衆議院

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第6号 平成26年11月10日(月曜日)

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平成二十六年十一月十日(月曜日)

    午後一時開議

 出席委員

   委員長 鴨下 一郎君

   理事 亀岡 偉民君 理事 木原 誠二君

   理事 後藤田正純君 理事 とかしきなおみ君

   理事 冨岡  勉君 理事 中根 康浩君

   理事 重徳 和彦君 理事 古屋 範子君

      秋本 真利君    穴見 陽一君

      岩田 和親君    小倉 將信君

      大岡 敏孝君    大見  正君

      金子万寿夫君    金子 恵美君

      小島 敏文君    今野 智博君

      清水 誠一君    瀬戸 隆一君

      田畑  毅君    豊田真由子君

      藤丸  敏君    藤原  崇君

      堀井  学君    堀内 詔子君

      宮崎 謙介君    山田 美樹君

      生方 幸夫君    寺島 義幸君

      柚木 道義君    笠  浩史君

      井坂 信彦君    上西小百合君

      岡本 三成君    浜地 雅一君

      田沼 隆志君    松田  学君

      佐藤 正夫君    穀田 恵二君

      村上 史好君

    …………………………………

   国務大臣        

   (消費者及び食品安全担当)            有村 治子君

   内閣府副大臣       赤澤 亮正君

   内閣府大臣政務官     越智 隆雄君

   政府参考人

   (消費者庁次長)     川口 康裕君

   政府参考人

   (消費者庁審議官)    菅久 修一君

   衆議院調査局第三特別調査室長           石上  智君

    ―――――――――――――

委員の異動

十一月十日

 辞任         補欠選任

  鬼木  誠君     大岡 敏孝君

  田畑 裕明君     金子万寿夫君

  武井 俊輔君     清水 誠一君

  比嘉奈津美君     大見  正君

  藤丸  敏君     岩田 和親君

  宮崎 政久君     瀬戸 隆一君

  大西 健介君     寺島 義幸君

  近藤 昭一君     笠  浩史君

同日

 辞任         補欠選任

  岩田 和親君     藤丸  敏君

  大岡 敏孝君     鬼木  誠君

  大見  正君     比嘉奈津美君

  金子万寿夫君     田畑 裕明君

  清水 誠一君     武井 俊輔君

  瀬戸 隆一君     今野 智博君

  寺島 義幸君     大西 健介君

  笠  浩史君     近藤 昭一君

同日

 辞任         補欠選任

  今野 智博君     宮崎 政久君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 不当景品類及び不当表示防止法の一部を改正する法律案(内閣提出第二五号)


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     ――――◇―――――

鴨下委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、不当景品類及び不当表示防止法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として消費者庁次長川口康裕君、消費者庁審議官菅久修一君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鴨下委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

鴨下委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。田沼隆志君。

田沼委員 次世代の党の田沼隆志でございます。

 本日は、大臣、よろしくお願いいたします。保守の政治家として大変尊敬申し上げている大臣でございますので、御活躍を御期待申し上げたいと思います。

 私は初めての消費者特での質問でありまして、いろいろふなれなところや、既に各委員さんから先日の質疑で出た分野もあるかもしれませんけれども、御重複などもあったら御容赦いただければと思います。

 まず、この法案なんですが、第一に、私がよくわからないのでお聞きしたいのが、課徴金の率の百分の三ということですね。

 世の中には、どこのところにもやはり悪徳業者というのは、いるはいるわけです。原価がすごい少ないのに、売り上げ、もうほとんどが利益だというような事例もたくさんあるわけですし、そういった悪徳業者、悪徳事業が表示としてもないようにということで今回の法案があると理解しておりますが、百分の三というのは本当に十分なんでしょうか。この理由はもうお尋ねしません、いろいろ今までの質疑で委員さんからの質問もありましたけれども、とりあえず一律にやるというふうに理解しました。

 先日の質問で井坂委員が、業界ごとに課徴金の割合を変えたりした方がいいんじゃないか、利益率も全然違うのだしという御質問があったと思います。

 それに対して、大臣が、指摘は理解しますけれども、同時に、スピーディーに応えなくちゃいけない、行政の執行能力を下げない、限られたマンパワーで現下の課題を解決していかなくちゃいけないということで三%にしたという御答弁をされましたね。

 私ども、わからないんですけれども、マンパワーが足りないから三パーでいきますというのはちょっと逆じゃないか、むしろマンパワーを増強してでも、実態に合った徴収ができるように、ちゃんと調査して課せばいいんじゃないかと思うんです。

 あと、生方委員だったかの質問に対して、消費者庁の体制は大丈夫か、人数はどうするんだという御質問がありまして、それに対しても大臣は、しっかり増強の方向で取り組んでいきますと答えられていますね。表示対策課ですか、これは政府参考人の方が、この課徴金制度が導入されると事務量増加も予想されますので、体制の整備、強化ということも検討していきたいと答えられているわけですね。

 では、強化すればいいじゃないですか。強化をして、その上で、各業界ごとの利益率の違いなどもちゃんと反映した課徴金率にしていって何の問題もないかと思うんですけれども、御答弁いただければと思います。

赤澤副大臣 まず冒頭、私からお答えをしたいと思います。

 課徴金率については、いろいろ御議論いただいておりますので、委員の先生方の御議論、私ども、大変勉強になるところがあって、しっかり今かみしめているところなんですが、一つには、これは中には、非常に悪質なもので、おっしゃるように、利益率が高く、不当表示によってもうけてしまう場合もあれば、やったけれどもなおかつ赤字の事業者なんというのも場合によってはあり得て、そういう意味では、個々の事業者の、どれだけ利益を上げたかに沿ってやることが必ずしも適当かという議論はあって、その観点もあわせて、なおかつ、迅速に措置命令を出し、課徴金を徴収するということまでスピーディーにやった方が、全体としては、消費者のための抑止効果の発揮のさせ方としていいのではないかという点がまずございます。

 その上で、実際にどれぐらいの抑止力が働くかというのは、制度をとりあえずスピーディーに、先生方の御理解をいただいて導入してからでないとわからないところがあるので、その点については、しっかり法律自体に見直し規定も入っておりますし、しかも、その見直し規定に必ずしもとらわれずに、抑止力について、御指摘のように、というのは、私どもとしてはこれでとりあえず十分と思っていますけれども、本当に不十分な点が見られるようであれば、必ずしも、見直し期間の前であっても、柔軟に消費者のために見直しを行っていく余地もないわけではないというような方向で考えているところでございます。

田沼委員 見直し規定があるということを言われちゃうと、何でもそっちに逃げられちゃうので、今質疑するのが難しくなるというか、ちょっとどうかなと思いますけれども、ある程度御検討いただけるとは受けとめました。

 赤字企業があると今言われましたね。赤字企業があったから何なんですか。こんなの、法の趣旨に違反しているんですから、赤字であろうが何だろうが、きちんと課徴金を取るというのが筋論じゃないでしょうか。そこがどうして考慮されるポイントになるのかがちょっとわからなかったんですけれども、もう一回だけ。

赤澤副大臣 今申し上げたのは、先生方の御議論の中に、要は、利益率が各企業ごとに違う、しっかりそれを把握して課徴金の額を決めていくべきではないか、なぜ一律なのだという御議論が相当強くあったと認識をしております。

 それについての一つの答えとしては、企業ごとに利益率を確定するのはなかなか時間がかかるというところもあるし、赤字の企業という話をしたのは、結局、我々としては、どんな企業であっても、基本的には、全体として、不当表示によって上げた利益をしっかりと我々がある意味帳消しにする、その分については取り上げるという考え方ではあるけれども、個々の企業について一々それをやっていくとなると、赤字企業の場合には取り上げられない場合が出てくる。

 そういうことがあるので、今回については、基本的に、ペナルティーを科すという考え方というよりは、全体として、懲罰的なものを加えない形で、上げた利益は回収をする、それは業界全体では大体三%ぐらいだろうということで制度を導入したということでございます。

田沼委員 ちょっとよくわからないところもありましたけれども、やはり、一億円の売り上げがあっても三百万円で済むというのはどう考えても少ないと思いますけれども、それがしかも一律だ。

 一律であるということに対する、いろいろな今までの委員さんの議論があったという御答弁でしたけれども、すぐやる、すぐ執行するには一律三%でスピーディーにというお話でしたけれども、三%を例えば暫定としておいて、だけれども、また追加で課徴金を取るとか、調べがすぐできないんだったら、調べてからやってもいいんじゃないですか、是正してもいいと思いますし。

 そもそも、会社の利益率がわからないと言われますけれども、普通に入っていって、内部調査、情報を入手すれば普通わかりますよ。内部管理をちゃんとしていますもの、普通の会社だったら。私も経営コンサルタントだったんですけれども。なので、やはりいま一つ説得力に欠けると思うんですけれども、いかがでしょうか。最後、もう一回だけ。

赤澤副大臣 まず、何点か論点があると思うんですが、一つは、現在の現行法のもとでは、利益率については任意に報告を受けるという形になっております。ということで、過去の三%というのについても、事業者の方が任意にきちっと答えてくれたものについて、それを平均してみると三%ということで、ある意味では、全てについて強制的にとれてできているわけではないので、まず、その三%で始めてみようという点がある点は御理解をいただきたいと思います。

 この法律が入った後は、しっかり措置命令をかけて、それに必要な範囲での報告をとれるという規定が設けられていますので、ここはもう強制的に全て、措置命令が出たものについて、不当表示をやめさせた上で、きちっと情報をとって利益率を確定してまいります。そういうことは、今後は、この法律が通ればできるようになるという点があります。正確にそこはなってまいります。

 その上で、やはり我々の考え方としては、個々の企業の利益に着目をして、全て事実を把握した上で、その不当なもうけを全部取り上げるべきだという考え方もある一方で、そのやり方を徹底すると、もうけなかった企業については、実際には利益を上げていないんだからいいじゃないかという話に、ある意味では、考え方としてはつながるような部分がある。

 まずいことをした企業については、たとえ利益を上げていなくてもある程度とっていくという上で、全体として、多少フィクションみたいなところはあるかもしれませんが、業界全体として、不当表示で利益を上げたような企業の利益率は、過去の任意でとったものに基づけば、おおよそ三%ぐらいだから、それはとにかくいただくことにしようということで、制度をまず始めさせていただいて、抑止効果がどれぐらい発揮できるかを見ていきたいという考えに立つものでございます。

田沼委員 まだ非常に情報が薄い中で、任意で情報を報告してもらった上で、とりあえず三%ということですね。それは非常に、変更をしなければならない可能性は高いと感じますね。ただ、これから運用していく中での検討をされるということでしょうから、これ以上はきょうはあれしませんけれども、ぜひ不断の見直しをしていただきたく思います。

 企業の内部情報として、利益率がわからない企業なんてあり得ませんから、利益のためにやっているわけですから、それをちゃんとやはり入手をした上で、きちんと、本当に三パーという水準がいいのかというのは見直さなければなりませんよ。だって、やはり、はっきりとした利益がこの不当な表示によって上がっている企業が、そのままいてしまってはならないと思います。

 全体として、この法案は、趣旨には大賛成なんですが、ちょっと恐る恐る感が強くて、もっと厳しくいくべきじゃないかと私は思うものですから、今後の運用の中での、もうすぐにでも、来年にでも、この見直しというのを御検討いただければというふうにお願いをさせていただきます。

 関連しますけれども、やはり、不当表示というものの定義、違反行為者の故意、過失の有無を問わずに生じると判断すればよいのでしょうか。

 消費者庁は、違反した行為者さんがみずから注意義務を尽くしていたことの証明ができた場合に限り、例外的に課徴金賦課の対象から除外するというふうに本法案はなっておりますけれども、これは、では具体的にはどのように判断をされるのか、教えていただけますでしょうか。

