衆議院

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第1号 平成25年4月11日(木曜日)

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平成二十五年四月十一日(木曜日)

    午後一時一分開議

 出席委員

  内閣委員会

   委員長 平井たくや君

   理事 木原 誠二君 理事 関  芳弘君

   理事 田中 良生君 理事 西川 公也君

   理事 平口  洋君 理事 若井 康彦君

   理事 松田  学君 理事 高木美智代君

      青山 周平君    鬼木  誠君

      勝俣 孝明君    川田  隆君

      小松  裕君    新谷 正義君

      田所 嘉徳君    田中 英之君

      高木 宏壽君    豊田真由子君

      中谷 真一君    中山 展宏君

      福山  守君    山際大志郎君

      山田 美樹君    吉川  赳君

      岡田 克也君    後藤 祐一君

      津村 啓介君    遠藤  敬君

      河野 正美君    杉田 水脈君

      中丸  啓君    山之内 毅君

      輿水 恵一君    浜地 雅一君

      大熊 利昭君    赤嶺 政賢君

  総務委員会

   委員長 北側 一雄君

   理事 田中 良生君 理事 土屋 正忠君

   理事 徳田  毅君 理事 橋本  岳君

   理事 山口 泰明君 理事 原口 一博君

   理事 東国原英夫君 理事 伊藤  渉君

      井上 貴博君    上杉 光弘君

      門山 宏哲君    木内  均君

      小林 史明君    瀬戸 隆一君

      田所 嘉徳君    中村 裕之君

      湯川 一行君    小川 淳也君

      奥野総一郎君    福田 昭夫君

      馬場 伸幸君    濱村  進君

      佐藤 正夫君    塩川 鉄也君

  財務金融委員会

   委員長 金田 勝年君

   理事 木原 誠二君 理事 竹本 直一君

   理事 山本 幸三君 理事 安住  淳君

   理事 上田  勇君

      安藤  裕君    小田原 潔君

      鬼木  誠君    神田 憲次君

      小島 敏文君    小林 鷹之君

      田野瀬太道君    田畑  毅君

      竹下  亘君    中山 展宏君

      藤井比早之君    牧島かれん君

      松本 洋平君    御法川信英君

      山田 賢司君    階   猛君

      武正 公一君    西野 弘一君

      松田  学君    三木 圭恵君

      山之内 毅君    岡本 三成君

      小池 政就君    鈴木 克昌君

  厚生労働委員会

   委員長 松本  純君

   理事 上川 陽子君 理事 高鳥 修一君

   理事 棚橋 泰文君 理事 冨岡  勉君

   理事 西川 京子君 理事 山井 和則君

   理事 上野ひろし君 理事 古屋 範子君

      赤枝 恒雄君    大久保三代君

      大串 正樹君    金子 恵美君

      小松  裕君    白須賀貴樹君

      新谷 正義君    田中 英之君

      田畑 裕明君    高橋ひなこ君

      とかしきなおみ君    豊田真由子君

      中川 俊直君    永山 文雄君

      船橋 利実君    堀内 詔子君

      三ッ林裕巳君    村井 英樹君

      山下 貴司君    中根 康浩君

      柚木 道義君    横路 孝弘君

      足立 康史君    伊東 信久君

      新原 秀人君    宮沢 隆仁君

      伊佐 進一君    輿水 恵一君

      柏倉 祐司君    中島 克仁君

      高橋千鶴子君

    …………………………………

   財務大臣         麻生 太郎君

   総務大臣         新藤 義孝君

   厚生労働大臣       田村 憲久君

   国務大臣         山本 一太君

   国務大臣

   (社会保障・税一体改革担当)           甘利  明君

   内閣府副大臣       寺田  稔君

   財務副大臣        山口 俊一君

   厚生労働副大臣      桝屋 敬悟君

   内閣府大臣政務官     山際大志郎君

   厚生労働大臣政務官  とかしきなおみ君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  向井 治紀君

   政府参考人

   (総務省自治行政局長)  望月 達史君

   政府参考人

   (財務省大臣官房審議官) 星野 次彦君

   政府参考人

   (財務省主税局長)    田中 一穂君

   政府参考人

   (国税庁次長)      西村 善嗣君

   政府参考人

   (国税庁長官官房審議官) 刀祢 俊哉君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房年金管理審議官)       高倉 信行君

   政府参考人

   (厚生労働省医政局長)  原  徳壽君

   政府参考人

   (厚生労働省保険局長)  木倉 敬之君

   政府参考人

   (厚生労働省政策統括官) 唐澤  剛君

   内閣委員会専門員     雨宮 由卓君

   総務委員会専門員     阿部  進君

   財務金融委員会専門員   北村 治則君

   厚生労働委員会専門員   中尾 淳子君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律案(内閣提出第三号)

 行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出第四号)

 内閣法等の一部を改正する法律案(内閣提出第五号)

 地方公共団体情報システム機構法案(内閣提出第七号)


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     ――――◇―――――

平井委員長 これより内閣委員会総務委員会財務金融委員会厚生労働委員会連合審査会を開会いたします。

 先例によりまして、私が委員長の職務を行います。

 内閣提出、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律案、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案、内閣法等の一部を改正する法律案及び地方公共団体情報システム機構法案の各案を一括して議題といたします。

 各案の趣旨の説明につきましては、これを省略し、お手元に配付の資料をもって説明にかえさせていただきますので、御了承願います。

 これより質疑を行います。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。田所嘉徳君。

田所委員 自由民主党の田所嘉徳でございます。この連合審査会におきまして質問の機会をいただきまして、感謝をしたいと思います。

 この番号制度の導入につきましては、四十年以上も前から、コンピューター化に伴いまして、統一個人コードの案なども出されてまいりました。また、税の分野におきまして、グリーンカードの導入等、さまざまな構想がこれまで検討されてきましたけれども、管理社会につながる、あるいは、最終的には徴兵制につながるんだというようなことまで言われまして、なかなか実現ができなかったわけでございます。今日まで至らなかったということでございますけれども、今般、具体的に進んできたわけでございます。

 行政の広範多岐にわたる事務を処理する上で、効率化を図っていくということは大変重要である。これは、行政の負担のみならず、国民の利益にもつながるもので、大変重要でございます。しかし、効率的であれば何でもいいということにはならないんだろうというふうに思っております。

 私は、スーパー公務員というのをちょっと考えてみたんですね。この公務員は、路上駐車とか一時停止違反があれば即座にそこで捕らえるとか、そして、条例で禁止されている路上喫煙の問題があれば喫煙者をすぐそこで取り締まる、あるいは、建築基準法違反の事案が見つかったら、これをすぐ通報するか何かするんでしょうか、ごみのポイ捨てあるいはたき火、そういったものも一元的に一人でみんな取り締まれるような公務員がおりましたら、まさにスーパー公務員で、こんなに効率的なことはないというふうに思うんですけれども、どうでしょうか。私は、これは、予測不可能でありますし不意打ちのこともありますので、国民にはなかなか理解されないだろうというふうに思っております。

 私は、そういう観点から、この効率化というものも、十分国民の理解のもとに進めなければならないというふうに思っております。

 今般、番号制度の導入を議論しているその中で、過去のそういった検討、そういう経緯の中にどういう問題があったのか、そして実現できなかったのか、そして今般はどう違うんだということをしっかりと示していくべきだろうというふうに思っておりますけれども、改めて、その点、甘利大臣にお聞きしたいと思います。

甘利国務大臣 過去、この種の話が持ち上がっては消えてきた歴史は、御指摘のようにございます。

 まず、一九七〇年に、コンピューター処理に関するさまざまな標準化の一環として、事務処理用の統一個人コードの検討がなされました。しかし、このときには、国民総背番号制として管理社会につながるというような危惧が出されまして、構想は頓挫をしたわけであります。

 それから、税の分野におきましては、一九八〇年にグリーンカード法案が、これは可決をされましたけれども、プライバシー保護などの反対運動がかなり広範に起きまして、これも廃止をされた経緯がございます。

 社会保障分野では、一九六一年に年金や健康保険の分野で制度ごとに番号が導入をされまして、一九九七年には基礎年金番号が導入されたものの、年金そして健康保険等、制度ごとに異なる番号を使うという状況は今も続いているわけであります。

 二〇〇二年に住民票コードが導入をされまして、地方公共団体における、転出入等の住民の異動情報の管理であるとか、あるいは年金の支給事務における対象者の現状確認等で活用されているわけでありますけれども、分野横断的な利活用という面で一定の制約があるわけでございます。

 今回提案をします法案では、過去の番号制度の検討過程で示されたさまざまな課題に対応をいたしまして、例えば、よく言われてきたことでありますけれども、国家による一元管理ではないか、その懸念であるとか、あるいはプライバシーが侵害されるということに対する懸念、このプライバシー保護への懸念等に対しましても、システム面であるとかあるいは制度面でもさまざまな対策を講じますとともに、社会保障制度や税制に係る行政分野で番号制度を積極的に活用して、国民の利便性の向上であるとかあるいは行政運営の効率化に資するように取り組んでまいるということでございます。

 過去のいろいろな懸念をしっかり踏まえて、そういう心配がないような入念な配慮をしつつ、IT社会の利便性向上、いろいろな行政の効率化、そして公平公正社会等々を勘案した制度として、今回提案しているところでございます。

田所委員 さきの総選挙で示された、政策実現、成果の評価に対する国民の厳しい姿勢の前に、政府は非常に手がたく仕事を進められておりますけれども、この番号制につきましても、やはりしっかりと対応していかなければ、今言われましたように、グリーンカード、税のカードにつきましても、法案が成立しても廃止せざるを得なかったというようなことになってしまうわけであります。

 これらにつきましても、あくまで国民の利益に資するということを前面に出していたわけでありますし、今度の制度につきましても、政府は、社会保障そして税番号制というように、あくまでも社会保障と言っておりますけれども、やはり、そういう中で本質はどうなのかということを国民はよく見ているというふうに思っております。

 そういう中で、どのような社会フレームを目指してこれを進めようとしているのか、このことが私は非常に重要だろうというふうに思っております。

 まず、行政の効率化、国民の利便性の向上、これも重要でありますけれども、今の政治の中で、まず給付を国民に求められ、それをかなえるのがいい行政である、政治であるというようなことが蔓延しているのではないか。国家があなたのために何をしてくれるかではなく、あなたが国家のために何ができるかを問うてほしいと、有名な言葉がございますけれども、私は、今の日本の政治の中で、国のありように非常に重要な意味を見出すことができるというふうに思うんです。

 我が国が、アラブ諸国のように資源が豊かで、どんどんばらまくことができるなら、それはどんなことをしても結構だろうと思いますけれども、やはり、資源のない国、私は、負担と受益のバランスがしっかりととれるような、そういう制度というものが非常に重要であるというふうに思っております。

 社会保障制度の維持、充実のために大変巨額の負担が生じている。そして、私は、本法律によって実現すべきは、社会保障における適正な給付や不正受給等の防止、あるいは、税や保険料等を免れる、そういうことが起きないような、負担と受益における公平性が確保できるような、そういうものでなくてはならないというふうに思っておりますけれども、その点についてお聞きをしたいと思います。

甘利国務大臣 番号法案におきましては、第三条の「基本理念」におきまして、「行政運営の効率化を図り、もって国民の利便性の向上に資すること。」とともに、「社会保障制度、税制その他の行政分野における給付と負担の適切な関係の維持に資すること。」を掲げておりまして、まさに、番号制度の導入の意義として、御指摘のとおりであるというふうに認識をいたしております。

田所委員 私は行政書士、一級建築士でもありますけれども、具体的な運営の中で、役所に書類を提出するにつきまして、やはり一番問題、不合理だと思いますのは、同じ役所で証明書をもらって添付書類とする。まさに縦割り、非常に硬直的な、役所中心的なあり方が非常に問題だろう。そういったものも、この制度によって解決されなければならないというように思っているわけでございます。

 また、各省や自治体との連携、所管を超えた連携というものの中で、やはり飛躍的な行政の効率化というものも図れるんだろうというふうに思っております。そういう中で、生活保護の不正受給とか税申告の不適正なものを発生しないようにする、そういった点で、しっかりとした新たな活力が見出せるだろうというふうに思っております。

 その点につきまして、具体的な例を含めながら、理解しやすいように説明してもらえればありがたいというふうに思います。

向井政府参考人 お答えいたします。

 例えば、社会保障の分野におきましては、年金給付などの給付申請の際の、今あります住民票とか所得証明といった添付資料を省略できる。あるいは、生活保護の決定、実施に際して必要な調査を行いますけれども、そのときに、住所ですとかあるいは所得なんかは、調べなくてもバックオフィス連携で入手できる。あるいは、税分野におきましては、例えば異なる地方税当局間におきまして、番号を利用しまして法定調書等の名寄せを行うことによりまして、より正確な所得把握が可能となる、そういうふうなことが考えられるというふうに思っております。

田所委員 それでは、まとめに、番号制度の導入によるメリットとして、マイポータルというものが掲げられております。これを通してプッシュ型サービス等ができるということであります。給付の開始、こういった制度がありますよとか、助成制度がありますよ、あるいは医療の情報、そういったものが入るかどうかわかりませんけれども、いろいろな活用が考えられます。しかし、具体的な機能とか、その方向性というものが示されていない。非常に不明確であります。

 幅広く積極的な情報提供の可能性が広がる、大変有用でもあることから、これは新たな制度として、この番号制度の延長上だけではないんだという捉え方が必要であり、この内容がどういう想定のもとにあるのか、そしてその決定をどのようにして進めるのかということも明らかにしなければならない。個人に提供するということは、それだけ、行政間で使うよりも漏えいの問題も発生しやすいわけでございます。

 そういう中で、いかなる情報をマイポータルによって提供することが合理的なのか、セキュリティーの問題とあわせて検討しなければならない、この点についてどのように考えているのか、お聞きしたいと思います。

向井政府参考人 お答えいたします。

 マイポータルの機能につきましては、この法律の附則の検討事項の部分におきまして、このマイポータルを整備するということが書かれてございます。その中身といたしまして、行政機関との間で行われた情報提供記録の確認、それから行政機関が保有します自己情報の確認、それからいわゆるプッシュ型サービスと言われる行政機関からのお知らせ情報の表示、それからワンストップによる各種申請を、それぞれ自宅のパソコンから行えるようにする、そういうふうな機能が、法律上、これを検討するように書かれてございます。

 これらにつきましては実現するように検討してまいりたいと思っておりますが、先生御指摘の、これを番号制度のみならず、電子政府の一環と捉えて、例えば他のオープンデータとか、そういうものと連携させていくということによりまして、よりよい電子政府というのができるのではないかと思っております。

 その一方で、確かに、セキュリティーというのは重要でございますので、この対策といたしまして、データ通信の暗号化、侵入検知あるいはその防止、改ざん検知、防止、大量のデータ送信によるサービス妨害攻撃の防止、成り済ましを防止するための公的個人認証等によります本人確認などを考えております。

 情報技術が日々進化する一方で、サイバー攻撃も日々巧妙化しておりますので、これらの動向を継続的に捉えつつ、内閣情報通信政策監とも連携を密に図り、政府全体でセキュリティーには万全を期する必要があるというふうに考えております。

田所委員 時間も来たようでございますけれども、まさに社会保障制度の維持あるいは充実を図っていくために非常に重要である、あるいは、行政の効率化そして国民の利便性に資するために非常に必要性が高いんだ、さらに、セキュリティーにおきましても十分なそういう対策を行っているということにつきまして、国民の理解が十分得られるように推進をしていく、そういうことによってサービスを向上していくということのために、しっかり進めていただきたいというふうに思います。

 以上で終わります。

平井委員長 次に、濱村進君。

濱村委員 公明党新人議員の濱村進でございます。(発言する者あり)ありがとうございます。

 総務委員としてまだ委員会でも質問をしておらないところでございますけれども、連合審査会で質問させていただきます。このような場を与えてくださった全ての方々に御礼申し上げます。十五分間、どうぞよろしくお願いいたします。

 まず、甘利大臣にお伺いしたいと思います。

 番号法案、マイナンバー法案を導入することによる狙いは、一つには国民の利便性の向上、そして、もう一つには行政サービスの効率化であると伺っております。狙いについて大いに賛同するものでありますけれども、これまでも議論が深まってきておりますので、具体的にどのような点に課題があると思っているのかという課題認識と、何を改善するのかという改善目的をお聞かせください。

    〔平井委員長退席、北側委員長着席〕

甘利国務大臣 委員の初めての質問に答えさせていただくことを光栄に思っております。

 自治体におきましては、委員御指摘のとおり、これまでも、効率性の確保であるとか国民の利便性の確保といった観点から、さまざまな努力や検討がなされてきたわけであります。こうした取り組みを進める上では、各自治体における電子化の推進が重要と考えておりまして、その進捗状況につきましては、各自治体の財政状況、地域の実情により差が生じているところであります。

 番号制度の導入によりまして、全国の自治体において、ITを活用した行政事務の効率化を推進する基盤が整備されていることから、番号制度に係る個々の行政事務において、業務フローの見直し、行政の効率化が図られ、限られた人員や財源を国民サービスの充実のためにより重点的に配分することが可能となるというふうに考えております。

 世の中が電子化、IT化していく中で、言ってみれば、基本的なインフラになっていくんだと思います。もちろん、その活用についてはいろいろな懸念が提起されておりますが、それに配慮して、とにかく限られた分野で、ある限定的な条件の中に行っていく。その知見を活用して、それ以降の展開を考えていくということになろうかと思います。

濱村委員 ありがとうございます。

 本当に、今大臣がおっしゃったとおりかと思いますけれども、そういう意味では、広く国民に利用されて初めて、今回の制度が役に立つものかというふうに考えております。

 広く国民に利用されるためにも、今回の個人番号カードについては、ぜひ無料で配付すべきであると思うわけでございますけれども、いかがでございましょうか。これは新藤大臣にお願いいたします。

新藤国務大臣 個人番号カードは、市町村が備える住民基本台帳に登録された者に対して、その方からの申請に応じて交付されるということであります。

 一方で、この個人番号カードは、今後、就職の際ですとか、それから、何か子育ての給付を受けるとか年金の受給を受けるとき、そういったときに提示が求められることになります。したがって、多くの方が取得しやすい環境をつくるということは重要な御指摘だ、このように思っています。現在、我々も検討しております。

 一方で、住基カードの場合のこともありますから、そういったものを含めて、さらには地方の声、そういったものも踏まえて、いろいろな観点から検討を進めてまいりたい、このように考えています。

濱村委員 ありがとうございます。

 前向きに検討していただけるということで、大変ありがたいと思っております。

 今回のマイナンバー法案では、マイポータルという国民向けのインターネットサービスが提供されることとなります。先ほどからも出ておりますけれども、これは、家にいながらにして、受給可能なサービスがどういったものかということが確認できる便利なものでございます。

 しかしながら、今伺っている限りでは、このマイポータルが少々使いづらい、そういう認識がございます。

 どういうことかと申し上げますと、個人が個別具体的にどのような行政サービスを受けられるかを確認するためには、ログインしなければいけません。そのログイン、現状で想定されているログインの方法については、個人番号カードをICカードリーダーで読み込む必要がある、こういった認識でございます。

 こうなっている理由はさまざまあるかと思いますけれども、まず、このマイポータルにおける個人認証のレベル、セキュリティーレベルの最も高い個人認証レベル4を必要としているからだというふうに伺っております。

 なぜ個人認証レベル4が必要と考えているのか、そしてまた、カードリーダー以外の方法について、検討経緯、検討結果について御報告をいただきたいと思います。

甘利国務大臣 御案内のとおり、マイポータルは、特定回線ではなくて、ネット上に設定されているわけであります。ですから、特定回線よりもセキュリティーが甘いのではないかという懸念がよく出されているわけであります。あわせて、外国のいろいろな被害を見ますと、成り済まし等々の犯罪があります。よって、しっかりしたセキュリティーのもとにアクセスできるようにしないと、個人情報が流出するおそれがあるということでございます。

 そういう理由で、情報セキュリティー及びプライバシーの保護に配慮した、厳格な本人確認が必要であるというふうに考えております。

 今、後段は、それ以外のアクセス手法はと。一応、今のところ、こういうやり方で導入を図っていきたいというふうに考えております。

濱村委員 ありがとうございます。

 セキュリティーレベルを高くしておく必要があるという大臣の見解に賛同するわけでございますけれども、ほかの検討についてもしっかり進めていただきたいということをぜひお願いしたいのと、これまでも検討されているのかどうかというところをぜひお伺いしたいんですね。

 そういった意味でいいますと、個人認証レベルの4というのは、多要素認証における認証レベルにおいては、言ってしまえば、実印と同じレベルを持つということになります。そもそも、さまざまな申請窓口において実印が必要かというと、地方自治体によって違うかもしれないんですけれども、実印は恐らく必要ないかと思います。

 そういった意味でも、なぜネットで使うために、参照するためだけに実印レベルのセキュリティーレベルが必要であるのか。これはちょっと考え方として整合がとれていないのではないかというふうに考えますけれども、どのようにお考えでしょうか。

