衆議院

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第6号 平成26年6月18日(水曜日)

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平成二十六年六月十八日(水曜日)

    午前九時四分開議

 出席委員

   委員長 秋葉 賢也君

   理事 あかま二郎君 理事 橘 慶一郎君

   理事 寺田  稔君 理事 長島 忠美君

   理事 西村 明宏君 理事 黄川田 徹君

   理事 椎木  保君 理事 高木美智代君

      石川 昭政君    小田原 潔君

      大久保三代君    勝沼 栄明君

      勝俣 孝明君    門  博文君

      菅家 一郎君    菅野さちこ君

      黄川田仁志君    小泉進次郎君

      小林 鷹之君    今野 智博君

      佐々木 紀君    桜井  宏君

      島田 佳和君    白須賀貴樹君

      鈴木 憲和君    瀬戸 隆一君

      高橋ひなこ君    津島  淳君

      冨樫 博之君    中川 俊直君

      橋本 英教君    藤原  崇君

      三ッ林裕巳君    玄葉光一郎君

      郡  和子君    階   猛君

      福田 昭夫君    足立 康史君

      小熊 慎司君    三木 圭恵君

      村岡 敏英君    石田 祝稔君

      國重  徹君    中野 洋昌君

      中島 克仁君    林  宙紀君

      高橋千鶴子君    畑  浩治君

    …………………………………

   国務大臣

   (復興大臣)       根本  匠君

   復興副大臣        谷  公一君

   内閣府副大臣       西村 康稔君

   厚生労働副大臣      土屋 品子君

   環境副大臣

   兼内閣府副大臣      井上 信治君

   内閣府大臣政務官

   兼復興大臣政務官     小泉進次郎君

   国土交通大臣政務官    土井  亨君

   国土交通大臣政務官    中原 八一君

   環境大臣政務官

   兼内閣府大臣政務官    浮島 智子君

   政府参考人

   (内閣官房2020年オリンピック・パラリンピック東京大会推進室副室長)  永山 賀久君

   政府参考人

   (法務省大臣官房審議官) 萩本  修君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           鈴木 俊彦君

   政府参考人

   (厚生労働省雇用均等・児童家庭局長)       石井 淳子君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房地域経済産業審議官)     加藤 洋一君

   政府参考人

   (国土交通省鉄道局長)  滝口 敬二君

   政府参考人

   (環境省大臣官房審議官) 三好 信俊君

   政府参考人

   (環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長)   梶原 成元君

   政府参考人

   (環境省総合環境政策局環境保健部長)       塚原 太郎君

   政府参考人

   (環境省水・大気環境局長)            小林 正明君

   衆議院調査局東日本大震災復興特別調査室長     宮部  光君

    ―――――――――――――

委員の異動

五月二十八日

 辞任         補欠選任

  林  宙紀君     椎名  毅君

同日

 辞任         補欠選任

  椎名  毅君     林  宙紀君

六月十六日

 辞任         補欠選任

  林  宙紀君     井出 庸生君

  畑  浩治君     小宮山泰子君

同日

 辞任         補欠選任

  井出 庸生君     林  宙紀君

  小宮山泰子君     畑  浩治君

同月十八日

 辞任         補欠選任

  菅家 一郎君     三ッ林裕巳君

  小泉進次郎君     勝俣 孝明君

  桜井  宏君     白須賀貴樹君

  中野 洋昌君     國重  徹君

同日

 辞任         補欠選任

  勝俣 孝明君     小泉進次郎君

  白須賀貴樹君     桜井  宏君

  三ッ林裕巳君     菅家 一郎君

  國重  徹君     中野 洋昌君

    ―――――――――――――

六月十八日

 東日本大震災復興特別区域法の一部を改正する法律案(階猛君外二名提出、衆法第一三号)

五月十五日

 大震災・原発事故による被災者の早急な生活再建と全国的な地震・災害対策の充実に関する請願(高橋千鶴子君紹介)(第八五二号)

 子ども・被災者支援法の幅広い適用と具体的な施策の実施に関する請願(玉城デニー君紹介)(第九二五号)

 政府は直ちに福島原発事故収束宣言を撤回し、原発即時ゼロ、子ども・命・暮らしを守ることに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第九五四号)

 同(笠井亮君紹介)(第九五五号)

 同(穀田恵二君紹介)(第九五六号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第九五七号)

 同(志位和夫君紹介)(第九五八号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第九五九号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第九六〇号)

 同(宮本岳志君紹介)(第九六一号)

 同(照屋寛徳君紹介)(第九八八号)

同月三十日

 子ども・被災者支援法の幅広い適用と具体的な施策の実施に関する請願(佐藤正夫君紹介)(第一一三八号)

六月五日

 政府は直ちに福島原発事故収束宣言を撤回し、原発即時ゼロ、子ども・命・暮らしを守ることに関する請願(塩川鉄也君紹介)(第一二二四号)

同月十七日

 子ども・被災者支援法の幅広い適用と具体的な施策の実施に関する請願(中島克仁君紹介)(第二三〇五号)

 大震災・原発事故による被災者の早急な生活再建と全国的な地震・災害対策の充実に関する請願(笠井亮君紹介)(第二四一三号)

 政府は直ちに福島原発事故収束宣言を撤回し、原発即時ゼロ、子ども・命・暮らしを守ることに関する請願(亀井静香君紹介)(第二四一四号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 東日本大震災復興の総合的対策に関する件


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     ――――◇―――――

秋葉委員長 これより会議を開きます。

 東日本大震災復興の総合的対策に関する件について調査を進めます。

 この際、東日本大震災の復旧・復興状況等調査のため、去る五月二十八日、岩手県に、また、去る六月十六日、宮城県及び福島県に視察を行いましたので、参加委員からそれぞれ報告を聴取いたします。黄川田徹君。

黄川田(徹)委員 岩手県の視察を行った参加委員を代表いたしまして、団長にかわり、私からその概要を御説明申し上げます。

 参加委員は、秋葉賢也委員長を団長として、理事西村明宏君、椎木保君、委員菅家一郎君、中野洋昌君、椎名毅君、畑浩治君、そして、私、黄川田徹の八名であります。

 それでは、調査の概要について御報告申し上げます。

 まず、宮古市に到着後、宮古駅から田老駅まで、三陸鉄道北リアス線に乗車し、車中において、望月三陸鉄道株式会社代表取締役社長から、復旧までの取り組みについて説明を聴取しました。今後の課題として、駅周辺のまちづくりのおくれ、人口減少、高台移転等に伴う車利用の増大が挙げられ、これらの課題に対し、観光客の誘致、駅を中心としたまちづくり、地域産品の販売促進等に努めていくとの説明がありました。

 また、運休中のJR山田線の移管については、南北リアス線をつなぐ山田線がないことで、一割以上の減収が見込まれており、移管によって、現在二つある車両基地や運行事務所の統合、地域の実態に即した運行が可能となるなどのメリットがある一方で、建設年次の古い山田線の施設や線形の悪さなどが課題であるとの認識が述べられました。

 次に、宮古市田老総合事務所において、岩手県から、復興交付金事業の確実な予算措置等を求める要望書を、宮古市から、復興事業に対する支援の継続等を求める要望書を受け取った後、津波の襲来時に、たろう観光ホテルの最上階から撮影されたビデオを視聴いたしました。

 その後、復旧工事が進む防潮堤の上で、山本宮古市長から、田老地区復興整備事業の概要について説明を聴取しました。この中で、移転促進区域内では、防災集団移転促進事業により買い取った土地が虫食い状に点在し、跡地の有効活用ができないことから、同事業の完了後でなければ交換等ができない現行制度の見直しについて要望がありました。

 次に、復興交付金を活用した震災遺構として保存される、たろう観光ホテルを視察した後、乙部高台で進められている防災集団移転促進事業の造成工事現場を視察しました。この事業は、市街地の土地区画整理事業とあわせ、コンストラクションマネジメント方式により施工中のもので、林都市再生機構宮古復興支援事務所長からは事業の全体概要の説明があり、次いで、斉藤たろうまちづくりJV工事事務所長からは、当初計画より工期が六カ月短縮されていること、施工に当たって環境や地元貢献、コスト縮減に配慮していることなどの説明がありました。

 以上が調査の概要であります。

 最後に、今回の調査に御協力いただきました皆様方に心から御礼を申し上げまして、報告とさせていただきます。

 以上であります。

秋葉委員長 次に、宮城県の視察を行った参加委員を代表いたしまして、私からその概要を御説明申し上げます。

 参加委員は、理事黄川田徹君、高木美智代君、委員石川昭政君、小田原潔君、小宮山泰子君、そして、私、秋葉賢也の六名であります。

 また、郡和子君が現地参加をされました。

 それでは、調査の概要について御報告申し上げます。

 まず、仙台市宮城野地区において、市の汚水の七割を処理する南蒲生浄化センターを視察しました。奥山仙台市長より御挨拶を頂戴した後、市の担当者から、同センターの被災及び復旧の状況について説明をいただきました。

 センターの中核となる水処理施設は、平成二十四年九月に本復旧工事に着手、平成二十七年度中の供用開始を目指し、無事故を前提として、異例の速さで工事が進められていました。通常の災害復旧事業は原形復旧が原則でありますが、本センターは、津波に強い施設とするため全体をかさ上げし、再構築するもので、コスト面の優位性から機能復旧が認められており、この経験から、災害復旧に関する法制度について、今後の大規模災害時にも柔軟な対応が可能となるよう見直していただきたいとの要望がありました。

 また、同センターは、国の補助事業にも採択されている、生活排水から石油成分をつくる藻類バイオマスエネルギー研究開発の拠点ともなっています。東北の被災地や全国へも展開可能な仙台モデルを構築するため、二〇二〇年までの実用化を目指すとしていますが、コストやエネルギー効率等については課題もあるとのお話を伺いました。

 次に、地元農家の方々が設立し、生産から加工、流通までを手がける六次産業化にも取り組む農業生産法人株式会社みちさきにおいて、ホウレンソウやミズナ等の葉物野菜を栽培している大規模養液栽培施設を視察いたしました。

 菊地代表取締役社長から、養液栽培には、塩害や気象の影響を受けにくい、生育から収穫までの期間が短く繰り返し生産できるといった利点がある一方、初期投資や運転費用などのコストの大きさや、販路の確保が課題であることを伺いました。さらに、市の復興特区の指定事業者として、先進的な農業モデルの確立と被災地の農業復興に向け取り組む決意をお聞きいたしました。

 その後、被災企業も多く出店する杜の市場にて昼食及び見学をした後、七ケ浜町水産振興センターを訪問し、渡辺七ケ浜町長の御挨拶の後、センター内の施設を視察いたしました。

 ノリの種苗生産を主軸にアサリやナマコなどの中間育成、放流事業を行う同センターは、津波により全壊、設備も破損、流出し、事業の完全休止を余儀なくされましたが、民間の募金事業による全額支援を受けて現地再建され、視察時には、ノリの糸状体の培養やナマコの種苗生産が行われており、夏にはアサリの育成に取りかかるとのことでした。また、来年からは、新たに、仙台湾の砂浜が全て好漁場となるホッキガイの育成にも取り組んでいきたいとのお話がありました。

 最後に、多賀城市の要請を受け都市再生機構が建設している、桜木地区の災害公営住宅を視察しました。

 菊地多賀城市長より、全四棟から成る同住宅は、コミュニティーの構築と減災を目指し、保育所や高齢者生活相談所、居住者の交流スペースなどを備えるとともに、地域住民を含め二千百人が避難できる津波避難ビルとしての機能を持つもので、本年十月に完成、十一月から入居開始予定との説明がありました。建設中の同住宅内を拝見し、車椅子対応型の居室、子供たちが伸び伸びと過ごせる広い保育所など、さまざまな配慮がされていることが感じられました。

 以上が調査の概要であります。

 終わりに、今回の調査に御協力いただきました皆様に心から御礼を申し上げまして、報告とさせていただきます。

 次に、西村明宏君。

西村(明)委員 福島県の視察を行った参加委員を代表いたしまして、私からその概要を御説明申し上げます。

 参加委員は、理事あかま二郎君、長島忠美君、椎木保君、委員福田昭夫君、石田祝稔君、中島克仁君、井出庸生君、高橋千鶴子君、そして、私、西村明宏の九名であります。

 また、菅家一郎君が現地参加をされました。

 それでは、調査の概要について御報告申し上げます。

 まず、本宮市において、市が保健センターを改築して設置した子供の遊び場であるスマイルキッズパークを視察いたしました。同施設においては、中野本宮市副市長から御挨拶を頂戴し、この中で、地域再生のため頑張ってはいるが、一自治体で取り組む問題ではなく、国としても現実を知ってほしいというお話を伺いました。

 同施設は、放射線の影響を懸念し外遊びを控える子供たちに、全身を使って遊ぶ機会を提供する目的で平成二十四年七月に開設され、同種の施設としては県内で最初の施設であります。砂遊びのエリアには、スウェーデンから取り寄せた、水がなくとも形がまとまる日本初のダンシングサンドを用いた砂場が設置されており、室内であっても屋外と同様の砂場遊びを楽しむ様子を見ることができました。また、プレールームでは、さまざまな遊具を用いて元気いっぱいに遊んでいる子供たちが見受けられ、同施設の敷地に面した道路を隔てて、約八千平方メートルの屋外遊び場の整備が進んでおり、道路を渡らずとも行き来のできるトンネルの掘削作業が進行しておりました。

 次に、原発事故に伴う避難指示が四月一日に解除された田村市都路地区にある仮設商業施設Domo岩井沢店を視察いたしました。同施設は、住民の帰還促進を目的とした、中小企業基盤整備機構の仮設施設整備事業を活用し整備された公設民営型の仮設商業施設で、小規模ながら、住民に必要な食料品や日用品を販売しておりました。鈴木田村市副市長の御挨拶の後、市の担当者からは、売れ残った商品が業者持ちとなるため、支援の必要があることなどの説明がありました。

 最後に、福島県県民健康調査を実施している福島県立医科大学を視察し、同大学から、新たに設置されたふくしま国際医療科学センターの概要と県民健康調査について説明を聴取いたしました。また、意見交換では、菊地理事長より、甲状腺関係の専門家がほとんどいないことから、今後の長期にわたる検査を実施していくために人材の育成が急務であること、就職、進学等で県外に出る検査対象者のフォローアップをしていくために個人情報等に係る法体制整備が必要であることなどの認識が述べられました。また、甲状腺検査の実演を見学し、短時間かつ負担が少ない検査が実施されていることが確認できました。

 以上が調査の概要であります。

 終わりに、今回の調査に御協力いただきました皆様に心から御礼を申し上げまして、報告とさせていただきます。

秋葉委員長 以上で視察参加委員からの報告は終わりました。

    ―――――――――――――

秋葉委員長 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房二〇二〇年オリンピック・パラリンピック東京大会推進室副室長永山賀久君、法務省大臣官房審議官萩本修君、厚生労働省大臣官房審議官鈴木俊彦君、厚生労働省雇用均等・児童家庭局長石井淳子君、経済産業省大臣官房地域経済産業審議官加藤洋一君、国土交通省鉄道局長滝口敬二君、環境省大臣官房審議官三好信俊君、環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長梶原成元君、環境省総合環境政策局環境保健部長塚原太郎君及び環境省水・大気環境局長小林正明君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

秋葉委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

秋葉委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大久保三代君。

大久保委員 石巻、女川を選挙区としております大久保三代でございます。

 本日は、質問の機会をいただき、まことにありがとうございました。どうぞよろしくお願いいたします。

 政府は、中長期的なエネルギー政策の指針となるエネルギー基本計画において、原子力発電所を重要なベースロード電源と位置づけ、原子力規制委員会が安全と判断した原子力発電所は再稼働を進めることを明記、国も前面に立ち、立地自治体に理解と協力を得るよう取り組むとしました。

 私は、先日、自宅近くにある女川原子力発電所を視察し、耐震、耐津波対策の強化はもちろんのこと、原子力発電所設計時の想定を超えた過酷事故やテロへの対策に至るまで、震災前よりはるかに厳しい規制に基づいた安全対策の実施工程を確認してまいりました。

 しかし、調査機関並びに各マスコミが実施した原発再稼働の是非を問う世論調査では、依然として再稼働に反対する意見が半数を超えております。

 世界で最も厳しい水準の規制基準への適合は大前提として、それでも国民の多くが不安を感じていることを軽減するに当たって、有事の際に避難経路となり得る道路整備は有用ではないでしょうか。

 来春開催予定の石巻北インターチェンジは、原子力発電所を有する女川町を通過する国道三百九十八号と連結しており、震災発生時に活躍した石巻赤十字病院とも直結します。有事の際の迅速な避難、産業振興、三次救急へのアクセス簡便化など、多くの期待が寄せられております。

 ここでさらに必要な予算を確保した上で、国道百八号と石巻北インターチェンジを結ぶ河南バイパスを整備することにより、女川、石巻地域において原子力発電所の事故など有事が発生した際に内陸への迅速な避難が可能となるため、住民の安心に寄与すると思われます。

 同バイパスの開通に向けた検討状況と見通しについてお聞かせください。

中原大臣政務官 お答えをいたします。

 国道百八号は、宮城県北部の中心都市であります大崎市と国際拠点港湾であります石巻港を結ぶ、地域の物流を支える幹線道路でありまして、国道四十七号と一体となって、太平洋側の宮城県石巻市と日本海側の山形県酒田市を結ぶ広域的なネットワークを形成しており、地元ではウエストラインと呼ばれ、整備の促進に取り組んでいると聞いております。

 実際に、東日本大震災の際には、このルートが日本海側からの救援隊や支援物資の輸送路として使われまして、国道百八号も重要な役割を果たしたところであります。

 現在、石巻市内におきましては、国、県が連携をして三陸沿岸道路の石巻北インターチェンジの整備を進めているところであり、今後、委員から御指摘のございました国道百八号も含め、地域の道路ネットワークの構築について検討が必要と考えております。

 特に国道百八号につきましては、道路の幅員が狭く、歩道の未整備区間があるほか、市街地部では渋滞が発生するなど、走行性や安全性の確保などの面で課題がありますので、今後、地元の意見もよく伺いながら必要な検討を行ってまいりたいと考えております。

