衆議院

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第4号 平成26年3月14日(金曜日)

会議録本文へ
平成二十六年三月十四日(金曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 梶山 弘志君

   理事 赤澤 亮正君 理事 秋元  司君

   理事 大塚 高司君 理事 西村 明宏君

   理事 望月 義夫君 理事 若井 康彦君

   理事 井上 英孝君 理事 伊藤  渉君

      秋本 真利君    井林 辰憲君

      泉原 保二君    岩田 和親君

      大西 英男君    門  博文君

      工藤 彰三君    國場幸之助君

      佐田玄一郎君    斎藤 洋明君

      坂井  学君    桜井  宏君

      白須賀貴樹君    谷川 弥一君

      土井  亨君    中村 裕之君

      長坂 康正君    林  幹雄君

      原田 憲治君    ふくだ峰之君

      前田 一男君    宮澤 博行君

      務台 俊介君    泉  健太君

      後藤 祐一君    津村 啓介君

      寺島 義幸君    三日月大造君

      岩永 裕貴君    坂元 大輔君

      西岡  新君    松田  学君

      村岡 敏英君    佐藤 英道君

      中野 洋昌君    杉本かずみ君

      穀田 恵二君

    …………………………………

   国土交通大臣       太田 昭宏君

   国土交通副大臣      野上浩太郎君

   環境副大臣        北川 知克君

   国土交通大臣政務官    土井  亨君

   国土交通大臣政務官    坂井  学君

   政府参考人

   (内閣官房総合海洋政策本部事務局長)       長田  太君

   政府参考人

   (総務省総合通信基盤局電気通信事業部長)     安藤 友裕君

   政府参考人

   (文化庁文化財部長)   山下 和茂君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           古都 賢一君

   政府参考人

   (厚生労働省医政局長)  原  徳壽君

   政府参考人

   (厚生労働省職業安定局高齢・障害者雇用対策部長) 内田 俊彦君

   政府参考人

   (農林水産省農村振興局農村政策部長)       佐藤 速水君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁次長) 井上 宏司君

   政府参考人

   (国土交通省国土政策局長)            花岡 洋文君

   政府参考人

   (国土交通省港湾局長)  山縣 宣彦君

   政府参考人

   (国土交通省航空局長)  田村明比古君

   政府参考人

   (観光庁長官)      久保 成人君

   政府参考人

   (海上保安庁長官)    佐藤 雄二君

   政府参考人

   (環境省自然環境局長)  星野 一昭君

   国土交通委員会専門員   宮部  光君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月十四日

 辞任         補欠選任

  ふくだ峰之君     工藤 彰三君

  三日月大造君     津村 啓介君

  北側 一雄君     中野 洋昌君

同日

 辞任         補欠選任

  工藤 彰三君     ふくだ峰之君

  津村 啓介君     三日月大造君

  中野 洋昌君     北側 一雄君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 奄美群島振興開発特別措置法及び小笠原諸島振興開発特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出第四号)


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     ――――◇―――――

梶山委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、奄美群島振興開発特別措置法及び小笠原諸島振興開発特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として国土交通省国土政策局長花岡洋文君、港湾局長山縣宣彦君、航空局長田村明比古君、観光庁長官久保成人君、海上保安庁長官佐藤雄二君、内閣官房総合海洋政策本部事務局長長田太君、総務省総合通信基盤局電気通信事業部長安藤友裕君、文化庁文化財部長山下和茂君、厚生労働省大臣官房審議官古都賢一君、厚生労働省医政局長原徳壽君、厚生労働省職業安定局高齢・障害者雇用対策部長内田俊彦君、農林水産省農村振興局農村政策部長佐藤速水君、資源エネルギー庁次長井上宏司君及び環境省自然環境局長星野一昭君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

梶山委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

梶山委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。若井康彦君。

若井委員 おはようございます。民主党の若井康彦でございます。

 本日は、奄美群島振興開発特別措置法及び小笠原諸島振興開発特別措置法の改正に関する法律案、一番バッターでやや緊張しておりますけれども、大臣、よろしくお願い申し上げます。

 この法案の質疑に先立ちまして、先週の金曜日に奄美市に赴きまして、いろいろ事例を見せていただき、また、関係者の皆さんと懇談をし、この法案について御一緒に考える機会をつくらせていただきました。鹿児島県奄美市の皆さんには本当に感謝を申し上げる次第です。

 私も、奄美大島にはかねてからしばしば足を運んでまいりましたし、また、群島の各島についても一通り見せていただいてまいりましたけれども、この間、やはり大きく状況が変わってきているということを実感した次第です。

 この奄美大島だけをとりましても、南北、多分六十キロぐらいあると思うんですが、車で三時間近くかかると思います。大変に大きな島で、高いところでは標高が七百メーターあるというようなことで、島にいることを一瞬忘れるというような、そういう地域、この地域特性を今後いかに生かしていけるのか、本当に大きな課題だと思っております。

 まず、今回の法改正の狙いについてお聞きをしたいと思います。

 六十年にわたって、特措法に基づき道路、港湾の基盤整備を進めてきた。これが一番の島の振興の制約になっているわけですから、当然、そこに力を注ぐことは大事でありまして、その意味で、今回行ってみましても実感をいたしますのは、道路、港湾、空港、そうした部分のハード整備については随分整ってきたな、そういう意味での基礎的な条件は整ってきたのではないか、そのように考えるわけでございます。

 ただ、そうした反面、かつて二十万以上いた群島の人口が減り続け、高齢化も進み、現在では十二万足らずの人口となり、また、地域のさまざまな産業についても勢いが落ちてきている、そういうことで今回の法改正に至ったのだと考えております。

 ここで、大きく今後の方向を変えていくことが大事だということが今回の法改正の狙いだと思うんですが、この法案、読ませていただいて、三つか四つ、大きな柱があると思います。

 一つは、国のバックアップの体制ですけれども、主務大臣、国交、総務、農水に加えて、今度は、文科、厚労、経産、環境。ある意味でいうと、国ぐるみでこれをバックアップしていく体制をつくるということ。

 それから、県の果たすべき役割ですが、国と市町村の間に入って、具体的に言えば、産業振興促進計画、これを努力義務として具体化し、その実現を図っていく、そういう役割を改めて努力義務としたこと。

 そして、市町村には、これまでのように、いわゆる公共事業を中心とした補助金とは異なる、いわゆる公共事業の枠を超えて、地域事情に合わせてきめの細かいお金の使い方ができる振興交付金をつくる。

 そしてさらに、国、県が、いわゆる配慮規定の中で、市町村だけでは難しい課題について、なるべく一緒になってフォローができる、しなければならないという構えをつくったこと。

 以上が今回の法改正の一番の目的だと考えますけれども、大臣、こういう認識でよろしいでしょうか。

坂井大臣政務官 委員の御指摘のとおりの認識が中心になっていると思っております。

若井委員 ありがとうございます。

 基本的にはそうした認識でこの法案ができているという、その前提で以下の議論を進めさせていただきたいと思います。

 それでは、今回、新しい主力のバッターになったと考えてもいいと思うんですけれども、環境省にお尋ねをしたいと思います。

 同じ亜熱帯とはいっても、沖縄がある意味で大変ににぎやかな地域に変わってきたのとは対照的に、ある意味でいうと、それが奄美大島あるいは奄美群島の魅力だと思うんですけれども、大変に静ひつな美しさといいますか、そうしたものがしっかり残されている地域だと思います。

 人口密度が低いということもありますけれども、この間の基盤整備であったり、あるいはそれをよく手入れをしてきたというようなこともあると思いますし、具体的に言うと、例えば大きな看板とかそういうものが非常に少ないというようなことを私は実感いたします。

 かねてから国定公園としては整備がされてきたわけですが、今後、環境省が出番だと私は思いますけれども、国立公園に指定をしたい、あるいは、それに基づいて世界自然遺産登録を目指しておられるというようなこともありますが、こうした流れの中で、奄美群島地域をどのような方向に整備していこうと考えておられるのか。

 自然遺産については先行事例も幾つかあるわけですけれども、そうしたことを参考にしながら、奄美についてはどうお考えになっているのか、お考えをお聞かせください。

北川副大臣 ただいま若井委員の方から、奄美・琉球地域においての今後の国立公園の指定、また世界自然遺産登録についての御質問であります。

 先日、三月五日に、沖縄の慶良間諸島が三十一番目の国立公園に指定をされました。大変地元もにぎわっておりまして、改めて、地域の方が貴重な自然を保全され、また、今回の国立公園の指定で今後振興していくんだなということを我々は実感しております。

 その中で、今回の奄美・琉球地域は、国内最大規模の亜熱帯林を有するほか、アマミノクロウサギを初めとする多くの固有種が集中して分布をしております。世界的に見て、貴重な生態系が保持されているところでもあり、世界自然遺産登録は、豊かな生態系をしっかりと守りながら、その価値を広く国内外に伝え、地域づくりに生かす上で大変重要であると認識をしております。このため、できるだけ早期の登録を目指しているところであります。

 また、世界自然遺産の登録には、国の責任により、その自然を法に基づいて保護する措置が必要であります。このため、まずは、これらの地域を国立公園に指定することが不可欠であると我々も考えており、現在、早期の指定に向けて、関係者との調整を進めているところであります。

 これらの調整と並行して、奄美の魅力である貴重な自然を守りながら、いかに活用し、観光振興につなげていくのかについて、地域の方々や有識者と人材育成や情報発信のあり方について現在意見交換を行っているところであり、皆様方の御意見をしっかりと受けとめながら、今後、地域の発展に貢献できるよう努力してまいりたいと考えております。

若井委員 今のお答えで、半分はわかる部分もあるんですけれども、例えば、隣に屋久島という地域もあり、ここでは、世界遺産の登録の前後、またその後の経過を見ておりましても、入り込み客数等の変動、最初はかなり伸びたものが、最近は大分減ってきているようなこともあります。

 地域の活力にこれをつなげていくという意味で、国立公園の指定あるいは自然遺産の登録、これらを積極的にどのように生かしていくかということについて環境省としても考えていくべきではないかと思いますけれども、何かお考えはありませんか。

北川副大臣 今、屋久島のお話がありました。確かに、世界自然遺産に登録をされて、観光客も含め、世界から人もどっと集まったわけであります。その中で、若干、人数といいますか、訪れる方の推移はありますが、しかし、世界自然遺産になったということでたくさんの人が訪れると、逆にまた自然体系が壊されていく、こういう悩ましいところもありますので、その中で、いかに適正に自然を守りながらということで、屋久島等では地域の方々も御尽力をいただいております。

 そういう点を踏まえながら、やはり今後は、エコツーリズム等々を利用される方、活用される方と地域の方々が一体となった中で、自然を守りながらまたそれを振興していく、こういう取り組みが重要であろうと思いますので、逆に、ガイドの方々をきちっと育成していくというか、そういう方々がその地域の知識を持って、訪れる方を御案内していただく、こういう取り組みが今後必要であるとは考えております。

若井委員 次に、国交省にお尋ねをしたいと思います。

 先ほど話題に出ました慶良間列島の国立公園ですが、復帰前後には、沖縄には東京から二本しか飛行便がなかったけれども、今は四十便以上あると思います。また、慶良間についても、那覇からの航路が飛躍的に整備をされている、そういう状況が整っている上での国立公園としての価値というものが生まれているんだと私は思うんですが、残念ながら、この奄美群島につきましては、十分な交通条件が整っているとはまだまだ言えない状況だと思います。

 東京から那覇に行く運賃に比べても、手前にある名瀬市に飛んでいる直行便の価格の方がよほど高いですし、またその数も限られております。人口規模の小さな島ですからやむを得ない部分もありますけれども、沖縄と比較して非常に格差が大きい、それがどんどん開いているということに、この地域の発展が妨げられている大きな要因があるのではないかと思っております。

 今回のこの法案の中で、第二十三条に人の往来の費用の低廉化というキーワードが入っているわけですけれども、具体的にはどのような方策を講じようとしておられるのか、その辺についてお考えをお聞かせください。

花岡政府参考人 お答えを申し上げます。

 委員御指摘のとおり、今回、法律の第二十三条、「交通の確保等」という条文の中に、人の往来等の費用の低廉化という文言を追加させていただいております。

 そもそも、この法律の中では配慮規定がたくさんございますけれども、通常は「適切な配慮」という言葉が使われております。ここだけ「特別の配慮」ということになっておりまして、そういった意味で、立法していただいた方の意気込みがそこの言葉の違いにあらわれているといったふうに私は理解いたしております。

 奄美群島などのところにつきましては、やはりそういった人の往来に関しまして、ほかの地域との格差の是正を図るということが極めて重要であると考えております。

 これは委員御指摘のとおり、奄美群島におきましては、沖縄よりも航空運賃が高いということが長年の懸案になっていたわけでございます。

 今回は、具体的な施策といたしまして、新たに設けさせていただきます奄美群島振興交付金を使いまして、一つには、世界自然遺産登録に向けた観光のキャンペーンといったようなものを支援いたしまして、交流人口をふやしていきたいと考えております。このキャンペーンの形態として、実質的に航空運賃が引き下がるといったような形を考えたいと思っております。

 もう一つは、住民の方向けに、生活に必要な足を確保するといった観点から、航路・航空路運賃逓減の支援といったようなものをしてまいりたいと考えております。数字的に申し上げますと、住民の方の足の支援といった意味では、従来、航空会社の判断として、離島住民割引というものがございまして、二七%引きといったような水準になっておりますけれども、これにつきましては、今回、新しい交付金で支援を継ぎ足すことによりまして、約五割の割引といったようなものを目指したいと考えております。