向井政府参考人 お答えいたします。

 大臣のお答えしたとおり、マイポータルでは、特定個人情報、番号つきの個人情報を取り扱いますので、本人がそこにログインいたしまして自分の情報をとりますと、自分の番号範囲となっている情報は全てとれてしまう。したがって、成り済ましが起こった場合に被害が大きくなる危険性が高いということから、いわゆる番号つきの特定個人情報を扱うものにつきましては、やはり非常に高い認証レベルが必要であろうかと思っております。

 一方で、今、先生が申請とおっしゃいましたけれども、申請の場合は、確かに、特定の個人情報を入手するものではないので、その申請の種類に応じてさまざまな活用手段はあるだろう。さらに、いわゆるプッシュ型サービスというのも二種類あって、プッシュ型サービスでも、例えば、行政の側で番号を使って名寄せした上で、その名寄せした情報を使ってプッシュをする場合はやはり個人情報の保護が必要だと思いますが、一方で、例えば、一定の所得以下の給付を、単に番号を使った情報を使わずにお知らせするというふうなものにつきましては、必ずしもそういう高い認証は必要ではないのではないか、そういうふうに考えております。

濱村委員 ありがとうございます。

 そういう意味でも、結局、私が問いたいところは、ICカードリーダーという物理媒体を使っているという点なんですね。

 これは、なぜそういうふうになっているかというと、現在の規定では、物理媒体を使っているので、その正当性を第三者が保証しているということになりますけれども、そもそも、物理媒体を使わないと認証の正当性が確保できないというお考えを変えるおつもりはないでしょうか。この点、ぜひお伺いしたいと思います。

向井政府参考人 認証レベルの高さは必要とは考えておりますが、認証レベルが高くて個人情報の保護が図れるのであれば、物理媒体にこだわる必要はないと思っておりまして、もちろん、極端な例でいうと身体認証みたいなこともありますし、それ以外にも、認証レベル4の認証手段というのは幾つかございます。

 そういうものも含めまして、また、逆に将来は、スマホでカードリーダーのかわりになる可能性もありますし、スマホの中のチップを使うことも考えられるというふうなこともあろうかと思います。

 それらにつきましては、附則で、技術の進歩に合わせていろいろ考えるというふうな規定がございますので、その規定に従って検討するものと考えております。

濱村委員 ぜひ、引き続き検討を重ねていただきたいというふうに思うわけでございます。

 時間も少なくなってまいりましたので、最後の質問になります。

 マイナンバーは、電子政府の取り組みを進める中で、第一歩の取り組みかというふうに考えております。電子政府を推進して、積極的に国民に利用してもらうためにも、利便性は生命線であるというふうに認識しております。そのためにも、個人認証レベル4の定義の見直しや、今回設置されます特定個人情報保護委員会から、将来的には個人情報保護委員会の設置なども含めて、環境整備こそが必要となってくるかというふうに考えます。

 政府が電子政府を進めるために、政府認証型のトラストフレームワークのようなものを導入していただくというようなこともぜひ考えていただきたいというふうに思いますが、山本大臣に御所見をお伺いさせてください。

山本国務大臣 IT担当大臣として御答弁申し上げます。

 おっしゃったとおり、国民に利便性の高い電子政府の推進、これはIT政策の観点からは重要だというふうに認識をしております。

 今おっしゃった、御指摘のトラストフレームワークというのは、IDを発行し、IDにひもづくパーソナルデータを提供する機関とか、あるいはその機関からパーソナルデータの提供を受けてサービスを行う機関を認証し、これを監査する、こういう仕組みのことをおっしゃっているんだというふうに認識をしています。

 確かに、民間のIDを電子政府で活用するには、こういう、今、議員がおっしゃったようなトラストフレームワークは必要だというふうに私も理解をしています。

 他方、トラストフレームワークの活用に関しては、もう御存じだと思いますけれども、認定あるいは監査する主体の位置づけをどうするのかとか、認定方法とか責任の分界点の問題とか運営コスト等、解決をしなければいけない課題もあるということですが、電子政府の利便性を向上させるためにはいろいろな方策が考えられると思いますけれども、きょうの御指摘、御提案も含めて、幅広く議論をさせていただきたいと思います。

濱村委員 前向きな御答弁、ありがとうございます。

 先ほど大臣におっしゃっていただいたとおりでございますけれども、トラストフレームワークというのは、日常使っているID、国民の皆様がふだん使っているIDを、全く別のサイトでも流用できるような、そういった仕組みでございます。簡単に申し上げております。

 ただ、問題点としましては、責任範囲であったりとか、その契約範囲をどう定義するのか、あるいは、仮にそこで紛争が起きた場合どのように解決していくのか、こういったことをしっかりと定義して解決していく、そういった仕組みのことを言っているわけでございます。

 実は、アメリカの政府におきましては、オープン・アイデンティティー・トラスト・フレームワーク、こういったものを推進しているわけでございまして、ぜひ日本におきましても、研究を重ねていただいた上で、同様の仕組みを設置していただきたいというふうに思います。

 まだまだ御質問させていただきたい点もございますけれども、時間となりましたので、終了させていただきます。ありがとうございました。

北側委員長 次に、小川淳也君。

小川委員 民主党の小川淳也でございます。よろしくお願い申し上げます。

 まず、通告に従って各論に入る前に、甘利大臣にお尋ねします。

 先ほど来議論がありますとおり、納税者番号制度を含めたID番号制度の必要性の議論が三十年、四十年、行われてきています。なぜ三十年、四十年、放置されて今日まで参りましたか。大臣、ちょっと御見識をお聞きしたいと思います。

甘利国務大臣 これは放置されてきたわけではないと思います。法案まで通った例がございます。

 しかし、国家の一元管理だとか、情報漏えいであるとか、個人情報があちこちに流れていくのではないか、悪用されるのではないか、そういう一般的な不安で、なかなかこの種のことに取りかかれなかった。

 しかし、それは経験値として、今回、活用されていると思います。そういう不安を与えないように、どうセキュリティーを図るか。それは、システム上のセキュリティー、人的セキュリティー、あるいは取り扱う人を限定するとか、あるいは特定の個人情報がしっかりと守られているかを監視する、あるいはそれに対する罰則。過去の経験値のもとに、そういう心配がないように対応した今回の番号法案、それに生かされているというふうに承知をいたしております。

小川委員 大変難しい問題だったでしょう。私も直観的に申し上げますが、恐らく、国民総背番号制度を導入するというのは、かつては内閣一つ吹っ飛ばすような大きな仕事でしたよね。それの政治的な重みに照らして、なかなか具体化しなかった。

 私、こういうことを言うとよくたたかれるんですよ、インターネット等で。しかし、あえて申し上げますが、これを最初に法案化したのは前政権です。昨年の二月。いろいろと反省点もあり、国民の皆様の期待に十分添えなかったことは、おわび申し上げても申し尽くせない。しかし、政権の名誉挽回というより事実の確認として、そういう前政権での取り組みがあって今法案につながっているということは、事実の問題としてここで確認させていただきたいと思います。大臣、答弁は結構です。

 それで、この間、内閣委員会の質疑、全部ではありませんが、概観させていただきました。かなり個人情報の保護に重点を置いた議論があったというふうに承知しています。

 私は、ちょっと違った角度で、つくる以上、極めて使えるカードにする責任が政府にはあると思う。その観点から、ちょっと反省も含めて、新藤総務大臣の御見解をお聞きしたいと思いますが、十年前に導入した住基カード、四百億近い初期投資をかけた。毎年百億のランニングコストをかけている。しかし、国民の利用率は五%前後。これはなぜですか。なぜだと分析されていますか。

新藤国務大臣 確かに、住基カードを持っているということになりますと、六百五十六万枚ですから、一億二千万人に対して約五%、こういうことになるわけであります。しかし、この住基ネットというのは、カードを普及させることが目的ではなくて、住基ネットの活用によって利便性を向上させることが重要だったんです。

 そういう観点からすると、これは年間で、一年間ですよ、四億三千万人の本人確認情報が提供されています。それから、これまた二十三年度でありますが、年金の現況届は四千万件です。それから、住民票の写しが五百二十万件。これは、いずれも省略されるようになったんですね。

 ですから、そういうふうに、国民の共通基盤として、利便性を高めたという意味においては、この住基ネットの活躍というのは、今まさに基盤となっているということだと思います。

 そして、そのときにカードがなぜ普及しなかったかというと、行政四情報であって、やれることが限られている。それは一度役所に行ってしまえば、役所側が便利にやってくれるようになりましたので、カードを持つ必要性というのが高まらなかったのではないか、こういうことはございます。

小川委員 いろいろとサービスがふえてくるのはそうでしょう。しかし、五%しか利用されていない。これはただじゃありませんからね、さっき申し上げたように。ですから、この国民IDは、仮に導入するのなら住基ネットの十倍と言われる初期コストがかかると言われている、二千億から三千億と言われているでしょう、そうすると、本当に利用されるものにする責任が政府にあると私は思うんですよ。

 その観点から、ちょっと一つの例として、宮崎県の宮崎市は、この住基カードが異様に利用されているんでしょう。利用率が二〇%と言われています。これはなぜですか。

望月政府参考人 宮崎市の事例でございますけれども、委員御指摘のように、非常に普及率が高いというふうに承知をいたしております。

 カードを発行する際に手数料を非常に配慮したり、あるいは、カードの独自利用についてもさまざまな検討をしたというふうなことを承知しております。

小川委員 これをもっとはっきり言えば、宮崎市は印鑑登録証を兼ねているんだそうですね。そのことによって利用者が急増した。

 つまり、こういうことだと思うんですよ。怖くて聞きません。私も聞かれたくないんですけれども、それぞれ住基カードをお持ちかどうか、閣僚の皆さん。これは具体的にメリットを余り感じませんからね、持っていても。(新藤国務大臣「持っているの」と呼ぶ)私は持っていません。(発言する者あり)まあまあ、ちょっと場外ではやめましょう。

 それで、要するに、さっきも議論になりましたが、カードの利便性を高めるというのは生命線だと思うんですよ。それで、今回、確かに住基カードに比べればはるかに汎用性は高くなりますね。証券会社の口座の開設にも必要でしょう、調書の関係上。不動産取引も一定以上は必要ですよね。それから、雇用契約のときも必要でしょう。そして、福祉サービス、年金受給等々、相当拡大しますから、生活に欠かせないカードになっていく可能性は秘めていると思います。やる以上は、そうすべきだと思う。

 そこで、しかし、なぜ銀行口座の開設には要求しないのか。なぜ、事業取引、領収証の発行や請求書の発行には、納税に深くかかわる事務であるにもかかわらず、採用しないのか。この二点、いかがですか。

向井政府参考人 お答えいたします。

 税の分野におきましては、現在ある調書に番号を振って、それで、住所、氏名等を加えて番号を振るというふうな利用方法を行うこととしております。

 ただ、税の場合、毎年税制改正がございますので、税制改正におきまして調書がふえましたら、その調書にはまた番号が振られることになろうかというふうに考えます。

小川委員 これは、導入する大義は、個人情報を提供してください、しかも相当機微にかかわる個人情報です、しかし納税執務上あるいは福祉や年金の受給執務上、適正を期し公平を担保しますというのが導入の大義でしょう。大きな大義。そうすると、収入の把握にしても資産の把握にしても、銀行預金の開設に当たって番号を要求することは必須じゃありませんか。

 ちなみに、私、十三年前、金融庁にいました。預金保険法を担当していた。当時、ペイオフ解禁が大きな政治的課題でした。そのときに、各銀行の預金者を一千万円で名寄せするというのは至難のわざでした。現在もそうです。

 それから、生活保護の受給。資産審査をやりますね。銀行口座がすぐわかるかどうか、これは極めて重要じゃありませんか、不正受給を排除するためにも。

 これはちょっと、担当大臣はどなたになるんですか。政治的見解をお聞かせください。なぜ銀行口座の開設は対象にしないのか。なぜ事業取引上の領収書、請求書には番号を付すことを要求しないのか。極めて重要な取引であり経済行為じゃありませんか。いかがですか。

甘利国務大臣 銀行口座の利子云々について、これは法定調書でしている国も確かにあります。日本の場合は、源泉分離で、そこで納税関係が完結しているという理解のもとに、必要としていないということだと思うんですね。

 もちろん、この議論は前政権の時代にもいろいろあったはずです。前政権でも、今度は逆の立場で自民党の議員から、なぜ所得把握等にそれを使わないんだ、これは源泉分離で納税関係が完結している、しかし、所得を全体に捉えるためには必要ではないか云々というやりとりがあったのは承知しておりますけれども、それは、現状の中においてはそういう取り扱いになっているということで、これは、課税制度自身をどうするかという議論の中で対応していくものであろうというふうに、直観的に今御答弁させていただきます。

小川委員 前政権でどうだと言われると、それは私どもも弱い。ただ、そこはもう言いっこなしで、大臣として、背水の陣で、退路を断って答弁してくださいよ。政治的迫力を持って、なぜなのかと。それはまた改めて申し上げます。

 ただ、これは極めて重要なポイントであり、今後、制度の改善なり運用の改善を図る上で極めて重要なポイントだということは、甘利大臣、ぜひ御認識をいただきたいと思います。

 関連して、e―Tax、電子申告・納税が、これも住基カードと比べると利用されているやに聞いています。しかし、住基カードの普及率。e―Tax、電子申告・納税をやるには住基カードが必要ですよね。これは五%しか国民は持っていないのに、なぜ電子申告は四割を超えているんですか。それでも私はもっと高くてもいいと思いますが、相対的に比較的に高い。これはなぜですか。

麻生国務大臣 これは、なぜですかと御本人に伺ってみないとわからぬところではあるんですが。

 今の話でいきますと、e―Taxの利用率は四〇・一%ということになっているんだと思いますが、これを法人の消費税申告におけるe―Taxの利用率九二・六%と比べたって、まだ低いですよ。だから、もっと高くなってもおかしくはないという、あなたの言っておられることはわからぬわけじゃないんですが、この個人事業者がe―Taxを利用するときの本人確認の手段というのが、手間暇かかるのがありますよ、最初のことで。これを持っていないと言うから、この面倒くささも多分やったことがないんだね、総務省にいた割には。前のことを言うなら、総務省にいたときにやっておいてもらわないかぬと思うんですが。

 原則、電子証明書を格納した住民基本台帳カードから利用されているんですが、当該住民基本台帳カードの普及割合が低く、e―Taxの利用に結びつけられないということは、これは大きな理由。結局、普及していないのは。

 現実問題、七百十四万枚使われているんだということになっておりますが、法人と比べて個人事業者の場合に、またこれ、もうちょっとふえてもいいんじゃないかというのは、多分税理士の利用というところ、法人の場合はほとんど税理士がこれを代行できることになっていますが、個人事業者の場合は税理士を使っている方の数が少ないというようなことも大きな理由なのではないかと思っております。

小川委員 大臣の御答弁は枕言葉が多いから、何か、答弁の内容がちょっとよく入ってこないんですけれども。

 この数値が比較的高くなっているのは、恐らく、家でパソコンで納税する人より、税務署に来てそこの端末で本人確認している人が多いんでしょう、違いますか。

西村政府参考人 e―Taxを利用いたす際には、本人確認手段として、個人の場合につきましては、いわゆる公的個人認証を必要としております。

 したがいまして、原則的に、個人の方がe―Taxを使うときには公的個人認証が要りますが、例外といたしまして、先ほど先生御指摘のありました、税務署に来署される方でありますと、税務署で本人確認ができますので本人の公的個人認証は不要としておるほか、税理士が関与しておられる方、これは個人、法人を問わずでございますけれども、税理士の公的個人認証を使う、私ども代理送信と呼んでおりますが、それによりましてe―Taxは送信可能ということでございます。

 この代理送信及び来署スタイルによりまして、e―Taxの利用割合は公的個人認証の普及割合よりもかなりの程度高くなっているというのが実情でございます。

小川委員 まさにそのとおりで、しかしこれは本当は、麻生大臣、お聞きいただきたいんですが、税務署に、申告の時期というのは渋滞しますね。わざわざそこへ行って、免許証だか何だか知りませんが本人確認して、そしてそこで端末をたたいているわけでしょう。こんなもの、e―Taxって言うんですか。

 先ほどの濱村委員の御質疑にも関連しますが、私はさっき、利便性を拡大すべきだと申し上げた。もう一つ、簡便性というんですか。ICカード、それはセキュリティーの観点からは必要でしょう。しかし、家の端末にカードリーダーですか。私も確定申告をいつも自宅からやるんですけれども、計算の補助までは使いますよ、国税庁のホームページ。しかし、カードがどうだとかカードリーダーがどうだとかいうと、やらない。印刷して、また税務署へ持っていく。こういうことまで考えると、本当にその簡便性まで含めて思い切った制度設計を私はすべきだと思います。

 そうすると、事によっては、先ほどの質疑にも関連しますが、IDとパスワードでいいんじゃないですか、国民番号とパスワードで。物によっては、事によっては。ネットバンクとか、四閣僚の先生方、やられているんでしょう。預金の取引や振り込み。IDとパスワードで全部できますよね。もちろん、これ以上のセキュリティーが時には必要かもしれない。

 いかがですか、そういう簡便な仕組みもあわせて考えるべきだと思いますが、担当大臣の政治的な見解を聞きたい。

麻生国務大臣 簡便性を優先する余り、もしかしたらということをやはり税金の場合は考えにゃいかぬのが我々の立場なので、今の、御提案としては拝聴いたしますけれども、直ちにそれがいいか悪いかは、よくよく慎重に検討しないと、うかつなことは申し上げられぬと思っています。

小川委員 制度が始まったら、とにかく私は、相当な普及率にする責任が政府にあると思います。その鍵は、先ほど来申し上げているように、利便性が高いかどうかと、簡便性を備えているかどうか、この二つが鍵だと思いますので、そこはぜひ精力的に検討を進めていただきたいと思います。

 ちなみに、いただいた資料ですと、紙の身分証明書、紙のカードを使っている他の先進国の例もたくさんあります。ですから、恐らくこれは、移行している国もあるようですが、カードリーダーやICカードまで利用していないということでしょう。それから、運転免許証に番号を記すとかいう国もあるようですね。将来的には、これは公的なカードを何枚も持たされても迷惑ですから、例えば運転免許証、あるいは社会保険証、国民健康保険証、それからこの国民カードが統合されていくということも、当然お考えになるべきだと思います。

 そういうことも含めて御指摘を申し上げ、残念ながら、ちょっと時間ですので、質疑は終えさせていただきたいと思います。ありがとうございました。

北側委員長 次に、武正公一君。

武正委員 民主党の武正公一でございます。

 連合審査ということで、本法案の持つ重要性、それに鑑みて、各委員長、また委員会の理事の皆さんが合意をされて連合審査に至ったことに心から敬意を表する次第でございます。

 前政権時代も、社会保障・税一体改革を進め、そのときに、このマイナンバー法案、極めて、所得の少ない方々への消費税導入時の対応といったことからも必須であるといったことから法案が提出をされましたが、審議はされずに、今国会、新政権からの提出ということでございます。

 そこで、今も小川委員が麻生財務大臣とやりとりをさせていただきました。

 お手元に、先ほど来お話がございますe―Taxの利用件数ということで、平成二十三年度、件数、そして二ページ目には利用率ということでございます。四一・二とかいうお話は多分直近の数字だと思いますが、消費税申告は四〇・一、あるいはまた全体での合計は、重点十五手続では五二・七ということで、五割はちょっと超えておりますが、若干頭打ち感もあるわけでございます。

 やはり、申告納税について初めて全国民の皆さんに付番をされ、その番号をもって申告するということが、このe―Taxの利用率向上にも必ずや寄与するのではないのかというふうに考えるわけですが、このマイナンバー導入によるe―Taxへの影響について、財務大臣の御所見を伺いたいと思います。

    〔北側委員長退席、平井委員長着席〕

麻生国務大臣 これは、武正先生、個人の方がいわゆるe―Taxを利用して申告とか申請を行う場合、本人確認の手段として、原則、住民基本台帳に格納しろ、こういう話で、電子証明書の添付を求めるということになっております。

 したがって、今度のこの番号制度が導入されることになりますと、住民基本台帳というものからいわゆる個人の番号カードに移り変わっていくということになるんですが、この住民基本台帳へのいわゆる電子証明書の格納というのは、申請している武正さん個人にやるのに対して、この個人番号カードの場合は、電子証明というものが標準的に格納されております。

 このことを前提にしますと、番号制度が仮に導入された場合は、いわゆる個人番号を介して電子証明書が自動的に普及していく速度というものは、個人の方のe―Taxの利用拡大というのも、私はふえてくるのじゃないかなと期待をしております。そうなりますとまで申し上げるほどちょっと自信がありませんけれども。

武正委員 先ほど小川委員が、導入するのであれば、当然、利便性、簡便性、こういったものが伴って、住基カードの現普及率五%といったことからしますと、やはりマイナンバーのカードが普及をしていく、そういったことにつながっていく前提の話が先ほどあったというふうに理解をしております。