大久保委員 ありがとうございます。ぜひ、概算要求の時期になっておりますので、前向きな御検討をお願いいたします。

 私は、石巻で二歳とゼロ歳の子供を育てております。原発再稼働に対する不安の気持ち、住民の気持ちは私も同じ気持ちであります。一方で、既にある原子力発電所を動かさないままでいて本当に大丈夫なのかという不安もまた、私も感じております。日本経済や地域経済は大丈夫なのか。また、家計を預かっておりますので、電気代が上がることも心配です。また、地球温暖化についても心配があります。

 このように、私たち母親はたくさんの不安の中で子育てをしておりますので、どうぞ政府におかれましては、私たち母親の不安な気持ちに寄り添っていただき、よりリスクの少ない、より安全性を高める復興まちづくり、そしてエネルギー政策の推進をお願い申し上げます。

 続きまして、子ども健やか訪問事業についてお尋ねします。

 同事業は、仮設住宅で長期の避難生活を余儀なくされている子育て家庭を訪問し、心身の健康に関する相談、生活・育児支援、専門の支援機関等の紹介を行うものですが、先月行われた国の募集に対し、宮城県の自治体は応じておりません。

 各自治体に応募しなかった理由を問い合わせたところ、同事業の必要性は十分認識しているものの、実際に訪問活動を行うことができる人材を十分に確保する見込みが立たないことや、同事業の予算化事務を期限内にこなすことが難しいことから応募を見送ったとのことでした。

 仮設住宅には、貧困、病気、孤立など、多くの問題を抱えているがために自立困難な方が取り残されつつある状況に陥りつつあり、そのしわ寄せを子供たちがこうむっているように見受けられます。

 今後、訪問による支援がより一層必要性を増してくると考えられますが、訪問による支援活動を担うことができる人材確保を含め、この事業の積極的な取り組みの促進についてお聞かせください。

鈴木政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘の子ども健やか訪問事業でございますけれども、これは、震災による避難の長期化に伴いまして子供の健康面に影響が生じている、そういった課題があるという被災地からの御要望を受けまして、今年度から予算化した事業でございます。

 具体的には、ただいま先生御指摘のとおり、仮設住宅などで長期の避難生活を余儀なくされている子育て家庭を訪問いたしまして、心身の健康に関する相談に応じたり、生活、育児援助などの支援を行う、こういったものでございます。

 この事業の実施に当たりましては、訪問する人材につきまして、地域の人材活用の観点から、保健師、看護師、児童委員といった方々のみならず、一定の研修を受講していただいた子育て経験者などにも担っていただくことといたしております。それからさらに、被災地で活動しております民間団体などに事業を委託することも可能としたところでございます。

 こうした人材の活用を改めて周知することなどによりまして、この事業に対します県あるいは市町村の理解を深めてまいりたいと考えております。

 また、福島県では、この事業を既に実施していただいております。県の方では、この実施に当たりまして、対象とします児童につきまして、乳児や幼児の健康診査の対象時期になっていない一歳児あるいは四歳、それから小学校の入学で生活環境が変化をいたします小学一年生、こういった子供たちに対象を設定する、こういった工夫を行っていらっしゃいます。それから、人材確保の面でも、看護協会など職能団体と連携して実施をするといったことをされておりまして、地域の実情を踏まえていろいろな工夫をしていただいているところだというふうに承知をいたしております。

 この事業につきましては、年度途中からの実施も可能でございますので、例えばこうした福島県の取り組み事例などの紹介も行いながら、それから宮城県などの状況もよくお聞きをいたしまして、この事業実施に積極的に取り組んでいただけるようにしてまいりたいと考えております。

大久保委員 何とぞよろしくお願いいたします。

 震災から三年半が経過をいたしまして、子供たちの心の問題が少しずつ顕在化してきております。非行、不登校など、子供たちが抱えている状況は余りに過酷でありますので、どうぞ、五年、十年というスパンを持っていただき、子供たちの健やかな育ちのため、御支援をよろしくお願いいたします。

 さて、震災前後で比較をしますと、最も人口が減少したのは石巻市で、一万二千百四十八名の減であり、人口減少率が最も高いのは女川町の二七・二%であります。

 人口減少、高齢化、産業の空洞化など、今の日本が抱える課題を顕著に持つ被災地を、単に従前の状態に復旧するのではなく、復興を契機にこれらの課題を解決し、我が国や世界のモデルたり得ようとする政府の提言、「「新しい東北」の創造に向けて」には大きな期待を寄せているところです。

 新しい東北の創造にかける復興大臣の決意をお聞かせください。

根本国務大臣 委員のただいまのお話のように、復興庁では、単なる原状復旧にとどめるのではなく、復興を契機に、今お話のありました人口減少、高齢化、産業の空洞化、これは将来の日本が抱えるだろう課題、これが目の前に来てしまった、この課題を解決して、我が国や世界のモデルとなるような新しい東北を創造すべく取り組みを進めております。

 具体的には、子供の成長、活力ある高齢化社会、あるいは農産物などの地域資源を活用した産業、なりわいの再生などの五本柱をしっかり仕立てて、この五本柱に沿って、官のみならず、民のノウハウや新たな発想を最大限に活用させていただいて、官と民の連携のもとに取り組みを強力に推進しております。

 具体的には、幾つか例を挙げたいと思います。

 例えば、宮城県石巻市では、次世代型包括地域ケアの推進に向けた二十四時間対応の医療、看護、介護などの多職種連携システムの構築。

 あるいは、地域の防災能力の向上に向けて、ハード面に加え、地域の課題に応じた避難訓練などのソフト面を強化する取り組み、これは「カケアガレ!日本」というテーマでやっておりますが、こういう企業、大学、NPOなど幅広い担い手による先進的な取り組みを加速する先導モデル事業を今実施して、六十六事業を支援しております。

 さらに、被災地のニーズに合わせて企業などの民間人材を派遣する、ワークフォー東北を実施しております。これは、応援したいという企業と、受け皿になる商工会議所あるいは企業、いろいろなパターンがありますが、この人材をマッチングするワークフォー東北。

 さらに、被災地への事業参加を促進するためのビジネスコンテスト。これは、コンテストの過程で、専門家による事業化に向けたアドバイスなども実施をしております。

 さらに、昨年十二月には、今お話しがあった人口減少を食いとめる、それに新たな産業や雇用の場を確保する、これは、住宅再建、まちづくりの官のフェーズから、この分野は民のフェーズに移ってきますから、これは民の活力が必要で、復興に携わる多様な主体のさらなる連携推進に向けて、私から経済界の皆様に呼びかけをして、「新しい東北」官民連携推進協議会を設立しました。現在、約七百の団体が会員となっていただいております。復興支援や被災地の先進的な取り組みなど、さまざまな情報をウエブサイト上で一元的に共有を行っています。また、三月十六日には会員交流会を開催して、約百七十団体の参加を得て、新たな連携や取り組みの創出に向けて、対面による交流を深めていただきました。

 今後とも、私がリーダーシップをとって、東北の地で先進的な取り組みを推進するとともに、被災地はもちろんのこと、全国の地域に展開することができるように、積極的な情報発信、共有を進めていきたいと思います。

大久保委員 ありがとうございました。

 私も、国会が閉会しましたら、地元を歩き、また地元の声をお届けしたいと存じます。私も、新しい東北の創造に向けて一助になりたいと思って頑張りますので、どうぞこれからもよろしくお願いいたします。

 きょうはありがとうございました。

秋葉委員長 次に、高木美智代君。

高木(美)委員 公明党の高木美智代でございます。

 私は、福島の復興加速化本部のメンバーということで、三月末には大熊町、双葉町、そして、いわき市、また四月末には浪江町、六月には富岡町に伺いました。また、一昨日、私はこちらの復興特別委員会の視察に、宮城に行かせていただきましたが、我が党の復興加速化本部のメンバーは楢葉町に視察に行きまして、またその間も、断続的に、借り上げ住宅への避難者の方たちと懇談もさせていただいております。

 富岡町の居住制限区域を視察しましたときに、ある一軒のお宅を見せていただきまして、そこはもう、ネズミのふん、豚のふん尿等で、片づけてもとても住める状況にはないという状況を見せていただきました。案内くださった方のお住まいにはピアノも置いてありまして、お嬢様たちですかとお話ししましたら、娘が二人です、そのために買いましたとおっしゃるんですが、そのピアノのふたには豚のふん尿がべったりとついておりまして、また、離れに置いてあったおみそ、しょうゆは、放れ牛がガラスを割って侵入して食べてしまった、こういう形跡がありありとありました。

 その方もおっしゃいましたが、解体したいけれども自力ではとてもできない、かといって、解除されてもここにとても住むわけにもいかない、事業者の手配も不可能と思われるので、国が一括して解体をしていただけないか、こうした御要望がありました。

 また、楢葉町の町長からも同様に、居住制限区域におきましては、ネズミの駆除また住宅の清掃など支援を求める、こうした御要請も受けて帰ってきたところでございます。

 このような御要請に対しまして、国からの財政支援また事業者の確保など、国としてしっかりと対応すべきと考えております。根本大臣の御見解を伺います。

根本国務大臣 委員が現場を見られて、今お話がありましたように、原子力災害に伴う避難指示などの事情によって長期間にわたり家屋を管理することができずに、震災による被害がそのまま放置されていたり、あるいは、雨漏り及びこれに伴うカビ、鳥獣のふん尿による汚損などが生じている、これは委員のお話のとおりであります。

 このような家屋のうち、自治体において半壊以上と認定されたものについては、環境省事業で解体を実施しております。要は公費解体処理をしております。

 さらに、他方、半壊未満のものについては、帰還意思のない方の家屋が放置され、今後、帰還者の安全確保や区域の荒廃抑制の観点から支障が生ずるような場合には、復興庁の事業、地域の希望復活応援事業での解体も視野に入れているところであります。

 さらに、帰還される方の家屋の解体費用については、賠償で措置されることとなっております。

 また、ネズミの駆除など、避難指示区域の荒廃抑制、保全対策、これは住民の帰還と当該区域の再生にとって重要ですので、今後とも、委員のお話がありましたように、現場の声を伺いながらきめ細やかに対応し、被災者の方々が一日でも早く普通の生活に戻れるよう、全力を尽くしてまいりたいと思います。

高木(美)委員 よろしくお願いいたします。

 続きまして、東日本大震災から三年三カ月たちまして、仮設住宅で暮らす方が今十八万四千人、一方で、災害公営住宅の確保は、三県平均でやっと今八%になったところでございます。

 一昨日も、宮城県におきまして、多賀城の災害公営住宅を視察させていただきました。本当に、マンションのような、恐らくここにまた入られ、新しいコミュニティーを形成されるんだなと安堵する反面、やはり一方で、八%が今やっとということは、仮設生活の長期化の課題というところが避けて通れないわけでございまして、中には、そういう長期の間に仮設から仮設にさらに移らなければならない、そういう事例も今始まっております。

 理由は、仮設住宅を集約するためということであったり、また、そこに下水道施設をつくるからどいてもらいたいということであったり、さまざまな理由があるわけですが、やっとせっかく新たに築いた仲間の人たちと別れることとなりまして、再び地域コミュニティーが壊される、こういう結果になるわけでございます。

 また、もう一つの課題は、自宅を失った沿岸部の被災者の方たちがどちらに今住んでいらっしゃるかというと、福島の場合は、いわきとかそういうところにも、また内陸部にもいらっしゃいますけれども、岩手また宮城におきましては、どちらかというと内陸部に定住を希望されていらっしゃる。

 ですから、その方たちを支援して、そこに災害公営住宅を一生懸命つくる、また自前の公営住宅に入居枠をふやすということは、結局は沿岸自治体の人口減少を加速化させかねないという、この懸念もあるわけでございまして、対策を迫られる内陸自治体のジレンマ、そしてまた、もともとの被災自治体の苦しみというのはまさに深いというふうに言わざるを得ません。

 そこで、こうした避難が長引いている現状認識と今後の対応策につきまして、根本大臣に伺います。

根本国務大臣 東日本大震災からの復興、これは安倍内閣の最重要課題の一つです。中でも、被災者の方々が安心して居住のできる住まいを早期に確保する、これは非常に重要な課題であります。

 被災三県の災害公営住宅の整備状況につきましては、平成二十六年度五月末時点、一万九千七百九十五戸で用地確保済み、九千六百十九戸で建築工事着手済み、二千三百三十八戸で建築工事完了済み、こういう状況になっております。

 このような災害公営住宅の整備に当たっては、用地取得、工事発注、施工確保、それぞれの面での課題がありますので、さまざまな課題、隘路がある、これをいかにして突破して具体的な迅速化を進めるか、こういう問題意識で、私のもとに、関係省庁の局長クラスを集めた住宅再建・復興まちづくりの加速化のためのタスクフォースにおいて、五回にわたって加速化措置を打ち出してきました。用地取得を促進する、あるいは施工を促進する、さまざまな加速化措置を打ち出してきました。

 具体的に、災害公営住宅関連で申し上げますと、まずは、住まいの復興工程表を作成しました。そして、被災者の皆様に住まいや復興の具体的な見通しを提示する。そして一方で、進行を管理していく。

 さらに、資材不足や人材不足への対応、円滑な施工体制を確保するために、関係省庁と協力して、一つは、災害公営住宅の分野に係る関係者による情報連絡会、これを設置しました。そして、資材、人材の安定確保を図る。被災三県による災害公営住宅整備事業などに適用される標準建設費の引き上げ、これはいろいろな課題がありましたから、標準建設費を引き上げる。

 あるいは、施工に当たっては、都市再生機構、URの活用。これはまちづくりのプロですから、これによって迅速化が図れるので、UR、現地復興支援体制の強化もいたしましたなど、具体的な必要な措置を推進してきて、今も推進しております。

 これからも、タスクフォースの活用などによって、被災者の方々が安心して健やかに暮らしていける住まいの整備をさらに加速化してまいりたいと思います。

高木(美)委員 建設に当たっては、とりあえず計画の予定どおり、また、それをしっかりとこれからも管理していくという御答弁だったかと思います。

 一方で、今申し上げたように、計画どおりにいっていても、その最後のところまで仮設生活を余儀なくされる方たちがずっと引き続きいらっしゃるわけで、その方たちがむやみな移転をしなくて済むような、コミュニティーを極力維持できるような、また、こうした配慮というものを重ねて申し上げたいと思います。

 次に、私も、高台への移転、いわゆる防災集団事業の様子等々も、陸前高田とか福島の新地町とか、いろいろなところへ行かせていただきまして、目の当たりにしてまいりました。そのたびに考えることですが、やはり復興に当たりましては、その高台に改めて下水道を引くということよりも、合併浄化槽を活用すべきではないかという考えを強くしております。

 浄化槽の機能が、下水道と汚染処理の性能は全く遜色がないという環境配慮の点であるとか、また、将来にわたりまして町や村などの自治体負担の軽減に資する、耐震性にもすぐれている。こうした理由を考えますと、さらにこうしたことを配慮すべきではないかと思います。

 被災した下水道施設は多くが沿岸部に集中しておりまして、警戒区域等を除いて復旧しているとはいいましても、今後の災害想定、また人口流出、少子化、過疎化を考えると、被災自治体への浄化槽利用の働きかけを強めていただきたいと思っております。

 本年一月、国交省、環境省、農水省が策定した都道府県構想策定マニュアルに基づきまして、合併型浄化槽の設備を推進すべきと考えます。環境省と復興庁の取り組みにつきまして、恐縮ですが、簡潔に御答弁をいただければと思います。

浮島大臣政務官 高木委員にお答え申し上げます。

 浄化槽は、水環境保全上、十分な処理水質が得られる、また、特に人口が集中していない地域において比較的安価に整備ができる、また、短期間で設置ができる、そして地震に強いという、すぐれた特徴を有しているところでございます。

 今後、汚水処理施設の整備は、人口が散在している地域が中心となり、また、汚水処理施設の整備においても防災の観点がとても重要になるということから、浄化槽の役割が一層重要になってくると考えているところでもございます。

 また、地域におきましては、下水道や浄化槽などの汚水処理施設の適切な役割分担のもと、計画的に整備をしっかりしていくために、都道府県単位で整備のための構想策定、見直しを行う際の、先ほど御指摘にもありましたけれども、マニュアルを、国交省、農水省とともに連携し、本年の一月に作成をさせていただいたところでもございます。

 環境省といたしましては、地方公共団体へのマニュアルの周知徹底をしっかりと図るとともに、被災地における集団移転や高台移転においてもこのマニュアルがしっかりと活用され、適切な役割分担のもとに浄化槽の設置が進むことを期待しているところでございます。

根本国務大臣 委員の御指摘、そして、ただいま浮島政務官のお話にもありました、私も、都道府県構想策定マニュアル、これが非常に大事だと思います。やはり、それぞれの、各種の汚水処理施設の有する特性、経済性などを総合的に勘案して整備手法を選定する、これが重要だと思います。

 高台移転などにおける汚水処理についても、このようなマニュアルに沿って、それぞれの事業の適切な役割分担のもとで計画されていくと考えておりまして、復興庁としても、三省と連携して施設整備を支援していきたいと思います。

高木(美)委員 最後に、中間貯蔵施設設置に関します進捗状況と今後の対応につきまして伺いたいと思います。

 では、これは浮島政務官から簡潔にお願いいたします。

浮島大臣政務官 お答え申し上げます。

 住民説明会につきましては、五月三十一日から六月十五日の期間、福島県内十回、そして県外六回、計十六回開催をさせていただいたところでもございます。延べ約二千六百人の住民の皆様に御参加をいただきました。

 政府の方からは、中間貯蔵施設の案や土地への対応、また、生活再建、地域振興策等について、現時点でできる限りの御説明を丁寧にさせていただいたところでもございます。

 住民の皆様方からは、賛否両論、さまざまな御指摘、御意見をいただいているところでございまして、今その対応を整理させていただいているところでもございます。

 こうしたさまざまな御意見を真摯に受けとめながら、国が検討を進めることをお約束している事項などの取りまとめをしっかりと行い、地元の御理解を得ていきたいと考えているところでもございますので、これからもしっかりと取り組んでまいります。

