやって案分をしたりとかこういった予算要求をしたらやはりとれるんだというようなことは、行政内部、地方行政の中からは、よく作文だというやゆをする方もいらっしゃいます。そうではなくて、本当に地域再生に生かす予算というもの、それは、できることなら一括交付金という形で、その中で、その地域で考える、そういった地方分権、地域主権というものを確立しなければならないんだということを指摘させていただきます。
それでは、ちょっと時間がなくなってまいりましたので飛ばしながら質問させていただきますが、地域指定の有効活用ということについて質問させていただきます。
自治体によっては、市内に強弱というのでしょうか、地域に勢いがあるところとそうでないところや、比較的集約された特色のある地域が複数ある場合もありますし、また、平成の合併だけでなく、昭和二十九年ごろの合併に起因するものや鉄道駅の配置に起因するものなど、市町村はかなりいろいろな特徴を持っております。
また、もともとは村、集落から合併をして市になっているということを考えても、地域の中、国土交通省でありますし、観光庁も発足いたしましたので、これから地域の活性化といったことを考えると、中心の市街地だけではなく、その指定をされたところ以外のエリアというものにおいても、一年じゅうにぎわっているわけではないけれども、その土地ならではの祭りであったり、そういった意味では、活性化をしたいという市は本当にまだたくさんあるんだと思います。
その点に関して、複数指定したということ、複数の都市再生計画をつくるのに、より一層有効かつ公平公正に制度を生かせることというのも望ましいかと思います。多少、この場合は両方やらなければいけない、先ほどもちょっと地域活性化統合事務局次長さんの方からありましたけれども、何となく中心市街地活性化よりも地域再生の方が広いのかな、どうも逆のような気もするところもございます。
その点に関しまして、自治体の複数の地域について都市再生計画を定めて特色あるまちづくりを進めようとする場合の、これから基本法案を定めようとする自治体について、支障なく、複数も含めて認定されるような、そういったことをお考えなのか、お聞かせください。
○加藤政府参考人 都市再生整備計画につきましては、まちづくりに関連します各種事業の実施によって高い効果が見込まれる区域を設定するということになってございまして、今、委員御指摘がございましたが、中心市街地活性化基本計画の認定を受けた地区以外の地域も含めまして、市町村の判断により複数の区域において計画を策定することが可能となってございます。
実際、これまでに、全国で八百七十一の市町村、延べ千七百三の都市再生整備計画が策定されておりますが、このうち約三百四十市町村においては、複数の区域での計画が策定されているところでございます。
今後とも、市町村が、多様なまちづくりの課題に対応いたしまして、より広くまちづくりに取り組めるよう、国土交通省としても、きめの細かい支援とか助言を行うとともに、優良な取り組み事例の紹介なども通じまして、いろいろな面で情報提供に努めてまいりたいというふうに考えております。
○小宮山(泰)委員 ぜひ情報提供、また、それに対しての、ある意味、大きく地域が提案してきたこと、それは、同じ県内、同じ市の中でもいろいろな可能性を秘めているんだと思います。
今、世界じゅうに有名な祭りと言っているところも、実を言うと、ふだんは相当過疎に近いような地域に、世界じゅうから多くの方が詰めかけてその祭りを一緒に楽しむ、これも一つの活性化でもございますので、ぜひ、この点は引き続きしていただきたいと思います。
なぜこれがいいかといえば、今まで都市再生とか都市再開発の巨大プロジェクトというものがありまして、計画が認定されたら民間都市開発推進機構からの資金の一部の無利子貸し付け等、金融支援及び税制特例を受けることができる。こういったことにおいては、東京ミッドタウンであったり、東京八重洲口だったり、赤坂五丁目であったりとかいろいろなところが、巨大プロジェクトが東京や首都圏では動いています。どちらかというと、こういったことに都市再生というものは重点が置かれているのではないかと思わないでもないし、それだけが都市の再生や地域の再生ではないという思いも強くしております。
本来であるなら、この点では、この計画は失敗したな、認定したけれども失敗したなということがあれば、ぜひ国交省からも聞きたいんですが、今までそういった意味では、失敗したということはなかなか認めてはいただけませんので、大臣に伺いたいのですが、このような大規模な都市再生、再開発の国土交通省の評価、この点に関してどのようにとらえていらっしゃるのか、ぜひお聞かせください。
○金子国務大臣 これまで行われてきたものについて、成功、うまく再開発された、あるいは都市再生に相当資してきているという事例、そのほかに、いまだに主たるテナントが決まらない、いろいろな経済状況、あるいは土地所有者との間でなかなか意見が合わないといったようなことで事業がまだ長引いているといったような、これはさまざまな意見としては伺っております。
それから、御質問、まだこれからあるのかもしれませんが、立ったついでで恐縮でありますけれども、決して大都市の大規模な開発だけではなくて、今局長が答弁しましたように、全国で六百何カ所と言ったかな、中小の地域でもこの都市再生の事業というのは行われておりまして、それなりに成功している事例というものも、私も随分伺っております。
そういう意味で、大都市ビッグプロジェクトだけでなくて、全国の、地方を含めて活用できるように、活用させてもらっていますけれども、さらにそれを広げてまいりたいと思っております。
○小宮山(泰)委員 ぜひその点は、これからの地域づくりやまた活性化というのには、今大臣がおっしゃったこと、これを本当に徹底してやっていただかなければならないと思います。
都市再生緊急整備地域においての民間投資と経済効果について、平成十八年三月時点の推計では、政府の都市再生本部の方からは、民間投資見込み約十二兆円、経済効果は二十三兆円といいますけれども、これの陰で、でき上がった新しいオフィスの方に顧客をとられ、空き店舗や空きビル、また空きオフィスというものがふえた、ある意味、光と影というものも出てきているのも現実でもあります。
また、今後、ちょっとまちづくりのことも伺いたかったんですけれども、都市再生するために、失敗したときもそれは潔く認めていただいて、さらには、そこの失敗したことのデータというものをきちんととること、そして、地域においての、町においての、恐らく人口の、それと、お金のかかることでもあります。この点に関しても、NPOの整備も、市民が本当に使いやすいまちづくりをやりたいといった方々の意見を集約するため、その基礎データというものも地域ではまだまだそろえられていないということも考えると、大臣のやるべきことはたくさんあるかと思います。
ぜひ、まちづくりに関してや、またそういった基本的なデータについての今後の対応についてお聞かせいただいて、質問を終わらせていただきたいと思います。
○金子国務大臣 おっしゃることは当然だと思います。もっともだと思います。それから、中小がいろいろ受けるではないかという影響、確かにそれが出てくることもあります。これに対しましては、中小のビルにつきましても、ある意味リニューアルする、あるいはコンバージョンというか、用途転換をするといったようなこと、こういう中小に対しても民都機構の金融支援措置は設けております。
