刑事訴訟法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議
政府及び最高裁判所は、本法の施行に当たり、次の事項について格段の配慮をすべきである。
一 位置測定端末の規格の設定等に当たっては、位置測定端末を装着していることができるだけ外部から目立たず、身体の動きを極力妨げないものとする等、保釈中の被告人のプライバシーの保護及び行動の自由等に十分に配慮したものとすること。
二 位置測定端末を装着した被告人の所在禁止区域への立ち入り等が発生した場合に、迅速に状況を確認し、勾引をすることができるよう、十分な訓練の実施や関係機関との連携体制の確立等に努めること。
三 保釈中の被告人に係る端末位置情報を表示して閲覧することができる者及び閲覧することができる場合を限定した趣旨に鑑み、閲覧設備の運用に当たっては、端末位置情報が漏出することがないよう適切な措置を講ずること。
四 監督者を選任して行う保釈については、監督者として選任される者にとって過度の負担にならないよう留意するとともに、監督者を得られないことを理由として保釈される場合が限定されることがないよう、制度の趣旨を周知すること。
五 本改正における逃亡防止措置の新設の趣旨を踏まえ、被告人や刑が確定した者等の身柄の確保及び護送等の場における逃亡防止に万全を期すとともに、必要な体制の整備に努めること。
六 犯罪被害者等の氏名等の情報秘匿制度の運用に当たっては、性犯罪の被害者等の権利の保護という目的の実現を図るとともに、公判における被告人の防御に実質的な不利益が生ずることがないよう、被害者側及び被告人側の双方の権利に十分に配慮するよう努めること。