衆議院

メインへスキップ



第1号 平成15年4月8日(火曜日)

会議録本文へ
本特別委員会は平成十五年四月八日(火曜日)議院において、個人情報の保護に関連する諸法案を審査するため設置することに決した。
四月八日
 本特別委員は議長の指名で、次のとおり選任された。
      逢沢 一郎君    石田 真敏君
      岩永 峯一君    大村 秀章君
      金子 恭之君    亀井 久興君
      北村 誠吾君    砂田 圭佑君
      滝   実君    竹下  亘君
      橘 康太郎君    谷田 武彦君
      谷本 龍哉君    蓮実  進君
      福井  照君    星野 行男君
      松下 忠洋君    松浪 健太君
      松野 博一君    宮澤 洋一君
      村井  仁君    吉田 幸弘君
     吉田六左エ門君    伊藤 忠治君
      石毛えい子君    大畠 章宏君
      後藤  斎君    今野  東君
      島   聡君    中村 哲治君
      平岡 秀夫君    細野 豪志君
      山内  功君    横路 孝弘君
      漆原 良夫君    西  博義君
      桝屋 敬悟君    東  祥三君
      黄川田 徹君    西村 眞悟君
      春名 直章君    吉井 英勝君
      北川れん子君    保坂 展人君
      江崎洋一郎君
平成十五年四月八日(火曜日)
    午後三時三十八分開議
 出席委員
   委員長 村井  仁君
   理事 逢沢 一郎君 理事 砂田 圭佑君
   理事 蓮実  進君 理事 松下 忠洋君
   理事 伊藤 忠治君 理事 細野 豪志君
   理事 漆原 良夫君 理事 東  祥三君
      石田 真敏君    岩永 峯一君
      大村 秀章君    金子 恭之君
      亀井 久興君    北村 誠吾君
      佐田玄一郎君    竹下  亘君
      橘 康太郎君    谷田 武彦君
      谷本 龍哉君    平井 卓也君
      星野 行男君    松浪 健太君
      松野 博一君    宮澤 洋一君
      吉田 幸弘君   吉田六左エ門君
      渡辺 博道君    石毛えい子君
      桑原  豊君    後藤  斎君
      今野  東君    島   聡君
      中村 哲治君    肥田 美代子
      平岡 秀夫君    山内  功君
      西  博義君    桝屋 敬悟君
      黄川田 徹君    西村 眞悟君
      春名 直章君    吉井 英勝君
      北川れん子君    保坂 展人君
      江崎洋一郎君
    …………………………………
   議員           細野 豪志君
   総務大臣         片山虎之助君
   国務大臣         細田 博之君
   内閣府副大臣       米田 建三君
   内閣府大臣政務官     大村 秀章君
   総務大臣政務官      岩永 峯一君
   総務大臣政務官     吉田六左エ門君
   衆議院調査局個人情報の保
   護に関する特別調査室長  小菅 修一君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月八日
 辞任         補欠選任
  滝   実君     渡辺 博道君
  竹下  亘君     佐田玄一郎君
  福井  照君     平井 卓也君
  大畠 章宏君     肥田美代子君
  横路 孝弘君     桑原  豊君
同日
 辞任         補欠選任
  佐田玄一郎君     竹下  亘君
  平井 卓也君     福井  照君
  渡辺 博道君     滝   実君
  桑原  豊君     横路 孝弘君
  肥田美代子君     大畠 章宏君
    ―――――――――――――
四月八日
 村井仁君が委員長に当選した。
同日
      逢沢 一郎君    砂田 圭佑君
      蓮実  進君    松下 忠洋君
      伊藤 忠治君    細野 豪志君
      漆原 良夫君    東  祥三君
 が理事に当選した。
    ―――――――――――――
四月八日
 個人情報の保護に関する法律案(枝野幸男君外八名提出、衆法第一〇号)
 行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律案(枝野幸男君外八名提出、衆法第一一号)
 独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律案(枝野幸男君外八名提出、衆法第一二号)
 情報公開・個人情報保護審査会設置法案(枝野幸男君外八名提出、衆法第一三号)
 個人情報の保護に関する法律案(内閣提出第七一号)
 行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律案(内閣提出第七二号)
 独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律案(内閣提出第七三号)
 情報公開・個人情報保護審査会設置法案(内閣提出第七四号)
 行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出第七五号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 委員長及び理事の互選
 個人情報の保護に関する法律案(内閣提出第七一号)
 行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律案(内閣提出第七二号)
 独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律案(内閣提出第七三号)
 情報公開・個人情報保護審査会設置法案(内閣提出第七四号)
 行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出第七五号)
 個人情報の保護に関する法律案(枝野幸男君外八名提出、衆法第一〇号)
 行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律案(枝野幸男君外八名提出、衆法第一一号)
 独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律案(枝野幸男君外八名提出、衆法第一二号)
 情報公開・個人情報保護審査会設置法案(枝野幸男君外八名提出、衆法第一三号)