菅久政府参考人 お答え申し上げます。

 現在の措置命令におきましては、不当表示がありますれば、それは違法な行為ということで、命令を出すということになっております。

 一方、課徴金納付命令につきましては、今御指摘にありました、事業者が相当な注意をしている場合には課徴金の対象にならないという制度にしております。

 相当な注意につきましては、個々に考えていく必要がある場合もあると思いますけれども、例えば、事業者が納品書の記載などを確認した上で、それに基づいて表示をした、そうした注意をしている場合には、これは相当の注意、通常の商慣行にのっとった行動をとっている場合には相当の注意をしていると判断するというふうに考えております。

 さらに、さらに具体的に詳しくは、今後、ガイドラインなどでより明確にしていきたいと考えております。

田沼委員 では、やはり今後、ガイドラインはつくる予定なんですね。わかりました。

 ガイドラインがないと、これはやはり多くの事業者さんにかかわってくることですので、それをお尋ねしようと思ったのですけれども、では、やるということでよろしいですね。いいですね。

 答えますか。では、一応答えてください。

菅久政府参考人 この課徴金制度導入に伴いまして、今の相当な注意などについてはいろいろ質問もいただいておりますので、よりわかりやすく示すために、ガイドラインなどで明確化していきたいと考えております。

田沼委員 ぜひお願いします。

 それから、先ほども少し触れましたけれども、これまで措置命令だけだった景品表示法がこれから課徴金導入、これ自身は賛同いたすものでありますが、執行体制がやはりきちんと充実しなければならないと思います。

 先日、先ほどもちょっと申し上げましたが、生方委員との質疑の中でも、大臣や参考人の方も、体制強化していくというふうに言われております。それから、やはりマンパワーが必要だとかスピードとかよく言われていますので、そこは逆に、体制の制約でできませんと言いわけにしてはいけないと私は思っているんです、初めにも言いましたけれども。

 ですので、人員数も含めて、これはどれぐらいの充実をイメージされているのかが先日の質疑だとちょっともう一息よくわからなかったので、お答えいただきたいんです。

越智大臣政務官 議員から、体制整備について御質問いただきました。

 まず、考え方としては、課徴金制度の導入の趣旨は、不当表示規制の抑止力を高めることでありますので、課徴金制度が入ったことで執行力が落ちることがあってはならないというのは当たり前のことであります。

 これから措置命令等の法執行についてもさらにしっかりと取り組むとともに、課徴金制度についても万全の体制で執行しなきゃいけないということでありますので、消費者庁としては、体制の整備にしっかり取り組んでいくということであります。

 具体的に言いますと、この法案が成立いたしまして一年半以内の施行ということになりますので、平成二十八年度めどということになりますけれども、その間、消費者庁としては、適切な体制のあり方がどのようなものなのかということをより具体的に検討を進め、その上で各方面に対して対応をしていくことになるということでございます。

田沼委員 では、一年半後にということで、政務官は私の大学の先輩なので余りあれですけれども、ちょっともう一息お聞きしたいところであります。

 関連するんですけれども、今までの質疑でもありますが、今回のこの法案は、消費者庁側が注意義務の立証責任を負うというたてつけになっていますね。これは何かやはり、どなたか、これも井坂委員だったですか、本当は事業者側が、免除してくれという形での、注意義務をやりましたという立証責任を負う方がずっと効力が上がるのではないかと素朴に思うんです。

 これも、そのまま聞くと、前も質問されていましたので、大臣の御答弁は、一般論として申し上げて、行政が不利益処分を行う場合は、処分すべき要件に該当するかどうかを行政が立証責任を負うというのが原則でございますという御答弁でありました。

 これは、一般論はそうかもしれませんけれども、今回もそうである理由というのがちょっとまだもう一息弱いので、お答えいただきたいんです。

菅久政府参考人 お答え申し上げます。

 相当の注意をしたかどうかというところの点について、当初、どちらかというと事業者側の方で主張するという考え方の案を用意していたところでございますが、やはり行政処分につきましては、一般的に、不利益を課す方が立証するというのが原則であるということでございますし、また、パブリックコメントなどでもさまざまな御意見をいただきまして、それらを踏まえまして、最終的には、この相当の注意のところにつきまして、注意をしたかどうか、怠っていないかどうかということについての最終的な立証は消費者庁の方で行うという案にしたということでございます。

田沼委員 それはどうしてですかという質問をしたつもりなんですけれども。だから、一般論はそうなのかもしれませんけれども、何で今回そうなのかがまだもう一息わからないんです。

 もう一回お尋ねしたいんですけれども、ちょっと追加的に言うと、では、事業者側が立証責任を果たしているような法案というのはほかにないんですか。今回は、一般論はそうだから、消費者庁側が立証責任ということですけれども、だけれども、別にそれを踏襲しなくちゃいけない理由がまだちょっともう一息わからないので、教えていただきたいんです。

菅久政府参考人 お答え申し上げます。

 網羅的に全てということで今申し上げることはできないんですけれども、一般的に、行政法規におきますと、不利益処分を課す方が立証するというのが原則でございますので、それに反するものというのは、正直言って、今のところ承知はしていないという状況でございます。

 今回の案、我々が出した案は、事業者側の事情であるので、事業者側が立証し得るのではないかということでむしろ示したのですが、最終的には原則に戻った案にしたということでございます。

田沼委員 ちょっとまだよく納得いきませんけれども、そういう意見もあるということで御理解をいただければと思います。余りこだわっても時間ももったいないので、次に行きたいと思います。

 先ほど政務官にお答えいただきましたが、執行体制の面でちょっと素朴な質問なんですけれども、人数がふえていきますよ、それからちゃんとチェックしていきますよということの中で、査察をしていく人によって基準が変わってしまったりとか、要は、相当な注意を払ったかどうかということは、言葉として非常にやはり曖昧なので、人によって変わってしまったりしないかという素朴な疑問があるんですけれども、大丈夫なのかどうか、その辺、お答えいただけるならば。

菅久政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のとおり、もちろん、担当官によって判断が異なるということはあってはならないことでございます。

 したがいまして、先ほどの相当な注意につきましても、ガイドラインなどで明確化するとともに、また、担当官の中でも、研修などを重ねまして、そうした考え方の相違がないようにしていくということになっております。

 また、最終的には消費者庁として判断をいたしますので、そこで、全体としては間違いがないようにしていきたいというふうに考えております。

田沼委員 ぜひ、その辺の注意もお願いいたしたいと思います。

 また、ちょっと関連して、平成二十六年六月十日付の消費者委員会の答申「不当景品類及び不当表示防止法上の不当表示規制の実効性を確保するための課徴金制度の導入等の違反行為に対する措置の在り方について」、この法案のあれですね、答申がありますけれども、そこで、二十四年度の表示、広告に関する消費生活相談が四万九千四百九十二件という数字が挙がっておりました。

 この消費生活相談、莫大な数を受けて、消費者庁としては、昨年、どの程度の措置命令を行ったのか、お答えいただければと思います。

菅久政府参考人 お答え申し上げます。

 平成二十五年度においてでございますが、消費者庁で受けた景品表示法に関する被疑情報、これが五千八百五十八件ございまして、それを受けまして、措置命令を四十五件、それから指導を三百七十三件行ったところでございます。

田沼委員 ちょっと私、よくわからない。四十五件というのがだんだんふえているとは聞きますけれども、五千八百件の情報を受けていて、措置命令が百分の一以下の四十五件というのは、妥当な水準なのかちょっとよくわからないところがございます。

 ちゃんとチェック機能が発揮されているとお考えなんでしょうかと聞けば、お考えだと思うんですけれども、この現状は、十分な機能を発揮されているというお考えなんでしょうか。

菅久政府参考人 お答え申し上げます。

 情報提供の数はかなりございますが、情報の内容には、詳しいもの、そうでないもの、いろいろございます。

 いずれにしても、届きましたこの五千八百五十八件は全て担当官が記録いたしまして、その上で、有力な情報に基づいて調査を開始し、最終的に指導または措置命令というような措置をとっているということでございます。

田沼委員 直接のお答えはありませんでしたけれども、これをちょっと、おわかりならばお聞きしたいんですが、同じような制度は諸外国でも先進国でもあると思うんですけれども、こういうぐらいの、百分の一ぐらいの水準の最終的な措置になるものなのでしょうか。

 法制度が違ったり、措置命令という形じゃなかったり、いろいろ違うところはあると思いますけれども、何か数値的な妥当性みたいなものがわかるものがあれば、お尋ねいたしたいんですが。

菅久政府参考人 お答え申し上げます。

 ちょっと諸外国の数字は承知しておりませんが、国内で申しますと、例えば独占禁止法違反事件などにつきましては、たしか、申告という情報提供が数千件のレベルであったと思います。最終的に行政処分を出しているのは何十というレベルだったと思いますので、非常に多くの情報が寄せられても、その情報にはいろいろ内容がございますので、最終的に実際に調査をし措置をとるというところは、受け取った情報から比べると数がかなり小さくなるというのは、ほかのところでもあるかと思います。

田沼委員 独禁法と比較したら、それは少ないとは思いますけれども。

 もちろん、もっとふやせというわけじゃないんですけれども、一個一個も大変だと思いますので。ただ、やはり厳しく臨んでもらいたいということをお伝えしたかったわけであります。

 この四十五件のことも、資料をいただいていますけれども、四十五件の種類は私いただいたんですけれども、これは私が知らないだけなのかもしれませんが、会社名を公表しているんでしょうか。それがあるかないかで全然抑止力が違うと思うんですけれども。あと、今後のことも含めて。

菅久政府参考人 お答え申し上げます。

 措置命令をした案件につきましては、会社名を含めて、通常、その措置命令をした日にプレスリリースで公表しておりまして、公表したものは、公表文をそのままの形で消費者庁のホームページにも掲載をしております。

田沼委員 聞きませんけれども、これは今後もそうですよね、当然、継続するんですよね。いいです、そこで。そうですよね。

 ある意味、抑制効果というのを持つためには、やはり公表というのがないといけないと思ったものですから、お尋ねさせていただきました。

 それから、ちょっと角度が変わりまして、不当表示によって被害に遭われた消費者の方についてのお尋ねもしたいんですけれども、まず素朴な質問ですが、消費者庁が認定を開始する前の段階で、自分が被害に遭ったんじゃないかと疑いを持った場合に、どのようなところに相談に行けばいいんでしょうか。国としての何か支援の方法、相談の窓口とかあるのか、教えてください。

川口政府参考人 お答え申し上げます。

 消費者安全法という法律が、消費者庁の設立と同時に制定されまして、その十条におきまして、消費者にとって身近な行政機関である地方公共団体におきましては、消費生活センターを設置し、事業者に対する消費者からの苦情に係る相談に応じることとされております。平成二十六年四月一日現在で、全国で七百六十三カ所に設置されているところでございます。

 消費生活センターでは、消費者が不当表示により被害を受けたと考える場合を含めて、消費生活相談員などが、消費者からの相談に対し、適切な助言、情報の提供等を行うとともに、必要に応じ、消費者と事業者との間に立ってあっせんを行いまして、その解決を図っているところでございます。

 消費者庁といたしましては、こうした情報を国民生活センターの力をかりまして集約して、それを活用するという体制になっております。景品表示法の措置要求のみならず、必要に応じまして、注意喚起ですとか制度の見直しなどに役立てるということでございます。

 他方、この消費生活センターの存在自体が余り知られていないという面がございまして、こういう問題を解決すべく、全国共通の電話番号ということで、消費者ホットライン、〇五七〇―〇六四―三七〇というのを運用しているところでございますが、今後とも、この周知に努めてまいりたいと思います。

