衆議院

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第12号 平成16年5月10日(月曜日)

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平成十六年五月十日(月曜日)

    午前九時三十一分開議

 出席委員

   委員長 自見庄三郎君

   理事 石崎  岳君 理事 北村 誠吾君

   理事 久間 章生君 理事 増原 義剛君

   理事 首藤 信彦君 理事 平岡 秀夫君

   理事 前原 誠司君 理事 遠藤 乙彦君

      赤城 徳彦君    岩屋  毅君

      植竹 繁雄君    江崎洋一郎君

      遠藤 利明君    大村 秀章君

      奥野 信亮君    左藤  章君

      佐藤  錬君    塩谷  立君

      柴山 昌彦君    田中 英夫君

      谷  公一君    中西 一善君

      中山 成彬君    仲村 正治君

      鳩山 邦夫君    林田  彪君

      宮澤 洋一君    森岡 正宏君

      泉  健太君    岩國 哲人君

      大出  彰君    大畠 章宏君

      奥村 展三君    鎌田さゆり君

      武正 公一君    中川 正春君

      中塚 一宏君    長島 昭久君

      細野 豪志君    松崎 公昭君

      松本 剛明君    渡辺  周君

      上田  勇君    西  博義君

      赤嶺 政賢君    東門美津子君

    …………………………………

   総務大臣         麻生 太郎君

   法務大臣         野沢 太三君

   外務大臣         川口 順子君

   国務大臣

   (防衛庁長官)      石破  茂君

   国務大臣

   (事態対処法制担当)   井上 喜一君

   外務副大臣        逢沢 一郎君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  増田 好平君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  大石 利雄君

   政府参考人

   (警察庁警備局長)    瀬川 勝久君

   政府参考人

   (防衛庁防衛局長)    飯原 一樹君

   政府参考人

   (防衛施設庁建設部長)  河野 孝義君

   政府参考人

   (消防庁次長)      東尾  正君

   政府参考人

   (公安調査庁長官)    大泉 隆史君

   政府参考人

   (外務省大臣官房審議官) 鶴岡 公二君

   政府参考人

   (外務省総合外交政策局国際社会協力部ジュネーブ条約本部長)        荒木喜代志君

   政府参考人

   (外務省北米局長)    海老原 紳君

   政府参考人

   (外務省中東アフリカ局長)            堂道 秀明君

   政府参考人

   (外務省条約局長)    林  景一君

   政府参考人

   (文部科学省スポーツ・青少年局長)        田中壮一郎君

   政府参考人

   (国土交通省道路局長)  佐藤 信秋君

   衆議院調査局武力攻撃事態等への対処に関する特別調査室長          前田 光政君

    ―――――――――――――

委員の異動

五月十日

 辞任         補欠選任

  菅原 一秀君     奥野 信亮君

  山口 泰明君     左藤  章君

  楢崎 欣弥君     大出  彰君

  細野 豪志君     泉  健太君

  大口 善徳君     西  博義君

同日

 辞任         補欠選任

  奥野 信亮君     菅原 一秀君

  左藤  章君     山口 泰明君

  泉  健太君     細野 豪志君

  大出  彰君     楢崎 欣弥君

  西  博義君     大口 善徳君

    ―――――――――――――

五月七日

 有事関連法案反対に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第一九〇五号)

 同(石井郁子君紹介)(第一九〇六号)

 同(穀田恵二君紹介)(第一九〇七号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第一九〇八号)

 同(志位和夫君紹介)(第一九〇九号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第一九一〇号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第一九一一号)

 同(山口富男君紹介)(第一九一二号)

 同(吉井英勝君紹介)(第一九一三号)

 同(赤嶺政賢君紹介)(第二〇二一号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第二〇二二号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律案(内閣提出第九八号)

 武力攻撃事態等におけるアメリカ合衆国の軍隊の行動に伴い我が国が実施する措置に関する法律案(内閣提出第九九号)

 武力攻撃事態等における特定公共施設等の利用に関する法律案(内閣提出第一〇〇号)

 国際人道法の重大な違反行為の処罰に関する法律案(内閣提出第一〇一号)

 武力攻撃事態における外国軍用品等の海上輸送の規制に関する法律案(内閣提出第一〇二号)

 武力攻撃事態における捕虜等の取扱いに関する法律案(内閣提出第一〇三号)

 自衛隊法の一部を改正する法律案(内閣提出第一〇四号)

 日本国の自衛隊とアメリカ合衆国軍隊との間における後方支援、物品又は役務の相互の提供に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定を改正する協定の締結について承認を求めるの件(条約第一〇号)

 千九百四十九年八月十二日のジュネーヴ諸条約の国際的な武力紛争の犠牲者の保護に関する追加議定書(議定書1)の締結について承認を求めるの件(条約第一一号)

 千九百四十九年八月十二日のジュネーヴ諸条約の非国際的な武力紛争の犠牲者の保護に関する追加議定書(議定書2)の締結について承認を求めるの件(条約第一二号)


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     ――――◇―――――

自見委員長 これより会議を開きます。

 本委員会に付託されております、内閣提出、武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律案等武力攻撃事態等への対処に関連する七法律案及び日本国の自衛隊とアメリカ合衆国軍隊との間における後方支援、物品又は役務の相互の提供に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定を改正する協定の締結について承認を求めるの件等条約三件を一括して議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 各案件審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官増田好平君、内閣官房内閣審議官大石利雄君、警察庁警備局長瀬川勝久君、防衛庁防衛局長飯原一樹君、防衛施設庁建設部長河野孝義君、消防庁次長東尾正君、公安調査庁長官大泉隆史君、外務省大臣官房審議官鶴岡公二君、外務省総合外交政策局国際社会協力部ジュネーブ条約本部長荒木喜代志君、外務省北米局長海老原紳君、外務省中東アフリカ局長堂道秀明君、外務省条約局長林景一君、文部科学省スポーツ・青少年局長田中壮一郎君及び国土交通省道路局長佐藤信秋君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

自見委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

自見委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。岩國哲人君。

岩國委員 おはようございます。

 民主党を代表いたしまして、質問をさせていただきます。

 まず最初に、いわゆる日米物品役務相互提供協定改正協定第五条第三項に、日本語、英語、両方ともでありますけれども、「日本国の自衛隊による武器の提供」という記述に対して「アメリカ合衆国軍隊による武器システムの提供」、こういう、表現があえて違えてあります。

 これはなぜ、日本の場合には単に「武器」、そしてアメリカの場合に「武器システム」、このように表現の違いがとられているのか、その理由は何ですか。また、アメリカ合衆国は、日本以外の国との協定において同じように一貫して「武器システム」という表現で統一しておるのか。それに対して、相手側は常に「武器」で来ておるのか。

 この「武器」と「武器システム」の違い、そして、他国との協定におけるその比較の問題、これについて外務大臣にお伺いいたします。

川口国務大臣 他国との例については、後で政府参考人の方からお答えをさせていただきたいと思います。

 それで、まず、武力攻撃事態に対しまして自衛隊が米軍に対して物品、役務を提供する、この根拠法は米軍行動関連措置法案の第十条でございますけれども、ここでは、自衛隊が米軍に武器を提供することは認めていないわけでございます。

 この「武器」でございますけれども、これは銃、火器等戦闘行動において直接人の殺傷その他の武力行使の手段として用いられる機械、器具、装置、これを指すわけでございます。

 そして、今度は米国の方でございますけれども、米国の国内法令、これは、米軍がACSAのもとで他国の軍隊等に武器システム、おっしゃるように武器システムを提供することを認めていないということでございます。

 ここで言う「武器システム」というのは、一または二以上の武器の組み合わせであって、自己完結的であるために必要な関連するすべての装備、資材、役務、要員または配送・配置手段を有するものというものを指すということであると承知をいたしております。

 それで、おっしゃったACSAの五条の三、これの規定ぶりでございますけれども、ACSAに基づく物品、役務の提供が日米それぞれの国内法令の範囲内で行われるという原則を踏まえて、日米それぞれの国内法令上提供が認められていない物品は、条約たるACSAにおいて提供できないということを明確にするという観点から、これはあえて用語をそろえないで、それぞれの国内法令上の用語をそのまま使用するということでやっているということで、日米双方がそのようなやり方をするということについて合意があったということでございます。

 他国との例については、参考人の方からお答えをさせていただきたいと思います。

海老原政府参考人 今お尋ねの他国との例でございますけれども、これはちょっと、一般論として申し上げますと、米国と第三国との条約の内容でございますので、その解釈とか運用の問題もございますので、余り私から有権的には申し上げられないわけでございますけれども、委員の問題意識を踏まえまして、米側にも照会をいたしましたけれども、米側の回答は、他国との協定というのは公表されていないものが多いということでございます。

 ただ、この他国との協定につきましても、米国国防省の指令というのがございまして、ここで、米軍は他国の軍隊等との間でACSAのもとで武器システムの提供も受領もできないというふうに規定されているということでございまして、他国との協定もこの国内法を踏まえて作成されているということから、同じ考え方に立っているということであると理解しております。

岩國委員 アメリカ側にわざわざ問い合わせていただいたようですけれども、この草案をつくったとき、あるいは古い協定を検討したときに、お互いにどういう理解をしておったんですか。極端な話、私が質問しなかったら、じゃ、問い合わせしなかったみたいな話になりますけれども。

 こういうことについて、日本側は武器という単品では提供しない、アメリカはシステムは提供しない、言いかえれば日本側は、単品は提供しないけれどもシステムは提供できるということなのか。

 大体、その「武器」という表現と「武器システム」という表現とは、どちらがより広範囲なものと理解しておられるのか、その点をもう少しわかりやすく。日本はなぜ「武器システム」という表現はとれないのですか。アメリカと同じように日本も「武器システム」という表現をとれば、何か不都合なことがあるのですか。その二点、お願いします。

海老原政府参考人 二点申し上げさせていただきたいと思いますけれども、それぞれの国内法に従って行われるということで、それぞれの国内法上に規定されている言語、言葉を使用したというのは、先ほど川口大臣から御答弁申し上げたとおりでございます。

 日本の場合には、法律上の用語といたしまして「武器システム」という言葉は余りなじみがございませんで、「武器」につきましては、自衛隊法上もございますし、いろいろな、武器輸出三原則、これは法律ではございませんけれども、そこでも「武器」という言葉も使われておりますし、そういう観点から「武器」という言葉を使用した。アメリカ側については、先ほどのような事情で「武器システム」、これは「ウエポンシステムズ」という言葉を使っておりますけれども、この言葉をそのまま国内法上の用語として使用したということでございます。

 それから、範囲が違っているのではないかということでございますけれども、基本的には、我々としては同じだというふうに考えております。細かいところまで全部一致しているかどうかということになりますと、そこは必ずしも確定的に申し上げられませんけれども、いずれにしろ、この物品、役務の相互提供というのは、片方の要請に基づいて提供が行われるということでございますので、それぞれ自分の国内法で要請もできないというものについてはそもそも要請が行われないということから、運用上の支障は生じないというふうに考えております。

岩國委員 「武器システム」という概念が日本には存在しないんですか。これだけ広範囲にいろいろな国との情報交換が進み、あるいは法制度やあるいは協定を進めながら、日本はいまだに「武器」という表現しかできないのか。「武器システム」という表現が確立されておらないからなのか、あるいはあえてそれを避けているのか、その点もう一度確認してください。

 それから、原文の方の「ウエポンシステム」というのは単数になっているのか複数になっているのか、それもあわせて確認してください。

海老原政府参考人 これは繰り返しになって恐縮でございますけれども、特に何らかの意図があって「武器システム」という言葉を使わなかったということではございませんで、あくまでも、日本の国内法体系の中でなじみのある「武器」という言葉を使えば十分であるというふうに考えた次第でございます。

 アメリカの方の英文は、先ほど申し上げましたように「システムズ」と複数形になっております。仮に、先ほどのまた繰り返しでございますけれども、「武器システム」という、「システムズ」でございますが、この概念が広いとしましても、向こうから、米側から要請がまず行われるということでございますから、向こうが仮に広いとすれば、そもそも、その広い部分については要請自体が行われない、したがって、こちらから提供もあり得ないということになると思います。

岩國委員 こだわるようですけれども、こういう文章の表現そのものも、できるだけ対等の精神というものがどこにも、隅々にまで私は行き渡るべきものだ、そう思うからです。

 それから、今確認されましたように、英語の表現でも、「ウエポンシステムズ」と複数になっているということは、アメリカ側には一つじゃなくて幾つもシステムがあるということでしょう。アメリカにたった一つしかない、要するに軍事システム、軍事体系、武器システムは一つしかないという非常に高度な抽象的なものではなくて、あれもある、これもある、それもある、それと武器とどこら辺の次元の違いがあるんですか。「武器」も「武器システム」も、ほとんど今は違わない時代になっておるでしょう。なぜそれに、この法律をつくるときにこだわらなかったのか。日本だって、アメリカさんがおっしゃる武器システムズぐらいはありますよと、そんな時代になっておるじゃないですか。再度答弁してください。

林政府参考人 若干繰り返しのところもございますけれども、この「武器」と「武器システム」の書き分けにつきましては、今回初めてやったわけではございませんで、周辺事態法のときの改正ACSAにおきましても同様に、日本については「武器」、アメリカについては「武器システム」という書き分けをしてございます。

 そのときにもたしか御説明したと思うのでございますけれども、基本的にはこれは、ACSAの仕組みというのが、それぞれの国内法に基づいて権限を与えられて、それで提供するという、いわば一つの根拠として、ACSAというものが何がしかの提供根拠を与えているということではなくて、ACSAはあくまで決済手続の枠組みということでございまして、その提供できる権限というのは、それぞれの国内法、アメリカの国内法、日本の国内法というものを前提にするわけでございます。

 したがいまして、そのそれぞれの国内法にある表現を使ったということでございますが、実態におきまして「武器」と「武器システム」に差はないということは先ほど申し上げたとおりでございます。

