衆議院

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第12号 平成27年5月29日(金曜日)

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平成二十七年五月二十九日(金曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 今村 雅弘君

   理事 大西 英男君 理事 金子 恭之君

   理事 小島 敏文君 理事 坂井  学君

   理事 中村 裕之君 理事 伴野  豊君

   理事 井上 英孝君 理事 赤羽 一嘉君

      秋本 真利君    岩田 和親君

      うえの賢一郎君    門  博文君

      神谷  昇君    木内  均君

      工藤 彰三君    古賀  篤君

      國場幸之助君    今野 智博君

      斎藤 洋明君    鈴木 馨祐君

      鈴木 憲和君    瀬戸 隆一君

      高木 宏壽君    津島  淳君

      根本 幸典君    野田 聖子君

      堀井  学君    前田 一男君

      宮内 秀樹君    宮澤 博行君

      務台 俊介君    山本 公一君

      荒井  聰君    神山 洋介君

      小宮山泰子君    松原  仁君

      宮崎 岳志君    本村賢太郎君

      松木けんこう君    横山 博幸君

      北側 一雄君    中川 康洋君

      樋口 尚也君    穀田 恵二君

      本村 伸子君

    …………………………………

   国土交通大臣       太田 昭宏君

   国土交通副大臣     北川イッセイ君

   国土交通副大臣      西村 明宏君

   復興大臣政務官      小泉進次郎君

   文部科学大臣政務官    赤池 誠章君

   国土交通大臣政務官   うえの賢一郎君

   国土交通大臣政務官    鈴木 馨祐君

   政府参考人

   (内閣府地方創生推進室次長)           伊藤 明子君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 橋本 嘉一君

   政府参考人

   (総務省総合通信基盤局電気通信事業部長)     吉田 眞人君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房審議官)           伯井 美徳君

   政府参考人

   (文部科学省スポーツ・青少年局スポーツ・青少年総括官)          白間竜一郎君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           中山 峰孝君

   政府参考人

   (林野庁森林整備部長)  本郷 浩二君

   政府参考人

   (水産庁漁政部長)    水田 正和君

   政府参考人

   (水産庁漁港漁場整備部長)            高吉 晋吾君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           若井 英二君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁資源・燃料部長)        住田 孝之君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房長) 西脇 隆俊君

   政府参考人

   (国土交通省総合政策局長)            滝口 敬二君

   政府参考人

   (国土交通省国土政策局長)            本東  信君

   政府参考人

   (国土交通省土地・建設産業局長)         毛利 信二君

   政府参考人

   (国土交通省都市局長)  小関 正彦君

   政府参考人

   (国土交通省水管理・国土保全局長)        池内 幸司君

   政府参考人

   (国土交通省水管理・国土保全局次長)       加藤 久喜君

   政府参考人

   (国土交通省道路局長)  深澤 淳志君

   政府参考人

   (国土交通省住宅局長)  橋本 公博君

   政府参考人

   (国土交通省鉄道局長)  藤田 耕三君

   政府参考人

   (国土交通省自動車局長) 田端  浩君

   政府参考人

   (国土交通省海事局長)  森重 俊也君

   政府参考人

   (国土交通省港湾局長)  大脇  崇君

   政府参考人

   (国土交通省航空局長)  田村明比古君

   政府参考人

   (観光庁長官)      久保 成人君

   政府参考人

   (海上保安庁長官)    佐藤 雄二君

   政府参考人

   (環境省水・大気環境局長)            三好 信俊君

   国土交通委員会専門員   伊藤 和子君

    ―――――――――――――

委員の異動

五月二十九日

 辞任         補欠選任

  工藤 彰三君     瀬戸 隆一君

  斎藤 洋明君     務台 俊介君

  宮澤 博行君     根本 幸典君

  下地 幹郎君     松木けんこう君

同日

 辞任         補欠選任

  瀬戸 隆一君     工藤 彰三君

  根本 幸典君     宮澤 博行君

  務台 俊介君     斎藤 洋明君

  松木けんこう君    下地 幹郎君

    ―――――――――――――

五月二十八日

 建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律案(内閣提出第五八号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律案(内閣提出第五八号)

 国土交通行政の基本施策に関する件


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     ――――◇―――――

今村委員長 これより会議を開きます。

 国土交通行政の基本施策に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として国土交通省大臣官房長西脇隆俊君、総合政策局長滝口敬二君、国土政策局長本東信君、土地・建設産業局長毛利信二君、都市局長小関正彦君、水管理・国土保全局長池内幸司君、道路局長深澤淳志君、住宅局長橋本公博君、鉄道局長藤田耕三君、自動車局長田端浩君、海事局長森重俊也君、港湾局長大脇崇君、航空局長田村明比古君、観光庁長官久保成人君、海上保安庁長官佐藤雄二君、内閣府地方創生推進室次長伊藤明子君、総務省大臣官房審議官橋本嘉一君、総務省総合通信基盤局電気通信事業部長吉田眞人君、文部科学省大臣官房審議官伯井美徳君、文部科学省スポーツ・青少年局スポーツ・青少年総括官白間竜一郎君、厚生労働省大臣官房審議官中山峰孝君、林野庁森林整備部長本郷浩二君、水産庁漁政部長水田正和君、水産庁漁港漁場整備部長高吉晋吾君、経済産業省大臣官房審議官若井英二君、資源エネルギー庁資源・燃料部長住田孝之君及び環境省水・大気環境局長三好信俊君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

今村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

今村委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。松原仁君。

松原委員 おはようございます。

 きょうは一般質疑ということで、さまざま質疑をしていきたいと思っております。

 特に、東京オリンピックが二〇二〇年にやってくる。地域的に、私の地元地域であれば、羽田空港が国際化というものも進んでいくわけであります。リニアも通る。ある種、日本全体がリニューアルし、パワーアップをする、こういった時代に入っていくのだろうと思っております。

 まず一つ目のカテゴリーとしては、この東京オリンピック関係といいますか、羽田空港が今どんどんと大きくまた飛躍をしようとしている、この関係及びその周辺ということに絡んで一つ目の柱である質問をしていきたいと思っております。

 羽田空港は、これはやはり大変に利便性もあるし、また、ある意味において、これが東京湾の方に出ているという中で、二十四時間空港というふうに言い切っていいかどうかは別といたしましても、国際競争力を東京が持つ上で極めて大きな礎になることは間違いないわけであります。当然、飛行場がそういったものであるということになれば、その周辺の整備というものも極めて重要になってくるわけであります。

 そこで、まずお伺いいたしますが、この羽田空港の南側に川崎もあるわけでありまして、こことの地理的連関というものも極めて尊重されなければいけないと思っております。

 多摩川連絡橋についてでありますが、これが今大変具体的に計画が練り上がってきているというふうに仄聞をしております。

 まず、関係者との合意はとれているのか、お伺いいたします。

小関政府参考人 国際的なビジネス拠点の形成に向けまして、重要な成長戦略拠点である羽田空港周辺、京浜臨海部の連携強化ということで、先般、国、地方公共団体の関係機関から成る内閣府の委員会におきまして、目指すべき姿、関係者の取り組みが取りまとめられたところでございます。

 その中で、大田区の羽田空港跡地地区と川崎市の殿町地区の産業連携等を効果的に進めるために、両地区を結ぶ連絡道路につきまして、両地区の中央部に新たに二車線の橋梁として整備されるということについての合意がなされたところでございます。

 今後、東京都、川崎市、国土交通省航空局が協力し、整備に向けた検討の深度化を図るということになっております。

松原委員 五月の半ばに内閣府の委員会がなされて、こういった方向性が確認されたということだと思います。

 そこで、大臣の決意をお伺いいたしたいわけでありますが、二〇二〇年というふうな文言がこの報告書にも入っているわけであります。二〇二〇年というと、ちょうど時あたかもオリンピックということになりますが、大臣のリーダーシップと決意のもと、この連絡橋を、二〇二〇年東京オリンピックを目指して完成する決意があるかどうか、お答えをいただきたいと思います。

太田国務大臣 今後、この連絡橋につきましては、東京都、川崎市及び国交省が協力して、松原先生御指摘のように、「二〇二〇年を目指した成長戦略拠点の形成を支えるインフラとして事業の実現を目指す。」とされています。オリンピック・パラリンピックの二〇二〇年、これを念頭に置いて、関係者と協力して、力を入れて取り組んでいきたい、このように思っております。

松原委員 ぜひその意気込み、リーダーシップのもと、二〇二〇年を目指して実現をしていただきたいと思っております。

 さて、そうした中で、さはさりながら、ステークホルダーの間での協議は五月の十八日にそのように行われたわけでありますが、課題というものもあろうかと思っております。課題についてお伺いいたします。

小関政府参考人 今後、橋梁の整備に向けました検討の深度化を図るということになってございますが、現時点で想定されるものといたしましては、一つ目に、地質調査や環境影響の調査等を踏まえた連絡道路の設計に関する技術的検討、そして、工期短縮を可能とするような施工方法の検討などが課題として考えられるところでございます。

 また、事業の実施に当たりましては、地域の方々等の理解と協力をいただきながら進めていくことが必要である、このように考えているところでございます。

松原委員 オリンピックということを考えたときに、城南島等において有害残土の処理施設、資源リサイクル施設などが多く存在している。その立地している工場などが、今、この景気の中で、例えばさまざまな産業廃棄物の業者等にもこれを回しているわけであります。

 それはそれでいいわけでありますが、オリンピックに向かって、地域の整備という観点から、さまざまな、そこにあった企業の撤去のために補助金などを出し、空き地を創出するような地域活性化というものも場合によっては必要だろうと思っておりますが、このことについてお伺いいたします。

三好政府参考人 お答え申し上げます。

 土壌汚染対策の観点から申し上げますと、特定有害物質を使用しているメッキ工場や廃棄物処理施設、あるいは先生御指摘の汚染土壌処理施設などは、廃止時には土壌汚染対策法に基づき土壌汚染状況調査等を行っていただきまして、人の健康被害が生ずるおそれがある場合には、汚染者負担の原則を踏まえまして、汚染原因者または現に汚染地を所有している土地所有者が汚染の除去等を行う必要があるところでございます。

 このうち、汚染土壌処理施設につきましては、許可時に、廃止措置を講ずるに足りる経理的基礎を有することを確認しておりまして、適切な廃止措置をとることは可能であると考えております。

 このほか、土壌汚染対策法では、人の健康被害が生ずるおそれがあるものとして要措置区域に指定され措置が指示された場合については、土地所有者が汚染原因者でないなどの一定の要件を満たしていれば、造成されております基金の活用が可能ということになっているところでございます。

松原委員 これはなかなか答弁も、こういった撤去の費用というのは現実になかなかないという話でありましたから、言いっ放しで申し上げるわけでありますが、従来は、特にメッキ等は、つくられるときはそういったものはなかった。後づけで、結果としてそういったことになり、引くに引けない。営業をやめて、他に土地を転売して移ることもできない。こういうことにもなっているわけでありまして、それが多く存在する島嶼部、京浜島とかいわゆる人工の島、こういったところの環境整備ということを考えたときには、私はオリンピックに向けて思い切った政策の必要もあろうかと思っておりますので、これは言いっ放しでありますが、ぜひとも大臣、それは頭の片隅に入れていただきたいと思います。

 そうすれば、あそこは、羽田空港といわゆる十三号地の間ですから、非常にいい場所なので、そこは、もちろん今ある産業も結構なんですが、やはりもっと土地にふさわしい産業を誘致することもできるだろうと思っております。答弁は難しいですよね。

太田国務大臣 環境省ともよく連携をとって、また東京都ともよく連携をとって、今の御指摘を受けて、どのようにできるかということについて取り組んでいきたい、このように思います。

松原委員 本当にありがとうございます。

 次に、国道三五七号線トンネルでありますが、先ほどは連絡橋でありました。こちらは地下トンネルでありますが、これも五月半ばの内閣府の会合で出たというふうに聞いておりますが、現状この早期整備に対してどのような取り組みがなされているのか、お伺いいたします。

 では、大臣、決意を含めて。

太田国務大臣 国道三五七号につきましては、東京湾に面する千葉、東京、神奈川の各都市を結ぶ道路でございまして、広域的な連携や周辺地域における交通渋滞の緩和にも役立つ道路だと思います。

 現在、東京都内におきましては、東京港トンネルの事業を進めているわけですが、首都高速湾岸線が神奈川までつながっているのに対しまして、一般道の国道三百五十七号につきましては多摩川の手前で切れてしまっているという課題があると認識をしています。

 そこで、地元から強い要望がありますこの国道三百五十七号多摩川トンネルにつきましては、事業着手に向けて必要な調査、設計が終わり次第、平成二十七年度内に、つまり今年度内に事業着手をしていきたい、このように考えています。

 今後とも、国として、東京都、川崎市を初めとする関係地方公共団体の協力も得ながら、早期整備に向けて取り組んでまいりたい、このように考えているところです。

松原委員 そこで、もう一声ぜひ、二〇二〇年オリンピックを念頭に置いて、リーダーシップを発揮していきたいとおっしゃっていただければと思うのですが、いかがでしょう。

太田国務大臣 私も東京に住んでおりまして、ここの必要性ということは十分承知をしている、また重要なプロジェクトである、このように認識をしています。

 まだ事業着手をしていないということですが、先ほど二十七年度事業着手ということを申し上げましたが、早期整備に向けて取り組んでいきたい、このように思っています。

松原委員 とにかく、オリンピックという大きなイベントに間に合わせれば、非常にこれは効果が満点だろうと思っております。何とかオリンピックに間に合わせるように、よろしくリーダーシップを発揮していただきたいと思っております。

 次に、品川区、東海地区、ここはヤードが不足しておりまして、あそこはいわゆる港湾のさまざまな施設があるわけですが、波止場も、埠頭があるわけですが、実際そこで物すごいトラックが、場所がないのでそこに車が縦列駐車を道にしている。運転手が乗っているわけであります。

 この環境というのは、地域から見たら非常に何とかしなきゃいかぬということでありますが、他方において、彼らも本当はヤードがあれば入りたい、ヤードがないので外で待っている、こういう関係になっておりまして、これはやはり政治的に、行政的に解決をしなければいけないテーマだと思っております。このことに対しての見通しと取り組みをお伺いいたします。

大脇政府参考人 お答え申し上げます。

 東京港の大井埠頭コンテナターミナル周辺の道路におきまして、コンテナトレーラーなどの集中によります待機車両の駐停車によりまして渋滞が発生していることにつきましては、十分承知してございます。

 コンテナターミナル周辺道路の渋滞解消に向けた取り組みといたしまして、私ども国土交通省といたしましては、平成二十九年からの順次供用開始を目指しまして、中央防波堤外側地区、こちらでの新規コンテナターミナル、Y2、Y3、こういったものの整備によりますターミナル容量の拡大を図っているところでございます。

 また、港湾管理者でございます東京都におきましては、平成二十八年度中の供用開始を目指しまして、大井埠頭地区におけます車両待機場の整備、これを行っていることに加え、放置シャシー禁止区域、これの設定によります取り締まり、こういった取り組みも実施しているところと聞いてございます。

 私ども国土交通省といたしましては、コンテナターミナル周辺の渋滞解消に向けまして、引き続き港湾管理者等と協力してまいる所存でございます。

松原委員 一言で言えば、東京都の中央部にある部分にそういったヤードをつくる、こういう話と、運河を埋め立てるかどうか、あそこにまた場所をつくる、こういう理解だろうと思っております。

 どちらにしても、東京オリンピックのときには、海外から来た方が、ヤードがなくてすごく渋滞しているな、こういうことがないように、今の日程感だと、当然その前に完結をし、完成をするということでありますが、万事遺漏なく、そしておくれることのないようによろしく御整備のほどお願いをしたいと思っております。

 次に、羽田空港跡地に絡む議論でありますが、羽田空港跡地というのは、今、百ヘクタール前後になっているというふうに承知をいたしております。そこにおいて、特に地元区が、日本の特産品を展示、直売する、そういった計画、企画を持っているというふうに承知をいたしております。

 つまりは、羽田のネットワーク、また、世界からお客様が来る環境の中において、東京の文化、日本の文化、日本のさまざまな食材等々を海外に発信する大きなチャンスと捉えて、それを最大限生かそうというふうなことだろうと思っておりますが、この地元区の発想、私は極めて好感を持って聞いているわけでありますが、どのように評価をするか、お伺いしたいと思います。

若井政府参考人 お答えを申し上げます。

 羽田空港の周辺地域や京浜臨海部につきましては、国家戦略特別区域にも指定をされてございます。委員先ほどから御指摘のとおり、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックも視野に入れまして、国際ビジネス拠点の形成を目指している、このように承知をしているところでございます。

 そして、先ほど来お話のございます委員会、これは経産省もメンバーとなってございますし、私も、地域産業活性化分科会の座長として検討に当たらせていただいているところでございます。

 その中で、この羽田空港の跡地につきましては、おもてなしエントランスでございますとか、日本のショールームというような形で、羽田空港との近接性を生かしまして、全国各地の物産や農林水産物を展示販売することで、日本の魅力や強みを一体的に国内外に発信する拠点を形成していくべきとの方向性が示されているところでございます。地元自治体におきましても、この方向に沿って実際に取り組みを開始しておられるもの、このように認識をいたしております。