 マイナンバーがそれぞれ付番をされることによりe―Taxの利用率が改善をされる、そういう期待をするというふうに述べましたが、私は、やはりそれが進んでいくというふうに考えます。ただ、それについては、幾つかやはりこのe―Taxの環境についても整える必要があるのではないかというふうに考えるところがあります。

 そこで、特にこの二ページをごらんいただきますと、全体が五二・七%の普及率ということなんですが、重点十五手続でありますが、先ほど触れましたように、例えば、法人の消費税申告などは大変高いわけですが、個人がやはり消費税については低いといったことがございます。特にこの個人の消費税申告を高めていく手だて、これに、今回のマイナンバー導入なり、あるいはまた、既に前政権時代に決定をし、来年の四月から導入を考えている中間申告制度の見直し。

 これは三ページに書いておりますが、四十八万円以下の消費税の納税者については、年に一回ではなくて、任意でもう一回中間申告が可能である、こういったことも実際に行われるわけですが、そうはいっても、例えばフランスやドイツ、イギリスなどは、確定申告と中間申告、あるいは予納ということで、あらかじめ納めるというようなことも含めますと、年に十二回、消費税の納税ができる仕組みをとっております。

 昔、物品税が毎月納税をされていたということも含めますと、特に個人事業主、事業者の方には、やはりどうしても預かり金である消費税が場合によっては運転資金に回ってしまう、そういった心配や懸念があって、この中間申告制度も導入されておりますので、私は、もっと回数が多くていいんじゃないかというふうにも思いますし、場合によっては、やはり消費税のe―Taxの利用率を上げるためにも、当然、マイナンバーが利便性、簡便性を持って使われるとともに、こういった回数も考えながら、マイナンバー導入によるe―Tax、特に個人事業主の消費税の納税申告の環境整備が必要ではないかと思うんですが、いかがでしょうか。

麻生国務大臣 昨年八月でしたか、成立いたしております税制抜本改革法、これの中で、いわゆる中間申告義務のない中小企業の方々が計画的に消費税を納税していただけるようにということで、確定申告を待たずに自主的に年一回ということにできる制度が導入されております。

 今言われましたように、それは、売上高が四十何万円とか低いところでも、そこにずっとたまっていけば、毎日現金だけあればちょっと何となくこちらの方へ、運転資金にというお話が今あっておりましたけれども、よくあり得る話なんであって、別に罪の意識があるわけじゃないですけれども、そういったことをやられる可能性も出てくるということで、納税の回数をふやすということで、任意で中間申告の必要があるのではないかという御指摘なんだと思います。

 これは、四十八万円だと年一回とか、四百万円だと年三回とか、いろいろ額によって違うんですけれども、今までは四十八万円以下はなしということにしておりましたのですが、これを一回ということにさせていただいたものを、もう少し頻度をふやした方がいいのではないかという御指摘なんだと思います。

 これは平成二十六年の四月から実際、実施されることになっていますので、ちょっとこの制度の状況を見てもう一回これは検討せないかぬかなという感じがいたしますので、ちょっとこの点に関しましては検討させていただきたいと存じます。

武正委員 なぜ特に消費税かといえば、e―Taxで消費税の個人の申告の利用率が低いといった点がありますので、これを高める必要があるだろう、そのときには、やはり回数なども含めて、より利便性、簡便性を高める必要があろうかというふうに考えるからでございます。

 次のページをおあけいただきますと、これは、今回のこのマイナンバーが導入されることによって実際に税務面でどういう利便性が出てくるのかという国税庁作成資料でございます。具体的には、それぞれ付番がされることによって、取引の相手先との整合性を図ることが非常に簡単にできるようになる、番号での名寄せ、突合ということは説明を受けているわけでございますが、このマイナンバー導入による今の国税総合管理システムの影響について伺いたいというふうに思います。

 五ページをあけていただきますと、いわゆるKSKシステムの予算額の推移が出ております。

 この額も、この間、政府が進めてまいりました刷新可能性ということで、システムのオープン化、あるいはメーンフレームをクラウドも含めた汎用型、分散型というふうな見直しで、この下の方に、ちょっと見づらいですけれども、KSKの予算額も削減が図られております。特に、ランニングコストの電子計算機等の借料、これについては、特に平成二十三年度で、二十二年度から三十三億円ほど年間下がっておりますが、これは、十五年度から始まった刷新可能性調査に基づいた取り組みというふうに理解しております。

 このマイナンバー導入によって、先ほど四ページで触れましたような突合というような形で、忌避情報というんでしょうか、間違った情報などが速やかに明らかになって、ある面、納税がスムーズに、また税を集める方についても利便性が向上するということでありますが、当然、これによってシステムそのものの費用の削減もまた図れるのではないかというふうに考えるわけであります。

 二十四業務あるうち、既に十四業務がオープンシステム化しておりますが、その後、平成二十二年に領収システムが追加でオープンシステム化され、残りました納税者情報、所得税消費税、法人税消費税、資産税、源泉所得税、債権管理、調査、酒税、間接諸税、以上九業務についてはまだオープンシステム化に至らないということが、一二年三月三十日の「基幹九業務システムのオープンシステム化に係る効果試算について」、これは野村総研システムコンサルティング事業本部がまとめております。

 初めて番号をもって申告をする、今までと違ったステージに入るこの納税申告でありますので、当然、今のこの九業務のオープンシステム化も図られるのではないか、可能ではないかというふうに考えるんですが、それによる予算額の削減効果ということも、やはり当然、マイナンバー導入、あるいは、この後、山本大臣に聞きますが、IT化の目的には、業務の効率化、それによる支出の削減、費用の削減というのがあるわけですが、まず、財務大臣に、この点を伺いたいと思います。

麻生国務大臣 従来から、国税庁としては、いわゆるCIO、チーフ・インフォメーション・オフィサー、CIO補佐官などの外部の専門家からの意見などを聞かせていただいて、システムの安定性とか信頼性、そういったものを確保しつつこれまでオープン化を進めてきておりまして、今御指摘のあったように、二十四業務のうち十三業務が既にオープン化になっておる。

 それで、残り九業務ということになってきているんだと思いますが、いずれにしても、これは、番号制が導入された場合に、導入に伴ってこのKSKのシステムの改修というものが必要になるんだと思っておるんですけれども、ちょっと、今の段階で、これとこれが今すぐなります、これとこれはまだですということを申し上げることはできないんですが、いずれにしても、今後とも、この国税総合管理システム、通称KSKというこのシステムのオープン化については、さらに検討していってしかるべきものだと考えております。それは結果としてコストの削減につながると思いますので。

武正委員 先ほど触れました野村総研の報告書でも、なかなか九業務のオープンシステム化は困難と彼らは言っているんですが、ただ、これがマイナンバーが導入されてどうかというのはまた次のステージの話だと思いますし、その時点でも、平成二十二年度に、この九業務に共通する機能の一部については機器のリプレースに合わせてオープンシステム化されている、残りの機能についても引き続き今後の技術動向を踏まえ検討を進めるとされているということでありますので、ぜひこの残り九業務についてもオープンシステム化を進めていただきたいというふうに思います。

 そこで、担当大臣として山本大臣に伺いますが、今回、IT戦略本部の判断のもと、四つの業務をCIOのもとに進めていく。府省横断的な計画の作成、経費の見積もりの方針の作成、施策の実施に関する指針の作成、施策の評価ということでありまして、今のKSKのシステムは、六ページを見ていただきますと、平成二十四年度の情報システム関係予算額五千二百八十三億円、運用経費等は四千二百二十三億円ですから、今の二十四年度で比較をいたしますと、KSKのランニングコストは二百八十一億円、四千二百二十三億円のうちの二百八十一億円ですから、このKSKシステムのランニング費用は一〇%にも満たないわけです。それでもかなり大きなものを占めます。

 今は財務省を一つ例に取り上げましたが、他の大きな、これから取り組まなければならないのは、社会保障分野、社会保険分野、介護保険、医療保険などでしょうね。それとあと特許というふうに伺っておりまして、当然、初めてマイナンバーというものが導入されることによって、また違ったステージに入ってくるんだというふうに思います。

 このオープンシステム化一つとっても、府省全体としての取り組みをCIOが精力的に進める必要があるというふうに期待をされるわけですが、この点についての御所見を伺いたいと思います。

山本国務大臣 今先生のおっしゃった政府情報システムの見直しについては、特定の事業者が独自に設計したために運用経費が高どまりだと言われていたのがレガシーシステムでございまして、これについては、特定の事業者に依存しないオープンなシステム構造への移行を今進めております。

 これまでのレガシーシステムのオープン化でシステム運用経費の削減は実現してまいりまして、残存するレガシーシステムについても引き続きオープン化に取り組んでいます。二十三レガシーシステムを十三に刷新して、二十三年度までに四百六十五億円削減をしたという実績があります。

 今お話しの社会保障・税番号制度の導入とレガシーシステムのオープン化の関係性、これは、現時点では、次のステージというお話がありましたが、なかなか明確なことを申し上げることはできないんですけれども、レガシーシステムのオープン化を初めとするコスト削減の取り組みについては、引き続きしっかりと取り組んでいきたいと思います。

 お話しの国税庁のKSKシステム、麻生大臣の方からありましたが、現時点において可能な部分をオープンシステムに移行したんだろうというふうに承知をしておりますし、残る部分についても、お話がありましたが、今後の技術動向とか費用対効果を踏まえてオープン化の可能性を検討すべきだと思っていますし、引き続き、今委員のおっしゃったコスト削減の取り組みをしっかりやっていくということが望ましいとIT担当大臣として考えております。

武正委員 この法案については、前政権から進めてきたことは再三取り上げられておりますが、具体的にこれを実施に移すに当たって、先ほど小川委員も触れた利便性、簡便性も含めて、また、やはり特に財務省が、消費税の導入、こういったことに、所管、担当省として、国税庁も含めて、マイナンバーの導入による経費削減効果、そのリーダーシップをとっていただくことで、それを範として、ぜひ各府省にCIO、またIT担当大臣が督励をしていただいて具体的な経費削減につなげていくということをお願いして、私の質問を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

平井委員長 次に、中根康浩君。

中根(康)委員 民主党の中根康浩でございます。

 マイナンバー法案の連合審査ということで、二十分の時間をいただきました。有意義な議論をしてまいりたいと思っております。

 お忙しいところお出ましをいただきましてありがとうございます。まず、田村大臣にお尋ねをしたいと思います。

 将来、医療情報もマイナンバーに、あるいは番号に結びつけるということも、これは当然議論が続けられていくんだろうと思っております。遺伝子であるとか、あるいは染色体であるとか、こういったものに関する情報というのは、ある意味、究極の個人情報であるということだと思います。

 個人情報というのは、当然、親にとってということではなくて、胎児である一人の授かった命として、おなかの中にいる赤ちゃんにとっての重要な個人情報であるということであります。それは、例えば、染色体異常と言われることの中でお生まれになるダウン症をお持ちの方にとっては、まさにそれ自体が個性であったり、あるいは特徴であったりということになって、一人一人の命にとってのまさに大切な情報であるということであります。

 例えば、その意味では、ダウン症がわかると言われている新型の出生前診断でありますけれども、この出生前診断をめぐっては、命の選別につながるおそれがある、あるいは、検査対象が拡大されて、染色体異常だけではなくて、寿命であるとか、あるいは身体能力のようなところまでわかるようになるかもしれない、そういったことを産むか産まないかの判断の基準に将来されてしまうかもしれない。あるいは、遺伝カウンセリングの体制がまだまだ不十分ではないかというようなことも指摘をされている。あるいは、民間企業が検査あっせん事業に乗り出した場合の対応として、国が明確なルールづくりを行うべきではないかという指摘もある。こういったさまざまな論点がある中で、四月から、臨床研究という形で新型の出生前診断がスタートしたということでございます。

 田村大臣は、障害者福祉に最も情熱を持って、熱心に取り組んでこられた議員のお一人でもあって、事実、障害者自立支援法の改正、あるいは総合支援法の制定、また、先日も厚労省から説明にお越しをいただきましたけれども、いわゆるハート購入法、優先調達法、この指針づくりにも今懸命に取り組んでいただいておりますし、虐待防止法、こういったものについて、まさにリーダーシップを発揮されて、これまで成立に向けてのお取り組みをされてこられた。つまりは、障害のある人も、あるいは難病という病気を持った人でも、全ての人が、全ての国民が、ありのまま、その人として、個人として尊重をされる社会、暮らしやすい社会、個性を生かせる社会をつくる、共生社会をつくるということでこれまでもお取り組みになってこられたわけでございます。

 そういった中におけるこの新型の出生前診断ということは、場合によっては、もちろんそういう人ばかりではないんですけれども、命の選別ということでいえば、例えば、ダウン症という病気、障害があるということ、これが不幸であるということの決めつけにつながるのではないか、障害というもの、あるいは難病というようなものが否定されるようなものに位置づけられるのではないかという懸念も私は持たせていただいております。

 住みよい社会、あるいは共生社会、障害を持っていても暮らしやすい社会というものをつくっていこうとしている我が国の厚生労働行政の中において、生きる上での困難ということで言えば、障害あるいはダウン症ということではなくて、そういう個性を持っていなくても、例えば我々でも、毎日毎日さまざまな困難に直面して、困難というのは、ですから、障害であるとかダウン症であるとか病気であるとかということだけではなくて、生きる上での困難というのはさまざまあるわけで、それを染色体異常である、あるいはダウン症であるということをもって、もう初めからその人が不幸だ、極めて生きづらいというような決めつけをするようなことに、この新型の出生前診断というものがそういう発想に結びつけられるのではないかというような心配、懸念というものも決して払拭されているとは言えないというふうに思っております。

 その意味で、この新型の出生前診断というものが、誰のために、何のために行われるのか。もちろん、臨床研究が始まったこれから、今後もさらにそういった国民的な議論は深められていかなければならないというふうに思いますし、ましてや、こういう極めてセンシティブな、究極の個人情報というようなものが将来マイナンバーに結びつけられるというような検討がなされるということについては、そう近いところであるとは思っておりませんけれども、しかし、将来的にそういうことがある場合には、極めて慎重に、深い議論が行われなければならないというふうに思っております。

 そういったことを踏まえて、この新型の出生前診断が始まりましたが、これに対する田村大臣の思いといいますか御見解をお伺いしたいと思います。

田村国務大臣 医療技術の進歩というのは本当にすごい勢いで進んでいるわけでありまして、今委員がおっしゃられましたとおり、出産する前に、妊娠中にいろいろなことがわかってくる。やがて、もっといろいろなものがわかってくるような時代になってくるのでありましょう。

 しかし、それが本当に幸せなことなのかどうなのか。生まれる前に自分の一生がどれぐらいの寿命なのかなんてことが本当にわかるような時代が来ちゃったらそら恐ろしいなと思うわけでありますが、一方で、今そういうはざまの時期なんですけれども、少しでも、妊娠、出産、そして子供が生まれたときの子供の健康というものを願う親の気持ち、これも一方であるのは事実でございまして、これ自体はなかなか否定ができないところであります。

 そんな中で、今回の検査も含めて、さまざまな出生前の検査というものがあるわけでありますけれども、今回の新しい出生前の検査というものは、なかなかまだ国民の皆様方に十分に御理解をいただいていないところが多々あるというふうに我々は思っております。

 そういう意味では、例えば、この検査の意義でありますとか内容、さらには限界もあるんですね。実際問題、若い方が検査して、染色体異常があって何らかの障害が胎児にあるという確率と、一定の年齢を超えられた女性がわかる確率、これは違うんですね。こういうことも含めて、やはり十分な御説明をしなければならない。一〇〇%でもないということ、これも御説明いただかなきゃならない。こういうことがあるわけでありまして、そのような意味では、まず、これはどういうような検査かということ、意義も含めて十分に御理解をいただく必要があろうと思います。

 あわせて、御理解をいただくということでございますから、やはり十分な知識を持った専門のお医者様等々から、診断をしていただき、また相談をしていただき、御説明をいただく、こういうこともやらなければならないわけであります。

 あわせて、検査の結果、どういうような結論が出るか。その結果に対しての受けとめ方ということもしっかりと御理解をいただかなきゃなりませんし、これで確定ではありませんから、その後、羊水検査もやっていただかなきゃならない、そういう必要性があることも御理解をいただく。

 まずは、そうやってしっかりと御理解をいただくような体制をつくっていかなければならないわけでありまして、そのような意味から、日本産科婦人科学会におきまして指針をおつくりいただいたわけであります。

 その指針にのっとってこれから進めていただくわけでありますが、当然のごとく、必要な要件を満たす方が対象となるわけでありますし、それから、認定された登録施設じゃないとそのような検査ができないというふうになっておりますので、そのようなものをしっかりと踏まえながら、民間のいろいろな企業がやられているという話もございますけれども、我々としては、そのような指針にのっとりながら、この検査を十分御理解の上、お進めをいただきたい。これは、わからずにやられて後から後悔されるということがあってはならないわけでございますから、その点はしっかりとした御判断をしていただきたいなというふうに思っております。

中根(康)委員 まさに、障害者福祉に大変御理解のある田村大臣が御在任中に、この新型の出生前診断というものが、決してダウン症や障害や難病の方をこの世の中から排除するものではないということをしっかりと国民に御理解いただく、そういった厚生労働行政を推し進めていただきたいというふうに思っております。

 また、あわせて行われる遺伝カウンセリングというもの、今も大臣が言及をされましたけれども、こういったものにおいては、例えば、ダウン症を持つ、そういった子を育てた経験のある親御さんの御意見もカウンセリングを受けに来られた方々に聞いてもらうというような、さまざまな、重層的なカウンセリング体制を整えていただきたいと要望を申し上げたいと思います。

 それから、次の質問に移ります。

 これは、甘利大臣にお越しをいただいておりますので、甘利大臣にお尋ねを申し上げます。

 マイナンバーには、将来的には、今の医療情報と同じように、さまざまな職歴も結びつけられる、ここに登載をされるというようなこともこれから考えられるわけであります。うまく活用すればジョブカードのような機能を果たすことができるかもしれないけれども、場合によっては、労働者にとって不利益なことにつながるというおそれもないわけではありません。

 例えば、以前に解雇をされた、首を切られた、そういったようなことが情報としてマイナンバーに結びつけられるというようなことがあるとすれば、それはそれでまた慎重に議論がなされていかなくてはならないということでございます。

 そこで、解雇の金銭解決制度というものが産業競争力会議や規制改革会議で議論をされているわけであります。

 安倍総理が、一旦は、これはやらないと予算委員会で山井議員に対して答弁をされた。その後、田村大臣が、事前型のみやらないとおっしゃった。安倍総理が、その後、答弁を修正されて、田村大臣の御見解に合わせられた。そしてまた、四月八日の予算委員会では、山井議員の質問に対して、甘利大臣が、今度は、判決で解雇が無効であると確定した場合、労働者側からの申し立てに限って検討をするという答弁をされたわけであります。

 ということは、使用者側からの申し立ては今後もう検討をしない、当然導入はしないということでよろしいか、甘利大臣に確認をさせていただきたいと思います。

甘利国務大臣 四月八日の私の答弁は、解雇無効となった後に、労働者の立場からは、職場復帰よりも金銭の支払いにより契約を解消することが望ましいと考えられる場合に、そのような労働者の立場に沿った解決を図る制度を検討する余地があるのではないかと申し上げたものでありまして、一方で、使用者側の勝手な都合によって金銭支払いにより契約を解消するという制度づくりについては、経済再生担当大臣として、検討をしないということを申し上げたところでございます。

中根(康)委員 今の答弁の確認でございますけれども、つまりは、もう一度確認いたしますが、労働者側からの申し立ては検討をするけれども、使用者側からの申し立ては今後一切、検討の対象にすらしないということをお約束していただくということでよろしいのでしょうか。

 繰り返し、しつこく確認をさせていただくのは、これは、初めて政府が検討するということではなくて、二〇〇三年には労政審が厚労省に建議を出して、そのときにも、この解雇の金銭解決制度というものが、労働者側からのものも、あるいは使用者側からのものも検討をされたという経緯といいますか歴史があるわけで、そこでは一旦導入が見送られたにもかかわらず、十年たって、また今改めて規制改革会議あるいは産業競争力会議で検討がされているということは、政府としても、これは何とか、何らかの形で導入をしていきたいという方向性で考えているのではないかとどうしても思わざるを得ません。

 その意味で、労働者の不利益につながる使用者側からの申し立てということ、これは導入をしないと甘利大臣としてお約束をしていただけるということでよろしいでしょうか。

甘利国務大臣 そもそもの経緯は、産業競争力会議で議論をしておりました失業なき労働移動に関して、一部の民間議員からの提案の中に結果として誤解を与えるような表現があったものでありますから、私が産業競争力会議の席上で、政府としては、成熟産業から、これから将来を担う産業が出てくるところに対して、途中でスキルアップとかスキルチェンジという職業能力開発が入るにせよ、その間、失業という形態を経ないでスムーズな労働移動ができるような、そういう仕組みを考えるという視点であるから、誤解が世間を騒がさないようにしてほしいということをあえて私は発言をした次第でございます。使用者側が金銭によって解雇をしてしまうということはあってはならないということを申し上げたわけでございます。

