衆議院

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第2号 平成17年10月6日(木曜日)

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平成十七年十月六日(木曜日)

    午後三時二十三分開議

 出席委員

   委員長 二階 俊博君

   理事 石破  茂君 理事 園田 博之君

   理事 松岡 利勝君 理事 柳澤 伯夫君

   理事 山崎  拓君 理事 原口 一博君

   理事 馬淵 澄夫君 理事 桝屋 敬悟君

      赤澤 亮正君    井澤 京子君

      井上 信治君    上野賢一郎君

      越智 隆雄君    大前 繁雄君

      奥野 信亮君    片山さつき君

      北川 知克君    小杉  隆君

      佐藤ゆかり君    篠田 陽介君

      新藤 義孝君    関  芳弘君

      高市 早苗君    長崎幸太郎君

      橋本  岳君    平口  洋君

      牧原 秀樹君    宮下 一郎君

      矢野 隆司君    石関 貴史君

      大串 博志君    中井  洽君

      永田 寿康君    長妻  昭君

      松野 頼久君    三谷 光男君

      笠  浩史君    石井 啓一君

      田端 正広君    塩川 鉄也君

      重野 安正君    滝   実君

    …………………………………

   議員           三谷 光男君

   議員           大串 博志君

   議員           仙谷 由人君

   議員           永田 寿康君

   議員           松本 剛明君

   国務大臣

   (郵政民営化担当)    竹中 平蔵君

   内閣府副大臣       西川 公也君

   内閣府大臣政務官     木村  勉君

   衆議院調査局郵政民営化に関する特別調査室長    太田 和宏君

    ―――――――――――――

委員の異動

九月二十六日

 辞任         補欠選任

  北橋 健治君     中井  洽君

十月五日

 辞任         補欠選任

  横光 克彦君     石関 貴史君

    ―――――――――――――

十月六日

 郵政改革法案(松本剛明君外七名提出、衆法第一号)

 郵政民営化法案(内閣提出第一号)

 日本郵政株式会社法案(内閣提出第二号)

 郵便事業株式会社法案(内閣提出第三号)

 郵便局株式会社法案(内閣提出第四号)

 独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法案(内閣提出第五号)

 郵政民営化法等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出第六号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 郵政民営化法案(内閣提出第一号)

 日本郵政株式会社法案(内閣提出第二号)

 郵便事業株式会社法案(内閣提出第三号)

 郵便局株式会社法案(内閣提出第四号)

 独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法案(内閣提出第五号)

 郵政民営化法等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出第六号)

 郵政改革法案(松本剛明君外七名提出、衆法第一号)


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     ――――◇―――――

二階委員長 これより会議を開きます。

 ただいま付託になりました内閣提出、郵政民営化法案、日本郵政株式会社法案、郵便事業株式会社法案、郵便局株式会社法案、独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法案及び郵政民営化法等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案並びに松本剛明君外七名提出、郵政改革法案の各案を一括して議題といたします。

 順次趣旨の説明を聴取いたします。国務大臣竹中平蔵君。

    ―――――――――――――

 郵政民営化法案

 日本郵政株式会社法案

 郵便事業株式会社法案

 郵便局株式会社法案

 独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構  法案

 郵政民営化法等の施行に伴う関係法律の整備等  に関する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

竹中国務大臣 このたび、政府から提出いたしました郵政民営化法案、日本郵政株式会社法案、郵便事業株式会社法案、郵便局株式会社法案、独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法案、郵政民営化法等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の六法案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。