岩國委員 このACSAに相当するものは、アメリカはよその国とはどことも協定を結んでおらないわけですね。そういう前提でなら今のお話は納得できますけれども、ACSAに相当するものが他国との間に結ばれているとすれば、当然、この書き分けの問題というのは今おっしゃったように出てくるわけですよ、言葉と言葉は違うとしても。

 それから、古い条文において書き分けがなされているから今回も書き分けをしなきゃいけないという、その根拠には私はならないと思うのですね。

 このことについていつまでも時間を使いたくありませんけれども、アメリカはACSAに相当する協定を他国と結んでいないということを、はっきりとここで確認してください。

海老原政府参考人 先ほど、ちょっと私の答弁が適当でなかったのかもしれませんけれども、私は、米国が他国とACSAのような協定を結んでいないということを申し上げたわけではございませんで、米国は、この国内法、いわゆるNATO相互支援法と呼んでおりますが、この法律に基づきまして、七十カ国を超える国と同様の物品、役務の相互提供協定を結んでおります。

 ただ、その具体的な文言につきまして米側に問い合わせましたところ、原則として公表していないということから文言については確認ができなかったけれども、同じ国内法に基づいてつくられている以上、「ウエポンシステムズ」という考え方に基づいてつくられているものと理解しているということを申し上げたわけでございます。

岩國委員 要するに、多数の国とこのような協定を結んでおって、それぞれの国内法云々ということでありますけれども、ちゃんと書き分けをしているかどうかということの確認をもっととるべきじゃありませんか。アメリカの大使館かどこかに聞かれて、そう説明を受けました、はい、さようでございます。公表はしていないと言うけれども、日本では堂々とこうやって公表しているじゃないですか。

 アメリカは、他の協定、条約、そういったものについて一切公表しておらないということですか。

海老原政府参考人 この照会は、大使館ではなくて、ワシントンの国防総省に対して直接行っております。

 また、ちょっと週末だったものですから、必ずしもほかの国に相当には聞けませんでしたけれども、例えば、ある一カ国なんかにも、ほかの国ですね、米国と結んでいるほかの国にも照会いたしましたけれども、その国からもテキストは不公表だという返事を得たということで、先ほど答弁させていただいた次第でございます。

岩國委員 私自身も含めて多くの人は、恐らく理解できないと思います。こういう大事な協定がなされておって、それがいろいろな国において、アメリカだけではなくて、相手の国においても一般的に公開されておらないとか、あるいは、十年たったそれさえも公表されておらないとか、私は、随分調査が不十分じゃないかという印象は免れません。

 次の質問に移ります。

 武力攻撃事態等におけるアメリカ合衆国の軍隊の行動に伴い我が国が実施する措置に関する法律案第十四条の「損失の補償」について。

 ここで言う「損失」というのは、物的、経済的なものだけに限定されているんでしょうか。それとも、肉体的、人権的な損失も対象となるんでしょうか。また、日本国籍を持つ者と同じように、在日の外国人あるいは日本を旅行中の外国人はすべてその対象になるんでしょうか。この点について御答弁をお願いいたします。

井上国務大臣 今お尋ねの損失の補償のケースでありますけれども、これは、米軍が緊急に通行いたします場合、土地等を通るわけでありますが、その場合、それからもう一つは、車両等が道路にあります場合にそれを除去する、それに伴う損失の補償、この二つが想定されるわけでございまして、通常、そういった場合の損失補償というのは物質的、経済的な損失に対する補償でございまして、精神的その他についての補償は考えていないところでございます。この種の補償につきましては大体そのようなルールでやっている、こういうことでございます。

 あと、外国人も対象になるかということでありますけれども、外国人も、被害を受けました場合には、損失を受けました場合にはその補償の対象になる、こういうことでございます。

岩國委員 今、大臣の御答弁をいただきましたけれども、外国人もその対象になるということ、それから、肉体的、人権的な損失は含まれないということ、この二点は条文の上でどこで明示的に表現されておりますか。

井上国務大臣 特にそのことを具体的に文言では表示をしておりませんで、損失の補償ということですね、通常生ずべき損失については補償をする、こういう規定でありまして、その補償につきましては、通常日本で行われている補償のルールに従って、そのように私どもとしては考えている、こういうことであります。

岩國委員 法律の上でははっきり明示的には書かれていないということでありますけれども、今の大臣の御答弁をもってそのように運用されるというふうに理解してよろしいわけですね。

井上国務大臣 これと同種の補償につきましては、従来からそのように運用してきたということでありまして、私のこの御答弁はそれを確認した、こういうことでございます。

岩國委員 次に、武力攻撃事態等において自衛隊あるいは米軍が高速道路を利用する場合のその高速道路の通行料金は支払う必要があるのかどうか。

 現在、道路公団民営化の法案も出ておりますけれども、これから四十五年間、自民党・政府案によれば通行料金を徴収する、我々民主党は三年から先は高速道路は米軍を含めて通行料金は無料、こういう法案を出しておるわけですけれども、こういう武力攻撃事態等において自衛隊あるいは米軍が通行料金を支払う必要があるのかないのか。また、ある、ない、どちらにしても、それはどこにはっきりと書かれておるのか。この点について御答弁をお願いします。

石破国務大臣 これは、先生御案内のとおり、昭和三十一年にできました道路整備特別措置法という法律がございます。この第十二条の規定に基づきまして、武力攻撃事態の対処を含めまして、高速道路を緊急に走行する必要がある場合には当該車両の通行料金は徴収されない、このようになっております。

岩國委員 御確認していただきまして、ありがとうございました。

 次に、消防車等の緊急車両、あるいはボランティア、あるいは、民間組織であるけれどもかなり継続的にそういったことに協力しておって存在感が十分に認知されておるようなところ、急に何かボランティアでございますと言ってあらわれたようなところはまた別としまして、そういった、今大臣が答弁された範疇に属さないその周辺的な団体、組織に対しても同じように通行料金は徴収しないと解釈していいのかどうか、御確認をお願いいたします。

佐藤政府参考人 有事の際の高速道路の通行料金についてのお尋ねでございます。

 自衛隊あるいはアメリカの軍用車両等につきましては、ただいま防衛庁の長官より御答弁いただいたとおりでございますが、先生の御指摘は、ボランティア等についても適用できるか、消防自動車等について適用できるか、こういう御議論でございました。

 消防自動車につきましては、先ほどの道路整備特別措置法の十二条のただし書きとこれに基づく施行令、あるいはまた緊急自動車の定義、こういうのがございますので、そこの部分で通行料金を徴収しないことができる、こういうことでございます。

 問題は、ボランティアについてどうか、こういう御議論でございました。

 恒常的にボランティアとして認め得る車両、こういうものがどういう形なのか、この点につきましては従来からいろいろな御議論があるところでございまして、そういう意味では、確実に有事のための協力車両、こういう形で、どういう形で整理できるか、今後の課題の部分もあるわけでございます。その辺は、国土交通大臣そのものは、高速道路の通行料金につきましては適切に判断して対処する、こういうことになっておりますので、これからの課題として、どういう形なら無料ということが可能であるかという点については、引き続き検討してまいりたいと思っております。

岩國委員 それでは次に、いわゆる国民保護法案について、三点お伺いしたいと思います。

 武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律案の中で、国民と住民はどのように使い分けをしておられるのか。在日外国人は国民に含まれるのか、住民に含まれるのか、両方に含まれるのか、どちらにも含まれないのか。その点について、井上大臣の御答弁をお願いいたします。

井上国務大臣 国民という言葉を使いますときには、いわゆる国民一般を対象にするということでありまして、したがいまして、国民一般を対象にしている規定につきまして国民という言葉が使われているわけでございます。例えば、武力攻撃につきまして、国民の生命とか財産を守るというような場合は、まさに国民という言葉を使うわけでありますが、特定の区域の国民、これについては、やはり住民という言葉を使っております。例えば、市町村長がそこの住民に対しまして避難を誘導するような場合は、特定の区域が限定されるわけでありますから、そういう場合には住民、こういう言葉を使うわけでございます。

 それから、外国人のことでありますが、外国人の場合は、一般的に、日本人固有の基本的人権がある場合は、それはもうもとより日本人だけでありますけれども、一般的に基本的人権というのは外国人にも適用される、こういうことでありまして、これは最高裁の判例の方で確定しているようでありまして、そのように御理解をいただいたらいいと思うのでございます。したがって、外国人が特定の場所に住んでおります場合は、それはやはり住民に、住民というか、居住者というんですか、になる、こういうことになるわけでございます。

岩國委員 例えば、国民という概念は非常に広いわけでありますけれども、日本国籍を持って、その時点において外国にいた、しかし、帰らなければならないのに帰ることができなかった国民、これも当然、損失の補償に条件的には私は対象になるだろうと思うんです。

 逆に、日本にたまたま居住しておったけれども、帰るべき日に市長の命令でそこで制限されてしまった。つまり、移動を制限されたために、あるいは、自衛隊が入ってくる道路のために道路が封鎖されたために、そういった居住の、行動の自由を奪われてしまった、そういう国内居住の非日本人、そういった者も同じように対象になるのかどうか。

 外国にいる日本国民、帰ってこれないためにいろいろな損害をこうむったという場合もまたあり得るでしょう。あるいは、帰らなければならない外国人居住者、こういった場合にはどのような解釈をしておられるんですか。

井上国務大臣 日本に居住する外国人、あるいは、たまたま日本に旅行で来ておりました外国人、こういった外国人に対しましては、ただいま御答弁いたしましたように、一般の日本人が享受をする基本的人権、これを持っているということでございますし、また、外国にたまたま行っている、そういう外国人につきましても、そういう人たちの所有権等につきましては、これはもう当然、損失がありますれば補償の対象にすべきでありまして、そういう意味では、日本に旅行に来た外国人、あるいは日本からたまたま外国に行っている外国人もともに、基本的には同じ権利を持つ。つまり、日本人と同じような基本的人権の享受を受ける、こういうぐあいに理解をいたしております。

岩國委員 同じ国民保護法案の中で、次のような条文があります。「国及び地方公共団体は、自主防災組織及びボランティアにより行われる国民の保護のための措置に資するための自発的な活動に対し、必要な支援を行う」、こういうところがございます。具体的にどのような支援をされるお考えがあるのか。

 また、在日外国人による組織、あるいは町内会という表現もいろいろなところにあります。町内会的な組織があるとすれば、町内会も必ずしも一つとは限らないし、あるいは、町内会の構成人員が必ずしも日本国籍を持つ者が多数を占める町内会ばかりとは限らない地域もあろうかと思います。そういった場合に対して、複数存在する場合、あるいは在日外国人が多数を占める組織の場合にも、全く平等にこの支援は行われるというふうに解釈してよろしいのかどうか。

 同時に、二つの町内会が存在する場合には、その意見あるいは行動あるいは指示が食い違った場合にはどのような対応をされるんですか。

井上国務大臣 武力攻撃がある事態でありますから、国とか地方公共団体とかあるいは指定公共機関等だけではなしに、国民すべてがそういう事態に対処をしていかなくちゃいけない、そういう事態に対処する協力をしないと効果が上がらないということは御理解いただけると思うのでありまして、そういう趣旨で、私ども、自主防災組織でありますとかあるいはボランティア等についてもその協力を得たい、得るということを書いているわけであります。

 具体的には、情報提供をいたしますとか、あるいは必要に応じて財政的な支援も考えたらいいんじゃないか、今後の検討課題でありますけれどもそんなことも検討していきたい、こんなふうに考えている次第であります。

 また、町内会につきましては、これは、具体的には、当該市町村長が把握をしているといいますか、市町村長の措置なり、あるいはいろいろな対処の仕方に関連する組織だと思うのでありますけれども、それはそれぞれの市町村におきまして適宜判断をしていただくということでありますけれども、外国人が多数住んでいる町内会であろうと、あるいは少数の外国人しかいないというような町内会であろうと同じだというふうに考えます。

岩國委員 同じ地域に複数の町内会が存在するということは極めてまれだろうと思います。しかし、これからはそういう可能性がふえていくという蓋然性は否定できないわけでありまして、そうした場合における、緊急事態におけるそういった住民に対する避難指示、そういったものが行政的にどういうふうに的確に対応できるものか、この辺については、私は、まだまだ検討の余地が十分残されているんじゃないか、そのように思います。

 また、相反するそういった指示がなされた場合において、その結果として、損失補償というものが訴訟の場に持ち込まれた場合にどのように扱われるのか。

 あの九・一一事件のときにも、私もその地域でかつては働いておりましたけれども、その第一のビルが破壊され、第二のビルが攻撃されるというおそれがあったときに、そのワールド・トレード・センターの二番目のビルは一斉に避難指示が出されたわけです。一斉に避難指示が出て、そして、大丈夫だからという指示がまた出て、一斉にみんな帰っていった。そのときにたった一社、その指示には従うなと言って最後まで避難させた会社があったんです。それはモルガン・スタンレーという投資銀行でした。したがって、モルガン・スタンレーはほとんど被害者なしで終わったんですね。これは逆のケースもあり得たかもしれません。

 しかし、退去命令が出て、そして、その退去命令が取り消されて、一斉に復帰命令が出された。したがって、勤務時間中ですから、当然、社員としては、外でいつまでもぶらぶらするわけにいきませんから、帰れと言われる以上は仕事へ帰らなきゃならない。その結果があの大きな惨事につながってしまったわけですね。

 同じ建物の中でも、これは町内会とは少し違いますけれども、二つの違う指示が出て、一つはモルガン・スタンレーによる、危険は去っていないから安全ということが確認されるまでは帰ってくるなと、結果的にはその指示の方が正しかったのですね。恐らく、日本の各地でこういうことはこれからもあり得るかもしれません。そういったことも念頭に置いて私は質問させていただいているわけであります。

 具体的な点について幾つか質問させていただきましたので、次は、少し大きな問題について質問させていただきたいと思います。

 まず、我が国の自衛隊は軍隊と呼ばれているのかどうか。外国においては、一〇〇%軍隊としての資格、認識、権限、義務というものを持っておって、他国の軍隊と全く平等、同等に扱われておるということなのかどうか、この点が一点。