 なお、一点つけ加えさせていただきますと、昨年十二月に公布されました消費者裁判手続特例法では、消費者契約に関する不法行為に基づく損害賠償請求などを対象としているものでございますが、事案にもよりますが、不当表示により不法行為が成立するような場合であれば、この法律が施行された後は、消費者が、手続追行主体である特定適格消費者団体に授権をして被害回復を図るということもあり得るものと考えております。

 以上でございます。

田沼委員 私は千葉市議会出身なので、千葉市にもありましたけれども、確かにもっと広まった方がいいとは思います。

 紛らわしい表示で消費者自身が誤認をした場合というのもあると思います。消費者さんが商品を購入する場合、もちろん、よく商品を見きわめることは大事ですけれども、表示のあり方によっては微妙なものがあるんじゃないかと思うんです。上手に紛らわしい表示内容にしてくる事業者がいる、それにひっかかってしまったということもあろうと思います。そうすると、事業者側は、自分はきちんと表示しましたよ、勘違いしているのは消費者の方ですというふうに言い抜けしてくるんじゃないかというリスクも感じるんですけれども、そういったときの対処方法というのはどういうふうになっているんでしょうか。

菅久政府参考人 お答え申し上げます。

 表示が問題かどうかは、それぞれの個々の表示ごとにもちろん判断しなければいけないわけでございますが、基本的には、商品または役務の内容と、それから、その表示から受ける一般消費者の方々の認識、受け取りに差があるかどうかということを判断することになります。

 事業者の方として一定の主張があるかもしれませんが、消費者庁としては、一般消費者から見て、その広告、表示がどういう認識を受けるか、その表示全体からどういうふうな内容になるかということを判断いたしまして、それが実際の内容と異なるかどうか、これを景品表示法に定められた権限を用いて調査した上で、問題がある場合は必要な措置をとるということになります。

田沼委員 適切な相談をしていただけるというふうに理解をいたしました。

 もう一つ関心があるのが、消費者の中でも事業体としての消費者、つまり、エンドユーザーの消費者さんじゃなくて、途中の段階の事業者さんが、もっと上流の、例えば元メーカーさんとか卸さんから、そこで物を買う人たちもたくさんいるわけです、小売業者さんもそうですけれども。小売業者さんとかそういった途中で買う事業者さんも当然、不当表示によっては被害を受けるわけでありますけれども、仕入れのもとが不当表示をしていた、その材料を仕入れて製品化して、あるいは小売をした、そうしたら、その小売業者さんあるいは販売業者さんは、定義上は消費者と言わないのかもしれませんが、この場合は、この法律の中ではどういう扱いになるんでしょうか。

越智大臣政務官 委員から御質問をいただきました。

 例えば、小売業者がメーカーから仕入れをした、メーカーが不当な表示をしていた、そのことによって小売業者が不当な表示のまま仕入れてしまった、それを売ってしまうという場合でありますが、これは、まず小売業者の立場で考えると、小売業者が相当な注意を払ったのかどうか、怠っていないのかどうかというところが論点になるというふうに思います。

 まず、法の趣旨として考えますと、故意、過失などの主観的要件を考慮することとしたのは、事業者がどのような注意を払っていたかにかかわらず課徴金を課すこととすると、かえって、事業者の注意を払うインセンティブをそぐことになるというふうに考えたからでありまして、そこで、相当の注意を怠った者でないと認められた場合には課徴金の納付を命ずることができないということになっているわけであります。

 事業者に求められる相当の注意というのはどういうものかということでありますが、この場合、小売業者がメーカーから仕入れたときに相当な注意を払って仕入れたとはどういうことかということは、個別具体的に判断せざるを得ませんけれども、一般的には、取引業者から、この場合メーカーから提供される書類等でみずから小売業者が自分で表示することの根拠を確認するなど、表示をする際に必要とされている通常の商習慣にのっとった注意を行っていれば足りるということであります。

 それで、多分委員の御指摘は、メーカーがどのような形で問題とされるのかということでありますが、この法律は消費者を保護するものでありますので、直接この法律で、今のような場合にメーカーが景表法の不当表示の対象になるということはございませんが、例外的に、例えば空間除菌グッズの場合でありますけれども、空間除菌グッズ、ひもでぶら下げてこの空間が除菌されるというようなグッズを薬局に置いたという場合は、この物品の供給主体がそのメーカーでありまして、かつ、表示も、薬局が表示しているわけじゃなくて、このメーカーがパッケージをつくって表示しているということになりますので、供給主体かつ表示主体ということで、この景表法の不当表示の対象になる場合があるということでございます。

田沼委員 わかりました。

 もう一問お聞きしたかったんですけれども、ちょっと時間が来てしまいましたので。大体了解いたしました。ぜひ、この趣旨で、よりよい法案を、運用もやっていっていただければと思います。

 ありがとうございました。

鴨下委員長 次に、佐藤正夫君。

佐藤(正)委員 みんなの党の佐藤正夫です。

 この法案は基本的に賛成という立場からですが、いろいろな点を指摘させていただいたり質疑をさせていただきたい、また確認をしたいことが多々ありますので、誠意ある答弁をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

 まず、よく抑止力という言葉がこの委員会でも出てまいりますが、今回、措置命令だけではなくて、抑止効果が十分働くということで課徴金制度の導入になったということでありますが、再度、この経緯について御説明を願いたいと思います。

有村国務大臣 佐藤委員にお答えいたします。

 措置命令だけで抑止効果が出たのかどうかということを鑑みますと、昨年秋に発生したホテル、レストラン等におけるメニュー表示偽装問題を初め、まだまだ不当表示が後を絶たないという現状がある、この現状を直視しなければならないという問題意識に立っております。

 商品や役務を選択する際に、やはり消費者の方々は表示に頼って購買をするかどうかの判断をなされます。不当表示は、このような消費者の自主的かつ合理的な選択を阻むものだ、そして、これを断じて許してはならないという問題意識の上に、法案を提出させていただいております。

 また、不当表示を行った事業者には不当表示をやめさせる措置命令を出して対応してきたが、同時に、これだけでは、事業者には不当表示で得た不当な利益がそのまま残ってしまうという、その問題に対しては解決がなされてきませんでした。

 そういう意味で、このたび、課徴金制度を導入することによって、不当表示によって得たその利益、不当な利益に対してはやはり経済的不利益が課されるようにしていかなきゃいけない、そして不当表示規制の抑止力を高めなければならない、そして、私たちが大事にする消費者の自主的かつ合理的な選択が一層確かになっていくようにしなきゃいけないという問題意識から、今回、課徴金の制度の導入をさせていただいたという判断でございます。

佐藤(正)委員 であるならば、この措置命令が不十分だったということになるわけですよね。

 先ほど来からいろいろな議論がありますが、措置命令では、前回、大臣が、維新の井坂さんの質問に対して、課徴金をもっと上げるべきではないかという問いに対して、現在においては消費者庁に当該商品または役務の売上額や利益率だけを確認するすべや権限がなかったと。

 本当にないんですか、措置命令を出すのに権限は。措置命令を出すための権限とは一体何でしょうか。

赤澤副大臣 私の理解するところ、大臣が申し上げたのは、要は、報告徴収とかをするに当たっては、今の法令上は、措置命令をするのに必要な情報をとるための報告徴収ということで、その中には必ずしも売上額等が入っていない。この法律を認めていただけば、課徴金を算定するために必要な情報、さらには、今後、その課徴金のパーセンテージ等も含めて見直しをするために必要な情報として、課徴金の徴収をしていく制度をうまく運用していくために必要な情報も報告徴収でとれるようになる。そこの違いを説明したものだと理解をしております。

佐藤(正)委員 そうしますと、不当景品類及び不当表示防止法というのが昭和三十七年に施行されています。そこに「報告の徴収及び立入検査等」という条文があるんですね。これでいきますと、できるんですよ、やろうと思えば。帳簿も見られるんですよ。そういうふうに書いてある。

 その不当表示法の第九条に、内閣総理大臣は、第六条の規定による命令を行うため必要があると認めるときは、当該事業者もしくはその者とその事業に関して関係のある事業者に対し、その業務もしくは財産に関して報告させ、もしくは帳簿書類その他の物件の提出を命じることができると書いてあるんですよ。

 できるんですよ、やろうと思えば。だから、消費者から見ると、不当表示をやって、全く偽りのものを買わされているんですよ。そのことによってその事業者が利益を上げているんです。消費者の立場を考えたら、当然できるんですね。

 ただ、これをやっていなかったんですよ、現実は。今までの答弁は、一切それができないようなことを言っていますが、現実にできる法律がある。なおかつ、これで、例えば罰則規定もありますよ。一年以下の懲役または三百万円以下の罰金に処することもできるんです。

 だから、ぜひ、もう答弁は結構ですが、こういうものを本当に消費者庁が本気でやるのかやらないのか、ここは私は大きいと思いますよ。だから、消費者庁はやはり消費者の代弁者であり、管理人ですよ、ある意味では。そこを明確にしてやらないといけないと思います。

 先ほど田沼委員からも御質問がありましたけれども、スタッフがそろっていない、これは言いわけにはならないと私は思います。この問題を議論し出したら、私は三十分しかありませんので、次に移りますけれども。

 では、この今までの経緯の中で、抑止力だということでありますが、そうしますと、売り上げを五千万円という下限を設けたのは、五千万円が抑止力になるのかどうなのか、この辺についてお尋ねをしたいと思います。

有村国務大臣 御指摘のように、今回、五千万円ということを基準として設けております。全ての不当表示事案に対して課徴金を課すということではございません。

 やはり、不当表示に対する抑止力の強化を考える際には、新たな課徴金の納付命令に加えて、従来の措置命令、指導等も含めた全体の執行力が強化されたことにならなければならないというふうに思います。

 委員が御指摘されました、マンパワーが足りないということは、私の記憶が正しければ、こちらから、我が方は申し上げたことはないと思います。マンパワーの中でやっていかなければならないということで、もとより、法執行の能力は落ちてはいけないということを明確に申しております。

 そのマンパワーをふやせということでございますけれども、やはりそれは国会でお決めになられることで、国会の予算の審議あるいは決に先んじて私どもがとやかく言うような分にはないというふうに考えている次第でございます。

佐藤(正)委員 だったら、全部やりなさいよ。五千万なんかにしなくて、今までの議論で考えたら、全部やればいいじゃないですか。調査をやればいいじゃないですか。現実論のことを言っているんですよ。現実があるからこそ言っている。

 一番最初に私が質問したときにも、いろいろな相談窓口だっていろいろなところと一緒に連携した方がいいですよということも言いましたよ。有効なお金で有効な結果を出す、これは大事ですから。しかし、こうやって五千万円でやらなきゃいけないということになった。

 では、お尋ねをしますが、この五千万円になった、中央値というんでしょうか、中央値で五千万円、では、中央値五千万円になったデータはあるんですか。どういうデータのもとで五千万円というのは中央値なんだということは、私は、この質問に当たって、そのデータを出していただきたい。どういう分布をされているのか、当然この審議には大きな、今回の一番大きなのは課徴金ですから、この課徴金の基準を決めるのが大変重要だと思います。

 私は、この法案に対して決して反対じゃないんですよ。そうじゃなくて、だったらこういう五千万になった経緯のデータを示してくださいよということをお尋ねしましたが、データは出せないということでありますので、その件についてお尋ねをしたいと思います。

赤澤副大臣 回答の前提になりますので、先ほど先生がお答えはいいとおっしゃったことにちょっとだけ触れさせていただきますと、現行の報告徴収については、やはり私ども、今の六条、措置命令を出すという前提で、不当表示であるかどうかを判断するのに必要な情報だけがとれる、これは、強制権限は、非常に国民の権利、あるいは義務を課すようなところがあるので、自制的に考えていますので、不当表示であるかどうかを判断するのに必要な情報のみがとれるという形で考えております。