 郵政民営化は、民間にゆだねることが可能なものはできる限りこれにゆだねることが、より自由で活力ある経済社会の実現に資することにかんがみ、内外の社会経済情勢の変化に即応し、日本郵政公社(以下「公社」と申し上げます。)にかわる新たな体制を確立するものであり、地域社会の健全な発展及び市場に与える影響に配慮しつつ、公社が有する機能を分割し、その機能を引き継ぐ新たな株式会社を設立するとともに、一定の期間、同種の業務を営む事業者との対等な競争条件を確保するための措置を講ずるものであります。これにより、経営の自主性、創造性及び効率性を高め、公正かつ自由な競争を促進するとともに、多様で良質なサービスの提供を通じた国民の利便の向上、資金のより自由な運用を通じた経済の活性化を図り、もって国民生活の向上及び国民経済の健全な発展に寄与することを目的とするものであります。この郵政民営化を実現するため、これら六法案を提出するものであります。

 それぞれの法律案の概要について、順次御説明申し上げます。

 初めに、郵政民営化法案についてであります。

 第一に、郵政民営化の基本的な理念及び方針並びに国等の責務を定めております。

 第二に、郵政民営化を推進するとともに、その状況を監視するため、政府に、郵政民営化推進本部及び郵政民営化委員会を平成二十九年九月三十日まで設置することとし、郵政民営化委員会が、三年ごとに、郵政民営化の進捗状況について総合的な見直しを行うこと、郵政民営化推進本部がその見直し等について国会に報告すること等郵政民営化推進本部及び郵政民営化委員会の所掌事務、組織等について定めております。

 第三に、準備期間中の公社の業務について、国際貨物運送に関する事業を行うことを主たる目的とする会社に出資することができる等の特例等を定めております。

 第四に、日本郵政株式会社を準備期間中に設立することとし、日本郵政株式会社に、公社の業務等の承継に関する実施計画を作成させ、この実施計画に関する事項を決定する経営委員会を設置することその他の準備期間中の業務の特例等並びに移行期間中の郵便貯金銀行及び郵便保険会社の株式の保有及び完全処分等の業務の特例等について定めております。

 第五に、郵便事業株式会社、郵便局株式会社及び独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構(以下「機構」と申し上げます。)を平成十九年十月一日に設立することとし、その設立及び移行期間中の業務の特例等について定めております。

 第六に、一般の商法会社として郵便貯金銀行及び郵便保険会社を日本郵政株式会社に設立させるとともに、銀行法及び保険業法の特例等として、郵便貯金銀行及び郵便保険会社がそれぞれ銀行業の免許及び生命保険業免許を平成十九年十月一日に受けたものとみなすことを定めるほか、預入限度額、保険金額等の限度額、業務範囲等について適正な競争関係等を確保するための必要な制限を加えるとともに、民営化に関する状況に応じ、移行期間中にこれらの制限を解除し、自由な経営を可能としていくこと、郵便貯金銀行及び郵便保険会社の定款に議決権の行使に関する事項を定めなければならないこと等について定めております。

 第七に、公社の業務等の日本郵政株式会社等及び機構への承継に関する基本計画、その承継を円滑に行うための税制上の措置その他の所要の規定を設けております。

 次に、日本郵政株式会社法案、郵便事業株式会社法案及び郵便局株式会社法案についてであります。

 いずれの法案も会社の目的、業務の範囲等について定めるものでありますが、まず、日本郵政株式会社につきましては、第一に、郵便事業株式会社及び郵便局株式会社の発行済み株式の総数を保有し、両社の経営管理を行うこと並びに両社の業務の支援を行うことを目的とすることを定めております。

 第二に、政府は、常時、日本郵政株式会社の発行済み株式の総数の三分の一を超える株式を保有していなければならないことを定めております。

 第三に、日本郵政株式会社は、郵便事業株式会社及び郵便局株式会社が発行する株式を引き受けるとともに、両社の発行済み株式の総数を保有していなければならないこと、両社の経営の基本方針の策定及びその実施の確保並びに両社の株主としての権利の行使の業務を行うほか、その目的を達成するために必要な業務を行うことができることを定めております。

