衆議院

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第14号 平成22年4月21日(水曜日)

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平成二十二年四月二十一日(水曜日)

    午前九時一分開議

 出席委員

   委員長 川内 博史君

   理事 阿久津幸彦君 理事 小泉 俊明君

   理事 田中 康夫君 理事 橋本 清仁君

   理事 村井 宗明君 理事 岸田 文雄君

   理事 三ッ矢憲生君 理事 竹内  譲君

      阿知波吉信君    石井  章君

      加藤  学君    勝又恒一郎君

      神山 洋介君    川島智太郎君

      川村秀三郎君   菊池長右ェ門君

      京野 公子君    熊田 篤嗣君

      黒岩 宇洋君    小林 正枝君

      中川  治君    中島 正純君

      長安  豊君    橋本  勉君

      畑  浩治君    早川久美子君

      福嶋健一郎君    馬淵 澄夫君

      三日月大造君    三村 和也君

      向山 好一君    森本 和義君

      谷田川 元君    若井 康彦君

      赤澤 亮正君    金子 一義君

      金子 恭之君    北村 茂男君

      佐田玄一郎君    菅原 一秀君

      徳田  毅君    野田 聖子君

      林  幹雄君    斉藤 鉄夫君

      穀田 恵二君    服部 良一君

      柿澤 未途君    下地 幹郎君

    …………………………………

   国土交通大臣       前原 誠司君

   内閣府副大臣       古川 元久君

   財務副大臣        峰崎 直樹君

   国土交通副大臣      辻元 清美君

   国土交通副大臣      馬淵 澄夫君

   国土交通大臣政務官    長安  豊君

   国土交通大臣政務官    三日月大造君

   政府特別補佐人

   (公正取引委員会委員長) 竹島 一彦君

   国土交通委員会専門員   石澤 和範君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月二十一日

 辞任         補欠選任

  加藤  学君     森本 和義君

  川村秀三郎君     福嶋健一郎君

  中島 正純君     橋本  勉君

  古賀  誠君     菅原 一秀君

  中島 隆利君     服部 良一君

同日

 辞任         補欠選任

  橋本  勉君     中島 正純君

  福嶋健一郎君     京野 公子君

  森本 和義君     加藤  学君

  菅原 一秀君     古賀  誠君

  服部 良一君     中島 隆利君

同日

 辞任         補欠選任

  京野 公子君     川村秀三郎君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出第一一号)

 国土交通行政の基本施策に関する件(日本航空問題)


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     ――――◇―――――

川内委員長 これより会議を開きます。

 国土交通行政の基本施策に関する件、特に日本航空問題について調査を進めます。

 まず、私より、去る十六日、日本航空問題等に関する実情調査のため、株式会社日本航空本社の視察を行いましたので、視察委員を代表して御報告申し上げます。

 参加委員は、理事小泉俊明君、阿久津幸彦君、田中康夫君、村井宗明君、橋本清仁君、岸田文雄君、三ッ矢憲生君、竹内譲君、委員早川久美子君、谷田川元君、金子一義君、佐田玄一郎君、穀田恵二君、中島隆利君、柿澤未途君、そして私、川内博史の合計十六名で行ってまいりました。

 日本航空につきましては、去る一月十九日に、企業再生支援機構による支援決定及び会社更生法の手続開始の決定を受け、現在、管財人である同機構の指揮のもとで、六月末の提出に向けて更生計画の策定作業が進められております。日本航空に対しては、同機構による三千億円の出資が予定されるとともに、日本政策投資銀行及び同機構による最大六千億円の協調融資枠が設定されており、合わせて九千億円という巨額の公的資金が投入されようとしていることから、将来、国民負担が発生することのないよう、日本航空の確実な再建が図られなければなりません。

 当国土交通委員会としても、当事者である日本航空の関係者から直接説明を聴取することは、その公共性や我が国の経済に与える影響の大きさにかんがみ、また、国会として国民目線での議論を十分尽くすという観点からも極めて重要であると考え、視察を行ったものであります。

 以下、視察の概要について御報告いたします。

 日本航空において、大西社長ほか執行役員の皆様に業務執行部門の立場で御出席をいただき、現在の経営の実態や今後の再建に向けた取り組みについて意見交換を行いました。

 まず、日本航空から二月の輸送実績について説明があり、国際旅客については、ダウンサイジングなどで供給量を減らす一方、需要は落ちておらず、前年と比べて利用率が上昇していること。国内旅客については、一月の更生手続開始の影響はあったものの、三月は改善傾向にあり、営業キャッシュフローでは確実にプラスが出る見通しであること。国際貨物についても、需要は相当程度回復していること。したがって、足元の収入は改善傾向にあるが、毎年四月から六月は低需要期であり、この時期を含めて乗り切れるような更生計画の策定に邁進したいとの説明がありました。

 委員からは、経営破綻に至った原因、現在の経営実態、路線、人員削減の取り組み状況、安全運航の確保策、公的資金を受けた企業としての運賃政策等についての考え方、更生計画の提出時期、更生計画の実現に向けた決意と方策などについて質問がありました。

 これに対し、日本航空から、現在の状況に至った原因について、多数の不採算路線や大型機材の大量保有、硬直的なコスト構造のほかに、民間企業として収益性を上げるという意識が希薄であったのではないかとの大西社長の見解が示されました。

 現在の経営状況については、一月、二月は赤字であったものの、三月の収支は改善してきており、一月十九日時点の見通しより若干上回っていると説明がありました。

 路線や人員のリストラについては、現在検討中であるが、前倒しで収支改善を実施すべきとの金融機関等からの指摘を踏まえ、一月十九日時点よりも一段と深掘りした計画になるとの方向性が明らかにされました。特に、人員削減については、三月から実施した特別早期退職の募集において、これを着実に達成できるとの見通しが示されました。こうしたリストラを実施する一方で、安全性の確保に懸念が示されていることについては、安全に関するところは必要な人員を残す計画としており、経営陣が現場に出向いて十分説明を行っていくとの説明がありました。

 また、運賃政策については、現在日本航空が行っているマイレージキャンペーン等は、新たな市場の開発のために実施しているものであり、市場実勢から逸脱した略奪的な運賃ではないとの認識を示すとともに、今後も、略奪的な運賃設定は、再建につながらないため行わないとの決意が大西社長から表明されました。

 更生計画の提出時期については、大西社長から、業務執行部門として現場の意見をまとめ、管財人や稲盛会長と話をし、できるだけ早く裁判所に提出できるよう全力を尽くす旨の発言がございました。

 さらに、更生計画の実現に向けては、財務構造を健全化するために、キャッシュフローの最大化を図り、計画策定前であってもできることから前倒しして実施すること、そして、社内、社外に日本航空が今何を目指しているのかを理解してもらうよう徹底して説明をし、二次破綻ということのないよう強い信念を持って進めるという決意を大西社長から伺うことができました。

 以上が、視察の概要でございます。

    ―――――――――――――

川内委員長 質疑の申し出がございますので、順次これを許します。竹内譲君。

竹内委員 おはようございます。公明党の竹内譲でございます。

 本日もまたこの日本航空の問題に関しまして集中審議ができますことを、大変ありがたく、また大事なことだというふうに思っております。これまでも、参考人質疑や現地視察等々、さまざまなことも行ってまいりましたし、その上での集中審議ということでございます。

 そこで、現時点までの問題点につきまして、もう一度質問させていただきたいと思います。

 先日の参考人質疑の中で高木参考人に私お聞きをしたときに、九月二十五日にJAL再生タスクフォースは主要メンバー五名で発足しているんですが、しかし、当初案は主要メンバーは六名だった。これはDBJ、政策投資銀行が入っていたんじゃないかということを指摘したところ、それはそうだと。なぜDBJが外れたのかということをお聞きしたんですよね。それは、高木参考人の方からは、ちょっと微妙な問題でというようなことで、お言葉を濁らされたんですけれども、これは大臣にお聞きしたいんですが、当初六名であったものが五名に変わった、DBJが抜けたというのはどうしてなんでしょうか。

前原国務大臣 竹内委員にお答えをいたします。

 私はその詳しい経緯は存じておりません。高木先生がこの参考人質疑でおっしゃったことがすべてでございまして、私は詳しい内容について存じておりません。

竹内委員 今回、私どももさまざまな調査をやってまいりまして、DBJを含む銀行団とタスクフォースというか政府側ですよね、タスクフォースは大臣の顧問団という位置づけですけれども、どうも、さまざまな取材を重ねておりますと、ちょっと溝ができてしまったのではないか、ここに一つの、当初のボタンのかけ違いといいますか、問題点があったなというふうに私は思っておるんですね。先日の審議でも申し上げましたように、普通は、これは銀行団が貸し手責任ということで中心になって再建案をまとめたり指導したりするものですから、そういう意味で、ここに当初の、多少行き違いというか、ボタンのかけ違いがあったのではないかなという感じを持っております。

 その上で、話が先に進みますが、一カ月ほどたった十月二十九日にタスクフォースが解団されたということで、高木参考人は、タスクフォースがおりた理由はどういうことなのかということで、御本人は、どうも財務省と政策投資銀行が難色を示されたのだと思う、こういうお答えだったんですよね。

 大臣としては、このタスクフォースが解散された理由というのは、財務省と政策投資銀行が難色を示した、こういうことだと思われますか。

前原国務大臣 私が大臣を拝命したのが九月の十六日で、そして九月の二十四日に日本航空から再建計画が提出をされたわけでありますけれども、その中身については具体性あるいは実現可能性が不十分ではないか、また、みずから日本航空の財務状況についてしっかり調べたいということで、企業再生にお詳しい高木先生を含めてお願いをしてタスクフォースを立ち上げていただいたわけでございます。

 さまざまな資産査定などをしていただきまして、最終的に、タスクフォースの報告書というのは企業再生支援機構にお願いをするということでございましたので、企業再生支援機構が引き受けるという前提でタスクフォースは解散をされたということでございます。

竹内委員 昨年のこの委員会審議、議事録を私も拝見したときに、大臣が支援機構を使うということを勧めた、このように書いてあったと思うんですが、この点は間違いありませんか。

前原国務大臣 それは事実でございます。

 タスクフォースがさまざまなデューデリ、資産査定をしていただいて、日本航空の経営実態というのがおおよそ明らかになった。ただ、さまざまなステークホルダーがおられます。高木先生がおっしゃったことも、高木先生なりにそういう感じを受けておられたんだと思います。

 私は、その中でやはり一番怖かったのは、不安定な状況の中で安全というものが損なわれる、また、その背景にあるのは、従業員、社員の方々の不安感というものが安全運航に支障が生じるということになった場合においては、大変なことが起きてはいけない、このことを私は非常に危惧をして、公的な関与というものを求めてはどうかということの中で、タスクフォースの方にあらゆる可能性を模索していただいて、その結果として、企業再生支援機構の活用というものをタスクフォースの報告書におまとめをいただいた、そういう認識をしております。

竹内委員 ここが高木参考人もなかなか言いづらいところがあったのかもしれませんが、しかし、参考人質疑の中で御自分で、おりたのは財務省とDBJが難色を示されたんだと思うというようなことをはっきり述べられるということは、なかなか不本意だったんだろうなという感じがあるんですよね。大臣の御指導もあったでしょうし、みずから支援機構を積極的に推進したという感じがしないんですよね。

 実は、その後の高木参考人の答弁で、私は三月までのスケジュールを組んで体を張って取りかかるつもりであったということをはっきり述べておられまして、非常に残念そうな雰囲気が伝わってきたんですよね。三月までのスケジュールを組んで体を張ってこれに取りかかるつもりだった、ところが解団された。がっくりきたという感じを私はその答弁の中から持ったわけであります。そういう意味で、高木参考人としても、これは非常にちょっと意外なストーリーだったんだなという感じを受けました。

 今、安全上の問題等、いろいろあって支援機構に依頼されたということですよね。大臣としては、支援機構にゆだねられた時点で、タスクフォースの案は大体私的整理案ですよね、それを排して今度は支援機構に再委託したということは、この時点で法的整理を想定されていたんでしょうか。

前原国務大臣 企業再生支援機構というのは、委員も御承知のとおり、半官半民でございまして、所管は内閣府、これは菅副総理の所管でございます。また、この企業再生支援機構の法律の中身につきましては、御承知のとおり、申し入れがあった場合においては、その企業の支援をするかどうかというものは委員会によって決定をする、こういうことであります。支援を決定した場合においても、どういった再生を行っていくのかということについては独立性の高い企業再生支援機構というものが判断をする、こういうことでございます。

 今議員がお尋ねであった、企業再生支援機構の活用というものをJALが申し入れた際に法的整理というものが前提であったかというと、それは、機構がいろいろな、みずからまたデューデリをされ、そして再生計画をまとめられる中で御判断をされたことである、そう考えております。

竹内委員 大臣としては、私的整理の方がよいとお考えになっておられたんでしょうか。ちょっとその点だけ確認しておきたいんですけれども。

前原国務大臣 私が企業再生支援機構にお願いをしたことは、今まで問題が先送りされ続けてきて、このような状況にまで放置されてきた、今回は最後のチャンス、ラストチャンスとして、抜本的な改革が行われなければいけないということがまず一つと、もう一つは、運航の継続、安定というものをお願いしたい。

 これだけの莫大な借金を抱えながら、破綻にも、いわゆるつぶれてなくなる破綻と、破綻はしたけれどももう一度再生をする。法的整理でも、いわゆる再生的法的整理と清算的法的整理があるわけであります。

 なぜ運航を続けてもらいたいということを私が申し上げたかといいますと、やはり日本航空が、国内便にしても国際便にいたしましても、日本のナンバーワンのカバー率である。そして、この運航が停止をするということになれば、まだまだ経済が足元が弱い、その中で、仮に日航の運航が停止をして、そしてまた、例えば破綻にしても、つぶれてなくなるという破綻になった場合には、日本の経済に与える影響は相当大きいのではないかという危惧を私は持っております。

 そういう意味からは、企業再生支援機構に私がお願いをしたことは、抜本的な改革と運航が継続される形で再生をしていただきたい、この二つは、強く西沢社長さんにも瀬戸委員長にも繰り返し申し上げてきたところでございます。

竹内委員 若干あいまいなところもあるんですが、話を先に進めたいと思います。

 高木参考人から重要な発言がございまして、こういうふうにおっしゃっているんですね。支援機構の支援決定は十一月中か、遅くとも十二月中旬までになされると思っていた、機構と協働して期間短縮の道もあった、事業再生はスピードが第一である、結果として時間がかかって、もし、その間に企業価値が減ったとしたらまことに残念だという発言があります。さらにその後でも、二回目の資産査定は一カ月も本当は要らない、この点での時間のロスが後を引いてしまったというような明確な御答弁があったんですね。

 企業価値の下落にもしかしたら結びついたかもしらぬ、こういうふうにまでおっしゃっていまして、大臣としては、この支援機構にもう一遍委託するという点で、資産査定をもう一回やらないといけない、二回やるということについて、時間とかお金の面でちょっとこれはロスがある、無駄があるんじゃないかというような思いはなかったでしょうか。

前原国務大臣 高木先生はみずから責任を持ってやっていただいた、そういう自負をお持ちでそういった御発言をされているんだと思っております。

 しかし、タスクフォースの最終報告におきまして、企業再生支援機構の活用ということを提言していただいて、JALがその申請を行った段階で、受け入れるかどうかを判断するのは企業再生支援機構でございますので、恐らくタスクフォースが行ったデューデリ、資産査定についても参考にされたと思いますけれども、みずからが資産査定をした上で支援決定の是非を決めるということでございますので、企業再生支援機構に任せた以上は、企業再生支援機構の判断にお任せをする、それしかなかったんだと私は思っております。

竹内委員 みずからもいろいろ反省の弁を述べておられました。もっと協働して、連携してやった方がよかったな、私たちの方が、つまり高木先生の方がプロというか先輩であって、支援機構の方々の方が後輩だというようなことで、もっと連携をとったらもっと早くできたんじゃないかという反省もされていました。

 その上で、話をどんどん先へ進めたいんですが、結局、支援機構が、会社更生法の適用を申請するということになったわけであります。一次的判断としてはそうなんですが、しかし、支援機構というのは内閣府所管でありますし、最終的に主務大臣が意見を述べるというようなことにもなっておりますから、そういう意味では、どうなんですかね。いろいろな、さまざまなことがありました。年末にかけての融資が大変慌ただしいこともありました。

 この会社更生法の適用を主導されたのは一体どなたなんでしょうね。財務省やDBJなのか、あるいは、いろいろな報道では、菅財務大臣とか平野官房長官というような名前も挙がっておりますけれども、この辺は大臣はどのようにお考えになっておられますか。

前原国務大臣 それは、さまざまな御意見がそれぞれの個人個人にはあったと思いますけれども、最終的には、支援決定をする前提として、企業再生支援機構の企業再生支援委員会が支援をする前提としての法的整理というものを、プレパッケージ型の法的整理というものをお決めになったということだろうと思います。

竹内委員 一次的判断としては支援機構なんですが、しかし、これは内閣も非常にかかわった話だと私は思うんですね。

 高木参考人はさらに重要な発言をされていまして、支援機構というスポンサーはつけたが、つまりDIPファイナンスという意味でつけたけれども、事前調整はできていなかったのかもしれない、こういうふうにはっきり述べておられるんですね。

 更生計画つくりのための時間がまた余計にかかる、法的整理になれば。趣旨ですが、事業再生計画に銀行も同意しており、これを更生計画にすることができた、二度も更生計画をつくる必要がない、こういう趣旨のこともおっしゃっているんですよね。

 つまり、支援機構が一たん、もう一遍再デューデリをやって、事業再生計画をつくったんだから、それを銀行も認めているんだから、そのまま裁判所に認めてくれと言えば、更生計画を改めてまた六カ月以上もかかってつくる必要はないんだ、さっさと事業再生計画を更生計画として認可できるんだ、自分は裁判官ですからと、ここまではっきりおっしゃっています。

 そうすると、これは本当に、支援機構と、判断とか手続とか、ここに、非常に何かもたもたしているといいますか、そういう企業再生のプロからしたら大変な問題があったんじゃないかなと思うわけであります。事業再生といいますか企業再生というのは、高木先生がおっしゃっているようにスピードが第一ですから、早く決めて、とにかく実行するしかない。そうなんですよね、本当に。銀行も交えて、資金繰りをつけながら一気にやってしまう。そうしないと、また企業価値が下落してしまう、こういうことですから。

 当初のタスクフォースの九月二十五日から始まって、一月十九日まで大分かかって、そこからまた六カ月ですから、非常にこれは時間がかかっておるということで、私どもは、はっきり申し上げて、ちょっとこの辺、時間がかかり過ぎではないかと思っておるんですが、大臣はこの点はいかがでしょうか。

前原国務大臣 タスクフォースの報告書において、企業再生支援機構の活用をする、そして、その案を日本航空が取り入れて、企業再生支援機構に支援の申請を行うということをされたわけであります。

 独立性の高い企業再生支援機構が、支援決定を行うかどうかの是非を、改めて資産査定、デューデリを行って、またその仕組みについてもお考えになられたということで、それなりの時間はかかるのではないかというふうに思っております。

 また、一月十九日に会社更生法の適用ということでありますが、従来であれば、会社更生法の更生計画をまとめるのは一年以内となっておりますので、それから考えると、もちろん、再生に着手がなされるということは早ければ早い方がいいという委員の御意見もわからないでもありませんけれども、しかし、中身がしっかりと固まるということも私は大事だ、このように思っております。

 なお、事前調整型について高木先生がどうおっしゃったかというのは、その点の議事録は読んでおりませんので詳しいことはわかりませんけれども、裁判所と頻繁に企業再生支援機構が相談をされて、マイレージの保護とかあるいは機材といったものの保護とか、さまざまな形で事前調整をされて、普通の会社更生法であれば、そういった債権もなくなる、保護されない面もあったわけであります。そういった、今申し上げたようなことの事前調整の中で、それは債権を守って会社更生法をやられたということで、私は、そういう意味での事前調整型であった、このように認識をしております。

竹内委員 ここは非常にちょっと異論があるところなんですが、資金の面では確かに用意をしていただいたので、皆さん、会社更生法の申請に関しましては混乱は防げたというふうに思っておりますけれども、実際の計画の中身といいますか、資産査定も含めて、裁判所との調整、計画の立案等も含めて、私どもはちょっと疑問を持っておるわけであります。

 きょうはせっかく公正取引委員長に来ていただいていますので、ちょっと御意見をお伺いしたいんですが、全日空からもヒアリングをいたしました、伊東社長様からもお考えをお聞きしました。そのときに、全日空の方としては、二点ありまして、日本航空に大規模な公的資金が投入される中で、公正公平な競争環境の堅持を図っていただきたく、欧州連合のようなルールの設定をお願いしたいと。もう一点は、公的資金の使途を含めて適切な情報開示が適宜行われるべきという二点のお話があったわけであります。

 一応の説得力がありまして、やはり、ひどい経営をしてきたものほど救われるというようなことになると、これは非常に大変なモラルハザードになります。

 そういう意味で、公取としては、今回、現状、JALへの公的資金に関して公正取引委員会として何か言うことはありますか。

竹島政府特別補佐人 一月でございますけれども、全日空の方から公正取引委員会の方にも、今委員御指摘のような内容の意見書というんでしょうか上申というんでしょうか、そういうものをいただきました。それで、具体的には、EUのように国家補助の規制というような考え方で対応できないのか、そういう御主張もございます。

 確かに、EUは、旧八十七条、今は百何条かに条ずれしておりますが、そこにおきまして、加盟国が特定の企業等に対して補助金を出すということについて、公正な競争をゆがめる場合にはそれはだめだ、禁止する、そういう国家補助規制をやっております。これは、統一市場、共同市場を維持するために、加盟国が自分の国の企業にだけ優遇するということでは他の加盟国の企業との間で公正な競争ができないという趣旨から、そういう規制を持っているわけでございますが、日本はそういう国ではございませんので、そういう国家補助を規制するというものは持っておりません。

 ただ、私どもは、その考え方は大事。ですから、今回の場合は国交省でございますし、それぞれの産業によって所管される省庁でいろいろな政策を展開される場合に、公正な競争ということにも配慮していただく。それが結局、需要者、消費者のためにもなるし、企業も、企業というのはやはり公正な競争を通じて成長するものでもありますから、ただ単に助成するというのではなくて、そのマーケットにおいて公正をゆがめることにならないか、そういう考え方、EUが導入しているような基本的な考え方は、日本においても採用されることが望ましいと私は思っております。

 具体的には、公正取引委員会として何ができるかということでございますけれども、これは、不当廉売というようなことが起きているのか、いないのか。かつて、新規参入があったときに日本航空と全日空両社がその新規参入が出された路線の安い運賃に、言ってみると、そこにだけターゲットを当てて自分たちも運賃を下げた、ほかの運賃はいじっていないというようなことについては、やはり公正な競争上問題があると思って警告を出したことがございます。

 これからも、今回のことを含めて、不当廉売、これは公的資金を受けようが受けまいが、コストというものがあるわけでございまして、コストも賄えないような運賃設定をする、その結果、他の競争事業者との間の競争関係がゆがめられるというようなことについては、これは不当廉売ということで規制をしていくということになっておりますので、そういったことは念頭に置いて、これからどういうことになっていくのか、私どもも注意深く見ていきたいというふうに思っております。

竹内委員 時間が迫ってまいりましたけれども、大臣にも要請をしておきたいと思います。やはりEUのような公的資金支援ガイドラインをつくる必要があるんじゃないか、このように思いますし、めったにこういうことがあってはいけませんが、公的資金の使途について適切な情報開示もしていく必要があるんじゃないかということを求めておきたいと思います。