 結論から言えば、使用者側の一方的な都合で金銭による解雇を可能にするような制度にはしないということであります。

 一方で、厚労大臣や総理からの答弁がありました。これは、そういう紛争が起きたときに、裁判所が間に入って、労働者にとってよりいいという判断、ある種仲裁のようなものがあることも可能性としてはあるわけでございまして、労働者側にとってこうすべきだという判断が下される、そういうことを、全面的に、あらゆるケースを排除するものではないという答弁だというふうに思っております。

 再度申し上げますけれども、使用者側の勝手な都合で金銭による解雇ということが生じるというような検討は、するつもりはありません。

中根(康)委員 改めての確認で、使用者側からの申し立てによる解雇の金銭解決制度というものは検討すらしない、当然導入はしないという甘利大臣からのお約束を賜ったということでございます。

 こういった職歴、あるいは先ほど田村大臣にお尋ねをした医療情報、こういったものが国民にとって不利益にならないように、将来的にもこのマイナンバー制度というものが普及をしていくように期待をいたしまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

平井委員長 次に、伊東信久君。

伊東(信)委員 日本維新の会、伊東信久です。よろしくお願いいたします。

 私に与えられた時間は三十分ですので、いろいろ細かいこともお聞きしたいと思いますので、本日もさくさくと質問を始めたいと思います。

 まず、冒頭に当たり、今回議論されているマイナンバー制度、日本の場合、税と社会保障と防災ということなんですけれども、社会保障の中でも、医療保険もしくは医療システムにマイナンバー法案は今回は適用されない、議論されないということですけれども、そのあたりの事情といいますか理由というのを田村厚生労働大臣にお願いします。

田村国務大臣 今回のマイナンバーでありますけれども、主に使われるのは、所得情報、社会保障の中の給付に関する情報、それから住民票の情報、こういうものであります。一方で、利用する側としては、行政機関が主であります。一部、保険者もそうであろうと思いますけれども。そういう状況でございまして、なぜかと。

 まず、鶏が先か卵が先かという話なんですが、そういう仕組みになっておりまして、そもそもシステムが、制度設計がそういうものしか前提につくられていないということでございますから、行政間等々、かかわるところしかつながらないという話であります。

 では、今言われたように、医療情報等々も使えるようにしたらいいじゃないかと。もちろん、実際問題、検討会をつくって、医療情報等々に付番をして、より効率的な医療、そして、それでいて質の高い医療というものを提供できるようにはならないかというような議論もされておられるわけでありますけれども、一つは、圧倒的に利用機関がふえます。今は行政の数だけですけれども、医療機関、例えば全国の病院約八千六百、診療所十七万、薬局五万五千、ほかにもあるでありましょう。すると、こういうところをネットワークでつなぐと、これは情報伝達にかなりの負荷がかかるということで、それなりの設備投資をしなきゃなりませんね。ましてや、病院は投資にお金がかかりますから、その投資費用はどうするんだという議論もここに入ってくるわけであります。

 さらに申し上げれば、このマイナンバーを導入するときに、要するに、必ず個人情報の機微性というものが言われるわけでありますけれども、今の全体のシステムの中でも、個人情報をしっかり守れよというお話をいただいて、その措置を講ずるわけですね。ところが、かかわってくるところが大きくなって、機微に触れる情報がさらに多くなってきますと、どうしてもそれを守ろうというと、かなりの準備をして、特に自分の医療情報、健康情報なんて漏れたらこれは大変でありますから、よほどの厳しい対策をとらなきゃならぬということでございます。

 そのような意味からいたしますと、まず、スタートは、そこまで踏み込むというのは難しいであろう、後のことは、検討会でいろいろな御議論をいただきながら進めていくべきではないかということで、今回はこのような状況になったということでございます。

伊東(信)委員 医療情報、健康に関する情報が機微なものであるから大事だという議論、意見というのは、私は医師免許を持っているわけなんですけれども、我々医師の方からも出るわけなんです。しかしながら、やはり個人情報というのは全て同等に大事ではないかと思うんですね。特に健康に関する情報だけが機微にわたるというわけじゃなく、収入もそうですし、先ほど民主党の先生がおっしゃったように、労働に関することもやはり大事だと思うんです。

 そうなると、やはりシステムの問題、セキュリティーの問題ということになりますので、今回、連合審査会ということで、厚生労働委員の立場で質問させていただきますので、甘利国務大臣に、このマイナンバーにおける個人情報の保護及びそれが漏れないようにしている対策というのはどのような経緯であるか、お教えいただければと思います。

甘利国務大臣 今回は、分野を限定してスタートいたします。社会保障、税、それから災害対策でスタートしますが、医療に関しては、今厚労大臣がお答えしたとおり、極めてセンシティブな分野でありますから対象外としたわけでありますが、今後、民間利用ということも、その必要性が出てきたときには、三年後でありますけれども、三年間の知見のもとに、この分野に関しては利用せよという議論も出てくるかと思います。それは、この三年後に、三年間の知見を集めて議論をしたいというふうに思っております。

 その上で、個人情報に関して、国民の強い懸念、漏えいとか不正利用をされるんではないかという、それによって、今日までこのシステムがなかなか導入できなかった理由にもなっているわけであります。そこで、各般にわたっての保護策を講じている次第でございます。

 制度面でいいますと、番号法の規定によるものを除き、個人番号の利用、特定個人情報の収集、保管及び特定個人情報ファイルの作成を禁止いたしております。そして、特定個人情報の提供を原則禁止しておりますし、プライバシーに関する事前の影響評価である特定個人情報保護評価を実施する、そして、特定個人情報の取り扱い状況を監視、監督する特定個人情報保護委員会を設置いたしまして、罰則も強化するなどの対策を講じているところであります。

 さらに、システム面でいいますと、個人情報を一元管理せずに分散管理する、一つのところに全ての情報を集めないということ、それから、情報提供ネットワークシステムを用いた情報連携において個人番号ではなくて符号を利用している、そして、アクセス制御によりシステム内の特定個人情報にアクセスできる人を制限している、さらには、通信を暗号化するなどの対策を講じることといたしております。

伊東(信)委員 政府の見解として、医療、健康がセンシティブというのはよくわかるんですけれども、何となく今の御答弁に、漏れることを、つまり、個人情報が漏えいしてしまう可能性があることを前提にしているように私には聞こえてしまうわけなんですね。確かに、守らなければいけない、個人情報、健康に関する情報というのは漏れてはいけない。だったら、あとはもうシステムの問題、技術的な問題になってくると思うんです。

 アベノミクスの三本の矢の最後の矢の中に成長戦略ということがありまして、その中にやはり科学技術というのがあると思うんですね。日本が誇る科学技術を世界に対抗していこうというときに、情報が漏れてしまうからやめようというのは、私はちょっと、余り説得力がないようにどうしても感じてしまうんですね。

 一昨日、四月九日なんですけれども、これは民間で使われているものですけれども、二〇〇一年十月に発売されたウィンドウズXPのサポートが来年の四月九日に終了する、サポートが終了すると更新プログラムが保証されなくなるので、いわゆるセキュリティーのリスクが高くなる、そのような報道がされたわけなんです。

 こういったことでも、民間の方、国民の皆さんはすごく、こういったネットの情報は、ITの情報は、ウイルスにやられて、サイバーテロにやられて何かしらとられてしまうのではないかというようなやはり不安に駆られるわけです。

 しかしながら、そういうOSのシステムと国が上げるデータの管理というのは全くレベルが違うはずであろうと思いますので、そのあたり、しっかりと、専門家の先生をお呼びしていると思いますので、個人情報をぜひとも確実に保護して、これが医療に進めるようにしていただきたいわけです。

 結局のところ、主権は国民の皆さんなので、国民の皆さんの利益、不利益、このバランス、もちろん、ほとんどが利益でなければいけないわけですけれども、不利益もたくさんあると思うんですね。

 先ほど、田村厚生労働大臣、いわゆるシステム容量がパンクしてしまうのではないかということなんですけれども、もともと、医療の世界にはカルテ番号、レセプト番号というものがございまして、番号というのを使用しているわけなんです。

 今の医療プラスアルファ、今度は、先ほど成長戦略の話をしましたけれども、iPSを初めとして、再生医療というのがこれからの成長戦略の中で注目されているわけなんですけれども、再生医療というのは、例えば、私の細胞をとって培養したり、私の細胞から違う細胞をつくる、簡単に言うとそういうことなんですけれども、これが成長戦略の中で製品となった場合、他の種類というか、私自身の細胞でない細胞が使用されるわけなんです。

 今回、資料の八のところで、世界の再生医療製品の中で、日本は、二品目、自家培養表皮と自家軟骨細胞というのをつくっております。

 次のページ、ナンバー九のところで、山中教授のところのiPS細胞の基本特許が成立した国というのを書いているんですけれども、この色の濃いところだけが成立しているところで、色の濃くないところはまだ成立していないわけなんですね。これは、私の大学の先輩、ラグビー部の先輩でもありますので、OB会誌からもらったデータなんです。

 結局、自分のでないものを他に使ってもらう場合、臓器移植の概念にも入ってくるわけなんですね。その場合、免疫反応とかありますので、そういったデータというのは非常に大事なものになってくるんです。

 製品になった場合、これは果たして厚生労働省だけで管理できるか、もしくは、つくる過程で大学が入れば文部科学省、その他いろいろな省庁が入ってくることになるわけなので、やはり私の考えとしては、一元化したデータというのが非常にこれから検討課題になってくるとは思うんですけれども、そのあたりの、患者さんにとって有益な、国にとって有益な成長戦略としてのマイナンバー、つまり、データの一元化に関して、田村厚生労働大臣、どのように。恐らく、これは通告の医療の未来とマイナンバーというところに関連しているところです。

田村国務大臣 有益性という意味ですか。(伊東(信)委員「はい」と呼ぶ)

 医療情報、それぞれの患者の方々の情報、診療情報といいますか治療情報といいますか、そういうものは、先ほど言いました、例えば、医療を効率的に、さらに質を上げていくためには、そういう、個人の特定ができないような形にしながら、ビッグデータを扱って、その中から傾向等々を収集、分析しながら見つけていく中において、より有効な治療方法であるだとか、そういうものが導き出されてくるというような有効性というものは十分にあろうと思います。

 もっと言うと、個人は特定できないんだけれども、その個人、名前はわかりませんが、そのAという人をずっと後で追っていくと、ある病に罹患されてそれを治療した、こういう治療法だと治療後のさらなる再発がどうであったというふうなことに対して、どういう治療をすればいいか、そういうところまでわかってくる。これは統計的にだろうと思いますけれども。そういう意味では大変有用なものだというふうに思います。一方で、副反応情報等々もそうでありましょう。

 ですから、多くのデータが集まれば集まるほど、社会の公益に資するという部分では、扱い方次第でありますけれども、十分に社会のために役立つ使い方はあるわけでありまして、一方、個人に対しましても、自分の健康管理をする上において、そういう情報を自己管理しながら閲覧できれば、それはそれで大変役に立つということでございます。

 先ほど来、私は、決して、こういうような番号をつけて医療情報等々を扱うのは絶対だめだと言っているわけではございません。そこの有用性というのはよく理解している上で、ただ、一方で、先ほど言いましたような、もちろん、システムに負荷がかかるという部分もありますが、そもそもそれを導入する費用もかかるんですね、医療機関に。それは、大きな病院から診療所から、さらには薬局から、やはり全てがつながっていくことによって有用度が増してくるわけでございますから、そこに対する設備投資、その投資に関する負担はどうするんだと。なかなか国で全部やるわけにいきません。

 そういうことも踏まえながら、いろいろな問題があるわけでございまして、そこをやはり検討会で議論をいただきながら、これからどういうふうに進めていくかというような段階に今あるという御説明をさせていただいた次第であります。

伊東(信)委員 ありがとうございます。今の御答弁、よくわかりました。

 設備投資に関するお話なんですけれども、医療のIT化ということで、電子カルテ、電子レセプトの推進の法令がございまして、電子レセプトに関して、普及率というのがあるんですけれども、これが資料の十ですね。

 電子レセプトというのは、すなわち、診察をして、患者さんが、では、その費用をお支払いするときに、医療保険というのは自助、共助、公助ですから、患者さんの負担分以外にも請求しなければいけない。病名に従って、治療に従って、医療施術に従ってレセプトというのが点数化されて、それが掛ける十で金額化されるわけなんですけれども、これを早急に。

 かつ、いわゆるレセプトというのは、昔はいろいろな医療機関の事務員の手作業でやったわけで、場合によっては、規模が大きければ、診察が終わってからですから、深夜に及ぶこと、そういったことを防ぐために電子レセプトを普及させようと。もちろん、国においても、厚生局においても、厚生労働省においても、保険においても、こういったことを簡便にしようということで普及させようと思ったんですけれども、実は移行措置というのがありまして、電子媒体、つまり、それをCDに焼いて、そのCDでもいいよ、もしくは、それも無理だったら紙でもいいよと。結局、手作業になるわけなんですね。

 資料の十を見ていただいたらおわかりだと思いますけれども、病院さんは、四百床以上でも四百床未満であってもほとんどが普及しているわけなんです。九九・六、九八・八。医科の中でも診療所、オンラインは五〇%を切っています。歯科においては五%、一〇%程度です。電子媒体を入れたとしても五〇%を切っております。

 これを見ていただくと、やはり、開業されている方のレベル、私も開業しているんですけれども、私のところはきちっとオンラインをしておるんですけれども、病院ではオンラインが普及しているのに、診療所、医科、歯科、こちらで医療のIT化が進まない原因というのは何か、お考えでしょうか。

とかしき大臣政務官 お答えさせていただきます。

 委員御指摘のとおり、レセプトの電子化につきましては、進捗状況が、進んでいるところとそうでないところと、大きく二つに分かれております。

 これは、平成十八年から推進してきた事業でございまして、事務の効率化のために取り組んでおります。

 二十三年度以降はオンラインの提出を原則義務化するというふうに設けておりますけれども、ただ、ここにも例外規定がございまして、請求件数が千二百件以下、歯科の場合は六百件以下、このときは、手書きでレセプトを作成している場合は義務化を免除しているという状況であります。

 医療現場の意見もいろいろございまして、やはり小規模な診療所とか歯科の中ではなかなか設備投資がしにくいという御意見もございましたので、また委員がお話しになりましたように、電子媒体による請求も認めたり、紙レセプトによる請求を可能とする例外を認めているというのが現状でございます。ただ、電子レセプトにおきましては、最長、平成二十六年度末までということにさせていただいております。

 そして、少しインセンティブを持たせようということで、紙レセプトに基づかない電子レセプトで早目にこういう形で申請を行っていただいた場合は、十日に請求していただきますと、普通であれば二十五日から月末に従来対応させていただいた振り込みを、電子レセプトで対応した場合は二十日と、五日間ばかり期間を短くさせていただくような工夫をさせていただきます。

 平成二十七年度の四月以降はレセプト電子化がさらに徹底されることと見ておりまして、これからも積極的に推進していきたいと考えております。

 以上です。

伊東(信)委員 とかしき政務官、ありがとうございます。やはり薬剤師の方は言われることが違うなと思うんですけれども。調剤の方も九四・七%と、やはりすぐれておるんです。

 日本医師会が使用している日医総研のワーキングペーパーの中には、一つ気になるところがありまして、やはり高齢の方には対応できないと。

 ただ、それは本当はいかがなものなのかと、同じ医師としてちょっと残念に思うところがあります。そういうIT化についていけないというのは、これがもし民間企業だったらいかがなものかというところもありますので、その辺のところは、私は維新の会ですので、医師を締めつけるとかえって私にとっては不利になるんですけれども、やはり身を切る改革というのが維新の会の理念でございますので、その辺はびしばしと言っていただいていいと思っております。

 実際、紙においてレセプト請求がきちっと適正になされていればそのあたりは問題ないと思うんですけれども、今回、資料の中に、これは順番に見ていただきますと、指導・監査の概要として資料の二がございます。集団指導、個別指導というのがございまして、その指導に基づいてレセプトのチェック、カルテのチェックを我々医師はされるわけなんです。

 三にその結果が出ておりますけれども、残念ながら、保険医療機関において、平成二十三年度、四十五件も指定の取り消しがございました。保険医、つまり医者個人の保険医の資格、これは各自治体で認可されているんですけれども、つまり保険を使えるということ、これが三十四名も取り消しがございました。

 これはどういったことかといいますと、個人の情報、病院の情報、医療機関の名前が出ているので資料にはおつけしなかったんですけれども、やはり不正請求がございました。ほとんどが不正請求でした。どのような請求をしているかというと、診察していないのに診察している、もしくは、週に一回なのに週に三回、四回来ていることにしているということがありました。

 ほとんどの医師は、一生懸命、患者様のために、国民の皆様のために働いております。ですので、こういった一部の方のために医師がそういった目で見られるというのは、非常に私としてもつらいところでございます。

 こういったIT化、マイナンバーというのは、ややもすれば政府による管理という言葉にも捉えられがちですけれども、やはり、こういうのはお互いに信用と信頼、信頼はしていても、やはり信用というのはこういった規範とかシステムによって成り立つものだとも考えておりますので、IT化、できれば統一の番号で管理できるような体制というのがこういったことにも将来的にはつながっていくのではないか。

 どうしても、個人のモラルの問題なので、そうしても抜ける人は抜けるんじゃないかというような議論もありますけれども、それはさておき、次のところをお話しさせていただきたいと思うんです。時間もないようなので、次の二つに関しては、さらっとでよろしいです。

 いわゆるIT化が進んでいった場合、もしくはIT化が進まないもう一つの原因として、遠隔地におられる、僻地におられる医療の問題もございまして、その場合、遠隔診療というのがあります。つまり、今だったらスカイプとかテレビ電話を使ったり、もしくは、電話、インターネットをつないで、それで診療をしようかということがございます。

 ただ、その場合、ちょっと問題になるのが、医師法二十条というのがございまして、どのようなものかというと、資料の六にございますけれども、「医師は、自ら診察しないで治療をし、若しくは診断書若しくは処方せんを交付し、自ら出産に立ち会わないで出生証明書若しくは死産証書を交付し、又は自ら検案をしないで検案書を交付してはならない。但し、診療中の患者が受診後二十四時間以内に死亡した場合に交付する死亡診断書については、この限りでない。」という法律なんです。

 これはどういうことかというと、二十四時間、一日以内に診ていなければ不審死になるわけです。だから、死体検案書の範囲になるわけで、では、こういった遠隔の患者さんにとって、毎日毎日診察を受けることは不可能ですし、毎日毎日往診に行くというのは、やはり物理的に不可能な地域もあります。そういうときに、このIT化による、つまり、今どんな状態かというその情報の交換だけでこういった二十条を凌駕できるのではないかというような考え方もあるのですけれども、そのあたりに関して御意見をお聞かせください。

    〔平井委員長退席、木原(誠)委員長代理着席〕

とかしき大臣政務官 お答えさせていただきます。

 委員御指摘のとおり、遠隔地の医療ということで、こういった情報交換をしていくということと患者の情報を共有していくということは、よりよい医療を提供する観点から大変重要であるというふうに考えております。

 委員の御指摘にありました死亡診断書の件のお話でございますけれども、これは、ちょっとだけお話しさせていただきますと、今の状況ですと、別に、主治医による診察が二十四時間を超えていたとしても、主治医が改めて診察を行えば死亡診断書を交付することが可能ということにもなっております。

 ですから、今は、いろいろな形で連携しながらこういう死亡診断書とかもできるようにはなっておりますけれども、ただ、遠隔地で在宅治療がこれからどんどん普及していきますと、こういった遠隔地の医療連携というのは結構重要になってくるかと思いますので、これから医療を利用なさる方の立場を考えて情報が共有できるように、さらに、医療機関に従事している人たちもお互いに情報を共有しながら、よりよい医療情報、医療を提供できるように心がけていきたいと考えております。

 以上です。

伊東(信)委員 ありがとうございます。

 このお話は、実は遠隔地、つまり、地域医療に関しての一つの案として、流れの中で本当はお話ししたかったんですけれども、時間の関係と、きょうはマイナンバーということで、この話にさせていただきまして、ちょっと最後に、あと三十秒ほどだと思いますけれども、予算委員会の中で田村厚生労働大臣がおっしゃったことに関して、どなたでもよろしいので、これは私なりのフォローだと思っていただければいいと思います。

 ダニにかまれることによって重症の熱性の血小板減少症候群というのがございまして、この報告が、この情報開示が余りに少ないのではないかということを党員の桜内委員から御指摘があったと思います。公衆衛生というのは、どこに利益が、どこにアドバンテージを求めればいいかということなんですけれども、その中で厚生労働大臣は、どんどん症例が出てきますれば個人が特定できなくなってきます、きょうのテーマである個人情報の話ですけれども、そうなったらいろいろな情報が出しやすくなりますのでということでした。

