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   環境影響評価法の一部を改正する法律案に対する附帯決議

 

 政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。

一 本法成立後、建替えの要件を政令で定めるに当たっては、環境負荷の低減と環境影響評価手続の合理化がともに実現できる基準を定めるとともに、当該政令の適用に当たっては、ガイドラインを作成するなど、建替事業実施後の新設工作物に関して、確実に環境負荷の低減が確保されるよう事業者への周知に努めること。また、適正な環境配慮を行っている事業者に向けては、建替事業の際の環境影響評価項目の絞り込み等更なる手続の合理化を図ること。

二 環境影響評価手続において事業者等が作成する図書について、国が保有するデータベースへの統合も視野に入れ、国民や他の事業者等が有用な情報を十分に利活用できる方策を検討すること。また、今後の事業による環境影響の低減に資するため、国において、当該図書についての分析を進めること。

三 風力発電及び太陽光発電は、環境影響の程度が規模ではなく立地に依拠する場合があることを踏まえ、小規模な風力発電及び太陽光発電についても適正な環境配慮が確保される施策を早期に検討し、所要の措置を講ずること。また、地球温暖化対策の推進に関する法律に基づく促進区域制度を活用するとともに、環境を保全する地域を設定するなど、環境への影響が小さいとされる適地へ事業を誘導していくため、ゾーニングの実施に係る課題を抽出し、地方自治体の取組を支援すること。

四 環境影響評価制度をはじめとする対話プロセスを通じて、早期の段階より地域住民等からの不安や懸念の声に真摯に応えるとともに、多様な意見の尊重に努めるよう事業者等への周知を十分に行うこと。

五 特定の地域に複数の事業が集中することによる累積的な影響評価について、標準的な手法が定まっていない現状に鑑み、統一的な基準となるガイドライン策定のための調査を開始し、早急に策定すること。

六 現行法の環境保全措置の実施状況の報告にとどまらず、事業開始後に顕在化した環境影響が確認された場合には、事業計画や環境保全措置の見直し・変更を促す仕組みを早急に検討すること。

七 諸外国等で実施されている、個別事業の計画・実施の枠組みを与えることになる上位の計画や政策の検討段階における戦略的環境影響評価の導入に向け、具体的な検討を早急に開始すること。

八 事業内容に変更等があった場合に事業者による環境配慮手続を再実施すること等を確実に担保するための方策や、法対象規模を下回る事業に係る効果的かつ効率的な環境配慮の確保等について速やかに措置する必要性に鑑み、本法附則第四条に基づく検討時期を待つことなく不断に見直しを行い、必要な措置を講ずること。

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