 最後にまとめをしたいと思うんですが、昨年の九月の時点で、確かに、さまざまな要因があって日本航空の経営は悪化していたと思うんですよね。それに対してどうするかという対処方法の問題だったと思うんですね、一民間企業のことですけれども。

 一つは、前政権のような有識者会議方式というのがあった。しかし、これは否定された。二つ目は、今回政治主導で対処に乗り出したということでございまして、タスクフォースをつくり、それから支援機構に持っていき、それからまた法的整理ということで、政治主導で今回は進めた、こういう方法。それともう一つは、私は前回も申し上げているように、何といっても自由主義経済体制ですから、ここは民間主導で、やはり私的整理というものを主導に考えて、銀行団に責任を持たせて、貸し手責任という中で解決をしていくという方法もあったんだろう、このように思うわけであります。

 しかし、いずれにしても、この真ん中の政治主導で、政治が介入してここへ問題解決に入ったものですから、これは、二次破綻すれば政府に責任が生じることになるわけであります。しかし、私どもとしても、国会としても、公的資金を一兆円近くも投入されるということである以上、二次破綻してもらっては困るわけですよ、やはり国民のお金ですから。

 そういう意味で、しっかりとフォローし、フォローというのは監視をしていくということでございます。幾ら非常に経営が厳しいといっても、我々が、国会があるいは政府が経営に介入することはやはりできないと思うんですよ。一々、どこのチームと組めとかこうしろとかというような指導をすることはできないと思うんです。それは経営の責任でありまして、我々はあくまでも監視をする。その中で、監視をしながら、しっかりとした情報をやはり国民に提供していくということが大事だと思います。

 その意味で、委員長に最後にお願いでございますが、法案審議の前のこの集中審議は一たん終わるということでございますが、しかし、この問題は非常に重要な問題でありますので、今後、必要に応じてまたこの問題を取り上げての集中審議を要望して、終わりたいと思います。

 以上でございます。ありがとうございました。

川内委員長 竹内君の質疑を終了いたします。

 次に、早川久美子君。

早川委員 民主党の早川久美子でございます。

 本日、国土交通委員会での初めての質問となります。何とぞよろしくお願いを申し上げます。

 さて、先週金曜日、私は、国土交通委員の諸先輩方とともに日本航空に視察に行ってまいりました。大西社長より経営状況の説明を受けました。

 海に囲まれております我が国日本にとっては、航空政策は最も重要であって、日航は長年その主役を担ってまいりました。九千億円にも上る公的資金の投入に国民やマスコミからの批判の意見が聞こえてこないのは、いまだに日本航空が日本の空を代表する企業として広く国民の信頼と支持を集めていることが理由であり、多くの国民がこの日本航空の再生を望んでいるからだと理解をいたしております。そのために、日本航空を再生することは、私たち民主党政権が国民より課せられた大きな義務の一つであると認識をしております。

 しかしながら、少し厳しいお話をさせていただきますと、今回、私が訪問した中で、経営陣の皆様方にお話を聞いたところ、ある意味、覚悟という意味で、少々心もとなく感じたのが私の率直な意見でございます。

 例えば、マイレージサービスについて批判があるとの質問が出たところ、新たな市場の開発をしているということで、適正な運賃政策だと思っているという返答がございました。まさに、過去に破綻した欧米航空会社の再生ケースを研究しているとは思えない返答でもございました。また、リストラ問題につきましても、順調に進んでいるという御答弁をいただきましたが、具体的な進捗状況は説明をしていただけませんでした。

 いろいろな、さまざまな事情はあるにせよ、九千億円の公的資金が投入されている以上、積極的な情報公開と説明が必要であるはずです。日本航空の経営陣からは、正直、今回の私のヒアリングの感想を述べさせていただければ、心もとない、そんな感想を持ちました。

 このような消極的な情報公開のもとに、さまざまな憶測の報道も、情報も流れ始めています。例えば、日本航空は古くて燃費の悪い機材の入れかえを進めていますが、その古い機材を査定価格の半値で譲ることによって、ある商社に債務の穴埋めをさせ、さらに利益をもたらすような取引が進められているとか、または、国際線における不正なダンピング競争があるとか、旅行代理店への高額なキックバックがあるとかの報道もございました。しかしながら、このことについては、大西社長からしっかりと否定的な発言を前回の訪問でいただいているわけでございます。

 しかしながら、このように、日本航空が企業再生のための情報公開を徹底してやられてこなかったために、さまざまな報道がされており、それが、公的資金を投入しても二次破綻をするのではないかと危惧される原因につながっていることは間違いがないものだと思っております。公的資金を投入する立場から、政府としてもさらに積極的なイニシアチブを握っていく必要があると思います。

 そこで、まず最初の質問でございます。

 日本航空の再生に向けた取り組み状況について、具体的な再生内容、具体的な経費削減、リストラの目標数値と実効性について政府が把握しているのかをお聞きしたいと思います。また、特にリストラについては、関連会社への人員のつけかえや子会社への異動で終わってしまうのではないかと危惧もされておりますが、これをどのようにお考えになられるのか、まずは質問させていただきます。

古川副大臣 お答えいたします。

 日本航空の事業再生内容等につきましては、企業再生支援委員会が支援基準に基づき支援決定を行う際などに、政府としても、機構法にのっとった形で、その範囲内で、必要な関係情報を機構から入手してきたところでございます。

 御質問のリストラにつきましては、現在、日本航空の再生をより一層確実なものとするため、機構が鋭意作成中の抜本的な会社更生計画におきまして、路線及び機材のさらなる見直しを通じた収益力の強化策に加えて、特別早期退職等を通じた人員の大幅見直しを初めとした追加的なコスト削減策も検討中であるというふうに伺っております。

早川委員 先ほど竹内委員からも御発言があったように、公的資金が投入されている以上、私たち委員も監視に努めていかなければならないと思っております。

 例えば、日本航空の再生においても、公的資金投入ということから厳格な経営管理が求められており、再生のためのガイドラインを作成することが必須であると考えます。それがないために、再生への道筋がなかなか見えてこず、再生に疑問符がつく報道が多々なされている原因であると考えます。

 政府は日本航空再生のためのガイドラインを作成する意思はあるのか、また、ガイドラインに沿った再生に実効性を持たせるためには、欧米の前例では第三者監視委員会の設置が必要と考えますが、御所見を伺います。

辻元副大臣 先ほど公正取引委員長の方からも御答弁がございました。欧州と日本では少し事情が違います。

 欧州の場合は、それぞれの加盟国、幾つかの国の加盟国が一国でそこの国の一企業に公的資金等を投入した場合に、ほかの国の競争する企業との公平性の担保ができないということで、それぞれ幾つかの国が集まってガイドライン、ルールを決めないと、欧州の中の、加盟国によってばらばらであった場合に競争を阻害されるという観点から、欧州各国でガイドラインを決めています。

 日本の場合は一国ですので、この一国の中の公正な取引、競争条件をどう担保するかということになりますので、欧州のガイドラインの制度がそのまま日本に適用されるかどうかという点は、議論をしっかりしなきゃいけないと思います。

 ただ、公正取引委員会を初め企業再生支援機構の方で公正に取り扱っていただくように私たち国交省としても要請をしておりますし、また、国交省として航空行政を預かっておりますので、先日、バースデー割引などが指摘された折には、これはたしか二月五日だったと思うんですが、航空局長がJALに対しまして、公的色彩の融資がなされているわけですから、公正を阻害するような、競争を阻害するようなことは慎むべきであるというような航空局長の文書をJALの方に発出しております。

 ですから、そういう意味で、現行の状況ですと、企業再生支援機構、裁判所の関与、そして国交省が、競争をゆがめられることがないようにしっかり注視していくということになるかと思います。

早川委員 ありがとうございます。

 さて、次の質問に移らせていただきますが、我が国の空の問題は、日本航空の再生の問題ばかりではありません。前原大臣は、羽田空港の二十四時間の国際拠点空港化やオープンスカイ推進など、新しい政策を打ち出しておりますが、制度疲弊を起こしている航空行政には、旧政権から続く多くの問題が残されたままとなっています。

 日本航空のみの立て直しだけではなく、我が国の航空行政刷新という、足元をしっかり固めていくことが、これからの日本空港ネットワークを発展させ、アジアの発展とともに日本を再生することに必要であると思います。

 空港関連事業の分野には、天下りを積極的に受け入れている公益法人が多数存在をいたします。私たち民主党新政権に課せられた課題は、これまでの航空行政や空港経営、整備、管理の中身を徹底的に見直して、しがらみを断ち切っていくことが大きな課題の一つであると認識をいたしております。

 そのような見地に立ちまして、きょうは、財団法人空港環境整備協会について、フォーカスを絞って質問をさせていただきたいと思います。

 この協会は、国交省がみずから天下り団体であるということをお認めになり、三月四日でしたでしょうか、新聞社など報道各社を通じて公表をされています。国交省からいただいた資料によりますと、報道された幹部の天下りだけではなく、一般職員も、二百四十三人のうち国家公務員出身者が百四十人と半数以上を占めている。まさに丸々天下りの受け皿という公益法人であることがわかります。

 昨年は、私たち民主党は、総選挙において、天下り根絶を訴えて国民の皆様方の支持をいただきました。これを放置しておくわけにはまいりません。

 また、この協会は、天下りだけではなくて、事業内容にも多くの問題が見えてまいります。そもそもこの協会は、昭和四十三年に、空港周辺の騒音や生活環境の改善など環境対策を目的として設立して以来、空港駐車場を独占的に運営してきた公益法人です。現在でも、国内の十八の駐車場の運営を行っています。

 今回、国交省が作成した空港別の会計資料を参考に、国の環境対策費と、またこの財団の協会の環境対策費を比較する資料を作成し、お配りさせていただいております。

 この比較表を見ていただきますと、国の環境対策費と協会の環境対策費、大きな違いがあることがわかってまいります。例えば、国の環境対策費がゼロ円というところ、いわゆる全く国が環境対策費を計上していないにもかかわらず、財団法人の協会の方が環境対策費を五千万とか一億とか計上されている空港がございます。

 具体的に申しますと、まず一つ目は釧路空港でございます。国の環境対策費がゼロ円に対して、協会は五千八百万円計上しております。もう一枚資料を、写真をつけさせていただきました。この写真を見ていただくとわかるように、空港周辺には民家が非常に少ないので国としては環境対策費を計上していないということが、理解が容易でございます。

 添付はちょっとしていないんですけれども、例えば長崎空港も同じ例が見られます。長崎空港は、もう皆様方行かれた方はわかると思いますが、海の上につくられた空港でございます。この長崎空港は世界初の海上空港として有名でございますが、海の上にありますから、周辺には当然、民家がありません。そのために、エアフライトジャパンという民間の訓練校がタッチ・アンド・ゴーという訓練をしています。これは本当に、着陸と離陸を繰り返すため、大変な騒音をまき散らす訓練です。しかし、海の上にありますから、民家に迷惑をかけることがないという理由で、国は環境費を落としていません。しかし、なぜかここにも、協会は、環境費として多くの経費を計上しているわけでございます。

 この協会の独自の環境対策の必要性は空港周辺の民家にあって、その地域との共存が必要なため、国が担わない部分での対策であります。国が実施している全国一律の対策に加えて、地域のニーズに対応してきめ細やかな対応を行う必要があると、過去の国会答弁やワーキンググループによる検討会などで国交省が何度も説明をされております。しかし、空港の写真からも、民家がありません。同様に、広島、高松空港でも、民家がないので国の環境対策費はゼロですが、協会は環境対策費を計上いたしております。

 このように、国が必要としていない、環境対策費を計上していない空港において、どのような理由で協会が環境対策費を負担しているのか、その理由をお聞かせいただきたいと思います。

長安大臣政務官 早川委員の御質問にお答え申し上げます。

 まず、国土交通省が行っております騒音対策は、航空機騒音防止法に基づいて政令で特定飛行場を指定いたしまして、騒音対策を実施しております。この特定飛行場は、もう委員御指摘のとおりでございますけれども、十四空港ございます。

 一方で、空港環境整備協会、これは空環協と申しますが、ここがやっているのはあくまでも、騒音対策ということは当然ありますけれども、それプラス、要は、空港の円滑な運用、地域との共生を確保するといった観点から、空港周辺の地元自治体からの要望に基づいて環境対策事業を行っているということでございます。

 今委員から御指摘のございました釧路につきましては、これは、大平原の中にあるということで、国土交通省として騒音対策を行っていないということでございます。一方で、長崎につきましては、今はまだ始まっておりませんけれども、防衛省の方が一義的に騒音対策を行っていくこととなっております。

早川委員 今御答弁がありましたように、釧路空港というのは、繰り返しになりますが、周りに民家がないから国が環境対策を行っていない。これはもう十分理解しております。しかし、国が環境対策をしなくていいというところに対して、なぜこの財団は対策をしているのか、計上しているのか、大変不透明であると思います。

 今の御答弁によりますと、地域との共生のため、地元の方の要請に基づいてという御答弁でございました。私が調べた結果、町会にテントを買ったりですとか救急車を助成しているというお話がございました。長い歴史の中でそういうことがあったということも理解しますが、そもそも、国有財産を使って独占的に利益を上げていて、その利益を独自の判断で使っているというのは、私は、この協会に対して、本当に不透明だなということは感じざるを得ません。

 今、政権が交代をいたしました。これから、さまざまな法律の整備、交通整理も必要であると思いますが、今後は、ぜひともいろいろな意味で法律上も交通整理をしていっていただきたいと思っております。

 次の質問に入ります。

 今は、国の環境対策がゼロのことに協会が費用を計上しているという部分について御質問させていただきました。また、反対のパターンもございます。国の予算が多いのに対して協会の環境対策費が極めて少ないという空港でございます。

 伊丹空港でございますが、国の環境対策費は五十億七千六百万円、協会の環境対策費は一億七千三百万円です。伊丹空港は住宅密集地にあるため、これまで国は、累計六千億円以上という莫大な環境対策費を投じてまいりました。これこそ、協会が言うところの、国の一律の対策ではカバーし切れない周辺対策が必要という空港であると私は理解をしておりますが、こういう部分については、なぜか協会は環境対策費を支出しないわけでございます。

 まず、ここで一つ質問させていただきます。

 国が絶対的に環境対策が必要だとして多額な環境対策費を計上している空港において、協会が支出をしている環境対策費が少ないのはどういった理由でしょうか。先ほどの逆のパターンの例でございます。

長安大臣政務官 お答え申し上げます。

 先ほど御答弁申し上げましたように、空環協の行っております環境対策事業というものは、各空港の周辺自治体の要望に基づいて実施しておるものでございまして、必ずしも当該空港の駐車場経営で得た収入の規模に関連するものではないと認識をいたしております。

早川委員 済みません、もちろんそうだと思います、経営の収入に基づいてということではなくて。

 ただ、やはり私たち国民の財産の土地を使って利益を上げているところです。どうしてその協会が何をするかを独自に判断できるのかということが、本当に不透明であるということを改めて私は申し上げたいと思います。

 さて、国交省が作成した空港別の会計資料は、空港経営の健全化のために、公認会計士や専門家と協力をして、経営実態を把握するためにつくられた資料であり、このような空港別の収支報告の公表は初めてでございます。国交省がこの資料を発表したことは、非常に高く評価をさせていただきたいと思います。

 この資料によりますと、平成二十年の羽田空港の収支は六百八十一億円の赤字となっており、伊丹空港や福岡空港も赤字経営となっています。さらに、住宅密集地における伊丹と福岡空港では、空港周辺整備機構という独法が国とは別に地域固有の環境対策を行っているため、空港環境整備協会が、この二つで活動する必要はないと思います。要は、三重行政になっているということでございます。この二つの空港に対しては、国が環境対策をやっていて、さらにこの空港環境整備協会がやっていて、さらに独法がやっています。

 協会が経営をしている十八空港は経営状況が良好な空港ばかりではなく、それぞれの空港が直接駐車場の経営を行い、効率的な経営を図っていくべきであると考えますが、この件についてはいかがでしょうか。

長安大臣政務官 お答え申し上げます。

 国管理空港におきましては、この空環協が運営する駐車場の収入、これは、同協会が空港周辺に対する国の環境対策事業を補完し、本来、空港の存在に起因するものとして空港の運営主体が行うべき環境対策事業を行うための原資とされているところであります。したがって、この空環協が行っている事業のあり方については、空港経営のあり方、空港整備勘定のあり方にかかわってくる問題であり、それをあわせた議論を現在国土交通省の成長戦略会議の中でさせていただいております。

 この成長戦略会議の議論、結論は恐らく六月ごろに出てくることになるかと思いますけれども、その方向性を踏まえて、今後見直しを行ってまいりたいと考えております。

早川委員 ありがとうございます。

 ここまでは、国と協会の環境対策費のアンバランスさについて質問をさせていただきました。次は、空港駐車場を使用する根拠や国有財産の使用許可の仕組みについてお尋ねをさせていただきたいと思います。

 協会は、設立以来、長年にわたり空港駐車場の使用許可を独占いたしております。この使用許可はいつからか、また、だれがどのような方法で許可をしたのでしょうか、お尋ねいたします。

長安大臣政務官 お答え申し上げます。

 空環協は、現在、国が管理しております二十七空港のうち十八空港におきまして空港駐車場の運営を行っております。これは先ほど委員御指摘のとおりでございます。国から国有財産法に基づく行政財産の使用許可を受け、事業の運営を行っているものでございまして、先ほど伊丹のお話がございましたけれども、昭和四十四年に大阪国際空港において初めて使用許可を受けて、各空港において同様の許可を受けているところでございます。

 同協会のみが使用許可を受けることについては法的根拠はないわけでございますけれども、同協会が国管理の空港における駐車場の業務を行うことは、国が管理する空港の円滑な運営のために同協会が行う環境対策事業の財源を確保するために行っているものでございます。

 しかしながら、そういったことも含めて、国土交通省の成長戦略会議の中でも今まさに議論を行っているところでございますので、この議論の結果が出ましたら、また御報告をさせていただきたいと考えております。

早川委員 今、御答弁の方で、法的根拠がないというお答えでございました。現在においても、空港駐車場使用の独占使用は法的な根拠がないまま継続させていて、公募はないというふうに理解をいたしております。

 協会の空港駐車場の独占的な使用については、国会や会計検査院のみならず新聞社などからも、過去に何度も指摘をされております。日本航空の再生に透明性と効率性が必要であるならば、航空行政や空港経営にも当然同じように透明性と効率性が必要であると感じます。

 協会の透明性についてお聞きをいたします。

 毎年この協会の収入が百億円前後あり、資産が二百十七億円あります。経営の透明性を担保するのであれば、監査法人からの会計監査を受けるのが妥当であると思います。

 法定監査の要件には達しておりませんが、行政監査には十分該当しているため、整備協会が会計監査に対してどれだけ取り組んでいらっしゃるのか、お尋ねをいたします。

長安大臣政務官 お答え申し上げます。

 同協会の監事による監査というものが行われているほか、独立の監査人による財務諸表等の監査を受けているものでございます。

早川委員 理事会の収支議事録を見ておりますと、監査報告を受けたという報告書が見当たらなかったので、されていないのかなという認識でございますが、それはいかがでしょうか。

長安大臣政務官 監査報告書の方は、ここにございますので、また委員会終了後でもお渡しさせていただきます。

早川委員 はい、わかりました。

 再三要求したにもかかわらず、私の手元にはなかったので、一言申し添えたいと思います。よろしくお願いします。

 この整備協会の資産についてお聞きします。

 収支報告書によると、現在の資産合計は二百十七億円で、正味財産は百七十一億円です。協会の収入の大半が駐車場運営費であるため、この莫大な資産は国有財産を独占的に使用したものであるということがわかってまいります。平成十四年には、会計検査院から駐車場料金についても指摘を受けており、特に利益率については、民間が行う利益率の一七・六%を大きく上回って、二六・七%となっております。

 このことからも、国有財産の独占使用がもたらした恩恵であることは明白でございます。そうであるならば、この莫大な資産は内部保留金、いわば埋蔵金であり、国に返金されるべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。

長安大臣政務官 お答え申し上げます。

 この空環協の正味財産の内訳でございますけれども、基本財産として約四十八億円、固定資産として五十一億円、積立資産として七十二億円、これは平成二十年度でございますけれども、総計で百七十一億円あるとお伺いしております。基本的に、そういった中でも、国、地方自治体からは補助金等は受けていないということでございます。

 そういう中で、さまざまな御指摘もこの間いただいております。先ほど来、何度も御答弁させていただいておりますけれども、国土交通省の成長戦略会議でしっかりと、こういったあり方も含めて議論をしてまいりたいと考えております。

早川委員 切迫した国の財産事情から、一日も早い返還を要望するものでございます。

 さらに、資産の使い方についても不透明な部分があります。

 この整備協会の事業報告書によりますと、投資活動といたしまして、平成二十年四月一日から翌年三月三十一日まで約四十八億円の支出があります。この投資活動の内容を国交省の方にお問い合わせしたところ、うち四十三億円は地方債から国債へ資産を買いかえたとのことでございます。より安全な資産への買いかえということでございましたが、それは地方債がリスクがある資産だったのかなと疑問も残ります。

 どちらにしろ、四十三億円の投資という金額が非常に大きいので、だれがどのようにその投資内容を決めていったのかということをまた国交省の方へ問い合わせをしたところ、会長管理の一環として実施したもので、理事会には事後に決算全体として承認を得ているという答弁でございました。

 より安全な資産への買いかえというのを理由としておりますが、四十億円もの巨大な債券の買いかえを理事長が一人で決めており、なおかつ、理事会の承認がなく、事後の承認のみというのはいささか異常だと私は感じますが、いかがでしょうか。

長安大臣政務官 お答え申し上げます。

 本来であれば、理事会の承認を得て、地方債から、また社債から国債への買いかえということが行われるべきものと考えております。

 そういったガバナンスの問題も含めて、しっかりと見直しをしてまいりたいと考えております。

早川委員 力強い答弁、ありがとうございます。

 ここまでの質問で、この協会が天下りの受け皿であるばかりではなくて、環境対策事業の割り振りの不自然さ、独占的な国との契約、莫大な純資産、不透明な資産異動など、問題点が多々あることを私は質問させていただきました。その問題の先には、この天下りの受け皿をつくり続けてきた旧政権の政官業癒着の構造があると私は認識をしています。そういう不透明かつ無駄な支出を航空会社や空港利用者に強いるような航空行政の結果として、日本航空の破綻という問題が起きたのであるとも言えるのではないでしょうか。

 羽田空港だけでも年間三百八十二億円以上の発着料が徴収されており、日本航空を初めとする航空会社の大きな負担となってまいりました。日本航空の発着料の年間負担は一千三百億円以上になっています。

 空港別会計を公表するなど、国の空港経営の意識が大きく変わりつつございます。天下りをみずから公表したのもその姿勢の一環であると私は評価をしております。そうであるならば、空港整備などの周辺環境を透明化、効率化させることも同時に必要でございます。旧態依然とした協会のあり方を厳しく問わなければならない時期に差しかかったと思います。

 このような非効率かつ不透明な財団法人空港環境整備協会を今後も存続させていくおつもりなのかどうか、お聞かせください。

辻元副大臣 今委員が御指摘をいただいた点も参考にさせていただきながら、あり方を見直したいと思っております。

 どちらにいたしましても、今のまま、このままの状態で継続させていくということは難しいのではないか。そういう中で、空港そのもののあり方、空港も赤字が多いわけですね、空港そのもののあり方と着陸料などを含む空港整備勘定のあり方ともあわせてこの空環協のあり方も議論していかないと、それぞれのパーツだけ、これはどうしよう、あれはどうしようじゃなくて、空港を取り巻くすべてのものをあわせて改革なりそれから組織の再編成なりをしていかなきゃいけないという観点で、今、先ほどから指摘させていただいております成長戦略会議の方で話をしています。