 二番目に、外国では軍隊、そして自分の国へ帰ってくると途端に軍隊とは呼ばれなくなる、こういう二重人格的な軍隊は世界のほかのどこの国に存在しているのか。

 この二点を外務大臣にお伺いしたいと思います。

林政府参考人 二つ御質問をいただいているうちの最初の点について私からお答えしまして、後段については同僚からお答えさせていただきます。

 自衛隊の国際法上の地位でございますけれども、御案内のとおり、我が国の憲法上、自衛のための必要最小限度を超える実力を保持し得ないといった制約を課せられておりますので、自衛隊が通常の観念で考えられます軍隊とは異なるということは従来申し上げておるところでございますけれども、他方、我が国を防衛することを主たる任務として、自衛権行使の要件が満たされる場合には武力を行使して我が国を防衛する、そういう実力組織ということでございますので、一般には、国際法上は軍隊として取り扱われるということでございます。

鶴岡政府参考人 第二点目の御質問についての諸外国の例でございますけれども、諸外国の実力組織につきまして、諸外国の国内法に基づいて日本政府として有権的な解釈は申し上げられませんが、一般的な、私どもが承知している範囲でお答えを申し上げたいと思います。

 まず、我が国以外に、世界のほかの国において国内法上軍隊でない軍事組織を有している国があるとは承知しておりません。

 また、先進国の例で申し上げますと、より具体的には、少なくとも私どもが承知している限りは、アメリカ、イギリス、ロシアなどのG8主要国の軍隊は国内法上も国際法上も軍隊として位置づけられていると承知しております。同様に、我が国同様第二次大戦の敗戦国であるドイツやイタリアについても同じ状況にあるというふうに承知しております。すなわち、国内法上も国際法上も、ドイツやイタリアにおいても軍隊として位置づけられていると承知しております。

 以上でございます。

岩國委員 そうすると、世界の軍隊あるいは軍隊に近い組織の中で、国内で使う名刺と国外で使う名刺が違っているのは日本の自衛隊だけですか。つまり、表の日本語の方は軍隊でないと書かれてあって、裏の英語で書かれた方は全部軍隊と書かれている、そういう組織は日本の自衛隊だけなんですね。

鶴岡政府参考人 もう一度確認でございますが、恐縮でございますけれども、私どもが承知しておる限りにおきましては、我が国のほかに、国内法上軍隊でない軍事組織を有している国があるとは承知しておりません。

岩國委員 確認どうもありがとうございました。

 という御答弁に基づいてさらに伺いますけれども、そうしますと、外国では軍隊として行動し、そして、国境を越えて日本国に入ると途端に軍隊としての権利も資格も喪失するということになるわけですね。

 そうすると、アメリカ合衆国の軍隊と共同で日本領域内で行動するときには、そのとき自衛隊は軍隊としての行動なんですか、それとも軍隊でない組織としての行動なんですか。これが一点。

 二番目に、今この委員会で審議中のジュネーブ条約、このジュネーブ条約の対象となる軍隊というのは自衛隊が国外にいるときだけが対象になるのか、国内においての行動においてもこのジュネーブ条約の対象になるのか。

 その二つをお答えいただきたいと思います。

林政府参考人 私が先ほど申し上げましたのは、国際法上の評価、取り扱いとしてどうかということでございまして、国際法上の取り扱い、評価といたしましては軍隊ということでございまして、それでは、国内で活動を行う場合、一体何に照らして評価されるのか、何によって規律されるのかというところの問題であろうかと思います。

 それは、国内において活動する場合に憲法との関係においてどう評価するかということであれば、陸海空その他の戦力には当たらない軍隊ということでございましょうし、他方、それでは、今具体的にお尋ねのジュネーブ条約を含めました国際法との関係におきまして、国際法の規律というものが我が国国内において外れるということはございませんで、国際法の規律、法規範の規律関係というのは我が国国内において自衛隊が活動する場合にも当然適用されるわけでございまして、仮に我が国が武力攻撃を受けて我が国が武力紛争の当事国になるということになれば、ジュネーブ条約が当然に適用される、ジュネーブ条約によって自衛隊の活動も規律される、こういうことになろうかと思いますので、その限りにおいて、日米で行動することについて何ら問題があるというふうには考えておりません。

岩國委員 ジュネーブ条約との関連において再度お伺いしますけれども、ジュネーブ条約で禁止されている、その禁止項目の対象になるというときに初めて、日本国内においても自衛隊は軍隊としての扱いを受ける、こういうことなんでしょう。

 つまり、日本国内においても、軍隊でないということがはっきりしているならば、ジュネーブ条約の対象行為というのは日本の領域の外に限定されるわけであって、日本国内においては、軍隊でないというならば、ジュネーブ条約の対象組織にはならないんじゃないですか。いや、私は頭が悪いからこんなことをまた再度聞いておりますけれども、私と同じような疑問を持っている人は私はほかにもおると思いますから、念のため。

 日本国内において自衛隊が軍隊と呼んでいただけるのは、ジュネーブ条約の、あれをやってはいけない、これをやってはいけないというペケリストの対象になるときだけ初めて自衛隊は軍隊と呼んでいただける、こういう解釈なんです。そのときでも軍隊でないというんだったら、日本国内において、自衛隊であろうと何であろうと、ジュネーブ条約の禁止行為そのものが存在し得ないということになるんじゃないですか。再度お願いします。

林政府参考人 私の説明が不十分なのかもしれませんが、先ほど来申し上げておりますのは、自衛隊がジュネーブ条約を含めました国際法との関係においてどのように規律されるかということは、必ずしも禁止規定だけということを申し上げているわけではございませんで、国際法による法規範の体系というものがございますればそれにのっとって活動することになるということを申し上げておりまして、その場合に我が国の国内であるか領海の外であるか、そういったことは問わないわけでございます。

 他方、国内において活動しようが、あるいは恐らく領海の外において活動する場合でもそうだろうと思いますけれども、憲法との評価、あるいは具体的に申し上げますれば、自衛のための必要な要件がある場合に限って武力を行使する、そういうものに力が限定されておるといった、そういう制約を持った形での組織というものでなければならない、そういう国内的な法規範というものはこれまた同時に働いておるということでございます。

岩國委員 今、林局長、答弁の中で、自衛のためにだけ武力を行使する、そういう軍隊であると。私は、そういうことを憲法の上ではっきりさせないからこういう混乱が起きてくると思うんです。国境の外へ出たら軍隊、自分の国へ帰ってきたら軍隊という肩書を外さなきゃいかぬ、こんな二重人格の組織というのはおかしいと思うんです。

 憲法の上でしっかりとそれを認知する、自衛のためにだけ武力を行使する、外国には出ていかない、そういうのが自衛隊でありますということをはっきり憲法に書き込むことさえすれば、こういう余計な混乱や、ジュネーブ条約の対象になるとかならないとか、領域を出たらどうとか――これは一般国民の通念というか理解をいたずらに混乱させるような現象、事態がこれからどんどんふえていく。

 今からでも私は遅過ぎることはないと思いますから、そういうことについて、憲法の中に、自衛のためにだけ武力を行使する組織を自衛隊と呼ぶ、そういうことをはっきりうたえば、そしてそれを軍隊という呼称をつければ、二重人格のそういった問題もないし、名刺の表と裏の違いもないし、一般国民もきちんとそれを理解し、中学校の社会科の先生でも同じことが説明できる。

 私はそういうふうにすべきだと思いますけれども、石破大臣、御答弁お願いいたします。

石破国務大臣 それは、先ほど来、外務省条約局長が答弁を申し上げているとおりのことでございまして、仮に自衛隊を軍隊というふうに称したといたしましても、それはネーミングの問題でございます。仮に自衛軍というふうに称したといたしましても、それは憲法九条第二項によって禁ぜられております陸海空軍その他の戦力に当たるものではない。では、それは何なのだといえば、日本の自衛隊を仮に自衛軍と称したといたしましても、必要最小限以上の実力は保持できないという、普通、通念で言います軍隊との違いは明らかに存在をしておるわけでございます。

 ただ、そのように言っても、先生の御指摘どおり、中学生にはそんなことわからないということかもしれません。その概念整理はこれから先、いろいろな議会の場で、あるいは憲法調査会の場でなされると思いますが、私どもが申し上げておりますのは、自衛軍と称したといたしましても、それはネーミングの問題であって憲法に抵触するものではないということは、先生よく御案内のとおりでございます。このあたりを、国会において今後さらなる御議論が深まるものではないかというふうに考えておる次第でございます。

岩國委員 憲法にはっきりと書き込むことによって初めて、憲法に書いてあるから中学校の先生が社会科の時間に教えることができるわけです。憲法にも書いてないようなことを、あの政党はこういう定義を言っている、あの政党の中では、あの人とこの人がこういう協定をしてこういう軍隊組織を言っておる、こんなことを中学校の社会科の先生が堂々と授業時間に教えることはできないわけです。学校の先生が将来の日本を背負う若い世代に教えることができるのは、授業時間に限られる。授業時間に説明できるのは、憲法に書いてあるからこそきちんと説明できるんです。小さな子供の疑問も払拭することができる。

 単にネーミングの問題だけではなくて、憲法に書かれているか書かれていないかということは、これからの教育の中に、教育の真ん中に白昼堂々とこの自衛隊について説明できるかどうかという大事な問題じゃないですか。それを、一般通念で大体認知されているからとか、あるいは単にネーミングだからとか、自衛軍と呼んでも憲法に特に抵触しないとか、そういう次元の問題ではないと私は思うんです。

 憲法の中に、第九条の中に、国を防衛するためにだけ自衛隊という武力が存在するということをはっきり書いて、自衛隊に憲法という鎖をつけるべきだと思うんです。そうすれば、だれが大臣になろうと、戦争の好きな総理大臣が出てきても嫌いな総理大臣が出てきても、自衛隊は絶対に日本の領土から出ていかないということを憲法の中ではっきりさせる、これが私は大切なことだと思うんです。

 そのためには憲法改正が必要だというふうに私は考えます。憲法を改正することによって初めて、学校の教育の中で、うちのお父ちゃんは自衛隊で働いている、お兄ちゃんは自衛隊で働いている、その自衛隊は何のための組織なのか。それは山口組と違うんだと。山口組と山口軍、これはネーミングだけです。憲法で認められていない戦力、武力を保有しているそういう組織暴力団というのが存在するでしょう。それと自衛隊とはっきり違うということを証明するためには、一つは憲法で認められている、一つは憲法で認められていない、こういうわかりやすい教育ができるようでなくちゃ私はおかしいと思うんです。

 再度、御答弁をお願いします。

石破国務大臣 それも、防衛二法というものがございまして、明らかに山口組とは違うわけでございます。自衛隊法あるいは防衛庁設置法によりまして、これは、国会におきまして成立をいただいております法律に基づきまして私どもはやっておるわけでございます。そしてまた、これは憲法九条に抵触するものではないということになっております。それは、もう今まで政府が累次答弁を申し上げているとおりであり、それは国民の皆様方の中にコンセンサスがあるのではないかと思っております。

 加えて申し上げれば、我々の自衛権の範囲というのは公海、公空までは及びますので、日本の領土に限られているというわけでは決してございませんが、そのことにつきましても、本当に国民の皆様方に御理解がいただけるようにしなければならない。

 ことしは、自衛隊創設五十年でございます。これは警察予備隊というものから発足をし、それが保安庁になり、自衛隊になっていった。このあたりの歴史の検証も踏まえながら、国権の最高機関である国会におきまして今いろいろな御議論がなされておると承知をいたしております。

 本当に、中学生にもわかるような、国民の皆様にわかるような、そういうような形の御議論が今なされておろうというふうに考えておりますが、現在、政府といたしましては、自衛隊は当然合憲でございますし、私どもは法律に基づきましてきちんと自衛権の行使のための活動を行っておる、そういうようなことははっきり申し上げられるかと思います。

岩國委員 それでは、井上大臣、川口外務大臣にも同じようにお伺いします。

 こういった、自衛隊を憲法上明確に位置づけること、表現云々は別として、それについて賛成ですか反対ですか。それぞれの大臣の御意見をお伺いします。

井上国務大臣 委員のおっしゃること、あるいはおっしゃりたいこと、よく理解をすることができますし、また、それに賛同される方も多いと思うのでありますけれども、この問題につきましては、今防衛庁長官もお答えになったと思いますけれども、やはり経緯のある問題でございまして、さらに国会の中で十分検討を深めて結論を出すべき問題であろう、こんなふうに思います。

川口国務大臣 自衛隊を我が国の憲法との関係でどのように位置づけるかという議論は、これは、本当に戦後何十年かの総括の議論ともいうべき議論であって、国民の中でかなり深く、広く議論をされる必要がある課題であるというふうに思っております。

 いろいろな意見があると思います。この意見の交換、あるいはこれについての考え方の整理がしばらく時間をかけて行われるということが必要ではないかと思っています。

岩國委員 それぞれの大臣の御意見を伺いましたけれども、戦後何十年ということをまだ二十一世紀になって言っているのは、要するに、問題の先送りにしかすぎないと私は思うんですね。

 憲法にどのように規定するかということをもっとまじめに、真剣に、そうしないから、いろいろな国際協定を結んでも、混乱が起きてみたり、そして、そういう緊急事態が起きたときの対応にも何かおかしな、整合性が欠けてくるということになると思いますから、一般通念として十分に認知されているのであれば、あとは教育の場でしっかりと同じ説明ができるようにすること。これは教育の問題にも大きな影響があると思うんです。これだけ大事な問題を学校の中で教えないという、そんな国が世界のどこにありますか。

 憲法の中にしっかりと書いている、日本の第九条というのは世界に誇る平和憲法。その平和憲法の性格をより明確にするために、自衛隊は専守防衛のためにしか存在しない、そういうことをはっきりと突っかい棒を打ち込むことによって、自衛隊の地位はより明確になり、軍隊と呼ぶことも何のはばかることもないし、軍隊という言葉は悪い言葉ではないということははっきりするんじゃないですか。