 ただ、このことに関連して、医療の立場からフォローさせていただきますと、症例が出てくるという表現は、ちょっと、放置するように聞こえてしまってはいけないかなと思いますので、その辺に関して何か御答弁を。どちらでも構わないですよ。

木原(誠)委員長代理 田村厚労大臣、申し合わせの時間が過ぎておりますので、簡潔に御答弁ください。

田村国務大臣 いろいろな過去の事例が多いんですね。過去の事例が出てまいりますので、そういう意味では、わかったものがふえてくれば特定できない。

 残念なことにというか、大変つらいことに、ことし三月に発症された方が、四月にお亡くなりになられました。これに関しましては、本当にこのマダニ、どの地域にも生息している可能性がありますし、どのマダニが持っているかわからないわけでありますから、本当にお気をつけいただきたいということです。これは布団にいるダニじゃございませんから、野原にいるようなちょっと大き目なダニでございますので、ぜひとも、これから、春の行楽シーズンには、体をマダニにかまれないような格好でお出になられるようにお願いをいたしたいというふうに思います。

    〔木原(誠)委員長代理退席、平井委員長着席〕

伊東(信)委員 ありがとうございます。これで終わりたいと思います。

平井委員長 次に、足立康史君。

足立委員 日本維新の会の足立康史でございます。

 先ほど、質問者の方から初質疑というお話がございました。私も昨年の十二月に当選をさせていただいた新人でございますが、幸いにも、テレビ入りの予算委員会を含めて、もう数え切れない質疑をさせていただいております。

 ただ、この連合審査というのがちょっと初めてで、きょうは、ふだんから厚生労働委員会で討議をさせていただいております田村大臣初め厚生労働省の方々だけに通告を出してしまいまして、これだけ閣僚の先輩方が御列席でありますので、通告を申し上げればよかったなと反省をしている次第でございます。

 ただ、きょう私から申し上げる話は、基本的には社会保障、医療の情報化の話でございますが、これは甘利大臣のところでも、今、成長戦略をいろいろお取り扱いでございますし、また、税と社会保障の一体改革、さまざまな観点で関係があるかと思います。もし、ここは俺がしゃべるぞというのがありましたら、遠慮なくおっしゃっていただければと思います。

 それでは、まず、医療の情報化でございますが、今、伊東委員からも若干、幾つか御指摘、討議を申し上げました。そもそもこのマイナンバー法案、先ほど民主党の委員の方から、これは民主党の成果か自公の成果かといった議論もありましたが、やはり、私は、このマイナンバー法案は本当にすばらしい、少しでも早くこれは進めるべきだと思っています。社会保障、特に医療についてもぜひ早急に速やかに進めるべきだというふうに思っていますし、そういう観点から質問をさせていただきます。

 それで、今申し上げた観点から申し上げると、社会保障・税の番号大綱でも、こういう医療の情報化についても言及がされております。私、もともとこの大綱が二十三年に決まった際には、一年ぐらいおくれでほかの医療等に係る分野についても追っかける、法整備をしていくというふうに仄聞をしておったんですが、今現在どういう検討状況か、田村大臣、お願いします。

田村国務大臣 委員のお話しいただきました、民主党さんの成果なのかどうなのか。我々も実は、その前に政権を担っているときに、自公の中で、社会保障番号というものも含めて議論をさせていただいておりまして、そのときにやはり医療情報等々も含めてどうするんだという議論をやってきたわけでありますが、その後、政権交代をされて、平成二十三年六月に社会保障・税番号大綱というものを民主党政権で決定をされた。

 このときの法律はもう廃案になっちゃったものでありますから、そのときと状況は若干変わっている部分もあるんですけれども、そのときに、実務者は副大臣の皆様だったんだと思うんですが、ロードマップというものをつくられました。もちろん、これは閣議決定もされているものではありませんから、そこまで束縛されるものではないと思いますけれども、言うならば目指す方向というような形でつくられたんだと思います。

 その中においては、この法律が通った後、一年後ぐらいをめどに、医療情報、それは診療情報、診断情報等々も含めてだと思いますけれども、そういうものも含めて新たにそれが利活用できるような法案を出そうというようなことが書かれておったわけであります。

 その後、先ほど来申し上げておりますとおり、非常にセンシティブな情報でございますので、去年の四月から、これはまだ民主党政権のときでありますけれども、検討会を立ち上げられまして、結果、九月に報告書をまとめられております。これもまだ民主党政権時だというふうに思います。

 ここで、一つはやはりこの個人情報の機密性というものをどう考えるんだということで、必要な措置を講ずるというのが重要だねと。それからもう一つは、これだけやはり自分の健康情報もしくは病歴、こういうものが入っておる情報ですから、国民の皆様方に十分に御理解をいただく必要があるね。さらには、情報基盤の整備というふうに先ほど申し上げましたけれども、かなりの医療機関も設備投資しなきゃいけないわけでありますから、そういうものに対しても一定のやはり前提を置かなきゃならないねということでございまして、そういうことを考えた上で、引き続き検討をしようということになったわけでございますので、現在も検討される中で、これに関してどう進めていくかということをいろいろと御議論いただいておると。

 いずれにいたしましても、その検討を踏まえた上で、各省庁間連携してこの問題に関しては取り組んでまいるということになろうというふうに思います。

足立委員 ありがとうございます。

 すると、先ほど大臣から御紹介いただいたロードマップ、これは、閣議決定はしていないわけですが、民主党政権の時代ですか。

田村国務大臣 これは、二十三年六月、先ほど申し上げましたけれども、社会保障・税番号大綱、これの決定に基づいてロードマップというものを実務者の間でおつくりになられたということでございますから、民主党の間のことでございます。

足立委員 民主党政権の際には、一年おくれで頑張るぞ、こうなっておったのが、政権がかわって自民党政権では、今おっしゃったこの課題、医療の分野における情報化は検討すると。時期はいかがでしょうか。

田村国務大臣 正確に伝わっていなかったのかもわかりませんが、検討を四月から、去年の民主党政権時から始めて、九月はまだ民主党時なんですね。そこで、その報告書の中で、引き続き検討が必要となりましたわけであります。

 その後、そうなったものをもとに、民主党さんがもし政権を続けられておられればどうされたか、私らは存じ上げないわけでありますけれども、しかし、今こういうような報告書でございますので、やはり検討を続けていただいた上で、絶対やらないというわけじゃありません、いろいろな問題といいますか、心配な点をどう解消していくかということを御議論いただいた上で、各省庁間で協力をしながら進めてまいるという話だろうと思います。

足立委員 そうすると、現政権においては、期限、スケジュールというか、いつごろまとめる、いつごろ法案を出す、この予定は、時期は大臣の頭にはないということでしょうか。

田村国務大臣 いつまでにということを、お尻を切るというところまで、この検討会の議論の結論をいただいておるわけではございませんので、ちょっとまだそこまでは、ここで言明をさせていただくことはできないということでございます。

足立委員 一年おくれというのがもともと何だったのか。これも評価は分かれるところかと思いますので、もしかしたら勇み足だったのかもしれません。

 ただ、私は、この後申し上げますが、これは急ぐべきだ、本当は、もう一緒にやったらいいというぐらいの気持ちでおるものですから。別に、個人的思いというよりは、これは、医療のことを考えれば、社会保障財政のことを考えれば、あるいは医療の利用者というか国民のことを考えれば、一刻も早く整備をすべきだと思っていますので、ぜひ、一年かどうかわかりませんが、何らかのスケジュール感を持って法案化に取り組んでいただきたい。これは私からの要望というかお願いでございます。

 今、大臣の方からも御紹介がありましたこの検討会、九月の十二日に、社会保障分野のサブワーキングと厚生省の検討会の合同会議ということで検討されてこられました。いろいろ報告書を私も一行残らず拝見しましたが、要すれば、何がこの報告書で決まったか、簡潔に教えていただければと思います。

唐澤政府参考人 お答え申し上げます。

 この検討会でございますけれども、具体的に合意に至りましたことは、医療分野での情報の活用というものを推進していくという観点から、マイナンバーとは異なる医療分野、こういう分野のみで使える番号を設けようということと、それから、そのための安全で分散的な情報連携の基盤というものをつくっていくということについては合意が得られたわけでございます。

 ただ、それを、例えば、具体的にどういう形で利活用をするかということでございますとか、個人情報の保護に関しまして、デリケートな情報に対する繊細な運用をどうするかでございますとか、あるいはシステム改修のコストの問題というようなことがございますので、こうした点についてはさらに検討を深める必要があるというふうに御指摘をいただいたところでございます。

足立委員 今御紹介をいただいたのが報告書の内容なわけですが、一つ、確認というか、今後のためにちょっと明確にしておきたいんですけれども、医療等IDとマイナンバーは、別の番号にするということはもう合意されたということですか、今の御説明では。

唐澤政府参考人 私どもの設けました検討会におきましては、別の番号、もちろん関連づけるわけでございますけれども、別の番号を設けるべきであるという御意見であったということでございます。

足立委員 ちょっと大事なところなので。

 この検討会の報告書の二十三ページに、医療等IDの果たすべき機能。ちょっと、私が見ている場所じゃないところに今御答弁された内容が書いてあるのかもしれませんが、医療等IDについて、二十二ページから二十三ページにかけて、要すれば、同じ番号じゃなくても、ひもづけすればいいよねということが書いてあります。

 四段目から、「一方で、こうした番号同士の結びつけ作業を行うためには、結局、個人を特定するためのなんらかの番号が必要であることや、」云々ということで、若干、両論併記的になっていて、「このため、個人に対してはマイナンバーとは異なる医療等の分野で使える可視化された番号を国民一人に一つ付番するとともに、既存の管理番号同士を紐づけておく仕組みを中心とした基盤を構築していくことが必要ではないか。」という、オープンになっていますが、違いますでしょうか。

唐澤政府参考人 先生の御指摘のとおり、二十三ページにおきましては「必要ではないか。」ということで、確かに断定ではないので、私のちょっと答弁の言い過ぎであったかもしれませんので、それはおわびを申し上げたいと思いますけれども、検討会の中の御意見につきましては、マイナンバーの番号そのものを医療に使うということについては、やはり個人情報の関係で非常にデリケートな問題があるのではないかというような御指摘があったところでございます。

足立委員 ぜひ正確によろしくお願いします。

 ここは大事なところなんです。報告書にも、別にするべきだという意見ももちろんるる書いてありますが、私はこういう情報システムは素人でございますが、普通に考えれば、どうせひもづけするんだし、情報の利活用等に係る枠組みを別にしておけば、例えば、医療については分散型の仕組みにするとか、いろいろなことがあると思います。

 番号を別にしておくことの意味、これはちょっとロジカルにというか、素人にもわかるように、なぜ番号自体を別の番号を振らなあかんのかということを教えてください。

唐澤政府参考人 お答え申し上げます。

 先生もうよく御承知だと思いますけれども、一つは、機微性の高い医療等の分野の個人情報を取り扱うということで、プライバシー保護を十分に確保するという観点から。ただ、もちろん設計の問題も、先生の御指摘のように、あると思います。

 それから、二つ目には、医療の分野におきましては、非常に多数の診療情報がこのシステムに載ってくるわけでございます、毎日たくさんの方が受診をいたしますので。そういうそのシステムの負荷の問題という観点から別の番号にするということも考えられるのではないか。もちろん、これは絶対ということではありません。

 それから、三点目につきましては、当然でございますけれども、我が国は民間の医療機関が多いということがございまして、その民間の医療機関の情報連携の対象になるということを考えて、マイナンバーそのもののシステムがいいのかどうかというような御議論があったところでございます。

足立委員 ごめんなさい、私が頭が悪いのかもしれませんが、今おっしゃったいずれも、番号を別にしなくてはならない理由として私はちょっと理解をできなかったんですが、それを私がきょう勉強会をしても仕方がないので。

 結論として、厚生省としては、もう別番号にするということを決めておられるかどうか、そこだけお願いします。

唐澤政府参考人 昨年の検討会におきましても、まだこの議論はさらに深めて、続けていくということになっておりますので、まだこれこれこういう方式にするということを決めたわけではございません。

 当初の工程表におきましては、昨年、番号法が成立をして次のステップに行こうと考えておりましたので、私どもとしては、さらに検討を続けていくという姿勢でございます。

足立委員 ということは、そもそも、マイナンバーと同じ番号を使うか別の医療等IDを振るかさえ、この検討会では合意が得られなかったということであります。多分、今の御答弁であれば。

 私は、やはりとても心配をしている。本当にこの医療情報については、健康産業、医療制度の適正化、効率化、あるいは医療財政の問題を考えると一刻を争うテーマだと思っていまして、それが、この検討会の報告書のように、マイナンバーを使うかどうかさえ合意が得られていない。学者の報告書としては、それなりにおもしろい論点がちりばめられていると私は思うので、読みがいはありました。読みがいはありましたが、政府がやはり決めていかないといけないので、民主党政権から自民党政権になったんですから、厚生省として、マイナンバーとの関係をどうするんだということとスケジュールについては、ぜひ早期に明らかにしていただきたいと存じます。

 私がこうしてマイナンバーと医療等IDが同じか違うかということにこだわる理由は、いろいろ理由はありますが、端的に言うと、二重投資のおそれなんですね。

 今、マイナンバーについてはロードマップがつくられていて、ことしか今年度か、システム要件の定義、調達まで入っていくということで、関係省庁でどんどん整備を進められるわけです。そのときに、医療等IDが、あるいは医療情報がマイナンバーを使うのか使わないかも決まっていない状況でマイナンバー制度だけが進んでいくと、莫大な二重投資が将来発生しないかということを危惧しております。

 厚生省の考え方を教えてください。

とかしき大臣政務官 お答えさせていただきます。

 委員御指摘のように、二重投資が起こってしまいますと非常に無駄が出てしまいますので、そうならないようにするために、社会保障・税番号法案を今検討していただいておりますけれども、これでできましたインフラをなるべく活用できるところは使っていって、そして前に進めていこうということで検討させていただいているところであります。

 以上です。

足立委員 言葉は悪いですけれども、官僚答弁と。伊東先生もおっしゃったように、いろいろ御知見がおありなわけですが、ただ、今の御答弁では、何もわからない、国会で何を議論しているかわからない。

 この医療の分野は、多分、私から申し上げるまでもなく、現場においては既に情報投資が相当行われています。私たちの同僚がこれまで内閣委員会でも御指摘をしたように、民間の先進的な医療グループは、既に莫大な情報化投資をしている。そういう現場における情報化投資と、それから今この社会保障を含むマイナンバーと、そしてまた、その後に、医療情報IDなるものがいつ出てくるかわからない。それも、マイナンバーを使うかどうかも決めていない。私は、二重投資にとどまらず、莫大な三重投資が発生しつつあると。だから、私もこの世界、きょうは立てということで勉強しましたら、ちょっと暗たんたる気分になりました。

 前政権時代の厚生省の取り組みがやはり不十分であったと私は思いますが、二重投資、三重投資のおそれに関係閣僚の皆様はぜひセンシティブになっていただいて、政府全体として、どうしたらこの社会保障がついてくるのかということについても御高配をいただきたいと思います。

 医療については、健康情報、先ほども何か遺伝子だ何だという話がありましたが、私は、医療情報の活用については、いろいろなフェーズ、分野があると思っています。報告書にも、本人が、自分が医療情報を見る、あるいは医療機関が見る、あるいは保険者が見る、活用する、さらには医学の進歩に利用する、大きく四つぐらいの柱があるわけですが、前者の二つは個人情報ですが、後者の二つ、すなわち保険者が処理する情報や、あるいは医療の質を向上させるために疫学的な調査をするためのデータ、こういったものは一切個人情報は要らないですね、匿名化すればいいんです。

 だから、私は、とにかく匿名化情報だけでもいいから、先行して、マイナンバー制度に厚生省がついていくべきだ、こう思っていますが、厚生省の考え方を教えてください。

とかしき大臣政務官 お答えさせていただきます。

 御指摘のとおり、匿名化された医療情報の収集、分析によりまして、よりよい治療法や開発、そして医薬品の安全対策等、いろいろなところに活用できると考えております。

 このため、厚労省としても、実は今積極的に取り組んでおりまして、一千万人規模の医療データを収集して、医薬品の安全対策等に活用するための医療情報データベースの構築、これを今進めているところであります。

 個人を認識できる番号制度が導入された場合は、その後、長期の追跡ができるようになりまして、医療行為がどういった形で患者さんに有用に生かされたのか、もしくはどんな副作用があったのかとか、こういったデータをきちっと分析して、今後の医療に生かしていくことも十分考えられます。

 ということで、二重投資、三重投資にならないように、今までの仕組みをうまく活用しながら、医療を充実させていくにはどうしたらいいのか、ここが今知恵を出すところではないか、このように考えております。

 以上です。

足立委員 ありがとうございます。

 今おっしゃったように、厚生省のこれまでの医療の情報化に関する御努力はよく承知をしておりますが、私がきょう申し上げていることは、医療情報等IDとマイナンバーを同じにするか違う番号にするかさえ厚生労働省が決定をしていないまま、そうした厚生省の情報化施策や民間の情報化投資が進んでいくことが莫大な二重投資、三重投資になっているということを申し上げているわけだから、厚生省が、いや、やっています、やっていますと言えば言うほど、それは、もしかしたら将来ひもづけがしにくかったり、いろいろな形で無駄が出る温床になりかねないということを申し上げているということを、ぜひ御理解いただきたいと思います。

 特に匿名化情報は、日本は皆保険、皆医療保険、年金も皆年金制度、特に医療は皆保険制度である日本において情報化投資をちゃんとすれば、医療情報の利活用をちゃんとすれば、世界じゅうのどの国もまねできないような、世界じゅうが欲しがるような情報を集めることができるんです。

 だから、私は、とにかく、このマイナンバー制度におくれること一年か二年かわかりませんが、ぜひ厚生労働省、医療等にかかわる番号制度について、民主党政権時代は一年後と言っていたのを、それから後退されることがないようにぜひお願いをいたしたいと思います。

 さらに言えば、今、医療は、別途厚生労働委員会でも、健康保険法等改正案、さまざまな保険制度の見直し、我々のグループは先延ばしと申し上げているわけですが、申しわけありません。ただ、医療制度改革、社会保障改革は、一年おくれれば、二年おくれれば、それだけ大変な不利益が国民に発生します。

 私は、医療情報をちゃんと収集して、保険者機能、保険者がそれを使うとか、あるいはEBMを推進するとか、さまざまなことを通じて、やはり国民の利益を害することなく医療費を適正化していく最大の武器だと思っているし、ある医療関係者は、日本維新の会、橋下共同代表がよく言われるセンターピンという言葉を使われて、医療制度改革のセンターピンは情報化だ、こういうふうにおっしゃっている医療関係者もいらっしゃいました。

 きょう申し上げたこの議論が、一年おくれればどれだけ莫大な国庫負担が将来にわたって拡大を続け、国民負担になるか。私は、これをやはり医療関係者も重たく受けとめていただきたいと思います。

 厚生労働委員会において、私は会計基準について取り上げました。日本のさまざまな法人類型がある中で、いまだに会計基準さえ整備されておらないのは医療法人だけ。医療界だけがサボっているんですね。会計基準もないでどうやって法人税を納めているんだと思いますが。

 私は、医療界は会計基準を定めない、それをおくらせる、あるいは、情報化の取り組みに課題がある、課題があると言って先延ばしをする、この国民的不利益を負うべきはやはり医療関係者であり、その大元締めであられる厚生労働省だと思います。

 ぜひ厚生労働大臣におかれては、この分野の医療情報化の話がいかに国民の不利益につながるか、そういうところをぜひ御認識いただいて、その点について、これからの医療情報化についての御決意を最後にお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。

田村国務大臣 重大な決意でありますけれども。

 今現状も、例えば、レセプトでありますとか、それから特定健診、保健指導等の情報をデータベース化して、このデータを利用しながら、医療の質の向上、健康管理等々、使っているわけでありますね。これは匿名化されております。

 今回、後からつなげるというような形になろうと思いますが、そのときに、ここでまたお金がかかっちゃうと大変なわけでございますので、そこはいかに効率的につなげられるかということをしっかりと検討してまいりたいと思います。

 ただ、一点。一方で、もし個人情報、特に健康、病歴、この情報が、システムをつくった後に外に漏れたときの社会的な影響というのは非常に大きいんです。下手すれば、その後のことが動かなくなっちゃう可能性もある。だから、ここもやはり慎重に考えながら事を進めていきませんと、なかなかいいものはつくれないというふうに思っておりますので、そんな決意で取り組んでまいりたいというふうに思います。