それから、最後におっしゃられた計画を支える人ということについても、エリアマネジメントの支援事業というのがありまして、委員が冒頭にまちづくりに参加している人がいるんだというお話がありましたけれども、そういう人たちを支援する事業というのもありますので、ぜひ活用をしていただければと思います。おっしゃるような必要なデータ、成功例等々はきちっと整理して、経験を生かしていきたいと思っております。
○小宮山(泰)委員 ありがとうございました。よろしくお願いいたします。
○奥野委員長代理 次に、後藤斎君。
○後藤(斎)委員 民主党の後藤でございます。
都市再生の問題に入る前に、大臣、一点、ちょっと確認をしておきたい点がございます。
さきの委員会から少し時間がたちまして、その間にいろいろなことがございました。特に、先ほど小宮山委員の冒頭の質問にも大臣お答えいただいたように、今、新型インフルエンザということで、国交省だけでなく政府全体が、これをどこで、水際でどう防ぎとめるかということで御努力をされていることは評価をする中で、四月の二十日ぐらいに、さいたま住宅検査センターという、理事長さんが年収四千四百万とっているという報道がされ、直後に埼玉県知事が減額指導をするというふうな報道もございました。
大臣もまだ一年たっていませんが、今、海賊対策も、インフルエンザも、国土交通部門も、たくさんの役職を兼任しながらやっている大臣の推定年収が三千七百万円というふうに言われておりますので、それよりもはるかに多く、知事さんの倍という……(発言する者あり)ホームページにありました。
その中で、この住宅検査センターのいろいろな業務を見させていただくと、当然ですが、国土交通省関係の、特に住宅局関係の指導、チェックという部分が多いものであります。
大臣、率直に言って、この理事長の四千四百万というのはどういうふうに評価をされますか。適切だというふうにお思いでしょうか。それとも、やはりおかしいなとお思いですか。
○金子国務大臣 適切とは思わないです。高過ぎますね。私の年収が低過ぎるというのではなくて、この年収が高過ぎる。
○後藤(斎)委員 そういう中で、国交省の皆さんと以前この問題についてお話をさせていただいたときには、これは県の指導の財団法人なので直接指導できないというお話なんですが、今、各省庁と連携をしながら、以前も公共事業の前倒し発注であるとか、総務省と連携をしながらできるだけ前向きに対応していただきたいという趣旨の指導もしていただいておりますが、この住宅検査の業務というのが、確かに二年前から業務量が多くなって、ある意味では収入がふえるという構造になっております。
その点について、国交省としても、大臣がお答えいただいたように、給与実態も含めてそれが適正であるかどうかというのを、直接指導監督する立場になくても、それに関与する業務を対応しているということで、ぜひ、私は、全国の住宅検査センターと同様の公益法人の実態調査をしていただきたいと思いますが、その点についていかがでしょうか。
○和泉政府参考人 今大臣から御答弁しましたとおり、不適切な給与水準でございます。
申し上げたとおり、この公益法人は都道府県知事が主務官庁でございますので、一義的には都道府県知事が適切に指導監督すべきとも考えておりますが、今委員御指摘のように、これは単なる財団法人ではなくて、私どもの関係する建築基準法の確認検査業務をやっておりますので、都道府県に対しまして、こういった建築確認検査等を行う法人について調査をして、不適切な点があればきちんと主務官庁として指導してほしいという要請をしたいと思っております。
○後藤(斎)委員 今局長がお答えいただいたように、大臣、総務大臣にもぜひその趣旨をきちっとお伝えいただいて、一生懸命やっている公務員や関係団体の方もたくさんいらっしゃるのは私もよくわかります、そういう方も含めてやっぱりおかしいよなというふうに思われないようにしていかなければいけないということで、大臣からもぜひ総務大臣にその旨のお話をしていただくようにお願いを申し上げたいと思います。
それでは、今回の都市再生特別措置法の関係でお尋ねをします。
私、これを拝見させていただいたときに、歩行協定とか、いろいろなもの、少しでありますが、前向きに進んでいることは評価をしますが、実際、大臣、この法体系は、どう考えても制度の形が余り納得できないんですね。というのは、この都市再生特別措置法の目的にありますように、「情報化、国際化、少子高齢化等の社会経済情勢の変化に我が国の都市が十分対応できたものとなっていないことにかんがみ、これらの情勢の変化に対応した都市機能の高度化及び都市の居住環境の向上を図るため、」云々というのが、この都市再生特別措置法の主目的であります。
これが、都市計画法であるとか、都市再開発法であるとか、この特措法であるとか、いろいろな都市にかかわる法体系が実はたくさんございます。その中で、では、都市とは何なのかという基本というものが、いずれの法体系でもなかなか整理をされていないような感じが私はします。
都市の対語というのは、調べてみると、都市の定義自体がなかなか国際的に統一されたものがないというふうにも言われています。都市の対語は田舎というのが一般的であります。都市の機能という中には、都市共通の機能というのが、例えば下水道があるとか、道路があるとか、政治行政機能があるとか、商業機能があるとか、そういうふうな都市機能というのはあるんですが、都市というものが何かというのは具体的に明示されないんです。
ですから、私は、特措法もあるし、都市計画法もあるし、都市再開発法もあるんですが、それぞれ全体のパッケージとして考えていかなければいけないということで、二年前ですか、二〇〇六年だから二年半前か、いわゆるまちづくり三法というのを、都市計画法を改正して、当時、都市計画法ではその前の一万平米以上の商業地の立地もいいよというものを、郊外については規制をするというふうな法律改正をしました。
その後、当然、この半年間の消費が減退をしたり、景気が悪いということで立地が進んでいないということもあるんですが、その辺の一つ一つの改正の評価をしながら、今回の都市再生特別措置法のあり方がいいのかという流れをやはりつくっていかなければいけないということでお尋ねをしたいと思うんです。
先ほどお話をしたように、まちづくり三法が二年半前にできた以降の、例えば土地区画整理であるとか、都市計画法に基づく諸事業の申請や認可の件数がどのようになったか、ちょっとまず教えていただけますか。
〔奥野委員長代理退席、委員長着席〕
○加藤政府参考人 お答え申し上げます。
区画整理事業のお話でございましたので、区画整理事業を例にとって申し上げますと、土地区画整理事業で新たに事業計画決定された件数は、平成十年度が百六十件でございました。十九年度は七十件ということで、減少傾向にございます。
今日におきましても、防災性の確保などの観点からすれば市街地の整備水準が依然として立ちおくれておりまして、整備が必要な既成市街地等は広範に存在いたしますが、郊外部等における宅地需要の減退とか地価の下落傾向、地方公共団体の厳しい財政状況等により、事業計画決定された件数は減少しているものと考えております。
そこで、先生のお尋ねの、平成十八年のまちづくり三法の関係で、その前後で例えば区画整理事業はどうなったのかというお尋ねかと思いますが、今申し上げましたように、平成十年と十九年度の数字を申し上げましたが、実はこれは十年度からずっと、いわばでこぼこはございますが、だんだん減ってきているという傾向にございまして、平成十八年のまちづくり三法の改正があって劇的に例えば下がった、減少傾向になったということではなかろうと。全体的な傾向として、区画整理事業自体、郊外型の土地区画整理事業が減ってきているということが言えるのではないかと考えております。