 これは、日本語の問題にも教育の問題にも、いろいろなところに悪い影響を起こしているのは、要するに、政治家としての勇気、決断のなさというものがいつまでも尾を引っ張っているからこんな国に私はなっているんじゃないかと思います。

 そういう、外から攻められたときには自衛隊、そして、中の内内は警察、外内は自衛隊、そして外外の問題は国連平和軍に。国連に予算も人員も直結するような、世界で最も強力な軍隊を国連が持てば、だれが戦争をしますか、そんなところを相手にして。外外は国連軍、外内は自衛隊、内内は警察、この三つの役割を三分間で中学校の社会科の先生が黒板に書いて説明できるような、そういう理解しやすい国家にすべきだと、私はそのように思います。

 また御意見はこれからも聞かせていただきたいと思いますけれども、最後に、残された時間わずかでございますけれども、イラクにおける米兵の収容虐待問題について、先週末から、そして土曜日も日曜日も、繰り返しテレビ、新聞等は報道しております。

 たまたま私がきょうの質問の最初に当たりましたから、ぜひとも外務大臣の御意見をお伺いしたいと思いますけれども、こういうことに対して、ジュネーブ諸条約に加入している米国は条約に違反していることになるんじゃないんですか。ジュネーブ条約に違反しているということは、はっきりと日本政府として意見、声明を出されたことはありますか。これについてまず外務大臣にお伺いいたします。

川口国務大臣 イラクの収容所で起こっていること、これについては私は大変に遺憾なことだというふうに思います。極めて遺憾なことだと思います。

 これについては、ブッシュ大統領も謝罪をし、事実関係を今軍事法廷等で処罰をするということを考えてプロセスを進めているということですし、再発防止策も考えるということでございますので、早期に透明性を持った形でこれの結果が出るということを日本としては期待をしたいというふうに考えております。

 それで、我が国として米国に対して立場を表明したかということでございますけれども、これについては幾つかの場で行わさせていただいております。

 例えば、小泉総理が六日に、これについては極めて遺憾なことである、米政府もこのようなことがないように対処をしていただきたいということをおっしゃられています。また、同じ六日に、当時の細田内閣官房副長官ですけれども、記者会見で遺憾の意を表明しています。それから七日に、外務省から在京の米国大使館に対しまして、我が国の立場、これを伝えております。

 ジュネーブ条約との関係でございますけれども、これは、米国は今現在事実関係の調査中ということでございます。ということで、事実関係、明確に我々としてそれを掌握する立場にはないということですけれども、一般的にこういうようなことについて申し上げるとすればですけれども、ジュネーブの諸条約に違反する可能性はあるというふうに思っておりますけれども、これは、当事者ではなくて、事実関係について今まさに米国において把握中ということでございますので、日本政府として確定的に申し上げるということは困難であると思います。

岩國委員 外務大臣は女性であられますけれども、女性の場合もかなりこの虐待被害の被害者の立場に立っているわけですね。御自分がそういう目に遭われたらという思いも含めて、今までに報道されたことについて、外務大臣として、ジュネーブ条約に違反している可能性があるという程度の表現で済む問題でしょうか。

 また、五月六日、小泉総理大臣があるいは細田官房副長官がそれぞれの記者会見で何かおっしゃったということですけれども、記者会見で何か感想を述べる程度の話じゃないでしょう、これは。ベーカー大使を、ちゃんと外務省へ来てもらうなり首相官邸へ来てもらって、日本国として、日本国民としての明確な意思表示を行うべきではありませんか。今までに報道されていることを見れば、もう明らかにこれはジュネーブ諸条約に違反している。

 私は、これを特にここで取り上げたいのは、今我々、国会でこれを取り上げているのは、このジュネーブ諸条約をさらに強化しようということに取り組んでいるのは日本の国会なんです。だからこそ私は、政府は国民を代表して、こういう事態は看過し得ない、今、日本の国会においてもジュネーブ諸条約をさらに完備するための取り組みに真剣に取り組んでいるときになぜこのような行為が行われる、大変遺憾に思う、条約違反行為は直ちに中止し、そしてその復旧といいますか、修復に最大の努力を挙げるべきであるということを、政府見解として、あるいは米国の駐日大使に対する抗議として、もっと公文書の形でやるべきじゃありませんか。日本の新聞記者の顔を見ながら感想を漏らした、それが英語になって少しは向こうへ伝わったでしょう、その程度の話じゃないと私は思うんです。

 外務大臣の御答弁を再度お願いいたします。

川口国務大臣 先ほど申しましたように、これは二度と起こってはならない遺憾な事件である、これについては全く同じ考え方をいたしております。

 それで、記者会見で、もちろん総理もおっしゃられた、細田副長官もおっしゃられたわけですけれども、それだけではなくて、我が国の政府として我が国の立場を米国政府に、米国大使館経由で伝えているわけでございます。ですから、そういうこともやっているということです。

 委員と私どもの立場の違いは、ジュネーブ条約について違反があったということを断定できるかということを、委員は断定をしていらっしゃるわけですけれども、政府といたしまして、これはその事実関係を自分の手の上に知っているわけではございません。報道は聞いております。

 ですから、これは米国が今調査をし、そして関係者を処罰し、再発防止をするということを言っているわけで、我が国としては、それが行われるということが、今後の米国のためにも、イラクの復興のためにも非常に重要なことであると考えておりますけれども、我が国として違反があったということを断定することはできないということを申し上げているだけでございます。

岩國委員 私は断定しているわけじゃありません。しかし、少なくとも、一行だけ、今までに報道されたことが事実であるとするならば、点を打って、日本の政府としてはこう考えると。それは、事実であるかどうかは、アメリカ政府でさえも一〇〇%はまだわかっていない、こういう立場をとっている以上、我が国がそれを事実と断定するということに対しては問題があるかもしれません。しかし、報道されているということが事実であるとするならば、これは明らかにジュネーブ条約の違反であり、直ちに中止すべきであり、事態を修復するために全力を挙げるべきである、日本国民を代表して以上のように抗議するというぐらいの文書をなぜ送れないんですか。

 大臣は、私の先ほどの質問に対して、五月六日に小泉さんが、細田さんが、そして五月七日には外務省が、外務省でなくて外務大臣がという主語がそこで私は出るべきだったと思います。そして、最初の御答弁の中では、それ以外にもいろんなものを出しておりますということをなぜおっしゃらなかったのか。それ以外にも外交ルートを通じて文書を出している、では、公開してください。だれの名前で、いつ、だれあてに、どういう内容のものを抗議として出されたのか。

 我々が日本の新聞で知り得ていないほかの第二、第三、第四の抗議文書が存在するならば、それはぜひ公表していただきたい、そのように思います。

自見委員長 質疑時間が終了しております。簡潔にお願いいたします。

川口国務大臣 私の申し上げ方が明確でなかったのかもしれませんが、第二、第三、第四の文書があるということを私が申し上げたということはございません。

 我が国とアメリカの間でいろいろなことをお話をしていますけれども、そういったことを文書で公表するということは考えておりません。

岩國委員 時間が参りましたので、終了します。

 御答弁ありがとうございました。

自見委員長 次に、奥村展三君。

奥村委員 私は、審議をさせていただいておる流れの中で、特に国民の保護という立場から、消防関係等について的を絞って質問していきたいと思います。

 まず、この審議の流れで、既に我が党の楢崎あるいは大畠委員からも消防関係についていろいろ質問をしておられますが、私、特に消防庁の使命は大変重大ではないかなという思いをいたしております。特にやはり、現場主義といいますか、ややもいたしますと、何もかも机上的な話になって、現場でいろいろ苦労していることだとか、実際、実体験をやっていくとか、そういうことを考えますと、失礼ですけれども、特に消防庁長官あたりの存在というのは大変私は重いというように思います。

 そういうように思いますと、特に今回のこの応急措置等の規定によりますと、都道府県知事等にいろいろと指示を出していただくということになっております。やはりその指示を出していかれるには、専門的なあるいは的確な判断力や指導力が要ると思うんですけれども、この消防庁、長官そのものもそうでございますが、消防庁全体の体制として、大臣、どのようにお考えになっているか、お伺いいたしたいと思います。

麻生国務大臣 消防庁長官の資質はこの種の緊急事態におきましては極めて重要、しかも、その責任は重いのではないかということだと思いますが、私も極めて重いと存じます。したがいまして、消防経験ということだと思いますが、消防庁長官といういわゆる組織の長ということになりますと、消防庁長官としての組織管理能力というのも一つ持っておかなきゃいかぬという面と、それから、現場がよくわかっておるという話と、二つなんだと思いますが、なかなか両方ということにはいかぬところが難しいところだと存じます。戦闘になったときを例に引けば、下士官以下のところは一番現場に詳しくて、将軍も一緒かと言われると、なかなかそこのところはまた違うところなんだと思います。

 いずれにいたしましても、消防庁長官の資質は極めて重たいと思いますので、そういった意味では、全体の組織の長としての消防庁長官としての資質というものがあって、組織管理能力とか組織の長としてとかいうことの話、判断能力なんだと思いますが、やはり現場のことをわかっておらぬという点を補佐するという意味で、現場の地域消防から上がってきた人が、現場経験の深い出身者が、今、消防庁本庁に勤務する職員百五十七名中四十九名、約五十名が地方消防の経験者上がりをもって消防庁長官を補佐するという立場をとっておりますので、今言われたような御懸念というのは、私どもも同じようなものを感じますので、大事なところだと存じます。

奥村委員 個人的な云々ではないわけで、やはりそういう組織の問題、体制、指揮の問題だということを強調したいために申し上げたわけであります。

 それと次に、今の消防関係と、中央と地方との関係なんですけれども、都道府県知事さんだとか市町村長さん、今の長官と同じように、いざ事が起こったときにどのような首長としての指揮命令、きちっとできる、受けとめてやっていけるか、そこにもやはり大きな問われ方があると思うんですね。

 実は、この当時の知事さんが悪いと私は言っているわけではなく、私も当時は県会議員しておりましたから、ちょうど信楽高原鉄道事故があって、四十数名亡くなったんです。あの事故があったときに、当時の稲葉知事が、後でお話ししたときに、いや、そんなこともあったということを、実は自衛隊に要請をすればよかった、それができなかった。そのときに、私は、大津赤十字病院、もう亡くなりましたが、藤田という院長が、当時すぐ自衛隊に要請していただければ、半分以下に、この生命を食いとめられたかもわからない。しかし、それが、地域消防あるいはその周辺の消防署の皆さんと警察の皆さん等で措置をなされた。ここで自衛隊が、もう自衛隊は何か待機をしていただいておったようなんですが、とっさのうろがきて、そこにもう対応が回らなかった、そういう話を当時の知事にお聞きをしたんです。

 こういう有事、いろいろな事態が想定されるわけでありますけれども、そこに常にそういう意識もやはりお持ちをいただくということも大事であると思いますので、中央のいろいろな指令、そしてそれを受け入れて、県民や町民なんかと、市民なんかと一体となってそれに対応していけることも大事だと思うんですけれども、どういうようにお考えですか。

麻生国務大臣 まことにごもっともな御指摘だと存じます。

 阪神・淡路大震災が起きるまでの間は、たしか、私の記憶では、都道府県と自衛隊が共同で防災訓練というようなことをやっておりました県は四県しかなかったと思いますが、あれ以後、急激にふえております。もう四十数県になっていると思います。そういうような状況でもあります。

 ただ、御存じのように、出動要請がないのに自衛隊の方が一方に出ていくというのは、これはクーデターと間違えられる可能性がなきにしもあらずということになりますので、やはり要請に基づくというのは大事なところ、大量移動いたしますので、そういったところだと思います。

 いずれにいたしましても、危機管理体制というのは、よほどしっかりしたものをあらかじめきちんとしておかないといけませんし、事実、そういうときには何をするのかというマニュアルやら、また首長さん自身の意識としてこういうものをということを、私どももこれは、いろいろモデルをつくりますときには、この種の話はぜひということでフォーラムをやったりもいたしましたが、知事さんみずから出てくるというのはなかなか難しいところでもありますので、全国知事会等々に話をさせていただいて、私どもの方から出向いて、こういった場合というような話をさせていただくということで今、事を進めております。

 おっしゃるように、首長というか知事さんの意識の差からいろいろ差が出てくることはもう確かです。確かに、こういったものに対して、兵庫県の知事あたりは、ついこの間の話ですから非常に認識が高いところですが、今まで地震がないようなところとか、そういったことが余りないところでは、なかなかぴんとはきにくいという点は確かにあろうと思います。

 いずれにいたしましても、知事会の要請やら何やらも、結構このことに関しましては知事会の方からの要請もございましたし、また、国民保護モデルというものをつくりますときに当たりましては、皆さん方の御意見を反映させていただきますので、現場でどんなことが問題になると思われますかという質問に対して、直接いろいろお答えをいただいたりもいたしております。

 きちんとして詰めをした上で積み上げていくのはもちろんですが、現場として、机の上でこういった話と実際とはもう全く違うことも予想されますので、これは実施訓練というものをやっていかないといかぬと思っております。地方と国と一体になって実施訓練というのは今後とも一番大事なところだと存じます。想定しております話となかなか現場とは違うというのはいつの話でもありますので、消防に限った話ではございませんが、実施訓練はぜひさせていただいて、そういった不安をあらかじめ解消しておく、最小限にとどめるという努力は必要だと存じます。

奥村委員 ありがとうございます。

 今おっしゃったとおり、決してあおるつもりはないんですが、常にそういう意識というものはあらゆる面で必要だというように思います。

 次に、消防団なんですが、私も先日、地元の消防団、毎年いろんな行事があるたびに呼んでくれますし、入退会式にも行ってきたんですが、人がいないんですと。もう勤めもあれですし、地元におりませんので、だんだん高齢化をしていきますし、そしてもう何年も何十年もやっている人も中にはおりますし、できればやはり機動的に、若い人がどんどん入ってくれて、いろんな経験をしてくれるといいんですがという班長さんのお話を聞かせていただきました。