 そういう意味では、売上額についてはその情報に当たらないということで、現在は、任意に御協力いただける範囲のものをとっていて、当該事業者から任意に提供を受けた内部情報であるという理解をしております。

 したがって、個別の数字を開示することは差し控えたということを御理解いただきたいと思います。

佐藤(正)委員 それは消費者庁の判断が間違っているだけで、何を言っているんですか。例えば、あれだけ暴利をとっているところを、幾らもうけて、どういうお金を使っているのか、当然、消費者は必要な情報じゃありませんか。そうでしょう。だって、帳簿を見られるようになっているんだから。勝手に消費者庁がそうやって判断しただけの話なんです。では、この法律を変えなさいよ。あるじゃないですか。

 こういう議論になるからもうこの話はやめようと思ったんですが、そういうことを言われるのであれば、消費者庁の考え方が消費者の考え方と乖離しているということなんです。現実にできるんです、やろうと思えば。これを解釈して読めばできますよ。

 ただ、あなた方が言うのは、それは不当表示にかかわるか、かかわらないか、かかわらないと思うからとらないという判断をしただけであって、かかわると思えばできるわけです。そういうふうになっている、立入検査もできるようになっているわけです。それを拒めば、一年以下の懲役または三百万円の罰金になっているんです。課徴金よりも大きいですよ。おかしいじゃないですか。だから、こういう議論になるから、先ほど私はやめたんですよ。

 それは、消費者庁の勝手な理由、勝手な判断。本気でやろうと思えばこのことでできます。

 では、お尋ねしますが、今回、これまで委員会で出ましたが、百四十六件のうち百七件は金額が明らかになりました、あとの三十九件はわかりませんでしたと。これは、三十九件といったら、二七%、わからないんですよ。全体の二七%がわからないデータで、中央値ですよなんというのはおかしいと思いませんか。だったら、この三十九件についてもしっかり調べなきゃいけなかったんじゃないですか。

 だから、そもそも論が違うんですよ。できるんだけれども、ではお願いしますと言って出てきたものだけで評価しましょうというのは、消費者から見たらとんでもない話です。ここを改めないと、幾ら課徴金をやっても、同じような感覚でやっていると、消費者が思うようなことにはこの法律が生きてこないんですよ。生かしていただきたいから、私はこういう質問をさせていただいています。

 では、三十九件はなぜわからなかったんですか。

赤澤副大臣 私どもも、佐藤先生の消費者の立場に立った思いというのは、本当に重く受けとめるものでございます。

 それで、現行法で言う九条、改正では新しく二十九条になりますが、私どもの解釈としては、現行法では、やはり措置命令を出すのに必要な、不当表示かどうかの判断に必要な情報だけしかとれないという理解で、三十九件、とれずにおりますが、任意ではとれなかった情報を、今回新たに、法案成立を認めていただければ、新しい二十九条で、課徴金納付命令を行うために必要があると認めるときは報告徴収が求められて、今先生がおっしゃったような情報をきちっととれるようになります。

 そういう意味では、今の解釈はおかしいというお叱りをいただいておりますが、この法案が成立した暁には、先生の御指摘にきちっと応えられるような情報をとって、しっかり運用していきたいと考えるものでございます。

佐藤(正)委員 だから、言うように、今回の法案でなくてもできるんです。書いてある、ちゃんと。

 何度も申し上げますが、懲役一年、罰金三百万円取れるんですよ。だから、そういう状況でありながら、この三十九件は、任意でお願いしたら出さなかった。考えてくださいよ、この百四十六件というのは、どういう企業の百四十六件なんですか。この百四十六件というのは、普通の、真っ当な商売をやっている方々の百四十六件なんですか。その辺はどうなんですか。お答え願いたいと思います。

越智大臣政務官 佐藤委員の御質問にお答えしたいと思います。

 五年間で百四十六件あって、そのうち百七件が売上高の情報を入手している、三十九件は入手していないということであります。

 先ほど佐藤委員御指摘のとおり、なぜ三十九件はとれないのか、このことについて、先ほど副大臣から御答弁させていただいたとおりでありますが、とれた情報についてどうするのか、この情報は公表できるのかということでありますけれども、実は、この百七件についても、情報公開請求があった場合でも、不開示事由に該当するということで、公開するというような類いの情報ではないということでございます。

 ただ、副大臣が先ほど答弁したように、これから新しい景表法ができて、それで課徴金納付命令が出せる状態になった場合には、その調査のために必要な情報ということで、必ず売上高について徴収をいたしますので、そういう意味では、データが充実してくることになるというふうに思います。

佐藤(正)委員 何度も繰り返すようですが、今回でも何人も質問したのは、そういう、ある意味、ブラックボックスなんですよ。見えない中での数字を出されてきているから、我々は、審議する上においてはそういうデータは必要ですよということを言っているんですよ。

 消費者庁だけがわかっていて、我々はわからないけれども、その中間値はこうなんですよ、だからこうですよなんて言われても、それは、審議する、法案をつくる方としては、法案を承認する方としてはなかなか納得しづらいというのが現実じゃありませんか。では、めくら判で印鑑を押せという話になるんですかということになりませんか。私はそう思いますよ。

 だから、この五千万円という数字が本当に妥当なのかどうなのか。妥当であれば妥当で結構ですよ。だから、今回法案を出しているんでしょうけれども、その妥当である裏づけを出してくださいということを言っているんです。

 先ほどから何度も申し上げましたが、ここは消費者庁と私の法律の解釈が違うんだろうと思いますが、現実にはできると書いてあるのをやってこなかったというのは、私は、ある意味では怠慢だったのではないかなと思いますよ。やればできた。

 そして、当然、この中でもいろいろありましたが、では三%の根拠はどうなっているのか、もう一度お答え願いたいと思います。

赤澤副大臣 景品表示法に課徴金制度を導入する目的は、経済的不利益を課すことにより、事業者が不当表示を行う動機を失わせて、不当表示規制の抑止力を高めることにより、不当表示を防止することにある、これは繰り返し御説明を申し上げていることでございます。

 このため、課徴金の算定率は、不当表示を防止するという目的を達成するのに必要な水準であるかという観点から設定するのが妥当であると考えておりまして、不当表示によって得られる不当な利得がどの程度であるかを考えて算定率を設定することとし、過去に不当表示を行った事業者の売上高営業利益率のデータを検討したところ、おおむねその中央値である三%が適当であると考えたものでございます。

佐藤(正)委員 これも、先ほど私が申し上げたように、過去のデータ、データがわからないです、この委員会で何にも。何にも我々には開示もされていないんですよ。それで五千万円と決めたり、三%と決めたりしているんですよ。これは、実はすごく不自然。どんな委員会の審議でも、何かを決める数字を出す場合には、ちゃんとバックデータを出していただけますよ。その中で、こうなりますよねと決まるんですよ。

 しかも、不当表示ですから、法を犯して利益を上げようという企業じゃありませんか。何でそういう企業を守らなきゃいけないんですか。真っ当な我々国民、消費者、庶民の方を守らないで、不当表示をして暴利をとっているところをあえて守らなきゃいけないというのは、どう考えても私は不自然だ、また不思議に思います。

 その辺は、大臣、いかがですか。

有村国務大臣 お答えいたします。

 佐藤委員の真摯な問題提起ということは、私どもも真摯に受けとめなければならないというふうに思っております。

 同時に、今、副大臣、政務官、また私どもの方からお答え申し上げたように、不当表示であるかどうかを判断するに足る情報のみを今までとっていました。これは、先ほどから委員からるる御指摘いただきましたとおりに、景品表示法の権限に基づいて調べてまいりました。

 その中で、売り上げということは任意で先方がお伝えをいただいていた、その任意に基づく、任意ですというふうにこちらも明確に、先方も任意だということがわかっている情報を開示するということが果たしてフェアかどうかという議論が残ります。

 また、恣意的に情報を消費者庁が出していないのじゃないかというような御懸念があるかもしれません。そこには、行政機関の保有する情報の公開に関する法律というものがございまして、基本的には、情報公開に応えなきゃ、開示しなければならないという立法の制約がございます。その例外規定として、監査や取り締まり、あるいは租税の賦課に係る事務に関して、正確な情報がなかなか発見し得ない、あるいは、そういう情報をとり得ないおそれがあることに関しては、情報公開の基本的開示というものではないという例外規定もございますので、その規定に基づいて、消費者庁として開示をしていないという背景がございます。

佐藤(正)委員 多分、この質疑を国民の方が聞いていたら、消費者庁が言っていることはわけがわからない。

 我々にとって、国民にとって不利益になるものを守る、それは情報開示で守らなきゃいけないなんという、はっきり言って逆でしょう。理解できないですよ、そんなもの。幾ら理屈を言ったって、現に九条には書いてあるわけだから、できますよ、そんなものは。やる気があるかないかじゃありませんか。消費者は、だまされて買わされているケースが多々あるんですよ。

 それから、今言われた三%の率にしても、いろいろありますよ。独禁法だったら、業種ごとに一から一〇%、いろいろなとり方があるんでしょう。これも今議論がありましたよ。そうすべきではないか。それも一理あると思いますよ。今後の検討課題で、そうなる可能性もあろうかと思います。

 この三%というのは営業利益でしたっけ。この三%というのは何でしょうか。

赤澤副大臣 先生は御案内の上でお尋ねかと思いますが、事業者の売上高営業利益率の中間値ということで考えております。

佐藤(正)委員 要するに、粗利があって、粗利から人件費等々を引くということなんでしょうね、営業利益。

 そうしたら、よく考えてください。そうやって不当に利益をとるために使った人件費も経費で抜くんですよ。それから広告代も抜くんですよ。おかしくないですか。

 例えば、本来なら一万円で買えるものを十万円で、内容を変えて、不当表示して売っていた。それには当然、広告料も要るでしょう、人件費もかかるでしょう。そういうものを差っ引いた残りの営業利益でやるというのは、本来おかしいんですよ。そうでしょう。暴利を得るために使った経費を抜きますよなんて、それはまさに、消費者をだますために使った経費を、消費者庁はお認めになってあげましょうと。これはちょっとおかしいな。

 今回の法案、私は反対じゃないですからね。ただ、いろいろな矛盾点をお尋ねしているんですが、今私がそう感じたことについて、大臣、どう思われますか。

有村国務大臣 佐藤委員の御指摘は心して伺います。そして、それが妥当かどうかということを、これからやってみて、真摯にそのモニタリングをさせていただきたいというふうに思っております。

 御案内のとおり、この課徴金制度を皆様が審議いただいて議決いただいた後は、売上高についても調査権限をしっかりと持つことになりますので、しっかりと把握した上で、これからの三%という数値も含めての妥当性を見てまいりたいというふうに考えております。

佐藤(正)委員 だから、さっきから言うけれども、反対じゃないんですよ。反対じゃなくて、真摯に受けとめるのはいいけれども、私が思った思いに対して、大臣が素直に、真摯じゃなくて、どう思いますかとお聞きしているんですよ。

 いいですか、百万円の不当表示をして利益を上げた。しかし、そこから、不当表示をやって利益を上げるために人件費を使いました、広告費を使いました、そういうものは経費で抜いて、残った分に三%の課徴金が掛けられるというのは、普通、常識的に考えたらおかしいと私は思います。

 だから、おかしいならおかしいでいいんです。それを検討課題としてしっかりやりますよと言ってくれればいいけれども、真摯に真摯にといって、全部真摯だったら、何がどうなるのかよくわからない。大臣、もう一度お答え願いたい。

