衆議院

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第7号 平成25年6月21日(金曜日)

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平成二十五年六月二十一日(金曜日)

    午前八時五十分開議

 出席委員

   委員長 森  英介君

   理事 伊藤信太郎君 理事 塩崎 恭久君

   理事 鈴木 馨祐君 理事 高鳥 修一君

   理事 牧原 秀樹君 理事 古川 元久君

   理事 足立 康史君 理事 江田 康幸君

      石川 昭政君    大久保三代君

      大島 理森君    川田  隆君

      菅家 一郎君    菅野さちこ君

      北川 知克君    佐々木 紀君

      佐藤  勉君    白石  徹君

      田中 良生君    田畑 裕明君

      高木  毅君    中村 裕之君

      額賀福志郎君    細田 健一君

      細田 博之君    宮澤 博行君

      宮下 一郎君    簗  和生君

      玄葉光一郎君    篠原  孝君

      小熊 慎司君    木下 智彦君

      西田  譲君    伊佐 進一君

      斉藤 鉄夫君    小池 政就君

      椎名  毅君    笠井  亮君

      玉城デニー君

    …………………………………

   経済産業副大臣      赤羽 一嘉君

   外務大臣政務官      城内  実君

   経済産業大臣政務官    佐藤ゆかり君

   経済産業大臣政務官    平  将明君

   政府特別補佐人

   (原子力規制委員会委員長)            田中 俊一君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  鎌形 浩史君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 中野  節君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           中西 宏典君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁電力・ガス事業部長)      糟谷 敏秀君

   政府参考人

   (原子力規制庁審議官)  櫻田 道夫君

   政府参考人

   (原子力規制庁審議官)  山本 哲也君

   政府参考人

   (原子力規制庁審議官)  大村 哲臣君

   政府参考人

   (原子力規制庁原子力地域安全総括官)       黒木 慶英君

   参考人

   (東京電力株式会社代表執行役副社長)       相澤 善吾君

   衆議院調査局原子力問題調査特別調査室長      仲川 勝裕君

    ―――――――――――――

委員の異動

六月二十一日

 辞任         補欠選任

  菅野さちこ君     田畑 裕明君

  簗  和生君     石川 昭政君

  柿沢 未途君     小池 政就君

同日

 辞任         補欠選任

  石川 昭政君     簗  和生君

  田畑 裕明君     菅野さちこ君

  小池 政就君     柿沢 未途君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 原子力問題に関する件


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     ――――◇―――――

森委員長 これより会議を開きます。

 原子力問題に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、参考人として東京電力株式会社代表執行役副社長相澤善吾君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として内閣官房内閣審議官鎌形浩史君、内閣府大臣官房審議官中野節君、経済産業省大臣官房審議官中西宏典君、資源エネルギー庁電力・ガス事業部長糟谷敏秀君、原子力規制庁審議官櫻田道夫君、原子力規制庁審議官山本哲也君、原子力規制庁審議官大村哲臣君及び原子力規制庁原子力地域安全総括官黒木慶英君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

森委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

森委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。宮下一郎君。

宮下委員 自由民主党の宮下一郎でございます。

 本日は、貴重な質問の機会を与えていただき、まことにありがとうございます。

 福島第一原発の事故を受けまして、安全対策をしっかり立て直した上で、活用できる原発は当面しっかり活用していく、そのために、一つ一つの手続を着実に進めていくことが大変大事であるという認識でございます。

 六月十九日に新たに規制基準が決定されました。本日は、これを受けまして、今後の手続等々について御質問させていただきたいと思っております。

 今回の新規制基準につきましては、特にシビアアクシデントへの対応を強化したものと認識しております。この新基準が従来の基準と比較して、特に安全についての考え方、哲学について、本質的な違いはあるのかないのか。また、決定に至るまで、パブリックコメントが付されたわけですけれども、それを踏まえて変更した点があるのかないのか。また、この規制基準はアメリカ等海外の基準との違いはあるのか、そうしたことをお聞きしたいこと。

 また、シビアアクシデントとしましては、やはり、最近指摘されておりますような南海トラフ地震、首都直下地震、さらにその連動地震などの可能性がございます。広域地震によります複数原発の被災、また、広域的な送電網の破断、首都機能喪失による原子力規制委員会自体の活動の継続ができなくなるリスク、こうしたことも想定しているのかという点についてもお伺いをしたいと思います。

 また、今回、安全目標ということで、大量の放射性物質を放出する重大事故が起きるのは一基当たり百万年に一回以下にする、こういった趣旨の目標と伺っておりますけれども、その意味をよりわかりやすく解説をいただきたいと思います。この新規制基準を満たせば安全目標を達成することになるのか、基準との関係についてもお伺いをしたいと思います。

 以上、まず、原子力規制庁からお答えを賜りたいと思います。

田中政府特別補佐人 お答え申し上げます。

 今回の新規制基準では、地震、津波、そういった外部事象に対する基準を強化した上で、既設の原子炉に対してもバックフィットさせるということを求めています。加えて、仮に今回見直した基準においての想定を超える事故あるいは自然災害が発生した場合においても、炉心損傷の防止、格納容器の破損の防止、放射性物質の拡散の抑制のための対策等を要求しておるところでございます。

 こういった規制基準の検討に当たっては、IAEAの安全基準あるいは諸外国の規制基準も確認しながら、世界最高レベルの基準となるように取り組んでまいりました。

 こうした基準への適合状況をしっかりと確認することで、福島第一原発事故と同様の事故は防止できると考えております。

 安全についての考え方、哲学でございますけれども、安全についての考え方の本質的な違いという点については、安全の追求には終わりはないのだということでございます。継続的に安全向上を目指した努力をするということが、これまでと最も異なる点というふうに認識しております。

 また、こうした考え方をもとに、今後も継続的に基準の見直しの検討を行っていき、必要に応じてさらなるバックフィットも求めるということになります。

 なお、今回の規制基準の策定に当たりましては、本年二月と四月にパブリックコメントを行いました。二月には四千四百件、その後には二千百件という、こういったパブリックコメントの数として見れば桁違いに多い、たくさんの御意見をいただきました。こういったコメントを反映して基準全体についての修正も幾つか行って、できるだけ明確に、わかりやすくなるように基準を改定したところでございます。

 次に、大規模な、例えば南海トラフ等の地震とか首都直下地震等があった場合についてでございます。

 こういった大規模な地震について、仮に長時間外部電源が喪失した場合、今回の福島の事故はこれが非常に大きな原因になっております。こういった場合に備えまして、既設の非常用ディーゼル発電機、これまでもありましたけれども、さらに空冷式、水がなくても発電できるような発電機の追加、あるいは高台に電源車を置いて電気を供給できるように、最低でも七日間、燃料の補給をすればずっと継続できるわけですが、そういった対策を求めております。

 また、こういった事故が起きたときには、私ども規制委員会がその防災の中心になって、司令塔になるわけでございますけれども、こういった機能が喪失した場合についても、他省庁も同様に検討されているところでございますけれども、いわゆる首都機能喪失を想定した、業務をどうするかということについては今策定検討中でございます。

 さらに、いわゆる百万年に一回ということでございます。

 今回の規制基準を定めるに当たりましては、我が国ではどうしても、こういった技術にはリスクがあるということをなかなか社会的に認めることが困難でしたけれども、これがないと安全神話に陥るということで、安全目標についての議論を行って、これを定めさせていただいております。

 この中では、炉心損傷頻度については一万年に一回、いわゆる格納容器の喪失については十万年に一回といったことは今までも議論されておりましたけれども、これを基本として、今回はセシウム137を一つの目安としたんですが、これの放出量が最悪の場合でも百テラベクレルを超えるような事故の発生頻度は百万年に一回程度を超えないようにするという目標を追加しております。これについては、こういったことが達成できるような性能要求をしているところでございます。

 こういったことを総合的に対処することによって、百万年に一回という目標が達成できるものと考えているところでございます。

宮下委員 こうした新規制基準を踏まえまして申請ということになるわけですけれども、その前に、破砕帯について活断層の可能性が指摘されているところについては、調査の上で、問題ないという規制委員会の見解を得ることが前提となるというふうに考えられております。

 現在、指摘の六カ所のサイトのうち三カ所において調査が行われると承知しておりますが、まず、この六カ所のサイトについてはいつまでに結論を出すという日程感、スケジュールでやっておられるのかということをひとつお聞きしたいこと。

 また、個別のサイトということでいいますと、敦賀発電所につきましては、五月二十二日、耐震設計上考慮する活断層である、こういう有識者会合の報告書を規制委員会として了承されたわけでございますが、その際、田中委員長からは、新たなデータが出れば見直しはあり得る、こう発言があったと了解しております。

 日本原子力発電株式会社による調査は今も継続して、六月末まで行われて、七月上旬に報告が取りまとめられると伺っておりますけれども、その報告が出た場合、これを踏まえた見直しの可能性があると考えてよいでしょうかという点についてもお答えをいただきたいと思います。

 また、昨日の報道によりますと、これまで活断層の調査が行われてきました大飯原発につきまして、原子力規制委員会の評価会合が、安全上重大な問題はないと運転継続を容認する報告書をまとめたということでございました。

 報告書によりますと、敷地周辺の断層評価についても確認したとされておりますけれども、大飯原発につきましては、こうした活断層に関する調査は完了して、問題がないことが確認されたということなのかどうなのか、そこら辺の事情についても田中委員長からお答えをいただければと思います。

田中政府特別補佐人 六つの敷地の破砕帯、活断層の調査でございます。

 これは、事業者の調査の進捗状況に合わせて、私どもはそれを確認させていただいているというところでございます。事業者の調査が終われば、速やかに私どもの評価を進めてまいりたいと思っております。

 現在、四つ目として、「もんじゅ」の敷地の調査を開始したところでございます。また、残りの志賀と美浜については、今事業者の方で調査を進めておりますので、その進捗を見ながら進めてまいりたいと思っています。

 それから、敦賀発電所の件でございます。

 敦賀発電所の敷地内破砕帯については、昨年十月から有識者による調査と評価を行って、現在までに得られたデータをもとに、敦賀発電所二号炉原子炉建屋直下を通っておりますD―1という破砕帯がございますが、それについては、耐震指針における耐震設計上考慮する活断層であるという取りまとめが行われまして、それを受けて、規制委員会としては、五月二十二日の委員会でこの結果を了承したところでございます。

 日本原子力発電株式会社の調査は、その後も追加調査を行っているということは承知しておりまして、その調査によって、また見直しが必要なようなデータが出てまいりましたら、それについてはきちっと見直しを図っていくという考えでおります。

 次に、大飯についてでございます。

 大飯の三、四号機は、新しい基準に照らして現状の安全の状況がどうなっているかという評価会合を四月以来行ってまいりました。

 今回、その中で行った地震動は、敷地の外に三つの活断層がありまして、その連動性についての評価を求めたというところでございます。

 ですから、先ほどの敦賀のように、いわゆる原子炉の直下にあるような活断層の調査ということ、これも昨年来優先的に調査を進めていますけれども、有識者の中での意見が少し異なっております。大飯については、敷地内の活断層については今事業者の方で調査を進めているところでありますので、その結果を待ってまた私どもとしての評価をするということで、今回の大飯の三、四号機の現状調査においては、そこを除いた形で、安全上重大な問題がないというような議論がなされているというのを私は聞いております。

 まだ正式な報告を私自身はいただいている段階ではございませんので、本日はその程度のお答えとさせていただきたいと思います。

宮下委員 今後、各電力事業者は、新規制基準に対応して準備、対応のための工事を進めた上で、設置許可の仕様変更願、工事認可、保安規定の改定について申請をして、原子力規制委員会において審査が行われるものと認識しております。

 報道によりますと、全国で四電力六サイト十二基の原発について申請が出される見通しと言われております。

 申請が出された場合、おおむね約半年かけて審査が行われるというふうにもお聞きしておりますけれども、まず、具体的な審査方法、そして、審査に約半年という時間がかかる要因についてお伺いしたいこと。また、審査体制につきましては、現在、三班八十人体制で行われると伺っておりますけれども、現在の体制で仮に十二基について申請が出された場合に半年程度で審査できるのかどうなのか、この体制面についても田中委員長にお伺いをしたいと思います。

田中政府特別補佐人 今回の審査につきましては、シビアアクシデント対策などの機器、設備面のハード、あるいは手順、手続等についてのソフト面を一体的に確認するということがございます。そんな中でも、効率的にそういった審査を進めるために、設置許可、あるいは工事計画認可、保安規定認可等の審査を可能な限り同時並行的に実施するということで時間の短縮は図っていきたいというふうに考えています。

 そうは申しましても、審査に要する期間については、これは事業者からの申請内容によるところが大きいものでございます。また、新たな規制基準ということでございまして、私どもとしても若干試行錯誤的なところもあるかと思っています。こういったことがありまして、審査期間を今ここで一概に、いついつ、どれだけかかるということを申し上げることは大変難しい状況にあります。

 ただ、ちまたによく言われていますように、六カ月程度、従来のことをいろいろ考えると、その程度はかかるのではないかということを申し上げておりますけれども、それもできるだけ短縮する方向で努力してまいりたいと思います。

 それから、審査体制、今八十人体制ということでございます。私ども規制庁、それから支援機関であります原子力安全基盤機構、JNESのスタッフを合わせて総動員して、当面、大体八十人程度の体制でスタートをしようというふうに考えております。

 今回の規制、非常に新しい要素が盛り込まれていますので、ある意味では初めての試みというところがございます。審査の進め方、あるいは審査期間については、先ほども申し上げましたように、事業者の申請内容とか対策がどの程度進んでいるかということでございます。

 この八十人体制で十分かどうかということについては、今後、どういった申請が出てくるかによって変わってくると思います。どうしてもそれで不足するようであれば、可能な限り努力して、体制を強化するという方向で取り組みたいと思いますが、今ここで、これで十分かどうかということについては、まだ申し上げられる段階ではございません。

宮下委員 今委員長からJNESという言葉も出ましたが、原子力安全基盤機構、JNESの統合についてお伺いをしたいと思います。

 JNESの統合につきましては、原子力規制委員会設置法附則第六条四項に明記されておりますけれども、残念ながら、一年たって、いまだに実現しておりません。

 NRCと原子力規制委員会、アメリカのNRCと日本を比べますと、陣容は約八分の一ということもあります。専門性を持った人材の確保、規制委員会の機能強化という意味でも、また、先ほどのお話の審査の迅速化等々にも資するのではないか、早期の統合をすべきなのではないかというふうに思うわけです。

 一方で、定数管理の面等々でなかなか難しい問題もある。例えば、六十歳以上の職員の方の処遇をどうするかといった対応も必要だというふうなお話も聞いております。それでは、具体的に、必要な法制上の措置は何なのか、現在どこまで進捗しているのかということ。

 それから、コスト面で、公務員定数がふえるという話はある一方で、JNES向けの運営費交付金は減るわけですので、トータルコストとしてはそんなに変動はないと思うわけですが、統合とコストの関係、これについても内閣官房の内閣審議官からお答えをいただければと思います。

鎌形政府参考人 原子力安全基盤機構、JNESについてのお尋ねでございます。

 まず、原子力規制委員会の機能強化や、専門的、技術的観点から審査を厳格に進める、こういう上では、科学的、技術的知見を持つ職員を擁します原子力安全基盤機構、JNESの機能、専門性を積極的に活用する、こういうことは極めて重要なことであるという認識をしております。

 その上での検討を進めておるわけでございますけれども、御質問の上で、必要な法制上の措置は何かということがございましたが、御指摘ございましたように、例えば六十歳以上の職員をどう取り扱っていくのか。職員を円滑に移管していくための措置、それに加えまして、法律に規定された業務を移管していくというような措置など、そういった法的な措置を検討することが必要だというふうに考えてございまして、原子力規制委員会と緊密に連携しながら検討を進めているところでございます。

 また、コストについてのお尋ねがございました。

 コストにつきましては、御指摘のとおり、運営費交付金という形でJNESに交付している部分がございますけれども、現時点でそのコストの増減について一概にお答えするのはなかなか難しい点はございますが、原子力安全基盤機構が現在行っている業務が統合によってなくなるということではございません。そういうことですので、これらの業務に要する経費については、トータルで見れば大きな違いはないのではないか、こういうふうに考えているところでございます。