 経済産業省といたしましても、こうした取り組みは、日本各地の地域資源、このブランド力を向上し、そして国内外の需要を獲得する、さらには羽田空港から入国される訪日観光客の増加、こういったものを通じまして、地元の自治体によい影響があるのは当然でございますけれども、それに加えまして、日本全国、我が国の地域経済の活性化に広く資するものと考えてございます。

 したがいまして、私どもといたしましても、引き続き関係機関と連携をしながらこの構想の具体化に取り組んでまいりたい、このように考えているところでございます。

松原委員 大変高い評価をしていて、最後のところでさまざまな支援ということまで触れていただいたと思っております。

 この大田区の提案を、大げさな言葉で言えば、これは大変に羽田空港の今後を考えても非常に有意義でありますから、国として支援をする、国策として支援をするべきではないかと思っておりますので、このことを関係省庁、そして最後は太田大臣にもコメントをいただきたいと思っております。

伊藤政府参考人 御指摘いただいております委員会、羽田空港周辺・京浜臨海部連携強化推進委員会でございますが、大田区それから川崎市などの地方公共団体とあわせて、ここ国土交通省、それから今御答弁いただきました経済産業省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省などの関係省庁により構成されており、私どもの内閣府が事務局を務めさせていただいているところでございます。

 先ほど先生の方から大田区の御提案というふうに言っていただいたんですが、その御提案をもとに十八日の委員会で関係の省庁としてそういう方向づけを行ったところでございまして、今後、その方向をもとに具体的にもうちょっと議論を深化させて、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックに向けてその成長戦略となるよう、関係省庁とも連携しながら、全力で支援していきたい、このように思っております。

太田国務大臣 今答弁がありましたように、ここもまた大事なところでありますので、よく関係省庁とも協議をさせていただいて、大田区の提案が前進するように力を注ぎたい、このように思います。

若井政府参考人 お答えを申し上げます。

 今、太田大臣から御答弁のあったとおりであります。

 経済産業省そして関係省庁、さまざまな支援策がございますので、ぜひ、これから大田区さんの方で地元の構想をしっかり具体化をされていかれる、その段階において、国の支援策、どういったものがしっかり当てはまるか、こういうことについて検討を進めて、我々としても全力で応援してまいりたい、このように考えてございます。

松原委員 オリンピックに関して、今、大田区のそういった熱心な方向性も御披瀝を申し上げ、また御賛同もいただいたわけでありますが、あわせて、新潟県の三条市長が、オリンピックを活用して地域を元気にする首長の会をつくろうというお話もございます。

 私、こういったこともオリンピックを活用し大いにするべきだと思っておりますが、こうしたものをどう評価するか、また国としてこうしたものに対してどう向き合うか、太田大臣にお伺いいたしたいと思います。

太田国務大臣 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックの開催というのは、東日本大震災から復興した力強い日本の姿を示すとともに、世界を代表する成熟都市東京を発信する機会だと思います。

 また、パラリンピックということからいきまして、バリアフリーを初めとするさまざまな点で前進をしている国だということを発信するという場であると思いますが、常に言われておりますのは、東京だけにしないでねということだと思います。

 昨日も私のところに、私のふるさとであります豊橋のメンバーが来まして、そこで、競技の一つを今誘致しているという話もある中で、三条市長提案のこのお話が出てきまして、そこで特産物を何らかの形で提供できないかとか、さまざまな点で元気な地方を、東京オリンピック・パラリンピックを全国でどう支えて、またどう地方創生に生かしていくかという取り組みだということを改めて昨日も感じたところであります。

 三条市長の呼びかけで日本の多数の首長さんが連携をして、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック、世界に向けた地域の魅力を発信したいというのは、当然そうした気持ちであろうというふうに思いますし、この動きがあるということは大変歓迎すべきものだというふうに思っています。

 国交省としても、全国の各地の現場の声を受けて、さまざま協力ができると思いますので、支援をしてまいりたい、このように思っています。

松原委員 ぜひこれを、大きな日本の国の活力を高める機会としていただきたいと思っております。

 次に、航空局にお伺いしますが、羽田空港の発着枠増加というものが今あるわけであります。これに関して、空域の部分がどうなっているのかをまずお伺いいたします。

田村政府参考人 東京オリンピック・パラリンピック、またその先を見据えました羽田空港の機能強化につきまして、飛行経路の見直し等の方策の具体化に向けて、現在、新たな飛行経路案をもとに関係自治体等と協議を行っているところでございます。

 新たな飛行経路案は、その一部が横田空域内を通過する案というふうになっております。

 したがいまして、関係省庁と連携しまして、実現に向けて米軍と所要の調整を図ってまいりたいと考えております。

松原委員 それと同時に、これは地元の住民の方々がやはり若干御心配をしております。

 私としては、騒音等の課題というのは必ず議論としてあるわけで、いずれにしても、丁寧に説明をし、丁寧に議論するということが結果として最も重要なことだと思っておりまして、このことに関して航空局の決意といいますか、思いをおっしゃっていただきたい。

田村政府参考人 今御指摘がありましたように、この首都圏空港の機能強化、特に、羽田の飛行経路の見直し等の具体化に向けまして関係自治体と協議しておりますけれども、自治体レベルでの御理解は進んできているものと認識はしております。

 今後は、関係自治体の御協力も得ながら、より多くの住民の方々に機能強化の必要性や飛行経路の見直し等について幅広い御理解をいただくことに注力してまいりたいと考えております。

 国土交通省としましては、そのための手法やプロセスにつきまして、羽田空港機能強化に関するコミュニケーションのあり方アドバイザリー会議を開催して、専門家の方々から御意見をいただいてきたところでございます。

 今後、オープンハウス型の説明会やメディアを通じた広報などのさまざまな手法を組み合わせながら、情報提供あるいは御意見を伺うということをきめ細かく丁寧に行ってまいりたいというふうに考えております。

 具体的な手法や今後のスケジュールにつきましては、関係自治体とも相談の上、できるだけ早期にお示ししてまいりたいと考えております。

松原委員 次に、鉄道局にお伺いいたします。

 私も大田区で三十年ぐらい政治活動をしておりまして、最初に東京都議会議員になったときの前の段階ですから、もう本当に三十年ぐらい前ですね。蒲田と蒲田の間に線路がつながっていない。京急蒲田とJR蒲田ですね。これは大きな悲願でありました。今回それが進むという方向で区も大分汗を流しているわけでありますが、やるならば、これもオリンピックというのは一つのめどになるわけであります。

 この蒲田と蒲田の間、いわゆる地元的に言うと蒲蒲線でありますが、この進捗状況はどうなっているか、お伺いいたします。

藤田政府参考人 空港アクセス鉄道につきましては、今御指摘のいわゆる蒲蒲線、新空港線、あるいはJR東日本の構想等、複数のプロジェクトが検討されております。首都圏の国際競争力の強化を図る上で、空港アクセスの改善は大変重要であると認識をしております。

 このうち、いわゆる蒲蒲線につきましては、平成十二年の運輸政策審議会答申第十八号におきましても、空港アクセスの改善に資する路線として位置づけられております。

 その検討状況でございますけれども、現在、関係者におきまして、オリンピック・パラリンピック大会までの開業の実現可能性を含めて、事業スキームや工期等の検討が行われているところと承知しております。

 現在、私どもの交通政策審議会鉄道部会におきまして、空港アクセスを含む東京圏の今後の都市鉄道のあり方について議論が行われております。この夏には、東京都や関係事業者からヒアリングを行う予定になっております。

 国土交通省としましては、関係者による検討が進展することを期待しております。

松原委員 本当にこの蒲蒲線は、大田区の区民やまた区の行政関係者、議員にとっても悲願であります。三十年の悲願であります。なかなか実現が、それぞれ、私も今五十八歳になりましたが、目の黒いうちに何とか実現をさせていただきたいと思っておりまして、一言、大臣のこの問題に関しての思いといいますか、おっしゃっていただきたい。

太田国務大臣 松原先生の目の黒いうちというのは相当まだ時間があるというふうに思いますが、ここは私も、蒲蒲線を早くということを考えていた一人でありますので、この調整がなかなか進まなかったということも現実にあったと思います。

 ここの調整ができるように、国交省としても、期待をするという傍観的なことだけではなくて、少し調整の一翼を担えればなと私個人としては思っているところです。

松原委員 次に、品川―田町間に新駅が生まれる。これもオリンピックをある意味で見据えたところだと思っております。特に、こういった新駅をつくる場合、地域のステークホルダーだけではなくて、例えば一キロ以内の方々も含め、地域の活性化とともに議論をするべきだと思っております。

 さまざま、そういった必要がある場所というのがあるわけですから、その辺の決意も含めて、鉄道局にお答えいただきたい。

藤田政府参考人 品川―田町間の新駅の整備につきましては、これらの駅の周辺地域が国際的な交流拠点として今後成長していくことを支える大変重要なプロジェクトであると考えております。

 この新駅は、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会に合わせた暫定開業を目指して、現在、JR東日本において準備が進められていると承知しております。

 この駅の特徴は、新駅が町と一体となった象徴的なにぎわい空間であるというふうにされております。こうした観点から、JR東日本において新駅周辺整備の検討が進められているところでありますけれども、東京都、港区、地元の地権者、こういった方々との間で丁寧な調整を行っていると承知しております。

松原委員 当然、事業主体はJRでありますが、ぜひとも、地域の地権者のみならず、その周辺の方々からも、目安箱ではないですが、さまざまな意見を聞いて、地域の一体的な発展を目指していただきたいと思っております。

 もう一回、御決意を教えてください。

藤田政府参考人 駅を中心とした地域整備、これは大変大事な課題であると思っております。そのためには、地域の方々の参画も大事な点だと思っておりますので、重ねて丁寧な調整を促してまいりたいと思います。

松原委員 また、二〇二七年リニアということになってきているわけであります。リニアがいよいよ走る。

 このリニアの進捗、これは、実は私は大田区の上池台三丁目に住んでおりますが、ちょうど私の家の真下をリニアが走るということをこの間知ったわけでありまして、ずっと下へ行くと、穴があって、リニアが走っているんだな、こう思うわけであります。

 いずれにしても、このリニアの進捗と品川区の駅舎の環境、こういったものについてお伺いします。

藤田政府参考人 いわゆる中央新幹線につきましては、昨年十月に、私ども、工事実施計画の認可をいたしまして、今現在、品川を含め、JR東海によって準備工事を行っているところと承知しております。

 品川駅につきましては、東海道新幹線の直下に計画されております。東海道新幹線を営業しながら地下に構造物を構築するため、相当な期間を要する工事になります。このため、JR東海が、現在、関係する東京都、港区、あるいはJR東日本の協力を得ながら話を進めているという状況であると承知しております。

 具体的な工事計画を現在JR東海で検討しておりますけれども、今後、品川駅の利用者にできる限り不便がないように配慮をし、かつまた安全にも万全を期すよう、その計画の内容を深度化していく方針と聞いております。

 国土交通省としましては、今後、品川駅の利用者に適切な案内をするとともに、安全かつ確実な工事を進めるよう、JR東海を指導監督してまいりたいと考えております。

松原委員 この場合、排気塔といいますか、非常口、これはどういうふうになるか、お伺いいたします。

藤田政府参考人 東京都区部について申し上げますと、品川区北品川四丁目付近、それから大田区東雪谷一丁目付近の二カ所に非常口が計画されております。

 非常口は中央新幹線のルート直上に計画され、非常口にはトンネル内の換気を行うための換気施設、それから階段、エレベーターなどの避難施設などが設置されます。非常口の規模は、両方とも高さが約十メートル以下、直径は約三十メートルという計画になっております。

 北品川の非常口には、変電施設、高さが三十五メートル程度ございますが、これが併設される計画となっております。現在、用地、これは企業用地でございますけれども、取得等の手続を進めていると聞いております。

 それから、東雪谷の方につきましては、現在、公共用地でありますが、その用地の取得等の手続を進めていると聞いております。

 そういう状況でございます。

松原委員 いずれにしても、地域の方々の理解を得るようにしながら進捗させていただきたいと思っております。

 次に、オリンピックに向けてということですが、品川区の大井ふ頭中央海浜公園野球場がオリンピックのホッケー場として使用される、こういうことになっております。野球場がなくなってしまう。野球の愛好家もたくさんいるわけでありますが、四面あって、従来からそこを使っていた多くの方々が、これ、オリンピックだから一時的には何とか理解したいけれども、終わった後は復元してもらえるんだろうか、こんな御心配もあるわけでございます。

 それは、さまざまな形で都民の方々の健康増進、そして安らぎということが必要だと思っておりますが、従来からそこをそのようにして使ってきた方々の思いもそんたくをしなければいけないと思っておりまして、このあたりの状況について、少しく、東京都が主体であるのは認識しておりますが、国としても、そういった全体の国民の健康という観点からもコメントをいただきたいと思います。

白間政府参考人 お答え申し上げます。

 二〇二〇年の東京オリンピック競技大会におきますホッケーの競技会場は、御指摘のように、東京都が整備することにはなっておりまして、現在、東京都においてその検討が行われているところでございます。

 ホッケーの会場につきましては、国際オリンピック委員会及び国際競技団体等の承認が得られている一方で、地元の自治体からは、先生今御指摘のように、できるだけ野球場を残すこと、また野球場を活用する場合は代替施設を確保すること、こういった要望がなされていると承知しております。

 このため、東京都におきましては、現在、これらの要望も踏まえつつ、野球場などニーズのある既存施設への影響を最小化するということで検討しているというふうに聞いております。

 政府といたしましても、国民が生涯にわたりまして多様なスポーツに親しめる環境を整備すること、これは、健康で活力に満ちた長寿社会の実現、また地域社会の活性化にもつながる重要な課題である、このように認識をしておりまして、地域住民や既存施設の利用者にも配慮をした会場運営がオリンピック後にもなされるように期待をしつつ、引き続きしっかりと東京都の検討状況を見守ってまいりたいと考えているところでございます。

松原委員 私の世代より上、六十五、七十五、そのあたりの方々にとっては、やはり野球というのが一番ポピュラーなスポーツであったというのは事実でありますので、こういったことも含めて、ぜひまた、東京都に示唆をする機会があれば、そういったことも御検討いただければと思っております。

 次に、下水道関係についてお伺いいたします。

 この国会において下水道法改正がされたところでありますが、東海地震、東南海地震の発生が危惧される中、地震対策として、この法改正、どのような内容が含まれているのか、簡潔にお答えいただきたいと思います。

池内政府参考人 お答え申し上げます。

 東海地震や東南海、南海地震などの大規模地震の発生が危惧される中、災害時においても下水道機能を確保するための備えを行っておくことは重要だと考えております。

 今回の下水道法の改正におきましては、新たに維持修繕基準を創設いたしましたが、その中で、災害発生時においても下水道機能を維持するための応急措置の実施に関する基準を定めることとしております。

 また、法改正におきまして、災害時維持修繕協定に関する規定を設けまして、民間事業者等の協力を得ながら、応急措置を円滑に実施するための事項を定めたところでございます。

 大規模地震時における下水道の機能確保対策が進みますよう、マニュアルの作成や説明会を開催することなどによりまして、地方公共団体の取り組みを支援してまいりたいと考えております。

松原委員 いまだ下水道の耐震化率は不十分であると。重要な道路において四〇%というふうな数値もあるわけであります。

 特にここで御質問したいのは、東海地震や首都直下地震という、地震がより発生が危惧され、そのための措置法といいますか法律があるような地域、ここは重要下水道の耐震化率はより早い段階で整備をするべきだろうと思っておりますが、この点についての御所見をお伺いいたします。

池内政府参考人 お答え申し上げます。

 下水道事業におきましては、地域防災拠点に接続する管渠ですとか、あるいは緊急輸送路の下に埋設されております管渠などの重要な管渠の耐震化を重点的に進めているところでございまして、御指摘ございましたように、これらの耐震化率は約四割となっております。

 また、管渠の新設や改築の際に順次耐震化を図ることによりまして、今後五年間で耐震化率をおおむね六割から七割にまで引き上げることとしております。

 特に、今御指摘ございました東海地震あるいは首都直下地震などの大規模な地震の発生が懸念される地域におきましては、管渠の耐震化に対する防災・安全交付金の交付対象範囲を拡充することによりまして、耐震化の早期実現に向けた積極的な支援を行っているところでございます。

松原委員 特に今申し上げた点、首都直下もいつ来るかわかりません。大臣も東京で生活拠点を持っているということでありますが、こういったことに関して、もちろんほかの地域もそうですが、特に東海、東南海、首都直下、言われているところについては、重点的に、さらに積極的にこういった耐震化を進めるべきだと思っておりますが、大臣の御決意、御所見をお伺いします。

太田国務大臣 東海地震あるいは首都直下地震、そしてまた南海トラフの地震ということについては、特別措置法もつくられて、議員の先生方含めて協力をいただいての対策が具体的に進み始めました。

