衆議院

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第16号 平成27年6月16日(火曜日)

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平成二十七年六月十六日(火曜日)

    午後一時四十三分開議

 出席委員

   委員長 今村 雅弘君

   理事 大西 英男君 理事 金子 恭之君

   理事 小島 敏文君 理事 坂井  学君

   理事 中村 裕之君 理事 伴野  豊君

   理事 井上 英孝君 理事 赤羽 一嘉君

      秋本 真利君    岩田 和親君

      うえの賢一郎君    門  博文君

      神谷  昇君    木内  均君

      工藤 彰三君    古賀  篤君

      國場幸之助君    今野 智博君

      佐田玄一郎君    斎藤 洋明君

      鈴木 馨祐君    鈴木 憲和君

      高木 宏壽君    津島  淳君

      野田 聖子君    堀井  学君

      前田 一男君    宮内 秀樹君

      宮澤 博行君    山本 公一君

      荒井  聰君    神山 洋介君

      小宮山泰子君    松原  仁君

      宮崎 岳志君    本村賢太郎君

      足立 康史君    丸山 穂高君

      横山 博幸君    北側 一雄君

      中川 康洋君    樋口 尚也君

      穀田 恵二君    本村 伸子君

    …………………………………

   国土交通大臣       太田 昭宏君

   国土交通副大臣      西村 明宏君

   国土交通大臣政務官   うえの賢一郎君

   国土交通大臣政務官    青木 一彦君

   国土交通大臣政務官    鈴木 馨祐君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房技術総括審議官)       森  雅人君

   政府参考人

   (国土交通省国土政策局長)            本東  信君

   政府参考人

   (国土交通省道路局長)  深澤 淳志君

   政府参考人

   (国土交通省住宅局長)  橋本 公博君

   政府参考人

   (国土交通省海事局長)  森重 俊也君

   政府参考人

   (国土交通省港湾局長)  大脇  崇君

   政府参考人

   (国土交通省航空局長)  田村明比古君

   政府参考人

   (環境省大臣官房審議官) 小川 晃範君

   参考人

   (独立行政法人都市再生機構理事)         内海 英一君

   国土交通委員会専門員   伊藤 和子君

    ―――――――――――――

委員の異動

六月十六日

 辞任         補欠選任

  下地 幹郎君     丸山 穂高君

同日

 辞任         補欠選任

  丸山 穂高君     下地 幹郎君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 独立行政法人に係る改革を推進するための国土交通省関係法律の整備に関する法律案(内閣提出第四八号)(参議院送付)


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     ――――◇―――――

今村委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、参議院送付、独立行政法人に係る改革を推進するための国土交通省関係法律の整備に関する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、参考人として独立行政法人都市再生機構理事内海英一君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として国土交通省大臣官房技術総括審議官森雅人君、国土政策局長本東信君、道路局長深澤淳志君、住宅局長橋本公博君、海事局長森重俊也君、港湾局長大脇崇君、航空局長田村明比古君及び環境省大臣官房審議官小川晃範君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

今村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

今村委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。本村賢太郎君。

本村(賢)委員 民主党の本村賢太郎でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 まず、きょう午前に群馬県、長野県にまたがる浅間山が噴火したということで報道がございますが、この現状と国交省の対応について大臣にお伺いしたいと思います。

太田国務大臣 けさ九時三十分だと思いますが、浅間山が噴火をしまして、詳細は、私はずっと委員会で、今も国会へ出ておりましたので、ありませんけれども、規模はそんなに大きくなくということで、今は災害とかいろいろなものはございません。詳細をしっかり掌握して対応するようにという指示を参議院の委員会の途中でも出させていただきました。

 非常にあちこちで噴火をしておりますものですから、よく実情を掌握して、地元の方にも状況をしっかり伝えるようにさせていただきたい、このように思っています。

本村(賢)委員 ぜひ、全国各地で噴火の問題がございますので、大臣の強いリーダーシップで、被災に遭われた皆様の一日も早い、通常の生活に戻れるようなバックアップをお願いしてまいりたいと思います。

 それでは、次の質問に入ります。

 先週の金曜日、六月十二日深夜から十三日未明にかけまして田村航空局長が重要書類を紛失したという報道がテレビや新聞等々で行われておりますが、この事実関係と再発防止について伺いたいのと、また、国交省では重要書類を通常どのように扱っているのか、大臣にお伺いしたいと思います。

太田国務大臣 先週の金曜日の深夜、田村航空局長が帰宅途中にタブレットと連絡先リストの入ったかばんを置き引きされた、このように聞いておるところです。

 タブレットには機密性の高い書類は入っておらず、また、連絡先リストも事務方の番号のみと聞いておりますが、今後とも盗難等には十分注意するよう、また、緊張して仕事に当たるようということを省内全部に指示したところです。

 なお、一般論として、職員が業務に関する重要な書類を携帯しようとする場合については、内規の定めに従うこととされておりまして、盗難等に対しても万全の注意を払うこととしております。

 いずれにしても、大事な問題だと受けとめて、省内にはきちっと徹底をしたところでございます。

本村(賢)委員 今回の書類の紛失というケースは誰にでも起こり得る話でありますので、やはり徹底した対応を、再発防止に向けた取り組みを大臣の主導でお願いしてまいりたいと思います。

 次の質問でありますが、次は、きょうお配りしましたこの「信号機なぜない」という、圏央道相模原インター開通に伴った、アクセス道路の関係で、県道津久井広域道路と県道六十五号が交差します東金原交差点というところに信号機がないということで、相模原市議会でも大きな問題となっているわけであります。

 これまでに県警察や公安委員会、相模原市、そして学校関係者の皆さんも、この問題の取り組みを進めてきたということは評価をしているわけでありますけれども、今、二十四時間体制で警備に当たっているという状況で、学校の近隣ということもありまして、非常に通学の面も心配がございます。

 それに関しまして、今後こういう信号機の問題等々、これは公安委員会、警察庁が絡んでくる問題だと思っておりますけれども、ぜひ国交省として、基礎自治体、さらに広域行政、県警察と連携をしながら、こういう信号機の問題で子供たちや住民の皆さんが困らないような方向性の御指導をお願いしてまいりたいと思います。

 そのことを触れながら、質問に入らせていただきます。

 まず、一問目でありますが、都市再生機構の業務の実施方法の見直しについて質問させていただきます。

 都市再生機構の賃貸住宅にそもそも求められているものは何か、そして、なぜ改正が今回必要だったのか、さらには、メリットを既に参議院、衆議院の委員会でもうお答えいただいているわけでありますが、今回国交省が承知している課題は何なのか、大臣にお伺いしたいと思います。

橋本政府参考人 お答え申し上げます。

 URにつきましては、かつては低所得者向けの公営住宅と持ち家との間をつなぐものとして、特に大都市部で中堅勤労者向けの賃貸住宅を供給してきたところでございます。つまり、以前は、国民のライフステージに応じて、公営住宅からURの賃貸住宅、そして持ち家へと住みかえていくというのが一つのパターンとなっておりました。

 しかしながら、少子高齢化あるいは人口減少など社会が大きく変化したことに伴って、UR団地においても、高齢者の居住者の増加、あるいは、UR賃貸住宅をついの住みかとする居住者の増加、特に郊外の団地において空き家の増加などの変化が見られるようになったところでございます。

 このような変化に対しまして、URは、礼金、手数料、更新料、保証人を不要として、民間市場では制限を受けがちな弱い立場の方に対する受け皿として、住宅セーフティーネットとしての役割を果たしておるところでございます。

 特に今回の近接地建てかえを法律に盛り込みましたのは、老朽化が進み、空き家が多くなっている郊外の団地を、より利便性の高い土地に集約をしようとするものでございます。

 なお、デメリットということでございますけれども、やはり、近接地建てかえで、団地を利便性の高い土地に集約をすることで、近傍同種の家賃が上がることが想定をされます。これにつきましては、所得の低い高齢者あるいは子育て世帯等が建てかえ後の新しい住宅にお住まいの期間、この期間全体を通じて、最大三万五千円、家賃を引き下げる措置を講じておるところでございます。

太田国務大臣 今局長が申し上げたところですが、私は、ずっとURの賃貸住宅について、住宅・都市整備公団から都市公団になるとき、そして都市公団からURになるとき、それぞれ大変変化があるということで、住んでいる方たちが、民営化されるのではないか、あるいは、住み続けられるのか、家賃が上がるのではないか、いろいろなことで大変心配をしているということにずっと寄り添ってきたつもりです。

 そういう意味では、居住者が安心して住み続けられること、UR団地は地域の貴重な財産として地域全体の安心に貢献すること、そして、改革の名のもとに居住者を追い出すことは絶対あってはならない、こういう姿勢で常に臨みたい、このように思っております。

本村(賢)委員 今、橋本局長からお話があった課題に関しましても、鋭意注意をしながら運んでいただきたいと思っておりますし、また大臣からもURに対する思いを、もう二十年来の対応をされているというお話も伺っておりますが、生活に困っている困窮の方から、そして高齢者の方まで、障害者の方まで幅広くお住まいでありますURでありますので、ぜひそういった御意見を聞きながら、新しい、業務の実施の方向の見直しについて進めていただきたいとお願いしてまいります。

 次に、URでありますけれども、これまで全国各地で、経験や実績を生かしたまちづくりが大きく展開をしているわけでありますが、特に、これまでのまちづくり等での実績、そして、被災地などでどのような活動をしてきたのか、お伺いしたいと思います。

