衆議院

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第6号 平成25年11月29日(金曜日)

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平成二十五年十一月二十九日(金曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 山本 幸三君

   理事 泉原 保二君 理事 大塚 高司君

   理事 北村 誠吾君 理事 永岡 桂子君

   理事 原田 憲治君 理事 郡  和子君

   理事 重徳 和彦君 理事 古屋 範子君

      秋本 真利君    穴見 陽一君

      小倉 將信君    鬼木  誠君

      金子 恵美君    小島 敏文君

      田畑  毅君    田畑 裕明君

      武井 俊輔君    豊田真由子君

      中谷 真一君    藤丸  敏君

      藤原  崇君    堀井  学君

      堀内 詔子君    前田 一男君

      宮崎 謙介君    宮崎 政久君

      務台 俊介君    村井 英樹君

      山田 美樹君    大西 健介君

      武正 公一君    中根 康浩君

      上西小百合君    河野 正美君

      東国原英夫君    國重  徹君

      濱村  進君    三谷 英弘君

      穀田 恵二君    青木  愛君

    …………………………………

   参考人

   (社団法人日本ホテル協会会長)          小林 哲也君

   参考人

   (全国農業協同組合連合会食品品質・表示管理部長)

   (内閣府消費者委員会食品表示部会委員)      立石 幸一君

   参考人

   (特定非営利活動法人消費者支援機構関西理事長)  榎  彰徳君

   参考人

   (甲南大学法科大学院教授)

   (神戸大学名誉教授)   根岸  哲君

   衆議院調査局第三特別調査室長           清水  敦君

    ―――――――――――――

委員の異動

十一月二十九日

 辞任         補欠選任

  田畑 裕明君     中谷 真一君

  宮崎 謙介君     村井 英樹君

  浜地 雅一君     濱村  進君

同日

 辞任         補欠選任

  中谷 真一君     田畑 裕明君

  村井 英樹君     前田 一男君

  濱村  進君     浜地 雅一君

同日

 辞任         補欠選任

  前田 一男君     宮崎 謙介君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 消費者の利益の擁護及び増進等に関する総合的な対策に関する件(食品表示等問題)


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     ――――◇―――――

山本委員長 これより会議を開きます。

 消費者の利益の擁護及び増進等に関する総合的な対策に関する件、特に食品表示等問題について調査を進めます。

 本日は、本件調査のため、参考人として、社団法人日本ホテル協会会長小林哲也君、全国農業協同組合連合会食品品質・表示管理部長、内閣府消費者委員会食品表示部会委員立石幸一君、特定非営利活動法人消費者支援機構関西理事長榎彰徳君、甲南大学法科大学院教授・神戸大学名誉教授根岸哲君、以上四名の方々に御出席をいただいております。

 この際、参考人各位に一言御挨拶を申し上げます。

 本日は、御多用のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。それぞれのお立場から御意見をお述べいただき、調査の参考にいたしたいと存じます。

 次に、議事の順序について申し上げます。

 まず、参考人各位からお一人十分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。

 なお、念のため申し上げますが、御発言の際はその都度委員長の許可を得て御発言くださいますようお願いいたします。また、参考人から委員に対して質疑をすることはできないことになっておりますので、御了承願います。

 それでは、まず小林参考人にお願いいたします。

小林参考人 皆様、おはようございます。

 私は、日本ホテル協会会長の小林哲也でございます。

 まず初めに、今般、会員ホテルのレストラン等で生じましたメニューの不適正な表示によりまして、世間をお騒がせし、また昨日、消費者庁から、景品表示法違反のホテルに対する再発防止の命令という処分案が示されたとおり、国民の皆様の食に対する御信頼を裏切ることとなり、重い社会的責任を痛感し、大変申しわけなく、猛省しているところでございます。心より深くおわび申し上げます。

 本日は、日本ホテル協会といたしまして、メニューの不適正表示の再発防止に向けての取り組みについて御報告させていただきます。

 日本ホテル協会は全国で二百四十七のホテルが会員となっており、このたびの不適正なメニュー表示に関しまして、当協会が行いました会員への調査によりますと、八十四ホテルで不適正な表示をしていたことが判明いたしました。

 その不適正なメニューの内容でございますが、主なものは、報道等でも取り上げられておりますエビに関するものが最も多く五十九ホテル、次いで、牛脂注入肉を使用した旨の記載がなかったホテルが三十四ホテルとなっております。

 最も多かったエビでございますが、主にホテルで提供する中国料理で発生しており、小さいエビやむきエビをシバエビ、大きいエビをクルマエビやタイショウエビと表記していたとの回答が大部分でございました。

 この名称使用については、メニューに書かれている内容と実際にお客様に提供していた内容が客観的に異なっていたことが問題でありますので、直ちに是正いたしました。大きな反省点の一つであると感じております。

 そして、次に多かったのは、牛脂注入肉を使用していたにもかかわらず、その旨をメニューに表示していなかったということでございます。

 この点につきましては、牛脂注入肉を使用した場合、メニューにその旨を表示すべきことを知らなかったという回答が多く、知識不足、認識不足によるものであり、深く反省しております。

 このように表示すべしという判断を消費者庁がなさいましたのが、二年前と聞いております。その内容は、QアンドAに記されており、消費者庁のホームページで見ることができる状態にあったにもかかわらず、ホテル協会並びに会員ホテルでもそのQアンドAについて把握できておらず、大変申しわけなく、大いに反省をしているところでございます。

 また、肉や魚、野菜などの産地の不適正な表示につきましては、まさに論外であり、心より申しわけなく、深く反省しております。

 その他の不適正な表示につきましても、消費者に誤認を与えるような表示については是正してまいりました。

 再発防止につきましては、ホテル協会といたしまして何をすべきなのか、また、私どものような業界団体にできることは何なのかということを真剣に考え、この一カ月間で実効性のある対応をとってまいりました。

 本日、皆様に配付させていただきました資料にもございますが、当協会がこれまでに行ってきた再発防止に向けた取り組みと今後の対応について御紹介させていただきます。

 ホテルのレストラン等のメニューの不適切な表示の再発防止に係る取り組みについてでございますが、一つ目として、関係法令等の周知徹底についてでございます。

 平成二十五年十一月六日、景品表示法の理解を深めるため、景品表示法上の不当表示の考え方及びメニュー表示等の食品表示に係る過去の違反事例や景品表示法の概要、景品表示法(表示関係)のQアンドAの一部抜粋した資料を全国の会員ホテルに取り急ぎ送付し、周知徹底を図りました。

 二つ目といたしまして、メニュー表示に係る関係法令講習会の開催についてでございますが、平成二十五年十一月二十一日、景品表示法やJAS法など、メニュー表示に係る関係法令の理解を深めることを目的に、全ての会員ホテルが講習会に参加できるよう、講習会を開催いたしました。対象は、日本ホテル協会会員ホテルの経営者及び担当者でございます。

 内容につきましては、一つ目として景品表示法の基本的な考え方について、二つ目はJAS法に基づく食品の表示についてでございます。第一回目を十一月二十一日に開催し、第二回目を二十五年十二月十一日に開催する予定でございます。

 三つ目といたしまして、メニューの不適切な表示の再発防止徹底への取り組みについてでございます。

 当協会から会員ホテルに対して、以下の内容の徹底を要請いたしました。

 二十五年十一月六日には、一つ目として、消費者に誤認されるおそれのあるメニューの表示がないかを再度確認することを、二つ目として、今後のメニュー作成時においても食材のチェックを徹底し、関係部署間の連携を図り、管理体制を強化することを、そして、十一月十四日には、メニュー表示と異なった食材使用の再発を防止することを、二つ目として、日本のホテルの食に対する信頼回復に向けて、ホテル協会会員ホテルが一丸となって取り組むことを、十一月二十一日には、テナントにおける表示の適正化に向けた取り組みについて、当協会会員ホテルを通じて、ホテル内のテナントにおけるメニュー表示についても適正な表示が行われるよう、会員ホテルに周知いたしました。

 四番目としまして、メニュー表示に係る緊急調査の実施でありますが、森内閣府特命担当大臣からの要請もあり、日本ホテル協会では、今般のメニューの不適切な表示に関しまして緊急調査を実施することとし、再発防止策について、当協会においても、二十五年十一月十四日付で緊急調査を実施いたしました。詳細につきましては消費者庁に提出する予定でございます。

 五番目といたしまして、今後の取り組みについてでございますが、平成二十五年十一月十四日、外部の有識者に参画いただき、今後の再発防止策を中心に検討するため、メニュー表示対策特別委員会を設置し、平成二十五年十一月二十一日、第一回目の特別委員会を開催いたしました。

 今般実施した調査の結果を踏まえて、原因の究明と再発防止に有効な手段を検討することとし、関係法令の理解とあわせて、メニューの大切さ、重要性をわかりやすく会員ホテルに対して解説する手引書を作成し、配付する予定でございます。

 また、消費者庁から景品表示法ガイドラインが策定された後、講習会等を開催していく予定でございます。

 最後になりますが、多くの会員ホテルにおいては、これまでもメニュー表示が適正に行われてきております。これらのホテルがどのようにメニューと向き合っているのか、また、食材の発注品と仕入れ品の突き合わせの仕方や、食材や調理法に関する情報の共有のあり方、そして、サービス部門への情報伝達方法など、すぐれたよい事例を集めて、参考となるようなものをフィードバックしていきたいと考えております。

 日本ホテル協会といたしましては、今般のメニューの表示問題に関して、大変重く受けとめておりまして、真摯に反省をし、一日も早く国民の皆様の御信頼を回復すべく実効性のある再発防止策を遂行してまいりたいと考えておりますので、引き続き御指導賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

 ありがとうございました。(拍手)

山本委員長 ありがとうございました。

 次に、立石参考人にお願いいたします。

立石参考人 おはようございます。全国農業協同組合連合会の立石でございます。

 私、内閣府消費者委員会の食品表示部会の委員も務めさせていただいております。本日、このような意見陳述の機会を与えていただきますこと、まことにありがとうございます。

 私どもは、農畜産物の一次生産者の団体ではございますが、小売、食品製造、レストランの運営など、幅広い事業も行っており、事業者の顔もあわせ持っております。

 それでは、限られた時間でありますので、別添の資料に基づいて御説明させていただきたいと思います。

 まず、なぜ虚偽表示が起きるのかということでございます。

 三点書いております。信用による取引の限界、それから、消費者にわからなければという意識、最後に、ルールなきところにモラルの維持は難しいということで、これは私ども事業者としての経験則でございます。

 めくっていただきたいと思います。

 問題はどこにあるのかでございます。

 まず、目的が異なる現行の食品表示の法律体系、食品衛生法、JAS法に構造的な問題があるというふうに考えております。それから、情報開示のための業者間の情報伝達の仕組みに欠陥があるのではないかと思っています。それから、現行の食品表示は、情報開示という視点で、消費者目線には立っていないということです。

 その下の消費者基本計画の策定の趣旨ということで、これは平成二十二年三月三十日に閣議決定がされたものですが、この中の五行目を見ていただきたいんですけれども、「新しい消費者行政は、行政の在り方を事業者優先から国民一人ひとりの立場に立ったものに転換していくことが重要です。また、従来の、産業振興の間接的、派生的テーマとしての縦割り行政の弊害を克服しなければなりません。」こう書かれてあります。が、残念ながら、この視点が忘れられているのではないかというふうに感じております。

 次を見ていただきたいと思います。

 六月二十八日に食品表示法が公布されました。下の新しい基本理念、第三条、ここのところです。消費者の安全と消費者の自主的な選択の機会が確保され、必要な情報が提供されることが消費者の権利ということで、必要な情報が提供されることが消費者の権利、こういう新しい基本理念に基づいた新しいルールが必要だというふうに考えております。

 今般、外食で起こった偽装表示の問題の本質でありますが、やはり、生鮮品、加工食品ともJAS法上の表示義務がなかったということと、原材料を流通する際も表示義務を課されていないということで、これはトレーサビリティーの問題があるというふうに思っています。

 トレーサビリティーの観点で見てみますと、我が国のトレーサビリティー制度は非常に脆弱であります。ヨーロッパだとか韓国に比べて非常に弱い。我が国では今二つだけでありまして、牛トレ法と米トレ法、それぞれ問題が起きて初めて後追いでつくった法律で、ここの部分だけが外食の方にも網がかかっているということでございます。

 次、お願いいたします。

 今般発生している虚偽表示を流通ルートで見てまいりますと、水色の線、生鮮品が業者間を通じて外食の方に流れるというルート、このルートについては破線になっております。

 ここは、もちろん販売者としての表示義務もありませんが、業者間取引において、名称と原産地、これも表示義務はない、任意の表示ということであります。ですから、伝票等に記載する必要はないわけであります、本来はやっておりますが。ほかの実線のところは、実はそういう義務が課されております。加工食品も同様で、この破線のところで表示義務はないということでありますので、いわゆる情報伝達がきちっと法的につながらないというのが現行の中身でございます。

 その下を見ていただくと、生鮮食品品質表示基準というJAS法の基準をそのまま載せてありますが、いわゆる外食、インストア加工は、ただし書き以降で、その限りではないということで名称、原産地が抜け落ちていますし、その下の四条の二も、これは伝達の方ですが、表示義務についての伝達も、その限りではないということで抜け落ちております。次のページに加工食品も出ていますが、これも同様でございます。

 ですので、まとめておりますが、「JAS法における情報伝達の課題」ということで、そもそも、外食、インストア加工向けは伝達義務の対象外となっているということでございます。

 次をめくっていただきたいと思います。

 今回の問題となったエビ関係、クルマエビ、シバエビ、こういったものは、特色のある原材料表示ということで、実は、JAS法上、容器包装されたものについては、第五条において義務化がなされております。製品に占める割合もしくは特色のある原材料と同一の種類の原材料に占める割合、これを書かないかぬというルールになっておりますが、外食、インストア加工向けは適用外ということです。

 では、どうすればいいのかということで、御提案でございます。これは、業者間取引における法令の見直しが必要だと考えております。

 いわゆる適用範囲の拡大ということで、先ほどの加工食品品質表示基準それから生鮮食品品質表示基準の第四条の二の例外事項、除外事項、「この限りでない。」の見直しを実施し、適用範囲に加えればいい。

 それから、根拠書類の保存ということで、外食、インストア加工において、メニュー等の表示に特色のある原材料表示を行う場合は、納品書等の証憑書類の保存の義務を課す。これは、現行、牛トレ法、米トレ法とも三年間の義務が課されておりますので、もしそういう表示をされるところがあれば、当然のように義務を、証憑をとっていただく、こういう改正をすればいいのではないかと思っています。

 次を見ていただきたいと思います。

 次に、現行では法令違反ではありませんが、表示という点で非常に消費者に誤認を与えている点で、加工食品の原料原産地表示があります。

 現在は、加工度が低い、生鮮品とされる二十二食品群と野菜冷凍品、ウナギ加工品、かつお削りぶし、農産物漬物に限定をされております。このため、多くの加工食品において、国産原料を使用していないにもかかわらず、国産原料で製造されているというふうに消費者に誤認を与えている実態が相当ございます。

 これは、原産地に由来する品質の差異が加工食品の品質に影響を与えるということが前提とされるという選定基準が非常に問題でありまして、この選定基準を即刻廃止して、全ての加工食品に新しいルールを策定し、将来的には、外食、インストア加工も対象とする、韓国はやっておるわけですが、同様の農畜産物の原産地表示法の法制化の検討が必要かと思っております。

 原料原産地の表示の間違いはどこで始まったかということでまとめておりますが、二〇〇〇年に生鮮食品で始まって、二〇〇三年に、先ほど申しましたルール、この要件ができたおかげで、この先何も進まなかったということでございます。

 めくっていただきたいと思います。

 経緯について、原料原産地表示の拡大の経緯はここにまとめております。

 最後に、原料原産地表示の新たな表示案ということで御提案したいと思います。これは韓国とほぼ同じようなルールであります。

 原則として、全ての加工食品に対し、主原料、重量割合の一位と二位の一次産品、農畜水産物の原産地表示を義務化するということであります。

 二つ目は、原産国が特定できない場合は、輸入といった表示でも、一括表示欄の枠内に記載することを認めるということです。

 それから三つ目は、原産地の表示が難しいとされる理由に挙げられます、原産地が頻繁に変わる原料だとか、国産と輸入品の併用については、今般の新食品表示法ができて、JAS法の枠が外されましたので、新しいルールが設定できるということでございます。