宮下委員 ありがとうございました。

 ぜひ前向きに手続を進めていただきたいと思います。

 原子力規制委員会の許可、認可が得られた後の手続について、次にお伺いをしたいと思います。

 五月二十八日衆議院本会議におきまして、茂木経済産業大臣からは、「今後、原子力規制委員会によって安全性が確認された段階で、立地自治体等関係者の理解と協力を得るため、事業者任せにするのではなく、国も前面に出て誠実に説明していくことが必要と考えております。」と答弁をされております。

 この場合、誰がどのような形で説明を行っていくのか、経済産業大臣政務官よりお答えをいただければと思います。

佐藤(ゆ)大臣政務官 お答え申し上げます。

 原発の安全性につきましては、御承知のとおり、原子力規制委員会の専門的な判断に委ねられることになっております。安全と認められない限りは原発の再稼働はない、一方で、安全が認められた場合には、その判断を尊重いたしまして、再稼働を進めていくということになっております。

 その際に、立地自治体を初めとしました関係者の方々の御理解と御協力を得るために、国としましても、事業者任せにいたしませんで、しっかりと最大限取り組んでいく考えでございます。

 実は、これまでも、国といたしまして、立地自治体、立地地域を初めといたしますさまざまな関係者の皆様方と、さまざまな機会を捉えまして、政務、事務のさまざまな次元で、原子力規制委員会によって安全性が確認された段階において再稼働に向けた御理解を得るために対話をしておりますけれども、こういった対話というものをこれからも全面的にやって、誠実に対応してまいりたいというふうに考えております。

宮下委員 次に、災害対応について御質問させていただきたいと思います。

 二〇一二年に施行されました原子力災害対策特別措置法の改正によりまして、地方公共団体は、原子力災害予防対策、緊急事態応急対策及び原子力災害事後対策の実施のために必要な措置を講ずること等が規定されており、防災基本計画原子力災害対策編を策定することが義務づけられました。

 この法律に基づきまして、各主体の行動計画として、国は原子力災害対策マニュアル、自治体は地域防災計画、事業者は原子力事業者防災業務計画、これを策定することとされておりますけれども、実際に関係自治体、また事業者の皆さんの計画は既に整備されているのかどうなのか、その実態をまずお伺いをしたいこと。

 また、国におきましては、南海トラフ地震のように広域的な大災害によりまして、余り考えたくはありませんけれども、例えば複数の原発が被災を受けるということもあるかもしれない、こうしたことを想定しますと、アメリカを初めとする海外の国々との協力体制の構築も必要なのではないかというふうに考えますけれども、こうしたことを平時に考える司令塔としては原子力防災会議がございます。この原子力防災会議における取り組み状況はどうなのか、原子力規制庁よりお答えをいただきたいと思います。

黒木政府参考人 お答えいたします。

 自治体における地域防災計画の策定の状況は、ほとんどの道府県におきまして改定済みでございます。市町村の地域防災計画の策定状況につきましては、先月末時点において、対象となる百三十六市町村のうち、百七市町村、七九%は策定済み、二十九市町村、二一%が六月以降の策定を予定しております。引き続き、地域の原子力防災対策の充実強化が図られるよう、国としても自治体への支援を実施してまいる所存でございます。

 次に、事業者防災計画でございます。事業者防災計画は、全事業所において、十八カ所でございますけれども、既に策定され、規制庁に届け出済みでございます。

 それから、大規模な原子力災害を想定し、海外の国々との協力体制という御質問でございますけれども、東京電力の原子力発電所の事故の教訓を踏まえまして、大規模な災害が発生した場合の海外との協力体制についても見直しを図ったところでございます。

 具体的には、昨年九月に国の防災基本計画を改定いたしまして、事前に海外からの支援の受け入れ手続等を明確化しておくこと、緊急時には、政府の原子力災害対策本部が中心となって、海外からの支援の受け入れ活動について、関係省庁それから地方公共団体との調整を行うこと、外国からのモニタリング情報が提供された場合は速やかに公表すること等を明記したところでございます。

 また、こうした海外との協力活動を円滑に進めるため、昨年十月には原子力防災会議におきまして、緊急時の具体的な対応手続等について定めた原子力災害対策マニュアルを策定したところでございます。

 今後とも、必要に応じまして見直しを図り、より実効性を高めた体制を整備してまいる所存でございます。

 以上でございます。

宮下委員 御答弁ありがとうございました。

 今回の新規制基準、今までの基準を超えてさまざまなことも想定し、そして事業者の皆さんも対応し、また、国、地方自治体、そして事業者の皆さんも防災に対する備えを万全にして臨むということかと思います。

 ぜひ、透明性のある手続を進めていただきまして、安全性をきちっと確保しながら、再稼働に向けた手続も粛々と進めていただきたいことを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。

 本日はありがとうございました。

森委員長 次に、伊佐進一君。

伊佐委員 おはようございます。公明党の伊佐進一でございます。

 私がきょう質問させていただきたいのは、原子力のごみの問題、高レベル放射性廃棄物を今後どうしていくかという質問ですが、その前に一点だけ。

 先ほど宮下委員の方からも質問がありました新基準についてですが、七月八日から施行されると伺っております。いよいよ審査が始まってまいるわけですが、この審査に当たる方々、三チームの方々が恐らく連携をうまくとられて物事を進めていかれると思っております。せっかく世界最高水準という形でつくっていただいたわけですから、ぜひ、しっかりとこの基準が守られるように、しっかりと厳しく審査をしていただきたいと思っております。

 また、もう一言申し上げますと、審査を迅速に行っていただきたいと思っております。規制委員会の審査がおくれることによって、そのツケが消費者の皆さんに回るようなことはあってはならないと思っております。つまり、審査がおくれてしまうことによって、例えばこれが電気料金に転嫁されてしまうとか、そういうことはあってはいけないと思っております。

 そういった意味でも、ぜひ、この安全基準については、しっかりと安全性の機能あるいは基準というものを緩めることなく、しかし同時に、スピード感を持って対応していただきたいと思います。その決意について、委員長にお伺いしたいと思います。

田中政府特別補佐人 御指摘のように、今回の新規制基準はこれまでにない大変新しい要素が含まれておりますので、その審査はなかなか困難なところもございます。ただし、そういったことを踏まえまして、私ども、可能な限りの能力を集中しまして、できるだけ速やかに審査を進めてまいりたいと思っています。

 具体的には、先ほど申し上げましたように、今八十名という人員を投入するということでございますけれども、さらに、その周りにできるだけ専門知識を持った方々の御協力、例えばJNESにもそういった方、そのほかにもございますので、そういった方々も十分に活用して、事業者からの申請については可能な限り速やかに対応してまいりたいと思っているところでございます。

伊佐委員 ありがとうございます。

 安全性をしっかりと守るということと、そしてまた迅速性が要求される、非常に困難な仕事であると思います。ぜひ御努力いただければと思っております。

 さて、我々が原子力と向き合うときに、私は、大きな問題は二つだと思っています。

 そのうちの一つが安全性です。

 この安全性については、新安全基準、新規制基準がまさしくそれに当たるわけですが、最善の努力を積み重ねながら、できるだけ安全性を合理的な方法で高みに引き上げていくということが重要であろうと思います。

 これは原子力に限らずに、そもそも科学技術というものは功と罪があって、その罪の部分、つまりリスクの部分をいかにコントロールするか、いかにマネジメントをしていくかということが重要であろう、そしてまた、万一何か事故が起こった場合には、その被害を最小のものとして食いとめていく、こういう体制がきちっととれるかどうか、これが新安全基準であると私は思っております。

 もう一点の大きな問題、恐らく最大の問題になるであろうと思いますのが、冒頭申し上げましたごみの問題です。

 放射性廃棄物をどうするかということについて、世界じゅう、今どの国も結論を出せないでいる、まさしく人類が直面している課題であると思います。これがまさしく、原子力というのはトイレがないマンションと言われている一つの原因であろうと思います。

 まずお伺いしたいのは、我が国の原子力発電所においてこれまでつくられた使用済み核燃料について、国内での今の蓄積状況についてお伺いしたいと思います。

糟谷政府参考人 国内では、放射性廃棄物は今一万七千トンございます。二〇一三年三月末時点のウラン重量換算の量でございます。このうち、約一万四千トンが全国の発電所のサイト内にございます。また、約二千九百トン、これは青森県の六ケ所の再処理工場に貯蔵されております。

伊佐委員 ありがとうございます。

 今、一万七千トンということで、そのうちの三千トンが再処理工場ですが、再処理工場はそもそも三千トンがキャパシティーですので、もういっぱいいっぱいになっているという状況です。原子力発電所内に据え置かれている部分も一万四千トン、これはキャパが二万トンですから、恐らく早晩超えてしまうだろう。今、青森県のむつには中間貯蔵施設というものをつくっておりますが、これもキャパシティーは五千トンですので、結局、再稼働がこれからもし始まっていくとすれば、恐らく十年たつといっぱいいっぱいになってしまう、こういう状況です。

 では、この高レベル放射性廃棄物をどう処分していくかということで、本日は、再処理技術も含めてどういった技術の可能性があるか、また、それぞれ事実関係、ここでこうすべきだという是非を議論するわけではなくて、事実関係について一つずつ確認をしていきたいと思います。

 まず、再処理の技術です。

 この再処理の技術というのは、御案内のとおり、できた使用済み燃料からウランとプルトニウムを抽出する、ウランとプルトニウムを抽出したものをもう一回MOX燃料として使いましょうという、いわゆるリサイクルなわけです。このリサイクルによってごみを減容することができる、減らすことができると言われています。

 特に言われていますのが、直接処分、そのまま埋めてしまうのに比べて、再処理をすると四分の一になりますよ、あるいは高速炉を使えば七分の一になりますよと言われておりますが、この意味について解説いただければと思います。

糟谷政府参考人 まず、再処理でございますけれども、これは、使用済み燃料から軽水炉で利用できるプルトニウムやウラン等を取り出して、軽水炉で有効利用するということでございます。使用済み燃料の中からプルトニウム、ウランを取り出すことによって、最終的に処分をしなければいけない高レベル放射性廃棄物の量を減らすことができるということであります。

 具体的には、日本原子力研究開発機構の試算によりますと、直接処分の場合には、使用済み燃料一トン当たり約五立米の高レベル放射性廃棄物が発生するのに対しまして、再処理を行った場合には、その体積は約一・一立米ということでありまして、直接処分の場合と比べて四分の一以下に減容することになります。ただ、TRU廃棄物というのがこれと別に生じますけれども、地層処分相当のものは約四分の一になるというものでございます。

 それから、高速炉ができますと、高速炉の熱効率が四二から四三%で、現行の軽水炉の三四から三五%よりも高いわけでありますので、発電電力量当たりの高レベル放射性廃棄物が少なくなるのに加えて、絶対量といたしましても、これまで高レベル放射性廃棄物として処分しなければならないマイナーアクチニドという物質、これはアメリシウムとかネプツニウムといった元素でありますけれども、これについても燃料として利用することができるということでありまして、これによって発電電力量当たりの体積が直接処分の場合と比べて約七分の一に減容するということでございます。

伊佐委員 ありがとうございます。

 先ほどおっしゃっていただいたとおり、これは単位量当たりの発電において出るごみが一から四分の一になるという意味なんですね。つまり、もともとあるごみが減っていくということでは当然ないわけです。

 発電をするに当たって、一回そのまま捨てると一が出てきます。ところが、再処理の段階でウランとプルトニウムを取ります。これは再利用するわけですが、そこでどうしても使えなくなってしまったごみ、これをガラス固化体として捨てるわけです。このガラス固化体が一と比べれば四分の一ですという意味であって、この再利用したもの、MOX燃料をもう一回使うと、当然また一が出てくるというような話、つまり、ごみが減っていくわけじゃなくて、ごみの出る速度が遅くなりますよということだろうと思います。

 さらに申し上げると、今の六ケ所の再処理施設というのは、これは一回だけ再処理をするという想定でつくっているわけです。つまり、一回出たごみを再処理して、ガラス固化体で四分の一吐き出して、これをもう一回燃料として使う、それを燃やしたMOX燃料をもう一回リサイクルできるかといえば、実は六ケ所はその想定になっていないわけです。そうすると、それは今の状況であるとそのまま捨てざるを得ない。結局は、一と四分の一があわせて出てくるという状況だろうと思います。

 だから、大事なことは、このプルサーマル、つまり、再利用をもう一回できる、出てきたMOX燃料をさらにもう一回再処理してまた燃料として使える、また出てきたごみをまた使える、こういう施設がないと、結局、四分の一というのは成立しない数字なんです。だからこそ、やるとすればもう一つ再処理工場をしっかりとつくって徹底的にプルサーマルをやるか、あるいはもう最初から直接処分をするか、このどっちかであろうと思います。

 同じ観点からもう一つ質問させていただくと、再処理による有害度の減衰というものです。

 これは、よく政府の方がおっしゃるのは、再処理をすると有害度が十万年から八千年に減衰されますよと言われます。この意味について、簡単に解説願います。

中野政府参考人 高レベル放射性廃棄物の有害度を示す指標でございますけれども、まず、含まれます全ての放射性物質ごとに定められた年間摂取限度の何倍に相当するかという数値を出しまして、それらを全て足し上げた数値が有害度となっております。ですから、一般的に、この有害度は時間とともに減衰いたします。

 使用済みウラン燃料を直接処分する場合と再処理した場合について廃棄物の有害度を比較いたしますと、再処理により半減期の長いウランやプルトニウムが抽出され取り除かれることになりますので、再処理した場合の方がより早く有害度が減衰するということになります。

 具体的な例といたしまして、廃棄物の有害度が天然ウランと同じレベルまで減衰する時間を計算いたしますと、直接処分の場合は約十万年、再処理を行った場合は約八千年になるということでございます。

伊佐委員 ありがとうございます。

 おっしゃっていただいたとおりでして、出てきたごみ、ウラン、プルトニウムは十万年ですから、この十万年分は再利用する、プルサーマルの輪に閉じ込める。それで、この十万年と八千年を分けて、八千年の部分はごみになるわけですから、だから有害度が減衰されましたという理屈であろうと思います。

 つまり、この前提条件として、十万年のウラン、プルトニウムはずっとプルサーマルの輪に閉じ込めることができるという前提で、この八千年という数字があるのであろうと思っております。

 そういう意味では、先ほど申し上げたとおり、これは再処理を一回だけして、つまり、六ケ所の再処理工場で一回だけ再処理をして、そのまま終わってしまうと、結局は有害度は減衰しないということになると思います。そういった意味では、先ほど申し上げたとおり、プルサーマルを徹底してやるか、あるいは再処理というものはもう最初からしないということが、この有害度の観点から言えるんじゃないかと思います。

 さらに申し上げれば、今度は再処理技術とは違う技術についてお話をさせていただきたい、質問させていただきたいと思います。

 加速器駆動核変換システム、いわゆるADSと言われるシステム、これは何かといいますと、今ある核廃棄物、ここに中性子をぶつけます。中性子をぶつけることによって、この中にある半減期の長い、いわゆる長寿命の核種、ここを変換してしまう、十万年かかるものを数百年ぐらいの半減期の短いものに変換してしまうという技術です。その過程でエネルギーも発生しますので、これもまた電力で使えるんじゃないか。つまり、ごみも減って、エネルギーもつくることができるという技術です。

 このADSについて、今、その技術的要素についてはさまざまなところで基礎研究が行われているところだと思いますが、この実現可能性を含めた評価についてお伺いしたいと思います。

中野政府参考人 高レベル放射性廃棄物の処分に当たりまして、半減期が長く、管理の難しい放射性物質を半減期の短い放射性物質に変換する核変換技術の実用化が可能であれば、また意義があるものと認識しております。

 加速器を用いました核変換技術の研究開発におきましても安全の確保が大前提ということは言うまでもございませんが、本技術につきましては、二〇〇九年四月に原子力委員会が取りまとめた報告書におきまして、高速増殖炉サイクルによる技術が所定の性能目標を満足することができないと判断されたときには、開発対象として採用が検討される可能性があるとしております。一方、技術的な課題も多いため、おおむね五年ごとに、基礎データの充足や、研究の進展等についての状況を評価することが適当とされております。