○後藤(斎)委員 今局長がお答えいただいたように、この半年間が特にだと思いますけれども、多分、その需要が減ってきている。ただ、これは、いわゆる土地区画整理事業であるとか都市計画、都市再生整備計画とか、つくるのに時間が結構かかるじゃないですか。例えば、住宅地と商業地がありますよ、それを都市計画法や農地の除外とかをしたときに外しましたと。でも、その後の経済状況で、例えば商業地が来ませんでしたよ、出店がおくれますよと。その土地区画整理事業にも大きな影響を与えますよね。でも、まちづくり交付金は、その道路整備や公園整備で、一方でもう出している。
例えば、ちょうど私の地元の事務所のすぐそばに、大きな土地区画整理事業を今やっていまして、商業店の立地が少なくとも一年おくれるということがこの春決定され、地元の方から見れば、地代収入であるとか、いろいろな計画が進まなくて困るというふうな思いと相反しながら対応をしていますけれども、やはり、その中で、局長、そういう問題がこれからある中で、では、市町村ないしその土地区画整理事業の組合にお金を返せと言うことは別にできないわけですよね。
ですから、だんだん減少傾向であるというのと、区画整理事業や整備計画に時間を要するというこのギャップをどうするかということを考えないといけないと思いますし、大臣、そういう意味で、先ほどもお話ししたように、いろいろな法体系があって、仕組みはそれぞれ目的が違うんですが、都市や地域の活性化、活力を生み出すということでは、やはりある程度統合された法体系や仕組みというものが必要であります。
それには、やはり、計画から実際の事業がスタートしてというところまでできるだけ短く対応ができるよう、わかりやすい土地利用制度というものをつくっていかないと、このまちづくり交付金も多分市町村から見れば、一部条件つきであっても、四〇から四五%に交付率を上げてもらっても、それは上げてもらえば自分の負担が少なくなるわけですからオーケーと思うでしょうけれども、でも、市町村から見れば、いや、もっと出してくれというのは、当然要望としてあるはずなんです。
ですから、そのギャップと時間と、それをやはり統合した法体系の中で整備をしていくべきだと私は思うんですが、大臣、ぜひそんな方向性で私はこれから検討をしていただきたいというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
○加藤政府参考人 お答え申し上げます。
先生のお尋ねのように、土地区画整理事業等、長期間にわたるものがございます。それと、もともと予定していた土地利用とが結果としてギャップが生まれるというのは、私どもとしても非常に悩ましくて、区画整理事業自体の成否にもかかわるということでございますので、それについてはいろいろなデータ等々を勘案して、見通しを立ててやっているつもりでございますが、今御指摘のようなことにならないよう、最大限いろいろ工夫をしていきたいと思っています。
また、多分、土地利用転換という面では、特に先ほど農振のお話を御指摘いただきましたが、農振の解除をいたしまして、農用地を解除いたしまして、土地利用転換をして建築物の用途に供するといったときにも、経済情勢の変化があって予定していた建築物が建たないといった場合に、それではこれをどうしていくのかという問題については、私ども、非常に問題意識を持っておりまして、その点については、農水省さんともよく連携をとりながら、適切な対応をとれないかということについては勉強してみたいと思っております。
○後藤(斎)委員 時間が来たので、もっと話をしたいんですが、また来週以降にさせていただきたいと思います。
ありがとうございました。
○望月委員長 次に、川内博史君。
○川内委員 川内でございます。
まず、都市再生という言葉が一緒なので聞かせていただきますが、独立行政法人都市再生機構に国土交通省出身の再就職者が役員、職員それぞれ何人おられるか、また、都市再生機構への国の財政支出は二十一年度本予算及び今回の補正予算案でそれぞれ幾らか、教えていただきたいと思います。
○和泉政府参考人 お答え申し上げます。
国土交通省から都市再生機構の役員への再就職者の人数は、昨年、平成二十年四月一日時点におきまして七名でございました。現時点では、今、五名でございます。
次に、都市再生機構に対する予算でございますが、平成二十一年度当初予算額は千百四十一億円、現在御審議を賜っております平成二十一年度の補正予算案におきましては千三十七億円を予定してございます。
○川内委員 役員はお答えいただいた。職員は。
○和泉政府参考人 職員は、二十年四月一日現在で一名でございます。
○川内委員 昨日いろいろお話を承ると、この都市再生機構の関連法人、財団法人とか株式会社などいろいろな形があるわけですけれども、関連法人というと二十八法人が特定をされているそうでございます。
この都市再生機構の関連二十八法人について、国土交通省出身の再就職者の役職員のそれぞれの人数、あるいは都市再生機構から二十八法人への再就職者の役職員の人数はそれぞれ何人ですかということをお尋ねしておりますが、結果は出ておりますでしょうか。
○和泉政府参考人 済みません。まず、先ほど、職員は二十年四月一日現在一名と申し上げましたのは、現在ゼロでございます。
次に、今お尋ねの関連法人でございますが、委員御指摘の二十八法人、これは株式会社でございまして、加えて、一定の関係が深いという意味で十財団法人がございます。合計三十八法人でございますが、その三十八法人全体で役職員数が五千七百六十三名おりますが、そのうち国土交通省からの再就職者数は八名でございます。加えて、都市再生機構から今御説明した三十八法人に就職している再就職者数は三百八十七名。したがって、この三百八十七名というのは先ほど御説明した五千七百六十三名の七%程度、こうなっております。
○川内委員 もう一つ、平成十九年度で、都市再生機構から、財団法人と株式会社と合わせて三十八法人への発注契約で、随意契約によるものの件数、金額、その割合を教えていただきたいと思います。
○河崎参考人 十九年度における関係法人への随意契約でございますが、十九年度末の整理合理化計画前の段階の数字でございます。したがって、千七件で六百十八億円ということになっております。
それで、今後の見直しの方針でございますが、平成十九年十二月に、御承知のとおり、独立行政法人整理合理化計画が策定をされまして、その中で、基本的には、原則すべて競争性のある契約方式へ移行を図るということになりまして、二十年度から順次これを競争性のある契約方式に移行を図っているところでございます。最終的には、私ども、事務所賃貸だとか、そういった細かいものだけといいますか、六億円まで随契を減らしていこうというふうな考え方でおるところでございます。
○川内委員 ちょっと待ってください。平成十九年度末で千七件で六百十八億円が随意契約で、その割合というのはどうなっているんですか。これは三十八法人に対する契約ですよね。
○河崎参考人 全契約が三千四百三十三億円、これは民間も含めて全体でございますが、そのうち三十八法人に対しての随意契約が六百十八億円でございますので、これは、三千四百三十三億というのは入札方式も全部入ったものでございますが、全契約の中の一八%ということになってございます。