 この問題は、先ほど申し上げましたように、この委員会でもいろいろ議論になっております。麻生大臣は、先日の答弁で、郵便局の職員さんやあるいはJAの職員さんなんかもいろいろ出てもらって、消防を充実していった方がいい、手助けを一緒にしてもらうことがいいなというふうな答弁もなされておったと思うんです。

 特に消防力といいますか、そういう問題も先日、御答弁になっておりますし、やはり広域的な形で、これは県境を越えたり市町村を越えて広域的な状況だとか、先ほど大臣が答弁されて、自衛隊を含めた訓練を四県ということですが、私の滋賀の方では、毎年九月一日を前後として、自衛隊を含めて県警なり地域消防なりあらゆる皆さんと、毎年、もうここ二十年近くやっております。

 そういうようにして常に危機意識を持ちながら、それを各ブロックごとに回していって、そして、そこの住民の方々にも参加をいただいて、ずっと防災訓練等をやっておられるわけなんですが、やはり常にそういうことも大事。そうなりますと、首長さんなりあらゆる地域の皆さんが、その意識の高揚といいますか認識をいただき、何かがあったときにという思いがするんですが、そういう流れを考えましても、やはり消防団員の活躍というのは、本当に、仕事もしながら、何かがありましたら出動してくれるわけなんです。

 これは質問書に書かなかったんですが、この間の入退会式で、これだけもう携帯電話が普及していますね。そうすると、別にあれを持っているようなんですよ、無線機を与えられている。そうすると、一方であれを持ちながら、そんな毎日毎日仕事に行きませんと。だから、こんな高度な情報社会ですから、周波を変えるとかいろいろなことは難しいかもわからないけれども、これは現場で話があったんですけれども、緊急の段になれば団員にはすぐにメールが入るとかブザーが鳴るとか、何かそういう方法がないのかなというような、団員はそんな話をしていましたし、そういうことがあれば、本当にもっと迅速に、仕事をしながらでも現場に駆けつけられる。

 責任感の上からそういうことをおっしゃったんだと思うんですけれども、ぜひそういうようなことも一つの今後のいろいろな体制、システムの中でお考えいただけたらというように思います。どうですか。

麻生国務大臣 団員の減少につきましては、もう奥村先生御心配のとおりでありまして、百万人を切って九十三万人という形になっております。

 少子化ということもありますし、過疎化もありますし、いろいろな理由がそれなんだと思います。ただ、ボランティアという精神におきましては昔の方より今の方が高いのかなと思わないでもないぐらいなんですが、少子化という現実と過疎化という現象というものは非常に重なっておりますので、地方におきます消防団員の減少に直接につながっておる大きな理由だと思っております。

 もう一つは、奥村さん、我々の昭和三十年代のころはサラリーマンが三〇%、自営業が七〇%だった。ところが、今は自営業が三〇%、サラリーマンが七〇%ということになっておりますので、郵便職員を例に引きましたけれども、地方職員、郵便職員、いろいろな形で、サラリーマンもこの消防というものに何らかの形で活動に参加しやすいような訓練方法というのを別に考えないと、従来のままでいきますと、会社の有給休暇をとってまではなかなかしにくいという感じもいたしますので、退社後とか、地方のことですから、夕方とか夜とか休日を使うとか、いろいろなやり方で訓練を考えるというようなこともあわせて考えていかねばならないのではないか。職場の状況が全然変わっておりますので、そういったような感じがいたしております。

 いずれにいたしましても、今いろいろな形でそういった形をやっておりますが、今最後に出ました携帯、モバイルを使ってという点はございますので、今検討しているところでございますので、詳しくは消防庁次長の方から説明させます。

東尾政府参考人 消防団への情報伝達手段でございますけれども、確かに御指摘のとおり、これまで無線機あるいは受令機というものを持っておりましたが、これは非常に団員の方の普及率が低いということで、一斉呼び出しのときには不便を感じているところでございます。

 そのため、ただいま大臣からもお話がございましたとおり、あるいは今委員からもお話しのとおり、現在持っている携帯電話を使って一斉呼び出しができないかということで、ことし、実は実験をやりまして、非常に効果があったということで、来年からそれを実用化できますように、現在、新しい研究会をつくってやっております。

 このことによりまして、消防団のこれまでより以上の迅速な招集と災害対応ができるもの、このように考えておりますので、さらに一層進めてまいりたい、このように思います。

奥村委員 後段の、次長さんが今お話ししていただいた、ぜひそれは実現できるようにお願いをいたしたいと思います。

 大臣が三割、七割の話をなされましたが、事業主あるいは会社のオーナーに対してきちっとした承諾をとって団員として地域でしっかり頑張ってくれているわけですから、そういうような意味におきましても、汗して頑張っているその団員さんのことを思いますと、少子化になった、いろいろ少なくなってきたからという今のお話ですけれども、やはり消防団員の組織そのものの再構築をしっかり念頭に置いて進めていただかなければならないというように思います。

 今、大臣が三割、七割の話をなされましたので、今ちょっと思ったんですが、大臣は私の大先輩であり、青年会議所の会頭もなされました。青年会議所のメンバーは、地域に根差して、今は余り綱領とは言いませんけれども、奉仕、友情、修練、この三原則といいますか三つのものがあった、その一番最初に奉仕というものがあるわけなんですが、仕事もしながら地域活動を、いろいろ青年会議所のメンバーが努力をしているわけなんです。

 そういうメンバーの組織、そういうところにも、あおってはならないけれども、有事、消防団員や、中にはおられるかわかりませんが、そういう方々と常に地域との連携、みずからの防衛をしていかなければならないわけですから、私は、青年会議所のそういうメンバーにも、組織的に今の活動を全国でやっておられる、そういう人にも、麻生大臣もJCの大OBですから、そこらを一度皆さんと御議論いただいて、君たちもひとつこういうこともいろいろな事業の中に取り込め、そして、常にそういう危機意識を持ちながらいろいろな体制の中で地域に根差した活動をしたらどうだというようなこともひとつお考えになったらどうですか。七割、三割のお話をなされましたから今ちょっと思ったんですけれども、大臣、どうですか。

麻生国務大臣 もうよわい六十三にもなりましたので、卒業いたしまして二十三年たっておりますので。

 奥村先生、ちょっと今のあれがよくわかりませんけれども、例えば、ナホトカ号が日本海で座礁というか沈没いたしまして、大量の重油が福井、石川等々に漂着したときに、福井ボランティアセンターというのが自主的に立ち上がって全部それを整理したときに、動員数二万何千人というのを送り込んだのが青年会議所で、そのとき、村岡というのが会頭をしていたと記憶します。

 それも、与えられると、バケツを持って、例のスコップというかあれを持って、はがすというまことに地道な努力をずっとやり切っておりますので、いろいろな意味で、そういうふだんからの意識というものがきちんとしておれば対応は早い。あの対応が早くなった最大の理由は、阪神・淡路大震災のときに大量に全国から神戸に人を送り込んだ、淡路に人を送り込んだという経験が、ナホトカ号のときの対応を非常に早くさせる、ボランティア活動をさせ得た一つの経験則だったと思います。

 今御指摘のように、これは一種の自主防災組織みたいなものなんだと思いますが、そういったものを地域であらかじめいろいろなものを想定してつくり上げておく、かつ訓練もしておく、そして、そういったのは自分の社員が多いわけですが、自分の社員をそこには言われたときは出すような自由を与えるというようなことも含めて、検討する価値はあると存じます。

奥村委員 そういう全体的な連携といいますか、あらゆる組織等も網羅しながら、事あればということで、ぜひそこのところにも着目をいただきながら進めていただければというように思います。

 井上大臣にちょっとお伺いしたいんですけれども、自主防災組織等の現状でございますけれども、この組織だけに期待をしていいのかどうかということがあるんです。

 というのは、この法案の中では国民の協力ということがありますね。これに関して、今のお話のように、ボランティア組織だとかあるいは自主防災組織の自発的な行動に期待をするということになっているわけでございますけれども、期待するだけでいいのかどうか。私はやはり、国民の保護法制としてしっかりしたものを定めておくべきではないのかなという思いがするんですけれども、その点について、いかがでしょうか。

井上国務大臣 武力攻撃があるというような、まさに有事でありますから、国を挙げて対処する必要があると思うんですね。国民の生命や財産を守るために国とか地方公共団体あるいは関係機関が率先して対処するということは当然でありますけれども、やはり国民全体の協力がなければ対処の効果が上がらないと思うんですね。単に期待するということだけじゃなしに、ぜひそれは国民の協力をお願いしていきたいといいますか、もう少し強くお願いをしなきゃいけない事態じゃないかと私は思います。

 先生のような御意見は与党の方にも大変多くあると思いますし、また、民主党の中にもそういう御意見を御質問を通して拝見いたしたわけでございますけれども、これはまさに我々といたしましては十分に拝聴しなければいけない議論だとは思っておりますけれども、何せ、前の戦争中の経験もありまして、いきなり国民にそういうのを義務化していくというようなこと、あるいはそれを上から組織をつくっていくということについてはまた問題もあるんじゃないかというような意見もございまして、この法律上はあくまで協力をしていただくという規定にしたわけでございますけれども、気持ちとしては、何としてもやはり積極的に参加をお願いいたしたい、そういうような気持ちでございます。

奥村委員 大臣の御答弁はよくわかるんですけれども、やはり私は、先ほどから申し上げておりますように、常に危機意識ばかり持たせてあおってしまって国民を拘束してしまうようになってはだめだと思うんですけれども、何か一つ、そうした連携といいますか、国民の皆さんの認識をきちっとしたものに持っていくには定めておく方がいいのではないかなというような思いがいたしましたので、お伺いをいたしました。

 麻生大臣、今、井上大臣にもお伺いをしたわけなんですけれども、自主防災組織率が六〇%と言われていますね。いろいろ地域によっては、これは都市部だとか地方とかいろいろあるんですが、ばらつきがあると思うんです。特に地域性によってその中身がばらばらになったり、いろいろなことがあるわけですから、そういうことを考えますと、自主防災組織そのものの機能が本当にうまく進んでいくのかなというような思いがします。

 というのは、私はやはり、先ほどの消防の話と同じように、我々の地域でも、今まで田舎だ田舎だと思っていても、どんどん都市化されています。そうすると、もう私のところなんかですと、従来、昭和四十年のときの人口が一万だったのが、今、四万五千なんですね。四倍なんですよ。そうすると、それだけどんどん流入いただいて、人口はふえています。しかし、消防の組織というのは知れています。

 ですから、そういうことになりますと、自主防災組織をきちっとして、伝達をしながらその組織を充実させていかなければならないというように思うんですけれども、そこらを考えていきますと、この自主防災組織だけでいいのか。私は、先ほどから申し上げておる、大臣もお答えになりましたが、青年会議所のあれを出しましたけれども、民間の企業なんかとともに、民間防災組織といいますか、地域といろいろなそういうものが必要になってくるのではないかなというような思いがするんですが、いかがでしょうか。

麻生国務大臣 御指摘のとおり、急激に人口がふえていったところは、いわゆる新住民と旧住民との間に、自分の住んでいる地域は自分たちで守ろうというような、そういったような意識は旧住民に比べてどうしても希薄が通常だと存じます。

 したがいまして、そういった方にも、自分たちの地域のことなんですからといって意識を持ってもらうまでにはかなりいろいろな、自然に待っていてもこれはなかなかですので、いろいろな仕掛け、細工がないと簡単には……。

 よく、この辺の周りの県民の方々、千葉都民とか埼玉都民とかいう言葉がありまして、自分はそこにただ住んでいるだけというようなのではなかなかその種の意識が出てこないところで、先生のところも多分、滋賀から京都に通われたり大阪に通われたりする方が多いからそういうことになるんだと思います。

 今回の法案におきましても、国と地方は必要な支援を行うということにしておりますので、自主防災組織というものが、広くいろいろな形で意識を持ってもらって、ふだんからいろいろな、日曜日のときなんかに、サイレンが鳴って、みんなで一緒に隣の人の家財道具を手伝ってやるとか、いろいろな形でのものが訓練、日々訓練というといかにも組織みたいに聞こえますけれども、そういったときにはやるものだというような意識は子供のときから植えつけてきさえすれば別に余り苦労と思わず普通にやるのであって、ふだんやったことないから、やらされるからいろいろなことを言いますけれども、なれれば別にということだと思います。

 常備消防というものは確かに大きな力があることは確かですけれども、消火が終わった後の片づけやら何やらは消防団ということにもなりましょうし、また、何か非常事態が起きましたときに、その人たちをその地域から退避・誘導するというのも、これは見ず知らずの人にやってもらうよりは、地元の顔見知りの消防団員とか市の職員、郵便職員、いろいろおりましょうけれども、そういった人たちがきちんとした消防団なら消防団の制服を着てきちんと案内するのとそうじゃないのとでは、避難される側の信頼感も、全く安心感が違うと思います。

 そういった意味では、今言われたような自主防災組織というものは広く組織されてしかるべき、その方がお互いのためだということで、一朝事あるときにというのを常日ごろやっておくというのは、これは地域として大事なところだと思いますので、やはり首長さん方にその意識を持っていただかないとなかなか、新しい仕事が一個転がり込むわけですから、それはなるべく仕事はしたくないのが普通だと思いますので、そういった意味では、国民保護の方にも今新たにそのためだけに特別な組織をつくり上げるかといえば、ちょっとそこまではどうかと思いますけれども、少なくとも、そういった日々の心がけを首長さんのレベルでしておくというのはとても大事なことだと思いますし、それが、あの地域はそういうことがしてあるから安心だという安心感を、新しく入ってくる人たちが、あの町はそういったものがきちんとしているからいい町なんだと言われるような評価まで上がるのが最高と、私どもはそう思っております。