 加速器を用いました核変換技術についての改めての技術的な観点での評価などの対応を、関係省庁との協力のもとで検討してまいりたいと考えております。

伊佐委員 ありがとうございます。

 五年ごととおっしゃっていただきましたので、恐らく来年またこの技術について再評価されることになろうと思いますが、今御答弁いただいたとおり、これはセカンドベストというか、二番目の手として考えられている技術なわけなんです。

 ただ、ポイントがありまして、この技術というのは実は再処理技術と同じなんです。

 なぜかというと、そもそも再処理によって出てきたごみからウランとプルトニウムというものは除外して、十万年は除外してしまうと、残り八千年の有害度のあるガラス固化体が出てくるわけですが、ADSの技術というのは、この八千年のごみの中にある長寿命の核種、さっき言っていただいたマイナーアクチニドに中性子をどんどんぶつけていって、そこでエネルギーを生んで、これを消滅させてしまおうと。つまり、八千年のごみのものが、三百年、数百年ぐらいに減りますよというのがこのADSの技術です。

 つまり、ウランとプルトニウム、十万年についてはプルサーマルの中に閉じ込められていますよというのが、これもまた前提なんです。これができないと、別に十万年が残ってしまう。いつか、プルサーマルの輪を切った、再処理をやめた瞬間に、この十万年がごみとして出てきてしまうわけです。そういう意味では、ADSも実は同じ前提のもとに立っているということを申し上げたいと思います。

 時間もなくなってまいりましたので、最後にもう一つの技術についてですが、トリウム溶融塩炉と言われるものです。

 これは何かというと、先ほど申し上げたプルサーマルの輪の中からプルトニウムを消し去ってしまおうという技術です。もしプルサーマルがなくなって、残りがウランだけになりますと、ウランは当然自然界に存在するものですから、濃縮度の違いはあるにしても、扱いが大分違ってくるということになります。

 このトリウム溶融塩炉というものは、溶融塩というだけあって、実はこれは燃料が液体です。燃料が液体で、トリウムを使うんですが、トリウムというのは実はレアアースをとったときの副産物で、今どんどんたまっていっています。これは放射性物質ですから、今扱いに困っています。これが使えるということになります。

 これは液体と申し上げました。そもそも液体ですから、メルトダウンがないわけです。もともと溶けた状態の液体で炉が設計をされております。この炉も、例えば圧力容器の中ですと、今の軽水炉、沸騰水型だと大体七十気圧と言われています。加圧水型だと百五十気圧。ところが、このトリウム溶融塩炉というのは一気圧です。つまり、常圧と一緒なんです。こういうような技術がある。

 燃料交換も、そもそも軽水炉がなぜ燃料交換をしなければいけないかといいますと、それは、燃料を覆っている被覆管のところが、放射線、中性子がどんどん当たることによって劣化していく、ぼろぼろになっていく、だから三十年で交換と言われているわけです。ところが、これは液体ですから、そのままどんどんひたすら燃やし続けることができる。プルトニウムがなくなるまで燃やし続けることができるという技術です。

 実は、このトリウム溶融塩炉は、先月の五月九日に原子力委員会においてヒアリングを行っております。ヒアリングを行った原子力委員会の溶融塩炉に対する評価についてお伺いしたいと思います。

中野政府参考人 原子力委員会におきましては、トリウム溶融塩炉を含めたトリウム利用につきましては、実用化に向けた研究開発段階のものと認識しております。現在、各研究機関、大学機関において研究開発が進められているところでございます。

 お話がありましたとおり、五月九日の原子力委員会定例会におきまして、トリウム溶融塩国際フォーラムから開発の状況について説明を受けておりまして、原子力委員会としては、今後とも引き続き、実用化に向けました研究開発の進捗状況を注視してまいりたいと考えているところでございます。

伊佐委員 ありがとうございました。

 このトリウム溶融塩炉というのは、実は一九五〇年代から研究が始まっておりまして、一九六五年にアメリカで最初の実験炉が完成して、四年間にわたって稼働してまいりました。その後、さまざまな経緯があって、きょうは時間がないので申し上げませんが、今の軽水炉の形というものを世界が追求するということになりました。もう一つのオプションとして、実は昔、検討されていた原子炉でありました。

 きょう、さまざまな技術について質問させていただきましたが、何を申し上げたかったかといいますと、今、原発のごみの問題、再処理の問題も含めてさまざまな技術を紹介させていただきましたが、いずれにしても、これまで日本が蓄積してきた核物理学の知見であったりとか技術であったりとか人材であったりとか、こうしたものを、たとえ日本がどの方向にかじを切ったとしても無駄にしちゃいけないということなんです。

 ノーベル賞についても、これまで日本が多くのノーベル賞受賞者を生み出してきたのは核物理学の分野でした。湯川秀樹先生に始まって、核物理学の分野で日本は最先端を走ってきて、これまで技術の蓄積を行ってきました。だから、もし、技術の蓄積あるいは人材、こうしたものを無駄にせずに、人類が直面しているこういった課題に活用することができれば、貢献することができれば、非常に大きな意味があるだろうと思います。今のこの人材蓄積が、単に除染とかあるいは廃炉だけに焦点を当てて活用されるのではなくて、もっと広い観点から日本の原子力人材というものを活用していくべきだと思っております。

 そうした意味で、我々政策に携わる者、あるいは技術者の方々にもぜひ御協力をいただきながら、日本の未来というものを切り開いてまいりたいと思っております。

 以上で質問を終わります。ありがとうございました。

森委員長 次に、篠原孝君。

篠原委員 おはようございます。

 前回に続きまして二度目の質問の機会を与えていただきまして、ありがとうございます。お手元に資料をお配りしますので、これを見ながら聞いていただきたいと思います。

 まず冒頭ですけれども、私は、原子力規制委員会は非常にいい働きをされているんじゃないかと思います。

 この一カ月ばかりの間にいろいろなことがたくさんあり過ぎるぐらいあるわけで、原発関係については、新聞紙上に載らないことがないぐらいに、しょっちゅういろいろなことが載っています。

 まず、問題の、日本原子力研究開発機構の高速増殖炉原型炉「もんじゅ」が、一万個近い機器の点検をちゃんとしていなかった。それで、五月十五日に「もんじゅ」の運転禁止を命じることを決められました。そのとき田中委員長は、安全性向上への意欲、基本的認識を欠いていると厳しく指摘されています。普通の人たちから見ると、もう継続していくのは難しいという、これを規制委員会が断を下した。

 それから五月二十二日には、日本原子力発電の敦賀二号機の直下に活断層があると正式に認定した。この正式の認定というのは重要な意味がありまして、廃炉に向かうことが確定したんじゃないかと思います。日本で初めてきちんと廃炉に向かうことを宣言した。ノーと言った。原電は見苦しい厳重抗議とかいうのをしていますけれども、私はこんなことはあってはならないことだと思います。

 行政改革で第三者委員会とか新しい組織とかいろいろつくってきていますけれども、私は正直言って、日本にはそういう組織というのは余り合わないと思っているんです。変なふうにするだけであって、二重三重になってうまくいっていない。

 それに対してこの規制委員会は、私は、国民は非常によくやっていると見ているんじゃないかと思います。私も、批判的にというか、うまくいくのかなということで見ていましたけれども、今までの働き、大したものだと思います。今度は新しい規制基準をきちんとつくられたということで、一歩一歩前進しているのではないかと思います。

 しかし、やはり質問をしなければならないことがたくさんあります。根源的なことでございます。

 まず最初に、アメリカでは、スリーマイル島の事件の後、三十四年間新しい原発は一基もつくられていない。つくってもいいよというふうになったけれども、つくられていない。

 なぜかというと、ここは後から申し上げますけれども、いろいろ事情があると思います。しかし、その事情の一つとして、使用済み核燃料の処理のめどを立てなければ実質的に無理だと。オバマ大統領は、ユッカマウンテンのところの最終処分処理場、フィンランドのオンカロと同じように地下に埋めるというのにノーサインを出して進まなくなった。こういった根源的なのがあるわけです。

 日本は、今度の基準なんかには、それは国全体で考えるということで入っていないわけですが、この点についてはどういうふうな整理になっているんでしょうか。経済産業省からお伺いしたいと思います。

平大臣政務官 委員の御質問は、日本で使用済み核燃料の処分のめどが立っていない、それが問題ではないかということだろうというふうに思います。

 今議員が御指摘されたように、米国では、使用済み核燃料の処理のめどがなければ原発の新設が認められないという認識をしております。

 日本における最終処分事業については、処分制度を創設して以降十年以上たった現在も、処分地選定調査に着手ができていないという現状にございます。

 これまで立地選定が進んでいない背景には、まず第一としては、安全性ばかりを強調し、国民の不安に真摯に向き合ってこなかった、第二としては、応募プロセスが地元の発意が前提のため、地元が負う説明責任、負担が重いことなどの問題があったと考えております。

 このような反省に立ちまして、五月より、総合資源エネルギー調査会のもとで、最終処分の取り組みの見直しに向けた検討を開始をしたところでございます。

 この問題の解決に向けて国がより前面に立って取り組むべく、国民の理解の醸成や地元の負担の軽減に資する取り組みの制度等について、必要な見直しをしていきたいと考えております。

篠原委員 この問題は規制庁、規制委員会の問題ではなくて、資源エネルギー庁、経産省がきちんと考えなければいけない問題だと思いますので、きちっとやっていただきたいと思います。

 田中委員長にお伺いしたいと思います。

 委員長は、「もんじゅ」の関係について非常にいい言葉を使われたんじゃないかと思います。日本原子力研究開発機構は安全文化が劣化していると。組織的な問題だと思う。組織的に問題があるから、運転再開準備なんてしちゃいけないという停止命令を出されました。これは非常に大事なことじゃないかと思います。

 今度の基準、技術的なこと、施設のハード面とか、そういうのは専門家の皆さんがみんなちゃんとやっておられるんだろうと思いますけれども、大事なこととして、電力会社それぞれに体質があると思います。露骨な言葉で言いますと、隠蔽体質とかとよく言われます。隠そうとする、報告を遅くしたりする、ちょろまかそうとする。やはりこれは経営管理体制の問題だし、その企業の持っている文化の問題だと思うんです。

 こういうのを文章にして客観的な基準というのは難しいわけですけれども、委員長は非常に正直そうに見える、私はうそばっかりつくように見えるとか、そういうのは基準がわかりませんから、こういったソフト面のところも基準に入っていてもいいような気がするんですけれども、判断にこれから入るんでしょうか、入っていないんでしょうか。

田中政府特別補佐人 原子力規制委員会としましては、原子炉規制法に基づいて、いわゆる事業者に安全文化の絶え間ない向上に向けた取り組みを求めております。ですから、そういった観点から評価しまして、必要な場合には改善を求めていくこととしております。

 申すまでもありませんけれども、安全のための一義的な責任は事業者が負っているというのが国際的にも共通の考え方でございます。事業者には、今回定めた基準をクリアするということは当然でありまして、これはもう最低の基準であるということを申し上げております。この要求基準を超えて、一層の安全向上を図るということに絶えず取り組んでいただきたいということでございます。

 具体的な方法としましては、こういった事業者の自主的な努力、どこにどういったところの問題があるか、ソフト面も含めまして原子炉の安全性を総合的に評価して届けを出させてそれを評価していくというシステムを、この十二月から導入することで今準備を進めているところでございます。

篠原委員 この質問というか指摘についてはもうお答えいただかなくてもいいようなことかもしれませんけれども、この委員会の発足のもとになっております国会事故調の報告でこの点が指摘されているわけです。

 正確な言葉ではないですけれども、地震でおかしくなったというのじゃないんだ、その前に、経産省、資源エネルギー庁、原子力保安院、それから東電の経営陣等が、いろいろな指摘があった、地震が起こるよ、貞観地震、こういうのが起きたらどうするのというようなこと、これが典型的な例ですけれども、対策をきちんとやれというのに対して、そんなものはやらなくたっていいんだというそういうのが事故につながったんだ、こういう取り組み姿勢が問題なんだということを指摘されているわけですね。

 ですから、私は、こういった取り組み姿勢についてもきちんと、ハード面のところはもちろんですけれども、ソフト面のところもやっていかなければいけないんじゃないかと思っております。このことをちゃんと念頭に置いていただきたいと思います。

 それから次に、企業体質の一つとして、この前もちょっと触れましたけれども、どうも日本は、本当に知識を持ったプロ、その人たちに運営を任せるというそういったことになっていなくて、ちょこちょこ言ってしまうと、誰でもいいやということで、そんなに訓練されていない従業員、社員、最近の言葉でいえば非正規雇用者、そういった者に任せてしまうということがあり過ぎるんじゃないかと思うんです。こういったことは数字にあらわれるわけですから、あなたの会社にはどれだけちゃんとした人がいるのということ。

 例えば、博士で仕事するわけじゃないですけれども、森委員長は工学博士です。珍しいんです、理科系の博士が議員の中におられるというのは。

 やはり、そういう高度な知識を持った人がきちんと何人もいて、そして実地でやる。だけれども、それはヘッドクオーターというか幹部にそういう人がいればいいのであって、現場は要らないんだみたいな感じが日本には私はあり過ぎるんじゃないかと思うんです。現場でもきちんとした人が常にいて、例えばベントの仕方もわからなかった、これは訓練の問題ですけれども。人員配置とかいうのは客観的な数字で出てくるわけですよ。

 これは規制の基準に入っておるんですか。これでは人が少な過ぎるぞ、専門家はちゃんといるのかというのは、これは入っておりますでしょうか。田中委員長にお伺いしたいと思います。

田中政府特別補佐人 電力会社に対しては、原子炉等規制法に基づいて、下請かどうかということにかかわらず、保安活動を実施する者に対する必要な教育及び訓練の体系を保安規定で定めることを求め、これを着実に実施しているかどうかということも、保安検査等を通して確認しているところでございます。

 今先生御指摘のように、事故を防ぐ一番大事なことは現場の人間の能力ということは私どもも共通の認識を持っておりますので、こういったことにつきましては、今後も引き続き、私どもとしても注意深くそれを監視していきたいというふうに思っております。

篠原委員 今、お答えの中に客観的な数字とか出てきませんでしたけれども、私、一年ちょっと前の環境委員会で質問したことがあるんです。二度目になるので、この委員会と全く別なので資料を出してもよかったんですが、出しませんでしたけれども、ちょっと読み上げさせていただきます。

 「各国の原子力関連従事者数」というものです。いろいろなやり方で、日本では原子力産業協会がつくり、アメリカでは労働省の統計とか、みんなちょっと出方はまちまちで、基準も違っちゃうので難しいんですけれども、それで、きちんと出ない。電力会社が責任を持ってやっているところもあれば、メーカーが持っていて分業になっているところもありますのでいろいろあるんですが、比べてみると、アメリカが一番少ないんです、よくわかりませんけれども。一基当たりの従事者数が三百八人、日本は八百五十五人、フランスは千二百九十三人、イギリスは二千三百十六人、ロシアは物すごく多いんです、九千七百十八人。

 この前もちょっと申し上げましたけれども、原発事故が起こったときにいろいろなことを言われた。アメリカで起きたとき、ソ連はどう言ったか。ああ、アメリカは効率一点張りで、経済効率、経済効率ということで、原発の従業員も過酷労働させられている。長時間労働、そして人数が少ない、だからああいう資本主義の国ではああいう事故が起こるんだと言ってソ連はばかにしている。今度はソ連で、ウクライナで、チェルノブイリで起こったときには、いや、ソ連というのは怠惰な国で、人数は多いけれどもだらだらしている、そしてきちんとやらない、無責任体制がはびこっているから事故が起きた。

 そして、問題の日本です。日本で起きたとき、ハイテク国、技術大国日本、そしてきちんとした国民の日本、そこでもこの事故は防げなかったということでドイツは真っ青になり、メルケル首相は、全ての原発を廃炉にしていくということを四カ月で決めたんです。

 しかし落とし穴があって、日本人がきちんとしてきちんと管理しているというのは、それは幻想、うその部分もあるんじゃないかと思う。そこがこの雇用者の問題なんです。

 下請が、一次、二次といったら、それどころじゃない、五次下請まであると。そして、そんなことをしているので、途中に暴力団が関与して、ピンはねも行われている。今、いっぱい福島に仕事があるというので、全国から集まってきている。集まってきている労働者、そこの作業員のところに暴力団もくっついていって、福島が暴力団の重要な資金源になっている。これは恥だと思います。だから、現場ではこれを排除するような協議会ができたりする。だけれども、悪いにおいはもとから断たなければいけない。人数をけちっているんです。

