衆議院

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第3号 平成23年5月24日(火曜日)

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平成二十三年五月二十四日(火曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 黄川田 徹君

   理事 後藤 祐一君 理事 橋本 清仁君

   理事 藤村  修君 理事 三日月大造君

   理事 山口  壯君 理事 谷  公一君

   理事 額賀福志郎君 理事 石田 祝稔君

      井戸まさえ君    石津 政雄君

      石原洋三郎君    石山 敬貴君

      打越あかし君    緒方林太郎君

      太田 和美君    梶原 康弘君

      川口  博君   菊池長右ェ門君

      熊田 篤嗣君    郡  和子君

      近藤 和也君    近藤 洋介君

      斉藤  進君   斎藤やすのり君

      阪口 直人君    階   猛君

      平  智之君    高井 崇志君

      高井 美穂君    富岡 芳忠君

      中野渡詔子君    長尾  敬君

      畑  浩治君    向山 好一君

      村越 祐民君    森本 和義君

      谷田川 元君    山尾志桜里君

      若井 康彦君    鷲尾英一郎君

      秋葉 賢也君    井上 信治君

      小里 泰弘君    小野寺五典君

      加藤 勝信君    梶山 弘志君

      長島 忠美君    吉野 正芳君

      斉藤 鉄夫君    遠山 清彦君

      穀田 恵二君    高橋千鶴子君

      吉泉 秀男君    柿澤 未途君

      下地 幹郎君    園田 博之君

    …………………………………

   議員           石破  茂君

   議員           加藤 勝信君

   議員           石田 真敏君

   議員           齋藤  健君

   議員           橘 慶一郎君

   総務大臣

   国務大臣

   (地域主権推進担当)   片山 善博君

   財務大臣         野田 佳彦君

   文部科学大臣       高木 義明君

   厚生労働大臣       細川 律夫君

   農林水産大臣       鹿野 道彦君

   経済産業大臣       海江田万里君

   国土交通大臣       大畠 章宏君

   環境大臣

   国務大臣

   (防災担当)       松本  龍君

   国務大臣

   (内閣官房長官)     枝野 幸男君

   国務大臣

   (金融担当)       自見庄三郎君

   政府参考人

   (文部科学省科学技術・学術政策局長)       合田 隆史君

   政府参考人

   (文部科学省スポーツ・青少年局長)        布村 幸彦君

   参考人

   (原子力安全委員会委員長)            班目 春樹君

   衆議院調査局東日本大震災復興特別調査室長     関根 正博君

    ―――――――――――――

委員の異動

五月二十四日

 辞任         補欠選任

  石津 政雄君     森本 和義君

  打越あかし君     近藤 和也君

  郡  和子君     平  智之君

  近藤 洋介君     井戸まさえ君

  斉藤  進君     向山 好一君

  高井 美穂君     熊田 篤嗣君

  長尾  敬君     阪口 直人君

  斉藤 鉄夫君     遠山 清彦君

  高橋千鶴子君     穀田 恵二君

同日

 辞任         補欠選任

  井戸まさえ君     近藤 洋介君

  熊田 篤嗣君     高井 美穂君

  近藤 和也君     打越あかし君

  阪口 直人君     長尾  敬君

  平  智之君     高井 崇志君

  向山 好一君     緒方林太郎君

  森本 和義君     石津 政雄君

  遠山 清彦君     斉藤 鉄夫君

  穀田 恵二君     高橋千鶴子君

同日

 辞任         補欠選任

  緒方林太郎君     山尾志桜里君

  高井 崇志君     郡  和子君

同日

 辞任         補欠選任

  山尾志桜里君     斉藤  進君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 東日本大震災復興の基本方針及び組織に関する法律案(内閣提出第七〇号)

 地方自治法第百五十六条第四項の規定に基づき、現地対策本部の設置に関し承認を求めるの件(内閣提出、承認第五号)

 内閣法及び内閣府設置法の一部を改正する法律案(内閣提出第七一号)

 東日本大震災復興再生基本法案(石破茂君外四名提出、衆法第八号)


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     ――――◇―――――

黄川田委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、東日本大震災復興の基本方針及び組織に関する法律案、地方自治法第百五十六条第四項の規定に基づき、現地対策本部の設置に関し承認を求めるの件及び内閣法及び内閣府設置法の一部を改正する法律案並びに石破茂君外四名提出、東日本大震災復興再生基本法案の各案件を議題といたします。

 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。

 各案件審査のため、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その日時、人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

黄川田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 引き続き、お諮りいたします。

 各案件審査のため、本日、参考人として原子力安全委員会委員長班目春樹君の出席を求め、意見を聴取し、また、政府参考人として文部科学省科学技術・学術政策局長合田隆史君及び文部科学省スポーツ・青少年局長布村幸彦君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

黄川田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

黄川田委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。斎藤やすのり君。

斎藤(や)委員 被災地宮城県選出の衆議院議員、斎藤やすのりでございます。

 きょうは、復興の障壁になっております二つのことについて質問をさせていただきます。

 まず一つ目は、瓦れきです。

 瓦れき処理がなかなか進みません。ちょっと一枚目の皆さんにお配りしている写真を見ていただきたいんですけれども、この写真は石巻市の牡鹿半島の荻浜というところの写真でございます。

 皆さん、これは震災が起きてすぐの写真ではございません。今から二週間前、つまり震災二カ月後の様子です。海が見えていないんですけれども、水平線の方には三そうの船が浮かんでおりました。これは当然、漁をやっているわけではなくて、船がそのまま漂流してまだ浮かんでいる、そういう状況です。

 左上の数字は何の数字か。石巻市四%、東松島市七%、これは五月十二日の段階で環境省が調べた瓦れき処理の状況です。

 量が多過ぎるという根本的な問題はあるとは思うんですけれども、それ以外に考えられるこれだけ進んでいない原因、構造的な理由というのがもしあれば教えていただきたいと思います。よろしくお願いします。

松本(龍)国務大臣 被災された県で一生懸命努力をされていることにまず敬意を表したいと思います。

 今、各市町村においては瓦れきの仮置き場への搬入が進められております。福島県、岩手県、宮城県三県で、三十七市町村において約二百三十カ所の仮置き場に搬入をされて、三百七十五万トンの瓦れきが今、仮置き場に置かれております。

 なぜということでいいますと、やはり被災状況が各市町村で違うということがあります。いまだに石巻あるいは南三陸等ではさまざまな行方不明者がおられますし、身元不明の御遺体も今二千体ほどあって、警察庁によってDNA鑑定が急がれている等々あります。

 そういう意味では、そういう被災の状況の大きさからこれだけ地方の皆さんも御苦労なすっているというふうに思っておりますけれども、慎重に行わなければならない、大型の重機でがががっとやることができないということもあって、しかし、そうはいいながら、やはり住民の皆さんが瓦れきがなくなることによって希望が見えてくるということもあって、各市町村と連絡をとり合って、また県とも連絡をとり合って、これからも鋭意努力をしていきたいというふうに思っております。

斎藤(や)委員 大臣、ありがとうございました。今、瓦れき処理をすると希望が見えてくるというふうにおっしゃっておりましたけれども、まさにそのとおりなんですね。

 私も、ヘドロのかき出しをやって、その後、その御家庭の方に、ああ、これですっきりした、何かやっとこれで生活がリスタートできる、瓦れきを捨ててくれたりヘドロを出すとやはり気分が変わるねということを言っておりました。片づけが終わって初めて私はスタートだというふうに思います。

 話を戻しますと、今、瓦れき処理は市町村で中心に処理していると思うんですけれども、これは市町村で処理できなければ市町村の枠を超えて、県の枠を超えて、広域で処理を進めなければ私は進まないというふうに思っております。

 そういう意味では、これは地域主権という言葉があるんですけれども、私は復旧というのはスピードが命だと思っておりますので、今回の震災の復旧に限っては、瓦れき処理は国が積極的にコミットして、地域別に目標値それからスケジュールを決めて、それぐらいしてもいいと思っています。これからの瓦れき処理における国の役割、財政措置のスキームを、ぜひ大臣、教えていただければ幸いです。

松本(龍)国務大臣 財政措置のスキームは、三月の二十五日ぐらいから、野田財務大臣、片山総務大臣と話をしながら、全額国庫でいこうということで、正式には二十九日にそれを発しております。

 今御指摘のとおり、スケジュール感が要るということでありますけれども、とにかく住家の周りの瓦れきは八月の末までに片づけていただきたいということで、市町村と連携をとり合っております。また、そこに至っては、環境省の職員を初めいろいろな職員を配置いたしまして、これからも国交省を含めて関係省庁もお手伝いをさせていただきたいと思いますし、今、各政令市からもいろいろな応援部隊がやってきております。京都とか名古屋から来ておられます。

 今、仙台市が三十何%と書いてありましたけれども、やはり近隣の方々も努力をしていただきたい。仙台市も、ほかの市町村をある意味では助けていただきたいなというふうに思いますし、青森や秋田とかそういった、いわゆる産廃業者もおられますから、そこのところの入札等も含めて地域でやっていただきたい。省としては、また国としても、いろいろなお手伝いは人材、機材あるいは焼却場等々も含めて努力をいたしますけれども、マッチングはやはり町でやっていただきたいというふうに思っておるところであります。

斎藤(や)委員 オール行政、オール・ジャパンで行っていくということでございました。本当に力強いお答えだったと思うんですけれども、一つ心配なのが仮置き場の問題なんです。

 実は、宮城県で採石場を持っている地主さん、それから岩手県ではゴルフ場を持っている方が、無償でいいから、早く復旧を進めるためにどうぞ使ってくださいと言ってきております。週末、ある廃棄物の処理業者の社長と話したときには、今、宮城県は特に公用地にこだわっているんですけれども、このまま公用地にこだわると置き場がすぐいっぱいになっちゃうよ、そうしたら瓦れきはそのままになっちゃって、夏、気温が高くなって、ガスが発生して自然発火したり、ツツガムシ病、これはダニの一種ですけれども、これに刺されて感染症が起きちゃうよ、だから一刻も早く民有地を積極的に仮置き場に使うということをやった方がいいんじゃないかということを言っておりました。

 この件について、大臣、見解はどうでしょうか。

松本(龍)国務大臣 この災害の瓦れきの膨大な量を見ますと、私は、一週間後に、三月の二十日前に環境省に言いまして、全国の瓦れきの処理場、あるいは埋め立てるところを探せということで、そのリストアップをしてまいりました。今、全国でもかなり多くの瓦れきの処理ができるところを用意しております。

 同時に、公有地も当然のことながら探して提供しておりますし、ゴルフ場の件も、実は宮古にこの間行きましたら、隣に宮古カントリークラブがありましたので、市長に、あそこはどうなんだ、いや、こっそりゴルフしている人がいますとかいうふうな話でしたから、そこは使えませんでしたけれども、使っていないゴルフ場等々も含めて、今いろいろなところを探しております。民有地も当然のことながらやっておりますし、借り上げるためにも、私ども、国庫を使っていいよという話でやっております。

 この間も、農地に瓦れきを置いたという話が先々週ぐらいにありました。まさにつらい農民の方がおられるわけですけれども、いろいろなことでスピードアップを図っていただきたい。そして、一日も早く瓦れきの処理を行うために、それぞれ、市町村、県、あるいは協議会、そして国も、いろいろな手だてで頑張っていきたいと思います。

斎藤(や)委員 ありがとうございました。

 見ていると、やはりちょっとスキームとか段取りを、自治体によってはそれにこだわってしまう余りにスピードが遅くなっている部分というのがありますので、積極的に国として行政に、こうやった方がいい、こうやった方がもっとスピードが進むよということをコミットしていただければ幸いでございます。

 大臣、ありがとうございました。お忙しいと思いますので、どうぞ。

 さて、二つ目の復興の障壁なんですけれども、こちらの方は、見える瓦れきと違って、見えない不安です。放射能の不安です。

 見えないものを見える化してくれるのが機械だと思うんですが、きょうは線量計を私持ってきました。今、この委員室の線量は〇・〇五四ですから、これは全然問題ない数字でございます。こうやってデータを見られれば安心できるんです。ところが、この放射能のデータは線量計がないと国民は見られません。

 今月、宮城県大崎市の放牧場で、五月十一日にとった牧草から、最大で基準値の五倍超の放射性物質が検出されました。大崎市の方は、このニュースを見て非常に不安を感じています。あ、私たちの空気は汚染されていたんだと。実は、大崎市ではこれまで空気中の放射能ははかっていないんです。

 今、福島県だけではなくて、隣の私の住む宮城県でも、子供を持つ親の多くが、外で長い時間遊ばせても大丈夫か、プールに入っても害はないのか、給食の牛乳やおかずは検査をきちんとしているのか、非常に心配されております。これも実は放射能に関する情報が少ないからなんです。

 私は、福島原発に近い宮城県、関東地方のすべての学校、幼稚園、保育園に空間線量をはかる線量計を支給して、子供たちや親の不安を取り除くべきだと考えております。ぜひ線量計を宮城県や関東地方の学校に支給していただけないでしょうか。文部科学省の見解をお願いいたします。

布村政府参考人 お答えいたします。

 児童生徒の受ける線量が実際に継続的に低く抑えられているかどうかを確認するため、現在、福島県内の学校五十五校・園に対しまして四月二十六日に積算線量計を配付し、教職員に携帯していただき、実際の被曝状況を確認しているところでございます。

 さらに、五十五校以外の福島県内の学校等につきまして、福島県からの提案を踏まえまして、現在、文部科学省において配付先や集計方法等について検討を行っているところでございます。できるだけ早く配付につなげていきたいと考えております。

 先生お尋ねの件についてでございますが、現在、文部科学省におきましては、関係機関が協力して行う全国各地の環境モニタリングの測定データの取りまとめを行っており、ホームページで定期的に公表しているところでございますが、これまでのモニタリングの調査結果から、近隣県におきましては線量は低く抑えられていることが示されております。

 現時点では福島県以外の学校に積算線量計を配付することまでは考えてございませんけれども、近隣県の各学校や教育委員会等におきましては、これらのデータを活用していただき、必要に応じまして適切な対応につなげていただければというふうに考えております。

斎藤(や)委員 それだと、やはり親御さんの不安は解消されないと思います。

 今まさに事故は進行中です。何が起きるかわからないんですよ。何か爆発が起きたときに、自分で自分の身を守るために、やはり常に自分の周りの線量は幾つかというのを見ておきたい。その親の気持ちを、文部科学省さん、ぜひキャッチして、予算もそれから制度設計もしていただきたいというふうに思います。

 この線量計なんですけれども、私の事務所のスタッフが、東京から千葉にかけて、きのう線量をはかりました。文部科学省の発表しているデータだと東京は大体〇・〇六マイクロシーベルトなんですけれども、二枚目のシート、A地点というのがあります、〇・一二、これは実は首相官邸、総理官邸の前のデータです。文科省の二倍あります。B地点というのは葛飾区の金町駅です。そしてC地点というのは〇・三五マイクロシーベルト、これは千葉県の柏駅の近くです。どうも東京と千葉県の境にやや線量が高いスポットがあるようなんですけれども、この高いスポットがあるということは、これは推測なんですが、実は政府は把握されていると私は思います。

 SPEEDIの拡大版、WSPEEDIの図で、実はこの高いエリアというのがある程度出ているんですね。三枚目なんですけれども、これは沃素131の沈着量です。日本付近、これはかなり広範囲でフォローできているのがわかると思います。SPEEDI同様、風の予測データを入れれば放射性物質の動きを予測できるものが、実は広範囲でもあるんです。SPEEDIは狭い範囲ですけれども、WSPEEDIは広範囲です。

 SPEEDIもWSPEEDIも、過去の計算結果のみの公表なんですけれども、未来の予測をぜひ発表してほしい。これをテレビの天気予報などで、放射能予報として発表することはできないのか。私も気象予報士なんですけれども、ぜひ、そのあたりの見解をお願いいたします。

合田政府参考人 お答えを申し上げます。

 御指摘のように、SPEEDI、そしてWSPEEDIと申しますものは、ある一定の放射性物質が放出されました場合に、それが空間にどのように拡散をしていくかということを予測するシステムでございます。

 これにつきましては、現在、原子力安全委員会において運用をされるということになっておりますけれども、私どもといたしましても、そういったようなことも含めまして、モニタリングの強化計画というのを政府で、原子力災害対策本部の方で取りまとめていただいておりますけれども、それに沿って私どもも対応をしてまいりたいというふうに考えてございます。

斎藤(や)委員 ちょっとよくわからなかったんですけれども。

 私が東海村に行って、JAEAに行って、WSPEEDIについて聞いたら、このデータはもう現段階で公開できる代物ですよということを言っていました。今、放射能観測をいろいろなところでやっていますから、逆推定できれば、予測図を出しても十分な精度を持っているということを言っておりましたので、ぜひSPEEDIの予測図、WSPEEDIの予測図の公開をよろしくお願いいたします。

 さて、ちょっと時間がないんですけれども、きのうこの委員会でも生活再建ハンドブックが配られましたけれども、この中で「リアルタイムで放射線測定をするシステムを順次導入します。」ということが二十一ページに書いてあったんですけれども、これはどんなシステムで、どこで展開しようと考えているのか、高木大臣、よろしくお願いします。

高木国務大臣 斎藤委員にお答えをいたします。

 委員の言葉をかりますと、放射能の見える化、こういうことでございましょう。全くそのとおりだと思っております。我々は、できるだけ、モニタリングをしながら、正しい計測値を速やかに公表していく、それで安心の確保に努めてまいりたいと思っております。

 最たるものは、一日も早く原子力発電所の収束、これに全精力をつぎ込むべきだと思っております。

 その上で、先日御審議いただきました第一次補正予算の中で、福島県における網羅的な空間放射線量の調査を行う目的で、これまたリアルタイムで線量測定システムの導入に必要な経費を計上させていただきました。

 このシステムについては、多数の端末を置いて、学校だけではありませんが、学校を中心として設置をし、今のところ、現時点において比較的線量の高い福島県全域の空間線量を網羅的に把握するというシステム、これはインターネット等を通じて国民に情報提供を行う、こういうことになっております。

 端末の具体的な設置場所については、今後福島県などとも十分連携をとって決めていきますが、できるだけ早く、速やかにこのシステムの構築をしてまいりたいと思っております。

 委員言われておりますように、私たちは、持てる政府の全知見を投入して、できるだけ当面の不安解消のために取り組んでまいりたいと思っております。

斎藤(や)委員 放射能の不安というのは、福島県の親御さんだけではなくて、関東地方も東北地方の親御さんも感じられております。ぜひ広範囲での不安の解消というのをお願いします。

 この不安の解消がないと、東北地方に住んでもこの後幸せになれないというふうに思って、皆さんどんどんどんどん逃げていって、東北が空洞化してしまいます。ですから、このまま東北にいても安心できますよ、幸せに生活できますよというふうにメッセージを出す、政策を投げるのが私たちの仕事だというふうに思います。

 きょうはありがとうございました。

黄川田委員長 次に、石原洋三郎君。

石原(洋)委員 改めまして、被災者の皆様方に心からお見舞いを申し上げます。民主党・無所属クラブの石原洋三郎でございます。

 本日は、質問の機会をいただき、まことにありがとうございます。また、震災が発生してから二カ月以上にわたり多大なる御支援を下さっている全国の皆様方に心から御礼を申し上げます。

 南相馬市につきまして警戒区域が設定されたわけでございますが、この警戒区域の設定に当たりまして、それまで稼働していた工場がストップせざるを得ないという事態が発生をいたしております。

 警戒区域の設定前は、その工場の南側にある川が二十キロメートル地点であるということで境界となり、工場自体は圏外であったわけでありますが、しかし、警戒区域の設定後、四月二十日以降は、境界線が北上し、急遽、会社が警戒区域内に設定されてしまいました。

 今回の原子力災害につきまして、首相の指示に基づいて市町村長が警戒区域を設定すると定められておりますが、何かしらのそごが生じてしまったものと考えます。改めて調整をお願いしたいと考えますが、お伺いいたします。

枝野国務大臣 警戒区域に当たられている地域の皆さんには本当に御不便をおかけして、大変申しわけなく思っているところでございます。

 ただ、原子力発電所の状況がまだ安定をしていないということでございますので、万が一悪化した状況に備えて、警戒区域の設定をいたしたところでございます。

 御指摘の件については、法に基づく警戒区域の設定の時点で、それまで字単位等で線を引いていたものを正確に二十キロとしたところ、それまで避難区域でなかったところが正確には二十キロの内側であるということが判明をしたというような事情があったというふうに報告を受けております。

 ただ、さまざまな社会的要因等を考えると、地元からも強い御要望がございまして、柔軟な対応ができないだろうかということで検討をいたさせているところでございます。これは安全とかかわることでございますので、社会的必要性だけでは軽々には判断できないところでございますが、安全性の観点をしっかりと踏まえた上で、何とか柔軟な対応ができないだろうかという方向性で努力、検討しているところでございまして、御不便を大変おかけしておりますので、できるだけ早くという御要望もあることも承知をしておりますが、もうちょっとだけお時間をいただければというふうに思っております。

石原(洋)委員 地元の方といたしましては、もともと二十キロメートル圏外にあったという認識も強くあるところでございますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。

 また、国の方におきましては、年間二十ミリシーベルトを超える地域を計画的避難区域と設定いたしました。飯舘村と川俣町の一部が今回対象となったわけでありますが、しかし、それ以外にも、地点地点によりましては二十ミリシーベルトを超える地域が実際にございます。伊達市石田宝司沢地区であったり、南相馬市の山側の地域、鹿島区橲原などであります。

 モニタリングの強化であったり、地域住民に対する説明、長期的な健康管理などが必要と考えます。場合によっては仮設住宅を提供したり、何よりも地域住民と十分に話し合って対策を練っていくことが大切かと思いますが、計画的避難区域に設定されていない二十ミリシーベルトを超える地域についての対策をお伺いいたします。

海江田国務大臣 石原委員にお答えをいたします。

 本当に、石原委員にはいつも地元の要望を私どもにお届けいただきまして、ありがとうございます。感謝を申し上げます。

 その上に、四月二十二日に計画的避難区域の設定をした際には、部分的に年間二十ミリシーベルトを超えると予測された地域であっても、地域全体としてこの目安を超えない見通しがあったため、御指摘の地点を含む地域について計画的避難区域とはしなかったわけでございます。他方、計画的避難区域外につきましても環境モニタリングを強化し、積算線量の数値を注視していくつもりでございます。

 御指摘の地点の最近の空間線量率は若干下がってきております。こうしたことも勘案をして、政府としましては、当該地域の住民の方々の御心配にもこたえなければいけないということで、地元自治体と連携し、放射線の専門家とともに、モニタリング結果や放射線の健康への影響などについて、これはやはり丁寧に説明をしていく必要があろうかと思っております。

石原(洋)委員 地域住民の方々はまことに不安な心境になっておりますので、ぜひ、国の責任におきまして、よろしくお願い申し上げます。

 また、本来五ミリシーベルト等々にするべきではないかという意見もございますが、二十ミリシーベルトという基準値に関しましては、子供、乳幼児も含めて安全なのか、お伺いいたします。

班目参考人 二十ミリシーベルトという値でございますけれども、これは、国際放射線防護委員会が緊急被曝状況の参考値として定めている二十ミリシーベルトから百ミリシーベルトの下限をとったものでございます。この参考値を定めるに当たっては、小児であるとかあるいは乳幼児に対する影響ももちろん考慮したものということでございます。

 なお、ちゃんと計画的に避難していただければ二十ミリシーベルトに達することはないというふうに考えてございます。

石原(洋)委員 子供は大人よりも三倍の影響を受けやすいということで報道されているわけでありますし、仮に十ミリシーベルト等々で年間推移したとしても、例えば十五年、二十年そこに住んでいれば百五十ミリシーベルト、二百ミリシーベルトと大人になるまでの間に受けるわけになりますので、そういった不安も含めまして、あるいは、チェルノブイリの事故後にさまざまな健康障害があったということもあるわけでありますので、住民の方々の不安が払拭されるような形での対応というものをぜひお願い申し上げるところであります。

 今回、飯舘村や川俣町の一部が、計画的避難区域ということで村外への移動対象となっております。村内における事業継続を希望している企業、特老に関しまして、今回事業継続を認めていただき、まことにありがとうございました。

 この飯舘村につきましては、近隣の川俣町、福島市、二本松市、伊達市、国見町などに一次避難、二次避難をするわけでありますが、拠点がばらばらとなっており、遠方においては、小学生、幼稚園児などが九十分をかけてバスで通学せざるを得ないという状況となります。これでは、今後、コミュニティーの維持を図っていくことが大変でありますし、また、避難後のだれもいなくなってしまった飯舘村の防犯を強化することも大変です。そのため、近隣の川俣町に拠点を構え、通学しやすいようにしたい、防犯パトロールをしやすいようにしたいという飯舘村の方々の希望がございます。

 仮設住宅の建設地点などにつきましては、川俣町や飯舘村と十分協議をすることが大切だと思いますし、その要望に最大限沿うようにするということが大切かと思いますが、その点についての所見、国の支援策についてお伺いをいたします。

大畠国務大臣 お答えを申し上げます。

 ただいまの御指摘でございますが、基本的に仮設住宅等の建設については地元の状況というものを十分に踏まえて行うべきじゃないかという御指摘でございます。私どももそのように考えておりますが、応急仮設住宅の建設地というのは、基本的に自治体のところで大体当たりまして、そして県がそれを発注する、こういう仕組みになっております。現在、各県とも努力をしておられますが、土地の確保には非常に苦慮しているというのが実態でございます。

 したがいまして、平たん地、それから電気、上水道などのライフラインが整備されていること、こういうことが大変大事な視点でありますが、今御指摘のように、私も飯舘村の村長さんの話を伺ったりしております。工業団地等を活用して大規模な仮設住宅をつくったらどうか、こういう御指摘もいただいております。そうすると集団で仮設住宅に入れる、こういうことでございますが、最終的には県がそれをどう考えて行うか、こういうことになっております。私が伺っておりますのは、川俣町内の工業団地予定地について大規模な造成を行うべきじゃないか、こういうことでありますが、四カ月以上かかる、こういうことで、県の方としてもどうするかといろいろ検討中と伺っております。

 いずれにしても、地元の方々の御意見を十分に伺いながら、県と連携をして対処していきたいと考えているところであります。

石原(洋)委員 今回、川俣町、飯舘村の方々にとりましては、やはり被災者ということになるわけでございますので、本来であれば飯舘村に住むことが一番望ましいわけでありますが、それもかなわず避難するということでありますので、緊急時とは違い計画的避難ということでありますので、ぜひ村の計画が最大限尊重されるように、何とぞ御配慮のほどお願い申し上げます。

 また、牧草の問題が大きく酪農、畜産家を現在困惑させております。三百ベクレルという基準値でありますが、これを上回っている数値が検出されております。今回、自前の一番草がとれないということで、酪農家は牛のえさの確保に困窮し、ふだんであれば購入しなくてよいものを購入せざるを得ず、調達に多額の費用がかかり、経営が圧迫されているところでございます。

 原子力災害以降、原乳の出荷制限があり、原乳の廃棄処分、収入の途絶など、さまざまな面で経営は圧迫され、さらに今回の牧草制限で、えさの入手は困難をきわめているところでございます。大体、牛三十頭で乾草を年間百トンくらい消費すると言われておりますが、政府の多大なる支援策、膨大なえさの確保をお願いしたいわけでありますが、その支援策についてお伺いをいたします。

鹿野国務大臣 現在、福島県など八県におきまして、全地域あるいは一部で牧草の利用自粛が継続しておるわけでありますけれども、今お話しのとおりに、酪農家の方々が、かわる飼料というふうなものを大変必要としておる、こういう状況であります。

 そういう中で、農林水産省といたしましては、まず一つは、緊急的な考え方といたしまして、各都道府県に対しまして、粗飼料の供給の協力を要請しております。というのは、御承知のとおりに、生産者が保管しておるというようなこともございますので、それをぜひ供給していただく、そういうふうに協力要請しておるところです。