 ですから、少し時間をいただいているんですけれども、早晩、その結論を出してまいりたいと思っております。

早川委員 どうぞ一日も早い結論を期待しております。

 日本航空は九千億円もの公的資金が投入されます。私の地元は、葛飾区そして江戸川区の小岩地区という大変中小企業が多い町でございます。そこでは、一個数円の部品をつくるのに、油まみれ、汗まみれになって、本当に多くの方々が働いています。このような町工場には当然ですが公的資金を投入されることはなく、それぞれの資金繰りは経営者の精いっぱいの努力で賄われております。当然ですが、その利益から税金を支払うわけでございます。このような人々の税金を投入して初めて日本航空の再建が可能になるということを、大西社長初めJALの社員全員が再確認していただくことを願っているものでございます。

 また、政府には、不況で苦しんでいる国民の税金を投入して日航を再生するのであるわけですから、その元凶となりました航空行政や周辺事業の透明化、効率化を徹底して推し進めていく重大な責任があるということを改めて最後に申し上げまして、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。

川内委員長 早川君の質疑を終了いたします。

 次に、服部良一君。

服部委員 皆さん、おはようございます。社会民主党、服部良一です。

 今回のJALの経営破綻と再建について、この間、本委員会でも参考人質疑やJAL本社への視察などが取り組まれてきました。一月十九日に会社更生法の申請ということになりまして、企業再生支援機構のもとで再建を目指すということがひとまず発表されて、運航を継続しながらの再建ということで、何とか軌道に乗っていくんじゃないかと一安心したわけであります。

 しかし、最近、債権者である金融機関などから一月時点での再建計画では不十分だというような指摘等が出ているというふうな報道を目にしております。国内外の路線の撤退路線数あるいは一万五千七百人と言われる人員削減数の上積みというようなことも出ておるというふうに言われているんですけれども、この企業再生支援機構の管轄をされている内閣府にお尋ねをしたいと思うんですが、まず、そういう情報については認識されておるでしょうか。

古川副大臣 委員の御質問にお答えをしたいと思いますけれども、まず最初に、更生法の申請時に、日本航空の事業再生計画につきましては、専門的かつ公正中立な立場にあります企業再生支援委員会によりまして、三年以内に事業再生が見込まれ、機構の支援基準を満たすと判断され、支援が決定されたものというふうに認識をいたしております。

 詳細な計画内容につきましては、今後、会社更生法に基づく更生計画において最終的に確定することになりますけれども、先ほど委員から御指摘もございましたように、この企業再生支援計画で、当初つくられました計画の中には、事業の大幅なダウンサイジングやコア事業への集中、バランスシートの十分な健全化等の包括的な事業再構築によりまして抜本的な経営改善を実施することになる、そのように報告を受けておるところでございます。

服部委員 当初、一月の十九日には当然、申請時に再建計画案というものを申請書の中にもつけておられると思うんですけれども、最近になって、金融機関の中から不十分ではないのかというような、そういう報道をよく目にするんですけれども、そういう事実については御存じですか。

古川副大臣 お答えいたします。

 今委員から御指摘もございましたように、日本航空の再生をより一層確実なものとするために、関係者の理解、協力のもと、抜本的な更生計画を策定することが不可欠でございます。

 そのため、機構等におきまして、路線、機材のさらなる見直しを通じた収益力の強化策や、これに伴う人員計画の見直し等、追加的なコスト削減策も検討中というふうに私ども伺っております。

服部委員 追加的なということなんですけれども、当初一万五千七百名の人員削減、これはやはり二万人以上しないといけないんじゃないかというような、そういう報道もちょっと目にして、若干心配をしているわけです。

 実は私も、三十三年間機械メーカーに勤務して、二回倒産を経験したんですね。一回は会社更生法、二回は、貸し渋りに遭いまして和議法、今の民事再生法なんですけれども。やはり経営者というのは、再建をしたいがために、どうしてもいいようにいいように説明をしたがる傾向がありまして、私も会社更生法の計画立案に直接タッチをしてきたわけですけれども、昨年からことしにかけて、会社更生法でいこうという決断をされて、そのときに計画された内容が、まだ数カ月しかたっていない中で、無理だというような、そういう報道がされているということですので、ちょっとその辺はどういうふうに受けとめられているのか。

 そういうことが出てくる要因ですね。例えば、航空需要の見通しが甘かったとか、あるいはJALの資産をもっと精査してみたら、あるべきものがなかったとか、あるいは資産価値そのものが下がっていたとか、それから想像以上の過当競争を強いられる国際情勢があるとか、この間、そういう議論が出てきた要因について、どういう要因が背景にあるのかということについて御説明いただけないでしょうか。

古川副大臣 内閣府におきましては、企業再生支援機構を所管する省庁といたしまして、機構法にのっとった形で必要な関係情報は入手しているところでございますけれども、先ほど御答弁申し上げましたように、日本航空の再生をより一層確実なものとするためには、関係者の理解、協力が不可欠でございます。したがいまして、そうした関係者と協議する、そうした中で、抜本的な更生計画の策定を機構において進めておるというふうに理解いたしております。

服部委員 どうもちょっと、こちらの聞きたいことを御返事いただけないんですけれども。

 いずれにしても、更生計画の再建案を今検討中だということなんだろうと思いますが、大変な税金を投入するわけで、先ほど公明党の委員からですか、国が何も一々経営に加担するわけではない、指図するわけでないような趣旨の御発言もありましたけれども、国がこれだけの金を出すということは、これはまさに国が経営当事者になるということだと私は思っているんですね。

 そういう意味で、本当に性根を入れてこのJALの再建というものに当然取り組んでいただきたいし、その中での予測、見通しの誤差といいますかがあれば、やはり適時適切に国民に説明をしていただきながら再建に取り組んでいただきたいということを申し上げておきたいと思うんです。

 本当を言ったら、こういう銭の話は銭にうるさい大阪商人の娘の辻元さんに答弁してもらうのが一番いいのかもしれませんが、国交省はそういう金の問題を答弁する立場にないと思うので、こういう非常に厳しい再建が予測される中で、国交省として、やはり航空のネットワークを守るという立場から、改めてその決意をお聞かせいただきたいと思います。

辻元副大臣 私も子供のときから、商売人の娘で、店もつぶれたこともございまして、非常に厳しい環境をくぐり抜けてまいりました。

 そんな中で、再建していくときに必要なことは、今回の日本航空はリストラ、これは路線のリストラと、機材をどうするかということと、人員をどうしていくかというこの三点が大きなポイントになると思うんですね。再建するときには、服部委員がおっしゃったように、将来これはもうかるかもしれぬから残しておきたいと思うんですよ。ここも残しておきたい、あそこも残しておきたい。しかし、そこをぐっと判断して、縮み切れるかどうかが勝負なんですよ。

 ですから、国交省としても、ここはしんどいかもしれないけれども、JALには、欲張らぬとぐっと縮んでくれ、その上で、ばねをつけて飛び上がってほしい、テークオフしてほしいというような趣旨のことを、個別はちょっと申し上げにくいんですが、姿勢で臨んでおります。

 ぜい肉を落とさなきゃいけないわけですよ、JALは。しかし、皆さん、ぜい肉、脂肪を落とすときに、脂肪だけじゃなくて体脂肪も落とさないと健全な体にならないんですね。ですから、脂肪を落とす段階がつい先日までだったんじゃないか。国交委員会でもこれは厳しい議論をしていただいていますので、この議論も踏まえて、金融機関や国交省のそういう姿勢もかんがみて、体脂肪まで落としていただくということをJALには強く希望したいと私は思っております。

服部委員 先日の参考人質疑で、ANAの伊東社長が、公的資金を受けたJALさんが、バースデー割引だとか、過当競争に走っているんじゃないか、そういう不安を訴えられておりました。

 公的資金を投入する企業としての資金の運用等に関するガイドラインみたいなものがヨーロッパではあるように聞いておるんですけれども、その点に関する国交省の考え方というのはいかがでしょうか。

辻元副大臣 先ほども御答弁いたしまして、欧州の場合と日本の場合は事情が違うということで、欧州のようなガイドラインを即入れるということは難しいかと思うんです。

 しかし一方、やはり公的資金が入っている企業は、努めてほかの企業以上に、競争を阻害するようなことをみずからが行わないということでまず戒めていただく。そして、それに対して、厳しい世論の監視、それから本委員会の監視、そして企業再生支援機構の適切な指導、そして国交省の監督、そして公正取引委員会の注視ということをあわせて、JALが再生に向けて取り組んでいただきたいと思っております。

 先ほど申し上げましたように、二月の五日には、航空局長からJALの管財人に対しましてそのような指摘をした文書も発出をしております。この文書を発出したのにまだするということになれば、これは看過できないということになります。

服部委員 先日のANAの伊東社長の発言の中で、燃料税とか空港使用料などの公租公課が一千二百億円、全体の経費の一二%に上るということを訴えられておったと思うんですけれども、この辺に対する考え方、あるいは着陸料の見直しをどうするのかという点に関する国交省としての考え方をお聞きしたいと思います。

長安大臣政務官 お答え申し上げます。

 公租公課についてのお話でございますけれども、委員御指摘のとおり、公租公課は、着陸料と航空機燃料税、この二種類があるわけでございます。

 着陸料につきましては、この間、何度か引き下げを行ってまいりましたし、昨年の七月からも軽減を拡充しております。二十二年度においても継続することとしております。

 航空機燃料税につきましては、これはもうよく皆さん御存じのとおりでありますけれども、一般会計を通じまして空整勘定に繰り入れられております。主に首都圏の空港の整備、また安全、安心に係る維持更新等に重点的に使われているわけでございますけれども、この航空機燃料税だけでは足りなくて、現状では、一般会計の方から財源が投入されている現実がございます。

 そういう中にあって、今後も、首都圏の空港の容量拡大、またオープンスカイ政策の推進、公租公課のあり方といったものも含めまして、国土交通省の成長戦略会議の中で議論をしていただいている最中でございまして、六月にはしっかりとした結果、成果をお出しできるのではないかなと思っております。

服部委員 では、よろしくお願いをしたいと思います。

 このJALの再建で、私も民間企業で倒産した経験からすると、国から支援してもらえるなんて何て裕福やなと率直に思いますね。本当に民間企業というのは、もう七転八倒、必死で再建をして、苦労しております。

 そういうことで、JALの関連企業、中小企業、直接の関連企業もあるでしょうし、協力会社ということでかなりの数の会社があるというふうに聞いておりますけれども、どれぐらいの数の会社があるんでしょうか。あるいは、そういった中小企業、下請企業に対する支援ということに対して国交省としてどういうふうなことを考えておられるのか、お聞かせいただければと思います。

辻元副大臣 まず、事実関係で、関係する取引先等の数ですけれども、一万数千社ございます。東京商工リサーチの調べによりますと、直接の主要取引先は二千九百十社、二次取引先まで含めますと一万三千三百三十四社という非常にすそ野の広い取引を行っております。

 これは、JALの再建にどれだけの支援をしていくのか、国が果たしてするのかしないのかというときに、やはり経済に与える影響、一企業の問題だけではなくて、その全体を考えた折に、これだけの取引先が多いところはやはりある程度の支援が必要だということで、資金を投入したということがございます。

 ただ、委員御指摘のように、民間企業は今厳しいです。例えば、支援をことしになって決定して以降も、最後、六千億というお金を積んだわけですね。今、私の選挙区にあります自治体の一つの一年間の予算が二千億ですよ。普通の小さな自治体だと一千億ぐらいの年間予算でやっているわけです。それぐらいのお金を積んだ、積んでいるということを認識していただいて、日本航空や企業再生支援機構の皆さんにはしっかりと取り組んでいただきたい。そして、これらの取引先で働く人たちも、しっかりそれだけのお金を積んでいるので、有効に、スリム化しながら、大きな影響が経済に出ないように配慮していただく。その両方のバランスをしっかりとっていただきたいなと思っております。

服部委員 今、関連会社を入れると一万数千社というお話がございました。国が資金を投入するということは、やはり国が経営に責任を持つということだというふうに私は思いますので、JAL本体の再建のみならず、そういう多くの中小企業で働く労働者にもぜひとも目配りをしながら、このJALの再建というものに頑張っていただきたいということをお願いしまして、質問を終わります。

川内委員長 服部君の質疑を終了いたします。

 次に、三ッ矢憲生君。

三ッ矢委員 おはようございます。自由民主党の三ッ矢でございます。

 朝から、前原大臣、何かあくびをかみ殺しておられたので、ちょっと目の覚めるような質問をぜひさせていただきたいと思っています。

 最初に、これは、いつも申し上げているので若干しつこいようですけれども、一兆円もの公的資金が投入されようとしている大問題ですね。また、透明性、衡平性あるいは国民的視野での解決が可能といううたい文句で法的整理の道を選んだとの政府の説明がございましたが、それとは全く逆で、これまでのこの委員会でのこの問題に対する審議のために必要な資料、また参考人の出席を再三にわたり要請してまいりましたが、資料は提出されないし、参考人についても、肝心の企業再生支援機構と日本航空からは出席が得られていない。

 これはこの前も申し上げましたが、機構も日本航空も、記者会見とかあるいは記者の取材にはいろいろなことをお話しになっている。そういうことを考えますと、私は、これは国会軽視も甚だしいし、ひいては国民をばかにしているんじゃないかというふうに言わざるを得ないと思います。

 このような状況の中できょうの集中審議を行うのは極めて不本意であり、遺憾だと言わざるを得ないということをまず最初に申し上げておきたいと思います。

 さて、冒頭、委員長から、先日の委員会での日本航空の視察の件について報告をいただきました。早川委員もおっしゃっていましたが、実は私も、日本航空のあの場に出てこられた経営陣の方から、日本航空が今置かれている立場といいますか、それに対する危機感とか、あるいは何とかしなきゃいかぬという気迫といいましょうか、それは全く感じられなかったですね。口では言うんですよ、言葉では。だけれども、私どもの質問に対する応答を聞いていても、心に迫ってくるものがない。私は、非常に残念なことだというふうに言わざるを得ないと思います。

 機構がつくったとされている再建計画、これは一月十九日の時点で出ていたんだと思いますが、事前調整型の再建、こう言いながら、実際には何の調整もできていない、私は大甘の計画だというふうに思います。

 多分、日本航空の方は、機構の皆さんは航空のことなんか何にもわかっていないから、自分たちが計画をつくってそれを出せばそのまま認めるだろう、そのままのむだろうというぐらいの気持ちなんですよ。私はそう思いますよ。あれはまさに、日本航空がこれまで何回か再建計画といいますか中期経営計画といいますか、そういうものでやってきた、その中身そのものなんですね、ほとんどが、あの再建計画というのは。だから、詳しい精査といいますか、それはほとんどされていないんだと私は思います。

 それから、政府もどうも一兆円も出してくれるし、先ほどから話が出ていますけれども、安売り、バースデー割引、あるいは大盤振る舞いのマイレージキャンペーンをやって見かけの売り上げだけふやして、何とか更生計画決定まで持ち込めば、あとは、新しい飛行機も買ってくれるわ、ひょっとしたら航空機燃料税や着陸料もまけてくれるんじゃないかというぐらいの気持ちでいると思います。

 日本航空は、今までと何も変わらないし、永遠に不滅だと彼らは思っていると私は思います。おれたちはほかの会社とは違うんだ、昔ヘリコプターの会社をやっていた会社なんかと違うんだぞ、そういう気持ちなんですよ。それがあるから気迫が伝わってこないんですよ。

 国交省も、日航がなくなったら困るんでしょうと。現に、国交省の役人でそう考えている人もいると思いますよ。自分たちの権限の源泉だと思っている人もいますから。航空会社の数は多い方がいいと思っている人もいると思いますよ。私は違いますよ。だけれども、そう思っている人はいるんですよ。大臣も、日航は守りますと言っている。稲盛さんも人質にとっていますよ、こういうことなんですよ、彼らが思っているのは。

 赤字の原因も、余計な地方空港をたくさんつくって不採算の路線を押しつけられたということで、行政や政治の責任だと言わんばかりの論理を押しつけ、幸いこれに一部のマスコミや民主党の皆さんも乗っている。思うつぼなんですよ。これで会社の経営責任を薄められると思っているんですよ。私はそう思いますよ。

 それが全く原因じゃないとは言いません。一部の原因にはなっていると思いますが、それが大きな原因ではないんです。そこのところの認識を誤ると、私は、この問題は大きく間違ったことをやってしまうということになると思います。そこは十分留意をしていただきたいと思うんですね。

 それから、日本航空というのは、私に言わせると、薬物中毒のどら息子みたいなものですよ。生活に困りましたといって、じゃ、生活費の支援をしてあげましょうと。それから、乗っている車も、古い大型のガソリンがぶ飲みの車だから、これはかわいそうだ、新しい省エネ型の車に買いかえてあげましょうと。今度こそ更生するんだ、立ち直るんだといって、場合によってはガソリン代とか駐車場の料金までまけてやろうか、こんなことをやっているのと同じですよ、これは。

 しかし、こんなどら息子が更生した例というのは一つもないですよ。本当にそうだと思いますよ。全くそのとおりのことをやろうとしているんです。

 本来なら、親の助けをかりないで、自分で立ち直って頑張ってやっていくんだ、それで、少しは世の中のために役に立つこともあるだろうからというので支援、援助してやろうというのに、それにこたえているかということですよね。これまでとほとんど変わらない生活をしている、私の目にはそう映ります。

 本当に更生させようと思ったら、まず薬物中毒を治さなきゃいけない、甘えを取り除かないといけない。その上で、これからおまえはこうやって生きていくんだよという示唆をしてあげる、道を示してあげる、それが親の役目というものだと思います。だから、ぜひ政府が、ここまで踏み込んだ以上は、私は、その親の役目をやってほしいと思うんです。

 ここまで申し上げた上で、質問に入っていきたいと思います。

 まず、日本航空救済の必要性について伺いたいんです。

 前原大臣は、十一月のこの委員会で私は同じことを聞いたと思いますが、JALが国際、国内ともに国民の足として重要な役割を果たしている、そういうことを挙げて、具体的なシェアとか数字も挙げられましたね。だから日本航空を助けないといけないんだということを言われたんですが、私は、あのとき大臣が引かれた数字、国際線、国内線におけるシェアだとか、それから日本航空が運んでいるお客さんの数だとか、これはこれで事実なんですけれども、だから残さないといけないんだというのは、大臣、何でそんなところだけ役人の言うことを聞いちゃったんですか。役人がつくった資料をそのまま言っているんですよね。私はおかしいと思いますよ。

 例えば、国際線一つとっても、あれは日本の航空会社の国際線のシェアを言われたんですよ。だから、外国のエアラインまで含めたら、日航のシェアというのは四分の一ぐらいですよ、二五%ぐらいですから。しかも、代替する路線はいっぱいあるんです、便、サービスは。

 だから、それは余り理由にならないと私は思ったんですが、あのときおっしゃった考えと今と、何もそこに違いはないんでしょうか。まず、そこを伺いたいと思います。

前原国務大臣 三ッ矢委員にお答えをいたします。

 先ほどJALを守るとおっしゃいましたけれども、JALを守るのではなくて再生するということで、我々は今取り組みをしているわけであります。

 そして、十一月に委員と議論をさせていただきました日本航空救済の必要性いかんということについては、現状でも認識は変わっておりません。

三ッ矢委員 ちょっと言葉じりをとらえるようですけれども、JALを守るというのは、彼らがそう思っているんですよ。そう感じているんですよ。絶対つぶさないだろうと。だから、JALを再生するというのは、彼らにとってはJALを守るということそのものなんですよね。私はそう思いますよ。

 それから、十一月のこの委員会で御説明された理由と何も変わっていない、JALを救済する理由がということなんですが、私は、さっきの話の繰り返しになりますけれども、国際線で日本航空しか飛んでいないところというのは、実は三路線しかないんですね。これも代替措置がないわけじゃない。行けるんです。ほとんど何も困らない。国内線についても、他社と競合している路線はたくさんありますし、あるいは新幹線で行こうと思えば行けるところもある。もちろん、日本航空でしか行けないところもあるんです。離島の路線とかはあります。

 それで、一民間企業として公的資金の注入なしに再建可能であるなら、私は、それはやったらいいと思うんですよ。それはもう自分でやってくれと。だけれども、国が関与して公的資金を一兆円もつぎ込むのであれば、日航という一民間企業のためではなくて、国民のために残すべきサービスはこれとこれですよ、つまり公的資金までつぎ込んで救済する必要性、ここだけは最低限残すんです、これをちゃんと国民に説明して理解を得て、その上で、公的資金を使ってもこの日本航空の再生はやらないといけないんですというコンセンサスを得てから私はこの計画は遂行されるべきだというふうに思っておりますが、大臣は、国民の理解を得られていると思いますか。

前原国務大臣 前政権からDBJ中心に融資をされてきて、そしてグループ全体で二兆三千億の負債を抱えて、結局はつぶれた、こういうことであります。そして、その要因というのは、さまざまな要因はございます。それは委員とも議論させていただきました。

 救済の必要性ということについては、先ほど委員は代替措置があるんじゃないかとおっしゃいましたけれども、私は、問題意識は変わっておりません。

 日本航空は、年間旅客数が約五千万人、そして、これは委員が御指摘のように日本のでありますけれども、日本の航空会社の国際路線六十九路線の約五割を占める三十四の単独路線、国内線二百四十八路線の約四割を占める九十七の単独路線。

 私どもは、やはりこの日本航空というのは我が国のいわゆる地域を結ぶ基幹的ネットワークを担っているという認識から、つぶれても、清算をするのではなくて、再生をさせて、そして民間会社として自立ができるようなところまで持っていく努力をしていきたいと思っているわけです。

 したがいまして、前政権を含めての公的資金については、最終的にもちろん返していただくという中で公的資金を入れていかなくてはいけませんし、その計画が、まずは一月十九日に示された企業再生支援機構による再生計画でありましたけれども、それについては、今さらに深掘りをして、更生計画という形で見直しをされているということであって、私どもが今国民に対して申し上げることは、皆様方のお金を使わせていただいて再生させる以上は、日本航空をしっかり再生させるためにベストを尽くす、そして入れたお金については回収をする、そのことが我々が今行っていくべき大事な仕事なんだということをいろいろなところでこれから御説明していかなくてはいけないな、このように考えております。

三ッ矢委員 そこのところが恐らく国民の皆さんにまだ十分理解されないままに、日本航空は大変だなと。一民間企業が、日本航空というのは日本人だれでも知っている会社でしょうから、そういう会社が破綻しそうだ、してしまったわけですけれども、これを立て直さなきゃいかぬということについては何となくふわっとした国民の理解といいますか認知はあると思うんですけれども、そこに一兆円もお金がつぎ込まれるということについて、あるいはそれが下手をすると返ってこなくなるおそれがあるんじゃないかということについては、ほとんどの国民は知らないんですよ。そこが問題だと私は思っているんです。

 ちょっと話をかえますが、一月十九日時点で更生申請をされましたね。それで、機構の方で再建計画を一応つくられたわけですが、この計画についての大臣の評価はいかがですか。