 それから、コストの問題がよく言われますが、これは経過措置を長くとればクリアできるというふうに考えております。

 最後に、では、どうすればいいかという長期的視点であります。

 農場から食卓までの情報伝達の仕組みが求められます。必要な情報が消費者に伝達される、全食品のトレーサビリティーの法制化が必要ではないかと考えております。

 以上であります。ありがとうございました。(拍手)

山本委員長 ありがとうございました。

 次に、榎参考人にお願いいたします。

榎参考人 皆さん、おはようございます。

 消費者支援機構関西の理事長をしております榎でございます。このような機会を与えていただきまして、大変ありがとうございます。

 お手元に一枚物の、意見陳述のメモと称して資料を配付しております。ごらんいただきたいと思います。

 消費者代表という形で意見を陳述させてもらいますが、あくまで私の個人的な見解でございますので、御了解をいただきたいと思います。

 今回の一連のメニューの偽装表示、食材の偽装表示問題を消費者はどう見ているかという、まず、この問題でございます。

 当初は驚きでございまして、えっ、こんなことが起こり得るのか。それから、どんどん広がっていきますと、今度はあきれでございます。その後のいわゆる業界の処理の過程の中で、原因究明も含めた、あるいは謝罪の会見も含めたものを見ておりますと、今度は怒り、消費者としての怒りでございます。一体どうなっているんだということでございます。

 本来、消費者の信頼を最も重視していたと思われる一流のホテル、あるいは旅館、百貨店、ここで相次ぎ偽装表示が発覚をいたしました。お客様第一だとか消費者目線だとか、あるいはホスピタリティーということをその業界はうたっていたわけでございますが、実は、消費者軽視、消費者目線に立っていないという体質であったことが図らずも露呈をしたわけであります。また、個々の一部の経営体の問題ではなくて、業界全体に広がる、底の深い構造的な問題だというふうに理解をしております。

 信頼を根底から覆した。例えば、ホテルとか旅館とか、そういったところは、ある意味で、ハレの日に行くようなところでございます。大きくなったらあそこのホテルで食事しようね、そういう御家族が楽しみにしているわけです。ある意味で、子供たちの夢をも今回覆した、壊してしまったんじゃないかというおそれを感じています。

 同時に、これは、消費者だけではなくて生産者、一生懸命、農産物、原材料を生産してくれております生産者の方たちにもはかり知れない影響を与えていると思います。

 また同時に、ホテル業界や旅館業界、あるいは調理の場面で一生懸命、毎日身を粉にして働いて社会貢献をしている皆さん、そういう方たちにも重い失望感を与えた、その方たちの家族にも大変大きな影響を与えたわけでございます。

 今回の事態をそのように大変大きな問題として受けとめております。

 まず、徹底的な事実の解明と公表、原因分析を業界あるいは個々の事業体、経営体で行ってほしいというのを要求として出していかなければいけないというふうに思います。同時に、なぜホテルや百貨店でこのような問題が常態化していたのか、業界として明らかにする、これがいわゆる事業者団体の責務でもあろうかと思います。

 まず、なぜそうなったのか。

 まず、事業者のコンプライアンスの欠如ということが言えると思います。先ほどの消費者基本法の問題もございましたけれども、消費者軽視ということが大きなベースにございます。

 同時に、ホテル業界、あるいは旅館業界含めてでございますが、極めて深刻な過当競争ということが行われているようであります。そのもとで、どうしても経営優先、利益優先という論理が優先されまして、消費者重視、消費者目線ということが後回しになってきたというところに問題があろうかと思います。

 事実を明らかにして、きちんと謝罪をして、被害を消費者に補償して、再発防止策を樹立することによって再出発する、これが大事だというふうに思います。

 三でございますが、今回の問題は、表示問題ではなくて、偽装表示であることはもう明らかであります。

 私は水産経済も専門でございますが、クルマエビ、シバエビとブラックタイガー、バナメイエビを区別できないような料理人の方がいらっしゃるのかなというふうに思っております。決してそんな料理人さんはいらっしゃらないというふうに思っております。アワビとロコガイも同じです。トビウオの魚卵をキャビアと称したり、ベニズワイをズワイガニと称するというんですね。品物が違うんですから、これは明らかに偽装というふうに言えるというふうに思います。ある意味で、ウナギの産地偽装よりも今回は悪質な問題ではないかというふうに私は思っております。

 消費者は、調理されたものでは素材も原産地もわかりません。きちんとメニューの中に書かれていることによって初めて明らかになるわけです。

 どのような対策、再発防止の施策が必要かということですが、個々の事業体、経営体、業界の自主的な再発防止策が第一でございますけれども、自主的な取り組みだけではもう限界があるということが今回で明らかになったわけでございます。

 食品表示に関する法律を外食メニューにも適用すること、ただし、そのメニューの中身に関しては、何を表示の義務とするかというのは十分慎重に検討する必要があろうかというふうに思っております。メニューだけでA4一ページになるということになってしまっては、これは消費者の選択の余地が、非常に難しいものになってしまいます。

 食品表示に関する法律が、法改正に当たって、執行体制のあり方の議論が不十分なまま成立しました。食品表示法の執行に当たっては、体制の整備というのが前提になります。消費者庁ができましたけれども、まだまだ東京だけでございまして、当然、地方には消費者庁の分局といいますか出先がないわけでございます。農林水産省や他省庁とも横断的に、総合的に協力し合って、また、各自治体の消費生活センターあるいは保健所などとも有機的な連携を図りながら執行体制を確立する必要がある。と同時に、各地域の消費生活センターの財政的、人的バックアップということを考えていく必要があるかというふうに思います。

 被害回復。最後に申し上げますが、今回、どうしても被害者に被害を補償すること。偽装で得た利益は不当な利益であります。これをきっちりと消費者、被害に遭った消費者に返していただきたい。

 現在、参議院で集団的消費者被害回復訴訟制度の議論がなされています。上程されています。最も早くこの問題、消費者被害の回復にとって有効な制度になるわけですので、何とか早期の成立を期待しております。

 また同時に、現時点では、報道によれば、ホテルなどで、利用した消費者に、言ってきてください、言ってきてくださった方にはお返ししますということでございます。報道によりますと、予想外に言ってくる消費者が少ないということでございますけれども、返せない、宙に浮いたものは、きちんと消費者に公的な形で返還をしていただきたい。

 その一つの受け皿として、二〇〇四年に発足いたしました消費者支援基金、この基金に受け皿として拠出をしていただきまして、消費者教育や消費者被害の救済活動など消費者市民社会の確立に向けた活動に有効に利用するということも一つの方法だと思います。

 以上でございます。御清聴ありがとうございました。(拍手)

山本委員長 ありがとうございました。

 次に、根岸参考人にお願いいたします。

根岸参考人 おはようございます。根岸です。

 私がここでお話しする簡単なメモ、一枚紙を用意しておりますので、基本的にそれによりたいと思います。

 私は、料理の食材表示と景品表示法の話をさせていただきたいと考えています。

 今、景品表示法の規制強化が非常に主張されております。それは必要な部分があると思いますけれども、まず、規制強化を検討する前に、その前提として、従来の商慣習を徹底的に洗い直していただきまして、一般消費者が料理について自主的かつ合理的に選択することを可能にするために、本来どういう食品表示が適切であるかというルールの設定が必要だと思います。

 正直言いまして、私、今回の報道、新聞などを見まして、お恥ずかしい話ですが、どちらが優良で、どちらが優良でないのかよくわからないものが非常に多かったです。私のような食材知識の不十分な消費者というのは少なくないと思います。その意味で、私のような、レベルが低いという言い方、私はレベルが低いですが、ほかの方をレベルが低いと言うのも失礼ですけれども、そういう方が多いと思いますので、そういう消費者の目線に立っていただきたいと考えています。

 表示を正確をきわめればきわめるほどよいというわけではないと思います。そんなことをやりますと、かえって消費者の選択を誤らせることになるし、コストが飛躍的に増大する。消費者の利益にならないと考えていますので、まず、料理の食材表示について、一般消費者が自主的かつ合理的に選択する上で適切な表示というものを、これまでの考え方を徹底的に洗い直していただきまして、ルールを検討していただきたい、こういうふうに考えています。

 二番目ですけれども、こちらは先生方御案内のとおりであると思いますが、三番目にお話しする前提として少しお話ししたいと思います。

 景品表示法の現状ということですけれども、御案内のように、昭和三十五年のにせ牛缶事件が契機となりまして、昭和三十七年に独占禁止法の補完法として制定されました。その後、平成二十一年、消費者行政の一元化の動きを受けまして、所管が公正取引委員会から消費者庁に移管いたしました。

 これに対応して立法目的も、かつては、公正な競争を確保し、一般消費者の利益の保護と書いてありましたが、今般は、公正な競争の確保がなくなりまして、一般消費者の自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれのある行為を制限、禁止、そういうことによって一般消費者の利益を保護する、こういうふうに改正されました。

 しかしながら、公正取引委員会が所管していた時代から、基本的に現在の目的と実質的には同じ規制内容が行われてきたというふうに私は理解しております。ですから、その実体規制においては、従来から実質的な変化はないと理解しております。

 現在は、今回の事例はいわゆる優良誤認表示でございますけれども、これは不実証広告規制を伴いまして禁止しております。そして、消費者庁が優良誤認表示がありますと措置命令をする。都道府県でも調査、指示、措置を請求いたしまして、消費者庁の方で措置命令をやる。そして、措置命令に違反した場合に罰則、こういう仕組みになっております。

 また、適格消費者団体の優良誤認表示、不当表示に対する差しとめ請求権も与えられるに至っております。それから、公正競争規約、業界の公正競争規約を消費者庁及び公正取引委員会が認定するという仕組みで、現在、景品表示法は動いているというふうに理解しております。

 これを、どのようにその実効性を確保するのかということが課題になっていると思いますが、一番最初に私書いておりますけれども、公正取引委員会と消費者庁の共同所管にするということがまず第一のポイントであります。

 他の消費者法というのは、消費者庁ができましたけれども、厚労省や農水省や経産省などと共同所管でございます。これは非常に重要なことでありまして、先ほどもお話がございましたが、消費者庁はいわゆる地方事務所というのは基本的には持っていないということでありまして、他の省庁はそれを持っているということですね。

 実際のところ、この景品表示の問題というのは全国で起こるわけでございますから、やはり地方での調査等が非常に重要であります。そのときに、この景品表示法は消費者庁だけが所管であるというのには限界があるというふうに思います。

 もちろん、消費者庁は、公正取引委員会の地方事務所に調査を頼むということはできますけれども、しかし、やはりそれには大きな限界がありますし、公正取引委員会の職員の仕事のインセンティブということにも関係がございます。したがって、公正取引委員会との共同所管にする必要があると思います。

 もともと、この景品表示法というのは、にせ牛缶事件が出てきたときには、独禁法で表示を規制したんですね。現在では、欺瞞的顧客誘引、不当な利益による顧客誘引、後ろの方は不当な景品の話ですが、前の方は、欺瞞的顧客誘引というのは、まさに不当表示、優良誤認表示などを独禁法でも規制ができることになっております。

 その意味で、景品表示法が禁止する不当表示と不当景品類の提供というのと独禁法上の不公正な取引方法とは、連続、重なっているというところでございます。したがって、公正取引委員会と消費者庁との共同所管にするということが重要である、こういうふうに考えております。

 二番目でありますけれども、優良誤認表示などに課徴金を賦課するか、そういう問題がございます。

 これは、独禁法が、不公正な取引方法について課徴金が入った当時、この不当表示などについても同じことが考えられた経緯がございます。したがいまして、それを検討するというのは必要かと考えます。

 ただ、課徴金を賦課する場合に、その設計の仕方に十分注意しなければならないと思います。せっかく課徴金の賦課権限が入ったが、かえってそれが使いにくいということになりますと、動かないということになります。

 ここでお話しするべきことではございませんが、独占禁止法の一部で、不公正な取引方法について課徴金が入ったことによって、かえってその執行が鈍るということがあり得る、こういうことも十分御留意いただきたいというふうに私は考えております。

 したがいまして、この課徴金の賦課につきましては、独禁法あるいは金融商品取引法などにございますが、義務型、違反があったら必ず課徴金を取るというふうにするのか、いや、裁量型にするのかなど、この設計方法について十分御検討いただきたいというふうに考えております。

 三番目ですが、都道府県に、あるいは知事に措置命令権限を付与するかということでございますが、現状では、私はそれは非常に疑問です。

 私自身も、自分の兵庫県等で消費者行政の一端を担わせていただいておりますけれども、予算と人員が全くございません。一人の人があらゆることをやるなんということは不可能でございます。したがいまして、国から幾らやれと言われても、事実上、不可能だと私は思います。実力をつけなければ、これはもう絵に描いた餅というふうに私は考えております。

 それから、ほかの消費者法、例えば、特定商取引法とか消費者安全法についても類似の規定がございまして、今のところ、最終的な権限はやはり国にある、国にこれをやってくださいということを請求するということはございますけれども、それにとどまっておりますので、それとの平仄も考えていただきたいと考えます。

 それから、四番目ですが、優良誤認表示があったら直ちに処罰するかという問題ですが、私自身は、現在では、それは比例原則に照らして不適切であると思います。

 現在は、措置命令に違反したら処罰する、いわゆる間接罰になっております。やはり罰則というのは重いものでございますので、それに対応する行為というのが行われることが前提でありまして、現在の行われている料理の食材表示について、いきなり直罰規定というのは、これは法律家の常識として非常に難しいと考えております。しかし、もちろん、これも未来永劫不適切というわけではございませんけれども、やはり今後の状況を見なければならないと思います。

 それから最後、公正競争規約の活用でございますが、これは私が一番最初に申しましたように、私のような非常にレベルの低い一般消費者は私は多いと思いますので、その人々にわかるような表示をつくっていただくということでありまして、まず業界でそれを検討してやる、そして消費者の意見を聞き、専門家の意見を聞くということです。

 公正競争規約をつくることは、多分、料理については非常に難しいかと思います。つまり、業界が非常に多方面にわたっていて、まとまることは難しいかもしれませんけれども、しかし、公正競争規約そのものでなくても、類似のものを検討していただいて、ぜひ、本来あるべきルールを提示していただきたいと考えております。

 以上でございます。(拍手)

山本委員長 ありがとうございました。

 以上で参考人の意見の開陳は終わりました。

    ―――――――――――――

山本委員長 これより参考人に対する質疑を行います。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。藤原崇君。

藤原委員 自由民主党の藤原でございます。

 本日は、参考人の方々、お忙しい中、委員会の方に御出席くださいまして、ありがとうございました。

 質問時間が限られている中、本来であれば各参考人の皆様それぞれにいろいろとお聞きしたいところでございますが、質問時間の関係上、私は主に、今後、このメニュー表示に関する問題についてどういうふうに取り組んでいけばいいのかな、そういう点からの質問をさせていただきたいと思っております。

 まず榎参考人にお尋ねをしたいのですが、今回問題になったこのメニュー偽装、これについては景品表示法による対応が一応可能であるというふうには言われております。また今後、食品表示法による差しどめの可能性もないわけではないというふうに立法的には現状なっているわけですが、実際問題として、偽装がある、その端緒を発見して、そこから行動を起こしていくということになると思うのですが、実際、各消費者団体等でそういう端緒を発見することというのは容易にできるものなのかどうなのかという点について、ぜひ御経験からお話しいただければと思います。

榎参考人 私どもは適格消費者団体でございます。消費者がおかしいなとか思ったときに、やはり情報を伝えていただいて、そこから私どもの事務職員とか事務局とか、あるいは理事の役員が調査をする、こういう形になっております。

 同時に、先ほども根岸先生から御説明ありましたけれども、食品表示法でいわゆる差しどめができる、適格団体ができるということになっておりますけれども、なかなか、情報をいただいて適格団体の職員なりが、適格団体がその事業者に入って虚偽であるかどうかを調査する、そういう権限は私どもには与えられておりません。

 また同時に、私ども、そういった消費者契約法には比較的蓄積がございます。また、都道府県の消費生活センターの職員さんも消費者契約法には蓄積、造詣が深いわけでございますが、食料とか食材とかいうことになりますと、どうしてもまだまだ蓄積が弱いということがございますので、大きな課題だなというふうに思っております。

 適格団体にそのような権限がまだまだ不十分ということでございます。

藤原委員 ありがとうございます。

 現実問題として、適格消費者団体等でもなかなか対応は難しいのでは、そういう御趣旨だったと思うのですが、そうなってきた場合には、ホテルあるいはお店等の内部的な取り組み、そしてそれがしっかりと担保されること、このことが必要だと思うんですね。