足立委員 ありがとうございました。

 以上で終わります。

平井委員長 次に、小池政就君。

小池(政)委員 みんなの党の小池政就です。

 私も連合審査会は初めてになりますが、これだけ大臣がいらっしゃるとは思いませんで、先日行いました予算委員会、テレビ中継はなかったんですが、あちらよりもよっぽどにぎやかな委員会でして、いろいろなことを実はお聞かせいただきたいんですが、きょうはマイナンバーに特定してということでもありますし、また、私の時間、十四分という形でかなり限られていますので、ぜひ手短に御回答いただきたいと思います。

 マイナンバーについて、セキュリティー、主に費用対効果等の面では、我が党の議員初めまして、議論がなされているところをお聞かせいただきました。特に効果につきましては、コスト削減等についての議論はあったんですが、主に財務金融分野からは、納税者の利益また財政規律に対してどういう改善の効果があるかということを少し御確認させていただきたいと思います。

 まず、国民にとっての具体的な利便性の向上についてということで、具体的には、例えば納税者からの確定申告の制度がどうなるかということをお聞かせいただきたいと思います。

 給与所得とか社会保険、また家族情報からの控除等、それはマイポータルの方でも表示されるということではありますけれども、例えば、では、確定申告の際の入力でありますとか証明書の提出等はどうなるのかという点が一点と、また、もう一点は、損益通算に関しても、納税者側から見ての手続等はどう変わるか、お聞かせいただけますでしょうか。

    〔平井委員長退席、金田委員長着席〕

山口副大臣 お答えをさせていただきます。

 御指摘の記入済み申告書が、税務当局が納税者の所得金額や控除金額等を申告書に事前に記入して送付をするものというのを指されておられると思いますが、御案内のとおり、北欧等なんかでもそういう事例があるようであります。実は私も、確定申告は面倒くさいなという感じがあるんですが、我が国では、多くの給与所得者が、実は年末調整によって確定申告が不要となっております。御案内のとおりであります。同時に、番号制度が整備をされたとしても、税務当局においては、事前に所得や控除の金額にかわる十分な情報を把握できるかどうかというふうな問題等もございます。

 しかし、いずれにしても、これは、せっかくでありますから、納税者の皆さん方の利便性に配慮しながら、この番号制度の活用を検討していかなくてはいけないというふうに思っております。

小池(政)委員 損益通算についてはいかがでしょうか。

刀祢政府参考人 お答えいたします。

 今、損益通算というお話でございましたけれども、申告者のさまざまな情報を今後番号制度の中でどのようにやっていくか、いろいろな検討課題がございます。その中で、とりあえず、今議員からお話のございましたような、マイポータルというものの中にどういう情報を載せられるか、これから検討してまいりたいと思いますし、最終的に、今副大臣から御答弁申し上げましたような、納税者の方々がより便利になるようにどうやっていくか、他方、いろいろなものには費用対効果というものがございますので、そういったものをどうしていくか、そこのあたりはしっかりと今後検討させていただきたいと思っております。

小池(政)委員 ぜひ利便性の向上について努力いただきたいと思います。

 また、次に、外国人に対しての番号の付与でありますけれども、中長期の滞在される外国人に対してお聞きしましたら、三カ月以上の外国人に対しての番号が付与されると。これは住民基本台帳との関係だと思いますけれども、その狙い、意図というものはどんな内容でしょうか。お聞かせください。

甘利国務大臣 御指摘のとおりでございまして、個人番号というのは住民票コードをもとに生成されるということは、住民基本台帳に記載されているということが前提になるわけであります。

 でありますから、対象者は、委員御指摘のとおり中長期在留者、それから特別永住者等の外国人住民についてでありまして、お話しのように、例えば観光目的で入国した短期滞在者であるとか、あるいは不法入国者、不法残留者等の外国人には個人番号は付番をされません。

 個人番号を導入する意図というのは、日本に生活をしている住民にとっての利便性や、あるいはそれを対象とする行政の効率化等々、双方にとって便益があるということが前提でございますので、ですから、瞬間的に通り過ぎる方を対象としているものではないということだと思います。

小池(政)委員 私もアメリカにいたことがありまして、あちらでは、山本大臣は御存じだと思いますけれども、どんな外国人でも、働くときには必ずソーシャル的にセキュリティーナンバーを必要とされまして、それは、不法滞在でありますとか不法就労、また不法な入出金等を管理するという意図もあり、そういう面でも、ぜひこちらの狙いとしてもそのような点を考えていただきたいと思います。

 また、社会保障と税の一体改革というものも今進められようとしている中で今回の制度が導入されるんですけれども、税金に関しては国と地方の間で、例えば還付があるものを未収の税に対して充てるということがなされているとは思いますけれども、今度は社会保険と税との間で、例えば税金の還付があったものを社会保険の未払い等に対して直接充てるのは難しいかとは思いますけれども、情報等のやりとりというものは可能だとは思うんですけれども、そちらの検討はいかがでしょうか。

桝屋副大臣 お答え申し上げます。

 今、委員から、保険料の徴収について具体的にお尋ねがございました。

 今委員がおっしゃった、例えば所得情報、国税情報、還付情報について、保険料が滞納になっている方、そうした対応に利用できるのではないか、こういうことでございますが、社会保障関係部局で今の還付の情報がリアルタイムで入ってくるかどうかということは検討しなきゃならぬというふうに思いますが、一概には難しいのではないかという思いもしております。

 いずれにしても、保険料の徴収につきましては、このシステムのいいところは、被保険者が住所を変更した場合、これは情報提供ネットワークシステムを通して、変更前の市町村に対して前年度の所得情報を確認することができる、こういうメリットもあるわけでありまして、保険料の徴収対策についても役立ててまいりたいと思っているところでございます。

小池(政)委員 この件は、レクの際にもちょっとお話をさせていただきましたけれども、税金の還付がある人、税金を払っている人は、当然社会保険を払っているだろうという前提かとは思います。

 ただ、若年世代は、税金は結構払って所得はあるんだけれども、社会保険については、将来返ってくるかわからないということから、払っていない世代も結構多いわけでありますから、ぜひ情報の伝達だけでも検討いただけたらと思います。

 また、現在は、国税庁におきまして、年間給与五百万以下の収入の把握というものができていないという件についても、財金の委員会の方でも議論をさせていただきました。こちらは事業者の負担がかかるという話だったんですが、事業者の方は、負担どころか、一々市町村と国税庁に分けるのが大変であって、できたら統一してもらいたいというような声もありまして、それをお伝えさせていただいたんですが、最終的に国税庁の話をしたら、大臣からはかなり否定的な回答をいただきました。ただ、この点は、またぜひ検討していただきたいと思います。

 同じように、今国税庁が把握していないものとして利子所得があると思うんですけれども、例えば給付つきの税額控除が導入された際に、給与所得は少ないんですけれども利子所得は実は多いという方に対しても、税額控除が一律対応になってしまう可能性があるわけでありますから、こちらも将来的に検討に値すると思うんですけれども、いかがでしょうか。

山口副大臣 お答えをさせていただきます。

 これは、番号制度の本格的な稼働及び定着というのを前提にして、所得の把握あるいは資産の把握の問題、執行面での対応の可能性等を含めて、さまざまな角度から総合的に検討というふうなことにしておるわけであります。

 今回の法案におきまして、税制上の措置として、納税申告書や法定調書等に番号の記載を求めるなどの措置を講ずることによって、実は現状に比して所得把握の適正化とか効率化が図られますが、御案内のとおりで、それだけでは把握できない所得があるわけでありますので、この給付つき税額控除というふうなお話、これからの検討課題でもありますけれども、さらにどのような手当てをする必要があるのかということは検討していく必要があるだろうと思っております。

小池(政)委員 こちらは制度だけではなくて税制との関係にもなると思いますので、そちらも含めて考えていただきたいと思います。

 過去に、政府税制調査会の中でも、金融資産の把握というのも確かに大事ではありますけれども、その前段として、金融所得等についても検討すべきだというような議論もあります。

 また、最後の質問としまして、事業所得に関しましても、こちらも、たしかに事業者の仕入れから売り上げまで全部を把握するというのは大変かとは思いますけれども、過去の税制調査会の中でも、一定額以上のものを対象とするということは、ある程度、税金をしっかり払うということに対して相当の牽制効果があるということも検討されておりますし、こちらもぜひ検討していただきたいと思います。

 時間になりましたので、私からは以上の質問と、ぜひ納税者の利益、また財政規律の改善ということも含めて制度を進めていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

金田委員長 次に、佐藤正夫君。

佐藤(正)委員 早速質問に入ります。みんなの党の佐藤正夫です。

 私の持ち時間は十三分ですので、少し早口になるかもわかりません。

 お手元に今資料を配付させていただいていると思いますが、今回のマイナンバー法案において、これまでの住基ネットの仕組みを、いわゆる今まで住基ネットをやっていた地方自治情報センターを解散して、そして新たに、情報センターといわゆる自治体衛星通信機構を一つのものにして運営をしていくということであります。

 この資料を見ていただいたらおわかりになると思うんですけれども、実は、住基ネットには、初期投資が約三百九十億円、そして運用経費が約百二十億円、これが地方に流れておりました。トータルすると、今までにかかった経費は一千億円を超えています。

 ところが、今回、この住基ネットを廃止してマイナンバーに切りかえる、そのときに、総務省が住基ネットの費用対効果というのを平成二十二年、一応表をお渡ししております、見ていただければと思いますが、お伺いしたところ、この費用対効果に対する検証は実はされていないということなんですね。ちょっとこれはどうかなと。

 検証もせずして、そしてなおかつ、普及率を見ると、何と五%です。五%しか普及もしていない。そしてなおかつ検証もしない。そして、この仕組み、この組織をそのまま移行してやろうとする。例えば民間だったら、よく麻生大臣が言われるんですけれども、予算よりも決算が大事なんだ、おっしゃるとおりだと思います。

 麻生大臣、そこで、今こういう状況で、実際五%しか普及もされていない、総務省としては費用対効果を一応出したけれども、検証もされていない。麻生大臣、どう思われますでしょうか。

麻生国務大臣 御質問の意味は、五%の普及率の話ですか。どちらの話の質問ですか。

佐藤(正)委員 普及率も含めて、一千億以上のお金を投資して、現実には五%しか普及していない、そういう状況なんですね。だから、その中で、実際に検証をきちっとやられていない。

 大臣は予算委員会でも結構言われていましたので、僕はまさにそのとおりだと思うんですね。だから、麻生大臣、よろしくお願いします。

麻生国務大臣 五%というのは、佐藤先生、これは住基カードの話ね。住基ネットは違いますよ。混同されていると間違いますので。住基カードは五%。カード、持っておられますか。(佐藤(正)委員「持っていますよ」と呼ぶ)よかったよかった。さっき質問した人、持っていなかったものね。いや、驚いた。持っていない人が質問したので。

 私どもの方は、これを持っている方の方が少ないのは事実。なかなか、利用率、余りインセンティブがなかったというのが大きな理由だったと思いますね。しかも、入る要素は、決められたものが四つか五つしか入りませんでしたので。

 しかし、今度は、こういったような形になって一緒になりますと、その利用率はいろいろな意味でふえていくというように期待しております。

 細目につきましては、新藤大臣の方から。

新藤国務大臣 佐藤委員、ぜひこれは認識を共有してもらいたいと思います。この住基カードを普及するためのものではなくて、住基ネットというものを入れることが大事だったわけであります。

 それにおけば、本人確認情報の取り扱いが年間で約四億三千万件ですからね。そして、年金現況届であれば四千万件、それから住民票の写しであれば五百二十万件、これは省略されたんです。そして、そういったものを役所にとりに行ったり届けに行ったりとか、そういうようなものも含めて、約五百億ぐらいのいろいろな財政効果が出たということであります。

 先ほど、住基ネットを廃止してとおっしゃいましたけれども、住基ネットは住基ネットできちんと移行するんですよ。その上で、これを基盤としながら、さらに利便性を上げるためのマイナンバーを入れる、こういうことですから、ぜひそこは共有してもらいたいと思います。

佐藤(正)委員 要は、何を言っているかというと、五百十億円が見込まれますということで、実際は検証していないということを言いたいんですよ、現実は。これは、レクでお尋ねしたら、おたくの職員さんがそう答えられたから、だから私はこうやって質問しているんですよ。

 もう一つお尋ねをします。

 今回、両団体を解散して一つの情報システム機構に切りかえるということなんですが、そこで、ちょっとパネルを持ってきました。見ていただければ。

 これは衆議院の調査局の数字をもとにしてつくって、ちょっと大きいので僕が見えなくなってしまうんですけれども。その中で、これまでは、ここの図にあるように、国から地方に運営資金が約百二十億円、自治体に流れる、都道府県も市町村も含めて。そして、国から自治情報センターの方には約二十一・五億円流れていたんですね。トータル、自治体からは今度は七十三・八億円のお金、運営をするためのお金が流れていた、実はこういう構図になっています。

 その中で、この情報センターについて、過去にいろいろな議論がなされてきたんですけれども、二十二年度の事業仕分け、これは、事業仕分けが本当にいいかどうかはちょっと僕も疑問なところがありますが、二十二年の事業仕分けにおいて、見直しを行わなきゃならないと指摘をされたところがあるんですね。それは、まさにこのセンターが、官庁OBの再就職が多いよ、自粛したらどうか、さらには、役員報酬の見直しをしっかりやったらどうか、調達コストを改善してコストの削減を図ったらどうか、実はこういうふうに指摘をされています。

 そこで、総務大臣、その指摘を受けて、過去に何か変わった点があるのか、改善をしたのか。これから今度一体になるわけですから。その状況を教えてください。それは、まず、国家公務員が再就職をしているのか、そしてまた、役員の報酬、今指摘をされました報酬、それから退職金等についてどうなっているのか、総務大臣にお伺いします。

新藤国務大臣 これは、まず、調達見直しをやろうということでありまして、二十三年度予算、前年度比一割の削減をいたしました。

 それから、この自治情報センターの役員等の見直しを行いまして、まず、理事長には技術系の人材を、そして理事には民間出身者を就任させました。

 さらに、役員報酬の見直しで、理事長の報酬を八%、役員報酬を五%、さらにその後にまた理事長の報酬を一〇%削減したということでございまして、そういう御提言をいただいて、それを踏まえて措置をしている、こういうことでございます。

佐藤(正)委員 役員報酬は幾らですか。退職金についても幾らですか。

新藤国務大臣 役員報酬は、常勤理事で年収約千五百三十万、そして退職金は、二年在職していた場合は三百九十万ということでございます。

佐藤(正)委員 どうもありがとうございます。

 そこで、こういう指摘を受けて、天下りの温床になっているのではないかなという指摘も実は片やあったんですね。そこで、今度はこれを解散して統合するということです。

 しかも、解散して統合する上において、実は、今度の仕組みでいきますと、この法律案を見ますと、いわゆる、今までは地方に国から運営資金が入っていましたよね。今度は、この法律を読む限り、第三十二条なんですけれども、「機構の運営に要する費用は、定款で定めるところにより、地方公共団体が負担する。」ということは、これは全額、地方公共団体が負担するんですかね。

新藤国務大臣 これは、基本的には今までと仕組みは同じです。国が情報提供をするための手数料、これは国が払います。あとは、運営は地方公共団体が負担していただきますが、それは交付税措置で行うということでありまして、そもそもがこれは法定で行われるものでありますから、地方の自主性を踏まえて、そして、地域住民の利便性に資するためのシステムだということで、地方に運営していただく。ですから、財団法人を今度はわざわざ共同法人にして、地方の皆さんで組織をつくってもらう、それでそのお金は自分たちで工面していただきますが、それは国が交付税措置を行う、こういう仕組みは今までと変わりません。

佐藤(正)委員 なぜそういう質問をしたかというと、地元に連絡をとってみたんですね、何か心配がないですかと。やはり一番心配しているのは、そこが見えないということだったんですよ。事実、県、市に聞いてみたんですね。そこが不確定なのでまだちょっとわからない、その辺が心配なんだということを言っていたことは事実です。だから、総務大臣、そこはしっかり地方の方にお伝えを願いたい、このように思います。

 先ほど来ずっと、もろもろ質問をしてまいりましたけれども、もう時間が迫ってまいりました。

 自民党のJ―ファイルを見せていただきますと、この中に、「番号制度に関する情報システムについては、」云々、「審査のための第三者機関は天下りのない公平な機関とします。」と書いてあります。大きくなる団体ではありますが、ぜひそこをこれまでと同じような天下りの巣にならないようにしていただきたいと思っております。これはもう時間がありませんので答弁は結構ですが、ぜひ注視をしていただきたいと思います。

 最後になりますが、先ほど来言ってきた住基ネット、システムの全てですが、国民は決してこれはうまくいったと思っていないんです。そして、先ほど住基ネットカードが五%だよと言ったって、これは当初の目的からすれば全くずれている。そういう反省がなきゃだめだと思いますよ。その反省にのっとって、新たなる仕組みを一緒に合体してやっていくわけですから、そこを明確にしていかなかったら、これは税金ですよ、一千億以上のお金をかけて。では、五%の住基ネットカードが、五%で納得しているのかどうなのか。まさにその辺はしっかりと精査をしていただかなければいけないということを、麻生大臣、よろしくお願いしたいと思います。

 終わります。

金田委員長 次に、柏倉祐司君。

柏倉委員 よろしくお願いします。十三分ということで、早速質問に入らせていただきます。

 いろいろな背番号行政が各国でやられているとは思います。

 そこで、まず総論として、日本がどういったようなスタンスでこの番号行政に臨んでいくのかというところをお尋ねしたいと思います。

 あえて分けますと、北欧型、アメリカ型、ドイツ型というように分けられると言った学者の先生たちもいらっしゃいまして、つまり、国による統制が強いけれども非常に利便性が高い、これはスウェーデンの番号行政だというふうに言っております。そして、非常に利便性は高いけれども国の管理がずさん、ずさんというよりはもう完全にオープンにしているアメリカ型、これはソーシャル・セキュリティー・ナンバーというのが皆様御存じだと思いますけれども、そういったタイプ。そして、非常にセキュリティーががっちりしているけれども利便性も限定されている、これはドイツの納税者番号。これが挙げられると思うんですね。

 これは日本型というものがあっていいとは思うんですが、この番号行政、国は、どういう型ないしどういう日本のタイプ、日本の形というのを編み出していくのか。どの方向性、背番号行政、いわゆる便利と安心のバランスをどうとるかですね。これに関して、大臣のお考えをお伺いしたいと思います。

甘利国務大臣 諸外国の例を見ますと、幅広く使っているところ、あるいは行政分野の一部だけで利用しているところ、あるいは税分野のみで利用しているところ、いろいろあります。

 日本としては、そっくりどこかの制度に入れるというんじゃなくて、おっしゃるように、日本型の制度として取り組んでいきたいと思います。

 具体的には、社会保障、税、それから災害対策の三分野でスタートをする。これは、番号制度を導入する際に、国民の懸念もかねてより届けられているわけであります。でありますから、セキュリティーをしっかり守って、そして、言ってみれば、効能は、いろいろな添付書類が少なくなるとか、あるいは併給調整ができるとか、あるいは税の捕捉がしっかりできるとか、まずは国民の利便性に資するように、そして同じく行政の効率化に資するように、そういう観点からやっていくわけでありますが、それ以降の拡大についてはどうするかというと、三年間行ってみて、その中から得られた知見をもとに、広げていくのか、あるいはまだそこにとどまるのか、検討するということになろうかと思います。

 小さく産んで大きく育てるという言葉を使う方もいらっしゃいますけれども、大きくしていくかどうかは、もちろん、一旦立ちどまって、その間の知見をもとに協議、判断をしたいというふうに思っております。

柏倉委員 どうもありがとうございます。

 ぜひ、いろいろな医療IDとの関連性も含めて、前向きにどんどん発展性のあるマイナンバーの制度にしていただきたいと思います。

 それでは、質問をかわらせていただきます。

 国家資格認証のあり方とマイナンバーについて、お尋ねさせていただきたいと思います。

 このマイナンバーの機能として、本人確認というのが非常に大きな役割になってくるわけでございます。

 そこで、私、ふと思い出したのが、震災のときに金融機関での本人確認ができなくて非常に困ったというような話を思い出しました。そういったものがあれば弱者にとってセーフティーネットになり得る、これは本人認証が客観的にできるすばらしいツールだなと思うんですね。ただ、同時に震災で思い出したのが、にせ医者というものが実ははびこって、医療資格がないのに診療をしていたということも同時に思い出しました。

 そこで、これは質問が前後して申しわけないんですが、まず現状の国家資格のライセンスの認証のあり方、どういった資格は開示をしていて、どういった資格はしていないのか。

 少なくとも、医師免許に関しては、厚生労働省の方が、ネット上で名前を入れれば出てくるというような認証システムを出しております。

 私の理解では、公益性が高いものに関しては、本人の確認をすることなく国が開示をしていけるというのが国の考えだと思うんですが、国家資格の認証、あと、その名前の確認、全般に含めまして政府の考えをお聞かせいただきたいと思います。

向井政府参考人 お答えいたします。

 国家資格につきまして、国家資格を有している者の情報を公開し、検索が可能な例といたしましては、御指摘の医師、歯科医師のほか、薬剤師、弁護士、公認会計士などがあると承知しております。