 今御指摘の東海地震、首都直下地震、この場合には、管渠の耐震化に対する防災・安全交付金の交付対象範囲を拡大して、それが使えるという形をさらに徹底していきたい、このように思っています。

松原委員 ぜひこれは徹底してお願いしたいと思っております。

 あわせて、従来、下水道事業に関しては、維持修繕というところが、今もそれは尊重されておりますが、老朽化が進んでいくとなれば、維持修繕というものが極めて重要になってまいりますので、ここはまた、既に配慮はされておりますが、さらなる配慮をお願いしたい、これは言いっ放しで申し上げておきたいと思っております。

 次に、排除、処理の下水から活用、再生、循環の道へというコンセプトが下水道の方針として出てきているというふうに承知をしております。あえて言葉をネーミングするならば、下水道ニューフロンティア時代の到来、こういうふうに私は思っているわけでありますが、こういったことに関して、今までの下水道とは違う、さまざまな新しいフロンティアがあるんだ、この啓発が極めて重要だと思っておりますが、どのように国民への啓発を進めていくのか、御所見をお伺いいたします。

池内政府参考人 お答え申し上げます。

 まさに委員御指摘のように、平成十七年九月に策定いたしました下水道ビジョン二一〇〇におきましては、下水道の役割をこれまでの排除、処理から活用、再生へ転換していくべきであるというふうに示しております。

 このコンセプトを踏まえまして、下水汚泥の有効利用の重要性などにつきまして、国民に対する広報活動を行っているところでございます。

 具体的には、地方公共団体では、下水処理場の見学ですとか、あるいは小学校への出前講座などを通じた広報活動を行っております。

 また、国土交通省では、地方公共団体における下水熱や下水汚泥のエネルギー利用等のすぐれた取り組みにつきまして表彰を行いますとともに、ホームページやパンフレット等によります情報発信などを行っております。

 このような取り組みによりまして、最近では下水汚泥の有効利用などにつきまして、全国的な報道も多くなってきております。

 引き続き、地方公共団体等と連携いたしまして、効果的な広報活動に取り組んでまいります。

松原委員 こういった広報活動等を考えたときに、役所だけでは不十分だろう。特に、地方公務員に占める下水道職員の割合は二、三%にとどまっている。これは極めて、ほかに比べても相対的にその数値は低下しているわけであります。

 役所だけでは国民に対する啓発が不十分であるということを含め、民間の力も活用していくべきだと思いますが、御所見をお伺いします。

池内政府参考人 お答え申し上げます。

 まさに委員御指摘のように、非常に地方公共団体の職員は限られております。

 こういった中で、地方公共団体におきましては、維持管理業務につきまして、九割以上が民間委託されております。このような中、民間企業と住民等との接点も増加してきておりまして、広報活動におきましても、民間企業の役割がこれまで以上に大きくなってきているというふうに認識しております。

 このため、より一層効果的な広報を推進していくため、産学官のメンバーから成ります下水道広報プラットホームというものを平成二十四年度に設立いたしました。このプラットホームにおきまして、マスコミを通じた広報活動ですとか、あるいは親子に下水道を学んでいただくイベント等を実施してきているところでございます。

 今後とも、この下水道広報プラットホームの会員数の増加や活動内容の拡充に努めまして、国民に対してわかりやすい広報活動を推進してまいります。

松原委員 いずれにしても、下水道の維持補修、それから再構築、これはやはりお金がかかる作業になってまいります。そのときに、下水道が、従来のイメージだけではなく、従来のイメージというのは、つまり排除、処理の下水だけではなくて、下水道ニューフロンティア時代であり、そこにさまざまな無限の可能性があるんだ、こういったことを啓蒙することは、極めて、国民の側からすれば、そこにさまざまな費用がかかることを了解できる要素になっていくだろうと思っております。

 したがって、この啓蒙というのは実は極めて重要であって、下水道は従来のイメージとは違うぞ、その啓蒙の話は今担当の方がおっしゃったわけでありますが、このことに対して大臣の決意をお伺いいたします。

太田国務大臣 役所の人のPRというのは本当に下手だなと私は思っています。私たち政務で入っているメンバーがその辺をもっと、私も広報官のような感じで指揮をとることもあるわけですが、世の中に敏感であるというのは、そこの、政治家の一つ役割として大きいというふうに思っています。

 下水道は間違いなく老朽化をしてきているという状況にもございますものですから、それが道路の陥没というような防災的な問題というのも非常に深刻な問題でもあり、同時に私は、現実にエネルギーの再生ということをやっているところを見に行ったり、あるいは下水道の老朽化対策としてSPR工法等を現実に見せていただいて、見ると、これは本当に言いたくなるほどのすばらしい技術水準だと思います。

 そうした再生あるいは老朽化対策という姿、そしてまたエネルギーを初めとする活用という姿、さまざまなものを現実にあらわしたところをつくり、そしてそれをより発信していくということが極めて大事な我々の役割であるということを思っているところでございます。

松原委員 大変重大な決意でありますので、ぜひとも、下水道ニューフロンティア時代、太田大臣のリーダーシップでさらに進めていただきたいと思っております。

 次に、島、島嶼部のことでお伺いいたします。海底光ファイバーケーブル施設についてであります。

 御案内のように、東京は、小笠原には光ファイバーが行っているわけであります。しかしながら、小笠原よりはるかに近い利島、新島、式根島、神津島、御蔵島、青ケ島、この五村六島にはサービスが行っていないわけであります。小笠原に行っているということは、これは大変にありがたいことでありますが、逆に言えば、近場のこの五村六島に行っていない。

 東京都は、平成二十六年十二月発行、ついこの間ですね、東京都長期ビジョンで、平成二十九年、二〇一七年にサービス開始、こう書いてありますが、このあたりの状況はどうなっているのか、お伺いいたします。

吉田政府参考人 ただいま委員御指摘の五村六島につきましては、光ファイバー等の超高速ブロードバンド基盤の早期整備を希望されているところでございまして、現在、東京都におきまして、当該五村六島への海底光ファイバーの整備が検討されているところでございます。

 この整備を進めていくためには、まずは、整備主体であります東京都におかれまして、当該地域の実情に応じました整備方針を早期に策定していただくということが重要であるというふうに考えております。

 この観点から、私ども総務省といたしましても、これまで、東京都及び当該五村から成る島嶼五村におけるインターネット等利用環境整備に係る検討会というのが設けられておりますが、その場に私どもも参加するなどいたしまして、都との連携を図ってきたところでありますが、今後とも、整備方針の早期策定に向けまして、都に対して必要な助言を行うなど密接に連携をしながら、五村六島における光ファイバー等のブロードバンド環境をできる限り早期に改善できるように努めてまいりたい、かように考えております。

松原委員 これは昨年十二月に東京都はそういったことを書いているんですが、どうも話を聞いていると、なかなかこの平成二十九年は難易度が高いんじゃないかという話であります。ここでこれ以上この点を議論して、どうだああだとは言いません。

 とにかく、早期にこれをつくっていただきたい。特に、ブロードバンド、こういったものがないと地域振興もなかなかできない時代に今なっているわけでありまして、そういった意味では、本当に密接に東京都と連携をして、国としても国土の均衡ある発展から断固これをやるんだと、もう一回決意を示してもらえますか。

吉田政府参考人 ただいま委員御指摘のとおり、これはまず整備主体である東京都が基本となる整備方針を定めていただく必要がございますけれども、例えば先ほど申し上げました検討会、私ども、当初設置されたときは参加しておりませんでしたけれども、昨夏から参加させていただいて、都あるいは当該五村との連携を密にするように努めてまいっているところでございますが、今の御指摘等を踏まえまして、できるだけ早期に事態が改善されるように、私どもも都との連携をより密接にしていきたいというふうに考えております。

松原委員 これは所管省庁は総務省でありますが、国土交通大臣としても何か御所見があれば、お伺いいたします。

太田国務大臣 今の答弁をしっかりやってもらいたいな、こう思います。

松原委員 大変貴重な援護射撃ということで、ぜひ総務省、頑張ってほしいと思います。

 次に、ジェットフォイルの接岸率を上げるため、港湾整備を進めるべきだと思っておりまして、島は波が荒いと、ジェットフォイルというのは低速になるとスピードダウンするわけで揺れてしまう。これに関してどういうことをするべきか、大体承知をしていると思いますが、簡潔にお答えをいただきたいと思います。

大脇政府参考人 伊豆諸島の各島におきまして、海上輸送が人流、物流の主要な手段となってございまして、港湾は離島のライフラインとして欠かすことのできない重要な役割を担っているというふうに認識してございます。

 しかし、委員御指摘のように、こういった離島の港湾におきましては、厳しい自然条件によりまして港内の静穏度が十分に確保されていないという状況がございます。したがいまして、ジェットフォイルやフェリーなどの定期船の欠航がたびたび発生するなど、安定的に就航できていないという問題がございます。

 このため、現在、港湾管理者であります東京都におきまして、定期船の就航率の向上を図るために、補助事業、社会資本整備総合交付金などを活用した事業によりまして、地元の意向も伺いながら、岸壁や防波堤などの整備が進められているというところと聞いてございます。

 国土交通省といたしましても、港湾管理者と調整しながら、早期に事業の効果が発現できるよう、必要な予算の確保に努めてまいりたいというふうに考えてございます。

松原委員 こういった整備も地方活性化の最低限必要条件、十分条件かどうかは別にして、必要条件であると思います。ぜひ早期にお願いをしたいと思っております。いわゆる防波堤等の整備ということですね。

 次に、島に就航する高速ジェット船の利用者のためのトイレがないと。新島の例えば若郷に、本来ジェットフォイルはそこに入らないわけですが、ほかの関係で入ることがある。そのときに、やはりそこに待合やトイレがなくて、大変に困難な状況があったという話を聞いております。

 そういったことについて、これは水産庁の所管でありますが、どのように対応するのかお伺いいたします。

高吉政府参考人 お答え申し上げます。

 漁港に入港する定期船の利用者のための待合所等の整備につきましては、強い水産業づくり交付金等の活用が可能となっております。定期船利用者の安全の確保と利便性の向上のため、待合所等の整備につきましては、漁港管理者である東京都と調整しながら、地元の御要望に適切に対応してまいりたいと考えております。

松原委員 個名を言うと若郷等もそうでありますが、そこで雨が降ったりして、しかし、ジェットフォイルが来る、桟橋で待っている、ちょっとジェットフォイルが時間がかかる、トイレに行けない、こういう本当に人道的な問題とも言える課題があります。

 もちろん、水産庁としては、ジェットフォイルが来るのは、これは漁港であるから本来前提にしていなかったということかもしれませんが、ぜひそこは、全てが日本国民でありますから、そういった整備を心より早期に実現していただきたい。改めて、今の答弁を受けてさらに要望しておきたいと思います。

 次に、いわゆる防風塀、防風林ですね。この整備、修理、修繕に関して、島は、こういったものが今まだまだ十分に立ち直っていないということも島民から仄聞しているわけでありますが、林野庁にお伺いいたします。

本郷政府参考人 お答え申し上げます。

 島嶼部における風対策の一環として、海岸部において飛砂害等から家屋を保全するための防風林を整備することが重要と認識しております。

 このため、農林水産省においては、このような海岸部における防風林が持つ飛砂害、潮害の防備等の災害の防止機能を発揮させ、背後の家屋などを保全するため、治山事業により、樹木の植栽や植栽木の保護を図るための防風柵の整備などを行っているところでございます。

 今後とも、地域の実情を踏まえ、地元自治体と連携を図りながら、島嶼部における防風対策を進めてまいりたいと考えております。

松原委員 今言ったジェットフォイルが入港できるように、波の揺れが来ないように防波堤をつくるであるとか、待合、トイレを整備するとか、これはもう所管が水産庁であろうと港湾局であろうとそうであります。さらには、今言った防風林とか、こういったものは本当に重要な地域活性、冒頭言ったブロードバンドというのはさらに重要でありますが、こういったことをぜひともきちっとやった上で国土の均衡ある発展を目指していただきたい、このように思っております。

 次に、空港の計器飛行の整備状況ということについてお伺いしますが、大島、三宅、新島、神津もそうでありますが、島民の足となっている調布飛行場からの就航率を上げるための整備、バックアップはどういうふうな状況か、お伺いいたします。

田村政府参考人 御質問の大島、三宅島、新島、神津島、これらの空港でございますけれども、東京都が設置、管理する空港でございますが、国土交通省としても、離島における航空路線というものの重要性というのは十分認識をしております。

 大島につきましてはILSを設置いたしておるわけでございますけれども、ほかの島につきましては、なかなか地形的に困難がございまして、ILSは設置できないのでございますけれども、衛星を活用した進入方式の導入などの対策で、就航率向上に資する取り組みを行っているところでございます。

 今後も引き続き、各空港の設置管理者である東京都の御要望、それから、今後の技術開発の動向というようなものも踏まえつつ、さらなる就航率の向上に努めてまいりたいと考えております。

松原委員 あと、同じ空港関係といいますか、空の関係になりますが、愛らんどシャトル、これは私も乗ったことがありますが、運航している。このヘリコプターでありますが、この就航率アップの推進についてはどのようなことを検討しているのか、お伺いいたします。

田村政府参考人 ただいま御質問のありました愛らんどシャトル、これは離島をつなぐヘリコプターの航路でありますけれども、特に小さい離島で島民生活にかけがえのない交通機関になっているというふうに承知をしております。

 就航率の向上ということになりますと、ヘリポートの整備みたいな話があろうかと思いますけれど、これは、かつてはヘリポートに対する補助制度というのもございましたけれども、地方分権推進委員会の方針に基づいて十年前に廃止されております。

 今、ヘリポートの設置主体となる自治体それから民間事業者における議論、これが重要であると思いますけれども、航空局といたしましても、地域から御相談があれば技術的助言もさせていただきますし、仮に設置に係る申請が出てくれば、航空法に基づきまして適切かつ迅速に対応してまいりたいと考えております。

松原委員 ぜひ、東京都とも相談しながら、こういったことをより整備するということでお願いいたしたいと思っております。

 次に、一つのアイデアとして多くの島民から言われたわけでありますが、調布飛行場と空路が結ばれている大島、新島、神津島、三宅島、こういったところの新鮮な魚介類を調布、多摩地区を中心に供給するというイメージの島市場センターというものを創設できないかと。これは東京都がやれという話かもしれませんが、国土の均衡ある発展からこういったものがつくられれば、極めてこれは有効だろうというふうに思っております。

 やはり、そういった産品を消費地である東京の方々に知ってもらうということも島の活性化につながると思っているわけでありますが、こういったことに対して何らかの御所見をお伺いできないでしょうか。

本東政府参考人 島の活性化のためには、それぞれの島の地域特性に応じまして主体的な取り組みを進めていくことが重要であるというふうに認識しております。

 委員御提案の産地直送の島市場センター、こういったものの設置も、新鮮な魚介類というまさに島の地域資源を生かした主体的な地域活性化のためのアイデアというふうに存じ上げております。

 こういった施設の設置自体は、基本的には地元の自治体の方々ですとかあるいは関係事業者の方々が力を合わせて取り組まれるものというふうに承知しておりますけれども、設置が実現しました暁には、私ども国土交通省としても何らかの御支援をさせていただける可能性はあるんじゃないかというふうに考えております。

 具体的には、私ども、離島活性化交付金という予算を持っておりまして、交流促進、定住促進のための取り組みを支援しております。こういった予算を活用しまして、施設のPR、あるいはイベントの開催、また、こういった施設で販売される島の特産品の開発、こういったものについての支援を検討することができるのではないかというふうに考えているところでございます。

松原委員 時間がなくなってきたので、私も簡潔にお伺いします。簡潔にお願いしたいと思います。

 東京都の島嶼部二百海里水域の海底資源調査の予算確保といいますか、この調査の進捗、民間を活用すべきではないかという意見がありますが、御所見をお伺いいたします。

住田政府参考人 御指摘の島嶼部における海底、海洋鉱物資源でございますけれども、現在、海底の鉱石を掘る採鉱、あるいは掘った鉱石を海底から引き揚げる、揚鉱と申しますが、こういった生産技術の開発とともに、どこにどのぐらいどのような資源が存在しているかということについて調査を行っております。

 平成二十六年度は、小笠原周辺の海域において、こちら民間の調査船を活用しまして、四十日間程度の調査航海を二度実施いたしました。南鳥島周辺におきましては、JOGMECの調査船で三十日程度の調査を二度実施しております。

 日本の周辺海域、東京都の島嶼部を含めまして広範に鉱物資源が存在しておりますので、この調査を目に見えて加速するためにも、民間の調査船を最大限活用していくということが大事だと思っておりまして、必要な予算を確保しまして着実に進めてまいりたいと思います。

松原委員 目に見えて加速をする、この一言は極めて重要ですので、頑張ってください。

 次に、過日大変問題になりました小笠原のサンゴ、今どういう状況で守られているか、お伺いいたします。

佐藤政府参考人 お答えします。

 昨年九月中旬以降、小笠原諸島周辺海域において、中国サンゴ漁船と見られる外国漁船を確認いたしました。

 海上保安庁では、全国規模での運用調整を行い、大型巡視船や航空機を投入するとともに、水産庁や東京都などの関係機関と連携して取り締まりを行い、これまでに十隻十一人を逮捕したところです。