 そのために第一に考えるべきなのは、今回の問題が起こった背景だと思っております。

 小林参考人にお尋ねをしたいのですが、今回、ホテル業界でも多く発生はしたのですが、これは各ホテル個別のコンプライアンス体制等の問題なのか、あるいは構造的な問題があるのか、その点についての業界としての御認識をお聞かせいただきたいと思っております。簡潔にお願いします。

小林参考人 御質問に回答させていただきます。

 ただいま藤原先生から、今回の一連の食品表示に関する問題は、個々のホテルの問題か、あるいは業界を含めた構造的な問題かというお尋ねでございますが、私は、ホテル協会は個々の経営体の集まりでありまして、個々の問題であるというふうに認識しております。

藤原委員 ありがとうございました。個々のホテル間の問題であると。

 今回の問題が発覚するまでの間、ホテル業界、協会の方で、メニュー表示の適正化という点を意識した取り組みを行ったことはあるのかないのか。問題になる前のことについてお尋ねをしますが、そういう取り組みはあったのかどうなのか。あれば、どういう中身かというのをお願いします。

小林参考人 私が調べました限り、各ホテルの自主性に任せた対応ということで、ホテル協会として、メニュー表示に関する指導的な講習会等々は今までやっておりません。

藤原委員 ありがとうございました。

 今までそういう取り組みはやってこなかったという中で、今回、意見陳述にありましたとおり、新たな取り組みを行うということになったんですが、この新たな取り組みの具体的実効性、これはしっかりと今後、ホテル協会さんの取り組みでメニュー表示の今回のようなこと、これが防止できるのかどうなのか、その点についてはどうお考えでしょうか。

小林参考人 今までやっていなかったということ、これも大いに反省の材料でございますが、今後、冒頭陳述でも申し上げたように、ホテル協会、業界全体を挙げて、真剣に教育をしていきたいというふうに思います。

 知識不足、認識不足というような御説明も申し上げましたけれども、それは起こしたことに対しては許されないことでありますので、とにかく業界一致して、各会員ホテルに周知徹底し、二度と同じようなことを起こさないように、実効性のある努力をしてまいりたいというふうに思っております。

藤原委員 業界として今後しっかりと取り組んでいくということはわかりました。

 それと同時に、今後検討しなければいけないのは、法による規制をかけるのかどうなのかということは、一つ考えていく必要があるんだろうと思っております。これは、かけなければいけない、あるいはかけてはいけない、どちらでもなく、かける必要性の有無というのをまずは最初に検討していくということが大事だと思います。

 この点に法的な規制をかけるという場合には、いろいろな考え方があると思うんですね。直ちに産地等まで全て虚偽の表示をさせないというような強度の規制から、あるいは必要最小限の点については法的に表示義務等を課すというやり方もあると思っております。

 その中で、例えば一つ身近な事例として挙げると、メニューにおけるアレルギー表示というのは、これは一つあるのかなと思っております。

 今回、エビの偽装表示と並んでよくお話として出てきたのは、私も余り知らなかったんですが、牛脂を注入した肉、インジェクション加工というらしいんですが、そういうお肉について、いわゆるステーキというような表示をしていたという事例が散見できるかなと思っております。これはどうやら、牛の塊肉に対してピックル液と呼ばれているものを注入することで、サシの入った牛肉に近い状況を再現するという調理法だということなんですね。

 こういう調理法があること自体は、それは、いいでも悪いでもない、中立的なことだと思うのですが、その一方で、一つ問題だなと思ったのは、牛脂注入肉というのは、それに入っているピックル液というのには乳製品あるいは大豆、小麦由来の成分が使われているということもあって、その関係で、アレルギー物質の入ったお肉というふうな取り扱いになっているということらしいんですね。

 普通の方がメニューを見れば、ステーキとか、あるいは極端な話を言うと、インジェクション肉を使用していますというふうに書いていたとしても、それにまさか牛乳、乳製品だとか大豆あるいは小麦等が含まれているとは普通考えないというふうに思っております。そうであれば、アレルギーについて、アレルギーというのはやはり命にかかわる可能性もありますので、そういうアレルギー表示等については、少なくともメニューに対して義務化をする必要があるのではないかなと私はちょっと思っているところで、その点についてお尋ねをしたいのです。

 私の方でいろいろ調べてみると、メニューについてはなぜアレルギー表示等が外れているのかということを考えてみますと、一つには、対面提供であるから容易に確認ができる、あるいは調理場でほかのアレルギー物質が混入する可能性も排除できないというようなものが立法事実として挙げられているのですが、基本的に、アレルギーが気になる人は確認をしてくださいという、はっきり言ってしまえばそういうロジックだと思うのですが、私は、むしろやはりお店の方から積極的に提供をしていくという観点が必要なのではないかなというふうに思っております。

 そこで、ホテル協会さんの方に、代表して来ている小林参考人にお尋ねをしたいのは、まずは、全体的に法規制を行うこと、これの必要性についてどう考えているかという点が一点でございます。

 それからもう一つが、では、個別に、メニューについて、アレルギーについての表示義務を課すということ、このことについての御見解をお聞かせくださいということが二点目。

 そしてもう一つなんですが、極端な話を言えば、メニューについては聞けばわかる、だから確認をしてください、そういう立法事実だと思うんですが、そのような考え方というのは、やはり接客のお仕事の中ではなかなか違和感があるような立法事実だと私は思うのですね。

 そこについて、ちょっと事前のあれとは違うところもあるんですが、小林参考人から、そういう考え方でよいのか、あるいは、やはりホテルの方から、あるいはお店の方から提供する、そういうふうな考え方がよいのかという点について、ぜひお聞かせいただきたいと思っております。

小林参考人 ただいま、三つの御質問をいただいたと思います。

 まず、第一番目の全体にかかわる法規制が必要であるかどうかという見解についてでありますが、どの部分のどういう規制をするかということにかかわってくると思いますので、一概にそれに対して、賛成である、反対であるという発言は控えたいというふうに思います。

 次に、アレルギーに関する問題でありますが、おっしゃったとおり、アレルギー問題は人命にかかわる大変重要なマターであるというふうに我々は認識しておりまして、あらゆるメニューの中にそれが入っているかいないか、これは全てチェックしております。

 と同時に、やはり、おっしゃったように、対面販売の中で、現在、お客様にメニューを伺う際に、アレルギーの問題はございますでしょうかということを必ずお聞きする、これはほとんどのホテルでやっているというふうに認識しておりますが、そのような対応で今のところ行っております。

 これに対して、メニューにアレルギー物質の記載をするということになりますと、これは、先ほど違う参考人の方もおっしゃっていましたけれども、メニューそのものが膨大な量になるということと、これは、一律法規制を行うというのはなかなか我々の業態のオペレーションでは難しいかなというふうに思います。

 現在の対面販売における、お客様にオーダーを伺う際に必ず確認するということで今のところ問題は起きておりませんし、お客様が、そういう方は予約のときに事前におっしゃってくださるというケースも多く見られております。

 以上でよろしいでしょうか。

藤原委員 済みません、もう一点が、法的なたてつけの考え方という点で、メニューについて、アレルギー表示、これについては義務を課していない、表示義務を課していないということで、その根拠になっている一つが、対面提供なので、その中であれば、今は恐らくホテルは自分から提供しているときに確認はしていると思うのですが、それと同時に、気になれば確認をすればいいじゃないか、極論を言ってしまえば、そういうような立法趣旨で、メニューは外れているんです。

 気になれば確認すればいいじゃないかというのは、私は、いささかちょっと乱暴な理屈な気がしているんですが、この理屈についての、これは個人的な御見解とか感覚、ホテルのお仕事にかかわっている方の実務的な感覚として、そういうような発言、そのような理屈については違和感を覚えるか、まあ、それはそうだよねとすとんと落ちるものなのかどうなのか、そういう感覚についてもう一点お尋ねをしたんですが、その点、お願いいたします。

小林参考人 確認作業は、気になればするということではなく、現在、メニューのオーダーをいただく際に必ず確認するようにということになっております。

藤原委員 ありがとうございます。

 それでは、一問前の問題について、ちょっと詳しくお尋ねをしたいと思うんですが、漠然とした法規制の必要性というのではなかなか言いようがないというのは、まさしくそのとおりだと思うんですね。

 また、アレルギー表示の点についても、実際問題、先ほど根岸参考人からだったと思うんですが、A4のこんな厚い英文の契約書みたいなとんでもない厚さになったら、それはそれで大変だという話なんですが、表示の仕方というのは工夫の仕方で、導入をしているところもあるので、そこはやはり工夫のしようだと思うんですね。

 それで、法規制で聞きたいのは、直接メニューにシバエビあるいはクルマエビ等を表示するときは、ちゃんとシバエビを使ってください、ちゃんと産地はどこどこ産と書いたらそこのものを使ってください、そういう形の規制をかける必要性についてという点、具体的にお聞きすると、いかがでしょうか。小林参考人にお尋ねします。

小林参考人 どこどこ産の何々という表現をメニューにしている以上、そこの産地のものを使うのは当然のことでありまして、先ほど陳述でも申し上げましたけれども、そういうことが起きているという事実もあるわけでありまして、それは全く、まさに論外であるという表現を使いましたけれども、そういうことだというふうに認識しております。

藤原委員 それについて法で規制をかけることについての必要性についてはいかがでしょうか。小林参考人にお尋ねします。

小林参考人 それは、私どもが規制が必要だということが言える立場には私はないというふうに思います。一生懸命努力しているわけでありますが、それでは足りないということであれば、それはそうなるのかなというふうに思います、そうならないように一生懸命努力しておりますけれども。

藤原委員 ありがとうございます。

 もう一点なんですが、そういう意味であれば、ちょっとお尋ねをしたいのは、今回、小林参考人の方で、お取り組みについて意見陳述の中で御連絡をいただいたこの「ホテルのレストラン等のメニューの不適切な表示の再発防止に係る取組について」、この取り組みで防止については十分であるというふうに認識しているのか、協会として、これで十分、今後、メニューの偽装表示、こういう問題は二度と起こらない、そういうふうにしっかりと確信を持って言えるのかどうなのか。もしかしたら漏れが出るかもしれないという懸念があるのかどうなのか。そこについて、ちょっとお尋ねをします。

小林参考人 現時点で今後の対策としてつくりましたものは、これでやれば二度と起こらないという確信のもとにつくったものでありまして、これをいかに浸透していくか、徹底させていくかというのが、今後の我々の努力になるかというふうに思います。

藤原委員 済みません、小林参考人、一点なんですが、「今後の取り組み」というところで「調査の結果を踏まえて、原因の究明と再発防止に有効な手段を検討することとし、」というふうに書いてあって、まだその対策というのは完全に具体的に固まっていないような段階に私は感じるんですが、そういう段階でそこまで言い切れるのかどうなのかという点は、ちょっと一点確認をしたいと思っております。小林参考人にお願いいたします。

小林参考人 大変失礼いたしました。まだその段階のものもございますし、私の今の発言は、少し先走った発言になったということはおわび申し上げたいと思います。

 ただ、今後二度と起こさない努力を、あらゆる努力をしていきたいという協会としての姿勢には変わりはございません。

藤原委員 ありがとうございました。

 今後ということですので、ぜひホテルの方にも信頼を回復するように頑張っていただければと思っております。

 きょうはお忙しい中、本当にありがとうございました。私の質問を終了させていただきます。

山本委員長 次に、大西健介君。

大西(健)委員 皆さん、おはようございます。

 きょうは、お忙しい中、参考人の先生方には貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございます。民主党の大西健介でございます。

 私は、議員になる前に馬淵澄夫代議士の政策秘書をしていたときに、姉歯事件、耐震偽装問題というのにかかわりました。そのときにも感じたのは、ばれなければ構わない、そういう意識がどんどん被害を拡大していくということであります。

 きょうの立石参考人のお話の中にも、まさに最初のところで、性善説というのは通用しないんだ、あるいは、ばれなければ構わない、そういう意識がこういう問題を生んでしまうんだというお話がありましたけれども、私は、その点においては、今回のこの事案というのは共通するところがあるのではないかなというふうに思っております。

 今回、この事案が最初に出たのは阪急阪神ホテルズの件でありますけれども、そこで最初に記者会見が開かれました。その記者会見の場で、まず出崎社長が、これは偽装ではなくて誤表示だというふうに言われたんですね。

 先ほど小林参考人は、お話の中で、偽装表示という言葉ではなくて、不適切表示という言葉をずっと使っておられたんですが、阪急阪神ホテルズの出崎社長、二回目の会見のときにはこんなふうに言われたんです。ホテル側がどう言いわけしようが、客にとっては、目の前で信じていた料理がメニューと違ったという事実があるのみである、偽装でないというのはあくまで会社側の理屈であり、消費者の立場に立てば、偽装と認められてもいたし方がないとして、二回目の会見では偽装だと言われたんですね。

 そもそも偽装とは何ぞや、偽装とは何かということを考えるときに、私自身は、二回目の記者会見で言われたとおりだと思うんですよ。つまり、提供する側のホテル側がどう思っていたか、それは関係ない。それよりも、提供された消費者側がどう受けとめたのかという、消費者サイドに立って判断をすべきだというふうに思っているんです。

 まず、日本ホテル協会の小林会長から、偽装とは何ぞや、それは消費者サイドに立って判断すべきではないか、この点について御見解を賜りたいと思います。

小林参考人 今、大西先生から御質問を受けましたけれども、まさに大西先生がおっしゃったとおり、ホテル側のいわゆる理屈ではなく、お客様目線からの判断になるというふうに思います。まさにこれは偽装であったというふうに思います。

大西(健)委員 私も、消費者サイドに立って、この部分をぜひ考えてやっていただきたいなというふうに思いますし、その点では、まだ今、言葉も、誤表示だとか不適切表示だとか偽装表示だとか、いろいろな言葉が出ていますので、それは一体どういうものが不適切なんだ、どういうものが偽装なんだということはちょっと整理する必要があるんじゃないかなというふうに思っております。

 私は、メニュー表示というのは、本来であれば、原材料とか原産地に関する情報を正確に消費者側に提供することによって消費者が自主的な選択ができる、これが本来の姿だというふうに思いますけれども、実は、私は以前、この委員会で、回転ずしにおける代用すしネタの問題というのをやったことがあるんです。

 先ほど榎参考人の話の中にもたしかアワビとロコガイという話が出てまいりましたけれども、例えばナイルパーチという淡水魚がマダイとして提供されているとか、あるいは、アカマンボウを刻んでちょっと油を入れて、それがネギとろという形で出ているとかということが指摘をされているんですけれども、この点について言うと、シバエビとバナメイエビ、これは同じエビはエビですけれども、全く違う魚が代用すしネタとして提供されている。先ほど来話が出ているように、外食というのは食品表示規制の対象外に今なっていますので、これが残念ながらまかり通っている。

 ただ、私は、ここでちょっと、自分自身、迷いがあるというかよくわからない部分があるのは、先ほど、私自身が、消費者サイドに立って考えるべきだということを申し上げました。そういう意味でいうと、一皿百円均一の回転ずしで食べている消費者というのは、百円なんだから百円の相応のネタだろうと思ってお金を払っている。ここは、高級食材だと思ってお金を払ったというのとは若干違うところがあるのかなというふうなことも考えるんです。

 ここがちょっと、私自身、整理がつかないところなので、榎参考人は、御経歴を拝見しますと、消費者問題の専門家であると同時に、先ほども少し御自身でお話しされていましたけれども、水産経済学とか水産物流通論というのを農学部で教えられているということでありますので、水産物については専門家であるということでありますので、今の代用すしネタについてどう考えたらいいのかということについて御所見をいただければと思います。

    〔委員長退席、原田(憲)委員長代理着席〕

榎参考人 代用すしネタの問題は後で触れますけれども、いわゆるナイルパーチの場合は、アカメ科のビクトリア湖でとれるものですけれども、要するに、それが白身の魚という形で、ほかの魚種の名前で偽装するのじゃなくて白身の魚という形で一般に出されたりするわけですね。ですから、直接的に、白身の魚と書いてありますけれども何ですかというときに、ナイルパーチ。ナイルパーチ自身はスズキの仲間ですから、非常においしいんです。

 でも、それは、食材に使っているものを、要するに、偽装というのは、この魚はこういう名前ですよ、地域名も地方名も含めてきちんと正しく表示をしてほしいということなんですよね。それは、いわゆる回転ずし屋さんでもホテルでも同じだと思うんです。この魚を使っていますというのは、正しく、地方名も含めて、きちんと表示してほしい。