 以上でございます。

若井委員 島の方々も、その点については大いに期待をしておられると思いますので、ぜひその実現を目指していただきたいとお願い申し上げます。

 次に、島の経済活性化と地域資源のことについてお聞きをさせていただきます。

 先般の視察の際に、奄美にありますICTプラザというところを視察させていただきました。かつて伝統工芸センターになっていたものを転用するということで、今回の法案の枠の中にもあるわけですが、このICTに関連するそうした企業を誘致したいというのは、遠隔地、離島地域等では共通の一つの戦略になっていると思うんですが、そこで大変興味深いお話を伺いました。

 全国に二百ぐらい無人のセキュリティーシステムを運営しているという小さな企業がございましたけれども、そこの事務局長さんの女性にお聞きをしましたら、彼女は、実は、それを運営することも大事だけれども、自分はそこの島にいるためにその仕事はしていると。ただ、実際に自分が志しているのは、そのネットワークを使って島にある産品を全国に出していきたい、その産品というのも、いわゆる農産品というようなものではなくて、農産資源を使って、島でなければできないような、そうしたプロダクツを全国流通の上に乗せていきたい、そのことが地域の現代的な活性化につながっていくんだというようなお話をお聞きしたわけです。

 ああいう地域では、全ての産品が、ロットは大変小さいです。そのかわり、さまざまなものがある。そして、そうしたものの需要というのは、全国あるいは国境を越えて非常に広いところに分散的に存在をしているわけですから、そうしたものにどうやってそれをつなげていくかということが今一番の課題になっている。

 希少産品を広大なマーケットにどうやって届けるかということですが、そうした意味で、今回の法律の枠の中にあります農林水産物の輸送費の支援、この枠をそれに当てはめて考えてみますと、なかなかちょっとそれがフィットしていないんじゃないかというふうに私は考えるわけです。輸送という枠よりも、むしろ、デリバリーというんですか、そうした部分について利便性が高まっていかないと、なかなかマーケットと産品が、あるいは地域資源が結びついていかないという状況があります。

 その点で、ぜひ、私は、もし今回の法律の枠で考えるのであれば、この輸送費支援の枠をせめて加工品の枠という形で広げていくということも考えていきたい。あるいは、輸送という枠を超えて、例えば宅配のようなもののコストをどうやって下げるかというようなことを考えていかなきゃいけない。その点について工夫をすべき余地があると思います。

 実は、この奄美大島では、かつて大島つむぎが基幹産業でありまして、一九七二年には三十万反つくっていたものが、実はことしは五千反か六千反ぐらいにしかならないんじゃないかというお話も聞いております。こうした織物や工芸のプロダクトというのは、今、日本のブランドとして世界じゅうに売れているという状況もあるわけですけれども、そうした分野も広げていかなきゃいけない。

 この点について、今回の法改正、どのように結びついているのか、もしお考えがあれば、ぜひお聞かせいただきたいと思います。

太田国務大臣 私が最初に奄美に行った三十年前ぐらいは、今回行きました同じところだと思うんですが、あそこに行きました。泥染めの状況を見たりして、それが本当に最高のものでありましたが、今本当にそれが急に寂れてきているという状況だったという印象を非常に持ったわけです。

 地域産業ということについては、大島つむぎの生産量が落ち込んで、新しい主力産業の育成が課題。今回、この法律で、農業と環境とIT、ICT、この三分野ということを言っていて、特に特徴なのは、今御指摘のありましたICTを使ってのものが動き始めてきている。確かに、ITによって距離というのが消滅をしてきている時代になっているということを非常に感じました。マンゴーやタンカン、そして黒糖酒はもとよりでありますが、非常にいいものができている。

 あるいは、自然も、観光という点では、自然が手つかずの状態といいますか、都市化していない。これは小笠原も同じなんですけれども、そこが実は一番の持ち味であるということを地元も言っておりまして、そこをどう生かしていくかということの中での世界自然遺産登録、そしてエコツーリズムであろうというふうに思っています。

 ICT、ITについては、非常に印象的な、情報通信産業インキュベート施設の整備というのがあるわけですが、そこに若い人たちが東京から来たり、いろいろなところから来て、拠点を両方に持って動いているということは、かなりこれから未来に向けて、自然環境の中で、そこで距離が消滅したという時代の中でどうやるかということが、私は奄美の先駆的な取り組みだということで、そこは応援しなくてはいけない、こういうふうに思っているところでございます。

 そういう意味では、今回、産業振興という点ではかなりソフト部門でやっているわけですが、今御指摘のありました、従来型のものではなくて、もう少し、加工品もそうしたことに使えないかということは、私も同じ問題意識は持っています。

 今回、交付金をつくるということで、物すごく現地では喜んで、これでいく。そして、それは沖縄と競争条件を確保したいという地元の人の考え方の上から今回それをつくったということでありますけれども、沖縄の交付金についても加工品を輸送費の対象としてはいないわけでございます。ここは、奄美もそういうわけなんですが、単に切断したものや冷凍、解凍したものは支援対象としているわけでありますが、もう少しそれが拡大できないかということについては、今回はそういうことなんですが、地元の方々の声をお伺いしながら、必要に応じて前向きに検討するという作業が次の段階で必要だろうというふうに思っているところでございます。

若井委員 ぜひ、時代の流れというのも非常に今加速をしているわけですから、その点について御配慮を賜りたいと思います。よろしくお願いいたします。

 次に、経産省の方にお聞きをしたいと思います。

 孤立をしているというか、ある意味でいうと独立をしていると言うべきかもしれませんが、島社会の中で、外に依存しなきゃいけない、そうした資源、リソースというのをなるべく減らしていくということも自立性を高めるという観点から大事なことだと思います。その意味で、今回の法案の中に再生可能エネルギーについて触れられていることは、大変に私は有意義なことだというふうに考えております。

 ただ、現地に行ってみますと、メガソーラーが一基、それから風力発電が一基あるだけで、あれだけ大きな自然環境を有しながら、この面については、ある意味でいうと足取りが遅いなという実感を持っておりますが、この理由を地元の皆さんにお聞きをしますと、再生可能エネルギーの電力の買い取り量に上限が設けられているという状況だと。そういう意味で、この部分についてピッチを上げることがなかなか難しい、そういうお話がございました。

 私は、風力あるいは太陽光に限らず、大変に大きな島で、山も高いですから、小水力発電とかさまざまな可能性があると思うんですけれども、これを展開していく、そうした観点から新たな方策が必要ではないかと思いますけれども、この点、いかがでしょうか。

井上政府参考人 お答え申し上げます。

 ただいま委員からも御指摘がございましたように、再生可能エネルギー、離島におきましても大変貴重な地産地消の電源というふうに認識をしてございます。

 また、今委員からまさに御指摘がございましたように、他方で、太陽光、風力といった発電所につきましては、出力の変動が気象条件によって非常に大きいということで、電気を安定的に供給するために、太陽光、風力を入れる分だけ、火力発電のような調整をするための電源を入れる必要がございます。離島の場合には、需要の小さいところが多いものですから、調整の電源の火力が少ないということがございまして、これが制約となって再生可能エネルギーの受け取りについて上限を設けさせていただいている島々も、奄美群島を含めてございます。

 このような問題というのは、これから再生可能エネルギーの導入を拡大していく中で、ほかの多くの島でも生じてくる可能性がございますので、こういう問題に対応するために、環境省とも連携をいたしまして、今火力発電で調整していると申し上げましたけれども、これを火力発電にかえて蓄電池で調整していくような実証事業を離島で行ったり、また、電力系統の運用をより効率的にできるような技術開発等を進めてございまして、こういう対策をさらに進めていくことによりまして、離島における再生可能エネルギーの利用をさらに拡大してまいりたいと考えてございます。

若井委員 時間の関係で一つ飛ばさせていただきますが、定住促進支援について一つお聞きをしたいと思います。

 不思議なことに、この奄美群島というところは我が国で最も人口の再生産率が高いところだ、私はこれはこの地域の一つの大きなポテンシャルだと思っているわけですが、これをさらに助長していくべきだ、そのための具体的な方策が必要ではないかというふうに考えます。それに関連いたしましてお聞きをいたします。

 産業振興促進計画の中に、産業振興及び雇用機会の拡充に相当程度寄与する場合、計画の対象にするということで、通訳案内士法あるいは旅行業法等の特例をつくるということが挙げられております。これは恐らく地元から上げられてきた要望等に基づいた措置だとは思うんですけれども、相当程度寄与をするということを小さい地域社会で言っても、私は、これはなかなか難しい、現実的ではないんじゃないかというふうに思う一人です。

 というのは、例えばそれは、一千万人の大都市で千人の企業をつくるということを考えれば、一万人の地域であれば一人の人間を育てるというのと同じプロポーションになりますし、現実にそういう方がいるかいないかで地域の活力が大きく変わっている、そうした事例が各地域で、いわゆる限界集落などというようなところは特にそうですけれども、大事なことだ。そのことについて積極的にサポートをしていく、そういう仕掛けが必要だと思うわけですけれども、相当程度寄与をするというふうに規定をすれば、私は、今のような話は切り捨てられてしまいかねないという危惧を持っております。

 一人でもいい、その人が何を始めるかということを一つ一つ物にしていく、そうしたサポートのシステムが必要だと思いますけれども、この点については、今回のこの産業振興促進計画なり交付金の中でどのように扱っておられるのか、お考えがあれば聞かせていただきたいと思います。

花岡政府参考人 お答えを申し上げます。

 委員御指摘のとおり、奄美はお子さんはたくさん生まれる島でございます。ただ、働く場所がないというために、高校を卒業されると外に行ってしまわれる、そこに問題があるといったふうに認識をいたしております。

 御質問は、産業振興促進計画の認定基準の条文の文言だろうと思います。それについて考えを述べさせていただきますと、奄美群島では零細企業が非常に多いといったような認識をいたしております。そういった実態を考えました上では、この相当程度の寄与という条文の運用解釈に当たりましては、具体的に何人以上の雇用をつくらなきゃいけないといったような基準をつくることは考えておりません。特に、先ほど大臣がお答えいたしました中にございましたITのソフトウエアをつくる産業なんというのは、一人、二人で始められることも多々ある産業でございます。

 したがいまして、そういった画一的な数字の要件等を設けることなく、こういった産業振興促進計画あるいは交付金計画といったようなものをうまく組み合わせて使いまして、地道に雇用を一人でも二人でも積み上げていきたいといった考えに基づいてやっていきたいと考えております。

若井委員 ぜひ、この点についてはきめ細かく具体的な施策を講じていただきたい、このことを要望させていただきます。

 最後に、小笠原振興について一つ申し上げたいと思います。

 かねてから、大変に遠隔の地であります小笠原の足をどのように確保していくのか。船では丸一日以上かかりますし、何とか飛行機を飛ばしたい、空港をつくりたいという、そうした議論が行われてきたにもかかわらず、ここまで来てしまいました。平成二十三年にこの地域も世界自然遺産になりましたので、いわゆる大きな空港を整備するというようなことは難しいと思いますので、何とかこの間の技術革新の成果等を踏まえながら、新たな航空路の開設の可能性についてさらに具体的な検討をお願いしたい。例えば、最近かなり実用化が進んでおります飛行艇とか、そうしたものの可能性について、航空行政の上からもさらに御検討いただきたい、このことを要望いたしまして、質問を終わります。

 どうもありがとうございました。

梶山委員長 次に、西岡新君。

西岡委員 日本維新の会の西岡新でございます。

 きょうは、奄美群島振興開発特別措置法及び小笠原諸島振興開発特別措置法についてお尋ねしたいと思いますが、その前に、本日の午前二時七分に、伊予灘を震源地として、愛媛を中心に震度五強の地震が発生をいたしました。改めて、被災に遭われた方々に対してお見舞いを申し上げたいと思いますし、今後の余震のおそれもありますので、地震、災害に対する防災・減災の重要性を改めて認識をさせられるとともに、地元選出の国会議員として、国に対しても、今後必要な支援があればまたお願いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、質問に入らせていただきますけれども、奄美群島は昭和二十八年に日本に返還されて、翌年の昭和二十九年から、奄美群島復興特別措置法の制定以来六十年、小笠原諸島は昭和四十三年に日本に返還され、昭和四十四年の小笠原諸島復興特別措置法の制定以来四十五年にわたって、この特別措置法が講じられてきたわけでございますけれども、これまでの振興開発の成果はどのように評価しているのかということが一点ございまして、また、両法案ともに第一条の条文に、自立的発展を法の目的としていますけれども、具体的にどのような形になればこの法の目的を達成したと言えるのか、お聞きしたいと思います。

花岡政府参考人 お答え申し上げます。

 奄美、小笠原ともに、特別措置法に基づきまして、数次の振興開発を進めてきております。その結果といたしまして、農業基盤、水産基盤といったものの整備が進みまして、一定の成果が得られているといったふうに考えております。これからはこういった基盤を生かしまして、産業の振興、定住の促進に直接働きかけるようなソフト中心の施策に、より力点を移していくといったことが大事だといったふうに考えております。

 それから、二点目に御質問のございました、法律の目的規定に書いてございます自立的発展とは何かということでございます。これにつきましては、地域の魅力と資源を活用して、公共事業に過度に依存することなく、内発的産業による雇用が創出され、経済社会の面で発展することであると考えております。

 さらにつけ加えさせていただければ、法律の目的が達成されたと言えるためには、今申し上げたような自立的発展が将来に向けまして継続的に期待できるということが必要だろうと考えております。

 以上でございます。

西岡委員 ありがとうございます。

 今までも公共事業を中心にやってきたことは事実でありますし、生活基盤整備や産業インフラの整備など、特措法でこれだけの長い間、両地域の振興開発をやってきたにもかかわらず、そこに住む方々の所得水準は低いという実態がございます。

 例えば、小笠原村の一人当たりの平均所得というのは約百六十八万円でございまして、これは全国平均の約六三%でありますし、奄美においても約七割の所得水準でありますけれども、一方で、奄美においては、生活保護を受けている方が全国平均に比べて約三倍となっている現状もございます。本当にこの両地域において住民の役に立っているのかということもいささか疑問としてございます。