高木(美)委員 ここは根本大臣にお考えをお伺いしたいのですが、私は地元からは、決してこの住民説明会がうまくいったとは聞いていないんです。当然、役所からは適切な説明は行われた。しかし、やはり、それを受けとめる側の住民の方たちの心情、また、今の石原大臣の御発言等々もあります。そういうことを踏まえますと、やはりここは、福島県出身の地元の大臣が、福島の言葉で住民の方たちに直接語りかけていただく、直接説得をしていただく、こうしたことが私は必要ではないかと思っております。

 恐らく、それがなければ、この中間貯蔵施設、やっと今動き出したところですけれども、本当に県を支えて、そしてまた、それぞれの受ける自治体、双葉、大熊等々を支えて、こういうことになりますと、やはり、その中心軸はどこかといいますと、私は根本大臣ではないかと強く期待をしている一人でございます。

 大臣、お考え、いかがでしょうか。

秋葉委員長 持ち時間が過ぎておりますので、簡潔に。

根本国務大臣 中間貯蔵施設の問題は、福島の復興にとって本当に重要なテーマだと思います。

 私はやはり、それぞれの立場でみんなが一緒になって協力して、これを何とか前に進めていただくように、住民の皆様にも協力を、ぜひ、何とぞお願いして、この中間貯蔵施設の整備を進める、これが何よりも重要だと思います。

高木(美)委員 復興庁が身を乗り出して取り組んでいただくことを、大臣のリーダーシップを強く要請いたしまして、終わります。

 ありがとうございました。

秋葉委員長 次に、玄葉光一郎君。

玄葉委員 玄葉光一郎です。

 根本大臣、風評被害対策についてお尋ねをしたいと思います。

 提案でもありますけれども、私も、この風評被害対策について、この間、さまざまな説明を各省庁から受けてきたのです。現状の評価については、私は決して甘くないというふうに思っています。より改善するためにどうすればよいかということであります。

 やはり一つは、根本大臣が、もっと言えば復興庁が、よりトータルで戦略的な風評被害対策を、しっかりと各省庁をグリップして講じることが非常に大切だというふうに強く感じているんですね。

 それは恐らく根本大臣も同じように思っている部分もあると思うのですが、例えば食品摂取の問題、いかに厳しい基準、百ベクレルで、世界基準からすれば大変厳しい基準で日本がそれらを実施しているとか、あるいは、空間線量、健康、遺伝の問題、例えば、万が一被曝していてもこれは遺伝をしないとか、そういう、いわゆる科学的知見に基づくこと、あるいはファクトをどういう手段で効果的に伝えるかということについて、実はそれぞれの省庁は、農林水産省も消費者庁も、努力はしているんですよ、私が見ていても、あるいは説明を聞いていても。ただ、何が起きているかというと、風評被害対策全般について説明してくれと言うと誰も説明できない。これは実態です、率直に言って。

 私は、これは、ぜひ、御地元でもあるので、根本大臣が音頭をとって復興庁で、担当者はいるのはわかっているんですけれども、もっとしっかりと厚みのある体制をつくって全てグリップする。復興庁はこの問題でも一段上にあるのだということで、ぜひこの対策を実施していただけませんか。

根本国務大臣 委員のお話のとおりだと思います。

 その意味で、多岐にわたる関係省庁で一体となって検討を行って、風評被害対策パッケージ、これを取りまとめました。そして、その中で各省庁と議論をしながら取りまとめた。

 具体的には、被災地産品の放射性物質検査や空間線量把握などの確実な実施、放射性物質の健康影響などを含めた正確でわかりやすい情報提供。これは、今委員のお話にあったように、食品の規制値百ベクレルというのは世界で一番厳しい基準ですから。EUは千ベクレル、アメリカは千二百ベクレル、これだけの厳しい規制値を我が国はやっている。そして、低線量の健康影響の問題も、今の時点での科学的な専門的な知見を取り込んだ情報提供の資料、これも各省庁と一緒に取り組みました。そして、被災地産品の販路拡大、あるいは新商品開発などへの支援、国内外から被災地への誘客促進。これは、各省庁を一緒に参加させて束ねて、そして、全体の風評被害対策をまとめてまいりました。

 ですから、私も、各省庁個別の話を聞かれた場合には、自分の省庁だけの話を言うのではなくて、全体の風評被害対策パッケージをつくってありますから、それも各省庁がそれぞれ、もし自分の個別のところを聞かれた場合でも、全体の対策のパッケージを説明してもらいたいと思います。

 風評被害対策は非常に福島の復興再生にとって、委員がおっしゃるように、私は鍵だと思っていますから、これは政府を挙げて一丸となって取り組む、そして、それぞれの各省庁もみずからの制度をどんどん深掘りしていく、そして、全体で大きなパッケージとしてさらに進めていく、これが何よりも必要なので、委員のおっしゃるように、全力を挙げて取り組んでいきたいと思います。

玄葉委員 福島県内での科学的知見をそれぞれの住民の皆さんに説明をしていくときに、一番効果的だなと思ったのは、保健師さんとか栄養士さんが歩いてくれるというのはとても効果的なんですね。これは全国に言えることで、いろいろ聞いてみると、消費者庁は専門家三千人を養成した、こういうことなんです。まだまだ足りないと思いますけれども。

 ただ、例えば専門家三千人を養成して、これは人海戦術をして歩く、あるいは説明するのですけれども、今大臣も指摘をされたようなトータルな風評被害対策全般、つまり、空間線量も食品摂取も、健康、遺伝に対する影響も全て説明しているのかと思ったら、実は消費者庁に関係することだけ、その専門家の三千人は説明しているわけですよ。もったいないと思いませんか。

 これはやはり、つくづく思うんですよ、すごく人海戦術はいいので、あるいは基本的にパンフレットもそれぞれ別々なんです、だから、せっかくだから一つに、コンパクトに、今申し上げた三つ、四つのテーマ全部まとめちゃって、そして、栄養士さん、保健師さん、それは一つの省庁からお願いされるかもしれないけれども、復興庁からきちっとお願いして、トータルで説明してもらうというのが一番効果的、戦略的、効率的だというふうに思いますが、いかがですか。

根本国務大臣 二つあると思います。

 誰が説明するか。これはやはり住民の皆様から信頼される方が一番効果的だと思いますね。ですから、お医者さんとか保健師さん、栄養士さんもそうだと思います。

 そして、地域の状況にもよりますけれども、一番効果的だと思うのは、私は、車座で対話する、あるいは一対一で丁寧に対応していただく。川内村の保健師さんの事例がある。これは非常に効果的なやり方だと思います、リスクコミュニケーションのやり方。

 それから、今お話のように、食品の規制値がどうなっているかとか、あるいは低線量の、先ほど遺伝するかどうかというお話もありましたが、今の科学的知見も専門的知見もありますから、その意味では、ことしの二月に公表させていただきましたが、復興庁、環境省を中心に、関係省庁と連携して、そういう健康影響に関する基礎的情報をまとめました。ですから、これは、こういうものを、私も、おっしゃるように共通のもので説明する。そして、この基礎的情報は、専門家約五十人に全部チェックしてもらいましたから。その名前も書いてあります。そういうもので提供していただく。

 要は、おっしゃられるように、例えば、時点的な問題があると思いますが、消費者庁でもそういう説明資料をつくっている、各省庁もそれぞれ工夫してつくっている。やはりこれらを点検して、共有して、さらにブラッシュアップしていくということが必要だと思います。その意味では、委員の御指摘のようなテーマについて、健康影響に関する基礎的情報というものをまとめてありますから、これをぜひそれぞれの場で活用していただきたいということも、我々連携して取り組んでいきたいと思います。

玄葉委員 ぜひ、根本大臣、さっき申し上げたように、もう御理解いただいていると思いますけれども、食品摂取も空間線量も健康影響評価もトータルで、パッケージで、せっかく専門家を養成しているのだから、しかも県内だけではなくて全国に向けて説明をしていく、そのことについてのリーダーシップをぜひ発揮してもらいたいということと、やはり地上波テレビの影響というのは大きいです。ですから、政府広報の活用も含めてぜひ検討してもらいたいと思います。

 次に、防災拠点空港の問題で、西村副大臣にお尋ねをしたいというか、提案をしたいと思います。

 三・一一の一つの教訓というのは、いわゆる道路とか鉄道網というものが麻痺をした、そのときに、実は、福島の例を挙げると、福島空港というのは大きな役割を果たした。それは、救援の要員であるとか救援の物資のいわば輸送の拠点になったということがございます。

 したがって、きょう申し上げたいのは、これは日本の全体の防災体制の話でもありますけれども、首都圏の直下型あるいは南海トラフ地震などが起こるというふうに言われている中で、幾つかの地方空港を防災拠点空港として整備してはどうかという提案でございます。

 また同時に、この福島空港、これはそのモデル事業として、国が責任を持って、復興にも寄与するという観点からして、防災拠点としての整備というものをしていくべきではないかというふうに考えますけれども、いかがでしょうか。

西村副大臣 お答えを申し上げます。

 委員御指摘のとおり、いざ大災害が起こったときに、空港というのは非常に大事な拠点としての役割を果たすこと、これはもう衆目の一致するところであります。被災地に向けて全国からの救援物資を運ぶ拠点、あるいは逆に、被災地から患者さんなんかを搬送する受け入れ拠点としての空港、両方の意味があるわけでありまして、そういう意味で非常に重要な役割を果たしていると私どもも認識をしております。

 御指摘のあった、例えば首都直下地震あるいは南海トラフ、こういった大規模地震のいわゆる災害応急対策活動について、本年度中に具体的な計画をつくるべく検討を行っているところでありまして、その中で空港の位置づけについてもぜひ議論をしてまいりたい、このように考えております。

 御指摘のありました福島空港についての、モデル事業という御質問でありますけれども、さまざまな活動拠点として、周辺に医療機関がどの程度あるとか、あるいは自衛隊との距離とか、そういったものも含めて、地元の自治体の御提案もお聞きしながら、そうした関係者あるいは専門家の御意見も聞きながら、今後、幅広く意見を求めて検討してまいりたいというふうに思います。

玄葉委員 井上副大臣、石原環境大臣においでをいただきたかったのでありますが、きょうは復興特でございますから副大臣対応ということのようでございます。

 この問題、最後は金目発言、取り上げざるを得ないということでございます、大変ショックでありました。中間貯蔵施設は、先ほども質疑で出ておりましたけれども、福島の復興にとって必要不可欠な施設でございます。与党、野党の枠を超えて、私自身も地権者の皆様にお会いをすればお願いをする、そういう立場でこの間も活動してまいりました。

 ただ、肝心かなめの担当大臣がこのような発言、失言をするということになると、交渉はさらに難しくなるのではないか、結果として福島の復興がおくれるのではないかということを大変危惧しているわけであります。

 当然ながら、この石原大臣の発言というのは撤回をされる、そういうふうに考えてよろしいでしょうか。

井上副大臣 この件につきましては、これはまさに大臣の御発言でありまして、大臣御自身がきちんと説明をされ、また深く反省をし、謝罪もされておられますので、そのことに尽きることだというふうには思っております。

 撤回ということであれば、大臣からの御発言としては、歩きながらでの話であり、正式な会見ではなかったものであって、誤解を招いたことについて心からおわびをされた、そういうものだと承知をしております。

玄葉委員 副大臣御自身の発言ではないので、副大臣が答弁する立場かという問題も、そういう部分もあるというふうに思うのですが、大臣の話に尽きるかといえば、やはりそうではないのだろうというふうに思うんです。

 思わず本音が出たのかというふうに疑う人たちも、当然ながら県民にはたくさんいらっしゃるわけです。地元の新聞にも出ておりましたけれども、金で中間貯蔵施設の問題が解決するのかというふうにおっしゃる方々が大変多いです。

 私も実家が原発から四十キロのところにございまして、恐らく石原大臣は、決定的に想像力が欠如しているのだというふうに思うんです。つまり、先祖伝来の土地を手放さなくてはいけない、あるいは本当に墓参りに行けなくなるという人たちの気持ちに一度でも本気で立ったことがあれば、こういう言葉は出ないですよね。

 だから、綸言汗のごとしという言葉がありますけれども、やはり、出てしまったのであれば、もちろん責任をとるなり、けじめをつけるなり、最低でも、発言は撤回されるというのが最低限のけじめだし、県民の皆さんにきちっと謝罪をするということが必要なのではないでしょうか。

井上副大臣 これも、大臣御自身が御発言をされておりますけれども、決して、金で解決する、そういった趣旨ではないということ。

 ただ、住民説明会が終わった直後であって、住民説明会でも、賠償の金額の話であるとか、あるいは地域振興策、こういったことについて非常に御意見が多かったということで御発言をされたというふうに理解をしております。

玄葉委員 もちろん、適切な補償というのは必要なことです。ただ、それ以前の、より本質的な問題だというふうに思います。

 大変深刻な状況を、根本大臣、どう受けとめておられますか。

根本国務大臣 石原大臣がどういうおつもりでお話をされたのか。非常に短い言葉でしたから、さまざまな考えを持たれた方もたくさんおられると思います。その意味では、先ほど来、石原大臣の趣旨、それを副大臣からお話がありました。

 やはり、我々、今、中間貯蔵施設の問題は福島復興再生の大きな鍵ですから、とにかく、住民の皆様には何とぞ御協力をお願いしたい。そして、玄葉委員も私も地元にありますし、私も、そこは、あの三・一一のときにおりましたから、だから、皆さんの気持ちはよくわかりますよ。そして、確かに先祖伝来の土地もある、その問題もよく私もわかる。

 その意味では、我々、この中間貯蔵施設の問題は、とにかく、真摯に、丁寧に住民の皆様にも説明をしながら、そして、御理解を求めて前に進めていくというのが我々の責任であり、使命ではないかと思います。

玄葉委員 もう質疑時間が終わるのでありますけれども、私も、何とか中間貯蔵施設をつくっていかないと、それぞれの他の地域の仮置き場の処理というか、そういう問題にも大きくかかわるわけであります。非常に私もショックなのですよ。

 ですから、どうやって前に進めるかということを考えているので、そのためには、この間のような釈明ではやはり済まないと思うんです。何らかのけじめなり、おわびなり、発言の撤回なり、さらに踏み込んだ行動を期待したい、求めたい、そのことを申し上げて、私の質問を終わります。

 どうもありがとうございました。

秋葉委員長 次に、福田昭夫君。

福田(昭)委員 民主党の福田昭夫でございます。

 私は、昨年、双葉郡の四つの町、浪江町、双葉町、大熊町、富岡町、そして、ことしは、宮城県の三市町、栗原市、加美町、大和町、さらに、双葉郡の三町を調査してまいりました。そんな調査を踏まえて、原発の事故の被害に悩む地域、そうした人たちにとって一番大きな問題かなというふうに思っております除染と放射性指定廃棄物の処分に絞ってきょうは質問をしてまいりたいと思いますので、簡潔明瞭にお答えをいただきたいと思います。

 復興庁が平成二十五年三月七日に取りまとめた早期帰還・定住プランのポイントは、私はよくできていると思っておりますけれども、問題は、その中身だと思っております。

 そこで、まず、時間の関係で、除染については要望だけにしておきたいと思います。

 一つ目は、除染作業後の放射線量の目標値の設定と下請負調書の開示についてであります。

 除染等工事の発注に当たって、施工後の放射線量が施工する前と終わった後でどのように下がったかという目標値を設定して工事を発注するということがやはり大事だと思っていますが、その目標値が設定されずに工事が発注されている。しかも、何百億というお金が使われている。これは大きな問題だと思っていますので、しっかり目標値が設定できるような努力をしてほしい、検討してほしいと思います。

 さらに、下請負業者の名称と下請負金額をしっかり開示するように検討してほしいと思っています。情報公開法のこともあって簡単に開示できないと聞いておりますが、しかし、元請が幾らで除染等の工事を請け負って、下請負に幾らで出しているかというこの金額を見れば、いかに無駄なお金が使われているかというのがはっきりわかりますので、そこはぜひ開示をするようにお願いしておきたいと思っています。

 二つ目でありますが、除染計画と放射線量減衰マップの作成についてであります。

 帰還困難区域における除染モデル実証事業の結果報告書が平成二十六年の六月十日に発表されておりますけれども、これらを踏まえて、今後、全体的に除染をどうするのか、除染のあり方を含めた全体的な除染計画をつくるということ、そして、十年後、二十年後、三十年後には放射線がいかに減っていくか、減量マップをメッシュに区切ってちゃんと作成して、我々国会や国民の皆さん、そして特に十一市町村の住民の皆さんに示すように、そういう検討をぜひしてほしいというふうに思います。

 これはお答えは要りません。今後、ぜひそのような対応をお願いしたいというふうに思っております。

 次に、十万ベクレルを超える放射性指定廃棄物の中間貯蔵施設の整備についてであります。

 質問通告と違う質問を急にすることになりましたので、ぜひお答えをいただきたいと思います。きょうは、谷副大臣と小泉政務官には、急に要請をして、出席をしていただいてありがとうございます。大して難しい質問ではありませんので、ぜひお答えをいただければと思います。

 まず最初に、環境省が六都県で計十六回の住民説明会を開催して、延べ二千六百五人の人たちに参加をしていただいて、中間貯蔵施設の整備についての説明会をされたそうでありますが、しかし、石原大臣は、この十六回、一度も出席をしていなかった、こういうふうに聞いておりますが、井上副大臣、これはいかがですか。

井上副大臣 委員の御指摘のとおり、十六回の説明会に石原大臣は出席をしておりません。

福田(昭)委員 十六回、一回も出席していない大臣が、菅官房長官に、井上副大臣とこの住民説明会の内容について報告に行ったということでありますが、その際、ぶら下がりの取材で、先ほど玄葉委員からもありましたけれども、最後は金目でしょ、こういう発言をしたということでありますけれども、そのことについて、きょうはおいでいただいたので、小泉政務官、谷副大臣、そして根本大臣の順番で、ぜひ感想なり考えをお答えいただければと思います。

小泉大臣政務官 最後は信頼だと思います。

谷副大臣 先ほど井上副大臣が答弁されていましたけれども、石原大臣の発言は、最後は用地補償の額などを示すことが重要な課題になるという趣旨で述べられたというふうにお聞きしております。また、その上で、誤解を招いてしまったということについて心からおわびを申し上げたとも聞いております。