このページのトップに戻る

     ――――◇―――――
    〔星野委員、委員長席に着く〕
星野委員 これより会議を開きます。
 衆議院規則第百一条第四項の規定によりまして、委員長が選任されるまで、私が委員長の職務を行います。
 これより委員長の互選を行います。
砂田委員 動議を提出いたします。
 委員長の互選は、投票によらないで、村井仁君を委員長に推薦いたします。
星野委員 ただいまの砂田圭佑君の動議に御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
星野委員 御異議なしと認めます。よって、村井仁君が委員長に御当選になりました。
    〔拍手〕
 委員長村井仁君に本席を譲ります。
    〔村井委員長、委員長席に着く〕
村井委員長 この際、一言ごあいさつを申し上げます。
 ただいま委員各位の御推挙によりまして、本特別委員会の委員長の重責を担うことになりました。
 委員各位の御指導と御協力を賜りまして、公正かつ円満な委員会運営に努めてまいりたいと存じます。
 何とぞよろしくお願いを申し上げます。(拍手)
     ――――◇―――――
村井委員長 これより理事の互選を行います。
砂田委員 動議を提出いたします。
 理事は、その数を八名とし、委員長において指名されることを望みます。
村井委員長 ただいまの砂田圭佑君の動議に御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
村井委員長 御異議なしと認めます。よって、委員長は、理事に
      逢沢 一郎君    砂田 圭佑君
      蓮実  進君    松下 忠洋君
      伊藤 忠治君    細野 豪志君
      漆原 良夫君    東  祥三君
以上八名の方々を指名いたします。
 この際、暫時休憩いたします。
    午後三時四十分休憩
     ――――◇―――――
    午後四時八分開議
村井委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 この際、本日付託になりました内閣提出、個人情報の保護に関する法律案、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律案、独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律案、情報公開・個人情報保護審査会設置法案、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案及び枝野幸男君外八名提出、個人情報の保護に関する法律案、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律案、独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律案、情報公開・個人情報保護審査会設置法案の各案を一括して議題といたします。
 各案について順次趣旨の説明を聴取いたします。細田国務大臣。
    ―――――――――――――
 個人情報の保護に関する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
細田国務大臣 ただいま議題となりました個人情報の保護に関する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 同法律案に関しましては、第百五十一回国会に提出され、第百五十五回国会において審議未了のまま廃案となった経緯がありますが、基本原則を削除すること等を内容とする与党三党修正要綱に沿って修正し、再提出することとしたものであります。
 次に、本法律案の内容の概要を御説明申し上げます。
 この法律案は、高度情報通信社会の進展に伴い個人情報の利用が著しく拡大していることにかんがみ、個人情報の適正な取り扱いに関し、基本理念、施策の基本となる事項、個人情報を取り扱う事業者の遵守すべき義務を定めること等により、個人情報の有用性に配慮しつつ、個人の権利利益を保護することを目的としております。
 この法律案の要点を申し上げますと、第一に、個人情報の取り扱いについての基本理念を定めるとともに、国及び地方公共団体の責務等を明らかにし、関係施策の総合的かつ一体的な推進を図るため政府が基本方針を作成することとするほか、国及び地方公共団体の施策等について規定しております。
 第二に、個人情報データベース等を事業の用に供している一定の事業者が個人情報を取り扱う際に遵守すべき義務として、個人データの第三者提供の制限や、本人の求めに応じた開示、訂正等の義務を定めることといたしております。同時に、義務に違反した場合における主務大臣による勧告及び命令、命令に従わない場合の罰則等も規定しております。
 第三に、民間団体による個人情報の保護を推進する観点から、苦情の処理等の業務を行う団体に関して、主務大臣が認定を行うこと等を規定しております。
 なお、報道、著述、学術研究、宗教、政治の五分野については、事業者の義務等に関する規定の適用を除外する一方、個人情報の適正な取り扱いのため必要な措置をみずから講じ、かつ、その内容を公表するよう努めなければならないこととしております。
 以上が、この法律案の提案の理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。(拍手)
村井委員長 片山総務大臣。
    ―――――――――――――
 行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律案
 独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律案
 情報公開・個人情報保護審査会設置法案
 行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
片山国務大臣 行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律案、独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律案、情報公開・個人情報保護審査会設置法案及び行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 これら四法案は、第百五十四回国会に提出され、第百五十五回国会において審議未了のまま廃案となった経緯がありますが、行政機関の職員等に対して罰則を設けることを内容とした与党三党修正要綱に沿って修正し、再度提出することとしたものであります。
 次に、各法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。
 まず、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律案は、行政機関において個人情報の利用が拡大していることにかんがみ、行政機関における個人情報の取り扱いに関する基本的事項を定めることにより、行政の適正かつ円滑な運営を図りつつ、個人の権利利益を保護するものであります。