橋本政府参考人 URは、賃貸住宅事業のほかに、御指摘のとおり、まちづくりにかかわる都市再生事業や被災地の復興事業などに取り組んでおるところでございます。

 まちづくりでは、民間事業者や地方公共団体と役割分担をしながら、大規模な基盤整備を伴う事業や密集市街地整備など、民間のみでは実施困難な政策的意義の高い事業を実施しております。

 また、特に東日本大震災の被災地におきましては、六月一日現在で四百三十名の職員を現地に派遣し、被災者の住まいの確保の支援に取り組んでおります。

 具体的には、災害公営住宅について、全体として十六自治体、八十六地区、約六千二百戸の建設を行う予定としております。また、防災集団移転促進事業などの復興市街地整備につきましては、十二の自治体から委託を受け、二十二地区、約千三百ヘクタールの事業を実施しておるところでございます。

本村(賢)委員 これまでのURの経験を生かした被災地の活動には敬意を払ってまいりたいと思いますし、一日も早く、特に沿岸部の皆様の御支援に尽力いただいているという話も伺っておりますので、これからも引き続きの御支援を被災地に向けていただきたいと思っております。

 次の質問に入りますが、近接地の建てかえ事業実施時におけます現在の居住者への対応についてお伺いしたいと思います。

 高齢者など、現在の団地に住み続けたいという希望があり得ますけれども、どのように対応していくのか、また、引っ越し費用などはどなたが負担をしていくのか、お伺いしたいと思います。

橋本政府参考人 UR団地の建てかえ、これは近接地建てかえも含めてでございますけれども、建てかえに当たりましては、居住者の同意をいただくことが不可欠でございます。今お住まいの居住者のお気持ちを十分踏まえて、安心して住み続けられるようにすることが第一だというふうに考えております。

 その上で、居住者の方々の同意をいただけるという前提で近接地建てかえ等を行う場合に、まず、先ほど申し上げましたけれども、やはりどうしても近傍同種家賃が上がるということも考えられますので、これにつきましては、昨年度までは、十年間、最大二万円下げておりましたけれども、今年度からは最大三万五千円まで引き下げ幅を拡大するとともに、期間についても、十一年目以降も引き下げを継続することにいたしました。

 それから、移転料、いわゆる引っ越しの費用等でございますけれども、移転料につきましては、UR団地の建てかえに伴って転居される方々の費用につきましては、従来からURが負担をしてきております。今回の近接地建てかえにおいても、URが引っ越し業者を手配して費用も支払いをすることにしておりますし、また、引っ越しに伴います交通費、住民票の手数料等の引っ越しに係る諸費用につきましても、URがお支払いをすることといたしております。

本村(賢)委員 UR団地の建てかえに関しましては、借地借家法の適用を受けているということで答弁をいただいておりますけれども、居住者の同意がなければ建てかえができないという、これが原点だと思うんですが、そのことをぜひ旨にしながらこの事業を進めていただきたいと思います。

 ぜひ小さな声も局長初め大臣には拾っていただきたい、そうお願いをしながら、次の質問に入らせていただきます。

 次の質問は、六月十二日の委員会におきまして、子育て世帯や若い世帯の入居を促進すると大臣が答弁をされておりますが、若い世帯の低収入がふえていることを鑑みて、どのような施策を行っていくのか、お伺いしたいと思います。

橋本政府参考人 UR団地の居住者の高齢化が進むという状況もございまして、特にバリアフリー化をまず推進するということをやっております。

 既存住宅のバリアフリー化をやっておりまして、具体的には、平成二十六年度から平成三十年度までの中期目標期間中に、賃貸住宅のバリアフリー化をストック全体の五五%とする計画を立てております。手すりの設置、屋内の段差解消、車椅子での通行が可能な広い廊下の整備等、既存住宅の改善、建てかえを進めております。

 あわせて、子育て世帯についても、例えば、国の補助制度を活用しながら、家賃が減額された地域優良賃貸住宅を子育て世帯に対して提供するなどの取り組みを行っております。

 地域の財産であるUR団地を最大限活用して、高齢者、子育て世帯両方ともに、幅広い世代が安心して住み続けられる住まいの提供に努めてまいる所存でございます。

本村(賢)委員 UR居住者のうち、高齢者がいる世帯は三八・九%ということでありまして、約四割、高齢者の方が各世帯にお一人はいらっしゃるということであります。また、逆に単身の方が一四・九%、約一五%いらっしゃいます。また、UR居住者の二五・三%が年収が二百五十七万円以下ということでございまして、ぜひその辺を考えながら対応を進めていただきたいと思います。

 特に、これから高齢化を迎える中で、若い皆さんにもURに住んでいただけるという施策に転じていかなければ、やはりお年寄りだけの団地になってしまうケースもございますので、既に医療福祉拠点の形成も進められているようでありますし、これもぜひ、三十二年度までに百団地ですか、その目標を掲げられているということでありますので、医療にも強い、そして子育てにも強い、そういうURの団地を目指していただきたいと願っております。何よりも、住宅セーフティーネットというこの原点をぜひ生かしながら、対応を進めていただきたいと思います。

 次の質問に入らせていただきます。

 参議院の四月十六日の質疑の中で、「今年度で、全ての団地におきまして、見守りなどのサービスを提供することを検討している」と大臣がお話をされておりますけれども、高齢者の見守りであったり、お子さんたちの見守りであったり、また、昨今、昨年の九月二十四日、千葉県銚子市にある県営住宅の一室で母親が中学二年生の長女を窒息死させたというニュースがありまして、六月十二日に千葉地裁の判決が出ました。この件を見ても、強制執行の日にお母さんみずからがお子さんの命をとってしまったという本当に痛ましい事件がありました。

 こういう経済的に困っている家庭などさまざまな方が今URにも入っていらっしゃると存じておりますし、特に、一人親家庭である母子家庭なんかは貧困率五四・六%ということでありますので、そういった幅広い方がこのURにお住まいになっていることを鑑みて、今年度から予定されているこの見守りなどのサービスとはどのようなものなのか、お伺いしたいと思います。

橋本政府参考人 御指摘のとおり、URにお住まいの方の高齢化というのが急速に進んでおります。したがいまして、基本的に、今年度から全ての団地において基礎的な見守りサービスの提供を行うことを検討しております。

 具体的には、民間事業者と共同して、希望される居住者が比較的安価に利用可能な安否確認それから緊急通報などの基礎的な見守りサービスを提供する予定でございます。

本村(賢)委員 ぜひこの見守りサービスというものを期待してまいりたいと思いますし、高齢者の方、そして子供たち、そして経済的にお困りになっている各家庭の皆さんに対しまして、幅広い角度で見守っていただければなというふうにお願いしてまいりたいと思います。

 次の質問でありますが、家賃補助が三万五千円以内の範囲におさまる方は九割以上と参議院で橋本住宅局長が答弁をされておりますが、残り一割に関してはどのように対応していくのか、大臣にお伺いしたいと思います。

太田国務大臣 近接地建てかえに当たりましては、従前住戸よりも面積を多少縮小する調整とあわせることで、三・五万円以内の上昇でおさめることを原則として取り組んでまいりたいと思っています。

 なお、それでも家賃が三・五万円を超えてしまう方には、近隣の家賃水準が上がらないUR団地を紹介するなど、お住まいの方の状況を十分踏まえた上で丁寧に対応してまいりたいと思います。

 また、補助の期間についてでありますが、十年間の公費による減額期間が過ぎた十一年目以降も、URの負担によりまして家賃の引き下げを継続することとしているところでございます。

本村(賢)委員 今回のこのURの改革法案に関しましては、例えば近接地への移転を強いられる方々にとりましては、あくまでもUR側の御都合ということでありますので、ぜひ居住者に対して十分な配慮をして、特に家賃に関しましては、たくさんの皆様が注目をされているところでありますし、大臣からは力強く、十一年目も三万五千円の支援をされるというお話であります。そのことをお願いしつつ、また、残りの一割の皆さんに関しましても適切な対応をとっていただきたい、そのようにお願いしてまいりたいと思います。

 次に、今度、新しく近接地への建てかえを図った場合、近隣にあったA団地、B団地、C団地から例えば新しい駅前の団地に皆さんが越してくる場合、新しいコミュニティーが形成されるわけでありますけれども、私は、そこで、防災やコミュニティーの観点から、ぜひ自治会の加入を促進するべきじゃないかなと思っております。

 やはり、団地に住んでいらっしゃったりアパートに住んでいらっしゃいますと、なかなか近所の方のお顔がわからないというケースもあるんですが、やはり自治会を形成すると、フェース・ツー・フェースで、近所のお父さん元気かな、おじいちゃん元気かな、こういったことも皆さんと会話が交わせますから、ぜひ自治会の加入を促進するべきだと考えますが、いかがでしょうか。

橋本政府参考人 自治会につきましては、日ごろ、地域のコミュニティー活動を通じて快適な生活環境の維持などに寄与をしているほか、災害時には安否確認や避難誘導等の役割を担うなど、自治会が果たす役割は大きくなっていると認識をしております。

 このため、URでは、自治会が取り組む子育て支援活動や防災活動に対しまして、集会所の使用料金の引き下げや防災倉庫の設置などの支援を行っております。

 ただ、自治会に入る、入らないというのは、これはあくまで居住者の方々の自由な選択でございますので、お住まいの方々が任意で御判断をいただくべきものと考えております。

本村(賢)委員 もちろん、自治会は任意で選択ができると思うんですが、新しい地域コミュニティーの形成の際には、恐らく新しい自治会ができるんでしょうから、ぜひURとしても御支援をしていただきたいと思っております。