 こうした取り締まりなどの結果、小笠原諸島周辺海域等の領海内で、中国サンゴ漁船と見られる外国漁船は昨年十一月下旬以降はほぼ確認されなくなりました。

 その後、一月二十二日を最後に確認しておりませんが、引き続き、警戒を緩めることなく、水産庁や東京都などの関係機関と連携して対応してまいります。

松原委員 離島振興で、人口減少の防止、定住促進は極めて重要であります。離島における交流の促進やPR活動の認識いかん。

本東政府参考人 離島の振興を図る上で、御指摘の定住促進、交流促進、非常に重要な課題であるというふうに考えております。

 先ほど申し上げました離島活性化交付金というものを活用しまして、ホームページですとか印刷物を通じた離島のPR事業、あるいは観光モニターといった事業に取り組んでおります。

 また、毎年十一月には、全国の離島が一堂に会するアイランダー、こういう行事もやっておりまして、昨年も全国から約二百の島々が御参加になり、二日間で一万四千人の御来場でございました。

 今後とも、こういった交流促進に積極的に取り組んでまいります。

松原委員 最後に、太田大臣の離島振興、特に東京都の島嶼部の離島振興に対する意気込みを聞かせていただいて、質問といたします。

太田国務大臣 航空関係あるいは船の関係、交通網を初めとして、また、そこでとれるものについてそれを展開する、さまざまなことで非常に貴重な島が定住が図られて、さらにまた発展するというようなこと、小笠原も含めて、強く意欲を持って取り組みたい、このように思っています。

松原委員 終わります。

今村委員長 次に、横山博幸君。

横山委員 おはようございます。維新の党の横山博幸でございます。

 二十分間だけでございますけれども、数点質問させていただきますので、明快な御答弁をお願いしたいと思います。

 まず、四方を海に囲まれている日本では、国難は海からやってくると言われておりますが、海上保安庁の関係について、現状と使命について具体的にお伺いをしたいと思います。

 尖閣諸島では、二〇一二年の九月に島の取得、保有以降、海上保安庁のデータによりますと、ことし三月末までに実に百十三件、延べ三百六十一隻の中国公船による領海侵入が繰り返されております。

 このような現状に対し、我が国においても、大型巡視船十四隻相当の専従警備体制の確立を進め、体制の整備を行っているところと認識をしておりますが、対して中国側も、海警局の船をさらに増加させるとの報道もあります。

 このような状況下、尖閣における海上警備体制は十分であると考えておられるのか、また、今後さらなる警備の強化に努めていかれるのか、見解をお聞かせ願いたいと思います。

佐藤政府参考人 お答え申し上げます。

 尖閣三島の取得、保有以降、尖閣諸島周辺海域では、中国公船による徘回、接近や領海侵入が繰り返されております。

 このような情勢を踏まえ、海上保安庁では、中国公船への対応を強化するため、今年度中に尖閣領海警備専従体制を構築すべく、大型巡視船の整備や要員の確保などを進めているところでございます。

 また、中国公船の増強など、さらなる情勢の変化が生じた場合においても、これに的確に対応できるよう、高性能化を図った巡視船の代替整備を着実に行うなど、全国からの応援派遣体制の構築を進めているところでございます。

 さらに、尖閣諸島周辺海域における監視能力を強化するため、高性能化を図った航空機の整備なども進めているところです。

 海上保安庁といたしましては、今後とも、必要な体制整備などを通じて、尖閣諸島周辺海域における領海警備に万全を期してまいります。

横山委員 大変ありがとうございました。

 ぜひ、事前の策として、しっかりと警備体制を整えていただきたいと思います。

 次に、先ほど松原委員からもありましたけれども、中国のサンゴ漁船の関係でお伺いしたいと思います。

 昨年九月以降の小笠原周辺海域の中国サンゴ漁船と見られる外国漁船への対応については、海上保安庁の尽力を認めておりますが、対応が万全であったとは言いがたいのではないでしょうか。

 一方、海上保安庁の平成二十七年度予算はすきのない海上保安体制の構築をうたっておりますが、小笠原方面への巡視船の増強はあるのか、この点についてお伺いをしたいと思います。

佐藤政府参考人 お答え申し上げます。

 小笠原諸島周辺海域では、昨年九月中旬以降、中国サンゴ漁船と見られる外国漁船が多数確認されたことから、水産庁などと連携し、厳正な取り締まりを行った結果、昨年十一月下旬以降、ほぼ確認されなくなり、一月二十二日を最後に領海内において中国サンゴ漁船は確認しておりません。

 また、海上保安庁では、全国で巡視船艇、航空機により監視、取り締まりを行っており、平成二十六年には、小笠原諸島周辺海域等における中国サンゴ漁船十一隻を初め、平成二十五年の二倍を超える二十四隻の外国漁船を全国で検挙しております。

 このように、我が国周辺海域をめぐる状況は一層厳しさを増していることから、海上保安庁では、高性能化を図った巡視船、航空機の整備など、体制強化を図っているところでございます。

 引き続き、小笠原諸島周辺海域を含め、我が国周辺海域において徹底した監視、取り締まりを行ってまいります。

横山委員 大変ありがとうございます。

 ぜひ再発防止に全力で努めていただきたいと思います。

 次に、少し視点を変えまして、タクシー事業の現状と課題についてお伺いしたいと思います。

 平成二十六年一月に改正タクシー適正化・活性化法が施行され、同法施行とともに準特定地域の指定基準については示されましたが、特定地域の指定基準についてはことし一月に示されたところであります。

 その後、仙台市、秋田交通圏、新潟交通圏及び熊本交通圏の四区域の特定地域の指定について、運輸審議会に対し諮問がなされました。

 このうち、仙台市、秋田交通圏及び熊本交通圏については審議会から指定が適当である旨の答申がなされたところでありますが、今後の見通しをお伺いしたいと思います。

田端政府参考人 委員御指摘のとおり、仙台、秋田及び熊本の特定地域の指定につきましては、四月二十八日に運輸審議会へ諮問し、御審議をいただいておりましたが、今週二十六日、指定することが適当である旨の答申をいただきました。これを受けて、当該三地域については、六月一日付で特定地域の指定を行うこととしております。

 指定後は、各地域の協議会において減車等の方法やタクシー事業の活性化の取り組みについて計画を取りまとめ、認可等の手続を経た上で実施することとなります。

 この計画に基づいてタクシーの適正化、活性化にしっかり取り組むことによりまして、各特定地域において、供給過剰の解消や運転者の労働環境の改善を通じ、タクシーの安全の確保及び利用者の利便向上が図られるものと考えております。

横山委員 大変ありがとうございます。

 通告はしていなかったんですけれども、千葉県だったと思いますけれども、不同意の地域があります。この不同意の要因はどんなことでしょうか。

田端政府参考人 委員御指摘のとおり、同意をしないとされております地域がございます。ただいま御指摘ございました千葉において、現在、準特定地域に指定されておりまして、これまで自主的な減車の取り組みなども進めてきているところであります。

 その中で、現時点において、減車につきまして進めていくということについて過半数以上の同意が得られなかったというふうに聞いているところであります。

横山委員 了解いたしました。

 次に、特定地域の指定基準に該当する仙台市など四区域を除いた残りが二十五区域あると思われますけれども、特定地域指定に向けた現在の状況と今後の見通しについてお伺いしたいと思います。

田端政府参考人 お答えいたします。

 昨日までに、二十五地域のうち八地域につきまして協議会の同意が得られておりまして、仙台市など四地域を加えますと、同意が得られた地域は合計で十二地域となります。

 一方、八地域においては同意をしないこととされております。

 その他の九地域につきましても、六月中に順次協議会が開催されるものと承知しております。

 協議会の同意が得られた地域については、順次運輸審議会へ諮問する予定でございます。

横山委員 大変ありがとうございます。

 タクシーの関係で、あと一点だけお伺いしたいと思います。

 近年のタクシー業界では、乗務員の収入減によるところも多く、乗務員が非常に不足している。これはバスの業界においても同じことでありますが、この乗務員の資格であります二種免許の取得について、助成制度等がありましたら御説明いただきたいと思います。

中山政府参考人 お答え申し上げます。

 厚生労働省といたしましては、労働者のキャリア形成、企業の人材育成を促進する観点から、さまざまな支援措置を行っているところでございます。

 御指摘の第二種運転免許につきましても、労働者に対しましては教育訓練給付制度、事業主に対しましてはキャリア形成促進助成金で支援しているところでございます。

 もう少し具体的にお話しさせていただきます。

 まず、労働者でございますけれども、雇用保険の加入期間が一年以上の方など、一定の要件を満たす方が第二種運転免許取得のために自動車教習の指定された講座を受けて修了した場合には、かかった経費の二割、上限十万円までを個人に給付しております。

 一方、事業主でございますけれども、第二種運転免許のための能力開発計画を立てていただいて、それを実施した場合、その経費を負担する事業主に対しましてかかった経費の二分の一及び賃金の一部を助成する、こういった支援を行っております。

 こうした制度によりまして、引き続き、第二種運転免許取得を目指す労働者や企業の人材育成に関する取り組みを労働省としては支援していきたいと思っております。

横山委員 ありがとうございます。積極的な支援をお願いしたいと思います。

 続きまして、地域課題、愛媛県の関係について、先般、西村副大臣も愛媛県にお越しいただいたので、この件について、少し細かいところになりますけれども、質問をさせていただきたいと思います。

 まずは、インフラの整備の関係につきまして、高速道路は、地域の活性化や産業振興の基盤となるほか、災害対策や救急医療などに資するまさに命の道であると考えております。

 愛媛県では、特に今治小松自動車道の整備を望む声が非常に強く、早期の整備が必要と考えておりますが、国土交通省はこの今治小松自動車道に関してどのように考えておられるのか、見解をお聞かせ願いたいと思います。

西村(明)副大臣 横山委員におかれましては、松山外環状道路のインター線の開通式にも御出席いただきまして、道路整備事業に御協力を賜り、ありがとうございます。

 御質問の今治小松自動車道路につきましては、御承知のように、延長約二十三キロの高規格幹線道路でございます。瀬戸内しまなみ海道と一連で機能しておりまして、四国地方と中国地方のアクセスを強化する重要な道路でございます。

 この道路の整備によりまして、南海トラフ巨大地震時におきましては、本州からの支援部隊の被災地へのアクセスが向上するなど、救命救助、復旧活動の迅速化に役立つものと認識しております。

 また、瀬戸内しまなみ海道自転車道を初めとする地域の豊富な観光資源へのアクセスが改善され、外国人旅行者の誘致を含めた広域的な観光交流の促進が期待されているところでございます。

 この道路は、これまでに全体の約六割が開通しております。残りの未開通区間でございます今治インターチェンジから今治湯ノ浦インターチェンジ間につきましては、現在、用地買収率が七五%となっておりまして、今治インターチェンジから今治朝倉インターチェンジ間におきまして、今年度より新たに工事に着手する予定でございます。

 引き続き、地域の皆様の御協力を賜りながら、今治小松自動車道全線の早期開通を目指して整備を進めてまいります。

横山委員 大変ありがとうございます。

 ぜひ積極的に進めていただきたいと思います。

 松山市と宇和島市はお越しいただいたんですけれども、今治市も、次に質問します造船の町でもございますので、ぜひ一度視察にお伺いしていただきたいと思います。

 次に、造船の関係についてお伺いいたします。

 中国の経済成長の減速を背景に、鉄鉱石や石炭などのばら積み貨物の輸送量が減少し、船が供給過剰になって、用船料がかなり低下をしております。ばら積み貨物船の新造船需要が減少しておる現状ではありますけれども、このため、タンカーやLNG船など他の種類の船舶の建造実績がほとんどない造船会社では、目下の円安基調にもかかわらず、将来建造する船の受注に苦戦している状況にあります。

 このような造船業界の将来の見通しが不透明である中、日本の造船所が生き残るためには、中国、韓国に対して優位性を持つとされる技術力で競争力を確保したり、中韓に負けない生産力を保持し、どのような受注にも対応できる体制を整えたりする方策が必要であると考えております。また、設計者などの高齢化が進む中、人材の育成も急務であります。

 造船業の今後の見通しについて国土交通省の見解をお聞かせいただきますことと、日本の造船業の課題と対応の方向性もあわせてお聞かせ願いたいと思います。

森重政府参考人 お答え申し上げます。

 我が国の造船業は、中国、韓国との国際競争下にございますが、総受注量は、二〇一三年以降、円安に支えられまして、増加基調で推移してまいりました。その結果、現在、約二年分を上回る受注の残を確保しております。今後は、建造能力に見合いました受注量を維持していく局面に入っているものと考えております。

 直近の状況といたしましては、委員御指摘のように、中国の経済成長の減速の影響によりまして、石炭などを輸送するばら積み貨物船の受注量は確かに減少しておりますが、一方で、世界経済の成長やエネルギー需要の増大によりまして、コンテナ船、タンカー、LNG船などの受注量は増加しております。

 さまざまな要因による市場の変化はございますけれども、中長期的に見て、世界経済の拡大に伴いまして造船市場は拡大していくものと見込んでおります。

 この成長を我が国に取り込んでいくために、一つは委員御指摘の競争力の強化、新分野への進出、そして人材の確保、育成が課題となっております。

 国土交通省といたしましては、第一に、競争力の強化につきましては、さらに省エネの技術開発を進めまして、その技術的優位性に基づく国際基準化を進めてまいります。また、受注力を強化するために、企業連携、グループ化などを支援してまいります。

 第二に、新分野への進出でございます。海洋資源開発への進出や、シェールガス輸送に対応いたしましたLNG船などへの取り組みを支援いたします。

 第三に、御指摘ございました人材の確保、育成につきましては、産学官の連携のもとで、インターンシップによる造船の認知度の向上でありますとか、あるいは地域における共同技術研修などの取り組みを推進してまいります。

横山委員 大変ありがとうございます。積極的に取り組みをしていただきたいと思います。

 時間もございませんので、あと一点だけ、地域課題を質問させていただきます。

 現在、JR松山駅にある踏切は、交通渋滞や踏切事故など、住民生活や経済活動に悪影響を及ぼしている状況でございます。このような場所を立体交差化し、周辺も含めて主要駅を早期に一体的に整備することが重要と考えておりますが、国土交通省はいかにこの点について認識されておりますか、お聞かせをいただきたいと思います。

小関政府参考人 御指摘のように、松山駅周辺は、JR予讃線と車両基地、貨物駅により市街地が東西に分断され、踏切遮断による交通渋滞の日常化、駅周辺の一体的な発展の阻害が、新たな都市機能の集積を図る上で問題となってございます。

 現在、愛媛県による連続立体交差事業、松山市による土地区画整理事業が一体的に実施されているところでございますが、このような取り組みは、県都にふさわしい魅力ある都心の形成に効果的であるというふうに考えているところでございます。

 国交省としては、県、市に対して、事業が円滑に進むよう、技術的、財政的な支援を引き続き行ってまいりたいと考えております。

横山委員 大変ありがとうございました。

 以上で質問を終わります。

今村委員長 次に、松木けんこう君。

 その前に、ちょっとお知らせいたします。

 鹿児島県の口永良部島で噴火があり、火砕流が海岸まで到達、避難にレベルが引き上げられました。

 以上、お知らせいたします。

 松木けんこう君。

松木委員 維新の党の松木けんこうでございます。

 質問させていただく前に、大臣、もし何か必要とあらば、私がしゃべっている途中でいなくなっても構いませんから、本当に。今、もちろん。大切なことですので、かなり大きな火山の爆発があったということでございますので。

 副大臣もいなくなると、私のは誰が答えてくれるのか。まあ、役所の方でいいですよ。

 それでは、きのうちょっとテレビを見ていましたら、タイの方で日本の高速鉄道が採用された、非常に何かうれしいなというふうに思いました。ああいうことがどんどん続けば、日本というのは平和に対してもどんどん貢献できるんじゃないかなというふうに思いました。

 そこで、国交省の方、誰でも結構でございます。お願いがあります。

 北海道の方は、やっと北海道新幹線の端緒を、民主党政権のときに三井辨雄国交副大臣が頑張ってつけていただきました。そして、今の与党の皆さんが頑張っていただいて、大臣も含めて頑張っていただいて、五年間短縮になりました、札幌延伸ですけれども。ぜひこれをもうちょっと何とか頑張っていただきたいという要望でございます。

 それともう一つ、答える人がいなかったら、このままでいいです。

 あと、山手トンネル、できましたよね、皆さん。私は杉並に住んでいるんですけれども、いつも外苑というところから大体渋滞していたんです。ところが、山手トンネルというのが全線開通しましたら、全く渋滞しなくなった。いやあ、大したものですよね。公共事業というのは、ああいういい公共事業もやはりあるんだなということをつくづく思ったわけでございます。