有村国務大臣 私どもは、売上高営業利益率のデータを検討して、その中央値の三%が妥当だというふうに判断をし、また与党にも諮り、政府・与党としてこの法案が妥当だということで国会にお諮りしている以上、佐藤委員の問題提起は真摯に受けとめますが、やはり、私どもが妥当というふうに法案を出している以上は、この法案がしっかりとしているという信念のもとで、法案の提出、可決に向けて全力を向けさせていただくという答弁がマックスであろうかというふうに存じます。

佐藤(正)委員 だから、僕は反対じゃないと言っているじゃないですか。まず、やるべきことをやらなきゃいけないということを言っているんですよ。だけれども、そういう矛盾点もあるでしょう。書いてある。附帯決議にもそういう旨のものは書いていますよ。そして、なおかつ、やはりマンパワーも含めて充実しなきゃいけないということも、附帯決議にも書いてあるし、我々は賛成です。全部を否定しているわけじゃありません。賛成しているからこそ、こういう指摘を、疑問点を、普通に庶民の方はそう思うんです、だからそこを、担当の消費者庁としては十分重く受けとめてとか、何か言い回しがあるんだろうと思います。

 実際にそうですよ、本当に。有村大臣が、本当は一万円のものをだまされて百万円で買ったら、頭にくるでしょう。そのうち、何度も言いますが、それに対して使った利益を経費で見られるなんておかしいでしょうと言われたら、そうですよねと言うのが普通の考えです。だから、ぜひ、もうこれ以上言っても有村大臣も答弁できないでしょうから、重く受けとめていただきたいと思います。

 では、今回の大きな争点であります課徴金制度は、抑止力を保つ、しかし、この法案を進めながら、次の展開でいろいろな問題が起きたときに柔軟に今後は対応していくということでよろしいんでしょうか、お答え願いたいと思います。

有村国務大臣 今委員がおっしゃったその柔軟というのが、何をもって柔軟と指すのか。また、ちょっと慎重過ぎるというふうに言われるかもしれませんけれども、当然、これから課徴金という新しい制度を出していくわけですから、その抑止効果が本当にあるのかどうか、どのぐらいの推移になるのかどうかということを真摯にモニタリングして、五年ということでの見直しがございますけれども、当然、必要とあらば、五年を待たずに、しっかりとその妥当性ということを検討することも必要だというふうな認識を持っております。

佐藤(正)委員 大臣、もうこれ以上言っても行ったり来たりするのであれですけれども、この委員会で出たことを、やはり皆さん、いろいろなところで国民の皆さんから声を聞いてきたことが質問になっていると思います。

 だから、そういう意味で、柔軟に、法案が今回通っても、まだそういういろいろな御意見があるんだということを受けとめて柔軟に対応することが必要でしょう。だって、さっき副大臣は、五年と言いながら、しかし、もっと早い時期に、必要であれば、法律の見直しも含めて考えなきゃいけないときも来るでしょうという答弁もあったわけですから、そうかたくなにならなくて、大臣、少しリラックスして答弁されたらどうなんですか。

 もう時間がありません。最後、簡単な事例でちょっとお尋ねをさせていただきたいと思います。

 例えば、皆さん、スタンドに行ってガソリンを入れると思いますけれども、例えば製造元がAというガソリン、そこで製油をして出てきたガソリンが、Aという看板でない、Bという看板のガソリンスタンドでその精製したものを入れたら、それは不当表示になりますか。本来なら、精製するAが、Aの名前のガソリンスタンドで、ところが、そうじゃなくてBに行く。これはよくありますよね。JIS規格でいわゆる規定をされた商品であれば、商取引上、物の融通というのはよくあると思いますが、実名を出したら悪いので、実名を出さないでAとかBとか言ったんですけれども、その辺については、副大臣か政務官、お答え願えればと思います。

越智大臣政務官 佐藤委員から御質問いただきました。

 佐藤委員からの御質問の趣旨は、例えば、Aという製油所で精製したガソリンをBのガソリンスタンドでBのガソリンとして売るということが不当表示に当たるかどうかということでございます。業転玉とかそういう話じゃないかと思いますが、この問題は、判断がとてもデリケートな問題でありまして、具体的な事案を見ないとなかなか判断がつかないという事例になると思います。

 景表法に違反するかどうかは、表示の仕方と、実際何が行われるかということを見て、個別具体的に判断するということになりまして、もちろん、尺度としては、当該表示が一般消費者に著しく誤認を与える場合には違反だということになるわけですけれども、石油、ガソリンというものが、品質が余り大きく変わらないという商品性があるものですから、これはもう個別具体の話で消費者庁として判断していくということになります。

佐藤(正)委員 非常にわかりにくい質問をして申しわけなかったです。簡潔にまとめていただいて、ありがとうございます。非常にデリケートな問題ではありますが、不当表示という部分については、間違いなく不当表示なんですよ。ただし、それが本当に商慣習上それでいいのかどうかという大きな問題がありますので、ちょっと問題提起をさせていただきました。

 ありがとうございました。

鴨下委員長 次に、穀田恵二君。

穀田委員 日本共産党の穀田恵二です。

 きょうは、景品表示法の改正について質問します。

 不当表示、これは広範囲に広がっていまして、課徴金制度の導入については、私どもも賛成できると思っています。

 ただ、今までも多くの方々が質問なさいましたように、本改正案については、大事な点が大きく言って二つあります。一つは、不当表示の事前抑止に対する実効性はどうなのかということと、もう一つは、本来、徴収された課徴金は被害者に返金されるべきものであるとの立場から、消費者の損害を回復させる仕組みの構築を検討する必要があるんじゃないかという点だと思うんですね。ですから、私はこの立場から質問したいと思っています。

 今、算定の基準が随分議論になりました。それらを含めて、真摯なモニタリングという話まであって、モニタリングに真摯があるのかなと思って、真摯という言葉をしきりに使われていますが、そこで、私はそんな話じゃないんじゃないかと思っているんですね。

 課徴金の額、百五十万未満で裾切りされていますが、この間の議論の中で、裾切り基準の考え方が、もう一つみんな聞いていてもはっきりしないということがあると思うんですね。

 この百五十万円未満は、過去の措置命令事案の売上高の中央値五千万から算定されている。そもそも、ではなぜ中央値なのか、基準とされたのか、その理由を述べてほしいと思います。

有村国務大臣 お答えいたします。

 委員の御指摘は大事な課題だと思っております。なぜ中央値、中位層の値を基準としたのかということでございます。

 より多くの事案が課徴金の対象となるような水準に基準を低く設定するという考え方もあると思いますが、やはり、消費生活への影響が小さなものまで課徴金を課すという対象になった場合、かなり行政効率がそちらに引っ張られて低下する、抑止の必要性の高い事案に対する法執行の力に支障を来すおそれがあってはいけないということでの線引きをいたしております。

 ちなみに、平成二十年に国会に閣議決定を経て提出いたしました課徴金制度の導入のときの景品表示法の改正のときには、この中位層の値というのは一億前後であったかというふうに記憶をしております。

 そういう意味では、中位層の値の水準がかなり今回下がったわけですけれども、実際に調べた上での層が、裾切りが五千万、百五十万円未満ということで妥当だという判断をいたしました。

穀田委員 その論理は、中位層だから妥当だということ以外に余りないんですよ。ほんまに中位層が妥当なのかという問題について、それは額が変動するわけだから、少なくとも、今平成二十年度とありましたけれども、そういう意味でいいますと、私は、そういうところに本質や本音があるんじゃなくて、今途中でお話がありましたように、結局のところ、行政コストを基準にしているんじゃないかというのが見てとれるんです。透けて見えるというのはそこなんですよね、まあ、途中でそういう話もおっしゃいましたけれども。

 私がこの質問をするに当たって政府に説明を求めますと、一件措置するのに行政コストが百万円ではきかないということでありました。調べますと、現状において、行政の執行体制では五年間四十九件、一年十件程度ならば対応できるということじゃないか。率直に言って、裏から、逆から計算しているんじゃないか。考え方の問題はみんないろいろ言いましたけれども、本質はどこから設計しているのかという問題なんですね。だから、結局はコスト論にある。

 ことしの八月二十六日、課徴金制度導入の検討状況を課題として開かれた消費者委員会本会議では、こう言っているわけですね。

 もちろん相対的な兼ね合いですけれども、件数で見ると確かにそうかもしれないですけれども、金額でいうと百何十万ですから、それに費やすコストもどうしてもかかってしまうことになると思います、課徴金を取ろうとすると、百万円ではきかないので、こういう発言を政府側はしているんですね。

 だから、結局、私は、この考え方が、中央値だとか三%だとかという以前に、逆算をして、百万を超える金がかかるので、そこを算定基準にして物事を考えているんじゃないか、それで割り振ればこうなるでというのがむいた話じゃないかと思うんですね。それは先ほどの大臣の発言の中にもあったわけで、私は、本法案の重大な課題である不当表示の事前抑止に対する実効性、この実効性がどこにあるかを第一に考えるべきではなかったかということを指摘しておきたいと思います。

 そこで、全ての違反行為を課徴金の対象とすると、事案に対応し切れず、結果的には実効性が担保できなくなる、こういう話は先ほどもるるしていましたし、今も、何かというとすぐこれを出すんだよね。この基準では、今五割程度しか課徴金が課されない。では、これで制度導入の目的である不当表示に対する抑止力がほんまに担保されるのかということについて、見解を問いたいと思います。

赤澤副大臣 御指摘のとおり、規模基準を設定することによって、全ての不当表示事案に対して課徴金を課すということにはならないということであります。

 しかしながら、不当表示に対する抑止力の強化を考える際には、新たな課徴金納付命令に加えて、従来の措置命令、指導なども含めた全体の執行力が強化されたことにならなければならないと考えております。

 そういう意味では、先ほどの事務コストの御指摘の点に戻りますが、課徴金制度の導入に伴う事務量の増大によって、景品表示法についての全体の執行力がかえって落ちるようなことがあってはならないというふうに考えております。このような観点から、今回採用する規模基準の水準は妥当なものと現時点で考えております。

 本制度の運用後、仮に違反行為防止の実効性が不十分と認められるような事態があれば、必要に応じ見直しを行うことも含めて検討してまいります。

穀田委員 その論理も変な話で、かえっておくれるようになるというんだったら、おくれないようにするためにはどうしたらいいかということについてどういう論理があるのかということを考えないと、それは違うんですね。現行の体制でこれだけかかってやるとこうなりまっせという話であって、そうすると、全体に抑止力をきかせるためにはどないしたら一番ええかということを考えて、その結果こうだというのはわかるけれども、今のままの話だと、執行力が弱くなってというのは、先ほどみんなも言っているように、では、執行力を高めるための手だてをとればいいということになるわけですよ。だから、その論理は極めて薄弱だということを言わなければならないと思います。

 私は、いろいろ話を聞いていて、先ほどもいろいろな話で統計の話が出ましたけれども、過去の執行実績が百四十五件と少な過ぎる。現行法の措置命令の執行に当たっては、個別事業者情報やデータを収集する必要はなかったということはわかっているんです。しかしながら、この課徴金制度は、そもそも二〇〇八年に法改正案が一度出されているわけであります。先ほども大臣おっしゃったから、その辺はお詳しいんでしょう。しかも、それは廃案になったわけですよね。

 消費者庁に移管された際に、消費者法体系へと移した上で、違反行為の抑止力強化策を検討することとされたはずなんです。だから、論点や目標とすることは明確にわかっていたはずで、では、これまで消費者庁は何をやってきたのかということを率直に思う方もいらっしゃるんじゃないかと言わざるを得ないんですね。

 私は、本委員会の審議に当たって、これまでの措置命令の実績について資料要求しました。これに対して、消費者庁からは、特定の景品表示法違反事件における各事業者の売上額は、当該事件の調査の際に当該事業者から任意に提出を受けたものなので、特定の事件における個別の事業者の売上額を当該事業者の同意なくして開示することは差し控えたいという回答だったんですね、内部情報だからということなんだろうけれども。