 我々としては、環境省と一緒に、一日でも早い中間貯蔵施設の建設にしっかりと取り組むことが大事だと思っております。

根本国務大臣 先ほど井上副大臣からも、石原大臣の発言の真意についてお話がありました。

 住民説明会の結果、最後は用地補償の額などを示すことが重要な課題になるという趣旨で述べられたものだと私も聞いております。さらに、石原大臣が、その真意を説明された上で、誤解を招いてしまったことについて心からのおわびをされた。

 やはり私は、大事なのは、中間貯蔵施設、とにかく関係者がみんなで協力して積み上げてまいりました。これから、住民の皆様の御協力、何とぞ御協力をいただいて進めていくべき重要な問題だと思います。

福田(昭)委員 本当に私もそう思います。与野党を超えて、中間貯蔵施設ができなければ、福島の復興を加速させるということで根本大臣のもとに統括本部をつくったり福島復興加速化交付金をつくったりしていても、全く、これはなかなか進まない、そういう話になっちゃうと思うんですよ。

 ところで、石原大臣は、自分の発言を撤回しない、ぶら下がりだから撤回しないと言うんですが、それで責任はとれると思いますか、根本大臣。

根本国務大臣 私は、やはりそれは石原大臣の判断だと思います。どのように判断されるか、それはやはり、責任のある立場、私も大臣で復興を担っておりますが、それは政治家の判断だと思います。

福田(昭)委員 詳しい話は、後刻、環境委員会があるそうですからそちらに譲ることといたしますが、民主党政権下で、鉢呂経済産業大臣が原発を視察した後、帰ってきたときにぶら下がりで、何と言ったかははっきりしないんですけれども、そのぶら下がりの発言で実は鉢呂大臣は辞任に追い込まれたんですよ。辞任したんですよ。これはぶら下がりですからね。石原大臣もぶら下がりですからね。同じですよ。

 そのときに石原さんは何と言ったか。鉢呂さんのことについて、万死に値すると言ったんですよ。自分も万死に値する発言じゃないですか、これは。やはりみずから出処進退を明らかにすべきだと思います。

 これ以上は聞きませんけれども、それをぜひ指摘しておきたいと思います。

 時間の関係もありますので、次に、八千ベクレルを超え、そして十万ベクレル以下の放射性指定廃棄物の最終処分場の整備についてであります。

 一つ目は、宮城県の選定手法、提示方法等についてであります。

 宮城県は栗原市、加美町、大和町の三カ所を提示いたしましたが、反発が多くて結論は先送りになっておりますけれども、その理由、原因は何だと考えていますか、井上副大臣。

井上副大臣 これは、県あるいは三候補地の市、町からいろいろな御意見をいただいております。多岐にわたりますけれども、例えば地すべりのおそれがあるとか、それから水源への影響があるんじゃないかとか、いろいろなことをおっしゃっておりますので、それに対して私どもがこれから真摯にお応えをしていく、こういった進め方になると思います。

福田(昭)委員 井上副大臣、そしたら、宮城県のこの三市町を選んだのは環境省じゃないんですか。宮城県が選んだんですか。どっちが選んだんですか。

井上副大臣 環境省が選びました。

福田(昭)委員 それはおかしいじゃないですか。環境省が選んだのならば、栗原市、加美町、大和町の実態を全く考えないで選んだんですか。

 私は、地元へ行って、しっかりそれぞれの首長と、栗原の市長は出ませんでしたけれども、栗原市は部長でありましたけれども、加美町も大和町も、町長、副町長たちとじっくり話をしてきました。

 栗原市と加美町は、岩手・宮城内陸地震のときに地すべりを起こした地域で、地すべり地域の真ん中に候補地を選定する、しかも、環境省は当初はそれを認めなかった、しかし、町の方からしっかり国土地理院がつくった地図を提示して初めて環境省も認めた、こういうふうにして怒っておりましたよ。そんな調査もせずに指定したんですか。

 大和町は、さらに、自衛隊の基地の緩衝地帯だというんです。その緩衝地帯も、あえて住民の皆さんから土地を買い上げて緩衝地帯としてつくった土地だそうです。そんな選定が許されるんですか。

井上副大臣 指定廃棄物の候補地選定に関しましては、私ども、選定プロセス、これを見直しまして、そして、宮城県内の全市町村長さん、あるいは知事、こういった方々に御出席をいただいて、市町村長会議を開いて、その中でしっかり選定手順あるいは選定基準というものを定めさせてもらいました。それにのっとって、環境省が責任を持って三つの調査候補地を選んだということになります。

 ぜひ御理解いただきたいのは、宮城県内の国有地、県有地、全ての中から候補地を選ぶという作業なものですから、どうしても一定の基準を設けなければいけない、あるいは、一定の資料に基づいて判断をしなければいけないということになります。

 ただ、それだけでは、やはり十分に地元の状況あるいは意向、こういったものを確認することができないものですから、この三候補地を対象に詳細調査をやらせていただきたいということをお願いしております。

 詳細調査をした上で、その一定の基準だけではなくて、いろいろなことがわかってくると思いますので、その結果、総合判断をして一カ所に絞り込んでいきたいということで考えております。

福田(昭)委員 ちょっと、余りに事前に情報収集が足りな過ぎますよ。

 私も、この宮城県の選定手法、提示方法等の案をいただいていますけれども、これを読んでみますと、こういうふうに書いてあるじゃないですか。

 まず、「自然災害を考慮して安全な処分に万全を期すため避けるべき地域」というのがあって、そこにちゃんと書いてあるじゃないですか。地すべり、斜面崩壊、土石流、雪崩、津波、こう書いてあるじゃないですか。こういう場所を選んでおいて、選んでから詳細調査をするというのはないでしょう。

 それから、緩衝地帯も、これは三の四のところに、「史跡・名勝・天然記念物等の保護地域」というのがありますけれども、ここにやはり、史跡、名勝、天然記念物に加えて緩衝地帯も入れるべきじゃないですか、宮城県の特性を考えたら。それが入っていないじゃないですか。

 こんなでたらめな選定基準に基づいて三カ所を選ぶというのは間違っていますよ、基本的に。

 それで、びっくりしましたけれども、本当にこの三市町はともに反対だということで、多分、幾ら説得しても無理でしょう。それだけは申し上げておきたいと思います。

 さらに、二つ目になりますが、実は福島県の指定廃棄物については、福島の産業廃棄物の管理型の最終処分場、フクシマエコテックセンターを活用するということで説明会を開いたそうでありますが、しかし、こちらの方も反対運動があってなかなか決まらない、そういう状況になってきているようであります。

 それは時間の関係でこちらから話をしますけれども、地元の人の話を聞くと、宮城県や栃木県や五県の放射性指定廃棄物の最終処分場と全く規格が違う、何だ、福島県民をばかにしているのか、これが反対の理由ですからね。産業廃棄物の管理型の最終処分場と、皆さん方が設計している、予定している指定廃棄物の最終処分場とは全く構造が違うわけです。それで反対しているんですからね。それがよくわかっていますか。

 そしてさらに、あと三分で時間が終わっちゃうので行きますけれども、三つ目を省略して四つ目ですけれども、福島県を初め六県の最終処分場の必要面積と供用開始時期についてでありますが、福島県も加えて六県分で約十九・二ヘクタール必要だというんです。これらのそれぞれの供用開始時期は、来年、平成二十七年の四月と当初計画ではなっているんですが、これはとても間に合いませんが、そんなときどうするんですか、井上副大臣。

井上副大臣 二十七年四月、この供用開始というのは、前政権時代につくったその方針でありまして、私ども新政権になってから、選定プロセスを一から見直すということで、このいわば期限については、私どもの方、それを引き継いではいないということは御理解いただきたいと思います。

 ただ、そうはいっても、やはり仮置きの状況などが逼迫しておりますので、なるべく早く進めてまいりたいと思っています。

福田(昭)委員 ちょっとそれは、井上副大臣、考え方が違うと思いますよ。前政権から引き継いだので、引き継いでいないという言い方はないと思います。これは行政の継続性がなくなることですよ。そんなこと言えませんよ。もしこれを否定するんだったら、否定するように宣言しなくちゃならないじゃないですか。方針を変えなくちゃならないじゃないですか。方針を変えずに引き継いでいないなんということを言ったら、行政の継続性はなくなっちゃいますからね。そんなこと言えませんよ。

 もう時間がなくなってきましたので、最後に話をしておきたいと思います。

 そもそも、原発事故対策の大原則、これをどう考えているのか。そしてさらに、特措法に基づく基本方針を大転換すべきだと私は考えております。

 そもそも、原発事故の責任は誰にあるのかと聞かれたら、東京電力です。これはみんな御承知でしょうけれども、原子力損害の賠償に関する法律は、第三条で、「当該原子炉の運転等により原子力損害を与えたときは、当該原子炉の運転等に係る原子力事業者がその損害を賠償する責めに任ずる。」と規定されております。

 放射性指定廃棄物の処分についても東電にそれ相応の責任を負ってもらうのが私は必要だというふうに考えておりますが、そのことについて、井上副大臣はどう思いますか。

秋葉委員長 井上副大臣、時間が来ておりますので簡潔に。

井上副大臣 この指定廃棄物の処分につきまして、これは、当然のことながら、国にも責任があり、また東電にも責任があるというふうに思っております。

 原賠法、それから特措法によりまして、国が責任を持ってこの処分を進めていく。ただし、東電も責任がありますので、東電に対して費用を求償していく、こういった形になっております。

秋葉委員長 福田君、簡潔にお願いします。

福田(昭)委員 時間がなくなりましたので終わりにしますが、東電にもやはり、用地の提供とか、そういうことも含めて責任をとってもらう必要があると思っておりまして、いずれまた次回の折にしっかり質問させていただきます。

 以上で終わります。ありがとうございました。

秋葉委員長 次に、小熊慎司君。

小熊委員 おはようございます。日本維新の会の小熊慎司です。

 これまで同僚の玄葉委員、また福田委員からもありましたけれども、大変残念な石原大臣の発言で、私の地元の福島県内はもとより、大きな影響を今及ぼしているというふうに断じざるを得ませんし、これは必要な施設ではありますけれども、やはりこの件についてしっかりと真意を、また、今後の対応をただしていかなければならないというふうに思っています。

 多少重なる質問も出てくるかと思いますけれども、御本人をここにお呼びできていないのでしっかりと掘り下げることはできないんですが、環境省として、まずこの真意をしっかりと説明をしていただかなければならないと思います。

 大臣からは、陳謝はありましたけれども、撤回はなかった。

 改めて、この中間貯蔵施設の建設を担当している環境省として、大臣発言の真意といったものをどのように整理をしているのか、井上副大臣にお聞きいたします。

井上副大臣 この件につきましては、石原大臣が説明をしているとおり、決してお金で解決するといった趣旨ではなくて、住民説明会を終えた後でありますので、用地補償の額でありますとか、あるいは地域振興、そういったことについて非常に御意見が多く、最後はそこが焦点になるのではないかといったような趣旨で発言をされたというふうに理解しています。

小熊委員 趣旨は今副大臣の説明したとおりであるとすれば、表現が、これは、ぶら下がりというか、正式な会見でなかったとはいえ、言っちゃいけないことを言ったな、不用意だったなというふうに思っていますし、また、残念ながら、石原大臣におかれましては、過去においても、この事故の起きた福島の原発施設をサティアンと言ったり、そうした舌禍事件を起こしているんですね。

 今副大臣が言われた説明が真意であったとするならば、表現として、最後は金目でしょという表現は出てこないですよ、普通は。やはり軽く考えていたなというふうに思っていますし、先ほど福田委員からもありましたけれども、私も環境省から資料をいただきましたが、これまでの説明会で、大臣は一回も行っていないです。一回も行っていないですよね。まして、地元だけではなくて、この間のこの国会近くの砂防会館でも説明会、目と鼻の先ですよ、そこに顔を出すこともない。

 これは、この原発事故処理の中で非常に重要な施設ですよ。であるならば、環境省の説明、何で大臣は行かないのと言うと、実務的な話があるので副大臣とその職員で対応していますということでありましたけれども、被災者の心に寄り添うというところに重点を置けば、復興特の皆さんというのは、本当にそういう思いで所属しておられる委員が多いと思う。自分が大臣だったら行きますよ、必ず。冒頭に行って、頭を下げて、やるというのが普通じゃないですか。

 副大臣も、宮城県の説明会に行ったときに、私、ニュースを見ていましたけれども、地元の人たちから、大臣はどうしたんですかと聞かれたことがあったじゃないですか。副大臣は真面目だから、いや、大臣の日程は私は把握していませんと正直に言っちゃったんですけれども、そんな程度かいというのが多分、地元の気持ちになりますよ。

 説明会があった日に大臣はどういう日程でしたかと聞いたら、公以外のことは公表できないのでということでありましたけれども、中間貯蔵施設、または各県のこの指定廃棄物の処分場というのは非常に重要な施設の一つですよ。いろいろな復興とかで国が前面に立つとかと言っていながら、全然それが態度に出てきていない。その上で、今回の不用意なこの発言。これは、今後、建設に当たって、はっきり言えば、石原大臣がそこにいる以上、進まないと思いますよ。

 先ほど公明党の高木委員からも、地元の復興大臣が説明会に行くべきじゃないかという提案もありましたけれども、復興大臣として、地元として、この大臣の見解、今までもちょっと答弁でありましたけれども、改めてお聞きします。大臣、どう思いますか、これ。

根本国務大臣 まず、石原大臣の真意については、今、井上副大臣からもお話がありました。住民説明会の結果、最後は用地補償費の額などを示すことが重要な課題となるという趣旨で述べられた、そういうお話がありました。そして、石原大臣が、その真意を説明された上で、誤解を招いてしまったことについての心からのおわびをされた。

 今、私も委員も全く同じだと思いますが、中間貯蔵施設、これは福島の再生に向けて不可欠な施設ですから、私も、住民の皆様の何とぞ御協力、御理解を得て進めていくことが重要だと考えます。

小熊委員 大臣の気持ちは、それはそのとおりですけれども、これを前に進めるためには、県議会もきのう、この大臣の発言で県議会がとまるなんて、私も県議会を経験していますけれども、こんなことはなかったですよ。とめて、それで抗議文をつくったんですね。それで、発言の撤回を言及しています。

 陳謝だけではなくて、発言の撤回をしなければ、心に寄り添うということの態度になってこないんじゃないですか。大臣、そう思いませんか。見解はどうですか、発言の撤回に関して。

 いや、それは石原大臣の言ったことですけれども、そんな嫌な顔をしないでくださいね、言ったことですけれども、復興大臣なんですから、しっかり前に進めていくのが、厳しいことでも、石原大臣に要求していいんじゃないですか。発言を撤回すべきだという意見に関して、どうですか、地元の人間として。

根本国務大臣 私は特に嫌な顔はしておりません。

 いずれにしても、石原大臣は、その真意を説明された上で、誤解を招いてしまったことについて心からおわびを申し上げております。その点については、私は石原大臣の御判断だと思います。

小熊委員 だから、陳謝だけでは足りないので、撤回する必要があるんじゃないんですかと。最終的には、それを撤回するかどうかは石原さんの判断かもしれないですけれども、同じ閣僚として、また、その前に福島県民として、県議会でも発言撤回要求が出ているんですよ。そのことについて根本大臣のコメントがあったっていいじゃないですか。撤回すべきだ、いや撤回しなくていい、どちらでもいいですから。どうですか。イエスかノーかで。

根本国務大臣 発言されたのは石原大臣で、確かに短い言葉で発言された。そして、その真意については、御本人が真意を説明された。そして、誤解を招いてしまったということについて御本人はおわびをしている。その意味で、私は発言された石原大臣の判断だと思います。

小熊委員 そういうことだから、国が前面に立つ、これはチームでやっているわけでしょう。同じ閣僚として、まして、復興全体を担当する大臣として、このままではいけないと思えば、石原大臣には発言を撤回してほしいということを言ったっていいんじゃないですか。これも結局縦割りですか。石原さん個人だけの問題じゃないと思っていますよ。環境省全体、政府全体の課題ですよ。個人の問題だと石原大臣にやめてもらわなきゃいけないですよ、それで前に進むんですから。何で言えないんですか、石原大臣個人のだということだけで。復興大臣として言及してもいいじゃないですか。心に寄り添うというのはそういうことじゃないですか。

 先に進みますけれども、では、石原大臣も、その陳謝のときに、被災者の皆様の心に寄り添って丁寧に説明し、対応していく心構えや行動に何の変更もないと言っているんですけれども、今までどおりということであれば、石原大臣は表に出ないということですよね。今後、しっかり、被災地に行って、おわびしながら、説明会の冒頭で陳謝しながらやっていくべきじゃないですか。

 まして、同じ与党の公明党の議員から、逆に、これは復興大臣がやるべきじゃないかという提言もあったじゃないですか、きょう午前中のこの質疑で。

 これは大きな失敗を犯したんですよ、正式な会見でないとしても。大きく福島県民、また被災地の人たちの心を傷つけてきた、傷つけた。今までの説明会でも、何で大臣が来ないんだということを言われている。今までどおりでは、心に寄り添うということにならないし、信なくば立たずですよ。

 信頼を回復するためにどう対応していくんですか、副大臣。今までどおりじゃ、それは心に寄り添うということにならないし、信頼回復はできませんよ。

井上副大臣 石原大臣も、今までもなるべく多くの機会を見つけて福島の方に行っております。(小熊委員「説明会に来ていないということです」と呼ぶ)御自身も話されたとおり、今後も機会を見つけて福島の方に行きたいということを申しております。

 説明会の件につきましては、これは石原大臣もそうですが、私も十六回の説明会に行っておりません。その理由は、説明会については、住民の皆様お一人お一人に対してなるべく詳細な説明をしたい、技術的なものも含めて丁寧に説明する必要があるということで、事務方、しかも、現場を一番よくわかっている課長、室長以下のレベルで対応させていただきました。

 あわせまして、全国十六回なものですから、それを、例えば一回行く、あるいは複数回行くということになりますと、では、何でそこなのかという話になってしまう、こういったこともありまして、私ども、判断した上で、そういった対応をとらせていただいたということです。

小熊委員 井上副大臣も、昔から旧知の間柄ですけれども、答弁もいやに役人っぽくなったなと思って、今残念な思いで聞いていましたよ。

 被災者の心に寄り添うといったら、最初に言ったじゃないですか、細かい説明は実務者ですよ、冒頭に行って関係者に頭を下げるということが政治家として重要じゃないですか。震災の処理で重要な施設の位置づけになっているわけですよ。つくらないと、仮置き場、また仮仮置き場みたいなものが全然解消していかないという問題も生じていますから、早急にやらなきゃいけない事業ですから。