 それでは、次の質問に入りますが、海技教育機構及び航海訓練所の統合についてお伺いいたします。

 既に質疑の中で、内航船員が高齢化している問題や、そして海技教育機構の定員に関しての増員を望む御質問が出ていることは承知をしておりますし、卒業生の海上就職率は九割を超えているということでありまして、非常に私どもも今回の統合を注目しているわけでありますけれども、ちょっと視点を変えて質問させてもらいたいと思っております。

 海技教育機構の耐震化の現状についてお伺いしたいと思っております。いかがでしょうか。

森重政府参考人 お答え申し上げます。

 海技教育機構の耐震化の話でございますけれども、現在、海技教育機構のもとには八つの学校がございます。このうち三校につきましては耐震化されておりまして、いわゆる耐震化率は三二%となっております。

 残る五校につきましては、平成二十四年度から二十六年度の間に耐震診断を行いました。これを受けまして、この診断結果でありますとか、あるいは築年数などを勘案いたしまして、優先度の高い三校、三つの学校につきましては、既に耐震化の設計に入っているところでございます。

 これらにつきまして、耐震工事を着実に進めますとともに、耐震工事にまだ入っていない学校につきましても、今後できるだけ早く耐震化が完了するように努めてまいります。

本村(賢)委員 たしか、海技教育機構の学校は、八校中四校が避難指定をされているというふうに思っております。そして、今の答弁で耐震化率は三〇%ということでありまして、今、内航船員を初め非常に激減している船員の新しい活力を生む学校が、やはり一日も早く耐震化を進めていかなければ、きょうの浅間山の噴火のように、いつどこで何が起こるかわからない、そういう心配もございますし、また、大事なお子さんたちを預かっている学校でもありますので、ぜひ耐震化率を向上させていただきたいと思います。

 例えば、公立学校の耐震化率は九五・六%でありますし、この文科省所管の商船系大学は九八・七%が耐震化をされておりますし、商船系の高等専門学校はほぼ一〇〇%耐震化されているということでありますが、国交省所管の海技教育機構八校のみが三〇%程度ということでありますので、ここに関して、海技教育機構の耐震化促進に向けた意気込みについて、大臣にお伺いしたいと思います。

太田国務大臣 耐震診断は全て実施したということですから、順次、耐震工事を進めてまいりたいと思っています。

本村(賢)委員 公立学校の耐震化率は九五・六%、そして八校中四校が避難所指定をされているということからも、ぜひ一日も早い耐震化を進めていただきたい、そうお願いしてまいりたいと思っております。

 次の質問に入りますが、海上技術安全研究所、港湾空港技術研究所及び電子航法研究所の統合についてお伺いしたいと思っております。

 これも、既に委員の皆様方からさまざまな角度で御質問が出ておりますので、違う観点から数点お伺いしたいと思います。

 港湾インフラの老朽化、特に岸壁の老朽化について、現状及び見通しについてお伺いしたいと思いますし、また、それに対して、これまでの港湾空港技術研究所はどのような研究を行い、統合によっていかなる効果が見込まれるのか、お伺いいたします。

大脇政府参考人 港湾施設につきましては、着実なストック整備の一方で、高度経済成長期に集中的に整備をしました施設の老朽化が進行することが想定されてございまして、港湾の基幹的役割を果たす岸壁などの係留施設につきましては、建設後五十年以上の施設が平成二十六年三月の約一〇%から平成四十六年三月には約六〇%に急増することになっております。

 主要な港湾施設の長寿命化計画策定状況は九七%となっておりますけれども、この計画に基づいて着実な点検などを推進するとともに、各地方整備局のブロックごとに地方整備局と港湾管理者から構成されます港湾等メンテナンス会議を設置することで、港湾管理者と協力して老朽化に対する課題に取り組んでいるところでございます。

 限られた財源のもと、港湾管理者とともに、港湾施設の老朽化状況、利用状況、優先度等を考慮した上で、港湾単位で計画を策定し、これに基づいて計画的かつ効率的な補修事業の実施に取り組んでまいりたいと思います。

 また、港湾空港技術研究所におきましては、施設の点検手法や老朽化の評価など港湾管理に関する知見を有しておりますけれども、海上技術安全研究所が有しております水中探査技術との連携によりまして、港湾インフラのモニタリングを省力化し、効率的な維持管理を行うことが可能になるというふうに考えてございます。こういった分野におきまして、これらの研究所が連携して取り組む効果は大きいものというふうに考えてございます。

 以上です。

本村(賢)委員 港湾に限らず、さまざまなインフラの老朽化という問題は、日本各地区のところで問題になっているわけでありますが、今、二十六年三月時点では老朽化岸壁が一〇%、三十六年には三五%、四十六年には六〇%となる見込みから、岸壁は耐用年数が大体五十年というふうに伺っております。日本の国内輸送の四割は海運が占めておりますし、基幹輸送はほぼ海運が占めている現状からも、やはりなかなか目につきづらい港湾のインフラに関しても適切な対応を、選択と集中で限られた財源の中から対応していかなきゃいけない点は十分承知をしておりますが、ぜひ、先ほどの耐震化とあわせてこの老朽化問題に対しても、今後の岸壁の維持管理に向けた大臣の意気込みについてお伺いしたいと思います。

太田国務大臣 岸壁等は、一九七〇年代からかなり集中的にできてきたんだと思います。それがやがて五十年を経過するというのが急速度にふえる、メンテナンスの山がこれから訪れるということだと思います。

 技術革新や予防ということも含めまして、このメンテナンスの山をできるだけ低くし、そして長寿命化を図るという対策にしっかり取り組んでいきたい、このように思っています。

本村(賢)委員 ぜひ長寿命化につながる対応を大臣のリーダーシップでお願いしてまいりたいと思います。

 最後の質問に入らせていただきますが、奄美群島振興開発基金のガバナンス強化についてお伺いしたいと思います。

 これまで既に、鹿児島県が平成二十九年度の世界自然遺産登録を目指すように国に要請をしていることや、それから、昨今、成田―奄美間でのLCCのいわゆる新しい空路によって、たくさんのお客様がいらしているわけでありまして、これから魅力あふれる奄美の島をたくさんの皆さんに注目していただくためにも、今回、財務内容の健全化について、単年度収支に改善が図られているものであり、引き続き課題が残っているというものでありますが、今回、このガバナンス強化について私どもも大変注視をしております。

 ちょっと視点がまた違うんですが、この奄美に関して、現在、世界自然遺産登録についてどのような状況になっていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。

小川政府参考人 お答えいたします。

 環境省では、奄美・琉球の世界自然遺産登録を目指した取り組みを進めておりまして、その候補地といたしまして、科学的な検討を行った結果、奄美大島、徳之島、沖縄島北部、西表島の四地域を選定しているところでございます。

 登録に向けた状況でございますけれども、現在、登録に必要な取り組みを進めておるところでございまして、具体的には、一つは、自然環境の保護を担保するために、国立公園等の保護地域を指定するという作業をしております。また、アマミノクロウサギなどの希少な生物の保護増殖ということに取り組んでおります。さらに、マングースなどの外来種の対策を進めているところでございます。

 こういった対策を進めまして、引き続き、関係自治体や地元住民など多くの方々の理解と協力を得て、早期の世界自然遺産登録ができるよう、取り組みを進めてまいりたいと考えております。

本村(賢)委員 これで質問を終わりにします。

 ありがとうございます。

今村委員長 次に、小宮山泰子君。

小宮山委員 民主党の小宮山泰子でございます。

 本日は、独立行政法人に係る改革を推進するための国土交通省関係法律の整備に関する法律案を審議させていただきます。

 まず最初に、この審議のあり方について、見解を伺っていきたいと思います。

 今回、平成二十五年十二月二十四日、独立行政法人改革等に関する基本的な方針、閣議決定を受け、今国会は、同閣議決定に基づいた独立行政法人関連の法律案が、それぞれ所管官庁のもと準備され、提出をされております。

 厚生労働省からは内容的に本来五本の法律を一括提出、農林水産省からは三本または四本の法案を一括提出、文科省からも関係法案が提出されております。そして、国土交通省からは、今回の法律とともに、既に成立している二法改正の中にも含まれておりました。

 今回の法案は、内容的には三本もしくは四本の法律とすべき改正が一括して提出されております。

 一般論として、ある法律改正がほかの法改正と深く関係しているということであれば、それらの法律の審議も一括して行うことは問題ないとは考えてはおります。

 しかし、直接の内容が関係性に乏しく、唯一、独立行政法人改革等に関する基本的な方針を閣議決定したからということだけで一括して取り扱うというのは、唯一の立法府である、またそこに所属する国会議員として、また立法府の権限を軽んじられているような気持ちになっております。

 見かけ上、法律の本数を減らすことによって、トータルでの審議時間を減らし、言葉は悪いかもしれませんが、十把一からげにするというのは、現内閣の国会軽視、議論軽視の姿勢があらわれているのではないかと思わざるを得ませんし、断ぜざるを得ないと思います。

 太田大臣においては、いつも丁寧な御答弁をいただいており、敬意を持ちながら質疑に立たせてもいただいております。

 立法府たる国会は、国権の最高機関であり、唯一の立法機関、行政府から提出されている法案の丁寧な対応と議論が何よりも重要だと考えております。

 関係性の低いものを一括の法律とすることへの大臣の御見解をお聞かせいただければと思います。

太田国務大臣 この独法一括法案は、専ら、平成二十五年十二月の閣議決定にてうたわれました国土交通省所管の独立行政法人に関する事項のみを一括して取りまとめたものでございます。

 この法案の趣旨は、国土交通省の各独立行政法人の政策実施機能の強化を図ることにあります。委員の皆様には、その趣旨も踏まえて御審議いただきますよう、私の立場からは、よろしくお願いします、このように申し上げたいと思います。