 郵便事業株式会社につきましては、第一に、郵便の業務及び印紙の売りさばきの業務を営むことを目的とすることを定めております。

 第二に、郵便事業株式会社は、郵便の業務及び印紙の売りさばきの業務を営むほか、お年玉付郵便葉書等及び寄附金付郵便葉書等の発行の業務を営むことができるとともに、これらの業務の遂行に支障のない範囲内で、これらの業務以外の業務を営むことができることを定めております。

 郵便局株式会社につきましては、第一に、郵便窓口業務及び郵便局を活用して行う地域住民の利便の増進に資する業務を営むことを目的とすることを定めております。

 第二に、郵便局株式会社は、郵便事業株式会社の委託を受けて行う郵便窓口業務及び印紙の売りさばきの業務を営むほか、地方公共団体の特定の事務の郵便局における取扱いに関する法律に定められた事務に係る業務、銀行業及び生命保険業の代理業務その他の郵便局を活用して行う地域住民の利便の増進に資する業務を営むことができるとともに、これらの業務の遂行に支障のない範囲内で、これらの業務以外の業務を営むことができることを定めております。

 第三に、郵便局株式会社は、郵便局の設置について、あまねく全国において利用されることを旨として郵便局を設置しなければならないことを定めております。

 さらに、郵便事業株式会社に関し、第三種郵便物、第四種郵便物に係る業務等であって一定の要件を満たす社会貢献業務に関する規定を、郵便局株式会社に関し、地域住民の生活の安定の確保のために必要であること等の要件を満たす地域貢献業務に関する規定を、それぞれ設けることとしております。また、これらの業務の実施のため、日本郵政株式会社に社会・地域貢献基金を設け、一兆円に達するまで積み立てなければならないこととするとともに、一兆円を超えて積み立てることができること、二兆円まで積み立てる場合には、一兆円までと同じルールで積み立てなければならないこと等を定めております。

 このほか、これら三会社に対する監督に関する規定その他所要の規定を設けております。

 次に、独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法案についてであります。

 この法律案は、機構が、公社から承継した郵便貯金及び簡易生命保険を適正かつ確実に管理し、これらに係る債務を確実に履行し、もって郵政民営化に資することを目的とすることのほか、機構の役職員、業務、財務、会計等について定めております。

 最後に、郵政民営化法等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案についてであります。

 この法律案は、郵政民営化法、日本郵政株式会社法、郵便事業株式会社法、郵便局株式会社法及び独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法が施行されることに伴い、郵便貯金法、簡易生命保険法、日本郵政公社法等十三の関係法律を廃止するほか、郵便法について郵便認証司の制度を設けるなど百六十の関係法律について規定の整備等を行うとともに、所要の経過措置を定めるものであります。

 これら六法案は、一部を除き、平成十九年十月一日から施行することとしております。なお、システム対応上の問題がある場合には民営化の実施時期を延期できるよう、所要の規定を設けております。

 以上が、郵政民営化法案等の六法案の提案理由及びその内容の概要でございます。

 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。(拍手)

二階委員長 次に、提出者三谷光男君。

    ―――――――――――――

 郵政改革法案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

三谷議員 このたびの郵政改革法案の御趣旨について御説明をいたします。

 改革を行うに当たって、その改革が本当に国民のためになることなのかどうか、改革の目的と手だてを明確にすることが最も重要なことです。

 郵政事業の改革を行うに当たって何が最も重要な目的なのか、それは、郵政事業における国民の権利は何なのか、国の責務は何なのかを明らかにした上で、国民の権利をしっかりと保障することです。

 さらに、現在、郵政事業という巨大な官の中に莫大な国民の資金がため込まれ、これが公的部門の非効率な事業に垂れ流されているという実態を変え、その資金が民の世界に、市場に確実に流れるようにすることです。

 これらの目的を達成するために、民主党は、郵便と決済サービスについては国の責任で国民にひとしく全国サービスを提供する一方で、郵便貯金、簡易保険の資金量は、民業の圧迫にならないように縮小すべきだと主張してきました。