 それからもう一つは、まとまった量の粗飼料を確保するために、輸入団体に対しまして、農家の方々のニーズを踏まえたいわゆる輸入粗飼料の確保というふうなものを要請いたしております。これで当面対処してまいりたいと思っております。

 当然のことながら、このような困難な状況になっておる方々、これは原子力発電事故に伴うものでございますので、原子力損害賠償審査会に対しましても、今回の牧草の利用自粛の状況について説明を行っておるところでございまして、第二次指針に盛り込まれるようにこれからも強く働きかけをしてまいりたいと思っております。

石原(洋)委員 酪農家、畜産家の方々にとりましては、昨年とったえさ、乾草がことしの五月末ぐらいにはなくなってしまうという話がございまして、六月からどうしたらいいのかと悩んでいるところでございますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。

 福島市のあさひ台団地におきましては、造成後四十年以上経過いたしましたが、今回の地震で、地すべりが起き、住宅団地の一部が崩壊をいたしました。また、あさひ台団地のみならず、仙台市などほかの地域におきましても、数十年前に造成を行った団地において崩壊が起き、開発業者の責任でもない、市町村の責任でもないということで、困惑している住民が多数いると伺っております。

 今回、津波の被害に遭われた地域におきましては集団移転が取りざたされておりますが、やはり地震によって地すべり被害を受けた箇所は、津波に比べれば大規模ではないにしろ、多数箇所にわたり、各自治体に広がっております。

 防災集団移転促進事業、基本的には十戸以上からとなっておりますが、点在している地すべり被害に遭われた方を救済しやすいように、各市町村単位で取りまとめしやすくしていく、また十戸以上という制限も大幅に緩和するべきと思いますが、さまざまな、何かしらの住宅団地崩壊に対する支援策についてお伺いをいたします。

大畠国務大臣 あさひ台団地の土砂崩れによる家屋倒壊等に関して御質問を賜りました。

 御指摘の防災集団移転促進事業というものは、今お話がありましたように、災害が発生した地域等において、住民の生命、身体及び財産を保護するための住居の集団的移転を促進する事業でございまして、市町村等が実施する移転元の土地の買い上げや移転先の住宅団地の造成等を国が支援する制度でございます。

 私も、このあさひ台団地について、調査を事務方にしていただきました。写真等も報告書の中についておりましたが、大変大規模な状況でございまして、これをどうするのか、こういうことで、御指摘のように、この事業をこの地域に適用して復旧復興を進めていくというのも一つの選択肢だと考えております。

 今御指摘のように、その制度が使い勝手が悪いのではないか、こういうことの御指摘もいただきましたが、使い勝手のよい制度とする観点からも、今後の被災地の復興を進めるに当たっては、被災地の実態に即した形で、多様な、そして柔軟な手法で進めることが可能となるように現在検討をしているところでございます。

石原(洋)委員 ぜひよろしくお願いいたします。

 現地災害対策本部のあり方についてお伺いいたします。

 伊勢湾台風の際でありますが、現地災害対策本部は、本部長が当時の副総理大臣、本部長代理が自治庁長官兼国家公安委員長、副本部長が各省の事務次官、本部員が、各省庁の局長、出先機関長、中部三県の副知事、部長、中部電力、住宅公団の幹部らが任命されました。強力なトップが現地に赴き、地元自治体や電力、住宅公団と一体的な本部を立ち上げることで、地元の課題をスピーディーに解決していったわけであります。

 今回の法案につきましては、でき得る限り、トップの方々が現場の空気を肌で感じ、被災地自治体の要望を的確に吸い上げ、学識経験者の意見を参考にしながら復興を推進していくということが大切だと思います。

 震災直後から私が現場を歩いてよく言われたのは、永田町、霞が関が遠い存在である、現場にどんどん来ていただきたいと言われました。また、地元自治体が政府の指示に戸惑う、そのような場面も多々あったわけでございます。

 伊勢湾台風、阪神大震災以上の今回の震災であります。今回の震災につきましては、強力な主導権を握るトップが現地に赴き、地元自治体と一体となった現地災害対策本部を設けるべきであると考えますが、お伺いをいたします。

枝野国務大臣 御指摘の視点、大変重要なことだと思っております。

 私も、現地に伺わせていただきますと、やはり東京で見ている事情との違いというものを感じております。そうした意味では、これからの復興に向けて、現地対策本部が強力に主導権を持って物事を進められるような体制をつくっていくことが必要かと思っております。

 本来であれば、担当大臣が現地対策本部にどんと座ってということが理想かもしれませんが、これは国会や閣議との関係でなかなか難しいかもしれません。そのかわり、副大臣、政務官等を本部長に、また、事務方の方もそれなりのレンジの重たい方などに責任者になっていただく等を前提に、そこから先は副大臣等の人事ですので越権かもしれませんが、そうした現地対策本部長もそれなりに政治力のある顔ぶれで、しっかりと現地でかなりの部分のところをさばけるような、こういったことを想定して法案を提出しているところでございます。

石原(洋)委員 どうもありがとうございました。

黄川田委員長 次に、菊池長右ェ門君。

菊池委員 菊池長右ェ門でございます。

 まず、今回の東日本大地震津波災害の犠牲となりました皆様方、それからお亡くなりになった方々に、お悔やみとお見舞いを申し上げたいと思います。

 私も岩手県の宮古市を地元としております関係上、この津波災害が起きたという報に接しましたときにまず脳裏をよぎったのは、これはもう下手すると岩手の水産業、ひいては三陸の水産業、これが壊滅的なものになってしまいそうだ、対応を誤ると大変だ、そうなると日本の水産業そのものが衰退していくであろうという思いが脳裏をよぎりました。

 そういうことから、本日は水産業に特化してお尋ねをしてまいりたいと思っております。

 まず、農水大臣にお伺いをいたします。

 一次補正で、養殖事業の方々に対するとりあえずの収入対策として、被災した漁場の回復のために、瓦れきの撤去、回収等々の取り組みを支援するための支援事業をつくっていただきました。これは大変結構なことだと思って多といたしますが、例えば、カキ、ホタテ等々の多年度にわたる養殖事業をやっておられる方々、大体三年で成果が出るわけでございます。今までは、一年物、二年物、三年物と一緒にやっておりました。それで順繰りに出荷をしてまいりました。

 ところが、今回はそれを根こそぎやられてしまった。稚貝を買いたくても、あるいは二年物を買いたくても、今までの取引先のところも同じような災害を受けておりますから手に入らないんです。そうしますと、無収入の状態が下手すると四年、五年続きかねない。そういうことで、カキ、ホタテの養殖業者の方々は、今本当に目の前が真っ暗になっておられます。

 そこで、こういう方々に対して、確かに、何もしていないのに何でという財政当局の思惑はあるのかもしれませんけれども、そんなことを言っていたら、この人たちは養殖業をやめてしまいます。こういうのに何とか御支援をいただく余地がないのか、これを大臣にお伺いしたいと思います。

鹿野国務大臣 今委員からの御指摘のとおりに、私どもとしては、今回のこの被災に対しまして、緊急措置、応急措置というようなことから、第一次補正におきましても予算を計上させていただきました。しかし、今おっしゃられるとおりに、これを復旧復興させていくということになりますと、特に養殖の場合はやはり相当時間がかかる、この間どうするのか、本当に大事なことだと思っております。

 そこで、今後の養殖業の復興対策につきましては、生産開始から出荷まで一定の期間を要するというような考え方、そういう事情があるんだということを十分踏まえまして、具体的な施策というふうなものにつきまして検討をしてまいりたいと思っております。

菊池委員 大変力強いお言葉をいただきました。ありがとうございました。

 次に、経産大臣にお伺いをいたします。

 漁業というのは、船があって、沖に出て魚をとって、それだけで終わりじゃないんですね。これを売らなきゃならないんです。

 この間、私の地元の宮古港で、魚市場をいち早く立ち上げて再開しました。地元のトロール船が出ました。いいスケソウダラを満載して帰ってきました。売れないんです。なぜかといえば、地元のタラを原料とした加工業者がまだ復興していない、それからそれを凍結する冷凍冷蔵倉庫も被害を受けたままです。こういう買い手を含めたインフラが整備されないと、幾ら魚をとってきても売れない、こういう状況になりまして、とってきたタラは、結局、肥料の原料として捨て値で引き取られました。

 九月からは、今度サンマ漁が始まります。サンマ船は大量の氷を必要とするんです。ところが、我が宮古港では二カ所の製氷工場があったんですが、二カ所とも被害を受けました。このままサンマ漁期に突入いたしますと、サンマを大きな収入源としております我が宮古の魚市場、一隻もサンマ船が入ってこない、こういう事態になりかねないと私は非常に心配をいたしておりますが、このような漁業者を取り巻く地元の関連業者への支援策について、一次補正ではどのような策が講じられたのか、お聞かせいただきたいと思います。

海江田国務大臣 菊池委員にお答えをいたします。

 委員御指摘のとおり、確かに漁業は船で魚をとってきてということだけでは完結をいたしませんので、まさに加工業、それからやはりそれを出荷するということになりますと、流通業者なども当然これはそのチェーンの中に入ってこなければいけないと思っております。

 そして、今御質問がありましたけれども、さきの補正予算ということでございますが、これは私ども、中小企業が一体となった施設復旧、整備への支援ということで、一次補正でございまして、金額はさほど多くありません、二百億円をちょっと超えるぐらいでございますが、これで、被災地域の中小企業等の事業者が一体となって進める再建計画を都道府県が認定し、その計画に不可欠な施設の復旧、整備を国と都道府県が連携して補助金による支援を行うということが一つございます。

 それから、自分のところで工場を建て直しをしたり、あるいは商店の店舗などをつくり直しをしたりというのがなかなか困難な場合は、これは中小機構が仮工場あるいは仮店舗を準備いたします。ですから、そこの仮工場を、これは無料で貸し出しをいたしますから、無料で借りていただいて、そして、実はそこにどういう設備をつけようかということは今検討中でございます。先ほどの製氷工場の場合などはまさに製氷機というものが必要になろうかと思いますが、そこまで今手当てができるかどうかということは検討中でございますが、やはりそうした仮工場あるいは仮店舗なども御利用いただきたい。

 それから、資金繰りで一番お困りになろうかと思いますから、この資金繰りにつきましては、東日本大震災復興緊急保証あるいは東日本大震災復興特別貸し付けなどもございますから、こういうものを多角的に御利用いただきたいと思います。

 ぜひ、これは、中小企業対策連絡協議会というものを私ども、これは農水省などの協力もいただいておりますが、つくっておりますので、御相談いただけますようお伝えを申し上げます。

菊池委員 ありがとうございました。

 仮店舗、仮工場というお話がございました。漁船に氷を供給する製氷工場の単位というのは、何十トンあるいは百トン近い単位でどんどん出します。さっき、二つ製氷工場があると言いましたが、最盛期になりますと、自分のところでつくっただけでは間に合わなくて、たしか昨年は、遠いところでは福井県から陸送で氷を運んで、移入氷を砕いて出しています。これは全く採算に合いませんけれども、やはりお得意の船主さんのためにはやろうじゃないかということで、やっております。ですから、漁業用の氷の供給にはちょっと賄い切れないのかなという心配がございますが、その辺も十分ごしんしゃくをいただければ結構だと思います。

 それから、今お話がございました震災復興特別貸付制度、これは五月十六日から受け付けて、二十三日より融資が開始されたと伺っております。ただ、それ以前に融資を受けた事業者が新制度の対象外になってしまう、不利益をこうむる、こういうおそれが出てまいりますので、そういうことのないように、ひとつお手当てのほどを強くここで御要望させていただきたいと思います。

 農林水産大臣、今、経産大臣からの御答弁をお聞きになりまして、改めて伺いますが、被災地の水産業をよみがえらせるために、漁業と水産加工、流通、冷蔵、製氷、こういう周辺産業の一体的な再生を可能とするために、二次補正予算に向けて、農水省としていかなる姿勢で臨まれるのか。私は、一次補正のときの特に水産庁の方の御努力、これは物すごいものがあった、年間予算よりも多い金額をつけていただいた、大変感謝をしております。二次補正に向けてもさらに大きなものを考えていただきたい。御覚悟のほどをお願いします。

鹿野国務大臣 私も、今回の漁業地域の被災地にお伺いいたしまして、今委員がおっしゃるとおりに、自主的な復興に向けては、加工業の方々も、それから流通業の方々も、そしてまた製氷、冷凍、冷蔵業の方々も、一体的に再生をしなきゃならない、一つ欠けてもこれはうまく機能しない、こういうふうなことを改めて認識いたしておるところでございますので、二次補正に向けまして、いよいよ本格復興に向けては、他の省庁とも連携をしながら、現場の声というものを把握して、そして本格的な再生に向けて、復興に向けて、しっかりと取り組んでいきたいと思っております。

菊池委員 ぜひよろしくお願いを申し上げます。

 次に、金融担当大臣にお伺いをしたいと思います。

 被災した事業者が復興を目指そうとしても、旧債務が足かせになって、おれは前の借金もあるし、これ以上借金を重ねるのは嫌だよ、もうやめたい、こういう方が結構多うございます。

 そこで、こういう人たちに安心してもらうためには、今二重ローンの話がいろいろ出ておりますけれども、旧債務については、私は、少し乱暴な言い方かもしれませんけれども、復興のめどが立つまでの間には、昔よく言われました、それこそあるとき払いの催促なし、利払いや返済を三月十一日現在で凍結して、あとはあるとき払いの催促なし、そして払いは出世払い、こういうようなことも可能にするような仕組みを講じていただければ、これは水産業だけに限らず、多くの中小企業あるいは商店街の店主、そういう方々にも弾みがついてくると思うんですが、その辺のお考えはいかがでございましょうか。

自見国務大臣 親子二代にわたって宮古市の市長さんの経験を持っております菊池長右ェ門議員にお答えをさせていただきたいと思っております。

 被災された事業者の、今先生御指摘のように、既存の債務についてでございますが、今、金融機関においては、金融庁からの、現在でございます、今のところ、要請を踏まえて、当面、元金や金利の支払いを猶予するなど、被災者の便宜を考慮した対応を行っております。

 しかしながら、今先生が言われましたいわゆる二重債務、二重ローンの問題でございますが、大変大きな問題でございまして、いずれにいたしましても、被災地における債務返済の負担の問題は、我々金融庁は民間金融機関だけを所掌しておりますので、民間金融機関だけではやはり限界も、これは先生御存じのように、民間金融機関というのはあくまでお人様から預かってきた預金が貸し出しの原資でございますから、いずれ預金者に利子をつけてお返しせねばならないというのは民間金融機関の原則でございます。

 そういった意味で、今、経産大臣あるいは農水大臣から、政策金融あるいは政府系の金融機関、これは、予算を入れて、金利の減免、あるいはそういったことが民間金融機関よりは非常に、リスクのときに機動的に働けるわけでございますから、そういったことをきちっと組み合わせて、先般も、総理大臣から各大臣に、知恵を出してというふうな指示がございました。特に官房長官、きょうおいででございますが、官房長官を中心にして、当然金融庁、それから経産省、あるいは農林水産大臣、それから、建物の二重ローンということも大変深刻な問題でございまして、これは国土交通大臣でございますが、これも、住宅金融支援機構で、五年間支払い猶予、無利子という仕組みも今度の補正予算でつくりましたので、そんなことを組み合わせながら、これは大変重要な問題でございますから、各大臣と力を合わせて、政府全体として検討していきたいというふうに思っております。

菊池委員 今の大臣の御答弁を聞いていて、それはそれでいいんだけれども、やはり今、被災して、どうしようかな、低利で有利なのはわかるけれども、前の借金が残っているのにおれはまたそれに上乗せできないよ、こういう思いが強いんです。ですから、そこのところを、入り口のところの、いわゆる邪魔になっている石をちょっとよけておいていただいて、それで、中に、復興の道にまず歩み始めさせるということが私は政治としては必要なんじゃないか、こう思います。

 もう一歩踏み込んでいただきたいと思いますが、お願いします。

自見国務大臣 できるだけ早く、実は金融機能強化法というのを今準備いたしております。これは、特に東北地方あるいは茨城県の被災に遭われたところ、金融機関の自己資本を非常に増強いたしまして、お金を貸しやすくして、あるいは債務保証もしやすくする。それはケース・バイ・ケース、民間金融機関でございますから……(発言する者あり)そうです、過去の債務をまさに取り消すことも、金融機関としてケース・バイ・ケースとして、民間経営者の判断として、そういう判断の選択の幅は広がるわけでございますから、そういった意味で、金融機能強化法というのを何とか今月の末に出したいと。

 私は、民間金融機関というのは蒸気機関車だと思っておりまして、リスクがあるような坂がありますとなかなかうまくいかないのでございますけれども、しかし、やはり蒸気機関車が最終的にはどんどんどんどん動き出す、自律的に経済の中で動いていかないと真の経済の復旧復興にはなりませんので、そこら辺をきちっと金融機能強化法で、できるだけそういった旧来の債務を減免できる幅を金融機関に上げたい。

 そして、特に申し上げたいのは、信用金庫、信用組合がございます。先生の地元でも、伝統的に水産加工業を発展させてきたのは信用金庫、信用組合でございまして、そういったことには特別のまた配慮をするというふうな法律でございます。

 ぜひ、そういったことで、できるだけ被災された中小企業者あるいは住宅二重ローンを持っておられる方のお気持ちに沿えるように、全力を挙げてやりたいというふうに思っております。

菊池委員 今いいところまで御答弁いただきましたが、周りからももう一歩踏み込めということなんですが、時間が参りましたのであれですが。

 例えば、今、旧債権があるそれぞれの金融機関が、それを不良債権じゃなくて、例えば災害債権として別枠でとっておいて、そして、政府はそれに対して税金はかけないよ、利益としては見ないよ、それで償却はしていってもいいよ、そういうようなことにでもすれば、これからやろうとする人は少し勇気が出るのかなと思っておりますが。

黄川田委員長 自見大臣。簡潔にお願いします。

自見国務大臣 はい、簡潔に。

 今、金融機能強化法には、先生が言われた無税償却ということも一生懸命盛り込むように努力中でございます。

菊池委員 ありがとうございます。

 二次補正に向けて、ぜひ早く、大きな金額を用意していただきたい、このことだけお願いして、終わります。

黄川田委員長 次に、小野寺五典君。

小野寺委員 自由民主党の小野寺五典です。

 引き続き、震災復興についての質問をさせていただきます。

 まず、実は、今回被災を受けた市町村、ここは今回合併をした市町村がたくさんございます。気仙沼市、南三陸町、石巻市、東松島市、岩手県沿岸も恐らく福島沿岸もそうだと思うんですが、こういう合併をした場合には、合併特例債のほか合併の特例事業が幾つかございます。

 ところが、もともとこの市町村は、この特例事業をつくって、例えば大きな総合病院をつくろうとか大きな福祉施設をつくろうとかいろいろな計画を立てていたんですが、今回の震災によりまして、この特例事業がある面では後回し、初めにまず復旧のさまざまな事業をしなければいけないという状況になっております。

 ところが、この合併特例債事業には期限というのがあります。この期限というのを今回の震災に合わせて少し延長していただくような、あるいはその計画を再検討していただくような、そのような度量が当然あっていいのではないかと私は思いますが、この合併特例債事業の延長について、総務大臣にお伺いいたします。

片山国務大臣 合併をされて、今回大変大きな災害に見舞われた自治体においては、今委員がおっしゃったような事情がおありだろうと思います。私どもも、幾つかの自治体から直接伺っております。ぜひよくその事情をさらに伺って、延期する必要があるかどうか、恐らくあると思いますので、その場合には適切な措置を講じなければいけないと思います。

 いずれにしても、これは法律事項でありますので、法律で年限が区切られておりますので、法律を改正しなきゃいけませんので、必要があると判断したときには国会の方に御相談を申し上げたいと思います。

小野寺委員 総務大臣には、今回、国家公務員の給料の問題でもかなりしっかりとした対応をしていただいていると評価しております。ぜひ、ここの特例債事業についても、対応をよろしくお願いいたします。

 それではもう一つ、次に、被災者生活再建支援金の問題についてお伺いをします。

 実は、今仮設住宅がどんどんできておりますが、現場を回ってみますと、むしろ仮設住宅に入りたくない、入れないという声がさまざま聞こえてまいります。

 理由は、仮設住宅に移ると、家賃はただなんですが、水光熱費は自腹になります。それから、毎日の食材、食費は自前で調達をしなければいけません。生活の自立が必要です。ところが、現金がない、あるいは今将来の収入の見込みはない、あるいはもう一つ悩ましいのは、実は被災で車が流されて足がない。仮設住宅というのは、ある面ではちょっと離れた場所にありますから、買い物をするにしても、自分で食材を調達するにしても、実は町に買いに行かなきゃいけない。今までの避難所であれば、三食、ある面では支給された。そうしますと、車がない。ところが、車を買うお金もない。

 こういう状況で、今、ようやく日赤の義援金の申請受け付けが現地で始まりましたが、もう一つ、この再建支援金、まず全壊家庭への百万という支援金、これがようやく私の地元、気仙沼では、五月十七日から受け付けが開始されました。一体、いつこの支給が行われるのか、今申請をして、いつごろお金を受けられるのかということについてお伺いしたいと思います。

松本(龍)国務大臣 被災者生活再建支援制度につきましては、使い勝手が悪いということで、発災から四、五日たって、いろいろな意味で迅速化、簡素化ということを指示しました。そういう意味では、迅速に届けることが重要だと思いますけれども、四月二十八日から都道府県会館を中心にしながら被災者への最初の支援金の振り込みがされております。

 申請書類の不備の有無によって審査に要する日数等が異なって、一概に何日に受け取れるかということは申し上げることができませんけれども、先ほど言いましたように、罹災証明発行の前提となる被害認定について特例的に大幅に簡素化した手続の提示や、罹災証明書を必要としない簡便な方法の提示、県、市町村の合同審査方式、あるいは県や過去に被災経験のある市町村からの応援を求めることなど、さまざま要請をしてきております。そういう意味では、都道府県会館に対する迅速な事務処理の要請をしているところであります。

 これを受けて、福島県、宮城県などでは合同審査方式を実施しておりますし、例えば仙台市、陸前高田市、いわき市などに応援職員が派遣されるなど、被災自治体への応援をしております。都道府県会館の体制につきましては、国からの要請を受けて、事務処理体制の強化などの取り組みもなされております。

 いずれにしましても、処理状況などを見きわめながら、都道府県会館、県、市町村への働きかけなど、被災者への支給が滞らないように、これからも国として最大限の努力をしてまいりたいと思います。

小野寺委員 きのう、ちょっとこの支給手続について確認をしました。

 まず、市町村に申請をする。そこで罹災証明があれば、これはすぐ申請を受け付けて書類が届くんですが、罹災証明の発行に市町村で約一カ月ぐらいかかる場合もある。そして、一カ月ぐらいかかって罹災証明をつけて、この申請書を市町村の窓口に出した後、この後、例えば一週間から二週間、少し市町村でチェックをして、そしてためておいて、今度県にこれを送るんだ、そうすると、県はその集まったものをまたチェックをするんだと。これで大体二週間ぐらいチェックがかかる。そして、その受けた書類を、今度は都道府県会館、実は平河町にあるあの都道府県会館に行くんだと。そして、そこでまた二週間ぐらいチェックをするんだと。そして、実は、その都道府県会館から振り込みを各家庭にするんだと。全部見ていくと、最低一カ月以上、恐らく、罹災証明が長引けば二カ月、三カ月かかってしまう。

 ということで、実は、この百万のお金ですら、これから一体いつ支給されるのか。支給された方が千件ぐらいあるというふうに伺ってはおりますが、恐らく十万とか十数万とか、これから申請が殺到する中で、最終的になぜ都道府県会館に、平河町に全部書類が集まって、あの事務所のどこで審査をしてそれを振り込むのかというと、何か、わざわざ平河町まで持ってくる必要があるのかなと私は思います。

 ぜひ、県の段階、仙台の段階で対応できるような、まだ一万ぐらいの申請しかないと聞いています。今後、これが十万とか十数万とかになった場合には大変なことになるので、平河町に集めなくてもできるような体制、少しでも早く出していただく体制、そして、済みません、これはまだ百万の金額の部分であります。再建のために、プラス二百万、今後必要になります。二次補正でもしっかりつけていただいて、最終的に、家を再建したい人にはちゃんと百万プラス二百万の三百万がなるべく早く支給できるように、この簡素化をお願いできないかと思うんですが。

松本(龍)国務大臣 御指摘の件で、罹災証明につきましては、先般も木庭健太郎議員にもお示しをしましたけれども、長期避難というところに着目をして、さまざま、今まで一カ月かかるところを言ってみれば五分でできるような状況にしております。

 そういう意味では、その段階では対応をしてまいったわけですけれども、今お伺いをした都道府県会館の問題、あるいは各市町村への周知徹底等も、今まで、被災した自治体に応援に行くなど、さまざまな手だてを講じて、今まだまだ一万件という状況ですから、それを受けて、これから大きくなったときに、基礎支援金の百万円、加算支援金の二百万、合わせて滞りなく被災者に届くように努力をしていきたいと思います。

小野寺委員 実は、この基礎支援金、加算金、この財源というのは、県が二分の一、そして国の方がこれを二分の一という、合わせて支給をするということになっていると伺っています。そして、今回、一次補正で積んだ分だけで、実は、国の方はこれから予算措置をしていけばいいんですが、都道府県の積立金、五百三十八億円あるうち、この一次のためにもう五百二十億円が使われている。多分、残り十八億円しか県の積み立てがないんだと思うんです。

 今後、これを加算金も含めて出すためには、県にまたさらにかなりの負担をお願いしなければいけない、こういうことになると思うんですが、今後、県の負担分、これをどう要請していくのか。防災担当大臣か総務大臣かどちらか、この県の負担分をどうするかをお伺いしたいと思います。

松本(龍)国務大臣 平成十年にできましたこの被災者生活再建支援制度というのは、県がそれぞれ相互扶助で積み立ててきたものであります。今まで十二年間でおおよそ二百四十億円、年間にしますと大体二十億円という額が支給されておりましたけれども、今度はその五十倍という状況です。

 今おっしゃったように、基金で五百二十億、そして第一次補正で五百二十億出しました。そういう意味では、負担の割合を変えようということは、知事会からも見直しを求める意見が出ております。今後、政府部内で十分な議論をしたいというふうに思っておりますし、いずれにせよ、被災者に円滑に支給されるよう、満額支給されるように、防災担当大臣としてもこれから責任を持って努力をしてまいりたいと思います。

小野寺委員 当初、この支援金の議論の中では、政府部内からも、三百万ではなくて五百万にしろとか、一千万だとか、そういう発言があったことも私、覚えております。ただ、やはり着実な予算の積み上げという中で、今回、このような支給額を現段階では検討されているというふうに思っております。いろいろなことが事情が許せば、さらにこの積み上げということが今後許されればありがたいなと思いますが、いずれにしても、各都道府県の支出、そしてまた税金からの支出ということですので、これが適正に使われるように、そのようなことも大切だと思っております。

 さて、次に、先ほど来、与党議員からもさまざま御指摘がありましたが、被災地における二重ローンの問題について、官房長官にお伺いをしたいと思います。

 私どもは、この二重ローンのこと、さまざまなケースの相談が来ております。特に住宅に関しては、これは個人の住宅、住むための家、この家のローンが残っている中で今回被災に遭ってしまった。悲しいお宅では、住宅の引き渡しを受けて一週間後にこの被災に遭ってしまったということで、たまたまここは地震保険に入っていないということで、今回ローンだけが残った、そういうこともあります。

 自己責任とはいいながら、今後の生活再建にとって、借金だけ残った、しかも、この家というのは今水没しているような状況になっていますので、恐らく土地の資産価値もない、こういう状況の個別の事案もたくさんございます。