 そこで、お願いなんですけれども、北海道はまだ高速道路が大分できていませんので、ぜひこれは少しでも北海道にも目を向けていただきたいというふうに思っております。これに関してのお答えはしなくて結構でございます。後で大臣か何かに紙でもお渡しいただければと思います。

 大丈夫ですか、このまま私が続けても。大丈夫ですか。いいですね。では、このまま続けさせていただきます。

 そして、きょう私が質問をさせていただくのは泉岳寺の問題なんです。

 泉岳寺というのは、皆さんもよく御存じの赤穂浪士のお墓があるところなんですけれども、あそこの、山門がありまして、その山門の横に八階建ての二十四メートルの建物が建つということで、これは実は予算委員会のときにも私は太田大臣に質問をしたことがあるんですけれども、このことをちょっと質問させていただきたいんです。

 この周辺住民の方々というのは、この地域では長らく、建物の高さは三階までぐらいだなというようなことで、自主的に皆さんは配慮をされていたそうなんですよ。ところが、今回の計画では山門の真横なんですよ。写真を持ってくればよかったんですけれども、山門の本当に真横に二十四メートルの高さのマンションが建つんです。

 それで、いかがなものかなということで近くの方々は騒いでいるわけですけれども、予算委員会で国交大臣のお話にもありましたが、景観法に基づいて景観行政を行うのは地方公共団体であり、本件の場合は東京都港区が景観行政団体だということでありました。

 一方で、赤穂浪士のお話というのは、広く日本人全体が共有をしている大切な歴史的な事件であり、日本の心とも言えるような物語も含んだ、そういう土地柄だというふうに思っています。その意味で、この泉岳寺の景観問題というのは、広く国民全体でも議論すべき話なのかなというふうにも思っているわけでございます。

 ここで、景観問題の議論を考えたときに、最近の事例ですと、広島県の福山市の鞆の浦景観訴訟というのがありました。これは、宮崎駿監督のアニメの「崖の上のポニョ」の舞台のモデルとされる鞆の浦の一部を埋め立てて、迂回路としての道路を通す橋を整備する、こういうことについての議論だったようでございます。

 この中身については余り触れませんけれども、この議論の過程で、当時の金子一義国交大臣が、計画には国民同意が必要だという言い方をされているんですね。当時の国交省のトップが、ある特定の景観について、非常に貴重なものだから、地元の同意、住民同意だけではなくて、さらにハードルが高い国民同意が必要ということを指摘されたんですね。

 金子大臣は平成二十一年一月三十日の大臣会見で、国民同意の真意について、計画の見直しを求めているのかという記者の質問にこう答えているんですね。「国民の同意を取り付けてくれよということです。その過程で見直しも当然あるのだろうと思います。これは口にはしませんけれども。」というお話をしているんですね。口にしているんですけれども。このときは、いわば国交省として、景観、特に歴史的文化財が形成する景観の大切さを強く指摘しているわけであります。

 その後に、広島地裁で、計画に必要な海面の埋め立てを差しとめる命令が出ました。政権交代後に国交大臣を務めた前原誠司大臣が、平成二十一年十月一日に大臣会見で、「現段階において、司法の判決というものを我々は重く受け止め、広島県がどうご判断をされるのかということを注視をして参りたいと考えております。」とした上で、埋め立ての認可をどうするのかの判断について、「まだその前提が、認可するしないの前提が整っていないという状況だと思っています。」ということで、慎重に対処したわけです。

 こういった経緯を踏まえてお尋ねしたいんですけれども、泉岳寺の景観の重要性についてどういうふうにお考えなのか、お答えできる人、答えてください。

    〔委員長退席、大西(英)委員長代理着席〕

小関政府参考人 歴史的な建造物の周辺の景観保護につきましては、国土交通省としても重要であるというふうに認識しております。

 良好な景観形成に向けて、景観法あるいは都市計画法といったような法律に基づきまして、地方公共団体が建築物の高さ等につきまして、地域の実情に応じてきめ細やかな規制を行うことが可能となってございます。

 既に、多くの地方公共団体で活用されております。

 例えば長野県の松本城周辺では、松本市が、都市計画法に基づき高度地区を設定し、詳細な高さ制限を行うことにより、歴史的建造物周辺の景観保護を図っておられます。

 また、京都市におきましても、景観法や都市計画法に加えて、独自の条例も組み合わせながら、さまざまな取り組みを行っておられます。例えば二条城の周辺でございますが、半径五百メートルの範囲で建築物の高さとデザインを規制するといったようなこと、あるいは、大文字を市内から眺望できるように、標高による建築物の高さをだんだんに制限するといったような規制、制限も独自に行っておられます。

 御指摘の、泉岳寺周辺の高さ等の規制につきましては、港区が既に判断をされたものでございまして、港区の方におきまして事前に十分に御検討いただいたものと理解をいたしております。

松木委員 大臣がいると、もうちょっと優しい言葉をかけてくれたと思うんだけれども、しようがないといえばしようがないんだけれども、確かに、港区の方が決めたといえば決めたのかもしれないけれども、要するに、もうちょっと何とかならぬのかということなんですよ。

 我々は政治家ですから、そして法律もあるし、それに従うのもよくわかるけれども、どう考えても、局長さん、大門があるでしょう。要するに、入るところ。あの横に二十四メートルのマンションが建つんですよ。その奥に赤穂浪士の墓があるわけですよ。今、日本が観光立国と言っているじゃないですか。であれば、僕は、もうちょっとやはり考えなきゃいかぬのじゃないかなというふうに思うんです。

 そこで、ちょっと大臣がいないので困ったなと思うんですけれども、前に聞いたときに、何とかならぬのですかということでお話をしたときに、大臣はこう言っているんですね。

 「あくまで、例えば泉岳寺の場合、港区ということになりますけれども、今回の例にそれが届くかどうかはわかりませんけれども、とにかく、港区は非常にほかにもいろいろありますから、そうした工夫ができないものかということについては申し上げたい、このように思っているところです。」という答えをいただいているんですね。私が景観問題を聞いたときにですね。

 あくまで港区という話をされていますので、これはそのとおりなんですけれども、同時に、工夫ということもお話をいただいているんですね。それで、このときに、景観を守るための手段について自治体の相談に乗っていくということも言っていただいたんです。

 その後、国交省として港区とこの課題に関してやりとりがあったのであれば、その内容をちょっと教えていただきたいなと思います。

小関政府参考人 三月五日の予算委員会におきまして議員の御質問をいただきまして、その後、大臣の方から御指示をいただきまして、私ども都市局の担当課の方から、港区の担当課に対しまして、国会での御質問の内容、そして大臣のそのときの答弁の内容についてお伝えをさせていただいております。

 なお、その後、港区さんの方から、私どもの方に対して、御相談等はいただいていないという状況でございます。

松木委員 一応、国会のところでこういう話し合いがあったということは伝えていただいた。伝えたときに、ちょっとこういうことがあるから、おまえ、気をつけろよと、こういう感じで言ったのか。そんなに強くは言わなかったのかな。そして、その後、答えがないんでしょう。答えはどうなんだとちょっと聞いてみたらいいんじゃないかなと思うんだけれども、どうですかね。

小関政府参考人 本日の委員会でも御質問をいただきましたので、改めて、港区の担当の方に、本日の質疑内容についてお伝えをいたしたいと思います。

松木委員 局長さんですよね。ぜひ頼みますよ、もうちょっと。

 大分建ってきちゃっているという話もあるんですよね。やはり日本の心みたいなところですから、横に二十四メートルはまずいですよ。それは法律違反を犯しているという話ではないんだけれども。

 私、思うんですけれども、札幌にも、何というんですか、三大がっかり景観みたいな話がありまして、前田議員が笑っているけれども、時計台。皆さん、時計台というのを見に行ったことがありますか。がっかりしますからね。いいんですよ、すごくいいんだけれども、何というんですか、やはり点で残しちゃっているんですよね。要するに、ビルの谷間に時計台がぽこんとあるんです。ああいう景観の残し方というのは、どうも僕は、もうちょっと何かきれいにならないのかなとつくづくいつも思っているんです。

 要するに、点で残すというのは、やはりだめなんですよ。面で残すという感覚を、これから観光立国日本というのであれば、そういう意識をもっともっと持っていた方がいいと思うんですね。その中の第一歩としてこの泉岳寺の問題というのもあるんじゃないかなと思うんですけれども、ちょっと私もしつこくて申しわけないんだけれども、どうですか、局長。

小関政府参考人 繰り返しでございますけれども、泉岳寺の周辺を含めて景観をどうするかということにつきましては、地方公共団体が景観行政の団体となって景観計画を定めるといったようなこと、あるいは都市計画の制度を使うということでさまざまな規制をすることは可能でありますので、そういったものを活用しながら、そして総合的にまちづくりをどうしていくかということをやはり自治体の責任と判断のもとに行っていただくことが適当ではないか、このように考えております。

松木委員 まあ、そういうふうに答えるしかないんだろうなとは思いますけれども、ぜひ、今回またしつこく聞かれたので、どうするんだということをまた港区とちょっとお話し合いはしていただけますか。

小関政府参考人 本日の質疑内容について正確に港区の方にお伝えをさせていただきます。

松木委員 局長、ありがとうございます。

 局長方が若干怖い顔で相手に言うだけでもかなり違うんじゃないかと思いますので、少しそこら辺はうまくやっていただきたいなと。

 余り個人的に聞くというわけにはいかないから、やはり局長は局長ですから。多分、局長も本当は、おお、松木けんこう、いいことを言うなと思っているんだと思うんですよ。やはり、どう考えたって、泉岳寺の横に二十四メートルのマンションが建つのがいいなんて思うのはいませんからね、本当に。委員長も、今委員長代理ですか、本当にそう思いますよね。そんなことで、これは本当に私はしつこく予算委員会から何回もやっているので、何とかしていただきたいなということをつくづく思っているわけでございます。

 全国の歴史的建造物の位置を一度に確認できるデータベースを構築して活用することはできないでしょうかというふうに私は思うんです。

 建築計画が出てきたら、住所や地番を打ち込めば、この建物が近いなとか、特に周辺には何もないなというような確認ができるシステムをつくれば、とりあえず、影響がありそうなときは、建築計画が出てきた時点で行政が情報を把握することができるわけでございます。その上で、うまく行政が開発業者と地元住民との間でコーディネートをしていくようなことができれば非常に私は理想的だと思いますが、いかがお考えでしょうか。

赤池大臣政務官 委員御指摘のとおり、行政が、景観計画等に基づきまして、住民や開発業者のコーディネーターとして景観保護と開発の調整を図るということは大変重要であると考えております。

 文化庁といたしましても、委員御指摘のとおり、全国の国指定文化財の位置をホームページ上で確認できるデータベース、文化遺産オンラインを既に運用させていただいております。全国の美術館、博物館、国指定の文化財、十一万件が入っておりまして、住所を入れたり、また、地図上にどこにあるかということを一目瞭然でわかるような仕組みをつくらせていただいております。

 また、町並みや景観保護の観点から、文化財保護法に基づく重要伝統的建造物群保存地区や重要文化的景観を選定させていただいております。

 域内の文化遺産を周辺環境も含めて保存、活用するための歴史文化基本構想の策定の促進等によりまして、地方自治体による域内の文化遺産の総合的な把握を促しているところでございます。

 今後とも、自治体による調整が円滑に進むよう、環境整備を図ってまいりたいと存じます。

松木委員 ありがとうございます。

 歴史的な文化財とその景観の重要性ということをここまで私は言ってきたんですけれども、一方で、景観、景観ということばかりも言っていられない。やはり開発ということもあるわけでございます。本来、土地を利用し、建物を建てる権利、自由で正当な経済活動を規制してしまうことにもなりかねないというふうに思います。特に、東京は日本経済の心臓部でありますので、そういった面では注意が必要かというふうにも思っております。

 文化庁の所管で国指定の重要文化財というのは一定の基準で定められているものがありますので、文化庁なり都道府県が指定する一定以上の基準を満たす文化財、歴史的建造物のうち、このレベルについてはこれくらいの配慮をしなさいよという統一的基準を設けることで、かえって行き過ぎた景観保護の訴えからくる経済への行き過ぎた悪影響も抑えられるようにも思えるわけでございますけれども、建築を担当される国交省と文化財指定を担当される文化庁でしっかりと協議をして基準をつくっていただきたいというふうに私は感じているんですけれども、国交省と文化庁の御所見があれば伺いたいと思います。

赤池大臣政務官 国指定の文化財は、次世代に継承すべき貴重な国民的財産であるとともに、地域振興、それから観光振興等の核となるものであり、委員御指摘のとおり、保存と活用の両面に配慮するということは大変重要であると考えております。

 文化財保護法におきましては、国指定文化財の現状変更等については原則許可制をとらせていただいております。許可の判断に当たっては、やはり文化財の範囲が相当幅広い、有形無形、さまざまなものがございますので、個々の文化財の価値に与える影響等を勘案し、ケース・バイ・ケース、個別に判断をするということが重要であると考えておりまして、これは統一的基準にはなじまないのではないかというふうに考えております。

 今年度の予算におきましても、文化財の総合的な活用に対する支援の重点化、文化財総合活用戦略プランを図っているところであります。これは、世界文化遺産とか、先日認定させていただきました日本遺産十八件、こういったものを自治体から申請していただいて認定する、それが地域振興、地方創生や観光立国に資するというふうに考えておりまして、今後とも、国土交通省とも連携をいたしまして、文化財を生かした地方創生、観光振興等を図ってまいりたいと存じます。

太田国務大臣 大変失礼いたしました。

 歴史的建造物やその周辺の景観保護のため、どういう規制をすべきかについては、地域の実情をよく把握している地方公共団体において判断すべきものだと考えています。

 この景観という観点から、あるいはまた、観光ということ、歴史と文化を大事にするということと、経済的なそうしたこと、よくバランスをとるということが、松木先生御指摘のように、大事だというふうに思っております。

 冒頭お話をさせていただいたかと思いますが、松本城とかあるいは京都の二条城を初めとする、そうした現行の法制度や条例を、京都は条例をつくっているわけですが、そうしたことを活用して、きめ細かな景観保護を図ることが可能だというふうに思っています。

 歴史的建造物やその周辺の景観規制につきましては、こうした事例も参考にして、地方公共団体において、地元の意向等を踏まえつつ十分御検討いただいて、総合的に判断いただくことが重要だと考えておりますが、国交省とまた文化庁、よく連携をとるということもさせていただきたいと思っております。

松木委員 大臣、御苦労さまでございます。噴火の方は大丈夫でしょうか、ちょっと心配ですけれども。

 先ほど、大臣がいないときに、ちょっと局長さんにしつこくしつこく、まあ、そうはいうものの、何とか泉岳寺のことは考えてよということをしつこく私言っておきましたので。

 何とか、大臣、山門の横なんですよ、横に二十四メートルのマンションですからね。赤穂浪士の物語とか、ああいうのは日本のある意味で心ですから、そこの横にというのは、どう考えてもやはり納得できないんです。法律的には何も間違ったことをやっているなんて僕は言いません。そうじゃないんです。でも、大臣のお力で、その優しいお気持ちでこれは何とかならぬかなということで、局長さんにまたよくお願いしておきました。また、その結果を頂戴ね、こういうふうにも言っておきました。

 局長さんもちょっと私が余りしつこいので嫌がっているとは思いますけれども、そこら辺、真面目に皆さん、この泉岳寺のことは僕のところに、何とか本当に、日本の心なんだから、まあ、建てるから物がなくなるわけじゃないんだけれども、やはりしっかり残していきたいというお気持ちが強い方が多いので、ぜひよろしくお願いを申し上げまして、私の質問を終了させていただきます。

 ありがとうございました。

大西(英)委員長代理 次に、本村伸子君。

本村(伸)委員 日本共産党の本村伸子でございます。

 まず冒頭、本日九時五十九分に、鹿児島県の口永良部島での噴火があり、全島に避難指示が出された。国土交通省としても、安全に避難ができるように、そして、その後の生活支援についても万全の体制をとっていただきたいということをまず冒頭にお願いしておきたいというふうに思います。

 きょうは、公共工事にかかわる家屋被害についてお伺いをしたいというふうに思います。

 まず確認ですけれども、公共工事によって被害がある場合、公共事業に係る工事の施行に起因する地盤変動により生じた建物等の損害に係る事務処理要領に基づいて補償されますねということを大臣に確認したいと思います。

太田国務大臣 公共工事によりまして建物の損傷被害が生じた場合には、御指摘の事務処理要領に基づきまして適切に費用の負担を行っているところです。

 具体的には、公共工事との因果関係があり、受忍の範囲を超えると認められる損害等に対しまして、必要な最小限度の費用の負担を事業者が行っているところでございます。

本村(伸)委員 それを前提にお話をさせていただきますけれども、名古屋の環状二号線、国道三〇二号線、その関連工事である雨水貯水池、共同溝の立て坑の工事における名古屋市天白区、緑区周辺住民の皆さんへの被害について質問をさせていただきます。