 僕は、こんな安全が大事なのは、きちんとした人たちにきちんと管理していただきたいです。それが電力コストに反映しても仕方ないと思います。そうすると原発は高くなる、高くなったら競争原理でやめていかなくちゃいけないというふうになるんだろうと思うんです。

 それからついでに申し上げますと、あの経済効率一点張りのアメリカで何で三十四年も原発がつくられなかったかというと、冷徹な経済原理が働いているからですよ。政府も援助しない、損だ、ほかの発電源の方が安上がりだ、だからつくられなかったんだと思うんです。

 ドイツの緑の党なんて、どこかの文書に書いてあるんですが、原発コストは高くなった方がいいんだ、そうするとみんな気がついてやめると昔から言っていました。そのとおりのことが行われているんじゃないかと思う。

 日本は、下手にバックアップしたりするから原発に固執する。純粋に競争させたら、それが例えば水力発電なんて簡単です。事故といったってそんな大したことは起きませんし、人数は少なくて済むんです。初動的経費だけで済む。原発は違うんです。そこのところを手を抜いて、安い安いと言っているのが問題だと思うんです。

 東京電力からも来ていただいておりますので、今私が申し上げた、全国平均で八百五十五人、これはメーカーの分と電力会社の分を足して、電力会社だけでは二百二十五人とかいうふうになっているわけですけれども、僕はよくわからないので。東電では、第一原発、第二原発、一基当たりにしましたけれども、第一が六基、第二が四基、それから柏崎刈羽は七基。それは効率よくなりますよ、七つも一緒にやっていれば。これは本当は危ないんですけれども。

 一体、どのぐらいずつ人が働いているというふうに把握されておりますでしょうか。実態はどうなっておりますでしょうか。

相澤参考人 御質問にお答えいたします。

 まず、今いろいろ話題になりました福島第一原子力発電所の状況を申し上げますと、現在まで大体一カ月の間に放射線業務に従事した作業員というのは六千二百人ぐらいであります。そのうち五千二百人の方が協力企業の作業員の方、約千人が東京電力の社員でございます。

 そのほか、柏崎刈羽のお話が出ていましたけれども、大体一基当たりという表現で申し上げますと、柏崎刈羽原子力発電所の場合は、社員が大体一基当たり百七十人ぐらいになります。

 大変申しわけございません。協力会社あるいは関連企業の方の人数がどのぐらいかと、今手元に持ってまいりませんでしたが、大体三倍から五倍ぐらいの方が働いているというのが大体のところであります。

 以上であります。

篠原委員 今、お答えいただきました。皆さんおわかりいただいていると思いますが、協力会社というのは下請ということになるんだろうと思います。原発は総合産業ですから、一社だけで全部賄うというのは大変かと思うんですけれども、福島第一原発で、東電の社員は千人、そして協力会社が五千二百人。柏崎刈羽で、一基当たりにすると東電社員は百七十人、そして協力会社はその三倍から五倍、そうですね、さっき、千人の東電社員に対して五千二百人ですから、一基にしたって同じです、五倍の協力社員。

 私は、こういう体制をしいている国はないんじゃないかと思うんです。国会議員にパート国会議員はいますか。いないですよね。パートとかアウトソーシングとか、そういうことを余りすべきじゃないと思うんです。それはなぜかというと、次の問題です。

 これは田中委員長にお伺いしますけれども、私は、この間、福島原発に吉野委員長のお取り計らいで初めて足を踏み入れました。その前に、浜岡原発に民主党の原発のプロジェクトチームで行ったんです、静岡県に。

 ところが、私は見ずに帰ってきたんです。どうしてかというと、うちの秘書が電話をかけて、いいことになっていたんです。ここに持っています私の身分証明書、写真入りの身分証明書が必要ですから、国会議員の、衆議院の身分証明書でいいんですかと言ったら、オーケーだったんです。ところが、マイクロバスに乗ったら、だめです、篠原議員は入れるわけにはいきませんと。

 何でか知りませんけれども、パスポートか住民基本台帳の何とか、保険証、この三つ以外は一切認められません。みんなは、一緒に来たのでそんな怪しい者じゃないからと、日ごろの行いがいいので当然同僚議員も、そんなばかなと。そうしたら、書類をこれだけ渡されて、これから浜岡原発に着くまでにこの書類をみんな埋めてくださいと言う。僕は精神的な苦痛には強いんですが、バスには弱くて酔っちゃうんですよ。酔ってげろを吐いちゃうと、とてもじゃない、そんなのはやっていられないというので、おろしてもらって、行きませんでした。ものすごく厳しいセキュリティーで、僕はそれはそれでいいと思います、安全を維持するためには。

 しかし、一般の作業員、従業員、先ほど申し上げました、その辺でかき集めてなんて言っちゃ悪いですけれども、誰でもおいでくださいでないとやっていられないから、いろいろな人が来ていると思います。その人物チェックだとかどうしているんでしょう、核セキュリティーの問題。

 まず、こういうことは日本では、例えば中東のテロリストというのは顔つきが違いますからわかりますけれども、だけれども、北朝鮮の人だったら日本人と同じ顔で、日本語も勉強してきている。わからないわけですよ。どうしているんでしょうか。そういうことをちゃんとやっているか。だから人の問題なんですよ。

 こういうことは規制基準の中に入っていますでしょうか。

田中政府特別補佐人 いわゆる核セキュリティーに関することかと思いますけれども、原子力発電所に立ち入る者については、事業者が身分証明書等を使って確認して、本人であることをきちっと確認するということで厳格な出入り管理を行っているというふうに了解しています。

 そういう基準の中で先生が浜岡に入れなかったというのは、そういうのが少ししゃくし定規にいったのかなという感じもしますけれども、これも、厳格に適用した結果だというふうに思うところでございます。

 いわゆるIAEAの勧告でも、こういった個人の信頼性確認制度については、主要国においてもきちっと同様のことが行われておりますけれども、今後とも、今の世界の情勢から考えますと、なおさらこういった個人の信頼性確認制度については、よりきちっと制度を求めていきたいというふうに思っています。

篠原委員 僕は自分が入れてもらえなかったから頭にきているというのは多少ありますけれども、そこは抑えて、厳しくやるんだったら、ちゃんとやってください。

 福島第一原発に行ったときも、放射能がいっぱいくっついているかどうかというので、いろいろ着たり、それから、出入りするときに何回もチェックを受けるわけです。いいことだと思う、放射能を浴びているから、服についているから。車なんかも相当待たされます。しかし、問題の、作業員の人物のチェック、放射能のチェックだけ厳しくして人のチェックというのは余りしていないんじゃないかと思う。

 先ほど、五倍の協力会社の人たちが携わっていると。原発の収束作業やなんかがその典型だと思います。僕は、外で除染作業をする人たちはそんなにああだこうだ言わなくたっていいと思いますけれども、原発の敷地内に入って作業する人なんというのは、徹底的にきちんと人物チェックしてやらなくちゃいけないような気がするんです。放射能がついているかついていないか、どこがどうだ、それの服でそのまま出てきているかどうかというのじゃなくて、そっちの方をきちんとチェックしなければいけないと思うんですけれども、協力会社の人たちが三倍から五倍いる。作業員のなんかもっとわからないと思うんです。

 こういうののチェックは、東電はどのようにされておられますでしょうか。

相澤参考人 お答えいたします。

 御指摘のとおり、原子力発電所におけます核セキュリティーというのは極めて大事でございます。

 こうした観点から、原子力発電所に立ち入る者に対しては、従来より、厳格な人物確認、これは本人確認と言うべきだと思いますが、を実施しております。例えば原子力発電所への入構を許可するに当たっては、一時立ち入りの場合でも、例外なく、写真つきの公的な証明書の原本によって本人の確認をさせていただいております。

 ただ、それはあくまでも本人確認ということでございますので、その人物の確認という意味では、現実的にはやってございません。

 そういった意味で、この人物の確認制度ということは、さらにその人物確認をより確実で有効にするという意味では、我々としても、非常に必要性があるのではないかというふうには思っております。

 以上であります。

篠原委員 皆さん、大体聞いていておわかりだろうと思いますが、日本はこういうところはルーズなんですね。ここを絶対きちんとやってもらわないと困ると思います。

 では次に、また根源的な問題でちょっと田中委員長にお伺いしたいと思います。

 僕は、素人目で見てみますと、資料の表を見ていただきたいんですが、新聞紙上にも書かれているわけです、フィルターつきベント装置の設置時期というのと緊急時対策所の設置がどうかというの。左側は、これは毎日新聞を私がちょっとアレンジして、今後申請が予想される原発のところというので表にしてみたんです。

 やはり、津波によるんだ津波によるんだというので、地震に対してどうこうかという基準がちょっとルーズなような気がするのが一つと、それから一緒にお答えいただきたいんですが、せっかく基準をつくったのに、沸騰水型と加圧水型、BWRとPWRというのが二つあって、それで、フィルターつきベント装置の設置時期、加圧水型は今すぐじゃなくていいですよ、五倍も大きくて、それをやる必要がないというのがあるという。

 それから、緊急時対策所の設置というのも、どこでしたっけ、今度予想されているのは伊方原発が設置済みだけで、あとは仮設でもいいよとか、私からすると何となくなまくらな感じがするんですよ。

 それから、大事なのは地域防災計画ですよ。事故が起こったらどうやって逃げるかということをちゃんと訓練して、一回か二回、住民を巻き込んでやっておかなくちゃいけないと思うんですが、そんなこともしないで済む。つくっていないところもいっぱいある。これをちょっと資料要求したら、それぞれの市町村を確定できませんとか言って全体の数字しか教えてもらえなかったんですが、こんなものはむしろ公表して、何もたもたしているの、ちゃんと地域防災計画をつくれと言って、つくっていないところは何をやっているんだと言って、それをつくっていないところはだめだと言わなくちゃだめだと思いますよ。

 それを、我々のところにも知らせない、国会議員にも知らせないとかいうなまくらなことをしているんです。

 もっとこういうところをぴしっとやっていただきたいというふうに思いますけれども、この点いかがでしょうか。地震のことについても相当配慮しているかどうかということ。

 せっかく基準をつくったの、これだけでも問題だと思う。僕はこれが日本的だと思いますけれども、新しい基準をつくったら、その日から一年とか二年の間にきちんと合わせて申請してきてくださいよと言うのに、基準ができた途端申請するというのは、これはへんちくりんだと思う。だから猶予とかいうのが出てきちゃうんです。普通、欧米社会だったら、基準が新しくできるまでは余り公表されない。それから二年後に申請してくださいと言う。

 非常に日本的な対応になっているんです。この点もちょっとおかしいような気がするんですが、こういったところについてまとめてお答えいただきたいと思います。

田中政府特別補佐人 まず、耐震についてでございますけれども、今回は、敷地の地下の三次元構造もきちっと把握して、それによって評価するということを求めております。これは、柏崎刈羽のときに、そういった地盤構造によってその上の原子炉に対する地震動が違ったという経験を踏まえまして、そういったことを踏まえてそういうことを求めています。

 それから、活断層が連動しているかどうかということも、これも大きな争点になってきたわけでございますけれども、これにつきましても、例えば今回の大飯の場合には、三つの活断層が連動している、連動して動くということを前提とした評価をしていただくというようなことで、地震動については相当厳しい要求をさせていただいているところでございます。

 あとは……(篠原委員「猶予期間を設けるのは甘いんじゃないか」と呼ぶ)猶予期間といいますのは、これは、バックフィット、規制の問題をどういうふうに適用するかということでございます。

 今回は、いわゆる全ての炉がとまっている。大飯は、三、四を除きますと全ての炉がある種の定期点検中というような、法的にはそんな状況にありまして、そういう炉に対して今回の新しい基準をバックフィットさせるということでございます。

 それで、バックフィットという規制は、今後とも繰り返し行うということを考えますと、仮に、もし動いているときにそのバックフィットが出た途端に全ての炉をとめるということになりますと、そういうのは実効性等いろいろな意味で弊害が出ますし、そういうことを考えまして、将来的なことも考えて、いわゆる現実に実効性のあるもの、ただし、その安全上どうしても重要なものについては、今回とまっている炉について、動かすまでにはそれをきちっと対応していただくというようなことを求めているということでございます。

篠原委員 次に東京電力、お伺いしたいと思います。

 資料の二ページを見ていただきたいんです。

 この下の図は前回もお示ししました。上の方を示していないので、見てください。アメリカに百四基原発があるんですけれども、ほとんど中西部なり東海岸だけなんです。左側の環太平洋地震帯、火山活動、地震が多く起こるところにはほとんどないんです。

 下を見てください。サンオノフレの原発、これはサザンカリフォルニアエジソンという電力会社ですけれども、これがもう廃炉を決定したというんです。アメリカで西部の方にあるのはたった七基、なおかつ海岸端にあるのは四基だけ。そのうちの二基がもう廃炉になっている。だから、津波の心配があったり地震の心配がある原発というのは二基だけになるんです、アメリカは。

 そして、このサザンカリフォルニアエジソンの決定が振るっているというか、さっき僕が申し上げたものですが、蒸気発生器、三菱重工からのものだ、損害賠償もしている。百三十億円は払わなくちゃならないことになるかもしれない。そのときの理由が、NRC、あちらの原子力規制委員会の裁定により、再稼働時期が不透明になってしまった。追加の申請プロセスにさらに一年を要して、そのときのプラントの維持費と代替電源の費用がさらに必要になる。経済性を考えても問題だと。それから、電力供給の信頼性を考えても、代替するかわりの発電の方がよい、だから廃炉にするんだと。原発に全く固執していないんですよ。さっさとやめて違うことにしていきましょうという判断をしているんです。

 さっき申し上げたように、日本は、何かどうしても原発の方がいいような感じでそこに固執するんですけれども、こういう企業としての英断ができないんでしょうかねという、もうこれは経済合理性から判断してやっているんです。いかがでしょうか。

相澤参考人 お答えいたします。

 米国のサンオノフレ原子力発電所は、今御指摘のとおり、蒸気発生器のトラブルで停止が長引いて、維持費等を勘案して廃止を決定したというふうに報道等で聞いております。

 これにつきましては、我々の認識としては、例えばシェールガスあるいは天然ガスといったような、エネルギーのコストも含めたエネルギー事情というものがアメリカ固有のものがあるということから、また日本と事情が違うんではないかというふうに認識しております。

 我が国では、エネルギーの自給率というのは四%、大半を輸入に頼らざるを得ないという状況でございます。将来のエネルギーの安定供給、あるいは地球環境性、あるいは経済性といった点からも、原子力は重要な電源であると認識しております。中長期的なあり方につきましては、国のエネルギー政策全体の議論、あるいは、地域の皆様の御意見も踏まえて検討してまいりたいというふうに存じております。

 なお、先ほどデータがなかったので申し上げられませんでしたが、今届きました。協力会社の人数ですが、三倍から五倍と申し上げました。福島第一原子力発電所の場合は、廃炉に向けた作業によって少し作業員の比率が多く、五倍ぐらいになっておりますが、福島第二あるいは柏崎刈羽の場合には、一基当たりの社員数に対して約三倍ということでございます。

 以上でございます。

篠原委員 シェールガスがあるのはわかりますよ。シェールガスの方が安いし、ほかの電源の方が安いから。風力発電とか安いからです。

 しかし、もう一つあるんです。福島の悲劇です。あれはあってはいけないことと言って住民が大反対しているんです。バーバラ・ボクサーという元気のいい女性議員も大反対して、そして住民の勝利で廃炉に持ち込んだんです。世界じゅうそれが起こっているのに、我が日本で何でそれが起こらないのかと僕は不思議でならないんです。

 そして最後、この件について田中委員長にですけれども、やはり僕はしつこく地震にこだわっているわけです。地震大国日本ではもう原発は不向きなんだと。僕は余り気が合わないし全然考え方が違うんですけれども、新聞情報によりますと、新自由主義だか何だか知りません、産業競争力会議でひたすら経済合理性とかそういうことばかり言っておられる竹中平蔵さん、この人も原発の再稼働を反対だと言っていると報じられています。三木谷さんとか新浪さんとかも言っている。僕はこれは健全だと思いますよ。

