保険法案及び保険法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案に対する附帯決議
政府及び関係者は、本法の施行に当たり、次の事項について格段の配慮をすべきである。
一 保険契約が国民にとって公共性の高い重要な仕組みであることに鑑み、本法の立法趣旨や本法で新設された制度の内容について、保険契約者等の保護の視点から国民への周知徹底を図ること。
二 本法が、保険契約、共済契約等の契約に関する規律を定める法であって、組織法や監督法の一元化を図るものではないことを確認すること。
三 告知義務の質問応答義務への転換や告知妨害に関する規定の新設により、告知義務違反を理由とする不当な保険金の不払いの防止が期待されていることを踏まえ、改正の趣旨に反しないよう、保険契約者等に分かりやすく、必要事項を明確にした告知書の作成など、告知制度の一層の充実を図ること。
四 保険給付の履行期については、保険給付を行うために必要な調査事項を例示するなどして確認を要する事項に関して調査が遅滞なく行われ、保険契約者等の保護に遺漏のないよう、約款の作成、認可等に当たり十分に留意すること。
五 重大事由による解除については、保険者が解除権を濫用することのないよう、解除事由を明確にするなど約款の作成、認可等に当たり本法の趣旨に沿い十分に留意すること。
六 未成年者を被保険者とする死亡保険契約については、未成年者の保護を図る観点から適切な保険契約の引受けがされるよう、特に配慮すること。
七 雇用者が保険金受取人となる団体生命保険契約については、被保険者となる被用者からの同意の取得に際しては当該被用者が、また保険給付の履行を行うに際してはその家族が、保険金受取人や保険金の額等の契約の内容を認識できるよう努めること。