前原国務大臣 私は、機構から、この再生計画を確実に実施していけば再生は可能である、こういう話を聞いておりましたし、そういう思いを持っておりました、その時点。

 そして、今、更生計画をまとめるに当たりまして、世界全体の景気動向をどういうふうに見るかということももちろんございますし、そして、計画よりも、搭乗率がどうだったのか、こういう話もございます。きょう恐らく内閣府の方から委員の皆さん方に資料として提出をされていると思いますけれども、二〇一〇年の日本航空インターナショナル単体の月次決算では、一月、二月の赤字から脱却して、キャッシュフローは二百六十九億円の黒字、速報値ベースでありますけれども、こういうことになっているということが言われているわけであります。

 ただ、この間のアイスランドの噴火によって特にヨーロッパ中心に飛行機がとまるとか、あるいはリーマン・ショックによる世界同時の景気後退、低迷であるとか大不況であるとか、あるいはインフルエンザが流行するとか、非常に脆弱なものである。もちろん、それを前提にして再生計画というのはつくられたと思います。まさに委員が御指摘をされるように、公的資金を入れて、それを回収し、JALの再生をしっかりと達成する、エグジットというものをちゃんと、しっかりと我々は送り出すというためには、より深掘りをした計画をつくるということで今なされておりますし、その努力がされていると思いますので、我々としても、企業再生支援機構法、あるいは航空法、また会社更生法、こういった法律に基づいて日本航空を監督する役所として更生計画にはしっかりと意見は申していきたい、このように考えております。

三ッ矢委員 今、大臣が、JALの速報ベースでの数字をおっしゃいましたね。先日、我々がJALに伺ったときも、大西社長は、一月、二月は赤字ではあったけれども、三月は何とか黒字になりそうだということを言っていました。一月、二月も赤字だけれども、当初の再建計画で想定していたよりはよかったというか、ましだった、こう言っているんですね。三月は黒字になりますと。

 その話を聞いたときに、私は、さっき大臣も、機構の再建計画を着実に実施していけば再建可能だというふうに思ったと言われましたね。それなら、何でその計画をそのまま実行していかないのか。

 昨今、いろいろ報道等で見る限り、いろいろなところからいろいろな話が出ていて、計画の前倒しをやれとか、あるいは計画そのものを見直せとかいう話が出ているやに伺っています。国交省も、助言という形なのかもしれませんが、新しい案をつくっている、あるいはもう提示したのかもしれませんが、そういう話も伺っているわけであります。これは事実ですか。

    〔委員長退席、橋本(清)委員長代理着席〕

前原国務大臣 これは、運輸省、国土交通省におられた三ッ矢先生には釈迦に説法であると思いますけれども、この手の問題というのは非常にステークホルダーが多いんですね。例えば、日本航空からしますと、一番命運を握っているのは、今は管財人を兼ねている企業再生支援機構でありますけれども、企業再生支援機構というのは最長三年なんですね。そうすると、企業にとって、特に借金を抱えている企業にとってだれが一番大事かという場合には、融資をしてくれる金融機関というものが極めて大事だということになるわけです。

 そして、更生計画をまとめるに当たりましては、さまざまなステークホルダーから意見を聞いて、そして、先ほど一兆円近くという話ですけれども、一応今のところは、融資枠として六千億円、そして出資枠として三千億円、合計九千億円ということで、先ほどおおむね一兆円と先生がおっしゃったことについてはそのとおりなのでありますが、これを返していかなきゃいけない。しかし、その後にいろいろな資金繰りも行っていくということになれば、民間金融機関のリファイナンスというものがしっかりできるかどうかというところで、いろいろな人の意見も聞いていかなきゃいけないということは委員もおわかりになることだと思っております。

 そういう意味では、機構も日本航空も、さまざまなステークホルダーの意見を聞かれて、そして納得してもらえる更生計画をつくるように今努力をされていると思っております。

 我々も、細かい話というのはしておりませんが、大きく、とにかく着実に再生可能な案をつくるべく、深掘りできるのであればしっかり深掘りしてもらいたい、こういったことは機構や日本航空に対して申しております。

三ッ矢委員 週刊誌等にいろいろ出る。週刊ダイヤモンドに、国交省案というのが出ていて、大幅に国際線の路線もカットしろというようなことを言っておられる、それに対して稲盛さんが、何を言っているんだ、それならおまえがやればいいじゃないかと言われたとか、そういうような報道ベースでの話があります。

 私は、金融機関も含めてこういう動きが出てきているということで、やはりあの機構の再建計画ではうまくいかないんじゃないか、結局二次破綻の懸念があるんじゃないかと。

 今でも恐らく、三月は、私はこの三月が営業黒字になったというのは見かけだと思いますよ。これは後でお伺いしますけれども、例えばバースデー割引だとかマイレージキャンペーンだとか、ああいうことをやってどんどん売って、費用は後から来るわけですよ。これはいずれ出てきますよ。

 だから、見かけの売り上げを伸ばしている、そういう中で、再建計画どおりうまくいけばこれは何も問題ないのに、そうじゃないということを金融機関も言い、あるいは国交省も心配をしている。これはやはり二次破綻の懸念があるんじゃないかということにもう間違いないと私は思っているんです。

 稲盛さんが、国際線を残したままで必ず日航を再建してみせると言っておられますね。これは大臣と意見が食い違っていることではないですか。

前原国務大臣 食い違ってはおりません。

 それから、先ほど委員がおっしゃったことで申し上げますと、二次破綻の懸念が起きているから企業再生支援機構がつくった再生計画を見直すのではなくて、二次破綻を避けなきゃいけないということで、より深掘りをしたものにしていくということで努力は今、更生計画、裁判所のもとでされている、こう認識をしております。

三ッ矢委員 それは言葉の問題なんですね。やはり心配だから、あの計画じゃだめだと思っているんですよ、みんな。金融機関がそう言っているじゃないですか。

 ちょっと話をかえますが、一月十九日の時点で、更生申請がなされたときに、政府声明が出されましたね。政府としては、日本航空は、我が国の発展の基盤である航空ネットワークの重要な部分を担っていることから、公的資金を投入し、同社の運航継続と確実な再生を図るため、必要な支援を行うというふうに言われておりますが、もし再建計画を見直して路線を大幅にカットするというような内容になってくるとすると、この政府声明と矛盾することになるんじゃないか。

 ですから、私は、ここで言っている重要な部分という言葉の意味がそれこそ重要だと思っているんですが、前原大臣は、政府声明の中で言っておられる重要な部分というのはどういうふうに解釈しておられますか。

前原国務大臣 先ほど答弁をさせていただきましたように、日本航空というのは、年間旅客数が五千万人、そして本邦の航空会社の国際線六十九路線の約五割を占める三十四の単独路線、そして国内線二百四十八路線の約四割を占める九十七の単独路線を運航する。つまりは、地域と地域を結ぶネットワーク、地域経済の基盤である、重要なインフラである、こういうことがこの航空ネットワークの重要な部分ということを御認識いただければと思います。

三ッ矢委員 ということは、今大臣がおっしゃられたネットワークは全部残すということですね。

前原国務大臣 ネットワークの見直しをしないと、ネットワークというのは、路線の数とか、あるいはどこを飛んでいるというネットワークの意味では、それは見直さないといけないし、再生計画でも、再生前よりもかなり見直すということをされているわけでありますから、見直してもらうということは大事だと思います。

三ッ矢委員 ちょっとストレートにお答えいただいていないんですが、要するに、路線を大幅にカットしていくというのであれば、ここで言っている重要な部分を残すために公的支援もやりますよと言っている話と違ってくるんじゃないですかということを申し上げたかったんですね。

 例えば、大幅に路線をカットして、国際線も国内線も、報道されているところによるといろいろな案が出ていて、国際線のかなりの部分を切れとかそういうことを言っておられる方もいるやに聞いておりますが、もしそういうことになってくると、最初に申し上げた、国民の足として本当に不可欠な部分を残すんですよ、そのために公的支援をやるんですよという話から逸脱してしまう可能性もあるんですね、解釈の問題ですけれども。重要な部分と言っているところについて、実はその重要な部分にも一部切り込んで路線の見直しもやるんですよという話になってしまうとすると、これは、国民の足を守るためじゃなくて、日本航空という一民間企業を助けるためにこの公的支援をやるんですよということになってしまうんですよ。

 大臣が、十月の二十九日でしたか、私に言わせると大見え切って、飛行機が飛ばない状況だけは絶対に避けなければならない、しっかりバックアップしていく、こう言われています。また、稲盛さんまで引っ張り出して、後に引けなくなっているんじゃないか、日本航空の再建について。日航を残すためだったら当初の目的を少々逸脱しても何でもやるんだということだと、私は、本来の公的支援の趣旨、目的から、相当おかしな、逸脱をしてしまうことになると思っているんですが、その点についてはいかがですか。

前原国務大臣 両面あると思うんですね。つまりは、日本航空という企業の再生を通じてネットワークを残していくということでありまして、日本航空の再生自体が目的かどうかということになると、そこは不可分のところがあるのではないかと私は思っております。

 いずれにしても、先ほどから答弁をさせていただいておりますように、企業再生支援機構は最長三年なんですね。そして、稲盛さんもCEOとしてやられるのは、御自身もおっしゃっているように、最長三年なんです。三年間でいかにこの日本航空の再生を図っていくかということになると、先ほど委員がおっしゃったような、社員一人一人の意識革命も含めてやっていかないと、なかなかこれは大変だというふうに私も思っております。

 したがって、路線の見直しもそうでありますし、それに伴う大規模なリストラもやっていただくということの中で、日本航空の再生を通じて、今委員がおっしゃった、我々が目的とする日本の地域と地域を結ぶ基盤、重要な基盤というものを残していくことに我々としては努力していきたいと考えております。

三ッ矢委員 私は、いま一度、公的資金を使ってまで日本航空を再建しないといけないという理由といいますか、これを明確にすべきだと思うんですよ。本当にどこまでやるんだと。

 本来ですと、民間企業ですから、まずは自助努力。ぎりぎりまで身を削って、さっき辻元副大臣も言われましたよ、ぜい肉をそぎ落とすと。体脂肪は、これは生まれ変わらないと無理ですよ。私はそう思いますよ。なくならない、体質ですから。

 それはともかくとして、まず自助努力をぎりぎりまでやって、次に共助。国際線に関しては、アライアンスも含めて、どこまでできるのか。それから国内線に関しては、自治体との協力だとか、そういうことも考えて路線を維持していく。最後に、どうしても赤字だけれども飛ばさないといけない、残さないといけないという路線があるわけですね。ここについては、公的資金をつぎ込んで維持したらいいと私は思いますよ。

 そういう順番を間違えちゃうと、公的資金をつぎ込んだけれども、バースデー割引をやるわ、マイレージキャンペーンをやりますわ、こんなことをやられたらたまったものじゃないですね。だから、そこを間違えないでくださいよと申し上げているんです。

 それから次に、JALの窮境原因について質問したいと思います。

 先般、大西社長は、日本航空がこうなった原因について三つ上げられました。一つは不採算路線の維持をやってきた、それから非効率な大型機材を保有している、もう一つは硬直的なコスト構造、これは外面的な理由です。

 まずそこから先にいきますと、つまりレガシーコストをカットできていないということを言われているんですね。大臣も同じ認識ですか。

    〔橋本(清)委員長代理退席、委員長着席〕

前原国務大臣 窮境原因の御質問でございますけれども、これは、まずは外的な要因としては、先ほどから申し上げているような、国際線における、インフルエンザとかあるいはリーマン・ショックとか、そういったものによって落ちるということもあるでしょうし、あるいは、これは反論されるかもしれませんけれども、空港をたくさんつくって、そしてそれを飛ばすことによって、現実問題として、国内線の需要予測とは全く乖離をするという状況になって、赤字の原因の、すべてとは言いません、一部になっているのも事実だと私は思います。

 それと同時に、今、大西社長さんの言葉を引用されてお話をされましたけれども、事業構造が硬直化していた。これは、大型の機材の大量保有とか不採算路線の維持とか、そういったものだと思います。それから、組織体制の硬直化。これは人員の余剰、あるいは、特にJASとの統合後の話だと思いますけれども、組織の肥大化、硬直化というものが行われていく。あるいは、これは稲盛会長が時々お話をされておりますけれども、意思決定の遅滞とか、あるいは会社全体としての経営感覚の欠如、こういったさまざまな問題が合わさって、結果として二兆三千億余の負債を生んでしまったのではないか、私はそう思っております。

三ッ矢委員 その分析が正しいとすると、この原因を取り除かないといけないわけですから、一つは不採算路線からの撤退といいますか、これを考えないといけない、それから機材の更新をやらないといけない、それからコスト構造をもうちょっと柔軟なものに、これは人件費の削減も含めてやらないといけない。

 JALがこれまで、更生計画の申請をされてから、どんな努力をされてきたのかということなんですが、先般、二千七百人の早期退職の募集をしたところ、四千人ぐらいの応募があった。これは何か機構がえらい喜んでいるらしいですが、私に言わせると、こんなものは沈んでいく船から逃げていくネズミなんですよ。本当にそのとおりだと思いますよ。これでは、ほとんど何も変わらない。

 赤字の原因については、大きく言ってそのとおりだと思います。ただ、国内地方路線の話については、一々もう反論しませんけれども、一つだけ言っておきます。

 一九九一年に庄内空港ができて、その後、十幾つの空港が開港しているんですね。そこで、JALが就航している空港が幾つあるのかといったら、一つですよ。あとはみんな全日空。一つしか就航していないんです。但馬空港というコミューターの空港です。これは、昔、日本エアコミューターというのがやっていたのでそのままやっておられるんでしょうけれども、あとは全然就航していないんですよ。だから、そういうところも、余り感覚的な話じゃなくて、きちんと分析をした方がいいと私は思いますね。

 それはともかくとして、今でも毎日、三月は別にしまして、五億から十億の赤字が出ている。これは、止血していない患者に輸血しているようなものなんですね、今。血がどんどん流れているのに上から輸血している。まず止血をやらないといけないと私は思っているんです。

 恐らく、路線を撤退してもそんなに赤字は大きく減りませんよ。というのは、人件費が残っていますから、残っている限りは難しいと私は思う。

 以前、りそな銀行という銀行があって、これが公的資金を注入されるときに、実は行員の皆さんの給与を四〇%カットしたんです。日本航空にそういう覚悟があるかどうか。

 いきなり退職といっても、それはなかなか難しいと思います、大量退職は。一年間で一万六千人やろうとかという話もありますけれども、正直言って、八つも組合があって、それぞれの組合と協議もしないといけないし、そう簡単じゃないと思いますよ。しかも、早期退職をやらせるためには割り増しの退職金も払わないといけないですし、これもコストがかさんでしまう。

 だから、りそながやったようなことを本当にできるのかどうか。社員でワークシェアリングするとか、そういうことも考えていいんじゃないかと私は思うんですが、自分たちからそういうことを絶対に言い出さないですからね、残念ながら。これはまさに日本航空の体質だと私は思います。

 いろいろ質問しようと思ったんですが、もう三十分以上たってしまいましたので、先を急ぎます。

 大西社長がもう一つ、これは委員長の報告の中にもありましたが、やはり社員の意識、実はこれが一番大きな問題だというようなことを言われていました。私もそのとおりだと思います。だからどら息子だと言っているんです。これが治らないと、また稲盛会長も同じようなことを言っています、八百屋の経営もできないような感覚の人たちばかりだと。そのとおりだと思うんです。先ほど辻元副大臣が言われた体脂肪、これは生まれ変わらないと治らないと私は思う。

 何を言いたいかといいますと、私は、オプションの一つとして、清算も含めて考えるべきじゃないかと思っているんですが、大臣、いかがお考えですか。

前原国務大臣 社員の意識については、稲盛会長が、この委員会でも御披露したことがありますけれども、運航に支障がなかったことがかえって、この会社が会社更生法を適用された会社だという意識がないんじゃないか、こういうことをある場所でおっしゃっておられました。

 やはり社員が、一度つぶれた会社なんだ、こういう意識を持っていただくことが大変重要なんだろうと私は思いますし、またそうでなければ、再生計画からさらに深掘りを今すべく取り組まれている更生計画の実現というのはなかなか難しいんだろう、このように思っております。

 現在、企業再生支援機構が支援をするという形で、会社更生法を適用して、そして更生計画をしっかり策定する中で、そして機構が管財人となって再生を図るということを努力されておりますので、我々としてはそれをしっかりとバックアップしていきたい、このように考えております。

三ッ矢委員 多分、大臣もそれ以上のことは言えないんだと思いますけれども、六月末までに更生計画を裁判所に申請することになっていますね。これがもしできないということになりますと、本当に二次破綻の懸念が出てくると私は思います。

 今の状況を報道ベースで知る限りでしか私らも情報がないんですけれども、金融機関の動向だとか、あるいは国交省が中身でどういう話をされているのか全く教えていただけないのでこれ以上言いようもありませんけれども、やはりみんなが心配しながら、この計画ではだめだなというふうに思っている中で、六月までに話がつきませんということになったときにどうなるのか。

 東京地裁はもう既に二月の時点で早く計画を出しなさいという督促をしていますが、あれから二カ月以上たっているんですね。いまだに、あちらこちらでこんな路線削減の案があるとか出てきています。どうも収束する気配が見えない。全く普天間状態になっているんじゃないかというふうに思います。

 そのことについてはまた後で触れますが、ぜひ、これはやはり国土交通大臣として、助言なんて言っていないで、指導すべきだと私は思います。そこまで強力にやらないと、政府が関与した意味もないし、公的資金が本当に一兆円、これは税金が使われる可能性が高くなってきていますから、大変なことになってしまうと思うので、ぜひ大臣が、助言ではなくて指導しますというぐらいのことを言っていただきたいと思いますが、いかがですか。

前原国務大臣 これも釈迦に説法だと思いますけれども、国土交通大臣の法的なかかわる根拠、これは今の日本航空に対しては何があるかといいますと、一つは会社更生法であります。国土交通大臣は、日本航空の国際線の路線転換を定める事業計画等について認可権限を有しておりますので、会社更生法に基づき、裁判所は国土交通大臣に意見を聞かなければならないということであります。ということは、裁判所が更生計画を認可するに当たっては、当該国土交通大臣の意見と重要な点において反していないことが要件とされるということで、我々は、そういう意味での法的根拠を持って関与していかなくてはいけない。

 航空法の規定でも、これは第百九条において、国際線の路線やダイヤ等を定める事業計画の変更については国土交通大臣の認可を要するということになっておりますし、国内線についても、混雑空港については国土交通大臣の認可になっている。

 それから、株式会社企業再生支援機構法において、機構が再生支援を決定する際は、事業所管大臣は、当該事業者の属する事業分野の実態を考慮して必要があると認めるとき、機構に対して意見を述べることができる、こういうことでございまして、この法に基づいてしっかりと関与をしていきたい、このように考えております。

三ッ矢委員 役人の答弁みたいな答弁しか返ってこないのは非常に残念ですが、政治主導でやっているんですから、やってくださいよ。これは何のためにやったんですか。政治が介入したんですから。おかしいと思いますよ。ちょっとこれは、また後で触れます。

 あと、航空界といいますか航空産業のビジョンについても聞こうと思ったんですが、もう時間がないのでこれは飛ばします、聞いても余り大した話は出てこないでしょうから。

 私は、国際線については、アライアンスとLCC、この二つしかないと思っていますよ。競争が激化している。今度、エアアジアが、年内に羽田からクアラルンプールまで一万四千円で飛ばしますと言っている。こんなのが入ってきたら、日本の航空会社はみんなやられちゃいますよ。オープンスカイだなんてはしゃいでいる場合じゃない。

 それから、空整特会といいますか、空港整備勘定も見直すと言っている。着陸料も高過ぎるから見直そうかとか、あるいは航燃税もどうしようかという話もあるでしょう。だけれども、これをやったって、成田と関空と中部は空整特会と全く関係ないわけですから、国際線の着陸料なんか下がらないですよ。これをどうするんですか。会社の判断になっちゃうんですよ。だから、そういうことも含めて、きちんとしたビジョンをつくっていただきたい。

 それから、国内線については、私の考えを勝手に言いますが、いつも大臣が言っている少子高齢化、人口減少。それから、新幹線がどんどん整備されてきますよ。来年の三月には九州も全線開業する。青森まで延びます。二十七年には金沢まで延びちゃう。そういう路線については、もう飛行機は要らなくなっちゃう。

 いや、飛行機は要らなくなると言うと言い過ぎかもしれません。三日月さんが首を振っているから言いますけれども、東京―富山とか東京―小松というのは飛行機に乗る人はほとんどいなくなりますよ、二時間半で金沢まで行っちゃうんだから。九州もそうですよ。少なくとも鹿児島―大阪、あるいは熊本―大阪、あるいは中国地方に飛んでいる飛行機、これも要らなくなっちゃう。どんどん減っていくんですよ。そういう状況の中でどうしていくんだ、これを真剣に考えてもらわないといけない。

 私は、日本の航空会社は、アジアの路線は全部国内線並みにやらないといけないと思っていますよ。サービスなんかもういいんですよ。安く飛ばせる、これをやらないといけない。そのために航空行政として何をやるかはしっかりと考えていただきたい。

 意見を求められたら私も、申し上げる機会をまた設けていただければ意見を言いたいと思います。そういうことを考えていただきたいなと思います。

 それから、機構の再建計画の内容、ちょっとこの問題点だけ伺いたいと思います。

 私は、この内容は非常に問題があると思っています。とても実現可能な内容ではないというふうにもともと思っていたんです。さっき評価も伺いましたが、これを着実にやっていけば再建できるんじゃないかと思っていたと大臣はおっしゃいましたが、私はこんなものじゃできないと思いますよ。

 この間も申し上げていますが、二〇一二年度には九百四億円の営業黒字が出るという計画になっているんですよ。これは、コストを千三百億ぐらい減らすことになっているんですよ。イールドといいますか、単価が二〇%アップします。むちゃくちゃな計画なんです。しかも、二〇一〇年内にB787新型飛行機が三機入ってきて国際線を飛びます、こうなっているんですよ。絶対無理ですよ。だから、私に言わせると、これは最初からできない計画をつくっているんですよ。

 こんな計画を見て、これを確実に実行していけば再建できるのではないかと思ったというのは、全く中身を精査していなかったんじゃないかと言わざるを得ないと思っているんです。

 余り細かいことを聞くつもりはないですけれども、もう一回大臣にこの再建計画の評価を伺いたいと思います。

前原国務大臣 私は、この計画が着実に実行されれば再生可能だというふうに思っておりました。

 ただ、日本航空を所管する大臣として、先ほどから委員もおっしゃっているように、二次破綻は絶対に避けなくてはならない。また、さまざまな経済的な、世界経済の要因というのがどう振れていくかわからない中で、より着実なものにしていかなくてはいけない。

 これも先ほどから答弁させていただいているように、ステークホルダーが多いわけです。先ほど竹内委員から、タスクフォースの高木先生の参考人答弁を多々引用された部分がありますけれども、当然ながら、これはだれかが一人決めたら決まるという話ではないわけですね。さまざまな方がステークホルダーとしてかかわっている。

 これも先ほど申し上げたことでありますけれども、特に機構は最長で三年間しか支援ができないわけでありまして、その後は日本航空という民間企業が取引先金融機関と話をしながら経営をやっていくことになろうかと思うんですね。

 ですから、そういった意見を聞いた上で、より深掘りをした更生計画というものが今まとめられているということだと私は思っておりますし、二次破綻を避ける、より実行可能な着実な更生計画になるように努力をしていく、今申し上げられるのはそれに尽きるのではないかと考えております。