 だから、いろいろな考え方があっていいんですよ。今は城内さんがおられる。名うての保守論客です。西尾幹二さんとか小林よしのり、みんな原発大反対なんです。保守こそ、この美しい国土を守り、日本人の生命を守るために、こんないかがわしいものはあっちゃいけないという判断が働いていいと思うんですよ。

 これは原子力規制委員会の問題ではないですけれども、田中委員長個人のお考えでもいいですから、こんな地震多発国日本においては原発は不向きなんだ、この大前提で、今すぐやめろと言うわけじゃないですけれども、よほどじゃないともう廃炉にしていくんだということでやっていくのが一番だと思いますけれども、いかがでしょうか。

田中政府特別補佐人 個人的意見を申し上げる場ではないと思いますのでそれは御遠慮させていただきたいと思いますが、先生御指摘のように、我が国は世界でも非常に冠たる地震国でございますので、先ほども申し上げましたように、地震については非常に厳しい基準を設けまして、それに対応できるような対策を求めているということでございます。

 先ほど申し上げましたけれども、三次元の地下構造、あるいは幾つかの活断層の連動、こういったものについてきちっと求めているのも今回の地震対策の基準改正の大きな特徴になっておりますので、そういったことで御了承願いたいと思います。

篠原委員 城内政務官においでいただいているので、二つ分かれていますけれども、一緒にお答えいただきたいと思います。原発輸出について質問させていただきます。

 原発輸出はやはり私は問題だと思います。やはり恥ずかしい話だと思います。日本でだめなもの、前はホリドールを禁止したのに、使うというのでほかの国に輸出する。もっと簡単に言うと、自動車、リコールを受けている、日本で使っちゃいけない、しばらくやめておけというのに、いや、いいからといって外国に輸出するという。

 まず問題は、NPT、核不拡散の方針に大きく反するんじゃないかと思います。特にインドですね。インドは、NPTも入っていない、それからCTBTにも入っていない。新しく追加のもの、基準ですね、核実験も平気でやったりする。そんなようなところにも輸出したいと。一基五千億とかそういうふうになるのでわからないでもないんですけれども、こんな原発輸出というのは、我が国の姿勢として控えるべきじゃないかと思うんですけれども。先ほどの、保守論客の代表としていかがでしょうか。

城内大臣政務官 篠原委員にお答えいたします。

 福島第一原発事故の経験と教訓を世界と共有することによりまして、世界の原子力安全の向上に貢献していくことが我が国の責務であるというふうに考えております。

 そもそも、我が国から原子炉等の原子力関連資機材等の海外への移転を行う場合には、これらの平和的利用について、二国間原子力協定等により相手国から保障を取りつけることとしております。また、あわせて核不拡散及び原子力の平和的利用を確保するため、例えば国際原子力機関による保障措置の実施を強く求めているところであります。

 これらにより、我が国からの原子力関連資機材等の移転に際し、核不拡散及び平和的利用は十全に担保されており、NPTを中心とする核不拡散体制との観点から問題があるといった御指摘は当たらないと考えております。

 また、インドとの関係でありますが、インド側から我が国の原子力協力に対する強い希望がハイレベルで表明されていること、そして、国際社会における存在感を増大させているインドとの関係を深化、拡大することは我が国自身の国益に資すること、また、これにより国際的な核不拡散体制の強化に資する効果もあわせて期待されることから、インドとの原子力協力を行う意義があると判断したところであります。

 また同時に、インドとの間の原子力協力をするに際しては、核軍縮、不拡散の重要性を十分に念頭に置きつつ、今後ともインドに対し、国際的な不拡散体制の強化に資する取り組みを行うよう十分促していくことが重要であると考えております。

篠原委員 平政務官も触れませんでしたけれども、基本的な国家観は、隣の城内政務官と似たところがあるんじゃないかと私は思いますけれども、お伺いしたいと思います。

 質問通告したのでは四と八ですので……

森委員長 篠原君、申し合わせの時間を過ぎておりますので手短にお願いします。

篠原委員 済みません、いつも超過して。(発言する者あり)ではやめます。

森委員長 次に、玉城デニー君。

玉城委員 生活の党の玉城デニーでございます。

 きょうは、別の委員会の質問それから採決のためにこの時間に調整をさせていただきましたことを、まず冒頭、委員長並びに与野党両筆頭に感謝を申し上げたいと思います。委員の皆様、御協力ありがとうございます。

 では、J―PARC内の原子核素粒子(ハドロン)実験施設における放射性物質の漏えい事故について質問をさせていただきたいと思います。

 五月二十三日に発生した実験施設での放射性物質漏えい事故に関して五月二十八日の委員会で質問をさせていただきましたが、その後に原子力規制庁がJAEA及びKEKから受けた五月三十一日の第一報告書、並びに、六月十八日に受けた第二報告書についてお伺いをいたします。

 それぞれの報告の主な内容について御説明をいただきたいと思います。

黒木政府参考人 御説明いたします。

 原子力規制委員会は、今御指摘のとおり、五月三十一日にいわゆる法令報告の第一報、六月十八日に法令報告の第二報をそれぞれ受けておるところでございます。

 第一報におきましては、本事故の発生状況等の説明がなされておりまして、事業者は、今後、本事故についてさらに詳細な原因究明及び再発防止策を実施していく旨の記載がございました。

 また、それに続く報告書第二報では、本事故を受け、現時点までに確認されました問題点及びその対策方針をまとめたものが記載されておりました。

 以上であります。

玉城委員 五月二十八日の本委員会における政府参考人から、実験施設では基本的に放射性物質は漏れない、あるいは、放射性物質は出るものの低レベルであるという答弁がございました。

 しかし、実験のわずかな手違いあるいは人為的ミスなどによって、実際に放射性物質が機器から漏れて空間線量が上昇した。そして、それによって排風ファンを二度にわたって稼働させ、結果的に実験施設外へも漏えいさせてしまったことが確認されています。

 このハドロン実験施設内の放射性物質の漏えいに対する対応について、この報告書では今後どのような対策をとることとされたのか、かなり厳しい対策をとるようにという内容になっているのではないかと思いますが、その件についてお伺いいたします。

黒木政府参考人 お答えします。

 御指摘の件につきましては、第二報におきまして、管理区域内の放射性物質の想定外の漏えいは、実験ホール内への放射性物質の漏えいを想定した施設運用となっていなかったこと、これが問題であるということを前提に、今後、管理区域内の漏えいを考慮した設計の見直し、施設自体の見直しであります、それから、異常時の対応体制の見直しを図るといたしております。

 また、管理区域外への放射線物質の漏えいにつきましては、施設内の汚染の程度が低く、したがって施設外への影響はないと誤って判断し排風ファンを作動させたこと等が問題であるというふうに言っておりまして、今後、管理区域の見直し、異常が発生した場合でも対応可能な封じ込め措置を講じること、規定類の整備、教育訓練の徹底を図ることとしております。

 以上であります。

玉城委員 ちなみに、六月十八日の報告第二報によりますと、「ハドロン実験施設の問題点と対策方針」というところでは、国への報告のおくれ、施設管理責任者等が通報基準の解釈を誤ったこと等が問題だということが書かれています。そしてさらには、管理区域内の放射性物質の想定外の漏えいについては、異常な漏えいを想定した施設運用となっていなかった点が問題だということも述べられています。作業員の内部被曝への対応については情報の共有が不十分、今後、規定類の見直しと迅速な通報連絡体制の構築をしていくということ、さらに、管理区域外への放射性物質の漏えいについては、施設内の汚染の程度が低く、施設外への影響はないと誤って判断し排風ファンを作動させたこと等が問題点だと言われています。

 こういうふうに、さまざまな問題点が明確になり、さらには、今答弁にありましたとおり、本来ですともっと厳しい基準でしっかり見直しをしていくということがこの報告書の中でも述べられているというふうに思料いたします。

 ですから、想定外であったということに事故が起こったということ、あるいは、その内部において判断の基準が誤っていたということ、さらには、それによって今後、漏れないと思っている施設であっても厳重な管理体制をとらねばならないというふうなこと等がこの件で明らかになったわけですね。

 つまり、原子力発電所にしても、この素粒子実験施設においても、実験の名のもとに、その安全性がいささかもおろそかになってはいけないということだと思います。

 規制委員会委員長の言葉の中には、きょうの答弁にもありましたとおり、安全に終わりはないと。常に安全のさらに先を行くそういう管理体制、さまざまな問題点があれば、その問題点とあわせてしっかりと国民にそのことが説明できる、そういう体制をしっかりとっていっていただきたいというふうに思うわけです。

 さて、我が国国内には、今回のJ―PARCと類似するような施設が設置されているということもさきの委員会で答弁もいただいています。今回の事故発生を踏まえて、それらの事業者及び施設に対してどのような調査を行ったでしょうか。その結果において、安全対策をどのようにとるべきであると認識していらっしゃるか伺います。

黒木政府参考人 原子力規制委員会におきましては、J―PARCハドロン実験施設からの放射性物質の漏えい事故を受けまして、国内の類似の施設で同様の事故が起きないことを確認するため、本年五月三十日に、J―PARCと同様に、金属ターゲットに照射をし、エネルギーが比較的高い加速器施設等を有する十一事業所、二十二施設に対しまして、施設の状況の調査を行いました。

 本調査では、金属ターゲットへの照射の有無、それから、管理区域内に設置されている換気設備の有無、換気設備の使用状況について現状を確認いたしております。

 その結果、金属ターゲットが真空容器に入っていることや、負圧に管理し、フィルター等により適切に排気がなされているなどにより、本調査対象とした全ての施設におきまして、J―PARCハドロン実験施設と同様の事故、すなわち、金属ターゲットが蒸発し放射性物質が拡散するような事故というのは発生しないことを確認はいたしておりますが、御指摘のとおり、安全文化ということでございますので、これについては終わりはない取り組みでございますので、気を引き締めてしっかりと対応してまいりたいと思います。

 以上です。

玉城委員 では、その今の答弁に関連して、このJ―PARCの事故に関しては、施設全体及び施設内の機器運行の際の安全管理に対して、日常的な管理への多少の甘さや、連絡体制にも緩みがあったのではないかということも報道されているわけですね。

 つまり、今、漏れないような内容の実験設備ではあったとしても、さらにそこに安全の理念と申しますか、徹底的な安全管理体制における意思統一をしておかないといけないのではないかというふうに思います。

 組織の安全管理について前回の委員会でも指摘をさせていただきましたが、今回の報告書は、細に入り、かなり厳しい見直しをしなさいということが書かれているわけですが、今後どのような万全な管理体制をとるとともに、問題の各部署、各担当それぞれその連絡の申し合わせ等々は報告書の中でも述べられてはいるんですが、この各部署、各担当者においての連絡体制の強化を踏まえた安全管理を進めていかれるのか、お聞きしたいと思います。

黒木政府参考人 御指摘の安全管理体制につきましては、報告書におきましては、責任者が現場に不在であり、現場の状況を正しく認識できなかった、法令報告の判断がおくれた等々、かなりの問題点が指摘されております。

 それにつきまして、解決ということで、対策方針としまして、それぞれの問題に応じて、規定類等の改定、通報連絡体制、対応体制の見直し、教育訓練等の徹底等が記載はされております。

 問題は、これからそれがきちんとやっていただけるかどうかといった問題がありまして、原子力規制委員会としては、報告書第二報をうのみにせず、現地調査及びヒアリングを通じて、事故の経緯、それから再発防止策の実効性についてこれからしっかりと確認してまいります。

 以上です。

玉城委員 ありがとうございました。

 では続いて、福島第一原発における漏水問題についてお伺いいたします。

 福島第一原子力発電所の汚染水の漏水問題については、国民並びに周辺海域で操業する漁業関係者の関心が非常に高く、五月十六日の本委員会で、汚染水及びその漏水に対しての対応等についてただしました。

 その際の答弁によりますと、燃料デブリを冷やした水四百立米、そして地下水の流入が四百立米、合わせて八百立米を、セシウム除去をした後に淡水化した四百立米は冷却水に利用し、塩分濃度が上がった水四百立米をタンクへ貯蔵する作業が連日行われている旨答弁をいただいています。

 さらに、タンクへの貯蔵量をふやしていく、海側へは遮水壁を建設していく、建設中ということですね、それから、原子炉建屋の手前に井戸を掘って、汚染されていない地下水を海へ流すバイパス放出の計画などの具体的な取り組みで答弁をいただきました。

 そして、その委員会からこの間、汚染水処理対策委員会が数次にわたって開催され、五月三十日に原子力規制庁から、委員会の報告書に対する見解が出されています。汚染水処理対策委員会の検討内容の取りまとめについて、どのような内容で報告されているか、まず伺います。

中西政府参考人 お答え申し上げます。

 汚染水処理対策委員会というものを本年の四月に立ち上げまして、その一時的な、中間的な報告といたしまして、五月三十日に一応取りまとめをやってございます。

 そちらの方の一つ目の柱が、地下水抑制にかかわります抜本的対策といたしまして、凍土方式による陸側遮水壁を早期に建設、運用するということ、二点目といたしまして、地上のタンクを平成二十八年度中に八十万トンまで増設する、そういった内容の地下水流入抑制のための対策を取りまとめたという状況でございます。

玉城委員 この地下水から流入する汚染水と紛れ込む水の対策も肝心だと思いますが、このような取り組みへの努力は、放射性物質の拡散を一刻も早く塞いでいく中での、限られた時間内での戦いを強いられているということも承知をしているところであります。

 しかし、そのような中で、十九日、福島第一原発タービン建屋の東側、これは海から二十七メートル陸側にあるモニタリング用の井戸から、一リットル当たりの法定許容限度が三十倍のストロンチウム、これは、法定限度三十ベクレルのところが一千ベクレルという三十倍、そして法定許容限度八倍のトリチウム、これは法定限度が六万ベクレルのところが五十万ベクレルのトリチウムを検出したという報告が東京電力から上がっています。

 昨年十二月のモニタリングでは、ストロンチウムは八・六ベクレル、トリチウムは二万九千ベクレルとのことなんですが、今回、この汚染の濃度が上がっていることについては、今まで以上に緊急かつ重層的な対応が求められているのではないかというふうに思うわけです。

 この状況を鑑みた上で、汚染水対策について規制当局の見解を伺います。

田中政府特別補佐人 御指摘のように、今回、六月十九日に、告示濃度、排出濃度を超えるトリチウムとストロンチウムの検出があったという報告を受けております。

 私ども委員会としては、以前より、汚染水処理対策委員会の報告書に記載された対策の実施に当たっては、地下水の抑制対策の計画的な遂行、あるいは、高濃度汚染水が滞留しています海側トレンチの漏えい対策の早期完了等を求めていたところでございます。

 さらに、今回の報告を受けまして、汚染水が漏れたということでございますので、これが海の方に拡散していって海がどのように汚れているかどうかということを確認することが大事ですので、まず、港湾内のモニタリングを強化していただくようお願いしました。

 それから、告示濃度を超える放射性物質の海域への流出を防止するための対策を早急に講じるようにという要求をいたしております。

 さらに、地中に漏えいしたと考えられております高濃度汚染水が滞留しております海側トレンチに対しては、漏えい防止対策等を早急に具体化し、さらに前倒しして、滞留している汚染水の措置を早急に実施、完了することを求めているところでございます。

 いずれにしましても、こういった汚染水の漏えいというのがたびたび起こりますので、今後とも規制当局としては、東京電力福島第一原子力発電所の廃炉対策の中できちっと、しっかりと監視して、必要な要求、監視を続けていきたいと思っています。

玉城委員 もう時間が参りましたので質問を終わりますが、この指摘、指導に対しては、事業者側はしっかりと取り組んでいただくようお願い申し上げまして、質問を終わります。

 ありがとうございました。ニフェーデービタン。

森委員長 次に、小池政就君。

小池(政)委員 みんなの党の小池政就です。

 当委員会では初めての質問とさせていただきます。

 質問の前に、先ほど篠原委員から、原発輸出に関しまして核不拡散の観点からの意見はありましたけれども、その観点だけではなくて、この件に関しましては、人災を起こしかねない相手側の政治体制の問題、また、事故の際に日本の国民負担が高まるかもしれないという観点も持って慎重にならなければならないということを、まず指摘をさせていただきます。

 それで質問に入りますが、限られた時間でありますので、大きく二点、今回の新規制基準に関しまして、安全面の点と、それから、やはり私たちは国会で、今財政が厳しい中で考えなければならない、国民負担をいかに低減できるかという点について御質問させていただきたいと思います。