 重要な案件として受け取っているのであれば、精神論かもしれないけれども、心を態度であらわすためには、十六カ所と言ったけれども、たかが十六カ所ですよ。百カ所も二百カ所もといったら、それはそうですよ。大臣、副大臣、政務官合わせて、やれないことはないじゃないですか。やるべきじゃないですか。今後もそういうことならば、被災者の心に寄り添うというのは、では、どうやって態度で示すんですか。

 これから福島も行くと言うけれども、今回、この中間貯蔵の説明会に限定して行くべきだと私は言っているんですよ。この件について、大臣の不用意な発言で傷つけたわけですから、この説明会に行って陳謝して回るべきじゃないですか、国会ももう終わるんですから。そうじゃないと進みませんよ。

 では、説明会の冒頭で誰が陳謝するんですか。出ますよ、説明会に行ったら、関係者から、何だ、あの大臣の発言はと。幾ら会見で陳謝したといったって、そんなのおさまりませんから。では、環境省の職員が、いやいや、不用意な大臣の発言で皆様の心証を害したことはおわび申し上げますと言って足りると思っているんですか。そんな甘いものじゃないですよ。

 副大臣、もう一回答えてください。心に寄り添うというのは、どうやって態度で示すんですか、今後、中間貯蔵の建設に関して。

井上副大臣 今後も、説明会は一旦終了いたしましたけれども、いろいろな機会に県あるいは町など、議会など、そういったところに御説明する機会はあるというふうに思っております。その対応についてはしっかり考えさせていただきたいと思います。

小熊委員 では、副大臣、環境省の一員として、発言撤回はどうですか、大臣にさせた方がいいんじゃないですか、副大臣、大臣を支える副大臣として。それを提言してくださいよ。

井上副大臣 石原大臣御自身の発言に関しましては、先ほど根本大臣もおっしゃっていたとおり、やはり石原大臣の御判断だと思います。

小熊委員 でも、これは環境省としては遺憾でしょう。言ってはいけない発言でしたよね。大臣、見解はどうですか、この発言に関してどう思いますか、感想は。

井上副大臣 石原大臣も、このことについては本当に深く反省もされ、そして謝罪もされておられます。私自身としても、そういう意味では、本当に皆様に誤解を与えてしまったということを大変申しわけなく思っております。

小熊委員 発言を撤回する主体は大臣ですけれども、環境副大臣としても、また復興大臣としても、撤回すべきだという意見は持っていいんじゃないですか。お互いそういうのを提案し合っていいんじゃないですか。大臣が決めることです、そんな答弁を聞いたら被災地の人たちはがっかりですよ。お互いに切磋琢磨し合うのがチームじゃないんですか。

 発言を撤回するのは、それは石原大臣がやるべきことですよ、主体者ですよ。だけれども、それに対して、発言を撤回した方がいいですよ、発言を撤回してくださいよということも言えないんですか。そんなに縦割りなんですか。政府というのは一体じゃないんですか。

 復興大臣、どうですか。あくまでも言わないんですね。それは石原大臣に任せるということですね。政府の一員として、私は、言っていい、言うべきだと思いますよ。あくまでも石原大臣の判断に任せて、御自身はそこは何の言及もしないということでいいですか。確認させてもらいます。

根本国務大臣 再三申し上げますが、石原大臣の真意は今までのお話で説明された。そして、その結果について、誤解を招いたことについて石原大臣は陳謝をしている。さまざまな御意見はあるかと思いますが、やはり今のお話は石原大臣の判断だと私は思います。

小熊委員 それが復興大臣の考えであるのであれば、地元へ行っても、石原大臣の発言はひどいですよねと言われても、ひどいけれども発言を撤回するかどうかは大臣の判断だからと堂々と言ってくださいよ。言えないですよ、そんなこと。やはり復興大臣として、あと福島県民として、これはやはり許しがたいから私は石原大臣には発言の撤回を要求しているんですよと言ったら、さすが根本大臣となるけれども、今みたいなことを地元で堂々と言えますか。言うんですか。言うんでしょうね。ということであれば、これは本当に心が離れていきますよ。離れていっていますよ。

 そのことの認識がないことがこれから非常に重要な問題となってきますよ、副大臣も。しょせんその程度なんですかという言葉になってくるんですよ、県民から。信頼が失われていきます。今壊れた信頼も、これでは回復はできません。

 これは、この後、衆議院でも環境委員会が開かれるそうですから、また石原大臣の言葉も、答弁も聞いていろいろ対応していきたいというふうに思いますけれども、そんなに軽い問題ではないですし、そして、このことで失われた信頼を回復していくのには、大臣のこの陳謝の答弁というのは、行動に何の変更もないようでは、さらにもっといろいろなことをやっていかなきゃいけないのに、今までどおりですという対応では、これは心に寄り添うということには、実現はほど遠いです。

 しっかりとそこを考えて、そして政府の中でしっかり意見を言い合ってくださいよ、指摘し合ってくださいよ。そんな、間違ったことも言及し合わない、干渉し合わない。干渉していいじゃないですか、そんなこと。こんなチームワークのない状況では、復興に対する期待も到底できないと言わざるを得ません。

 まして、石原大臣においては、きょうここに来ておられませんけれども、発言も撤回せず、陳謝だけで終わろうとしている。この後陳謝したって遅いですからね。やはり最初に発言を撤回するという心がなかったということは、結局、あの陳謝も、表面を取り繕うだけで、その場しのぎ。そして、その後、何の対応も出てこない。

 これでは、大臣としてその任に当たるべきではないというふうに私は思いますし、石原大臣が環境大臣である以上、今後、地元の住民とは信頼は築けないというふうに思いますので、出処進退こそは本人の判断ですけれども、そういう瞬間が必ず近いうちに訪れるのではないかというふうに思いますし、そうでなければ、福島県の、また被災地の信頼は回復しないということをあえて述べさせていただきます。

 これはしっかり復興大臣もチームとして考えてください。石原さんが発した言葉ですけれども、政府、閣僚の一員として、どう対処すべきかということがあってしかるべきですよ。何の問題もないじゃないですか、そこで大臣が厳しいことを言っても。

 甘い。そして、被災地の人たちには冷たい。大臣、大変残念です、同じ地元としても。今後の県民の信頼回復、どうしていったらいいか、本当に真剣に考えてください。今の態度では回復できませんから。

 それでは、次に移りたいというふうに思います。

 今、赤羽副大臣のもとで福島・国際研究産業都市構想というのをやられておるところでありますけれども、非常にいい骨子案が先日発表されたというふうに思っています。

 福島県としても、これはいい方向性の事業だということで、先日知事が上京されたときも、官房長官に会われて、経済財政運営と改革の基本方針、いわゆる骨太方針にこれを盛り込んでくれというふうに言って、根本大臣もそこにおられてその趣旨に賛意を示されたようでありますけれども、実際、この骨太方針を見ると、どこにそれがどういうふうに入っているのかが具体的にはちょっと読み込めないんですが、どういうふうにこの骨子案は骨太方針に生かされているのか、御説明を願います。

加藤政府参考人 お答え申し上げます。

 福島・国際研究産業都市構想、いわゆるイノベーション・コースト構想の骨太方針に対する位置づけでございますけれども、先般素案として提起されました、第一章の「三、「創造と可能性の地」としての東日本大震災からの復興」というところがございまして、その中に、原子力災害からの復興再生について必要な措置、対応ということで、「住民の帰還意向や地域経済の将来ビジョン、」あるいは「復興の絵姿を踏まえた地域づくりの検討を推進する。」というふうに明記をされてございまして、いわゆるイノベーション構想につきましては、これに基づきましてしっかりその実現に向けて取り組んでいくというふうに位置づけられているところでございます。

小熊委員 であるならば、赤羽副大臣のまず私的な諮問機関からこれは始まっているとは思うんですが、この骨子案、では、今言った骨太方針に従ってこのイノベーション構想の骨子案がどのように正式化していくのか、骨子案の方の今後について、対応についてお聞きいたします。

加藤政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、骨子案でございますが、六月九日に第六回の研究会が開催されまして、ここに提起されてございます。次回につきましては、六月二十三日に第七回会合を予定してございまして、その場で構想案についてしっかりとまとめていくというふうに段取りを考えているところでございます。

 目下でございますが、その構想案の作成というものを進めておりまして、関係省庁と連絡しながらイノベーション・コースト構想を具体化して、浜通り地域の復興再生にしっかり取り組んでいきたいというふうに思っているところでございます。

小熊委員 これは非常にいい構想であるというふうに思いますし、復興の大きな一助となるというふうに思いますので、ぜひこれも地元と連携をとりながら、しっかり形にしていくことが望まれておりますので、今後の取り組みに期待を申し上げたいというふうに思っております。

 次に移りますけれども、いわゆる二〇二〇年の東京オリンピックについて、ことし二月の予算委員会で、福島県にも関連事業の誘致のセクションができて、もう国にオーダーをかけているという状況を説明させていただいて、福島県だけじゃなくて、東京オリンピックの関連事業を被災地でとりわけフォーカスを当ててやっていくべきじゃないかという提案をさせていただきました。

 そのときの下村大臣の答弁では、オール・ジャパンでやりますと。オール・ジャパンでやるんです。もちろんそうなんですよ。それは別に否定はしなかったんですけれども、答弁ではそれっきりで、オール・ジャパンでやりますということで終わってしまって、そのとき先輩議員からもちょっと指摘を受けましたけれども、変なやじが飛んで、県議会の話かなんて言われましたけれども、被災地の復興なくして日本の再生なしなんですから、そんなやじはとんでもないと思いました。

 ただ、安倍政権におかれては、その後、四月のオリンピックの初の関係閣僚会議で、とりわけ被災地三県を挙げてやっていくべきだと、安倍総理の言葉もあり、そして、元総理の森さんも、委員会の方の日程として、今ちょうど被災地を回っているところでもありますけれども、このオリンピックに向けた、それはオール・ジャパンでやって日本全体を盛り上げるんですけれども、とりわけ被災地にどのように重点を置いていくのか、現時点での方向性をちょっとお伺いいたします。

永山政府参考人 二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック東京大会におきましては、東日本大震災の被災地を含めまして、日本全体が活力を取り戻す大会となるように、震災からの復興を着実に推進する、そして復興をなし遂げた日本の姿を世界に見ていただくということが大変重要だというふうに思っております。

 二〇二〇年大会に向けまして、被災地で、例えば、オリンピアンですとかパラリンピアン、こういった方々を招いたスポーツイベントの実施ですとか、あるいは聖火リレー、各国代表選手団の事前合宿、それから各地域の文化芸術行事とも連携しました文化プログラム、これもやることになってございますので、そういったさまざまな取り組みが考えられるところでございます。

 東京オリンピック・パラリンピック競技大会の組織委員会において、今後、被災三県ですとか国の関係機関を含めました被災地復興支援連絡協議会、これを設置するというふうに聞いてございます。

 文部科学省といたしましては、同協議会を通じまして、被災地の声も十分に伺いながら、組織委員会等と連携して取り組んでまいりたいというふうに現時点で思ってございます。

秋葉委員長 小熊君、時間が過ぎていますので、簡潔にお願いします。

小熊委員 東京オリンピックも、ちょっと予算の関係でさらにコンパクトにしていかなきゃいけないところもありますけれども、残念ながら、うちの党はちょっと分党するんですが、一緒にいた石原共同代表が、ナショナルトレーニングセンターが実は足りていないんだという話もあって、これは、一過性のものじゃなくて恒常的に、これをきっかけとしてどうしていくかということですから、一過性のものではない取り組みというのをぜひ、ナショナルトレーニングセンターを被災地に幾つかつくるとかといったことも含めて、恒常的に、このきっかけがその後の発展につながったという観点からぜひ取り組んでいただきたいということを申し述べまして、質問を終わります。

 ありがとうございました。

秋葉委員長 次に、中島克仁君。

中島委員 みんなの党の中島克仁です。

 先ほどから委員の方々、石原大臣の御発言についての御質問もございました。私も、聞いたとき、大変残念だなという思いがございました。きょうは石原大臣は出席しておりませんし、衆議院の方で環境委員会の集中審議も予定されておるということで、またそのときに御質問等させていただきたいと思います。

 本日は、先般、一昨日ですか、復興特別委員会で福島視察に行ってまいりました。福島県立医大では、県から委託を受けた県民健康調査、ふくしま国際医療科学センター設立に向けてのお話をお聞きすることができまして、大変参考になったとともに、現場の方々の御苦労が大変伝わってまいりました。

 その県民健康調査について、私からは、特に甲状腺検査についてきょうは御質問をさせていただきたいというふうに思います。

 福島第一原発の事故から三年三カ月がたちまして、放射能による健康被害の影響は、福島の方々にとってはまだまだ大きな課題というふうにも思います。チェルノブイリの原発事故の後は、健康被害として、放射性沃素の内部被曝、小児甲状腺がんの問題があったわけでございます。

 先日の福島医大の視察で、小児甲状腺がんを念頭に置いた県民健康調査について、お話の中で、平成二十三年の十月から始まった先行検査についてはことし三月で終了、ことしの四月から本格検査が始まっているところでございますけれども、先行検査においては、対象者三十六万八千六百五十一人のうち、受診された方は二十九万五千五百十一人、全体の受診率は八〇・二%というふうになっておると思います。

 ことしから本格検査ということで、二巡目というふうになるわけですが、一方で、先行検査で受診しなかった、あるいは受診できなかった子供たちが約二〇%、七万三千人おられるわけですが、これは先日の視察で時間がなくてちょっと御質問できなかったので、そのことを、受診できなかった二割の子供たちに対しては今後どのように取り組まれるつもりなのか、まずお聞かせ願いたいと思います。

塚原政府参考人 お答えします。

 福島県におきまして、事故時に十八歳以下であった住民約三十六万人を対象とした甲状腺検査を実施しております。平成二十五年度末までに、県内全市町村の対象者に対しまして一巡目の検査を終了したというふうな状況でございます。

 一巡目の検査の未受診者につきましては、できる限り受診の機会を確保するために、受診の呼びかけを行うとともに、平成二十六年三月に追加検査を行っております。具体的には、南相馬市、福島市、郡山市、いわき市など、県内六カ所の会場で合わせて八日間実施をされたというふうに伺っております。

 この追加検査におきまして千八百二十一人のお子さんが受診をされたということでございまして、それ以外の未受診者につきましては、平成二十六年度、それから平成二十七年度に実施をされます二巡目の検査の中で、予定の案内通知を待たずとも、希望すれば甲状腺検査を受けることができるというような体制になっているというふうにお聞きしています。

中島委員 先行検査は二十三年の十月からということで、最初の先行検査、二十三年の十月、初期に検査をした子供たちはもう既に二年半たっておるわけですね。

 これから二十八年の三月までに向かって本格検査、一般的には二巡目ということになるわけですが、もう一点ちょっとお聞きしたいのが、その本格検査の順番ですね。例えば、先行検査の順番、先ほど言った、初期に受診した子たちがまた早い段階で検査を行っていくのか、その辺について、スケジュールはどうなっているか、お聞かせください。

塚原政府参考人 お答えします。

 甲状腺検査につきましては、一巡目の甲状腺検査を計画どおり二十五年度内に終わりまして、今年度から本格検査として二十六年、二十七年度の二年間にわたりまして実施をするということになっております。

 本格検査の実施の順番につきましては、二巡目の検査の順番でございますけれども、平成二十三年度と平成二十四年度に実施対象市町村になったところにつきましては平成二十六年度に、平成二十五年度に実施対象市町村になった市町村につきましては平成二十七年度に実施をすることになっておりまして、二年半程度の間隔になるというようにお聞きをしております。

中島委員 二十三年度、初期にやった子たちを順番に早目にやるということなんですが、今のでいくと、しっかりと順番を決めていかないと、最高で三年間放置されてしまう。

 私がなぜここにこだわるかというと、要するに、もちろん、一次検査でひっかかった子供たちは二次検査に回されて詳しい検査になっていくわけですが、そもそも、この二年間、二年の間隔というのが適正なのかどうかということも思うわけです。

 そして、先行検査、本格検査の順番からいきますと、間隔が最高で三年間あいてしまう可能性があるということになりまして、これはチェルノブイリの原発事故後の小児甲状腺がんを念頭に置いても置かなくても、もう少し間隔を狭めていってしっかりとフォローするべきではないかなというふうに私は思うわけですが、それに対して御見解を。

塚原政府参考人 健康調査の内容ですとか対象者につきましては、医学の専門家の御意見を十分に尊重することが重要かというふうに考えております。

 福島県が実施をしております健康調査の内容につきましては、原子放射線の影響に関する国連科学委員会の二〇〇八年報告など、医学の専門家のコンセンサスとなっておりますさまざまな蓄積に基づきまして、地元の医師あるいは専門家による会議が行われ、実施間隔を含め、必要と判断された調査が行われているというふうに認識をしております。

 なお、B判定といいまして、一定以上の大きさを持つしこりや嚢胞が見つかった方につきましては、検診で定期的にフォローしていくというものではなく、医学的に必要な場合は主治医の管理下において適切な経過観察がされると聞いておりますので、それはまた別の間隔でフォローがされていくというふうに理解をしています。

中島委員 さまざまな御意見があると思います。

 これは、私、松本市長の菅谷先生等の御意見も含めて、いろいろな専門家の意見があることは承知しておりまして、私は決して、小児甲状腺がんのことを、不安をあおったり、そういう意味で言っているわけでは全くないんです。現行の調査の結果、大規模なスクリーニング検査をやったり、被曝線量、内部被曝の測定をしたり、チェルノブイリのときと比較すると全体的な規模が小さいだろう。要するに、今後そのような増加傾向を示すことの予測自体は現段階では予想されないということに関しては私も同様な意見として、ただ、一方で、やはり、今後、それはあくまでも推測の域から出ないということを考えていきますと、その間隔自体どうかなと。

 それに対しても、先日の福島視察で、この先行検査に当たっても、約三十万人の方、二年半で実施しなきゃいけない。これは菊地理事長もおっしゃっていたわけですが、大変な作業になるわけですね。あそこでも実演で鈴木先生が簡単にやって、これで八分間ぐらいでできるんですと。