 今後、こういうさまざまな方が天災によって非常につらい目に遭わないように、少しでも国としての支援が必要だと思いますが、この二重ローンにつきましては、かなり官房長官は、例えば債権放棄を含めた貸し付け条件の変更あるいは出資という形の再融資、このようないろいろな知恵のことを具体的に挙げていらっしゃいます。現段階、どのような検討状況にあるか。

 そしてまた、きょうこのような場で質問させていただくのは、恐らく二重ローンに苦しんでこれからどうしようと思っている被災者の方が、この議事録等あるいはネット中継を通じて大変期待をしていると思います。ぜひ、政府としてのこの対応についてお伺いしたいと思います。

枝野国務大臣 二重ローン問題については、今御指摘いただいた住宅ローンの場合も、それから事業者の場合も、どちらも生活の再建に向けては大変大きな足かせになるという認識のもとに、御指摘もいただきましたが、地震保険に入っていた方との公平感とかどうするんだ、そういったこともありますが、そういったことも考慮には入れながら、しかし、しっかりと再建のスタートラインに立てるような方策をつくっていこうということで、先ほどの質問の中でも自見大臣からお答えをいただきましたが、既往ローンについては、実際に金融機関も回収が本当にできるのかというようなことを踏まえるならば、しっかりと損失として処理していただく。そのことが、税制上、それから資本上やりやすいようにということを、これは金融庁を中心に検討を急いでいただいております。

 今月中には遅くとも、何とか具体的な詳細をお示ししていけるんじゃないだろうかというふうに思っておりますし、また、そうしたことを進めやすくするような調停スキームのようなものも同時につくる必要があるのではないか、こうした検討を進めております。

 一方で、既往のローンは逆にそのままにして、これは事業の場合にはむしろその方があるかなと思いますけれども、融資を受けるので返済の義務と金利の支払い義務が生じるわけでありますが、実態としては、中小零細企業では、融資といっても、借りかえ借りかえで実際には資本的な役割を果たしてきている部分などが残っているケースも少なからずあると思っております。ここは組み立て方がなかなか難しいんですけれども、これを出資という形で再建のための資金を得ることができれば、これについては返済義務なく、もうかったときには配当をするということでありますので、先ほどの質問にもあった、あるとき払いの催促なしを制度上できるわけでございます。なかなか、こちらの方は若干時間がかかるかなと思っておりますが、これも今検討を進めてもらっているところであります。

 さらには、もちろん、既存の一般的な貸し付け条件の変更とか、それから金利の面の支援とかという一般的なものと組み合わせて、何とか公平感と、そして実際の再建へのスタートを切れるような構造を、各省横断的に今検討を進めていただいている。何とか早いところは、先ほどのお話のとおり、今月中には、例えばこういうものがスタートしますよという姿をお見せできるように努力したいと思っております。

小野寺委員 官房長官は東北を大変よく御存じです、学生時代のことも含めて。そのお立場から、恐らく実感として共有できると思うんですが、この三陸沿岸地域の金融機関、ここにいる皆さんが頼りにしている金融機関というのは、地銀だったり、あるいは地域の信金、信組だと思います。

 こういうところは、もともと、例えば都市部の都市銀行とは違って、財政内容がすばらしくいいとか、あるいは資金余力がたくさんあるとかというところではありません。ここに、今お話しされたようなさまざまな債権放棄の問題あるいは金融相談の問題をされても、逆にこういう金融機関自身が共倒れになるような、そんな状況にもあるんだと思います。また、こういう金融機関は、これから再建をするためにも融資の窓口になる。こういうところの体力が弱っていくことが、実は、この地域全体の経済、景気が弱っていく原因にもなります。

 金融機関にお任せするのではなくて、国が逆にしっかり肩がわりをするような、そういう制度をぜひ考えていただきたい。

 長右ェ門さんがおっしゃった、もう一歩もう一歩、あと一声あと一声ということ、私どももこの中で同じく思っております。恐らく、被災地域の全体を見ても、リーマンあるいは住専、そういうときの大きなスキームの分野じゃなくても、もしかしたら対応できる小まめなことがあるかもしれない。ぜひそういう面でもう一声の対応をしたいと思いますので、決意をもう一度だけお伺いしたいと思います。

枝野国務大臣 御指摘のとおり、当該地域で軸になっているのは、本当に小さな金融機関だというふうに思っております。それだけに、ただ債権放棄しろだなんてことをしたら、本当に御指摘のとおりその金融機関自体がもたなくなってしまいますので、当然、その裏づけとしての資本増強について、国としてしっかりと支援をしていくということがセットにならなきゃいけないと思っています。

 ただ、その上で、やはり、それぞれの地域の事情あるいは債務者の皆さんの状況を一番しっかりと把握されている、恐らく、大きな銀行などとは違って、それぞれの債務者の皆さんとの関係もしっかりとある金融機関が大部分でございましょうから、まさに現状、実態に応じた対応をきめ細かくやっていただく上にも、そうした地場の小さな金融機関をしっかりと支えて、そしてその事情に応じた形で柔軟な対応をしていただくというスキームをつくっていくことが実態にかなっているんじゃないかなというふうに思っておりますので、これは、金融庁それから財政当局、いろいろなところでの調整が必要でございますが、何とか、先ほど申しました、今月中にはそうした姿をお示しできるように私の立場からも督促をしてまいりたいと思っております。

小野寺委員 金融機能強化法で例えば金融機関に資本増強をしたとしても、あるいは信金、信組に中央金庫からお金を入れたとしても、最終的には配当という形でこれら金融機関は利子を返さなきゃいけないということになります。

 ですから、今までのスキームで、例えば金融機能強化法だけでやっていくと、逆に金融機関は、お金は入れてもらうけれども最終的には利子をつけて返さなきゃいけないということになりますから、なかなかこれには応じにくいと思いますので、今のスキームだけでは恐らく対応し切れないということ、官房長官もよく御存じだと思っております。

 さて、次に、今の地域の現状についてお話をしたいと思います。

 先ほどお話が幾つか出ておりましたが、六月にはカツオがこの地域に参ります、三陸沿岸。そして、九月にはサンマが揚がります。十一月にはアキサケが来ます。そして二月には、恐らくワカメの養殖等の収穫が始まります。もう海は待ってくれない。どんどんどんどん海の仕事は出てきます。

 ところが、残念ながら、とった魚を鮮度保持するための氷、冷蔵庫、こういうものがない。これを何とか緊急に間に合わせたい、補修したい、何とか手直しすれば氷がつくれるかもしれない、今現地でこういう声がたくさん上がっております。ですが、一次補正を含めて、現在の国の支援では、協同組合であれば支援をするけれども、個人には支援をしない、こういうことが厳然としてございます。

 ところが、私、過去の震災の事例を見てなるほどすごいなと思ったのは、例えば、中越地震のときの震災の事例があります。基金という形で対応されたというふうに伺っておりますが、そのとき対応したさまざまなメニューがありました。

 同僚の長島議員、元村長でいらっしゃいますので、その方からさまざま当時の経験を聞いたんですが、例えば、今相談を受けている地域の商工会館とか農協、漁協の建物、施設、この本体は実は支援のスキームには入っておりません。中越地震の場合には、ここでできた中越地震の基金から七五%建設補助をしたということであります。

 また、今、水産加工あるいは漁具、農業機械、こういうような農林水産関係の機械、これについても、個人所有については融資制度しかない。真水のお金の投入がないんですが、中越地震の場合には、やはりこの基金から七五%の補助金が出たというふうに聞いております。

 さらにすばらしいと思うのは、被災した商店街、例えば八百屋さんだったり魚屋さんだったり靴屋さんだったり、こういう商店街一軒当たりに上限一千万、これが個々の商店に出された、この基金から。

 さらに、被災地の住宅の宅地、今回、液状化の問題がさまざま議論になっておりますが、この宅地復旧にも基金から五〇%出た。さまざまないろいろなことを組み合わせると、ほぼ一〇〇%出ているんだということであります。

 こうやって考えますと、基金ということがもしあれば、今回緊急に、例えば製氷工場を修理したいというところにこの基金から補助金が出て、そして経営者は、よし、やろうという気持ちになる。あるいは、これから、一時的には仮店舗、中小企業庁が今出していただいています仮店舗、仮商店街ですが、御案内のとおり、水産加工場というのは、水をじゃぶじゃぶ使って魚とかを切るものですから、下がたたきじゃないと、排水ができないと、実はプレハブでは結局もたない。それから、わきに冷蔵庫をつくらなきゃいけない、中にサンマの選別機を入れなきゃいけない、こういうものは設置型ですから、仮設住宅で、仮設で入って、置けるものではない。結局、最終的にはしっかりしたものがなければ、実は水産加工とか冷凍とか、こういうのはできない状況になります。

 そうすると、こういう個人が経営するものに関しても、この基金からある程度支援ができる。中小零細の方、本当に家族五人、六人でかつおぶしをつくっている家とか、あるいは家族で八百屋さんをやっていた家とか、靴屋さんをやっていたところとか、こういうところの復興には、こういう基金の、細かい、例えば五百万、一千万の補助金があれば、よし、これでやっていこうという気持ちになります。

 私はこういう基金の造成ということが今後大事だと思うんですが、きょうは財務大臣いらっしゃいます。なかなか答えにくいと思いますが、ぜひ、こういう基金、これを、二次補正、三次補正の中でしっかり国として対応できるような方針を考えていただきたいと思うんですが、こういう基金についての検討状況あるいはお考えについてお伺いをしたいと思います。

野田国務大臣 三陸沖のまさに被災状況を見ると、さまざまな支援をしなければいけないと思うんですが、何といっても水産業、水産加工業の再生というのが多分一番大事なのではないかというふうに私も思います。

 その意味で、今回の第一次補正予算は、水産関係の予算が二千二百億近く、正式に言うと二千百五十ちょっとだったと思いますが、ということは、平成二十三年度の本予算よりも大きな額を予算としてつけました。今御指摘のあった漁船や冷蔵庫とか加工施設等、これらについての手当ても、きめ細やかではないかもしれませんけれども、共同でできるものについては対応できるような、そういう予算措置をさせていただいております。

 委員の御指摘は、さらなる個人のきめ細かな支援だというふうに思いますが、その中で、基金は、新潟の中越地震のときも阪神・淡路のときも基金をつくられて対応されました。そういう震災復興のための基金づくり、今岩手で二重ローンの問題の対応でそういう基金の構想が出ていると承知していますが、まず被災地の取り組み、御意向、そういうものを踏まえて適切に対応していきたいというふうに思います。

小野寺委員 まず一つは、大臣の認識の違いについて御指摘をさせていただきたいのは、実は、例えば今回の水産の復旧というのは、魚市場の補修とか、あるいは組合の持っているものの補修とか、そういうことであって、実際、水産加工とか冷凍とか製氷工場というのは、これはみんな個人所有です。そして、こういう人たちが復帰しないと、個人の水産加工なり購買者、仲買人が復活しないと、港に魚が揚がっても買う人がいないんです。買う人がいないと水揚げできないんです。買う人はみんな個人なんです。

 ところが、今回のスキームでは、個人に対しての支援というのは融資だけであって、一銭も実は真水の補助というのがない。ですから、私は、その真水の補助というのを個人にしていただかないと水産業の復興はないということで、この基金ということのお話をさせていただきました。

 ぜひ、この基金ということ、もしこれをつくっていただければ、こんな言い方は失礼ですが、内閣支持率は圧倒的に上がります。本当に、いかに地域の方が必要だと思っているかということだと思います。きょういらっしゃる中には次の総理候補の方もたくさんいらっしゃいますので、皆さんの知恵を出していただいて、この基金の造成ということをぜひしていただきたい。そして、もし必要であれば、当然、私ども、市町村長、知事からこういう造成の声をさらに上げていただきたいと思います。

 そして、実は、被災地が大変広いですから、今までの震災のように、さまざまな義援金がたくさん集まるという、その規模だけでは多分この基金の造成は難しいと思います。かなり国が支援しないと難しい。そういう中での今回のお願いということになります。

 また、もう一つ、実は、例えば基金で対応するというのは、私たちのイメージでは一千万とか二千万とかということなんですが、大きな冷蔵庫、水産加工場、そういうところは何億もかかります。船では、七、八億、新船建造にかかります。

 きょう、お手元に資料をお配りしたんですが、もう一つは、これは勝手な私案なんですが、現場を当たりますと、国によるリース方式、これで復興してほしいということをちょっと書かせていただきました。

 これは、基金をつくっていただいて、漁船、冷蔵庫、加工場、これを一時国で立てかえてつくっていただけないか。そして、漁業者とか冷蔵庫とか加工の事業者がここをリースという形で借り受ける。そして、借り受ける中で、できるだけ返済可能なリース料に設定をしていただいて、キックオフはそれでやっていただく。当然、冷蔵庫も船も加工場もあれば、そこで仕事ができます。

 なぜこういうリース方式にしているかというと、この人たちは既に借金をして冷蔵庫や船をつくっています。これを流されてしまって、もう一度貸してあげるよと言われても、もう借金の上に借金をする意欲はありません。つくる、生産する、再建する道具を国で用意してください、そして、これを国で貸してください。貸してもらえれば、スタートは安いリース料でお願いします。そして、だんだん稼いでリース料をちゃんと返していきます。将来、ちゃんと自活できるようになったら、残りのリース料を一気に買い上げます。そして自分のものにします。将来は、納税者として、収益を上げて、今回支援していただいたさまざまな資金について国に納税でお返しをしたい。私は、こういうやり方が本当の再建だと思うんです。

 なぜリースという方式にするかというと、私が水産加工の冷蔵庫をやっていました。五億をかけて冷凍庫をつくりました。今回、震災で流されて何もなくなりました。残った借金は、返済で残った四億の借金です。この四億の借金を持って、もう一度五億の冷蔵庫を建てよう、九億の借金をして事業をしようと窓口に行っても、恐らく、幾ら国が支援するといってもなかなか対応できない。だけれども、これを国でやってあげますよと言えば、四億の借金は、例えば、今お話があったようなローンの問題で少しリスケをしていただく。道具はある。そして、貸してもらえる。毎月のリース料を払うために一生懸命働く。そして、ある程度自活ができるようになったら、本体の過去の借金も将来返したい。利益を生んだら国に納税をしたい。こういう大きな例えば冷蔵庫、加工場、大きな船については、基金では余りにも大きな金額になります。こういうリースということについてもぜひ考えていただきたいと思います。

 全体の取りまとめをされています官房長官に、こういう案についてぜひ政府でも検討していただくようお願いしたいと思います。

枝野国務大臣 御指摘のようなやり方というのは、本当に現実的でありますし、いわば、一種二重ローンに対する対策の一つにもなり得るというふうに思っておりますので、特に御指摘いただいたのは水産関係でございますので、農林水産省、それから、それ以外のところについては経済産業省を含めて、各省においてきょうの御提案をもとに対応をしっかりと進めて、各分野においてこうしたやり方が可能なところは進めていけるよう努力してまいりたいと思っております。

小野寺委員 よろしくお願いいたします。

 次に、漁船、漁具について農林水産大臣にお伺いします。

 今回の一次補正で、多くの漁船が流されましたし、これからサンマ漁をするためにも、カツオ漁をするためにも、サケ漁をするためにも、定置網でとるえさのイワシが必要だ、あるいはサケには定置網が必要だ、こういうさまざまな支援に対して、今回、一次補正で予算を入れていただきました。

 この予算のスキームは、例えば漁船の建造、購入に当たっては、漁協が主体となり、国が三分の一、都道府県が三分の一、そして漁業協同組合が三分の一というスキームなんですが、実は、現場の漁業協同組合から声が上がっているのは、組合が今非常に疲弊している。今回、組合員が被災をして大変疲弊している。この組合が三分の一出すという、その金額。これも相当の船です。一隻、二隻じゃなくて、一つの組合で何千隻とか、将来もしかしたら万に近いような船をこれからどんどんそろえていかなきゃいけない。しかも、その三分の一を国で見るといっても、三分の一を県で見るといっても、残りの三分の一を組合で見ろと言われても、例えば宮城県の漁業協同組合は、今一本になりました、県一つになりました。この一つの組合で一体何千隻の船の三分の一を出せばいいのか、これは相当な金額になります。

 ぜひ、この実態についてどのような対応をできるか、教えていただきたいと思います。

鹿野国務大臣 過般、私、気仙沼にお伺いしましたときに、小野寺議員も一緒に関係者の方々から要請、要望を受けたところでございました。そういう中で、今日までの水産業に関する、漁業に関する取り組みの中で、小野寺議員から、現場の声というものを受けてのそういうお考えが今披瀝されたと思っておるところでございます。

 今回の第一次補正におきましては、今お話しのとおりに、国が三分の一、そして県が三分の一、残りにつきましては、御承知のとおりに、保険の残存、平均いたしますと、このパーセンテージは今二二%くらいになるわけでございまして、共同でということになりますならば、ほとんど負担が軽減される、こういうふうな考え方に立って措置をさせていただいたところでございます。

小野寺委員 ちょっと正確にお話をしたいんですが、国が三分の一、県が三分の一、そして組合が三分の一なんです。今お話しされた漁船保険、保険は個人に入るんです。船がなくなった個人に入ります。ですから、組合にこの保険が入るわけではないんです。

 そうしますと、個人に漁船保険が入るからそれでいいだろうと言われても、組合自体にはこのお金は来ていないので、組合がこの三分の一を用意することになります。ですから、組合の皆さんは困っております。もし、これが漁業者が買っていいんだ、国が三分の一、県が三分の一、漁業者が三分の一であれば、この漁業者は自分のもとあった船の漁船保険の入ったお金を充当すればいいから全部できますねというふうにできるんですが、今回、組合がやれということなので、個人じゃなくて、組合がこの三分の一を払うことになります。

 このギャップをどう埋めたらいいか、教えていただきたいと思います。

鹿野国務大臣 基本的には、漁船はいわば漁協が所有するということでございますから、それを受けて、漁業者の方にお貸しをして、こういうふうなことで操業してもらう、こういうふうな一つの考え方に立っておるところでございます。

小野寺委員 そうしますと、理解としては、漁協が所有をする。そして、三分の一は国、三分の一は県、残りの三分の一は漁協なんだけれども、漁協はお金がないから、とりあえずこれを無利子か何かで借りておく。そして、漁船を買ったり、つくる。そして、この漁船を今度漁業者に組合が使ってもらうけれども、その漁業者から使用料を漁協がもらって、そして、この漁協がした借金をそこで返していく。こういう考え方でいいんでしょうか。

鹿野国務大臣 基本的には、今申し上げますとおりに、漁船保険の平均支払い率が二二%ということからいたしますと、漁船の建造費の約九割がカバーされる、こういうことになります。そしてさらに、漁業者が漁船を共同利用することによりまして、今申し上げますとおりに、漁協等の負担も軽減される、こういうふうなことの考え方に立っておるところでございます。

小野寺委員 多分、ちょっと何となくわからないなと皆さんもお感じだと思うんですが、この問題のスキームは、もし個人だったら、三分の一は国、三分の一は県、そして本人は三分の一で、本人の三分の一は保険から出たもので充当すれば、平均二二%だから対応できるというスキームなんです。

 ところが、今回のこの制度は、漁協が三分の一を出せというふうになっているので、それで、漁業協同組合の組合長さん初め皆さんは、うちが三分の一出すお金なんかないじゃないかと。組合員は保険が入ったかもしれないけれども、漁協には一銭も入っていないんですから、このギャップをいろいろな形の運用で埋めていかないと、これは、組合自体が漁船を取得することができないんだと思います。

 余り細かいことを追及する必要はないと思うので、ぜひ、この運用、建前と本音の問題というのがあると思います、この運用をうまくしていただくように再度お願いしたいと思います。

鹿野国務大臣 基本的には、今回、応急措置といたしまして、漁協がいわば所有して、それをリースするという形でございますので、その残りの部分につきましては、いろいろ、無利子の融資というふうな形で対応していただくというふうなこともこの施策の中には含まれておるわけであります。

 基本的な、今後の本格的復興というふうなことになりますと、委員が御承知のとおりに、もうかる漁業創設支援事業というふうなものの強化というふうなこと等々も含めて、今後の本格的な復興というものについて取り組んでいかなきゃならないなと思っております。

小野寺委員 大臣には現地気仙沼も見ていただきましたので、実態をよくおわかりだと思います。これからもこの問題については少しずつ詰めていただきまして、なるべくそごがないような形で運用できるような方向を私どもも提案していきたい、そう思っております。

 さて、次に環境対策にちょっと入りたいと思います。

 実はこの間の土曜日、日曜日、地元に帰って、土曜日、気仙沼で火事がありました。瓦れきが燃えてしまいました。一部、NHKでも報道されました。現場に行って驚いたのは、放水して水をかけたんですが、水をかけて足元を見たら、なぜか足元に白いじゅうたんがわあっと敷き詰められた状況なんです。何だろうなと思ってそれを見たら、ウジだったんです。

 きょうはお手元に資料をお配りしました。余りきれいな資料じゃないんですが、写真でカラーで少し用意をさせていただきました。実は、今、気仙沼の漁港にはこういうごみが積まっております。このごみというのは、いわゆる残渣です。カツオとかイカとかサバとか、冷凍庫にたくさん入っていたこういうものが野積みになって、これを今一生懸命、環境省に許可をいただいて、海にどんどん投棄しているんです。ところが、間に合わないで一部残っております。

 それから、もっと悩ましいのは、津波で攻撃をされてしまったために、既に冷蔵庫から広い範囲にこれがだあっと漏れてしまって、瓦れきの中に一緒にまざっているんです。ということは、広いところに実はこういうものが一円に広がっているので、ここに、その足元で見た白いものというのがこのウジだったんです。大きさが一・五センチぐらい。これは土曜日の段階で一・五センチです。

 これからこれがますます、どんどんどんどん大きくなっていくんだと思います。これが一面に今広がっていまして、怖いのは、これがこれから成虫になって、ハエになって、恐らく、私も見たことのない大きなウジですから、多分大きなハエになるんだと思います。これがわんわんとこの地域に舞って、そしてまた水産物の残渣のところに新たな卵を産みつけて、恐らくことしの夏はこの害虫の問題で大変な状況になるんじゃないかと思います。

 それから、気仙沼に住んで感じましたのは、今まで経験したことのないような蚊の大量発生も最近出ています。避難所で皆さん暮らしているんですが、今後、仮設住宅に移ったとしても、このような害虫、環境問題というのが相当数になります。また、においは物すごいです。

 こういう環境対策、特に害虫駆除については、恐らく今回の瓦れき撤去の中で余り想定されていなかったと思います。今後こういう環境対策にどのような方針で臨まれるか、お伺いしたいと思います。

松本(龍)国務大臣 地元気仙沼で発災から、みずから被災されたことを顧みず、努力をされている小野寺さんに敬意を表します。おととい、実は気仙沼の畠山重篤さんのお話を一時間聞きまして、逆に勇気づけられました。そういう意味では、それぞれが努力をされておることに敬意を表したいと思います。

 今の害虫駆除の件でありますけれども、御承知のとおり、広範囲に腐敗した魚が散乱しております。回収対策や害虫の駆除対策は私たちも検討しておりますし、これらの瓦れき処理に伴う衛生害虫の駆除等は、当然のことながら、災害廃棄物処理事業の補助対象であります。そういう意味では、環境省でも相談窓口を開いておりまして、衛生害虫の駆除対策も含め、瓦れきの処理等について助言できるような専門家による支援体制を整えておりますので、この活用を改めて働きかけてまいりたいというふうに思っております。

 こういうスキームがありまして、そこには、財団法人産業廃棄物処理事業振興財団でありますとか、あるいは財団法人日本環境衛生センターというのが窓口として行っておりますので、ここにも御相談をいただきたいというふうに思いますし、生活再建ハンドブック、事業者再建ハンドブック、お手元にあると思いますけれども、ここにもさまざまなことを書いておりますので、よろしく周知をお願いしたいと思います。

小野寺委員 ぜひ大臣にお願いしたいのは、こういう経験を今までしたことがないんです、こういう自治体は。恐らく三陸沿岸で石巻も同じような状況ではないか、陸前高田ももしかしたら同じような状況が今後出てくるんではないか。ぜひ環境省として現地調査をしていただいて、そして逆に言えばアドバイザーを環境省で連れていって、そしてこのような対処をすべきだということをしていただき、そして今、瓦れき撤去と同じような補助対象でこの駆除もやるんだというお話をされました。ですから、九割、後に交付税措置で十割、国がこの害虫処理も全部やるんだ、そして専門家については、まず環境省の担当者と一緒に現地に入っていただいて、その状況を確認するんだ、そのような国直轄で、まず現地を見て、やり方についての指導をして、そしてもし広範囲にわたってこれは大変だというふうになりましたら、現地には消防団も自衛隊もおります。何人かの駆除業者にお願いするだけじゃなくて、この夏に大量発生する前に至急対策をするような現地調査をお願いしたいんですが、その考えについてお伺いしたいと思います。

松本(龍)国務大臣 御指摘の点、しっかり承ってまいりたいというふうに思います。

 既にもう環境省も職員を派遣しておりますし、大畠大臣のもとで国交省も、海運あるいは鉄道で瓦れきを運ぶ等々も含めて、今チームを組んで現地に派遣をしておりますので、今御指摘の点をしっかり踏まえて、努力をしてまいりたいと思います。

小野寺委員 それでは、最後になりますが、実はこの間、岩手県、宮城県の被災地の自治体の首長さんが皆さん東京に集まりまして、そこで何の集まりをしたかというと、道路整備の要請でした。命の道ということでの要請がありました。

 きょう、手元にお配りしておりますが、三陸沿岸も、実はこの三陸縦貫道の建設を大変急いでおります。その自治体の皆さんの発表の中で出てきたのは、今回、三陸縦貫道の整備がたまたま早く行われた地域、ここで多くの皆さんの命が救われたというお話がございました。

 私の地元の宮城県気仙沼市の唐桑道路、これは昨年十一月末に道路を通すことができました。今回、この道路ができなかったら、実は四十五号線という道を今でも使い、沿岸を通るために、恐らく、かなりの方がまたこの津波の被害に遭う危険があったのではないか。

 あるいは、南三陸では、はまゆり大橋という橋がたまたま数年前にできました。これは、沿岸から真っすぐ南三陸の避難所がある大きな体育館に続く道なんですが、この道ができたおかげで、この沿岸の人たちはみんな逃げることができました。道一本で助かる命があるということ。

 そして、これから実は復旧にとって、四十五号線、現道は相当傷んでおります。今、各自治体の首長がお願いしたいのは、実はこの沿岸、委員長も同じでございますが、三陸縦貫道の沿線がありまして、これが早く道路の設置地域、場所が決まり着工すれば、そこが人間でいえば背骨の状況になり、そしてその背骨のところから肋骨のように道が海の方に続けば、その三陸縦貫道の近くのところに住宅地をつくって、ここは非常に交通の便がよくなる。そして、そこからさらに沿岸の方に少しおりていって、港のところには当然、市場や水産加工場が必要だ。こういうまちづくりをできる。

 まちづくりは、実は、この背骨になる三陸縦貫道がこの場所ですよということで決まれば、そうなれば地域の各自治体の首長も、では、ここに住宅地をつくる、ここに新しい産業をつくる、ここに新しい病院をつくる、そういう地域割りができるんです。背骨の場所をはっきりしていただかなきゃいけない。

 ところが、まだこの地域は計画区間がかなり残っております。事業区間がありましたが、まだ着工はしていない事業区間もたくさんあります。ぜひ、この三陸道を一刻も早くつくっていただきたい。これが地域の悲願ですし、三陸沿岸の首長がこの間わざわざ東京に集まって、皆さんが異口同音に言った言葉ですので、これを受けて、ぜひ、私は、この三陸道、今回は一気通貫に全線事業化をするぐらいの、復興のための元気をつけていただきたいと思いますが、国土交通大臣にお伺いいたします。