 まず、安全面について何点か御質問させていただきます。

 今回の新規制基準に関しましては、田中委員長が世界一厳しい基準ということをおっしゃっております。中立性に関しましては、パブリックコメントを経て、また、規制委員会の方でも利害関係者を含まずという形で取り組んでなさっていらっしゃいますし、また、パブリックコメントの採用された数十件に関しましても、それはあくまで出された人が誰がということは関係なく、中身だけ見て採用されたということもお聞きしておりますので、中立性の面というものはしっかり担保されているのではないかなということを感じております。

 ただ、質の面で幾つか質問をさせていただきたいと思います。

 例えば、今回盛り込まれていない二点につきまして、答えられる範囲で、どのような検討があったか、また、今後どういう検討がなされるか、お聞かせいただきたいのですが、一点目は、水蒸気爆発に関しましては今回検討されたのかどうか、お聞かせいただけますでしょうか。

山本政府参考人 今御指摘ありました水蒸気爆発は、炉心が損傷した後のいわゆるシビアアクシデントの大きな事象の一つとして捉えられているものでございます。

 これについても、炉心損傷後のさまざまな挙動としてどういったことが起きるのかといったことを、規制委員会の中に設置されております検討チームの中で具体的な検討も行われております。

 ただ、水蒸気爆発自身は、やはりそれが起き得る諸条件というのがさまざまございますので、その発生の可能性とか対策について議論をし、シビアアクシデント対策の一つとして、基準としてまとめているという状況でございます。

小池(政)委員 今回の事故の検証にもまだこれから関連する内容だと思いますし、また、きょうは東電さんが来られていますけれども、東電が出した調査報告書の中にも、水蒸気爆発に関しましては今回の事故には当たらないという前提ではありますけれども、原子炉圧力容器内部におきましては高温の溶融金属と水の接触は起こり得るということからその可能性は否定していないものでありますから、しっかりとこれから検討していただきたいと思います。

 それからもう一点に関しましては、原発の立地に関しまして、果たしてそれでは、プレートが重なる境界の上にある原発に関しましてはどのように考えるんでしょうか。

櫻田政府参考人 お答えいたします。

 委員の今の御指摘は、いわゆる太平洋プレートとか、非常に大きな地殻変動を伴っているプレートの境界の地震をどう扱っているかというこういう御質問かと思いますけれども、いずれにしましても、地震をどのように想定をして、それに対してどのような対策を講じるかということが耐震設計の基本でございます。

 今回の基準におきましても、これは、地震動の想定をいろいろしなければいけない、その中で、今御指摘のありましたプレート間の地震、あるいはそのプレートの中で起こる地震、活断層が引き起こす地震、さまざまなものがありますので、それら全体を必ず想定をして、その評価をした上で、発電所の敷地にどのような地震動が来るかということを評価をして、それに基づいて地震に対する耐震設計を行う、これを求めているということでございます。

小池(政)委員 今回、活断層に関しましては、過去四十万年さかのぼってその可能性をしっかりと考慮されているということでありますけれども、プレートの境界におきましてはそれよりよほど高い頻度でこれまで地震が起きているわけでありますから、その境界の上にある原発、これはかなり特定されますけれども、それについてもしっかりと考えていただきたいと思います。

 次に、規制基準の対象についてであります。

 今回の規制というのが、核燃料全般への事故のリスクの低減ということを目指していると思われますから、リスクの大小はあるにしても、その対象というのは、今はよく新聞、ニュース等で言われているのは、申請がこれからされた原発に対して審査を行っていくという形で見られております。確かに危機への時間的余裕というのがあるとは思うんですけれども、果たしてそれでは、停止中の原発につきましても対象になるのか。

 これは、今ある原発につきまして対策がなされなければ廃炉ということだと思いますけれども、そのような理解でよろしいんでしょうか。

山本政府参考人 お答えいたします。

 今回の新しい規制基準につきましては、既設の原子力発電所全てについて適用される、こういう考え方でございます。

 したがいまして、その基準に適合しているかどうかを、今後、事業者が申請をなされますので、それを厳格に審査をする、こういう基本的な考え方でございます。

 もちろん、停止中のものについても、安全性の基準というのがその基準の中に盛り込まれております。例えば、原子炉の冷温停止状態あるいは使用済み燃料プールをどのようにしていくか、こういったこともございまして、こういった対策も含まれたものとして申請がなされるものと理解してございます。

小池(政)委員 全ての原発が対象ということでありまして、一点、懸念は、申請が行われた原発については確かに審査を順次進めていくと思いますけれども、現在の審査の体制におきまして、特に停止中の原発につきましては、その対策はなされずにしばらく放置されてしまう可能性もあるのではないかということを非常に懸念を持っております。その点も含めてこれからしっかりと考えていただきたいと思います。

 それから、ほかの施設、例えば、使用済み燃料再処理施設、核燃料加工施設、それから核燃料の使用施設、また、大学等にあります原子炉等についてのこの規制の適用というのはどのようになっているんでしょうか。

田中政府特別補佐人 このたび策定しました基準は、いわゆる実用の発電炉と「もんじゅ」に適用される基準でございます。

 再処理施設とか加工施設とかいわゆる研究炉のような施設につきましては本年十二月までに施行することとされておりまして、現在、有識者等の御協力をいただきながら、その基準の策定に向かって順次準備をしているところでございます。

小池(政)委員 ありがとうございます。

 十二月に向けて、これからそのような施設についても対策を考えていかれるということでありますけれども、発電用原子炉並みのしっかりとした基準をつくっていただきたいということと、また、そのような施設は、発電用原子炉と違って、その危機に至るプロセスというのがそれほど単純ではないと思うんですね。冷却できないで、それで圧力が高まって爆発する、そういう形だけではなくてさまざまなケースというのもあると考えられますから、そのような点も含めてしっかりと対策を練っていただきたいと思います。

 また、その際には、先ほどの水蒸気爆発といったことも、高くなった温度の金属が水等に入ることによって爆発が起こるというような機会というのも、恐らく原子炉以外の施設の中でも高まると思われますので、しっかりとその点を考えていただきたいと思います。

 それから次に、この規制基準への対応につきましてでありますけれども、申請が出されて、それに対して規制委員会の方が、自分たちの持っている知見また計算方法に基づいて、そのプロセスが正しいか、また結果が正しいかということを考慮される、シミュレーション等も行うということを伺ってはいるんですが、ただ、その前提であるものが間違っている場合、それに関しましては、その安全面につきましては非常に懸念が浮かび上がってくるというようなことがあり得るわけであります。

 今は地層については大飯等でしっかりと現地で調査等をされておりますけれども、例えば地盤等は、電力会社が言っている地盤というのが本当に正しい、かたい岩盤なのかどうか。岩盤の中にもやわらかい岩盤というのもあります。そのようなものをしっかり調査できるような体制になっているのかということは非常に懸念があるところであります。

 その際に、立入検査というそのような制度もあるということを伺ってはいるんですが、その立入検査、どんな根拠に基づいて、また、疑義があるということであればそれを行うということですけれども、どんな条件でその立入検査を行うんでしょうか。

櫻田政府参考人 お答えいたします。

 今の御質問は、実際の審査をするときに、事業者が提供してきたものについて、その妥当性といいますか信憑性といいますか、それをどのように確認するか、こういう御質問だというふうに理解をしてございます。

 御指摘のように、実際にプラントをつくるのは事業者でございますし、また、その際に、立地をしている地点のその地質の情報を詳しく調べるのも事業者が行うということは、これは避けられないことでございますので、私どもが審査をする際には、実際にとったデータそのものとか、あるいは、ボーリングといって、地下に穴を掘っていって、その中のものを取り出してどのような地面の構造になっているかということを見ますけれども、ボーリングから抜いたものそのものを確認するというようなことも当然行います。

 それから、その解析などに当たりましても、さまざまな入力条件とかがございますけれども、これもしっかり確認をする。それから、解析に使うのはコンピューターコードでございますけれども、このソフトウエアがしっかりと実際の状況を模擬するような形になっているのかどうかというような、そういう実験データとの突き合わせみたいなことで検証されているのかという、そういうことも行います。

 したがって、基本的には、使うツールとか、出された情報とか、入力されたデータとか、そういったものを確認していくことによって、事業者が提供してきた安全解析や評価の結果というのが妥当であるかということは確認できるというふうに考えてございます。

 ただし、その中でそこに何らかの疑義が生じる、例えば改ざんがあるとかいうようなことがもしありましたら、それは、その旨を指摘をして、実際のものはどうなんだということは当然ただしていきますし、それでもなおかつ事業者の対応が不十分だというようなことがもしあれば、立入検査のようなこともやるかもしれませんけれども、基本的には、その審査のプロセスの中で、必要な情報はあらゆる情報を提供するように求めていく、提供されなければそれはそれで審査が進まない、そういうことかというふうに思ってございますので、基本的には、審査のプロセスの中で妥当性を確認していくということであるということでございます。

小池(政)委員 審査をされる側としては、当然、不利な情報はそれほど出したくないわけでありますから、その点も含めてしっかりと検査をしていただきたいんですが、立ち入り等も含めて、やはり今の体制ではなかなかそれも厳しいのではないかなということを指摘をさせていただきます。

 最後に、国民負担ができる限りふえないようにするというような観点からであります。

 きょうは東京電力さんに来ていただいておりますけれども、今回の新規制基準に対しまして、安全対策等で当然コストがかかってくるわけでありますが、これはどのような形で回収する予定でありますでしょうか。

相澤参考人 お答えいたします。

 前回の料金値上げの申請時点におきまして、耐震強化対策、あるいは津波対策、これは防潮堤の設置等でございますが、こういったものにつきましては、安全性を確保する上で必要となる設備対策工事であります。

 工事の内容あるいは費用が明確に確定したものにつきましては、減価償却費等として原価に算入させていただいております。

 以上です。

小池(政)委員 原価に算入するということでありまして、規制委員会の方は、経営的な問題は考慮しないということでありますから、そういうコスト面は当然関係なく、安全面というところだけをしっかりと審査されるわけであります。

 それでは、経産省の方で料金の査定というものを行っております。こちらの査定につきましては、今回の基準に基づく安全対策というものは、こちらは原価という形で含めるというような観点で今考えられているんでしょうか。

糟谷政府参考人 電気料金の値上げ認可の申請に当たりましては、電気料金審査専門委員会という外部の専門家から構成されます委員会を設けまして、こちらで中立的、客観的な観点から検討をいただいて、それを踏まえて厳正に審査を行っているところでございます。

 その際、減価償却費、設備投資等については、最大限の経営効率化を踏まえたものになっているかどうか、こういう観点から厳格に審査を行っております。

 ちなみに、東京電力の昨年九月からの値上げにつきましては、平成二十四年度から二十六年度の三カ年で、柏崎刈羽原子力発電所の津波対策費用として七百億円程度を料金原価に含んでおります。

小池(政)委員 経産省の査定というものは、あくまで、おっしゃったように経営効率という観点にありますから、安全基準の中身でありますとか工学的な観点というものは当然入っていないわけでありまして、ここにちょっと構造的な問題があり得るわけであります。

 といいますのは、安全基準を超えさえすれば、幾らでもその費用というものが原価に算入することができてしまう。また、その安全対策に関しましては、恐らく、より自分たちの仕事ぶりでありますとか設備等を知っている関連会社に当然発注していくと思いますけれども、そんなわけで、結局その費用というものがどんどん積み重なってモラルハザードになり得る可能性もあるということをしっかりと考慮していただきたいと思いますし、その点を指摘をさせていただきます。

 そのような状況というのが少しでも改善され得る可能性としては、将来、これから自由化して発送電分離によりまして会社もしくは所有が別になっていけば、当然自動的に原価に乗せられなくなってくるわけでありますし、総括原価が残る送電のところについては、当然送電以外の費用というものは乗せられなくなるわけでありますから、そういう点で、できる限り安全を達成しながらコストも少しずつしっかりと効率化を進めていくというような観点が生まれてくるわけでありますけれども、これは、下手したら三年から、また、発送電分離に関しましては長くて七年後になる可能性があるということで、非常にこれも期間がまだまだかかる問題ではないかなということを懸念しております。この点も最後に指摘をさせていただきます。

 まだ少し時間がありますので、それでは、最後に廃炉の費用につきまして。

 こちらが、最近、経産省の中で……(発言する者あり)終了していますか。終了しているということですので、では、これで質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

森委員長 次に、笠井亮君。

笠井委員 日本共産党の笠井亮です。

 一昨日六月十九日の原子力規制委員会において、いわゆる新規制基準が決定されたわけであります。この間、新基準案に対するパブリックコメントが実施をされてきました。多くが批判、疑問、危惧を呈する意見だと承知しておりますが、田中委員長に伺います。

 冒頭に、幾つあったかという数は紹介があったんですが、改めて、骨子段階と条文段階のそれぞれで寄せられた意見は何件で、うち、内容的に取り入れた変更点は何件あるのか、そして、寄せられた意見を受けて原案から最も変更したという点、これは何でしょうか。

田中政府特別補佐人 パブリックコメントは二月と四月に二度行っておりまして、最初のパブリックコメントでは約四千四百件の意見をいただきました。また、後の方では二千百件の意見をいただいております。

 これらのパブリックコメントにつきましては、一つ一つ精査させていただきまして、全体として、それを反映した修正等は大体百点余りになっております。

 全体として、主なところ、どういうところが大きく変わったのかということでありますけれども、基準はあくまでも性能要求であるということで、その点が明確になるように記載したことでございます。それから、電源車あるいは可搬型注水設備の予備の台数については、明確に事業者が設定できるようにしたというようなことがございます。

 これら多数の修正を行いましたけれども、これらは基準の技術的内容を根本から変更するものではなくて、主として表現の適正化にかかわるものでございます。

 全てのパブリックコメントとそれに対する答えについては、私どものホームページに全て記載させていただいております。

笠井委員 技術的な表現等が主だということで、ほとんどないわけです。たかだかその程度ということでありまして、十九日の会議では、作成に携わった規制庁職員にねぎらいの言葉があるくらいで、パブコメについても事務局から簡単に紹介があったというぐらいで、委員会では特段そのことについて改めて議論もなく、ほとんど反映されていない。検討チームの議論を文字どおり追認してしまって決めたというふうに言えると思います。

 そこで、関係法令等は、求めていたらようやくけさになって、これが三冊あるんです、そのうち一冊持ってきましたけれども、膨大なものであります。幾つか聞きたいと思います。

 新基準の大前提の一つは、重大事故である炉心の著しい損傷が起きても、フィルターベント等を行えば、水素爆発は起きずに、炉心溶融でも格納容器は守られて、放射性物質の大量放出は防げるというものであります。

 そこで田中委員長に伺いますが、東京電力福島第一原発事故の原因究明に関する原子力規制委員会としての作業というのは今はどういう段階にあるのか、今後どういう段取りでやるんでしょうか。

田中政府特別補佐人 福島第一原子力発電所の事故調査につきましては、先般、いわゆる事故調査検討委員会を設けまして、今、議論を重ねています。

 その中で、いわゆるIC、冷却装置からの配管が破断して水が漏れたのではないかというような国会の事故調の御指摘等もありましたので、そこについては大分調査ができる段階になりましたので、私どもの職員が現場に入りまして確認をして、先日、それの検討結果を事故調査委員会に報告したところでございます。

 いずれにしましても、現場は非常に線量が高い状態ですので、今回も三ミリシーベルトから四ミリシーベルトぐらいの被曝、十五分ぐらいの調査でその程度の被曝量になっております。ですから、たびたびというわけにはいきませんので、十分に、どういった点を現場で調査したらいいかということを見きわめてから現地調査に入るということで、一つ一つ、少し時間はかかるかと思いますが、きちっと事故調査を進めていきたいというふうに思っています。

笠井委員 まさに時間はかかるということで、規制委員会としての原因究明も始まったばかりということであります。なのに、新基準で挙げた追加対策をとらせれば放射性物質の大量放出は防げるとどうして断言できるのかという問題が出てくる。

 そこで伺いますが、新基準では、格納容器の破損を防ぐために、格納容器から放射性物質を大気中に放出するベントを行うというふうにしております。七月から施行される改正原子炉等規制法は、第一条の「目的」で、原発で重大な事故が起きた場合に、放射性物質が異常な水準で原発の外へ出ることによる災害を防止することというふうに定めております。