三ッ矢委員 同じ答えしか返ってこないので、この問題についてはやめます。

 次に、公正な競争の確保ということについてちょっと触れたいと思います。

 この間、大西社長にお会いしたときも、例えばバースデー割引だとか、これはまだやっていますよ、本当にけしからぬ話だと私は思いますけれども、それからマイレージキャンペーン、これは一体どうなんだということを聞いたら、新しい需要を開拓しているんです、こう言ったんですよ。その裏で大西さんが何を言ったかというと、国内線については需要は頭打ちになっていますと言うんですよ。言っていることが矛盾しているんですよ。よくこんなことをしゃあしゃあと言うなと私はそのときに思いましたね。

 私が一番心配していますのは、公的資金を使ってこのような安売り、あるいはマイレージキャンペーンなんというのは、この間、柿澤先生が参考人質疑のときも言っていましたけれども、九万幾らでニューヨークを往復して、ついてくるマイレージが五万マイルを超えるんですよ。現金に換算したら七万五千円ですよ。差し引き一万幾らでニューヨークを往復して、おまけにハワイまで二人で往復できる、そんなことをやっているんですよ。子ども手当と一緒なんですよ。後にツケを回しているだけなんですよ。あほなことをやっているんですよ。こんなことをやったら、私が心配しているのは、共倒れになってしまうということですよ。これは絶対に防がないといけない。

 まじめに自力で頑張っている企業と、公的資金をつぎ込まれてやりたい放題やっているどら息子とを同列に扱っちゃだめですよ。これについてはどう思われますか。

前原国務大臣 これは控えようと思ったんですが、どら息子とおっしゃいましたね。それはだれがどら息子にしたんですかと私は申し上げたいです。シャブ漬けの息子とおっしゃいましたね。だれがシャブ漬けにしたんだと。それを私はあえてここでは申し上げておきたいと思います。

 ただ、そのどら息子を引き継いだ以上は、どう公平な競争を確保するかというのは、委員のおっしゃるとおり、それはしっかりやらなくてはいけないと私は思っております。

 それで、先ほど公取の委員長がおっしゃっていたことについて、EUはガイドラインがある、日本ではつくらないけれどもそういう趣旨は必要だとおっしゃいましたけれども、私は何らかのそういった、それは航空分野に特化されたガイドラインなのかどうなのかは別にして、やはり考えるべきだという問題意識はずっと持っているんです。

 私は国土交通大臣として建設業も所管をしていますけれども、民事再生法の適用を受けた建設業者というのは、経審の点数、経営事項審査の点数が高くなるんですね。それによって、つまりは身軽になって仕事がとりやすくなって、まさにそういった申請をせずに頑張っている企業が、財務状況が悪いので経審の点数が低いということで、今までは公正な競争にならなかった。私は今、こういった不公平な競争はおかしいということで、これについては改善策を講じました。

 やはり私は、同じような公的資金を入れられたところが、入っていないところとの競争の中で、より有利な環境に置かれるというのはいかがなものかという問題意識は、委員の御指摘のように持ち続けております。

 その意味では、稲盛会長にもそういった趣旨のことはお話をしておりますし、また先ほど、官僚みたいな答弁だということを先生はおっしゃいましたけれども、法治国家ですので、国土交通大臣というのはどういう権限を持ってどういった関与ができるのかということを、こういう法律があってこういう法的権限を持っていますよということを申し上げたわけであって、そのいわゆる権限に基づいて、根拠に基づいて、今先生のおっしゃったような問題意識は持っておりますので、しっかりと公平な競争が確保されるように不断の取り組みをしていかなくてはいけない、そういう認識は持っております。

三ッ矢委員 全日空も六百五十億円の赤字を出しているんですね。これはもう全然対岸の火事でも何でもなくて、本当に大変なことになってしまう可能性があるんですよ。その点だけはぜひ十分留意していただきたいし、日本航空に公的資金をつぎ込んだ結果として同業他社の赤字がふえてしまうというようなことになったら元も子もないわけですから、しっかりと注意していただきたいと思います。

 済みません、峰崎副大臣、お待たせいたしました。最後に、ちょっと政府の責任ということに関してお伺いしたいと思っているんです。

 九月十六日以降、この問題に関しては、新政権ができてからいろいろと紆余曲折がございました。前原大臣の発言もいろいろ変わってきたりして、我々はその過程でどういうことが起こっているのかさっぱりわからないんですが、たしか十二月ごろだったと伺っていますけれども、峰崎副大臣は、出口戦略を定めた法的整理案を政府部内の会議で御紹介された、議論されたということがあったやに伺っているんですが、これは事実でしょうか。

峰崎副大臣 お答えいたします。

 私は、財務大臣、当時は藤井財務大臣でございましたけれども、JAL問題が起きたときに、その任に当たってほしいということで、大臣の意を受けて、特に政策投資銀行を中心とした融資問題を抱えておりました。

 ただ、私は、金子前大臣も御存じのように、二〇〇六年のJALの増資問題をきっかけにして、この企業には相当問題があるのではないかということもずっと指摘をしてまいりました。そういう意味では、事実上、これは空を飛ぶ簿外債務ではないかとか、本当にひどい決算状態だったというふうに、今でもその点は変わっておりません。

 その意味で、昨年の六月の一千億の増資以来、単純に増資をしていくということについてはやはり問題があるという思いを持っておりましたので、藤井大臣でございましたけれども、大臣にも相談しながら、実は、これは相当慎重に構えていかなきゃいかぬということで議論してまいりました。

 私自身は、考え方としては、ちょうどGMの処理がオバマ政権にとって大きな問題であったように、やはりプレパッケージ型のいわゆる会社更生をやるべきじゃないかという考え方をずっと持っておりました。そのプレパッケージ型というのは、事実上、一月に入って機構が支援をするということが決まる前に、おおよその出口戦略をきちっと持っておかないと、私たちが政策投資銀行のお金をどんな形で融資するにせよ、ある意味ではこれは国民の税金でございますので、私たちとしてはそこはきちんと責任を持って融資できるような状況にしていく必要があるんじゃないかという観点から、さまざまな意見を私自身は提起をしたということはございます。

 ただ、それらの結果は、先ほど前原大臣がお答えになったとおり、一月十九日のあの決定の意向になったわけであります。私も、内閣の一員として、その決定に従いながら、それ以降は、予算委員会の審議その他でJAL問題には余り口は挟んでおらないんですが、一月十九日に出したときに、本来ならば、もう少し深掘りをした、いわゆる成長戦略、どうやったら生き残れるのかということについて、やはりある程度の方向性は出しておくべきだったんじゃないかなという思いは今も持っております。

 しかし、そうはいっても、事態は今日まで来ているわけでありますから、ぜひそういう観点で、私自身もこれから、内閣の一員として、国交大臣と一緒になってJALの再生に向けて頑張っていきたいなというふうに思っております。

三ッ矢委員 非常に良識ある、かつまた慎重な御答弁、ありがとうございました。

 もう一点、政投銀を監督されておる立場でお伺いしたいと思います。

 これまでどれだけ融資したかという話については、これまでもほかの委員からも質問がありましたし、私も承知はしているんですが、改めて、幾ら出しているのか。それから、今後も融資を続けていくのかどうか。さらに、これは仮定の質問には答えられません、こう言うかもしれませんが、もしメガバンクがリファイナンスに応じないというような状況が起きたときに、政投銀が言ってみれば肩がわりする、あるいは政投銀が政府保証をつけてもらって肩がわりするというようなことがあり得るんでしょうか。

峰崎副大臣 最初の、政投銀が日本航空に幾ら融資をしているのか、これは数字でございますので、役所の数字をそのままお答えしたいと思います。

 現在、政投銀は、日本航空に対しては、会社更生手続開始の申し立ての時点において約二千七百五十億円、こういう融資残高があった。それに加えて、現時点は二千八百億円のDIPファイナンスを行っていると承知しております。

 そして、最後の点、日本政策投資銀行は日本航空をどうこれからやっていくんだ、民間銀行がリファイナンスに応じない場合は政投銀はどうするんだ、こういう質問でございます。

 今後の新規融資については、現在策定中の更生計画の内容及び日本航空の経営改善の状況を踏まえて日本政策投資銀行において判断されるというふうに承知しておりますけれども、日本航空の確実な再生のために、私は、やはり民間銀行もリファイナンスに応じなきゃいけないんじゃないか、そういう抜本的な更生計画が策定されて確実に実行されるということが必要不可欠なんじゃないかというふうに判断をしております。

三ッ矢委員 私は、正しい御判断だと思います。民間銀行がリファイナンスに応じなければ、これはもうその時点で二次破綻ですよ。これは確実にそうなる。そうなるというのは、もし応じなければそうなってしまうということを私は断言しておきたいと思います。

 もう時間がなくなりましたので、最後に、言いっ放しになって申しわけないんですが、やはりこの問題についての政府の責任、責任者、だれが最終的に責任を負うんだというのがはっきりしない。これが私は一番困っているんですよ。前原大臣なんですか。だれが最終的にこの問題についての責任を負うんでしょうか。

 私は、政府というか政治が関与する、公的資金も一兆円近くつぎ込むということになった以上は、やはりだれか、本当に最終的に責任をとるのは私ですという人がいないとだめだと思うんですよ。

 前原大臣は、いつも前政権のことばかりおっしゃいます。どら息子にしたのは、確かに前政権の責任もあったかもしれない。だけれども、前政権は最後に、どら息子を更生させようとしていたんです。だけれども、あなたが大臣に就任されてから、それを全部ひっくり返して御破算にして、新しいやり方をやろうとしたわけですね。そうですよ。この中でダッチロールしちゃったわけですよ、この七カ月間。

 今までは、例えば八ツ場ダムの話にしても、大臣は、就任後に、いきなり中止しますと言った。その後いろいろあって、検証しますよと言っている。だけれども、これは検証に一年かかるんですな。もうそのころにはいないだろう、おれは関係ない、そう思っているんじゃないですか。

 だけれども、この問題はそうはいかないですよ。これは、九月以降はあなたが主導してやったんだから。タスクフォースをやり、あるいは政府部内での議論も、最後は法的整理になった。最初は自主再建可能だと言っていた。途中でわけのわからない公的整理だとかいろいろ言われましたが、出口戦略のない法的整理になっちゃったわけですよ。これは出口がないんです。見えていない。そこへ追い込んだのは、私はあなたの責任だと思う。

 これはぼやだったんですよ、ぼや。ぼやを大火事にしちゃった。火元責任は私は否定しませんが、ぼやを大火事にしちゃった責任は、私はあなたにあると思っていますよ。どうぞ。

前原国務大臣 ジェントルマンだと思っていましたけれども、非常に失礼な質問だと私は思いますね。

 八ツ場ダムの問題については、これから責任を持ってしっかりやりますよ。

 そして、要は、ぼやだったのを大火事、これは自分たちの責任を放棄する話ですよ。二兆三千億円ものを莫大な借金を抱えるような会社にして、問題の先送りをしてきたのはどの政権ですか。そのくせ、そのことがしっかりとわかっていない中で、DBJによる融資融資で先送りしてきたんじゃないですか、問題を。

 私は、この政権交代の前に、国土交通大臣になるとは思っていませんでした。しかし、国土交通大臣になったときに、一番厄介な問題だよというふうにある役所の役人に言われたのは、大変な地雷原があるよと言われたのは、このJALの問題でしたよ。JALの問題だけは本当に大変だよということを、私は友人のある役所の役人に言われていました。

 ダッチロールとおっしゃいますけれども、前政権の中でどのような再建計画を出してきたって、じゃ、企業再生支援機構の再生計画がどうのこうのとおっしゃいますけれども、九月二十四日に、つまりは自公政権のときの有識者会議でつくって出してきたあれが本当に再生可能ですか、九月二十四日に出してきたものが。あんなものは再生可能じゃないですよ。本当のJALの体質が全然わかっていない。

 わかっていないから、私は、このタスクフォースをつくって、本当にどういう体質なのか、病状なのか、それこそどこまでひどい会社なのか、どら息子なのかシャブ漬けなのかわからないけれども、わからないから、自分で、自分の責任で、企業再生の専門家にどういう財務状況なんだということを調べてもらって、デューデリをしてもらって、そして最終的には、先ほど申し上げたように、航空というものは事故が起きたら大変だ、どういうふうな状況になるかわからないという社員の不安の中で、それが事故につながったときは大変だということで、公的管理ということで、十月に発足した企業再生支援機構を使ってということで最終報告を出してきて、一月十九日に企業再生支援機構が支援決定をして、そして会社更生法の適用で今更生計画をやっているんじゃないですか。

 火を消しているんですよ。ぼやだったのを、火を消しているんですよ。問題の先送りをしてきた自公政権の火を消しているんですよ、今、民主党政権で。失礼なことを言ってもらいたくないですね。その点だけは強く否定しておきますよ。

三ッ矢委員 いや、どっちが失礼かということだと思いますよ。ぼやを大火にしたのは事実なんですよ。この問題についてはまたやりますから。

 終わります。

川内委員長 三ッ矢君の質疑を終了いたします。

 次に、菅原一秀君。

菅原委員 自民党の菅原一秀です。

 大臣が最後に余計な答弁をかなりしましたので、質問時間が大幅に減りました。成田空港を上がって、上空からすぐ戻るくらいの時間しかないこの質疑時間、まあできる限りいろいろと議論をしていきたい、こう思っております。(発言する者あり)

川内委員長 静粛に。

菅原委員 今いろいろとお話がありましたように、この一兆円もつぎ込む、税金をつぎ込む今回のJAL問題、今激高している場合じゃない。やはり冷静に、私どもも、いろいろな今までの経過は甘んじてお受けしたいと思う。しかし、せっかく御自身が、このどら息子を何とか再生したい、こうおっしゃっているんですから、冷静な議論をして、これからどうするかをやはり考えていかなければいけない、こう思っているんですね。

 あわせて、皆さんのところに一覧表をお配りいたしました。これは、先ほどお話のあった、大臣が就任をされてから会社更生法が適用申請となるまでの大臣の発言、それと同時に、JALの、今上場廃止になってしまいましたが、株価の乱高下を一覧表にしたものであります。

 九月の十四日、鳩山政権ができる前に百七十八円だったこのJALの株価が、大臣が十七日に就任の記者会見で、いわば白紙撤回をする、有識者会議を含めて今までの流れを白紙撤回する、こういう発言をされました。二十四日に、法的整理についてぶら下がりで聞かれて、現時点では一切考えていないと。このときは終わり値が百四十四円、いわゆる下落幅が二十七円。一週間後、緊急記者会見をやりまして、大臣は、JALの自立再建は十二分に可能であると。そうすれば、また前営業日比で六円上がっているわけです。九月の下旬につくったタスクフォース、これを解散したのが二十九日。このときに、タスクフォースの再生計画に基づいて再生は可能である、こう大臣は言っているんですね。

 法的整理はしないと九月二十四日に言っているのに、十一月の十八日に、今度はこの委員会で、たしか民主党の田中委員に対する答弁だと思うんですが、法的整理はしないとは言っていないと言っているんですよ。この後に、十二月三十日を見ると、必ずしも法的整理ありきというようなことではないと。

 さっき言っていたこととダッチロールですよ。右に行ったり左に行ったりして、言っていることの一貫性が全くない。だから、ここでまた二十一円、二三・九%も下落率があって、年が明けて、今度は、法的整理じゃなくて、聞いたことがない公的整理と言っているんですね。これは造語かもしれません。これでまた下がっている。

 十二日に、これはいわゆるJALの株式の上場廃止、一〇〇%減資ということについて聞かれたときに、支援決定するかどうかを判断するのは機構だと。そのときの機構は、御案内のとおり、事実上上場廃止の立場でありましたから、投資家なり株主は、これは当然そういうことになるんだろうと。これでまた一気にストップ安になってしまった。六十七円が三十七円になって、三十七円が七円ですよ。

 十五日には、夕方総理と話をする、Xデーをいつにするか日にちを決めるんだと、これは定例の会見で言っているんです。いわば、鳩山政権発足当時百六十七円あったものが、一気にこうした下落を示しているわけであります。

 JALの場合、個人株主が非常にウエートが大きくて、三十八万人いらっしゃる。この方々のまさに企業価値を大きく損なわせた、私はこう指摘をしたい。また、株主もそう思っている。これについて、大臣、どう考えますか、御自身の発言について。

前原国務大臣 菅原委員にお答えをいたします。

 自分自身で御都合のいいような部分だけ抜いてお話をされておりますけれども、私が一番初めにこのことに言及したのは九月の二十二日なんです。

 九月の二十二日、これは、九月の十六日が私が就任したときですけれども、破綻はさせないとしてきた見解を聞かれて、つまり法的整理ですね、私の言う破綻はつぶれてなくなるという意味だということをもう九月の二十二日で申し上げている。つまりは、私は、清算型はしない、つまりは再生型はあり得るということをもう九月の二十二日に言っているんですよ。だから、九月の二十四日も、これをちゃんと読んでくださいよ、現時点では一切考えていないと。現時点ではを抜いていたら問題ですよ。

 それから、タスクフォースの再生計画に基づき再生は可能だ、これは言いました。ただ、先ほど三ッ矢委員に答弁をさせていただきましたけれども、ステークホルダーが多いんですよ、この問題は。それと同時に、ダッチロールだとおっしゃるけれども、さまざまな不安定な状況の中で、事故が起きたら大変だ、こういうことの中で、いわゆる公的な関与での企業再生支援機構というものにゆだねようということになったわけであります。

 ですから、法的整理はしないとは言っていないというのはそのとおりですよ、九月二十二日にもう言っているんだから。つまりは、清算型の破綻はないということを言っているわけです、九月二十二日に。ですから、私は、今までの発言というのは一貫している、そういうふうに思っております。

 それと同時に、最終的に支援を受けてどういう再生をするかということを決めたのは、企業再生支援機構です。企業再生支援機構もさまざまなオプションを考えられたと思います。それを法的整理にするのか私的整理にするのか、あるいは、法的整理にしても一〇〇%減資にするのかどうなのかと。そういうようないろいろな報道なんかで株価がこういうふうになってきたという面もあるということは申し上げておきたいと思います。

菅原委員 二十二日でも二十四日でもいいんですけれども、当時から法的整理は一切考えていない。しかし、今、考えているかのごとくの答弁でした。それで、一貫していると言いました。

 例えば、九月の二十二でも二十四でもいいですよ、法的整理も含めて対策を考えているというならまだ一貫しているんですよ。一切考えていないと言っているんですよ。株主や投資家はどう思いますか。一切考えませんでしょう。結局、最終的に、法的に言う法的整理に落ちついているわけですよね。

 問題は、九月の十七日の大臣就任で白紙撤回をすると言ってから一月の十九日のいわゆる更生法適用申請まで、先ほどもお話があったように、丸々一カ月間、何の権限も持たないタスクフォースを立ち上げて、いろいろな議論はあった。今お話があったように、自主だ、私的だ、法的だといろいろと紆余曲折があって、しかも、その間にデューデリジェンスを二回もやっているわけですよ。これは物すごい時間のロスですよ。

 こんな時間の経過を考えれば、やはり大臣の発言は極めて重いし、三十八万人の株主にとってみれば、やはりこれは声ですから。ここでの議論に至るまでいろいろな方に聞きましたよ。それで食べている方もいるかもしれない。でも、ナショナルフラッグキャリアとしてのJALが好きで、信用して今まで投じてきたということを考えれば、やはりこれは大臣の言葉というものは重い、この点は今後しっかり肝に銘じていただきたい。

 時間がないので、どんどん飛ばします。

 六千億のDIPファイナンス、これは、二月の二十六日に、連結決算で、機構の中村管財人が、二千六百五十一億、だから相当これは改善されたと。それから、朝日新聞でも中村管財人が、六千億用意したつなぎ資金も全額使わなくて済みそうだ、こういう発言をしているんですよ。これは、六千億、まさに国民の血税、これを減額する考えはないでしょうか、大臣の立場として。

前原国務大臣 菅原委員は同じ年でありますし、ことしが年男。そして、お世辞じゃなく、きのうもある財界の方とお会いして、非常に褒めておられましたよ。

 でも、今のお話を聞いていると、このお立場になればまた考え方は変えられると私は思うけれども、先ほど、ある時点で法的整理を考えると言えばいいんじゃないか、それが三十八万人の個人株主に対する責任だとおっしゃったけれども、その一言を発したら株価は暴落しますよ。法的整理を考えているなんて私が明確に言ったら、それは暴落しますよ。だから、そういうことは非現実的な議論の中でやられていることだというふうに私は思います。

 ですから、一月十九日まで持ってくるのは極めて大変だったということは申し上げておきたいと思います。

 それから、今御指摘のあったことで申し上げますと、一兆円、一兆円といつもおっしゃいますけれども、もう一度申し上げると、融資枠が、DBJとそれからETIC、企業再生支援機構で合計が六千億、出資枠がこれは機構の三千億、だから九千億なんですね、枠として用意しているのは。今までこの枠の中でやってきた。

 そして、今、菅原委員がおっしゃったことでいうと、まだ余っているじゃないか、こういう話ですよね。ただ、別に余ったら余ったでいいんです、全部使う必要はないわけですから。更生計画がしっかりまとまって、そしてそれが着実に実行されていくということになれば、別に、枠は用意させていただいて、使わなければいい、こういうふうに御理解をいただければと思います。

菅原委員 余って使わなきゃいいという話じゃなくて、これはプレパッケージ型の会社更生法なんです。だから、対外的な意味合いを含めれば、やはり信用ということを確立するためにはある程度のそういう余裕があってしかるべきというならわかるんだけれども、何だか理由抜きに、余っていても構わないと今おっしゃった。

 この六千億、やはりJALが、この前もみんなで視察に行きましたけれども、社内に全く緊張感がない。やっていることはといえば、さっきお話がありましたけれども、最大七〇%以上を値引きしたバースデー割引、あるいは将来に負債となりかねないダブルマイルキャンペーン。これは、言ってみれば、国民の税金が注ぎ込まれているその会社が、まさに穴のあいたバケツにじゃぶじゃぶ水を注いでいるようなものであって、例えば全日空が同じことをやったとすれば、やはり自己資金でやらなきゃいけない。言ってみれば、今のJALのやっていることは、飛行機を使わない、飛行機に乗らない国民の税金で、飛行機に乗る、なおかつ一部のマイルをためている方にいわば所得を移転させている、こういう状況だと思うんですね。

 ですから、この前の参考人質疑でも、たしか全日空の社長がおっしゃっていたかと思いますけれども、EUにおけるガイドライン、こういったものをきちっと確立して、資産の圧縮や生産量の制限や市場シェアの削減、機材更新に関する制限をきちっと確立して、その上で対応を図る、指導を行っていくことが大事ではないかな。

 このガイドライン、具体的に大臣がお進めになるつもりはありませんか。

前原国務大臣 これは、先ほど三ッ矢委員にお答えをいたしましたけれども、公的資金が投入された企業とされていない企業で公平性が失われるようなことがあってはならないということでありまして、公取の委員長は否定的な答弁をされましたけれども、私は、検討に値する、やはり何らかの措置を考えないといけない問題だ、このように思っております。

 いずれにいたしましても、先ほど建設業の民事再生法で経審の点数のことも申し上げましたけれども、しっかりと引き続き、日本航空に対しても、稲盛会長に対しても申し上げております。そしてまた、先ほど、会社更生法、航空法、そしてまた株式会社企業再生支援機構法、ここに私が関与をする法的根拠がございますので、今委員のおっしゃった趣旨を、私も同じ認識を持っておりますので、そういった認識でしっかりと対処していきたいと考えております。

菅原委員 私も、私ごとですけれども、実家が建築会社で、数年前に倒産をしました。でも、再生法を受けられる会社というのはほんの一握りで、やはり中堅以上なんですよ。そういうことを考えたときに、全くゼロになってリスタートするということはやはり大事でありますから、これはまた後で議論したいと思います。