○川内委員 その三十八法人との契約金額というのは全部で幾らなんですか。
○河崎参考人 実は、平成十六年の七月に都市再生機構になる際に、私どもの本体の方と関連会社との関係の再整理をやりました。そのときに、実は、民間、例えば不動産業だとかあるいは製造業もそうですけれども、末端の現場業務をアウトソーシングするという形でグループ経営を志向しようということで、私どもも、株式会社で五十八社あったわけでございますが、それを半減しようということで、今二十八社になっております。それに公益法人を入れて三十八ということになっておるわけでございます。
そういう形で、一方では、関連会社は競争入札には参加をしない。要するに、末端の現場業務を、つまり、我々機構自身がやるようなものをアウトソーシングして現場業務としてやるということでありますので、関連会社に対する契約というのは随契がほとんどということに現在なっているということでございます。
○川内委員 だから、その三十八法人への契約はすべてが、平成十九年度末でいうと随意契約である、三十八法人との契約はすべてが随意契約であるということでいいですね。
○河崎参考人 大変細かい数字で恐縮でございますが、六百二十億ありまして、そのうち六百十八億は随契ということになっております。
○川内委員 わかっているんだったら、最初からそう言ってくれればいいのに。六百二十億の契約のうち六百十八億が随意契約であると、三十八法人については。これからそれがどういうふうに変わっていくか、ちょっと見せていただこうというふうに思います。
それでは、次の話題に移ります。
高速道路のETCシステム、これはもう連休中大変な評判だったわけでございますけれども、そこで、財団法人道路システム高度化推進機構についてお伺いをさせていただきます。
現在までのETC車載器の数、ETCカードのかぎの発行枚数、セットアップ台数、それから路側機のかぎ発行枚数というのか、かぎ発行数というのか、それぞれこの四つの数字を教えていただきたいと思います。
○金井政府参考人 二十年度末までの概数でございますが、車載器が約二千八百万件、かぎの発行という意味で申し上げておりますが、車載器に対して約二千八百万件、ETCカードについて約六千万件、それから路側機について約六千件。以上が、かぎの情報の累積の発行件数でございます。
なお、ETC車載器のセットアップということで申し上げますと、大体今まで累積二千九百万件。
以上でございます。
○川内委員 カードのかぎ発行枚数は六千万件ですか。すごいですね。
この道路システム高度化推進機構がかぎなるものを発行しないと、ETCというものは機能しないわけでございますけれども、では、車載器一台ごと、ETCカード一枚ごと、あるいはセットアップごと、そしてまた路側機の設置ごとにこの財団法人道路システム高度化推進機構に幾らずつ収入があるのかということを、それぞれ教えていただきたいと思います。
○金井政府参考人 最初にかぎの発行でございますが、車載器一台について車載器メーカーから九十四・五円、ETCカードにつきましても同じくETCカード一枚についてカード会社から九十四・五円、それから有料道路管理者が持っております路側機、これ一機について約三十万円、これを、かぎといいますか、いわゆる暗号を解くかぎを発行する手数料ということで、かぎ発行に関して手数料を徴収しているということでございます。
それから、もう一件お尋ねの、いわゆる車載器のセットアップの手数料については、従来は五百二十五円いただいておりますけれども、現在はオンラインのセットアップについては利用者の方からは手数料をいただいていないということでございます。
○川内委員 いろいろなことはあるんでしょうけれども、車載器一台ごとに九十四・五円、ETCカード一枚ごとに九十四・五円、それから路側機は三十万、セットアップについては、今は利用者からはもらっていない、しかし、原則としては五百二十五円だと。要するに、ORSEに入るお金として。
では、この四つを合計した今までの、道路システム高度化推進機構がETCシステムのかぎなるものをそれぞれ発行することによって、あるいはセットアップすることによって得た総収入が幾らになるのかということを教えていただきたいと思います。
○金井政府参考人 かぎの発行につきましては、内訳で申し上げますと、済みません、二十年度決算をまだ終えていないということで概数でございますが、車載器につきましては今まで累計で約二十六億円、ETCカードについて約五十二億円、それから路側機について約二十四億円。これをすべて集計いたしますと、かぎの発行に係る収入の累計、平成二十年度末、概数でございますが、約百一億円程度かなと考えております。
それから、ETC車載器のセットアップでございますが、約七十二億円程度、このうち利用者からいただいたものは大体二十八億円程度かなというふうに考えておりまして、以上、総計いたしますと、大体百七十億円を超える程度の収入が今まであったかなということでございます。
○川内委員 これはあれですか、ETCシステム導入以来で百七十億。私は、総収入と聞いたんですけれども。
○金井政府参考人 ETC導入以来、さっき申し上げましたとおり、平成二十年度末までの累計ということで申し上げました。
○川内委員 ETCシステムができてから、累計で百七十億円をこの財団法人道路システム高度化推進機構が収入として、売り上げとして得たということでございますが、この百七十億円余りが妥当な数字であるか否か、また本委員会で引き続き議論をさせていただきます。
次に、直轄事業の負担金について金子大臣に伺います。
先日の質問以来、私もたびたび国土交通省の各局の担当者の方に来ていただいて説明を受けました。結果として、今まで国土交通省の説明としては、各事業ごとの直轄事業の地方負担金の明細はこれまで示してこなかったという御説明だったんですが、各事業ごとの直轄事業負担金の地方負担分の明細というものはそもそも存在しないということではないかということが明らかになったと私は思うんですけれども、大臣にこのことを確認していただきたいというふうに思います。
○増田政府参考人 事務的にまずお答えさせていただきますが、直轄事業負担金の内訳、明細ということは、これまで、二十年度までということですが、箇所ごとの工事費の金額ですとかそれぞれの事業内容ですとか、あるいは事業種別ごとの人件費の額ですとか事務費の額ですとか、それからそれぞれの内訳の構成比率、これはお示ししてきましたが、問題になっておりました営繕費につきましては、種々おしかりをいただいたわけですが、これまで明示的に公共団体にお示しはしてきませんでした。
しかしながら、実務的には、営繕費につきましても、毎年度の所要額を個別施設ごとに積算して、これに基づきまして、各箇所の事業費として支出する際の明細金額というのは決まっておりますので、これを今知事会等と二十年度の明細についてお示しするということで調整しておりますが、五月末までにお示しするということで準備をさせていただいているところでございます。
○金子国務大臣 直轄負担金のうち、通常の事業にかかわるものについては、今お答えさせてもらいましたように、箇所ごと、それから事業種別ごと、これは示しておった。