 また、今回の法の目的の一つに、「定住の促進を図る」ということが新たにつけ加えられています。この定住の促進については重要な課題として取り組んできたはずなんですけれども、その成果というのはどういうものがあるのか、また、新たに今回、目的として書かれたことによって新たな取り組みというのがあるのか、お聞かせいただきたいと思います。

花岡政府参考人 お答え申し上げます。

 今、御質問がございました定住の促進といったことのためには、二つのことが必要であると考えております。

 まず第一点は、やはり産業の振興、働く場所の確保ということでございます。

 先ほど申し上げましたように、これまでいろいろなインフラの整備を行ってきたところでございますけれども、今後はこれを活用いたしまして、さらには今回創設をさせていただきます交付金も活用していただきまして、例えば、台風に強い平張りハウスと言われるような農業用のハウスをつくりまして、その中で花とか果物とか付加価値の高い作物を栽培していただく、さらにはその出荷費用も支援させていただくといったようなことを通じまして、そういう高付加価値型の農業の振興に努めてまいりたいと考えております。

 また、もう一つ工夫をいたしております産業振興促進計画につきましては、これは市町村が計画をつくって、大臣に認定をしていただければ、それに基づきまして一定の規制緩和措置あるいは是正措置が適用になるという意味で、言ってみれば小さな特区制度みたいなものでございます。こういったようなものを使いまして、ソフト面により力を入れながら、産業振興、雇用の促進といったものに努めてまいりたいと考えております。

 それから、二点目は、いわゆる生活環境の改善でございます。

 生活環境の整備につきましても、これまで住宅、浄水場、あるいは廃棄物の処理施設等の基本的な施設整備は進めてきたところでございます。しかし、先ほど来御議論に出ておりますように、住民生活の利便性といった意味では、やはり鹿児島に行く場合の航空運賃が非常に高いといったような点も、定住という意味では足かせになっているといったふうに考えております。そういった航空路運賃の逓減、あるいは、今回、配慮規定で条文を追加させていただいておりますけれども、介護サービス等々の福祉面の充実といったようなことも努めてまいりたいと思っております。

 従来から進めてまいりましたハードの面に加えまして、ソフトの面をより強化することによりまして、両面から定住の促進を図ってまいりたいと考えております。

西岡委員 ありがとうございます。

 ハードからソフトへということで、産業振興も取り組まれるということでありますけれども、奄美で働き口というのはなくて、毎年千六百人ぐらいの人が島を出ているという実態がございます。やはりその中には、若い人の雇用というのがなかなかないということで、こういった若い人の、若者の雇用機会をどういうふうに設けていくのかというのが今後の課題になってくると思いますし、この雇用の環境の改善にどのように取り組んで、今おっしゃられた分野、農業や情報通信、そして観光というものが考えられるわけでございますけれども、どういった分野をさらに重点的にしていくのか、お聞かせいただきたいと思います。

花岡政府参考人 お答え申し上げます。

 昨年の二月に、奄美の地元の十二の市町村が振興ビジョンといったようなものを取りまとめております。その中では、今、委員から御指摘のございました、農業、観光、それからITといったようなもの、この三つを戦略産業として位置づけて、振興を図ってまいりたいといったふうな位置づけになっております。

 それから、つけ加えさせていただきますと、小笠原については、世界自然遺産に既に登録されておりますので、それを生かした観光といったようなものが中心になるだろうと考えております。小笠原の場合、従来は、夏場に若い方がマリンスポーツをしにいらっしゃるといったような場所だったわけでございますけれども、やはり、世界自然遺産に指定をされますと、若い人だけではなくて中高年齢の方も、しかも、夏だけではなくて秋から冬にかけても島を訪れられるようになっております。

 こういったようなことが奄美についても起きることも期待しながら、観光といったようなものについても力を入れてまいりたいと考えております。

西岡委員 その観光についてなんですけれども、確かに、小笠原諸島については、平成二十三年に世界自然遺産に登録後、観光客がふえているという実態がございますし、私自身もこの登録後、約二年前に小笠原を訪問させていただきました。国内ながら南国気分を味わえたり、今もそうでありましょうけれども、当時はかなり船もいっぱいで、二等船室で雑魚寝で訪問した記憶があります。ザトウクジラを見られたり、イルカを見られたり、島内も非常に活気があるような状況でありました。

 そういった中にあって、やはり観光振興というのは非常に重要でありますし、今度は奄美についても、今現在、我が国の世界遺産暫定一覧表に掲載されたこともあって、いずれ世界自然遺産に登録されるとなると、こちらの方も注目されていくだろうというふうに思います。自立的発展を目指すというのであれば、やはりこの観光振興によって交流人口の増加を見込むことが十分できると思いますし、そういった観点から、今後の観光振興についてはどのように取り組んでいくのか、具体的にお聞かせいただければと思います。

久保政府参考人 お答えいたします。

 小笠原諸島は、今委員から御指摘ありましたように、固有で豊かな自然や文化とともに、世界遺産としての極めて強い発信力を有しているというふうに思います。また、奄美群島の方は、現在、世界遺産の登録を目指している段階でありますけれども、やはり豊かな自然、地域特有の文化などの魅力を有しているというふうに考えます。

 観光振興を図る上で、こういった南国独特の海だとか森林だとか、そういった見るべきもの、また、新鮮な魚介類だとか果物などの食べ物、こういった大変魅力的な資源がたくさんございます。これらをバランスよく組み合わせていくことが観光客を引きつける大事なポイントであろうかと考えます。

 観光庁といたしましては、これまでも、例えば小笠原につきましては、私ども観光庁あるいはJNTOのホームページを活用して、世界に向けた情報発信を実施しております。また、奄美につきましては、目ききの専門家を派遣したり、勉強会を開催するなど、地域と一体となって新しい旅行商品の造成を促進してまいったところであります。

 今後とも、積極的な情報発信とともに、地域からのいろいろな細かい相談にもきちんと対応しながら、地域の魅力を生かした観光振興の取り組みをしっかりと応援してまいりたいというふうに考えているところであります。

西岡委員 ありがとうございます。

 今回新たに創設された産業振興促進計画認定制度の中に、これは通訳案内士法と旅行業法の特例を認めるというふうになって、まさに観光分野に力を入れようということでありますが、通訳というのは、特に外国人に対する対策であるというふうに思います。昨年末に訪日外国人数が一千万人を超えて、今度は三千万人の高みを目指すというふうに大臣もおっしゃっておられますけれども、この両地域は、こういった訪日外国人を取り入れるために重要な観光資源となると思います。

 現在どれぐらいの外国人がこの両地域に訪問しているかとお聞きしますと、なかなか数字を持っていないということでありましたけれども、恐らく、私自身も行った経験からすると、ほとんど外国人は訪れていないのではないかというふうに思っておりますが、この両地域への外国人の観光客の誘致についてはどういうふうに取り組むおつもりなのか、お聞かせいただきたいと思います。

久保政府参考人 奄美あるいは小笠原は、美しい海に囲まれて豊かな自然があるということで、外国人向けに訴求力自身は極めて高い観光資源を有する地域であるというふうに考えています。

 観光庁におきましては、先ほどもお答えさせていただきました部分と重なりますが、世界遺産にも登録されている小笠原諸島につきましては、訪日プロモーションの映像に取り入れて、ウエブサイト等を通じて海外に幅広く魅力を発信しているところであります。

 外国人観光客の誘致につきましては、一義的には、その地域の方々の熱心な積極的な取り組みが重要でありますけれども、私ども観光庁といたしましても、日本へ来ていただく、訪日を促進するビジット・ジャパン事業というのを行っておりますが、このビジット・ジャパン事業の中で、地方連携事業ということで、地方の活性化に資する訪日プロモーション事業も展開しております。

 奄美群島、小笠原諸島における地域の主体的な取り組みについて、これからも積極的にこういった事業を活用して支援、応援をしていきたいというふうに考えているところであります。

西岡委員 わかりました。

 この通訳案内士の資格についても少しお尋ねしたいんですけれども、通訳案内士は、平成二十四年度で合格率が一四%と、難しいと言える資格だと思います。先に特例が認められている沖縄でも、研修で語学や地元学、ホスピタリティー、プレゼンテーション、旅程管理、救命救急、現場実習など、約半年間で合計百五十二時間の研修が必要で、その後に認定試験に合格して初めて資格取得ということになるわけでございますけれども、果たして、これだけの大がかりな研修作業は、市町村だけでの実施では非常に難しいのではないかというふうに思っております。

 例えば小笠原のような二千五百人ほどの、人口がそれだけしかいないところで、その村役場で、予算や人事面を考えると、とても対応が困難だと思えるわけでございますけれども、この点、国としての何らかの支援体制というのは考えていらっしゃるんでしょうか。

花岡政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘の通訳案内士につきましては、この特例を使うためには、市町村で研修を実施していただく必要があるわけでございます。既に同様の特例を設けております総合特区法の制度におきましては、札幌市とか泉佐野市等々で研修を実施し、特例ガイドの運用が始まっているといったふうに聞いております。

 ただ、奄美等の場合には、まさに委員御指摘のように、非常に小さな市町村がこの研修をやらなきゃいけないということでございまして、その点、いろいろな工夫が要るんだろうといったふうに考えております。例えば、さきに申し上げた、既に実施している市町村のカリキュラムを参考にした上で、複数の小さな市町村が共同で研修を実施されるとか、あるいは外部委託を活用していただくとか、いろいろな工夫が考えられるといったふうに考えております。

 また、今回新たに設けました交付金につきましては、こういった研修にも使っていただけるようにしておりますので、こういったものも活用した上で、市町村の方で具体的な方法を検討していただければ、できる限りの支援をさせていただきたいと考えております。

西岡委員 制度をつくって、それが活用されなければ余り意味がないと思いますので、そこはしっかり国としてもフォローしていただきたいというふうに思います。

 観光振興の観点からも、交通アクセスというのは、先ほど若井委員の方からもお話がありましたけれども、非常に重要でありまして、島民生活にとっても非常に必要なものだと思います。

 小笠原は船で二十五時間半かかるわけでございますから、以前には高速艇であるテクノスーパーライナーというものの就航を目指しておられましたけれども、結局は見送られたため、今、高速の交通移動手段の整備がされていないというような状況でありまして、外国人観光客を取り込もうとしたって、世界自然遺産であろうが、何も二十五時間半もかけて見に行かれる方というのはなかなかいないんだろうと思いますし、せっかく世界自然遺産に登録されて、通訳案内士や旅行業法の特例を認めているのに、一番大事な交通アクセスというのが改善しないと、まず小笠原諸島の振興は進まないのではないかというふうに思っております。

 加えて、小笠原諸島は、我が国の排他的経済水域の約三割の海域がありますし、レアアースなどの海底資源の開発の可能性も秘めております。小笠原の交通アクセスの改善、とりわけ小笠原諸島における航空路の開設は、私は必要不可欠だと思いますけれども、その点に関して実現性というのはあるのかどうか、お聞かせいただきたいと思います。

田村政府参考人 小笠原諸島における交通アクセスの改善は、島民生活の安定、離島振興の観点から重要な課題であるというふうに認識しております。

 現在、東京都におきまして、航空路の開設に係る自然環境への影響、費用対効果、運航採算性等についての検討が行われておりまして、この検討を通じて、関係者間の円滑な合意形成が図られることが重要であるというふうに認識しております。

 国土交通省といたしましても、引き続き、東京都が進める検討について、技術面に関する助言等の支援、協力を進めてまいりたいと考えております。

太田国務大臣 私、去年の十月に、小笠原の日本復帰四十五周年返還記念行事にも出席をいたしまして、非常に強い要望がございまして、航空路開設の必要性ということで、空港候補地と想定されるところも視察をしてきました。環境面の問題とかさまざまあるわけですが、ここは何とかなりそうな場所だなということについては、そこの視察で感じたところです。

 今、排他的経済水域のこともありますし、何分、とにかく船で五日も六日もかかるという、要するに、六日単位で一便しか出ていないようなことでは、とても大変な状況で、医療とか救急患者とかいろいろなことがございます。したがって、ここについては、アクセスの改善とともに、島民生活の安定や離島振興、さまざまな観点から重要だというふうに思っています。

 今、航空局長が御説明したとおり、東京都との話し合いというのは非常に大事で、大西先生からも応援のお話がありましたが、この実現に向けて、さまざまな問題があることは承知しておりますけれども、何とかこの航空路の開設の実現に向けて、設置管理者の東京都とも、また地元の小笠原村ともよく連携をとって、技術的な支援も含めてやっていきたいというふうに思っているところです。

西岡委員 非常に前向きな話をありがとうございました。

 候補地もいいところがありそうだということでございますので、本当にやる気があれば航空路の開設はできるというふうに思っておりますし、この委員室にいらっしゃる皆さん方が、では小笠原に行ったことがあるのかというと、ほとんどの方が、大臣は行かれたそうでありますけれども、それ以外の方というのは、一週間もの休みの時間をとらないと行けないというのは、やはり物理的になかなか難しいことでございまして、観光庁長官も行かれたかどうかはちょっと私もわかりませんけれども、外からも観光客を引っ張っていこうというような意識があるのであれば、我々でも簡単に行けるような交通アクセスの改善というのはやはり必要不可欠でなかろうかというふうに思っております。この点については、長らく、これまでの議事録を見てきても、検討するというようなことでずっと頓挫しておりますので、そろそろ、ここら辺でしっかりとした対応をお願いしたいというふうに思っております。

 次に、この奄美の資料を見ていて気になった点でありますけれども、奄美群島の農業人口というのは、返還以来、大幅に減少しているんですね。平成二十二年で、今現在、七千六百六十六人と、本土復帰時から比較すると実に十分の一、農業人口が減っている。奄美自体が、先ほど、再生産性の高いところだというふうに指摘もありましたけれども、人口自体も本土復帰時代から半減しているという現状がございます。