 今お話の中でありましたが、今はマイレージの話をしました。いわゆる一月の十九日に発表したIvyによるこの計画の中で、ボーイング747を三十七機、MD90を十六機退役させる、一方で小型のリージョナルジェットを五十機購入する。

 これは普通の経営状態にある航空会社であれば、いわゆる財政的な、あるいは燃費効率のいい機材にダウンサイジングするために買いかえることはあると思うんですけれども、言ってみれば、このJALの場合は、機材を退役させる場合でも、償却、売るときに赤字計上で、そこに公的資金が入るわけですよ。入っていながら、返す刀で新しい機材を買う。これは焼け太りですよね。どう思いますか。

前原国務大臣 この日本航空の窮境原因というのは一体何なんだということで、再三議論をさせていただき、私も答弁させていただいたんですが、その原因の一つが、大型機材、非常に燃費効率の悪い、満杯のときはいいけれども、閑散期とかは空気を運んでいるような、そんな大型機材が大量保有されていたということが窮境原因の大きな理由であって、そして、企業再生支援機構が再生計画の中でも、JALを再生させようということには、やはり機材の変更、効率化、より中小型機に変えていかなくてはいけないということでございますので、再生のためには必要なプロセスだと私は考えております。

菅原委員 その役人の書いた答弁を読んだってだめですよ。

 つまり、赤字を税金で補てんしている上に、新たな小型機を買う。だから、一般の、全日空とは言わないけれども、例えばJALが数年前までの健全な経営状態にあるのであれば、こういったリニューアルということも考えられる。しかし、つなぎ資金でこんなことをやっていることが、果たして国民に説明がつきますかというのが質問の趣旨なんですね。

 話を転じます。

 一月十九日に、JALでリストラをやる、グループ従業員五万一千八百六十二人から三万六千二百一人に一万五千六百六十一人減らすと。ところが、その後、報道ベースでいうと一万六千四百五十二人、しかもこれを三年間でやると言ったのを、二〇一〇年度ということは二〇一一年の三月までに前倒しでやると。

 大臣も三月二十八日の読売新聞のインタビューで、リストラの件で、思い切ってやらないといかぬ、税金を投入して、二次破綻は絶対避けなければいけない、必ず再生させる前提で考えていただけると思うというような発言をされております。

 ところが、その二十八日の二日前の二十六日には、メガバンクが債権の全額買い取りを機構に要請して、千九百億のうち、三つの主要行で、その下に二十四か五あるのに、先にその買い取りをやっていただくような形になってしまった。

 言ってみれば、このリストラに対する大臣なり国交省なり、あるいは機構なりJALの姿勢というものは、ぶち上げたけれども本当にできるのかなということを、金融機関、やはり金融機関も、いろいろな公的資金を投入されていろいろな歴史を背負ってきたから、こういうときは冷静な判断であり、また、いろいろなデータに基づいて判断をする体質に、ようやく強化になってきたんだと思うんです。筋肉質になったと思う。

 だから、その筋肉質になった主要行がそういう判断をしているということは、やはり現実味がないリストラ策なのではないかなと思いますが、このリストラについて、大臣、どうですか。

前原国務大臣 先ほどの機材の大型の問題とあわせて、やはり余剰人員を抱え続けてきたということが窮境原因の一つだと思っております。

 このリストラ案については、今、企業再生支援機構の再生計画をさらに深掘りするということで、機構とJALがその案をまとめておられる段階だと思います。それをしっかりと実行していただきたいというのが私どもの考えでございます。

菅原委員 特に稲盛さんとは御縁はありませんが、リストラしたことがないと言っている稲盛さんが本当に大なたを振るえるかどうか。これは、やはり政治的なさまざまな判断といいましょうか、指導といいましょうか、絶対にこれは必要だと思います。

 あわせて、機材のことは先ほど触れましたけれども、やはり路線のことですね。これまた四月の三日、四日と新聞を見ると、新聞によって全部違って報道されている。ミニマムで国内、国際合わせて四十七、大きいところでは六十、路線を撤退する、こうなっているわけなんです。

 これは、やはり航空行政のトップに立つ大臣として、先ほど、稲盛さんは国際線のないJALはイメージされないとか、大臣も最初そう言っていたんですよ、絶対国際線撤退しないと言った。でも、ここのインタビューでは関与すると言い出している。それは、いいことに振れたんだからいいんですよ、ぶれるときもいい方にぶれる分にはいいんです。

 この国際線、どうですか。

前原国務大臣 何もぶれていないんですよ。国際線が、JALは保有をされるということをおっしゃっているわけでしょう。その中で、より深掘りをして路線を見直すということでないと、二次破綻をさせないために我々は公的資金を入れて、そして再生をさせるということですから、より深掘りをということを我々は申し上げているわけであって、何も変わってはおりません。

菅原委員 とするならば、どれくらい、数字で言ってください。国際線、どのぐらいやはり撤退すべきだと。

 私は、やはり長距離の余りにも赤字を出しているところはばっさり切るぐらいのことをやらないと、無理だと思いますよ、これは。垂れ流しして、それで全部その都度税金で賄う。どうですか。

前原国務大臣 先ほど三ッ矢委員にお答えをいたしましたものの中にもありましたけれども、どういう関与を国土交通省あるいはそのトップの大臣ができるかということを申し上げます。

 会社更生法に基づき、裁判所は国土交通大臣に意見を聞かなければならない。だから意見を言います。また、裁判所が更生計画を認可するに当たっては、当該国土交通大臣の意見と重要な点において反していないことが要件になる。

 つまりは、更生計画をまとめられて、そしてその判断を仰がれたときに、我々としてはさまざまな情勢分析をする中で意見を申し上げる、こういうことでございます。

菅原委員 政治生命をかけてJALを再生すると言った。それで、国際線をどれだけ削るか、国際線が一番赤字の元凶になっている、これをどうするかと言ったならば、今度、そうしたならば、法律があるからと。その答弁ではやはり伝わってこない。

 もう時間がないから、最後に。

 いろいろ、今のリストラの話もそう、機材の話もそう、路線の話もそう、もろもろ含めると、大臣、これは本当に六月に間に合うの、間に合わないでしょう。これは、更生計画が六月末にきちっと出されて、そこから二月タームを置いて八月に認定をされなければ、やはりさまざまな借りかえの流れもありましょうし、メガバンクだって、いわゆる主要行だって、一歩も二歩も引いてしまいますよ。そんな中で、結局、更生計画そのものが担保されない、こういう事態に至るんじゃないか。

 あわせて、ましてや、借りかえ、リファイナンスのときに政府保証をつけるようなことはないでしょうね。結局、さらに公的資金で借りかえをするのは、国の財政と一緒で、借換債みたいなもので、どんどんどんどん赤字が膨らんでいって、それも結局は国民の負担になってしまう。

 だから、そういう意味で、私は、清算ということは非常につらいことだ。しかし、一たん捨ててこそ浮かぶ瀬もあれという言葉もありますけれども、清算して出直した方が、そこに新たな投資家やスポンサーがついてくる、本当のリスタートができるんじゃないかと思うんですが、まとめてお答えください。

前原国務大臣 お答えをいたします。

 更生計画案の提出の期間についてでありますけれども、一月の十九日に更生手続が開始決定をされまして、六月三十日まで予定されているものと承知しておりますけれども、手続の進行によっては変更になる場合もあると承知をしております。

 いずれにいたしましても、ステークホルダーがたくさんおられるわけで、議論をしっかりしていただき、そしてマックスで九千億円というお金を用意して、確実に、着実にJALを再生するということを通じて、日本の航空業界の発展と、そしてそれが、ツールとして、道具として日本経済あるいは地域経済の活性化につながるということで努力をしていきたいと考えております。

菅原委員 今、重要な答弁をしましたよ。六月末、ずれることもあり得る。こんなことを言ったら、主要行はおろか機構だってびっくりするし、政投銀だってそうですよ。これは、六月というデッドラインを、政治的な主導も含めてここに行き至ったわけです、ようやく一月十九日から。それだって、六カ月も七カ月もかける。そのリミットである六月をずらすなんということを今この時点で言っちゃってどうするんですか、大臣。この点さらに、それこそ深掘りをして詰めていきたいと思います。

 終わります。

川内委員長 菅原君の質疑を終わります。

 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時二分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時一分開議

川内委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。金子一義君。

金子(一)委員 午前中に引き続き、JALの問題について大臣に伺います。

 これまでの質疑で、安売り問題について随分出てきた。大臣も、安売りということについては稲盛CEOにも注意をされた、これは報道でありますけれども、再三、安売りというのがおかしいよねということはおっしゃっておる。ところが、依然として安売りが継続されているようだ。

 先般、我々委員会でJALにお邪魔したときにも、この問題について大西社長は、安売りをしているという認識はないと言われるんですよ。どう思いますか。

前原国務大臣 金子前大臣にお答えをいたします。

 先ほどから答弁をさせていただいておりますように、公的資金を入れた会社が安売りをして公的資金が入っていない会社と競争するというのは、これはだれがどう考えてもおかしな問題でありますし、不公平だと言わざるを得ません。したがいまして、私も稲盛会長にお会いしたときに、ダンピング競争にならないようにということを申し上げたのは事実でございます。

 問題として取りざたされているのが、バースデー割引、そしてマイレージの件でございますけれども、これから我々も、具体的にどういった割引率になるのか、また、それが公平な競争をどのようにゆがめるのかゆがめないのか、そういうことも含めてしっかり注視をし、そして物を申すときには、先ほどからお話をしております法的根拠に基づいて国土交通省としても関与していきたい、このように考えております。

金子(一)委員 大西社長が言われた言葉は、略奪的な運賃ではないという言い方なんですね。略奪的というのは、ほかからお客をとってくるという話じゃないんです。ところが、現行行われている割引ならある意味いいだろう、許されるだろうという感じを我々は受けるんです。そうすると、現状の割引というのが本当に適正なのかどうか、かつ、公的資金を受ける会社が現状は引き続きいいんだという前提でいいのかというところが問われているかなと。

 全日空の社長は参考人質疑で、JALがやるから我々もやらざるを得ませんと。一方で、お互いに体力を消耗するという懸念を表しているんです。もう一遍その辺。

前原国務大臣 これは委員が最もお詳しいことだと思いますけれども、日本航空と全日空の歴史というものは、大手二社体制ということで相当すさまじいものがあったというふうに伺っております。

 その意味で、今回日本航空には、企業再生支援機構が管財人となって、更生計画を今まとめて実施するということで、公的資金によるバックアップをしながら会社の再生を図るということでございますので、先ほど委員から、略奪的な運賃ではないということが果たして適切な言葉なのかどうなのか、また、体力を消耗し合うのではないかということが、本当にそれが実態として言葉どおりなのかどうなのかということについては、繰り返しになりますけれども、法的根拠に基づきましてしっかり注視をし、そして、必要があれば、更生計画に対して私どもが法的根拠に基づいて関与するときには、しっかりとこういった場での議論も踏まえて発言をしていきたい、このように考えております。

金子(一)委員 大臣が注意をされたんだけれども、大西社長は聞き流しているんですよね、馬耳東風。うっかりすると、なめられちゃっているという表現すら使えるかもしれない。そんなことはやはり許しておけないと思うんです。

 繰り返しますけれども、今までやってきた商取引は守りますというのは、実は、前の社長がやめる前に言っちゃったことなんですよね。これは私、変だなと思ったんだけれども、従来の商慣行、商取引は守ります、これは何を言っているかというと、御存じのとおり、マイレージ、バースデー割引だけじゃなくて、キックバックが大きいんですよね。キックバックというのは、観光業者とJALとの間のやりとり、商取引、物すごい異常な。我々もそれを今調べているんですよ。見れば見るほど、こんなことをやっていたのかよと、前大臣でありながら言うのもなんですけれども。

 今までこういう商取引については民間企業の営業秘密ということで済んでいたんだ。済まされていたんだけれども、本当に今までのやり方でいいのか。今、大臣はそういう意味では非常に前向きな答弁をしてくれたなと私は思っているんです。

 うっかりすると観光業者が、今までやっていたことだから当たり前じゃないか、そんなことをやれないならおれはANAに行くぞとか、そんなことを言うのならこれから上陸してくるLCC、ローコストキャリアの方にどんどん行っちゃうぞと言われたら、JALは、やはり略奪的でなければいいのかなということになりがちだと思うんですね。

 しかし、日本の空というのは、今、大臣の立場というのは、また我々の立場でもそうですけれども、JALが生き残ればいいだけじゃなくて、将来の日本の空、そしてあわせて適正な観光。二千万人もインバウンドでやろうというのが私もあなたもやってきている方向でしょう。それをおかしなゆがんだ形でやらないということのためにも、一度、そういう商取引というのがどこが適正か、そのために、公表するかどうかは別として、私は省内で一度実態調査をされるべきだと思いますが、どうですか。

前原国務大臣 先ほど委員がおっしゃったJALの再生が目的でないというのはまさにそのとおりで、JALの再生を通じて、航空産業の共存共栄、そして適度な競争の中での顧客の満足と地域の活性化、こういったものを求めていく、また、それをしっかりと実現していくのが我々の仕事だというふうに認識をしております。

 商取引の件でございますが、これはもう公表資料でございますので、ぜひごらんをいただければと思いますけれども、私がお願いしたタスクフォース、徹底的なデューデリをやっていただきましたけれども、ここの中にもそういったところは見受けられておりますので、今、金子委員から御指摘のありましたこういった実態を踏まえて、これをどう更生計画の中でしっかりとチェックをしていくのかということは、省内でしっかり話をして取り組みをさせていただきたい、このように思っております。

金子(一)委員 大西社長にお話ししたら、業務執行役員という立場で我々委員にお答えしますという話なんですよね。稲盛さんはCEO、彼も業務執行役員ですよね。

 支援機構、裁判所、管財人、これは経営判断をするんですか。

前原国務大臣 最終的な、経営判断といいますか、経営判断をするのは日本航空そのものでありますけれども、更生計画をまとめるのはまさに管財人であり、先ほどからお話をしておりますように、更生計画を承認して、いよいよ会社更生手続に入るのは裁判所であるということでございます。

金子(一)委員 それでは、なぜ大西さんは我々委員に対して、我々は業務執行役員でありますと。つまり、言いかえると、経営判断は別途のところで行われるという趣旨なんですよ。そこをちょっと整理しておかないと。だれが責任というのは言いませんけれども、やはりそれぞれの役割があるんだと思いますので。

 さっき質問がありましたけれども、会社更生決定一カ月後に国交省が国際線の再編案というのを、これは機構に対して提示されているんですよね。そして、それを見て稲盛CEOが、これもさっきありました、国際線のないJALはイメージにない、そんなことを言うのなら、前原さん、あなたが社長をやれよと。

 CEOというのは経営判断じゃないはずなんだけれども、この更生計画、経営判断の責任をだれが本当に持っていくんだろうか。責任論じゃないんです。だれを本当にきちんと我々は見ていればいいんだろうか。今、支援機構が全然出てこないんですよね。そこのところをどう思いますか。

前原国務大臣 三人の管財人のうち、二人が支援機構であります。瀬戸委員長と中村専務が管財人でありまして、まさにその更生計画をまとめる立場でいらっしゃるわけであります。

 しかも、企業再生支援機構が支援決定を行って、その再生計画というものをベースに更生計画がまとめられているということでございますので、JALは企業再生支援機構と話をされながら更生計画をまとめられますとともに、現下の経営というものについては、もちろん機構や他のステークホルダーと相談をしながらJALが主体的に行っている、こう認識をしております。

金子(一)委員 大臣は、更生計画を見ながらしっかり関与していきたいとおっしゃっているんですが、その関与、方向としてどういうふうにしっかり関与したいんですか。

前原国務大臣 これはもう釈迦に説法でございますけれども、会社更生法、そして航空法、株式会社企業再生支援機構法、これにのっとって、法的根拠に基づいて事業計画などに意見具申をし、そして、我々の立場をしっかりと主張していくということになろうかと思います。

金子(一)委員 一月の更生決定一カ月後に出された国際線の再編成案というのは、ある意味国交省の意思を含めたものじゃないんですか。

前原国務大臣 より深掘りをして、二次破綻は絶対に避けなくてはいけない、そして着実に実行可能な更生計画にしなくてはいけないというところで我々も意見を申し上げているところでございますけれども、最終的に路線あるいはリストラの範囲を決められるのはJALであり、企業再生支援機構でございますので、それをまとめられたことについて、我々としてどう関与をしていくかということが最終的なプロセスにのってくるんだと我々は理解をしております。

金子(一)委員 それはもうさっきからそういうお話。ステークホルダーが大勢いるので、ステークホルダーの意見を聞いて、最終的に法に基づいて意見を言うとおっしゃっているんだけれども、国交省の方向というのは、再生計画をつくっていく、更生計画をつくっていく過程で示さなければ、更生計画がまとまった段階では遅いに決まっているじゃないですか。どうして今出さないんですか。

前原国務大臣 基本的には、一月十九日の段階で企業再生支援機構がまとめられた再生計画というものに基づいて着実に行われることが望ましいという立場でスタートをいたしました。

 その中で、一月、二月の段階では、赤字体質というものから脱却できていないということと、世界経済の見通しの不透明さも含めてでございますけれども、何よりも二次破綻はさせない、そして着実な再生をということの中で、より深掘りをするという趣旨のことについては、国土交通省としても機構やあるいはJALに対してお話をしているところでございますけれども、例えば、我々自身が具体的に今の段階で細かなところまで関与をするというよりは、まとまりつつある案について意見を申し上げ、今委員がおっしゃったような、こうであれば着実な再生になり得るということの意見を言っていくということになろうかと思います。

金子(一)委員 八ツ場はやめると言って早々と宣言された前原さんらしくないですよ。

 機材を更新してダウンサイジングしないとJALは生き残れないな、今のままジャンボ、空気を飛ばしていたんじゃどうしようもないな、だから今度の更生計画、再生計画の中でダウンサイジングのお金も出してあげましょうと。幾らかかるんですか。五千億かな、七千億かかるんですかね、償却も含めて。その数字は計画の中で出てくるでしょう、きょうは問いませんけれども。

 しかし、それに対して、倒産した会社が設備を新しくして市場にまた殴り込みをかけるのはおかしいよね、これはどこの倒産法制でも必ず出てくる話。だからこそ、公平な競争というのが、日本の空ということを考えた上で求められてくる。それはもう前原大臣もわかっているはずだ。

 そこで、さっきの答弁であったけれども、それでは、民事再生法を受けた建設会社に対して、今までと同じように安売りに走ることがないような仕組みはずっと考えていたとさっきおっしゃったの。これについても、ずっと私、前原個人として考えていましたなんという話じゃなくて、今、早急に出す必要があるんじゃないんですか。

前原国務大臣 繰り返しの答弁になって恐縮でございますけれども、現在、JALと機構が、ステークホルダー、さまざまな方々と相談をされながら、より深掘りをした更生計画をまとめられている最中であり、私どもといたしましては、会社更生法、航空法、株式会社企業再生支援機構法、これに基づいてしっかりと関与をしていきたい、そしてその更生計画が着実に再生可能となるためのチェックなり後押しをしていきたい、このように考えております。

金子(一)委員 せっかく先ほどああいう答弁をしていただいたので、更生計画が決定するのを見ながらじゃなくて、もっと早い段階で国民に対して、こういうことを意図して競争してもらいますと。

 もう一つ、強いて言えば、国民の税金を使うわけですから、資金使途についても本当は国民に明らかにしてもらいたいんですよね、皆さん方の税金はこういうものに使いましたと。しかし、最低限、国民のインフラとして、空のインフラとしてのJALは、何としても国民のために再生してもらえるようにしていきますと。資金使途。

 一方で、さっき申し上げた路線、国交省が出された路線、JALの中でいえばD案ということで、一番ちょっと外れちゃっているんですけれども、D案と言われているんですけれども、ここにせっかく国交省の意思があらわれていると思っているんですよ。最低限のナショナルミニマムを今度の再生計画の中で国として、政府として考えているんだ、だから安売り競争といったようなものに甘んずる話ではありませんと。それが国民に今聞こえてこないんです。JALさえ再生できればいい、そうじゃないはずなんです。だから、そこは前原大臣、自信を持って、さっきから言ってくれているんだから。

 公取は、言ったってしようがないじゃないですか。公取が消極的なんと言ったって、そんなものはしようがないので、むしろ国交省として、ガイドラインとは言いませんよ、指標でいいじゃないですか。

 資金の使い道あるいは路線のあるべき姿、あるいは、先ほど来議論になっている適正価格競争、三つぐらいのカテゴリーで、それに沿って更生計画がつくってもらえるように国交省として、先ほどの答弁はみんな、航空法、企業再生支援法、会社更生法、それぞれに基づいて国交省は、意見を聞くことになっているという答弁に終始しちゃっているんだけれども、そうじゃなくて、それだけ答弁されると、計画ができたときに何か言うのかなと。しかし、どうも、何を考えているのかというのがよくわからぬ。それをもう少しわかりやすく、国民に早く、しかも、安心を業界にも与えた方がいいんですよ。つくってくれませんか。

前原国務大臣 先ほど委員がおっしゃったように、JALの再生が目的でないというのは、そのとおりであります。JALの再生を通じて、航空産業の発展と、そしてそれが経済活動にプラスになるように、また地域間が結ばれて、地域の活力というものがより生まれてくるようにということが大きな目的でございます。

 それを果たすために、今御指摘のあった更生計画がまとまるまでに、どういった関与のあり方かということは我々なりにしっかりと今模索をしているところでありますし、また大きな方向性の中で、先ほどおっしゃったような公平な競争が担保されるように、そしてダンピング競争ということで、安売り競争でお互いが首を絞め合うというようなことがないように、そして二次破綻のないような路線の見直し、こういったものを我々としてはしっかりと関与していきたいと考えております。

金子(一)委員 私、国交大臣の前に、産業再生機構、今の支援機構のほぼ前身ですけれども、担当大臣をやったんです。前原大臣が使われた冨山さん、高木さん、今専務をやっている中村さん、みんな産業再生機構で、私、直接の所管だったですから、毎日のように、カネボウ、ダイエー、どうやって再建するかと。これもマスコミから随分、あるいはエコノミストから随分我々も批判を浴びました。何でこんなところを再生するんだと批判を浴びましたよ。

 そういう中でやっていきましたので、私、彼らが今どういうふうに再生させようとしているのかというのは手にとるようにわかりますし、一方で、前原さんがびっくりするくらい、我々は金融機関からいろいろな情報が入ってくるんですよ。今の再建計画、更生計画の目指しているもの、大丈夫かなと心配の声も含めて、皆さん以上にひょっとすると入ってきているかもしれない。

 そういう中で、やはり何としても、空のインフラというのは必ず国民のために維持していきたい、そこは私も多分一緒だと思うんですね。だけれども、もう一つ物足りなくてしようがないのは、さっき、稲盛さんと支援機構と管財人の役割は何ですかといってあえて伺ったのは、支援機構も管財人も稲盛さんも、何でもいいから、とにかくJALを再生させることですよ。三年後に出口を見つけて回収すること、それがすべてですよ。そんなこと、当たり前なんだ、立場上。しかし、国の立場として、大臣の立場としては、そうじゃないはずですよね、日本の空をどうしていくんだ。だから、安売りの遺伝子を、DNAをそのまま持って、三年後卒業してもらっていいのかよと。