 そこに、例えば、アワビとロコガイは違います、トビウオの子、トビコとそれからキャビアというのも全く、キャビアというのはチョウザメの卵のことをキャビアというので、要するに、そういうものを混乱させて、そこに価格差が当然ありますから、にせの表示をして、違うものの表示をして高く売る、これは偽装以外の何物でもない。これは、高い対価を払おうが安い対価であろうとも、それはきちんと事実をメニューに表示してほしい。

 強いて言ったら、魚種名と、それからもう一つ大事なのは調理の方法ですよね。今、素材ばかりが議論されていますけれども、もう一つ、ホテルや外食でこういう形で調理しましたというところに料理人の工夫があるわけで、調理の方法、それからさらに、先ほど御質問がありましたけれども、アレルゲンに関しては、命にかかわる問題ですから、やはりメニューにきちんと提示をして消費者の選択に供してほしいというふうに私は思っています。

 十分お答えになりましたでしょうか。よろしいでしょうか。

大西(健)委員 回転ずしにおいては代用すしネタというのが出回っているという話があるんですけれども、一方で、以前、例えばスーパーとかで、ギンムツとかというのにメロという魚が使われている、でも、これは今はメロと表示するのが一般的になっていて、みんな、メロだということで、ちゃんとそれでおいしいお魚だというので食べていますから、そこはやはり改めていく必要があるんだろうなというふうに私も思っております。

 それから次に、通常国会において、先ほどお話がありましたように、食品衛生法、そしてJAS法、健康増進法、三法が規定してきた食品表示を一元化するという内容の食品表示法が成立しました。ただ、そのとき、附帯決議がついておりまして、その中では、加工食品の原料原産地表示、中食、外食へのアレルギー表示、食品添加物表示などについては、法案成立後速やかに検討に着手するということになっております。

 立石参考人は、第一次、第二次の消費者委員会の食品部会の委員を務めておられましたけれども、今後の検討課題として残されている三つの課題、三つの課題というのは、加工食品の原料原産地表示、食品添加物表示、そして三番目は遺伝子組み換え表示、この三つの課題を優先して食品部会で議論すべきじゃないかということを御提案されております。

 このたび、こういった今ここで議論をしているような全国各地のホテルや百貨店で偽装表示問題というのがこれだけ社会的な問題になったことを受けて、私は、立石参考人の意見陳述にあったように、今こそ加工食品の原料原産地表示や、外食、インストア加工の表示についても、検討のスピードアップを図っていくべきではないかというふうに思っております。それが偽装表示の再発防止にもつながっていくというふうに思っております。

 しかし、現在のところ、消費者庁の方の対応を見ていますと、とりあえず一元化するということをやる、でも、その先の課題について真剣にあるいは前倒しでスピードアップして取り組もう、そういう意欲というのは、残念ながら私は見えないような気がしております。

 三つの課題に関して調査会を設けて優先的に検討を進めるべきというような提案を、第一次、第二次の食品部会の委員の方々がそういう提案書を座長にも出しているんですけれども、残念ながら、それは真正面から受けとめられていない。なおかつ、立石委員を含む、消費者団体代表の委員の三名が、今回、第三次の食品部会の委員からは外されてしまっているということをお聞きしました。

 この点について、ぜひ立石委員から、食品表示部会として、先ほど意見陳述の中にもお話があったような、そういう残された課題について、今後どうやって取り組んでいくべきなのかということについてお話をいただきたいと思います。

立石参考人 昨日、消費者委員会食品表示部会が開催されました。その中で、検討項目として挙げられたのは、やはり、今の個別品質表示基準、全部で五十八あるんですけれども、こういったものを一本にするということに精力を尽くす。その後に、準備が整ったものから、先ほど問題にあった加工食品の原料原産地表示だとか添加物の問題、遺伝子組み換え表示、こういったものを検討するということなんです。

 実は、先ほどから私が申し上げたとおり、今の法律体系の中に、食品衛生法とJAS法という中で、縦割りの中で極めて難しい課題が幾つかあります。全部が共通していくんですね。ですから、この問題を避けて通れないわけでありまして、この後、加工食品、生鮮食品、それから栄養成分表示ということで、三つの調査会に分けて検討がされることになりますが、この中で、課題をきちっと整理していくという中で、私どもが考えるのは、やはり消費者基本計画に基づく具体的な考え方を消費者庁がどこまで持つかですね。

 今まで、こういった具体的な提案、考え方は一切示されたことがありません。全て、どうしましょうか、どうしましょうかということで議論を投げかけるだけですね。委員の方にどうしましょうかと言っても、出てくるわけがないわけですし、事業者の方が入れば当然反対されます。こういった中で、本当に食品表示をどういうふうに進めるか、そういう意思が全く感じられない、ここは非常に残念な今の状況だと私は思っております。

大西(健)委員 私も、もうこういうことが起きたわけですから、先送り、棚上げにするんじゃなくて、スピードアップをしていくべきだというふうに思っておりますので、ぜひ、その観点からまた御意見をいただきたいと思うんです。

 もう一点、先ほどちょっとお話ししましたけれども、一部委員の方々から、委員の選定、選任に関して、ちょっとこれは意図的な部分があるんじゃないか、第三次の委員の中で消費者団体代表の方々が外されてしまっているというようなことで、意見書みたいなものも出ているんですけれども、この点について、もし何か、言える範囲で結構ですので、お話をいただければと思います。立石参考人、お願いします。

立石参考人 その経緯に関しましては、実は、第二次の食品表示部会の中で、一向に前に進まないということもあって、消費者団体の方と私と弁護士の中下先生と四人で連名で、先ほどの加工食品原料原産地表示、遺伝子組み換え表示、食品添加物の問題について調査会を設けてほしいという提案をしたわけですが、残念ながら黙殺をされて、この四人のうち、消費者団体の二名の方と弁護士の中下先生が外されて、私だけが残ったという経緯であります。

 これについては、前回の食品表示部会の中で厳しくお尋ねしましたが、この人事問題についての権限は、森大臣と内閣総理大臣が相談をして決めたということで、これについては、そういう答えしかございませんでした。

 消費者団体を外してこの議論を始めるということは非常に不公平じゃないのか。この議論は、本当は消費者目線で行うべき議論の場に消費者団体を外すということは、私は、今もって理解できないところであります。

大西(健)委員 ぜひ、今お話があった件については、この委員会の中でも政府の方にもまたお尋ねをしていきたいというふうに思っております。

 私も、実は先ほど藤原委員がお話をされたことと同じようなことをお聞きしようと思っていたのですが、先ほどは、牛脂を注入するインジェクションという話がありましたけれども、成形肉、細切れの肉をつなぎ合わせる、そのときに、結着剤として、結着効果のある食品添加物、その添加物には小麦や大豆や乳製品が使われる場合があるということであります。

 アレルギー物質の表示の義務づけがないために、アレルギーを持っている人は、成形肉が使われているということがわかっていれば、少なくとも成形肉と括弧して書いてあれば、もしかするとアレルギー物質が入っているかもしれないなと注意することができるわけですけれども、それがもうステーキと書かれていたら、ステーキだから大丈夫かと思って食べてしまうと、これは、場合によっては死に至るというようなことがあるというふうに思います。そういう意味では、私はやはり、このアレルギー表示というのは検討しなきゃいけない喫緊な課題だと思うんです。

 今度は、同じ問題について立石参考人にお聞きしたいんですけれども、先ほど最初にお話があったように、JAさんも全国にレストランとか直売所とかをたくさん持たれているということで、特にこのアレルギーの問題については非常に心を砕いて今までもいろいろなことをやってこられたというふうに聞いておりますので、どういうことを注意してこのアレルギー表示というのをやられているのか、その具体的な取り組みについて御紹介いただければと思います。

立石参考人 私どもは二十九のレストラン、飲食店をやっておりまして、やはり一番心を砕くのはアレルギー問題です。原材料を分解いたしまして、二次原材料、三次原材料、ここまで分解していかないと、乳だとか小麦粉だとかそういった七つの義務表示のものがきちっと表示できないわけでありまして、さらに十八の残りの任意表示もあります。

 こういったことをやるためには、本当に原材料の事細かな情報があって初めてこの表示ができるということでありますので、その点については、一つ例で申し上げますと、調味料でいいますと、だしの素とほんだし、これは、ほんだしの方は乳が入っているわけですよ。だしの素に変わった途端、変わるわけですね。

 こういったことでも心を砕いているということでありまして、そういった面では非常にアレルギー表示については、現場サイドでは本当に苦労しながら、何としても、命にかかわる表示ですので、極めて慎重にやっているというところでございます。

大西(健)委員 今、アレルギー表示についても、義務化されていないけれども、業者によっては、これは命にかかわることだということで、既にもう先行して取り組みをされているところもあるということであります。

 それから、先ほど立石参考人の意見陳述の中には、では短期的にはどうしたらいいのかということで、例えば、業者間取引について適用範囲を拡大するとか根拠書類を保存するとか、こういう具体的な御提案があったわけですけれども、こういうことをすることになった場合に、例えばホテル協会さんとして、いや、これはもう非常に事業者の負担がかかって、お金がかかって、コストがかかって、こんなことはとてもじゃないけれどもできませんという話なのか、そうでないのか。

 先ほど立石参考人は、そんなに費用のかかること、コストがかかることでないし、現に今、例えばJAのレストランでそういうことも取り組まれているということでありますから、こういうような具体的な改善提案について、ホテル協会として、今ごらんになったばかりだと、なかなかすぐにお答えできないかもしれませんが、もし何か御感想があればいただきたいと思います。小林参考人、お願いします。

小林参考人 先ほども藤原先生の御質問にお答えしましたとおり、やはり、法規制ということになりますと、オペレーション上、大変な状況に立ち至るというふうに私は思っております。

 私どもの努力で、先ほど、アレルギーの有無についてお客様にお尋ねするということを申し上げましたけれども、そういう状態の中で、いや、それでは足らない、これは必ず法規制しなくてはいけないんだという御判断でそういう方向に行くのであれば、それはそれで、私どもはそれを遵守する姿勢になるということになろうかと思います。

大西(健)委員 時間になりましたので終わらせていただきたいと思いますが、時間の都合で根岸参考人には御質問することができませんでした。大変申しわけありませんでした。

 改めて参考人の皆様にお礼を申し上げるとともに、今後とも消費者行政にさまざま御意見、御指導を賜ることをお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

原田(憲)委員長代理 次に、東国原英夫君。

東国原委員 おはようございます。

 本日は、参考人の方々、大変お忙しい中御出席をいただきまして、心から感謝を申し上げたいと思います。また、先ほど来、さまざまな観点から非常に貴重な御意見をいただきまして、本当に勉強になっている次第であります。心から感謝を申し上げたいと思います。

 戦後、高度経済成長とともに、どちらかというと、業界とか企業の立場で行政というのは動いてきたんですが、ここ十年、二十年、消費者の立場になりまして、消費者保護あるいは消費者の自立といった観点で今回の消費者庁というのが設置されたわけなんですけれども、消費者の権利といいますか、安全確保だとか、選択の機会の確保だとか、必要な情報を確保とか、そういったものがやはり確保されていかなければいけないということなんでしょう。

 先ほど根岸参考人が、御自分のことをレベルの低い消費者であると、御謙遜だと思うんですけれども、実は私もそうでありまして、今回、シバエビとバナメイエビというのがこういうふうに分けられていると初めて聞きまして、僕は昭和三十二年の生まれの人間なものですから、食に対して、そんなに、賞味期限、消費期限も余り気にしない人間で、小さいころから賞味期限、消費期限というのはおふくろが決めてくれたような、そういう時代で育ったものですから、バナメイエビでもシバエビでもおいしくいただければいいんじゃないかというような感覚を持っているんですが、冒頭申し上げましたとおり、時代が消費者保護ということでございまして、そういったこともなかなか言えないんじゃないかなと思うんです。

 消費者保護ということも重要なんでしょうが、情報を提供するというのも重要なんでしょうが、消費者も賢くならなきゃいけない時代なのかなと思うんですね。やはり、自己責任といいますか自助といいますか、自分で積極的に食を選択できる、そういう見識や能力を身につける時代ではないかなと思っているんです。

 根岸参考人にちょっとお聞きしたいんですけれども、我々、私もそうなんですが、やはり消費者というのはまだまだそんなにレベルが高いとは言えないと思うんですね。ですから、消費者教育について、参考人、どういうふうにお考えなのか、どういう対策、政策が有効であるとお考えになっているかをちょっとお聞かせ願えればと思います。

根岸参考人 御質問ありがとうございます。

 私は、先生よりもっと古い人間だから、先生以上にレベルが低いことを自認しております。

 しかし一方で、私最初に申しましたように、私のようなレベルの低い人間が選択できるような、そういう表示のルールをその業界の方、専門家、あるいは消費者が入ってつくってください、こういうふうにお話しいたしました。

 しかし、その前提として、やはりおっしゃるように、これは消費者教育が非常に重要だと思います。幸いにして、近年、消費者教育推進法なるものができまして、それで、国でも、あるいは地方公共団体でも、それに邁進するというような状況になっていますので、おっしゃるように、我々の、私のレベルも上がるような、そういう消費者教育というのは非常に必要だと思います。それと並んでこの問題を検討しなければならないということは、おっしゃるとおりだと思います。

    〔原田(憲)委員長代理退席、委員長着席〕

東国原委員 ありがとうございます。

 あと、根岸参考人が御指摘なさった都道府県に措置命令権限付与の件、私もこれはちょっと、いささかの懸念を持っているんです。

 消費者庁というのは、地方に出先機関とか地方機関を持っていませんから、結局、チェックするのに、農水省さんだとか、お酒は財務省さんとか、いろいろと連携しなければいけない。公正取引委員会の話も出ましたけれども、やはりこの連携というのは非常に重要だと思うんですね。

 ですから、これをどうやったら連携強化あるいは充実できるとお考えかというのをちょっとお聞かせ願えればと思います。

根岸参考人 今の御質問は、正直言いまして適切な答えはなかなか難しいのですが、しかし、消費者庁ができたということは、今おっしゃったようなことを目的にしてできたわけですね。そして、消費者庁というのは、法律では内閣総理大臣がその長になっているわけでありますから、したがって、おっしゃったような形で、消費者庁だけに任せるというんじゃなくて、ほとんどが共同管轄になっているわけですから、他の省庁とやはり連携しなければ、これはうまくいかないのは明らかだと思います。

 先ほどちょっと、消費者庁について若干の批判めいた御発言がございましたけれども、それはそうかもしれませんが、しかし、それはやはり、人員と予算とその体制が十分なければできない話でありまして、今後一層、共同所管の省庁が連携をしなければ、これは解決できないと思います。

 したがって、それは仕組みとしてはでき上がっているわけですから、やはりそれはトップの方がしっかりそういう連携を、仕組みをつくって、しっかり監督するということだと思います。

東国原委員 縦割り行政というのは、本当にどんな世界でも、どんな事業、政策でも非常に課題になるんですね。ですから、この辺が行政の今後の課題ではないかなとは思っているんですが、消費者庁もできたばかりで、数年たって二百人ぐらい、省庁で、いろいろなところから寄せ集めで、なかなか連携がとれていないというのが実情で、これからこれは大きな課題になってくるんじゃないかなと思っているところであります。我々も、国会議員として、国会として、そういったことをやはりチェックしていかなきゃいけないんじゃないかなと思っているんです。

 続きまして、小林参考人にお聞きしたいんですが、榎参考人が「クルマエビ、シバエビとブラックタイガー・バナメイを区別出来ない料理人いるか。」と書いてあるんですね。

 私もそう思うんですね。調理のプロは、ブラックタイガーとバナメイエビはわかるでしょうね。クルマエビとブラックタイガーとか、シバエビとバナメイエビとかというのは、多分プロだったらわかると思うんですね。それが提供された、知らなかったではないと思うんですね。知らないわけがないと思うんですね。

 ですから、料理の現場では知っていたが、小さいエビをシバエビと言うような慣習があったとか、そういったものもありますけれども、その辺というのはどうなんですかね。企業の経営の方とか管理の方と調理場というのは、やはり連携されていない。あるいは、私は知り合いに聞いたんですけれども、なかなか調理場に管理者とか経営者が立ち入っていけない、フロアが立ち入っていけないという現実があると聞いたんですね。もう調理場は調理場に任せているんだということをお聞きしたんです。その件で、モラルとか倫理観とか企業風土とかありますけれども、やはりそういったものが根底にあって、今回こういう偽装というんですか、誤認というのが発覚したとお考えでしょうか。その原因について、もう一度整理させていただければと思います。