大畠国務大臣 小野寺議員の御質問にお答えを申し上げます。

 ただいま御質問の中にもありましたように、道路というものが命を守る道、そういう認識を今回の大震災でも私も新たにさせていただきました。

 御指摘の三陸縦貫自動車道でございますが、現状と今後について御答弁を申し上げます。

 現在、御指摘のように、大変大事な役割を、発災後、いわゆる国道四十五号の迂回路や緊急輸送路として大きな役割を果たしました。現在、約五割が供用、そして二割が事業中であり、今年度は本吉気仙沼道路を新規事業化するなど、引き続き整備を進めているところであります。

 残りの区間をどうするかということでありますが、五十六キロございます。現在調査中でありますが、御指摘のように、私としても、今回の大震災の復興の大きな柱として事業化に向けて真剣に検討をさせたい、そう考えているところであります。

小野寺委員 委員長も聞いていらっしゃいます。もう一度お伺いしますが、二次補正を含めた今回の震災対策で一気に全線事業化すると。事業化というのは、すぐ完成しろと言っているわけじゃないんです。今計画で点々点々となっているところを事業化する。このぐらいは、大臣、今この場で言っていただければありがたいと思うんですが、いかがでしょうか。

大畠国務大臣 御指摘のように、ここの事業化というのは大変大事でありますから、私もその決意を持って努力をしてまいりたいと思います。

小野寺委員 もう一度だけお伺いします。

 決意を持って努力をするということ、その暁には、大臣として、今回仮設住宅にも大変努力をいただきました。同じように不退転の決意を持ってこの全線事業化について全力を傾ける、不退転の決意で全力を傾けるということを再度お伺いしたいんですが、いかがでしょうか。

大畠国務大臣 私も、気持ちは同じでありまして、この事業化に向けて全力を挙げてまいりたいと思います。

小野寺委員 野田財務大臣、今の私の言葉を聞いて、財務省としてもしっかり応援していただくような一言をいただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

野田国務大臣 何次かの補正予算を組んでいくと思います。その中で、二次補正についてもいろいろと各省とよく適切な協議をしながら進めていきたいと思いますし、今の件は、大畠大臣とよくお話をさせていただきながらいきたいと思います。

小野寺委員 済みません、財務大臣一言、もう時間が最後ですので、大畠大臣と同じ気持ちで頑張っていきたいという一言をお待ちしております。

 もう一度お願いいたします。

野田国務大臣 震災からの復旧復興に向けて全力で取り組んでいくという気持ちは、大畠大臣と同じでございます。

小野寺委員 大変勇気づけていただいたと私は勝手に解釈をさせていただきます。

 今回、私ども被災をいたしました。ですが、希望を持ってこれから頑張っていくためにも、私は、その復興の一つの明るい兆し、将来への道ということを提示していただければと思います。

 それは、きょうお話ししたさまざまな基金の問題もあります。そしてまた、復興への道ということで、私どもの地域の背骨になるような道路網の整備、これについても明確な事業化を示していただければ、私どもに勇気を与えていただけると思います。

 きょうは、ありがとうございました。

黄川田委員長 次に、吉野正芳君。

吉野委員 自由民主党の吉野正芳でございます。

 私は、福島県双葉郡といわき市を選挙区といたしまして、まさに第一原発の地元でございます。

 全国から、多くの皆様方から支援の物資、そして県内県外へ七万三千人以上の方々が避難をしております。その方々に対して心温かいおもてなし、そのおもてなしの心で避難をされている方々を迎え入れてくださいまして、本当にありがとうございます。この場をおかりして、厚く御礼を申し上げます。

 さて、原子力について質問させていただきます。

 まず、メルトダウンなんです。メルトダウンは、解析結果によると、三月十一日の十九時半ころから始まって、十六時間たって三月十二日の六時五十分ごろ、大部分の燃料は圧力容器の底にたまっている、こんな解析結果が出ております。三月十一日の十九時半から、十六時間です。まさにここの間が初期の対応として私は質問をさせていただきますけれども、まず班目原子力安全委員長にお伺いします。

 委員長は、五月十九日の科学技術特別委員会で、吉井議員の電源喪失の質問について、委員長の答弁なんですけれども、三月十一日の十九時ごろ、ベントの判断をし、消火設備を使って炉心への水の注入、これを安全委員会として判断したということなんですね。ですから、メルトダウン、炉心溶融の始まる三十分前に、まず水を入れなきゃならないという形で判断をしております。

 そして、実は、委員長が十九時に判断したのに、真水注入が行われたのは三月十二日の朝の五時五十分なんです。まさに、委員長が判断をしてから十一時間たっているんです。なぜこんなにおくれたのか。そして、この十一時間という時間の間に、まさにメルトダウン、炉心溶融が始まっていたんですね。

 ですから、ここの最初の水の注入が委員長の判断のときにすぐ行われていれば、炉心溶融は防げたのかな、地元の人間としてこういう思いを持っているんですけれども、いかがでしょうか。なぜおくれたんでしょうか。

班目参考人 御指摘のとおり、メルトダウンを防ぐためには、とにかく圧力容器の圧力を下げ、そうしますと格納容器が壊れないように格納容器のベントも必要でございますが、そうした上で消火栓等々を使って水を入れる、これしかないという判断は、もう非常に早い段階でしております。その後、私の方としては、海江田大臣を初め多くの方々に、これしか方法はないのでぜひそれを進めるように助言をし続けてございます。しかしながら、なぜこれだけおくれたかということについては、今の段階では私のところにはきちんとした情報は入ってございません。

 したがいまして、なぜかと問われますと、申しわけございませんけれども、お答えできません。

吉野委員 ここまで来て、安全委員会としてなぜおくれたかということがわからないんですか。

 経産大臣、なぜおくれたか。委員長から助言をいただきました。それから十一時間たっているんです。まさに、ここの間にメルトダウンが始まって、大部分落ちているんです。ここのところ、なぜ十一時間もかかったのか、教えてください。

海江田国務大臣 吉野委員にお答えをいたします。

 今、班目委員長からもお話がございました。班目委員長は真っ先に官邸に駆けつけてきてくださいまして、本当に私とほとんど時間を共有いたしまして、そして班目委員長は、順番からいきますと、まず圧力のベントの方でございました、ベントをまずやるべしということでございましたので、私も、専門家であります班目委員長、それから保安院の次長もおりましたけれども、まず圧力のベントをやらなければいけないということで、そしてそこに東京電力からも幹部の方が来ておりましたから、文書で発出をしましたのは大分遅い時間でございますが、その前に東京電力の方に何度も何度もベントをまずするようにということを言いました。

 そして、突然の質問でありますので、今ちょっと手元に細かい資料がございませんが、なかなかそれが実行できなかったものですから、文書による指示あるいは命令というものを出しまして、そしてそれと同時並行的に、順番からいきますとやはりベントの方が先でございましたけれども、それから、そのすぐ直後と申しますか、あるいは一部重なっておったかもしれません。それから、一号機、二号機、三号機、それぞれございます。特に一号、二号、三号、このあたりの情報が非常に緊迫をしておりましたので、まず水も入れなければいけないということで、これも何度も東京電力の方には連絡をしておりました。

吉野委員 東京電力に連絡をし、指示をしただけで、政府として責任を果たせないと思うんですね。東京電力はいろいろな事情でやれなかったから仕方がなかったんだ。だったら、それにかわる何かをすべきじゃなかったんですか。

 そして、ベントがおくれた、真水注入もおくれた。解析結果によれば、まさにこの失われた十一時間の間にメルトダウンが進行しているんです。東京電力に言って、やらなかったから仕方がなかったんだ、これでは私たちは納得いきません。

 政府は何をしたのか、実動部隊として。

海江田国務大臣 お答えをいたします。

 今、実動部隊というお話がございましたけれども、残念ながら、私どもが、原子炉の中に入っていってそして手当てをするような部隊は実は持っておりません。

 それから、法律のたてつけがまさに事業主体であります。これは、今後検証して、直さなければいけないところは直さなければいけないと思っておりますよ。しかし、現実問題としまして、原子炉をいじるためにはそれなりの資格も必要でございまして、その資格を持っている方々というのはまさに東京電力であり、あるいはメーカーの方でそういう方、持っている方はいらっしゃると思いますけれども、残念ながら、私どもに実動部隊という者がいないのが現状でございますから、ここはやはり、まず事業主体であります東京電力にお願いをする、そして、法律にのっとった指示を出すなり命令を出すというところまでが、本当にこれは、今の現状ではそこが精いっぱいなわけでございます。

吉野委員 本当に残念です。やり方によってはメルトダウンは防げたんです。でも、現実には、一号機のみならず、二号機、三号機、これもメルトダウンしている。そういう状況になって、本当に残念です。

 次に、海水注入、きのうのおさらいをしてみたいと思います。

 水素爆発が十二日の十五時三十六分です。ですから、現場は大混乱だと思います。そういう中にあって、十八時ごろ、対策本部で、菅総理を初めここにおられる皆様方、班目委員長も入って議論をしたと思います。その議論の中で、再臨界の議論がされています。いろいろな可能性について総理は多くの方々から意見を求めているんだ、それでいいと思います。でも、その議論の中身の中心というか、方向性というか、雰囲気というか、再臨界の議論が多かったんじゃないんですか、班目委員長。

班目参考人 私の記憶としては、再臨界の議論が中心だったとは思っておりません。とにかく、こういう事態ですから、水を入れる。海水だろうと何だろうと、水を入れなければ炉心の溶融がどんどん進んでしまうという認識です。したがって、それがすぐできるんだったらもう何も考えずにしてくださいというふうにずっと助言をし続けてございます。

 ただし、海水にかえるということは、塩がたくさんたまってしまうとか、腐食の問題とか、いろいろな問題がありますので、そういう問題点についてもぜひ検討すべきだという議論はあったという記憶がございます。

 その中で、申しわけないんですけれども、私の記憶としては、再臨界ということが大きな話題だったという記憶はございませんし、少なくても、私の方から再臨界の可能性があるから注水はやめた方がいいということは絶対に申し上げてございません。

吉野委員 けさの朝日新聞です。東京電力はなぜ中断したのかという記事が載っております。

 これを読むと、官邸で再臨界の可能性が大きな議論になっている、そういう雰囲気になっている、そのことを、東京電力の元副社長、武黒一郎フェローは官邸と東電との連絡役ですので、この方が、再臨界について議論が行われている、中止要請と受けとめた、これがけさの朝日新聞の記事なんです。

 官邸対策本部としては中止はしていない、確かにしていなかったでしょう。でも、受けとめる東京電力は中止要請と受けとめたんです。そして五十五分間の中断があったんです。とめる、冷やす、閉じ込めるなんです。真っ先に冷やさなきゃならないんです。真っ先に冷やさなきゃならないのにもかかわらず、中止要請と受けとめたんです。そこでの会議の雰囲気が、海水を入れれば再臨界が起きてしまうんじゃないのかな、こんな雰囲気だった。だから、武黒フェローは東電に、現場に、中止要請だという形で中止命令を出したと思うんです。

 班目委員長、そういうふうに再臨界の議論が、雰囲気が再臨界の雰囲気になっていたというふうに東電の元副社長は思ったんです。なぜ科学者として、再臨界は可能性はゼロではないけれども、起きる可能性は本当に少ないんだ、そういう立場で、ある意味の、総理は技術系でありますから私よりも原子力について理解が深いと思います、しょせんあなたから比べれば素人です。でも、聞きかじりの知識で議論しているんだったらば、もっと専門家として、可能性は物すごく少ないんだ、こういう議論をしたんでしょうか。

班目参考人 当時のことを正確に覚えているつもりはございませんけれども、少なくても、私の発言として、再臨界の可能性はゼロではないということは、事実上ゼロだという意味でございます。したがって、そのときのその場の雰囲気として、再臨界を気にして注水をとめるというような雰囲気だったとしたら、それは私としては絶対に異議を申し立てたと思いますし、異議を申し立てていないということは、そういう雰囲気ではなかったと私は思います。

海江田国務大臣 これはぜひ吉野委員、御理解をいただきたいんですが、実は、これは班目先生もそうだと思いますが、私ども、その場に居合わせた人間は、東京電力が既に注水をしているということを全然知らなかったんですよ。だから、もしやっているということがわかっておれば、それをそのまま継続ということになったと思いますが、まず、現実問題として、始まったということがわかっていなかったんですよ。これはぜひ御理解ください。

吉野委員 緊急事態は現場に任せるんです。特に東京電力の技術屋さん、これは大変だといって海水注入を始めたんです。真水がなくなっちゃったから始めたんです。それを、官邸対策本部の皆様方がわかりもしない知識で再臨界が起きる可能性があるかもしれないという議論をしたから、東電の窓口である武黒フェローは、武黒フェローもわからなかったと思います。書いてあります、わからなかったと。でも、現場はやめたんです。まさにこれは人災なんです。

 なぜ現場に任せておかなかったか、なぜそんな議論をしたのか、そこら辺、お願いします。

枝野国務大臣 報道にも正しい情報と正しくない情報がございます。そもそもこの件の発端は、総理がそこで水を入れているのを聞いて、おれは聞いていないと言ったという報道が端緒でありますが、そうしたことはなかったということは多くの皆さんの証言でもう裏づけられていると思います。報道にあったことを前提にお尋ねをいただいても、事実と異なりますので、そこのところは明確にさせていただきたいというふうに思っております。

 そして、私は、その局面においては、記者会見を同時に行っておりましたので、私はその席におりませんが、官房副長官のもとから報告を受けているところによりますと、そもそもが、東京電力の側から、海水注入には一時間から一時間半程度の時間がかかるんだということのもとで議論が行われていたということをまず大前提として御判断をいただきたいと思います。

吉野委員 一番は、東電がなぜ中止命令だというふうに受けとめたかなんですよ。発信元の皆さんは中止命令を出していない、一時間半かかる、でも、なぜレシーバーの東電が中止命令として受けとめたかなんです。ここが大事なんです。ここがクエスチョンマークですから、これは後日、検証委員会、きちんと国会にも検証委員会をつくるように委員長の方からもお願いしたいと思いますけれども、検証委員会の方できちんとさせていただきたいと思います。

 次に、また朝日新聞なんですけれども、発言の訂正です。これはいろいろな会議で、記録、議事録まで要りません、記録、メモで結構です、メモはとっていなかったんですか。

海江田国務大臣 これもぜひ御理解をいただきたいんですが、私ども、その場にいて、緊急な措置をしなければいけないということは、そこに専念をしておりました。ですから、メモがないものもございます。

 それからあと、大分事態が落ちついてきてから、メモがあるものももちろん、その後はメモがとれております。私も、統合本部に行きましてからはちゃんと自分でメモをとるようにしておりますが、やはり十一日、十二日、この時間に、私自身、メモをとる時間、ゆとりも全くございませんし、それから、一緒にごく少数事務方も入っておりましたけれども、その事務方もメモをとる余裕がなかったようでございますので、その時点ではメモのないものがたくさんございます。しかし、それ以降はメモをとるようにして、しっかりとメモをとってございます。

 それから、東京電力のメモも、これは早い段階で、とにかく、東京電力は作業の日程が全部入っておりますので、それは一つ残らずきちっと保全をするようにということは、私からこれは指示をしてございます。

吉野委員 後で検証をするために、今大臣がおっしゃった記録、メモをとっていない時期、また、とってあるということをおっしゃいましたので、いろいろな場面で使うかもしれませんので、そのメモをこの委員会に提出してくれることを要求いたしたいと思います。

黄川田委員長 その取り扱いについては、後刻理事会で協議いたしたいと思います。

 引き続き質問してください。

吉野委員 水素爆発なんです。あの爆発の規模から見て、爆発の専門家はどのくらいの威力があったか、わかると思うんです。一号機、三号機、四号機。そうすると、その爆発の威力をつくるためにどのくらいの量の水素が必要か、これも推察できると思うんです。

 では、それだけの水素をつくるために、どれだけのさや管の金属、ジルコニウムが溶けたのか、ここも推察できると思うんです。そして、すなわち、燃料棒がどれだけ、さや管が溶けているか、ジルコニウムが溶けているか、爆発の規模からさかのぼって推察していくと、どれだけの量の燃料棒のさや管、ジルコニウムが溶けているかということも計算できるはずだと思うんです。そのことによって、もうメルトダウンが起きているという計算もできたと思います。

 四月の十七日に工程表が出ました。水棺です。燃料棒の頭まで冷やすんだ、こういう工程表でした。四月の十七日です。もうメルトダウンは三月の十一、十二で終わっているんです。水素の量を計算した、日本の英知を集めれば計算できたと思うんですけれども、そういう計算はしているんでしょうか。

海江田国務大臣 委員にお答えをしますが、きょうちょっと事前の通告はありませんでしたね、この件については。ですから、手持ちの資料がありませんので、私の記憶に頼ってお話をいたしますので、一部間違いがあったら、それはぜひお許しをいただきたいと思います。

 四月の十七日のところで、一号機の損傷の度合いといいますか、特に炉心の、あるいは燃料棒の損傷の度合いというのは、東京電力は恐らく七〇%とか、だけれどもそれを一度訂正して五〇%とか、そういう数字を出しておりましたから、その数字に基づいてということに、その四月の十七日の直前に出ておりました、そうした東京電力が把握をしておりました燃料の損傷の度合いに基づいてあの計画を立てたということは事実でございます。

 そして、東京電力自身が本当に、メルトダウンという言葉を使うのがいいかどうかはわかりませんけれども、炉心が溶けまして、燃料棒がすべて溶けまして、そして下の方にたまっているという状況が特に一号機についてわかりましたのは、ついこの間、四月の十七日以降でございますし、きのうかおとといになってやっと二号機と三号機もやはり同じような状況にあるんじゃないだろうかということがわかった状況でありますから、その意味では、水素の量からというような御指摘もございましたけれども、そこの点はちょっとわかりませんが、東京電力は四月の十七日の時点では、いわゆるすべての燃料が溶けて、これは専門家の間ではコアメルトと言うようでございますが、炉心部分がすべて溶けたということの認識はなかったようであります。

吉野委員 班目委員長に、どうして七割、五割の燃料棒が損傷しているという、その辺の技術的なところをちょっと教えてください。

班目参考人 東京電力の方が発表した損傷割合というのは、これは燃料が損傷すると希ガスがぱっと出て、CAMSといいますけれども、放射線が出ます、その量から推定するものでございます。

 それでよろしゅうございますでしょうか。

吉野委員 けさの産経新聞です。班目委員長について、産経新聞のインタビュー、「一問一答は次の通り。」と書いてあります。国民新党の亀井先生が「辞めるべきだと? ありがとうございます。私もぜひ辞めさせてほしい。でも、ここでもし自分から辞めたら末代の名折れだ」、こう委員長は発言をしております。本当の気持ちはどうなんですか。やめたいんですか。

班目参考人 私としては、この職務を全うすることこそが私の使命だと思っています。ここで逃げ出したら本当に末代の名折れだと思っております。したがって、この問題については、とことんまでつき合わせていただきたいと思っております。

吉野委員 民主党の空本議員も、原子力安全委員会はある意味で大きな批判といいますか間違いをしている、SPEEDIも情報隠しをしたし、緊急助言組織を十六時にすぐ立ち上げました、立ち上げたけれども、専門家はなかなか出席してこなかった。そのときの班目委員長の答弁は、それぞれの委員は自分の仕事があって忙しいからですと。私、この耳で災害特で聞かせていただきました。

 こんな安全委員会でいいのか。そして、SPEEDIについての情報隠しもしておりますので、そういう意味の責任というものを委員長は感じていないのか。感じているんだったらば、やめたいんだ、でも、とことんここに自分の力を注ぐんだ、こう言っていますけれども、責任を感じているのかどうか、お願いいたします。

班目参考人 まず、緊急助言組織について申し上げます。

 緊急助言組織は、事故発生直後に立ち上げてございます。立ち上げようとしたんですが、一斉携帯メールを送信したところ、全く機能せず、通じませんでした。したがいまして、電話でもいろいろ連絡をとったんですが、ほとんどつながらない。さらに、たまたまつながった方も、交通機関が完全に麻痺して出席できないという返事ばかりでした。そんな中で、何人かの方は徒歩で駆けつけていただいたんです。次の日に駆けつけてきた方々もいらっしゃいます。

 したがって、緊急時応急対策調査委員の方十六名に集まっていただくとともに、それ以外の専門家の方十六名にも集まっていただいて、それから本当に連日連夜、徹夜で原子力災害対策本部からの助言要請にこたえてきております。

 しかも、その方たちというのは本職がございます。大学の先生であったり、あるいはお医者さんであったり、研究所の研究員であったり、あるいは弁護士さんであったり、そういう方でございます。そういう方たちに対して、怠けているというような意味の発言が空本議員の方からあったような気がしたので、それに対して猛烈に抗議させていただいたという次第でございます。

吉野委員 次に参ります。

 原発で働いている作業員の方々の生活環境を向上させるのは当然なんですけれども、電離放射線障害防止規則という規則がございまして、内部被曝について、三カ月に一回、調べなければならない、こういう規定がございます。

 今、毎日千五百人以上の方々が作業しております。この内部被曝の検査はどうなっているのか、お願いいたします。

細川国務大臣 吉野委員にお答えをいたします。

 委員が御指摘のとおり、電離則では、三カ月以内ごとに一回行う、こういうことになっております。

 福島第一原発で緊急作業に従事する作業員に関しまして、四月の三十日、外部被曝線量に内部被曝の測定の結果を加えた合計線量が二百四十ミリシーベルトに達している人が判明をいたしました。これは、三月二十四日に、汚染された水たまりに三人の方が入った、その方でございます。

 このことを受けまして、厚生労働省としましては、同日、外部被曝線量の高い者に対しては直ちに、また、その他の作業員についても早急に内部被曝測定を行うよう東京電力に指導したものでございます。

 現在までの内部被曝検査状況につきましては、外部被曝線量が百ミリシーベルトを超えた者や緊急作業を離れた者を中心に、千四百名について内部被曝の測定を実施済み、こういうことを把握いたしております。

吉野委員 延べで五千名近い方々が内部被曝の検査を受けねばならないという形でございますので、今、答弁で千四百名という形になっています。その装置、ホール・ボディー・カウンター、東電で持っている機械は四台くらいしかないと聞いていますので、全国にある機械を総動員して、今懸命になって作業している作業員の方々の内部被曝の検査、健康の方を十分に、おろそかにしないようにお願いを申し上げたいと思います。

 次は、四月の十一日に原子力安全委員会は、沃素131とセシウム137の放出総量の推定値を発表いたしました。

 三月十五日に水素爆発で出た量がほとんど後は上がっておりません。ということは、少しは出ているけれども、余り影響のあるような形で上がってはいないということなんです。すなわち、今私たちが放射線量をはかった場合、三月十五、六日、いわゆる水素爆発で舞い上がった放射性物質は、ほこり、ちりと同じふうに考えれば、それが落ちて、地面にある、道路にある、屋根にある、葉っぱについている、こういう状態で、その後は、水蒸気等々から出てくるくらいの放射性物質で、余り出てはいないということなんです。

 それが汚れているんです。自分ちの庭が汚れていれば、掃除をすればいいんです。掃除をするんです。なぜ掃除をしないのか。モニタリングできちんと線量を毎日毎日一時間ごとにはかっていますけれども、そこを掃除してしまえば、線量が下がるのは当たり前なんです。なぜこれをやらないのか。けさのテレビでも、五センチ土を取れば、九〇%の放射性物質はその中に含まれている、そういう解説がありました。なぜ土を取らないのか、掃除をしないのか。

 また、土じゃないところ、舗装とか何かは、消防ポンプ車を使って、なぜ水で洗わないのか。水で洗えば、確かに放射性物質が出てきます。ですから、そこは、集水升等々にゼオライト等々を入れて、そこで吸収させて、それを処分すればいいのであって、なぜ掃除をしないのか、ということは、なぜ土を取らないのか、ここのところをお聞かせ願いたいと思います。経産大臣。

海江田国務大臣 まず、原子力発電所のところは、やはりそういう大量に汚染されました物質、瓦れきがありますと作業にも差し支えがありますので、これは鋼鉄製の魔法瓶のようなものにどんどん入れたりしております。それからあと、飛散しないように、特殊な水と申しますか、溶液をかけたりしております。

 委員お尋ねのは、発電所の外のということでございますね。外につきましては、これからそういうことはやろうかと思っております。それから一部、これは文科大臣にお聞きいただければいいんですが、学校などではそういうことをやっております。

 それから、外につきましては、まず、今私どもが考えておりますのは、今委員お話のありましたように、数日中にそれぞれの建屋の上から線量をはかりまして、これはきのうぐらいからやっているはずですが、今どのくらい出ているのかということを調べております。これは真上に行かなきゃいけませんから、恐らく、きょうになるのかあしたになるのか、そういうデータが発表になろうかと思います。

 それで、今委員がおっしゃっていただいたように、十五日ぐらいまでが一番厳しくて、今はほとんど出ないよというのがわかれば、それがいいわけでございますが、ただ、それだけでもいけませんので、今度は建屋に覆いをかぶせてというようなこともやって、もうこれ以上出ませんよということを、まず、もとをやはり絶たなきゃいけませんが、それを真っ先に優先させて、それから、もうこれ以上出なくなったんだから、今あるのをどういうふうにするかということで、特に二十キロ圏内の住民の方々に帰っていただくためには、今委員がおっしゃったような作業というのは必須でございますので、まず、もとを絶って、もとを出ないようにして、それから次のステップとしてそういうことはやろうという計画はございます。

吉野委員 今なんです。例えば計画的避難区域、三十キロの外です。ここは今やれば、そして九〇%取れれば、計画的避難区域じゃなくなるんじゃないんですか。なぜ住民の住んでいるところだけでも掃除をしないんですか。掃除をすれば、計画的避難区域、解除になろうと思うんです。一町動くんです。何で掃除しないんですか。五センチ取れば九〇%の放射性物質が除去できる。それは、処分方法がまだ決まらないから、きちんと遮水シートを敷いて、重ねて、穴でも掘って埋めて、きちんとしたとりあえずの仮置きをしておけば、計画的避難区域、解除になるんじゃないですか、官房長官。

枝野国務大臣 御指摘の趣旨は理解をさせていただきますし、先ほど海江田大臣から御答弁がありましたとおり、特に御心配の多い学校等については、土壌についての対応を既に始めているところでございます。

 ただ、これが広範な地域について、では、五センチといえども表土を全部実際に取るということがどれぐらいの規模で可能なのか。それから、実は、地肌が表に出ている部分というのは必ずしも多くありません。特に計画的避難区域の地域などでは、例えば森林あるいは草地などがございます。こうしたところは、例えば森林においては、葉っぱ等のところにある程度残っている部分と、それから地表に落ちている部分とあります。そこの線量を直ちに落とそうとすれば、ではその木を全部切るのかとか、そういったことをいろいろ考えなければなりません。

 そうしたことなどを考えると、確かに、全部掃除をすれば戻れるではないかというのは、当該地域にお住まいの方のお気持ちとしては十分理解をいたすところでございますが、現実的にそれが可能かどうかということについては、必ずしも容易なことではないということでございます。

 ただ一方で、できるだけ早く戻っていただけるために、特に農地等についての土壌をどうやってよくして農業ができるようにするかということについては、同時並行で、現在進行形でも農水省などにおいてしっかりと検討を進めていただき、できるところからやっていこうということを考えております。

吉野委員 これから梅雨時期を迎えます。もう雨で放射性物質はどんどんどんどん地中深く入っていくんです。最後は地下水まで入っていっちゃうんです。だから梅雨前、今なんです。今、汚染土壌を除去して、そして、除去すれば放射線の線量は物すごく低くなるわけですから、そのことをぜひ、今の答弁を聞いていると、検討もしていない、頭からそれは無理だというふうな印象を受けました。シミュレーション、検討をしたんですか、長官。