奥村委員 ありがとうございました。

 井上大臣、先ほど、いろいろな義務的なことは難しいというお話がありました。国民の協力ということになりますと、確かに難しく、これは基本的人権の問題もいろいろ出てきますから大変かもわかりませんけれども、国民の協力義務規定、先ほどちょっと関連した答弁をいただいたわけなんですけれども、こんなことは予期したらいかぬと思いますけれども、非協力者がいて被害がだんだんだんだん拡大になって、片一方で一生懸命食いとめている、そういう無謀な人がおられるということも想定しなければならないわけですね。全然、全員が一体となって物が進むというわけにはならないと思うんですけれども、私は、そういう心配の上から、そんな国民の義務規定としてやられたらどうかなと思うんですけれども、どうでしょうか。

井上国務大臣 私自身は、委員のおっしゃること、よく理解をいたしますし、実際問題として、本当に関係の皆さん方が協力をしていただけなければ、地域住民の命だとか財産だとかは守れないと思うんですね。したがいまして、委員のおっしゃるようなこと、実際の運用におきまして極力反映できるように我々は努めてまいりたいと思うのであります。

 また、法律上きちっと義務化していくということにつきましては、これはいろいろと意見があろうかと思うのでありますけれども、たまたま与党と民主党の間で基本法の議論なんかがありますから、そういうような議論の際にこれはぜひ取り上げていただきまして議論を深めていただきたい、そのように考えております。

奥村委員 ありがとうございました。

 消防関係の最後でございますが、避難・誘導の要員等についてお伺いをいたしたいというように思います。

 誘導については、先ほどいろいろなお話をお聞きしましたし、私自身申し上げているんですが、自治体の職員さんだとかいろいろ地域の組織、あるいはまた消防隊員の関係の皆さんもおられますし、もちろん警察関係の方もおられます。そういう方々が誘導要員としていろいろ御努力いただきますし、そしてまた自衛隊の方、自衛隊員さんを誘導要員に要請することができるということになっておりますね。

 しかし、実態を考えてみたときに、有事のとき、これはケース・バイ・ケース、規模にもよりますけれども、自衛隊員の人たちというのは第一線に防御に行くわけですね。その人たちを誘導要員に呼び込んで、片っ方のその事態は拡大していくおそれがありますね。

 そんなことよりも、それだったら、警察関係の方々や自治体の方や先ほどのような方、そういう要員の方々でずっとしていただいた方が効率もいい、一方では防御していただける、そういうようなことがやはり大事であると思うんですけれども、現実的にそんなことが妥当なのか、また、可能なのか。

 そしてまた、避難・誘導において、自衛隊、警察、消防、どれだけの義務があるのかなというような思いもするわけなんですけれども、だれがこれを判断されるんですか。

 そこの点について、順次お答えをいただきたいというように思います。

井上国務大臣 避難の誘導ということについて言えば、これは市町村長に責任があるわけでございまして、市町村長が全責任を持って住民を避難させるわけでございます。

 その場合に、市町村の職員でありますとか、あるいは消防署、あるいは消防団、さらに警察、総動員をいたしましてそのような避難をしないといけないと思うのでありますけれども、制度上は、それでもなおかつ、どうしてもやはり自衛隊の力が必要なんだ、力をかりたいというような場合は、都道府県知事が自衛隊の方に要請できるような道が開かれているわけでございますし、また、場合によっては市町村長が直に自衛隊の方へ連絡をする、そういう道も開かれているわけでありますけれども、今委員がおっしゃいますように、自衛隊の任務というのはあくまで武力攻撃を排除するということでありまして、自衛隊に依存するといいますか頼って避難をするということは事実上できないと私は思うんですね。

 ということで、やはり自治体の方で責任を持って避難ができますように、日ごろの訓練をやっておくということだと思います。それで、自衛隊に対するそういった面での負担をさせないようにする。それから、万一の場合、私はあると思いますけれども、原則的には、そのような対処、今申し上げましたような対処がよろしいんじゃないかと私は思います。

麻生国務大臣 今、御質問の中でございましたように、今、井上大臣からもお答えがあっておりましたが、避難住民の誘導というのは、今回出しております国民保護法の第六十二条におきまして、「避難住民を誘導しなければならない。」と決められておりますので、これは基本的に消防職員の任務であります。

 したがいまして、いざ武力攻撃事態ということになりましたときには、燃えております家があるかもしらぬ、その中にいる人の救助もあるかもしらぬ、そして避難してくる人の誘導というものの優先順位をどうやってつけるかというところが、多分、現場の責任者の一番大事な判断を問われるところだと存じます。

 少なくとも、その判断は東京でできるわけではありませんので、そこにいる現場の消防職員が判断をして、倒壊しそうだというので、もう助からないからそっちを捨てて避難の方を優先するのか、まだということで火災の方を優先するか等々の判断は現場でしていただく以外にはほかに方法がないと存じますので、それはかかってその現場職員の経験によるところだと思いますし、判断は極めて重要だと存じます。

石破国務大臣 先生御指摘のとおり、戦うことができますのは自衛隊だけでございます。では自衛隊は国民を助けないのかという御議論をすぐなさる方がありますが、そうではないのでありまして、敵の侵害を排除できる実力、権限を与えられたのは自衛隊しかない。そうすると、まず自衛隊は第一義的にそれをやるのであって、国民の保護というものもやりますが、それはあくまで補完的にやるのだということは先生御指摘のとおりでございます。それは自衛隊が国民を守らないということでは決してございません。

 その場合に、知事さん方から要請を受けまして国民の保護派遣を行います場合と、それからあとは、防衛出動によりまして公共の秩序の維持を行う二つのタイプがございます。前者の場合には防衛庁長官が判断をいたしますし、後者の場合には部隊指揮官が判断をいたしまして、そのような対応を行うか行わないかということが決まります。

 私どもは、できます限り国民保護のためにも全力を尽くしますが、本来の任務であります侵害排除、そしてまた国の独立、国民の生命財産の保護ということにまず全力を尽くしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。

 訓練ももちろんいたしますが、総務大臣からも御答弁がございましたが、これが難しいのは、有事というのはなかなかこっちが想定したとおりには来ないのだということがございまして、いろいろなシミュレーションを常に行っていかねばならないと考えております。

自見委員長 簡潔に御答弁をお願いします。

瀬川政府参考人 警察の関係について御答弁させていただきます。

 避難住民の誘導は、今御答弁がありましたとおり、市町村長を中心に関係機関が連携して実施をするというところでございます。警察は、都道府県知事、市町村長の要請があった場合にそれに応じるということが一つと、また、そうした要請がない場合でも、みずからが必要と判断したときは、避難住民の誘導が円滑に行われるよう必要な措置をしてまいりたいと思います。

 この事務といいますのは、そもそも警察は、国民の生命、身体及び財産の保護に任ずる、公共の安全と秩序の維持に当たるというのが警察の責務でございますので、避難住民の誘導といいますのはまさにこのみずからの本来の責務であるというふうに認識をしておりまして、消防その他の関係機関と連携してこれに当たってまいりたいと思います。

 また、こういった避難住民の誘導を的確に行うために、警察に、本法におきましても、例えば道路上の車両その他の物件の除去等の権限が与えられるということになっているものというふうに承知をしております。

 また、そのほかの事務との兼ね合いでございますけれども、もちろん、こういった武力攻撃事態になりますと、テロでございますとか犯罪でございますとか、そういった一般治安の維持ということも非常に重要になってまいります。

 具体的には、こういった住民の避難・誘導等を含め、都道府県警察本部長が都道府県国民保護対策本部など関係機関と調整をして、全般的に適切に警察力の配分をして万全を期してまいりたい、こういうことでございます。

奥村委員 時間がありませんので、端的に聞きます。

 文部科学省の関係。文部科学省の方においでいただいていると思うんですが、先ほどずっといろいろな話をしてまいりまして御答弁もいただいたわけですが、やはりこれは常に教育の中にも、過剰な意識を持たすということはいけないと思うんですが、その体制というものを教育の中にもしっかりと根づかせておかなければ、私はこれは大変だというように思いますが、どのように対応しておられるか、お伺いいたしたいと思います。

田中政府参考人 学校現場におきます対応についてのお尋ねでございます。

 議員御指摘のとおり、緊急時に児童生徒の安全を守るために、学校におきまして、児童生徒や教職員の安全意識の徹底を図るとともに、計画的に避難訓練等を実施することが極めて重要であると考えておるところでございます。

 このため、文部科学省といたしましても、地震や火災といった緊急時におきます児童生徒等の安全確保につきまして、学校防災に関する計画を策定いたしまして、これに関する教職員あるいは児童生徒の理解や認識を高めながらこの計画に基づきます避難訓練等を行っていただくよう各教育委員会等を指導してきておるところでございまして、現在、大半の学校におきまして定期的に避難訓練が実施されていると認識しておるところでございます。

 今後、有事の際におきます対応につきましては、関係省庁と連携のもとに、教職員に対する意識、理解の促進や、あるいは具体的な避難訓練のあり方等につきまして検討してまいりたいと考えております。

奥村委員 ありがとうございました。ぜひ、国民の保護の観点から、しっかりとした体制、組織、そして啓蒙等々、お願いをしておきたいというように思います。

 ちょっと地元のことで、というよりも、これは全国的なことなんですが、実は、私の住んでおります滋賀県の甲西町の平松という、天然記念物ウツクシマツというものがあるんですが、その周辺に百戸ぐらいの地域住民の皆さんがお住みになっておるんです。新興住宅なんですが、そこに、風化されつつあるオウム真理教の正悟師と言われる、正悟師が六人いたようですが、そのうちの一人の二ノ宮耕一、これを筆頭に、五人ほどが一般の民家のところに住んでおります。

 そして、ちょうどその事件が起きたのは、私が参議院に当選をさせていただいた阪神・淡路大震災のときにもそうでしたし、ちょうどサリン事件が、地下鉄サリン事件、その一年前が松本サリン事件であったわけなんですが、七年に起きて、平成九年、私のその地域の一角に住みついてしまいました。

 それは、困ったことに、あらゆるところからオウムの出家信者が出てきて、一般の民家にたむろしておった。夜中に、えらいあれなんですが、し尿なり家庭の雑排水が溝に流されておったわけですね。二軒横の方、宮脇さんという方なんですが、この方がびっくりされて、何だろうというようなことで、そして警察にも通報されていろいろやられましたら、実はその正悟師の二ノ宮耕一というのが住んでおったということが発覚いたしました。

 それで、大変だということで、平成十一年の三月だったと思うんですが、その周辺の釣田さんとか宮脇さんとか、区長さんらみんなが一生懸命になって、オウムに対する環境対策ということで委員会をそこでおつくりになりまして、いろいろ対策をやって、もう既に十一年から、実はこの五月の十六日にやる予定だったんですけれども、十五回、デモ行進をやったり、その家を取り囲んでいくんですけれども、昨年も行ったんですけれども、今、逆にカメラが、向こうの、オウムの信者が住んでいるところから一般の方に、我々の方に向かってカメラが四台ついているんです。集音マイクロホンがついているんです。

 一番怖いのは、ちょうどあの扉ぐらいのところに、その周辺にお住みになっている皆さんの水道の原水が入っているタンクがあるんです。物をここにほうれば一発なんですよ。ですから、今、町の方で、テレビカメラと赤外線とあらゆるあれを防御のためにしているんです。何をしでかすかわからない、そういう不安な団体でありましたから、テロ団体と言われているあれですからね。そういう状況が現実にあるんです。

 後ほど、野沢大臣にもいろいろお電話もいただいたようですから、もう時間がないですから皆さんにそれぞれお聞きをしたいんですけれども、こういうテロ集団と言われる、国内にいろいろな問題を起こしていますけれども、本当にもう毎日おびえておられるんです。お年寄りが、表へ出るのが怖いんやと。現実にそのことも集会のたびに代表の方々からもお話がありますし、この間も、このお話をちょっといろいろしておりましたら、釣田委員長が、実は私も家内と一緒に歩いておりましたらその何人かに取り囲まれて威嚇されました、なぜそんなデモ行動を起こしたりいろいろなことをするんだと言って物すごく険悪な状態で食ってかかってくる、そういうことが日常茶飯事にあるんだと。だから、本当にもう大変な事態なんですよということで、これは十何年近くこんな状態が続いているんです。

 松本智津夫回帰の問題でいろいろと報道もなされていますし、先日も、ここ一週間ほど前ですか、十日ほど前ですか、東京でもアレフという名前に変えていろいろな集団の形でまたやっておりますけれども、本当に、私も集会のたびにずっと続けて行っているんですけれども、悲壮な思いでその周辺の方々は生活されているんです。

 ですから、私は、新法というようなことは大変かもわかりませんけれども、現在、今の法律が、オウムのあれが来年で切れてしまう、何とか延長もしていただきたいし、新たな形で解散さすような何か手当てをしないと、本当に、信者が一般の住宅のどこに入っているかわからないんですよ。隣の町の水口町というのには、そこにまた道場があって、十人ほどいるんですよ。

 そんなことで、全国の連絡協議会をつくっておられて、これが偶然にもまた、そういう行動を起こしているものですから、私の地元の町長さん、三十六歳なんですけれども、去年、町長になったところなんですけれども、全国の会長を引き受けられたんですよ。それで、もう大変や大変やということで、実は、この六月二十五日に全国大会を私の地元でやる、甲西町でやるということになって、全国三十六市区町村ですね、そういう皆さんが一堂に会してやろうということになっておるんです。

 これは何とか手当てをしていただかなければならないと思うんです。これは当然、担当といえば、担当の井上大臣もそうですし、法務大臣もそうであろうと思いますし、公安調査庁あるいは警察関係の皆さんもいろいろ御苦労はいただいているわけなんですけれども、井上大臣、これはテロなんですけれども、国際的なテロのいろいろな問題も起こっているんですけれども、まずそれも大事、食いとめていかなければならない。しかし、国内のテロと言われるように、こういう問題がずっと起きておりますし、外務省のこの冊子をいただいたんですけれども、この中にも、松本サリン事件や東京の地下鉄サリン事件もテロという位置づけで載っているわけなんですけれども、その点について、まず井上大臣からお伺いしたいと思います。