小林参考人 今、東国原先生から、バナメイエビ、タイショウエビ、ブラックタイガー、これを調理人が知らないわけがないということをおっしゃられましたけれども、私もそう思います。

 しからばなぜということでございますけれども、これはやはり、それぞれ個々の経営体の中で、調理部に物を言える組織もあるでしょうし、あるいは言えない組織もあろうかというふうに思います。したがいまして、もろもろの発生しましたことは個々の経営の問題によるところが大きいというふうに判断しておりまして、調理部に何も言えないのが全体の姿であるということではないというふうに思います。

東国原委員 消費者に対する不利益の問題なので、クルマエビとブラックタイガーの価格帯というのはまあまああったりなんかするんですけれども、やはりホテルあるいはレストランというのは、そのブランドイメージがありますから、それを消費者が信用して行った、それで実際は格安の、格安といいますか、値段の低い、安い食材を使われているということで、これは消費者を欺いたと言わざるを得ないかなと思うんですね。厳しい指摘をさせていただいて本当に申しわけないんですけれども、やはり誤認ではなく偽装ではないかなと私は思うんです。

 結果、それで利益を得ているんですよね。偽装とか不当な表示によってお客さんを集めて、それ相応のサービスを提供していないということは、商品を提供していないということは、コスト削減というのはあるかもしれませんが、そこで利益を得ているんですよね。これはやはり、法という、詐欺といいますか、そういったものに当たるのではないかなと思うんですね。

 ですから、景品表示法とかそういったところで、厳しい、著しい差がない、そういうふうな規定はあるんですけれども、やはりこれは法に触れる、抵触する事案だと実を言うと私は思っているんです。

 これについての御認識というのをもう一度お伺いしたいんです。

小林参考人 陳述の冒頭でも申し上げましたとおり、お客様あるいは消費者を裏切ったという表現を使いましたけれども、まさに今、東国原先生がおっしゃったとおりの状況でございます。

 我々事業者は、お客様あっての事業でございますから、そのお客様を欺くような行為は決してしてはいけないというふうに考えております。

東国原委員 損失を与えた方たちには賠償しますよと言っておられるみたいですけれども、なかなか、私ちょっと損しましたから賠償してくださいと言う方が予想を下回っているという話があります。

 私は、ちょっと意地悪な見方をすると、そういったことを予想されていたんじゃないかなと思う面がありまして、これが発覚しても、恐らく、被害額は少ないとか単価が少ないとか、五千円、一万円ちょっと不利益を与えられただけでわざわざ訴訟というのはどうなのかなというような心理が働いたりというので、そんなに大ごとにはならない、賠償問題にはならないんじゃないか、そういうふうな何か考えもあったのではないか。これは私の邪推なんですけれども、その辺についてはどうお考えでしょうか。

小林参考人 先ほど申し上げたとおり、個々の経営体の問題でありますので、私の立場として、邪推であった云々ということは申し上げられないです。

東国原委員 ありがとうございます。

 立石参考人にお聞きしたいんですが、こうなってくると、飲食店、外食等々にも原料原産地表示を義務化せよみたいな話に世論としてはなってくるんじゃないかなと思うんですけれども、これについて、外食に原料原産地表示をすると、総菜屋さんからラーメン屋さんからお好み焼き屋さんから、さまざまなところでそういう表示をしなければいけない。これはもう行政の仕事が膨大になりますし、逆に誤認とか偽装というのがまた蔓延していくんじゃないかと私はちょっと懸念するところがあるんですが、どうお考えでしょうか。

立石参考人 現時点では、先生のおっしゃるとおりだと思います。

 ですから、必要な条件整備ということでいいますと、先ほど申し上げましたとおり、業者間取引における情報伝達、我が国では生産者がつくったものを最後の販売される側まで届ける仕組みが今不足しているわけですね。ですから、伝票上にきちっと書く、こういったトレーサビリティーの仕組みができれば、最後に義務化するかどうかは、これはこの条件ができて初めて、最終、外食、インストア加工を含めて表示の義務が課せられると思います。今の段階ではとてもそのことはできないだろうと思います。

 ですから、まず、先ほど私が申しましたとおり、業者間取引における情報伝達の中で、必要な情報がきちっと伝達されれば、最終的にはそこでどう表示するかということができるわけですね。情報が来ないものに表示できるわけがないわけでありまして、ここに大きな日本の流通の欠陥があるというふうに考えております。

東国原委員 立石参考人は、内閣府の消費者委員会食品表示部会の委員でもあられるわけでありますけれども、まさに表示基準を審議する立場のお一人であります。

 表示基準をこれから策定されていかれると思うんですけれども、これに当たって、どのあたりを最大のポイントとされておられますか。

立石参考人 まさに、消費者基本計画に今回書かれました消費者が必要とされる情報の提供という権利、これに基づいてやり直さないといかぬ。

 今までの表示の仕組みというのは、どちらかというとやはり事業者寄り。私は事業者の立場ではありがたいんですけれども、ここはやはり消費者目線に欠けているということで、非常に混乱を生じています。

 だから、あらゆる法律が整合性がないといいますか、ばらばらですから、これを消費者の方が判断しようとしても、こちらの法律は何でこうなって、こちらの法律はこうなってというのが多分わからない。我々専門家でもわかりませんから、そういった情報をもう一回きちっと整理し直して、誰から見てもわかりやすい、日本の法律はこうなんだというようなことをもう一度整理し直さないかぬ時期に来ているんだろうというふうに考えております。

東国原委員 同じ質問なんですけれども、新基準策定に当たってどのようなところを留意すべきかというのを、榎参考人、根岸参考人にお伺いしたい。

根岸参考人 全般にお答えする能力はございませんけれども、今、立石さんからお話しいただきましたように、やはり、最終的に消費者に提供する料理における表示を適正にしようと思うと、そのための条件整備が十分できないと、いきなりそこのところで規制を強化しても、ただ混乱するばかりということでございますので、私自身も、今の立石参考人の御意見に基本的には賛成でございます。

    〔委員長退席、原田(憲)委員長代理着席〕

榎参考人 やはり、消費者が食事をするとき、メニューでもきちんとそれが判断できる。つまり、何を原料として使っているのか。そこに、どこの産地であるかどうかというのは、これはまた別問題だと思います。検討を要する事項だと思います。

 産地。輸入物は原産地を必ずメニューにも記入しなさい。それから、調理方法。これは、どういう調理というか、何とか焼きとか、そういう形できちんと書く。それから、もう一つ問題なのは、主総菜、副総菜というか、それをどの程度まで、一皿の中でどこまでのものに関してメニューに表示する義務を負わせるかというのは、これは検討の余地があるのかなというふうに思います。

 先ほど申し上げましたアレルゲンの問題は、これは必ず記入、クリアをしてほしい。対面で、心配な人は確認してください、こういうスタンスでは、命にかかわる問題ですから、これは消費者サイドとしてはおかしいと言わざるを得ません。

 以上です。

東国原委員 ありがとうございました。

 時間が来ましたので、最後に、行政指導等、監視というのも非常に重要なんですけれども、自己責任、消費者もそうなんですが、事業者も自己責任という、自助という意識を高くしていただいて、食品を扱う事業者の方たちがみずから、隗より始めよで襟を正していただいて、これから、オリンピック等々も招致に成功しまして、海外等々からお客様が来られる中、おもてなしの心、気持ちというのはやはり重要だと思います。

 こういったことがまたこれから非常に注目されることになろうかと思いますので、ぜひ、消費者もそうですけれども、事業者もそう、皆さん、襟を正して、日本の食は安全、安心なんだ、誤表示等々はないんだということを世界に知らしめる、お示しするために、我々も一緒になって頑張っていきたいと思いますので、どうぞ御協力をお願いしたいと思っております。

 最後までありがとうございました。

原田(憲)委員長代理 次に、國重徹君。

國重委員 公明党の國重徹でございます。

 本日は、御多用な中、参考人の皆様に当委員会までお越しいただき、大変示唆に富む御意見を頂戴しまして、心より感謝と御礼を申し上げます。

 今回の、日本を代表するような一連のホテルや百貨店等でのメニュー表示と違った虚偽表示のこの問題、これは、ホテル、百貨店に対する消費者の信頼、そのホテルとか百貨店に対してブランドを信頼して高いコストを支払っている、これを裏切るものであって、看過できるものではありませんし、また、先ほど東国原委員の方からも話がございました、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックの開催が決定して、観光振興、また日本の食の安全、安心、これに対する日本ブランドの信頼がありますけれども、これにも影響を与えるものであると思います。

 そして、現在、ユネスコに登録申請されている和食の世界無形文化遺産の認定に、今回の問題は水を差すことにもなりかねません。

 そこで、我が党としまして、今から一週間前の十一月二十二日に、政府の方に、食品表示問題に対する緊急提言、具体的に五つの提言をいたしました。

 菅官房長官の方からは、この緊急提言を重く受けとめて、表示に対する意識改革、指導体制の強化、法的措置を含めた実効性ある対策をとっていく旨の回答を頂戴いたしました。

 我が党としましても、私としましても、しっかりとこの問題に取り組んでいきたいと思います。

 きょうは、まず、小林参考人に何点かお伺いいたします。

 問題の原因を究明することは、実効性ある再発防止策の前提です。そこで、小林参考人に根本的なところについてお伺いしますけれども、今回のメニュー表示について、不当表示が起こった主な原因、これは何だとお考えでしょうか。

小林参考人 いろいろあろうかと思いますけれども、コストダウンのこともあろうかと思いますし、いずれにしましても、こういうことを起こしたこの業界に携わる者として、本当に申しわけなく思っておる次第であります。

 個々の経営の判断で行われたことでありますので、私からこれが原因だということを一つだけ、あるいは二つ、申し上げるという立場にはないというふうに思っております。

國重委員 代表としてなかなか答えづらいというようなことで、今、少し奥歯に物が挟まったような答弁でしたけれども。

 では、ちょっと角度を変えまして、加盟ホテルは二百四十七ホテルあるということですけれども、これまで、メニュー表示問題が明るみになったときに、ホテル協会としてどのような取り組みをしてきたんですかというような質問が先ほど藤原委員の方からあったと思います。そのときに参考人は、ホテル協会としてはこれまでは特に何もしてこなかったと思うという答弁がございましたけれども、では、なぜホテル協会として何も取り組んでこなかったのか、その理由についてお伺いします。

小林参考人 私どもは、個々のホテルの自主性に委ねていたということが今までの流れでありますけれども、改めて、そういう御質問をいただき、考え直しますと、やはり私ども業界団体としても、もっと早くメニュー表示に関しての指導を会員全体にしていればよかったかなというふうに今反省しているところであります。

國重委員 消費者庁のホームページに違反事例がアップされていますけれども、小林参考人は消費者庁のホームページをごらんになったことはありますでしょうか。

小林参考人 はい。ございます。

 先ほど、業界としてメニュー表示に関する教育、指導を会員ホテルに対してしてこなかったことを反省しているというふうに申し上げましたけれども、本当に、こういうことを起こした業界の会長として、今後何をして、二度と起こさないようにしていくかということが私どものできる最大の問題だというふうに思っておりますので、もろもろ、足りないところをどう直していくかということが我々にとって必要なことではないかというふうに思います。

 私の立場として申し上げるのは、先ほど来何回も申し上げておりますけれども、メニューの表示がこのようになったことに対しては本当に情けない、恥ずかしいことだというふうに思っております。

國重委員 今、謝罪のお言葉を述べられています。私、何も責めるつもりはございません、原因究明ということでお伺いしているだけですので。

 では、次に、榎参考人にお伺いします。

 今、小林参考人はホームページをごらんになったということなんですけれども、これは極めて意識が高いのでホームページをごらんになっていると思うんですけれども、普通の方というのはなかなか消費者庁のホームページまでごらんになるのは難しいのかな、しかも、違反事例のところをクリックしてというのは難しいのかなと思うんです。

 消費者庁の広報の問題、景品表示法の例えば優良誤認の問題、今回のメニュー表示の問題、こういった広報について何か思うところがあれば御意見を伺いたいと思います。

榎参考人 消費者庁の広報のあり方、確かに、消費者庁に限らず、私ども適格消費者団体として、いろいろな広報がまだまだ十分でないということを消費者の皆さんからお伺いしています。

 同時に、いろいろな法律もそうですが、法律自体も消費者の目線に立った日本語を使っておられない、こういうまだまだ改善すべきところがある。例えば、優良誤認というのはなかなか難しい言葉です。それ以外にも随所に、法律用語とかそういったことを含めて、もっともっと消費者目線で立法してほしいということもございます。

 それから、各省庁が、消費者の人たちにアクセスしやすいような、ホームページだけじゃなくて、テレビや新聞やあるいは直接の対話、こういったことで、行政の方向性というのをきちんと消費者の人たちにわかるような対応をとっていただきたい。私ども適格消費者団体としても、なかなか思うところに入り込めない、そういうことも痛感している次第でございますので、ぜひ、わかりやすい案内というのを考えていただきたいなというふうに思っております。

    〔原田(憲)委員長代理退席、委員長着席〕

國重委員 ありがとうございました。

 そのわかりやすい案内というところに関連して、消費者庁としましては、一応、ホームページでアップする以外にも、毎年約九十回程度、講師を派遣して、景品表示法の講習会をしているそうです。平成二十四年は九十八回の講習会をしました。

 これに関して、私が調査したところによりますと、平成二十四年度の講習会に参加した事業者のうち、今回の一連の表示問題、メニューの虚偽表示問題で報道された事業所、これは五つの事業所があったんです。講習を受けているけれども、実際にこのようなメニュー表示問題を起こしているというような業者が五つあったということです。これはもはやコンプライアンスの問題だと考えます。

 小林参考人にお伺いします。

 再発防止策について今現在検討されているということで、さまざま、加盟ホテルの方からも聞き取りをされているということでお伺いしております。まだ今途中段階ですけれども、これは役立ちそうだ、参考になるといったような再発防止策がありましたら、その具体的内容について教えていただきたいと思います。

小林参考人 それほど多くはございませんけれども、例えば、先ほど冒頭陳述でも申し上げたように、加盟ホテルのうち大半は、真面目に一生懸命やっているホテルが多くございます。そういうところの例を、全部ではございませんけれども、今まで聞いた限りで申し上げますと、やはりメニューと食材を突き合わせる、これを現場でメニューを決める際にしっかりやっているというホテルもございます。このようなことは再発防止には大変有効ではないかということで、このような実際の現場でのオペレーションに、大事なメニューを作成する際に、やはりメニューの表示と食材の突き合わせ等々、こういう細かい作業の積み重ねが再発防止につながっていくのではないかというふうに考えております。

國重委員 ありがとうございます。

 小林参考人、小林会長が学生生活を終えられて帝国ホテルに入社されて初めに配属されたのが客室課、これはフロアとか客室の清掃をする係だということでお伺いしますけれども、そこで、帝国ホテルの宝と言われる竹谷年子さんから小林会長は薫陶を受けられた。その竹谷さんいわく、便器、トイレですね、トイレは上から見て汚れているところだけを拭いてもだめなんだ、お客さんがバスタブに横たわるとトイレの下側も見えるからというようなことを薫陶を受けて、小林参考人は、それ以来、トイレ掃除のプロになるぞということで、職業意識で、外の居酒屋に行ってもトイレをチェックするのが習慣になったというふうに伺っております。

 今回の問題が、ホテル業界のコンプライアンス、個々のホテル、それぞれのコンプライアンスの問題であれば、外食のメニュー以外にも、もしかしたらさまざまな虚偽表示の問題があり得るかもしれません。それらについても、今回の一連の騒動のように大きな事故になる前に、事件になる前に、しっかりと検証していく必要があると思いますけれども、これについてはどのようにお考えでしょうか。

小林参考人 國重先生がおっしゃるとおりでありまして、この食品表示に関するコンプライアンス以外に、ホテルとして重要視してコンプライアンス体制をしっかりととっていることにつきましては、例えば、現在もホテル協会内に、防災、福祉と環境委員会等の各審議会を設置しまして、ホテルにとって最も重要であります、消防、防災、個人情報の保護、暴力団排除等々についてはコンプライアンス体制をしっかりとつくるように努力しております。

國重委員 竹谷さんから薫陶を受けたように、上から、表向きに今見えている部分だけではなく、裏側とか下からとかそういったいろいろな視点で、今後このような問題が起こらないような御指導をよろしくお願いいたします。

 では、続きまして、立石参考人にお伺いします。

 立石参考人は、今回の参考人質疑の前にも事前に議員会館の部屋にお越しいただいて、かなり熱弁を振るっていただきましたけれども、一点だけ根本的なことについてお伺いします。