 そういったところも一つの要因であろうというふうに思いますけれども、それでも、大幅に農業に携わる人々が減っているということはやはり問題であろうかと思いますし、平張りハウスだとか切り花など、これは、こういった支援をもって、切り花の栽培に高付加価値型農業ということで約一千万の年収を超える人があらわれているというような話であります。だけれども、農業人口がふえていかないということは何らかの問題があるんじゃないかと思いますし、やはりこういったものをもっと進めていくべきだと思いますけれども、こういった地域の農業振興、第一次産業についてどのような支援体制を具体的に行うのか、お聞かせいただきたいと思います。

佐藤(速)政府参考人 お答えいたします。

 奄美群島の農業従事者数、委員御指摘のとおり、昭和三十年から平成二十二年にかけて約十分の一に減少しているところでございます。他方で、全就業者数に占めます割合は約一五%ということで、鹿児島県や全国の平均に比べて、農業は奄美群島の重要な産業というふうに認識をしております。

 奄美群島におきましては、亜熱帯性の気候を生かしまして、委員御指摘の、ユリ、菊等の花卉を初めといたしまして、野菜、畜産といった島ごとの特色ある農業が展開されておりまして、そういうことで、ほかの地域にはない強みを生かした生産が可能であるというふうに考えてございます。実際、花卉などでは非常な高収益を上げている方もいらっしゃるというふうに承知をいたしております。

 農林水産省といたしましては、まず何よりも農業所得の増大が重要であるということで、農業所得の増大が図られるというような観点から、まず、柱に化学繊維の目の細かいネットを張る平張りといったような、台風に強い栽培施設の導入を支援していくとともに、花卉を初めといたしました農産物の高付加価値化、そのために必要な生産基盤の整備、そのことを通じた奄美ブランドの確立、また、農産物の付加価値向上のための六次産業化も視野に入れた加工販売施設の整備、さらには、観光とも連携をいたしまして六次産業化を進めていただく、そのための人材支援等々の支援を行っていきたいというふうに考えてございます。

 ただいま御審議いただいております改正法の趣旨も踏まえまして、今後とも関係省庁と連携して施策を推進いたしまして、奄美群島におきまして、高付加価値農業の推進を初めとする一次産業の振興が図られるように努めてまいりたいというふうに考えております。

西岡委員 ありがとうございます。

 奄美の基幹作物でありますサトウキビにしたって、今、TPPの交渉の行方でどうなるかわからないということもございますし、六次産業化や高付加価値化というのをどんどん進めていただきたいというふうに思います。

 次に、今回新たに創設された奄美群島振興交付金の話でございますけれども、支援メニューとしては、農林水産物の輸送支援だとか、航路・航空運賃の逓減だとか、農業創出緊急支援、観光・情報通信等人材育成、定住促進支援など、実に幅広い支援メニューを用意されておられ、これは鹿児島県や奄美群島の市町村が選択して使えるということであります。

 約二十一億ということでありますけれども、これだけのメニューに対して、果たして十分にこれは対応できるものなのかどうかというふうなことをお聞きしたいということと、この支援メニューのうち、どの分野に重点を置くことを本来国として希望しておるのかというのをお聞かせいただければと思います。

花岡政府参考人 奄美の交付金につきましては、地元の方の熱望といったような強い御希望を受けまして予算要求し、二十一億三千万円という予算を今回はつけていただいたということでございます。

 とにもかくにも、初めてこういった交付金ができたわけでございますので、これを使って、できるだけ地元でうまく調整をしていただいて、住民、企業の方々の御要望に応えていくということが大事だろうと思っております。

 何が重点かという御指摘がございましたけれども、物事に軽い重いはないかもしれませんけれども、例えば、単純に金額でもし見るといたしますれば、委員から御指摘がございました航路・航空路運賃の逓減というものが多分一番多くて、それに次ぐのが農産物の輸送費支援、この二つで全体の半分以上を占めるということになるのではないかと想定はいたしておりますけれども、何分、交付金でございますので、最終的な配分等は地元で今御相談していただいているところでございますので、それを、お話を伺った上で対応させていただきたいと思っております。

西岡委員 ありがとうございます。

 私の地元も瀬戸内の地域でございまして、多くの離島を抱えておって、地元の離島振興法の対象地域であります上島町の上村町長さんや、松山市の中島や、今治市の離島の一つである旧関前村の市会議員の皆さん方にもお聞きすると、やはり航路運賃の低減というのが必要なんだということでありますので、その点の対策というのは、もっと国としても、今後、今回の交付金によってどんな効果が得られるかを見ながら対応していただきたいと思います。

 最後に、奄美や小笠原は、外海離島でありますので地理的条件も厳しいものがありますし、また、米軍に占領されていたというような歴史的な経緯もございます。私も、今回、質問に立つに至って、奄美の復帰運動で活躍された、復帰の父と言われる泉芳朗氏の活動姿勢などは、本当に私たち政治家も見習わなきゃいけないなという部分も数多くありました。

 一方で、過疎化や高齢化にあえぐ離島やあるいは山間部など、こういった地域も各委員の選挙区でもたくさんあるのが実態でございます。

 この特措法によって、両地域が真に自立できるような環境づくりが必要であると考えますし、日本には約六千八百五十の離島がありまして、それぞれその条件というのは一くくりにはできないものがあると思いますけれども、海洋資源も確認されたり、排他的経済水域もあり、安全保障上の役割もあったり、離島の役割は我が国の発展にはもう今や欠かせないような状況でございます。

 今、太田大臣が取り組まれておられる国土のグランドデザインの骨子において、この奄美群島や小笠原諸島を初めとする離島に対する位置づけというのはどのようなものがあるのか、また、奄美、小笠原両地域に対する今後の取り組みのあり方について、大臣の御所見をお伺いできればと思います。

太田国務大臣 国土のグランドデザインの骨子を今月というふうに考えておりまして、また、その後も皆様の意見をお聞きして策定を進めていきたいと思っておりますが、まず、四百四十七万平方キロの領海、そして排他的経済水域、ここは、奄美そして小笠原、特に小笠原は極めて重要であるという、そうした位置づけ、そして、離島もそうした位置づけというものは明確にし、それは、安全保障上の問題もあるし、資源もさまざまあるし、観光という点でも極めて大きいという位置づけをさせていただいているところです。

 奄美は、その点でいいますと、琉球弧の一部を形成して、地政学的にも重要という判断をしておりますし、また、本土から距離が四百から五百キロメートル程度と、一般の離島に比べて非常に遠い。そして、グランドデザインからいきますと、いろいろな集落になって、人口が減少してというようなことがありますが、そこで、もう一遍立ち直る、それぞれのモデルをつくって立ち直るというようなことが大事なものですから、そういう中の一環として、奄美が、定住が促進されて、産業が育成されるということを期待しているという位置づけにさせていただいております。

 小笠原は特に、そうした排他的経済水域の約三割を占めるというようなことも含めて、ここは極めて重要なこと、ハンディも当然あるんですが、そうした位置づけの中で振興していきたいというふうに思っているところです。

西岡委員 ありがとうございました。これで質問を終わらせていただきます。

梶山委員長 次に、杉本かずみ君。

杉本委員 みんなの党の杉本かずみであります。

 貴重な質問の機会をありがとうございます。

 毎回申し上げているかもしれないんですが、できる限り政務三役の方にお答えいただくということで、政府委員の方はそれぞれお仕事があると思うので、私の方からお願いしているわけではなくて、多くの方がきょう来てくださっているということで、ある意味で、国交省全体の前向きな姿勢というのが出ているのかなというふうに思いますけれども、私が本意としてお願いしているわけではないということを冒頭申し上げたいと思います。

 さて、禅の言葉で如という字がありますけれども、この意味は、時間と空間が一致して初めて出会う機会が持てるというような意味でありまして、太田大臣とも野上副大臣とも、あるいは梶山委員長とも、時間と空間が一致して初めてきょうの質問の機会をいただいていますので、そういった観点からもちょっときょうは質問させていただきたいと思いますし、職責を全うできればということで臨みたいと思います。

 そこでなんですが、時間の制約もあるので、まとめて大臣にお伺いしたいんです。

 奄美と小笠原、今も西岡さんの質疑の中で地理的な意味合いというのを少しおっしゃられたと思うんですけれども、それぞれ、六十年あるいは四十五年余りの復帰後の期間があり、また、その前の歴史的な問題もありという意味で、この歴史的な時間の流れというものを振り返っていただき、過去、現在、そして未来という見方と、ちょっと触れられた地理的な側面としての意味合い、このあたりをどういう位置づけで今大臣がお考えになっておられて、そして、今次、振興開発特措法が延長、改正という流れになっているかという点を改めて確認させていただければと思います。

太田国務大臣 奄美と小笠原は、その地勢的な状況や、安全保障や、あるいはさまざまな資源、ポテンシャルという点でも極めて重要だということは同じだと思います。しかし、歴史的には全く違う状況だというふうに思います。

 小笠原は、実は戦争がありまして、終わりに、昭和の戦争で強制疎開をしたということで、全員、人口七千七百人が全部、基本的には強制疎開されて、そこには日本人は住まない、ずっと住んでいなくて、四十三年に復帰をしたということでございます。その意味では、その間に欧米系の島民のみの帰島が許されて、四百人、それだけだということがございます。

 そうしたことでは、言葉とか名字を聞いてみてもそれとわかるというような、そうしたことの中で、そして、日本から今も帰島する人が大勢、実はふえてきている。そして、お子さんが非常に多くて、人口が今ふえていて、そして首都圏からも大勢の方たち、役場なんかに行きますと、千葉県から来て永住、こういう島の暮らしをしたいんだというようなことがある。ただ、大変交通の便が悪くて不便である、それが小笠原である。

 逆に、激しい復帰への闘いというものがありまして、これは壮絶な、日本に復帰したいという、そうした闘いがあって、それで二十八年にこれをかち取った。そこの、泉さんの話も今ありましたが、もう壮絶なる、日本に復帰したいということの激しい闘争の中でというか、物すごいその辺の闘魂がそのまま今もあふれていて、お子さんに至るまで、日本に復帰というものがいかに闘いであったか、そして、ずっとそこは奄美大島に住み続けていて復帰を願っていたということがある。

 そして、人口は、実はそのときに二十万人いたわけですが、それからどんどん減ってきて、今十二万人ということ。そして、大島つむぎとか黒糖酒、サトウキビ、こうしたことが中心であったわけですが、大島つむぎがかなり減って、ほとんど壊滅に近いところまで来ていて、あの自然というものがほかの、まあ沖縄以上にもっと残っているということが、逆にそれを売り物にしたり、そして海が残っている、そして空港があるということの中でITというような産業が興ったりという、次の産業をどういうふうに持っていくかという、個性的な島として再びスタートができるかどうかということを考えているというのが奄美であろうと思います。

 ただ、両島とも、特に奄美がそうでありますが、台風が我々の考える以上に、五十メーター、六十メーターの台風が来て、実はその台風災害対策というものは物すごく重要な観点ですが、そこへの支援というもの、例えば電柱が真ん中でぽっきり折れるというぐらいの激しさで、本当は地下に電線を入れてもらいたいというのが一番大きな願いなんですけれども、お金がないのでなかなかそれができないというような状況で、二つの、奄美群島、小笠原諸島は、実は全然歴史的な経過と今の抱える問題とか人口というのが違う、そこをそれぞれバックアップするということに、何とか頑張っていただけないかということの中での、今度の両島のこの振興特措法であるというふうに思っているところです。

杉本委員 大臣の御認識の深さを改めて確認させていただいて、ほっとします。

 次に、奄美大島、奄美群島のことについてちょっと質問を掘り下げていきたいと思います。

 御案内のとおり、春の高校野球、大島高校が二十一世紀枠で、鹿児島県ではベストフォーであったんですけれども、出場校になるというようなことで、今、奄美大島の方では大変盛り上がっているやに、この間、報道がありました。

 そんな流れの中で、今、大臣からも、観光並びに空港、ITといろいろお話がございましたけれども、率直に申し上げて、一昨日、沖縄振興法の質疑をさせていただいて、本日、本会議で採決という流れになります。

 御案内のとおり、沖縄振興関係の予算というのは三千六百億近くありまして、一方で、今回の奄美の予算は二十一億ということで、桁が大分違うのではないかなという思いもあり、一方では、沖縄の現在の位置づけであったり歴史といったものからも、その必要性というのは逆に認識しているわけでございますけれども、できれば、沖縄も奄美も双方にとってウイン・ウインの関係というのを何とか築けないものなのかなというふうに思っております。

 ちょっと質問が飛ぶかもしれないんですけれども、一昨日の質疑で答弁がございまして、内閣府の総括審議官の方だったかな、沖縄・鹿児島文化交流祭というものを実施されておりまして、こうした観点に立って、互いに協力をし合いつつ、観光、産業、文化の面での連携を深めておられるものと理解をしているものでございますというような御答弁がありました。

 順番が変わるかもしれないんですけれども、私がちょっと拙い経験で、例えばギリシャのエーゲ海の島々なんていうのは、例えばトルコの第二の都市、イズミールというところから一つ一つ島を渡ってバックパッカーが観光していくみたいな、そんな観光のルートというんでしょうか、そういったものがあるんですけれども、沖縄と奄美は連携できているのかなというと、正直に申し上げて、まだまだ、答弁ではあったんですけれども、本当にそういったものが図られているかどうかという点が非常にどうなのかという思いをしております。

 世界自然遺産登録に向けた観光キャンペーンということで、奄美・琉球というようなくくりで動きがあるとは聞いているんですけれども、一方で、一昨日、審議した沖縄の方の振興策では、航空機燃料税の軽減措置ということで、沖縄と沖縄以外の本邦地域との間を航行する航空機、並びに、沖縄県内の区域内の各地間を航行する県内の航空機を、その燃料税軽減措置の対象とするということがあります。今回の奄美群島の振興の方で提起されているのが航路・航空路運賃の逓減ということで、離島住民(県内路線)及び旅行者(群島間路線)への運賃支援と、こうあります。