 ただ、それはテクニカルの問題であって、そういった実施体制の整備に関して、先ほども言ったように、県民調査でございますから、県から委託を受けた福島医大が取り組む、これはいいですが、やはりその実施体制に関して、国にもう少ししっかりとした関与をしていただいて、整備していただきたい、そのような強い意見もあったわけです。

 国として、この実施体制に関して、今の、現状の福島医大の取り組みですと、やはり回数をふやすというのは現実的にはなかなか難しい、見識者、有識者の話で二年に一回でいいだろうということになっておりますが、これは決して不安をあおるということではないという意味ですけれども、やはりしっかりと検査をしてあげることが、福島に住む子供たち、親御さんも含めて、不安を解消することになると思いますが、国としてどういうバックアップ体制を考えておられるのか。

塚原政府参考人 お答えいたします。

 甲状腺検査につきましては、環境省といたしましても、確実かつ迅速な実施が図られますよう、昨年四月に、福島県内での甲状腺検査を行う人材確保に向けまして、県外の医療機関等から成る協力依頼を行ったところでございます。そういった対応を踏まえまして、日本医師会を代表とする連絡協議会を通じまして、昨年五月から、全国の大学病院より定期的な専門医の派遣がなされているというところでございます。

 また、今年度予算の中におきまして、甲状腺に関する専門家の養成をする必要があるというような御要望も大学の方からございましたので、甲状腺に関する専門家を育成していただく講座をつくるための財政的な支援も、あわせて今年度させていただいております。

 引き続きまして、国としても、関係団体や医大と連携をいたしまして、専門医の確保等、積極的に支援してまいりたいと考えております。

中島委員 チェルノブイリの原発事故では、甲状腺の被曝線量がわかっている住民、子供が三十一万人、線量とがん発生率を比較して被曝の影響を確定できた、要するに絞り込みもある程度できた。それでも三十万人いたということなんですが、一方、福島においては、甲状腺の被曝線量、ある一定の子供たちは測定されておりますが、それ以外はできていない部分もある。

 そういったことになっていきますと、今でも〇・〇三%、本来であれば百万人に一人の確率が、大規模なスクリーニングの結果そのようになったということで、主に山梨、長崎の県と比較しても差異がないという結果において、現状で、原発事故、放射能による影響ではない、今発見された甲状腺がんの子供たちに関してはですが、ということになっておるわけですが、今後、甲状腺被曝線量がはっきりとされていない中で、これはそうならないことを祈って。

 ただ、もし今後増加傾向が出るとして、出る可能性が否定できない推測ということになるわけですから、御承知のとおり、甲状腺がんに至っては、組織型云々で放射能の影響なのか自然発生なのかということは判断できないということになっておりますから、今後、放射能が影響した甲状腺がんと自然発生した甲状腺がんと、どのように区別していくつもりなのか、お考えでも構いませんので、お聞かせ願いたいと思います。

塚原政府参考人 お答えします。

 専門家の御見解としまして、今現在発見されております甲状腺がんにつきまして、原発事故によるものとは考えにくいとされております。国際的な評価も同様でございまして、今御指摘があったとおりでございます。

 甲状腺検査につきましては、長期的に実施することを予定しておりまして、一巡目の検査が計画どおり二十五年度内で終了しまして、平成二十六年度、二十七年度の二年間で二巡目をする、それ以降は、二十までは二年に一度、二十を過ぎたら五年に一度という計画で、長期的なフォローアップがなされていくという計画でございます。

 環境省といたしましても、長期的な甲状腺検査を実施していくということが重要と考えておりますので、県民健康調査の結果につきましては、予断を持たずに、引き続き注視してまいりたいというふうに考えております。

中島委員 私も医者でございまして、実は外科が出身で、甲状腺のエコー、先ほど言った、簡単にできるというのはある程度テクニカルなことが必要だという認識の中で、もちろん、今後そういうことがなければいいというのは本当に私も願うところでありますが、やはり、もし放射能が影響してがんが出たのであれば、これは当然、国として補償もしなければならない。

 そして、これは菊地理事長もまさにそのことをおっしゃっていたわけですが、環境行政でいけば、水俣病という大変代表的なものがございます。認定から半世紀たってもまだ禍根を残す。そういったことを含めて、実施体制、補償面に関しても、委託事業として福島医大が担ってはいるけれども、やはりもう少し国の関与を強めていただきたい、そのようなこともおっしゃっておりました。

 これだけ、三十万人規模の大規模なスクリーニング検査ということになりますと、後々、誤診があったのではないか、そのようなことも不安視されておりましたので、ぜひ、国として、予算だけではなく、しっかりとした体制のために国の関与を強めていただきたい、そのようなことを私からもお願いしたいというふうに思います。

 個人情報、甲状腺検査をやると大変不安をあおるんじゃないかとか、さまざまなこともあると思います。ただ、やはり大変悩ましい問題であって、センシティブな問題だとは思いますが、少なくとも十年間、これはチェルノブイリの例がよく出されるわけですが、これもやはり四年目、五年目に多くなったというのは、今までは触診でやっていたのが、甲状腺の検査機器が普及した、その時点から発見率が高くなったということですので、なかなか予測しづらいということだと思います。その辺について、やはりしっかりと取り組んでいただきたいというように思います。

 先般、福島医大に行く前に、本宮市のスマイルキッズパークにもお伺いしました。原発事故の影響で外で遊べなくなった子供たち、その子供たちのために、屋外は復興庁で、屋内の機器に関しては、スウェーデン製のダンシングサンドですか、大変、私たちが見ても、これはすごいなと。遊具に関しても、子供たちも大変楽しそうに遊んでいる様子がありました。

 これも危惧されておることですが、福島にとどまらずということですけれども、やはり子供たちの生活習慣病ですね。特に福島においては、外で、屋外で遊べない子たちがふえてしまった。

 今後、そういったことに対してもしっかりとした取り組み、フォローが必要だと思いますが、その件について、いかがでしょうか。

土屋副大臣 中島先生には、スマイルキッズパークにお立ち寄りいただきまして、ありがとうございます。

 今お話しいただいたように、私も栄養士でございまして、子供の成長は、骨の成長も筋肉の成長も、運動も加味しなければ成長に非常に影響があるということを非常に痛切に感じているところでございまして、スポーツをする場所、遊ぶ場所というのは本当に重要な課題だと考えております。

 遊具の備品の整備と、それから運営委託に要する委託料等の経費の支援については厚生労働省の予算で行いまして、これは復興庁と一緒に行ってつくったわけでございますけれども、今後、やはり避難生活が長期間になってきますと、さらに子供の心身の影響とかいろいろ出てまいりますので、二十六年度予算においても、こうした状況を踏まえ、被災した子供たちに対する総合的な支援を実施することといたしました。

 それで、その中では、今おっしゃったように、福島県だけではなくて、被災三県に拡大してこのような支援をしていきたいということ。それからまた、仮設住宅に住む子供たちが、隣の声が聞こえて、子供たちが遊んでいる声がうるさいというような問題も起きてきていると聞いておりますので、こういう問題についてももうちょっと環境づくりを考えていきたいとか、また、避難生活を送る、子育てで、家庭内でのいろいろな悩み、育児の悩みとかあると思いますので、家庭を訪問していろいろなお話を伺う中で、専門の支援機関の紹介などを行うなど実施していきたいと思っています。

 今後、復興庁そのほかの関係省庁と連携して、さらにしっかりと子供たちの運動の場を確保していきたいと考えております。

中島委員 時間ですのでもう最後の質問にいたしますが、先ほど、前段の甲状腺の問題、そして子供たちの生活習慣の問題、やはり、何度も言うようですが、決して不安をあおるつもりはございません。ただ、しっかりとした体制をとって、我が国、ただでさえ少子化の昨今の日本社会において、子供は国の宝と言うのは簡単なんですが、そのために、難しい問題だからこそ、国を挙げて未来の子供たちをしっかり守ってあげる。恐らく、もしかしたら、そういうつらい思いをした福島の子供たちがむしろこれからの日本を背負って、そのためにもぜひ取り組みをしっかりやっていただきたいと思います。

 最後に、根本大臣にその御決意をお尋ねして、質問を終わりたいと思います。

秋葉委員長 時間が終了しておりますので、簡潔にお願いします。

根本国務大臣 子供たちが健康に、伸びやかに育つ環境をつくっていく、これは我々の責任だと思います。

 健康管理調査の話は、今もう環境省から話がありました。

 そして、昨年十二月に、子供に対する支援の強化を柱の一つとして、被災者に対する健康・生活支援に関するパッケージ、これは関係省庁挙げてタスクフォースをつくってやりました。その紹介が今副大臣からありました。

 それと、スマイルキッズパーク、福島県特有の問題として、しばらく子供たちが外で遊べなかった、体力が低下した、肥満がふえた。ですから、屋内運動場でもいいし屋外運動場でもいい、遊具の更新、これをできるための子ども元気復活交付金をつくりました。あのスマイルキッズパークはその一つであります。

 そして、先生はもう専門家なので御案内のとおりですが、単に物をつくればいいということではありません。やはり、子供たちにどう体力をつけさせるか、どんな運動の仕方、遊び方をさせるか。その意味ではプレーリーダーの養成も必要なので、そういうことを含めて複合的にやってもらうようにということで、新規の施策も打ち出してまいりました。

 これからも、子供は本当に国の宝ですから、しっかりと全力を挙げて我々は施策を進めていきたいと思います。

中島委員 質問を終わります。ありがとうございました。

秋葉委員長 次に、林宙紀君。

林(宙)委員 結いの党の林宙紀でございます。

 本日は、ここまで多くの方から御懸念が上がっておりましたけれども、懸案の大臣発言については、私も大変遺憾に思っております。

 この衆議院においても環境委員会が開かれる流れだということでございますので、私も、環境委員も兼任させていただいておりますから、詳細はそちらで確認をさせていただきたいと思いますが、やはりここに来て、震災から三年たちまして、政府として、この復興というものについて、意識が大分軽いものになってきているんじゃないのかなということをうかがわせるような発言だったというふうに私は思っています。ぜひ、復興を所管する大臣におかれましては、もしくはその他スタッフの皆さんにおかれましては、やはりそうではないんだというところをぜひ、今後しっかりとまた見せていただきたいなというふうに思っております。

 本日は、これまた前回に引き続いて扱わせていただきますが、放射性廃棄物の指定廃棄物最終処分場、宮城県内で現在いろいろと進展を見ようかというところまで来ているこの問題について、きょうは井上環境副大臣にもまたお越しいただいておりますので、お伺いをしたいなと思います。

 先ほど福田委員からもさまざま御質問があったところなんですが、この六月に入って大変多く、副大臣には宮城県に足を運んでいただいていると思います。六月九日の第二回の五者協議に始まりまして、十三日から十六日には実際に三市町の現地視察をしていただいた。さらには、その十六日に第三回の五者協議とか、いろいろとあったわけなんですけれども。

 まず、この詳細調査をこれからやらなければいけないという状況におきまして、三つの市、町の理解はどのような状況なのかというのを改めて確認させていただきたいと思います。

梶原政府参考人 ただいま先生御指摘のように、これまで三回にわたりまして、国、県、そして三市町の首長の方々に参加いただきまして五者会談をしております。その中で、各市町長から御懸念されている事項について質問いただき、それに回答するとともに、現地視察を行うことによって、御懸念の事項についてどういったような問題意識を持たれているのか、その背景についてもお互いに理解を深めていくことができたものと思っております。

 これまでのところ、栗原市長、大和町長におかれましては、三市町が足並みをそろえて行うことを条件に、詳細調査の実施につきましては一定の御理解を賜っているのではないかというふうに考えておりますけれども、加美町長からはまだ御理解をいただけていないといったような状況と認識をしております。

 五者協議などでさまざまな御意見は賜っておりますけれども、そういったような御意見、御懸念事項にしっかりと応えていくためにも、詳細調査により追加的なデータを得て、改めて安全性等について評価をして、御説明をさせていただきたいと思っているところでございます。引き続き、詳細調査に関します意見交換を行いまして、御理解を賜れるように努めてまいりたい、そういうふうに考えております。

林(宙)委員 いろいろな立場でいろいろな御意見が飛び交っている内容だと思いますので、加美の町長さんにおかれましても、非常に心を痛めつつ、そのようにお話しになっているんだろうなというふうに推察いたします。しかしながら、国のその選定プロセス等々がどうだったんだというのは、やはり地元の各自治体の皆さんが、今そこにいろいろと疑念を抱いて、疑問を投げかけているところだと思うんです。

 一つ確認させていただきたいんですけれども、大和町の候補地なんです。

 これは、先ほども出ましたけれども、自衛隊の演習場がありますね。副大臣にも行っていただいたと思います。当日は演習をやっていなかったので、何か屋外でビデオを見たというような状況だったそうなんですが。

 参議院の決算委員会の方でも、これはたしか、みんなの党の渡辺委員だったと思いますけれども、この大和町の場合は自衛隊の演習場が近くにあるという特殊事情なんだけれども、これは選定の際に評価には入れなかったという旨の答弁があったわけですね。

 副大臣にお伺いしたいんですが、実際に足を運ばれて、モニターとはいえ、大分大きな音がするぐらい近いところなんだという御認識はいただいたんじゃないかなと思うんですが、ちょっとそのあたりの御感想というか思いと、それから、それを考慮に入れて再評価し直すべきなのかどうか、その点についてお伺いしたいと思います。

井上副大臣 まず、再評価し直すべきかということに関しましては、この選定手法というものは、宮城県で、市町村長会議あるいは有識者会議、ここでの議論を経て策定したものですから、これは尊重したいと思いますし、何か選定手法に瑕疵があったというような指摘はいただいていないと理解をしております。

 ただ、他方で、やはり現地に行きますと、そういう意味では、その選定手法の中には入っていなかったけれども、やはり地元として懸念する、そういうことがいろいろあるんだということはよくわかりました。確かに演習場から非常に近いということもあって。

 ただ、私、そのときも申し上げたのは、そういう意味では、本来であれば、ちょっと日程調整でうまくいかなかったんですが、演習があるときにもう一度現地視察するなり、あるいは詳細調査を演習があるときにしっかりして、騒音もそうですけれども、例えば振動とか、そういったことについてしっかりデータをとって、その上で、これから、いずれにせよ、三候補地で詳細調査を受け入れていただければ詳細調査をやって、その結果に基づいて総合判断を行って一カ所に絞っていく、こういう手続になりますから、その中で考慮させていただきたいと思います。

林(宙)委員 報道だと、詳細調査のときに演習があるようにしたいというような報道も、これは報道ですからどこまで本当かわかりませんけれども、そんなような内容もありましたので、今の御答弁ですと、詳細調査をするタイミングか否かにかかわらず、もう一度、演習のあるときに現地を見たいという御心情でいらっしゃるということは理解いたしました。

 そうすると、仮に、演習を見て、評価が変わることはあり得るんですか。済みません、これは通告に入れていませんが、今の御答弁に基づいて、お願いします。

井上副大臣 先ほどもちょっと申し上げましたけれども、選定手法にのっとって三つの調査候補地を選定していますから、そこの評価が変わるということはありません。ただ、その後、三つの調査候補地を一つに絞っていく、その段階では総合評価をいたしますから、その中で加味をしていく、こういう趣旨です。

林(宙)委員 わかりました。

 そうしますと、その詳細調査というものなんですが、これは宮城県の知事もおっしゃっていますけれども、いつまでも引き延ばしができるものではないんですね。この三つの候補地は、やはり雪が降ったりとか、そういう事情があるものですから。知事が言うには、十一月の後半ぐらいになると雪が降ってきて、調査ができなくなる可能性があると。だから、やはりそこまでには何とか進めたいんだというお話はされていますけれども、実際に調査に、調査にというのは、調査を開始してから一定程度調べ終わるまで、どのぐらいの期間がかかるものだと今考えていて、いつごろまでに行いたいと国としては考えているか、そこを教えてください。

梶原政府参考人 詳細調査におきましては、例えばボーリング調査をするとか、あるいは弾性波探査をするとか、そういったような、現場で機材を持ち込んでやるということを考えております。そのために、少なくとも現地調査には数カ月は要るというふうに考えているところでございます。

 ただ、いつ開始できるか、これは私ども、できるだけ早く開始をしたいということでございますけれども、現在、詳細調査の必要について御理解をいただけるよう、地元の市町長さんに説明をさせていただいているところでございます。そういう意味において、お願いをする立場でおりますので、開始時期については今お話しできるような状況ではないのではないか、こういうふうに思っております。

 いずれにいたしましても、これはできるだけ早くやりたいと思っておりますので、詳細調査の実施につきまして理解をいただけるよう、国の考え方をしっかりと御説明をしていきたいというふうに考えております。

林(宙)委員 お立場上、今のような御答弁になるのかもしれませんが、私がお伺いしているのは、実際に調査にどのくらいの期間がかかりそうで、宮城県知事がおっしゃるように、地元の事情として、後ろに限界があるんですよね、調査できる期間の限界が。その調査期間から逆算して、この時期までにはやらなきゃいけないねという想定は当然あってしかるべきだと思うんですが、それはあるんだけれども、今は話したくない、話せないということですか。それとも、まだ考えていないということなんですか。どちらですか。

梶原政府参考人 先ほど申し上げましたように、数カ月かかるということでありますが、片方で、今の段階で、御理解をぜひ賜りたいという形でお願いしているものですから、いついつ幾日ということを言ってということではなくて、まずは御理解を賜れるような努力をまだ重ねていきたいというふうに考えております。

林(宙)委員 数カ月ということは、相当早く進めないと、ことしじゅうにはできませんよということなんですよね。それは御理解いただいていると思うんですが。

 ちょっとお伺いしたいのは、きょうは余り時間もないので、今資料を配らせていただいた内容なんですけれども、これについて確認をさせていただきたいんですよ。お手元にありますか。ちょっと見ていただいて。

 これは、去年の十一月に、第四回の市町村会議で環境省さんの方からお配りいただいた資料だと思うんです。なので、一度は目にされているんじゃないかなと思うんです。

 まずもって、先ほどの副大臣の御答弁で考えますと、この資料の内容については、この市町村会議の場で了承をされているんだろうなと思うんです。そこをちょっと確認したいんです。

