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   民法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議

 政府及び最高裁判所は、本法の施行に当たり、次の事項について格段の配慮をすべきである。

一 嫡出の推定が及ぶ範囲の見直し及びこれに伴う女性に係る再婚禁止期間の廃止など本法による改正内容について十分な周知に努めること。特に、本法の施行の日前に生まれた子に適用される子及び母の否認権の行使については本法の施行の日から一年間に限り認められていることに鑑み、対象となる無戸籍者等に対する周知が遺漏なく行われるよう努めること。

二 本改正が無戸籍者対策として行われることに伴い、無戸籍者が司法手続を利用しやすくするための支援や、行政サービスを受けられるよう、関係機関が綿密な連携に努めること。

三 母や子が父を相手に否認権を行使するに当たり、DVや児童虐待等がある場合があることを踏まえ、相手方と対面することなく、また、相手方に住所等を知られることなく手続を行うことができる措置を講じるなどの柔軟な運用について周知すること。

四 本法施行後も、本改正が無戸籍者問題の解消に資するものとなっているかを継続して検証し、必要に応じて、嫡出推定制度等について更なる検討を行うこと。

五 国籍法第三条の改正により、国籍取得後に事実に反する認知が明らかとなった場合には、認知の無効を争うことができなくなった後であっても当該認知された子の国籍取得が当初から無効であったこととなり日本国籍が認められなくなることを踏まえ、無国籍者の発生防止の観点や日本人として生活していた実態等を十分に勘案して、帰化又は在留資格の付与に係る手続において柔軟かつ人道的な対応を行うこと。

六 民法の懲戒権の規定に関しては、児童虐待の口実として使われることを防止するために当該規定の削除等が行われることを踏まえ、体罰等は許されないという認識を社会全体で共有するために積極的かつ細やかな広報活動を行うなど、本改正の趣旨についての周知徹底及び関係機関との連携に努めること。

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