 平成二十二年の三月三十日の閣議決定、この中に、「新しい消費者行政は、行政の在り方を事業者優先から国民一人ひとりの立場に立ったものに転換していくことが重要です。また、従来の、産業振興の間接的、派生的テーマとしての縦割り行政の弊害を克服しなければなりません。」とあります。

 立石参考人は、これについて、この視点が忘れられているということでおっしゃられていますけれども、消費者委員会食品表示部会にこれまで数多く参加されてきまして、平成二十二年の閣議決定の視点が忘れられているという一番大きな根本的な要因、これは何だとお考えでしょうか。

立石参考人 大変難しい御質問なんですけれども、消費者庁という新しい仕組みができた、崇高な考え方でできたわけですけれども、やはり、その理念に基づく執行体制というのが本当に伴っているのかというところが最大の問題だろうと思っています。

 従来の縦割り行政の中の人たちがそこに来ているだけであって、二年でもってすぐ帰るという中で、どちらを見て仕事をするかというところを私は非常に感じました。この四年近く、消費者委員会の食品表示部会を経験させてもらって、目線は消費者にないな、事業者にあるなというのを常々感じてしまいました。

 そういう点で、この新しい消費者庁という仕組みができて、もちろん、下部組織がない、たった二百数十名しかいない消費者庁が今どこまでやれるかという限界性もあるんでしょうけれども、やはりもう少し、消費者庁、それからそれを監視する消費者委員会の役割、ここも含めて、再度見直しする時期、そろそろ総括する時期に来ているんじゃないかというような感度を持っております。

國重委員 ありがとうございました。

 続きまして、根岸参考人また榎参考人にお伺いしたいと思います。

 根岸参考人は、実は、私の個人的なことなんですが、私の妻が学生時代、講義を受講したことがあるようでして、しかも法科大学院で今教えていられるということですけれども、私の妻も同じ法科大学院で講義を担当させていただいております。本当にどうでもいい、個人的なことでございますが、そういうところで縁を感じております。

 それで、我が国の地域における適切なアレルギー医療が受けられる体制というのはおくれております。そこで、我が党としまして、数年前から、アレルギー疾患対策基本法の制定に向けて現在汗をかいておりますけれども、アレルギー物質の表示というのは、人命にかかわるもので、極めて重要なものだと考えます。

 そこで、先ほど来も一部質問にも出ておりますけれども、アレルギー物質の表示については速やかに表示基準等を策定すべきと考えますが、根岸参考人、いかがでしょうか。

根岸参考人 ありがとうございます。

 この表示の問題は、先ほどから申しておりますように、何でも正確にたくさん書けばよいという問題ではなくて、やはり重要度の高いものから表示するということだと思います。私は、アレルギーそのものについて十分知識はございませんが、しかし、食品衛生法で、一定の物質について食品衛生法上の義務づけが行われて、その後もアレルギーに基づいて重大な事故が起こるというようなことでございますので、その重大性ということから考えると、やはりそれは最も最優先として考えるべきだと思います。

 それで、私は景品表示法の話しかいたしませんでしたが、景品表示法は、御案内のとおり、不当な表示を禁止するというわけなので、積極的に何かを表示しなさいということを義務づける法律にはなっていません。ただ、一部、四条の一項の三号というところに、積極的にこの表示を義務づけて、その表示に反すると不当表示だというような仕組みもありますので、あるいはそれも検討に値するかもしれません。しかし、本来は、恐らくそれは、食品衛生法等、積極的にその表示を義務づける法律によってそのようなことがなされるべきだ、こういうふうに考えます。

國重委員 ありがとうございます。

 先ほど榎参考人にも今の御質問をすると言いましたので、一言だけ、アレルギー表示の問題について御見解をよろしくお願いいたします。

榎参考人 私は、積極的に表示をするべきだと思っています。

 ただし、例えば、外食産業といいましても、本当に、大規模なところから小規模なところまでございます。同時に、外食産業あるいはレストランというところは、ほとんどがむしろ小規模な経営体が多いと思います。つまり、これを、それぞれのメニューでアレルゲンを表示するためには、きちんとした検査といいますか、科学的な検査がなければいけません。個々の事業体でそれができるかといったら、必ずしもそうではありません。

 その点で、例えばFAMIC、独立行政法人の農林水産消費安全技術センター、こういったものだとか、いわゆるこれまである機関というのを有効に利用し、また、その支援の体制を同時に考えていかないと、個々の事業者、大から小までございますので、一律にというのもなかなか難しい。ですから、国なり地方自治体がどう支援をするかということも同時に考えていかなければならない問題だと思っております。

國重委員 本日は、四人の参考人の皆様、ありがとうございました。以上で質問を終わります。

山本委員長 次に、三谷英弘君。

三谷委員 みんなの党の三谷英弘です。

 本日は、大変お忙しいところお越しいただきまして、ありがとうございました。

 本日は、二十分の時間をいただきまして、皆様に食品偽装の問題、主に二つの観点から伺っていきたいなというふうに考えております。

 まず、この食品偽装の問題というものは、実は、消費者の集団訴訟に係る法案、その中で議論をされていた。その中でもこの食品偽装の問題に触れられていたこともありまして、その観点からの質問を最初にまずさせていただきたいというふうに思います。

 まず、根岸参考人にお伺いしたいと思います。

 例えば、シバエビのエビチリだったら二千円、それに比べて、バナメイエビのエビチリだったら千五百円、こういうふうに同じレストランで二つメニューが表示されていて、実は同じバナメイエビを使っていたということであれば、そこで言ういわゆる損害というものは、その差額の五百円というふうになるのは比較的明確ではないかと考えているところではあるんですけれども、一般的には、とあるホテル、とあるレストランでは一種類のエビチリしか提供がされていないところではありまして、そこで言う損害というものを具体的に算出するということはなかなか難しいのではないか、このように私は考えているところではございます。

 料理というものは、例えば、そこら辺のレストランで食べるのと高級ホテルで食べるのとでは、やはり、同じものを食べてもよりおいしく感じる、雰囲気とかサービスとか、そういったところもあってのその価格の違いなんだろうと思うんですけれども、今回の食品偽装で言う、いわゆる集団訴訟の法案ができた後に損害賠償請求の対象となる金額、それは具体的にどれぐらいのものを想定したらよろしいか、お答えいただければと思います。

根岸参考人 非常にお答えが難しいんですが、それはもうまさにケース・バイ・ケースでありまして、一律に何かということは、もちろん結論を言うことはできません。

 ただ、こういう問題で損害は何かということは非常に難しいと思いますね。損害といっても、物理的というか、物の損害というのもありますけれども、非常に立派なレストランに行ったのに全然それが違うということになりますと、やはり精神的な損害というのもありましょうし、それをどのように算定するのか、極めて難しいと思います。

 したがいましてというか、私、結論があるわけではありませんけれども、実際に、もちろん損害が発生していることは明らかですね。しかし、損害額というのがよくわからない、こういうようなときにどうするかという問題について、今後どう検討するかという課題だと思います。

 例えば、わからないときには一律の額にするとか、あるいは、精神的なあれだとこのぐらいにするとか、何かそういう一定の損害の算定の仕方を考えておかないと、結局、訴訟をやってみたけれども立証できませんということで、何も賠償を得られないということになりますよね。

 ちょっと別の話で、民事訴訟法二百四十八条というのがありまして、損害はあるんだけれども損害額を立証することが極めて困難というときには、裁判所が、裁量というか、あるいは立証責任を緩めて、損害額を認定するという仕組みがありますね。

 それは全体の話ですけれども、今のようなときにも、集団訴訟を考える場合にもそのような考え方が参考になると私は思っています。

三谷委員 ありがとうございました。

 続いて、榎参考人にも伺いたいと思います。同じ質問です。

 このいわゆる食品偽装で、レストランで出されたメニューに偽装があったという場合に、何をもって被害、損害というふうに考え、損害額を出したらいいか、そこの基準等々があれば、お考えをお聞かせいただきたいと思います。

榎参考人 御質問ありがとうございます。

 まさに、私どもは適格消費者団体でございますので、法律に基づいて差しどめ訴訟をしたり、それから、新たに成立するであろう集団的消費者被害の救済制度のもとでは、その追行団体となる団体でございます。

 今回の場合も、まさに好事例ではないか。つまり、消費者被害の好事例で、一つ一つの金額は非常に少額でございます、もちろん、料理としては高いというものもございますけれども、被害そのものとしては、例えば一万円とか二万円以下という、一人一人は少額。それから、非常に分散している。それから、消費者の利用した人たちが、ああ、私、だまされてしまった、だけれども、それを言っていくのは恥ずかしいな、こういう精神的なものも含めて、消費者被害の典型でございます。

 でも、それを私どもは、泣き寝入りしたらだめですよということで対応しているわけでございます。今度の例も、集団的な消費者被害の救済のためのシミュレーションなども行って、できるかどうか、これは絶好の検討材料だと思って勉強させていただいています。

 新制度では、商品そのものの、いわゆる精神的な苦痛だとか、そういったものは対象にはなっていないわけですね。したがって、例えばバナメイエビをクルマエビと称して偽って販売したということであれば、クルマエビの価格とバナメイエビの価格、これは仕入れ伝票でわかるわけですから、不当な利得はそこから算定できます。

 同時に、難しいのは、どの人たちに賠償しなきゃいけないかということでございますけれども、いわゆる第二段階で手を挙げていただいて、私も被害を受けたという形で言っていただくと同時に、それをホテル側に、例えば予約表だとか利用者のリストだとかいう形できちんと出してもらう、こういう強制力もぜひ考えていただきたいなというふうに思っております。

三谷委員 ありがとうございました。

 一つの考え方として、原材料の価格の差というものがここで言う被害というふうに言われるというところも、考え方としてはあり得るだろうなというふうに思うんです。

 本当は、そこで考えられている、例えばブラックタイガーではなくクルマエビというものを使えばその姿煮というか商品が二千二百円だったところを、実は二千円で提供していたというようなこともあり得るんだろうと思うんですね。価格差が仮に二百円というものを、本当にそのまま上乗せしているのか、それとも吸収しているのかということによって、被害が実際生じているかどうかということも非常に難しい判断が必要になってくるのではないか。そういう意味では、まさに榎参考人がおっしゃった好事例ということになろうかなというふうに考えております。

 そこで、ちょっとお伺いしたいんですけれども、小林参考人にお伺いをいたします。

 今、さまざまなホテルで、ホテルが経営されているレストラン等々で食品偽装がされているという話がありますけれども、その中で、具体的に返金をしている対応をされているというところがあるというふうに伺っておりますけれども、それはどういう基準で返金をしているのか。例えば、料理の全額なのか一部なのか、それで、具体的な金額というのは全額としてどれぐらいなのかということを、わかる限りお答えいただきたいと思います。

小林参考人 返金については個々のホテルで対応しておりますので、その対応の仕方については私どもとしては調査しておりません。

三谷委員 実は、少なくとも、どのホテルでどれぐらい返金しているかということぐらいは調査していただいていたかなというふうに思っていたんですけれども、先ほどまさに根岸参考人がおっしゃったような、なかなか損害額というものを立証できない場合には、最終的には裁判所が裁量で損害を決めていくというような形になろうと思いますし、その中で何が基準になるかといえば、過去の具体例なんだろうと思うんですね。

 個人情報漏えいの話ですと、例えば五百円を商品券なりお金ということで返していったというような事業者がたくさんあったというふうになれば、相場として、個人情報の漏えいだったら、それがもちろん高度の機微な情報ではなくて一般的な情報だったら、五百円ぐらいが相場ではないかみたいな、そういう相場観というのは過去の事例によってつくられていくわけであります。

 今、既に返金対応されているというようなホテルがあって、全額なのかどうなのかということは、ぜひともこれは調べていただきたいんですけれども、その一つ一つが今後の集団訴訟ができたときの基準になっていくんだという、ある意味、そういう意気込みを持ってこの問題に取り組んでいただきたい。

 これは業界の問題ではなく、個々のホテルの問題だというふうに先ほど小林参考人はおっしゃっておりましたけれども、しかしながら、業界団体として、各ホテルに対して何らかの意見なり指導監督というのをできる立場にあろうかというふうに考えておりますので、そこら辺が、ぜひとももう少し指導的な立場というのを発揮していただきたいということをお願いさせていただきます。

 それから、もう一つの観点ですけれども、これは、どこまでそういう表示等々を認めていくのかということにちょっと関係するんですけれども、少しくだらない話かもしれません。小林参考人にお伺いします。

 各ホテルでは、いろいろな商品、食べ物もそうでしょうし、お酒も出されると思うんですけれども、ホテルの中のレストランでボジョレーヌーボーを出されることもあると思うんですね、つい先日も解禁になりましたけれども。

 ボジョレーヌーボーに関しては、物すごいある意味インフレした評価がはびこっておりまして、それは本当なのかどうかということも、これからホテル業界として見ていく必要もあるのかもしれません。

 例えば、過去の例を簡単に申し上げますと、二〇〇一年のボジョレーヌーボーのできの評価というのは、ここ十年で最高のできと言われていたそうです。翌年は、昨年よりよいというふうに言われておりました。その次の年、二〇〇三年は、百年に一度のできというふうに言われておりまして、一年置いて〇五年は、ここ数年で最高と言われております。〇六年は、昨年同様よいできばえ。よいという評価なんですよ。それが、具体的な、客観的にどれぐらいいいかなんて、誰もそこは求めていないというふうに思うんですね。

 ボジョレーヌーボーというのは、ある意味では、季節性で、新しくできたというものを楽しんで飲めばいいというものだというふうに私は思うんですけれども、では、ホテル業界として、やはりこのボジョレーヌーボーのでき、評価というのも厳しくこれは見ていくのかどうか。その辺について、まずお答えいただきたいと思います。

小林参考人 ボジョレーヌーボーは、三谷先生が今おっしゃったとおりなのでありますが、私の知る限り、二十年前ぐらい、ボジョレーヌーボーが日本に紹介された時点では大変な大騒ぎでありまして、日本じゅうボジョレーヌーボー、成田で入荷する状態が報道されたというようなこともございましたけれども、もともと、やはり新しい、若いワインでありますので、これを使っているか使っていないか、大々的に売り出しているか売り出していないか、これは各ホテルによって対応が違うと思います。

 かくもさように、このボジョレーヌーボーに対する評価はそれぞれの評価がありまして、一概には言えないというふうに思っております。

三谷委員 今おっしゃるとおり、一概には言えないというところが本当のところなんだろうなというふうに思うんです。

 いろいろな商品を売り出す際に、できるだけその素材をいいものとして見せようというふうに考えて売り出すのは、それは当然のこと。それが、今回問題になっているのは、それを、限度をある意味超えてしまったかどうかというようなところなんだろうと思っているところではあるんです。

 ホテル業界に関して、もう一つだけ伺いたいと思っております。

 先ほど個々の問題というふうにおっしゃっておりましたけれども、私は、そんなことはないだろうなというふうに感じております。何かといいますと、例えば、バブル時代を私自身は経験をしておりませんけれども、懐かしむわけではありませんが、そういう高級食材をしっかりと購入する、そういった経済的な余力があった人たちというのは、少なからずその時代はいたんだろう。高級ホテルに行けば高いお金を払って、そしてその中で高い料理を食べてというようなことが普通にできていた時代というのは恐らく過去にあったんだろうなというふうに感じております。

 今回のホテル、阪急阪神ホテルですか、その中での誤表示の理由というものを聞いていても、コストカットといいますか、原材料の仕入れ値を下げる必要があった、その中で、やむにやまれずそういったものを変えていたみたいなことを仄聞しているところではありますけれども、それというのは現実なんだろうと思うんですね。これは、何をしなければいけないかといいますと、今の日本というのが実は貧しくなったんだということを正面から認めていくかどうかということが大きな分水嶺になるんだろうなというふうに感じております。

 今、日本では、デフレだというふうに言われております。例えば、町を歩いていても、先ほど大西委員の方からも話がありましたけれども、いわゆる百円で回転ずしが食べられる。昔の回転ずしといえば、私が小学校のころ、覚えているのは、二百円、三百円ぐらいはしていた。私自身、そんな裕福な家ではなかったので、基本的には卵とかトビウオとかそういったものを食べろというふうに指導されていたんですけれども、今は、イクラですとかウニだって百円で食べられる。

 本当にそうなのかなということを改めて考えていかなきゃいけないわけで、そのときに、例えば、先ほどの話ではありましたけれども、榎参考人が、値段にかかわらず厳しく見ていかなければいけないというふうにおっしゃいました。