 私も、この名古屋市天白区、緑区の調査に行きましたけれども、明らかに工事によるものと思われる沿線家屋の各所の被害がございました。ゆがみですとか亀裂、壁にひびが入る、傾く、すき間の発生ですとか、配管の破裂、下水道の傾斜による逆流、こういう被害があちこちでございます。

 私は、この工事の最中から天白区、緑区にはよく行っておりまして、工事の最中に本当に大きな音で、どすんどすんと物すごい大きな音がしたりしてきたのを実感してまいりました。これでは沿線の家屋に被害が出るというのは当然だというふうに思ってきたわけですけれども、私が緑区、天白区で活動しておりました時期も御相談がございまして、愛知県の国道事務所、愛知国道事務所にも伺ったことがございます。

 この名古屋環状二号線を初め、この一連の工事にかかわっては、名古屋市長から、二〇一二年に一回、二〇一三年に一回、二〇一四年に一回、名古屋市の天白区の地域環境審議会での調査審議を受けて、NEXCO中日本の名古屋工事事務所長宛てに要請文書が出されております。その中身、三回とも要点をお示しいただきたいと思います。

深澤政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のように、名古屋市天白区、緑区における名古屋環状二号線工事の家屋補償に関し、名古屋市長からNEXCO中日本、名古屋工事事務所長宛て、平成二十四年十一月以降、三回の文書が送付されております。

 まず第一の文書、平成二十四年十一月の文書では、天白区、緑区の十五名の方々から、名古屋環状二号線の建設工事に係る影響等について、名古屋市の条例に基づく調査請求書が市に提出されたこと、これを踏まえて市が調査を行い、その調査結果を調査請求者と天白区、緑区の地域環境審議会に通知したこと、一連の調査を行う過程において、調査請求者からNEXCO中日本が行った家屋補償に関する調査結果や内容について、わかりにくい、納得できないといった意見や不満、工事による家屋等への影響について調査を求める意見等があったこと、工事による家屋等への影響については事業主体において適切に対応すること、対象となる住民の方々の理解が得られるよう引き続き尽力いただきたいことなどが記載されております。

 また、二番目の平成二十五年十二月の文書では、平成二十五年七月に天白区地域環境審議会において審議された結果、NEXCO中日本に対して再度文書による働きかけを行ってほしいなどといった要望が名古屋市に提出されたこと、このような状況を踏まえ、引き続き地域住民への理解が得られるよう尽力いただきたいことなどが記載されております。

 最後、三番目ですけれども、平成二十六年七月の文書では、平成二十六年一月に開催した天白区地域環境審議会において、過去二回の名古屋市長からの文書を受け、NEXCO中日本がどう受けとめ、今後どうしていくかということについて文書にてお示しいただきたいとの要望が審議会から名古屋市に出されたこと、審議会の意向を理解し、NEXCO中日本の考え方を示していただくこと、対象となる住民の方々の理解が得られるよう尽力いただきたいことなどが記載されております。

 以上です。

本村(伸)委員 名古屋市長からこうした要請文書が出されているわけですけれども、その後、NEXCO中日本としてはどういう対応をとられたでしょうか。

深澤政府参考人 お答え申し上げます。

 NEXCO中日本は、工事実施後の調査、事後調査と言っておりますけれども、この結果を踏まえ、平成二十二年八月以降、住民の方に対しまして家屋被害の状況や被害補償に関する説明を行ってまいりました。

 御指摘の名古屋市長からの文書も踏まえ、引き続き、住民の方々の御理解が得られるよう、補償内容に納得されない方などに対し繰り返し説明を行っていると聞いております。

 以上です。

本村(伸)委員 名古屋市長からも三回、住民の皆さんから理解が得られていないと指摘をされた事業でございます。

 そこで、伺いますけれども、この天白区、緑区の名古屋環状二号線などの一連の工事に関して、NEXCO中日本が家屋についての事前調査、事後調査を行っております。国土交通省も事後調査を行っております。NEXCO中日本、国土交通省それぞれ、事前調査、事後調査はいつ行われ、何件だったのか、損失補償した件数は何件だったのか、天白区、緑区でそれぞれお示しください。

深澤政府参考人 お答え申し上げます。

 名古屋環状二号線東南部区間は、まず、NEXCO中日本が高速道路の部分を施工いたしまして、その後、国土交通省がそれに並行する国道の部分を施工しております。

 NEXCO中日本が実施した工事の前後で、建物等の調査を実施し、NEXCO中日本の施工期間中に発生した工事に起因する建物等の損害について補償を行っております。

 その後、国土交通省が施工した後には、国土交通省が家屋の事後調査を実施し、国土交通省の施工期間中に発生した工事に起因する建物等の損害について補償を行っております。

 調査時期につきましては、これから御説明申し上げますけれども、委員配付の資料、これは天白区の一部の地区、それから緑区鳥澄地区のもので提示されておりますけれども、私の方からは、天白区それから緑区全体の数字で申し上げますので、期間がいただいた資料とはちょっと異なっておりますけれども、御了承いただきたいと思います。

 まず、NEXCO中日本は、名古屋市天白区において、平成十二年十二月から平成十八年十二月までの間、合計千二百七十件の事前調査を実施しております。また、平成二十二年一月から平成二十二年七月までの間、合計八百七十九件の事後調査を実施しており、これらのうち、これまで百六十六件が補償対象となっております。

 緑区につきましては、平成十二年三月から平成十八年七月までの間、合計千四百八十九件の事前調査を実施しております。また、平成二十二年一月から平成二十二年八月までの間、合計千三百六十八件の事後調査を実施しており、このうち、これまでに百八十四件が補償対象となっております。

 一方、国土交通省では、天白区において、平成二十三年十二月から平成二十五年十一月までの間、合計七百三十六件の事後調査をしており、このうち、これまでに十三件が補償対象となっております。

 また、緑区につきましては、平成二十三年十二月から平成二十七年三月までの間、合計千八十一件の事後調査を実施しており、このうち、これまで十七件が補償対象となっております。

 以上です。

    〔大西(英)委員長代理退席、委員長着席〕

本村(伸)委員 今、損失補償された件数も答弁していただきましたけれども、本当に大きな被害が出ているというのがこの数字からも明らかだというふうに思います。

 きょうは天白区、緑区だけのことをお話ししておりますけれども、このほかにも守山区でも三百件を超える家屋被害が出ている。公共工事でこれだけの被害が出ていることに対して、どのように反省しているのかということが問われるというふうに思います。こうした被害を二度と起こさないためにも、この被害をしっかりと分析して、今後に生かしていかなければならないというふうに思います。

 そこで、お伺いしますけれども、資料の方で、先ほども局長にお話ししていただきましたけれども、工事の流れ、事前調査、事後調査、これは緑区、天白区の地域が限られたところをちょっと加筆させていただきましたけれども、お示ししております。

 NEXCO中日本が行いました事業では、天白区で百六十六件の損失補償、緑区で百八十四件の損失補償がされておりますけれども、被害があったと認めたお宅の被害の特徴、そして原因はどのように分析をされているのか。そして、どういう工事で、どの範囲で被害があったのかをお示しいただきたいと思います。

深澤政府参考人 お答え申し上げます。

 お答えする前に、先ほど私、地区の名前をちょっと申し上げられませんでしたけれども、天白区は島田地区でございます。失礼いたしました。

 ただいま御質問いただきましたNEXCO中日本が補償した家屋の損傷等につきまして、お答え申し上げたいと思います。

 名古屋環状二号線の天白区、緑区において、NEXCO中日本の工事により家屋外構の土間コンクリートやコンクリートブロック塀のひび割れ及びふすまなどの建具の開閉不良などが出ております。これは、道路本体工の施工に伴う振動が原因であると考えております。

 被害の地域ですけれども、天白区においては鴻の巣、梅が丘、中平、緑区におきましては神沢、鳴丘、鳥澄という地区において発生しております。

 以上です。

本村(伸)委員 次に、国土交通省が行った事業では、天白区で十三件の家屋の損失補償、緑区で十七件の損失補償を行っておりますけれども、同じようにお答えいただきたいと思います。

深澤政府参考人 お答え申し上げます。

 国土交通省の工事、これは家屋に近接するところの遮音壁等の基礎の工事が中心だったわけでございますけれども、それらの施工に伴う振動などが原因と思われますが、家屋外構の土間コンクリートやコンクリートブロック塀のひび割れ、さらには、ふすまなどの建具の開閉不良などが発生しております。

 対象としては、天白区においては鴻の巣、植田東、緑区においては桃山、鳥澄等において発生しております。

 以上です。

本村(伸)委員 大変な被害を与えている事業なんですけれども、実は、この数字でもカバーできていない地域や家屋がある。被害があったけれども補償されていないと、住民の皆さんが声を上げている現実がございます。

 例えば、天白区のAさんのお宅の事例ですけれども、NEXCO中日本が二〇〇七年七月に共同溝の立て坑の掘削工事をスタートさせ、二〇〇八年八月までこの工事は行われました。この工事が行われている途中の二〇〇八年一月ごろに、Aさんのお宅の屋内の車庫三カ所に亀裂が入り、そして泥水がしみ込むという被害が発生しました。外壁にもクラック、ひびが入り、業者の方に修理、塗装してもらって六十万円かかったそうです。

 NEXCO中日本のこの共同溝立て坑の工事は二〇〇八年八月に終わりましたけれども、それから今度は、二〇〇九年四月から国土交通省愛知国道事務所が同じ共同溝立て坑の工事を始めた。この二〇〇九年四月から始まった国土交通省の工事では、アスファルトを剥がして、物すごい騒音と振動が続いたそうです。そういう中で、家屋の周りに穴が、陥没が四カ所あいて、最大直径四十センチにもなったと。工事が終わってからは、この穴については、陥没については何の変化もなくなったと。御近所でも大きい被害が出ております。

 このAさんのお宅についてですけれども、NEXCO中日本が行った二〇〇六年四月一日の事前調査、二〇一〇年三月六日の事後調査、国土交通省愛知国道事務所が行った二〇一二年九月二十八日の事後調査の報告書をまとめたものを見させていただきましたけれども、NEXCOの事後調査では、新規にできた損傷が十六件あり、既存のひびなどの拡大が十三件あった。国土交通省の事後調査では、新規にできた損傷が二十八件ありました。中には、一階の玄関の壁に二メーター三十センチのひびが新たに入ったり、一階の車庫の床のすき間が三メーター二十五センチにわたってできたなど書かれております。

 私も現場を見てまいりましたけれども、やはりこれは工事に起因するものだというふうに思いました。しかし、こうした被害に対して、経年変化だ、工事に関係ないというふうに言われていると聞いて、私はびっくりしました。住民の皆さんが納得しないのは当然だと思いますし、私自身も経年変化というのは納得できません。

 こうした被害を、経年変化、工事と関係ないという評価の仕方そのものがおかしいのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。

太田国務大臣 事業実施に伴う家屋等の損傷の補償につきましては、一定のルールに従いまして、工事実施前にあらかじめ調査をした上で補償するなど適切に対応することとしております。

 その際、発生しました損傷の状況、工事箇所との位置関係及び工事内容等により因果関係を判断し、適切に補償しているというところだと思います。

本村(伸)委員 このAさんのお宅は、一九九五年に新築で入居をして、一連の工事が始まってから、入居から十三年後には屋内車庫の三カ所に亀裂が入って泥水がしみ込むという被害があり、外壁にもクラックが入り、十四年後には家屋の周りに四カ所、陥没、穴があく。

 経年変化、工事と関係がないというのであれば、どんな家でも、十三年たったら屋内の車庫に亀裂が入り、泥水がしみ込んで外壁にもクラックが入る、十四年たったら家屋の周りに穴があくということなんでしょうか。

深澤政府参考人 お答え申し上げます。

 具体的にAさんのケースについて承知しておるわけではございませんけれども、一般論として申し上げますと、事前調査それから事後調査の結果を比較した上で個別に判断いたしまして、個別に説明をさせていただき、個別にお伺いしながら、損傷の状況や工事箇所との位置関係、工事内容との関係を踏まえまして、個々に損傷の評価をしております。

 もちろん、工事に起因するものか経年変化に起因するものか、これらの判断は総合的かつ慎重に行わなければなりませんけれども、長年、用地取得あるいは補償業務に携わっている専門家が担当してやっておるわけでございます。

 特に、今ひび割れの話がございましたけれども、私ども、ひび割れを判断する際に、そのひび割れと近接しているひび割れの状況を見まして、例えば、ひび割れがあっても近接するところで大きなひび割れがないような場合は、これは工事由来ではないというような判断をしている場合もございます。

 以上です。

本村(伸)委員 どう考えてもおかしいというふうに思うんです。

 経年変化、工事と関係ないというのであれば、工事との因果関係がないとちゃんと証拠を示したんでしょうか。

深澤政府参考人 それぞれの家屋の損傷につきましては、個別具体、それぞれで事情が違うと思いますけれども、現場におきましては、担当職員がその辺のことにつきましてきちんと御説明していることでありますし、もし必要であれば、引き続き誠意を持って対応してまいりたいと考えております。

本村(伸)委員 そもそも、この工事の事前の調査、事後の調査も大変いいかげんなものだったと私は認識しております。

 先ほど大臣から答弁をしていただきました工事損害要領の第二条には、損害等に対する措置を迅速かつ的確に行うため、工事前、工事の施行中にその土地や周辺地域で、必要と認められるものについての調査を行うものとするということで、一つ、「地形及び地質の状況」、二つ、「地下水の状況」、三つ、「過去の地盤変動の発生の状況及びその原因」、四つ、「地盤変動の原因となるおそれのある他の工事等の有無及びその内容」、五つ、「建物等の配置及び現況」、六つ、「その他必要な事項」というふうにあります。

 住民の皆さんが、これをちゃんとやっているのかということを情報公開をかけましたら、工事前の地質調査については業務報告書を出しましたけれども、工事後の地形、地盤、地下水位の変動状況については、はかっておらず、データを保有していないので不存在という回答が来ました。ほかの調査でも、はかっておらず、データを保有していないという回答ばかりです。

 損害等に対する措置を迅速かつ的確に行うため、調査をしなさいと書かれているのに、ほとんど調査をしておらず、そもそも不誠実じゃないかというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。

深澤政府参考人 お答え申し上げます。

 事業実施に伴う家屋等の損傷の補償につきましては、先ほど来申し上げておりますように、ルールに従って、あらかじめ調査をした上で補償するということで、どういうものについて調査するかということにつきましては、現場の状況も踏まえ、判断させていただいております。

 今回のケースにつきまして、官民境界から二十メートルを基本とする区域を対象に、工事内容なども勘案して調査を行いました。個別に家屋被害の状況や被害補償の説明をさせていただいた上で、これまでに約四百件の方々に御納得いただき、補償させていただいております。

 引き続き、まだ御理解を得られていない方々がいらっしゃいます。補償内容に納得が得られていない方につきましても、これからも誠意を持って御説明させていただきたいと思っております。

本村(伸)委員 工事損害要領の第三条には、所有者、使用者から地盤変動による建物等の損害等の発生の申し出があったときは、地盤変動による損害等と工事との因果関係について、速やかに調査を行うものとすると書いてございます。

 ぜひもう一度、被害者の方々の声を聞き、現場を国交省自身がちゃんと見て、調査し、評価し直していただきたいと思います。大臣、お願いいたします。

太田国務大臣 天白区、緑区におきます名古屋環状二号線工事の家屋補償に関しまして、名古屋市長からNEXCO中日本に対しまして、住民の方々の理解が得られるよう対応することといった内容の文書が送付されております。

 NEXCO中日本は、平成二十二年八月以降、住民に対しまして、家屋被害の状況や被害補償に関する説明を行ってまいりましたが、名古屋市からの文書も踏まえて、引き続き、住民の方々の理解が得られるように、補償内容に納得されていない方などに説明を行うと聞いているところです。

 引き続き、NEXCO中日本はもとより、愛知国道事務所に対しましても、住民の方々の理解が得られるよう、丁寧な説明を行っていくよう指導してまいりたいと考えています。

本村(伸)委員 住民の皆さんは、経年変化だと言われても、とても納得できない状況が今もございます。ぜひ、国交省自身が現場を見て、調査し、そして評価し、直していただきたいということを改めて強調しておきたいというふうに思います。

 住民の皆さんがいろいろ聞こうと思って国土交通省の愛知国道事務所に電話をしても、なかなか担当者が電話に出てくれない、こういう状況もあるというふうに聞いております。こういう状況は絶対にあってはならないというふうに思います。

 周辺住民の皆さんに誠実に対応するよう大臣から指導していただきたいというふうに思いますけれども、もう一度改めてお願いを申し上げます。

太田国務大臣 丁寧な説明を行っていくように、また、住民の方々の理解が得られるように指導してまいりたいと考えています。

本村(伸)委員 今、この議論は名古屋環状二号線の東南部のお話をさせていただいているわけですけれども、この東南部の事業では、事前の調査、事後の調査、不十分な調査だったということが明らかですし、大変大きな被害があったということをお話しいたしました。