井上国務大臣 今お話を伺いましたけれども、このたび提案いたしております法律案で緊急対処事態と言っておりますのは、今委員が指摘されました事態とは若干違うのじゃないかと思うのでありますけれども、一般論から言いますと、やはり各方面からの情報収集をしながら十分に整理、分析をして、評価をして、その結果、それぞれのところがしかるべき対策を立てていくということだと思います。

 今のお話でありますと、重要な国民生活に関連する施設についてはちゃんとした監視をするとか、そういうことは必要だと思うのでありますけれども、私、今のお話を聞いておりまして、これは単に国とか県だけではなしに、もう市町村段階まで含めましたかなりきめ細かい対策、調査それから対応ということを考えないといけないんじゃないかと思います。

 若干、この法律で想定しておりますこととは違うと思うのでありますが、しかし、広く情報収集をするという対象にはなろうと思うのでありますけれども、実際の対処としては、やはりもう少し現場に近いところの対応も考えていかないといけないんじゃないかな、そういう感じを持ちました。

野沢国務大臣 オウム真理教に対しまして国民の皆様が強い不安感、警戒感をお持ちになっていることは十分わきまえておるものでございます。

 とりわけ、教団施設を抱える自治体や地域住民の方々の心配は大変なものがあると認識しておりまして、先日も、甲西町の皆様が私のところへお見えになりまして、十分お話も伺いました。

 そういう中で、公安調査庁におきましては、引き続き、同教団に対する観察処分を厳正に実施するなど、鋭意、必要な調査を行いまして、その調査結果については、関係自治体からの御要望があった場合には可能な限りこれを提供するなどしているところでありますが、今後とも、国民の皆様の不安解消に努めてまいるつもりでございます。

奥村委員 大臣、今の段階ではその答弁しかできないのではないかなというように思うんですが、先ほど申し上げたように、これもやはり危機意識の中、国民保護の中からいけば大変なことなんです。そういう現況を考えますと、ぜひこれは、井上大臣もおっしゃったように、もうあらゆることを網羅しながらひとつ取り組んでいかなければならないというように思いますし、これもそれぞれの皆さん方のお力添えをいただいて、このオウム真理教、アレフという名前には変わっていますけれども、現実は変わっていない、中身は一緒でございますから、そういうようなことであります。

 時間がありませんから、公安調査庁長官もおいでをいただいていますので、簡単に現況なりを御報告いただければというように思いますが、いかがですか。

大泉政府参考人 お答え申し上げます。

 ただいま大臣から御答弁申し上げたとおりでございまして、地域住民の皆様の不安の大きさということにつきましては、先生方初め市区町村からの陳情、要望等を通じて承知しているところでございます。

 公安調査庁としましては、与えられた権限を最大限活用して、地域住民の不安の解消、また、その調査の結果集められました情報の地方公共団体等への提供を通じて、できるだけ不安の解消に努めてまいりたいと考えております。

奥村委員 ありがとうございました。

 警察庁の警備局長さん、お願いをいたしたいと思います。

瀬川政府参考人 お答えいたします。

 オウム真理教につきましては、今委員御指摘のとおり、その危険な体質は全く変わっていない、本質は全く変わっていないというふうに警察でも認識をしております。

 同種のその教団によるテロ事件の未然防止を図るために、警察といたしましては、必要な情報収集を一生懸命やっております。それからさらに、オウム真理教による組織的な違法行為に対する捜査を推進しているところでございまして、平成十五年、昨年中は、九件の事件で十七人を検挙しております。

 今後とも、住民の皆様の不安についても十分しんしゃくいたしまして、教団の動向にしっかり関心を払いまして、実態解明をし、教団施設周辺での必要な警戒警備それから違法行為の厳正な取り締まりを実施してまいりたいと考えております。

奥村委員 どうもありがとうございました。

 公安調査庁そしてまた警察関係の皆さんも非常に御努力をいただいているということは、私も本当に実感をいたしております。どうぞ、地域住民の皆さんが安心して暮らせること、そして全国におります三十六自治団体がこのオウムのことでの連絡協議会もおつくりでございますし、ぜひこういうことが国内にあるということを風化させないでしっかりと今後も対応していただくことをお願いして、終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

自見委員長 次に、赤嶺政賢君。

赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢です。

 冒頭、外務大臣に伺いたいと思います。

 イラクの収容所における虐待の問題ですが、先ほどの答弁だと、国際人道法に違反する可能性がある、こういう認識を示されました。赤十字国際委員会も、戦争捕虜の待遇を定めたジュネーブ条約への深刻な違反、このように指摘しております。不法に始めた戦争で無法な占領が続き、そして人道に対する犯罪が占領軍によって犯され続けている、このこと自身、非常に重大だと思うんですね。

 アメリカに遺憾の意を伝えたとおっしゃいましたけれども、その際に、日本政府は、この行為が国際人道法に違反しているという可能性の認識も持っている、こういうことも含めてアメリカにしっかり伝えたのでしょうか。

川口国務大臣 先ほど申しましたように、これが国際人道法に違反しているかどうかということについては、一般論として、このような残虐行為が違反をしている可能性ということについては、これはあると考えられるということでございます。我が国として、先ほど岩國委員に対して申しましたけれども、これを断定するということはできないということでございます。

 米国に対して、この事件について、非常に遺憾、極めて遺憾であるということももちろんお伝えをいたしていますし、米国が、これについては、事実を解明し、再発防止策を講じ、そして関係者を処罰するということを言っていまして、ブッシュ大統領も謝罪をしているということであります。

 我が国としても、こういった米国がとろうとしている措置、これができるだけ速やかに透明性を持った形でとられるということを期待しているということでございます。そのようなことを米国に対しては申し上げております。

赤嶺委員 私は、この人道に対する犯罪、これが起こっていることについて、結局、アメリカに任せているという立場だろうと思うんですよ。それでいいのかということが問われると思うんです。

 今までたびたび、アメリカがイラクで行っている国際人道法違反、委員会等において指摘され、追及してきました。ところが、政府の答弁というのは、イラク及びアフガニスタンにおける米軍の行動について、詳細は承知していないとしながらも、米軍は国際人道法の基本的な考え方を踏まえて行動している、こういう認識をあなた方は表明していたんですよ。

 それがそうでなくなった以上、日本政府も、そうでないということをはっきり示してアメリカに伝える、これが占領下での人道に対する犯罪を即時とめる力になるじゃないですか。日本政府の責任としてもそう追及すべきじゃないですか。

川口国務大臣 この事件について、これが極めて遺憾な事件であるということについて、日本政府はそのような考え方をいたしております。その旨は米国に伝えてございます。アメリカも同じように考えているということでして、我が国としては、この問題が、先ほど申しましたように、できるだけ速やかに透明性を持った形で対応される、関係者が処罰をされ再発防止策が講じられるということが重要であると思います。

 米国が、一般的に申しまして、国際人道法を含め国際法を守っていくということを考えている国であるということについては、私どもは、この点についての考え方は変わっておりません。今回の件について、これは事実関係をいろいろ究明を今しているところでありますから、我が国として、その究明の状況については十分に注視をしていきたいと思っておりますけれども、一般論として、そのようなことが行われた場合には、これは、違反をしている可能性というのはあり得ると考えております。

赤嶺委員 私、余り長い時間をとってこの質問をするつもりじゃなかったんですが、今の外務大臣の答弁で、米国は透明性を持って処理するであろう、国際人道法について守る国、このようにかばうものですから、あえて一言言わせていただきます。

 私も、米軍の直接占領統治下で育ちました。数々の人権侵害そして人道に違反する罪、沖縄県民はその被害者になってまいりました。一九五五年には、六歳の少女が、由美子ちゃん事件といいますけれども、米兵に暴行されて海岸に捨てられていた。その米兵は軍事法廷で死刑になったけれども、その後、アメリカに戻ってどうなったか、行方はわからない。全く透明性もない。しかも、人道に対する犯罪というのはアメリカの占領地では繰り返されている。今度の収容所にとどまらないと思いますよ。ずっと人権団体はイラク占領の当時からこういう指摘をしてきておりますので、今の日本政府のこういう姿勢では、人道に対する犯罪、これをなくすることはできないということを指摘しまして、法案の審議に移りたいと思います。

 きょうは、外国軍用品等海上輸送規制法案、これについて聞きます。

 この法案では、武力攻撃が発生した事態において、海上自衛隊が、我が国の領海にとどまらないで、公海においても船舶検査、そして回航措置などを行うことができるとしております。規制の対象となる船舶は、交戦相手国の船舶にとどまらないで、第三国の船舶に対しても可能だ、このように法案ではなっています。

 そこで、非常に大きな疑問ですが、なぜ、公海において、しかも第三国の船舶に対してこのような措置をとることが可能になるのか、この根拠は何ですか。

石破国務大臣 それは、この措置が自衛権というものを根拠としておるからでございます。

 自衛権はどこまで及ぶかといいますと、我が国の領海、領空にとどまりませず、公海まで及んでおるわけでございます。これは前も答弁を申し上げたかもしれませんが、その自衛権は何に基づくのだといいますと、これは国連憲章第五十一条ということに相なっております。

 したがいまして、公海まで及ぶということであり、自衛権の一態様でございます以上は、第三国の船舶にも及ぶということであります。

赤嶺委員 これは自衛権で公海に及んで当然という話ですが、そうすれば、自衛権ということを根拠にすれば、公海の範囲、どういう範囲なのか。そして、第三国の船舶も含めてどんどん停船命令を出して、従わなければ回航措置もとるということになると、その限界というのは説明できるんですか。

石破国務大臣 それは当然、必要最小限ということでございますから、公海ならばどこでも及ぶというものではございません。おのずから、自衛権に根拠を置きます以上、限界というものはございますし、そしてまた、その範囲というものは外務大臣が告示をすることになっておるわけでございます。

 したがいまして、普通の、そういうような行為をしていない船に対して危害を加えるとか、余計な無用の懸念を与えるとか、そういうことは一切ないわけであります。

赤嶺委員 外務大臣が告示をして、この公海を通ったら自衛隊がいるぞ、そういう話になっていくわけですね。

 それで、私、そのこと自身も、自衛権の範囲というのは必要最小限といいながら、公海に及んで、第三国の船舶に対しても自衛隊が停船命令を下していくようなやり方、これが本当に必要最小限と言えるのかどうかということで疑問であります。

 例えば、周辺事態法のときの船舶検査法、これは、船舶検査については国連安保理決議または旗国の同意を得て行うもの、このようにされていたわけですね。今回の法案では、このような要件はないわけです。法律の性質が違うからだろうとおっしゃるかもしれませんけれども。

 船舶検査法では、まだ、停船命令に従わない船舶に対する武器の使用は一切認められていなかったわけですね。今回は、停船を命令し、これに従わず抵抗、逃亡する場合は船体への武器使用まで認めている、こういうことになっているわけですが、その対象は、公海において第三国の商船等もその対象に入るのですか。

石破国務大臣 済みません。先ほど、私、答弁を一カ所誤りまして、申しわけございませんでした。

 告示をいたしますのは、本法案第四条の規定に基づき、防衛庁長官でございます。その区域は外務大臣から各国政府へ周知をするということでございますので、答弁に誤りがございました。おわびをして訂正を申し上げます。

 それは、先生まさしくおっしゃいますとおり、法律の違いによるものでございます。国連の決議を必要とするもの、そして周辺事態というもの、そういう場合における船舶検査と今回の場合には、今回の場合には自衛権の行使の一態様として行っておりますので、それは、そのような違いが出てくるのは明らかなことだというふうに認識をいたしております。

赤嶺委員 私、今、船舶検査との違いを聞いたのではなくて、この法案では、つまり、停船命令を出して言うことを聞かない場合には威嚇射撃もやり、そして船体射撃もやるような仕組みになっています、そういうことは公海で第三国の商船等も対象になるのですね、こういうことを聞いているんです。

飯原政府参考人 公海におきまして第三国の船が、法律の要件でございますが、我が国に武力攻撃をしかけている国に対しまして兵員の補給もしくは物品の補給をしているという明白な外形がある場合には、かつ、我が国の停船命令に反した場合にはそういうこともあろうということで法律が規定されております。

赤嶺委員 ですから、そういう船体射撃まで、公海を通航している第三国の商船も対象に入っているわけですよ。

 例えば、停船命令を出して、第三国の商船が、それは外形的には日本に対する武力行使を行っている相手国との関係が見られない、しかし、停船できない都合というのはあるんですね。どの船だってありますよ。日本は日本に対する武力攻撃という認識で停船命令を出しますけれども、例えば、いろいろな都合上停船できない、そして、それが停船命令の言うことを聞かずに逃走する、その場合にはいろいろな手順を踏んで船体射撃まで行うというようなことが、何で、自衛権は抑制的だと言われている日本において、こんなことまで可能になっていくんですか。そういう強制措置が、自衛権を抑制的に行使する、こんな説明でいいんですか。

飯原政府参考人 本法律案におきまして、そうした停船措置等を命ずるに当たりまして厳格な事前の告示の手続等を定めていることは御承知のとおりでございますが、一般的に、国際的な慣行といたしまして、第三国の船もこうした場合には停船検査を受ける受忍義務があるというふうに考えられておりまして、明白に停船命令に従わなかったということでございますので、場合によっては船体射撃をすることもあり得るということでございます。

赤嶺委員 相手も承知していることだ、国際的にも当然だ、こういうようなお話に聞こえますけれども、結局、これじゃ、国際的に行われている海上捕獲、そしてそれが交戦権の行使と言われている、そういうものとどんな違いがあるのか、自衛権の範囲を超えていくと言われている交戦権、これとどんな違いがあるのかという疑問を持たざるを得ないんです。

 この海上捕獲についてですが、これは、物の本の解説書をいろいろ読んでみました。そうすると、国連憲章がつくられて以降、第二次世界大戦後、国際社会で海上捕獲なる行為についてあったのは、パレスチナ戦争、スエズ動乱、第一、第二印パ戦争、イラン・イラク戦争、これらの戦争で海上捕獲の国家実行があったわけですね。イラン・イラクを除いて、基本的には海上捕獲は領海内で行われているわけです。