営繕費について、事務所費でありますけれども、これは、査定の段階ではもちろん、それぞれ、人ごとの退職金まできちんと明細金額を定めてきたんだけれども、請求するときには全部丸めて請求していましたから、だから、受け取る側は、請求を受ける側は、一体これはだれの人件費で、退職金が何ぼかというのは全くわからないということがあったということで、この営繕費問題は香川河川事務所に端を発したわけでありますが、全国同じような形態になっている。これはもう全部改めようということで、営繕費の問題と普通の事業の部分とはちょっと取り扱いが違っている、相手方に対する説明というのは違っているんだと思います。
ただ、いずれにしましても、知事会で御議論をさせていただきまして、より地方自治体にわかりやすい、あるいは地方自治体で御理解をいただくような詳細なものというのを出していこうということで、また、五月末までに二十年度分の経費を出すとか、四月末には既に公共団体に御連絡した。ただ、まだそれでももう少し明細がわからないという御意見もあるようですから、それについては、さらに追加して御理解いただけるようなものをきちんと出させるようにしたいと思っております。
○川内委員 時間が来たんですけれども、営繕費については明細はないんでしょう。ないんでしょう。だって、私はずっと出してくださいと言っても、今まで全然出してこなかったですよ。だから、営繕費については明細はないんですよ。そのことをまずはっきりしてくださいよ。
○増田政府参考人 明示的に、それぞれの都道府県、政令市にはお示ししていませんが、実務的に、営繕費が幾らという明細は、私どもの方で実務的にはございますということでございます。
○川内委員 実務的にはあるが、明示的には示していないというのはどういうことなんですか。だから、もう二カ月も三カ月も明細を下さい、下さいと言っているのに、いや、今つくっています、今つくっていますと、いまだに私の手元に来ませんよ。それはないからでしょう。
まずそのことを、明細はないということを認めるところから議論を始めないと、議論にならないじゃないですか。営繕費については明細はないんですよ。ないから出せないんでしょう、いまだに。そのことをまず認めなさいよ。
○増田政府参考人 二十年度の営繕費につきましては、当然、それぞれの庁舎の執行をしておりますので、それぞれの庁舎の予算額というのは決まっておりますので、それを負担していただいているわけですから、その負担額の中で営繕費分は幾らというのは、当然、香川河川国道事務所についても、知事さんには、もともとはお示しはしていませんでしたが、お問い合わせがあって、その直轄負担金のうち、香川河川国道事務所について幾ら御負担いただいているかはお示しをさせていただいているわけですから、それぞれの明細はございます。
○望月委員長 川内先生、そろそろ時間ですから。
○川内委員 それは請求をしているという話であって、明細があるという話とは違うじゃないですか。だから、そういうことを言うからこんなに議論がおかしくなるんですよ、官房長。おかしいじゃないですか。きのうのレクのときは、明細はありませんと担当者はみんな言いましたよ。何でここに来てそんな明細はあるあると言い張るんですか。ないから出せないんじゃないか。明細はないということをまず認めてくださいよ。そうじゃないと、質疑を終われないですよ。明細はないと、きのうレクの段階で、いや、結局ないんですと、担当者の方々がないんですと認めたんですから。明細ですよ、明細。
○増田政府参考人 お答え申し上げますが、明細、内訳がなければ御負担ができないわけですから、それぞれの負担金の中で、それぞれの都道府県、それぞれの政令市が、例えば二十年度に御負担いただいた負担金の中で営繕費が幾らかという明細はございますということを申し上げているわけであります。
○川内委員 いや、私が言っているのは……
○望月委員長 では、川内先生、もう時間が大分来ていますから、そこだけちょっとあれして。
○川内委員 もう時間が来ているんですけれども、だって、きのう事前に打ち合わせしたことと全然違うことをきょうもおっしゃるから、それはあんまりですよ。(発言する者あり)いや、関係なくはないよ。とても大事なことですよ。お互いの信頼の問題ですからね。
私が申し上げているのは、各県の国道事務所なりあるいは地方整備局管内で道路事業をしますよね、その道路事業の、その年の費用の中のどこに幾ら営繕費が含まれているのか、その明細を示してくださいと言っているんでしょう。そういうふうに、そういう明細があります、ありますとずっと説明してきたんですよ。官房長の説明は、そういうものはあるでしょう、官房長の説明する明細はあるでしょう。しかし、今までの国土交通省の説明と今までの官房長の説明は違うんですよ。ちょっと、話が複雑で、多分だれもわからないと思うが。(発言する者あり)
それぞれの道路事業に付随して国土交通省の出先機関の人たちが動くから、道路の管理をするにも人が動くから、だから庁舎の建てかえ費用にも直轄事業の地方負担金をもらうんです、それぞれの事業についてと、官房長はずっと前、御答弁されたんですね。それぞれの事業についての内訳があるんですというふうに御答弁されたんですよ。
だから、私は、それぞれの事業について、例えば国道何号線の平成二十年度事業費の中のこの項目に、ちゃんと予算の中に、ちゃんと、ほら、ここに建てかえ費用が入っているじゃないですかということがあるんですねと言ったら、ありますとおっしゃるから、それを下さいと言っていたんですよ。それを明細と言っているんです。
○望月委員長 川内委員、申し合わせの時間を大分過ぎましたので、とりあえずこれは一回理事会の方でちょっと説明を、ちょっと行き違いがあるようですから、そこのところの説明をまた官房長からしていただくということで、ここはもう大分時間が過ぎましたので、きょうはちょっと短い時間ですから、大変申しわけないんですけれども、これで御協力のほど、はい、最後にどうぞ。
○川内委員 では、終わりますけれども、明細は、私は、今まで下さい、下さいと言っても出てこないわけですから、それはない。ないんですねときのう聞いたら、それはないですと担当者の方はお答えになられたので、きのう私の部屋にいらっしゃった御担当の方々に聞いていただいて、理事懇でも理事会でも、正式にまた御返事をいただいて、さらにこの問題について議論をさせていただこうと思います。
終わります。済みません、御迷惑をかけて。
○望月委員長 次に、穀田恵二君。
○穀田委員 二〇〇七年の三月十六日、二年前ですけれども、当委員会で民間都市再生事業者の認定申請期間を延長する都市再生特措法の改正について議論しました。
そのときに、この都市再生特措法が、都市機能の高度化とそれから都市の居住環境の向上という二つの目的を掲げていました。ところが、結果は、不動産大企業は二倍以上のもうけをしたのに、公営住宅の入居募集倍率は高くなり、低所得者はふえている、実際住宅に入れないという住民の住環境は悪くなっている、こういう二つの対比で指摘をしました。
そして、あわせて私は東京都と地方との格差についても指摘をしました。民間都市再生事業の半分は東京に集中していること、その一方で、地方では限界集落がふえ、今後十年以内に消滅のおそれがあると判断される集落が三百九十二、十年以降に消滅のおそれがあると判断される集落が二千一、合わせて二千三百九十三という深刻な実態にあることを指摘しました。
これに対して当時の冬柴大臣は、「東京一極集中はだめだ、これは全部、だれでもそう思うと思うんですね。しかし、昨年ですか、人口が東京でふえちゃっているんですね。十一万五千人ぐらいふえている。そして、それはどこから出てきたか。地方で十一万五千人減っているというようなことがありまして、我々の思いとは違う方向に進んでいるなという感じがいたします。」こう答弁しました。