枝野国務大臣 詳細なシミュレーションはいたしておりませんが、御提案でございますので、実際に、現実的に、本当に可能かどうかということは、もう少し具体的に検討させてみます。

吉野委員 その町、その村、全部の土を取れとは言っておりません。人が住んで、いわゆる避難するまでもないエリアくらいのところは掃除をしてほしいんです。掃除という概念です。ぜひお願いします。検討してください。

 次、学校の汚染土壌。

 学校は進んでいます。私の言った、もう土は取る。でも、福島の学校で実験しました、天地返しなんです。これは、確かに天地返ししたその瞬間には線量が低くなります。でも、放射性物質が地中奥深く入っちゃうんです。これが雨に打たれて、雨に打たれて、ずっと最後は地下水汚染になっていくんです。ぜひ、この天地返しの除去の仕方は有効だよという形で文科省は各学校に通達を出さないでほしいんです。いかがでしょうか。

高木国務大臣 吉野委員にお答えをいたします。

 今お話をずっと聞いておりまして、吉野委員は、特に地元で、大変な御心労だろうと思っております。そして、何としてもふるさとで仕事がしたい、ふるさとで暮らしたい、あるいはふるさとで子育てをしたい、こういう思いの強いことを改めて私も痛感をいたしました。

 その上で、私どもとしましては、今まさに地区全体の言及でございましたが、今、校庭においては、できるだけ線量を低くして、子供たちが放射線を浴びないように、そういう努力をしていく、これは私たちもしっかり取り組んでいきたいと思っております。

 その中で、五月の八日に、これは独立行政法人であります日本原子力研究開発機構が福島大学の協力を得て実地調査をいたしました。今御指摘の上下置きかえ方式とまとめて地下に集中的に置く方法、いずれも線量を十分の一ぐらいに低減させること、この有効な方法が確認をされたところでございます。したがいまして、これについては、早速、五月十一日に福島県の教育委員会にも示しております。

 その中で、御指摘のとおり、地下水への影響を十分に考慮する、これは非常に必要なことであります。したがいまして、特にまとめて地下に埋める場合は防水シートなどもしっかり考えなきゃならぬことではないかと思っておりますが、いずれにいたしましても、梅雨前にそういう状況が解消されるように私たちとしては考えております。

 同時に、委員も御指摘のとおり、一日も早くあの原子力発電所の事態を収束する、これが何より、私たちは、日々の思いでございますので、関係者一同、全力でそのこともしなきゃならぬと思っております。

吉野委員 時間も来たので、ちょっと通告した部分を取り下げて、最後に、大畠大臣に伺います。

 これは石原議員の質問と同じなんですけれども、民間の造成地、これは先ほどの特定の団地だけでなくて、今度の地震で、民間のいわゆる盛り土をした団地、特に段々畑のような団地は、全部、盛り土部分は地すべりしたりして崩れていますね。

 これを、民民の世界ですから、行政で補助金を出すという形はなかなか難しいんですけれども、一つ、大規模盛土造成地滑動崩落防止事業という事業がございます。これは、中越沖地震で、柏崎市の山本団地というところで行われた事業なんですけれども、唯一、ここの例が一件だけなんです。

 ここの負担割合を見ますと、国が四分の一なんですね。あとは全部地元負担という形になっていますので、これでは本当に使いづらい。地元負担、特に、民間も、個人も四分の一負担させられていますので、そんな負担はできないわけですから、これをもっと使い勝手のいい、バージョンアップ、いわゆる全額国費でというところにぜひ持っていってほしいんです。地すべりで、いわゆる民間で造成した土地をきちんと国の力で再生できるような、そんなところをぜひお願いしたいんですけれども、御意見を伺いたいと思います。

大畠国務大臣 吉野議員の御質問にお答えを申し上げます。

 ただいまの御質問は、大規模盛土造成地滑動崩落防止事業の国庫負担率をもっと上げるべきじゃないかという御質問でございます。

 今の御質問の中にありましたように、今回の大震災では、各地で大規模ないわゆる地すべりが生じております。私も現地に行きましたときにそのようなものを視察させていただきましたが、これをどうするか、自治体も大変頭を悩ませているところであります。

 ただ、現在の制度では、御指摘のように、国が四分の一、こういうことになっておりまして、これで自治体の方も、あるいはその住民の方々も、これからどうするかということで大変頭を悩ませているところでありますが、何とか、今御指摘のように、このままではなかなか先行きが、どうするかというのが見えてきませんので、関係自治体とも連携をとって、新潟県の中越沖地震のときにもいろいろ工夫をさせていただきましたので、今回の震災においても当該事業を活用して、そして、その地域の方々が安心して住むことができるようないろいろな工夫をしていきたいと考えているところであります。

吉野委員 ありがとうございます。

 使い勝手のいいように、そして被災者が負担のないように、ぜひ工夫をしていただきたいと思います。

 これで質問を終わります。ありがとうございます。

黄川田委員長 次に、秋葉賢也君。

秋葉委員 自由民主党の秋葉賢也です。

 今回のこの特別委員会における法案審査は、政府案そして我が党案と二本出されております。基本的な考え方に大きな違いはないと思っておりますけれども、手法においては大変な違いがございます。

 私どもは、これだけの規模の震災を受けて、やはり権限やあるいはその窓口を一本化して、強力な体制をしいていくべきじゃないのか、そして、そのための組織を独立したものにすべきだという点が最大の違いだろうというふうに思っております。

 昨日の議論でも、いいものであれば歩み寄りも必要だというような総理答弁もございました。そういう観点から、私たちも、単に対策を行う組織というものが、企画立案、調整だけではなくて、やはり実施まで含めて、ワンストップで行っていけるような体制をつくり上げていくことが大事だと思っております。

 そういう文脈から、復興院でも復興庁でも名称は何でもいいんですけれども、そうした独立した、一元化した、権限と財源を集約した組織をぜひつくるべきだというこの我が党案について、改めて、きょうは総理が御欠席でございますから、官房長官に御認識を伺いたいと存じます。

枝野国務大臣 自民党が提案をされている復興再生院については貴重な御提案だと思っておりますし、そこでお考えになっている考え方といいますか、恐らくワンストップでしっかりと対応するということ、その必要性については全く同意見でございます。

 ただ、その復興再生院が具体的にどういう事務を所管して、そして既存の省庁とのどういう役割分担をするのか、あるいは守備範囲をどういうふうにされるのかということが、別に法律で定めるということで、今後の検討にゆだねられているということで承知をいたしております。

 私ども、このあたりのところを細かく詰めていくと、なかなか難しいところがあるのではないだろうかというふうに思っていますが、ただ、そうした中で、最大限ワンストップ化をするということを目指したいということでは一致をいたしておりますので、ぜひ、具体的にどういうふうな役割分担、既存の役所との線の引き方、あるいは所管する地理的な範囲、例えば青森県や茨城県においても復興の事業はあると思います。そうすると、例えば関東の建設局とかと復興事業との関係はどうなるのかとか、それから直接事務をやる部分でいうと、維持管理業務とまさに復興の業務とをどう分けるのかとか、そういった点について具体的な意見を交換させていただければ、私は最終的にそんなに違った形ではないんじゃないかというふうに思っております。

秋葉委員 確かに、どこの権限までを移譲するのかというのは、ある程度整理は必要です。基本的には、今回つくるであろう復興の基本計画に基づいてどういった部分のかかわりがあるのかということを、やはり縦割りではなくて、そこに行けばすべて判断できるというような形にすべきだろうと思います。

 よく引き合いに出される、一九二三年の関東大震災時につくられた復興院もそうだと思いますし、また、最近では、二〇〇四年のインドネシアでのスマトラ沖の地震がございました。巨大津波によって二十二万人もの方が犠牲になられたわけでございますが、これが五年たたずにある程度の復興を遂げた最大の理由の一つだと言われているのが、各省の権限を束ねて、現場に復興庁をつくって指揮に当たったからだと言われております。やはり、現場の声がスピーディーに伝わる、そして他省庁との調整のいとまを簡便化するというようなことがこれから必要だと思います。

 私どもは、この法律を十年間の時限立法でやっていこうということで、あらかじめ終期設定して取り組んでいるわけでございまして、この復興院の設置まで若干時間はかかりますけれども、この間に十分協議をいただいて、設置をしていくという方向で政府側にも歩み寄りを求めたいと思いますが、再度御答弁いただきたいと思います。

枝野国務大臣 繰り返しになるかと思いますけれども、今の政府案においても、例えば地域、県や市町村の皆さん等がさまざまな御要望、地元の事情や状況等をお伝えいただく窓口、あるいは国の方で決まった施策等をお伝えする窓口は、それぞれの県に設置をされる現地対策本部、ここでワンストップ化をする、なおかつ、そのワンストップ化された現地対策本部は、例えば既存省庁の現地機関に対する相当強力な総合調整権限を持って、事実上そこで決めていくということを考えているというか、そういう仕組みになっているわけでございまして、ただ、法律上どう書くかということの違いかなというふうに思っております。

 そうした意味では十分にすり合わせができるというふうに考えておりますので、ぜひ、できるだけ早い時期に、そうしたすり合わせの上で、いずれにしても早くスタートを切らせていただくことが重要だと思っておりますので、御協力をよろしくお願い申し上げます。

秋葉委員 ぜひ、右に行ったり左に行ったりすることなく、ワンストップで強力に対応していくための組織を最初から念頭に置いて取り組んでいくということが最も重要なことだと思っておりますので、改めて強く申し入れをさせていただきたいと思うわけでございます。

 また、きょうは前半戦に取り上げさせていただきたいのは、きょうも何人かの委員から質問がございました二重債務の問題について、これをどうクリアしていくのかということは大変大きな課題だと思っております。やはり制度設計にはこれからある程度のタイムラグ、一カ月、二カ月、三カ月という時間がかかると思いますけれども、この間にも、希望を失って廃業を決めてしまう、あるいは倒産に追い込まれるという企業が出てこないようにしていかなければなりません。

 その意味で、具体的な制度設計ややり方というものの方針を早く示していくことが何よりも重要だと思います。そして、その実施というのは多少タイムラグがあってもいい。しかし、被災された地元の方々に対して、時間をもう少し待ってもらえればこういう形で二重債務にしっかり対応していきますので御安心ください、このメッセージが今発せられないことには、制度ができ上がったころにはもう手おくれだ、こういうふうになってはいけないと思うわけでございます。

 きのうも、総理の御答弁を伺っていますと、何かしら出資のような形ができないのかという総理御自身の御発言もございました。きょうの議論の中でも、基金をつくってそこから充てていくという議論もございました。また、きのうの官房長官の御答弁の中には、債権放棄も含めた貸し付け条件の変更、債権放棄というものはまだ踏み込んだ対応がなされておりませんけれども、こうした御発言がございました。貸し付け条件の変更等は、今鋭意金融庁でも今回の補正も含めてやっていただいております。

 仮に旧債務について債権放棄をした場合に、官房長官はどんな前提でこの債権放棄ということをおっしゃったのか。つまり、金融機関の負担ということにこのままいけばなってしまうわけでありますが、それを何かしら救済することを念頭にした御発言なのか。この債権放棄ということについての考え方を、まずはお伺いしたいと思います。

枝野国務大臣 二重ローンが問題になるような、特に事業のケースですと、既に既存のローンがあって、そういう状況で二重ローンを組んで事業を再生させてということはとてもできない、したがって事業再建をあきらめてしまうということですと、事業の再建がなされないわけですから、既存債務の返還自体も事実上不可能になる、つまり、銀行にとっては貸し倒れになってしまうということが想定されるケースであるというふうに思います。

 だとしたら、そちらについてしっかりと、資本注入等、資本増強等によって金融機関の経営に影響を及ぼさないようにする。なおかつ、税の面などでしっかりと対応をする。そして、一般的には、債権放棄、債務免除がなされると再生、再建がしにくくなるわけでございますが、そういったところにも手当てをするということができれば、それぞれ、債務を負っていらっしゃる方にとっても、再建ができて既存の債務がなくなるし、金融機関にとっても、どちらにしろ貸し倒れる債権でありましたから、それを早く処理して、なおかつ資本増強も受けて、そして税などの面でしっかりと対応が受けられるということでございますので、こうしたスキームをきちっとつくれれば、利害関係者どなたにとっても実は損はないということの中で、二重債務の問題に対応できるというふうに思っております。

 もちろん、税の問題、それから、債権放棄を受けながら新たな融資を受けるということについての条件設定とか、軽々に、簡単にはできない部分が少なからずあると思っておりますが、利害関係当事者にとって、だれにとっても損がないというスキームがつくり得るというふうに思っておりますので、こうしたことを念頭に、金融庁において検討を進めていただいています。

秋葉委員 ぜひ、この債権放棄も前提にしたスキームをやるんだというメッセージを早く出していくべきじゃないかと思うんですね。

 ただ、その際、注意していただかなきゃいけないのは、やはり金融機関も千差万別でございます。体力のあるところ、ないところ、そこに同じような条件で公的資金が出されたからといっても、それが原因でまた経営逼迫するようなことにならないように、その金融機関の実情に応じた公の支援のあり方ということを前提にした債権放棄でなければならないんじゃないかなというふうに思っております。大事なことは、早く、そうした政府としてやるんだという取り組み、メッセージをやはり被災地に伝えていくということが何よりも重要なことだと思っております。

 また、官房長官の御発言の中にも、総理の御発言と同様に、出資というような形ができないかと。これは前提として、貸し付けではなくということになります。

 岩手県でも一兆円の基金の創設の話などが、私も伝え聞いておりますが、基本的に、こうした基金を使ってやるものというものは、やはり貸し付けであり、融資という枠組みの中での話でございます。もちろん、融資やそうした貸し付け自体もありがたいわけですけれども、当たり前のことですが、この二重債務の問題というのは、ただでさえ大きな重荷を負っているわけでありますから、それを一たん棚上げにして、ゼロベースでやっていけるスキームをつくれないのかということが出発点でなければなりません。

 そうした問題意識からいいますと、やはり、貸し付け云々という話ではなくて、融資という話ではなくて、助成金や補助金のようなやり方でもいいですし、もちろん基金でもいいんですけれども、その基金から出てくるものは貸与ではなくて給付、給与するものでなければならないというふうに考えておりますが、この基金に対する具体的な考え方をもう少し詳しく伺いたいと思います。

枝野国務大臣 基金という言葉のもとでもいろいろなイメージをそれぞれお持ちのようでございますし、過去の例もあるようでございます。

 そもそも、基金の場合に、基金そのものを取り崩し型でいくのか、金利を使ってやるのかということについても、全然枠組みが違っています。

 したがいまして、基金について今どうこうということはなかなかお答えしにくいんですが、今御指摘いただきましたとおり、融資という形では結局ローンは二重になってしまう。そうすると、とてもではないけれども従来上げていた利益等から想定しても返せないということで、再建を断念されてしまう方が多々出てくるということが想定される。

 それに対して対応するためには、既存の債務を何とか先ほどのような話で事実上なくすのか、それとも、新たな再建のための資金を借り入れという形ではなく用意をするか、そのどちらかしかないわけでありまして、その二つの組み合わせをしていく。

 そうしますと、借り入れではない形で事業の再建を進めていただくためには、贈与、補助金等という形でお出しをするか。ただ、これで一〇〇%というのはなかなか難しい部分があろうかと思いますので、そうした形であれば、途中に何らかのクッション、基金なりなんなりを絡めて、そこからの出資という形であれば、これは借り入れにはなりません。

 それからもう一つは、先ほど小野寺委員の御質問で御提起をいただいた、国あるいは公共的な機関が設備投資等を行って、最初のうちは無償でもいいかもしれないと私は思っておりますが、それを一定程度安い賃料等でお貸しすることで、事実上、事業のための設備投資に負担なく対応できる。ほかにも多分、各省で今いろいろ知恵を絞っていただいていますので、あるいは皆様方からも御提案いただければ、できることはどんどん取り入れたいと思っておりますので、そうしたさまざまな知恵を組み合わせて、新たな借り入れでなく再出発できる、その間口を広げたいというふうに思っております。

秋葉委員 官房長官からも誠実な御答弁だったと思います。ただ、やはり具体的な取り組みをどうするのかについては、まだ前進が見られておりません。

 これは私も専門家ではありませんけれども、今後の検討の中で、具体的に、実施主体に対してどうかという指示をお願いしたいと思っておりますのは、例えば出資については、企業再生支援機構というものがございます。これはどちらかというと大企業の再建を目指すことが前提でつくられた機構、組織でございますけれども、そうした機構に対しても、出資という観点からの検討をこの機構でできないのかということも個別に、既にもう御指示をいただいているかもしれませんけれども、お願いをしたいと思います。

 また、債務者の旧債務の買い上げという問題についてはそれぞれの金融機関全般にかかってくることではありますけれども、とりわけ、例えば政府が三兆円の資本金を全額出資しております日本政策金融公庫などに中心的に担わせるということも検討していくべきではないのか。特に、この日本政策金融公庫の場合ですと、国内に百五十二支店がございまして、現場に足を持っていますし、現場の実情がよくわかっていますし、実際、今回の震災でも大変きめ細かな対応をしていただいております。

 やはり民間金融機関での対応にタイムラグが考えられるのであれば、まずこうした政府系の金融機関で直接的に先行して当面やってもらうということが必要だと思いますが、この今の私の具体的な提案に対してどのようにお考え、御認識をお持ちになったでしょうか。

枝野国務大臣 政府系の広い意味での金融機関については、この十年ぐらいの間にいろいろと役割、権能が変わってきております。なかなか直接的にやりにくい部分が実は拡大をしているのが現実であります。

 しかし、こうした状況のもとでございますので、必要があればもちろん法改正等もやっていかなければならないかもしれませんが、今の御指摘は、特にそういったことを待たずに急いでできることという御指摘だと思いますので、それぞれの設置法の範囲内で最大限の柔軟性を持って対応できるように各省に努力させるよう指示したいと思います。

秋葉委員 ぜひお願いしたいと思います。

 改めて地元の状況をお伝えしておきますと、商工会議所あるいは商工会、いろいろな組織が中小企業団体にございますけれども、例えば宮城県の商工会に所属をしております会員企業数というのは二万二千社を超えております。その約半分が何かしらの被災に遭いました。

 そして、商工会が独自に行ったアンケート調査を見ますと、この中で、六百社を超える方々が廃業を検討せざるを得ない状況だと回答しているんですね。そして、このデータには、今回壊滅的な被害を受けた南三陸町や女川町の意向調査は入っておりません。

 ですから、こういったところの調査が加われば、まさに県内でもう既に千社を超える企業群が継続をあきらめている、あるいはあきらめざるを得ないという状況に今現に追い込まれているわけでありますから、今後の検討です、検討ですということで、もう二カ月以上もたつことは許されないわけであります。そういう意味でも、早期にこの国会中に二次補正を組んで、そして今官房長官と議論させていただいたような具体化をしっかりと図っていただきたいと思います。

 時間もございませんので。

 きょうは、松本大臣にもおいでいただいております。

 昭和二十年代にできた災害救助法に基づいて、今回いろいろなスキームを組んでいただいているわけでございますけれども、実は、この二十三条の中で、救助の具体的な種類として九項目挙がっています。いわゆる仮設住宅の供与でありますとか、あるいは炊き出しによる食品の給与、飲料水の供給ということ、いろいろ盛り込まれておりますが、この七番目に、生業に必要な資金というものが明確に規定をされているんですけれども、私は、これは厚労大臣になりますか、この災害救助法の規定に基づけば、もともと、生業に対して貸与ではなくて国が直接給付できるんだという規定があるわけですね。ですから、この規定に依拠して、事業主に対しても一定の配慮をしていくということができないのかと思うんですが、いかがでしょうか。

細川国務大臣 災害救助法の二十三条七号のところに、「生業に必要な資金、器具又は資料の給与又は貸与」、この給与のことを言っておられるということで、確かに、この規定そのものからいけば、被害に遭った人に対しての資金の提供といいますか、貸与ではなくて支給、こういうことだと思います。

 ただ、委員、これは二十二年に制定をされまして、その後一度もこの条項が適用されていないんです。その理由といたしましては、特に営利活動に対する、公費を直接的に給付するということ、これにはやはり憲法上とかいろいろなことから慎重であるべきだという考えに基づいて適用されていなかったのではないかというふうに思います。

 そこで、三十年には、それにかわるようなものといたしまして、被災者の方に対しての生活再建支援として、新たな生活福祉資金貸付事業というのをつくったり、そういうことで、災害に対しては、いろいろな形で被災者に対しての支援というのが、例えば日本政策金融公庫などを通じた被災者に対する災害復旧貸し付け、そしてまた東日本大震災復興特別貸し付けとか、こういうような制度が用意されておりまして、そちらの方で被災者の皆さんに支援をしていく、こういう枠づけでぜひやらせていただこう、こう思っております。

 したがって、災害救助法のこの規定につきましては、委員はこれを活用と、せっかくいいアイデアとも思われますけれども、しかし、いろいろな歴史的な経過からいきますと、これにかわる形でいろいろと支援をさせていただくということで御理解をいただきたいというふうに思います。

秋葉委員 時間の方がございませんので残りは午後に持ち越したいと思いますけれども、今大臣からお話がございました。確かに、例えば被災者生活再建支援法とか、いろいろなものがその後できて拡充してきたという歴史がございますけれども、実は、この災害救助法の施行令を見ますと、生業を災害で失った方々にも三万円が出るとか、就職支援金としてプラス一万五千円が出るということを昭和二十二年に決めているわけですね。そういったことが一度も今まで発令されてこなかった。今の時代に換算すれば、この金額というのはもっと大きくなっていると思うんですね。

 ですから、今現にある法制度の施行令を見直すだけで、法的な根拠を得て税金が拠出できるという形になるわけでありますから、今回の災害を契機に、大いにこの点について大臣には検討をしっかりとしていただくことをお願いいたしまして、午前の部を終わりにさせていただきます。

黄川田委員長 午後一時三十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時五分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時三十分開議

黄川田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。秋葉賢也君。

秋葉委員 自由民主党の秋葉賢也です。午前中に続きまして、よろしくお願いいたします。

 さて、今回のこの通常国会では、先に財政的な支援の拡充ということで、財政援助の横出しや割り増しを適宜実施をいただきまして、地元市町村もまず一安心というところでございます。

 今回、この適用自治体を決めるに当たりまして、政府は四つの基準を示して対象自治体を選定したわけでございます。そういった中で、残念ながら、宮城県においては四つの自治体がこの対象から漏れてしまいました。特定被災地方公共団体の該当とならなかったわけでございます。それはすなわち、震度六弱以上、あるいは住宅の全壊戸数が一定規模以上であること、あるいは津波も二・四メーター以上等々の基準に該当しなかったからであります。

 今後、四番目の基準でございます、これからの復旧事業に当たっていわゆる地元負担額の標準税収割合が五%を超える、こういった基準に該当すれば、漏れた市町村も、今度宮城県でも対象になってくるわけでございますけれども、丸森の町長さん、七ケ宿の町長さん、あるいは色麻町長さん、加美町長さんは、なぜ同じように宮城県で被災をしておいて我々だけが除外されたんだと大変悲痛な心持ちで連絡がございました。

 今後の復旧事業費の見通しがわからないと四つ目に該当するかどうかもわからないということもございますけれども、少なくても、政府側からこの見通しをまずは冒頭伺いたいと存じます。

松本(龍)国務大臣 御指摘の財政援助法、財特法でありますけれども、被災者を思う気持ちは一つということで、短時間で五月二日に成立をさせていただいたこと、敬意を表したいと思います。

 被災地方公共団体は、今おっしゃったように、公共土木施設の災害復旧事業等への特別の財政援助を行う対象であることから、被害額と当該市町村の税収入を比較して、負担の大きなものを選定すべきものであるとしております。

 しかしながら、東日本大震災では、広範囲に甚大な被害が発生して、また壊滅的な被害を受けた地域も多く、被害の詳細を全体として把握するには相当の期間を要すると見込まれるために、法制定時には、いわゆる外形的な基準を基本としたところであります。

 今御指摘のとおり、適用された市町村のうち、一から四までありまして、先ほど言われました、公共土木施設等の災害復旧事業費及び災害廃棄物処理に係る地元負担額の標準税収入に対する割合が五%超という基準に当たるということがあるんでありますけれども、現在、関係省庁あるいは地方公共団体が協力をして被害の把握に努めているところであり、その結果、新たにこの基準に該当することとなった市町村については、適切に指定をしてまいりたいというふうに思っております。

秋葉委員 大臣が御答弁の制度については私も承知しております。

 今具体に申し上げましたこの四つが、大体、被害額はまだ確定はしておりませんが、行政部分の被害額はおよその見通しがついているわけでございますので、私は昨夜のうちに、四つ目に該当するのかどうか聞くから答えてほしいということで通告をしておりました。丸森町については該当するであろうという報告をいただきましたが、ほかの三つについては早く試算をしていただいて、きょう御答弁をしてほしいと要請をしておりましたので、明確にお答えいただきたいと思います。

松本(龍)国務大臣 鋭意検討中であります。そういう意味では、岩手県も十四、福島県でも十四の市町村がまだ指定をされておりません。

 これにつきましては、昨年の十月二十日の奄美大島での豪雨災害でも、激甚指定、局激指定が一つの町だけ指定をされておりませんでしたけれども、ことしの一月、局激を見直すことによって、すべてが当てはまるということで、結局、やはりしっかり見ていきながらこのことも対応していかなければならないと考えております。

秋葉委員 せっかくゆうべのうちに通告したのに御試算がいただけなかったこと、大変残念でございます。きょうじゅうでも構いませんので、至急見通しについて御報告をいただくようにお願いしておきたいと存じます。

 震度六弱で区切ったということにどれだけ合理的な根拠があるんだろうか。被災地の中で、基礎自治体の線引きというのはある意味では便宜的なものでございます。極端なことを言えば、同じ自治体の中でも、揺れの強さは震度計をいっぱい置いておけば違ったろうというふうに私は思うんですね。

 ですから、被災地の首長さん方の御心労、御負担というものを考えれば、やはり都道府県単位で区切るというような柔軟性を持って対応するのも私は大事な視点ではなかったのかなと。今後の取り組みの中で、こうした基準の設置についてこうした御配慮をいただくように強く申し入れをさせていただいて、次の質問に移りたいと思います。

 この通常国会においては、いわゆる平成七年の阪神・淡路大震災を受けて制定されました地震防災対策特別措置法の五年間の延長手続の立法もなされたところでございます。振り返って、もう何年にもなるわけでございますけれども、この特別措置法では、全二十九の施設についての整備を計画的にやっていこうということで取り組んできたわけでございます。

 改めて、延長になった部分はこれからでございますけれども、例えば、二十九施設もあるわけですから、それらを逐一ここで御報告いただくわけにはいきませんが、事実として、これまでの整備の進捗状況について統一的なデータをとっていないということでございます。ある意味では、適宜検証していくということが大事だと私は思っておりますけれども、きょうはわかる範囲で結構でございますから、これらの整備計画に基づいてずっと何十年にわたってやってまいりました整備状況について、その概要を簡単に御報告いただきたいと存じます。

松本(龍)国務大臣 御指摘の地防法の件でありますけれども、平成十八年度から平成二十二年度までを計画期間とする第三次五カ年計画におきましては、二十九施設、約十二兆円の計画額に対して、平成二十二年度までで約八兆四千億円の事業が実施されたものと見込まれており、進捗率は約七〇%であります。このうち、個別の施設につきましては、例えば避難路については約六八%、緊急輸送道路については約八八%の進捗率となっております。

 なお、地震防災対策特別措置法については、公立小中学校の耐震化等に係る国の負担または補助の特例に関する規定の有効期限が先般の法改正により平成二十七年度末まで延長されており、引き続き、関係省庁と連絡をしていきながら、事業を着実に推進してまいりたいと思います。

