特定高度情報通信技術活用システムの開発供給及び導入の促進に関する法律及び国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構法の一部を改正する法律案に対する附帯決議
政府は、本法施行に当たり、次の諸点について十分配慮すべきである。
一 令和三年度補正予算関連である本法の緊要性を踏まえ、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構における特定半導体基金の設置を速やかに進め、国内における特定半導体及びその生産に必要不可欠な半導体材料等の安定的な確保に資するための施策に早急に着手すること。
二 特定半導体生産施設整備等に係る計画の認定に当たっては、事業者による認定申請を促し、かつ認定手続の客観性を担保するための明確かつ適切な認定基準をなるべく早急に定めるとともに、半導体産業に精通した外部専門人材等の有識者の活用に努める等、適切な認定の実施に向けた体制の整備に万全を期すこと。
三 特定半導体生産施設整備等事業者への支援に当たっては、その効果が支援を受けた事業者及び関係者に留まらず、我が国の半導体産業の発展及び半導体サプライチェーンの再構築並びに国民の生活の向上に資するものとすること。
四 特定半導体基金による助成の実施が多額の国費を用いるものであることに特に留意し、国内における安定的な半導体の供給の確保のため事業者と連携して認定計画の着実な実施に努めるとともに、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構において新たに造成される基金の複数年度にわたる適正な管理・運用を期すための体制整備を着実に進めること。また、当分の間、基金事業による特定半導体の生産施設整備、生産確保の状況等について、政府において責任を持って把握して国会へ報告し、国民の利益にかなう説明を行うこと。
五 我が国の半導体産業が長期にわたり低迷している現状を踏まえ、政府におけるこれまでの半導体政策について十分に検証を行うこと。また、その評価を踏まえて、今後における中長期的な内外の情勢変化や技術革新の進展等の動向に対応して、安定的な半導体供給の確保及び半導体関連産業の適切な育成が継続的に行われるよう、今後の関連政策の在り方について検討を進めるとともに、次世代半導体の研究・開発の支援について必要な予算を確保すること。
六 我が国において、半導体産業の人材が不足している現状に対処するため、大学・高等専門学校等における当該学科の魅力度の向上を始めとする人材育成及び海外からの人材受入れに必要な取組を行うこと。併せて、機微な技術や情報を有している人材の海外流出に歯止めをかける実効的措置を検討すること。