 この法律案の要点は、第一に、行政機関は、個人情報を保有するに当たっては、その利用目的をできる限り特定するとともに、利用目的の達成に必要な範囲を超えて個人情報を保有してはならないこととする等、個人情報を適正に取り扱う義務を定めております。
 第二に、行政機関が電子計算機処理に係る個人情報ファイルの保有に関し、あらかじめ総務大臣に対し、所定の事項を通知しなければならないものとし、さらに、個人情報ファイルについて、原則として、所定の事項を記載した帳簿を作成し、公表しなければならないものとしております。
 第三に、何人も、行政機関の長に対し、当該行政機関が保有する自己に関する個人情報の開示、訂正または利用停止を請求することができる制度を設けております。また、行政機関の長は、開示、訂正または利用停止の決定等について不服申し立てがあったときは、情報公開・個人情報保護審査会に諮問するものとしております。
 第四に、行政機関の職員等に対する罰則を設けることとしております。
 次に、独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律案は、独立行政法人等のうち百三十二法人について、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律案に準じて、個人情報の適正な取り扱い、個人情報ファイル簿の作成及び公表、開示、訂正及び利用停止、罰則等について定めるものであります。
 次に、情報公開・個人情報保護審査会設置法案は、内閣府に設置されている情報公開審査会を改組して情報公開・個人情報保護審査会とし、同審査会において、行政機関の保有する情報の公開に関する法律等の規定による不服申し立てについて調査審議するほか、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律案等の規定による不服申し立てについても調査審議することとするものであります。
 最後に、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案は、登記簿、特許原簿等、開示または訂正等について独自の手続が定められている文書に記録されている保有個人情報については、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律案第四章の規定の適用を除外する等、関係法律の規定の整備等を行うものであります。
 以上が、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律案等四法案の提案理由及び内容の概要であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。(拍手)
村井委員長 次に、細野豪志君。
    ―――――――――――――
 個人情報の保護に関する法律案
 行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律案
 独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律案
 情報公開・個人情報保護審査会設置法案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
細野議員 民主党・無所属クラブ、自由党、日本共産党、社会民主党・市民連合を代表して、ただいま議題となりました個人情報保護法案並びに関連法案の趣旨を説明いたします。
 今日、情報通信技術の急速な発展に伴い、多様な個人情報の利用が飛躍的な広がりを見せております。このような時代背景を考えたとき、個人情報保護法制の必要性は、我々野党も一致して認めるところであります。しかし、政府と我々との間には、個人情報保護に対する基本的な哲学に大きな違いがあります。我々が最も懸念するのは、民間と比較して膨大な個人データを有している行政機関への情報の集中であります。国民の最大の不安もそこにあります。そのことを考えると、個人情報保護のあり方は、権力の関与を最低限にとどめるものでなければなりません。野党四党は、この哲学に基づいて、国民の個人情報を適切に保護し得る法案を提出いたします。
 以下、そのポイントを御説明いたします。
 まず、「個人情報の取得、利用、第三者に対する提供等に関し本人が関与する」という自己情報コントロール権を第一条の目的規定に定めました。この考え方は、個人情報取扱事業者の義務の部分で具体化されております。
 次に、個人情報取扱事業者に対して、センシティブ情報の特に慎重な取り扱いを義務づけました。具体的には、個人情報取扱事業者が、あらかじめ本人の同意なく、思想及び信条に関する事項、医療に関する事項、福祉に係る給付に関する事項、犯罪の経歴に関する事項、人種、民族、社会的身分、門地並びに出生地及び本籍地を取り扱うことを原則的に禁止することといたしました。
 また、個人情報保護における主務大臣の恣意的な運用を避けるために、いわゆる三条委員会である個人情報保護委員会を内閣府の外局に設置することといたしました。すなわち、個人情報の適正な取り扱いのために必要な監督、苦情の処理等の役割をこの個人情報保護委員会に与えることとしております。
 さらに、個人情報を保護する一方で、表現の自由や報道の自由を守り、国民の知る権利を担保するために、適用除外規定を設けました。政府案においても適用除外規定を設けてはおりますが、野党案では、その適用除外を活動機関に限定するのではなく、活動の目的によって規定をしております。
 一方、行政機関個人情報保護法案については、より厳しい規定を設けております。特に、個人情報の目的外利用については厳格に禁止をいたしました。例外的に、「業務の円滑な遂行に著しい支障が生じるとき」には目的外利用を認めておりますが、その際も、情報公開・個人情報保護審査会の意見を聞かなければならないことにすることにより、行政機関の個人情報の乱用を許さないこととしております。
 さらに、公務員に対する実効的な罰則規定を設けております。行政機関の職員が、その職権を乱用して、個人の秘密に属する事項が記録された文書などを収集したときには、罰則を科すことといたします。防衛庁リスト問題のケースにおいては、この規定が適用されます。また、行政機関の職員が、個人情報ファイル簿に掲載をされていない個人情報ファイルを利用したときにも、罰則を科すこととしております。より厳格な罰則を設けることによって、行政機関の個人情報の乱用を未然に予防することを目指しております。
 以上が、野党四党が共同提出いたしました法案の趣旨であります。(拍手)
村井委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後四時十九分散会


このページのトップに戻る
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.