秋葉委員 今大臣からの御答弁のとおり、総括をすると全体で七割だという御答弁がございました。二十九施設に、多岐にわたっておりますけれども、都道府県においてこの数字には大変な格差がございます。こうした格差をやはり国のレベルで調整をする、助言をしていくということが必要だと思います。そのために私たちは五年間ごとに区切って整備を進めてまいってきたわけでございますので、ぜひ、今後の取り組みの中で、市町村間あるいは都道府県間の格差是正を指導しながら、これの達成率を高めていっていただきたい、こう思うわけでございます。

 さて、今回、この整備の中でも、それぞれの都道府県、市町村が指定をしております避難所の問題。

 今回、宮城県、特に仙台市などにおきましても、ライフラインが断たれたということもございまして、ピーク時には市内だけで十万人の市民が避難をいたしておりました。今は、仙台市内の場合には今回の制度の中で民間の賃貸住宅に入られる方がたくさんおりまして、大分そうした民間のところに移ってもおりますし、仮設住宅にこれから移ろうという方もおりますので、二千人を切る水準にまでなってまいりました。

 そうした中で、避難所に指定をし、また、それぞれの自治体が頑張って、いろいろな飲料水やというのを備蓄したり、対応してきているんですけれども、これもやはり同じように、非常に避難所の中における格差という問題がございます。

 そういう中で、特に今回の災害を受けて痛感をいたしましたのは、食料品等々の備蓄、水の備蓄も非常に大事でございますけれども、そもそも、避難所における備蓄や設備の整備状況というものを、しっかり国の方でガイドラインを示して、そしてまた取り組みを図ってきたのかというと、いわゆる福祉避難所については一定のガイドラインがあって、こういうものを準備しなさい、あるいは避難所についても、それぞれの自治体でこうしたガイドライン、国に準じてガイドラインをつくって、避難所にはこういうものを備えようということでやってきていることはやってきているんですけれども、やはりこれまた実態においては大変な格差がございます。

 ですから、私は、これから国として、避難所にしても福祉避難所にしても、ただのガイドライン、今あるガイドラインはこういうものが必要だということがずらずらと書いているだけでございます。そうじゃなくて、避難所の規模に応じてどれぐらいのボリュームで必要とされるのかという数値的な目標、こういったものを書き込んでいくことが必要だと思うんですけれども、避難所における装備品あるいは備蓄品などの整備率について、国としてはどのように把握しているのか、お伺いをしたいと思います。

松本(龍)国務大臣 厚生労働省にはそういった福祉避難所等についてのガイドラインがあるというふうに聞いておりますけれども、私たち内閣府といたしましては、今お話をいただきました。ともかくも、もう発災から七十幾日たって、まだまだ厳しい避難所におられる方々に対して、きのうよりきょう、きょうよりあしたと状況を改善していくということで今努力をしております。

 そういう意味では、しっかりこのことをやってまいりたいと思いますし、調査をいたしまして、厳しい避難所があれば改善をするために努力をしていきたいというふうに思います。自衛隊も、今、寒風沢島とか牡鹿半島とか、さまざま手伝っておられます。そういうこともあって、これからまた取り組んでいきたいというふうに思います。

細川国務大臣 委員御指摘の震災前からのきちっとしたガイドライン、福祉避難所につきましては従来からガイドラインがございます。これは、厚生労働省というよりも日本赤十字社の方でガイドラインをつくりまして、それに沿って福祉避難所が指定をされております。

 このあらかじめ指定されました福祉避難所は、被災三県で二百八十八カ所でございますが、これらについては、設備については、段差の解消などのバリアフリー化、あるいは冷暖房設備やラジオ、テレビなどが例示をされておりまして、物資や器材といたしましては、衛生用品あるいは毛布、食料、ポータブルトイレとか担架とか……(秋葉委員「数値目標に入れるお考えが今後ありますか」と呼ぶ)はい。

 そういうことで、そのガイドラインが示されておりますけれども、それ以外にはないという状況でございまして、しかも、それらが現実にどのような形で整備をされていたかということについても、残念ながら、しっかりした実態調査もされていないということでございましたから、今後は、この震災を契機といたしまして、委員が御指摘のような形の数値目標もしっかり検討して、どのような形でしっかり整備をしていくか検討してまいりたい、このように考えます。

秋葉委員 ありがとうございました。

 大臣、実は、この厚生労働省がつくった福祉避難所のガイドラインは大変立派なものなんですが、どれぐらいのボリュームで必要なんだということが明示されておりません。

 ですから、今も御答弁いただいたように、一つの数値目標、これは一律に市町村に義務を負わせるものではなくていいと思うんです。あくまでも一つのガイドラインですから、自治の範囲でやっていけばいいことですけれども、国としては、一つの目安としてこうしたボリュームで整備していくことが必要だ、こういうことで今後具体的な数値目標も入れて取り組んでいただきたい。

 それから、やはり現況の整備の進捗率というものがデータとしてないんですね。これは、恐らく各自治体では持っていると思います。ですから、国でそういうのをしっかり報告いただいて、何が問題点なのかという課題をこれから浮き彫りにしていく必要があると思いますので、ぜひ早急に着手をいただきたいと思います。

 そして、松本大臣におかれましては、福祉避難所だけじゃなくて、いわゆる一般の避難所がほとんどの方は駆け込み先になります。今、この避難所についての、いわゆるミニマムでの、それぞれの基礎自治体での取り組みに任せるべきことではありますけれども、ある意味ミニマムとしての指針を、特に自治体のマニュアルを見てもやはり数値的なものは示されてないんですね。こういうものを置くということだけしか言っていませんので、非常にでこぼこがございます。そういう意味で、一定の目安としてのガイドラインをやはり示すべきだと私は思いますけれども、いかがですか。

松本(龍)国務大臣 今御指摘の点、大変重要な御指摘だと思いますので、検討してまいりたいと思います。

秋葉委員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。

 それで、この避難所で、私、今回痛感をいたしましたのは、本当にライフラインが途絶える中で、例えば自家発電が十分備えられていればな、あるいは貯水槽、あるいは学校が避難所に指定されているケースが多いわけでありますから、プールの浄化施設があればな、いろいろなことを思いました。

 そういう中で、国として避難所におけるこの整備の進捗状況をとっているデータというのはないんですね。避難所のほとんどが学校であることからいたしますと、文部科学省では学校における整備状況を調査していただいております。

 この資料を見ますと、例えば避難所における自家発電の整備率、全国平均では一三・七%なんですけれども、大変残念ながら私の宮城県では三・六%でございまして、耐震は力を入れてやってきたので、仙台の学校なんかは一〇〇%耐震も終わっておりますし、県全体でも九割を超えているんですけれども、残念ながらこの自家発電装置については大変低い数値になっております。

 また同様に、貯水槽やプールの浄水設備、これも全国平均が二七%あるんですけれども、我が宮城県では、大変恥ずかしいことでもありますけれども、五%の水準にとどまっている。やはり、こうした点も、こうしたでこぼこがあってはならない。がゆえに、数値的な一つの目安を入れて指導していくということが大変重要なことだと思っております。

 そして、中越地震後は、新潟県の避難所に指定されているところではほとんどの施設にシャワールームの設置がされたという話も伺っております。給水が復旧をする、電気が来るというふうになれば、避難所の中でシャワーが浴びれる、おふろに入れるというのは大変ありがたいことなわけでございまして、電源の問題も多元化していかなければいけないという課題もございますけれども、今後、こうした特に発電施設あるいは貯水施設の充実を目指していただきたいと思いますが、きょうは文科大臣にもおいでをいただいておりますので、今後の方針について簡潔にお答えをいただきたいと存じます。

高木国務大臣 秋葉委員にお答えをいたします。

 公共施設の中でも、特に全防災拠点と言われるものに占める割合、これは約六割以上が学校施設になっておる状況です。これを見てみましても、いかに学校施設がそれぞれの地区の防災拠点であるかが一目瞭然でございます。

 今、経験からいろいろ御指摘がございました。特に、緊急の場合の自家発電装置、あるいはプール、貯水槽の浄水装置、こういったものは今回の災害においても非常に求められたところでございます。したがって、私たちは全国水準をかなり上げていかなきゃならぬだろう、このように思っております。もちろん、補助制度もございます。これからも地方公共団体の要望をきちっと受けとめながら最大限の取り組みをしてまいりたいと思います。

黄川田委員長 ちょっと答弁漏れがありますので、国務大臣松本龍君。

松本(龍)国務大臣 被災者支援チームで、被災三県からは要請がありまして、三百七十二基の発電機を届けております。

秋葉委員 時間も参りましたけれども、ぜひ数値的なものも入れた具体の状況をしっかり把握してガイドラインの中に盛り込んでいただきたいことを、強くお願いしておきたいと思います。

 時間も参りましたが、最後に一点だけ取り上げたいと思いますのは、今回の地震保険について。

 地元では、本当にまだ加入率は、宮城県は全国一高うございまして、三割を超えております。そういう中で、特に家財については割と弾力的に見ていただいて、大変助かったという声が強いんですけれども、本体部分については、全壊は一〇〇%、半壊は五〇%でございますが、一部損壊の対象が五%ということで、この五%と五〇%の間にもう一つの基準をつくれないのかという声が大変強うございます。そういった意味で、この基準についての見直しをぜひこれから図っていくべきだと思いますが、担当大臣にお伺いをいたしまして、私の質問を終わりとさせていただきます。

野田国務大臣 火災保険等、いわゆる通常の損害の査定は、これはきめ細やかに損保の会社がやります。だけれども、地震の場合は、一挙にたくさんの損害の件数が出てまいりますので、それを適切に、そして迅速に処理するためには、ある程度簡便な区分でないと対応できないというのがありまして、今、全壊、半壊、一部損壊という区分けになっています。ただ、御指摘のように、その間に、程度の差によってお支払いする額が大きな差が出てまいります。そういうデメリットがあるんですね。

 今回は、五十五万件の受け付けがあって、三十九万件の支払いが済みました。これは、迅速さという意味では効果があったと思います。今申し上げたようなデメリットもございますので、損保会社は懇切丁寧に、納得感のあるように保険支払い者に御説明するとともに、そういう現場を担当されている皆さんの御意見もよくお伺いをしながら、改善すべきところがあれば改善をさせていただきたいというふうに思います。

秋葉委員 ありがとうございました。

 もともと、この地震保険が対象としていたところは全壊のみでございました。これが制度の始まりでございます。それから半壊に拡大して、それではほとんどの人が報われない、救済されないということで五%条項ができた、こういう歴史がございます。

 ですから、そろそろ、この五%と五〇%の間にもう一つの基準を置く、そういう時期に来ているということを私は強く進言を申し上げまして、今後の取り組みを期待して、私の質問を終わります。ありがとうございました。

黄川田委員長 次に、遠山清彦君。

遠山委員 公明党の遠山清彦でございます。

 まず、財務大臣にお伺いをさせていただきたいと思いますが、先週の予算委員会、また本会議でも取り上げました、なるべく早く補正予算をやっていただきたいと。その理由としては、やはり私も、今、公明党の対策本部の復旧復興支援チームの座長をやらせていただいておりまして、その立場で、先々週の週末から先週の頭にかけて現地を見てまいりまして、すぐ予算委員会で質疑をさせていただいたわけでございますが、やはり現場で、スピード感がないという不満が非常に強いという現実がありました。

 それで、そのときは、予算委員会では、私は当日東北から帰ってきましたので、資料を提示するいとまもなかったわけですので、きょうお配りをさせていただいております。これは、多分、閣僚の皆様でごらんになっていない方がいらしたら、ちょっと驚くんじゃないかな。実は、私も驚いたんです。

 これは、私自身は、五月の十四日に大船渡市に参りまして、地元の戸田公明市長とお会いをした際にいただいた資料三点を、今、委員会の皆様にもお配りをさせていただいております。閣僚の皆様も手元にあるかと思います。

 一点目の資料が、大船渡市が独自に策定をしました災害復興基本方針です。これは日付を見ていただきたいのですが、四月二十日でございますから、今から見てももう一カ月前に、被災地である、甚大な被害をこうむった大船渡市でこういう立派な基本方針を出しております。私、全部を御紹介いたしませんけれども、一番に「基本理念」があり、二番に「復興計画の柱」があり、三番の「基本的な考え方」という中で四つの項目に分けられておりまして、一番が「市民生活の復興」、二番が「産業・経済の復興」、三番が「都市基盤の復興」、四番が「防災まちづくり」。そして、今私が言及した四項目について、それぞれさらにきめ細かい復旧復興への指針が示されております。

 さらに、二枚目の資料をごらんいただきたいと思いますが、これも大船渡市が独自につくった復興計画の策定の体制でございます。災害復興推進本部の本部長という形で市長がついておりまして、所掌事項も八つ明確に示されております。

 その下にいろいろな絵がかかれておりますが、どこが総合調整をし、そして市議会にもしっかりと説明をした上で復興計画を決定する。また、市民の意見をこの市の復興計画に反映させるために、市民とワークショップをするということで、四つの部会を設置している。そして、パブリックコメントもやるということが左の下にも明確に示されておりまして、きちんとした民主的な行政手続でもって復興計画を策定し、また実施をしていくということが容易に想像できる内容になっているわけであります。

 そしてさらに、最後の三枚目を見ていただきたいと思います。

 これは、私が先週の予算委員会で手に持ちながら、少々激しい言葉でありましたけれども、もっと早く政府は動いてほしいということを申し上げたときの資料でございます。これをごらんになっておわかりのとおり、三月十一日に発災をして、この表は、三月三十日から大体六月の末まで、主としてどういう時系列で災害復興に当たっていくかということが書かれているわけでございます。

 私、正直申し上げて、今、国の方ではこの委員会で復興基本法をやっと議論しているときに、実は地元の被災地、これは大船渡市ですね、ここまできめ細かく、体制も整え、時系列の工程表も明らかにし、そして基本理念から指針も明らかにしている。これが、政府の方が復興構想会議の第一次提言を受けて、恐らくそれはそのまま政府は丸のみはできないでしょうから、関係省庁と調整をして、もしかすると、ようやく七月ぐらいに大船渡市が四月にやったことが出てくるということになってしまったら、これはスピード感がないと地元から言われてもいたし方ないのではないかという趣旨で、私は予算委員会で申し上げたわけでございます。

 このことを、ぜひ、つまり、被災地によってはここまで進んでいないところも当然ございます。しかし、沿岸部の、甚大な被害をこうむった一つの町である大船渡市がここまでやっているという御認識を閣僚の皆さんがしっかり持って、やはりスピード感を持って当たっていただきたいということを最初に強く申し上げたいと思います。

 その上で、財務大臣にお伺いします。

 財務大臣からは、先週の議論では、第二次補正予算を会期内でやるということについては余り前向きな御答弁をいただいておりません。そして、総理からも私の質問に対してはいただかなかったわけでございますが、先週の金曜日に参議院の予算委員会の中で、与党議員の質問に対して総理の方から、必要があれば第三次、第四次もやると。

 第三次、第四次もやるということは、第二次補正予算は当然早目にやるというふうに私は解釈をさせていただいたわけでございますが、野田財務大臣としては、総理がそういう方向性を具体的に明言されたという今日の状況におきまして、ぜひ、今国会の会期中に二次補正予算を策定し、国会に出すということについて明言をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

野田国務大臣 先般の参議院における総理の御答弁、私も聞いておりました。総理が申し上げたかったことは、まずこの五月二日に通った第一次補正予算をしっかりと着実に執行するということで、その上で切れ目のないような対応をしなければいけないということで、複数回にわたって補正を組まざるを得ないのではないかという御認識を示されたというふうに思います。基本的には私も同じ姿勢でございます。

 ただ、その二次をいつまでにどの程度というのは、まだ確定的に申し上げられるという段階ではないということでございます。

遠山委員 まだ確定的にはおっしゃっていただけないわけですが、今の御答弁で、切れ目のない対応をしなければならない、この表現は先週はありませんでしたので、ぜひ、きょうの質疑でも時間があれば言及しますが、第一次補正予算が国会で議論されて、通った前後、あるいはその後にこういうことが必要なんじゃないかという政策的課題が出ていると私は認識しておりますので、そこへの手当てはやはり第二次でやるしかないということでございますので、何か一・五次みたいなよくわからない中途半端な表現ではなくて、しっかりと二次補正で手当てをするという方向で努力をしていただきたいということを改めて申し上げたいと思います。

 続きまして、総務大臣にお伺いをしたいと思います。

 これも予算委員会で議論させていただきましたが、各市町村から被災市町村に応援職員が派遣をされているわけでございます。予算委員会では時間がなくて申し上げなかったんですが、私が南三陸町の佐藤町長とお会いしたときに伺った話は、端的に言えばこういうことなんですね。職員を急に欲しいとなったときに、国に頼むと、総務省に頼むとやっぱり時間がかかると。これまでの二カ月の経緯を踏まえれば、やはり、災害時の相互援助の協定を結んでいる姉妹都市のような市町村にお願いをするか、あるいは、今回の震災で大変ありがたいと思ったのは関西広域連合だ、関西広域連合にお願いすると全然早い、こういうお話がありました。

 私が具体的にどんな事例がありますかと言ったら、南三陸町、この後厚労大臣に質問させていただきますが、非常に医療関係で困っております。そこで、保健師を増派してほしいという話を関西広域連合にお願いしたら、関西広域連合の中で、南三陸町は兵庫県と徳島県の担当になっているそうなんですね。それで、そのお願いをした二日後に、兵庫県知事みずからが町長に電話してきて、どういう事情で保健師が必要なんですかと。町長がすぐ言ったら、わかったということで、二日で保健師の増派を手配してくれたと。これは、国を経由していると、下手をすると一カ月、二カ月かかる、こういうお話があったわけでございます。

 総務省も総務省で努力はしているのかもしれませんよ。しかし、現場に行くと、国が介在するとかえって時間がかかってしまうということが言われていることも事実でございまして、この点について総務大臣がどういう御見解を持っているか、まず伺いたいと思います。

片山国務大臣 それは、そういうことはあると思います。

 といいますのは、自治体の方からこういう職員を派遣してもらいたいという話が国に来ましても、国の職員を派遣するわけではありません、基本的には。したがって、自治体に声をかけて、こういう要請が出ておりますけれども、該当する職員を派遣する余裕がありますかということを伺うわけです。そこで返答があって、それを南三陸町なら南三陸町に提示して、後は相対でやってもらうということになりますから、やっぱりそれは時間がかかります。それが、例えば関西広域連合で、兵庫県に電話をして、もうそれまでにつながりがありますから、そこで即断即決で、知事が派遣しよう、市長が派遣しようということになれば直ちに決まるということですから、私は、それはそれで結構だと思います。

 今回の人材派遣は、縁故のあるところはぜひ縁故で自主的にやっていただくということは、これは基本になると思います。それをさらに県がカバーするとか、それでもだめな場合、それでも足らない場合は、最後のセーフティーネットという言葉がいいかどうかわかりませんけれども、国がちゃんと、多少時間がかかるかもしれませんけれども、ちゃんと必要な人員は手配をします、こういうことでありますから、今おっしゃったようなことは、むしろ私は、あり得ることだし、そういうことはあって当然だと考えております。

遠山委員 今のお話、御答弁を前提に提案をさせていただきたいんですが、私も被災地の現場に入って、関西広域連合というのは予想以上にすばらしいことをしているなと思いました。そこで、将来も、今回のような大災害が来ないということはだれも言い切れないわけでございまして、その際に、今回は関西広域連合が急遽体制をつくって東北の被災地を応援しているわけでございますが、例えば平時から、一つの都道府県とか市町村同士の関係だけではなくて、一つのエリア、広域でほかの広域のところを災害時に応援しますと。日常的にそういう連絡体制とか、場合によっては訓練もするというようなことを私は日本の国内でつくるべきじゃないか。

 例えばですけれども、では、九州と関西でそういう関係をつくっておくとか、あるいは関東と北海道でそういう関係をつくっておくとか、それを平時から訓練をしたり体制を組むことによって、今回、関西広域連合が急遽、急ごしらえの体制でやったけれども、被災地にこれだけ感謝されている、支援ができているということからしますと、私は、これはもちろん総務大臣が命令すべきと言っているわけじゃありませんよ。しかし、そういう議論をしっかりする。

 私はきょうの質問では申し上げないつもりでしたが、やはり、アメリカが持っているFEMAというか危機管理庁のような役所も日本にないわけですよね。だから、本来は、これだけ自然災害が各地で多い、今も実際、宮崎では新燃岳が噴火を続けているわけでございますし、そういった日本という島嶼国の、自然災害が多い、しかも甚大な被害をもたらす場合があるという特徴に着目をした非常時体制というものを新たに構築すべきだ。その際に、総務大臣の所管のかかわりでいえば、こういう地方自治体の広域連合同士で災害協力をするというような体制を構築するのにイニシアチブを発揮するというのは、一つのアイデアなんじゃないかと私は思いますが、いかがでしょうか。

片山国務大臣 一つの有効なアイデアだと思います。

 平時からいろいろな関係を結んで、自分たちの地域のいざというときの支援ネットワークをつくっておくということは、私は非常に重要だと思います。

 私の経験でいいますと、鳥取県におりましたときに、鳥取県で被害を受けたときにどこかから援助をもらいたい、県ないし県内の市町村が被害を受けたとき。それで、隣県は同時に被害を受ける可能性もありますので、瀬戸内海を越えた徳島県と実は協定を結びまして、お互いに相互応援をしましょうということをやりました。

 それに加えて、今のように、九州とか関西とか関東とか東北とか、そういうところが連合して、その広域単位で応援をするということは大変いいと思います。有効だと思いますので、今回の関西広域連合の取り組みも含めて、これから自治体の方に、そういうことを慫慂するといいましょうか、紹介を差し上げたいと思います。

黄川田委員長 ちょっと補足の答弁をさせます。

 国務大臣松本龍君。

松本(龍)国務大臣 私ども防災もかねてからそのことを考えておりまして、ある意味では、四年前の四川大地震で対口支援ということがあって、ここの省はここの町に行くとかということがあって、それぞれの国のそれぞれの災害からずっと学びながら、やはり関西広域連合もそれを教訓としたんだろうというふうに思います。

 南相馬の方たちも、燕三条、姉妹都市に行かれましたし、日ごろからそういう仲のいい環境をつくっていって、しかも、そういうときの防災協定みたいなものを結んでいくというのも一つの手だなというふうに思っております。

遠山委員 大変前向きな御答弁、両大臣、ありがとうございます。

 当然、市町村単位の防災協定というのは、これは私もあっていいと思うんです。ただ、関西広域連合がやっている一つの大きな長所というのは、関西の広域連合の中で、この町はあなたの県担当、あなたの県担当と、きちんとリソースを平等に被災地に回すということを広域で調整しているわけですね。それがもし、あの町とこの町とか、この市とあの市となると、場合によっては偏りが、つまり、日ごろから姉妹都市の交流が多いところにはばあっとたくさんの支援が緊急時に来ますけれども、少ないところに入らないわけですね。そうすると、広域でだれかコーディネートしなきゃいけなくて、総務省は、申しわけないんですけれどもそこまでできませんから、だから、さっきのお話のように、南三陸町は徳島県と兵庫県が担当と広域連合で決めて取り組んでいるところに非常にいいところがあるなと私は思ったので、提案をさせていただきました。ぜひとも、これからまた、防災大臣も含めて検討していただければと思います。

 総務大臣、次の質問は御答弁は要りません。というのは、きょうの実は読売新聞の一面に、私がきょう委員会で要望しようと思っていたことがもう答えで出てきておりまして、つまり、応援職員の派遣期間が短過ぎるのではないかという問題意識を私は被災地へ行って持っていました。

 実は、きのうの日経新聞の社会面には、岩手県の大槌町で、仮役場の窓口で長蛇の列ができて、もう九十分以上待っている、こういう話が載っておりまして、新聞の記事の中でも、六割ぐらいの応援職員の平均派遣期間が一週間と短いという指摘があったわけです。

 それを受けて、ぜひ総務大臣の方から派遣期間を長くということを助言していただこうと思ったら、きょう、宮城県への応援職員を半年以上の期間で十八都県から派遣するという体制が明らかになったということでございまして、ぜひこういう方向で、各被災地に派遣をされる市町村や都道府県に対して、なるべく長い派遣期間で同じ人が行って復旧作業とか復興支援に当たるという体制を築いていただきたいと思いますので、御答弁は要りません、要望だけということにしたいと思います。

 次に、松本環境大臣に伺いたいと思います。

 このテーマは、黄川田委員長の地元の陸前高田市に私が参りまして、伺ってきた話です。戸羽太市長から直接伺ってきた話でございまして、大臣とは非公式に既にやりとりをさせていただいている問題でございます。

 東北の沿岸部で数店舗のスーパーマーケットを展開している会社が、全部津波にやられて、スーパーの中は津波でめちゃくちゃです。しかし、構造物はしっかりできていますから残っている。ところが、この構造物をまず壊して解体をして、瓦れきにしてからしか瓦れき処理に回せないわけでございます。今の既存の法律上どうなっているかというと、小売業で大企業のカテゴリーに入るスーパーは、この解体費用は全部自己負担なんですね、一〇〇%。そうなんです。一切、公的補助が出ないんです。

 では、小売業の中小企業の定義というのを中小企業庁のホームページで調べますと、ここはちょっと正確に申し上げますね、「資本金の額又は出資の総額が五千万円以下の会社並びに常時使用する従業員の数が五十人以下の会社」となっているわけですね。

 ところが、幾らローカルなスーパーマーケットといっても、二店舗、三店舗持っていれば、常時使用している人が五十人以上いるのは当たり前ですね。そうすると、具体名は言いませんけれども、このスーパーマーケットは、大船渡とか陸前高田とか、あの辺に四店舗ぐらい展開しているだけで大企業扱いなんですね。ということは、津波で破壊されて構造物だけ残った建物を解体する費用は、一円も国から補助が出ない。

 だけれども、このスーパーチェーンの社長さんの家も委員長御存じのとおり流されて、そんな構造物を解体するお金はないわけです。だけれども、構造物が壊れたところは、逆に、瓦れきですから、全部国費なんですね。

 そこで、私は、これはちょっと厳しいと思いますので、ぜひ、今のガイドラインを見直すか何か知恵を出して、この解体処理費用についても国の助成を出していただきたいと思いますが、環境大臣、よろしくお願いします。

松本(龍)国務大臣 この間の委員会でお話を聞きまして、すぐ中小企業庁あるいは経産省等々に話をしました。

 十六年前の阪神・淡路のときも、個人の住宅、中小企業は、解体、瓦れきの撤去は全額ということになりまして、そのときも、大企業といえども、そこの従業員に着目をして、被災した方々がどれだけいるか、売り上げがどれだけ下がったかということを、一定の要件をつけて、解体費用は出ませんけれども、大企業の瓦れきの撤去費用を市町村がやるときには国庫ということにいたしました。

 これも、自民党の皆さんとか私とか、いろいろな人の知恵が出てそれをやったんですけれども、今回も、今の状況の中で厳しいことであります。しかも、中小企業基本法の中で見直すということもなかなか難しいということで、これからもまた、委員がおっしゃったことをしっかり受けとめて、検討してまいりたいというふうに思います。

黄川田委員長 ちなみに、この件についてちょっと委員長からよろしいでしょうか。

 資本金を減資して五千万以下で対応するとか、そういうことを考えているみたいでありますが、ただ、さまざま、大企業というもの、特に例えばスーパーであれば従業員が多いですから、すぐ五十人以上にかかわってくるわけですね。ですから、松本大臣もそれ以上のことを考えているようですので、よろしくお願いします。