小宮山委員 そういったことがあるから、きょうの質疑になっているんだと思いますけれども。

 十把一からげ的な法案提出というものは、安倍内閣の特徴とも言えると思います。本案を初めとした、改めて繰り返しますけれども、農協関連の法案なども全く別の法案を一括していますし、特に安全保障法制においてはさらに顕著にあらわれています。十本もの法律を一括して審議対象とされておりますし、そのうち三本は、法律名や目的自体も新法で改正されるということであります。

 私ども、この国会にいる者は、一本一本さまざまな法律が社会に大きな影響をする、だからこそ、憲政の中では丁寧に審議を重ねてきたと考えております。その経緯を考えましても、ほかの法律で目的や法律名まで変わってしまうという法律の扱いというのは、やはり国会軽視と見るのが適当ではないかと思います。

 先日、特別委員会で参考人として意見陳述いただいた三人の憲法学者の先生方がそろって憲法違反と明言されたことは、国会でのさまざまな意見、参考人としての発言というもの、また、集団的自衛権あるいは自衛権についてどのように理解する立場の者であったとしても、しっかりとその意見、国会で述べられた意見というのは重く受けとめなければならないんだとも考えております。

 安全保障法制での十把一からげ方式のように、一つの法案で複数の法律について、題名、目的規定等の改正が行われた事例がほかにあるか調べてみました。見つけられた唯一の例は、昨年の通常国会での、地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律案だけでした。

 改めて、安倍政権また安倍首相の国会軽視というもの、そして、そういう意味においては、法律一本ずつに対する国会議員の立法府の者としての思い入れと、また、その法律が社会に及ぼす影響というものを、本当に余りにも軽く捉えているのではないかということを指摘させていただきたいと思います。

 さて、今回の法案の中身の方に移らせていただきます。独立行政法人都市再生機構について質問を始めさせていただきます。

 この都市再生機構は、機構誕生に至る経緯から、国の住宅政策における重要な役割を担っている存在として事業を行っております。

 低所得者世帯、高齢者世帯など、政策上配慮の必要な世帯の住まいの確保という、まさに住宅セーフティーネットとしての機能もあります。本来あるべき住宅政策を考えれば、諸外国の例に見られるような住宅補助の制度をしっかりと整えることを基本として、住宅セーフティーネットをつくり上げていくことが望ましいとの議論もございます。

 省エネ性能のよい快適な住宅がさらに大きな意味を持ってまいります。中古住宅流通の活性化の原動力ともなります。また、住宅の性能や詳細な中身について情報が不足した中、わずか二十年ほどで上物の価値が査定上なくなってしまうという、日本固有の中古流通の前提という状況もございます。

 これが、諸外国で当たり前のように、手を加えた中古住宅ではむしろ価値が高まり快適性も高まるといった状況への大転換ができるかもしれないと考えるところでもあります。

 これまで何度かの質問の中では、いわゆるグリーンインフラの推進についても議論をさせていただきました。緑の防波堤とか緑のダムといったものは、年数がたつほどに効能が高まるという効果もあります。

 また、各先生方も、小学生や、さまざまな形で、国会見学などの手続でかかわられることもあるかと思いますが、国会見学のルートの最後に都道府県の木がございますけれども、これは戦後植栽され、手を加えて、今の姿になります。こうやって手を加えていくことで価値が高まっていく、これも住宅のあり方というものに通じるのではないかと考えています。

 住宅政策というところから少し話がそれましたけれども、都市再生機構、URがこれまで国の住宅政策の足らざるところを補う役割を担ってきた、担わされてきたということは、重要な事実だと思います。

 今回の改正案において、団地の統廃合等のためのUR賃貸住宅の近接地建てかえを行えることとしています。従来、同じ場所か、隣接地への建てかえの実施は、建てかえ中の移住先確保の問題や隣接地の確保の問題、複数回引っ越しを必要とする問題など、大変進めるには難しい問題がございました。また、移転する際には居住者自身の同意が必要としつつ、一回の引っ越しで済むことなど、検討しやすくなる、検討が必要かとも考えているところでもあります。

 しかし、建てかえによる収益性を向上させるということがこの建てかえの本質的な目的でもあり、高齢者世帯などが多くなっている現在の居住者の間で、心配の声が上がっております。

 建てかえにより新しい建物、より快適な住宅となることで、新たな入居者が入り、空き家率が低下して収益がふえるのは、同じ場所で同じ広さ、同じ家賃であったなら、考えやすいことだと思います。

 今回想定される近接地建てかえでは、郊外の団地を統廃合して、より駅に近いなど、土地としての利便性の高いところへの建てかえを基本的に想定していることから、同じ広さ等であれば必然的に賃料を高くせざるを得ないと聞いております。

 こうした心配の声に対し、平成二十七年度予算の中で、参議院での審議で、大臣からは、高齢者世帯や子育て世帯など配慮を要する世帯への家賃減額措置の拡充を、国の補助を入れて、これまで最大二万円から最大三・五万円に拡大することが盛り込まれた、また、今後十年間はこの措置を維持し、その後については、都市再生機構の取り組みとして、同様の減額措置となるよう検討することと答弁されております。

 また、民主党の旧公団居住安定化推進議員連盟でも、大臣に対し要請活動を重ねさせていただきました。この要請文の中では、適切な措置を講ずべき点として、家賃負担に対し実効性のある配慮、住宅のバリアフリー化を進め、良好な居住環境の維持、そして、居住者が安心して住み続けられるよう居住者の理解、協力のもとに進めること、地方公共団体との十分な協議というような点にも触れさせていただきました。

 UR賃貸住宅について、住宅セーフティーネットの機能が果たせるよう、家賃負担に対して実効性のある配慮を行うこと、並びに、賃貸住宅のバリアフリー化推進を含めて良好な居住環境の維持に努めることについて、大臣の御見解をお聞かせください。

太田国務大臣 UR団地については、居住者の高齢化が年々進んで、また、人口減少ということがそのまま、UR団地といってもいろいろな場所にあることによって相当違うんですけれども、そうした人口減少というのがかなり影響を与えてきているということがありまして、常に住宅セーフティーネットの役割というものを意識した対応というものをしていかなくてはいけないと私は思っています。

 先ほども申し上げたんですけれども、URの賃貸住宅につきまして、私は、居住者が安心して住み続けられること、UR団地は地域の貴重な財産として地域全体の安心に貢献すること、改革の名のもとに居住者を追い出すことは絶対あってはならないという信念を持っておりまして、随時の改革という名のもとで大変不安に思っている方がこの十数年大勢いたというのをそばで見て、私はそれなりの努力をしてきたつもりです。

 そうしたことから、本当に安心して住み続けられることということを基軸にして、URの制度とか機構全体の改革というようなことというのは、これは行革の観点で直すべきことは直していかなくちゃいけないんですが、それと、長い間住んでくださっている方にとってはそれほど関係ある問題ではありません。常に住んでいる方の側に立って物を考え、そして、いい環境、いい環境ということは、昨今では、UR団地の中に医療や介護ということも含めて、そして、この環境が、それぞれ、木が植わっているとか、あるいは耐震化が施されているとかバリアフリーとか、さまざまなものが配慮されていて初めて住み続けられる、安心して住み続けられるということだと私は思っています。

 家賃のことについても常に大変御心配をいただいてきましたが、そういう意味で、所得の低い高齢者や子育て世帯等が建てかえ後の新しい住宅に入居してから十年間は、家賃を最大二万円引き下げてきたわけでありますけれども、これを今年度から最大三万五千円に拡大し、期間についても、十一年目以降も家賃の引き下げを継続するということとさせていただきました。

 これからも居住者が安心して住み続けられるUR団地ということを最大肝に銘じて行政を行っていかなくてはならない、このように思っております。

小宮山委員 ありがとうございます。

 やはり、高度成長期に多くの方が都会を支え、そして日本の経済発展というものをつくり上げられた。当然、三十年、四十年たてば、当時働き盛りの方々のリタイアする年代に入ることは当初からわかっていたわけですから、そういう意味においては、日本の過去をしっかりと見詰め、そして未来につなげていくためにも、御支援のほどお願いいたします。

 また、大臣の言葉の中にたびたびございますけれども、UR団地はやはり地域の貴重な財産であると。私自身も同じ思いでございます。しかし、財産であるといったときに、それは空間といった物理的なものとか建物とかだけではなく、日々、日常の中で団地内で育まれたコミュニティーというものも含めて財産であると私は思います。

 団地建てかえや団地集約に際しては、いかにコミュニティーを損なうことのないように進められるかというものがポイントになるかと思います。この点についての御見解をお聞かせください。

    〔委員長退席、大西(英)委員長代理着席〕

橋本政府参考人 今回の近接地建てかえ制度につきましては、老朽化が進んで空き家が多くなっている郊外の団地について、居住者の皆様の同意が得られることを前提として、より利便性の高いところに移転をしていただくというものでございます。

 現行制度の建てかえでは、委員御指摘のとおり、居住者がばらばらに引っ越す必要があるため、コミュニティーが損なわれるおそれがございます。今回の近接地建てかえでは、まとめて利便性の高いところに移転をしていただくことになりますので、コミュニティーの維持にも有効だというふうに考えております。

 加えて、大臣から答弁もございましたけれども、引っ越し後の家賃がふえないように措置をすることで、できる限り全ての方々にコミュニティーの中に残っていただくことが期待をされるという意味でも、近接地建てかえ制度は有効だというふうに考えております。

 今後とも、UR団地におけるコミュニティーを大切にしながら、高齢者世帯から若い世帯まで幅広い世帯が安心して住み続けられる住まいの提供に努めてまいる所存でございます。