 それぞれのくくりになってしまって、沖縄の島と奄美の島を旅行で渡ってみようという国内の旅行者であれ海外の旅行者であれ、そういう方が島と島を渡る、これは航空機で渡っても、船で渡ってもいいと思うんですけれども、そういった方々がスムーズに旅行ができて、お値打ちで旅行ができてという流れが起きて、初めて観光振興というものが本当に効果を生んでいくのではないかと思っております。それぞれの地域に対しての予算づけということは極めて重要だと思うんですけれども、やはりそこに連携を図っていただくことが重要だと思っています。

 そんな意味から、もう法案が上がらんとするような状況なので、今さら、沖縄の島あるいは本島と、奄美群島の一つの島あるいは奄美大島といったところとの、こういったところでの路線、航路、空路、こういったものに対する運賃逓減策というのを考える必要があると思うんですけれども、今後の可能性でも結構ですので、そういった方向感を少し教えていただけないかと思います。

坂井大臣政務官 杉本委員の問題意識と御指摘でございますが、実際に奄美と沖縄ということで、旅行代理店や、それから実際のツアーなどというものも、大手がつくっているものはございます。しかし、十分かと言われれば、確かに、これからもっと拡充をしていくという段階だろうと思っております。

 そして、今御指摘ありました、一県、県内ではなくて、沖縄、鹿児島と県域を超えてということでございますけれども、今回のメニューは、おっしゃったように県内の路線、鹿児島県内の路線を対象としたものでございます。

 しかし、今回交付金がスタートしたばかりでございまして、今後、奄美と沖縄では、奄美・琉球としての世界自然遺産の登録を目指しているというようなことがあって、それを機にいろいろな動きが出てくると思います。さらに奄美と沖縄が連携をして両地域の振興を図る中で、地元の意見をよく聞きながら、今後、必要な支援というものを検討し、行っていきたいと思っております。

杉本委員 今年度に限らず来年度以降も、そういった少し広い視野で、ぜひこの観光振興ということをお願いしたいと申し上げます。

 次に、同じような考え方なんですけれども、これは山本一太国務大臣の答弁で、情報特区的なところでの沖縄のことについて、こういう御答弁がございました。この約十年間で、情報特区について、企業進出という面でいうと二百六十三社の企業進出があったということと、雇用創出という点でいうと二万四千人という数字があります、こうおっしゃられました。

 奄美について、情報産業の振興ということで今回も力が入っているやに聞いておるんですけれども、一部の資料によりますと、インキュベーター施設稼働、現在五十人ほどの起業関係者が入居という、ちょっと数字が正しいかどうかはわかりませんけれども、少し規模が違い過ぎるし、情報産業という意味でも、やはり沖縄に相当力が入っているんですけれども、奄美もやりますよと言っているんですけれども、ここに重複があるのではないかという部分と、もっと連携を広域で図って、ぜひとも、奄美の情報産業といったものを振興するためにも、沖縄との関係での交通整理というのが必要だと思いますけれども、この情報産業振興という点について、奄美と沖縄との連携、関係を教えていただければと思います。

坂井大臣政務官 ともにITにも力を入れるということで、今頑張っていただいているところでございますが、聞いたところによりますと、沖縄におきましては、県で補助金なども出して、コールセンターなどの誘致を行っているということで雇用創出を図っているということを聞いておりますし、また、奄美群島における情報産業としては、少人数で開発をする、スマートフォン用のソフトウエアの開発というものを主力に置いているというようなことも聞いております。

 当然、全くダブらないということはないかと思いますが、それぞれ方向を決めながら、こういう多少の違いを持ちながらやっているということでございます。

 また、御指摘のように、連携をとりながら、そして両方がウイン・ウインの関係になるという形を目指して頑張っていくのは当然のことだと思っているので、支援をしていきたいと思っております。

杉本委員 時間が大分押してまいりましたので、少し飛ばさせていただいて、お運びいただいた政府委員の方には御迷惑がかかるんですが、お許しいただきたいと思います。

 二つ、絞って伺いますが、大型クルーズ船なんかが奄美群島に着岸して外国人旅行者に入っていただくという上で、港湾等のキャパシティーの問題とか、そういった点があるかどうか、短く端的に教えていただければと思います。

野上副大臣 大型クルーズ船でございますが、まず実績については、例えば、日本船籍の最大であります飛鳥2以上ということで考えますと、名瀬港にのみその実績がありまして、平成二十四年、二十五年でそれぞれ一回ずつ寄港しているということであります。

 また、平成二十六年の大型船の名瀬港への寄港については、過去最大の船型となりますサン・プリンセスというもの、これが六回を含む、合計八回の寄港が予定をされているということでございます。

 そういう中で、港湾施設について、何か支障があるかというお話でありますが、施設の、名瀬港の水深は、例えば、岸壁は十メートルぐらいのものでありますが、今回予定されておりますサン・プリンセスは九メートルで寄港できるということでもありますし、今のところ大きな支障はないというふうに聞いております。

杉本委員 次に、海上保安庁にお伺いしたいんですけれども、やはり、先ほど太田大臣からも安全保障というお言葉がありましたし、EEZ、排他的経済水域という意味からも、小笠原諸島というか、最南端、最東端の国境の島々を守っている今の海保のお立場で、活動状況、そして、今後こういった点は改善すべきであり、強化すべきであるという現時点での問題点等あれば、教えていただきたいと思います。

野上副大臣 お話にありましたとおり、日本最南端の沖ノ鳥島、また最東端の南鳥島を含む小笠原諸島を管轄しますのは第三管区の海上保安本部でありますが、救難活動ですとか漁業取り締まり等の海上保安業務を適切に実施しております。

 また、沖ノ鳥島及び南鳥島においては水路測量を実施いたしまして海図を刊行するともに、沖ノ鳥島におきましては、領海、排他的経済水域の基線となる低潮線及びその周辺の現状を的確に把握するための潮汐観測を実施いたしております。

 さらに、沖ノ鳥島周辺海域における船舶交通の安全を図るために、平成十九年の三月十六日に沖ノ鳥島灯台を設置して、管理しているというところであります。

 一方で、尖閣情勢の緊迫化に伴いまして、巡視船艇ですとか航空機の運用が厳しい状況になっているわけでありますが、そういう中でも、限られた勢力を効率的に運用しまして、小笠原諸島等の離島における哨戒体制の確保に努めているというところでございます。

杉本委員 もう時間となったようなのですけれども、冒頭申し上げた如という言葉で考えると、やはり時間的な長さと地理的な要因というのはあると思います。また、我が国の財政制約という問題がありますので、ちょっと沖縄、奄美のことについて申し上げれば、沖縄予算との関連づけというようなことをぜひともお願い申し上げまして、質問を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

梶山委員長 次に、穀田恵二君。

穀田委員 奄美群島の交付金の創設は、私どもは賛成です。

 私は、五年前に当委員会で提案、議論したことを覚えています。当時、私は、経済振興の援助の費用を地元で自由に使える形に変えることが決定的じゃないのかということを述べ、全部上で決めるんじゃなくて、これだけのことをやりたいということをお互いによく考えて、それをどうしたら補助できるかという仕組みに思い切って変える必要があるのと違うかと問題提起しました。

 それに対して、当時の金子国交大臣は、予算の制度も交付金にしたらいいじゃないか、地元が使いやすいようにもっとしたらいいじゃないかというのが一番の委員のポイントだと述べて、趣旨はよくわかりますので、それを踏まえてやっていきたいと当時答弁されました。ですから、その意味で、五年前に提案したことが今回の交付金制度に実った点は、私どもとして評価したいと思っています。

 そこで、ではその趣旨であった、本当に自由度が増したのか、それから、地元の要望に沿っているかという角度から、具体的な問題について、少し質問したいと考えます。

 まず、奄美大島の特産品は、黒糖や黒糖焼酎も一つのメーンでありますが、今回の輸送費引き下げで、加工品は対象とならないとお聞きしました。そして、地元では、ぜひ加工品も輸送費引き下げの対象にしてほしいとの要望を私ども承っております。農林水産物輸送費引き下げに加工品は入らないのかどうか、そして、その理由は一体何ぞやという点についてお答えいただきたい思います。

花岡政府参考人 お答え申し上げます。

 今回新設をいたします奄美の交付金につきましては、奄美が隣接いたします沖縄の交付金との関係を考えまして、沖縄との間の競争条件をできるだけ近いものにするといった観点で制度設計を行っております。

 先ほど大臣からも御答弁申し上げましたけれども、現行、沖縄の交付金においても加工品の輸送というのは対象としていないということから、奄美の交付金でもとりあえず対象としていないわけでございます。

 さらに細かく言わせていただきますと、加工品といっても、単純に切ったりするようなものから、単に例えばお肉を切ったりとか冷凍するといったようなものから、さっきの黒糖焼酎みたいに全く姿形が変わるものまであるわけでございます。単純にお肉を切るとか、あるいは冷凍、解凍するといったようなものについては、この場合も対象になるということでございまして、基本的には、とりあえずは現在の沖縄の交付金の運用とほぼ同じ内容で運用を始めてまいりたいと考えております。

 ただ、先ほど大臣からもお話がありましたように、交付金制度は未来永劫変わらないわけではございません。いろいろ地元のお声をお伺いしながら、勉強させていただきたいといったふうに思っております。

穀田委員 結局のところ、沖振との関係を含めて横並びだというのが、簡単に言うと、説明の中心かと思うんですね。

 それは、私は、そうかいなと思うんですね。だから、産業振興でいうんだったら、今一番求められている点でいうと、黒糖や黒糖焼酎というのは切実な問題だと言っているわけで、ちょっといかがかと思うんですね。

 しかも、横並びと言うけれども、予算額はどうかというと、八百億と二十一億三千万で、人口比にしたって何にしたって、本当に横並びかというと、どれがどうして横並びなのかと思わざるを得ませんわね。

 もちろん、その意味では、変わらないわけじゃないとか、とりあえずと。とりあえずというのも、今まで、当面といって、地方自治法とか地方財政の関係でいうと何十年もやっているということがあるので、余りそれを信用して、よっしゃなんて言っているとえらいことになるから、そう簡単にはあれしませんが。

 もう一つ、では、航空運賃の引き下げについても聞きたいと思うんです。

 島外に出た方が、島にいる身内に不幸があってもすぐ帰れないし、運賃が高過ぎて家族全員で帰ってくるのは難しい。島の人間だけじゃなくて本土からの人たちの航空運賃も引き下げられるようにしてほしい、こういった要望も聞いております。これは大臣もよく聞いておられると思うんですけれども、支援メニューで活用できる航空路運賃の引き下げの範囲についての説明を求めたいと思います。

花岡政府参考人 お答えを申し上げます。

 先ほども沖縄との関係で御説明させていただいたところでございますけれども、沖縄の場合は、沖縄県の外との航路、航空路については交付金の対象にしておりません。

 ただ、奄美の場合は、今回、若干工夫をさせていただきまして、東京あるいは大阪といったようなものについても、若干金額的には限られたものになるかもしれませんけれども、少なくとも何らかの支援はしてまいりたいといったふうに考えているところでございます。

 具体的に、限られた予算の中で、どういった部分を交付金の対象にするのかということについては、今、鹿児島県と十二の市町村との間で、それぞれ、例えばどこからお客さんを呼びたいとかということがございますので、調整をしていただいているところでございまして、私どもとしては、それの成り行きを見ているといった部分があるわけでございます。

穀田委員 しかし、今の話を聞いていると、調整中だということになるんですけれども、現場に言っているところでいうと、一定の説明はしているわけですよね、こういうことのメニューはこうですよと。

 では、それは一体全体どこに書いて、どういうことを基準にして地方自治体等にはお話をしているんですか。

花岡政府参考人 お答え申し上げます。

 今回の交付金は、もちろん、財務省との間で、予算を編成していく過程で一定のやりとりがあったわけでございますけれども、そもそもどういう交付金の中身にするか、メニューにするかということにつきましては、先ほど来申し上げておりますような沖縄の例も見ながら、あるいは、地元の各市町村長さんの御要望等を聞きながら調整をさせてきていただいているところでございまして、大まかな使い道については共有ができているといったふうに考えております。

 もちろん、委員御指摘のように、実際に補助金、交付金といったような制度を正式にスタートする段階では、そういったお金の使い道あるいは事務のあり方といったようなものを規定した補助要綱、交付要綱といったものを設定することになります。

 これにつきましては、現在地元で進められております調整が、そういったようなものを受けた形で、そごを来さないようにするといった意味で、地元の御意見を伺いながらつくってまいりたいと考えておりますけれども、もちろん、基本的な考え方といたしましては、地域がみずからの責任で裁量性を持って取り組むという法律の規定の趣旨を踏まえて、そういった内容になるように検討を進めてまいりたいと考えております。

穀田委員 もう一つ、もごもご言っているので。

 結局、法案でいうと、八条二項第一号で、そこでは「政令で定めるものに関する事項」もあるし、それから、三項二号では「主務省令で定める事項」となっている、それとあわせて要綱がある、こうなるわけですわな。これから決めるということになると、一定の幅があると言ってみて、しかも、今の参考人の報告によると、今までやりとりしたほかの例も見ながら、要望も聞いて共有できていると。こう言うのであれば、私は、もっときちんと要綱に反映させる努力を行うべきだというふうに思うんですね。

 法案では、県が交付金事業計画を作成しようとするときは、あらかじめ奄美群島市町村その他の関係者の意見をよく聞くよう努めるものとする、こう記述されているんですね。

 この間、大臣、法案の提案理由説明をやりましたよね。覚えておいでだと思うんですけれども、そのときに、二つ目のところで、「奄美群島において、みずからの責任で地域の裁量に基づく施策の展開を後押しする仕組みとして、新たに交付金制度を創設する」と述べたわけです。今、後ろから持ってこられて、見ているようですけれども。