 先に、この資料は何なのかというと、要は、候補地を選定していくに当たりまして、上に1、2、3とありますが、生活空間からどのぐらい離れているのかとか、水源からどのぐらい離れている、あるいは自然、どういう植生があるのかみたいなところでポイントづけをして、ポイントが高かったところがここに載っているわけですね。八候補地がここにあるわけですね。この一番ポイントが高い、十二点並びに十一点の三つが今回の候補地になっているということなんです。

 これについて、資料をお見せして説明したときに、市町村会議では、まず、これはこれでいいよということになっているんですよねということと、あと、それは認められたにしても、どういう手法で認められているのか。例えば、多数決とか、それとも満場一致とか、いろいろあると思うんです。その点についてちょっと確認をさせていただきたいんですが、いかがでしょうか。

井上副大臣 これは、市町村長会議の中でさまざまな議論をして、そして理解をいただいた、そういうふうに思っております。ただ、具体的には、何も多数決をとったわけではありませんので、私どもの方で提案をして、結果、特段の異論はなかったということで、理解をいただいたというふうに思っています。

林(宙)委員 異論が出なかったということなので。

 これをごらんいただくとわかるんですけれども、ここに八つ載っているうち、全部、栗原、大和、加美なんですね。ですので、今後どういうプロセスになるのかわかりませんが、仮に、今回三つ挙げた候補地がいずれも不適格だったとかいう判断になったときに、恐らく、では、次にポイントが高いところとかという話になるとすれば、どっちにしてもまた同じ栗原、加美、大和の中から選ばなきゃいけないみたいな、そういう話になってくるのかなというふうに思うんです。

 ただ、そういう話を、仮の話なので、これはしてもしようがないので、私がきょうは一番聞きたいのは、今挙げられている三つの候補地以外になる可能性というのは、もちろん、物すごく三つとも重大な何かポイントがあって、これでは無理だということがあれば別なんでしょうけれども、今のところ、この三つの候補地以外になる可能性というのはあるのかどうか。これをはっきりとお伺いしたいんですけれども、副大臣、いかがでしょうか。

井上副大臣 この選定手法、そして具体的な候補地選定に関しては、やはり市町村長会議もそうですし、有識者会議というのも別途立ち上げて、専門家の先生方にもいろいろな基準なんかを検討していただいた結果です。もちろん、一定の資料に基づいて、データに基づいてやっているという制約はありますけれども、ただ、そういった意味では、この三つの調査候補地の中で、三つとも不適切である、不適格であるというふうな結果になることは考えておりません。

林(宙)委員 三つの候補地の中から決めるという、基本的にはそういうふうに、この三つじゃなくてまた別のところを選びますよというのはまずあり得ないということなんだと思うんですね、よっぽどのことがない限りは。

 それはそれで、私もどちらの立場もわかるので、非常に苦しいところではあるんですが、ただ、今回は、この問題を論じるときに絶対に忘れていただきたくないのは、何でこれを早く決めなきゃいけないかというと、現に今、この指定廃棄物を別のところで保管している場所がいっぱいあるからなんですよね。そこを忘れちゃいけないと思うんです。

 先ほど小熊委員のお話にも出てきました。そちらは福島の話ですが、いろいろなところでそれを保管している、これを早く何とかしなきゃいけないと。宮城県でいったら登米市なんかが大変多くの指定廃棄物、汚染稲わらとかですね。もっと大変なのは、一般廃棄物に分類されている分ですね。要は、八千ベクレル未満のもの。あれは、農家の軒先とか、農家が個人の畑の道路からちょっと離れているところにどんと置いて、ただ一ロールとか二ロールじゃないですよ、二十トンとか、物すごい数を置いているんですね。

 それを早く処分してほしいという一方で、なかなか処分場が決まらないから、もともとは二年間の保管だよという約束で置いていたから納得していたのに、今度はちょっと期限が見えない中で延長をお願いしなければいけないというのが、地元の自治体は大変苦労されているんですね。

 前にも一度、環境委員会の方で申し上げたと思いますが、そこでやり玉に上がるのは、やはり市の職員さんたちなわけですよ。市の職員さんたちが、住民の皆さんから大変ないろいろな意見をいただいて、厳しい意見をぶつけられて、ただ、自分たちではどうしようもない。

 本当は各自治体の焼却場なんかで普通に処理できるはずなんですけれども、それができない。もう関係ないんですね、指定廃棄物だろうが一般廃棄物だろうが。これは、住民の皆さんにとっては、本当に安全なのかどうかわからない、もう一緒なんですよ。

 それを考えると、それは一般廃棄物だから各市町村で処理してくださいねという大原則があるにしても、もうそこから変えていかなきゃいけないんじゃないですか。今回に関しては、ここを何とかしなきゃいけないんじゃないですかという思想を持っていただかないと、絶対に進まないんです、この問題。

 私は、この三候補地、どこも納得しませんよと言えばそれで簡単ですけれども、それじゃ終わらない問題だと思っているから、何とかしていただかないと困ると思うんです。

 ですから、こういう状況を打破するために、大臣に、現地に行って、ちゃんと誠意を持ってお願いをするというプロセスが必要なんじゃないですかと今まで何回も申し上げているんです。そのやさきに今回はああいう発言があったわけですから、これは宮城県の方でもやはり非常に重く受けとめられていると思います。

 ですので、こういうところも含めて、ぜひこの廃棄物もしっかり、復興の中の重要な一つですから、しっかりと進めていただきたいと思うんです。

 済みません、きょうは復興大臣に一問もお伺いできていないんですけれども、ちょっと最後に復興大臣に、ぜひこの廃棄物問題等々について、大臣としてはどのようにお考えなのかというところをお聞かせいただきたいなと思います。

秋葉委員長 持ち時間が終了しておりますので、簡潔にお願いいたします。根本大臣。

根本国務大臣 指定廃棄物の最終処分は重要な課題だと思います。委員も悩まれながら御質問されているなと思いました。

 指定廃棄物最終処分場の整備については、今環境省から話がありましたが、地元自治体の意向を最大限尊重しながら、やはり安全性の確保に関する丁寧な説明、これが私は大事だと思います。そして、それはやはり、我々は同じ政治家ですから、こういう問題についてもそこは共有していかなければいけないと思います。社会的合意をどうとらせていただくかという問題ですから。

 それと、一般廃棄物の話もありました。これは、環境省が基準を決めて、これは一般廃棄物で処分できますよという整理をしたわけですね。そうすると、一般廃棄物なら市町村の責任によって処理される、こういう話になりますから。

 ただ、住民の方々に、安全性に対する不安がある、これは私も承知をしております。その意味では、環境省が実施している支援策を最大限活用していく、そして、関係自治体と国が緊密に連携することで住民の皆様の御理解を賜って、そして、一般廃棄物の処理が進むよう努力していきたいと思います。

林(宙)委員 時間が参りましたので、以上で終わります。ありがとうございました。

秋葉委員長 次に、高橋千鶴子君。

高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 二十分しかないので、早速質問させていただきます。

 東日本大震災で被災地の福祉労働者が果たした役割に関する調査実行委員会がまとめたものがございます。

 福島県の保育現場において、仕事がふえたという労働者が五割を超えています。放射線量の計測や安全な食材の確保、外遊びできないため室内遊びの工夫など、業務量も精神的負担も増しているということでありますが、厚労省はまず、こういう実態を認識しているでしょうか。

土屋副大臣 東日本大震災に被災した福島県内の保育所では、通常の保育の業務に加えて、園庭の線量測定や散歩するコースの除染状況の確認、保護者からの日常生活における放射能についての相談等の業務に対応しているものと承知しております。

 私も実は、東日本大震災の直後から一年間、放射能の線量計を持っていましたので、毎日はかりましたが、これは大変な仕事だと思います。そういう意味でも、職員の皆様が今までよりも業務量がふえているということを認識しております。

高橋(千)委員 資料をお配りしています。一枚目を見てください。

 これはふえた仕事の回答グラフなんですけれども、まさに、放射線量の測定九三・三%をトップに、除染、安全な食材の確保八二・五%など、いずれも、原発事故前にはなかった仕事がふえている。当たり前のことでありますけれども。

 二枚目にその内訳、言葉で言っているものがあるので、後でぜひ読んでいただければなと思うんですが、最初は、本当に、保育所に機械なんかなくて、食材の線量をはかるために給食を学習センターに主任が運ぶという手間がふえた、その後、負担を軽減するために市から小さ目の機械を贈呈され、園内ではかることができるようになった、でも、一品はかるのに最低十分かかる、こういう声ですとか、毎朝、園庭と保育室を全部測定している、自分の時間を使い測定しているなどなど、声が上がっています。そして、下の方にあるのは、できなくなった保育実践、当たり前のようにできていた散歩コースに行けなくなった、こうしたことがあるわけでありますね。

 ですから、単に線量をはかる、そういうことだけではなくて、本当に、外遊びを通して子供たちに遊びや学びを教えていたことの一つ一つができなくなって、また、それにかわるものとしてさまざまな苦労をされているという実態があるわけです。

 被災地では、最低でも正規職員を一人ふやすべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。

石井政府参考人 被災地におきまして、子供たちに適切な保育を提供できるようにするためには、保育士が過重な負担を負わないようにすることが大変重要だと考えております。

 現行の保育所の運営費におきましては、保育所が高齢者などを雇用して補助的な業務を行わせることによって、保育士が本来の保育業務に専念できるよう、入所児童処遇特別加算費制度を設けているところでございます。

 この加算費というものを活用いたしまして、例えば放射線量の測定業務そして室内遊びの準備などを行っていただくことで、保育士の業務軽減を図ることは一定程度可能だと思っております。

 また、今年度から、高齢者などに限らず、補助的な業務を行うための職員を雇い上げるための経費の補助も保育所の運営費とは別に行っているところでございまして、厚生労働省としては、まずはこうした取り組み等を進めていく、よく周知をして御活用いただくということで、被災地を含め、保育士の業務負担の軽減に努めていきたいというふうに考えております。

高橋(千)委員 ちょっと一枚めくっていただいて、資料の四を見ていただきたいと思うんですが、今局長が答えていただいた入所児童処遇特別加算、この制度、きのう説明をいただきました。

 そうすると、よくよく見ると、対象者は、六十歳以上六十五歳未満の高齢者、あるいは身体障害者、知的障害者、精神障害者、こういう人が対象なわけですね。やる内容は、話し相手とか身の回りの世話、爪切り、洗面、給食の後片づけ、こういうことができるということで、一体これはいつからある制度だと聞いたら、平成二年からだということで、全く今の話とは関係ない制度が、とりあえずあるからというので持ってきたんですね。

 ですから、その程度なら今の高齢者対象の加算でもできるという、まさに今戦略会議の中で話題となっている子育て支援員と同じ発想だなということで、とてもじゃないがそんな問題ではないんだと。現場で言っているのは、同じ立場で、要するに、正職員同士できちんと責任を持って仕事をしている中で相談相手になってくれる、そういう人を求めているんだということを正面から受けとめていただきたいと思うんです。

 聞き取り調査を見ていますと、やはり保護者たちは、福島に住むことを選択したことで、さまざまな動揺をしています。あるいはネット上で、さまざまな情報があったり、バッシングもされています。そして、保育者も、子供の親であり、同じ悩みを抱えているんですね。

 だから、そういう上で、放射能の学習会を持ったり、外部被曝や内部被曝を避けるためのさまざまな努力をしてきました。でも、ある保育士さんは、三年目に入って少し苦しくなってきた、子供を守るためにやっていかなくちゃと思っている、でも、休みの日に話を聞きに行ったり、昼休みに勉強会をしたり、仕事がふえている、子供たちにこういう環境をと思うとそれだけ作業がふえますと言っているんですね。

 つまり、子供たちのために、子供たちを守るためにと頑張っている保育者たちの本当に献身によって支えられているのが現場の実態だと言えるのではないでしょうか。せめて、研修への助成をやることや、高齢者に限定しないで、今いる、例えば臨時職員を正職員に引き上げることとか、そうしたことに使えるように思い切って手当てをしていただきたい、これは重ねて要望したいと思います。

 そこで、学童保育は、もっともっと人的にも財政的にも大変であります。学校の校庭にあるんだけれども、校庭は除染するんだけれども学童保育の前でぴたっととまっちゃうとか、所管が違うからと言ってはそれまでなんですよ。そういう扱いを受ける中で、大変苦しい思いをしてきました。

 その認識を持っているのか、また、被災地での正規職員増員についてどのように取り組むのか、伺います。

土屋副大臣 福島県におけます放課後児童クラブについては、調査によりますと、被災した翌年度の平成二十三年度にはクラブ数及び登録児童数ともに減少しましたが、直近の平成二十五年度には、被災前の平成二十二年度の数を上回っている状況にあります。

 県内の状況といたしましては、県全体で子供の数が減少しておりまして、職員確保が難しい状況にあるものではないというデータもありますが、一部の自治体では、ほかの自治体から避難者を受け入れていることによりまして登録児童数が増加しており、被災地であるがゆえの特有の業務、先ほど、線量をはかるとか運動がなかなかできないとか、いろいろな問題がありまして、大変な業務が発生しているということも理解しておりますが、国の補助要件に見合った職員確保が課題となっている自治体があると聞いております。

 職員確保に当たっては、先生が今お話しした、離職している、今働いていない方等に働きかけをするということ、これは非常に重要だと思います。保育士を初めとする有資格者の確保が難しい中で、今のような働きかけをしていくということ以外にも、さまざまな、現在、保育士確保に向けて自治体に御紹介などをしているわけですけれども、さらにその活用を促していきたいと考えています。

 こうした対応に加えまして、引き続き被災地の状況把握もさらに努めまして、被災地の状況に合った対応をしっかりしてまいりたいと考えております。

高橋(千)委員 ありがとうございます。

 今使った資料の前のページに、学童保育の職員の皆さんの声も紹介をしています。「増えた仕事、必要だが十分にできていない仕事」ということで、保育とも非常によく似てはいるんですけれども、やはり、条件が非常に厳しい中で、指導員自身のケアも本当に必要なんだよという呼びかけがありますので、しっかり受けとめていただきたい、このように思っております。

 では次に、子ども・被災者支援法について根本大臣に伺いたいと思うんですが、成立して丸二年がたちましたけれども、まだまだ進んでいるという実感はありません。

 平成二十四年六月十九日の本委員会で、私は、参議院の提出者、与野党の議員がいらっしゃいまして、質問をいたしました。そもそも、主務大臣は誰かというところから聞かなきゃいけない法の組み立てだったわけですね。各省庁にまたがる、逆にそれで責任が曖昧ではないかというときに、確認をしたことは、最終的な責任は、基本方針を取りまとめて、それがどうなっていくのかということをチェックしたり進言したりしなければならない、それは、復興庁をつくるときの法案がそうであったように、やはりそれは復興大臣であるということが確認をされたと思っております。その立場でぜひお答えをいただきたいと思うんです。

 特に、第十三条、健康影響調査については、立法者の趣旨についてどのようにお考えか。また、現在福島県が主体となって行っている、しかも福島県民、当然、県が主体ですので県民に限定して行っているこの調査は、趣旨に照らしてふさわしいものだといえるでしょうか。

根本国務大臣 本来であれば、条文ごとに主務大臣というのは書いてあるのが、立法というのは普通なんですね。だから私も、それぞれの条文ごとの主務大臣は何で書いていないんだろうと実は思いました、この基本方針の話があって。

 だから、その意味では、基本方針については各省庁にまたがりますから復興庁で束ねましたが、やはり、それぞれの行政というのは分担関係にありますから、責任あるところがきっちりと対応してもらうというのが私は基本だと思います。

 その上で、十三条ですが、原発事故に伴う健康への影響調査や医療の提供に関する施策、これは、担当省庁である環境省において、子ども・被災者支援法第十三条の趣旨も踏まえて、専門家により検討を行う会議、これを昨年十一月に設置して、被曝線量の調査などもやっています。

 もう一度、全体的に言いますと、最初の十三条の趣旨でお答えしたいと思いますが、子ども・被災者支援法の第十三条、これは、原発事故により放出された放射線に関して、被曝状況の調査、健康への影響に関する調査、医療の提供というような施策について、国が必要な施策を講じるべき旨を定めたものと承知をしております。

 現在、これらの施策に関する担当省庁である環境省において専門的、科学的検討を行った上で、この条文の趣旨も踏まえて、福島県が行う福島県民健康調査について、国として財政支援を行っているところであります。

高橋(千)委員 今少しお話しされた専門家会議も、子ども・被災者支援法の議連でヒアリングの対象者を推薦したという経過もございました。ただ、あくまでもそれはヒアリングであって、一回やれば終わりよ、しかも全員ではないという形で、なかなか専門家会合に対しても十分私たちの意見が反映されているとは言えないということが経過としてはあるということを一言指摘しておきたいと思います。

 それで、この法案ができるときに、健康調査につきましては、低線量の放射線が人の健康に与える影響が科学的に十分に解明されていないということから調査を行っていくんだ、不安に応えてやるんだということが質問の中でも確認をされてきたことだと思うんです。

 ですから、地域をなるべく限定しないということが私たちの趣旨だったし、また、まず子供に対する不安に応えるけれども、大人も含んでいるんだという趣旨が確認をされたんだったなということを重ねて言っておきたいなと思います。

 そこで、資料の5を見ていただきたいんですが、先ほど中島委員も取り上げましたけれども、福島県立医大から、先日の視察の際に出された資料であります。これによりますと、一番下のところに書いているんですが、二十三年から二十五年度の合計で、甲状腺検査の二次検査によって、悪性ないし悪性の疑いがある者が九十名、うち五十一名が既に手術をされている、こういうことが出されたわけであります。

 私は、やはりこのデータを、このデータ自体に非常にショックを受けている方もいらっしゃるわけなんですが、今これを、原発事故との因果関係が見られないという結論を言うべきではない、早過ぎると思いますが、確認します。

塚原政府参考人 お答えします。

 福島県が実施をしております甲状腺検査におきまして、御指摘のとおり、がんの疑いがある方三十九名、それから、手術の結果、良性腫瘍と判断された人が一名を加え、九十名の方が報告になっているということでございます。

