デジタル社会の形成を図るための規制改革を推進するためのデジタル社会形成基本法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議
政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用等について遺憾なきを期すべきである。
一 デジタル化の推進により、人手不足の解消や新しい産業の創出が期待される一方、雇用が失われる懸念があることに鑑み、労働移動が公正なルールに基づいて行われるよう留意すること。
二 令和五年一月、国土交通省近畿地方整備局の河川監視カメラに不正アクセスがあった事案を踏まえ、不正アクセスや情報漏えい等を防止するため、セキュリティ対策の一層の向上を図ること。
三 標識、利用料金等の書面掲示規制の見直しに当たっては、適用除外となる中小・零細事業者の範囲を適切に定めた上で、周知徹底すること。また、今後、法令改正を行う必要が生じたとしても、中小・零細事業者に対するデジタル化の強制とならないよう留意すること。
四 定期検査・点検規制のデジタル化に当たっては、事故が発生した際の責任の所在に留意しつつ、安全性の確保に万全を期すこと。また、安全性を確保する手法として、デジタル技術を過信せず、人的な技術力の向上にも努めること。特に、保育に関する規制については、こどもの生命や身体の安全を守り、保育の質を維持するため、原則、年一回以上の実地検査を行うこと。
五 土地区画整理事業における建築物等の移転又は除却に関する公告等のデジタル化に当たっては、デジタル技術に不慣れな人も情報を得ることができるよう配慮すること。
六 警備業、自動車運転代行業及び探偵業に関する認定証や届出証明書の廃止に当たっては、認定を受けた事業者や届出をした事業者の信用性を担保するとともに、消費者トラブルを防止するため、必要な対策を講ずること。