 では、その内容は問いませんよ。だけれども、逆に言うと、あなた方は持っているという話を先ほど委員が言っていましたけれども、私は、回答しないということ自体も問題だと思うけれども、それ以上に問題なのは、事業者からの情報提供というのはほとんど任意に提出されたものだけだったということなんです。それをあなた方は言っているわけなんですよ。だから、今回議論になっている算定率や裾切りは、任意に提出された事業者からの数字によって導かれたということにならざるを得ないんですね。だから、そこが問題だと私は言うわけですよ。

 だから、情報が出されないということと同時に、任意だということになると、そうでない人たちは出していなかったということになるわけです。だから、その辺の問題があるということも私は認識しなければならないということを特に言っておきたいと思うんです。

 私は、スピード感を持って課徴金制度の導入を行うべきとは思っていますけれども、施行後の経過を踏まえて、何遍も言っているんだけれども、皆さんもおっしゃっているわけだけれども、機動的に算定率の見直し及び課徴金を賦課するよう裾切り基準を見直すべきと思うけれども、その辺はどうですか、大臣。

有村国務大臣 お答えいたします。

 当然ながら、本法の施行後においても、引き続き、課徴金制度を含めた景品表示法の執行状況については、運用状況を把握して、また制度の実効性を評価していかなければならないというスタンスを明確にしたいと存じます。

穀田委員 スタンスを明確にすると。

 そこで聞きます。それでは、本法二十九条、報告の徴収及び立入検査等により求める情報について、今後の検証のため、どんな情報を消費者庁に収集しようとしているのか。実効性のある二十九条があるわけですね。だから、どういう情報を収集し、どういう姿勢で取り組んでいくのか、ちょいと大臣に答えてほしいなと思います。

赤澤副大臣 今の御指摘の二十九条でありますけれども、少なくとも、先生御案内のことかと思いますが、まず定性的には、今までは現行の九条で、六条の措置命令をするために不当表示かどうかの判断に必要なものだけをとっていた。その中には売上額とかは含まれていない。今度は、課徴金納付命令をするのに必要なということになりますので、売上高を含めて、関連する、必要と思われる報告を徴収できるようになる、そういう情報をきちっととって、執行に適正を期してまいりたいということでございます。

穀田委員 今の点はきちっと確認して、今後の経過を見ていく上での重要な指標にしていきたいと思うんです。

 もう一つ、行政による立証問題について聞きたいと思うんです。

 当初、注意義務の立証については、課徴金制度の実効性を担保するため、執行の負担や課徴金制度の機動性への影響を勘案しつつ、他方で、不当表示は違反事業者みずからの事由であることから立証は過大な負担となるものでないとして、違反事業者側で立証することとされていたわけですけれども、これは事実ですね。再び確認したいと思うんです。

菅久政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のとおり、当初の案では、そういった考えのもとにそのような案を提示しておりました。

穀田委員 当初はそういう案だった。きょうも、それからこの間の大臣も、本委員会で、不利益処分を科す際は行政が立証責任を負うとされている原則にのっとったと答弁された。きょうも、審議官もしきりに法の一般原則を述べています。

 今再び確認したように、課徴金制度導入に当たっての、簡単に言うと答申、あれを見ますと、課徴金を賦課する要件としての主観的要素の要否については、不当表示の抑制という制度の目的に照らして、違反行為者に課徴金を賦課すべきであると考えられる程度の主観的要素が必要であるとの基本的認識に立ちつつ、不当表示がされた場合においては原則として課徴金を賦課することとし、違反行為者から、不当表示を意図的に行ったものでなく、かつ、一定の注意義務を尽くしたことについて合理的な反証がなされた場合を例外的に対象外とすれば足りる、ここまで言っているわけですね。

 消費者委員会のことしの八月の会議では、課徴金制度検討室長も次のように述べているんですね。

 主観的要素についてはということで、みずから証明していただいた方が、むしろ合理的かつ素早くできるのではないか、そこについても消費者庁がやっていれば、より処理がおくれてしまうので、むしろそういったことについて、みずから反証していただくという部分を明記したいと考えておりますとまで言っているんですね。

 あなた方はしきりにスピード感の話をします。そうすると、こういう原則にのっとったと言うけれども、では、当時、役所の人たちはどんな議論をしていたんだ、それまでの議論は何だったのか、原則にのっとっていない方向を政府は主張していたのかということになるわけです。そんなことが役所で許されるとはとても私は思いませんけれども、だから、違う要素が働いているんじゃないかと思うんですね。

 つまり、みずから反証していただく部分を明記したいと考えています、ここまで言っているんですよ。それは、大臣、どない思わはりますか。

菅久政府参考人 お答え申し上げます。

 ただいま御指摘いただきましたとおり、当初は、相当な注意につきましては事業者側の事情であるということで、事業者側から主張をしていただくというのも案としてあるかなということで、そういうものを提示させていただきました。

 ただ、その後、さまざまな御議論、御意見がございまして、特に、違反を行っていない事業者から見ると、何かそういうことがあった場合にみずから相当の注意の立証をしなきゃいけないということで、逆に萎縮をするのではないか、そういうお話もございました。

 そこで、最終的には、現在の案、つまり原則に戻った、行政庁が立証するという案に戻ったわけでございます。

 ただ、実務上で考えますと、この相当な注意をしたかどうかというのが問題になりますのは、事業者側から一定の主張があった場合でございます。事業者側から一定の主張、つまり、こういう注意をしたという主張があった場合に、それをある意味では消費者庁側が覆すことができるかどうかということでございますので、一般の事業者に対する萎縮をなくし、ただ、実務上はさほど大きな違いはないだろうということでこういう規定に最終的にはしたというふうに考えております。

穀田委員 最後の二つ、さほど変わりがないんだったら、それこそあなた方は、仕事が大変だの、百万円以上のコストがかかるからなかなかでけへんと言っておるんでしょう。相手にさせたらよろしいがな。こんなもの理屈にならへんやないの、そんなこと。何で変わったかて、さっぱりはっきり、違反しない人たちが萎縮する、しますかいな。違反してへん人たちはそんな気してへんねん。違反しているものが抑止力を伴うわけで、それをあなたの責任でやりなさいと。スピードは速いわ、そっちの方がええわと言っているのに、今さら同じような話やと。同じような話やったら、自分のところは金がないさかいに、人もいてへんさかいにと言うのやったら、それはさせたらよろしいがな。何を言うてんねやな。余り言うとあれだけれども、そう思う。誰かてそう思うと思うけれどもな。

 結局、これは何で変わったかというと、二〇一四年四月十五日、日本経団連は、この景表法に対する意見の中で、「原則どおり不利益処分を課す行政の側が負うべきである。」と提言しているんだよね。だから、何で変わったかというと、パブリックコメントで、その他含めていろいろ変わったといって、パブリックコメントで変わっている大きな部分はこれなんですよね。一番大きい意見はここなんですよ。だから、ここで変わったんかいなと思うということは、誰かて、ああ、そうやねんなというふうに思いますわな。

 事業者はみずからの立証について困難な場合もありと今お話ありましたけれども、しかし、本来、表示は根拠を持ってしかるべきであることから、不当表示の立証を行政負担、税金を使って行うのはおかしくないか、それは消費者被害に係る負担を国民が立てかえているのと同じとちゃうのか、こういうことになってくると思うから、私は、もともとの案のところに今からでも戻したらできるんと違うかと思うねんけれども、今後とも、私はそのことについては追及していきたいと思っています。

 そこでもう一つ、実効性の問題からしますと、次は、国と都道府県との役割分担について少し聞きたいと思うんです。

 百八十六回国会では、都道府県に対して、従来の行政指導である指示権限にかえて、消費者庁と同様の行政処分が行える措置命令権限が付されました。地方の執行体制が強化されたわけであります。

 他方、これまでの都道府県における執行実績には、随分地域間格差が見られたわけですね。その後、消費者庁から都道府県の執行強化に向けた後押しによって指示の実績等はどう変わったのかということが一つ。

 もう一つ、昨年の食材の偽装表示以降、消費者庁の取り組み、その取り組みを踏まえた地方担当職員の増員、相談窓口設置等の動向や職員の意識改革、全国の事業者の意識改革についてはどうなっているのか、ちょっと簡単に、簡潔にお述べください。

菅久政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、都道府県における執行状況でございますが、平成二十六年度におきましては、都道府県が景品表示法に基づく指示を行った事案、これは今までのところはございません。昨年度は六十四件、二十四年度は二十九件ということでございます。

 また、これまでの消費者庁の取り組みでございますが、偽装表示発生以降でございますが、一つは、昨年の十二月にホテル事業者に対しまして措置命令を行い、公表しております。また、ことしの三月には、メニュー、料理などの食品表示についてのガイドラインを公表しております。また、前国会には、もう御承知のとおりでございますが、景品表示法の改正法案を提出し、十二月一日から施行ということでございますし、最近でも、ことし十月には木曽路に対しまして措置命令を行うほか、この国会でも新たな課徴金制度導入の法案というのを御検討いただいているところでございます。

 また、都道府県における担当職員でございますけれども、これは平成二十五年四月一日現在、二百七十三人と承知しております。その後、やや増加が見込まれておりますが、具体的な数字は今検討中ということでございます。

 さらに、意識でございますが、消費者庁の職員は、我田引水ではございますが、従来から、消費者利益の擁護、それから増進を目指すという意識のもとで不当表示の是正に積極的に取り組んできております。このことは今後も変わるものではございません。

 また、本年三月に、メニュー、料理のガイドライン、これを公表して以降、事業者団体などからは多くの講師派遣要請が寄せられてきております。また、今月中旬以降に開催を予定しております改正景品表示法についての当庁主催の説明会でございますが、これにおきましても、既に一部の会場は満席となっております。表示の適正化に向けた意識の高まりが見受けられるのではないかというふうに考えております。

穀田委員 指示の実績という点ではまだないということがはっきりした。

 二〇一四年度予算において、食品表示等に係る行政の監視指導体制の強化等のために、地方消費者行政活性化基金を大幅増額し、当初予算で三十億円、さらに、来年度の予算概算要求では五十億円を要求されている。この基金が、都道府県の専任職員の増員や、消費者庁等による都道府県担当者への今研修の話もありましたけれども、さらなる執行強化に向けた新たな取り組みが必要だと考えています。

 そこで、連携の問題について一つ言っておきたいと思うんですけれども、課徴金納付命令を執行する消費者庁と、措置命令のみの都道府県との関係について、連携が極めて大事だと思うんですね。国は課徴金手続を行うけれども、消費者庁は、都道府県における情報収集から調査と、連携することで、効率よく、迅速に対応できると考えるわけであります。

 問題はいろいろあるわけですけれども、私は、都道府県単独で措置命令する案件というのは課徴金の対象外の小さな案件ということとしても、都道府県においては、小さな案件かどうかの判断も含め、その線引きが曖昧な案件も予想される、都道府県によっては、厳正に対応するがゆえに、全ての案件を消費者庁に相談、連絡することもあり得ると考えます。

 そこで、懸念されることは、都道府県によっては、全ての案件をとりあえず消費者庁に連絡すれば、消費者庁からの指示だけの分を調査して、調査後の問題は消費者庁がやってくれると考えるかもしれない、つまり、国で総括してやってくれるのならということで、都道府県では摘発、執行に係るインセンティブがそがれることになるんじゃないかと懸念するんですね。消費者庁がやった方が効率がいいということになれば、景品表示法を改正して、地方の執行権限を拡充した意味がなくなる。ですから、さらなる地域間格差が生まれやしないかと私は思うんですね。