 小泉総理が述べておられる、官から民に、民間にできることは民間にという考え方は私たちも大賛成です。しかし、今政府から提出されている郵政民営化法案は、本当に官から民に、そして民間でできることは民間にという考え方が実現されていく道筋なのでしょうか。大いに疑問です。

 この考え方を実現するために、まず官と民の役割を明確に分けることが必要だと考えています。ところが、政府提出の郵政民営化法案は、これに係る定義が明確になされていません。つまり、何が郵政事業における国民の権利なのか、国の責務なのかが明らかにされていません。

 さらに、政府提出の郵政民営化法案においては、郵政事業においてため込まれた国民の大事な資金が民間の効率的な事業に回るようになるのか、これも疑問です。国民の大事な資金が、これまでと同様に、公団、事業団など特殊法人、独立行政法人などの非効率な公的部門に流れ続けるおそれが十分あります。

 また、民営化された新会社は、国の関与が長期的に残る会社でありながら、事業融資など新規事業に進出することによって民業を圧迫し、そのツケが結局国民に回ってくるおそれもあります。

 申し上げたとおり、官から民に、民間でできることは民間にという考え方は私たちも大賛成です。しかし、何でも民営化すればよいというわけにはいきませんし、また、形だけ株式会社にすればすべてうまくいく、そういう考えを私たちは持ちません。

 まずは国の行うべき役割を明確にした上で、それ以外の分野について官が手を引き、民間に任せる、つまり、余計なお世話となっている官の分野はお引き取りいただいて、民間の事業者に担っていただく、それが、民間にできることは民間にという考えに沿った正しい道筋であると私たちは考えます。

 こうした理念のもとで、民主党はこの郵政改革法案を提案いたします。

 以下、本法律案の概要を申し上げます。

 第一に、国民の暮らしの安心を支え、地域住民の向上を確保するために、郵便及び郵便貯金については、国の責任で全国サービスを維持することにいたします。二〇〇七年十月一日以降の経営形態は、郵便は公社、郵便貯金は公社の一〇〇%子会社である郵便貯金会社とします。

 第二に、二〇〇六年度中に郵便貯金の預け入れ限度額を七百万円に引き下げ、二〇〇七年十月一日以降、定額貯金を廃止し、預け入れ限度額をさらに五百万円に引き下げます。なお、旧貯金については、郵便貯金会社に特別勘定を設け、公社の委託を受けて管理運用を行うこととします。

 第三に、二〇〇七年十月一日以降、簡易生命保険は廃止することにいたします。なお、旧契約については、公社の子会社として保険業法に基づき二つ以上の郵政保険会社を設立し、これらの会社との間で再保険契約を結ぶこととします。そして、各郵政保険会社の株式は二〇一二年九月三十日までにすべて売却し、完全民営化することといたします。

 第四に、郵政改革とあわせ、特殊法人、独立行政法人などの抜本改革を進めることといたします。その一環として、国債と財投債を明確に区別するための措置を講じた上で、公社及び郵便貯金会社、完全民営化までの郵政保険会社による財投債、政府保証債、格付のない財投機関債の購入を禁止することといたします。

 第五に、二〇〇七年十月一日以降、公社の役職員は非公務員とするとともに、天下りを制限することといたします。

 政府提出の郵政民営化法案が公的部門のさらなる肥大化と民業圧迫を招くものであるのに対し、民主党案は、郵政事業における国民の権利を保障し、かつ、確実に公的部門を縮小し、民間経済を活性化いたします。

 私たちは改革の内容を競い合いたいと考えています。どちらが本当の改革の名に値するのか、今後の論戦でお示ししたいと考えています。議員各位の皆様の御賛同をお願い申し上げます。

 以上です。(拍手)

二階委員長 これにて各案についての趣旨の説明は終わりました。

 次回は、明七日金曜日午前八時四十五分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後三時三十九分散会


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