 交付金制度は、さっき言ったように、いいことなんですけれども、ただ、私が問題提起したときに、もともとの趣旨、また、お互いにそういうものをつくる場合の考え方の中心は財政の自立性、なかんずく地元が使いやすいようにするというのが出発点なのだから、あれこれ言いません。二つだけ言っておきます。

 細かい話をしているんじゃなくて、地元の要求に応じて柔軟に使えるようにすべきじゃないのかということが一つ。もう一つは、要求に応えられないような予算の制約があるのであれば、交付金の額をもっとふやすべきだ。この二つについてだけ、基本的な姿勢について大臣にお聞きしたいと思います。

太田国務大臣 まず、交付金を今回つくった、五年前に質問をし、指摘をしたという、それがやっとでき上がったということは非常に大きいことだというふうに思います。奄美の方々も、大変これは画期的なことだと。

 率直に言いますと、沖縄には随分応援しているのに奄美はねという思いが奄美の中の人には相当あるようで、この二十一億に及ぶ交付金を楽しみにしていて、まず現地からも、航空機の運賃の逓減ということとか、幾つか具体的に、長年出ていることが、今回二十一億という形で実現をする。ですから、自主性というところまでは、なかなかいくというよりは、もうそれ自体が自主的に、せめてということで、もっと多くの交付金が欲しいということだと思います。

 この交付金の使い方は、今述べましたように、地域、鹿児島県と十二市町村が、みずからの裁量で施策を柔軟に展開できる仕組みにしているということでありますので、この二十一・三億を、その補助金と比較して約三倍ということになっているわけですが、運用する中で、地元の声をお伺いしながら、必要に応じて検討してまいりたいというふうに思っています。

 同時に、もっとふやせということでございますが、それはもう要望からいくと、さまざまふやしてほしいということが、むしろあふれているような状況でありますので、ここは政府内での予算編成ということに、全体にかかわることではありますけれども、私としては、少しでも多く応援をしたいという意思を持っているということだけ申し上げておきます。

穀田委員 わかりました。ですから、柔軟にということの精神は確認できる、ふやそうという意思もお互いに共通であるということだけは言えると思うんですね。そういう点では、奄美の方々の運動と取り組みについて、本当に心から敬意を表したいと私も思います。

 そこで、もう一つ、産業振興の問題について触れたいと思うんですね。

 私は五年前も、この問題について次のように要求しました。農業の振興、地場産業の育成、高齢者施策の充実が、一連の、当時の答申だとかその他の御意見を踏まえた、共通の指摘でした。私は、若者の定着には雇用先が要る、したがって思い切った産業振興策が必要だと。当時も私は、黒糖焼酎の問題や農業、大島つむぎの振興のために、例えば、生産に対しての所得補償、一定の価格保証、従事する若者がひとり立ちできる、五年間程度の生活保障と訓練の保障、それから、つむぎの今日的ニーズの掘り起こしや生産家への手厚い補助、販路の拡大、つまり、インキュベーションの強化等が必要だ、こう提起をしたわけであります。

 奄美群島振興開発審議会の意見具申でも、産業の発展等の重大性が指摘されています。奄美群島の具体的な産業振興の方向をどのように考え、具体的な支援策をどのように行おうとしているのか。特に、大島つむぎや黒糖焼酎等地場産業の育成に対して、これまでどのような支援策を行ってきたのか、今後どのような支援策を講じていくのか、明確にされたいと思います。

花岡政府参考人 お答え申し上げます。

 産業振興に力を入れるべきではないかという御指摘でございます。

 新しい産業の振興につきましては、先ほど来、戦略産業が三つあるといったようなお答えをさせていただいているところでございますけれども、今回の御質問は、伝統的な大島つむぎ、黒糖焼酎といったような、まさに奄美ならではの産業について何をやってきたか、今後どうしていくかという御質問でございます。

 基本的には、こういった部分につきましては、まさに伝統的な産業でございまして、人材の育成とか販路の拡大といったような点について、地元の取り組みを補助金等で支援してまいったわけでございます。

 今後の方向でございますけれども、先ほど来話題になっております、世界自然遺産に登録をという動きがございます。そういった中で、観光客の方が増加するといったことも見込まれるわけでございまして、そういった機運を捉まえまして、大島つむぎの泥染め、織りといったようなものの体験ツアーとか、あるいは黒糖焼酎の蔵元をめぐるツアーとか、地元産業を取り入れました観光メニューをつくりまして、知名度を上げ、購入につなげる流れをつくっていくといったようなことが考えられているわけでございます。

 その際、これも委員の御指摘がございましたように、大島つむぎの、大きな着物はなかなかお値段の関係で買えませんけれども、例えばネクタイとか小物類といったようなものを開発するとか、そういったようなことも含めて対応していきたいと思っております。

 さらに、販路の拡大といった意味では、奄美の方々が、首都圏とか大阪といったようなところで物産展とか商談会の開催といったようなものを積極的に進めるような動きが出ております。

 こういったような取り組みに対して、私どもといたしましては、まさに今回創設されました奄美群島振興交付金を使いまして、支援をしっかりしてまいりたいといったふうに考えております。

穀田委員 ただ、私は、支援の内容がやはり単発的で、その程度で大丈夫かいなと率直に思うんですよね。

 というのは、大島つむぎでいいますと、昭和五十五年、三百億円をピークに、現在は約六億円に減少しているわけですね。ですから、決定的に、この現状を踏まえた抜本的な対策の強化をしなければだめです。

 しかも、今、参考人がおっしゃいましたけれども、お話ありましたが、確かに、大阪といいますけれども、首都圏における販売と、それから京都における取り組みというのは、民間は随分やっているんですよ、いろいろなことを。私が知っているところも含めて、出身者もいますから、そういう交流もしているんですけれども、そこの点での交流なんかについても、もう少し私は力を入れてやらないとだめじゃないかと、率直に現場を見て思っています。これはもう少しこれからも議論して、またお互いに知恵を出していくということでしたいと思います。

 最後に、定住促進の問題について一言聞いておきたいと思うんですね。

 今回の法改正の中に、定住の促進を図るということの旨が書かれていますけれども、なぜこういうことを入れたのかということと、では、具体的に国交省としてどう支援していくつもりか、これを端的にお答えいただきたいと思います。

花岡政府参考人 お答え申し上げます。

 奄美では、高校を卒業されますと、卒業生の方は約九割が島を出てしまうといったようなこと、まさに雇用の場がないことによりまして、そういった若年層の流出が続いているわけでございます。

 一方、小笠原の場合は、医療等の体制が必ずしも十分ではないということから、一定の年齢になられますと、せっかく小笠原に来られた方が、また本土に帰ってしまわれるといったようなことが起きております。

 そういったような中で、私どもといたしましては、奄美と小笠原の方々が、島に居続けたい、故郷で親しい方々とともに生きていきたい、そういった気持ちを受けとめ、振興を図っていくといったようなことも含めまして、単純に経済的なことだけではなくて、そういったようなものも含めて、今回、法目的に定住の促進というものを追加させていただいたわけでございます。

 定住の促進のためには、先ほど来申し上げておりますように、産業の振興と雇用の拡大といったもの、さらにはもう一つ、医療や教育の充実といったようなものが必要なわけでございます。

 奄美につきましては、今回の交付金あるいは産業振興促進計画といったような新しい二つの仕組みを使いまして、地元が成長戦略ビジョンで成長三分野と位置づけておられます農業、観光、ITといったものの振興を図り、雇用の拡大につなげてまいりたいといったふうに思っております。さらに、並行いたしまして、一般的な企業誘致等々も実績を上げつつありますので、そういったものについても力を入れていきたいと思っております。

 小笠原につきましては、何よりも観光でございまして、産業振興促進計画等を活用しながら、受け入れ環境の整備を進めていきたいと思っております。

 それから、生活環境の整備という点では、まさに今回の法律改正の中で、医療、介護、教育、防災といったさまざまな配慮規定を追加させていただいたところでございます。また、関係大臣にも主務大臣として入っていただくといったようなことを工夫いたしております。

 二年前の離島法の改正においても、いろいろな配慮規定が追加されておりますけれども、これは昨年の春から改正離島法が施行されるに当たって、例えば妊婦さんの出産の環境整備とか、高校生の方の修学支援とか、まさに配慮規定が入って、実際に予算等も措置をされ、地元に喜んでいただくようなことが幾つも出てきておるといったふうに思っております。

 今回、奄美、小笠原につきましても、そういった配慮規定を追加するわけでございますので、関係省庁と連携しながら、そういった生活環境の改善についても、産業、雇用とあわせて取り組んでいきたいと考えております。

穀田委員 今お話ありましたけれども、支援策の中身はやはりソフトが中心なんですよ。だから、具体的に施策を実行しようと思えば、確かに、主務大臣をふやすだけじゃなくて、予算をふやさなくちゃしゃあないんですよ。

 今出しましたように、これは皆さんのところにお配りした、最後、これだけ使おうと思うんですけれども、予算のあり方を見ますと、今までのやり方でいうと、公共関係が九八・三%、非公共は一・七%なんですよね。

 行かれた話を先ほど同僚の議員もされましたけれども、住んでいてよかったと思えるような島づくりになっていたのかということについて、はっきりせなあかんと思うんですね。私は、ソフト面に使える予算をふやすためには、非公共のシェアをふやすべきだと。これを見てわかるように、一・七%なんですね。

 先ほどは交付金の話をしましたけれども、せっかく主務大臣もふやしているのやから、そういう意味でいうと、予算も非公共のところをしっかりふやして、公共を減らせと言っているのではないんだけれども、そういう意味でもシェアをしっかりふやすなどの努力をして対応をしなくちゃならぬのじゃないかということだけ言って、終わります。

梶山委員長 次に、國場幸之助君。

國場委員 自由民主党、沖縄一区の國場幸之助です。

 先ほどから奄美振興を沖縄並みにという発言が相次ぎまして、非常に居心地の複雑な時間が続いておりますけれども、私は、ちょうど沖縄が本土に返還をされました昭和四十七年生、復帰の世代であります。

 奄美でも、昨年、復帰六十周年でありましたが、昨年の朝日新聞によりますと、奄美の方で復帰の世代に生まれた、「ふきこ」さんと名づけられた女性の方がいらっしゃる、このような報道がなされておりました。

 歴史の節目に私も沖縄で生をうけて日本人として人生を歩んでおりますけれども、その気持ちは奄美も小笠原も同じでございます。そういう同じ気持ちを共有したということも含めて、奄美と小笠原の振興のために精いっぱいに質疑をやっていきたいと思います。

 今回の質疑に当たりまして、奄美群島復興特別措置法を最初に議題とした昭和二十九年の連合審査会の議事録と、小笠原諸島復興特別措置法案の審議が始まった昭和四十四年の地方行政委員会議事録を読みました。

 戦後二十四年間の米軍統治時代、ほとんど無人島に近い状態で放置をされていた小笠原諸島と、日米両国政府から顧みられることがなかった奄美の八年間の米軍による統治期間を経た直後は、極度に荒廃していたがゆえ、当時の法案提出者の一人である山中貞則先生の言葉を引用すれば、振興以前のいわゆる復興から手がけなければならないくらい深刻であったということが議事録に残されております。そして、格差の是正や産業振興、定住人口の促進など、今に続く課題が当時から指摘されていることに、奄美、小笠原の抱える問題解決の困難さを再認識させられました。

 私の選挙区も、久米島、渡名喜、渡嘉敷、座間味、慶留間、阿嘉、粟国、北大東、南大東と、多くの有人離島と無人離島を抱えております。地上戦や米軍上陸地、そして米軍統治といった、奄美、小笠原に類似した歴史的背景を沖縄も持ちますが、沖縄県民が忘れてはならないことは、戦後沖縄の発展に多くの奄美出身者が多大な貢献をしていただいたという歴史的事実であります。

 そんな先人への感謝も込めまして、質疑に入りたいと思います。

 今回の奄美、小笠原の質疑に当たりまして、私も、奄美の多くの友人、知人にヒアリングをしました。その際に、多くの委員からも同様の指摘がありましたが、やはり、航空運賃と農業の輸送費のコスト支援と、そして定住人口をいかに実現していくのか、その三つが非常に大きな、最大公約数の要望であったと思います。

 鹿児島の屋久島は、平成五年に世界自然遺産に登録されて以来、お手元の資料にもありますけれども、観光客が飛躍的に伸び、定住人口も安定しております。平成二十三年に世界自然遺産に登録をされた小笠原諸島も、前年度に比較をしまして一・六倍も観光入域が伸び、人口も増加の傾向があります。

 奄美・琉球も平成二十八年度に世界自然遺産登録を目指していますが、世界遺産は、観光産業の振興や定住促進に資するのみではなく、奄美の人々に誇りと希望をもたらすと信じております。

 その意味でも、奄振法の改正の中で産業振興促進計画認定制度を創設し、通訳案内士の特例や旅行業法の特例を盛り込んだのは時宜を得た内容だと思います。

 そして、奄美群島振興交付金で、離島住民の県内路線と旅行者の群島内路線の航路・航空路運賃の逓減を支援メニューに入れたことも前進であると評価しますが、それでも、島外からの観光誘客を推進する際、また島民が都会に行く際の航空運賃が依然として高いという声は根強く、さらなる軽減措置を求める声は切実であります。

 世界自然遺産登録を目前としまして、航空運賃軽減のためにどのような取り組みを図っていくのか、そのお考えをまず冒頭にお聞きしたいと思います。

坂井大臣政務官 委員がお話をされました今までの背景なり現状を踏まえながら、産業の一つとして、観光一つとりましても、やはり、奄美・琉球という世界自然遺産登録は大きなきっかけにはなりますが、ネックとして指摘をされておりますのが航空運賃の高額なところでございます。それはもう間違いない大きな課題だということを認識いたしております。