 田中委員長は、ベントにより放出するセシウム137、これについて言えば、最悪の場合でも百テラベクレルに抑えたいということをこの間繰り返し答弁されましたけれども、この百テラベクレルという数字自体、これは異常な水準の放出ということにはならないんですか。

田中政府特別補佐人 このたびの新規制基準では、シビアアクシデント対策を非常に重視しております。基本的に、放射能は外に出さない、環境に出さないということが基本であります。とは申しましても、それを絶対出ないんだということにしてしまうと、安全神話に陥ります。

 そこで、万が一そういったことが起こった場合でも、百テラベクレル、セシウムで百テラベクレルと申しますのは、以前にも申し上げましたけれども、大体、今回の福島の事故で出たセシウムの百分の一以下、それから、世界のいろいろな基準を見ましても、百テラベクレルというようなところが最大厳しいところでございますので、そういったことを、百テラベクレル以下になるような対応をするようにということで、性能的にそういったことを求めているという、そういう目安になっております。

笠井委員 私が伺ったのは、百テラベクレルというのは異常な水準でないと言えるかということです。

田中政府特別補佐人 百テラベクレル自体が異常な水準かどうかというよりも、そういった事態が起こるという、せざるを得ないような状況が起こるということは、やはり異常な状況だというふうに思っています。

笠井委員 しかもそれ以外に、希ガスなど取り除けない核種もあるということはこの間も指摘したとおりでありまして、これでどうして原発を運転してよいという基準になると言えるのかということになります。

 しかも、格納容器のフィルターベントの設置にしても、計画さえあればよいというものではないかという問題があります。

 お手元の配付資料は、主な原子力発電所のフィルターベント設置状況の一覧であります。資源エネ庁提出資料をもとに整理したものであります。

 PWR、加圧水型には五年間の猶予が与えられて、軒並み、二〇一五年度、一六年度完了予定(未着工)とか検討中とか、数年後完了めどに検討中というものであります。設置が必須の沸騰水型、BWRでも検討中というものも多いわけで、これらについても、設置の基本方針の認可、つまり、計画の段階であって工事の着工あるいは完了をしていなくても、規制基準に適合しているとみなして再稼働の申請を受け付けるということなんでしょうか。

田中政府特別補佐人 新規制基準におきましては、炉心損傷が発生した場合に、格納容器の破損を防止するため、格納容器内雰囲気の圧力及び温度を低下させる設備、手順等の整備を求めております。この要求内容については、PWRであってもBWRであっても違いはありません。この要求を満たす限りにおいて、事業者がさまざまな対策を選択できるようにしてあります。

 具体的には、加圧水型原子炉については、一般に格納容器の容積がBWRと比べまして比較的大きいこともありまして、格納容器再循環ユニットの設置で足りると考えられております。一方、沸騰水型、いわゆるBWR型の原子炉については、格納容器が小さいので、フィルターベント設備の設置が必要になると考えているところでございます。

 PWRとBWRでフィルターベントの要否が異なっているというのは、炉型の違いによって結果としてそういった必要になる対策に違いが生じているものでありまして、機械的に五年の猶予を決めたものではございません。

笠井委員 いずれにしても、PWRにしたって、炉型が違うと言われても、五年の猶予でつくれという話をするわけですから、結局、計画さえあれば事故が防げるということになるというそういうことにはならないわけで、それでもいいということになると、これは絵に描いた餅そのものであります。新たな基準と言うなら、設置工事が完了して検査に合格するまで稼働の申請は受け付けないというのが筋じゃないかと思います。

 今回、原発の運転期間を四十年と定める制度が導入をされて、原子力規制委員会の基準に適合していると認められれば、さらに二十年延長することができるとしております。

 六月十二日に原子力規制庁は、この点について、パブリックコメントの意見と対応について公表いたしました。そして、運転期間延長の認可基準について次の意見がありました。「認可時点で最新の技術基準に適合していることを確認するとしているが、新規制基準への対応工事に時間がかかり完了していない場合でも、プラントの安全性を科学的・工学的に評価し、その結果に基づき延長の可否を判断してほしい。」これはどこから出た意見ですか。

田中政府特別補佐人 どこから出たかということを今私は承知しておりませんので、後ほど、調べてお答えさせていただきたいと思います。

笠井委員 一般市民がこういう意見を出すはずがないので、電力会社と誰でも考える問題であります。

 その意見に対して原子力規制庁は、延長の認可に必要な対策工事が完了していなくても、工事計画さえ認可されていれば運転の延長を認める、対策工事が完了していなくても、あるいは着手さえしていなくても、書類上で計画が認可されていれば、電力会社は四十年を超えて最大六十年まで運転延長できる、こういう趣旨の回答を行っていると思うんですけれども、間違いありませんか。

田中政府特別補佐人 延長を認めるということと運転開始を認めるということは違ったことでございまして、一応、今現実に四十年を超えているものあるいは四十年に近い炉がありますので、そういったものに対する対応としてそういう判断をさせていただいております。

笠井委員 原発の運転延長の許可を求めるんだったら、電力会社は、計画段階じゃなくて、実際に対策工事が完了してから認可を申請して審査を受けることが当たり前、当然の手順じゃないかと思うんです。

 「新規制基準への対応工事に時間がかかり」というのは電力会社のものとしか考えられない意見ですけれども、計画だけでよしとできるのか。結局、規制委員会はそういう電力会社の意見を酌んだだけじゃないんですか。その辺はどうなんですか。

田中政府特別補佐人 計画だけで認可をするわけではございません。そういった計画を認可し、実際にその計画に基づいてきちっとした対策がとられているということを確認した上で運転の可否を判断するということでございます。

笠井委員 では、計画だけではそういう申請は受け付けないということでいいんですね。

田中政府特別補佐人 四十年ということが原則としてありますので、四十年を超えているような今現実にそういう炉もございますし、実際の対策にはそれなりの時間がかかるということがあって、その間に四十年を超すというようなことも、そういう炉もございますので、そういったものに対する一つの判断として私どもが示したものでございます。

笠井委員 要するに、そういう場合には、判断の中でそういうことはあり得るということでしょう。計画でもいいという話じゃないですか。私は、そういうことでは本当に許されないと思うんです。

 田中委員長は、重大事故が起きたらベントにより放射性物質を放出する、周辺住民には避難を求めるということで繰り返し答弁されてきました。本年二月十三日の記者会見では、規制基準と防災計画は法的にはつながっていないけれども、車の両輪で、どちらかが不十分では問題があるとも言われてきたわけで、そして、計画ができるように鋭意努力して支援していると言われたけれども、五月三十一日の時点で依然二割強がまだ未策定で、福井県と県内全市町村、鹿児島県の出水市などもまだまだであります。これで再稼働なんてあり得ない。

 田中委員長も車の両輪と言われますけれども、米国ではもっと厳密で、セットでしか認可されていないわけで、国連の社会権規約委員会でも、対処に関する地域ごとの準備が不十分なことに対して、改めて懸念を表明しているわけであります。

 そういう中で、地元にしたって、説明が不十分というのがNHKの調査でも六五%という状況の中で、実際に重大事故が起こったら規制委員会としてどう責任をとるつもりか。田中委員長、その辺はどうですか。

田中政府特別補佐人 いわゆる新規制基準についての説明については、今後、状況を踏まえまして、地方の自治体等にもきちっと説明をする機会を設けていきたいと思っておりまして、今検討中でございます。

 いわゆる防災基準というものは、以前にもお答えさせていただきましたけれども、私どものいわゆる稼働可能かどうかという判断と直接リンクするものではございませんけれども、住民の方が防災について安心していただけないとなかなかそういったものが、再稼働とかそういうことの段階になれば了解いただくのは難しいだろうというふうなことで申し上げたことでありまして、法的な意味で申し上げたわけではございません。

笠井委員 時間になりましたので終わりますが、田中委員長は世界でも一番厳しい規制基準というふうに繰り返し今回も言われていますけれども、計画さえあればよしという問題もあったり、あるいは防災計画がなくたってそれでもよしということで、全く実態が伴っていない。旧態依然たる安全神話の復活というふうに言われても仕方がない話であります。

 国民の安全を置き去りにした原発の再稼働ありき、スケジュールありきの新基準だと厳しく指摘をして、きょうは質問を終わります。

森委員長 次に、足立康史君。

足立委員 日本維新の会の足立康史でございます。

 一昨日の経済産業委員会の質問とも関連して、本日は、敦賀原発二号機の取り扱い、あるいはそれに伴うさまざまな影響について質問を申し上げます。

 まず冒頭、私、この委員会で最後に質問に立つのは初めてでございます。その前に生活の党、みんなの党、そして共産党の先生方がお立ちでございましたので、ちょっと誤解なきよう申し上げますが、日本維新の会は、いわゆるすぐに廃炉というような非現実的な、あるいは経済面での影響が非常に懸念される、そういう方法を提案している立場ではございません。今、私に先立っての質問については、そういう観点からの質問もあったかと思います。

 一方で、きょう私が申し上げるのは、やはり敦賀の二号機については、規制委員会の出した活断層の認定については一旦結論が出たんだから、これは速やかに廃炉に向けて段取りを組んでいく必要がある、こういう立場から御質問を申し上げたいと思います。

 まず冒頭、きょう平政務官においでいただいていますので、ちょっと大きな、技術的な問題もきょうはやりますが、大所高所からいって、五月二十二日の規制委員会において、日本原電の敦賀原発二号機の直下の破砕帯が活断層であると認定されたわけですから、日本原電は速やかに廃炉の決定を行うべきだと私は思っています。もちろんこれは日本原電が決定するべきことであるとは承知していますが、日本原電のトップをきょうお呼びすることは相なりませんでしたので、監督をしている経済産業省の立場から、平政務官、この規制委員会の認定を受けて速やかに廃炉決定を行うべきではないかという私の考えについて、経産省のお考えを御答弁ください。

平大臣政務官 お答え申し上げます。

 まず冒頭、御党の原発に対するスタンスを御説明いただきまして、ありがとうございました。我々と考えが近いというふうに思います。

 今御指摘いただいた点でございますが、まさにおっしゃるとおり、五月二十二日、原子力規制委員会で、現在までに得られたデータをもとに、敦賀二号機の直下を通る破砕帯については、後期更新世以降の活動が否定できないということで、「耐震指針における「耐震設計上考慮する活断層」である。」とする評価が報告されたということは経産省としても承知をしております。

 また、その了承された報告書の中で、「今後、新たな知見が得られた場合、必要があれば、これを見直すこともあり得る」とされております。

 現在、事業者の方は追加調査を実施しております。経済産業省といたしましては、これらの推移をしっかり見守っていくということになろうかと思います。

 委員からも御発言ありましたが、基本的には日本原電が判断すべきことであるということもつけ加えさせていただきたいと思います。

足立委員 今政務官からおっしゃっていただいたとおりの経済産業省の考え方は、一昨日の経済産業委員会においてもあらあら伺っております。

 しかし、これは日本原電という当事者、この敦賀原発を運転してきた日本原電の経営判断に任せたのでは、もし廃炉になった場合の損失は大変巨額ですから、当面繰り延べる。廃炉の決定は当面繰り延べるのが経営的には正しいんですよ。だから、これはほっておいたらずっと繰り延べていくということがきょうの私の質問の最大のポイントなんです。

 先ほど冒頭、日本維新の会は、原子炉の即時廃炉、全原子炉ですよ、原子力政策を今すぐにとめろ、こういう立場は全くとっておりませんが、まさに田中委員長のリーダーシップでまとめていただいた新しい安全基準と新しい体制、ガバナンス、これをしっかりと厳格に適用して、その中において安全性を確保して、安全な原子炉については当面運用していくんだ、これが我が党の立場でもあるし、私の考え方でもあるわけです。

 ただ、今申し上げたように、五月二十二日の規制委員会で一旦活断層であると認定された敦賀原発について、まだこれは日本原電が引き続き調査中であるからという理由で廃炉の決定が将来に繰り延べられていっている現状について、私はこれはおかしいと。日本原電という事業体の判断としては正しいですよ。しかし、新しい安全基準に基づいて、廃炉にすべきは廃炉にする、運転すべきは当面運転するということを仕切っていくべき原子力政策の大元締めである経産省として、私はおかしいと思います。

 こういう現状にあることについて経産省はどう考えるか、もう一度御答弁、政務官あるいは糟谷部長でも結構です。

平大臣政務官 足りない部分は、後で事務方で答弁をさせていただければと思います。

 いずれにしても、原子力規制委員会がそういう評価をした、それを事業者が受け入れれば、当然、それに沿った対応がされるものと承知をしておりますが、現在は事業者は違う意見を持っている、そのために調査をしている。また、今回の報告においても、その報告書の中で、わざわざ、今後、新たな知見が得られた場合には、必要があればこれを見直すこともあり得るというふうにされているわけでありますから、この推移を見守る、注意深くウオッチしていくというのが経済産業省の立場でございます。

足立委員 ありがとうございます。

 経産省の立場は、今、平政務官がおっしゃっていただいた御答弁で、どういうお立場かは非常によくわかりました。

 今まさにおっしゃっていただいた、規制委員会が五月二十二日に決定したこの報告書の内容ですが、二号機直下の破砕帯については、耐震指針における耐震設計上考慮する活断層である旨判断できると認定をしたわけです。

 ただ、今後、新たな知見が得られた場合、必要があればこれを見直すこともあり得ると。これは当たり前のことですが、原子力規制委員会はその当たり前のことを一応確認のために書いていただいているものと私は読みました。

 規制委員会がこういうことを書いていることについて、今、平政務官は御答弁で、まだ事業者が調査しているし、規制委員会も調査しているということを認識してくれている、それをもって、いわゆる結論は出ていないんだ、こういう御認識をおっしゃったと私には聞こえましたが、そういうことですか。

 要すれば、規制委員会が認定したけれども、今後、新たな知見が得られた場合には云々という記載があることをもって、あるいはさらに、日本原電が調査をまだ踏ん張って続けている、このことをもって、規制委員会はまだ結論を出していないんだ、こういう御認識ですか。

平大臣政務官 委員が御指摘をいただいている部分で、無制限に繰り延べをしていくということは、これはやはりあり得ないんだろうと思います。

 その一方で、後期更新世以降の活動が否定できないということの中で、耐震設計上考慮する活断層であるという評価が規制委員会でされたわけでありますが、事業者の側はまた違う意見を持ち、今現在、調査等を実施しているわけでありますから、この時点をもって、経済産業省が日本原電に対して何かしらの意見をしたり指導することはないという立場でございます。

足立委員 きょうは、原子力問題調査特別委員会ですから、田中委員長にもおいでをいただいて、お聞きをいただいています。田中委員長にはまだお聞きをしません。田中委員長には、ぜひこのやりとりをよく聞いていただいて、後ほど御見解をいただきたいと思うんです。

 今、平政務官がおっしゃったように、無制限に繰り延べることはないが、敦賀についてはまだ事業者が調査中だから、こういうことです。

 しかし、先ほど申し上げたように、これは考えたらわかるんですよ。原子力発電所を持っている事業者は結論なんか出したくないんです。事業者が結論を出したいと思う閾値はすごく高いんですよ。なぜか。今持っている原発が廃炉になれば、資産がごみになるわけですから、大変な残存簿価がゼロになっちゃうわけですよ。大変な資産が毀損するわけです。

 大変な損失を出す判断について、その損失をこうむる当事者である原発を保有している事業者が、はい、そうですと言う事態というのは、よっぽど時間がたって、維持したり修理したりするのにコストがかかるので、その一連の時間とコストと、あるいは今申し上げた損失と比べたときに、これはもう損失を表に出した方がいい、こういう経営判断をした方がいいときですね。これはもう何年も先ですよ。何年も先です。

 それまで結論は出ない、こういうことですか。

平大臣政務官 何年も先かどうかは不確定で、それは委員の意見ということになるんだと思います。

 一般の民間企業でも損切りというのはあるわけでありまして、無制限に、調査中をもって、これは活断層ではないということで繰り越しをしていくということは、それは常識的にはなかなかないだろうというふうに思っております。

足立委員 では、インターネットを通じて見ている方もいらっしゃるので、これは本当に大事なことなので、さらにかぶせて経産省にお聞きしたいんですが、経済産業省は、規制委員会がどういう報告書を決めたら、規制委員会がどういう決定をしたら、それは結論だと思うのか。あるいは、日本原電などの事業者がどういう決定をしたら、それは最終的な結論が出たと認識をされるんでしょうか。

