自然公園法の一部を改正する法律案に対する附帯決議
政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。
一 国立・国定公園内における質の高い自然体験活動の促進に当たっては、環境教育の機会でもあることを踏まえつつ、利用者へのルールの周知や利用状況のモニタリング等を進めることにより、適正な公園利用とともに公園管理の質の向上や自然環境の保全に資するよう、適切な運用を図ること。
二 地域主体の利用拠点整備改善計画の策定及び同計画に基づく事業の実施について、住民・環境保護団体・有識者等多様な関係者の連携の下での地域協議会における円滑な合意形成をはじめ、地域の状況に応じた利用拠点の魅力向上に向けた取組に必要な支援を行うこと。
三 国立・国定公園における管理運営について、その担い手となる自然保護官等の必要な人材の確保等を通じて、その管理運営体制の一層の充実強化を図ること。
四 国立公園満喫プロジェクトの実施に当たっては、生物多様性の保全の観点から、自然環境の情報収集・調査等に引き続き取り組むとともに、自然環境の保護強化の取組による成果についても適正に評価し、その結果を広く周知するよう努めること。
五 気候変動に伴う生態系の分布や景観の変化を考慮して、国立・国定公園において気候変動への適応に十分配慮した保全と利用の両面からの対応策の検討及び適正な管理の実施等に確実に取り組むこと。