 これから西南部の工事が始まる、スタートしているという状況の中で、このような家屋被害が続くということはくれぐれもないようにということを強調しておきたいというふうに思いますし、少なくとも工事の損害要領による適切な調査というものをしっかりと行うべきだというふうに思いますけれども、大臣の答弁をお願いいたします。

深澤政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のように、名古屋市の西南部における区間約十二キロにつきましては、平成二十四年度から工事に着手しておりまして、現在、橋梁の工事をしております。

 西南部区間につきましても、事業実施に伴う家屋等の損傷の補償につきましては、公共事業に係る工事の施行に起因する地盤変動により生じた建物等の損害等に係る事務処理要領に基づき、適切に対応してまいりたいと考えております。

 以上です。

本村(伸)委員 西南部は地盤が大変弱い地域でもございます。ぜひ被害がないように対策をとっていただきたいということも申し上げ、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

今村委員長 次に、鈴木憲和君。

鈴木(憲)委員 自由民主党山形二区の鈴木憲和といいます。

 本日は、質問の機会をいただき、ありがとうございました。

 まず冒頭に、鹿児島県の口永良部島で大規模な噴火があったということで、有人島でありますので、ぜひ、人命に影響のないように迅速に御対応をいただきたいと思いますし、この時間中にも、何かございましたら、大臣にはそちらを優先して御対応いただければというふうに思います。

 それでは、時間もありませんので質問に移らせていただきます。

 まず一問、復興庁の小泉政務官にお伺いをいたしたいと思います。

 今週月曜日に、同僚の議員と一緒に、岩手県の大船渡市、そして陸前高田市に伺ってまいりました。市役所の皆さん初め仮設住宅にお住まいの方、そして建設関係の方、現場でお話を伺いながら意見交換をしてまいりました。

 実感として、仮設にお住まいの方がおっしゃっていたことが大変印象的だったのは、新しい住宅の先、これについて計画が示されているけれども、その現場に行ってみると、思ったように工事が進んでいないように感じるようなこともあると。実際、うまくいっている箇所となかなか進んでいない箇所、さまざまな現場があるということをよく認識してきたところなんです。

 その中で、皆さん口をそろえて心配だというふうにおっしゃっていたのは、集中復興期間が今年度で終わります。そのときに、来年、平成二十八年の四月からは、例えば効果促進事業とか一部の道路の整備について、自治体の負担を一部求めていくんだという方針を政府としては示しているというふうに思います。

 現場の皆さんがおっしゃるのは、大きな国民負担で今まで復興を進めてきたということについて、これから当然地元でもしっかりと負担をしていくべきだということについては理解ができるものの、場所場所によって復旧復興のあり方が随分と進み方が違うということを踏まえて、進んでいる箇所と進んでいない箇所の自治体、さまざまな自治体が被害の状況によってあると思いますので、その点について、結局、どのぐらいの負担になっていくのか。果たしてその負担をした場合はしっかりとこれからの復興事業がうまく進んでいけるのか。

 これについては大変心配の声が、被災者の方もそうですし、自治体の皆さんも、建設関係の皆さんも、たくさんの方からこの声をいただきましたので、ぜひ、これについては、現場に対して心配ないんだということを、自治体の皆さんとこれから丁寧に協議をしながら進めていっていただきたいと思いますので、その点について冒頭、小泉政務官から御決意と進め方をお伺いしたいと思います。

小泉大臣政務官 鈴木先生におかれましては、お忙しい中、岩手県大船渡、陸前高田に足を運んでいただいて、ありがとうございます。

 今回、復興庁として、今までの集中復興期間の後の、これは名称としては復興・創生期間というふうに名前をつけましたけれども、その期間の予算、そして復興庁の考え方をお示しした中で、一部被災地の住民の皆さんの中には、全ての事業において一部負担が入るのではないかという誤解があるのかもしれません。しかし、そういったことは全くなく、原則全額国庫を続けます。

 ただ、先生おっしゃったように、効果促進の部分など、一部負担をしていただくことが出てきますが、その負担の割合も、例えば被災地以外の自治体とかで同趣旨のような事業が行われているケースを見ても、その被災地以外の自治体の負担率から比べれば、かなりの程度軽減をする形で今考えています。具体的には、来週、復興庁としての数字を出します。その案を出した上で、しっかりとそれぞれの自治体の皆さんと相談をしていきたい。

 今までのこの五年間の中で国として用意した二十五兆円、これを全て使い切る形で、今のところ二十六・二兆円を使っております。そういった中で、これ以上国民の皆さんに増税をお願いすることは現実問題として難しいだろう、だけれども、最後まで復興をやり遂げるんだ、そういった中での今回の復興庁の考え方を、一人でも多くの、行政の方だけでなくて、先生が直接お話をされた、今いまだに仮設住宅にお住まいの方々を含め、不安なく、生活の基幹部分においてもしっかり最後までやります、こういったことをこれからも訴え続けていきたいと思います。

 私も、今週末も岩手県に行きますので、現場でそういったお話はこれからも精力的にやっていきたいと考えております。

鈴木(憲)委員 ぜひ最大限の御努力をお願いしたいというふうに思います。

 もう小泉政務官、次があるということで、どうもありがとうございました。

 次に、公共事業のあり方について少しお伺いをしたいと思います。

 今回、岩手県にお伺いをしたときに現地の皆さんがおっしゃっていたことというのは、今回の被災地の復興の事業というのが余りにも事業量が多いので、発注側のマンパワーも不足をしている。市役所の皆さん、行政の皆さん、発注側のマンパワーが不足する中で、一部URの力をかりながら、発注業務についても委託を行って発注をしていますということなんです。

 これについては理解ができるわけですが、ただ、そのときに、皆さんからそろそろこうしていただけないかという御要望があったのは、額が大きいものですから、一件一件の発注額が大きくて、東京にある大手ゼネコンと地元企業とのJVを組んで受注をしなければなかなか受けられないという現実がありますということでした。

 本来であれば、市が発注する例えば市道の整備であったり側溝の整備であったり、こういった事業は、東日本大震災がなければもともとは地元の企業で全部元請として受けることができていたものが、今回、大規模になってしまっているために、なかなかそういう現状にないということです。

 これからは少しずつ細かい事業も出始めてくるのではないかというふうに思いますので、その点について、もう少し、マンパワーが不足しているのもわかりながらも、地元企業がしっかりと元請としてとれるように、ぜひ国交省としても、公共事業の出し方にこれから御配慮をいただきたいというふうに思いますが、国交省の御答弁を求めます。

毛利政府参考人 地域の建設企業は、震災の発生後、直ちに駆けつけていただいて、救命や道路の警戒等に当たっていただきました。地域の守り手として非常に重要な役割を担っていただいております。したがって、御指摘のとおり、地元に精通した地域の建設企業が継続的に確保、維持されることは、円滑な施工体制の確保ということに並んで非常に重要なことだと思います。

 このため、このたびの改正品確法におきましては、地域における社会資本を支える企業を確保していくために、公共工事の発注に際し、地域要件の適切な設定や、地域の建設企業が受注しやすい複数年契約、共同受注などの契約方式を工夫して活用すべきことが盛り込まれております。

 これを踏まえて、国交省としましても、公共団体の発注事務につきまして、国や公共団体で構成される地域発注者協議会、新たに開設しました相談窓口の活用などを通じまして、地域の建設事業者の方が将来にわたってその地域を支えていただけるように、公共団体と一緒になって取り組んでまいりたいと考えております。

鈴木(憲)委員 ぜひ、これからまだまだ長い期間事業が必要だというふうに思いますので、御配慮をよろしくお願いいたしたいと思います。

 そしてもう一点、現場の建設関係の皆さんから聞かれたお話として、今回、事業量がたくさんあるのは大変地元の企業としてはありがたいことなんだけれども、復興事業が一段落した後に、なかなか、その先、事業がもうないのではないか、そういう不安があるので、新しい人を雇ったり、もしくは新規投資、設備投資をしたりするときに、現実としてちゅうちょをしてしまう、こういう声がありました。これは被災地だけに限ったお話ではなくて、私の地元山形でも同様の話が聞かれます。

 こうしたことから、これはぜひ、これから公共事業のあり方を持続可能なように、例えば、国と県と自治体と、同時期に一挙にどばっと出すのではなくて、平準化をしてある程度出すとか、期間についてはならして出すとか、そういう公共事業の出し方の工夫が求められているというふうに思いますが、これについて今後どういうふうに対応されていくのか、ぜひ鈴木政務官から御答弁いただければと思います。

鈴木大臣政務官 お答えをさせていただきます。

 今、鈴木先生御指摘のとおり、どのようにして、将来的に見込める形で、しかも、需要のある意味アップダウンがなるべくない形にできるか、これが、業界のいろいろな方にお話を伺っても、まさにそこが一番のポイントだ、そういった御指摘もいただいているところであります。

 そうした中で、例えば年度の中での平準化ということもこれはしていかなくてはいけないわけでありまして、そのためには、施工時期を平準化するためには、いろいろな仕組みも考えていかなくてはいけません。

 今、ゼロ国債等の既存の制度の活用ということもそうですし、あるいは、より適切な工期の設定に努めた上で、年度をまたぐ工事につきましては、国庫債務負担行為を設定して複数年度のそうした契約とする等々の、さまざまな取り組みというものを今進めているところであります。

 また、自治体との関係ということもありますから、全体としてどう施工時期の平準化をしていくかという点も極めて大事なところでありまして、そのためには、発注見通しを統合して公表をしていく取り組み等々、国と自治体と連携をする中で、地域発注者協議会等を通じまして、各発注機関で連携をして取り組みを進めていく、そういった方向で進めております。

鈴木(憲)委員 ぜひ、国交省、それは指導力を発揮して地域ごとに平準化されるように、しっかりとお願いをいたしたいと思います。

 次の質問に移ります。

 きょう皆様にお配りをした資料です。この資料を見ていただくとわかるように、これから訪日外国人観光客を二〇二〇年に向けて二千万人にしようという政府の目標があります。一方で、どこの地域にどのぐらい宿泊をしているのかというふうに見てみますと、この日本地図を見てわかるように、ほとんどが関東、近畿、そして北海道、九州というところに偏りがあって、東北地方は残念ながら一%にもいかない状況になっています。右側のグラフを見ていただくと、全国では伸び率がすごいことになっているわけですが、残念ながら東北も我が山形県も震災前の状況までまだ回復をしてきていない、これが現実だというふうに思います。

 地方創生を考える意味でも、外国人の方に我が国に来ていただいて旅行していただいて、周遊をしていただくというのが今後の観光業界にとっても大切なキーワードだというふうに思います。ぜひこれから観光庁の皆さんに、全国で偏りのないように外国人の皆さんに周遊をしていただけるようにPRを含めお願いをいたしたいというふうに思いますので、どうか御答弁をよろしくお願いいたします。

久保政府参考人 委員御指摘いただいておりますとおり、資料にありますとおり、外国人の特に観光需要は一定程度は回復してきておりますけれども、震災後の落ち込みから戻っておりません。

 また、外国人の方々の行動については、特定のルート、特定の地域に集中をしておりまして、今後は、御指摘のとおり、東北地方を含む全国の各地、津々浦々に呼び込んでいくということが重要だろうと思っています。

 そのためには、まずはそれぞれの地域の食だとか自然だとか文化など、各地域にいろいろあります、場合によっては地域の皆様が気づいていないような魅力をまずは徹底的にブラッシュアップして内外に発信していくことが肝要だと思います。

 それだけではなくて、その上で、魅力ある複数の地域が連携して広域の観光ルートを形成して、点ではなく、点から線、線から面へとネットワークして、ある意味、御指摘のとおり、周遊型の観光ルートをつくっていく、その上でそれを海外に積極的に発信していくことが重要だろうと思います。

 その発信の際には、特に二〇一九年のラグビーワールドカップ、あるいはその先の二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック開催国日本という大変な国際的注目度を集める状況を生かして、日本各地の多彩な魅力を私どもとしては積極的に海外に発信していきたいというふうに考えています。

 観光庁としては、種々の取り組みを全力で促進して、外国人観光客の地域、地方への誘客を推進していきたいと思っております。

 以上でございます。

鈴木(憲)委員 よろしくお願いします。

 これからサミットもあるというふうに思いますので、サミットをどこでやるか、官邸と総理といろいろ相談をされるんだというふうに思いますが、ぜひ仙台でも開催をしていただけますように、私からも、皆さんからもお願いをしていただければというふうに思います。

 そして、時間がなくなってまいりましたので、最後の質問に移らせていただきます。

 この周遊という意味でも、東北地方、日本海側と太平洋側をつなぐ道の整備というのが大変大切であるというふうに思います。震災の際にも、太平洋側の道路がやはり寸断をされて物資が輸送できないという場合に、日本海側を通って仙台の方、もしくは岩手県の方、宮城県の北部に抜ける、そういう道路が大変交通量がふえたという実績があります。

 ただ、例えば国道四十八号線とか国道百十二号線という日本海から太平洋の方に向かうルートがあるわけですけれども、残念ながらここ三カ年で、例えば国道四十八号線という山形と仙台をつなぐ道路でありますが、自然災害で七回通行どめがあります。うち、残念ながら、二回雪崩があるわけです。年に一回雪崩が起きて、実際に車両が巻き込まれて、たまたま人命には影響がなかったわけですが、これは大変怖いなということを感じました。

 私自身も、百十二号線の西川町というところで、雪崩が起きた現場、たまたまそのとき近くで国政報告会をやっていたものですから、近くまで伺いましたら、建設会社の皆さんがその場で交通誘導をされていたんですが、大雪でその場にいること自体もやはり相当怖いということを伺ってまいりました。

 雪が降れば怖くて道路が通れないということであれば、これは東北地方の復興そして地方創生にとっても大変マイナスであるというふうに思いますので、ぜひこの山形と宮城側をつなぐ四十八号線という道路、これについて、少なくともまず防災の観点からしっかりと整備をしていく、まず雪崩が起きないようにしていくということ、また、長期的に見れば、少しの雨ではとまらないような、今雨量規制もかかっている区間でありますので、そういったことを私自身も長期的に取り組んでいきたいというふうに思いますし、ぜひそこについての太田大臣の御見解と御決意をお伺いしたいというふうに思います。

太田国務大臣 東北地方の道路ネットワーク、三陸道、そして常磐道を三月一日に全通させて、そして横の復興支援道路、三本ありますけれども、この整備に全力を挙げています。

 今御指摘のありました国道四十七号、四十八号、百十二号、石巻へ行く、いわゆるウエストラインと言われるところ、これをラダーという方もいらっしゃるし、格子状ネットワークの形成ということを言っている方もいらっしゃるんですが、東北がこのラインと横のラインがしっかりするということが大事だというふうに思います。

 いずれも重要な道路でありますが、国道四十八号におきましては、平成二十六年そして二十七年と二回連続して雪崩による通行どめが発生するなど、横断方向の道路における災害に対する脆弱性が課題となっていることは事実です。

 雪崩が発生した場所について、現在、国において雪崩対策を実施していますが、今後とも、必要な防災対策を推進するなど、災害時に役立つ道路ネットワークの強化に重点的に取り組んでまいりたい、このように思っております。

鈴木(憲)委員 どうもありがとうございました。以上で終わります。

    ―――――――――――――

今村委員長 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、政府参考人として国土交通省水管理・国土保全局次長加藤久喜君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

今村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

今村委員長 次に、中川康洋君。

中川(康)委員 公明党の中川康洋でございます。

 本日の最後の質問でございますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。

 私からも、先ほどお話がありました鹿児島県の口永良部島での大規模な噴火の発生、今後、被害者が出ないことはもちろんのこと、島民の皆様が安全に島外に避難をされることを願う次第でございます。

 大臣におかれましては、必要であれば対応に当たっていただく、そういったことも結構かと思いますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。

 本日は、三点、空き家対策、さらには防災・減災対策、また海抜ゼロメートル地帯、このあたりのところをぜひお聞かせ願いたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いをいたします。

 初めに、空き家対策の強化についてお伺いをいたします。

 先日、五月二十六日、空き家対策特別措置法が完全施行されました。報道等でもごらんをいただいたところでございます。

 管理が不十分な空き家は、景観の悪化だけではなくて、ごみの不法投棄や不審者の侵入、さらには放火や地震による倒壊など、地域に及ぼす影響というのは大変に大きいものがございます。

 総務省の調査によれば、全国の空き家は毎年のようにふえ続けておりまして、二〇一三年時点では、総住宅数の一三・五%、数にして八百二十万戸に上っておるというふうに言われております。

 このため、四百を超す自治体におきまして、この空き家の解体や適正管理を進める条例を制定いたしまして、対策に乗り出しておる、こういったこともお伺いをしております。

 そのような状況の中、昨年、議員立法によりまして空き家対策の推進に関する特別措置法が成立をし、今般その内容が完全施行されたことは、今後、市区町村が空き家対策を進めていく上において強力な後押しになるのではないかというふうに私自身感じておるところでございます。