 ただ、その中で、ネギとろはマグロからとる、でも、今、もちろん全部とは言いませんけれども、アカマンボウに油を加えてネギとろとして表示されている。すごく言葉を悪く言えば、貧しい人はアカマンボウを食べろみたいな世界になりかねないと思うんですね。そこはある意味、ある程度はだまさなければいけない。例えば、スズキだというふうに注文する現実があって、でも本当はティラピアでした、では、ティラピア二つ下さいということを消費者にこれから求めるべきなのかどうか、それをどこまで厳格にやっていくのがよいのかということについて、もしお考えがあればお答えいただきたいと思います。

榎参考人 ティラピアはチカダイとかイズミダイという形で販売されていますけれども、ティラピアをスズキでは出してはいないと思います。それからネギとろも、とろというのは別に、例えばアカマンボウの脂肪の部分が多ければ、とろというのは何もマグロに限らないわけですから、それは許される表示だと思うんです。

 しかし、私は、御質問どおり、食の多様性とか豊かさというのは一面ではありながら、実は、食そのものは、日本人の食生活そのものは、逆に貧困化してきているんじゃないか。それは、日本人、私たちの暮らし向きの変化、これが背景にある。日本の農業、漁業の問題を考えてもそうなので、そういう意味では、豊かさ、豊かになったということ以上に階層差ができてくるし、食の貧しさというのも同時に進んでいる。この点は消費者としても看過できないというふうに思っております。

三谷委員 本当に今おっしゃったとおり、私も、貧しくなったというふうにおっしゃったことは同感でございまして、その中で、どうやって豊かな食生活を取り戻していくのかということを真剣に考えていかなければいけないですし、その意味では、この問題も、いつまでもそういった一般的な言葉で目をつぶっているわけではなくて、そこに目を向けていく、その一つのきっかけになればというふうに考えているところではあります。

 その意味で、ホテル業界にもう一度この観点でお伺いをしたいと思いますけれども、小林参考人に伺います。

 今回のさまざまないわゆる食品偽装の問題がありましたけれども、これは二つあろうかと思うんですね。食品偽装をするに至った理由というものが、一つは、そこそこもうけられているんだけれども、より利益率を上げてやろうと思って、表示はそのままで安いものにしたのか。それとも、今までの値段ではなかなか維持できない、その原材料を使い切れないというときに、商品の値段を上げるという判断、もしくは原材料を安くする、このどちらかを迫られて、やむにやまれず、値段を上げたら売れなくなっちゃうから、原材料を粗悪なもの、より安いものに変えたのか。

 そこのどっちによってそういう食品の偽装が生まれたのか、そこについて調べられているのか、もしくは今後調べる予定があるのかについてお伺いしたいと思います。

小林参考人 先ほど来申し上げておりますように、個々の問題であるということを本当にずっと言い続けてあるわけでありますけれども、私の現在の立場としては、それ以外にお答えのしようがない。それは、想像はできますけれども、こういう場で、こうであるというふうには申し上げられないということであります、いろいろなケースがあってそういうことになったんだというふうには思いますけれども。

三谷委員 そういう、個々の問題というふうに認識されている限りは、この問題は解決しないんだろうと思うんですね。幾つか、いろいろな事情があるだろう。その事情があるんだったら、それを調べて傾向を調べるですとか、そういったことぐらいはできるのかなと思っておりますけれども、それをやるというようなこともないようでございますから、残念ですけれども。

 この問題は、食品偽装だ何だといって景表法の勉強会を幾ら開いたところで解決しない。そういう意味では、解決されるおつもりがないというふうに受け取らざるを得ないのかなと残念に思って聞いております。

 時間も限られておりますので、最後に一つだけ伺いたいと思います。

 立石参考人にお伺いをいたします。

 そういう意味では、先ほど来ずっと伺っておりました、今の食品が貧しくなっている、食卓が貧しくなっているというところではございますけれども、そうではない、原産地表示というのをむしろ攻めに使うんだというようなのが、ある意味、立石参考人のお気持ちではないか。私も、部屋に来ていただいていろいろな話を伺ったんですけれども、この原産地表示を攻めに使うというような意味で、これから国に求めたいこと、改めてお伺いできればと思います。

立石参考人 一番の問題は、やはり一次生産者、生産者がつくられたものが正しい形で消費者に提供されていないということですね。そこが大変残念なんです。ですから、多くの加工食品、実は今、最終消費支出の半分が加工食品なんですけれども、この加工食品において原料原産地表示されているものが非常に少ない。

 それよりももっと悪いのは、実質的変更という概念が、国内製造をもって国内産と書けるという景表法の理念、ここを誤って悪用されて、いわゆる誤認を与えている。国産品だと思って、実は海外原料でつくられている、こういったものを是正しない限り、我が国の農業は極めて脆弱でありますし、高いコストでつくっている中で、やはり戦えない。

 選んでいただける消費者があってこそ初めてこれは成り立っていく、そういう仕組みでございますので、ぜひ原料原産地表示をしっかりしていただいて、国内産を志向する消費者から選んでいただく、そういった仕組みに変えていただきたいと思っております。

三谷委員 以上です。ありがとうございました。

山本委員長 次に、穀田恵二君。

穀田委員 日本共産党の穀田恵二です。

 四人の参考人の方は、貴重な御意見を伺いまして、ありがとうございます。

 小林参考人にお聞きします。

 帝国ホテルは、CSRレポート二〇一三のコンプライアンスの項で、「「食の安全と信頼委員会」などの組織的な体制を機能させています。」と書いています。

 お話を聞いていますと、きょうは、全部個々の問題だということで初めから来ているという感じがしますよね。ですから、日本のホテル協会の会長としてどうなのかという発言がないというのが特徴でしたね。私は、そういう逃げはいいのかなと率直に思います。

 といいますのは、ではお聞きしたいんですけれども、帝国ホテルだって、七年前まで、フレッシュジュースと表記しながら、瞬間冷凍した非加熱加工品のストレートジュースを外部から購入し提供したとされている。そういうときに、なぜそのことが続いたのか、なぜそういったことについて発見できなかったのかということが問われると思うんですね。そこを一つ聞きたい。

 それから二つ目に、対面という話で先ほど随分おっしゃっていました。牛脂を注入した加工肉なんかの場合をビーフステーキとして提供していたホテルも次々と発覚しています。北海道では、老舗中の老舗も同様の行為をしています。先ほど来、皆さんからお話があったように、アレルギーの問題が重要だということはお話がありました。

 そこで、きょうお聞きしていかがですか。つまり、榎氏は、対面で確認では不十分ではないかとおっしゃっていました。それから立石さんは、みずからのJAの関係で、二十幾つのレストランではそのことに心を砕いているとおっしゃっていました。その二つのお話との関係で、あなた方がやっておられるやり方でいいだろうかということを二つ目にお聞きしたい。

 三つ目に、立石さんは、きょう、根拠書類を保存することが極めて大事だとおっしゃっていました。日本ホテル協会としてやられるおつもりはあるのか、それとも、少なくとも今帝国ホテルでやっているから心配ないよというのか、その辺をお聞きしたいと思います。

小林参考人 まず、オレンジジュースの件からお答えしたいと思いますが、報道されましたとおり、七年前まで、アメリカでスクイーズされたものを瞬間冷凍したものがパックされたものを購入して提供しておりました。

 これは、その時点ではフレッシュと表示してもいいという判断でしていたわけでありますが、その後、仕入れ業者から、どういうわけか、それを加熱したものに商品を変えないか、変えてもらえないかという御要望があったので、それは、私どもの判断としては、加熱していないのでフレッシュだというふうに判断して使っていたわけでありますが、これを加熱したということになりますと、これはフレッシュとは言えないという判断をもって、その場でやめたという報道をさせていただきました。フレッシュオレンジジュースに関しましては、経過的にはそういうことでございます。

 あと、アレルゲンの問題に関しましては、先ほど来、いろいろ参考人の方々の御意見も伺っておりますけれども、私どもとしては、今どうやっているかという話もさせていただきました。これは、今後、法規制にかかってくるのかどうか、その辺の流れを見た上で、私どもはそれに従うというふうに申し上げたいと思います。

 現在のところは、メニューを伺うときに確認するということで、今までのところは問題なく過ぎているというふうに判断しております。

山本委員長 あと、書類の保存。伝票保存、保存について。

小林参考人 七年間やっております。

山本委員長 では、もう一度、穀田君。

穀田委員 根拠書類を保存したらどうだという立石さんから提起があったけれども、日本ホテル協会としては、つまり、法規制という問題じゃないんですよ、わかりますか。少なくとも、日本と世界に名立たる協会として、自主的にまずそこからぐらいはできるだろう、金もかからないし、そういう伝票を保存することなどできるよねと言っているわけですよね。それはいけるんですね。

小林参考人 検討してまいりたいと思います。

穀田委員 何やら政府みたいな話を聞いて、ちょっとがっくりしちゃった。委員長も笑わざるを得ない。

 私は、個々のホテルというのは、本当にそうかと思うんですよね。例えば、二百何ぼあるというホテルの一や二がやっているというなら、それは個々のホテルでしょう。私は、別にきょう詰めるつもりじゃないんです。それは別の機会にやるべきであって、きょうは参考人として来ていただいて、事実をお話しいただいている。

 だから、個々ではない。きょうの新聞を見ますと、主要ホテル四割で行われている。主要ホテルでつくる日本ホテル協会、二百四十七ホテルに限ると、偽装していたホテルは約四割にもなる、偽装が広く常態化していたことが浮き彫りになった、こう書いている。

 四割が個々とは、そういう話では、この問題について抜本的な、本当に力を入れたやり方になるだろうかと私は思います。

 しかも、先ほど、組織的な体制を機能させていますということを誇るのであれば、それはやはりそういうことについて率先してやることが必要だ。だから、法規制にかかってくるがではないんです。命にかかわることについて先進的な事例があるじゃないかということを学ぶことが必要かなと思います。

 これは意見です。どうせ、個々の意見ですからお聞きしますというようなことを言われたりなんかして、あれですから。

 実は、北海道新聞が、この問題のホテル側の一連の会見を聞いていて、こう言っているんですね。「会見を聞いて驚くのは、不正根絶への真摯な姿勢がほとんど感じられないことだ。」と指摘しています。これはやはり重く受けとめるべきだろうなと私は思います。

 次に、榎参考人と根岸哲参考人に聞きます。

 事業者の自主的なコンプライアンスの取り組みが重要だと思います。しかし、この問題の事態というのは、結局のところ、消費者軽視で企業の利益優先の考え方があるのではないか、この点をお二人にお聞きしたいと思うんです。

 私は、先ほど誰かが言っていましたけれども、大学の話を先生がされていましたけれども、根岸参考人の大学におけるゼミ研究の発表では、「食の安全・安心 消費者は安全と安心を求めている」というテーマでやっておられまして、不祥事を起こした企業に共通する原因として、まず一つ目は、利益の追求をする余り、安全、安心に対する意識が低下したとゼミ発表されています。

 このことも本当に、私は、なかなか鋭い指摘を学生の方々はされているなということを改めて思ったのですが、そのことを踏まえて御意見を賜れればと思います。

根岸参考人 ホテルのケースでは、新聞の報道によりますと、一番最初にそういう問題が生じたホテルでは、第三者調査委員会というのを開催するということであります。それで、自主的な改善というのは、別にこれをやったから完全かどうかは別ですけれども、やはり外部の目の人が調査をして、一体どういうところに原因があったかということをしっかり調べる、そして、今後の発生の防止につなげるということが非常に重要だと思います。

 私自身は、表示というのは、同じことを繰り返して申しわけありませんが、消費者の目線に立ったって、何でもかんでも正確にやればいいという問題ではないので、やはり重要な点をわかりやすくやるということが非常に重要でありまして、したがって、かなりの部分は業界等の自主規制に委ねられるものだと思います。

 そこで、非常に重要なことでありますけれども、今、あるホテルでは、そのような調査委員会が開催されているということであります。やはりそれを他のホテルの方々も参考にしていただきたいと私は思います。

 それは、第三者委員会の報告書というのは、普通はよく公開されますので、私は景表法ももちろんある程度専門にしておりますけれども、独禁法というのを専門にいたしておりまして、例えばカルテル、談合があると、やはりその企業が再発防止ということで、弁護士の方あるいは前に検察官であった方等々が、我々も入って第三者委員会を開いて、そして十分調査して、今後の、何でそれが起こったかということを外部の目でしっかり調査していただくということが必要だと思います。そのような調査が行われるということですから、それを私は期待しております。

 ですから、多分、私にはわかりませんけれども、それをホテル全体の一つのモデルとして参考に使っていただければ、非常に有効ではないかというふうに考えております。

榎参考人 私は、もう既に意見陳述で述べましたけれども、この問題は個々の事業体の問題ではないというふうに当初から申し上げています。

 つまり、ホテル業界全体に、あるいは旅館業も含めて、あるいはレストランも含めてですけれども、本当に構造的な問題がそこにあるんだろう。したがって、業界団体のリーダーシップというのは、これは要る、改善をするために要る。また、消費者団体として、私ども、いろいろな業界団体と、例えば生命保険の約款に関してなどの問題を考えるときに、業界団体と交渉してきました。やはり今それぞれの業界団体がリーダーシップをとって、そして一定の、消費者との対談をしながら、よりよい方向に進めていく、そういう方向にあると思います。

 そういう意味では、個々の問題は個々の問題で徹底的に究明をしていただきながら、やはり業界団体全体としてぜひリーダーシップをとっていただきたいというふうに消費者団体としては思う次第でございます。

穀田委員 利益優先の話をちょっと聞きたかったんですが、それはそれとして、いいです、もう時間もありませんから。

 それでは、立石参考人に聞きたいんですけれども、私は、この間の事態を見ていて、消費者庁というのは一体何していたんやということを少し聞きたいと思うんですね。

 二〇〇〇年ころから食品偽装という問題はありまして、〇七年には不二家とか、名前を出して失礼ですけれども、赤福とか、それから石屋製菓とか、食品メーカー等による食品の偽装が社会問題になりました。そういう中で、ある意味でこういうものを契機に、従来からの、先ほど陳述がありましたように、一元化を図るということでの創設がされたわけですよね。

 ですから、私は、頂戴したいろいろな資料、調査室からもいただきましたけれども、同じ期間に消費者庁は何度か外食産業のメニュー表示のあり方を議論し、ガイドラインを作成しているんですよね。同じく総菜・弁当の情報提供ガイドラインも作成しているんですよね。なぜこれらが有効に作用しなかったのか。どうも消費者庁が国民の期待に応えられていないという感じが率直にするんですよね。

 原因はどこにあると思われますか、立石さん。

立石参考人 まさに、本来、消費者基本計画に書かれている司令塔の役割を果たしているかという点であります。

 これはもう長い歴史的経過の中で、JAS法の昭和二十五年から始まって、さまざまなルールを農林水産省を中心に決めてこられた、厚生労働省を中心に食品衛生法のルールを決められたという、この長い枠の中で身動きがとれないというのが私の正直な印象です。

 ですから、規制をかけること、本来、問題が起きて初めて、我が国は、先ほどの米トレーサビリティー法だとか、BSEの問題で牛トレーサビリティー法ができたわけですけれども、やはりああいう大きな問題が起きて初めて動くわけですけれども、小さい問題というのかどうかわかりませんが、さまざまな問題が起きたときに、本当にこれは規制が必要なのかどうかとかいうときに、どこを見てやるかなんですね。事業者団体の方ばかり見てやってきている今までの仕組みがどうしても前に進まない。

 ですから、この間、私がやってきたさまざまな議論は、全て対立の構造をわざとつくっているんじゃないかと思われるような中身で決められてきている。そうすると、決定的に新しいことができない、こういう構図になっているんじゃないかというふうに感じております。

穀田委員 では、最後ですので、まとめて、立石参考人、榎両参考人に、景表法の体制強化と実効性あるものにするためにどないしたらいいかということについて聞きたいと思うんです。

 先ほど榎さんが、食品表示法の執行に当たっては体制整備が前提だということで言っていました。

 私は、一つは、消費者庁の監視執行体制だけではなくて、行政との連携、地方公共団体や保健所だとか生活センターなど、横断的な連携が必要だと思っているんですが、どうなっているかということが一つ。

 それから二つ目に、皆さんからも意見が出ていましたけれども、景表法で各都道府県知事に措置命令の権限を付与することをやはり消費者庁も含めて検討すべきだと私は思うんですけれども、同時に、そうはいったって、都道府県によって監視執行体制に格差がある、その際の課題は何か。例えば、食品衛生監視員などを見ていますと、専従しているというのは全国でたった千二百七十九人にしかすぎないんですよね。こんなんでできるわけがないと思っています。