 今回の交付金を使っていただいて、今、鹿児島県でも検討いただいておりますが、実質的に航空運賃を下げるキャンペーンをしていただいて、観光キャンペーンをしっかりやっていただくということをやっていただきながら、その状況も見させていただく。そして、この次の段階の課題として、これらの問題も引き続き検討させていただきたいと思っております。

國場委員 ぜひともよろしくお願いします。

 続きまして、これも多くの委員から指摘がありましたけれども、農業の輸送コストの軽減に関してでございます。

 人口と市場が極めて限定された離島にとりまして、観光産業と並んで重要な島嶼経済政策が、地場の農林水産物や特産品などを県外市場に展開することであります。今回、二十一・三億円の奄美群島振興交付金が創設をされ、その中で農林水産物の輸送費支援が実現されたことは、非常に大きな前進だと思います。

 しかし、沖縄県の一括交付金における輸送費支援でも指摘されておりますが、一次産品の輸送費支援は可能でも、農林水産の加工品は、輸送費支援の対象にはなっておりません。

 産業の限られた島嶼地域において、農林水産加工品の輸送費支援は、産業力強化の極めて重要な支援策であり、地元から要望が強い内容でもございます。奄美群島振興開発審議会の意見具申においても、高付加価値型の農業の進展を図り、その地域ブランド化や農産品を生かした六次産業化を図り、就業者を確保する必要性が強調されております。

 その具体的な措置が、農林水産物の加工品にも輸送費支援を実現することであると考えますが、改めて見解をお願いします。

花岡政府参考人 お答え申し上げます。

 当面どういう制度になるかということ、さらに将来にわたってどういう認識でいるかということについては、るる御説明したとおりでございますので繰り返しませんけれども、きょういろいろお話を聞いておりまして、特に今委員が御指摘されました六次産業化ということについては、非常に重要な切り口を御提案いただいたなといったふうに思っております。

 やはり、農林水産物を裸で出荷する場合と、ある程度加工して出荷する場合では、価格に対する発言力も大分違ったものになってまいります。そういった意味で、御指摘いただきました六次産業化というものを進めるべきじゃないかといったような観点も含めまして、引き続き加工品の支援のあり方について検討させていただきたいといったふうに存じます。

國場委員 農林水産物の加工品に関しては、沖縄県は、対象品目は五十品目ありまして、一括交付金を活用し、昨年スタートしているんですけれども、やはりこれは、奄美、沖縄の共通の課題として強く要望したいと思いますので、実現に向けた取り組み、これは多くの議員からも指摘がありました。切実な訴えでございますので、実現に向けての真摯な対応を強く要望します。

 続きまして、定住人口をいかに促進するかについてでございますが、今回の改正案の注目すべき点は、法律の基本理念に定住の促進を図る旨を明文化したことであると思います。

 私は、これからの奄美振興と定住促進策には、格差の是正という従来の政策目標と農林水産業と観光とICTに加え、もう一つ、プラスワンの発想が必要だと思います。例えば、沖縄県の竹富町、西表島には東海大学の沖縄地域研究センターがありまして、海洋に関するさまざまな研究教育プログラムを毎年二千人から三千人が利用し、交流と定住に一翼を担っていると聞きます。

 全国で最も出生率の高い奄美地域の若年人口の流出をとめるためには、例えば高等教育機関の活用など、さまざまな環境整備が必要であると考えますが、大臣の見解と申しますか、アイデア、知恵、インスピレーションというものをお聞かせいただければ幸いでございます。

太田国務大臣 突然なかなか湧かないんですけれども。

 今御指摘になりましたように、出生率が高い、しかし、高校を出ると九割の人が出ていく、それは職場が、仕事がない、こういうことだと思います。

 そこで、研究施設とかそうしたことは極めて重要なことだというふうに思っていまして、今、奄美においても、奄美大島南部に近畿大学の水産研究所の実験場があったりしますが、そうしたことを行うのと、先ほどから言っているインキュベーターでも、ITが非常に盛んになるという方向性があって、どうして奄美に来てこういうことをやっているんですかと言うと、スキューバダイビングを昼間思い切ってやって、それで仕事も環境のいいところでする、自然と接触して、それで仕事があるという、これは若者だというふうに思います。

 そうした、海もきれいで泳げるし、スキューバダイビングもできるということとあわせて研究とか仕事ができるというようなことをもっとアピールしていくことも大事なことだというふうに思います。

 観光はもちろん大事で、案内してくれる人は若い人が多いと思いますので、いろいろな意味で定住人口が確保できるように、人口流出をしないようにということの手だてをしていくために、今回の交付金を初めてつくったということを含めて、いろいろ研究をしたいというふうに思っております。

國場委員 最後に、奄美に関しての質問なんですけれども、これは杉本委員からも指摘がありましたが、これからの五年間は、奄振法の延長、改正の期間に奄美・琉球が同時に世界自然遺産に登録される動きがあります。私は、このことを契機としまして、もっと奄美と琉球の交流事業というものを深めたいと考えております。

 例えば沖縄県には、沖縄本島へ観光に来た方を離島の方に、離島観光に促すような支援事業というものがありますけれども、県の観光課の方に、このような、本島に来て離島を回るとすれば、沖縄県内離島だけではなく、奄美の方も、世界自然遺産に登録されるのを契機にどうにか交流できないか、そのような提案をさせていただいております。

 奄美の予算、沖縄予算と枠はもちろん違いますけれども、琉球弧という、かつて琉球王国の同じ歴史的な歩みも持っておりますし、沖縄の文化、歴史、自然、亜熱帯ということも含めて、非常に類似性が高い地域でありますから、沖縄は人口はおかげさまでどんどんとふえてきております。奄美との交流共同事業、これは観光であるのか、さまざまなものがあるかと思いますけれども、その際には、国としましても、さまざまな御支援を要望したいと思います。

 続きまして、小笠原諸島に関する振興開発特別措置法の一部を改正する法律案について質疑をします。

 これは海洋基本計画との関係の中で質問をしたいわけでありますが、小笠原諸島の海域、EEZの三割を占めており、南鳥島や沖ノ鳥島といった大変重要な島々も含まれているわけでございます。この広大な海域、そして小笠原諸島の保全管理を実現、今後も維持していくために、海洋基本計画に基づいて、国が具体的にどのような取り組みをしているかの内容についてお尋ねをします。

長田政府参考人 お答え申し上げます。

 先生御指摘の小笠原諸島の周辺には広大なEEZが存しておりまして、EEZの基点となります低潮線を保全するということは重要でございます。

 そのために、低潮線保全法に基づきまして、低潮線周辺を低潮線保全区域に指定しておりまして、この区域に指定されますと、人為的な損壊を未然に防止するために、海底の掘削、土砂の採取、あるいは施設、工作物の新設等の行為を原則禁止しているところでございます。この地域につきましては、国が、低潮線保全区域の定期的な船舶等による巡回、あるいは衛星写真によりまして調査を行っております。これまでのところ、違反行為や低潮線の後退は確認をされておりません。

 また、この小笠原地域につきましては、沖ノ鳥島あるいは南鳥島という重要な拠点がございますので、これについて、その活動の拠点となる港湾施設の整備を鋭意進めているところでございます。

 政府といたしましては、今後とも、関係省庁が十分に連携をしながら、これら海洋基本計画の推進あるいは海洋立国の推進に向けまして全力で取り組んでまいりたいと考えております。

國場委員 続きまして、小笠原諸島の振興とは直接関係ないかもしれませんけれども、小笠原諸島の中にある硫黄島の遺骨収集についてお尋ねをしたいと思います。

 沖縄も同様でありますけれども、不発弾の処理や遺骨収集、振興の前提となる歴史を踏まえて、無念の思いでお亡くなりになった方々に対する国としての責務、配慮、恒久平和の祈りというものは極めて大切だと考えております。

 日本の最南端を守り抜かれた、小笠原の地でとうとい命を失われた方々の一日も早い遺骨収集についての政府の決意をお聞きしたいと思います。

古都政府参考人 お答え申し上げます。

 先生御指摘のように、戦没者の御遺骨の収容は国の責務でありまして、悲惨な戦争を繰り返さないためにも全ての戦域で進めることが大変重要であると考えております。

 特に硫黄島につきましては、日本の領土であるにもかかわらず、今日まで一万三百十三柱が収容されたところでございますけれども、いまだ国内最多の約一万二千柱が未収容であるという状況にございます。平成二十五年度も、これまで計十一回の遺骨収集帰還団を派遣し、百六十六柱を収容したところでございます。

 今後の取り組みといたしましては、昨年十二月に硫黄島に係る遺骨収集帰還推進に関する関係省庁会議におきまして、硫黄島の滑走路地区等の遺骨収集帰還に関する基本的方針を取りまとめたところでございます。平成二十六年度からは、まず、滑走路地区等の遺骨収容に着手すること、また、硫黄島東部から西部の外周道路外側の開削調査、収容作業についても並行して実施すること、さらに、平成二十五年度までにわかりました新たなごうにつきましても遺骨収容作業を実施するということにしておりまして、厚生労働省といたしましても、引き続き関係省庁と連携してしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

國場委員 時間がもう一分ぐらいしかありませんので、あと、小笠原諸島の最初の議事録から出ておりました空港整備について、田村局長もお見えでございますが、多くの委員からも指摘がありました。やはり、離島にとりまして空港というのはライフラインそのものでございますので、その実現に向けての力強い取り組み。

 そして、星野自然環境局長もお見えでございますが、沖縄も奄美と世界自然遺産に登録の予定でございます。しかし、そういう中におきまして、やはり自然との共生、つまり、入域を数という部分で達成するのも大切ではありますけれども、持続可能な生態系、自然環境というものは何なのか、そういう哲学のある振興というものを今後追求しなければならないと考えております。

 そして、外来種に対する問題や、沖縄も共通でありますけれども、エコツーリズム等が今後盛んになってまいりますと、例えば在来種であるハブの問題とか、そういったものもこれは考えていかなければいけないテーマの一つになると思いますので、その課題を指摘しまして、質疑を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

梶山委員長 次に、中野洋昌君。

中野委員 公明党の中野洋昌でございます。

 私の選挙区は兵庫県尼崎市でございます。阪神工業地帯の中心地でありまして、泉原先生もいらっしゃいますけれども、実は、奄美群島から就職のために移住してこられた方々が大変に多い地域でございます。

 尼崎市といいますと、冬柴元国交大臣の選挙区でもありましたけれども、大変に奄美振興に尽力をされていたと私も記憶をしておりますし、私自身も公明党では、離島振興対策本部事務局次長、また、奄美ティダ委員会という委員会もございまして、これの事務局次長をさせていただいております。一昨年は二回、昨年は三回、奄美大島、徳之島、沖永良部島などに訪問させていただきました。奄美群島振興開発特別措置法、奄振法の改正について御意見を伺ってまいりました。

 皆様御承知のとおり、奄美群島は、戦後、米軍の占領下に置かれまして、昨年が本土復帰の六十周年でございました。十一月の記念式典がございましたけれども、太田大臣と一緒に私も参加をさせていただきました。

 こうした経緯から、本日は私が質問をさせていただきます。大島つむぎのネクタイもつけてまいりましたので、しっかりと質問をさせていただきます。どうかよろしくお願いいたします。

 まず冒頭でございます。この法改正に向けまして、昨年の六月に、公明党の離島振興対策本部におきまして、離島振興ビジョン二〇一三というものをつくらせていただきました。いろいろな提言をさせていただきまして、例えば、国や県の責務を明確にすることでありますとか、あるいは、定住をしっかりしていこう、主務大臣をもっと追加していこう、また、交付金制度を新設しよう、人流、物流コストの低減を図っていこう、さまざまな提言をさせていただきまして、今回、この法律の改正案にこうした提言を大きく盛り込んでいただいたということを、まず冒頭、御礼を申し上げ、また高く評価をさせていただきたいというふうに思います。

 奄美群島広域事務組合がつくられました奄美群島成長戦略ビジョンというものがございまして、ここで掲げられておりましたのは、奄美の将来にとって大事な産業というのは、農業、そして観光あるいは交流、情報産業、この三点である、こういうお話がございました。また、定住を促進する、奄美の文化を大切にする、こういう側面も大事だ、地元からのこういうビジョンがございましたので、やはり国がどうこれを後押ししていくか、これが大変大事ではないかと考えております。

 今回の改正の最大の目玉は、何といっても奄美群島振興交付金を創設した、これが一番大きいと思います。地元の裁量で自由に使うことができる非公共の交付金制度をつくってほしい、こういう御要望が大変に大きいものでございまして、地元の市町村あるいは業界団体、いろいろなお話を伺いますと、やはり、地理的な条件により、人流のコストも割高だ、あるいは物流のコストも割高である、そして、同様の支援措置が入っている沖縄との関係でも競争力がなくなってきているんじゃないか、いろいろな御要望がございまして、この交付金を用いた人流、物流コストの低減というのは大変な御期待がございます。

 この具体的な中身につきましては、先ほど来いろいろな質問がもう既に出ておりましたので、私の方からは割愛させていただきますけれども、人流、物流コストをしっかり低減して、まずは地理的に不利な条件を解消していく、これに尽力をしていただきたいというのを、まず冒頭、御要望させていただきます。

 先ほど申し上げましたけれども、関西は実は奄美出身者が大変多うございまして、二十万人とも三十万人とも言われておりますけれども、地元には、郷友会、地元の県人会というか、こういうものも大変多くございまして、何と、関西奄美会など約二百近い郷友会が、集落単位、校区単位、小さな単位でもある。私の地元でもよく開催をされます。皆様の御意見としては、やはりふるさととの交流というのをしっかりと図っていきたい、こういう御要望も強うございました。