 だから、私は、前向きな話をしているんですけれども、消費者庁が司令塔となって、関係省庁と都道府県が、形式的な役割分担ではなくて、地域間格差が生じないように密接に連携をとり合って、相互に厳正な執行を行っていかなければならないと考えますけれども、迅速な対応に向けての、課徴金制度導入までの間、都道府県との連携強化のために具体的にどのような準備を行うつもりか、お答えいただきたいと思います。

菅久政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおりでございまして、都道府県と消費者庁、それから公正取引委員会の間で密接に連携をして執行していく必要があると考えております。

 具体的には、現在でも執行ネットワークということで情報の共有を行って、お互いにどの当局が調査をするのが適当かということを相談しながら行っております。

 今回の十二月一日からの改正景品表示法の施行に向けまして、都道府県との間での相談、またはその研修なども行ってきておりますが、課徴金制度導入になりますと、御指摘のように、都道府県が例えば調査をしている案件につきまして、課徴金の対象となりそうだということになりますと、そこでは消費者庁に連絡をいただくというふうなことも考えていかなければいけないというふうに思っております。

 そういう意味で、今後、この改正法が成立いたしましたら、その施行までの間に一層、研修、それからお互いの情報公開の仕組みというのを整えていくことによって、適切な執行ができるようにしていきたいと考えております。

穀田委員 最後に、この制度の設計において、二〇〇八年、法改正が廃案となった経過を踏まえて、消費者委員会答申も、消費者庁当初案も、消費者の被害回復を促進する仕組みとして、事業者による自主的な対応による課徴金の控除制度を設計し、その仕組みとして、返金と、返金が困難な事業者のための寄附制度を再検討すべきということをしていたはずなんですね。

 その辺についての見解だけちょっと、大事なことなものですから、私は一言回答願いたいと思うんです。

有村国務大臣 お答えいたします。

 委員から御指摘のあったように、当初は、自主返金をし切れなかった分は国民生活センターに寄附を行うということで、一般消費者に不当な利益を還元したとみなして課徴金の納付を命じないことという議論がなされていたことは事実でございます。

 しかしながら、パブリックコメントや与党における審議などで出された御意見を踏まえて、所定の要件が満たされた場合は課徴金を賦課するということで、そもそもの不当表示規制の抑止力を高めるという本制度の趣旨を徹底すること、また、寄附というのは被害を受けられた消費者の直接の被害回復にはならないということで、今回導入しないことは妥当であるという判断をいたしました。私自身もそのような判断をいたしております。

 そして、そもそもは、今回、寄附制度にかえて、被害を受けられた消費者に対する自主返金を促すということを法の趣旨というふうにしておりますので、自主返金をしていただいた方には減額制度を導入することは適切なものだというふうに考え、法案提出に至っております。

穀田委員 私は、返金が困難な場合の事業者から消費者の被害回復の手だてがなくなったことは、消費者にとっても信用回復を目指す事業者にとっても後退する結果になったんじゃないかと考えます。

 今ありましたように、直接被害を受けた人にとってどうなのかということを視点に考えた場合には、そういうさまざまなやり方を考えなくちゃならないし、自主的返金ができなかった分の金額は課徴金として国庫に納付されることから、結局のところ、一部の消費者は泣き寝入りしたままという実態は変わらぬわけですね。だから、本当にそこを考えるというのだったら、いろいろな制度をきちっとやっておかなあかん。

 ですから、こういう意味も含めて、さまざまな検討が今後必要だということを述べて、終わります。

鴨下委員長 次に、村上史好君。

村上(史)委員 生活の党の村上史好でございます。

 最後の質問者ということになります。

 この間、この法改正の問題点、また論点というものは、大体議論をされてきたと思います。それに対する大臣の答弁も、積極的な答弁もございますけれども、改めまして、重複もあろうかと思いますが、確認の質問をさせていただきたいと思います。

 その前に、そもそものお話になってしまいますけれども、この課徴金制度導入の前提といいますか基本的なスタンスについて、大臣にお尋ねをしたいと思います。

 私、どうしても気になるフレーズがございます。それは、課徴金の導入が企業の活動を過度に萎縮させてはならないというフレーズ、よく言われますけれども、これはどういう意味なのか。大臣、お答えください。

有村国務大臣 過度に萎縮させないということですが、これが不当表示かどうかということで企業活動が滞るということのないように、正々堂々とやっていらっしゃる企業に関しては引き続きその企業活動をしていただけばいいということで、そこに不要な心配を置かないということの配慮があったかというふうに思っております。

 ただ、私どもは、やはり消費者庁として、消費者の利益をちゃんと擁護して、そして商品選択が適切になされるような環境をつくるということでございますから、さきの通常国会において、景品表示法を改正していただきました。半年もたたないうちに今般、同じ法の改正法を提出したこと自体が、そういう意味では異例なことであるというふうに認識をしています。

 消費者庁がリーダーシップをとって、不当表示が後を絶たない現状を直すという強い姿勢で臨んでいきたいというふうに思っております。

    〔委員長退席、冨岡委員長代理着席〕

村上(史)委員 余り言葉にこだわる必要はないと思うんですけれども、真っ当な事業をされている方々にとっては全く不必要な言葉だと思うんですね、別に萎縮をする必要もないし、正々堂々と事業をやるということですから。ただ、消費者担当大臣としては、当然のことながら、消費者の立場に立って考えるということがもちろん大事であります。

 ただ、問題なのは、利益と国民、消費者の安心、安全をてんびんにかけて、利益を優先する、モラルが欠如した企業の方に大きな問題があるということで、その点について、十分反省をして、また意識改革をして、この課徴金制度を実効あらしめるためには、その辺の意識改革というのは企業に求められると思うんですが、いかがでしょうか。

有村国務大臣 お答えいたします。

 村上委員の御指摘のとおりだというふうに私も意を強くいたします。

 そもそも、真っ当に法令を遵守している一般事業者が萎縮しないように配慮する必要があるというのは、これは国会の附帯決議、衆と参で両方なされています。そこでの要請がございますので、その配慮はなされなければならないというふうに思いますが、そもそもの消費者行政として、消費者の立場、また、情報の格差の中での情報の適切な判断をできるような環境を整えるということに私たちは意を尽くしてまいりたいというふうに考えております。

村上(史)委員 とはいうものの、モラルだけに求めても仕方がないということで、抑止力を持った課徴金制度を導入するということに私どもも賛成の立場でございます。ただ、その抑止力が有効なのかどうかということがこの委員会でずっと問われてきたことだと思います。

 その中で、先ほど大臣の方から御答弁があったと思います。いわゆる算定率三%でスタートをしますけれども、現実にそれが有効に作用するのかどうか、効果があるのかどうか、それをずっと評価、監視をして、必要があれば五年以内であっても見直しをするんだという積極的な答弁があったと思いますが、もう一度確認させてください。

赤澤副大臣 委員御指摘のとおりだと考えております。

 課徴金の算定率は、不当表示を防止するという目的を達成するのに必要な水準であるかどうかという観点から設定するのが妥当であると考えておりまして、今回、景品表示法に新たに課徴金制度を導入するに当たり、不当表示によって得られる不当な利得がどの程度になるかを考えて算定率を設定するということでございます。

 これも繰り返しになりますが、過去に不当表示を行った事業者の売上高営業利益率のデータを検討して、おおむねその中央値である三%が適当と。本制度の運用後、仮に違反行為防止の実効性が不十分と認められるような事態が生じた場合には、必要に応じ見直しを行うことも含めて検討してまいりたいという考えは、全く委員の御指摘のとおりでございます。

村上(史)委員 それでは、裾切りについて確認をしたいと思います。

 いわゆる売上額を五千万円以上という形で、対象範囲が全体の半数ぐらいになるんじゃないかというふうな指摘も何度もございました。

 この点についても、ハードルを下げる、ラインを下げる、そのことによって、七割から八割の事業者が対象になるということになると思うんですけれども、そういうラインも引き下げていく、経過を見て有効性に疑問があるならばこれも見直すという答弁でよろしいでしょうか。

赤澤副大臣 これも委員、大分審議を経てきましたのでかなり御案内のところがもう多いとは思うんですが、今まさに御指摘のように、しっかり抑止力を発揮させなければならない。何割ぐらいの事業者をカバーするのが適当かという観点ももちろんある一方で、消費生活への影響が小さいものまでことごとく課徴金を課すこととすると、行政効率が低下して、抑止の必要性の高い事案に対する法執行に支障を来すおそれなども考えられます。

 そういった考え方から、とりあえずという言い方が適当かあれですけれども、我々として今適当と思うのは、五千万円未満の場合には課徴金を課さないという考え方で、これで抑止力は十分確保できないというようなことが法執行後にもし判明するような事態があれば、私どもはないと期待しておりますけれども、それはきちっと踏まえて、また、見直しも含めて検討していくということでございます。

村上(史)委員 ありがとうございました。

 それでは、消費者の被害回復について二点ほどお伺いをしたいと思います。

 消費者庁は、被害回復額をどのように確認するのか、お尋ねします。

菅久政府参考人 お答え申し上げます。

 いわゆる事業者の返金の額ということかと思います。

 本法案では、事業者が返金措置を行うという場合には、まず、実施予定返金措置計画を作成いたしまして、内閣総理大臣、これは消費者庁ということになりますが、その認定を受けるということになります。そして、事業者は認定されました計画に基づきまして返金措置を実施いたします。これを実施した場合、実施期間の経過後一週間以内に、返金措置の実施結果を消費者庁に報告するということになります。その際に、返金措置を実施したことを裏づけます資料などの提出も求めるということを内閣府令で定めることとしております。

 消費者庁は、事業者の報告、そして提出された資料の内容を精査いたしまして、認定された計画に沿って適正に返金措置が実施されたかどうか、これを確認いたしまして、適正に実施されたということになりますと、その分を減額するということを考えております。

村上(史)委員 被害回復、今回、返金のみとなっております。ただ、当事者間で、被害者とのやりとりの中で、返品あるいは商品交換ということも、実際上はそういう話があると言われておりますし、それについて考慮すべきだという意見が消費者並びに事業者からも出ていると思うんですけれども、なぜ返金のみとなったのか、お尋ねします。

菅久政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のとおり、本法案におけます被害回復制度におきましては、違反事業者から消費者に対する返金を対象として課徴金を減額する、一方、返品でありますとか商品交換、これは対象としないということにしております。

 消費者に対する被害回復といたしましては、事業者は返品または商品交換などを含めまして、さまざまな手段を用いることはできるわけでございますけれども、景品表示法の目的を考えますと、景品表示法は、消費者の自主的かつ合理的な選択を確保するということを目的としております。不当表示によりまして自主的かつ合理的な商品選択を損なわれた消費者にとりましては、返品でありますとか商品交換では、依然として、他の事業者の商品または役務を含めまして、自主的、合理的に商品選択をすることができないということになります。引き続き不当表示を行った事業者との取引が維持されるということになりまして、これは他の事業者にとりましても、取引の機会を引き続き失わせるということでもございます。

 そういうことで、あくまで課徴金の減額の対象となる被害回復の手段ということでございますが、これは金銭のみを返金手段として認めるというのが妥当というふうに考えたところでございます。

村上(史)委員 わかりました。

 次の質問に移りたいと思います。

 今、消費者庁全体で六百名の人員で一生懸命頑張っていただいております。しかしながら、なかなか、問題の件数も消費者問題は多いですし、不当表示の問題も含めて年間五万件ぐらいの相談があろうかと思います。今回、課徴金制度を導入するということで、執行体制としても、スピード化を図る上においても、人員の充実というのは大変重要な問題だと思いますが、ただ、現状の中で、やはり、消費者庁だけではできない、いろいろな協力を得ていかなければならないと思っております。