 そこで今回は、その対策をより実効性あるものにするために、確認的に何点かお伺いをさせていただきます。

 まず一点目は、空き家対策を進めていく上においての相談体制の整備充実でございます。

 空き家の所有者の中には、遠隔地に住んでいるなどさまざまな事情で、空き家の維持管理や処分、さらには利活用の方法に悩む人も少なくありません。今後、空き家を減らしていくためにも、こういった人たちの相談や、また周辺住民の苦情に応じる体制を整備すること、これは大変に重要なことであるというふうに考えておりますが、この相談体制の整備充実につきまして、国交省としてはどのような取り組みないしはお考えを持っておられるのか、お聞かせを願いたいと思います。よろしくお願いします。

橋本(公)政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のとおり、空き家対策を推進していく上で、空き家に関する相談体制の整備は非常に重要なことだと認識をしております。

 このため、空き家対策特別措置法の一部施行に合わせまして二月二十六日に公表した空き家対策の基本指針におきましては、想定される相談として、例えば、空き家をどのように活用しあるいは除却をすればよいのか、引っ越し等により長期にわたって自宅を不在にせざるを得ない場合どのように対応すればいいか、空き家の周辺住民からさまざまな苦情が考えられる、あるいは移住や住みかえを希望する方から空き家の利活用の申し入れがある等の例示をした上で、これに対応するための相談体制として、まず一般的な相談は市町村において対応した上で、専門的な相談については宅地建物取引業者等の関係事業者あるいは関係資格者、具体的には建築士さんあるいは司法書士等の専門家の団体と連携をして対応するということを例示しておるところでございます。

 国土交通省といたしましては、この基本指針を参考にして市町村における体制整備をしていただくことを促すとともに、関係省庁と連携をし、地域の実情に応じて、空き家対策に取り組む市町村を引き続き支援してまいります。

中川(康)委員 ありがとうございました。

 先ほど局長から御答弁をいただいたところでございますが、基本的にはやはり、市区町村でどういった相談体制をつくっていくのか、さらには、専門的な部分もありますので、専門業者、関係業者にもお願いをしていく、そういった流れをつくっていただくことは非常に大事だというふうに思っています。

 それと同時に、首都圏に今お住まいとかお勤めの方で地方にそういった空き家を持っておられる方、こういった方々が、今回の報道で相当やはり意識が高まっておりますので、どこに相談したらいいのかということで、やはり首都圏にも、国交省等を含めてそういった相談体制の窓口、こういったものもまた御検討いただくことがあってもいいのかなというふうにも思っておりますので、引き続きの相談体制の充実、よろしくお願いをしたいというふうに思っております。

 次に、この特措法の内容を着実に進めるための、いわゆる市区町村における職員の体制についてお伺いをいたします。

 今回の取り組みにつきましては、この特措法の中身を見ますと、そのほとんどが基礎自治体である市区町村での取り組みというふうに位置づけられております。ゆえに、今後、空き家の実態調査や所有者の特定など、その対策を担う市区町村の負担というのは決して軽くないというふうに思っております。

 しかし、特に職員数が限られております小規模自治体では、その職員数の少なさから、この対策や地域住民の要望に十分に応えることができるのか、こういった心配が残ってまいります。

 そこで、今回の空き家対策については、この対策を円滑に進めていくためにも、特に職員数の少ない小規模自治体、町とか村とかそういった部分だと思いますが、小規模自治体に対して、国や都道府県から何らかの支援、こういったものが必要になってくるのではないか、こういうふうに思うわけでございますが、そこに対するお考えをお聞かせ願いたいというふうに思います。

橋本(公)政府参考人 空き家対策特別措置法におきましては、市町村が、空き家対策に関する実態を調査して計画を策定する、あるいは、放置することが不適切な状態にある特定空き家等に対する指導、勧告、命令等を行うなど、さまざまな事務が発生することになります。

 御指摘のとおり、小規模な市町村においては、これが負担になる場合もあろうかと思います。

 先ほど御紹介いたしました二月二十六日に公表した基本指針におきましては、まず、都道府県に対して、都道府県内の市町村間での空き家対策情報の共有への支援、市町村間の意見交換の場の設置、建築部局の存在しない市町村が特定空き家等の判断に困難を来した場合における都道府県の建築部局による技術的な助言、相談体制の整備に際しての宅地建物取引業者等の関係事業者団体あるいは建築士等の関係資格者団体との連携の支援等々を求めております。

 これらを都道府県が市町村に対して支援することによりまして、小規模な市町村でも空き家対策を万全にしていただけるように、私どもとしても都道府県あるいは市町村を支援してまいりたいと考えております。

中川(康)委員 ありがとうございました。

 今回、五月二十六日完全施行ということで、非常に新聞とかテレビでこの空き家対策が大きく報道されております。

 そういった中で、特に町村なんかになりますと、専門的にできる職員数が少ない、こういった問題も既に聞かれているところでございまして、基本的には都道府県が支援していくことになる、これはもうまさしく法律に書かれているとおりでございますが、やはり国の方も、特措法という形であるわけでございますので、そこの意識を持って、やはり現場において円滑に進めていけるような、こういった体制づくりをぜひとも構築いただきたいというふうに思いますので、その点、改めての要望をさせていただきたいと思います。

 最後に、今回、この空き家対策特別措置法が完全施行されまして、今後、市区町村は、空き家対策計画など個別の計画をつくっていくことになるというふうに思っております。そしてその上で大事になってきますのが、これら対策を具体的に進めていく上での財源となるいわゆる補助事業、これがどういった内容であるのか、ここの部分であるのかなというふうに思っております。

 具体的には、空き家再生等推進事業などがその対象になってくるのではないか、また市区町村で使われていくのではないかというふうに思いますが、これら補助事業については、最終的にその事業を活用する市町村において、例えば制度のハードルが高いとか制度がややこしい、こういったことで結果的に使いづらい事業になってはこれは意味がないというふうに思っております。

 そこで、これら補助事業につきましては、今後、地方の声や現場からの要望などを丁寧に聞き取っていただく中で、場合によっては、制度のリニューアルでありますとかブラッシュアップなど、これまで以上により現場が使いやすい制度に転換をしていくべきであるというふうに考えますが、この点、国交省のお考えを伺います。

橋本(公)政府参考人 空き家につきましては、やはり利用できるものは利用し、除却すべきものは除却していくという二点が大事だと考えておりまして、先ほど御指摘をいただきました空き家再生等推進事業におきましても、地域住宅計画等に定められた区域を対象地域として、所有者の特定に要する費用、空き家の改修や除却に要する工事費等を助成してきたところでございます。

 今回、空き家対策特別措置法の施行に合わせまして、市町村の空き家対策の計画に定められた地区を対象地域に追加するとともに、市町村による空き家対策の計画策定に必要な空き家の実態調査を追加したところでございます。

 例えば、市町村の要望では、所有者の特定に要する費用がやはり相当かかるということで、これらはもう既に補助対象に加えたところでございますが、今後とも市町村の要望を聞きながら制度の充実あるいは使いやすい制度の構築に努めてまいります。

中川(康)委員 ありがとうございました。

 きょうは具体的な中身の話はここでは避けたいというふうに思っておりますが、今後、この空き家の活用とか例えば除却というところにおいて、そこに持っていくまでの国の補助制度が、条件がなかなか高くて現場とはそぐわっていない、こういったお話なんかも出てくるんじゃないかなというふうに思いますので、そこはやはりよく聞き取っていただいて、結果的に、この法律ができて補助制度もある、そしてそれが現場において非常に有効的に使われて空き家対策が具体的に進んでいった、こういった流れまで持っていくことが、やはり一つの制度をつくった以上は大事であるというふうに思っておりますので、そういった方向性、よろしくお願いをしたいと思いますし、今後、どのようにこの補助事業が活用されていくのか、またいったのか、こういったところもしっかりとお聞かせを願いながら検証をさせていただきたいというふうに思いますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。

 それでは、きょうの二点目、命と暮らしを守る事前防災・減災対策及び老朽化対策への支援についてお伺いをさせていただきます。

 我が国では、南海トラフ地震や首都直下型地震の切迫性が迫っている中、事前防災、さらには減災対策を進めていくことは喫緊の課題となっております。また、各都道府県や市町村など地方自治体が管理する橋梁など公共土木施設は、その多くが高度経済成長期に集中的に整備されたものでありまして、現在、この老朽化している公共土木施設というのが急速に増加をしてきております。

 そのような状況の中、各地方自治体が防災・減災や老朽化対策などによる国土強靱化をさらに進めていくには、いわゆる防災・安全交付金の増額など公共事業関係費を充実させる必要があるというふうに思っております。

 そこで伺いますが、各地方自治体、厳しい財政事情の中、自治体が、頻発する風水害、さらには土砂災害や地震、津波に備えた事前防災・減災対策、さらには公共土木施設の老朽化対策などの国土強靱化に取り組むためには、国の防災・安全交付金の増額など、来年度以降、国の支援をさらに強化していく必要があると考えますが、いかがでしょうか。国交省のお考えをお伺いします。

西脇政府参考人 お答えいたします。

 お尋ねがございました防災・安全交付金は、事前防災や減災対策、また今御指摘がありましたインフラの老朽化対策に取り組む地方公共団体を総合的に支援するため、平成二十四年度補正予算において創設をいたしました。

 その予算額につきましては、公共事業予算の総額が実質的にほぼ同じ水準で推移する中で、毎年増額をしてきております。二十七年度におきましても、前年度百六億円増の一兆九百四十七億円を確保しております。

 引き続き、防災・減災、老朽化対策など地域の抱える緊急性の高い課題に的確に対応できるように、厳しい財政状況の中ではございますけれども、必要な予算の確保に努めてまいります。

中川(康)委員 ありがとうございました。

 公共事業費がなかなか、やはり財政状況の厳しい中、伸びない中で、この防災・安全交付金についてはふやしていっていただいている、そういう答弁をいただいたかと思います。しかし、これは率にすると、たしか一・〇一%ぐらいの伸び率なんですね。余り決して高くない状況にございます。

 今、各地方自治体は、国土強靱化計画のもと、さまざまな具体的な計画を立ててこの対策に本当に積極的に取り組んでおるわけでございます。やはり、そこの財源をどうしっかりと確保し、配分していくのか、ここの部分が大事でございますので、引き続き、現場の要望に応えていただきますように、よろしくお願いをしたいというふうに思っております。

 次に、防災・減災対策の観点及び維持管理の視点から、風水害の発生時にその被害を拡大させるおそれがあるというふうに言われております港湾とか河川の堆積土砂の撤去の費用について伺います。

 この堆積土砂の撤去については、近年、各地方自治体において大変大きな課題というふうになっております。私も地方議会におりましたときには、いつもこの議論がやはり県議会等で出ておりました。しかし、この港湾の維持しゅんせつ及び河川の堆積土砂の撤去は、現在のところ単費での対応というふうになっておりまして、現在、防災・安全交付金など交付金の対象にはなっておりません。

 しかし、私は、この港湾や河川の堆積土砂の撤去については、長い目で見れば防災機能の維持、延命化につながっていることは間違いなくて、その観点からも、この港湾の維持しゅんせつや河川の堆積土砂の撤去については防災・安全交付金の対象事業に加えてもいいのではないか、こんなふうに考えておりますが、いかがでしょうか。

 また、あわせて、この港湾及び河川の堆積土砂の撤去につきましては、各自治体においても多額の費用を必要としているために、その費用については起債事業の対象とすることなど、こういったことも考えていいのではないか、こんなふうに思うわけでございますが、この点につきましては総務省の御見解を伺いたいと思います。

 よろしくお願いいたします。

加藤政府参考人 お答えをいたします。

 河川に土砂が堆積をいたしますと、洪水を安全に流すことができず、氾濫するおそれがあることから、堆積土砂のしゅんせつを適切に行うことが重要であると考えております。

 河川の維持管理に関する費用については、その河川管理者が負担することになっており、都道府県が管理する河川の流下能力を維持するために必要なしゅんせつについては、都道府県が負担することになります。

 一方、洪水の流下能力を計画的に高める観点から実施しているしゅんせつにつきましては、防災・安全交付金の対象となっております。

 治水安全度の向上をさせるために必要なしゅんせつ等に対し、引き続きしっかりと支援を行ってまいります。

大脇政府参考人 港湾につきましてお答え申し上げます。

 港湾における航路や泊地におきまして、経年的な変化によりまして土砂が堆積いたしますと、船舶の航行や停泊に支障が生じます。ひいては産業活動に影響を及ぼすことから、適切に対応することが重要というふうに考えてございます。

 土砂が部分的に堆積している場合につきましては、港湾管理者が通常行います維持管理業務の中で、港湾管理者みずからの費用負担により維持しゅんせつを行っていただくことになってございます。

 一方、所要の水深よりもおおむね一メートル以上土砂が堆積しているような場合におきましては、一定の規模を超える土砂のしゅんせつにつきましては、防災・安全交付金などによりまして支援を行っているところでございます。

 国といたしましては、今後とも、堆積土砂のしゅんせつへの対応を通じて良好な港の機能が確保できるよう、しっかりと対応してまいりたいと考えてございます。

橋本(嘉)政府参考人 お答えをいたします。

 地方債は、地方財政法第五条に基づき、一定の耐用年数を有する公共施設または公用施設の建設事業費等に充てることができるとされており、今議員御指摘の港湾や河川の堆積土砂の撤去費用など、維持管理に要する経費については地方債の対象とすることは困難であります。

 これらの堆積土砂の撤去に係る費用につきましては、普通交付税の基準財政需要額の算定において所要額を措置しております。

 今後とも、地方団体の事業の実施状況、また、御意見、御要望も踏まえ、財政運営に支障が生じないよう、適切な財政措置に努めてまいります。

中川(康)委員 ありがとうございました。

 維持しゅんせつについては単費でというところ、一部交付金が使える問題もあるわけですけれども、総務省の見解も、ある程度今の段階でわかりましたという答弁はなかなか難しいかなというふうに思ったわけでございますけれども、やはり長い目で見て検討を願いたいというふうにも思っておりますので、よろしくお願いをいたします。

 残り二分で海抜ゼロメートル地帯をお聞かせ願いたいと思いますが、この海抜ゼロメートル地帯の河川堤防の耐震対策、具体的には、私の地元であります木曽三川の河川堤防の耐震対策、これについてお伺いをしたいというふうに思っております。

 この木曽三川の耐震対策につきましては、二十五年から二十七年度のいわゆる全国防災事業で取り組みをしていただいておりまして、ここは非常に力を入れていただいて大変に感謝をしているところでございますが、この全国防災事業、残念ながら二十七年度で終わるということになっております。制度上いたし方ないのかなというふうに思っておりますが、しかし、この木曽三川の耐震対策、液状化対策、実は二十七年度で完了するわけではございません。やはり歯抜けで終わると耐震、液状化対策の本来の機能を発揮できないというところから、二十八年度以降もぜひとも通常事業も含めてこの事業を継続的に進めていただいて、そしてこの対策の機能強化に努めていただきたいというふうに思いますが、その点、最後に確認をさせていただきたいと思います。

加藤政府参考人 お答えいたします。

 南海トラフ巨大地震等への備えとして、木曽三川など、ゼロメートル地帯における河川堤防の耐震対策は大変重要であると認識をいたしております。

 木曽三川につきましては、これまで全国防災事業等により堤防の耐震対策を進めてまいりました。

 全国防災事業については平成二十七年度限りで終了する事業とされているところですが、ゼロメートル地帯における河川堤防の耐震対策の重要性を考慮し、平成二十八年度以降も、河川改修事業等により、引き続き対策を進めていきたいというふうに考えております。

中川(康)委員 ありがとうございました。

 今の答弁を聞けば地元は安心するというふうに思っております。全国防災をさらに続けろというふうに言いませんので、ぜひともよろしくお願いをいたします。

 以上で質問を終わります。大変ありがとうございました。

     ――――◇―――――

今村委員長 次に、内閣提出、建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律案を議題といたします。

 趣旨の説明を聴取いたします。国土交通大臣太田昭宏君。

    ―――――――――――――

 建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

太田国務大臣 ただいま議題となりました建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。

 資源の大半を海外に依存している我が国のエネルギー需給構造は、東日本大震災以降一層脆弱化しており、特にエネルギー需要側の改善を図ることが急務となっております。

 このため、我が国のエネルギー消費量の三分の一を占める建築物について、省エネ性能の向上を図り、抜本的な対策を行うことが不可欠です。

 このような趣旨から、このたびこの法律案を提出することとした次第です。

 次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。

 第一に、大規模な建築物について、新築時等における省エネ基準への適合義務及び適合性判定義務を課し、これを建築確認で担保することとしております。

 第二に、中規模以上の建築物について、新築時等における省エネ計画の届け出義務を課し、省エネ基準に適合しないときは、所管行政庁が指示等を行うことができることとしております。

 第三に、省エネ性能のすぐれた建築物について、所管行政庁の認定を受けて容積率の特例を受けることができることとしております。

 第四に、省エネ基準に適合している建築物について、所管行政庁の認定を受けてその旨を表示することができることとしております。

 そのほか、これらに関連いたしまして、所要の規定の整備を行うこととしております。

 以上が、この法律案を提案する理由であります。

 この法律案が速やかに成立いたしますよう、御審議をよろしくお願い申し上げます。

今村委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時五分散会


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