 先ほどの交付金を用いた、主に島民の方を対象に人流のコストを下げていく、あるいは観光客を対象に人流コストを下げていく、これも大事でございますけれども、奄美空港へ行く航空便というのは、羽田空港からももちろん行くわけでございますけれども、私、調べましたけれども、やはり伊丹空港から行く方というのが大変に多い、羽田よりも多いわけでございます。

 ですので、奄美出身者の方々とふるさととの交流、こうしたものをしっかりとこれからも続けていくためには、伊丹からの直行便、あるいは徳之島ですとか鹿児島空港経由で行かれる方ももちろんいるわけでございますけれども、こうした関西方面から奄美空港向けの航空運賃に対してもしっかりと支援を行っていただきたい、こう思いますけれども、国交省の御見解を伺いたいというふうに思います。

野上副大臣 冒頭、交付金による物流そして人流コストを低減していくのが大変重要だという御要望、しっかり承ってまいりたいというふうに思います。

 今お話のございました関西方面からの航空運賃ということでございますが、鹿児島県は、今、平成二十八年、御案内のとおり世界自然遺産に登録されることを目指しておりまして、これを契機に多くの方が訪れるということを目指していこうということであります。

 このような中で、東京、それから大阪、鹿児島などと奄美群島を結ぶ路線を対象に、お話ありましたとおり、まずは観光キャンペーンの一環として、実質的な運賃の引き下げを行うことを検討いたしております。具体的な運賃の軽減幅ですとか実施時期については、現在、鹿児島県と市町村との間で調整が行われているというふうに承知をいたしておりますが、その後のことについては、その状況を見ながら検討を進めていくということだろうというふうに思います。

中野委員 ありがとうございます。ぜひしっかりと取り組んでいただきたい、御要望させていただきます。

 そしてもう一点、今後のお願いでございますけれども、私が一点気になっておりますのは、航空事業者に国と自治体が運賃を下げる支援をするわけであります。そうすると、運賃が下がって、恐らくお客さんもふえて、搭乗率も上がっていって、そうすると航空事業者ももうかっていくんではないかと思いますけれども、今回の割引は、事業者負担がない形で、国と自治体で支援をするとも聞いております。

 ある意味、航空事業者が自分で頑張ったら観光客、お客さんがふやせるかもしれない、そういう部分で、国、自治体がしっかりと支援をして下げていくということでございますので、航空事業者の自分の頑張りというのもやはり促していかないといけないんじゃないか、私はこのように考えておるんです。今後、こうした自助努力によって運賃を下げていったり、何かお客を集めていったり、そういう取り組みも引き続き促していく、しっかりとやっていただくべきだと思いますけれども、これについて国交省としてはどう取り組まれるか、お話を伺いたいというふうに思います。

花岡政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、実際に、航空会社の方で地元からの要望を受けられまして、平成二十五年度の下期のダイヤから、羽田―奄美路線に、新しい、特割1といったような割引運賃が設定されるなど、これまでも航空会社にもいろいろ御努力をいただいているということをまず御報告させていただきたいと思います。

 その上で、今回、委員御指摘のように、まさに交付金を使って運賃の実質的な引き下げといったものをやるわけでございます。当然、お客様がふえることが期待されるわけでございます。

 このような地元の取り組みに対しまして、航空会社におかれても、さらなる努力を重ねていただけるように御期待申し上げたいと思いますし、我々としてもお願いをしていきたいといったふうに考えております。

中野委員 ぜひしっかりと御対応をよろしくお願いしたいというふうに思います。

 少し話はかわりますけれども、奄美群島は奄美・琉球という枠組みで世界自然遺産への登録を目指されております。先ほど来、いろいろな御質問も出ておりましたけれども、この世界自然遺産への登録というのは、観光あるいは交流という意味では、大変に大きな意味を持っていると思います。

 例えば、今回、小笠原法も議論をされているわけでありますけれども、平成二十三年六月に小笠原諸島は世界自然遺産に登録をされました。そうしますと、観光客がどうなったかといいますと、平成二十二年では一万三千人でありました。しかし、平成二十三年には二万二千人ということで、約一・六倍に観光客がふえた。そうした意味では、世界自然遺産へ登録をされる、これを起爆剤として観光交流に力を入れていくことが非常に大事ではないかなというふうに思います。

 地元からも大変強い要望も出ていると聞いておりますので、この世界自然遺産への登録に関しては、まず、順序としては、国が国立公園に指定を行う、そこから自然遺産に登録を目指す、こういう動きになると聞いておりますので、まずは、この琉球・奄美、早期に世界自然遺産へ登録をされるように、国立公園の指定というものを急いで、しっかりやっていただきたい、こう思いますけれども、環境省の御決意を伺いたいというふうに思います。

星野政府参考人 環境省では、奄美・琉球の世界自然遺産登録を目指した取り組みを進める中で、専門家で構成される奄美・琉球世界自然遺産候補地科学委員会を設置いたしまして、科学的、専門的見地から世界自然遺産候補地の検討を行いました。その結果、昨年末に、奄美大島、徳之島、沖縄島北部、西表島の四地域を世界自然遺産の候補地として選定したところであります。

 世界自然遺産の登録には、国が責任を有する保護担保措置が必要となります。このため、これらの地域を国立公園などの保護地域に指定することを目指して、現在、関係者との調整を行っております。

 国立公園の指定や、指定後の保護と利用を適切に進めるためには、関係自治体や地元住民など、多くの方々の御理解、御協力が不可欠であります。関係者との調整を丁寧かつ着実に進めながら、できるだけ早期の国立公園指定、そして世界自然遺産登録を目指してまいりたいと考えております。

中野委員 ありがとうございます。

 続きまして、先ほど来、農業あるいは観光交流、こういう話をさせていただきましたので、次に、情報産業をどうやって振興していくか、このお話をさせていただきたいと思うんです。

 皆様の御質問の中でも、奄美市笠利町にあるインキュベーション施設、これが話題になっておりました。私も行ったことがございまして、ICTプラザかさりというところで、空港のすぐ近くでございますけれども、やはり情報産業というのはどこでやっても変わらない、こういうメリットがございますので、これを活用して産業振興していく、これが大変に大事だなというふうに思います。

 他方、奄美群島全体で見ておりますと、こうした高速ブロードバンドのインフラが行き渡っている地域もございますし、例えば喜界島ですとか、そもそも光ファイバーが敷設で通っていない、こういう地域もあるわけでございます。

 この奄美群島に対する高速ブロードバンドインフラ、これの支援についてしっかりとやっていただきたいと思いますけれども、総務省の御見解を伺いたいというふうに思います。

安藤政府参考人 お答え申し上げます。

 奄美群島における光ファイバー等の超高速ブロードバンド基盤の整備状況につきましては、平成二十五年三月末現在で、十二市町村中六町において整備率一〇〇%となっているところでございます。

 残りの未整備地域を抱える六市町村につきましても、民間事業者による光ファイバーや超高速ブロードバンドが利用可能な携帯電話、いわゆるLTEのエリア展開などにより、着実に整備が進展してきているところであります。

 総務省といたしましては、今後とも、民間主導による整備状況を踏まえつつ、奄美群島を含め、採算性の観点から整備に至っていない地域において、自治体が光ファイバーなどを整備する場合に一定の補助を行う情報通信利用環境整備推進交付金により支援をしてまいりたいと考えているところでございます。

中野委員 ありがとうございます。予算もしっかり確保していただいているということでございますので、しっかりと応援をしていただきたい、改めて御要望させていただきます。

 続きまして、私が申し上げてきた話の中に、地域の文化を大事にしよう、こういうテーマがございました。この文化について御質問をさせていただきたいんですけれども、奄美の方々というのは大変に伝統芸能を大事にされる、このように思います。私の地元の関西でも、芸能保存会を立ち上げて頑張っておられるような方々もおられますし、郷友会に参加をいたしますと、いつも奄美の民謡の演奏がございまして、島唄の演奏がございます。大変ににぎやかでございます。

 この奄美の島唄というのは、どうしても、島唄というと沖縄の琉球民謡を思い浮かべる方も多いと思いますけれども、確かに琉球は近いですので大変影響は受けてはおりますけれども、奄美の音階は本土の音階と一緒でございまして、実は大きく違う、そういう独特の島唄でございます。

 今回の法律の改正法におきましても、第三十五条におきまして、地域文化の振興、これについて明記をされておりまして、さらに加わった条文としては、担い手の育成をしっかりやろう、伝統芸能をしっかりと次世代に受け継いでいこう、こういう条文が新しく加わったわけでございます。こうした伝統芸能がしっかりと次代に引き継がれるように国としても支援をしていく必要があるというふうに思いますけれども、これにつきましては、文部科学省、文化庁の方に今後の取り組みについてお話を伺いたいというふうに思います。

山下政府参考人 お答え申し上げます。

 地域に伝わる民謡を初めとする伝統文化を次世代に継承していくことは、郷土に対する正しい理解と地域社会の維持向上にとって極めて重要であると考えております。

 このため、文部科学省におきましては、御質問の奄美民謡を含め、各地域において今日まで大切に守り伝えられてきた地域の伝統文化の保存、継承、そして活用を図るための事業といたしまして、文化遺産を活かした地域活性化事業あるいは伝統文化親子教室事業を実施しており、平成二十六年度予算案において所要の額を計上しているところでございます。

 文部科学省といたしましては、このたびの特別措置法改正の趣旨を踏まえ、引き続き奄美群島及び小笠原諸島の伝統文化の保存、継承に努めてまいりたいと考えております。

中野委員 ありがとうございました。

 済みません、ちょっと通告はしていなかったんですけれども、大臣はいらっしゃらないと聞いておったんですけれども、今いらっしゃいますので、最後にちょっと、きょうの質疑の締めくくりで御質問をさせていただきたいと思うんです。

 私、奄美振興の話、先ほど来るる質問をさせていただきました。小笠原法については質問はできませんでしたけれども、私も小笠原の方からも御要望を受けましたし、交通をどう確保していくか、あるいは防災をどうするか、いろいろな支援をしていく必要がある、このように理解をしております。

 大臣、きょうの締めくくりの、最後の意味で、奄美振興をこれからどうしていくか、小笠原諸島の振興をこれからどうしていくか、きょう一日のいろいろな話題、いろいろな質疑があったかと思いますけれども、それらいろいろ聞かれて、今後の御決意をぜひ大臣の方から最後に一言いただきたいというふうに思います。どうかよろしくお願いいたします。

太田国務大臣 交付金を初めて設置して、二十一億、これを確保し、特別交付税を入れて二十六億ぐらいになると思います。これが柔軟に地域のために展開されるようにということが非常に大事だというふうに思います。

 中野先生のお話を聞きまして、伊丹から大勢の方が行っていらっしゃるということで、特に航空機の運賃の軽減ということは非常に大事なことなんですが、もう一つ、航空会社にもその辺の努力を要請するということが大事だというふうに思いましたので、それについてはできる限り努力をしたいというふうに思っているところです。

 非常に大事な両島でありますので、それぞれが個性が発揮されていけるように、また、國場先生の御質問、非常に具体的な内容であったというふうに、沖縄とそして奄美との連携ということが一層できるようにと、きょういただいたさまざまな意見、また、表明がしっかり具体的に展開できるように、これから三カ月ぐらいかかると思いますが、その辺で反映するように努力をしたいというふうに思っております。

中野委員 以上で質問を終わらせていただきます。大変にありがとうございました。

梶山委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

梶山委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。

 内閣提出、奄美群島振興開発特別措置法及び小笠原諸島振興開発特別措置法の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

梶山委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

梶山委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、望月義夫君外三名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党及びみんなの党の四会派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者より趣旨の説明を求めます。若井康彦君。

若井委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。

 趣旨の説明は、案文を朗読してかえさせていただきたいと存じます。

    奄美群島振興開発特別措置法及び小笠原諸島振興開発特別措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)

  政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用について遺漏なきを期すべきである。

 一 奄美群島及び小笠原諸島における定住の促進に資するため、基本理念に沿った具体的かつ充実した施策の実施に努めるとともに、両地域における交流人口の増大や物価格差の是正等のため、人の往来及び物資の流通に要する費用の低廉化に資するための施策の充実について検討を加え、所要の措置の実現を図ること。

 二 新たに創設された産業振興促進計画認定制度及び奄美群島振興交付金制度は、主にソフト面での支援施策として、地域が主体的に施策を実施するためのものである趣旨に鑑み、積極的な活用が図られるようきめ細やかな配慮をすること。

 三 奄美群島及び小笠原諸島は、自然環境面において極めて貴重な地域であることから、その振興開発に当たっては、自然環境の保全に積極的に取り組むとともに、観光産業や農水産業の振興など地域資源と創意工夫を生かした産業の活性化等を図ること。

 四 奄美群島における産業の振興については、新たな産業の誘致・育成を図るなどにより、若年層等の雇用機会の確保に努めるとともに、大島紬・黒糖焼酎等地域の特性を踏まえた地場産業のより一層の振興が図られるよう配慮すること。

 五 離島航空路線が住民の生活路線であること、他地域との交流の活発化に欠かせないインフラであること等に鑑み、奄美群島においては、本土・奄美群島間の航空運賃の軽減について必要な措置を講ずるとともに、小笠原諸島においては、航空路の開設実現に向け慎重な配慮をすること。

以上であります。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

梶山委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

梶山委員長 起立多数。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。

 この際、国土交通大臣から発言を求められておりますので、これを許します。国土交通大臣太田昭宏君。

太田国務大臣 奄美群島振興開発特別措置法及び小笠原諸島振興開発特別措置法の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御検討をいただき、ただいま全会一致をもって可決されましたことに深く感謝申し上げます。

 今後、審議中における委員各位の御高見や、ただいまの附帯決議において提起されました事項の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。

 ここに、委員長を初め理事の皆様方、また委員の皆様方の御指導、御協力に対し、深く感謝の意を表します。

 大変ありがとうございました。(拍手)

    ―――――――――――――

梶山委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

梶山委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

梶山委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前十一時四十二分散会


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