小宮山委員 最後の方、局長、何か小さくなってしまって、はっきり、コミュニティーを守ると言っていただきたいなと。守りますね、ありがとうございます。

 今、大臣の方からも、月額最大三・五万円の家賃減額を十年間は国の責任で行い、その後はURで独自に取り組むという発言もあったかと思います。十一年目以降も最大三万五千円の減額制度を機構でつくるとの答弁の後、これは参議院のときの答弁にもありますので、機構内で何らかの議論や検討がなされているのか、伺わせていただきたいと思います。

 あわせて、最大三・五万円の値引きの約束だけ見えつつも、値引き前の値段である賃料はそれとは関係なく上げますよということが行われてしまった場合、基礎の部分が変わってしまうわけですから、大変負担になりかねないのではないかという心配もございます。

 この点に関しまして、やはり当然十年以降になれば、今お住まいの方、特に年金世代においては、年々どうしても手取り等下がっていっているのも現実でもあります。こういったところを考えると、ついの住みかとなっているはずの公団住宅、URの賃貸住宅というところから十一年以降に追い出されるようなことがないように、また自分から出ていかなければならないようなことがないように、しっかりと、日々コミュニティーをつくりながら、そして助け合いながら暮らしていらっしゃる居住者の方に対し、どのようなことがされるのか、どうやって国の方としてURとともにこの点は守っていかれるのか。

 あわせて二点、お聞かせください。

内海参考人 お答えいたします。

 四月十六日の答弁を受けてURで検討を行い、所得の低い高齢者や子育て世帯などの方々を対象とした家賃減額について、十一年目以降もURの負担により減額を行い、引き続き従前の支払い家賃のまま住み続けられるようにすることといたしました。

 URとしましては、事業を進めるに当たっては、居住者の居住の安定を確保するため、今後とも丁寧できめ細かい対応を心がけてまいりたいと思います。

 また、建てかえ後住宅の家賃が上がった場合はどうするのかという御質問がございました。

 今回の減額措置の適用を受ける所得の低い高齢者や子育て世帯などの方々につきましては、居住の安定を確保する観点から、建てかえ後住宅の市場家賃が上がった場合でも引き続き御入居時の家賃で住み続けることができるよう措置することとしております。

 なお、UR法第三十二条において、建てかえに当たり、従前居住者の居住の安定を確保するため必要あるときは、家賃を減額することができることとされております。

小宮山委員 しっかりと家賃減額、そして、ついの住みかとしてまた多くの方々がURの賃貸住宅で住むこと、これによってコミュニティーが栄える、そういった方向に対し、これからも努力していただけるようにお願いいたします。

 さて、URの場合はさまざまな機能を持っているかと思います。被災地においてのまちづくり、日本の中においてこれだけのまちづくりなどをできる組織というのはなかなかございません。さまざまな復興再生の法案の中においても、URを対象とする法律は随分とつくらせていただきました。

 都市再生機構では、ルネッサンス計画という計画名のもとで、取り壊し予定の決まっていた賃貸住宅の建物を活用し、五階建てから三階建てに減築したり、大胆に内外の意匠性などに手を入れたり、間取りの変更をしたりといった実験研究の取り組みも行ってきたと伺っております。

 平成十九年から二十二年にかけて行われた事業では、減築、改築に当たっての工法の開発や費用面での研究など、実施、検証、技術開発の取り組みも行われたと説明を受けました。

 今後の住宅建設全般に対しての新たなノウハウとして生かせるよう報告書としてまとめられたことからも、都市再生機構が国の住宅政策の重要な担い手であることをよくあらわしていると思います。

 以前、海外の事例ではありますけれども、高層ビルを廃止し低層ビルへ転換させ、町のにぎわいを取り戻したというような事例も取り上げたことがございます。まちづくりやエリア開発、収益性が目立つ事業にばかり走るのではなく、日本の住宅政策に、マンションや老朽化高層建物等の減築やリノベーション、さまざまなことがこれから町の中では求められてくると思っております。

 そして、今回の実験というのが、URが直接使うかはわかりませんけれども、そういったときに、町の活性化、そして安全、低エネルギーな町という意味においても活用されることを望んでおります。

 そういった意味においては、これから老朽化、管渠もそうですけれども、建物、さまざまなところが建てかえや、さまざまな事例が出てくるかと思います。新しいまちづくりも含めて、機構の果たすべき役割というものは多岐にわたっているんだと考えております。

 URについての、機構への大臣の評価をお伺いしたいと思います。

太田国務大臣 東北の復興ということで、小宮山先生おっしゃったように、URの技術陣が大きな役割を果たしてきたということは事実ですし、また、まちづくりという観点でも、特に東京近郊の例えば柏の豊四季台団地等では、そこに、私の言葉で言えば、医職住という形での新しい団地形成ということが行われて、医というのはお医者さんの医で、衣ではありません。お医者さんの医と、職というのは、六十代、七十代にも仕事がその中で必ず見つけられるということの、あっせんやさまざまなものが行われるという意味での職という、雇用ということだと思います。新しい医職住というもののモデルというような、まちづくりの、あるいは団地の新しいモデルというものを形成するということ、それらが行われてきました。

 技術的には、新工法という意味では、昔から、昭和三十年ごろからは、ここでは余りそういう言葉を覚えている方は少ないかもしれませんが、文化住宅なんて公営住宅は言った時期がありましたが、ダイニングキッチンとかいう言葉が初めてだとか、それからステンレス流し台なんということが言われたり、新しい工法、今高齢社会ですから、その中でヒートショックとかそういうことが大変な問題になっていますから、省エネとか蓄エネとかゼロエネ住宅というような、あるいは屋上の緑化とか、節水型の便器一つとりましても、そういうものとか、取りかえやすく腐食しにくい給水管の開発とかいろいろなことについて、URは、まちづくりにおきましても、また建築物ということの中でも、また、中身を、過ごしやすいという上でも、ぜひとも技術開発をもっと進めていただいて、この住宅政策の牽引役を果たしていただければということを私は思っております。

小宮山委員 きょうは独法改革ということでありますので、三種類の方向性がありまして、全くURから違う、独法の話でございます。

 海上技術安全研究所、港湾空港技術研究所及び電子航法研究所の統合について次は質問させていただきます。

 本当に、余りにも分野が違うので、これでいいのかなと、改めてちょっと疑問を呈しながらではありますが、まずもって、六月三日、那覇空港で、空自ヘリと民間航空機二機がかかわる重大インシデントが発生いたしました。また、過日の四月十四日には広島空港で、国際線旅客機が濃霧による視界不良の中、計器着陸装置の設置されていない東側から通常より低い高度で滑走路に近づき、滑走路手前のアンテナに接触するなどして着陸に失敗し、滑走路を逸脱する事故が生じました。

 本法案で統合される電子航法研究所は、航空機の離着陸や管制業務に関しての研究等も行っております。重大インシデントや事故の発生を回避するための仕組みづくりへの研究は大変重要であり、強力に継続、推進されるべき業務であります。航空機の安全運航確保、この研究に対していかに取り組んでいくのか、お伺いします。

西村(明)副大臣 今、小宮山委員御指摘いただきましたように、四月十四日に発生した広島空港での事故に続きまして、六月の三日には那覇空港において重大インシデントが発生したところでございます。

 こういった事故、インシデントを未然に防いで、そして航空機の安全運航を確保するということは大変重要であるというふうに認識いたしております。

 今後も航空交通量の増大が予想される中でございますので、より高頻度、高精度な航空機の管制レーダーなどの次世代機器の開発、そして管制官やパイロットなどによるヒューマンエラーを低減するための研究など、安全性向上のための研究開発はより一層重要になるというふうに考えております。

 電子航法研究所は、安全かつ効率的な運航に資する研究を長年行ってまいりました。法人統合後もこのような重要な研究の確実な実施を図るとともに、その成果を生かして、航空機の安全運航が確保されるように努めてまいりたいと考えております。

小宮山委員 ぜひ、この分野に関しては、大変日本の空は過密でもあります。もちろん飛べないエリアも存在をいたしております。しっかりと研究をされること、そして、国交省としては、やはり管制官の配置等を含めて余裕のある、そういう意味ではしっかりできるような体制づくりをしていただきたいと思います。

 さて、海員になるための資格である海技士を得るには、学科と乗船実習が必要であります。学科の修得は、国土交通省管轄で全国に八校ある海技教育機構、または文科省所管の商船系大学、商船系高等専門学校五校のいずれかで行われております。

 ここでお伺いいたします。

 外航海運船員養成機関は手つかずのままで、船員養成の核となり、海洋立国日本を支える若手船員の確保、育成を着実に推進する機関となるのか、また省庁の縦割りもまだ残っているような感がございます。中途半端な統合とも見えますが、この点に関しまして見解を求めるとともに、あわせて、統合により大規模の船員養成機関ができることが、海運産業分野、ひいては日本の経済に対してどのように貢献することとなるのか、御見解を伺います。

森重政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、今回の統合によりまして、海洋立国日本を支える若手船員の養成を各省庁連携して進めていくべきだという御趣旨の御指摘だと思います。

 学科をやります教育機関は、海技教育機構の今回の学校と、それから商船系大学そして商船高専、これは委員御指摘のように文部科学省の高等教育機関の一環としての学校でございます。

 いずれにいたしましても、それらの学科を教育する学校の学生さんは、乗船実習、これが国家資格を取るために必要でございますから、航海訓練所に、一括して乗って、スキルを上げて、そして資格を取っていくということでございます。