 それで、領海においてさえも、これが海上捕獲なのかそうでないのか、いろいろ議論があったけれども、やはり海上捕獲だ、このように国際社会からは見られている。文字どおり、領海内でやっても海上捕獲、そして交戦権と言われている。

 皆さんは、抑止的にやる、抑制的にやると言いながら、公海で第三国の商船に対してまで行う。こんなことをしたら、国際的にはこれはもう海上捕獲、交戦権の行使と言われ、皆さん自身が、憲法違反ではないというようなことの説明が極めて困難になっていくんじゃないですか。いかがですか。

飯原政府参考人 国際的な先例については外務省の方から御答弁があると思いますが、基本的には、第三国の船といいましても、当然でございますが、一般的な船ではございませんで、我が国に武力攻撃をしかけている敵国の軍隊に対して物資もしくは兵員を輸送する、それがまた我が国の周辺の公海であるということで、また、既にもう武力攻撃が始まっている、こうした事態を念頭に置いているわけでございまして、まさに自衛権発動に伴います必要な措置であるというふうに考えております。

鶴岡政府参考人 ただいま委員から御指摘のございました国際社会における臨検の実施の事例について御説明申し上げます。

 委員の御指摘のとおり、国連憲章下で戦争が違法化された第二次大戦後の国際社会におきまして、自衛権の行使として第三国商船に対する停船検査等の措置をとったケースといたしましては、三つございます。

 第一は、第一次中東戦争以降の一九四八年から一九六〇年の期間において、エジプトが自衛権の行使として第三国船舶への捕獲権を主張して臨検を実行した事例。第二に、第二次インド・パキスタン戦争、一九六五年でございますが、インド、パキスタン両国が第三国船舶を含めて捕獲した事例。第三に、イラン・イラク戦争、一九八〇年から一九八八年までの間でございますが、イランが多数の第三国商船の臨検などを実施したケースがあると承知しております。

 先ほど御指摘のパレスチナ戦争の事例で、領海内及び公海上というお話がございましたが、御指摘のとおり、イスラエル旗を掲げた貨物船一隻がエジプトによって公海上で拿捕された例を除きまして、エジプトは、領海内において、自衛権の行使といたしまして、第三国船舶に対する臨検、拿捕を行っております。このような主張をエジプト政府は行いました。

 以上でございます。

赤嶺委員 そのほとんどが領海内で行われているんです。

 それで、公海上を航行している船舶であっても、これは日本の相手国に対する武器弾薬を運んでいるかもしれない、だからとめるんだと言いますけれども、武器弾薬を運んでいない船だってとめる対象になるわけです。とめてみなければわからない、そういうところでこういうことをやれば、それは海上捕獲とみなされ、そして交戦権の行使であり、あなた方が説明してきた憲法違反にはならないという枠組みをはるかに超えて憲法違反の法律になっているということを指摘いたしまして、質問を終わります。

自見委員長 次に、東門美津子君。

東門委員 先ほどからイラクでの虐待事件について質問がございますが、私もその件に関して質問をさせていただきます。

 イラクにおけるアメリカ軍によるイラク人虐待事件は、組織的な虐待なのか、あるいは限られた者の行為なのか、いまだはっきりしてないようですが、ロサンゼルス・タイムズが入手した同事件の米軍の内部報告書は、原因を、ジュネーブ条約への理解不足や、駐留長期化で指揮系統に生まれたなれ合い状態が駐留米軍にあったためと指摘しています。

 我が国有事の際における米軍の国際人道法遵守についての本委員会での同僚委員の質問に対して、外務大臣は、「米国に対して信頼関係があるからこそ同盟関係があるわけでして、一緒に戦おうという信頼関係を持っている国であるわけです。そういった国に対して信頼を置けないということであればそもそも同盟関係というのは成立をしない」として、米軍が国際人道法を遵守することを信頼していると言うのみで、説得力ある合理的な根拠を示していません。

 米軍が我が国領域内で身体を拘束している外国人を我が国において捕虜として抑留することが相当であると認めるときは、捕虜取り扱い法第二十三条第二項により、我が国は当該外国人の引き渡しを受け、抑留することが可能であると理解をしていますが、米軍がみずから引き続き捕虜として身柄を拘束すると主張して引き渡しを拒否した場合、米軍が我が国国内で当該外国人を捕虜として抑留することは可能なのでしょうか。もし可能な場合、その根拠をお伺いします。

 また、イラクで起こったような事件が我が国で起こらないという保証はなく、我が国領域内で米軍が国際人道法違反を犯した場合の米国政府の責任と我が国政府の道義的責任について、外務大臣はどのような認識をお持ちか、お伺いいたしたいと思います。

川口国務大臣 前段の方の御質問は外務大臣の所掌ではございませんので、後段の方についてお答えをさせていただきたいというふうに思います。

 これにつきまして、先ほど申し上げているように、イラクで起こったような事件ということは大変に遺憾であるということであります。米軍は我が国において国内法令を尊重する義務があるということであります。それから、安保条約や国連憲章やあるいは国際人道法、そういったことに従って行動するということが想定をされるということであります。

 したがいまして、違反をするということが前提になって、ならばどうするかということについて、お答えをするということは非常に難しいと申し上げざるを得ないということであります。

 今回のことについて、米軍は再発防止あるいは事実関係の究明、処罰ということを、今、一連のことをやっているわけでございまして、万が一、そういうようなことが地球上の別なところで起これば、当然に米軍はそのような対応をとるであろうというふうに考えております。

林政府参考人 捕虜法案そのものと申しますよりも、むしろ米軍が日本国において捕虜をとることができて、それをいわゆる移出といいますか、日本側に移送しないというようなことができる根拠ということでお尋ねでございます。

 米軍が捕虜をとることができる根拠と申しますのは、米軍が武力紛争の当事国になるという前提でございますけれども、それはジュネーブ条約に従って捕虜をとることができるということでございますし、それに伴ってさまざまな義務を米軍は負うということになります。

 その上で、日本側との関係において移出の手続をとるかとらないかということについては、それは、国際法上、米軍が例えば活動している国の当局に移出しなければならないといった義務を負っているわけではございませんので、そこは、日米両国の間で調整がなされて、もし、我が国の法律にのっとりまして、捕虜と該当するような者を我が国として受け入れることが適当ということであれば受け入れることがあり得るということでございまして、では、国際法上の根拠ということでいけば、そこは、米軍はジュネーブ条約にのっとって捕虜をとり、捕虜を処遇するということになる、こういうことでございます。

東門委員 外務大臣の御答弁なんですが、確かに地位協定にもあります、米軍は国内法を尊重する義務があると。しかし、尊重する義務ということで外務大臣はそれに全幅の信頼を置いているようですが、いかがでしょうか、今までの米軍の行動を見てみますと本当に国内法はしっかりと尊重されているのでしょうか。尊重していますよ、遵守はしていないかもしれないけれどもという形であるのであれば、すごい遺憾なことだと思うんです。

 今までの、沖縄県あるいは米軍が駐留するところでいろいろ起こっている事件等を見たときに、本当に国内法が尊重されている、尊重という言葉はすごくひっかかるんですけれども、遵守されているかということは、私は、外務大臣のように、信頼関係があるから、信頼しているからもう米軍に対しては何も言えないんだということにしか聞こえない。本当にそこは残念だと思うんですね。

 今現在イラクで起こっていることに対しても、起こったことに対しても、本当にああいう残虐な行為が、私たちの目の前に連日のように見せられて、国際人道法違反かどうか、はっきりしないで、今調査中ですというお答えはありましたけれども、私は、それはアメリカを信頼しているから言えないという言葉になるのではないかとすごく残念に思います。

 次の質問に行きます。

 捕虜取り扱い法案は、武力攻撃事態における捕虜等の拘束、抑留その他の取り扱いに関する事項を定めています。具体的には、捕虜等の拘束、抑留資格の認定手続、収容方法、捕虜の業務等について詳しく規定されています。捕虜の収容のために自衛隊に臨時の捕虜収容所が設置されることとなり、捕虜の対応には主に自衛隊員が当たることとなります。

 本法案には罰則規定がありますが、その対象は、保健衛生及び医療業務に関係した者に対する守秘義務違反のみであり、捕虜に対する虐待行為等は、その事案ごとに、刑法等我が国の他の法令によって罰せられることになります。

 しかし、イラクにおける米軍によるイラク人収容者虐待事件を見れば明らかなように、捕虜等に対する虐待行為は、通常の傷害や暴行事件とは比べ物にならないくらい大きな社会的影響を与えます。また、アブグレイブ刑務所の事件により、アラブ社会における反米感情はますます高まることとなったとも言われています。武力攻撃事態において自衛隊による捕虜等への虐待行為があれば、通常の犯罪を超えた社会的、国際的影響があることは今回の事件からも明らかです。そして、影響の大きい犯罪行為には、それに相当する罰則規定があってしかるべきではないかと思います。

 今回の捕虜取り扱い法案に、捕虜取り扱いに対する虐待行為等に関する罰則規定を盛り込むべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

増田政府参考人 お答えいたします。

 我が国の自衛隊員が捕虜に対して虐待行為を行うというようなことは、あってはならないことであり、また、おおよそ想定しがたいことではございますけれども、あえてそのような場合を仮定して申し上げれば、まさに個別具体的な事案に応じまして、今先生御指摘のような既存の刑罰法令の規定を適用して自衛隊員の刑事責任を問うことは可能でございます。例えば、特別公務員暴行陵虐罪であるとか、暴行罪であるとか、傷害罪であるとか、強要罪であるとか等の規定が適用されることによって刑事責任を問うということになろうと考えております。

東門委員 到底想定しがたいということですが、本当にそれが皆無であれば一番いいと思いますが、私は、想定できるんじゃないかという観点から質問をしたわけです。

 国民保護法案について伺います。

 国民保護法案は、武力攻撃事態等における国民の協力に関して、「国民は、この法律の規定により国民の保護のための措置の実施に関し協力を要請されたときは、必要な協力をするよう努めるものとする。」とした上で、具体的には、まず避難住民の誘導の援助、避難住民の救援の援助、消火活動、負傷者の搬送または被災者の救助の援助、それから保健衛生の確保に関する措置の援助、避難に関する訓練への参加について国民に協力を要請することができるとされています。これらの場合は、あくまで「努めるものとする。」こととされており、拒否することは可能ですね。

 結果的に拒否することが可能な国民に対する協力の要請の中でも、避難住民の誘導の援助等の場合に限定してわざわざ法律案に規定を設け、これらの場合にのみ国民は協力するよう努めるものとした理由は何なのか、井上大臣の御見解を伺います。

井上国務大臣 国民の協力義務は、今委員がお話になりましたような幾つかに、四つですか、限定をしているのでありますけれども、まさに国民保護のために基本的に大切なことにつきまして、しかも、国民に対して協力を求める事案に限定してこういう規定を置いたということでございます。

東門委員 私、質問の中でも言いましたけれども、この「努めるものとする。」ということは、拒否は可能であるということと理解できますね。

井上国務大臣 これは、武力攻撃事態法にもそういう規定がありますし、国民保護法案にも大体同様の規定ぶりの規定を置いたわけですね。

 私は、この「努める。」というのと「努めるものとする。」という、これは若干ニュアンスが違いまして、「努めるものとする。」方がやや強目に表現していると思いまして、ぜひともこの協力をお願いしたいという趣旨を込めましてこのような規定になったということでありますけれども、御指摘のように、これについての罰則はついておりません。

東門委員 新しい見解を初めて伺いました。「努める。」と「努めるものとする。」の違いを初めて伺いました。また後でさせていただきます。

 時間がもうありませんので、あと一問だけ御質問させていただきます。

 これは川口大臣に伺いたいんですが、五月二日付の琉球新報ですけれども、嘉手納飛行場に四十八機配備されていますF15戦闘機の稼働率が米空軍の定めた七九%の内部基準に達せず、昨年は七〇%まで落ち込んでおり、機体の老朽化が進み、格納庫で修理、整備している時間が長くなっていることを示していると報道しています。

 同報道は、米空軍協会が発行するエアフォース・マガジン三月号が伝えたベガート米太平洋空軍司令官の発言に基づくものであり、同司令官は、嘉手納飛行場所属のF15について、天井の密封機能が壊れ気圧調節がうまくいかなくなった例や、翼や垂直尾翼まで交換した機体が多かったということを紹介して、老朽化で、次にどんな故障があるかも予想しがたいと述べているとされています。

 嘉手納飛行場所属のF15の老朽化による故障の頻発は同機の事故に直結し、沖縄県民の安全にかかわる問題であり、米軍の運用上の問題では済まされない問題と考えますが、外務大臣は、F15の老朽化問題の現状についてどの程度把握され、F15の老朽化が沖縄県民に与える危険性についてどのような御認識をお持ちか、お伺いいたします。

川口国務大臣 おっしゃったような報道があったということについては承知をいたしております。また、平成十四年四月以降、F15についての幾つかの落下事故等々の事故があったということも承知をいたしております。

 それで、政府として、米軍機の運用の実態、詳細について、これを具体的に承知をする立場には必ずしもございませんけれども、米軍からは、安全の確保、これについては最優先事項として取り組んでいるということの説明は受けてきておりますし、我が国といたしましても、またこれは非常に重要なことでございますので、航空機の安全対策の徹底については引き続き申し入れていく所存でございます。

自見委員長 東門君、質疑時間が終了しましたので、簡潔にお願いをいたします。

東門委員 はい。

 そうすると、F15戦闘機による事故はもう起こり得ない、二度と起こらないということの……(発言する者あり)いや、困るんですよ。沖縄県民の生命にかかわる問題です。本当に、そういうことはおっしゃっては困るので、大臣、もう二度と起こらないということを、アメリカ軍にしっかりと申し入れて起こらないようにさせていくということをぜひお聞かせください。

自見委員長 質疑時間が終わりましたので、簡潔にお願いいたします。

川口国務大臣 安全確保については、引き続き申し入れを行っていく所存でございます。

東門委員 終わります。

自見委員長 次回は、明十一日火曜日正午理事会、午後二時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時七分散会


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