 それから、日本の空、二社体制でそのままいけるのか。今、私も、金融機関からもいろいろ意見、本当に入ってきていますけれども、彼らが心配しているのは、今の再生計画の深掘りかどうか、リストラができるかどうか、その心配はもう超えちゃっているんですよ。三年後の心配をしているんですよ。超えちゃっているんです、心配が。

 つまり、今の再生計画というのは、JALの再生だよな、それはわかったと。しかし、その後、これだけ世界の航空業界の激しい、しのぎを削る競争の中で、二社体制で生き残っていけるのか。多くの市場関係者は、生き残っていけないんじゃないか、むしろそういう議論が出てきているんです。そこは市場が決めていく、あるいは市場が見ていく話でしょうから、私もこれ以上言いませんけれども。

 そこで、前原大臣はこの問題のときに、国際線の一社化を検討すると言及をされたんです。将来の空の姿とあわせて、何を考えているんですか。

前原国務大臣 これから国際航空の需要がどうなっていくのかというのがありますけれども、今、金子委員からお話のあった、二社でいくのが果たしていいのかどうなのかという議論を始めるべきだと申し上げたのは、一月十九日の会社更生法が決まったときに私が申し上げたことであります。

 今回の再生計画、そして、それをベースにして、より深掘りして更生計画ということを考えたときに、私はできる限り、どの程度ということについてはいろいろな議論がありますが、少なくともJALと全日空が競合する路線というのは少ない方がいい、このように思っております。競合する路線があれば、先ほどから委員が心配をされているような安売り合戦、ディスカウントをして、客の奪い合いをやって、両方とも首が絞まって、体力を消耗していく。まさにこれは不毛な安売り競争に陥っていくわけであります。

 そういう意味では、私は、今回の更生法の中で、そういった競合する路線の見直しというものが進められていって、そして、これは両方ともアライアンスに入っているわけでありますけれども、アライアンスの効率性と、そしてオープンスカイというものの中での競争で、それぞれの会社が適正な規模の中で、適正な路線規模を確保した上で競争をしていくということが望ましいと考えております。

 そういう意味で、今までの大手二社体制を前提にするということにはならないのではないかという問題意識を一月の十九日の会社更生法が決まった段階で申し上げたところでございます。

金子(一)委員 一月何日かに述べたものでありますというのではなくて、その考え方をこれからどうしていくのかというのが、今度の更生計画の中で改めて問われているんだ。前原さん、問題なんですよ。そこをしっかり、先ほど来議論している指標、ヨーロッパ型のガイドライン、そんな大なたを振るわなくてもいいから、再生のあるべき姿という二つ、三つの項目についての指標、道しるべ、そして三年後の出口の姿、これはもう国交省、前原さんが大臣として、会社更生法に基づきとか何とか法に基づきなんというところへ行かないで、ぜひグリップを強くしてやっていただきたい。それは与野党超えての話だと思っておりますので、要請をいたし、質問を終わります。

川内委員長 金子一義君の質疑を終了いたします。

 次に、穀田恵二君。

穀田委員 私は、この間の日本航空の視察の際に、委員長の指摘がありましたから、時間を短くとあったので、事実だけを問いただしました。私は、既に締め切られた早期退職の応募状況について答えてほしいと質問したわけです。そうしたら、答えはおおむねこんなふうに言っていた。現在取りまとめ中だ、事業の継続に支障が出るといけないので後日公表したいと。後日というのは大体、「ある日より後の日。」というのが広辞苑で書いていますから、次の日以降だと思うんですよね。ところが、その夜新幹線のテロップでは数字が流れている始末。

 メディアには公表するが、数時間前に尋ねた国土交通委員会の委員には後日、こんなやり方がいいのかということについて、率直な感想を聞きたい。

辻元副大臣 これは、JAL、そしてその関係者の情報管理の問題だと思っております。

 国交省に来ている話ですと、特別早期退職の数は発表していないと言っております。よく、発表していないけれども、関係者等から漏れて、新聞に載っていて、一体これはどういうことなんだと私たちも驚くということも多々ございました。ですから、JAL及びその関係者の皆さんは、それは今再建途中で、いろいろなかなか発表することができない点もあるかもしれませんけれども、そうであるならば、情報管理を徹底する、そして、そうでないところはしっかり情報公開をしていただくというようにしてほしいと思っております。

穀田委員 肝心なところは情報公開せぬで、しようもないようなところはずんずん流れる。しかも、私は、こんな調子だから、頼りにすべき従業員にも後で知らせるという対応になっているんじゃないかと危惧せざるを得ない。

 私は、今までいろいろな方が論じられましたけれども、ちょっと立場をしっかりせなあかんと思っているんですね。やはり大西社長も窮境原因について三つ言いました。その三つの中に、従業員の責任で起こっているなんということはないんですよ。もちろん経営陣の大きな責任であって、経営陣の責任と働いている従業員の区別をして見る必要が私はあると思っています。

 特に、なぜ早期退職の話をしているかというと、参考人陳述で航空労組連絡会議長山口さんは、早期退職の面接で整備士に、資格でなくて人員削減数の確保が先だとの説明がされたと指摘があったことを思い起こしたわけです。

 社長や経営陣は、安全に支障がないようにするだとか、いろいろ言っていました。でも、こういう現実があるという指摘を踏まえて、しかも、二千七百人の早期退職の募集に対して、発表したかどうかは別として、四千人を超えるという現実があると言われている、それは確かなようですね、その事実は。そうしますと、部門ごとに調整をしなくちゃならぬという話まで出ていると。

 したがって、安全運航という面から支障が出ていないのか、この一点ははっきりさせる必要があると思うんですね。どんな人数なのかどうかは別として、そういう問題に不安が起きている現実の中で、安全部門は大丈夫なのかということについては、きちんと問いただした方がいいんじゃないでしょうか。その辺はいかがですか。

辻元副大臣 穀田委員がおっしゃるのは、そのとおりだと思います。こういうときは、余剰人員があるということで、リストラせざるを得ない。しかし、生活や人生がかかっている人をリストラするということですから、リストラの過程でも非常にさまざまな問題が出てくると思います。

 それと同時に、この産業の生命線は安全ですので、その点に支障を来すようなやり方は決してあってはならぬと思っております。この点については、この過程でも、大臣の方からもたびたび、安全最優先ですべての取り組みをしていただくようということを何回も申し上げておりますので、国交省といたしましては、その姿勢でこれからもまいりたいと思います。

穀田委員 これは、私は質問のたびごとに大臣とやり合って、お互いに認識が一致しているんだと思うんだけれども、やはり飛ばすわけだから、安全という土台をしっかり踏まえなくちゃならぬ。

 私は、ついでに言っておきますと、社員に緊張感がないとか言う人がいるんだけれども、この間山口さんも言っていましたけれども、緊張感というのは、きつい顔して、こんな顔していたらいいのか、それでは客も逃げる、こういう話まであって、ああいう現状という話も含めて、人の対応やその他の問題についてあれやこれや言うときにはもう少し落ちついて言わなかったら、ほんまに今どんな努力しているのかということについて、そこはしっかり見ていく必要があるだろうとあえて言っておきたいと思います。

 二つ目に、公租公課の問題について質問します。

 日航の経営を圧迫している要因の一つに、高い公租公課があります。航空燃料税、着陸料など空港使用料などであります。全日空の伊東社長も、また先ほど述べた航空連の議長も、航空会社にかかる公租公課の負担軽減を要望しておられました。

 そこで、聞きます。

 一つは、日本航空が年間に支払う航空燃料税、空港使用料は幾らか。営業支出に占める割合、そして人件費と比較してどうかという点についてお答えいただきたい。

辻元副大臣 一つは、今御指摘の事実関係ですけれども、空港整備勘定をまず申し上げたいと思います。

 二〇〇〇年度は、この整備勘定、一般ですけれども、いわゆる純粋真水は八百四十五億円、航空燃料税の繰入額が八百六十一億円で、空港使用料は二千百九十億円となっています。二〇〇八年度は、いわゆる純粋真水は六百十一億円、航空燃料税繰入額は九百二十五億円で、空港使用料は二千百七十一億円。

 そして、JAL関係が占める割合ということになりますけれども、公租公課は営業費用の一〇・六%、そして燃料費二四・三%、人件費一六・七%に次ぐ規模の負担ということになっております。

穀田委員 この公租公課について、航空会社の経営を圧迫しているという認識はございますか、大臣。

前原国務大臣 経営をしていただいている以上は、そういった公租公課があるという前提で経営をしていただかなくてはいけませんけれども、ただ、我々は今、空整勘定の見直しの中でその引き下げができないかということを成長戦略会議の中で議論しているところでございます。

穀田委員 この点はこの間二月二十六日に議論をしまして、大臣自身が、極めて過大な負担をかけているとはおっしゃっているんですね。今、辻元副大臣からもありましたように、三番目の比率になっている。人件費の一六・七に次いで一〇・六という大きな比率であると。そういう意味では、会社経営を大きく圧迫している現状は明らかだと思うんです。

 それで、着陸料など空港使用料の値下げは、航空会社の経営支援はもちろん、日航再建にとっても必要だと考えます。私は同時に、再建に必要不可欠な安全運航の確保にとっても重要だと思います。

 先日の参考人質疑などで明らかになりましたけれども、年内に一万六千人のリストラ、人員削減などの報道が先行していて、安全運航に欠かせないモチベーションの低下が深刻化しているという報告がございました。先ほど述べたように、早期退職には四千人近くも応募があったと言われていて、運航に支障が出るために調整が必要になっているとも言われています。公租公課の負担が軽減されれば、安全運航に必要な人材確保も可能になります。この間、参考人で陳述をされた山口さんは、更生期間中の三カ年だけでもせめて半分減らせば、国民の税負担、公的資金の負担は軽くなるとまでおっしゃっていました。

 私は、政府として、公的資金を投入するだけでなく、再建に責任を負うという以上、見直しをやって、すぐにでも公租公課については軽減を実施すべきではないかと思っているのですが、いかがでございましょうか。

前原国務大臣 先ほど答弁をさせていただきましたように、空整勘定の見直しというものを行っていく中で、今委員が御指摘の点も含めて見直しているところでございます。

 きのう委員とは岩国空港の話をいたしましたけれども、基本的には、大々的な新たな空港はもうつくらない、こういう前提で、しかも羽田の四本目の滑走路ができますとそういう意味での大物というのはなくなりますので、そういう意味では、見直す契機には、もう時期は来ているのではないか、このように私は思っております。

穀田委員 見直しの契機に来ている、重要な判断だと思います。

 今、空整勘定の見直しについてありましたので、ついでに私の方もその点について触れたいと思います。

 大臣は、就任当初、予算の枠があるから採算の合わない空港もつくられる今の仕組みは根本的に見直していかなければならないということで、日本航空の経営再建とあわせて、社会資本整備特別会計空港整備勘定、ここではもう面倒くさいですからいわゆる空港特会と呼ばせていただきますけれども、これを見直す意向を示していたわけですね。だから、そういう意味では、これら全体の見直しとあわせてそれを実行していくという段階に入ったという認識だと思うんです。

 そこで、その見直しの方向なり、それからテンポといいますか、どういう段取りで進めていくのかという点について、今の段階でわかっている状況があれば御報告いただきたいと思います。

前原国務大臣 これは就任当初にぜひ見直しをしたいというふうに思っておりまして、できれば平成二十二年度の予算にも反映をさせたいと思っておりましたけれども、政府全体として特別会計の見直しを平成二十三年度の概算要求に合わせてやるということでございますので、それについてはあわせて取り組むということでございます。

 中身については、先ほどから申し上げておりますように、基本的には新たな空港はつくらない。その中で、ただ、必要経費というものはございますので、しかしその分を差し引いたものについては、基本的には着陸料などの引き下げを含めた公租公課の見直しに充てていくということが基本となっておりますが、詳細については今成長戦略会議で詰めているところでございます。

穀田委員 今後、今も議論を始めている成長戦略会議でずっと詰めていくということになると思うんですけれども、その際に、私どもの一定のこの問題点についても少し明らかにし、意見の交流をしておきたいと思っております。

 先ほどありましたように、目的はもともと空港整備だったわけです。しかし、きのうも議論になりましたように、先ごろ開港した茨城空港を含め既に九十八空港が整備され、さらには羽田空港の再拡張もことしでほぼ完了する見込みです。

 法の趣旨なり経過をずっと見てみたいと思うんです。それを見ますと、〇八年には、六月に空港整備法を空港法に法改正し、十二月には空港の設置及び管理に関する基本方針を策定して、その中で、きのうも触れましたが、今後の空港の「整備は全国的に見れば概成し、」おおむね達成している、「離島を除き新設を抑制すること」として、はっきり空港整備を抑制する方向にかじを切っているわけですね。

 だから、そこをはっきりさせておきたいんですけれども、今、大臣の話でいうと、全部かどうか、そこを聞きたいわけですけれども、必要なものと言っているものがどの辺までなのか、今、私の前にちらっと言ったわけで、どの辺まで整備するつもりかまで言っているんじゃないかと私はふと思ったんですが、この際、空港特会を維持する理由はないんじゃないのか、国民から見れば、そういうもともとの法律の規定からしてみれば用をなさなくなっているというふうに見ていいんだと思うんですね。その辺はどう考えていますか。

    〔委員長退席、橋本(清)委員長代理着席〕

前原国務大臣 私の答弁の後に、辻元副大臣、先ほどの答弁でちょっと追加があるということでございますので。

 これは委員も御承知のとおり、空整勘定というのは、歳入歳出を考えた場合に、歳入については、空港使用料ということで先ほどから議論になっている公租公課があり、それから借入金として八百八十二億円、これは羽田空港の第四滑走路の整備費ということで、そして一般会計からも一千百三十一億円、平成二十二年度に入っているということでございます。

 では、何に使われているのかということでありますが、今申し上げた、羽田とかあるいは主要空港の機能向上などに使われているのが二千七十二億、そして借入金の償還、利払い金が一千三十五億円、それと同時に離島航空の助成とかが六億円ですが、あとは空港等維持運営費ということで一千四百八十億円使われている、こういうことなんですね。

 ですから、これを見た場合に、この空整勘定をどういうたてつけにしていくのかといったところが大きなポイントになってくるのではないかと私は思っておりますし、仮に特会を残すということになれば、空港等維持運営費というところがほぼ空港使用料にパラレルになるところになってくるのではないかと思います。

 もちろん、それはすべてイコールということにはならないと思いますけれども、政府全体の特別会計の見直しというものが特会を全部なくしていくという方向なのか、特会をなくすということは、結果的には全部一般会計に入れてやるという話ですよね。結局は同じなんですが、そこら辺を、使途を明確にした形で、残すのであれば、私が今申し上げたようなところが一つの方向性ではないかと考えております。

    〔橋本(清)委員長代理退席、委員長着席〕

辻元副大臣 済みません、一点訂正させてください。

 先ほど、穀田委員の公租公課の負担が航空会社の経営を圧迫しているのではないかという答弁のところなんですけれども、私が答弁いたしましたのは、JALがと申し上げたのですが、我が国の航空会社に対する公租公課は営業費用の一〇・六%、燃料費の二四・三%、人件費の一六・七%でした。

 穀田委員はJALの占める割合と御質問なさったと思うんですけれども、ちょっとこちらで調べてきた数字が我が国の航空会社全般ということになっておりますので、訂正させていただいて、おわびを申し上げます。

穀田委員 二千百九十億円と言ったから倍やなと思ったんやけれども、おかしいなと。ただ、パーセンテージは大体似たようなもので、ただ日航でいうと一三%という指摘もあるので、そこは数字が変わったのかなと思ったので、私もふと思ったんですけれども、まあ、それはいいでしょう。

 それで、今ありましたように、利払いなんかが結構多いわけですよね。実は、内容を見てみると、一般財源といえば減らしているんですよね。結果から見ると、二〇〇〇年と二〇〇八年を比較すると減らしているわけです。

 きょうはもう時間が迫ってまいりましたから、聞くつもりだったんだけれどもこちらで言いますけれども、実際は、一般財源でいうと、繰り入れしているのは八百四十五億円から六百十一億円、それから航空燃料税については八百六十一億円から九百二十五億円、空港使用料は二千百九十億円から二千百七十一億円。では、これで間違いないですよね。

辻元副大臣 今、数字を確認しておりますが、そのとおりだと思います。

穀田委員 全体の額の推移は大体五千億円でずっと推移しているんですよね、会計全体が。しかし、ここ数年はふえている。今お話しし、答弁をいただきました。要するに、一般財源からの繰り入れは減っているんですよね。航空燃料税は逆にふえている。結局のところ、空港使用料は維持されているから、その三つの関係で固定化している。つまり、空港整備の必要性は縮小しているから一般財源は減らしているという感じなんですよね。だって、最後、自分のところで、国から出している金は減らしていくわけだから、そういう現実があるわけです。

 そうすると、航空会社が負担する公租公課は軽減されず、結局空港整備の予算に充てられてきたということになるわけですね、逆に裏を返して言えば。だから、余分な財源を公租公課という形で集めて、必要のない空港整備に充ててきたとも言えるわけであります。

 だから、私は、先ほど述べたように、単に公租公課を下げろと言っていることとあわせて、特会という位置づけからしても、そこから接近してもこういうものは下げるべきだという二つの点から言っているということを御理解いただきたいと思っています。

 そこで、私は、今度は地方空港の問題について質問します。

 日航を初め航空会社の航空路線廃止で、地方空港はさらに収支が悪化する。前回この委員会で、路線が廃止される場合、その地方の意見を十分配慮することが必要だと大臣も述べました。地方空港の多くは、収支が赤字で、毎年数億円の赤字補てんを余儀なくされているのが実態です。したがって、路線廃止などが進めば、さらに経営困難に陥る地方空港も出てくる。中には空港を維持できるかどうか問われるような空港もある。それにどう対応するかということだと思うんですね。

 そこで聞きますが、実際に廃港を含め検討している地方空港はあるのかどうか。あるならば、それにどう対応、関与しているのか、この二点についてお聞きします。

前原国務大臣 空港というのは、国管理と地方管理がありますけれども、国管理で廃港の検討を国交省でしているというのはありません。

 地方空港の存廃については、これは地方自治体が自主的に判断をするものでありますけれども、現在のところ、廃港を検討している空港があるとは聞いておりません。

 では、そういった廃港を検討している空港がある場合、国の対応はどうなるのかという御質問でございますけれども、地方自治体から空港の廃止申請があった場合には、航空法に基づいてその申請を審査の上、許可基準を満たせば廃港を許可するということになります。

 いずれにしましても、既に整備された空港については、地域における利用促進活動などを通じてさらに活用していただくことが重要だと考えておりますので、国土交通省としてもこうした取り組みを期待していきたい、このように考えております。

穀田委員 では、最後に関西三空港問題についてお聞きします。

 関西三空港懇談会など官民で、大阪、伊丹空港を廃止するのか存続か、さらには関空、伊丹、神戸空港の一元化、一元管理するかなどについてさまざまな議論が出ています。国交省は、成長戦略会議でこの関西三空港問題をどうするのか議論しています。先日は中間報告案が示されたとの報道もありました。この点についてお聞きします。

 第一に聞きたいのは、報道にあった中間報告案なるものを私は国交省に求めました。そうしたら、会議の委員が記者会見して出したもので、国交省として出したものではないので出せないということで、もらえませんでした。マスコミ報道だけで、それこそ、先ほど辻元さんがおっしゃっていましたけれども、必要なものは出す、それから出せないものは出せない、いろいろあるんでしょうけれども、この問題についてはマスメディアの報道だけで、国会には提出されない。情報開示という点では、国民の関心にこたえるということになっていないんじゃないでしょうか。その点、いかがですか。

前原国務大臣 どのペーパーをもって開示をされていないとおっしゃるのかわかりませんが、航空分野も含めて重点項目は公開をしておりますので、もしなかったら、すぐお届けします。

穀田委員 重点項目は持っていますよ。ただ、大臣はわざとそういうことをおっしゃっているんだけれども、そこの中の議論の中身を言っているわけですよ。

 報道によると、「中間報告案では、「関空のバランスシートの改善に伊丹を活用する」と明記。」しているんですよ。こんなのは成長戦略会議の重要項目には入っていませんよ。ホームページに出されているあなた方の報告には、そういう文章全部はありません。

 そして、「具体的には」ということで、こういう文章もあります。「年間約四十億円の黒字がある伊丹空港を民間企業に売却した利益を関空会社の債務返済に投入する」、二つ目に「伊丹空港の土地・施設は国が保有したままで運営権を民間に売却し関空会社の収入とする」、三つ目に「関空と伊丹を一体的に運営する権利を売却し、関空会社の債務圧縮に回す――などを議論する。」として書いているわけです。

 これはホームページには載っていませんよね。そういう文章は載っていないです、私は見ていますけれども。出ていますか。出ていないんですよ。

 だから、私が言っているのは、報道によると、中間報告案という形でここまで出ているんだが、見出しではさらに、「「伊丹」売却・民営化案」「関空と伊丹運営、民間企業に売却」としている。こういうのは事実ですか。

長安大臣政務官 お答え申し上げます。

 この間、成長戦略会議、さらにはその下の部会であります航空分科会でも、さまざまなオプションについて議論をしております。

 先般発表させていただいた重点項目、これはあくまでも中間取りまとめの中の重点項目でございます。中間の段階でございまして、最終ではございません。そういう中で、中間の段階をお出しすると混乱を招くということで、中身の内容については公表をさせていただいていないということでございます。

穀田委員 長安政務官、では、重点項目の中に今述べたものは書いていましたか。

長安大臣政務官 お答え申し上げます。

 この関西三空港の問題につきましては、これは四番のところにある内容だけでございまして、「バランスシート改善による関空の積極的強化」という項目だけでございます。

穀田委員 だから、私は大臣に書いてあるかと言ったのは、その項目には四番目でほんの数行しかないんですよ。ただ、それ以外のことが出ているから、それは事実かと聞いたわけですよね。だから、今言いましたように、それは中間段階だから発表していないということだから、それはそれでいいんでしょう。その事実関係は確かめておきたい。

 あわせて、では大臣には、関西三空港についてどのように考えておられるのかということで、現時点での考えを述べていただければ幸いです。

前原国務大臣 この三空港問題については、関空と伊丹が国の管理でありますし、神戸は神戸市が管理する地方空港でございます。したがって、一義的に我々が神戸空港をどうのこうのするということは、国が地方空港に対して言うことは、これは私は越権行為だと思っております。

 では、関空と伊丹の二つの空港についてということでありますが、先ほど長安政務官が答弁をさせていただきましたように、今議論をしているところでございますけれども、一つ確実に言えることは、さまざまな方が、伊丹を廃港して関空に集中させるということがありますけれども、例えば、大阪の市内からアクセスが劇的に改善された暁に伊丹廃港というのは視野に入ってくるかもしれませんが、そういったものがとられた場合という前提になります。ですから、伊丹廃港をおっしゃっている方も伊丹活用をおっしゃっている方も基本的には同じで、当面は、伊丹空港というのは極めて大事な基幹空港でございますので、利活用をしていく。

 そして、関空は、二十四時間使える大きな滑走路が二本もあるところでございますので、潜在能力は十二分にあると思っておりますので、これをどう活用するかということについて、今、成長戦略会議の中で御議論をいただいているところでございます。

穀田委員 最後に、今、長安政務官や大臣からありましたが、さまざまな議論があることは私も承知しています。ただ、首長の発言と経済界の発言は極めて派手にやられています。しかし、私は、住民の声といいますか、そういう意味でいうと、国民の声というものを反映させる場がないんじゃないかと率直に言って思っています。もっと住民参加で議論すべきだと思います。