 三つ目に、先ほど、外食メニューについてもいろいろな意見がありました。私は、JAS法の食品基準の適用範囲の拡大、食品、食材ですね、トレーサビリティーの必要性は明白だと思うんですね。他方、トレーサビリティーによる規制について、中小企業等も含めた業者側にとっての負担などの課題は何かということについてお聞きしたい。

 最後に、まとめてですから、私は、この食品偽装の蔓延という事態の背景に、自給率低下の問題があるんじゃないかということを考えています。表示規制がありながら、広範囲に偽装表示がされていた。偽装表示を行う動機は、私は先ほど主張しましたけれども、やはり、もうけにあるわけですよね。

 そうしますと、輸入農水産物と国産農水産物とには内外の価格差があって、輸入農水産物を国内産として表示すれば、確実に利益が得られる。もう一つ背景にあるのが、食料自給率の低下だと思うんですね。国産農水産物を確保することが難しくなって、欠品を避けるために輸入に手を出すということになるんじゃないかということなので、食料自給率やTPPとの関係について、広い立場からの御意見を最後にお伺いしたい。少し、たくさん言いましたけれども、よろしく。

立石参考人 まず、景表法では非常に限界があるというふうに、私は、もちろんあった方がいいんですけれども、やはり裁量権の幅が広いということを先ほど先生もおっしゃられたとおり、私ども事業者としても感じるのは、都府県の格差ですね。ですから、考え方も少し違います。そういったところが本当に平等なバランスのとれた施策ができるのかというのは少しあります。

 それから、自給率の関係で申し上げますと、まさにここは重要なポイントだと思っています。選びたくとも選べないというところですね。

 よく私はニンニクの話をするんですけれども、青森のニンニクと中国のニンニクが今並べて売られていますが、値段は全然圧倒的に中国産が安いわけです。品質ももう、同じ品種を持っていかれて栽培指導までされていますから、そう変わらないかもしれません。だけれども、選んでいただける消費者がいるということで青森のニンニクは成り立っているわけです。

 ですから、実は、加工食品はそういったことがないわけですね。選びたくとも選べない、書かれていないわけですから。それがまさに、でも国産だというふうに誤認を与えているものがさらに多くなる。こういったところが、まさに食料自給率というところで考えると、ここのところにメスを入れない限り、要は、日本の消費者、高いという、このコストの高い食品、我々の国内産でつくるものについて選んでいただける消費者がいなければ日本の農業は成り立たないということをまず強く私の方からは最後にお願いしたいと思っています。

榎参考人 時間がありませんので、いわゆる地方自治体が、当然、消費者庁と一緒になって、この問題、食の問題は命にかかわる問題ですから、真っ先にやはり対応しなきゃいけないと思うんです。そのときに、この分野では、各都道府県あるいは市町村の消費生活センターが前面に出てこなければいけないというふうに思っています。

 しかし、御承知のように、消費生活センターの職員さんというのは、いわゆる専任の職員さんがどんどん、そうでなくても減らされてきているわけですね。定時職員さんでお昼休みもまともにとれないような、あるいは、お昼休みをとるときは相談業務の電話はストップして、それを国民生活センターの方で代替している、そういう実情もある。

 どんどんその点は切り捨てられてきていますので、ここをまず、例えば消費生活センターの人の問題、同時に、こういった職員に関する専門的な学習、研修もしていかなければいけません。それから、保健所の方とも協力しなきゃいけません。それから、けさの新聞で出ていましたけれども、いわゆる食品Gメンさん、農林水産省の職員さんとも共同で、まさにそれは省庁の枠を超えた形で対応しなければいけませんので、その点は大いに検討していただく必要があろうかと思います。

 我が国の農林水産業は、本来はポテンシャルが実はあるんです。ポテンシャルがあるんです。農地にしても、まだまだ耕せる、食料をつくれる、世界に誇れる優秀な食料品をつくれるキャパシティーがあるにもかかわらずつくれない、こういう現状もあります。それから、若い人たちが農業や漁業に大学を卒業してすぐつきたいといっても、まだそれがすぐ実現できない、そういう法的な問題も実はそのバックにはあるわけでございます。

 本当に、先ほど申し上げましたように、私は、トータルとしては世界各国のいろいろな食品が入ってきて豊かになった反面、足元の、それを提供してくれるべき日本の農林漁業がますます弱体化していること、これは、表示の問題と同時に、そこをどうするんだということも考えないと、この問題は解決していかないというふうに思っております。よろしくお願いします。

穀田委員 ありがとうございました。

山本委員長 次に、青木愛君。

青木委員 きょうは、四名の参考人の皆様方、貴重な御意見をいただきまして、本当にありがとうございます。

 生活の党の青木でございます。よろしくお願いします。

 これまで各委員から御質問が出ておりますが、改めて私からも質問させていただきたいと存じますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 まず、食品の表示の偽装、誤表示がなぜ起きたのかというところなんですが、調査をされているかと思いますので、なぜ起きたのか、また、それぞれのお立場から今回の一連の問題をどのように分析されているか、お聞きしたいと思います。四名の参考人にお聞きしたいと思います。

小林参考人 先ほど来申し上げておりますが、我々業界の勉強不足、知識不足、認識不足、それによるものが今回の事態を出来させたというふうに考えております。

 以上であります。

立石参考人 やはり、意識と仕組み、この両面で課題があるんだろう。ですから、人は誘惑に弱いですから、もしルールがなければ、そこの下をくぐったり、逆手にとったりする人が必ず出てきます。

 やはり、ルールということをきちっと、ルールというのはモラルでもって、ルールがなければモラルが低下していく、こういうことの中で、いずれにしても人がやることですから、そういったことを前提とした仕組みが必要じゃないのか。今回は、そういう面では、仕組みが大きく欠陥があったというか欠けていたというふうに私は考えています。

榎参考人 私は、申し上げましたように、業界のいわゆる経営の論理、利益の論理優先の、消費者を軽視したといいますか、消費者を無視したといいますか、その論理が最優先になって、そして、過当競争のもとで、お客さんをよりたくさん集めるために、名前を、より優良な、お客さんが呼べる、そういう誤表示じゃなくて偽りの表示をした、そういうふうに理解しております。

根岸参考人 これまで、これぐらいならいいだろうという従来の商慣習というのがずっとあったと思うんですね。これをやはり、今回のこれを契機にして、徹底的に洗い直していただきたいと思います。それで、本来あるべき表示のルールをつくっていただきたいと思います。

 それからもう一つは、先ほど申しましたけれども、やはり、なぜ起こったかということについてしっかりと検証して、その原因を突きとめて、そして、対策というのをそれぞれの事業者あるいは業界団体でまとめていただきたい、こういうふうに思います。

青木委員 大変参考になる御意見をありがとうございました。

 それぞれおっしゃられた理由について、私も納得するところでございます。ぜひ、ホテル協会さんといたしましても、その原因究明、しっかりとした検証をお願いしておきたいと存じます。

 そして、今もお話にありましたけれども、やはり、意識とともに仕組みの問題もある、ルールがしっかりとしていなかったという点が私もあろうかと思いますが、唯一外食を対象にしているのが景表法だということでありまして、この景表法においても、外食については表示の義務がないということでありますし、表示する場合は、殊さらに大げさな表現はだめだという限りの法の仕組みとなっているというふうに認識をしています。

 これまでなぜ外食が対象にならなかったのか、法整備が及ばなかったのか。これは国の課題でもありますので、参考人にお聞きするのもちょっとあれかもしれませんけれども、知る限りにおいて、ある意味、偽装が起こる余地を残していたとも言えると思うんですけれども、なぜ外食がこれまで法整備の対象となってこなかったのか、お聞きできればと思います。わかる範囲でお願いいたします。四名の参考人に伺います。

小林参考人 私の立場としては、今の御質問にはお答えできかねます。

立石参考人 私の知る限りでは、そのことについては知識がございません。

榎参考人 外食といいましても、本当にさまざまなレベルといいますか、先ほども申し上げましたように、極めて数も多いですし、そして、いわゆる中食も含めて、多様なところでございますので、法でそういった規制といいますか、それが必要だと認識しながらも、やはり、まとめたところまでにはまだなっていなかったというふうな理解はしております。

 そこがもう全く要らないということではなくて、やはり、まだそこまで議論が煮詰まっていなかったのではないかというふうに理解はしております。

根岸参考人 外食産業というか、ホテルでも百貨店のレストランでも、これは景品表示法でもとからそれは対象ですね。対象ですから、それは別に可能だったと思いますし、これまでやってきたと思います。それが多分必ずしも十分ではなかったということを示しているんだろうと思います。したがって、その執行体制をどうするかということがこれからの一つの問題ですね。

 もちろん、表示というのは景品表示法だけで問題が解決するわけでなくて、やはり、さっきからお話しのように、食品衛生法なりJAS法なりありますから、そういうものと、全体としてやっていくということでございますけれども、しかし、景品表示法でも、これまでもやってきたし、これからもできるはずなんですね。

 ですから、それは、もし足らないとすれば、やはり執行体制ということでありまして、私の意見では、まずは、公正取引委員会との共同所管にして、公正取引委員会の地方事務所が積極的に動けるような仕組みにしていただきたいというのが、まず私の意見として述べさせていただいたところでございます。

青木委員 今の根岸参考人の御意見ですと、景品表示法でもまだまだできる余地があるということでありますね。わかりました。

 それとともに、先ほどからいろいろな委員から御指摘があるんですけれども、消費者にとりますと、安全面の確保というところがやはり一番気になるところだというふうに思います。

 アレルギーの問題ももちろんですし、やはり放射能の問題ですとか、原料原産地の問題もあります。そして、これからオリンピックを迎えるに当たり、海外の、例えばイスラム圏だとかインドの方々のそれぞれの国の風習にかかわるものですとか、今後の課題で、国際交流が深まっていく中で、やはり安全面の観点から、そうした表示も必要なのではないか、そのように考えるわけなんです。

 先ほどから、トレーサビリティーとかJAS法とか食品衛生法とか、いろいろな法律での強化のお話も出ておりますけれども、実際、どこまでできるのか、現実的に実現可能なのか、どういう方法が一番よいのか、改めてお伺いをさせていただきたいと存じます。四名の参考人に伺わせていただきます。

小林参考人 その必要性をどう捉えるかということの勉強がまず第一だというふうに思います。

 それで、世界じゅう、最近話題になっておりますイスラムのハラールだとかユダヤのコーシャーフードですとか、いろいろございます。それも含めて、どういう対応がそれぞれの国の事情に対して必要かということを勉強しまして、それに対して対応していくことが必要かというふうに思います。

 いずれにしても、オリンピックには世界じゅうからお客様がいらっしゃるわけで、この方々を歓迎する意味でも、そのような対応は必要かというふうに思います。

立石参考人 必要な情報は、名称、原材料、あと製造者氏名というのが加工食品に今伝達義務があるわけなんですけれども、ここは今、レストランとかは課されていません。ですから、この情報を、いわゆる原材料情報というところにも、もちろん原産地も入れれば、これは完璧なんですね。ほぼ、アレルギーも含めてこの中に含まれてしまうんですね。

 ですから、必要な情報というのを、何がない、何がある、原材料というのがあって原産地があれば、あとは、名称ですとか、誰がつくったか、こういう情報が、つくった一番の生産者のところから販売者までの伝達のところをきちっと固めれば、ありとあらゆることに対して対応できますし、何ら問題がない。この仕組みが我が国は非常に脆弱でありますし、取り組みがおくれているということでございます。

榎参考人 直接お答えにならないかもしれませんが、学生にいつも言っているのは、世界食糧生産論という中で、世界の歴史の中で、食料が過剰、トータルでですよ、一国では別問題として、トータルで過剰になった時代というのはないんだ、やはり食料生産というのを自国でどうするのか。

 これは、もちろん輸入がだめだということを言っているわけじゃありませんけれども、自国の農業、漁業、林業をどうするかというのは、自国の問題であるとともに世界全体の問題なんだ、そういう中でこの問題をきちんと位置づけなければいけないなという思いと、それから、私、孫に言っているのは、うそを言ってもうけたらいけないよね、これはどの世界でも共通することじゃないかというふうに私は思っております。

根岸参考人 基本的には、消費者庁がなぜできたかという、消費者行政の一元化というところから始まっているわけで、それを何とか実質化するというか、その理念をこれからどうやって実現していくかということで、それは消費者庁だけの問題ではなくて、やはりまさにオール・ジャパンの問題だ。その長、一番トップは内閣総理大臣なんですから、それは、縦割り行政といつまでも言っている場合ではないと私は思っています。

青木委員 本当におっしゃるとおりだと思います。そして、まさに飽食の時代でありまして、今、廃棄している食料を燃やすのに一・八兆円使っているというような情報もいただいておりますので、本当にそれぞれの先生方のおっしゃるとおりだというふうに思っております。

 立石参考人がおっしゃった、原材料、原産地を明記していくというのは、外食の、レストランのテーブルまでということでよろしいんですよね。いわゆるトレーサビリティーを米とか牛以外のものにも適用して、外食にも適用していくということなんでしょうか、トレーサビリティーを強化して。

立石参考人 将来的には望ましいと思うんですけれども、現時点では、先ほど申しましたとおりに、業者間取引の伝達の情報がきちっとなっていない中でその義務を課すということは非常に難しいと思っています。私どもも、レストランを運営している立場として、現行の、ではそこまでできるかと言われると自信がありません。

 ですから、まずは、トレーサビリティーの仕組み、いわゆる業者間の中での伝達情報をきちっとやる。そこから最終的に販売者までつながる仕組みというのは、原材料がわからないだとか、どこの産地かわからないというものがいわゆる販売者側まで流れてくる今の現実を考えますと、そこのところをしっかりしないと、まだまだ、そこまでの法制化は難しいだろうと思っています。

青木委員 私は、できれば外食も含めて、米、牛以外も、あらゆる加工品について徹底できればそれにこしたことはないというふうに思うのですが、現場の声も聞きながら、より実効性の高いものにしていくべきではないかというふうに思っています。

 そして、先ほどから情報公開の観点からもさまざまお話がありますけれども、今の時代の流れとすると、やはり情報公開をした方がむしろお客さんの信頼を得られるような風潮にあろうかというふうに思っています。正直な情報だからこそ安心をして、また客がつく、リピーターもふえる。そして、食材の安全は確保してもらって、そして、食材はこういうものだけれども、料理人の腕でおいしいものを提供している。むしろ、そちらに期待するところが大きいのではないかというふうに思います。

 食の、食品の安全ですね、安全がしっかりと確保されているということと情報もしっかりと公開をされている、この二点でこれから日本の食が世界からも評価をされるということにつながるのではないかというふうに考えております。

 これから国に、行政にそれぞれのお立場で求めることがございましたら、最後に四名の参考人にお伺いをして、質問を終わらせていただきたいと思います。よろしくお願いします。

小林参考人 このたび私どもの業界が起こしました大きな問題に対しましては、本当に消費者の皆様に御迷惑をおかけして申しわけないという気持ちでいっぱいであります。

 今後、再発防止に向けて努力してまいりたいというふうに思っております。

立石参考人 私は、何度も申し上げましたけれども、消費者基本計画の理念、そこに基づいてやっていければ何ら問題はないと思っています。

榎参考人 立石参考人と同じであります。

 せっかく消費者庁がいろいろな形、応援の中で出てきたわけですので、これをまさに司令塔として機能できるような形で消費者も応援したいなというふうに思っております。

 同時に、我々消費者サイドも、やはり本当の意味での消費者力というのをきちんとつけないといけない、私たち自身、消費者自身がまたもっと勉強して力をつけていかなければいけないなというのをこの間痛感している次第です。

根岸参考人 基本的には今の御意見と全く同じでありまして、やはり、消費者庁ができて消費者行政一元化ということを実現したわけですが、しかし、それをただ消費者庁にだけ任せて、消費者庁は何やっているんだ、そういうようなことだけでは解決しないと思います。やはり、消費者庁ができて消費者行政一元化したんだけれども、みんなが連携しないとそれはできませんので、行政としてはそれを一番望んでおります。

青木委員 大変ありがとうございました。

 きょういただきました御意見をもとに、また次の質疑に参考にさせていただきたいと思います。

 ありがとうございました。

山本委員長 これにて参考人に対する質疑は終わりました。

 この際、参考人各位に一言御挨拶を申し上げます。

 参考人各位におかれましては、貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時五分散会


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