 私は、今までの御答弁を伺うと、今申し上げた、原発を保有している事業者が最終的に廃炉を決定するまで、ひたすら将来に繰り延べられるとしか理解できなかったんですが、いかがでしょうか。

平大臣政務官 ひたすら将来にわたって繰り延べられるとは我々も思っておりません。

 ただ、現段階で出ている情報は、規制委員会の方で、いわゆる耐震設計上考慮する活断層であるという評価が報告をされたということと同時に、事業者は違う意見を持っていて、独自に敷地内に追加ボーリング調査等を実施しているという現状の中で、経済産業省が民間会社である日本原電に対してああしろこうしろという指示をする、そのタイミングではないということでございます。

足立委員 平政務官、尊敬申し上げているんですが、今の御答弁はやはりもう一つわからないですね。

 結局、経営判断だということになるんですね。逆に言うと、規制委員会がどういう認定をしても、当事者が、原発を持っている事業者が廃炉を経営判断として、経営判断ですよ、経営判断として廃炉を決定するまでは、それはまだ結論に至ってはいない、まだわからないんだ、こういうことですか。

平大臣政務官 原子力規制委員会は、廃炉にするかしないかを判断するところではありません。御承知のとおりです。再稼働するに当たって、その安全性が確保されているかどうか判断をしているものだと認識しております。

足立委員 まさに、その判断をするのは、今の法体系の中では日本原電なんですよ。日本原電が決定をして、経産省に届け出るんです。だから経産省に聞いているんです。経産省は、監督している日本原電の当面の行動についてどう認識しているかなんですよ。

 これだけ原子力問題が注目をされ、再稼働の問題が注目をされ、ちょうど今、田中委員長を初めとする規制委員会の方々が安全基準をまとめた、それを八日から施行する、申請をする。大事な局面ですね。最も大事な局面ですよ。この最も大事な局面において、五月二十二日に規制委員会は認定したんです。にもかかわらず、当事者である日本原電がまだ調査すると言っているから、経産省は、まだ時が来ていないと認識していると言う。

 こういう御答弁、確認です。これは、そうであれば、そうですで結構です。

平大臣政務官 繰り返しになりますけれども、規制委員会は、再稼働に当たって安全性があるかどうかという判断をしているものであります。ですから、廃炉にすべきだ、その後、当然会計処理もついてくるわけでありますけれども、そちらを判断するものではない。

 それと、この評価が報告された一方で、事業者は違う意見があって、今、現にボーリング調査等の実施をしているという状態でありますから、この時点で、経済産業省が日本原電に対して何かしらの指導もしくは指示をする時点ではないと認識しております。

足立委員 くどいようで、多分自民党の方々はもうやめてくれということだと思いますが、これは、今確かにボーリング調査をしています、日本原電が。ボーリング調査、要は、具体的な調査活動が終わったら終わりですか。

糟谷政府参考人 日本原電は、今ボーリング調査等の調査を行っておりまして、これに基づいて報告書を原子力規制委員会に提出する考えであるというふうに承知をしております。その上で、出された報告書について原子力規制委員会といろいろやりとりが行われるものだというふうに考えておりまして、その推移を見た上で、今お尋ねの点については考えていくということだろうと思います。

足立委員 冒頭、平政務官に御質問させていただいたように、規制委員会が活断層が直下にあると認定した。

 安倍政権は今、安全なものは動かすけれども、安全でないものは動かさないとおっしゃっているかどうかわかりませんが、恐らく反語で読めば、安全なものは動かすんだから、安全でないものは動かさない、廃炉にするということだと私は理解していますが、規制委員会が、新しい枠組みの中で、新しい体制で、敦賀二号機については活断層が直下にあると認定した、ここまで事態が明らかになっているにもかかわらず、当事者の経営判断によってまだ事態が繰り延べられていることに対して、私は、異論というか異議というか、これはおかしいのではないかという意見をきょうは申し述べておきます。

 それで、これは原発の運営がどうかということだけじゃないんですね。これは敦賀原発の電気で、日本原電というのは卸電力です。この電力を関電等が買って、お金を払っているんです。

 ごめんなさい、その前に、きょうは委員長に来ていただいているので、済みません、ちょっと先へ行ってしまいましたが、今ずっと経済産業省に伺った話では、そういうことだ、まだ事業者が経営判断で繰り延べているからまだだという結論のように私は受けとめました。

 私は、田中委員長は、規制委員会は認定をしたので、もちろん、これから新しい事実が出てくれば改める、これは当たり前のことであるけれども、一旦認定をした、したがって、敦賀二号機についての規制委員会の一義的な認定判断は、これは五月二十二日に行われたと理解しています。いかがですか、田中委員長。

田中政府特別補佐人 委員のおっしゃるとおりでありまして、五月二十二日に委員会としては有識者会合の結果を了承しております。

 ただし、先ほども御答弁ありましたけれども、今後、新たな知見が得られた場合には、必要があればこれを見直すこともあり得るということになっておりまして、事業者の追加調査等によって新たなデータが得られれば、その時点で、見直しが必要かどうかを含めて検討していくということになっております。

足立委員 委員長、今御答弁いただいたことについて、せっかくの機会ですのでもう一言いただきたいんですけれども、確認をさせていただきたいんです。

 日本原電が今確かにボーリング調査をしている。もし、ここでこれまでのデータ、いろいろな調査に基づいて規制委員会が認定を五月二十二日にした、その認定の前提となる事実が日本原電の新しい調査によって覆った場合は、これは当然、今委員長がおっしゃったように、新しい事実が判明すれば、それは改める、改めて評価する。これはおっしゃっているとおりで、それは非常に常識的なというか、当たり前のことだと思います。

 問題は、このままいったときです。このままいったというのは、調査しても、覆すに足る十分な事実が出てこなかったとき、改めて何かするんですか。改めて認定をするんですか。

 日本原電の調査について、評価はすると思いますよ。評価はすると思いますが、それはこれからも永遠にそうです。ずうっとそうです。いつでもそうです。事業者が新しい事実を出してきたら、必ずそれは規制委員会は評価しますね。そう思います。

 すると、敦賀二号機についての認定は五月二十二日に行われて、一義的には認定は終わっているんですよ。それが最終的な結論なんです。

 ところが、田中委員長、この問題は私は大事だと思うので、大事ではないと思っている自民党の委員の先生方もいらっしゃるかもしれませんが、これは、日本の原子力政策の今後の推移を決める大きな判断。

 私は、もともと、福島の原子力の事故があった際に、東京電力の経営をどうするのかがすごく重要だと思ったんです。私は、JAL型の再建手続に入るべきだと思いましたが、結果的には、いろいろな、金融市場あるいは景気にも考慮して、それはしなかった。私は、もしかしたらそれは賢明な御判断だったかもしれないと思っています。

 ただ、その結果何が起こったかというと、今も福島第一原発の処理について東京電力が粛々とやっているんですよ。何度も予算委員会やこの場、あるいは復興特別委員会で私は聞きました。政府はもっと前に出ると言っているから、出るんじゃないのかと聞きましたが、政府は、いや、研究開発をします、これは一義的には東京電力の仕事なんですといって、後ろに隠れているわけですよ。今も隠れているんです、政府は。

 なぜ今も政府は後ろに隠れているかというと、今の法体系がそうなっているからです。なぜ今の法体系がそうなっているかといったら、損害賠償に係る支援機構法をつくったときにそういう枠組みにしたからですよ。要は、東電を、法的手続で公正な、透明な形で再建手続に入らずに、不透明な形で、新しい法律をつくって処理したから、いまだに東京電力と国の関係が何にも変わっていないんですよ。あれだけの事故があったにもかかわらず、事故の前と後とほとんど変わっていない。

 福島第一の廃炉の作業は、国難とも言えるこれだけ苦しい状況に福島は今置かれているのに、自民党の皆さん、よく考えてください、自民党政権はこれを放置しているんですよ。東電がやれと、後ろに隠れて腕を組んでいるんですよ。私は、なぜ今そうなったかというと、東電の処理をそうしたのが遠因というか原因である、根本の原因であると思っているわけです。

 きょう申し上げているのは、再びその見直しを行うチャンスが来た、それは今だと思っているんですよ。東電は福島第一原発だけの問題だけれども、今、敦賀の問題は、これから日本の原子力事業が始まる、新しく生まれ変わるその出発点ですね、この七月八日は。その日本の原子力政策の一番の、最初の、この始まりの時点において、敦賀の廃炉について、また経済産業省は曖昧にして先送りをするんですよ。安倍政権は曖昧にして先送りをするんですよ。全部そうです。

 私は実は厚生労働委員会で半分以上の仕事を使っていますけれども、社会保障もそうです。原子力と社会保障という、今、将来に先送りしてはいけないというテーマであればあるほど、つまらないことはすぐ決めますよ、でも、国家の基本にかかわる重大な、党派を超えて決めねばならない社会保障政策とこの原子力エネルギー政策については安倍政権は先延ばしをしているんです。

 余りここで言ったら事務方がかわいそうですが、事務方の一部は、田中委員長、こう言っているんですよ。私がこういうことを言ったら、経産省の事務方は、この問題が曖昧になっている原因は規制委員会だ、規制委員会が白黒はっきりつけないからこうなっているんだ、こう言っているんです。

 そんなことはない、規制委員会は規制委員会の使命を果たしている。黒だと言ったんです、五月二十二日に。したがって、あとは経産省の問題なんです。日本原電の問題なんです。ところが、経産省はまたもや、東京電力のときと全く同じように、これは日本原電が決めることだから、まだいいんですと言っているんです。

 だから、私は田中委員長にぜひお答えいただきたいのは、もちろん新しい事実が出てくれば評価します。これは当たり前のことだから、私はいいと思います。しかし、敦賀二号機については五月二十二日に黒だと認定した、これは事実ですね。

田中政府特別補佐人 現時点までのデータでは、おっしゃるとおりでございます。

足立委員 今の安倍政権は、将来に繰り延べていく政策をとっているんです。私たちは野党だからここでわあわあ言うしかできないんですが、日本の将来を考えれば、これは将来に先送りすべきではない、こう思っているので、そのために、旧保安院や経済産業省、資源エネルギー庁やあるいは原子力事業者、当事者、それは東電であったり関電であったりあるいは日本原電であったりという事業者に任せておいたら正しい判断ができないから、規制委員会をつくったんですよ。

 もうちょっとはっきり言ってくださいよ。二十二日は何を決めたんですか。

田中政府特別補佐人 いわゆる今回の敦賀につきましては、旧原子力安全・保安院の方から、活断層の疑いがあるのでよく調査しなさいという指示がありまして、それに基づいて事業者が調査をしてきた。その結果について、私どもが有識者を交えて評価させていただいて、その結果として、活断層であるという疑いを払拭できないということで、そういう判断をさせていただいたわけでございます。

足立委員 まさに今おっしゃっていただいたように、認定をしたわけです。そういう判断を、活断層と認定をしたわけです。

 一方で、平政務官、本当に申しわけないんですけれども、これは大事な話だから。これは、今委員長がおっしゃったように、認定をしたんです。しかし、経産省は、日本原電がまだ調査しているからといって、まだ結論は出ていないと認識している、これはそういうことですよ。お願いします。

平大臣政務官 規制委員会は、再稼働について安全性を評価する。安倍政権は、規制委員会が安全だと評価したものに対しては再稼働をしていくということなんです。ですから、敦賀の二号炉は再稼働しません、当然のことながら。

 しかしながら、その後、これを廃炉にする、もしくは、廃炉にした結果、会計の処理が出てくると思いますが、ここについては、規制委員会が活断層であるという評価、報告があった一方で、先ほどもおっしゃいましたけれども、当たり前のことと言っておりますが、わざわざ報告書の中で、今後新たな知見が得られた場合には、必要であればこれを見直すこともあり得ると記述し、さらに、事業者の方は、この規制委員会の評価とは違う意見を持って、現在調査が進行している。

 これは黒だといって死刑にしてしまった後に、新しい証拠が出てきたといっても生き返らないわけですから、現時点で、経産省が日本原電に対して何か指導する時点ではないという立場におります。

足立委員 平政務官、さすがというか、おっしゃっていることは大変よくわかります。経済産業省のみならず、今の安倍政権はそういう立場なんです。これはよくわかります。

 日本原電の経営、要は、原子力発電所というのは経営資産です。この経営資産をどうすることが経営上よいかということについては、さっき申し上げたように、相当先まで繰り延べることが経営的には正しいんです。

 その中において、我々というか日本維新の会そして私は、原子力事業というのは、今国民がこの推移を注目しているんですよ。したがって、廃炉と認定された、黒と出た暁には、これは速やかに廃炉の決定をして、その損失の処理についてしっかりと政府として責任を持って、それが例えば関西電力の電気料金として関西の利用者の負担に回り回って行くようなことがないようにと。

 あるいは、その損失がいわゆる日本原電の破綻処理という形で、将来のことですから破綻処理も失礼ですが、私は可能性はあると思います。その可能性について言っているわけですが、日本原電が破綻したときの処理、これについても、きょう中盤で申し上げたように、東京電力のときに、いわゆる自民党的なと言ったら失礼かもしれませんが、いや、私は自民党的と言っているのは、必ずしも悪いと思わないんですよ。自民党のやり方というのは、ある意味での合理性はあるんです。

 不良債権に模する議論がこれはあるけれども、本当にこの議論は不良債権と一緒かと。私も、今いろいろな議論をしています。中でもしています。事務方、経産省の職員の方とも議論しています。だから、これは本当に議論があると思います。

 ただ、委員長、もう二、三分で終わりますけれども……(発言する者あり)私の時間は五十五分まであるんです、五十分で終わりますが。

 委員長、このおかしな委員、ちょっと発言をやめさせてください。この運営は、私は五十五分まで持っているんですよ。わかっていますか。(発言する者あり)ごめんなさい。筆頭理事、済みません。

 この問題は重要なんです。今、平政務官に申し上げたように、これは確かに議論はある。議論はあるけれども、日本維新の会は、そして私、足立康史は、原子力事業というのは、やはり繰り延べて繰り延べて繰り延べていくと、国民から見ていても、これはどうなっているんだということになる。

 いずれ廃炉にするのであれば、その損失は株主を通じて、結局それは、株主というのは電力会社なんですよ、日本原電が倒れると、その会社を持っているのは電力会社なんですよ、電力会社の損失になる。そして、電気料金にはね返っていく可能性がある。

 一方で、このままずるずるいっても、経済産業委員会で指摘をしたような基本料金という形で、電力は動いていなくても、お金は関西電力から日本原電に流れ続けるんです。電力は来ていないけれども、お金は流れ続けるものだから、結局また関西電力の利用者に回るんですよ。

 確かに、いずれのパスを通っても、この電力の問題というのは、敦賀を廃炉にしたコストというのは何らかの形で国民が背負っていく、国民以外にいないわけですから。その背負っていくルートが、一体それはどういうルートであるべきかということを、平政務官、この委員会はもうこの通常国会内ではないかもしれませんが、いろいろな機会にぜひまた御討論をいただきたいと思うんです。

 もう最後ですが、また足立の演説会かと言われそうですが、これはどういうパスを通るかに私がきょうこだわった理由は、原賠法なんです。

 原子力事業の損害賠償責任に関する見直しを、国会が附帯決議で、去年の八月と言っていたんですよ。その立法府の意思をほったらかしにして、今政府は原子力賠償責任法の見直しについて基本的には放置しているんです、先送りしているんです。なぜ今政府がそれを先送りしなければいけないかというと、繰り返しになりますが、東電の処理を、そういう処理をしたからです。

 だからこそ、私は、日本原電の扱い、敦賀原発二号機の扱い、この廃炉の扱いについては、経営任せにするのではなくて、規制委員会が黒だと言ったんだから、経済産業省は原子力事業、原子力エネルギーの責任を負っているわけですから、経済産業省としてしっかりと廃炉に向けたリーダーシップをとっていただいて、その先に、国の役割、原子力事業において日本国は、国が何の責任を持つのか、日本原電や東京電力の後ろに隠れるのではなくて、前に出て国はどうするかということを原子力賠償責任法の見直しという形で明らかにしていただきたいとお願いを申し上げて、いいですね、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。

森委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前十一時五十一分散会


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