 もう一つのポイントは、関空の債務をどうするのかということについてが結局大きなポイントだと思います。したがって、その辺の点をきちんと議論すべきだし、そのためにも、先ほど辻元さんからもありましたが、この問題についての情報はきちんとオープンにしていくということだけは求めていきたいと思っています。

 終わります。

川内委員長 穀田恵二君の質疑を終了いたします。

 次に、柿澤未途君。

柿澤委員 みんなの党の柿澤未途でございます。

 きょうはJALの問題でありますけれども、まず、プレパッケージという言葉の意味についてお伺いをいたしたいというふうに思います。

 JALの企業再生のスキームは、プレパッケージ型、事前調整型のスキームをとったということが言われている。きょうの午前中の質疑でもこのことについて取り上げられた方がいらっしゃいましたけれども、一月十九日の時点で何がプレパッケージをされていたのかということについて、改めてお伺いをいたしたいと思います。

前原国務大臣 柿澤委員にお答えをいたします。

 会社更生法を適用すると、事前に調整をしておかないと、例えば機材の債権であるとか、あるいはマイレージであるとか、そういったものについての債権も保護されなくなるということで、例えばこの二つを、事前に話し合いをする中で、会社更生法に基づいてもそれがしっかりと保護される。あとは年金についても、三分の二以上の同意が得られましたので、年金についてもしっかりと、会社が努力されて集められた条件というものを保護していくといったところが、事前調整として準備をされたということでございます。

柿澤委員 ファイナンスのスキームについてはどうだったんでしょうか、お伺いいたします。

前原国務大臣 もう少し具体的に質問いただければありがたいです。

柿澤委員 要するに、その後の事業継続に当たってのファイナンスの仕組みについて、やはりこれも事前に調整をして決まっていた部分もあるかと思いますけれども、その点について御答弁をいただければと思います。

前原国務大臣 その意味においては、先ほど来から御答弁をさせていただいておりますように、日本政策投資銀行、そして企業再生支援機構がどのような資金提供を行うかということについては、議論はなされておりました。

 ちなみに、融資枠としては、日本政策投資銀行が三千億円、うち機構保証が一千億円ということでございます。それから、企業再生支援機構の融資枠というものが三千五百五十億円、そして出資というものが三千億円ということで、こういった、今委員のおっしゃったいわゆるファイナンスのスキームについても、事前に機構とDBJが議論をして調整していたということでございます。

柿澤委員 支援機構とDBJが、融資というかファイナンスの面でバックアップをするという前提で議論、調整をしてきたということが、プレパッケージという言葉に当てはまるかどうかはともかくとして、会社更生法の申請の前段階として行われてきた議論だということだと思います。

 GMのプレパッケージという言葉とJALのプレパッケージという言葉の定義の違いについていろいろ言われるわけですけれども、GMの場合は、金融機関、債権者等々の調整をし、また、事業再生のスキームというか、計画そのものもかなり詰まったものになっていたように言われております。

 一方で、JALに関しては、少なくともリストラ案についてはどんどん動いているわけですね。一月十九日当初の事業再生計画の中身と今検討中の更生計画の中身というのは、恐らく随分違ってきているわけです。国土交通省自体が二月二十二日に、国際線の再編案についてというペーパーを出したとも言われている。

 さらに、前原大臣も、四月十三日の朝日新聞のインタビューで、路線の見直しについては所管閣僚として関与していきたいということをおっしゃっていて、まさにこのリストラ案の、前原大臣の言う深掘りをしていくということについて、かかわりながらさらに案を詰めている状況だというふうに思うんです。こうした状況の中で、リストラ案そのものは、事業再生というか、会社更生法の申請の時点からやはり変わってきているという状況だと思います。

 それでは達成目標はどうかということなんですけれども、前々から私、パネルなどを出して、このV字回復、本当に達成できるのかということを何度も申し上げておりますけれども、私たちが今までのJALの事業再生の達成目標として唯一数字をもって聞かされている、フィスカルイヤー二〇一二の九百四億円の黒字を達成する、この目標については今の段階で変わることがないのでしょうか、お伺いをいたします。

辻元副大臣 これは、一月十九日に企業再生支援機構が示した「日本航空再生の方向性」ということに基づいて御発言されていると思います。

 その後、六月末をめどに、今、さらにしっかりとした再生計画、会社更生法に基づいた再生計画をつくっていくということで、機構の皆さんにも頑張っていただいていると思います。ですから、一月十九日に発表されたものよりも、さらに今の現状をかんがみて、さまざまな要素が入ってくるのではないかと思いますので、一月十九日のものがそのまま即イコールの目標になるかといえば、さらに深掘りをして、そして、達成がなされるような厚みのあるものにしてもらいたいと思っております。

柿澤委員 さらにしっかりしたとか、さらに達成可能なというようなお話があったんですけれども、リストラ案も変わって、そして目指す達成目標も変わっていくということになると、これは一体、一月十九日の時点で何がどうプレパッケージされていたのかということを思います。さらに言えば、どうしてあの計画で再生は可能だというふうに言い切れたのか、そして公的資金を投入するに値するというふうに判断ができたのかというふうに思います。

 そのことについて、改めて、あの時点で、何を根拠としてこの一月十九日の支援決定ということがなされたのかということをお尋ね申し上げたいと思います。

前原国務大臣 企業再生支援機構がつくりました再生計画というものについて、その中身についてもさることながら、これを企業再生支援機構が着実に実行していく、そのためのファイナンスもしっかり行っていくということで計画が出され、我々もそれについて、これを着実にやっていただくことが再生につながるということを判断したわけであります。

 ただ、先ほど同僚の議員に何度かお答えをしておりますように、ステークホルダーが多いんですね、この問題については。特に、機構は三年間なんですね。三年間バックアップをするということでございますけれども、離陸をした後は、特にメガバンクを含めた金融機関がリファイナンスをしてくれるかどうかといったことが極めて重要な要因になります。そういったことを踏まえて考えますと、再生計画について民間の金融機関がどのような考え方を持ち、また、更生計画についてどのように関与してくるのか、しないのか、あるいはどのような意見をおっしゃってくるのかというのは、大変重要なポイントになってくると思っております。

 そういう意味では、先ほど柿澤委員がまさにおっしゃったように、プレパッケージということについては、マイレージとか機材とか、あるいは年金とか、リファイナンスはDBJと機構によってなされていたわけでありますけれども、そこに加わっていないステークホルダーがどのような関与をしていくのか。

 繰り返しになりますけれども、三年しか支えることのできない機構というものの手が離れたときも踏まえて、このリファイナンスをしっかりやって、JALが民間企業としてしっかりと、機構の手が離れた後もうまく経営がされるような状況の中で深掘りがされている、それを踏まえた上で更生計画が今立てられている、こう御認識をいただければと思います。

柿澤委員 大変人が悪いようで恐縮なんですけれども、今の御答弁を聞いて、改めて確認をしたいんですけれども、今の時点で、この計画を着実に実行すればと。このの部分というのは、まさにリストラ案であったり達成目標であったりするわけで、ここがまさに動いているわけです。これを着実に実行すればJALの再建は確実に可能であるというふうに考えておられるというわけですけれども、ここが動いている状況の中で、今、そのお考えを確信を持って言えるのかどうかということをお尋ねしたいと思います。

前原国務大臣 いや、何も人が悪くないですよ。一月、二月と赤字が続いたということについては先ほどもお答えをしておりますし、あとは、計画そのものの前提となっているいわゆる旅客動向、そしてまた、旅客というパイは仮に一定であっても、委員御存じのように、全日空はふえて、そしてJALは減っているというようなことが数字の上であらわれてきているわけですね。

 その中で、我々としては、世界経済の動向とか、あるいは会社更生法を行ったことによる、言ってみれば全日空に移っているもの、日本航空からすると客離れ、こういったものを勘案する中で、より深掘りをしたものをしっかりつくらないといけない。特に、公的支援を入れるということで、二次破綻は避けなきゃいけないということの前提条件の中で、より厳しい、そしてすべてのステークホルダーが納得をしていただける、そういった更生計画を今つくっている最中だと認識をしております。

柿澤委員 更生計画のことでお伺いをいたしますが、六月末が更生計画の提出期限ということに一応なっているわけです。このことについては、JALの本社に伺って大西社長とお話をした際に、私は、大西さんにお伺いをするのはここ一点だな、そういう思いでお尋ねをさせていただきました。JALの経営陣として、この更生計画を六月末の期限に不退転の決意で提出するということをここで言ってくださいというお尋ねを申し上げました。それに対して大西社長のお答えは、できるだけ早くとしか言えない、こういうお話だったんですね。

 私の受けとめは、これだけ、不退転の決意でやはりやらなければいけないのではないですかとお尋ねをして、できるだけ早くとしか言えませんということでありますので、六月末の更生計画の提出ということが事実上難しいというふうに考えておられるのかというふうに受けとめさせていただきました。

 こういうことについて、もし仮に、現実にそういうことになってしまうと、まさに経営再生の計画そのものも期限までに詰め切れないということになってしまうわけですから、JALの再建可能性についてさらに不確実性が高まるということになってしまうのではないかと思いますが、所管大臣として、このJALの更生計画を六月末までに提出してもらうんだということについて、ぜひこの場ではっきりおっしゃっていただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。

前原国務大臣 先ほどもう答弁をさせていただきましたけれども、更生計画案の提出期間については、一月十九日の更生手続の開始決定に際しまして、六月三十日までに予定されているものと承知をしておりますが、手続の進行によっては変更となる場合もあると承知をしております。

 その六月三十日が例えば一日でもずれたらどうなのかというようなお話をされているのかもしれませんけれども、支援決定以降、既にコスト削減を図る徹底した取り組みを着実に進めていただいておりますし、日本航空の収益力は当初予想を上回る水準で向上しつつございます。仮に更生計画の提出が若干延期となっても、それによって損失が拡大したり、二次破綻のおそれが生じたりすることはないものだと思っております。

 また、これも先ほど御答弁したところでございますけれども、日本航空において、現状、資金繰りに特段の問題もありませんし、当面、追加的な資金投入の必要性があるとは考えておりません。

柿澤委員 今の御答弁を聞くと、やはり六月三十日、六月末という期限については、これから更生計画が、提出をすべく策定をされていくわけですけれども、今の現状、例えば一万六千人のリストラを一年間で行うとか、こうしたことの非常な困難性を考えると、なかなかこれは、六月末の提出というのがやはり難しいんだろうかというふうに感じざるを得ません。こうしたことが、今の、三月の営業キャッシュフローが黒字になったとかいう状況の中で、経営の持続性に与える影響は少ないんだという御説明だったというふうに思うんですけれども、私は、そういうふうに一概に見ることはできないのではないかというふうに思います。

 先日の参考人質疑で高木新二郎先生が、やはりこういうことはスピード感を持って処理をしなければいけないということを再三強調されておりました。深掘りに深掘りを続けていく、これはとめなきゃいけない。それで、実行しなきゃいけないんです。そういう段階にもう入っている。支援決定のときにつくった再生計画をまた更生計画でつくり直し、さらにまたというようなことになったら、とんでもない。また出さなきゃいけない金額がふえてしまいます。一言一句申し上げると、こういう御発言をされています。

 GMのプレパッケージの手続は四十日で終了しているわけです。一月十九日から六月三十日、半年近くの時間をかけて、なおかつ更生計画を提出できないということになれば、これは、何がプレパッケージだったのかということと同時に、それだけやはり事業再生の不確実性が外から見て高まるということになってしまうのではないかと思いますので、この期限は、やはりゆるがせにすることなく、本来ならしっかりと守っていただくべきものなのではないかというふうに思います。

 三月の営業キャッシュフローが二百六十九億の黒字になったということでありますけれども、これについては、前原大臣は、JALの事業再生に向けた経営改善の取り組みが実を結びつつある、こういう証左だというふうに認識をしておられるということでよろしいでしょうか。

前原国務大臣 まだ更生計画もまとまっていませんし、それが実行されていない段階で、今おっしゃったようなことを判断するというのは、私は少し早過ぎるのではないかというふうに思っております。

柿澤委員 今の御答弁を聞いて、そうだなというふうに思いましたけれども、これから本当にどういうふうにこの数字が最終的に定まっていくのかということも、見きわめなければいけないのではないかというふうに思うんです。

 私は、ちょっと前に三月の数字について、営業キャッシュフローがとんとんで黒字になりそうだみたいな話を聞いたんですよね。それからそんなに期間がたっていないんですけれども、二百六十九億円の黒字になったというような御報告がなされたということで、これはよくなったんですからいいことなんですけれども、これがどういう要因によってもたらされたものなのか、精査をしてみる必要があるんじゃないかというふうに今の時点では私は感じております。

 さらに、つなぎ融資のことについてお伺いをいたします。

 つなぎ融資、九月末にこれも弁済の期限が来ることになる。みずほコーポレート銀行や三菱東京UFJ銀行、三井住友の三メガバンクは、ここまでのJAL向けの債権残高一千七百二十四億円全額を企業再生支援機構に買い取りを求めているというようなことが言われている状況です。このメガバンクの大変かたい姿勢というものがあるわけですけれども、今後、先ほどリファイナンスのお話が出ましたけれども、ここの部分についての借りかえというものをしっかりと確実な形で行っていくことができるのかどうかということについて、お尋ねをいたしたいと思います。

辻元副大臣 現在、管財人である企業再生支援機構と関係金融機関との間で、今後のあり方や、そして、今、更生計画をつくっておりますけれども、そのことも含めて、メガバンク側の意見を聞いたり、接触をずっと続けていると聞いています。

 その中で、リファイナンスが行われるところまでしっかりした更生計画を立てていただく、今はそういう段階だと思います。リファイナンスを民間の金融機関にできないようでは、先ほどから出ております悲観的な状況になりますので、今の段階で申し上げられることは、リファイナンスが確実に行われるような更生計画をしっかり立てていただくように、国交省も大臣を中心にして意見を申し述べていくということになるかと思います。

柿澤委員 現実には、先ほど申し上げたように、三メガバンクは、むしろ自分たちが抱えている残高をつけかえてくれ、そっちで持ってくれというようなことを要請している、そういう状況だと言われているわけですので、非常にその点についてまだまだ道筋がついていない、こういう状況だと認識をしなければならないというふうに思うんです。

 そうした中で、本当にこのままいけば、逆に、支援機構そして政投銀という、ここのファイナンスの部分についてある種のコミットメントをしているこうした金融機関が、さらに大きな役割を担わなければいけないということを求められる可能性があるというふうに思うんです。

 そういう意味で、私は、今はそういう状況にないという話でありましたけれども、支援機構やあるいは政投銀が、メガバンク等々への、民間金融機関への借りかえが、リファイナンスがなかなか進まない状況の中で、さらに追加的な支援、融資ということを求められる状況になることを危惧するものでありますが、そういう懸念はないんでしょうか。ないと言ってください。

辻元副大臣 何とも言えません。

 これは非常に難しい状況で、おっしゃる懸念や専門家の方々の御指摘も多々しっかり受けとめて更生計画をつくっていただくということだと思うんです。

 私も、政権交代して以来ずっと携わってきたんですけれども、空を飛んでいるというところがきついんですよ。それはどういうことかといいますと、それと不確実性があるんです。インフルエンザとかそれからSARSとか、ちょっと起こったらぼんと影響が出るんです。また、最近は、アイスランドの火山の噴火が起きたときに、それとの関連で物すごい心配になったんですね。

 そうしますと、そういう不確実性を、できるだけリスクを回避できる更生計画を立てていただかなきゃいけないわけですよ。特に、国際線にその不確実性が出ることが多いので、不採算の部分はもちろんのこと、どこまでリスクを負える切り込みができるかというようなことが一つのポイントになると思っています。

 これは私はメガバンクと意見が一致していると思っていますので、メガの皆さんもいろいろな意見をどんどん言わはったらいいと思います。そして、かた目の更生計画をつくっていくような方向で金融機関の人らも今言うてはると思いますので、それは、将来はきちんとリファイナンスして、日本の経済にともにウイン・ウインでプラスになっていくというように再生させたいということで、今、銀行関係者の方々も、黙っているわけじゃなくて、自分たちも将来リスクももちろん可能性があるわけですから、そうならないように努力されていると思います。

柿澤委員 今の辻元副大臣の御答弁は、最初の、何とも言えないというところに尽きているんじゃないかというふうに思うんですよ。

 かた目の計画をつくる、それは結構です。ボラティリティーの高い要因がある。しかし、アイスランドの火山は、別にJALを直撃しているわけではない。こういう状況の中で事業を行っている、それはある意味では世界じゅうのエアラインが一緒なわけですから。そういう意味で、結局、支援機構、そしてDBJのさらなる追加負担の可能性を否定できなかったということになってしまうのではないかというふうに思います。

 さらに言うと、メガバンクの借りかえに当たって、このメガバンクの融資に対して政府が保証をつける、こういうことがゆめゆめ選択肢としてとられてはならないというふうに思うんですけれども、この点についてはどのような御見解をお持ちでしょうか。

辻元副大臣 今御質問なさっているのは、こういう場合やったらどうなんねん、こういう場合だったらどうなんねんと先々のことを心配なさっているのはよくわかるんですけれども、今、その手前の、ここでみんな悪戦苦闘して何とかしようとしているわけですよ。そのときに、リスクの高い仮定についても想定しながら、今、更生計画を立てるというところに全力を尽くしているわけですね。

 ですから、今の御質問、こうなったら政府の保証はつけるのかどうのこうのというようなことにはお答えできません。

柿澤委員 最初にプレパッケージという言葉の意味を聞きました。支援機構が再生に乗り出すということ、また、政投銀がつなぎ融資を実行するということが決まっていた。すると、支援機構そしてDBJは、何が何でも最後まで、どこまでもつき合うということがフィックスされていたということがプレパッケージなのかということを私は思うわけであります。

 六千億円のつなぎ融資、そして三千億円の出資、これを超えて、事実上の政府保証のついた追加融資を続けるということがあってはならないというふうに私は思います。それが毀損すれば、まさに国民の税金になるわけですので、ここの部分について私ははっきりとした答弁をいただきたかったですけれども、仮定の質問には答えられないということで終わってしまいました。

 更生計画の中身がどうなるかも、今の時点ではわからない。そして、提出時期もはっきり明言できない。こういう状況の中で、さらに追加融資の可能性はあるのかと言えば、あるかもしれないような答弁をされる。これでは、私たちは、この事業再生のスキームに全幅の信頼を置くことはやはり難しいんじゃないかというふうに思えてなりません。そこはこれからの皆様方の御努力にかかってくる、関係各位の御努力にかかってくるわけでありますけれども、国民注視の案件でもあり、また、先ほどからるる出ているように、一兆円近い公的資金が投入をされる、こういう案件でありますので、この部分についてこれだけの不確実性を抱えたままで今議論が行われているということについては、私は懸念を表明しておきたいというふうに思います。

 もう一つ、先ほど来マイレージの話が出ております。私も参考人質疑で申し上げましたけれども、今、JALが行っているマイルのキャンペーンを利用すると、東京からニューヨークへ行くだけで、JALクーポン七万五千円分に当たるそういうマイルがたまって、ニューヨーク便は九万円ですから、事実上一万五千円でニューヨークまで行ける、こういうようなことをやっている。これを大西社長に聞いたら、略奪的な運賃提供はしていないし、これからもしないということをお話しになられていました。

 一方、ANAの伊東社長は、EUのガイドラインに準ずるような、こうしたやはり公的資金を使った事業再生会社の事業のあり方に関するガイドライン的なものをつくってもらいたいということで、国土交通省に申し入れ、要望書を提出されているようですけれども、これに関して、国土交通省さんから御回答いただいていないというような御答弁もありました。

 そういう中で、今回いろいろ報道されている更生計画の原案、中身を見ますと、休止する路線、廃止する路線、撤退する路線あるんですけれども、新規開設する路線でパリとサンフランシスコに飛ぶ、こういう計画が報道されているんです。これはまさに競合アライアンスのハブ空港に新規の路線を開設するという話でありまして、リストラをやるかのようでありながら、むしろ競合他社のパイを食いに行こう、こういう計画になっているかのようにも受けとめられるような、そうした案になっています。

 こうしたこと全体をとってみても、先ほど来、申し入れをしている、皆さんの方でもお話をされている、稲盛会長にもそういうことをお伝えしたということでありますけれども、実情として、競合他社のパイをとりに行くようなこうした運賃設定、そして路線計画というものがあるのではないかというふうに考えざるを得ませんけれども、これに対してどういう対応をするのかということをお尋ね申し上げたいというふうに思います。

前原国務大臣 いろいろな観点から御議論いただきましたけれども、先ほど同僚の議員にもお答えをいたしましたように、公的資金を入れられた企業がそうでない会社と不公平があってはいけないし、また、公的資金を入れられて、それをダンピングに使い、そしてダンピング競争に陥るということは、厳に慎まなければならないことでございまして、そういった点も、そしてまた路線の点も、最終的にこれは、法律に基づいてということを何度も繰り返し申し上げてまいりましたけれども、法治国家でありますので、国土交通大臣というのはどういう法的根拠に基づいて物が言えるのかということを言ったわけでございます。

 したがって、株式会社企業再生支援機構法、会社更生法、航空法、これに基づいて、我々は責任を持ってしっかりとこの更生計画に対して関与していくということで御理解をいただきたいと思います。

柿澤委員 最後に、前原大臣に、このJALの経営再生を確実に実現していくという決意をお伺いして、質問を終わりたいと思います。

前原国務大臣 まずはこの更生計画をしっかりしたものにつくり上げるということ、これがスタートラインに立つ大事なことだと思いますので、しっかりと法的根拠に基づいて関与していきたい、このように思っております。

柿澤委員 ちょっと物足りない答弁でありましたが、時間も終了しておりますので、質問を終わらせていただきたいと思います。またやります。

 ありがとうございました。

川内委員長 柿澤君の質疑を終了いたします。

     ――――◇―――――

川内委員長 次に、内閣提出、海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。

 趣旨の説明を聴取いたします。国土交通大臣前原誠司君。

    ―――――――――――――

 海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律等の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

前原国務大臣 ただいま議題となりました海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律等の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。

 船舶からの油の排出による海洋汚染及び排出ガスの放出による大気汚染の防止につきましては、これまで、千九百七十三年の船舶による汚染の防止のための国際条約附属書1並びに附属書6に基づく規制を設けているところ、規制の実効性をより高める必要があるとの認識のもと、平成二十年十月に、船舶による大気汚染の防止を目的とした同附属書6の改正が、平成二十一年七月に、油による海洋汚染の防止を目的とした同附属書1の改正が採択されるなど、国際的な規制の強化が進んでおります。

 我が国としても、国際的な連携のもと、船舶からの油の排出による海洋汚染及び排出ガスの放出による大気汚染の防止を図るための措置を講じ、国際的な責務を果たしていく必要があります。

 このような趣旨から、このたびこの法律案を提案することとした次第です。

 次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。

 第一に、他のタンカーとの間におけるばら積みの貨物油の積みかえを行う一定のタンカーに船舶間貨物油積替作業手引書の作成及び備え置きまたは掲示を義務づけるとともに、当該貨物油の積みかえの際の事前通報を義務づける等、船舶からの油の排出による海洋汚染を防止するための規制を強化することとしております。

 第二に、窒素酸化物の放出規制の対象となる原動機の範囲を拡大する等、船舶からの排出ガスの放出による大気汚染の防止のために、窒素酸化物、硫黄酸化物等の放出に係る規制を強化することとしております。

 その他、これに関連いたしまして、所要の規定の整備を行うこととしております。

 以上が、この法律案を提案する理由でございます。

 この法律案が速やかに成立いたしますよう、御審議をよろしくお願い申し上げます。

川内委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後二時三十六分散会


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