 引き続いて、遠山清彦君。

遠山委員 大分異例の委員会になっているなと思いますが、しかし、黄川田委員長御本人の地元のお話でもございますし、これは、やりようとしては、例えば規制の特例措置ということで、特区制度を使うということもあり得るんです。ただ、その場合は、当然、瓦れき処理をしてから復興に移る、これは野田財務大臣もよくおっしゃるわけですから、その特区制度がいつできるかにかかわってきてしまいますので、もし、特区制度の指定というのはほかの要素も出てきて難しいのであれば、今回の被災が甚大であるというところに着眼をして、特例的に構造物の解体についても、別にこのスーパーのチェーンだけじゃないと思いますよ、同じ悩みを抱えているのは。私も、気仙沼でも水産加工会社の工場が全部流されたのを見てきましたけれども、中身はぐちゃぐちゃでも構造物は残っていましたから、同じ問題に直面しているんじゃないかと思いますので、ぜひちょっと、場合によっては解体処理費も、瓦れきとみなせるかどうかわかりませんが、何らかの知恵を出して国が応援をするという形をとっていただきたいということを改めて要望して、次の質問に移らせていただきます。

 これも松本大臣にお伺いをしたいのですが、同じく委員長の地元である陸前高田市から私が聞いたお話でございます。

 陸前高田市には、百万トン前後の大量の瓦れきがあるということでございますが、これを処理するために、戸羽市長の方で、ぜひとも市内のどこかに災害廃棄物処理プラントをつくりたいということを考えまして、そして、できれば公有地、市有地とか県有地の方がいいわけですから、公有地を一カ所目星をつけて、岩手県の担当者に相談をした。ところが、岩手県の担当者から二つの問題点が指摘されたというんですね。

 一つの問題点は、市長が言っている面積の場所に処理プラントをつくっても、恐らく、処理能力が最大で一日当たり百トンしかない。百万トンの瓦れきを抱えた市で、いろいろな苦労をして処理プラントをつくって、一日百トンの処理ではおぼつかないという指摘が一つあった。

 それからもう一つの指摘は、もっと市長がショックを受けた指摘だったようでございますが、瓦れき処理には全額国費の補助が今回出るけれども、その処理をする施設、プラントを建設する費用は国は応援しないよと。(発言する者あり)いや、しないですね。きのう私は、環境省の官僚の方にも確認したら、それはできませんと私には言っておりました。

 ですから、恐らく、処理プラントの中で瓦れきを処理する費用、経費は出るんですが、処理プラントそのものを新規に建てるお金については、国はお金を出さない。そうすると、県とか市が自己負担で出さなきゃいけないということになって、陸前高田の状況では、それはもう財政的に全く無理であるという指摘があったわけでございます。

 私は、ぜひ、これも特例的になるかもしれませんが、今回の沿岸部の被災地の市町村が処理プラントを建てるときに、やはり国の支援を入れるべきであると思いますが、大臣の御見解を伺いたいと思います。

松本(龍)国務大臣 お答えいたします。

 陸前高田の戸羽市長とは四月にお会いしましたけれども、その話はまだ出てきておりませんでした。そういう意味では、災害廃棄物の処理のすべてについて、今、陸前高田市は、県に地方自治法に基づく事務委託を行うこととしておられます。そういう意味では、岩手県の方に今ボールが返されているというふうに思っております。

 現在、仮設の処理施設と既存の処理施設の活用の両方について、費用対効果を検討しているというふうに聞いております。ですから、今の段階では、御指摘のような、市による仮設の処理施設の設置計画があるとは聞いておりません。

 いずれにしても、今おっしゃったことにつきましては、今後とも、県及び市と相談をして取り組んでまいりたいというふうに思います。こちらからもきっちりプレッシャー、目がかかっておりますので、頑張って取り組んでまいります。

遠山委員 本当に……(発言する者あり)いやいや、財務大臣はまたいずれ聞きます。

 いずれにいたしましても、やはり平時のときの法制度でしゃくし定規にやっては私はいけないと思うんですね。それは、与野党を超えて、我々の思いなんじゃないかと思います。

 先ほど大臣もおっしゃったように、恐らく市長としては、市の正式な計画になっておりませんので大臣のところに上がらないと思いますが、市の正式な計画が立てられない理由に、今私が申し上げたような事情がある。つまり、プラントをつくりたいんだけれども、つくるときのお金を市が出さなきゃいけないと言われたらできないということで、県との調整がうまくいっていないということでございますので、環境省も、そこまで深掘りして事態の状況をつかんで応援をしていただければと思いますし、委員長も、ぜひまたお力を発揮していただきたいと思います。

黄川田委員長 はい。

遠山委員 続きまして、松本大臣への最後の質問になりますが、放射能を帯びた瓦れきの処理、これも現在の法体系の中では処理が大変難しいんですね。公明党のチームが今月十六日に福島県の副知事と会談をした際に指摘をされたんですが、正確に言いますよ、放射能を帯びた瓦れきというのは、今の現行法上の放射性廃棄物の定義に入らないそうなんですね。

 私は専門家じゃありませんので、放射性廃棄物とは何なのかなと思ってちょっと勉強しましたら、放射性廃棄物というのは、原子力のエネルギー利用や放射性物質を利用した医療や工業、原子力に関連した研究開発などにおいて発生をした廃棄物を放射性廃棄物というわけですね。だから、単純に、我々素人というか一般国民は放射能を浴びた瓦れきも放射性廃棄物だと思っちゃうんですが、法律上の定義はそうなっていないわけですね。つまり、原発で働いている人が脱ぎ捨てた作業服は放射性廃棄物なんです。しかし、大気に拡散した放射能を浴びた瓦れきは放射性廃棄物じゃないわけですね。

 そうすると、処理の仕方が法律で決まっていないという状況になっておりまして、この後文部科学大臣に伺う校庭の表土の問題は、ここに一つの問題の淵源があるわけでございます。これは、環境省としては、放射能を帯びた瓦れきというのは福島県においてはおびただしくあるわけでございまして、これからどういうふうに処理をしていく方針なのか、現時点での状況をお答えいただきたいと思います。

松本(龍)国務大臣 御指摘の点、大変重要な御指摘だと思います。

 福島県内の放射性物質による汚染のおそれがある災害廃棄物の処理に関しましては、今、関係府省が協力をして、「福島県内の災害廃棄物の当面の取扱い」というペーパーをまとめたところであります。

 これに基づいて、環境省では、仮置き場またその周辺でのモニタリングを実施しながら、災害廃棄物安全評価検討会の第一回会合を五月十五日に開催いたしました。同検討会でのモニタリング調査の結果を評価しながら、災害廃棄物の集積による周辺の空間線量率への特段の影響や、それによる周辺住民の方々の健康の影響はないことを確認し、五月十七日に結果を公表いたしました。

 また、この検討会では、この調査結果などから、通常の処理が可能と考えられる地域の範囲についても検討をしております。

 今後とも、今御指摘のあったように、関係省と、また福島県などと連携をしながら、安全かつ適切な災害廃棄物の処理を進めてまいりたいと考えております。

 なお、第一回の検討会においては、会津地方と同程度以下の空間線量率の市町村にあっては災害廃棄物を通常どおり処理することが可能との方向性が示されております。

遠山委員 大臣、最後の部分については、放射能を帯びた瓦れきを通常の瓦れきのように処理して本当に大丈夫かというところについては、また国民の皆さんが不安に思う可能性が高いので、しっかりとした科学的知見に基づいて処理方法というものを明示していただきたい、このように思います。

 続いて、文科大臣にお伺いをしたいんですが、今、福島県内で、新聞報道によりますと、二百十七の教育施設の校庭の表土が除去対象になっている。文科省が、そのやや高目の放射能を帯びた校庭の表土を除去して集めたものの処理方法について二つの方式を提示していると。一つは、いわゆる天地がえと言われるやり方で、表土の下の土を掘って、表土を下に埋めかえる、置きかえ方式ですね、この方法を提示している。それからもう一つは、埋設方式とかピット方式と言われる、単純に深い穴を掘ってそこに埋め込む、こういうやり方を提示しているわけです。

 これも最近、郡山に行きました公明党の調査チームから上がってきた意見なんですけれども、郡山市の教育長は、この二つのやり方ともに反対しているわけですね。なぜかというと、校庭の天地がえ、表土と深いところと置きかえるだけのやり方は地下水への浸透があるのではないか、あるいは子供たちが校庭を掘り起こしてしまった場合に放射能が拡散するんじゃないかと。

 それからもう一つは、これは私も知らなかったんですが、学校の校庭の地下二十センチぐらいのところにパイプが配管でいっぱい埋まっている。これは排水のためなんですね。そうしますと、地下二十センチのところに穴のあいた排水用のパイプがいっぱいある校庭のそのあたりに放射能を帯びた表土を埋めてしまえば、その配管を通じて放射能が拡散する可能性もあるわけですね。だから郡山市の教育委員会は文科省の提案に納得せず、いまだに表土は校庭に山盛りで積まれてビニールシートをかけられたまま、こういう状況でございますが、文科大臣としてはどういうふうにこれに対処されるのか。

 私の提案は、財務大臣、第二次補正予算を早くつくって、そこで新規の予算をとって、きちんと文科省の方でこの表土を受け取って処理する手配をすべきであると。その地元の学校の校庭に埋めるとか、どこかに穴を掘って埋めるなんていう安易なやり方は、私はしない方がいいんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。

高木国務大臣 遠山委員にお答えいたします。

 公明党として現場調査をしておられたことは敬意を表したいと思います。

 先ほど出ておりますように、郡山市においては、学校の設置者そしてまた首長の判断で今の状況があると私は認識をしております。といいますのは、まさに郡山市内でいわゆる処分場に持っていくものが、結局は同じ市内の住民の反対を受けて、また校庭に戻ってきた、こういうことで、結局は山積みにされた状況だと思っております。

 私どもとしましては、土砂を取り除くという手法は手法としても、ではそれをどこに持っていくかという処分場のものを含めて解決しないと、これはたらい回し的な状況で混乱をしますので、我々として、先ほども環境大臣からお話があっておりましたように、今関係省庁として、この処分をどうしていくのかということについては鋭意検討を進めております。

 したがいまして、その間、我々はどうするのかということについては、もう委員も御承知のとおり、二つの方法は一割の削減効果がある、十分の一になる、こういう効果が認められておりますから、私どもとしましては、そのいずれかを設置者が決める場合には必要な助言をしていこう、このように考えております。

 なお、学校の運動場もそれぞれさまざまでありまして、その構造が、排水工事をしておるところ、あるいは排水がいいところはそうでもないところ、あるいはまた地質等もいろいろ、ざらざらした土砂が多いところとかさらさら、これもまちまちでございます。したがって、その学校の校庭の特性に合わせたまた工事方法、施工方法もとらなければならぬ、このように思っております。

 私どもとしましては、一番最も大事なのは原子力発電所の一日も早い収束なんですが、しかし、今のところそのような状況にございませんから、安心のためにそういうものを設置者としてするならば、必要な支援をしていく、このように考えております。

 以上です。

遠山委員 ぜひ文科大臣、リーダーシップを発揮して、表土が山盛りで校庭に積もっているのを毎日見ながら学校に通っている子供の気持ちに立てば、原発問題は原発問題の収束として図るとしても、こちらの、表土がずっと、集めたはいいけれども積もったままというこの状況はやはり早目に解決しなきゃいけないと思いますので、文科省を挙げて取り組んでいただきたいという要望を申し上げておきたいと思います。

 次に、ちょっと時間がなくなってきましたので簡潔な御答弁で結構ですが、厚生労働大臣、南三陸町には今医療施設は一カ所だけ、それもイスラエルの医療支援チームが来てやっていた仮設の診療所だけであります。私も現場を見てまいりましたが、雨が降りますと、患者さんたちは野外で雨にぬれながら待たざるを得ないという状況でございます。

 そこで、町長がやや怒りながら私に申し上げておったのは、この診療所のかわりに、もうほかに町に病院がないわけですから、一億五千万円ぐらいの病院をつくってもらいたいという要望を地元選出の櫻井財務副大臣を通してお願いをしたら、財務省の担当の主計官からは何でそんなにお金がかかるんですかという疑問を呈されて、大変怒っていると。

 一億五千万というのはそんな法外な高い予算でもありませんし、何しろ町全体で一つしかないわけですから、これは私、財務省の問題というよりも厚労省が、厚労大臣がリーダーシップを発揮して、被災地で早く、本当の仮設の診療所ではなくて、町民の命を守る病院の建設に動いていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

細川国務大臣 南三陸町では志津川病院が壊滅的な被害を受けまして、これはたしかイスラエルの方の援助によりまして仮設の診療所ができて、今そこで町民は外来の方だけやっておられる、こういうことでございます。ただ、六月からは、旧登米市立よねやま病院の病棟をお借りいたしまして、入院患者はそちらの方で対応する、こういうことになったようでございます。

 そこで、今、仮設の診療所の要望でございますけれども、私どもといたしましては、今の仮設の診療所がいろいろとふぐあいがございまして、それにかわる仮設の診療所、これはぜひ建てていただいて、そこで町民の皆さんが診療を受けられるように、それはもうぜひしたいというふうに思っております。

遠山委員 大変明快な御答弁、ありがとうございます。

 大臣がそうおっしゃったんですから、建てていいということだと思いますので、あとは財務大臣、よろしくお願いいたします。(発言する者あり)いや、仮設の今の診療所をさらに仮設の病院にするんです。そういうことを言っている、アップグレードしろと言っているんです。別に大規模な病院をつくれと言っているわけじゃないんですから、しっかりやってください。

 それから、時間がないので国交大臣に伺います。

 地元に行きましてもう一つ私がびっくりした話が、復興構想会議の中でも、将来的に沿岸部は高台へ住民の方々を移転、住宅街を移転しなきゃいけないという話が新聞報道で出ていますね。そうしたら、大船渡を初めとする地元では、一部の地上げ屋が高台の土地を買い始めている、こういう話がありました。

 私も別にデータを持っているわけでもない、ただ地元に行って伺った話で、しかし、これはさもありなんという話なんですね。これだけ総理大臣初め、これからは海辺には住めないだろうから高台に行きましょうと言ったら、それは高台の土地を今二束三文で買っておけば後で高く売れるわけですね。

 しかも、地上げのプロというのは残念ながら世の中にいるわけでございまして、いろいろな手法を使って市場価格を上げれば、政府はその市場価格、簿価で買うしかないということになるわけでございまして、ぜひ、これは一部の方々ですけれども、地元から、政府として地価の適正な監視をしていただきたい、こういうお話がありますけれども、いかがでしょうか。

大畠国務大臣 遠山議員の御質問にお答えを申し上げたいと思います。

 今御指摘をいただいたようなことをやる人がいるとすれば、断じてこれは許されません。したがって、国土交通省としてもそういう視点で監視をしてまいります。

 具体的にはどうかということでありますけれども、国土交通省として、登記情報などをもとにした土地取引の動向把握を行っておりますけれども、さらに、関係の自治体の協力もいただきながら、被災地における土地取引の実態把握に努めます。

 そして、同時に、これまでの制度がございますが、国土利用計画法の土地取引規制というのがございまして、これは事後届け出なんですが、ここで把握できますけれども、これでは遅いということで、都道府県知事等は以下の区域を指定することができるという制度があります。これは、注視区域、監視区域、規制区域という三つありますが、それぞれ事前届け出が必要ということでありますから、自治体と連携をとりながら、そのような行動が行われないようにしっかり監視してまいりたいと思います。

遠山委員 大畠大臣、今の御答弁は本当に地元の方々が聞いたら力強く思うと思いますので、しっかりやっていただきたいと思います。

 最後になりますが、自民党の対案について一点だけ、時間の関係でお伺いをしたいと思います。

 自民党案には、私ども公明党の案と同じく、実施権限を持つ復興再生院などが書かれておりまして大変高く評価をしているわけでございますが、一点、自民党案の「基本理念」の中で、二十一世紀半ばの日本のあるべき姿を目指すということが書かれているわけでございますが、この二十一世紀半ばの日本のあるべき姿というものは、どういう具体的なイメージでこの法案をつくられたのか、御答弁をいただきまして、私の質問を終わりたいと思います。

加藤(勝)議員 遠山議員にお答えさせていただきたいと思います。

 そもそも、この東日本大震災の復興再生に当たっては、原形復旧にとどまらず、将来を見据えた復興再生あるいは復興を図るというのは、これは公明党の基本の考え方にも盛り込まれていると思いますし、多くの方が共有をしている理念であります。

 そうなってまいりますと、将来というのはどういうものとしてイメージするのかということで、年限的にも二、三十年先ということで二十一世紀半ばという時期を定めて日本のあるべき姿という形を書かせていただき、しかも国が、国という場合には政府のみならず国会、我々自体がしっかりそれを示し、国民にも理解をいただき、それを共有化していきたい、こういう理念で法律も書かせていただいております。

 その場合のあるべき姿ということの中には、今我々が震災の前から抱えているさまざまな課題、あるいは今回の震災でより明らかになってきた課題、これをどう解消していくかという中でその姿が見えてくると思っておりまして、課題の明示は具体的に法案の中にさせていただいておりますが、被災地の関係で申し上げれば、これからの災害に対してどうするか、エネルギーに対してどうするか、あるいは当該地域、特に農林水産業の問題、このあるべき姿、あるいは少子化、過疎化が進む中での地域社会をどうすべきか、こういったものがその中に含まれていく、こういうふうに考えております。

遠山委員 以上で終わります。ありがとうございました。

黄川田委員長 次に、穀田恵二君。

穀田委員 日本共産党の穀田恵二です。

 私も実は被災県の一つである岩手県の出身者の一人であります。被災地の方々に心を寄せて、復旧復興のために私自身も努力をしたいと思います。

 私自身は、一九九五年の阪神・淡路大震災の折に住宅再建への個人補償、公的支援を提起し、小田実さんらを初めとする市民運動の方々と個人補償の実現ということで取り組んでまいりました。以来、住宅の再建というのは被災地の住民にとって決定的だということで努力してまいりました。

 私たちの復興復旧にかかわる考え方というのは、一人一人の被災者が失われた生活となりわいの基盤を回復して自分の力で再出発できるようにすることであり、それを国が責任を持って行うということだと考えます。それは、憲法が保障する二十五条の生存権に照らしても当然の責務である、こういう考え方であります。

 そこで、総務大臣に、災害復旧復興について、国の使命の基本とは何ぞや、ここについてお伺いしたいと思います。

片山国務大臣 国の使命という前に、まず災害復興の全体の使命というものがあると思います。私はミッションとよく申しますけれども、ミッションを考える場合には、だれのために、何の目的でということを具体的に考えていけば非常にわかりやすいと思います。

 災害復興というのはだれのためにやるかというと、それはもう被災者の皆さんのためだろうと思います。目の前で今、不安それから絶望、そういう状態にある被災者の皆さんの不安をできるだけ解消し、絶望を、いささかなりとも希望を持っていただくように変えていくことだろうと思います。

 それが災害復興のミッションで、具体的には一番身近な市町村がこの災害復興に当たるということでありますが、市町村の規模が小さい、どうしても今回のように市町村自体が大きなダメージを受けるということでありますので、それは、県がそれを補完し、さらにそれを全面的に国がバックアップをする、こういう構図だろうと思います。

 したがって、その災害災害によって事態も事情も違いますけれども、今回のようなケースには、一般的な災害復興に対する国の役割よりは恐らく数段大きな役割が国には期待されていると思います。

穀田委員 この問題について、今大臣が、ミッションというのが、被災者のためにということが、すべての生活をもとに戻すということを含めて大事だという点では、極めて重い発言だと受けとめます。私は、私どもの考え方の、生活の基盤を回復して再出発できるように国が支援をするということに近いと思います。

 そこで、一人一人の生活再建を国が支援するという基本スタンスについて、本来総理と議論したいところですけれども、残念ながらいてはりませんので、内閣としての見解を官房長官にこの際お聞きしておきたいと思います。

枝野国務大臣 被災地域とよく言われますけれども、もちろん地域として、面として大変大きな被害を受けているわけでありますけれども、そうした地域を構成し、そこで営みを行っているのはそれぞれの個人の皆さんであり、あるいはそれぞれの御家庭、御家族であります。まさに、そうした皆さんの暮らしをしっかりと支えていくことこそが政府の役割であり、まさにこの震災の復旧復興に当たっては、地域が結果的に復興するのであって、そこで営みをしている一人一人の皆さんの暮らしをしっかりと支えていくということが出発点になるんだというふうに思っております。

穀田委員 生活を支えていく、これは本来お互いに共通の考え方であります。

 ところが、今度の復興基本法を見ますと、復興の土台となるべき一人一人の被災者の生活再建が余り位置づけられているようには思えません。さらには、基本的人権を根本に据えているとはとても、私ははっきり言って思えないということを言っておきたいと思います。

 先ほど総務大臣からお話ありましたけれども、総務大臣は、災害対策実施の知事としての体験から、知事時代の著作の中で、現場主義、当事者主義、さらにはスピード感のある施策の実行とも語っています。先ほどもありましたけれども、官房長官もありましたように、被災地の住民の方々の意見を尊重し、同時に、いち早く希望の持てる政治のメッセージをすることが大切だと考えます。それが根本だろうと思います。

 そこで、まず、被災者生活再建支援法に基づく支援金の申請と支給の取り組み、対象となる世帯数など、現時点での状況について防災担当大臣に御報告を願いたい。

松本(龍)国務大臣 被災者の支援ということにつきましては、私ども、六月の暑い時期、雨の時期、そして七月の暑い時期というところで、向こう三カ月の指針をつくりまして、まさに被災者のための生活の改善に向けて今私どもも努力をしているところであります。

 御指摘の被災者生活再建支援金につきましては、五月二十三日までに、都道府県から支給事務の委託を受けております財団法人都道府県会館に約一万六千件の申請書が届いたと聞いております。

 支給につきましては、四月二十八日に都道府県会館から被災者へ最初の支援金の振り込みがなされたところであり、本日までに、早期に申請のあった約二千九百件について、審査、振り込み手続を終えたところと聞いております。

穀田委員 一万六千件の申請に対して支給件数は二千九百と極めておくれている。やり方を簡素化した割には、被災者、申請者にとっては本当にこれは一日一日を争う事態にもかかわらず、これほどおくれているというのは、どうしようもない事態だと思うんですね。

 しかも、処理は、先ほどあったように、国が指定した被災者生活再建支援法人が支給業務を行っているわけですが、事務処理の体制はどうなっているのか。今、被災者は着のみ着のままで、避難生活とか避難所生活とか被災住宅で生活をしている。特に生活資金にも事欠く事態であり、当座のお金がすぐに必要なのに、これで対応できていると思っているのか、お伺いしたい。

松本(龍)国務大臣 私どもとしても同じような認識を持っておりまして、データ入力等による人員の増強などの改善方法も提供しているところであります。

 今、都道府県会館の体制につきましても、人員を四名から十二名に増加するなど、強化が図られているところでありますけれども、御指摘のように、都道府県会館の事務処理体制は改善後でも十分ではないと考えられております。被災者に迅速な支給がなされるよう、国としても、都道府県会館に対し、さらに私自身も働きかけてまいりたいし、国ができることをしっかりやってまいりたいと思います。

穀田委員 都道府県会館に幾らふやせと言っても、これ以上人数を百名も二百名もふやすわけにはいかないわけですよ。だから、国としてどうできるかということを考えなくちゃならぬ。もともと、これは現地で処理すべきじゃないかという意見もあるわけですよ。問題はその視点なんですよ。どうしたら早く被災者に届くか。一日を争っていることに対して、いや、こんな指導をしますとか、ふやしますという話ではいかないということなんですよ。それが一つ。これを改善しろということを願いたい。

 もう一つ、未曾有の災害のもとで、基金の運用だけでやっていけるのかということなんですね。一次補正との関係でいえば、仮に十万世帯とした場合でも、基礎支援金の百万円として合計一千億円必要です。半分の五百億円負担としても、二〇一〇年末に五百三十億円しか基金がない。基金が底をつくことは、だれの目にも明らかであります。今日の制度のもとで支給を続けていくにはどうするつもりなのか、そのことについてお答え願いたい。

松本(龍)国務大臣 お答えをいたします。

 御指摘のとおり、阪神・淡路の経験から被災者生活再建支援法ができました。先生が岩手の御出身だと初めてきょうは知りましたけれども、本当に、経験からこれができてきて、各都道府県の相互扶助という観点から基金を積み上げていきながら国も半分やっていくというシステムができ、最終的には五百三十八億残って、私ども、それに見合う形で第一次補正で五百二十億要求をして、確定をさせていただいたところであります。

 また、全国知事会からは、国と地方の負担のあり方について見直しを求める意見も当然ながら出ております。今後、政府部内でこれは十分な議論を行いたいと考えております。

 いずれにせよ、今おっしゃったように、被災者に支援金が円滑に図られるよう、先ほど、申請の問題あるいは都道府県会館の督励等も含めて、私どももしっかり取り組んでまいりますし、割合につきましても、防災大臣として責任を持って調整をしてまいりたいというふうに思っております。

穀田委員 基金ではもう底をつくのは目に見えているんです。検討するでは間尺に合わないんですよ。決断をしなければならないということを言っているんですよ。

 というのは、幾ら政府の側が金を仮に補助金という形で用意したとしても、基金という制度をやる限り二分の一を補助する仕組みなわけだから、肝心の自治体の方が積まなければできないということになるわけなんですよ。しかし、今は不足しかかっている、底をつきそうだ。ましてや、今後、梅雨のシーズンだとか台風のシーズンだとか、新たな災害が生まれる可能性もある。また、基礎支援金の請求自身もふえる可能性もある。一番大事なのは、その上、住宅再建の加算支援金二百万円の支給もあるわけなんですよ。

 だから、今は、検討するということでなくて、どういう決断ができるのかということが迫られているんですよ。だから、知事会も、その改善方について、新しい制度をつくってもらう以外にないということを言われているわけですよ。

 五百二十億円積んだ段階で、既にこれは限界だとわかっているわけです。そこの点を私は言っているわけです。どう決断されるのかということについて今いよいよ求められると思うんです。いかがですか。

松本(龍)国務大臣 基礎支援金、加算支援金含めて、今御指摘のことはよくわかります。ですから、今、総務大臣あるいは財務大臣等と検討してまいっておるところであります。

穀田委員 検討してまいっているところでありますって、もうこれはわかっていることやからね。笑っている場合じゃないんですよ。

 被災者の方が、よっしゃと。検討するけれども、ともかくこれについては出すように体制を変えるということが必要なんですよ。その問題の後の、どういう体制かとか、それからどういう金の負担をするかというのは、それは後なんですよ。問題は、基礎支援金がこれだけ要る、加算金も要る、そしてふえる、これには絶対対応する、その結論がまず必要なんです。そこは大丈夫なんですね。

松本(龍)国務大臣 おっしゃるとおり、当然のことながら、基礎支援金も加算支援金も満額支給をする、その決意は変わりありません。

穀田委員 この決意をやろうと思ったら、体制を変えなくてはならぬという結論です。それでよろしいね。はい。

 では次に、地域における足の確保について一つ質問したいと思います。

 五月十一日に、私は、三陸鉄道など、東日本大震災で壊滅的な打撃を受けた地方鉄道の復旧に関して質問をしました。大畠国土交通大臣は、地域の方々がもう一度安心して乗ることのできる鉄道を復旧できるよう国として全力を尽くす、第二次補正予算に向け、補助率の見直しも含め、必要な支援策について十分検討したいと答えました。

 その後、どのように検討し、どこまで国として復旧支援するようになったのかについてお答えいただきたい。

大畠国務大臣 穀田議員の御質問にお答えを申し上げます。

 ただいま御質問の中に私の答弁内容等が入っておりましたが、そのとおりであります。それで、どういう形で、具体化はどうなっているのか、こういう質問でございます。

 この三陸沿岸の三陸鉄道、非常に壊滅的な打撃を受けておりまして、従来のパターンで復旧できるのかというと、穀田議員がおっしゃるように、難しいという状況は私も理解しております。