 そういうことでございますので、まず一つは、学科という観点に関して、私どもの海技教育機構とそれから商船系大学、商船高専については現在も密接に連携をとっておりますし、これからも連携をとりながら、全体として船員育成を進めてまいりたいと思います。

 それから二点目は、いずれにいたしましても、生徒さん、学生さんは、学科との関連において、乗船実習を同じ航海訓練所の練習船で行いますので、今回の統合によりまして、航海訓練所の質の向上、教育の高度化を図ることによりまして全体として効果を上げていくということで、全体として効果が上がるように今回の統合を進めてまいりたいというふうに思っております。

 それから、もう一つの御指摘の、日本経済全体への貢献でございますけれども、我が国は海洋立国、エネルギー、工業原料、食料など、貿易の九九%、そして国内の物資輸送では四割を海運が担っております。この海洋立国日本におきまして、船舶の安全な運航を現場で支えておりますのは船員でございまして、そういう重要な役割を担っておる船員の確保、育成は重要な課題と認識しております。

 今回の統合によりまして、教育機関が若手船員を中心にしっかりと効果を上げていくことによって、日本の海運そして日本経済を支えていくことに効果を発揮していくものと期待しております。

    〔大西(英)委員長代理退席、委員長着席〕

小宮山委員 ぜひ海洋立国日本を支える、そういった統合になることを期待しておりますし、これによって担い手不足の問題の解決、やはり憧れる船員というものが、船員に憧れる日本人、学生たちというのが出ることを期待しております。

 時間の関係で次に行かせていただきますが、本当に、それぞれ独立行政法人といっても、今回は大変毛色の違うものが多うございまして、奄美群島の振興開発基金のガバナンス強化に関しては、基金への秘密保持義務や金融庁の検査導入は至極妥当なことであり、ほかの政府系と同じような業務をしている機関と同じ義務であるから当然のことかと思います。むしろ、これまで入っていなかったのが不思議なぐらいであります。

 このガバナンス強化について、本法案の果たす役割を簡潔に御説明ください。

本東政府参考人 今回の法案の改正内容でございますけれども、大きく分けて二つの内容がございます。

 まず一点目は、役職員の秘密保持義務に関する規定を新設するということでございます。

 この改正は、基金における秘密保持を徹底する、こういうことによりましてコンプライアンスの強化に資するものというふうに考えております。

 二点目としましては、基金に金融庁検査を導入するということでございます。

 この改正は、民間金融機関の検査によりまして蓄積された金融庁のノウハウ、これを生かした検査結果を踏まえることによりまして、基金のリスク管理体制の強化、これに資するものと考えております。

 このように、本法案によりまして、コンプライアンスの強化、それからリスク管理体制の強化を通じまして基金のガバナンスの強化が図られるものというふうに考えております。

小宮山委員 ありがとうございます。

 今国会に各省庁から提出されております独立行政法人改革の中で、政策金融業務を担う関係の改正は、厚生労働省、農水省が二独法、そしてこの法案であります。

 こういったことを考えると、本当に、この国交省で三分野の改革といって一回の法案で審議するというよりかは、同じ関係のものを合同審査など国会でやはりしっかりと審議するということも必要だったのではないか、国会における審議というものを私たち国会議員自身がしっかりと誇りを持ち、そして法案の審査をする唯一立法府として審議をすることを望み、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

今村委員長 次に、本村伸子君。

本村(伸)委員 日本共産党の本村伸子です。

 独立行政法人改革にかかわる法案に関しまして質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。

 私は、六月三日のこの委員会の中で、川崎市の簡易宿泊所の二畳、三畳という劣悪な住環境のもとで十名の方々が火災で亡くなった、その背景には低所得者の方々や高齢者の方々の公的な住宅が足りないということが根本にあるんだということを新聞社の社説なども引きながら指摘をさせていただきました。

 そのときに、私は次のように述べさせていただきました。

  憲法二十五条からいって、本来、国が公的な住宅を用意し、供給しなければならないんだというふうに思います。公営住宅の新規建設、供給を進めるとともに、UR住宅の削減をやめて、家賃は所得に応じたものに安くするべきだということや、UR住宅の空き家あるいは民間賃貸住宅を借り上げて公営住宅にするという施策、さらに家賃補助制度を進めるなど、緊急にこうした具体的な対策が必要だというふうに思います。

  地方自治体に任せるのではなく、国が責任を持って公的な住宅をふやしていく方向に転換をするべきだと思います。二度とこの川崎市のような大惨事が起こることがないように、大臣に、こうした公的な責任を果たす、国としての責任を果たすということをぜひ明言していただきたいと思います。

という質問をさせていただき、そのときに太田大臣は、今御指摘の、公営住宅、公的な賃貸住宅の整備というお話がありますが、住宅に困窮するこうした低所得者等の居住の安定を確保するためには、公営住宅等の公的賃貸住宅の整備、これは大事な問題でありますと答えてくださいました。

 また、橋本住宅局長も、住宅確保要配慮者につきまして、公的賃貸住宅の供給促進ということも答弁をされておられます。

 私は、公的な賃貸住宅という意味で、UR住宅というのは非常に大きな役割がある、担っているというふうに思っております。

 まず、住宅セーフティーネット法上のUR賃貸住宅の位置づけについてお伺いをしたいと思います。

橋本政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘の住宅セーフティーネット法、住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律におきましては、国及び地方公共団体は、既存の公的賃貸住宅の有効活用を図りつつ、公的賃貸住宅の供給促進及び住宅確保要配慮者の民間賃貸住宅への円滑な入居の促進に努めることとされております。

 UR賃貸住宅につきましては、この住宅セーフティーネット法における公的賃貸住宅として位置づけられておるところでございます。

本村(伸)委員 ありがとうございます。

 まず前提として、公営住宅が足りないということははっきりとしております。そういう中で、UR住宅は、公的賃貸住宅として、低所得の方々や高齢者の方々など、この法律上の住宅確保要配慮者の方々へのセーフティーネットとして、率先してこうした方々の居住の安定を図る、そういう役割を果たすべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。

橋本政府参考人 公営住宅あるいはUR住宅それぞれにつきまして、それぞれ根拠となる法律がございまして、その法律の規定の範囲内で、各地方公共団体あるいは事業主体が適切に判断をして入居者を受け入れるべきだというふうに考えます。

本村(伸)委員 先ほどもお話がありましたけれども、住宅セーフティーネット法上では、「国及び地方公共団体は、所得の状況、心身の状況、世帯構成その他の住宅確保要配慮者の住宅の確保について配慮を必要とする事情を勘案し、既存の公的賃貸住宅の有効活用を図りつつ、公的賃貸住宅の適切な供給の促進に関し必要な施策を講ずるよう努めなければならない。」というふうに書いてございます。

 この点では、お年寄りや低所得者の方々が川崎の簡易宿泊所の火災事故のような、大惨事の火災事件のようなことに遭わないためにも、質の一定確保された住宅に住むという点からも、UR住宅が果たす役割はとても大切だというふうに思います。

 厚生労働省の所管ですけれども、雇用促進住宅というものももっと本来は活用すべきだというふうに思いますけれども、この雇用促進住宅についても、売却、廃止ということに方向として進められているという点で、この点でも方向転換をしなければいけないというふうに思います。

 加えて、そういう公営住宅も足りない、そして雇用促進住宅も廃止をしていこうとしている中で、UR住宅についても、二〇一八年度までに、ストック、既存の住宅を八万戸減らし、家賃が高い戻り住宅等三万戸はつくるけれども、結局、三年後の二〇一八年度までに五万戸、全体としてUR賃貸住宅を減らそうとしている計画がございます。

 私が持っている新しい数字の中で、UR機構の管理戸数というのは、二〇〇六年度末が七十六万八千六百八戸あったのが、二〇一三年度末には七十四万八千三百九十四戸となり、結局、この七年間で二万二百十四戸も減らしている。まだまだ減らそうとしているというふうになっているわけでございます。

 公的な賃貸住宅の数が足りず、市場では住宅確保が難しい方々に住宅を保障していくという観点から、セーフティーネットとなるべき公的住宅が小さくなるというのは、その網からこぼれてしまう人ができてしまうということになるのではないかというふうに思うんです。

 UR賃貸住宅の削減というのは住宅セーフティーネット法の趣旨に反すると思いますけれども、いかがでしょうか。

橋本政府参考人 UR賃貸住宅は、御指摘のとおり、約七十五万戸ございますけれども、老朽化が進んでおるところも相当ございます。我が国の人口や世帯減少が進む、特に地域の中では、地域ごとに減少が大きいところもございます。例えば、URで申しましても、郊外の団地では空き家が非常に増加する傾向がございます。多いところでは三割近い空き家、これは常時募集をしても三割近くあいているところがございます。

 そういう空き家の多い団地につきまして、高齢者の方々がどのようにお住まいになるか等、ニーズも十分に把握した上で、再編を進めた上で、全体の戸数を調整する。全体としては五万戸程度減らすということでございまして、決してセーフティーネットとしての機能を損なうということではないというふうに考えております。

本村(伸)委員 私も、愛知県内、空き家など生活相談の方々がおりまして、UR住宅に入れないかと探してみましたけれども、家賃が安いところはいっぱいなんですよ。家賃が高いところがあいているという状況で、生活相談を受ける方はなかなか入れないという現状があることも認識されていると思いますけれども、ぜひそういう点も改善していただきたいというふうに思います。そもそも、やはりセーフティーネットであるUR賃貸住宅の数を減らすということは本当におかしいというふうに思います。