柏倉委員 非常に公益性が高い職業に関しては、皆さんに確認できるような配慮、サービスを提供しているということですね。

 そこで、これをマイナンバーと組み合わせる。簡単に番号だけをタグづけして、例えば、医療機関でカードをスキャニングする何らかの機械を発明してすれば、その医者がライセンスがあるかどうか、薬剤師さんがあるかどうか。これは、長期的に勤めている病院であれば必要ないんです。ただ、こういう災害医療のとき、必要になることは多いです。そしてまた、健康診断なんかでその場に一回だけ来る、二回だけ来るという医者もいるのはやはり事実です。

 そういったものをきっちり、医療の安心、安全も担保するという意味で、マイナンバーとタグづけをして国家資格を認証できる、そういったものに工夫していく、そういうような政府の姿勢はいかがでしょうか。

甘利国務大臣 確かに、過去に、他人の医師免許のコピーを何らかの方法で取得して、その個人になりきって、にせ医者として随分長い間発覚されなかったという事件がありました。そして、委員御指摘のように、災害等で、そういう番号制度がうまく国家資格と組み合わせればいろいろなことができるではないかということもよく理解するところでありますが、一方で、個人番号というのは国民一人一人に唯一のものとして付与されるものでありますから、システム的には、個人番号により国家資格を確認することは可能でありますけれども、そのためには、資格を検索したい対象者の個人番号が他人に容易に知り得る状態にあり、かつ、その個人番号を他人がパソコン等に打ち込むことを許容できるかという問題があるわけでございます。

 いずれにいたしましても、個人番号の利用範囲の拡大につきましては、番号法附則に基づきまして、先ほど来答弁させていただいておりますとおり、三年を目途として検討を加えて、必要があると認めるときには、その結果に基づいて、国民の理解を得つつ、所要の措置を講ずることといたしているわけであります。

 この三年間、いろいろな知見を国会の中で議論していただいて、三年後の見直しにぜひつなげていただきたいというふうに思っております。

柏倉委員 ありがとうございます。そういった考え方、切り口があってもいいのではないかというような現場の声もあるということを、ぜひ念頭に置いていただければと思います。

 それでは、最後の質問に移らせていただきます。

 今回のマイナンバーなんですが、ポータル機能を持たせるということで、健康診断情報を配信する、あなたはどういう健康診断がここの地域では受けられますよというような情報を配信するというようなことも書いてはあるんですが、実際のところはどうなんでしょうか。

唐澤政府参考人 お答え申し上げます。

 現在、内閣官房におきましてマイポータルが検討されているわけでございますけれども、ここでは、行政機関などの間で行われた情報提供の記録の確認でありますとか、それぞれの方の自己の情報、行政機関の持っているものの確認でありますとか、あるいは行政機関からのお知らせの情報、これはまた健診の情報に該当してくると思いますけれども、あるいはワンストップによる申請、こういうことが自宅からできるようにということで検討しております。

 具体的にはこれから検討という形になりますけれども、今御指摘のございました、例えば健診情報でございますと、今一番問題がございますのは被扶養者の方の健診でございます。と申しますのは、被扶養者の方につきましては、被保険者の方、例えば御主人でございますが、その方を通じて健診の御案内をしているんですけれども、例えば旦那さんが会社に忘れてしまえば伝わらないとかいうことで、かなり受診率が低いというような問題がございます。そういう方に、直接デジタルで健診情報、あるいは場所でありますとか日時もきちんとお届けするようにできれば、被保険者並みの受診の割合などということも期待できるのではないかと考えておりますので、こうした面も含めて、いろいろな活用について検討してまいりたいと考えております。

柏倉委員 このマイナンバー、なぜ健康診断の話題を出したかというと、できるだけ早く医療IDというものをつくってほしいという思いの中で、それは三年後、いろいろな意見を集約して、データを鑑みてということだと思うんですが、今、健康診断というものが、番号がないことによって現場が非常に混乱しているという事実があるんですね。

 まず、健診をするドクター側からすると、同姓同名、同生年月日、実はこういう人が結構いらっしゃる、それを紙ベースで分けていくしかないというのが現状だということなんですね。共通の番号があればきっちりと間違いなくデータが整理できるのに、困っているという声があります。

 そして、健診を受ける側、こういう方も、実は、今、仕事をかわると、保険者でデータが断絶するわけですね。いわゆる健康診断データの死の谷ができてくるわけです。これが続かないと、いかに現状の病気、重症なのかどうかということも、前のデータと比較して初めてわかるわけですから、そういったところ、せっかく受けているのに生かされないというようなものがあるわけですね。

 そこで、単に番号を付与するとは言いません。ただ、医療IDを確立する前に、いわゆる健診ID、健康IDといったものを設けて、この健診業務、事業がスムーズにいく、効率的になる、そして最終的にはアウトプットを高めるというような、こういった考え、取り組みを今後やっていただきたいんですが、どうでしょうか。

金田委員長 時間が参りましたので、簡潔にお答え願います。

唐澤政府参考人 御指摘のございました健診等におきまして、長期にわたって個人を識別できるという番号制度を導入することは非常に価値のあることだと考えておりますので、私ども、プライバシーでありますとかコストの問題でありますとか、あるいは国民の理解の問題も踏まえて、推進について検討してまいりたいと考えております。

柏倉委員 どうもありがとうございました。

金田委員長 次に、高橋千鶴子君。

高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 私は、厚生労働委員会に所属をしておりまして、これまで住基ネットと年金記録、社会保障カードなどについて取り上げてまいりました。社会保障・税番号制度は厚生労働分野とも大いに関係することでありますので、きょうのような連合審査の機会を与えてくださったことに感謝を申し上げるとともに、十分な審議が必要であるということを要望したいと思います。

 まず、一人に生涯共通の一番号を付与する本制度が国民にとってどういう意味があるのでしょうか。第一条「目的」には、「国民が、手続の簡素化による負担の軽減、本人確認の簡易な手段その他の利便性の向上」とあるのみであります。

 番号制度が焦点となった背景には、昨年の一体改革の中で、低所得者対策が必要だという中で位置づけられたと思いますが、それは今回の法案の中にはほとんど位置づけられておりません。

 さらにさかのぼっていきますと、いわゆる消えた年金問題、これを引き金として、歳入庁を創設し、所得の把握を確実に行うために税と社会保障制度共通の番号制度が〇九年の民主党マニフェストに盛り込まれた、こういうことがあったと思います。

 健保ニュース四月上旬号によれば、三月二十八日の自公民三党の協議では、歳入庁の創設について自民党は反対したとあります。

 私は、税と社会保障を、取りやすいからといって一緒くたにするべきではないと考えております。

 歳入庁に関する考えについて伺います。

    〔金田委員長退席、松本委員長着席〕

甘利国務大臣 御指摘の歳入庁についてでありますけれども、昨年成立をしました税制抜本改革法におきまして、自民、公明、民主の三党合意に基づきまして、年金保険料の徴収体制強化等について、歳入庁その他の方策の有効性、課題等を幅広い観点から検討し、実施することとされているわけであります。

 政府といたしましては、先般立ち上げました内閣官房副長官を座長とする関係省庁の政務官による検討チームにおきまして、この税制抜本改革法の規定に基づきまして、年金保険料の徴収体制強化等について幅広い観点から検討を進めているところであります。

 夏前を目途に論点整理をまとめたいというふうに考えております。

高橋(千)委員 本会議の総理答弁と全く同じでございました。結局、多分、現時点ではそれ以上踏み込めないということなのかなと思います。

 ただ、ニュースによりますと、納付が義務づけられている税と同じ扱いで保険料を徴収する方法は国民の理解が得られないと自民党さんがおっしゃったというので、私はその点に賛成であります。やはり一緒にするべきではないという立場でありますので、検討していると言うけれども、ぜひその立場を貫いていただきたいなと思っております。

 そこで、四月五日の内閣委員会の参考人質疑で、日弁連の清水参考人が、我が党の赤嶺議員の質問に対して、罰則で規制するということは実際には不可能と明言をしております。不正利用とは、海外経由の場合もあるんだし、数千件、数万件という事件が起こった中で一件逮捕できるかどうか、せいぜいそういうレベルだと指摘をしている。これは本当に重要だと思うんですね。

 既に流出してしまった事実を、幾ら罰則を強化したり、あるいは逮捕されたとしても、それを取り戻すことはできないし、それどころか、その事実を本人が確認できるかどうか、これが難しいからだと思っております。そういう問題をはらんでいると思うんですね。

 そこで、〇七年に、愛媛県の愛南町というところで、住基情報、年金情報、それから口座情報など、合わせて六万八千四百二十六件が流出した事件がありました。同じ月に、秋田県の北秋田市で、十一万件の住民票コードが流出するという事件がありました。これは厚労委員会で私取り上げたんですけれども、町が委託した先の株式会社が別の会社に再委託を行った、それで、派遣社員が自宅に持ち帰って、自分のパソコンでウィニーの変換ソフトを使ったことで流出しちゃったという、余りにもずさんな事件でありました。当時の柳澤厚労大臣は、官僚が用意した答弁書を投げ出して、「絶対に再委託は認めない」こういう強烈な答弁をしてくださったことがあるわけです。

 要するに、利用するのは幾ら行政機関だからといっても、その先に、結局、民間会社に委託をする、あるいは再委託をするなんということがあったら、やはりそこは、かなり危険性をはらんでいるんだということになるわけですよね。

 それで、もう一度甘利大臣に伺いますが、本法案の第十条には、個人番号利用事務等の全部または一部の委託を受けた者は、当該個人番号利用事務等の委託をした者の許諾を得た場合に限り、再委託することができるものとするとあります。条件つきとはいいますけれども、再委託を認めているのはなぜでしょうか。

甘利国務大臣 まさに、委員御指摘のとおり、条件つきなのであります。

 情報化された社会においては、効率的に情報処理業務を行うに当たりまして、必要に応じて委託であるとか、あるいは再委託を行って効率化を図ることが一般的には行われているわけであります。そのために、個人番号を取り扱う事務につきましても、業務の効率化のための再委託を認めることが相当と考えられるわけであります。

 他方で、この番号法は、再委託に際して、委託者の許諾を要求するとともに、委託者に対して委託先の監督を義務づけるといった、一般の個人情報よりも厳しい規制をかけることで、再委託先における情報漏えいであるとか不適切な取り扱いの防止を図ることといたしております。

高橋(千)委員 先ほど来お話をしたように、効率化という言葉で、一度流出してしまうと取り返しがつかないことになるものを再委託まで認めてしまうということは、やはり私は納得がいきません。まして、やはり再委託というのは要するに丸投げですからね、委託自体がどうなのかということが問われている中で、要するに、委託元の行政が許諾をすれば、監督をすればいいのだと、はなから再委託を認めている、これはやはりちょっと構造上おかしいのではないかと指摘をしたいと思います。

 それで、第十八条、政令で定めるもの、民間事業者等とありますけれども、政令で定めるところにより、総務大臣が定める安全基準に従って、ICチップの空き領域を利用することができるとあります。民間事業者については、当分の間、政令で定めないものにするとは言っているんですけれども、何で利用の範囲を拡大するのに政令なのか、政令でなぜ拡大するのか。お願いします。

甘利国務大臣 御指摘のICチップの空き領域の利用でありますけれども、これは、個人番号カードの本来的な機能を利用するものではなくて、個人番号カードの利便性向上の観点から付加的に認めるものであります。

 一方で、個人番号カードは、市町村が交付する信頼性の高い本人確認手段でありますから、その取り扱いについては一定の制約を加える必要があるために、個人番号カードのICチップに記録することができる者とかあるいは事務を政令で定めるということとしたところでございます。

高橋(千)委員 一つ一つのことをやはり丁寧にやっていかなければならないと思うんですね。

 さらに、廃案になった原案では五年を目途となっていた検討事項が、三年を目途ということで早まっているんですよね。先ほど来の大臣の答弁を聞いていますと、三年を目途に見直す中でということで、どこまでも前のめりのような気がするわけです。

 だから、五年と言っていたものが、検討が早まって、その検討する中身というのが個人番号の利用範囲の拡大について、これは非常に拙速過ぎるのではないか。この拡大というのは、どのような場合を念頭に置いていますか。

甘利国務大臣 先ほど来、この場での質疑でも、すぐやれという注文もつきますし、委員のような、もうちょっとゆっくり、三年よりも五年の方がいいじゃないかという御意見もあります。

 要は、三年たったらやりますということではないんですね。三年の間に積み上げた知見をもとに議論をしてください、その結果、この分野は拡大すべきだというところは拡大するし、してはいかぬということであるならば、それは国会の意思になるわけでございます。三年間実施をすれば相当な知見は集まるであろうという判断のもとにそこの線を引いているんだというふうに御理解をいただきたいと思います。

高橋(千)委員 大臣、最後に聞いたのは、どのような範囲に拡大、民間事業者を思い切り拡大するという意味だと思いますが、どうぞお願いします。

甘利国務大臣 民間事業者に思い切り拡大するということが前提ではございませんで、行政の中でも、先ほど来、いろいろな御意見があります。そして、IT社会のインフラである以上、やはり民間にこの利用を広めて初めて利便性が高まるという御意見もあります。

 最初からどこの分野を特定しているというわけではなくて、三年間の知見でいろいろ御意見があると思います。こういう点はこう改善せよというような御意見や、こういう点はもっと伸ばしていけ、いろいろな話が積み重なってくると思います。その中で英知を結集した結論を出していくということでありますし、もちろん、議会に承認をいただかなければ法案の見直しもできないということになるわけでございます。

高橋(千)委員 ですから、先ほど来議論しているように、そういうことを政令でやるなということであり、再委託を認めるなということなんです。そういうことをもう少し時間をかけて、私は五年でいいなんて一言も言っておりませんから。

 そもそもやっていいとは思っていないんですが、少なくとも、やるのであれば、そういうことも全部検討する、五年後に実態を積み上げて、本当にセキュリティーが大丈夫だよということの実績をつくった上で初めて議論の俎上に上るのではないか、こういうふうに指摘をしたいと思うんですね。

 そこで、厚労大臣に伺いますが、厚労省は社会保障カードについて検討を重ねてまいりました。昨年九月に報告書も出されています。

 医療等IDという形で整理をされているんですけれども、医療等IDを使う範囲、医療といってもいろいろあるわけで、それから介護も医療に関係する分野もある。その範囲と横の連携、いろいろな違う機関がどこまで連携することを検討しているのか、お願いします。

田村国務大臣 社会保障・税番号法案の対象ではないですね、今言われたのは。

 そういう意味からいたしますと、その後、いろいろな議論の中で、とりあえず検討会、これは民主党政権の中においてでありますけれども、検討会が立ち上がって、その報告書が去年の九月にまとめられました。

 その中では、まず、医療情報の連携の対象でありますけれども、これは医療機関それから介護機関さらには医療、介護保険者であります。それと、情報は、主に受けられる診療情報という話になってこようと思います。介護は、受けるサービスの内容等々であろうと思います。

 どういう利用範囲なのかということでありますけれども、一つは、医療機関等々が情報の共有化それから連携の中において、効率化でありますとか、そういうものを図れるというような、一つ、そういう利用の仕方。それから、医療データの収集、分析、こういうものによります医学研究でありますとか、また医療政策、こういうものに活用していけるのではないかという考え方。それからもう一つは、みずからの健康等々の情報に対して、管理しながら、また一方で、閲覧をして自分の健康というものに対してしっかりとした認識を持っていただくというようなことを想定いたしております。

高橋(千)委員 最初に対象ではないとわざわざ言わなくてもわかっています。最後に対象になることを検討されているからこそ議論をしております。

 やはり、健康保険証の番号ですとか、さまざまに番号があるわけで、一つ、個々の番号はその番号で持っていた方が当然リスクは小さいわけですよね。でも、それをいずれは医療の世界では一本化しようとしているということだと思うし、九月の報告書の中では、異なる機関の間で同一人物を識別するために必ず同一の番号を使用する必要はないけれども、ひもつけしておけば連携はできる、そういうことを言っている。

 そういう理解でよろしいかということと、今、医療政策とかあるいは個人の健康管理によく使えるんだとおっしゃったけれども、それは本人の同意を前提としますか。

田村国務大臣 基本的にひもつけというもので今議論があったわけでありますけれども、それは、個人というものが特定できた方がいろいろな意味で分析するのにもいいわけであります。特定といいますか、同じ個人だということでそれがわかった方がいいわけでありますが、もちろんその個人を特定できるような話ではございませんよ。同じ個人という、Aという人間の情報としてわかった方がいいということでありますけれども、個人は特定できないような状況でこれを利用していこうという部分。

 それから、今言われたところは、もちろん本人の同意があることが前提で、個人の健康管理等々で御利用いただくという話であります。

高橋(千)委員 今のひもつけが、個々に番号を持っていて、いやいや、違う機関ですよといってもひもつけができるんだということになると、結局、全部リンクしちゃう、名寄せが可能になっちゃうということがあるので、非常に重大なんだよということを指摘しています。

 それで、今言った、本人の同意が必要なんだということは、実は後で出てくる問題とも絡むと思いますので、大臣がそうお答えになったということをぜひ確認させていただきたいと思います。

 そこで、〇九年の四月の厚労委員会で、私はこのような質問をしました。社会保障カード、当時はそう呼んでいましたので、それを持って医療機関に行くと、ぱっと機関の窓口で資格情報が画面に表示をされる、そうすると、ああ、あなたは保険料を滞納していますね、だから全額自己負担でお願いします、こんなふうになるんですかというふうに質問しました。

 要するに、カードにその人のいわゆる保険料の情報も全部組み込まれているので、それを窓口でやると画面に出てきて、あなたは資格証明書を受け取っている滞納者と同じ扱いになる、そういう説明だったんですね。

 これは、私が想像したのではなくて、厚労省に説明を受けてそういう質問をいたしました。そのときに局長は、健康保険証の機能を持つことを考えていますと答弁している。つまり、健康保険証とカードが同じものになってくる、そういうことですよね。

 そうすると、国保税を滞納すると短期証が出ます。今現在、百二十四万六百五十九世帯。一年以上となると資格証が出ますけれども、今、二十九万一千二百九十一世帯に出ています。つまり、資格証ですから、被保険者の資格はあるんだけれども、窓口で全額払わなければならないという制度ですね。これが命を落とすまで病院に行くのを我慢するという問題にもつながっているわけです。

 でも、こんな面倒くさいことをしなくても、紙で発行しなくてもオンラインでつながっちゃって、時差がなくなっちゃって、窓口で、あなたは滞納者よ、資格はないよ、こんなことをイメージされていますか。

田村国務大臣 社会保障カードの検討時に、医療保険の被保険者資格確認を医療機関の窓口でオンラインで行えるようにすることも視野に入れていたということでありますけれども、ただし、当時の検討においても、保険証が直ちになくなるわけではないというふうに我々承知をいたしております。

 そういうようなことを前提といたしまして、医療情報のための番号制度に関する有識者の検討会の報告書の中において、医療情報のための番号制度の効果の一つとして、今言っておられたようなオンラインによる被保険者資格の確認が挙げられておるということでございます。

 いずれにいたしましても、今後、このような報告書を踏まえつつ、いろいろと関係者の御意見をしっかりとお聞きしながら検討を進めてまいりたいというふうに思っております。

高橋(千)委員 検討の中にあったというお答えだったと思うんです。

 実際に、年金制度でも、年金保険料を滞納している方は国保の短期証を発行できるというふうに法改正をやりました。つまり、違う制度をリンクさせて制裁するのはおかしいと私は反対してきたわけですけれども、結局、年金保険料は高くて払えないけれども、でも病院に行かなきゃいけないので国保は無理しても払っている、そういう人に着目して要するに制裁をして、年金保険料も払わなきゃ病院に行けないよ、行きにくいよというふうなことをするわけですね。しているわけです、現実に。それが税金ともリンクして、もっと厳しい制裁になることも可能になってしまうのではないか。

 給付と負担の適切なバランスとよく言うんですが、結局そういうことにつながらないかと私は思うんです。社会保障制度改革推進法には、自助が基本、社会保険が基本で、負担しない人には給付はないという原則が書かれました。その土台になるのがこの医療等IDであり、いずれマイナンバーとなっていくのではないかと思うんですね。

 そこで、一月二十三日の第一回産業競争力会議では、株式会社ローソン代表取締役社長の新浪氏が、マイナンバーについて次のような主張をしています。

 個人の所得のみならず資産も把握して、医療、介護の自己負担割合に差をつけて、結果的に医療費、介護費の削減につなげる、これにより、大きな社会保障負担となる消費税二〇から二五%の憂慮を払拭していく。

 これは、素直に読むと消費税を上げなくてもいいという意味なので、二十五兆円とか四十兆円という財政効果、つまり縮減効果ということを言っているんじゃないかなと思うんです。つまり、社会保障大幅削減のツールにもなり得る、そういうことを念頭に置いているんじゃないか。どうですか。