そこで、大臣の所見を伺いたい。東京一極集中についてどうお考えか。
○金子国務大臣 多極分散というのをかつてやりましたね。税法上も、工場を東京から外にむしろ分散させるというようなこともやった。あの当時、結果として、多極分散というのはしばらくの間できたんだ、そういう方向に行ったんだと思うんですよね、いろいろな指標から見まして。
ところが、多極分散が終わったからではなくて、むしろ、最近は一極集中が強まってきている動きに入っているんじゃないか。それは何かというと、グローバル化に相当影響されているのではないか。海外との取引の関係。
ですから、大阪の企業なんかも全部東京に本社を移してきちゃうというような現象が起こってきているという意味で、一極集中、決していいことだとは思っていません。地方がむしろ地域のよさを生かしていただく、先生、京都でありますけれども、関西圏はもっともっと、本当に、関西はもっともっと元気を出してもらわなきゃ困ると思っているんですよ。支援しようと思っているんですよ。名古屋もそうです。ですから、それぞれいい地区を、やはり魅力をもっと生かして、こういうそれぞれの地域のよさを出していくということが必要だと思っております。
それから、ちなみに、この法案との関係でいえば、全国それぞれの地域についてこういう都市再生ができる、したがって、大都市圏だけではなくて、地方都市でも都市再生という事業が行われるようになっているし、それから、先ほど小宮山委員からも御指摘がありましたけれども、全国で都市開発事業というのが六百件を超えるものが行われておりますけれども、それもかなり地方都市で規模は別として行われているということで、それぞれの地域がやはり元気になってくれることが大事だと思っています。
○穀田委員 それぞれの地方が元気になるという、それはそれぞれの地方における努力、また今回のNPOに対する支援だとか、それは当たり前の話であるわけですね。問題は、この法案の根底部分がやはり、現実に起こっている、民間の都市再生事業はどこに集中されたかという問題を指摘しているんですよね。
私は前回UR賃貸の話をしましたけれども、大都市部で、高齢者が過半数を占める限界団地まで出ています。受け入れる老人福祉施設もないから他県の施設に送り出すなど、高齢者や低所得者には居住環境が悪くなる。だから、いわゆる東京というところもそうですが、どこでも新たな大都市問題が起こっているということも指摘しておきたいと思うんです。
今、大臣は、全体としては東京集中というのはよくないという認識は示していますが、では、今度の経済対策との関係ではどうかというと、私は正反対だと思うんですね。
結局、羽田空港、スーパー中枢港湾、それから大都市圏の環状道路、とりわけ、この間指摘しましたけれども、東京外郭環状道路を大深度地下でつくる。一メートルが一億円という代物ですよね。こういう巨大事業を推進すると方向が出されているわけであります。日経新聞によると、羽田空港はだれも反対しない、予算をつけろ、こういう記事が載っているわけです。初めに財政出動ありきの典型だと思うんですね。ですから、こんな発想で、引き続いて東京一極集中をやるような事態を結果としてはつくり出している、税金をつぎ込むパターンがある。
では、これほどひどい東京一極集中のやり方が、これでよしとするのかということを聞いておきたいと思います、大臣。
○金子国務大臣 今度の経済対策で、今、羽田の例を挙げられました。しかし、長期的に我が国の国際競争力を強くするという意味で、羽田、成田の一体化、あるいは容量の拡大ということのみならず、阪神、関西空港も、やはり人だけではなくて、物流の基地としてより機能を高めてもらう。名古屋港も同じであります。名古屋の環状線もそれが目的であります。
それと同時に、今、国際競争をしている時代でありますので、横浜、それから関西の神戸、大阪港も、東南アジアにおけるハブ港湾というのを目指して、少なくとも内貿と外貿というものが同一バースで行える、今は残念ながらそれすらできていなかったわけでありますけれども、それができるような機能をつけてもらうという、いわばスーパー中枢港湾という呼び名をしておりますけれども、これも決して東京だけでなく、ある意味これはそういう国際競争力を強化していくという部分になりますので、大都市圏ということになるかもしれませんけれども、決して東京一極集中だけを、だけというか、東京一極集中を念頭に置いた経済対策ではない、ではありません。
○穀田委員 今、ない、ではありませんと言っていましたし、そのことを含んでいるということだと思うんです。
私、国際競争力云々というのは、もう何度も言っているんだけれども、これは政府によると都市再生政策の大前提になっている感があるんですね。これは、競争力を比較するんだったら、国民の暮らしや住民の暮らしがよくなるかどうか、東京だけがよくなるというような地域格差を是正するのかどうかということが肝心で、そういう点を比較すべきだと思います。
そこで、ついでに、では聞いておきますけれども、ハブ港湾という問題でも言っているんですけれども、前もそういうハブ港湾をつくると言って、スーパー中枢港湾をばっと広げるわけです。そんなもの、この何年間、ハブ港湾になったとかハブ空港になったなんという話は現実はなかったことは、もうだれもが知っているわけですね。また同じ証文を使うのかということを私は言っておきたいと思うんです。
では、証文が違う話を少し私が言っておきたいと思うんです。
この間、国土開発幹線自動車道建設会議、いわゆる国幹会議がありました。四月二十七日に開かれた国幹会議の主要な議題は何だったかということを一つ聞きたい。
私は、当委員会の参考人質疑の中でただしました。参考人は、税金の使い方、予算について、大型道路に偏り過ぎている、実際やりたい道路の補修などができなくなって困っている、一メートル一億円もかける外環など、首都圏に三つも環状線が要るのかという陳述がありました。私は、それを踏まえて、首都圏を含めた三大都市圏の環状道路こそ見直すべきだと主張しました。
先日、西銘政務官にも申し入れしましたから、大臣も聞いていると思いますが、地元住民も関係自治体もこの外環の問題については疑問があるという内容であります。私はその申し入れの際に、笠井議員と一緒に参りましたが、国幹会議の議題にすべきじゃない、そもそも形骸化している国幹会議のやり方を見直すように求めました。
こういう、いわばこれらの議論の前提となっている問題や議題の問題についても反対意見がある、そういうことを含めて反映されたのか。
この二点について聞きます。
○金子国務大臣 国幹会議の議題は、七十一キロ、四カ所を整備計画として位置づけるということ、それから、既に開通しております高速道路二車線、これを四車線化するという、これは何カ所かありますけれども、これを御審議いただいたところであります。
それから、今の、その中で外環について、当然でありますけれども、この国幹会議の場におきましても、地元の方々からインターチェンジの設置等について様々な御意見がある、地元で四百回以上に及ぶ話し合いを一方で重ねてきている、それから、引き続き地域の方々の御理解が得られるよう話し合いを進めてまいりたい等々、事務局からも説明させていただきました。
国幹会議の委員からも、この外環については賛成、反対、それぞれの意見が出されたところであります。