 もう一つ確認をさせていただきたいんですけれども、四月十六日の参議院の国土交通委員会の審議の中で、日本共産党の辰巳孝太郎参議院議員が質問をいたしました。その中で、今回のスキームでの移転は入居者の同意が必要かという質問に対して、大臣は、「UR団地の建て替えに伴う居住者の移転に当たりましては、居住者の同意が前提ということになると考えています。」と答弁をされました。

 確認ですけれども、建てかえ、居住者の移転に当たっては、居住者の方々の同意、そして十分な話し合いが必要であるというふうに思いますけれども、これを確認させていただきたいと思います。

太田国務大臣 UR団地につきましては、居住者が安心して住み続けられることが何よりも大事だと思っています。

 UR団地の建てかえに伴う居住者の移転に当たりましては、居住者の同意が前提でありまして、従来どおり、居住者と十分な話し合いを行うということが必要かと思います。

本村(伸)委員 ありがとうございました。

 居住者の同意、そして十分な話し合いということを大臣から答弁していただいたと思います。

 UR賃貸住宅のストック再生、再編のやり方、削減のやり方も、本当に居住者の方々の立場に立ったものだったのかどうかということについても、少し質問をしていきたいというふうに思います。

 名古屋市緑区の鳴子団地の例なんですけれども、大きな団地で、その半分以上を建てかえる事業なんです。当時は、名古屋市の地下鉄の駅が新しくできるというところで、今はもうできておりますけれども、大変便利なところになっております。

 建てかえの話が出たときに、団地の中で一番駅に近い、そしてすぐ近くにスーパーマーケットもある、そういう便利なところには、足の悪いお年寄りや障害者の方々、そうした方々が住んでもらえるような住宅にしてほしいと住民の皆さんからURに対して要望が伝えられました。

 そのときに対応したURの職員の方は、当時、こういうふうに言っていたんです。福祉施設などを呼び込むんですとおっしゃっておりました。私も住民の皆さんと一緒に交渉に同席をさせていただき、その言葉を私もこの耳でしっかりと聞いておりました。

 しかし、結局、その土地はUR団地を壊して民間マンションの会社に売られてしまいました。今はとても高級そうなマンションが建っております。また、団地内で便利なところに住んでいた方が、団地内で建てかえないブロックに移転をするということが余儀なくされましたけれども、結局、駅からは大分遠くなる、スーパーからも遠くなるという状況がございました。

 同じく、名古屋市の鳴海団地でも、大きな団地ですけれども、駅に近い広大な地域の大半が民間に売られて、これまで住んでいた方々が建てかえられたところに移ったわけですけれども、それはより駅から遠くなり、不便になり、そして家賃が高くなったわけでございます。こうしたやり方を見てみますと、居住者の方々のことを本当に考えているのかということを疑問に思わざるを得ないというふうに思います。

 もともと居住者の方々、もともと住んでいる方々が不便になったり、あるいは家賃が高くなったり、いいことがない。こんなやり方はおかしいと思いますけれども、いかがでしょうか。

橋本政府参考人 まず、団地の建てかえ後の土地利用につきましては、例えばミックスドコミュニティーなど、団地の再生に寄与しているか、地域にとって最適なものになっているか、あるいは民間等による余剰地の活用見込みがあるか、あるいは移転をお願いする居住者の同意が得られるかなどを総合的に勘案して、個別団地ごとに判断をしてまいっております。

 御指摘の鳴子団地につきましては、高齢者や子育て世帯が安心して住むことができ、かつミックスドコミュニティーを図っていくという観点を持って建てかえを進めておるところでございまして、高齢者施設を中心とした地区と子育て世帯を中心とした地区に分けたというふうに聞いております。

 具体的には、住みなれた環境で住み続けられるように、既存の住宅を存置する、そのまま置いておくブロックを設定した上で、高齢者が福祉サービスを受けられるように、隣接するブロックに高齢者向け施設を誘致する。一方、小学校、中学校、幼稚園に隣接するブロックについては、UR賃貸住宅の建てかえや民間住宅、利便施設の誘致を行い、子育て世帯を誘導するなどの考え方に基づいて土地利用を計画したということでございます。

 また、鳴海団地につきましては、これは非常に物理的な理由でございます。雨水管の老朽化が著しくて、調整池に近いところから雨水管を更新する必要があったので、まず調整池に近いところを建てかえて、そこにお移りをいただいてから、その余の土地の利用を考えたということで、これは団地の状況に応じたということでございます。

 もちろん、駅になるべく近いところに住民の方々にお移りをいただきたいというのは原則ではございますけれども、やはり、団地の置かれた状況、建物の状況に応じて、必ずしも原則どおりにいかない場合もあろうかと思います。引き続き、できる限り住民の方々の利便性を考えながら土地利用計画をつくるように指導してまいります。

本村(伸)委員 今回の法案についてですけれども、UR賃貸住宅の建てかえを飛び地にでも可能にするものになっております。駅前など、駅前とは限らないというふうに私はこれまでの例からしても思っておりますけれども、駅前などに建てかえますと、移転しなければならない方々は今までよりも高家賃で狭い住宅になるというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。

橋本政府参考人 URの家賃は、原則、近傍同種家賃でございます。したがいまして、駅から遠いところから駅により近いところに同じ面積で建てますと、確かに近傍同種家賃は上がります。

 しかしながら、先ほどから何度も御答弁申し上げておりますように、面積については、特に高齢単身、高齢夫婦のみ世帯が大変ふえていることも踏まえますと、かつての勤労者の、例えば四人家族の世帯を中心とした住宅よりも若干狭くても、快適にお住まいいただける場合も多かろうと思います。

 そういうことも勘案して、面積も若干調整をすることで三・五万円の家賃上昇の範囲内でおさめるということで、今お住まいの方々がずっとそのまま移っても住まい続けられる場合には、従前の負担をふやさないという方針で臨んでおるところでございます。

本村(伸)委員 横浜市中区の海岸通団地というところは全面建てかえの団地だったわけですけれども、この建てかえは、全体に二百十四戸が建てかえで、戻り用の住宅が百十二戸。そのうち五十戸が一Kの間取り、家賃は九万七百円から九万七千四百円と、本当に高い家賃になっております。申込世帯の四二%がこの一Kを申し込まざるを得ないという状況になっております。

 半数の方が一Kを申し込んだのはなぜかというと、やはり家賃が高いからです。まだここは、新しく建てかえられた新しい住宅に戻っても、お年寄りの方々や低所得者の方々や障害者の方々など、いわゆる要配慮者の方々へは五〇%の恒久減免というものがございました。

 しかし、今回はこの五〇%という措置ではなくて、集約された新しいUR住宅に移転する要配慮者の方も、最高でも三万五千円の減額になるだけでございます。さらに、要配慮者以外の一般の方にとっては物すごく家賃が高くなるわけでございます。

 建てかえをするならば、もっと安い家賃でないとUR住宅に住み続けることはできません。建てかえる場合でも、入居できる安い家賃にするべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。

橋本政府参考人 御指摘の海岸通のような団地というのは、実は十四地区ございます。これは昭和三十年代に建設をされたもので、立地としては極めてすぐれている、極めていい立地でございます。

 この十四団地につきましては、特別な措置として、市場家賃が上がるのを特別の措置で抑えておりますけれども、このような事例は十四団地以外ございません。あくまで限定的な措置でございます。

 繰り返しになりますが、ずっと三万五千円の減額をすることで家賃負担をふやさずにお住まい続けていただけるようなところについて、近接地建てかえを今後進めていきたいというふうに考えております。

本村(伸)委員 居住者の、今UR住宅にお住まいの方々の状況は大臣もつかんでみえるというふうに思いますけれども、改めて申し上げたいというふうに思います。

 二〇一四年九月の全国公団住宅自治会協議会幹事会の皆さんのアンケート結果ですけれども、これは、UR賃貸住宅の皆さんの、九万三千百二十八戸という大きい回答がある結果でございます。

 その結果は、世帯収入が二百五十一万円未満の方が五一・三%、世帯収入が二百五十一万円から三百六十七万円未満というのが二〇・一%、合計しますと七一・四%の世帯という状況です。

 今の家賃負担について、大変重いというお答えが三五・五%、やや重いというのが三七・一%と、七割を超えておられます。URの家賃負担が重いということを七割を超える世帯の皆さんがお答えになっている。六十歳以上の世帯が七三・八%、八十歳以上が一七・一%となっております。

 私も愛知県の名古屋市東区、北区でUR住宅にお住まいの方と改めて懇談をさせていただきました。年金だけで生活が苦しいという声や、家賃を下げてほしいという声や、せめて所得に応じた家賃にしてほしいという要望が多数寄せられました。

 とりわけ、今、年金が下がり、消費税は上がり、介護保険料は上がり、国民健康保険料の負担や後期高齢者医療制度の保険料の負担など、本人の責任とは関係のない部分で生活が苦しくなっている、そういう現状がございます。今UR住宅にお住まいの皆さんのこういう苦しいという声に公的賃貸住宅として応えて、住宅セーフティーネットとしての役割の強化を図るべきだということを強調したいというふうに思います。

 大臣も地元の皆さんからお声を聞いているというふうに思いますけれども、家賃を下げることや家賃の減免措置、家賃の補助、これはUR住宅に限らない制度にする必要があると思いますけれども、低所得の方々へ配慮した家賃制度をつくるべきだというふうに思います。今、家賃改定ルールの見直しも行っているそうですけれども、ゆめゆめ家賃の値上げなどないようにということも強調をさせていただきたいと思います。

 生きることのできる家賃にするためにネックとなっているのが、UR法の第二十五条、先ほど来御答弁がありましたように、「近傍同種の住宅の家賃の額と均衡」、この条項を持ったままですと、憲法二十五条に基づくセーフティーネットの役割は果たせないというふうに思います。このUR法の二十五条「近傍同種の住宅の家賃の額と均衡」、この規定は削除するべきだというふうに思います。