甘利国務大臣 この番号制度というのは、情報化社会、電子化社会のいわばインフラということでありまして、この導入に従って直ちに便益があるというのは、添付書類が大幅に削減をされる、あるいは併給調整が極めて簡易にできる、あるいは税の捕捉が今までよりさらに正確にできる等々であります。

 利用者の利便性向上につながるとともに、行政の効率化にもつながる。行政の効率化という点に関しては、結果として各種業務費用が縮減されるという効果はあるかもしれませんけれども、最初から社会保障を削減するために入れるというものではないと思います。

高橋(千)委員 今の、削減しようということをおっしゃった新浪氏、その前段のところで、健康寿命伸長産業の確立ということを言って、予防医療を中心に新たな産業とするべきだと。要するに、健康産業で成長しましょうということをおっしゃっています。マチの健康ステーション、これで挙げているのが、クリニック、調剤薬局、コンビニ、ドラッグストア、なぜこの並びにコンビニが入るのかとちょっと思うわけですけれども。

 しかし、この表現は別に極端な話ではなくて、みずほフィナンシャルグループの佐藤代表取締役社長が主査として、第五回の会議に「健康長寿社会の実現」という取りまとめを発表している。つまり、全体の民間議員の意見になっているわけですね。その中でマイナンバーが同じように書き込まれて、医療関連情報の電子化、共有というふうなことが盛り込まれて、いわゆる健診データ、レセプトデータ、企業がこれらのデータ提供を受けることが極めて困難だということで、結局、先ほど来議論されている機微な情報をもっと企業に解禁せよということが言われている。

 どうですか。厚労大臣に聞いています。

田村国務大臣 まず、ちょっと先ほどの追加で御説明を申し上げますけれども、先ほど、国保の短期証や資格証について、この番号を使うことによって、これはもう画面の表示でわかっちゃうんじゃないか、終わっちゃうんじゃないかということでありますが、これを出している理由は、そもそも、国保を払わない方、保険料を払わない方々がどういうような生活をされておられるかということも含めて、きめ細かく対応するということで、一回窓口に来ていただいていろいろな事情を、お聞かせをしようということでこういう証書を出しておるわけであります。

 そういう意味では、まだこれは決まっておりませんけれども、基本的にそういうところも検討会の中で検討しながら、これをどうするかということを勘案して決めていこうということでございますから、いきなりそういう形で、もう画面に出てくるからそれでオーケーよという話ではないということは御理解をいただきたいというふうに思います。

 それから、今のことに関しては、そうはいいましても、やはり、健康情報等々含めて、これは非常にセンシティブな問題でございますので、それが一方的に企業等々の方に情報が流れて、それによって、成長戦略の中に組み込まれていくというような企業ですよ、そういう簡単なものではないということは十分に認識しておるわけでございまして、やはり個人情報というものは、しっかりと守られながら、その上で利用をされていくというものであろうというふうに認識をいたしております。

高橋(千)委員 時間なので要望にとどめます。

 今とても大事な答弁をされたと思うんですが、同じ、取りまとめがされた三月二十九日の第五回会議では、田村大臣名で、「健康長寿社会の実現と成長による富の創出」と題して、今私が指摘をしたレセプトデータや健診データの活用ということが答弁されていて、民間議員からは踏み込んだ発言だったと歓迎されているわけですよね、大臣の発言が。

 要するに、そういうふうに受けとめられているんです。民間議員がそれぞれ言っていることは、勝手に、自由に言っているのではなくて、総理の指示にもなり、大臣がそれを具体化するという仕組みに今なっている、全体の流れを見るとそうなっているんです。そういう中で今マイナンバーが議論されているということに大変な危惧を持っているということを指摘して、残念ながら時間が来ましたので、また次の機会をお願いし、終わりたいと思います。

松本委員長 次に、鈴木克昌君。

鈴木(克)委員 生活の鈴木でございます。

 まず、社会保障・税の番号について、実は、私は、民主党政権下で政府の一員としてその導入を検討してまいりました。そんなことで、どういう形で私がきょうここで質問をするのかということで見られておるのではないかなと思いますが、その当時から一つ非常に心配しておる点がありました。それはやはり、例の年金記録の問題なんですね。きょうは、それに絞って御質問をしてまいりたいというふうに思います。

 この番号制度の背景の中の一つに、いわゆる年金記録の未統合問題や消えた年金問題というのがあるというふうに思います。国民の社会保障に対する信頼が、例の一連の問題で失われてきたということだと思うんですね。

 したがって、この番号制度の際に、そういったことに対してきちっとした形で、どのように対処できるのか、またしていくのか、その辺のところをちょっとお伺いをしてまいりたいというふうに思っております。

 まず、番号制度と年金記録問題への対応ということの第一問目でお伺いをしたいのは、一度年金記録の問題をおさらいいたしますと、言うまでもありませんが、平成十九年に、年金記録を管理している国の記録に誤りや漏れがあった、そして、誰ともひもづかない、俗に言う宙に浮いた年金記録が五千万件ある、こういうことから端を発したわけであります。この問題解決のために、これまでさまざまな取り組みを行ってきたというふうに承知をいたしております。

 日本年金機構が保有する年金記録のうち、現時点で、いわゆる宙に浮いた年金記録が現在でどの程度存在をするのか、残された年金記録について今後どのように対処していくのか、この年金記録問題に関する現状と今後の対応策について、まず最初にお伺いをしたいと思います。

高倉政府参考人 お答え申し上げます。

 ただいま御指摘ございました約五千万件の未統合記録につきましては、平成十九年七月に政府・与党で決定した方針に基づきまして、ねんきん特別便の送付など、さまざまな取り組みを重ねさせていただきまして、二十四年十二月の時点で、現在で約二千九百万件の記録は解明をされておりますが、お尋ねのございました、いまだ解明されていない記録、これが約二千二百万件残っております。

 これらにつきましては、国民の皆様の御協力を得て、御自身の年金記録を再確認していただく必要があると認識しておりまして、このため、本年一月末からでございますけれども、ねんきんネットを活用いたしまして、インターネットで未統合記録を検索して確認できるようにさせていただきましたほか、これも活用しての年金記録の再確認を呼びかけるキャンペーンを実施しております。

 まだ緒についたばかりでございまして、今後とも、国民の皆さんの御協力を得て記録の解明に努めてまいりたいと考えております。

鈴木(克)委員 まさに、今おっしゃったような状況下でいわゆる番号制度を導入するということは、当然のことながら、二度とこういう過ちを起こしてはならないということだというふうに思うんですね。

 ただ、番号制度を導入することによって年金記録問題が本当に解決していくというふうに思ってみえるのか、年金分野で具体的にこの番号制度は何ができるのか、どういうふうに、効果という言い方が当たっているかどうかわかりませんが、あるのか、その辺はどのように御見解を持ってみえますでしょうか。

田村国務大臣 今二千二百万件がまだ未統合であると。これは、中身が、九百万強と一千万弱、それぞれ、ある程度は結びついたんですが、それこそ郵送して確認をいただいた等々しておるんですけれども、その後返事がなくて結びつかないであるもの、それからもう一つは、そもそも誰なのかわからないというもの、こういうものを合わせて二千二百万件であります。

 これは、仮に番号をつけても、もう過去のものでございますから、これがどの個人とくっつくかということがまずわからないわけでありまして、番号制を導入しても、現行の二千二百万件が統合していくというのは、我々としてもなかなか難しいのかなという認識はいたしております。

 ただ、もう一方で、これからの分に関しましては、もともと、なぜ年金記録問題が起こったかというと、番号自体がいろいろな、自分が入る年金、保険、職をかえるごとにそれが変わっていくわけでありまして、公務員から民間人、そして民間のサラリーマンから今度は自営業なんてなりますと、当然変わるわけですね。しかも、また違うところに勤め直すとまた違う番号がついちゃったりなんかするわけでありまして、そういうもので、結局は、名前、それから生年月日、性別等々で何とかこれを突き合わせて統合しようといたしましたけれども、これがなかなか合わないというのがこの問題の一番大きなところでございます。

 それに、これからのところでは各個人に番号がつきますから、ですから、よほど、全くない番号を初めから申請するときに出すだとか、よほど悪意のもとで誰かに成り済ますだとか、そういうことがない限りは、個人としては、それぞれ、管理といいますか、年金番号、それから自分のマイナンバー、そして氏名、生年月日、男女性別というのが一つしっかりとくっつくんであろうと。

 ただ、そうはいたしましても、全部防げるかというと、これまた、自分が申請する中で年金というものはスタートしますので、申請のときに、もし申請し忘れるなんということがあれば、その中で、記録がまた未統合、もしくは誤った記録がそこで残ってしまうということがあろうと思いますから、完全にはこれで年金記録問題が解決するとは思いませんが、今までのことを思えば、かなり年金記録というものが統合をされていくんであろうというふうに認識をいたしております。

    〔松本委員長退席、平井委員長着席〕

鈴木(克)委員 まさに、三番目にお伺いしたかったのはそこの点なんですね。本当に過去の年金記録問題と同じようなことを、再発を起こさないかどうかということであります。

 しかし、今大臣のあれで、それは人間のやることですから、完全ということは、絶対ということはないというふうに思いますけれども、しかし、国民は新たにまた制度を、巨額なお金を使ってやっていって、それは絶対は言えないまでも、本当にこれはもう二度とこういうことを繰り返してはならない、私は本当にそう思うんですよね。だから、そういう覚悟でひとつやっていただきたい、これにとどめておきます。絶対であるかないかということを、今から不毛の論議をしても仕方がありませんので、本当にこれは絶対に失敗は許されないという覚悟で、担当部局も、もちろん大臣を中心に、徹底してやっていただきたいということを申し上げておきます。

 それでは、ちょっと視点を変えて、現在の社会保険のオンラインシステムというところに話をかえさせていただきたいと思います。

 もちろん、今の情報化社会の中でコンピューターを使わないなんということは考えられないわけでありますが、社会保険オンラインシステムが年間数百億円の運用費を必要としておるというふうに聞いております。しかも、我が国が保有しておる情報システムの中で、この保険の問題は大規模なシステムの一つだというふうに思うんですが、これがいわゆるレガシーシステムだということで、厚労省は平成十八年から二十二年の五カ年でシステム刷新を行う、こういうことをやってきたわけです。

 そこで、社会保険オンラインシステムのレガシー刷新の現状についてお伺いをしたいと思います。

 刷新は完了しておるのかどうか、そしてまた、もし完了していないということであれば、なぜシステムの刷新がおくれておるのか、そのところを御答弁いただきたいと思います。

高倉政府参考人 お答え申し上げます。

 社会保険オンラインシステムの刷新につきましては、御指摘の中でございましたとおり、平成十八年度から開始をしてきておるところではございますけれども、現時点でまだ完了はしておりません。現在の段階としましては、基本設計の補完の工程を進めているという段階でございます。

 そのように時間を要してきております主な要因といたしましては、年金記録問題への対応ということが中心にございまして、年金記録問題の再発防止などのための業務プロセスの見直し等を反映させるべく、基本設計につきましてはさらに修正、補完が必要だ、こういう御指摘をいただき、それへの対応を進めているといったようなこと、あるいはまた、そもそものねんきん特別便の発出でございますとか、記録訂正に伴う再裁定の事務処理等の重要課題への対応、日本年金機構への切りかえ等々の関係で残念ながら遅延をしているという状況でございます。

鈴木(克)委員 今お聞きいただいたように、平成十八年から五年でやりますよ、しかも、年間数百億円かけてきて、いまだ基本設計の補完をやっておると。非常に、どういうことなのか私はよくわかりませんけれども、これは本当にいかがなものかなというふうに思うんですよ。これはもう、毎年数百億円の税金が、国民の皆さんの負担のお金がそこへ投入されておるわけですから、私は、本当に、遅いし、無責任だし、そんなことは許されないというふうに思っております。

 そこで、時間の関係もありますけれども、先ほど申し上げましたように、七年たってもまだ刷新が完了していないということを今お認めになりました。しかも、基本設計もまだ十分完了していない、こういうことをおっしゃったわけですね。そうすると、この番号制度の導入までに年金システムの刷新を完了することができるのか、できないのか、その辺はどうですか。

高倉政府参考人 お答え申し上げます。

 社会保険オンラインシステムは、大きくは三種類、記録管理システム、基礎年金番号管理システム、そして年金給付システム、この三つから構成されております。

 このうちの前二者、記録管理の部分と基礎年金番号管理の部分から刷新に取り組むこととしてきておるところでございますけれども、現在はまだ基本設計は補完工程段階でございますので、さらに早くこれを何とか進めていかなければならないというふうに考えておりまして、現在、鋭意調整を進めておるところでございます。今後のその部分の進め方については、現時点ではまだ関係府省と調整中でございますけれども、できるだけ速やかに進めていきたいと思っております。

 ただ、いずれにいたしましても、その三つ目の年金給付システムまでも含めた全体の刷新という点につきましては、番号制度の導入予定の時期までには全て完了できるとは考えておらないところでございます。

鈴木(克)委員 考えておらないですか。最後にいって、おりますというふうに答弁があるかと思ったら、おらないということですから、私の方が折れちゃいそうであれですけれども。

 いずれにしても、こういうシステムというのはどんどん変わっていくんですよね。始めた十八年のときから比べていけば、もう、飛躍的にそのシステムが上がっているわけですよ。今まだ一生懸命基本システムをどうのこうのと。

 では、一体全体どうなっていくんですかね。しかも、今はっきりと、番号の導入までは、一部ではありますけれども、刷新を完了することはできないと。これは、一体全体、大臣、どうですか。大臣に振って申しわけないけれども、本当にこれは問題ですよ。

田村国務大臣 今も説明をいたしましたとおり、年金記録の再発防止、これをやはり進めなきゃいけない。もちろん、新しい番号が導入される中で、以前よりかはこういう問題が起きにくい、そういうような形になるとは思います。

 しかし、一方で、いろいろな申請手続等々の中で同じようなミスが起こってしまえば、これは人為的ミスも含めての話でありますから、そうするとまた信頼を失うわけでありますので、それをある程度防げるような、そういう仕組みにしなきゃいけないわけでありますから、そこを取り込んでいくといいますか、組み入れていくためには、やはり、いろいろなシステム設計をする中において時間がかかってきておるということで、当初の予想よりもおくれてきておるということは申しわけなくは思っておりますけれども、いいものをつくろうという中においての苦労でございますので、御理解をいただきたいというふうに思うんです。

 その中で、では、今回の新しい番号が本当に大丈夫なのかと。それを導入すれば、また今度、余計複雑怪奇になるではないかというお話であろうと思います。

 今までみたいに完全にクローズドな、そんなシステムを組むんじゃなくて、今度は、やはりある程度今風に、オープン系のシステムを組んでいくわけでございますが、今、基礎年金番号というもの、これはもう基本的には全ての人がついているわけでありまして、今回の新しい番号をそのまま使うのではなくて、この基礎年金番号にひもづけをしていくわけでありますから、外づけでひもづけをしていけば、決して、このシステムを開発していることと、これが複雑に絡み合って余計おかしくなるということはなかろうというふうに思っておりますので、そのような形の中でこの番号制というものを導入していくということを進めてまいりたいというふうに思っております。

鈴木(克)委員 私は専門家ではありませんのでよくわからない部分もあるんですが、よく世の中で、悪貨は良貨を駆逐すると言いますよね。間違ったデータと新しいシステムとを結べば、出てくるのは間違ったデータだ、しまいには、わかりませんけれども、この新しいシステムもその間違ったデータで侵食されるというか侵されてしまう可能性があるんじゃないか、素人の私にはそういうふうに思えるんですよ。

 だから、それはやはり本当に重大な問題だと思いますよ。今の状況で仮につないだとしても、結果的には巨大な無駄を発生させるのではないのかなということを、本当にそう思って心配しておりますので、ぜひひとつ、冒頭申し上げましたように、このシステムに私も若干関与してきたわけですよ。番号制というのは、推進派の一人だと思っていますけれども、ここは非常に私は心配をしております。

山本国務大臣 IT担当大臣として、一言申し上げます。

 先生の御指摘はしっかり受けとめなければいけないと思っています。

 なぜこの社会保険オンラインシステムの刷新が難航しているかということについてはもう繰り返しませんが、今国会で、まさにこの委員会に政府CIOの法案を出させていただいていまして、これをぜひ可決させていただいて、新しいCIOをつくって、いわゆる司令塔機能をしっかり発揮してもらって、特にこのオンラインシステムについても適切な支援をやってもらおうというふうに考えています。

 CIOについては、支える体制の整備もしっかりやらなきゃいけないと思っていまして、四月から、政府CIO室のスタッフとして新たに七名の政府CIO補佐官も採用しましたので、CIOを通してもしっかりこの問題に取り組んでまいりたいと思います。

 それから、済みません、さっきちょっとレガシーシステムについて間違えちゃったんですが、衆議院の連合審査の武正さんの質疑で、二十三レガシーシステムを十三に刷新してと言いましたけれども、三十六のレガシーシステムのうち二十三を刷新して、十三が残るレガシーシステム、これのオープン化に取り組んでいますので、ちょっとだけ、済みません、訂正もさせていただきました。

鈴木(克)委員 まさに、今IT担当の山本大臣からお話がありました政府CIO、ここに期待をするというところでありますが、今御答弁の中にもあったように、やはり、全てCIO一人でできることではないわけですから、それを本当に支える体制というのを真剣につくっていただきたい、このことを私も強くお願いしておきたいと思います。

 それで、これもやはりお聞きしておかないかぬと思うんですけれども、先ほどから繰り返しておりますけれども、番号制度導入までにこのシステムが、またシステムの改修がうまくいかなかったというときは、やはり大臣としてどういう責任、責任というのは非常に答えにくいかもしれませんけれども、本当にどういう覚悟でやられるのか、もう一度私はお聞きをしておきたいというふうに思います。

田村国務大臣 これは本当に、まさに年金に対する信頼性にかかわってくるわけでありまして、これだけ多くの方々が、年金記録問題で年金に対して信頼性を失った、こうやって言われるわけでありますから、今度新しくシステムを刷新したときに、同じような混乱が起こって記録がどこに行ったかわからないなんという話になっちゃったら、これはもう本当に年金が成り立たないわけでありますから、そのような形にならないようにしっかりと取り組んでいきたいと思っております。

 今山本大臣も申されましたけれども、やはり政府CIO、これがしっかりと各省庁と連携して、ICTの言うなれば投資に対してより効率的に働いていくような、そういう役割を果たしていただかなきゃならぬわけでありますから、我が省のいろいろなシステムに関しましても、政府CIOにお力をおかしいただきながら連携をさせていただいて、万全のものにしてまいりたいというふうに思っております。

鈴木(克)委員 しっかりお願いいたします。

 質問の最後に、やはり歳入庁の話をちょっとどうしてもお伺いしておきたいんですが、やはりこの番号制度導入と同時に、あわせてといいますか、歳入庁が必要であるということであります。

 いわゆる歳入庁の創設と番号制度をあわせて導入することによって、公正な税それから保険料の徴収を行って、それによって歳入欠陥を減らして徴収コストを下げる、こういうことで結果的には税金の無駄遣いをとめることができる、こういうふうに私は思っておるわけですよ。

 したがって、何か政権がかわったら歳入庁の話がどこかへ飛んじゃった、先ほども高橋議員からありましたけれども、そのことについて最後に確認をしておきたいし、状況をお話しいただきたいと思います。

甘利国務大臣 先ほど来答弁させていただいておりますが、この歳入庁構想というのは、委員よく御承知のとおり、昨年成立をしました税制抜本改革法において、自民、公明、民主、この三党合意に基づいて、「年金保険料の徴収体制強化等について、」と、その「等」の中で、歳入庁その他の方策の有効性であるとか、あるいは課題等を幅広い観点から検討し、実施することとされているわけであります。

 でありますから、政府といたしましては、官房副長官をその長として、徴収体制の強化等、その中で、歳入庁その他どういう方法がいいかということについて議論をしているところでありまして、夏までには論点の整理を取りまとめたいというふうに思っております。

鈴木(克)委員 最後に要望で終わらせていただきます。

 番号制度は、信頼できる社会保障制度を再構築し、安全、安心を実感できる社会、地域が主役の社会を実現していくために重要な手段の一つだ、このように思っております。そのためには、番号制度に関係する各大臣がきちんと連携をとって、国民の利便性を第一に考えて、積極的にこの制度を利用しようという姿勢が大事だというふうに私は思っています。

 番号制度の導入に期待をしております。私も地方の出身ですけれども、首長の出身ですが、そういったことに期待をしておる地方自治体の意見もしっかり聞いてこの体制を進めていただきたい、このことを最後に申し上げて、質問を終わります。

 ありがとうございました。

平井委員長 以上で本連合審査会は終了いたしました。

 これにて散会いたします。

    午後五時二分散会

     ――――◇―――――

  〔参照〕

 行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律案

 行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案

 内閣法等の一部を改正する法律案

 地方公共団体情報システム機構法案

は内閣委員会議録第四号に掲載


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