出入国管理及び難民認定法及び出入国管理及び難民認定法第二条第五号ロの旅券を所持する外国人の上陸申請の特例に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議
政府は、本法の施行に当たり、次の事項について格段の配慮をすべきである。
一 電子渡航認証制度(JESTA)の導入に当たっては、収集する情報の項目を、適正な出入国在留管理及びテロ対策のために必要不可欠な範囲に限定すること。また、保有する情報の管理に当たり、サイバーセキュリティ対策に万全を期すとともに、通信障害や災害発生のリスクを想定したバックアップ体制を含む堅牢な情報通信システムの構築等運用の継続を図るための措置を講じること。
二 JESTAの審査における透明性及び公平性を確保するため、不認証とした件数を公表すること。また、JESTAの運用に係る継続的な検証を行い、統計資料の定期的な公表を通じて、その透明性の向上に努めること。
三 JESTAの導入により、難民を含む真に保護を必要とする者の我が国への渡航及び入国が不当に妨げられることのないよう、関係国際機関と緊密に連携するとともに、国際的な人道支援の観点から十分な配慮を行うこと。
四 政令により在留資格の変更許可等に係る手数料の額を定めるに当たっては、在留外国人、難民支援団体、外国人労働者を雇用する企業等の関係者の意見を幅広く聴取した上で、その金額が過度な負担とならないよう配慮するとともに、諸外国の手数料水準に関する調査結果を公表し、算定根拠を明確にすること。
五 「経済的困難その他特別の理由」により手数料が減額又は免除される場合について、具体的な要件や判断基準を定めたガイドラインを速やかに策定し、周知徹底を図ること。その際、人道上の観点から特段の配慮を要する者については、当該外国人の置かれている状況を踏まえ、個別の事情に応じて適切に減額又は免除の対象とすること。なお、手数料の改定が、「経済的困難その他特別の理由」に当たらない者においても、在留資格の変更許可等の申請に不当な影響を与えないよう、配慮すること。
六 JESTAに係る手数料及び改定後の在留資格の変更許可等に係る手数料の歳入額を明らかにするよう努めること。また、徴収した手数料を適切に活用し、日本語教育の支援や相談体制の拡充など多文化共生社会の実現及び外国人施策の充実強化に向け、必要な予算措置を講ずること。
七 JESTAの導入による不法就労・不法残留への抑止効果や、在留資格の変更許可等に係る手数料額の引上げが在留手続の履行に及ぼす影響について継続的に調査・分析を行い、その結果に基づき、必要に応じて制度や運用の在り方の見直しを検討すること。
八 本法の施行に当たっては、国内外への十分な周知広報を行うとともに、適正かつ迅速な事務処理を担保するため、人員の確保及び入管行政の更なるDX化に向けた予算措置を含め、必要な体制の整備を図ること。