 そういう面で、都道府県における体制整備を図る必要があるとよく言われますけれども、具体的にどのようにその整備を図っていくのか、計画を教えてください。

越智大臣政務官 村上委員から御質問を頂戴いたしました。

 消費者庁と都道府県との連携ということでございますけれども、消費者庁におきましては、従来から、景品表示法に係る研修などを実施してまいりました。都道府県の景品表示法担当部署の強化をそのような形で支援してきたという実績がございます。

 前国会で成立しました景表法の改正法によりまして、ことしの十二月から都道府県知事に措置命令権限が付与されるということでございまして、これはまず、全国知事会からの要望に応えたものでもありますので、各都道府県みずからの積極的な取り組みに期待しつつ、一方で、私たち消費者庁としても、研修の実施や情報の共有などを図るということで、積極的な支援をしていきたいというふうに考えております。

 また、先ほどの質疑にも出てまいりましたが、都道府県で景表法の担当職員を対象に行う法執行等の強化を図るための研修事業には、地方消費者行政活性化交付金を活用することも可能でありますので、その積極的な活用もしてまいりたいというふうに思っております。

村上(史)委員 それでは、課徴金命令に関しては消費者庁のみが行うこととされておりますが、違反行為の調査、措置命令、課徴金納付命令の手続について、国と都道府県はどのように役割分担をしていくのか、お尋ねします。

    〔冨岡委員長代理退席、委員長着席〕

越智大臣政務官 さきの通常国会で成立しました景品表示法の改正案によりまして、ことしの十二月から措置命令権限をその調査権限も含めまして都道府県知事に付与することが可能になったということでございます。

 その際に、消費者庁と都道府県知事との役割分担につきまして、現在検討を進めております政令案におきましては、一つの都道府県内で完結する事案については都道府県知事において、複数の都道府県にまたがる事案については消費者庁において、その他、都道府県知事から要請があった事案については消費者庁において処理することが想定されておりまして、既存の消費者庁と都道府県との間でのネットワークを活用するなどして連携を図ることとしていきたいというふうに考えております。

 一方で、課徴金納付命令の権限につきましては、課徴金制度が本改正で新たに設けられるということでございますので、当面、消費者庁が調査から命令まで執行することを想定しているということでございます。

 ただ、都道府県における調査事案が課徴金納付命令の対象にもなる事案であると判明することもあると考えられるので、その場合には、直ちに消費者庁において、引き取るか、あるいは共同でやるか、引き続き、調査の体制を検討し、実施していくことも考えられるというふうに思っております。

 今後、都道府県の意見を聞きながら体制整備を進めていきたいと考えております。

村上(史)委員 まだまだ、今、検討課題、検討中だという部分についてお話がございましたけれども、やはり消費者と直接かかわっていくのが自治体行政でございますので、そことの連携はやはり十分に図っていく必要があるというふうに思っております。

 あわせて、行政側だけではなくて、例えば事業者団体あるいはまた消費者団体との連携というものも大変重要だと思います。そういう面で、情報の交換も含めて、消費者庁の方から積極的にそういういわゆる民間の団体に支援をしていくということも大変重要ではないかなと思うんですが、その辺の御見解をお伺いしたいと思います。

越智大臣政務官 事業者団体や消費者団体との協力関係という御質問だったというふうに思います。

 消費者庁としましては、これまでも、景品表示法の普及啓発のために、事業者団体や消費者団体などからの講師の派遣要請等がございまして、それには積極的に対応してきているということでございまして、今後もこういった取り組みは引き続き行ってまいりたいというふうに考えております。

 また、景品表示法におきましては、事業者または事業者団体が表示等に係る自主ルールを策定することができる公正競争規約という仕組みが設けられておりまして、ここでは、より厳しいルールを事業者団体等が策定するということでございまして、こういったものも活用をしていっていただきたいというふうに考えております。

 消費者庁としては、このような自主ルールの策定を目指す業界に対して、その取り組みを積極的に支援していくほか、公正競争規約が幅広く活用されるよう同制度の普及啓発にも積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えております。

村上(史)委員 ありがとうございました。

 それでは次に、制度導入後の課題について何点かお尋ねをしたいと思います。

 今回の不当表示の禁止では、課徴金の対象として、優良誤認表示、有利誤認表示の二つに絞られております。

 この優良誤認表示では、先般、私、一般質問でお聞きをいたしました、食品の新たな機能性表示制度と密接に関連をしていると思っております。政府では、この機能性表示制度を成長戦略の一つの柱として位置づけておられます。その市場規模は一兆二千億円とも言われておりますけれども、それだけ大きな市場になりますので、もしそういう事例が起こった場合、被害額も相当な額に及ぶのではないかと危惧をいたしております。

 この機能性表示制度は、来年に向けて今準備が進められておりますけれども、その中で、ガイドラインもまだできていないんですけれども、この優良誤認表示を回避するために、事前にそういう問題が起こらないようにするために例示が必要かと思います。既に、景品表示法でいろいろな事例が出ておりますけれども、それは過去に起こったことを例示として挙げておりますが、今後起こり得る可能性のあることも想定をしてガイドラインにきっちりと明示をしていく必要があるのではないか、そのように思いますけれども、その点、いかがでしょうか。

赤澤副大臣 委員の御指摘は大変重く受けとめるものでございます。

 景品表示法は、特定の用語、文言等の使用を一律に義務づけたり、表示における表現を縛ることを目的とする法律ではなく、一般消費者に実際よりも著しく優良または有利であると誤認される表示を規制する法律でございます。

 そのガイドラインの作成に当たっては、景品表示法の基本的な考え方や、これまでの過去の執行事例をもとに、各種ガイドラインを作成、公表してきております。

 今後、新たなガイドラインを作成したり、既存のガイドラインを改定する際には、御指摘の点も含めて、事業者等にわかりやすくなるよう工夫をしながら対応してまいりたいと考えております。

 一つ例を御紹介すれば、二〇一四年三月二十八日に出したガイドラインの一つでありますメニュー、料理などの食品表示に係る景品表示法上の考え方というのがあります。その中では、先生御指摘のとおり、過去の違反事例を引いて、これはまずいよと言っているものもあれば、これは明らかに事前に想定できるようなものも少し取り入れてガイドラインをつくっているところでございます。

 ただ、先生が御指摘になったとおり、その方面で十分にガイドラインの検討が済ませられているかというと、これは評価のある部分でありますから、しっかり先生の御指摘を受けとめて、これからもきちっとガイドラインの作成に取り組んでまいりたいというふうに考えております。

村上(史)委員 ぜひ、こういうことが起こらないのが一番いいことですので、課徴金制度が導入されたから、それがしょっちゅう執行されるということは望むべきものではないということは当然のことだと思いますので、未然に防ぎ得るものは防いでいくという姿勢も必要ではないかな、そのように思って質問をさせていただきました。

 それでは、最後の質問になりますが、消費者行政というのは、一見、国内のさまざまな問題の対応ということで、ほとんどがそういう行政全般に言えると思うんですけれども、ただ、今後は、今もそうですけれども、グローバルな社会、世界になってきているということで、我々が想定しないようなことが次々と起こってくる可能性もございます。

 特にIT関連でいいますと、もう一瞬に、世界から、どこの地域かもわからないいろいろな情報が、あるいは、いろいろな情報といいますか、ゲームも含めまして、いろいろな形で一斉に送ってくる、また、出どころがわからないというのが現実だと思います。そういう面で、幾ら国内法で縛っても、海外から展開をすることによって、それを防ぐことができなくなるのではないかなという危惧がございます。

 一つの例を申し上げますと、年配の方はよく御存じかと思いますけれども、我々の小さいころにカード合わせというのがありまして、お菓子を買ったら、その中にカードが入っている。そこで、野球選手の長嶋や王というカードを十枚集めたらまた景品をもらえるというようなものがありました。ただ、これは子供たちの射幸を強くしてしまうということでもう既に禁止をされているんですけれども、今ゲームの世界でも同じように、カード合わせというゲームがあるそうでございます。これも同じように、カードとカードを集めれば賞品がもらえるというような内容でございます。

 そういうことを考えますと、今回、IT関係については課徴金制度の対象にはなっていないと思うんです。そういう面で、今後どういう業者があらわれてくるかわかりませんけれども、国内ではだめだから、海外に拠点を移して、サーバーを移して、そしてそこからいろいろなものを、情報を発信していく、また、いろいろな商品等を広告そして販売をしていくということも十分考えられます。

 そういう面で、今回は国内向けの法整備だというふうに受けとめておりますけれども、今後の課題として、これは十分念頭に置いて消費者行政というものも考えていかなければならないのではないかなと思いますけれども、その点、どのようにお考えかお尋ねをして、終わりたいと思います。

赤澤副大臣 経済のグローバル化や情報通信技術の高度化に伴い、国境を越えた電子商取引や広告表示が容易になるとともに、海外事業者との消費者トラブルも増加をしております。委員の御指摘は大変重要な点だと思います。

 このような国境を越えた取引における消費者トラブルに効果的に対応するために、海外機関との連携が重要な役割を果たすというふうに認識をしております。消費者庁では、平成二十三年十一月に消費者庁越境消費者センターを開設しておりまして、海外機関の協力も得つつ、海外事業者とトラブルに遭った消費者からの相談に対応できる体制を整備してございます。

 消費者庁としては、今後とも、海外機関とのさらなる連携強化拡大に努め、国境を越えた取引における消費者トラブルへの対策に取り組んでまいりたいと考えております。

 参考までに、先生の御指摘は本当にポイントをついているということで紹介をしますと、平成二十四年度には相談件数が二千四百九十件であったものが、平成二十五年度には四千五百八件にふえているということで、大変大きな問題点だろうというふうに考えております。しっかり対応してまいります。

村上(史)委員 時間が参りましたので、終わります。ありがとうございました。

鴨下委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

鴨下委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。

 内閣提出、不当景品類及び不当表示防止法の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

鴨下委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

鴨下委員長 この際、ただいま議決いたしました本案に対し、とかしきなおみ君外七名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、維新の党、公明党、次世代の党、みんなの党、日本共産党及び生活の党の八派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。中根康浩君。

中根(康)委員 民主党の中根康浩でございます。

 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。

 その趣旨は案文に尽きておりますので、案文を朗読させていただきます。

    不当景品類及び不当表示防止法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)

  政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。

 一 不当表示の抑止に係る実効性の観点から、本法の施行状況について不断の評価を行い、課徴金額の算定率や規模基準の設定等について、必要な見直しを行うこと。

 二 自主申告による課徴金額の減額措置については、悪質な事業者に利用されることのないよう、申告が適正なものであるか否かについて厳正な判断を行うこと。

 三 返金措置による課徴金額の減額措置については、返金の合計額が課徴金額を上回る等の場合には課徴金の納付を命じないこととなることに鑑み、その運用を公平公正なものとすること。

 四 課徴金制度の運用に必要となる人員の適正な配置を行い、十分な予算を確保するとともに、都道府県とも密接な連携をとりながら進めていくこと。

 五 広告・表示の適正化に向けた事業者団体や消費者団体等による自主的な取組を促進するため、情報の提供をはじめ、財政的支援その他の必要な支援を行うこと。

 六 不当表示等の解釈については、事業活動を過度に萎縮させることがないよう、国際的な動向を踏まえ、その基準の明確化と周知徹底を図るとともに、問合せ窓口の設置などの相談体制を充実させること。

以上でございます。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

 以上です。

鴨下委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

鴨下委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。

 この際、ただいまの附帯決議につきまして、政府から発言を求められておりますので、これを許します。有村国務大臣。

有村国務大臣 ただいま御決議をいただきました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重してまいりたいと存じます。

    ―――――――――――――

鴨下委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鴨下委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

鴨下委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後三時八分散会


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