そういう意見を踏まえた上で、整備計画に位置づけるということについて、国幹会議の委員全員の賛成をいただいたところであります。
○穀田委員 僕は意見が反映されたのかと聞いたので、最終の結論はどうかとは聞いていないんです。
今の話を聞くと、要するに、国幹会議の議を経るとなっている今の整備計画への格上げについては、出席者、つまり途中で退席された方もおられるようですから、出席していた与野党議員と有識者からは反対がなかった、全員が賛成したという報告だということで今の大臣の発言はいいんですね。確認さえしてくれたらいいです。
○金子国務大臣 私は、先ほど、最終的には整備計画に上げることについては、出席された委員の方は賛成ということでありました。ただ、意見開陳の中で、反対の意見が私のところにも来ているという様々なこと、そういうものを踏まえて、引き続き地域の方々の理解が得られるよう話し合いを進めるべきだというような御意見、こういうさまざまな御意見が出たということを申し上げた。
最終的には賛成をしていただいたと思っております。
○穀田委員 要するに、委員の発言があったときに、そういう地元の意見やそういう方々の意見もあるという開陳はあったけれども、最終は全員が賛成をしたということですね。これは確認しておきたいと思います。
少なくとも、こういう大事な国の政策を決める問題を国幹会議でやるべきじゃないと私は思っています。私の地元の新聞でも、国幹会議、あっさり一回で転換ということで、高速自動車道の新規建設をこれほど簡単にやるのはいかがかという意見が出されていることを紹介しておきたいと思うんです。
私は、改めて言っておきますけれども、本来、こういう国の重要問題にかかわる基本路線の問題について言うならば、やはり国会で審議をすべきであるということを改めて主張しておきたいと思います。
最後に、私が昨年十一月からずっと質問しています追い出し屋問題について少し質問します。
この問題、十一月に私が提起して以来、その後、追い出し屋対策会議など全国に運動が広がっています。国交省は二月に、家賃保証会社などの実態調査を実施し、業界に対していわゆるガイドラインを出しています。この取り組みの経過と内容、進捗状況について、簡潔にお答えください。
○和泉政府参考人 お答えします。
昨年十一月に穀田委員からの質問がございまして、その後、いわゆるゼロゼロ物件などをめぐる相談等の実態調査を十二月に行いまして、そういった相談が近年増加しているということが明らかになりました。
また、今御指摘の家賃債務保証会社につきましては、業界団体の会員になっているそういった会社をまず対象に、十二月から一月にかけまして調査を行いまして、こういった家賃債務保証会社が使用している契約書の中には法令に違反する可能性のあるものが存在することが明らかになりました。
そこで、その結果を踏まえまして、今委員御指摘のとおり、二月十六日には、業界団体に対しまして業務の適正な実施の確保を要請いたしました。具体的には、かぎを交換するなど開錠を阻害することなどにつきましては、違反する可能性があるので、契約書の見直しを求めたところでございます。
加えて、各企業におきましては、そういった要請を受けまして、相談窓口を設置すること、法令遵守を従業員一人一人まで徹底することなどについてもあわせて要請し、これにつきましては、その業界団体から、前向きにきちんと対応していきたいという返事をもらっております。
加えて、業界団体に属していない家賃債務保証会社につきましても調査を進めまして、その結果把握できた四十二社につきましては、三月に実態調査を行いました。同じように、その契約書の中には法令に違反する可能性のあるものがございましたので、業界団体において要請したのと同じガイドラインを添えて、そういった法令遵守を要請したところでございます。
さらに加えて、こういった問題全体につきまして、現在、社会資本整備審議会の住宅宅地分科会の中で議論を進めている、こういった状況でございます。
○穀田委員 簡単に言うと、各業界にきちんとした要請をして、社会保障審議会でもいろいろ議論をして対策を練っている、こういうことですわな。
しかし、実際、四月の十五、十六日に東京や大阪、福岡などで被害者が提訴をしています。十九日には電話相談も実施し、相談が六十三件あったと言われています。報道記事によると、ガイドラインで指摘した不法行為が最近もまだやられているという現実があるわけです。報道によりますと、また、その相談内容によりますと、荷物を勝手に撤去された、家賃滞納のたびに高額違約金を支払わされ、家賃督促の深夜訪問を受けたなど、十一件もあったと言われています。
先ほど、二月、三月にそれぞれ業界に一定の要請をしたと言うけれども、現実はまだガイドラインが守られていないというのがあるわけですね。
今回の事例では、不法侵入や荷物の持ち出し、処分など、不法な追い出し行為をやっているのが賃貸住宅管理会社というのもあるわけです。
私、この間一貫して指摘しているんですけれども、ゼロゼロ物件を直接賃貸していたスマイルサービスなど賃貸業者、それから家賃保証会社、管理会社、この三つの業態のところで不法行為が行われ、広がっているということがあるわけですね。だから、事は緊急性を要する。それぞれの事業者に対して、消費者の立場から考えて法整備をすべきではないかというふうに思うわけです。
私は、時間がありませんので、ついでに提案しておきたいと思うんですけれども、やはり家賃債務保証業を登録制とするなど法規制を行って、指導監督を強化すべきでないか。あわせて、登録制だけじゃなくて、宅建業法や金融取引業法などの対象にすべきだというのが第一の提案。
二つ目は、不動産賃貸業、不動産管理業の業務について、借り主保護の観点による適切な法整備が必要じゃないか。賃貸管理業も登録制などの対象にする。あわせて、賃貸業については、もちろん一軒、二軒を貸し出す大家さんというのはそれは別な話であって、賃貸アパートの経営を売り物にする一定規模の賃貸業者についても登録制を導入すべきだ。こういう提案を持っているんですが、いかがでありましょうか。
○和泉政府参考人 委員御指摘のとおり、最近の訴訟事例を見ると、その被告人は、いわゆる家賃債務保証会社に限らず、賃貸住宅の管理会社、あるいは今委員御指摘のいわゆるサブリース的な賃貸人、これまで含まれておりますので、現在検討しています社会資本整備審議会におきましては、家賃債務保証会社の問題に限定することなく、幅広くこういった賃貸住宅管理業なりの適正化について議論をしております。
その答申を年内にはいただきたいと思っておりますが、その上で、おのおのの業務に関するいわゆる法的な関与について、委員御指摘の登録制度がいいのかも含めて、その制度設計については、今後、社会資本整備審議会で十分議論をさせていただいて、その成果を踏まえて必要な措置についてきちんと対応してまいりたい、こう考えております。
○穀田委員 これは、今の追い出し屋という問題がすき間を縫って起こっている。しかも、新しい事態なんですね。昨年秋以降、これがふえているわけです。つまり、簡単に言うと、派遣切り、非正規切りという形で職を失うことが住まいを失うということになったところから起こっている新しい貧困ビジネスという形をとっているわけですね。
だから、早急にこれをやらなければならない。しかも、そういう人たちに対して救いの手を早く差し伸べなければならない。ほんまに、現在業界に登録されている人たちだけじゃないところが行われているという現実もあるわけですね。だから、そういう意味で、私は、今二つの提案をしたわけで、ぜひこれは実現を図る必要があると思っています。