 そこで、私としては、今、国土交通省の担当の方に、知恵を出せ、知恵を出して、何としてもここのところに電車がもう一回通るような形にするようにあらゆる努力をしよう、こういうことをしておりまして、今、穀田議員からもお話ありましたように、第二次補正の中にも、何らかの形でこれが結果的に資金を確保できて、鉄道復旧ができるような体制をつくれ、こういうことを指示しておりまして、明確な答えがまだ返ってきておりませんが、第二次補正の中にこれを織り込んで、ぜひとも鉄道復旧に全力を尽くしてまいりたいと思います。

穀田委員 わかりました。知恵を出せと。あわせて金を出せと言っておきたいと思います。

 鉄道だけじゃありません。受けた被害をできるだけ軽減して、一〇〇%もとに戻すのは無理としても、できるだけもとに戻すようにしてあげる、これは総務大臣の著書による発言でもあるし、私どもが阪神・淡路大震災その他の運動のときに何度も聞いた言葉であります。私は、そういう立場からすると、地域の足として被災者の暮らしを支えてきたローカル線だからこそ、これを何とかするということはとても大切だと思っています。

 問題は、被災者の生活をもとに戻す。これは、日常生活に戻すということも一つのキーワードだと思うんですね。そうしますと、買い物だとか、それから病院への通院だとか、日常生活のリズムを取り戻すことが大事だ。その点では、被災地の足を確保する重要性は論をまちません。

 津波で多くの方々が車を失っているんですね。だから、被災したことによって足を奪われている。そこで、被災地で壊滅した交通手段を回復するものとして、自治体などが努力しているバスやタクシーの運行、利用に対しても国が援助すべきではないのか。被災者の支援という立場から、防災担当大臣にお聞きします。

松本(龍)国務大臣 御指摘の点は、私どもも最初から問題意識を持っておりまして、実は、被災した地方公共団体も移動手段がないということが当初ありましたので、三月二十二日の時点で、軽自動車、ワゴン車を宮城県に送っております。これは大変喜ばれました。

 御指摘の移動手段の確保は、通学や通院、買い物など、生活の平常化に向けて重要な要素となると思っております。今般の震災では、バス、タクシーにも甚大な被害が発生をして、まだ完全復旧には至っておりません。被災地域の交通ネットワークの復旧に向けて、地方公共団体や事業者等の被災状況を踏まえながら、関係省庁において既存制度、既存支援制度の運用の弾力化も含めて検討が行われております。

 いろいろな意味で、これからもさまざまな関係省庁と連絡をとりながら努力をしていきたいと思っております。

穀田委員 報道によりますと、釜石市では、津波で鉄道などの公共交通機関が壊滅的な被害を受けストップしたことから、震災の翌日からですよ、翌日から被災者を避難所に輸送する無料バスを運行している。その後、循環バスを徐々にふやして、現在は十五路線に。平日は平均三千四百人、休日は二千五百人が利用。岩手県内では、大船渡市や陸前高田市なども無料バスを運行しています。宮城県南三陸町でも、無料バス十一路線四十六便で運行している。病院や仮設役場への足になっています。他方、タクシーの会社などについても委託をして、同様のことを行っている地域もあります。

 これは、今大臣からもお話があったように、事業者、一度そういう被災を受けた、そしてまた事業の再開を断念した業者に対しても、そういう支援をすれば、自治体がやっているのが、営業を再開しようかという後押しにもなっているわけだし、雇用にもつながっているという事態であります。

 したがって、私どもは、補完する取り組みの援助を行うことが必要だと思っているんですけれども、先ほどあったように、今までの既存の弾力化だけではなくて、先ほどは国土交通大臣からありましたけれども、あらゆることを、こう言うわけですよね。だから、同じように、必要に迫られて自治体はあらゆることを行っているんですよ。それにこたえるべく、例えば、私は、努力しますと言うんじゃなくて、どこに視点を置くかということなんですよ。

 例えば、国土交通省でいいますと、地域公共交通確保維持改善事業ということがある。それから、例えば厚労省でいいますと、通知を出していて、災害救助法の弾力運用についてということで、近隣の銭湯等の入浴施設の利用券だとか送迎用のバスの借り上げ費用等の実費について、避難所設置のための費用として災害救助費等負担金として国庫負担の対象になる、こうしているわけですよ。だから、弾力化はここまで来ているわけですよ。

 問題は、このことを一歩進めて、防災担当大臣として、被災を受けた地域の足を確保するために、それらの被災者のための、利用者の側に援助するという形も含めて考える必要があるんじゃないか、こういうことを私は言っているんですが、いかがですか。

松本(龍)国務大臣 先ほど申し上げましたとおりであります。今おっしゃったことも含めて、さまざま検討してまいりたいと思います。

穀田委員 言葉で弾力化ということはわかるんですよ。そうではなくて、今必要なのは、実際に既に行われている、先ほど言いましたように、震災の翌日から釜石なんかはやっているんですよ。そのことによって、先ほど一番最初に、官房長官からもありましたように、生活が再建できるかどうか。そのことによって地域が再建できる、こういうわけでしょう。

 そうなると、官房長官、やはり、こういった問題について、視点を二つ当てる。つまり、一人一人の生活が、営みが、営みですよ、これはまさしく営みを補助する。そのことによって地域の再生にもつながる。こういう点では、それらに対してのしっかりとした援助も含めて、すべきだと思うんですが、改めて伺っておきたいと思います。

枝野国務大臣 今御指摘をいただいた住民の皆さんの足の問題は、本当に重要な問題だと思います。今の制度の弾力化に加えて、防災大臣のもとで、関係省庁、さまざまな工夫も今検討をいただいておりますが、同時に、これは恐らく、今御指摘いただいた中でも、循環バスを回らせているところと、それからあと地元のタクシー業者さんと契約等をして御協力いただいているとか、地域の事情によっていろいろなやり方を工夫されているんだというふうに私も承知をしております。

 そうした意味では、個別のお金の出し方として支援をするのもありですし、それからもう一つは、一括交付金的に、まさに地域の事情に応じてどういう使い方をしても足の確保あるいは生活の支援ということにつながるような出し方と、両面からしっかり検討をして、できるだけ早く、実際にそういった工夫、努力をしていただいている市町村、あるいはそれを利用されている皆さんの便に供せるようにしたいと考えております。

穀田委員 今、最後にありましたから、実際に行っている現場でそういう援助をできるようにしていただきたいと思います。

 最後に一点だけ、瓦れきの撤去の問題について伺っておきたいと思います。

 この瓦れきは相当数あるわけですよね。これを八月までに、生活にかかわるところについては撤去するということなんですけれども、実は瓦れきというのは、陸だけじゃなくて海にもあるわけですよね。陸のものは大体二千四百八十六万トンぐらいだといっていますけれども、海の方にもあるわけですね。それらを八月末までに一つの仮置き場に置くということが大丈夫かということと、私は、一番大事なのは、次の方策が見えないことがこの停滞を生んでいるんだと思うんですね。したがって、私は、今大事なのは、何がネックになっているか。そして、それを突破するためには、政府を挙げて、国土交通大臣なども記者会見で、これらの問題は単に環境省の問題と違うということを言っておられます。ですから、姿勢として、政府が挙げてやるべき問題と、この二つの点についてお答えをいただいて、私の質問を終わります。

松本(龍)国務大臣 私どもも、八月末までに住居の近くにある瓦れきの撤去ということで、各市町村に環境省の職員を派遣したり、さまざまな技術、あるいは機材、人材、そして処理施設等々も含めながら、全力を挙げて努力をしていきたいというふうに思っておりますし、国土交通省も、海運や鉄道等々でさまざま、大きな重機の問題も含めて、いろいろマッチングをしながら、私どもも全力を挙げて、関係市町村、あるいは県、あるいは協議会等々と連絡をとりながら努力をしてまいります。

穀田委員 終わります。

黄川田委員長 次に、吉泉秀男君。

吉泉委員 社会民主党の吉泉秀男です。

 安心して暮らせるふるさとを取り戻す。それには、一日も早く原発事故を収束させる。だからこそ、きのう、きょう、激しい議論が展開されているんだろうというふうに思っております。

 きのう、海江田大臣より、収束に向けた工程表、このことに向けて今奮闘しているという答弁をいただきました。しかし、被災地では今、放射線汚染、このことに対して、日を追うごとに不安が高まって増してきているところでございます。それは、やはり、もう二カ月になりました。そして、毎日毎日大量の水が原子炉に注入されているわけでございます。そのところの状況がさっぱりわからない。今こういう現実の中で、どういうふうになっていくのか、こういう被災地の気持ちでございます。

 まずもって、今日まで一号機から四号機までのすべての原発に注入をした冷却水の総量、これをまず明らかにしてほしいというふうに思います。そして、今現在、原子炉、プールに残っている水量、原子炉の地下にたまっている汚染水の量、そしてまた海へ排出した量、これを一号機から四号機までの状況についてまず明らかにしてほしいと思います。

海江田国務大臣 吉泉委員にお答えをいたします。

 幾つか数字が並びます。御勘弁ください。

 まず、一号機から四号機に注水した水の量は、五月の二十三日八時現在、原子炉につきましてはおおむね、海水一万六千四百三十一トン、淡水三万二千九百四十八トン、使用済み燃料プールにつきましては、海水五千三百六十五トン、淡水六千百八十九トンと推定されております。

 それから、原子炉に残っている水の量でございますが、これは残念ながら水位のデータが正確に把握できないため推定できません。使用済み燃料プールは満水となっていると推定され、残っている水の量は五千二百九十四トンと推定されます。

 それから、原子炉建屋、タービン建屋及びトレンチにたまっている汚染水の量は八万四千七百トンと推定されます。

 また、これら高濃度の汚染水が海に流出した量は七百七十トンと推定されます。

 以上でございます。

吉泉委員 今大臣の方から数字が出されたわけでございますけれども、ここのところ、今計算を私はすぐできないんですけれども、注水をした量と、海へ排出した量、これとたまっている分と含めていくと、どのぐらいの差が出るんですか。

海江田国務大臣 今お答え申し上げましたのは、注水した水の量が、原子炉につきましては、海水一万六千トン余り、淡水三万二千九百四十八トンですからおよそ三万三千トン、合計をしますと五万トン弱ですね。それから、燃料プールの方は、五千トンの海水と淡水が六千トンですから一万一千トン。ですから、これを合計しますと六万トンから七万トンの間だろうと思います。

 海に排出をしましたほかに、注水しました大宗は、原子炉の建屋あるいはタービンの建屋、そういった建屋の中にたまっているのが大宗でございます。

吉泉委員 今大臣から、海へ排水をしたのが七百七十トンということで答弁があったわけでございますけれども……(発言する者あり)低濃度のやつもあると今言ったけれども、四月十日まで、約一万千五百トンですか、約一週間で、低濃度のやつを海洋投棄したわけでございますけれども、これとは別個に、この七百七十トンというのは意識的に海へ排出をした量というとらえ方でいいんですか。

海江田国務大臣 先ほど私、高濃度のと申し上げておりますから、トレンチという溝がございまして、そしてそこから、映像を覚えていらっしゃるかと思いますけれども、かなり速い勢いで流出をしたのが、あれが高濃度でございますから、それが七百七十トンと推定されているわけでございます。

吉泉委員 これは海へ捨てた量というとらえ方でいいんですか。違うんでしょう。

海江田国務大臣 捨てたということではございませんで、これは、まさに一生懸命になってそれをふさいだわけでございますが、万やむなく流れてしまったということでございます。故意に捨てたものではございません。

吉泉委員 初めてこの七百七十トンという、物すごい量だというふうに私は思っておりますけれども、この点について、ロンドン条約を含めながら、この間、我が国の海洋投棄についてのそれぞれの見解があるわけですね。このロンドン条約、さらには、これまでの日本がとってきた海洋投棄は選択しない、こういう一つの決定等をなされているわけですけれども、そのことを含めると、大臣としては、この量も含めて、今現在ここまでになっているということについての見解はどういう考え方でしょうか。

海江田国務大臣 お答えをいたします。

 本当にこれはまことに申しわけないことでありまして、これを一刻も早くとめるために種々の努力をいたしましたが、ちょっと今手元に日数が何日かかったかという正確なデータはございませんが、私の記憶では、発見をされまして、あれは水がかなりの音を立てて流れておりましたので、巡回をしておりましてそれを発見しまして、そこからおよそ二日でいろいろな方策をとりました。御記憶もあろうかと思いますが、おがくずを入れたり、あるいはコンクリートを入れたりといろいろな努力をいたしましてこれの放出はとまったわけでございます。

 ただ、このときの種々の反省というものはございまして、今、そうしたトレンチ、あるいはピットと申しますけれども、いわばマンホールのような水たまりを厳重に注視しておりまして、そこからの水漏れがないように種々手当てをしているところでございます。

吉泉委員 きょうの新聞の中で、汚染水の移動の関係について、集中廃棄物処理施設に二号機、三号機が今汚染水を移動しているわけですけれども、これがもう満杯の状況になっているということの中で、これから東電がどう対応するのかということについて苦労なされているというふうに思っておりますけれども、東電の方から大臣の方に、今の現状とそれから今後の対応については相談なされているんでしょうか。

海江田国務大臣 相談は受けております。

 今御指摘のように、私どもは集中ラドと申しておりますけれども、汚染物をとっておくところでございますが、そこを水密性を高めまして、つまり防水をしっかりやりまして、ここに二号機、三号機からの濃度の高い水を運んでいるわけでございます。ポンプを引いて運んでいるわけでございます。

 ただ、ここは建屋でございますから、かなり高さがございます。そこを満杯にすればたしか六万トンぐらい入るわけでございますが、今考えておりますのは、そこの下の方に水をためて、その上に除染の設備を据えつけまして、そして、そこから入ってきたかなり濃度の高い汚染水をその除染の装置を通して、そしてまた建屋の方に戻して、原子炉の方に戻してそこで冷却をするという、いわゆる循環の冷却システムをつくり上げようとしております。

 ですから、本来は六万トンぐらい、そこの地上部分、俗に言うと二階なら二階の部分にその機械を据えつけなければまだたまるわけでございますが、そういうふうに機械を据えつけるということをしておりますので、この集中ラドにためられる水に限度がありますので、今そこで考えておりますのは、それぞれの原子炉建屋の隣にタービン建屋がございますから、そのタービン建屋でまず仮にためておこう、そして、この集中ラドの方で、およそ六月中にその機械が機能し始めるということでありますから、そうなりましたら、そこにたまった水を、地下にたまった水をくみ上げて除染をして、そして原子炉の方へ戻して循環型をやってまいります。そうすると、下がだんだん水位が少なくなってきますから、そのときまたタービン建屋の方にたまった水をそちらに流していこう、そういう段取りでございます。

吉泉委員 それでは、今現在でも、きのうの状況でも、穴があいて海に漏れているというおそれはないんですか、汚染水が。

海江田国務大臣 そういうことのなきよう、今お話をしたようなシステムをつくりまして、とにかく、建屋の中、原子力発電所の施設の中に高濃度の汚染水をとどめておこうというのが基本的な考え方でございます。

吉泉委員 時間がないですから、これはもう少し詰めさせていただきたいというふうに思っていますけれども、まさに今、漁師だけでなくて、福島含め多くの国民が非常に不安を感じているわけですね。

 いわゆる工程表、きのうも、余りいじらないでそれでやっていくという答弁があったわけですけれども、もう少しきちっとした対応というものをやはりやるべきだろうというふうに思っておりますし、そしてまた、私方に正直なところを出していかないと、毎日毎日どのぐらいの量を注水して、どうなっているんだということなんかも含めて出さないと、漏れているというふうにはみんな思っているわけですよ。どのぐらい海水に漏れているのかな、それから、水蒸気でどのぐらい気体になっているのかな、こういう不安がやはりあるわけですよ。ですから、その点については、今後の対応について、やはり一日も早く政府がコントロールできるような、そういうやり方、対処、このことを強く要望いたしまして、時間ですので終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

黄川田委員長 次に、柿澤未途君。

柿澤委員 みんなの党の柿澤未途でございます。

 きょうは、復興基本法の自民党案について中心にお聞きをしたいというふうに思います。きのうの質疑でも取り上げる予定だったんですけれども、全く時間がありませんでしたので、きょうに質問を送らせていただきました。

 きのうの質疑を聞いていると、何となく、最終的には政府が自民党案を丸のみする、そんなふうにも聞こえましたので、この自民党案の復興基本法が何を目指しているものなのか、こういうことを明らかにしていくことは非常に大事だというふうに思っております。

 先日の本会議の趣旨説明で、石破茂自民党政調会長が、今後の我が国のあるべき姿を先取りする、こういうふうにおっしゃっておられました。みんなの党の復興アジェンダにおいて、次の未来を先取りする、こういうことを掲げておりまして、考え方には基本的に通底するものがある、こういうふうに考えております。

 次の未来を先取りするというときに、私たちが描く未来は明瞭であります。これまでの行政の縦割り、そして、がんじがらめの法規制にとらわれず、現地に権限、財源、人間を集中させて即断即決の体制をつくり出す、こういうことを目指していきます。行き着く先は道州制であります。

 私たちも、近日中にみんなの党の復興基本法案をまとめ国会に提出、といっても、議案提出権を持つのは参議院でありますので、参議院に提出する予定であります。そこで私たちも復興院という構想を掲げておりますが、現地に即断即決の体制を、こういうわけでありますので、私たちは、復興院の本拠そのものを仙台市に置くべきだというふうに考えております。自民党案における復興再生院の本拠はどこに置くというのが基本的な考え方なんでしょうか。仙台市に本拠を置くということは考えられないのでしょうか。お伺いをします。

橘(慶)議員 柿澤議員にお答えいたします。

 復興再生院の本拠につきましては、その目的である被災地域における復興再生の実現を第一に考える一方で、法の基本理念である二十一世紀半ばの日本のあるべき姿を実現するために、どのような場所にこれを設置することが最も適切、妥当であるかという観点からしっかりと検討されるべきものであると考えております。

 今回の震災では、東北地方においてとりわけ甚大な被害が発生していることにかんがみ、また国の行政機能の望ましい配置のあり方の観点から、議員御指摘のように、仙台市に復興再生院の本拠を置くことも今後検討していく中での選択肢の一つとなるものと私ども考えております。

柿澤委員 復興再生院の本拠を仙台市、あるいは被災地の現地に置くことも考え方の一つである、こういう御答弁をいただきました。

 私たちは、時限組織である復興院を最終的には東北広域連合に改組し、また、さらにその先では、国における道州制基本法の制定を同時並行で行って東北広域連合を道州政府に移行する、こういう絵をかいております。そのため、現状における広域自治体である県の権限についても、私たちは、復興院に集める、こういうイメージを持っております。

 自民党案において、復興再生院と県の関係というのは一体どうあるべきであると考えておられるでしょうか。

橘(慶)議員 お答えいたします。

 東日本大震災は我が国にとって未曾有の国難であり、その復興再生は、すべてを地方任せにすることなく、国が主体的に関与し、かつ責任を持って実現していくことが必要であります。この点についてはこの委員会でも多くのいろいろな提言があり、また国の役割ということについて各議員さんから御指摘があるところであります。

 しかし一方で、地方公共団体もみずからの責任と権限において復興再生に関する施策を策定し、実施する責務を有していることは当然であります。また、その意欲も、各県、各市町村において大いに感じられるところでもあります。

 そこで、私どもの案では、国の責任ある関与を前提としながらも、復興再生に係る地方公共団体の自主性、自立性を尊重する趣旨の一連の規定を設けております。

 これを要しますと、自民党案につきましては、復興再生に関して、国は大まかなスケッチと底支え、言ってみれば、主体的かつ責任ある関与をしていきまして、そして、私どもの国のその底支えの上に、地方公共団体、被災された自治体の皆さんは、どうか思い切って、自主的に、自立的に、さまざまな施策、さまざまな地域づくりを進めていただきたい、この二つのことを適切に調和させようとしているものであります。

 このようなことを踏まえまして、私どもの案では、被災した県及び市町村の職員等の登用について、特に配慮すること、また復興再生に関し、県または市町村の長等も含めて東日本大震災復興再生委員会を置くこととしておるわけであります。被災した地方公共団体の自主性、自立性を尊重しながらともに頑張っていく、こういう姿勢でございます。

柿澤委員 道州制については、先日、超党派の道州制懇話会という議員連盟ができたばかりでありまして、道州制基本法の制定や、それに先立つ東北州復興特区の創設を提言しておられます。これには民主党の先生方も数多く参加をしておられますので、これは政府についてもお伺いをしたいと思うんですけれども、復興を通じた東北における道州制の実現を視野に入れるべきではないかというふうに思っております。

 今回、東北地方を歩いてみて、いろいろ感じるところがあるわけですけれども、東北地方の被災三県、岩手、宮城、福島、それをバックアップする役割として、例えば山形県、秋田県が頑張っておられるわけですけれども、しかし、やはり別々の政府というか行政体としてマネジメントをされている。こういうことによって、例えば、県境をまたいだその先では、大変な事態が起きて、外からもいろいろな支援の手が入って、今、瓦れきの撤去なども行われているわけですけれども、しかし、例えば、県境をまたいだ向こう側に行くと、基本的に平時で行政が運営をされていて、そこで、いわばこういう緊急時では不要不急と思われるような工事に例えば重機のリソースが割かれている、こういうような状況も見られるわけであります。

 そういう意味では、オール・ジャパンで取り組むことはもとよりですけれども、オール東北でこの復興を進めていく上で、私は、やはり東北地方のある種の連合、そして最終的には道州の創設に行き着く、そうした地域のまとまりをつくり、そして国がそこに権限を移譲して、現場の東北州の判断でさまざまな行政が展開をできる、そういう絵をまさに我が国の未来を先取りする形としてつくっていく必要があるというふうに考えております。

 これは、担当の片山大臣、そして自民党さんと両方に御答弁をいただきたいと思います。道州制の創設を今回の東北の復興をきっかけとして進めていくべきではないか、このことについてお伺いをいたします。

片山国務大臣 災害の復旧とか復興に当たりまして、道州制かどうかはともかくとして、広域的な団体でもってそれに当たる方がいいのではないかという御提言だと思います。これは一つの考え方としてあると思います。

 ただ、私は、一長一短あると思います。といいますのは、今回、道州制のことではないんですが、被災地で、数年前に合併をしたところがあります。この合併したところを見てみますと、やはり一長一短といいますか、よかった面と、それから今次のような災害をけみしてみますと、少し負の部分が出たのではないかという部分があります。

 前者の方でいいますと、広域化しましたので、町内のある地域が被災をした、しかし、被災をしていない地域がありますので、そこで同じ自治体の中でその被災地域を支援する、それから受け入れることができる、これは合併の実が上がった例だと思います。逆に、広域化をしてまだ一体感が醸成されていない、そういうときに、なかなか被災者の皆さんの生活支援がかゆいところまで手が届くということになっていないという現状も実はかいま見られました。ですから、一長一短あると思います。

 府県レベルの広域化、すなわち道州制などのような手法を考える場合にも、今回の市町村レベルでの広域化の功罪というものを少し検証してみる必要があるのではないかと思います。

 一般論で言いますと、私は、生活者のためには身近な自治体は余り大きくない方がこういうときには非常にいいと思いますが、大きな土木工事をやるとかそういうふうな面でいいますと、財政基盤などを考えますと広域化した方が有利な面がある、これらをどう考えるかということだろうと思います。

橘(慶)議員 お答えを申し上げます。

 まず、私どもの法案を今の御質問の趣旨に沿って見てみますと、当該の被災された方の県あるいは市町村は、復興再生に係る施策の広域的な調整に努めることとしておるわけであります。そしてまた、本法案の附則では、段階的な権限の移譲に関する検討条項を設けております。

 すなわち、復興再生がある程度進捗した段階においては、各地域の特色や被災住民の皆様方の多様な意向が反映される必要があります。このため、最初に各省庁から集めてまいりました復興再生院の権限というものを、これまでの地方分権の成果を生かしつつ、復興再生に関する施策の実施の中心を段階的に地方に移行させるということを念頭に置きながら、所掌事務、権限の段階的な移譲を検討していこうとするものであります。

 現在、道州制に関しましてさまざまな議論、得失、進め方がされているということは十分承知をしております。その中で、この法案というものが東北においてどういう役割を果たすかということについては、決して負の役割ではなくて、こういったことをやる中において、今議論されていることといろいろな形でまたかみ合わせていくこともできるでしょうし、あるいはいろいろな多様な出口が出てくるものと思っております。

 よろしくお願いします。

柿澤委員 片山大臣の御答弁は見事な両論併記になっていて、政府の方は見事に答弁されるものだなというふうに非常に感心をいたしました。

 自民党案では、復興再生院は、地方支分部局として地方復興再生事務所を置くとしています。これは中央省庁と地方出先機関の関係とパラレルになるものだと思います。国交省に地方整備局があり、厚生労働省に厚生局と労働局があり、また農水省に農政局があって、経産省には経済産業局もある。

 先日の本会議でも指摘をしましたけれども、復興再生院のラインと各省庁のラインが併存することになると、これが結局、復興再生事務所にせよ現地対策本部にせよ、各省庁の出先機関を集めた会議の座長をやるのが関の山になってしまうのではないかと思います。

 この出先機関をやはり廃止して地方移管をしていくというのが自公政権時代の地方分権推進委員会の目指してきた方向性でもあり、地方の発意に基づくということで、若干歩みのペースもゆっくりになっているというふうに思いますけれども、地方出先機関の原則廃止というのは、現政権も、言葉としては、今も掲げ続けている言葉であります。

 今後の我が国のあるべき姿を先取りするというのであれば、各省庁の地方出先機関の権限と財源、さらには職員に至るまで復興再生院に集約を図り、地方出先機関は早期に廃止をする、こういう方向性もあわせてとるべきではないかというふうに思いますが、これについて御見解をお伺いしたいと思います。総務大臣にも御見解をお伺いします。

片山国務大臣 現政権では、ブロック単位の地方機関については、原則廃止という理念のもとに、できるだけブロック単位で移譲ができないかということを今模索しております。具体的には、今、関西広域連合でありますとか九州広域行政機構の構想があって、そこにこれからどういうものを移していくかという検討の段階に入っております。

 今次の災害に際しまして、今御提案のように、例えば東北地方の国の出先機関をすべて復興再生院の構想の中に統合してはどうかということでありますが、これは、今後、復興再生院というものが法案の審議を通じてどうなるかということとも関連すると思います。その成り行きを見る必要があると思います。

 もう一つは、ただ、そうはいいましても、現在の国の出先機関というのは災害復興のためだけの機関ではありません。日常的ないろいろな、地域の住民の皆さんのための業務をやっておりますので、復興後のその機能をだれが担うのかということもよくよく考えておかなければいけない。それを相変わらず国がやるのか、それとも、やはり、今の自治体なり、今後の自治体の動向によっては広域化された自治体に移すのかということもよく考えておかなければいけないと思います。

橘(慶)議員 続けてお答えを申し上げます。

 復興再生院の地方支分部局となる地方復興再生事務所のあり方につきましては、復興再生事務を企画立案から実施に至るまで一貫して担うという復興再生院の業務を被災地域の現場でしっかりと実現する観点、そしてまた、既存の出先機関との連携を密にしながらも、行政組織の肥大化を避けるという行政改革の視点からも、この組織のあり方というものを検討する必要があると考えております。

 したがいまして、この復興再生院の地方支分部局のあり方としては、スリム化した独自の事務所という形で設置をするのか、あるいは既存の地方支分部局を活用、あるいはそこを統合するのか、そういった選択肢があるものと考えております。

 ただ、この組織はあくまで臨時的に置かれるものでございます。現在政府で統一的に検討がされております地方支分部局の廃止の問題とは、そこは別の部分があるんじゃないかな、このように考えております。

柿澤委員 もう一問、内閣法に関連して枝野官房長官にお尋ねをしたかったんですが、もう時間が切れておりますので、また機会もあろうかと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 質問を終わります。ありがとうございました。

黄川田委員長 次回は、明二十五日水曜日午前九時二十分理事会、午前九時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後三時三十四分散会


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