 大臣、セーフティーネットとしての役割を果たすために、ぜひこのUR法の二十五条の規定をなくすことを検討していただきたいと思いますけれども、お願いいたします。

太田国務大臣 UR賃貸住宅につきましては、大都市部における中堅所得者向けの良質な住宅という役割を一貫して担ってきたと思います。

 平成十一年に住宅・都市整備公団から都市基盤整備公団に移行したときにも相当の議論がありましたし、家賃は近傍同種家賃とした上で中堅所得者向けという役割を果たしてきたと思います。

 実際にも、礼金、手数料、更新料、保証人を不要とし、民間市場では制限を受けがちな弱い立場の方に対する受け皿としても住宅セーフティーネットの役割を果たしています。

 さらに、建てかえによって家賃が上がる方々等に対しては減額できるとされており、毎年度百五十億円相当の国費等が充てられて家賃を減額しているという状況です。

 これに加えて、今年度の予算におきましては、団地の再編によって家賃が上がる低所得の高齢者などの家賃の引き下げ幅を最大三万五千円に拡充するとともに、高齢者向け優良賃貸住宅につきまして、現行の家賃の引き下げ措置を続けるための国費の手当てを新たに措置しました。

 今後とも、適正な家賃水準と入居者の適正な負担の両立を図りながら、住宅セーフティーネットの役割を果たしてまいりたいと考えています。

本村(伸)委員 ぜひ検討していただきたいというふうに思います。

 次に、海上技術安全研究所、港湾空港技術研究所、電子航法研究所の統合について伺いたいというふうに思います。

 この三つの研究所は、船舶あるいは航空管制、こういう安全確保や津波災害の防止、軽減、海洋環境の保全などの研究を行い、重要な役割を担っているというふうに思います。

 今回の統合によって、研究者や職員の皆さんの労働条件が悪くなることがあっては決してなりませんし、三つの研究所の果たすべき役割、必要性が低められることがあってはならないと思いますけれども、いかがでしょうか。

森政府参考人 委員御指摘のとおり、三研究所は、今まで国交省の行政課題の解決に技術面で大変な貢献をしてまいりました。

 国だけではなくて、三研究所が行ってきた各分野の研究開発については、民間あるいは地方公共団体から受託研究が五年間で千七百件に及ぶなど、そういった国以外の機関からも高い評価を受けておりますし、また、国際機関IMOとかICAOの国際基準の策定にも大きなプレゼンスを発揮しております。統合後も、これら従来から高い評価を受けてきた三研究所の役割、機能を低下させることがあってはならないというふうに考えております。

 さらに、今回の統合で期待されるメリットとしまして、海上及び航空交通分野、これは国際競争が大変厳しい分野でございますので、国際競争力の強化、あるいは日本がこれから期待される海洋の利用推進、こういったものに向けての政策実施機能の向上が期待されております。

 従来から果たしてきた役割や機能、そして統合後に新たに期待される役割や機能、その双方にきちっと応えられるように、業務の実施に必要な組織あるいはマネジメント体制、研究施設等の確保、こういった環境の整備に国と統合法人が力を合わせて努めてまいりたいと思っております。

本村(伸)委員 次に、船員養成の座学を担う海技教育機構と乗船実習を担う航海訓練所の統合もされる法案になっております。

 閣議決定では、海運業界を初めとする関係者の受益者負担の拡大や自己収入の拡大が求められております。大学校や訓練校で自己収入をふやすということは、学生や訓練生の皆さんが支払う授業料が上げられることになるというふうに思いますけれども、授業料の値上げというのはやめるべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。

森重政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のように、船員は我が国の経済と暮らしを支える海運の担い手でございます。その船員を養成する独立行政法人の運営に必要な経費につきましては、基本的に国が賄うこととしております。

 一方で、独立行政法人が教育や人材の養成といった個々の利用者に受益が生ずる事業を行う場合は、受益者に対して適切な負担を求めることとしております。

 この考え方に基づきまして、この独立行政法人による船員の養成では、学生にとっては知識、技能を身につけられることから、相応の負担をお願いしております。

 すなわち、学生にとって過度な負担とならないよう、海上技術学校では公立の普通高校と同水準の授業料を、海上技術短期大学校では国公立専修学校と同水準の授業料の負担をお願いすることとしております。

本村(伸)委員 最後に、統合するわけですけれども、さらなる事務事業のスリム化、効率化などが求められることになり、国民の命と安全を確保する国の責任を一層弱めることになってはならないということを再度確認したいと思います。

森重政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど御説明申し上げましたように、我が国の経済と暮らしを支える海運の担い手であります船員を養成するこの独立行政法人の運営、これは基本的に国の責務として行っていく考え方をこれからも維持していきたいと思っております。したがいまして、その中で、この独立行政法人の運営に関しても適切に対応してまいりたいと思っております。

本村(伸)委員 終わります。ありがとうございました。

今村委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

今村委員長 これより討論に入ります。

 討論の申し出がありますので、これを許します。本村伸子君。

本村(伸)委員 日本共産党を代表し、独立行政法人に係る改革を推進するための国土交通省関係法律の整備に関する法律案に対する反対討論を行います。

 まず、独立行政法人都市再生機構法の一部改定についてです。

 反対する第一の理由は、UR賃貸住宅の建てかえに当たり、今の団地から離れた場所への移転を可能とし、統廃合の加速を図ることで、居住者の居住の安定が損なわれるからです。

 本法案は、URの既存住宅を当面八万戸削減する計画を推進させるものです。建てかえや集約化の加速により、居住者は、別の団地への移転が迫られ、新規建てかえ住宅の高額家賃で家計への負担増を強いられます。

 住みなれた団地に住み続けたいという居住者の願いに応えるとともに、低所得高齢者の居住確保など住宅セーフティーネットとしての役割を果たすための改善こそ求められています。

 反対する第二の理由は、都市再生機構が民間と共同出資して開発型特定目的会社をつくる要件を緩和し、大手ディベロッパーの都市再開発に対する支援強化を図るからです。

 リスクの高い大規模再開発への投資が失敗すれば、賃貸住宅事業にしわ寄せが及び、さらなる家賃引き上げにつながり、大手ディベロッパー主体の大規模再開発により、周辺地域の地価の上昇、住民追い出しの地上げや町壊しが推進されかねません。東京一極集中を進め、地域間格差を拡大することも問題です。

 次に、海上技術安全研究所、港湾空港技術研究所、電子航法研究所の統合及び海技教育機構と航海訓練所の統合についてです。

 いずれの統合も、単なる数合わせにすぎません。統合により、事務事業のスリム化、効率化が一層進められ、国民の命と安全を確保する国の責任を弱めることになり、賛成できません。

 二〇〇一年の独立行政法人化以降、運営費交付金の削減に伴い、各研究所では、研究予算の縮小、不安定雇用の増加など研究開発条件の悪化が進み、船員養成施設でも、教育施設の運営、維持や練習船の運航計画に支障を来し、教員不足や職員の労働条件悪化が進んでいます。

 統合により、さらなる効率化が求められるのは目に見えています。船員養成施設において、受益者負担の拡大、自己収入の拡大により授業料の値上げが計画されていることも認められません。

 以上、反対の理由を申し述べ、討論といたします。(拍手)

今村委員長 これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

今村委員長 これより採決に入ります。

 内閣提出、参議院送付、独立行政法人に係る改革を推進するための国土交通省関係法律の整備に関する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

今村委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

今村委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、金子恭之君外四名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、維新の党及び公明党の四会派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者より趣旨の説明を求めます。神山洋介君。

神山(洋)委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。

 趣旨の説明は、案文を朗読してかえさせていただきたいと存じます。

    独立行政法人に係る改革を推進するための国土交通省関係法律の整備に関する法律案に対する附帯決議(案)

  政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用について遺漏なきを期すべきである。

 一 独立行政法人都市再生機構による近接地への建替事業等の実施に当たっては、居住者の声を十分に聴くとともに、居住者の居住の安定の確保及び良好なまちづくりとコミュニティの維持・活性化がなされるよう配慮すること。

 二 独立行政法人都市再生機構の賃貸住宅については、居住者の高齢化が進んでいる状況を踏まえ、バリアフリー化や地域の医療福祉拠点の形成に係る取組を一層促進するとともに、子育て世帯、高齢者世帯など多様な世帯が共生できる良好な居住環境の整備に努めること。また、低所得の居住者が安心して住み続けることができるよう、その家賃の設定及び変更に当たっては、居住者にとって過大な負担とならないよう留意すること。

 三 独立行政法人海技教育機構及び独立行政法人航海訓練所の統合に当たっては、近年の内航船員の著しい高齢化や外航日本人船員の減少により、日本人船員の育成・確保が重要となっていることに鑑み、日本人船員の増加に資する体制の強化や支援措置の充実など万全の措置を講ずること。

以上であります。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

今村委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

今村委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。

 この際、国土交通大臣から発言を求められておりますので、これを許します。国土交通大臣太田昭宏君。

太田国務大臣 独立行政法人に係る改革を推進するための国土交通省関係法律の整備に関する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま可決されましたことに深く感謝申し上げます。

 今後、審議中における委員各位の御高見や、ただいまの附帯決議において提起されました事項の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。

 ここに、委員長を初め理事の皆様、また委員の皆様の御指導、御協力に対し、深く感謝の意を表します。

 まことにありがとうございました。(拍手)

    ―――――――――――――

今村委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

今村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

今村委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後三時二十八分散会


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