 国内外の専門家の見解としましては、現在見つかっている甲状腺がんにつきましては、原発事故によるものとは考えにくいとされておりまして、その数については、今回のように、精度の高い検査を無症状の子供に実施した例がないこと、最新の機器を用いて、熟練した医師、技師により丁寧な検査が行われていることから、早期の小さながんが、これまで知られている発生率以上の割合で確認されている可能性があると聞いております。国際的な評価も同様でございます。

 甲状腺検査を含め、福島県の調査は、長期にわたりまして実施していくことを予定しております。その結果につきましては、予断を持たずに、引き続き注視してまいりたいと考えております。

高橋(千)委員 県立医大にも、私、直接質問をしましたけれども、当面のところ考えにくいという答弁だったと思います。これは断定すべきではないというのが私の趣旨です。本当に、菊地学長もおっしゃいましたけれども、それが関係がないと言い切れるまでには、やはり長期にわたる調査が必要だという御指摘だったと思います。

 先ほどの中島委員が、チェルノブイリのことも御紹介いただいたんですけれども、確かに精度が高くなったからということがありましたよね。でも、あのときだって、五年後に発症するなんということはあり得ないと、当時の経験則からそういうことを言われたわけです。

 でも、今は、三年たって、もう既にこういうことが起こっている。しかも、赤ちゃんの正確な計測はできないわけでしょう。そういう中で、今結論を出すなということを言っている、それで、それを長期にちゃんと見ていけということを言っているんですから、そこは正確に答えていただきたい。

塚原政府参考人 これまでの調査の結果に関する評価につきましては、内外を含めて、先ほど申し上げましたような評価があるということを申し上げておきたいと思いますが、その上で、放射線による影響については、長期にわたる健康調査を行うことを実施しておりますので、その結果につきましては、予断を持たずに、引き続き注目をしてまいりたいというふうに考えております。

高橋(千)委員 ちょっと待ってください。それでは、あなたの責任で、関係がないと言い切るんですか。

秋葉委員長 塚原部長。

 持ち時間が経過していますので、簡潔にお答えください。

塚原政府参考人 先ほど申し上げましたのは、内外の専門家の御見解というものを御披露したところでございまして、私の意見と申し上げたわけではございません。

高橋(千)委員 思いがけない答弁だったので、時間になってしまいました。

 最初にお話ししたように、県立医大も、当面のところ考えにくいと答えたんです。できないと断定したわけではありません。そんなことを国会で答弁したら大変なことになりますよ。

 引き続いて、この問題はしっかりと議論をしていきたいと思います。問いをいっぱい残しましたので、継続して審議の機会をいただきますように委員長にお願いをして、これで終わります。

秋葉委員長 次に、畑浩治君。

畑委員 生活の党の畑浩治でございます。

 まず冒頭、石原大臣の発言については本日の委員会でも問題となっておりましたが、私は、これまでいろいろな委員会で、復興が風化しているということを申し上げてまいりました。この発言を聞いて、ああ、復興が風化しているんだなと思いました。東京と被災地の感覚が全く違うようになってきているなと。東京にいるからこういう発言をする。

 つまり、ああいう発言というのは、被災地に寄り添っているといいながら、やはり被災地に寄り添っていないんですよね。そのことが、被災地の議員として悲しくなりました。そのことをまず申し上げたいと思います。

 それで、早速質問に入らせていただきますが、一昨日の決算行政監視委員会で、平成二十七年度の集中復興期間が終わった後の財源措置についてお伺いしまして、これは総理及び根本復興大臣から大変前向きな答えをいただいたと思っております。必要な事業についてはしっかりと財源措置をしてやっていく、当然のことだと思いますが、本当にこういうことを言っていただきましたが、ただ、ちょっと心配な部分があるわけです。

 というのは、今までと同じ事業については、今までと同じ財源フレーム、手法でやっていくのかどうかということであります。

 御存じのとおり、今の復興は、例えば復興交付金は全額国費でありますし、また、根幹的な社会資本整備も、直轄であれば一部地方負担分が本来はあるんですが、これも震災復興特別交付税で、そこの地方負担がないように措置されております。補助事業等の社会資本整備総合交付金の復興枠でやっているものについても、ここはやはり震災復興特交で埋められている。こういうことが地方負担なしで続いていくのかなというのが、実は深掘りすると心配なわけであります。

 というのは、東京オリンピックやら、あるいは全国の国土強靱化もあるでしょうし、あるいはいろいろな財政需要、事情、いろいろな支出がありますので、復興も、集中復興期間が終わって、加速してきたんだから、一部地方負担を導入してもいいんじゃないかという議論が出ることを危惧しております。

 これは、もちろん、これからの支援制度についてはそういう議論があるのかもしれませんが、最低限、これまでやってきた手法で終わらない事業、終わらないものについては、復興交付金を使っているもの、社会資本整備総合交付金を使っているものとか、社会資本もそうですけれども、これはやはり急に制度を変えて地方負担を入れるべきではないと思います。そこのところは、地方負担の部分はどうなるとお考えなのか、大臣にお伺いしたいと思います。

根本国務大臣 改めてお話をさせていただきたいと思います。

 まず、どういう体系になっているか。

 東日本大震災からの復興については、東日本大震災からの復興の基本方針、これがあります。そして、復興期間を十年間とした上で、復興需要が高まる当初の五年間、これを集中復興期間と位置づける、そして、事業の進捗などを踏まえて、集中復興期間後の施策のあり方を定めることとしております。これが基本方針において示された方針であります。

 現在、今、風化の話もありましたが、我々復興庁や関係省庁挙げて、被災地の復興加速、安倍内閣になってから、私も、復興加速、これが安倍内閣は最重点課題ですから、日本経済再生、国の危機管理と並んで。ですから、皆さんと一緒に復興加速に全力を挙げて取り組んでまいりました。

 いよいよ、震災から三年が経過して、住宅再建などの工事が本格化しておりますし、福島の復興再生、これは、早期帰還や長期避難者の生活拠点の整備に向けた各種事業が本格化する、復興は新たなステージに移行しつつあると思います。まずは、この復興集中期間において、被災地の一日も早い、一刻も早い復興を目指すことが重要であると考えております。

 その上で、集中復興期間後の平成二十八年度以降における復興交付金や震災復興特別交付税の扱いについては、他の復興事業とともに、それまでの進捗状況などを踏まえ、財源を含めて、そのあり方について検討する必要があると考えております。

 もちろん、復興期間は十年間とされていますから、被災地の復興に真に必要な事業、これについては集中復興期間後の平成二十八年度以降も実施できるように取り組んでいきたいと思います。

畑委員 これは財政当局との折衝になりますから、まさに国会の場では、これは同じようなスキームでいくとはもちろん断言できないわけですが、今の答弁から、復興庁はもちろん復興庁の立場で、今までのスキームを死守するようにしっかり折衝していくということだと受けとめました。

 実は、危惧しているのは、復興が進んでくると税収等も回復してくるから地方負担を入れてもいいんじゃないかという議論が財政当局から出るんじゃないかと、私は個人的にはちょっと危惧しています。

 ただ、被災地というのは、もちろん自分の責任でこういう状態になったのではない。そして、なおかつ、日本の少子高齢化、過疎化の最先端の問題が大震災で表に出てしまった。決して、別に、今の経済政策でも、被災地も含めた地方は復活しているわけではありませんので、そういう状況を踏まえて、しっかりと検討と折衝をいただきたいと思います。

 次に、JR東日本の山田線の関係をちょっと議論させていただきたいと思います。

 この山田線の復旧については、なかなか話し合いが進んでいないというか、やっているんですが、なかなか折り合うところに至っていないという感じだと思います。

 この前、現場視察をしてまいりましたときに、山田線をJR東日本としては三陸鉄道に移管するということも案で示されているようで、これはこれで、いろいろ考え方はあると思うし、一概に否定するものではないんですが、その場合に、きょうの報告でも言われていましたが、三陸鉄道というのは、構造が新しくて、ロングレールで、スピードが出せるようになっている、山田線は大正時代のものなので、そこはかなり構造上古いということであります。

 仮に移管する場合でも、そこをしっかり補修してもらわなければ、なかなかうまくいかない。言ってみれば、一つの例えだと、高齢の人を引き取るのに、病気をしっかり治して、そしてお化粧もして、きれいで丈夫な体にして治してからいただきたいというのを、たしか三鉄の社長だか何か言っていたような気がいたします。

 この鉄道の構造の改修については、私はもちろんJR東日本がやるなり費用を出すのが筋だと思います。あるいは、これはもちろん既存の地域鉄道に対する支援策というのもあるのかもしれませんが、そういうことを踏まえながら、どのようなやり方、改修のやり方があるのか、想定されるのか、そういうところをまず伺いたいと思います。

滝口政府参考人 JR山田線につきましては、JR東日本から三陸鉄道に対する運営移管の提案がなされておりまして、三陸鉄道とJR東日本との間でその場合の技術的な問題について協議が行われております。

 技術的な問題の一つとして、今委員が御指摘がございましたが、軌道をどのように復旧するのかというものがございます。三陸鉄道は、木の枕木というものが非常に少のうございます。いわゆるコンクリートの枕木、PC枕木といったようなものが多用されております。これに対して、山田線は木の枕木が多用されているということから、結果的に保線コストが高くなるといったような問題があるわけでございます。

 このため、三陸鉄道側からJR東日本に対し、できるだけPC枕木化をしてほしいという要望が出されております。これにつきましては、JR東日本におきましてPC枕木化を含む軌道の強化について検討する用意があるということを言っておりまして、現在、この点を含めて、両者間で協議が行われているといったような状況にございます。

畑委員 ありがとうございました。ぜひとも前向きな検討を後押しいただきたいと思います。

 これまでの折衝、交渉を聞くと、JR東日本というのは、民間企業ですからということで、なかなか、我々も株主に対する説明責任があるとか収益性も考えなきゃいけないということで、必ずしも被災地の自治体とすり合った議論がされていないというふうな気がしております。

 ただ、私が思うのは、本来、被災がなければ、JR東日本はそのまま経営すべきであったし、そのままあったわけですけれども、この震災という、火事場というか、どさくさというか、弱り目のときに撤退するということを提示する以上は、本来、かなり被災地の自治体の希望に沿う形で私は決着すべきだと思っております。

 そこで、ちょっと事実から伺いたいわけです。

 株主、株主といいますが、JR東日本株式会社の株主構成ですね。特にこういう議論が出るときに外国人株式の割合も興味あるところですが、どうなっているか、お答えいただきたいと思います。

滝口政府参考人 JR東日本の有価証券報告書によりますと、平成二十四年度末時点での外国人による株式所有割合は三二・四一%となっております。

畑委員 これを大きいと見るか、低いと見るかですが、思ったより大きかったというイメージはありますが、それでも三二・四一というのは、株主総会なり経営事項を決定する場合に過半数ということを考えれば、訴訟は別として、そこはしっかりと腹をくくって現経営陣にはやっていただきたいという数字だと、この株式保有割合は思いました。まず、そのことを申し上げたいと思います。

 次に、よく株主訴訟、株主訴訟というわけですが、株主訴訟で、言ってみれば株主の利益を毀損するとか、あるいは会社に損害を与えるというときには、こういう訴訟の対象になって損害賠償の責任になるわけでしょうが、本当にそういうことになるのかどうか。株主訴訟における株主の利益を毀損するというのはどのような場合か、これは定性的なお答えしかいただけないかもしれませんが、まずお伺いしたいと思います。

萩本政府参考人 委員の御指摘は、株主代表訴訟のことかと思いますが、株主代表訴訟は、取締役などの会社の役員が会社に対して損害賠償などの責任を負っているにもかかわらず、会社がその役員に対する責任追及をしない場合に、株主が会社にかわって役員に対して責任追及の訴えを提起することができるという制度でございます。

 取締役は、法律上、その職務を行うに際して、善良な管理者の注意義務、いわゆる善管注意義務を負っておりますので、取締役が会社に対して責任を負い、株主代表訴訟の対象となり得る場合の典型例としましては、取締役がその善管注意義務に違反し、それによって会社に損害を与えた結果、会社に対して損害賠償責任を負っている場合を挙げることができます。

畑委員 今お答えをいただきました善管注意義務、これがポイントになるんだろうと思います。

 結局、まず、法令に違反して会社に損害を与えたかどうかということと、善管注意義務というのは、任務懈怠とか、そういうことがありますが、そこのところと経営の判断、そこの裁量はどうなるかということだろうと思います。

 今回、仮に、折衝しながら、渡すためにある程度JRの支出が積み重なっても、恐らく法令違反ではないのだろうと思います。

 それから、経営判断という部分については、私も調べてみましたけれども、かなり裁量に反しない限りは取締役らの経営判断が尊重される、明らかに社会通念から見て異常だという場合でない限りは取締役に幅広い裁量を認めるというスタイルが一般的だということを伺いました。

 ということは、JR東日本というのは、過大に訴訟のリスクを言って地方に説明し過ぎて、それで、お金を出すのを渋っていると私は思うし、そうとられても仕方がないのだろうと思います。そういうことで、そこは、しっかり国としても、そういうことも踏まえて私は指導していただきたいわけでありますけれども、これは後ほどの議論になります。

 そこで、もう一つ事実をお伺いしたいんですが、JR東日本の経営状況についてお答えいただきたいと思います、どの程度の収益を得ているかどうかも含めて。

滝口政府参考人 JR東日本の平成二十五年度決算によりますと、単体決算の概要でございますが、経常利益が二千六百三十九億円、そして、当期純利益が千六百九十八億円となっております。

畑委員 今いただきました、経常利益が二千六百三十九億、営業利益が三千二百七十八億だというのも調べておりますが、純利益が千六百九十八億。これはどれぐらいの数字かというのを調べてみたんですが、かなり大きい数字です。

 例えば、ANAというのが、営業利益というのは単独で年間九百十三億円です。イオンで千九百五十六億円。ホンダで千三百六十七億円。かなり大きいですよね。トヨタは論外で、一兆を超えていますけれども、ただ、世界全体で一兆ですから、それに比べると三分の一ぐらいだから、JR東日本はかなり大きいです。

 こういうJR東日本が、あと余分に五億とか十億とか十五億とか出せないというのは考えられないし、そこは、出したからといって裁量の範囲を超えると私は思えません。こういう莫大な利益を得ているJR東日本が、しかも、この火事場の中で撤退する場合に、公共団体に対して株主責任とか収益を言って、交渉のテクニックを駆使して、いろいろやって今まで来ている。私は、こういう会社の姿勢はいかがかと思いますね。

 これまで、JR東日本というのは呼べないわけですから、直接こういうことを聞きたかったけれども、問いただす機会もありませんでしたが、きょうは、国交省に対する質問の中でこういうデータをお示しいただいて、この国会の場でこういう状況を明らかにしたいと思って、質疑をさせていただきました。

 こういうことがある中で、地元紙で四月末に、JR東日本は六月決着をにらむという報道もありました。これは六月までに決まらなければ支障があるのか、あるいは、今結論がおくれておりますが、これによって復興に支障をどのように及ぼしているのか、遅くともいつまでに決着がつくことが必要と考えられるのか、そこは大臣にお伺いしたいと思います。

根本国務大臣 JR山田線は、委員がおっしゃるように、本当に公共交通として重要な路線であると私も思います。

 今のお話でありますが、委員既に御案内のように、JR山田線の復旧、これについては、鉄道事業を含む地域のかさ上げ、駅の移設、踏切の移設、拡幅など、まちづくりと一体的に復旧方針を検討する必要があります。

 このため、JR東日本、あるいは国交省、復興庁、岩手県、沿線市町村の関係者から成るJR山田線復興調整会議において、今、必要な調整が進められてきているところです。まちづくりと一体的な復旧に向けて調整が進められている。

 今現在、関係者間で緊密な調整が図られているので、現時点において、六月までに決着をつけないとまちづくりなどの復興に支障が生じるということは聞いておりません。復興庁としては、関係者間の調整が早期に進んで、一日も早いJR山田線の復旧を期待しております。

畑委員 ありがとうございました。

 これは恐らく、JR東日本の方の話から六月というのを出しているような節があります。早いにこしたことはないわけですが、早い方がいいんですが、六月決着を目標にするから、地方に対して、これぐらいで条件を妥協しなさいということが見え隠れしている、そこもまた遺憾に思います。

 こういうことを踏まえて、結局、国としてJR東日本に対して、復興調整会議の議論を加速させて、鉄道復旧に向けた環境整備を進めて、そして復旧を早期に決定するように、必要な助言指導を強めてほしいというのが、この前の委員会視察でもあったわけですが、かなり岩手県及び沿線市町村から大きくなっております。

 私も、そろそろ、復興調整会議を設けて議論の場を提供していますというだけではなくて、そこで国としては、先ほど言ったような問題なり認識も含めて、もっと調整の実をとって強く指導していただきたいなと思うんです。現行法との絡みもありますが、それは行政指導で、鉄道分野を所管する国交省ですから、そこはそういう形で行政指導をやっていただきたいんですが、その点はいかがでしょうか。

土井大臣政務官 JR山田線の復旧につきましては、早期にというお声をいただいております。現在、御指摘いただきましたように、自治体、JR東日本、三陸鉄道が鋭意議論を重ねております。

 今お話しいただきました復興調整会議等々、なかなか進んではいないというような御批判もいただいておりますが、国土交通省といたしましても、引き続き、この調整会議等の議論が進むように促してまいりたいというふうに思いますし、また、関係省庁と連携をしながら、しっかりと議論を、早期に結論が得られるように努力を重ねてまいりたいというふうに考えております。(発言する者あり)

秋葉委員長 畑君、時間が経過しておりますので、簡潔にお願いします。

畑委員 今ちょっと話がありましたが、積極的に、促していくというのにちょっと今ひっかかりまして、促していくだけだとなかなか難しいと思います。

 論点がいろいろありますから、そこの論点をすり合わせることも必要で、その前提としては、先ほど言ったような収益の話とか、あるいは法律的な善管注意義務とか、いろいろなものを含めて、そこはそうじゃないんじゃないかということも含めて、被災地に寄り添って、そういう立場でJRに対して折衝することを指導していただきたいし、自治体をバックアップしていただきたいと思います。それが、復興が内閣の最優先課題と言われているあかしだと思いますので、そのことをくれぐれもよろしく申し上げまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

秋葉委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時二十分散会


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