最後に一件だけ。あわせて、こういうことが起こるのを、網を、セーフティーネットをしっかり敷くということも必要だ。今言った二つの点だけじゃなくて、派遣切りなどの住宅喪失者を含めて、低所得者層への賃貸住宅供給や公的保障制度の充実が求められています。
この間、公営住宅等の貸し出し、開放を進めてきましたけれども、その実績と進捗状況、改善すべき問題点について、最後、お伺いしておきたいと思います。
○和泉政府参考人 御指摘の問題、さまざまな制度拡充をしてまいりました結果でございますが、四月二十四日時点におきまして、いわゆる公的な住宅、これは公営、URも含めまして、約二千六百戸の公的賃貸住宅において離職者の方々の入居が決定してございます。ちなみに、雇用促進住宅の方については六千六十一戸と聞いております。
しかしながら、こういった公的な賃貸住宅が不足している場合には、民間を活用するという視点も大事であるというようなことでございまして、現在御審議を賜っております二十一年度の補正予算におきましては、民間賃貸住宅に入居する場合の未払い家賃等の債務を保証する制度がございますが、これに離職者の方を追加するとか、あるいは、最近出てまいりましたいわゆる地域住宅交付金を使って、民間の賃貸住宅を活用してそういった方々に提供する、そういったことを行おうとする公共団体に対する地域住宅交付金の拡充、こういったことをこの二十一年度の一次補正予算にも盛り込んでおります。
いずれにしましても、空き家全体はまだまだあるわけでございますので、ハローワークとの連携のもと、なるべくスムーズにこういった活用をお願いすると同時に、そういった制度拡充についても努力してまいりたい、こう考えております。
○穀田委員 一問だけ。
供給決定戸数というのがまず少な過ぎるということと、やはり、例えばURの問題についても、公営住宅の問題についても、条件がなかなか合わないという問題があるわけですよね。遠いだとか、施設が古いだとか。そういう生の声を聞かないと、ただ数字だけ、さっき言ったように、二千六百戸提供していますとか、六千六十一やっているとか、民間活用だとか、こういう数字の話じゃなくて、やはり現実と現場の声をよく把握することで問題点は何かということを言っていただかないと、改善すべき問題点が出てこないと思うんですね。
そこだけ指摘して、終わります。
○望月委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
―――――――――――――
○望月委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
都市再生特別措置法及び都市開発資金の貸付けに関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○望月委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
―――――――――――――
○望月委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、福井照君外三名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党及び国民新党・大地・無所属の会の四会派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
提出者より趣旨の説明を求めます。小宮山泰子君。
○小宮山(泰)委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。
なお、お手元に配付してあります案文の朗読をもって趣旨の説明にかえることといたします。
都市再生特別措置法及び都市開発資金の貸付けに関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用について遺憾なきを期すべきである。
一 NPO、まちづくり会社等、民間のまちづくりの担い手による活動の継続・強化が可能となるよう、資金支援に加え、担い手間の情報交換、交流の場の整備・拡充等の環境整備に努めること。
二 都市再生歩行者経路協定等の締結の促進、協定締結後のトラブル発生防止のため、協定の雛形の作成、優良事例の紹介等、関係者に対する情報提供を図ること。
三 まちづくり交付金による事業など、都市再生特別措置法に基づき実施してきた事業等の効果・影響を適切に評価・把握するとともに、その結果を踏まえ、必要な措置を講じること。
四 都市再生、まちづくりに関する多くの事業制度等がある中、まちづくりに係る民間、地方公共団体等がそれらの制度を有効に活用できるよう、情報提供に努めること。また、まちづくり主体からみた分かりやすさの観点から、必要な見直しについて検討を行うこと。
五 今後の高齢化の進展に対応した都市の再生を図るため、都市再生緊急整備地域、都市再生整備計画の区域において、歩行者経路や都市再生整備事業で整備される施設のバリアフリー化の促進に努めること。また、都市再生歩行者経路協定等の認可基準の設定に当たっては、高齢者の利便性、安全性の確保について配慮すること。
六 地域の歴史、文化、景観等を生かした個性的なまちづくりを推進するため、都市計画法、景観法、地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律等に基づく各種制度の積極的活用が図られるよう努めること。また、都市再生整備事業の推進に当たっては、良好な都市環境の形成にも十分配慮すること。
以上であります。
委員各位の御賛同をよろしくお願いいたします。(拍手)
○望月委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
採決いたします。
本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○望月委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。
この際、国土交通大臣から発言を求められておりますので、これを許します。国土交通大臣金子一義君。
○金子国務大臣 都市再生特別措置法及び都市開発資金の貸付けに関する法律の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま全会一致をもって可決されましたことに深く感謝を申し上げます。
今後、審議中における委員各位の御高見や、ただいまの附帯決議において提起されました事項の趣旨を十分に尊重してまいる所存であります。
ここに、委員長を初め理事の皆様方、また委員各位の御指導、御協力に対し、深く感謝の意を表します。
ありがとうございました。(拍手)
―――――――――――――
○望月委員長 お諮りいたします。
ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○望月委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
―――――――――――――
〔報告書は附録に掲載〕
―――――――――――――
○望月委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
午前十一時四十六分散会